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上条「海外旅行!」美琴「イギリス!」心理「ご飯がまずい」垣根「ひもじいよぉ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 11:59:30.26 ID:dEmOoZX+0
前スレはこちら

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314512717/


スレ内容

上琴、未元定規がメインのギャグほのぼの

一方通行×番外個体
テクパトル×19090号
削板×黒子
エツァリ×ショチトル
俺×サトリナ

何もおかしいところはない

サトリナさんは俺の嫁

速さが足りないコメは諸事情によりお控えいただけたら幸いです



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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:07:05.87 ID:dEmOoZX+0
キャラ紹介

上条当麻・・・本シリーズの主人公
     美琴と付き合っているリア充
     フラグ建築は変わりませんが、美琴への愛情は素晴らしいものがある


御坂美琴・・・上条の嫁
     もうツンデレではなくデレデレ
     胸が弱い


垣根帝督・・・本シリーズもう一人の主人公
     ギャグもシリアスも出来るけど、最近はツッコミ


心理定規・・・垣根の嫁
     落ち着いていて、みんなのアイドル
     でもたまに非常に冷たい、非常にだ

インデックス・・・上条さんと美琴の関係をうらやましそうに見つめる人
       早くステイルと幸せになるべきだ

ステイル・・・インデックスのことが好きな中学二年生
     というよりも厨二

イノケンティウス・・・かつて世界に革命をもたらした男
         「ミサかわいい」「おっぱいは揉むのではなく掴むもの」「男は度胸、女は胸」など数々の名言を残す
         巷では「マゾ狩りの王」「おっぱいオニア」の呼ばれ、崇拝すらも行われている
         恋人にしたい使い魔ランキング、男前な使い魔ランキングでは12年連続一位
         ただし「抱かれたくない使い魔ランキング」でも一位
         理由は抱かれたら火傷するから
         たびたびステイルの相談に乗るも、あまりまともなアドバイスはしていない
         上条さんを尊敬しており、また心理定規に一目ぼれしている
         魔女狩りといえばジャンヌ・ダルク?と言う人には容赦しない
         そう、ジャンヌ・ダルクは魔女裁判で死んだのではないのだ
         ちなみに好きな食べ物は「カリフラワー」 嫌いな食べ物は「ブロッコリー」
         好きな女は「ジッポ」「チャッカマン」 苦手な女は「クールなヤツ」
         

 
3 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:08:44.93 ID:dEmOoZX+0
なお

かなりのオリジナル設定

キャラ崩壊

原作崩壊

民主党崩壊

しています

別にツッコんでほしいわけじゃないからね

グダグダ、ほのぼのが嫌いな方は読まないほうがいいのかと思われますw


4 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:11:20.96 ID:dEmOoZX+0
では本編!



上条「・・・着きましたね」

美琴「・・・」

心理「美琴、機嫌直しなさい」

美琴「・・・当麻がスチュワーデスに触ったのが悪いのよ」

上条「だから!わざとじゃないんだって!」

美琴「・・・で?」

上条「あぁもう!抱きしめたら許してくれるんですか!?」

美琴「い、いいわよ恥ずかしいから!」

垣根「・・・いいから早く行こうぜ」

垣根がちらり、とインデックスを見つめる

上条と美琴のやり取りを少し寂しそうに見ていた

イン「・・・」

上条「ん、どうした?」

垣根「上条、とりあえず御坂に謝れよ」

上条「う・・・ごめんなさい」

5 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:11:47.05 ID:dEmOoZX+0
美琴「ま、まぁ・・・いいわよ別に」

心理「さ、早く行くんでしょ」

心理定規が垣根の手を引く

イン「あ、道案内は私がするんだよ!」

上条「ナビ代わりに便利だな!なんて・・・」

イン「とうま・・・!」

上条「え、あぁ!?冗談だから・・・うわぁぁぁ!」

美琴「イ、インデックス!?口を開けて何するつもり・・・」

イン「とうまぁぁぁ!」

ガブリ、とインデックスが上条の頭に噛み付く

なんだか懐かしい光景だ

上条「ぎゃぁぁ!噛み付くな!痛い、痛いから!」

垣根「仲良しだな」

上条「なんだその投げやりな態度!?痛い!」

イン「ナビ代わりって何!?私はカーナビと同じレベルなの!?」

6 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:12:18.56 ID:dEmOoZX+0
上条「違うから!あ、タクシー発見!だから離して!」

イン「反省してほしいんだよ!」

インデックスの歯が上条の頭を締め付ける

信じられない攻撃だ

心理「・・・美琴、ヤキモチ妬いたらダメよ」

美琴「妬かないわよ・・・」

そうは言っているが、じっと二人を凝視している

うらやましいのだろう

垣根「はいはい、タクシー乗るぞ」

垣根がタクシーを止める

結局、上条がインデックスの攻撃から解放されたのはタクシーに乗るために仕方なく、だった


上条「・・・不幸だ」

イギリス清教の寮へ向かうタクシーの中、上条はつぶやいていた

まだ旅行が始まって数時間

その数時間の間に何回不幸だ、と言っただろうか

7 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:12:55.48 ID:dEmOoZX+0
美琴「・・・大丈夫?当麻?」

美琴が優しく上条の頭を撫でる

上条「あぁ・・・美琴は優しいな、誰かと違って」

イン「なに!?私と違うって言いたいの!?」

インデックスが前の席から文句を言う

心理「やめなさい二人とも、運転手さんに迷惑よ」

イン「で、でも日本語わからないはずだから・・・」

心理「騒いでいるってことは伝わるのよ、ここは自分の家じゃないの」

イン「う・・・」

上条「あ、でもほら!俺もまぁ悪かったわけだし・・・」

心理「二人とも悪いのよ、大声出して喧嘩だなんて情けない」

心理定規が顔をしかめる

彼女はこういうマナーについてはかなり厳しい

上条「あ、もしかして怒ってる!?」

心理「大声出さないの」

イン「メジャーハート・・・怒ってるの?」

心理「・・・あなたたちが反省してくれるなら問題ないわよ」

心理定規がため息をつく

8 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:13:21.80 ID:dEmOoZX+0
垣根「まぁまぁ、運転手も困ってるしそこまでにしときな」

横から垣根が助け舟を出す

たしかに運転手は複雑な笑いを浮かべていた

美琴「そうね、ここまでにしときましょ」

垣根「・・・で、今はどこに向かってるんだ?」

上条「イギリス清教の寮・・・って分かるか?」

心理「あら、十字教よね・・・そこに知り合いがいるの?」

上条「まぁ・・・いろいろ厄介に巻き込まれたりしてるからな」

垣根「いいじゃねぇか、国境を越えた友情」

美琴「・・・友情で済めばいいけどね」

美琴がため息をつく

彼女は知っている

ステイルという少年が上条を恨んでいることを

というよりも、ヤキモチに近いだろう

インデックスに好かれながら、インデックスではなく美琴を選んだ上条に羨望の眼差しを向けているのだ

自分なら絶対に、インデックスを選ぶはずだと

9 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:13:48.37 ID:dEmOoZX+0
上条「・・・喧嘩にならなきゃいいけどな」

心理「あら、友達なんじゃないの?」

上条「いや・・・若干荒いヤツでさ」

垣根「ヤンキーか」

上条「ちげぇ・・・」

上条が肩を落とす

早く着いてほしい、と思う反面、着いてほしくないという気もしてしまう

もう一度ため息をついてから、上条は座席に頭を預けた


心理「そういえば、インデックスはイギリス人なのよね」

イン「うん、イギリス清教の一員なんだよ」

心理「あら、そうだったの」

垣根「言っておくけど勧誘は御免だぜ」

イン「え、あ、うん」

上条「大丈夫だよインデックス、垣根は別に怪しがってるわけじゃないからさ」

イン「そうなの?」

10 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:14:15.01 ID:dEmOoZX+0
垣根「まぁな、別に勧誘してこなきゃなんも問題ないし」

ケラケラ、と垣根が笑う

美琴「垣根はそういうの好きそうなのに」

垣根「なんでだよ」

上条「神話とか好きなんじゃないのか?」

垣根「それとこれとは別だろ」

垣根が呆れたように手を広げる

垣根「俺は神話とかは話として好きなだけだからな」

美琴「ふーん・・・なんか意外」

心理「あら、彼はこう見えても結構現実的よ」

クスクス、と心理定規が笑う

垣根「こう見えてもってな・・・」

イン「あ、着いたんだよ!」

二人の会話をインデックスが遮る

上条「お、ホントだな」

11 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:14:46.72 ID:dEmOoZX+0
美琴「なんか久しぶり・・・って当たり前よね」

垣根「へぇ・・・意外と普通の寮なんだな」

心理「そうね・・・もっとステンドグラスとかで飾られてるのかと思ってたわ」

イン「そんなに仰々しかったら誰も住みたくないんだよ」

もっともなことを言いながらインデックスが寮へと足を運ぶ


イン「ただいま!」

ステイル「!おかえり!」

すぐに、ステイルが出迎えた

ドアの前で待っていたのではないだろうか

上条「おーっす」

ステイル「・・・君もやはり来ていたんだね」

ステイルが顔をしかめる

垣根「・・・なぁ」

イン「うん、なに?」

12 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:15:14.87 ID:dEmOoZX+0
垣根「このでかいのはなに?」

イン「あ、私の友達のステイルなんだよ!」

心理「・・・ステイル君ね」

ステイル「・・・インデックス、この二人は?」

イン「垣根とメジャーハートなんだよ!」

ステイル「メジャーハート?偽名か何かかい?」

心理「あら、そんなことわざわざ言う必要はないんじゃないかしら」

心理定規がニコリと笑う

ステイル「あぁ申し訳ないな・・・」

上条「お前も元気そうでよかったよ」

ステイル「君が元気そうで残念だよ」

上条「いやなんでそうなるんだよ!?」

美琴「・・・ステイル、アンタは相変わらずね」

ステイル「・・・君もだね」

ステイルがため息をつく

13 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:15:42.50 ID:dEmOoZX+0
上条「なんだ・・・お前達なんか仲良くなったのか?」

ステイル「仲が良いってわけじゃないけどね」

イン「とうま、なんかみことは浮気の気があるみたいだよ」

美琴「違うわよ!」

上条「インデックス・・・お前なんか卑屈だぞ」

心理「・・・ステイル君とインデックスは幼なじみか何か?」

イン「そうなんだよ!たしか」

心理「たしか?」

ステイル「インデックスは昔の記憶が・・・」

上条「そうそう!昔の記憶無くしてるんだよ!」

心理「あらそうなの」

心理定規が驚いたように言う

垣根「・・・なぁ、お前らのキャラ設定とかどうでもいいんだよ」

垣根がため息をつく

垣根「俺は腹が減ってるんだよ」

ステイル「あぁ・・・これは申し訳ない」

ステイルが五人を寮の中へあげる

14 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:16:09.77 ID:dEmOoZX+0
神裂「おや・・・もう着いていたのですね」

イン「あ!かおりもいるんだよ!」

心理「・・・上条君、この人は?」

上条「あぁ、神裂だよ」

神裂「・・・こちらは?」

上条「垣根と心理定規さん・・・なんか説明疲れた、飯作ってくれよ」

神裂「・・・来て早々それですか」

神裂がため息をつく

神裂「オルソラに頼んできます、みなさんはここで待っていてください」

一礼してから神裂が寮の2階へ向かう

垣根「・・・なんか素っ気ないな」

美琴「でもいい人よ?」

上条「そうそう」

心理「・・・なんか私と同じ匂いがするわね」

上条「あぁ・・・たしかに似てる気がする」

上条が頷く

心理定規も神裂も冷静で、しかもみんなから一目置かれている

15 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:16:35.61 ID:dEmOoZX+0
美琴「・・・ねぇ、これからどうするの?」

上条「俺は美琴と二人でどっか回りたいかな・・・垣根は?」

垣根「心理定規とデートだ、ステイルとかいうのはインデックスでも案内してやってくれよ」

ステイル「ぼ、僕がかい!?」

ステイルがあからさまに焦りを見せる

垣根「今日はクリスマスだ、めでたいこった」

心理「あら、じゃあクリスマスをあなたと二人きりで過ごそうかしら」

二人がステイルを見ながら笑う

彼がインデックスに好意を抱いていることに気づいているのだろう

上条「じゃあがんばれよステイル、飯食ったら一時解散だな!」

ステイル「ほ、本気か!?」

美琴「がんばりなさいね」

イン「?」


垣根「はー・・・食った食った、お姉さん料理上手いな」

オルソラ「まぁまぁ、それはよかったのでございますよ」

16 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:17:09.22 ID:dEmOoZX+0
上条「ありがとな、オルソラ」

オルソラ「いえいえ」

美琴「はぁ・・・イギリスでまさかこんなに美味しいご飯が食べられるなんて・・・」

オルソラ「あらあら、上条さんお久しぶりですね」

上条「は、今頃!?」

心理「・・・なんか不思議な人ね」

イン「オルソラ、美味しかったんだよ!」

オルソラ「まぁまぁ、まだお代わりはありますよ」

イン「お代わり!」

垣根「なぁ・・・俺はそろそろ出るけど、上条達はどうするんだ?」

上条「そうだな・・・俺ももう食べられないし」

上条が席から立ち上がる

美琴「じゃあ・・・私達は行くわね」

上条「またな、みんな」

垣根「あいよ」

心理「メリークリスマス、先に言っておくわ」

上条「ホテルは一緒だからまた会うかもしれないけどな」

17 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:17:37.47 ID:dEmOoZX+0
垣根「まぁな」

手を振って、二組のカップルは別行動を始める

ステイル「インデックス、僕たちは・・・」

イン「お代わりなんだよ!」

ステイル「・・・よく食べるな」

神裂「昔と変わりませんね」

ステイル「まったくだな」

ステイルがため息をつく

もう少し変わってほしいのだが、という意見は胸の中に留めておく


上条「さーて・・・どうしましょうか」

美琴「・・・どうしようね」

上条達はため息をついていた

イギリスに来るのは三度目だった

18 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:18:03.41 ID:dEmOoZX+0
だから、というわけではないがある程度回ってしまっているのだ

上条「・・・クリスマスのイルミネーションが綺麗だな」

美琴「なんか幻想的よね」

美琴が周りを見渡す

キラキラと輝いているイルミネーション

それを眺めて喜んでいる若者

それらが全て、ほほえましく美しい光景だった

美琴「・・・なんか・・・ちょっと楽しいな」

美琴が上条の腕に抱き着く

慎ましくも柔らかな胸の感触に上条はドキリとしてしまう

上条「あ、あの美琴さん・・・胸が当たってます」

美琴「!あ、当ててるってことにしといて」

上条「はぁ・・・」

ドキドキ、と胸の高鳴りを覚えながら二人は歩く

19 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:18:31.43 ID:dEmOoZX+0
上条「にしても・・・前来たときとかなり雰囲気が違うな」

美琴「そりゃ・・・時間が経ったんだから仕方ないんじゃない?」

上条「なんか、世界はやっぱり回ってるんだよなー」

美琴「なに当たり前のこと言ってるのよ・・・」

上条「だってさぁ・・・なんか面白いだろ」

上条が苦笑する

美琴「面白い?」

上条「ほら、いつも住んでる学園都市の変化には気づかないけどさ・・・」

美琴「あぁ・・・こういうところだと客観的に考えられるってわけね」

上条「そうそう・・・」

美琴「なんか・・・当麻らしくないわね」

美琴が苦笑する

美琴「もっとこう、まっすぐになーんにも考えずに生きてそうなのに」

上条「な、なんだよそりゃ!」

20 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 12:18:58.29 ID:dEmOoZX+0
美琴「あはは!でもなんか意外で面白いわよ」

上条「・・・なんだよ、こっちは真面目に言ってるのにさ」

美琴「・・・当麻、なんか当麻らしくないわよ?」

上条「だって・・・クリスマスだしオシャレにしたいじゃないか」

美琴「ん、いつもの当麻のほうがいいんだけど」

上条「じゃあそれでもいいかな」

上条が美琴の頭を撫でる

美琴「・・・当麻、愛してる」

上条「あぁ、俺も愛してるよ」

美琴「・・・どこ行く?」

上条「・・・じゃあとりあえず服でも見ましょうか」

二人は服を見に商店街へ出掛ける

上条「・・・やっぱり混んでるな」

美琴「うん・・・なんか動きにくい」

商店街はたくさんの買い物客でごった返していた

前に進もうとするだけでもかなりの体力を使ってしまうほどだった   
21 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 15:22:48.33 ID:dEmOoZX+0
上条「・・・暑いな」

美琴「うん・・・人混みはやっぱりね」

二人が溜め息をつく

相当な暑さなのだ

しかも周りから聞こえるのは英語

上条にとっては未知の世界である

美琴「ふーん・・・なんかサンタのおじさんが来るらしいわね」

上条「こっちはそういうのが盛んだもんな」

うらやましそうに上条がつぶやく

学園都市じゃ「サンタはいません」と夢のないことを言われて御終いだ

美琴「・・・サンタさん、私にも来てくれるかな」

上条「・・・え?」

美琴「ん?」

22 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 15:51:12.40 ID:dEmOoZX+0
上条「あ、いや・・・サンタ・・・」

美琴「いっつもサンタさん、私にプレゼントくれるのよ!」

上条「そ、そうなんだ・・・」

美琴「えへへ・・・//今年はいい子にしてたから大丈夫よ!」

上条「な、なにがほしいんだ?」

美琴「おっきなクマのぬいぐるみ!!」

上条「あぁ・・・テディベアみたいなのか」

美琴「そうそう」

美琴が頬に手を当てる

美琴「あのほんわかしてそうな体・・・たまんないわよね!」

上条「そ、そうですね・・・」

上条は内心焦っていた

もちろん、サンタなんていない


23 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 17:01:38.45 ID:dEmOoZX+0
美琴「来てくれたら・・・お礼のお手紙出すのよ!」

上条「で、でもサンタさんは見られたら体が溶けるんだぞ!」

美琴「そ、そうなの?」

上条「だから、枕元に手紙置いとけばいいさ!」

とりあえず、上条が適当にごまかす

美琴「・・・ねぇ、当麻は何頼むの?」

上条「ん、俺は美琴と幸せになれますようにって」

美琴「え、あ!!そ、そう!」

上条「・・・にしてもまだ進まないな・・・」

商店街の行列はまだまったく進まなかった

おそらく、入れるのにはあと1時間以上かかるだろう

上条「はぁ・・・しゃあないな」

美琴「・・・垣根たちはなにしてるかしらね」

上条「そうだな・・・」

二人が上を見上げる

少しだけ、雪が降っていた

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 17:54:21.92 ID:SlzNMkPA0
>>1
新スレ乙です
イノの説明でフイタ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/06(火) 18:05:04.19 ID:8af1Ri5d0
>>1 新スレ乙。

ミサカたち「>>1!!ミサカたちは待っているので頑張って下さい、とミサカたちは応援します!」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 19:54:51.33 ID:uwjH2Igso
一つ気になったんだけど、なんで付き合ってるのに名前と苗字別々なんだ?
27 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 20:31:37.51 ID:dEmOoZX+0
>>26 上条、と美琴のことならば理由は簡単

上条・美琴「〜〜!!」ってやったら結婚してるみたいになるから

それだけw


垣根「・・・ジンって美味いよな」

心理「そうね」

オシャレな二人は、バーで酒をたしなんでいた

周りにはダーツやらスロットやらがある

映画で見る、「ワーオなんて素敵なバーなの!」のイメージそのままだ

垣根「・・・乾杯」

心理「えぇ、乾杯」

チン、とグラスを鳴らして、二人が微笑む

よくもまぁ未成年の二人が入れたものだ

垣根「・・・さて、今日はクリスマスだな」

心理「そうね・・・どうする?」

28 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 20:38:08.90 ID:dEmOoZX+0
垣根「・・・そうだな、夜まではここで飲まないか?」

心理「あら、クリスマスイブなのにそれだけ?」

垣根「あのな、明日買い物でいいだろ」

心理「そうね・・・それでいいわ」

心理定規がジンを一口飲む

周りの客は、その姿に見とれていた

きっと隣に垣根がいなければ誰もが声をかけたり、何かをプレゼントしたりしていただろう

垣根「・・・お前、なんか溶け込んでるな」

心理「あなたもよ」

垣根「ここはいい雰囲気だな」

ぐるり、と垣根がバーの中を見渡す

心理「ダーツでもしない?」

垣根「おぉ、いいぜ」

垣根がゆっくりと立ち上がる

それだけで、周りの客が息を呑む

心理「誰か相手はいないかしらね」

垣根「そうだな・・・あそこのなんかよくわからんシスターっぽいのでいいんじゃないか?」

垣根が遠くの席に座っている二人を指差す

29 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 20:45:08.22 ID:dEmOoZX+0

アニェーゼ「ったく・・・シスタールチアはどこに行っちまったんでしょうね」

アンジェレネ「そうですよね・・・迷子になったんでしょうか」

アニェーゼ「私達が迷子になっちまったと言っても間違いではなんですが」

アンジェレネ「そ、それより・・・こんな店に来てよかったんでしょうか・・・」

アニェーゼ「なに言ってるんですか、赤ワインなんてイエス・キリストの血を表した聖なる・・・」

垣根「おいおい、ちょっとそこのお嬢さん方」

二人の会話をさえぎり、垣根が間へと入っていく

もちろん英語で話しかけている

アニェーゼ「・・・なんかイケメンに話しかけられちまいましたね」

垣根「もしかしてイギリス清教のシスターか?」

アニェーゼ「いつかはローマ正教を広めるつもりですけどね」

垣根「ふーん・・・まぁ俺もイギリス清教とは友達なんだ」

アニェーゼ「・・・どう見てもあなた、日本人じゃないですか」

垣根「上条って名前知らない?」

アニェーゼ「あぁ・・・あの少年の知り合いですか」

30 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 20:50:43.53 ID:dEmOoZX+0
垣根「そうそう・・・ここで会ったのも何かの縁だし、ダーツでもしないか?」

アニェーゼ「・・・こちらにとって何もプラスがないんですけどね」

垣根「なんでも奢るぜ」

アニェーゼ「・・・な、なんでも?」

垣根「あぁ・・・そういや、シスターって普段禁欲だなんだとか言ってひもじい思いしてるんじゃねぇの?」

アンジェレネ「そ、それはそうですけど・・・」

垣根「な、飯だろうが酒だろうが奢るぜ?」

アニェーゼ「・・・のった!」

アニェーゼが席から立ち上がる


心理「・・・よくもまぁ手駒にできたわね」

アニェーゼ「・・・なんですかこの綺麗な女は」

垣根「俺のフィアンセだ」

アニェーゼ「ちっ・・・まぁダーツすればいいんですよね?」

垣根「おう、ちっと長くなるけどいいか?」

アンジェレネ「と、とりあえず・・・スパゲッティを・・・」

垣根「あ?そんな安いのでいいのか?」

アンジェレネ「え?」


31 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 20:56:34.31 ID:dEmOoZX+0
垣根「もっと高いのでもいいんだぜ?こっちは付き合ってもらってる身なんだから」

アニェーゼ「じゃあステーキとか頼んでもいいんですか?」

垣根「あぁ、いいぜ」

アニェーゼ「・・・」


アニェーゼ(・・・顔はイケメン、お金は持ってる・・・話した感じ性格もよさそう)

アニェーゼ(彼女はいちまってますが・・・それ以外はほぼ完璧)

アニェーゼ(・・・これはなかなか私も幸運ですね)


垣根「じゃ・・・ファイブオウワンでいいだろ」

アンジェレネ「あ、あの・・・それってなんですか?」

垣根「・・・501点持ち点があってな、それをゼロにすればいいんだ」

アニェーゼ「じゃあ20のトリプル出しまくっちまえば問題ないですね」

垣根「最後はジャスト0にしないとダメなんだぜ」

アニェーゼ「・・・なかなか厳しい条件ですね」

心理「マスター、ジントニック」

「了解」

垣根「じゃ、始めるか」


32 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 21:00:22.38 ID:dEmOoZX+0

ルチア「はぁ・・・あの二人は一体・・・あ、すいません」

「ん、なんだい?」

ルチア「こういう二人組みを見ませんでしたか?」

「おぉ!!アンタこの二人の知り合いかい!?」

ルチア「え、えぇ」

「いやぁ、この二人はすげぇよ、ダーツがかなり上手いんだよな、プロの卵かなんかか!?」

ルチア「・・・ダーツ?」

「そこのバーで今日本人と戦ってるんだよ、いい勝負だぜ!!」

ルチア「・・・」

ルチアがこめかみを押さえる

通行人に一礼してから、すぐバーへと入っていく


ルチア「あ、いた!」


アニェーゼ「くそ・・・っ!1オーバー・・・」

垣根「・・・13か・・・こりゃ厳しいな」

心理「がんばって、垣根」


ルチア「・・・なにやってんですか」
33 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 21:03:52.73 ID:dEmOoZX+0
垣根「ははは!日本人をナメるなよ!」

垣根がダーツを構える

垣根「・・・!」

そして


垣根「よっしゃぁ!13!!」

アニェーゼ「ぐぁぁぁぁ!!!」

アンジェレネ「ま、負けました・・・」

垣根「7勝5敗・・・結構お前ら強いんだな」

アニェーゼ「ビギナーズラックってやつですよ」

心理「あら、初心者?」

アンジェレネ「はい、私達はこういう娯楽は普段できないもので」

垣根「なんだ・・・」


ルチア「シスターアニェーゼ、シスターアンジェレネ!!」

アニェーゼ「ん?うわ、見つかっちまいましたね」

アンジェレネ「こ、これにはわけが!!」

ルチア「言い訳は聞きませんよ!!」

垣根「おいおい吊り目のお嬢さん」

34 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 21:08:25.05 ID:dEmOoZX+0
ルチア「な、なんですかあなたは!?」

アニェーゼ「垣根ですよ、いい人です」

垣根「アンタもなんか食うか?」

ルチア「いりません!!神に仕えるものとして、私達は欲を・・・」

垣根「おいおい、そりゃ間違いだ」

垣根が手を広げる

今から語りだす、という合図だろう

垣根「あのよぉ、だったらなんで神様は食べ物を作った?」

垣根「いいか、神様が与えてくれた五感のうちの一つだぜ?」

垣根「それを蔑ろにするのはどうかねぇ」

ルチア「な、なにを・・・」

垣根「俺の知ってる神様はちょっとの過ちは笑って許してくれるんだぜ」

垣根がケラケラと笑う

もちろん、彼は無神論者なのだが

心理「そうね、あなたもクリスマスくらいはくつろぎなさい・・・えっと・・・」

アニェーゼ「シスタールチアですよ」

心理「ルチアさん、ね?」

ルチア「う・・・」


35 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 21:15:57.09 ID:dEmOoZX+0
垣根「さ、じゃんじゃん飲もうぜ!」

ルチア「の、飲みはしませんから!」

三人の「敬虔な」シスターを巻き込んだ飲み会

その飲み会は、夜まで続く羽目になる


イン「ねぇステイル、どこに行くの?」

イギリス清教の寮

そこで、インデックスは首を傾げていた

長かったお昼ご飯を終え、やっとこさ出かけられることになったのだ

ステイル「そうだな・・・神裂も行くのかい?」

神裂「いえ、今日は二人でどうぞ」

イン「じゃあ、行こう!!」

ステイル「あ、あぁ」

インデックスがステイルの手を引く

懐かしい、そんな光景

神裂は二人の後姿を見つめながら、苦笑していた

きっと、ステイルはいつものように振り回されるんだろうなと思いながら


36 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 21:27:48.26 ID:dEmOoZX+0
イン「・・・でも、どこに出かけようかな?」

ステイル「そうだね・・・どこがいいかな」

イン「・・・とうまとみことはどこに行ってるのかな・・・」

少し寂しそうに、インデックスがつぶやく

それがステイルには辛かった

ステイル「・・・どこかな」

イン「あ、ごめん!その・・・ステイルといるのは楽しいんだよ?ただ・・・」

ステイル「いや、いいんだよ・・・」

ステイルがタバコを咥える

イン「あ、タバコ!」

ステイル「・・・今日くらいは許してほしいな」

ステイルがタバコに火をつける

今日はクリスマス

少しくらいわがままを言っても問題ないだろう

イン「ダメなんだよ!体に悪いもん!」

ステイル「吸わなかったら吸わなかったで体調が悪くなる」

イン「気の問題なんだよ!」

ステイル「・・・はぁ」

イン「溜め息ついたね!?」

37 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 21:32:42.65 ID:dEmOoZX+0
ステイル「・・・君は、上条当麻のことがまだ好きかい?」

突然

ステイルが顔をしかめながら訊ねる

口にするのさえ忌々しい、という感じで

イン「な、なんで?」

ステイル「さっきも、彼のことを気にしていたからね」

イン「ふ、二人が気になるんだよ!」

ステイル「友達として?」

イン「う、うん」

インデックスが少し気まずそうに頷く

本当は、まだ上条のことを諦めきれずにいた

彼が自分を救ってくれた記憶

それは、全く色あせることなく心の中にある

鮮やかすぎた思い出だ

ステイル「・・・ウソをつかなくてもいいさ」

イン「・・・ウソじゃないんだよ」

ステイル「・・・君は思い出を忘れられないだろう」

イン「・・・うん」


38 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 21:38:22.86 ID:dEmOoZX+0
ステイル「・・・だったら、思いも忘れられないだろう」

イン「・・・うん」

ステイル「・・・まったく、困ったものだ」

染めていくだけ染めてしまって

そして、すぐに別の場所へと旅立ってしまった

イン「・・・うん」

ステイル「・・・君は、やっぱり健気だよ」

イン「・・・でもね、忘れたいって思うんだよ?」

ステイル「・・・忘れたいのか」

イン「・・・きっとね」

ステイル「・・・」

沈黙が流れる

ステイル「・・・どうだい、喫茶店にでも行くかい?」

イン「うん、そうするんだよ!」

無理な笑みを浮べて、インデックスは歩いていく

ステイル(・・・インデックス、無理はしないでくれ)


39 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 21:44:06.84 ID:dEmOoZX+0
イン「・・・ここでいいかな」

インデックスが適当な喫茶店に入る

ステイル「・・・しかし、向こうの商店街は混んでいるな」

ステイルは遠くの商店街を見つめていた

ステイル「あんなところに今日わざわざ行くヤツの気が知れないよ」



上条「はっくしょん!!」

美琴「と、当麻、大丈夫?」

上条「あ、あぁ・・・誰か俺の悪口言ってるのかな・・・」

美琴「そんなことないわよ・・・寒いんじゃない?」

上条「もう少しで入れるな・・・」

ステイルが見つめていた商店街

その中央に、二人はいた

美琴「・・・服と・・・あと、バッグも買いたいな」

上条「バッグか・・・美琴ってそういうの好きだったっけ?」


40 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 21:55:14.24 ID:dEmOoZX+0
美琴「うん・・・当麻に買ってほしいもん//」

上条「そ、そうですか」

美琴「あ、入れるわよ!」

美琴が上条の腕を引っ張っていく

やっとこさ店に入ることができた


上条「・・・すっげぇ・・・」

美琴「相変わらず広いわね・・・」

エスカレーターが中心に聳え立っている

帽子やバッグ、服や楽器

さまざまな店が並んでいる

学園都市にもショッピングモールはあるが、ここまで規模は大きくない

上条「すげぇよな・・・」

美琴「・・・行こう!」

二人はまず、ぬいぐるみ屋へ向かう


41 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 22:05:05.34 ID:dEmOoZX+0
上条「すげぇ・・・商品がいっぱい・・・」

美琴「うわー!!見て見て!!クマさん!!」

美琴が巨大なクマのぬいぐるみを指差す

高さが2mはあるであろうぬいぐるみだ

明らかに上条よりも大きい

上条「すげぇな・・・てか部屋に置けるかこれ?」

美琴「?置けるわよ」

上条「ふ、普通の部屋には無理だからな」

美琴「う、じゃあ・・・こっちの小さいのは?」

その横にあった、小さなサイズのクマを指差す

小さい分、値段もお手ごろだ

上条「お、いいんじゃないか?」

美琴「じゃあまずはこれ・・・」

上条「ちょっと待って」

美琴「?何よ」


42 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 22:10:44.88 ID:dEmOoZX+0
上条「・・・まず・・・?」

美琴「うん、次はライオンさん」

上条「ちょ、ちょっと!!何個買うつもりだよ!?」

美琴「んーとね、お部屋に動物園が作れるくらい」

上条「おぉぉぉぉぉ!!??」

美琴「な、なによ」

上条「そんなに買ったらスペースが減るだろ!?」

美琴「まぁまぁ、そんなに怒らないの」

上条「えぇ・・・」

溜め息をつきながらも、上条は美琴の後ろについていく

上条「・・・はぁ」


上条「・・・でもまぁ、幸せだな」

43 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/06(火) 22:17:36.49 ID:dEmOoZX+0
さて、今日はここまで

結局はいつものグダグダ

こんな感じで進んでいきますwww

では今日の筋肉動画

ちょっと趣向を変えて、というか

>>1が好きな唯一好きな日本のボディビルダーといっていいほど素晴らしい選手

須藤孝三選手です

バルクなら他の選手のほうが大きいかもしれません

しかし、カット、ポージングが素晴らしく「日本のフランク・ゼーン」とさえ言われています

最近のミスター日本は・・・というかボディビルはでかさばかりで、こういう選手はウケがよくありませんね


http://www.youtube.com/watch?v=Rf8Pc3EHzDM&feature=results_video&playnext=1&list=PL0BF47148E7C31E77


ではおやすみなさい
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 22:31:04.78 ID:4pHED0Wf0
ちくしょう.....
>>1000が欲しいぜ.....
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/06(火) 22:45:39.16 ID:vmRf4vSj0
前スレ>>1000w
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/06(火) 22:48:51.13 ID:TLCcEJ3co
乙ですぜ。インさん健気だなぁ
なんか最近本編と同じくらい>>1の筋肉話が楽しみで仕方ない
47 :ラディカルグッドSPEED [sage]:2011/09/07(水) 04:44:56.72 ID:a66xsCrSO
乙〜ですたい。スクライド見てたら完徹してそのまま仕事行ったけど死ぬかと思った・・・
ちなみに我が好きなセリフは「あぁ、ケンカだ、てめぇが売った!俺が買った!だからてめぇをボコる!徹底的にだ!!」ですね。
>>1は好きなセリフとかあります?
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 07:31:09.94 ID:zP++/IdIO
乙でェす

やっと追いついた
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/09/07(水) 09:26:36.31 ID:JJx4duHk0
また1000取られたンですけど
垣根はオレの嫁って書こうと思ったのにィ
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/09/07(水) 09:27:26.37 ID:JJx4duHk0
下げ忘れたすまン
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/07(水) 09:47:10.40 ID:Ja11YgTb0
ちくしょう、どうしても>>1000が取れねえぜよ。

このスレの>>1000をとって美琴ちゃんを俺の妹に!!ついでにやっぱ海旗のデート模様を見てみたい!!
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 11:34:59.96 ID:nCPjMmD+0
確かに海旗のクリスマスデートは見てみたい!
53 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:45:42.32 ID:yjkue3NJ0
スクライドの好きなセリフは

「お前に足りないものは!それは!情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ、そして何よりもぉぉぉ!!!速さが足りないっ!」

「俺が選んだ俺の道だ、それを最速で突っ走って何が悪い!?」

「意地があんだよ、男の子には!!!」

ですね

君島がかっこよすぎて泣ける

では続き

54 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:46:23.45 ID:yjkue3NJ0
美琴「見て見て!ホワイトタイガーのぬいぐるみ!」

上条「・・・そうですね」

上条はため息をついていた

美琴が喜んでいるのはたしかに嬉しい

だが彼はべつにぬいぐるみを特別好きなわけではない

服やらバッグを一緒に見るなら問題なかっただろう

美琴に似合うかな、とか俺もこれは好みだから、なんて考えられるからだ

しかしぬいぐるみとなってしまうと話は別だ

ぬいぐるみが可愛いか可愛くないかなんて全く分からない

全部同じではないのか、と思えてしまう

上条にはこういう、いわゆるファンシーグッズなんて分からない

上条「・・・あの、これって可愛い・・・のか?」

美琴「わかんないの!?めちゃくちゃ可愛いじゃない!」

上条「・・・」

55 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:47:08.00 ID:yjkue3NJ0
上条がペンギンのぬいぐるみを見つめる

つぶらな瞳が彼を見つめている

上条「・・・可愛いか?」

美琴「・・・当麻は・・・ダメね」

上条「いやいや!だって男には分からない趣味だからな!」

美琴「男にだってぬいぐるみが趣味な人くらいいるわよ!」

上条「俺はそんなに女々しくないんだけど!」

美琴「女々しいって何よ!」

上条「え、あ、いや!女の子がぬいぐるみ集めてるのは可愛いと思いますよ!?」

美琴「か、可愛い・・・」

美琴がカァッと顔を赤らめる

上条に可愛いと言われるのは非常に嬉しいものだ

上条「・・・でもさ、これって・・・高そうだよな」

美琴「高くはないわよ・・・でもちょっと置き場所がなくなるかもね」

上条「だよな!?てことはこれで・・・」

56 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:47:33.41 ID:yjkue3NJ0
美琴「あ、当麻の寮が無理でも常盤台の寮なら置けるわね」

上条「もう許してよ!」

上条が頭を抱える

さすがにぬいぐるみばかりの買い物なんて堪えられなかった

美琴「うーん・・・さすがにかわいそうだし、服にするわね」

上条「サンキュー!」

上条が嬉しそうに美琴を抱きしめる

美琴「ほ、ほら!周りに見られてるから!」

上条「ん、じゃあ早くここから逃げますか」

上条が笑いながら美琴の手を握る

周りの客は、微笑ましそうに二人を見つめている

その中を、二人は手を握り合ったまま駆けていった


57 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:48:05.48 ID:yjkue3NJ0
垣根「おー・・・すげぇ・・・ラッキーセブン・・・」

スロットの前で垣根は冷や汗をかいていた

アンジェレネ「な、なんだかたくさんコインが出てきました!」

アニェーゼ「やりますねシスターアンジェレネ!」

心理「・・・ラッキーセブンなんて普通は出ないわよ」

心理定規が半ば呆れたようにつぶやく

ルチア「こら、シスターアンジェレネ!こんな娯楽に溺れてしまっては・・・」

心理「あら、娯楽も人生も溺れるためにあるのよ?」

ルチア「その考えが汚れていると・・・」

アニェーゼ「どうですか垣根、このコインを換金してどっかに駆け落ちしちまいませんか?」

垣根「いやだね、俺にはフィアンセがいるんだよ」

心理「あら嬉しい・・・」

58 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:48:56.23 ID:yjkue3NJ0
ルチア「シスターアニェーゼ!男性に溺れるなんて・・・」

垣根「ったくよ、姉ちゃんはもう少し軽くなりな」

垣根がルチアに肩に手を回そうとする

しかしそれを簡単にルチアはかわす

ルチア「触れないで下さい!」

垣根「・・・なぁ、イギリス清教はみんなこんなにお堅いの?」

アンジェレネ「い、いえ・・・シスタールチアは少し特殊な事情があるんですよ」

垣根「特殊?」

心理「・・・男性に触れられるのがイヤになってしまうような、ね」

垣根「・・・」

心理「・・・」

ルチア「・・・勘違いしないで下さい、私は神に身を捧げたものだからです」

垣根「・・・身を預けるのは自分自身にだけだろ」

59 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:49:39.02 ID:yjkue3NJ0
はぁ、とルチアがため息をつく

ルチア「それは価値観の違いというものです」

アンジェレネ「そうですよ、十字教はたしかに日本人には理解しにくいかもしれませんね」

心理「・・・でも少し興味はあるかしらね」

心理定規がぽつりとつぶやいた瞬間

シスター三人の顔が輝いた

アンジェレネ「で、でしたら!話を、話だけでも!」

アニェーゼ「お願いします!こりゃなかなかのいい話ですよ!」

ルチア「あなたも神のご加護を!」

心理「・・・悪いけど、神様に心も体も預けたくはないのよ」

心理定規がクスクス、と笑う

なぜだかその姿にシスター達は寒気さえ覚える

あなた達は神様に心と体を預けたんでしょ、と遠回しに言っているのだから

60 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:50:18.91 ID:yjkue3NJ0
心理「心と体は垣根に預けてしまったもの」

ルチア「そ、そうなんですか・・・」

心理「あら、それとも神に預けたほうが賢かったかしら」

アニェーゼ「わ、私達からしたらそうなっちまいますね・・・」

心理「じゃあ賢くなくていいわね」

アンジェレネ「・・・あ、あの・・・あなたは何者なんですか?」

心理「別に特別な存在なんかじゃないわよ」

垣根「こいつは俺の彼女です」

アニェーゼ「そこが重要なんですか!?」

心理「かなり重要なことよ」

心理定規がマスターにロゼを注文する

その光景が似合う未成年、というのも非常に問題ではあるだろう

61 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:50:59.72 ID:yjkue3NJ0
心理「神様なんていう曖昧な存在に命を預けるのはイヤだもの」

アニェーゼ「・・・あなたはなんというか、強い人なんですね」

心理「あなた達にとっての神様が私にとっての垣根なだけよ・・・あらありがと」

心理定規がマスターからロゼを受け取る

心理「どう、あなた達も」

アニェーゼ「残念ながら、ロゼは赤ワインではないので」

ルチア「赤ワインでもダメです!」

アンジェレネ「で、でも・・・赤ワインは主の・・・」

ルチア「それは言い訳なんです!」

垣根「おいおい、赤ワインは赤ワインだぜ」

アニェーゼ「・・・あなたにとってはそうかもしれませんね」

垣根「めんどくさい世の中だ、めんどくさい考え方なんかしたら損だぜ」

62 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:51:45.72 ID:yjkue3NJ0
ルチア「・・・というかあなた方は未成年ではないのですか?」

垣根「気にするな、ここは郷に入っては郷に従えだな」

ルチア「どちらにしろあなたは飲める年齢では」

垣根「あーあー・・・ん?そろそろ夕方なのかよ」

垣根が腕時計を見つめながらつぶやく

垣根「さて・・・俺達はそろそろ行くが・・・お前達もイギリス清教の寮に住んでるのか?」

アニェーゼ「そうですよ」

垣根「ならまた会うかもな・・・んじゃまったねー」

垣根が席から立ち上がる

垣根「マスター、こいつらの分もこれで」

少し、ではなくかなり多めに垣根が金を払う

アンジェレネ「わわ!こんなにお金が・・・」

ルチア「見てはいけませんシスターアンジェレネ!」

63 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:52:18.00 ID:yjkue3NJ0
心理「じゃあね、愉快な三人さん」

心理定規も手を振ってバーから出ていく


垣根「さて・・・ちょうどいい時間かもな」

心理「見て、もう太陽が沈みそうよ」

垣根「お、いいじゃんいいじゃん」

二人が太陽の沈む方向へ歩き出す

そちらはちょうど、クリスマスのイルミネーションが眩しいほうだった


イン「・・・ねぇ、ステイル」

ステイル「なんだい」

喫茶店の端の席

そこがいつもの、二人の特等席だった

そんなこと、インデックスは覚えてはいないだろう

64 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:53:00.76 ID:yjkue3NJ0
イン「・・・私が・・・ステイルのことを忘れてたってわかったとき・・・どんなことを思ったの?」

言葉を選びながら、インデックスが尋ねる

ステイルを出来るかぎり傷つけないように、しかしあやふやにはされないように

しっかりと核心をつく質問をする

ステイル「そうだな・・・最初は辛かったさ」

イン「・・・どれくらい?」

ステイル「しばらくは、毎晩泣いていたかな・・・神裂と一緒に」

ステイルが空を見上げる

そろそろ太陽が沈む頃だ

かつて、もう二度と太陽が昇らないのではないかと考えた日もあった

そして昇らないでほしいと望んだこともあった

イン「・・・かおりも?」

ステイル「あぁ、いつも僕達は三人で一緒だったからね」

イン「そうなんだ・・・」

65 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:53:56.13 ID:yjkue3NJ0
ステイル「・・・それからしばらくして、君を守ろうと思った」

ステイル「・・・だが、結局はいたちごっこだったのさ」

イン「・・・私は・・・昔は記憶を消さないといけなかったからね」

ステイル「・・・全く、あの男の能力は恐ろしいものだ」

たった一人の少年

その右手

それだけのちっぽけな存在が、三人の人間を幸せにしてしまった

イギリス清教・・・いや、世界全体を揺るがしてしまった

今思えば、昔の自分はよくあんな化け物とやり合ったものだなと感心する

ステイル「・・・君を狙ってしまったこともあった・・・すまない、あれは完全にこちらの落ち度だよ」

イン「そんな顔しないでほしいんだよ!」

インデックスが慌てたように振る舞う

イン「ステイルは私を助けようとしてくれたんだよね!?」

66 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:54:31.97 ID:yjkue3NJ0
ステイル「あぁ・・・それは分かっていてほしい」

イン「だったらいいんだよ・・・とうまがいなくなったとき、最初は不安だったけどね」

ステイル「・・・」

イン「でも、そしたら最初に浮かんだのはステイルとかおりだったんだよ」

ステイル「僕達かい?」

イン「きっと、二人のことが好きだったからなんだ」

ステイル「そうか・・・それは嬉しいな」

イン「・・・ごめんね、とうまの代わりみたいに聞こえるかもしれないけど」

ステイル「それでもいいのさ、君の為になれるならばどんな苦悩も乗り越えてみせる」

イン「・・・ステイル、アルバムとかはないの?」

ステイル「燃やしてしまったよ」

イン「なんで?」

67 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 11:55:54.08 ID:yjkue3NJ0
ステイル「写真なんてくだらないものさ・・・過去は過去なのにそれにすがろうとする人間があまりにも多い」

ステイル「過去を忘れないために写真に残しもするがね」

ステイル「今までのアルバムなんて一々作っていたら重くて歩けないさ」

イン「・・・昔のこと、それでも覚えてるのかな?」

ステイル「忘れたことなんか何一つないさ」

イン「・・・すごいんだよ」

ステイル「なにがだい?」

イン「私みたいに完全記憶能力があるわけでもないのに・・・全部忘れてないなんて」

ステイル「忘れてないんじゃないさ」

タバコの煙を空に向かって吐きながらステイルがつぶやく
 
ステイル「忘れたくないだけなんだ」

イン「・・・どうして?」

ステイル「・・・君との思い出は心地がいいからさ」

タバコの煙が空へと昇っていく

ステイル「・・・過去にすがるつもりはない、ただ・・・過去を捨てるつもりもないさ」

イン「・・・そうなんだ」


 
68 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 12:02:25.85 ID:yjkue3NJ0
ステイル「・・・雪が降ってきたね」

イン「え!?」

インデックスが空を見上げる

真っ白な、羽根のようなものが空から落ちてくる

イン「すごい!!!」

ステイル「・・・空から・・・落ちてくる羽根か」

イン「?どうしたの?」

ステイル「なんでもないさ」

ステイルが二本目のタバコに火をつける

ステイル「そろそろ行くかい?」

イン「?どこに?」

ステイル「ちょうどここから少し離れたところに大きなツリーがあるんだよ」

イン「行きたい!!」

ステイル「じゃあ行こうか」


大きすぎる影と小さな影が、イギリスの町並みを歩いていく

69 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 12:12:25.98 ID:yjkue3NJ0
上条「・・・いい・・・すごくいい!!」

試着室から出てきた美琴を見つめて、上条は息を飲んでいた

美琴「そ、そう?」

上条「・・・ショートパンツ・・・可愛いな・・・」

美琴「ど、どこ見てるのよ!?」

上条「太もも!」

美琴「大きな声を出さないで!」

上条「・・・いい御御足です」

美琴「な、何・・・」

上条「よし、それ買おう!!」

美琴「へ、変態!」

上条「あとは・・・Tシャツかな?」

美琴「・・・こ、これとか?」

70 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 12:25:26.48 ID:yjkue3NJ0
美琴がちょっと子供っぽいTシャツを指差す

上条「うーん・・・もうちょっと大人っぽいのがいいな」

美琴「そ、そうかな?」

上条「だってさ・・・ちょっと文字が多すぎないか?」

美琴の指差したTシャツはたくさんの英語が書かれている

こちらでも子供向けな商品はこういうものなんだな、上条は思う

美琴「うー・・・」

上条「はぁ・・・Tシャツ選び終わったら外行こうぜ」

美琴「え、バッグは!?」

上条「明日でいいだろ?」

美琴「・・・分かった」

上条「時間も時間だし・・・これでいいんじゃないか?」

上条は別のTシャツを指差す

美琴「・・・じゃあ両方」

上条「分かったよ・・・」


Tシャツをなんとか選んだ二人は、商店街から少し離れた場所へと移動する

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 12:27:57.00 ID:a66xsCrSO
>>1返答どうもありがとうございます
スクライド最終回でカズマと劉鳳が見た夢にはホロリとしたですたい。あ、今さらながら受験勉強頑張って下さいねp(^^)q
72 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 13:12:27.01 ID:yjkue3NJ0
上条「おぉ・・・綺麗なツリーだな」

美琴「でもまだ夕方だからイルミネーションは点灯されてないわね・・・」

上条「そうだな・・・夜まで待たないと」

美琴「うん・・・そうだね」

上条「どうする?先に飯でも食べとくか?」

美琴「ううん、このまま待ってたいな」

上条「了解」

二人がツリーの近くのベンチに座る


上条「・・・大きいな、ツリー」

美琴「学園都市じゃこんな大きなのは見られないもんね」

上条「そうだな・・・せいぜいこの5分の1くらいだよな」

美琴「そうよね・・・」


73 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 13:19:57.76 ID:yjkue3NJ0
上条「・・・そういえば、美琴はサンタさんに手紙書くんじゃなかったのか?」

美琴「あぁ!!忘れてた!」

上条「まぁいいんじゃないか?」

上条が笑う

この年齢でサンタを信じているのは純粋な証拠だろうか

垣根がいたら「いやガキなんだよ」と言うだろうが

上条「・・・綺麗だな」

美琴「みんなも来るのかな」

上条「どうかな・・・」

美琴「でも顔を合わせたらいやよね」

上条「そりゃ二人きりがいいよな」

美琴「・・・うん、二人がいいな」

美琴が上条の肩に頭を預ける

74 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 13:24:18.27 ID:yjkue3NJ0
上条「・・・美琴、バッグとかほしかったのか?」

美琴「え、なんで?」

上条「あ、いや・・・」

美琴「?」

上条「あ、ほらほら!!そろそろイルミネーションがつくぞ!」

上条がツリーを指差す

時間は午後の6時

空には月が浮かんでいた


垣根「・・・ツリーはどこだ」

心理「・・・もう通り過ぎたじゃない」

垣根「はぁ!?」

二人は、道に迷っていた

英語はわかるが、なんとなく地図は見たくないと垣根が意地を張っている

垣根「ははは!!いいじゃねぇかよ!!」

心理「落ち着きなさい」

75 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 13:33:18.96 ID:yjkue3NJ0
垣根「あーあ・・・ツリー・・・」

心理「いいじゃない、どうせそのうち歩いていれば着くわよ」

垣根「そうだよな・・・ツリーは世界に一つじゃねぇんだ」

心理「・・・それより、サンタの格好をした人が多いわね」

垣根「あぁ・・・多いな」

周りにはサンタのボランティアをしている人たちが溢れていた

子供達が嬉しそうに駆け寄っている

垣根(・・・あんな人間もいるもんだな)

少し呆れたように垣根が溜め息をつく

別に他人のためにあそこまでしてやりたいなどと、垣根は思わない

それはこれからも変わらないだろう

垣根「どう思うよ、ああいうの」

心理「いいんじゃない?善人的で」

垣根「違いないけどな」

76 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 13:43:02.81 ID:yjkue3NJ0
垣根「でもよ、ああいうのはやっぱまともな人間がやるもんだよな」

心理「私達みたいな人間にはできないわね」

垣根「そうそう・・・ん?」

垣根が言葉の途中で顔をしかめる

サンタの格好をしたボランティア

その中に

垣根「・・・おいマジかよ」

知っている人間の顔を見つけたのだ



イン「・・・ねぇねぇ、あそこにいるのってとうまとみことだよね?」

インデックスが遠くを指差す

ステイル「・・・そうだね」

二人はツリーのある大広場に来ていた

しかし、そこには先客がいたようで

ステイル「・・・ほっといておこう、あの二人は二人きりがいいだろう」

イン「・・・うん」



77 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 13:50:54.93 ID:yjkue3NJ0
ステイル「・・・気になるかい?」

イン「そ、そんなことないんだよ!?」

インデックスが顔を赤くする

しかし、その慌て振りが気になっている、ということを表している

ステイル「・・・」

イン「・・・」

じっと、インデックスはあのカップルを見つめている

ステイル「あ、ちょっと飲み物でも買ってくるよ・・・何がいいかい?」

イン「あ、じゃあアイスティー!」

ステイル「了解したよ」

ステイルがいったんその場を立ち去る


ステイル「イノケンティウス!!」

イノ「だっからーなっくのっもーわっらうのっもー・・・ってなんだよ」

ステイル「・・・何をしてたんだい」

イノ「ヒトカラ」

ステイル「・・・そうかい」


78 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 13:59:16.45 ID:yjkue3NJ0
イノ「で、なんだよ」

ステイル「あの子が落ち込んでいる」

イノ「だろうな、初恋相手が目の前でイチャイチャしてたら気になるもんだぜ」

ステイル「・・・初恋か・・・」

イノ「他の恋とは違う、初恋ってのは思い出の中から消えないものさ」

イノケンティウスが不敵に笑う

いったいどんだけ恋愛経験があるのだろうか

イノ「そういうもんだ、仕方ないんだぜ」

ステイル「・・・まだあの子は上条当麻が好きなのかな?」

イノ「そういうわけじゃないだろうな」

ステイル「じゃあどうして?」

イノ「お前は・・・そうだな、インデックスと初めて会った日を覚えてるか?」

ステイル「もちろん」

イノ「それと同じなのさ」

ステイル「・・・そういうものかい?」

イノ「だから気にするな」

ステイル「・・・じゃあ、どうやって慰めればいいんだ?」


79 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 14:02:13.71 ID:yjkue3NJ0
イノ「方法はどうでもいいから、温もりを与えてやりな」

ステイル「温もり・・・か」

イノ「そうだ」

ステイル「・・・頑張ってみるよ」

イノ「じゃあな」

イノケンティウスが姿を闇に溶かす

ステイル「・・・とりあえず、アイスティー買わないといけないな」

ステイルが近くの店でアイスティーを購入する

ステイル「あぁ、シュガースティックももらえるかな」

甘いものが好きなインデックスのことだ

きっと砂糖をほしがるだろう

彼にはそれも分かっていた

彼女のことは、なんでも分かっていた

80 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 14:07:33.40 ID:yjkue3NJ0

ステイル「はい、買ってきたよ」

イン「ありがと・・・」

ステイル「・・・」

遠くでは、あの二人が仲良さそうに座っている

クレープをお互いに食べさせたりしている

平和なカップル

しかし、それが誰かを悲しませることもあるのだ

別に上条を恨むつもりはなかった

彼にだって、彼の人生があるのだから

ステイル「・・・幸せそうだな」

イン「うん、不幸じゃなくなってるね」

ステイル「・・・そうだね」

目を細め、幸せな彼を見つめる

ステイルが知っている、カップルの理想像そのものだ

吐き気がするほど甘くて

そして、とてもうらやましくて

81 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 14:10:45.16 ID:yjkue3NJ0
ステイル「・・・砂糖、いらなかったかな」

イン「ううん、いるんだよ」

インデックスがアイスティーを一口飲む

少し、しょっぱかった

イン「・・・砂糖、あってよかったんだよ」

ステイル「そうかい」

イン「・・・うん」

ステイル「・・・」

もう一度、ステイルが二人を見つめる

きっと、あの二人が食べているクレープはとても甘いのだろう

それこそ、吐き気がするほどに

ステイル「・・・はぁ」

溜め息をついて、タバコを口に咥える

いつもの吸い方、いつもの銘柄

なのに、なぜか少し煙たい感じがした

ステイル(・・・気に食わないな)

そんなことを思いながら、ステイルはツリーを見つめていた

82 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 15:44:44.31 ID:yjkue3NJ0
上条「・・・なんか、誰かの視線を感じるな・・・」

美琴「そう?」

上条「いや・・・気のせいかな」

クレープをお互いに食べさせあいながら、二人は適当に時間をつぶしていた

上条「にしても美味しいな」

美琴「前来たときよりもなんか食文化が進んでない?」

上条「うんうん、普通に食べられるものが売ってるよな」

美琴「言い方が失礼ね・・・」

クレープをほおばりながら美琴がつぶやく

ハムスターみたいに頬が膨らむのがなんともいえない可愛さを持っている

上条「・・・クリスマス、か」

美琴「なんか一年があっという間よね」

83 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 15:50:53.16 ID:yjkue3NJ0
上条「楽しいからな・・・」

美琴「ホント・・・」

上条「光陰矢のなんとかだよな」

美琴「そこまで覚えてるなら全部覚えなさいよ」

上条「・・・あ、イルミネーションが点灯した!」

二人の先にあるクリスマスツリー

そこに、灯りが灯される

美琴「すごい!!めちゃくちゃ綺麗じゃない!?」

上条「おーー!!幻想的だ!」

星や月、サンタやトナカイやソリの装飾

それらがキラキラと輝いている

美琴「すごい・・・写真撮りたいな・・・」

上条「じゃっじゃーん!ここにカメラがあります!」

美琴「持ってきてたの!?」キラキラ

84 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 15:54:58.60 ID:yjkue3NJ0
上条「もちろん!」

美琴「じゃあ撮って撮って!」

美琴がツリーの前へと駆けていく

周りでも、何人もの人が記念撮影をしている

上条「じゃあ撮るぞ!」

パシャリ、とフラッシュがたかれる

美琴「撮れた!?」

上条「見て見て!!俺のこの華麗なカメラワーク!!」

嬉しそうに上条がデジカメを差し出す

完璧、といっていいほどの出来だった

美琴「すごい!!これアルバムに載せましょ!」

上条「じゃあじゃあ、俺も撮って!!」

美琴「うん!!」

今度は美琴がカメラマンになる

しかし


美琴「・・・目・・・つぶってるわね」

上条「あ、あれ?」


85 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:02:37.36 ID:yjkue3NJ0
美琴「も、もう一回!」

上条「お、おう!!」

上条がまたツリーの前に立つ

しかし、何度撮っても同じ結果

上条「・・・不幸だ・・・」

美琴「ほ、ほら!私と一緒に撮ったらどうかな?」

上条「あ、そうだな!!」

上条がカメラのタイマーをセットする

美琴「じゃ、行こう!」

美琴が上条の手を引っ張る

上条「あ、ちょ、ちょっと!!」

美琴「え?」

いきなり手を引っ張られたため、上条がよろける

美琴「ふにゃぁっ!?」

上条「おわっ!!」

86 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:08:41.39 ID:yjkue3NJ0
ガツン、と二人の頭がぶつかる

上条「いてぇ!!」

美琴「うにゃぁっ!?」

頭がクラクラとする

転んだ勢いもあって、思いっきりぶつかったのだ

さすがに中身が反転しちゃいましたー、なんていうドタバタラブコメは始まらない

その代わり、そんな二人の無様な姿をカメラは捉えていた


上条「・・・これも、思い出ですね」

美琴「うん・・・」

上条「はい、冷たいペットボトル」

美琴「当麻が使いなさいよ・・・そっちのほうが真っ赤になってるし」

上条「いいの、女の子は顔に傷を残したらいけません!」

美琴「//」

結局、頭がぶつかろうがリア充はリア充なのだ


87 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:14:12.74 ID:yjkue3NJ0

垣根「・・・なぁ、あれってさ」

垣根がサンタのボランティアの中に知り合いを見つける

心理「ん、なに?」

垣根「・・・砂皿・・・だよな?」

心理「え?」

心理定規が驚いたように垣根の指差す方向を見つめる

そこにはたしかに砂皿緻密がいた


砂皿「メリークリスマス」

「おじちゃんありがと!」

砂皿「ちゃんと来年もいい子にするんだぞ」

「うん!!」

砂皿「・・・いい子にしてれば、来年もサンタは来るさ」

「ありがと!!また来年ね!!」

砂皿「あぁ、約束だ」


88 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:17:58.85 ID:yjkue3NJ0
垣根「・・・おっす」

砂皿「ん?・・・お前・・・」

心理「お久しぶりね」

砂皿「・・・なんだ、お前たちもプレゼントがほしいのか?」

垣根「おいおい、サンタなんて信じるほど優しい人生は歩んでねぇよ」

ケラケラと垣根が笑う

砂皿「・・・冷やかしなら帰れ」

垣根「うるせぇ・・・そんなんじゃねぇよ」

砂皿「ならばなんだ」

垣根「・・・お前がボランティアか」

砂皿「前にお前が言っただろう、闇の中にも光を生み出してしまえばいいと」

垣根「そういや言った気もするな」

砂皿「・・・それを実行してるだけだ」

心理「・・・素敵な人生を歩んでいるのね」

砂皿「そうだといいがな」

砂皿が苦笑する

89 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:26:11.70 ID:yjkue3NJ0
心理「・・・今年から始めたの?」

砂皿「いや、もうしばらく前からだ」

垣根「いいな、そういうのは」

砂皿「・・・過去の償いのつもりだったんだがな」

砂皿が笑う

昔に見た彼よりも、ずっと自然な笑いだった

砂皿「・・・今では生きがいになっている」

垣根「・・・お前も変わったんだな」

心理「それもいい方向に、ね」

砂皿「あぁ・・・変えられたのだ」

垣根「・・・お前、普段はどこに住んでるんだ?」

砂皿「学園都市だ」

垣根「あぁ?マジかよ」

砂皿「飯のまずいこの国にはさすがに住めまい」

垣根「うっわ、ひでぇな」


90 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:28:38.33 ID:yjkue3NJ0
心理「・・・あなたには迷惑をかけたわね」

砂皿「・・・別にお前たちの組織にいなくてもいつかはこうなっていたさ」

垣根「・・・お互い、生きてたのが奇跡だな」

砂皿「あぁ」

垣根「・・・一人なのか?」

砂皿「・・・一人だ」

なぜか砂皿が目をそらす

どう見てもウソをついているような雰囲気だが

なぜウソをつくのか

垣根(知られたくないからか、砂皿自体認めたくないからか・・・)


ステファニー「あぁ!!!見つけましたよ砂皿さん!!」

その時、どこからか声がした

心理「?どこかしら」

垣根「つうか今お前の名前呼んだぞ」

砂皿「知らん」


91 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:32:47.44 ID:yjkue3NJ0
ステファニー「砂皿さん!!」

垣根「あ、あそこの屋上・・・屋上だぁ!?」

垣根たちのいる道に沿っている建物

その屋上に一人のサンタ姿の女性が立っていた

ステファニー「やぁやぁ我こそは!!美人で聡明、あなたの心を射抜いちゃう・・・」

垣根「どうでもいいけどパンツ見えてるぞ!!!」

大声で垣根が叫ぶ


二秒後

垣根の顔面に、ステファニーの両膝蹴りがヒットした

心理「・・・お、屋上からの加速付き・・・」

砂皿「・・・ステファニー・・・お前、何をしていた」

ステファニー「違いますよ!!砂皿さんが迷子になったんです!!私は近くのブランドショップで買い物してたんです!!」

砂皿「明らかにお前が迷子だ」

ステファニー「なんでですか!?」


92 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:35:58.54 ID:yjkue3NJ0
心理「・・・この人は?」

砂皿「・・・同僚だった女だ」

ステファニー「ステファニー・ゴージャスパレスです!!」

心理「ラブホテルみたいな名前ね」

ステファニー「ラ・・・」

心理「・・・というか、前に見たことわるわねあなた」

ステファニー「そ、そうですか?」

垣根「」

心理「ほら垣根、起きなさい」

垣根「てめぇ・・・最近の俺はシリアスだったんだよ!!」

ステファニー「はい?」

垣根「たった少しの時間でギャグになっちまったじゃねぇか!!」

垣根が頭を抱える

砂皿「・・・なんの話だ?」

心理「気にしないで・・・それで、あなたもサンタのボランティアを?」


93 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:40:25.17 ID:yjkue3NJ0
ステファニー「そうです!」

垣根「・・・砂皿よりは似合ってそうだな」

ステファニー「・・・いやらしい目で見ないでください」

垣根「・・・見てねぇだろうが・・・」

砂皿「・・・お前たちは?」

心理「旅行、婚約旅行よ」

ステファニー「婚約?お二人は結婚のご予定が?」

垣根「まぁな・・・」

ステファニー「おぉ・・・うらやましいです」

垣根「お前は好きなヤツとかは?」

ステファニー「砂皿さんです!!」

心理「あら大胆」

砂皿「ん、メリークリスマス」

「ありがとうおじちゃん!!」

ステファニー「聞いてねぇ!!」

砂皿「なんだ?」

垣根「うっわぁひでぇよゴルゴ」


94 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:46:13.13 ID:yjkue3NJ0
ステファニー「あ、そうだ!」

ステファニーがパン、と手をたたく

垣根「なんだよ」

ステファニー「お二人は今、時間ありますか!?」

心理「あらどうして?」

ステファニー「手伝ってください!」

心理「あら、サンタさんを?」

ステファニー「はい!」

砂皿「・・・お前、仕事を減らしたいだけだろう」

垣根「最低だなお前」

ステファニー「これが合理化です!!」

垣根「ちげぇよ」

心理「・・・でも、サンタの格好をしながらクリスマスを過ごすのは乙じゃないかしら」クスクス

砂皿「・・・楽しいのはたしかだな」

垣根「はぁ・・・誰かのために、ねぇ」


95 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 16:51:23.71 ID:yjkue3NJ0
心理「いいんじゃないかしら」

垣根「・・・悪くはないかもな」

垣根が溜め息をつく

ステファニー「じゃあ、今から案内しますね!」

砂皿「俺が案内する」

ステファニー「サボるつもりですね!?」

砂皿「お前が言うな・・・今からサンタの格好に着替えてもらう」

垣根「ほいほーい」

砂皿「あと、ここにプレゼントを配った子の一覧がある」

垣根「・・・同じ子にいくつもプレゼントはあげられないってか」

砂皿「まぁ、菓子だから問題はないがな」

心理「じゃあ早速行きましょう」

三人はサンタボランティアの本部へ向かう


ステファニー「・・・さて、じゃあがんばりますか」

残されたもう一人のサンタも、袋を持って駆けていく


96 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:00:44.79 ID:yjkue3NJ0
イン「大体とうまはイチャイチャとしすぎなんだよ!!」

フランクフルトを食べながら、インデックスは文句を言っていた

ステイル「・・・そうだね」

イン「それにみことも!!」

ステイル「仕方ないだろう、あの二人は仲がいいのさ」

イン「私からしたら不愉快なんだよぉぉぉぉ!!」

インデックスが大声を上げる

周りの人々はなんの騒ぎかと言っている

ステイル「・・・はぁ」

イン「私は別にあの二人が付き合うことには反対しないんだよ、でもね!!」

ステイル「ちょっとは落ち着きたまえ」

イン「無理なんだよ!!」


97 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:03:13.19 ID:yjkue3NJ0
ステイル「・・・せっかくのクリスマスを怒って過ごすのはもったいない」

イン「そうだけど・・・」

ステイル「どうせなら楽しく過ごそうじゃないか」

ステイルが今日5箱目のタバコを吸いだす

イン「あ!!また吸ってる!!」

ステイル「・・・怒ったら損だよ」

イン「それとこれとは別なんだよ!!」

ステイル「・・・君は相変わらずタバコ嫌いだな」

イン「今も昔も嫌いなんだよ!!」

ステイル「・・・ははは、そこも変わらないんだな」

イン「くー!!吸ったらダメ!」

ステイル「・・・仕方ないな」

まだ火をつけたばかりでもったいない気もするが、タバコを灰皿に捨てる

ステイル「・・・ツリーが綺麗だね」

イン「・・・うん」


98 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:06:34.13 ID:yjkue3NJ0
ステイル「・・・」

遠くでは上条たちが頭をぶつけて笑っている

そんなことの何が楽しいのか、ステイルには分からなかった

ステイル「・・・恋人が相手だと、どんなことも特別なんだろうな」

イン「・・・私にはわかんないんだよ」

ステイル「僕もだ」

二人は、恋人ができた経験なんてない

特にインデックスは、失恋してしまったのだから

イン「・・・恋って、めんどうなことなんだよ」

ステイル「・・・そうだね」

イン「・・・期待してしまって・・・勝手に夢を見るんだよ」

ステイル「・・・それでも、失ってしまえば傷つくものだ」

イン「・・・ねぇ、どうして人は恋をするのかな?」

99 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:12:31.67 ID:yjkue3NJ0
ステイル「人というのは常に孤独だからかな」

イン「・・・温もりを求めるのかな?」

ステイル「傷の舐めあいさ」

イン「・・・でも、あの二人はそうじゃないと思うんだよ」

インデックスが上条たちを見つめる

あの笑顔は、ただ幸せから来るものだろう

損得を考えず、互いのことだけを思っているはずだ

イン「・・・うらやましいんだよ」

ステイル「・・・僕もだ」

イン「・・・ステイルは・・・恋をしてるのかな?」

一瞬

ほんの一瞬、ステイルの思考が止まる

ステイル「な、なななななななななななななんでそんな質問をするんだい!?」

イン「あ!!その反応は恋をしているからなんだね!?」

ステイル「ち、違う!!」


100 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:15:53.75 ID:yjkue3NJ0
イン「ふっふーん♪私の前では隠しきれないんだよ!!」

ステイル「な、何を言っているんだ!?」

イン「ねぇねぇ、誰!誰が好きなの!?」

ステイル「そ、それは・・・」

イン「・・・ねぇ」


イン「・・・私のこと・・・好きなのかな?」

ステイル「」



上条「・・・綺麗なイルミネーションだな・・・」

美琴「ホント・・・なんか、ずーっと忘れないと思うわ」

上条「俺もだ・・・」

美琴「・・・まだ1時間も経ってないのね」

上条「なんか、もっと経ってるかと思ってた」

美琴「時間が止まってるみたい」

上条「俺も」


101 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:20:42.08 ID:yjkue3NJ0
美琴「あ、雪が降ってきた」

上条の頬に、雪が舞い降りる

体温によってすぐに溶けてしまった

上条「お、どんどん降ってきた!」

美琴「すごいすごい!!」

上条「ホワイトクリスマスか!!」

上条がベンチから立ち上がる

息を吐くと、白くなって消えていく

美琴「・・・なんか、幻想的ね」

上条「右手は使わないようにしますね」

美琴「・・・じゃあ私が握っててあげる」

上条「あぁ」

二人が手を握り合う

美琴「・・・あったかい」

上条「美琴、寒くないか?」

美琴「うん、大丈夫よ」


102 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:24:41.93 ID:yjkue3NJ0
上条「・・・綺麗な夜だな」

美琴「ホント・・・ねぇ、雪ってなんで白いのかな?」

上条「なんでって?」

美琴「だから、どうして白いのかな?」

上条「うーん・・・わかんない」

美琴「・・・答えてみなさいよ」

上条「俺は垣根みたいにメルヘンなことは言えません」

美琴「はぁ・・・当麻、それじゃ女の子に嫌われるわよ」

上条「美琴に嫌われなければ問題ないですよ」

美琴「・・・う、うん」

上条「・・・月が綺麗だな」

美琴「!!そ、そうね!!!」

上条「?なんで嬉しそうなんだ?」

美琴「なんでもないわよ!!」


103 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:30:16.27 ID:yjkue3NJ0
上条「あ、そうだ」

上条が美琴を強く抱きしめる

美琴「な、なに?」

上条「メリークリスマス、美琴」

美琴「・・・それって、クリスマスに言うことよ?」

上条「あれ、イブは言っちゃダメなのか?」

美琴「・・・イブでもいいけどさ・・・」

上条「じゃあいいじゃんか」

美琴「そうね・・・」

上条「・・・なぁ、なんでも一つ・・・お願い叶えるからさ」

美琴「・・・どうして?」

上条「プレゼント」

美琴「なんでも?」

上条「あぁ」


104 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:35:41.51 ID:yjkue3NJ0
美琴「・・・プレゼントかぁ」

美琴が上条の腕の中でクスクスと笑う

上条「ど、どうして笑うんだよ!?」

美琴「・・・当麻は鈍感ね」

上条「な、なにが?」

美琴「・・・私のお願い、もう叶ってるもん」

上条「?」

美琴「いいの、もうちょっと抱きしめといて」

上条「でもツリー見れないぞ?」

美琴「だ、だからもう少しだけ!!」

上条「は、はい」

上条が美琴を強く抱きしめる

美琴「・・・ちゃんと抱きしめててね」

上条「あぁ」

真っ白な雪が二人の背中に降り注ぐ

美琴(・・・もう少し、抱きしめててもらわないと)


美琴(真っ赤な顔が見られるじゃない・・・)


105 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:39:24.79 ID:yjkue3NJ0

心理「・・・ねぇ、ちょっと胸元がきついんだけど」

サンタの格好をした心理定規は砂皿に文句を言っていた

砂皿「仕方ない、ちょうどいいサイズがなかったからな」

垣根「心理定規は身長のわりに胸がでかいからな」

心理「・・・あなたは似合ってるわね」

垣根「ヒゲが口に入ってイヤだ」

砂皿「文句を言うな、行くぞ」

垣根「なぁ、俺たちはどこに行くんだ?」

砂皿「そうだな・・・お前たち二人はここから少し遠い広場に行ってもらいたい」

垣根「へぇ・・・いろいろと広場があるのか?」

砂皿「もちろん、一箇所に大きな広場があってしまっては混雑するからな」

心理「あら、考えて作られてるのね」

砂皿「イギリスはクリスマスを盛大にやるものだからな」

垣根「へいへい」


106 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:42:22.56 ID:yjkue3NJ0
垣根「じゃあ、またな」

砂皿「・・・また会うのは気が進まないんだがな」

垣根「・・・今度は元同僚としてじゃなくてだよ」

砂皿「・・・それなら悪くない」

小さく笑ってから、砂皿が去っていく

心理「・・・相変わらず仏頂面なヤツね」

垣根「でもいい笑顔だったな」

心理「えぇ」

二人は笑ってから、建物の外へと出る

垣根「・・・誰も見てないか」

心理「何するつもり?」

垣根「サンタが地面を歩いちゃダメだぜ、メルヘンじゃない」

そう言ってから、垣根は翼を広げる

垣根「やっぱ空じゃないとな」

心理「素敵ね」


107 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:45:21.20 ID:yjkue3NJ0
垣根「サンタさんってのはこしょばゆいよな」

心理「そうね、別に子供達に夢を届けられるような人間じゃないもの」

垣根「・・・夢、か」

心理「あら、何かおかしいかしら」

垣根「・・・俺のガキの頃の夢さ、サンタになることだったんだ」

心理「そうなの?」

垣根「今思えばバカみたいな夢だけどな、あの頃は誰かに夢を与えられる存在に憧れてたのさ」

心理「今は?」

垣根「無理だって分かったからな、憧れというよりも羨望さ・・・行くぞ」

垣根が心理定規を抱きしめる

胸が当たるが気にはしない

心理「・・・バカね、あなたは」

垣根「なにが」

心理「私に夢を見させてくれてるじゃない」

垣根「バーカ、夢じゃないだろ」

心理「・・・そうね」


108 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:49:21.37 ID:yjkue3NJ0
垣根「さてと、まずはあそこにでも向かいますか」

垣根が遠くの広場を指差す

心理「あら、ずいぶんと遠いわね」

垣根「俺じゃなきゃ行けないだろ?」

心理「そうね・・・他の人じゃきついかも」

垣根「他人に出来ないことをするのが俺なのさ」

心理「かっこいいじゃない」

垣根「捕まっとけ」

心理定規が垣根の首に軽く手を回す

心理「ねぇ、私達にもプレゼントは届くかしら?」

垣根「いい子にしてたからな」

心理「どんなプレゼントだと思う?」

垣根「・・・そうだな」

垣根は飛ぶ

子供達に夢を与えるために

垣根「子供達の笑顔、かな」


109 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 17:57:01.97 ID:yjkue3NJ0

イン「・・・どうなの、ステイル?」

ステイル「・・・僕には分からないさ」

ステイルは顔をしかめていた

インデックスに、とうとう訊ねられてしまった

ずっと

彼女の記憶を消してからずっと、心の奥に留めていた感情について

イン「・・・どうして分からないの?」

ステイル「自分を完全に把握している人間なんていないさ」

イン「でも・・・」

ステイル「それは仕方ないのさ」

ステイルが溜め息をつく

イン「・・・私のこと、嫌い?」

ステイル「まさか、とても大切さ」

イン「じゃあ・・・」

ステイル「・・・でもね、好きかどうかは分からない」


110 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 18:01:23.16 ID:yjkue3NJ0
イン「・・・」

ステイル「・・・僕は、恋なんてしたことがない、それに・・・したいとも思わないのさ」

イン「どうして?」

ステイル「いつか、失う日が来るからさ」

イン「でも・・・」

ステイル「さぁ、ご飯でも食べようか」

ステイルが小さく笑う

イン「・・・うん」

ステイル「・・・食欲が湧かないかい?」

イン「ううん、私は食べるのは大好きなんだよ!」

ステイル「そうだね、昔からそうだったさ」

二人は近くのレストランへと向かう

昔も、何度も訪れた場所だ

でも

今のインデックスにとっては、初めて訪れる場所なのだ


111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 18:03:31.99 ID:nCPjMmD+0
ていとくんマジメルヘン
112 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 18:04:38.14 ID:yjkue3NJ0
イン「・・・ここ、私は前に来たことあるのかな?」

ステイル「・・・よく来た場所さ」

イン「そうなんだ・・・」

ステイル「・・・上条当麻の言っていたことが、最近よく分かるのさ」

イン「どんなこと?」

ステイル「僕たちの物語はまだ始まってすらいなかった、ってことさ」

イン「・・・そうなのかな」

ステイル「あぁ、これから始まるのさ・・・きっとね」

イン「・・・でも・・・プロローグが長すぎたんだよ」

ステイル「そうだな、長すぎた」

ステイルが目を細める

上条があの日インデックスを救った

プロローグでも

結局、ヒーロー以外がヒロインを救うことはなかった

ヒロインに憧れる騎士は、ただそれを遠くで見つめることしかできないのだ

ステイル「・・・長すぎた、そして悲しすぎたのさ」

外は雪が降っていた

冷たい冷たい、雪が降っていた


113 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 18:05:50.31 ID:yjkue3NJ0
いったん休憩

今回のスレの役割は

上琴がイチャイチャ二人きり

未元定規はいろんな人と絡ませる

ステインは若干シリアス&失恋

ってとこかな


でも早くもネタが切れそうだよ先生

114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/07(水) 18:08:21.16 ID:XdWaS/ZA0
おい、ス、テ、イ、ル。お前さん恐れてはいかんぜよ。
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 18:59:25.21 ID:rvL1r48D0
>>1
ネタ切れって言うなら俺が(そげぶ
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 19:26:04.15 ID:nCPjMmD+0
学園都市メンバーのクリスマスも見てみたい。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 19:26:55.64 ID:nCPjMmD+0
学園都市メンバーのクリスマスも見てみたい。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/07(水) 19:30:10.78 ID:XdWaS/ZA0
>>116-117 重いんですね、わかります。でも、確かに見てみたいね。

いや、しかしここはあえて浜滝の日常か?
119 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 19:37:45.60 ID:yjkue3NJ0
このスレはこの三組集中

他の輩のクリスマスはたぶん次スレでやる予定

ただしそこまで濃くはできない予定

エロ以外濃くできない

エロ以外はk(ry

さて続き

120 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 19:42:23.37 ID:yjkue3NJ0
上条「・・・美琴さん、いつまで抱きついてんの?」

美琴「・・・いいから」

上条「でももう10分以上抱きついてますよ?」

美琴「・・・分かってるわよ」

上条「・・・どうかしたのか?」

美琴「・・・うるさいわよ」

上条「でもね、こうしてると美琴の顔が見られませんよ?」

美琴「わ、わかってるけど・・・」

上条「じゃあ放しますねー」

美琴「え、ちょ・・・」

上条が美琴を腕の中から放す

そして、その顔をじーっと見つめる

上条「・・・」

美琴「・・・」カァッ


上条「もしかして・・・風邪?」

美琴「」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/07(水) 19:42:50.85 ID:XdWaS/ZA0
>>119 次スレにやってくれるなら俺は大満足。
122 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 19:48:24.15 ID:yjkue3NJ0
上条「なぁ、寒いなら・・・」

美琴「・・・寒い・・・ですって・・・?」

美琴がワナワナと震える

上条「お、怒ってるんですか!?」

美琴「この状況で・・・赤くなっててなんで寒いってことになるのよ!?」

上条「いやいや!!雪降る寒さですゆえ!!」

美琴「なんでよ!?抱きしめられてたのよ!?」

上条「あぁ!!」

美琴「分かった!?」

上条「暑かったんだな、悪かった・・・」

美琴「なんでそうなるのよ!?」

ビリビリ、と美琴の前髪から電気が走る

上条「どわぁ!!ここではまずいって!!」

上条が右手で電気を打ち消す

123 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 19:53:24.93 ID:yjkue3NJ0
美琴「ふざけんなぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

上条「バカ!!!!!!!イルミネーションが」

プツン、という音がしてイルミネーションが切れる

美琴の電撃のせいで影響を受けたのだろう

上条「あ、まずい・・・」

美琴「・・・や、やっちゃった・・・」

周りの人々はわけがわからない、といった感じで慌てているようだ

どうやら配線がショートしたとでも思っているらしい

美琴「ど、どうしよう!?」

上条「あーあ・・・美琴の電撃くらったら配線なんてパーだぞ・・・」

美琴「ご、ごめん!!」

上条「はぁ・・・俺たちだけでなくここにいる人たちの夢まで奪うとは・・・」

美琴「お、怒ってる?」ウルウル

上条「若干な」

美琴「」


124 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 19:58:21.35 ID:yjkue3NJ0
上条「・・・」

美琴「は、配線は・・・直せないわよね・・・」

上条「・・・どうすんの?」

美琴「うぅっ・・・」

上条「はぁ・・・お前は俺の記憶にあるかぎり暴れん坊だったけどさ・・・」

美琴「そ、そんなことないわよ!」

上条「・・・」

美琴「ど、どうしよう・・・」

美琴の頬を冷たい汗が流れる

美琴「ね、ねぇ当麻・・・」

上条「はぁ・・・知るかよ・・・」

上条が肩を落とす

それと全く同時に、周りの人々がざわざわと騒ぎ始めた

上条「ん・・・なんだ?」

美琴「みんな空を見てるわね・・・」

上条「空?」


125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 19:58:50.68 ID:rvL1r48D0
垣根だな
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/07(水) 20:01:35.38 ID:d1Vmr5ZNo
>>125
分かってもレスすんなよ、萎える
127 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:02:05.18 ID:yjkue3NJ0
空を見上げると

何か、不思議な光が輝いていた

上条は、あの光を見たことがあった

あれは



垣根「ジングルベール・・・」

心理「ねぇ・・・もうちょっと速く飛びましょうよ」

垣根「いやいや、大体な、こういう風景は楽しむべきだぜ?」

心理「・・・みんなにプレゼントを配らなきゃいけないのよ?」

垣根「あぁ、知ってるけど?」

心理「あのね・・・」

垣根「この夜景が君へのプレゼントだ」キリッ

心理「ごまかさないで」

垣根「ちっ・・・」




128 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:07:42.48 ID:yjkue3NJ0
垣根「・・・夜景が綺麗だな」

心理「えぇ、そうね」

垣根「・・・めちゃくちゃ眺めがいいな」

心理「遠くまで見えるわね・・・」

垣根「・・・なぁ、こっからあっちの山までどれくらいかかるかな?」

心理「さぁ・・・というか、あっちの山まで行く予定はないわよ?」

垣根「・・・そ、それは・・・」

心理「なんで慌ててるのよ」

垣根「・・・」

心理「はぁ・・・砂皿に怒られるわよ?」

垣根「怒られませんしー」

心理「あなたね、真面目にやりなさい」

垣根「えー・・・いいか、人生は遊ばなきゃそんだぜ?」

心理「真面目にやれ」

垣根「はい」


129 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:13:43.96 ID:yjkue3NJ0
垣根「・・・なぁ」

心理「なに?」

垣根「イギリスってさ、妹達いるのかな?」

心理「そうね・・・たしか大きな国ほどたくさんいるんじゃなかったかしら」

垣根「そうだよな・・・日本に何人もいるんだし」

心理「でもどうして?」

垣根「いやぁ、そいつらにもプレゼントくれてやろうかってさ」

心理「あら・・・あなたもしかして妹達のこと好きなの?」

垣根「友達の妹なんだぜ?」

心理「・・・そうね」

垣根「それにさ、俺はスペアプランだったんだ・・・下手してたら、俺があいつらを殺してたかもしれない」

心理「その償い?」

垣根「まさか」

心理「・・・でもいいんじゃない?」

垣根「だよな」

130 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:16:55.43 ID:yjkue3NJ0
心理「・・・第一、どこにいるかも分からないじゃない」

垣根「そうだよな・・・」

心理「彼女達なんて別に遠くから見て分かるわけじゃないもの」

垣根「俺みたいにパタパタ飛んでるわけじゃないしな」

心理「そうそう、強いて言うなら・・・」

垣根「あそこでビリビリしてるヤツみたいにビリビリしてるってことくらいしか特徴無いよな」

垣根が近くのビルの屋上を指差す

誰かがビリビリ、と電気を放っている

垣根「・・・あれ・・・御坂か?」

心理「・・・美琴じゃないでしょ、たくさんいるもの」

垣根「だよな」


垣根・心理「は?」



131 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:19:36.32 ID:yjkue3NJ0
イン「だからね!!やっぱり野菜の中ではキャベツが一番だと思うんだよ!?」

ステイル「あぁ・・・そうだね」

レストランの中

ステイルはなぜかインデックスの野菜談義を聞いていた

きっかけはステイルが人参はそこまで美味しくない、と言ったこと

それを聞いた彼女がなにやら熱く語りだしたのだ

イン「いい!?塩漬けにしたり漬物にしたり、焼いたり蒸したり炒めたり!」

ステイル「あ、あぁ・・・」

イン「たくさんバリエーションがあるし、健康にもいいんだよ!?」

ステイル「し、知ってるよ?」

イン「白菜とかレタスよりも美味しいと思うんだよ!」

ステイル「あぁ、君は白菜とレタスが嫌いなのか」

イン「好きなんだよ!」

ステイル(えぇ・・・)


132 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:21:59.72 ID:yjkue3NJ0
イン「・・・あれ?なんかツリーが消えてるんだよ」

窓の外をふと見つめたインデックスがつぶやく

ステイル「ホントだね・・・」

イン「配線でも壊れたのかな?」

ステイル「さぁね、僕はそういう科学的なことには疎いから分からないが」

イン「・・・とうまはホント不幸なんだよ」

ステイル「・・・恋人と見ているツリーが壊れるなんてね」

ステイルが呆れたように笑う

そのツリーが壊れたのはその恋人さんのせいなのだが

イン「・・・みんななんか残念がってるんだよ」

ステイル「そうだね・・・でも無理はないだろう?」

イン「楽しみにしてたのになぁ・・・」

ステイル「・・・僕も・・・少し楽しみだったけどね」

ステイルが苦笑する


133 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:31:48.93 ID:yjkue3NJ0
イン「・・・ねぇ・・・あの光、何かな?」

ステイル「ん?イルミネーションが直ったのかい?」

イン「ううん、屋上で光ってるんだよ」

ステイル「屋上?」

ステイルが窓に駆け寄る

たしかに、ツリーの間近にあるビルの屋上が怪しい光を放っている

ステイル「・・・自然現象ではないな・・・」

イン「なんかおかしな光なんだよ」

ステイル「そうだね・・・まるで・・・」


ステイル「能力かなにかみたいだ」



上条「・・・なぁ、あの光って」

上条が空を見上げる

バチバチ、と閃光のようなものが走っている

しかもそれは一本や二本ではない

何本もバチバチ、と勢いよく走っているのだ

134 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:34:40.96 ID:yjkue3NJ0
美琴「・・・電撃使い・・・!?」

上条「だ、だけどさ・・・あんなにいっぱいいるもんなのか?」

上条が言うことはもっともだ

この魔術側の総本山といってもいいイギリス

しかも、電撃使いが何人も

そんなことあるわけがない

ないのだが

美琴「・・・今の・・・私の使う電撃と似てるわね・・・」

上条「だよな・・・俺もそう思ってた」

美琴「な、なんなんだろ・・・なんか不思議な感じがする」

美琴が目を細めて屋上を見つめる

美琴「あのさ、私・・・心当たりがあるんだ」

上条「・・・俺も」

美琴「あれさ・・・」

上条「・・・もしかして」


上条・美琴「妹達!?」


135 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:43:08.89 ID:yjkue3NJ0
垣根「・・・っと」

垣根と心理定規は、例の建物の屋上に来ていた

心理「・・・なんなのかしらね・・・」

心理定規が辺りを見回す

そして、一点でその視線が止まる

視線の先には


10398「あー・・・さすがになまってますね、とミサカは溜め息をつきます」

19999「しゃあないのさ、何しろ久しぶりなのさ、とミサカは鼻で笑ってみます」

11116「でも思ったほどは出力は落ちてませんでした、とミサカは胸を撫で下ろします」

12345「いやいや、胸はないですよ、お姉様譲りで、とミサカは苦笑してみます」


4人の妹達がいた


心理「・・・ねぇ」

12345「はい?」


136 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 20:47:38.48 ID:yjkue3NJ0
10398「お、MNWで知ってますよ、とミサカは二人を見つめてみます」

19999「たしか垣根と心理定規なのさ、とミサカは二人を歓迎します」

垣根「・・・お前ら、何やってるわけ?」

11116「お二人こそ何を?サンタさんですか、とミサカは小さく笑います」

垣根「笑うな・・・プレゼント配ってるんだよ」

12345「ほうほう・・・ミサカたちは能力が落ちてないかをたまにこうやって検査してるんですよ」

心理「だからビリビリ光ってたのね」

12345「えぇ・・・」

垣根「・・・あ、そうだ」

垣根が何かをひらめいたように指を鳴らす

垣根「お前ら、あそこのツリーが見えるか?」

19999「あれ、消えちゃってるのさ、とミサカは驚いてみます」

垣根「リアクションサンキュー・・・」


137 :VIPに変わりましてNIPPERがお送りします(山口) [sage]:2011/09/07(水) 20:48:58.04 ID:a66xsCrSO
イギリスの妹達は上条派、セロリ派!?それともテっくん派?
138 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 21:32:01.78 ID:yjkue3NJ0
19999「で?」

垣根「あれにもう一度灯りを点けられたら・・・いや」

垣根がニヤリと笑う

垣根「あんなちんけなものじゃなくて、もーっと素敵なイルミネーション・・・そんなものが点けられたら、素敵だとは思わないか?」

心理「あなたね・・・」

垣根「あいにく、俺とこいつは今からサンタのバイトだからよ・・・お前らならできるだろ?」

12345「まぁ・・・やってもいいですが」

11116「ミサカたちにそれほどの出力はありませんよ」

垣根「問題ないさ」

垣根が二、三度翼を振る

垣根「俺の能力を撒いといた、適当に電撃ぶっ放せば乱反射して綺麗になるからよ」

再び垣根が心理定規を抱きしめる

垣根「よろしく頼むぜ」

10398「あ、あの!」

垣根「あぁ?」


139 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 21:34:46.64 ID:yjkue3NJ0
10398「テ・・・テっくんってどんな人ですか?とミサカは・・・」

垣根「なんだ、好きなのか」

19999「す、好きじゃないけどさ!!ミサカたちの世話を見てくれて・・・」

垣根「いいヤツだ、じゃあよろしく」

垣根が翼を羽ばたかせ、空へと向かう

12345「・・・ミサカたちにも、誰かに夢を与えられるでしょうか」

垣根「もっちろん、出来るさ」

12345「・・・では、あなた達もがんばってくださいね」

垣根「またな、未来のサンタ候補」

12345「えぇ、また」


垣根の飛び去った方向を見て、妹達が声を上げる

19999「・・・ここまで来たらやってやるのさ」

11116「飛び切りのイルミネーション!」

12345「ミサカイリュージョン!!」

10398「・・・始め!!!」


140 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 21:37:34.36 ID:yjkue3NJ0
上条「あ、光だしたぞ!」

美琴「あ、あれは・・・プリズム効果?」

空から、たくさんの色の輝きが降ってくる

上条「・・・もしかして垣根かな」

美琴「・・・月の輝きだけじゃ、ここまでの光量はないわよ」

上条「・・・じゃあ」

美琴「・・・妹達なのね」

美琴が嬉しそうに笑う


19999「あ、お姉様発見!」

12345「あぁ、たしかあのお二方も来てるって情報が」

10398「よし!!お姉様の旅行祝いです!!」

ミサカ一同「おうともよ!!」


上条「すげぇ!!」

美琴「き、綺麗・・・」

周りの人々も口々に賞賛している

141 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 21:40:40.50 ID:yjkue3NJ0
なんでも、先ほどのツリーの故障を演出だと思っているらしい

全員が拍手をしたり歓声を上げたりしている

上条「なんか・・・いいクリスマスだな」

美琴「・・・妹達が祝福してくれてるんだ」

美琴が嬉しそうにつぶやく

上条「・・・美琴、妹達にもプレゼントあげないと」

美琴「うん、分かってる」

美琴が上条の手をいったん放す

美琴「ありがとね、みんな・・・」

そして、ありったけの力で電撃を空へ放つ

それは垣根のばら撒いた未元物質とぶつかり、信じられないほどの光を生み出した


美琴「メリークリスマス、妹達!!!!!!!!!!」


その日

イギリスのとある広場には、七色の輝きが満ちていた

142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/07(水) 21:48:48.16 ID:XdWaS/ZA0
おお、これはぜひこの目で見てみたい光景ですな。想像で補っておくか。
143 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/07(水) 21:49:18.06 ID:yjkue3NJ0
今日はここまで

