過去ログ - 【アイマス】レモンのサプリメント
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1: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:32:36.14 ID:no/VhTCJo
早起きは三文の徳
果たしてこれは、眠れずに夜を明かした人間にも当てはまるのだろうか?
空が白みだし、仕方なく外へ出る。
当て所なく歩いていると自宅から少し離れた川にたどり着いた。
--このあたりなら、あまり迷惑にはならない、かな?
最近、こんなことばかり考えてしまっている。
そんな時、私は、彼女に、出会った
〜〜〜、〜〜〜〜〜、〜〜
朝日に照らされる川面を前にして、歌っている女性。
気づくと私の頬に一雫、涙が伝っていた。
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2: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:33:36.89 ID:no/VhTCJo
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こちらが何とかしたいと思っても、そう上手くいかないのが現実というもので。
昼下がりの公園、私はベンチで頭を抱えていた。
3: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:34:08.58 ID:no/VhTCJo
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数日後
「諸君、我が765プロに新しい仲間が加わることとなった。そして、彼には諸君らのプロデュースを担当してもらう」
4: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:35:54.85 ID:no/VhTCJo
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--君には如月君のプロデュースを担当してもらおうと思う
5: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:39:06.16 ID:no/VhTCJo
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目的地に着き、如月さんのトレーニングが一区切りつくのを待って部屋に入る。
6: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:40:15.79 ID:no/VhTCJo
「それでですね。今後の方針を決めるためにも聞いておきたいことが。如月さんは、どんなアイドルになりたいですか?」
「……アイドルには興味ありません。私は歌手になりたいんです」
7: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:41:33.67 ID:no/VhTCJo
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「如月さん、それが食事ですか?」
8: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:42:07.31 ID:no/VhTCJo
「サプリメントというものは足りない部分を補完するためのもの、あくまで脇役です。主役がちゃんとしていなければ意味を成しません。いくら素晴らしい伴奏があっても、主旋律が存在しない楽曲は評価されますか?」
彼女の目が見開かれる。
どうやら少しは伝わったらしい。
9: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:46:54.86 ID:no/VhTCJo
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そうして日々はあっという間に過ぎていく。
先輩プロデューサーの秋月さんのしごきに食らいつき、音無さんのさり気ないフォローに助けられ。
10: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:47:33.63 ID:no/VhTCJo
如月さんはアイドルとしての自分に価値を見出していないらしい。
日々の言動や、レッスンへ取り組む姿勢からも薄々感じていたことではある。
折を見て話をしてはいるのだが、今に至るまで効果は出ていないようだ。
自分の不甲斐なさを悔いても仕方がない、とにかくこのチャンスを掴むことだ。
11:名無しNIPPER[sage]
2015/05/23(土) 15:47:38.08 ID:GMagMUWDO
千早スレとか最高!
春香や響、やよい、あずささんなんか頼めば喜んで教えてくれるだろうな
12: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:48:15.05 ID:no/VhTCJo
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ボーカル面では問題なし。
13: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:50:05.25 ID:no/VhTCJo
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「如月さん、私の知り合いから『ウチのライブハウスで歌ってみないか』っていう話があるんですが」
14: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:50:43.90 ID:no/VhTCJo
案の定如月さんは固まってしまった。
彼女が立ち直るよりも早く、畳み掛けるように言葉が続く。
「歌はうまいけどそれだけ。自分だけで完結して満足してるなら一人でカラオケでもしておいで。歌手志望のアイドルだか何だか知らないけど、なんで人前で歌おうと思ったの?誰かに認めてもらいたいとか?伝えたい想いがあるとか?どっちにしても無理だけどね」
15: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:51:25.23 ID:no/VhTCJo
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事務所へ帰る車中、如月さんは深く考え込んでいるようだった。
16: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:52:06.73 ID:no/VhTCJo
「なぜ、プロデューサーではなかったんですか ?」
「何がですか?」
17: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:52:40.38 ID:no/VhTCJo
――――――
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18: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:53:50.55 ID:no/VhTCJo
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事務所の屋上で紫煙を燻らせる。
19: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:54:47.61 ID:no/VhTCJo
「なぜ?」
「如月さん、貴女は私をどういう人間だと思っていますか?」
20: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:55:47.25 ID:no/VhTCJo
「私が如月さんくらいの頃、私はごくごく狭い人間関係の輪で満足していました。その関係が、私という人間の唯一の価値でした。気の合う数人と遊んだり、馬鹿話をしたり。いわゆる青春というやつでしょうか」
すみません、と断ってから次の煙草に火を点ける。
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