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魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 15:46:39.39 ID:wGAXVH.o
―魔王城最深部―

勇者「ふざけるな! お前を倒す為に俺はここまで来たんだ!」

魔王「繰り返すがな、私はお前と戦う気は毛頭ないんだ」

勇者「問答無用!」

魔王「……防げ」ギィン

勇者「魔法障壁かよ。そんなモン叩っ壊す!!」

魔王「話を聞けと言って……あー、もういいや。折れろ」バキ

勇者「なっ! ミスリル銀の剣が」

魔王「もう一度言うぞ。私の話を聞け。でないとめんどくさい」

勇者「め、めんどくさいってどういうことだよ!?」

魔王「めんどくさいものはめんどくさいんだ。そもそも私は戦闘とかは嫌いなんだよ」

勇者「だったらなんで人間を襲う! 魔王軍に滅ぼされた街や村はなんなんだよ!」

魔王「あれは元々我々が慎ましく暮らしてた村をお前達が奪ったんだろう。……いや、こんな話をするんじゃないんだ。メイド、メイドはいるか?」

メイド「ここに」シュタ
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 15:47:18.89 ID:wGAXVH.o
勇者「どっからでてきたの!?」

魔王「優秀なメイドだからな」ナデナデ

メイド「ありがたきお言葉です」ニコニコ

魔王「茶の用意を頼む。私と勇者の分だ。茶菓子も忘れないようにな」

メイド「はっ!」シュタッ

勇者「どっからこのテーブルセット出てきたの!? 魔法か何か!?」

メイド「メイド秘術ですよ。優秀なメイドたる者、主のご要望には即座にお答えせねばなりませんから」ニコニコ

魔王「なにを呆れてるんだ勇者。とりあえず座れ」

勇者「呆れてるんじゃなくてどうしたもんかと悩んでるんだけどな」

魔王「下手な考え休むに似たり、と言うだろう。突っ立てても何も進展せんぞ。いいから座れ」

メイド「ささ、どうぞ」

勇者「って俺はお前を倒しに来たんだっつってんだろーっ!」ガシャーン

魔王「そのティーカップ、結構高かったんだぞ……私のお気に入りなのに」ガッカリ

勇者「そんなん知る……か……」ヒタリ

メイド「少しでも動いたら頸動脈がまっぷたつ〜♪」

勇者「そんなバカな。お前、さっきまでそこに居ただろ!」
3 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 15:47:50.69 ID:wGAXVH.o
メイド「魔王様を悲しませる輩は私が片づけちゃいます。魔王様、話を聞く気のない勇者なんて始末しちゃいましょうよ」

魔王「待て待て。べ、別にお気に入りのティーカップが壊れてしまって悲しんでなんかないからな。落ち着け。勇者も変な事しないでくれ。こいつを怒らせたらややこしい」

勇者「お前魔王だろ!? なんでメイドの顔色窺ってんだよ!」

魔王「そいつ、キレるとぱないんだよ」

メイド「ぱないのー♪」

勇者「わかったよ。座りゃいいんだろ。どっちにしても剣がなけりゃ戦う事すらできないしなっ」

メイド「南の国で買ってきた極上の紅茶です」トポポポ

魔王「ありがとう。さて、勇者よ。やっと話ができるな」

勇者「こっちは話す事なんてないんだけどな。毒とか入ってないだろうな」

魔王「入ってるわけなかろう。同じポットから私の分も注いでるんだ。毒が入ってたら私まで死んでしまう。話を戻すが、これはお前にとっても悪い話じゃないぞ?」

勇者「どうせ『世界の半分をやるから私の味方になれ』とかだろ? んでもって俺が了承したら闇の世界をくれてやるーみたいなオチなんだろ?」

魔王「そんなカビの生えたような騙しはせん。だが、味方になってほしいというのは当たってるぞ」

勇者「あのなぁ、俺は人間で、お前は魔族だ。どうやったってお前の味方になんてなるワケないだろ」

魔王「魔族か。それはそうかもしれんが、姿形はお前達とそっくりだろ?」

勇者「人間に角生やしたらそんな感じになるんだろうけど、それだけで立派に魔族じゃねぇか。それにお前みたいな人間型の魔族なんて全体のほんの一握りだろ」
4 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 15:48:27.11 ID:wGAXVH.o
魔王「それはそうなんだが……魅力ないか?」

勇者「何にだよ」

魔王「私に」

勇者「はぁ!?」

魔王「自分で言うのも何だが、容姿はそんなに悪くないと思うんだがな」

メイド「魔王様素敵です♪」

勇者(確かに悪くないどころか美人さんなんだよなぁ……胸もでかいし。角生えてるけど)

勇者「って何言ってんだよ! お前に魅力なんて感じねぇよ!」

魔王「そうか……」シュン

メイド「ぱないの〜♪」シュタ

勇者「いや、うん、間違えた。悪くないと思う。うん、むしろイケてると思うぞ! だから鎧の隙間からナイフ入れるのやめてくれ」

魔王「メイド、私は勇者の直な感想を聞きたいんだ。余計な事はするな。それで、勇者は私を見てどう思うんだ?」

勇者「あー」

魔王「?」ワクワク

勇者「ってなんでこんな展開になってんだ?」

魔王「いいから答えろ。でないと……」

勇者「なんでにじりよって来るの!? いやいやいやいやその服ちょっと胸元空きすぎだろ! 目のやりばに困っ」ピト

魔王「んふふふふ」スリスリ

勇者「な、なにが起こってるのかわからねーと思うが俺も今なにが起こってるのかわからない……魔王が俺の腕に乳を押し付け……」

魔王「で、どうなのだ?」
5 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 15:49:00.71 ID:wGAXVH.o
勇者(うわ、これはたまらんかわいい。そんな潤んだ瞳で見るな! こいつは敵だこいつは敵だこいつは敵だこれはハニートラップなんだそうだそうに違いないここで負けると機密情報を吐かなきゃいけなくなってしまうんだ)

魔王「お前が知ってる機密情報なんてないだろうに。教えられてるのは勇者としての心構えとか戦闘方法、魔法くらいだろ。王都の地下に何があるか知ってるのか?」

勇者「王都の地下……? ってなんで俺の考えが!?」

メイド「だだもれでした。ハニートラップあたりから」

勇者「俺の馬鹿」

魔王「いやいや、嬉しいぞ。勇者が私に魅力を感じてくれてるんだからな」ニコッ

勇者「……(やべぇ、かわいすぎる。乳の魔翌力か!? 抵抗(レジスト)不可なのか!?)」

魔王「ん?」

勇者「お、王都の地下に何があるってんだよ? マスターキーで色んな扉開けてみて回ったけど別段何もなかったぞ?」ドキドキ

魔王「マスターキーは『扉』なら何でも解錠してしまうが、魔法で隠された『扉』は見えないから意味なかろう」

勇者「隠された扉だと?」

魔王「王城の地下2階、宝物庫の東南にある部屋に魔法で隠された扉がある。そこを見て尚勇者が私を倒すというのなら私は何も言うまい。お前の手にかかってやろう」

勇者「なっ!?」

魔王「転移術は使えるんだろう? ここの座標も教えてやるからぱぱっと行って見て来たら良い。あ、そうだ。メイド、例の物を」

メイド「ここに」スッ

勇者「マント?」

魔王「透明マントと言えばわかりやすいだろう。今からお前が行く場所は厳重な警備が敷かれてるからな。いかに勇者とはいえ止められる可能性の方が圧倒的に高い」

勇者「何があるんだよ」

魔王「見たほうが早いし、その方が信じてもらえる」

勇者「……」
6 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 15:51:58.43 ID:96ydaswo
まぁ様子見、メル欄にsaga
7 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 15:53:16.35 ID:wGAXVH.o
>>6 ありがとう。パー速と一緒なのか<saga



魔王「味方になってくれれば私を好きにしていいぞ?」

勇者「!?」

メイド「私もオマケでついてきますよ♪」

勇者「!!??」

勇者(何このエロゲ展開。魔王もアレだが、メイドも大概かわいいしスタイル良いよな……性格がアレだけど)

メイド「アレな性格ってどういうことか小1時間問い詰めたいところですが、魔王様に叱られてしまいますので不問にしておきますね」

勇者「俺の脳は口と直結してるっていうのがよくわかった……」

魔王「それで、どうする?」

勇者「わかったよ。口車に乗ってやる。どちらにしてもお前を倒そうにも武器がないからな。そのついでにお前が言ってた処も見てくる」

魔王「それでこそ勇者だ」ニコッ

勇者「(笑顔がヤバい)そ、それでその扉を隠してる魔法はどうやれば解けるんだ?」

魔王「行けばもう見えるぞ」

勇者「俺に何か術かけたのか!?」
8 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 15:53:57.25 ID:wGAXVH.o
魔王「いや、扉に掛かってる術は『そこに何があるか気付かせない術』だからな。何があるかわかった今となっては術そのものに意味がない。そこに扉があると知ってる人間には効果がないということだ」

勇者「すぐに戻って来てお前を倒してやるからな。首を洗って待ってろよ!」

魔王「押し倒すなら大歓迎だぞ」

メイド「私も〜♪」

勇者「ふ、ふざけんなっ! 転移呪!」シュンッ

魔王「ふぅ……なんとか第一段階はクリアーできたな」

メイド「そうですね。でも、勇者が『あれ』を見たとして本当に私達の味方になってくれるのでしょうか?」

魔王「勇者という名に偽りがなければ必ず助けてくれるはずだ」

メイド「困っている者を助ける性、ですね」

魔王「うむ。それにしてもやっぱり勇者はかわいいな!」

メイド「ウブですよね」

魔王「そこがまた可愛いんじゃないか。この衣装、恥ずかしかったけど効果はばつぐんだったな」

メイド「私が丹精込めて縫いあげましたからね♪ 魔王様の魅力を120%引き出してます」

魔王「ぐっじょぶ!」ナデナデ

メイド「ありがたきお言葉♪」ニコニコ
9 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:06:33.96 ID:K6RAM4Ao
続きまだかよ
10 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:07:40.48 ID:wGAXVH.o
>>9 ごめん、布団とりこむの忘れてあわてて取り込んでた。


− 王城 宝物庫 −

勇者(この辺りのはずなんだけど……相変わらず兵士が多いなぁ。宝物庫だからだと思ってたけど、魔王が言った通りならこの多さもうなずけるか?)

上級兵「変わりはないか?」

兵士A「はっ! 異常ありません!」

上級兵「もうすぐ交代の時間だ。がんばれよ」

兵士B「ありがとうございます!」

勇者(お仕事ごくろうさん)スタスタスタ

兵士A「仕事あがったら酒でも飲みに行くか?」

兵士B「いいな。いつもの店でぱーっとやるか」

勇者(これか? 確かここに扉なんてなかった筈だ。魔力反応もあるし、間違いなさそうだな。それにしても、兵士がいると扉開けれないよな)

兵士C「交代だぞー。申し送りやるからこっちこいよ」

兵士AB「おう」

勇者(ラッキーすぎる。この間に……)ガチャ パタン

勇者「ふぅ。ここまでくればマントもいらないだろ。階段か……行くしかないな」

勇者「結構下ってきたな。4階層くらいは下りた気がする。ってことは地下6階? 深すぎないか? っと、誰かいる。マントマント」バサリ

魔術師A「誰かいたような気がしたが」

魔術師B「気のせいだろ。それより始まるぞ」

勇者(この先に広間か? 開けた空間があるっぽいな)

上級魔術師「用意はいいか?」

魔術師団「はっ!」
11 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:08:53.58 ID:wGAXVH.o
勇者(おいおいおい何だよこの魔術師の数。ざっと見ただけで50人は下らないか? ここからだと見づらいな……ちょっと遠いけどあっちの階段を登ればテラスっぽいところに出るみたいだな)

上級魔術師「詠唱開始!」

勇者(何だこの詠唱? 神聖魔法じゃないな。聞いた事もない魔法語だぞ。魔術師達が円状に詠唱しててその中央に……)

勇者「!?」

人間子供A「な、なに?」

人間子供B「おうちにかえして!」

勇者(子供!? 10人くらいか? 一体何する気だ? って……)

魔族子供A「何だよここは!? 俺は魔族だぞ! お前達人間なんていつでも殺せるんだぞ!」

勇者(魔族の子供だと……? 捕獲したなんて話聞いたことないぞ!?)

上級魔術師「お前達は生贄となるんだよ。お前達の血肉を捧げ、この国にさらに強力な兵士を作り上げるのだ!」

人間子供A「なんなの? イケニエ? どういうこと?」

魔族子供B「くっ……魔力が抜けていく」

勇者(禁呪……か! 聞いたことあるぞ。たくさんの子供の血肉を使って人造人間を作り上げるっていうおぞましい魔法の話を。ただのホラ話だと思ってたけど)

人間子供C「あつい……あついよぅ」ハァハァ

魔族子供D「からだが……燃えそう……」

勇者(やめろ! やめろ!!)

勇者「やめろぉぉぉぉ!!」

魔術師A「!? 人がいるぞ!」

上級魔術師「テラスだ! 捕えろ! いや、殺せ! 魔術師団は詠唱を止めるな!」

勇者「うぉぉぉぉぉ!!」

兵士D「ゆ、勇者!?」

兵士E「馬鹿な! 見張りは何をしてたんだ!?」

勇者「どけぇぇぇぇぇぇ!」

上級魔術師「生まれよ! 人造兵士よ!」
12 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:09:06.37 ID:S0WV7MAO
期待
C
13 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:09:22.55 ID:wGAXVH.o
人間子供A「ぅぁぁああああああああああああああああ!!!!!」ズルズル

魔族子供A「うぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!」ベシャリ

勇者「溶けて……混ざっただと!?」

人造兵士A「ヴァアアアアアアアアアアアア!!!!」ビクンビクン

上級魔術師「勇者を倒せ!」

人造兵士A「グァァァァァァ!!!」ヒュン

兵士H「ぱっ!」ブシャァ

勇者「腕のひと振りで人間がトマトみたいに……やべぇ!」

人造兵士B「ゴォォォォォォォォ」ズダン

魔術師C「お、俺じゃない!」バヅンッ

勇者「こっちは真っ二つ……ってこのままだとやられる! 火炎弾っ!」

人造兵士A「ブルワァァァァァァッ!」ブシュウゥゥゥ

勇者「嘘だろおい、溶けながらまだ生きてるってアリかよぉ!?」

上級魔術師「再生してる、と言ってほしいところだが、見られたからには勇者といえども生かして帰せん!」

人造兵士CDE「グォオオオオオオオオオオオオオ!!!」

勇者「やっべ。氷壁呪!」キン

勇者「転移呪っ!」ヒュンッ

上級魔術師「しまった! 追え! 城内、王都内くまなく探せ! 連続で魔法を使ったんだ。遠くへは飛べないぞ! 人造兵士はいつも通り眠らせておけ!」
14 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:13:09.28 ID:wGAXVH.o
− 王都 郊外スラム地区 −

勇者「はぁっ、はぁっ! ここまでくればとりあえずは……」

下級市民「おめぐみを……」

勇者「すまない、今急いで……おい、この辺に休めるようなところないか知らないか?」

下級市民「おめぐみ次第」ニヤリ

勇者「あぁもう。ここはそういう所だった!」チャリン

下級市民「あっちの角に宿がある。国に届け出はしてないから兵士は知らんし、宿屋の看板もあげてない。連れ込み宿にはうってつけだぞ」

勇者「女なんていねぇよ! っつか俺はまだ童貞だ!」

下級市民女「じゃあお姉さんが格安で筆下ししたげるよ?」ウフン

勇者「それどころじゃねぇよ!」ダダダダダ

勇者「休ませてくれ!」

宿女将「一人かい? 500Gだよ」

勇者「たっか!」

宿女将「嫌なら余所をあたってくんな。これでも良心価格なんだよ。その代わりヤバい人間でも何でも匿ったげるよ。例えば兵士に追われてる『勇者様』でもね」

勇者「っ……た、頼む」

宿女将「まいどあり。部屋は2階の端だよ。すぐ横に非常階段があるけど、『非常時』以外は立ち入り禁止だからね。飯はすぐに届けるよ」

勇者「感謝する」
15 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 16:14:28.74 ID:wGAXVH.o
10分だけ離席します。最後まで書いてるので戻ったら黙々と投下続けます。
16 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 16:23:09.84 ID:vf0PgASO
様子をみよう
17 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:24:41.82 ID:wGAXVH.o
>>16 ありがとうございます。

戻りました。黙々と投下します。なお、短いのですぐに終わります。



勇者(一体あれは何なんだ……子供を生贄にした人造兵士だと? 禁呪を使ってまで王は何をしようとしてるんだ……? 噂になってた王都で頻発してる神隠しの正体はこれか。あの力と再生力は洒落になってないぞ)

宿女将「飯だよ」ガチャ

勇者「の、ノックとかいうマナーは!?」

宿女将「ない!」

勇者「言い切った!?」

宿女将「ほれ、飯だよ。あと、兵士がスラムの入り口まで来てるさね。ここはしばらくはバレないだろうけど、稼げて4〜5時間ってトコだと思っときな」

勇者「わ、わかった。すまない、わざわざありがとう」

宿女将「なーに、いいってことよ。お代はきっちりいただいてるんでね。こっちも信用商売ってやつさ。それに……」

勇者「それに?」

宿女将「王は変わった」

勇者「どういうことだ?」

宿女将「あんたが居ない間に王城に怪しい魔術師達が出入りするようになってね。その辺りから神隠しやら地面の底から唸り声がするようになったんだよ。魔族が攻めてきたっていう噂もあったけど、どうやらその気配もないしみんな不審に思ってたのさ。そしたら王様が軍備増強の触れを出したり隣国との国境線で小競り合いが起きたり色々と、ね」

勇者「王は争いごとは好まなかったし、俺を送り出す時もこれでもかっていうくらいの旅支度までしてくれたぞ」

宿女将「あぁ。性格が180度ひっくり返ったみたいにね。王を止めようとした家臣は全員打ち首にされちまったよ」

勇者「そんな馬鹿な! あの王に限ってそんな事っ」

宿女将「馬鹿な事が現実に起こってるのさ。このスラムに人が増えてるのがその証拠だよ。っと、ちょっとしゃべりすぎたかね。サービスにしとくよ」ウィンク

勇者「……あ、ありが、とう」(心臓止まるかと思った)

宿女将「飯食って寝な。今は回復が最優先なんだろ?」

勇者「そうさせてもらう。本当にありがとう」
18 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:25:13.80 ID:wGAXVH.o
宿女将「起きな……起きなって!」

勇者「ん……?」

宿女将「兵士がもうすぐ来るよ!」

勇者「!」

宿女将「一回は追い払ったけど、言わない内にまた来るだろうよ。その前に逃げな」

勇者「わかった。本当にすまない。ありがとう」

宿女将「いいってことさ。またのお越しをお待ちしてるよ」

勇者「必ず! 転移呪!」ヒュンッ

宿女将「あんたが最後の希望なんだ。頼んだよ……」
19 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:27:58.80 ID:wGAXVH.o
− 魔王城 魔王の居室 −

魔王「まだか?」ウロウロ

メイド「まだのようですね」

魔王「……まだか!?」

メイド「まだのようです」

魔王「遅いではないか! 何かあったのか!?」

メイド「まだ1週間ですよ? 勇者様が『あの光景』を見たなら間違いなく戦闘になったと思われます。となると、こちらに戻ってくる転移呪を使う魔力を溜めるのに時間がかかるはずです」

魔王「むぅ……」

バァン!!(扉)

勇者「魔王!」

魔王「勇者!」

勇者「あれは何だ!? 人造兵士ってどういう事……だ」パタン

魔王「勇者!? 勇者!! どうした!?」

メイド「気を失ったようです。限界まで魔力を使い果たしたようです」

魔王「どどどどどうすればいい!? 治療か!? 添い寝か!?」オロオロ

メイド「休んでいただきましょう。勇者様なんですから回復は早いはずです」

魔王「わ、わかった」
20 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:28:25.11 ID:wGAXVH.o
勇者「ん……?」

魔王「起きたか? 体調はどうだ?」

勇者「魔王……俺、どうなって……!?」ガバッ

勇者「魔王! あれは一体なんなんだ!? 人造兵士ってどういうことだ!?」

魔王「落ち着け! お前が何を言いたいかよくわかってる。頼むから落ち着いてくれ」

勇者「すまない……」

魔王「メイド、茶と食事を頼む」

メイド「こちらに」スッ

勇者「相変わらず早いですね!」

メイド「ご無事でなによりです。勇者様」ニコッ

魔王「うん。本当に無事でよかった。もしかして……とも思ってた」

勇者「ギリギリだったよ。俺に賞金まで掛けられて完全にお尋ね者だ。それより魔王」

魔王「あぁ、うん。わかってる。ちゃんと説明する。その前に食事を摂ってくれ。勇者が倒れるのはもう見たくない」

勇者「わかった」パクパク

メイド「あーん、ってしてさしあげましょうか?」

勇者「超遠慮します」パクパク

メイド「つまんない」

魔王「じゃ、じゃあ、私が……」

勇者「お願いします」

魔王「!?」
21 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:28:54.04 ID:wGAXVH.o
勇者「冗談ですごめんなさい調子にのりました」

魔王「あ、あ〜ん」

勇者「マヂデスカ」パクリ

魔王「ど、どうだ?」

勇者「美味しい。美味しい……」ポロポロ

魔王「ど、どうした!? どこか痛むのか!?」

勇者「魔王、少しむこう向いててくれ……」グスッ

魔王「……」ポフッ

勇者「むこう向いてて欲しいんだけど」

魔王「いいから。泣きたければ泣けばいい。私はお前の傍にいる」ナデナデ

勇者「……う……うわぁぁぁぁぁぁぁっ! 俺は、俺はあの子達を助けるどころか逃げっ……逃げてきちまった! 勇者なのに! 勇者なのに!!」

魔王「……」ギュッ
22 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:29:20.79 ID:wGAXVH.o
勇者「……すまなかった。色々ショックがでかすぎて完全に参ってた」

魔王「気にするな。勇者の気持ちはわかってるつもりだ」

勇者「もう落ち着いた。魔王、話してくれ。全部。あの悲惨な光景が目に焼きついて離れないんだ。あれは一体何なんだ? 禁呪でそういうのがあったというのは聞いた事はあるけど、ただのホラ話だと思ってたんだけど」

魔王「禁呪の一つなのは事実だ。全部話そう」

魔王「私達が気付いたのもつい最近だったのだがな。魔族の子供が何の前触れもなく消えてしまう、という報告があったんだ。調査してみたら王都に連れ去れたということがわかったんだ。そこで部下を王都に忍び込ませたんだが、何人もの部下が返り討ちに遭ってしまったので止む無く情報収集に重点を置いてみると、王の変貌から地下から響くうめき声、人間の子供も消えてるという話が出るわ出るわ……そこで思い当ったのが禁呪だ。あれは元々今は絶えてしまった高位魔族のごく一部のみに伝わる術でな。大昔に何かのひょうしに人間側に漏れたのが原因だと思う。術がわかれば魔力の流れからおおよその判断がつくので調べてみたら王城の例の扉にいきついた、というわけだ」

勇者「……子供の神隠しは魔族が子供を連れ去って食べてしまったという話を聞いていたんだが、実際は同じ人間が連れ去ってたんだな。しかもあんな酷い事まで」

魔王「うん。私が魔王に即位してからまだ15年程度だが、人間との接触は極力回避するように部下には徹底している。最初にも言ったが、私は争いは好かんのだ」

勇者「俺は」

魔王「?」

勇者「俺は、どうすればいいんだ」

魔王「……」

勇者「魔王を倒して人間の世界に平和をもたらすのが俺の使命のはずなのに、人間を傷つけているのが人間だったなんて話、俺はどうすれば良いんだよ」

魔王「……すまない。その答えは私には出せない。私は魔族だ。魔族の王として言いたい事は、ただ、我々はひっそりと暮らせれば良いのだ。人間との接触や衝突は望まない。確かに一部の下級魔族や魔物は知能が低いために私のいう事を聞かずに人を襲う事はある。それはいわば事故のようなものだ。重ねて言うが、我々は人間に害を為す気は今は、ない。だが、このまま魔族の子供たちが消えるような事が重なるのであれば……」

勇者「人間との衝突は避けられない、ということか」

魔王「うむ。だからこそ、私は勇者と手を組み、お互いの世界を護りたいのだ」
23 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 16:30:53.07 ID:wGAXVH.o
勇者「魔王、ちょっといいか?」

魔王「なんだ? 私が答えれる事なら何でも答えるぞ」

勇者「ごめん」ギュッ

魔王「なっ!?」

メイド「あらあら。何て熱い抱擁なんでしょう。ベッドの用意してきますね♪」シュッ

魔王(ゆゆゆゆゆ勇者が私を抱きしめっ!? 暖かいなぁ。落ち着くなぁ……)ホワン

勇者「魔王、暖かいな」

魔王「へっ? あぁ、そ、そうか? 私は実は冷え性で手足は冷たいんだが」

勇者「暖かいよ。うん」

魔王「勇者も……暖かいぞ」

勇者「俺は、お前達の味方にはなれない」

魔王「っ……」

勇者「俺は、人間も助けたい。魔族だけを助けるんじゃなくて、困ってる人みんなを助けたい」

魔王「勇者……いや、それでこそ勇者だな」

勇者「俺はただのお人よしなんだよ」ニコッ

魔王「それはそうと、いつまでこのままなんだ? 何だったらベッドルームまでこのままでも良いが」

勇者「!? す、すまんっ! ごめん!」

魔王「少しだけ恥ずかしかっただけだ。勇者よ、お前は困ってる人を助けたい、と言ったな」

勇者「あぁ。それが俺の使命だ」

魔王「我々魔族もその中に含まれる、と思って良いんだな?」

勇者「人間と魔族が相容れるまでには時間はかかると思う。今までの歴史が物語ってるからな。でも、俺は魔王を信じてみようと思う。頼ってくれるのなら、俺はお前の味方だ」

魔王「嬉しい言葉だよ、勇者。この上なく嬉しい言葉だ。喜びが心に満ち溢れるというのはこういう事なんだろうな」

勇者「王の目的はわからないけど、あんな酷い事は止めなきゃいけない」

魔王「うむ。それでは、共に」

勇者「戦おう!」

End.
24 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 16:33:30.13 ID:wGAXVH.o
以上となります。初のSS投下で試したい部分が多かったので尻切れトンボの話な上に内容が全くないスカスカなお話となってしまいました。

「[ピーーー]。氏ねじゃなくて[ピーーー]」「ツマンネ」など、罵詈雑言など遠慮なくよこしてください。小躍りして喜びます。

見てくださいました皆様には心より感謝いたします。
25 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:34:26.55 ID:vdQifUDO
続きキボンヌ
26 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 16:34:35.71 ID:Gg/H4MDO
えっ?
27 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:35:55.74 ID:96ydaswo
実はもうちょっとだけ続くんだよな?
28 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:59:45.09 ID:4.iqv7Eo
この量でここにスレ立てるなよ…
面白かったけど
29 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 17:02:10.41 ID:wGAXVH.o
>>25-28
暖かいお言葉をいただきありがとうございます。土下座しつつ感謝を表現させていただきます。
欲が出てしまったので今から書き溜めをして、明日以降になりそうですが続きを書いていこうと思っいます。

どうなるのか全く考えておりませんが、お暇でしたらお付き合いくださいませ。
30 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 17:08:10.53 ID:jQgWiR6o
えっ終わり⁉
31 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 17:24:43.75 ID:0SC/ZUDO
是非続けてくだしあー
続きが見たくてたまらない
32 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 18:22:56.88 ID:Hm9AhMDO
何打ち切ってんだよ
欲を出すも何もまだ始まったとこだろクズ
[ピーーー]するよ?そんでもってアッー!とか[ピーーー]とかいろいろするよ?
わかったら今すぐ書け糞ったれが!!
33 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:07:14.44 ID:wGAXVH.o
わがままだらけで申し訳ありません。今書けてる部分まで投下します。
今日は今からする投下で終わらなくてはいけませんので、平にご容赦ください。


― 魔王城 魔王の居室 ―

魔王「メイド、居るか?」

メイド「こちらに」シュタ

魔王「勇者の部屋を用意してくれ。何事もまずはここからだ」

勇者「適当な部屋でいいよ。こんだけ広い城なんだからどっか空いてるだろ?」

メイド「いえまったく」キッパリ

勇者「あれ!?」

魔王「いや、空きまくりだろ」

メイド「今さっき全部埋まりました。なので、勇者様は魔王様と一緒のお部屋、つまりここで暮らしていただきます」

勇者「おいおい」

魔王「め、メイド……それはちょっと」

メイド「反論は許可しません♪ 幸いベッドは元々魔王様お一人で寝るには巨大すぎますので問題ないですね」
34 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 19:07:54.37 ID:xMiXqPIo
こんなに可能性があふれてるスレを放棄するなんてもったいない!
これは書くべき
35 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:08:22.09 ID:wGAXVH.o
勇者「待て!」

メイド「?」キョトン

勇者「キョトン、じゃねぇ! 種族が違うとはいえ男と女だぞ!?」

魔王「そ、そうだぞ! いくらなんでも段階というものがだな」

メイド「きこえませーん」アーアー

魔王「こいつは……」

メイド「と・り・あ・え・ず。別室が空くまでで良いですのでご一緒にお願いします」

魔王「はぁ、しょうがないな。わかった」

勇者「俺はわかんないよ!」

魔王「何言ってもメイドは聞く耳もってくれないさ。諦めよう」ポン

勇者「潔すぎだろ……じゃ、じゃあ俺はそこのソファで寝るからな」

メイド「おぉっと手が滑ってソファが全壊してしまいました!」ガシャーン

勇者「どんな滑りかただよ!?」

メイド「ベッドでお休みください」

勇者「いいよ。床で寝る!」

メイド「あぁっ! 足が滑って床にまきびしがっ! しかも接着剤が!」

勇者「部屋から出れなくなっちゃうよね!?」

メイド「奇跡的に通路になりそうな空間だけ空いてました。とはいえ、あくまで通路なのでここで寝られると魔王様が夜中のお手洗いに行けなくなってしまいますので……」

勇者「今まで経験したことのない策略というモノを俺は今目の当たりにしている」
36 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 19:08:46.23 ID:QERSjtgo
やたあ!
いっぺんに読めなくてもいい
最後まで読めればそれでいいのです
ガンガレ!
37 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:09:01.17 ID:wGAXVH.o
王「ささ、勇者。こっちだこっち」ウキウキ

勇者「変わり身早いね」

魔王「切り替えが早いのだ。諦めてこっちにこい。もう夜も更けてきたし今日のところは寝てしまおう。明日から色々と対策を練らねばいかんからな」

メイド「ですです♪」

勇者「はぁ……わかったよ」

メイド「お風呂の準備はできておりますので鎧はこちらでお預かりいたします。お着替えはお持ちいたしますのでこちらへ」

魔王「私はここで待ってるぞー」

勇者「はいはい」
38 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:10:01.82 ID:wGAXVH.o
>>37 1行目

>王「ささ、勇者。こっちだこっち」ウキウキ

魔が抜けてました。魔王の発言です。ミスしました。すみません。割腹自殺でお詫びします。
39 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:11:03.26 ID:wGAXVH.o
― 魔王城 湯殿 ―


勇者「風呂でかっ! 一体何人用なんだよ……向こうの方なんて湯気で見えないぞこれ」チャポン

勇者(何か変な事になってるなぁ。魔王を倒しに来たっていうのにいつの間にか魔王と手を組んでるし)

勇者(王が心変わりしたっていうのは未だに信じられない。でも、あの地下で見た光景は間違いなく本当の出来事だ。こうしてる間にも子供達が犠牲になってるのかもしれない)

魔王「いや、それはないぞ」

勇者「なんでそんな事が言える……ってまままま魔王!?」

魔王「うむ、私だ」

勇者「ここ女湯だったの!? ごめん、すぐに出るから! 見てないよ? 魔王の真っ白い肌とか全然見てないから!」ザバッ

魔王「待て待て」ガシ

勇者「待たない待たない!」

魔王「混浴だ」

勇者「なん……だと?」

魔王「そもそもこの湯殿は私専用なのだ。私以外に入れるのはメイドくらいだぞ」

勇者「一人でこのでかい風呂って色々小市民の俺としては文句の一つや二つはあるんだがそれよりも!」
40 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:12:05.00 ID:wGAXVH.o
魔王「?」

勇者「出る!」

魔王「えー」スッ

勇者「へぶっ!」ビターン

魔王「目、つぶったままだと危ないぞ」

勇者「だ、誰の為を思って目を閉じてると思うんだ!」

魔王「約束しただろう? 勇者が味方になってくれるなら、私を好きにしていい、と」

勇者「言ってたけど! 言ってたけどさ……」

魔王「私はいつでも準備おっけーだ!」バッチコイ

勇者「いやいやいや、何だその、俺にも心の準備というか雰囲気つくりというか、まだ出会って間もないわけだし」

魔王「私は」

魔王「私は、ずっと勇者を見ていたぞ?」

勇者「へ?」

魔王「千里眼珠でお前が生まれた時からずっとお前を見ていたぞ」

勇者「ほわぃ?」

魔王「一目ぼれというやつだ。言わせるな恥ずかしい」///

勇者「……」///
41 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 19:12:13.26 ID:4.iqv7Eo
リアル優先でゆっくりやってくれればいいさ
42 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:13:42.72 ID:wGAXVH.o
勇者「い、いや、それは嬉しいけど、俺はまだ魔王の事何も知らないし。何よりも王城の地下で見たあの惨状のほうが気になる」

魔王「さすがは勇者だな。その優しさが好きだ」

勇者「い、いや……そう直球を投げられても困るんですけど。女の子と付き合った事とかないし」ボソボソ

魔王「それはおいおい、というやつだな。目を開けてくれ。バスタオルを巻いた」

勇者「お、おう」パチクリ

勇者(これは!? バスタオルが身体に張り付いて直接よりも何かやたらにっ!!)ブシューッ

魔王「ゆ、勇者!? なんで鼻血を噴水みたいに撒き散らして失神してるんだ!? メイド! メイド!!」

メイド「ここにっ!」シュタ

魔王「勇者が! やはり何か怪我をしてたのか!?」

メイド「魔王様のお姿に興奮したんですね。免疫ないっぽいですし」

魔王「ちょっとなさすぎじゃないか?」

メイド「ウブでかわいいではありませんか♪ こっちもかわいいですけど」

魔王「Oh……」///
43 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:14:59.35 ID:wGAXVH.o
― 魔王城 魔王の居室 ―


勇者「ん……?」

魔王「zzzzz」

勇者「あれ、俺一体……あ、そうか。俺、魔王を見て……」

勇者(鼻血吹いて失神とか子供すぎるだろ俺)

魔王「ゆう……しゃ」

勇者「どうした?」

魔王「zzzz」スヤスヤ

勇者「寝言か? 寝顔もやっぱり綺麗だなぁ……」

勇者「好き、とか言われてもまだ俺にはわかんないよ。色恋沙汰なんて経験なかったし、旅してた時の仲間はみんな男だったしなぁ」ソッ

魔王「zzz」ニコニコ

勇者「髪の毛、柔らかいんだな。女の子って全部柔らかいって本当なのかな?」ナデナデ

魔王「試してみるか?」

勇者「!?」
44 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:16:38.89 ID:wGAXVH.o
魔王「もう大丈夫か?」

勇者「いつ起きた!?」

魔王「寝顔も〜のあたりかな」

勇者「狸寝入りかよ!」

魔王「嬉しかったぞ。綺麗と言われた事は幾度もあるが、勇者に言われたのが一番嬉しかった」ニコッ

勇者(やばいやばいやばいやばい。かわいすぎるだろこれ!)

魔王「まぁ、それはそれとしてだな、明日は主だった部下にお前を紹介する。その後軍議だ。先程報告が入った。人間達が我々の領地に踏み込もうとしてる」

勇者「!」

魔王「人数からして偵察程度なのだろうが、監視してる者の報告では見た事もない棺のような物を1つ馬に引かせているらしい。大きさから考えて」

勇者「人造兵士……?」

魔王「かもしれん。境界線を越えたら我々とて自衛の為に攻撃に出ねばならん」

勇者「俺が行く」

魔王「許可できない。相手の目的も戦力もはっきりしない内はお前を出すわけにはいかん」

勇者「でも、魔王軍の幹部は俺が倒しちまったぞ? お前だってそれは知ってるだろう?」
45 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:17:26.11 ID:wGAXVH.o
魔王「四天王のことか? あいつらならもう復活してるぞ」

勇者「そんなことできんの!?」

魔王「我々の本体は肉体より精神に在るからな。精神が焼き尽くされない限りは時間はかかるが復活も可能だ」

勇者「そう……なのか。何から何まで違うんだな」

魔王「その溝を埋めてくれるんだろう?」

勇者「うん。できる限りの事はする」

魔王「頼もしい限りだ」ポス

勇者「あの、魔王さん、なんで俺の胸に抱きついてきてるんですか?」

魔王「親愛の証みたいなものだ。スキンシップだよ」ギュー

勇者「そ、そうなの?」///

魔王「風呂場での話しだが」

勇者「お、俺は見てないからな!? 魔王の豊かな胸とか!」

魔王「反応が楽しすぎるな。いや、そうではなくて例の人造兵士の話だ」

勇者「脳がピンクな俺は死んだほうがいいな」ガックリ
46 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/11/23(火) 19:19:18.42 ID:wGAXVH.o
魔王「あの魔術はそうぽんぽんと使えるものではない。子供達の調達……言い方が悪いが許してくれ。集めるにしても、時間がかかるだろうし、一度使えば1ヶ月は魔力を貯めるのに期間が必要なはずだ」

勇者「ということは、来月まで時間が一応ある、ということか?」

魔王「そうなるかな。我々も大幅に警備は強化してあるからそう簡単に魔族の子供がいなくなることもないと思う。何より人型の魔族はそんなに多くないからな」

勇者「そうか。だったらほんの少しだけ安心だけど、一つ訊いていいか?」

魔王「私に答えれることならば」

勇者「人造兵士になった子供達は、もう助けられないのか?」

魔王「……無理だ。魂のレベルまで魔術に侵食されしまっているし、肉体も細胞が変化してしまっているから元に戻す事ができない。我々にできることは安らかに眠らせてやることくらいだ」

勇者「……」

魔王「明日から忙しくなるぞ。休んでおけ」

勇者「あぁ……わかった」ボスン

魔王「その気持ちのままでは眠れないとは思うが、な」

勇者「おやすみ」

魔王「……おやすみ」
47 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 19:23:37.30 ID:wGAXVH.o
本日はここまで、となります。
私のような屑が書くSSに支援をくださった皆様、本当にありがとうございます。
重ねて土下座で地面深くに埋まりながら御礼申し上げます。

明日は夕方以降か夜の更新になるかもしれませんが、極力毎日更新を心がけつつ、皆様に「飽きた。もういいや。つまらん」と言われるまでは続けてみようと思っております。

酉とかはつけかたが全くわからないズブの素人ですので、万が一のっとられてしまった場合は私も読者の一員として参加させていただこうと思います。
製作速報VIPのルールなど全くわからない若輩者ではございますが、何卒お付き合いくださいませ。

それでは、皆様のご健勝を心より祈りつつ、本日は幕とさせていただきます。またお会いいたしましょう。
48 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 19:27:18.97 ID:xMiXqPIo
途中で割り込んじゃってごめん
楽しみにしてる
49 : ◆wT1lR7Pglw [sage]:2010/11/23(火) 19:27:33.76 ID:4.iqv7Eo
酉は半角#の後にキーを好きなように入力
ただしVIPとは読み取る桁数が違うので長いとVIPとこっちでは変わることがある
ex:#魔王俺の名前欄
当然分かりやすいキーはNG

あとここは支援保守無くてもいけるから書き込みは少ないかも試練が見てるから頑張れ
50 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 19:42:52.44 ID:qzdzCFg0
>>47

OKOK、続けてくれるなら
何でも良いさ。
51 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 20:22:47.85 ID:V6KWMUDO
面白い支援
つまんないって言われても完結までちゃんと続けて欲しいぜ

しかし「産まれた時から見て」て「ひとめぼれ」とは



…………………魔王さまなんたるしょたこn
52 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 20:43:36.99 ID:vf0PgASO
うむ
もう少し様子をみよう
53 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 03:00:42.54 ID:mzhLREso
面白いのハケーン
頑張って続けろ下さい
54 : ◆JbHnh76luM :2010/11/24(水) 06:48:56.75 ID:ilvoJZ.o
おはようございます、>>1です。
みなさんの暖かいお言葉本当にありがとうございます。

酉つけてみました。巧く表示されると小躍りしておきます。

本日夕方からの再開予定でしたが、予定していた仕事が空いてしまったので今から書き溜めしていこうと思っております。
プロット組んでないので同時進行しながら皆様に楽しんでいただけるようにがんばっていきますので、お暇な方はお付き合いくださいませ。

書き溜めがある程度溜まったら投下していきます。

本日も皆様にとって素敵な一日でありますように、お祈り申し上げます。
55 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 06:54:33.44 ID:QzEVGxko
待ってる
56 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 07:48:32.10 ID:sw8yf.E0
支援
57 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 08:16:50.46 ID:ilvoJZ.o
うわぁ……書くの遅すぎだ。お待たせいたしました。投下再開いたします。
読み直しは一応しておりますが、誤字脱字などが出てしまった場合、極力速やかに訂正したいと思っております。

書き溜めと投下を同時進行いたしますので、昨日程のハイペースでの投下はできませんが、楽しんでいただければ幸いです。



― 魔王城 謁見の間 ―

魔王「皆の者、今日集まってもらったのは他でもない。我々に協力してくれる者が来たので紹介したいと思う」

四天王朱「勇者、ですか」

魔王「うむ。お主達にとっては許しがたい者ではあると思うが、この状況を打破するには勇者の力が絶対必要なのだ」

四天王蒼「それは理解しております。魔王様が魔族の平和を望むのも」

四天王碧「だがしかし、我々としては勇者を信用するわけには」

魔王「それはよく理解している。勇者は人間だ。我々の領土を侵した人間だ。だがしかし、今、ここで勇者といがみ合っていてはこの先我々に待ち受けているのは破滅しかない。我々が勇者に斃されるか、我々が人間を根絶やしにするか、だ」

四天王黄「……我々は勇者に負けた。魔族の世界は弱肉強食が基本だ。私は勇者の力を認めるつもりだ」

四天王碧「黄! 貴様日和るのか!」

四天王黄「そんなつもりはない! だが、魔王様のおっしゃる事も事実だ。今我々がこやつを、勇者を仲間として受け容れなければ魔王様が望む未来は訪れない! お前達とてそれはわかっているだろう?」

四天王朱「……今、人間共が我々の領地に近づいている。やつらを追い払えば私は勇者を仲間と認めよう」
58 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 08:17:29.26 ID:ilvoJZ.o
魔王「朱っ! それは……」

勇者「いや、それで俺を仲間と思ってくれるならそれでいい」

四天王蒼「ふむ……では私もそれでよかろう。彼の地は私が魔王様より管理を任されている場所。見届け人として同行するが、よろしいか?」

勇者「あぁ。それでいい」

魔王「勇者……」

勇者「そんな顔するなよ。何も人間を殺せっていうワケじゃないだろ? こっち側に来るのを止めればいいんだ。なんとかしてみるよ」

四天王朱「その意気や好し。では、勇者のお手並み拝見といこう。報告では3日後には人間共が我々の領内に入るとのことだ」

四天王蒼「現地に行く時は俺に声を掛けてくれ。1時間程度で送り届けてやる」

勇者「わかった」コクリ

魔王「やむをえん。では、次に……」
59 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 08:18:30.80 ID:ilvoJZ.o
― 魔王城 中庭 ―

勇者「ふんっ!」ヒュッヒュッ

メイド「あら勇者様、こんな所におられたんですか」

勇者「メイドさんか。何かあったのか?」

メイド「いえ、魔王様のお部屋におられなかったので」

勇者「勝手にウロつくのはよくなかったか?」

メイド「既に勇者様が魔王様と手をお組みになったのは通達していますので問題はないですけど……鍛錬ですか? タオルをどうぞ」

勇者「ありがとう。毎日剣を振っておかないとすぐに鈍るからな。先週はゴタゴタしてて素振りもしてなかったし」

メイド「真面目なんですね」ニコニコ

勇者「貧乏性なだけだと思うけどなぁ……」

メイド「練習相手になりましょうか?」

勇者「それは嬉しいけど、その服で剣振れるのか?」

メイド「私達メイドにとってはこの服装が戦闘服ですよ? 勇者様も私の動きはご覧になったかと思いますが」

勇者(あの瞬間移動みたいなやつか……あの時はパニクってたけど、今ならちゃんと追えるか?)

勇者「じゃあ、頼んでもいいかな? 素振りだけだとちょっと物足りなかったんだ」
60 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 08:20:13.54 ID:ilvoJZ.o
メイド「了解いたしました」ブン

勇者「なにその格好良い光の剣みたいなの!?」

メイド「魔力を実体化させてるだけですわ。コツさえ掴めば勇者様にもできるかと」

勇者「すごいやってみたいけどそれって殺傷能力めちゃくちゃ高そうだよな……練習レベルじゃなくならないか?」

メイド「魔力を加減すれば木刀レベルの威力にまで落とせますよ」

勇者「便利すぎだろう……今度教えてください」

メイド「はい♪ では、今日のところは勇者様はその木刀でよろしいですね?」

勇者「いいけど、当たったら痣にはなっちゃうぞ? 加減はするつもりだけど下手したら骨折くらいはしちゃうかもしれないけど、大丈夫か?」

メイド「優しいお言葉ありがとうございます。私も魔族のはしくれ。人間よりは遥かに丈夫ですので、手加減などせずに全力でお願いいたします」

勇者「女の子相手に全力っていうのもアレだけど、お願いします」

メイド「はい♪」

勇者「じゃあ、いきます」ザッ

メイド「どうぞっ!」ザッ

勇者「おぉぉぉっ!」ビュン

メイド「はっ!」キン、ザッ

勇者「こうだっ!」ビュッ

メイド「こっちですわ」ヒュンッ

勇者「背後っ!?」ギッ

メイド「よく防がれましたね」ニコッ

勇者「今回は見えたからな」ブンッ
61 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 08:21:23.41 ID:ilvoJZ.o
メイド「では、ちょっと本気モードです」ブブンッ

勇者「分身!? なにそれ格好良い!」ガガガガッ

メイド「あら、防がれてしまいました」

勇者「一応勇者なんでね。連突っ!」ドドドドッ

メイド「おっとっと……」キンキンキンドッ

メイド「痛っ……では、ふるぱわぁ♪」ドンッ

勇者「!?」

メイド「あははははははははは♪」ドガガガガガガガガッ

勇者「ちょっ!?」ガガガガガガッ

メイド「うふふふふふふ」ヒュヒュンッ

勇者「見えない!? ぐふっ!」ドガッ

メイド「ふふふふふふふふふ」フブ゙ンッ

勇者「二刀流かよっ!」ギンッ バッ

メイド「あはははははははははははははっ! 勇者様も本気でどうぞ♪」ガンッ ドスッ

勇者「ちっ……加速! 硬化!」ヒュンッ ギンッ

メイド「楽しいですわね♪」ブゥンッ ヒュパッ

勇者「必死だよっ! っと」ザッ

メイド「あら、今の避けちゃったんですか。さすがは勇者様ですね」ブンッ

勇者「くぁっ!」ドガッ

メイド「ほらほら、後ろは壁ですよ〜? うふふ」ニッコリ

勇者「俺、弱すぎないか?」

メイド「いえ、勇者様は十分お強いかと。人間にしては、ですけどね♪」

勇者「一応俺、四天王に勝ったんだけどなっ!」ザッ

メイド「私は魔王様の直属メイドですわよ。四天王ごときと私を比べていただいては困りますわっ!」ザザンッ

勇者「まじかよー!?」ガッガッ

メイド「ほぅら、追い詰めた♪」
62 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 08:22:53.96 ID:ilvoJZ.o
勇者「ぐっ、こうなったら……」

魔王「何をしている!?」

勇者「魔王」

メイド「魔王様」サッ

魔王「メイド、一体何事だ! 勇者と戦うなんてどういうつもりだ!?」

メイド「申し訳ございません」

勇者「練習相手になってもらっただけだよ。別に本気でやったつもりはない」

魔王「明らかにメイドは本気だったぞ。魔力剣の威力が高ければ危険だった」

メイド「すみません……思わず熱くなってしまいました」

勇者「いや、久しぶりに本気で身体を動かせたから良かったよ。ありがとう、メイドさん」

メイド「お役に立てて光栄ですわ、勇者様」ニコッ

魔王「まったく……二人とも痣だらけではないか」フォン

勇者「回復魔法か。ありがとう、魔王」

メイド「私ごときのために、ありがとうございます」ペコリ

魔王「くれぐれも気をつけてくれ。二人とも私にとって大事な人なんだからな」

メイド「ありがたきお言葉です」

勇者「気をつけるよ。それで、何か用だったのか?」

魔王「あぁ、勇者に用があったんだ。お前、剣は持ってきたのか?」

勇者「いや、王都に着いてすぐに王城に行ったから自宅には寄ってないんだ」
63 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 08:23:23.21 ID:ilvoJZ.o
魔王「そんなことだろうと思った。これを使え」ヒュン

勇者「何この持った瞬間呪われそうな装飾がついた剣」

魔王「失敬だな。これは歴代魔王のみが所有できる覇王の剣という物だ。数代前の魔王が鋳造したそうだが、威力は折り紙つきだぞ」

勇者「いやでも、このデザインはちょっとなぁ……柄の先端にドクロっていかにも! って感じじゃないか?」

魔王「格好良いではないか」

メイド「素敵ですわ♪」

勇者「センスに決定的なズレがあるのかな……それに、その剣は魔王専用なんだろ? 俺が使うわけにはいかないよ。適当なのを貸してくれればそれでいいさ」

魔王「ふむ……とはいえ、勇者が使えるようなサイズの剣というのはなかなかなくてな」

メイド「基本的に人間より大きいですからね、私達」

勇者「あー、そうか……困ったなぁ。魔力剣はまだ使えそうにないしなぁ」

?「では、これを使え」ドスッ
64 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 08:25:31.71 ID:ilvoJZ.o
勇者「ん? おぉ、ちょうど良いサイズだなっ」

魔王「朱か」

四天王朱「はっ。さしでがましいとは思いますが」

魔王「構わん。そういえばお前は我々と同じようなサイズだったな」

勇者「でもこれ、いいのか? 俺と戦った時に使ってたやつだろ?」ヒュンッ

四天王朱「我はお前に負けたからな。ドロップ品というやつだ」

勇者「メタ発言だなぁ……」

四天王朱「それに予備の剣はまだあるから気にするな。それは朱雀の剣という業物だし、勇者たるお前にとっても不足はないはずだぞ」

勇者「うん、重さもちょうど良い。借りるな」

魔王「私の剣はつき返したのに朱の剣は素直に借りるんだな……」ドヨーン

メイド「ぱないのー♪」

四天王朱「って我か!?」

メイド「勇者様はさっき散々楽しませていただきましたからね」

魔王「まぁよい。メイド、やめとけ」

メイド「はぁい」

勇者「なぁ朱さん、メイドって……」コソコソ

四天王朱「あぁ……俺達より余裕で強い」コソコソ

勇者「魔王も女だし……何だろう、漢の面目丸つぶれ?」ガッカリ

四天王朱「まぁ、気にするな」バンバン

魔王「なにをコソコソとやっている。それで勇者、人間はどうするんだ?」

勇者「うん、とりあえずは直接話してみるよ」
65 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 08:26:58.27 ID:ilvoJZ.o
魔王「それってノープランって言わないか?」

勇者「ぐっ……い、いいだろ。まずは対話からだ。それでダメならその時考えるよ」

魔王「むぅ、心配この上ない」

勇者「とはいえ、素直に引き下がってくれるとは思ってないけどな。でも、できるだけ戦闘は回避するつもりだよ」

魔王「うむ。今下手に人間を刺激するのはまずいな」

四天王朱「いつ頃行くんだ?」

勇者「夕方手前くらいに行くつもりだ」

魔王「そうか。では昼食にするか。メイド、頼むぞ」

メイド「はい」







朝飯食ってきます。戻り次第投下再開します。
66 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 09:09:36.91 ID:ilvoJZ.o
戻りましたが、ちょっと家事と犬の散歩でしばらく出ます。申し訳ございません。
できるだけ早く戻れるようにしますが、次の更新はお昼前後になると思います。平伏して謝ります。
67 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 09:24:40.11 ID:fan1KgSO
さっきまでいがみ合ってたのに四天王の一人と早くも打ち解けやがったwwwwww
68 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 10:11:18.69 ID:5kmI9iIo
ニヤニヤ
巨乳の魔王とか俺得
69 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 11:24:13.57 ID:ilvoJZ.o
ご支援ありがとうございます。戻りました。昼食前に2,3レス投下します。


― 魔王城 魔王(と勇者)の居室 ―

勇者「朱さんが剣貸してくれたのは意外だったな」

魔王「なんでだ?」

勇者「いやだって、目の敵というかさ、魔王だって言ってたけど俺、四天王全員倒しちゃってるからさ」

魔王「あぁ、そんなことか」ケロッ

勇者「そんなことって……」

魔王「我々は過去の事は然程気にしないぞ。割り切りが良いのだ」

勇者「ふーん……そんなもんなのか?」

魔王「お前は四天王全員を一度斃してるからな。力量は一応認められてるのだろう。黄も言ってたように我々の世界は弱肉強食だ。負けた相手は自分より立場が上と考えるのが基本だな」

勇者「結構簡単なんですね」

魔王「その分、力関係が全てを決めるから面倒でもあるんだがな。だが、例え斃されたとはいえ、勇者は人間だから。あやつらにもプライドというものがある。朱や蒼、黄は比較的柔軟な考え方を持ってるが、碧はちょっと堅物だな」

勇者「覚えておく」

メイド「お食事をお持ちしました」

魔王「良いタイミングだ。いただこう」

メイド「本日のランチは焼きそば、ご飯、お味噌汁です♪」

勇者「あれ、ここ、商人の街だっけ? つか、魔族も人間と同じようなモン食べるの?」

魔王「私やメイド、朱のような人型は人間とほとんど変わらんぞ。これは以前にお忍びで商人の街に行った時に食べて美味しかったので味を盗ませたんだ」

勇者「俺が持ってる魔族とイメージが違う……」ムムム

魔王「我々も人間に歩み寄ろうとしてるのだよ」

メイド「美味しいですよ〜♪」ニコニコ
70 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 11:25:28.66 ID:ilvoJZ.o
― 魔王城 大テラス ―

四天王蒼「用意はいいか?」

勇者「おう。いつでもいいぞ」

魔王「くれぐれも気をつけてな」

メイド「ご武運をお祈り申し上げます」

勇者「ありがとう。じゃあ、行ってくる……ってどうやって行くんだ? 転移呪使おうにも俺は座標わかんないぞ」

四天王蒼「飛ぶ」

勇者「飛ぶ?」

四天王蒼「ふんっ!」バサァ

勇者「羽根生えた!」

四天王蒼「背中に乗れ。翼の付け根に捕まっておけ」

勇者「じゃ、じゃあお邪魔します」

魔王「蒼、お前や勇者の身が危険だと感じたら引き返せ」

四天王蒼「承知しております。しかし、我とて四天王の一翼。人間如きに遅れをとるつもりは微塵もありませぬ」

魔王「うむ、それはわかっておるがな……」

勇者「魔王は心配しすぎだよ。蒼さん、頼みます」

四天王蒼「応!」バサッ

メイド「いってらっしゃいませ〜」ヒラヒラ

魔王「無事に戻れよ」
71 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 11:29:02.40 ID:ilvoJZ.o
― 魔族領上空 ―

勇者「うぉー! 快 適 !」

四天王蒼「そうだろうそうだろう。数多い魔族の中でも空を翔べるのは私の一族だけだからな」

勇者「竜族なんだっけ?」

四天王蒼「正確には飛竜族だな。龍族とはかなり遠い親戚みたいなものだ」

勇者「ふーん……そいえば旅してる時に龍と遭った事あるな」

四天王蒼「それは幸運だな。龍族は数が少ない上に魔族とも人間とも距離を保っている。いわば中立の立場だ。あいつらは自分達に危害を加えられない限りは動かぬからな」

勇者「やたら喋る龍だったなぁ……技も教えてくれたし」

四天王蒼「ふむ、我も詳しくはないが勇者というのは有名ではあるから興味本位で接触したのかもしれん」

勇者「魔王に言われたんだけど、俺が生まれた時から俺を監視してたのか?」

四天王蒼「うむ。勇者といえば我々の天敵のようなものだからな。生まれた瞬間に村ごと消してしまえという意見も多かったが、魔王様……当時はまだ魔王ではなかったが、彼女が強硬に止めたらしい。我はその時はまだ一兵卒でしかなかったのでよくは知らぬがな」

勇者「変わり者の魔王だよな」

四天王蒼「ふっふっふ。だがな、魔王様はなによりも我々の事を考えて下さっている。魔王様が魔王に就いてから魔族の間では無益な争いも起こらなくなったし、暮らしも楽になったのだ」

勇者「よくわかるよ。あの魔王ならそうだろうな」

四天王蒼「人間領にそろそろ入るぞ。人間共が留まっている場所まで歩いて半日程度の処に下りる」

勇者「それが良いな。いきなり上空から降りてきたら確実に敵対しそうだし。ここまで来るのも相当危険なんだろ?」

四天王蒼「人間の監視所からは離れた場所だから大丈夫ではあるが、危険に変わりはないな。我は森に姿を隠してお前の動向を見届ける。撤退の場合は合図してくれ」

勇者「ちゃんとカタがつけれるように努力はするよ」

四天王蒼「でないと我々としてもお前を認めるわけにはいかんからな」

勇者「ありがとよ。一度は倒しちまったけど、悪かったと思ってる」

四天王蒼「気にするな。我が弱かったという事だ」

勇者「よし。行ってくる」

四天王蒼「うむ」
72 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 11:31:03.78 ID:ilvoJZ.o
頻繁に中座して申し訳ないことしきりですが、お昼ご飯作って食べてきます。
焼きそば食べる。
73 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:02:27.89 ID:ilvoJZ.o
再開です。今あるストック分全部投下。その後書き溜めに戻ります。
筆が遅いのはどうしようもないので「このヘタれ!」とでも罵ってください。


― 魔族領東端 人間領との境界線から2日程度の場所 ―

指令官「今日はこの辺でキャンプを張れ」

兵士A「はっ! 行軍停止! 輜重班はテントの準備を! 哨戒騎兵は周辺の確認を!」

司令官「人造兵はどうか?」

魔術師A「問題ございません。『籠』の中で眠らせております」

指令官「今回の強行偵察が人造兵の初陣だ。何があっても失敗は許されんぞ」

魔術師A「はっ。心得ております」

勇者「そこなんだけど、悪いけど退いてくれないかな?」

兵士B「何奴!?」

魔術師C「お、お前は……」

指令官「勇者!!」

勇者「うん。いきなりで悪いんだけど、王都に戻って欲しいんだ」

司令官「何を寝言を! 貴様には王から討伐の令が下っておる。覚悟っ!」

勇者「待て! 俺は戦いに来たんじゃないっ!」キンッ

司令官「何をしている! 勇者を捕らえろ!」

勇者「だから落ち着けよっ!」

兵士BCDE「うぉーっ!」

魔術師ABC「火炎矢!」

勇者「うぉっ! 話をっ! 聞けってばっ!」

指令官「聞く耳など持たぬわ! 王に仇なす裏切り者め!」ザッ

勇者「っ、光壁!」キィン

兵士D「もらったぁっ!」ザッ

勇者「よっと……頼む! 俺の話を聞いてくれっ!」
74 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:03:30.97 ID:ilvoJZ.o
指令官「黙れ黙れ黙れっ! 人造兵を出せ! 勇者を血祭りにあげてしまえ!」

勇者「やばっ」

魔術師A「5分で覚醒できます!」

指令官「囲め! 人造兵より先に勇者を仕留めた者には金貨10枚出すっ!」

兵士達「おぉぉぉっ!」

勇者「多勢に無勢って感じか?」ジリッジリッ

指令官「諦めろ。素直にその首を差し出せ。せめて痛みを感じる前に殺してやる」

兵士C「いくら勇者でも……」

兵士D「こっちはこれだけの人数がいるんだ」

兵士E「金貨、金貨」ジリジリ

勇者「はーなーしーをー、聞けっ!」ゴゥッ

兵士達「うわぁぁぁぁぁ」

魔術師「強風呪!? こんなに強力だとはっ」

指令官「くっ……怯むな! やってしまえっ!」

兵士達「覚悟ぉぉぉぉっ!」

勇者「ふんっ!」ガガガガガッ

兵士達「うぉぉぉ!?」

勇者「鎧の一番硬い部分を狙った。俺は傷つけたくないんだ! 頼むから話を聞いてくれ! 王都の異変について話があるんだ!」

指令官「しつこいっ! お前に貸す耳などないわ!」ビュンッ

勇者「っく!」ガインッ

魔術師A「人造兵、起きます!」

人造兵「グォォォォォォォ!!」
75 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:04:27.89 ID:ilvoJZ.o
勇者「ちっ!」

指令官「勇者だ! 勇者を殺せっ!!」

人造兵「ォォォォォォオオオオオオオッ!!」ビュンッ

勇者「光壁! 加速! 硬化っ!」フォンッ

人造兵「グルァァァッ!」ブンッブンッ

勇者「やめさせろ! こいつの正体がわかってるのか!?」

指令官「王より拝領した魔術の粋を集めて造り上げられた人造兵だ! 戯言など言ってる場合か?」ニヤニヤ

人造兵「ヴォォォッ!」ザッ

勇者「手が刃状にっ!?」ギンッ

勇者「斃すしか……ないっ!」ガッ

人造兵「ギャォォォ!!」ズザッ

勇者「強化治癒! 身強化!」フォフォンッ

勇者「ごめん、どうにかして元の身体に戻してやりたいけど、俺にはっ! 氷槍っ!」ドッ

人造兵「グァァァッ!」

指令官「片腕を切り落としただと!? あいつは化け物か!?」

勇者「伊達に勇者じゃねぇよっ!」

人造兵「ブルァァァァァッ!」

勇者「くっ、光壁っ」ギィン

指令官「今だ! 弓兵っ!!」

弓兵「はっ!」ヒュパッ

勇者「!?」ザクッ
76 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:05:25.15 ID:ilvoJZ.o
人造兵「グォォォォッ!」ドガッ

勇者「がっ! き、きたねぇ」

指令官「逆賊相手に騎士道精神などあるわけなかろう! さぁ、死ねっ!」

四天王蒼「勇者! 捕まれっ!」

指令官「魔族!?」

勇者「すまんっ!」ガッ

指令官「追えっ! 弓兵っ! 撃ち落せ!!」

四天王蒼「急上昇する。痛むだろうが耐えろ!」

勇者「っ!」

指令官「勇者が魔族と手を組んだだと……王都へ戻るぞ! 早馬を用意しろ! 王にこの事を伝えるのだ!」

四天王蒼「結果オーライ、か?」

勇者「一応……はそうかもしれないけど、これは最悪だ」

四天王蒼「矢を抜くぞ。歯を食いしばれ」ブシュッ

勇者「ぐぁっ!」

四天王蒼「毒が塗ってあるのか! 治癒魔法は使えるか?」

勇者「痛みで集中できねぇ」

四天王蒼「急いで戻る。耐えろ!」ビュンッ
77 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:06:07.58 ID:ilvoJZ.o
― 魔王城 魔王の執務室 ―

魔王「……っと、これでこの部族間の調停は良しっと。んーっ」ノビッ

魔王「勇者、まだ帰ってこないかな? 戦闘になってなければ良いのだが」

バンッ(扉)

メイド「魔王様っ! 勇者様と蒼将軍がお戻りです!」

魔王「わかった。すぐ行く」

メイド「勇者様がっ!」

魔王「何があった!? 案内しろ!」

メイド「はいっ!」
78 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:07:17.85 ID:ilvoJZ.o
― 魔王城 魔王(と勇者)の居室 ―

魔王「勇者っ! 大丈夫か!?」

四天王蒼「魔王様っ!」サッ

魔王「良い。勇者の容態は?」

治癒魔族「矢に毒が塗られていましたが、手当てが早かった為、大事には至りませんでした。今は寝ておりますが、一晩経てば大丈夫かと思います」

魔王「そうか……よくやってくれた。下がって良いぞ」

治癒魔族「はっ」ガチャパタン

四天王蒼「申し訳ございません」

魔王「何を言うか。お前が居たから勇者は無事だったのだ。私が礼を言わねばならん」

四天王蒼「もったいなきお言葉」

魔王「して、人間共は?」

四天王蒼「それが……」

魔王「……ふむ。厄介な事になったな。この件に関しては考えねばならんな。人間共に監視はつけているか?」

四天王蒼「私の配下をつけております」

魔王「変化があったら逐一報告せよ。お前も休め。ご苦労だった」

四天王蒼「はっ」ガチャパタン

魔王「勇者……」ナデナデ

勇者「……」
79 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:07:43.00 ID:ilvoJZ.o
魔王「やはり私達は相容れないものなのか…?」ナデナデ

メイド「魔王様」

魔王「どうした?」

メイド「治癒魔族より勇者様用に調合した薬だそうです」

魔王「うむ。労ってやってくれ」

メイド「はい……やはり、人間は勇者様のお言葉に耳すら貸さなかったようですね」

魔王「そう、だな。私達が思っているより勇者にとっては厳しい状況になっているのかもしれん」

メイド「勇者様は人間を裏切った反逆者の謗りを受けてしまうのでしょうか?」

魔王「免れんだろうな。蒼が助けた時にその姿は見られてしまっているし、な」ナデナデ

メイド「……」
80 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:08:58.64 ID:ilvoJZ.o
― 魔王城 魔王(と勇者)の居室 ―

勇者「んー……ん?」パチ

勇者「魔王の部屋か……そっか、俺、蒼さんに運ばれて……って!?」

魔王「ん……勇者?」ギュ

勇者(落ち着け落ち着け落ち着け俺! なんで魔王が俺の横で寝ててしかも俺の右腕に絡み付いてるんだ!? そうかこれは幻だ! きっと毒が俺に見せてる幻影なんだ!)

魔王「ゆう、しゃ? 大丈夫か?」トロン

勇者「だだだ大丈夫。大丈夫だよ! あっはっは」

勇者(やべぇ! 何だこの幻!? 魔王が当社比1.5倍、いやそれ以上にかわいいぞ!? 潤んだ瞳とか右腕にあたる柔らかい感触とかっ!)

魔王「ちなみに夢とか幻じゃないからな」

勇者「ナンデスト」

魔王「寝ずの番をしようと思ったのだが勇者の寝顔が落ち着いてきたのを見たら気が抜けてしまってな」

勇者「あー、その……」

魔王「ん?」

勇者「すまん、最悪な状態になった」ショボン

魔王「あぁ、蒼から聞いている。私の方が謝らねばならん。勇者にこれ以上ない辛い役回りをさせてしまったかもしれん」

勇者「いや、それは俺が選んだ道だから」

魔王「……」ギュッ

勇者「……」
81 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:10:14.08 ID:ilvoJZ.o
魔王「本当にすまない。勇者に反逆者の汚名を被せる事になってしまった」

勇者「遅かれ早かれこうなってたさ。王城の地下で見つかったあの時から薄々思ってたよ」

魔王「何か、私にできる事はないか?」ギュギュッ

勇者(とりあえず腕にくっついてる天国を離してほしい……)「いや、気にしなくていいよ。俺が自分で決めたんだ。これは俺の問題だ」

魔王「そうやって一人で抱え込む……」プク

勇者「何この可愛い生き物」

魔王「?」

勇者「なんでもないです。そうだなぁ……」

魔王「何かあるか? 次の魔王候補に推すとかか?」

勇者「それは無理。勘弁してください……っと」キュッ

魔王「ゆう、しゃ?」

勇者「今はこれでいいや。ちょっとばかり温もりが欲しい」

魔王「そうか……遠慮しなくていいぞ。私は勇者の傍に居る」ギュー

勇者(しまった! 何この顔を挟んでるヘブンは!? 俺の馬鹿! もうちょっと位置とか雰囲気っつーもんがあっただろ!?)

勇者「ま、いっか。落ち着く」

魔王「勇者は甘えん坊だな」ナデナデ

勇者「zzzzz……」

魔王「今は休むがいい。明日からまたがんばろうな」ナデナデ
82 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 13:11:06.79 ID:ilvoJZ.o

書き溜め終わり。少な過ぎですね。がんばります。
読みづらい点などございましたらお気軽におっしゃってくださると今後の参考になります。

再び書き溜めに戻ります。
83 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 13:51:10.12 ID:fan1KgSO
言葉責めされるのが好きな>>1がいると聞いて


このヘタれが!

これでいいか?言葉責めには慣れてないのでね
84 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 14:00:18.50 ID:ibxRZK2o
おつおつ!あんまり無理せずにー。
85 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 14:02:33.53 ID:CsVFiAAO
このヘタれが!
とっとと書け太郎

とりあえず勇者もげろ
86 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/24(水) 16:31:31.37 ID:ilvoJZ.o
気づいたら爆睡してました……すみません。
ちょっと中途半端になってしまいましたが、今日の更新はここまでとさせていただきます。

楽しんでくださっていたのに水を差すような結果になってしまい申し訳ございませんでした。

明日は何時になるかわかりませんが、更新を心がけたいと思っております。それでは、自分の低脳さにあきれ返っている>>1がお届けさせていただきました。

またお会いいたしましょう。(土下座)
87 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/24(水) 16:31:44.38 ID:8YDyovk0
えーっと…この遅筆が!

まぁ、身体に気をつけて頑張れ。
88 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 16:33:00.34 ID:QzEVGxko
念のため言っとくと、現時点では別に遅筆じゃないと思うぞ
あまり縮こまらずがんばってくれ
けど一応……このヘタれが!
89 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 17:30:22.23 ID:YkBusUDO
さっさと書けこのヘタレ!
90 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 17:39:58.12 ID:C1FcCNYo
あまり自虐すんなこのヘタレめ!
91 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 21:24:55.69 ID:sw8yf.E0
>>38
これがミスじゃなかった場合を想像したら気持ち悪くなったぞ!

支援してやるこのヘタレが!!
92 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 23:42:17.69 ID:uC4DQWY0
支援してやるからあまり俺を待たせるなよ!
このヘタレ!!
93 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 00:27:55.42 ID:HbUOw2ko
早く書けヘタレ!
94 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 06:38:31.53 ID:iRquNCoo
ドMな>>1がいると聞いて

支援してやんよこのヘタレが!
95 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 06:57:35.85 ID:G.4mgQSO
ツンデレな奴らがいると聞いて
96 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 08:32:27.51 ID:uymY6q2o
へ、へたれ!
割腹してるひまがあったら
はやく書けよな!
97 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 09:43:50.41 ID:RIeSsYYo
おはようございます。>>1です。
みなさまの暖かいお言葉と冷たい罵倒、本当にありがとうございます。
平伏しつつ本日の投下を開始しようと思います。

仕事の方が若干忙しいので、書き溜めをしながら投下という事ができませんので、ストック分を一気に投下してしまいます。

あまり自虐ネタが過ぎると不快に思われてしまうようなので、自虐は控えつつ本日も平身低頭のままお送りいたします。

それでは、お楽しみいただければ幸いです。
今日一日が皆様にとって良い一日でありますよう、心よりお祈りしつつ、スタートです。
98 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 09:46:33.01 ID:RIeSsYYo
― 魔王城 魔王(と勇者)の居室 ―

メイド「おはようございます」ヒソヒソ

メイド「本日の『朝イチ寝顔を拝見しちゃおう!』のコーナーはここ、魔王様の居室よりお送りしております」ヒソヒソ

メイド「おぉっ! これは!!」ヒソヒソ

メイド「みなさん、ご覧ください! 魔王様と勇者様が仲睦まじく添い寝をなさっておられます! 昨夜このお二方の間にどのようなドラマとカロリー消費があったんでしょうか!?」ヒソヒソ

魔王「丸聞こえだ馬鹿者」ムクッ

メイド「おはようございます。朝食の用意ができております」スッ

魔王「何もなかったように振舞うな! 何だ『朝イチの寝顔を拝見しちゃおう!』のコーナーって!」

メイド「何の事でしょうか? 紅茶が入りましたよ」スッ

魔王「ありがとう。……まぁ、いいか」

メイド「細かい事を気にしては良くありません。勇者様も起こしましょうか?」

魔王「そうだな。勇者、起きろ」

勇者「あと5年……」

魔王「お前の脳が溶けるぞ。ほら、おーきーろー」

メイド「恐れながら魔王様。やはりここはこういう方法でいきましょう」

魔王「?」

メイド「ゆ・う・しゃ・さ・ま 朝ですよ〜♪ 魔王様が全裸でお待ちですよ♪」ササヤキ

勇者「!? 何事!?」ガバッ

メイド「ほら起きた」

魔王「メイドに怒ればいいのか勇者に怒ればいいのかわからん」ハァ
99 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 09:50:36.34 ID:RIeSsYYo

ゴンゴン(扉)

四天王蒼「よろしいでしょうか?」

魔王「あぁ、蒼か。どうした?」

四天王蒼「朱と黄から勇者への見舞いを預かって参りました」

勇者「見舞い?」

四天王蒼「もう大丈夫なのか? 良かった良かった。果物ばっかりになってしまったが、見舞いだ」

勇者「すまん、迷惑かけた」

四天王蒼「気にするな。それよりも、だ」スッ

勇者「なんだ? 握手か?」ギュッ

四天王蒼「我々四天王を始めとした魔族はお前を仲間だと認めよう。昨日の状況は最善ではなかったが、人間を撤退させたのには間違いないからな。碧は難色を示してはいたが文句は言うまい」

勇者「そういうことか。うん、ありがとう。嬉しいよ」ニカッ

メイド「ですが勇者様は、今度は人間から追われる立場になってしまわれましたね」

魔王「こら、メイド」

勇者「いや、本当の事だ。昨日も言ったけど、覚悟はしてたよ。自分で決めたんだ。あの地下の光景を見た時から、裏切り者と呼ばれたとしても俺はあの子供達を助けたい。今、この状況を打開できるのは『こっち側』なんだ」

魔王「うむ。我々としても早急に事態の打開は図りたいのだが、難問には違いないな」

四天王蒼「行方不明になっている子供達の総数がわかりましたので、後程の軍議にてご報告いたします」

魔王「わかった。2時間後に軍議を開く。四天王とその副官まで全員参加で望むように伝えてくれ」

四天王蒼「はっ! それでは失礼いたします」ガチャパタン

メイド「まずは朝ごはんですね♪ 何事もまずはお食事からです」カチャカチャ
100 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 09:52:30.77 ID:RIeSsYYo
― 魔王城 会議室 ―

朱の一族副官「全ての部族を調査した結果、合計25名の子供が行方不明になっております。警備の強化は施しておりますが、網の目をかいくぐるかのように行方不明者が出ている状況です」

魔王「警備状況を詳しく教えてくれ」

蒼の一族副官「はっ。巡回の強化と増員をはじめとし、侵入者を知らせる呪符を配布しております。街道には検問所を設け、出入りは厳重にチェックしております」

魔王「それでもなお行方不明者が出る、か。ご苦労だった。警備のさらなる強化を頼む」

蒼の一族副官「承知いたしました」

魔王「さて、皆も知っての通りだが勇者が我々の領土に近づく人間を撤退させた。その際に件の人造兵と戦ったとの事だったのでその話を聞いてみようと思う」

勇者「あー、勇者だ。世話になっている」ペコリ

勇者「人造兵は強いの一言だった。何より強力なのは再生能力だと思う。炎で焼いても焼いた端から回復していくし、力も洒落にならないくらい強かった。単純な力だけで言うと、この中だと……朱将軍並みの力を持ってると思って良いと思う」

一同「ざわっ」

蒼の一族副官「朱将軍といえば我が軍随一の力自慢だぞ」

黄の一族副官「岩塊ですら軽がると持ち上げるというのに、それに匹敵するとは……」

勇者「だが、頭のほうがかなり悪いみたいで、そこが唯一の弱点なのかもしれない。王城の地下で見た時は魔術師の命令すら理解できていなかったみたいだしな」

四天王黄「力馬鹿、ということか」

勇者「うん。そう思って良いと思う」

四天王朱「しかし、我と同等の力となると厄介ではあるな」

勇者「そうだな。人間なんて言うに及ばずだ」

魔王「じゃあ、それが人間同士の戦争に投入されたら、どうなる?」
101 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 09:54:02.74 ID:RIeSsYYo

勇者「圧倒的だろうな。文字通りにちぎっては投げ、ちぎっては投げ、になると思……そういうことか」

魔王「一粒で二度美味しいというやつだ」

四天王蒼「なるほどな。我々からすれば人間同士が潰し合おうがどうしようが気にもならんが、場合によっては人造兵の材料が増えてしまうのだな」

魔王「うむ。言い伝えではあれを造るには魔族の子と人間の子が必要と言われているが、もし人間の子のみでもあれに近いモノが造れるとなった場合、それは我々に対して十分な脅威にもなる」

四天王碧「やはり攻めるべきかと思う! 渋々だが勇者は認めたが、人間の暴挙にはこれ以上黙っておれん!」

魔王「落ち着け、碧。お前の危惧ももっともだが、軽はずみに動くわけにもいくまい。相手が今、何体の人造兵を持っているのかすらわからんのだ」

勇者「人間の子供と魔族の子供1人ずつで一体の人造兵ができてたっぽいから、最大で25体の人造兵が作れるということか?」

魔王「こちらの行方不明者の数を考えるとそうなるが、まだ10体もおらんといったところだとは思うが……」

四天王黄「それについてですが、文献を調べたところ、勇者の話にも掛かってきますが人造兵の知能レベルはかなり低いようです。魔術師が拘束呪で動きを縛らなければ敵味方関係ないという記述も見られますので、数を増やすのはそう簡単ではないかと」

魔王「ふむ……」

四天王碧「今が好機ではありませぬか!」

四天王蒼「碧、お前はちょっと血の気が多すぎるぞ。落ち着け」

四天王碧「何を言うか! 勇者ごときに懐柔されよって!」

四天王蒼「何……?」ギロ

勇者「おいおい、やめろよ」

四天王黄「やらせておけ。こいつらはいつもこんなのだ」

魔王「境界線付近の警備を増強させよ。伝令は空を翔ぶことのできる飛竜族を中心に編成。王都の監視は人型魔族が中心になって続行してくれ。碧の言葉ではないが、これ以上被害が増えるようなら我々とて黙ってはおれんというのは事実だ。戦闘を極力回避しつつ王都の野望は我々の手で打ち砕かねばならん」

四天王及び副官達「はっ!」

魔王「細かい点は朱と碧が中心になって詰めてくれ。勇者、蒼、ちょっと来てくれ。話がある」

勇者「ん、わかった」

四天王蒼「承知いたしました」
102 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 09:55:35.93 ID:RIeSsYYo

― 魔王城 中庭 ―

魔王「蒼、どう思う?」

四天王蒼「内通者が居ると思って間違いはないかと」

勇者「内通者!? どういうことだよ!」

魔王「落ち着け、勇者。私とて身内を疑うのは身が裂かれる思いなのだが、子供の失踪数があまりにも多すぎるのだ」

四天王蒼「警備体制を拡充したのに未だに子供が消えてしまうとなると、考えつくのは内通者を疑うのが妥当だろう」

勇者「そりゃそうかもしれないけど……」

魔王「魔族といっても一枚岩ではない。今でこそ団結してはいるが、前王の時代は酷いものだったのだぞ」

勇者「そうなのか? 前の魔王の時代っつーと……」
魔王「20年前くらいまでは前魔王の時代だな。当時は内紛も多かったし、魔王の気分で虐げられていた種族も多かったのだ」

四天王蒼「我々飛竜族もその一つだ。魔王様が就任してからは公平を期して下さったので我も四天王に入る事ができたが、前魔王の時代では到底適わなかっただろうな」

勇者「そうなのか。魔族も苦労してんだな」

魔王「蒼は四天王の中では私に一番最初に忠誠を誓ってくれたのだ」ニッコリ

四天王蒼「もったいないお言葉です」ペコリ

勇者「一番信用できるって事か」

四天王蒼「魔王様に対する忠誠心はメイドにも負けんぞ」

魔王「あいつはまたちょっと方向が違う気もしなくはないが、な」

勇者「ってーと?」

四天王蒼「メイドの強さはお前も身をもって知ってるとは思うが、あいつは……」

メイド「お呼びでしょうか?」ヒョコッ

四天王蒼「!? い、いや、別に呼んでないぞ! おっと、我は少し用事を思い出したのでこれで失礼させていただこう。魔王様、先程の件はお任せを」
103 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 09:56:52.31 ID:RIeSsYYo

魔王「うむ。頼む」

メイド「?」キョトン

勇者「蒼さんはメイドさんと何かあったのか……?」

魔王「ま、色々と、な」

メイド「何度も戦いましたね〜。お強いですが、詰めが甘いんですわ」ニコニコ

魔王「ちょうど良いから説明してしまおうか。こいつは元々私の命を狙って放たれた前魔王の刺客だったんだよ」

勇者「まじかよ」

魔王「前魔王と私が魔王の座を争ってる時に放たれたんだが、前魔王を斃して私が魔王に就任した時に気づいたらこういうポジションに就いてしまっていたんだ」

勇者「それってやたら危険じゃないのか?」

メイド「あら勇者様。私は今では心の底から魔王様に忠誠を誓っているんですよ。魔族随一と言われた私の暗殺から度々逃れ、私を撃退し続けた者など他にはおりませんもの。お慕い申し上げておりますわ♪」ニコニコ

勇者「弱肉強食のルール、っという事か」

メイド「はい♪」ニコニコ

魔王「メイドの強さは狂戦士とまで言われたものだからな。今では頼もしいボディガードだよ」

メイド「お褒めにあずかり光栄でございます」ペコリ

魔王「それはそうとメイド、頼んでいた件はどうなった?」

メイド「はい。既に揃えてあります。あとは勇者様に実際に着ていただいて細かいサイズ調整をする程度です」

勇者「何のことだ?」

魔王「人造兵と戦った時にお前の鎧が使い物にならなくなってたのでこちらで誂えさせてもらったんだ」

メイド「オーダーメイドですよ♪」

勇者「本当か? それはありがたい」

メイド「お部屋に用意しておりますのでどうぞ」
104 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 09:59:52.51 ID:RIeSsYYo

― 魔王城 魔王(と勇者)の居室 ―

勇者「うん、今確信が持てた」

魔王「何がだ?」

勇者「俺と魔族の間には美的センスに著しい差異がある」

メイド「格好良いですよ?」

勇者「髑髏多すぎだろこれ! 余裕で呪われたアイテムじゃねぇか!」

魔王「言われてみれば少し装飾過多という気もしなくはないが……」

勇者「少しじゃないよ! なんで胴部分にでかい髑髏が彫られてるんだよ!」

魔王「威厳があって良いじゃないか」

勇者「じゃあ魔王、お前着れるか?」

魔王「No Thank you」

勇者「ほれみろ!」

魔王「いや、勇壮ではあるが、女性が着るものではない、という意味だ」

勇者「センスの違いが酷すぎる……」ガックリ

メイド「しょうがないですね。では、こちらでは?」サッ

勇者「普通のあるんじゃん! こっちでいいです! むしろこっちがいいです!」

魔王「えー、何か普通すぎないか?」
105 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:01:28.07 ID:RIeSsYYo

勇者「普通が一番なんだよ! 髑髏だらけとか目立ってしょうがないだろ!」

メイド「一理ありますが、あまりにも没個性的でしたので、内側にこのようにっ」

勇者「余計なことすんなーーーっ! 内側髑髏だらけじゃねぇか! うっかり装備したら確実に呪われるぞこれ! 何ていう罠だよ!?」

魔王「内側は意味ないな」

メイド「そうですかぁ」ションボリ

メイド「それではもう、こちらのごくごく没個性的な鎧で」シブシブ

勇者「うん、内側も普通だし、これでいいよ」ゼェゼェ

魔王「しょうがないな。あとは細かい調整と魔法付与をすれば完成だな?」

メイド「はい。2,3日で完成するかと」

勇者「お願いします」

メイド「承知いたしました♪ この辺に小さくで良いですから髑髏を……」

勇者「遠慮します」キッパリ
106 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:03:13.80 ID:RIeSsYYo
― 魔王城 湯殿 ―

勇者「やたら疲れた……よく考えたら俺、ここに来てからツッコミ通しじゃないか」カポーン

勇者「よっと。ふぃー、極楽極楽」チャプン

勇者(にしても、内通者か。本当に人間と大して変わりないんだなぁ。どこの世界も物騒なのは違いはないって事なのかな)

勇者(人造兵……あれが人間同士の戦争に投入されたらパワーバランスは一気に崩れる。俺の目の前で5体造られていたんだから、それだけでも十分な脅威だ)

勇者「一度、国境付近を見にいくべきだろうなぁ」

魔王「じゃあ、私も行こう」

勇者「だからなんで入ってくるの!?」ザバッ

メイド「私も一緒ですよ〜♪」

勇者「刺激増えちゃった!」

魔王「いい加減慣れろ。そもそも魔族は混浴が基本なんだぞ」チャプン

メイド「ですです」ニコニコ

勇者「慣れるとか無理に決まってんだろ!」

魔王「そんな岩の陰に隠れなくてもいいじゃないか」

勇者「お互いのためだよ! ったく……そのままでいいから聞いてくれ。一度人間の国に戻って様子を見てこようと思う」

魔王「うん、さっき聞いた。私も行くぞ」

勇者「なんで!?」

魔王「私も直接見たいのだ。心配するな、角はちゃんと隠す」

メイド「私もお供で行きます♪」

勇者「おいおい……もし捕まったらどうするんだよ」

魔王「そんな簡単には捕まらんさ。メイドも居るし、な」

メイド「命に代えてでも魔王様はお守りいたします」

勇者「魔王城は空けても大丈夫なのか?」

魔王「四天王が居るからな。碧もいがみ合ってはいるが、信用はできる」

勇者「うーん……」
107 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:04:40.77 ID:RIeSsYYo

魔王「それとも、私が一緒ではなにかまずいのか?」

勇者「いや全く。メイド程ではないけど、俺だって魔王を守るのはやぶさかじゃないさ。つっても、魔王の方が俺より強いけどな」

魔王「それは買いかぶりだろう」

勇者「俺の攻撃全部跳ね返しただろ。結構凹んでるんだぜ、これでも」

魔王「むぅ……勇者は強いぞ。それにあの時、勇者は全力ではなかっただろう」

勇者「なんでそう思うんだ?」

魔王「剣を交えればわかる。私とて前魔王との戦いで激戦を潜り抜けてはいるんだ。何もしらない女ではないぞ」

勇者「んー、まぁ、それはそうだけど、さ」

魔王「なんであの時本気を出さなかった?」

勇者「なんとなくだよ。そんなに悪そうな奴には見えなかったしな」

メイド「魔王様の美貌に負けたんですね♪」

勇者「あははは、それも一つかもな」

魔王「じゃあ、こういうのはどうだ?」ポニュン

勇者「いつの間に!?」

魔王「音を立てずに水中を移動するなど、造作もない」

勇者(なんで真面目モードが続かないんだよ!? うわぁ、腕に直接天国が)

メイド「じゃあ私はこっち側で」ポニュ

勇者「ナニヲナサッテルンデショウカ」ギギギ

メイド「両手に華、ですね♪」ニコニコ

勇者(あぁ、今日俺、死ぬのか)シアワセ

魔王「また気絶した」

メイド「中学生男子ですかこの方は……」
108 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:05:59.15 ID:RIeSsYYo

― 王都 城下町 ―

魔王「ここが王都か。綺麗な街並みだなっ!」キョロキョロ

勇者「あんまりはしゃぐなよ、迷子になるぞ」

メイド「初めて人間の国に来ましたけど、やっぱり私たちの国と色々違いますね」

勇者「あんまり危ない発言はしないようにな」

魔王「勇者っ、勇者っ! あれは何だ!?」

勇者「立ち呑み酒場だよ。お前のトコにも酒場あっただろ」

魔王「立ち呑み専用なのか? スペース効率を考えてなのか?」

勇者「コストを抑えて安く酒が飲めるようにって事だろ。座れないってことは長居できないから回転効率もあがるらしいぞ」

メイド「勇者様、勇者様、あちらのご婦人が着てるヒラヒラがたくさんついた服は?」

勇者「あー、ウェディングドレスだな。そこの教会で結婚式挙げたんだろ」

メイド「綺麗ですね〜。魔王様にもお似合いかもしれません」ウットリ

勇者「とりあえず落ち着いてくれ……お前たちは子供か」

魔王「だって、なぁ?」

メイド「見知らぬ土地で珍しいものを見たら興奮しますよねぇ」

勇者「その気持ちはわからんでもないけど、目立つわけにはいかないだろ」

魔王「姿変化の術をかけてるんだ。お前は勇者に似もしない普通の青年姿だし、私やメイドだって角は消えてる。何も心配することはないだろう」

勇者「そりゃそうかもしれないけどさぁ、用心に用心を重ねないと……」

巡回兵A「おい、そこの3人! ちょっと待て」

勇者「!」
109 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:08:07.55 ID:RIeSsYYo

メイド「あらあら、私達の事みたいですね。何か御用でしょうか?」ニコッ

巡回兵A「観光か? ガイドマップがあるからどうかと思ってな」

メイド「わぁ、ありがとうございます♪ 王城見学は可能なんですか?」

勇者(ちょ、おい!)

魔王(任せておけ。こういうのはこいつの得意分野だ)

巡回兵A「今は受け付けていないんだ。すまないな」

メイド「残念……あの白亜の城って謳われている王城見学したかったのになぁ」

巡回兵A「また今度来た時にはきっと見学許可もされてるだろうと思うよ」

メイド「あの、もし良かったら王城のお話だけでもお聞かせ願えないでしょうか?」

巡回兵士A「お、俺が?」

メイド「はい。興味があるんです」

勇者(すげぇ……見事な話術だ)

魔王(元々暗殺者だからな。相手の懐に入るのは得意らしい)

メイド「それに、こちらのお二人は新婚旅行で、私、夜は暇になっちゃうんです」

勇者「なっ! お、おいっ!」

魔王「あぁ、そういうことか。良いぞ。ただしそちらの方に迷惑を掛けてはいかん」

巡回兵士A「い、いや、仕事の後ならいつでも良いが……」

メイド「わぁ♪ じゃあ、私達が泊まってる宿のバーなんていかがですか?」スルリ

勇者(うわ、すごい自然に腕組んだ)

魔王(骨抜き作戦か、見事だな)ギュッ

勇者(ってお前もかよ!)

魔王(新婚、らしいからな)
110 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:09:08.98 ID:RIeSsYYo
巡回兵士A「わ、わかった。では夕刻にそちらに伺おう」

巡回兵士B「おい、何してる。早く勤務に戻れ」

巡回兵士A「すまん、すぐ行く。それでは、後ほど」

メイド「はい♪ 楽しみにしてますね」ニコッ

巡回兵士A「私も楽しみにしている」テレテレ タッタッタ

メイド「っというワケです♪」

魔王「うむ、見事としか言いようがないな。さすがはメイドだ」

勇者「逆ナンというのを初めて見た。色々すごすぎだろ」

メイド「メイドですから万能なんです」

魔王「無理をしない程度に聞き出してくれ。とはいえ、巡回兵程度では大した情報は持ってないと思うがな」

メイド「承知しております」

魔王「では、観光の続きだっ! メイド、どこか面白そうなところはないか?」

メイド「えっと、このガイドマップによると、あっちの方向に有名な衣装店があるそうです」

魔王「よし、では行くぞ、勇者っ!」

勇者「どうにでもしてください……」ズルズル
111 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:09:45.33 ID:RIeSsYYo

― 王都 高級宿屋の一室 ―

勇者「魔王、ちょっと出てきていいか?」

魔王「どうしたんだ?」

勇者「自分の部屋がどうなってるか確認したいんだよ」

魔王「ついていこうか?」

勇者「いや、一人で行けるさ。魔王も一日中歩き回って疲れてるだろ?」

魔王「確かに少しはしゃぎ過ぎはしたが、大丈夫だぞ」

勇者「いいからゆっくり休んでくれ」

魔王「そうか? ではお言葉に甘えよう」ニコッ

勇者「姿変化の魔法は大丈夫なのか?」

魔王「一度掛ければ1日近くは持続する。かけたのが今朝だからまだ大丈夫だ」

勇者「よし。じゃあちょっと行ってくる」

魔王「気をつけてな」
112 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:11:06.19 ID:RIeSsYYo

― 王都 居住区 勇者が住んでいた部屋 ―

勇者「案の定、か。こりゃ酷いな……裏切り者、死ね、屑、落書きし放題じゃねぇか」

勇者(巡回兵がちらほら居るから中には入れそうにないなぁ。とりあえず素通りだな)ドン

?「きゃっ」

勇者「おっと、すまない」

女の子「いえ、私こそ前を見てなくて、ごめんなさい」ペコリ

勇者「あれ、女?」

女「え? お会いしたことありましたっけ?」キョトン

勇者(あ、そうか。この姿じゃわかんないか)

勇者「いや、すまない。知り合いに似ていて間違えた」

女「私も女っていうんです。奇遇ですね」

勇者「そ、そうなんですか。これは珍しいですね」

女「こちらへは観光とかですか?」

勇者「うん。散歩してたらこの辺まで来ちゃって少し迷ってるんだ」

女「じゃあ、大通りまでご案内します。どうぞ」

勇者「あ、ありがとう」(相変わらずお人よしだなぁ)

女「あ……」

勇者「あぁ、すごい落書きですね」

女「はい……お見苦しくてすみません。ここ、勇者が住んでいたんです」

勇者「ほぅ、勇者というと、魔王討伐に出向いた?」

女「えぇ。でも、魔族と手を組んだとかで今では人間の裏切り者と呼ばれています」

勇者「そうですか……部屋の中もやはり荒らされて?」

女「いえ、衛兵さん達が捜索してましたけど、別に何も持ち出してないようですし、今は放置されてるような状態ですね」

勇者「ふむ……」
113 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:12:32.40 ID:RIeSsYYo
女「気に、なりますか?」

勇者「勇者の家、だからね。珍しい物がたくさんありそうですね」

女「あはは。でもガラクタばっかりなんですよ。どこで拾ってきたのかわかんない気味の悪い人形とか、魔物の骨とか、わけのわかんないので一杯です」

勇者(全部高価なアイテムばっかりなんだけどなぁ……いつも文句言われてたな)

女「あいつが、勇者が人間を裏切るとは私には到底思えないんです……」ポロリ

勇者「女……さん?」

女「私、こう見えても司祭の免状を持ってるので、あいつと旅もしたことあるんですよ? 色んなトコを見て回って、たくさんの人を助けたりしました。そんなあいつが人間を裏切るなんてとても思えないんです」

勇者「……」

女「ごめんなさい、初対面の人にいきなり……」
114 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:13:30.56 ID:RIeSsYYo


勇者「女……さんは魔族をどう思いますか?」

女「え? それはもちろん、人間の敵ですよね」

勇者「魔族にも人間と同じように心優しい者がいる、とは考えられませんか?」

女「……何を、おっしゃってるんですか?」

勇者「いえ、すみません。気になさらないでください」

女「……もしかして」

勇者「っ、あぁ、道がわかりました! すみませんでした。失礼しますっ!」

女「あっ、待って!」

勇者「……」ピタ

女「貴方……ゆう、しゃ?」

勇者「い、いえ、全然全く違いますっ! これっぽっちも当たってませんっ!」

女「その必死すぎる否定のしかた、勇者ねっ!!」

勇者「なんでわかった!?」

女「ちょっとこいっ!」

勇者「ちょ、おまっ! ひきずるなっ!」

女「いいからきなさい!」ズィッ

勇者「ハイ……」
115 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 10:19:05.26 ID:rcrcncko
ワクワク
116 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/25(木) 10:22:10.60 ID:RIeSsYYo

一応書き溜め分は一気に投下させていただきました。
今投下した分量と同じくらいの書き溜めは既にあるのですが、見直し等がまだのため、一応ここまでとさせていただきます。

時間が空き次第投下再開したいと思っておりますが、18時までに投下再開がなければ仕事漬けで天に召されたと思ってください。
その場合、明日以降また再開いたします。

今の所読みづらい点などのご指摘を受けておりませんので、このままのスタイルで継続いたしますが、「おい、この書き方変だぞ小学生からやり直せ」的なご指摘ございましたらお気軽にレスいただけると幸いです。

それでは、ひとまずですが幕間とさせていただきます。

目の前に上司の机があってその視線の先がこっちに向かないかビクビクしながら投下した>>1がお送りいたしました。
117 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 10:51:23.77 ID:G.4mgQSO
俺は好きだぞ
自虐ネタ
ここまで過度な自虐はもはやMかと思うくらいだから一つの個性かと

皆きっとツンデレなんだよ

てかなんて気になる所で切るんだこのヘタレ!
座して待ってやる
118 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 13:18:42.91 ID:HbUOw2ko
119 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 15:14:26.68 ID:wpEqf020
乙!
俺はいつまでも待っているからさっさと書けよヘタレ!
でも無理すんなよ
120 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 15:45:40.31 ID:J5aJS1Uo
121 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 16:52:51.65 ID:uymY6q2o
へタレ>>1が小学生の頃に書いていた文章のうpがあると聞いて…
122 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 18:54:55.10 ID:bX85Qago
このヘタレ!
早く続き読ませろ!
123 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 20:11:41.35 ID:VrP44hco
ヘタレのくせにまたせんじゃねぇよ!
下半身が寒いだろうが!!
124 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 22:22:51.00 ID:3i2JdQAO
また1つ良作スレを見つけてしまった…。しかし投下が来てないという事は
天に召されてしまったのか…orz
125 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 23:25:53.89 ID:sOkjv1M0
いいスレだ
さっさと書けヘタレ!ずっと待っててあげるから……
126 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 23:51:41.88 ID:R.BgQP2o
こ、このヘタレ…!







あ、あの… ごめんなさい…
みんなが言えって言うから…
その… な、なんでもない…///
127 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 00:04:25.26 ID:.S9ML7wo
>>121
違うだろ、小学生からやりなおしたショタへタレが書く良SSスレだぞここは
しかしへタレよ、死んでしまうとは情けない
128 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 00:22:41.76 ID:skygZQ60
ヘタレヘタレうっせーぞこのヘタレ共

あっ>>1さん乙です
129 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 07:07:19.22 ID:L97lngDO
乙!
なんだろう…無性に>>1の事をぷしゃいくって罵りたくなる
130 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:17:10.88 ID:4d1aGTso
皆様おはようございます。>>1です。

まずは皆様の素晴らしい罵詈雑言じゃなくて支援に心より感謝いたします。ドMじゃないと思っていましたがもしかしたら新しい世界が開けてきたのかもしれません。誰か助けて。

昨日は熾烈なる仕事のせいで見事に天に召されるかと思いきや、上司に誘われしこたま呑まされるという地獄に行き着いてしまいました。
更新できなかったことを五体投地にてお詫びいたします。沈んでしまう。

理解ある上司かつ頭のちょっと弱い上司のお陰で本日は休みと相成りましたので、変なテンションを保ったまま可能な限り書き溜めと投下を繰り返していく所存でございます。

本日も皆様にとって素晴らしい一日となりますよう、心からお祈りしつつ、再開です。
131 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 10:24:29.26 ID:JD2k97Yo
よし、待ってたぞこのヘタレ
132 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:26:47.16 ID:4d1aGTso

― 王都 居住区 女の住む家 ―

女「さぁ、説明してもらいましょうか! なんであんたはいきなり私の前から姿を消して、勝手に魔王城に行って、挙句の果てにお尋ね者になってるのかしら!? しかも姿形全部変わってるし!」

勇者「それはその……」

女「私がどれだけ苦労したと思ってるの!? 衛兵のやつらにはあらぬ疑惑はかけられるわ、教会から破門されかけるわ!」

勇者「今は、どうしてるんだ?」

女「一応教会で働いてるわよ。大司教様が信じてくださったし、疑いも晴れたしね」

勇者「そっか。良かった……」ホッ

女「そ・れ・よ・り」ズィッ

勇者「近い近い!」

女「何があったのか、正直に話してもらうからねっ!」

勇者「あー……」

女「心配……したんだよっ?」ポロポロ

勇者「女……」

女「いきなりいなくなって、お尋ね者になって、居場所もわかんなくて、私がどれだけ心配したと思ってるのよ!」ギュッ

勇者「……すまなかった」

女「うわぁぁぁぁぁっ!」ギュー

勇者「……」ナデナデ
133 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:28:49.07 ID:4d1aGTso

女「……ふぅ、落ち着いたわ。続けましょう」

勇者「相変わらず変わり身の早いことで」

女「なんでそんな姿になってるの?」

勇者「姿変化の魔法だよ。元の姿のままで王都になんて入れるわけないだろ」

女「一人?」

勇者「いや、3人」

女「……本当に魔族と手を組んだの?」

勇者「……人間の味方でもあるつもりだ」

女「どういうことよ、わけわかんない」

勇者「すまん、今は、話せない」

女「また一人で背負うっ!」

勇者「しょうがないだろっ! お前まで巻き込むわけにはいかないんだよ!」

女「なんでよ! 仲間でしょ? 幼馴染でしょ!?」

勇者「それでも、だ! 今回は本当に危ないんだよ」

女「そうやっていっつも……」

勇者「すまない」

女「決めた」

勇者「ん?」

女「私も一緒に行く」

勇者「お前馬鹿か!? たった今危ないって言ったよな!」
134 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:30:25.06 ID:4d1aGTso

女「もう置いてけぼりなんて嫌だもん! 足手まといって言われてもついていく!」

勇者「うわー、真性の馬鹿がここにいる!」

女「うるさいっ! で、どこに泊まってるのよ?」

勇者「中央通りの高級宿屋」

女「うわ、高級宿じゃん。お金あるのね」

勇者「色々と……な」

女「魔族と一緒なのね?」

勇者「……そうだ」

女「倒すべき相手?」

勇者「絶対違う! 仲間だ!」

女「……」ジッ

勇者「魔族と触れ合ってわかったんだ。あいつらだって好きで人間を襲ってるんじゃない。むしろ、俺たちの方が……」

魔王「探したぞ! 勇者!」バァン

勇者「なんで!?」

魔王「探知魔法だ! こんな遅くまで帰ってこないから何かあったのかと……ん?」

女「えっと?」

魔王・女「どちらさま?」

勇者「俺は今、意味もなく四面楚歌という慣用句を思い出した」
135 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:32:04.58 ID:4d1aGTso

― 王都 高級宿屋の一室 ―

勇者「じゃあ、改めて、こちらが女。昔旅してた時に一緒してた僧侶で、俺の幼馴染でもある。んで、こちらが魔王。その名の通り魔族の王様で、俺が今世話になってる」

魔王「よろしく」

女「よ、よろしくお願いします」

魔王「それで、勇者はいとも簡単に見破られた、と」ジトー

勇者「うん。こいつとは付き合いが長いからな」アハハ……

女「話し方とか、雰囲気でわかっちゃった」エッヘン

魔王「この術はまだ改良の余地あり、だな。まぁ、それはいいとして、女さんは」

女「呼び捨てでいいですよ」

魔王「そうか? じゃあ私も魔王と呼んでくれ。で、女は我々と同行したい、とこういうことか?」

勇者「そうらしい。何考えてるんだか」

女「だってー」プク

魔王「ふむ……女、ちょっといいか?」コッチコッチ

女「ふぇ?」テテテ

勇者「?」
136 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:33:28.33 ID:4d1aGTso

魔王「つかぬことを訊くが、その……女は勇者の恋人か何かなのか?」ヒソヒソ

女「そんな立場に立った事はないわね。でも、好きよ」ヒソヒソ

魔王「ストレートだな……では、恋敵ということか」ヒソヒソ

女「あなたも? はぁ、あいつは本当にどこでも女作って……」ヒソヒソ

魔王「ちょっとその話詳しく聞こうか」ヒソヒソ

女「ここだと話づらいから勇者を追い出すか、下のバー行かない?」ヒソヒソ

魔王「あー、下のバーはちょっと困るからサロンの方ではダメか?」ヒソヒソ

女「お酒飲めないの?」ヒソヒソ

魔王「いや、別件でな」ヒソヒソ

勇者「おーい、どうしたー?」

魔王「コホン、勇者、ちょっとここでゆっくりとしておいてくれるか?」

女「長旅で疲れてるんでしょ? 私達は下のサロンでお茶してくるから」

勇者「なんだよ、だったら俺も……」

魔王・女「いいから寝てなさい」ギロリ

勇者「ハイ……」ビクビク
137 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/26(金) 10:34:37.60 ID:o4IolcSO
ちょっと勇者を殴ってくる
138 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:43:25.90 ID:4d1aGTso

― 王都 高級宿屋のサロン ―

女「……そんな感じで、助ける度に女の子から惚れられたりとかね」

魔王「ふむ、天然というやつか?」

女「まぁ、そんな感じなのかも。あいつが水商売の世界に入ったらすぐに売れっ子ね」

魔王「あっはっは。それにしても、迷惑をかけるかもしれんぞ? 良いのか?」

女「あいつと一緒に居て楽だったことなんてないわ。あっちでトラブル抱え、こっちで困ってる人助けて、だもん」

魔王「私としては人間の世界はわからぬ事が多いので、女が居てくれると助かる面は多いが」

女「勇者の事?」

魔王「うむ。事情はまだ詳しくは話せぬが、我々が抱えている問題はかなり大きい」

女「ちらっとしか聞いてないけど、人間も魔族も全部巻き込んだ大問題なんでしょ?」

魔王「そう思ってくれて差し支えない」

女「じゃあ、私は人間の代表として同行させてもらう」

魔王「巧い事考えるな」

女「ふふ、これ以上勇者に置いてけぼりにされるのは御免だもの」
139 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:44:09.72 ID:4d1aGTso

魔王「じゃあ、この話はここまでだ。よろしく頼む」スッ

女「こちらこそ、よろしくお願いします」ギュッ

魔王「で、だ。こっちのほうが私としては本題なのだが」

女「勇者は渡せません」

魔王「こちらも同じだ」

女「私のほうが付き合い長いもんね!」フフン

魔王「なにをぅ、私なんてつい先日一緒に風呂に入ったぞ! しかも添い寝したり抱きしめあったりしたぞ!」フンス

女「なんですって!?」グヌヌ

魔王「あと、腕組んだりとか」

女「それは私も経験あるから大丈夫っ」

魔王「やめよう、不毛な気がしてきた」

女「そうね。やめましょうか……」

魔王「勇者争奪戦は互角からのスタート、ということだな」

女「受けてたつわ。例え相手が魔王であっても譲らないからね」

魔王「あはははは。楽しいぞ」

女「ふふふ、そうね」

魔王「さて、そろそろ頃合だ。部屋に戻るとしようか。女も泊まっていくが良い」

女「いいの? じゃあお言葉に甘えます」
140 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:45:04.31 ID:4d1aGTso

― 王都 高級宿屋の一室 ―

魔王「で、なんでこうなってる?」

女「どちら様? そしてなんで勇者は上半身裸でバスタオルを下半身に巻いてるだけなのかな?」

勇者「んぉ、お帰り。メイドさん、ありがと。すごいすっきりした」ツヤツヤ

メイド「お役に立てて光栄です。勇者様」テカテカ

魔王「何があったか素直に言ってみようか?」ヒキツリ

女「さぁ、吐け!」

勇者「何って、マッサージしてもらっただけだけど?」

メイド「勇者様が肩が凝るとおっしゃっていたので」キョトン

魔王「なんだ、そういうことか」

女「誤解を招く天才」ボソッ

勇者「何か言ったか?」

女「何も。魔王と話し合った結果、私も同行することになったからよろしくね」

メイド「こちらの方は?」

魔王「勇者の幼馴染だ。勇者があっさりバレてしまったし、こっちの世界にも詳しいから同行してもらうことになった。ついでに言うと恋敵でもある。女、こいつは私の直属の部下でメイドだ。私と勇者の身の回りの世話や護衛をしている」
141 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:45:44.57 ID:4d1aGTso

メイド「あらあらあらあら、そうですわね、恋は障害が多い程燃え上がるといいますよね。よろしくお願いいたします、女様」ニコニコ

女「よ、よろしく……何かこのメイドさん、色々やりづらそう……」

勇者「めちゃくちゃ強いから歯向かうな」

魔王「さて、夜も更けてきたしそろそろ寝るか。このリビングを中心にしてちょうど4部屋あるからそれぞれで、ということで良いな? 風呂は交代で入るとして、女、今のところは客人なのだから先に入ってくれていいぞ」

女「そう? じゃあ厚かましいけどお先にいただくわね」

メイド「お着替えとかはいかがいたしましょう?」

女「いえ、お気になさらずに。というか、私はほら、ある意味では魔王の敵でもあるんだし、そんなにへりくだらなくても」

メイド「魔王様が認めた方なのには違いありませんわ。私は魔王様のメイド。務めは完璧に果たす事こそが我が使命です。後ほどお着替えをお持ちいたします」

女「ぷ、プロフェッショナル」

メイド「いぇい♪」
142 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:46:36.90 ID:4d1aGTso


勇者「どんな話してきたんだ?」

魔王「女同士の話、というやつだ。気にするな」

勇者「めっちゃ気になるよ!」

魔王「そんなことはどうでもいい。メイド、そっちはどうなった?」

メイド「はい、可能な限りは聞き出しました。明日には紙にまとめてお渡しいたしますが、要点としては、王城に入れるのは兵士を始めとする軍人に限られており、一般人の入城は現在一切許可されていないようです。兵士も階級に応じて入れる階層が決まっていて、それを破る者は即刻抹殺されるようです」

勇者「なんだそれ。むちゃくちゃじゃないか」

メイド「以前の状態を私は知りませんので比較できませんが、厳戒態勢と言って差し支えはないと思われます」

魔王「王は今どうしているんだ?」

メイド「軍議を中心に、他国との小競り合いに関して積極的になっているようです。兵士の中には宣戦布告もありえるんじゃないかっていう話が出ているそうです」

勇者「あの王様が……」

メイド「それについても話があります。やはり兵の中には王の変貌に戸惑う者も多いようですが、表立ってそれを口にすると抹殺されてしまうので、口をつぐんでいる、というのが現状だそうですね」

魔王「ふむ。兵士まで変貌してしまっているわけではないのだな」

メイド「好戦的な一派は存在しているそうですが、古くから務めている兵の中には戸惑いがあるようですね」

魔王「よくやってくれた。詳細はまた受け取る」

メイド「ありがたきお言葉」
143 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:48:47.29 ID:4d1aGTso

女「そうやってると魔王らしいね」

魔王「ん、あがったのか」

メイド「聞かれました?」スゥッ

魔王「よせ」

女「最後の部分は聞こえちゃったけど他は全然。いつか話してくれるんでしょ? 無理に聞く気はないわよ」パタパタ

魔王「そうか。すまないな」

メイド「冷たいお飲み物をどうぞ」スッ

勇者「明日はどうするんだ? 女も準備があるだろ?」

女「ありがとうございます。そうね、明日一日くれたらぱぱっと準備しちゃうわ」

魔王「なら、明日も観光だ。まだ行ってみたいところがあるからな」ワクワク

勇者「はいはい……じゃあ、次は魔王が入ってこいよ。メイドさんも一緒に」

魔王「勇者も一緒に行くぞ」

勇者「待て!」

女「ちょっ!」

魔王「?」

勇者「俺は最後に入るから魔王とメイドだけで、な?」

魔王「そうなのか? 城ではいつも一緒だったではないか」

勇者「いやいやいや、あれもお前があとから乱入してきたんだろうが」

女「でも、見るものはきちんと見てるのよね?」

魔王「あぁ、ばっちり見られたぞ!」

勇者「見てねぇよ! すぐに目、閉じただろ!」
144 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:51:45.66 ID:4d1aGTso

女「はぁ……相変わらずなのね、本当に。っと、そうだ。ちょっとお願い事していいかな?」

魔王「どうした?」

女「その、さ。勇者の顔、ちゃんと見たいなって」

魔王「あぁ、そういうことか。一日持続性だから……」

メイド「ちーん♪」

勇者「おぉ、戻った」ドロン

女「勇者だ……勇者っ!」ダキッ

勇者「うぉ!? どうした!?」

メイド「あらあらあらあら」

女「勇者だ勇者だ勇者だっ!」グスグスギューッ

勇者「あうあうあう」

メイド「よろしいのですか?」

魔王「しょうがあるまい。さて、風呂に行くぞ」

メイド「はい」
145 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 10:54:00.01 ID:4d1aGTso
書き溜め分投下終了です。思ってたより少なくて死にたくなりました。

家事を片付けてから書き溜めに戻ります。再投下予定は13時前後を目標にします。

それにしても勇者は人気ありませんね。ハーレムとか○○○もげてしまへ。
146 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 11:10:59.66 ID:vk1iEQDO
ふざけんなこのヘタレ!
家事なんて先にやっとけ!
書き蓄めは家事を放置してでもやれ!!
でないと魔王と女で妄想しちゃうぞ!!
147 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 11:24:59.77 ID:.S9ML7wo
勇者が人気無いんじゃなくてへタレの人気が凄まじいだけだ
148 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 12:49:52.16 ID:4d1aGTso
書き溜めが進まない……家事は片付きましたけど、ネタに詰まり気味。

変わらぬご支援ありがとうございます。

>>146さま
魔王と女の妄想を詳しくお願いします。
当初このSS、もうちょっと露骨なアレなシーンを入れようかとも思ったのですが、ただでさえ収拾がつかない話が余計にとんでもないことになりそうだったのと、そういう部分は求められてないだろうという判断でやめました。
いつか悶絶エロSSも書いてみたいところですね。妄想の一言をいただいただけでここまで阿呆な考えを広げる私は死んだほうがいいですかそうですか。

>>147さま
人気とか言われてしまうと恥ずかしくて活火山の火口に投身自殺を図りたくなってしまいますので、罵る方向でお願いします。
こんな事言ってるから駄目なんでしょうか? お褒めの言葉をいただけると嬉しい事この上ないのは本当なのですが、どうも慣れなくて背中がムズムズしてしまいます。

無駄話をしてしまいました。少ないですが、続きを投下です。
149 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 12:53:14.70 ID:4d1aGTso

― 王都 高級宿屋の一室 勇者の寝室 ―


勇者「あー、良い風呂だった。今日ばっかりは邪魔もなかったし、のんびりできたなぁ。さて、さっさと寝るか」ボスッ

魔王「そうだな。転移呪を使ったので長旅、というわけではなかったが疲れただろう」

勇者「あぁ。長距離転移は魔力と体力一気にもっていかれるからなぁ」ダラーン

魔王「ほら、早く寝ようぞ」モソモソ

勇者「わかったわかった……っておい!」ガバッ

魔王「どうしたいきなり」

勇者「いつの間に入ってきたんだよ!?」

魔王「夜這いというやつだ。なかなかワクワクするな」ウキウキ

勇者「自分の部屋あるだろ!」

魔王「ずっと一緒に寝てたんだ。気にするな」

勇者「すごい気にするよ! 一緒にっつっても大半俺が気絶したりとかしてただろ!」

魔王「そういわれてみるとそうだな。じゃあ、改めてよろしくお願いします」フカブカ

勇者「あ、こちらこそ……ってちがーうっ!」

魔王「私だって眠いんだぞ。早く寝よう」プク

勇者「自分の部屋に行けよ」

魔王「つれないなぁ。寝る時に他人の温もりがあったほうがゆっくり眠れると思わないか?」
150 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 12:54:11.00 ID:4d1aGTso

勇者「否定はしない。うん、否定はしないよ? でもな、こんな状況が女にバレたら」

女「残念、たった今バレました!」バァン

勇者「俺の命日は今日になるそうです」ダラダラ

魔王「では3人で寝るとしようか」

女「長い間ほったらかしにされてたんだからできれば独り占めしたいところなんだけど、妥協しましょう」

魔王「お互い譲れぬラインというやつだ」

勇者「俺の意見は?」

魔王「じゃあ、勇者が真ん中で、私と女が両脇ということで良いか?」

女「文句ないわよ」

勇者「華麗にスルーかよ」ガックリ

魔王「あぁ、勇者。ムラムラしてきたら遠慮なく襲ってくれていいぞ」サラリ

女「なっ! わ、私だっていつでも……」ドキドキ

勇者「もういい。寝る。今すぐ寝る。何も見えないし何も聞こえません」ボス
151 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 12:57:04.98 ID:4d1aGTso

― 王都 高級宿屋の一室 ―

メイド「おはようございます、勇者様。昨晩はお楽しみでしたか?」ニコニコ

勇者「眠いです。ハイ。二人が寝静まった後、やっと抜け出してソファで寝ました」

メイド「あらあら、ちゃんと寝ないと疲れが取れませんよ?」

勇者「魔王と女が来なければちゃんと寝れたんですけどね」

魔王「おはよう」ネムネム

メイド「おはようございます、魔王様。朝食の支度ができております」

魔王「うむ、ありがとう。顔を洗ってくる」

女「おはよー。うわ、朝ごはんから豪華ね……さすがは高級宿屋だわ」

勇者「お前も顔洗って来いよ。一旦家に戻って準備してくるんだろ?」

女「ん、魔王が戻ってきたら交代するわ」

魔王「女、終わったぞ」

女「ほーい」

勇者「魔王、今日は別行動でもいいか?」

魔王「何か用があるのか?」

勇者「前に来た時に世話になった宿屋に礼を言いにいこうかな、って思ってさ」

魔王「そんな事なら私も同行するぞ?」

勇者「場所がスラムだから女の子にはちょっと、な」

魔王「メイド、聞いたか!?」

メイド「はい、ばっちり。「女の子」とおっしゃいましたね」
152 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 13:12:17.80 ID:4d1aGTso
魔王「何かこういう些細な事でも嬉しいなっ」ニコニコ

メイド「魔王城では魔王様は魔王様ですもんね」ニコニコ

勇者「女ってよくわからん」

女「女扱いされるっていうのはやっぱり嬉しいものよ?」タダイマ

勇者「ふーん……お前もか?」

女「当たり前じゃない。誰かさんは昔から私の事、ほとんど女扱いしてくれませんでしたけどね」

勇者「幼馴染なんだからしょうがないだろ」

魔王「おい、私も仲間に入れろ!」

勇者「背中から抱きつくな!」(感触すげぇ!)

女「あ、ちょっとそんなに密着しないでよ!」

魔王「いいのだ。勇者はおっぱい大好きなのだぞ」

女「変態っ!」

勇者「なんでこうなった」
153 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 13:13:42.70 ID:4d1aGTso

− 王都 スラム街の宿屋 −

勇者「こんちゃ」

宿女将「いらっしゃい、宿泊なら500Gだよ」

勇者「あー、そっか。変化の術かかってたんだ」

宿女将「あぁ、勇者かい?」

勇者「なんでわかるの!? 女将さん、実は俺の幼馴染か何かだっけ!?」

宿女将「何言ってんだい。この歳にもなりゃ外見に惑わされる事もないんだよ。で、今日はどうしたんだい? 追われてるんじゃないんだろ?」

勇者「この前の礼を言おうと思ってさ」

宿女将「おやおや、嬉しい事言ってくれるね。じゃあ1000Gくらいいただこうかね」

勇者「鬼!?」

宿女将「冗談さね。聞きたい事があるんだろ? そこに座りな。茶でも出したげるよ」

勇者「さんきゅ」

宿女将「んで、何を聞きたいんだい?」

勇者「王城の地下で何が起こってるか、知ってるか?」

宿女将「……知ってどうするんだい?」

勇者「知ってるんだな。実はこの前来た時は『あれ』を見た直後だったんだ」

宿女将「なるほどね。もしかして、とは思ってたけど、でなきゃ勇者に賞金なんてかからないね」

勇者「見事にお尋ね者さ。さっき張り紙見たら生死に関わらず1万Gの報酬らしいからな」

宿女将「突き出して金貰うのもテだね……」

勇者「勘弁してくれ」

宿女将「ふぇっふぇっふぇ。冗談じゃよ。そうさね、あんたには話しておこうか。奥においで。ここだと話し声が外に聞こえちまう」

勇者「?」

宿女将「座りな。ここなら外に声は聞こえないよ。あんたも知ってると思うけど、このスラム街は巡回兵もほとんど来ない。王都の端の端、見捨てられた場所さ。でもね、今では地下抵抗組織の本拠地にもなってるよ」

勇者「王に反旗を翻そうっていうのか!?」

宿女将「王のやりかたについていけなくなった重臣が中心に兵士や魔術師も集まりつつある。あたしはその連絡役みたいなのを仰せつかってるよ。地下で何が起こってるのかも知ってる。禁呪の恐ろしさもね」
154 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 13:14:18.49 ID:4d1aGTso

勇者「……」

宿女将「犠牲になった子供達はスラムの子達ばっかりなんだよ。スラムの住民に人権なんてないからね。やりたい放題さ。金で釣ったり強引に攫って行ったり、犠牲になった子の親が自殺した事もあったよ」

勇者「……」ギリッ

宿女将「熱くなるんじゃないよ。そのエネルギーはまだ心の裡に秘めておきな」

勇者「わかった……」

宿女将「今はまだ組織としても小さい。だが、人数が増えると王に気取られる可能性も高くなるからね。まだ潜伏して我慢する時なんだよ」

勇者「でもっ! そうしてる間にも子供達が!」

宿女将「そんな事は百も承知さ! でもね、タイミングを間違えれば犠牲者はもっと増えるんだよ! そんな事もわからないのかい!? あんたは勇者だろうに!」ダンッ

勇者「くっ!」

宿女将「あんたは困った者を見ると助けずにはおられない、そういう性分なのはよーくわかってる。でもね、今は耐えておくれ。国民だって黙ってはいないよ。いつか、この国は変わる。その時にはあんたの力も借りると思うよ」

勇者「わかった……その時は力添えさせてもらう」

宿女将「ありがとよ」
155 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 13:15:25.79 ID:4d1aGTso

― 王都 高級宿屋の一室 ―

魔王「ふむ、レジスタンスというやつだな」

メイド「抵抗組織ですか。でも、役に立つんでしょうか?」

魔王「人間の歴史を紐解けばレジスタンスが時の支配階級を倒して民衆を解放した例はいくつでもある。我々魔族にしても魔王が気に入らなければ戦いを挑み、打ち倒せば王座に君臨する者が変わるだろう。似たようなものだ」

メイド「どこの世界でも弱肉強食というわけですか。人間はもうちょっと大人しい生物だと思っていましたけど」

魔王「生物である限りは自然の法則には逆らえんさ。人間はそこに理由をつけたがる、というだけだろう」

勇者「まだ数は少ないけど、少しずつ増やしていくらしい」

魔王「手遅れにならなければ良いがな……」

メイド「王に気取られれば終わりですものね。密かに動くといっても限界がありますし」

勇者「できるだけの助力はしたいと思う」

魔王「うむ、人造兵の件といい、目的は似たようなものだ。勇者の仲介で我々魔族と協議を持つのも視野に入れておきたいな」

勇者「できる……か?」

魔王「人間次第だ。現に我々は勇者という人間を受け入れている」

勇者「そう、だな」

メイド「そう簡単にはいかないとは思いますが、小さな光は見えているのかもしれませんね」

魔王「それと、国境付近を見に行くのを少し急いだほうが良いやもしれん」

勇者「なんでだ?」

魔王「私とメイドも先程外出していたのだが、交易商人に話を聞いたところ、国境周辺の動きがかなり活発になってるらしい」

メイド「軍がかなり集まっている地域があるそうです。鼻の効く商人達は既に戦争に向けての仕入れを始めているとの事でした」

勇者「人造兵の話も出てるのか?」

魔王「さすがにそこまでは嗅ぎ付けていないようだ。何しろ機密中の機密だからな。早ければここ2,3日がヤマらしい。
156 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 13:16:09.97 ID:4d1aGTso

勇者「転移呪で一気に行くとしても、女が戻り次第出たほうが良いか」

魔王「さすがに正門の前で転移呪を使うわけにもいくまい。乗り合い馬車というシステムがあるそうだな? それを使って1日程離れてからにしよう」

勇者「勇者しか使えない魔法らしいからな。使った瞬間にバレちまう」

女「おっまたせー! 準備してきたよ」ドスン

魔王「良いタイミングだ。明日出発の予定だったが、今から発とうと思うが、女は大丈夫か?」

女「大丈夫だけど、どしたの?」キョトン

勇者「東の国と戦争になるかもしれない。できる事ならそれも防ぎたいが、それ以上に注意しなきゃいけない事があるんだ」

女「勇者や魔王が追ってる何かが関わってくるってこと?」

魔王「可能性があるだけだがな。用心に越した事はない」

女「わかった。1時間だけ待ってもらえる? 大司祭様に挨拶だけしてくる」

魔王「了解だ。我々も出立の準備を整えておくから1時間後に正門で落ち合おう」

女「うん。勇者、待ち合わせ場所はいつものトコでお願い」

勇者「おう。魔王達と先に行ってるぞ」
157 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 13:17:20.58 ID:4d1aGTso

― 王都 正門近くのカフェ ―

魔王「このココアというのは美味しいなっ!」ウマウマ

勇者「魔族ってあんまり甘い食べ物って摂らないのか?」

メイド「そうですね。いわゆる嗜好品というものにあまり興味のないかもしれません」

魔王「人間は食料に関しては少々の地域差があっても大差ないが、魔族は種族によって全く違うものを口にするからな。私やメイド、朱のような人型は人間と似通った物を食べる傾向にあるが、蒼のような飛竜族は草とかを主食にしてたりする」

勇者「あんなに身体でかいのに草しか食べないのか?」

魔王「しか、というわけではないが基本的に草食だな。時々魚を食べたりもするらしいが」

勇者「そっか。種族そのものが違うんだよなぁ」

魔王「うむ。だから小さな揉め事は数限りない。ほとんどは四天王やその副官達が片を付けるが、大きな問題になりそうなのは私が直接仲裁をすることもあるぞ」

勇者「魔王は偉いなぁ」

魔王「♪」ニコニコ

メイド「あらあら」ニコニコ

女「私がいない間に何してんのよ」コトン

魔王「おぉ、女。何、勇者が私を褒めてくれたのでな」

女「魔王の癖に簡単な事で上機嫌になるのね」

魔王「何を言うか。褒められて嬉しくない者などおるまい。しかもそれが勇者なのだぞ。最高ではないか」
158 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 13:18:03.19 ID:4d1aGTso

女「魔王って時々すごい幼いよね」

勇者「俺もそう思う」

メイド「ギャップ萌えですね♪」

勇者「たぶんちょっと違うと思うぞ」

魔王「それはそうと、準備はいいか?」

女「ばっちり。大司祭様には布教の旅に出るって言ってきた。上位布教証も貰って来たからこれがあれば各地の教会で情報を貰ったり治療を受けたりできるわ」

魔王「情報が得られるのはありがたい。勇者と話し合ったが、ここから乗り合い馬車に乗って1日程行ったあと、勇者の転移呪で一気に飛ぶ予定だが、それで問題はないか?」

女「うん、それでいいよ。国境の街にも教会はあるから着いたら私はそっちで戦争関連の情報集めればいいのね?」

魔王「頼む。我々は宿を確保した上で街中で情報を集めてみる」

女「4人いるから小型の乗合馬車なら貸切できるわね。先に行って1台おさえておくわ。行きましょ」タッタッタ

魔王「女のほうが頼り甲斐あるな」

勇者「地味に凹む」ションボリ

女「あ、勇者、私の分の支払いお願いね!」

勇者「ちゃっかりしてる!」
159 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 13:24:24.06 ID:4d1aGTso
とりあえずは、ここまでとなります。
話進まないですね……勇者が魔王や女といちゃついてばっかりです。○○ねばいいのに。

ちょっとやりすぎましたけど、これからはもうちょっと真面目にストーリーを進めたいと思います。いちゃいちゃはほどほどに。あまり平穏なシーンばかりだと飽きてしまいますね。以後注意したいと思います。

ここから話は国境の街へと進みますが、書き溜めが尽きてしまったので再び書き溜め作業に入ります。ついでに昼飯食ってきます。今日は炒飯でも作りましょうか。

「作業時にお勧めの音楽あるよ。お前のような屑に教えるのはもったいないがしょうがないから教えてやろう。土下座しろ」という方がおられましたら教えていただけると嬉しいところです。
今はiTunesのラジオでJazzを聞いたりプレイリストに放り込んでるアニソンを聞いたり、FMを聞いたりしていますが何か良いのがありましたら教えてください。

それでは、しばし休憩させていただきます。
160 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/26(金) 14:03:16.09 ID:o4IolcSO
>人気とか言われてしまうと恥ずかしくて活火山の火口に投身自殺を図りたくなってしまいますので、罵る方向でお願いします。

なるほど、真正か
早く物語進めろ
でもイチャイチャも忘れるな←これ重要
わかったかヘタレ!
とりあえず勇者[ピーーー]

作業用ねぇ…
オケ版のドラクエとかスマブラとか
161 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/26(金) 14:12:34.11 ID:RYoC0FY0
とりあえず乙です
俺は集中するときはクラシック曲のカノンとか聴いてるよ。
でも好きな曲聴いてた方がやりやすいんじゃない

えーと、>>1頑張って!じゃなくてさっさと書けヘタレ
162 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 14:30:36.81 ID:.S9ML7wo
身悶えするへタレとか誰得だよ、さっさと書けよそれと歌詞が聴き取れないメタルなんかはオススメだぞスリップノットとかな
163 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 14:41:54.70 ID:F5VOUAco
お、ノコノコ帰ってきたのかヘタレ
つーか、ちゃんと書き溜めてるとかどんだけマジメだよ
かんちがいしないように言っとくけど、褒めてねーからな
れんこん
さとう
まりも
でとろいとめたるしてぃ
164 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/26(金) 14:45:53.73 ID:o4IolcSO
>>163
最後まで頑張れよwwwwwwww
165 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 14:50:49.93 ID:q1cEltEo
ハーレムいいじゃん。魔王と女もいいうまくやってけそうだし
166 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 16:21:34.38 ID:F5VOUAco
オススメはHURTS、TRUST COMPANY、MUSE、PRIMUSかな
あとは映画の少年メリケンサックで出てくる曲
167 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:28:13.09 ID:4d1aGTso

すごい量の支援が!
本当にありがとうございます。身に余る光栄です。あまりの嬉しさにスキップしながら謎の底なし穴に飛び込みそうになりました。

お勧めしてくださいました音楽は後ほど調べて拝聴させていただきます。本当にありがとうございます。

遅筆っぷりに嫌気がさしましたが、なんとか進める事ができましたので、投下していきたいと思います。

いきあたりばったりで書いてるせいか、話の展開がだんだん収拾つけれるのか不安になってきました。なんとか方向を誤らずに進めていきたいと思っております。
「お前の文章わかりづらいわ、一回人生やり直せ」とか「どんな厨二病だよ。病院いってこい」とか言われそうな展開になりつつありますが、がんばっていきたいと思います。

皆様本当にありがとうございます。(土下座)
168 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:30:34.05 ID:4d1aGTso

― 東国境付近の街から半日程離れた街道脇 ―

勇者「っと、到着」

魔王「うむ、しかし転移呪にはまだ慣れぬな」

メイド「フワフワしますね」

女「私もちょっと気持ち悪い……」

勇者「大丈夫か? 俺は慣れてるから別に何とも感じないけどなぁ」

魔王「少し休もう。勇者も魔力を回復させたほうがよかろう」ウップ

勇者「そこの小路を入ったら少し開けた場所があったはずだからそこで休もうか。魔王と女の荷物持つよ」

メイド「魔王様のお荷物は私が」

勇者「メイドさんだってちょっとキツいだろ? 顔色あんまり良くないぜ。無理しなくていいからさ」

メイド「あ、ありがとうございます」ポッ

女「出た、天然たらし」

魔王「女殺しか」

勇者「置いてくぞお前ら……」
169 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:32:21.30 ID:4d1aGTso

勇者「っと、ここなら大丈夫だろ。3人はそこの倒木にもたれて休んでおいてくれ。俺はこっちに」

魔王「……」ジーッ

女「……」ジトーッ

勇者「あの、何か問題でもございましたでしょうか?」

魔王「……」ポンポン

女「……」コクコク

勇者「真ん中に座れ、ということですか」

メイド「仲良しさんですね〜♪」ニコニコ

勇者「俺、休憩できるのか? 心労で魔力磨り減りそうなんですけど」ヨッコイショ

魔王「ふぅ」ピトリ

女「あー、しんどい」ペトリ

メイド「えっと……何でしたら私は正面から?」

勇者「すみません本当に勘弁してください。泣きそうです」
170 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:33:17.59 ID:4d1aGTso

メイド「うふふふ……っ! 魔王様」

魔王「ん、何者かが近づいてきておるな」

勇者「……人間の気配じゃないぞ。多分熊とかじゃないか」

女「?」キョトン

勇者「女、魔王、俺の後ろに。メイドさんは木の上から周囲を見渡してもらえるか?」

メイド「御意に」シュタ

女「何か近づいてきてるの?」

勇者「動物の気配だから心配する事はないと思うけど、一応な」

メイド「鹿の群のようです」ホッ

勇者「じゃあ問題なさそうだな。メイドさん、ありがとうございます」

メイド「いえいえ、これもメイドのお仕事です。食料代わりに一頭調達してきましょうか?」

勇者・女「遠慮します」

メイド「ちょっとつまんなーい」プクリ
171 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:35:11.12 ID:4d1aGTso

― 東国境の街 ―

女「じゃ、教会行ってくるね。宿とかはお任せしちゃう」

勇者「おー。夕方になったら教会に迎えに行くから大人しく待ってろよ」

女「あいあいさー♪」タタタ

メイド「宿の確保完了しました」

勇者「はやっ!」

魔王「さすがだ」ナデナデ

メイド「ありがとうございます」ニコニコ

勇者「情報収集からなんだけど……」

魔王「人がいないな」

メイド「宿でもびっくりされました。戦争始まるから住民の方も含めて避難してるそうです」

勇者「宿屋の人は避難しなかったのか?」

メイド「避難させませんでした」

勇者「おっそろしいな、おい」

メイド「冗談です。一部の住民は残ってるそうです」

魔王「無人にするわけにもいかんだろ。予定が少し狂ってしまったが宿の人から話を聞くことにしよう」

メイド「そう思って連れてきております」

宿主人「コワイヨコワイヨ」ガタガタブルブル

勇者「何かしただろ!?」
172 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:37:15.76 ID:4d1aGTso

メイド「いえ、ぼったくりな料金を請求されましたのでおしおきを」ニコニコ

魔王「ほどほどに……な? ご主人、メイドが失礼をした。改めて話を伺いたいのだが、良いだろうか?」

宿主人「は、はいっ! 何でもお申し付けくださいっ!」ビシッ

勇者「だめだ。完全におびえてる」

メイド「宿主人様、我が主の前です。緊張しすぎないようにしてくださいね」

宿主人「はひっ!」ブルブル

魔王「メイドは少し控えろ。別になにもする気はない。この辺りの状況を教えてはくれまいか?」ニコッ

宿主人「かなりの数の兵隊達が東に抜けて行きました」ホワ

勇者「あの笑顔は反則だな。魅了の魔法並だ」

メイド「魔王様はお美しいですから♪」

魔王「そうか。この街に駐留はしていないのか?」

宿主人「街の外れに大規模な野営地を設営してました。食料などはこの街で買っているようです」

魔王「ふむ」

メイド「食料を現地で調達するということは、長期戦を考えていないということでしょうか?」

魔王「そう考えられるな。長期戦を前提にするなら食料は持ち込むと思うし……」

勇者「領内だからっていうのはあんまり考えられないか。これから冬に向かうから食料調達は難しくなるな」

魔王「うむ。それで、その中に大きな棺のような物は見なかったか?」

宿主人「棺……ですか。あいにく私は宿の中にいたもので直接見てはいないのでわかりかねます。食料品店のオヤジなら見てるかもしれません」

魔王「わかった。ありがとう。今日から数泊させていただくが、よろしく頼む」

宿主人「わかりました。お帰りをお待ちしております」ペコリ

メイド「お見事です」

魔王「普通だ。食料品店の場所はわかるか?」

メイド「街の地図をお借りしました。こちらです」
173 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:38:49.49 ID:4d1aGTso

― 東国境の街 食料品店 ―


店主「棺ぃ? んー、あったっけかなぁ」

勇者「結構でかいやつで、馬に引かせてたりとかだと思うんだ」

店主「あー、棺じゃなかったけど、かなりでかい荷車みたいなのはあったな。馬3頭で牽いてたから大砲か何かだと思ってたけど」

魔王「当たりっぽいな」

勇者「そか、ありがとう。ついでにこれとこれ頼む」

店主「まいど」チャリン

魔王「店主の話を聞く限りだと、1体だけではなさそうだな」

勇者「2,3体運び込まれてると思って間違いないと思う。どうすっかなぁ」

メイド「勇者様と戦った人造兵はまだ王都に戻る途中のようですね」

魔王「我々の領地との境界線近くまで来ていたからな。早馬はとっくに着いてるだろうが、本体はあと2週間くらいはかかろう」

勇者「となると、別の人造兵が来てるってことだろ? あんな強さのが3体じゃあっという間に戦争終わりそうだ」

魔王「おびただしい戦死者を敵国に出して、な。防げぬものか?」

勇者「人造兵をどうにかできれば戦争そのものを回避できるかもしれないけど、俺一人じゃ1体を足止めするだけで精一杯だ」

魔王「では、私とメイドも出ればなんとかなるな」

勇者「それは俺が許可できない」

魔王「どうしてだ?」

勇者「魔王にそんな危ない事させれるわけないだろう。もし魔王に万が一の事があったらどうするんだよ」

メイド「魔王様は比類ない魔力をお持ちですが、近接戦闘となれば私も少し心配です」

魔王「そんな事を言ってる場合じゃないだろう。なに、大抵の攻撃は障壁で防げる。勇者だって知っておろう」
174 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:39:57.03 ID:4d1aGTso

勇者「そりゃ知ってるけどさ」

魔王「まだ心配なのか?」

勇者「……心配しちゃ悪いか?」

魔王「メイド」

メイド「はい」

魔王「ちょっとあっちを向いておいてくれるか?」

メイド「お言葉のままに」クルリ

勇者「どうした?」

魔王「ん、何、たいした事ではない。勇者に接吻をしようと思ってな。いかにメイドといえ、見られるのは少し恥ずかしい」テレテレ

勇者「なんでそうなるの!?」

魔王「乙女心が撃ち抜かれたのだ。キュンキュンしてしまったぞ。この責任、取ってもらう!」ゴゴゴゴ

勇者「ピンク色のオーラが見える……! じゃなくて、心配するのは当然だろ。四天王からも「くれぐれも魔王様に無茶をさせないようにしてくれ」って言われてるし」

魔王「余計な事を」

勇者「みんな心配してるんだよ。魔王は人気者だからな」

魔王「……もうよい。今回は後方支援に回ってやる。メイドと勇者で片付けるがいい」

勇者「ごめんな。魔王の強さは良く知ってるよ。それに、戦うのが嫌いな事もな」ナデナデ

魔王「確かに戦うのは嫌いだが、戦わねばならないときはちゃんと戦うぞ!」ニコニコ

メイド「魔王様、言葉と表情が合っていません」

勇者「どうしても危なくなったら頼むよ」

魔王「絶対だからなっ! 勇者が危ないとわかったら広範囲殲滅魔法で一面を焦土にするからな!」

勇者「それはやめてください」
175 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:42:49.86 ID:4d1aGTso

魔王「メイド、人造兵との戦いのみ戦闘を許可する。ただし、人間を傷つけてはならん。いいな」

メイド「御意に。魔王様の為にこの命投げ出す所存でございます」

魔王「投げ出さなくて良い。無事に帰るのを最優先の目的とせよ」

メイド「はっ!」

女「あー、いたいた。人少ないからすぐにわかった」

勇者「おう、女。今から行こうと思ってたんだそっちはどうだった?」

女「兵士の総数は1000ってところね。騎兵が300、歩兵が600、残りは後方支援みたい。魔術師は20もいないそうよ」

魔王「やはり全体的に少ないな。魔術師は制御のみかな?」

勇者「多分そうだと思う」

女「宣戦布告は明日の早朝。短期決戦で臨んでるらしいけど、それにしては兵力が少なくない? あと、制御って何の事よ。そろそろ教えてくれても良いんじゃない?」

魔王「とりあえずは宿に戻ろう。ここで話す内容ではない」

女「そうね。あぁ、そうだ。これ、ここの教会から差し入れだって。果物」

魔王「ありがたいな。礼を言うぞ」

女「主は誰にでも公平なのよ」
176 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:43:35.18 ID:4d1aGTso

― 東国境の街 宿屋の一室 ―


女「……なによそれ」

魔王「話した通りだ」

勇者「俺はそれを阻止する為に魔族と手を組んだんだよ」

女「なによそれ! 主の教えに真っ向から蹴り食らわしてるようなもんじゃないの! 王は敬虔な信者のはずよ!」

魔王「その王は礼拝をしておるのか?」

女「……いえ、忙しいとかでずっと来てないわ」

魔王「そういうことだ」

女「そんな……」

勇者「信じがたいかもしれないけど、事実だ」

女「勇者はその人造兵とやらと戦う気なの?」

勇者「戦争を止めたいからな。人造兵がいなくなれば1000程度じゃ戦線は維持できないだろ」

女「それはそうだけど、一度メタメタにされてるんでしょ?」

勇者「ぐっ……あ、あれは毒矢がっ!」

女「だから、私も行くからね。まさかここで待ってろなんて言わないわよね?」

勇者「うわ、ハメられた。いいから待ってろよ。お前まで危ない目に遭わなくていいだろ」

女「ふざけんじゃないわよ! 勝手に背負って勝手に突っ走って勝手に傷ついて、それで見てるだけってどれだけ私の事蔑んでるのよ!」

勇者「蔑んでるつもりなんてない!」

女「好きな男が傷ついてるのに何もできないとかありえないでしょ! 誰のために神聖魔法覚えたと思ってんの!? 私も行くからね! 反論させない!」

勇者「おまっ! 好きって……」

女「あーあー、好きよ! あんたの事が大好きなのよ! 魔王に負けないくらいにね。伊達にちっちゃい頃から一緒にいないわ。旅に着いていったのだって離れたくなかったからよ。それが置手紙一つに『一人で行く』だもん。情けなくて涙出たわ」
177 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:44:25.35 ID:4d1aGTso

メイド「何でしょうかこの情熱的な告白は」
魔王「ちょっと気おされてしまうな」

勇者「のんきですねあんたら!」

女「こっち向け!」ゴキ

勇者「痛い痛い痛い!」

女「いいわね? 絶対ついていくからね。あんたを全力で補助してあげるわ。前までの私じゃないわよ。大司祭の要請蹴ってまで待ってたんだからね」

勇者「わかったよ! わかった。魔王と一緒に後方支援を頼む」

女「それでよしっ」ニコッ

勇者(この笑顔も卑怯だよなぁ。魔王といいこいつといい、心底嬉しそうな笑顔浮かべられたら反論できやしねぇ)

魔王「話は終わったな? 勇者、ちょっとこい」ギュッ

勇者「何でしょうか魔王様?」(乳っ! 乳が右腕にくっついてる!)

魔王「不平等を感じたので公平を期す為にしばらくこのまま話を続けるぞ。あと、私もお前は大好きだからな」ニコリ

勇者「……好きにしてくれ」カオマッカ

メイド「甘酸っぱいですね〜♪」ニコニコ
178 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:45:52.84 ID:4d1aGTso
>>177

>メイド「何でしょうかこの情熱的な告白は」
>魔王「ちょっと気おされてしまうな」

行間空けるの忘れてました。見落としです。申し訳ございません。罰としてセルフ10叩きしときます。(100はキツいので)
179 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:47:08.82 ID:4d1aGTso

魔王「詳細を詰めよう。人造兵を起こすのは布告の直前だと思われる。今晩中に襲撃してしまえば、人造兵が起きる前に倒してしまえると思うのだが」ギュー

勇者「俺も同じ考えだ。だが、見張りはかなり厳しいと思うぞ」ウデガテンゴク

メイド「見張りを殺して良いのでしたら20分もいただければ全員片付ける事はできますが、不殺となると少々難しいです」

女「そろそろ公平な時間でしょ? 魔王、離れてよー」

魔王「もうちょっとだ。女は何かアイディアはないのか?」

女「あと5分だからね! んと、眠りの魔法は?」

勇者「対魔法準備はしてないだろうから、効き目はあると思うけど、見張り全員眠らせるのは無理だろうな」

メイド「半数程度でしたら10分で片付け……もとい、気絶させれると思います」

魔王「どうやっても穏便には済みそうにないな。メイド、野営地に行って様子を見て来い。我々はその間に夜の準備をする」

メイド「はっ!」シュタッ

女「私と魔王で眠りの魔法をかければいいのね?」ギュッ

魔王「うむ。野営地の配置にもよるが、人造兵は一箇所に固めてるだろうから、まずはその周辺だけ眠らせてしまえば良い。周囲に気づかれる前に土壁を建てる」ギュー

勇者「なんで女までくっついてるんだよぅ。緊張感持とうよぅ」メソメソ

女「気にしなくていいわよ。充電よ、充電」

魔王「うむ、勇者にくっついているとみるみるうちに回復するからなっ!」ニコニコ

勇者「俺はみるみる内に弱りそうだ」ゲッソリ
180 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:48:20.56 ID:4d1aGTso

― 東の国境街 野営地 ―


メイド「人造兵が納められた棺は街から最も離れた場所に置かれていました」

魔王「本隊の兵士の中にも知らない者の方が多いだろうしな。あまり人目につかない場所にしているのだろう。こちらにとっては好都合だ」

勇者「魔術師の一団がどこにいるかはわかるか?」

メイド「はい。中央の天幕を中心にしたテント群に居るようです。人造兵の周囲には見張りが10人程度しか配されていません。伏兵の兆候もないようです」

勇者「油断しきってる、と思って良いのか?」

魔王「わからん。絶対的有利な状況だと油断は必ず生まれるとは言うが、うまくいきすぎている気もする」

女「ダミーの可能性は?」

メイド「棺らしき箱には幌が被せてあるため確認は取れませんでした」

勇者「危ない、と俺は思う」

魔王「同意見だ」

女「私もおかしいと思う」

魔王「と、なると」

勇者「すでに人造兵は国境線に居る」

魔王「急ぐぞ! メイド、先行しろ。道中の見張りは殺さない程度になら傷つけても良い」

メイド「はっ!」シュッ
181 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/26(金) 16:54:33.38 ID:4d1aGTso
今日はここまでとさせていただきます。書き溜めはこの先もありますが、見直ししてないのと、集中力が途切れてしまってる為に続行しても駄文以下のモノしか書けないと思います。

「お前さぁ、ほんっとうに下手な上に遅筆だよな。来世までROMっとけ」などの罵詈雑言、甘んじてお受けいたします。楽しみにしてくださってる皆様には心よりお詫び申し上げます。

先ほど気づいたんですが、今日金曜日なんですね……曜日感覚なくなってました。
明日は休みなので(日曜日は休日出勤あるかもしれない)、夜に出没できればまた投下しようと思っています。

読んでくださっております皆様方には重ねて心よりの感謝を。

それでは、外で犬が「散歩連れてけ! でないとお前を食う!」と叫んでる(ような気がする)>>1がお送りいたしました。
182 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/26(金) 17:05:33.97 ID:o4IolcSO
注:天然たらしと女殺しのスキルは勇者特有のスキルです。
一般人は諦めましょう


壁殴ってくる
こんな気持ちになったのは>>1のせいだから壁に思いをぶつける

とにかくさっさプロット練って書き溜めて良いのを投下しろこのヘタレ
183 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 17:08:15.28 ID:9.pdrVUo
★壁殴り代行始めました★
ムカついたけど壁を殴る筋肉が無い、壁を殴りたいけど殴る壁が無い、そんなときに!
壁殴りで鍛えたスタッフたちが一生懸命あなたの代わりに壁を殴ってくれます!
モチロン壁を用意する必要もありません!スタッフがあなたの家の近くの家の壁を無差別に殴りまくります!
1時間\1200〜 24時間営業 年中無休!

       /フフ         ム`ヽ
      / ノ)   ∧∧     ) ヽ
     ゙/ |  (´・ω・`)ノ⌒(ゝ._,ノ
     / ノ⌒7⌒ヽーく  \ /
     丶_ ノ 。   ノ、  。|/
        `ヽ `ー-'_人`ーノ   壁殴り代行では同時にスタッフも募集しています
         丶  ̄ _人'彡ノ    筋肉に自身のあるそこのアナタ!一緒にお仕事してみませんか?
         ノ  r'十ヽ/     壁を殴るだけの簡単なお仕事です!
       /`ヽ _/ 十∨
184 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 17:42:35.08 ID:q1cEltEo
おつおつー
185 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 17:51:44.68 ID:FwyND5Io
良くやったヘタレ
早く続きを投下するんだ
186 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 18:33:04.82 ID:Y1wS4iso
どこかでみたようなヘタレだな
良くやったがROMるのは許可できないな
187 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 18:51:11.87 ID:F5VOUAco
おいおい、セルフ10叩きとかヘタレのクセに調子乗んなよ
つまんねー意地張ってんじゃねーよ
かわりに俺が半分叩かれてやんよ
れたす
まよねーず
でんぷん
188 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 18:53:00.07 ID:F5VOUAco
やべぇ
さんまが抜けた…
俺もセルフ10叩きしてくる
189 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 18:53:29.63 ID:4wIArUYo
ここはヘタレ共のすくつですね
190 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 20:42:41.97 ID:Cw6/JsDO
支援
191 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 21:21:56.09 ID:.S9ML7wo
おつ、明日も楽しみにしてるぞ
192 :sage :2010/11/26(金) 22:18:49.35 ID:RYoC0FY0
乙です
期待している
頑張れ
193 :sage :2010/11/26(金) 22:19:28.40 ID:RYoC0FY0
sage忘れすまぬ
194 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 22:33:26.71 ID:PFAElAAo
さっさと書けこのヘタレがっ!

おもしろいから裸で待ちっぱなしだろうがっ
195 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 22:37:35.29 ID:PFAElAAo
あとは上げて変なの湧かないようにメアド欄に

sage saga

両方書け!恥ずかしいから言わせんな///
196 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 23:02:36.05 ID:8NHURkAO
くっ……エロが見たいがやっちゃうと下品になりそうでジレンマ

後レスしてるヘタレ共のせいでヘタレの>>1が完全に何かに目覚めちゃった気がしないでもない
とりあえず>>1を支援してやるぜ
197 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:01:33.14 ID:mtmYP8Uo

皆様こんばんは。>>1でございます。毎回多大なるご支援、罵倒、本当にありがとうございます。
感謝のあまり石抱き(江戸時代の拷問)をしなくてはいけないのかと思い、手頃な石を探してたらこんな時間になってしまいました。

それぞれのお言葉にお返事を書きたいところではございますが、長くなりすぎてしまう上にそんな事求められてないと言いますか、何様のつもりだ! とお叱りを受けそうなので心よりのお礼の気持ちを以て代えさせていただきます。

しかしながらいくつか気になる書き込みがありましたので、そちらにのみレスを返させていただきます。

>>183
そのコピペ初めて見ました。不意打ちすぎて大笑いしてしまいました。

>>186
私以外にドMが居るということでしょうか? 同好の志が居るのか少しドキドキしてしまいます。心臓発作で死にます。

>>195
ご意見ありがとうございます。sage進行のほうが良いのでしょうか? SSが進行してるのをお知らせするつもりでage進行にしておりましたが、この点に関しては他の皆様のご意見も伺ってみたく思っております。ある程度のご意見をいただくまでは従来通りにage進行でやってみようと思っております。


さてさて、多分初だと思っている夜間更新となります。「あ゛ぁ? 夜間更新だと!? お前みたいなゴミ屑が夜に書き込みするような資格があると思ってんのか?」と言われてしまいそうですが、現在持っております書き溜め分だけでも投下してしまおうと思っております。

稚作ではございますが、皆様にお楽しみいただければ幸いです。秋の夜長の暇つぶし程度に、お好きな飲み物、音楽などと一緒に暖かいお召し物を着用の上お付き合いくださいませ。
198 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:03:49.19 ID:mtmYP8Uo

― 東国との国境線 ―


人造兵A「グルァァァァァァァッ!!!」

東国兵士A「な、なんだこいつは!?」

東国兵士B「魔族か!? 恐れるなっ! 戦えっ!」

人造兵B「ボァァァァアアア」ヒュンッ

東国兵士C「ぐぁっ!」ザクッ

東国兵士D「がふっ!」ズバン

上級魔術師「ふふふふ。見張りはこの程度か。東国はまだ油断してると見える。このままいけば夜明けまでには国境線は我々のもの。宣戦布告する前に終わるな」

?「轟雷っ!」ガガッ

人造兵A「ガァァァァァァッ!」ブスブスブス

上級魔術師「なっ! 何者だ!?」
199 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:05:23.50 ID:mtmYP8Uo

勇者「そいつは表に出しちゃならないんだよっ!」

上級魔術師「勇者!? 護衛兵は何をしていたっ!?」

魔術師A「わ、わかりません! 気づいたら我々しかっ!」

メイド「眠っていただきましたわよ」

女「こっちも眠らせたわ」

上級魔術師「っ、貴様ら、王に歯向かうか!?」

魔王「その王とやらが自然の摂理を捻じ曲げてあのような怪物を作ってしまったのだろう?」

上級魔術師「その角……っ! 魔族!?」

魔王「禁呪は既に絶えていたはずだ。どこから見つけだしたか教えてもらおう」

魔術師B「火炎槍っ!」

勇者「魔王っ!」

魔王「ふん」ボフッ

上級魔術師「無効化だと……それに、魔王!?」

魔王「勇者、なんで先にバラす。ここは格好をつけてもったいぶるべきだろう」

勇者「すまん、でもな」

魔術師CDE「氷結呪!」

魔王「複合詠唱か? つまらんぞ」フッ

上級魔術師「えぇい、人造兵をこいつらに向けろっ! こいつらの始末が先だっ!」

人造兵ABC「ブルワァァァァァァァっ!!」

勇者「メイド、1体頼む! 2体受け持つ」

メイド「承知いたしました。しかし、大丈夫なのですか?」ブン

勇者「あぁ、本気モードだ!」

女「加速! 硬化! 増力! 祝福!」フォンフォンフォンフォン

勇者「いくぞっ!」ザッ
200 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:10:46.04 ID:mtmYP8Uo

魔王「虚無の珠っ!」ブォン

人造兵C「ゴァァァァッ!」

上級魔術師「馬鹿な! 魔法一発で腕一本もぎ取るだと!?」

勇者「はぁぁぁっ!」ギンッ

メイド「うふふふふふふ」ブブンッ

人造兵A「ゴァァァッ!」ブンッ

勇者「遅いっ!」ゴッ

人造兵A「ゴアッ!」ドシャッ

メイド「い・き・な・り ほんきもーどっ♪」シュッ

人造兵B「グ……?」ゴトン

魔術師D「い……一撃で人造兵の首がっ!?」

上級魔術師「そやつも魔族かっ! 貴様勇者っ! 人間の敵たる魔族などと手を組みよって! 逆賊め!!」

勇者「お前たちの非道を正す為に俺は魔族と組んだ! 子供達を犠牲にするなんて……逆賊はお前達だっ!!」

女「神は全てをご覧です。司祭たる私がこの場の証言となりましょう!」フォン

魔術師A「司祭だと!? 上級魔術師様、ここはっ!」

上級魔術師「司祭を殺せ! この場を見られたからにはこいつが一番厄介だ!」

魔術師D「火炎矢っ!」ボッボッボッ

勇者「しまった!」

女「光の衣っ!」シュォォォォ

女「甘く見ないでよね。これでも勇者とずっと旅してきたのよ。生半可な魔法ごとき、私に効くわけないでしょ! 勇者っ、 私の事は気にしなくていいからやっちゃえ♪」ニコッ

勇者「応っ! メイドさん、二人を守ってくれ!」ガガガッ

人造兵AB「ゴォォォォッ」ドドッ

メイド「御意に」ギンッ
201 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 00:11:33.97 ID:Sj7TR5oo
専ブラで見てりゃ進んでるのは分かるからね
ここは変なのも沸きにくいし通報もしやすかったはずだから好きにするといい
というか自分で決めろヘタレ
202 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:14:43.74 ID:mtmYP8Uo

勇者「連撃斬っ!」ドドドン! ドドドドッ

人造兵C「ブルアァアアァァァァアアアッ!」ゴトン

勇者「迅雷っ!」ピシャァッ

人造兵A「ガガガガガガガ」

女「回復呪っ! 神速呪っ!」


勇者「ありがたいっ!」ビュォッ ザンザンッ
人造兵AC「グォオオオオオオオオオオオッ!!!」ドズン……

上級魔術師「なっ!?……一瞬でっ!」

勇者「はぁっ、はぁっ! どうだ、これでもまだ戦争する気か!?」

上級魔術師「ぐぅ……」

魔術師D「……」ブツブツ

勇者「兵を退け! 人造兵がいなければ戦争はできまい!」

上級魔術師「いなければ、な!」ニヤッ

人造兵B「ブルァァァァァアアアアアッ!」ヒュン

勇者「なっ!?」ガッ ズシャァァァァァ

メイド「!?」

女「ゆっ!」

魔王「勇者っ!!」
203 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:17:15.37 ID:mtmYP8Uo

上級魔術師「頭を落としたからといって死ぬ人造兵ではないわ! 骨だけになろうとも戦い続ける強靭さ! お前のような虫ケラに倒せる代物ではない!」

人造兵AB「ゴァァァァァッ!」ブンッ

魔王「こっちも復活した!?」

メイド「魔王様っ!」ガッ

魔王「メイドっ!」

メイド「お怪我は?」

魔王「私は大丈夫だが、お前、腕が折れたのか!? 待ってろ、すぐに治す」フォン

メイド「ありがとうございます。申し訳ございませんでした。今度こそっ!」ヒュッ

勇者「メイドさんっ! 二人を護れ! こいつらの狙いは魔王と女だっ!」

メイド「っ!! はいっ!」ギンッギンッ

人造兵AC「グォォォォ」ヒュッザッ

女「回復呪っ! 硬化っ! 神速呪っ!」フォンフォンフォン

メイド「感謝しますっ!」ヒュンヒュンッ

人造兵A「グルァッ!」ボトボトッ

メイド「手足を斬り落としてしまえばっ!」

上級魔術師「甘いっ!」

人造兵A「ブァァァァァァァッ!!」ズルッ

魔王「生えただと!?」

勇者「くっ! 魔王、退けっ!」ガインッ

人造兵B「ゴァァァァッ!」ゴッ

魔王「そんなわけにはいかん! 双火炎っ!」ズガンッ

人造兵A「ブシュゥゥゥゥ」シュウシュウ

女「回復力が洒落になってないわ!」

勇者「くそっ! どけよこらぁっ!」ズザンッ
204 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 00:17:56.90 ID:s6t4GKQo
何か途中で若本いなかったか
205 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:20:17.63 ID:mtmYP8Uo

人造兵B「ゴォォォォ!」ズダンッ

勇者「畜生、タフすぎる!」

上級魔術師「ふはははは! 圧倒的だ! 魔王と勇者など恐るるに足りん! 行け! 人造兵よ! こやつらを殺せ!」

人造兵B「ゴラォォォォォ!」ゴッ

勇者「っ! 左腕がっ」ダラン

女「勇者っ!」ダッ

勇者「来るなっ!」

人造兵A「ガァッ!」ドッ

女「きゃぁっ!」ドザッ

勇者「女!?」

魔王「女! メイド、女を護れ! 私はいい!」

メイド「はっ!」キンッ

魔王「許さんぞっ! 闇の炎よっ! 焼き尽くせっ!!」ブォッ

人造兵C「ギャォォォォォォォ」ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥ

魔王「細胞残らず焼け落ちろっ!」

上級魔術師「何だと!?」

勇者「龍吐息っ!」ゴォッ

人造兵B「グォォォッ!?」ジュッ

魔術師D「ありえんっ! ドラゴンブレスだと!?」

勇者「龍のおっちゃんから習った術だ! 焼き尽くせばいいんだな!?」ゼェッゼェッ

メイド「全魔力解放っ!」ブォォォォン

勇者「魔力剣でかっ!」

メイド「なかなか燃えましてよ?」ザンッ

人造兵A「……ッ!!」ジュゥゥゥゥゥ
206 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:22:10.94 ID:mtmYP8Uo

上級魔術師「ば、ば……馬鹿なっ!!」

勇者「ど、どうだ!? これでもまだ戦えるか!?」

上級魔術師「ぐっ……退けっ! 総員撤退っ!!」ザザザザッ

勇者「ぶはぁっ! 疲れたっ!」

魔王「やったな」

メイド「女様、大丈夫ですか?」

女「大丈夫……ありがとう。勇者、骨折れてるんでしょ?」フォン

勇者「悪い。女も大丈夫か?」

女「うん。一撃貰っちゃったけどすぐに回復呪が使えたから」

勇者「よかった。魔王も大丈夫か?」

魔王「問題ない。メイドも大丈夫だ」

メイド「楽しかったです♪ ちょっと魔力使いすぎちゃいましたけど」

勇者「みんな無事でよかった」

?「そうでもないかも知れんぞぉ?」ザッ

勇者「!?」ギィンッ
207 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:23:58.64 ID:mtmYP8Uo

?「俺だよ、俺」

勇者「東征将軍!」

東征将軍「久しいな、勇者。よくもまぁ人造兵を倒したもんだわ」

勇者「あんたは知ってたのか!?」

東征将軍「いんや、さっき知った。お前に賞金がかけられてるのは知ってたけどな」

魔王「勇者、知り合いか?」

女「王の右腕と呼ばれる人よ。近衛兵団の団長でもあるわ。昔色々と良くしてもらったのよ」

東征将軍「おぉ、女か! また別嬪さんになったなぁ。んで、こっちが魔王様かい?」

魔王「っ……」

東征将軍「そんなに怖い顔すんなって。今日のところは俺は何も見てないし、聞いてないって事にしといてやる」

勇者「……東征将軍、人造兵はっ!」

東征将軍「おぉっと、それ以上は聞けねぇ。俺ぁ王に仕えてる身だ。例え王が心変わりなされても俺の忠誠は変わんねぇよ」

勇者「東征将軍っ!」

魔王「よせ、勇者。忠義に生きる者に言葉を重ねても無駄だ」

東征将軍「すまんな、魔王の嬢ちゃん。いつか戦う時が来るかもしれねぇが、その時までその美貌とナイスバディを保っといてくれよな。こっちの方向に行きゃ本隊とはかちあわねぇ。さっさと行ってくれ。俺はお前達を見なかったってことにしとくし、撤退の号令ももう出した。今回は退いてやるよ」

勇者「……感謝するけど、俺は諦めないからな。人造兵が出る限り、俺は阻止する!」

東征将軍「はっ! あんなのなくたってどうとでもならぁ。また会おうぜ、勇者。その時は覚悟しとけよ」ザッザッザ

メイド「久しぶりにちょっと震えました」ドキドキ

勇者「軍隊きっての猛者だからな。何度か模擬戦したが、勝った事ないよ」

女「とりあえず、私達も戻ろ?」

魔王「うむ、宿に戻って休むとしよう。疲れ果てた。変化の術を掛けるぞ」ポゥッ
208 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 00:31:52.79 ID:mtmYP8Uo

書き溜め尽きるのはやっ!

すみませんもうなくなってしまいました……阿呆すぎるだろう私。

調子に乗ってました。本当に申し訳ございません。今から書き溜めしますが、1時には寝てしまいそうなので、キリの良いここで今回は一旦幕を引かせていただきます。

明日は時間に余裕があると思いますので、可能な限り書き溜めと投下を繰り返していく所存でございます。

読み返してみると、厨二病どころかどこかの頭の痛い人みたいな事になってますね……もっと上手に表現ができれば、と頭をバールのような物で殴打しつつ反省します。


>>201
他力本願で申し訳ございません。セルフ市中引き回しでご容赦ください。警察につかまってきます。

それでは、期待を持たせておいて豪快な肩透かしを皆様にカマしてしまった事を猛省しつつ、本日は失礼いたします。

おやすみなさいませ。良い夢を皆様に。
209 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 00:32:19.88 ID:8JOl0oYo
この>>1
全然ヘタレじゃな… うわ!なんだ!くぁww背drftgyふじこlp
210 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 00:36:29.91 ID:xgmfOzc0
乙です。心の燃料を有難う
211 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 00:37:46.71 ID:LXsMIUYo
ヘタレが!
もしもしから魔王と女の妄想するぞと言ったらなんだあれは!
さっさと寄り道しろよ!
下半身が寒いンだよ!!
212 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 01:33:10.97 ID:m9xQFqco
ヘタレが!!
明日も投下楽しみに待ってるから!
213 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 01:37:36.92 ID:J2r/5cDO
えーと、えーとっ

こちとらもしもしだから書き込みの1レス目だけでも
あげて貰えたら助かるんだよこのヘタレが(棒
>>1がどんどんどMになっていくから
SSへの感謝を込めて緊縛して天井から吊したくなって来ただろーが(棒


………こげな感じでよろしかったのか?
214 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 01:48:31.60 ID:EMlITFko
へタレ!君の書く話がすきだ!
これからもがんばってださい!!
215 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 01:59:15.42 ID:f3Hc67Io
>>214
最後でださいの止めとは中々できる奴だ
216 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 02:01:32.32 ID:s6t4GKQo
>>215
脱字かと思ったらそう言う事か
217 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 07:55:57.66 ID:nSv/twDO
218 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 10:16:04.04 ID:Z8mrycYo
抽出して本文中心に読ませてもらってるが
スレも進んだ
そろそろ、自虐、自己憐憫はやめてくれないか?
削がれる
219 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 10:19:40.02 ID:LXsMIUYo
>>218
無理だ、既にドS集団がいついてしまった……
220 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 10:23:26.61 ID:Z8mrycYo
>>219
なんだってー!! Ω ΩΩ
221 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 11:33:19.85 ID:UvPPrAgo
みんなが罵る
    ↓
>>1が幸せになる
    ↓
>>1ががんばる
    ↓
みんなが幸せになる

なにか問題でも?
222 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 11:42:57.09 ID:j4p67Ls0
はっきり言ってこのヘタレ>>1遅筆じゃないだろ
ほぼ毎日書きにくる>>1はこれまで見たことないぞ?
しかも面白いし
223 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 12:00:12.01 ID:H3om6ago
憐憫って言葉にぞくぞく来てるであろう>>1かわいいよハァハァ
224 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 13:07:10.37 ID:mtmYP8Uo

皆さまおはようございます。>>1でございます。
日に日にご支援、罵詈雑言が増えてきているようで、幸せのあまりポートタワーから紐なしバンジーを敢行しかけました。

age進行かsage進行かという点につきましては、幸いにも製作速報では本家Vipのように荒らしは見受けられないようですし、携帯からアクセスしてくださってる方の事を考え、age進行でやっていこうと思います。

>>218
やはりお目障りでしたか。申し訳ございません。以後できるだけ余計な事は書かないようにいたしますが、一種の個性となりつつございますので、ある程度は容認していただけると幸いでございます。

皆さまのご支援、心より感謝いたします。書き溜めはほとんどできておりませんが、とりあえず2,3レス分ですが投下し、再び書き溜めをしようと思っております。

それでは、本日も皆さまにとって良き一日でありますようにお祈りしつつ、再開いたします。

気だるい土曜日の昼下がり、お気に入りの珈琲、紅茶、日本茶、ソフトドリンク、酒等を片手にのんびりとお楽しみくだされば幸いです。
225 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 13:08:46.10 ID:mtmYP8Uo

― 東の国境街 宿屋の一室 ―


魔王「ふぅっ」ドサッ

勇者「お疲れさん」ドスッ

女「つかれたーっ!」ボスン

メイド「果実酒です」コトリ

魔王「うむ、メイドも休め。お前が一番疲れておろう」

メイド「そのお言葉だけで十分でございます」

女「ご飯とお風呂っ!」

勇者「飯は部屋に持ってきてもらうように頼んだから先に風呂入ってこいよ」

魔王「では、勇者から入って来るがいい」

勇者「俺は最後でいいよ。女の子が先に入ってこいよ」

女「ごめん、実のトコ疲れ過ぎてて動けないから勇者先に入って〜」ヘロヘロ

魔王「うむ。ちょっと休みたい……」

勇者「そういうことか。じゃあ、お先に」

メイド「お着替えは既に置いてあります。ごゆっくりどうぞ」
226 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 13:09:38.34 ID:mtmYP8Uo

― 東の国境街 宿屋浴室 ―


勇者「あ゛〜、気持ち良い……」ザブン

勇者(なんとか倒せたは良いけど、一番少なく見積もってもあと3〜5体は人造兵が残ってるんだよなぁ。今回はなんとか倒せたけど、次もうまくいくとは限らないよな……)

勇者(魔王も女もメイドさんも戦力としては一級だし、ベストパーティーって言っても過言じゃない……)

勇者「でもやっぱり、女の子を戦場に出すってのはどうもなぁ」

魔王「それは男尊女卑ではないのか?」

女「そ、そ、そうよっ! 女だって戦場に出るのは別におかしいことじゃないわよっ!」

メイド「うふふふ♪」

勇者「あー、いつものパターンでしたか」ゲッソリ

魔王「皆で入ったほうが楽しいしな。幸いここの部屋は風呂が大きいから一気に入っても余裕がある」チャプン

女「あ、あんまり見ないでよねっ!」

メイド「ささ、勇者様。お身体お流しいたしましょう」

勇者「俺も疲れきってるから目を閉じるくらいしか出来ないんだけどなぁ」ナニモミテマセン

魔王「まったくお前はいつまで経ってもそのような……」ピトリ

女「あっ! 魔王ズルいっ!」ピトッ

勇者(右腕が魔王山で左腕が女丘……ってそんな事考えてる場合じゃねぇだろ!)

勇者「先に上がる」フラフラ

魔王「勇者、足元に石鹸っ!」
227 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 13:10:25.17 ID:mtmYP8Uo

勇者「うぉっ!」ツルッ ポヨンヌ

メイド「きゃっ」

勇者(おーけぃ。冷静になろう。目を閉じたまま風呂を上がって出口に向かおうとしたら足元に転がってた石鹸を踏んでしまって滑った。ここまではテンプレだ。咄嗟に手を伸ばした先にメイドさんがいて思わず鷲掴みににににに)キュゥ

魔王「こいつは進歩しないのか……?」

メイド「乱暴にされるのも良いかもしれませんね」ポッ

女「ちょ、勇者っ! 大丈夫なのっ!?」
228 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 13:12:09.13 ID:mtmYP8Uo

― 東の国境街 大通り ―


魔王「勇者はもうちょっと免疫をつけるべきだと思うがな」

勇者「つくかそんなもん!」

魔王「私ならいつ触っても何しても良いんだぞ?」ニコリ

勇者「っ……ば、馬鹿言うな! ほら、さっさと酒とか買って部屋に戻ろうぜ。女とメイドさんが待ってるだろ」

魔王「かわいいのぅ、勇者は」ニコニコ

勇者「男に可愛いって、絶対誉め言葉じゃないぞ……っと、魔王、あれ」

魔王「ん? 兵隊じゃな。撤退準備でもしれおるのではないのか?」

勇者「にしては様子がおかしくないか?」

?「大至急東征将軍に伝令っ! 王都にて謎の爆発事件が発生! 王城の一部が崩壊し、死傷者多数! 魔物の姿も見られたという報告もあるっ!」

勇者「人造兵か!?」

魔王「暴走させたのか!? 愚か者めがっ!」

勇者「宿に戻るぞ! 大急ぎで荷物を纏めて王都に戻る!」

魔王「うむっ! だが勇者、転移呪を発動する魔力は残っておるのか?」

勇者「っ……長距離は無理だ」

魔王「だろうな。やむをえまい、私の魔力を分け与えるとしようか」

勇者「そんな事できるのか!?」

魔王「一応な。ただ、私も術は知ってるが実際に使った事がないから少々心配ではあるが……」

勇者「魔王は魔力を俺に与えたあと大丈夫なのか?」

魔王「心配するな。私は魔王だぞ? 勇者に魔力を与えても大魔法の2発や3発発動できる。それに、我々魔族は人間より魔力の回復は早いのだ」

勇者「よし、じゃあ頼む!」

魔王「うむ」

勇者「どうすればいいんだ?」

魔王「すこしかがんでくれ。そう、私と目線を合わせるように……」コイコイ
229 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 13:15:43.36 ID:mtmYP8Uo

勇者「これくらいか? 魔王は身長そんなに高くないよな」

魔王「そうか? これでも158センチあるんだぞ? 勇者がでかいのだ……うむ、その辺で良い。次に、目を閉じろ」

勇者「女が155センチって言ってたな。メイドさんは170センチくらいあるよなぁ……ん、こうか?」ナニモミエナイ

魔王「うむ、では、いくぞ。絶対目を開くではないぞ?」

勇者「わかった。早く頼む」

魔王「我が魔力、彼の者に与えん。悠久の証とともに」フワリ

勇者「!?」

魔王「ん……」チュッ

勇者「んーっ!?」

魔王「ふほふふぁ、ふぁふぉふふぁほへふ」(訳:動くな、魔力が漏れる)

勇者(動くなって、これ、キスじゃねぇか! うわー、柔らけー! 前から思ってたけど魔王ってすげぇ良い匂いするよな……全身柔らかいし、何か……?)

勇者(何だこれ、身体の中心に力が漲るみたいな……魔力が溢れてきてんのか?)

