ほむら「キュゥべえをレイプしたらソウルジェムが浄化された」2

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ほむら「キュゥべえをレイプしたらソウルジェムが浄化された」2 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

1 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/01(月) 01:07:46.26 ID:gy00pEdAO

ほむら「スレタイ若干修正入ったわよ。とりあえず注意書きね」

バカエロ
生える
誰てめぇ

激しい厨二←new!

ほむら「あーあ本性出ちゃってるわよこの>>1……」

ほむら「あ、あと……もうそろそろこれかしらね」ﾎﾑｯ

オリ展開
オリ解釈

前スレhttp://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1306507584/l20

ほむら「『キュゥべえをレイプしたらソウルジェムが浄化された』、通称キュベレイ。予想外の2スレ目をお送りするわ」ﾌｧｯｻｧ

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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笑えるな君のせいだ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 ＠ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超Ａ級スナイパーが魔王様を狙ってる？」〈ゴルゴ13inひめごう〉＠ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです＠ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「２号線」【コンマ判定新鉄・関東】＠ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

【安価】少女だらけのゾンビパニック＠ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

ぶらじる＠ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう＠ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/01(月) 01:22:14.03 ID:+x7TH+Wjo

スレ立てぬるぽ

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/01(月) 01:23:58.85 ID:CS532DWAO

乙ｶﾞｯ

4 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/08/01(月) 01:24:03.55 ID:gy00pEdAO

>>2
ｶﾞｯ

5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/01(月) 01:30:57.16 ID:PrJgrecc0

乙っちほむほむ！

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/01(月) 01:52:34.94 ID:nagYV0Au0

スレ立て乙！
前スレ>>1000が見えない

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/01(月) 02:07:18.61 ID:+tkByhP8o

スレ建て乙
前スレが携帯用のアドレスなんで、PC用も貼っておく。

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/01(月) 02:08:27.78 ID:+tkByhP8o

ってアドレス貼らずに送信してどうする　orz
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306507584/

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/01(月) 02:35:40.84 ID:Uc6h7vODo

お、新スレか
>>1
乙っちまどまど！

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/01(月) 03:09:22.06 ID:ueQys9Hxo

どういうことだオイ
ただのバカエロかと思ったら超ヘビーなシリアス続編展開じゃねえか

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]：2011/08/01(月) 07:17:01.62 ID:ww5bVJjAO

おつおつ

>通称キュべレイ
おいｗｗｗｗｗｗｗｗ

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/01(月) 07:25:47.69 ID:+Qivk3070

キュベレイｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/01(月) 08:00:19.35 ID:n+t4ylXIO

キュベレイスレと聞いて

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/01(月) 08:59:37.85 ID:m2dMHW6AO

キュベレイは至高

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/01(月) 09:11:25.79 ID:SCYNXNTgo

このキュベレイをなめてもらっては困る！

16 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/08/01(月) 19:53:58.68 ID:BeVmpM+AO

魔法少女同士の大乱交を期待しておきます
ゆまちゃんに期待

17 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/01(月) 20:31:08.98 ID:3oJAO1uvo

パイパンふたなり少女とかたぎるわぁ

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/01(月) 23:31:30.20 ID:dyFWvYfn0

一日で、一気に読み切ってしまった。
ギャグもシリアスも上手い作者を尊敬する。
無気力だった俺が、かじりつくように読んでた。これからも期待します。

19 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/01(月) 23:32:05.11 ID:dyFWvYfn0

20 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/02(火) 00:55:25.66 ID:ccptCEuS0

乙（・・ノシ

21 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/02(火) 03:43:46.91 ID:rKaFeBcSO

連投してる奴はエラー出ても一回更新して書き込まれてるかチェックしようぜ
>>1乙
マミさん武装ﾏｼﾞｶｯｹｪ

22 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]：2011/08/02(火) 20:12:56.54 ID:tzsItRqE0

前スレ>>1000はよくやったｂ

23 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/02(火) 22:07:23.44 ID:qlZTj8Fho

八本のチンコEND期待

24 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:06:27.99 ID:oJT7KumAO

さぁ新スレだし、出来ますればこのスレで締めたいね。まさかの2スレ目だしね。
しかしエロスマンが多いね。でも残念だがもうこの編ではエロス無いよ多分！

投下開始

25 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:07:15.71 ID:oJT7KumAO

――――恋に恋い焦がれる者。愛を愛する者。

キリカ「あ、この服良いなぁ」ﾜｰ

さやか「呑気にショッピングねぇ……」ﾊｧ

キリカ「恩人はさ」

さやか「ん？」

キリカ「その身体が気に入らないのかい？」

さやか「……当たり前じゃん」

キリカ「何故かな？キミは愛する人の為に祈りを捧げたんだろう。誇りこそすれ、僻む事はないよ」

さやか「――アンタみたいなイカれた考えを持ってる訳じゃない！」

キリカ「恩人、店の迷惑だ。トーンを下げろ」

さやか「あ……うん」

キリカ「それにしても……なかなか面白い事を言うんだね」

キリカ「愛は狂気だよ。イカれてなけりゃ、愛する事なんて出来ない」

キリカ「私は身体全てがすっかり織莉子でイカれてしまっているさ」

さやか「…………」

キリカ「恩人は何と言うか、蛮勇だね」

キリカ「やる事は大胆だけれど……覚悟が足りないんじゃないかな」

キリカ「それを人は愚か者と呼ぶんだ」

さやか「……くっ」

26 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:08:25.57 ID:oJT7KumAO

――――一人、さやか

さやか「……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

キリカ『織莉子だ！織莉子ぉー！』ﾀﾀﾀｯ､ｶﾞﾊﾞｯ

織莉子『あら、キリカ……に、美樹さやか？』

キリカ『恩人、今日はつれ回してすまなかったね。楽しかったよ、またね』

キリカ『さぁ行こう織莉子。キミに似合いそうな服を調達したんだ』

織莉子『あら、楽しみだわ』

さやか「……勝手だ。学校サボってるんだけどなぁ、アタシ」

さやか「……アイツは本当に織莉子を大切に思ってる」

さやか「アタシにとっての織莉子は、恭介……になるのかな」

さやか「こんなアタシの、唯一の支えに――」

さやか「……それも、悪くないかな」ｸｽｯ

杏子「……あ、いた！」

ゆま「いたー！」

さやか「へ？」ﾋﾞｸｯ

杏子「良かった……まだ無事か」ﾊｧﾊｧ

ゆま「探したよー」

さやか「え、アタシを？」

杏子「ちょっと付き合えよ」

さやか「……今日は何だかモテるわね」

杏子「は？」

さやか「こっちの話」

27 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:09:29.56 ID:oJT7KumAO

――――誰かを愛する者、何かを愛する者

さやか「で、アンタは何の用事？」ﾃｸﾃｸ

杏子「いや、凹んでんじゃないかと思って……ソウルジェムが本体、なんて知っちまったら普通は正気じゃいられないしな」ﾃｸﾃｸ

さやか「……まぁ、ね」

杏子「さやかは他人の為に祈っちまった。だから、尚更だ」

杏子「魔法は、極力自分の為にしか使っちゃならねぇんだ。大体ろくな事にならない」

ゆま「……だから、あの時キョーコはゆまを叱ったんだね」

杏子「そうだ。でも、まぁ……ゆまが祈ってくれたからアタシが生きてるってのもあるからな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ゆま「えへへ」ﾆｺｯ

さやか「…………」

杏子「（さて、ここからだ）」

杏子「（さやかはあの坊やの女絡みで魔女化する）」

杏子「（解決策は二つ。さやかの思いが昇華するか、さやかがそもそも坊やを何とも思わなくなるか）」

杏子「（前者は厳しいらしいし、となると後者だが……）」

杏子「（それはさやかの願いの否定だ……魔女に成りかねない）」

杏子「……だーっ、分からねぇ！アタシはアタシなりにやるか」

さやか「はい？」

28 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:11:39.94 ID:oJT7KumAO

――――教会

杏子「へい扉どーん！」ﾊﾞｷｨｯ!

ゆま「とびらどーん！」ｷｬｯｷｬｯ

さやか「……寂れた教会？」ｷｮﾛｷｮﾛ

杏子「アタシの親父がやってたんだ。神父様だったんだぜ」ﾅｯ

杏子「……よっと」ｶﾞｻｶﾞｻ

杏子「くうかい？」ﾋｮｲｯ

さやか「（りんご……）ふん」ﾊﾞｼｯ

ｺﾛｺﾛ……

杏子「――ははっ。（こんな事まで同じかよ……まぁ、仕方ないか）」ﾋﾛｲ

ﾊﾞｼｨｯ!!

杏子「え？」

さやか「――は？（叩かれた？頬？――痛い）」ｷｮﾄﾝ

ゆま「……食べ物を」

ゆま「食べ物を粗末にしちゃダメ……怒るよ」

さやか「アンタ――」

杏子「――あっはっはっはっはっはぁっ！！！」ｹﾞﾗｹﾞﾗ

さやか「はぁ！？」ﾋﾞｸｯ

ゆま「……キョーコ？」ﾎﾟｶﾝ

杏子「あはは……いや、悪い。そうだな、ゆま。食べ物を粗末にしちゃあいけねぇ。だろ？」

さやか「……まぁ、そうだけど」

杏子「うん。ゆまも、堪えてやれ。悪気があった訳じゃねぇんだ」

ゆま「キョーコがいいなら……」

杏子「さて、変な空気になっちまったが……」ｽﾜﾘ

杏子「昔話でも、しようかね」

29 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:12:29.59 ID:oJT7KumAO

――――何故気付いてしまったのか。

杏子「――って訳さ。ろくな事にならないだろう？」

さやか「……アンタは、杏子はお父さんを助けたかったんだね」

杏子「そうかもしれないし、違うかもしれない。飢えるのが嫌だっただけかもしれない」

杏子「今になっちゃ、それすら自分で分からない……でも、こんな身体だが――守りたいモノも、ある」ﾅﾃﾞ

ゆま「くすぐったいよ、キョーコ」ｸｼｸｼ

さやか「……お母さんみたい」ｸｽｯ

さやか「ゆまはどうして魔法少女になったの？」

ゆま「……ゆまは、ママにいじめられてたの」

さやか「――え」

30 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/08/03(水) 01:13:12.38 ID:nDMnJuIWo

ニヨニヨ

支援

31 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:14:19.76 ID:oJT7KumAO

ゆま「パパが帰ってこないのは、ゆまがかわいくないせいだって」

ゆま「たくさんいじめるの」

ゆま「でも、魔女に食べられて死んじゃった」ｸｽｯ

ゆま「ゆまも食べられちゃうとこだったけど、キョーコが助けてくれたの」

ゆま「食べ物くれて、住むとこくれて、生き方を教えてくれてる」

杏子「（そういや立て込んでて、すっかり相手してやれてないな……ワルプルギスを――ん？）」

杏子「（ほむら――捨てる――ワルプルギスまで――？）」

杏子「（キュゥべえ――織莉子――目的――いや、それじゃ矛盾――）」

ゆま「ゆまが弱いから、ダメだったから、ママはゆまを捨てたの」

ゆま「ゆまが弱いままだと、キョーコもゆまを捨てると思った」

ゆま「キョーコが死ぬのは……ママが死ぬより怖かった」

ゆま「だから、ゆまはキュゥべえとけーやくしたんだよ。『キョーコを死なせたくない』ってね」

さやか「――――正直、驚いてる」

杏子「（いや待て――さやか――さやか――因果集中、つまりほむらのループの目的――）」ﾊｯ､ｸﾙｯ

32 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:15:06.11 ID:oJT7KumAO

さやか「ゆまみたいな子が頑張ってるのに、アタシったら情けないね」ﾀﾊﾊ……

杏子「（さやかの魔女化が、逃れられないとしたら――ほむらはどうする――いや、あり得ない！止めろ、考えるな！）」

さやか「……それにね、アタシにも少しだけ目印が出来たんだ。それを見ながら、頑張れそうなの」

ゆま「お互い、がんばろー！」ｵｰ!

さやか「えいおー、ってね」ｵｰ

杏子「（でも――でもそれなら）」

杏子「全ての、辻褄が、合う――？」

ゆま「キョーコ？」

杏子「（ほむら、何れが嘘だ？何れが冗談だ？何を隠してる？）」

杏子「（真実をぼかしてるだけなんて、勘弁してくれよ……？）」

さやか「？」

33 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:16:10.85 ID:oJT7KumAO

――――翌朝。通学路

まどか「……さやかちゃん、来ないね」

ほむら「そうね」ﾎﾑｯ

マミ「きっと来るわよ。きっとね」

仁美「今日もお休みだと、流石に心配ですわ」

「おーい！」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

まどか「――さやかちゃん！」ﾊﾟｧｯ

ほむら「……」ﾌｯ

マミ「……」ｸｽﾘ

仁美「おはようございます、さやかさん」

さやか「おっはよーみんな。ほむらにマミさんも」ﾆｶｯ

マミ「あら、オマケ扱いよ暁美さん」ﾋｿﾋｿ

ほむら「心外だわ。心の外と書いて心外だわ」ﾋｿﾋｿ

さやか「い、いや他意はないよ？」ｱﾊﾊｰ……

34 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:16:41.84 ID:oJT7KumAO

――――ビル屋上

キリカ「元気そうじゃないか、恩人は」

織莉子「本当ね」

杏子「まぁ、色々とな」

ゆま「色々ー」

キリカ「迷いも消えたようだ。思いがけず、私の話を聞いて効いたのかな？」

杏子「……昨日か？」

キリカ「おや、よくご存知だ。もしやキミもかな？」

杏子「……どうりで家にいない訳だ。要らねぇ時間を食ったよ」ﾊｧ

織莉子「…………」

織莉子「（嫌な『予感』がしますわ……）」

35 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/03(水) 01:17:17.44 ID:oJT7KumAO

今日は終了。もうすぐワルプルギスだ。

36 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/08/03(水) 01:18:04.18 ID:nDMnJuIWo

ハラハラ

乙です

37 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/03(水) 01:19:35.54 ID:zvacxrNAo

この編にはないということはつまりいつかはあるんですよね！？
結局捨てループなのかどうなのか…ほむほむ…
乙

38 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/03(水) 01:34:27.96 ID:hghJD5+xo

乙っちまどまど！
続きが気になるねぇ

39 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/08/03(水) 02:20:11.05 ID:AjubQQaAO

乙だよ
つまりそういうことなんですかね

40 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/03(水) 05:22:17.81 ID:gqFDC8GEo

乙した
キリカは相手も魔法少女だし競合相手もいなかったけど
さやかはなぁ…説明でどうなるか

41 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/03(水) 07:12:31.45 ID:ARzGc89Do

お疲れ様でした

42 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]：2011/08/03(水) 20:45:30.08 ID:77AgoSSR0

乙
ああ、なるほどね。わかるわかるつまりそういうことだろ？

43 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/04(木) 01:06:49.46 ID:i2GA0c3Lo

流石だベアトリクス

44 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:09:00.53 ID:MuXinjNAO

流れが読まれている……なんてこったい。

投下開始

45 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:10:05.74 ID:MuXinjNAO

――――学校、朝

さやか「恭介、おはよっ！」

上条「あぁ、さやかか。おはよう」

上条「……そういえば、退院してからさやかと話してなかったなぁ。色々してくれて感謝してるよ」

さやか「あぁ、うん。いいのいいのー」ｴﾍﾍ

上条「何だか保険が云々……お金の話はややこしいし、生々しくて嫌だね……それもあって少し疲れているよ」ﾊｧ

さやか「うへー……大変だねぇ」

上条「まぁ、休んでたツケだと思う事にするさ……っと、チャイムだ」ｷｰﾝｺｰﾝ

さやか「あ……んじゃ席戻るよ」

上条「うん」

さやか「（なんだ、ちゃんと話せるじゃんアタシ！）」ﾆｯﾊﾟｰ!

まどか「（イエス！）」ｸﾞｯ

ほむら「（グッジョブ！）」ｸﾞｯ

仁美「……」

46 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:11:47.41 ID:MuXinjNAO

――――昼休み、屋上

マミ「あら？今日美樹さんは？」

まどか「上条君と学食です。上条君が今までのお礼にって、おごってくれるそうです」ﾆｺﾆｺ

ほむら「（意外に順調……って事は無いのでしょうけど）」ﾎﾑｯ

ほむら「今日は私、お弁当を作りすぎてしまったの。皆で食べましょう」ﾄﾞｻﾘ

まどか「あはは……ほむらちゃん、重箱五段はちょっと……」ﾀﾗｰ

マミ「太っちゃうわ……」ｳﾜｧ

ほむら「どうせ貴女は胸に行くでしょ。それに、まだ居るし」ﾎﾑｯ

まどか「え」

ｼｭﾀｯ

杏子「ただ飯なら貰うぜ」ﾆｯ

ゆま「いただきます！」ﾆﾊﾟｯ

織莉子「見つかったら不審者ですわ」ﾌｩ……

キリカ「やぁ、お呼ばれしたよ」ﾖｯ

マミ「……どうりで」

ほむら「積もる話も、嫌な話も、食べながらの方が捗るわ。さぁ、頂きましょう？」ﾎﾑﾘ

さやか「あ、ここかぁ」ﾊﾞﾀﾝ

まどか「さやかちゃん？」

さやか「恭介のやつ先生に拉致られちゃったよ。ケガの事について報告書みたいなのを纏めるんだってさ」ﾊｧｧ……

まどか「アハハ……ドンマイさやかちゃん」

47 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:12:28.34 ID:MuXinjNAO

――――

ﾓｸﾓｸ……

一同「…………（誰も喋らない……）」

まどか「あ、あのっ！」ｱｾｯ

まどか「……織莉子、さんはどうして……私が魔女になるって分かったんですか？」

織莉子「……私の父をご存知かしら？」

マミ「美国……確か議員にそんな名前の人が居たわね」

さやか「あぁ知ってる。確か汚職疑惑で自殺――」

杏子「さやか」

さやか「――っと、ごめん」

織莉子「えぇ、その通り」

織莉子「私は昔から回りに認められていたと思う」

織莉子「『美国』の子だから、と言う色眼鏡が私を鮮やかに見せていた」

織莉子「それがどう？」

織莉子「報道されるや否や私は謂れのない非難に晒された」

織莉子「学校に居場所は無くなり、家は安息の地では無くなり、知人は皆敵となった」

織莉子「私が何をしたというの？」

織莉子「私がお父様の一部でしかないのなら、私の生きる意味は何だというの？」

織莉子「……だから私は願ったのです。『私の生きる意味を知りたい』、と」

まどか「……それが、予知能力になったの、かな？」

48 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:13:38.94 ID:MuXinjNAO

織莉子「えぇ。私はワルプルギスの夜の襲来を見ました。そして、それを滅しながらも力尽き、魔女になる貴女を」

まどか「……そうなの」

織莉子「魔女になった貴女は凄まじい絶壁を振り撒く。だからこそ思った……摘み取らなければ、と」

ほむら「安心なさい。世界が絶壁に包まれる、なんて事にはさせない」ﾎﾑｯ

織莉子「……一応、信じておきましょう」ﾌｯ

さやか「でもさ、じゃあお父さん何で死んだの？やっぱり後ろめたい――う」ﾋﾞｸｯ

キリカ「恩人？」ｷﾞﾗｯ

キリカ「恩人は本当に、魔法少女とは思えないくらい頭の回転が遅いね。無知は失礼と同義なんだ」

ゆま「……魔女だね？」

織莉子「……恐らく。突然の自殺は、魔女の得意分野ですから」

一同「………………」

ほむら「暗い話は止めましょ」ﾎﾑﾎﾑ

マミ「そうね。ところで美樹さん、上条君の事についてどのくらいなのか聞きたいのだけれど」ﾆﾔﾆﾔ

さやか「はう！？」ﾄﾞｷｰﾝ!?

49 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:14:27.85 ID:MuXinjNAO

――――インキュベーター、一人

QB「うーん……何だかダルいや」

QB「眠気もあるし、フラフラする……」

『よぉ、元気無いな。どうした？』

QB「……頭も痛い」

QB「……何か、あったような」

50 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:16:42.21 ID:MuXinjNAO

――――屋上

ほむら「そうだわ。ゆま、織莉子、キリカ。ちょっと良いかしら？」ﾎﾑｯ

キリカ「なんだい？」

ほむら「手を貸して……失礼するわ」ｷﾞｭｯ

キリカ「暁美ほむら？」

ほむら「…………」

マミ「（祈りを捧げているの？）」

さやか「（手を握り……まさかほむら、そっちの気が！？）」ﾊｯ

杏子「あぁ、なるほど。そうやるのか」ﾌﾑﾌﾑ

ほむら「――っと、終わったわ。織莉子とゆまもお願いするわ」

ゆま「？」ｷﾞｭｯ

ほむら「…………――はい、次」

織莉子「何かのお呪いかしら？」ｷﾞｭｯ

ほむら「…………」

キリカ「……あぁ、そういう訳か」ﾅﾙﾎﾄﾞｰ

ほむら「終わったわ。マミ、結界を張って貰えるかしら。小さいのでいいから」

マミ「また？……正直疲れるのだけれど……」

キリカ「なら私がやろう。まだ出来るか試してみたいしね」ｽｯ

キリカ「……来い」ｽﾞｽﾞｯ……

さやか「うわ……慣れないなぁこれ」

キリカ「やれば出来るモノだね……ん、シルクハット？」ﾁｮｺﾝ

織莉子「あら、似合ってるわよキリカ」

キリカ「そうかい？そりゃあ嬉々とするよ」ﾆｯｺﾘ

ほむら「（……半魔女化している。後で釘を挿しておかないと）」

51 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:17:44.57 ID:MuXinjNAO

ほむら「悪いわね。すぐ済むから……」ﾊﾞｻｧｯ

まどか「ほえー……いつも思うけれど、綺麗な羽だよね」ﾜｧ

ほむら「誉められて悪い気はしないわね……さて」ｸﾞｯ

ほむら「『癒真』『桐華』『檻弧』」ｶﾞﾁｬﾝｯ

ゆま「わぁっ」

杏子「ハンマーに、球に、爪……こうやってアタシ達の武器を使ってたんだな」ﾎｩ

さやか「あれ？でもアタシはやってないんだけど……」

まどか「私も」

マミ「（……そういえば、暁美さんが美樹さんの前で『爽』を使った記憶は無いわね）」

ほむら「いえ、貴女達のはいいの。爪やハンマーが珍しかっただけだから」ﾎﾑｯ

杏子「（見え見えの嘘……さやかのはもう持っているからにしろ、まどかの武器を使ったのは見た事ないぞ？）」

杏子「（いや、もしかしてもう持っているのか……？）」

さやか「その内歩く武器庫になるんじゃない？」ｹﾗｹﾗ

ほむら「かもしれないわね」ｸｽｯ

52 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:18:19.74 ID:MuXinjNAO

――――屋上。ほむらとキリカ

ほむら「貴女、余り結界を張らない方が良いわ」

キリカ「魔女に引っ張られるから、かい？」

ほむら「……えぇ。よく分かったわね」

キリカ「キミの顔に書いてあるよ。なに、織莉子を置いていったりはしない」

キリカ「巴マミもそうなんだろうね。魔女になりかけたか――魔女になって帰ってきたか」

ほむら「……へぇ」

キリカ「彼女が魔女になる程絶壁して立ち直る図が思い付かなくてね、予測なんだけれどさ」

キリカ「はてさて、やはりキミはイカれてる」

キリカ「私なんかより、よっぽど愛を理解していそうだ」

ほむら「私は……」

キリカ「さて、お昼休みも終わりだ。キミの思い人が心配してしまうよ」

ほむら「……じゃ、失礼するわ」

53 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/04(木) 10:19:18.50 ID:MuXinjNAO

あぁ話進まないなぁ。まぁ進み出したら速いんだけどね。

投下終了

54 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/04(木) 10:28:07.41 ID:zCKt8FfDO

ぜ…ぜつかべ

55 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/04(木) 10:54:20.73 ID:Z2TvFoMi0

乙！幼女よりも察しが悪いさやかちゃん可愛い……くない！ちゃんといただきますするゆまちゃんﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

56 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/04(木) 10:58:51.71 ID:sqbbJb6DO

乙！とにかく続きが気になる
それと、空気読めなさすぎださやかちゃん…

57 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/04(木) 10:59:45.63 ID:036NvMic0

実に面白い。今後に期待させてもらいます。

いまはお疲れ様でした。

58 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/08/04(木) 11:05:19.37 ID:3rK/cenAO

バカエロ期待乙

59 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/04(木) 11:06:02.98 ID:HMC69XJZo

絶壁＝無乳＝絶望ってことですね分かりますん

60 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]：2011/08/04(木) 11:18:22.95 ID:sI5bVC9AO

>>59

絶壁＝絶望だと！？

…今そっちに栗毛の魔導師と茶髪の超能力者と黒毛ロングの魔法少女向かったからな

61 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/08/04(木) 12:08:00.62 ID:FlYRRuLW0

>>59の家が入り江になってるで

62 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/04(木) 12:24:00.36 ID:iqxF+a00o

世界がまどかの絶壁に包まれるとかご褒美すぎる

63 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/04(木) 12:29:06.82 ID:OeXlpbuPo

>>59
ピンク色の虚無の使い手に通報しました

64 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/08/04(木) 12:44:17.42 ID:MuXinjNAO

うわぁぁぁ誤字だ死にてぇぇぇ。
みんな分かってるだろうけれど、絶壁→絶望ね。

65 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/04(木) 18:46:15.94 ID:qHtITgFio

乙っちまどまど！
キュゥべえまた身篭ってそうやな

66 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/04(木) 19:22:22.27 ID:4zjHPbHto

お疲れ様でした。

67 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 00:49:52.50 ID:MUPo2KIAO

朝に投下したから来ないと思ったら大間違いなんだからね！

進まねぇ投下開始

68 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 00:50:26.90 ID:MUPo2KIAO

――――学校、放課後

さやか「ねぇ恭介、今日これから時間ある？」

上条「なんだい？」

さやか「いやぁ、久々に恭介のバイオリンが聞きたくってさ……」ｴﾍﾍ

上条「そうか……うーん、今日は用事があるからまた今度でいいかい？」

さやか「あ、うんうん、全然良いよ！暇な時でいいからさ」

上条「分かった。僕もいくつか曲を用意しておくよ」ﾆｺ

さやか「楽しみー」ﾆﾍﾗ

69 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 00:51:01.93 ID:MUPo2KIAO

――――放課後

まどか「今日はどうしよっか……パトロールは？」

ほむら「魔女の気配もちらほらあるし……一度帰ってから集まりましょう。マミ」

マミ『分かっているわ』ﾃﾚﾊﾟｼｰ

まどか「うん。じゃあとりあえずは帰ろっか。仁美ちゃーん！一緒に帰るー？」ﾌﾘﾌﾘ

仁美「申し訳ありませんの。私、今日は用事がありまして……」

まどか「あ、なら仕方ないね……ほむらちゃん、帰ろっか？」

ほむら「えぇ」ﾎﾑｯ

70 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 00:51:54.78 ID:MUPo2KIAO

――――帰り道

さやか「おーい！」ﾀﾀﾀｯ

まどか「さやかちゃん？上条君は？」

さやか「今日は用事あるから無理だってさ。でも今度アタシの為に準備してくれるんだってー」ｷｬﾊｰ

杏子「さやか is very リア充……って訳か」ｼｭﾀｯ

さやか「いきなり現れて酷い罵声を浴びせられた気がする」

ほむら「気のせいね」ﾎﾑﾝｯ

さやか「んなアホな」

ゆま「リアじゅーって日本語で何なの？」

杏子「……あぁ、忘れろ。それがいい」

ゆま「？」

71 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 00:53:01.74 ID:MUPo2KIAO

――――増えるー

マミ「待たせたわね……って――」

まどか「あ、マミさん」ｳｪﾋﾋ

ほむら「遅いじゃない」ﾎﾑｯ

さやか「準備万端ですよー！」ｼﾞｬﾝｯ

杏子「ほぅ……このうまい棒（納豆味）、地雷だと思ってたがやるじゃねぇか」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ゆま「……ゆまはダメかも」ﾓｿﾓｿ

キリカ「それでも吐き出さない辺り、お母さんの躾の良さが伺えるねぇ」ﾆﾔﾆﾔ

織莉子「微力ながら、お手伝い致しますわ」ﾍﾟｺﾘ

マミ「……こう見ると凄い人数ね」

ほむら「>>1はこのくらい慣れっこよ」ﾎﾑｯ

マミ「メタらないの。さぁ、行きましょうか。手分けしましょ」

72 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 00:54:48.64 ID:MUPo2KIAO

――――各員単独行動中

まどか「あ、使い魔だ」ｷﾗｯ

まどか「爆っぜろー（棒」ｽﾞﾊﾞｧｧｧｧｧﾝｯ!!

使い魔「――――……」

まどか「ふう。使い魔くらいなら全然余裕、かな」

――――

ほむら「この辺りにはいないみたいね」

ほむら「念のためもう少し探りましょうか」ﾎﾑｯ

――――

杏子「お、使い魔か……」

ゆま「どうするの？」

杏子「普段のアタシなら狩らねぇが……ま、しゃあないよな」ｽﾞﾊﾞｯ

ゆま「えいっ」ﾄﾞｶﾞﾝ!

――――

キリカ「織莉子は大丈夫かなぁ。心配だなぁ」

魔女「」

キリカ「こんな雑魚じゃあ全然盛り上がれないしなぁ」ﾊｧ

――――

織莉子「…………」ﾃｸﾃｸ

織莉子「……暇ね」

――――

マミ「ティロ・フィナーレ！！」ｽﾞﾄﾞﾝｯ!

魔女「――――……」

マミ「ふっ……生まれる前から出直さなきゃ勝てないわよ」

――――さやか

さやか「居ないなぁ……うーん、身体動かしたいんだけどな」ﾃｸﾃｸ

「――――」

さやか「ん？」

上条「――――」

さやか「っ！？」ｶﾞｻｻｯ

さやか「（きょ、恭介！？何でここに――）」ｶｸﾚｯ

仁美「――――」

73 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/05(金) 00:55:05.71 ID:T53U6neQo

仁美はぇぇ

74 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 00:56:23.71 ID:MUPo2KIAO

――――無音

『いくら傷付こうと、いくら手を汚そうとも構わない』

『こんなアタシの、唯一の支え――』

「（――キス、した）」

75 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 00:58:24.12 ID:MUPo2KIAO

仁美「（やっぱり、勇気を出して良かったですわ）」

仁美「（別れる前に見せてくれた笑顔、とても素敵でした……）」ﾎｩ……

「仁美」

仁美「え――あ、さやかさん。こんな所で会うなんて奇遇ですね」

さやか「あぁ、うん。そだね」ｱﾊﾊ

さやか「仁美……ごめんね。見ちゃった」

仁美「――そうですか。機会があれば言おうと思っていたのですけれど、なかなか……恥ずかしいモノでして」ﾃﾚﾃﾚ

さやか「えー、いつから？」ﾆﾔﾆﾔ

仁美「少し前……避難訓練の時くらいからです。もう、人が悪いですよ？」ﾃﾚﾘ

さやか「そっかー……」

さやか「仁美」

さやか「ごめん」

さやか「許さない」

電話のコール音。

さやか「あ、まどか？どしたの？」

さやか「あぁ、こっちには魔女も使い魔もいなかったよ」

さやか「うん、みんな先行ってて。アタシも後から行くから。んじゃ」

赤い青い服。

76 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 00:59:13.17 ID:MUPo2KIAO

――――

ほむら「――っ！？」ｿﾞｸｯ

杏子「――こりゃあ、まさか」

織莉子「魔女の結界の気配……しかも、大きい」

マミ「何ですって、何処！？」

まどか「……さやかちゃんの近くみたいです！行こ、皆！」

ゆま「うんっ！」

キリカ「あぁ、酷い話だ。悲劇だよ恩人。キミの戯曲は愈々カデンツァに差し掛かってしまった」

キリカ「せめて看取ろう。キミが奏でた曲を」

77 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/05(金) 01:00:52.54 ID:MUPo2KIAO

投下終了。誤字は以後気を付けます。かなり。

78 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/08/05(金) 01:05:57.37 ID:75S01qSAO

乙です
さやかちゃん・・・

79 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2011/08/05(金) 01:16:02.87 ID:DSbmMr3bo

さすがは安定のさやかだな、つか仁美何も悪くなくね

80 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 01:16:27.35 ID:iyfIaOcSO

1乙
仁美ザマアア

歩く武器庫…ヘビーアームズか!
と思ったらヘビアムは火薬庫でしたね

81 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2011/08/05(金) 01:18:35.88 ID:rRxM0Hz9o

悪いことしようが良いことしようが不幸は誰にでも平等に訪れる。理由なんてある無しに。
乙

82 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 01:21:19.43 ID:JxKqpU6DO

どこの世界でも青いのはクズだな

83 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/05(金) 01:24:39.88 ID:CWolNPqfo

王の財宝ならぬ、魔女の遺宝って感じか。

今回は「正々堂々、一日だけ待ってやる」が無かったのね。
仁美に非らしい非は無いけど、さやかの行動は女性心理としてはごく普通の事だよな。

84 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 01:26:04.47 ID:mwIBX+SQo

乙
今日抜け駆けするのかと思ったが、とっくに行動済みだったかー…

85 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/05(金) 01:27:14.96 ID:kCBkph+ho

一方にとっての善が他方にとっての善ではないからのぅ…
因果で強くなった魔女さやかをどうするかだな

それにしても杏子ちゃん躾上手いな

86 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/05(金) 01:32:37.24 ID:ThlKJEeu0

乙
これは…やっちゃったのか？
しかし葛藤も無しにそういう事しちゃう子だっけ…？

87 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 01:38:19.96 ID:tyK18Ut40

おぉう、やっちまったな。
すでに崩壊の予兆はあったな。さやかは自分だけ仲間はずれにされているように感じていたのかもしれないし。

88 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/05(金) 01:42:06.70 ID:CWolNPqfo

自覚は多分無いけど、さやかは見返りを求めて願い、対価として人間でなくなった。
親友に奪われる形で求めた物はなくなった、どころか、人間であることを無くした。

失った物が大き過ぎ、しかも得た物は何も無い。
絶望もしますわな。

89 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 01:51:10.73 ID:mwIBX+SQo

おまけにいい流れで依存心高まってる矢先にへし折られりゃな

90 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/05(金) 02:00:33.03 ID:9JJj43h80

・・知っていたなほむら・・。

91 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/05(金) 02:05:26.78 ID:Uw3LcY0s0

新人魔法少女達の中で唯一、支えになる人が居なかったって事か。
織莉キリは互いに、まどかにはほむらが、ゆまには杏子が居たが、さやかには居らず。
さやかには一周分の因果ブーストが掛かっていたけど、どうなる事やら。

そういや、この時間軸でのまどかの願いが何なのか気になるな。
契約のタイミングでもそうだけど、案外大事な伏線だったりするのかな。

92 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 02:07:03.43 ID:DxceQm54o

達観外道ほむらさんに期待

93 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 02:15:38.78 ID:tyK18Ut40

今もっかい読み返して思った。
あれ、ほむらさん、もしかしてそういうことですか？

94 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/05(金) 02:19:35.11 ID:4k/9TO7lo

マミさんで味を占めたか
さすが歴戦のほむほむだけあって倫理観とかが吹っ飛んでますね

95 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/05(金) 02:26:07.37 ID:CWolNPqfo

仮に"そう"なら、戦力増強のみならず、パフォーマンスも兼ねるのかもな。

96 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/05(金) 02:27:27.10 ID:kCBkph+ho

今のさやかに何個必要かねぇ
前のでかなり減っちゃったんだよね？

97 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/05(金) 03:11:22.25 ID:ThlKJEeu0

っていうかGS足りないんじゃなかったっけ？
マミさんの時みたいに行くのか

98 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/05(金) 03:21:20.62 ID:z6KV86mOo

>>31-32の杏子の推察もあるしなあ
救ってほしいところだけど、既に仁美も死んでるからこのループはもう…

99 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 03:38:30.64 ID:mwIBX+SQo

死んだとも限らないがさやかの場合戻れば収拾つくのかと言えば微妙に思えるな

100 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 08:15:03.24 ID:4Y6mKuvIO

上条とわかめキスするくらいの仲なら報告くらいしろよw

101 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/05(金) 08:23:34.30 ID:xPcNeklXo

ほむらの人間らしい心が壊れてるから、今後ワルプル乗り越えてもバッドエンドしか見えない

102 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/08/05(金) 08:56:16.95 ID:WHs0N75Y0

まぁ、いきなり出てきて何しゃしゃり出てんのよっ！この泥棒猫っ！って思ったんだろうなーw

103 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 09:11:57.33 ID:5hE/Fuaro

本編以上にわかめがクソじゃねぇかｗｗｗｗｗｗ

104 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 09:27:35.27 ID:yfvTfloko

平然としてるから仁美も素でバッティング知らなかった可能性もあるぞ
>>45で妙な沈黙してるからばっくれてるだけかもしれないが

105 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/05(金) 10:33:16.59 ID:6iX+/jpAo

乙っちまどまど！

106 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 12:12:44.76 ID:fyjG4m1Xo

この世界のわかめってなんか悪いことしてたっけ？

107 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 12:27:40.87 ID:JxKqpU6DO

どの世界のワカメも悪いことはしてない

108 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 13:01:43.96 ID:QZ4mJR3IO

ただ気持ち悪いだけ

109 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 13:11:06.00 ID:/KPRK9uno

>>1乙
オリキリ襲撃で展開が早まった……ってとこか
正直、青も緑も両方「ざまぁｗｗ」としか思わないな

110 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/05(金) 14:31:33.19 ID:tMERpqBJo

ここでのほむらは「あえて」仁美にはアプローチしてないことがわかる
マミのように半魔女化を踏んでるのかもしれない

ところで俺は仁美より恭介のほうが許せない

111 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/05(金) 14:38:47.00 ID:tMERpqBJo

「さやかの」半魔女化ね
書き忘れた

112 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 16:58:35.59 ID:/yPzCgRDO

前半でも上条に回りくどいアプローチしただけだったが

113 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/05(金) 18:42:47.10 ID:NCr8SvlL0

乙ー
そろそろまどかの武器お披露目か
漢字どんなだろう

114 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 18:55:31.37 ID:X5BWbzgi0

そりゃ出るなら円環しかあるまいて
しかし、続きが気になる･･･

115 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/05(金) 19:03:11.03 ID:1dOQthlK0

>>110
恭介何も悪くなくね
今回はさやかが逃げ腰になってないからやることはやった
以前通り接してるだけで、浮気や二股狙ってるわけでもないだろうし

116 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/05(金) 22:02:38.05 ID:tMERpqBJo

>>115
思えば誰も悪くないんだ
でも俺がさやかの立場だったら恭介を憎むし一生許さないと思う

117 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2011/08/05(金) 22:08:39.52 ID:NvitHWSYo

はぁ、思春期の女の子って怖いね
緑に悪意さえ感じないんだから、末恐ろしいね
ほむらさんがどう出るか、バカな俺にはさっぱりだね
ロクな結末迎えないだろうな
それでもハッピーエンドを信じてる俺は甘いんだろうか
とりあえず乙

118 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 00:03:23.13 ID:t36iRkrIO

仮にさやか半魔女化してもわかめぬっころした時点で…

119 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/06(土) 00:06:33.48 ID:28T08YL8o

濡れる

120 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2011/08/06(土) 06:58:20.00 ID:jpJorxUWo

>>106
本編の周回を見ると分かるが、仁美はさやかが昔っから上条を好きな事を「知っている」。
頻繁に見舞いに行ってた事も知っている。

親友が好意を寄せてるのを知ってて奪うのは悪い事だと思うぞ。
しかも、その悪意は表面的には誰にも分からない。　奸悪とすら言える。
（知りうるとしたらループ組だが、みなそこまで事情を知っていたかどうか）

つーか、さやかが弱ってたら畳みかけて上手くいったら抜け駆けって、かなり小狡いキャラ扱いなんだな。

121 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 07:40:39.95 ID:Se+DdktAO

伸びすぎてて焦った。
レス返したい書き込みも幾つかあるけど、続きを書いた方が早そうだ。

投下開始

122 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 07:43:42.38 ID:Se+DdktAO

――――巨大な結界、ライブハウス

ほむら「（さやかの結界のパターンが違う……しかし早い。切っ掛けは一体――）」

マミ「（……コンサートホールじゃない？）」ｻﾞｯ

杏子「（どういう事だ、オイ……さやかの深層心理が以前と違うって事か？）」

ゆま「――キョーコ、使い魔だよ！」

まどか「仁美ちゃん、そっくり……？」ﾊｯ

ｽﾞﾊﾞｧｯ!

キリカ「ほら、ボッとしてるんじゃないって」ﾁｬｷｯ

まどか「――うん」

織莉子「……？」ｸﾝｯ

織莉子「血の匂いがしますわ……」

キリカ「ホントだ。こっちかな？」ﾀﾀｯ

キリカ「うわ、こりゃ酷い。ハラワタがズタズタだ」ｳﾍｪ

マミ「――まさか」

まどか「……仁美ちゃん？」ﾍﾀｯ

「」

まどか「仁美ちゃんっ！仁美ちゃんっ！！」ﾕｻﾕｻ

杏子「ゆま」

ゆま「…………」ﾌﾙﾌﾙ

杏子「そうか……」

123 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 07:45:12.79 ID:Se+DdktAO

まどか「ひどいよ……こんなのってないよ……」ﾋｯｸﾋｯｸ

ほむら「……まどかと杏子、ゆまは残っていて」ｸﾙｯ

まどか「……ほむらちゃん？」

杏子「――ほむら、一つ良いか？」

ほむら「何かしら？」

杏子「アタシはさ、アンタをそれなりに買ってんだ。出来れば嘘だって言ってほしいんだ」

杏子「さやかを、殺しに行くのか？」

マミ「！！？」

まどか「――？」

ほむら「…………」

ほむら「…………」

ほむら「……えぇ」

杏子「て、め、え」ｸﾞｲｨｯ!!

ほむら「……苦しいわ」ｸﾞｸﾞ……

杏子「お前、ふざけてんじゃねぇぞ！！さやかはな、さやかは――」

ほむら「そこに転がってる人間を死体にしたわね」

まどか「えっ――」

杏子「……遅かれ早かれこうなるのは分かってましたってか？澄ました顔でよくも――」

ほむら「へぇ」

ほむら「離して」

杏子「よくもお前は――」

ほむら「――離せと言っているのよ！！」ﾊﾞｷｨｯ!

杏子「――ってぇな、ぅわ」ﾌﾜ

ほむら「…………」ｷﾞﾘｷﾞﾘ……

キリカ「ひゅー、片手か。見た目によらず力持ちだねぇ」

124 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 07:46:13.86 ID:Se+DdktAO

ゆま「や、やめてよっ」

杏子「こ、この……」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀｯ

ほむら「なら問うわ。貴女にさやかが救えるの？」

杏子「そ、それは……」

ほむら「力も無い癖に、吠えるものじゃないわ……」ﾊﾟｯ

杏子「ぐっ……でも、でもそれじゃあ……」ﾄﾞｻｯ

まどか「…………」

杏子「……みんな報われないじゃないか！」ﾄﾞﾝｯ

ほむら「皆を助ける為に、私は戦っているわ」

ほむら「嘘じゃない」

杏子「遠すぎるんだよ、ほむら……」

ほむら「私にとっては、とても短く感じるわ」

杏子「……アタシは、信じていいのか？ほむらを信用して、アタシは生きられるのか？」

ほむら「えぇ。ここで貴女を失うなんて愚は犯さない」

ほむら「……さて、まどか達には説明しておこうかしら」

125 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 07:47:06.43 ID:Se+DdktAO

――――

まどか「仁美ちゃんが、上条君と……？」

まどか「それだけ？それだけなんて……信じられないよっ！！」

キリカ「――あぁそうか。なるほど合点がいったぞ。なかなかどうして、恩人も愛の本質に近付いたようだね」

杏子「……おい、何か知ってるのか？」

キリカ「いやなに、この間ご一緒した時に愛について語り合ったのさ」

キリカ「恩人もようやく誰かの為に、全てを投げ出す覚悟が出来たようだ――」

――――

キリカ「――といった事を恩人と話していたよ」

マミ「――なんて事。それじゃあ美樹さんは……」

杏子「ちっ、アタシがもう少し早く起きてりゃ防げた話だっていうのか、これは……」ｷﾞﾘｯ

キリカ「恩人の行動は間違ってはないと思うよ。ただ、正解かと言われれば怪しいがね」

杏子「……もうとやかくは言わねぇ。言わねぇが、黙れ」

織莉子「……この結界は広い。とりあえず、今は状況打破が先決だと思いますわ」

ほむら「えぇ、散りましょう。魔女の気配が薄い――もしかしたら、まだ魔女に成りきっていないかもしれないから、早く見つけましょう」

126 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 07:47:56.45 ID:Se+DdktAO

――――まどか、杏子。ゆま

まどか「……どうして、こんな事になったのかな」ｸﾞｽｸﾞｽ

杏子「…………」

ゆま「キョーコ」

杏子「――何だ？」

ゆま「行ってきなよ。ゆまはまどかお姉ちゃんとここにいるよ」

杏子「……本当に、よく出来た娘だ」

ゆま「でも、約束。必ず帰ってきてね？」

杏子「あぁ、約束だ」ﾀﾞﾝｯ!

ゆま「……まどかお姉ちゃん、その人……無理かもしれないけれど、治してみようか？」

まどか「――出来るの！？」

ゆま「からだは治ると思う……けど、からだが治ったからって全部元通りにはならないよ」

ゆま「私たちの一番大切な部分は、心なの。心は無くなったら治せない……」

ゆま「きっと、さやかお姉ちゃんも心をケガしちゃったんだと思う」

ゆま「まどかお姉ちゃんはどうするの？」

まどか「…………」

「」

まどか「……仁美ちゃんなら、何て言うんだろう」

ゆま「仁美お姉ちゃんを、外に運ぶ？」

まどか「……うん」

127 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 07:51:01.63 ID:Se+DdktAO

――――さやかの結界、広大

ほむら「広い……因果が集中しているからと言っても、これは凄まじいわ……」

ほむら「それに……」

ほむらは拳銃を構えて、使い魔の群れの中に降り立った。
それらが一斉にほむらを認識し、こちらへ襲いかかる。

使い魔「――――」

ほむら「不快……そして多い」

銃を乱射し、翻って手榴弾を投げる。
懐かしい戦い方だった。

――――

織莉子「……ダメね、未来が見えない」

織莉子「いや、既に美樹さやかは美樹さやかで無いとしたら……」

ケタケタと、笑い声が聞こえた。
使い魔が回りを囲んで踊っている。

張り付けた様な笑顔と、軽快なステップ。

織莉子「……貴女に、私たちの様な恋愛は無理だったのよ」

光弾が、それらを順番に撃ち抜いて行った。

128 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 07:51:38.40 ID:Se+DdktAO

――――

マミ「――退きなさい！」

マミのガントレットは鈍く輝き、手にしたマスケット銃は敵を撃つ。

いや、そもそも敵なのだろうか。

マミの行った先は、特に使い魔が多かった。

マミ「この物量……美樹さんはこの先にいるの？」

使い魔の数は、目算でも凡そ50を軽く超えていた。

マミ「くっ……」

マミの翼が解き放たれ、使い魔らを縦横無尽に撃ち貫く。
孤軍奮闘極まりない、その姿。

マミ「一人になんてさせない……待っていて、美樹さん」

――――

杏子「くっそ、出遅れた……使い魔が大分やられてるな」

杏子は回りを見回す。
毒々しい色のライブハウスの壁、そしてギラギラとしたミラーボールの光が視界を侵した。

杏子「……さやか、今行く。今行くからな」

129 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 07:51:40.68 ID:0tXniLjWo

本編の仁美の心理描写が少ないからなんとも言えないけど、仁美はそこまでさやかの心理状態を把握してないだろうしただタイミングが悪かっただけじゃないかな
以前から上条のことが好きだったけど、親友のさやかも上条のことが好きなのは見ればわかる
親友と自分の思いのどちらを選ぶかその二律相反に苦しみながらも、さやかの出方を待っている状態
でもさやかが一向に行動を起こさずなんだか煮え切らないので、自分の手で決着を付けようとしたんだよ
さやかには猶予がたっぷりあったわけだし、事前通告だってするもしないも自由だろ
つまり仁美は悪くない！ひとみちゃんマジわかめ！

130 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 07:52:40.78 ID:Se+DdktAO

――――そして深部。

キリカ「――よっ、と。なかなかハードだ。使い魔が多い……む」

キリカは深く潜ったその先で、使い魔では無いモノを見つけた。
噴水の縁に座り込んで項垂れているのは、彼女の恩人とやらによく似ていて。

キリカはそれに歩み寄った。

キリカ「……やぁ恩人。隣、良いかい？」

さやか「……アンタ、か」

キリカ「お邪魔するよ」

ゆっくりと腰かける。

さやかは顔を上げる事も無く、反応は薄い。

キリカ「大した結界だ。なかなかに引っ張られているようだね」

さやか「……アタシさ」

キリカ「……何かな？」

さやか「アンタの話聞いてさ、羨ましかった」

さやか「アンタは互いに分かり合えてた」

さやか「アタシも、恭介が生きていて、アタシがいて」

さやか「恭介がバイオリンを弾いて、それをアタシが聞いてさ」

さやか「それだけでも、アタシは戦っていけるくらい幸せだった」

さやか「幸せだと思ってた」

さやか「でもさ。恭介と仁美が二人で笑ってるのを見てさ、『あぁ、ダメだ』って思ってさ」

さやか「殺しちゃった」

131 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 08:04:59.24 ID:Se+DdktAO

キリカ「（……恩人を変えてしまったのは、私なのか……？）」

キリカ「（だとしても、なら、どうすれば恩人は報われたんだ？）」

キリカ「……愛は難しいね」

さやか「でもね、何でなんだろ？」

さやかの足元に、水滴が幾つも落ちる。

さやか「これで良い筈なのに、涙が溢れて止まらないの」

キリカ「――恩人、キミは」

破裂音と、ついで聞こえる着地音。

佐倉杏子がいち早くさやかの場所へと辿り着いた証だった。

杏子「――さやか！……良かった、まだ無事か……」

キリカ『いや、大分不安定だ。マズイよ』

テレパシーが杏子の頭の中で響く。

杏子「……さやか、迎えに来たぜ。みんな心配してる……帰ろう？」

手を差し伸べても、俯いた彼女には見えなくて。

届かない。
僅かな距離が、果てしなく遠い。

さやか「杏子、アタシどうしちゃったんだろう」

さやか「アンタなら分かる？」

杏子「（泣いてる……のか？）」

杏子の背筋を、薄ら寒いモノが駆け抜ける。

今、この瞬間に、かけがえのないモノが失われようとしていた。

132 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 08:05:36.45 ID:Se+DdktAO

さやか「アタシ、正義の、味方になりた、かったのに」

さやか「どうして、こうなっちゃった、んだろ」

杏子「お、おいさやか！！しっかりしろ、さやか！」

キリカ「――恩人」

キリカは重い腰を上げ、さやかから距離を取った。
キリカ自身にも良く分かる。
魔女に成りつつあるその様子が、手に取る様に伝わってきた。

さやか「仁美、殺しちゃった」

さやか「友達だった、のに。親友、だったのに」

震えと、涙が止まらない。

さやか「わけ、わかん、ない。アタシ、もうわけわかんないよ」

杏子「大丈夫だ、大丈夫だから！」

杏子がさやかを優しく抱きしめる。
抱きしめたはずなのに、不思議と手応えが無くて。

杏子も泣いていた。

誰だ。

さやかを泣かしたのは誰なんだ。

こんな世界を、誰か塗り替えてくれよ――

さやか「誰か、アタシを見つけて――」

さやか「誰か、アタシを愛して――！」

さやかのソウルジェムが、砕けた。

杏子「さやか、さやかぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！」

キリカ「くっ――」

133 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 08:07:55.04 ID:Se+DdktAO

そうか。さやかは――

なぁ、もしさ。

もしも、もう一度会えたら。

その時は、きっと言うよ。

さやかをずっと見てる。
さやかを支えてやる。

一緒にいよう、って。

134 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 08:08:36.80 ID:Se+DdktAO

――――人魚の魔女、降誕。

キリカ「……恩人は結局、誰かの特別になりたかっただけなんだね」

杏子「さやか……ちくしょう、ちくしょぉぉぉぉぉぉ！！」

魔女「――――」

使い魔「――――」

魔女と使い魔たちが二人に襲いかかる。
が、上空から放たれた射撃がその攻撃を阻んだ。

キリカ「おや、遅い御出座しだ」

ほむら「……」

マミ「美樹さん……っ」

織莉子「……キリカ」

キリカ「分かってるよ織莉子。ほむら、どうするのか一応聞こう」

ほむらは迷い無く答えた。

ほむら「こうなってしまっては助ける事は出来ない……少なくとも今は」

マミ「くっ……グリーフシードがあれば――」

マミ「（――グリーフシード？グリーフシードがたくさんあれば――）」

キリカ「オーケー、理解した」

キリカの爪が倍に増える。

杏子「おい、待ってくれ――」

キリカ「悔やめ。愛とは取り替えしがつかないんだ」

キリカ「――せめて私が刻もう、恩人」

135 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 08:09:04.93 ID:Se+DdktAO

――――まどか

まどか「大きい気配――さやかちゃん！」

走るまどかを、声が引き留める。

QB「さやかを助けるのかい、まどか」

白髪の少女が、引き留める。

まどか「キュゥべえ……」

QB「キミなら出来るだろう。キミの願いは『美樹さやかを助けたい』だったからね」

まどか「ホント！？」

QB「あぁ。きっとキミなら因果すら凌駕して奇跡を起こせるよ」

QB「ボクもキミが奇跡を起こす瞬間に興味がある。着いていかせてくれないか？」

まどか「うん、掴まって！」

QB「（魔女が再び人に戻ると言うなら……）」

『ベアトリクス殿……拙者は、何かを成し遂げられたのだろうか――』

QB「（それは、とても――くぅ、頭が、痛い）」

QB「ボクは、何かを思い出せるのかもしれない――」

136 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 08:10:25.25 ID:Se+DdktAO

――――魔女、敵対

杏子「さやか……」

ほむら「マミ、杏子を連れて後衛へ回って」

マミは無言で頷いた。
杏子の戦意は、最初から無いし、再び湧き上がりもしない。

キリカ「さて、使い魔ども。愉快に素敵にダンスパーリィと洒落込もうじゃないか！」

キリカが使い魔たちを切り裂き、残骸を次々と積み上げていく。
そこに魔女の打ち出した、車輪とも歯車とも見分けがつかない、ソレが襲い掛かってきた。

使い魔ごと薙ぎ払うソレを受け止めきれず、キリカの身体は吹っ飛んでしまう。

キリカ「――重い！」

織莉子「キリカ！」

体制を崩したキリカを守るように、光の球が使い魔を撃ち抜き、歯車を破壊していった。

ほむらの白い翼が、左肩に生える。

ほむら「（まどかが来ている……何とかして、来る前に終わらせる）」

ほむら「『カリバーン』……悪いけれど、一気に行くわよ！」

ほむらは魔力が凝縮された宝剣を構え、魔女に上段から叩き付けた。

魔女は自らの右手に持っていた剣で、それを――受け止める。

ほむら「なっ――がっ！？」

一瞬驚いたツケが、即座に回ってきた。
魔女の背後から放たれた車輪が、ほむらの腹部に深く沈み込む。

137 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 08:11:30.46 ID:Se+DdktAO

マミ「暁美さん！？――このぉっ！」

マミの的確な射撃によって、追撃は免れたが、ほむらのダメージは大きい。

マミ「やった――え、何！？」

魔女「――――」

マミの頭の中に、声無き声が聞こえる。
それはまるで呼んでいるようで――

マミ「ひ、う、あ――アア」

マミのガントレットが身体を侵食し始める。
巴マミと言う器が、徐々に魔女の身体に変わっていった。

キリカ「ぐ、あぁ――クハッ」

キリカにも、同じ現象が起こっていた。
魔女に成りつつあるモノを、引き摺りこんでいるのだろうか。

ほむら「マズい――」

ほむらは時を止めて二人のソウルジェムをもぎ取り、大きく距離を取った。

時を動かすと、二人の変身が解けて、そして死ぬ。

織莉子「暁美ほむら、早く！」

ほむら「分かっているわ！」

ほむらが圏内に戻ると、程なくして二人が目覚めた。
ソウルジェムを返す。

マミ「……危なかったわ」

キリカ「余り魔女の力を使わない方が良いみたいだ。うっかりシルクハットに呑まれるところだったよ」

138 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 08:13:11.29 ID:Se+DdktAO

魔女「――――」

ほむら「なるほど、一筋縄では行かないって訳ね……キリカ」

キリカ「ほい、時間遅延だ。ようやくだよ」

ほむら「ご苦労さま」

ほむらは真っ黒な自分のソウルジェムにグリーフシードを一つ当てた。
穢れが浄化されていく。

ほむら「――4096倍、9192倍、18384倍、36768倍」

グリーフシードをソウルジェムに。

ほむら「――73536倍、147072倍！」

ほむらの盾が高い金属音を発てて、魔女の周囲を幾千もの武器が囲う。
一つ一つが必殺の威力を持つそれらが、ほむらの合図で魔女に向かって飛散した。

キリカ「うわ……」

織莉子「くっ……」

それは、戦いと言うには余りに一方的で。

殺し合いと言うには余りに凶暴過ぎた。

杏子「止めろ――止めてくれほむらぁぁ！！」

ほむら「貴女は、ゆまを置いていくの？」

杏子「！」

ほむら「なら、一緒に死んでやるなんて、考えないで」

マミ「……これも、仕方ないの――？」

ほむらが魔女を見て、全ての武器が攻撃を終える。
後に残ったのは、針鼠の様になった魔女と――

まどか「そん、な」

間に合わなかった魔法少女だけだった。

139 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/06(土) 08:14:05.17 ID:Se+DdktAO

とりあえず投下終了ー。

140 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 08:37:44.15 ID:SnIG0DsDO

２の乗数にしては数がおかしいと思ったら
2^13が8192じゃなく9192になってる

141 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/06(土) 08:45:55.74 ID:E1eswDGro

乙っちまどまど
ほむらはこの周もまどかに恨まれそうだな

142 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 09:09:59.14 ID:xz+UCQ4Eo

おつ
なんか杏子一人で盛り上がってんな

しかし恋敵[ﾋﾟｰｰｰ]って発想には至るのに奪い返すって発想には至らないものか

143 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/06(土) 09:18:17.67 ID:z+0WvenNo

お疲れ様でした。

144 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 10:04:21.90 ID:hiyV31mho

このままほとんどのメンバーが魔女化を獲得してインフレが加速することになるのか

145 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 10:12:20.98 ID:Ver4K5mqo

>>1乙

>>129
それはあるよな
アニメとしてさやかのほうにスポットがあたるから仁美よりさやかに憐憫がむきやすいだけで、さやかは幼馴染っていう関係にあぐらかいてただけだからな
行動しなかったさやかが悪い

146 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]：2011/08/06(土) 10:53:14.01 ID:Se+DdktAO

>>140
恥ずかしい……脳内保管お願い……

147 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 11:11:56.50 ID:Pt5G+0mIO

さやかの結界がコンサートホールからライブハウスに変わった理由って結局何？というかオクタビィア退場早すぎる。第二形態とかあるのかな？

148 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 11:29:48.13 ID:5wq0xmSIO

あぐら………？

149 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/08/06(土) 12:44:56.00 ID:HFA7fp2AO

キリカはさやかのことどう思ったんだろう
「独りよがりだ」と一蹴するのだろうか

150 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/06(土) 12:45:32.82 ID:g7IraZNp0

乙。ライブハウスって事は、ループ３周目と似た状況なのかな

>>148
付かず離れずの関係に甘んじていたって事じゃないの？

151 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 12:58:55.01 ID:uhJK55HIO

>>149
>>131

152 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/06(土) 13:02:20.77 ID:EgwooofZo

仁美は「振られて二度と以前と同じように付き合えないかもしれない」リスクを覚悟して告白したんや。
同じリスクを負わんかったさやかより成功時のリターンは多くて当然やろ

153 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/06(土) 13:06:34.83 ID:HYnQ89GGo

>>149
どっちかというと、無償の愛でなかったことに対する失望なんじゃ

154 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 15:50:12.25 ID:VaWumj9Oo

>>148
何も行動せず指くわえて見てたって言い回しな

俺は振り向いてくれない絶望だとコンサートで
ワカメに寝取られた絶望だとライブハウスって思ってる

155 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/06(土) 16:18:49.08 ID:oksdkBRCo

原因や過程はどうあれ
目の前でズキュゥゥゥゥン！！されたらきついわな

156 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/06(土) 17:13:23.98 ID:8m3V1mLNo

八つ当たりした恭介は最悪
仁美は黙ってコソコソたち悪いけど別に悪くない
さやかは周りに八つ当たりさえしなければ別に悪くなかった

157 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 18:59:32.14 ID:+TpuUu9IO

乙っちまどまど！

158 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 19:10:45.43 ID:hg/C6gx9o

>>156
お前はすごい聖人君子なんだな

159 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/06(土) 19:18:49.82 ID:Lmxs5+Qfo

>>156
三人とも悪くない、介入できる人がいなかったのが悪いんだ・・・
人魚姫の絵本に侵入して無理やりハッピーエンドにしたドラちゃんみたいのがな・・・

160 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 21:27:35.31 ID:wrt/b1Awo

八つ当たり否定すると杏子が一番ひどいがな
一家心中以来ずっと世間に八つ当たりしてたようなものだし

161 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2011/08/06(土) 21:35:19.78 ID:jpJorxUWo

誰も悪くないって意見はちょっとなぁ。
みんなそれぞれ悪いところはあったろ。（さやかですら）

誰も引き起こした結果ほどは悪くないってんなら分かるが。

162 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/06(土) 21:47:52.61 ID:HYnQ89GGo

本人本位での第三者視点で見ると杏子はまあまあ報われたほうなんだと思う
つり銭は取り戻せてたみたいだし
そうするとつり銭を取り戻さず自分で落ち込み続けたさやかが一番不憫

163 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/06(土) 21:55:16.78 ID:bSymba690

杏子・・やはり、いい奴だな。ここまでしても、まだほむらを信じている・・。
一度信じたら、本当に裏切られたと確信するまで、自分の方からは決して裏切らない。何度繰り返しても、こいつの強さは変わることがないか・・・。

164 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 21:57:44.13 ID:wrt/b1Awo

>>162
杏子可哀想って言ってるわけじゃなくて>>156にだからね俺のは

165 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 22:14:59.57 ID:Jyo+idZvo

　杏子「男と女のラヴゲーム」

166 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 22:17:24.48 ID:Jyo+idZvo

ごめん、訳のわからない誤爆した
男女の恋愛がらみだと本当に安定してるな、さやかは
あんなつまらない男のどこがいいんだか

167 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/06(土) 23:08:23.86 ID:XUDI/eADO

さやかと上条には当人らにしか分からない10年ものの積み重ねがあるからなぁ

168 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/06(土) 23:20:49.50 ID:28T08YL8o

さやかはそれに気付くきっかけがあった
上条は気付くほど心に余裕が無かった

そして退院して心が緩んだ時に来た美少女が仁美

169 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/07(日) 00:16:18.07 ID:acP6GkiSo

仁美はわるくないだろう
恥ずかしがって、むきあわなかったさやかが馬鹿なだけ
恋愛なんて行動した者勝ちなんだし

170 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/07(日) 00:21:47.17 ID:CvyAc2DBo

>>169
仁美が悪いとか良いとかそんな単純な話で収まったら恋愛なんて苦労しねーよ
さやかからの主観だと魔法少女が絡んだ人魚姫な話に、仁美からの主観だと理由は
分からないが躊躇してる友人より胸の高鳴りを優先。

二元論で語れるもんじゃない

171 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/07(日) 00:23:29.38 ID:Dj+69k3ho

さやかに関しては魔法少女関連の話が無ければ違った結果になっただろうにな
もしかしたら告白できたかもしれないし、できずに失恋したとしてもそれで死ぬことは絶対無い

172 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/07(日) 00:27:19.64 ID:acP6GkiSo

二元論でいってるつもりじゃなかったんだけどな

まぁ、友達と好きな相手が被るのはきついものがあるな

173 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/07(日) 00:28:06.46 ID:Xj6w/YHko

手が治らなかった上条ねえ・・・大変だなさやかも

174 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/07(日) 00:29:25.96 ID:dSO2M9lIO

ばかとかわるいとか思いっきりそれじゃないですかぁー

175 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/07(日) 00:32:50.63 ID:dj1cbnAEo

普通なら、幼馴染のくせにうじうじしてたら先を越されて失恋乙
で済む話だけど、さやかの場合は自分がまともな人間じゃなくなってるショックと
二重に来たからな

176 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/07(日) 00:40:42.95 ID:acP6GkiSo

わるくないだろって、言ってるんだけど
だから仁美は責められることはしてないだろ？
さやかは、簡単な話じゃないけど、客観的にみるとバカだろ
好きな男と仲良いのに、後から男に惚れた奴にタイミングが良かったからか、いいとことられて
高校生ならもうちょっと恋愛に対する恥ずかしいって感情はないだろ、中学生までかね
まぁ、俺が個人的にさやかが嫌いなんどけどな

177 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/07(日) 00:43:21.66 ID:CvyAc2DBo

だからなぜ恋愛で客観に拘るのかと
あとキャラが嫌いならここで主張しないでアンチスレでどうぞ

178 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/07(日) 00:43:30.97 ID:UE1OaA0so

さやかさんは中学２年生だったかと・・・・・・・。

179 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/07(日) 00:44:38.89 ID:acP6GkiSo

あれ、高校生だと思ってたわwww

180 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/07(日) 00:46:03.59 ID:dSO2M9lIO

そうか、もう夏だったか……

181 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/07(日) 00:47:50.62 ID:Dj+69k3ho

さやかの場合、告白するのが恥ずかしいってよりも上条と一緒にいられる現状にそれなりに満足してたから告白にまで至らなかっただけじゃないかな
漠然と今の関係が続くと無意識的に思っていたとか…上条が居る状況が当たり前になってたんじゃないの

182 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/07(日) 00:50:07.72 ID:+eiXQ6LIO

>>181
えっと、本編でさやかが上条を幼馴染から「男性」として意識し始めてそれなりにアプローチ掛けてたの、ちゃんと見てたか……？

183 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/08/07(日) 01:08:29.83 ID:NQQXGm8i0

おまいら…雑談だけでこんなにって…

184 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/07(日) 01:12:22.79 ID:Xj6w/YHko

４３レスか・・・みんな真剣だね
よしここは上条君がいなかっぺ大将のように両方と結ばれればだなぁ・・・

185 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/07(日) 01:19:59.55 ID:jmP8XcXXo

恭介性転換で解決でいいよもう
こんな七面倒なことになるなら男はおらんでいい
中澤もついでに女にしてしまえ

186 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/07(日) 01:27:45.16 ID:dj1cbnAEo

ほむほむの病みぶりを見ると
女同士でも全然安心できないって言うかむしろ不安なんだが

187 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/07(日) 01:27:51.11 ID:YnvXqT75o

こうなるだけだったりして
ttp://www.uproda.net/down/uproda325943.png

188 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/07(日) 01:30:47.88 ID:jmP8XcXXo

>>187
女　　体　　化　　決　　定

189 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/07(日) 01:31:07.29 ID:CvyAc2DBo

>>187
こんな高慢そうな奴は俺が責任もって引き受けましょう

190 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/07(日) 01:33:10.65 ID:jmP8XcXXo

>>186
仁美→さやかにならないこともないかもしれない

191 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/07(日) 01:35:24.47 ID:DIFGzK6j0

まあ正直、誰が悪いわけでも悪くないわけでもないからなあ
さやか仁美恭介の話に限らずまどか全体に言えることだけど、誰が何が悪いって簡単に言ってしまえる話じゃないから難しいんだろ
だからこそ本編が終わった後もこんなにif系二次創作が多いんだろうし

192 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/07(日) 01:37:12.80 ID:R1Opzlb4o

スレ埋め終了

193 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/07(日) 07:47:04.19 ID:9mlD0Lmxo

なんて気持ち悪すぎる流れ

194 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/07(日) 11:45:08.08 ID:yKienQc+0

乙つくんだ。「素数」を数えて乙つくんだ。・・うろたえないッ！！作者を信じてうろたえないッ！！

195 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) ：2011/08/07(日) 14:58:36.15 ID:DyiDqrlAO

>>194
お前がお茶漬け

196 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/07(日) 15:21:56.03 ID:GGhUZljN0

　　あ…ありのまま今　起こった事を話すぜ！
『おれはss談義スレを見ていると思ったらいつのまにかキュべレイスレだった』
催（ry

197 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/07(日) 15:22:21.16 ID:CvyAc2DBo

誤爆？

198 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/07(日) 15:32:55.90 ID:/SrKsESCo

SS談義スレみたいな流れだってことだろ

199 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/07(日) 17:13:20.71 ID:AzyoaC9DO

しかしこのU１系SSまだ続いてたんだな

200 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) ：2011/08/08(月) 11:26:42.47 ID:mc/dAdcAO

二百ゲット

201 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/08(月) 11:38:12.87 ID:hYtnwOdIO

伸びてるから作者来てたのかと思ったらお前ら…

202 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/08(月) 11:48:21.75 ID:DzzKiM+90

上がってるから投下来てたのかと思ったら>>201･･･

203 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]：2011/08/08(月) 11:58:09.40 ID:RvSfLu+vo

いや、それは>>201の所為じゃないだろｗｗ

204 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/08/08(月) 12:46:03.17 ID:IzbjFpTW0

どっちにせよ自重しろよ

205 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/08(月) 13:41:04.14 ID:TRezIDnAO

雑談はほどほどに

206 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/08(月) 18:26:24.38 ID:PASZHxCDO

SSスレなのに考察したり、自分の恋愛観語ったり、いくら夏でもひどすぎるだろ

207 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 02:47:12.01 ID:vNeBMNDSO

夏ってよりニコニコみたいな厨多すぎ
原作って言ってる奴もほむほむの時間移動の範囲が1ヶ月って事無視してんだから黙れそれとageんなsageろks
1乙

208 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:47:49.54 ID:+Vd1mH2AO

200って……凄いなぁ。
これは夏だからなのか普通に面白いからなのか。これってトリビアになりませんか？
>>199
ほむらがもうちょっとU1ならこの話さっさと終わるんだけどね。ごめんね残ってて。

さやかちゃん強すぎなんだけど。投下再開。

209 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:49:09.07 ID:+Vd1mH2AO

――――

まどか「ほむらちゃん……その、魔女は？」

鹿目まどかは震えていた。
可能性が無くなってしまったなどと、信じたくはないのだ。

ほむら「かつて美樹さやかだったモノよ」

だがほむらは気休めなど与えない。
そんな行為に、何の意味も無いと知っているから。

まどか「嘘」

まどか「嘘だよ」

まどか「だって私の願いは――さやかちゃんを守る事だもん」

まどかが手を合わせ、目を瞑り、静かに祈りだす。

さやかが癒える様に、さやかが帰ってくるように。

しかし、いくら願おうとさやかは魔女になってしまっているのだ。

まどかのソウルジェムが静かに濁りだす。

ほむら「――まどか、止めなさい！！貴女まで魔女になってしまったら――」

まどか「離して、離してよほむらちゃんっ！」

ほむら「まど――」

ほむらがまどかの名前を最後まで呼べず、二人は剣で腹部を串刺しにされた。

210 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:49:50.16 ID:+Vd1mH2AO

ほむら「――ふふっ……まだ、動ける、のね」

まどか「あ、あ、いたい。さやかちゃん……？」

『さやか』の傷は癒えていた。

ほむらが全力を込めて放った武具の嵐も、全てが水泡に帰してしまう。

マミ「蘇った……！？」

キリカ「ほむら！」

キリカが魔女を切り裂こうと爪を振るい、魔女はそれに向かって歯車を飛ばす。
歯車を切り刻んで、未だ二人を突き刺している剣に向かって両腕を強く振りかぶる。

爪が一気に増えた。

キリカ「一手で十手だ、砕けろ！」

剣が半ばから粉々になって、消える。
当然、刺さっていた二人はそのまま地面に向かって落ちた。

211 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:50:37.22 ID:+Vd1mH2AO

マミ「暁美さん！」

ゆま「まどかお姉ちゃん！」

マミと、物陰から飛び出してきたゆまが二人を抱き止めた。

杏子「ゆま！？」

ゆま「仁美お姉ちゃんなら大丈夫。誰も近寄らないように魔法を掛けてあるよ」

まどかは剣の一撃で気を失っていた。
普段から圧倒的な強さで敵を寄せ付けない分、痛みには弱いのだろう。

ほむらが腹を抱えながらも立ち上がる。
翼が、くすんでいた。

ほむら「ゆま……治癒を。アレ、私じゃなきゃ、ヤバいわよ……」

ゆま「しっかり、ほむらお姉ちゃん。まかせて」

ほむら「さやか、を――」

「っ」

212 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:51:30.38 ID:+Vd1mH2AO

ゆまが二人を横にならせ、淡い光で包んだ。
少しずつ、傷が癒えていく。

車輪が、そこに投げこまれた。

ゆま「キョーコ」

杏子「っ」

ゆま「がんばって」

項垂れていた杏子の目に、ほんの僅かでしかないが光が灯る。
杏子は魔法壁を展開して、ゆまとほむらを車輪から守った。

織莉子「さて、如何いたしましょうか」

杏子「さやか……一緒に居てやれないけれど、ならせめてこの手で……」

キリカ「なぁ暁美ほむら。別に、倒してしまっても構わないんだろう？」

マミ「……ごめんなさい」

魔法少女が四人、人魚の魔女の前に立ち塞がる。

暁美ほむら抜きで、二度目の会瀬が始まった。

213 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:52:43.06 ID:+Vd1mH2AO

――――さやか、ソロライブ

魔女「――――」

杏子「くっ、歯車が多い……」

杏子が歯車の波に翻弄されて、体制を崩した。
そこを織莉子の光球が素早く援護する。
命中するべき歯車は全て爆散した。

織莉子「畳み掛けましょう、巴マミ！」

マミ「分かってるわ！」

マミのリボンが人魚の身体を縛り付ける。
身動きが取れずに、魔女はもがいていた。

マミの両腕にガントレットが装着され、マスケットの翼が生え――それらが全て前へと口を向けた。

両手には短いマスケット。
そして前方に大砲。

マミ「――ティロ・フィナーレ！」

それら全てを一斉に発射し、射線は硝煙で煌めいた。

しかし、それを受けて尚怯まない魔女。使い魔を壁にしている。

リボンを力ずくで引き千切り、マミに腕を伸ばした。
キリカがその腕を叩き斬る。
断面から溢れた黒とも蒼とも見分けが付かぬ液体が、彼女の衣を穢した。

魔女の腕は地に墜ちて消えて、再び生え替わる。

214 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:56:43.29 ID:+Vd1mH2AO

キリカ「……恩人、富士山を眺めている気分だよ。あんまり本気を出し過ぎるのも、私たちとしては困ってしまう」

ほむら『その魔女はかつて美樹さやかだったのよ、再生力は凄まじいわ』

ほむらからテレパシーが全員に響く。

ほむら『倒すには、再生させる余裕を与えない、致命的な一撃を与える必要がある……』

ゆま「無理しないで……治るのが遅くなっちゃう」

ほむらの口からは絶えず血が吐き出されていて、ほむらの髪の毛を紅黒く染めていた。

それに比べて、まどかの傷は既に完治していた。
突き刺される寸前に、ほむらによって守られていたのが生きたのだろう。

杏子「しかし、アタシらがほむら並みの火力を出そうと思ったら……命懸けだぞ」

杏子は魔法壁で歯車を弾き返しながら、槍で切りかかっている。
が、切った側から回復されてしまっていた。

215 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:57:29.44 ID:+Vd1mH2AO

キリカ「なら暁美ほむらが完治するまで時間を稼げばいいだけだろう。それに」

キリカはマミに目線を向ける。
「やれるだろう？」と言わんばかりのそれに、マミは首を縦に振った。

キリカ「半魔女化できる私たちなら、その火力を叩き出す事も不可能じゃない」

魔女が歯車を飛ばしてくるが、着弾を予知した織莉子が一切の無駄無く迎撃する。

織莉子「そして二人の一撃は同時であれば尚良い……」

キリカ「所詮戦闘に於いて思考をしない魔女さ。単純な策だが、聞くかい？」

杏子とマミが不思議そうな顔をして、キリカを見た。

キリカ「……なんだい？私だって頭を使うさ。見掛けによらず、キミ達は失礼だ」

216 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:58:08.56 ID:+Vd1mH2AO

キリカ「まぁいい。織莉子は完全に後衛だ。私たちに当たりそうな車輪を弾き飛ばしてくれないか？」

織莉子が黙って頷く。

キリカ「佐倉杏子は私と前衛に回ろう。私が隙を作るから、キミはその鎖で魔女を雁字搦めにしてくれ」

杏子が真剣な顔つきで頷いた。

キリカ「まぁ数秒動きを止められるのが限界だろうけれど、そこを後衛の巴マミのリボンで再び足止めする」

キリカ「そのタイミングで私が仕掛ける。巴マミは私が射線から退いた瞬間に撃てば良い」

キリカ「巴マミの……ティロフィナーレだっけ。それを当てる為の隙を、私の一撃が作る。二段構えって訳さ」

マミが射撃で使い魔を牽制しながら、小さく首肯する。

キリカ「これで折れないなら恩人も大したモノだ。暁美ほむらに任せよう……さぁ」

行くよ、の言葉は無かった。
魔女の剣が、降ってきたから。

217 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 02:59:26.84 ID:+Vd1mH2AO

咄嗟に散った魔法少女達は、素早く動き出した。

先ずは、前衛二人の接敵。

杏子「――ふっ！」

歯車の雨を突き進む二人。
背後からの的確な援護が、それに迅速さを与えていた。

キリカ「へいへいピッチャービビって、るぅっ！！」

キリカの斬撃が、魔女の腕を数瞬傷付ける。
すぐに癒えるそれも、積み重ねれば隙に成り得るのだ。

織莉子「（失敗は即ちキリカの死に繋がる……やってみせる）」

織莉子「行きなさい、さぁ！！」

光の弾丸が鋭い角を描いて跳ねる。
それは的確に車輪を砕いていった。

キリカ「ナイスアシストだ――くっ！？」

杏子「使い魔の群れ――退きなっ！！」

碧色の使い魔達が虚空から降り注いだ。
杏子の槍が分解されて、円を作る様に――切っ先の光が軌跡を綴る。

使い魔は例外無く身体の何れかの部位を斬り裂かれた。

だが、それは手前のモノだけ。

マミ「――行けっ！！」

マミが手を前に翳すと、マスケットが矢の様に使い魔に飛んでいった。
ゼロ距離で、意思を持ったかの如くそれらを沈めていく。

218 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 03:00:39.70 ID:+Vd1mH2AO

杏子が、魔女に肉薄する。

魔女が突き刺してきた剣を紙一重で避けながら、鎖を大きく拡げた。

杏子「――すまねぇ」

金属音を立てて、人魚を足から首まで縛り付けていく。
杏子は地に強く足を据え、有らん限りの力で踏ん張った。

杏子「早くしろ！」

キリカ「オーケーだ！」

キリカが手を鶴の様に広げる。
シルクハットだけでは無く、今や背中には滑らかなマントを羽織っていた。

魔女に近付く事で得られる、純粋な呪い（ぼうりょく）。
それを行使するための、正装であった。

キリカ「恩人、面白バカみたいだろ！　やってやる、やってやるさ！！」

一際大きな鉤爪が片腕に一つずつ、ビルすら断ち切れそうなそれを、ただ真っ直ぐ構えた。

杏子「も、もう持たない……マミ！」

マミ「オッケー、分かったわ！」

マミがリボンを縛り付ける寸前に、杏子の槍は悲鳴を上げて砕け散った。
すかさずリボンが魔女の、今度は全身組まなく縛り上げる。

魔女はヤケになってもがいているようだった。

マミ「良いわ！」

キリカ「――ハハッ」

キリカの笑い声に三人が戦慄を覚えるが――キリカはそのまま、『周りを気にせず』その巨大な得物を振り回した。

219 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 03:04:19.02 ID:+Vd1mH2AO

マミ「（――くっ、半魔女化が進み過ぎている！？）」

キリカの爪に巻き込まれない程度に身を流す魔法少女達。

キリカ「――ハハハッ！！」

その禍々しい爪を、誇るべきその破壊を、キリカは魔女に叩きつけた。
魔女の両腕が地面に落ちる。

キリカ「楽しいなぁ恩人！戦っていると言う事は、即ち生きる事で、生きる事は、私にとって愛に他ならない！！」

言葉と共に、滅茶苦茶に大爪を振り回すキリカ。

腸を突き抜き、鎧を砕き、頭部に突き刺し――

尾を潰し、鱗を削ぎ、胴を真っ二つにして――尚緩めない。

魔女「――――」

キリカ「そうだそうだそうだ！！愛、キミの愛は温かったんだ！！」

キリカ「今分かったよ！！キミが私を凄いって言った、リユウガハッキリトネ――」

織莉子「キリカ！」

キリカがピクリと声に反応し、顔は見せずに小さく笑った。

大丈夫だ、と言う意思表示。

キリカ「――終いだ、さぁ往ね！！」

強く交差させた両の腕は、魔女の胸にX字の傷を付けた。キリカはその場から高く翻る。

魔女が再生を始めた。

220 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 03:05:45.96 ID:+Vd1mH2AO

杏子「マミ！」

使い魔の相手をしている杏子が、合図を出す。
マミの周囲には既に幾つも大砲が用意されていた。

マミ「佐倉さん、一つ頼まれて」
杏子「――なんだっ！？」

マミ「ちゃんと起こしてよ？」

杏子「――りょーかいっ！」

マミの身体から、『もしも』の恐怖がすっと抜けていった。

凛として構えたマミの胸には、西洋風の鎧が装着されていて――

マミ「――フフッ」

マミ「――そう、私は独りでもやれる子出来る子頑張る子……怖くないコワクナイ……」

銃口が一斉に輝く。
一発一発が、彼女の必殺だった。

マミ「ティロ・フィナーレ！！」
容赦無く魔女のボロボロの身体に孔を上げていく魔弾の舞踏。

全弾発射し尽くし、魔女は動く事すら儘ならなくなった。

が、しかしまだ止まれない。
勢いを付けすぎた車は、急には止まれないのだ。

マミ「――ハハハハッ！」

巨大な二振りのマスケットを手に、自慢の翼で舞い上がるマミ。
上空から魔女の残骸に向かって、それを滅多打ちにした。

グシャグシャと、何かの潰れる音が響く。

杏子「くっ、マミっ！」

杏子が鎖で彼女を絡め取った辺りで、マミは漸く正気を取り戻したようだった。

221 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 03:07:00.27 ID:+Vd1mH2AO

マミ「――はっ、私……」

杏子「やっぱお勧めは出来ないな、これ」

マミ「――そうね。私も、出来れば遠慮したいわ」

魔女はもう動かない。

四人の中に気の緩みが生まれたのも、至極当然だった。

織莉子が何者かに右腕に切傷を付けられた。

織莉子「きゃっ――何！？」

キリカ「――っ、このっ！！」

キリカが普通のサイズに戻った爪で、ソレを払おうとするが、ソレは素早く躱してしまう。

ほむら『――まどかの願いは、こんな所まで……皮肉ね。どんなに願っても、魔女からは戻れない』

ほむらがテレパシーで、誰にでも無く話し掛けた。

杏子「――おい、冗談だろ」

マミ「――まさか」

キリカ「――ハッハッハ、流石、流石恩人！！」

織莉子「イタタ……まだやれますのね」

四人が見たのは、使い魔と同じサイズくらいになってしまった魔女。

ただ、違ったのは外見。

ほむら『私たちに対応する為に、小さく、速くなったのね。マミの様に』

その外見は、仮面を付けた女騎士――仮面を斜めにかぶって左半分の顔だけ見えている――美樹さやかの様だった。

222 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/09(火) 03:09:43.39 ID:+Vd1mH2AO

今日は投下終了。

223 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]：2011/08/09(火) 03:16:06.20 ID:KfM5rysNo

乙！

224 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 03:31:49.77 ID:vNeBMNDSO

乙
今日は色々なネタがあったな

225 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/09(火) 06:25:31.08 ID:Moo0oYKW0

待っていた・・そして甲斐はあった（＾＾）『乙』

226 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/09(火) 07:02:40.74 ID:Zd5PrAU9o

お疲れさまでした。

227 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 07:32:41.14 ID:+LzYqLLIO

青いの強過ぎだよｗｗｗｗ

228 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/09(火) 07:39:20.32 ID:pD3wh+ojo

乙っちまどまど！

229 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/09(火) 08:30:25.47 ID:QW8HRtXb0

乙
さやか…

230 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/09(火) 08:30:51.36 ID:QW8HRtXb0

乙
さやか…

231 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 09:02:22.96 ID:ocVJXhzBo

乙
劣化クリームヒルトと考えるとさやかちゃんやばいマジやばい

232 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 13:35:57.04 ID:oqdOhjOIO

本当に第二形態が出てくるとは、予想が当たったぜ

233 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 14:48:43.57 ID:KAKalxmDO

　　┐
　破
　面
　└

234 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/09(火) 15:27:49.06 ID:9wZF48HAo

青チートじゃねえかｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

235 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 17:13:07.78 ID:NUScEqJm0

乙
因果１周分でこの強さ。本気でやべぇ

そういえば、さやかの肉体はどこいったんだ？
魔女に吸収されたのか、それとも誰かが回収済みなのかな

236 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 17:16:26.13 ID:yjT0pnB/o

そのうちほむらが盾から天鎖斬月出すぞ

237 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]：2011/08/09(火) 18:47:08.86 ID:I3sB793AO

すげえ面白い！
しかしキュベレイ要素はどこへ・・・ｗｗｗｗｗｗ

238 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 20:47:43.70 ID:tYj5Z4P6P

そのうちほむらがファンネル出すんじゃね。お尻から

239 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2011/08/09(火) 20:51:12.78 ID:tZypofkto

「ほむほむほむほむーーーー！」て言って走ってきたり、「ほむほむが・・・ほむほむを・・・殺したのか?」ってなるんだろ、多分

240 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/09(火) 21:37:00.29 ID:ZD7UrzsAO

青ェ・・・

241 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/09(火) 22:21:09.33 ID:rPFROC1Co

さやかもマミさんと似たようなことになると独自性が失われるかなあ
個性ともいうか

242 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/09(火) 22:27:18.24 ID:w45+XAXAO

まあ条件が整えば魔法少女全員半魔女化パワーアップ可能なんだから予想できるインフレだろ。
むしろ最終的にできないと戦いについて行けなくなるのが王道。

243 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/09(火) 22:31:19.37 ID:aEp+usevo

杏子「さやかは置いてきた正直ついていけそうになかったからな」

244 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/09(火) 22:31:28.51 ID:sTCj2vZho

半魔女さやか「杏子は置いてきた、、今回の戦いについていけそうにない」
になっちゃうのか…

245 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/09(火) 22:34:28.34 ID:oqdOhjOIO

剣持ってて欠けた仮面をつけてる…アランカルそっくりだw

誰か死んださやかが十刃になって一護たちと戦うSS書いたりしてなwww

246 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/09(火) 23:09:29.16 ID:3YAo87W5o

乙乙
そろそろ読者様は勘弁な

247 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/10(水) 00:27:58.81 ID:QENFcpzIO

>>243
>>244

お前ら仲良過ぎ

248 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/10(水) 04:37:13.10 ID:QrcQHflOo

やっとおいついた！最初ふざけたSSだと思ってたのにｗｗ

249 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/10(水) 04:53:04.24 ID:PvCiEXZSo

実際さやかって周りが便利過ぎる能力ばっかりで割り食ってたけど
戦うとしたらやりにくい相手だよな
スピードのある近接タイプでしかも超回復&バーサーカー

250 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/10(水) 05:05:38.10 ID:ZlzZA5MAO

>>249
そうか！さやかが弱いんじゃなくて、周りが強すぎるんだ！

251 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/10(水) 12:35:55.98 ID:VUB1SQHq0

さやかってよく弱いとか魔翌力低いとかネタにされるけど
描写見てる限りかなり資質ある方だよね

252 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2011/08/10(水) 22:05:48.73 ID:HsQTeB1Jo

だが精神が脆い

253 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/10(水) 22:24:18.24 ID:ApxRZhOUo

下手すればマミさん以上の豆腐

254 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/10(水) 22:56:25.11 ID:c6+nyLwGo

メンタル面はどうだろうな
失恋ってのが一番でかいファクターだったからもし上条とくっついてたら「もう何も怖くない」だったかもな
まあたらればの話だけど

255 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/10(水) 23:22:42.06 ID:oN/6eGm4o

それはそれで死亡フラグじゃねーかｗｗｗｗ

256 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/10(水) 23:26:16.06 ID:DGvZ0LTSO

さやかのメンタルを豆腐より固く…そうだな､こんにゃくゼリーくらいに鍛えられれば失恋だってきっとのりこえられたと思うよ

257 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/11(木) 07:18:44.94 ID:9Yeawmfao

10万丁鍛え上げればいいんじゃね？

258 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/11(木) 07:22:19.66 ID:EtnfDfSJ0

カチカチ・カチンナ先生がいねーだろこの宇宙
いやまて…宇宙人自体はいるんだしもしかすると…

259 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:14:13.52 ID:cGD4QobAO

>>243
>>244
吹いた。結婚すべきです。
ラッキーマンとか世代がバレる。

投下開始。

260 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:15:07.07 ID:cGD4QobAO

――――祈りは届く。しかし叶わない。

杏子「冗談だろオイ……」

ほむら『動揺しないで。美樹さやかの身体はこっちにある……あれはただ魔女が形を真似ただけなのよ』

魔女がゆっくりと歩いてくる。
何故か耳に入る水音が、酷く喧しい。

魔女「――――」

杏子「魔女……？あれが、魔女……？」

ヒタリ――

杏子「だってあれは……あれはどう見たって――」

ヒタリ――

杏子「――さやかじゃないか」

ピタリ

杏子「っ」

気付けば魔女は、息がかかる程の近さにいた。
虚ろな片方の眼が杏子を見つめる。

甘い。

吐息が、甘くて。

鼻先が触れてしまいそうなのに、そこから動く事が出来ない。

頭に声が響く。

私を見て。
私を愛して。

魔女が小さく口を開いて、顔を首へと近付ける。
魔女の口付けを交わそうとして。

261 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:16:06.24 ID:cGD4QobAO

織莉子「何をぼっとしているの！？」

飛び込んできた織莉子が杏子を抱き抱えて倒れ込む。
杏子が正気を失ってから取り戻すまで、回りには一瞬にしか感じられていなかった。

織莉子が素早く受け身を取って、光の球を魔女にぶつける。
着弾の煙が魔女の姿を隠した。

織莉子「構えなさい、佐倉杏子。死にたくなければ」

杏子「……言われなくとも」

杏子と織莉子、キリカにマミが一斉に魔女に向かって武器を構える。
煙が晴れ、そこに居たのは無傷の魔女だった。
無邪気な顔で伝わるのは――『今のは何だろう？』と言う意思。

ほむら『――マズいわ。まどかの祈りが魔女をより強固にしている……』

ほむら「ゆま……まだなの！？」

ゆま「お姉ちゃん身体千切れかけてたんだよ？……杏子じゃないと、すぐは治らないよ」

そう。魔法少女達には致命的な点が一つあった。

暁美ほむらが治癒の途中なのだ。
それが完了すれば即ち勝利が確定する。

しかし、いや、だからこそ。
彼女らに『一時撤退』という選択肢は与えられない。

ここでほむらを失えば彼女らには絶望しか残されていない。

262 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:17:18.79 ID:cGD4QobAO

そして、今あの魔女と対峙する上での最善手は『一時撤退』。
それ以外は全て悪手なのだ。

魔女は武器を構える魔法少女達を眺めて、ようやく理解した。

織莉子の身体が宙に舞った。

織莉子「え――」

魔女「――キヒ」

何てことは無い。
ただ腹を蹴り上げただけだ。

マミ「（――見えない！？）」

キリカ「――ぶっ殺ぉぉぉぉす！！！」

キリカが爪を煌めかせ、魔女に肉薄する。
速度低下も全開にして、魔女の胴体を切り裂こうと腕を振りかぶった。

魔女が剣を横に振って、その後に横腹から突き刺す。

つまらないモノを捨てるかの様に、刺した剣を抜いて――動かなくなった身体を捨てた。

キリカの身体が崩れて――遅れて、空を跳ねた首が墜ちてきた。

263 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:18:43.04 ID:cGD4QobAO

織莉子「ぐぅ……キリ――」

織莉子は地面に仰向けになって倒れていた。
先刻の一撃が、彼女の運動を阻害している。

そこに降り注ぐ、剣の雨。

名前すら最後まで呼べず、織莉子の身体には幾つもの剣が突き刺さった。
地面に縫い付けられ、しかしそんな事実は関係無く――織莉子はもう動けない。

マミ「――あぁ、あぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

マミがマスケットを一斉掃射するが、魔女は消えてしまう。

いや、消えてなどいなかった。
恐ろしい程の低姿勢で射線の下を駆け抜けて接近していた。

されていた。

まず下手から右腕が斬り上げられる。
切断されて、重力に服従して落ちた。

左手のマスケットを構える前に、そのまま上段からマスケットごと叩き斬られる。

魔女は笑って、抵抗出来なくなった魔法少女に向かって剣をバッティングの様に振りかぶった。

振り抜く。

両足が身体と別れ、巴マミは胴体だけで地面と接触した。

杏子は、魔法少女になって初めて、恐怖で立ち竦んでしまった。

目の前の圧倒的なモノに呑まれてしまって、思考する事すら儘ならない。

全員死んではいないとは分かる。
だが、そんな事実も関係無く、佐倉杏子はただ畏怖したのだ。

264 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:20:02.08 ID:cGD4QobAO

魔女に向かって槍を構えた。
しかしそれは形式ばったモノで、既に敗北すべきソレであった。

魔女の凶刃が迫る。

強く目を瞑って――しかし何も起こらなくて。
杏子は恐る恐る目を開けた。

ほむら「待たせた……わねっ！」

ほむらが、魔女と剣同士で競り合っていて。

ゆま「とりゃー！！」

そして動きを止めた魔女の頭を、ゆまのハンマーが張り倒した。

265 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:22:42.29 ID:cGD4QobAO

――――ほむら、再び臨戦

ほむら「2048倍――ちぃっ！？」

魔女が再びほむらに襲いかかる。
その剣を止めた得物は、人魚の剣『爽』。

ほむら「（今一度因果を練り直すのは現実的じゃない……どうすれば）」

凄まじい速度での打ち合いが続く。
剣圧で魔女とほむらの回りが切り裂かれていった。

杏子「ほ、ほむら――」

ゆま「キョーコ、後はほむらお姉ちゃんに任せようよ。私たちは皆を助けなきゃ」

杏子「――そうだな。流れ……弾？が怖いが……」

杏子が衝撃波舞う前線へと飛び込む。
織莉子の身体までは一飛びで事足りた。

杏子「おい、生きてるか……？」
織莉子「――いて」

杏子「良かった、大丈夫そうだな……」

織莉子「抜いて下さら、ないかしら……」

全身に突き刺さった剣が痛々しい。
杏子が槍を向けて祈ると、剣は光の粉になって消えた。

織莉子の顔に苦痛が走る。
白いドレスは今や真っ赤に染まっていた。

杏子「背負うぞ」

織莉子を背中に担ぎ、まどかが眠る場所まで下がる。
織莉子を下ろし、杏子は結界を張った。

266 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:23:21.70 ID:cGD4QobAO

ゆま「キリカお姉ちゃん……の頭」

キリカ『本体は胴体だよー』

キリカのソウルジェム自身からテレパシーが送られてくる。

ゆまがキリカの元へ走ろうとするが、そこに衝撃波が幾つも叩き付けられた。
ゆまがハンマーを盾に怯む。

キリカ『暁美ほむらは手こずっているようだ……やれるかな――いけるな』

首の無い身体が、むくりと起き上がった。

267 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:24:14.22 ID:cGD4QobAO

――――

ほむら「くそっ……」

流石と言った所だろうか、魔女のスタミナは凄まじかった。

魔女「――――」

ほむらと打ち合う魔女の姿は、まさしく強者のソレ。

ほむらに有効打は無く、魔女の全てはほむらに対して有効打だった。
一発喰らう事すら許されない戦いは、ほむらの、精神と言う石塊を磨り減らしていく。

ほむら「（何か……何か突破口は――っ！？）」

思考の隙間で魔女に剣を弾かれてしまう。
ほむらに向かって剣が突き立てられて、ほむらにはソレを防ぐ術が無かった。
思わず目を瞑る。

ほむら「（南無三――）」

キリカ『どっせぇいぃぃぃ！！』
ほむらが驚きに目を開けると、其処には魔女を蹴り飛ばした――首なしの魔法少女が立っていた。

キリカ『やれば出来るものだ。本体は背中だからね』

ほむら「キリカ……大丈夫なの！？」

キリカ『たかがメインカメラをやられただけさ。でもぶっちゃけ視界はあの遠くにある頭頼りだし、何か思考も鈍い』

キリカ『正直時間稼ぎくらいにしか――どうしたんだい暁美ほむら？向こうにある私の頭からは、考え事をするキミの背中が見えるんだけど』

268 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:25:08.56 ID:cGD4QobAO

魔女がゆらり、と身体を起こした。

ほむらは自分の思考をより確実にするために、魔女の腹部を見る。

ある。グリーフシードの殻が。

ほむら「本体――キリカ、お手柄よ」

キリカ『へ？』

ほむらがキリカの身体を掴んで、ゆまの方へと投げ飛ばす。

キリカ『わわわ』

ゆま「キャッチだよ！」

ほむらは爛々とした目で、再び魔女と向き合った。

ほむら「見えたわ、突破口！！」

269 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:26:28.03 ID:cGD4QobAO

ほむらと魔女の剣がぶつかり合う。

斬って斬って斬って、斬れず斬らせず斬り返す。

お互いに一歩も引かない剣舞だった。
金属の擦れる音が、まるで空間を切り裂いているような錯覚を起こす。

ほむら「（おそらく、あれが魔女にとっての本体……貫ければ！）」

だが、火花が散り、剣の歯が欠ける程打ち合っても魔女に隙は生まれない。

ほむらに焦りが見え始める。
ソウルジェムもとうに黒ずんでいた。

ほむら「――っ！！」

その時、魔女の動きが一瞬遅れた。ほむらに確認する余裕は無かったが――

マミ「…………」

――魔女の足元に黄色いリボンが巻き付いていた。

ほむら「――うぉぉっ！！」

ほむらが一気に魔女に接近した。

しかし、間に合わない。
魔女が突き出したその剣は、ほむらの右目に深く突き穿った。

ほむら「ぐ――ああああっ！！」

ほむらが強引に、頭を左に振り抜く。
骨の砕ける音と共に、右半分の顔が潰れて――ほむらが魔女の武器を手首ごと斬り飛ばした。

魔女「――――！？」

ほむら「――おぉぉっ！！」

ほむらが吠え、魔女の腹部に突き刺した『爽』は、皮肉にも彼女に――止めを刺した。

270 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/11(木) 13:27:37.16 ID:cGD4QobAO

オッケーなんとか倒せた……
投下終了

271 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/11(木) 13:28:27.42 ID:i071oP2lo

おつうううううううううううう

272 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/11(木) 13:28:53.62 ID:kg14ARaDO

乙っちほむほむ。
すごい戦いになってるなー、流石だ。
さやかはどうなるのか期待しつつ乙！

273 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/11(木) 14:53:23.55 ID:zoSzLWwIO

おつ！

ほむほむ・・・あんた、漢や

274 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/11(木) 15:45:06.88 ID:SykIWhBh0

乙！そうか、これが　　　　　心か

275 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/11(木) 16:26:23.54 ID:bPF5Us1yo

乙っちまどまど！

276 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/11(木) 18:36:48.24 ID:pOfammcQ0

超乙！かなり壮絶な戦闘だったな。皆ボロボロだしな。

277 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/11(木) 19:06:19.87 ID:ZyT+jzK3o

よく言われているが、これのどこがバカエロなんだと(ry

最高だ >>1乙

278 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/11(木) 19:42:35.85 ID:zmqVlKABo

そろそろバカエロ補給

279 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/11(木) 20:00:04.39 ID:0HMw7wT00

倒した・・・か？しかし・・・その「先」があるはずだ。まだその「先」がッ！！

280 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/11(木) 20:19:00.90 ID:1PR/sSdlo

乙乙

281 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/12(金) 01:29:34.57 ID:tjWPHrPU0

>>279
なるほど願ったものがなくなった人の「先」と対決ですね………アレ、詰んだ？

282 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2011/08/12(金) 08:10:34.95 ID:p4FDN19Qo

マミさんの時も大概だったが、総がかりでコレってさやか強すぎだろｗｗ
一周分の因果上乗せでこうなるならそらまどかも神になるわ。

283 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/12(金) 09:30:34.82 ID:h0V2mJRAO

ベルセルク並の肉を切らせて骨を断つ血みどろの戦いに……

284 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/12(金) 16:53:23.35 ID:BYKoW6JSO

バカエロ待機

285 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/12(金) 21:46:22.29 ID:RSXVa3qAO

エロスはしばらく待ってね。

投下開始

286 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/08/12(金) 21:47:04.94 ID:Fm/NISxAO

SAYAKAが破面になったなら
マミのティロフィナはセロってとこか？

287 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/12(金) 21:48:18.93 ID:RSXVa3qAO

――――消える結界、そして希望

ほむら「――っはぁ……」ﾄﾞｻｯ

ほむら「杏子、ゆま。マミを」

ゆま「うんっ」

マミ「忘れてるかと思ったわ」ﾌｩ

ほむら「貴女、見事に達磨ね……大丈夫なの？」

マミ「傷口に癒しの魔法を全開にして止血だけしているわ。勿論、痛覚遮断してるけど」

ほむら「……さっきのアシストは良かったわ。ありがとう」

マミ「いえ、どういたしまして」ﾌｯ

ほむら「ゆま、マミから治療を。回復役は多い方がいいわ……」ﾎﾑｯ

杏子「潰れた顔で無理すんなよ……うわ、折角の美人が台無しじゃねぇか」ｳﾜｧ

ほむら「あら、お上手……ん」ﾁﾗ

まどか「う、うーん……」ﾑｸﾘ

ほむら「目覚めたのね、まどか」

まどか「あ、ほむらち――ひぃっ！？」ｶﾞﾀﾀｯ

織莉子「あらあら……随分……怖がられてますこと」ﾁﾏﾐﾚ

まどか「――わぁっ！？お、織莉子……さん？」ﾊﾟﾆｯｸ

まどか「何で……何でこんな――」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

キリカ『おいおいそりゃ他人事過ぎるんじゃないかい？』ﾃﾚﾊﾟｼｰ

まどか「へ？」ｸﾙｯ

キリカ「」ﾔｧ

まどか「――――っ、っ！！？」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

288 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/12(金) 21:49:42.50 ID:RSXVa3qAO

マミ「どう、くっつきそう？」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

ゆま「もうちょっと……」ﾎﾟﾜｰ

まどか「マミさん、まで……」

キリカ『いやぁ全くやってくれたねぇ、鹿目まどか』

キリカ『キミが余計な事をしてくれたお陰で、私らはボロボロだよ』

まどか「え……？」

ほむら「キリカ」

キリカ『いいや言わせてくれ暁美ほむら』

キリカ『いいかい鹿目まどか。キミのお陰で一度倒した魔女が蘇ったんだ。しかもびっくりするぐらいパワーアップしてね』

キリカ『回りを見れば結果は分かるだろう？少しばかり失敗していたら死人が出る所だったさ』

まどか「――魔女じゃない」ﾎﾞｿｯ

キリカ『ん？』

まどか「魔女じゃない、さやかちゃんだっ！死人が出るところだった？――さやかちゃんは死人じゃないのっ！？」

ほむら「まどか、落ち着きなさい」

まどか「落ち着いてなんかいられないよっ！！ほむらちゃんも何で止めてくれなかった――」

キリカ『――首が無いのが残念だ』ｸﾞｲｯ

289 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/12(金) 21:51:02.43 ID:RSXVa3qAO

まどか「は、離してっ」

キリカ『私が今どんな表情をしているか伝えられないんだからね』

キリカ『甘えるなよ、鹿目まどか』

キリカ『魔法少女が魔女になる事を、キミも、恩人も、知っていたんだろう。なら、覚悟をしていた筈だ』

キリカ『得るだけ得て失うのは嫌、なんて都合の良い言い訳が通ると思うなよ』

まどか「だからって――だからってさやかちゃんを――」

キリカ『――なら私たちは死ねば良かったと！！！お前はそう言うのか！！？』ｸﾞｲｨ

まどか「ひっ……」

キリカ『暁美ほむらはな、美樹さやかを殺したんじゃない。私たちを助けたんだ、分かるか？』

キリカ『私みたいなイカれた女だって思うさ。美樹さやかが死ぬのは嫌だなってさ！！』

キリカ『自分なら助けられるとでも思ったか！？その有り様がこれだ！！』

キリカ『大体お前――』

ほむら「キリカ、もう良いわ」ﾎﾟﾑｯ

キリカ『――暁美ほむら。立てるのかい？』

ほむら「根性」ﾎﾑｯ

キリカ『……大したモノだよ』ﾊﾟｯ

まどか「けふっ、けふっ」

290 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/12(金) 21:52:28.16 ID:RSXVa3qAO

ほむら「まどか」ｽｯ

まどか「っ」ﾋﾞｸｯ

ほむら「大丈夫、私は怒っていないわ。まどかの言う通り、美樹さやかに止めを刺してしまった事に変わりはないもの」

まどか「…………」ﾎﾟﾛｯ

ほむら「泣いていいの。泣いて……ね？」ｷﾞｭｳｯ

まどか「……さやか、ちゃん」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

まどか「――うわぁぁぁぁん、やだよぉ、死んじゃやだよぉ――！！」

ほむら「…………」ｷﾞｭｯ

QB「やれやれ、無理だったのか」
「！？」

マミ「キュゥべえ……」

QB「酷いやられようだね。さやかも良くこんなに暴れたモノだ」

杏子「てめぇ……大体元はと言えばお前が――」ｸﾞｯ

QB「それはお門違いって言うんじゃないかな、杏子。君たちはいずれこうなる事を予測出来ただろう？」

QB「君たちはいつもそうだ」

QB「仲間だと言っても、魔女になってしまえば容赦無く殺す」

QB「わけがわからないよ」

ほむら「――インキュベーター？」

291 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/12(金) 21:53:10.75 ID:RSXVa3qAO

――――学校、葬儀。

上条「くっ……」

中沢「上条……」ﾎﾟﾝｯ

ほむら「…………」

まどか「…………」

マミ「…………」

――――屋上

杏子「…………」ﾎﾞｰｯ

ゆま「キョーコ」

杏子「お、おぉ。何だ？」

ゆま「つらそうだったから。ゆま、キョーコの力になるよ？」

杏子「……ありがとな。でも、これはアタシの問題だからさ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

292 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/12(金) 21:54:40.25 ID:RSXVa3qAO

キリカ「この屋上からの景色はなかなかだね。腹立たしいよ」ｺｷｺｷ

キリカ「しかし千歳ゆまの治癒魔法は大したモノだ。頭もしっかり天元突破で合体したよ」

織莉子「えぇ、助かりましたわ」

ゆま「おやすいごよーだよっ」ﾆﾊﾟﾘ

杏子「（……さやかは死んだ、もういない）」

杏子「（でもほむらはこのまま進むだろう。でなければ今この時間軸にいる意味が無い）」

杏子「（さやかを助けるつもりだったにしても、今から助けるにしても……私たちには打つ手が無い）」

杏子「（ならループだろう。冷静に考えて）」

杏子「（ワルプルギスと戦う事で得られるモノは何だ？……アタシ達の経験だ）」

杏子「（つまりほむらは、アタシらを鍛える為にループしたって訳か）」

杏子「（いや、結論付けるのは早いし、何より理由が弱い）」

杏子「（……アタシは、また守れなかった。これが、ほむらの感じていた痛みか）」

杏子「……風が気持ち良いな」

ゆま「……うん」

キリカ「そうだね。風が……」

織莉子「……本当ですわね」

293 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/12(金) 21:58:04.84 ID:RSXVa3qAO

今日は投下終わり。

いや何かオサレみたいなノリになってるけどね、実を言うとさやかの仮面ってオクタヴィアのアレな訳よ。

初期案はあの頭に魔法少女の身体だったんだけれど、どう考えてもギャグだから半分顔を見せただけなんだ。特に意味は……無いと思うよ？

294 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/12(金) 21:59:15.63 ID:Kmb6Zldyo

お疲れ様でした。

295 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/12(金) 22:00:34.92 ID:h8Lwgctco

乙っちほむほむ

キリカる…語呂わるいな

296 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/12(金) 22:02:34.49 ID:It+rNZnUo

乙っちまどまど！

297 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/12(金) 22:09:32.42 ID:sN5MKp+w0

相変わらず「先」が読めないが・・・それでも一度信じた者を見放さない杏子に
『乙』

298 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/12(金) 22:16:54.35 ID:1PYG4ozJo

キリる
キる
キてる

好きなのを

299 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/08/12(金) 22:19:39.66 ID:FUp5BnYAO

乙です
あのAAみたいなのを想像すればいいのね

300 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/12(金) 22:38:07.84 ID:NEJqX8gDO

乙あんこちゃんあんあん
再ループだとしたら・・・みんな揃って強くてニューゲームなのか？

>>298
キリるだと言語ですやん

301 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/12(金) 23:25:55.42 ID:FFECchHO0

乙です。
幾らなんでも、ほむらはまどかを甘やかそうとし過ぎじゃね、とも思ったけど、
今まで何度も大切なモノを失ってきたし、ループしてたけど受け止めてくれる人は居なかったからな。
ほむらはまどかの気持ちが痛いほどわかるかな。だから、今回ばかりは仕方ないのかなとも思ってしまう。

302 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/12(金) 23:33:50.46 ID:2jE7y70Z0

乙っちさやさや（;ω;）

オクタヴィア・さやかちゃん・ゼッケンドルフでどう？　どっかで聞いた気がするけど。
色は違うけど、仮面ライダー剣のギャレン頭部破壊状態を連想したなー。

で、QBが問題だ。この端末のQBはインキュベーターなのか、あるいは……？

303 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/12(金) 23:41:05.84 ID:gveqaR6IO

そういえば魔女が死んだら使い魔も死ぬの？もしも生きてたら、成長前の使い魔＝幼女さやかが居るのかな？

……明日、町を歩き回るか……

304 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/13(土) 00:22:46.70 ID:+SxkRfKAO

知っているかい？
人間の世界ってのは、夜の24時で日付が変わるんだよ。

投下開始。

305 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/13(土) 00:23:57.95 ID:+SxkRfKAO

――――ほむら宅、寝室

ほむら「…………はぁ」ﾄｻｯ

QB「……」ﾋｮｲｯ

QB「やぁ、暁美ほむら。一つ質問……いや、確認があるんだけど。いいかな？」

ほむら「……不法侵入の上でふてぶてしいわね。ま、別に構わないけれど」

QB「キミは、未来から来たね？」

ほむら「遅い理解ね」

QB「根拠は無かったんだけどね。本人から聞けるなら、それ以上の根拠は無いね」ｺﾞﾛﾘ､ﾓﾌﾓﾌ

QB「なるほどね。キミの存在が一つの疑問に答えを出してくれた」

ほむら「まどかの素質？」

306 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/13(土) 00:24:50.23 ID:+SxkRfKAO

QB「――驚いた。知っていたのかい……いや、なら」

QB「キミは……最強の魔女になるまどかを、どうするつもりだい？」

ほむら「……まどかと約束したわ。まどかが魔女になるとしたら、呪いを振り撒く前に――」

QB「……ワルプルギスの夜は、キミたちだけで本当に勝てるのかな？」

ほむら「さぁね。でも――」ﾁﾗ

QB「？」

ほむら「因果が集中しているなら……厳しいかもしれない」

QB「ボクは、まどかを戦わせるようにけしかけるよ？」

ほむら「――くっくっ、どうぞご自由に。やれるモノならやってみなさい」

QB「……キミのその自信は、一体何処からくるんだろうね」

307 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/13(土) 00:26:14.21 ID:+SxkRfKAO

――――まどか宅

QB「…………」ﾋｮｺｯ

まどか「……さやかちゃん、死んじゃった」

まどか「……キュゥべえが今まで契約した魔法少女の中に、魔女になるのを知らない子はいたの？」

QB「むしろ知って契約する方が少ないよ。当たり前だろう？」

まどか「そう。なら、私達の戦いに意味なんて、無かったんだね」

QB「まぁ、そうだよ。魔女を倒して数を減らしたいなら、魔法少女なんて増やさなければいいんだから」

QB「ボクたちの目的はね――」

――――

まどか「宇宙の、寿命？」

まどか「――そんなモノの為に、さやかちゃんは死んだの？」ｷﾞﾘｯ

QB「そんなモノって……宇宙の滅亡はキミ達にとっても害じゃないか。これは誉められるべき行為なんだよ」きゅっぷい

まどか「……ふざけないでよ。みんなアナタの所為で死んだようなものなのに」

QB「……」ﾔﾚﾔﾚ

QB「なら君は家畜を犠牲とする事に引け目を感じたりするのかい？」

QB「彼らは人間の糧となることを前提に、生存競争から保護され繁殖できている。君たちだって理想的な共栄関係にあるじゃないか」

まどか「私たちは……家畜なんかじゃない……っ」

308 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/13(土) 00:26:59.66 ID:+SxkRfKAO

QB「……信じられないなら見せてあげよう。ボクと人類が歩んできた歴史を、ね」ｻﾜｯ､ｺﾂﾝ

まどか「（――見える。過去の全てが……悲しみと、妬みと、呪い、絶望……）」

QB「ボクはね、有史以前から君たちの文明に干渉してきた」

QB「数えきれないほど大勢の少女がボクと契約を交わし――希望を叶え、時に歴史に転機をもたらし――」

QB「そして最後は皆絶望に身を委ねていった」

まどか「祈りから始まり……呪いで終わる――？」

QB「そうだよ。これまで数多の魔法少女が繰り返してきたサイクルだ」

まどか「……みんな、信じてたのに裏切られたの？」

QB「彼女たちを裏切ったのはボクじゃない。『自分自身の祈り』だよ」

QB「どんな希望も、条理にそぐわないモノである限り……必ず何らかの歪みをもたらす」

QB「やがてそこから災厄が生じるのは当然の摂理だ。それを裏切りだというのなら――そもそも」

「願い事なんてするのが――間違いだったのさ」

309 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/13(土) 00:28:10.49 ID:+SxkRfKAO

――――ほむら宅

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ほむら「……？――。」ｶﾞﾁｬｯ

まどか「上がって、いいかな」

――――

ほむら「座って」

まどか「ありがと」

ほむら「…………」

まどか「…………」

まどか「ワルプルギスの夜、だよね」

ほむら「……えぇ」

まどか「私も、戦うよ。私の願いは――さやかちゃんの思い。この街を守りたかったさやかちゃんの為にも、私――戦いたい」

ほむら「……ダメよ。いえ、必要無いわ」

まどか「……私が、魔女になるから？」

ほむら「えぇ」

まどか「……ほむらちゃん、約束したよね？私がもし――」

ほむら「……えぇ」

ほむら「インキュベーターに何を吹き込まれたのかは知らないけれど……私たちは大丈夫。あれだけの魔法少女がいれば、きっと撃退出来るわ」

まどか「…………なんでだろ」

まどか「ほむらちゃんの事、信じたいけれど、嘘つきだなんて思わないけれど……」

まどか「ほむらちゃんの言葉……甘すぎるよ……」

ほむら「っ！！？」ｿﾞｸｯ

まどか「ほむらちゃんの言っていること、本当だって思えない――？」

ほむら「…………」ｷﾞｭ

まどか「ほむら、ちゃん？」

310 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/13(土) 00:29:40.30 ID:+SxkRfKAO

ほむら「一つだけ、言うわ」

ほむら「私は……私は、未来から来たの」

まどか「――――っ」

ほむら「何度も何度も貴女に出会って、それと同じだけ、貴女がいなくなるのを見てきた……」

ほむら「ある時、貴女は世界全てを救って――概念になってしまった」

まどか「概、念？」

ほむら「誰にも理解されず、誰とも分かり合えない――宇宙で独りぼっちに」

ほむら「そんなアナタをずっと助けたくて、戦って戦って……」

まどか「ほむらちゃん……？」

ほむら「こうやって、貴女に触れている事さえ……夢の様で」

ほむら「訳が分からなくても良い、何も伝わらなくてもいい」

ほむら「ただ、貴女を守る為に……まどか」

まどか「……」ｷｭｯ……

ほむら「（……だから、ごめんなさい）」

311 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/13(土) 00:30:37.29 ID:+SxkRfKAO

投下終了。
もうすぐだよ。

312 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/13(土) 00:44:15.04 ID:jBZO1l/IO

乙です

>>303 オクタビィア・ロリータ・ゼッケンドルフ？………いいじゃないか。

313 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/13(土) 00:58:15.74 ID:P7KY2yFIO

乙

投稿がさやかちゃん並に速いな

コミケ行きてぇ～

314 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/13(土) 01:10:06.67 ID:eQ5Ldxuko

>>303
魔女になるために喰われるぞ
本望かもしれんが

315 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/13(土) 01:23:00.22 ID:0UWdAiXpo

お疲れ様でした。

316 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]：2011/08/13(土) 01:23:29.22 ID:kASXeYS6o

乙乙

チビタヴィア「るっくあっとみー！」
こうですか

317 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/13(土) 01:53:53.12 ID:otvwruzSo

>>316
なんか、常におでん持ち歩いてそうな名前だなw

318 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/13(土) 05:30:02.04 ID:w+IWVvex0

油断した・・・むう、２４時間以内に２回とは・・さすがは『乙』
しかし・・・「もうすぐ」とはっ！？もうすぐとは、あ、アレですか！！アレ！！

319 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/13(土) 06:26:37.41 ID:4ThvjFUWo

乙っちまどまど！
次も楽しみだ

320 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/13(土) 11:40:00.49 ID:jBZO1l/IO

>>314

ロリタビィア「はむはむ」

俺「痛くない…！もう何も怖くない…！」

こうなるよ、きっと
それと

杏子「さやかの面倒はあたしが見る！」

こうもなる

321 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:14:41.49 ID:VQN1hVsAO

今日終わる。だから長いよ。

投下開始。

322 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:15:44.88 ID:VQN1hVsAO

――――ワルプルギスの夜、前座

キリカ「海か……出来ればデートで来たかったな」

織莉子「また来ましょう。平和になって、やる事が無くなったら……お弁当を持って」

キリカ「ふむ、悪くないね。この祈りは叶うのかな、暁美ほむら」

ほむら「えぇ、きっと」

QB「さて……しかし静かだね。ワルプルギスの夜の気配も無い。おかしいね」

マミ「……ここで、殺せば――」ﾁｬｷｯ

QB「――マミ？」

ほむら「ダメよ。これを越えた所で、魔法少女のシステムは変わらない。さやかも、置いていくつもりは無い」

QB「なら、もう時間移動すればいいじゃないか……ボクは困るけれどね」

杏子「まぁ良いじゃないかマミ。ワルプルギスの夜、ってのを見てみたいもんさ」

ゆま「どんな魔女でも、杏子を傷付けさせはしないよ」

ｻﾞｯ

まどか「…………」

ほむら「まどか……」

マミ「……来たのね」

323 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:17:49.32 ID:VQN1hVsAO

杏子「――おい、話してる暇はねぇみたいだぞ……？」

QB「う……うぅ……苦しい……何だい、これは……」ﾄｻｯ

まどか「――キュゥ、べえ？」

ほむら「離れなさい、まどか」ｻﾞｯ

織莉子「さぁ、行きましょうか。キリカ」

キリカ「オッケー。キミは私が守るよ」

QB「キミたち――まさか――まさか、知っていた――？」

QB「暁美ほむら？」

ほむら「――ふふっ」

QB「ボクが、ワルプルギス――痛いっ！！」ｽﾞｷﾝｯ

『ベアト』

『ベアトちゃんっ』

『ベアトリクス殿！』

『ベアトリクス』

QB「――そうか」

ほむら「？」

QB「アハハハハハッ！！」

一同「！？」

QB「そうか、考えてみれば当たり前じゃないか――」

「感情を持たない文明が、優れた技術を産み出せるはずがない」

ほむら「――――え」

QB「ボクは――ボクは――」

マミ「……魔女になるわ。みんな衝撃に備えて！」

まどか「キュゥべえ……キュゥべえも魔法少女……？何故？」

QB「あぁ――あぁ――暁美ほむら――」

ほむら「……何？」

QB「――タスケテ」

324 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:18:50.85 ID:VQN1hVsAO

――――ワルプルギスの夜、開幕

マミ「今回は海上に叩き出せたわね」

ほむら「…………」

ほむらは手を口元に当てて考える。
先刻のインキュベーターの発言の意味を。

魔女「アハハ――！！」

ほむら「（助けて……？何に関して助けを求めるの……？）」

まどか「ほむらちゃん、一体何が起こっているの……？」

ほむら「……こればかりは、本当に分からないわ。だけど、一つ言えるのは――あの魔女が、インキュベーターで――それを倒せるって事よ！」

ほむらが盾から大量の兵器を取り出す。
ライフルやら、バズーカやら、その他もろもろの銃火器が地面に並んでいた。

325 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:20:02.75 ID:VQN1hVsAO

マミ「前はちゃんと戦えなかったし……今度こそっ！」

マミの両腕にガントレットが装備され、背中にマスケットの翼が生える。

杏子「デカい……さぁて、仕置きの時間だ。キュゥべえ！」

ゆま「ごめんね、キュゥべえ」

杏子とゆまが並んで武器を構えた。

キリカ「滑稽だね。自分が魔女になってしまうなんて、こんな喜劇はなかなか無いよ」

キリカの頭にシルクハットが被られ、爪が巨大な一になる。

織莉子「運命を……変える」

織莉子の周囲には、光球が待機された。

杏子「ほむら」

ほむら「……何？」

杏子「信じてるぞ」

そう言って、杏子はいの一番に魔女の元へと飛び込んでいく。
ゆまもそれに続き、マミ、キリカ、織莉子と順番に空に舞い上がった。

ほむら「…………」

ほむら「……私だけでいい。傷付くのは」

ほむらは時間を止め、乱射するために火器へと歩いていった。

326 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:20:50.64 ID:VQN1hVsAO

――――

杏子「オラァっ！！」

ワルプルギスの夜の使い魔は、影。
魔法少女によく似たそれが、幾つも襲いかかってきた。

杏子は槍を突き、それらを消し去っている。

杏子「どうしたどうした！さやかの方がまだ大分強かったぜ――っ！？」

目の前の影が、見覚えのある形になった。

杏子「――ちょー、うぜぇ！！」

それをさやかへの冒涜と取り、突き穿つ杏子。
彼女の強さは、その心の有り様だった。

魔女「アハハ、アハハハハハ」

逆さまの魔女は笑いながら、杏子に向かって黒い波動を投げつけてくる。

杏子「しゃらくさい！」

それを槍で切り裂き、四散させた。
散ったソレらが無数の使い魔になってしまう。

杏子「――こりゃマズい」

マミ「任せて！」

マミが手を真っ直ぐ前に伸ばして合わせた。
その手を横に開くと、扇状にマスケットが展開される。

マミがそのまま背中のマスケットを一丁ずつ握り、構え、一斉に放った。
使い魔の影達はその弾丸を受けて爆ぜる。

ゆま「どっけー！」

ゆまがハンマーをブーメランの様に投げた。
ハンマーは回転しながら弧を描き、影をいくつも弾き飛ばして再び手の中に収まる。

327 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:24:18.08 ID:VQN1hVsAO

ほむら「いいわ、そのまま使い魔を足止めして！私は――」

ほむらが時を止め、そして動かした。

ほむら「――確認する事が、ある！」

膨大な量の火線が魔女に集中する。
凄まじい連続した着弾と爆発の応酬が、魔女を火だるまに仕立て上げた。

キリカ「おぉ。凄い火力だ」

織莉子「――いや、まだみたいよ」

かと思えば、ほむらはタンクローリーを運転している。
鉄橋の支柱をかけ上がって――ソレが飛び出す寸前に、ほむらがタンクローリーから飛び出した。

再び爆炎。

ほむら「（普段ならここらで使い魔の邪魔が入るけど――）」

キリカ「いいね。見ていて気分がいい」

織莉子「使い魔は手強いですが、私たちに任せていて」

ほむら「ふふっ、心強いわ」

キリカと織莉子はほむらの回りに近寄る使い魔を追い払う。
武器が尽きるまでの守護だが、それでも攻撃に邪魔が入らないのは幾分か楽だった。

ほむら「それから――これよ！」

海に投げ出されたほむらが『着地』する。
ほむらが降り立ったのは、水中から現れた巨大なミサイルランチャーの上だった。
同じ様に、次々と海中から水を切って現れるミサイルランチャー――占めて10機。

328 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:24:45.68 ID:VQN1hVsAO

ほむら「――ってぇぇぇ！！」

ほむらの合図と共に無数の対空ミサイルが発射される。

命中したそれらがワルプルギスの夜を若干押し返し、轟音を上げて爆ぜた。

杏子「おいおい、まだやるのかよ！？」

マミ「私たちの出番が無くなっちゃいそうね」

329 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:25:38.10 ID:VQN1hVsAO

ワルプルギスの夜が、海沿いにある空っぽのドームに倒れ込む。

ほむら「以前ならこれで倒す手前まで行けた――いくわよ！」

ほむらがいつの間にか手元に持っていたスイッチを押すと、予めソコにセットされていた大量の地雷が一斉に起動した。

閉所であることも相まって、酸素を奪い合っているような、連続した爆発が怒る。

ほむらが波止場に降り立った。

ほむら「さて、前々回と同じならもうピクリとも動けないはずだけれど――ん」

黒の衝撃がほむらの腹部を貫く。
ワルプルギスの夜は未だ健在だった。

笑いながら、魔女は再び宙を踊る。

まどか「――ほむらちゃん！」

ほむらは血を撒き散らしながら地面に叩き付けられ――そして何も動揺していなかった。
さも当然と言わんばかりに。

ほむら「（――やはり、インキュベーターに因果が集中してしまっていた。これでは、やはりまどか以外倒す事は出来ない……）」

330 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:26:40.92 ID:VQN1hVsAO

杏子「ほむらぁっ！――くそっ、使い魔が多い……」

キリカ「なんと、しくじったのかい暁美ほむら――邪魔だよ黒子野郎！」

他の魔法少女は皆、数が増えた使い魔に苦戦していた。

使い魔たちの動きは単純だが、鋭く速い。
初めて戦うのならソレは免れないだろう。

マミ「ぐぅ……突っきるわ！みんな、支援して！」

杏子「おうよ！ゆまはほむらを頼む！」

ゆま「分かった！」

マミが周囲を大きく薙ぎ払い、ワルプルギスの夜へと突貫する。
回りで他の三人の魔法少女がサポートして、使い魔の満ちる空に道を抉じ開けた。

ゆまはほむらの元へと降り立った。
そこには既にまどかが駆けつけていて。

まどか「ほむらちゃん、しっかり！」

ほむら「問題無いわ、これくらい……」

ゆま「ほむらお姉ちゃん、治すよ？」

ゆまがほむらの傷を癒そうとすると、ほむらがそれを押し留めた。
ゆまは首を傾げてしまう。

ゆま「治さないの？」

ほむら「結界の外での私として、今やれる事は全てやったわ……私はもう足手まといよ。自己治癒だけでも持つから、貴女は皆を援護してあげて……」

ゆま「――分かったよ」

331 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:27:12.89 ID:VQN1hVsAO

ゆまは再び戦場へと飛び立った。
ほむらは深く長く息を吐いて安堵する。
ここでしっかり経験を積んでもらわないと、意味が無いのだから。

まどかが、真剣な目付きで立ち上がる。

まどか「ほむらちゃん、私――」

ほむら「ダメよ」

ほむらの否定には力が込もっていなかった。

思いも込もっていなかった。

ほむら「杏子たちなら何とかしてくれるはずよ……まどかの出る幕はないわ」

まどか「……嘘でしょ？」

ほむら「……」

ほむらはまどかから目を反らした。
反らした先にインキュベーターの抜け殻が見える。

彼女も、死ぬのが嫌だったのだろうか。

332 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:30:25.44 ID:VQN1hVsAO

いや待て。
ワルプルギスの夜は今までにも何度か現出したと聞いている……なら、その都度彼女の身体は魔女になっていたと言うのだろうか？

そもそも、ワルプルギスの夜は何故突然現れる？何故居なくなる？

あれだけの存在が、全ての魔法少女に感知されないというのは、おかしくないだろうか。

マミ「ワルプルギスの夜――喰らいなさい！」

キリカ「サポートするよ、巴マミ！」

――いや、身近に例がいるじゃあないか。
魔法少女と魔女は可逆たり得るのだ。
なら、魔女から魔法少女に戻る為のエネルギーは？

ほむら「――エネルギー？」

ほむらの思考が僅かに行き止まる。
あれだけの魔女なら、復帰に使うエネルギーも相当だろう。
この仮定なら、インキュベーターは普段からエネルギーを集めていなければならない筈だ。

インキュベーターがエネルギーを集めて――

ほむら「――っ！！？」

QB『ボクたちは宇宙の為に――』

思い当たった。
ほむらの頭の中で、パズルが次々に組み上がっていく。

そうだ。人型でないインキュベーターを使い魔とするなら、彼らが真実を知っているとは限らない。
事実、この周は人型を取る理由が違っていた。

333 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:31:03.86 ID:VQN1hVsAO

そして、ほむらの仮定は最悪へと到達する。

ほむら「――インキュベーターは、自らを生かす為に……私たちからエネルギーを搾取していた？」

なら、もしそうなら――インキュベーターとは一体何なのか？

ほむらは、考えても答えは出ない場所へと、足を踏み入れてしまった。

それに、分からない。インキュベーターの目的が『不死』である事なら、助けを求めるのは間違っている。
望みは叶いつつあるのだから――いや、もしかすると。

ワルプルギスの夜と、その使い魔の関係に思い当たる。
使い魔は非常に魔法少女に酷似した形態を取る。
ワルプルギスの夜の現れる条件は――

ほむら「――魔法少女達が発したエネルギーの回収？」

ならば。

ほむら「――あの『助けて』は、ワルプルギスの夜を倒さないでくれという――哀願に過ぎない」

ほむらの顔に、嘲笑が張り付く。

ほむら「浅ましいわね、インキュベーター」

334 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:32:56.66 ID:VQN1hVsAO

――――苦戦

杏子「ぐぅぅ……ちくしょう」

マミ「強い……なんて化物なのよ」

キリカ「いやはや、化物具合で負けるとは……げほっ」

織莉子「キリカ、肩を貸すわ……」

ゆま「も、もうソウルジェムが持たないよ……」

まさしく満身創痍といった所だった。
魔法少女たちはそのボロボロの身体を引き摺りながら、圧倒的な物量の使い魔と、圧倒的な質量の魔女に対峙している。
が、しかし旗色は当然悪い。

まどか「……ほむらちゃん、一ついいかな？」

ほむら「ダメよ」

まどか「ダメなのは、ほむらちゃんの方だよ。身体も治せてないし、もう動けないんでしょ？」

ほむら「……」

まどか「他のみんななら勝てるって言うのも、やっぱり嘘。ほむらちゃん、怖がりだから」

ほむら「……まどか」

まどか「――約束、覚えてるよね？」

ほむら「……えぇ」

まどか「――良かった。安心したよ」

まどか「これで私、心残り無く死ねるよ――さやかちゃん。この街は、ちゃんと守るからね」

ほむら「……」

まどか「さよなら、ほむらちゃん。ありがとう」

まどかは飛び立ち、弓を構えて――ワルプルギスの夜へと立ち向かった。

335 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:36:16.67 ID:VQN1hVsAO

――――ワルプルギスの夜、閉幕。

杏子「……マジで倒しちまうのかよ」

マミ「鹿目さん……」

杏子は余りの強さに呆れ、マミはまどかの末路を嘆いて泣いた。

織莉子「……結局こうなるのね。暁美ほむらも、存外俗物だったのかしら」

キリカ「……いや、もしかしたら――彼女の愛はもうとてつもなく深いのかもしれない」

織莉子は落胆を抱えながらもキリカの発言に不思議なニュアンスを感じ、キリカは遠い目で、倒れたまどかの側に座り込むほむらを見ていた。

ゆま「キョーコ……」

杏子「大丈夫だ、何ともならない」

ゆまは怯えて、杏子の腕をギュッと握っている。

ほむらとまどかは、見つめ合っていた。
まどかの目は、既に覚悟を決めているソレで――

ほむら「まどか……ソウルジェムが――」

まどかは横に首を振る。
水に浸かった髪が、静かに揺れた。

まどか「ううん……もう限界みたい。だから、いいよ」

彼女は笑っていた。
満足したと、表情が伝えている。

ほむらの目に涙は無かった。

まどか「お願いだよ、ほむらちゃん……私、わがままだけれど――魔女にはなりたくないよ……」

まどか「だから、ね？」

336 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:37:12.16 ID:VQN1hVsAO

ほむらは、黙ってそれを見ていた。
ただ、黙って、震えて。

杏子「……」

キリカ「……」

杏子とキリカは行く末をじっと見ていた。
マミは泣いてばかりで、織莉子は煮え切らないほむらに苛立ちを覚えていた。

織莉子「……暁美ほむら、何をしているの。急ぎなさい。時間はあまり無いのよ！」

まどか「ほむらちゃん――？」

まどかが、何かを感じ取る。

ほむらは、まどかに謝罪した。

ほむら「ごめんなさい――」

ただ一言。

ただ一言が、まどかに伝えるべき全てだった。

まどかは気付く。

そして、泣きながら笑って、言った。

「うそつき」

337 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:43:00.06 ID:VQN1hVsAO

――――救済の魔女、降臨。

暁美ほむらは、鹿目まどかの亡骸を丁重に座らせた。

ほむら「絶望のトリガーは私、か。皮肉ね」

杏子がほむらに詰め寄り、襟を締め上げ、壁に叩き付けた。
睨む顔は、明確な怒りを湛えている。

杏子「やっぱりかよ……ほむらぁ！」

マミ「え――何なの？」

マミからすれば意味が分からない行動だった。
ほむらは悲しみのあまりまどかに止めを刺す事が出来ず、結果魔女が生まれてしまった様にしか見えなかったのだから。

ほむら「…………」

杏子「思えば最初からだった。因果の集中はさやかに起こってた……それはつまり、『まどかを救うつもりが無かった』って事だろうが！」

ゆま「！」

マミ「な――そんな、嘘」

杏子「だから最初に私は言った。『この周は捨てか？』ってな。さやかも契約してたし、それは望まないだろうと思っていたからな」

ほむら「……えぇ、そうね」

杏子「まどかも契約していた。私たちの切り札は無くなったも同然だったが……目的が魔法少女狩りについてだと、私は思った」

杏子「しかし、私はそこで更に気付いた。さやかを助ける方法は、何も契約させないだけじゃないってな」

338 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sag]：2011/08/16(火) 17:44:13.83 ID:VQN1hVsAO

キリカ「ふむ、魔女から魔法少女に戻す方法が、確かにあるね」

杏子「……お前も感づいてた口かよ」

織莉子「キリカ……？」

キリカ「愛は業だ。非常に罪深い」

杏子「だが、グリーフシードが足りねぇ……マミで5000だから、それよりは数が少なくて済むだろうが、それでも多いに越した事はない」

ほむら「…………」

杏子「じゃあどうする？また何周も何周も魔女を狩るだけの時間跳躍をするのか？――答えは否、だろう？」

ほむら「……えぇ」

杏子「グリーフシードを生むのは魔女だ……ほむら、お前は――」

「大容量のグリーフシードを得る為に、魔女化したまどかを[ﾋﾟｰｰｰ]つもりだったんだ！！」

一同に戦慄が走る。
マミの脳裏にかつて交わした言葉が蘇ってきた。

ほむら『まだ、まどかに死んでもらっては困る――』

マミ「――まさか、そんな」

杏子「……そう考えりゃ、全て辻褄が合う。キュゥべえとは『まどかを契約させて魔女にする』という目的が一致し、織莉子とは『まどかを殺して見滝原を救う』という目的が一致する」

339 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:45:23.33 ID:VQN1hVsAO

織莉子「――思えば、暁美ほむらの言い回しもおかしかった様な……決して『魔女にしない』とは言わなかった――？」

杏子「ほむら……私の勘違いか？なら謝るからさ……」

杏子は俯いていた。

ほむら「……いえ、貴女の言う通りよ」

杏子「嘘だろ……？それじゃ、それじゃあ報われない――何も、何も」

杏子「この世界のまどかは、お前のせいで、絶望して、魔女になったんだぞ！！」

ほむら「またやり直すわ。そのためにここに居るのだから」

杏子「おかしいだろ……おかしいよほむら。お前には、まともな心ってモノが無いのかよ……？」

ほむらは乾いた声で、話す。

ほむら「そんなモノ、とっくに無くなってしまったわ」

ほむら「迷わずに行けるなら、心なんて砕けてもいい」

杏子「ほむら……お前は、お前だって……泣いていいんだ。お前ばっかり、戦わなくていいんだよ」

杏子は泣いていた。自分の無力に。
ほむらは一つ息を吐いて、杏子の頭を優しく抱き締めた。

ほむら「貴女は優しいわ。それはとても心地好い……ありがとう」

340 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:47:20.61 ID:VQN1hVsAO

魔女「――――！！」

魔女の嘆きが世界を震わせた。
結界は既に世界中を覆い、数日あればこの星は死に包まれてしまうだろう。

織莉子「――だ、だけれど。ワルプルギスの夜にすら手こずっていた私たちで、どうやってアレを倒すつもりなの！」

織莉子の疑問はもっともだった。
しかし、マミには分かっていた。

マミ「ワルプルギスの夜が暁けた……」

ほむら「マミ、覚えているかしら。いつか貴女が、私の底が見えないと言っていた事を」

きっと今のほむらは、過去と未来全てを戦い抜いてきた暁美ほむらなのだろう。
ワルプルギスの夜、というラインを越えた暁美ほむら――因果を纏め上げた暁美ほむらになったのだ。

ほむら「そして私は答えた。『いつか見れるわ』、と」

ほむらが羽を広げる。
それは今までの様に片翼でなく、力強い翼が二つ生えていた。

白き翼ではなく、極彩色の翼だった。
禍々しいそれが、空を覆っていく。

ほむら「それが今よ。良く見ておきなさい」

マミ「――」

言葉が出なかった。
格の違いがはっきりと分かりすぎて、それが故の失語だった。

織莉子「なんて……なんて因果。だけれど、アレは最悪の魔女なのよ――勝てっこない」

ほむらの翼が一つ羽ばたく。
魔力が集約されているようだ。

ほむら「それは誰が決めたの？」

織莉子「――え」

ほむら「最悪の魔女は――私よ」

マミ「――鹿目さんを救う為なら、鹿目さんを殺す事も厭わない。そうなの、暁美さん？」

ほむら「――そうよ」

ほむらは答え、また羽ばたく。
ほむらはいつの間にかリボンを手に持っていた。
それはいつか、まどかから渡された大切な物。

それが、光と共に形を変えて――弓を模す。

341 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:50:37.54 ID:VQN1hVsAO

ほむら「この状態なら、これも使えるわね――救済の弓『円』……」

その弓を軽く引くと、ほむらを縛る因果線がギシリと音を立てた。
今のほむらでも、負担を掛けずには引く事は叶わないのだろう。

キリカ「援護はいるかい？」

ほむら「要らないわ。私一人で十分」

怪我も知らぬ間に完治していた。
ほむらの回りの空間が、ほむらの存在に耐えきれずに歪む。

ほむら「あぁ、力が溢れてくる――一月とはいえ、久しく忘れていたような、この感覚――たまらない」

ほむらが因果線を引きちぎって、大きく空へと舞い上がった。

まどかと唯一踊れる個として。

342 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:51:44.04 ID:VQN1hVsAO

――――まどかとほむら、魔女と魔女。

ほむら「ふふっ、ふふふふふふ」

ほむらは空を途轍も無いスピードと軌道で疾駆しながら、空から魔女が降らす矢を躱していた。
高揚する気分は、含み笑いとして外に漏れる。

ほむら「絶好調、よ！」

エネルギー体の翼が高い空を覆って、またほむらの回りに圧縮される。
宇宙から見れば、地球に羽が生えたと錯覚するようなソレだった。

致命なるモノが空から際限無く降ってくるが、ほむらは全てを余裕ですり抜けていく。

ほむら「当たる訳、ないわ」

ほむら「ここには、時を越えた私と――あの時のまどかがいる！」

ほむらが弓を引き、光の矢を放った。
その一撃が、魔女の胴体にあっけなく風穴を開ける。

魔女「――――！！」

ほむら「まどかだけでは、勝てはしない」

二射、三射。
射った数だけ魔女が貫かれ、弱っていく。

魔女は思わぬ反撃に戸惑っているようだった。
戸惑う暇があれば、更に強い反撃をすべきだったが。

貫通。貫通。貫通。
繰り返される貫通。

孔だらけになった魔女が、必死に反撃として衝撃波を飛ばしてきた。
一般の魔法少女なら余波だけで粉々になる代物――それをほむらは易々と射ち抜いた。

343 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 17:52:49.99 ID:VQN1hVsAO

ほむらが魔女へと距離を詰める。
飛翔するそれを撃退出来ず、魔女はほむらの接近を許してしまう。

ほむら「――斬れ」

ほむらの翼が、魔女の上半身を切断した。
長い胴体は遂に腐り落ちる。

魔女「――――！？」

魔女の悲鳴が響き渡る。
ほむらは構わず、翼を乱舞した。

魔女が、細切れになって――事も切れて、世界は残酷に救済された。

344 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 18:28:39.82 ID:VQN1hVsAO

仕事。中断。

345 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2011/08/16(火) 18:28:57.37 ID:O5sKYcAmo

リアルタイム乙

346 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2011/08/16(火) 18:30:53.05 ID:6Hyo9GdAO

乙

ほむらが完全に壊れてるなぁ
これまでの過程考えると仕方ないんだろうが

347 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/16(火) 18:33:17.33 ID:W5psl5oOo

クリームちゃん倒して、ポロりしたのが普通のグリーフシード1個とかだったら
とにかく乙っちまどまど

348 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2011/08/16(火) 20:06:18.69 ID:HI+Q7JFao

ほむらさんまじぱねえっす

349 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/16(火) 20:30:09.31 ID:7pVXRq7l0

ほむら・・・仮面の下の涙をぬぐえ（ＴＴ）。お前が本当に心を失っているなどと、誰が思おうか。
血を流し、涙を流しても、お前は自分の意思を貫こうとしている・・・

350 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2011/08/16(火) 20:42:38.75 ID:Ztec/JlDO

クリームちゃんが真っ二つ！！！

351 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:15:10.64 ID:VQN1hVsAO

再開

352 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:17:15.02 ID:VQN1hVsAO

――――世界の終わりと始まり

ほむら「――素晴らしいグリーフシードだわ……密度が半端ではない」ｽﾀｯ

杏子「終わっちまったか……」

ほむら「貴女が気にする事じゃないわ」

マミ「……言葉も、無いわ」

ほむら「……貴女には言えなかった。きっと酷く心を病むだろうから」

ゆま「まどかお姉ちゃん……かわいそう」ｳﾙｳﾙ

ほむら「でも、これで次こそ良い未来をまどかに与えられるの……分かって」

織莉子「……そうよね。最悪の魔女が倒せないと、そう諦めたのは私だった」ﾌｯ

キリカ「愛の為に愛を殺す……狂ってるね」ｹﾗｹﾗ

ほむら「ふぅ……さて」ﾄﾝｯ

ほむら「有意義な周回だったわ。私は再びループするけれど、織莉子とキリカは残るのよね？」

織莉子「――え？」

ほむら「この世界はあの魔女を倒して平和が訪れた。貴女の望み通りでしょう？」

織莉子「――ば、バカも休み休み言いなさい！どうせ残ったって、貴女が過去を変えるなら意味が無いじゃない！」

キリカ「やだよ。私らが知らない内に世界が変わるなんて御免だ」

織莉子「貴女の創る未来を、世界を見届けるまでは、着いていくわ」

ほむら「……物好きね」ﾌｯ

353 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:18:37.47 ID:VQN1hVsAO

杏子「……連れてけよ。私はさやかに伝えなきゃいけねぇ事がある」

ゆま「杏子と離れるのはやだ！」

マミ「私が独りになれないと知っているのに、酷いわ」

ほむら「……なら、私の手を握りなさい。離さないで――飛ぶわ」ｷﾞｭｯ

一同「ぅわ――」ｸﾞﾗｯ

ほむら「（これで、今度はさやかを救える。まどかは最後まで魔法少女にせず、世界改変に願いを使ってもらって――そしてまどかを助ける）」ｽﾞｷ

ほむら「（さっきの戦いで確信出来た。解除された私は、驕る事なく強い）」ｽﾞｷｯ

ほむら「（次の周ではきっと――何かしら、頭が痛い――時間跳躍はまだ――意識、が――）」ｽﾞｷﾝｯ!

354 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:23:41.36 ID:VQN1hVsAO

――――学校、昼休み。

――らちゃん。

ほむら「（眠い……何だか頭がぼんやりする）」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

――むらちゃん。

ほむら「（誰かが呼んでる――誰？）」ﾑﾆｬ

まどか「ほむらちゃんっ！」ｶﾞﾊﾞｯ

ほむら「ほえぇっ！？」ﾎﾑｯ!?

まどか「もう、お寝坊さんだねほむらちゃんは」ｳｪﾋﾋ

さやか「もう四時間目終わっちゃったよ？」ｱﾊﾊ

ほむら「え、えっ――ワルプルギスの夜は――？」ﾎﾟｶﾝ

まどか「ワル――？なにそれ、ほむらちゃん？」ｷｮﾄﾝ

ほむら「へ？」

さやか「ま、まさか電波を受信したのかー！？」ｸﾜｯ

ほむら「……ワルプルギスの夜――って、何だろう？」ﾍｹ?

さやか「って、自分でも分からんのんかーい！」ﾋﾞｼｨｯ!

ほむら「うきゅっ！？……ツッコミが痛いです美樹さん……」ｳﾙｳﾙ

まどか「ほら、ほむらちゃん。メガネずれてるよ」ｸｲｯ

ほむら「わわわ、恥ずかしい……」ﾃﾚﾘ

355 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:26:37.52 ID:VQN1hVsAO

――――屋上、お昼ご飯

まどか「わぁ、ほむらちゃんのお弁当キレイ！」ｷｬｯｷｬｯ

ほむら「鹿目さんのも、キレイで美味しそう……」ﾜｧ

まどか「えへー。パパのお手製だからねー」ﾆﾍﾗ

さやか「うーん……パパさんすごいなぁ。アタシのお弁当はまだまだだよ、トホホ……」ｼｮﾎﾞｰﾝ

ほむら「でも、手作りってすごいと思いますよ」ﾎﾑﾝｯ

まどか「それに、ね……今日も二つ作ってるんだよね」ﾃｨﾋﾋ

さやか「ま、まぁ一応ね」ｱｾｯ

ﾊﾞﾀｰﾝ!

まどか「あ、きたきた」ﾆﾔﾆﾔ

ほむら「来ましたね」ﾆｺﾆｺ

杏子「おーいさやか！飯くれ！」ﾊﾞｰﾝ!

さやか「全くアンタは……そう言うと思って弁当作っといたわよ」ﾊｧ

杏子「お、気が利くじゃんか……うめーうめー」ﾊｸﾞﾊｸﾞ

まどか「速いね」ﾜｵ

ほむら「うん」ﾎﾑ

さやか「ど、どうかな……？」ｵｽﾞｵｽﾞ

杏子「ん？ちょーうめーけど？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

さやか「そ、そっか……アハハ」ﾃﾚﾘｺﾃﾚﾘｺ

マミ「あらあら、ウブね美樹さん」ﾋｮｲｯ

さやか「あ、マミさん……からかわないでくださいよー」ﾌﾟｸｰ

356 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:28:36.24 ID:VQN1hVsAO

マミ「ゴメンなさい。余りに可愛らしいモノだから、つい」ﾆｺ

杏子「さやかはアタシの嫁だからやらんぞー」ﾊｸﾞﾊｸﾞ

さやか「ば、バッカじゃないの、バーカバーカ！」ｶｧｯ

杏子「さやかの弁当食えるならバカで結構ですぅー」ﾊｸﾞﾊｸﾞ

さやか「あ、う」ｶｧｧｧ

まどか「（出たよ、杏子ちゃんの殺し文句）」ﾋｿﾋｿ

ほむら「（バリエーションに富んでますよね……今ので幾つでしたっけ巴先輩）」ﾋｿﾋｿ

マミ「（バージョン28って所かしら）」ﾋｿﾋｿ

まどか「（生まれてくる性別を間違えたとしか思えないね！）」ｳｪﾋﾋ

杏子「サンキュ、旨かった」ｶﾗﾝｯ

さやか「お、お粗末様……」ﾃﾚｯ

357 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:31:01.23 ID:VQN1hVsAO

――――ほうかごっ！

上条「さてと、一日終わった……」ﾉﾋﾞｰ

仁美「っ」ｷﾞｭﾋﾟｰﾝ!

さやか「っ」ｼﾞｬｷｰﾝ!

仁美「か、上条君。今日は一緒に帰りませんか？」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

さやか「（先手取られたー！？）」ｶﾞｰﾝｯ

上条「あ、いいけれど――」

さやか「きょ、恭介！今日CD買いに行きたいんだけどさっ、恭介に色々教えて欲しいな……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

中沢「（『恭介に色々教えて欲しいな……』って、そこだけ聞いたら上条うらやま死ね）」

上条「それは良いねさやか。志築さんもどうだい？」ﾆｺｯ

仁美「（さやかさんめー……）」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ

さやか「（どうよ。男はやっぱ趣味分かる女の子が好きなのさ）」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ

上条「あ、あの、二人とも？腕を抱えて引っ張り合われると痛いんだけど――はっ」ﾋﾟｷﾝｯ

358 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:39:49.75 ID:VQN1hVsAO

上条「（この感触――これはまさか……）」

仁美「むー……」ﾑﾆｭﾑﾆｭ

さやか「うぐー……」ﾌﾆﾌﾆ

上条「（roman――ヤバい、これはヤバい）」ﾋﾟｶｯ!

上条「（っていうか二人ともデカい……ヤバい勃つ……冷静になれ僕。早乙女先生――よし萎えた）」ｽｰﾊｰ

まどか「またやってる」ｳｪﾋﾋ

ほむら「決着はいつ着くんだろうね……あ、足音聞こえてきたよ」ﾎﾑﾝｯ

ﾊﾞﾀｰﾝ!

杏子「上条恭介ぇぇぇ！さやかはアタシの嫁だと言ってんだろうがぁぁぁ！」ｼﾞｬｼﾞｬｰﾝ!

まどか「わざわざ隣のクラスから来るんだから、ぞっこんだよねー」ｳｪﾋﾋ

ほむら「ホントだね」ｱﾊﾊ

上条「認めないよ僕は！さやかが欲しければ『幼なじみ』の僕を倒していけ！」ｸﾜｯ!

さやか「ぐはぁぁぁぁっ！！？」ｹﾞﾌｰ

中沢「あぁっ、美樹が血へど吐いて倒れたぁっ！？」ﾋﾞｯｸｩ!?

359 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 22:40:52.20 ID:ykpaS+gXo

どういうことだってばよ…

360 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:42:53.02 ID:VQN1hVsAO

マミ「相変わらず、しっちゃかめっちゃかね……」ﾋｮｺｯ

まどか「あ、マミさん」

マミ「今日、私の家でお茶会を開こうと思うのだけれど、来るかしら？」

まどか「あ、じゃあお邪魔します。ほむらちゃんは？」ﾜｰｲ

ほむら「私も、巴先輩がよければ……」

マミ「大歓迎よ」ﾆｺｯ

361 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:45:49.10 ID:VQN1hVsAO

――――下校

ほむら「美樹さんたち、結局三人でイチャイチャしながら帰りましたね」ﾎﾑｯ

まどか「オブラートオブラート、ほむらちゃん」ｳｪﾋﾋ

杏子「全く、ダメな奴だな上条恭介は」ﾑｩ

マミ「あら、じゃあケーキに釣られた貴女は何なのかしら？」ｸｽｸｽ

杏子「あーあー聞こえなーい――って親父たち！？」

杏子父「おぉ、杏子か。今帰りかな？」ﾔｧ

マミまどかほむら「こんにちはー」ﾍﾟｺﾘ

ゆま杏子妹「こんにちはっ」ﾍﾟｺｯ

杏子父「お友達か。杏子がいつも世話になってるね」ﾆｺﾘ

ゆま「キョーコお姉ちゃん、今日はごちそうだよ！」ﾆｯﾊﾟｰ!

杏子妹「学校帰りに、買い物を済ませたお父さんと会ったの」

杏子父「しかし……仕込みがいるから手伝いが欲しいんだが、杏子は友達と用事かな？」

杏子「う……いや、なら帰るぜ。マミ、悪い」ｺﾞﾒﾇ

362 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:47:16.88 ID:VQN1hVsAO

マミ「ふふ、構わないわ。じゃあ、またね」

杏子「またなー！」ﾀﾀﾀ

ゆま「あ、速いよー」ﾀﾞﾀﾞｯ

杏子妹「全く忙しないんだから……皆さん、失礼します」ﾍﾟｺｯ､ﾀﾀｯ

杏子父「また杏子と仲良くしてやってくれたら、父親としても嬉しいよ。では――おーい待ってくれー。父は大分年だぞー……」ﾜｯｾ､ﾜｯｾ

ほむら「……行っちゃったね」ﾎﾑﾘ

まどか「お父さんは神父さんで、お母さんはパン屋さんだってね」

マミ「ゆまちゃんは養子なのよね……そうは見えないけど」

まどか「神父って凄い」ｷﾘｯ

ほむら「関係無いと思うよ……？」ｱﾊﾊ……

363 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 22:47:35.78 ID:o/O/LW8SO

初リアルタイム遭遇が最終回。そしてホントにどういうことだってばよ…。

364 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 22:47:52.36 ID:YXeJkDWlo

まさか・・・救済されちゃった？

365 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:49:20.33 ID:VQN1hVsAO

――――マミ宅、お茶会

まどか「そういえば、マミさんのご両親は大丈夫ですか？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ほむら「この間の事故……酷かったらしいですけど」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

マミ「あぁ……入院はしてるけど、元気なモノよ。骨折してるんだから大人しくしていればいいのに、あの二人ったらイチャイチャイチャイチャと……恥ずかしいったらありゃしないのよ」ﾊｧ

まどか「でも良かったです、大事にならなくて」

マミ「ホントね……私が無事だったのも、奇跡みたいなモノだし……車には気を付けるわ」ｳﾝｳﾝ

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

マミ「あら、お客さんかしら。ちょっと待っててね」ｽｸｯ

ｶﾞﾁｬｯ

キリカ「ハロー巴マミ！」ｼﾞｬﾝｯ

織莉子「こんにちは……こんばんはかしら？」

まどか「マミさんー？どちらですかー？」

マミ「いつもの悪友ー」

キリカ「ひどいっ！？」ｶﾞｰﾝｯ!?

366 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/08/16(火) 22:49:30.66 ID:WKnSVBEQo

なんか銭ゲバのドラマ最終回みたいだ…

367 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:51:17.47 ID:VQN1hVsAO

――――

マミ「貴女も自分の学校で友達を作りなさいよ……」ﾊｧ

キリカ「友人はそんなに易く作れるものじゃないよ。キミは恩人だからね」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

織莉子「あら、私は？」

キリカ「キミは恋人」ｷｯﾊﾟﾘ

織莉子「キリカー」ﾑｷﾞｭｰ

キリカ「織莉子ー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

マミ「え、なにこれ私の家に来た意味って何？」ｲﾗｯ

ほむら「いつも思うけれど……」

まどか「キリカちゃんたちは凄まじいねぇ……」ｳｪﾋﾋ……

ほむら「あ、そういえば美国さん。お父さんの当選おめでとうございます」

織莉子「ありがとう。お父様も、『これから忙しくなるぞーっ！』って張り切ってました」ﾌﾌｯ

キリカ「いずれ挨拶しに行かなくちゃね……巴マミ、ごちそうさまだ」ｶﾁｬｯ

マミ「ハイハイ」ｸｽｯ

368 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]：2011/08/16(火) 22:51:26.68 ID:EHqcCowi0

嫌な予感ともしかしてな予感が混じり合って頭がおかしくなって死にそう

369 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 22:51:51.01 ID:Pou/5K3po

>>366
おいばかやめろ

370 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:55:11.50 ID:VQN1hVsAO

――――帰り道。

まどか「政治家の娘って大変なのかな？」ﾝｰ?

ほむら「うーん、よく分からないけど、きっと大変だよ」ﾎﾑ

まどか「だよねー。すごいな、織莉子ちゃん」ﾎｴｰ

まどか「あ、もう家だ。それじゃほむらちゃん、また明日！」ﾌﾘﾌﾘ

ほむら「うん、また明日」ﾌﾘﾌﾘ

371 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:56:21.90 ID:VQN1hVsAO

――――

ほむら「遅くなっちゃったな……早く帰らなきゃ」ﾃｸﾃｸ

「やぁ暁美ほむら！」

ほむら「へっ？」ｸﾙｯ

ｼｰﾝ――

ほむら「あれ……誰もいない。気のせいかな？」ﾃｸﾃｸ

まどか「…………」

372 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/16(火) 22:57:26.69 ID:7pVXRq7l0

きゅっぷい・・・？

373 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:58:02.42 ID:VQN1hVsAO

――――日常と、非日常。

まどか「今日も騒がしい一日だったねー」ﾊﾜｰ……

ほむら「そうだね……でも、平和って楽しいよ――ぅ」ｽﾞｷｯ

まどか「またまた、ほむらちゃんったらオーバー！」ｳｪﾋﾋｯ

ほむら「そ、そうかな……」ｶｧ

ほむら「（幸せ……だけれど、何か、大事な事を忘れているような――）」

まどか「あ、さやかちゃん」ﾔｯﾎｰ

さやか「お、二人とも。帰り道に出会うなんて珍しいね」ﾖｯ

ほむら「美樹さんはどちらへ？」ﾎﾑｯ

さやか「CDショップに用事が……そうだ、まどかたちも来ない？一人も寂しいしさ」ｶﾓﾝｶﾓﾝ

まどか「あ、いくいくー」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

ほむら「鹿目さんが行くなら私も……」ﾎﾑﾎﾑ

374 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 22:59:26.22 ID:VQN1hVsAO

――――CDショップ

さやか「うーん、どれにしようかな……」ﾑﾑﾑ……

まどか「これなんてどうかな？」ｽｯ

ほむら「わぁ、高い……なかなか手が出せないや」ﾎﾑｩ

『助けて――助けて――』

ほむら「――？」ﾋﾟｸｯ

まどか「ほむらちゃん、どうしたの？」ｳｪﾋ?

ほむら「誰か――呼んでる」ﾀﾀｯ

まどか「ほむらちゃん？」ﾃﾃｯ

375 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:01:03.83 ID:VQN1hVsAO

――――廃ビル

ほむら「この辺りから声が……」ｷｮﾛｷｮﾛ

「やぁ、暁美ほむら！」

ほむら「猫……が喋った？」ﾋﾞｸｯ

「ボクと契約して魔法少女になってよ！」

ほむら「魔法……少女……？」ｽﾞｷ

ほむら「あなたは一体何なの……？」ｽﾞｷﾝ

「ボクと契約して魔法少女になってよ！」

ほむら「え……？」ｽﾞｷﾝｯ

「ボクと契約して魔法少女になってよ！」

ほむら「な、なに……」ｽﾞｷﾝｯ!

「ボクと契約して魔法少女になってよ！（タスケテ――）」

ほむら「ぐぅぅ……頭が……」ﾊｯ

ほむら「魔法……少女。そうよ、私は――」ﾌﾗｯ

ほむら「……しっかりしなさい、暁美ほむら。この世界は……一体？キュゥべえ？」

QB「…………」ｽｩｩ……

ほむら「消えた……なんだったのかしら」

376 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:03:55.07 ID:VQN1hVsAO

ほむら「それより皆の様子が変だったわね……時間跳躍から記憶が無いわ」

ほむら「世界が改変された？……でも何によって――」

まどか「もう……ほむらちゃん速いよー……」ﾊｧﾊｧ

ほむら「まどか？」

まどか「？」ｷｮﾄﾝ

ほむら「どうかしたの？」

まどか「ほむらちゃんが私の名前を呼ぶなんて珍しいなって思って……ほむらちゃん、何か雰囲気変わった？」ﾎﾆｬ?

ほむら「気のせい――ですよ、鹿目さん」ﾆｺ

まどか「そうかなー……まぁいいや。さやかちゃん待たせてるし、行こっ」ｷﾞｭｯ

ほむら「うん」ﾄﾃﾃｯ

ほむら「（……この世界は、優し過ぎる。故に――不自然だわ）」

377 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:05:06.11 ID:VQN1hVsAO

――――学校、放課後

ほむら「（……昔の私のフリをするのも骨が折れるわ。今日は少し調べないと……）」ﾌｩ

まどか「ほむらちゃん、一緒に帰ろっ」ﾀﾞｷｯ

ほむら「あ、ありがとう鹿目さん……でも、私今日は用事があって、行かなきゃいけない所があるの」ｺﾞﾒﾝﾈ

まどか「あ、そっか。なら仕方ないね……また明日！」ﾊﾞｲﾊﾞｰｲ

ほむら「うん、また明日」ﾌﾘﾌﾘ

ほむら「さて」ﾁｬｯ､ﾊﾞｻｯ

ほむら「もうこの容姿の方が楽になってしまったわね……少し悲しいわ」ﾎﾑｯ

ほむら「行きましょう」

378 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:06:39.49 ID:VQN1hVsAO

――――見滝原、市街

ほむら「市街地に変わりは無いわね……」

ほむら「（魔法少女に変身する事も出来ないし、ソウルジェムも見当たらない）」

ほむら「……普通の人間に戻った、という事かしら。実感は湧かないけど」ﾌｩ

ほむら「（当然、魔女の気配なんて感じない……あのキュゥべえも気になるけど）」

ほむら「……ここは、私の望む最高の世界ね。何が起こったのかしら……私が過去の改変に成功した？私の記憶が書き換えられたのかしら……」

ほむら「まぁでも、悪くないわ。グッジョブ私」ﾎﾑﾘ

ほむら「……っと、いつの間にか町外れだわ。見滝原から出てしまう所だった――」

ｺﾞﾂﾝｯ

ほむら「――何、これ」ｺﾝｺﾝｯ

ほむら「見えない、壁――？」ｿﾞｯ

379 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:07:33.52 ID:VQN1hVsAO

ほむら「――っ！」ﾊﾞｯ

ほむら「（車や自転車、鳥や虫は越えられている……いや、この壁は私を出さない為のモノ――ならば！！）」

ほむら「この世界は――何もかも偽り……？」

『ボクと契約して――』

ほむら「……そういう事か！」ﾀﾞｯ

380 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/16(火) 23:08:46.49 ID:nOUYb/+Ao

つまりどういうことだってばよ！

381 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:09:02.11 ID:VQN1hVsAO

――――見滝原、港

ほむら「はっ、はぁっ……」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ｺﾞﾂﾝｯ!

ほむら「――痛ぅ……入れない！？」ｶﾞﾊﾞｯ

ほむら「開け、開けぇ！！」ｶﾞﾝｶﾞﾝｯ!

「何してるの、ほむらちゃん？」

ほむら「え？」ｸﾙｯ

まどか「髪、下ろしたんだね。とっても似合ってるよ……今日の用事って、もしかしてイメチェン？」ﾃｨﾋﾋｯ

ほむら「あ、あぁ、そうなの」

ほむら「（――まさか）」

382 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/16(火) 23:11:16.38 ID:wtsf8HfAo

救済エンドか…

383 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:12:58.88 ID:VQN1hVsAO

ほむら「ねぇ、まどか」

まどか「何かな、ほむらちゃん」

ほむら「貴女、誰？」ﾊﾟｧｯ

まどか「魔法少女になっちゃったね、ほむらちゃん」

ほむら「答えて」

まどか「私は鹿目まどかだよ。ホントにね」ｽﾀｽﾀ

ほむら「……」

まどか「今のほむらちゃんなら、その先へと進めるよ。世界を壊してみて」

ほむら「……」ﾍﾟﾀｯ

ｶﾞｼｬﾝｯ……

ほむら「――ここは」

まどか「そう。あの時のここだよ――ほむらちゃんが契約した、ね」

384 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:14:01.09 ID:VQN1hVsAO

ほむら「この世界は――いや、貴女は」

ほむら「概念になった、あのまどか、ね？」

まどか「――正解。さすがほむらちゃんだよね……久しぶり」ﾆｺ

ほむら「久しぶり……と言いたい所だけれど、私は急いでいるから……ここから出してくれないかしら？」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん。ここは、キライ？」

ほむら「……いいえ。居心地は、最高だわ」

まどか「ならもう良いんじゃないかな？ほむらちゃんは良く頑張ったよ」

ほむら「……でもここは偽りの楽園。真実では無く、ただの逃避でしかないわ」

385 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:15:01.61 ID:VQN1hVsAO

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「……何かしら」

まどか「じゃあ、ほむらちゃんの居た世界が本物だって証拠はあるの？」

ほむら「――――え？」

まどか「ほむらちゃんは本当に凄い力を持ったよ。遥か未来から帰って来ちゃうんだから」

まどか「でも、ほむらちゃんが居たのは、ほむらちゃん自身が作った世界の中だったの」

ほむら「――どういう意味かしら」

まどか「ほむらちゃんは、世界の歴史の中の――あの一ヶ月だけをそのままコピーして、別の次元に張り付けたの」

まどか「ほむらちゃんが成功すれば、その書き換えられたデータが世界の歴史に上書きされて……きっと未来は変わる」

ほむら「……？なら、何の問題も無いと思うのだけれど」

まどか「でもね、ほむらちゃんはルール違反をしちゃったんだ」

386 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:16:21.88 ID:VQN1hVsAO

ほむら「――――まさか」

まどか「ほむらちゃんの、最初の願いは何？」

ほむら「……『まどかに守られる私じゃなく、まどかを守る私になりたい』――」

まどか「でも、ほむらちゃんは私を殺してしまった」

ほむら「――仕方なかったの！」

まどか「うん、分かってるよ。でも、その所為でほむらちゃんが抱えていた因果が幾つかバラけてしまったの」

まどか「このままじゃ世界線が滅茶苦茶になってしまう……だから私は世界を再び練り直したの」

まどか「ほむらちゃん、ごめんね」

まどか「本当の世界はね、私が改変した直後に戻っちゃったんだ」

ほむら「――そん、な」

まどか「ほむらちゃんがあの一ヶ月で、結界の中でしか未来の力を使えないのはね、私のせいなんだ。大変だったんだよ、ほむらちゃんが気付いちゃった所為で、私も気付いちゃった」

ほむら「……？」

まどか「『魔法少女は魔女と等価値』」

ほむら「――！！」

387 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:18:27.90 ID:VQN1hVsAO

まどか「私の願いは『過去と未来、全ての魔女を生まれる前に消し去りたい』……意味が分かるかな？」

ほむら「……あ、あぁ――」ﾌﾞﾙｯ

まどか「もう、ね。抑えるだけで、精一杯なの――救済の魔法少女は、今、滅びの魔法少女になりそうなんだよ？」

まどか「私も、こんな姿になっても、結局舞台の上で踊ってるだけだったの」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ほむら「ま、まどか……」

まどか「それでも行くなら……私が耐えきれなくなる前に、世界を変えて……」

まどか「私を、救って」

ほむら「――分かったわ。貴女の為なら……あと数千年くらい、余裕よ。時間跳躍があれば、何度だってやり直せるわ」

まどか「……ほむらちゃんは知らないんだよ。失う事の、辛さを」

ほむら「失うなら、失う前に戻る。それだけよ……さて」ｼﾞｬｷｯ

ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯ!!!

ほむら「これだけの武器があれば、まどかの空間に孔を開けられるかしら……試すには、ちょうど良いわ！！」

ﾌﾜｯ……

ほむら「全ての奇跡よ、突き穿て！！」

388 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:21:04.32 ID:VQN1hVsAO

――――

ほむら「案外簡単なモノね。出口はあっさり作れたわ」ﾌｩ

ほむら「ここから出たら……私は改変後の世界に居るのね？」

まどか「……そうだよ。盾じゃなく、弓を持ったほむらちゃんが待ってる」

ほむら「次に盾が現れた時……中身は空になるのかしら？」

ほむら「まだ盾に入ってるのは……あ」ｺﾞｿｺﾞｿ

ほむら「バイオリン……か。勿体無いし、一本出しときましょうか」ｽﾎﾟﾝｯ

まどか「……本当に、後悔しない？」

ほむら「えぇ、待ってなさいまどか。必ず迎えに来るから」ﾊﾞｻｧｯ

まどか「…………」

389 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:22:56.17 ID:VQN1hVsAO

――――現実、魔獣の犇めく地上。

ほむら「――はっ」ﾊﾟﾁｯ

QB「ようやく起きたのかい、ほむら」きゅっぷい

ほむら「キュゥべえ……戻ってきたのね、私」

ほむら「マミたちと連絡が取りたい……キュゥべえ、彼女たちはどこ？」

QB「？……ほむら、申し訳ないんだけれど――」

――それは誰の事だい？

ほむら「――え」

ほむら「な、何を言っているの……巴マミに佐倉杏子、千歳ゆま……美国織莉子に呉キリカ。みんな魔法少女の――」

QB「……どうしたんだいほむら。夢でも見ていたのかな？」

QB「そもそもこの街にいる魔法少女は、ずっと君だけじゃないか」きゅっぷい！

『因果が――』

『失う――』

ほむら「あ、あ……まさか、まさか……」

ほむらちゃんは、知らないんだよ。失う事の、辛さを。

ほむら「私は、私は――」

――取り返しのつかないことを、してしまった？

ほむら「――うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！」

390 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:26:07.41 ID:VQN1hVsAO

スレッドタイトル――ほむら「キュゥべえをレイプしたらソウルジェムが浄化された」

「インキュベーターは優しい夢を見るか」後編

完。

391 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/16(火) 23:27:20.57 ID:VQN1hVsAO

投下終了。
ちと休憩

392 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:27:25.56 ID:ykpaS+gXo

まさかのリセット

393 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:27:37.28 ID:Pou/5K3po

おいどういう事だおい本当どういう>>1乙

394 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:28:15.49 ID:kMAqbx+5o

バッドエンドだと思ったけど休憩ってことはまだあるってことかな？

395 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:28:25.83 ID:vpoZpjLSO

お疲れ様ー

こうなるとは…

396 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/16(火) 23:29:04.75 ID:7pVXRq7l0

絶句したが・・・しかし・・・いろいろな意味で、作者が戻るのを待つしかない（「ちと」休憩というなれば）。

397 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/08/16(火) 23:29:09.99 ID:B34geDhg0

え?

え?

…つまりどういうことだってばよ……これはあれだよな?続くフラグだよな……

398 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/16(火) 23:29:37.64 ID:wtsf8HfAo

乙乙
まさかの新章か…？

399 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2011/08/16(火) 23:31:17.49 ID:6Hyo9GdAO

まだ伏線やら謎やら残ってるからここで終わりはなかろう

しかしこれは…
本格的にほむらやばくないか？
魔女化してもおかしくないレベルの絶望だぜ

400 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/08/16(火) 23:31:54.52 ID:B34geDhg0

つまり他の魔法少女が存在しない世界になってしまったのか…因果を失ったから…

401 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:32:28.95 ID:o/O/LW8SO

えっ?……………えっ?
ちょっと誰かバカな俺に最後の部分解説してくれ。
あとバカエロどこいった…。

402 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:32:34.52 ID:oJatx0UIo

ああバラケタってそういう

403 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]：2011/08/16(火) 23:32:40.16 ID:v+e99t6ao

まど神「聞かれなかったからね！」

404 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:32:43.99 ID:dbgGCbxDO

乙っちきゅっぷい！
原因が歪めば結果も歪む。歪みを見えなくしたのが、概念が作った世界で、カーテンをとったら歪みが見えた、と。

ワルプルギスを乗り越えて、改変後の世界へ。しかしそこにあるべきものがない……と。切ないなぁ。巧いなぁ。

405 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/16(火) 23:34:04.52 ID:G471eyrao

それどころか下手したら自分だけ因果の外側にはじき出されて
「魔法少女でない」マミ達すらいない可能性も……

406 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2011/08/16(火) 23:38:56.07 ID:wDF4YNba0

これで終わり…だと…？
ほんとにバカエロどこ行ったんだ…エの字も見当たらないぞ…

407 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2011/08/16(火) 23:39:39.22 ID:KyuiUtqD0

乙！
さて、次のタイトルは何かな？

408 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/16(火) 23:41:11.73 ID:XWsNaAJ00

>>1超乙
ここで終ったら、余りにも消化不良すぎる。
再び盾が具現化するまで生き抜くしかないのかな。そして、もう1ループと。
ほむらの年齢がとうとう6桁に…。

409 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/16(火) 23:42:43.83 ID:XWsNaAJ00

410 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:43:25.50 ID:Nt5d2SDDO

ん？……ん!?

411 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/16(火) 23:43:47.94 ID:1CUz66kAO

わけがわからないよ

412 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/16(火) 23:44:47.04 ID:1CUz66kAO

わけがわからないよ

413 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:47:04.38 ID:Nt5d2SDDO

ん？……ん!?

414 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/16(火) 23:47:42.71 ID:XWsNaAJ00

二重投稿すまん

415 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:49:31.65 ID:F4h23gRDO

大事なことだったんだよねきっと

危うく大事な後藤バースって書き込みかけた
携帯予測変換の罠

416 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/16(火) 23:49:41.13 ID:1CUz66kAO

二重投稿すまん

417 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/16(火) 23:54:32.88 ID:Nt5d2SDDO

二重投稿すまん

418 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/16(火) 23:55:02.65 ID:7pVXRq7l0

乙つくんだみんな。素数を数えて乙つくんだ。・・俺は今猛烈に動揺しているが・・動揺しているがしかしッ！！
・・せつないなあ。これが終わりだったらせつない。仕方ないがせつない。
どうか、この「先」がある事を信じたいが・・・。

419 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]：2011/08/17(水) 00:02:46.23 ID:07PbX0iWo

あとがきを書くための休憩なきがす
しかし・・・なんというかバッドエンドだ

420 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/17(水) 00:10:26.16 ID:iqsEP1cAO

バカエロどこいった

421 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/17(水) 00:21:30.09 ID:XCSmECkAO

――予告と言う名の幕間

ベアトリクス「やぁ、皆。お疲れさま。これで、この物語は終わりを告げた。キミたちの及び知れる範囲はここまでだ」

ベアトリクス「ここからは、あの一ヶ月とはかけ離れた世界だ」

ベアトリクス「暁美ほむらはどうなってしまったのだろうか。絶望に身を焦がしたのかもしれないし、未だに戦い続けているのかもしれない」

ベアトリクス「でも、もし――暁美ほむらが未来を切り開くのなら……それはとても素晴らしいね」

ベアトリクス「何？こんな結末は嫌だって？」

ベアトリクス「なら、キミは読み続けると良い。ほら、舞台の奥へと――歩いておいで？」

――魔獣と戦う者、魔法少女。

彼女らは願いを叶える代償として、ソレと戦う運命を背負う。

そんな魔法少女たちの間に、ある噂が流れた。

曰く、「天使が助けに来てくれた」

曰く、「死神が私たちを殺しに来た」

魔法少女たちは、如何なる願いでそのソウルジェムを輝かせるのだろうか。

「インキュベーターは優しい夢を見るか」終章

QB「カミングスーン、だよ。きゅっぷい！」

422 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/17(水) 00:26:00.62 ID:FYhWKpeno

お疲れ様でした。

ふむぅ・・・・・・・。

423 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/17(水) 00:34:04.60 ID:XCSmECkAO

って訳で後編終了。次は終章って事で一つ宜しく。
回収するべき伏線は回収してるはずなんだけど、すっげー不安。

やったね皆、終章ではまたエロスが帰ってくるよ！

とまぁ、良く考えたら激しいスレタイ詐欺かもしれないと思い至る訳で。訴えられかねないよねアハハー

途中凄い書き込み増えて驚いたよ。うん。やる気も出たね。

ていうか暇潰しに立てたスレがこんなになっちゃって……本スレが疎かになってヤバいね。

って訳でまた書いた時にでも。

424 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]：2011/08/17(水) 00:34:04.47 ID:6TRjplPAO

乙でした！
先が気になって眠れなくなった・・・あと３時間後には起きないといかんのに。

425 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/17(水) 00:35:56.22 ID:NJFbFVq00

乙。・・・・ありがとう。待っている・・・。

426 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2011/08/17(水) 00:36:17.62 ID:EZhcQVo70

超乙！

427 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/08/17(水) 01:00:34.37 ID:Y648GwCAO

ひとまず乙
ゆまのバカエロに期待してる

428 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/17(水) 01:12:45.52 ID:xbN3dIIOo

乙っちまどまど！
いやー面白かったよ

429 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2011/08/17(水) 03:13:10.55 ID:cWaAhsk5o

リアルで叫んだよ、もー

>>1乙！終章楽しみにしてます

430 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/17(水) 08:19:34.65 ID:CXln9awIO

>>423
こっち本スレでええやんｗｗｗｗｗｗ

431 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/17(水) 08:36:22.13 ID:RH8lIX730

乙
把握はしたけど理解できない

432 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/17(水) 08:42:13.30 ID:gk4a9exto

ほむらのルール違反って3週目のまどか殺しとクリーム殺しの両方なのかな

433 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]：2011/08/17(水) 11:07:23.74 ID:07PbX0iWo

３週目は本人の意思を尊重して本人の意思を守ってるから問題ないんじゃね？
むしろまどかが殺してっていったときに殺さなかったのが問題みたいな感じかと
まどかを守るためじゃなくてさやかを守るためにまどかを犠牲にしたって言うことがルール違反につながってしまったみたいな
でも長期的な視野で見ればまどかを守ることになる気がするが…まあまどかが許せないなら仕方ないな

434 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/17(水) 12:38:47.37 ID:NxpOXv3xo

俺もゆまエロ期待
ゆま「きょーこ、きょーこぉ…」って杏子の服の裾引っ張って一生懸命トばないようこらえるんだぜ

うっは滾る

435 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/17(水) 12:58:38.28 ID:qL39V6qXo

>>434
お前が俺と同類なのはよくわかった

436 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/17(水) 15:52:54.12 ID:xxq2kcRP0

乙！急展開に頭がどうにかなりそうだったけど、ゆまちゃんのエロが見れると聞いて落ち着いたわ…ﾎｯﾋﾋ!

437 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/08/17(水) 16:49:21.42 ID:Y648GwCAO

バカエロ復活だからにはまどかさやかもいれて…
9C2で36パターンものエロシーンか…ティッシュ買い溜めしとこうか

438 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/17(水) 17:26:43.45 ID:NxpOXv3xo

何時から多人数プレイがないと錯覚していた！？

439 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/17(水) 21:21:05.08 ID:Jk+dvqtSO

バカエロ楽しみすぎてソウルジェム濁ってきた

440 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/17(水) 21:33:48.04 ID:/VuEPmO7o

本スレについてｋｗｗｓｋ

441 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/17(水) 21:36:36.07 ID:i3OrW3oeo

別に無理しないでシリアスのままでも良いのよ？
下手に要望ばっか聞き入れて書きたい事があやふやになって頓挫が一番こわい

442 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/17(水) 21:39:12.67 ID:i3OrW3oeo

別に無理しないでシリアスのままでも良いのよ？
下手に要望ばっか聞き入れて書きたい事があやふやになって頓挫が一番こわい

443 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/08/17(水) 22:28:48.02 ID:XCSmECkAO

>>440

10666「これが超電磁砲……」
http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1294926780/l20

初めて立てたスレ。だから台本から地の文になったり迷走気味。禁書。例の本スレ。

ミサカ「ごちそうさま、だよ！」
http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1301151650/l20

地の文オンリーに試みたスレ。禁書。

長らくこれにかかりっきりになってるからいい加減書かなきゃ落ちる。

ちなみに油断してたら、

アスカ「学園都市……？」
http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1295440262/l20

は落ちたorz

444 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/17(水) 22:37:39.75 ID:RgMiPBfEo

まどかしか見てない俺がいるからこのSSしかよんでない

445 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [sage]：2011/08/17(水) 22:59:49.48 ID:o9KatuEvo

10666「これが超電磁砲……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294926773/

10666「これが超電磁砲……」2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294926780/

ミサカ「いただきます、だよ！」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301151650/

>>1にはＰＣ用のＵＲＬをコピーする方法を覚えてもらいたい

446 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/18(木) 20:22:55.87 ID:5i5kmRfSO

まさかあの作者様だったのか…。

447 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/20(土) 00:38:07.13 ID:B/c84DOgo

称賛に値する！！！！お疲れ様でした。

続きは焦らず書いてください。ｗｗｋｔｋ

448 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/20(土) 03:31:13.76 ID:BiUSCccEo

ベアトリクス見た瞬間メイトリクスが頭に浮かんだ俺・・・

449 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/20(土) 05:25:43.42 ID:QmMCF2dIO

>>448
何が始まるんです？

450 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/21(日) 12:16:14.69 ID:WvXbLfYSO

突然だけど、ほむほむって何百回も繰り返してるんだよな？
基小説によると人間は140年までしか記憶できない…
マジカルな力なのか…

451 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/08/21(日) 12:45:49.47 ID:UpBXi5gQo

>>450
まどか以外の記憶は曖昧に圧縮してるから大丈夫

452 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/21(日) 15:13:45.43 ID:ZpqxOHQvo

ほむほむのことだから外付け脳みそとか作ってても不思議じゃない

453 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/21(日) 17:50:38.74 ID:7ITwYBW3o

>>450
人間じゃ、無いからかもね

454 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/21(日) 20:47:31.31 ID:hj63IuXV0

つまりこうですね。
ほむら：「ＱＢ！！私は人間を辞めるぞォオオオオオオオオオ！！！！」
ＱＢ　：「分かった。君の人格を脳チップに移植してあげる。これで君はサイボーグだ」ｂｙ銃夢

455 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/08/21(日) 21:44:47.56 ID:zRvmGtlAO

頭割ったら発狂するじゃんｗｗｗｗ

456 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/21(日) 22:07:52.71 ID:hj63IuXV0

さやか：「あたしなんかコレよコレ」（パカッ）
ほむら：「パカッて何？美樹さやか」（パカッ）
マミ　：「本体が脳チップなら、みんな死ぬしかないじゃない！！」（パカッ）
杏子　：「チィイイイイイップ！！！あたしがチィイイイイップ！！！・・・って、食うかい？」（パカッ）
ＱＢ　：「わけが分からないよ・・」

457 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2011/08/21(日) 22:34:30.02 ID:9vHoD6Jao

銃夢ネタ懐かしいなぁ・・・
と思ったけど、ラストオーダーあるからそうでもないのか

458 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/21(日) 22:40:01.34 ID:Dtu+Irzao

そんなにパカパカ開いてメロンパンが出てきたらどうするんだ！

459 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/22(月) 00:09:32.03 ID:Z/CgT0muo

さやか「あたしってほんとパカッ」
と申したか？

460 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/22(月) 00:15:25.08 ID:saQTNOowo

金の脳ですねわかります

461 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2011/08/22(月) 00:23:39.89 ID:hF+nzYtho

ﾄｰﾘｰﾋﾞｰｱｧｰ

462 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/22(月) 00:35:20.27 ID:kVRgU6cZ0

つまりパカエロにいたるわけですね

463 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/22(月) 00:48:13.44 ID:BD+xuTsDP

「うそつき」

464 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/08/22(月) 09:03:00.10 ID:7xaxggtAO

うわぁぁぁぁ>>338ミスってんの今気付いたぁぁぁ杏子ちゃんダセェ！

465 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/08/22(月) 10:04:14.24 ID:nP7xJ1+AO

感情のないインキュベーターをレイプしたらどうなるか
これってトリビアになりませんか？

466 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/22(月) 12:59:45.12 ID:4dZz6swFo

みなさん！いよいよお別れです！
地球を守る魔法少女連合は大ピンチ！
しかも、ワルプルギスの夜最終形態へ姿を変えたまどかが、ほむらに襲い掛かるではありませんかっ！
果たして、全宇宙の運命やいかに！

次回、機動魔法少女伝Ｇキュゥべえ最終回！

「インキュベーター大勝利！希望の未来へレディ・ゴーッ！！」

467 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 22:59:49.63 ID:7xaxggtAO

投下開始

468 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/22(月) 23:00:18.53 ID:19f7MAaL0

お別れ…だと!?
そんなの絶対おかしいよ！

と言いたいところだが
完結してくれるだけで嬉しいからwktkして待つよ～

469 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:00:42.31 ID:7xaxggtAO

――――暗闇の中、追われる者

少女「はぁっ、はぁっ……」

路地裏を、年端もいかない少女が走っていた。
夜も更けていて、この場所にいるのは場違いであろう、少女だ。

だが少女には、それから違和感を取り除くに値する理由があった。

少女は、魔法少女だった。

少女「くっ……このぉっ！」

少女が小さな拳銃をから銃弾を放つ。
魔法で創られたソレは、魔獣に向かっていった。
少女が走る訳は、その魔獣にある。

少女「しつこい……あっち行って……」

魔獣の群れに襲われた少女は、その数に対応できず、敗走してしまった。
ソウルジェムは既に濁ってしまい、魔力も枯れそうになっている。

少女「はっ、はっ……きゃっ！？」

疲労から足が縺れ、転んでしまった。
魔獣は音も無く少女を取り囲む。

もう、ダメだ。

少女がそう思おうとした時――

魔獣「――……」

紫色の閃光が駆け抜け、魔獣が一匹霧散した。

470 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:01:31.50 ID:7xaxggtAO

少女「――だれ？」

少女の眼前には、凛と立つ女性がいる。
髪は流れる様な黒色をしていて、服は淡い紫色。
リボンで結んだポニーテールと、口元まで覆い、かつ尾のように長いマフラーが印象的だった。

魔法少女である事は、一目で分かる。

紫「…………」

その魔法少女は弓を構えた。
魔力の矢が番えられ、それが魔獣を一匹の例外無く貫いていく。

少女「――――」

少女は、その弓兵を――その横顔を、美しいと思った。

471 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:02:46.71 ID:7xaxggtAO

「インキュベーターは優しい夢を見るか」――開幕

472 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:04:15.94 ID:7xaxggtAO

――――討滅完了。

少女「あっという間に倒しちゃった……」ﾎｴｰ

少女「ありがと、助かったよー！キミだれ？どこの魔法少女？」ｷｬｲｷｬｲ

紫「…………」ｼﾞｯ

少女「な、何かな？」ﾃﾚｯ

紫「…………」ﾌｲｯ

ﾃｸﾃｸ

少女「えっ、ちょっ、待ってよー！」ﾀｯ

473 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:05:28.24 ID:7xaxggtAO

――――夜の街。

少女「ねー、お礼くらい聞いてくれても良くない？」ﾊｧ

紫「…………」ｸﾙｯ

少女「お？」

紫「…………」ﾌﾘﾌﾘ

少女「（首を横に振った……？）」

少女「構わない……ってこと？」

紫「…………」ｺｸﾘ

少女「（喋れないのかな……？テレパシー繋いでみるかな）」

少女「――いったぁぁぁぁっ！！？」ｽﾞｯｷｰﾝ!

少女「（何コレ、テレパシー出来ない――頭いったぁぁぁっ！？）」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

紫「…………」ﾃｸﾃｸ､ﾊﾞｻｧｯ

少女「あ、待って――飛んでっちゃった」

少女「……羽か――天使みたい」

474 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:07:12.97 ID:7xaxggtAO

――――少女行きつけのファミレス。

少女「それでですね、私はうっかりやられそうになった訳なんですよ！分かりますか奥さん！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

女「誰が奥さんだ絞め殺すぞコラ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

女子「そこにさっそーとその魔法少女が現れたんだね」ﾓｯｷｭﾓｯｷｭ

少女「そうそう。んで、パパーと片付けられちゃった訳っすよー。グリーフシードも置いてったし、うーん、謎」ｳﾑﾑ……

女「訳分からん奴だな。見返りも無いのに首突っ込んできたのかよ」

少女「みたい。お礼も聞かずにどっか行くしさ、もやもやするぅー」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

女子「どんな子だったの？」

少女「うーん、見た目は私よりちょっと上ぐらいなんだけどさ。凄い大人な雰囲気なんだ。女よりずっとね」

女「表現が気に食わないが……で？」

少女「あと……白い羽が生えてる」

女「羽ぇ？」ﾊｧ?

少女「まるで天使みたいだったなー」ﾎﾟｹｰ

女子「おーい」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

女「ダメだこりゃ」ﾔﾚﾔﾚ

475 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:14:42.68 ID:7xaxggtAO

――――

女「今日は解散だ。無茶すんなよ」

少女「わーってますって。魔力無い時に下手な戦いは挑みませぬよ」ﾌﾝｽ

女子「みんなで行動、ね？」ﾈ?

少女「りょーかいしましたよ。んではこれにてー」ﾋﾟｮﾝｯ

女「おう」

女「（紫色の魔法少女か……気になるな。調べるか）」

女「（キュゥべえも最近見ねぇし、弱ったねぇ……）」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

女子「じゃあ私も帰るね、バイバーイ」

女「あいよ。寄り道すんなよ」

女「天使ねぇ……そんなモノがいるなら見てみたいもんだよ」ﾊｧ

476 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:15:30.76 ID:7xaxggtAO

――――少女行進、港沿いの道

少女「どこに行けばあの子に会えるんだろーなー？」ﾃｸﾃｸ

少女「……魔獣との戦い、最近つらいなぁ。ソウルジェムの調子もなんだか悪いみたいだし」

少女「なんだかなぁ……いくら科学が発展したって、魔法少女には役立たずですよー」ﾍﾞｰ

少女「キュゥべえも最近見ないし、どっか遠くで契約頑張ってんのかなー……」ﾊｧ

少女「使用済みグリーフシードも溜まってきてるし、もうそろそろ来てくれないとなぁ」

少女「――ん？港の方から何か聞こえる……行ってみよう」ﾄﾃﾃｯ

477 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:18:45.45 ID:7xaxggtAO

――――港

紫「…………」～♪

少女「（――いたぁぁぁぁ！！Foooooooo！！）」ﾋﾟｮｲｰﾝ!

少女「（バイオリン弾いてる……けど、何か、すごく……）」ﾀﾗｰ

紫「…………」～♪

少女「（うまくない！）」ﾁｮｲｰﾝ!

少女「……」ｺｿｺｿ

紫「…………」～♪

少女「てーんしさんっ！」ﾊﾞｯ!

紫「！！？」ﾄﾞｯｷﾝ!!

紫「…………！」ｸﾙｯ

少女「やっほ、おひさしー」ﾆﾊﾟｯ

紫「…………」ﾌｩ

紫「…………」ｸﾙｯ､～♪

少女「バイオリンかー」ｽﾜﾘｯ

紫「…………」～♪

少女「ね、あんま上手くないねっ」ﾆﾊﾟｯ

紫「！！」ｶﾞｰﾝｯ

少女「（あ、涙目。案外カワイイところもあるんだ）」

478 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:19:47.94 ID:7xaxggtAO

――――演奏終了

紫「…………」ﾌｩ……

少女「おみごとおみごとー」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

紫「…………」ｼﾞﾄｰ

少女「これはホント。思いが込もってたのが、すごい伝わってきた」

紫「…………」ﾃｸﾃｸ

少女「あ、待ってよー。話聞いてよー」ﾀﾀｯ

479 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:21:24.14 ID:7xaxggtAO

――――夜の街

紫「…………」ﾃｸﾃｸ

少女「もう、歩いてばかりでさ。ちっとは休まないの？」ﾃｸﾃｸ

「お、あれ……」

「いいな……オッケーいこーぜ」

男1「よう彼女。こんな時間になにしてんのー？」

男2「ちょっとおにーさんたちと付き合ってくんない？」ﾆﾔﾆﾔ

男3「頼まれると思ってさ、な？」

少女「……なんだよ、アンタら」ｷｯ

男4「おー、こっちの子は気が強いねー」ﾊﾊﾊ

男2「ね、いいじゃん？」ｸﾞｲｯ

紫「…………」ｸﾞﾗｯ

男1「おっと危ない……お、この子おとなしー」ｷﾞｭｰ

紫「…………」

男1「なにこれカワイー。持って帰りてー」ｱﾊﾊ

男3「バーロー、どーせ持ってかえるんだろが」ｷﾞｬﾊﾊ

少女「おい」ｺﾞｫｯ

男4「ん？」

480 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:23:18.91 ID:7xaxggtAO

少女「お前らは三つ間違えた」

少女「一つ目はアタシらに声をかけた事」ﾋﾟｯ

少女「二つ目はその子に抱き着いた事」ﾋﾟｯ

少女「あ、もう無いや。二つだったわ」

男1「で？なにか――」

ﾊﾞｷｨｯ!!

少女「何か？じゃねぇんですってば」ｺｫｫ……

男2「お、おい大丈夫か――」

少女「いい顔。大好きだよ――そういう、弱者だと思ってたヤツにぶっ飛ばされた時の顔、さ」ﾊﾞｷｯ

男3「ぎゃっ」

男4「このやろ――」

少女「おっせー。やり直せよじんせー」ﾄﾞｶﾞｯ!

男2「ひ――」

少女「まぁまぁごゆっくり。サービスはどちらに、しますかっ？」ﾄﾞｻｯ

男2「ど、退いてくれっ」

少女「あるぇ？こーんな美少女に馬乗りになられるなんて、一生掛けてもないよ？」ﾋﾟｯ

少女「じゃあサービス内訳ですぅー。いち、このままタコ殴りー。に、このままタコ殴りー。さん、このままタコ殴りー。さぁ、如何いたしますかぁ？」ﾆｺｫ

男2「やめ――」

少女「はーいタコ殴りですねー分かりましたー！」ｸﾞｯ

少女「おららららー」ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｯ!!

男2「――――」

少女「ありゃ、脆いや。全くもー」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝｯ

紫「…………」

少女「あ、お待たせっす。手間取らせまして悪うござんした」ﾆﾊﾟｯ

紫「…………」ﾃｸﾃｸ

少女「（わお。動じないキミも素敵！）」

481 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:25:42.61 ID:7xaxggtAO

――――

少女「あー気分そーかい！やっぱああいうのをボコすのが最高だね」ﾙﾝﾀﾙﾝﾀ

紫「…………」ﾃｸﾃｸ

少女「……お嬢さんはどこにお住まいかなー？」

紫「…………」ﾋﾟｯ

少女「へー、あのホテルかぁ。いいなー、わたくしめもご一緒してよろしいかい？」

紫「…………」ｳｰﾝ

紫「……」ｺｸﾘ

少女「――わーはいわーはい！ツイてるね私は！」ｸﾞｯ!

482 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:27:18.57 ID:7xaxggtAO

――――ホテルの一室

少女「わー広い……いいとこだと思われるが如何かな？」

紫「……」ｺｸ

少女「やっぱり。わぁすごいなー」ﾊﾟｧｧ

紫「…………」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

少女「へっ？」

紫「…………」ﾊﾟｻｯ

少女「――ちょっ、いや確かにホテルだけれるけれられるけどさ！！？――って」ｱﾜﾜｯ

紫「…………」ｶﾞﾁｬｯ､ﾊﾞﾀﾝ

少女「風呂かーい……」ｶﾞｯｸｼ

少女「って、何故にガッカリしてるの自分……」ﾊｯ

少女「私も入る！異論は認めナッシング！」ﾊﾞﾀｰﾝ!

紫「…………」ｼﾞﾄｯ

少女「……ご一緒してよろしおま？」

紫「…………」

紫「……」ｺｸﾘ

少女「お背中、流させていただきますぅー」ﾊﾊｰ

483 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:29:21.34 ID:7xaxggtAO

――――風呂、背中を流す。

紫「…………」ﾌｩ

少女「気持ち良いかな？」ｺﾞｼｺﾞｼ

紫「……」ｺｸﾘ

少女「そりゃ善きかな善きかな」ﾙﾝﾙﾝ

少女「こないだ助けてもらったし、そのお礼なわけですよー」ｺﾞｼｺﾞｼ

少女「――おっと」ｸﾗｯ

紫「！」ｶﾞｼｯ

少女「あれ、のぼせちゃったかな……」

紫「…………」ｷﾞｭｯ

少女「あ、指輪かな？私のソウルジェムだけど、どうしたの？」

少女「汚いでしょ。なんか最近グリーフシードも取れてないし、仕方ないじゃん？」ｱﾊﾊｰ

紫「…………」ﾎﾟｩ……

少女「（……？この子、指輪が二つある？）」

少女「――あ、楽になった。キミがやったの？」

紫「…………」ｺｸﾘ

少女「すごいね……ありがと」

484 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:30:43.34 ID:7xaxggtAO

――――マンションの一室

女「紫色の服を着た魔法少女ねぇ……どんな奴なんだか」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

女「同業の知り合いに聞いても大した情報は出てこないし……それはそれで不自然だ」ﾌﾟﾊｧｯ

「この国では、未成年の飲酒は禁じられていると知っているのだけれど、キミのソレは誉められた行為ではないね」

女「……よぉ。久しぶりだな、キュゥべえ」ｶﾗﾝｯ

QB「使い終わったグリーフシードはあるかい？あるなら回収するよ」きゅっぷい

女「あぁ、ほれ」ﾎﾟｲﾎﾟｲｯ

QB「はぐはぐはぐ……きゅっ、ぷい」ｺﾞｯｸﾝ

女「……そうだ、キュゥべえ。少し聞きたいんだが――翼の生えた紫色の服の魔法少女を知っているか？」

QB「――へぇ、彼女がここに」

女「知ってんのか？」ｶﾞﾀｯ

QB「あぁ。彼女の事は、とても良く記憶しているよ」

QB「暁美ほむら。この僕が唯一、契約した覚えの無い魔法少女さ」

485 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/22(月) 23:31:20.11 ID:7xaxggtAO

投下終了。

昨日誕生日だった。

486 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/22(月) 23:32:48.88 ID:sOVEa4w9o

お疲れ様でした。

なんでしょう・・・・・・・切ないですね・・・・・・・。

お誕生日、おめでとうございます。

487 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/22(月) 23:33:03.58 ID:5IWbCzEB0

乙ー
それとおめっとさん

488 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2011/08/22(月) 23:34:00.73 ID:hF+nzYtho

>>485
乙＆(*^▽^)/★*☆オメデト♪

この少女達は者なのか・・・
気になる

489 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/22(月) 23:35:32.78 ID:HaQrHa5po

乙！１誕生日おめでとう！

490 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/22(月) 23:36:49.42 ID:vg05KTLSO

誕生日乙でとうございます。
果たしてほむほむは喋れないのか、自分の意思で喋らないのか…。
おそらく後者だろうけど。

491 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/22(月) 23:44:01.32 ID:su2N4JHJo

おつおめ！

ソウルジェムが2個？か…単純計算でも2倍の強さとかすげーな

492 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2011/08/22(月) 23:47:00.78 ID:F0PZb9wNo

>>484
俺の友達も昨日誕生日だったｗｗｗｗｗｗ
しかしそいつは残念ながら誕生日に腹痛を起こしたけど

とりあえずおめでとう

493 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]：2011/08/22(月) 23:49:13.98 ID:NtKll+qAO

乙
誕生日おめでとう

494 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/22(月) 23:58:28.99 ID:IkgIN4jV0

乙だぜ
誕生日おめでとう

495 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/22(月) 23:59:33.38 ID:8b4M6iYH0

乙おめ!>>1
指輪が2つねぇ…。バイオリンを持ち出せたみたいだし、
だれかのGSから逆転化したSGだったりするのかな。

>>490
前章の最後にあんなことがあったし、
以外に精神的ショックで喋れなくなったって事も考えられるかも
でも、年齢5桁だし精神耐性的にありえないか

496 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/23(火) 00:17:56.29 ID:PKgjcJ8Yo

今まで目標にしていたことが、因果がばらけたせいで無くなった(いなくなった)感じだからきっついなぁ
まぁ魔獣だからまどか(円環の理)は残ってるからどうなんだろうね
とりあえず乙っちまどまど！

497 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/23(火) 15:49:31.16 ID:KH2l9UuAO

乙。

498 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/23(火) 17:12:26.62 ID:Qlchlaoao

乙でした。

てっきりオクタヴィアにQBレイプさせて五千個分頑張らせるのかと思ってたがそうきたか……。

499 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/23(火) 19:20:11.56 ID:IHeEkYtz0

>>498
それ諸問題が片付く最高の解決策じゃね？

500 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/23(火) 23:54:11.35 ID:rwgVjJsf0

１日遅れだが誕生日おめでとう。

弓と翼を使ってるって事は、未来の時間線だな。盾が使える状態に戻るまで、戦い続けるのか。
言葉もテレパシーも、使えないというより拒否してる感じ。
・・失ったもの全てに対して、反省してるのか、反省しすぎたのか・・・。

501 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/24(水) 01:50:04.93 ID:AnRWYDRV0

乙
>>498
あんた天才だわ。

502 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/24(水) 05:26:28.04 ID:zjYKF0KSO

誕生日ほむでとう
>>1乙

考察してる奴はお口ミッフィー

503 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/24(水) 19:42:00.61 ID:ieYiJRiIO

ハッピーバースホムッ
まじで文才に惚れ嫉妬///

504 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/08/25(木) 01:39:02.37 ID:CdHhhqcAO

何か凄い祝われてる……ありがとうね。皆気付いてるけど、まぁとりあえずこれからは未来編だよ。

505 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/25(木) 02:35:01.79 ID:CZTaoWduo

何か凄い呪われてる・・・・・・ありがとうね。に見えた、眼科いってくる。

あと今サラダが誕生日おめでとう。

506 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/25(木) 04:39:04.15 ID:Nk05sQJDO

つまり今日がサラダ記念日…

507 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/25(木) 05:22:09.94 ID:CdHhhqcAO

ごめんサラダ吹いた……ホントごめん。

朝から投下開始。ちょいエロあるよ！

508 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/25(木) 05:24:25.24 ID:CdHhhqcAO

――――ホテル、ベッドの上。ピロートーク

少女「シングルで部屋とってもツインだったりするよね。だからこの状況は仕方ないようんそうだ」ｿｲﾈｯ

紫「…………」

少女「……ねぇ、キミからテレパシーは出来ないの？」

紫「…………」

少女「やりたくないのかな……まぁ、無理にとは言わないけどさ」

紫「…………」ﾌﾙﾌﾙ

少女「……？ごめんって言ってるのかね。良く分かんないや」

509 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/25(木) 05:25:24.30 ID:CdHhhqcAO

――――

少女「ねぇ、キミの願いはなんだった？」

紫「…………」

少女「アタシはねー、よく虐められててさ」

少女「弱い者虐めってヤツ？笑っちゃうけどさ」

少女「こう見えてもアタシ全然暗くて、引っ込み思案で、根暗だったわけさ」

少女「まぁそういうのってさ、やり易いじゃん？」

少女「だからやるじゃん？」

少女「エスカレートするじゃん？」

少女「もう男子も女子もごった煮じゃん？」

少女「親も先生も何もしてくれないじゃん？」

少女「エスカレートするじゃん？」

少女「だんだんやつれる訳よ」

紫「…………」ｷﾞｭｯ

少女「お、優しいね。更に好感度アップー」

少女「でも一人だけ味方の男の子がいてさ」

少女「何か頑張ってくれたみたいでさ、虐め無くなったの」

510 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/25(木) 05:26:21.02 ID:CdHhhqcAO

少女「皆仲良くしてくれる様になったよ。もちろん、代わりの誰かが虐められる事も無かった」

少女「元気になったさ。肌もツヤツヤ、髪の毛サラサラ。地味子だったけど、顔立ちは良かった訳。自分で言うけどー」ｷｬﾊﾊ

少女「で、その男の子とだんだん仲良くなってきてさ……服装とか、変わってきた」

少女「ちょっとお洒落したくなってさ。カワイイ服来て、髪形もカッコよくしてさ」

少女「ありゃ超美少女だね。アタシパねぇ！みたいな？」

少女「あ、見る？アタシスタイル割りと良いんだけどさ」

紫「…………」ﾌﾙﾌﾙ

少女「その方がいいかもねー」

少女「ある日、放課後に使ってない校舎の教室に呼び出されたの。そりゃもうワクワクしながら行ったね」

少女「全くバカだった」

少女「男の子が居てさ、他にも男女問わずたくさん居てさ」

少女「男の子が何か言ってんの。『ほら、やっぱ超カワイかったろ？』」

少女「他の子が言ったの。『やるじゃん』って。女の子は何かニヤニヤしてた」

少女「訳分かんないけど怖くなって震えた」

511 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/25(木) 05:27:12.89 ID:CdHhhqcAO

少女「そしたらさ、男の子たちに囲まれてさ」

少女「脱がされて」

少女「キスされて」

少女「アレまみれさ」

少女「もうみんなバッカみたいに腰叩きつけんの。凄まじいね」

少女「後ろとか自分がするとは思わなかったよ」

少女「胸がわりかし有るのをあれほど憎んだ事は無いね」

少女「女の子は写真取りながらキャーキャー言ってるし」

少女「アタシは精液でベトベトだし」

少女「中出しばっかで大層気持ち良さそうだったよ」

少女「あぁなるほどって思うじゃん？」

少女「虐め終わってないじゃん？」

少女「豚太らせてただけじゃん？」

少女「今喰われてるなうみたいな感じじゃん？」

少女「散々ヤリまくってみんな帰った。心底惨めだった」

少女「帰り道にさ、不良みたいな奴らがいてさ。弱そーな男の子虐めてた」

少女「知らない子だったけどさ、あーやだなーって思ったのよね」

少女「弱い者虐めするやつぶっ殺してぇなって思ってさ」

少女「そこにキュゥべえさ。ナイスタイミングだよね」

512 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/25(木) 05:28:22.72 ID:CdHhhqcAO

紫「…………」

少女「アタシの願いは『弱い自分を強くしたい』」

少女「魔法少女になった。その時点で大分強いじゃん？」

少女「性格も何かこんな感じになるしさ」

少女「でさ、次の日学校行ってさ」

少女「クラスメイト全員殺して」

少女「隣のクラス全員殺して」

少女「隣のクラス全員殺して」

少女「隣のクラス全員殺して」

少女「隣のクラス全員殺して」

少女「隣のクラス全員殺して」

少女「先生全員殺して」

少女「用務員さんとか全員殺して」

少女「アタシは雲隠れ」

少女「家に未練も無かったし」

少女「ニュース見たらアタシも死んでる事になってたし」

少女「『謎の大量虐殺！？』ってニュースになってたんだよ」

少女「やけにスッキリしてさ、それから魔法少女としてやり始めたのよ」

少女「んでさ、弱い者虐めしてるヤンキーとか街で捕まえてはボコボコにしてやってたんだ」

少女「すっ…………げぇ楽しいの。最っ高だった」

少女「泣きながら詫びる姿も」

少女「腫れていく顔も」

少女「流れる血も」

少女「全部最高だった」

少女「虐められっ子の味方なんだ」

513 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/25(木) 05:30:26.70 ID:CdHhhqcAO

少女「でもさ、最近思うのよ」

少女「アタシのやってる事、弱い者虐めじゃん？ってさ」

少女「なんかやる気起きなくなってさ」

少女「何のために今まで生きてたんだろって思ってさ」

少女「良く分からず戦ってたら何かちょっとした連れも出来たけど、所詮ちょっとした連れでさ」

少女「で、魔獣に囲まれてこないだ死にかけてさ」

少女「あ、罰か。って思った」

少女「魔獣に弱い者虐めされちゃうなー、みたいな感じ」

少女「でも、そんな時にキミが来た」

少女「キミを見て、何故か思った」

少女「強くて、気高くて、偉大な何かだって」

少女「それに比べて、わたくしめの何とちっぽけなモノか！」

少女「せめてお礼したいなって思って」

少女「今ベッドなう。把握？」

紫「…………」ｺｸｯ

少女「あんまり動じないあたり、やっぱ結構大物？連れはちびっと驚いたんだぜー？」

紫「…………」

紫『……おいで』

少女「――っ（テレパシー……）」ﾊｯ

紫『……貴女を包むくらいなら、できる』

少女「……綺麗な、声だね」ｷﾞｭｳｯ

514 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/25(木) 05:33:23.28 ID:CdHhhqcAO

進まねぇぞー

投下終了

515 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/25(木) 07:17:08.74 ID:rDv29PmDO

おっつ～

大丈夫、少しは進んだから

516 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/25(木) 07:27:47.69 ID:U6sO0S0Ho

お疲れ様でした

517 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/25(木) 09:21:10.64 ID:mhiUEJRCo

乙っちまどまど！

518 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/25(木) 09:25:12.31 ID:XChM6JNIO

乙っちほむほむ！

519 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/25(木) 11:19:30.06 ID:LE56I3L1o

乙乙
希望から絶望とか魔法少女そのものだな、素質ありまくりであります

520 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/25(木) 19:39:17.68 ID:B9KBWLEjo

なんか凄く好き

521 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/25(木) 23:44:50.24 ID:504GfcZSO

乙
女とかって過去が違うからあのメンバーじゃなかったのか

522 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]：2011/08/26(金) 14:12:34.54 ID:9hnYBZbS0

こいつらかず――うわなにをするやめ

523 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/08/27(土) 07:25:54.27 ID:/ti5uj1AO

かずみ達のネタもあるんだけどまだ終わってないから混ぜれないよウギギ。

524 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/28(日) 13:23:26.20 ID:Zr3zVn9Q0

お・・おおおおおおおおおおお
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm15368550
け・・・けいやく・・・

525 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:01:03.08 ID:3CU4piMAO

ほむらさんその捕食者の走り止めて下さい。

投下開始

526 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:01:42.62 ID:3CU4piMAO

――――女、自宅

女「…………」ﾌｩ

女「暁美ほむら、か」

――――回想

女「暁美ほむら？」

QB「あぁそうさ。何を考えて行動しているのか分からないし、決まった根城を持たない」

女「旅人なんだな」

QB「うん。何か目的があるようだけど、それが何かはボクにも分からない」

女「魔法少女としては、どうなんだ？」

QB「そうだね……強さについてはベテラン、なんて言葉では片付けられない技量を持っているよ」

女「ほぉ……」

QB「魔力も豊富だね。彼女に張り合える魔法少女を探すのは、このボクでもなかなか骨が折れそうだ」

女「私が接触するとして、ソイツは友好的か？」

QB「それは分からない。だけれど、好戦的ではないと思うよ」

女「ふーん……なら、とりあえずは安心か」

QB「彼女を見つけるのは至難の技だよ。事実、ボクだってなかなか彼女とは会えないんだ。グリーフシードの回収も暫くやってないしね」

女「なら一緒に行くか、キュゥべえ？アンタがいた方が手間が省けそうだ」

QB「確かに合理的だね。なら、キミが動く時に呼んでくれ。すぐに来るから」ｽｩ

女「おう。またな」

527 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:02:38.58 ID:3CU4piMAO

――――

女「とりあえず、アイツら呼ぶか。探すの手伝ってもらいたいし、少女は会いたそうだったから喜んで手伝うだろ」

女『女子』ﾃﾚﾊﾟｼｰ

女子『女ちゃん？』

女『あぁ。今日昼にいつものファミレスな』

女子『りょーかいしました！』

女「よし……」

女『少女』

少女『はい？』

女『いつものファミレスな』

少女『あ、了解しました』

女「キュゥべえ」

QB「呼んだかい？」ﾋｮｺｯ

女「あぁ。行こう」

528 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:03:51.32 ID:3CU4piMAO

――――ファミレス

女「――と言う訳で、皆に集まってもらったんだが……」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

女子「あー……」

少女「うんうん、で？」ｷﾞｭｰ

女「聞けや」ｲﾗｯ

紫「……」

女「まさか既に接触してるとは思わなんだ。しかし……」

QB「やぁほむら、久しぶりだね！」きゅっぷい！

紫「…………」ｼﾞﾛｯ

QB「グリーフシードがあれば回収するよ」

紫「…………」ｻﾞﾗｻﾞﾗ

QB「きゅっぷいきゅっぷい」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

少女「わお」

女「すげぇ量だな……噂に違わずってか」

女子「うわさ？」

女「さすらいのベテラン魔法少女……だろ？」

紫「…………」ﾌﾙﾌﾙ

女「謙遜しなくてもいい。大先輩に敬意を払う事くらいは心得ている」

紫「…………」

女「……喋れないのか？」

少女「みたい。テレパシーは出来るみたいだけど、こっちからはノーサンキュー。凄い頭痛がするよ」

女子「あだだだだだっ！？」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

女「……そのチャレンジ精神は認めてやるよ」ﾊｧ

529 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:05:25.87 ID:3CU4piMAO

少女「キミは暁美ほむらって言うんだ。良い名前だねっ」ﾆﾊﾟｯ

紫「…………」ｳｰﾝ

ほむら「……」ｺｸﾘ

女「やはりそうか……ほむらさんは、いつから魔法少女を？」

ほむら「…………」ﾋﾟｯ

女子「いっぽん指？」

女「10年前？……結構長いんですね」

ほむら「……」ﾌﾙﾌﾙ

女「――100年っ！？」

ほむら「……」ｳｰﾝ

ほむら「…………」ｺｸﾘ

女子「ほえー……おばあちゃんだ」ﾎﾟｶｰﾝ

ほむら「……っ」ﾎﾑﾎﾑｯ!

少女「女の子はいつになっても少女なんだよ！ね、女？」

女「今なんで私に話題を振った？お？まだ16だぞこの野郎」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

530 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:06:28.11 ID:3CU4piMAO

――――

女「ここは奢りますから、なんでも好きなモノをどうぞ」

ほむら「…………」ﾎﾑｯ

少女「どうせ大した値段じゃないから気にせずドバッと注文しとこ、ほむら」ｽﾘｽﾘ

女「コラ」

女子「らぶらぶオーロラ出まくりだー……」ﾜｰ

女「オーラな、それを言うなら」

ほむら「…………」ｺﾚ

女「了解です。女子、コンソール取って」

女子「はーい」ｽｯ

531 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:08:50.60 ID:3CU4piMAO

――――

ほむら「…………」ﾓｸﾞﾓｸﾞﾎﾑﾎﾑ

少女「（なにこれ愛い）」

女「……ねぇほむらさん、一つ良いですか？」

ほむら「……」ﾎﾑ?

女「良かったら、私らと一緒に行動しませんか？ご指導願いたいのもありますし、我々としてもベテランの方が傍にいるのは心強い」

女「（旅をしている事に意味があるのなら、それは何なのか見極める必要がある）」

女「（見たとこ、見聞を広める……って質でもなさそうだし）」

女「（まぁ、だとしても魔獣退治は暫く楽が出来るさ。何せ最近魔獣が増えてきているからなぁ……休む暇もありゃしない）」

ほむら「…………」ｼﾞｨｯ

女「…………」

ほむら「……」ﾁﾗ

少女「？」

ほむら「…………」ｺｸｯ

女「（――へっ、お見通しって訳かい）」

女「助かります」ﾆｺ

女子「よろしくね、ほむらちゃん！」

ほむら「……」ﾎﾑﾘ

532 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:09:28.92 ID:3CU4piMAO

――――

QB「しかし、少女。キミのソウルジェムは随分汚れているね。グリーフシードは持ってないのかい？」

少女「うーん、最近何だか効果があんまり無くなってるなぁ」

女子「魔力無くなったら大変だよ？」

少女「実際苦戦しまくりで洒落にならないっす」ﾀﾊﾊｰ

ほむら「…………」

女「少しは回復するんだろう？」

少女「まぁ、そりゃね」

女「なら量を増やすだけだ。狩りに行くぞ。ちょうど――」

ｻﾞﾜ――

女「――団体さんのご登場ってな！」

533 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:10:08.12 ID:3CU4piMAO

――――魔獣の結界

少女「……っ」

少女は椅子を鳴らして立ち上がった。
魔獣の群れに取り囲まれている事に気付き、感じ取ったその数に戦慄する。

女子「……1000、からはわかんないや」

小さな少女も雰囲気を変えて、静かに立ち上がった。
目は遥か遠くの外を見ている。

女「よし、会計は済ませといて……行くか」

女はレジに伝票と硬貨を置いてきた。
指を鳴らして不敵に笑っている。

ほむら「…………」

ほむらは丁寧に残さず食べ終わった後、手を合わせてごちそうさまし、ナプキンで口を拭って――

女「は、早くして下さいって！？」

女に引っ張られて外に出されたのだった。

534 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:10:41.37 ID:3CU4piMAO

――――戦闘、変身。

少女「さぁって、今日はみんないるし……全力全開だぜぃ！」

少女の指輪がソウルジェムに変わり、三日月の形になって頬に埋め込まれる。
彼女の魔法少女の衣装は、赤を基調としたモノだった。
スカートにスパッツ、タンクトップに黒の上着、そして2丁拳銃を携えている。
黒色のショートヘアが真紅の三日月を彩っていた。

女子「……やる」

小さな少女の指輪がソウルジェムとなってピアスになる。
彼女は、その呑気そうな印象とは異なる、黒を基調とした衣装だった。
ハーフパンツに臍が出たウェア、左腕に小さな盾、右肩に大人の身長程の日本刀を担いでいる。
栗色の三つ編みがピアスと共に揺れていた。

女「っしゃあ、腕が鳴るねぇっ！」

女性の指輪がソウルジェムになってメガネになる。
彼女の粗暴なイメージとは裏腹に、彼女の衣装は紺色のリクルートスーツだった。
両手には黒のボクサーグローブがはめられている。
赤みがかった彼女の髪の毛に、衣装が良く映えていた。

535 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:11:14.95 ID:3CU4piMAO

ほむら「…………」

ほむらの指輪の片方がソウルジェムになって、左手に埋め込まれる。
紫紺の衣装に、鋭利な弓。
黒く長い髪をポニーテールで巻き上げたその姿は、大和撫子と言って然るべきソレだった。

ほむら「…………」

女「……なんですかその目は」

ほむら『メガネは初めてみたわ』

女「ですよねー」

536 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:13:22.98 ID:3CU4piMAO

――――戦闘、対魔獣。

少女「おりゃーっ！！滅、殺！」

少女は素早い動きで魔獣に対して弾丸を打ち込んでいった。
威力は無いが、動きは悪くない。
典型的なスピードタイプの魔法少女だった。

女子「斬る……斬る……」

うって変わって寡黙になってしまった少女は、一振りで魔獣を叩き斬っている。

女子「斬――」

叩き、

女子「――る」

斬る。
一定のリズムで淡々と魔獣の亡骸を築いていた。
強力な破壊力とそれなりのスピードを兼ね備えた、誰かを思い出させる戦闘スタイルである。

女「ほら、退きなっ！」

リクルートスーツの彼女は、何と直接魔獣を殴り倒していた。
格好と戦闘スタイルが全く噛み合っていないが、威力も速さも十分で、

女「パリィパリィ、ってね！」

魔法の応用も効いていた。
淡い光の壁を作って、魔獣の攻撃を受け流す。

だがしかし、全員に欠けているモノがあった。

――殲滅力だ。

537 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:14:10.38 ID:3CU4piMAO

少女「数多いってー！？」

女「珍しく同感だ！」

女子「……離れて」

太刀が鈍色を輝かせて、小さな身体に構えられる。
彼女はそれを大きく振り回した。
周囲の魔獣が断ち切れる。

女子「――つっ斬る！」

重さに任せて身体を回転させ、くるりくるりと斬り裂いていった。
最後に手近な一匹に上段から叩きつけて止めを刺す。
ざっと50が崩れ落ちた。

少女「やーりぃ！」

ほむら「…………」

だが、多少でしかない。一対一を想定し過ぎている、とほむらは感じた。

――少し、手本を見せてあげましょうか。

女「――お、ほむらさん！」

少女「ほむらは凄いからね、100や200は楽勝だよ！」

ほむら「…………」

過小だ。その評価は。

女子「うわぁっ！？」

数に圧しきられ吹っ飛ばされる少女を、ほむらは受け止めた。
優しく下ろす。

女子「ほむらちゃん？」

ほむら「…………」

ほむらは、やれやれといった――保護者の様な表情をしていた。

弓に矢を番え、彼女にとって甘い戦場へと降り立つ。
ただただ一方的な戦闘が、幕を開けた。

538 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:15:26.22 ID:3CU4piMAO

――――魔法少女、絢爛。

女子「――――」

少女「――――わお」

女「……半端ねぇな」

QB「相変わらずだよ」

ほむらが飛び込んで数秒、それだけを見た感想だった。

魔獣「――――」

ほむら「…………」

ほむらが光の矢を放ち、一番手前の魔獣が爆ぜる。
そして――弓兵が『接敵』した。

矢で魔獣の首を狩り、そのまま三射。
魔獣の攻撃を身体を側転させて躱し、回転中に五匹魔獣が倒れた。

周囲1メートル程度の敵を薙ぎ払って、彼女は一際大きな矢を番える。
放たれたその矢は回りの空間を巻き込みながら、世界を抉り取った。
100数体が飲み込まれる。

翼を広げ、空に舞い上がった。
空中からの連続射撃で更に死骸が追加される。

魔獣の鈍重な攻撃など何処吹く風といった様子で、縫うようにすり抜けていた。
すれ違い様に頭を撃ち抜いて、息の根を確実に刈り取る。

魔獣の群れは、まるで溶けるように数を減らしていった。

539 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:16:08.30 ID:3CU4piMAO

ほむら「…………」

息も切らさず声も漏らさず、暁美ほむらは敵を殲滅し続ける。
しびれを切らした魔獣が一斉に飛び込んできた。

ほむらは巨大な光の矢を作り、ソレを薙刀のように振り回す。
周囲を細切れにした後、その矢を再び番えて放った。
空間が削られる。

魔獣の数は、もう200程度になっていた。

540 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:17:22.83 ID:3CU4piMAO

――――魔法少女、凱旋。

ほむら「…………」ﾌｧｻｯ

少女「おかえりっ！パねぇ、ちょーパねぇよ！」ﾜｧｯ

女子「さすが大先輩だねー」

女「いやぁ、お見事でした」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

女「（……しかし、魔獣の数が明らかに多すぎる。実際、ほむらさんがいなけりゃ命を落としていたかもしれん）」

女「（都合が良すぎる……考え過ぎか？）」

女子「ほら、グリーフシードごっそりだよー」ﾓｻｯ

少女「使っていいかな？」

ほむら「…………」ｺｸﾘ

少女「ありがと、んっ……」ﾎﾟﾜｰ

女子「……なかなか綺麗にならないね」

女「どういう訳だ……？」

QB「もしかしたら、ソウルジェムが限界なのかもしれないね。キミたちの言い方なら、寿命とでも言うのかな」

女子「えっ」

女「おい、適当な事言うんじゃねぇよキュゥべえ！」

少女「いや、いいよ」ﾌｩ

ほむら「…………」

少女「なんとなく、そんな気はしてた。だからまぁ、構わない」

女「……お前はそれで良いのかよ」

少女「良くはない……けど、仕方ないしね」

少女「死ぬのが怖い、なんて贅沢な事は言えないよ」

541 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/28(日) 14:18:27.56 ID:3CU4piMAO

投下終了。

542 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]：2011/08/28(日) 14:19:36.71 ID:2lx2pNoq0

リアルタイム乙

543 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/28(日) 14:20:35.26 ID:wtTHIdUQo

乙

544 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/28(日) 14:21:28.90 ID:mha/TGHIo

お疲れ様でした。

545 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/28(日) 14:22:37.47 ID:Bz9ExqAk0

乙ー

ほむほむマジチート

546 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/28(日) 14:25:18.69 ID:h8xqcJjho

おつおつ

ソウルメガネか、想像しにくいがありだな

547 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]：2011/08/28(日) 19:25:01.76 ID:VAWtjgW4o

つまり眼鏡が本体ってやつか

548 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]：2011/08/28(日) 20:27:43.20 ID:Ssudh83AO

メガネが本体とかまるで新八みたいだな
あと乙

549 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/29(月) 01:59:07.11 ID:qfuxAwcYo

乙
ウルトラアイでもいいかも試練

550 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/29(月) 22:05:28.73 ID:A2jD6U1IO

さやかと杏子とマミさんの出番ってもう無いの？

551 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:11:16.51 ID:pSdzCBiAO

>>550
今まで見た中では一級品のキラーパスです。

投下開始。

552 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:13:50.63 ID:pSdzCBiAO

――――

少女「ちょっと……一人にさせてもらえるかな？」

女「……あぁ」

ﾀﾝｯ

女「行ったか……」

QB「じゃあボクもおいとまするよ。ボクの契約を待っている子もいるだろうね」ｽｩｯ

ほむら「…………」

女「ほむらさん、聞きたいことがあります」

ほむら「…………？」

女「ここ最近、私の回りでおかしな事が立て続けに起こっています」

女「少女のソウルジェムの異常」ﾋﾟｯ

女「魔獣の増加」ﾋﾟｯ

女「少女の不調」ﾋﾟｯ

女「そしてほむらさん」ﾋﾟｯ

女「これらに関連性はあるのですか？」

女子「？」ｷｮﾄﾝ

553 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:14:40.32 ID:pSdzCBiAO

ほむら「…………」

女「ほむらさん」

ほむら『知る必要は無いわ』

女「それを決めるのは貴女ではない」ｻﾞｯ

女子「えっ、えっ、何でかまえるの？」ﾋﾞｸｯ

ほむら「…………」

女「私は真実を知りたいだけだ、暁美ほむら。答えろ」

ほむら「…………」ﾌﾙﾌﾙ

女「だんまりかよ……都合の良い口だな」

ほむら『お願い、分かって』

女「……一つだけだ。一つだけでいい、答えてくれ」

女「少女に危害を加えるつもりは？」

ほむら『無いわ』

女「……なら、いいです。とりあえずですがね」ｽｯ

女子「？？」

554 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:20:04.75 ID:pSdzCBiAO

――――一人

少女「…………」

少女「（死んじゃうのか、私）」

少女「（魔法少女って、負けなきゃ死なないって思ってたんだけどな）」

少女「（普通に寿命あるとか笑える）」

少女「（何のために、私、契約したんだったっけ）」

少女「（もう分からないや）」

少女「（いや、私の願いは最初に叶っていたんだ）」

少女「（『強くなりたい』なんて嘘）」

少女「（虐められたくなかっただけで）」

少女「（ちょっと仕返ししたかっただけで）」

少女「（そしたら一人死んじゃって）」

少女「（回りが騒いで、ワケわかんなくなって）」

少女「（気付いたら皆死んじゃってた）」

少女「（帰れなくなって、私、わたし――）」

少女「アタシが死ぬの、当たり前じゃん――」

555 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:24:02.04 ID:pSdzCBiAO

――――

ほむら「…………」

ほむら『私は一つ答えた。私も、貴女達に聞きたい事があるわ』

女「……なんですか？」

ほむら『貴女達の、願いは何？』

女「願い……とは、魔法少女になる際の、ですかね？」

ほむら「…………」ｺｸﾘ

女「私はしょうもない事です。金ですよ」ﾊｧ

女「貧乏で、食うにも困ってましたから……『一生金に不都合しない人生』を願いました」

女「結果、良いところの会社に良い地位で就職出来ましたわ。そういうつもりじゃ無かったんだけど、まぁ満足してます」

女「まぁ、こうやってサボってても、誰かに全部仕事任せても、全く不自然に思われないのを仕事と言うなら……仕事をしてるんでしょうね」ｱﾊﾊ

ほむら『そ。貴女は？』

女「あ、ほむらさん……ソイツは――」

女子「『殺されたくない』」

556 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:24:56.60 ID:pSdzCBiAO

ほむら「…………」

女子「私はおとうさんとおかあさんに殺されそうになったの」

女子「おとうさんがあんまりお仕事に行かなくなって」

女子「おかあさんが代わりにお仕事に行ってて」

女子「しばらくして、怖い人が家に来るようになって」

女子「おとうさんとおかあさん、どんどん変になって」

女子「あんなに毎日が楽しかったのに、おとうさんとおかあさんは謝りながら私の首を絞めるの」

女子「その時、キュゥべえが来て――『殺されたくない』って」

女子「魔法少女になって、おかあさんとおとうさん蹴っとばして」

女子「おとうさんと時代劇で良く見てた『にほんとう』を魔法でつくって、二人に向けた」

女子「二人は驚いてた。でも、少し笑ってた」

女子「『頑張ってね』っておかあさんが言って、『しっかり生きろ』っておとうさんが言った」

女子「よく分からないけど、身体が自然に動いて」

女子「おとうさんとおかあさんしんじゃった」

女子「でも、二人とも笑っててくれた。ありがとうって言ってた」

女子「おうちでじっとしてたら、その日の内に怖い人たちが乗り込んできた」

女子「わかっちゃうの。『あ、殺されちゃう』って」

557 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:27:19.34 ID:pSdzCBiAO

女子「だからその人たちも殺して、私はおとうさんとおかあさんをお庭で燃やして」

女子「いっぱい泣いて」

女子「みんなで遊びにいった事のあるお山のてっぺんに、おとうさんとおかあさん埋めたの」

女子「おうちも焼いちゃった。おとうさんとおかあさんも居ないし」

女子「でも、おとうさんとおかあさんが言ってた意味が良く分からないから……分かるようになるまでは、頑張りたい。うん。そんな感じ」

女「あー……なんて言うか、聞かない方が良かったでしょ？後味が悪くて……」

ほむら『そ。大変だったわね』

女子「うん」

女「……反応薄くないっすか？ちょっとカチンときましたよ」ﾑｯ

ほむら『魔法少女らしい願いだったわ。少なくとも貴女よりはね』

女「なっ」

ほむら『不幸自慢をして喜ぶ程、私は若くないのよ……』

ほむら『みな、平等に不幸。貴女も――私も』

女「…………」

ほむら『貴女達――特に小さい子の方は見込みがあるわ。すぐに死ぬ事はない』

女「なら少女は――」

ほむら「…………」ﾌﾙﾌﾙ

558 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:30:36.47 ID:pSdzCBiAO

――――少女と、魔法少女

ｼﾞｬﾘｯ

少女「……ほむら？」

ほむら「…………」ｽﾄｯ

少女「私、どれくらい持つかな？」

ほむら『……分からない。でも残された時間は少ないわ』

少女「すごいね……なんで分かるの？」

ほむら「…………」

少女「いや……分かるからここにいるのかな」

少女「あの魔獣ってさ、私を殺しに来てるんじゃないの？」

少女「死神？っていうか、そんな感じがするんだ」

ほむら「…………」

少女「なんとなく、だけどね」

少女「キミは、私に会いに来たんだね？」

ほむら「…………」ｺｸﾘ

少女「あぁ……ありがとう。キミに会えて、本当に良かった」

少女「自分の人生にも、少しだけ意味があったと思えるよ」

少女「さ、最後の見せ場だ。せめて今くらい、輝くかな」

559 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:31:25.98 ID:pSdzCBiAO

――――死に行く魔法少女に安らぎを。

女「魔獣の気配、だと――！？」

女子「お、おかしいよ。今日はあんなに倒したはずだよ！」

急な魔獣の発生に、二人は驚きを隠す事が出来ない。

女「（少女の方に集まってやがる……幸い、向こうにはほむらさんもいるが――っ）」

女が何かに繋がりを見出す。
異常の原因は、また異常であるのだとしたら――

女「（少女のソウルジェムの異常が、少女の不調の原因だとすれば）」

女「（魔獣達の狙いは、少女ではなく『弱った魔法少女』？）」

女「（ほむらさんは、魔獣が多く発生していたから現れたのではなく――少女、弱った魔法少女のいる所に現れた？）」

女「魔法少女の最期――まさか！？」

女が一つの可能性に気付く。
それは不可避で、しかし残酷な救いの一つ。

女が魔獣の結界に向かって飛び立った。
小さな少女も着いていく。

女子「まさか、なに？」

女「キュゥべえから話だけは聞いてるだろ――？」

女は苦々しい表情をしていた。

女「『円環の理』だ、暁美ほむらは！」

560 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 01:32:47.94 ID:pSdzCBiAO

投下終了

561 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/30(火) 01:33:24.75 ID:0k5DT21IO

乙

円環キター

562 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/08/30(火) 01:34:19.03 ID:1U144k0t0

・・・・なんてこった

563 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/30(火) 01:40:42.23 ID:ETmbDcbDO

ﾅﾝﾀﾞｯﾃｴ？

564 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/30(火) 01:41:39.63 ID:Ec96N4kIo

ほむほむ発まどっち行きの円環の理号発車しまーす

565 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/30(火) 02:33:39.03 ID:M7ob7Liio

乙っちまどまど！

566 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 03:11:27.21 ID:pSdzCBiAO

投下開始

567 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 03:13:14.68 ID:pSdzCBiAO

――――

少女の回りを、多数の魔獣が取り囲んでいた。
不気味なその姿を揺らして、今にも襲いかからんとしている。

しかし、それを見て少女は不敵に笑った。
傍らにいるほむらを見て、覚悟を決めた様に魔獣の群れへと躍り出る。

少女「さぁて、ここに居わすはただの魔法少女ではありますが――！」

高らかな口上を上げて、魔法少女へと変身した。
2丁拳銃を構えて、それは続く。

少女「今宵は特別、覚悟を添えて、いざ戦わんと欲しておりますが故に――！」

少女「心血注いで躍り上げる所存でござりまする――さぁ、観客の皆々様方、篤と御照覧あれ！」

そして、一陣の風が駆け抜けた。
自分の生を、意味を、そこに見出す為に。

568 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 03:14:24.15 ID:pSdzCBiAO

――――

女「――ほむらさん、魔獣は！？」

二人がほむらの側に降り立った。
ほむらは下を指差す。
見れば、丘の麓で魔獣と戦う少女が居た。

女子「助けなきゃ！」

ほむら「…………」

ほむらが手で二人を制する。
女はそれで気が付いた。

女「――苦戦していない」

ほむらが頷く。
少女は先ほどとはうって変わって、見事な戦闘を繰り広げていた。

魔獣を速さで翻弄し、頭部を正確に撃ち抜いていく。

オーソドックスな戦闘スタイルで、彼女の生を反映していた。

撃ち、翻り、撃ち、躱し、撃ち、撃つ。

命を使いきる、その舞踊は――1600秒程の演目を終えて、幕を閉じた。

569 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 03:16:41.36 ID:pSdzCBiAO

――――舞台から降りる演者に花束を。

少女「ははっ……こんな気持ちで戦ったのは初めてだ」

少女は地に伏していた。
傍らにはほむらと、連れ合い。

女「少女、お前――」

少女「ごめん。先逝くわ」

憑き物の取れたような顔で言われて、女は言葉に詰まる。

女子「……うぐ」

少女「ハハ、泣くなってば。悲しんでもらう必要は無いよ」

笑顔にも、屈託が無かった。

ほむら「…………」

少女「ほむら。キミには感謝してる」

少女「ホントなら、初めて会った時に死んでいたんだろうな」

ほむら「…………」

少女「キミはボクに気付く時間をくれた。少しの間だったけれど――キミに会えて良かった」

少女「私は普通でいたかったんだ、きっと」

少女「普通じゃないから、生きている理由が欲しかった」

少女「でも、そんなモノは必要ではなかったのだろうね」

少女「今は、満足しているよ――」

ゆっくりと、少女の目が閉じていく。
ほむらは彼女の頬に手を当てて――その黒く染まったソウルジェムを、送り出した。

ほむらの白い翼が、彼女の亡骸を優しく包んで――それはきっと還るのだろう。

570 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 03:17:23.68 ID:pSdzCBiAO

――――一つのエピローグ

女「……ほむらさんは、合理的で感情的だ」

ほむら「…………」

女「こうやって、魔法少女を供養するために旅をしているんですか？」

ほむら『……そうとも言えるわ』

女「……私は、正直貴女を信用出来ていません。貴女は私たちに真実を話さない」

女「貴女にとって、取るに足らない存在だから――だろう？暁美ほむら」

ほむら「…………」ｸｽｯ

ﾊﾞｻｧｯ――

女子「……行っちゃったね」

女「あぁ。また、見る事になるんだろうけどな」

女「帰ろう。形だけでも、墓を作らんとな」

女子「それなら――」

571 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 03:18:59.78 ID:pSdzCBiAO

――――

ほむら「…………」

この世界では、まどかによる浄化が行われていなかった。

おそらく、まどかは力を使えなくなっている。
自分を抑えるのに精一杯なのだろう。

しかし、それでは魔女が生まれてしまう。
その存在は、魔獣などより遥かにこの世界を歪める。

原因は、他ならぬ私のせいだ。

一つ一つの真実が、徐々に舞台を破綻させていく。

だと言うのならば、やってみせよう。
世界が歪んでしまわないように、私が円環へと魔法少女を導いてみせる。

幸い、私にはまどかのグリーフシードがある。
指輪状にしたこれのお陰で、まどかの力の一端を使えるのは――運命だとしか思えなかった。

いや、そもそもこの弓も翼も、まどか有ってのモノなのかもしれない――

ほむら「（生きる、意味――か）」

変わりたい、意味を知りたいと願ったのは――

『――恩人』『――私は、生きる意味を知りたい』

彼女たちもまた、そうだったのかもしれない。

私の生きる意味とは――

さぁ、『暁美ほむら』で在り過ぎるのも彼女に負担を掛ける。

戒めと共に、私と言う自我を殺して――世界を守ろう。

紫「――――」

紫色の服を来た少女は、大空を羽ばたいていった。

572 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/30(火) 03:20:41.15 ID:pSdzCBiAO

よっし投下終了。未来短編1終わったー。

573 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/30(火) 03:27:56.68 ID:gGqlR0jpo

連続投下、だと……？

乙！

574 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/30(火) 03:28:06.81 ID:qQDKprMgo

おつおつ！

575 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/30(火) 04:57:00.55 ID:g6x8uvX00

乙っちほむほむ。
少女に御国織莉子と呉キリカが見えたよ……。南無。
紫の少女は、さしずめ円環の魔法少女といったところか。
負担というのは精神的な負担なのかシステムとしての負担なのかがちょっと疑問。

576 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/30(火) 07:11:58.67 ID:8O3xQP4/o

お疲れ様でした。

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

577 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/30(火) 08:56:35.21 ID:M7ob7Liio

乙っちまどまど！
ほむらちゃん……

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578 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/30(火) 09:59:12.24 ID:e6AcJUOH0

乙
ほむほむ…

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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579 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2011/08/30(火) 11:24:49.69 ID:VcCQbyUeo

乙
キュベレイは円環の理に導かれた様です

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580 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/31(水) 00:42:24.30 ID:AvlO83tI0

乙
まどかは願いで、全宇宙過去から未来全ての魔女の消去し、発生を封じたけど、
改変後の、この世界ではまどかの浄化が作用してないからほむらが全てそれを担っているのか。
しかし、過去から未来世界中で全ての魔法少女を導くのに本当の意味で駆けずり回らなきゃならないのに
よくほむら１人で追い付けているものだ

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581 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2011/08/31(水) 01:21:52.80 ID:oxThd95AO

>>1乙
真実を話さず、世の理を偽り、少女のために世界を渡る、と

綺麗事やってるように見えるけどキュウべぇとダブって見えるぜ暁美さん

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582 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/08/31(水) 02:27:49.25 ID:bpcxf7GAO

>>580
おぉ、良い観点だよ。
ほむらが一人で魔法少女たち全てを円環に導いている――ってさ、常識的に考えて無理だよね。

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583 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/31(水) 02:56:03.94 ID:bpcxf7GAO

短いけど、テンポ云々で出だしだけ投下しとく。未来編2、スタート。

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584 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/31(水) 02:57:02.06 ID:bpcxf7GAO

――――夕焼けの綺麗な丘。オレンジ色の世界。

少女「……生き、てる」

少女は緑の茂る、丘の麓に横たわっていた。
大量の魔獣を相手にして、既に心身共に疲労困憊している。

少女「まだ……動け、る。ねぇ、『――』！生きてる！？」

『――』

自分と共に、酷くやられたであろう友に声をかけた。
遠くから、仲間のか細いテレパシーが聞こえる。
内容は聞き取れないが、生存は確認出来た。
位置は――丘の上だろう。

少女「動け……」

少女は重い身体を引きずって、丘の上へと向かった。
ふと、遠目に何かを見つける。

少女「あれは……魔法少女？」

紫色の服を着て、翼を生やした魔法少女が丘の上に居た。

アイツもあそこにいるはずだ。
親切な同業者だろうか。

しかしその魔法少女はこっちを見て、あっさり飛び立ってしまった。
野次馬だったのか、と落胆が起こる。

少女「まぁいいや……他の仲間も魔獣は片付けたようだから……直に合流出来るでしょ」

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585 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/31(水) 02:57:45.50 ID:AvlO83tI0

>>582
ですよねー。それこそ、時間停止や時間跳躍といった、
『時間を戒める事』ができなければ正直言って不可能だとは思う

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586 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/31(水) 02:58:23.83 ID:bpcxf7GAO

少女がようやく丘の上に登りきると、そこに一人の魔法少女が寝転んでいた。
足を引きずりながら、側に寄る。

少女「今回は、大変だったね……魔獣がやたら多かったし、お互いボロボロだね」

言って、彼女は軽く笑った。
命があるのだ。どんな苦労だって笑い話にできる。

だが、少女は気付いてしまった。

そこに横たわる仲間――彼女にとって、最愛の人の――返事が亡い。

少女「え……ねぇ『――』、どうしたの？ねぇ、ねぇっ！？」

傍らに座り込んで身体を揺すっても、彼女は目を開かなかった。

驚くほど安らかな顔で、永遠を眠っている。

少女「――うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

少女は泣いた。
何故だと問うた。
さっきまで生きていたというのに――

そして少女は気付いた。
先刻の魔法少女は、何をしていた？

少女「――アイツが、殺した」

少女がゆらりと立ち上がる。
傷だらけの身体すら、彼女の膝を折らせられなかった。

彼女の願いは『愛する人と永久に』。

少女は復讐を誓う。
自らの祈りを踏みにじったあの魔法少女に。
あのくそったれの死神に。

彼女のソウルジェムは、黒く濁っていた。

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587 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/31(水) 02:59:17.09 ID:bpcxf7GAO

――――紫色に変わっていく夕焼け。

愛する人の亡骸を抱えたまま、静かに座り込む少女。
目から、悲しみと怒りが溢れ出していた。

そこに、二つの足音が空から落ちてくる。

主人公「無事だったかな！？」

ゴスロリ「大丈夫かしら？」

いかにも格好をつけた少女と、ゴシックロリータファッションに身を包んだ少女。

少女は黙って、二人の仲間を見つめた。
二人はその様子と、抱かれたかつての仲間を見て理解する。
息を呑む音が、いやに五月蝿い。

主人公「こんな……バカなっ……」

派手な少女が唇を噛む。

少女「……殺された」

ゴスロリ「……魔獣に――」

少女「――違う！！！」

少女が吠えた。
怒れる瞳に、炎が宿る。

少女「殺したのは……魔法少女だ」

主人公「――なん、だと」

少女「特徴を話す。手伝ってくれ――」

少女「紫色の死神をぶち殺す」

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588 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/08/31(水) 03:00:12.20 ID:bpcxf7GAO

投下終了。少女は少女でも違う人です。

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589 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/31(水) 03:06:58.00 ID:AvlO83tI0

乙。途中割り込んでしまって、申し訳ない。

いきなり結論を出すとかかなり早計過ぎる。
まあ、最も感情の起伏の激しい時期でもあるそういう年代だから仕方ないとは思うけど

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590 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/31(水) 07:12:56.92 ID:VhztzErpo

お疲れ様でした

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591 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 09:34:14.93 ID:te8N05QSO

乙。最近毎日投下があって嬉しいなって。

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592 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/31(水) 09:52:30.40 ID:0LBDySTno

乙っちまどまど！

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593 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 11:57:37.16 ID:wqtjQdODo

乙
一気に読んだけど、ようするにレイプなんてしてもろくな事にならないというお話なのだろうか

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594 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2011/08/31(水) 12:39:53.08 ID:EVx1wPSs0

事情を知らない人間から見ると
円環は死神に見えるのね

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595 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]：2011/08/31(水) 12:40:26.08 ID:EVx1wPSs0

すまんサゲ忘れた

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596 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 14:49:23.74 ID:rHDXoAxDO

最初は面白かったのに最近はつまらなくなった

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597 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 14:54:28.77 ID:KZd4LdY0o

せっかく全員生えると思ったのにいつの間にかオリキャラ出始めたからね
バカエロどこなんだよと
共闘ループの胸熱返せって言いたい

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598 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/31(水) 15:09:07.39 ID:2PMHsEFlo

夏休みが終わるからって八つ当たりに来られても困る

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599 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/31(水) 16:56:58.81 ID:4iR9ArtX0

まだ夏か…

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600 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 18:09:03.32 ID:7s9VnLPUo

八つ当たり()とか見当違いもいいとこ
早く宿題終わらせてこいよガキ

展開スベって勘違い信者沸かせて挙句エタナるとかねーよな？
こっちはバカエロ期待してんだからな
オリキャラ使うオナSSとか期待してないんで早く元の路線に戻ってほしい

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601 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/08/31(水) 18:22:38.62 ID:L1OAmQeAO

短編も面白い

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602 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 19:11:00.49 ID:i8XURtMIO

面白ければいいやん

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603 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/08/31(水) 19:26:07.41 ID:qlyG79Yeo

>>600
元の展開も何も、元々バカエロは全体に二割あるかないかくらいだろ？
嫌なら見るな

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604 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/31(水) 20:05:35.44 ID:TAXXKs5Jo

>>600
てめえの好みなんぞ知るかボケ

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605 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 20:29:19.01 ID:7s9VnLPUo

嫌なら見るなでなくて、見たいから見てるんだろうが
それが脈絡もなく誰得な路線に転換されたら勘弁してくれって思うだろ？

作者に気を使ってるんだったら申し訳ないとは思うけどさ
今までの胸熱展開を楽しみにしてた人間としては今の謎展開に正直辟易してんのね
早く元の路線に戻ってほしい

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606 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 20:30:20.78 ID:n/eXvvNMo

ここまでスルースキル０

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607 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 20:38:04.96 ID:wWWhCqlfo

作者でもない奴がSSへの批判に対応すんなよ
お前らの方がよっぽど夏休みだわ

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608 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/08/31(水) 20:53:38.87 ID:K8VkKg2m0

静があるから動が際立つ
逆もまた然り

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609 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/31(水) 21:39:33.65 ID:TAXXKs5Jo

>>605
お前の意見なんぞ誰も求めてないから
消えろ

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610 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 21:51:56.20 ID:n/eXvvNMo

そういえば「嫌なら見るな」ってお前らの大嫌いなどこぞのテレビ局の口癖でしたね

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611 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 22:43:57.68 ID:7s9VnLPUo

おいおい作者に物申すくらいいいだろうよ
お前らの中にも居る筈だろ？
前までの胸熱展開を求めてたのにオリキャラ登場とか萎えるんだよ
頼むから路線戻してくれお願いだから

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612 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/08/31(水) 22:48:03.44 ID:om9Rzj0ro

テメェで勝手にスレ建てて書いてろks

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613 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/31(水) 22:57:20.53 ID:TAXXKs5Jo

>>611
俺は文句ねえよ
てめえが一人で騒いでるだけだよアホ
すげえ迷惑だから消えろボケ

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614 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 22:58:11.38 ID:nW0ld2FPo

面白ければいいと思うの

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615 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/08/31(水) 23:05:34.37 ID:ehmuKhFo0

文句はチラシの裏にでも書いておけよ。

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616 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/31(水) 23:06:47.86 ID:tejYBKBAo

オリキャラは別にいいよ
むしろ適当でいいから名前つけてくれ読みにくい

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617 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/08/31(水) 23:46:30.59 ID:2PMHsEFlo

>>1を読んでない奴がいるのはよく分かった

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618 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/31(水) 23:59:01.45 ID:AvlO83tI0

言いたい事はわからんでもないけど、今の話は今後の過去編や多分再び来るであろう一カ月編とかの
>>611が望むような胸熱展開の話の布石や伏線といった大事な前章だったりするのではないのかな。
だから現段階でそういったのはちょっと早急じゃない？

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619 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/09/01(木) 00:18:57.14 ID:6IjwqgxAO

おぉう。

まぁ、確かにオリキャラを食えない人には酷な展開だよね。
だから>>1にもオリ展開があると書いたよ。

バカエロについては確かにかけ離れていってるような気がしなくもないね。
けど、勿論必要なエロは入れるつもりだよ。
そして物語の展開上、必要なエロって言えば……

でさ、話は変わるんだけどね。
自分がやりたくてもやれない事、やったらスレが終わる事に『先の展開の暴露』があるわけよ。

全員集合胸熱展開がこの先有るにしろ無いにしろ、君に「有るよ！」「いや、無いんだ。すまない」とも言えない訳なんだよ。

そんなふざけた事をしてしまったら、ただでさえ需要の少ないこのスレがゴミクズ同然になってしまうからね。
それは流石に、自分には度胸が無いから出来ないんだ。

……長くなってきたぞ。文章を書くのは苦手なんだ。

まぁ確かに、「増長過ぎるかな？』とは思っていたよ。
せっかくだし、書くかどうか迷っていた部分をスパッと削る事にしたんだ。
どうせ余り必要無かったしね。エロくないし。面倒だしね。ﾃﾍﾍﾟﾛ

まぁでもタイトルに釣られて『羊頭狗肉じゃねぇか！』と言われたら、謝るしかないんだ。ごめんよ。

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620 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/01(木) 00:20:02.09 ID:K6jRQVmAO

作者にとって都合が悪かろうと思われる文句だけ総叩きに遭ってるの見るとつくづく狭いコミュニティだなと

でも読みづらいんだな
実際何のための章だかよくわからない
オリキャラのビジュアルの描写が有るのを見るとこだわりがあるのはわかるんだけど、何のため？っていう疑問が
伏線に留めておくには描きすぎとも思える
中途半端っていうのかな、上手く言えないけど

言いづらいけど、早いところ本編に戻って欲しい

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621 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/01(木) 00:23:12.28 ID:K6jRQVmAO

被っちまったすまない

だけど言いたいことはそれだけ

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622 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/01(木) 00:29:23.75 ID:K6jRQVmAO

あーあとそれと、別に>>611は「先の展開暴露しろ」って言ってるわけじゃないと思うぞ
彼のID辿れば「路線戻してくれ」って言ってるだけなのがわかると思う

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623 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/09/01(木) 00:31:39.14 ID:xVmNkTzco

お静かに

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624 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/09/01(木) 01:02:43.82 ID:+9HS1l5L0

作者の決断にも、他の読者の感想にも、くちばしは入れづらいが。
・・続きを、楽しみにしているんだ。・・・たのむよ、みんな。

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625 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/09/01(木) 01:03:49.70 ID:6IjwqgxAO

ついでに喋っておこうかな。

オリキャラは極力拒否反応を和らげる為に『少女』『女』形式を取らせてもらったんだ。
名前なんか付けたら「うわぁ……」ってなるのが目に見えてるからね！

逆に言うと、その上で名前が着いているキャラクターは重要って訳だね。キュゥべえが良い例さ。

……こうやって>>1が説明するのはご法度なんだけれどね。
力不足を感じるよ。

自分に出来るのはただ投下するだけしかないから、とりあえず書きためるよ。

>>622
『そのうちだけど、路線戻るよ』『いや、路線はこのままだよ』って言ったら、どっちにしろ暴露も同然じゃないですかー！
今から急に流れ大切断してキュゥべえレイプしろってんですかー！
やぶさかでもないぞー！

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626 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/09/01(木) 01:09:42.33 ID:6IjwqgxAO

あ。あとオリキャラの変身をある程度描写したのは、それをしないと戦闘シーンで困るってだけだったんだ。
「俺の考えた魔法少女いいだろぉ？（ドヤ顔）」ってやりたい訳じゃあないんだ。
だから最低限だし、肌の色とか身長には触れてないわけ……って成る程、だから中途半端なのか。勉強になったよ。

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627 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/09/01(木) 01:13:32.39 ID:6IjwqgxAO

そして次にキミたちは「長文乙」と言う。

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628 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/09/01(木) 01:14:58.95 ID:xVmNkTzco

今日はゆっくりおやすみ乙乙

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629 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 01:15:53.71 ID:9EUpk0YXo

>>1
言うとしたら今までの投稿乙だ
外野は気にせず書きたい事書けばいいさ
お互い権利義務があるわけじゃないんだから、
書きたい事書く、書きたくない事書かない
読みたいもの読む、読みたくないもの読まない
のスタンスでいいんじゃない？

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630 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/01(木) 01:26:31.29 ID:QdJ9JEuUo

大して重要じゃない部分と思えばこっちで勝手に斜め読みで済ませるし
>>1が好きに書けばいいとおもう、>>1の書く話なんだから

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631 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/01(木) 01:29:22.77 ID:QoMBbjHI0

伸びてる！投下ktkr！
…と思ったのに荒れてただけだった時の悲しさときたら

なんで長い目で見れないんだろうね
俺は楽しみにしてるよ、>>1乙

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632 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 01:35:52.35 ID:TMS0b1+IO

× 増長
○ 冗長

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633 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/01(木) 02:23:02.94 ID:TcpCLH+0o

>>620
叩かれてるのは>>1を読めていないか最低限のマナーを守れていない馬鹿ばかりじゃないか

ほむら主人公の話ではむらの話をしているのに本編に戻れとか意味がわかりませんな
後、上手く言えないなら黙ってろ。予防線なんか張ってんじゃねえよ。狭いコミュニティ（）

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634 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/01(木) 02:23:38.46 ID:TcpCLH+0o

はむらってなんだよ

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635 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/09/01(木) 02:26:46.85 ID:xVmNkTzco

寝ろ

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636 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 03:07:58.59 ID:yZw2qA9no

>>633
>>1にはオリキャラ注意とは書いてない。これ豆な

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637 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2011/09/01(木) 04:30:12.32 ID:fjWxmZR9o

はいはい、スレ汚しスレ汚し

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638 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 05:59:50.54 ID:jw8GA46yo

>>633
あんたに言ってるわけじゃないんだから読者様()は恥ずかしくないよう黙ってような

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639 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/01(木) 06:22:22.55 ID:Yz8ZgaAKo

読んでる側が内容に指図するとか意味わからん
作品の為になる指図ならともかく、
自分の勝手な都合で作品の方向性を捻じ曲げようとするのはおかしいし、俺達は全く求めてない
作品の路線は書いてる側が決めるもんで、読んでる側が決めるもんじゃないだろ
今の内容が気に入らないんならよ、お前の期待なんぞ知ったこっちゃない
読むの辞めればいいだろうよ

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640 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 06:37:35.23 ID:N65nl7tIO

お客様(笑)ばかりだから仕方ない

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641 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 07:20:51.35 ID:hBw3Qg3no

議論も予想も、もうよそうや（ﾄﾞﾔｧ

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642 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 10:17:24.16 ID:kf53wwLIo

読み手が書き手に噛み付くのってわかるようなわからないことだけど
読み手が読み手に噛み付くのって傍から見るとものすごいマヌケだよね

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643 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/01(木) 10:20:24.08 ID:gcCRJKcso

思い通りの展開にならなかったら作者を叩くって、どこぞの大人気の某キャラ厨みたいなやつらだな

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644 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/01(木) 10:43:02.75 ID:K6jRQVmAO

あーあーあーはいはい俺が全部悪かったからここまでにしような議論終わり
>>1が全部言ったんだからコレ以上の言い合いはなしな

読み手の叩き合いもなし。嫌なら見るなそれなんてブーメラン

↓↓↓以下誰に生えるか予想↓↓↓

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645 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 10:54:33.47 ID:s+OSX+RDO

↑↑↑

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646 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/01(木) 10:55:08.61 ID:EsD4PALAO

ゆまにはまだ皮を被ってる可愛いおにんにんが生えると信じてる

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647 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 10:56:13.12 ID:iBRZXbtSO

すごくおもしろかった。これからも≫1のペースで頑張ってくれ、応援してます。

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648 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/01(木) 12:01:52.59 ID:JGQRkFqqo

一応夏休みは終わったみたいだが、なんだこりゃ
本文と感想は楽しみにしてる、予想と文句はいらね

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649 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 12:14:03.67 ID:ycTymrmIO

伸びてると思ったら…
書きためがんばってくださいなー

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650 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 13:38:54.47 ID:yZw2qA9no

まあ、バカエロ路線だったときは面白かっ「た」

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651 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 15:20:48.63 ID:UL7VwX0IO

しつこい

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652 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/01(木) 15:42:04.03 ID:lTQyiSW/o

荒れてるなぁ・・・

冗長になるから>>1の判断で削るのはお任せしますが
今回みたいな描写は小説とかに多いよ。

漫画やAA系と違って、言葉だけで表現することになるから
状況説明とかでやや冗長気味になるのは普通のことだし
内容を元に、具体的にキャラ当てたりしてどういった状況なのかを読者側で想像するのも面白いよ。

出会って3秒で即合体とかいうどこかのAVのタイトルじゃないけれど
萌えに走ってる今のラノベとか、エロ同人の薄い本なんかはそういった展開が多くて
それ以外の状況の想像とかする余裕が無いのばかりだからな。

文句言ってるのは、1990年代の長編ラノベとか読んでみるといいかもしれない。

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653 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/01(木) 19:51:09.81 ID:YN9PDCqno

>>627
長文乙・・・ﾊｯ！

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654 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/02(金) 02:11:48.28 ID:tW4IzanO0

俺は>>1の今の書き方が好きだし、外野は気にせず書いて欲しいな
そろそろ夏休みも終わるしそれまでの辛抱だ

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655 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/02(金) 07:47:16.47 ID:PF8c0KgSO

この展開からどう持っていくかが楽しみ

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656 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/02(金) 22:07:56.13 ID:pm99fgXSO

ストレスになんか負けるな>>1！
少なくともお前のssを楽しみにしてるやつがここにいるー！

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657 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/02(金) 22:31:57.49 ID:F5b4bcTGo

少なくとも意見言った奴も楽しみにしてると思う
でなければあんなこと言えないと思う

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658 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/02(金) 23:57:00.35 ID:P8XI0VlAO

書き溜めるとか言った癖に全然書けない。

投下開始

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659 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/02(金) 23:57:59.75 ID:P8XI0VlAO

――――ゴスロリ、探索中

ゴスロリ「紫色の服に、白い鳥の様な翼の魔法少女……」

ゴスロリ「……見た事も聞いた事もないわ」ﾌｩ

ゴスロリ「俄には信じられないけど……魔法少女が魔法少女を殺すなんて」ｳﾑﾑ……

ゴスロリ「『彼女』が特別グリーフシードを多く持っていた訳でもないし……」

ゴスロリ「……いえ、しかし――何らかの関係があるのは確実ね」

ゴスロリ「魔獣の結界が現れてくれれば、向こうも釣られてやってくるのでしょうけれど……そんな気配は無いみたいね」

ゴスロリ「ここの所、大群と連戦だったと言うのに……何だか不気味だわ」

ゴスロリ「何処にいるのかしら……勘だと、海沿いかしら」

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660 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/02(金) 23:59:05.06 ID:P8XI0VlAO

――――主人公、探索中。

主人公「しかし、許せない奴も居たものだ……我が友『無垢なる救世主（イノセントメシア）』を屠った罪は甚大だ！」

主人公「……我が友『救世主の守り手（ディフェンサーオブメシアン）』の落ち込み方と言ったら、酷いものだよ」

主人公「――いけないいけない。センチメンタリズムに囚われてはいけない」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

主人公「必ずや、その『堕ちたる天使（フォールンエンジェル）』を我が足元にひれ伏させてやるさ」

主人公「早速サーチだ……『主人公アイ』！」ｷｭﾋﾟｰﾝ!

主人公「説明しよう。主人公アイとは、目的のモノを2分と32秒で見つける事が出来るのだー！」ｼﾞｬｰﾝ!

主人公「ふむふむ……こっちか！『静寂なる海（サイレントオーシャン）』の方に反応を感じるぞぅっ！」ｼｭﾀﾀﾀﾀｯ

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661 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:01:07.52 ID:CclI0XaAO

――――無人の波止場。

ﾊﾞｯﾀﾘ

ゴスロリ「あ」

主人公「む」

ゴスロリ「……ろ」

主人公「いきまーす！」ﾊﾞｯ

ゴスロリ「黙れ」

主人公「酷い！？」ｶﾞｰﾝｯ!?

ゴスロリ「はぁ……何で探す場所被るのよ」ﾄﾞﾝﾖﾘ

主人公「『主人公アイ』に反応が」

ゴスロリ「はいはいワロスワロス」

～♪♪

主人公「……うん？」ﾋﾟｸｯ

ゴスロリ「バイオリンの音……？」ｷｮﾛｷｮﾛ

ゴスロリ「こっちかしら？」ﾋｮｲｯ

主人公「あれは……女の子かな？」

紫「…………」～♪♪

ゴスロリ「…………」

主人公「…………巧い、んだろうな」ﾎｩ

ゴスロリ「……うん。何だか、凄く情熱的。心に何かを訴えかけられてるみたい」

主人公「まぁ私にだって出来るけどね！」ﾄﾞﾔｯ

ゴスロリ「魔法で、でしょうが。万能戦士死ね」

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662 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:02:09.87 ID:CclI0XaAO

紫「…………」ﾌｩ

主人公「あ、終わったみたいだ。やぁ美少女、お見事だ！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

ゴスロリ「（うわぁ空気読まないわねぇ……イケメン補正で何とかなると思ったら大違いよ？）」ﾋｷｯ

紫「？」ﾊﾟﾁｸﾘ

主人公「君の演奏、賞賛に値する！私は君に心奪われた者だ！」

ゴスロリ「はーいテンション下げましょうねー」ｸﾞｲｸﾞｲ

主人公「な、私の弱点を耳たぶと知っての狼藉なのか！？」ｲﾀｲｲﾀｲ

ゴスロリ「そんなしょうもない所が弱点なんて……幻滅ね」ﾌｩ

主人公「いや余裕だけどね？」

紫「…………？」

ゴスロリ「ごめんなさいね。この女、脳に致命的な欠陥があるの」

主人公「命には至ってない！」

ゴスロリ「否定しろよ」

紫「？？」

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663 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:03:00.83 ID:CclI0XaAO

――――少女、探索中

少女「くそっ……見つからない」

少女「まだそんなに遠くには行ってないはず……こんな時、主人公ならあっという間に見つけてしまうんだろうけど」

少女「魔法少女の事なら……キュゥべえに聞くのが一番だけれど」

少女「（広範囲テレパシーしてみるかな……運良く近くにキュゥべえが居れば、コンタクトが取れるはず）」

少女『『キュゥべえ！』』

少女「この街にはいない……もう少しだけなら」

少女『『『キュゥべえ！』』』

QB『なんだい？キミから連絡なんて珍しいね』

少女『捕まったか……近くにいるのか？』

QB『キミの位置からすると、ボクは隣街にいるよ』

少女『聞きたい事があるんだ。良かったら直接会いたい』

QB『ふむ、分かったよ。ついでにキミにも訊ねたい事があったんだ。魔法少女が一人着いていくけれど、構わないかい？』

少女『……ソイツは誰だ？』

QB『女史と言ってね、尋ね人を探している魔法少女なんだ』

少女『まぁ、構わないけど……出来るなら早く会いたい』

QB『分かった。任せてくれ』

少女『頼む』

少女「ついてるな……たまたまキュゥべえが居てくれて良かった」

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664 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:05:21.50 ID:CclI0XaAO

――――キュゥべえ

QB「ふむ、もしかしたらもしかするかもしれないね」きゅっぷい……

「どうしたの、キュゥべえ？」

QB「いや、他の魔法少女に呼ばれてしまっただけさ。女史、ボクは行くけれど、着いてくるかい？」

女史「もちろんよ。手がかりが掴めるかもしれないもの」

QB「なら道案内をするよ。肩に乗せてくれないか？」

女史「うん。おいで」

ﾋﾟｮﾝｯ､ﾎﾟﾌﾝｯ

QB「場所は隣の街だ。どのくらいで行けるかい？」

女史「私を誰だと思ってるの？」ｻﾞｯ

女史「2分もあれば着くわ」ﾀﾞｯ!

QB「やれやれ、飛ばされないように掴まるこっちの身にもなっ――落ちた落ちた拾ってぇぇぇ……！」ﾋｭｰ……

女史「あ」

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665 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:06:49.64 ID:CclI0XaAO

――――波止場

主人公「とまぁ、君の演奏が素晴らしかった事は置いといてだね」ｺﾞﾎﾝ

主人公「こんな時間に人気の無い場所で、か弱い女性が一人と言うのは些か頂けない。何かが起こらない内に家に帰るべきだと思う」

ゴスロリ「（うっわ……キザい。超キザい）」

紫「…………」

紫「…………」ｺｸﾘ

主人公「うん、よろしい。ところでお嬢さん、良かったら端末のアドレスを教えてくれないかい？」ｽｯ

紫「…………？」ｷｮﾄﾝ

主人公「……端末だよ。知らない？」

ゴスロリ「（……ちょっと、主人公。この子携帯端末知らないんじゃない？）」ﾋｿｯ

主人公「（まさか！？無かったらどうやって生活するんだ？買い物も出来ないし、そもそも警察に厄介になるだろう）」ﾋｿﾋｿｯ!?

ゴスロリ「（そもそも喋れないみたいだし、もしかしたら外国の人かも）」ﾋｿ

主人公「（だがどう見たって大和撫子じゃないか！）」ﾋｿｯ!

ゴスロリ「（それは人種を表す単語じゃないからな？）」ﾋｿｫ……

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666 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:07:43.96 ID:CclI0XaAO

紫「…………」ﾌｩ

主人公「――って、あれ？居ない……」

ゴスロリ「静か過ぎて気付かなかったわね……」

主人公「まぁ、帰ったんならいいだろう。魔獣に襲われる心配もない」

主人公「気配が落ち着いたとは言え、また魔獣が大量発生しないとも限らないからね」ﾌｯ

ゴスロリ「……なら最初っからそう言え、バーカ」

主人公「君子敵騙すに当たってまず味方からさ」ﾄﾞﾔｧ

ゴスロリ「はいはい黙れ」

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667 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:08:26.14 ID:CclI0XaAO

――――

紫「…………」

行かなきゃ。
戦わなきゃ。

――何のために？

……分からない。
でも、その為にいる。

――何故私が？

何でだったっけ。

そもそも何故私は魔法少女だった――

リボン。

紫「――！！」

まただ。
自我が擦り切れ始めている。
頼りない私を余計に縛りつける、このマフラーを取ってしまえばどれ程楽になれるのだろうか。

今の私をかろうじて繋ぎ止めているのは、まどかのリボンとグリーフシード、そしてあの時持ち出したバイオリンだけ。

私は本当に暁美ほむらなのだろうか。

――前と違うのは、誰も応援してくれない事だけ。

まどかは、そばにいない。

まどかは、あの空から私たちを――

……私は無力だ。
目の前の魔法少女しか、救う事が出来ない。
まどかの、何と偉大だった事か。

――まどかって、なんだっけ。

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668 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:09:38.43 ID:CclI0XaAO

――――集合。

少女「……来たか」

主人公「あぁ。キュゥべえを呼んだんだって？」

ゴスロリ「確かに、それが一番手っ取り早いわね」

少女「……もうすぐ到着するらしいが、何と言ってたかな……連れの魔法少女がいるらしい」

主人公「連れ？」

少女「確か、女史と言っていた」

ゴスロリ「――女史様ですって！？」ｷｬｯ

主人公「知っているのかい？」

少女「知り合いか？」

ゴスロリ「むしろ魔法少女やってるアンタ達が知らない事の方が驚きだわ……」ﾊｧ

ゴスロリ「女史様って言ったら、トップクラスのベテラン魔法少女じゃないの。噂になってるわよ、旅をしながら現地の魔法少女のサポートをしてるって」

ゴスロリ「もう何年も魔法少女をしてるそうよ。とても強く、敗走は一度も無いらしいわ」

主人公「へぇ。だがしかし私には劣るだろうがね！」ﾌﾝｽｯ

ゴスロリ「……いや、無理じゃない？」

主人公「いやネタを真面目に返されるのは結構効くよ？」

ｽﾀｯ

QB「相変わらずだね」ﾋﾟｮｺｯ

少女「――お前もな……そっちのお方が例の魔法少女か？」ﾁﾗ

女史「この子たち？」

QB「あぁ」

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669 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:11:20.90 ID:CclI0XaAO

ゴスロリ「わぁ……本物だぁ」ｷﾗｷﾗ

女史「あら、私も有名になったモノね」ﾆｺﾘ

主人公「女史と申されましたかね。私は主人公、以後お見知り置きを――痛い痛い耳はダメだって！？」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

ゴスロリ「様を付けなさい、さ、ま、を！」ｸﾞｲｸﾞｲ

少女「それで、女史と言ったか。アンタの目的は人探しと聞いているが――」

ゴスロリ「あー、様を付けなさいって――」ﾋﾞｸ

少女「黙ってろ」ｷﾞﾛ

少女「アンタがどんな奴だかは知らない。すまないが、アンタの用事は後からで良いか？」

女史「構わないわ。長い間続けてる事だから、今更な事よ」

少女「助かる。本題だ、キュゥべえ」

QB「なんだい？」

少女「紫色の服の、翼を生やした魔法少女を知っているか？」

QB女史「――っ！！」ﾊｯ

女史「……それは私の探し人ね」

QB「暁美ほむらだ……間違い無い」

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670 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 00:12:17.51 ID:CclI0XaAO

あああ進まねぇ終わらねぇ……急ぐぜ。
投下終了。

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671 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/03(土) 00:13:58.27 ID:jaL+Hjyko

お疲れ様でした。

・・・・・・ふむ。なんだか・・・・・・・・・。

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672 ：長屋 ◆5.EOx4SSpI [saga]：2011/09/03(土) 00:28:34.49 ID:zdcly0ei0

お疲れ様でした。
ほむほむどうなるかな・・・

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673 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2011/09/03(土) 00:29:13.70 ID:zdcly0ei0

ぐぁあああああ
あげてコテハンつけてなんてすごい痛々しいまねをしてしまった　スマン

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674 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/03(土) 00:38:16.57 ID:SAbK0RmJo

これは……そういうことなのか

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675 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/09/03(土) 00:41:08.14 ID:CclI0XaAO

>>672
気にしないで。俺もたまにある。

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676 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/09/03(土) 11:46:32.61 ID:bdmou84m0

乙乙
最初女史と女子のミスかとおもた

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677 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 23:48:38.18 ID:CclI0XaAO

>>676
ネクストほむらザヒーント。

投下開始。

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678 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 23:49:08.90 ID:CclI0XaAO

――――ほむら、波止場に一人。

紫「――――っ」

暁美ほむらの器は、何かを感じて空を仰いだ。

その「何か」は、魔法少女の消滅。

今も何処かで、誰かが自分の所為で死に続けている。

自分の両手では、その零れゆく者たちをスクい切れないと気付いたのは――いつだったろうか。

そしてまた、彼女の心に怨嗟の声が絡み付いて――精神を緩やかに溶かしていくのだ。

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679 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 23:50:11.92 ID:CclI0XaAO

――――波止場、夕暮れ

ゴスロリ「……どうしたの、ぼぉっとして」ﾎﾟﾝｯ

紫「！？」ビクッ

ゴスロリ「あら、驚かせてしまったかしら。ごめんなさい」ｸｽｯ

主人公「おーい、いきなり走ってどうした――これはこれは、こないだのお嬢さんか。今日と言う、暮れなずみゆく空に感謝を覚えるね」ﾊﾊﾊ

ゴスロリ「昨日も言ったでしょ、この辺りは危ないんだって」

紫「…………」

主人公「特に今日みたいな日はね……そうだお嬢さん、紫色の服を来て、羽を付けたコスプレお姉さんを見なかったかい？」

紫「――――っ？」

ゴスロリ「（一般人に聞く方法がそれしかないのは認めるわ。でも他に言い方無かったの……この表情を見るのは102人目よ）」ﾋｿﾋｿ

主人公「仕方ないだろう。何か知っているかい、少女？」

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680 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 23:51:47.29 ID:CclI0XaAO

紫「…………」

主人公「失念していた。確か話せないんだったね――む」ﾋﾟｸｯ

ｻﾞﾜ――

主人公「……少女、済まないね。少し待っていてくれるかな？」ｻﾞｯ

ゴスロリ「魔獣の気配……キュゥべえに聞いた『アレ』かしら」

主人公「おそらく……数も多い。良い解釈をしても、疑似的な『ワルプルギスの夜』が始まるに過ぎない、としか言えないな」

紫「――っ！？？」

主人公「出来れば少女がいた方が早く終わるのだが……まぁ、それも僅かな誤差だ！」

ゴスロリ「適度にぶっ殺す、それだけね」

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681 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 23:54:14.47 ID:CclI0XaAO

――――小さな演劇。

主人公「行くぞ！」

凛々しい少女が、魔法少女へと変身する。
騎士の様な出で立ちに、見事な装飾が彫られた大剣を構えていた。

ゴスロリ「行くわ」

美しい少女が、魔法少女へと変身する。
フリルの着いた黒のドレスに、刀身が煌めく大剣を携えていた。

主人公「さて……っと！？」

主人公は、黒髪の少女が結界の中に居るのを見て驚く。

ゴスロリ「素質持ちかしら……でも今は構ってられないわ、よっ！」

ドレスの少女の周囲を魔獣が取り囲んだ。
その巨大な刀身が、それらをまるごと薙ぎ払う。

主人公「ふむ……仕方ない、か」

彼女は黒髪の少女に歩み寄り、刃渡りの大きいナイフを差し出した。

主人公「持っていたまえ。魔法をかけておいた……君を守ってくれるだろう」

紫「…………」

そして対峙する、敵と。

主人公「さぁいざ行かん、我が相棒よ！」

ゴスロリ「喧しい、さっさと戦いなさい」

二振りの大剣は、魔獣の群れを切り裂いて、そして消し去っていった。

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682 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 23:56:14.30 ID:CclI0XaAO

――――回想

ゴスロリ「…………」

――ワルプルギスの夜？

QB「あぁ。魔法少女が弱ってくると其れは発生する」

QB「魔獣の異常発生……ボクも最近気付いたくらいさ」

QB「近頃は力尽きる魔法少女も増えてきていてね。それで気付けたんだ」

少女「今までは何で気付かなかった？」

QB「暁美ほむらさ。彼女はワルプルギスの夜が起こる所に、例外無く出現していたようだ」

QB「彼女が魔獣を殲滅していたんだ」

QB「だが不思議な事に……彼女が現れる度、弱った魔法少女は死を迎えているようなんだ」

QB「いつも後手を引くんだけどね。何か関係があるとは睨んでいるんだけれど……」

少女「アイツが止めを刺しているんだ……私は見た」

QB「それが本当だとしても、彼女の目的が分からない」

主人公「グリーフシードが目的ではないのだろうか？」

QB「……これはキミたちも驚く事なんだろうけれど、彼女はグリーフシードを必要としないんだ」

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683 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 23:58:10.46 ID:CclI0XaAO

ゴスロリ「何ですって……？」

QB「正確に言えば、代替の手段があるって事だね。それが何かは教えて貰えなかったけれど」

QB「彼女がグリーフシードを集めるのは、本当に、魔法少女としての義務の一環に過ぎない」

QB「ところで、『円環の理』。知っているかい？」

女史「……力尽きた魔法少女の行く先、ね」

QB「そうだ。ボクにも詳しい原理が分からないブラックボックスなんだけれど――最近。そう、暁美ほむらが現れない『ワルプルギスの夜』が起こる事があるんだ」

QB「もっと言えば、同時に各所で起こって……そして暁美ほむらは一人しかいないのだから、当然と言えば当然なのだけれど」

QB「その夜が明けると、やはり魔法少女が亡くなっているんだ……だが違いがあってね」

QB「酷いモノだ。ソウルジェムは当然無くなっているけど、身体の欠損が酷いんだ。まるで――何かに貫かれた様に、大きな孔が空いているんだよ」

少女「ほぅ……？」

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684 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/03(土) 23:59:29.77 ID:CclI0XaAO

QB「これは誰か他の魔法少女の仕業なのか、はたまた『円環の理』の異常なのか……いずれにせよボクとしては、暁美ほむらを問い詰めたい訳なのさ」

QB「彼女は最初からイレギュラーだからね。ボクと契約すら交わしていないし」

主人公「ふむ……暁美ほむらが居た戦場では何故そうならない？」

QB「分からない。暁美ほむらが魔法少女の死体を守っているのか、はたまた暁美ほむら以外にも、『円環の理』に通ずる魔法少女がいるのか。それはボクの及び知れる範囲を越えているんだ」

ゴスロリ「女史様は何故暁美ほむらに？」

女史「私は、かつて暁美ほむらに会った事があってね」

女史「当時は知らなかったけれど、『ワルプルギスの夜』に巻き込まれたの」

女史「その時助けられて……もう一度会えたら、話がしてみたいってだけなの」

少女「……その夜に、死人は出たのか？」

女史「…………」

少女「…………」

女史「えぇ」

少女「……やはり暁美ほむらは」

QB「キミは暁美ほむらを殺すつもりかい？」

QB「それは無謀とも言うべき行いだ。彼女の戦闘力には、キミたちとは計り知れない差がある」

少女「そんな事は関係無い」

少女「暁美ほむらの所為で私は願いを失った」

少女「万死に値するべきだ……っ」

女史「…………」

――――

ゴスロリ「……こんなところで、油売ってられないのよ！」

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685 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/04(日) 00:01:29.13 ID:0Omy5xxAO

――――波止場、消える結界

主人公「ふぅ……何とかなったな。数も前ほどは多くなかったし、前座といったところだろうか」ﾌｯ

ゴスロリ「はぁっ、はぁっ……なんでアンタそんな余裕なのよ……」ｾﾞｲｾﾞｲ

主人公「勇者だからな！」ﾄﾞﾔｯ

ゴスロリ「チート死ね……大丈夫だったかしら、バイオリンの子？」

紫「…………」ｺｸﾘ

主人公「ナイフが役に立ったようで何より！フゥハハハー！」ﾊｯﾊｯﾊｯ!

ゴスロリ「黙れ。黙って下さい」

主人公「敬語！？」

ゴスロリ「（『ワルプルギスの夜』……こんな戦闘を繰り返してたら、正直持たないわ――うん？）」

ゴスロリ「（弱った魔法少女がいなければ、これは起きないはず……私も主人公も、言うほどではない――まさか）」

少女『――――』

ゴスロリ「……急がなきゃ」

ゴスロリ「（暁美ほむらが、何かを知っているなら――彼女が理に導かれる前に）」

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686 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/04(日) 00:03:53.80 ID:0Omy5xxAO

投下終了。
ところでいつも思うんだけど、携帯で投下した時の広告の、

魔法少女ほかく☆チジョク

ってタイトルもう少し何とかならなかったのかな。

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687 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/04(日) 00:05:08.94 ID:k7UDlVwxo

お疲れ様でした。

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688 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/09/04(日) 00:12:46.05 ID:zXUbqDwAO

乙

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689 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/04(日) 08:42:19.29 ID:87ZielIDO

>>686
悔しい！でも気になる！

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690 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/09/04(日) 11:41:59.36 ID:Y/7zLvgM0

乙乙
適当に言ったら本当に女子だったごめんなさい

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691 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/09/04(日) 15:25:41.21 ID:vWoDwdBso

追いついた･･･2時間前、前スレにホイホイされて今やっと追いついたぞ・・・！
ここまでの>>1690分の乙です。

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692 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/04(日) 15:33:15.73 ID:5pSt3tmLo

大剣を持ったドレスの女の子っていいよね

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693 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/05(月) 00:35:47.49 ID:AyUyyJGDO

>>692
つまりグラドリエル閣下最高、と

694 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/09/05(月) 01:33:34.37 ID:Ex1XPdnAO

携帯で書き込むときの広告がエロゲばかりなのは一体…
でもほかく☆チジョクは確かにない

695 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:17:39.21 ID:umoN0WkAO

眠い頭痛いだが書く。一心不乱に。

投下開始

696 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:18:08.39 ID:umoN0WkAO

――――

紫「…………」

私を探している……インキュベーターかしら。

もしそうなら面倒ね。
アイツの事だもの。何かしら感づいているはず。
魔女の事実を知られる訳にはいかない。

今は魔法少女である事を隠しておきましょう――

697 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:19:07.12 ID:umoN0WkAO

――――街

主人公「キミのご両親は？」

紫「…………」ﾌﾙﾌﾙ

ゴスロリ「一人暮らしかしら？」
紫「…………」ｺｸﾘ

主人公「ふむ、都合が良い。魔法少女の説明がてら、街を探索しよう」

主人公「これを渡しておくよ。ここをこう入力して……で、文章が打てるから……言葉は流石に分かるだろう？」

紫「…………」ｺｸｯ

主人公「上等だ。ならゴスロリ、このお嬢さんをしばらく頼んだ」

ゴスロリ「え」

主人公「説明とかは苦手なのだ！ではっ！」ﾀﾞｯ!

ゴスロリ「……逃げやがったなぁ。全くもう」ﾊｧｧ……

紫「…………」

ゴスロリ「まぁ、じゃあ道すがら……何から話しましょうか」

698 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:20:30.08 ID:umoN0WkAO

――――

ゴスロリ「――魔法少女については以上ね。何か質問はあるかしら？」

紫「…………」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

端末『あなたはなにをねがったの？』

ゴスロリ「私？珍しい子ね、普通は戦いの事とか聞くモノなのだけれど」ﾌｩﾝ

ゴスロリ「私は……『綺麗になりたい』だったわ」

ゴスロリ「私、魔法少女じゃなかった頃は不細工でね」ｱﾊﾊ

ゴスロリ「あんまり良い思いもしなかったから……でも、今はこんなフリフリの服を来ても似合うでしょ？」ﾊﾟｻﾊﾟｻ

ゴスロリ「何より自分に自信が持てるから……私、今は可愛いし」ﾃﾍ

紫「…………」ﾋﾟﾋﾟｯ

端末『そんなことでいのちをかけているの？』

ゴスロリ「……貴女は綺麗だから分からないかもしれないわね」

ゴスロリ「可愛ければ、みんな優しくしてくれるの」

ゴスロリ「ちやほやしてくれるし、助けてくれる」

ゴスロリ「私の美は同姓も容赦無く魅了するから、妬みも生まない」

ゴスロリ「誰も損をしない、素敵な願いだと思うわ」

699 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:21:34.64 ID:umoN0WkAO

紫「…………」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

端末『あなたのようしにかんけいなく、あなたをみてくれるひとも、いたはずよ』

ゴスロリ「……残念だけど、昔は居なかったわ。今でも、私を色眼鏡無しに見てくれるのは――あのバカだけよ」

ゴスロリ「……そう言えば貴女にも魅了魔法が効いてないようね」

ゴスロリ「少女みたいに思い人が居るのかしらね。あのバカみたいにチート魔法少女な訳でも、女史様みたいにベテラン魔法少女という訳でもないし」

紫「？」

ゴスロリ「こっちの話よ。気にしないで」

紫「…………」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

端末『あなたは、なんのために、いきている？』

ゴスロリ「哲学的なのね」ｸｽﾘ

700 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:22:18.29 ID:umoN0WkAO

ゴスロリ「何のため、か……考えた事も無いわね」

ゴスロリ「毎日をただ過ごして」

ゴスロリ「嫌な事もあったけど我慢して暮らして」

ゴスロリ「魔法少女になって……まぁ人生は変わったけれど、確かにこれってモノは無いわ」

ゴスロリ「私にはあのバカ以外にもう一人仲間が居てね……ソイツはしっかりしてるわよ」

ゴスロリ「好きな人が魔法少女だったの。だから、『愛する人を守りたい』『守られる私ではなく、守る私でありたい』と言って魔法少女になったの」

紫「――――っ」

ゴスロリ「……それもこの間まで。その人は、死んでしまったわ」

ゴスロリ「いえ……彼女が言うには、『殺された』らしいの。紫色の服を着て、翼を纏った魔法少女にね」

701 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:24:22.62 ID:umoN0WkAO

紫「――――！？」

ゴスロリ「……驚くわよね。魔法少女が魔法少女を殺すなんてのは、滅多に起こらないもの」

ゴスロリ「時折グリーフシードに飢えた輩がそんな事に手を染めるけれど、グリーフシードが無いんだから返り討ちに合うに決まってるし」

ゴスロリ「それにその――『暁美ほむら』と言う魔法少女は、グリーフシードを必要としないらしいわ。だからこそ、気になるの」

ゴスロリ「その殺人は戯れなのか否か、私は知りたい」

ゴスロリ「もし前者なら、私は少女に味方して暁美ほむらを討つわ」

ゴスロリ「だけど引っかかるモノもある……意味の無い行動をするような魔法少女では無いと思うの」

紫「…………」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

端末『なぜ？』

ゴスロリ「勘よ。私の勘は結構当たるのよ？」ｹﾗｹﾗ

702 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:24:48.24 ID:umoN0WkAO

――――

紫「…………」

私は。

私のしている事は。

ただの介錯に過ぎない。

そんなの疾うに分かっていた筈なのに。

私は――

何をしていたんだっけ。

生きる意味。

まどか――

『暁美さん』
『ほむらっ』
『ほむら』
『ほむらお姉ちゃん』
『暁美ほむら……』
『暁美ほむら』

『ほむらちゃん』

――私は、生きなければ。

ただの介錯では無い。

これは償いだ。

世界に理不尽を押し付けた、世界に対する私の――贖罪なのだ。

703 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:26:17.20 ID:umoN0WkAO

――――少女と女史

女史「キュゥべえも勝手ね。一人で探しに行ってしまうんだもの」ﾃｸﾃｸ

少女「…………」ｺﾂｺﾂ

女史「……暁美ほむらが憎い？」

少女「当然だ。アイツは私の生き甲斐を奪い去ったんだからな」

女史「……彼女が、円環の理そのものだとしても？」

少女「……何が言いたい？」ｷｯ

女史「……私が彼女に会った時は、仲間が死ぬ時だった」

女史「『ワルプルギスの夜』に巻き込まれて、私の仲間は戦いの中で力尽きた」

女史「彼女は自らの死期を悟っていたわ。故に、彼女が理だと気付いていたの」

女史「私たちの目の前で、彼女のソウルジェムは浄化されて消滅したわ。役割が済んだみたいに、後は何も言わず飛びさってしまった」

女史「私も子供だったからね、訳が分からなかったわ」ｸｽ

女史「でも、もう随分と年を食ったわ。自分の考えも持っているし、世界はかく在るのだと言う信念もある」

少女「だが奴は――それでも、ただの死神である事には変わらん！」

少女「死にそうだから止めを刺す？ふざけるのも大概にしろよ……」ｷﾞﾘｨｯ

女史「それは……」ﾌﾑ

女史「…………」

女史「…………」

女史「概ね同意だと言っておきましょう」

704 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:27:16.02 ID:umoN0WkAO

――――

主人公「やぁ、どうだったかな？」ｼｭﾀｯ

ゴスロリ「説明は終わったわ。でも……契約はしないって」

紫「…………」

主人公「ふむ、それは仕方ない。興味が有れば、またいつでもキミの前に現れよう！」

主人公「そのナイフはプレゼントだ。お守り代わりに持っておきたまえ」

ゴスロリ「気をつけてね。まっすぐ帰るのよ」ﾌﾘﾌﾘ

主人公「さらばだ！」ﾌﾘﾌﾘ

紫「…………」

705 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:28:48.28 ID:umoN0WkAO

――――ゴスロリ主人公。

主人公「合わせると別キャラのようだ」

ゴスロリ「上のサブタイもどきにツッコミいれてんじゃないわよ！？」ｶﾞｰﾝ!?

主人公「私だからな！」ｷﾗｰﾝｯ

ゴスロリ「うぜぇぇぇぇぇぇぇ……」ﾊｧ

主人公「……しかし、どうやら決戦の時は近いようだぞ？」ｷﾘｯ

ゴスロリ「魔獣の気配……まだ小さいけれど」ﾋﾟｸﾘ

主人公「明日、明後日……正確な日付は分からんが、近々デカいのが来るな」

ゴスロリ「持つかしら……」

主人公「持たせてみせるさ、何故なら私は――」

ゴスロリ「『この世界の主人公だから』、でしょ？」

主人公「勿論だヒロイン！」ﾊﾞｯ

ゴスロリ「だっ、誰がヒロインだアホがっ」ｶｧｯ

706 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/05(月) 03:29:29.42 ID:umoN0WkAO

よし、投下終了

707 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/09/05(月) 03:56:47.85 ID:7ztC3FtAO

この主人公っつー表記が初めて出たとき誤爆と勘違いした程の浮きっぷりでずっと気になってたけど
もしかしなくてもこれ彼女の願いに関係あるのか？

ゴスロリのセリフから予想できる通りなら結構とんでもない願いじゃね、これ？

708 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/05(月) 06:11:33.97 ID:BoIbVoN4o

どーだかね
主人公って言っても、チート能力とか死なないとかが自動的につくわけでもないだろうし
まあ、生き残ってるんだから相応の能力は持ってるんだろうけど

ただイベントには強制的に巻き込まれたりしそうだな
あとたぶんドラマチックな死に際とかも含まれてるかもしれない

709 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/05(月) 06:38:07.83 ID:7Tx18Tbho

『愛する人を守りたい』『守られる私ではなく、守る私でありたい』の部分でぞくっときたわ

710 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/05(月) 07:18:37.65 ID:sYDDYOEXo

お疲れ様でした

711 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/05(月) 13:31:58.89 ID:KpUMR8d5o

ゴスロリ主人公？ご結婚おめでとうございます！

712 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/05(月) 14:00:50.28 ID:PsjS2ase0

乙乙
また気になる展開だな

713 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/05(月) 21:33:23.75 ID:2O1sq4Cio

アレじゃん　新世界なんじゃね
被ったのも関係アリそう

714 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/06(火) 15:17:40.53 ID:A61+syhAO

サブキャラの名前に『主人公』は正直冒険し過ぎた気がする。

投下開始。

715 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/06(火) 15:18:38.02 ID:A61+syhAO

――――ワルプルギスの夜までの、昼日中。

QB「ようやく見つけたよ、暁美ほむら」

紫「…………」ﾌｲｯ

QB「つれないね。久しぶりに会ったと言うのに」

QB「喋らないにしても、テレパシーは出来るだろう？」

紫「…………」

紫『貴方に話す事は無いわ』

QB「魔法少女の不審な死、キミも気付いているんだろう？」

紫「…………」

QB「キミが何のためにワルプルギスの夜に現れるのか、ボクは知らない」

QB「連れの魔法少女がいるんだ。その子は何か知っているみたいなんだけれど、ボクには教えてくれなかった」

QB「ただ、円環の理に関係している事は何となく分かっている」

紫「…………」

QB「……口を閉ざすのは簡単さ。耳を塞ぐのも、目を瞑るのも容易だ」

QB「だがそれは、いつまでも逃げていていい事柄なのかい？」ｸﾙｯ

紫「…………っ」

QB「ボクは行くよ。キミがいつか進む道を見失ったなら、再び会いまみえるだろうけどね」ﾌｯ

716 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/06(火) 15:19:37.77 ID:A61+syhAO

――――ワルプルギスの夜、再び。

少女「ちっ……今夜も瘴気が濃いのか。まだ暁美ほむらも見つかっていないと言うのに……」

息が詰まる様な濃い瘴気の中、少女は立っていた。
少女も気付かない、彼女自身の穢れが――この夜を演じているとも気付かず。

三人分の足音が耳に入ってきた。

主人公「来たな」

ゴスロリ「そうね」

気を引き締めた二人とは裏腹に、女史は悠然と構えていた。
彼女にとって、魔獣などは些事に過ぎない。

女史「へぇ……なるほど」

繁々と、群がりゆく魔獣を眺める女史。
その間に二人は変身した。

少女も、黒く染まったソウルジェムを構える。

少女「仕方ない……これで暁美ほむらが釣れるならば、むしろ願ってもないしな」

少女の服装が、袴にサラシのみとなった。
引き締まった身体と力強い大剣が、その魔法少女を修飾している。

717 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/06(火) 15:20:20.37 ID:A61+syhAO

ゴスロリ「……って、あれ。女史様は変身しないんですか？」

女史「私は戦わないわよ。頑張れー」

いい笑顔を向けて、無茶を言い放った。

ゴスロリ「えぇぇぇぇっ！？」

女史「大丈夫大丈夫、ピンチになったら助けてあげるから。ね？」

ゴスロリ「た、頼みますよ？」

少女「ほら、油を売買している暇は無い。行くぞ」

三人は魔獣の群れに斬りかかっていった。
三本の大剣が、夜の暗闇に光を走らせる。

良く連携が取れていて、おおよそ敗北の様子は見られない。

だが。

女史「『ワルプルギスの夜』は、敗けるまで終わらない……」

女史は空の星を眺めていた。
酷く、遠い。
手を伸ばしただけでは、とても届きそうになかった。

女史「ほら、おいでなさい……暁美ほむら。手を伸ばせば届くのよ？」

剣劇の音を戯れに、女史はただ待っている。
今は目を閉じて、ただ。

718 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/06(火) 15:21:30.32 ID:A61+syhAO

――――戦舞、魔法少女

主人公「ぜぁっ！！」

鎧の少女が、廻りながら優雅に魔獣の間を躍っていく。
擦れ違った魔獣は、バターを裂くように融けていった。

魔獣の一撃を大剣で弾き返し、よろけた獲物にドレスの少女が自らの得物を叩きつける。

二人は背中合わせになって魔獣と対峙した。

ドレス「どうしたのよ。普段みたいな『暗黒を切り裂く剣を持ちし少女（ツェツィーリア）』ー、とか『未来を切り拓く剣を持ちし少女（アンナ＝バルバラ）』ー、とか、必殺技叫びながらの戦いは？」

主人公「余裕が無い。察しろ」

普段は見せない真剣な表情に、ドレスの少女は少したじろいでしまう。

ゴスロリ「……で、どう？勝算は？」

主人公「無い。今回は魔獣の出方が半端ではないな」

神妙な顔付きが、更に険しくなった。

ゴスロリ「どうするのよ？」

主人公「無ければ――」

鎧が魔獣の群れに突貫すると、周囲の魔獣が弾け飛んだ。
彼女の舞踏は鋭く強い。
まさしく、鎧袖一触だった。

主人公「創るのみ！」

ゴスロリ「アンタらしい……」

ドレスが鎧と共に踊っている。
ちぐはぐな筈のソレは、しかし見事なモノだった。

719 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/06(火) 15:22:23.09 ID:A61+syhAO

――――

少女「はっ！」

少女は大剣を振るう。
魔獣を斬って、しかしそこに意味は無い。

敵を倒す事は出来る。
しかし、ただ無意味な勝利を欲している訳でも無い。

少女「『――』……」

彼女の戦う理由は、常に愛する人の傍らにあった。

彼女の安全の為。
彼女の生存の為。
彼女の笑顔の為。

今、剣を振るいたい相手は――全く別だというのに。

少女「――おらぁっ！！」

彼女の戦いは、故にただの八つ当たりに過ぎない。

奪われた怒りと、守れなかった不甲斐なさが――彼女の心を漆黒に染め上げていく。

ソウルジェムは際限無く、暗く、昏く、唯々冥く。

――皮肉にもその輝きが、魔獣を魅了して止まないのだ。

720 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/06(火) 15:23:56.16 ID:A61+syhAO

――――崩れる希望、訪れる希望。

少女「かっは――」

主人公「少女！？」

血を口から滝のように吐き出して、袴の少女は膝を付いた。
前に鎧、背後にドレス――仲間の二人が庇うように魔獣相手に立ち塞がる。

ドレスの少女も、今やそのきらびやかな衣装は裂け、髪は薄汚れていた。
肌には所々に血痕がある。

ゴスロリ「も、持たないわ――女史様！」

彼女は、未だ戦おうとしない魔法少女に助けを求めた。
が、その魔法少女は首を横に振る。

女史「もうすぐ来るわよ。待ちなさいな」

主人公「……そういう事か」

ゴスロリ「えっ――」

鎧の少女が剣を消し去って、袴の少女を抱き抱える。

主人公「まだ行けるか？」

少女「魔獣相手じゃ……もう動く気はしないな」

主人公「贅沢な奴だ」

軽口に苦笑で返す主人公。

ゴスロリ「な、何を――」

女史「――御出座しね！」

ドレスの少女の言葉を遮って、女史が叫んだ。

空には、美しい紫色の軌跡が描かれていて。

ゴスロリ「あれは――」

主人公「――なるほど、契約しないはずだ」

そして二人には、良く見知った顔だった。

721 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/06(火) 15:24:24.84 ID:A61+syhAO

投下終了

722 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]：2011/09/06(火) 15:28:55.38 ID:nEutA24AO

乙！

723 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/09/06(火) 15:29:49.91 ID:13Yk3sxAO

ほむほむマジ死神

724 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 15:48:33.56 ID:OVlpRN+Zo

ほむほむは寧ろ良いことしてるのに、それを理解されず死神よばわりは可哀想だな

725 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 16:23:37.83 ID:8Y65AS7Do

踊る紫の死神

リド・ほむほむ

726 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]：2011/09/06(火) 16:33:02.26 ID:S9TAHftWo

死神も何も、誰も生きてないのにな

727 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 17:36:33.70 ID:8Y65AS7Do

>>726
だれうま

728 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/09/06(火) 17:49:44.30 ID:T58AldmP0

つまりほむほむではなくまどかこそが真の死神というわけか
死んでる人の神様的な意味で

729 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/06(火) 19:38:14.57 ID:zYpdRIJe0

死神は本当は良い神様だってGS美神さんが言ってた

730 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/06(火) 20:01:31.84 ID:PS0AeknKo

お疲れ様でした。

731 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 21:22:46.68 ID:uTJcVXZao

実はもしかしたら輪廻とか因果とかそんなもん無くてただひたすらに世界はある一点に集中してるとかそんなんだったりして。

732 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 22:05:42.29 ID:6/+C5s/Zo

>>731
こういうどうでもいい予想（）を書いちゃう奴っていなくならないよな

733 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 22:07:42.86 ID:21D/XEcxo

早く元の世界の仲間たちと合流しないかな

734 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 23:09:01.09 ID:uTJcVXZao

なんか悪い事したかしら

735 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:13:15.50 ID:KQRv1MWyo

>>734
SS読んでレスするのは初めてか？
こういう所で予想と荒らしほど嫌われるものは無いんだよ

736 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 23:14:55.05 ID:uTJcVXZao

当たるわけ無いのにねえ
そんなに目くじら立てるもんでもあるまいに

737 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:14:56.19 ID:6/+C5s/Zo

予想、指示とかがまず気持ち悪い
次に、行きすぎた要望とか、かね

738 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/06(火) 23:19:04.06 ID:cVEE87Zbo

とりあえず予想はよそうやで一つ穏便に

739 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 23:21:12.62 ID:uTJcVXZao

予想というか想像だな
作者が読者の想像を展開としてをパクるとは思えんけど

それと、支持や要望はした覚えはないよ
ちょっとは冷静になろうぜ。みっともないぞ

740 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 23:22:26.86 ID:KPCYFD2DO

これだから信者は┐(´ー｀)┌

741 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:28:00.74 ID:KQRv1MWyo

>>739
顔真っ赤なのはお前だ、3億年ROMってろ
無数にある話の展開の一つを潰して楽しい？
ID変えて自演して楽しい？

742 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:31:39.03 ID:6/+C5s/Zo

行きすぎた要望が気持ち悪いってことなんだけど
あと指示はだす意味がわからん、ここをこうしろああしろって？
書き方が読みにくいとかはいいけど、話の指示は出すのはだめっていうか意味わからんわ

>>739
指示、要望がきもいって書いたのは別に>>731にいったんじゃないよ、そこは分かりづらかったなすまん
まぁ予想は気持ち悪いけど
予想、想像をパクるパクらないの問題じゃないんだけど、わからないか

743 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/06(火) 23:38:19.94 ID:7YgnHieAO

>>741
なんというブーメラン
数行で顔真っ赤とか残念な読解力だな
こんな奴に読まれる>>1とその作品に同情を禁じ得ない

前世界からほむらは隔離されたとして
紫は実はほむらそのものでなく隔離の際に割れたほむらの破片…
と考えると主人公がキリカっぽいのにも納得がいく
いずれにせよ先が楽しみでしょうがない

744 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage saga]：2011/09/06(火) 23:39:02.76 ID:Qwon+Q9uo

>>739
もし後の展開に当たったとき、てめえなんぞからパクったなんて思われんのは癪だろが
それ位のマナーが守れないんなら掲示板来んなゴミ屑が死ね

745 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:41:36.58 ID:6/+C5s/Zo

なんだこいつ……
>>744が言いたい事書いててくれたわ

746 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:42:38.18 ID:Qwon+Q9uo

>>743
てめえの予想なんぞ誰も求めてねえんだよ
マナー守れって言ってんだろカス
お前>>731の携帯だろ
くだらねえ自演してんなよボケクズ

747 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 23:43:46.98 ID:skdpAis1o

予想はよそう

748 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/06(火) 23:44:44.06 ID:7YgnHieAO

勝手に俺ルール押し付けて人格批判て、それあんたら読者以前に人としてどうなのよ
何様だよと言われても仕方がないレベル
ここの人間ってこんなのばっかりだったのか？

749 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/06(火) 23:45:35.23 ID:elteUyA1o

>>1乙

毎回面白いぞー

750 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 23:46:10.62 ID:m2NBTbXSO

人気が出ると荒れて大変だねぇ
とにかく黙って続き待機しようよ

751 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:46:23.22 ID:KQRv1MWyo

>>748
どこがブーメランなんだ？読解力があるならきちんと説明してくれよ

お前がいなくなればみんないい人に戻るよ

752 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/06(火) 23:46:28.01 ID:7YgnHieAO

>>746
求めてないなら見なきゃよくね？
何でキレてんのかよくわかんないけどさ

753 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:47:10.16 ID:6/+C5s/Zo

俺ルールて……
だいたいのSSスレでは言われてることだよ？

754 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/06(火) 23:52:31.88 ID:7YgnHieAO

いやいや…展開の予想とか考察とか、アニメでも散々やったでしょ
まさかとは思うが、SSじゃダメー()とかトンデモ翌理論繰り出さないでくれよ？

755 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:52:59.37 ID:Qwon+Q9uo

>>754
俺ルールじゃありません
SS速報だけでなく、SSスレならどこでも言われてるマナーです
もし後の展開を予想して、それが当たってしまったら、書き手のモチベ、読み手の楽しみ、SSスレ自体をぶっ壊す、最悪のマナー違反です
マナー違反だって言われたのに何ですぐ謝って、ROMらないの？
マナーも知らないなら書き込むなゴミ屑

756 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/06(火) 23:55:49.14 ID:KPCYFD2DO

関西多いなwww

757 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:56:00.58 ID:KQRv1MWyo

>>754
早く何がブーメランなのか説明してくれよー

758 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/06(火) 23:56:51.94 ID:6/+C5s/Zo

本気で言ってるならやばいな
SSスレだからダメなんだよ？
アニメとかと、SSスレを同じように考えたらだめでしょ
その理由は分かる？

759 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/06(火) 23:58:10.96 ID:elteUyA1o

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／__/　‘，
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　　　　　　　　　　　　　　 /／　　　　‘　 ! ヽ　　　　　　　　　　　　　…わかった　この話はやめよう
　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ　　　　　　 ', l　 ’
　　　　　　　　　　　　　　　iヘﾍ,　　　　　　 l |　　’
　　　　　　　　　　　　　　　| ｎﾍﾍ　_　　　 | |　　 l　　　　　　　　　　　ハイ！！　やめやめ
　　　　　　　　　　　　　　　| l_| | |　ゝ￣`ヽ | |〈￣ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　ゝｿﾉﾉ　 `ー‐'　l !　¨/
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760 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/07(水) 00:01:59.99 ID:ShvcQn4go

予想とか推測とかは、SSに限らず総作系全般で書くなと言われるが
たまたま作者の展開と被った場合に、作者がネタを拾ったとかぱくったとか言うのが毎度出てくるし
当該を書いたのが「自分のが採用された」と有頂天になって作者に対してあれしろこれしろと指図し始めるしで
ぶっちゃけ荒れるだけで関係ない読者にとっては気分のいいものじゃないしで忌み嫌われている。

例外というか、作者本人が「ネタとして拾わしてもらうから予測展開OK」と言ってる時は
作者に要望を押し付けるような発言じゃなければ問題ないんだが
ここはそうではないんだから自重しろと言いたい。
# 板管理人の動きの速いやる夫系でやったら即規制ものだぞ、今回のレベルだと。

761 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/07(水) 00:03:08.59 ID:4K1mUeySO

伸びてるから来たのかと思ったら…。くだらねぇー。読者は乙とか頑張ってくださいとか作者の励みになるコメントだけしてりゃーいいだろ…。

762 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/07(水) 00:04:09.27 ID:qyOEqjSAO

>>757
>>739に対して>>741で「顔真っ赤」といったことがブーメランだ
「冷静になれ」という発言に対しての言葉だろう
が、それを素直に認めず「顔真っ赤」と煽りで返すのはブーメランとしか言えないよ

>>758
ごめん、本気で全くわからない
違いは作者に金が発生してるかしてないかくらいしかわからない

763 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/07(水) 00:09:10.40 ID:qyOEqjSAO

>>760
当たったらそりゃすごい嬉しいけどさ
当ててやろうって意気込んで想像してるわけじゃないよ

それに有頂天になって作者に指図とか滅相もない
此方は有り難く作品を拝読させて頂いてる身だよ。どうしてそんなことができようか？

764 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 00:10:02.03 ID:WdZeuI1Jo

>>762
黙ってなさいって言ったのに…

アニメスレなら見たくなきゃ見なきゃ良いんだよ
SSスレはここで読んでるんだから、ここに書かれちゃ見たくなくても目に入るだろ？
本気で頭悪いな
てかマナー違反だって言ってんだろ？
馬鹿？

765 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 00:10:45.70 ID:vGuP7ROPo

>>762
分からないのかよ
アニメの楽しみ方の一つに考察、予想はあるね、俺もそれは好きだよ
アニメの制作側がたとえば考察スレを参考にする可能性はほとんどないよな、てか完成してから世に出されるのがほとんどだし
SSだと、スレに作者がいるわけだ
あと、未完成で作者ももちろんレスを読む
そこで予想が書かれて、それがあたってたら作者はそれから変えなきゃと思ってしまう場合もある
また、まだ続きは未定で予想を読んだ場合もその展開はやめたくなるよな
そういう感じで、SSの展開が狭まってつまらなくなる事があるんだけど、これでわかってくれた？
スマホから長文疲れた

766 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 00:11:56.40 ID:GikjjmN4o

>>762
頭がおかしい奴が冷静になれとか切腹してるようなもんじゃないか

767 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/07(水) 00:17:35.70 ID:F1pPyMrgo

ちなみに自分のは予想じゃなくて想像だって言ってるけど

未来の事を想像するのが予想だからな？

768 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/07(水) 00:23:43.95 ID:qyOEqjSAO

