【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【6頁目】
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3: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2021/12/05(日) 15:23:10.94 ID:FedYBPuSo

陽乃「ねぇ、他の勇者の様子を見てきて頂戴」

九尾「妾を顎で使う気かや?」

陽乃「そんなつもりないわ。心では土下座でお願いしてるのよ。生憎、体が動かないから見せられないけど」

九尾「ふっ、たわけたことを抜かしおる」

陽乃の口先だけの言葉など、九尾は信じない。

顎で使うというほど酷いものではないが、

かといって、懇願しているほどのものでもない。

九尾「しかし主様、お主結局他人を気にせずには居られぬのじゃな」

陽乃「反乱でも企てられたら困るから……今の私は点滴に毒入れただけで殺せる病弱な女だし」

九尾「ふむ……」

九尾は陽乃の額にかかる前髪を払ってやると、

にやりと笑って顔を近づける。

陽乃「ちょ、ちょっと――」

何をするつもり。と、問いかけようとした声が消える。

陽乃の声は九尾の助力がなければかすれ声しか出せない。

そのうえ、体がまるで動かないからなされるがままで、どうしようもなくて。

ぎゅっと目を瞑った陽乃の唇には何の感触もなく、額に柔らかい感触が触れただけだった。

九尾「くふふっ、案ずるな。その程度では主様の命には関わらぬ」


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