魔王「んっ、これでどうだ?」

勇者「何というか、結構なお手前で……じゃねぇっ! なんでキスなの!?」

魔王「文献には粘膜同士の接触が最も有効と書いておったのだ。となると、これが一番良い方法だと思ってな……」カオマッカ

勇者「ねんっ……」ユデダコ

魔王「ど、どうだ?」

勇者「あぁ、柔らかくて良い匂いがした」

魔王「ではなくてっ! 魔力はどうかと聞いておるっ!」

勇者「あ、あぁ、大丈夫だ。長距離転移呪は余裕で使えるぞ!」

魔王「そうか。ならば早く戻ろう」タッ

勇者「おう」ダッ

魔王「その、また今度ゆっくりと、な?」チラリ

勇者「あ、あー、うー……」テレテレ

魔王「ふふっ、急ぐぞ。早く戻らねば手遅れになってしまう」ニコリ
230 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/27(土) 13:20:11.88 ID:mtmYP8Uo

書き溜めは以上となります。こっ恥ずかしくて吐血しそうです。

再び書き溜め作業に戻りますが、買い物等に行かなくてはいけないので、更新が遅れる可能性もございます。
昨日は「土曜日は書いて書いて投下しまくっちゃうぞ!」とか書きましたが、中々思ったようにはいかないものですね。発言の責任を取って切腹して果てる所存でございます。

かさねがさねご支援等ありがとうございます。見てくださっている方が居るというだけで書く気力がわいてきます。リアルタイムで反応をいただけるというのは初めての経験ですので、非常に楽しく書かせていただいております。
231 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 13:26:43.61 ID:tFE7bh6o
女の「ご飯とお風呂」が「男とお風呂」に見えてしまった
232 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 13:30:43.10 ID:f3Hc67Io
まさかこの勇者・・・
ラブコメの主人公!?
233 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 13:41:36.59 ID:sIZB8Y20
>>232
な…なんだってー!
234 :吉野家夫 [sage]:2010/11/27(土) 13:48:26.78 ID:nFwKk8Ao

これは支援しるしかなかろうもん
ここ最近で一番のヒット臭い

あ   がんばってくださいやがれ
235 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 19:52:31.72 ID:xgmfOzc0
乙です。
あぁ、読んでるコッチも悶絶 こっぱずかしい
236 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/27(土) 21:24:58.80 ID:sYWcWUSO
壁殴り代行に頼んでくる

さて、どんな罵倒がお好みだヘタレ
237 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 09:17:50.41 ID:t9zuQgDO
なんだラブコメか残念
238 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 10:51:13.27 ID:zAWCF.Uo
皆さまおはようございます。あるいはこんにちは。

先ずは申し訳ございませんでした。昨日更新が全くできませんでした。言い訳は致しません。さぁ、罵ってください!
そして、変わらぬご支援、本当にありがとうございます。

冗談はさておき、昨日の不手際は本日の更新で穴埋めができればと思っております。
あいにく休日出勤という逆境ではございますが、14時に家を出れば十分に間に合うという状況ですのでそれまでは書き溜めと投下をできればと思っております。

まずは昨日の書き溜め分を投下させていただきます。

>>234
言いすぎです。ほめすぎです。
有頂天になってしまいますので後ほど盛大に罵倒をお願いいたします。バランスが大事です。

本日も皆さまにとって良き一日となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

ゆったりとした日曜日。天気も良いようですので、外出先での暇つぶし等にもご活用いただければ幸いかと思います。
239 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 10:54:31.19 ID:twjkmLwo
さ、さっさと書きなさいよ!このヘタレ!
240 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 10:54:36.80 ID:zAWCF.Uo

― 王都 正門 ―


勇者「着いたっ! ……これは」

魔王「ここまでとは、な」

女「ひどい……」

メイド「火の海ですね」

衛兵「おいっ! 何をしている。非難命令が下ったのを知らんのか!?」

勇者「非難命令?」

衛兵「反組織による王都全体への襲撃があったから住人は近隣の街へ避難しろ……と……勇者か?」

勇者「しまった」

魔王「変化の術を使う暇がなかったな」

衛兵「勇者っ! 騎士団長様がお前を探している!」

勇者「に、逃げるっ!」ダダダッ

衛兵「ま、待てっ!」

魔王「うむ! メイド、女を頼むぞ」

女「あ、待ってよっ」!

メイド「承知いたしました。女様、お手を」ヒョイッ

女「うひゃっ」

勇者「王城に直接行く。魔王、メイドさん、角だけ隠しておいてくれ」

魔王「それが良いだろう。この街が再起するにはかなりの時間がかかりそうだな」フォン

勇者「被害がどれくらいなのか予想もつかない。復興には時間がかかりそうだな」

女「勇者っ、私、教会に! きっと避難してる人がいるはずなの!」

勇者「あとで行く。今は一塊になって動くべきだ。我慢してくれ」

女「……わかった」

メイド「教会の方角は火の手が上がっていないようです。きっと大丈夫ですよ」
241 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 10:55:40.38 ID:zAWCF.Uo

魔王「勇者っ! あそこっ!」

勇者「子供? おい、大丈夫か!?」

子供「うわーん! うわーん!!」グスグス

メイド「親とはぐれたようですね」ダイジョウブ?

子供「おかあさーん!! どこー!?」

魔王「やむをえまい。先に教会に行くべきだと思うが?」

勇者「そうだな。女、走れるか? メイドさん、子供をお願いします」

女「もちろん」

メイド「よしよし、教会に行きましょうね」ナデナデ

子供「おかぁさぁん……」グスグス キュッ

メイド「あらあら」ニコニコ

魔王「全体加速呪」

勇者「俺が先頭に立って火の手が緩い所は突っ切る。ついてこい!」ダッ
242 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 10:56:16.57 ID:zAWCF.Uo

― 王都 聖光教会 ―


教徒「女さまっ! よくご無事で!」

女「みんな無事!?」

教徒「何人か怪我人は出ていますけど、なんとか。そちらは……勇者様!?」

勇者「今は緊急事態だ。教会に迷惑は掛けない。この子を頼む。商業区で親とはぐれたらしい」

教徒「は、はい。わかりました。すぐに大司祭様を……」ダッ

勇者「王城に行く。女、ここでやらなきゃいけないことがあるんだろ?」

女「うん……ごめん。ここで怪我した人とかを看なきゃ」

勇者「何言ってるんだ。お前の使命だろ? 後で会おう。絶対迎えに来る」

女「約束だからね? また置いてけぼりは嫌だよ?」ギュッ

勇者「わかってる」ギュッ

大司祭「ゆ、勇者様! お待ちをっ! お話が!」

勇者「すまん、後だ。王城に行く!」ダッ

女「勇者、無事に戻ってきてねっ!」
243 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 10:58:00.38 ID:zAWCF.Uo

― 王都 王城正門跳ね上げ橋前 ―


勇者「橋が閉じてる……」

魔王「正面からの入城は無理だな。あちこちから火の手が上がってる」

メイド「部分部分で城壁が崩落しています。城内は危険だと推測されます」

兵士「お前っ! 避難しろという命令が下ってるだろう!」

勇者「なにがあった!? 城内はどうなっている! 答えろ!」

兵士「ひっ! ゆ、勇者!!」

勇者「答えろ! でないと……」スチャ

兵士「ひっ! き、今日の朝方に城内地下宝物庫あたりで突如爆発が起こり、城内に火の手があがりました! 同時に、城内にて正体不明の魔物のような怪物が目撃され、魔族の急襲との報が出、城内外に避難命令が発令。魔物は城内を破壊後、王都にも出現し、民間人や建物を破壊、放火した後行方不明ですっ! 城内は現在崩落の危険がある為、立ち入りは禁止されております!」

勇者「王はどうなさった?」

兵士「お、王はいち早く避難なされ、現在は西の街にて指揮を執っておられます! 王都には騎士団長閣下が残り、我々の指揮を!」

?「勇者!」

勇者「げ、騎士団長!」

騎士団長「良いタイミングだ。手を貸せ!」

勇者「へ?」

騎士団長「お前の首にかかった賞金は取り消してやる! 手を貸せ! 人造兵が暴走した。城内に2体まだ残ってる。騎士団と魔術師団で応戦しているが手に負えん!」

勇者「わかった! この二人も連れて行くがいいな?」

騎士団長「お前の仲間か? いいだろう。こっちだ!」
244 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 10:58:45.80 ID:zAWCF.Uo

― 王城内 ―


騎士団長「人造兵の作成途中、突然暴れだしたらしい」

勇者「非道な事を繰り返すからだ! 騎士団長はこのことを知っていたんだな?」

騎士団長「王に辞めるように何度も進言した。だが、王は聞き入れてくださらなかった……怪しげな魔術師達を城内に招き入れ、隣国との戦争まで……」

勇者「東の国境での戦争は回避させたぞ」

騎士団長「本当か!? だがあそこには人造兵が3体配備されていたはずだが」

魔王「片付けた」

騎士団長「何!? お前達だけでか? お前、何者なんだ……」

メイド「通りすがりの大魔法使いですわ♪」ニコニコ

騎士団長「……今は緊急事態だ。不問にするが、後で詳しい話は教えてもらうぞ。この先の中庭に足止めしている」

勇者「派手にやってるな」
245 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 11:00:08.69 ID:zAWCF.Uo

人造兵A「グロォォォォォォ!!!!」ビュンッ ザッ

上級兵士「弓兵、一斉射! 魔術師団は詠唱始めっ!」

人造兵B「ガガッ!」フォン

魔王「魔法まで使えるのか!? 馬鹿な! 文献では魔法が使えるとは書いていなかったぞ!」

騎士団長「作成段階で試験的に魔術師を……」

魔王「愚か者がっ! 大人を使えば破壊衝動のみが肥大化し、制御不能になるとあったではないか!」

勇者「そんな事はあとだ。魔法を使うやつは俺が相手をする。メイドさんはそっちを!」

メイド「承知いたしました」ブンッ

魔王「加速呪っ! 硬化っ! 増力っ! 抗魔呪っ!」フォフォフォフォ

勇者「全員退けっ! 俺は勇者だ! そいつは俺が片付けるっ!!」

騎士団長「総員撤退! この場は勇者に任せる! 頼む、勇者!」

勇者「迅雷っ!」ピシャァッ

人造兵A「ガガッ!!」ブンッ

勇者「遅いっ!」ザンッザンッ

人造兵A「ガァァァアッ!」

人造兵B「ゴァァァァァッ!」

メイド「鬼さんこっちら〜♪」ヒュンッ ザッ

魔王「まとめて焼き払うっ! 勇者、メイド、そいつらの足止めを頼む!」

勇者・メイド「了解っ!」
246 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 11:01:57.05 ID:zAWCF.Uo

人造兵A「グォォォォ」ボボボッ

勇者「あちっ! 魔法使うなんて厄介だ、なっ!」ドッ

人造兵A「ぉぉぉぉぉおおおお」フォン

勇者「回復呪まで使うのかよ!」ザンッ ドスッ

人造兵B「ゴァァァァッ!!」ヒュンッ

メイド「うふふふふふ。こっちですわよ」ブンッ ザッ

勇者「これで、どうだっ!」ドドッ

メイド「仲良くしなさいっ!」ガガッ

人造兵AB「ガァァァアァッ!」ドスドスッ

魔王「開け、煉獄の蓋っ 紅き焔よ、立ち上れっ!」キンッ

人造兵AB「ギャォォォォォォォォォォ!!!!」ジュウジュウ

騎士団長「何という魔術だ……」

勇者「片付いた……よな?」

魔王「気を抜くな。魔法を使えるということは」

人造兵A「ブルワァァァァァァァアアアアアッ!!」ドロドロ

メイド「溶けながらも動くっ!?」

勇者「ひでぇ……騎士団長さん、よく見ておけよ。これがお前達が、お前達の王が望んだ非道の結果だ!」ダッ

魔王「勇者、危険だっ!」

勇者「轟雷っ!! 火炎呪っ!」ズドン ボゥッ

人造兵A「グォォォォォォ!」ボボボボボボッ

魔王「勇者っ!!」ダッ

メイド「危険です!」ガシッ

勇者「この程度で倒れてたまるかぁっ!! 」ザクッ

人造兵「ゴァァッ! ……っ」

勇者「!?」
247 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 11:03:28.82 ID:zAWCF.Uo

人造兵「タ、タノム……コロシテ……オネガイ」

勇者「お前、意識が!?」

魔王「勇者っ!?」

人造兵「ガァッ!」ザクッ

勇者「ぐっ……」

魔王「勇者っ! 勇者っ!! メイド、離せっ!」ジタバタ

メイド「なりませんっ! 危険すぎます!」

人造兵「コ……ロ、セ……マ……ママ……ドコ? コワイヨ……」

勇者「おいっ! おいっ! しっかりしろ! 返事をしろっ!」

人造兵「コロシテクレ……タスケテ……コロセ!」

勇者「っ……龍吐息っ!!!」ゴァッ!!

人造兵A「ガァァァァァァァァァアッ!!」ジュォッ

メイド「消失確認しました」スッ

魔王「勇者っ! ゆうしゃっ!!」ダダッ

勇者「ぐっ……」ボタボタ

魔王「傷が深いっ……蘇生呪!」フォォン

勇者「ま、魔王……メイドさん、こっちに……」

メイド「は、はいっ!」

魔王「私はここだっ! 勇者っ、勇者っ! しっかりしろっ!!」

騎士団長「まおう……? 魔王!?」

勇者「て……転移呪っ!!」フォッ シュンッ

騎士団長「待てっ! どういうことだっ!!」
248 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 11:04:31.91 ID:zAWCF.Uo

― 王都 聖光教会 ―


女「……はい、これで大丈夫よ。次の方どうぞーっ」

患者母「息子がっ! 息子が火傷をっ!」

女「落ち着いてください。すぐに看ます」

子供「うわーん! うわーん! 痛いよぅ」グスグス

女「少しだけ我慢してね? 回復呪」フォン

患者母「傷が……」

子供「あ……」

女「はい、これで大丈夫。まだ完全には治ってないから隣の部屋で消毒と包帯をしてもらってくださいね」ニコッ

患者母「ありがとうございます。ありがとうございます」

子供「ありがとうっ!」ニコッ

女「お大事にね」バイバイ

教徒「お疲れ様です。女さまは一度お休みください。交代します」

女「ううん。まだ大丈夫。次の人をお願い」

教徒「は、はい」

メイド「女様」

女「メイドさんっ! 勇者は!?」ガタッ

メイド「……今は、スラム街の宿屋に」

女「何かあったの?」

メイド「人造兵と戦った際、傷を負ったのですが、その傷が深く……さらに魔力が尽きている状態で転移呪を発動されて……魔王様が治癒を施しておられますが、危険な状態です」

女「すぐ行くわ! 案内してっ! ここは任せます。私は緊急患者を看に行きます。すぐに戻りますと大司祭様にお伝えください!」

教徒「承知いたしましたっ」
249 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 11:07:09.79 ID:zAWCF.Uo

書き溜めは以上となります。少ないですか少ないですね申し訳ございません。伏してお詫びいたします。
今から書き溜め作業に入り、外出までにもう一回更新ができればと思っております。

台本形式のお話は初めて書いているのですが、難しいですね……
250 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 11:08:14.61 ID:e8VfF1oo
面白いぜ!
支援
251 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/28(日) 11:09:48.18 ID:GI/NBBE0
乙です
褒めまくるか……

おもしろい
頑張って!
期待してる
おもしろい
252 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 11:17:19.44 ID:CwA8Mf.o
おつん
253 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 11:43:25.76 ID:XTweyTc0
乙です。
多忙中の投下に感謝です。
254 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 11:54:13.98 ID:zAWCF.Uo
すみませんすみません土下座して謝りますからほめすぎないでください。
もちろん誉めていただくのは心から嬉しく思いますが、あまりに誉められてしまうのは私のような愚か者には過ぎた栄光でございます。
卑屈すぎるとか逆に嫌味とか思われても構いません。誉められ慣れておりませんので、あまりに恥ずかしく、穴があったら即身仏になりたくなってしまいます。

前フリはさておき、過分なくらいの多大なるご支援、本当にありがとうございます。お誉めの言葉にお応えするべく、少ないですが投下再開です。
255 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 11:57:25.61 ID:zAWCF.Uo

― 王都 スラム街 宿屋の一室 ―


魔王「勇者、勇者っ! しっかりしろっ!」

勇者「ま、魔王……ごめん、騎士団長にバレたかもしれない」ハァハァ

魔王「そんなことはどうでもいいっ! しっかりしろっ! 蘇生呪っ!」フォン

魔王「くっ……勇者の魔力が底を尽いてしまってるのか。治癒魔法のかかりが悪すぎる」スッ

勇者「魔王、無理するな……お前まで倒れちまう」

魔王「うるさいっ!」チュ

魔王(勇者、勇者っ! 頼む、死なないでくれっ!)フォン

勇者「魔王は、暖かいなぁ……柔らかいし、優しいな……」

魔王「えぇい、口説くのは元気になってからにしろっ!」

女「勇者っ!!」

魔王「女っ! 治癒を頼むっ! 私は専門ではないので力が足りない……」

女「任せてっ! 魔王は少し休んでて。顔が真っ青よ」

魔王「せめて傍にはいさせてくれ」

女「勇者の手、握っておいてくれる?」

魔王「あ、あぁ。もちろんだっ! メイドもこいっ!」ギュッ

メイド「は、はいっ!」ギュッ

女「傷が内臓に達していたのね……魔王のお陰で内臓はもう大丈夫。傷を塞ぐわ。でも、今の問題は失血よ。血が足りない」フォン

魔王「どこに行けば勇者を助けられる!?」

女「輸血用の血液は教会にも今はもうないわ……ストックは使い果たしてしまってるの」

魔王「そんな……では、勇者はどうなる!?」

女「わかってるわよ! でも、どうしようもないの!」
256 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 11:58:48.84 ID:zAWCF.Uo

宿女将「血ならあるよ」

魔王「本当か!?」

宿女将「ったく、街中バタバタしてる時にいきなり現れたかと思ったら血だらけで死にかけなんて、本当にこの子は無茶しかしないねぇ。ほれ、医療用の血液だよ」ポイッ

女「すぐに点滴するわ」パシッ

メイド「ありがとうございます」ペコリ

宿女将「いいよ。勇者はお得意さんだからね。ウチはお得意さんにはサービスするのさ。ほれ、あんたとそこのあんた。暖かいスープを作ったよ。これを飲んで少し休みな」

魔王「かたじけない」

メイド「何から何までありがとうございます」

宿女将「なぁに、いいってことさ。魔族にウチの味が通用するか、試したいしね」

魔王「っ、しまった。変化の術が……」

宿女将「気にしなさんな。勇者が連れて来たんだ。信用するよ。勇者から聞いてないかい?」

魔王「レジスタンスの連絡役をやっている、と聞いている」

宿女将「そうだよ。これを機に当宿屋をよろしくね。魔族のご利用も大歓迎だよ」

魔王「心からの感謝を。いつか手を取り合える日が来るのを信じている」

宿女将「今がその日さ。現にこうやってあたしとあんたは喋ってるじゃないか」

魔王「……うん、その通りだ」

宿女将「あたし達人間の中にも魔族と交流を望んでるのは居るんだよ。それだけは覚えておいておくれ。確かにすぐにどうこうできるって話じゃない。でも、あたしみたいな変わり者も結構いるんだよ」

魔王「わかっている。本当にありがとう」
257 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 11:59:49.46 ID:zAWCF.Uo

女「……これで、大丈夫。あとは勇者の意識が戻るのを待つだけだわ」

メイド「よかったです」

魔王「うむ。女、ありがとう」

女「何言ってるのよ。勇者を助けたい気持ちは私だって魔王に負けないわ。じゃあ、私は一度教会に戻るわね。あとでまた来るから」

魔王「大丈夫なのか?」

女「うん。今は猫の手も借りたい状態なのよ。魔力が尽きたとしても包帯を巻いたり、親を亡くした子供達を慰めてあげたりしなきゃいけないからね。魔王とメイドさんは勇者をお願い」

魔王「わかった。役に立てずにすまない」

女「何言ってるのよ。魔王だって戦ったんでしょ? 魔王も休まなきゃいけないわよ」

メイド「教会までお送りします。道中はまだ危険ですから」

女「ありがとう。じゃあお願いします」

魔王「女、メイド。人造兵がまだ街中に潜んでいる可能性は高い。くれぐれも気をつけてくれ。メイドは女と自分の命を最優先に考えろ。戦闘は極力回避しつつ移動しろ」

メイド「承知いたしました」

女「もう一度言っとくけど、魔王もちゃんと休みなさいよ。あと、入って来た時に勇者にキスしてた件、落ち着いたらきちんと説明してもらうからね!」ガチャバタン

メイド「あらあら。では魔王様、行って参ります」ガチャバタン

魔王「見られてたのか……」カァァッ
258 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 12:01:45.83 ID:zAWCF.Uo

再び書き溜めっ! あと一回は投下します。リアルタイム更新に限りなく近いので、どうしても一回一回の投下量が少なくなってしまいますが、ご了承ください。
259 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 12:02:56.71 ID:CwA8Mf.o
え、えーと・・・ヘタレ!
260 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 12:08:30.93 ID:eizVekSO
へばるまで頑張っ
たような文章は
レベルが低くなりがち
落ち着いて一度
ツンデレ住人の罵倒に癒されたら良いわさ
261 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 12:42:10.36 ID:iV3MlHAP
>>260 乙と言いたいのは分かるが不吉すぎるだろww
262 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/28(日) 12:50:07.07 ID:TRgi8oSO
何だこの程度の書き溜めか
早く仕事終わらせて暖かい格好して書き溜めしろヘタレ

あんまり待たせると褒め殺しにするぞ

わかったか
263 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 13:14:43.98 ID:YwDXycDO
ふざけるなこのヘタレ!
キリのいいとこまで書いてから投下しろ!
下半身が寒いんだよ!!
264 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 13:38:05.75 ID:zAWCF.Uo

重ね重ねご支援ありがとうございます。(平伏)

時間が迫ってきてしまっておりますが、本日最後の投下です。この投下で王都編が終了となります。

未だにプロットができていない状態で完全に行き当たりばったりでお話が展開しております。誰か助けて。
265 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 13:40:14.11 ID:zAWCF.Uo

― 王都 メインストリート ―


女「商人さん達はもう戻ってきて商売を始めてる人もいるわ」

勇者「相変わらず商魂たくましいな」

魔王「商人というのは魔族並みの生命力を持ってるような気がする」カンシン

女「避難してた人も少しずつ戻ってきてるみたい。警戒態勢はまだ解かれていないけど、やっぱり生まれ育った土地が良いみたい」

勇者「人造兵は依然として見つからず、か」

魔王「そのようだな。仮に見つけられたとしても人間が駆逐できるかどうか問題が残るが」

勇者「だから俺達が行くんだろ?」

魔王「そうだな」

女「でも手がかりってなーんにもないわよね」

メイド「私も周辺調査をしましたけど、痕跡がほとんどありませんでした」

勇者「そこが問題なんだよな……王都内は軍がくまなく捜索して人造兵の姿はなかったらしいし、街の外に出たのは確実みたいなんだけどなぁ」

女「それはそうと勇者、本当に変化の術は使わなくていいの?」

勇者「宿女将さんが言うには手配は解かれたらしいし、大丈夫だと思う」

兵士「勇者様っ!」

勇者「……駄目かも」
266 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 13:43:37.49 ID:zAWCF.Uo

兵士「騎士団長様がお呼びでございます。至急王城前の仮設詰所へお願いいたします!」

勇者「騎士団長が? わかった。すぐに行くと伝えてくれ……魔王、女、メイドさんは宿に戻っておいてくれ」

魔王「拒否する」

女「お断りします」

メイド「以下同文♪」ニコニコ

勇者「魔王、お前は特に身元バレてるみたいなんだからさ……」

魔王「今更何を言っておる。どうせいつかは説明せねばいかんのだ。話は早いほうが良い」

勇者「うー……」

メイド「混乱が収まってない今ですからどさくさに紛れてねじ込むチャンスかもしれませんわよ」

勇者「何か違うような気もするんだけど、まぁ、しょうがないか」
267 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 13:44:48.43 ID:zAWCF.Uo

― 王都 臨時騎士団詰所 ―


騎士団長「おぉ、来たか!」

勇者「逃げたかったんですけどね」

騎士団長「王都を救った英雄が何を言うか。こっちに来てくれ。人払いしてある」

勇者「んで、話ってのは?」

騎士団長「まずははっきりさせたい。魔族を統率する王、魔王だな?」

魔王「うむ。間違いはない。魔王だ」コクン

騎士団長「この件は王にはまだ伝えておらん。私の所で留めてある。以前、勇者が空を飛ぶ魔物と一緒だったという報告があったが、本当だったのだな」

勇者「あぁ、魔王領に入ろうとした人造兵の時だな」

騎士団長「正直なところ、頭が痛いな。まさか本当に魔族を手を組んでいたとは」

勇者「今回の件、魔王が俺に教えてくれたんだ。俺は自分の意思で魔王と手を組んだ。王城の地下で何が行われていたのかを目の当たりにして、人間も、魔族も助けたいと思ったから魔王と手を組んだんだ」

騎士団長「……王は退任なさるそうだ。今回の件でいたく心を痛められた」

魔王「勝手な……」

騎士団長「そう言ってくれるな。王は焦っていたのだ。勇者を送り出した後、王は王なりに考えられ、その結果として怪しい魔術師共の口車に乗ってしまった。それは確かに許される事ではない」

勇者「聞こうと思ってたんだけど、その怪しい一団ってどんな奴らだったんだ?」
騎士団長「私も数回しか見た事がないがローブを目深に被った一団だった。顔はちらっとしか見えなかったが見覚えのない奴らだった」

勇者「一体そいつらはどこから来たんだ?」

魔王「魔族にしか伝えられていない、しかも今は失われたはずの禁呪を知っている事から考えると、マトモな者ではないであろうな」

騎士団長「そこは王ですら知らないようだった。気付いたら王の横に居て、王に色々と囁いていた」

勇者「そいつらは今も王の近くにいるのか?」

騎士団長「いや。混乱のどさくさに紛れて姿をくらました。人造兵と一緒にそいつらも追ってるが、見つからん」
268 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 13:47:03.30 ID:zAWCF.Uo

メイド「北の……賢者の一団ならもしかしたら禁呪を知っているかもしれません」

勇者「それはそうかもしれないけど、あいつらはこんな事しないだろ。俺もあそこには行った事はあるけど、王都を混乱に陥れるような事をするような奴らじゃなかったぞ」

女「私も一緒だったわ。みんな何ていうのかしら、達観したような感じで俗世には興味ありません、みたいな態度だったわよ」

魔王「しかし、メイドの言うように禁呪を知っていそうなのはそいつらくらいしか考えられんな。あそこには魔族も居たはずだ」

勇者「あぁ、そうらしいな。俺は会った事ないけど魔族も賢者の一員だっていうのは聞いた事がある」

メイド「先代魔王の時代に当時の大賢者の下に去っていった魔族の記述を見た覚えがあります」

魔王「行くしか、ないか」

勇者「だな」

騎士団長「我々は近隣の調査と街の復興でこれ以上兵が割けん。勇者、我々がこのような頼みをするのはおこがましいというのは重々承知している。だが……」

勇者「気にしないでくれ。これも勇者の務めだ」

騎士団長「すまない……王には報告しておく」

魔王「私の事も伝えておいてくれ。勇者と一緒に行動している、と。魔族は人間に対して敵対する気はない。何なら我々から支援を送る事も考えよう」

騎士団長「かたじけない。王に伝えておく」

勇者「王が退位なされたらこの国はどうなるんだ?」

騎士団長「今の所何も決まっていない。王はどうやら王政の廃止までお考えのようだが、真意はわからん」

勇者「王政の廃止? そのあとどうなるんだ?」

魔王「議会制を執り入れようと思っているのかもしれんな。確か西の国がそのような政治形態だったと思うが」

女「あ、知ってる。国政を国民から選出した議員によって行うってやつでしょ? 国の主権は王じゃなくて国民に在るっていうやつ」

魔王「そうだな。真に平等な社会を構築する為にというのが彼らの言い分だったと思う。利点もあるが欠点も勿論あるが、な」

勇者「ふぅん……王政も利点欠点両方あるけどなぁ。今回みたいに王が暴走したら止められないし」

魔王「うむ、理想的な政治形態というものは未だ見つからん。魔族は力が全てという事だが、この先どうなるかは全くわからんしな」

勇者「とりあえずは、賢者の街に行ってみるか」

魔王「そうだな。道すがら人造兵や魔術師らしき一団の情報も集めてみよう」

騎士団長「すまない、頼む」
269 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 13:50:02.72 ID:mqxDvU6o
はぁ、伸びてるからきて
やったのに[田島「チ○コ破裂するっ!」]かっつうの
くせえなあ、このスレなん
かイカの臭いがして吐き
けがやばいぜ!
しにく



イカの臭いも嫌いじゃないぜ!
270 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/28(日) 13:53:55.50 ID:zAWCF.Uo

以上で王都編は終了となります。少ないですね。今後はもうちょっと書き溜めを増やしてから一気に投下する方向にしてみようと思いますが、原文(Wordで書いてます)で「結構書いた!」と思って投下してみたら大した量じゃなくて愕然としてしまう事が多々あったりします。

夜は多分投下が難しいと思いますので、次の投下は明日になるかと思われます。仕事の都合上何時に投下ができるかは全く不明ですが、極力投下ができるよう努力いたします。

皆さまに少しでも楽しんでいただければ喜ばしい限りです。

着替えながらこの文を書いている>>1がお送りいたしました。あわただしくて申し訳ございません。
271 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 13:56:57.81 ID:08Yf2nco
おつおつー。無理せずに、プロットが出来てからでもええんじゃないか
272 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 14:09:14.39 ID:twjkmLwo
良くやったヘタレ
続き楽しみにしてるぜ
仕事がんばれよ
273 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 21:14:45.77 ID:YwDXycDO
最低でも30行30頁は書かないとな
書き慣れると15頁くらいならすぐ書ける
わかったら早く書き蓄めしろヘタレ!!
274 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 21:51:06.34 ID:N2vAagSO
この1はうっとおしいツンデレに好かれたもんだ
275 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 23:36:31.37 ID:ln.LWJEo
>>249
>台本形式のお話は初めて書いているのですが、難しいですね……
へタレの台本形式でない作品がありやがるのかゴラ
読んで罵倒してやるから教えやがれ//
276 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/29(月) 00:37:54.39 ID:WrPUeas0
>>1のヘタレ野郎のせいで罵り癖がついちゃったじゃねえか
………責任とれよな///
277 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/29(月) 00:40:49.30 ID:TF0WLfoo
ここまで愛される>>1は異常
278 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/29(月) 02:42:12.63 ID:1cxgMkso
どの辺りがヘタレなんだよ!
本物のヘタレに謝れ!土下寝しろ!
279 : ◆JbHnh76luM [sage]:2010/11/29(月) 11:02:05.74 ID:UAE8rn6o
BB2Cから書けるかな?
皆様おはようございます。
いつも多大なご支援、本当にありがとうございます。


本日の更新ですが、プロットを組んだところ、書き溜め分を投下してしまうと物語が破綻してしまう事がわかってしまったので書き溜め分を書き直すことになってしまいました。
仕事が押せ押せ状態ですので、その合間をぬって書き溜めをするつもりですが、投下ができるかどうか怪しい状況です。

本当にすみません……

明日には余裕ができると思いますので、今しばらくお待ちくださいますよう、額が擦り切れる勢いで土下座してお詫び申し上げます。

>>275
地の文付きの物語は以前はHPを作ってアップしておりましたが、下手糞すぎて閉鎖しましたので、現在はネット上にはありません。また機会があれば……

取り急ぎ、皆様にお知らせということで携帯から書き込みさせていただきました。
乱筆乱文、ご容赦ください。
280 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/29(月) 11:22:18.91 ID:30Kp9pko
プロットありになったならさらに期待だ
281 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/29(月) 11:31:54.43 ID:TF0WLfoo
期待
282 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/29(月) 12:17:54.75 ID:NV.tkMDO
冗談じゃねぇぞこのヘタレ!!
仕事終わらせてから書き蓄めに集中しろ!!合間に書くな!!
だからお前はヘタレなんだよ!!
283 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/29(月) 19:41:20.05 ID:kaQtIQAO
まってるぞーこのヘタレ!
284 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 02:04:07.63 ID:7Zv0pUE0
待ってるから無理すんな!
そんなんだからヘタレなんだよ!
285 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 06:25:26.46 ID:d5pMRP20
乙です。
委細承知
御仕事頑張って下さい。
286 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 08:59:07.38 ID:bcdIL.DO
いや心をカピパラにして罵倒しろよ
287 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 13:57:30.26 ID:MiJjtTMo
皆さまこんにちは。

変わらぬご支援、罵倒、本当にありがとうございます。ここまでご支援いただけるとは思ってもおりませんでしたので、嬉しい限りでございます。

昨日は更新が一切できずに申し訳ございませんでした。本日の早朝に帰宅し、今の今まで延々と寝ておりました。脳が溶ける。

書き溜めですが、プロットを組んだお陰で賢者の街編が終わるところまで書きあがっております。プロットすごい。
以前にも書いたかもしれませんが、プロットを組んでお話を創るという事をしたことのないゴミ屑ですので、今回プロットの重要性というのを認識いたしました。

ではでは、読み直しをして誤字脱字書き足しなどのチェックを行ってから投下を再開したいと思います。
本日中に賢者の街編を一気に投下する予定です。そんなに長くないので(今までも大した量じゃなかったです。死にたい)、投下スタートから終了まではさほど時間もかからないかと思われます。

14時半から投下再開を予定しておりますので、お暇な時に「あー、まだ続いてんのかよ。下手糞の癖に調子づいてんじゃねぇよ」と罵りながらお読みいただければ幸いです。

火曜日のお昼すぎ、お仕事、学業、その他お忙しいかと思いますが襲い来る睡魔に負けませぬよう、皆さまに何か良い事があればとお祈りしながら再開いたします。
288 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 14:21:43.82 ID:BwXgYQSO
おい
ふざけんなやらなきゃいけない事が出来ないじゃねーかヘタレ

大切な時間をヘタレにくれてやらなきゃいけないのか…
289 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/30(火) 14:28:47.04 ID:gbUoGJc0
ヘタレの癖して焦らしプレイとか良い度胸じゃない///
290 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:43:40.45 ID:MiJjtTMo
弱化遅れてしまいました。読み直しに予想外に時間が。

投下開始します。
291 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:44:56.35 ID:MiJjtTMo

― 王都から北に向かう馬車の中 ―


勇者「馬車旅もたまには良いもんだな。何より楽だ。関所も騎士団から貰った通行証で通れたし」

魔王「街道も整備されているから揺れもさほど酷くないのが嬉しい。あまり揺れすぎると調子を崩しそうになる」

女「情報集めながらだから転移呪使えないもんね」

メイド「馬かわいいですね♪」ナデナデ

行者「あの……お嬢さん、中に入って頂きたいんですけど……」

メイド「? そうなんですか? お馬さん見てちゃだめですか?」ウルウル

行者「い、いえ、構いません……」カワイイ

勇者「メイドさんは馬好きなのか? ずっと前に乗ってるけど」

魔王「馬だけではない。生き物全般が好きみたいだ。犬とかでもかなり可愛がるぞ」

女「魔族にもペットを飼う習慣ってあるの?」

魔王「なくはない、という程度だな。飼ってる者も居るが、どちらかというと複数の動物を共同で管理するというのが多いかもしれん」

女「へぇー、やっぱり細かいところでは色々違うのね」

魔王「そうだな。そういう差異もお互いにすり合わせていかねばならんのかもしれん」

行者「おぉっと」グィッ

馬「ヒヒーン」ガクン

勇者「ん、止まったな」

魔王「行者殿、何かあったのか?」

メイド「村まであと少しなんですが、兵士のような方が数人こちらに」

勇者「兵士?」

女「この先の村で何かあったのかしら?」

兵士「止まれーっ! 何用があってこの先の村に行くつもりだ!?」

メイド「重武装の兵士が駆け寄ってきます……何かあったのですか?」

兵士「訊いているのはこちらだ。答えてもらいたい」
292 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:46:08.03 ID:MiJjtTMo

魔王「この先にある賢者の街に行く途中なのだが、何か問題があるか?」

兵士「すまないが身元を証明できるような物はないか? 先日正体不明の何者かによって我らの村が荒らされた。死者や行方不明者も出ているのでな」

勇者「荒らされただって?」ヒョイ

兵士「……どこかで見た顔だな」

?「勇者さまっ!!」

勇者「あー……」

女「あちゃー」

魔王・メイド「?」

村娘「勇者さまだーっ! 迎えに来てくれたんだねっ!?」ピョンピョン

勇者「あー、いや、今日は別件でな」

女「村娘ちゃん、おっきくなったね」

村娘「あっ、女さんも!」ニコニコ

勇者「行者さん、ここまででいいや」チャリン

行者「まいどありがとうございました」ペコリ

勇者「よっ……と。ほら魔王、気をつけろ」スッ

魔王「ありがとう」ストン

メイド「ありがとうございました」ヒュッ ストン

メイド「お馬さんもありがとうございました♪」ナデナデ

村娘「あれ、そちらの人は?」

勇者「今回一緒に旅をしてる人だ。村娘、元気だったみたいだな」

村娘「うんっ! もちろん!」ギュッ

勇者「うわっ、びっくりした」

村娘「私、ちゃんと良い子にしてたよ! 勇者さまのお嫁さんにしてくれるんだよね!?」
293 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:48:09.46 ID:MiJjtTMo

魔王「……オヨメサン?」ピク

女「はぁ……」ゲンナリ

勇者「あはははは……それはほら、またおいおい話をしような」

兵士「村娘、この人はやっぱり勇者様か?」

村娘「うん! 私が見間違えるわけないじゃない!」

兵士「勇者様、良いタイミングでお越しくださいました」

勇者「あぁ、詳しい話を聞かせてもらえるか?」チョットクルシイ

女「ほらほら村娘ちゃん、勇者も苦しいって言ってるし、歩きづらいからね?」

村娘「ぇー、私は勇者さまの婚約者なんだからいいでしょ?」ニコニコ

魔王「おい勇者、すこーしばかり話がある。ちょっとそこまでいいか?」ニコニコ

勇者「ハイ……村娘、先にお父さんの所に戻っておいてくれ。俺はちょっと用事を片付けてから行くから」

村娘「はぁい。早く来てね? 美味しいご飯作って待ってる!」タタタ

兵士「申し訳ありません……危険だから来ないように言っていたのですが」

女「あはは……き、気にしないでください。勇者、魔王、私とメイドさんは先に行ってるからねー?」

魔王「うむ。こちらの事は気にせずに頼む」ニコニコ

勇者「これに関してはちょっとばかり気にしてほしいかなーっとか……」ビクビク

魔王「何か言ったか?」

勇者「なんでもありません!」シャキッ

魔王「それで、あの娘と勇者の関係というのをお聞かせ願おうかな?」ニコニコ
294 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:49:03.03 ID:MiJjtTMo

勇者「うわぁ、笑顔なのにすげぇ怖い……いや、前に女と旅してた時にこの村で起こった盗賊団とのトラブルで助けに入った時に人質だったのがあの子でさ、助けた時に何というか……」

魔王「惚れられた、と?」ニコニコ

勇者「まぁ、そんなトコだ。でもほらっ、まだ15歳なんだし、『恋に恋してる』みたいなさ、つり橋効果みたいな……」ダレカタスケテ

魔王「ふぅむ。まぁ、納得はした」

勇者「たすかったー」ホッ

魔王「すまんな、何やらモヤモヤというかイライラというかよくわからぬ気分になってしまった」ギュッ

勇者「べ、別に気にしてないさ……で、何をなさってるんでしょうか?」

魔王「公平さを保とうとしてるだけだ」ギュー

勇者「ソウデスカ」

魔王「なぁ勇者」

勇者「ん?」

魔王「わ、私も勇者のことが……す、好きだからなっ!」マッカ

勇者「い、いきなり何言ってるんだ!?」アセアセ

魔王「なんとなくだなんとなくっ! 勇者は……勇者はどうなんだ?」

勇者「あー、そのー、前向きに善処させていただきますというか」オロオロ

魔王「はっきりせい」

勇者「……魔王も女も同じくらい、す、す、好きだよっ」プイス

魔王「くっくっく。まぁ、今日はこの辺で勘弁しておいてやる」クスクス
295 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:50:19.89 ID:MiJjtTMo

― 北の村 村長の家 ―


村長「おぉ、勇者様! その節は本当にお世話になりました!」

勇者「お元気そうでなによりです。さっき兵士に話を伺いました。村にも被害があるようですけど、詳しくお願いしてもいいですか?」

村長「つい昨日の事です。深夜、我々が寝静まった頃に突如正体不明の一団がこの村を急襲しました。いくつかの民家や商店が破壊され、死者1名、怪我を負った者が4名。行方不明者が子供ばかりで2名出ています」

魔王「子供が2人……」

村長「はい。えっと……女様ではないようですが?」

魔王「あぁ、申し遅れた。私は勇者と共に旅をしている女術士と申す。女は先に教会に行ってると思うが、一緒だ。あと、私の部下でメイドという者も今回お邪魔させていただいている」

村長「そうでしたか。勇者様とご一緒に旅をなさってるということは、さぞかし名のある術者様なのでしょうね。ここは田舎ゆえ、お名前を存じ上げませんが、ご容赦願います」

魔王「いやいや私などただの世間知らずだ。勇者がいなければ外出すらままならなかったのだからな」チラリ

勇者「ま、まぁ、そう……なのか?」

魔王「それよりも、襲撃者を目撃した者は居るのかな?」

村長「はい。何名かの村人が一団を見たそうです。何でも、怪物のように背が高くて恐ろしい姿だったと言っておりました。それに、ローブをかぶった人間も数人いたようです」

魔王「ふむ。勇者、やはり奴らの目的は賢者の街ということで間違いはなさそうだな」

勇者「そうなるな。村長さん、実は俺達が追ってるのがその一団なんです」

村長「そういう事でしたか。襲撃者の一団は一連の被害を出した後はそのままこの村を駆け抜けるような風に北へと去ったようでしたが、やはり不安ですので警備の者を立たせてあります」

魔王「賢明な判断だと思う。目撃者に直接お話を伺いたいのだが、可能だろうか?」

村長「はい。幸い怪我も軽いので家屋の建て直しをがんばっていると思います。大通りに出ればすぐに見つかりますよ」

魔王「では、私は先に失礼して話を伺ってくる」

勇者「俺はもう少し村長さんから話を聞いておくよ」
296 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:51:25.70 ID:MiJjtTMo

― 北の村 村長の家玄関 ―


村娘「おねーちゃんおねーちゃん」

魔王「む、先ほどの……村娘といったか?」

村娘「うん! ねね、勇者さまは私の婚約者だから取っちゃダメだからね?」ニコニコ

魔王「……ぜ、善処しよう」ドウシヨウ

村娘「ゼンショ? むつかしい言葉よくわかんないけど、おねーちゃんは女さんと同じで勇者さまのお友達なんだよね?」

魔王「一応は、な」ヒクツキ

村娘「うんうん。勇者さまは私のだんなさまになる人だからねっ! 浮気は許さないのです!」

魔王「が、がんばってくれ……」ガチャバタン

女「あの子に釘さされた?」

魔王「女か。あの娘、ベタ惚れのようだが」

女「あれから1年経ってるから飽きてると思ってたんだけど、甘かったわね」

魔王「子供らしいまっすぐさだが、少々行動的すぎるような気もするな」

女「甘いわよ、魔王。あの子、すごいわよ」

魔王「……そう、なのか?」

女「そりゃもう。勇者が助けたその夜に勇者の部屋に夜這いかけたくらいだもん。まぁ、何すれば良いかわかってなかったみたいで、一晩中勇者相手におしゃべりしてただけだったけど」

魔王「うーむ、私ももうちょっと行動に出なければならんか……」

女「医療目的とはいえ、勇者にキスした時点で十分じゃないの? しょうがなかったとはいえ、勇者のファーストキス奪ったのはまだ許してないんだからねっ!」プクー

魔王「あはは……それはそうと、教会では何かわかったのか?」

女「うん。牧師さんも目撃者の1人だったんだけど、やっぱり襲撃者は人造兵と王城から逃げた魔術師みたいね。王都の話もした上で確認取ったわ」
297 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:53:01.60 ID:MiJjtTMo

魔王「賢者の街に戻る途中と思って良いのか……?」

メイド「戻りました。王都で確認した人造兵と同じサイズの足跡が村の南口から北口まで1直線に残っています。被害を受けた家屋はその線上にあったものだけのようです」

魔王「ご苦労。駆け抜ける道すがら、ただ『そこ』にあったから襲ったという感じだな」

メイド「子供が2人誘拐されたようです」

女「うん。牧師さんも心を痛めてた」

魔王「そこが問題だな。賢者の街で更に人造兵を作るつもりと考えたほうがよさそうだな」

メイド「蒼将軍に連絡を取りましょうか?」

魔王「そうしてくれ。私が出立して以来、魔族の子供に被害がないか、それと、内通者に関して情報がなかったかを尋ねてくれ。文章は重機密封を施し、蒼のみが閲覧可能とするように頼む」

メイド「了解いたしました。早速文面の構成をいたします。宿の手配は済ませておりますので」

魔王「何から何まですまないな」ナデナデ

メイド「ありがたきお言葉です」ニコニコ シュッ

魔王「さ、て。女とメイドからの話で十分襲撃者の正体は掴めたな。私も目撃者の1人に直接話を伺おうと思ったが、これ以上の情報は得られまい」

女「本当に1瞬の出来事だったみたいだからね」

勇者「あれ、魔王に女、こんなところでどうしたんだ?」ガチャ

魔王「あぁ、女とメイドから村と教会で聞いてきた情報を聞いていた。やはり間違いないようだ」

勇者「急いで賢者の街に行った方が良さそうだな」

魔王「うむ。できればそうしたいが、今メイドに蒼宛の機密文を作らせている。完成するのは夕方になると思うからそれまでは動けん。私も気は急くが、魔族の子供達の被害状況を知りたい。人間の子供が2人連れ去れている。魔族の子の被害が増えているのならば、更なる用心が必要だ」

勇者「そうか。余裕を見て今夜はここに泊まって明日の早朝に転移呪で賢者の街に飛ぼう」

女「そうね。人造兵がここを通ったということは、間違いなく賢者の街が目的地なんだろうし、ここから賢者の街までの距離を考えるなら、転移呪を使えば先に到着できるでしょ? 気がかりなのは誘拐されたこの村の子供達だけど……」

勇者「もし人造人間を増やす気ならそれなりの設備は必要だろうからすぐにどうこうされるっていう事はないと思うけど、魔王はどう思う?」

魔王「人造兵を造るには特殊な魔方陣を描いた上で最低でも20人近い魔術師の魔力が必要になる。さらに子供達は必ず生きた状態でなければいけない事を考えれば、勇者の言う通りだと思う」

女「子供をさらわれた親御さん達にも話を聞いたんだけど、落胆が酷すぎて見てられなかったわ」

勇者「必ず。必ず無事に帰そう」
298 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:53:49.61 ID:MiJjtTMo

魔王「それしかなかろう。賢者の街に知り合いは居るのか?」

勇者「あぁ。大賢者様を含めた6賢者の内、3人に話は通せる。事情を話して街の入り口で人造兵を迎撃できるようにしたいな」

魔王「子供達を取り返すタイミングが最大の問題か」

女「人造兵が居るってことは、真正面から街に入るとは思えないから大賢者様に秘密の入り口がないかどうか聞かなきゃいけないわね」

魔王「以前も聞いたが、勇者が知ってる賢者の中に魔族出身の者はいないのだったか?」

勇者「うん。出身が魔族だからかどうかはわからないけど、人の前にはほとんど出てこないらしい」

魔王「考えたくはないが、その賢者が今回の発端という事も考えられるな……」

勇者「でも、賢者になるには世の中の発展を望み、私利私欲の為に知を濫用しないっていうのが第一条件らしいからそうとも限らないんじゃないか?」

魔王「だが、この騒動の糸を引く者が賢者の中に居るのは間違いなかろう」

女「そう、なるわね」

魔王「元とはいえ、我らが身内が起こした不始末は、現王たる私が責任を負って片付けねばならんからな」

村娘「勇者さまっ! お食事の用意ができましたっ!」ギュッ

勇者「びっくりした! 本気でびっくりした!」

村娘「あははははは。勇者さまかわいい♪」ニコニコ

魔王「もう昼餉の時間か」

村娘「ずっと難しいお話してたから声掛けて良いのかわかんなかった」

女「一応終わったから、ご飯にしましょ」

村娘「じゃあ、勇者さまは私と一緒にご飯食べようねっ!」

勇者「お、おい、2人も一緒に」

村娘「そ・れ・じゃ・あ、またあとで!」バタン

魔王・女「……やられた」ガックリ
299 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:54:36.47 ID:MiJjtTMo

― 北の村 宿屋付属のレストラン兼バー ―


魔王「あそこまでアグレッシブだとは思わなかった」グヌヌ

女「いやー、1年前より成長してるわ。うん」ハァ

店主「お待たせっ! 今日のメニューは茸と川魚のバター焼きとクリームシチューだよ」コトン

女「うわー、美味しそうっ! ほら、魔王も食べましょ。うじうじ悩んでてもしょうがないでしょ」

魔王「う、うむ、そうだな」

女「うん、美味しい♪ やっぱりここの料理は美味しいわね」

店主「ありがとうよ。1年前に来てくれた時は勇者様と一緒だったけど、今回は女2人旅なのかい?」

女「んーん。勇者も一緒だけど、あいつは村長さんの家」パクパク

店主「あー、村娘ちゃんか。あの子もなぁ、いつまでも勇者さま勇者さまって言う年でもないのにな」ハハハ

魔王「そんなに四六時中なのか?」

店主「あぁ。去年の一件以来ずっとだよ。俺んトコの坊主が村娘ちゃんと同年なんだけどさ、いっつも勇者様に助けられた時の話ばっかりだって呆れてたぜ」

女「女の子っていうのは一度想ったら一直線だからね」

店主「まぁそうなんだろうけどさ。お2人さんは勇者様とどうなんだい?」

魔王「ま、まぁ、その、うん。仲良くさせてもらってるぞ」テレテレ

女「私は半年くらいほったらかしにされてたけどね」プクリ

店主「はっはっは。勇者様は色恋沙汰に関しちゃ天然っつーか鈍感なトコがあるみたいだからな。さっさとどうにかしちまわねぇとな」

魔王「そこが難しいところなのだがな」ユウウツ

女「そうよねぇ……」タメイキ

店主「ま、ゆっくりしていってくれよな」

女「ありがと、おじさん」
300 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:55:29.98 ID:MiJjtTMo

― 北の村 宿屋の1室 ―


女「遅い」

魔王「うむ」

女「もう夕方よ? いったいいつまで村長さんの家に居るつもりなのかしらあの馬鹿は!」

魔王「村娘が帰してくれんのだろうな」

メイド「魔王様、送信完了いたしまし……どうなさったのですか?」キョトン

女「ちょっと聞いてよメイドさんっ!」

メイド「は、はぁ……」ビックリ



メイド「なるほどなるほど。つまり勇者様は未だに村長様のお宅から戻ってくることもなく、もしかしたら村娘様の誘惑に負けて真昼間から○○を××なさってるのではないか、と心配なさってるのですね」

魔王「おいメイド、自主規制が出るくらいあからさまにしゃべるな」

女「そ、そうよ! 勇者に限ってそんな事ありえないでしょ!」

メイド「そうでしょうか? 勇者様とて男性です。いつ野獣の如き牙を剥き出しにするかわかりませんよ?」ニコニコ

魔王「お前、楽しんでるだろう?」

メイド「気のせいではないかと」ナンノコトヤラ

女「あー、もう。我慢できない。村長さんの家行く!」

魔王「わ、私も行くぞ! 別に心配はしておらぬがな!」

メイド「あらあら。では私もご同行いたします」
301 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:56:14.37 ID:MiJjtTMo

― 北の村 大通り ―


女「ったくもう、あの男は手近なところに女が2人もいて、その2人ともが自分に好意を寄せてるのがわかってるのに、なんでこうなのかしら!」プンプン

魔王「女、ちょっとは落ち着け」

メイド「目の前に自分より怒ってる方がいると冷静になれるというのを体感されてるようですね」

魔王「メイドはちょっと黙れ」

メイド「うふふ♪」

勇者「おーい!」フリフリ

女「「おーい」じゃないっ!」

魔王「何をしていた!?」

勇者「何って……昼飯ご馳走になって、そっから村娘ちゃんの話し相手を延々。あと、晩飯も一緒に食う約束させられた」

魔王「……」

女「はぁっ……」

勇者「お、おい、一体どうしたんだよ?」

魔王「お前の阿呆さ加減に少し呆れてただけだ。女、戻ろう」

女「そうね。晩御飯もごゆっくり」ヒラヒラ

勇者「何なんだよ……」

メイド「あらあら」ニコニコ
302 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:57:25.49 ID:MiJjtTMo

― 村外れの広場 ―


勇者「ふっ!」ビュンッ

勇者「はっ!」シュッ

メイド「勇者様、鍛錬ですか?」

勇者「うわ、びっくりした……ずっと馬車の中だっただろ。身体動かさないと何か落ち着かないんだよ」ヒュッ

メイド「魔王様と女様はお二人でフテ寝なさいました」

勇者「何か悪い事言ったのかなぁ、俺」ヒュンッ

メイド「さぁ、私には何とも……それよりも冷たいお飲み物とタオルです」スッ

勇者「ありがとうございます。それにしても、メイドさんは本当に強いですね」

メイド「ありがとうございます。勇者様だって私に劣らず……いえ、今となっては全力の私と戦っても良い勝負をするのではないでしょうか?」

勇者「無理無理。メイドさんに勝てる気が全くしません」

メイド「あら、だって勇者様」ニコリ

勇者「?」

メイド「『本気』になったことがないんじゃないですか?」

勇者「……」

メイド「私とお遊びで戦った時も、人造兵と戦った時も、『本気』とおっしゃいながらどこかセーブしていた部分があったのではないでしょうか?」

勇者「何言ってるんですか。だったら戦闘が終わった瞬間にぶっ倒れたりしませんよ」

メイド「……そうですか? でしたら私の勘違い、ということで。申し訳ございません」ペコリ

勇者「いや、謝らなくても……うーん、良くわからないんですよね」
メイド「わからない、ですか?
勇者「俺は全力で戦ってるつもりなんだけど、何だろう、手を抜いてるっていうわけじゃなくて……んー、巧く表現できないなぁ」ガリガリ

メイド「周囲に被害が出ないように気を遣っておられる?」

勇者「うーん、それも違うな。自分で自分の事が時々わかんないんですよ。もっと戦える! と思っても身体がもう動かなかったり、逆にもうだめだーっ! って思っても身体が動いたり」

メイド「根性がある……というだけではなさそうですね」
303 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:58:42.38 ID:MiJjtTMo

勇者「もう一度龍のおっちゃんに会ってみたいなぁ。色々物知りだったし」

メイド「龍族ですか……今は南の大森林地帯でひっそりと暮らしていると聞いております」

勇者「うん。魔王の城に行く少し前にあそこを歩いてた時に偶然会ったんだ」

メイド「きっと、偶然ではないですわ。龍族は運命を感じて動くとも言われておりますし」

勇者「あー、そういえば「待ってたぞ」とか言われたなぁ」

メイド「勇者様がお会いになったのはどのような龍だったのですか?」

勇者「人間の姿をしてた。すごい長い白髪で、顎鬚も真っ白でこれまた長いんだ。でも動きとかすげぇ早いんだよ。稽古つけてもらったけど、一回もかすりもしなかったなぁ」

メイド「……」アゼン

勇者「ん? どうしたんだ?」

メイド「い、いえ、少し驚いただけです。勇者様がお会いになったのは多分、龍族の頂点、魔王様ですら頭を下げねばならない、この世界で最も知を持つ者、黄金龍が人の姿に変化したものだと思われます」

勇者「はぁ!? あの軽薄そうなおっちゃんが!? 世界創世の頃から生きてるって言われてるあの黄金龍!?」

メイド「私も文献でしか見た事はありませんが、勇者様がおっしゃったお姿から考えると、他に考えようがございません」
304 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 14:59:16.18 ID:MiJjtTMo

勇者「でもあのおっちゃん、すげぇ下品だったし、つっまんねぇギャグとか連発してたぞ! そんな風格微塵も感じられなかったけどなぁ……」

メイド「ご冗談の好きな方、と伺っております」

勇者「ほぇー……そんなに偉い人だったのかよ。今度会ったらちゃんと礼を言わなきゃだめだな」

メイド「きっと勇者様の噂を聞きつけて直接お話をしたくなったのでしょうね」ニコニコ

勇者「なのかねぇ? 四六時中笑えないギャグ聞かされたり、鍛錬してもらってた覚えしかないや」

メイド「さて、そろそろ宿の方に戻りましょう。魔王様達とのお時間も大切にしていただかなければいけませんからね」

勇者「うん、そうする。話し相手になってくれてありがとう」

メイド「いえ、手持ち無沙汰でしたのでちょうど良かったですわ。ありがとうございます」

勇者「じゃあ、戻るか」

メイド「はい♪」キュッ

勇者「あの……ナニヲナサッテルンデショウカ」ギギギ

メイド「いえ、なんとなく『こういう』成分が足りないかな、と思いまして」

勇者「余計な気を遣わなくていいです……」ヤワラカイ

メイド「そうですか? やっぱり魔王様や女様が良いのですね♪」ニコニコ

勇者「の、の、ノーコメントっ!」アセアセ
305 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:00:10.22 ID:MiJjtTMo

― 北の村 大通り ―


女「で、あいつはまた帰って来てないと」

魔王「今度は夜だぞ。昼間ならまだしも、呆れ果てる」

メイド「あらあら」ニコニコ

女「ほんっとうにあの馬鹿はっ!」


ドーン!! ゴゴゴゴゴゴゴ


女「やだ、地震!?」

魔王「いや、違う。これは大規模な魔法が発動したんだ」

メイド「北に約30キロといったところでしょうか。広範囲殲滅魔法のようです」

魔王「勇者と合流する! 女、メイド、急げ」ダッ


魔王「夜分に失礼する! 勇者っ!」ガチャッ

勇者「魔王っ! 今のは何だ!?」
魔王「賢者の街に近い場所で何者かが大魔法を使ったようだ。至急向かうぞ」

村娘「行っちゃうの? まだ一緒にいようよ」

女「ごめんね、緊急事態なの」

村娘「そんなのいいよ! 私のだんなさまになるんだから!」プクー

魔王「ふざけるでない」スゥッ

村娘「!?」

魔王「貴様、勇者の使命というものを理解しておらんのか? 貴様を助けた事とて勇者にとってはその使命の内のひとつに過ぎんのだぞ。仮に助けられた事に対して勇者に惚れたというのならば、なぜ勇者の使命の邪魔をする!?」

村娘「ふ……ふぇ……」
306 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:01:07.82 ID:MiJjtTMo

勇者「いい、魔王。俺から言う。……村娘ちゃん、俺は困ってる人を助けるのが俺の一番大切な事なんだ。今、この村を襲った奴らが賢者様の街を攻撃しようとしている。きっとたくさんの人が困ってるはずだ。俺は行かなきゃいけないし、これからもそうし続けなきゃいけない。だから村娘ちゃんと一緒に居るのはできないんだ」

村娘「……」グスッ

村長「すみません! この子には良く言って聞かせますので……」

勇者「いや、これは大事な事だし、今、村娘ちゃんは困ってる。俺はちゃんと村娘ちゃんにわかってもらわなきゃいけない。女達は少しだけ待っててくれ」

魔王「わかった。厳しい事を言ってすまない。メイド、行くぞ」

女「外で待ってる」ガチャパタン

村娘「……ごめんなさい」

勇者「わかってくれたか。ごめんな、俺が1年前にちゃんと言ってあげなかったのが悪かったな」ナデナデ

村娘「ううん、私、なんとなくわかってた。わがまま言ってごめんなさい」ペコリ

勇者「ありがとう」ナデナデ

村娘「勇者さまのホンメイはあの2人のどっちかなんだよね?」

勇者「」ガクゼン

村娘「女さんは優しいけど、勇者さまには厳しくて、おねーちゃんはすごく厳しいけど、きっと勇者さまには優しいんだと思う」

勇者「あー、うん、そう……かな?」

村娘「私、本で読んだことあるよ! 女さんはつんでれで、おねーちゃんはくーでれ!」

勇者「村長さん、娘さんの教育方針について牧師さんと少し話し合ったほうがいいと思います」
307 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:02:53.74 ID:MiJjtTMo

村長「すみません……」ヤッパリ

勇者「じゃあ、俺は行くな。村娘ちゃんも元気でな」

村娘「うん! 勇者さまよりもっと格好良い人と結婚しちゃうから、あとで後悔してもしらないからねっ!」

勇者「あはは、楽しみにしとくよ。それじゃあ村長さん、また」

村長「お気をつけて……子供達の事、お願いいたします」ペコリ

勇者「任せてください」ガチャバタン

魔王「理解してもらえたようだな」

女「ほんっとうに、勇者は優柔不断なんだから」

メイド「あらあら」クスクス

勇者「うっさい。行くぞ! 直接賢者の村に飛ぶ!」

兵士「待てっ! 待ってくれ!」ダダダダ

勇者「どうした!?」

兵士「はぁっはぁっ! き、北の入り口に賢者の街から避難してきた人がっ!」

魔王「案内してくれ!」
308 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:05:34.76 ID:MiJjtTMo

― 北の村 北に向かう出入り口 ―


?「勇者様っ!」

勇者「……誰だ? フードを外してもらえるか?」

?「し、失礼いたしました」スルリ

勇者「その角……魔族!? 一体何が!?」

魔王「お主、魔族を抜けて大賢者の下に行った者か?」

魔族「ま、魔王様!? 先代を倒して継承なさった事は伺っておりました! 私、6賢者の1人、魔族賢者と申します。この度は魔王様とお目に掛かれた事、心より……」フカブカ

魔王「そんなことはどうでもいい。何があった!?」

魔族賢者「は、はいっ。人造兵が賢者の街のすぐ近くまで! 今、魔術団と交戦中なのです! 私は大賢者様の命で数人と共にこの村に避難要請を!」

魔王「人造兵はお主が作り上げたのか?」

魔族賢者「いえ。私どころか、大賢者様すらも預かり知らぬところで極秘裏に賢者Dが……」

魔王「王都での一連の騒動もその者が?」

魔族賢者「はい。我々が気づいた時にはもう王都は賢者Dの手のものに操られておりました」

魔王「それで、その者を含めた一団が賢者の街を襲っているのか?」

魔族賢者「はい。賢者Dは数体の人造兵と共に街の1部を破壊し街を脱走。賢者の街から南に10キロ離れた場所で王都より戻ってきた人造兵を含む手の者と合流し、我々の魔術師団と交戦中です」

魔王「勇者」

勇者「俺達も一緒に戦う。一緒に来てくれ」

魔族賢者「是非! 勇者様と魔王様が一緒ならばこれ以上の援軍はございません! ……私と一緒に来た者はこの村にて待機せよ! 村に被害が及ぶような事があれば全力で護れ!」

女「私も居るんだけどなぁ……」スネ

魔族賢者「もちろんでございます。女様のお噂はかねがね。勇者様の背中を護る者と聞いておりま……す?」タラリ

メイド「あらあら」

魔族賢者「め……め……メイド!?」ガタガタブルブル
309 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:06:21.02 ID:MiJjtTMo

魔王「なんだ、知り合いだったのか?」

メイド「いえ、すこーしだけ、です」ニコニコ

魔族賢者「は……ははははははいっ! メ、メイド……様までいらしているとは思いませんでしたっ! まさか魔王様の下におられるとは!」アブラアセ

勇者「おい、すごい怖がってるぞ」

魔王「特に関係があったとは聞いていなかったが……」

メイド「ただの、ほんとーに、た・だ・の……不肖の弟です」ニコニコ

魔王「はぁ!?」

勇者「だからその怖がりよう、か」

女「姉を怖がる弟。どこの家でも似たような感じなんだね」

勇者「お前のとこも弟はお前に絶対服従だよな」

女「弟っていう生き物は姉の奴隷だから」ヘーゼン

魔王「不憫な……」ホロリ

勇者「っと、メイド、魔族賢者、すまないけど感動の再開は後回しにしてくれ」

メイド「いえいえ、なーんにもお話することなんてありません♪」ニコニコ

魔族賢者「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」

勇者「ダメだ。使い物にならないかもしれない。おーい、聞こえるか? 賢者の街に飛ぶぞ? いいかー?」

魔族賢者「ウマレテキテゴメンナサイ」

魔王「いいからいこう」

勇者「転移呪っ!」シュンッ
310 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:07:21.32 ID:MiJjtTMo

一旦休憩します。

次のシーンからいよいよ賢者の街に舞台が移ります。珈琲とマドレーヌ食べて飲んできます。うまうま。
311 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 15:20:08.16 ID:dvU1dI.o
弟…
312 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:23:20.71 ID:MiJjtTMo

珈琲だけ飲んできました。マドレーヌ楽しみにしてたのに食べ尽くされてた。残念無念。

再開します。
313 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:24:26.98 ID:MiJjtTMo

― 堀に囲まれた賢者の街 入り口 跳ね上げ橋上 ―


勇者「おい、着いたぞ!」

魔族賢者「……は、はいっ! 失礼いたしました」

メイド「くれぐれも、ドジを踏まないように」

魔族賢者「はいっ! こちらです。大賢者様がお待ちです」

勇者「交戦地に行くのが先じゃないのか」

魔族賢者「賢者ACが既に大魔法を使っております。今しばらくは耐えるかと思いますし、大賢者様が勇者様達をお呼びです」

勇者「はぁ……相変わらずだなぁ」

?「相変わらずとは中々のご挨拶だな」

勇者「大賢者様っ!」ビシッ

大賢者「緊急事態じゃからな、ちゃんと出向いたわい。人を引きこもりみたいに言いおってからに……魔族賢者、この混乱の中よく勇者を連れてきてくれた。予想外の増援じゃ。お主に任せて正解だった」

魔族賢者「ありがとうございます。では、私は賢者ACの加勢に向かいます」

大賢者「いや待て。問題が起きておる。お前は此処に残って他の者達と共に裏門の警護を頼む」

魔族賢者「承知いたしました」タッタッタ

大賢者「勇者、手短に話そう。私の失態は認める。助けてくれ」

勇者「わかってる。だから来たんだ」

大賢者「魔族賢者から話は聞いたと思う。魔王殿、ご助力たまわって良いか?」

魔王「もちろんだ。我らの禁呪が使われたのだ。現王として看過できぬ」

大賢者「かたじけない。賢者Dの目的はこの街の地下に眠る数多の人造兵だ」

魔王「なんだと!? どうやって造り上げた!? 魔族の子の被害はそこまで甚大ではないぞ!」
314 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:27:26.93 ID:MiJjtTMo

大賢者「先程賢者Dの部屋を捜索したところ、こんな物が出てきた」バサリ

魔王「拝見する。……人間のみでの製造方法だと!?」

大賢者「破壊力は本来の人造人間には劣るが、大量生産によってそれをカバーしようという魂胆だったのじゃろう。現在人造兵が納められた地下広間は厳重に封印してある。それに、2人だけだが、生き残った魔族の子も保護した」

魔王「本当か!?」

大賢者「嘘は吐かん。眠らされておって話は聞けなかったが、生きている」

魔王「よかった……」

勇者「犠牲になったのはこの街の人なのか?」

大賢者「も、含まれておるが、主には王都から連れ去って来たんじゃろうな。子供の失踪と違って大人ならば旅に出た等の理由がつけれるからじゃろう」

女「どこまで下衆なのよ……」

魔王「メイド、お前蒼将軍に再伝令。魔族領と人間領の境界を一時的に封鎖させろ」

メイド「はい……しかし?」

大賢者「気づいたか」

魔王「気づかぬわけあるまい。それ程までに魔王の椅子というのは魅力的らしい、な」

勇者「魔王の……どういうことだ!?」

メイド「なるほど。理解いたしました。今すぐに」シュッ

魔王「人間の世界のみを手に入れるだけならば人造兵は正直なところ不要だ。王都の時のようにその国の支配者を何らかの方法で篭絡してしまえばいいだけの話。だが、魔族すらも統べるつもりなら、魔王の椅子は絶対に必要だ。その為には戦争となる。大量の人造兵を造らねばならぬであろう?」

勇者「……そういう、ことか」

大賢者「さすがは魔王。これだけの情報でそこまで推察できるとはな」
315 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:27:55.39 ID:MiJjtTMo

女「じゃあ何? その賢者Dっていう人は世界を自分の物にしようと思ったの? でもおかしくない? 賢者になるには私利私欲を捨てなきゃいけないんでしょ?」

大賢者「『なる』には、な。『なった』後にその欲が出てきた者は今までおらなんだ」

女「なにそのザル管理」

大賢者「それ程までに賢者というのは浮世離れた者だという事なのじゃが……例外があったというのは事実じゃ。それについては謝罪する」

勇者「あいつら、北の村で子供攫ったんだ! その子達を助けなきゃいけないんだ!」

大賢者「なんと……では、眠らされていた魔族の子供達と共に更なる製造を行おうとしていたのか。だとすると、子供達が危ない!」

魔王「うむ。地下を抑えられたということは、子供達は用無しだ」

勇者「先に行くぞ! 馬を借りる!」ダッ

魔王「待て、勇者っ!」ダッ

女「私も行くっ!」ダッ

大賢者「これを持って行け! 離れていても会話ができる!」ヒュッ
316 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:28:51.04 ID:MiJjtTMo

― 戦闘地 ―


勇者「なんだこれ……」

女「酷い」

魔王「……敵味方関係なしか」

?「勇ましい騎兵隊が来たかと思えば、案の定勇者様か。久しいなぁ」

勇者「賢者D! お前、何をしてるのかわかってるのか!?」

賢者D「十分に理解してるさ。俺は魔王になってこの世界を手に収め、ゆくゆくはあの黄金龍すらも屈服させてこの世の知の全てを我が物にするのだ!」

魔王「愚かしい。貴様のような者にこの世の知が計り知れるわけなかろう」

賢者D「……お前が魔王か」

魔王「? ……そうだ。お前が欲しがってる魔王の座に就いている者だ、と言えばその緩い頭でもわかるか?」

賢者D「はははははっ! 魔王!! 全て予定通りだ! その首もらい受けるぞ!! 行け、人造兵っ!!」

人造兵ABCDEFGHIJ「ゴォォォォォォォォォォォォォッ」ビリビリビリ

勇者「何て量だよっ!」

女「賢者の街から連れ出したのと合流してるのね……子供達はどうしたの!?」

賢者D「子供? あぁ、途中で棄てたさ。運が良ければまだ生きてるんじゃないかねぇ? バレちまったからにはもう造れんからな。迎えに行きたいのか? 行っていいぞ。俺が必要なのは魔王の首だけだ。お前如き人間に用などない」シッシッ

女「勇者、魔王……私、行く」

勇者「当たり前だ。ちゃんと保護して村に送り届けろ。こっちの心配はいらん」ギンッ

魔王「うむ。女の務めを果たすがいい。ここは、私が私の務めを果たす! 賢者Dよ、私は逃げも隠れもせん! 我が首ほしくば、勝ち取ってみろ!!」ゴォッ
317 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:29:29.69 ID:MiJjtTMo

勇者「本気モードかよっ!」ザッ

女「加速呪っ! 硬化っ! 増力っ! 祝福っ!」フォフォフォフォン

女「あとで、あとで絶対合流するからね!」ガカッ

勇者「魔王、冷静になれ! お前が傷ついたらどうなる!?」

魔王「十分冷静だ。我が首を狙うなど、楽しいではないか」ニヤリ

人造兵AB「グォォッ!」ヒュッ ヒュンッ

勇者「轟雷っ!!」ズドォォン

魔王「氷結っ!」ピキン

賢者D「さすがだなぁ、さすがは勇者と魔王だなぁ。7体だけじゃぁちょーっと足りないから、追加しようか」スッ

勇者「無駄だ。お前の作った人造兵は大賢者様が封印した」

賢者D「ひゃっひゃっひゃ。あのじじいの封印術式なぞ既に解読済みだっ!! 来いっ、200体の人造兵どもよっ!!」
318 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:29:57.78 ID:MiJjtTMo

― 賢者の街 ―


メイド「これで良いですわ。……この震動は……地下からですの?」

兵士B「緊急っ! 緊急っ! 地下の封印した広間の封印が解けて人造兵がっ!!」

大賢者「なんじゃと!?」

大量の人造兵「ゴォォォォォォォォォオオオオオオオ!!!」ヒュッヒュッヒュッヒュッ

大賢者「いかん! 止めろ! 勇者っ! 聞こえるか!?」

メイド「魔王様っ!」ヒュッ
319 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:31:07.59 ID:MiJjtTMo

― 戦闘地 ―


賢者D「はっはっはっ! 楽しいねぇ。実に楽しいねぇ。あと10分もすれば此処は人造兵だらけだ。こういうのを前門の虎、後門の狼って言うんだよ。勉強になったかい?」

魔王「貴様……っ!」ギリッ

勇者「うぉぉぉぉっ!」ギンッ ザッ

人造兵C「ガァッ!」ズダンッ

魔王「焼き尽くせっ!」ゴゥッ

人造兵D「ウボォォォォォォォォォォ」ドロドロドロ

賢者D「強い強い。だが、いつまで魔力が保つのかな? 俺が作り上げた人造兵は合計200。まだその内の4体を倒したに過ぎない。しかもこいつらはご存知の通り……」

人造兵ABCD「ボァァァァァァアッ!」ジュルジュルジュル

賢者D「再生力を強化しまくってる」ニヤニヤ

魔王「下衆がっ!」

メイド「魔王様っ!」シュタッ

魔王「メイドっ!」

メイド「道中、数体は倒しましたが……」

賢者D「お仲間かい? 別嬪さんだねぇ。魔王を倒した後、俺に仕えないか?」

メイド「お断りします」ノーサンキュ

賢者D「残念残念。フられちまったよ……この憂さは魔王の首で晴らすかなぁっ!」

人造兵ABCDEFG「ゴァァァァァァァッ!」ドドドドドド

大賢者『聞こえるか!? 残った賢者達と周囲一体を全て焼き払う! 戻れ! 5分で発動するぞ!』

勇者「了解っ! 魔王っ、メイドさんっ、こっちに」

魔王「何だ」

メイド「はい」

勇者「転移呪っ!」ヒュッ

賢者D「何っ!?」
320 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:32:32.54 ID:MiJjtTMo

― 賢者の街 ―


魔王「っ、勇者っ! 貴様何の断りもなく! あのまま私の範囲殲滅魔法で焼き払えばっ……勇者!? メイド、勇者は!?」

メイド「……残られました」

魔王「何……だと!? どういうことだ!?」

メイド「不明です。勇者様にのみ転移呪がかかりませんでした。もしかしたら、あのまま3人が転移すれば、賢者Dに大魔法が気取られる恐れがあった為に足止めを考えたのかもしれません」

魔王「馬鹿なっ! このままでは巻き込まれるぞ! 大賢者殿っ! 術の発動を今しばらく待てっ!」

大賢者「無理じゃ。このままではこの街が奴らに飲み込まれてしまう!」

魔王「勇者がまだ残ってるんだ!」

大賢者「何じゃと!? ……だが、止めれぬ! この街を護らねばならんっ!」

勇者『ザッ……ザザッ 聞こえるか!? 転移呪が発動しない! 魔王達はそっちに着いてるか!?』

魔王「勇者っ! 勇者っ! 一体何があった!?」

勇者『わか……ザザッ……ん! ……んが光って……ザッ……俺の転移呪だけ打ち消されたみたいだ! 俺の事はいい! ここで足止めする! 早く撃て!!』

魔王「何が光ったんだ!? それよりも……戻るぞ!」

メイド「なりません!」ガシッ

魔王「離せ! 何をする!?」ジタバタ

メイド「魔王様が出ては奴の目論見通りです!」

魔王「そんな事知るか!! 勇者が! 勇者が残っているんだぞ!!」

メイド「魔王様っ!」ヒッシ

魔王「命令だ! 離せっ!」

大賢者「発動まであと15秒。各自、集中を保て! この街の正門を中心に扇状に照準!」

魔王「やめろぉぉぉぉぉっ!!」

大賢者「5……4……3……2……1……」

魔王「頼むっ! やめてくれ! 勇者がっ! 勇者がぁぁぁっ!」

大賢者「RA-HETE(熱核地獄)!!」
321 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:36:22.28 ID:MiJjtTMo

― 戦場 ―


賢者D「貴様ぁぁぁぁっ! 俺の獲物をぉぉぉぉっ!!!」

勇者「あれは『俺の』だ! お前になんか渡さんっ」ゼェッゼェッ

賢者D「こうなったらお前だけでも殺す! 転移呪など使ったんだ。魔力はもう残っていまい!」

勇者「それは当たり。でもな……」

大賢者『5……4……3……2……1……』

勇者「覚悟しろ! お前達全員道連れだっ!」

大賢者『RA-HETE!!』


ズァッ!!!!!!!!!!


人造兵隊「ブロロロロロロロロロロロロロロロ!!!!」ジュォォツ

賢者D「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ! こ、このままで済むと思うなぁっ!」ジュォォッ ジュッ

勇者「魔王……女……すまない」ジュゥゥゥゥッ シュッ




女「みつけたっ! 大丈夫!?」
子供AB「うわぁぁぁぁんっ! おかあさぁーーーんっ!!」
女「もう大丈夫だからね。一緒に帰りましょう」ギュッ

ズァッ!!!!!!!!

女「!? 大魔法? ここだと声が聞こえない……勇者、大丈夫……よね?」




魔王「勇者ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
322 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 15:40:59.84 ID:MiJjtTMo

これにて賢者の街編終了となります。

>>1を見てみると、今日でちょうど1週間なんですね。よくもまぁ一週間も書いたものだと自分でびっくりしました。

このような駄文に付き合ってくださる皆さまに心からの御礼を申し上げます。

今夜から書き溜めを再開し、明日もまた更新ができるよう努力いたしますので、今しばらくこの物語にお付き合いくださいませ。

それでは、本日のところは失礼いたします。(土下寝)
PC近くには居ると思いますので、誤字や文句などございましたらお気軽に罵倒と共にお知らせください。その度に自分が埋まる用の穴を掘っていきます。
323 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 15:56:27.61 ID:e.n95DAo
おいおい、続き楽しみにしてやるから、はやくしろよー
324 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 16:23:34.81 ID:HoH2P32o
なんてこったい
続き楽しみにしてるよヘタレ
325 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 16:28:20.62 ID:bcdIL.DO
ほう…
俺ならここから15年ばかりスッ飛ばして、村娘「起きなさい、勇者Jrや」から始めるところだが
またそれは別の話ということにしておいてやるから書き溜めたまえ。
326 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 16:29:42.41 ID:BwXgYQSO
時間をヘタレにやったらKONOZAMAだよ
いいところで切りやがって

とりあえずヘタレ=メイド弟でおk?
327 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [HE-TARE]:2010/11/30(火) 16:57:20.53 ID:BbwQyi.o
人間だけでつくられた人造兵は大人でつ
くったってこと?
読解力なくて申し訳…
328 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/11/30(火) 17:23:54.79 ID:MiJjtTMo
>>326
>ヘタレ=メイド弟でおk?
ノーコメントとさせてください生きててすみません。

>>327
量産化されたのは、大人のみで製造された人造兵ということです。
わかりづらくて申し訳ございません。近所のマンションの屋上から土下座しながら飛びおります。
329 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 17:36:54.97 ID:Bijn.4Eo
いいとこでとめてんじゃねーよ!このへたれ!続き気になるだろ!
330 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 17:56:00.30 ID:BbwQyi.o
>>328
どうもです。
331 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/30(火) 22:11:31.13 ID:VTKBREAO
いい感じに盛り上がった所で切り上げおって>>1ェ…
332 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/01(水) 04:22:32.71 ID:IyOSzn6o
いい展開だな
期待するぞこのヘタレ
333 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/01(水) 04:46:29.46 ID:CoiJ4wDO
乙です。
高クオリティ&大量投下、お疲れさまです。
イメージが容易く、更新が待ち遠しく感じます。
が、逆に負担が心配です。
御自愛下さい。
334 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/01(水) 06:01:51.17 ID:Hhx5FYDO
面白いじゃないかこのヘタレ
ところで黄金竜にミルガズィアさん成分を感じるのだが
気のせいだろうか
335 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/01(水) 07:32:47.36 ID:28Ej6fQo
>>1
ホントあんた最高だよwww
めちゃくちゃ興奮する流れに
まったくCM的なタイミングで切りやがる
くやしいが脱帽だよ
臨場感あふれる展開にwwktkkk
336 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/01(水) 17:20:52.64 ID:HBU0Rf6o
皆さまこんにちは。むしろこんばんはでしょうか。いつもご支援、罵り本当にありがとうございます。平伏しつつ拝見させていただいております。

風邪をひきこんでしまって死にそうになっておりました。

本日の投下ですが、書き溜めは少々あるのですが、見直しを全くしていないので投下できるレベルに至っておりません。
自らの体調管理が悪かったのが原因ではありますが、本日の投下は見送らせていただいてもよろしいでしょうか。
体調は快方に向かっておりますので、可能な限り書き溜め、チェックを行い、投下ができれば最善と考えておりますが、お休みを前提にさせていただこうと思っております。

「んだよ、せっかく見に来てやったのに休みかよくたばっちまえ!」という罵りのお言葉を受ける覚悟で書き込みさせていただきました。
本当に申し訳ございません。自己罰として今夜の食事はあつあつおでんを冷まさずに食べる事といたします。地味に地獄。

>>333
過分なお誉めのお言葉ありがとうございます。非常に楽しく書かせていただいておりますので、負担は一切ございません。むしろ「書きたい!」と切望するくらいになっており、既に現在投下中のお話が終わった後の次はどんな物を作ろうか、などをつらつらと空想していたりします。

>>334
スレイヤーズの登場人物だったような覚えがあります。年齢がバレそうですね。
私もスレイヤーズ年代の端っこの人間ですので、もしかしたらどこかに記憶が残っていたのかもしれません。神坂先生の文章の書き方に影響も受けておりますので、そうなってしまうのかも。

皆さまより「良いところで区切りやがってくたばっちまえ!」みたいなお言葉をいただき、非常に嬉しい限りです。少年誌風の終わり方を意識してみました。
それでは、あまり長々と書いても「てめぇの雑談なんて望んでねぇんだよ! 早く書け! エビフライぶつけんぞ」と言われてしまいそうですので、この辺りで締めさせていただきます。(土下座)

最後に一つだけネタを。
賢者の街編で最後に出て来た大魔法『RA-HETE』ですが、アナグラムで皆さまにおなじみの言葉が出てくるようになっております。
お暇がございましたらどんな言葉かご一考くださいませ。

皆様も風邪等にくれぐれもお気をつけくださいませ。
337 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/01(水) 17:50:20.81 ID:/DTibsQo
へ…へたれ…
はやくよくなれよな
拗らせたら許さん
338 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/01(水) 18:17:27.93 ID:0Ajk44so
風邪を引くとはこのヘタレめ
さっさと治るように呪ってやんよ
339 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/01(水) 18:31:00.84 ID:28Ej6fQo
>>279
体力ないな糞が!
調子よく続いていた楽しみのテンポを
崩しやがって責任取れよ。
しっかり体調管理していると、
てっきり思った憤りは物語完結後に、
同作者の未公開中の旧作を、
情報取捨してリテイク投下で詫びたら、
しかたないから許してやる。
また機会があればって言われて、
すっかり期待なんて勘違いだからね///
340 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/01(水) 19:42:58.43 ID:CoiJ4wDO
乙です。
レス感謝
つ バファリン1/2
具合が悪い時には、どうか無理なさらずに、回復優先で
341 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/01(水) 20:27:32.93 ID:ZgpyyUDO
はぁこれだからヘタレは
やっときたと思ったらこれだよ!
くそが!
なおったらわかってるんだろうなヘタレ!
お前の大事スレが荒れるぜ?
せっせと書き蓄めでもするんだな!
342 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/01(水) 21:24:03.68 ID:.gKuXcSO
来てみたらこれだよ

エビフライなんか勿体ねぇ鶏のから揚げ投げんぞ

後は口に精力がつきそうな食材をアツアツでつっこむぞこのHETARE!
343 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 01:04:18.91 ID:sB/xFsDO
早速バラされててワラタwwwwww
344 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 07:31:23.13 ID:AJUjv.c0
お前はほんとに
だめ野郎だな!
いつまでも
じらすほうが面白いと思ってんなよ!俺のレスが
にくいっておもうならさっさと風邪治しなさいよね///
345 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 16:28:11.77 ID:cOw6DBAo

皆様こんにちは。
暖かいお言葉本当にありがとうございます。昨日は私の体調管理がいたらず、風邪を引いて更新をお休みしてしまうという体たらく。猛省しております。(セルフ石抱き中)

仕事も片付きましたので、通常更新に戻していこうと思います。
賢者の街編が終了し、今日の投下はインターミッション編のような内容となっております。とはいえ、きちんと物語は進行していきますので、「やっと更新かよ。遅すぎてもう読む気失くしたわ」とおっしゃらずにお暇な時にでものんびりとお読み下さい。

現在最終確認を行っておりますので、キリの良い17時から投下開始とさせていただきます。

木曜日の夕方あと1日でウィークディも終了というこの時間。週末の予定を練りつつ、お楽しみいただければと思っております。

それでは、皆様のご健康を心よりお祈りしつつ、再開いたします。
346 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 16:56:58.76 ID:UiPMU3co
はやくしろよへたれ
ずっと待ってたんだぞ!
心配、させやがって…(´;ω;` )ブワッ
347 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 17:00:02.70 ID:PHXGhgDO
甘ったれんなくそが!
今すぐ投下もできないヘタレが!!
つうか治るまでくんなくそが!余計ひどくなったらどうすんだ!
さんなことになったら俺の下半身が風邪引くだろが!

