過去ログ - |w´‐ _‐ノv空に軌跡を描くようです
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7: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/03/26(日) 21:50:24.06 ID:ark0cRN00
退役済の型落ち機体を急遽下請け・改装した代物とはいえ、巡航速度の時点でマッハに近い速度を叩き出せる第4世代ジェット戦闘機。
大洗港から青ヶ島までというなかなか途方もない距離であっても、到着にかかる時刻は14、5分に過ぎない。

だが、時の流れは状況によって速く感じることも遅く感じることもある。今の私たちにとって、音速を超えての飛行すらまるで亀の歩みだ。

永遠と同意義であった900秒のフライトの果てに、私たちはようやく“それ”を視認する。

《……うへ》

4番機の三尉がうめき声を上げた。それ以上の言葉は発していないが、飲み込まれた言葉は私にも解る。

なんて数だ。

遠目から見ると、青ヶ島一帯に黒いもやがかかっているように見える。
言うまでも無く、それらは全て深海棲艦の艦載機。

先ほど龍驤は確認できている艦載機を“500近く”と報告してきたが、これはどう少なく見積もっても2000は下らない。

ミ# ゚ ゚彡《全機怯むな、突貫しろ!

Spear-01, FOX-3!!》

《Spear-02, FOX-3》

|w´‐ ‐ノv「Spear-03, FOX-3 FOX-3」

《Spear-04, FOX-3!!》

機関砲発射を告げる符号が飛び交い、4筋の火線がF-14J各機の機首より迸る。20mm口径からはき出された鉄の塊は空気摩擦で熱を帯びつつ、敵機の群れの中に飛び込み機体を貫き抉り取っていく。

「Hit hit hit!!」

その小ささから個別に射撃することは困難でも、膨大な数が一定の空間にひしめき合う状態なら話は別だ。ある程度の狙いをつけて撃てば勝手に向こうが当たる。

後部座席で観測員が叫び、幾つもの火炎が黒雲の中で咲き乱れた。私たちはなおも弾丸を深海棲艦機に向けて小刻みに放ちながら、「塊」の真上スレスレをかすめるようにして飛び過ぎる。

敵に、そして何よりも敵群の只中で戦い続ける味方に、私たちの到来を見せつけるための軌道だ。


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