【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【6頁目】
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24: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2021/12/05(日) 22:52:57.80 ID:FedYBPuSo
美佳「連れてきた立役者は久遠様ですよね?」

陽乃「この無様な姿を見て、どうしてそう言えるのよ」

美佳「無様……? 立派じゃないですか。他人のために体を張って、命を懸けて、死に瀕するほどの重傷を負いながらも抗った結果なんですから」

最終的に病院に担ぎ込まれたのは陽乃だけだったが、

それほどの重傷を負うほどに勇者として尽くしたのなら、それはとてつもない功績である。

美佳「四国に入った諏訪の住民から、嫌なくらいに久遠様と白鳥様の武勇伝を聞かされました。あろうことか、喜々として動画まで見せられました」

陽乃「……なにそれ」

美佳「久遠様は立派な勇者なのだと広めるつもりだなんて言っていましたよ。もっとも、データは秘匿すべきだとして、大社が回収したらしいですけど」

陽乃「賢明な判断だわ」

絶対に厄介なことになっていたと、

少しだけ安堵してしまう陽乃を、美佳は睨む。

美佳「でも、それは良いんです。私が辛かったのは、あまりにも誇らしげに語る伊予島様達と、それを称賛する高嶋様達のせいで……郡様が瞬く間に陰に追いやられていたことです」

陽乃「知らないわよそんなこと、とばっちりじゃ――」

美佳は、そうっと指を伸ばして、陽乃ののど元を押す。

美佳の弱い力でも、無抵抗の陽乃を窒息させるくらいは出来る。

美佳「そうです。知ったことではないんですよ。みんな……大社も、高嶋様達も、郡様のことなんて知ったことじゃない。役に立つかどうかしか考えていない」

陽乃「ッ――」

美佳「だったらせめて、私だけは……郡様の巫女である私くらいは、その御心を汲み取るべきだと思いませんか? 仕える神々のいた由緒正しき神社の生まれである久遠様なら、分かるはずです」


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