何がいいたいかっつうとヘタレは治るまで寝てろってこと
348 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:10:30.96 ID:cOw6DBAo

― 賢者の街 宿の一室 ―


大賢者「魔王殿の様子はどうじゃ?」

メイド「それが、まだ……」

魔王「……」

大賢者「気塞ぎの病、か。女殿は?」

メイド「2日程泣き続けておられましたが、今朝になってどこかさっぱりした雰囲気で「もう大丈夫」とおっしゃり、お食事を摂られて今はお休みになっております」

大賢者「勇者も罪な男よの……そうじゃ、言われておった件は衛兵達に通達しておいたぞ」

メイド「ありがとうございます」ペコリ

大賢者「それと、これを」スッ

メイド「これは……剣の柄、でしょうか?」

魔王「朱雀の剣……か?」フラリ

メイド「魔王様っ! 大丈夫ですか!?」

魔王「よく無事に……という程でもないか。刀身は消失しているし、この柄もボロボロになっておるな……大賢者殿、これは私がいただいては駄目だろうか?」

大賢者「そのつもりで持って来た。戦場跡で偶然見つけたのだが、魔王殿の気塞ぎの凌ぎにもなれば、と」

魔王「かたじけない……勇者」キュッ

メイド「魔王様……」

衛兵『ザッ……南方より飛行物体が接近しております。ご指示のあった方かと』

大賢者「うむ、丁重にもてなせ。直接街の広場に降りていただくよう誘導を」

衛兵『はっ!』

メイド「やっと来ましたか。連絡を入れてから丸1日ですね」

大賢者「ともかく、出迎えよう」

メイド「魔王様、蒼将軍がお越しになりました。私はお迎えに上がりますので、こちらでお待ちいただけますか?」

魔王「……」コクリ

メイド「すぐに戻ります」タッ
349 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 17:10:46.82 ID:4/0oHWI0
>>1のヘタレっぷりとたくさんのツンデレが可愛すぎて生きるのが辛いんだが
350 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:11:10.49 ID:cOw6DBAo

― 賢者の街 広場 ―


四天王蒼「魔王様はっ!?」ズズゥン

メイド「無事……とは言い難いですが、一応無事です」

四天王蒼「どういうことだ!? 『至急賢者の街に部下4人を連れて来い』としか書かれていなかったぞ。それに、来る途中で見かけたが、地面がガラス状に溶けて固まっていたのは何があったのだ」

メイド「色々あったのですよ。本当に」

四天王蒼「? ともかく、魔王様と接見したい」

メイド「こっちなんですけど、蒼将軍のサイズでは宿に入れませんね」デカスギ

四天王蒼「なっ、人間が小さいのだろうが……我々はこれが普通だ」

大賢者「お初にお目にかかる。この街の責任者の大賢者と申す」

四天王蒼「おぉ、噂に名高い大賢者殿か。魔王様が世話になっております。はて、勇者は……?」

大賢者「うむ、立派な……最後じゃった」

四天王蒼「勇者に何が!?」

メイド「全てお話しますから、とりあえずついてきて下さい。残りの者はここで待機。2時間の休憩の後、すぐにここを発ち、大至急魔王城へと戻ります。食事など、必要な者は申し出なさい」
351 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:12:35.15 ID:cOw6DBAo

― 賢者の街 宿屋前 ―


四天王蒼「魔王様……話はメイドから聞きました。さぞ御心をお痛めになってることでしょう」

魔王「……」

メイド「ずっとこのような状態です。至急魔王城に戻る必要性があると判断しました。それと、今回我々と同行した人間、女様も魔王城に連れて行きます。あと、誘拐されていた魔族の子供の内、2名が無事に保護されましたので、その子達も」

四天王蒼「それは一向に構わんが……人間もか?」

メイド「魔王様と同じく勇者様を大事に想われ、ずっと一緒に旅をなさってきた方です。女様は回復が早く、魔王様のメンタルケアにもなるかと」

四天王蒼「了解した。して、そのご本人は?」

女「お待たせしました」

メイド「お身体は大丈夫ですか?」

女「うん、もう大丈夫。いつまでも泣いてられないからね。ほら魔王、帰ろ?」

魔王「……」

女「ふぅ、しょうがないわね。あ、蒼将軍さんですか? メイドさんからお話を聞いてました。お荷物になりますけど、よろしくお願いします」ペコリ

四天王蒼「あ、あぁ……」ジー

女「私の顔に何かついてますか?」キョトン

四天王蒼「いや、失礼した。人間の女性というものをあまり見た事がなくてな。つい物珍しく見てしまった。かたじけない」

女「大して面白くもないですよ。泣きブスになってますし」

メイド「かなりマシになっておられますよ。まだ少し目の周りが腫れぼったいですけど」

女「ご心配おかけしてすみませんでした。大賢者様、色々とありがとうございました」ペコリ

大賢者「いや、我々が礼を言わねばなるまい。この街を救ってくれたのは間違いなく勇者を始めとしたお主達じゃ。結果は残念な事もあったが、この街は勇者の手によって守られた。我々はこの恩を忘れぬ」

メイド「主に変わって御礼申し上げます。魔王様は人間との共存の道を模索しておいででした。いつか大賢者様のお知恵を拝借することになるかもしれませんが、その時はどうぞよしなに」

大賢者「いつでも喜んで協力させていただこう。そうじゃ、渡したいモノがある」

メイド「?」
352 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:14:06.45 ID:cOw6DBAo

大賢者「まずは、これだ」スッ

メイド「宝石付の杖でしょうか?」

大賢者「うむ。まだ少し調整が残っておるが、勇者が使う転移呪と同じ効果をこの宝玉の中に封じ込めてある」

メイド「勇者様にしか使えなかった転移呪を?」

大賢者「以前勇者がこの街に来た時に協力してもらって解析を進めておったのだ。この技術は魔族賢者の功績だ」

メイド「あの子が……」

大賢者「だが、言ったようにこれはまだ調整が終わっておらぬ。そこで、我々6賢者……2名が戦死し、1名が裏切った今となっては3賢者だが、の中から一人そちらに技術要員として送り出す事となった。改めて紹介しよう、魔族賢者だ」

魔族賢者「よろしく……お願いします」ペコリ

メイド「……大賢者様」

大賢者「故郷を棄てて賢者となるために来た時のこやつは本当に泣きそうな顔をしておった。だが、こやつはひたすら勉学と研究に励み、晴れて賢者と認められた。今こそ凱旋時であろう?」ニッ

メイド「ありがとう……ございます」フカブカ

魔族賢者「大賢者様、心より感謝いたします」フカブカ

大賢者「魔族賢者がおれば宝玉の調整もできるし、儂との念話も可能じゃ。何かと便利であろう」

メイド「何から何まで本当にありがとうございます」ペコリ
353 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:15:32.07 ID:cOw6DBAo
四天王蒼「魔王様、こちらへ。籠を用意しております。女殿もご一緒に。大賢者殿、また機会がございましたらゆっくりとお話を伺わせていただきたい」

大賢者「いつでも歓迎しよう。魔族は今や我々の仲間だ」

魔族賢者「お世話になりました。行って参ります!」

メイド「ありがとうございます。魔王様復調の際はご連絡差し上げます」

魔王「醜態を見せてしまってすまない……また改めてご挨拶にうかがおうと思っている」

大賢者「気に召されるな。一日も早い回復を微力ながら願っておりますぞ」

四天王蒼「用意はいいか!? 」

飛竜一族「はっ!」

メイド「それでは、お願いします」

女「よろしくお願いします」ペコリ

四天王蒼「魔王様がお入りになるには狭くはありますが、ゆっくり寛いで下さい。1番隊の籠には魔王様と女殿、メイド殿が。2番隊の籠には魔族賢者と子供達が。急ぎますので少々揺れる事もありますが、半日もあれば魔王城に到着できるかと思います」バサァッ

魔王「……」コクン

女「お世話になりましたっ! また来ますっ!」

メイド「ありがとうございました〜♪」

魔族賢者「いつかまた戻ってきます!」


バサッバサッ

354 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:16:36.69 ID:cOw6DBAo

― 空路 籠の中 ―


女「うわーっ! すごいすごいっ! 絶景だよっ!」

メイド「綺麗ですね」

女「ほら、魔王も見てごらん」

魔王「私は……今はいい」

女「いつまでしょげてるのよ。勇者が見たら笑われるわよ?」

魔王「勇者……」キュッ

女「はぁ……重病ね。メイドさん、魔王城に戻ってからの予定って何かあるんですか?」

メイド「今のところは何も入れておりません。魔王様の静養に努めるのには慣れ親しんだ魔王城の方が良いかと」

女「確かにそうね。私にとっては初めての魔王城だけど」

メイド「女様のお部屋の準備もすぐにいたしますね。魔王様の寝室のお隣を空けますので、それまでは魔王様とおくつろぎください」

女「うん。そうさせていただきます。本当に迷惑かけちゃってごめんなさい」

メイド「いえいえ。魔王様のお友達なんですからお気になさらずに」ニコニコ

四天王蒼「魔王様、このような時にお話するのは申し訳ないのですが、例の件の事で……」

魔王「あ、うむ。聞こうか……」

メイド「蒼将軍、なにも今話さなくても」キッ

四天王蒼「空中では聞き耳を立てる者もおらん。部下は私の直属の者を連れてきているから心配もない。今が最適だと思うのだが」

魔王「いい。聞こう」

四天王蒼「調査を継続いたしましたが、尻尾を掴む事ができませんでした。しかし、人型魔族の中に内通者が居るのではないか、という事だけは判明いたしました」

メイド「となると、朱将軍の一族が?」

四天王蒼「まだ確定ではありませんが、現在最も疑惑が濃いと考えられます」

魔王「そうか……朱の一族の中に……そういえば、この剣も朱から勇者に渡されたんだったな」キュ

四天王蒼「辛い事を思い出させてしまって申し訳ございません」

魔王「良い。気にするな」
355 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:18:21.13 ID:cOw6DBAo

女「あの、悪いんだけど四天王さんとそれぞれの部族ってどんな人達なのか教えてもらっても良い?」

メイド「はい。まずはここに居る蒼将軍。飛竜一族の長でもあり、魔王様に最も古くからお仕えしている者です。飛竜一族は魔族の中でも唯一空を飛べる一族で、戦時には偵察や空からの奇襲を担当しています。部族の性格としては多少喧嘩っ早いところはありますが、冷静な判断力を有し、物事を多角的に見渡す能力に長けています」

四天王蒼「よろしく頼む」

女「よろしくお願いします」ニコッ

メイド「次に、朱将軍率いる人型魔族の一族。私や魔王様も人型魔族ですから大きな枠としてはここに入ります。人間と似たような容姿をもつ一族で、手先の器用さから主に後方支援や魔法による攻撃や治癒等を担当しています。性格としては和を乱される事を嫌い、部族の中にも厳重な身分制度を確立させているようです」

女「朱将軍さんも後方支援担当なの?」

メイド「四天王と副官に関しては高い戦闘力を求められますので精鋭部隊と共に前線で戦いますね」

女「ふむふむ」

メイド「3人目は黄将軍率いる亀甲の一族。高い防御力を誇る一族で、戦闘では最前線で敵からの攻撃を防ぐ役目を負います。非常に温和な一族で、一見恐ろしげな風貌ですが非常に親しみやすい方が多いです」

女「昔、勇者と旅をしてた時に500歳っていうおっきい亀と会った事があるけど、もしかして亀甲族の人なのかな?」

メイド「多分そうかと。人間と比べて魔族は全体的に長寿ですが、亀甲族はその中でも特に長寿で知られています」

女「鶴は千年、亀は万年っていうことわざがずっと東の国にあるらしいね」フムフム

メイド「最後に碧将軍率いる獣族。戦闘の中核になる非常に好戦的な一族です。最も数が多く、魔族軍の中核を担っております。性格は今申し上げた通り、非常に好戦的ながらも、保守的でもあります。勇者様が我々と一緒に戦って下さると決まった時も最後まで反対をしていました。しかし、力量を認めた相手であれば徐々に打ち解けていくようです。勇者様の場合はその時間すらなかったというのが実情だと思われます。義に厚く、受けた恩は絶対忘れない、非常に男気のある種族ですね。大きく分けて説明しましたが、各部族の中にはさらに細かい種族が所属しており、少しややこしかったりします」

女「人間と違って本当にいろんな種類が居るもんね。昔はとりあえず倒せばいい、みたいな感じでよく考えてなかったけど、これだけの種族を纏める魔王ってかなりすごいのね」

メイド「そうですよ。魔王様は魔族の頂点。全てを纏め上げる能力がないと到底務まりません」

四天王蒼「特に現王たる魔王様は素晴らしい統治をなさっておられる。そのおかげで我々魔族は先代と比べてかなり安定した生活を送れるようになったのだ」

女「うわー、ベタ誉めじゃない。魔王、すごいんだね」ポンポン

魔王「いや……単に運と周囲に集まってくれた人材が良かっただけだ。私一人では何もできん……」キュッ

メイド「魔王様、お気分は大丈夫ですか? お水はいかがでしょうか?」

魔王「大丈夫だ。すまないな、気を遣わせて」

メイド「いえ。私は魔王様にお仕えするメイドです。魔王様が病める時でも健やかな時でも魔王様のおそばに」
356 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:19:01.14 ID:cOw6DBAo

四天王蒼「魔王様、西をごらんください。夕陽です」

女「うわぁ……」

メイド「綺麗ですね」

魔王「……」ポロポロ

女「ま、魔王、どうしたの?」

魔王「なんでもない……なんでもない」ポロポロ

メイド「魔王様……」

四天王蒼「す、すみませんでした。さしでがましい真似をしてしまいました」

魔王「なんでもないんだ。蒼が悪いわけではない。私が弱いのが悪いのだ」ポロポロ

女「……」ギュッ

魔王「女……」

女「魔王の気持ちはよーくわかるわよ。私だってすっごく辛いもん。あの馬鹿の笑顔とか照れた顔とか半泣きになってる顔とか、怒った顔がもう見られないなんて死ぬ程辛いわよ。でもね、ずっと泣いてるわけにはいかないでしょ?」

魔王「……」キュッ

女「すぐに切り替えろなんて言わないわ。思う存分泣いて、思う存分しょげかえったあとは、しゃんとしようね」ニコ

魔王「ありがとう……」グスグス
357 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:19:35.85 ID:cOw6DBAo

― 魔王城 魔王の居室 ―


女「ひろっ!」

メイド「まがりなりにも王の部屋ですよ? 狭かったら示しがつきません」

女「まぁ、そりゃそうなんだろうけどさ……こんなに広い部屋初めて見たわ。天井だってすっごく高いじゃない」

メイド「蒼将軍のようにかなり背の高い者が魔族にはたくさんいますからね」

女「あー、そっか。なるほど」フムフム

メイド「魔王様、お茶のご用意ができました」

魔王「ありがとう……」

女「さ、てと。メイドさん、お風呂っていつでも入れるの?」

メイド「はい。魔王様の湯殿は源泉を直接引いておりますのでいつでも大丈夫です」

女「贅沢ねぇ……さぁ魔王、お風呂入りましょ」

魔王「いや、私はいい……」

女「いいから行くのっ! ほらほら、背中流してあげるからっ!」グイグイ

魔王「お、おい、女」ズルズル

メイド「後ほどお着替えをお持ちいたしますねぇ」ヒラヒラ

メイド「やっぱり女様に来ていただいて正解でしたね♪」ニコニコ
358 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:20:21.06 ID:cOw6DBAo

― 魔王城 湯殿 ―


女「ちょっとあり得ないと思うのっ!」クワッ

魔王「な、なにがだ……?」ビクッ

女「なによこの広さっ! むこうの方湯けむりで見えないじゃないっ!」

魔王「そうか……? 勇者も似たような事を言っていたが……」キュ

女「あら、魔王ってばこんな所にまでその柄持ってきちゃったの?」

魔王「う、うむ。手放せなくてな……すまない、女。不甲斐ない姿ばかり見せてしまう」ションボリ

女「いーのいーの、気にしなくて。ほら、背中流したげるから」

魔王「うむ……」ストン

女「……」ジーッ

魔王「な、なんだ……?」ハズカシイ

女「やっぱり魔王ってすっごいスタイル良いよね」

魔王「な、な、何を言うか」

女「羨ましい体形よねぇ。胸はおっきいし、お尻も安産型。なのにウェストはきゅって引き締まってる。私なんて胸が……」ハァ

魔王「ふ……ふふふ」クスクス

女「やっと笑った」ニコ

魔王「すまない。女には気苦労ばかりかける」

女「その言葉はメイドさんに言ってあげなきゃじゃないの?」

魔王「メイドにはいつも世話ばかりかけているからな」

女「早く元気になってメイドさんを安心させてあげようね」

魔王「そう……だな」キュッ
359 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:20:58.04 ID:cOw6DBAo

― 魔王城 通路 ―


四天王朱「魔王様の様態はまだすぐれないのか?」

メイド「あら、朱将軍。そうですね、気塞ぎというのはそうそう治るものではないですから」

四天王朱「それにしても、ご帰還なさってもう2週間だぞ。執務もそろそろこなして頂かなければ……」

メイド「そのための四天王ではないのですか?」

四天王朱「そうだが……私とて魔王様のご様態を心配しているのだ」

メイド「わかっていますよ。それはそうと、連れ帰って来た子供達の様子はどうですか?」

四天王朱「親元にすぐに戻したが、親子両方とも大喜びしていた。今は元気に走り回っているぞ。本人達に代わって礼を言う。本当にありがとう」

メイド「いえいえ。全て勇者様と魔王様の獅子奮迅のご活躍の賜物ですから」

四天王朱「勇者……惜しい人物を亡くしたな」

メイド「人間にとっても、魔族にとっても計り知れない損害ですわ」

四天王朱「……魔王様に接見は可能か?」

メイド「そうですね、四天王ならば大丈夫かと。ただ、余計な事を言って魔王様のお心を乱さないようにお願いしますね」

四天王朱「了解した。近日中にお伺いしよう」
360 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:21:35.18 ID:cOw6DBAo

― 魔王城 魔王の居室 ―


女「魔王、おはよ。ちゃんと寝た?」

魔王「うむ……寝た、と思う」

女「ロクに寝てないわね、その様子じゃ」

魔王「勇者の事が頭から離れぬのだ……」キュッ カラン

女「何か落ちたわよ。宝石?」

魔王「ん……宝玉、のようだな元々なにかしらの魔術式が込められていたようだが、今ではその効果は失っているようだ……ん、これは……?」

女「どうしたの?」

魔王「いや、なんでもない。思い違いだ」キュッ

女「私、少しお散歩に行ってくるけど、魔王も行かない? 中庭の薔薇が綺麗に咲いていたわよ。黄将軍さん達が丹精込めて育てたんだってさ」

魔王「私は……今はいい」

女「はぁ……まぁ、いいわ。何本か摘んでもらってきてあげるね」ガチャパタン

魔王「勇者……勇者……」ギュッ

361 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:23:08.29 ID:cOw6DBAo


魔王「……む、寝ていたか」ムクリ

?「魔王様」

魔王「……朱か。どうした?」

四天王朱「お休みのところ申し訳ございません。お見舞いに、と思いまして」

魔王「そうか。すまないな」

四天王朱「いえ……」

魔王「どうした? 何か話があるのではないか?」

四天王朱「今、言うべき事ではないと承知しているのですが……」

魔王「退位して、朱に王座を譲れ、と言いたいのではないか?」

四天王朱「!? な、なにを……」

魔王「ずっと気にかかっておったのだ。賢者Dはあの時、私の事も、勇者が居る事さえも知っていた。おかしくはないか? 私達が賢者の街に向かっているのを知っていたのは人間達のごくごく一部の者のみだ。その者達が賢者Dと内通しているのはどう考えてもあり得ない。何と言っても彼らは被害者だったのだからな」

四天王朱「……」

魔王「それに、これだ」コロン

四天王朱「……宝玉、ですか」

魔王「朱雀の剣の柄に埋まっていた。力を遣い果たして術式が壊れているが、どのような物かはすぐにわかったぞ」

四天王朱「魔王様、それは……」

魔王「追跡術式と、対抗術式だ。しかも対抗術式は特定条件下のみ発動する、恐ろしく手の込んだ術式だ。詳細までは推測するしかないが、賢者Dが居る条件下において、転移呪が発動しないように仕組まれていたのではないか?」

四天王朱「っ……」

魔王「だが、転移呪は発動した。多分、勇者の魔力が我々と出会った時と比べて増大していたからではないかと想像できる。だが、発動したのは私とメイドにのみで、剣を持っていた勇者には術式が発動し、転移呪が打ち消された。勇者があの時言っていた。雑音混じりで聞こえなかった部分があったが、きっと「剣が光って転移呪が打ち消されたみたいだ」と言っていたのであろう」

四天王朱「……」ギリッ

魔王「魔族の子供の失踪も、人型魔族が関わっている可能性が高いという調査も出ている。これらに関して貴様から納得いく説明をしてもらおうか。それと、私と会うのに、なぜ帯剣する必要があるのだ? 今までそのような事はなかったように記憶しているが?」ギロリ

四天王朱「ぐっ……」

魔王「賢者Dと貴様の繋がりはわからぬ。だが、私は貴様が内通者であり、賢者Dと共に勇者を抹殺しようとした首謀者の一人だと確信している。そしてさらに、魔王の椅子を狙う不届き者ということも、な」

四天王朱「……魔王様っ! 御覚悟っ!!」ブンッ
362 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:24:10.34 ID:cOw6DBAo

魔王「知っておろう? 私に刀剣、魔法は効かぬ」ギィンッ

四天王朱「ばかなっ! 弱り切った魔王にそんな力があるはずは!?」

魔王「ふ……私も舐められたものだな。なぁ朱よ、お前は前魔王の腹心でもあったな。私の強さはその身に染みておったのではないか? だからこそ前魔王亡きあと、私に忠誠を誓ったのではなかったか?」フゥ

四天王朱「おぉぉぉぉおおっ!! 倒龍斬っ!!!」ビュオッ

魔王「 『停止しろ』 」フォンッ

四天王朱「がっ!」ピキッ

魔王「愚か者めが……その程度で、その程度の力で魔王の座を欲するとほざくのか!?」ゴゥッ ビリビリビリ

四天王朱「くっ……」

魔王「貴様の愚かな計画が、勇者を犠牲にしたのだぞ! 私が、私が心から願った唯一を貴様が台無しにしたのだぞ!!」

四天王朱「こ……殺せ。全てを認めよう」

魔王「誰がそのような生ぬるい事をすると思っておる」ニヤリ

四天王朱「っ」ゾッ

魔王「案ずるな。ちゃんと殺してやる」ソッ

魔王「100年、かけてな」

四天王朱「!?」ピシッ

魔王「貴様はその姿のまま、100年かけてゆっくりと、ゆっくりと身体が崩壊していく。狂う事も許されず、自決すら許されぬ。魔王城の地下深く、誰も近寄らぬ前魔王がお気に入りだった拷問室で数多の亡霊共と仲良く暮らすがいい。メイドっ!」

メイド「ここにっ」シュタ

魔王「裏切り者を連れて行け。あぁ、そうだ」

メイド「はっ」

魔王「『丁重に』もてなせよ?」ニコリ

メイド「り、了解いたしましたっ!」ゾクッ
363 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:25:17.70 ID:cOw6DBAo

女「魔王ただいまー……ってどうしたの? 何かすっきりした顔してるけど」

魔王「なんでもない。やっと心の整理がついたのだ。心配をかけてすまなかった」ニコッ

女「魔王……よかった」ギュッ

魔王「お、おい、女っ!」

女「し、心配したんだからねっ! メイドさんと相談して、魔王が自決するんじゃないかとか、このまま衰弱していっちゃうんじゃいかとかっ!」ギューッ

魔王「……本当にすまない。もう大丈夫だ」ギュッ

女「よかった……本当によかったよぅ」メソメソ

魔王「おいおい、泣くやつがいるか……ん、それは?」

女「あ、そうそう。黄将軍さんが「魔王様へのお見舞いに」って。自分が行くと魔王様が気を遣われるから、私から魔王に届けてくれってさ」

魔王「黄らしい心遣いだ。薔薇の花束か。美しいな」

女「でしょー? 庭園はもっとすごいわよ。もうそこらじゅう薔薇とかいろんなお花だらけっ! ここは温暖な地域だからいつでも花が咲くんだね。そうだ、明日見にいこうよっ! 黄将軍さんや部下の人達喜ぶよ」

魔王「そうしよう。明日から忙しくなるぞ」

女「何かするの?」

魔王「朱が『急病』で四天王の座から退いてしまったからな。その後継者の選定もせねばいかんし、何より王都と再び話をせねばなるまい」

女「王都かぁ。復興がなかなかうまくいってないみたいだって空から見てきてくれた蒼将軍さんの部下の人が言ってたわ。人材もそうだけど、資材や資金が足りてないんじゃないかな」

魔王「だろうな。あれほどの街だ。復興には大量の資金と資材が必要だろうし、人材の確保も容易ではなかろう。だから、魔族からできるだけの援助をしようと思う。まずは王との会談を申し入れなければならん」テキパキ

女「うん、そうだね」ニコニコ

魔王「なんだ、何かおかしい事を言ったか?」

女「んーん。なんとなくわかった」

魔王「だから何がだ?」

女「勇者が魔王の事を好きになった理由」

魔王「!?」
364 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:26:05.33 ID:cOw6DBAo

女「あいつは、魔王のそういう行動的なところとかが好きになったんだろうなぁ。理知的で、冷静で、でもその裡にすごく熱い情熱を秘めていて……太陽みたいな、みんなを照らして道を切り拓いていく魔王の事が、好きなんだったんだと思う」

魔王「女……」

女「あ、でも私が勇者の事を好きっていうのも、譲らないっていうのも本当だよ? でもさ、見てたらわかるじゃない? 勇者はいっつも魔王の事を気にしてて、魔王ばっかり見てた」

魔王「……」

女「ずぅっと一緒だったのに、振り向いてもらえないのはすごく辛かった。実はね、勇者がいなくなって、すっごく悲しかったんだけど、心のどこかでは「これでもうやきもきしなくて済むんだ」って思ってる自分がいたの。……あはは、私、すごいヤな奴だよね。ごめんね、魔王。私、魔王に勇者を取られないって、勇者がいなくなって魔王一人のモノには永久にならないってわかってすごく安心してたの。そんな思いを持ったまま魔王を慰めてたんだよ。最低な奴だよ、私」ポロポロ

魔王「……良いいんだ。全部良いんだ。女の気持ち全ては私にはわからぬ。千里眼珠で勇者の小さい頃から見ていたが、私はずっと勇者に触れる事は叶わなかった。女はずっと勇者の傍で笑い、泣き、怒ってきたのであろう。それだけ勇者が好きで、大切だったのであろう。その想い人の心が他の者に向いているというのは心が引き裂かれる思いであったのであろうな」ギュッ

女「魔王……ごめんね、ごめんね」シクシク

魔王「私こそ、色々とすまない」ギュッ

女「すぐに、すぐに泣きやむから、少しだけ泣かせて……」キュッ

魔王「いくらでも泣け。私はお前の親友だ。お前の辛い事も嬉しい事も、これからは共有しよう」

女「……うわぁぁぁぁんっ! 勇者、勇者ぁぁぁぁぁぁっ!!!」ポロポロポロ

魔王「……」ナデナデ
365 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:27:03.88 ID:cOw6DBAo

― 魔王城 会議室 ―


魔王「朱将軍の後継に、女を据える」

女「はぁ!?」ビックリ

四天王碧「いきなり何をおっしゃるのですか!?」

魔王「朱将軍は我々を裏切り、敵たる賢者Dに魔族の子を売り渡し、あまつさえ我々の、いや、我々と人間達の希望たる勇者を謀殺した。その罪は万死でも償えぬ」

四天王黄「朱が……」

四天王碧「し、しかし、なぜ人間を!」

魔王「女は人間代表として私達と共に過ごす事となるし、私は女を全面的に信用もしている。それが理由だ」

四天王碧「ですが、人間の四天王など今まで例がありませぬ! それに、朱が受け持っていた戦時の担当指揮者と人型魔族全体の統括はどうされるのですか!?」

四天王蒼「戦時担当はメイドにやらせればよかろう。彼女なら適任であろうし、妥当な人選をするだろうからな。人型魔族に関しては魔王様が直轄すれば異論はあるまい」

四天王黄「まぁ、それなら別に構いませんね」

四天王碧「黄、お主は良いのか!? このような細っこい貧弱そうな者が四天王などと!」

女「悪かったわね……っていうか、なんで私なの? メイドさんが一番適任じゃないの?」

メイド「私は魔王様のメイドです。それ以外に興味なんてありません」プイッ

女「うわぁ、何そのトンデモ理論」

魔王「女、拝命してくれ。私にはお前の力が必要だ」シンケン

女「あー、もう。わかったわよ」ポリポリ

四天王碧「我は認めませぬ! このような者が四天王などと!!」

四天王黄「私は認めましょう。この子は、私が育てた花を綺麗だとおっしゃってくれた。美をわかる者は全てをわかる者の資格があります」

四天王碧「お前は本当に将軍か!? いつも花いじりばかりしよってからに!」ジダンダ
366 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:27:51.19 ID:cOw6DBAo

四天王蒼「ならば碧、この私が女殿の代わりとなってお前に決闘を申し込む」

四天王碧「なんだと!? 貴様、気でも狂ったか!?」

女「蒼将軍さん!?」

四天王蒼「いたって正常だ。我は女殿が魔王様にとってなくてはならぬ存在だと認める」

四天王黄「まぁ、それは確かに。女様がいなかったら魔王様の回復はずっと遅れていた可能性はありますな」オチャオイシイ

四天王蒼「どうだ、碧よ。女は確かにか弱い。お前の一撃で下手をすれば命にかかわってしまうだろう。だが、女は魔王様の心を支えてくれるのだ。それとて大事な事ではないのか?」

四天王碧「ぐぬぬぬぬ……」

女「碧将軍さん、蒼将軍さんが言うように、私はみなさんみたいに強くないです。でも、これからの事を、人間との共存を考えるのなら、人間の代表として魔王……様に意見が言える人物が必要ではないでしょうか?」

四天王碧「……やむをえん。お前の言ってる事は理解したし、うなずける。認めよう」

四天王黄「改めて言います。私は認めますよ」

四天王蒼「当然認める。女殿はこれからの我々にとって必要不可欠だ!」

魔王「蒼はなんでそんなに力んでいるのだ……? まぁよい。では、本日より女は四天王が一翼となる。その髪色にちなんで銀将軍と名乗るが良い」

女「えっと……拝命、します。これでいいのかな?」ケイレイ

メイド「ご立派ですわ♪」ニコニコ

魔王「まぁ、銀将軍は役職名みたいなものだから敢えて名乗る必要はないがな。私は今まで通り女と呼ぶ」

女「そっちのほうがありがたいわね……」

四天王黄「これからよろしくお願いしますよ。女様」

四天王碧「わ、我はまだ全てを認めたわけではないからなっ! ……だが、魔王様のご回復が早かった一因は確かにお前の功績だ。一応は仲間としては認めよう」シブシブ

四天王蒼「これからもよろしく頼む」ニカッ

女「よろしくお願いしますっ!」ペコリ

魔王「うむ、では次だ。王都への支援について話し合おう……」
367 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:29:05.05 ID:cOw6DBAo

― 王都 王の仮設宮殿 ―


騎士団長「王、魔王からの使いの者が来ております」

王「魔王からだと?」

騎士団長「以前私から報告させていただいた支援の事についてだそうです」

王「誠であったのか……すぐにお通ししろっ!」

騎士団長「はっ! 許可が出た。こちらへ……」

女「えっと、魔王に使える四天王が一翼、銀将軍の女、です」ペコリ

王「……へ?」ニンゲンダヨネ

騎士団長「いや、私もびっくりしましたがね。これが魔王からの書状です。間違いなく女殿を魔王の部下として認めると書いてありますし、印も魔王の物と違いありません」

女「私が一番びっくりしてるんですけどね」アハハ

王「そなたは確か……勇者と共に旅に出た女、であるな?」

女「はい。覚えてくださっていて光栄です。今は魔王……様の下に身を寄せていまして、まぁ色々あって銀将軍になってしまいました。それで、今回の任には人間の私が一番適任だろう、って言われて」

王「す、すまん、余の頭が追い付いていないようだ。整理するから少し待ってくれ。おい、茶を持て! 余のぶんは熱めで砂糖を少し大目に頼む!」

女「あはは……イチから説明しますよ。騎士団長さんも聞いてください」

騎士団長「頼む。俺も全く理解できていない」

王「……ふむ。そのような事が。勇者が戦死したとは、残念でならぬな……それに、魔王の申し出についても驚きの連続である」

女「はい。魔王……様は人間との共存を強く望んでおられます。それで、今回の件について、魔族より支援をしたい、と」

王「それはありがたいことこの上ないが、その、このような事を聞くのはどうかとは思うのだが、信用しても良いのか?」

女「私は信用していますよ、魔王の事。あー、様づけちょっと面倒なので割愛させていただきます。魔王がここを征服する気ならもうとっくにしてますよ。人造兵の被害からまだ立ち直ってすらいないんですから。今攻めれば簡単に攻め落とせるのに、それなのに資金援助ですよ?」

王「確かにそうだが……」

女「陛下がご心配なさるのは無理もないかと思います。ほんの少し前まで賢者Dの一団に言葉通り操られていたんですから」

王「心より恥じておる。民の事を思っての事だと考えていたが、あの時の余はどうにかしておった」
368 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:30:45.57 ID:cOw6DBAo

女「つきましては、2つ魔王からご提案があります」

王「提案?」

女「交換留学、というのはいかがでしょうか?」ニコッ

王「魔族を受け入れろ、というのか?」

女「あたりです。もちろん私ではなくて、本物の魔族を」

王「それは……」

女「ご心配は当然です。でも、今回派遣を予定しているのは四天王が一翼の黄将軍を筆頭にした亀甲族です」

騎士団長「聞いたことあるぞ。守りに優れたおだやかな種族らしいな」

女「もうね、穏やかすぎるくらい穏やかです。見た目は亀の化物みたいなんだけど、花とか木が大好きで、以外と指先も器用だったりするんですよ。長命な種族だから知識も豊富だし、建築技術も十分知っています」

王「ほう……人民が襲われたりしないか?」

女「人間が害を為そうとしない限りはないですね。亀甲族はそもそも戦争には反対のスタンスだったようです。ただ、魔族の中で生きていくには戦争時の役割分担は絶対なので、その守りの堅さを生かして最前線に配備されていますけど、本当は平和を一番望んでいる種族です」

騎士団長「どれくらいの数を受け入れれば良いのだ?」

女「手始めに黄将軍とそのご家族、親戚を合わせて15名くらいになると思います」

騎士団長「でかい建物を建てねばならんかな」

女「そこは心配ないです。亀甲族は眠る時は自分の甲羅に手足を引っ込めるだけですから、家という概念そのものを持っていません。ですので、眠る用の土地だけ貸与していただけますか? もちろん賃料はお支払いしますし、王都の外でも構わないそうです」

王「いや、賃料は不要だ。亀甲族の居場所と食事等、全て余が個人的に賄おう。魔族との交流の第一歩だ。わずかばかりでしかないが、余からの気持ちだ。それで、交換留学というからにはこちらからも誰か向かわせれば良いのか?」

女「んー、正直なところそこまでは考えてません。魔王が考えているのは、とりあえず魔族に慣れてもらいたいということです。あっちには私が居ますし、少し前まで勇者も居ました。ですから四天王やその副官さん達くらいまでは結構人に慣れ始めていてるんです。それに、街には結構頻繁に人間の商人さんが来て商売もしてるんですよ?」

王「なんと……商人というのは本当にたくましいな」ビックリ

騎士団長「確かに……」

女「ですので、人間側からの留学生はそちらで決めてくださって結構です。もし候補が決まったらしばらく黄将軍さん達と暮らすか、行動を出来るだけ共にするようにして魔族の習慣を大雑把にでも教わると良いかもしれません」

王「多大なご助力感謝すると魔王殿に伝えてくれ。こちらでも書状をしたためよう」

女「ありがとうございます。これで第一歩が踏み出せました」ニコリ

王「礼を言わねばならぬのはこちらだ。我々を助けてくれた上にこのような知らせまで」
369 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:31:45.82 ID:cOw6DBAo

女「次に、2つ目の提案ですが、陛下と魔王との直接会談を望んでいます」

王「うむ。余もそれは考えておった。和平交渉、いや、共存の為の話し合いをしなくてはなるまい。高官級の話し合いも必要であろうから、至急人を集めよう。余はいつでも直接会談ができるよう、準備を整えておかねばな。この件についても書状にしたためておくとしよう」カキカキ

女「ありがとうございます。……えっと、それで、ですね。これは個人的なお願いなのですけど」

王「どうした? 言ってみよ」

女「勇者が住んでた家なんですけど、中に置いてたいろんな物って今どうなってますか?」

騎士団長「あぁ、居住区も被害は大きかったが勇者が住んでいたエリアは奇跡的に無事だ。周囲の住人は勇者の加護があったと喜んでいるぞ」

女「あはは……」

騎士団長「現金なものだと思ってやらんでくれ。我が身を守るのに精いっぱいなのだ」

女「もちろんわかっています。私とて神に使える身です。それで、出来れば勇者の私物を何点か持ちかえりたいんですけど、駄目でしょうか?」

騎士団長「復興に際して都市整備をするためにあの一帯も取り壊す事となったので、部屋の中にあったものは全てこちらで厳重に保管させてもらっているが、他ならぬ女殿の頼みだ。必要なものは持っていってくれ」

女「ありがとうございますっ!」ペコリ

騎士団長「あとでご案内しよう。そういえば、教会の教義的に魔王に仕えるのっていうのはどうなんだ?」

女「禁じてはいませんよ。邪なる物に身を寄せる事はならないっていう言葉はありますけど、魔王は邪じゃないです。むしろ純粋ですね」

騎士団長「ものは考えようとも言えるよな」

女「あはは。本当に大丈夫だと思いますよ。だって、神はみんなに平等なんです。人間にも、魔族にも。きっと平等なんですよ」ニコッ

王「……惜しい人材を魔族に渡してしまったかな」

騎士団長「心中お察しします」
370 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 17:36:36.31 ID:cOw6DBAo

以上が本日の投下分となります。

少し短いかと思いますが、十分な書き溜めができておりませんでした。伏してお詫びいたします。

>>349
本当に皆様の暖かいご支援に感謝しております。皆様に足を向けて寝る事ができませんが、そうしてしまうと倒立しながら寝なくてはいけなくなってしまうのでご容赦ください。

明日もこのくらいの時間になるかと思われますが、きちんと更新をできるよう鋭意努力をいたしますので、「早くしろよこのヘタレめ」等お好きな罵倒をしつつお待ちいただければ、と思っております。
それでは、また明日お会いできることを心待ちにしつつ、本日は終了とさせていただきます。
371 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 17:39:03.63 ID:PHXGhgDO
ふざけんなこのヘタレ!
いつになったら魔王×女をするんだよ!
早く勇者を復活させろ!
でないと魔王×女×メイドでよからぬ妄想すんぞ!
372 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 17:51:55.85 ID:UiPMU3co
倒立で寝るとか天界人の
俺に対する挑発だろヘタレ
よく寝て早く治せよなほんと
373 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 18:26:05.35 ID:cOw6DBAo

よくよく見直したら今日の投下予定文章がもうちょっとあった事に気づきました。なにやってるんだろう……

っとはいえ、「今日の分は終わりっ」とか言いながら今から改めて投下というのもどうかとは思いますが、量も少ないのでぱぱっと投下してしまいます。一度言った事を翻すのは本意ではありませんが、ヘタレらしいミスだと笑ってくださいませ。
374 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 18:27:13.59 ID:cOw6DBAo

― 魔王城 中庭 ―


バサッバサッ

四天王蒼「女殿、到着したぞ」

女「ありがとうございました。ごめんなさい、移動を全部蒼将軍さんに頼りっきりにしちゃって」

四天王蒼「何を言うか。我で役に立てるのであればいつでも言ってくれれば良い」

魔王「ご苦労だった。して、どうだった?」

四天王蒼「魔王様、ただいま戻りました」サッ

女「うん、全部うまくいった。これ、王様からの書状」スッ

魔王「ん……ふむ、問題はなさそうだな。黄には私から伝えておこうか。蒼よ、すまないな、長距離移動はお前達の一族に頼りっきりになってしまっている。もうすぐ魔族賢者が転移杖の調整を終えるはずだからそれまではがんばってくれ」

四天王蒼「いえ、魔族の為ですから喜ばしい限りです」

メイド「お茶のご用意ができました。女様も蒼将軍もいかがですか?」

女「いただきます」

四天王蒼「かたじけない」

魔王「王との会談は週明けにでも設定しようか。善は急げとも言うからな」

女「私もそれで良いと思うわ。王も魔族と講和して一刻でも早く王都を元通りにしたいみたい」

メイド「黄将軍の一族の建築技術の見せ場になりますね」ニコニコ

魔王「そうだな。黄の一族であれば巧くやってくれるだろう。人間にも興味を示していたし、な」

四天王碧「こちらにおられましたか」

女「あ、碧将軍さん。ご一緒にお茶いかがですか?」

四天王碧「う、うむ、しかし今は遠慮しよう。少しばかり気になる話があります」

魔王「どうした?」

四天王碧「私の手の者で、人間の街に出入りしているのが居るのですが、どうも西の街周辺で神隠しが起こっているようです」

魔王「なんだと……?」

女「それってもしかして……」
375 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 18:27:53.13 ID:cOw6DBAo

四天王碧「はっきりとした情報ではないので魔王様にお知らせするかどうか迷いましたが、事が事だけに」

魔王「よく知らせてくれた。メイド、魔族全体に被害がないか調べてくれ。子供も大人も関わらず全体調査を行う」

メイド「はっ」シュッ

女「確か人間だけで人造兵を造れるようにはなってるわよね?」

魔王「そうだな。だが、人と魔族との融合を果たしてこそその真価が発揮されるから人同士での作成ではパワーもスピードも格段に落ちるようだ」

四天王碧「国境線の警備強化は既に指示してあります」

魔王「ご苦労。碧は仕事が早くて助かるぞ」ニコリ

四天王碧「ありがたきお言葉」

四天王蒼「では、我々も空から異常がないか巡回を強化させましょう。中座して申し訳ないが、これにて失礼する」

魔王「頼むぞ、蒼。女、執務室に戻ろう。各地から上がってきている報告書を改めてチェックする」

女「了解」
376 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 18:29:44.31 ID:cOw6DBAo

― 魔王城 執務室 ―


女「王様っていうのはどこでも書類まみれになる運命なのねぇ」

魔王「人間の王もそうなのか?」

女「この前行った時なんてもう書類だらけ。陛下も苦笑いなさってたわ」

魔王「ふふふ。やむをえんさ。あぁ、そうだ。女が持ちかえってくれた勇者の私物だが、ありがたく受け取っておくぞ」

女「うん。あんまりおっきなのは持ってこれなかったから小物ばっかりだけど、全部勇者が大切に保管してた物ばっかりだよ」

魔王「全て非常に興味深い。さすがは勇者としか言いようのない物ばかりだった。暇をみて一つ一つ解析しているが、素晴らしい魔法技術が詰まっていたり、驚くような仕組みで動く物もあった」

女「思い出の品というか形見分けみたいな気持で渡したんだけど、魔王らしいアグレッシブさだね」

魔王「もちろん大切にしているぞ。だがな、勇者が遺してくれたものだ。全て活用できなければ意味がないと思わないか?」

女「うん、そうだね。私も何点か持ってるから今度見せてあげるね」

魔王「楽しみにしているぞ……っと見つけた。これだ」

女「えっと、人型魔族数人が……出走? 違うわね、えーっと」

魔王「魔族の文字がかなりわかるようになってきたようだな。人型魔族が数人国境線を抜けたという報告書だ」

女「連れ去られたのかな?」

魔王「いや、この書類を見る限りだと人間の商人と共に人間の街に商いをしにいっただけのようだな」

女「じゃあ、魔族には被害はないのかな?」

魔王「一概にそうとは言い切れんがな。魔族の大半は人間の世界と関わらないが、一部の好奇心旺盛な者は人間の街に旅に出たりもするし、その全てをチェックはできぬ。私が即位したときに魔族の全体調査を行ったが、完璧とは言えない出来だった」

女「じゃあ、場合によっては……?」

魔王「賢者Dが何らかの方法で生きている、あるいは禁呪を引き継いだ者が居るという可能性はありえる」

女「……」

魔王「なに、心配するな。いざとなればこちらから討って出る。魔族の基本は攻めの姿勢なのだ」

女「うん……」

魔王「大丈夫だ。万が一の可能性を考えているだけだ。そんなに気に病むな」

?「失礼いたします」ゴンゴン
377 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 18:32:02.47 ID:cOw6DBAo

魔王「誰だ?」

?「魔族賢者です。転移杖の調整が終了しましたので、ご報告にあがりました」

魔王「本当か? 入れ」

魔族賢者「お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした」ペコリ

魔王「いや、よくやってくれた」

女「魔族賢者さん、すごくがんばってたよね。難しい顔して歩き回ってたの、何回も見たよ」

魔族賢者「あ、いや、すみません……一度考え込んでしまうとそのまま嵌まり込んでしまう性格で……」

魔王「気にするな。皆は良くしてくれているか?」

魔族賢者「はい。人型魔族の術師のみなさんを中心として協力してくださっていますので」

魔王「それは良かった。メイドとは話はできたのか?」

魔族賢者「いえ、その……私は姉に向ける顔がありませんので……」

女「どうして?」

魔族賢者「ご存知の通り、前魔王の時代に私は魔族を裏切って賢者になる道を選びました。そのせいで姉が被った中傷や無理難題を考えれば……」

女「魔王、メイドさんにはそんなに酷い扱いがあったの?」

魔王「そうらしい。メイドが暗殺者になる道を選んだのも、前魔王の怒りを抑えるためだという噂も聞いている。あやつはその辺りの事は言いたがらないが、過去の記録等を調べてみると、そのように記述された部分はあったが、混乱していた時期でもあるから正確なのかどうかはわからぬ」

魔族賢者「やっぱりそうだったんですか……姉は厳しいけど戦いを好む性格ではなかったのですが、私のせいで……」

メイド「何を言ってるんですか貴方は」

魔王「メイド、来てたのか」

メイド「休憩に、とお茶をお持ちしたのですが、弟が入るのを見て少し様子を見させていただきました。申し訳ございません」

魔王「良い。メイド、一つだけ教えてくれ。お前は、弟たる魔族賢者を恨んでいるのか?」

魔族賢者「……」

メイド「いえ、これっぽっちも」キッパリ

魔族賢者「でも、僕のせいで姉さんはっ!」

メイド「何を言ってるのですかこの愚弟は。私がこの道に入ったのは貴方が原因ではありません。私が自ら選んだ道です」
378 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 18:33:03.66 ID:cOw6DBAo

魔族賢者「姉さんは争いを好まなかったじゃないかっ!」

メイド「はぁ、本当に貴方は愚かですね。昔と全然変わりません。本当に賢者なのですか? 馬鹿は死ななくては治らないのでしょうか」バッサリ

女「見事だわ。弟の人権を全く無視した罵り……」

魔王「すまん、それを見事だと言う女が理解できん」

女「弟を持つ姉なんて基本的にこんなもんよ? あと、魔族賢者さんって身内の前だと一人称が僕になるのね。ちょっとかわいい」

メイド「私は確かに争いを好みません。それは今でも変わっていませんよ。しかし、あの頃は四六時中どこかで争いが起きていました。それは貴方も覚えているでしょう?」

魔族賢者「覚えてる。忘れるわけないだろ!」

メイド「だから私は自分の身を守れるように、そして貴方の身も守れるように、暗殺者になると決めたのです」

魔族賢者「……」

メイド「偶然にも貴方はその後賢者となるべく魔族から去りましたが、私はその判断を攻める気は微塵もありませんよ。むしろ誇らしく思っていました」ニコリ

魔族賢者「姉さん……」

メイド「今では立派な賢者となってここに戻ってきているでしょう? よく帰ってきました。ずっと言ってませんでしたが、おかえりなさい、弟」

魔族賢者「ただ……いま。姉さん。ごめんなさい、そしてありがとう」ポロポロ

メイド「あらあら、男の子が泣くものではありませんよ。魔王様や女様も見ておいでです」

魔族賢者「も、申し訳ございません」

魔王「いや、良いものを見せていただいた。美しき姉弟愛だ」

女「魔族賢者さん、家族っていうのは無償の愛で成り立ってるんですよ? だからいつまでも気に病んでちゃだめです。ね、メイドさん?」

メイド「そうですね」ニコニコ

メイド「……でも、私に何の断りもなく出て行ったのはすこーしだけ気分が悪いんですけどね」ニコニコ

魔族賢者「ひぃっ!? ごごごごごごめんなさいっ!」ガタガタ

メイド「そのお話は後で二人で『じっくり』いたしましょう。魔王様にご報告があるのでしょう?」
379 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 18:33:57.54 ID:cOw6DBAo

魔族賢者「は、はいっ! 魔王様、こちらが転移杖です」スッ

魔王「見た感じ、普通の宝玉付の杖と変わらぬな」

魔族賢者「はい。ただ、この杖は宝玉のみならず、杖の本体にまで術式が刻み込まれております。魔力を注ぎ、転移座標をイメージすれば術式が発動しますが、一日に2回の転移が限界となります」

魔王「2回か、十分な回数かな?」

女「そうね。勇者の転移呪は魔力の問題で1日1回か、多くても2回が限界だったから、十分かも」

魔族賢者「それ以上の酷使は杖が魔力に耐え切れなくなり、折れてしまいますので、ご注意ください。魔力もかなり消費いたしますので、一人で連続使用するのはやめておいた方が良いかと思われます」

魔王「私でも、か?」

魔族賢者「はい。解析の結果わかった事なのですが、転移呪は一度につき術者が保有する魔力の5分の2をきっちり消費する魔法でした」

魔王「なるほど。魔力の総量に対して消費する魔力が変わってくるということか」

魔族賢者「はい。今後改良していく予定ではありますが、今の所は……」

魔王「いや、よくやってくれた。この杖のお陰で蒼の一族の負担がいくらかでも軽減する」

女「私が王都との往復にいつもお願いしちゃってるからね」

魔王「それだけではないぞ。私が魔族領各地に赴く際も毎回乗せてもらっているからな。実はかなり申し訳ないと思っていたのだ」

女「蒼将軍さんは魔王の役に立てるのが一番の幸せみたいだから毎回その杖を使うのはやめておいたほうがいいんじゃない?」

メイド「あら、蒼将軍は女様を乗せるのも楽しんでおられるようですよ」ニコニコ
女「そうなの?」
メイド「女様を乗せる前は川で部下の方と一緒に念入りに身体を洗っておいでですわ。魔王様の時と同じですよ」

女「いつも綺麗だなーって思ってたけど、そこまでして下さってたのね……別にいいのに」

魔王「魔族賢者、この度の功績に対し、お主を魔族軍参謀の役職を与える」

魔族賢者「そ、そんなっ! 私のような者にそのような高い役職、務まりません……」

メイド「貴方は自分を卑下する傾向があります。魔王様が認めて下さっているのです。胸を張りなさい」

魔族賢者「は、はい……わかりました。拝命いたします」スッ

魔王「参謀とはいえ、お主は今まで通りに研究に注力してくれれば良い。参謀の役職があれば予算を割り当てる事も可能だし、人員を好きなように使えるであろう」

魔族賢者「ありがたき幸せでございます」

メイド「予算が使えるからってむちゃくちゃ使ってはいけませんよ」

魔族賢者「わ、わかっています。賢者の街でもきちんと予算内で研究をしていました!」
380 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 18:37:06.28 ID:cOw6DBAo

女「あはは。あ、じゃあ、早速使ってみてもいい? ちょっと王都で買い物してきたいんだけど」

魔族賢者「はい。長距離テストも終了していますので大丈夫です」

魔王「私も同行してもいいかな?」

女「王様といきなり会談するの?」

魔王「そこまで不躾ではない。この目で王都の様子を見てみたいし、数多くの商人が入っていると聞いている。西の街の情報も集めたい」

メイド「そうですわね。ついでにお買いもの等をして息抜きをするにはちょうど良いかと思います。私はその間に城の大掃除をしておきますね」

魔王「メイドも行くのだぞ」

メイド「よろしいのですか? 女様がおられれば問題ないのではないでしょうか?」キョトン

魔王「何を言っている。お前が来なければ私は何もできんではないか。それに、私の護衛の任はお前の仕事であろう」トウゼン

女「そうだよ。メイドさんも一緒だよ」ニコッ

メイド「私ったら早とちりを……ありがとうございますっ! すぐにご用意を整えます」トトト

魔族賢者「これからも姉をよろしくお願いします」ペコリ

魔王「よろしくしてもらうのはこっちだ。お主の姉にはいつも世話になりっぱなしだからな」

女「私もかなりお世話になってます。良くできたお姉さんだね」

魔族賢者「はい。自慢の姉です」ニコ


― 魔王城 執務室の外 ―

メイド「……まったく、愚弟の癖に。よくできた愚弟だこと♪」テクテクテク
381 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/02(木) 18:39:04.44 ID:cOw6DBAo

改めまして、以上となります。ややこしい事をしてしまってすみませんでした。(土下座)

それでは今度こそ、本日の投下を終了させていただきます。皆様、今日も一日お疲れ様でした。
382 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 19:25:48.45 ID:ycmsnEAO
おもろいぞヘタレ!
383 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 19:33:25.20 ID:AJUjv.c0
このヘタレになら掘られてもいい
384 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 19:33:46.66 ID:fXALUjoo
この野郎、面白いじゃねぇか
385 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 22:32:10.50 ID:BdUOK7Mo
面白くて生きているのが辛い

責任取るんだヘタれが!!!
386 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 22:44:03.50 ID:YJ3mymgo
387 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 00:14:45.59 ID:/wJVaQDO
乙です。
発色する様な文に感服です。
388 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 01:40:39.29 ID:d0sOTn2o
乙ぅ。メイドかわいいよメイド。裏切り者がメイドかと少し心配したぜ
女も頑張れ、勇者は魔王好きだけど、女も好きだろ
389 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 02:19:43.29 ID:egtUjiE0
おいおい
もっと面白いかと思ったのに
しょぼい台詞ばっかでつまらん
ロリコンにはあまり得はないし、もっと小さい女の子出せや
いろいろたりてないとこもあるし
よるの濡れ場も期待してたのにorz
へただし
タルタルソースがかわいそう
レンコン
390 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 02:24:02.79 ID:D2GCNe6o
>>389
最後まで頑張れよww
391 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 02:30:06.23 ID:rjxNP8Mo



392 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 04:44:24.87 ID:Bwn6Y.SO






393 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 08:16:53.33 ID:eO.Zu2SO
ヘタレ=魔族賢者
これは譲れん

とにかくさっさと風邪治して書き溜めろ
394 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 13:32:19.37 ID:zoz3afEo
みなさまこんにちは。
変わらぬご支援と罵倒のお言葉、いつもいつも本当にありがとうございます。(土下座)
おかげさまで風邪も治り、平常運転となっております。ご心配をお掛けしてしまい、申し訳ございませんでした。(土下寝)

本日の更新予定ですが、今から書き溜めとなりますので、17時〜18時くらいには投下をスタートできるかと思われます。

>>387
>発光するような文
きっとドス黒く発光してるんだと思います……今までいただいた事のないお褒めの言葉に387様の語彙の豊かさに感服しました。

>>388
>裏切り者がメイドかと少し心配したぜ
当初そのようなお話にしようかと思っていたのですが、あまりにも捻りがなかったのと、予想以上にメイドというキャラが動かしやすかったのでこのようになりました。

>>393
>ヘタレ=魔族賢者
やはりそのあたりはノーコメントとさせていただいてよろしいでしょうか……

皆様のご支援の中からレスさせていただきたかった書き込みのみ、勝手にお返事させていただきました。「だからそんなことしなくていから早く書き溜めろこのヘタレ。だからお前はヘタレなんだこのヘタレ」と罵られてしまいそうですので書き溜めに入ります。
ちなみに絶賛仕事中ですが、今日はかなり暇で周囲ものんべんだらりといった空気が流れております。タマにはこういう日があっても良いですね。

それでは、金曜日の午後、目の前には待ちに待った週末。浮かれる心を抑えつつ、お仕事や家事、勉学に励んでおられますみなさまの一服の清涼剤となれば良いなぁっと思いつつ、書き溜めを開始いたします。
395 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 13:33:15.77 ID:zoz3afEo
うわぁ、ミスった。
>>387
発色するような文でしたね。失礼いたしました。
どちらにしても茶褐色とかそんな感じです。はい。生きててごめんなさい。
396 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/03(金) 14:20:38.97 ID:eO.Zu2SO
生きてて悪いと思うなら書き溜めろ

18時からじっくりと読むからな
覚悟しとけ
397 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 16:03:21.31 ID:ab3.h/Ao
ふん、ヘタレってみんなすぐに「生きててごめんなさい」っていうよな


また読みに来る
398 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 17:13:30.83 ID:wy9P7cAO
死ぬならさっさとこの話が完結させて80過ぎに老衰で安らかに死にやがれよ、ヘタレ

18時は偶然暇だから来てやんよ
399 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 17:59:58.59 ID:zoz3afEo

― 王都 旧スラム街の宿屋 ―


魔王「失礼する」

宿女将「泊まりかい、って魔王さんかね。久しいねぇ」

魔王「先日は大変世話になった」ペコリ

宿女将「よしてくれよ。充実したサービスがモットーなんだから当然さね。それで、今日はどうしたんだい?」

魔王「あぁ、今日から1週間程宿を頼みたい。それと、今まで何があったかを伝えようかと思ってな」

宿女将「あいよ。一泊……そうさね、お得意さん価格で1Gでいいよ」

女「やすっ! 決まった宿泊料ってないの?」

宿女将「私の気分次第なんだよ。荷物はあとで運んでおくからそこに置いときな。茶でも淹れようかね」

魔王「かたじけない」


宿女将「ほいっと。王宮ご用達の紅茶だよ」カチャ

女「なんでこんな高級品がここにあるのかしら……」

宿女将「まあ、ちょっとツテがね」ニヤニヤ

魔王「それで、勇者の事なのだが」

宿女将「知ってるよ。戦死だってね。惜しい奴を亡くしたよ」

メイド「失礼ですが、何故ご存知なのでしょうか? 勇者の訃報はまだ発表されていないはずですが」

宿女将「ツテがあるんだよ。気にするんじゃないよ」

魔王「王の母君であるから、だな」

女「そうなの!?」ビックリ

メイド「まぁ……」オドロイタ

宿女将「なんで知ってるんだい?」ギロ

魔王「伊達や酔狂で魔王をしているのではない。それくらいはすぐにわかる。前回は私も混乱していたのではっきりとわからなかったがな。王が賢者Dにそそのかされた時にいち早く王宮を抜け出してスラム街に入り、抵抗組織を作り上げたその手腕、噂に名高い女王陛下ならではではないかな?」

宿女将「よしとくれよ。あたしゃ今はただの安宿の女将さ」

魔王「このスラム街も市街として手が入るそうだな。王も正気に戻られたし、戻り時ではないのかな?」
400 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:01:09.18 ID:zoz3afEo

宿女将「もうあそこには戻る気はないんだけどねぇ。あの子が王位を継いでから安定した政(まつりごと)をしていたし、今回の事にしたって復旧に全力で取り組んでるっていう話はいろんな所から入ってくるよ」

女「でも、陛下もご心配なさってるのでは?」

宿女将「あたしを探せっていうお触れは出してるみたいだけどね。」

メイド「でしたら戻るべきなのでは?」

宿女将「なんつーか、気楽だろ? このほうが」ニヤリ

魔王「ふふふ、違いない」クスクス

宿女将「気が向いたら帰るさ。幸い、王宮には私の茶呑み友達もまだたくさんいるしね」

魔王「週明けに王と会談をする事になった。もしよければ参加していただきたいのだが」

宿女将「ほぅ、良い世の中になりそうだね。しょうがない。少しばかり『気を向かせる』かね。ってことは、会談を挟んでしばらくはこっちに逗留なのかい?」

魔王「そのつもりだ。それと、一つ頼みたい事もある」

宿女将「なんだい?」


宿女将「……なるほど。その話はまだあたしの所には来てないね。至急こちらでも調べさせるよ。西の街はここから距離がかなり離れてる分、自治都市に近い形態を採ってる。北の賢者の街のそれに近いから報告があがってくるまでに少しばかり時間がかかるのが難点さね」

魔王「かたじけない。我々でも調査はしているのだが、何分まだ人間の世界には疎くてな」

宿女将「なに、すぐに一緒に住めるようになるさ。その為に四天王の一人がこっちに来るんだろ? なぁ、銀将軍さん」

女「その呼び方はかなりやめて欲しいなぁ……」ポリポリ

宿女将「人間初の魔王直属の将軍だよ。胸張りゃいいんだよ! ……張る程の胸がないね」アラマァ

女「うわ、ひどっ!」

宿女将「ひゃっひゃっひゃ。冗談さね。さて、あんた達は今からどうするんだい?」

魔王「この街に来ている交易商人達から話を聞いて回ろうと思ってる」

女「ついでにお買い物もね♪」

メイド「かわいいお洋服があると良いですね〜」ニコニコ

宿女将「そうかい。じゃあ夕食の準備はしておこうかね。ゆっくり廻っておいで」

魔王「ありがとう。世話になる」
401 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:01:47.82 ID:zoz3afEo

― 王都 大通り ―


メイド「通りに面した商店などは仮店舗で営業なさっているのですね」

魔王「商魂逞しいな」

商人A「そこの美人さん達っ、美味しい果物はいかがかな? 西の街から運んできたんだよっ!」

魔王「ちょうど良い。そうだな、林檎をいただこう。ついでに西の街の話を聞きたいのだが、大丈夫かな?」

商人A「西の街かい? 俺が行ったのは先月のことだけど、相変わらず平和だったよ」

メイド「先月ですと、まだ何も起こってないのはうなずけますね」

魔王「最近西の街から来た者は知らないだろうか?」

商人A「うーん、ここがこの有様だからねぇ。たくさんの商人が色んな所から来てるからはっきりとは……おぉい、商人Bやい、ちょうど良かった。最近西の街から来た奴っているかな?」

商人B「あぁ、だったらあっちの角で露店開いてる奴がそうじゃねぇか? 今日こっちに着いたばっかりらしいよ」

魔王「かたじけない」

女「ありがとー♪」
402 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:02:29.55 ID:zoz3afEo

メイド「こちらのようですね」

商人C「いらっしゃい。西の街で造られたアクセサリーだよ。美人さんばっかりだねぇ。ここは一つ安くしちゃうよっ」

魔王「ほぅ、細工物か。銀製や鼈甲製、こっちは翡翠を嵌め込んでいるのか?」カワイイナ

メイド「よくできていますね」キラキラ

女「ほら、これなんかかわいくない?」

商人C「良くお似合いですよ」

魔王「あぁ、そうだ。本題を忘れていた。西の街の話を聞きたいのだが、良いか?」

商人C「構いませんぜ」

魔王「最近、神隠しが西の街で起こっているという話を聞いたことはないかな?」

商人C「うーん、そういや酒場でそんな話聞いた覚えがあるね。なんでも西の街から3日程離れた村の住人が丸ごといなくなったとか」

女「丸ごと!?」

商人C「あぁ。何事かって話されてたよ」

兵士「失礼、女殿とお見受けしますが」

女「あ、はい。何か?」

兵士「やはりそうでしたか。騎士団長が女様をお見かけしたら詰所に来ていただくようにと」

女「? わかりました」

魔王「来るのを言っていたのか?」

女「ううん。何も言ってないわよ」

メイド「どうしたのでしょうか」

兵士「お連れ様でしょうか? どうぞ女様とご一緒に」

魔王「話の途中ですまない。また後で聞かせていただくかもしれん」

女「あっ、これとこれ、お取り置きお願いっ! あとで絶対買いにくるからっ!」

商人C「あいよっ! しばらくここで商売するつもりだからいつでもおいで」
403 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:03:07.07 ID:zoz3afEo

― 王都 騎士団臨時詰所 ―


騎士団長「女! 来ていたか」

女「何かあったんですか?」

魔王「先日は世話になった」

騎士団長「魔王殿……これは失礼した。まさか魔王殿がご一緒とは露知らず、女殿がもしこちらに来ていれば、と思っていたのだが」

魔王「気にしないでくれ。後ほど王陛下にご挨拶に伺おうと思っていた。それで、何かあったのか?」

騎士団長「あぁ、実は西の街近くの村で……」

女「村の住民が丸ごと消えちゃったっていう話ですか?」

騎士団長「さすがだな。もう掴んでいたか」

女「今さっき交易商人さんから聞いたんです」

騎士団長「うむ。今朝方早馬が来てな。既に陛下はつい先ほどから軍議に入っておられる。魔王殿達も是非参加していただけないだろうか?」

魔王「そういう事であれば是非お願いしたい」

騎士団長「よかった。ではご案内しよう」
404 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:03:54.17 ID:zoz3afEo

― 王都 仮設王宮 会議場 ―


騎士団長「陛下、女殿がこの街に来ておられましたのでこちらにお連れいたしました」

王「なんと! それは何と奇遇な。是非来ていただけ」

騎士団長「それと、もうお二人、お連れの方が」

王「魔族の方なのか? 良い良い。ぜひ魔族の意見も伺いたい」

騎士団長「……仰天なさいませんように。魔王陛下、どうぞこちらへ!」

王「!?」

軍幹部「魔王陛下だと!?」ガタッ

魔王「突然申し訳ない」

王「そなたが……魔王殿か?」

魔王「いかにも。驚かせてしまって申し訳ない」

王「いや、こちらこそ失礼した。まさか妙齢の御仁だとは思ってもみなかった。銀将軍殿といい、これは嬉しい誤算だな」ニコニコ

魔王「ありがとうございます。王陛下も噂に違わぬ美丈夫でござます」ニコッ

王「はっはっは。実に嬉しい事を言って下さる。会談の申し込みについて手紙をしたためようかと思っておったのだが、どのように出せばわからかったので困り果てていたところだ」

魔王「それは失礼した。後ほど連絡方法等をお伝えしよう。それで、西の村の事について我々も調べているのですが、お話に参加させていただいてもよろしいだろうか?」

王「是非とも頼みたい。魔王殿は余の隣に。銀将軍殿と……」

メイド「メイドでございます。私は魔王様の身辺警護を主任務としておりますので、魔王様のお傍に」

王「承知した。では、銀将軍殿はそちらに」

女「銀将軍はやめてほしいんですけど……」ストン

参謀長「では、改めて早馬によってもたらされた西の村についてです。5日程前、旅の者から西の村に住んでいるはずの住人が全ていなくなっているとの報を受けました。西の街に駐留する我が軍の第48偵察部隊が急行したところ、事実村人の姿を確認する事ができませんでした」

王「一斉に蒸発したということだな?」

参謀長「そう考えるしかないかと思われます。原因は全くもって不明ですが、争った跡などが全くなく、民家では家事をしていた痕跡も残っていた為、何の前触れもなく住人全員が消失したと考えられます」
405 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:05:19.63 ID:zoz3afEo

魔王「ふむ……」

王「魔王殿、何かございますかな?」

魔王「あくまで一つの可能性として我々が考えている事なのですが」

王「?」

魔王「賢者D、あるいはその意思と禁呪を引き継いだ者による犯行ではないかと思っている」

王「なんと……」

魔王「賢者の街での出来事は女から伝えられていると思うが、賢者Dは魔族を加えずに複数の人間を犠牲にして人造兵を作る事に成功していた。当然、人造兵のスペックはかなり劣るものとなるが、大量生産が可能となったのは事実だ」

参謀長「だとしたら、由々しき事態です!」

魔王「そうだ。奴の目的は私の首を手土産に全ての生ける者の頂点に立ち、人間を含む我々が蓄え続けた知を我が物とすることだ。言い換えれば、我々全てを殺しつくし、その知のみを吸い上げようとしているのだ」

王「何と恐ろしい事を……」

魔王「我々は勇者という光を失った。これは非常に大きな損失だ。だが、我々は賢者Dの野望を阻止せねばならぬ。でなければ、我々魔族にも、人間にも、この先に待つのは暗い闇の結末となってしまう」

参謀長「た、確かに、それなら話の辻褄が合います。何らかの方法で村民を誘導すれば人造兵が一気に生産できることに」

魔王「うむ。だが生産するには広大な施設と人員が必要だ。まだ断定はできないが、仮に今回の一件が人造兵と絡んでいるとすれば、その協力者が居るということになる」

王「むぅ……」
406 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:06:11.05 ID:zoz3afEo

魔王「王陛下、我々は賢者の街に行ってみようと思う」

王「大賢者殿の智慧をお借りするのか?」

魔王「人造兵の製造はあの街の地下とここでのみ行われていた。王都での製造については賢者Dの手の者が賢者の街から来ていたから、考えられるのは賢者の街にまだ協力者がいるのかもしれない、ということだ」

王「確かにそうかもしれぬ……」

魔王「幸いにも我々には転移呪が使える。すぐに賢者の街へ行き、情報を集めてみようと思うのだが」

王「承知した。我々は引き続き西の街周辺の情報を探るよう手配しよう」

魔王「お願いする。では、慌しくなってしまったが、これにて失礼する」

王「魔王殿」

魔王「なにか?」

王「このような席となってしまったが、共に手を取り合い、巨悪を打ち倒せれば、と思っておる」スッ

魔王「もちろんだ。我々魔族は人間と争うつもりはない。共に生きていきたいと願っている」ギュッ

軍幹部A「ばんざーい! 陛下と魔王殿に栄光あれ!」

軍幹部B「人間と魔族に栄光あれ!」バンザーイ

女「え、こういうノリなの? えっと、ばんざーい?」

メイド「良かったです」ニコニコ
407 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:07:00.91 ID:zoz3afEo

― 賢者の街 入り口跳ね上げ橋上 ―


女「っと。到着〜」

魔王「女の転移呪は勇者のそれと比べて何か余計に調子が悪く……」ウップ

メイド「フラフラしますね〜」フラフラ

女「そうかなぁ? 魔王の転移呪だって似たようなものだったよ」プクリ

魔王「術者にはあまり影響がでないようだな。魔族賢者に伝えよう……」キモチワルイ

衛兵A「何奴!?」ザッ

魔王「突然すまない。大賢者殿はおられるだろうか? 魔王が尋ねて来たと伝えていただきたいのだが」

メイド「あと、お水いただけないでしょうか?」

女「むー」フフク

衛兵A「ま、魔王殿でしたか! 申し訳ございません。すぐにお取次ぎいたします。……正門衛兵より大賢者様。魔王殿がご来訪です」

衛兵B「どうぞ、水です」スッ

メイド「ありがとうございます」コクコク

魔王「かたじけない」コクコク

衛兵A「魔王殿、至急大賢者様の私室にご案内するよう仰せ遣いましたので、ご案内たします」

魔王「何かあったのか……?」
408 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:08:21.29 ID:zoz3afEo

― 賢者の街 大賢者の私室 ―


大賢者「おぉ、魔王殿。今しがた魔族賢者に連絡を取ったところだった」

魔王「何かあったのか?」

大賢者「うむ、賢者Dは生きておる」

魔王「何だと!?」

女「どういうことですか?」

大賢者「奴の研究施設を全て調査した結果、人造兵が安置されていた地下の広間から奴そっくりの人造兵が出てきたのじゃ」

魔王「まさか……奴は返魂の法まで解読していたというのか?」

大賢者「そう考えざるを得ない。実際に研究所から膨大な数の資料が出てきた。奴なりに手を加え、足りない理論を継ぎ足して完成させた可能性が高い」

女「返魂の法って?」

大賢者「死した後、その魂と精神のみを別の者の身体に移す失われた魔法の一つじゃ。移す肉体との相性が必要となるが、今回の場合、奴は事前に肉体を用意しておる」

女「魔族と同じになるって事ですか?」

大賢者「魔族のそれは返魂とはちと違うが似たようなものじゃな」

魔王「だとしたら、賢者Dは永遠に死ぬ事のない肉体を手に入れたという事ではないか! そのような事、断じてあり得ぬ!」

女「魔王、落ち着いて!」

魔王「でなければ、勇者の死は何だったのだ!? ただの犬死ではないか!」

大賢者「いや、そうとも限らぬ。話を最後まで聞け」

魔王「……どういうことだ」

大賢者「奴の残した資料によると、この法は1度しか使えぬらしい。原因をいくつか挙げておるが、魂を移す先が人造兵である事が原因だとしておる」

魔王「……人ではない人工的に生み出された歪なる存在に魂を容れる事で魂そのものが歪んでしまうということか」

大賢者「うむ。奴も保険としてこの術を使用しておったのだろうな。まさか本体が滅ぼされるなどとは思ってはおらなかったであろう」

魔王「しかし、疑問が残る。返魂の法を使ったのであれば、何故賢者Dのコピー体が残っている?」

大賢者「2つ造られていたと考えられる。普通の人造兵は広間に直立の状態で保存されていたが、残された奴のコピー体は厳重に保管されておった。そして、その保管されていた箱は2つあり、片方は中身がなかったのじゃ」

魔王「万が一の為に2体造っておき、魂が固着しやすい方を選んだという事か」
409 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:09:35.77 ID:zoz3afEo

大賢者「そう考えるのが妥当であろうな。残されたコピー体は私と残された賢者達が幾重にも封印を施した。万が一発見されても触れる事すら適わぬ」

魔王「……だとすれば、やはり西の村での一軒は賢者Dの仕業と考えるべきだな」

大賢者「何かあったのか?」

魔王「あぁ、実はこの事で来たのだが……」


大賢者「……なるほど。しかし、村人が一人残らず消失とは」

魔王「奴の仲間や近しい者はいないのか?」

大賢者「各賢者にはだいたい100名近い弟子や研究生がおる。その半数近くは先の戦闘で戦死したが、生き残った者の行方はわからぬ。戦闘後に調査をしたが影も形も残っておらなかった。賢者Dが死んだとなっては街に残る理由もなくなり、それぞれが四散したのだろうと思っておったが、甘すぎたようじゃ。儂の失態じゃ。すまん」

魔王「いや、あの時は誰もがそう思っただろう。私とて自失状態だったのだ。私にも責任はある」

女「こうしてる間にも他の街や村が襲われてる可能性があるんじゃないの?」

魔王「それはそうだが、全ての街や村に兵士を配備するには無理がある。それに奴の手口がわからぬ。何かしらの魔法で住民を集団催眠に掛けているのか、はたまた別の方法でおびきだしているのか、何もわからぬ限りは手出しができん」

女「そんなっ! じゃあ犠牲になる人がこれからも増えるって事!?」

魔王「……」ギリッ

大賢者「待て。奴の出身は確か西の街から10日程離れた今は廃村になってしまった場所だと聞いている。もしかしたら……」

魔王「魔王城に戻る! 大賢者殿、魔族賢者に連絡を取っていただけるか?」

大賢者「今すぐにでも可能じゃ」

魔王「すぐに緊急軍議を開くように伝えてもらいたい。私もすぐに戻る」

大賢者「承知した」

魔王「慌しくて申し訳ない。今日のところは」

大賢者「気にするな。この程度の助けしかできぬこの老いぼれを笑ってやってくれ」

魔王「何を言う。十分な支援だ。情報は戦略を立てる上で最も重要な役割だぞ」

大賢者「廃村の座標はわからぬが、大まかな場所であればわかる。地図を渡そう」

魔王「かたじけない。女、メイド、戻るぞっ!」
410 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:10:26.51 ID:zoz3afEo

― 魔王城 会議室 ―


魔王「ここが賢者Dが潜伏している可能性の最も高い場所だ。蒼、高速機動部隊に様子を見て来るように伝えろ」

四天王蒼「はっ!」

魔王「黄、碧は国境線を厳重に警戒。碧の部隊の中で身の軽い者を抽出し、偵察隊を組め。魔族領から50キロまでを厳重に警戒。通行者全てをチェックさせろ。黄の部隊は敵襲に備えて守りを固めるように通達」

四天王碧・黄「了解っ!」

魔王「黄、すまないな。王都でのんびりさせるはずが、こんな事になってしまって」

四天王黄「何をおっしゃるのですか。魔族を守る事も大事な事です。魔王様がお気になさる事ではありません」

魔王「ありがとう。女は明朝王都に飛び、王に今回の一件を包み隠さず伝えてくれ。その後は即座にこちらに戻るように」

女「わかったわ」

魔王「皆の者、抜かりなく全てを完璧にしろ! でなければ我々の運命が危ないぞ」

四天王「ははっ!」

魔族賢者「魔王様、私より一つ進言したいことが」

魔王「言ってみろ」

魔族賢者「伝令の効率化を図る為に魔力振動を使った念話装置を開発しました。これを使用していただければ、戦局を有利に運べるかと」

魔王「賢者の街で大賢者殿から預かった物と同じようなものか?」

魔族賢者「はい。数が用意できませんでしたので、四天王のみなさんとその副官、伝令兵が使うのが良いかと」

魔王「ご苦労。よくやってくれた」

魔族賢者「ありがたきお言葉」
411 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:11:29.92 ID:zoz3afEo

― 魔王城 執務室 ―


女「戻ったわよ」ゼェゼェ

魔王「ご苦労だった。すまないな、連続で転移呪を使わせてしまって」

女「あれ、ほんっっとうに疲れるわね。もう魔力ほとんど残ってないわ……」キュ〜

魔王「それで、王は何と?」

女「うん。西の街を中心に守りは固めてるみたい。私の話を聞いてすぐにでも廃村に兵を差し向けようとしてたけど、とりあえずは止めといた」

魔王「それが良かろう。まだ確定でもないし、下手に刺激を与えるのはまずい」

女「あと、大賢者様を王都に招聘したらしいわ。賢者の街もこの前の一件でかなり破壊されてたから、王都の守りを固めるのと、今後王都に専用の学術院を作ってそこで人材を育成したいみたい」

魔王「ふむ。それは良いかもしれんな。賢者の街は少しばかり遠すぎる。俗世を関わりを断って研究に没頭するのは確かに良案ではあるが、今回のような事を考えるとやはり王都に置くべきなのかもしれん」

女「うん。今はまだ大賢者様の返答待ちらしいけど、王様はかなり前向きみたい」

魔王「ふ、む……それに関しても我々からできる限りの支援はしよう」

四天王蒼「魔王様! 偵察隊が戻りました! 廃村にかなりの数の動きがあるようです」

魔王「そうか。詳しくは?」

四天王蒼「はっ。高高度からの偵察のみでしたので詳細は不明ですが、人間にしては大きすぎる生物がかなりの量存在しているようです」

魔王「人造兵か?」

四天王蒼「可能性は非常に高いかと。その大型生命体は動いておらず、周囲を人間が走り回っていたとの報告です」

魔王「ご苦労。偵察隊は十分に労ってやってくれ」

四天王蒼「ありがとうございます。すぐにでも急襲部隊を編成して攻撃する事ができますが……?」

魔王「いや、急襲部隊だけでどうにかできるような相手ではない。王都とも連携して一気に攻めるしかないであろうな」

女「もう一度王都に飛ぼうか?」

魔王「無理するな。それに転移杖の使用限界だ。今はまだ座して耐えるしかあるまい」

四天王碧「急報っ! 魔王様っ! 人造兵の一団が魔族領に向けて進攻中っ! その数約500っ!!」
412 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:12:20.15 ID:zoz3afEo

魔王「なんだと!? いつのまにそこまでの量を作り上げたのだ! 黄将軍に伝令! 境界線際で応戦する。碧、獣兵部隊はどれくらいで出れる!?」

四天王碧「いつでも臨戦態勢です!」

魔王「よし。碧の部隊は魔族領ギリギリで黄の部隊と合流。迎撃準備に入れ。蒼の部隊は偵察部隊と急襲部隊に分かれ、敵の進行方向を明確にし、開戦を待て」

四天王蒼・碧「はっ!」

魔王「私も出る!」

女「私も行く」

魔王「女はここで休め。魔力を使い果たしているであろう」

女「これくらいでメゲる私じゃないわ。それに、これがある」キラリ

魔王「指輪……?」

女「勇者の持ち物のひとつよ。私と一緒に旅をしてた時に南の国でもらった物なんだけど、こうすると……」キラン フォンッ

魔王「女に魔力が集まって……?」

女「魔力を回復できるの」ピシッ パラッ

女「一回こっきりなんだけど、これで私も役に立てるでしょ?」

魔王「……わかった。女は私と共に。メイドっ!」

メイド「はっ」シュタッ

魔王「朱の一族に伝令。後方支援隊と魔術部隊を編成し、蒼が指示する方面に向けて進行。黄・碧の部隊と合流し、迎撃体勢を整えさせろ」

メイド「承知いたしました」シュッ

魔王「魔族の力、見せ付けてやろうぞ!」
413 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:13:17.44 ID:zoz3afEo

― 魔族領西端 前線指令所 ―


蒼の一族副官『敵の一団は途中の村を壊滅させ、なおもこちらに進攻中。本隊接触予想時まであと1時間弱!』

魔王「全部隊、戦闘準備! 先陣部隊が来るぞ! 湿地帯よりこちらに入れるな! 伝令は何もなくても絶えず往復させろ! 情報を欠かすな!」

魔族兵「おぉーーーーーっ!!」

魔王「四天王は各持ち場で待機。前線が崩されるようならば出ろ!」

四天王蒼・黄・碧『了解っ!』

女「私は魔王の傍にくっついとけば良いのね?」

魔王「うむ。ここには重傷を受けた者が大量に運び込まれる。女はその者達の治癒を頼めるか?」

女「わかった。あれ、メイドさんは?」

魔王「あいつの全ての任務を一時解除して自由に動くように指示した。おそらく最前線で鬼神の如き戦いっぷりを見せ付けてくれるであろう」

女「魔王の護衛が主任務じゃないの?」

魔王「今回は私の護衛は不要だといいつけた。かなり渋っていたが、私とて魔王だ。敵の攻撃など当たる事もない」

女「そいえば勇者が魔王に攻撃がひとつも当たらなかったって凹んでたわね」

魔王「魔法障壁をアレンジしているのだがな。魔力の流れや力の流れを瞬時に計算して受け流すのだ」

女「そんな真似できません」

魔王「そうか? 練習すればできると思うが……」

蒼の一族偵察兵『急報っ! 急報っ! 敵最前線と我が軍が接触!』

魔王「少し予想より早かったな。皆の者、戦闘開始だ。雄叫びを上げいっ!!」

魔族兵「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」
414 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:14:00.00 ID:zoz3afEo

― 魔族領 最前線 ―


メイド「るんるんる〜ん♪」シュッ ヒュパッ

人造兵AB「グォォォォォォォォォッ!!」ジュォォォォォ

メイド「再生能力が高いですが、純人造兵に比べると遥かに劣ります。総員徹底的にすり潰してしまいなさいっ! 魔術師隊は集中放射! 一気に焼き尽くしなさいっ!」

朱一族兵「うぉぉぉぉぉっ!」ガキンッ キキンッ

メイド「目の前が人造兵だらけですわね。乱戦は私の狩猟場ですから、嬉しい限りですわ♪」ヒュンッ


四天王蒼「急襲部隊かかれーっ!」

急襲部隊「いけーっ!」ヒュッ

四天王蒼「空からの攻撃には手も足も出まいっ! 足止めさえすれば碧の部隊が片付けてくれる! 一撃離脱を厳守しろっ!」


四天王碧「我等獣族の真価を見せる時だ!! 物共かたっぱしから蹴散らせぃっ!」

獣兵部隊「やっちまぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」ウォォォォー

四天王碧「ここのところ戦いがなくてフラストレーションが溜まりまくってたからなっ! ここで一気に解消だぁぁっ!」


四天王黄「投石から仲間を守れ! 一部の敵は魔法も使うぞ! 我等亀甲族の堅牢さ、魔王様の為に生かすのだ!」

護衛部隊「ははっ! 投石如き屁でもない! 獣兵部隊は我等が後ろに! 投石の間隙を縫って出陣しませいっ!」
415 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:14:38.07 ID:zoz3afEo

― 魔族領西端 前線指令所 ―


蒼の一族副官『敵の足を止めました! 獣兵部隊がとりつき、本隊と接触!』

魔王「よし。このまま押し返せ!」

女「遠くから色んな声や戦う音が聞こえる……」ギュゥ

魔王「そうか。女は戦争は初めてか」

女「うん。勇者と一緒に戦うのは日常だったけど、規模のおっきい戦争っていうのは初めてだね。ごめん、少し驚いちゃった」フルフル

魔王「震えているではないか。心配するな。我等は魔族だ。負ける事などありはしない」ポン

女「うん……でも、何だか嫌な予感がするの」

魔王「嫌な予感?」

女「よくわかんないんだけど、すごい嫌な予感……」

魔王「ふむ、不吉だな。伝令兵、蒼の一族に指示。戦場を見渡し、異常がないか確認させろ!」


ズドォォォォォン!!!


魔王「遅かったかもしれん」

女「大魔法!?」

魔王「女、出るぞ!」

女「あ、待って!」
416 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:15:16.69 ID:zoz3afEo

― 魔族領 最前線 ―


メイド「っ……何ですの、今のは?」ケホッケホッ

朱の魔族兵「前方で火の大魔法が炸裂した模様ですっ!」

メイド「大魔法ですって? まさか、賢者Dが直接……?」

朱の魔族術師「重傷者多数っ! 指令所に運びますっ!」

メイド「お願いします。残った者は付いてきなさいっ!」ヒュッ

朱の魔族兵「はっ!」ダッ


四天王蒼「なんだあれは!?」

偵察兵「敵集団から大魔法が放たれたもようです!」

四天王蒼「急襲部隊、命捨てる覚悟で突っ込めっ!」

急襲部隊「おぉぉぉぉっ!!」ヒュッヒュッ


四天王碧「くぁーっ、何だ今のは!? 魔法か!?」

四天王黄「そのようですね。獣兵部隊の大半はは私の部下が守れましたが、2回目は厳しいかもしれませんな」

四天王碧「そこまででかい魔法なのかよ……てめぇらっ! 魔法を唱える暇なんざ与えるんじゃねぇっ! 攻めて攻めて攻めまくれぇっ!」

獣兵部隊「おうさっ!!」


魔王『四天王、メイド、前線に。私も出るっ!』

四天王蒼・碧・黄・メイド『ははっ!』ダッ
417 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:16:34.19 ID:zoz3afEo

― 人間領 人造兵の最前線 ―


魔王「吹き飛べぃっ!」ゴゥッ

人造兵CDEF「ゴァァァァァッ!!」ジュォッ

メイド「魔王様っ!」シュタッ

魔王「メイドか。大魔法を使った者の位置は推測できるか?」

メイド「蒼副官から知らせがありました。敵後方だそうです」

魔王「少しばかり遠いか。四天王を中心とした精鋭部隊で鋒矢陣形を組み、血路を開け! 一気に後方に攻め込むぞ! 開いた部分には獣兵部隊が取り付き、戦線を維持!」

四天王「はっ!」

魔王「女、私の傍から絶対離れるな!」

女「うんっ!」

魔王「業炎槍5連っ!!」ブォォォォッ ドォォォォン!!

魔王「行くぞぉっ!」

メイド「魔王様っ! 火球がっ!」

魔王「消えうせろっ」シュォッ

四天王碧「ずっとご無沙汰だったが、魔王様の強さはありゃ魔族の範疇にすら入らねぇな」ズドッ ガッ

四天王蒼「だからこそお仕えする価値があるというものだっ!」ザクッ ドスッ

女「神速呪っ! 高硬化っ! 増怪力っ! 魔抵抗っ!!」フォォォォンッ

四天王黄「支援魔法はありがたいところですねっ!」キンッ

メイド「うふふふふふふふふふふ♪」ザンッ ズシャッ ザクッ ドガッ

魔王「賢者Dっ! 居るのはわかっている! 覚悟しろぉっ!」ズドォォォンッ

?「お前が覚悟しろっ!!」ドドゥッ

魔王「っ!」フォンッ シュォッ

四天王黄「魔王様っ!」

魔王「問題ないっ! 黄、女を護れ! メイドっ、蒼っ、碧っ、範囲魔法が来るぞっ!」
418 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:18:14.17 ID:zoz3afEo

ドォォォンッ!!


四天王碧「あちっあちっ! 自慢の毛並みがっ!」

賢者D「ほほぅ、さすがは四天王。その程度のダメージしか与えられぬか」ヌゥッ

女「なにあれ……」

メイド「人でも、人造兵でもないですわ……禍々しい」

魔王「賢者Dよ、そのような肉塊のような姿に身を堕としてでも知を望むかっ!」ズォッ ドォォンッ

賢者D「ふはははははははは! この身体、素晴らしかろう! 進化だ! 進化するには五体など邪魔でしかない! この姿こそ真なる者の在り方なのだぁぁぁっ!」フォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォン

四天王碧「なんだあの火球の数っ!?」

四天王蒼「黄っ、女殿をっ!」


ドォォォォォンッ ジュゥジュゥジュゥ


女「……っ、黄将軍さんっ! 大丈夫!?」

四天王黄「なに、大丈夫ですよ……」ガクッ

女「ひどい……蒼さんっ、碧さんっ、メイドさんっ、魔王!」

魔王「一応は無事だ」ブスブスブス

メイド「暑いですわねぇ。左腕がこんがり日焼けしてしまいましたわ」ダラン

四天王蒼「この程度で……くたばるかぁっ!」ブスブス

四天王碧「ぐぉぉぉ、ちぃっと……効いた」コゲコゲ

魔王「精鋭部隊も半壊か」

賢者D「はぁーっ! はっはっは! 人造兵はまだまだ居るぞぅっ! 傷ついた貴様らなぞ、一網打尽だっ!」

人造兵「ギシャァァァァアァッ!」

女「っ……」
419 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:19:36.21 ID:zoz3afEo

精鋭部隊「魔王様っ! 我等がお守りいたしますので、一度後退をっ!」

魔王「ならんっ! 今こやつを斃さねばっ!」

メイド「魔王様っ、負傷者が多すぎますっ!」

賢者D「撤退か? そりゃそうだよなぁ、傷だらけの火傷だらけだもんなぁ。回復呪では間に合うまい?」ニチャリニチャリ

魔王「ぐっ、この人外めっ!」

賢者D「ほぉれ、追加だっ!!」フォンフォンフォンフォンフォンフォンフォン

四天王黄「女殿っ」グィッ ブンッ

女「きゃっ」ドサッ

ドドドドドッ

四天王蒼「がぁぁぁっ!」

四天王碧「うぉぉぉぉっ!」

四天王黄「ぐっ……」

メイド「きゃぁっ!」

魔王「ぐぅぅ……」

精鋭部隊「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!」

賢者D「女一人投げて範囲外にやったか。だがお前達は虫の息だっ! 一気に片付けてやるっ!」

女「【聖なるかな 聖なるかな 慈悲深き神よ、戦に傷つき者達に癒しの光をっ!】」フォォォォォォンッ

魔王「こ、これは……」

四天王蒼「傷が」

四天王黄「おぉ……」

四天王碧「こりゃいいや!」

精鋭部隊「なんだこれ……身体中から力が沸いてくる!」

メイド「大規模戦闘用回復呪ですの……?」

魔王「馬鹿者っ! そんなのを使えば、お前の魔力と体力がっ! 精鋭部隊っ、女を護れっ!」

賢者D「そんなものまで使えるのかぁっ! お前から片付けてくれるっ!」フォンフォンフォン
420 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:20:14.47 ID:zoz3afEo









女「ごめん、魔王、私、もうダメ……」フラッ









421 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:20:59.34 ID:zoz3afEo









魔王「女ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」









422 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:21:37.03 ID:zoz3afEo

?『……おいおっちゃんっ! これ、本当に言わないとだめなのかっ!?』

賢者D「ん?」ピタ

精鋭部隊「なんだこの声?」

?『だせぇっつってんだろうによっ! えぇ!? 言わなきゃ発動しない? あー、もうっ! わかったよわかりましたよ。やってやらぁっ!』

女「あれ、この声……」

魔王「そんな……」

?『は!? これもう聞こえてんの!? 何やってんだよっ! あー、もういいっ! いっくぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』キランッ

四天王蒼「上だっ!」

賢者D「おぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおっ!」フォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォン ドドドドドドドドドッ

?『すぅぱぁぁぁぁぁぁっ!!』ギンギンギンギンギンッ

?『ゆうしゃぁぁぁぁぁあっ!!!』ゴォォォォッ
423 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:22:21.31 ID:zoz3afEo




魔王「勇者っ!!!!」





勇者「大切断っ!!!!」


ズンッ ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!
424 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 18:27:23.21 ID:zoz3afEo


本日の投下は以上となります。量が少なめですが、キリが良いのでどうかご了承いただければ、と伏してお詫びいたします。
投下開始の書き込みをせずにいきなり投下を始めましたが、予告通り18:00:00を狙ってみたのですがものの見事にはずしました。ヘタレの証明が一つ一つ積み重なっていくようです。

明日は待ちに待った週末ですが、師走ということもあって買い物の予定などが目白押しになっております。書き溜めができるかどうか、そして投下ができるかどうか少々怪しいですが、可能な限り投下ができれば、と思っております。

それでは皆様、今日も一日お疲れ様でした。皆様にとって素敵な週末が訪れますよう、心よりお祈りしつつ、本日は終了とさせていただきます。
425 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 18:57:02.62 ID:YEol3wDO
ふざけんなこのヘタレ!
せめて次回予告しろ!
wktkが止まらねぇだろが!
見ろ!下半身が覚醒したではないか!!
426 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 19:15:47.83 ID:egtUjiE0
毎度毎度いいとこで切んなやヘタレ
無理して書き溜めて投下とかしなくていいからな!
暇な時に書いて、投下しやがれ!
427 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/03(金) 19:15:55.92 ID:zoz3afEo
>>425
即興な上に物語ぶち壊しますが、それでもよければ……雰囲気をこのまま継続したい、という方は読み飛ばしてください。



―次回予告―

魔王「魔王である」

女「女だよっ!」

魔王「なんで勇者が生きているのだ!?」

女「しかもすっごい派手だけどすっごいド間抜けな登場っ! 何あの技の名前っ!」アハハハハハ

魔王「その上何やら登場シーンで掛け合い漫才みたいなのを一人でしていたな」クックック

女「あー、ちょっと頭が○○になったのかと思ったねっ!」

魔王「次回、『魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない』」

女「『まぢで!? 勇者の出番これだけ!?』ですっ!」

魔王・女「みなさん、おたのしみにーっ♪」



……
…………
……………

魔王「なぁ、スベってないか?」

女「スベったと思ってるわよっ!」

魔王「それにしても長いタイトルだな。もうちょっとなんとかならんのか?」

女「略称は公募で♪ 採用者には魔王の○○なお姿とか?」

魔王「お断りします」

勇者「次回の副題につっこめよ!」


ヲハリ


副題とか考えれません。(土下座)
428 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 19:21:58.49 ID:YEol3wDO
本当に書くとは思わなかった
ヘタレじゃなかったんだな>>1

……なんだやっぱりヘタレかこのヘタレ!
429 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 19:30:18.12 ID:eO.Zu2SO
ヘタレはやはりヘタレだった

しかし>>425の無茶ぶりがヘタレを更にヘタレにした
430 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 19:56:20.15 ID:/wJVaQDO
乙です。
怒濤の展開と大量投下、お疲れさまです。
431 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 21:50:19.77 ID:ACsDQnIo
>>1
あんたなんかよりもボクの方がずぅ〜っとヘタレだもんねっ!
い〜っだ!
しらないんだからっ///
てすと
るびー
432 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/03(金) 22:40:37.51 ID:saTxAOco
やばい面白すぎる結婚して
433 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/03(金) 23:39:17.31 ID:j5egPuwo
展開良すぎ、普通に面白い、明日も頑張って下さい

と、でも言うと思ったかこのヘタレ



あ、嘘です、本音です
434 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/04(土) 00:52:02.73 ID:mtb0GjQo
罵り嘲りを望むとかヘタレ過ぎる

打たれ強過ぎるところもヘタレの証明だな

まったくこんなヘタレのために忙しい俺様の時間を使って読んでやるんだからありがたく思えよ
435 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 02:23:14.85 ID:ZF4RYoSO
>>431最後まで頑張れってwwwwww
436 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 08:02:29.60 ID:NZNrtzco
面白いぞヘタレ
437 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:33:05.17 ID:5Cxm1zUo
みなさまこんにちは。
いつもいつも暖かいご支援と凍てつく罵りのお言葉、本当にありがとうございます。感謝しきりです。

なんとか午前中の間に用事を済ませましたので、昨晩作りました書き溜め分を投下しようと思っております。かなり短いですが、一区切りまでついておりますので、ぱぱっとやってしまします。

ゆったりとした土曜日の昼下がり、昼食後の最も安らぐ一時を皆様と共に過ごせれば、と思っております。
本日も皆様にとって好(よ)き一日でありますように、心よりお祈り申し上げます。

注:今回の投下分は厨二病成分がございます。(今までもかなりありましたが) 「厨二成分とかいらねぇんだよこの屑」という罵りや「うは、厨二過ぎて読んでて笑えてくる!」という嘲笑を受ける覚悟ではございますが、お気を悪くなされませんよう、ご容赦願います。
438 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:34:29.17 ID:5Cxm1zUo

― 人間領 人造兵との激戦区 ―


勇者「ぺっぺっ、砂が口にっ!」ペッペッ

魔王「勇者……」

勇者「おう、魔王。どうしたんだよ、そんな泣きそうな顔して」

魔王「……」グスッ

勇者「うわ、お、おい、こんなトコで泣くなよ!?」

賢者D「ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!! 貴様、何故生きているっ!?」

勇者「久しぶりだなぁ、賢者D。ちょっと見ない内にえらくイケメンになってるじゃねぇか」

賢者D「ぐぉぉぉっ!」フォンフォンフォンフォンフォンッ!!!

勇者「はんっ! 遅いっ!」シュッ ザクゥッ

賢者D「ぎぃゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

勇者「さっきの一撃で人造兵はあらかた片付いちまったぜ。どうするんだよ? 賢者Dさん」
439 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:35:18.48 ID:5Cxm1zUo

賢者D「くそっ! くそっ!! このままで済むと思うなぁっ!!」ブォンッ

魔王「勇者っ!」

勇者「はんっ! ぬるいっ!」ビシッ

女「勇者……」

勇者「おう、女。あーあー、ボロボロじゃねぇか。お前は小ぎれいなのがウリなのによ」

女「う、うっさいわねぇ。でも、どうして!?」

勇者「その話はちと後だな。魔王っ! 一発でかいのぶちかませっ!」

魔王「わかった!」フォォンッ

勇者「詠唱時間くらいは稼ぐからよっ!」

女「か、加速呪っ! 硬化っ! 増力っ! 祝福っ!!」ハァッハァッ

勇者「女、もういいぞ。休んでろ。黄将軍、女を頼むっ! メイドさん、蒼将軍っ、碧将軍っ! いくぞぉっ!」

メイド「はいっ!」ブブォンッ

蒼将軍「わ、わかったっ!」ザッ

碧将軍「っかぁ、おいしいトコ取りかよっ!」ザッ
440 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:38:46.60 ID:5Cxm1zUo


魔王「【闇よ、深遠なる闇よ、その限りない虚無よ、我が力となれっ】」ゴォォォォン


勇者「疾風斬っ!!」ザッ

賢者D「ぐぉぉっ! これしきの傷、すぐに回復するわっ!!」シュウシュウ

メイド「回復量を上回るダメージを与えれば良いのでしょう?」ザザザザザンッ

賢者D「がぁぁっ! くそぉっ!」フォンフォンッ

蒼将軍「どうした、痛くて魔法が結唱しないか?」ザクッ

賢者D「ふざけるなぁぁぁあっ!」フォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンッ

碧将軍「そりゃぁ、こっちの台詞だあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ズドォォォォンッ



魔王「っ……ひ、【光よっ! 遍く照らし出す光よっ! その栄光なる輝きよ、我が力となれっ!】」コォォォォォォッ



賢者D「にににににに二重詠唱だとぅっ!? 馬鹿なっ! できるわけがない!!」

勇者「できんだよ。『アイツ』ならなっ!!」シュッ


勇者「【我が呼びかけに応えよっ! 黄金なる力よっ!】」


賢者D「!?」


勇者「【我との契約に従い、其が力を貸し与え賜えっ!】」フォォォォンッ
441 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:39:26.57 ID:5Cxm1zUo


勇者「魔王っ、いっくぞぉぉぉぉっ!」
魔王「うむっ!!」


魔王「【二色の奔流っ!!】」
勇者「【覇王の激流っ!!】」

ゴォォォォォォォォォォォォォッ!!!!

賢者D「ば、ば…か……なっ!!!!???」ジュォォォォォォォォォ
442 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:40:52.90 ID:5Cxm1zUo

勇者「ふぃぃぃ。終わったぁぁぁっ!!」

魔王「勇者っ」ギュッ

勇者「うぉっ、びっくりしたぁ……」

魔王「勇者っ! 勇者っ!」ギュゥゥゥゥ

女「勇者っ!」ギュッ

勇者「お前もかよ!?」

魔王・女「なんで生きてる(んだ!?)(のっ!?)」

勇者「あー、それにはちょいとばっかりワケがあってなぁ」

魔王「どういうワケだ。教えろ! お前がいなくなってどれだけ……っ」グスグス

女「そうよっ! 魔王も私も大変だったんだからねっ!」ポロポロ

勇者「んぁー、わかったわかった。とりあえず落ち着けって」

?『二股とかありえんのぅ、勇者。お前みたいなのは馬に蹴られて○んでしまへ』

魔王「?」

女「誰?」
四天王蒼「……おぉぉ……」

四天王碧「あ……お、おい……まじかよ」

四天王黄「これはこれは……」

メイド「……黄金、龍」


バサッバサッ


黄金龍「ふむ、知っとる者がいるようじゃな」

魔王「お、黄金龍……」

黄金龍「うむ。魔王よ、良い働きぶりじゃった」

魔王「め、滅相もございませんっ!」

勇者「そんなに緊張しなくてもいいんじゃねぇか?」
443 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:42:00.00 ID:5Cxm1zUo

魔王「何を言うかっ! 黄金龍こそ全ての生物の頂点に立つ唯一無二の存在! お前ももうちょっと敬意を……まさか……」

黄金龍「そのまさか、じゃ。あの時、賢者の街で勇者が焼かれた時、ワシがギリギリでこやつを救い上げたのじゃ」

勇者「かなり乱暴だったけどなっ!」

女「じゃあ、なんですぐに連れてきてくれなかったの?」

黄金龍「両腕、左足が燃えつきて、内臓までほどよく火が通りかけてたこいつをか? 戻したところで死ぬのが関の山ではないかな?」

勇者「まぁ、そういうことなんだよ。おっちゃんに助けられて、ついこの前まで動く事すらできなかったんだ。その後はひたすらリハビリと鍛錬ばっかりだったから連絡する事すらできなかった」

魔王「……生きていてくれてて、よかった」ギュッ

女「黄金龍様、ありがとうございます」

黄金龍「ふぉふぉふぉ。本来ならば手を出す事はせぬが、此度の件は運命の輪すら破壊しかねなかったのでな」

勇者「んで、ここで戦闘が始まったのをおっちゃんが教えてくれたから、運んで貰った」

黄金龍「ワシを顎で使う奴は初めてじゃよ……あとでちゃんと礼はしてもらうからな」

勇者「礼って何すりゃいいんだよ……」

魔王「やはり、貢物とかなのか?」
444 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:43:27.99 ID:5Cxm1zUo

黄金龍「かわいい女の子がえぇのぅ」

魔王・女「……」アゼン

勇者「だからこいつはこういう奴なんだってば……」

メイド「そういえば、以前勇者様がおっしゃっておられましたね」ビックリ

黄金龍「まぁ、冗談はさておき、じゃ。奴が逃げたぞ」ホレ

勇者「!?」

人造兵「……」ヒュッシュバッ

魔王「なっ! まだ生きていたのか!?」

黄金龍「核が残っておったようじゃな。勇者と魔王の同時攻撃を喰らって生き延びるとは、悪運の強い奴め……」

勇者「すぐに追うぞっ!」

黄金龍「待てぃ」グィッ

勇者「へぶっ!」ベシャッ

勇者「ななななにすんだよっ!」ヒリヒリ

黄金龍「今追ったところでお前も他の者達も体力はともかく、魔力も限界じゃろ。行き先はわかっておるのだ。人間と共に協力して討ち果たせ」

魔王「あ……」

黄金龍「それこそがお主達の使命ではないのかな?」バサッ

勇者「もう行くのか?」

黄金龍「疲れた。帰って寝る」バサッバサッ

勇者「緊張感ねぇなぁ……ったく。また会おうなーっ!」ブンブン

魔王「またお会いできればっ!」

女「またねー」

黄金龍『ふぉっふぉっふぉっ。お前達に後は任せるぞぃ』フッ
445 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:45:12.36 ID:5Cxm1zUo

― 魔王城 魔王(と勇者と女)の居室 ―


メイド「はい、お久しぶりです」ヒソヒソ

メイド「恒例の『朝イチ寝顔を拝見しちゃおう!』のコーナーです」ヒソヒソ

メイド「魔王様、勇者様、女様は昨晩どのようなアツい夜をお過ごしになったのでしょうかっ」ヒソヒソ

魔王「だから聞こえておる」ムクリ

メイド「おはようございます♪」シレッ

魔王「……まぁ良い」

メイド「予想していた様子とかなり違いますね」

魔王「何がだ?」キョトン

メイド「いえほら、魔王様が全裸だったりとかベッドの周りに使用済みの(自主規制)が大量に捨てられていたりとか……」

魔王「な、何を言っておるっ! そのような事しておらぬわっ」カァァッ

メイド「つまんない」プクリ

魔王「お前はというやつは……」ハァ

勇者「んぉ、おはよう、魔王、メイドさん」

魔王「うむ、おはよう。勇者」

メイド「おはようございます♪ 昨晩はお楽しみでしたか?」ニコニコ

勇者「真夜中まで色々と話したりくっつかれたりで大変だった……」

魔王「勇者が悪いのだぞっ! 生きていたなら生きていたで連絡のひとつくらい」プク

勇者「だからおっちゃんのトコって連絡手段ないんだよっ! 勘弁してくれよ……」

メイド「あらあら、女様も起こしましょうか?」

勇者「いや、まだ寝かせてやっておいてくれ。あれだけでかい魔法使ったんだ。あと半日くらいは休ませたほうが良いと思う」

メイド「戦争用の大規模回復呪なんて初めて見ました」

勇者「普通の戦闘じゃ使わないからなぁ。こいつも使ったのは初めてじゃないか?」ソッ ナデナデ

女「ゆうしゃぁ……」ニコニコ スースー
446 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:46:12.07 ID:5Cxm1zUo

魔王「己の命と引き換えにするとまで言われるくらい消耗するそうだからな。しかし、あれのお陰で我々が助かったのだ。女には感謝せねばなるまい」ギュッ

勇者「なんでくっつくかな……」

魔王「平等だっ!」ジー

勇者「あー、はいはい」ナデナデ

魔王「♪」ニコニコ

メイド「えっと、今からおっぱじめるのでしたら私は弟に映像記録道具を借りてきますけど?」

勇者「何をおっぱじめるの!?」

魔王「メイド、飛ばしすぎだ」

メイド「申し訳ございません。でも、魔王様も女様も本当に嬉しそうでしたので」ニコニコ

勇者「心配かけてすまなかったな」

メイド「勇者様を失ってからの魔王様ったら本当に見ていられなかったのですよ?」

魔王「う……」マッカ

勇者「でも、ちゃんと戻って来ただろ?」

魔王「うむ。満足だ」ニコニコ ギュー
447 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:47:07.15 ID:5Cxm1zUo

勇者「昨晩聞いたんだけど、魔族賢者がこっちに来てるんだって?」

メイド「はい。おかげさまで」

勇者「よかったな、メイドさん」

メイド「はい。ありがとうございます」ペコリ

メイド「それはそうと、蒼将軍から報告がきております」

魔王「聞こうか」ギュー

勇者「聞く体勢っていうのがあるだろうに……」

魔王「む、そうか? でもこうやって捕まえておかなければ勇者はまたどこかに行ってしまうかもしれぬからな」

勇者「いかねぇよ。もう、心配しなくていい」ナデナデ

魔王「……わかった。信じるからな?」ジー

勇者「あぁ、信じとけ」

魔王「しょうがない。執務室で聞こう。女には置手紙を残しておけば良かろう」

メイド「では、朝食も執務室にお持ちいたしますね」
448 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:48:15.77 ID:5Cxm1zUo

― 魔王城 執務室 ―


勇者「あー、美味しかった。やっぱりマトモな飯が一番だなっ」マンゾク

魔王「では、改めて聞こうか」

メイド「はい。蒼将軍配下の者が逃走した賢者Dと人造兵の一群を上空より追跡しておりますが、予想通り西の廃村に向かっているようです。現在は街道を避けて動いているようなので西の廃村に着くまでは今しばらく時間はかかるかと」

勇者「急がないとまたどこかの村や街が犠牲になるな」

魔王「そうだな。至急人間と連絡を取り、西の廃村に向かう手立てを組もう」

女「勇者っ!」バァンッ

勇者「なんだ!? 何かあったのか!?」

女「あーよかった。居た」ニコッ

勇者「お前なぁ……」

女「むー、いいじゃない。勇者がまたどっか行っちゃうのはもう勘弁してほしいわ」ギュ

魔王「む」ギュ

メイド「あらあら、両手に華ですね♪」ニコニコ

勇者「お前らもうちょっと雰囲気っつーのを……」

魔王「女、もう大丈夫なのか? あのような大魔法を使いおってからに、助かったのは礼をいくら重ねても言い足りないが、お前がその犠牲になってしまうなど、もってのほかだぞ」プンプン

女「ごめん。でも、あの時はそれしかなかったもん。みんなボロボロで、死にそうになってたんだから、私ができるのはあれしかなかった」

魔王「……今後はもう無理しないでくれ。勇者は当然だが、お前も私にとってかけがえのない親友なのだ」

女「わかった、気を付ける。でも、またあんな状況になったら私は迷わずにみんなを助けると思う」

魔王「はぁ……まぁ、それが女だものな」ニコッ

女「そういうこと」ニコッ

勇者「俺を挟んで会話をするなぁっ!」ブンブン

メイド「あらあら♪」ニコニコ
449 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:48:56.67 ID:5Cxm1zUo


魔王「さて、話を戻そう。午後にでもここに居る4人で王都に向かい、王にこの件を伝えなくてはならん」

勇者「ん、それで良いと思う」

女「でも、王都から兵って出せるのかな? 兵士の人達もかなり減ってたと思うけど」

魔王「西の都に駐留軍も居るだろうからな。そちらを動かすのではないかな」

勇者「攻守両方だからなぁ。こっちはどうするんだ?」

魔王「魔族軍は全軍の1/3を残す。仮に攻めて来るとしてもそれだけ残せば守りきれるであろう」

女「こっちから攻めるんだから、向こうはどうやっても攻撃に割り当てる量減るもんね」

魔王「そういうことだ。それに奴の狙いは私の首と勇者の首であろう。ならば西の廃村で決着を付ける気なのだと思う」

勇者「核からの回復にどれくらいかかると思う?」

魔王「さすがにあそこまで消耗してしまったら戻るまで2,3週間はかかろう。それに、回復する為に人造兵をかなりの量吸収せねばなるまい」

勇者「超回復なんだから勝手に回復するんじゃないのか?」

魔王「いや、人造兵にしても欠損部分が激しすぎると回復するためには他の人造兵を吸収せねば無理だ」

勇者「ふーん、万能ってワケじゃないんだな」

魔王「万能な者など黄金龍以外おらんよ」

メイド「では、私は王都に向かう準備をしてまいります」

魔王「頼む。あと、王都への支援物資はどうなっている?」

メイド「はい、金と銀、食料など全て準備が整っております」

魔王「量から考えると転移呪で運ぶには無理があるな」

メイド「蒼将軍の部隊に運搬指示を出しておりますので、まもなく準備ができるかと」

魔王「うむ。さすがはメイドだな」ナデナデ

メイド「ありがたきお言葉♪」ニコニコ
450 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:49:58.24 ID:5Cxm1zUo

― 王都 中央通り ―


女「よかった、まだ居てくれたっ!」

商人C「おう、あんたか。もう来ないかと思ってたぜ」

女「色々大変だったのっ! で、残してくれてる?」

商人C「もちろんだよっ」

勇者「なんで俺はまっさきにここにつれて来られてるんだ?」

魔王「商人との約束は絶対守らねばならぬらしいぞ?」

メイド「今後の取引にかかわるそうです」

勇者「細工物かぁ。そういや俺の部屋ってどうなったんだ?」

魔王「何でも都市計画に基づいて取り壊しになったはずだぞ」

勇者「げ。じゃああそこに置いてたアイテム全部棄てられたのか?」

女「んーん。王宮で管理してくれてるよ。私や魔王もいくつか持ってる」

勇者「よかったぁ……二度と手に入らないのもかなりあるからなぁ」

女「あと、南の国でもらった魔力回復の指輪は私が使っちゃいました!」

勇者「あぁ、別にいいよ。似たようなのはまだいくつかあったはずだし」

魔王「私が預かっている分は魔族賢者に渡して解析を進めさせてもらっている。何点か非常に興味深いものがあったのでな」

勇者「あー、そっか。そういう使い方もあったんだな。いいよ。全部回収したら魔王軍に寄付するから好きに使ってくれ」

魔王「いいのか? 大事な物ばかりなのであろう?」

勇者「つっても使わずに置いておくってのももったいないだろ? この街に賢者の施設も建つって話だし、共同研究っていうのも良いかもな」

魔王「それはいいなっ! 今度提言してみよう」
451 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:50:38.27 ID:5Cxm1zUo

メイド「魔王様、この銀細工の指輪かわいいですよ」

魔王「どれ……ほう、良くできているな」

商人C「サイズならたくさんあるよ。これは西の関所近くで仕入れたんだ」

魔王「ふむ、気に入った。もらおう」

商人C「ありがとよっ」

勇者「じゃあ、それは俺が払う。で、同じのを女のサイズ、メイドさんのサイズで一つずつ頼む」

商人C「なんだいなんだいここにいる女の子みんなあんたのコレなのかい?」ニヤニヤ

勇者「いや、そういうんじゃなくてなっ!」アセアセ

女「ありがと、勇者」

魔王「感謝するぞ」

メイド「私にまでありがとうございます」ペコリ

勇者「いやほら、何つーか、色々心配かけたからそのお詫びも兼ねてというか……」モジモジ

魔王「ならば、私達から同じ物を勇者にプレゼントせねばなるまいな」

女「さんせーい」

メイド「そうですわね」

商人C「……このモテモテ野郎め。ブービートラップにひっかかって○んじまえ」ボソッ

勇者「ん? 何か言ったか?」

商人C「いえいえ、何も言ってませんよ。まいどありっ!」

勇者「気のせいか、強烈な悪意を感じたんだけどなぁ……」

メイド「自業自得ですわね♪」ニコニコ

魔王「あぁ、そうだ。王宮に行く前に少し寄りたいところがあるのだが、良いか?」

勇者「? 別にいいけど」
452 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:51:10.13 ID:5Cxm1zUo

― 王都 仮設王宮 謁見の間 ―


王「勇者ではないかっ! 生きておったのか!?」

勇者「陛下、ご心配をお掛けしてしまい、申し訳ございませんでした」

魔王「黄金龍の庇護で生き残れたそうだ」

王「伝説に名高い黄金龍の……そうか。いや、生きていてくれてよかった」ギュッ

勇者「ありがたきお言葉」

魔王「王よ、緊急事態だ。軍議を開いていただけるだろうか?」

王「賢者Dの件か。うむ、承知した。至急軍議を開こう!」

宿女将「良くやっているようだね」

王「! 母君っ!! いったいどちらに!?」

宿女将「なんだいなんだい、ワケのわかんないのにそそのかされちまって。あんたをそんな軟弱者に育てた覚えはないよっ!」

王「す、すまぬっ! だが余とて国民のことを思えばとっ!」

宿女将「馬鹿息子がっ! その結果がこうなってるんだからよーく覚えときなっ!」

王「わ、わかりましたっ!」タスケテー

勇者「親子ってのはやっぱりどこもかわんねぇな」

女「勇者のお母さんもバイオレンスだったよね」

魔王「母君は他界なさっているのであったか?」

勇者「うん。俺が旅に出る少し前に流行り病でな。最後の最後まで厳しかったよ」ククク

女「お墓参りに行かなきゃだね」

勇者「だなぁ」
453 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:51:53.33 ID:5Cxm1zUo

― 仮設王宮 会議室 ―


魔王「……以上が我々の遭遇した賢者Dと人造兵軍との戦いだ」

西征将軍「ぶったまげたなぁ、おい」

東征将軍「想像の斜め上をいってるな」

騎士団長「では、我々も魔族軍と共に西の廃村を目指せば良いのか?」

魔王「そうしていただけるとありがたい。偵察部隊の報告によると、西の廃村には尚も数百体の人造兵が確認できておる。我々魔族軍のみでこれを討ち果たすのはかなり厳しいのだ」

王「当然我々も協力しよう。共に手を取り合って未来を掴むのだ!」

魔王「そうおっしゃっていただけると心強い」ニコッ

王「騎士団長を中心に軍を編成せよ! 西征将軍は騎士団長と共に編成作業に入れ! 3日後には王都を発て!」

騎士団長・西征将軍「ははっ!!」

魔王「王陛下、色々とご入用だと思うので、我々からの支援物資を受け取っていただきたい」

王「それはかたじけない。しかし、本当に良いのか?」

魔王「友好の証と思っていただければ嬉しい。これから王都は変わるのであろう? 学院を創建したりするとも聞いている」

王「うむ。大賢者殿から了承の返事を得る事もできた。来春には賢者の町の施設を王都に移す事となる」

勇者「じゃあ、王都も拡張しなきゃだな」

王「そうなるな。避難していた国民も徐々に戻りつつある。手狭になろうからな」

魔王「拡張するのならば、いくつか提案したい事もある。この戦いが終わった後にまたゆっくりと会談ができれば、と思う」スッ

王「うむ。是非そうしたい」ギュッ

魔王「では、本日の所はおいとましよう。我々も至急軍備を整えなくてはならん」

王「承知した。では、西の街にて合流しよう」

魔王「うむ。騎士団長殿と西征将軍殿に再びお会いできるのを楽しみにしておこう」
454 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 13:56:14.70 ID:IfsFnLAo
熱すぎる展開にwktkで氏ぬwwww
455 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 13:58:40.80 ID:5Cxm1zUo

以上となります。これにてお膳立ては全て完了いたしましたので、本日夕方〜明日中くらいにはこの物語も完結となる見込みです。(書き上げることができれば……ですけど)

というわけで、誰にも求められていないけど前回で味をしめた次回予告。



― 次回予告 ―

メイド「メイドです♪」
女「女だと思ったら大間違いっ!」クワッ
メイド「違うんですか?」
女「いや、女だけどね。このお話もとうとう次章が最終回っ!」
メイド「長かったですねぇ」
女「長かったね〜。楽しかったけどね」
メイド「ではでは、次回【魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」】っ」
女「『黄金龍って美味しいのかなっ!?』」
メイド・女「みなさん、お楽しみに〜」


……
…………
……………

勇者「すごいバチあたり!」
女「ノリよ。ノリ」
魔王「どうなのであろうな、鶏肉みたいな味だと予想してみるが」
勇者「お前ら丸呑みされるぞ」
黄金龍「性的に?」ワクワク
3人「ドン引き……」



書き溜めに戻ります。色々ごめんなさい。(土下座)
456 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 15:04:05.27 ID:UP7/L2Uo
wktkがとまらないっ
勇者はリハビリ期間中何食ってたんだろw
メイドの分の指輪も買った勇者GJ
457 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 15:53:09.82 ID:GnQEF2AO
>>456"鶏肉"だよ
458 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 15:53:28.80 ID:RstvrsAo
あれ? 西征将軍?
東征将軍じゃないの?

東征将軍のところに騎士団の団長ってあるから、騎士団長なのかな?
でも、東の国国境戦のときに魔王様に会ってるのに、後に再度誰何してるし……?
西の街駐留部隊の指揮官なら、まだ面識はないはずだし……
459 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 16:20:54.58 ID:IfsFnLAo
ヘタレ!!!
たくさん書けよ
れんぞく投下できるように
おもう存分書き溜めて
つかれたら寝ちまえよ
460 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 16:26:23.02 ID:5Cxm1zUo
>>456様、457様
わざと書きませんでしたけど、多分草とか野生種の芋とかじゃないでしょうか……龍の肉って食べたら不老不死になるとかいう伝説もあるそうですね。

>>458
説明不足と練り込み不足でした。既知の東征将軍は王国の東側を守ってているので、今回の西の街では担当が違うので出番がありません。西征将軍と勇者は多分既知なんでしょうけど、あまり細かく書きすぎるとくどくなりそうでしたので割愛してしまいました。
結果として混乱させてしまうような事になってしまい、申し訳ございませんでした。
王軍の階級については設定を作りこめませんでしたので、かなり適当となっております。簡単に言うと王>騎士団長>東・西征将軍みたいな感じで考えてます。普通は将軍クラスのほうが上じゃないかと思ってますけど……
設定不足な上にわかりづらくてすみません。お詫びにマリアナ海溝に沈んできます。


ついでに現在の書き溜め状況。

死にたくなるくらい表現力に乏しくてなかなか進みません。死にたい。でもがんばります。
461 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 17:02:09.40 ID:Z/EIdh20
>>1のヘタレ野郎の厨二センスに脱帽
もっとかけこの野郎
462 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 17:43:10.36 ID:5Cxm1zUo

最後の進捗状況のご報告です。
先程、最後の一文を書き終わりました。予想より短くなってしまいましたが、長く書いても冗長にしかならないと判断しました。
投下に関してですが、今から所用を片付けたり、読み直しなどをきちんと行ってから投下したいと思いますので、早くて今夜(23時以降あるいは深夜)、遅ければ明日日中になるかと思われます。

皆様にお礼の言葉など山ほどあるのですが、それは物語の終了後、ということに。

それでは、しばしネットから落ちますので、また後程お会いできれば、と思っております。(平伏)
463 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 21:07:01.13 ID:lMAQnT.o
>>460
勇者の台詞だったならそれほど不自然ではなかったんですが
魔王の台詞に西征将軍と再び会いたいとあったので、あれ面識あったっけ?と思った次第です。
背景理解しました。
些細なツッコミに返答頂きありがとうございました。
464 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 21:31:14.62 ID:UP7eG3Io
おい!なんで縦読み完成させてんだよ!>>459
もっと空気嫁よ!
しれっと一人だけ抜け駆けすんなよな!
ろくな大人にならないぞ!
いいか?今度から気を付けろよ!
おまえだけにいいカッコはさせねーぞ!
つりじゃないからな!

465 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 21:42:21.53 ID:r/W.GhIo
>>464
おいおい
前に会ったことあるか?
もう仰る通り
なんとも惚れたぜ>>464
1乙なんだぜ!
466 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 22:30:34.25 ID:8LYd63Uo
>>463
度々申し訳ございません。説明がおかしい事になってました。(土下座)
魔王が「騎士団長殿と西征将軍殿に再びお会いできるのを楽しみにしておこう」と発言したのは、王に対しての挨拶とお考えいただきたく思います。
当然ながら王は王都から出るわけにはいきませんので、会議場に居り、現地で合流できる二人の名(騎士団長と西征将軍)を出したという事となります。
練り込みの足りなさがうかがえますね……猛省しております。

わかりづらい文章ばっかりで頭が上がりません。このまま地面だけを見て暮らす生活をいたします。

さてさて、いよいよ最後の投下時間が迫ってまいりました。今から最終チェックと手直しをし、23時前後をメドに投下を開始したいと思っております。
文章量としてはかなり短い物となっておりますが、皆様に最後までお楽しみいただければと思っております。
467 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 23:00:07.14 ID:TNxZPoAO
黄金龍は神龍と亀仙人足した感じに思える
468 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:20:03.92 ID:8LYd63Uo
最後の投下、開始します。皆様、ありがとうございました。(土下座)
469 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:20:55.68 ID:8LYd63Uo

― 西の街と西の廃村の中間地点 ―


魔王「聞け! 皆の者っ!」

魔族兵「ははっ!」ビシッ

人間兵「はっ!」ピシッ

魔王「我々は今、種族の垣根を越えて共に手を取り合い、戦う日を迎えた!」

兵士達「おぉーっ!」

魔族兵「人間って弱っちいと思ってたけどよ、これがそうでもなかったんだなっ!」

人間兵「この戦いが終わったらまた腕相撲で勝負だなっ!」

魔王「私は……これほどまでに嬉しいと思った事はないっ! 姿形こそ違えど、我々は共存の道を歩む事ができるのだっ!」

騎士団長「そうだっ! 我々は、最早同志となった! 全ては一人の英雄が己に降りかかる数々の汚名、戦いの傷を乗り越えてこの日を創り上げた!」

兵士「勇者っ! 勇者っ!」

魔王「そうだ! 彼こそが我々をつなぎ止めた唯一無二の存在っ!」

勇者「なぁ、女。何か俺が大変な事になってないか?」ヒソヒソ

女「当たり前でしょ。あんたがした事ってすごいのよ」ヒソヒソ

勇者「俺は単に自分が信じた事をやってきただけなのに……」ヒソヒソ

女「あんたらしいわ。でも、今は士気高揚の為に働いてもらうわよっ!」ドンッ

魔王「改めて紹介しよう、我等が導き手、勇者だっ!!」

兵士「おぉぉーーーーーっ!!!」
470 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:21:55.88 ID:8LYd63Uo

勇者「えっと……俺は別に人間と魔族が手を結べば良いって思ってたんじゃないんだ。あの日、魔王と対峙したあの時まで魔族は人間に仇為す存在だと思ってたし、敵だと思っていた」

人間兵士「俺もずっとそう思ってた」

人間兵士「でも、違ったんだよなっ!」

勇者「そうだ。魔王は、いや、魔族は俺を仲間として認めてくれた。そして、賢者Dの野望を教えてくれた。俺は自分の信じた道を歩いてきたに過ぎない。だから、みんなも自分が信じている道を目指してくれ! すぐに人間と魔族が仲良くなれるなんて思っていない。徐々に、少しずつその距離が縮まれば良いと思っている。手に手を取って、団結したことに意味があるんだ! そのためにも、まずはここを超えないと俺達に未来はない! 賢者Dの野望を止めてこそ、俺達はスタートラインに立つんだっ!!」

兵士達「おぉーーーっ!」

兵士達「勇者っ! 勇者っ!」

四天王碧「見事な演説だな」

四天王黄「戦意高揚には最適ですな」

魔王「皆の者っ! 賢者Dはまだ完全に回復しているとは思えんっ! だが、彼の地には数百にも上る人造兵が待ち構えている! 何の罪もない人間達が、魔族がっ、その犠牲になった。彼らを救う手段は今はまだわかっていない……」

兵士達「……」シーン

魔王「だからこそっ! 彼らの魂を救うには、人造兵を斃し、安らかな眠りを与える以外に方法はないっ!」

騎士団長「回復力はそこらの魔物より遥かに上だっ。必ず班、および隊単位で行動し、1体につき最低でも5人であたれ! 魔術師達は弱った人造兵に止めを必ず刺せ! でなければ背後から襲われると思えっ!」

兵士達「ははっ!」ビシッ

魔王「行くぞっ! 我等が未来の為にっ! 全軍進撃っ!!」

兵士達「我等が未来の為にっ!」ザッザッ

兵士達「明るい明日の為にっ」ザッザッ
471 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:23:15.94 ID:8LYd63Uo

魔王「勇者、ご苦労だった」

勇者「魔王もな。それにしても、合流から1週間で予想外に打ち解けたな」

魔王「うむ。もうちょっと小競り合いがあるかと思っていたが、勇者効果が大きかったのかもしれんな」

騎士団長「兵士達には事前にしっかりと魔族という種族の説明はしておいたからな。これも黄将軍殿が同行してくださったお陰だ」

四天王黄「いえいえ、お役に立てて光栄ですよ」ニッ

四天王蒼「女殿、少しよろしいか?」

女「どうしたんですか?」

四天王蒼「この戦争が終わったら、その……もし良ければ南の国に息抜きに行きませぬか?」

女「へっ?」

魔王「おいおい蒼、それはもしかして……」

メイド「あらあらあら」ニコニコ

勇者「どういうことだ?」

四天王蒼「い、いや、初めてお目に掛かって以来、女殿の事が気にかかっておって……」
472 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:24:10.73 ID:8LYd63Uo

四天王碧「へー、ふーん、蒼将軍殿は人間の娘っ子が好みなのかい。良い趣味してんなぁ」ニヤニヤ

魔王「碧、あまり茶化してやるな」

女「あ、あのっ、えっと……」チラッ

勇者「?」ドウイウコト?

四天王蒼「いや、女殿が勇者を好いておるのは重々わかっている。だが、もし、将来、女殿の気が変わったらでもと思って……」シドロモドロ

魔王「異種族間の求愛とはまた新しいな」

勇者「そういうこと!? うわぁ、蒼将軍やるなぁ」

女「あ、あんたねぇ……っと、蒼将軍さん」

四天王蒼「は、はいっ!」ピシッ

女「嬉しいお申し出をありがとうございます。でも、私はやっぱり今は勇者が一番好きなんです」

四天王蒼「……」

女「だから、南の国へは皆で行きませんか?」

四天王蒼「あ、そ、それが良いっ! 魔王様もメイドも勇者も四天王全員も一緒にっ! そうだっ、それが良いっ」

メイド「最後でヘタれるとは……」ツマンナイ

魔王「まぁ、そのあたりが妥当であろう。さぁ、気合は入ったか?」

四天王蒼「はっ!」

魔王「行くぞっ!!」
473 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/04(土) 23:24:20.14 ID:bebQ8Qoo
C
474 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:24:45.90 ID:8LYd63Uo

― 西の廃村 ―


人間兵A「っくそぉっ! 倒れやがれっ!」ザンッ

人造兵A「グォォォォォッ!」ブンッ

人間兵B「こ、こっちにくるなっ! うわぁぁぁあっっ」ザシュッ

人間兵B「……あれ、俺、生きてる……?」

獣人兵A「おいおい、これくらいで諦めんなよ。ほれ、いくぞっ!」ガッ

人間兵B「お、おうっ!」ザッ

人造兵B「ギャォォォォォッ!」


伝令兵『各地で戦闘が開始されております。人造兵の数は概算ですが約300』

魔王「ふむ。事前報告より少ない、か?」

勇者「賢者Dが喰っちまったんだろうな」

魔王「戦況は若干こちらに分があるようだ。人間との合同軍の効果が出ている」

伝令兵『I、J、Kブロック、制圧完了っ!』

魔王「よくやった! 勢いを緩めるなっ!」

勇者「村の入り口周辺はなんとか確保できたってことか」

魔王「うむ。退路の確保は確実にしておかねばな。できれば使いたくないが……」
475 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:26:03.32 ID:8LYd63Uo

― 西の廃村 最奥 ―


賢者D「うひゃひゃひゃひゃはははははははは!!!!!」ドドドドドドドドンッ

魔術師A「け、賢者D様っ、ここはまだ攻め込まれておりませんっ! 落ち着いてくだっ……」ジュゥゥゥゥ

賢者D「ままマ魔王!! 勇者ぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁっっ!!!」

魔術師B「に、逃げろっ! 近くに居たら喰われるぞっ!」

賢者D「どどドドどぉこぉおおおおおぉぉぉだぁぁぁぁぁああああああ!!!???」
476 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/04(土) 23:27:37.83 ID:bebQ8Qoo
しえーん
477 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:27:48.69 ID:8LYd63Uo

― 西の廃村 激戦区 ―


女「はい、これでよし」フォンッ

魔族兵「ありがとよっ、銀将軍様っ!」ダダッ

女「魔王、予想より損耗率が激しいわ」

魔王「人造兵のスペックが上がっているな。術をアレンジしたようだ」ボゥッ

人造兵D「ギシャァァァァァッ」ジュォッ

勇者「轟雷っ!!」ピシャァァッ

人造兵E「ヴォロロロロロロロロ」ブスブスブス

四天王碧「ちぃっと苦戦してる地域があります」

魔王「許可する。行けっ!」

四天王碧「はっ。魔王様の御為にっ!!」シュッ

魔王「蒼、上空からの偵察兵は何と言っておる!?」

四天王蒼「はっ、村の最奥部で動きがあるようです。魔術師が数名村の入り口に向かっているとのこと。賢者Dらしき影は一番大きい建物に入っているようで確認不可能です」

女「あのお屋敷の事かな? ここからでも見えるね」

魔王「魔術師か。一人でも捕らえる事ができれば情報を聞きだせるか。メイドっ!」

メイド「こちらに捕らえて来ております」シュッ

魔術師C「ムガーッムガーッ」

勇者「はやっ!」ビックリ

メイド「万能ですから♪」ニコニコ

魔王「さて、教えてもらおうか」

魔術師C「賢者D様は最早正気ではないっ! 我々は逃げて来たのだっ! 既に大半の魔術師達は喰われたっ!!」

魔王「なんだと……人造兵を吸収しすぎて正気が保てなくなったか」

魔術師C「お前たちも逃げろっ! あれは、あれは最早人でも何でもないっ!」

ズドォォォォォォォッ!!!
478 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:29:36.14 ID:8LYd63Uo

勇者「火柱!?」

メイド「屋敷が燃え上がってます!」

魔王「各人、魔法戦準備っ! 一般兵は人造兵との戦いに集中しつつ、流れ弾に警戒せよっ!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ


女「屋敷が崩れて……っ!?」

メイド「これはかなり気持ち悪いですね……」

魔王「巨大な肉塊か……愚かな」

賢者D「ブフォファファファファファファ!!!! 見つけたぞぉ、魔王、勇者ぁぁぁぁっ!」カカッ


勇者「っ、まずいっ」フォンッ

四天王黄「くっ」


ドゴォォォォォォンッ

女「ぷぁっ! 何今の!?」

魔王「ぺっ、ぺっ、砂がっ……たぶん衝撃波の一種だろう。勇者と黄が咄嗟に防いでくれたから助かった」

メイド「行きます」シュッ

四天王蒼「私も行こうっ」バサッ

魔王「勇者、女、行くぞっ! 業炎っ!」ブォッ

勇者「龍吐息っ」ズォッ

女「神速呪っ! 超硬化っ! 増力っ! 増力っ! 光の盾っ!!」フォフォフォフォフォッ

メイド「はぁぁっ!!」ブォンッ ザシュッ

四天王蒼「急降撃っ!」ザゥッ

賢者D「おオぉぉヲぉぉ」シュォンッ

メイド「そんなっ」

四天王蒼「一瞬で回復だとっ!?」
479 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:30:28.96 ID:8LYd63Uo

賢者D「ヴォォォォォオオオオオッ!!!」ドゴゴゴゴゴゴッ

メイド「っ!」ギギギンッ

四天王蒼「ぐぉっ」ガガガッ

魔王「回復力が異常だ。一体どれだけの人造兵を『喰った』のだ!?」

勇者「でかい魔法使おうにも、攻撃がこう激しかったら詠唱すらできないなっ!」ザッ

女「回復呪っ」フォン

四天王蒼「ありがたいっ!」ザッ

賢者D「まぁおぉぉぉぉぉぉぉぉう、ゆうううううしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ブァッ

勇者「ぐっ……」

魔王「がっ……」

女「きゃぁっ!」

メイド「ま、魔王様っ」

四天王蒼「女殿、勇者っ!」

魔王「大丈夫だっ! 蒼、戦況はっ!?」ハァッハァッ

四天王蒼「はっ、な、尚も優勢ですが、賢者Dの姿を見て戦意を喪失してしまった者が出ているようです」

魔王「やはりな。こやつは既に人間でも魔族でもない……本物の悪魔だ……」

賢者D「グォォォォオオオヲオヲヲヲヲヲヲオオオオオオ!!!!」ビリビリビリ

人間兵D「あ……あ……」ヘタリ

魔物兵E「うぉぉぉぉぉっ!?」ビクンビクン

魔王「いかんっ! 全員気をしっかりと保てっ! 『喰われる』ぞっ!」

兵士達「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!」ビグンッビグンッ

賢者D「ヲアアアアアアアア!!」シュウシュウ
480 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:31:47.42 ID:8LYd63Uo

勇者「っ、【我が呼びかけに応えよっ! 黄金なる力よっ!我との契約に従い、其が力を貸し与え賜えっ!】 覇王の激流っっ!!」ズォッ ドォォォォォォッ

賢者D「ブシュウウウウウウウウウウッ」ジュオジュオッ

勇者「だめだ。削った端から回復しやがるっ!」ドンッ

魔王「複合魔法でも回復するであろうな」

女「じゃ、じゃあ、どうすれば!?」

賢者D「ブォォォッ!!」ヒュヒュンッ

四天王蒼「女殿っ、危ないっ!!」ドッ

女「蒼将軍さんっ!」

魔王「蒼っ!」

メイド「くっ!」ザンッ

四天王蒼「だ、大丈夫であったか……よかった」

女「蒼将軍さんっ! すぐに治すからっ!」フォンッ

四天王蒼「いい……もう助からん。余計な魔力を使う……な」ハァッハァッ

魔王「蒼っ! 蒼ぉぉっ!!」

四天王蒼「魔王様……申し訳、ございません……」ゴトリ

魔王「蒼ぉぉぉっ!!!」

女「蒼さんっ!!」

四天王黄「魔王様、でかいのがきますっ!」

賢者D「ゴォォォォォォォォォォオオオオヲヲヲヲヲヲヲヲっっ!!!」ブォッ


ゴゴォォォォォォォッ
481 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:32:37.43 ID:8LYd63Uo


勇者「対炎呪っ!!」

女「抗魔呪っ!!」

四天王黄「神甲っ!」


人間兵「ぎゃぁぁぁぁぁっ!」

魔物兵「ぐぉぉぉぉっ!!」

偵察兵『上空より報告っ! 今の一撃で当方兵、人造兵共に焼かれましたっ! 合同軍、残存約200っ』

魔王「半数以上がやられたというのかっ! 碧っ、生きているか!?」

四天王碧『はっ!』

魔王「残兵をまとめあげ、一度撤退だ! 人造兵にはかまうなっ!」

四天王碧『で、ですがっ!』

魔王「命令だっ! 一般兵が居れば賢者Dに吸収されるだけだっ!!」

四天王碧『り、了解しましたっ!』

勇者「良い判断だと思うぞっ」ギィンッ

魔王「抗う術がないっ……一体どうすれば……」

賢者D「マァァァァァァァァヲヲヲヲヲオオオオオォォォォっ!!!」ゴゥッ

魔王「くっ」パァンッ

勇者「弾くにしても威力がありすぎてそろそろ限界だろ?」

魔王「うむ……黄、お前も退けっ!」

四天王黄「何をおっしゃるのですか!我々は魔王様の盾となり、剣となる存在です! 魔王様を置いて退くわけにはっ!」

魔王「蒼がやられたのだぞ! 万が一我々が全滅したら魔族はどうなるっ!」

四天王黄「いくら魔王様のご命令といえ、聞けませぬ。 我々の命は魔王様のためにっ」ダッ
482 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:33:17.46 ID:8LYd63Uo

魔王「やめろっ! 無駄に命を散らそうとするなっ!」

賢者D「オォォォォオオオオオオ!!」ブォンッブォンッ

四天王碧「だぁぁぁぁぁぁあっ!」ドドッ

四天王黄「碧っ!?」ザザァッ

四天王碧「何やってんだっ! 無駄死になど名誉にもならんぞっ!」ゼェッゼェッ

魔王「碧っ、なんでお前までっ!」

四天王碧「なぁに、撤退は騎士団長とやらに任せてきましたよ。人間と共闘ってのも楽しいもんですなぁ」フラッ

魔王「碧っ!?」

女「背中ばっかりすごい傷っ!」フォンッ

四天王碧「しんがりを務めやしたしたからね。ちぃっと痛かったです……蒼よぉ、惚れた女を庇って死ぬなんざ、お前らしい最後っちゃぁ最後だな」ポンポン

賢者D「グオォォォォォォォォ!」ボボボボボボボボボボボボッ

勇者「やべぇっ! あれだけの火球、くらったらひとたまりもねぇ!」

女「魔王」

魔王「何だ!?」

女「ごめん。約束破るっ! 勇者をお願いっ」バッ

魔王「おいっ!」

勇者「女っ!?」
483 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:34:18.06 ID:8LYd63Uo

女「【闇を切り裂く聖なる光よ、暗き者を浄化する光を与え賜え。我が力の全てを光とし】っ」

勇者「ば、ばっか野郎っ! そんなの使うなっ!」ダッ

魔王「っ、勇者っ」ギュッ

勇者「何してんだ魔王!? あいつを止めなきゃいけねぇだろ!」

魔王「女の覚悟を聞いた。止めれぬ! 大丈夫だっ。女はあぁ言ったが、絶対に約束を破るような者ではないっ!」

勇者「馬鹿言うなっ! 女っ! やめろっ!!」

女「【邪悪なるものを打ち砕く力を与えたまえっ!!】」

四天王黄「女殿っ!!」

勇者「やめろぉぉぉっ!!」

女「退けっ! 悪魔よ!! 【退魔神聖陣】っ!!」コォォォォォォォッ

賢者D「ブォォォォォォォォヲヲヲヲヲヲヲヲオオオオオオオッ!?」ジュォォッ

魔王「すごい、何という威力だ……」

メイド「神聖呪文の究極魔法と聞いております。使える者が居るとは……」

勇者「女ぁぁぁっ!」

魔王「賢者Dの再生が止まったっ!」

女「勇者っ、魔力使い果たしちゃったけど、大丈夫。今よっ! やっちゃえっ……」パタン
484 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:35:04.64 ID:8LYd63Uo

勇者「おぉぉぉぉぉっ! 龍魂呪っ!!」ドォォッ

勇者「魔王、メイド、黄、碧っ!! 全力でやれっ!!」

魔王「当然だっ! 【世にたゆたう全ての光の力よっ、我が下に集まれぃっ!】」ヒュォンッヒュォンッヒュォンッ

メイド「承知しましたっ! 光剣連斬っ!!」ブブォンッ ザザザザザザンッ

魔王「【その光、その力、我が敵を打ち破る力となれ】っ!!」

四天王碧「女殿の命がけの攻撃、無駄にはせぬっ! おぉぉぉぉっ! 獣牙双っ!!」ドドォォォォォッ

四天王黄「散った蒼の為にもっ! 甲転撃っ!!」ズバァァァァッ

賢者D「ゴォォォォォォォォォォッ!!」ブシャァァァァッ

魔王「行けっ! 光よっ!!【聖光撃】っ!!」フォォォォォォッ

賢者D「バァァァァァァァァァァァッ!!!」ジュウジュウジュウ

勇者「撃ち抜けっ【龍王撃】っ!!」ドドドォォォォォンッ

賢者D「グォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ!!!!!」ジュォォッ ピシッガラガラガラガラッ

魔王「肉塊が……」

メイド「崩壊してく……」


ボロボロボロボロボロボロ キラッ


勇者「そこが核かぁぁぁっ!!」ザンッ


ビシッ パキィィンッ


賢者D「ウォォォォォォォォ! 知をっ! 知を我が物にぃぃぃぃっっ」ボロボロボロ

勇者「そんなもんっ! 積み重ねていくもんだろうがぁっ!!」ザザンッ

賢者D「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」
485 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:36:19.25 ID:8LYd63Uo

― エピローグ どこか遠くの街の宿屋 ―


女「ほら、勇者っ! 早く起きてよっ!」

魔王「そうだぞっ、勇者っ!」

勇者「んー、まだ寝る……」グーグー

女「まったくもう、だらけちゃって」

魔王「まぁ、しょうがあるまい」

勇者「zzzz」ムニャムニャ

魔王「それにしても女、本当に大丈夫なのか? 金輪際約束を破るなど許さぬからな」

女「もう、何回も謝ったじゃない。でも、あーする以外に方法なかったでしょ。それに、魔王が必死に回復呪掛けてくれた上に、魔力も分けてもらったし……ね?」

魔王「お前にしても勇者にしても、世話をかけてくれる」ハァ

女「あはは、ごめんごめん」

メイド「魔王様、ご準備が整いましたけど、いかがいたしましょう?」

魔王「勇者がこの有様だ。出発はもう少し延ばそう」

メイド「承知いたしました。しかし、本当に良かったのですか?」

魔王「ん、これで良かったのではないか?」

女「そうじゃない? あのあと、こいつが言ってたじゃない。「英雄なんていらないんだ。人間と魔族が団結した事に意味があるんだ」って。二つの種族が打ち解け合うには英雄なんていらないんじゃない?」

メイド「そうかもしれませんが、いきなり旅に出られるとは……」

魔王「あのまま戻ったとしてもまた英雄扱いだ。であれば、さっさと出立するのが良かったのだよ」

メイド「あ、そうですわ、1階の売店にこれが」

魔王「ん……ほう」

女「なになに?」


『人間と魔族の親和条約締結。王都に魔族の一団が居留することになり、交流が促進されることに』


魔王「うむ、これで良い」
486 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/04(土) 23:36:49.99 ID:bebQ8Qoo
さるよけぇ〜
487 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/04(土) 23:37:33.32 ID:8LYd63Uo

女「賢者の学院も建造順調だってさ。へぇー、魔族賢者が初代学院長!? 大賢者様は後進の指導に尽力、か」

メイド「愚弟も偉くなったものですね」ニコニコ

女「王様は情勢が安定するまでは在位して、安定を見極めた後に王政を廃止、順次議会制に移していくそうね」

魔王「確かに、英雄というのはいないほうが良いのかもしれんな」

女「みんな頼っちゃうもんね」

勇者「そういうことだ」

魔王「起きたのかっ!」ギュッ

女「ほら、勇者もこれ見なよっ!」ギュッ

メイド「あらあら」

勇者「んー? 王陛下のお言葉ってトコか? 『此度の勝利は人間、魔族が手を取り合い、協力した結果である。誰が英雄という事ではなく、皆が英雄と言えよう。多大なる犠牲を払ったからこそ、我々は掴み取った明日を決して壊してはならぬ。隣人と共に暮らしていくことこそが、生ける者の使命なのである』か。うん、その通りだなぁ」ニコニコ

魔王「さぁ、勇者っ! 次はどこに行く?」

女「ずぅっと東の方に面白い国があるらしいから、行ってみようよっ!」

メイド「以前女様がおっしゃっていた陽登る国でしたでしょうか? 私も興味があります」

勇者「はいはい、わかったわかった。じゃあ、行きますかっ!」

魔王「ずっと一緒だからなっ!!」ニコッ







The Lost Memories Special Ep. End
I hope you enjoyed this story. And now, See you Someday!
Written by M.O
488 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/04(土) 23:39:26.98 ID:bebQ8Qoo
おつ!!
489 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 23:40:39.70 ID:TRUkIAAo
最初から最後まで面白かった!乙
490 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 23:40:42.54 ID:KzvD8IAO
最高にヘタレだった!ありがとう!
491 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 23:47:16.60 ID:HfnZmUgo
ありがとう!ありがとう!
492 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 23:51:19.99 ID:k9GkytAo
ヘタレに多大なる乙を!
結局ヘタレじゃなかったけど!
493 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 23:58:42.91 ID:/pGiXNQo
494 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/05(日) 00:02:20.20 ID:CT94X4oo
へたくそな終わり方
たまたま見つけて読んだけど
れすすんのもかったるい
おれの時間を返せ
つまらなかった
495 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 00:05:57.14 ID:1f7shRko
最後まで熱いな
こんどこそ終わりかよ(泣)
うんと感動した
だいたいヘタレ過ぎて最大の乙!!!
よくやったな、エム男さんよぉ
496 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 00:06:26.71 ID:9x52AFIo
蒼さん…わかりやすいフラグたてるから…
497 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 00:11:14.56 ID:z7fmsSoo
>>495
すげぇ……
498 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/05(日) 00:14:54.09 ID:bNHQuW6o

― postscript ―

最後まで読んで下さいました皆様に、まずは心からの感謝の言葉を。
本当にありがとうございました。

きっかけは「最近魔王勇者系のSS少ないなぁ」っというところからでした。何のプロットも組まず、いきあたりばったりで書きたい事だけを書きなぐっておりましたが、予想外に皆様のご支援をいただき、当初は戸惑うばかりでした。
途中からプロットをきちんと組み、一気に駆け抜けるように書き上げましたが、皆様に気に入っていただけたかどうかが心配でなりません。

過分なお誉めのお言葉ばかりをいただき、本当に穴があったら埋まり、自分で土をかぶせたいくらいです。

普段は趣味として地の文の付いた物語を適当に書いておりましたが、今回のような台本形式のSSを書いた事は非常に大きな経験となりました。また機会があれば書いてみようかと思っております。

ともかく今は、書ききったという充足感でいっぱいになっております。こればかりは『書く側』の特権として享受させていただきます。同時に、何ともいえない寂しさも感じております。できることならすぐにでも別のお話を! とも思いますが、ネタが全くございませんので、またの機会に。

ここまでこれたのは、全て皆様の心温まるようなご支援、罵倒のお言葉があったからこそと痛感しております。皆様、本当に、本当にありがとうございました!

そして、またお会いできればと思っております。どこかで見かけられましたら、「おいまた書いてるのかよこのヘタレ! さっさと埋まっちまえ!」と罵ってくださいますよう、よろしくお願いいたします。(土下座)
499 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 00:32:55.23 ID:18E6UtEP
ヘタレ乙
500 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 00:37:46.56 ID:8SedxcAO
お前のようなヘタレに会えて本当によかった!
おつ!
501 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 00:41:39.32 ID:Ov6rsaso
うむ大義であった
502 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 00:51:22.35 ID:jokFCwco
面白かった乙
503 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/05(日) 01:54:01.11 ID:rSKg6d20
ヘタレ乙!
滅茶苦茶面白かったぜ!
504 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 02:54:22.66 ID:KFEpZH2o
面白かった!
乙!
505 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 03:58:26.88 ID:eIMPpj.o
アツい…アツいね…カラダも、ココロも…!
506 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/05(日) 04:16:24.12 ID:EyPJP.Io
ぐへへへへたれ
面白かったぞ乙
へたれ先生の次回作に期待
507 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/05(日) 04:49:16.54 ID:wOchBHIo
最高だった、おつ
508 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 04:49:52.57 ID:aSxM5IDO
ふざけんなこのヘタレ!
ヘタレの分際で終わらせやがって!
よくやった!とでもいうと思ったかこのヘタレよくやった!感動した!!
さっ仕事に行くか
509 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 07:39:33.63 ID:nDKh.wEo
ヘタレ乙!
さて、勇者は魔王と女のどちらを選ぶ(選択を迫られる)のかな?
510 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 07:41:52.95 ID:pXS8T92P
へたれおつ!
きっと勇者と魔王と女とメイドのハーレム
511 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 08:06:35.50 ID:XF8j0f.o
>>1
ヘタレないヘタレ
タテ読みとツンデレの読者
レスの全てがこのSSを形作ったんだね
アツかった!最初はま〜た女魔王×勇者かよ、この前読んだよと思ってた
リュウが出てなんとかすんだろ、お約束だしとか期待してなかったわけよ
が、しかし
とうとう最後まで読んでしまったよ
うん、最高だった!また書け!また読む!
512 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 08:24:04.46 ID:Fs6z9620
蒼ェ・・・
ヘタレ乙!
すんげー面白かったぜ!
またいつかスレ立てしてなんか書いてくれよー!
513 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 08:51:58.05 ID:6ZSvp.Yo
ヘタレ乙!
ただただ脱帽だ
レスは初めてだけど
最初から読んでたぜ!
高クオリティで、序盤行き当たりばったりで書いたとは思えないな



ありがとう、
すっげー楽しかった
514 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/05(日) 09:09:20.48 ID:q.fwKAU0
べ、別にあんたのSSを最高なんて思って無い訳無いんだからね!///こ、このヘタレ//////
515 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/05(日) 09:38:36.79 ID:bXLzwmEo
ところで魔王が女に魔力を分けたってことはつまり・・・
516 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/05(日) 11:01:54.80 ID:bNHQuW6o
過分すぎるお誉めのお言葉の数々、本当にありがとうございました。
まさかここまでの数の書き込みをいただけるとは思ってもみませんでした。
あまりにも嬉しかったので思わず書き込みを。

しかも、ぱっと見だと罵倒して下さっているのに、縦読みではお誉めの言葉をくださっていたり、驚きの連続でした。

>>509
>>510様がおっしゃってるようにずっと変わらずにこのままなんじゃないでしょうか。勇者もかなりのヘタレですし……

>>515
そういうことです。勇者とメイドさんが目撃者で、黄金龍が多分どっかから覗いてたと思います。
517 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 11:05:14.03 ID:PUKMo2AO
ヘタレ乙乙
いいペースで進んだと思うぜありがとう

そしてヘタレの>>1もツンデレのみなも可愛いすぎて生きるのが(ry
518 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 11:24:27.97 ID:aSxM5IDO
魔王・女「勇者争奪戦はこれからだ!!」
メイド「せっかくだし、私も参加してみよっかな」ボソッ
勇者「いい加減勘弁してくれ」

ヘタレ先生の次回作にご期待ください
519 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 11:38:50.46 ID:2GIAIdIo
黄金龍「勇者よ、心のままに選ぶがよい。余った方はワシがおいしく『魔王・女・メイド「邪魔するな!」ドカッ!』ヒィッ!」
520 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/05(日) 11:55:02.72 ID:OZMhgVko
いまいち盛り上がりにかけるよなー
投下早いのは嬉しいけどもちっと練ってほしい
521 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/05(日) 14:01:58.62 ID:nXhCvwSO
さすがヘタレ
そのまま捻りもなくいきやがった


だがそれがいい
522 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/05(日) 18:50:49.47 ID:AI/0IUAo
大変乙でした!
メイド最後まで一緒でよかったぁ!メイドかわいいよメイド
また書いてよね、こっこのヘタレっ///
523 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/05(日) 21:50:45.67 ID:q.fwKAU0
ほ、ほのぼの編が見たいんだけど、駄目かなヘタレ////
524 : ◆JbHnh76luM [sage]:2010/12/05(日) 23:07:50.19 ID:N0r1HuAo
皆様こんばんは。
携帯からのレスとなりますので、見辛いかと思いますが、未だにご感想を下さり、あまりの嬉しさに書き込みさせていただきました。

>>520
自分でも盛り上がりに欠けると思っております。完全に私の力不足でございます。
生まれてきてごめんなさい。(土下座)
勉強に励みます。


>>523
ほのぼの編ですか……
本編の7割がほのぼの編みたいなものでしたし、この四人で更にお話を続けてしまうと、確実にぐだぐだになってしまいそうです。
スレに空きがあるので、短くて良ければ何か書きますが、それでは駄目でしょうか?


本当ならば皆様一人一人にレスを差し上げたいのですが、掻い摘んでレスをさせていただきました。

本当にありがとうございます。
525 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 23:11:14.58 ID:PNWv0AEo
このヘタレ!
甘えるんじゃないよ!
本筋が終わったら後はグダグダ蛇足なんて
アニメの世界じゃよくある話じゃないか!!
早く書けこのヘタレ!
526 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 23:21:40.96 ID:qVAo2jAo
ktkr
527 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 23:38:22.92 ID:gwXpDTAo
は?そんな事すら許可もらわなきゃできないのかよ?
やれやれだな
くり
しまうま
ろけっと
528 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 23:44:56.11 ID:KFEpZH2o
よっしゃ!短編来た!これで勝つる!
529 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 00:02:17.32 ID:hxF4bE6o
>>527
もっと頑張れよww
530 : ◆JbHnh76luM [sage]:2010/12/06(月) 00:09:12.15 ID:UkBy/Gco
この短時間で書く事になってしまうとは……

時間が時間ですので、今から書くのが不可能です。明日から再びお付き合い下さいますよう、宜しくお願いいたします。(平伏)

それでは、このレス+3の方にひとつの選択をして頂こうと思います。

1. エンディング後の続きで、東の果てにある国でのお話(いきあたりばったり)

or

2. 本編では書かなかったエピソード(この辺りの話を書きやがれ! というご指定お願いいたします)

or

3. 全く別のお話(未だ構想段階)

以上3つの中からご選択下さい。
ヘタレなりに頑張って皆様に楽しんで戴ける作品を創るように努力いたします。

それでは、今日のところはおやすみなさいませ。
皆様に素敵な明日が来る事をお祈り申し上げます。
531 : ◆JbHnh76luM [sage]:2010/12/06(月) 00:10:50.99 ID:UkBy/Gco
うわあ、いまの書き込みを見直したら上から目線すぎる!

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

埋まってきます。(土下座)
532 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 00:11:02.15 ID:kbSwMFMP
1か2が良いが選ぶなら1かな
533 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 00:23:28.63 ID:7sOf2hY0
読者に選択を求めなくても>>1が書きたいものを書けば良いんじゃないかな
それがないのなら選択肢1の方で
534 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 00:30:04.35 ID:d/a6pm6o
1だ
535 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 01:42:39.37 ID:DWhE1EDO
1か3だな
536 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 01:45:52.17 ID:hxF4bE6o
1だな
537 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 02:12:24.25 ID:G5RTggco
あえて言おう
全部だ!
538 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 04:00:56.41 ID:N8ebyEIo
そうだな、とりあえず全部だ
539 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 05:01:40.49 ID:7Ih8SUDO
ふざけんなこのヘタレ!
全部以外どんな選択肢があるというのかね
いいか全部だ、全部書くんだ
安心しろ、俺はお前をヘタレ!と罵るだけだ
わかったかこのヘタレ!
540 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 05:25:07.41 ID:zIwyMbYo
1だな
541 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 06:37:48.84 ID:rNd/E0Eo
>>531
罰として1〜3全部な!

おヘタレ様がお書きになって下さるのでしたら、1〜3のどの内容でも拝読させていただく所存に御座います。
はやいペースでの投下でなくとも構いませんので是非ともお書きになっていただきたいと思います。(土下寝)
よろしければ、メイドはいただいていきますね。
うるとらまんたろう。
542 : ◆JbHnh76luM [sage]:2010/12/06(月) 09:10:17.20 ID:UkBy/Gco
おはようございます。
皆様の暖かいお言葉を生きる糧とさせていただいております。(平伏)

全部、という無茶振りはご容赦ください。死んでしまいます。(土下座)

一晩の内にあれよあれよと東の皇国編(仮)の開始が決まってしまいましたが、まだあらすじ程度しか頭に浮かんでおりません。
投下そのものは早くても今夜〜明日くらいになるかと思われます。
出来るだけ早く皆様にお楽しみいただけますよう、ヘタレな脳に鞭打ちますので、「おっせぇなぁ、だからお前は屑なんだよ!」と罵りつつ、今しばらくお待ちくださいますよう、お願い申し上げます。

それでは、本日も皆様にとって素晴らしい一日でありますよう、心からお祈り申し上げます。
543 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 09:20:18.75 ID:6TW1ysAO
ありがとう
がんばれヘタレ!
544 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 10:19:37.16 ID:rNd/E0Eo
さっすがヘタレ!これっぽっちもヘタレじゃねーぜ!
545 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 11:46:37.70 ID:4y6/pkDO
乙でした。
また、筆を執る事が有れば読ませて下さい。
有難うございました。
546 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 11:53:43.89 ID:4y6/pkDO
乙です。
連レス失礼します。
終わったと思って書き込んだら、つづきが始まってた。
筆者様、感謝感激であります。
547 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 12:57:36.14 ID:hPMnuOwo
クズが!
ルンルン気分で書いてるのかよ
しかもまだ待たせるのかよ
いいかげんにしろよ、この
程度で音を上げんなへタレ!
期日遅れんなよ
待ちくたびれたぜ
548 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 13:37:22.95 ID:8gpHOHgo
今から昼休みだったりします。遅すぎじゃないかな……

仕事の合間に色々と案を練って書き留めております。夜には短いですが投下できるようになるかと思われます。
お待たせして申し訳ございませんが、今しばらくお待ちください。(土下座)
549 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 15:04:03.55 ID:5NwefL6o
うっひょひょい
楽しみに待っとるよ
550 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/06(月) 18:24:07.52 ID:IBtWxgSO
久しぶりに制作来たらこんな駄作が・・・。
全部読むのに4時間程掛かっちまったじゃねーかよ。
とりあえずホントに自分のペースで頑張りやがって下さい。
凄い楽しみにしてます。
551 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 20:36:06.22 ID:UTBnoY6o
みなさまこんばんは。晩御飯候補がカップヌードル(カレー)しかなくて、かなりがっかりしてる>>1でございます。今から買い物行こうか思案中。

それはさておき、本日投下分の書き溜めがほぼ出来ました。これも皆様のご声援と罵倒のお陰でございます。何度もくどくなってしまいますが、本当にありがとうございます。(平伏)

>>545-546
ありがとうございます。皆様のおかげで続く事になりました。引き続きお楽しみいただければ幸いです。

>>550
製作速報はあまり来る方はおられないのでしょうか?
本来Vipで書き始めるつもりだったのですが、スレが立てることのできない状態でしたのでこちらでスタートしておりました。
こちらでスタートして正解だったと今では思っております。引き続きお楽しみくださいませ。

今から最終チェックをして、22時前後から投下開始を考えておりますが、本日の投下後に皆様に当SS以外の事でお伺いしたいことがございます。
「何言ってんだこいつ、調子に乗ってんのか? 一度イタイ目に遭わせてやらなきゃあかんのか?」という罵倒のお言葉と共にで結構ですので、お手空きの方がおられましたらお答えいただければ、と思っております。

それでは、週始めの月曜の夜。土日の、のんびりとした雰囲気を引きずりつつお仕事お勉強等お疲れ様でした。
本日も皆様にとって良い一日であったことを心からお祈りしつつ、最終チェックと晩御飯の買い出しにダッシュで行って参ります。鶏肉のトマト煮込み食べたい。(平伏)
552 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 21:16:04.20 ID:dlkcANcP
まだ400レス以上残ってる訳だから>>1000いくまで書け
553 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 21:48:58.21 ID:UTBnoY6o
改めましてこんばんは。
準備ができましたので、投下開始いたします。

プロットなしの完全いきあたりばったり編となりますので(もしかしたら後程プロット組むかもしれませんが)、本編以上にぐだぐだになる可能性がございます。

それでは、『魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」 東の皇国編』のスタートとなります。お暇がある時にでも暇つぶし代わりにお楽しみくださいませ。(土下寝)
554 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 21:50:39.01 ID:UTBnoY6o

― 交易船の一室 ―


魔王「ふむ、言語形態そのものがかなり……違うようだな」

言語学者「そうなりますね。皇国の言語は独自の発展を見せているようです」

勇者「この、カ、カンジってのとヒラガ……ナってのを組み合わせるんだろ? 二つの言語を同時にあやあやあや操るようなもんだよなぁ。ややこしい」

魔王「そう言うな。だからこそ彼の国は……神、秘の国と呼ばれておるのであろう。いやしかし、こうして体系づけて教えていただけてよかった。すごくわかりやすい」

言語学者「いえいえ、みなさんの飲み込みが早いのですよ。もう日常会話は習得なさっています。簡単な読み書きもできるようになっております」

女「言語学者さんに……えっと、教えていただけてた、助かりました。本当にありがとうござ、ます」ペコリ

メイド「お会いしていなかったら私達かなりこま……? そうだ、困った事、になるところでしたね」

言語学者「いえいえ、これも我が国を色々な方に知っていただくためですから」

魔王「国家形態についていくつか……伺いたいのだが、よろしいかな?」

言語学者「もちろんです。我が国、皇国は神皇陛下を頂点とした封建制度を敷いております。神皇陛下に忠誠を誓う25名の名代は陛下より領地を与えられていて、そこを統治し、税収を自らの収入としております」

魔王「名代の収入の一部が国庫に入る、というわけだな?」

言語学者「そうなりますね。とはいえ、国としての政治は大枠を決めるのみであって、各領地で少しずつですが法も異なります。例えば婚姻に関しても首都である神皇陛下直轄領『江阪』では15歳を元服とみなし、この年齢から婚姻が可能ですが、名代Aが治める東の『千馬』では元服年齢は変わりませんが、婚姻ができるようになるのは16歳からと決められていたりします」

女「自治区が集まってできた国、と思ったら……良いのかしら?」フムフム

言語学者「そう考えていただけるとわかりやすいかと」ニコリ

勇者「この船がと、と、到着する江阪っていうのはどういう街なんだ?」

言語学者「皇国の首都であり、もっとも栄えている街です。商売人が多く、非常に活気のある街ですね。10歩の間に20回商いの話が舞い込むとまで言われております」

メイド「それはさぞかし……うんっ、と……賑やかなんでしょうね」

女「色々見てまわ、回りたいねっ」ウキウキ

魔王「そうだな。めぞらし……いや、珍しい物も多かろうな」ワクワク

勇者「あぁ、か、肝心な事を聞いてなかった。俺たちが持ってるお金なんだけど、皇国では使えるのか? それとも、けん……けんきん? 違うな。えーっと、換金だ。換金しなきゃ駄目なのか?」

言語学者「江阪であればみなさんがお持ちのお金のままで使用できますが、それ以外の都市では皇国通貨である『銭』に換金していただく必要がありますね。江阪の街中にはたくさんの両替商が店を構えておりますし、公設の両替所もございますよ」

魔王「それぞれで換金レートが違うのか?」

言語学者「はい。それも商売の一つですね。Aという店では1Gが100銭なのが、Bでは1Gが102銭になっていたりします」
555 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 21:52:23.22 ID:p93nYwco
今更だけど、勇者が魔王のところまでたどり着く話か、魔王が王座を奪還したときの魔界大戦とかも見たかったな
556 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 21:52:52.34 ID:UTBnoY6o

女「でもそれだとたくさん両替できるお店にかた……偏っちゃうんじゃないの?」

言語学者「両替商の大半は交易商人でもありますので、懇意にしている外国商人との取引がありますから偏る事はあまりありません。それに、旅行者に対しても先ほどのAという店では確かに換金レートが少し低いですが、その代わり格安の宿を紹介してくれたり、ちょっとしたお土産品がついていたりと、全体では帳尻が合うようになっているんですよ」

魔王「ほう、面白いな」

メイド「じゃあ、急いで換金せずに江阪に居る間によさそうなお店を見つければ良いのですね?」

言語学者「はい。もしよろしければ私の友人がやっている両替商もご紹介いたしますので、良い店が見つからなかったらお声をかけてください」

魔王「かたじけない。言語学者殿はしばらく江阪にとろま……留まるのか?」

言語学者「その予定です。私の住まいは港のすぐ近くですので、あとで地図をお渡ししましょう」

勇者「何から何までありがとう」

言語学者「何をおっしゃるのです。出発港の街で強盗に殺されそうになっていた私を助けてくださったのは貴方がたではないですか。これくらいの事ではまだお礼にもなっておりません」

女「皇国の方ってすごくき……勤勉で義理堅いって聞いてたけど、本当にその通りなんですね」ニコニコ

言語学者「そうでしょうか……? 我々はこれが普通なので何とも」キョトン

勇者「あははっ。そういえばあとどれくらいで着くんだろうな。もう1ヶ月になるけど」

言語学者「そうですね……あと一週間〜10日程度でしょうか。長旅でお疲れかと思いますけど、もう少しがんばってください」ニコリ

魔王「うむ、最初は船酔いに困らされたが慣れてみると船上での生活というのも悪くはない」

女「おぷ……お風呂に少しふじゅ……不自由しちゃうのが難点だけどね」

言語学者「皇国の至る所に温泉が湧出しておりますので、到着なさったらまずは温泉に入られると良いと思いますよ」

魔王「温泉とは何だ?」

女「くぁ、火山地帯によくあるのよね? 確か……」

勇者「火山の熱で温められた地下水が湧き出るんだけど、色々とっこ、効能があって、打ち身やねん……? ねん……なんだっけ?」

言語学者「捻挫、ですね」

勇者「そうそう。捻挫とかの傷に聞いたり、関節痛とかの慢性病にも効果があるらしいぞ」

言語学者「美肌の湯、というのもありますよ」

魔王「ほう、それは興味深いな」

メイド「温泉めぐりというのも楽しそうですね」
557 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 21:53:35.91 ID:UTBnoY6o

勇者「っと、今日はそろそろ時間か。つっても語学の勉強っていうより単にしゃべってただけな気もするけど」

言語学者「いえいえ、単にしゃべるというだけでも十分に勉強になっているのですよ。現に今まで全て皇国語で会話していたではありませんか」

魔王「うむ、少し難しかったがかなり理解できるようになった」

勇者「言いづらい発音がけっこ…うあるよなっ!」

言語学者「そうかもしれませんね。逆に我々にとって勇者様達の言語で発音しづらいものもありますよ」

勇者「うーん、共通語とかあれば便利だよなぁ」

魔王「それはそうだろうが、ぼ、母国語というのはなかなか手放せないものだぞ?」

女「そうね。でも、ほかの国の言葉を覚えるのって楽しいじゃない?」

メイド「お茶が入りましたよ。言語学者様もどうぞ」カチャリ

言語学者「ありがとうございます……うん、美味しい。皇国の茶を淹れるのがお上手になりましたね」

メイド「ありがとうございます。紅茶とは少し手法が違いますけど、そこが楽しいですね」ニコニコ

魔王「渋いのに深みがあって美味いな」

女「お砂糖やミルクを入れないのよね?」

言語学者「そうですね。ほかにも色々と変り種の茶がありますから、茶店でお試しになってはいかがでしょうか?」

魔王「色々と楽しみだなっ」

勇者「おう」

言語学者「それでは、私はこの辺でおいとまさせていただきましょう。また明日のお昼に」

魔王「うむ。今日もありがとう」

メイド「お疲れ様でした」ペコリ
558 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 21:54:26.93 ID:UTBnoY6o

ガチャ、バタン


勇者「ふー、慣れたとはいってもやっぱり難しいなぁ」ダレーン

女「最初はちんぷんかんぷんだったもんね」

魔王「言語学者殿が居てくれたお陰で本当に助かったな」

メイド「そうですね。江阪では私達の言葉が使える人がそれなりには居るそうですけど、やはり現地の言葉が使えないと色々と不便でしょうからね」

勇者「王都を出てもう3ヶ月か……みんな元気にやってるのかな」

女「最後の街で見た新聞だと、王都の復興も順調そうだったし、黄将軍さんも王都入りしてたわよね」

魔王「黄の穏やかな性格は人間と合うであろうからな。少しずつ打ち解けていくだろう」

メイド「女王陛下も公務に戻られたようでしたね」

魔王「そう書いていたな。政には参加せずに対外的なポストに就いたようだったが」

勇者「あの気さくさは外交向けだよな。ズケズケと言うけど、厭味がないし」

女「少し怖いけどね」クスクス


コンコン
559 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 21:55:20.70 ID:UTBnoY6o

勇者「はいよ?」ガチャ

女船員「こんばんは。夕食です。毎日似たような物ばかりですいません」

勇者「いやいや、無理言って乗せてもらってるんだ。そんな贅沢言わないよ」

女船員「ありがとうございます。船長が後ほど酒でも呑まないかとおっしゃっておりました」

勇者「わかった。あとで船長さんのトコにうかがわせてもらうよ」

女船員「はい。ではそのように伝えておきます。失礼いたしました」ペコリ バタン

魔王「船長殿のお誘いか?」

女「あの人、すごい呑むよね。女性なのに」

メイド「私も驚きました」

勇者「女の船長さんっていうのも珍しいみたいだけどな。だからこそこうやって乗せてもらえたし」

魔王「そうだな。色々と便宜を図ってもらえてかなり楽だな」

メイド「普通の船は男所帯らしいですからね。女性が乗るには危険な面も多いですが、この船は女性船員も多いので私達にとってはとてもありがたいですね」

勇者「俺は何だか少し肩身狭いけどな。言語学者さんなんかも苦笑いしてたぜ」

魔王「くっくっく。特に言語学者殿は美青年だからな。女船員達の間でも人気が高いらしい」

勇者「どーせ俺はモテませんよっ!」スネスネ

女「あら、私と魔王とメイドさんだけじゃ足りないって事?」ギュッ

魔王「それは聞き捨てならんな」ギュウ

メイド「あらあら」ニコニコ

勇者「ちがっ! そ、そうじゃなくてっ!」

魔王「冗談だ冗談。勇者は最初から私達3人が侍っているから女船員達の対象外なんだろうな」

勇者「あー、そういうことか」

女「浮気したら頭へこむくらい殴るからね」ニコニコ

魔王「生まれた事を後悔させてやるぞ」ニコニコ

勇者「とんでもない地獄を見せられそうだ」ダラダラ

メイド「うふふふふ」ニコニコ
560 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 21:56:13.24 ID:UTBnoY6o

― 船長室 ―


船長「来たわね」ニコニコ

魔王「お招きにあずかり、感謝している」

船長「そんな固い挨拶は抜きにしましょ。ほら、座って座って」

勇者「言語学者さんも来てたんだな」

言語学者「甲板を歩いていたら強引に……」アハハ…

女「それにしても、お酒どれだけ積んでるのよこの船……」

メイド「3日おきに酒盛りしてますね」

船長「今回は積荷が少なかったからね。その分酒を積んだ!」マァノメ

言語学者「あぁっ、溢れていますよ!」オットット

勇者「嵐も抜けて穏やかなもんだな」

魔王「嵐の時はどうなるかと思ったけどな」チビチビ

船長「あの程度の嵐で転覆なんてしないわよ。この船は皇国でも五指に入る大型交易船なのよ」ゴクゴク

女「確かにおっきいですよねぇ」コクコク

メイド「海賊の心配とかはないのですか?」オイシイ

船長「一番危ない場所は過ぎたからなぁ、まぁ、そうそう出会うもんでもないわよ」

女船員「船長っ! 東の方角に船がっ!」

船長「……出会っちゃったかもしれないわね。すぐ行く! 見張りを増やせ!」ガタッ

勇者「俺たちも甲板に出よう」
561 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 21:57:41.37 ID:UTBnoY6o

― 甲板 ―


見張り『高層見張り台より報告っ。停止信号を出してきやした!』

船長「海賊か?」

見張り『暗いので確認できませんが、その可能性が大です』

船長「大砲の準備を! 総員戦闘配置っ!!」

船員達「アイアイサーっ!」

船長「あんた達は船室で待機しておいて。大事なお客を傷つけるわけにはいかないわ」

勇者「ちょうど身体が鈍ってたところだ。乗り込まれたら一緒に戦わせてもらうよ」

魔王「そうだな。客人扱いばかりされるのも悪いな」

女「負傷した人の治癒は任せてちょうだい」

メイド「突貫いたしましょうか?」ニコニコ

船長「貴方達……まぁいいわ。でも、私の指示には従ってちょうだいね。船同士の戦いのルールってのがあるから」

魔王「了解した」

勇者「武器持ってくる。すぐに戻るよ」

言語学者「あの、私も微力ながら……」

船長「学者さんは無理しなくていいよ。っとそうだ。じゃあ、怖がる私の手でも握っておいてもらおうかな」ニヤリ

言語学者「え? え?」

魔王「海の女とは積極的なのだな」

女「見習う?」

メイド「あらあら」ニコニコ


見張り台『視認可能域に入りました! 海賊です! 大砲きますっ!』


ドドォォォン
562 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 21:59:29.57 ID:UTBnoY6o

船長「慌てるなっ! この距離だとまだ当たらんっ! 引き付けてから一斉砲撃よ!」

船員「ヤーッ」

魔王「ふむ、この距離だとさすがに遠すぎて魔法も当たらぬな」

メイド「蒼将軍が居れば空からの攻撃ができましたね」

女「蒼将軍さん……」

魔王「ん、女が気にするでない。あやつは惚れた女を守ったのだ。復活できずとも満足しておろう」

女「うん……」ショボン

メイド「まさか精神体まで焼かれるとは思いませんでしたね」

魔王「賢者Dは魔族についてもかなり研究していたようだな」

女「……」

魔王「ほら、お前がしょげていては勇者が心配するぞ?」

女「うん。わかってるんだけど……ね」

勇者「魔王も言ってるけど、蒼は満足してたんだよ。あの顔見ただろ? すげぇ満足そうだったじゃねぇか。お前を守って死んだんだ。お前がそんな顔すると蒼が怒るぞ?」

女「勇者……うん、わかった」ニコッ

勇者「そうだ。それでいい」ニコ

魔王「うむ。女は笑っている顔が一番だからな」

勇者「魔王だって笑ってる顔が一番だぞ?」

魔王「っ……こ、この馬鹿者っ! いきなり何をっ」マッカ

船長「あのさぁ、待機しててくれとは言ったけど、真横でいちゃいちゃされたら緊張感ってものが……」

メイド「失礼いたしました」

船長「さて、そろそろいきましょうか。右舷砲門、狙い定め! 目標は海賊船! ……撃てーっ!」


ドドドドドドォォォォォンッ
563 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:01:01.06 ID:UTBnoY6o


勇者「すっげぇ音」

魔王「火薬の使い方が我々が居た国より進歩しておるのだな」カンシン

見張り『3発命中! 敵からの反撃来ますっ!』


ドドドォォォンッ


船員「右舷被弾っ! 損傷は軽微っ!」

船長「やってくれるわね。次弾込めつつ旋回っ! 敵の船首に右舷を向けろ!」

操舵員「アイッ!」ガラガラガラ

操帆員「アイッ!」ギリギリギリ

勇者「すげぇ統制とれてるな」

女「普段はみんなのんびりとした人ばっかりだけど、いざっていう時はすごいよね」

メイド「嵐の時もみなさんきびきびと動いておられましたね」

魔王「よほど訓練されているのだろう。船長の人柄も大きく影響しているであろうな」

見張り『敵船首こちらに向いていますっ!』

船長「よぉし、撃てぇぇぇっ!!」


ドドドドドォォォォォンッ!!


