【創作】「彼女はとても手が早い」
1- 20
12:名無しNIPPER
2018/03/25(日) 20:22:40.20 ID:2/v3E0jz0
〜〜〜〜〜〜〜

「……ごはん、こない……」

兄が保健室で過去を忘れ夢の世界に逃げている間、ぐったりと机の上に突っ伏す妹。
よだれを垂らしながら兄の昼ごはんを待っているのだが、
当然来るはずもない。

「……あ。にぃ、がっこうだった……」

兄が学校に行っていることを思い出した妹は、
辺りに転がっているコンビニの袋の中身を漁りだした。

「……たしか、このへんに……。……ぁ、あったぁ……」

いくつかの袋を開け、そのうちの一つから見つけたカップ麺を取り出した。
中に入っていた割り箸を咥え、雑誌を踏まないように歩きながら電気ポッドの前に座る。
カップ麺の蓋を開け、電気ポッドの注ぎ口の下に設置する。
そして、プッシュボタンに手を重ね……。

「……えいっ」

ぺこっ。
ボタンを押す。

「……出てこない」

ぺこぺこぺこっ。
一滴もお湯が注がれない。
ぺこぺこぺこぺこぺこ。
連打しても、当然何も出ない。

「……おゆがない……」

膝からがくりと崩れ落ちる。
少女は絶望した。
兄もいない、お湯もないこの状況。
自らは何を食せばいいのか。
パソコンで注文しようにも玄関には行きたくないし、人と話したくもない。
少女には「自らで昼ごはんを作る」という任務は酷だったのだろう。
いっそのこと、お湯を入れずこのまま食べてしまおうか。
ふとそういう思考が脳裏をよぎる。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
16Res/17.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice