9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]
2015/10/12(月) 16:01:40.99 ID:p0a2tvJnO
娘「では、気を付けてくださいね」
剣士「……ありがとう」
乾いた荒野に馬を走らせる。
村はすぐに遠くなり、一帯は礫地しか見えなくなった。
夢魔「裕福ではないけど……素敵な暮らしじゃない。帰る場所も、受け入れてくれる場所もあるんだから。世を捨てるには早いんじゃなくて?」
村の人間からは疎まれ、嫌われている。あのように接するのは宿の娘だけだ。
夢魔「あら、それは失礼。でも嬉しいじゃないねえ、パパ?」
よしてくれ。宿主となったなら、心の機微くらい感じ取れないものか?
夢魔「夢魔の事を精神の専門家みたいに扱うのはやめて頂戴。そもそも、精を奪えさえすれば他に何をしなくても良い種族なんだから」
すまなかった。心に何者かを宿すなど初めての事でな。
夢魔「……ま、それもそうね。口外するなとは言わないけど、あまり言いふらさないでよ? 天下のサキュバスが、宿主を吸い尽くさず奴隷にもせず、戯れに契っているなんて知れたら、あちこちで笑われるわ」
もとより多くは語らない。案ずるな。
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