過去ログ - 武内P「ハンバーグを食べにいきましょう」蘭子「ほぇっ」
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14:名無しNIPPER[saga]
2015/10/04(日) 18:03:33.75 ID:EcMl3zH/0
 人の噂というのはげに恐ろしきもので。
 蘭子とプロデューサーがちょっとお高い店でランチを共にした、という情報は、
 夕方にはプロジェクトメンバー全員があずかり知る事となっていた。
 別に隠すつもりはなかったけれど。
 帰社時にあっさりちひろに喋っていたのは、はたして良かったのか悪かったのか。
 こういう時の想像力は、彼には乏しいのかもしれない。

「ふーん……あんた、蘭子とランチいったんだ。別にいいけど」
「しぶりんの言葉を訳すと、羨ましいから私も連れていけ、だよ、プロデューサー」
「なっ、ち、違うし! 適当な事いわないでよ未央!」

「ねーねー、きらりちゃん、ランチってなぁに?」
「お昼ご飯の事だにぃ。蘭子ちゃんとプロデューサー、美味しいハンバーグで、はぴはぴしたんだってぇ」
「ハンバーグ! みりあもラーンチ! みりあもラーンチ!」

「みくはハンバーグには少しだけうるさいよ? Pちゃんのセンス、少し気になるから連れていってにゃ」
「ハンバーグって少し子どもっぽいけど、聞けば随分ロックなお店だったらしいじゃん? そういうの、いいね」

「Биточки……ハンバーグ、ロシアにも、あります。おいしい、です」
「へぇ、そうなんだ。私達もプロデューサーさんに連れていってもらおっか」

 プロジェクトメンバーに囲まれランチをせがまれる彼は、ここ最近で最も困った様子だった。
 検討します、スケジュールの調整を。
 苦しい言い方が続いているし、掌は接着材でくっついたみたいに首筋から離れない。
 もう少しだけ独り占めしたかったな、というのと、
 楽しそうでなにより、そんな二つの思いがハンバーグの種みたいに混じっていた。


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