3: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/05/06(金) 19:07:34.68 ID:J9K9lNQH0
「大丈夫です。わかってますから♪」
「絶対わかってないってば。私はちょっとだけ―ーあっ、卯月ちゃんまた撮ってる」
「だって、美穂ちゃんは、なかなか、起きないから、つい」
「って言ってる間に何回撮ったのっ?」
「藍子ちゃんだって撮ってるじゃないですか」
「私はほんのちょっとだけだもん」
「藍子ちゃん……確かに一期一会の写真はとってもいいものです。だけど、もっといい写真を撮りたかったら、たくさんの中から選んだほうがいいんだって……アイドルのお仕事を通して、私、思ったんです」
「いい話みたいに言ってるけど、それただの欲望だよね?」
「……そうとも言いますね♪」
卯月ちゃんと会話しながらも、美穂ちゃんの写真は撮り続けていた。
気づいたら私は美穂ちゃんの隣で膝立ちになって、卯月ちゃんはテーブルに腹這いになってカメラを構えていた。
こんなに近くで騒いでたらさすがに起きるよね……?
「んー…………?」
「あっ……」
美穂ちゃんが起きた。薄目が開いて、少し頭が揺れている。
時間が止まったようになった部屋の中で、カシャ、と音が鳴った。
「ふぇ……? あれ……?」
まだ寝ぼけてるみたい。
今のうちにと、二人で素早くカメラをしまった。
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