見張り『敵船に命中! 浸水発生のもよう!』

船長「よしっ!」

見張り『敵船進路変更なしっ! 突っ込んできます!』

船長「まぁそう来るでしょうね。右舷砲手と操舵員以外は甲板戦準備っ! あなた達の出番よっ!」
564 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:02:22.06 ID:UTBnoY6o

勇者「まっかせろ」

魔王「腕が鳴るな」

メイド「うふふふふ」ニコニコ

女「メイドさん、お手柔らかにね?」コワイカラ

見張り『敵船首、接舷まであと50メートル!』

魔王「どれ、この距離であれば届くだろう。眠りの雲っ!」フォォンッ

見張り『海賊が倒れて……?』

船長「ほぅ、便利な魔法だね」

魔王「無暗に殺生するわけにはいくまい?」

船長「まぁね。でも奴等は狙った船の船員は皆殺しにするような屑ばっかりさ。殺らなきゃ殺られちまうよ。弓隊っ、一斉射!!」


ビュンビュンビュンビュンッ!!

ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!


見張り『敵船からも矢っ! ぐぁっ!?』

船長「ちっ、見張りがっ!」

甲板員「来ますっ!!」


ドドォォォン


海賊A「うぉぉぉぉっ!!」

海賊B「女だっ! 女が居るぞっ!」

海賊C「うひゃひゃひゃひゃっ!! 女は全員生け捕りだぁっ! 野郎は殺せぇぇっ!」

魔王「確かに生かしていても意味はなさそうだな」ハァ
565 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:03:13.44 ID:UTBnoY6o

船長「でしょ? 行くよわっ!」

勇者「応っ!」ダッ

メイド「参りますっ!」

女「全体加速呪っ! 全体硬化っ! 祝福っ!」

魔王「あまり威力のある魔法と火属性は使えぬな……氷の矢っ!!」ヒュォッ

海賊D「魔法使いが居るぞっ! 気をつけろっ!」

海賊E「ぐぉっ! こいつら、強ぇっ!」

勇者「ほいよっ!」ドガッ

メイド「うふふふふふ♪」シュッドスッ

船長「すご……」ビックリ

女「治癒呪っ」フォン

男船員A「ありがとよ、美人さんっ!」ダッ

女「次の人っ!」

魔王「ふーむ、やりづらいな。いっきに殲滅させようとすると船にダメージが……」ブツブツ

勇者「連斬っ!!」ザザザザンッ

メイド「連蹴っ!!」カカカカカッ

海賊F「あの二人がやたら強ぇっ! 弓隊っ二人を集中的に狙えっ!」

魔王「おっと、船長」

船長「なんだ!?」

魔王「海賊の船は沈めてしまっても良いものなのか?」

海賊達「!?」

船長「かまわんっ!!」

魔王「了解したっ!」ニヤリ

海賊G「こ、こっちもだっ! 弓隊っ、こっちの魔法使いもだっ!」
566 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:04:20.87 ID:UTBnoY6o

ヒュンッヒュンッパラパラ


魔王「ぬるい」フォンッ

勇者「狙いがバラけすぎだろっ!」カカンッ

メイド「避けるまでもありませんわね」ピシッ

女「強風呪っ!」ゴォッ パラパラ

魔王「うむ、業火っ!!」ゴォッ!!

海賊B「船がっ! 船がっ!」

海賊H「てめぇっ! よくも俺たちの船をっ!」

船長「一撃で海賊船が半壊か。恐ろしい威力だな」

言語学者「彼らは特殊なのですよ……」コワイヨー

海賊頭「おうおうおうっ!! よくも俺っちの船をやってくれたなぁっ! ここは一発、俺っちとサシで勝負してもらおうっ!!」

勇者「ボスっぽいな」

船長「海賊の頭領だな。賞金首だ」

メイド「殺っちゃって良いのですか?」ニコニコ

船長「いや、ここは私が出よう」

勇者「おいおい、大丈夫なのか?」

女「危ないですよっ!」

船長「伊達に船長をやってるわけではない。まぁ、見ていてもらおう。この船の船長は私だっ! その申し出受けるっ!」

海賊D「おぉーっ! 女の船長だっ!」

海賊E「頭領やっちまえっ!」

海賊F「あいつは俺が犯すからなっ!」

魔王「下品すぎる……」

女「さいってー」

勇者「モロに男所帯っぽいからなぁ」
567 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:05:39.35 ID:UTBnoY6o

船長「さぁっ、かかってこいっ!」ザッ

海賊頭「うへへへへ、なかなか良い身体してるじゃねぇか」ジュルリ

船長「下劣なっ!」ザンッ

海賊頭「おっと」キンッ

船長「おぉぉっ!」ギンッ

海賊頭「なかなかやるなっ!」ギギンッ

勇者「五分っていったところか?」

メイド「そうですね。海賊頭のほうが身体的にも性別的にも若干有利ですが、船長様はスピードを生かしておられますね」

言語学者「あうあう」オロオロ

女「落ち着いてください。船長さんを応援しなきゃ駄目ですよ」

言語学者「あ、は、はい……がんばってくださいっ!」

船長「はいよっ!!」ザッシュッ

海賊頭「おっと、危ねぇ危ねぇ」ザンッ

船長「ほっ!」ヒョィ

海賊頭「今だぁっ!」

ヒュンッ ザッ

船長「がっ! ……ひ、卑怯なっ!」

女「矢がっ!」

勇者「あーあ」

メイド「あーあ、ですわ」

魔王「ふむ、そういう手段なのか」

船員「船長っ!!」

海賊頭「おぉっと、動くなよ。この船長さんの首が魅力的な胴体と離れちまうぜ」グヘヘヘ

船長「くっ……私はかまわないっ! やれっ!」
568 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:06:42.63 ID:UTBnoY6o

メイド「魔王様?」

魔王「よかろう。片付けろ。卑怯すぎてみていてもつまらん」

海賊B「なにいきがってんだよっ! お前達は俺たちがぐへへへ」

海賊頭「お前ら、やっちま……」ゴトン

海賊A「へ?」

海賊D「お、お頭ぁっ!」

海賊F「お頭の首がっ!!」

船長「な、何が……きゃぁぁっ!」

メイド「うふふふふふふ♪」ブブゥンッ

海賊D「ななななな何が起こった!?」

魔王「あー、お前達、そこの沈みかけの船に逃げるか、ここで皆殺しにされるか、選ばせてやる。言っておくがメイドは乱戦になればなるほど強いぞ」ニヤリ

勇者「俺も参加させてもらうけどなっ!」

女「船長さんっ、大丈夫ですか?」

船長「あ、あぁ……」

女「回復呪っ」フォン

言語学者「船長さんっ!」

船長「大丈夫だ」

海賊達「に、逃げろぉぉぉぉっ!!」ドドドドドドドド

メイド「あら、不甲斐ない」ツマンナイ

魔王「無駄に戦う必要もあるまい」

勇者「あの船、1時間も経たずに沈みそうだな」

魔王「1時間も保つまい。なに、海の男らしいから自力で岸まで泳ぐであろう。メイド、ご苦労だった」

メイド「ありがたきお言葉」
569 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:07:54.69 ID:UTBnoY6o

船長「あ、ありがとう……いや、これほどまでに強いとは」

勇者「修羅場くぐってるからな」

魔王「うむ。この程度遊びだ」

メイド「消化不良です」プクリ

女「まぁまぁ、けが人も少なかったし、良かったじゃない」

魔王「そうだな。で、この海賊頭の死体はどうするんだ?」

船長「海に棄てれば魚の餌になるだろう。頭があれば賞金はもらえるからな。おい、棄てておけ。頭は塩漬けにして役人に渡せるように」

船員「はっ!」

船長「本当に助かった。礼を言わせて頂戴」ペコリ

魔王「気にしないでくれ。無料で乗せてもらってるんだ。これくらいの礼はしたい」

船長「あはははっ。ますます気に入ったわ。働き口を探してるなら私の船に乗ってほしいくらいね! 賞金は役人にさっきの首を渡せば受け取れるから港に着いたら渡すわ」

勇者「いや、別にいらないよな?」

魔王「別に金には困っておらんしなぁ」

メイド「そうですね」

女「この船に寄付っということで」

船長「えっと……それは嬉しいけど、奴の首には50万銭の大金が掛かっているのよ?」

魔王「金があって困る事は確かにないが、我々は旅の途中だからな。大金を持ち歩くのは重いしかさばるので面倒なのだ」

船長「何て豪胆な……わかったわ。じゃあ、賞金を受け取って宝石類に変えておくわ。それなら受け取ってもらえる?」

勇者「んー、本当にいらないんだけどなぁ」

船長「貴方達が良くても私達が困るの。他人の手柄で金をもらうなんて人の風上にも置けないじゃないの」

魔王「ふむ。やはり皇国の人間は義に厚いな。碧の一族を見ているようだ」

メイド「そうですわね」

船長「? 何にせよ、換金はしておくからあとで取りにきてね。来なかったら来るまで残しておくわよ!」
570 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:08:28.22 ID:UTBnoY6o

勇者「あー……わかった。じゃあ、遠慮なくもらうが、半分はそっちが受け取ってくれ。これ以上は妥協しないぞ」

船長「受け取る義理がないでしょ」プンスカ

魔王「何を言うのだ。私達は船に乗せてもらっている身なのだぞ。その礼として受け取ってほしいという事だ」

船長「う……」グヌヌ

言語学者「船長さんの負けですね」

船長「しょうがないわね。じゃあ、折半ということにさせてもらうわ。ありがとう」ニコリ

魔王「こちらこそ」ニコッ

船長「さぁ、呑み直しよ! 言語学者さんも一緒に呑みましょ。船員達も当直以外の者は私の奢り酒よ! 今日は呑みましょう!」

船員達「あざーっす!!」
571 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:09:23.69 ID:UTBnoY6o

― 甲板 ―


魔王「ここに居たのか。どうしたのだ?」

勇者「あぁ、魔王か。なんとなく海を見てただけだよ」

魔王「海というのは面白いものだな。ずっと同じ景色のように見えて少しずつその色や波の高さが違うのだな」

勇者「そうだなぁ。星も綺麗だ」

魔王「うむ。野山でも星が綺麗だったが、海上だとさらに美しく見えるな」

勇者「なぁ、魔王」

魔王「ん?」

勇者「なんか不思議だよな」

魔王「なにがだ?」キョトン

勇者「ほら、俺って最初はお前を斃そうとしてたのに、今じゃこうやって死線をくぐりぬけて、一緒に旅までしてるんだぜ?」

魔王「そのような事か。何を今更」

勇者「そりゃそうだけどさぁ、改めて考えてみると不思議だなーって」

魔王「確かにそうかも知れぬな……私とて最初はここまで上手く物事が運ぶとは思ってもみなかった。場合によっては勇者を殺さねばならぬとも思っていた」

勇者「そう……だな」

魔王「でも、勇者はちゃんと私の話を聞いてくれた。そして、我々魔族もひっくるめて全ての民を助け、融和の道を造り上げた」

勇者「そんなすごいことはしてないよ。俺は単に自分が正しいと思った道を選んだだけなんだから」

魔王「その選択が素晴らしいのだ」

勇者「そんなモンなのかなぁ」

魔王「そんなモンなのだ。この私が惚れる人材なのだぞっ」ギュッ

勇者「魔王……」

魔王「ゆう、しゃ……」スッ
572 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:10:00.44 ID:UTBnoY6o

女「はい、残念でした!」ズィッ

勇者「うおっ!」

魔王「あと少しのところで……」チッ

女「ったく、少しでも目を離したらこれなんだから」プンプン

魔王「いや、すまぬ。そのような気はなかったのだがつい勢いでな」

勇者「そ、そうそう。何かそんな流れがなっ!」アセアセ

女「そうやって私を除け者にする……」ブー

魔王「そういうつもりではっ!」

勇者「ゴメンナサイ」

女「まぁ……いいわ。勇者と魔王の絆は私にもわかってるつもりだし」

魔王「女……」

女「でも、勇者はそう簡単には渡しません!」ギュー

魔王「うむ! 私とて女には易々と渡さぬぞ!」ギュゥ

勇者「このパターンか」ゲンナリ
573 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:11:55.45 ID:UTBnoY6o

― 甲板 ―


見張り「陸が見えたぞーっ!!」

勇者「やっと着いたか」

魔王「海賊の襲撃から一週間か。暇ではあったが、良い船旅ではあったな……おぉ、見える見える」

女「全然見えないよー?」ドコ?

メイド「視力強化の魔法を使っておられるからですね」

女「身体強化系かぁ。私苦手なのよね」

勇者「使えるようになっておけば何かと便利だぞ?」ミエル

船長「接舷準備っ! 甲板要員はロープの準備をっ!」

船員達「アイアイサーッ」

勇者「あわただしくなってきたな。邪魔にならないように船室に降りるか?」

魔王「ううむ、港に着く瞬間を見てみたいがやむをえんな」

船長「操舵室に来ればいいのよ。少し騒がしいけどあそこなら高い場所にあるし、よく見えるわよ?」

魔王「良いのか? ではお邪魔しよう」ワクワク

勇者「子供か……」ウキウキ

女「勇者だってそうじゃない」ソワソワ

メイド「みなさん興味津々ですわね」ワタシモ
574 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/06(月) 22:16:42.64 ID:UTBnoY6o

以上が本日の更新となります。

>>555
その辺りはご想像にお任せいたします。
勇者曰く「大変すぎ。魔族倒しまくった」
魔王曰く「前魔王がムカついたからな。かなり苦労したぞ」
とのことだそうです。単純。


さてさて、投下前に書いていたお伺いしたい件ですが、またこちらでどう書けば良いのか思案しておりますので、もう少し後にしようと思っております。もうちょっと頭良くなりたいです……
先に一つだけ製作速報のルールで教えていただきたいのですが、ここってR18のSSって書いても大丈夫なのでしょうか? なんとなく思ったのでうかがっているだけですので、決して早とちりはなさらないでください。あくまで単なる疑問です。私のような屑ヘタレが悶絶エロSSなど書けるわけがありません。

それでは、しばし頭を休憩させて参ります。(土下座)
575 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 23:04:37.77 ID:kbSwMFMP
へたれの癖に面白いな乙
R18はそこそこあるぞSSでもゲーム製作でも
576 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 00:07:23.33 ID:p1Y6tt6o
先程お聞きしたいことが〜っとか書いておきながら結局頭の整理がつかない状態が続いておりますので(あたまわるいので)、なかったことにしてください。本当にすみません。お詫びに石抱きしておきます。
次回予告書こうと思ったのですがロクすっぽネタが浮かばない上に明らかにヘタレの癖に調子に乗りすぎてるとわかりましたので自重します。

明日も書き溜めをしつつ、投下できる状態になったら投下させていただきますので、もしよろしければお付き合いくださいませ。

それでは皆様、おやすみなさいませ。良い夢がみれますよう、お祈り申し上げます。(土下寝)
577 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 00:49:48.50 ID:KDlf7UAO
へたれおつ!
もっと調子にのっていいんだぞ!
578 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 00:53:01.84 ID:sRZOgW60
乙です。
579 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 01:06:33.76 ID:07rjUuIo
勇者と魔王とメイドと女は皇国、蒼は戦死、黄は王都

今魔族領を纏める奴が碧しか居ないわけだが大丈夫なのか?
580 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 01:11:02.06 ID:HYMBFBgo
賢者とか居るし
他の奴らも居るっしょ?
581 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 02:42:24.71 ID:.NlRVEAo
おつへたれ
582 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 02:47:00.00 ID:uCG8zsQo
おもしろいしえん
583 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 03:22:11.54 ID:uaNmXeIo
これだけやる人間がヘタレを名乗るとか俺はどうすればいいんだよ…
584 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 05:16:43.52 ID:VU8QLkDO
ふざけんなこのヘタレ!
いつになったら濡れ場になるんだ!
いい加減にしないと魔王・女・メイドであれよこれよと妄想してヘタレがいないうちに乗っ取るぞ!(実際にはやらんけどなこのヘタレ)

>>583
とりあえず罵倒すればいいと思うよ
585 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 05:48:23.71 ID:imkPp6DO
江阪が江頭に見えた
586 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 07:58:16.29 ID:hBsQzhwo
あいかわらず楽しすぐるっ
江頭おつ!
でなくて、ヘタレ頭おつ!
ヘタレ長でもいいぞ
587 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/07(火) 09:28:22.70 ID:DgeO6kSO
全く毎回毎回石抱きと土下座
たまには別の方法を考えろよ

そうだな…褒め殺しってのはどうだ?
588 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 09:40:39.06 ID:imkPp6DO
喜びそうな拷問つーと、あとは銃殺とか
589 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 10:08:11.46 ID:YTrsGIAO
しかしこのヘタレ、よく頑張るな…
590 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 16:26:51.48 ID:fRvCOD6o
>>587
逆さ釣り、亀甲縛り
591 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 16:48:08.06 ID:0.7aHEDO
お前が喜んでどうすんだよ
592 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 17:01:51.20 ID:z2.D4Dko
メイドかわいいよメイド
593 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:05:59.44 ID:5HC9CEco
皆様こんばんは。本日も多大なるご支援本当にありがとうございます。セルフ駿河問いをしつつ御礼申し上げます。

本日の更新なのですが、正直なところ時間がありません。しかも書き溜めの量も少ないです。なので、一気に投下してしまいます。楽しみになさってくださっておられる皆様には心よりお詫び申し上げます。
さらに言い訳を重ねるならば、見事なまでに行き先を見失って絶賛迷走中でもあったりします。この4人いったいどこに行くのか誰か教えて下さいお願いします。

ではでは、火曜日の夜。まだ週も始まって間もないですが、師走の忙しさの中一服ついでにお楽しみいただければ、と思いつつお送りさせていただきます。
594 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 18:08:23.09 ID:hBsQzhwo
wktkk
595 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:12:24.60 ID:5HC9CEco
>>579
魔王軍は各将軍の副官達が留守を守ってるそうです。人間と講和した現在、魔族の中でも好奇心旺盛な者は人間の都市にフラフラと行ってたりしますし、魔族の街にも同じく好奇心旺盛な人たちがやってきたりしているそうです。
魔王や勇者達が懸念するほどの時間もかからずに人魔の交流は進むのかもしれませんね。
ちなみに黄将軍とその親戚家族は王都でなぜか人間の子供達に気に入られていつも遊んだりお話を聞かせたりしているそうです。子供の順応性すげぇ。
このあたりも機会があればどこかに入れたいエピソードではありますね。

>>583
ヘタレです。>>584様がおっしゃる通りに、罵ってくださればむしろ喜ぶかもしれません。
語弊を承知で書きますと、私程度の文章でしたら「よし。書いてみるぞ!」という気合と少しばかりの勇気があればすぐに追い越せると思いますよ。必要なのは創造力とほんの少しの勇気だけです。>>583様もトライしてみてはいかがでしょうか? 新しい世界の扉はいつでも目の前にあるものですよ。


>>587
今回は駿河問いにしてみました。これはかなりキツいです・・・・・・
596 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:13:30.59 ID:5HC9CEco

― 皇国首都 江阪 港 ―


勇者「それじゃあ船長さん、お世話になりました」

船長「こっちこそありがとう。3日くらいで報奨金が下りると思うから、その頃にまた来てもらえる?」

魔王「承知した。しばらくここに停泊予定なのか?」

船長「国内を少し行ったり来たりするけど、すぐに戻ると思うわよ」

女「お忙しいんですね」

船長「貧乏暇なしってね」ニコッ

メイド「本当にお世話になりました。またよろしくお願いいたします」ペコリ

言語学者「あ、居た居た。地図をお渡しするのを忘れてました」

魔王「言語学者殿。わざわざ済まないな」

言語学者「いえいえ。折角お知り合いになれたのです。このご縁を大切にしたいですからね」ニコリ

メイド「えっと、この印がついているのが言語学者様のお宅なのでしょうか?」

言語学者「はい。街の北西にある大学院の方に行っている事も多いですので、自宅に居なかったらそちらの方に顔を出していただければ居ると思います」

女「んっと……あ、これが大学院なのね」

言語学者「はい。入り口で私の名を出していただければすぐにわかると思います」

勇者「本当に何から何まですまない」

言語学者「お気になさらずに。宿の手配とかで困ったらいつでもどうぞ」

魔王「かたじけない。それではまたお会いしよう」

船長「またね」フリフリ

言語学者「またお会いしましょう!」ペコリ
597 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:14:06.95 ID:5HC9CEco

― 江阪 大通り ―


女「うっわー、賑やかねぇ」

メイド「商人の数が段違いですわね」

商人A「そこの美人さん達っ、良いモノがあるよっ!」

商人B「こっちこっち! 面白いモノが山積みだぜ!」

魔王「言語学者殿がおっしゃっていた通りだな」

勇者「進めねぇ……あー、もうっ! こっちの通り入ろうぜ」

女「あ、勇者待ってよっ!」

?「あんた達っ! こんな事してタダで済むと思ってるのっ!?」

?「お、お姉ちゃん……」

勇者「んー? あっちか」スタスタ

魔王「おい、勇者っ!」

女「まーたいつもの癖が……」

メイド「トラブルに自分から首を突っ込んでおられますね」
598 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:15:10.53 ID:5HC9CEco

― 江阪 裏通り ―

魔王「ふむ、こっち側は住宅街のようだな」

メイド「碁盤目状に都市整備がなされているようですね。慣れないと迷ってしまいそうです」

女「動きやすいといえば動きやすいけどね」

?「ちょ、ちょっと! 何するのよっ!?」

?「ふぇぇぇぇ、おねぇちゃぁん」

勇者「見つけた」

男A「いいから大人しくついて来いよっ」

男B「素直に言う事聞かないと痛い目にあっちまうぞぉ?」

女の子「お断りします」ノーサンキュー

男の子「ふぇぇぇぇ」グスグス

男C「いいから来いよっ!」グィッ

女の子「きゃっ」

男の子「おねえちゃんっ!」

男A「誘拐は面倒だよなぁ」

男B「そうそう。でもまぁ、今回はしょーがあんめぇよ」

勇者「うんうん、面倒だよなぁ」ニコニコ

男A「だ、誰だてめぇっ!?」

男C「が、外人!? 何の用だ!」バッ

勇者「通りすがりの外人だ。お前ら、真昼間から誘拐とか何考えてんだよ」アキレ

魔王「弱いものいじめどころの話ではないな」

女「貴方達、大丈夫? 痛くなかった?」

男B「んだよお前らっ!?」

男A「待て。良い事思いついた。なぁあんた達」

勇者「ん?」
599 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:16:04.24 ID:5HC9CEco

男A「ヤローに話しかけてねぇよ。そこの艶っぽいお姉さん」

魔王「なんだ、私に用か?」

男B「じゃあ、俺はこの綺麗な銀髪のコにするぜ」ニヤニヤ

女「……うーん、怪我はなさそうね」ムシ

男C「ひゃはははっ! だっせぇなぁBは。俺はやっぱりこの従順そうなオネエサンが良……」ピキッ

メイド「なんでしょうか?」ニコニコ ブォンッ

魔王「メイド、魔力剣はやめておけ」

メイド「はぁい」ツマンナイ

魔王「それで、何用かな?」ニッコリ

男A「そ、その……なんでもないですっ!」ダッ

男B「あ、ちょっ、待てよっ!」

男C「俺も!!」

勇者「出番なしかよ俺」ガックリ

魔王「情けない奴等だな」

女「もう大丈夫よ」

女の子「ありがとうございます。貴方達はこの国の人じゃないのね?」

男の子「……」グスッ キュッ

女の子「ほらっ、あんたもちゃんとお礼を言うっ!」プンプン

男の子「ぐすっ……あ、ありがとうございます……」グスグス

女「ふふっ。良い子ですね」ニコニコ ナデナデ

男の子「ふぁっ……えへへへ」ニコッ
600 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:17:13.81 ID:5HC9CEco

魔王「話の途中であったな。見ての通り今日入港した船でこの国にやってきた」

女の子「そっか。それで……」

勇者「?」

女の子「いえ、何でもないです。危ない所を助けていただいてありがとうございましたっ!」ペコリ

メイド「躾の行き届いたお子様ですね」ニコニコ

女の子「家が厳しいもので……」テレリ

男の子「お、おねえちゃんっ!」ゴニョゴニョ

女の子「……そうね。あの、もしよろしければお礼をさせていただきたいのですが、お泊りになっている宿を教えていただけないでしょうかっ?」

勇者「んー、まだ決まってないんだよ。大通りフラフラしてたら声が聞こえたから来てみたんだけど」

女の子「そうなんですか……えっと、どうしようかな」

魔王「気にするでない」

男の子「じゃ、じゃあ、僕の家にどうぞっ! ウチ、結構広いから部屋もあ、ありま……す」モジモジ

女「弟さんの方がすこーし恥ずかしがりやさんなのかな?」ナデナデ

男の子「ぁぅっ……」テレテレ

女の子「ほらっ、しゃきっとしなさいっ!」バンッ

男の子「うー……」ヒリヒリ

メイド「何なのでしょうかこの可愛い生物は」

女「その発言、ちょっとアブないからね。可愛いのは認めるけど」

女の子「我が家の家訓で助けられたらその恩を10倍にして返せという言葉があります。皆様にお礼をしなければ私が父上や母上からお叱りを受けてしまいますのでっ」

勇者「結構良いトコの子供なのか?」

魔王「であろうな。着ている服を見ても一目で高級品とわかる」

女「勇者、どうする?」

男の子「ぜ、ぜひっ! どうぞっ! こっちですっ」ギュッ

勇者「お、おいおいっ!」

メイド「あら、以外と勇気がおありになるのですね」ニコニコ
601 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:18:10.91 ID:5HC9CEco

女の子「ちょっとテンパってるんです。一度決めたらなかなか曲げない子だから。今日も二人きりで外出なんてダメって言ったのに……」ハァ

魔王「血のつながった姉弟、というわけではないようだな」

女の子「はい。私はあの子のお父様にお仕えする臣の一人なのです。あの子と年齢が近いから面倒を見てあげてるんです」

女「えらいね」ナデナデ

女の子「あ、ありがとうございます……」マッカ

魔王「さて、ではお邪魔しようか。勇者達は少し先に行ってしまったしな」

女の子「あっ、ホントだ。あの子この辺の地図わかってないのにっ! すみません、少し走りますっ!」タタタッ

メイド「あらあら」ニコニコ


男の子「えっと……ここがこっちだから……」オロオロ

勇者「迷っちまったか?」

男の子「ふぇっ、だ、だ、だいじょうっぶっですっ!!」ヒック

勇者「わかったわかった」シャガミ

男の子「?」

勇者「おっきく息を吸ってー」

男の子「すーっ」

勇者「吐いてー」

男の子「はーっ」

勇者「少しは落ち着いたか?」

男の子「……はいっ!」ニコッ

勇者「よーし、良い子だ。男なんだからこう、どっしりと構えなきゃな」ニカッ

男の子「はいっ! えっと……」

勇者「あぁ、名乗ってなかったか。俺は勇者っていうんだ。仲間はあとで合流したら一緒に紹介するな」

男の子「はいっ!」
602 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:19:07.22 ID:5HC9CEco

女の子「やっと見つけたっ!」

男の子「おねえちゃんっ!」ギュー

女の子「もうっ、道もわかんないのに勝手に行っちゃだめでしょっ!」

男の子「ごめんなさぁい……」

魔王「おぉ、居たか」

勇者「おう。じゃあ改めて紹介しよう。俺は勇者。こっちの黒髪の女の人が魔王で、そっちの銀髪が女、んで、金髪の人がメイドさん」

女の子「ありがとうございます。私は臣娘と申します。こっちは……」

男の子「あ、えっと、えっと……」オロオロ

勇者「ほら、深呼吸深呼吸」

男の子「あっ」スーッハーッ

臣娘「へぇ〜。すぐに泣かないのね」ニコッ

男の子「むー。そんなにいつも泣いてないよぅ」プクー

?「こちらにおいででしたかっ!!」

勇者「ん?」

?「貴様らが誘拐犯かっ! こちらは治安隊だっ! 大人しくお縄につけぃっ!」

メイド「あらあら」

男の子「ち、違うのっ!」

治安隊A「と、おっしゃいますと?」

女の子「誘拐されそうになったのをこの方達が助けてくださったのです。それで、坊ちゃまが家に招待したい、と」

治安隊B「そうでしたか。これは申し訳ない」ケイレイ

勇者「気にしてないよ。じゃあ、この子達はお任せしても良いか?」

男の子「あっ」

治安隊A「はいっ! 我々が責任を持ってお送りいたしますっ!」
603 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:19:43.11 ID:5HC9CEco

男の子「あのっ! 違うっ!」

治安隊B「何でございましょうか?」

男の子「あの、えっと、その……」

魔王「かなりの名家のご子息のようだな」ヒソヒソ

女「そんな感じね。臣娘ちゃんのお父さんの上司さんみたいだし」ヒソヒソ

勇者「またややこしいことに首を突っ込んだ気がする」

メイド「今更ですか?」ニコニコ

勇者「その笑顔がなぜか厳しいです」

治安隊A「では、ご案内いたしますっ。こちらへどうぞっ!」

勇者「へ? いや、俺達はそろそろ宿を探しに……」

臣娘「坊ちゃまの家にご逗留していただくというお話になったはずですっ!」プンスカ

魔王「だがな……」

男の子「お礼、したいです」ウルウル

メイド「わぁ、舐めてみたい」ポツリ

女「どういう意味!?」ビクッ

メイド「なんでもございません」ヘーゼン

女「時々メイドさんがわからないわ……」

魔王「案ずるな。私はいまだにわからぬ」エッヘン

メイド「うふふふ♪」ニコニコ

勇者「じゃあ、少しだけお邪魔させていただくって事で」

男の子「はいっ!」ニコッ
604 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:20:54.49 ID:5HC9CEco

― 江阪 大きなお屋敷 ―


勇者「……でけぇ」

魔王「広いな、これは」

メイド「そういえばこの街には高層建築物ってないのですね」

臣娘「はい。この国は地震がすごく多いので、あまり高い建物を建てる事ができないのです」

女「だから平屋か高くても3階建てのお家ばかりなのね」

魔王「とはいえ、この敷地面積はちょっとすごいぞ」

メイド「魔王城の半分弱といったところでしょうか」

勇者「それはちょっと言いすぎだけど、1/3は確実にあるだろうな」

女「普通のお家の10倍は確実ね」

男の子「こちらですっ!」ニコニコ

治安隊A「では、我々はこれにて失礼いたしますっ」ピシッ

治安隊B「失礼いたしますっ!」ピシッ

勇者「お疲れ様でした。ありがとうございます」

治安隊A「いえっ、これも責務ですのでっ!」ケイレイ

臣娘「では、ご案内いたします」

女性「あぁっ! よくぞご無事でっ!!」

男の子「心配かけてごめんなさい」

女性「良いのですっ。良いのですっ。ご無事に戻っていただけただけで私はもうっ!」

勇者「えっと……」

女性「はっ、し、失礼いたしました。治安部隊の者からお話は伺っております。私は乳母(めのと)でございます」ペコリ
605 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:21:31.71 ID:5HC9CEco

女「乳母って何だろ?」

魔王「教育係という意味だったと思う」

乳母「こちらへどうぞ。皇王陛下が直接お礼を言いたいそうです」

勇者「あー」

魔王「あー」

女「あー」

メイド「なるほど」ポン

男の子「ふぇ?」キョトン

勇者「ってことは、この男の子は……」

乳母「次期皇王陛下になるべき皇太子殿下でございます」

勇者「うん、予想はなんとなくついてたけど、ちょっと斜め上だった」

魔王「せめて大臣だと思っておったのだがな」

女「臣娘ちゃんの上司っていうところで察すればよかったね」

メイド「でも、そうそう出会うとは誰も思いませんからねぇ」

皇太子「ふゅ?」キョトン

?「戻ったか! まったくどこに行っておったのだ!?」ビリビリビリ

臣娘「陛下っ!」サッ

乳母「殿下は無事にお戻りになられました」サッ

勇者「作法がわからない」

魔王「とりあえずはあの者達に倣って脇に下がって片膝をつこう」スッ

女「そうね」スッ

メイド「あら、なかなかお若い」スッ

皇王「お主達が我が息子を助けてくれたのか。心より礼を言うぞ……っと、通訳が必要か?」

魔王「いえ、偶然通りがかっただけでございますゆえ」

皇王「ほぅ、皇国語がお上手だと見受けられる」
606 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:22:23.48 ID:5HC9CEco

勇者「1ヵ月半みっちりトレーニング受けましたからね」タイヘンダッタ

皇王「ほほぅ。我が国へは何か目的が?」

女「特にこれといってありません。旅の途中で東のほうにある国が楽しいという噂を聞いてやってまいりました」

皇王「そうかそうか。申し訳ない、少々バタバタしておってな。思わず詰問口調になってしまった。許されよ」ハッハッハ

皇太子「父上、それで……」ゴニョゴニョ

皇王「ふむ、それもそうだな。旅のかたがた、聞けばまだ宿を取っておらぬとか。この国に居る間はここが我が家だと思ってもらいたい」

勇者「セキュリティって言葉わかる?」

魔王「こら、勇者っ!」

皇王「歯に衣を着せぬ若造だな。気に入ったぞ!」バンバン

勇者「イタイイイタイ」

皇王「人を見る目は確かだ。私がそのようなミスをするわけがあるまい!」ハッハッハ

勇者「豪胆すぎだろこの人」

魔王「うーむ、碧を見ているようだ」

メイド「碧将軍の豪胆さですね」

女「えっと、どうするの?」

皇太子「あ、あのっ、是非お泊りくださいっ!」キュッ

メイド「あらあら、引き止められてしまいました。これは動けませんね♪」ニコニコ

女「だから危ないから」

魔王「メイド、自重しろ」

メイド「はぁい」フフク

勇者「そこまで言われたらお世話になるしかないだろ。じゃあ、少しの間お願いします」

皇王「よしわかった! 侍従長、侍従長はおるか!?」パンパンッ

侍従長「はいっ!」

皇王「夜の予定は何かあったか?」
607 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:23:39.82 ID:5HC9CEco

侍従長「本日は夕刻より商人協会の会合がございます」

皇王「ふむ……」チラリ

侍従長「が、もし陛下のご体調が『思わしくない』のであれば、代理の者が参る予定になっております」

皇王「そうか。実はな、ここのところの激務で疲れが溜まっておるのだ。腹の調子も悪い」

侍従長「それはそれは……ぜひともお休みいただかなくてはいけないかと」

勇者「うわひでぇ」

侍従長「酷いなどとんでもない! 事実、陛下はここ半年休む間もなくご公務に専念されておりました。体調を崩されて当然かと」エッヘン

魔王「ふむ、このような方法で公務を休むという手は知らなかったな」

メイド「魔王様は真面目すぎる程に真面目ですから」ニコニコ

皇王「よし。決まった。宴だ! 宴を開くぞっ! 我が子が無事に戻り、しかも客人を連れてきたのだ! ぱーっといこう!」

勇者「この人結構好きかもしれん」

女「あんたとも似てるからね。単純そうなところとか」
608 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:24:38.52 ID:5HC9CEco

― 皇居 中庭 ―


皇王「ほほぅ。それで自分達の国を出た、ということか」

勇者「あぁ。面倒だったしな」

皇王「となると、こちらのご婦人は魔族という事なのか? 見た目は我々と何も変わらぬように見えるが……」

魔王「姿変化の魔法を使っておる。解除するとこうなる」ポンッ

皇王「おぉ、角か! 鬼の角とはまた違う風だな」

勇者「鬼?」

女「皇国独自の魔法で召喚できる一角の巨人の事よ。えっと、陰陽道……だったかな?」

皇王「うむ。我が国の事をよく理解しておるな」ウレシイ

皇太子「ふぇーっ、角……ですか?」

メイド「はい。触ってごらんになりますか?」

皇太子「えっと……」ソッ

メイド「うふふふ」クスクス

女「どうしよう止めたいけど止めれない」

皇太子「あ、あのっ、これもよかったらどうぞっ」ニコニコ

メイド「あらあら、これは……何でしょう?」

魔王「魚のすり身を竹筒に巻いて焼き色をつけたものだな。私も先ほど食べたが美味いぞ」

メイド「珍しい食べ物ですね……ありがとうございます。いただきます」ナデナデ

皇太子「えへへー」ニコニコ

臣娘「こちらもぞうぞ」ニコニコ

勇者「んーっと、これは鶏肉と葱……?」

臣娘「焼き鳥といいます。鶏肉と葱を串に刺して炭火で炙り、たれをつけながら焼くんです」

勇者「お、これも美味いなっ。甘辛い味がたまらないぞ」

女「どれどれ……あ、ホントだ。美味しい」
609 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:25:25.29 ID:5HC9CEco

臣娘「私が焼いたんです。気に入っていただけて良かった」ニコッ

勇者「臣娘ちゃんはしっかりしてるなぁ」ナデナデ

臣娘「ありがとうございます」テレリ

皇王「臣娘よ、今日も息子の面倒を見てもらってすまなかったな」

臣娘「いえ、私の所為で殿下を危険な目に遭わせてしまいました。この罰は如何様にも受けますので、父には……」

?「臣娘っ!!」

皇王「すまん、遅い」

?「皇王陛下、このたびは娘が殿下を危険な事に晒してしまい、誠に申し訳ございませんでした。この罰、我が命に代えてお詫び申し上げます!」

皇王「良い良い。どうせ我が息子が我侭を言ったのであろう」

皇太子「ぁぅ……」ビクッ

皇王「やんちゃに育てとは言ったが、周囲に迷惑をかけてはならんぞ?」

皇太子「は、はい」

右大臣「お客人がおられたのですね。申し送れました。私、陛下にお仕えする大臣の一人、右大臣と申す。娘が世話になったようで申し訳ない」

魔王「気になさらないでくれ。良くできた娘さんだ。自慢して良いかと思うぞ」

右大臣「そうおっしゃっていただけると嬉しく思います」ペコリ

皇王「ほれ、右大臣も呑め!」

右大臣「し、しかしっ、まだ職務の途中ですのでっ」

皇王「俺の酒が呑めないってーことか?」アン?

勇者「タチわりぃ」

魔王「なかなか良い性格のようだな」ゴクゴク
610 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:26:33.71 ID:5HC9CEco

臣娘「お父様、たまには家でお休みになってください。ここのところずっと宮中で寝泊りなさってるじゃないですか」

右大臣「うむ、仕事が忙しくてな。寂しい思いをさせてすまぬ」

臣娘「お母様も心配しておられましたよ」

右大臣「ううむ……」

女「奥さんの尻に敷かれてるに100G」コソコソ

魔王「賭けが成立せぬな」コソコソ

メイド「あらあら」ニコニコ ナデナデ

皇太子「えへへー」ニコニコ

勇者「手なづけやがった……」

皇王「聞きそびれておったが、この街の他に行きたいところなどあったのか?」

勇者「いや、全然考えてなかった。本当に観光で来たからな」

皇王「ふーむ……ちと悪いがひとつ頼まれて貰えぬだろうか?」

魔王「ん?」

女「すこーしヤな予感」

メイド「その予感が的中するのに1000G賭けますわ」ゴクゴク

皇王「たいした用ではない。しばらくの間で良いのだが我が息子の護衛を頼みたいのだ」

勇者「……そんなに物騒なのか?」

皇王「知っての通り、我が国は島国だ。他国からの侵略を受けた事はないのだが、海を挟んだ向こう側の中つ国は昔から我が国を狙っておる」

魔王「あぁ、言語学者殿に聞いた覚えがあるな。資源と人材が豊富な皇国をつけねらう国があるとか」

皇王「うむ。今日の誘拐犯は根性のない腑抜けた者だったから良いものの、いつ暗殺者が現れるかもわからん。治安隊も警備を固めておるが、市中の警備もあるので人手不足が否めぬ」

右大臣「陛下、なにも国外の人間に頼まずとも……」

侍従長「その件ですが、私も異論がございません」

右大臣「侍従長まで何を……」

侍従長「先ほど治安部隊本部から連絡が入りました。近海に出没しておりました海賊が討伐されたそうです」
611 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:27:24.10 ID:5HC9CEco

皇王「あの厄介者共がか?」

侍従長「はい。交易船が撃破し、海賊頭の首を持ってきたそうです」

右大臣「交易船というと、あの女船長か」

皇王「おぉ、あの気風の良い者か。それで、それがこの者達とどう関係があるのだ?」

侍従長「船長が言うには、海賊船を魔法の一撃で沈め、海賊頭の首を難なく狩ったのが外国人の一団で、その特徴がそこに居る者達と一致いたします」

勇者「そんな事もあったなぁ」

魔王「腕試しにもならなかったがな」

メイド「お気楽でしたねぇ」ニコニコ

女「だからあんた達が規格外なのよ……」

皇王「では、適任だな」ニヤリ

勇者「やっぱそーなっちゃうの?」

皇王「当然だろう。頼む、ちゃんと礼はするから。我が息子が今にも危険な目に遭っているかと想像するだけでも俺は心が張り裂けそうになってしまう!」ウルウル

勇者「ごめん、おっさんが瞳潤ませてもむしろ萎えてしまう」

皇太子「僕からもお願いします」ウルウル

メイド「受けましょう」

勇者「おーい」

メイド「このような可愛い子供を手にかけようとする不届きな輩、即座に排除すべきです」

勇者「俺は受けるって言ってないぞー」

皇王「おぉ! 受けてくれるか! これ程心強いものはない!」
612 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:28:11.13 ID:5HC9CEco

勇者「魔王、俺、泣いていいかな?」

魔王「胸、貸してやるぞ?」

女「私が貸すから魔王はお酒呑んでていいわよ」

勇者「こっちはこっちで……はいはい、受けますよ受けさせていただきます」

メイド「それでこそ勇者様です♪」ニコニコ

皇太子「あ、ありがとうございますっ!」

臣娘「よかったね」

皇太子「うんっ!」

右大臣「もしよろしければうちの娘も……」

魔王「どちらにせよいつも一緒なのであろう? ならば一人増えたところで問題ない」

臣娘「いいんですか? じゃあ、一緒に武芸も教えていただけますか?」キラキラ
613 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:28:43.21 ID:5HC9CEco

勇者「この子、武芸ヲタクだ」

女「っとなると、勇者かメイドさんが適任になるわよね」

皇王「我が息子も一緒に鍛えてやってくれ。もう少しがんばらねばな」

皇太子「が、がんばります……」オロオロ

メイド「私がきちんと教えてさしあげますからねぇ♪」ナデナデ

勇者「魔王、メイドさんに魔王城に帰ってもらえないか?」

魔王「無理だな。どうせ私の言う事など聞きはせんだろう」

勇者「お前上司なんだろ!?」

皇太子・臣娘「どうぞ、よろしくお願いしますっ!」ペコリ

勇者「あー、わかりました」スキニシテ

皇王「うむ、めでたいめでたいっ! さぁ、酒だっ! 酒をもてっ!」カンパーイ

勇者「あははは……」

魔王「諦めが肝心だ」

女「あーあ、ゆっくりできるはずだったのに……」

メイド「うふふふふ♪」ニコニコ
614 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/07(火) 18:40:59.92 ID:5HC9CEco

本日の投下は以上となります。かなり死にたくなってきました。お話がぐだぐだ過ぎる……明日以降はもうちょっとマトモに読んでいただけるレベルの物を提供できるよう、駿河問いを続けながら頭を捻っておきます。

皇国編をはじめる前にも書きましたが、あくまでオマケ的要素ですので、あまり深く考えずに適当に読んでいただけると幸いです。調子に乗りすぎてごめんなさい。

あと、ひとつ皆様に質問ですが、皆様は【Play-by-mail game】というのをご存知でしょうか? 現在私が興味をもっておりまして、この製作速報の場で実践出来ないかと思案しております。

簡単に書きますと、たとえば私がいつものようにSSの一節を投下します。その後、皆さんがレスという形で「じゃあ俺はこういう行動を取るぜ」や「俺はこっちに行ってみるぜ」などの行動を提示していただき、その中から私が物語に反映できそうな部分を抽出し、本文に組み込んでいくという、簡単に言うと安価SSみたいな感じです。
このプレイ方法はTRPG(テーブルトーキングRPG)から派生したもので、有名なところですと、【蓬莱学園の冒険】がその代表格になるかと思われます。歳がバレそうですね。
さておき、私もまだ色々と勉強中ではございますが、皆様の中で「興味あるぞー」という方が奇跡的におられましたらレスをいただきたいと思っております。場合によっては現在進行中の皇国編にて試験的に部分導入もしてみようかとも思っております。(未定ですが)

【Play-by-mail game】につきましては、Wikipediaが最も詳しく説明なさってると思いますので、そちらをご参考にと思います。(参考URL:ttp://ja.wikipedia.org/wiki/プレイバイメール)

それでは、時間が迫ってまいりましたので本日のところはひとまず幕とさせていただきます。(土下座)
615 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 18:48:36.67 ID:uaNmXeIo
>>595
ヤダ、このヘタレかっこいい///

十分な量の投下なのにこの謙りっぷり
なんて慇懃無礼なヤツだ!(こうですか?)

リンクは読んでないけど、この板でやってる人がいる脱出のみたいな感じですかね?
考えてる方は大変そうだけど、見てる方としてはおもしろそうだよね

乙です
616 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 20:44:43.22 ID:fRvCOD6o
さすが抜かりがない、主にメイドが

ちょっと俺日本刀買ってくる
617 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 21:49:35.56 ID:yU424cUo
TRPGファンとしては参加しないわけにはいかない
618 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 22:44:15.61 ID:5C6j4Voo
面白いぞヘタレ
619 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 23:03:53.56 ID:YTrsGIAO
ゲームでいうクリア後みたいなサブストーリーだな

普通に面白い
620 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 23:24:02.05 ID:WkpabQko
乙だぜ

安価SS的なやつなのかしら
621 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 00:08:35.33 ID:n3VgtxAo
皆様こんばんは。明日6時起きなのに書き溜めしてて気づいたらこんな時間でした。
まだ投下できる程の完成度でもない上に量も溜まっておりませんので、今からの投下はできませんが、せめていくつかのレスだけでも。
同じ言葉になってしまい、恐縮ですが、いつもご支援、罵倒ありがとうございます。本日は一日中駿河問いでお送りいたしております。そろそろ死んでしまふ。


>>615
かっこいいとか間違えてます。一度眼科へ行く事をお勧めいたします。ただのヘタレです。トライする勇気は湧きましたでしょうか?
脱出というのを見た事がないので何とも言えませんが、私の方でもまだ「できたら楽しそうだなぁ」程度の構想ですので、あまり期待なさらないようにしてください。所詮はヘタレがやることです。

>>619
サブストーリーです。もう完全に。しかもプロット組んでおりませんので、ぐだぐだ率急上昇しております。罵詈雑言絶賛受付中です。

>>620
安価SSに近い形ではあると思います。折を見て説明を纏めようと思っておりますが、書き溜めに必死なのでもうしばらくお待ちください。


全ての皆様にレスが返せず、申し訳ございません。時間も迫ってまいりましたので、本日のところはこれにて失礼いたします。また明日(0時過ぎてたので今日)お会いいたしましょう。
今夜も皆様に良い夢が訪れますよう、心よりお祈り申し上げます。(駿河問いのまま)
622 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 00:30:48.42 ID:KXH7L..o
乙楽しく読ませてもらってるぜ
623 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 02:14:34.09 ID:wg22LJko
なんてアグレッシヴなヘタレなんだッ!
へタレの定義を根本から覆しているッ!
624 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 03:58:24.35 ID:akbVqt.o
>>616
なるほどPBM?PBW?だかでヘタレがSSに反映した内容をさらに現実に反映するんだな?
625 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 08:10:44.53 ID:pthKOSso
文は上手いが内容は確かにグダグダだ!

へタレのPBM風に興味津々
本編完結後のオマケなんだから存分に実験するがいい
何時から何時まで、もしくは以降何レスまでで書き込みで気に入った展開を取り入れて書くとか…お題SS的だな

手法は要検討ではないか
626 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 11:43:13.85 ID:DzUCfgDO
ふざけんなこのヘタレ!
俺なんか毎朝4時起きだっつうの!
安価に参加したくても参加できないんだぞ多分
取り敢えず安価に鬼畜とエロは入れるんだろうな?
なければ安価タイムでスナイプするんだからね!!
一応脱いで待ってるんだからね!
627 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 13:24:50.50 ID:hxZWGoDO
乙です。
新展開、有難うございます。
628 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 13:57:36.04 ID:oeXdXhQo
みなさまこんにちは。本日もご支援、罵倒ありがとうございます。

PbMについての書き込みをいただいておりますので、まずはそちらに関してのレスを。

>>624
現実に反映はどうなんでしょうか……下手したら死んでしまいそうです

>>625
おおむねそのような形になるかと思われます。SS投下後、何名かのキャラクターの行動について皆様にお伺いいたしますので、レスの○○番〜○○番までは登場人物Aの行動、××番〜××番までは登場人物Bの行動という感じで進め、該当番号のレスの中から私が「これは面白いかな」というものがありましたらSS内にて反映させてみようかと思っております。
手法等に関しましてはまだまだ検討しなくてはならないかもしれません。

>>626
毎朝4時起きお疲れ様です。
皆様のレスを拝見しておりますと、朝方に書き込みをしてくださっている方がおられるようですので、上記の方法のレス番号より、時間区切りという方法もありそうですね。ただ、無闇にレスばかり増えても収拾がつかないと思いますので、このあたりも検討してみたいと思います。
鬼畜とエロはどうでしょうか……面白い内容であればその辺りも問わずに反映させてみたいとは思っておりますが、私自身に文才がないために鬼畜やエロは雰囲気が出ない可能性がございます。どうぞ服を着てからお出かけください。つかまってしまいます。


レスを拝見している限りですと、書き込みの時間帯や幅などをかなり考慮しなくてはならないかな、と見受けられました。良い方法がないか検討してみたいと思いますが、皆様の中で何か良いアイディア等ございましたら是非教えていただければと思います。

SS本体に関してですが、現在Word文章で20P程の書き溜めができておりますが、物語が一向に進もうとしてくれず、頭を抱えております。登場人物達ぐだぐだしすぎ。
見直し、訂正等を行ってから投下いたしますが、仕事と平行しておりますので、時間が読めない状態です。申し訳ございませんが気長にお待ちいただければ、と思っております。

本日は磔状態でお送りいたしました。それでは一旦失礼いたします。
629 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:05:36.53 ID:oeXdXhQo

あらためましてこんにちは。今しかタイミングがなさそうなので投下開始いたします。
毎回書いてる気がいたしますが、今回の『皇国編』はあくまでオマケ要素としての色合いが強いものですので、ご都合設定等が山盛りになっております。
「てめぇ、この設定おかしいだろ! 逆さづりにすんぞ!」などの罵詈雑言、絶賛お待ちしております。

それでは、水曜日のおやつ時、少しばかりお仕事や勉強の手を止めて好きなお菓子と飲み物を片手にひと時の休憩をお過ごしくださいませ。
630 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:07:10.82 ID:oeXdXhQo

― 皇居 勇者に与えられた部屋 ―


勇者「んー、予想できたと言えばできたけど、やっぱり予想外だよなぁ」ノビー

皇太子「ご、ごめんなさい……」

勇者「いや、お前のせいじゃないよ。仮にあそこに居たのがお前じゃなくても俺は助けたからなぁ」

皇太子「勇者さんはすごいですっ!」キラキラ

勇者「そんな瞳で見られると心が痛むのは俺が汚れてしまったからなのだろうか……」ズーン

皇太子「?」キョトン

勇者「まぁいいとして、なんでここにいるんだ?」

皇太子「はい。父上が「勇者殿と共に生活し、鍛えてもらえ」とおっしゃったからですっ」

勇者「あー、うん。何つーか、お前のおとっつぁん豪快すぎるよな。何事にも」

魔王「アバウトとも言えると思うがな」ヒョイ

勇者「無音で入ってこないでください」

魔王「いちいち気にするな。もし勇者が○○をしていたとしても暖かく見守るつもりだったぞ!」

勇者「お前、メイドさんみたくなってきてるぞ」

皇太子「ふぇっ?」キョトン

魔王「元々こういうキャラのはずだったのだがな……最近はメイドが押せ押せだからなぁ」

勇者「メタ発言多すぎだろ。それはそうと、どうしたんだ?」

魔王「風呂に行こうかと思ってな。誘いに来た。先程ちらっと見たが、豪華な屋外風呂だぞ」

皇太子「露店風呂って言うんですよ。当家自慢なんですっ!」エッヘン

魔王「そうかそうか。お主も我々と一緒に入るか?」ナデナデ

皇太子「男子たるもの、女子との距離を大切にせよ、とのお言葉がありますので、僕は遠慮させていただきます」ペコリ

魔王「ふむ、フラれてしまったか。しょうがないな。勇者、行くぞ」

勇者「俺もこいつと同じスタンスなんだけど」

魔王「なんと!?」ビックリ
631 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:08:43.16 ID:oeXdXhQo

勇者「今更かよっ! そりゃ確かに何回も同じ風呂に入ったかもしれないけど、全部お前達が乱入してきたんだろっ!」

皇太子「女性は慎みをもたなければいけないですよ?」キラキラ

魔王「うっ……や、やむをえん。今日のところはこの辺で勘弁しといてやるっ!」オボエテロー

勇者「お前、偉い」ナデナデ

皇太子「ふぇ? ……えへへー♪」ニコニコ

メイド「さぁ、行きましょうか」ヒョィッ

皇太子「へっ? へっ?」ビックリ

勇者「おいおい、メイドさん……担いじゃうのかよ」

メイド「な・に・か・?」ニコリ

勇者「いえ、なんでもありません。どうぞごゆっくり……」シロハタ

メイド「さぁ、いきましょー♪」ニコニコ スタスタ

皇太子「ふぇっ? ふぇ〜……」ナニガオコッテルノ?

勇者「メイドさん、そういう趣味なのか……?」

魔王「すとらいくばーっく!」シュタッ

勇者「うん、わかったから落ちつけ」ナデナデ

魔王「む? 皇太子殿はどうした?」モットシロ

勇者「お前んとこのメイドさんが連れ去った」

魔王「ご執心だな。あやつにしては珍しい」

勇者「骨抜きとも言えるよな。確かに珍しい」

女「もー魔王、早く行こうよー。って勇者、あんたまだ居たの?」

勇者「なにその酷い扱い」

女「いやそうじゃなくて、魔王がさっさと連れて行ったと思って更衣室行ったら誰もいないんだもん。こっちに戻ってくる途中で殿下を抱えた満面の笑みを浮かべたメイドさんは見たけど、私じゃ手に負えないから放置してきた」

勇者「何気に酷いな」
632 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:09:23.29 ID:oeXdXhQo

臣娘「こちらにおいででしたか」

魔王「今迎えに行こうとおもっておった。待たせてすまないな」

臣娘「いえ、私も準備がありましたから。えっと……勇者様は私達のあとにお入りになられるんですか?」

勇者「そのつも 魔王「いや、一緒に入るぞ」

臣娘「えっ!? た、大陸のほうでは混浴が基本なのですか!? え、えっと、私、そういう風習を知らなくて……」マッカ

勇者「こら魔王。無茶言うな。心配しなくても混浴なんて普通じゃないから」

魔王「むぅ、しょうがあるまい。勇者は今日は後程入ってもらうとしよう」

女「しょうがないわね。私達が2回入れば良いだけだし」

勇者「待て待て待て待て。かなりおかしい」

魔王「なにがだ?」

女「なにがよ?」

勇者「お前らなぁ……」ハァ

臣娘「それはそうと、あの子はどこに行ったのでしょうか?」キョロキョロ

魔王「あぁ、皇太子殿下ならメイドが風呂場に連れ去った」

臣娘「!?」

魔王「気にするな。殿下はまだ13歳なのだろう?」

臣娘「そ、そうですが、男子たるもの……」

勇者「女子との距離を大切にせよ。だっけ? 残念ながらメイドさんには効かなかったらしい」

臣娘「あんの馬鹿お子様っ! すみません、失礼しますっ!」タタタッ

魔王「ふむ」

女「へぇ〜」ニヤニヤ

勇者「何だ? どうしたんだ?」

魔王・女「勇者には永遠にわからない」

勇者「散々だなぁ、俺」
633 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:10:13.21 ID:oeXdXhQo

― 皇居 露店風呂 ―


勇者「ふぃー。こんだけでかい風呂を二人でっていうのは贅沢すぎるなぁ」

皇太子「そう……なんですか? 僕はいつも一人か、侍従の人数人と一緒っていうのが多いですけど」

勇者「優雅っちゃぁ優雅なんだけどさ、俺みたいな一般人にはやっぱり贅沢に映っちまう」

皇太子「ほぇー」キョトン

勇者「それはそうとお前、ほっぺた大丈夫か? 臣娘ちゃんの掌のあと、まだ消えてないぞ。痛くないか?」

皇太子「ちょっと痛いですけど、大丈夫です。男子ですからっ!」ヒリヒリ

勇者「見事なビンタだったからなぁ。メイドさんもさすがに毒気を抜かれてたもんな」

皇太子「ちょっとだけびっくりしました」

勇者「すまんすまん。メイドさんも悪気はないんだよ。ちょっと暴走しただけで」

皇太子「暴走ですか……」ヨクワカンナイ

皇王「おうっ! 湯加減はどうだ?」ザブーン

勇者「良い感じだよ。お先にいただいてる」

皇王「うむ、今日も一日疲れた疲れたっと」ハフー

皇太子「お父様、あとでお背中流しますね」

皇王「頼むぞ、我が息子よ。勇者殿、先程の件、請けていただいて感謝する」

勇者「別にいいよ。メイドさんが勝手に請けたみたいな感じだったけど、そういう事情なら協力させてもらう」

皇王「すまんなぁ、旅行中なのに物騒な話に付き合わせてしまって」

勇者「自分から首突っ込んだ事だからな。自分の行動にはちゃんと責任を負うつもりだよ」

皇王「偉いっ! 我が息子よ、勇者殿のような大人になるのだぞ!」

皇太子「はいっ!」

勇者「決してお勧めできないんだけどな」アハハ
634 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:11:39.92 ID:oeXdXhQo

魔王「そうだな。決してお勧めはできんな」ヤッパリイイユダ

女「優柔不断だもんねぇ」

メイド「あらあら」ニコニコ

男連中「!?」

魔王「どうしたのだ、何を驚いておる」

勇者「どっから湧いて出た!?」

女「失礼ねぇ、ちゃんと脱衣所から入って来たわよ」プンスカ

メイド「すこしばかり気配は消しましたけどね」ニコニコ

皇王「おいおい、俺にとっちゃぁ嬉しいっちゃぁ嬉しいがよ……」

勇者「慣れてきてる自分が嫌だ……」ダレカタスケテ

皇太子「きゅー」パタリ

メイド「あらあら、のぼせてしまったようですわね」

皇王「女体に免疫ないからな。まだそのような歳ではないと思っておったが、そろそろ頃合いか?」

魔王「13歳であろう? 健全な少年ならば女体に興味が出る頃ではないかな」

皇王「ふむ」

女「やっぱりちょっと恥ずかしいからバスタオル巻くね」

勇者「もう出ろよおまえら……」ブクブク マッカ

皇王「はっはっは。勇者殿も『まだ』のようだな! いかんぞぅ、男子たる者、積極的にいかねばっ!」

勇者「おっさん、息子に言ってる事とまるっきり違うじゃねぇか」

皇王「はっはっは。細かい事は気にするな!」

臣娘「あの、失礼いたします。もしかして魔王様達が……なななななっ!?」

魔王「臣娘か。どうだ、もうひと風呂入らぬか?」

臣娘「は、破廉恥ですっ! 男女が同時に風呂に入るなどっ!」

皇王「はっはっは。お前だってつい数年前までは我が息子と入っておったではないか」
635 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:13:42.92 ID:oeXdXhQo

臣娘「あっ、あれはまだ子供だったのでっ」アセアセ

皇王「恥ずかしい年頃ではあるだろうな。すまぬが乳母を呼んで来てくれるか? 我が息子が湯あたりしてしまった」

臣娘「えっ!? じゃあ私が看ますっ!」タタタッ

臣娘「し、失礼しますっ」ヨイショ

皇太子「きゅぅ」

臣娘「ほらもう、しっかりしなさいよっ!」ヨタヨタ

メイド「転びそうなのでご一緒します」ザパッ

臣娘「ありがとうございます」

皇王「ふむ」

勇者「ん? どしたんだ?」

皇王「あのメイド殿なのだが」

魔王「何か粗相があったか?」

皇王「良い尻だな」ウン

女「こういう人なのね」

魔王「そのようだな」

皇王「はっはっは。いやいや、お主達も素晴らしいぞ! 久しぶりに眼福だ」

魔王「ここまでオープンに見られるといっそすがすがしさすら感じられてしまうな」

勇者「んー?」ナンダロウ

女「魔王、勇者が微妙に妬いてる」

魔王「なぬっ!? おい女っ、見せろっ!」バシャバシャ

勇者「おいっ!? 何だ何だ!?」

魔王「勇者っ! 私が皇王殿に浮気するとでも思ったのか? 心配するな。私はお前しか見ておらぬぞっ!」

勇者「だーっ! いい加減にしろっ! 俺はもう出るっ!」ズカズカ
636 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:14:18.95 ID:oeXdXhQo

魔王「むぅ、相変わらず子供っぽいな」

皇王「仲睦まじいな。二人は勇者殿を想っておるのだな」

魔王「そうだ。私も女も同じくらい勇者を好いているな」

女「とーぜん」

皇王「あの様子だとまだ手はつけられておらぬようだが?」

魔王「そうなのだ。あいつはいざとなると奥手でなぁ」

女「旅に出てからも何度もチャンスはあったのにねぇ」ハァ

皇王「はっはっは。急ぐ事でもなかろう。そういうものは期が熟せば自ずと実るものだ」

魔王「そうだと良いのだがな」

皇王「一つ聞こうと思っておったのだが、お主達が使う魔法と我々が使う陰陽道はかなり違う物なのか?」

魔王「今の段階では何とも言えぬな。何せまだ陰陽道というものを見ておらぬ」

女「そういえばそうね。陰陽師……だっけ? そういう人って少ないんですか?」

皇王「決して少ないわけではないが、実戦で使える者となると少ないかもしれぬな」

魔王「ふむ。もしよければ近日中に一度見せていただきたい」

皇王「わかった。手配しておこう。さて、先にあがらせてもらうぞ。今日は楽しい湯であった」ザバァッ

魔王「お邪魔した」

女「お邪魔しましたー♪」
637 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 15:14:44.08 ID:ihM3bMDO
一度なら見逃したが
露店風呂とは何事だこのエロガッパめ
638 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:15:33.14 ID:oeXdXhQo

― 皇居 勇者の部屋 ―


勇者「何か色々大変すぎたけど、寝るか……」ゲッソリ

皇太子「はいっ」

勇者「寝る時も一緒でいいのか?」

皇太子「そのようにせよとの事ですけど、ご迷惑でしょうか?」オロオロ

勇者「まずはそのオロオロする癖をやめようか」

皇太子「が、がんばりますっ!」ビシッ

勇者「程良く肩の力を抜けって言ってもわかんないだろうから、まずは気楽にな」

皇太子「わかりました」ニコッ

魔王「さーて、寝ようか!」バァン

女「右に同じく!」

メイド「では私は臣娘様と一緒に殿下と」

臣娘「たーすーけーてー」ジタバタ

勇者「この馬鹿どもが……とりあえず、そこに座れっ! ちょっとお前ら暴走しすぎだ!」

皇太子「えっと……えっと」

魔王「ぇー、いつも一緒に寝てるではないか」

女「そうだそうだー」

勇者「手ごわいタッグ組みやがって……お前らなぁ、皇太子が居るんだぞ? 悪影響だと思わないのか?」
639 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:16:31.81 ID:oeXdXhQo

メイド「正しい性知識を教えるのも年長者の役目ですよ?」

臣娘「性ちしっ……こ、こほんっ、この子にはまだ早いですよっ!」ガバッ

皇太子「おねえちゃん……」

魔王「確かにまだ少し早い部分はあるであろうな」

女「教会でもその辺りの事ってどう教えれば良いのか頭抱えるのよねぇ」

勇者「わかってるんだったらおとなしく寝ような」ヒキツリ

魔王「何を言う。それはそれ、これはこれ、だ」キッパリ

勇者「間違えてるから!」

女「臣娘ちゃんはそういう知識はちゃんと習ってるの?」

臣娘「そっ、それはもちろん……」ゴニョゴニョ

皇太子「?」

臣娘「あなたが気にする事じゃないわよっ! ほら、寝るわよっ! 部屋まで付いて行ってあげるからっ!」

皇太子「はーい」トテトテ

メイド「あらあら、やっぱりかわいいですねぇ」ニコニコ

魔王「ほどほどにな。お前のは一歩間違えたら犯罪だ」

勇者「君達も一歩間違えたら普通に犯罪です」

女「さて、寝ましょうか」ギュッ

魔王「うむ、そうだな」ギュー

メイド「では私も」キュ

勇者「おーまーえーらーなー……」ツカレタ
640 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:18:00.24 ID:oeXdXhQo

― 皇居 中庭 ―


勇者「じゃあ、まずは打ち込んできてくれ」

臣娘「はいっ。では、参りますっ!」

女「あれは何ていう武器なの? 槍みたいだけどちょっと違うよね」

魔王「薙刀というらしい。この国の女子は薙刀術を習うのが基本らしいぞ」

女「間合いが取れるから女の人向けなのかしら?」

メイド「振り回せば近寄りづらいですが、やはり穴が多そうですね」

魔王「熟練の域に達すれば何も問題はないのであろうが、そこまでは難しいだろうからな」

臣娘「はっ! はぁっ!」ヒュンッヒュンッ

勇者「んー、そこの踏み込みをもう一歩踏み込んでみようか」

臣娘「はいっ!」ザッ

勇者「そうそう。その調子だ。さっきより良くなったぞ」

メイド「こう言っては申し訳ないのですが、勇者様は意外とご指導が上手ですね」

魔王「面倒見が良いからな。私も体術を教わったがコツを教えるのが巧いようだ」

女「私も教わったけど「向いてない」って言われたなぁ」

魔王「向き不向きはあるからな。女は後方支援に特化しているから良いと思うぞ」

女「でもやっぱり自分の身は自分できちんと守れるようになりたいかなぁ」

メイド「防御呪がいくつかあるのではないですか?」

女「あるけどさ、やっぱり最後にモノを言うのって自分の身体じゃない?」

メイド「確かにそれはそうですね」フム

皇太子「すみません、お待たせしました」

魔王「ふむ、皇太子殿は剣か」
641 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:18:57.10 ID:oeXdXhQo

皇太子「はい。これは刀といいます」ニコニコ

女「片刃なのね。勇者が使ってる剣より薄いけど、耐久性が弱いのかな?」

メイド「耐久性には劣るようですが、恐ろしく切れ味が良いようですね。熟練すれば生身の人間と一刀で両断できそうです」

皇太子「一目見ただけでそこまでわかるんですか?」

メイド「プロですからね」ニコニコ

皇太子「こんなに優しそうなのに、すごいですね」キラキラ

メイド「……魔王様」

魔王「どうした?」

メイド「少しだけ舐めてもいいですか?」コノコカワイイ

魔王「不許可だ」

皇太子「?」キョトン

メイド「冗談はさておき、こちらも始めましょうか。殿下のお身体から考えて、真剣での練習はまだ少しだけ早いかと存じますので、今日はまず木刀にてやってみましょう」

皇太子「はいっ」

メイド「では、臣娘様と同じように打ち込みをしていただきます」ブォン

皇太子「!?」

メイド「どうなさいました?」

魔王「魔力剣が珍しいのだろう」

メイド「あぁ、なるほど」

女「メイドさん以外で扱える人見た事ないわね」

魔王「私も一応出せるのだが、扱いがなかなか難しいのだ。安定した出力で維持させるというのがな」

メイド「お誉めいただきありがとうございます♪」ニコニコ

皇太子「それ、僕にもできるでしょうか?」ワクワク

メイド「えっと……」
642 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:20:41.19 ID:oeXdXhQo

魔王「殿下に魔力がある程度あれば可能だとは思うが、どれ、一つ測ってみようか。ちょっとこっちに来るがいい」

皇太子「はい」トトト

魔王「少し頭に手を載せるぞ?」ポン

皇太子「ひゃっ」ピクッ

女「怖がらなくて良いわよ。別に痛い事するワケじゃないから」

皇太子「は、はいっ」

魔王「ふむ」ポゥッ

皇太子「へっ?」フォンッ

臣娘「えっ?」

勇者「ふーん」ナカナカ

魔王「これは意外と逸材かもしれぬな」

メイド「そうですね。鍛え方次第では良い魔法使いになれるかもしれませんね」

女「おー、すごいねっ」ニコッ

魔王「いや、それだけではないぞ」ムムゥ

皇太子「え? え?」オロオロ

勇者「おーい、オロオロすんなー」

皇太子「あ、はいっ!」ピシッ

魔王「勇者、ちょっと良いか?」

勇者「ん。臣娘、少し休憩だ。かなり良くなってきたぞ」

臣娘「ありがとうございますっ」ペコリ

魔王「この者、お前と同じ成長ができるやもしれぬ」

勇者「『勇者』の素質があるってことか?」

魔王「うむ。魔力波形がお前とかなり似通っておる。本当に鍛え方次第で化けるぞ」

勇者「うーん……皇王さんに話してみるか」
643 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:21:41.45 ID:oeXdXhQo

皇太子「あの、僕、何かおかしいんでしょうか?」グスッ

メイド「あらあら、泣いてはいけませんよ?」

皇太子「あっ!」アワアワ

臣娘「もうっ! ちょっとしたことでメソメソしないのっ!」ペチン

皇太子「ぁぅっ」

臣娘「あの、この子何かあったんですか?」

魔王「うむ、鍛え方次第ではかなり優秀になるかもしれない」

臣娘「本当ですか?」パァッ

勇者「まだわからないけどな。もし素養があったとしても、かなりがんばらないといけないぞ」

臣娘「だってさ。がんばってね」ニコッ

皇太子「う、うんっ」ニコニコ

メイド「微笑ましいですねぇ」ニコニコ ナデナデ

皇太子「えへへー」

勇者「今日はおとっつぁんは公務か?」

皇太子「はい。夜まで戻らないと思います」

勇者「そうかぁ。連絡取りたいんだけどなぁ。お母さんは?」

皇太子「母は僕が5歳の時に病で……」

臣娘「流行り病でした」

勇者「そりゃ悪い事を聞いた。ごめんな」ナデナデ

皇太子「いえっ大丈夫です」ガマン

メイド「泣かずに我慢したのですね。偉いです」ナデナデ

皇太子「♪」ニコニコ

勇者「うーん、まぁ剣術の基本はどちらにしても絶対必要だしな。メイドさん、頼んで良いか?」

メイド「もちろんですわ」

皇太子「よろしくお願いしますっ」
644 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:22:13.40 ID:oeXdXhQo

勇者「じゃあこっちも再開だ。臣娘、今度は俺も軽く打ち込むから防ぎながら攻撃な」

臣娘「はいっ!」

魔王「こうなると観戦しかないな」ボーッ

女「まぁね。魔法組はヒマよね」ボケー

魔王「女、少し街にでよう」スクッ

女「あ、賛成。どうせここに居ても暇なだけだもんねぇ」

魔王「勇者、少し街に出てくるが良いか?」

勇者「おう。夕方には戻ってきてくれ」

女「わかったー。いってくるね」

メイド「魔王様、ご一緒しなくてよろしいのですか?」

魔王「構わん。お前は皇太子殿にしっかりと教えてやれ」

メイド「ですが……」

魔王「メイドよ。今となっては私はもう本当の意味での魔王ではない。お前が私の世話をしてくれるのはありがたいが、そろそろ自分のやりたい事をしても良いのだぞ?」

メイド「……」

魔王「今日のところは私と女の二人で行く。気にするな」

メイド「はい。申し訳ございません」ペコリ
645 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/08(水) 15:24:16.82 ID:oeXdXhQo

今日のところはここまでです。短くてすみません。しかも話が全く進展しませんどうしよう。

今夜は投下が難しいと思われますので、明日のお昼〜夕方くらいに投下再開となる予定です。それでは、仕事に戻ろうと思います。またお会いいたしましょう。(磔のまま)
646 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 15:53:14.96 ID:ihM3bMDO
むぅ
647 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 16:52:37.95 ID:hxZWGoDO
乙です。
毎回、wktkしながら読んでます。大変満足です。
いつも有難うございます。
648 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 17:14:50.09 ID:JNMV0D2o
乙、まさか日本刀反映されるとは思わなかった
649 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 18:02:31.93 ID:pthKOSso
>>629
へタレが日常書くのが好きだったらいいが、あまりwktkしないなら何か事件起こすしかないな

勇者達が強い上、敵も障害もなく緊迫状況がない結果、日常が続いてるのだな
650 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 18:14:02.46 ID:B8aL7nIo
うっひひ、おもしろい
651 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 18:29:52.76 ID:pthKOSso
私も、日常も面白いし好きだがな
652 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/08(水) 18:46:08.63 ID:gqCmz3E0
1おつ!
良いものを書いてくれた!
でも1つだけ許さん、蒼将軍なぜ殺した!!

女と蒼将軍お似合いだと思ってたのに・・・
653 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 20:21:29.55 ID:vfnnpncP
>>652 何人も乗せられるぐらいの大きさだと扱いづらいだろ
654 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/09(木) 02:58:26.31 ID:2w5jphso
ヘタレさん乙です

週漫板で嘘バレ投下してた事はありますが、SSは書かんぞ!
その代わり元漁師の様にオセアニア代表としてクラブワールドカップを目指します!
いや、すいません。風呂上がりに全裸でベランダに出て反省してきます
655 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/09(木) 05:39:39.55 ID:vfuvblAo
女が蒼の方にいってたら、自分はショックだった
656 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/09(木) 15:32:22.57 ID:sOuEep2o
みなさまこんにちは。
ご支援と罵倒のお言葉、いつもいつもありがとうございます。(土下座)

まずはレスに対するお返事から。

>>649
日常というのを描くのは好きな部類ではありますが、長くその状態が続くと書く側も読んでくださる側も飽きてしまいますので、その辺りをどうにかしたいところです。
私の力量不足といきあたりばったりが最大の問題です。

>>652
蒼将軍は見事な死亡フラグを立ててましたからしょうがない……のかな?
物語の展開上、蒼将軍の戦死で勇者達が奮い立つという部分ですので、止むを得ないかと思っております。私も気に入っていたキャラではあります。

>>654
嫌よ嫌よも好きのうちと申します。きっと今頃SSを書きたくなってると思いますよ。
あと、裸でベランダは風邪を引くと思いますのでご注意ください。うっかり通りすがりの人に見られてしまったら通報されてしまいます。

皆様にお返事をしたいのは山々ではございますが、時間と行数の関係上お返事ができずに申し訳ございません。
SS本編ですが、現在書き溜めで20P(Word換算)ほどあるのですが、完全に行き詰りつつあります。おおがかりな方向転換が必要だと思い始めておりますが、プロットがない状態ですのでどうしようかと思案中……
生まれて来たところまでさかのぼって後悔しております。
なんとか方向修正して皆様にお楽しみいただけるよう、努力いたしますが、場合によっては本日の更新をお休みさせていただく可能性がございます。
投下する、しないにつきましては17時半までに結論を出すつもりですので、今しばらくお待ちくださいますよう、よろしくお願いいたします。
我侭ばかりで本当に頭が下がりっぱなしではございますが、皆様に楽しんでいただける作品が出来るよう、ない頭を捻りまくっておりますので、ご了承いただければと思っております。(平伏)
657 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/09(木) 15:58:36.55 ID:vfuvblAo
プロット出来てからでも、いいんじゃなイカ?
658 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/09(木) 16:34:55.02 ID:MXUjWho0
臣娘は何歳くらいか描写あったっけ?
659 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/09(木) 17:53:53.21 ID:dxZf.JAo
ぶっちゃけ少し休んだら?
スランプなんだよきっとさ
660 : ◆JbHnh76luM [sage]:2010/12/09(木) 18:45:13.32 ID:xynMoFwo
改めましてこんばんは。
仕事がやっと終わりました。

本日の投下ですが、やはりこのままだとどうしようもなくなってしまうのが明らかですので、プロットを組みたいと思いますのでお休みさせていただきます。
本当に申し訳ございません。
思う存分罵りのお言葉をブン投げて下さい。

明日にはなんとか方向性を見出せるよう、努力いたします。
楽しみにして下さっております皆様には心よりお詫び申し上げます。(土下寝)
661 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/09(木) 19:54:09.27 ID:zuTnUvIo
楽しみに待ってます
662 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/09(木) 20:02:37.78 ID:lJhOfZYo
まったくグズグズなへタレが!!!
つかれたなんて言い訳すんな
かれた発想で書いたって
らんざつなストーリーだ
さすがに呆れるぜ
乙とだけ言ってやるが甘えんな
663 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/09(木) 23:54:26.84 ID:GWQKIZ.0
乙です。
楽しみに待ってます。
664 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/10(金) 10:56:19.10 ID:Kw9b0.SO
きょうは期待していいよな?昨日は
皆に期待させるだけさせて休んだんだ
投下するよな?今夜こそ
休むなんて言わねぇよなまさか?
明日にはなんて自分で言ったんだもんな?
◯んでもきょうは投下しろよこのヘタレ!
      ?
665 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 18:48:19.25 ID:KFA4yLUo

みなさまこんばんは。昨晩は本当に申し訳ございませんでした。罰として寒空の下濡れ髪のまま外出してまいりました。本気で寒いですね。
更新をサボったというのに暖かいお言葉ばかり本当にありがとうございます。

早速本題ですが、昨晩の間にプロットが8割程書きあがり、残り2割は展開次第で変更する部分ですので、概ねの道筋は出来上がりました。

急な方向転換をしてしまうと雰囲気等が崩れてしまう可能性がありますので、少しずつ修正をしていくように物語を進行してまいります。
まだ少しばかりゆるゆるっとした内容が続いてしまいますが、なんとか皆様のご期待に沿えるよう努力いたしますので、のんびりとお楽しみくださいませ。

それでは、金曜日の夜、明日からのお休みに向けて楽しみな時間。親しい方々との語り合いや自分だけのゆっくりとしたお時間のお供になりますよう、誠心誠意お送りいたします。
666 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 18:49:33.76 ID:KFA4yLUo

― 江阪 大通りの一角にある茶店 ―


魔王「ふむ、この茶は香りが良いな」

女「ねぇ魔王、メイドさんにあんなコト言ってよかったの?」

魔王「そろそろあれも独り立ちの時期であろう」

女「独り立ちって子供じゃないんだから……」

魔王「子供のようなものだ。メイドとしての自負やそれなりの常識は兼ね備えているが、自分で何かをしようという気を今まで持たなかったからな」

女「ふーん……誰かにご執心になってるメイドさんっていうのも確かに見たことないけどさ」

魔王「少々暴走気味ではあったがな」

女「あはは。でもさ、魔王はそれで大丈夫なの?」

魔王「大丈夫とは?」

女「ほら、いつも一緒に居た人がいなくなっちゃうのって寂しくない?」

魔王「全く寂しくないとは言えんがな。だが、どちらかというとメイドが自分の意思で何かをしようとした事が嬉しいかな」

女「そっかぁ。魔族ってやっぱりサバサバしてるんだねぇ」

魔王「人間に比べると切り替えは早い方ではあるが、冷血ではないぞ」

女「それは良く知ってます」ニコッ

魔王「私に仕えているのも、私に連敗し、心から屈服したからだ。今回の皇太子殿下のようにメイドが自発的に色々と面倒を見ようとするのは私も初めて見る」

女「もし、もしだよ? メイドさんがこの国に残るって言ったらどうする?」

魔王「別にどうもしないが?」

女「いくらなんでも冷たくない?」

魔王「そうか? 自分で成し遂げたい事が出来たのであればそれを引き留める方が酷だと思うぞ」

女「あー、そういう考え方もあるのね。私だったら離れるのヤだって思っちゃうかなぁ」

魔王「気持ちはわからんでもないがな」
667 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 18:53:12.07 ID:KFA4yLUo

男A「なぁあんたたち」

魔王「私達のことか?」

男A「おうよ。暇なんだろ? 俺たちと遊ばない?」

女「またナンパ……」メンドクサ

魔王「暇ではあるがお主達と遊ぶ理由がない」キッパリ

男B「クールで良いじゃん。なぁ、あそぼーぜ」ギュッ

魔王「汚い手で私に触れるな。私に触れて良いのは勇者だけだ」ヒュンッ ズドン

男B「ってぇっ! 何しやがる!」

女「してきたのはあんたでしょ。私達はのんびりお茶してるんだから邪魔しないでよね」キッ

男A「言ってくれるねぇ。惚れちまったよ」ギュ

女「遠慮します」ギリギリギリ

男A「痛てててて!」

魔王「頼むからどこかに行ってくれ。正真正銘暇ではあるがお主達の相手をする程の暇はない」シッシッ

男A「おぼえてろー!」

男B「このあばずれー!」

女「どれだけテンプレ通りなのよあいつら……」ハァ

ドンッ

男A「おうっ、痛ってぇな兄ちゃん!」

?「申し訳ない。少し急いでいたもので」

男B「おい、フード被っててわかんなかったけど女だぜ! なぁ、侘びっちゃぁ何だけど俺たちと遊ばない?」

女「どこにでもあんな輩はいるのね」

魔王「本能に忠実なのであろう」ズズズ

?「いや、急いでいるので。本当にすまない」スッ

男A「おいおい、ぶつかっておいてそれはないだろ」ガシッ
668 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 18:55:33.25 ID:KFA4yLUo

女「どーする?」

魔王「静観」オチャオイシイ

?「すまぬと謝ったではないか。これ以上私の行く手を邪魔だてしないでいただきたい」

男A「だからよぉ、ちょこっとだけ遊んでくれりゃ良いんだよ。ほら、フードなんて外して、な」スルッ

?「な、なにをっ!」

男B「うひょー、美人さんじゃねぇか! ほらほら、すぐに終わるからさぁ」

魔王「この国の人間は貞操観念がしっかりしているように思っておったのだが、そうでもないのか?」

女「さっきも言ったでしょ。どこにだってあんなタイプの馬鹿はいるわよ」

魔王「ふむ。男性とはよくわからぬものだな。勇者など手すら出してこないのに」フフク

女「勇者は奥手すぎんのよ。こっちが押したら逃げるし、かといって引いてみたらそのままほったらかしだし」

魔王「でも、昨晩の風呂場では反応あったのだろ? 悔しくも私は見逃してしまったが」

女「そうそう。何かね、ちょっとむくれてた」

魔王「かわいいなぁ、勇者は」ニコニコ

女「そうよねぇ」ニコニコ

?「やめろと言っているだろうっ!」

魔王「忘れてた。どうなっておるのだ?」

女「男たちが粘ってるみたい。で、女の人がキレ気味」

男A「いいからいいから、こっちこいよ」グイ

?「警告はしたからな」スッ

魔王「ん? 何だあの紙は」

?「戒めの光縛っ」ピシッ

男AB「うおっ!?」バタン

女「あれが陰陽術?」

魔王「気絶させたようだな。少し聞いてみるとしよう。お急ぎのところすまない」
669 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 18:56:59.22 ID:KFA4yLUo

?「外国の方ですか? 何用でしょう」スッ

魔王「害を為すつもりはない。胸元に入れた手で掴んでいる紙から手を離しても貰えると嬉しい。私は魔王と言う者だ」

女「私は女」

?「失礼いたしました。私は陰陽師の『卯』と申します」

魔王「やはり陰陽師か」

卯「驚かせてしまって申し訳ありません」ペコリ

魔王「いや、こちらこそ急いでいる時に申し訳ない。陰陽道について少し伺いたかったのだが、お急ぎなら歩きながらでもいくつか良いか?」

卯「はぁ、それは構いませんが」

女「どちらに行くつもりだったんですか?」

卯「皇居に……」

魔王「では、目的地は同じだな。行こうか。すまん、勘定を頼む」

茶店主「ありがとさん。この馬鹿達はこっちで片付けといたげるからいきなさい」

卯「かたじけない」ペコリ

魔王「美味い茶だった。ありがとう」

女「ごちそうさまー♪」


卯「そうでしたか、陛下のお客人だったのですか。これは失礼を」

魔王「いや、気にしないでくれ。卯殿は皇王殿付の陰陽師なのか?」

卯「いえ、私はまだまだヒヨっ子です。今日だって師匠のお使いで皇居に行くところだったんです」

女「さっきの術って相手を麻痺させる術なの?」

卯「雷撃符なのですが、私はまだ修行中の身なのであの程度の威力しか出せないのです」

魔王「ふむ。陰陽道というのはその紙……『符』というのか? を使って術を行使すると思って良いのか?」

卯「はい。陰陽道はそもそも影と陽という二つの相反する気が和合したり循環することで色々な変化を起こす術なのですが、その中にある五行という森羅万象の生成・変化を利用したのが先ほどの術です。符にはそれぞれ呪文が書かれていまして、そこに私の呪力をこめると発現します」

魔王「ふむ。難しい言葉はさすがにわからぬな……」ションボリ

女「私もわかんないトコ多かった」ムツカシー
670 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 18:58:43.32 ID:KFA4yLUo

卯「あ、ごめんなさい。お二人とも皇国語がお上手でしたのでつい……」

魔王「いや、勉強不足だった我々にも非はある。それでもある程度は理解できた。ありがとう」ニコッ

卯「あ、いえ。少しでもお役に立てれば光栄です。お二人は陰陽道にご興味があるのですか?」

魔王「どのような物なのか知りたくてな。私も女も魔法を使うので興味があったのだ」

卯「魔法!」

女「どしたの?」

卯「お願いしますっ、魔法を見せてくださいっ!」キラキラキラ

魔王「興味があるようだな」

女「陰陽道の術を見せてもらったんだから、私達も見せなきゃ不公平よね」

魔王「そうだが、私が使うものは威力が少々大きいから、女に任せて良いか?」

女「りょーかい。じゃあ……加速呪っ」フォンッ

卯「わぁ、足が軽い……?」

魔王「支援魔法の分類に入る術だが、足の筋力を一時的に強化させることで歩く速度やジャンプ力などを向上させることができる」

卯「なるほど。支援術ですか。陰陽道にはあまりない分類ですね」

魔王「そうなのか?」

卯「はい。なくはないのですが、あまりメジャーではないです。やはり有名なのは人形や式神を使った術になりますから」

魔王「先ほどの呪符とはまた違うのか?」
671 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 18:59:29.12 ID:KFA4yLUo

卯「はい。人形は人の形をした符に呪力をこめて使うのですが、鳥などの動物に模したり、高位の術者であれば自分のコピー体を作ったりすることができます」

魔王「すごいなそれは。幻影とは違うのだな?」

卯「幻影とはまた違いますね。さらに高位になると十二神将軍を呼び出す式神というものが使えるようになります」

女「何かすごそうな名前ね」

卯「鬼神ですね。使役できる人間がほとんどいないのですが、その強さは比類がないとの事です」

魔王「ふむ。やはり根本から魔法とは違うようだな……」

女「そうみたいね」

卯「魔法の事も色々教えていただいてもよろしいでしょうか?」ワクワク

魔王「構わないが、着いたぞ」

卯「えっ!? あ、本当だ……思ってたより早く着いちゃった」

女「加速呪使ったからね。歩く速度上がってたのよ」

卯「便利ですねぇ」ニコニコ

魔王「時間がまだあるのであれば、私達と共に来ないか? 皇居の東棟に我々がお邪魔している部屋があるのだが」

卯「よろしいのでしょうか……?」

女「良いんじゃない? 元々ここに用事あったんでしょ?」

卯「はい。何度も来ておりますから入城許可はいただけると思いますけど」

魔王「ならばしばし茶でも飲もう。おっと、その前に中庭だな」

女「もう鍛錬終わってるかな?」

卯「では私は入城許可をいただいてまいりますっ!」タタタタ
672 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 19:00:35.27 ID:KFA4yLUo