では筋肉動画


伝説の背中といえば

思い浮かぶ選手は二人と言っていいでしょう

一人は神話、セルジオ・オリバ

そしてもう一人は

「The Lion of Lebanon」 レバノンのライオンことサミール・バヌー

11回もオリンピアに出場

背中、特に発達した下部は「クリスマスツリー」という異名を持つほどの大きさ

弱点は若干足が弱いのと、ウェストが太いことでしょうか

セルジオのような「逆三角形」というよりも最近のビルダーに見られる「丸みのある背中」って感じですね

ビルダーの中には、彼を憧れとする人も多くいます

審判さえも楽しませるパフォーマンスが人気なんでしょうね

やっぱり今のビルダーたちよりもこの頃のビルダーのほうが熱く語れますw

http://www.youtube.com/watch?v=PcT3E9VHGTY


ではおやすみなさい
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/07(水) 21:52:38.05 ID:XdWaS/ZA0
>>1よ、お疲れ。あと遅れてなんですが、一緒に受験頑張りましょう!!
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 22:25:40.35 ID:YW7GidaV0
>>144 
同志よ 共に頑張ろう!
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/08(木) 01:06:12.19 ID:SfwDqSqz0
>>144
>>145
俺も仲間だいっしょにがんばろう!!
147 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:05:11.27 ID:vCj4tEoA0
イン「あ、なんかピカピカ空が光ってるんだよ!」

ステイル「な、なんだあれは!?」

二人はレストランの中から光輝く空を見つめていた

いや、もはや輝いているのは空だけではない

広場の中にまでも輝きは届いていた

未元物質が舞い降りてきているのだが、そんなこと魔術側である彼等にはわかるはずもない

イン「綺麗なんだよ・・・」

ステイル「・・・何か怪しい光だな・・・自然の光とは思えないが」

イン「・・・ステイル、そんなこと言うなんてロマンチックのかけらもないんだよ」

インデックスがため息をつく

こういうときは、例え自然現象でないと分かっていても「星が降ってきてるのかな」なんて言ってもらえるほうがいい

彼がそういう歯の浮く台詞を言ってもなんら違和感はないだろう

ステイル「・・・すまない、綺麗なのは確かだけどね」

148 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:05:52.48 ID:vCj4tEoA0
イン「はぁ・・・すまない、じゃないんだよ」

ステイル「・・・じゃあどうすればいいんだい?」

イン「今すぐ見に行きたいんだよ!」

ステイル「あぁ・・・分かったよ」

ステイルがすぐさまウェイターを呼ぶ

そして素早く支払いを済ませる

ステイル「じゃあ行こうか、インデックス」

イン「うん!」

二人は光輝く広場へと走っていく

そこはまるで、本当に星が降ってきているかのような光景だった


上条「・・・すっげぇ・・・美琴の電撃は威力が違うな」

美琴「ふふーん♪妹達にも届いたかな?」

上条「届いたに決まってるだろ?」

上条が美琴の頭を撫でる

149 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:06:18.81 ID:vCj4tEoA0
美琴「・・・でも垣根の一人勝ちよね、結局」

上条「まさか、お前達がやってくれたからこんなに輝いてるんだよ」

美琴「・・・当麻にも・・・届いたかな?」

上条「あぁ、とっても綺麗だ」

美琴「・・・最高のプレゼントだったかな?」

上条「あぁ、最高だよ」

上条が強く美琴を抱きしめる

上条「こんな幸せをくれたのも、こんな気持ちをくれたのも」

美琴「・・・私なの?」

上条「そうですよ」

美琴「・・・お返しは?」

上条「キスで足りるかな?」

美琴「余っちゃうわよ、バカ」

上条「ならよかった」

上条が優しくキスをする

彼女の体をそっと抱きしめながら

150 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:07:02.39 ID:vCj4tEoA0
美琴「・・・余っちゃったわね、いっぱい」

上条「今晩にでも返してくださいよ」

美琴「エッチ・・・したいの?」

上条「そりゃまぁ・・・男ですから」

美琴「・・・いいわよ、しても」

上条「ありがと」

上条がもう一度美琴にキスをする

今度は若干深く

上条「・・・綺麗だな」

美琴「妹達が頑張ってるんだもん、私の妹なのよ?」

上条「ははは!さすが美琴の妹だな」

美琴「うん」

イチャイチャとする、幸せなカップル

そんな二人を優しい光が包んでいた

151 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:07:53.30 ID:vCj4tEoA0
垣根「はいはーい、並んで並んで」

「お兄ちゃん、僕もいい子にしてたよ!」

垣根「お、じゃあお菓子あげるなー」

「ねぇお姉ちゃん、俺母ちゃんの手伝いしたぜ!」

心理「あらあら、いい子じゃ・・・ってこら、スカートめくろうとしないの」

「いいじゃんかケチ・・・」

垣根「おいこらガキ、袋に詰めて連れ去るぞ」

「」

心理「大人気ないわよ、垣根」

垣根「ほれほれ、みんなはいい子にしてたか?」

「うん!だからちょうだい!」

垣根「・・・いいな、やっぱり」

心理「えぇ、私達も悪くないんじゃない?」

垣根「キャンディーでいいかい?」

152 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:08:26.33 ID:vCj4tEoA0
「お兄ちゃんイケメンだね!」

垣根「そりゃ嬉しいな」

「キスしてあげる!」

心理「ダメよ、私の彼氏なんだから」

「二人は恋人さんなの?」

垣根「あぁ、もう結婚の約束もしてるんだぜ」

垣根が薬指の指輪を見せる

「すごーい!」

「ねぇねぇ、付き合ってどんくらい?」

垣根「さぁな、どんくらいかな」

「二人はキスとかするの!?」

垣根「子供にはまだ早い」

「プレゼントちょうだいよ!」

垣根「はいよ」

153 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:09:20.62 ID:vCj4tEoA0
垣根と心理定規は子供達にお菓子を渡していた

妹達と会ってすぐに配りはじめた

垣根「みんな、サンタさんからのもう一つの贈り物ほしいか?」

「なになに!?」

垣根「ちょっと待っといてくれ」

垣根が子供達から少し離れ、翼を広げる

「すっげぇ!」

「お兄ちゃん、本当にサンタさんなの!?」

垣根「ははは、いいからいいから」

垣根が未元物質を発動させる

月の光、星の光、街の光

それら全てを乱反射して、翼が七色に光る

「うわぁ!すっげぇ!」

「なにこれ!」

154 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:10:05.24 ID:vCj4tEoA0
垣根「綺麗か?」

「うん!初めて見たよ、こんな綺麗なの!」

垣根「だろ?俺にしか出来ないんだぜ」

心理「・・・垣根、そろそろ次に行かないと」

「え・・・もう行っちゃうの?」

垣根「あぁ、サンタさんは忙しいんだよ」

「ねぇ、また来てくれる?」

垣根「・・・そうだな、みんながいい子にしてたらな」

「じゃあ、来年も来てよね!?」

垣根「あぁ」

心理「サンタさんとの約束よ?」

「来年はスカートめくっていい?」

心理「それはダメよ」

155 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:10:35.84 ID:vCj4tEoA0
心理定規が苦笑する

垣根「じゃあな、いい子にしとくんだぞ!」

「うん!」

垣根が心理定規を抱きしめ、空へと向かう

広場では子供達が驚いたようにそれを見つめている

垣根「・・・いいな、こういうのは嫌いじゃない」

心理「私もよ」

垣根「さーて、次も頑張りますか!」

一度、垣根が心理定規にキスをする

心理「あら、どうしたの?」

垣根「栄養補給終了!」

そう言って、垣根が翼をはためかせる

空を、輝く一筋の光が駆けていった


156 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:11:18.34 ID:vCj4tEoA0
イン「・・・」

広場の輝きに気づいたインデックスとステイル

二人は、レストランから広場へと向かった

そして、そこで見てしまった

上条と美琴がキスをしているのを

二人が抱き合っているのを

ステイル「・・・あの二人は・・・!」

ステイルが一瞬、悔しそうな顔をする

それに気づいたインデックスが、無理矢理笑顔を作る

イン「・・・いいんだよステイル」

ステイル「だが!」

イン「・・・私は大丈夫なんだよ」

ステイル「インデックス・・・無理をしないでくれ」

157 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:11:53.63 ID:vCj4tEoA0
イン「・・・ごめんね、ステイル」

インデックスの声が震えていた

彼女のこんな声を聞くのは久しぶりだった

最後に聞いたのは、彼女の記憶を消さなければならなかった時だった

イン「・・・ちょっと、ちょっとだけ・・・一人になりたいな」

ステイル「・・・ちょうど僕はタバコが切れたところだったんだ、買ってくる」

顔をしかめながらステイルがその場を立ち去る

イン「・・・」

残ったインデックスは、少ししてからその場を駆け出してしまった

見ていたくなかった

あんな幸せなんて、今のインデックスには見ていられなかった

どれくらい走ったのか

長く走ったようにも、全く走ってないようにも思えた

158 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:12:38.14 ID:vCj4tEoA0
ステファニー「あいて!」

イン「あいた!」

誰かとぶつかって、インデックスは後ろにすってんころりと転んでしまった


上条「・・・そろそろ帰るか?」

美琴「そうね・・・」

美琴がビルの屋上を見つめる

まだ光が輝いている

美琴「・・・」

上条「会っていくか?」

美琴「ううん、今日はいいわ」

美琴が微笑みながら答える

美琴「明日にでも会いに行くから」

上条「そうだな、そうしますか」

159 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:13:11.10 ID:vCj4tEoA0
二人が手を取り合って歩き出す

上条「・・・エッチ、するんだよな?」

美琴「ホテルに着いてからだからね!」

上条「わ、分かってますから!だから電撃だけはここではやめて!」

そんな話をしながら

ホテルへと向かう


垣根「はぁ・・・配り終わったかな」

垣根がため息をつく

袋の中はすっかりからっぽになっていた

心理「そうね・・・帰る?」

垣根「・・・イルミネーションは?」

心理「いいわよ、空から見れたんだもの」

160 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:13:51.11 ID:vCj4tEoA0
垣根「えぇ・・・間近から見たかったんだけど」

心理「仕方ないわよ、我慢しなさい」

垣根「・・・じゃあ・・・」

垣根が心理定規をじっと見つめる

今まではプレゼントを配ることに必死だった

だがこうやって改めて見てみるとなかなかセクシーな格好だ

身長はピッタリなサイズのサンタコスプレ

だがそれゆえに胸はピチピチになっている

見られたのが子供達だけだったのが幸いだ

垣根「・・・お前をしばらく眺めさせてもらいますかね」

じーっ、と垣根が心理定規を眺める

見れば見るほどドキドキとしてしまう

こんなにも素敵なサンタさんがいるなら、プレゼントよりも欲しいものだ

161 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:14:31.50 ID:vCj4tEoA0
垣根「・・・なぁ、ちょっとスカートめくって」

心理「あら、殴られたいのかしら」

垣根「・・・ちげぇよ」

心理「こんなところでやったら誰かに見られるかもしれないじゃない」

垣根「じゃあどうするんだよ」

垣根が不機嫌そうにつぶやく

こんなセクシーな彼女を見せつけられて耐えろ、というほうが難しい

心理「あら、ホテルに着いてからなら好き放題してもいいんだけど?」

垣根「・・・砂皿が許してくれるかな」

心理「そんなに高そうなコスプレじゃないし、くれるんじゃない?」

垣根「はぁ・・・まぁ一旦砂皿とコンタクト取らなきゃいけないのは確実だな」

心理「そうね」

垣根が心理定規を抱きしめる

162 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:15:06.78 ID:vCj4tEoA0
垣根「飛ぶぞ」

心理「分かってるわよ」

視界が上へとスクロールする

サンタが二人、空を飛んでいた


イン「ごめんなさいなんだよ・・・」

ステファニー「いてて・・・あ、もしかしてお菓子が欲しかったんですか?」

イン「え?」

ステファニー「はいはい、今あげますよ」

ステファニーがニコニコとしながらインデックスにお菓子を差し出す

イン「・・・ありがとう」

ステファニー「あれ・・・もしかしてチョコは苦手でしたか?」

イン「ううん!ただ・・・ちょっとイヤなことがあったから・・・」

ステファニー「・・・イヤなことですか」

イン「うん・・・」

163 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:15:45.09 ID:vCj4tEoA0
ステファニー「話なら聞きましょうか?」

イン「え、でも・・・」

ステファニー「私としては休憩を取りたかった頃ですし、ちょうどいいんですよ」

ステファニーが近くのベンチに座る

ステファニー「さぁ、あなたも!」

イン「・・・私はインデックス、あなたは?」

ステファニー「ステファニーです」

イン「・・・ステファニーは、初恋って覚えてる?」

ステファニー「初恋ですか?もちろん!」

イン「・・・初恋は上手くいったのかな?」

ステファニー「いえ、告白する前に相手の子が引っ越しちゃいました」

イン「・・・今でも、忘れられない?」

ステファニー「そうですね・・・やっぱりなんか特別な感じはしますよ」

ステファニーが苦笑する

164 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:16:36.31 ID:vCj4tEoA0
初恋なんてそんなものだから、と続ける

イン「・・・私はね、初恋が上手くいかなかったんだよ」

ステファニー「その相手の人は?」

イン「もう彼女がいるんだよ・・・私の友達なんだ」

ステファニー「・・・友達が初恋の人の彼女、ですか」

イン「・・・二人の幸せは本当に嬉しいんだよ」

インデックスが下を向く

なぜか、頬が熱い

イン「でもね・・・あの二人が笑い合ってるのを見るのが辛いんだよ・・・」

ステファニー「初恋ってのはそういうものですよ」

イン「忘れられるかな、いつか」

ステファニー「・・・難しいかもしれませんね」

イン「・・・でもね、それは二番目に辛いことなんだ」

165 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:17:16.18 ID:vCj4tEoA0
ステファニー「・・・一番目は?」

イン「・・・私を守ってくれる人がいるんだ、昔からずっと守ってくれる人が」

インデックスが少し笑いながら言う

バカみたいに真っすぐで

そして、何よりも自分を大切にしてくれる誰かを思い出しながら

イン「その人はね、私のことを守ってくれて、優しくしてくれて・・・」

イン「今日イギリスに来たのも、その人が誘ってくれたからなんだよ」

ステファニー「なるほど」

イン「でもね・・・その人と一緒にいても、結局私は初恋のことを考えちゃうんだよ」

イン「・・・あんなに私を見ていてくれてる・・・ステイルを傷つけてるんだよ」

インデックスの瞳から大粒の涙が落ちる

イン「ステイルといてもとうまのことを見ちゃって、とうまの話をしちゃって・・・」

イン「ステイルはね、とうまのことを・・・嫌ってるのかもしれないんだよ」

イン「なのにね、なのに・・・私の初恋の人だからって、我慢してくれてるんだ」

166 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:17:54.05 ID:vCj4tEoA0
イン「そんなステイルを・・・私は裏切ってるんだよ」

イン「ステイルの気持ちなんか全く考えてないんだよ」

ステファニー「それは仕方ないことですよ」

ステファニーが足を組む

イン「ねぇ、なんでなのかな?」

ステファニー「理由なんてありませんよ、あなたがただステイルって人よりもそのとうまって人のことのほうが好きなんじゃないんですか?」

ステファニーがインデックスを見つめる

イン「そうなのかな?」

ステファニー「いいじゃないですか、初恋は忘れるのは難しいんですよ」

イン「でも・・・ステイルは傷ついてるはずなんだよ」

ステファニー「人間はいつだって誰かを傷つけてますよ」

イン「・・・ステイルに謝りたいんだよ、私はとうまと同じくらいステイルが好きなんだよ」

ステファニー「許してくれますよ、あなたのことをなによりも大切にしてくれてるんですよね?」

イン「うん・・・きっと」

167 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:18:35.96 ID:vCj4tEoA0
ステファニー「だったら自分のことなんて抑えてくれるはずです」

イン「・・・ステイルは私のこと、好きなのかわからないんだって言ってたんだよ」

ステファニー「そんなもんですよ、自分の気持ちなんて分かりませんから」

イン「・・・ステイルに謝れるかな?」

ステファニー「あなたがそう望むなら」

ステファニーが微笑む


砂皿「・・・あんなところにいたか」

そんな二人を砂皿は睨んでいた

ステファニーをいくら探しても見つからなかった

街ですれ違った人々に聞いても見ていないと言われた

それもそうだろう

こんなところで話し込んでいたのだから

砂皿「ステファニー!」

168 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:19:15.85 ID:vCj4tEoA0
ステファニー「おわっ!?砂皿さん?」

砂皿「何をしている・・・プレゼントもまだ残ってるじゃないか」

ステファニー「あ!忘れてました!」

急いでステファニーが立ち上がる

イン「あ、ステファニー!」

ステファニー「はい?」

イン「ありがとね・・・ステイルに謝ってみるんだよ」

ステファニー「じゃあ、メリークリスマス、アンドグッドラック!」

ウインクをしてからステファニーが駆けていく

砂皿「まったく・・・昔からあいつはあぁだからな」

イン「あの・・・」

砂皿「ん?あぁ、すまないな・・・あいつは今ちょっとしたボランティア中だったんだ」

砂皿もステファニーの後を追おうとする

イン「あ、もしかして」

砂皿「なんだ?」

169 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:19:55.50 ID:vCj4tEoA0
くるり、と振り向いて砂皿が尋ねる

イン「ステファニーの彼氏さん?」

砂皿「まさか、ただの同僚だ」

イン「同僚?」

砂皿「なに、気にするな」

砂皿が手を振って駆けていく

残されたインデックスは一人で納得したように頷いていた

イン「なるほどなんだよ・・・」


イン「たしかに、恋心って気づきにくいものなんだね」


上条「・・・」

美琴「ふんふん、なかなか高そうなホテルなのね」

二人は宿泊する予定のホテルにたどり着いていた

大覇星祭の副賞でもらった旅行プランだったため、どんなホテルなのかは知らなかった

しかしなかなか立派なホテルだ

170 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:20:28.66 ID:vCj4tEoA0
美琴「うん、満足!じゃあチェックイン・・・ってどうしたのよ当麻?」

上条「あの、こんなホテル・・・なかなか泊まったことがなくて・・・」

美琴「・・・なんか当麻ってホント慣れないわよね」

上条「だってさ・・・こういう高いのはいつまでも慣れないと思うんだけど」

上条がホテルの中へ入る

とても綺麗な内装だ

修学旅行で行ったホテルなんかとは大違いであった

上条「すっげぇ・・・美琴はやっぱりこういう場所とか慣れてるのか?」

美琴「うん、慣れてるわよ?」

上条「・・・なんかお嬢様って感じだよな」

美琴「ね、ねぇ・・・そんなに特別な目で見つめないでよ」

不安そうに美琴がつぶやく

当たり前に接してくれている彼に、特別扱いはされたくなかった

171 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:21:17.70 ID:vCj4tEoA0
上条「あぁ・・・大丈夫だよ、俺は美琴のことを特別扱いはしないから・・・あ、彼女だから特別だけどさ」

