【創作】「彼女はとても手が早い」
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13:名無しNIPPER
2018/03/25(日) 21:08:41.00 ID:2/v3E0jz0
「……。……トイレにいくついでに、お水いれてこよう……」

が。
ふと催した尿意と共にこの状況を打破しようという思考が生まれた。
明らかに「ついで」の対象が逆なのだが、少女にとってはその思考が大きな一歩だった。

そして、扉を開け、自らの部屋から外に出る。
今まではトイレは自分の部屋のすぐ左隣だったが、
今度は右にある兄の部屋を通り越してリビングへと向かわなければならない。

「……がんばれ、わたし……」

トイレに向かいながら自分を激励する少女。
少女は、兄が見ていないところでひっそりと成長しようとしていた。

〜〜〜

それから十数分後。
ようやくリビングに着いた妹は数年ぶりにテレビを付け、ニュースを見ながら水を入れ始めた。

(……たいくつ。……テレビ、つまらない……)

ある程度必要な分まで水を入れ、ふらふらとしながらテーブルの上に置く。

「……きゅうけい」

そして椅子に座り、なんとなくニュースを見始めた。
人身事故、高校野球、視聴者プレゼント。
どれ一つとして少女の琴線に触れそうなものは一つとして無かった。
歩き疲れた足を休めつつ、何か面白そうな情報があればいいのだが。
そう思いつつも、お昼の時間にアニメをやっているはずもなく。
少女はこれ以上退屈なニュースを見たくなくなり、椅子を立った。

しかし、その後。
少女はとある光景を目撃することとなる。

自らとその兄をかつて住んでいた町から追いやった「原因」。
白河町に起きた「事件」について組まれた特集。
そして……。

「……にぃ……。……にぃ、に、メール、しなきゃ……!」

『……えっ?……は、はい!緊急ニュースです。
 かつて白河町で発生した無差別大量殺人事件と同じ手口で殺害された人物が発見されました。
 市役所で働く23歳の女性が、鈍器のようなもので――――』

〜〜〜




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