31: ◆2QfXBkV1Yr70[saga]
2016/07/03(日) 00:13:29.13 ID:H/eoEj3w0
あたしはとりあえず、昨日Pさんが寝ていた部屋に入った。そこはさっきまでの部屋と変わらず、純和風の部屋。その中に、タンスやら子供のころから使っているであろう学習机が置いてあったりしてなんともミスマッチである。
周子「……?」
その学習机の上に、Pさんの仕事の企画書が置いてあった。きちんとホッチキスでまとめられているものや、ファイリングされているものの中に、変な名前があった。
周子「シンデレラガールズ……プロジェクト?」
気になってあたしはその企画書の中身に目を通す。
周子「既存の体制では抜擢されることのない養成所のアイドルや、これから先、芽が出そうなアイドルの卵をスカウト、デビューさせることを目的とし……」
どうやらPさんは芸能関係、それもアイドル事務所に勤めているようだ。それも、あたしでさえ聞いたことのあるような事務所だ。
あたしは黙々とその企画書を読み進めていった。自分が知らない世界だから面白かったというのもあるけど、単純に企画書の内容そのものがすごく面白かったからだ。40ページほどある企画書のすべてはPさんの努力と足跡の結晶であり、なんだかあたしまでもが、そんな風に頑張ってきたような感じがしてわくわくした。だから気が付くと、
モバP「おいこら」
周子「わぁ!?」
モバP「わぁ、じゃない。勝手に部屋に入るなよ」
Pさんが帰ってきてることに気付かなかった。
周子「Pさん帰ってくるのはやない?」
モバP「はやない。もう六時過ぎだぞ」
周子「昨日は八時過ぎやったやん」
モバP「仕事がら、不規則な退社時間でな。ていうか周子のせいで早く帰ってきたんだぞ」
周子「え、心配してくれたん?」
モバP「あほ、そんなことあるか」
周子「えー、ほんまにぃ?」
モバP「うるさい、おかゆ食ったか?」
周子「食べた食べた。いやー、あれはおいしかった」
モバP「……そうか」
そっけなさそうだけど、Pさんはどことなく嬉しそうだった。
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