美琴「ありがと・・・大好き」

美琴が顔を真っ赤にしながらキスをする

上条「ほ、ほら!受付のお姉さんが見てますから!」

上条が慌てたように受付に向かう

美琴「えっと・・・二人で予約していた上条です」

英語で美琴がすらすらとしゃべる

「はい、203号室になります」

受付のお姉さんが理想の営業スマイルで鍵を渡してくる


上条「なぁ・・・英語とか習ってたのか?」

美琴「え、授業で習うじゃない」

上条「・・・俺の知ってる授業と違う気がする」

美琴「はぁ・・・」

上条「なんで溜め息つくんだよ!?」

172 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:23:45.19 ID:vCj4tEoA0
美琴「真面目に授業受けてないから・・・はぁ」

上条「いやいや!!美琴と結婚したときのために最近は真面目に・・・」

美琴「パンは英語で?」

上条「パァン!」

美琴「ブレッドよ」

上条「」

美琴「はい、とりあえず部屋行きましょう」

上条「・・・ブレッドは血だろ?」

美琴「それはブラッド」


上条「広いな・・・ソファーのあるホテルなんて・・・」

美琴「ふーん、ベッドはダブルスなんだ」

上条「ダブルスのベッド・・・か」

無言で二人が顔を見合わせる

恋人と二人

ダブルベッド

173 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:26:59.09 ID:vCj4tEoA0
美琴「・・・お、お風呂・・・入らない?」

上条「そ、そうしましょうか!」

声が裏返ってしまうが、それは二人ともだ

上条「・・・」

美琴「ね、ねぇ・・・ゴム・・・何個くらい持ってきたの?」

上条「2箱」

美琴「そんなにするつもりだったの?」

上条「いやいや!!念のためですよ!?」

美琴「するつもりだったんだ」

上条「・・・はい」

美琴「ま、まぁ風呂からあがったら考えましょう!」

美琴が上条の手を引き、風呂場へと連れて行く

風呂場の中でも、二人はイチャイチャとしていた


174 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:30:19.86 ID:vCj4tEoA0
垣根「おーい、砂皿いるかー?」

砂皿「・・・あぁ、お前たちか」

心理「お疲れ様、私達も配り終わったわよ」

砂皿「早かったな」

垣根「速さを極めてるからな」

砂皿「?」

心理「あら、それよりステファニーは?」

砂皿「そこで寝ているぞ」

垣根「あぁ?ソファーか?」

垣根がソファーに目をやる

垣根「・・・寝てるっていうよりも・・・」

心理「ノックアウトされてるわね」

砂皿「走りすぎてバテたらしい」

垣根「うっわー、情けないな」

心理「まだ若いのにね」

ステファニー「・・・仕方ないです・・・」


175 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:38:38.43 ID:vCj4tEoA0
垣根「あぁそうそう、記念にこのサンタコスもらってもいいか?」

砂皿「いいが・・・何に使うんだ?」

心理「あら、恋人に聞くなんて野暮じゃない?」

砂皿「・・・やましいことには使うなよ」

垣根「うるせぇな、人生はフリーダムだぜ?」

ステファニー「・・・ぐぁぁ・・・」

砂皿「おい、起きろ」

ステファニー「もう無理です・・・一歩も動けないです・・・」

垣根「まぁ、無理せずにな・・・明日もここにいるのか?」

砂皿「そうだがなぜだ」

垣根「明日一緒に飲もうぜ」

ステファニー「!!奢ってくれますか!?」

心理「えぇ、お金ならたくさんあるんだし」

ステファニー「やったぁ!!」

砂皿「飲み意地が張ってるぞ・・・」


176 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:41:26.78 ID:vCj4tEoA0
垣根「じゃあな、また明日」

砂皿「気をつけて帰れ」

心理「私達を誰だと思ってるの」

手を振りながら二人が出て行く

ステファニー「あぁ!!明日は飲み放題ですね、砂皿さん!」

砂皿「・・・お前は浴びるように飲むからな」

ステファニー「ちっちっち!!浴びるんですよ!」

砂皿「なおさら悪化してるじゃないか・・・」

ステファニー「よーし!!こうなったらまずはお風呂ですね!」

砂皿「はぁ・・・」

砂皿が溜め息をつく

ステファニー「あ、一緒に入ってもいいですよ?」

砂皿「狭くなる、興味が無い、めんどくさい、何のメリットもないだろう」

ステファニー「くーー!!!!!」

砂皿「・・・はぁ」


177 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:44:35.43 ID:vCj4tEoA0
垣根「・・・そそるな、その格好」

心理「・・・ホテルまで待ちなさい」

垣根「おいおい、狼は大人しく檻に入れられるのは嫌がるんだぜ」

心理「・・・こんなとこではダメよ、エツァリ君たちとは違うんだから」

垣根「・・・そうだな」

二人のサンタは街中を歩いていた

サンタが歩いている、というのはなんともシュールな光景だ

周りの人もなぜか写メを撮ったり握手を求めてきたりする

垣根「サンタってのはいつでも人気者だな」

心理「それはそうでしょ」

垣根「・・・うらやましいもんだ」

心理「あら、あなたも人気よ?」

垣根「えー、お前だけに好かれてればいいや」

心理「はいはい」


178 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:48:41.35 ID:vCj4tEoA0

垣根「よっしゃ、チェックイン!」

ホテルの受付で無事にチェックインを済ませた二人は、部屋へと向かう

ちなみに上条たちと同じホテル、しかも隣の部屋である

心理「・・・もう午後の9時なのね」

垣根「恋人達は性夜を過ごすってか」

心理「上条君たちもしてるのかしらね」

垣根「そりゃそうだろうな」

部屋の前にたどり着く

すでに隣の部屋・・・上条たちの部屋からは喘ぎ声が聞こえている

垣根「なんかドアをノックしたくなるよな」

心理「やめてあげなさい」

垣根「そう言われると」

心理「やめなさい」

垣根から鍵を奪い取り、心理定規が部屋へと入る


179 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:52:29.32 ID:vCj4tEoA0
垣根「お、綺麗な部屋だな」

心理「あら見て、夜景が綺麗よ」

心理定規が窓際へと駆け寄る

垣根「おー、月も綺麗じゃないか」

心理「そんなこと言われないでも分かるわよ」

垣根「・・・ワインあるかな」

心理「頼んだら?」

垣根「そうするか」

垣根がフロントへ電話をする


5分もしないうちに、係りの人がワインを持ってきた

垣根「はいはい、サンキュー」

心理「・・・赤ワインね」

垣根「昼間も飲んでたけどな」

心理「いいんじゃない?」


180 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 10:57:45.78 ID:vCj4tEoA0
垣根「・・・風呂入るか」

心理「その間に冷蔵庫で冷やしておきましょう」

垣根「あいよ」

二人が風呂場へと向かう

垣根「一緒でいいよな?」

心理「もちろん」


垣根「・・・で、なんでお前は素っ裸で俺の前に座ってるのかな?」

風呂場の中

垣根は若干困ったように訊ねていた

心理「あら、いいんじゃない?」

垣根「・・・洗ってくれってことか?」

心理「分かってるなら早く洗ってよ」

垣根「・・・はいはい」

タオルにボディーソープを塗りつけて、垣根が心理定規の背中を洗い始める

スベスベとした肌の感触がタオル越しに伝わってくる

181 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 11:01:03.95 ID:vCj4tEoA0
垣根「・・・綺麗な肌だな」

心理「ちゃんと睡眠とか考えてるもの」

垣根「そこまで自己管理したいもんなのか?」

心理「えぇ」

垣根「・・・背中、か」

心理「あら、あのときの傷跡はないでしょ?」

垣根「ちっげーよ、テクパトルは背中フェチだったな、と」

心理「・・・背中ってそんなにいいのかしら?」

垣根「さぁ、俺はお前の背中は綺麗だと思うけどさ」

心理「でも、そこまで特徴のある部位じゃないわよね?」

垣根「今の僕には理解できない」

心理「はいはい・・・じゃあ前も洗ってくれるかしら」

垣根「あぁ?風呂の中から前戯かよ」

心理「イヤなのかしら」

垣根「はぁ・・・しゃあねぇな」

垣根が心理定規の体を持ち、くるりと回転させる


182 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 11:04:22.77 ID:vCj4tEoA0
垣根「・・・なぁ」

心理「あら、なによ」

垣根「そんなものまじまじと見せ付けられたらまずいんだけど」

垣根が心理定規の体を指差す

タオルで隠すことも無く、つまり全部丸見えなのだ

垣根「・・・もう一度言う、まずいんだけど」

心理「あら、別に触ってもいいんだけど?」

垣根「ふーん・・・」

垣根がじーっと心理定規の体を見つめる

心理「なに?触らないの?」

垣根「んー・・・じゃあお言葉に甘えて」

垣根がそっと心理定規の胸に手を伸ばす


そして、二人の性なる夜が始まった


183 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 11:05:15.55 ID:vCj4tEoA0
いったん休憩

筋トレだ筋トレ



未元定規のエロ?

そこまで濃く書くわけがないだろう!!!!


ステインはいいと思うんだ

184 :VIPに変わりましてNIPPERがお送りします(山口) [sage]:2011/09/08(木) 12:29:20.53 ID:uT7VjRzSO
乙! ステイルも一方通行と同じく自分を許せ無いんだろうな・・・「もし」「たら」「れば」そればかり考えてる・・・過去を背負い未来を見ろステイル!
185 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 12:54:42.14 ID:vCj4tEoA0

ステイル「・・・探したよ、インデックス」

イン「あ、ステイル・・・」

ツリーから少し離れたベンチ

その前に、ステイルは立ち尽くしていた

ステイル「・・・どうしたんだい」

イン「あ、えーっと・・・サ、サンタさんを見つけて追いかけたんだよ!」

ステイル「サンタ?」

ステイルが首を捻る

イン「うん!!ステファニーっていうサンタさん!ほら、チョコもらったんだよ!」

インデックスがステファニーからもらったチョコを差し出す

ステイル「それで、こんな遠くに?」

イン「そ、そうなんだよ!」

ステイル「そうかい」


186 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 13:01:05.91 ID:vCj4tEoA0
イン「・・・ステイル、ごめんね?」

ステイル「・・・何がかな」

イン「その・・・ずっととうまのことばっかり見ちゃって」

ステイル「・・・仕方ないことだろう」

ステイルがタバコを咥える

タバコが切れたと言って買いに行ったはずだ

だがどう見てもタバコはたくさん残っている

イン「・・・気を遣わせちゃったのかな?」

ステイル「なに、問題ないさ」

イン「・・・ねぇ、ステイル」

ステイル「なんだい」

イン「・・・ステファニーが言ってたんだ、自分の気持ちには気づけないものなんだって」


187 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 13:07:34.12 ID:vCj4tEoA0
ステイル「・・・そうか」

イン「だからね・・・私は」

ステイル「インデックス、寮に帰ろう」

インデックスの言葉をさえぎり、ステイルが彼女の手を握る

イン「・・・うん」

ステイル「・・・」


ステイル「もしも・・・もしもだ」

イン「うん、なにかな」

ステイル「僕が必要悪の教会所属、とか魔術師、とか・・・そういう肩書きを持っていなくてね」

イン「・・・」

ステイル「それでもしも、もっと純粋な・・・なんの穢れも知らないただの子供だったら・・・」

ステイル「僕は、君を幸せに出来たのかな?」

イン「・・・私がここにいられるのは、ステイルが守ってくれたからなんだよ?」

ステイル「・・・そうだね」

イン「・・・後悔してるの?」

ステイル「少しね」


188 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 13:14:03.28 ID:vCj4tEoA0
イン「・・・ステイル」

ステイル「なんだい」

イン「・・・私ね、ステイルのこと、好きなんだよ?」

ステイル「・・・僕には分からないさ」

イン「・・・怖いの?」

ステイル「・・・何が?」

イン「過去のことを・・・恐れてるの?」

ステイル「違うさ、怖いのは過去じゃない」

イン「じゃあ・・・」

ステイル「未来さ」

ステイルがタバコを地面に捨てる

一瞬先端が赤くなったが、すぐに火は消えてしまう

ステイル「・・・僕にはね、未来なんていうものが分からない」

ステイル「・・・きっと、僕にはそんなに幸せな未来なんて訪れないさ」

イン「・・・そんなことないんだよ」

ステイル「・・・分からないさ」


189 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 13:19:16.09 ID:vCj4tEoA0
イン「・・・ねぇ、幸せになりたくないの?」

ステイル「なりたいさ・・・なりたいに決まっているだろう」

イン「・・・じゃあどうして?」

ステイル「・・・素直なことを口にできるのは子供だけさ」

イン「子供・・・?」

ステイル「僕はもう子供じゃないんだ」

大きく溜め息をつく

それは、白くなって空へと昇っていく

ステイルが夢見たはずのあの空へ

ステイル「さぁ、寒いだろうからもう帰ろう・・・長話は疲れるからね」

イン「うん・・・」


イン「・・・子供って、うらやましいんだよ」

ステイル「どうしてだい?」

イン「だってね・・・」


イン「・・・素直な心を、言葉に出来るから」


190 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 13:27:47.55 ID:vCj4tEoA0
上条「はぁ・・・はぁ・・・」

美琴「熱かった・・・」

上条「ん、美琴さんは今日も可愛かったですよ」

ベッドの上

二人は強く抱きしめあっていた

上条「・・・美琴、どうだった?」

美琴「ん・・・よかった」

上条「そっか・・・」

上条が美琴の頬にキスをする

今晩、一体何度目のキスだろうか

美琴「はぁっ・・・」

上条「ん、キスだけで感じてるんですか?」

美琴「・・・全身がなんか変な感じ・・・」

上条「そうか・・・エッチですね」

美琴「と、当麻もじゃない」

上条「あぁ、おそろいですよ」

美琴「うん・・・そうだね」


191 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 13:32:33.16 ID:vCj4tEoA0
上条「よいしょ・・・」

上条が美琴を四つん這いにさせる

美琴「んにゃっ・・・もう、またするの?」

上条「まだ4回目ですよ?」

美琴「・・・もしかして当麻って絶倫なの?」

上条「美琴さん相手なら」

美琴「・・・ねぇ、もう私何度も・・・んっ!!」

上条「ほら、気持ちいいだろ?」

美琴「う、うっさい・・・はぁ・・・」

パンパン、と小気味いい音が鳴る

下半身がぶつかる音だ

上条「よいしょっと・・・どうですか?」

美琴「あっ・・・あっ!」

上条(お、もう真っ赤になってる)


192 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 13:41:36.87 ID:vCj4tEoA0
美琴「・・・もうダメだって・・・」

上条「ん、なんで?」

美琴「こ、腰が・・・力入らないんだもん・・・」

上条「じゃあ、布団に体を預けてもいいですよ?」

美琴「んにゅっ・・・」

美琴が上半身をべたりとベッドにつける

本当に力が入らないんだな、と上条は少し驚く

美琴「はぁっ!!」

上条「うおっ!締め付けすぎだって・・・」

美琴「・・・あ、あ!」

上条「こらこら!!力抜けって!」

上条が美琴の腰を掴む

いったん引き抜こうとするが、彼女の中が放してくれない

上条「やばっ!出るって!」

上条が美琴の体を抱きしめる

193 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 13:49:30.86 ID:vCj4tEoA0

美琴「・・・」

上条「なぁ、疲れた」

美琴「私もよ・・・休もう」

上条「仕方ないですね」

ベッドからふらりと立ち上がり冷蔵庫へと向かう

中に入っていた紅茶のペットボトルを飲む

上条「美琴も飲むか?」

美琴「うん、ちょうだい・・・」

上条「はいどうぞ」

上条がペットボトルを渡す

美琴「ありがと・・・」

美琴が紅茶を飲みながら壁をじっと見つめる

美琴「・・・垣根たちも楽しんでるみたいね」

上条「ん、なんか音がしてるもんな」

隣の部屋からもベッドが軋む音が少しだけしている

上条「じゃあ俺たちも」

美琴「もうちょっと待って」


二人の熱い夜は、まだまだ終わらない


194 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 13:56:02.31 ID:vCj4tEoA0
垣根「なぁ、上条たち激しすぎないか?」

心理「こっちまで声が聞こえてるものね」

二人はベッドの上でゴロゴロと転がっていた

上条たちが聞いたベッドの軋む音は、ああいうことをしていたからではない

ずっとこうやって転がっていた音なのだ

心理「ねぇ、抱いてくれるんじゃなかったの?」

垣根「いやぁ、風呂場で胸とか触っただけで満足した」

心理「あなた・・・もしかしてイン」

垣根「みなまで言うな、そして違う」

心理「はぁ・・・」

垣根「そんなに抱かれたいのかよ」

心理「・・・遠慮しとくわ」

垣根「だろ?ゆっくりワインでも飲もうぜ」

垣根が窓際へと近づく

ちょうどそこに二人が座れる椅子とテーブルがある

195 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 14:02:56.53 ID:vCj4tEoA0
垣根「夜景の綺麗なホテル」

心理「窓際でワイン・・・ね」

垣根「分かってるじゃないか」

心理「忘れたりしないわよ」

心理定規が微笑む

垣根「・・・なぁ」

心理「なに?」

垣根「・・・お前ってさ、いつから俺のこと好きだったんだよ?」

心理「最初から」

垣根「だからいつだよ」

心理「さぁ、出会ったときからかもしれないし、生まれたときからかもしれないわね」

垣根「運命とか言うつもりか?」

心理「まさか」

垣根「だろうな」

垣根がワインを一口飲む

なかなか美味しいワインだ


196 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 14:26:26.86 ID:vCj4tEoA0
垣根「・・・綺麗な夜景だな」

心理「でも私のほうが綺麗かしら?」

垣根「どうかな、あの輝きに勝てる人間なんざそうはいないさ」

心理「あら、そうかもね」

垣根「・・・俺は夜景が好きだ」

心理「どうして?」

垣根「そこは闇の中だっていうのにさ、それでも輝いてるからだよ」

心理「・・・そう?」

垣根「・・・人がたくさんいて、笑い声が響いていて、灯りが灯っていて」

垣根「・・・そんな世界が俺は好きだ」

心理「でも昼間のほうが綺麗じゃない」

垣根「そうかねぇ」

心理「そうよ」

垣根「・・・そうだな、昼も悪くない」

心理「・・・」


197 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 14:43:54.62 ID:vCj4tEoA0
垣根「・・・なぁ」

心理「なに?」

垣根「なんでお前は俺が好きなんだ?」

心理「好きだからよ」

垣根「・・・はぁ?」

心理「理由なんてないの、あなたが好きなのよ」

垣根「なんだそりゃ」

心理「あなたに対する思いを言葉にするのなんて無理よ」

垣根「・・・そんなに難しいのか?」

心理「逆ね、簡単すぎて幼稚すぎて・・・無理なのよ」

垣根「・・・愛は幼いものか」

心理「そうそう」

心理定規がワイングラスを掲げる

心理「ほら、乾杯しましょう」

垣根「あいよ」


198 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 17:13:06.76 ID:vCj4tEoA0
心理「・・・素敵な夜ね」

垣根「そうだな」

心理「・・・幸せ・・・ね」

垣根「・・・幸せに答えなんてないからな、お前がそう思うならそうなんだろ」

心理「ねぇ、あなたはどうなの?」

垣根「言わなくても分かるだろ」

垣根がワインを眺める

揺れるその中に、心理定規が映っている

垣根「・・・綺麗だ」

心理「あら、誰が?」

垣根「・・・月のことだよ」

心理「それは残念ね」


199 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 17:18:41.31 ID:vCj4tEoA0
心理「・・・ねぇ、そろそろどう?」

