過去ログ - 武内P「ハンバーグを食べにいきましょう」蘭子「ほぇっ」
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13:名無しNIPPER[saga]
2015/10/04(日) 18:02:56.03 ID:EcMl3zH/0
 やがてぺろりと食べ終え、皿の上は綺麗になる。蘭子のお腹は満たされて、もう音は鳴らない。
 さっきまではただただ恥ずかしく思ったお腹の音も、蘭子はまぁ悪くなかったかな、と思い始めている。
 こんなに美味しいものを一緒に食べる切欠になったのだ。
 むしろ定期的に鳴ってくれてもいい、なんて。
 そうしたらまた、こうしてランチを一緒に食べられるかもしれない。

「ご満足いただけましたか」
「うむっ! 我の魔力は充ち満ちている!」

 いや、あるいは、そんなお腹の音の頼らなくてもいいのかも、なんて蘭子は思う。
 ハンバーグは、おいしかった。
 二人でのお喋りは、楽しかった。
 蘭子の目がおかしくなかったら――おかしい可能性はかなりあるけれど――プロデューサーも、楽しそうにみえた。

 それならこういう機会がまたあってもいいじゃないか、と蘭子は思う。

「そのぉ……プ、プロ……」

 彼は手帳をぺらりと捲る。蘭子の言葉が記されたいつもの辺りを開いて。

「……また機会があれば、ランチにお誘いしてもいいですか?」

 首筋には手を当てずに、プロデューサーはそんな風に言った。
 蘭子の答えは決まっている。
 魔法使いのお誘いに乗らないシンデレラはいない。

 だから返すのは、満面の笑顔だった。


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