過去ログ - 理樹「………終点?」佳奈多「グゥ………」
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21:名無しNIPPER[saga]
2017/03/28(火) 03:38:02.09 ID:GhNYWDCE0




佳奈多「少し……疲れたわ」

理樹(歩き続けてから1時間くらい経った頃、二木さんが足を軽く曲げて小さな声で言った。そしてその時、僕はようやく二木さんがパンプスを履いている事に気付いた)

理樹「あっ……ど、どうしよう……そうだ、靴交換する?」

理樹(幸い僕のスニーカーは女性が履いていても違和感がない)

佳奈多「あなた馬鹿?………とりあえず少しそこのベンチで10分ほど休ませてくれれば充分よ」

理樹(と言う訳でバス停のベンチで休憩する事にした)


………………………………


理樹「ええと……今はここだから……うわ、まだまだかかりそうだね。二木さんは眠たくない?」

佳奈多「風紀委員の頃は夕方から次の日の朝までほぼ眠らず張り込みを続けていた時もあった。これくらい平気だわ」

理樹「無粋な質問だったかな」

理樹(うちの風紀委員を警察と錯覚するのは多分ほとんどこの人のせいなんだろう)

佳奈多「あなたこそ大丈夫なの?私の後をずっと追わされていたけど」

理樹「まあ君ほどじゃないけど僕もやる時はやるよ」

佳奈多「…………」

佳奈多「それはどうかしら?」

理樹「えっ?」

佳奈多「疲れというのは徐々に来ない。来る時は一気に来るものよ。これでも食べて今のうちに備えなさい」

理樹(というと二木さんが肩にかけていたカバンの中から青色の缶を渡してきた)

理樹「これは?」

理樹(包装を剥がし、缶の蓋を開けると甘い匂いが鼻をくすぐった)

佳奈多「カフェインが入ったドイツのチョコよ。糖分を補い、意識を覚醒させるにはそれが一番ね。直枝にも食べやすいようにミルクチョコレートを選んでおいたから何回かに分けて食べなさい」

理樹「ありがとう!二木さんも食べなよ」

佳奈多「いや……私は自分のがあるわ」

理樹「そう?」

理樹(二木さんがタダでお菓子をくれるなんて珍しいこともあったものだ。とりあえず気が変わらないうちにチョコレートを一つ手に取った。なんだかチーズのような形だった)

理樹「じゃあいただきます」

佳奈多「うん」

理樹(口に放り込んだ瞬間、思わず顔がにやけた。長い間こういう物を食べていないせいだろうか、甘い刺激が口の中を駆け巡り唾液が溢れた。カフェインの苦味のお陰で後味もいい)

佳奈多「どう?」

理樹「うん。美味しいよ」

佳奈多「そ、なら良いわ。じゃあそろそろ歩きましょうか」

理樹「そうだね」

理樹(そうそっけなく言って立ち上がる二木さんの足は少し軽そうに見えた)


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