20:名無しNIPPER[saga]
2016/08/19(金) 14:25:32.64 ID:xz5OVBJu0
━━━━━━━ コツッ……コツッ……
屋敷内の広大さは娘の想像を遥かに上回り、そして恐怖を抱かせていた。
既に一時間、六角形の部屋から出た先の回廊を歩き続けて庭園と思われる場所を歩いていた。
その庭園は恐ろしく整えられたバラ園であった。
女執事以外にも使用人がいると聞いていた娘だったが、その手入れの繊細さ、精密さは彼女が知る中では相当の技術の持ち主だと感じられた。
所詮は多少の読み書きと手先の怪我を治す程度の回復魔術、それに加えて夜枷の技術を教え込まれた奴隷。
娘は自分がこの屋敷に慣れる事が出来るだろうか、そう心配してしまう。
女執事「……あちらに見える扉が、貴女のお部屋となります」ピタッ
バラ園の半ばで、静かに女執事が老人の声で呟いた。
振り向く事はせずに女執事は続ける。
女執事「これから約三時間、夜まで時間がありましょう」
奴隷「?」
女執事「貴女がお休みになれなかった時の為に、一つだけ説明しておきます」
女執事「夜は私がお迎えに上がるまで、決してお部屋を出ないで頂きたいのです」
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