過去ログ - 一色いろはは諦めきれない
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:25:11.96 ID:7ApHxlU3o
※注意点

・いろは人称です
・モノローグたぶん多いです
・想像と自己解釈で書いてる部分が多いので、他の人と解釈が違う部分もあるかと思います
・いろはも可愛いですね


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2:名無しNIPPER[sage]
2015/05/21(木) 22:27:25.61 ID:ffI214zUO
期待


3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:28:07.07 ID:7ApHxlU3o
【わたしは】

えぇー……なに、なんなんですかこれ……。

先輩に今日の会合がなくなったことを伝えに奉仕部の部室に来たんだけど、漏れ聞こえてくる声からするとどうも和やかな雰囲気じゃなさそうだ。
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:29:15.37 ID:7ApHxlU3o
イベントを助けてもらおうとして来た時も妙な雰囲気で、先輩一人だけで手伝ってるままだし、もしかしたらやっぱりなにかあったんですかね?

このまま聞いてるのも悪いかなーとも思ったけど、何を話しているか知りたいという興味の方が勝ってしまった。

そのまま扉の前で漏れてくる声を聞く。
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:30:19.54 ID:7ApHxlU3o
先輩………………泣いてる?

俺は、本物が欲しい。

呻くように、絞り出すように、誰かにすがるように放たれた先輩の言葉が響く。
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:31:31.97 ID:7ApHxlU3o
けどすぐに、そこに誰もいなかったかのように振り向くと、そのまま階段を上へ駆けていった。

わたしはまだ動けずにいた。

部室の中では結衣先輩が懇願するように先輩に話しかけている。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:32:48.80 ID:7ApHxlU3o
うわ、わたし超怪しい……。

これじゃバレるかもしれないと思ったけど、そんなことを気にしていたのはこの場でわたしだけだった。

「いろはちゃん?ごめん、また後でね」
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:34:26.14 ID:7ApHxlU3o
おもわず先輩のブレザーを掴んでしまった。

少しだけの嫉妬と疎外感があった。

はぁ……先輩たちには仲良くしてほしいですし、ちゃんと伝えますかね……。
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:36:00.96 ID:7ApHxlU3o
だから、追いかけて続きを見たいとは思わなかった。

きっと、嫉妬と疎外感が大きくなって、虚しくなるだけだから。


以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:37:25.61 ID:7ApHxlU3o
この時は頭でよくわかっていなかったけど、わたしの心の奥底で燻っていた、僅かな願望に火を灯すには十分だったみたい。

さっきまでわたしを足止めして動けなくしていたその言葉は、すぐにわたしを突き動かす不思議な力に変わっていった。

そして、わたしの目の前を駆けて行った先輩たち三人の間に、これまでにわたしが諦めていた何かが見えた気がした。
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:38:38.68 ID:7ApHxlU3o
まあ、周りの女子からあまり好かれてはいないことは知ってましたけどねー。

ちょっと手の込んだことやりすぎじゃないですかね……ムカつくー……。

顔にはあまり出さないように、心の中でこんなことをした連中に悪態をついていると、城廻先輩がほわんとした顔で「どうかしましたかー?」と言わんばかりにこちらを覗き込んでくる。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:39:39.28 ID:7ApHxlU3o
まあだからわたしはこんな目にあっているわけなんですが……。

それは置いといて、女子同士ならすぐにわかるのに、男子はもう、それはもうビックリするほどに騙される。

まるでジャグラーにでもなったかのように手玉に取れるので、おもし……たまに気の毒になることすらある。
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:40:37.73 ID:7ApHxlU3o
「あ、あのー……わたし、立候補とかした覚えないんですけど……」

ようやくそれだけを話すと、城廻先輩は不思議そうな表情を浮かべて首を傾げる。

くっ、あざと……くない!城廻先輩本物だ!もういやこの人!
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:41:42.46 ID:7ApHxlU3o
城廻先輩は真っ直ぐにわたしを見つめ、優しく諭すように話す。

「……もう、立候補は取り消せないってこと」

はー…………マジ、超めんどー…………。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:42:29.37 ID:7ApHxlU3o
たぶん妬まれている、というほうが正しいんだと思う。

だって、自慢でもないけど、わたしは可愛いし。

わたしは入学して割とすぐ、葉山先輩に目をつけた。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:43:29.09 ID:7ApHxlU3o
そんな風にして葉山先輩やおまけで戸部先輩にも近い立場にいるし、同じ学年のいろいろな男子からかなり言い寄られてることもある。

だから、わたしを良く思わない女子がたくさんいるんだろう。

でもそんなの、はいはい妬みに僻み、お疲れさまでーす、ってなもんです。わたしからすれば。
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:44:51.35 ID:7ApHxlU3o
それの、どこが悪いんですか。

……ほんと、くだらない。

生徒会長とかやりたくもないし、しかも信任投票。
以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:45:50.54 ID:7ApHxlU3o
そこで初めて知った奉仕部の存在。

なんでも生徒の相談事を聞いて、手助けしてくれる部活らしい。

はー……変わったことをやる人たちがいるもんですねー……。
以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:48:30.39 ID:7ApHxlU3o
特別棟の入ったことのない部屋の扉をくぐる。

中には結衣先輩と、噂で聞いたことのある雪ノ下先輩と、どこかで見たことがあるような気がする、変な目をした男の人がいた。

これが、わたしと奉仕部と、先輩との出会い。
以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:49:38.89 ID:7ApHxlU3o
まあわたしが生徒会長にならなければなんだっていいんですけどね……。

そう思ってたのに、最終的には先輩に乗せられる形で生徒会長を引き受けることになった。

釈然としない部分はいくつかあったけど、一年生なのにサッカー部のマネージャーと生徒会長を兼任する健気なわたし☆という先輩の言葉は確かに魅力的だった。
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:50:45.48 ID:7ApHxlU3o
簡単に手玉に取れそうなタイプの男子に見えたけど、そうじゃないみたい。

わたしが望むわたしの姿、その方向性を理解している。

つまり、わたしの作っている部分を見透かした上で、それでも構わないと後押しをしたことになる。
以下略



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