>>764 >>765
確かにそれは全く考えてなかった。ありがとう
ただ悪意はなかった。コレだけは分かってくれ。

>>766 >>767
そうかもしれないね

769 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 00:28:26.17 ID:vGuP7ROPo

>>768
よし、分かってくれたか
よかった
なら今後は予想、想像は書かないようにしてくれよ

770 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/09/07(水) 00:33:07.68 ID:nCQD3A1AO

就職試験を近々控えた自分には心臓に悪い。胃がキリキリするぜ……胃の中爪まみれやでー

凄い勢いだったんでヒャッホウしてスレ覗いたら(´・ω・)ってなった。

予想は確かに色んな>>1が嫌うよね。
でも自分は別に気にしないよ。
当たろうが当たらまいが投下する内容は変えるつもりないしね。

もう最後までの道筋も決めてるから、変える訳にもいかないんだ。

実際当たったのなんてないよ。
いやゴメン最近あった。でも気にしてないよ。

どっちも穏便に、ね？頼むよ。
マナーを守るのは確かに大事だけれど、このスレくらいなら、ちょっとくらいなら全然構わないよ。
でもマナーを守ってる人からしたら、そういう人を見て腹が立つ人も当然いるしね。

だから何だろう、うん。まったり。まったりいこうよ。

お互いがお互いをちょっとだけ気遣ってさ、それって画面の中でも外でも同じじゃん？

でもこれと同じ事言って『最後まで道筋決めてる？後からいくらでも返られるだろワロスワロス』って言われた時は確かに凹んだから、それは止めてね！泣くから！

771 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/09/07(水) 00:34:40.28 ID:yWMpnlVE0

>>1乙

予想も想像もチラシの裏でやってろ
郷に入れば郷に従え

772 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 00:36:55.65 ID:vGuP7ROPo

分かってくれたみたいなんで、もう大丈夫でしょ

773 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 00:38:09.65 ID:GikjjmN4o

>>768
悪意の有無じゃないんだ、言動と往生際の悪さでスレが無駄に加速したんだ
さっさと黙っていれば>>1がわざわざ出張ってくるハメにならなかったんだよ

774 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 00:40:40.63 ID:WdZeuI1Jo

マナー違反て言われてんだからだから、ごめんなさいもうしませんでいいのによ

775 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/07(水) 01:01:00.64 ID:2f6IzxzBo

お子ちゃま程、屁理屈こねて自分は悪くないって主張をしたがるもんで

776 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]：2011/09/07(水) 01:43:44.78 ID:p8sPfIuAO

もういいよ。これ以上は逆にマナー違反だ

777 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/07(水) 02:41:02.68 ID:ShvcQn4go

>>1乙です。
って爪かじるのは胃だけじゃなくて消化器全部傷めるから本気でやめたほうがいいですよ。

>>763
まともな人ならそう思うんだけれど
有頂天になって暴れた馬鹿はやる夫系のほうで何度か見てるんでね・・・　orz

778 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 02:45:24.41 ID:vGuP7ROPo

本人もわかったって言ってるのになんでその後も叩くかなぁ……

779 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/07(水) 03:16:05.16 ID:nJFNBx9eo

更新きたかと思ったらまたこれかよ…
討論は他でやってくれ、レス消費しすぎ

780 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/07(水) 03:17:03.73 ID:KwjEYdxIO

いちもつ
就職試験頑張れｗｗｗｗ

781 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2011/09/07(水) 04:13:23.68 ID:/mnEh1vSo

ＮＧおいしいです＾＾

782 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/09/07(水) 04:16:45.42 ID:PeHdmjFE0

>>1俺と就職試験一緒に頑張ろうぜｗｗｗｗｗｗ

783 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/07(水) 06:51:42.90 ID:7SQVQSePo

結局は煽って他人を傷付けたい人間ばかりなんだろう
読者が読者を攻撃して悦に入る姿は本気で滑稽
たかが予想じゃないか？それで何で叩きが出来るんだか
あ、マナー()でしたかそうですか
マナーはルールじゃないんだよ？わかりまちゅか～？

784 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2011/09/07(水) 06:53:22.46 ID:TLn+a/jVo

うはｗｗｗｗこの後に及んでまだ煽るかｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

人気ssスレって荒れるんだよね

785 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 07:45:41.34 ID:vGuP7ROPo

解決したのになんでまたなんか出てきてんの……
解決した後も叩かれてやけになっちゃったか

786 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]：2011/09/07(水) 08:05:03.96 ID:nCQD3A1AO

>>777
ヒント
ほむら→ほむほむ
マミ→マミマミ
キリカ→？

マナーはルールじゃないが、マナーを適度に守る人間は嫌いじゃない。

ふつふつと沸き上がる次スレフラグ。

787 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/07(水) 08:24:49.93 ID:qyOEqjSAO

俺じゃねえ…

788 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/07(水) 08:42:32.51 ID:KVJJnTHAo

>>786
無理に火消ししなくても大丈夫だよ
トリ付けてくれてるから検索→抽出も楽だし
>>1が続けてくれる限り、スレがどんな状態でも待ってるから気楽にね

789 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/07(水) 08:48:03.95 ID:vGuP7ROPo

何が何やら

790 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/07(水) 15:28:23.38 ID:Pl1hKUOIO

ここまでするースキル無し

791 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/07(水) 15:55:09.96 ID:iOWaOqJ3o

>>787
あいつだった

792 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]：2011/09/07(水) 23:30:22.85 ID:pjyQWLr9o

なんでこんなに無駄にスレが伸びてんの
お前ら自重しろマジで

793 ：なすーん [なすーん]：なすーん

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794 ：なすーん [なすーん]：なすーん

795 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/09(金) 08:12:35.37 ID:Japr4JDIO

>>1乙！
>>1が出てきたんだからやめようよ。頼むぜベイビー

796 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:00:45.83 ID:YollKISAO

投下開始。

797 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:02:21.09 ID:YollKISAO

――――暁美ほむら、絢爛。

紫「…………っ！」

魔法少女らの眼前にいた魔獣が、ほむらの空からの一射で溶解した。
鎧の少女の前に降り立ち、背を向ける。

紫『下がっていなさい』

主人公「何故助ける？」

紫『……そうしなければ、世界が歪む』

天に向けて放った矢が、空から雨として降り注いだ。
魔獣の群れが削り取られていく。

主人公「それはどういう意味かな、少女――いや、暁美ほむら」

紫『貴方たちは、知らなくていい……知らない方が、健やかに生きていける』

闖入者を排除しようと、魔獣が他の魔法少女を無視して一斉にほむらに襲いかかった。
ほむらが左手に力を籠めると、その手に握られた弓の端が鋭利な刃となり、歪な薙刀の様になる。
其れをもってして魔獣を切り裂き、文字通り薙いでいった。

ゴスロリ「何よそれ……訳分からないじゃない！」

少女「構わない」

ゴスロリ「――動けるの！？」

袴の少女がゆっくりと立ち上がる。
目は暗く輝いていて、先ほどまでとはうって変わって力強かった。

ほむらが最後に巨大な矢を放って、魔獣は一時的に全滅する。

静かになったその場に、魔法少女同士の思惑が複雑に絡み合っていた。

798 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:03:57.63 ID:YollKISAO

――――邂逅

少女「暁美、ほむら……だな？」

少女は大剣を杖にして立ち、ほむらを睨み付けた。
ソウルジェムは、内部が黒く渦巻いている。

紫『……貴女、なのね』

悟ったような表情を、ほむらは彼女に向けた。
それが袴の少女をますます激昂させる。

少女「お前――お前が、お前がぁぁっ！！」

大剣を肩に担ぎ、今にも斬りかかろうとしたタイミングで止めに入ったのは、他ならぬ女史だった。

少女「――何故止める！？」

女史「まぁ待ちなさいよ。私はコイツに話があるんだから」

冷ややかな笑みが、少女の足を止めさせた。

紫『貴女は？』

女史「あら、やっぱり私なんて眼中に無かったのね」

大きな溜め息と、僅かな嘲笑。

女史「貴女は私たちなんて些細な存在だと思っている」

799 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:05:21.05 ID:YollKISAO

紫『……？』

女史「『女子』よ。ほら」

女性が魔法少女に変身した。
黒いコートに、身体より大きな刀を持っている。
それは、あの時の子供と――良く似ていた。

紫『……貴女だったのね。変わってしまっていたから気付かなかったわ』

女史「そりゃあ、私も長く生きたもの。成長だってするわ」

三人の魔法少女が様子を伺う中、二人は構わず話を続けていた。

女史「貴女に会いたかったのよ。何故か分かる？」

紫『……分からないわ』

女史「ダメねぇ。それで良くも『円環の理』をやれているものよ」

息を呑む音がする。
少女のモノだった。

少女「そ、それはどういう――」

女史「どうするもこうするも無いわよ。コイツは死にかけの私たちを素敵な世界に連れていってくれるの」

女史「笑っちゃうでしょ？」

少女「そ、それじゃあアイツは――」

少女が思い詰めた顔になって、しかし女史はそれを否定した。

女史「でも止めはコイツ。間違ってないわよ」

紫『……誤解よ』

女史「そうね、誤解よね」

女史「私たちは死ぬと化け物になるから、殺すんでしょ。それは確かに誤解だわ」

800 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:06:17.44 ID:YollKISAO

紫『――――！？』

ゴスロリ「化け物……？」

主人公「（――どういう事だ？）」

ほむらは動揺を隠しきれずに、表情にその驚きを出してしまう。
それほどの衝撃が、彼女の発言にはあったのだから。

女史「何故知っている、って顔ね。分かりやすい」

女史は愉快そうに笑っていた。

女史「ねぇ、『女』覚えてる？」

紫『……覚えているわ』

女史「あの人今何してると思う？」

紫『……分からないわ』

女史「死んだよ」

女史「家族に大量の遺産を残して、悔いを残さずに、自殺したわ」

紫『――何故そんなバカな事を』

女史「私は、それはもう凄く驚いた。だってあの人はキミや魔法少女について熱心に調べていて、精力的に活動していたんだから」

女史「彼女の私室に私宛てのメモが残されていてね。内容はこんなモノだった――」

801 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:07:46.70 ID:YollKISAO

――――遺された書

女『まず、迷惑をかけたかもしれない事を詫びる』

女『そして、先に逃げる事を、許してくれ』

女『私は気付いてはいけない事に触れてしまった』

女『私は絶望した。きっと直にお迎えがくるだろう』

女『魔法少女は……単なる、理性を持った怪物に過ぎなかった』

女『暁美ほむらは、理性を失いそうになった私たちを始末しているだけだったんだ』

女『それが例え苦痛を伴わなくても、例え幸福を与えるものだとしても』

女『例外無く私たちは、いずれ皆そうなって、消えていく』

女『私は、自分の死くらい、自分で選び取りたい』

女『幸い、家族が喰うに困らないだけの金は稼いだつもりだ』

女『階段から落とされる前に、自ら首をくくるとするよ』

女『「少女」は、あの死を望んだのだろうな。だが私は、とても受け入れる事が出来ないんだ』

女『お前と一緒に戦った日々は、本当に充実していたよ』

女『ありがとう、「女子」。もし天国のようなところがあるとするなら、また其処で会おう』

女『……書いている間に、手が震えてきた。自ら死ぬと言うのは、怖いな』

女『ソウルジェムも濁ってきたみたいだ。時間も無い』

802 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:14:30.95 ID:YollKISAO

女『あぁ、そういえば一つやりのこしたことがあった』

女『こんなわたしだけれど、かあさんには甘えていたきおくがある』

女『かあさんに、もういちどあいたかったな』

さよなら

803 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:15:17.30 ID:YollKISAO

――――

紫『…………』

ほむらは目を伏せた。
他の魔法少女は皆絶句している。

女史「一緒にあの人の研究資料もあった。なるほど確かに理論は通っていたわ」

女史「もう一度聞くわ、暁美ほむら。『私は、何故貴女に会いにきたのでしょうか？』」

酷い笑みだった。

紫『……その子と同じ様に、復讐を行いにきたのね』

ほむらの言葉に、割れんばかりの笑い声が重なった。
嘲る事を最優先にした、不快なソレ。

女史「あはははははっ！！何ソレ？バカなの？」

ゴスロリ「女史様……？」

女史「あの人は恐怖に向き合って、堂々と逝ったのよ。当然と思いこそすれ、復讐だなんて」

紫『……では何かしら』

女史「私の願い、覚えてる？」

紫『……――っ！？』

女史が太刀を叩き付け、ほむらはそれを咄嗟に弓で受け止めた。

痺れる程の、強さ。

804 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:15:55.81 ID:YollKISAO

女史「『殺されたくない』……分かるわよね」

女史「お父さんとお母さんから貰ったこの命を、アンタなんかにくれてやるつもりは無い」

鍔迫り合いが火花を起こす。

女史「勿論、死ぬつもりも無い。怪物になっても、生き延びてやるんだ」

紫『しかし、それでは不幸を振り撒く存在になってしまうのよ！？何故それが分からないの。それに――』

女史「アンタに私を否定する権利は無い！！」

剣幕に押されてほむらは黙ってしまった。
女史の目は、希望を失っている様には見えない。

女史「私は願って、この身体になった。だけれど――それを後悔した事なんて、一度も無い！」

ほむら『――――っ』

女史「アンタの願いが何だか知らない……でも、皆が皆、アンタと同じだと思うな！」

女史「私は、自分の生を、誇りに思っている――誰にも、穢させはしない！」

金属音が響いて、二人はお互いに距離を取った。
ほむらが弓に矢をつがえ、コートの女性は太刀を前に構える。

女史「だから殺す……絶対に殺されてやらない」

805 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:16:55.24 ID:YollKISAO

目だけを動かして、女史は少女を見た。

女史「貴女はどうするの？」

少女「私は……」

女史「目の前には、貴女の大切な思いを無駄にしてしまった魔法少女がいるのよ？」

その言葉で、少女の大剣に再び命が宿る。

少女「答えるまでも無い……」

女史「ん。目的は同じだから、協力しましょ」

低く低く、太刀は姿勢を下げた。
砂の擦れる音と共に、コートの女性と袴の少女は、紫色の服の魔法少女に斬りかかって――ほむらの、望まぬ戦いが始まってしまった。

806 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:17:38.65 ID:YollKISAO

――――

ゴスロリ「……戦ってるわね」

主人公「……あぁ」

ゴスロリ「――ってアンタ、まさかあの中に行くつもり！？」

主人公「……私は今、凄く複雑な気持ちなのだよ」

主人公「世界の中心が、自分では無いと知ってしまった」

主人公「世界は、きっと暁美ほむらを中心にしている」

ゴスロリ「アンタ……」

主人公「……」

脇役は。

何も出来ない、何も成せない脇役は。

もう嫌だ。

あの頃には、死んでも戻りたくない。

一人では何も出来なかった、劣等感と戦っていたあの頃には――！

主人公「私の物語で、主人公を気取るな――！」

鎧が強く地面を蹴って、そこには残像と、

ゴスロリ「……こんなの、絶対おかしいわよ――」

ドレスの少女だけが残された。

807 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/09(金) 13:18:16.77 ID:YollKISAO

投下終了。遂に追い抜かれた本スレ。

808 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/09(金) 13:34:05.66 ID:sNLVFW6Do

　　　　　　　　　,r '"￣"'''丶,
　　　　　　　 ./.ﾞﾞﾞﾞﾞ　　.lﾞ~ﾞﾞﾞﾞヽ＼
　　　　　　. i´ ri⌒.'li､　.'⌒ヽ　 'i::`i,
　　　　　　.|　′　.ﾞ゜　　.ﾞﾞﾞ″ .:::l::::::!
　　　　　　|,　　　,r'!ヾ･ヽ,　 .::::.|:::::::i　　本スレはもう消した！
　　　　　　.i,　　./,r──ヽ, :::::::i::::,r'
　　　　　　ﾞヽ､　 .ヾ!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ'''ヽ、_ノ
　　　　　　　　｀'''ﾞi　._____ l /ヽ
　　　　／＼へ　ﾞヽ＿__ノ’_／
　　　　へ､　　 |￣＼ーフ￣ |＼ー
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　 ,　┤　　　 |/|＿／￣＼＿| ＼|
　|　　＼＿／　ヽ
　|　　　＿_(￣　 |
　|　　　＿_）～ノ
　人　　＿_）　ノ

809 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/09/09(金) 13:39:38.62 ID:fvBJwrAm0

だからおまえは誰なんだよ

810 ：なすーん [なすーん]：なすーん

811 ：なすーん [なすーん]：なすーん

812 ：なすーん [なすーん]：なすーん

813 ：なすーん [なすーん]：なすーん

814 ：なすーん [なすーん]：なすーん

815 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/09(金) 13:58:00.65 ID:S4/Wx3vUo

伊吹一派も一枚岩ではないからな

816 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/09(金) 14:14:40.85 ID:CaL5Qwv5o

>>815
完全に一枚岩じゃねーか

817 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/09(金) 14:52:14.51 ID:cPMWT5v+o

ここまでコピペ

818 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/09(金) 16:29:11.58 ID:JfDp9YTDO

乙っちほむほむ
ゴスロリ可愛いよゴスロリ

819 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/09/09(金) 17:35:43.82 ID:xlsLMVRe0

乙

820 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/09/09(金) 18:35:34.68 ID:Mlc8eOwt0

乙ーん

魔獣戦が完全にほむほ無双だな

821 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/09(金) 20:04:16.37 ID:c2vHXOtCo

>>810-814
これ何なの？

822 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/09/09(金) 20:47:30.30 ID:YollKISAO

「なす　板」って書き込むとこうなる。荒らしなのかどうか反応に困るよね。

823 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/09/09(金) 21:23:19.18 ID:JmWYdWFc0

これの改変のホムーーー！ってのが凄く可愛かった記憶があるが
如何せんどうにも見つからないわ･･･荒らすならそっちにして欲しいｗｗ

824 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/09(金) 22:49:38.46 ID:c2vHXOtCo

>>822
ずっと気になってたんだ
レスありがとう

825 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/10(土) 01:37:57.66 ID:4YNCcHOp0

乙ー
なんというか板挟みだなほむら。こっちを打てばあっちが出る感じで

826 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/10(土) 01:43:22.04 ID:iYMJtwBqo

誤解はほむほむ専属の舞台装置
これは面白くなってきた

827 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/10(土) 07:46:51.70 ID:26vuE0OAO

ほむらはいつになってもほむらのままで安心した

828 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/10(土) 08:04:35.19 ID:cxSFvrTeo

もう全員やっちまえ

829 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/10(土) 08:35:53.75 ID:26vuE0OAO

生えるんだな…！！

830 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]：2011/09/10(土) 12:42:47.93 ID:Ay+9PI/AO

ほむらさんはまどっちのグリーフシードの尖ったとこで尿道[田島「チ○コ破裂するっ！」]とかしないん？

831 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/09/10(土) 20:17:05.35 ID:YYUeBLjS0

>>830
おまいの趣味はよく分かったから黙ってろww

832 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/10(土) 20:21:02.29 ID:PS4R4hvQo

円環の理でイッてしまったわ…

833 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/10(土) 20:45:25.67 ID:iYMJtwBqo

>>830その発想はあった

834 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:42:00.47 ID:iCbOuhvAO

今日はちょっと長め。

投下開始

835 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:42:51.44 ID:iCbOuhvAO

――――弓と、剣刀剣（プライド）

紫『止めて……私は、私は貴女たちを助ける為に――』

女史「余計な、お世話なのよっ！」

神速の太刀筋がほむらの頬を掠めた。
流石の年期と言ったようで、今までの魔法少女と比べても高いポテンシャルを秘めているようだ。

紫『化け物になっても良かったとでも言うの！？』

少女「良くはない……が、お前に処理してもらって満足するような、私はそんな奴じゃない！」

強く、故に鈍重な剣先を半身になって躱す。
そこに割って入る、鎧の少女。

紫『――貴女まで』

主人公「私の運命は、私が切り開くのだよ。故に、少女の手は借りん！」

大きく横に薙ぎ払われたそれを矢で受け止め、しかし力を殺しきれずに身体ごと持っていかれてしまう。

紫『くっ！？』

少女「そこだっ！」

体制を崩した所に大剣が叩き付けられた。
ほむらは地面に背中からぶつかって、軽く跳ねる。

紫「…………っ」

体制を立て直そうと目を開いて、眼前に迫る太刀を見た。

地面を転がって、紙一重でそれを躱す。

836 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:43:57.33 ID:iCbOuhvAO

女史「逃げるばかりなの？」

魔獣の動きは単純で、ある程度のパターンがあった。
しかし、魔法少女は思考する。
ありとあらゆる攻め手を予想するのは不可能で、そういう相手が三人もいるのだ。

ほむらの身体に小さな切傷が少しずつ増えていく。

紫「（――戦うしか、ないの？）」

このままではほむら自身も酷い傷を負いかねないだろう。
そして――ここで倒れる訳にはいかないのだから。

紫「…………」

ほむらが矢を放ち、それは袴の少女の大剣を砕いた。

少女「ぐっ――ようやくやる気になったか！」

だが、彼女たちは些か考えが甘かった。
手加減をしなければ、暁美ほむらは現存する魔法少女でも最高クラスの技量を持っているのだと、知らなかったのだから。

主人公「とった！！」

宝飾された大剣が、ほむらの背後から振り下ろされる。
それを振り向き様、剣の腹に手を当てて――受け流した。

主人公「なっ――」

鎧の少女は弓で強かに打たれ、壁に叩き付けられる。

そのまま弓を引き、太刀の女性に向かって矢を射った。

837 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:44:58.63 ID:iCbOuhvAO

女史「くぅ――っ！？嘗めるなぁっ！」

射られたソレは、威力こそ手加減は無かったが、しかし急所を意図的に外されていた。
それが彼女をますます激昂させる。

少女「（――偽善者め。なら、その偽善――貫いてみろよ）」

袴の少女が再びほむらに接近する。
大剣を錬成し直して、上段から降り下ろした。
案の定、砕かれる大剣。
密接するが、攻撃の手段は無い。

少女「――と思うだろ？」

紫「――――っ、うあぁっ！？」

懐刀を取り出して、その短い刃がほむらの左目を突き刺した。
ほむらは堪らず無我夢中でその少女を全力で蹴り抜く。
吹き飛び、叩き付けられた少女が、しかし笑っていた。

少女「一矢報いたり……ってな」

もう魔力も尽きかけていて、身体を動かす事もままならないが――彼女は満足だった。

紫「うぐ――」

目に突き刺さったままの短刀を強引に抜き取る。
嫌な感触と共に、ソレが引き抜けた。
左半分の視界が亡い。

女史「よくやったっ！！」

紫「っ！？」

女史が死角から迫ってきているのを肌で感じたほむらは、遮二無二身体を翻した。
咄嗟に突き出した弓の腹が、太刀を受け止める。

838 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:45:49.25 ID:iCbOuhvAO

女史「――まだ、だ」

ほむらの背筋を冷たい気配が駆け抜けた。

――酷く、懐かしい気配。

女史の太刀の、刀身の色が黒く染まって――弓ごとほむらの右腕を斬り飛ばした。

彼女のソウルジェムも、既に限界だったのだ。

ほむらはその感覚が何だったか、久しく忘れていた。

それは、魔女のソレ。

刀を振るう彼女は、ほむらとの戦いの中で――徐々に魔女化していた。
その強さは、マミを彷彿とさせる。

女史「ハハハッ、様が無いねぇ暁美ほむらぁっ！！――あぁ、滾る、漲る、力が満ちる！」

膝を付いたほむらが見たのは、既に太刀を振り下ろそうとしている女史の姿で。

しかしその上で彼女は、その者の為に叫んだのだ。

紫「その力を、使ってはいけない――！！」

839 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:46:45.26 ID:iCbOuhvAO

――――

ゴスロリ「――何？何が起きたの？」

結論から言えば、女史がその刀を振り下ろす事は無かった。

女史「な――な？」

女史の胸には、大きな孔が空いている。
天空から、何処からともなく落ちてきた――『矢』が、彼女を貫いたのだ。

それは最初の一撃。
追って、滝のような光の矢が降り注ごうとしていた。

ゴスロリ「空が――輝いてる」

主人公「暁美ほむら、一体何を――っ」

主人公は言葉に詰まってしまう。

左目から血を、右目から涙を流す彼女の表情が、本当に苦しんでいたから。

840 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:50:07.93 ID:iCbOuhvAO

紫「…………」

彼女はマフラーを取り払って、大きく叫んだ。

白い翼が、禍々しい物へと変化していき――その姿はまるで、『魔女』のようだと、鎧の少女は思った。

ほむら「まどか！！ここよ、私はここ！！」

ほむらがその翼で空を舞うと、光の矢が全てほむらへと飛来した。
ほむらはその矢を、凄まじい飛翔速度で躱していく。

ほむら「（因果が……絡み付くっ）」

目の前で魔女化した者が殺されそうになるのを見たのは、始めてだった。

ほむら「やめて、まどか――お願いだから……っ」

しかし、右腕も無く、左目も無く、その上で『理』の矢を避けつづけるのは不可能。
ほむらの翼は次第に千切れていった。

ほむら「（弓も片手では――）」

そう思考した時に、彼女は一つの事を思い出した。

彼女の左手に握られたのは、一振りのナイフ。

ほむら「使わせてもらう……わっ！」

飛来する矢を一本横薙ぎに切り裂いて、ほむらは『理』とダンスを始めるのだった。

841 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:50:47.72 ID:iCbOuhvAO

――――天を覆う極彩の翼、降り注ぐ裁き。

少女「う……何なんだ、アレは」

主人公「傷だらけだ。あんまり喋らない方が良い」

少女を抱き起こしながら、主人公は空を見上げた。
空を舞う少女と、雨の様に降り注ぐ圧倒的な破壊。

主人公「……世界にとって、私は脇役でしかなかったと言うのか」

一人、呟いた。

ゴスロリ「しっかりして下さい、女史様！」

女史「……これは無理ね。多分持たないわ」

彼女の太刀は、元通りの色を湛えている。
半魔女化は解除されたのだろう。

ゴスロリ「そんなっ……」

女史「暁美、ほむらは？」

ゴスロリ「……あの空全てです」

彼女はそれを見て、思わず笑ってしまった。
格が、端から違っていたのだから。

女史「……『円環の理』は一つじゃなかった、って事かな」

ゴスロリ「え？」

女史『暁美ほむら』

テレパシーを送る女史。
あれだけあった敵意も、今は萎えてしまっていた。

842 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:51:21.76 ID:iCbOuhvAO

ほむら『あなた……戻ったのね』

空を舞いながら、際限無く墜ちてくる流星の矢を避け、切り裂きながらほむらは応える。

女史『あぁ……あれが、円環の理なのね。残酷で、一方的』

ほむら『……頃合いのようね』

ほむらは大きく翻って射線から反れ、すかさずマフラーを巻いた。

紫「…………」

すると、不思議な事だが――矢の雨が振りやんだのだ。

白く戻った翼を羽ばたかせて、ほむらは彼女らの元へと降り立つ。

左手が残っている事に感謝して、ほむらは少女たちへと歩み寄った。

843 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:51:57.50 ID:iCbOuhvAO

――――円環の理、ほむら

女史「目の前で見ると、凄まじいって分かるわね……」

紫『……私は』

女史「アレが、魔法少女の……正しい最後なのね」

女史「化け物になる魔法少女を、問答無用で消滅させる――神様みたい」

自嘲気味な、小さな笑み。

ゴスロリ「――じゃあ暁美ほむらは」

女史「あぁなる前に、せめて穏やかに葬ろうとしていたのかしら？」

紫「…………」

女史「いや、違うわね……貴女は単にこの事実を見たくないだけ、かしら」

紫『……貴女、もう限界よ。私に任せて……私なら、貴女に安らかな眠りを与えられる』

女史「お断りだ」

そう言って、彼女は自らのソウルジェムを啣えた。

紫『――やめなさいっ！』

女史「私の生きた全てを、否定されたくないんだよ。誇りを……ね――あぁ、女もこんな気分だったのかな」

女史「じゃあね」

女性は、ソレを噛み砕いた。

844 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:52:52.26 ID:iCbOuhvAO

――――

ゴスロリ「……こんなのって無いわよ」

満足気な顔の死体を抱えて、ドレスの少女は静かに泣いていた。

ほむらに、彼女を慰める暇は無い。

もう一人の少女の元へ歩み寄った。

少女「くっそ……私は、こんなところで――」

紫『……貴女も、自ら命を絶つの？』

少女「お前を殺してから、だ……」

紫『……無茶しないで。もう動く事すら出来ないはずよ』

事実、少女の身体はもう動かない。

少女「喧しい……私は、アイツの為に――」

『――そんな事、しなくてもいいの』

845 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:54:48.82 ID:iCbOuhvAO

全員が、その声に驚いた。
自分の中から響くような、はたまた周囲全てから聞こえるような、不思議な声。

ただ、一人にとっては違った。

少女「『――』、か――？」

『うん。もういいんだよ』

『迎えに来たの……一緒に行こう？』

少女「あぁ……また一緒にいられるのか？」

『そうだよ……だから。キミを離さない。ずぅっと、一緒』

少女「あぁ……それは……最高……だな――」

少女のソウルジェムは、溶けるように消えて――後には亡骸だけが残った。

ほむら――紫色の服の少女は、見えない彼女らを見送る。

そして、傍らに残された少女に問いかけた。

紫『……私が最初に送った子の、願いは何か知っているかしら？』

主人公「……『愛する人を守りたい』」

紫「…………」

紫『それは……とても素敵ね。奇跡だって、起こせるに違いないわ』

846 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:55:52.08 ID:iCbOuhvAO

――――残された者たち

ゴスロリ「……行っちゃったね」

主人公「あぁ……行ったな」

ゴスロリ「……」ﾁﾗ

ゴスロリ「あ、あのさ、アンタは居なくなったりしないわよね？」ｵﾄﾞｵﾄﾞ

主人公「……私は、世界の一端にすら触れられていなかった」

主人公「そんな小さな存在が、生きていて良いのだろうか……」

ゴスロリ「いいよ」

主人公「っ」

ゴスロリ「私が許すから」

主人公「……ハハ、なら――今しばらく生きてみよう。生きて――答えを見つけてみせるさ」

847 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:56:59.68 ID:iCbOuhvAO

――――空を駆ける翼。

私が、魔法少女の浄化に間に合わなくなってきたのは、今から50年程前だ。

魔女を倒さなければならない。
そう決意して、遅れて到着した場所には、魔法少女の死体だけが残っていた。

傷跡から、その手を下したのはまどか以外に考えられなかった。

まどかが自分を抑えきれなくなっているのだろう。

魔女を消滅させる、それだけの概念として――魔法少女を消滅させてしまう。

より魔女に近くなる程、彼女は抑えられなくなるのだ。

きっと、彼女は望んでいない――こんな世界を。

私の限界が、つまり彼女を悲しませている――事実。

紫「…………」

贖罪をしなければならない。
自らの我が儘で、望まない世界を押し付けられた、全てに。

私が救うのはまどかだが――まどかを救う為に。

紫「（私は世界を救わなければならない）」

彼女たちは確かに生き、そして誇り高く死んでいった。

私の改変によって其れが無に帰すのだとしたら、私がそれらを無下にしてはならない。

誰かが何処かで、いつも誰かの為に戦っている。

紫「（それを忘れてはならない――）」

風がほむらを撫で――包帯が巻かれた左半分の顔を照らす。

軽くなった右半身を踊らせて、彼女はその風に乗って飛んでいった。

848 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 00:58:36.54 ID:iCbOuhvAO

オッケー何とかまとまった……未来編2終了。
もうすぐだ……頑張れ俺。
投下終了。

849 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/11(日) 00:59:59.92 ID:z3kdt2uto

乙ほむ

850 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/11(日) 01:09:43.72 ID:d8larzKbo

お疲れ様でした。

851 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]：2011/09/11(日) 01:25:51.29 ID:QrIZ8OYAO

乙です

852 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2011/09/11(日) 02:49:22.48 ID:E9PZf1VBo

乙
５０歳以上か

853 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/11(日) 05:08:15.32 ID:KDwvwEnIO

乙です

854 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/11(日) 15:38:57.90 ID:xz2+KOgSO

お疲れ様です。

855 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 20:29:23.19 ID:iCbOuhvAO

うわぁぁぁかずみマギカのwiki見るんじゃなかったぁぁぁピックジェムとか考え付きますよねそりゃ……

ようやく整理付いてきた未来編。
触りだけ投下するよ。

856 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 20:30:36.67 ID:iCbOuhvAO

――――いくらかの未来

紫「…………」

紫色の服の少女が、ビルの上から街の夜景を見下ろしていた。

紫「…………」

目を閉じて思い出す――今まで弔ってきた魔法少女達を。

主人公『全てにとって、特別である必要なんて無かった』

ゴスロリ『みんなに可愛く見られる必要なんて無かった』

二人『ただ一人、自分を見つけてくれれば――それで良かったんだ』

紫「…………」

目を開ける。
と言っても右目だけで、左目は包帯に巻かれていた。

ポニーテールに出来なくなったので、リボンはサイドテールを作っている。
相変わらずの口を隠すマフラーと、右腕を隠す黒い――マントのような布。

バイオリンは、ずっと弾けてない。

紫「（……妙な気配がする。魔女のような、魔女じゃない気配）」

彼女は街の灯かりにスッと融けていった。

彼女の贖罪は、未だ終わらない。

857 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 20:31:47.18 ID:iCbOuhvAO

――――無垢なる者。

「皆を信じてる――やって！」

「ちっ――！？」

薄暗い路地に、魔法少女が大勢いた。
六人の内、五人がグループのようで、一人でその五人と戦う魔法少女がいる。

最初の叫びは、その一人に囚われ、こめかみに銃を突き付けられた少女の叫びだった。
その少女は黒く露出の多い衣装に身を包んでいる。

その掛け声と共に、他の四人が一斉に魔法を構えた。

「フィリ・デル・トアノ！！」

光線の様な物が、敵対する一人――こちらも露出の多い、激しい気性の魔法少女に向かう。

当たれば無事では済まないだろう、それは――しかし乱入者によって『斬り払われた』。

その乱入者は――紫色の理。

紫「…………」

「――何だお前は、くっ！？」

「緩めた方が悪いよっ」

ほむらが声のした方へと目を向けると、拘束から脱した少女と、されてしまった少女が見えた。

他の四人の内、リーダー格であろう魔法少女が呼びかける。

「無事か、かずみ！」

かずみ「うんっ！」

黒い服の魔法少女の名は、かずみ。
記憶の無い、魔法少女。

しかし、ほむらの用事はこちらではない。

紫『……貴女ね。この気配は』

ユウリ「――お前は、何だ？」

ほむらが彼女の名を、あいりと知るのは――まだ先だった。

858 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/11(日) 20:33:49.77 ID:iCbOuhvAO

って訳で投下終了。短いね。

明日就職試験だよ今ホテルだよあばばばば。

859 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/11(日) 20:34:49.53 ID:8oDoXUEuo

おつほむ

ほむほむ治癒系へたっぴなままなのか

860 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/11(日) 20:37:18.34 ID:d8larzKbo

お疲れ様でした

861 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/11(日) 20:55:29.88 ID:cAdAQrXIO

バイオリン弾いてなくて魔女の様な気配と聞いてさやかが蘇ったのかと思ったがそんな事なかった

862 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/11(日) 21:16:37.99 ID:Yk1XENvAo

とうとうかずみ勢参戦か胸熱

863 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/12(月) 01:30:58.04 ID:KbSkRhNIO

乙

バイオリン弾けないとか
ほむほむの自我がヤバい

864 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/09/14(水) 00:25:16.04 ID:skdWoLC+0

就職試験直前だとやばいのは作…

865 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/14(水) 21:06:00.41 ID:pItctLX4o

まあ、ヤバいのは作者だけじゃなかろうよ
俺も頑張んないとな

866 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/15(木) 01:06:03.28 ID:WVJzNzZDO

カズミ買ってきて予習しとこうっと

867 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:37:47.64 ID:+J8J/WvAO

単行本組は気を付けるんだ。

投下開始

868 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:38:44.81 ID:+J8J/WvAO

――――

サキ「新手か……？」

新たな魔法少女の乱入に、身構えるプレイアデス星団の魔法少女たち。

ニコ「――キミは、誰だ」

紫『……答える義務も、必要も無いわ』

里美「テレパシー……？」

みらい「めんどくさがらずに直接喋れーっ！」

紫『…………』

紫色の服の少女は、右肩に掛かっている黒いマントを靡かせて、そこから微動だにしない。

左手のナイフがどうやら武器のようだ。

サキ「（いや、肩に掛けられた弓……射手か！）」

ユウリ「お前も、そこの奴らの味方かぁっ！エセポニテ！」

紫「っっっ！？」

みらい「（あ、ショック受けてる）」

ユウリがハンドガンを空中に、大量に召喚してプレイアデス星団もろとも殲滅を諮る。
人質が居ない今、彼女は強行突破しなければならないのだから。

弾の雨が横殴りに襲いかかる。

サキ「ひっ――」

かずみ「下がって！」

かずみのマントが星団の皆を包む盾になって、彼女らを守った。

守られなかったのは、紫色の服の少女のみ。

869 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:40:37.25 ID:+J8J/WvAO

ユウリ「なに……？」

仲間では無かったのか、と思い当たったユウリ。
そして――

紫「…………」

暁美ほむら――左手を真っ直ぐ伸ばして弓を構え、口で矢を引く――に当たるはずの弾丸が全て撃ち落とされた。

他の弾丸はかずみのマントに突き刺さる。

サキ「――やはり遠距離型！」

かずみ「でも、敵じゃないみたいだよ――うぅっ、やっぱり手強いっ！」

ニコ「……いや、きっと奴さんは敵なんだな。ここで叩いておこう」

みらい「ニコ？」

サキ「……そうかもね。今叩く。かずみ、やれるか？」

かずみ「うんっ！」

弾丸の雨が止む。
紫色の服の少女は億劫そうに弓を下ろした。

ユウリ「アンタは――アンタは一体何なんだ！」

ユウリが叫んだ瞬間に、身体中がレーザーポインタに晒される。
ほむらに気を取られた、油断。

圧倒的な自分より、さらに圧倒的な魔法少女に。

ユウリ「――しまっ」

サキ「フィリ・デル・トアノ！！」

紫色の少女はマントを振りかざして光線を振り払ったが、ユウリはそうする事が出来なかった。

870 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:48:15.34 ID:+J8J/WvAO

ユウリ「ぐうっ――！」

何発か被弾し、一瞬よろけてしまう。
ソレが、プレイアデス星団に好機を与えてしまった。

かずみ「リーミティ――」

かずみが自らの必殺をぶつけようと、空に舞い上がっていて。

ユウリ「（――殺られる！？）」

かずみ「――エステールニ！！」

凄まじい出力のレーザーがユウリに向けられた。

もうダメか、そうユウリが思った時に――間にあの少女が割り込んできた。

紫『いつの時代も――』

背中には二つの、白い翼。

紫『変わらない――っ』

手にしたナイフが、その――かずみの必殺に接触して。

紫『魔法少女は！』

そして光を、叩き斬った。

871 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:49:17.03 ID:+J8J/WvAO

かずみ「えっ――？」

紫『……それが、必殺技かしら？』

紫色の服の少女は、落ちていたユウリの銃を蹴りあげて、宙に舞ったソレを左手に握った。

紫『……少しばかり派手さが足りないわね――フフッ、借りるわ』

かずみはその時、恐怖を感じる事が出来た。
そしてそれは彼女を救うだろう。

マントを全力で展開するかずみ。
紫色の服の少女は、構えた銃を彼女に向ける。
大いに手加減された、しかし必殺の一撃が来ると、かずみには感じられた。

銃がロングバレルのマスケットへと姿を変える。
空へと、それを放った。

紫「…………」

ほむら「――ティロ・フィナーレ」

淡々とした言葉や姿勢とは裏腹に、その一撃は貫く、いや――穿つと言った勢いで。

かずみ「うわぁぁぁっっ！！？」

かずみのマントは弾けて、かずみ自身も地に墜ちていく。

872 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:50:08.99 ID:+J8J/WvAO

ニコ「――大丈夫かい」

それを受け止めるニコ。
傷は無いが、かずみの意識は失せていた。

一瞥する撃ち手。

紫『……今は引きなさい。お互い、得にもならないでしょうし』

みらい「な、なにおぅっ。コイツ――」

もう一度、今度は喧しい魔法少女に銃口を向けた。

みらい「う――」

紫『物分かりが悪いわね。見逃してあげるって言っているの……なんてね』

銃を下ろし、それを懐かしげに見る魔法少女は――優しい顔をしていた。

紫『魔法少女同士で争ったって何にもならないわ。いいから私に免じて引きなさい』

ニコ「――そうなのかな」

チリ、と肌の焼ける様な錯覚を、紫色の服の少女は久し振りに感じた。

威嚇を兼ねて、もう一度。

紫『それどころじゃ、ないのではない？』

かずみ「そうだった！？」

突然目を覚まして跳ね上がるかずみ。
彼女たちは魔女に囚われた仲間を探している途中だったのだ。

サキ「く――だが覚えていろ」

紫「…………？」

サキ「『見逃してやる』は、こっちの台詞だからな。みんな、行こう」

プレイアデス星団らが場を離れ、路地にいるのは二人だけだった。

873 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:52:40.38 ID:+J8J/WvAO

ユウリ「……何故助ける」

紫「…………」

ユウリ「答えろ！！お前は誰だ！！」

紫「…………」

紫『――ほむら。暁美、ほむら。貴女と同じ、魔法少女よ』

874 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:53:58.58 ID:+J8J/WvAO

――――ほむらはユウリ様の事が気になるご様子で

ﾂｶﾂｶ

ユウリ「…………」ｲﾗｲﾗ

紫「…………」ﾃｸﾃｸ

ユウリ「……何で着いてくるんだ。うっざい……」ﾁｯ

紫『あら酷い。最近の魔法少女は命の恩人にお礼も無いのね』ﾎﾑ

ユウリ「手前が勝手に割り込んできただけだろぉが……余裕だったからな、一人でも」ｹｯ

紫『……ならいいわ』ﾊﾞｻｧｯ

ユウリ「え、おいコラっ！？」

紫『……じゃ』ﾊﾞｻﾊﾞｻ

ユウリ「……何だありゃ」

ユウリ「変なヤツ」ﾎﾟﾂﾘ

875 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:54:42.32 ID:+J8J/WvAO

――――空を舞う魔法少女

紫「…………」

紫「（彼女の気配は、魔女に近いソレだった――にしては、まどかの反応が無い）」

紫「（ソウルジェムが特別穢れていると言うわけでもなさそうだった……）」

紫「（しかしこの街にも魔獣が集いつつある……確実に『ワルプルギスの夜』が起こるでしょうね）」

紫「（しかし……この街は何だか――色々な思惑は渦巻いていて、気持ちが悪いわ……）」ﾊｧ

876 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 15:55:44.75 ID:+J8J/WvAO

――――プレイアデスサイド、夜のあすなろ市

かずみ「二人とも無事でよかったぁ……」ﾎｯ

海香「助かったわ、かずみ」

カオル「ありがとうね」ﾆｯ

サキ「ふ……無事で何より。なんだけど」ﾌｩ

海香「どうしたのかしら？」

サキ「少し。二人にも話しておいた方がいいからね」

――――川沿いの道

海香「紫色の、魔法少女？」

サキ「あぁ。強力な魔法少女だった……私たちも、良く無事でいられたと思うわ」ﾊｧ

カオル「どんな特徴なんだい？」

かずみ「……マント？」

ニコ「……マフラー」

サキ「……黒髪ロング」

みらい「サイドテール？」

里美「美人さん……かな？」

サキ「目に包帯を巻いてたな」

カオル「ふーん、それって――もしかしてあの子？」ﾕﾋﾞｻｼ

一同「えっ？」ﾌﾘﾑｷ

紫「…………」ﾊﾟｼｬｯ

一同「（水浴びしてらっしゃるーっ！！？）」ｶﾞﾋﾞｰﾝｯ!?

877 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 16:01:48.75 ID:+J8J/WvAO

サキ「――っと、危ない。流されるとこだった。おい、お前――っ」ﾊｯ

紫「？」ｸﾙｯ

里美「きゃっ――」ﾋﾞｸ

ニコ「（右腕が欠損してる……治癒力は無いみたいだぞ）」ﾌﾑ

かずみ「キミ……それ」

紫『……あぁ、貴女たちだったの。暗くて良くわからなかったわ』ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

サキ「みんな居る……今度はさっきみたいにはいかないぞ」ｻﾞｯ

紫『……貴女たちは、何故私と戦おうとするの？』

みらい「さっきの今でよくも――」

紫『私から貴女たちを傷つけたかしら。違うでしょう？』

里美「……そういえば」

かずみ「誰もケガしてないや……マントは吹っ飛んだけど」

878 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 16:03:26.67 ID:+J8J/WvAO

ニコ「……だけど、攻撃してきたんだぞ」

紫『……あんな危ない技を当てたら、あの子は死んでいたかもしれないわ』

紫『貴女たちは、人殺しをしたいの？』

ニコ「それの何が――」

かずみ「そ、そんな事ないよっ」ｱｾｯ

紫『……なら、良いじゃない。貴女たちも無事、私も無事、あの子も無事……だと思うから』

サキ「……お前は私たちの敵になるのか？……それだけは聞いておきたい」

紫『貴女たちが私の道を塞がないのなら、とだけ』ﾎﾑﾘ

「…………」

紫『よさそうね。ところで――』

紫『服を着ていいかしら』ｸﾞｩｩ……

一同「…………」

かずみ「……ゴハン、食べる？」

紫『……ご馳走になるわ』ﾎﾑｯ

879 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/15(木) 16:03:56.36 ID:+J8J/WvAO

投下終了。

880 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/15(木) 16:25:12.00 ID:ASEtffGIO

乙っちほむほむ！

881 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/15(木) 16:59:24.14 ID:I+mxQdAAo

エセポニテでショックを受けるほむほむかわいい

882 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/15(木) 19:12:22.37 ID:Frg9Hm730

乙。包帯捲いてるけど、眼帯をしないのかね。そっちの方が楽なのに

883 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2011/09/15(木) 19:24:20.47 ID:XtFw0BTEo

エクシアリペア想像した
ほむほむかわいい

884 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/15(木) 19:26:29.08 ID:XCrg8kHvo

>>883
隻腕隻眼、得物は刃、確かにそんな感じだな。

>>1乙

885 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/15(木) 19:31:31.93 ID:EptNXn6IO

マミさんだったら喜んで眼帯着けそうだな。てか主人公のナイフまだ持ってたんだ

886 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/15(木) 19:38:03.71 ID:ONMFub6Ko

お疲れ様でした。

887 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2011/09/15(木) 21:52:33.04 ID:uw4E6AmCo

乙でした。

毎回楽しませてもらってるけど、最近、完結するかが心配になってきましたよ。
別に文句を言いたい訳でもないしそんな権利もないけど、こんなに話が広がってしまって
大丈夫なんだろうかっていう、ド素人ならではの不安が…まぁ信じて待つだけですけどね。

888 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/16(金) 00:38:28.02 ID:iDeI3q+do

かずみだけ世界観よくわかんないんだよなぁ

889 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/16(金) 06:54:45.81 ID:3STU2Z+io

これはバカエロの予感！！！！！

890 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/16(金) 21:23:56.69 ID:qWg6i9XWo

合計18人か…
やべえな　接点ない組とかどうなるんだ

891 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/17(土) 02:56:53.19 ID:B22+3c7DO

漫画一切読んでないからキャラが全然わからん…武器とか性格とかの描写が欲しいです

892 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/17(土) 08:29:23.50 ID:wCvlyb0SO

>>1乙
久し振りに来たら夏休みを境に一気に人減ったな
平和平和

893 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/09/17(土) 11:09:59.35 ID:VBOhssXX0

パカエロと申したか……って、このスレもぼつぼつ消費しつくされるぞ

894 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2011/09/17(土) 14:13:37.22 ID:j4SC0JXco

やっと追いついた
次の投下が楽しみだ

895 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:39:43.42 ID:YsKUb22AO

ほむらがリペアリスペクトなのは分かるよねやっぱり。

投下開始

896 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:41:05.53 ID:YsKUb22AO

――――海香邸

一同「」ﾎﾟｶｰﾝ

紫「……っ、……っ」ﾊｸﾞﾊｸﾞﾊｸﾞｯ

かずみ「ま、まぁ……作った身としては嬉しいかも」ﾃﾍﾍ

里美「おなか空いてたんだね」ﾆｺ

紫『美味しいわ。感謝させていただくわよ』ﾊﾑﾊﾑﾊﾑｯ

サキ「こりゃあ、早く食べなければ私たちの分が無くなってしまうな」ｱﾊﾊ……

みらい「それは許さないよっ」ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ

海香「凄まじいわね」ﾓｸﾓｸ

カオル「急いで食べると詰まらせるぞー？」

897 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:42:13.69 ID:YsKUb22AO

――――食後

紫「…………」ｹﾌﾟﾘ

かずみ「どうだった？」

紫『御馳走様。それが全てよ』ｷﾘｯ

かずみ「お粗末様でした」ﾃﾍｯ

ニコ「……暁美ほむら、だったろう？」

紫『えぇ』

ニコ「旅をしてるらしいけれど、路銀は？」

紫『たまに軽く仕事をするけど、基本的には無いわ。久し振りの豪勢なディナーだったわよ』

みらい「かずみの料理だからね！」ﾌﾝｽｯ

サキ「なんで旅を？」

紫『それは――』

JB「やぁ、プレイアデスのみんな。お邪魔するぜい？」ﾋｮｺｯ

紫「――――っ！？」

里美「あ、べぇちゃん」

JB「ん？見慣れない魔法少女がいるなぁ――って、オマエは」

紫「――インキュベーターなの？」

JB「そりゃキュゥべえだな。オイラはジュゥべえ、別の個体さ」きゅっぷいっ

898 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:43:31.93 ID:YsKUb22AO

――――

JB「みんな大分ソウルジェムが汚れちまってんな。浄化するぜー」ｼｭｳｩｩ……

紫「！？？？」

里美「わぁ、ありがとうべえちゃん」

JB「お安い御用ってな」ﾓｯｼｬﾓｯｼｬ

海香「ナッツは？」

JB「それゲロマズだから食いたくないんだよなぁ……食うけど」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

JB「うぇぇ、納豆バニラアイスってのがありゃこんな味だろな。ゲロゲロー」ﾍﾟｯﾍﾟｯ

紫『……貴方は、何をやっているっていうの？』

JB「……お話は、今晩な。『俺』も、ゆっくり話したいもんだし」

ニコ「（――何かありそう、だぞ）」

899 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:44:37.15 ID:YsKUb22AO

――――その晩、海香邸ベランダにて

紫「…………」

ﾋｮｺﾘ

JB「よ。いい月だよな」

紫「…………」ﾌｩ

JB「大丈夫だ。かずみたちは寝たしな」

紫『……聞きたい事があるわ』

JB「レディーの質問には答えるぜ？なんせオイラは紳士だからな」

紫『何故浄化したの？』

JB「そりゃほっときゃ死んじまうからな。アイツら弱っちいんだもんよ」

紫『……キュゥべえはそんな事しないわ』

JB「アイツは効率主義だからなぁ」

紫『ふーん……で、本当は？』

JB「……腹を割れって言いたいんだろ。分かった分かった……」

JB「お前もオイラ――いや、『俺』とおんなじさ。お前、上位種だろ？」

紫『上位種？』

JB「一個上の段階にいる奴の事だよ。お前とかキュゥべえとか……神とかな」

紫『――貴方、何を知っているの？』

JB「あーあ、頑張ってたんだけどな。結局キュゥべえの方に出てきちまったなぁ……ま、それが一番なんだけどよ」

紫「（……まどかを知っているとでもいうの――いや有り得ない）」

900 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2011/09/17(土) 15:44:54.71 ID:j4SC0JXco

リアルタイム遭遇ktkr

901 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:45:28.64 ID:YsKUb22AO

JB「なぁ、一つ頼まれてくれないかい？」

紫『……何を？』

JB「キュゥべえを、お願いしたいんだが」

紫『……イマイチ要領を得ないけれど、一応聞いておくわ。これ以上盗み聞きされるのも嫌だし』

JB「全くだ、ははっ」きゅっぷい

ニコ「（……バレてら）」ﾀﾗﾘ

902 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:47:31.67 ID:YsKUb22AO

――――朝

かずみ「おはよー……一番かぁ。ゴハン作らなきゃ」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

かずみ「……書き置き？」ﾊﾟｻｯ

一宿一飯の恩は忘れないわ。

暁美ほむら

かずみ「自由な人だなー……でも、結局旅の理由ってなんだったんだろ？」

903 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:48:07.82 ID:YsKUb22AO

――――9、10

JB「ふむ……暁美ほむらは行ったのか」きゅっぷい

ﾋｮｺｯ

QB「やぁ。久し振りだね、ジュゥべえ」きゅっぷい

JB「キュゥべえか。何か用か？」きゅっぷい

QB「いや、プレイアデス星団の様子が気になってね」きゅっぷい

QB「キミがイヤに手塩にかけているから……大丈夫かい？最近キミは精神疾患気味だよ」きゅっぷい

JB「大丈夫だよ、オイラは」きゅっぷい

JB「それより、暁美ほむらは何故こんな場所を彷徨いてるんだ？」きゅっぷい

QB「きっと、もうじきここに『ワルプルギスの夜』が来るからさ。彼女の行く所は必ずそうだからね」きゅっぷい

JB「……成る程ね」きゅっぷい

JB「キュゥべえ」

QB「なんだい？」

JB「もうオマエさんは自由なんだぞ？」

QB「……時々キミは本当に訳が分からない事を言うね？人間と付き合いすぎているんじゃないかい？」

JB「……かもしれねぇな。はは」

904 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:48:40.62 ID:YsKUb22AO

――――ほむら

紫「（……まだ私に、知らない事があるっていうの？）」

紫「（何を見逃している……？）」ﾊﾞｻｧｯ

紫「（――魔獣の気配。あの子ね）」

905 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:51:50.51 ID:YsKUb22AO

――――結界内

ユウリ「くそっ、今日に限ってしつこい！」ﾊﾞｯ

魔獣ら「――――」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

ユウリ「（やってやれない事は無い……が、もたない可能性がある）」ﾁｯ

ユウリ「コルノ・フォルテ！」

牛「ンモォォォォォ！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞｯ!

