【今の自分が立ち上がるのは】能力者スレ【過去の自分の為】
1- 20
5:名無しのパー速民[sage saga]
2020/05/03(日) 22:14:18.07 ID:2XnYw3tsO
>>4

【劇場の外に1台の車が停まる。フォード社製、マスタング・ファストバック】
【カラーはブラック。1972年製のそれはこの世界の産物ではなく】
【そしてそれは、霞を穿つようなエンジン音を唸らせて――やがて、静まる】

【ここまでは劇場内にいる男の預かり知らぬこと。後から来た者の『足』が何かと云うだけの話】


――久しく足を踏み入れてみれば、居るのは哀れな三流役者だけとはな。

【かつんかつんと劇場の階段を降りてくるのは、女性。20代後半か、30そこそこだろうか】
【銀色の髪をオールバックにしたその者の左目には眼帯があり】
【背は175cmほど。編み上げのブーツと、白いシャツの上にレザージャケットという】
【ミリタリーテイスト、或いはユニセックスなそれが、女性の人となりを表すようで】

今日の演目は何だ?愚者の舞踊か、英雄譚の幕開けか……
それとも、観客自らお話でもしたものか。……まったく、嗚呼、嫌なものだな

【レザーグローブをはめた手で髪を撫でると、揺れた頭髪が銀から赤へと鮮やかに変わる】
【それはすなわち異能の証。かつてこの地を湧かせた、その一端なのだろう】

【されどその姿に熱狂はなく、執着もなく、献身も奉仕も見て取れない】
【一観客、オブザーバー、傍観者。なんとでも表せる、無責任な立場であり】
【しかしながら腰を下ろすのは舞台の縁。辛うじて、それは『舞台』と呼べる片隅で】
【くすんだ銀色の右眼を男に向けると、腕を組んだ女はくすりと微笑んでみせた】


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/2446.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice