【ミリマスR-18】満月の夜、狼と化した横山奈緒に襲われる話
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10:満月に目覚めた狼 9 ◆yHhcvqAd4.[sage]
2020/10/08(木) 17:52:27.28 ID:CXB6n4GJ0

 翌朝、控室で、今にも泣きだしそうな顔のひなたが駆け寄ってきた。

「ああ、プロデューサー、助けてくれよぉ〜」
「ん? どうしたひなた、何があった」
「昨日、屋上の小屋にオオカミの幽霊がいて……多分、今もいるよぉ」
「……な、なな、何だって?」
「昨日の夜、屋上にタオル忘れてたのに気づいて取りに戻ったんだけども、小屋の中から苦しそうな呻き声みたいなんが聞こえてきて、あたし、おっかなくなってその場から逃げちまったんだあ。奈緒ちゃん、きっとオオカミに憑りつかれてたから、昨日あんなおっかなかったんだべさ……」
「あ……ああ、そう、そうなのか。昨日は不気味なぐらい、でっかい満月だったからな。そういう……錯覚、を起こすのも、無理、ないかも?」
「……プロデューサーも、ふるえてないかい? オオカミ、おっかないもんなあ」
「い、いや、俺は大丈夫だ。早く取りに行こう。今なら明るいから、ほら、ついて来な」
「あぁ〜待って、置いてかないでぇ〜!」


 月の眩しい夜、屋上の小屋へ近寄る者は、亡霊に言葉巧みに誘われ、魂を囚われたままオオカミに取って食われてしまう――。
 そんな尾ひれのついた噂話がハロウィンのシーズンに生まれ、劇場の隅々へまことしやかに行き渡った。
 ある者は恐れおののき、ある者は呆れかえり、ある者は好奇心を抱き、そしてある者は、知らぬ振りを決め込むのだった。

 終わり


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