ﾊﾞｻﾊﾞｻ……ｽﾀｯ

紫『どうやらお困りのようね』ﾎﾑｯ

ユウリ「えっ、バカ退けっ！？」ｱｾｯ

紫『ほむ？』ﾎﾑ?

牛「（あ）」ﾄﾞｶﾝ

紫『げふり』ﾒｺｫ

ユウリ「（なんかめり込んだーっ！？）」ｶﾞｰﾝｯ

ユウリ「って、バカに構ってる暇は――って、アレ？」ﾊｯ

魔獣「」ﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

紫『斬刑に処す。その六銭、無用と思え』ｷﾘｯ

ユウリ「いや、壁にめり込みながら言ってもかっこよくないからなエセポニテ」

紫「っ！？」ｶﾞﾋﾞｰﾝｯ

906 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:54:36.72 ID:YsKUb22AO

――――消える結界、ほむらとユウリ

ユウリ「……一応、助かった」ﾁｯ

紫『それは良かった』ﾊﾞｻｯ

ユウリ「お、おい待て！話は終わってないんだ――えっ？」ｶﾞｼｯ､ﾊﾟｻﾘ

紫『……何かしら？』

ユウリ「お前、腕は？」

紫『右腕なら……一応保存してあるわ。くっつかないの』ｺﾞﾛﾝ

ユウリ「なんで治さないんだよ」

紫『私の治癒力はあんまり優秀じゃないの。最近は治癒の力を持った子もいないし……』ﾊｧ

紫「（さやかやゆまみたいに契約する子も減ったし、マミみたいに命を賭ける子もいないし、ね）」

ユウリ「……貸せ。どうせ目もだろ」ｸﾞｲｯ

紫「（えっ）」ﾎﾟﾌﾘ

紫『……治癒魔法が使えるの？』

ユウリ「どちらかと言えば、そっちの方がこのユウリ様らしい魔法なんだよ」

ユウリ「運が良いな。気が向いてもこんな事普段はやらないからね」ﾎﾟﾜ……

紫「（……荒々しい性格とは裏腹な、柔らかな光）」

紫「（少し、興味が出てきたわ）」

907 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/17(土) 15:55:09.01 ID:YsKUb22AO

投下終了。

908 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/17(土) 15:56:32.42 ID:lyix6PCpo

お疲れ様でした

909 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/17(土) 15:57:54.07 ID:lEKafssSO

乙っちほむほむ

910 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/17(土) 16:18:14.15 ID:sEWNoigYo

このほむほむ魔眼持ちか

911 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2011/09/17(土) 16:59:50.66 ID:RhngUkAAO

乙

腕と目治りそうで良かったなほむほむ

912 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/17(土) 20:43:25.99 ID:6dZx4M5b0

乙！多彩な攻撃手段に加えて強力な回復魔法まで使えるなんてユウリ様マジハイスペック
ユウリ([ﾋﾟｰｰｰ])とは一体何だったのか

913 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:39:24.62 ID:UWU882NAO

ほらほらのんびりするな俺！

投下開始

914 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:42:20.85 ID:UWU882NAO

――――ほむらリペア中。

紫『……珍しいわね。治癒魔法なんて』

ユウリ「そうか？良く知らないけど」ﾎﾟﾜｰ

紫『その手の力は、何かしら強烈な願いをしなければ手に入らないはずよ』

ユウリ「どうでもいい事だろう。黙ってな、舌を咬んでも保障はしないんだ」ﾎﾜﾘﾎﾜﾘ

紫『しかし、召喚、武器錬成etcetc……貴女、本当に何を願ったの？』

ユウリ「……何も願ってねぇ。ほら、右腕終わりだ」ﾊﾟﾁｯ

紫『わーお。感謝するわ』ﾌﾞﾝﾌﾞﾝｯ

ユウリ「目はあるか？」

紫『瓶詰め』ﾁｬﾌﾟﾝｯ

ユウリ「なかなかグロテスクだ。裂けてるしな……包帯外せ」

紫『……ん』ﾊﾟｻｯ

ユウリ「ねじ込むからな。泣くなよ」

紫『泣く目が無いわ』

ユウリ「洒落だって。今のは流すとこじゃない？」ｷｭﾎﾟｯ､ﾎﾟﾜﾝ

紫『何も願ってない、って？』

ユウリ「……面白い話じゃないよ」

紫『是非聞きたいのだけれど、野暮なのかしら？』

ユウリ「……プレイアデス星団」

紫「？」

ユウリ「アイツらのチームの名前だよ」ﾁｯ

915 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:43:03.32 ID:UWU882NAO

――――

ユウリ「私は病弱で、気弱な人間だった」

紫『――へぇ』

ユウリ「結構ヤバい病気でな。治らないかも、って話もあったな」

ユウリ「でも、急に良くなった」

紫「（――さやかみたいな子がいたのかしら）」

ユウリ「私には友達がいてね。こんな私にもすごく優しくしてくれた」

ユウリ「その子、魔法少女になったんだ。私を治す為に」

ユウリ「名前は――ユウリ」

紫『……どういう事？』

ユウリ「私は……本当はユウリじゃないんだ」

ユウリ「ユウリは日々魔獣と戦っていた……」

ユウリ「でも、無理ばかりしているから――」

紫『……化け物になった？』

ユウリ「――何か知っているのか、お前は！？」

紫『魔法少女のソウルジェムが完全に濁ると、その身体は魔女と言う化け物に変貌する……けど』

ユウリ「けど、なんだ」

紫『魔女はこの世界に存在出来ないはず……その魔女は――消滅したでしょう？』

ユウリ「はっ――何を言ってるんだか。ユウリは……殺されたよ、プレイアデス星団にな」

紫『……なんですって？』

916 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:44:09.92 ID:UWU882NAO

紫「（――まどかの影響が無かった？あの魔法少女たちに、何か出来るような力はないはず――いや、イレギュラーと言えば）」

JB『――』

紫「（――アイツか）」

ユウリ「私はユウリに襲われて、でもそれが彼女だってわからなくて」

ユウリ「私は……プレイアデス星団の奴らにさ、礼を言ったんだ」

ユウリ「『助けてくれて、ありがとう』って」

紫「…………」

ユウリ「笑うだろう？友人を殺されて、あまつさえ礼を言ったんだ、私は――私は――」ﾌﾙｯ

紫『笑わないわ』

ユウリ「……」

紫『貴女を笑わない。絶対』

ユウリ「……治った。見えるな？」

紫『わーお、久しぶりの感覚だわ』ｷｮﾛｷｮﾛ

ユウリ「……この力は、ユウリのモノだった」

紫『……そのユウリが、治癒術者なのね。なら、貴女の願いって――』

ユウリ「『ユウリになりたい。ユウリになって復讐したい』」

あいり「私の本当の名前は――『あいり』なんです」

紫「――――っ」

917 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:44:38.92 ID:UWU882NAO

紫「（それは――その願いは、既に願いですらない）」

紫「（祈りではなく、呪いによって契約したというの――それじゃあ、最初から魔女になってしまったようなモノじゃないの）」

紫『貴女は、それでいいの？』

ユウリ「良いに決まってるだろ。こうでもしなきゃ、申し訳が立たないからな」

紫『……その契約をしたのは、ジュゥべえでは無いわね？』

ユウリ「よく分かったな。キュゥべえの方だよ」

紫「…………」ﾌﾑ

918 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:45:35.67 ID:UWU882NAO

――――ほむら、完治

紫『完璧ね。流石だわ』

ユウリ「当たり前だ。私は『ユウリ様』だぞ？」

紫『じゃ、お礼に一つ……』ﾎﾟﾝｯ

ユウリ「バイオリン……弾けるのか？」

紫『腕の無い間は実際に弾いてないからアレだけれど、自信はあるわよ』ｽｯ

紫『聴かないという選択肢なんて取れないくらいにね』

――――演奏、完了。

紫『……ま、こんなモノかしらね。イメージトレーニングばかりじゃ流石に覚束ないモノだったわ』

ユウリ「…………」

紫『どうかしら』

ユウリ「…………」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

紫『嬉しいのだけど、その開きっぱなしの口は閉じる事をお勧めするわ』

919 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:47:18.63 ID:UWU882NAO

――――

ユウリ「アンタは何で魔法少女になったんだ？」

紫『……話せば長くなるから遠慮したいのだけれど』

ユウリ「そりゃあ……公平じゃないし、平等じゃないよねぇ」ﾆﾀ

紫『……杏子みたいな顔』ﾊｧ

ユウリ「誰さ、ソレ」

紫『本当に本当に長いけれど、聞く？』

ユウリ「……どうした？」

紫『こんな話、長く生きてて始めてだから、かしらね』

紫「（彼女に仲間はいない。そしてワルプルギスの対象……私、嫌な女ね）」

紫『昔々ある所に、引っ込み思案な女の子が居ました――』

920 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2011/09/18(日) 00:47:58.47 ID:jfuShSpKo

期待

921 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:48:00.26 ID:UWU882NAO

――――長い、永い吐露。

紫『――そして彼女は戦い続けるのです。おしまい』

ユウリ「――――」

紫『これが私。運命から逃げ続けている魔法少女よ』

ユウリ「……ちょっと待って、整理するから」

紫『あら、ユウリ様にしては珍しいわね』ｸｽｯ

ユウリ「はぁっ！？もう纏まりましたっての！」

ユウリ「……んじゃ何？アタシがいくら頑張ってもアンタが改変しちゃう訳？」

紫『そうね』

ユウリ「――くははっ、そりゃたまげた」

ユウリ「んで？魔女はどうなる？」

紫『今の世界にはまどか自身の祈りが充満しているから……新たなまどかの祈りで、それらを不都合の無いものに変えられれば、あるいは』

ユウリ「そっか――ま、頑張れ」ﾎﾟﾝｯ

紫『へっ？』ﾎﾟｶﾝ

922 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:49:07.29 ID:UWU882NAO

ユウリ「ソレが成れば、ユウリも死ななくて済みそうだしね」

ユウリ「しかし、キュゥべえが魔法少女……未だに信じられないね」

ユウリ「しかも世界が云々……イメージしづらい」

ユウリ「それに――もうじき死ぬだろう、アタシか」

紫『でも、貴女は他の魔法少女とは性質が違うようだから……もしかしたら、ワルプルギスの夜は来ないかもしれない』

ユウリ「希望的観測はいらん」

ユウリ「おかしいとは思ってたんだ。グリーフシードじゃ浄化出来ないしさ、アタシのソウルジェム」

ユウリ「死ぬまでに……やり遂げなければ」

紫『……復讐は何も生まないし、彼女はきっとそれを望んでないわ』

ユウリ「それでも――」

あいり『ありがとう――』

ユウリ「――アタシは、私を許す事が出来ないんだ」ﾀﾞｯ

紫「…………」

紫『……私だってそうよ』ﾎﾟﾂﾘ

923 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/18(日) 00:50:03.81 ID:UWU882NAO

頑張れ俺、ここが終わったらようやく未来編纏まるんだよ……

投下終了

924 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/18(日) 00:51:16.46 ID:VGzuJLiLo

お疲れ様でした。

925 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2011/09/18(日) 00:52:35.50 ID:jfuShSpKo

お疲れさん
もうすぐで未来編完結か…

926 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]：2011/09/18(日) 01:00:59.71 ID:UWU882NAO

ここで>>1から皆さんに土下座があります。土下座らせて下さい。

プレイアデス星団→プレイアデス聖団でしたぁぁぁぁぁぁ！！
スターじゃなくてホーリーでしたぁぁぁぁぁぁ！！

マジすんませんっしたぁぁぁぁ！！
土下座しますんでほむほむ踏んで下さいぃぃぃぃぃぃ

927 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/09/18(日) 01:12:14.51 ID:9KEOcT0AO

それには及ばない！
ここは俺がほむほむに踏まれておくから>>1は早く書きためるんだ！

928 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/18(日) 01:17:53.88 ID:ujO+dQ4IO

>>926
節子それ罰やない、ご褒美や

929 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2011/09/18(日) 01:18:01.24 ID:QyUZ7rc3o

乙乙

(こちらも気付かなくて赤面する音)

930 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2011/09/18(日) 04:48:41.07 ID:NTb+DiOso

連休に相応しい大量投下、乙でした。

星団→聖団は言われて気が付いた。
知ってた筈なのに分からないモンだねえ。

931 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/18(日) 05:50:57.51 ID:UXDraPvDO

乙！！

脳内変換余裕だからもーまんたいだ

932 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/18(日) 07:02:05.32 ID:dGj/JNEEo

ほむほむの代わりに阿部さんが踏みに行ったよ

933 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/18(日) 07:20:45.12 ID:FmUflPyIO

>>932
踏まれるだけで済めばいいんだがな

934 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/18(日) 13:36:19.50 ID:Voc79ryjo

あすなろ市は別の世界線の見滝原市だったりして
かずマギ読んだことないからわからんけども

935 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/18(日) 20:39:34.84 ID:3xlViroA0

おつでした

かずみとのクロス(？)ってもしかしてSS初なんじゃね？

936 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/18(日) 21:43:33.93 ID:F2x5S7ts0

乙。ちょっと解り辛かったけど、ほむら空間操作の魔法が使えるのか。意外だ

937 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/18(日) 21:47:10.64 ID:5bNrp8iQo

>>935
CV若本

938 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:25:03.88 ID:cOaxjjIAO

あすなろ市はかずみマギカで明確に違う街だと分かっています。
そのネタもありかと思ったけど意味ないから削ったんだ。

かずみクロスはcv若本だね。ただ、確かにみらいや里美がバンバン出るのは見たことないや。

投下行くよ

939 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:27:24.69 ID:cOaxjjIAO

――――かずみ達、人気の無い公園

かずみ「いい天気だね」ﾉﾋﾞｰ

海香「そうね。創作活動にはもってこいだわ」ｶﾁｶﾁ

カオル「最近は携帯も使って書いてるんだね」ﾍｰ

海香「咄嗟のメモにはうってつけなの」ﾄﾞﾔｯ

みらい「ぽかぽかー……」ﾎｹｰ

里美「小鳥さんたちも喜んでるわ」ﾉﾝﾋﾞﾘ

サキ「ふむ、ここらで一杯紅茶が怖い」ﾊﾟﾁﾝｯ

かずみ「はい、紅茶」ｺﾎﾟﾎﾟ……

サキ「ありがとう」ｺｸｺｸ

ニコ「…………」ﾋﾟｸｯ

サキ「……どうした、ニコ？」

ニコ「――伏せろ」ｻﾞｯ

「楽しそうだな、プレイアデス」

940 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:28:06.31 ID:cOaxjjIAO

――――

サキ「――――っ、ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！？」

サキの絶叫が、静かな公園に響き渡る。
右足をアサルトライフルで撃ち抜かれた痛みが、彼女の脳漿に喰らい付いた。

上空からの、大量に召喚されたライフルの不意打ちだった。

サキ「痛いっ、痛いぃぃ……あぁぁっ」

魔法少女に変身していない彼女たちにとって、それは十分過ぎる暴力だった。

みらい「あっ――ぐぅぅぅ……」

里美「痛い――いたいぃぃ……」

海香「くっ――」

カオル「何だ……うぅっ」

かずみ「海香、カオル、みんな！」

ニコ「いたた……奴さん来やがったみたいだぞ」

かずみとニコは比較的軽傷だった。
ニコは攻撃を察知していたし、かずみは本能がソレを教えてくれていたから。

ユウリ「プレイアデス聖団の皆さま方は、このユウリ様の事が気になるご様子で！」

悠々と眼前に降り立ち、諸手をあげながら侮蔑の演説を焚き付けるユウリ。

941 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:29:08.46 ID:cOaxjjIAO

サキ「――オマエぇぇ！！」

ユウリ「うっさい、バーカ」

怒りを捻り出したサキに対して、ユウリは銃弾で答えた。
変に軽い音と、次いで聞こえる心地好い悲鳴。

サキ「あぁぁぁぁぁぁぁっ！！！ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

ユウリ「ひゃははっ、悲鳴合唱団最高！」

快楽殺人者の様な、気の狂った笑みを浮かべて、ユウリはかずみに近寄っていく。

かずみ「どうして――こんな事するのっ！」

かずみの右耳に付いた鈴が怒りに震えた。
かずみの衣装が、戦闘を行う為のソレに成り代わる。

ユウリ「復讐だからさ――動くなよ虫けら」

ニコ「かは――意外に鋭いもんさ」

不意打ちを狙っていたニコに銃弾が突き刺さる。
急所は外したようで、彼女は顔をしかめて倒れた。

かずみ「ニコ！」

ユウリ「何でそんな奴らを心配するんだ？」

かずみが強くユウリを睨み付ける。

かずみ「仲間を――友達を、傷つけられて、平気なわけない！」

ユウリ「はっは、友達、ねぇ……」

ユウリは自らの帽子の鍔を下げた。
表情は定かではない。

ユウリ「記憶も無い、思い出も無い。掴まる場所が何も無いのに、どうしてそんなに自信満々でいられる？」

かずみ「えっ」

942 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:29:44.28 ID:cOaxjjIAO

ニコ「聞くな、かずみ」

銃声。

かずみ「――止めろぉっ！」

ユウリ「人の話の邪魔をするなってのはな、小学生でも知ってるんだよ」

ユウリ「そうやってオマエがプレイアデス聖団に味方するのは勝手だ」

ユウリ「なら、私の敵になるだけだからな」

かずみが、得物である杖を構えた。

かずみ「海香やカオルは私に居場所をくれた。それが友達でないなら、なんだって言うの？」

ユウリ「さて。それすら自分で考えられないか？アホが。アホだな、アホ毛」

943 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:31:02.43 ID:cOaxjjIAO

軽口も、今はただの言葉の羅列にしか過ぎない。

お互いに間合いを取り合う二人。

攻撃の合図は、無かった。

かずみ「――やぁっ！」

予備動作も無く、杖を槍のように突き出すが――それを容易く左手手に持った銃の腹で往なすユウリ。

ユウリ「遅すぎると気付かないか？」

爪先で思い切り、かずみの腹を蹴りあげた。
内臓が潰れるような感覚と共に、かずみは僅かに浮き上がる。

かずみ「――ぉえ」

胃液が口に酸味を与えた。
だが、決して吐き出さない。

かずみが体制を立て直して杖を振りかざし。
ユウリがそれに銃口を向け。

そして二人を乱入者が止めた。

左手にナイフを――そして、右手に光の矢を構えて喉元を捉える。

ユウリ「ちっ……またお前かよ」

かずみ「キミは――」

ほむら「双方動くな。動けばこの、空間すら切り裂くナイフがその喉を貫くわ」

二人とも、動く事を許されなかった。
突き付けられているとか、そんな事実は関係なく――ただ意味もなく動けないのだ。

944 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:34:21.73 ID:cOaxjjIAO

ニコ「里美、みらい……治癒を全開で頼むんだぞ」

里美「で、でもグリーフシードが……」

里美は力の使いすぎを恐れたが、ジュゥべえの存在がそれを後押しする。

みらい「分かったよ！」

なけなし程度の治癒がニコとサキを癒した。
今はそれで十分。

ニコ「ほら、起きるんだリーダー」

サキ「リベンジだこのやろう……」

プレイアデス聖団の内、二人が舞台に登場した。
みらいと里美はぐったりと倒れてしまう。

サキ「かずみ」

かずみ「う、うんっ」

かずみが二人の傍で戦闘体制を取った。

1対1対3。

サキ「どうする？」

自分達だけに聞こえるような小さな声で、サキは傍らの二人に話しかける。

ニコ「……ユウリとやらはともかく、暁美ほむらにゃ勝てないさ」

かずみ「なら一体……」

ニコ「……かずみだって、暁美ほむらと戦いたいわけじゃないんだろ？」

かずみ「う、うん」

ニコ「なら――言う事を聞かせるだけさね」

サキ「おい……まさか」

ニコ「もーちと手札においときたかったけどさ……」

ニコの目に映るのは、万全になった暁美ほむら。

ニコ「全く、邪魔な奴だ」

945 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:35:27.51 ID:cOaxjjIAO

ユウリが吼える。

ユウリ「どけよ、ツインテ！！」

紫『退いたら貴女また戦うでしょう。これ以上の無茶を続けてはいけないわ』

ユウリ「――だったら退かせてやるよ！」

ユウリの手の中にハンドガンが現れる。
それから放たれた弾丸が、手錠に変わった。
束縛の一手。

紫「――――っ」

ほむらはそれらを斬り落としていく。
かつて世界の中心を欲したナイフが、今ここに軌跡を描いた。

ユウリ「コルノ・フォルテ！」

牛の使い魔がほむらの足元から飛び出してくる。
それを、マフラーを靡かせながら背中を蹴って避けた。

ユウリ「ちっ……」

そうして生まれた明らかな隙に対しても、暁美ほむらは攻撃を仕掛けない。
余裕があるからこその、その在り方。

故に。

サキ「隙あり！」

サキの鞭がほむらの右腕を拘束した。
次いで上空から降らすは、巨大な矢じり。

サキ「貫け！」

紫『……ぬるい』

溜め息をつき、その巨大な矢より巨大な自分の矢を、左手のみで弓から打ち出す。

紫「（口も随分器用になったものだわ）」

ニコ「よくやったぞ――トッコ・デル・マーレ」

946 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:36:25.49 ID:cOaxjjIAO

ほむらの身体を違和感が襲った。
魔法を受けたのは理解出来たが、ダメージは全く無かった。

紫『なに――？』

ニコ「かずみ、リーミティ・エステールニ。構えて」

かずみ「分かった！」

やりきった様な表情のニコ。
手に何かを弄ばせながら、ほむらに話しかけた。

ほむら「――――」

ほむらはその何かを見て、しかし理解が追いつかない。

左手を見て――指輪が無い事を確認する。

ニコ「ソウルジェムは預かったんだな。頼むから大人しくしてくれないかな」

ニコ「キミだって、これを潰されたらひとたまりもないだろ？」

しかしサキが気付いた。

サキ「何故変身が解けないんだ、ニコ？」

ニコ「（――、ソウルジェムが二つある！？――しまったな）」

ニコ「……いや、コイツはグリーフシードみたいだな」

ジロジロと、興味深そうに――指輪型のグリーフシードを眺めるニコ。

ほむらに、ようやく理解が追いついた。

947 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:37:18.38 ID:cOaxjjIAO

ほむら「かえして」

身体に力無く、酷く震えている。

彼女の魔法は、ソウルジェムを強奪する強引な魔法で。

奪われたのはまどかだったグリーフシードで。

ニコ「……ふむ、大切なモノらしいね。なら――」

ほむら「かえして」

ニコ「……？あぁ、大人しくしていれば――」

ほむら「かえして」

ユウリがほむらの異変に気付く。唯ならない気配が、彼女を包んでいた。

ほむら「まどかを――かえせ」

ニコ「え――」

948 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:38:01.91 ID:cOaxjjIAO

――――

――――激昂。

――――暴力。

――――蹂躙。

949 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:39:37.80 ID:cOaxjjIAO

――――

ほむらは、自分が震えて踞っている事に気付いた。

強く握られた手を開くと、そこには確かにまどかのグリーフシードがある。

彼女は安心した。

ユウリ「――化け物かよ」

プレイアデス聖団のメンバーの返り血の、血溜まりの中で――彼女は震えていたのだ。

死んではいない。
だが――しばらくは再起不能だろう。

ユウリ「……大事なモノだもんね」

この状況は確かに望んだモノだったが、しかし気に入らない。

ユウリ「……興醒めだな。じゃあな、血塗れ合唱団」

その場から動こうとしないほむらを見て、しばし思考。

ユウリ「……」

ユウリはその――まるで幼い少女を抱えて、その場を立ち去った。

950 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/19(月) 17:40:26.64 ID:cOaxjjIAO

まどか取られたらキレるよね。
投下終了。

951 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/19(月) 17:49:54.47 ID:FczAL5oLo

なんかしらんけど泣いた

952 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/19(月) 18:00:39.94 ID:b8sBrObSO

皆殺し？
だといいなぁ

953 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/19(月) 18:08:44.35 ID:2nZcoEVJo

藪蛇だったな

954 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/19(月) 18:35:42.52 ID:M/uqKQU1o

再起不能で助かったのかな、ヘタすりゃ粉微塵だったんじゃない？

955 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/19(月) 18:55:23.64 ID:qunJssa80

逆鱗に触れるとはまさにこの事だな。ちょっと違う気もするけど

956 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/19(月) 18:55:23.57 ID:d9bv4u2To

お疲れ様でした。

957 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/19(月) 18:55:57.02 ID:79lWPjJ3o

お？もうすぐ次スレか？

958 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2011/09/20(火) 02:00:48.10 ID:7Sx5NOn2o

う…動いてる…活動限界のはずなのに…

959 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/09/20(火) 07:25:04.68 ID:c/yPMzbc0

プレイアデス聖団には、おぞましき謎がある。……多分相当な目に逢っても仕方ないくらいの謎が…

960 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/20(火) 07:30:20.16 ID:4GorpmN5o

乱入のシーン
どこのユパ様だと思った

961 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/20(火) 12:33:49.06 ID:dReS6dVAO

警報で休みだSSが書けるよ！
ユパ様は俺も書いてから気付いた。
>>960はかなりの手練れ。

投下開始

962 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/20(火) 12:35:11.28 ID:dReS6dVAO

――――プレイアデスサイド

ニコ「む」ﾊﾟﾁ

ニコ「生きてるのかな」

里美「あっ、ニコちゃん起きたよっ」

JB「そりゃ良かった。まーた手酷くやられたなぁ」ﾔﾚﾔﾚ

ニコ「ありゃ正真正銘のお化けだ、敵わないよ」ﾑｸﾘ

サキ「死ぬかと思った……うぅ」ﾌﾞﾙｯ

かずみ「…………」ｷｾﾞﾂ

ニコ「（まずかずみを戦闘不能にした辺り、手練れだねぇ）」

カオル「私たちなんか木っ端みたいな扱いだったんだけど」

サキ「……そう言えば海香、例の魔法でアイツの弱点を読み取っていただろ？」

海香「……えぇ、でも」ﾍﾟﾗ

無敵

みらい「うわ……マジ？」ﾀﾗｰ

963 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/20(火) 12:37:18.17 ID:dReS6dVAO

海香「まさかと思って2ページ目を使ってしまったのだけれど……」ﾍﾟﾗ

無理無理無駄無駄不可能不可能絶対勝てない逃げろ
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げ
ろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃
げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げ
ろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃
げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げ
ろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃
げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ

里美「…………」

カオル「…………」

みらい「……どうすんのコレ」

サキ「……ニコ」

ニコ「無理なんだなー」ﾊﾊｯ

サキ「洒落にならないぞ……」

かずみ「う、うーん……」ﾓｿﾞ

海香「っ。かずみ、起きたの？」

かずみ「いたた……あれ、あの子は？」ﾑｸﾘ

ニコ「……どうやらユウリとやらと一緒みたいだな」ﾍﾟﾗ

カオル「手紙？」

964 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/20(火) 12:38:40.58 ID:dReS6dVAO

ニコ「果たし状だな。今一度、一切の邪魔無くぶちのめしたいってさ」ﾌﾑ

サキ「行くわけないだろ……人質を取られてる訳でもない」ﾊｧ

かずみ「…………」

ユウリ『記憶も無い、思い出も無い。掴まる場所が何も無いのに、どうしてそんなに自信満々でいられる？』

かずみ「自分で考えて……か」ｷｯ

サキ「かずみ？」

かずみ「行こう、みんな。ここで行かなくても、いずれまたあの子は私たちを狙うよ」

かずみ「それに……あの子は『復讐』って言ってた。私たちがあの子に何をしてしまったのか、知る義務があるよ」

ニコ「……キミの言葉は」

かずみ「…………」

ニコ「いつも、ココロにくるね」

ニコ「治癒が済み次第、手紙に示された場所に向かおう。ジュゥべえ」

JB「へいへい。穢れを吸うぜぃ」ﾋﾟｶｰ

かずみ「ありがと……ワガママに付き合ってもらっちゃって」

ニコ「いいさ、かずみの決めた事ならね」

965 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/20(火) 12:39:28.63 ID:dReS6dVAO

――――悪魔の調理場

ユウリ「……落ち着いたか？」

紫『……えぇ、世話になったわね』

ユウリ「それが、オマエの大事な人か？」ﾋﾟｯ

紫『……えぇ』

ユウリ「……理解出来ないがな。私なら見殺しになんて出来ないしね」

紫『貴女も――長い迷路に閉じ込められてしまえば、分かるわ』

ユウリ「……よっぽどなのかねぇ、それは」

ユウリ「アタシも結構イカれてる自覚はあったんだけどねぇ……遥かにアンタの方がヤバいな」

ユウリ「一人の人間を救う為にン千年だろ？バカ通り過ぎて愚か者だよ」

紫『そう……かもね』ﾌﾌｯ

ユウリ「……でも羨ましい。私も、そんな願いを祈っていたら――」

あいり「ユウリに、会えたのかな」

966 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/20(火) 12:40:34.58 ID:dReS6dVAO

――――

ユウリ「ま、なんにせよアイツらがボコボコにされるのは見てて気持ちよかったね」ｹﾗｹﾗ

紫『……私は何をしたの？』

ユウリ「覚えてないか……いや、覚えてりゃそんな顔は出来ねぇな」

ユウリ「まずあの生け簀かなぇ喋りの女の顔面を殴り飛ばしたんだが、とても知覚出来る速度じゃなかった」

ユウリ「盗られたソウルジェム？をむしり取って、その後飛び掛かってきたかずみを……グシャッと」

紫『……深く聞かないわ』

ユウリ「キヒヒ。後はしっちゃかめっちゃかだったよ」

ユウリ「アイツら焦ってさ……あぁ、死に直面した奴の顔って言うの？アレが最高でさ」ｹﾀｹﾀ

ユウリ「『抵抗しなきゃ殺される』ってのがアリアリと伝わってくんの。笑っちゃったわ」

ユウリ「ナイフ、見てみ？」

紫「――――っ」ﾊｯ

ユウリ「血まみれだろ？」ﾆﾔﾆﾔ

ユウリ「アンタは敵に回したくないねぇ、まったく」ﾋﾋｯ

ユウリ「実はココにプレイアデスの奴らを招待してるんだけどさ、邪魔しないでもらいたい訳」

967 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/20(火) 12:41:48.30 ID:dReS6dVAO

紫「…………」

ユウリ「おっと、あんだけやっといて私はダメ、なんて理屈は通らないからな」

ユウリ「それに見たろ？アイツらはぶっ殺されても仕方ない奴らだって」

紫『――？』

ユウリ「『トッコ・デル・マーレ』……相手のソウルジェムを奪う魔法」

ユウリ「アイツらは『ジェム狩り（ピックジェムズ）』をやってたんだよ」

紫『……それは一体？』

ユウリ「魔法少女のソウルジェムをコレクションするのさ。となれば、当然その魔法少女は――」

紫『死ぬ――何のために！？』

ユウリ「他にソレをしている奴を見かけた事があるが――キレイなんだとよ」

紫『――は？』

ユウリ「最高の宝石なんだってさ、奴らに取っては。アタシのは全然魅力が無いらしいが」ｸｸｯ

紫『――バカげてる』

ユウリ「だろ？」

ユウリ「ま、でもアンタのお陰で使い手が誰か分かった――アイツは最初に潰しゃいい」ｷﾞﾘｨｯ

968 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/20(火) 12:42:35.80 ID:dReS6dVAO

紫『……かずみが記憶を無くしているのも』

ユウリ「何かあるんじゃないか、とは踏んでるんだが……アイツはユウリを殺した時には居なかったんだ」

ユウリ「誘拐して尋問しようとしたんだが……」

紫「？」

ユウリ「……うっかりソイツが入ったトランクを間違えてな」ｶｧｯ

紫「（……意外とドジッ子？）」

ユウリ「――っと、招いたつもりはないのだけれど」ｽｯｸ

紫『――魔獣の気配』

ユウリ「オマエ風に言うなら『ワルプルギスの夜』かぁ？随分な数だけどね――」ﾆﾔﾘ

ユウリ「このユウリ様の相手にゃ役者が不足だな」

969 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/20(火) 12:43:04.24 ID:dReS6dVAO

投下終了。

970 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/20(火) 12:46:25.45 ID:0KrgD+jDO

乙！！

完結は次スレか

971 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:24:53.99 ID:+pqaYe8AO

3スレ目とかヤバい。

投下開始。

972 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:25:42.44 ID:+pqaYe8AO

――――料理されるべきワルプルギス。

ユウリ「ハハハッ、いいねぇいいねぇ最っ高だねぇ！」

ユウリがハンドガンを召喚し、一斉に掃射する。
ソレは魔獣の群れを確実に屠っていった。

紫「…………」

淡々と魔獣を処理するほむら。
魔獣の数は、今まで経験したどのワルプルギスの夜よりも多かった。
しかし、それでも負担を感じなかったのは、ユウリの強さが原因だろう。

紫「（最初から半魔女化しているようなものだものね……戦闘力は半端じゃないって事かしら）」

ユウリ「コルノ・フォルテ！」

牛の使い魔が魔獣を突き飛ばす。

ユウリ「数が多いな……ちっ」

多数の魔獣がユウリの足元から姿を表した。
瞬間、包囲されてしまう。

だがユウリは2丁拳銃を巧みに操り、打撃と銃撃を織り混ぜた乱舞によってそれを瞬く間に殲滅した。

彼女のソレは、余裕の笑みを溢す程の力量で。

973 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:27:53.25 ID:+pqaYe8AO

紫「…………！」

一方でほむらは素早く刺々しい戦いを繰り広げていた。
魔獣を寄せ付けず、近寄る個体は斬って捨て、そしてソレが居なくなれば弓を放つ――その繰り返し。

紫「――！」

ユウリ「――！」

二人が魔獣の異変に気付いて飛び退く。
足元が爆発を起こして、そこから再び有象無象が沸き上がった。

お互い背中合わせになって、途切れる事の無い魔獣へと目を向ける。

ユウリ「……私を殺すのは難儀なんだな、と痛感するわ」

紫『奇偶ね。私もそう思うの』

ユウリ「けっ」

そう言って、全く同じタイミングで魔獣へと突っ込む二人。
力量が似通っているという証拠なのだろうか。

ユウリ「這いつくばれよ、無様にな！」

ユウリは、身体スペックという点で魔法少女のソレを大幅に凌駕している。
使い魔を操る事も出来るし、恐らくは結界を張る事すら可能だろう。
良くも悪くも「人型の魔女」なのだ。

紫「…………」

そのユウリに大幅に性能で水を開けられてしまうほむらだったが、しかし培った経験と磨き抜かれた技術は他の魔法少女の追随を許さない。

二人のコンビは、即席ながらにバランスが取れていたと言って良いだろう。

974 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:28:43.66 ID:+pqaYe8AO

ユウリ「それっ！」

ユウリが魔獣たちを巨大なリングで一纏めにした。

紫『銃を一丁』

ユウリ「はいよ」

ハンドガンを投げて渡すユウリ。
こんな小物らのトドメなら幾らでもくれてやると言わんばかりに。

ほむらの手に渡ったそれが、巨大な対戦車ライフルに変わる。

ほむら「――ティロ・フィナーレ！」

当然とばかりに、巨大な魔法の弾丸が魔獣を消し飛ばして――一時、静寂が訪れた。

975 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:29:46.08 ID:+pqaYe8AO

――――

ユウリ「やるじゃん」

紫『貴女こそ』

ユウリは――そう、『悪くない』と言いたげな表情をしていた。

魔法少女らしい事をしたのは、思えば始めてだったかもしれない。

ユウリ「こんなのも、ま、たまにはね」

ユウリ「誰も恨まない戦い。誰も憎まない戦い」

彼女は髪を掻き上げて、来客の方を見た。

紫「…………っ」

ユウリ「ようこそ、悪魔の調理場（イーブルキッチン）へ。ちゃんと読んだね、果たし状（ラブレター）」

プレイアデス聖団「…………」

彼女の目の前には、7人の魔法少女。
憎き者たち。彼女の呪い（いのり）。

976 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:31:00.66 ID:+pqaYe8AO

――――

紫「…………」

ユウリ「邪魔はしないでね、暁美ほむら。手助け、干渉、一切無用だ」

ユウリは手を広げて歓迎の意を表した。
プレイアデス聖団の全員に緊張の糸が走る。

ユウリ「この場所に覚えはあるかい、プレイアデス？」

かずみ「？」

そう言われてかずみは回りを見回した。
そこはコンサートホールのような、ステージと観客席に別れた場所で。

サキ「……さて、な」

ユウリ「そうだよねぇ！分かるわけない！でもね――」

ユウリ「アンタらに取っちゃ十把一絡げなのかもしれないけど、アタシに取っては唯一（オンリーワン）だったんだよ」

ユウリの身体が淡い光を放った。

ニコ「――やられた、罠だ！？」

ユウリ「遅いんだよ！」

かずみ達の足元に巨大な魔法陣が浮かび上がる。
それはこの世を灼く光の螺旋。

ユウリ「――イル・トリアンゴロ！！」

焦熱がプレイアデス聖団を包んで、彼女らの命を削り取っていった。

977 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:37:28.82 ID:+pqaYe8AO

サキ「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！？」

ニコ「――海香！」

海香「結界を……っ」

海香が聖団を包む結界を張って防御を試みるが――それでも軽減するので精一杯だった。

ユウリ「ハハッ、いい声――でも、許してあげない」

極炎の勢いは益々増し、火炎舌は彼女らの肌を舐める。

海香「くぅぅ……もたないっ！」

結界が爆ぜて、プレイアデス聖団のメンバーらが火炎から投げ出される。
大なり小なり、ダメージを負った彼女らは立てなくなっていた。
結界越しにでも容赦無く焦がした、ユウリの魔法の強力さを端的に現している。

ただ、かずみだけは立っていられた。

かずみ「はぁっ……はぁっ……」

ユウリ「――へぇ、丸焦げになったと思ったんだけど、意外と耐えるねアホ毛」

かずみ「よくも、やったな……」

杖を構えて、芸も無く突っ込んでくるかずみを、ユウリは安々と銃で受け止めた。

978 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:39:30.94 ID:+pqaYe8AO

鍔迫り合う。

かずみ「皆をひどい目に合わせる――」

ユウリ「だが私を殺したのはオマエらだ」

かずみ「――、何を言ってるの。アナタは今ここに生きているじゃない！」

ユウリ「この私を生んだのがお前らなら、その私を殺したのもお前ら、なんだよぉっ！」

鍔迫り合いが解かれる。

かずみ「うぁっ――っ！？」

すかさずリングを撃ち込み、かずみを拘束した。
ユウリの手に怪しげな「種」が露になる。

かずみ「それは――悪意の実（イーブルナッツ）……」

紫「（……？――あれはまさか、孵化寸前のグリーフシード――いや、在るわけがない）」

紫『貴女。それは一体――』

ユウリ「手出し無用と言ったはずだ」

手の平で種を踊らせるユウリ。

ユウリ「コイツの事は知らなかったか――これはイーブルナッツ。人の呪いを引きずりだして、化け物へと変える禁忌の果実」

かずみ「や、やめて――」

かずみが必死に身体を捩るが、拘束が解ける事はない。

ユウリ「さて、お前はどんな化け物になるかな……？」

カオル「海香ぁぁぁぁっ！！」

979 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:40:59.72 ID:+pqaYe8AO

ユウリ「――っ！？」

ユウリが声の方――上空へと目を向けると、そこにカオルを捉える事が出来た。
傷が、何とか動ける程に回復している。

彼女は身体を引き絞り、全力の一球を構えていた。

海香が魔法球を放つ。

カオル「パラ・ディ――」

それに足を合わせて蹴り抜く――ただ、それだけ。

カオル「――キャノーネ！！」

ユウリに真っ直ぐ突き進むそれは、彼女にダメージを与える――はずだったのだ。

ユウリ「ふん」

ユウリとかずみの周囲に結界が張られ、魔法球はそれにぶつかり弾け飛ぶ。

カオル「なら――これでどうだ！」

そのまま空中から飛び蹴りを叩き込むカオル。
結界に阻まれるまでは、彼女も予想していた。

結界が、彼女を『弾き返した』。

カオル「なっ――」

吹き飛ばされ、強かに地面に叩きつけられてしまう。
ユウリの結界は、驚く程強固だった。

みらい「――よーっし、動けるぞっ！」

里美「みんな、大丈夫だね？」

サキ「よっし、リベンジだ！」

ニコ「サキそればっか」

プレイアデス聖団のメンバーが次々に立ち上がる。
回復を最小限に留め、最低限機動できるだけの能力を得たのだ。

980 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:42:23.78 ID:+pqaYe8AO

ニコ「撹乱を頼んだ」

サキ「任された！」

海香、カオルを含む五人が、一斉に魔法を使う。

「エピソーディオ・インクローチョ！」

魔法の布がユウリの視界を覆い尽くす。
神那ニコの姿を隠して。

ユウリ「――しゃらくさい！」

牛の使い魔がその布を突き破り――目の前の『設置されていた』刺だらけの壁に突き刺さって悲鳴を上げた。

ユウリ「コル！？」

ニコ「――意識を向けてしまったね」

ユウリ「っ！！？」

見れば、ニコが死角から現れていた。
突き破った布に巻き込まれる形で、身体を隠していたのだ。

ニコが地面に手を当てると、そこが砕けて瓦礫の山となった。
その瓦礫が集まって、ニコの分身を形作る。

その数、凡そ一百。

ニコ「プロドット・セコンダーリオ」

分身たちが一斉に結界に体当たりを始めた。
あるものは砕けて再び『構成』され、またあるものは吹き飛び尚も体当たりして。
それでも結界は微動だにしない。

ユウリ「無駄無駄、ハハハッ！」

サキ「笑う余裕が何時まで持つか、試してみるかぁ！？」

サキ、みらい、里美が得物を構える。

サキ「フィリ・デル・トアノ！」

981 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:43:30.67 ID:+pqaYe8AO

光線が結界に突き刺さるが、それも反射してしまう。

海香「今よ！」

カオル「もう一発、パラ・ディ――」

不意に結界が解かれる。
ユウリが手を掲げていた。

ニコ「――マズ」

ユウリ「イル・トリアンゴロ！」

再び、業火がプレイアデス聖団を包んだ。
ユウリが手を握ると、ソレが爆発に変わって――

紫『……凄まじい火力ね』

倒れ伏す六人。

サキ「ぐぅ……かずみ……」

かずみ「みんな――！くそ、離せ、離してっ！」

ユウリ「……お前は何故そんなに必死になるんだ？」

かずみ「何を今さら……みんなは仲間なんだ、私の、大切な！」

かずみ「アナタだって魔法少女なんでしょ！どうして魔法少女同士で戦わなくちゃならないの！？」

982 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:47:20.73 ID:+pqaYe8AO

かずみの目は、澄んだ真っ直ぐなモノで――酷く歪だった。

ユウリの目は、濁り曲がったモノで――しかし真っ直ぐだった。

ユウリ「聞いたか、プレイアデス。『仲間』だって――お前らみたいな奴らが、だ」

ユウリ「疑問に思わないか、かずみ」

かずみ「……？」

ユウリ「オマエは、何故記憶が無いんだろうな」

達観したような、深い息。

ユウリ「オマエは知らないんだ。プレイアデスの奴らが何れ程の外道かを、な」

かずみ「それが……復讐の理由？」

ニコ「耳を傾けるな、かずみ！」

ニコの声も、今は遠く小さい。

ユウリ「アイツらは、私の大切な友達を殺した――ユウリを」

かずみ「――ユウリ？」

ユウリ「魔法少女だった。病弱な私を救う為に魔法少女になった――当然、待っていたのは魔獣との戦いの日々」

ユウリ「彼女は日に日に傷付いていき――やがて力尽きて化け物へと変わってしまう」

983 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:48:17.30 ID:+pqaYe8AO

かずみ「……どういう、事？」

ユウリ「魔法少女の末路は魔獣のような怪物になる事なんだよ」

ユウリ「私はそんな事知らなかった……そんなある日、ユウリが居なくなる」

ユウリ「ユウリを探して歩き回った。そうしたら結界の中に入り込んでしまった」

ユウリ「そこにいた化け物に襲われそうになった私を助けたのが、プレイアデス聖団だ。その化け物をぶっ殺してな」

かずみ「……？」

ユウリ「分からないか？」

ユウリ「その化け物はユウリで――ユウリを殺したのはなぁ――そこに転がってる人でなしどもだっつってんだよっ！！」

984 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:49:15.06 ID:+pqaYe8AO

かずみ「――でも」

ユウリ「あぁそうさ、分かってる。魔法少女なら当然の行いだろうな」

ユウリ「でも許せない――」

ユウリ「あの時、何も知らない私は言ってしまった」

ユウリ「『ありがとう』」

ユウリ「『ありがとう』『ありがとう』『ありがとう』『ありがとう』『ありがとう』『ありがとう』」

かずみ「――っ」

ユウリ「親友を殺されて礼を言った私を、私自信が許せないんだよ！！」

ユウリ「だから止めない、だから赦さない。オマエらが謝る事に何の意味もない」

ユウリ「だから私はユウリになった。復讐をするために――」

ユウリ「いや、本当に殺したいのは――私自身」

ユウリ「だけど奪ったのもまたプレイアデスだ――だから私も」

かずみの顎を持ち上げて、目を合わせる。

ユウリ「奴らの大切なモノを奪うのさ」

ユウリが、悪意の実を植え込んだ。

985 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/22(木) 23:49:46.49 ID:+pqaYe8AO

投下終了。

986 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/22(木) 23:54:08.96 ID:f86CbyGOo

お疲れ様でした。

・・・・・・・・。むぅ・・・・・・・・。

987 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2011/09/22(木) 23:56:18.88 ID:QQCl2XC40

乙
まど神によるスーパー円環の理タイムが始まる……のか？

988 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/09/23(金) 00:27:08.30 ID:fJMVeVLK0

乙です
ユウリ本人で概念が作用しなかったのも気になるところだけど、どうなるかなあ…

989 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/23(金) 03:01:38.97 ID:uQPN8DdIO

乙です。

コンサートホール、か………隅っこに人魚が座ってそう

990 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/09/23(金) 10:24:09.06 ID:QJQmLMuO0

おつおつ

991 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) ：2011/09/23(金) 18:22:34.78 ID:ZXfhq8pgo

乙

992 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2011/09/23(金) 18:23:59.27 ID:kWG6gfyAO

おい

おい

993 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2011/09/23(金) 18:33:56.55 ID:QN0oHtyGo

そろそろ次スレの準備をだな

994 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]：2011/09/23(金) 23:17:33.09 ID:LwPmhzSAO

ほむら「次スレよ。多分パソコンの人も安心のurlだと思うわ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316787117/

995 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/09/24(土) 00:12:52.71 ID:Y3V33JDIo

PCからも無事に開けましたよー

996 ：伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]：2011/09/24(土) 00:34:47.68 ID:lgZKwChAO

よしよし、やり方は覚えてたみたいだ。
未来編はこのスレ以内に納めるつもりだったんだけどなぁ……やっちまったぜ！

997 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/24(土) 00:41:47.28 ID:q79ydwwHo

はーい私このスレ埋めまーす
4

998 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/24(土) 00:42:47.22 ID:q79ydwwHo

999 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/24(土) 00:43:27.77 ID:q79ydwwHo

1000 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/09/24(土) 00:44:10.63 ID:q79ydwwHo

1001 ：1001 ：Over 1000 Thread

　　　　　　　　　　　　　　わ～い、>>1001ゲット～
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1002 ：最近建ったスレッドのご案内★ ：Powered By VIP Service

VIPでサバイバルゲームで村つくろうぜHaven and Hearth ＠ 2011/09/24(土) 00:33:53.37 ID:+mC7GvC2o
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ここだけ全員焼肉店（防燃耐火店舗だから燃えないよ！）　467店舗目＠ 2011/09/24(土) 00:05:28.87 ID:Y6pPFvBmo
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幼馴染に片思いしている＠ 2011/09/23(金) 23:56:57.61 ID:04uhBd72o
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ホムンクルス｢逃げよう｣＠ 2011/09/23(金) 23:51:43.12 ID:SdMyGwaY0
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35カ国くらい旅行したから写真うｐする＠ 2011/09/23(金) 23:48:52.65 ID:5niAYK3lo
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カッとなってやった＠ 2011/09/23(金) 23:43:31.93 ID:Yaq7wQeio
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ほむら「キュゥべえをレイプしたらソウルジェムが浄化された」3 ＠ 2011/09/23(金) 23:11:57.22 ID:LwPmhzSAO
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暇電話＠ 2011/09/23(金) 23:11:47.65 ID:s2UK5NbDO
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