【安価・コンマ】続・ハーレムシミュレーター【R-18】
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6: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/08/02(日) 12:15:17.99 ID:Epwmutls0


「しかし、10歳で親父か。エルフで10歳って言ったら、まだまだ赤ん坊と変わりないってのにな」

「色々事情があるのよねぇ? お父さんのこととか…」

 そこへ、サナギがお茶を持って戻ってきた。長机に人数分のカップを並べると、順にお茶を注ぐ。

「いただきます」

「サナギさん、お茶を淹れるのが上手なのよ。…」

 シャナルとリーアが、カップに口を付ける。アスラも一口飲もうとして…

「…待って!」

「えっ?」

「どうしたの…っ!」

 突然、シャナルの身体が固まった。カップを握る手が、震え始める。

「手が…痺れて」

「っ!」

 ラーラは、躊躇なくカップを床に叩きつけると、アスラに駆け寄った。

「アスラ! 大丈夫か」

「変な匂いがした…オリエズマで教わった、毒の」

 言いながら、アスラは頭がくらくらしてきた。
 人の業。悪意の発露。暗殺術…どうして、こんなところで役に立つのだろう。どうしようもなく濃い、負の感情。発しているのは

「…この!」

 サナギが、腰巻きに手を入れる。引き抜いたその手には、短剣。
 突進した先は、アスラではなく、麻痺に耐えるシャナルの方であった。

「せめて…お前の子を、一人でも!」

 ところが、その手は宙で止まった。

「…サナギ」

「離して…離して!」

 長い金髪を掴んだまま、ラーラは唸るように言う。

「ジンバのこと…まだ、根に持ってたのか」

「離して! あいつの…シーヴァのせいで、私のジンバは死んだ! だから、あいつも同じ目に遭わせて…」

「ジンバは、望んでシーヴァと共に戦った…命を賭けて戦って、戦士として散った…もう、ずっと昔の話だろうが…!」

「あの日から…私の時間は、一秒だって進んでないわ! シーヴァの子を、シーヴァの目の前で殺す! シーヴァの血を引く子供は、一人残らず殺す! 自分が何をやったのか、思い知らせて」

「…もういい」

 ラーラは、溜息をつくと、サナギの口を片手で塞ぎ、もう片方の手で羽交い締めにすると、教会の出口へと歩いて行った。

「…悪い、アスラ。そこに居ろ。ちょっと、話をしてくる」

「…」

 ラーラは、もがくサナギを連れて教会を出ていった。



安価下
@残る

A追いかける


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