過去ログ - 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」
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3: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2016/11/02(水) 21:33:06.64 ID:dXFzxhXQ0
「ほぉら、本物はこっちでしたぁ〜」

「ッチィ……」

いつもの路地裏で、男と老人は博打をしていました。

どうやら、二つの宝石の内、どちらが本物かを賭けていたようです。

「早く酒を渡さぬか、トカゲちゃん……ひひっ!」

「あァ……クソ……痛ぇな」

「それ、ついっとな」

「いぎっ!! ……ぶっ殺すぞジジイ!!」

「ひひっ!」

男は脇腹周りの痛みに苦しんでいました。時間が経てば経つほど、その痛みが強くなっているのです。老人はそれをにたにたと笑いながら、指でつつきます。

あの事件以来、腰に刻まれた模様が疼いて仕方がないようです。男は「中で百足が肉を食い荒らしているようだ」と表現しました。

老人は相変わらずの笑みを保っていますが、自分の回復魔法でも消せない事が妙だと感じています。

「やっぱり単純な呪いじゃねえか、こいつは」

「そのようじゃのぉ。ワシの回復魔法が通じないとなると」

「チッ……仕方ねえ、治す方法を探すしかねえか。着いてこい、ジジイ」

「はいな。酒は三本でいいぞぉ」

「ほざけ……」

いつもの掛け合いも何処か上の空です。二人は夜の街を歩き始めました。


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