21:名無しNIPPER[saga]
2016/08/19(金) 16:06:52.36 ID:xz5OVBJu0
表情を見せず、声音も変えず。
女執事は淡々と娘に告げた。
女執事「貴女はこの屋敷に来たばかりです、更に言えば貴女は奴隷の身分でもある」
女執事「この屋敷に入ってから様々な物に関して不思議に思う事があったでしょう」
女執事「ずっと貴女の意識がこの屋敷の持つ特異性に向いていました、どうやら我が主の思っていた以上に貴女は賢いようだ」
奴隷「…………」
言い様の無い、不気味な空気を奴隷の娘は感じ取る。
しかし表情や口には出さないように、吐息すら潜めて女執事の言葉を聞いていた。
女執事「夜はお部屋を出てはいけません」
女執事「一度は好奇心に負けて出たとしても、私が助け出せるのはその『一度だけ』です」
奴隷「……」
女執事「理由はそれこそ奴隷の貴女にお教えする必要は無いという事を、ご理解いただきたい」
女執事「良いですね?」スッ…
振り返ったその眼は。
最初に会った時とは全くの別人かと思う程に、黒く濁っていた。
女執事「……良いですね、『奴隷』様」
奴隷「は……はいっ」
娘はそう言うしか出来なかった。
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