過去ログ - 【艦これ】「私は今日も待っている」
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14:名無しNIPPER[sage]
2015/11/03(火) 23:09:24.85 ID:qvusO1Oko
金剛型は最前線で活躍していると見回りの兵が喋っていたのを覚えていた。

そんな前線にいる艦が本当にそれだけでここに来るのか? 軍はそれを許したのか?

『念のために言っておきますと、特別な遠征の帰り……と言う建前です。議事堂で提督に代わり、直接長門が戦果報告を……と。その帰りについでに寄らせてもらいました』
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:19:15.87 ID:dWV6/RuUo
私はそう言われハッとした。

自分でも散々言っていたではないか。“待っている”と。

待つと言う選択をしていたではないか。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:34:02.69 ID:dWV6/RuUo
「斬る!!」

「ちょっ、刀具現化なんてどうやったデース!? 艦娘なら艤装展開してくだサイ!?」

私はまだ艦娘にはなってないぞ、憑喪神のような存在ではあるだろが。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:46:59.45 ID:dWV6/RuUo
私はおかしくなり、大きな声で笑う。

こんなに笑うのは久々だ。涙まで出てきた。

私は今まで何を悩んでいたのだろう。
以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2015/11/04(水) 00:55:18.05 ID:dWV6/RuUo
なごやかな、ぱっと明るい、素晴らしいものを私は待っている。

「また来マス」と、最後に少し片言の日本語でそう言いながら帰って言った。……そういえば、あの子の片言はいつになったら直るのだろう?

次に来たときには、その辺りについても追求してやろうかと考えながら、私は自身の体に帰る。
以下略



19:名無しNIPPER[sage]
2015/11/04(水) 00:56:40.98 ID:neRwQKkg0
期待


20:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:58:07.00 ID:dWV6/RuUo
>>18訂正
『ああ、待つよ。私はいつまでも待つ。金剛、君達がこの海に平和を取り戻し、また笑顔を見せに来ることを』

そうだ、私が待っているのは戦争なんて、殺伐で、暗くて、愚かなものではない。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 01:01:50.17 ID:dWV6/RuUo
私はここで待っている。胸を躍らせて待っているのだ。この、何処までも広がる海と蒼穹を眺め、ウミネコ達の鳴き声を聞きながら、まだか、まだか、と一心に一心に待っているのだ。
だから――――私を置いていかないでくれ。

毎日、毎日、このベンチに座り、皆を待っていることしかできない私を笑わずに、どうか、笑顔で迎えに来て欲しい。会いに来て欲しい。

以下略



22:名無しNIPPER[sage]
2015/11/04(水) 01:06:11.47 ID:dWV6/RuUo
以上です。オマージュ元の作品が本当に4、5ページくらいしかない作品なのでこう短くなりました。
見てくださった方々ありがとうございました。
一応この三笠と他の艦娘の会話も少しだけ考えてあるので暫くは申請はしないで残しとくつもりです。


以下略



23:名無しNIPPER[sage]
2015/11/04(水) 14:43:05.81 ID:WigQojOyo
元ネタはグレイス・ペイリーかな
作品名は覚えてないけど、娘が玄関口で死んだ母親を待つ短編があったと思う


24:名無しNIPPER[sage]
2015/11/04(水) 20:17:03.31 ID:dWV6/RuUo
>>23
元ネタは太宰の「待つ」です。
女性が駅で何かを待っていると言う、1942年と戦争真っ只中に書かれた短編になってます。

最近三笠を見に行ってきたので、記念艦になった三笠は大戦中どういう思いで待っていたのかと考えて、そこから派生してこうなりました。
以下略



25:名無しNIPPER[sage]
2015/11/04(水) 20:53:55.72 ID:WigQojOyo
>>24
元ネタ感謝
こういう作品好き
応援してる


26:名無しNIPPER[sage]
2015/11/05(木) 00:42:58.40 ID:URIiU+XYo
今更ですが>>15>>16の間に抜けていた文です

『いや、てっきり前線に出ろと言われるかと……』

『え? 出る気があるのですか?』
以下略



27:名無しNIPPER[sage]
2015/11/05(木) 00:45:18.65 ID:URIiU+XYo
>>25
ありがとうございます。
少し風変わりにはなると思いますが、時間できればここに少し短いの書く予定なので機会があればのぞいてください


28:名無しNIPPER[saga]
2015/11/06(金) 22:50:35.25 ID:QjSk2+SKo
私、戦艦三笠は今日もこの三笠公園で深海棲艦達との終戦を待っているわけだが

『うぅ……』

私の膝に泣きついているこの○○歳児をどうすればいいだろうか……?
以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2015/11/06(金) 22:55:11.57 ID:QjSk2+SKo
一時間くらい前だろうか?

落ち込んだ様子のこの子を、この子の二番目の妹である金剛型三番艦の榛名が連れてきて、『申し訳ありません、三笠姉様。金剛お姉様をお願いします』とだけ言って置いていった。

ずいぶん慌てた様子で帰っていったが、何かあったのだろうか?
以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2015/11/13(金) 20:36:46.22 ID:YNHU2OO9o
『三笠ー……提督は酷い人です』


……えっ? 何だ? 何をされたんだこの子?
私の娘に何をしたんだ?
以下略



31:名無しNIPPER[saga]
2015/11/13(金) 20:46:02.65 ID:YNHU2OO9o
……と、冗談は置いといて、そろそろこの子がここに来た本当の理由を尋ねた。
金剛は顔を赤らめながら話し出す。
何だこの可愛い子。母親の顔が見てみたいぞ。
……私だった。
と、悪ふざけた思考を頭の片隅に追いやり、口を開いた金剛の話を聞く。
以下略



32:名無しNIPPER[sagasage]
2015/11/22(日) 12:40:13.86 ID:trR9Jbf2o
そうして、二人で酒を飲みながらのんびりと月を眺めて暫く、突如提督が金剛の方を向き、言ったのだ。

月が綺麗ですね――――――と。

金剛は普通に返そうとしたが、ここで思い出す。
以下略



33:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 12:45:58.02 ID:trR9Jbf2o
提督はそうかとだけ言って何も言わず、そのまま二人で、波の音を聞きながら月見酒を楽しんだと言う。

その場はそれで終わってしまったが、翌日である今日。

食堂にやってきた素面の提督に月が綺麗ですねと言ってみたそうだ。後で金剛を向かえに来た榛名に聞いたら、(一部を除き)相当の艦娘が食堂であったために、聞き耳を立てていたという。
以下略



34:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 13:04:08.29 ID:trR9Jbf2o
 金剛もそんな予感はしていたが、やはりそんな気はなかったと判るとショックだったらしく、思わず涙を流してしまったらしい。

 そして、その金剛を見て、霧島と比叡が提督を正座させてお説教が始まったそうだ。

『まあ……仕方が無いな。今はこんな戦時中だ。この話を知らないものが増えても仕方が無い』
以下略



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