― 皇居 中庭 ―


魔王「どうだ、捗っているか?」

勇者「おかえり。早かったな」

女「トラブルあったからねぇ。お客さん連れてきたよ」

皇太子「あ、おかえりなさいっ!」ニコッ

魔王「ただいま。どうだ? メイドはきちんと教えてくれたか?」

皇太子「はいっ!」

メイド「素質は十分にあるかと思われます」

魔王「そうか。では夜にでも皇王殿に進言してみよう」

卯「お待たせいたしました……で、殿下っ!?」

皇太子「ふゆ?」キョトン

勇者「どなた?」

女「さっき茶店でお会い方で、陰陽師の卯さん」

卯「で、殿下におきましてはますますご盛栄のこととお喜び申し上げますっ」ガバッ

皇太子「ぁぅぁぅ」オロオロ

メイド「殿下」

皇太子「……」スーッハーッ

勇者「よしよし」

皇太子「お、面をあげ……てください」

臣娘「最後で腰砕けになっちゃってどうするのよっ」ペチンッ

皇太子「うー……だってぇ」ウルウル

卯「も、申し訳ございません。私のような者が殿下にお目通りするなどっ」

皇太子「ああああ、えっとえっと……そんなにかしこまらないでくださいっ」

卯「いえっ、本当に申し訳ございませんっ。私はこれにてっ」
673 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 19:01:52.46 ID:KFA4yLUo

魔王「待てぃ」ガシッ

卯「はっ、離してくださいっ! 私のような下賎な者が殿下にお目通りするなどっ!」

皇太子「お、落ち着いてくださいっ。ちょっとびっくりしただけですからっ」キュッ

卯「ででで殿下のお手が私の汚い手をっ!」ハワワ

魔王「ここの国の人間はエキセントリックな者が多いな」

臣娘「ごめんなさい……」

勇者「とりあえず二人とも落ち着けー。しんこきゅー」

皇太子・卯「すーっ……はーっ」

メイド「お茶が入りました。卯様もどうぞ」

卯「あ、ありがとうございます」

皇太子「ありがとうございます」ニコッ

メイド「うふふ」ナデナデ

臣娘「勇者様達の分は私がお渡ししますので、メイド様はこの子をお願いします」スッ

メイド「あらあら、ダメですよ。これは私の仕事なのですから」ニコッ

臣娘「でもっ」

メイド「良いのです。臣娘様が殿下とお座りになってください。はい、お茶です」

臣娘「あ、ありがとうございます」

魔王「落ち着いたようだな」

メイド「申し訳ございませんでした。自らの職務すら放棄してしまうほど舞い上がってしまうなど……反省しております」ションボリ

魔王「さっきも言ったであろう。お前は自分のやりたいことをして良いのだ」ナデナデ

メイド「……」
674 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 19:03:40.41 ID:KFA4yLUo

勇者「んで、卯さんはなんでここに?」

女「私達が連れてきたの。入城許可は取れるって言ってたから信用はおける人なんだろうし、陰陽術の事とか私達の魔法の事とかを色々お話したいなって」

卯「突然お邪魔してしまって申し訳ございません……」

勇者「いやー、こんな美人さんならだいかんげ……」

魔王「ほほぅ、勇者は卯殿のようなかわいい系がお好みか」ニコニコ

女「へぇ〜、知らなかったなぁ」ニコニコ

メイド「あらあら」ニコニコ

勇者「いや、そういうつもりで言ったんじゃ……ないんですよ?」タスケテ

皇太子「?」キョトン

臣娘「もてる殿方は大変なのですね」クスクス

卯「……っ、くすくす」

勇者「あー、緊張がほぐれたか。命を張った甲斐があったような気がする。俺は勇者。よろしく」

メイド「魔王様にお仕えするメイドと申します」

臣娘「右大臣の娘、臣娘です。よろしくお願いします」

皇太子「えっと、えっと」

卯「皇太子殿下の事はよく存じ上げております。私は大陰陽師様の末弟子で、卯と申します。以後、お見知りおきを。みなさまもよろしくお願いいたします」

魔王「魔法について話すという約束だったな。ちょうど良い。勇者、少し相手をしてくれ」

勇者「んー? 何するんだ?」

魔王「卯殿にお前の雷撃魔法を見せてやってくれ」

勇者「別に構わないけど、魔王に撃つのか? 何かその辺の木とかじゃダメか?」

魔王「何を言っておる。この庭の草木はすべて計算されて植えられておるのだぞ。見ればわかるではないか」

勇者「学がないのでわかりません」イジイジ

女「ごめん、私もわかんなかった」

皇太子「僕も知りませんでした……」

魔王「……お前たちは美というモノを学ぶ必要性があるな。まぁ、いい。私なら無効化もできるから大丈夫なのは知っておろう」
675 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 19:05:40.37 ID:KFA4yLUo

勇者「そりゃそうだけどさぁ、魔王に攻撃するのってヤなんだよなぁ」

魔王「その言葉、小踊りする程嬉しいが、卯殿の勉学の為だ」

勇者「へいへい。んじゃま、軽いので……小雷っ!」ピシャッ

魔王「雷系統の魔法は勇者のみが使える物でな。なぜか私達には使う事すらできぬ。術の基礎まで理解すれば大抵の魔法は使えるのだが、不思議なことに、な」

卯「す、すごいですっ! 呪符の力なしでこんな事がっ!」

勇者「喜んでもらえて嬉しいよ」

皇太子「すごーい! おねーちゃん、見た?」

臣娘「うん……やっぱり勇者様はすごいんですねっ! 武芸もすごくお上手なのに、さらに魔法まで使えるなんてっ!」

皇太子「うーん、僕も使えると良いのになぁ……しょうらいっ! ってえへへ」パリッッ

臣娘「きゃっ!?」

メイド「危ないっ!」ヒョィッ

魔王「お?」フォンッ

皇太子「え? えっ? ……おねえちゃん!?」アワアワ

臣娘「びっくりしたぁ……メイド様、魔王様、ありがとうございます」

皇太子「おねえちゃんっ、大丈夫っ!?」

臣娘「大丈夫よ。びっくりしただけだから」

皇太子「ごめんなさい……」シュン

メイド「あらあら」ナデナデ

魔王「気にするでない。それよりも」チラッ

勇者「んー、確定、かなぁ?」

女「確定よねぇ」

皇太子「ふぇ……?」

魔王「その話は夜にしよう。卯殿、同じように私に何か一つ術をかけてもらえるか?」

卯「で、でも、無闇に人に術を掛けるのは師匠に禁じられておりますので……」アセアセ
676 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 19:07:42.05 ID:KFA4yLUo

魔王「先程見たであろう。私は魔法の類は無効化できる。あまりにも大がかりなものはさすがに無理だが、な」

卯「それは拝見しましたけど……」

魔王「無理を言ってすまないが、私が抱いている推論を確実なものとしておきたいのだ。頼む」コノトーリ

卯「じゃ、じゃあ、先程の術なら」

魔王「戒めの光縛とか言っておったな。では、頼む」ニコリ

卯「で、では、参ります」スッ

卯「戒めの光縛っ」ピシッ

魔王「っ」フラッ

勇者「うぉっ!?」ガシッ

魔王「すまん」フラフラ

女「大丈夫?」

卯「あわわわわ、だだだ大丈夫ですかっ!? ごめんなさいっ」

魔王「いや、気にするな……やはりそうか」モウダイジョウブ

勇者「どういうことだ? わざと防がなかったのか?」

魔王「いつも通り弾くようにしたが、やはり通用しないようだな」

女「どういうこと?」

メイド「術の基本から全く違うから、でしょうか?」

魔王「そうなるのであろうな。私が常時使っている魔法の無効化は魔法というものの基礎を確実に理解しているから可能であって、基礎からして別物の陰陽術には効果がないようだ」

勇者「ってコトは、魔王は陰陽術相手だと……」

魔王「抵抗力が人間より強力ではあるが、喰らってしまうということだな」

卯「え、えっと、陰陽術は悪人に使う事はありますが、貴方方のような善良な市民に使うことはないですので、きっと大丈夫ですっ」

魔王「気を遣わせてしまったな。すまん」

卯「いえっ、こちらこそすみませんでしたっ!」ペコリ
677 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 19:08:22.70 ID:KFA4yLUo

勇者「んー……」カンガエチュウ

女「傷らしい傷はないわね」

魔王「少しピリッとしただけだからな。人間ならば気絶してしまうだろうが、私にはその程度だ」

卯「はっ! もうこんな時間っ! 私、急いで戻らなきゃっ。申し訳ございません、そろそろお暇させていただきます」

魔王「うむ。時間を取らせてしまってすまなかったな」

卯「いえっ。こちらこそすみませんでした。魔法、すごく興味深かったです。また機会があればお話伺わせていただけますでしょうか?」

女「いつでもおっけーだよ。卯さんはそのお師匠さんの所に住んでるの?」

卯「はい。弟子達が共同で生活しています」

女「っと、地図地図……どのあたりか印お願いしてもいい?」

卯「喜んで。えっと、ここです」

女「大学院の近くなんだね」

卯「はい。あれ? ここの印は……?」

魔王「言語学者殿のご自宅だな。お知り合いか?」

卯「あ、えっと……何度か面識が」

魔王「そうか。彼には大変世話になったのでな。近日中に伺う予定だ」

卯「そ、そうでしたか。では、これにて失礼いたします。皇太子殿下、臣娘様、お見苦しい所を見せてしまい、申し訳ございませんでした」フカブカ

皇太子「また来てくださいね」ニコッ

臣娘「お疲れ様でした」ニコニコ
678 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/10(金) 19:22:57.91 ID:KFA4yLUo

ここから先は見直しがまだの為、一旦投下停止します。
本日中にもう一回投下できると思いますので、また後程。(土下座)
679 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/10(金) 19:30:16.95 ID:gobefPko
ふざけんなこのヘタレ!
何甘ったれたこと抜かしてんの?
早く書けよ!
下半身が寒いだろうが
魔王×娘×メイド×臣娘×卯でよからぬ妄想するぞ!
680 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/10(金) 19:47:34.33 ID:FwIPti.o
良いねー実に良い

681 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/10(金) 22:03:04.69 ID:Kw9b0.SO
面白いけどちょっと皇太子に構いすぎな嫌いがある
飽くまで勇者と魔王のSSって気持ちで読んでるから
そこを考えてくれると嬉しいんだがなぁこのヘタレ
682 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/10(金) 22:07:37.93 ID:QbVPwsDO
悟空が初めてかめはめ波撃った時を思い出している
683 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/10(金) 22:22:06.80 ID:V97/Tuso
>>665
1週間はプロットにかかると思ったから
おどろいた!
つまり…調子に乗るなよ///
684 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 00:45:18.00 ID:9afuOgAo

改めましてこんばんは。
読み直しをしていたらプロットとかけ離れた事を書いていて自分で何やってるんだとツッコミを入れつつ書きなおしをしていたらこんな時間になってしまっておりました。
その間にも多数のご支援と罵倒のお言葉をありがとうございます。嬉しすぎてバールのような何かを探してしまいました。

>>658
お返事遅れてしまい申し訳ございませんでした。臣娘は14歳、皇太子は12歳で考えておりますが、発言の幼さから考えるともうちょっと下でも良いんじゃないかと思えてきました。ご想像にお任せしてしまう方向でお願いいたします。

>>681
プロットなしの状態ですと皇太子が中心になりつつあったので徐々に修正しております。もう少しの間皇太子にお付き合いくださいませ……
おっしゃる通り、物語の中心は勇者と魔王、女、メイドですので、ご安心くださいませ。

>>683
果たしてプロットと呼べるようなモノなのかわかりませんが、大まかな進行とその各所に入れたいネタを書きこんだだけの物だったりします。
あるのとないので大違いですね。プロット大事。

もう一回投下したいところなのですが、時間が時間ですので明日のお昼前後に投下させていただいてもよろしいでしょうか?
今週色々とハードすぎてやたら眠いのでご容赦ください。

ここのところ約束を破ってしまったり、我儘を言ってしまったりしており、みなさまに不快な思いをさせていただいております事を猛省しております。明日以降はそのような情けない事をしないよう、気を引き締めて参りますので、何卒よろしくお願いいたします。

それでは、皆様に良い夢が訪れますように心からお祈りしつつ、今日の所はおやすみなさいませ。(土下寝)
685 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 01:30:33.00 ID:1mDsgoDO
>>ヘタレ
アイアンメイデンに入って寝るんだよな?
686 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/11(土) 01:40:47.23 ID:fC/iyYDO
最初の方とかモロパクリじゃねーか
説得の仕方とか くたばれ
687 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 01:43:39.45 ID:3uL1dEAP
悪く言うとありふれた説得の仕方じゃん
噛み付くなよ狂信者
688 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 01:49:56.76 ID:19UIe.SO
皇太子は次回作の主人公的な目で見てた(チラッ

忙しいなら無理するなよ体調気をつけろよ
無理したら肩に38度の熱湯で茹でた小石を
タオルに包んで押し付けてやるからな!
689 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 03:04:04.19 ID:QVeAV8Uo
>>686
690 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 07:14:26.45 ID:xhODEFMo
メイド離れちゃいや(T . T)
691 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 11:58:13.70 ID:9afuOgAo
皆様こんにちは。変わらぬご支援と罵倒のお言葉の数々、本当にありがとうございます。

>>685
鉄の処女って実際には使用された事がないという噂を聞きかじった事があるのですが、本当のところはどうなんでしょう。
西洋の拷問具って洒落にならないものが多すぎじゃないでしょうか。

>>686
いつか言われるのではないかと思っておりましたが、予想より遅かったので少々驚きました。
ママレさんのファンの方なのでしょうか? 私も一ファンでしたので、あの方の作品は大好きで、多大な影響を受けているのは間違いはないと思います。
あのSS以降、似たようなはじまり方のSSが増えましたね。やはり『掴み』の部分が強くて使いやすいのでしょうね。

>>688
皇太子が主人公になるとショ○話になってしまいそうで怖い。
何て酷そうな拷問! と思ったらお優しい心遣いだったとは……ありがとうございます。


昨晩お約束いたしました通り、今から投下を開始いたします。20レスもないという少量ではありますが、お楽しみいただければ幸いでございます。(石抱き)
土曜日のお昼。小さい頃は午前中のみの授業でお昼に帰宅し、焼きそばを食べながら午後の遊びの予定に思いを馳せる。今はもうそんな宝石みたいな気持ちにはなれませんが、せめてひとときのんびりとした時間を皆様に過ごしていただけますよう、心よりお祈り申し上げます。
692 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:02:18.59 ID:9afuOgAo

― 皇居 東の棟 勇者の部屋 ―


皇太子「僕に勇者様の力があるんでしょうか?」

勇者「あくまで素質があるっていうだけだからなぁ」ポリポリ

皇太子「勇者様のお師匠さまという方はどんな方だったのですか?」

勇者「かなりの爺さんだったけど、すげぇ厳しかったぞ。朝の水汲みから始まって野山をダッシュで登り降りとか、晩飯は自分で狩りをして調達しろとか」

皇太子「僕にできるのかな……」ウルウル

勇者「んー、しなくてもある程度までは成長できるだろうけど、俺がやったのは勇者になる為の教練と旅をする上での基礎知識みたいなもんだからな」

皇太子「勇者様はずっと旅をなさってるんですよね?」

勇者「そうなるな。通算だともう3年くらいになると思うぞ」

皇太子「寂しくなかったですか?」

勇者「一人旅は最初の半年と最後の数ヶ月だけだったからな。あとは女と一緒だったり、魔王達と一緒だったからそんなに寂しいと思った事はなかったかな」

皇太子「ほぇー。僕だとおねえちゃんと一緒に旅するみたいな感じなのかな」

勇者「そんな感じだと思う。臣娘とは幼馴染なんだろ?」

皇太子「はいっ。いつも一緒に育ちました」ニコニコ

勇者「じゃあ似たようなモンだな。俺と女も幼馴染で小さい頃から遊んだりしてたから」

皇太子「仲良しですねっ」

勇者「あはは。皇太子は強くなったらどうしたい?」

皇太子「うーん……悪い人をやっつけて困ってる人を助けたいです」

勇者「だよなぁ。でもさ、『悪い人』って本当にその人が悪いのかどうかどうやって決めるんだ?」

皇太子「へっ? ……だって、人を困らせるのは悪い人じゃないんですか?」

勇者「人を困らせざるを得ない状態にあるとか、実は困ってる人が嘘をついていたりとか、そういう状況だってあるぞ」

皇太子「うー……」オロオロ

勇者「ほらほら、オロオロしない。俺はな、最初は魔王を倒すつもりだったんだよ」

皇太子「悪い人、だったんですか?」
693 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:04:15.01 ID:9afuOgAo

勇者「いや、全然。あいつは最初っから俺と戦うつもりなんてなかったし、魔族と人間の共存の道を模索してたんだ」

皇太子「良い人なんですね。あれ、じゃあなんで勇者様は倒そうと思ったんですか?」

勇者「そこが問題だ。俺は魔王は、魔族は人間に害為す恐ろしい種族だって聞いていた。事実、下っ端の魔族や怪物なんかは実際に人間を襲ったりしてたんだが、魔王とじっくり話してみたらそういうやつらは知能が低すぎて魔王の話を理解してなかったんだ」

皇太子「誤解、ということですか?」

勇者「事故みたいなものだ、って魔王は言ってた。俺の居た国では、人間と魔族はそんなすれ違いを繰り返して段々と敵対していってたんだ。それを魔王が止めた」

皇太子「すごいですねっ!」キラキラ

勇者「そうだな。魔王はすごい奴だよ。頭も良いし、自分の事より他人の事を優先して考えようとするし」

魔王「照れるではないか」テレテレ

勇者「来るとは思ってたけど狙ったようなタイミングだな」

女「扉の前で立ち聞きしてました」エッヘン

メイド「殿下、そろそろお休みの時間ですよ」ニコッ

臣娘「迎えに来たよ」

皇太子「でも、もう少し勇者様のお話聞きたいよぅ」ヤダヤダ

勇者「あー、もうこんな時間か。また今度話してやるよ。魔王からも話を聞いたほうがわかりやすいと思うしな。今日のところは寝ちまえ」

皇太子「ぅー」ジーッ

メイド「あらあら。では勇者様、寝物語というのはいかがでしょう?」
694 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:04:43.02 ID:9afuOgAo

勇者「それでも良いか。ほれ、ベッドに横になれ。ついでに臣娘も寝ちまえ」

臣娘「わ、私は一人で寝れますっ」マッカ

魔王「お主とて我々の話を聞きたいと言っておったであろう。ちょうど良いタイミングだ」

女「ほらほら、恥ずかしがらずに」ポィッ

臣娘「きゃぅっ」ボスン

皇太子「おねーちゃんだー♪」キュー

臣娘「ちょ、この馬鹿っ! くっついちゃダメでしょっ」

皇太子「なんで?」

臣娘「……なんでもっ!」マッカ

メイド「あらあら」ニコニコ

魔王「皇太子殿、臣娘は照れておるのだ。あまりくっついてやるな」

皇太子「ふぇ……?」キョトン

勇者「わかってないな」

女「無知って罪よね」ハァ

メイド「はい、お二人とも寝ましょうね」ポンポン

臣娘「……しょうがないですね。私も興味はありますからっ」ポスン

皇太子「♪」

勇者「んー、じゃあ続きからでいいか。魔王は……」
695 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:05:44.20 ID:9afuOgAo

― 皇居 東の棟縁側 ―


魔王「ご苦労だったな。ほら、酒だ」

勇者「疲れた。すっげぇ疲れた」サンキュ

女「結局1時間くらい起きてたもんね。あの二人」

メイド「厨でおつまみをいただいて参りました」

魔王「うむ。では月を眺めながら寝酒と洒落込むか」

女「かんぱーい♪」チンッ

勇者「あの二人見てると昔を思い出すなぁ」

魔王「勇者と女の小さい頃か?」

勇者「うん。俺たちは年齢同じだけど、それ以外は一緒なんだよ」

魔王「あぁ、少しは知っているぞ。千里眼珠で何度か見たからな」

女「あの子達はどうなるんだろうね」

メイド「良い子達です」ニコニコ

勇者「んー、二人とも将来はある程度決まってるからなぁ」

魔王「皇太子殿は当然時期皇王だし、臣娘殿は勉学に励んで大臣かその近くまでは上り詰めるであろうな」

女「あるいは皇王と皇妃?」

勇者「あえりなくもないな」

メイド「楽しみですわね」

皇王「そうなれば良いがな」ジャマスルゾ

侍従長「殿下の成長は皆の喜びですからな」オジャマシマスヨ

魔王「皇王殿に侍従長殿。まだ起きておられたのか?」
696 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:11:34.78 ID:9afuOgAo

皇王「うむ。寝付けなくて侍従長と碁を打っておったのだが、それにも飽きて少し散歩でもしようかと思っておったら楽しそうな話し声と酒の匂いがしたから来てみたのだ」

女「ごめんなさい」

皇王「気にするな。俺達も混ぜてもらえるか?」

メイド「是非とも」ニコニコ

魔王「酒を注ごう」コポコポ

皇王「ありがとう」ゴクゴク

女「あれ……この香り、何かしら? 甘いような匂いが」クンクン

侍従長「あぁ、私が使っております香の匂いです」

魔王「香?」

侍従長「はい。私は香道というものをたしなんでおりまして、その香りが衣服に染み込んでおるようで、皆に言われてしまいます」アハハ

メイド「香りを楽しむ、という事なのでしょうか?」

侍従長「そうです。非常に奥深いものでございますよ。ぜひ一度お試しあれ」

女「香りを楽しむっていうのはちょっと面白そうね」

勇者「皇王としては臣娘を気に入ってるということか?」

皇王「そうだな。格も十分だし、あの娘は聡いし負けん気も強い。しかも身体も丈夫だ。文句はないな」

魔王「ベタ褒めだな」

侍従長「それは当然ですな。何せ臣娘殿の叔母にあたる方が陛下の奥様だったのですから」

勇者「流行病で亡くなったんだったか」

皇王「うむ。身体の弱いやつだった。だが、あれ以上の女はいない。今でも胸を張って愛してると言う事ができるぞ」

魔王「ちょっとクラっときてしまうような愛情表現であるな」

女「うん。わかる」

メイド「そこまで愛される女性は本当に幸せなのでしょうね」

勇者「何か耳が痛いんだけど血とか出てないか?」イタイ

皇王「まぁ、そんなわけで自然と身びいきしてしまうというか……」
697 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:12:46.77 ID:9afuOgAo

魔王「その気持ちはわからんでもないし、実際に彼女は良い娘だと思うぞ。皇太子殿に対しては少々過保護気味ではないかとは思うが」

皇王「そこはしょうがない部分はあるのだ。我が息子は小さい頃から怪我や病気をよくしておったから自然とそのようになってしまったのであろう」

女「これからどうなるのか、楽しみですね」

皇王「楽しみだ。この国の未来も含めて、な」

カンカンカンカン


魔王「何の音だ?」

侍従長「家事のようですね。誰か!」

侍従「港にて火事のようです。船が一隻燃えているとのこと」

勇者「まさか、女船長の船じゃないだろうな」

侍従「いえ、彼女の船は現在停泊しておりませんので、別の船かと」

女「少しだけほっとしたけど、大変よね」

治安隊長「陛下っ、こちらでしたか!」

皇王「話は聞いておる」

治安隊長「港だけではありませんっ。市中の数箇所から同時に火が!」

皇王「何だと!? すぐに行く。侍従長、ついてこい」
698 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:14:43.08 ID:9afuOgAo
訂正です。
>>697の7行目。
>侍従長「家事のようですね。誰か!」
家事→火事で脳内変換お願いいたします。青汁1リットル一気飲みしてきます。
699 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:15:47.06 ID:9afuOgAo

勇者「俺達も様子を見に行こうか?」

皇王「いや、我が息子のそばにいてくれ。考えたくはないが火は陽動で本命はこっちかもしれぬ」

魔王「メイド、先に行け」

メイド「はっ」シュッ

女「私達も急ご」

魔王「勇者、行くぞ」

勇者「……」

魔王「勇者?」

勇者「魔王、先に行っててくれ。すぐに戻る」

魔王「何かあったのか?」

勇者「何となく、だ。何か嫌な気配がする」

魔王「私も行く」

勇者「いや、皇太子達を頼む。危なかったら逃げるから心配するな」

魔王「しかしっ」

勇者「大丈夫だよ。もうどこにも行かないからさ」ナデナデ

魔王「……わかった。絶対だぞ!」

勇者「おうっ」タッタッタ
700 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:16:47.37 ID:9afuOgAo

― 皇居 東庭園 ―


勇者「そこか」

?「・・・・・・・・っ!!」

勇者「言葉がわからん。ってことは、皇国の人間じゃないのか。全身黒尽くめの上に真っ黒な覆面かぁ。見るからにって感じだけど」

?「・・・・・・・・・・・・!」

勇者「だからわかんねぇってば。ここは皇居っつって一般人は立ち入り禁止らしいんだ。素直に出てってくれるとうれしいんだけどな」

?「・・・・・・・・・・・!」シャキン

勇者「やっぱりそうもいかないかぁ」

?「・・・・・・っ!」ザッ

勇者「っと、意外と早いな、っと」ギンッ

?「・・・・・・っ」ギギンッザンッ

勇者「あぶねっ、お前結構強いなっ! 加速呪っ」シュンッ

?「! ・・・・・・」スッ ポイッ

勇者「!?」ザッ


ズドンッ モクモクモク


勇者「煙幕かっ! 強風呪っ!」ゴゥッ

?「!?」

勇者「甘いっ!」ドッ

?「っ!!」ドサッ

勇者「っと、力加減できなくて吹き飛ばしちまった。おーい、生きてるか?」

?「……」グター

勇者「気絶してるだけか。とりあえず武器取り上げて縛るか」ポイポイ

勇者「うわ、投げナイフだけで10本かよ。完璧に暗殺者って感じだな。覆面取っとくか」スポッ
701 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:17:38.64 ID:9afuOgAo

勇者「しかも女とか……道理で当て身かました感触がや柔らかいと思ったぜ……っ!?」サッ

ザザンッ

勇者「仲間いたのかよっ!」

??「・・・・・・」

勇者「5人かぁ。ちと多いかな」

??「・・・・・・」サッ

ザザザザッ

勇者「統率が取れてる……専門組織か? 迅雷っ!」ピシャァッ

??「っ!?」ザザッ

勇者「魔法は見慣れないってか」

??「・・・・・・っ」シュンッシュンッ

勇者「連続攻撃かよっ!」ギギギギギンッ

勇者「轟雷っ!」ガガァンッ

??「っ」

勇者「3人は倒せたみたいだな。あと2人」

??「・・・・・・っ!!」シュバッ シュッ

勇者「逃げたか。って仲間残したまま逃げるなよな」ハクジョウナ


カッ


勇者「!?」


ズドォォォンッ
702 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:18:44.86 ID:9afuOgAo

魔王「勇者っ!」

女「勇者の魔法の音?」

メイド「戦闘音がします。東の庭園の方向ですね」

皇太子「ど、どうしよう?」オロオロ

臣娘「大丈夫。大丈夫だから」ギュッ

メイド「私達がお守りいたしますからご安心ください」ニコッ

魔王「……っ」ギリッ

女「魔王、行ってきていいんだよ?」

魔王「いや、勇者を信じる」

女「うん、そうだね。勇者が負けるわけないもんね」ニコッ

魔王「うむ。そう簡単に負けるような男ではない。でなければ私が惚れるわけないであろう」

女「私だって!」

メイド「あらあら」


ドガァァァァンッ!!


魔王「今度は爆発だと!?」

女「勇者っ!」

メイド「魔王様っ!」

魔王「許可する。行けっ! 不審者は処分して構わんっ!」

メイド「はっ」ブゥンッ

皇太子「気をつけてくださいっ」

メイド「大丈夫ですよ」ニコッ シュッ

臣娘「大丈夫でしょうか……?」

魔王「勇者もメイドもそう簡単にはやられはせん。だが、さっきの爆発は気になるな」

侍従長「殿下っ! ご無事ですか!?」ダダダッ
703 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:19:34.85 ID:9afuOgAo

皇太子「侍従のおじいちゃんっ」

臣娘「侍従長様」

侍従長「ご無事で何よりです。異人の方、ありがとうございます」

魔王「……我々が請けた仕事だ。皇王殿は?」アレ?

侍従長「執務室で指揮を執っておられます。邸内に賊が現れたようですので、非難指示が出ました」

魔王「ふむ。狙いは皇王殿か?」

侍従長「恐らくは……」

魔王「皇王殿と合流しよう」

女「勇者は?」

魔王「今は合流できん。この二人の安全を図るのが最優先だ」チョイチョイ

女「……わかった」コク
704 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 12:27:27.58 ID:fwueZ.DO
今のメイドにやりたいことやらせたら皇太子がお婿に行けなくなっちゃう
705 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/11(土) 12:32:01.64 ID:9afuOgAo

とりあえずは以上となります。かなり短いですが、ご容赦ください。
今夜の更新予定はまだわかりませんが、書き溜めそのものは見直しがまだの状態で15P程ございますので、それを投下できれば、とは思っております。

それでは、また後程お会いできましたらお会いいたしましょう。(土下座)
706 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 12:38:52.57 ID:XOKoQ9.0
乙です。
707 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 14:06:46.71 ID:oOrzVTEo
おや、これっぽちですか。
つかれて倒れない程度に
かくにんするスピード上げてくださると嬉しいです。
レモンティー飲みながら夜までは待ってさしあげますから、
さぼらないでくださいね!
まだヘタレさんにはパワーがあるはずです!
でも、もし今日中に投稿できそうにないなら、
すぐに教えてくださると助かります……!
708 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 19:33:30.49 ID:zTA9PqEo
乙。
面白くて、一気読みしちまった
709 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:14:17.57 ID:H8/v73co
やっと帰ってこれた……
日をまたいでしまいましたが、お約束通り投下してきます。

書き溜めが10P(Word換算)もないので10レスあるかないか程度になってしまいますが、手持ち分を全部投下してしまう予定です。
最終チェックだけしてしまいたいので、1時半から一気に投下いたしますので、もう少々お待ちくださいませ。(土下座)
710 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 01:30:21.41 ID:PZkGSFQo
さぁ、来い
711 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:33:44.36 ID:H8/v73co

― 皇居内 本棟に向かう廊下 ―


女「そんなに広くないから下手に加速呪は使えないわね」

魔王「慣れない内に壁に激突するのがオチだな」

皇太子「だ、大丈夫かな……?」ビクビク

臣娘「魔王様と女様がいるんだから大丈夫よ」フルフル

魔王「怖がるでない。お前達には傷ひとつつけさせん」

侍従長「申し訳ない、頼りにさせていただきます」ガタガタ

女「あんたが一番怖がってるじゃないの……」

侍従長「わ、わたしは文官なのでこのような事態には慣れておらぬのだ」

魔王「そこかっ! 氷の矢っ」ヒュンヒュンッ ザザッ

女「2人ね」

魔王「片付ける。女は子供達と侍従長を」

?「・・・・・・っ!」

魔王「? この国の言葉ではないのか」

侍従長「中つ国の言葉ですっ! 「子供達を渡せ」と」
712 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:34:25.56 ID:H8/v73co

魔王「全力でお断りだ」

?「・・・・・・っ!!」ザッ

臣娘「投げナイフっ!」

魔王「くだらん」キンッ

皇太子「なに、いまの?」

女「魔王は魔法障壁を絶えず身体の周囲に張ってるから物理攻撃も魔法攻撃も極端に効きづらいのよ」

皇太子「すごーい」

?「・・・・・・っ!!」ザザザッ

??「っ!!」ザザザザザッ

新娘「7人!? 多すぎますっ。危ないっ!!」

魔王「だから効かぬと言っておろうが」キキキキキンッ

女「魔王に喧嘩売る時点で間違えてるのよね」

魔王「女、ちゃんと二人を守っておれよ」

女「わかってる。警戒は怠ってないわ」

魔王「威力の低い魔法が苦手なのは屋内戦では不利だな。氷の礫っ」ドドドドドド

?「!?」ドガァッ

魔王「一人目」

皇太子「強い……」

臣娘「うん……」

侍従長「……」

女「侍従長さん、『今なら』とか思ってません?」
713 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:35:10.24 ID:H8/v73co

侍従長「!? な、なにを!」

女「手口がモロバレなんだもん」ニコニコ

皇太子「ほぇ?」

臣娘「ま、まさか……?」

女「匂いが全然しない。さっき会った侍従長さんは香の匂いを纏ってたけど、貴方からは全く香ってこないわ。『本物』の侍従長さんはどこかしら?」

侍従長「くっ……」シャキンッ

女「ざーんねん」ニコッ

侍従長「!? う、動けぬっ!」

女「足元固めちゃった」テヘ

侍従長「ちぃっ!」シュッ

皇太子「っ!」ガバッ

臣娘「きゃっ」

女「素直にあきらめてよね。光盾っ」キンッ

侍従長「怪しげな術を次から次へとっ」ギリリ

女「魔法っていうちゃんとしたモノなのよ。とりあえず寝ててね。誘眠雲」フォンッ

侍従長「くそ……このままで……」カチッ

魔王「いかんっ!」ダッ

女「!?」

皇太子・臣娘「えっ?」


ドォォォォンッ!
714 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:35:56.62 ID:H8/v73co

魔王「こういうことか」

女「二人とも、大丈夫?」

皇太子「は、はい」ケホケホ

臣娘「な、何があったの!?」ケホケホ

魔王「身体に爆薬を仕込んでおったようだな。巻き添えにしてでも、と思ったのであろう」

女「魔王がいなかったら危なかったわ」

魔王「さっきの光盾の効果が残ってくれていたのも幸いした。皇太子殿、きちんと臣娘を護ったな。偉いぞ」ナデナデ

皇太子「とっさに身体が動きました」テレテレ

臣娘「あ、ありがと……」

皇太子「おねーちゃんに怪我がなくてよかった」ニコニコ

臣娘「調子にのらないっ」ペチン

皇太子「あう……」イタイ

勇者「魔王っ!」

魔王「勇者っ、無事だったか」

勇者「目の前で爆発された瞬間に超短距離転移してなんとか」アブナカッタ

魔王「メイドはこの先に居るようだ。急ごう」

勇者「俺が先に立つから魔王と女は後ろを頼む。皇太子と臣娘は俺達の間にいてくれ」

皇太子「は、はいっ」

魔王「市中の被害はどれほどなのだろうな」

勇者「そんなに大きな被害はないらしい。陽動が主目的だったみたいだ」

皇太子「よかったです」

女「そうね。貴方達も無事にお父さんと合流しなきゃね」

皇太子「はいっ」

臣娘「勇者様、あそこっ! メイド様が!」

勇者「まだ隠れてる奴がいたんだな」ヤレヤレ
715 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:37:27.74 ID:H8/v73co

キンッキンッ


メイド「やはりその程度ですか。腕馴らしにもなりませんわ」ガッカリ

?「・・・・・・っ!」

メイド「お疲れ様でした。あ、爆発する暇なんて与えませんから」ザクゥッ

?「!!」


臣娘「一刀両断……」

勇者「メイドさんは戦闘になるとえげつないからなぁ。返り血ですごい事になってるけど」

メイド「魔王様、邸内に入り込んだ賊のほとんどは片付いたようですが、先程1人討ち漏らしました。申し訳ございません」

魔王「止むを得まい。皇王殿のところへ急ぐぞ」

メイド「はい」

皇太子「……あ、あのっ」オズオズ

メイド「殿下……このような姿で申し訳ございません。恐ろしいですよね」

皇太子「ち、違うんですっ。怪我とかしてないかなって」オロオロ

メイド「……お優しいお言葉ありがとうございます。大丈夫ですよ」ニコッ

皇太子「よかったです」ニコッ

女「あら優しい」

魔王「あの父親だからな。その血は受け継いで肝の据わっておる部分はあるのであろう。臣娘、大丈夫か?」

臣娘「ご、ごめんなさい。ちょっとびっくりしちゃって」

メイド「すみません。先行いたしますね」
716 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:38:07.55 ID:H8/v73co

皇太子「あっ」ギュッ

メイド「殿下?」

皇太子「い、一緒に、行きましょう」

臣娘「私も大丈夫です。メイド様は私達を守ってくださったんですよね。本当にごめんなさい」ペコリ

メイド「い、いえ、私の仕事ですから……」トマドイ

魔王「……よし。行こう」ザッ

?「・・・・・・っ!!」ボゥッ

魔王「呪文っ!?」

勇者「魔王っ!!」ザンッ

?「・・・・・・!!」ドサッ

女「魔王っ、大丈夫!?」

メイド「魔王様っ!」

魔王「……大丈夫だと思う」

メイド「申し訳ございません! 気が緩んでおりました」

魔王「気にするな……ん?」フリフリ

勇者「どうした?」

魔王「んー?」フリフリ

女「何してるの?」

メイド「魔王様、もしかして……」

魔王「うーむ」

勇者「だからどうしたんだよ!? どっか痛むのか?」

魔王「魔法が使えん」
717 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:38:54.61 ID:H8/v73co

女「へ?」

メイド「やはり……」

勇者「まじかよ」

皇太子「どうしようどうしよう!?」オロオロ

臣娘「落ち着きなさい」ペチン

魔王「どうやら先程かけられたのは魔法封じとかそれに類するもののようだな」

勇者「ぜんっぜんダメか?」

魔王「全くダメだな。魔法障壁も何もかも消えておる」

女「ということは、今の魔王って……」

魔王「人間より少し強い程度のただの役立たず、だな」ションボリ

メイド「なんてこと……私が盾になっていればっ」

魔王「お前が気にする事ではない。あの伏兵には誰も気づかなかったのだ。むしろ私でよかった。これが皇太子殿や臣娘だったらと思うと背筋が凍る」

メイド「ですがっ」

魔王「何度も言わせるな。お前の責ではない」

メイド「……」

勇者「今のであらかた片付いたはずだけど、警戒は緩めずに行こう。メイドさん、魔王を護ってくれ。皇太子と臣娘は俺と女で守る」

メイド「命に代えてでも」

魔王「すまない。このような時に足手纏いになってしまうとは」トホホ

女「皇王陛下と合流してから考えましょう。勇者、あとどれくらいなの?」

勇者「もうすぐだ。全員、周囲への警戒を怠らないでくれ。皇太子や臣娘もちゃんと周囲に目を配れよ」

皇太子・臣娘「はいっ」
718 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:41:50.02 ID:H8/v73co

― 皇居 本殿 皇王の執務室 ―


皇王「おぉっ、我が息子よ! 無事であったか!」

侍従長「殿下、臣娘様、よくぞご無事で……」

女「あ、本物の侍従長さんだ」

魔王「香の匂いがするな」クンクン

侍従長「どうなされたのですか?」

女「実は……」

皇王「……変装、か?」

魔王「というよりも変化の術に近いものだと思う」

皇王「ふむ。それで、魔王殿は魔法が全く使えぬのだな?」

魔王「これっぽっちも」

勇者「すまないけど魔王の護衛頼めないか? 俺と女は街の方に行ってみようと思う」

魔王「勇者っ!」

勇者「大丈夫だよ。すぐに戻ってくる。メイドさんも残って魔王を頼む」

メイド「承知しております」

魔王「……足手纏いだからか?」キュッ

勇者「そうじゃない。魔王にもしもの事があったら俺は……」

魔王「……全部覚悟をした上でお前と共に歩いているのだ。今更置いて行くなどと言わないで欲しい」ハァ

勇者「本当に心配なんだよ。卯さんの術が魔王に効いた時からずっと心配だったんだ」

魔王「いらぬ心配だ。自分の身くらい自分で守れる。私を誰だと思っておる。魔法が使えぬとはいえ、魔王だ。人間ごときに後れはとらん。と言いたいところだが、足を引っ張るだけになりそうだな」ションボリ
719 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:43:26.10 ID:H8/v73co

女「ついでに卯さんを探してくるわ。もしかしたら解呪の方法を知ってるかもしれないし」

魔王「頼む。すまんな、女」

女「何言ってんのよ。私とあんたの仲でしょ。これくらいお安いご用よ」

メイド「お気をつけください」

勇者「じゃあ皇王さん、よろしく頼む」

皇王「任された。二人の身は何があっても守り抜こう。皇太子も皇国を護る者としてしっかりとするのだぞ」

皇太子「はいっ!」シャキッ

臣娘「大丈夫なのかな……?」シンパイ

皇太子「おねーちゃんも魔王様もメイドさんも、みんなちゃんとと守るよっ!」プンスカ

魔王「頼もしい限りだ。よろしく頼むぞ」ナデナデ

皇太子「はいっ!」ニコッ

メイド「あらあら、嬉しい限りですね」ニコニコ
720 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 01:48:41.21 ID:H8/v73co

書き溜め分は以上となります。日曜日の午前中の分と合わせて20レスといったところでしょうか……
もうちょっとペースを上げたいのですが、SSを書く時間をなかなか作る事ができず、申し訳ございません。お詫びにセルフ笞打ちをしておきます。

明日は午前中に書き溜めを行い、投下は夕方に可能かどうか……といったところになりそうです。
投下ができるかできないかは、折を見てご報告させていただきますので、罵倒の限りを尽くしつつお待ちいただければ、と思います。

それでは、皆様が良い夢を見ることができますよう、お祈りしつつ本日は幕とさせていただきます。おやすみなさいませ。
721 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/12(日) 01:56:42.96 ID:MsLGtFo0
へたれ!おつ!
722 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 02:11:05.54 ID:1h0lB.6o

ほんと面白いな
お前がNo.1ヘタレだ!
723 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 02:12:55.98 ID:PZkGSFQo
やはりこのヘタレやりおるな
魔王の広範囲魔法は強すぎたからこれでパワーバランス的にバトル展開がより面白くなるな
724 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 04:35:10.99 ID:FnVQoJoo
今更だけど、女船長のイメージをマヴカプ2のルビィハートで脳内変換してた
725 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 08:33:52.95 ID:j19hs3Eo

魔王「知らないのか……?魔王には状態異常はかからない」
とかだったらそれはそれで面白いのだがw
726 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 08:43:08.19 ID:j/5TUEDO
術封じが正常に働かずに幼児退行してしまうとか考えました
727 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 09:49:15.74 ID:I/gp9YDO
乙です。
728 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 09:52:50.88 ID:.oB9U82o
やっと、おいついたわへタレ
729 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 15:07:20.69 ID:Cd231UAO
今更だが>>707がフリーザ様で再生されたwwwwww
730 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 15:25:07.31 ID:gCmYnFwo
最高にヘタレだな!!!
おつおつ
731 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/12(日) 17:01:36.98 ID:H8/v73co
皆様こんにちは。
変わらぬ過分なご支援本当にありがとうございます。嬉しすぎて頭が地中に没してしまいそうな勢いです。

投下について一つご報告がございます。
本日、明日と2日間書き溜め、投下の時間がどうやっても取れそうにございません。楽しみにしてくださっている皆様に申し訳ない気持ちでいっぱいですが、2日間更新をお休みさせてください。
どこかで時間が捻出できれば短時間でも書き溜めや投下ができるよう努力いたしますが、軽く絶望的な雰囲気になりそうです。

火曜日以降にはなんとか時間が取れるようになるとは思いますが、状況が安定するまでお待ちいただくことになる可能性がございます。
極力早い復帰を目指しておりますので、どうぞご容赦いただければ、と思っております。本当にごめんなさい。(土下座)
732 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 17:16:11.12 ID:AtBJxygo
仕方ねぇなぁ
他ならぬヘタレの頼みだから了解せざるを得ないぜ
待っててやるよ
733 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 17:32:48.20 ID:.oB9U82o
は…はやくしなさいよへタレ!
734 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 18:00:05.80 ID:2mO.pbAo
休みを欲しがるなんて何様だ
めんどうなへタレだな
よろしくない
735 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/12(日) 18:19:46.01 ID:nSVYTsDO
がァァァァッッ!!
んな事聞くために俺は居るんじゃ無いんだよ!
バカ野郎!ヘタレ!
レンコンみたいなスカスカの頭フル回転させて
よく推敲して書けよな!
736 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 18:34:54.28 ID:AtBJxygo
いつからだろう…
いつからこのスレの縦読みは投げやりじゃなくなってしまったんだろう…
ぞんざいな縦読みにツッコミが入る
まぬけとも思えるあのやりとりが懐かしい…
って言っても完成させてこその縦読みだよね!
て言うのもさておきヘタレさんを待ちますよ
やはり良い物が読みたいですからね
るくせんぶるくッッ!!!
737 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 18:50:15.63 ID:Yz6Fg7go
>>736
さして問題じゃないだろ
いつからだなんて
ご覧のとおりヘタレでできているのがこのスレだ
まさにレス専もヘタレだからこその
できの悪さ
がきみたいに思いつきだけで阿保なやり取りしてる
ん?俺か?
ばかだな、俺も一緒だよ
れすしか脳がないヘタレの一員さ
738 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 19:24:34.56 ID:AtBJxygo
>>737
あん?なんたる物言いだッ!
りかいに苦しむねッッ!
がいじんと話してるみたいだよ
とりあえず表出ろYO!
うどんくらいなら奢るぜッッッ!
739 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 23:14:10.75 ID:llHNo1wo
ただ、楽しみにして待ってやる。それだけだからな。いいなヘタレ。
740 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/13(月) 00:26:01.69 ID:mVjSOuc0
1



741 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/13(月) 00:28:25.17 ID:83IFvBYo
>>740
お前も多少は頑張る姿勢見せてみろヨwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
742 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/13(月) 07:19:57.91 ID:TGiwSZMo
>>740
>>740
>>740
お前も負けず劣らずへタレだww
743 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:38:13.51 ID:kKlVOvMo
みなさまこんばんは。
すごい量のご支援のお言葉、本当にありがとうございます。縦読みの汎用性の高さにただただ驚きつつ、口元がにやけっぱなしになってしまっているので焼き鏝で落ちつこうと努力しております。熱いです。

日、月曜日と皆様にお待ちいただく事になってしまい、申し訳ございませんでした。師走ということもあり、無駄に忙しくなってしまっておりてんてこ舞いしております。

更新ですが、今から手持ち分の投下を行い、明日以降は書き溜めがある程度溜まった時点で投下という今まで通りのペースに戻すつもりではございますが、書き溜めがどれくらいできるのか全く予測が立てる事のできない状態になっておりまして、最悪の場合は投下が2日に1回というスローペースになってしまうかもしれません。
できる範囲で皆様にご満足いただける内容のSSを投下したいと思っておりますので、罵りつつお待ちいただけますよう、お願いいたします。

それでは、日付が変わって火曜日の深夜、明日に備えてお布団に潜り込んだり、暖かいお風呂に漬かって一日の疲れをほぐすお供になればと思いつつ、再開いたします。
744 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:39:46.70 ID:kKlVOvMo

― 皇国 江阪市街 ―


勇者「やっぱり街中の火事は陽動だったみたいだな」

女「そうみたいね。被害はほとんどないみたい」

勇者「っと、ここか?」

女「うん。卯さんが印をつけてくれた場所と一緒だわ。すみませーん!」

卯「はい、何でしょうか……勇者様に女様。どうなさったんですか?」

勇者「その様子だと無事だったみたいだな」

卯「はい。幸いにも火の手はこの辺りには起きませんでしたので」

?「卯よ、客か?」

卯「お師匠様、こちら、以前お話した西からの旅の方で……」

師「ほほぅ。勇者殿に魔王殿……かな?」

女「いえ、私は女と申します。魔王は今は一緒じゃないんです」

師「これはすまなんだ。それで、卯に何か用かな?」
745 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:40:32.49 ID:kKlVOvMo


師「皇居に中つ国の間者の襲撃があったのか。道理で皇居周辺がざわついておると思った。その際に魔王殿の魔法を封じられたということなのじゃな?」

勇者「ああ。襲撃者は全員倒したんだけど、魔王の魔法がどうにもならなくてさ。それで卯さん達なら何かわからないかと思って」

卯「私達は魔法そのものを知らないので知らないものを封じる事はできないですね。魔王様がおっしゃっていたように、相手が使う術の原理がわからないことには手が出せないのはこちらも一緒ですから」

師「そうじゃな。中つ国の間者が魔法を知っておって、その上で魔王殿を含めた4人の中の誰か一人の戦力でも殺ぐ事ができればと思ったのかもしれん」

卯「お師匠様、もしかしたら……」

師「……あ奴ならわかるかもしれんが、どこに居るのかわからんぞ」

卯「それが、勇者様達と一緒の船でここに戻ってきているそうです」

師「ふむ。勇者殿、言語学者と面識があるのでしたな?」

勇者「うん。ここに来る船で言葉を教えてもらった」

師「道理で綺麗な皇国語を遣いなさると思った。あ奴に会いなされ。きっと力になる。卯、一緒に行って来ると良い」

女「お知り合いなんですか?」

卯「あ、えっと……」

師「言語学者は儂の一番弟子じゃった。ついでに言うと卯の兄じゃ」

勇者「だから地図を見た時に反応がおかしかったのか」

卯「はい……兄とはもう2年近く会っておりませんでしたので、勇者様達と一緒に戻ってきているとお聞きして行こうかどうしようか迷っていたんです」

師「そんなワケじゃからこいつも連れて行ってやってくれんか? 言語学者は陰陽術は当然じゃが、魔法にも詳しい。解呪方法を知っておるかもしれん」

勇者「そういう事なら一緒に行こう」

卯「ありがとうございますっ!」

師「あ奴にこっちに顔を出せとも伝えておいてくれ」

卯「はいっ!」
746 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:41:06.32 ID:kKlVOvMo

― 皇国大学院 ―


勇者「近かったから大学院の方に先に来たけど、正解だったみたいだな」

卯「そうですね」

女「それにしてもおっきいわねぇ……江阪の中で4階建てって珍しいんじゃないの?」

卯「ここが唯一だと思いますよ。大陸の建築方法を取り入れてるらしくて、地震にも強いそうです」

勇者「皇国の家って木造がほとんどだけど、ここは木造と石造りを混ぜてるんだな」

女「こういう建築方法って他では見ないわね」

卯「中つ国や越南国ではよくある建築方法らしいです」

勇者「中つ国とは敵対関係なのか?」

卯「いえ、そういう訳ではないと思います。交易も盛んですし、文化交流も行われています。皇王陛下も中つ国の皇帝と何度も会談していたはずなのですが」

女「表面上は友好を装って実は、って事なのかな?」

勇者「そんな感じなのかもしれないな」ウーム

言語学者「お待たせしました。おや、卯も一緒だったのですか」

勇者「ちょっとワケがあってな」

卯「お兄様、お久しぶりです」ペコリ

言語学者「卯も元気そうで何よりだ。顔を出せなくてすまなかった。色々と忙しくてね」

女「言語学者さん、悪いんだけど緊急事態なの。力を貸してくれませんか?」

言語学者「何かあったんですか?」
747 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:42:04.51 ID:kKlVOvMo

― 皇居 東の棟 魔王の部屋 ―


言語学者「うーん……陰陽術にアレンジが加えられているようですね。中つ国で似たような術を聞いた事があります」

魔王「治るのか?」

言語学者「残念ながら私の知る限りでは解呪方法はありません」オテアゲ

メイド「そんな……」

言語学者「ですが、一か月程で術の効果が消えるはずですよ」

勇者「そうなのか?」ホッ

女「じゃあ、一か月の間我慢すれば良いんですね?」

言語学者「少々の差はあるでしょうけど、それくらいの期間をみていただければ自然と術の効果が消えるはずです」

魔王「その間は不便なままか」

勇者「でも、治るんだから良いじゃねぇか。よかった」ナデナデ

魔王「♪」ニコニコ

女「不公平っ」

勇者「お前ら、その不公平ってのどうにかしろよ……」ナデナデ

女「♪」ニコニコ
748 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:43:17.70 ID:kKlVOvMo

言語学者「あははは。相変わらず仲がよろしいですね」ニコニコ

メイド「お茶が入りました。言語学者様、卯様、どうぞ」

卯「ありがとうございます……」チラッ

言語学者「ん、卯は美人さんになったね。本当に元気そうで安心したよ」ナデナデ

卯「はいっ」ニコニコ

魔王「似た者がおるな」

女「女の子はみんなそんなモンなのよ」

勇者「両手疲れた」

言語学者「それはそうと、伺いましたお話の中で一つ気になる事があるのですが」

魔王「気になる事?」

言語学者「はい。これは中つ国の南にある越南国の事なのですが、あの国は今、中つ国によって占領されています」

勇者「侵略か?」

言語学者「侵略ではありますが、その手法が……」
749 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:44:31.18 ID:kKlVOvMo

― 皇居 皇王の執務室 ―


皇王「それは誠か?」

言語学者「はい。越南国は中つ国の者が徐々に上層部の者と入れ替わり、最後には国王までもがすり替わってしまっていたそうです。国民が気付いた頃にはすでに中つ国の者が越南国に大量に流入しており、どうにもできずに」

皇王「急ぎ偵察を放て! 各地の名代、上層部に変化がないか見極めろ!」

右大臣「はっ!」

侍従長「これで私の偽者が現れた理由がわかりましたな」

皇王「そうだな。勇者の話を聞いて大臣達を含めた皇居に勤める者の確認だけでもしておいてよかったわい」

勇者「仕事が早いな」

皇王「これでも国を纏める者だからな。心配の種は一つでも取り除いたほうが良かろう」ニッ

侍従長「それにしても、これは大問題ですね。結果次第では中つ国との戦争にも……」

皇太子「たくさん人が死ぬんですか?」ウルウル

皇王「そうなるかもしれん」

皇太子「僕もがんばってみんなを護ります!」

皇王「良く言った。まずは臣娘を護ってやれよ」

臣娘「わ、私は自分の身は自分で守れますっ」カァッ

皇太子「おねーちゃんは僕が護りますっ」ニコッ

臣娘「このお気楽っ」ペチン

メイド「あらあら」ニコニコ
750 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:44:58.35 ID:kKlVOvMo

皇王「中つ国め、卑怯な手段を」

勇者「気付いた時には手遅れってやつだもんな。下手すりゃ既にどっかの地方は乗っ取られてると思ったほうが良いんじゃないか?」

皇王「うむ……考えたくはないがな。何らかの対策を練る必要はあるだろう。明日にでも軍議を開いて対応策を協議する。今日の所はご苦労だった。ゆっくり休んでくれ」

魔王「とはいえ、もう夜が明けるな」

女「うん。東の空が明るくなりはじめてるね」

皇太子「んー……」ネムネム

臣娘「くぅ……」ウトウト

メイド「あらあら。さすがに限界だったようですね」

魔王「私達も休ませていただこう。皇王殿、お先に休ませていただく」

メイド「一応お二人は魔王様と私の部屋でお休みいただきましょうか?」

皇王「頼む。警備の者も増やしてあるからゆっくり休んでくれ」

女「んーっ、私も寝よっと。勇者は?」

勇者「俺も少ししたら寝るよ。おやすみ」

メイド「それでは、おやすみなさいませ」
751 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:47:14.29 ID:kKlVOvMo

― 皇居 東の庭園 ―


皇太子「やぁっ! とぉっ!」キンッキンッ

メイド「その調子です。もう少し脇を閉めるように」

皇太子「はいっ」

勇者「良いぞ。その調子だ。武器の特性を生かして足元を狙うのも忘れないようになっ」

臣娘「はいっ!」

魔王「うーむ、魔法が使えないとなるといささか不安だな」

女「魔法障壁がなくなっちゃってるから危ないよね」

魔王「何というか、いつも着ていた鎧をひっぺがされたような気分だ」

女「あれから2週間経つけど、やっぱりまだ全然?」

魔王「全くダメだな。魔力そのものはあるのだが、魔法を詠唱しても結唱せん」

女「めずらしい術だよね。私達の魔法でも封魔術はあるけど、ここまで長続きするようなのってないんじゃないかな」

魔王「私も聞いた事はない。しかも対魔能力の高い魔族にすら効くとなると、かなり強力な術のようだな」

女「私や勇者だと一生魔法が使えなくなっちゃうのかもね」

魔王「想像するだけで恐ろしい」

女「魔王はちょっと魔法に依存しすぎてたから良い機会なんじゃない?」

魔王「そんなことはないぞ。ちゃんと日々のトレーニングは怠っておらん」

女「そうなんだ? ……だからそのプロポーションなのね」ジトー

魔王「ば、馬鹿者っ! どこを見ておるか」アセアセ

女「しっかし、いつ見ても羨ましいわね。その胸といいくびれといいお尻といい……」
752 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:47:46.17 ID:kKlVOvMo

魔王「お、女だってスレンダーなだけで身体は引き締まっているではないか」

女「胸がないのは致命的なのっ! 男はみんなおっぱい星人なのよ」グヌヌ

魔王「そ、そうなのか……?」

女「勇者だってきっとそうよっ」

勇者「お前ら子供がいる前で何の話してるんだよ」アタマイタイ

臣娘「……」マナイタ

メイド「臣娘様はこれから成長期ですよ」

女「メイドさんも魔王に負けず劣らずだよねぇ」ウラヤマシイ

メイド「わ、私ですか? そんな事ないですよっ」

魔王「確かにメイドも良い肢体をしておるな」

メイド「ま、魔王様までっ」カァァッ

臣娘「羨ましいです……」ジーッ

メイド「あ、あらあら……」アハハ

皇太子「ふぇ……?」ワカンナイ

勇者「男にはわからなくて良い話だ。気にするな」キコエナイ
753 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:49:20.88 ID:kKlVOvMo

― 皇居 本殿 皇王の執務室 ―


右大臣「皇王様、悪い知らせです」

皇王「やはり、か……」

右大臣「中つ国に面した海沿いの地、取雲の名代以下上層部の大半が中つ国の間者らしき者達に入れ替わっているとの報告です」

皇王「……市民は無事なのか?」

右大臣「中つ国の者が大量に入植している雰囲気はないようです。まだ準備段階だと思われます」

皇王「早めに手を打たなければいかんな。至急兵を招集せよ。忍も集められるだけ集めよ」

右大臣「はっ」

皇王「他の県はどうだ?」

右大臣「東北県の密偵は距離がありますのでまだ戻っておりませんが、他の地方は全て問題ないようです」

皇王「辛うじて安心ではあるかな」

勇者「攻めるのか?」

皇王「勇者か。攻めるのは最終手段だ。取雲と接している県境に演習を装って兵を置き、忍による作戦から始める」
754 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:49:59.72 ID:kKlVOvMo

勇者「俺達も出れるぞ」

皇王「いや、これは我が国の問題だ。お前達に手伝ってもらう程でもない」

勇者「うーん、別に構わないんだけどなぁ」ポリポリ

皇王「勇者の血がそうさせる、か?」

勇者「よくわかんねえよ。俺は自分が正しいと思った事をしてるだけだ」

皇王「我が息子もお前のようになってくれると嬉しいな」

勇者「あいつは良い子だよ。まっすぐで、純真だぞ」

皇王「嬉しい事を言ってくれる。魔王殿はどうだ?」

勇者「やっぱり全然ダメらしい。言語学者さんが言うように一か月はどうしようもないんじゃないかな」

皇王「ふむ。俺としてはその間我が息子の鍛錬をしてもらえるからありがたい、と言ってしまうと不謹慎になるかな」

勇者「いんや。どうせ目的のない旅だ。のんびりするにはうってつけだよ」

皇王「はっはっは。思う存分羽を休めると良い。今まで戦い通しだったのだろう?」

勇者「んー、まぁそうかな。お言葉には甘えさせてもらうけど、必要だったらいつでも言ってくれ。魔王は無理だし、メイドさんは魔王の護衛任務があるけど、俺と女はいつでも動ける」

皇王「もしもの時には頼む」

勇者「任せろ」ニッ
755 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:51:55.03 ID:kKlVOvMo

― 江阪 街外れの社 ―


魔王「こっちか?」

女「そうだと思う。臣娘ちゃん、道わかる?」

臣娘「はい。大丈夫ですよ」

魔王「それにしても言語学者殿の呼び出しとは珍しいな」

卯「魔王様の封魔術の解呪方法がわかったって今朝私のところに連絡があったんですけど、忙しくて動けないから連れてきて欲しいって言ってました」

女「よかったね、魔王」

魔王「うむ。これで足手纏いという肩身の狭い思いから解放される」アンシン

臣娘「それにしても、どうして言語学者様はこんなへんぴな場所をご指定なさったのでしょう?」

卯「私にもわからないんです。連絡が来たのも人形を使った伝達でしたから」

女「直接じゃなかったの?」

卯「はい。兄にしては珍しいなって……滅多に陰陽術を使わない人なんですけど」

臣娘「勇者様と皇太子には何も言ってきませんでしたけど、良かったのでしょうか?」

魔王「皇太子殿にはメイドを付けてあるし、勇者は皇王殿と何やら話をしておったからな。私としては一刻も早くこの封魔術を解きたい」

女「メイドさんは最後まで渋ってたけど、皇太子君の護衛を教練があるからね」

魔王「言付けも残して来たから問題なかろう」

女「この辺りはあんまり人気がないんだね」

臣娘「おかしいです」ピタッ

魔王「どういうことだ?」

卯「この社は中心部からは離れていますが、いつもそれなりに賑わっているはずなんですけど……今日に限って人がいません」

魔王「ということは」

女「まんまと引っかかっちゃったのかぁ」

?「・・・・・・!」ザザザザッ
756 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:52:46.04 ID:kKlVOvMo

臣娘「きゃぁっ!?」

卯「何者です!?」

魔王「中つ国の間者だ。まだこれだけ居るとはな」

女「15人、か。厳しいわね」

魔王「逃げるぞっ! 女、臣娘を頼む! 卯殿、走れ!」

女「加速呪っ!」フォンッ

卯「え? え?」

魔王「もたもたするな!」ダッ

臣娘「は、はいっ!」

??「・・・・・・っ!」ザンッ

魔王「痛っ」

女「魔王っ」

魔王「かすり傷だっ。足を緩めるな!」

卯「戒めの光縛っ!」ピシッ

?「!!」

女「卯さん、ナイスっ!」

卯「すみませんでした。まさか兄を騙って来るとは思いませんでした」

魔王「我々についてかなり調べているようだな。臣娘、大丈夫か?」

臣娘「は、はいっ。大丈夫です」ハァッハァッ
757 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:53:53.18 ID:kKlVOvMo

女「私が最後尾につくわ」

魔王「いや、行く手を遮られてしまう可能性が高い。今戦闘で役に立つのは女と卯殿だ。前を頼む」

女「わかった。神速呪っ!」フォンッ

卯「わわっ、早っ!」

魔王「気をつけろ、来るぞっ!」

?「・・・・・・」

??「・・・・・・」

臣娘「3人っ」

女「光よっ!」フォンッ ピカッ!

?「!?」

魔王「駆け抜けろっ!」

臣娘「きゃっ」ズザッ

魔王「臣娘っ!」

??「・・・・・・」スッ ズドンッ
758 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:54:34.35 ID:kKlVOvMo

卯「煙幕っ!?」

女「魔王っ、臣娘ちゃんっ!」

魔王「くっ、魔法さえ使えればっ!」

臣娘「きゃぁっ!」

女「臣娘ちゃんっ!?」

魔王「貴様らっ、何をっ!? ぐっ……」ドンッ

女「魔王っ!!」

卯「大丈夫ですか!?」

?「・・・・・・っ!」

女「きゃっ! 光盾っ」フォンッ キンッ

卯「撃っ!」ゴンッ

?「・・・・・・っ!?」ドサァッ

女「魔王っ! 魔王!?」

卯「臣娘様!?」
759 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:55:20.78 ID:kKlVOvMo

― 皇居 本殿 皇王の執務室 ―


勇者「そんなみえみえの罠にノコノコと行く馬鹿がどこに居るんだよっ!!」ビリビリ

女「ごめんなさい……」

卯「申し訳ございません」

勇者「馬鹿かお前っ! 魔王の状態を考えろよっ。少なくとも俺が戻るまで待てただろ!?」

女「……」

卯「女様を責めないでくださいっ、全ては私が偽者の兄から来た伝書を伝えてしまったからですっ」

勇者「それにしても、だ。女なら魔王と止めれただろうが!」

女「魔王が焦っていたの、知ってるから……」

勇者「焦ってた?」

女「魔法が使えない事で勇者の足手纏いになるってずっと気にしてたし、毎日……ううん、それこそ暇さえあれば魔法が使えるようになってないかチェックしてたから」

勇者「うーっ、それはそうだろうけどさっ!」

メイド「魔王様はっ!?」

皇太子「おねーちゃんっ!?」

右大臣「娘が攫われたとは本当ですかっ!?」

勇者「あぁ。最悪の事態だ」ハァッ

メイド「そんなっ……私が、私が付いていればっ」

女「ごめんなさい……」

皇太子「おねーちゃんはどうなっちゃったの!?」

卯「……間者達に連れ去られてしまったようです」

右大臣「臣娘……」ガックリ
760 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:57:31.57 ID:kKlVOvMo

皇太子「うぅ……おねーちゃぁん……」グスグス

勇者「泣くなっ!」

皇太子「っ」ビクッ

勇者「泣いてる暇があったら助け出す方法を考えろ! どこに連れ去られたか考えるんだ!」

皇太子「は、はいっ!」ウーン

皇王「勇者の言う通りだ。右大臣、周辺地図を!」

右大臣「は、はいっ!」コチラニ

皇王「連れ去られたのがここなんだな?」

卯「はい。煙幕が晴れた時にはもう誰も……」

皇王「となると、二人を攫った奴らは江阪を出た事になるな」

右大臣「この街道を進めば取雲に出ますっ」

皇王「早馬を出せっ! 県境に検問を!」

治安隊長「はっ!」

勇者「俺も独自に行かせてもらうぞ」

女「私もっ」

卯「お供させてくださいっ」

メイド「当然参りますわよ」

皇太子「ぼ、僕もっ!」

勇者「俺一人で行く。お前達はここに残れ」

女「勇者っ」
761 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:58:08.80 ID:kKlVOvMo

勇者「これ以上被害を増やしたくない。メイドさん、皇太子の護衛をしっかりしてくれよ。この隙をついてここが襲われる可能性もある」

メイド「しかしっ、魔王様をお守りするのは私のっ!」

勇者「それは、俺の役目だ」

女「勇者っ!!」

勇者「いいから待ってろ! 俺も頭に血が上ってんだ。お前を守れるかどうかわかんねぇんだよっ!」

女「っ……それでも行く。私の責任だもん」

勇者「……好きにしろっ」スタスタスタ

女「メイドさん、皇太子君、魔王と臣娘ちゃんは絶対連れて帰ってくるから、待ってて」

皇太子「……」コクン

メイド「……承服しかねますけど、わかりました。殿下はかならずお守りいたします」

卯「申し訳ありません……何のお役にも立てなくて」

女「気にしないで。あと、悪いんだけど言語学者さんに連絡取っておいてもらえる?」

卯「はい。直接兄に会ってこの事を伝えてきます」

勇者「女、急げ! 準備をしてすぐに出るぞっ!」

女「はいっ!」タッタッタ

皇王「勇者っ、これを持っていけ! 俺の勅令書だ。あと、馬も使え!」

勇者「ありがとよっ!」
762 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 00:59:05.37 ID:kKlVOvMo

― 取雲に向かう街道の関所 ―


女「ゆ、勇者ぁっ、そろそろ馬がっ」

勇者「この先に関所があるはずだ。そこで馬を替えよう」

女「急ぐ気持ちはわかるけど、いくらなんでも体力もたないわよ」

勇者「もう陽が落ちるのか……しょうがない。宿を取って休もうか」

女「そうしてくれると嬉しい……江阪を出てから半日、馬を替えながら走り通しだなんて無茶すぎるわよ」ヘトヘト

勇者「これでも追いつけないとなると、別の道を走ってるのか?」

女「どうだろ? これ以外だと狭い道しかないんじゃなかったっけ?」

警備兵「止まれっ!」

勇者「皇王の許可を得ているっ! これが証明だっ」

警備兵「……お待ちしておりました。連絡は受けております。ここには怪しい団体は通りませんでした」

女「やっぱり街道は避けてるのかな?」

勇者「当然関所を避けて通ってるんだろうけど……他に道ってあるのか?」

警備兵「ここから西に行った所に旧道がありますが、そこにも網は張っております。あとは舗装されていない山道ばかりしか」

勇者「二人を運んでるんだろうから山道は考えられないんだけどなぁ」ムムム


ドカカッドカカッ ヒヒーンッ


伝令兵「急報っ! 旧街道の関所が破られたっ!」

勇者「そっちかっ! 女っ、行くぞっ」

女「あ、うんっ!」
763 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 01:00:08.41 ID:kKlVOvMo

― 旧街道の関所 ―


警備兵「いきなり襲いかかってきて……」

勇者「何人くらいだ?」

警備兵「10人か、もっといたかもしれん」

女「私達を襲ってきたのと数は近いわ」

勇者「馬を使ってたか?」

警備兵「全員騎乗していた。あと、馬車も1台」

女「そこに魔王と臣娘ちゃんを入れたのね」

勇者「軽く2時間以上ロスしてるな……」

女「ごめん、気持ち悪い……」ウップ

勇者「むこうも馬を休ませる、かな?」

女「私達と違って馬を替える方法がないから休ませないと馬が死んじゃうわよね」

勇者「気は急くけど休もう。俺はともかく、女も馬も限界だ」

女「ありがと……」グッタリ
764 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 01:01:52.11 ID:kKlVOvMo

― 取雲県境の関所 ―


女「酷い……」

勇者「おいっ、大丈夫か!?」

警備兵「」

女「こっちも駄目。皆殺しにされてるわ。関係のない交易商人さんや一般の人まで」

勇者「くっ」ギリッ

?「だ、誰……か」

女「あそこっ」

勇者「おいっ、大丈夫か!?」

警備兵「ぞ、賊の一団がここをっ」ゴフッ

女「治癒呪っ」フォンッ

警備兵「……痛みが」

勇者「喋れるな? 状況を教えてくれ」

警備兵「はい。馬と馬車の一団が6時間前にこの関を急襲。中つ国の言葉を叫びながら関に居た者を次々と」

勇者「出遅れたか」ギリッ

女「何て言ってたかはわからない?」

警備兵「急げ、皆殺し、名代屋敷という単語だけは聞き取れました」

勇者「中つ国の言葉がわかるのか?」

警備兵「片言ですが。私が聞けたのはそれだけです」

勇者「名代屋敷か。行くぞ!」

女「すぐに江阪から援軍が来ますから、ここで安静にしていてくださいね。お水もここに置いておきます」

警備兵「感謝する。ご武運を」

勇者「ありがとう」ダッ
765 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 01:04:15.78 ID:kKlVOvMo

以上となります。ペースを上げ始めておりますので、超展開が続いている上に1シーンが短いという致命的な欠陥が露呈してしまっており、猛省に猛省を重ねております。
もう少し情景描写がしっかりとできると良いのですが、なかなか難しいですね……上手に文章が書ける技術が欲しいです。

それでは、本日の投下はこれにて幕とさせていただきます。

皆様に良い夢が訪れますよう、そして、明日のご活躍をお祈りしつつ。
766 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/14(火) 01:14:49.12 ID:bKAsSOIo


さて・・・ちょっと中つ国滅ぼしてくるノシ
767 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/14(火) 01:20:39.32 ID:eZtJdHEo
オイオイ、これでペースが遅いって
レベルの高い制速民からするとこの程度じゃ遅いとは言えないぜ
この量とペースならハイペースと言えるぞ
のんびりされすぎても困るが自分のペースでしっかりやってくれ
1ヶ月待たされるのなんか慣れてるからな
すーぱーふぁみこんでもやりながら待つさ
きながにな
まおうたんハァハァ
つみなへタレだ
768 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/14(火) 01:33:38.65 ID:GfziMIDO
乙です。
バーサクな勇者は非常な方が好み
769 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/14(火) 02:57:54.77 ID:CwNZw9so
770 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/14(火) 09:21:53.59 ID:1wQiiMAO

皇太子そろそろうざい
771 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/14(火) 09:40:20.34 ID:lUWnGIDO
中つ国の拷問技術は世界一
まで読んだ
772 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/14(火) 17:00:28.99 ID:08GffgSO
1
お前のSS
つまらない
ガンダムでお前な
んかボッコボコのバッキ
バキにしてく
れるわ
773 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/14(火) 17:09:46.72 ID:Or1aj.wP
無理矢理だなww
774 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/14(火) 22:44:42.67 ID:b4I9Ns2o
携帯から皆様こんばんは。変わらぬご支援、いつもありがとうございます。

今後の投下スケジュールにつきましてお知らせいたします。

本日の投下は書き溜めがほとんどできなかった為、申し訳ありませんができなくなってしまいました。それ以前にまだ自宅にすら帰れません。突発的に忘年会なんて開かないで欲しいです……
話を戻します。

明日中には皇国編を一気に終わらせる予定にしておりますので、早ければ明日の夕方には投下を再開するつもりでおります。

軽い気持ちで始めてしまった皇国編ですが、皆様の暖かいお言葉に、つい調子に乗ってしまい、予想外に話が膨らんでしまいました。私のようなヘタレにご支援下さり、心から御礼申し上げます。猛省もしております。(土下座)

それでは、また明日お会いできれば、と思いつつ、本日は失礼させていただきます。
775 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/14(火) 23:43:46.33 ID:9D65yDwo
無理せずに頑張れこのヘタレ!
楽しみにしてる。
776 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 01:51:34.24 ID:Jcn7KQAO
何となくいつも乙と言ってみるよー
777 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 02:44:34.21 ID:P.gW6WMo
相性が悪いのかな
変態過ぎるな勇者はよ
ラブラブもてもてだし
ずっとこんなハーレムとかないわー
楽してんじゃねーぞ
しっかり書けやコラ
いいか、ちゃんと投下しないと許さんぞ
乙ぁつきゅー
778 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 03:08:14.64 ID:KRQ8K4go
縦読みで応援してるやつら多すぎwwww
よくこういうスレって叩かれるんだけどお前らの優しさに惚れた
みんな>>1がくるの楽しみにしてるぜ!
うんこ
ざっと書いてみたけどまぁ何が言いたいかというと
いろいろと忙しいかも知れんがさっさと書けヘタレ
779 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 07:46:01.74 ID:Z2bf.YAO
>>778
ツンデレ乙
780 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 08:23:50.89 ID:P.gW6WMo
>>778
ツンデレ乙
781 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 08:26:56.29 ID:yh8BeXgP
>>778




おつ
782 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 14:05:42.06 ID:CjrDb7co
q
783 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 19:07:26.92 ID:zjW1kMEo
>>778はデレツンよ!
784 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/15(水) 21:09:39.46 ID:crvDfXYo
遅くなってしまい、申し訳ございませんでした。
こんばんは、急遽実家よりお届けしております、>>1でございます。
多大なご支援と罵りのお言葉に胸が熱くなりすぎて胸板で焼肉が焼けそうな事態になりつつあります。本当にいつもありがとうございます。

昨日携帯より書き込みいたしました通り、本日中に皇国編を終了させるべく、現在最終チェックに入っております。投下開始時間は日付変更前後になってしまいそうですが、お時間のございます方はお付き合いくださいませ。
急激に寒くなっておりますので、風邪をはじめ、ノロウィルスなどにもお気をつけくださいますよう、ご自愛ください。
785 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 21:33:44.64 ID:q.Eg42go
>>784
ヘタレのくせに生意気だぞ!

お前が気をつけろよな!
786 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 21:43:55.44 ID:oDdG4.go
うむ
しかし徐々にへタレのヘの字もない普通に礼儀正しい人なコメントになってったな
ろくすっぽ敬語も使えない自分としては敬意を表さざるを得ない
かなりのやり手だな
いつも最後に人を気遣うコメントも入ってるし
やはりデキる人間は違うな
うまいよね、読ませ方が
えろなんかいらんかったんや
だっふんだ
787 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/15(水) 22:10:52.96 ID:tag4mQso
>>786
最後まで頑張ってないのは全部あんたか?
788 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 01:11:54.18 ID:LtMmGzMo
来い!

>>787
ノシ 俺もやってみた事がある
789 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:19:54.33 ID:diOmSKso
日付変更前後とかいいながらこんな時間になってしまいました。かなりバタついておりまして、やっと時間が取れましたので、一気に投下してしまいます。
私のような屑ヘタレにご支援の数々、重ね重ねありがとうございます。(土下座)

日付が変わって木曜日の深夜。既に床に就き、微睡んでいる方が大半かと思われますが、夜更かしをしている方、この時間が勤務時間の方、受験やテスト勉強をしている方はどうぞ無理をなさらず、気分転換程度にお付き合いくださいませ。
寒い夜となっております。夜更かし組の皆様は暖かくなさって下さいませ。

それでは、再開いたします。
790 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:23:05.02 ID:diOmSKso

― 出雲 市街 ―


勇者「見た目は普通だな」

女「一般の人にはまだ何も変化はないっていう話よね?」

商人「そこのお二人さん、リンゴはいかがかね?」

勇者「貰おう。ちょっと聞きたいんだけどいいか?」

商人「まいどあり。なんだい?」

女「ここ半日くらいの間に何か騒ぎとかなかった?」

商人「いや、この街は平和そのものだよ。半日じゃないけど、ここ2カ月くらい名代様のお姿をとんと見なくなっちまったなぁ。ご病気にでもなっちまったのかな」

女「今までは頻繁に顔見てたの?」

商人「週に2回くらいは買い物に来たりして下さってたよ。偉い方なのに気さくでね。奥方様と一緒にこの辺を歩いては、俺達の話を聞いてくださってたもんさ」

勇者「それが2カ月くらい前からぱったりと?」

商人「それくらいになると思うよ。最初は忙しいんだろうって思ってたんだけど、あんまりにも見ないからね、ご病気にでも罹っちまったのかなって仲間達と話をしてるんだ」

女「奥さんも?」

商人「お二人ともさ。あと、名代屋敷の警備がやたらものものしくなってたな。俺ら商人の中には戦争準備してるんじゃないかって話す奴もいたよ」

勇者「名代のお屋敷ってどこか教えてもらえるか?」

商人「あぁ、この先の道を……」



女「どうするの? まさか突っ込む気?」

勇者「他に方法がないだろ。それともこのまま指を咥えて待つのか?」

女「そりゃそうだけど、魔王と臣娘ちゃんが名代屋敷のどこに監禁されてるかもわかんないんだよ?」

勇者「いざとなったら屋敷ごと吹き飛ばす」

女「勇者、魔王が絡んでるから冷静な判断できなくなってる。落ちついて」ギュッ

勇者「……」
791 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:23:50.11 ID:diOmSKso

女「勇者が魔王の事大好きなのは知ってる。私の事を見てくれないのもわかってる」

勇者「そんなことは……」

女「いいからっ! よく考えてよ。勇者が落ちついて行動しないと、魔王は魔法使えないんだよ? 無闇に突っ込んだら魔王が傷ついちゃう」ギュー

勇者「……そうだった。ごめん」キュッ

女「よろしいっ」ニコッ

勇者「名代屋敷の周囲を見て、飯食いながらどうするか決めよう。俺達も少しは休憩しなきゃいざって時に動けなくなっちまう」

女「うんっ」


勇者「厳重すぎるな。ありゃ」モグモグ

女「そう簡単には中に入れそうにないわね」パクパク

食堂店主「観光かい?」

女「はい。色々と見て回ってるんです」ニコッ

勇者「名代さんの屋敷ってのにも行ってみたんだけど、何かあったのか?」

食堂店主「先々月だったかな? 急に警備の人間が増えて来たんだよ。俺達も何かあったのかって聞いてみたんだけどなーんにも返答なかったんだ。場所が場所だから何か宝物でも保管してて用心でもしてんのかなって思ってたけど、俺は何か怪しいなぁって思ってるよ。出入りしてる奴らの顔も馴染みがないのばっかりになってるしね」

勇者「うーん……」

食堂店主「なんだい、名代さんに用なのかい?」

女「あ、はい。実は私達交易商人なんですけど、許可をいただきたくて……」

食堂店主「なるほどね。あぁ、そういや港にでかい船が入港してたな」

勇者「でかい船?」

食堂店主「おう。皇国では有名な船だよ。女船長が有名な交易船だ」

女「ここに来てたんだ!?」

勇者「行ってみよう。ありがとう」
792 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:25:00.30 ID:diOmSKso

― 取雲 港 交易船 ―


船長「勇者っ、女っ! なんでこんなところに!?」ビックリ

勇者「船長さん、ごめん。先に一個聞いていいか?」

船長「どうしたの?」キョトン

勇者「例の褒章ってどうなった?」

船長「宝石に替えて預かってるわよ。言われた通り半分はこっちでもらっちゃったけど、ダメだった? 船の帆を良いものに張替えたり、船体も弄ってみたの。お陰さまで船足が上がって快適だわ。他にもね……」ニコニコ

女「本物、ね」

勇者「だな。取り分の話は俺達しか知らないはずだ」

船長「何の事よ?」

勇者「頼む。協力してくれ」


船長「そんな事になってたの……それにしても中つ国ね。うさんくさい連中だと思ってたけど、そんな方法使ってるのね」

勇者「魔王と臣娘が捕まったんだ。すぐにでも助けたい」

船長「できる限りの協力はするけど、どうするの?」

勇者「荒っぽいのは承知だ。名代屋敷まで大砲は届くか?」

船長「あんた、海賊になれるわよ……」アキレタ

女「壁と警備の一部さえ抜ければ良いんです。一発だけお願いしますっ」

船長「そりゃ届くだろうけど……」ウーン
793 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:25:58.38 ID:diOmSKso

勇者「これ、皇王からの勅命書。船長さんが持ってていいから頼むっ!」

船長「……すごいわねこれ。何やってもお咎めなしなのね」

勇者「文面ちゃんと読めないからよくわからん」

女「さすがに読み書きは完璧にはならなかったわね」

船長「わかったわ。何発でも撃ってあげる。夜でいいの?」

勇者「うん。どの辺に落とせるんだ?」

船長「名代屋敷の港側の壁ならどこでもご指定通りに落とせるわよ。私の船と船員達を甘くみないでちょうだい」ニコッ

女「さすがの練度ですね」

勇者「さっき地図買ったよな? えっと……ここ。港側の壁の北端とど真ん中に一発ずつ頼む」

船長「わかったわ。あそこの壁なら一発で穴が空けられると思うけど、一応2発ずつ撃つわね。相手が中つ国って事だし、撃った後はすぐに出港するわ。沖に停泊するから何かあったらその辺の小舟を拝借して来ると良いわ」

勇者「ありがとう。無理言ってすまない」

船長「良いわよ。報奨のお金もらったからそのお礼ね」ニコッ

女「ありがとうございます」ペコリ
794 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:26:54.29 ID:diOmSKso

― 取雲 名代屋敷前の建物陰 ―


ドドォォォォンッ!!!


勇者「始まったな」

女「派手ね」

勇者「火炎弾とかいうのを使うって言ってたからなぁ」

女「それって火事にならないの?」

勇者「燃える事は燃えるらしいけど、ばぁっと火が噴きあがってすぐに止むらしいからそんなに飛び火はしないって言ってたぞ」

女「かなり飛び火しそうなんだけど……」

勇者「あー、ホントだ。ボンボン燃えてら」ドウシヨウ

女「勇者っ、正門の警備がいなくなったわ」

勇者「よっし。行くぞっ!」ダッ

女「加速呪っ、硬化っ、祝福っ」フォフォフォンッ

勇者「さんきゅ」

女「勇者の相棒ですから♪」ニコッ

勇者「じゃあ、行くかっ!」ダッ

女「りょーかいっ!」
795 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:27:43.40 ID:diOmSKso

― 名代屋敷内部 ―


勇者「やっぱりみんな火事の方に行ってるな」

女「どうやって魔王達を探すの? 皇居程じゃないけど、ここも建物多いわよ」

?「勇者様ですね」

勇者「誰だっ!?」チャキッ

?「失礼いたしました。私、皇王陛下直下の忍でございます」

女「忍?」

?「間者と言えば分っていただけますでしょうか?」

勇者「どうやって信じろって言うんだ?」

忍「魔王殿と臣娘殿の居場所をお伝えするという事で信じていただくしか」

勇者「わかるのか!?」

女「でも、それが罠っていう可能性もあるわよね」ムムム

勇者「……わかった乗ろう」

女「勇者っ!?」

勇者「ここまで来たんだ。もう何でもやってやる」

忍「ありがとうございます。お二人はこの先の西の屋敷の地下に連れ込まれたようです。現在の状況まではわかりかねますが……」

勇者「そこまでわかっただけでも十分だ」

忍「いえ、私共といたしましても勇者様と連携することによって中つ国の者共を始末できますので」

女「混乱に乗じてって事なのね……こういうのをもちつもたれつって言うんだっけ?」

忍「ご協力感謝いたします。ご武運をお祈りいたします」シュッ

勇者「そっちもな」
796 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:28:52.16 ID:diOmSKso


勇者「ここだな」

女「人の気配はないわ」

勇者「そんなに広くないみたいだ。急いで探そう」

女「手分けする?」

勇者「さすがに危ないと思うから一緒に動こう」

女「それもそうね」

勇者「魔王、無事でいてくれよ……」

女「あらかた見て回ったけど地下に行ける階段がないわね」ハァッハァッ

勇者「隠し階段か何かなのかもしれないな」ギリッ

女「勇者、落ちついて。焦ると見えるものも見えなくなるわよ」

勇者「……わかった」

女「ん? 勇者っ、あそこ」

勇者「これは……魔王の靴だな」

女「なんでこんなとこに? 皇国の建物は土足禁止でしょ」

勇者「俺達は今土足だけどな。正面からお行儀良く訪問したんじゃなくて、連れ去られたんだ。きっと靴を脱ぐ暇も与えられなかったんじゃないか」

女「私達が土足なのはしょうがないじゃない。あれ、ここ……」

勇者「床が開くのか。隠し階段みたいだな。降りるぞ」

女「うんっ」
797 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:30:44.06 ID:diOmSKso
― 名代屋敷 西棟の地下 ―


勇者「一直線だな。急ぐぞ」タッタッタ

女「うんっ」タッタッタ

勇者「この先に魔王が……」

女「きっと無事よ」

勇者「当然だ。……曲がり角か。気をつけろ」

?「!?」

勇者「っ!」ザンッ!!

?「・・・・・・っ!!」ギィンッ

勇者「まだ居たのかよっ!」キンッギンッ

?「・・・・・・!」ギギィンッ

??「・・・・・・っ!!」

???「・・・・・・・・・・・・!?」

勇者「ちっ、増えてきやがった」

女「増力っ」フォンッ

勇者「どけよお前らっ! 女、俺から離れるなよっ」

女「わかってる!」

勇者「轟雷っ!」ガガァンッ

?「!?」

女「さっすがぁ。っていうかキレ始めてない?」マックロ

勇者「魔王っ! どこだっ!」

????「・・・・・・っ!!!」ズバッ

勇者「邪魔くさいっ!」ザクゥッ

女「メイドさんの事言えないんじゃない?」イチゲキ

勇者「手加減する余裕なんてないんだよ……ん? こいつらなんで何も履いてないんだ?」
798 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:32:10.88 ID:diOmSKso

女「……汚いのを見たわ」プイ

勇者「……っ、魔王っ、どこだ!?」ダッ

女「あ、ちょっと待ってっ!」


勇者「ま、魔王……っ」

女「なにあれ、血溜まりの中に全裸で……? そんなっ!? 魔王っ!」ダッ

勇者「待てっ!」グイッ

女「きゃっ」

?「・・・・・・」シュザッ

勇者「待ち伏せだ。すぐに片付けるっ! 龍魂呪っ!!」ブォンッ ダッ

??「っ!?」ズダンッ

???「・・・・・・っ!!」ズシャァァァ

女「うわ……一瞬で5人一気に」マジギレ

勇者「魔王っ!」バシャッ

魔王「……」グッタリ

勇者「血がこんなに……女っ!」

女「わかってるわよっ」フォンッ

魔王「……」

女「……」

勇者「どうなんだっ!? 魔王は無事なのか!?」

女「…………」フルフル

勇者「嘘だろ!? ただの冗談なんだろ!? 魔王っ!」

女「状況から見て、10人以上に暴行された上に身体中滅多刺しにされてるわ……」ギリッ
799 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:34:55.59 ID:diOmSKso

勇者「そんな……馬鹿なっ! おい魔王っ! 目を覚ましてくれよっ!!」ユサユサッ

女「勇者……」

勇者「おい、魔王っ! お前は無敵なんだろ!? 魔法なんかなくても大丈夫なんじゃないのかよっ!?」ユサユサ

魔王「……」

勇者「こんな奴らに汚されて……殺されるなんて、嘘だろっ!?」

女「勇者っ!」ギュッ

勇者「っ」ビクッ

女「落ち着いてよ! 臣娘ちゃんも探し出して助けないとっ!」

勇者「……っ」ギリリッ

女「臣娘ちゃんっ!? 聞こえたら返事してっ!」

??「・・・・・・っ!!」ザッ

勇者「っ!?」ギィンッ

???「・・・・・・!」シュッ

女「くっ、光盾っ!」キンッ

勇者「お前らが……」ブォォンッ

女「勇者っ」

勇者「お前らがやったのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ズドォォォンッ

女「勇者っ! きゃあっ!!」ブァッ

??「・・・・・・!!!」ザッ

勇者「くたばれぇぇぇぇっ!!」ザグンッ

??「!?」ブシャァァッ

勇者「こっちもだぁぁぁっ!」ドガァッ

???「!!」ズダンッ ビシャァッ
800 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:35:21.41 ID:diOmSKso

女「痛ったぁ……剣圧だけで隣の部屋まで飛ばされたの? ゆ、勇者っ! お願いっ、落ち着いてっ!」

?「女様っ!」

女「臣娘ちゃんっ! 大丈夫!?」

臣娘「はいっ。でも、でもっ、魔王様が……魔王様がっ!」ポロポロポロ

勇者「おおおおぉぉぉぉぉぉおおおおおっ!!!」ゴゥンゴゥン

女「勇者っ、落ち着いてっ!」

勇者「よくも魔王をぉぉぉぉぉっ!!!」ブォッ!!

