過去ログ - 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」
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18: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2016/11/07(月) 19:40:48.12 ID:EozJ1WBt0
彼らは全てが人間。亜人に溢れたこの街では、場違いなほどにか弱い生物で御座います。

メンバー全員の子供達が親に捨てられ、居場所を失っています。

ミゼルと呼ばれる男は恋人に裏切られ、全てを無くしてこの街に残されました。

しばらくはゴミ捨て場を彷徨い続ける日々が続きました。彼はそこでとある書を見つけたのです。

臓器を掛けた賭博で一発逆転をした彼は、ある目的を果たすため徹底的に呪術を調べ上げました。

そうして呪いの全てを学習した時、この街に潜む負の気に気付いたので御座います。

――毎日凄まじい数の人が死に、それらの残した怨念が燻っている。

それは呪術における無尽蔵のエネルギー源。彼がそれを利用するのに、そう時間は掛かりませんでした。

アジトとなる廃遊園地ですが、なんと彼が呪術によって造り上げたものなのです。

人はすぐに寄り付かなくなりました。いくら破壊しても、翌日には元に戻っているのですからね。

後は生贄となる人を調達するだけです。勧誘はすんなりと上手くいきました。

何しろ彼らは同じ弱者なのですから。

「……うっ……!」

「! 大丈夫?」

ミゼルと呼ばれる男の身体は、度重なる呪いの気に当てられ、すでに限界寸前になっています。

特に右手は、変色しきって常に激痛が伴っている状態です。それでも彼は止める訳にはいきません。

これは彼らの復讐なのですから。

――



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