2:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:24:21.14 ID:n3AMBxtn0
冬も間近、公園には風が強く吹いていた。まだ夕刻で明るさも幾分か残っていたけど、付近には誰もいない。足元を落ち葉がカラカラと小気味よい音を立てながら転がっていった。
ボクらのすぐ側にある噴水はその働きを止めていて、落ち葉を浮かべた水面は少し濁っていた。
春頃に訪れた時には綺麗な放物線を描いて水が噴出していた事を思い出す。
そうだ、あの時もこの噴水が側にあって……ちょうどこの場所で雪歩に告白されたんだっけ……。だからボクは――。
不意に涙が溢れそうになり、それを必死で堪えた。今ボクが泣いたらダメだ。それだけは……。
何故こうなってしまったのか。二人の思い出を振り返っても、幸せな映像しか浮かばないというのに……。
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