過去ログ - 【アイマス】レモンのサプリメント
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14: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:50:43.90 ID:no/VhTCJo

案の定如月さんは固まってしまった。
彼女が立ち直るよりも早く、畳み掛けるように言葉が続く。

「歌はうまいけどそれだけ。自分だけで完結して満足してるなら一人でカラオケでもしておいで。歌手志望のアイドルだか何だか知らないけど、なんで人前で歌おうと思ったの?誰かに認めてもらいたいとか?伝えたい想いがあるとか?どっちにしても無理だけどね」

横目で如月さんの表情をうかがう。
ほとんど思考停止の状態のようだ。

「MCは無愛想、振付は中途半端。歌のついでにとりあえずやってる感がビシビシ伝わってきたよ。何?ウチが小さなハコだからって舐めてるの?」

コイツがここまで本気で毒を吐くのも珍しい。
如月さんの才能は、やはり本物ということだろう。

「舞台ってのはさ、単に歌えばいいわけじゃないのよ。自分を表現する場なの。自分の全身全霊を相手にぶつけるのが最低限の礼儀。今日君はそれをした?」

「私はっ」
「君の後に舞台に立った奴ら見た?歌は下手糞、パフォーマンスもまるでなってない。でも客は君の時よりも盛り上がってたよね」

ようやく回復してきた如月さんに、更なる追い打ちをかける。

「なんでか分かる?アイツらにはさ、夢があるんだよ。何が何でも夢を叶えたいっていうガムシャラな情熱があるんだよ。できるできないじゃない。やりたいことに必要ならどんな努力も惜しまない。その姿勢は少なからず相手に通じるもんだ。で、君はどう?」

「……私は歌が歌いたくて」

「言ったよね。歌いたいだけならカラオケ行っておいでって。なんで舞台で歌いたいの?誰に向けて歌うの?何を伝えたいの?それすらわからないなら宝の持ち腐れだから、君の歌の才能をアイツらに譲ってあげて」




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