53:名無しNIPPER[saga]
2019/01/16(水) 02:33:45.56 ID:AQjaemd70
――その頃、別の映画館
P(もうすぐ舞台挨拶が始まる…。主人公夫妻の娘役の育も、当然コメントを話すわけだけど――)
P(「できるだけ多くの人にこの映画の意義を伝えるにはどうすればいいか」劇場のみんなで案を出し合って色々考えてきた)
P(正直、今の段階では作品の注目度が低いだけに、ニュース記事もそう量を割いてはもらえないはず)
P(育がどれだけ一生懸命喋ったとしても、新聞や映画情報サイトの片隅に一行載るかどうか…)
司会「それでは飯花市監督、そして出演キャストの皆様に登場していただきましょう! みなさん盛大な拍手でお迎えください」パチパチパチ…
P(それでも今日ここに集まってくれたたくさんのお客さんたちがいる。育の言葉は、彼らの心に必ず届くはず……私も信じよう)
育「――みなさんこんにちは。木峰蔦恵役の中谷育です。最後まで映画を観ていただいて、ありがとうございます」ペコリ
育「えっと……わたしはこの映画のお仕事に入る前に、おかあさんたちと一緒に、蔦恵ちゃんの病気のことを勉強しました」
育「病気や入院中の治療のことについて知るたびに、蔦恵ちゃんはとっても辛い日々を過ごしていたんだなって感じました」
育「でも撮影が始まる少し前、蔦恵ちゃんのお父さんお母さんとお話しすることができて、少し考えが変わりました」
育「蔦恵ちゃんはわたしと同じで魔法少女アニメが大好きで、アイドルが出ている歌番組を毎週観ていた、そういう普通の女の子だったそうです」
育「お話を聞いていると、だんだん蔦恵ちゃんとお友達になれたみたいで嬉しくなりました」
育「魔法少女はみんなに希望を届けます。わたしは蔦恵ちゃんと一緒に、この病気で苦しむ人の希望になりたい――そう思って撮影をがんばりました」
育「映画を観てくれたみなさんにも、蔦恵ちゃんがとっても素敵な女の子だってこと、きっとわかってもらえたと思います」
育「蔦恵ちゃんはこれからもずっとわたしの大切なお友達です。みなさんも今日から蔦恵ちゃんとお友達になってもらえたら嬉しいです。ありがとうございました!」
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