過去ログ - 【恋の三角関数】スズカの好きな唇はそっち?こっち?それとも…【愛美と雪の板挟み】
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16:スズカ♂ ◆ZOIS.I0.aM[sage]
2011/03/17(木) 22:24:16.27 ID:NB3Gf5HUo
暗い部屋でケータイを弄っていると、愛美から電話が掛かってきた。
思わぬタイミングで着信がくるものだから、つい「切」ボタンを押してしまった。これはまずい。

「…これはまずい」

音はほんの一秒程度しか鳴り響かなかったため、家族が目を覚ました様子はなかった。
一つ息を吐いて、ケータイの設定画面から着信音を消音に設定しておく。
それから一分ほどが経過しても、愛美からの連絡はなかったので掛け直す気はないのだろうと判断し、
今度は私がケータイで愛美の番号を呼び出し、発信する。

呼び出し音が鳴り始めたところで、愛美の声が聞こえた。
随分と早く繋がったなあと思っていると、責められた。

『どうして切ったの』

「あ!いやあ…ごめん。着信音に驚かされて、切っちゃったんだ。本当だよ!」

愛美に伝えていることは紛れもない事実なのだが、どうしてこうも言い訳臭くなってしまうのか。
ああ、そうか。本当がいけないのか。

『ふうん。まあ、いいけどね』

「あ。愛美こそ、今の着信音平気だった?」

『当たり前でしょ。最初から音消しにしてるし。
 …ていうか、そんなことどうでもいいの!』

おっしゃるとおりで。ただ私は、どんなつまらない内容でも愛美と話せていることが幸せだった。
そのことを伝えるとまた「私の話が出来ない」と怒られてしまうだろうから、一人でこの幸せを噛み締めた。

『スズカを怒るために電話したんじゃない…』

「そんなこと、わかってる。愛美は、私の願いを叶えてくれたんだもんね」

沈黙。相槌にも期待していなかったから、別にかまわないけれど。


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