【悪魔のリドル】兎角「一線を越える、ということ」
↓ 1- 覧 板 20
17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:16:45.13 ID:u1xI7N2CO
兎角と千足は全身が麻痺してしまったかのように動けなくなり、首だけで壊れた人形のように声のした方を向いた。
部屋に照明はなく光源は窓から差し込む外の夜間灯の光しかない。
それでも薄暗がりの中立っているのは見間違いようもなく晴と柩であった。
二人は呆然と立ち尽くしていた。表情に力はなく、瞳に街灯の光が写っているのは涙を湛えているからだろうか。
兎角はさっと体から熱が抜けるのを感じた。
上気していた肌はまるで大理石のように冷え、心臓の音が異様なほど大きく聞こえた。か細い呼吸しかできなくなり、脳が酸欠になったかのように頭がくらくらした。
それでもこの状況を何とかしなければいけないと思ったのだろう。兎角は思わず「違う!」と叫んだ。
何に対して「違う」と言ったのかは兎角自身わかっていない。それでも行動したお陰か少しばかり頭がスッキリした。
もっとも頭がスッキリとしたところで見えてくる状況は絶望的なものに変わりはないのだが。
56Res/78.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20