女「っ、て、転移杖っ!!」フォンッ

臣娘「えっ?」フォンッ
801 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:36:20.54 ID:diOmSKso

― 取雲沖に浮かぶ交易船 ―


船長「おい、なんだあれは!? 見張りっ、何が起こっている!?」

見張り『名代屋敷を巨大な光の柱がっ」

船長「何が起こってるんだ……?」

副官「真夜中なのに昼みたいな明るさに……」

船長「勇者達に何かあったのか?」

見張り『名代屋敷周囲は何も起こってませんっ。名代屋敷のみに光の柱が立ち上っていますっ!』


ヒュォンッ ドサッ


船長「!?」

女「ぷぁっ!」

臣娘「えっ? えっ!?」

船長「女っ! 何があったんだ!?」

女「魔王がっ!」

船長「どうした!?」

女「魔王が……殺されて、勇者が……」


スドォォォォォンッ!!!!!!
802 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:36:48.11 ID:diOmSKso

船長「!?」

女「勇者っ!!」

見張り『名代屋敷で謎の爆発っ! 爆風きますっ!』


ゴォッ


臣娘「きゃあっ」

副官「おっと」ガシッ

船長「各員何かにつかまれっ! 吹き飛ばされるぞっ!」

女「勇者ぁっ!」

船長「動くなっ! 女っ!」ギュッ

女「いやぁっ! 勇者ぁっ!」
803 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:37:49.29 ID:diOmSKso

― 取雲の沖 交易船 ―


見張り『名代屋敷があった場所は何も残っていません……』

船長「引き続き見張りを続けろ。小船を用意っ!」

船員「アイアイサーッ!」

船長「……女、大丈夫か?」

女「……はい。すみませんでした。転移先がここしか思いつかなくて」

船長「驚いたが気にするな。何があった?」

女「名代屋敷の地下で、暴行されて……惨殺された魔王が」

船長「……下衆どもめっ」ギリッ

臣娘「魔王様は、私を……私を守るためにっ」ポロポロ

女「勇者が魔王の亡骸を見つけて、マジギレして……」

船長「それであれ、か。恐ろしい威力だな」

女「勇者……魔王……」

見張り『船長っ! 名代屋敷跡で動く人影多数っ!』

船長「何っ!? 見える限りで報告しろっ!」

女「勇者!?」ガバッ

見張り『勇者様の姿はありません。街中から人が集まって……』

船長「何が起こってるんだ? 小船はまだかっ!?」

船員「準備できましたっ!」
804 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:38:21.97 ID:diOmSKso

女「私も行きますっ!」

臣娘「わ、私もっ!」

船長「臣娘は残れ。足手纏いになる」キッパリ

臣娘「っ……」

女「ごめんね、臣娘ちゃん。もし勇者が暴走したままだったら危ないから」

臣娘「ごめんなさい……私があの時こけなかったらこんな事にならなかったのに……」グスッ

女「気にしちゃだめ。臣娘ちゃんが悪いわけじゃないわ。私と魔王が敵の誘いに乗ったのが悪いの」ナデナデ

船長「女、行くぞ」

女「はい。あの、この子を……」

副官「私が責任を持ってお預かりいたします」

女「ごめんなさい、お願いします」

副官「お気をつけて」ケイレイ
805 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:39:13.48 ID:diOmSKso

― 取雲 港 ―


?「女様っ! ご無事で!」

女「えっと……?」

?「忍でございます」

女「あ、その声は聞き覚えがあります。お屋敷でお会いした方ですね。黒装束じゃないからわかりませんでした」

忍「予想外の……いえ、最悪の事態になったようですね」

女「はい……」

船長「陛下の手の者ね?」

忍「女船長殿、この度はご協力ありがとうございました」ペコリ

船長「勇者に頼まれたからだ。今の状況はわかるか?」

忍「名代屋敷は勇者様の力により消失。私共忍の一部も巻き込まれてしまいましたが、中つ国の間者共は全滅したようです。現在仲間が跡地を含めて周辺を調査しております」

船長「だが、跡地に人が集まっているぞ」

忍「街の者が何があったのか興味本位で集まっているようです」

女「中つ国の人じゃないの?」

忍「まだ一般の中つ国人は渡来していませんでしたので、皇国民かと」


ドォォォンッ!!


女「!?」

船長「屋敷跡からだっ。行くぞっ!」

忍「はっ!」シュッ
806 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:41:21.65 ID:diOmSKso

― 取雲 名代屋敷跡 ―


街人A「た、助けてくれっ!」ドタドタドタ

街人B「化け物っ!!」バタバタッ

女「何があったんですか!?」

街人C「屋敷がいきなり吹っ飛んだから何があったのか見に行ったら、外人が襲い掛かってきたんだっ!」タスケテ!

女「外人……勇者っ!?」

勇者「……」ブォンッ ヒュッ

女「魔力剣っ!? 光壁っ、抗魔呪っ!」フォンッ ギギィンッ

船長「見境なしか!?」

忍「危険ですっ!」

街人C「ひゃぁぁぁっ」ダダダダ

勇者「ぁぁぁぁぁあああああっ!!」フォンッ

女「勇者っ! 勇者っ!! お願いっ、目を覚ましてっ!!」ギンッ ギィンッ

勇者「うぉぉぉぉっ!!」ドガガガガガッ

忍「危ないっ!」ガッ

女「きゃっ」

船長「うぉっ」ドサッ

女「勇者ぁっ!!」

忍「危険ですっ!」

女「私が止めなきゃっ!!」ダッ
807 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:42:02.26 ID:diOmSKso

船長「女っ、やめなさいっ!!」

勇者「うぉぉぉぉっ!!」ザッ

女「勇者っ!!」ギィンッ ピシッ

勇者「あああああああっ!!」ザンッ

女「きゃっ……くっ、ゆ、勇者っ!」ギュッ

勇者「っ」ビクンッ

女「勇者っ、私、私だよっ! 魔王はどうしたの!?」

勇者「お、女……? 俺、一体……?」

女「しっかりしなさいっ!!」バシィッ

勇者「痛っ! ……な、何だこれ!?」キョロキョロ

女「あんたが暴走したのよっ! 最大呪力の龍吐息使って屋敷丸ごと消し飛ばしたんでしょうがっ!」

勇者「俺が……? そうだっ! 魔王っ!」

女「落ち着けぇっ!」バシィッ

勇者「へぶっ!」ドサァッ キラッ

勇者「ん? これは……」

女「また暴走されたら次は止めれないわよっ!」ダラン

船長「女っ、腕がっ!」

勇者「女っ! ……俺が、斬っちまったのか?」

女「うっさいわねぇっ! こんなのすぐに治るわよっ! 蘇生呪っ!」フォンッ

勇者「そうだっ、蘇生呪で魔王をっ!」

女「落ち着きなさいってば! あんただって知ってるでしょ。蘇生呪っていうのは死者を復活させる事はできないのっ! 深い傷とかを治すための魔法でしょっ!!」
808 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:42:33.02 ID:diOmSKso

勇者「あ、そっか……すまん」

女「死は誰にでも平等なのよ。死から免れる事は誰にもできないわ。魔王の身体はどうしたの?」

勇者「魔王は、俺の手の中で塵みたいになって……」

女「そうだったの……魔族だから人間とは違うのね」

勇者「魔王……」ポロポロ

女「勇者……」ソッッ

勇者「女ぁ、俺、どうしよう……魔王が、魔王が……」グスグス

女「わかってる。わかってるから……とりあえずは江阪に帰りましょう。臣娘ちゃんを帰してあげて、みんなに報告しなきゃ。メイドさんにも……」ギューッ ナデナデ

勇者「魔王……魔王……っ」ボロボロ

船長「船に戻りましょう。陸路より少し時間はかかるけど、今の貴方達にとってはその方が早いと思うわ」

女「はい。お願いします」

忍「周囲を確認して参りました。やはり中つ国の者は見当たりません。私は陸路にて先に戻り、陛下に報告いたします。入れ替わりで江阪からの兵が到着いたしますので、この後の事はお任せください」

女「ごめんなさい、お仲間さん達の事……」

忍「気に召されないでください。我々は闇に生き、闇に死ぬ者。陛下を、この国を守る為なら命など惜しくもございません。では、失礼いたします」シュッ

船長「さぁ、行くよ。勇者も立ちな」

勇者「……すまない、世話をかける」

船長「男でしょっ! いつまでもグズグズしてないでシャキっとしなさい!」バンッ

勇者「お、おう。頼む」

船長「それで良し」ニコッ
809 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:44:31.02 ID:diOmSKso

― 江阪の港 ―


船長「二人とも、もうすぐ着くわよ」

女「本当にありがとうございました」ペコリ

勇者「すまなかった。世話になった」ペコリ

船長「気にしないで。どうせ戻るところだったし、憔悴しきった貴方達をほっといて船を出するほど薄情じゃないわよ」

船員「船長っ、至急甲板へおいでくださいっ! 港に皇王陛下がっ」

船長「なんですって!? すぐに行くわ」

女「私達も行こ?」

勇者「おう」


皇王「戻ってきたか。ご苦労だった」

女「ご心配おかけしました」

勇者「すまなかった」

皇王「魔王殿の事は忍から報告を受けた。残念でならぬ」

勇者「……すまない。名代屋敷を吹き飛ばしちまった」

皇王「お前には勅命書を渡してある。あれがある限り何をしても罪には問われん。それに、中つ国のネズミ共を一掃してもらったんだ。その程度問題にもならん」

皇太子「おねーちゃんっ!」ギュッ

臣娘「皇太子っ!?」

皇太子「……護れなくてごめんなさい」

臣娘「あんたが居ない時だったんだし、気にする事じゃないわよ」

皇太子「もっと強くなって、もっとがんばって、おねーちゃんを護れるようになる!」

臣娘「うん、ありがとう」キュッ

皇太子「えへへ」

女「皇太子殿下が来てるってことは……あれ、メイドさんは?」キョロキョロ

メイド「勇者様っ」ギュッ
810 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:47:06.33 ID:diOmSKso

勇者「め、メイドさん!?」

メイド「魔王様のお身体はどうなりましたか!?」

勇者「……それが、塵みたいになっちまった」

メイド「以前、勇者様が四天王を倒した時のように、ですか? 蒼将軍が戦死した時は死体が残りましたが、魔王様は塵になったのですね?」

勇者「あ、あぁ。そうだけど……っ!? もしかして!」

メイド「そうです。我々魔族にとって肉体は所詮仮初にしか過ぎません。精神が焼かれない限りは復活が可能です!」

皇王「どういうことだ?」

女「魔族は私達人間と違って、肉体が滅ぼされても精神が滅ぼされない限りは死ぬ事はないんです。私も忘れてました」

勇者「そうか……そうだった! それで、魔王はどこで復活するんだ!?」

メイド「魔王城に復活の間という場所があります。上級魔族はそこで復活しますので、きっとそこかと」

勇者「よし。すぐにでも戻るぞ!」

女「でも、どうやって?」

勇者「転移呪……は距離がありすぎて無理か。定期船を待つしかないのか?」ウズウズ

皇王「船長」

船長「もちろんわかっております。勇者、定期船なんかよりこの国で一番早い船は要らないかしら?」

勇者「……いい、のか?」

皇王「この国を救ってくれたのだ。礼をせねばならん」

船長「諸経費は皇王陛下が持ってくれるそうよ。貴方達を乗せた港まで来る時の3分の2の時間で到着してみせるわ」

メイド「魔王様の復活には時間がかかるかと思われます。四天王とは違い、お持ちの魔力が膨大ですので、それに見合う肉体の構成に1ヶ月弱はかかるかと」

勇者「じゃあ、魔王の復活に近い日に戻れるってことか?」

メイド「私達が最初に船に乗った西南の国の港から西の国を経て、私達の国に入るまでどれくらいかかるかによって変わるとは思いますが、近いタイミングで戻れるかと」ニコッ

女「それに、どちらにしても船長さんの船で向かうのが一番早いんじゃない? 転移呪を使うにしても、距離がありすぎるから最初に船に乗せてもらった港まではどうにかして戻らないと使えないでしょ?」

勇者「そうだな。じゃあ頼む。ありがとう」ペコリ

女「ありがとうございますっ」ペコリ

メイド「本当にありがとうございます」ペコリ
811 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:47:42.58 ID:diOmSKso

皇王「無事に帰ってきたし、魔王殿も復活できることがわかったから夜を通して宴でも、と思ったが一刻も早く戻りたいのだろう?」

勇者「すまない。気持ちだけはありがたくいただくよ」

皇王「大至急航海に必要な物資を積み込ませよう。魔王殿復活の俺からの前祝い代わりだ」

卯「勇者様っ!」

言語学者「よかった。間に合いましたね」

勇者「二人とも」

卯「魔王様がお亡くなりになったとお伺いしました……私の所為で、何とお詫びすれば良いか」

勇者「気にしなくて良いよ。あいつは魔族だ。復活するんだよ」

卯「え?」

言語学者「そういえば聞いた事があります。魔族という種族は倒しても倒しても何度でも復活する、と」

勇者「あぁ。精神が焼かれなければ肉体は復活できるんだ!」

言語学者「そういうことでしたか。しかし、卯が事の発端を作ってしまったのは事実です。本当に申し訳ありませんでした」ペコリ

卯「すみませんでしたっ!」ペコペコ

勇者「本当に気にしないでくれ。何より魔王ならその程度の罠、すぐに見抜けたはずだ。それを見落としたのはあいつの落ち度だ」

言語学者「卯も未熟すぎました。もっと修練を積まねばなりません」

卯「痛感しています」

船長「勇者、積み込みにはさすがに3,4時間くらいかかるわ」

勇者「そうか。じゃあどこかで時間を潰すしかなさそうだな」

皇王「では、それはこちらで準備させよう。女殿は風呂に入りたかろう?」

女「ありがとうございます。実は入りたくてしょうがなかったんです」ニコッ

メイド「では、一度皇居に?」

皇王「その方が早かろう」

侍従長「馬車はこちらに」

勇者「何から何まですまないな」

皇王「我が友の為だ。これくらい何の苦労があろうか」ニカッ
812 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:48:52.65 ID:diOmSKso

― 皇居 中庭 ―


皇王「それでは、我が友である勇者の活躍によって救われたこの国と、彼らの今後の活躍を願って、乾杯っ!」

一同「かんぱーいっ!」

右大臣「勇者殿、よくぞ我が娘を無事にっ! 本当にありがとうっ」ガシッ

勇者「いや、臣娘を助けたのは女だよ。俺はあの時完全にキレちまってた」

女「もうすごかったもんね。あそこまでキレまくってた勇者初めて見たもん」

メイド「そのお話を魔王様にして差し上げればお喜びになると思いますよ」ニコニコ

勇者「恥ずかしいからやめてくださいお願いします」

皇太子「勇者様っ、僕、もっとがんばって絶対勇者様みたいになりますっ!」

勇者「おう。大変だけどがんばれよ。ごめんな、最後まで教えてやれなくて」

女「臣娘ちゃんにも悪い事しちゃったわね」

臣娘「いえ。私もたくさん勉強していつか魔法が使えるようになります」

女「うん。基礎は教えたからあとはその応用になるわ。いつか私達の国にも来てね」

皇太子「あの、メイドさん」

メイド「はい、何でしょうか?」

皇太子「えっと、その……」

メイド「?」

皇太子「魔王さんが元気になって、もう大丈夫になったら、戻って来てくれませんかっ?」

メイド「はい?」ビックリ

勇者「ヘッドハンティングってやつか」

女「へぇー、やるじゃない」

メイド「で、でも……」

皇太子「待ってますっ。おね……じゃなくて、臣娘と一緒にっ!」

臣娘「皇太子っ!?」
813 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:49:49.52 ID:diOmSKso

皇王「ほぅ」

皇太子「いつか僕が臣娘とこの国を治める事になった時、メイドさんにも側に居てほしいんですっ」

勇者「皇王の右腕というやつだな」

メイド「えっと、その……」ドウシヨウ

皇太子「……やっぱり、ダメですか?」ウルウル

メイド「……すぐにお返事はできかねます。でも、殿下のお言葉はしっかりと私の心に響きました」ニコッ

皇太子「はいっ」ニコッ

臣娘「よいお返事をお待ちしていますね」ニコ

女「魔王もメイドさんの独り立ちっていうのを考えてたみたいだし、こういうのもアリなのかもしれないわね」

皇王「はっはっは。我が息子は人を見る目があるようじゃな」

勇者「メイドさんは何でもできる人だからなぁ。魔王の方が困りそうだ」ニヤニヤ

メイド「勇者様まで困らせないでください」

女「でも、魔王はきっと喜んでくれるんじゃないかな?」

メイド「……ちゃんと、しっかりと考えて答えを出します。殿下、ちゃんとお返事はいたしますので、お待ちいただけますか?」

皇太子「もちろんですっ」

メイド「ありがとうございます」ペコリ

言語学者「勇者様、私達からも一つ頼みごとがあるのですが、よろしいでしょうか?」
814 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:50:48.61 ID:diOmSKso

勇者「ん?」

言語学者「ほら、卯。貴女からちゃんと言いなさい」

卯「あの……私を連れて行ってはいただけないでしょうか?」

勇者「俺達の国に、か?」

卯「はいっ。足手纏いなのは重々わかっています。だからこそ、外の世界を見聞してみたいんです」

女「でも、お師匠様とかの許可とかが要るんじゃないの?」

言語学者「既に取り付けていますよ。魔王様の件は幸運にも最悪の事態は避ける事ができました。しかし、この子が最初に見抜けなかったという点は勇者様達にとっては許しがたいとは思います。そこに重ねてこのような事をお願いするのは礼儀知らずだとはわかっておりますが……」

卯「魔王様に直接謝りたい、という気持ちも大きいんです」

勇者「いや、許さないとかそんな事はこれっぽっちも思ってないけど……」

女「修行の旅ってわけね」

言語学者「そうなりますね。この子は才能はあるのですが、内気な部分が成長を妨げているので、その殻を破るには外の世界を見せるのが一番早いかと」

勇者「あー、それはすげぇよくわかる。俺も旅で学んだ事ってすげぇ多いもん」

卯「ど、どうかお願いしますっ。きっとお役に立てるようになりますっ」ペコリ

メイド「どういたしましょう?」

勇者「まぁ、良いんじゃないか? 別に邪魔だとは思わないし、陰陽術と魔法の研究っていうのも面白そうじゃないか?」

女「魔族賢者さんとか大喜びしそうよね」タシカニ

メイド「魔王様もお喜びになりそうな題材ですわね」

卯「で、ではっ」

勇者「あぁ、一緒に行こう。よろしくな」

女「よろしくね」

メイド「よろしくお願いいたします」

卯「はいっ! よろしくお願いしますっ!」ペコリ
815 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:52:01.62 ID:diOmSKso

― 江阪 港 ―


船長「さぁ、準備はいいかしら?」

勇者「おうっ。すまないけどよろしく頼むな」

船長「問題ないわよ。皇王陛下の勅命なんだし、私も勇者達にちゃんとお礼をしたかったもの」

勇者「お礼をされるような事なんてしてないだろ」

船長「何言ってるのよ。貴方達が海賊を倒してくれたからこの辺の船乗り達はみんな感謝してるのよ」

女「そうなんですか?」

右大臣「あの海賊に困っておった船は多かったのだ。軍船を出したらすぐに逃げよったから手に負えなかった」

船長「それを貴方達があっさりと退治してくれたんだもの。感謝しない船乗りなんていないわよ」

勇者「うーん、そこまでなのかなぁ」

船長「ま、そんなワケだから気にしないでちょうだい」

勇者「わかった。よろしく頼む」
816 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 02:54:48.27 ID:diOmSKso

皇王「またいつか来てくれ」

勇者「うん。魔王と一緒に来るよ」

女「私もねっ!」プンスカ

勇者「もちろんだよ」

皇太子「お待ちしてますっ!」

臣娘「メイドさんも是非」ニコッ

メイド「はい。その時にはきちんとお答えができるようにしておきますね」

言語学者「女様、卯をよろしくお願いいたします」

女「はい。同性ですから色々と細かい所も教える事ができますし、安心してください」

卯「よろしくお願いします」ペコリ

船長「じゃあ、行きましょう」

皇王「また会おう!」スッ

勇者「おうっ!」ギュッ


船長「帆を開けーっ!! 出航!」

勇者「またなーっ!」

女「元気でねーっ」

メイド「お世話になりましたーっ」

卯「いってきまーす!」


勇者「待ってろ、魔王。すぐに戻るからなっ!」






The Lost Memories Special Ep02. END.  And now continue to Ep.03 - Grand Finale -
I hope you enjoyed this story. See you soon!
Written by M.O
817 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/16(木) 02:58:25.71 ID:cp0T4cDO
乙!次も期待してるぜ!
818 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 02:59:55.66 ID:yvUnIADO
乙です。
御疲れ様でした。
有難うございました。
819 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 03:02:21.43 ID:kJ0a9vYo
おつ
820 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 03:11:15.96 ID:LtMmGzMo
ま、魔王・・・


早く!早く次章を!
821 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/16(木) 03:12:22.67 ID:diOmSKso

以上で【魔王「武器を下せ。お前と戦う気はない」】第2部皇国編は終了となります。
物語の展開上、皆様のお気を害してしまう展開になってしまいましたことをまずはお詫びいたします。
開始当初はほのぼので、のんべんだらりとしたお話にするつもりが、私の力不足でこのような展開となってしまいました。
「おいふざけんな! 死ね! 氏ねじゃなくて死ね!」という罵りのお言葉はいつでも大歓迎です。ばっちこい。

中盤以降、こちらも私の力不足が祟り、納得のしづらい超展開やご都合主義が噴出してしまい、読んで下さっている皆様には「ありえねぇ……」と思われた方も多かったのではないでしょうか。
自己評価で100点満点中40点以下という、ありえない低レベルで本来ならば人様に見せるような作品にとなってしまいましたが、途中で投げ出さずになんとかここまでこぎつけたのは、ひとえに皆様のご支援と罵倒のお言葉に助けられたからだと平身低頭で感謝しております。

これで終わりかと思いきやお話は第3部に続く事となってしまいました。何考えてるんだ私は。馬鹿を通り越して身の程知らずも甚だしいですね。
しかしながら、自分で始めた自慰的SSですので、この際いきつくところまでやってみようと思っております。

読んで下さっている皆様にとってはご負担になるだけかもしれませんが、どうぞこのヘタレが最後までやりきってしまうまでお付き合い下さる方がおられましたら、お付き合いくださいませ。

深夜までリアルタイムでお付き合い下さいました皆様、リアルタイムではご一緒できませんでしたが、読んで下さった皆様、全ての方々に心からの「ありがとう」を申し上げます。

なお、最終話となる第三部に関しましては、初期段階からプロットを組むつもりでおりますので、しばしお待ちいただくことになるかと思われます。
できるだけ早く皆様にお届けできるよう、質の悪い脳を捻りに捻ってがんばる所存ですので、しばしお待ちくださいませ。。

それでは皆様、おやすみなさいませ。皆様に素晴らしい夢が訪れますよう、お祈り申し上げます。
822 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 03:20:59.71 ID:LtMmGzMo
褒めてばかりいたからたまにはツッコミをいれてやろう

>自己評価で100点満点中40点以下という、ありえない低レベルで本来ならば人様に見せるような作品にとなってしまいましたが

どっちなんだ!このへタレが!
まぁ、次回投下はへタレが納得がいくものができるまで待ってやる
体調管理には十分気を付けろよな
823 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 03:29:01.79 ID:yvUnIADO
再度
乙です。
連日の楽しみが、終わってしもぅた。無理な注文したからか orz
と、思ってたのですが続編とは、有難いです。
↑上の方と同意見で有ります。
どうか御自愛下さい。
824 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 03:29:44.70 ID:dXwhtUAO
何か次はちょっと時間がかかりそうだな
ここの>>1はヘタレだけどきちんと書くからありがたいよ乙
825 : ◆JbHnh76luM [sage]:2010/12/16(木) 03:35:11.02 ID:diOmSKso
>>822-823
あぁぁぁ……書き間違えてました。
人様にお見せできるような作品ではない、といったことを書いたつもりが、日本語にすらなってませんでした。
ヘタレの真骨頂が発揮されてしまいました。
大変失礼いたしました。ごめんなさい。
826 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 04:23:56.77 ID:B2p40CQo
わざわざsagaを打ってまで死ねと自分を罵る筋の通ったヘタレっぷりに痛く心を打たれたよ!お疲れ様。
もうすっかり一人前のヘタレだな。
もちろん続き書くんだろうな!書けよな!
827 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 04:25:35.54 ID:jgHA5I6o
やいへタレ!
貴殿の生活リズムを把握していない私奴が申し上げるのも憚られる事とは存じますが、あまり夜更かしなさいますと御身体に障りますよ
べ、別にアンタの心配なんかしてないんだからね///
もしアンタに何かあってこのSSが読めなくなったらどうしようって思っただけなんだから///
828 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 07:36:42.09 ID:JmEvgz6o
三部キター‼大変乙した。面白かったです。暴走勇者かっこよかった!魔王はやく復活してくれー!卯ウェルカム
メイドぉぉぉぉお!皇太子の下へ行っちまうんか…orz
最後に、あまり無理せずに。年末は忙しいでしょうし
829 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 07:50:05.93 ID:3M4QAGko
処女厨のオレとしては痛い展開だった
たがまぁ面白い、乙
この勇者達は早く静かで幸せな生活を送るべき
とりあえずこの怒りの矛先は現中国に向けるとしよう
830 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 10:37:21.24 ID:IuvhvM.o
乙。ただ淡々と待つぜ
831 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 10:53:02.32 ID:B2p40CQo
もしかしたら生まれ変わった魔王は幼女なんじゃ…いやなんでもない(´・ω・` )
832 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 10:58:44.92 ID:1Mkn3.DO
乙!

疑問の一つだった勇者の本気が解決したような気がする!!…が魔王が汚され……ん?新たな身体を構築ってことは、純潔復活なのか??…でも、精神は変わらないしなぁ……

833 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 11:01:31.41 ID:CMma1QDO
ラノベじゃあまりお目にかからないが、普通の戦記物じゃザラにある展開だからな
魔王がどんな顔して勇者に会うのやら…
834 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 12:06:11.63 ID:RF.09Gwo
>>831
お前天才
835 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 17:42:23.04 ID:P5/kR9Mo
第一に展開が容赦ない
三度見直して投下しろ
部分的に見ればwktkだが胸糞悪い展開だ
しかしライトノベルの安易さは超えたな
っらい展開だが暗いストーリー志向には
かなり評価されるんじゃないか?
りかいできない奴もいるだろうが
なに?罵れ?この弩級へタレが!!!
乙ぁつきゅー
836 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 21:15:40.69 ID:U6TqN5Qo
乙乙ー
837 :マジレス1IX91w ◆MAJI1IX91w [sage]:2010/12/17(金) 01:02:10.32 ID:d.UCLuQo
ツヅきまだ?
838 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 01:21:25.35 ID:O7nyvKs0
ヘタレ乙無茶すんなよ
それと魔王をレィープしたのは中つ国の人達っていう解釈でいいんだよな?
それとも滅多刺しにされただけ?
バカですまん
839 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 02:09:28.36 ID:c49GuwMo
ミスリーディングを誘うという手もあるが、そこまでプロット組んじゃいないだろ。
ていうか、一から十まで書いてなきゃ理解出来ないか? 行間読めよ。
縷々としたトコは勢いで解釈するくらいじゃなきゃダメだぜ。
ぞんざいな文章なようでも、ちゃんと考えて書いてるんだから、読み手も心してかからないとな。
840 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 02:20:55.54 ID:3QBQrsAO
>>838
だから滅多刺しにしたんだろ?wwwwww
股間にwwwwww
841 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 04:02:53.49 ID:1LCmFTAo
んーレイプはキツイな…一気に鬱になる
842 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 04:03:47.22 ID:J5pqGkIo
>>840
冗談でも止めろ
843 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 07:13:36.88 ID:PksY9Tgo
こんな話に何ムキになってんだって思うかもしれんが

>>840
その冗談全然面白くない
[ピーーー]
氏ねじゃなくて[ピーーー]
844 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 07:36:10.30 ID:O7nyvKs0
>>839
やっぱ勢いとかで理解しなきゃだめだったな
すまんかった
845 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 07:44:33.41 ID:EvLi73Yo
まぁ、そのまま瀕死の状態で合流→魔王タン廃人コースではなく、○○は□□になるかもしれないけど肉体再構築後の再会という風に多少は救いがありそうな展開にしてくれたのは感謝したい
846 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 08:22:58.76 ID:xzT56ESO
全部の文が縦読みに見えてきた
847 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 09:52:00.65 ID:RQJ/1tco
とりあえず

>勇者「へぶっ!」ドサァッ キラッ
>勇者「ん? これは……」

が気になりすぎるから早くしてくれ
848 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 10:01:05.84 ID:6Vq7GFco







849 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 10:05:11.14 ID:g2sSpvso
ていうか、その後の勇者とか周りの奴らの雰囲気が軽すぎる
いくら生き返るからって魔王は無念にも汚された後惨殺されたわけだしさー
卯とかはもっと落ち沈んでもいいはず
850 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 12:07:26.71 ID:gwVDls60
期待
851 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 12:27:58.56 ID:iP6Uvvk0
どう考えても精神がズタボロな件
852 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 12:51:15.02 ID:SVD9Suso
>>849悔しいが同意
853 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 18:23:08.95 ID:3V4n6iko
実は屍姦だったから
魔王に意識は無かったとか!
…誰も得しないな。
854 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 20:12:31.39 ID:dfuRexQo
>>853
屍姦だとしても滅多刺しだからなあ…
855 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 20:29:45.36 ID:PksY9Tgo
もうその話は終わりだ・・・
冷静に考えれば考えるほどどんどん鬱になっていく
856 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 21:22:02.55 ID:/.P/hkEo
暴行だからボコボコにされただけの可能性もある
857 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 21:29:13.99 ID:c49GuwMo
フルチンで殴る蹴るだけとかシュールすぎんだろ
858 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 21:38:08.44 ID:PksY9Tgo
>>856
お前天才だな
859 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 21:48:42.27 ID:J5pqGkIo
ボコボコだと願おう
860 :362 [sage]:2010/12/17(金) 22:23:20.45 ID:SVD9Suso
やめようず
861 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 22:33:32.77 ID:P3sKE/6P
早く続き書けよ
862 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/17(金) 23:05:56.75 ID:OUWXF1oo
えっと、何やら険呑な雰囲気が流れていたようですね。全て私の書き方が悪い所為です。読んで下さっている方のどなたにも非はございません。
色々と申し訳ございません。土下座だけでは到底足りないと思いますので毛ガニを素手で思いっきり鷲掴みにしながら謝罪いたします。すみませんすみませんすみません。
そして、変わらないご支援と罵倒の数々、本当にありがとうございます。すごい量のレスを頂き、こんなにたくさんの方が読んでくださっているのかと嬉しさのあまり酢を鼻から飲まないと落ちつけません。(こういう拷問は実在したらしいです)

魔王が遭った仕打ちとその後の反応について、かなりのご意見をいただいておりましたので、少しだけお返事を。

>>838-839
私の書き方がマズかったのが最大の原因です。本当に申し訳ございませんでした。

>>849
おっしゃる通りです。私の文章力の皆無さが原因です。
本来ならばもうちょっとはダークな雰囲気のまま進めるべきだったのですが、あまりにも軽薄な会話になってしまいました。猛省し、今後に活かせるように努力してまいります。

他の皆様も書き込み本当にありがとうございます。心より感謝いたします。

3部ですが、現在プロットを組んでいます。こちらで頂いたご意見等も踏まえた上で組んでおりますので、書き溜め開始まではまだもう少しお時間を頂くことになりそうです。是非ともお履き物はお召しになった上でお待ち下さい。
楽しみにしてくださっている皆様にはただただ平謝りするしかありませんが、出来るだけ皆様にご満足していただけるような作品に仕上げるよう、脳を始めとした身体全部をフル活用してアイディアを絞り出していきます。

短いレスで申し訳ございませんが、これにて失礼いたします。

本日も寒い一日となりました。明日は全国的に少しは寒さが和らぐようですが、やはり寒い日が続きますので暖かくしてお休みください。
ファッション重視とか言って薄着をしても何の得にもなりません。人間、身体が資本です。股引であろうと腹巻であろうと毛糸のパンツであろうと防寒を重視して冬将軍に立ち向かうよう、ご自愛ください。(土下座)
863 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 23:25:58.00 ID:P3sKE/6P
産業でまとめろよヘタレ
864 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 23:32:27.16 ID:SVD9Suso
>>862
毛ガニは謝罪した後、食うだろ?
はっ、反省じゃないな
大体なんだなんだ
事の重大さは皆へタレのせいだろ
にやつきながの謝罪はいかんぞ
865 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/17(金) 23:35:08.11 ID:OUWXF1oo
レスつくのはやっ。

>>863


>>1

>>864
甲殻類アレルギーがありますので十分に拷問です……
このスレの皆さんは縦読みの文章書くのすごいお上手ですね。毎回驚かされてしまいます。
866 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 23:41:50.28 ID:dfuRexQo
>>862
その文脈だと最悪の結果じゃねえかこのヘタレ
レイプはマジで鬱になるぞこのヘタレ
でも、俺は処女厨じゃないからなヘタレ
モルヒネかましてでも魔王を幸せにしてやれよヘタレ
まあ、ヘタレには無理かもしれないがwww
お願いだから魔王を幸せにしてやってくれヘタレ
鬱になるぞこのヘタレ・゚・∬つД`)・゚・
早く続きを書けヘタレ
幸せに成らなかったら魔王と同じ目に合わすぞこのヘタレ
せいぜい体を壊さないようになこのヘタレ
867 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 23:43:05.55 ID:PksY9Tgo
ふむ、まぁがんばって楽しみにしてるから
話の展開、ストーリーは他のレスに左右されることなく>>1の好きなように書いてくれ
868 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 23:55:40.47 ID:k8ZwOEDO
ヘビーなシーンのはずなんだけど
タマ竿丸出しで勇者と戦った所為で
れいせいに受け取れずに笑ってしまった
オレ的にはレイプも有りだと思うけど
つらい奴もそらいるだろうな
869 :838 [sage]:2010/12/18(土) 00:08:34.97 ID:43Q9HN20
おれの理解力が足りなか
ったせいでこんな流れになってしまったorz
パイ投げだろうがなんだろうが罰を受けてもいいので許して
いorz
870 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 00:10:04.65 ID:lZr4nUAo
魔王がどうなっていることやら・・・
ほんとに幼女になってるやもしれん
まぁとりあえず中つ国は滅ぼさねばなるまい
871 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 00:48:44.36 ID:aKGGbYAO
>是非ともお履き物はお召しになった上でお待ち下さい。
この口調で言われると……wwww
872 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 01:01:47.20 ID:groJgVMo
がんばれへタレ!
待ってるからな!

>>866
「鬱」と「早く」を平仮名にしてくれないとわかりにくかったぞ
873 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 02:10:17.03 ID:bW448N.o
無理してでも書くんだこのヘタレめ!
茶を飲む暇すらお前にはやらん!
するめ
るびー
874 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 03:28:01.13 ID:v4npfkAO
>>873
無理矢理感ありありだなww
875 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 03:37:23.26 ID:1DmC0wIo
レイプとかイラネ
876 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 10:20:39.97 ID:yXBd84Qo
古来から戦場で女性がされる事だから仕方がないとはいえ、それで鬱るやつもいるよな。
それは察するが、物語は自分が書いてるんじゃなければ思い通りに行くはずないもんな。
つまり、へタレはその批判を受ける覚悟で書いたんだから、
1.読むのやめる
2.批判して受け入れる
3.そもそも受け入れている
で、好きにすればいいのではなかろうか?
877 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 10:23:44.86 ID:RYYNsADO
4.いいぞもっとやれ
878 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 10:31:40.96 ID:73LFhMUo
5.ヘタレを殴る
879 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 11:47:19.11 ID:B85MqQ2o
6.黙って見てる
880 : ◆JbHnh76luM [sage]:2010/12/18(土) 11:51:33.15 ID:KUJS6hQo
7. ヘタレをより一層罵ってストレス解消してください。
881 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 12:04:18.64 ID:vXGaOu2o
8.7をお断り
882 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 12:04:23.24 ID:0bJrxOsP
8. ご託は良いからさっさと続き書け
883 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 12:07:52.37 ID:43Q9HN20
9.ずっと思ってたんだがヘタレはヘタレというよりただのドMなんじゃないだろうか
884 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 12:16:59.86 ID:N0sXvFQo
10.むしろ話の展開から見てドSだろう
魔王の件で俺らは派手なカウンターをくらったじゃないか
普段は「僕ドMですよー」と言っておいていざとなったら「まだ何もしてないのにここをこんなにして、変態ですね」と豹変するタイプだ>>1
885 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/18(土) 12:59:12.98 ID:XFLM8gDO
11.つまり全人類ヘタレでおk?
886 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 15:04:19.30 ID:filSkrko
12.おk
887 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 16:46:20.46 ID:kZf/pnso
13.悔しい…でも……
888 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 18:15:12.74 ID:5lJ.VCwo
14.感じちゃう・・・!
889 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 18:17:32.62 ID:GTG31Jso
15.ビクンビクン
890 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 18:53:43.71 ID:BZ7GtoYo
16.魔王はょうじょで復活
891 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 18:56:19.81 ID:vXGaOu2o
17.そのようじょを勇者とメイドと女の3人で仲良く育てあげ、その後3人でおいしくいただきます(性的な意味で
892 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 19:18:26.04 ID:IR2D2b.o
18.なんだかんだで見ちゃう
893 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 19:48:31.57 ID:43Q9HN20
19. >>891それだと女がレズ女に..うわなにするやめry
894 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 20:00:28.79 ID:groJgVMo
20.スルーされたメイドが>>892に「ぱないの〜♪」

21.不公平が出ない様に黄金龍がまるっといただきましたとさ

       〜姦〜     
895 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 23:13:54.09 ID:kZf/pnso
22.あと100レス前後しかないが、第三部は次スレか?
896 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/19(日) 00:26:01.00 ID:ENb4dxso
皆様こんばんは。
いつの間にか900レス目前になってますね。いつもご支援と罵倒のお言葉、平に平に感謝いたしております。(土下座)

プロットの前半部分がようやく組みあがり、中盤〜後半を組みつつ先程から徐々に書き溜めを開始しております。
近日中に投下開始できそうではあるのですが、年の瀬ということもあって今までのような投下ペースが維持できないので年明け以降から新しくスレッドを立ててスタートさせるという方法もございますが、2週間も空けてしまうと完全に忘れ去られてしまう自信があります。
なので、週明けから2,3日に1回という超スローペースで投下していこうかと予定を組みつつあります。
「そんなスローペースならやめちまえこの屑!」というお叱りを受けてしまいそうですが、鉄は熱い内に打てという格言に倣い、皆様にご支援いただいている間にきちんと完結させようと思います。
何より自分自身の熱意が冷めてしまいそうで怖いという側面も。

全体的な容量としては1部、2部とさほど変わらない量になるかと思っておりますので、さくっと始めてさくっと終わらせてしまうつもりです。

>>895様がおっしゃっているように、このスレがあと100も残っていないようですので、第3部は新しいスレを立てて始めようと思うのですが、残った100強のレスが勿体ないですよね……

ここで突発的に気の効いた短編SSでも書ければ良いのですが、生憎そこまで頭が回りませんので、このスレ+5の方に残り100前後のレスの使い方を教えていただこうと思います。他人の褌で相撲を取るというまことにヘタレらしい頭の悪い発想。お詫びに鏡に向かって「お前は誰だ」と呟き続けます。

それでは、+5の方にこのスレの命運を託してみましょう。あまりにも無茶振りになってた場合は極力ご意向に沿えるようにがんばりますが、ヘタレですのであまりご期待なさらぬようお願いいたします。

本日も寒い夜となっております。毎回同じ事を言っておりますが、くれぐれも体調には気をつけてお過ごしください。
897 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/19(日) 00:26:58.44 ID:ENb4dxso
>>887様とIDカブってびっくりしたので勝手に記念書き込みしておきます。IDカブりって本当にあるんですね……
898 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 00:51:43.74 ID:YgJSOE2o
(-。-;q ,e e. C
899 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 00:51:47.26 ID:eZqtVeo0
乙です。

筆者様なりの各設定等が有りましたら、御聞かせ願いたいのですが
900 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 09:48:26.71 ID:FJvBk/so
900!
へタレの好きにして…いいんだよ…///
901 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 09:59:50.74 ID:7Z9nFyUo
通常通りの運行
902 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/19(日) 11:31:10.67 ID:ENb4dxso
こんにちは。昨晩の書き込みで同一ID云々を書いてましたが寝ぼけていたのか改めてみたら違ってたことに気付きました。
あまりの頭の悪さに悶絶してます。

+5ということで、>>901様のご意向に従うつもりですが、通常通りの運行ということは、私を罵り続ける運行ということでよろしいのでしょうか……?

>>899
各キャラクターの詳細な設定というのは作っておりません。地の文章のない、台詞のみのSSということですので、読んでいただいてる皆様にふんだんにご想像していただこうと思っております。
皇国編終了時に出ているキャラクター外観といえば
勇者:特に記述なし
魔王:黒髪、スタイル良好
女:銀髪、スレンダー
メイド:金髪、長身
程度だったと思われます。性格などは会話の内容から推察していただくしかありませんが、書いている人間が愚か者ですのでちょくちょく発言内容に矛盾があったりキャラに合わない発言内容だったりしています。
混乱させてしまうような内容ばかりでごめんなさい。

早ければ今日、明日中にでも再開したいのですが、書き溜めがまだほとんどできておりませんので今から必死にがんばります。
903 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 14:24:57.00 ID:q2zFy5oo
おっしゃ!
待ってるぜ!
904 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/19(日) 21:11:39.49 ID:0Jjj9iM0
魔王って女にレ●プされたんだよな?
905 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 21:13:31.16 ID:F.lL2B.o
もうオマエラうるさいよ
黙って続きにwwktkしてやがれ
906 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 23:37:06.17 ID:eZqtVeo0
乙です。
委細承知
概観解説に感謝です。
907 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/20(月) 11:04:53.57 ID:ufOkNKoo
みなさまこんにちは。いつもご支援ありがとうございます。

第3部の準備が整いましたのでお知らせに参りました。
既に新しくスレッドを作っておりますので、そちらにて第3部を投下開始いたします。詳細等は新しいスレッドにて書いてまいります。

次スレはこちら。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292810557/
908 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 11:21:31.56 ID:ub3CRcDO
以下ワクテカしながら>>1を罵りながら>>1000取り合戦

まだ90はあるのに新スレとかふざけんな!
またパンツが脱げたじゃないか!!
罰として残りで3人娘の百合話を書けこのヘタレ!!
909 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 11:39:54.20 ID:u37ZRADO
魔王とメイドの馴れ初めでもいいぞ
910 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/20(月) 11:49:25.80 ID:ufOkNKoo

魔王「百合話、あるいは私とメイドの馴れ初めを、ということだそうだが」

女「百合って言ってももねぇ……私、ノーマルだし」

メイド「私は何でもござれですけど?」

魔王「うん。メイドは少し口を開くな」アタマイタイ

メイド「私と魔王様の馴れ初めとなると、少し長くなってしまう上に本編との並列進行は少し無理がありますね」

魔王「さすがに、な。それに大した話ではないからなぁ」

メイド「血なまぐさいだけですね」

卯「なんで私までここに居るんでしょう?」

臣娘「ここどこですか?」オドオド

魔王「人が増えたではないか」

卯「えっと……百合?」

臣娘「百合ってお花の?」

メイド「えっとですね、百合というのは……」

女「わーっ! ダメっ! 情操教育によくないっ!!」

メイド「つまんない」

魔王「お前はここのところトばしすぎだ。少し自重せんか」

メイド「はーい」フフク

卯「フリートークみたいな感じで適当にお話すれば良いのでしょうか?」

魔王「そうなるんだろうな。とはいえ、我々にはこれといった話題もないしなぁ」

女「……安価?」

メイド「そうなるんでしょうか。軽く嫌な気配がしますけど」

魔王「止むをえんな。今日のところは13時までしか時間が取れぬからぱぱっとやってしまうか。あまりにも無茶なお題の場合は安価下ということにさせていただく。我々5人での会話のお題を>>912殿に提示してもらおうか」

女「ソフトなところでお願いしますね♪」

臣娘「よくわかりませんけど、お願いします♪」
911 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 11:52:07.21 ID:ub3CRcDO
5人のエッチなお話ポロリもあるよ!
912 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 11:57:07.59 ID:mJuAtcDO
乙です。

ガールズトーク希望で有ります。

無理っぽだったら、安価下
913 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/20(月) 12:11:55.10 ID:ufOkNKoo
女「ガールズトークだってー」

魔王「そもそもガールズトークとは何だ?」

メイド「殿方が居ると話せないような内容のお話、ということだそうですけど」

臣娘「お友達の家に泊まりに行った時にするようなお話なのかな?」

卯「私は女性の友達と呼べる方がいないです……」ションボリ

女「あー、卯さんはお師匠様のところで共同生活だもんねぇ」

メイド「男性ばかりですか?」

卯「はい。私は末弟子ですので、皆さん女性扱いしてくれないんです」シクシク

魔王「女性扱いされると困る事の方が多くないか?」

臣娘「男性ばかりの中、女性一人で生活というのは色んな意味で危ないと思いますっ」

女「だよね。よく今まで無事だったよね」

メイド「もしかして、既に卯さんは……」

卯「わーっわーっ! ないですっ! まだ未経験ですっ!!」

魔王「メイドは今日も絶好調だな」

メイド「♪〜」

女「共同生活でヤだなーって思ったことって何?」

卯「そうですねぇ……夏の暑い日などはみなさん下着一枚で建物内をウロウロするところでしょうか」

女「ムサ苦しそうな光景が目に浮かぶ」

臣娘「暑苦しそうですね」

魔王「下着一枚ということは、皇国では確か褌と呼ばれるものだったか?」

卯「はい。当然私はきちんと服を着ているのですが、みなさんが「見てるだけで暑いからお前も脱げ」みたいな事を」

女「全力でセクハラじゃないの! むしろパワハラ?」

臣娘「破廉恥ですっ! 即刻是正するべきですっ!」プンスカ

卯「いえ、セクハラとかそういうのじゃなくて、本当に暑苦しいだけみたいなんです……」

魔王「それは……」
914 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/20(月) 12:18:41.59 ID:ufOkNKoo
メイド「根本的に女性として見られてないって事ではないでしょうか」

卯「うぅ……」シクシク

女「で、でもさ、やっぱりその方が安全といえば安全じゃない?」

卯「そうですけど、すこーしだけ寂しいというか、女性としてこれでいいのかなーみたいな……」

臣娘「女性として見られていないというのは確かに問題ですね。でも、女性として見られてしまうとそれはそれで問題だと思うんですけど」

魔王「臣娘は皇太子と風呂に入ったりしているのだろう?」

臣娘「なななななっ!? してませんよっ! ちっちゃい頃は一緒に入ってた事もありますけど……」マッカ

卯「ほほえましくて良いですねぇ」

メイド「本当に」ニコニコ

魔王「臣娘くらいの年頃であればまだ一緒に入っても問題あるまい」

臣娘「問題大有りですっ! そんな破廉恥な事できませんよっ!」

女「私や魔王なんてこの歳で勇者と一緒に入ってるよ」

メイド「押しかけてるだけ、とも言いますけどね」

魔王「何か言ったか?」

メイド「いえなにも」ニコニコ

魔王「お前だってちゃっかり一緒に来ているではないか」

メイド「私は魔王様を護衛する任務がありますし、勇者様と魔王様の合体を見届けなくてはいけませんから」

女「さらっとすごい事言ってる!」

卯「が、合体……ですか」カァァッ

臣娘「は、は、破廉恥ですーっ!! メイド様はもうちょっと慎みというものをですねっ!!」

メイド「魔族にそんなものはありません!」キッパリ

魔王「ある! あるからな!」アセアセ

女「これってガールズトークになってるの?」

魔王「勇者に聞かれたらマズ……いことは何もないな」

臣娘「おおありですっ! こんなお話、他人に聞かせられませんよっ!」
915 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/20(月) 12:26:58.29 ID:ufOkNKoo
魔王「風呂で思い出したが、勇者も立派だが、皇王殿はさすがの貫禄であったな」

メイド「あぁ、確かにそうでしたね。すばらしかったです」

女「ちょっ、あんた達いきなり何の話し始めてるのよっ!」

魔王「女だってそう思ったのではないか?」ニヤニヤ

臣娘「−っ! ーっ!」

メイド「臣娘様が声にならない声を挙げておられます」

卯「え、えっと、そんなにご立派……なんですか?」

魔王「うむ。勇者はまだまだ完成には至っておらぬであろうが、皇王殿はもうすごかったぞ」

女「ま、まぁ……ね」

メイド「皇太子殿下もいずれはあんな風になるのでしょうか」

臣娘「は、は、は、破廉恥すぎますっ!! だだだ男性のあ、あ、アレの大きさなんてっ!!」マッカ

メイド「?」キョトン

魔王「何を言っておる」

女「あれ?」

卯「へ?」

メイド「胸板の厚さのお話だったのですが……」

臣娘「!!」カァァァァッ

女「あー」

卯「あ、あはははは……」

魔王「まぁ、少しは狙ったがな。見事に嵌ってくれるとは思わなかった。これでガールズトークになったと言えよう」

メイド「さすがは魔王様です♪」

臣娘「わ、わ、忘れてくださーーーーいっ!!!!」
916 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/20(月) 12:28:46.88 ID:ufOkNKoo


勇者「……」

皇太子「……」オロオロ

勇者「メイドさんに「これ、差し上げます」って言われてもらっちゃったけど、魔導通信の筒だったんだな」

皇太子「あ、あはは……」マッカ

勇者「とりあえず、今のは全部聞かなかった事にしような」

皇太子「は、はいっ。……あの、勇者様」

勇者「んー?」

皇太子「僕のも立派になるんでしょうか……?」

勇者「ちゃんと成長するよ。今から気にすんな」ポンポン
917 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/20(月) 12:30:14.58 ID:ufOkNKoo
以上5人によるガールズトークでした。
難し過ぎました……しかもオチてない気が。精進します。(磔刑中)

また機会があれば即興で何かします。
918 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 12:34:59.03 ID:Id/Kkwwo



919 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 12:59:07.97 ID:XmJwksDO
乙梅
920 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 13:08:10.02 ID:pxFoDr2o
参考までに聞きたいんだが、みんなはこの話読んでる時
どんな曲が流れてるの?
921 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 13:18:59.95 ID:uup.flgo
俺「僕のも立派になるんでしょうか…?」

勇者「……。この年までずっと守り抜いてきたんだ…。おまえは十分立派だよ…。」

メイド「これからも守り通して下さいね♪」
922 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 14:04:34.74 ID:ZjBp1qYo
明るく魔王が喋ってるの見ると心が痛む
アナザーだと分かっていても
923 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 19:58:47.55 ID:RCrftIEo
感情的に同意
924 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 20:39:56.47 ID:BG4T4pEP
むしろあっちがアナザーであって欲しいのう
925 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 21:17:02.98 ID:hU95PMAO
ちょっと中つ国をまるっと大根畑にしてくるわ
926 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 22:40:10.14 ID:CJs.1v6o
>>925
小麦のほうがよくね?
927 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 22:44:25.14 ID:OOeDU62o
もちろん焼畑だよな
928 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 00:20:48.61 ID:FGbnukso
焦土にきまってんだろ
929 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 01:30:11.38 ID:2RoNHoSO
むしろ整地して新・魔王城でも作れば良い
930 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 05:39:30.64 ID:3REobi6o
あんな連中が住んでるところに立てるとか、魔王がかわいそうだろ。
931 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 06:52:12.47 ID:1bE4bHso
風雲!魔王城!?っていう娯楽施設だから問題ない
932 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 13:46:29.01 ID:Lf.Q9MAO
いや俺が大根好きだから大根畑安定だろ
933 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 01:54:48.11 ID:d1gBVcAO
何となく埋め
934 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 02:01:02.01 ID:x3CN9SMo
うめ
935 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 04:36:55.90 ID:MltRrCYo
936 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 04:42:27.41 ID:TX635Xgo
937 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 08:16:06.89 ID:.y8aeYDO
938 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 09:14:35.04 ID:BpvnvbAo
紅い(モップの)悪魔、現る
939 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 11:43:28.27 ID:x3CN9SMo
そして、去る
940 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 19:11:53.70 ID:CqgJ.wDO
941 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/22(水) 20:25:00.46 ID:R5uzNwDO
942 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/22(水) 20:55:58.46 ID:ppc17MUo

魔王「もう940まで進んだのか」

女「じゃあ私達の出番ってあんまりなさそうかな?」

卯「一応今日も安価……ですよね?」ドキドキ

臣娘「その、お手柔らかにお願いしますね?」ハラハラ

女「じゃあ、>>943さんに本日のお題をお願いしますっ!」

魔王「どんとこい」
943 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 21:04:19.87 ID:gZoZqUgP
勇者の本当の覚醒はまだか?
944 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 21:13:03.11 ID:fBSlFSYo
おぉww
945 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 21:19:41.37 ID:LhG94F2o
勇者の息子の覚醒ということか…
946 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 21:59:24.31 ID:uOzaiVco
わっふるわっふる?
947 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 22:42:20.59 ID:qclcGUDO
容量落ちはないのか
948 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/22(水) 23:38:40.56 ID:ppc17MUo
魔王「勇者の本当の覚醒、か」

メイド「髪の毛が金髪になって逆立つんですね」

女「メイドさん、皇国の漫画読んでたよね……」

メイド「容姿が変わるのは一番わかりやすいですからねぇ」

魔王「これに関してはやはり付き合いの一番長い女が詳しかろうな」

女「魔王だってわかってるんじゃないの?」

魔王「推測はついている、という程度だな。勇者というものはいきなり目覚めるものではないのであろう?」

女「そういうこと。勇者としての覚醒っていっても、メイドさんが言ったようなどかーん! っていう覚醒じゃなくて、人と触れ合って、人の苦しさを知って、それを助けたいって思う事こそが覚醒なんじゃないかなぁ」

メイド「至言ですね」

卯「急激な成長はありえない、ということですよね?」

臣娘「じゃあ、皇太子も少しずつ?」

魔王「で、あろうな。急激な身体能力の向上などしてみろ、筋肉や骨格が砕けてしまうぞ」

女「だね。ごく短期的には肉体を強化する魔法はあるけど、あれだって長時間使う事はできないもんね」

メイド「龍魂呪や女様が使う支援魔法ですね」

臣娘「加速呪楽しいですね」

卯「あ、わかりますわかります。ぴゅーって早くなりますよね」

魔王「使いすぎると当然のごとく筋肉痛になるぞ」

臣娘「気を付けなきゃ、ですね」

女「話を戻すけど、勇者の覚醒っていう意味では既に覚醒はしちゃってると思います。本気モードっていうことになると……」

魔王「取雲の時は女が身を呈して勇者を正気に戻したが」

女「私ってけなげ!」

魔王「あのまま放っておけば勇者は身体がバラバラになるまで破壊を繰り返したであろうな」ムシ

女「私もあそこまで勇者が本気でキレたのは見た事なかった。すごかったよ」

臣娘「私も名代屋敷が吹き飛ぶところは見ましたけど、夜なのにお昼みたいに明るかったです!」

卯「江阪でも北西の方角がほのかに明るかったって言われましたね」
949 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/22(水) 23:48:51.36 ID:ppc17MUo
魔王「龍魂呪を使用して、さらに大出力の龍吐息だからな。屋敷一つで済んだのは勇者がどこかで正気をまだ保っていてセーブしたのだろう」

メイド「最大出力になると、どうなるんでしょうか?」

魔王「はっきりとは言えんが、取雲規模の街であれば蒸発するのではないか?」

卯「そこまでなんですか……」

臣娘「じゃ、じゃあ、皇太子もそうなる可能性があるんですか?」

魔王「いや、勇者は特別だと思うぞ。歴代勇者の中でも五指に入る強さではないかな」

女「伝説の黄金龍が師匠の一人だからね。龍魂呪や龍吐息は、勇者であれば使える雷系の呪文と違って私達の勇者にしか使えないの」

卯「黄金龍様から直接賜わったということですね?」

魔王「うむ。あれはなかなか洒落にならん威力だからなぁ」

女「もし魔王があれを使えるようになったら……」

メイド「国一つ蒸発……」ボソッ

臣娘「……」

卯「うわぁ……」

魔王「あくまで空論だからな。あまり本気にせぬように」

女「どうでもいいけど今回、どう考えてもオチないわよ」

魔王「ううむ、困ったな。これでは単なる説明コーナーではないか」

メイド「では、お風呂シーンでも入れましょうか?」

臣娘「おことわりしますっ!」プンスカ

卯「あはは……」

魔王「時間が時間だから風呂には入るが……もう一つくらいお題を頂いてみるとしようか」

女「りょうかーい」

臣娘「健全なお題限定ですっ!」

メイド「……それは誘い受けを狙ってるんでしょうか?」

臣娘「ちがいますっ!」マッカ

卯「あはは……では、>>952様に次のお題をお願いしますね」
950 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:50:09.03 ID:NZlUuRco
勇者に愛の告白
そして……
951 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:54:09.82 ID:zYHxIHEo
男子部屋に突入
952 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:54:52.09 ID:uy178e2o
理想の家庭像について
953 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:56:07.69 ID:NZlUuRco
>>950
954 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/23(木) 01:00:45.23 ID:g0tRfYgo
〜 お風呂あがり 〜

メイド「魔王様、御髪(おぐし)を」

魔王「頼む」

女「魔王って髪の毛長いわよねぇ」

臣娘「長い上に綺麗ですよね」

魔王「そうか? あまり気にしたことはないが……女はショートだが綺麗な銀髪ではないか」

メイド「銀髪って珍しいですよね」

女「そうらしいわね。ところで、お題が【理想の家庭像について】なんだけど、何かある?」

魔王「勇者と暖かい家庭を築く」

女「図らずも一緒ね……卯さんや臣娘ちゃんは?」

メイド「臣娘様は皇太子殿下と愛を育み、子をたくさん産むんですよね?」

臣娘「なななな何をおっしゃるんですかっ!?」マッカ

魔王「女の幸せ、というやつか」

臣娘「まだわかりませんっ! 皇太子と……その、け、結婚するとかそういうの以前に恋仲になるかどうかも」ゴニョゴニョ

女「かわいいわねぇ」

卯「初々しくて良いですね。私なんて……」ガックリ

魔王「卯殿とて美しいではないか」

メイド「そうですよ。きちんと髪の毛の手入れをして、肌のケアもしっかりすればもっとに綺麗になりますよ」

卯「うーん、私はそういうのより陰陽術を勉強したいんですよね」

女「学者肌なんだね。彼氏とか居たことないの?」

卯「ありますけど、結局勉強を取っちゃいました」テヘ

魔王「自立した女、というやつだな」

女「そんな卯さんの理想の家庭像ってどんなの?」

卯「うーん……結婚しても陰陽術の修業や勉強は続けたいかなぁ。家事とかは夫婦で一緒にしたいですね」

臣娘「家事は女の仕事じゃないですか?」
955 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/23(木) 01:03:22.69 ID:g0tRfYgo

魔王「考え方次第だな。皇国では女性は家庭に入るべし、という考えが主流のようだが、聖王国では女性も働く機会を与えられているし、家事も分担して行う夫婦も多いと聞くぞ」

卯「いいなぁ。聖王国で彼氏探そうかな……」

臣娘「貴重な人材の海外流出は食い止めなくてはいけませんっ!」ギュッ

卯「し、臣娘様!? 冗談ですよ、冗談っ」

魔王「女は具体的にはなにかあるのか?」

女「具体的ねぇ……まだ考えた事ないわね。喧嘩してもちゃんとお互い謝り合えてすぐに笑顔になれるような夫婦が良いかな」

卯「魔王様はどうなんですか?」

魔王「産めよ増やせよ、だな」キッパリ

臣娘「富国強兵の基本ではありますよね」

魔王「そこまでは考えてはおらぬが、子は沢山もうけたい。やはり子供の笑顔というものは家庭を明るくする一番の秘訣だ」

女「私は2人くらいで良いかなぁ。女の子と男の子一人ずつ」

卯「1姫2太郎ということですね」

女「そそ。男の子のほうが甘えん坊になりやすいらしいけどね」

メイド「弟は奴隷にできるから良いですねぇ」ニコニコ

女「それは言えてる。便利だよね」

魔王「お前達は弟の人権というものについてどう考えているんだ……」

女・メイド「そんなものはない」

卯「うわぁ……」

臣娘「見事にハモりましたね。そ、そういえば、メイド様の理想の家庭像はどのようなものなのですか?」

メイド「毎晩ヤります!」

魔王「……」ハァ

女「あー……」

臣娘「……」マッカ

卯「あ、あはは……」
956 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/23(木) 01:06:12.78 ID:g0tRfYgo

以上となります。お目汚しすみませんでした……即興はやっぱり難しいですね。(石抱き)

また次回、本編の更新後にこっそりできれば、と思いますので、お暇な方はどうぞお題を考えておいてください。

それでは、本日は失礼いたします。暖かくしてお休みくださいませ。
957 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 01:09:10.76 ID:eMzpABIo
おつ
958 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 02:16:27.09 ID:Dcw2hcko
メイド(姉)と魔族賢者(弟)の、とある日常ってのはどうだい?

本来は訣別した前後のエピソードでも聞きたいトコだが、それじゃ残レス数が足りんだろ。
というわけで、よろいこ
959 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 19:16:24.77 ID:2BSAW.Uo
本スレもこっちも書くなんてやるじゃねぇか
960 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 00:08:25.43 ID:pDq4WEgo
おお、もう3部始まってたのか
961 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/26(日) 01:38:01.89 ID:3rRPT2Eo

魔王「さて、数時間遅れてしまったがクリスマスというやつだ」

女「私、宗教が違うんだけどなぁ……」

臣娘「楽しい事なのですからお気になさらずにっ♪」ニコニコ

卯「パーティですか?」

メイド「衣装をお持ちいたしましたよ〜」

 ― 着替え ―

女「うん。とりあえずなんでミニスカサンタなのか説明お願いできるかな?」

魔王「ふむ……人間の文化というのは相変わらず理解できない部分があるな」

臣娘「は、恥ずかしいですよ、これ」

卯「なんだかんだであっさり着こなしてるみなさんがすごいです」ハズカシイ

メイド「クリスマスといえばこの服装が人間では正装だそうですから」

魔王「そうなのか。ではしょうがないな」

女「すごい嘘だよそれ!」

魔王「では、勇者達が待つ部屋にれっつごーだ!」
962 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/26(日) 01:43:57.52 ID:3rRPT2Eo

勇者「ここで待てって言われたけど、何するんだ?」

皇太子「クリスマスパーティーらしいですよ。ケーキがたくさんです」ウキウキ

勇者「ケーキより料理が美味そうだな」ジュルリ

魔王「待たせたな!」バァン

女「おまたせー」

臣娘「お、お待たせしました……」

卯「はずかしいよーっ」

メイド「あらあら」ニコニコ

勇者「うん。皇太子、帰ろうか」

皇太子「えっ? でもまだケーキが……」

魔王「待てぃ」ガシッ

女「スルーは酷いよね」ガシッ

勇者「なんなんだよその格好はっ!」マッカ

皇太子「おねーちゃんもメイドさんも可愛いですっ!」キャッキャッ

臣娘「み、みるなーっ!」マッカ

メイド「ありがとうございます♪」

魔王「さて、パーティだ。パーティ。乾杯からなのか?」

メイド「えっと、この本によりますと、無礼講で酒池肉林の乱痴気騒ぎ、と……」

勇者「まてーっ! どんな本だよそれ!?」

メイド「お気になさらないでください。昨晩徹夜で作りました♪」

勇者「本じゃねぇぇぇぇぇっ!!」

魔王「酒池肉林か……」ニヤリ

女「えー、さすがにそれは……」

臣娘「破廉恥ですよっ!」プンスカ

メイド「あらあら、臣娘様は酒池肉林の意味をご存じのようですね」ニコニコ
963 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/26(日) 01:47:07.88 ID:3rRPT2Eo
臣娘「っ……ぐ、偶然ですっ」

皇太子「どういう意味?」

臣娘「知らなくて良いのっ!」ペチン

皇太子「ぁぅ」

勇者「ほら、未成年も居るんだし、穏便にいこうぜ」

魔王「お楽しみは部屋に帰った後、ということか」

女「あ、じゃあそれだったらおっけ♪」

勇者「ちげぇよ! お前達ちょっとその頭ん中どうなってるか見せてみろよ!」

魔王「文句がおおいな」プンスカ

メイド「照れておいでなのですよ」ニコニコ

メイド「酔いつぶしてしまえばこっちのものです」ボソリ

勇者「なんか妙な台詞聞こえちゃったんだけど……」

女「気にしない気にしない。ほら、まずは一杯どうぞ」コポポポポ

勇者「んー、一杯くらいは良いか。じゃあ、かんぱーいっ!」

一同「かんぱーいっ!」チーン
964 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/26(日) 01:58:38.42 ID:3rRPT2Eo


魔王「……む、いかんいかん。私が先に酔い潰れてしまうとは。ここは……寝室か。メイドか勇者が運んでくれたのかな」ゴソリ

魔王「なんで私は何も着ていなくて横には勇者とその向こう側に女がこれまた全裸で寝ているのだ?」

勇者「Zzz」グーグー

女「Zzz」スヤスヤ

魔王「……まさか勇者が酒に酔った勢いで!? 記憶がないとは一生の不覚!」ガックリ

勇者「ん……魔王、どうした? ってなんでお前服!? うぉっ! 俺もかよ! って女も!?」アタフタ

女「うるさいなぁ……ってあんた達、私が寝てる間にそんなコトを……って私も!?」ビックリ

魔王「全員記憶がないだと」

勇者「もしかして俺、酒に酔った勢いで!?」ガーン

女「うわー、勇者ってケ・ダ・モ・ノ」

魔王「揃って記憶がないとは問題だな。ここはひとつトライアゲインということでどうだ?」

勇者「どうだ? じゃねぇ! 俺は何て事をしちまったんだぁぁぁぁぁぁっ!!」

女「遅かれ早かれって言葉知ってる?」

勇者「うっさい! こうなったら死んで詫びるしか……」

メイド「ご心配なく!」

魔王「メイド、もしかして撮影してたのか!?」ソレハハズカシイゾ

女「えーっ!?」

勇者「まじで!?」

メイド「機材は用意しておりましたが、みなさん同時に酔い潰れてしまったので、僭越ながら私が衣服全部ひっぺがして寝かせました。起きた時に混乱してやらかしてくださるかと思ってたんですけど、勇者様が予想外にヘタレでしたので思わずネタバレしてしまいます」

魔王「勇者ぁ……」ハァ

女「勇者……」フゥ

勇者「あれ!? 俺が悪いの!?」
965 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/26(日) 01:59:20.17 ID:3rRPT2Eo



皇太子「Zzz」クークー

臣娘「全くもう、すぐに寝ちゃうんだから。膝枕って結構しんどいのよ? 能天気さん」ペチッ

皇太子「ん……おねーちゃぁん」ギュー

臣娘「っ!? ……しょ、しょうがないわねっ」ナデナデ


終わり
966 :クリスマス終了のお知らせ [sage]:2010/12/26(日) 02:10:18.21 ID:xu7dKGko
967 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 08:27:57.16 ID:rZYo3kDO
おっと思わず魔王(幼)で再生しちまった
まぁ問題あるまい
968 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 03:50:11.64 ID:1OsAN6AO
>>965みたいなのが微笑ましくてならない
969 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/30(木) 00:45:30.57 ID:vQ.k5VUo
魔王「今日もお題をいただいて即興のコーナー」

女「地獄が始まるのね……」

臣娘「そこまでなんですか?」

卯「えっと、今日のお題は>>971様にお願いいたしますね。いつも通りになってしまいますけど、無茶過ぎるお題の場合はその下の方が出されたお題とさせていただきます。でも、極力>>971様のお題でがんばりますっ!」ガッツ

女「じゃあ、よろしくお願いしまーす♪」
970 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 00:47:46.17 ID:M9f/gu6o
メイドと魔族賢者の日常
971 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 00:57:45.38 ID:0zYnZwso
>>970
972 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 01:01:18.39 ID:c5jpDcQo
    パーティー
さあ、地獄絵図の始まりといこうぜ…
973 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/30(木) 01:24:28.92 ID:vQ.k5VUo
メイド「ということです、愚弟」バァンッ

魔族賢者「な、なに!? なにがあったの!?」ビクッ

メイド「私と貴方の日常を見てみたいとおっしゃる方がいらしたのでブン殴りに来ました♪」

魔族賢者「それ、日常じゃないですよ!? ……日常っていっても、僕たちが一緒に暮らしてた時なんてもう大昔だよね」

メイド「そうですね。毎日貴方の為にお食事からお洗濯、お掃除などをしてましたね」

魔族賢者「大半僕がやってたような メイド「何かおっしゃいましたか?」

魔族賢者「ナンデモアリマセン」ガクブル

メイド「勇者様や魔王様からはやりすぎだって言われるのですが、貴方はどう思ってたんですか?」

魔族賢者「どう……って、生まれた時からの日常だったから小さい頃はそれが普通だと思ってたよ」

メイド「私の教育の賜物ですね」

魔族賢者「学校で友達に「おかしい」って言われたけどね……」

メイド「女様も私と同じだそうですよ? きっと私達が普通で、そのお友達が特殊だったのですね」キッパリ

魔族賢者「言いきっちゃった……女さんの弟さんに同情を禁じ得ません」

メイド「さて、では久しぶりに膝枕で耳掃除でもしてあげましょう。さぁ、来なさい」ニヤリ

魔族賢者「なんでそんなにアヤしい笑顔なの!?」

メイド「うるさい。早く来ないと魔力剣で突き刺しますよ」

魔族賢者「ハイ」コロン

メイド「最初からそうしておけば良いのですよ♪」

魔族賢者「がんばれ俺の耳」

メイド「失礼ですね……昔から貴方の耳かきはきちんとしてあげていたでしょう?」

魔族賢者「そうだけど、終わる度に洒落にならない対価を要求されてたような」

メイド「全部冗談だったでしょ。ほらほら、貴方は何かに集中するとみだしなみとか全く気にしないのですから大変な事になっていますよ」

魔族賢者「自分の事は全部後回しにしちゃいますからね」

メイド「まったく、貴方は小さい頃から全然変わっていませんね」クスクス

魔族賢者「成長してますよっ」
974 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/30(木) 01:27:14.08 ID:vQ.k5VUo

メイド「動かない。反対側の耳から耳かきの先端が飛び出すことになりますよ」グィッ

魔族賢者「……姉さん、やっぱり僕がいきなり出て行った事を怒ってる?」

メイド「当時は少し。でも今は怒っていませんよ。一つ聴きたいのですが、何故私に何の相談もしてくれなかったのですか?」

魔族賢者「姉さんに言うと……決心が鈍る気がしたんです」

メイド「どうしてです?」

魔族賢者「えっと……いえ、なんでもないです」

メイド「言わないと『うっかり』魔力剣を出してしまうかもしれませんよ?」ニッコリ

魔族賢者「……僕は何だかんだで姉さんに甘えてしまっていたから、自分自身が強くなるためにも何も言わないで行こうって……」

メイド「……」

魔族賢者「姉さん?」

メイド「前言撤回しますわ。成長しましたね。姉として嬉しいですわ」ニッコリ

魔族賢者「姉さん……」

メイド「貴方は自慢の弟ですよ。はい、終わりました。お疲れ様でした」

魔族賢者「ありがとう……」

メイド「いえいえ。かわいらしい弟の為なら私は何でもしますよ。家族ですからね」ニッコリ

魔族賢者「……うん」

メイド「さて、今回の耳かきのお代は貴方のお給料全額向こう一年分いただいていきますね♪」

魔族賢者「!?」

メイド「実姉の、しかもメイド姿での耳かきですよ? これほどのプレミアはないでしょう?」

魔族賢者「大いに異論があります!」

メイド「うるさいだまれ」ブォン

魔族賢者「」ガタガタブルブル

メイド「気がかわりました。とりあえず何も言わずに出て行ったおしおきはしましょうか。大丈夫ですよ。死ぬ寸前で止めてさしあげますから♪」

魔族賢者「たぁすけてぇぇぇぇっ!」ダッシュ

メイド「冗談だと言っているのに……本当にかわいい愚弟ですね」ニッコリ
975 : ◆JbHnh76luM [saga]:2010/12/30(木) 01:29:04.86 ID:vQ.k5VUo
以上です。もうちょっと長く書きたいところですがネタが……

また次回も即興で何かする予定です。次回の即興はもうちょっと長く書いてみたいですね。いっそのこと三題噺というのもアリかもしれません。自分でハードル上げて自分で首を絞めてる気がしてなりませんけど。

それでは、おやすみなさいませ。
976 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 01:30:39.99 ID:c5jpDcQo
なァに、死に掛けたら蘇生呪かければいい
何度も…何度もな…フフフ…
977 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 03:01:19.10 ID:M9f/gu6o
うんうん、良い姉弟関係ですわね♪
乙ですわニコニコ
978 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 03:44:30.91 ID:5.CZxHwo
俺も虐待されてもいいからお姉様に優しく耳かきしてもらいたいよ
979 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 03:57:02.97 ID:c5jpDcQo
66 ホスト(千葉県) :2010/07/18(日) 18:17:47.84 ID:wgOpwcGk

姉が弟に耳かきしてた

耳掃除中に
姉:お前の命は私が預かっている!!
弟:(( ;゚д゚))アワワワワ
姉:鼓膜・・・・ 耳小骨・・・・ コルチ器・・・・  脳!!
弟;(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル


弟カワイソス
980 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 20:29:51.06 ID:lCihhAAO
死ぬ寸前で止めさしてあげますからに見えてガクガクブルブル
981 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 01:32:38.54 ID:rW9DscAO
ああ!?
けっきょくいつになったら
おちんのよここ
めんどくさいんだよヘタレ!
982 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 01:42:14.33 ID:7vYBylgo
ここも意外に息が長いなww
とはいえ、いつまでも残ってるモンじゃねぇだろから我慢汁。
よく書けてると思うしな、実際。
ろんだるきあ
983 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/01/01(正月) 02:26:55.60 ID:NAOgnNIo
魔王「新年」

女「あけまして」

魔王・女・勇者「おめでとうございます!」

魔王「旧年中は色々とお世話になりました」

女「本年もよろしくお願いいたします」

勇者「この和服ってのはどうも動きづらいな」モゾモゾ

魔王「胸元がキツイのだが……」

女「どうせ問題ありませんよーだ!」プンスカ

魔王「いや、あてつけとかの気はなかったのだが」

勇者「二人とも振り袖が良く似合ってるよ」

魔王「ありがとう、勇者」ニコッ

女「ありがと。勇者も着流しが良く似合ってるわよ」

勇者「ありがとよ。それはさておき、メイドさん達はどうしたんだ?」

魔王「メイドと卯殿はおせち料理とかいう正月に食べる食事の準備に大わらわだ。臣娘殿は皇太子殿や皇王殿達と過ごすらしい」

女「年越し蕎麦っていうやつ、おいしかったね」

勇者「テンプラってのも美味かったな!」

魔王「勇者は食べすぎだ。海老の天麩羅を4尾など、見てるこっちが胸やけしそうだったぞ」

勇者「だって美味かったんだもん」

女「皇国の風習って変わってるわよねぇ。31日に108回だっけ? 鐘を撞くとかさ」

魔王「人間が抱える煩悩の数とか言ってたな。多すぎないか?」

女「卯さんは全部言えるらしいけどね」

勇者「煩悩ねぇ、物欲とかそんなのなんだろうな」

メイド「お屠蘇でございます」

勇者「オトソ?」

女「長寿を祝って年の初めに呑むお酒の事だよ」
984 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/01/01(正月) 02:27:44.35 ID:NAOgnNIo

勇者「ふーん、これも皇国の風習なのか?」

卯「そうですよ〜。新年はおめでたいですから無礼講なのです」ヒック

魔王「もう出来あがってるのか」

メイド「お節料理を作ってる時から少しずつ呑まれていて、年明け前にはすっかり……」

魔王「良いではないか。ほら、勇者。注いでやろう」

勇者「えっと、お猪口ってので飲むんだよな? このちっちゃいやつか?」

卯「はい。そこに注いでキュ〜っと飲んじゃうのがマナーですっ!」キューッ

勇者「皇国酒って結構強いんだよな……よっと」ゴクッ

女「良い飲みっぷり。はい、私からも」

勇者「連続かよ……いただきます」ゴクッ

メイド「あまり飲みすぎないようにお気を付けくださいね」

勇者「そうするよ。ほら、魔王と女も」

魔王「うむ。ではいただくぞ」クィッ

女「いただきまーす♪」コクコク

勇者「メイドさんもどうだ?」

メイド「あら、よろしいのですか? ではいただきます」

勇者「メイドさんは働きづめだからな。少しは休んだほうがいいよ」トクトクトク

メイド「お優しいお言葉ありがとうございます」クィッ

魔王「ふむ、少し辛口なのだな」コクコク

女「甘口の方が嬉しいけど、これはこれでイケるわね」

勇者「うん、美味い。ワインやビールとかも美味しいけど、皇国酒ってのもイケるよな」

卯「私は呑みなれてる皇国酒が一番好きですね〜。でも、ワインも美味しいと思いますよ。ほらほらみなさん、どんどんいっちゃいましょう〜」

勇者「卯さん、飛ばしすぎだな」ゴクゴク
985 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/01/01(正月) 02:28:19.98 ID:NAOgnNIo
魔王「まぁ良いではないか。めでたい時なのだからな」クピクピ

女「おつまみの数の子っていうのも美味しいね。面白い歯ごたえしてる」ポリポリ

卯「ニシンの卵巣を塩漬けにした物です。子孫繁栄の意があるんですよ」

魔王「成程な。お節料理のそれぞれには意味があると言ってたな」

女「皇国は色んな物事に意味を込める事多いよね」

卯「そうですね。全ての物には神様が宿っているとも考えていますよ」

魔王「八百万の神々というやつか。女のような一神教には理解できない考え方なのかな?」

女「ま、ね。でもそういう考え方は嫌いじゃないわよ。物を大切にしようって事でしょ?」

卯「はい。どんな些細な物にでも神様は宿ってるんですよ」

魔王「ん〜、少し熱いな……」

勇者「酔ったみたいだな。水飲むか?」

魔王「すまない。少し足を崩させてもらうぞ。正座とやらは慣れないと足がしびれる……」スッ

勇者「あー、うん」プィッ

魔王「?」

勇者(いきなり生足とか刺激強すぎだろ! あー、やばい。酒の所為で余計に艶っぽく見えちまう)

女「私も限界〜。足しびれてきた」スッ

勇者「うぉっ」

女「何よいきなり叫び声あげて」

勇者「なんでもないなんでもない。酒の所為で何かテンションがおかしなことになってただけだ」

メイド「魔王様と女様のお御足に興奮なさったということですか」アッサリ

勇者「ちょっ!?」

魔王「なんだ、そんなことか。言えばいくらでも見せてやるぞ」ホレホレ

女「勇者って脚フェチなの?」ホラホラ

卯「楽しそうなので私も〜♪」チラリ
986 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/01/01(正月) 02:30:11.34 ID:NAOgnNIo

勇者「この酔っ払いどもめ……目のやり場に困るだろっ!」ウロウロ

魔王「今更恥ずかしがるような間柄でもなかろうに」

勇者「その一線をとっくの昔に超えちゃいましたみたいは発言は誤解を招くからやめてくれ」

魔王「さっさと超えてくれれば良いものを」ムゥ

メイド「では、誰の脚が勇者様好みなのか決めていただきましょうか♪」

女「面白そうだね。やってみよー!」

魔王「うむ」

卯「がんばりましょー♪」バンザーイ

勇者「まてまてまてまて! 俺の好みとか別にどうでもいいだろうが!」

魔王「良くないぞ。勇者の好みの身体になりたいと思うのは当然であろう」

女「勇者は少しむっちり気味の方が好きなのよねぇ。魔王と卯さんが優勢、かな?」

メイド「私と女様は細めですものね」

卯「えっちですね〜」ニコニコ

勇者「卯さん、今自分がどんな言葉口走ってるかわかってないだろ」

魔王「程良く、というか完全にデキあがってるな」

卯「そんな事ないですよ〜。その証拠にほらっ!」ギューッ

勇者「フガー」モゴモゴ

メイド「あらあら、おっぱいホールドですか。卯様、やりますね」

魔王「おいっ、それは私がするのだぞっ!」ムギュー

勇者「モゴゴゴゴ」クルシイ

女「胸ないから参加しづらいけど、一応参加しとく!」ギュー

勇者「」

メイド「勇者様の窒息死で女性3人の勝利ですね♪」

女性陣「いぇーい♪」(酔っ払い)
987 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 02:35:11.53 ID:jwrJHQ2o
脚フェチですが何か?w
あけておめでたすー
988 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/01/01(正月) 02:39:39.54 ID:NAOgnNIo



勇者「……んぁ?」

魔王「起きたか。大丈夫か?」

勇者「えーっと……? あぁ、そうか。うん、思い出した」

魔王「すまんな。少し調子に乗ってしまったようだ」

勇者「男としては嬉しい状況だったんだろうが、苦しかったな」

魔王「卯殿がやたらとハイテンションになってしまったからな」

勇者「他の3人は?」

魔王「向こうの部屋で撃沈しておる。こっそりお前を運んでみた」エッヘン

勇者「で、膝枕で介抱してくれた、と」

魔王「首は痛くないか?」

勇者「快適快適」

魔王「ふむ。男は膝枕で喜ぶというのは本当のようだな」ナデナデ

勇者「大抵の男はそうかもなぁ」ハズカシイ

魔王「単純な生物なのだな」

勇者「違いない。魔王、今年もよろしくな」ニコッ

魔王「こちらこそよろしく。勇者」ニコッ

チュ
989 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/01/01(正月) 02:42:38.04 ID:NAOgnNIo



魔王「……という事になるのだ」

女「ご都合主義すぎるわね。それに、勇者は既に膝枕経験あるわよ!」

魔王「なんだと!?」

女「そりゃもう大昔から私が何度もしてあげてますからね♪」

魔王「くっ……幼馴染のアドバンテージというやつかっ」

メイド「こうなったらやはり勇者様の筆おろしをするしかありませんね」

魔王「メイド、はっちゃけすぎだ」

女「メイドさんって時々とんでもない発言するわよね」

メイド「そうですか?」ニコニコ

ワイワイキャッキャッ




卯「えっと、えっと……勇者様の介抱、私が膝枕してるんだけど、良いのかな……?」

勇者「」
990 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/01/01(正月) 02:47:18.93 ID:NAOgnNIo
新年ネタの即興は以上です。おもしろくもなんともないというのだけは良くわかりました。色々と下手糞すぎますね。もっと上手に書けるようになりたい……

さて、このスレも残すところあと10レス程となりました。さすがにもう一本という訳には参りませんので、あとは1000目指して埋めて行く事になるのかな、と思っております。
長々とお付き合いくださいまして本当にありがとうございました。改めまして、本編ともども本年もよろしくお願いいたします。
991 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 02:56:58.87 ID:HXcIiPoo
>>990
自分で埋めろよヘタレ!もっと読ませろよ!
終わったらHTML化依頼出しといてな!ヘタレ!
992 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 02:57:05.75 ID:k73c61wo
あけおめことよろ
乙した。勇者め、裏山
993 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 03:04:44.43 ID:jwrJHQ2o
うらやましいよ膝枕
めでたい日におまけとは嬉しす
994 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 03:05:42.94 ID:5LzA3wDO
  ___
 / \ \  _
 L_∩ | | |あ|
  ノ (^Д^)つ ̄
 / ∠(/_|
 L___L_亅
   し ヽ)
   ___
  / \ \  _
 | ∩ | | |け|
 | || (^Д^)つ ̄
 | ∪ (/ |
  \_∠_/
   し ヽ)
   ____
  /  | | _
   ̄| | | |お|
   | (^Д^)つ ̄
   | (/ |
   |__L_亅
    し ヽ)
   ____
  /  | | _
   ̄| | | |め|
   | (^Д^)つ ̄
   | (/ |
   |__L_亅
    し ヽ)
995 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 04:56:10.26 ID:US5F/m2o
あけうめ
996 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 07:14:14.52 ID:683J4wDO
年明け早々の1000取りかい?
997 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 07:51:28.70 ID:UODyEE6o
>>1と勇者一行、おけおめ!!
お前らもあけおめー!!
998 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 08:19:49.61 ID:B8/b1Jso
1000なら卯が真のヒロイン
999 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 08:56:23.91 ID:ta2RnW2o
1000なら今年はみんな幸せ
1000 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 10:07:03.89 ID:Mkh/hF60
1000なら魔王は俺の嫁
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
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       /:::::::;へ:::::::l~   |ヌ|
      /:::::/´  ヽ:::l   .|ヌ|               製作速報VIP@VipService
      .〔:::::l     l:::l   凵                  http://ex14.vip2ch.com/news4gep/
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1002 :荒巻@どうやら管理人★ :お知らせ
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1003 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
【新年明けまして】ここだけファンタジー世界Part.120【新規募集】 @ 2011/01/01(正月) 10:06:47.22 ID:WtZ4nKso
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仗助「『てんか』やろおぜぇ〜!!」 @ 2011/01/01(正月) 09:31:54.68 ID:X3YJD6AO
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なすくじ @ 2011/01/01(正月) 06:25:39.84
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1293830739/

男「あれ?お前…」猫「…」 三匹目★2 @ 2011/01/01(正月) 06:20:03.66 ID:7IqffWco
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暇電話 @ 2011/01/01(正月) 04:36:56.16 ID:d4JiHgAO
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