8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:35:40.34 ID:b4qt7MSMo
綾乃「あ、あの……えっと……」
京子「あーもしかして! 体操着忘れちゃったとか?」
綾乃「うっ……」ずきん
京子「図星かー。珍しいねぇ、綾乃が忘れちゃうなんて」
綾乃「う、うるさいわねっ」
からかうような歳納京子の言葉に思わず反応してしまう。うるさいなんて言える立場じゃないのに。
私はまだ制服のままで、歳納京子はもちろんしっかりと体操服を着ている。どうやら髪をまとめるためのヘアゴムを教室に取りに来ていたらしい。
特段変わった様子のない体操着姿の歳納京子だけど、そうやってみんなと同じ体操着を着られていることが、今の私にはとても身綺麗に見えて、羨ましく思えた。
そんな眩しさを直視できず、俯いてしまった私の肩に……ぽんと手が置かれた。
京子「……綾乃、超ラッキーだね」
綾乃「え……」
京子「えへへ、ちょっと待ってて!」
綾乃「っ……?」
歳納京子はうきうきとロッカーへ行くと、すぐに真新しい体操着を持って私のところへ戻ってきた。
綾乃「えっ! これ……」
京子「貸すよ! 私今日二着持ってきてたからさ」
歳納京子は嬉しそうな顔で、綺麗にたたまれた体操着の上下をもってきた。
何の変哲もないその体操着は……今の私には、光を纏っているように見えた。
綾乃「い……いいの!?」
京子「もちろん! 本当は最近の雨続きでトマトが乾かなくて、結衣の家に泊まるときのパジャマ代わりで持ってきたんだけど……綾乃が困ってるなら貸すよ? ちょっとサイズ合わないかもだけどさ」
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