5:名無しNIPPER
2016/06/25(土) 02:23:22.12 ID:8rnfgebV0
店員のやる気のない挨拶が後ろから聞こえる。自動ドアを抜けると気温が一気に下がり吐く息が白くなった。
お兄ちゃんが荷物を持ってくれているので、逆の手にしがみつく。
「うりゃ!!」
「うお!危ないだろ小町、落としたらどうすんだよ」
「その時はもっかい買ってもらう!」
「いや買わないからね?」
そういうとお兄ちゃんが頭を優しく撫でてきた。でも手袋越しなので少し不満。
「ねぇ。手袋取って撫でて?」
「……今日だけだぞ」
いつもは1回は渋るのに。まぁ渋っても意味はないんですけどね。
お兄ちゃんの手を頬に持ってきてこすり付ける。冷たい手なはずなのに暖かく感じた。
「…もういいか?恥ずかしんだが」
「しかたないな〜…。じゃあ」
小町も手袋を取って素手で手を繋ぐ。笑いかけるとお兄ちゃんは目を逸らしていた。照れ屋さんなんだから!
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