【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【6頁目】
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989: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2022/03/13(日) 23:11:56.31 ID:kYN1Or9Bo
陽乃は多くのものを失った。
それは見知った知人であり、仲の良かった友人であり、その家族であれば、
全く知りもしなかった友人でもある。
そして、人々の狂騒によって母親以外の親類縁者を失った。
その経験から、陽乃は、他人の命というものに酷く執着している。
目の前で奪われていく、失われていく感覚を忘れることが出来ていないからだ。
その力から化け物と呼ばれ、
人々を襲った襲来の原因だと負の感情を押し付けられていても、
それでもなお、他人を捨て去れない原因の一つだろう。
だから、歌野は死なない道を選ぼうと考えた。
もちろん、いつかは死ぬことになるが、
少なくとも、戦いでは命を落とすことはないようにと。
その力を得ることのできない人々
そして、命を尽くすことを厭わない陽乃を可能な限り救うことが出来るようにと。
歌野「久遠さんが私達に命を懸けて欲しくない気持ちは痛いほど良く分かっているつもりよ。こんな体になった私を見た時の、その心がどれほどのものかだって、とても……だけど、久遠さんに並ぶためには人ではいられない。その体を支えるためには人ではいられない。だって、久遠さん自身がその身をすでに人ならざる者へと変えてしまっているんだもの」
歌野は、そう言って目を閉じる。
目を閉じても、陽乃の居場所が良く分かる。
陽乃の力である九尾とのつながりもあるからか、ひなたの居場所も、鮮明に瞼の裏に感じられる。
ゆっくりと瞼を開き、歌野は強く意志を込めて陽乃へと目を向けた。
歌野「私達を止めたいなら、まずは久遠さん自身が立ち止まって頂戴。それが出来ないなら、私達は踏み込むことも厭わないわ」
1、私がそうしたら世界が終わるわ
2、私は貴女と違って止まれるものではないわ
3、それは貴女の意志ではなく、宇迦之御魂大神様のせいよ
4、人として死ぬことが出来ないのよ
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