過去ログ - 裕子「特別なことができるなら」
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6: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/09/10(土) 21:22:40.33 ID:jzgcTAa+0

裕子(2日も眠ってたなんて信じられないけど……プロデューサーのことだから本当のことだろうし、まずいなぁ……ん?)

さらに見上げていた天井すらも透かして外の青空とそこを飛ぶ小鳥の姿を見たユッコは、
ここでやっと自分の視界の異常に気付いて身体を起き上がらせる。

裕子(そういえば……どうして私、外の景色を見てるんだろう……? 幻かな……?)

目を覚ます前に不思議な夢を見ていたという感触がまだ残っている裕子にとって、今の自分の視界はあまりに
現実離れしており、コレは気のせいだと頭を振ってなんとか正常な視界を取り戻す。

裕子(うぅ気持ち悪い……なんだったんだろう今の? あーあ、こんな時にスプーン曲げでも出来ればいいのに……)

いつしか自分の中で精神を落ち着かせる行動にもなっていたスプーン曲げが出来ないことが微妙に不満なのか、
裕子は口を尖らせて入り口のドアを見て、それからあることを閃く。

裕子(待てよ……スプーン曲げが出来ないなら、別のさいきっくの練習をすればいいんだ!)

先ほど出て行ったプロデューサーが部屋に入ってくる時、入り口のドアが自動で開けばきっと喜んでくれるだろうと
考えた裕子は、直ぐ様ドアを見つめて力み始める。

裕子「これはエスパー的ではなくさいきっく……エスパーじゃなくてさいきっく……むむむ〜ん!」

なんとなく言い訳も口にしながら力む裕子は、ドアを見つめてそれが開く様をイメージしていく。この時一瞬
彼女の虹彩がなにかの覚醒を示すかの如く金色に光ったのだが、それを裕子が知ることはなかった。

裕子「むむ……開け、開け……開けー!」

そして裕子が顔を赤くするほどドアを見つめる視線に力を込めた瞬間。

KA-TA-DOOOOOOOOM!!

裕子「うひゃああ!?」

爆音と爆風が部屋の中を渦巻き、ベッドにいた裕子に襲いかかった。彼女は驚きベッドから転げ落ちると、
振動によってパラパラと埃を撒き散らす天井を放心した様子で見上げる。

裕子「……はへ?」

そして事態を飲み込んで恐る恐る顔を上げた瞬間、爆音を聞いて慌てて戻ってきたプロデューサーと、威圧感のある
笑みを浮かべた千川ちひろや興味深そうな表情の初老の男性と目が合うのだった。



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