過去ログ - 【ガルパンSS】西住隊長は天才だから!凡人の気持ちなんてわかるわけがないですよ!
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5:名無しNIPPER[saga]
2016/10/02(日) 22:14:31.00 ID:hsNhL/EX0
走る。

走る走る。

つまづいても、とにかく走る。

いや、そうだ。逃げているのだ。西住隊長から。隊長の重責から。みんなの期待の目から。

逃げて逃げて。どこまで距離を開けても逃げられないことはわかっているくせに。

前を見ずにやみくもに足を動かして。だから、すぐ目の前に来るまで、前に人がいることに気が付かなかった。

(ぶつかる)

どろり、と時間が滞ったように、風景がスローモーションに動く。
でも思考はそのままの速度で。だから不思議と冷静に周囲を確認できた。

目の前にいるのは女性だ。右手にはスマホを持って耳に当てているから電話をしていたのだろう。
振り返ったことでたなびいた銀色の髪が、太陽の光を浴びてきらりと輝いた。

(よけて!お願い!)

体はうまく動かず、ギュッと目を閉じる。
ぼふっと相手の胸に飛び込んだ衝撃はそこまで強くはなく、直後足がふわっと浮く感覚。

そのまま体がもつれて倒れこんでしまったが、相手がクッションとして衝撃を和らげてくれたおかげで、
こちらは大した衝撃ではなかった。

「いたた。なんなのよ。急に。」

頭の上から声がする。
その声に、なんとなく聞き覚えがあって上を向くと。

「でも、ちょうど会えてよかったわ。」

逸見エリカさんが私を抱きとめていた。

   ***


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