垣根「えぇ・・・もうちょい飲んでたいんだけど」

心理「私はもう我慢の限界」

垣根「・・・しゃあねぇな」


垣根が心理定規を抱き上げ、ベッドへと寝させる

心理「あら、興奮しちゃうわね」

垣根「うっせーな、別にそういうわけじゃねぇよ」

心理「・・・じゃあどういうわけ?」

垣根「・・・」

それには答えず、垣根が心理定規にキスをする

心理「あら、ごまかさないでよ」

垣根「恥ずかしいのは苦手なんだよ」

心理「・・・する?」

垣根「する」


200 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 17:24:02.95 ID:vCj4tEoA0
心理「じゃあ脱がしてよ」

垣根「・・・自分で脱げよ」

心理「何よ、脱がせたいとかそういうのが男なんじゃないの?」

垣根「俺は初心なんだよ」

心理「見かけによらないわね」

垣根「うるせぇな・・・脱げって」

心理「イヤ」

垣根「・・・お前な」

心理「ほら、脱がしてみなさいよ」

垣根「・・・」

心理定規が笑いながら両手を広げる

垣根「・・・はぁ、いっつもこうだよな」

心理「あなたってあんまり性欲強くないものね」

垣根「そりゃメルヘンだからな」

心理「あら素敵」


201 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 18:19:38.48 ID:vCj4tEoA0
垣根「で、どうすんだ?」

心理「脱がせてくれないと始まらないんだけど」

垣根「しゃあねぇな・・・」

垣根がゆっくりと心理定規の服を脱がせていく

と言っても、ドレスと下着だけなため時間はさほど掛からない

下着姿にして、いったんじっと見つめる

心理「なに?焦らしプレイかなにか?」

垣根「ちげぇよ」

心理「なら早くしてよ」

垣根「へいへい・・・」

202 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 18:24:55.99 ID:vCj4tEoA0
垣根が最後の下着も取り払う

一糸纏わぬ姿

それをじっと見つめていると、いやでも性欲が湧いてくる

垣根「いいもんだな、やっぱ」

心理「あら、そうかしら」

垣根「・・・お前のだけな」

心理「・・・分かってる」

垣根「・・・しっかし整った体だよな」

そっと胸に手を伸ばす

細い体なのに、出るところは出ている

垣根「すげぇバランスだ」

心理「そうかしら・・・ちょっと胸は小さくない?」

垣根「お前は今世の中の女を敵に回した」

心理「じゃあ守ってちょうだい」


203 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 18:34:17.43 ID:vCj4tEoA0
垣根「・・・なぁ、やっぱ胸とかマッサージしたりすんのか?」

心理「そんなことしないわよ」

心理定規がきょとんとする

垣根「・・・じゃあなんでこんなにでかいの?」

心理「さぁ?恋をすると女性は素敵になるのよ」

垣根「ふーん」

垣根が心理定規の胸を揉む

最初は優しく、だんだん強く

心理「・・・ねぇ、胸は・・・」

垣根「分かってるって」

そっと下半身にも手を伸ばす

心理「ん・・・分かってるじゃない」

垣根「だろ」

心理「・・・あなたは脱がないの?」


204 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 18:43:18.10 ID:vCj4tEoA0
垣根「んー・・・脱いでほしいのかよ」

心理「別に・・・でも暑くない?」

垣根「それもそうか」

心理「じゃあ脱ぎなさいよ」

垣根「はーい」

垣根が衣服を全て脱ぐ

心理「あら、ずいぶんと興奮してるみたいじゃない」

垣根「うるせぇ」

心理「・・・でも体は正直じゃない」

垣根の下半身は雄雄しくいきり立っていた

心理「ほらね」

垣根「うっせぇな・・・分かったっての」

ベッドの上に心理定規を押し付ける


205 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 18:51:48.67 ID:vCj4tEoA0
心理「・・・キスして」

垣根「あぁ」

二人の唇が重なる

口の中の温もりがなぜか心地いい

心理「・・・垣根、ほら」

垣根「ゴムゴムっと」

心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「なんだよ、生じゃやらねぇからな」

心理「そうじゃなくて」

垣根「なんだよ」

心理「早くしないと私が一人でイくわよ?」

垣根「急かすなよな」

心理「ほら早くしてよ」

垣根「はいはい・・・ったくよぉ」


206 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 18:59:05.61 ID:vCj4tEoA0

心理「はぁ・・・いいじゃないの」

垣根「だろ?」

心理「・・・上手ね」

垣根「お前もな」

ずっと抱き合いながら、二人は夜を過ごしていく



ステイル「はぁ・・・」

その頃ステイルは一人で溜め息をついていた

今日もインデックスとの仲は進展しなかった

彼女の好き、という言葉は神裂に対するのと同じ、「友達として好き」という意味なのだ

ステイル「・・・まったく」

タバコの火だけが暗い部屋を照らしている

インデックスのあんな悲しそうな顔を見たくは無かった

207 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 19:50:23.08 ID:vCj4tEoA0
ステイル「・・・イノケンティウス」

イノ「なんだよ」

ステイル「・・・なんでそんなに縮こまっているんだい?」

イノ「元気に立ち上がったらこの寮が燃えちまうからな」

ステイル「それもそうか」

イノ「で、何のようだよ」

ステイル「・・・一つ、聞いてもいいかな」

イノ「あたぼうよ」

ステイル「・・・君は、恋愛をしたことがあるんだったかな?」

イノ「あぁ、語ってもいいぜ」

ステイル「いや、遠慮しておこう」

イノ「つれないヤツだな」


208 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 19:58:06.96 ID:vCj4tEoA0
ステイル「・・・その・・・恋愛感情とはどんなものだい?」

イノ「恋愛感情?」

ステイル「あぁ」

ステイルが今晩2箱目のタバコを開ける

イノ「吸いすぎだよなお前」

ステイル「気にしないでくれないか・・・それより教えてくれないか」

イノ「そうだな・・・」

イノケンティウスがアゴに手をやる

ステイル「・・・決まっていないのかい?」

イノ「・・・なんでそれを知りたいんだ?」

ステイル「・・・自分の気持ちが何なのかわからないのさ」

イノ「俺から見たら完全に恋だけどな」

ステイル「・・・僕はそうは思えないね」


209 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 20:05:31.41 ID:vCj4tEoA0
イノ「・・・なぁ」

ステイル「なんだい」

イノ「なんでそんなにウジウジとしてるんだよ」

ステイル「・・・怖いのさ」

イノ「嫌われるのがか?」

ステイル「そうだよ」

イノ「インデックスはお前のことも好きみたいだけどなぁ」

ステイル「好きの意味が違うのさ」

イノ「違わないっての」

ステイル「・・・彼女を幸せにできるのは上条当麻だけなんだ、それは確実なことだ」

イノ「決定事項か」

ステイル「辛いけど、そうなんだよ」


210 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 20:13:00.35 ID:vCj4tEoA0
イノ「・・・幸せは誰でも作れるはずなんだよ」

ステイル「そうかもしれないけどね」

ステイルが自分の手を見つめる

ステイル「・・・僕は何人もの人間を殺してきたんだ」

イノ「そりゃそうだろうな」

イノケンティウスが愉快そうに笑う

それが少し、ステイルには辛かった

イノ「だから幸せにはできないと?甘いな、言い訳だ」

ステイル「・・・言い訳か」

イノ「そうだ、お前も誰かを幸せにすることはできる」

ステイル「それがかつて、記憶を消そうとした相手でもかい?」

イノ「ごちゃごちゃ言うな、だからお前は臆病者なんだよ」

ステイル「・・・」

イノ「俺は今から寝るからな」

ステイル「・・・ありがとう」


211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 20:13:52.19 ID:1G4kLluIO
イノケンさんかっけぇ
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/08(木) 20:17:32.68 ID:5tF518Gz0
今度、イノさんと語り合いたいわ。ジッポ5本でどうだい?
213 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 20:17:53.97 ID:vCj4tEoA0

ステイル「・・・」

ステイルはベッドの上で苦い顔をしていた

ステイル(・・・僕に出来るわけが無いだろう)

ステイル(彼女を幸せにするなんて)

ステイル(はぁ・・・)

たった一人の夜

広すぎる部屋には、何の音も鳴っていなかった



上条「おはよう・・・」

美琴「ふぁぁ・・・眠い・・・」

上条と美琴は清清しいとはいえない朝を迎えていた

上条「う・・・腰が痛い」

美琴「私も・・・」

上条「さすがにやりすぎたかな・・・」


214 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 20:23:13.41 ID:vCj4tEoA0
美琴「・・・顔洗ってくる・・・」

上条「いってらっしゃい・・・」

手を振ってから上条が自分の姿を見つめる

パンツ一丁

エッチをしてすぐに寝たのは覚えている

上条「・・・リア充の目覚め方・・・かな」

垣根「俺もそう思う」

上条「・・・一応聞くけど、いつからいたんだ?」

垣根「さっきからさ」キリッ

上条「・・・美琴の下着姿見ただろ?」

垣根「いや、心理定規が怖いからそのときは目つぶってた」

上条「・・・」


215 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 20:30:29.73 ID:vCj4tEoA0
垣根「というか、なんでいるのかは聞かないのか」

上条「遊びに来たんだろ・・・」

垣根「まぁな・・・てか心理定規が今買い物に行ってるんだよ、だからヒマでヒマで」

上条「なに買いに行ってるんだ?」

垣根「なんだと思う?」

上条「お酒・・・かな」

垣根「残念、お酒だ」

上条「何が残念なのかを教えてほしい」

垣根「お前の成績さ」

上条「・・・」

垣根「・・・」

上条「でさ、とにかく出てってくれないか?」

垣根「おいおい、せっかく遊びに来たのによ」

上条「はぁ・・・」


216 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 20:37:15.42 ID:vCj4tEoA0
垣根「溜め息をつくな、御坂が泣くぜ」

上条「溜め息をついたら幸せが逃げるってか・・・?」

垣根「あ、お前はもう逃げて行ってるのか」

上条「うるせぇ!!」


美琴「ねぇ、当麻・・・ってうわ垣根!?」

垣根「おいすー、下着姿のミコっちゃんもかわ」

美琴「死ねハゲ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

美琴の前髪から電撃が放たれる

垣根「ひゃひゃひゃ!!効かないねぇ!!!」

美琴「あぁもう!!能力は禁止よ!!バツを受けろ!」

垣根「お、でも谷間がない・・・」

美琴「死ねこのクソ垣根!!!!!!!!!!!」

美琴がテレビのリモコンを投げる


217 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 20:43:36.26 ID:vCj4tEoA0
垣根「上条ガード!!」

上条「お、おい!!」

上条の肩を垣根が掴む

そして、自分の前に


そこで、上条の意識は途切れた


心理「あなたと過ごした日々を〜」

心理定規は一人で近くのスーパーに来ていた

今日はクリスマス

周りにはカップルやら家族やらが溢れている

そんな中を、なぜか一人で歩いていた

心理「・・・どれがいいかしら」

垣根と朝から酒を飲み明かそうと決めた

それはいいが、さすがに朝からワインは飲む気になれない

そう、朝ならやはりビールだろう


218 :VIPに変わりましてNIPPERがお送りします(山口) [sage]:2011/09/08(木) 20:43:49.37 ID:uT7VjRzSO
イノ△!
しかしステイルめ、いつまでもウジウジしてからに!インを幸せに出来るのは上条だけだと?そんなこと誰が決めた!運命か?運命なんてクソ喰らえだ!上条以上に幸せにして見せるくらい言って見せろ!ナガクナッテゴメンナサイ
219 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 20:49:55.02 ID:vCj4tEoA0
心理「さて・・・どれがいいかしら」

いくつかは見たことのあるメーカーだ

心理(たしか・・・垣根はアサヒが好きなのよね)

心理(・・・あ、あったあった)

心理定規がビールを手に取る

心理「私もこれでいいわね」

レジへと向かい、すぐに支払いを済ませる

店内にはジングルベルが流れている

心理(・・・ところで)


心理(きよしこって誰なのかしらね)

そんなことを考えながら、心理定規はホテルへと帰った


心理「ただいま・・・って垣根?」

220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/08(木) 20:55:08.32 ID:5tF518Gz0
>>218 かっこいいな、あんた。
221 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:02:00.94 ID:vCj4tEoA0
心理定規が部屋を見渡す

しかし垣根はいない

心理(な、なんでいないのかしら?)

心理(・・・で、出ていっちゃったの?)

心理(・・・)

心理「か、垣根?」

心理定規が部屋を見渡す

しかし返事はない

それもそのはず、垣根は今上条の部屋にいるのだから

心理「ど、どうしよう・・・」


上条「」

美琴「当麻!!当麻ぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

垣根「あーあ、お前のせいだぜ」

美琴「アンタのせいよバカ垣根!!!!!!!!」


心理「!今隣の部屋から垣根って!」


222 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:06:18.46 ID:vCj4tEoA0
美琴「ど、どうしよう・・・アゴにおもいきり入ったみたいだし・・・」

垣根「叩いたら直るかな?」

心理「垣根!」

垣根「あ、救世主」

心理「もう!!勝手に部屋から出て行かないでよ!」

垣根「それは別名拉致監禁だな」

心理「・・・で、なんで上条君はのびてるの?」

部屋に入ってきて早々、意味の分からない光景を目の当たりにした

美琴「え、えっと・・・」

心理「うん、なに?」

垣根「リモコンがアゴにヒット、原因は御坂」

美琴「アンタでしょ!」

垣根「はぁ?下着姿見られたくらいでキレるほうがおかしいんだよ、第一水着は何度か見てる」

心理「垣根」

垣根「はい」


223 :VIPに変わりましてNIPPERがお送りします(山口) [sage]:2011/09/08(木) 21:09:45.14 ID:uT7VjRzSO
>>220
感情移入しすぎた汗
反省してるだが後悔はしていない
224 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:09:51.89 ID:vCj4tEoA0
心理「美琴の下着姿を見たのね?」

垣根「い、いや・・・全然欲情しませ」

心理「垣根」

垣根「はい」

心理「女の嫉妬って怖いのよ?」

垣根「・・・はい」


心理「さて、上条君を起こしましょうか」

美琴(・・・垣根が泣いてる・・・初めて見たかも)

心理「じゃあ・・・どうする?」

美琴「えっと・・・顔を叩く・・・あ、優しく」

心理「えい」バチーン!!!!!!!!!!!

上条「」

美琴「当麻ぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


225 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:12:52.58 ID:vCj4tEoA0
心理「起きないわよ?」

美琴「と、当麻?」

垣根「いてぇ・・・」

心理「他にはどうすればいいかしら?」

美琴「む、昔の映画とか水をかけて起こしたりしなかったっけ?」

垣根「あぁ、コップ一杯くらいを」

心理「えい」バッシャーン

垣根「バケツ!?」

上条「」ブクブク

美琴「当麻ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」


心理「他には?」

垣根「キスとか」

心理「じゃあ美琴」

美琴「は、恥ずかしいもん!」


226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/08(木) 21:15:34.04 ID:xrflnrmQ0
上条さん死んじゃう
227 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:16:48.73 ID:vCj4tEoA0
垣根「おいおい、これで助けてやらないと・・・」

心理「そうね、上条君はもう・・・」

美琴「や、やるわよやればいいんでしょ!?」

美琴が上条の唇を見つめる

息をしているのは分かる

だが完全にのびてしまっている

美琴「い、いくわよ」


そして、優しくキスをする

垣根「ワーオ、これは目覚めるぜ」

心理「目覚めるわね」

美琴「ど、どうかな?」

上条「」

美琴「・・・」


垣根「他には?」

美琴「私のキスで起きてくれなかった・・・」グスン

心理「仕方ないわよ」

228 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:23:06.23 ID:vCj4tEoA0
垣根「・・・他に方法はないのか?」

美琴「・・・目覚まし時計とかかしら」

心理「でもここにはないわね」

垣根「代わりに鳴らせそうなものは?」

美琴「えっと・・・携帯?」

心理「ちょっと貸して」

心理定規が上条の携帯を受け取る

待ち受けが美琴とのツーショットなのがほほえましい

しかし今はそれを気にしている場合ではない

心理「・・・いい曲があったわ」

美琴「お、起きるかな?」

心理「えぇ、これは多分世界中が感動する曲だから」

垣根「あぁ、上条も有名な曲とか入れてるのか」

心理「そうね、驚いたわ」

心理定規がスピーカーを最大にして、上条の耳元に携帯電話を置く


229 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:29:38.08 ID:vCj4tEoA0
「ゆーめーちーっぽけーでーもいーいかーらーてをーはなすーなよー!!!!」


心理「ね?」

美琴(ヤだ、なにこのカッコイイ曲・・・)

垣根「ひゃひゃ!!だっせぇ曲!!」

美琴「な、なによ!?」

垣根「こんなんで起きるかっての!むしろ耳塞いで寝たくなるよなぁ!?」

美琴「バカにしないでよ!」

垣根「ゼロからの逆襲?ゼロには何足してもゼロなんですぅ!」

心理「かけても、ね」

垣根「そ、そうそう!!だっせぇ!!」

美琴「何よ!?当麻の曲を笑うつもり!?」

垣根「ったりめーだろ、だせぇんだよ!」

美琴「このクソ垣根ぇぇぇ!!!!!!!!!!!」


230 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:31:46.53 ID:vCj4tEoA0
美琴がエアコンのリモコンを掴む

美琴「喰らえ!!!!リモコンアタック本日二回目!!!」

垣根「ここで!!」

垣根が上条の肩を掴む

デジャヴだ

垣根「上条ガード!!!!!!!!!!」


その日

上条当麻は二度目の死を迎える



上条「・・・まず美琴」

美琴「はい」

上条「・・・何か言うことは?」

美琴「・・・ごめんなさい」

上条「よし・・・じゃあ垣根」

垣根「はい元気です!」

上条「知ってる」


231 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:35:33.07 ID:vCj4tEoA0
垣根「じゃあなんだよ?」

上条「何か言うことは?」

垣根「・・・」


垣根「あの曲ダサくない?」

上条「とりあえずそげぶな」


上条「で・・・心理さん」

心理「あら、何かしら」

上条「・・・とりあえず、今までのやり取りの中でボケキャラはあなただった」

心理「えぇ、ちょっとはしゃぎすぎたかしら」

上条「なんではしゃいだの?」

心理「・・・旅行ってのはテンションが上がるのよ」

上条「はぁ・・・」

心理「一応謝っておくわ、ごめんなさい」

上条「一応・・・か」


232 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:38:40.42 ID:vCj4tEoA0
垣根「あ、ビール買ってきたか?」

上条「あぁ・・・心理さん酒買いに行ったんだっけ」

心理「えぇ、もちろん」

美琴「ビールって・・・おじさんくさい」

垣根「はぁ?ビールほど素晴らしい酒はないぜ」

心理「取ってくるから待ってて」

心理定規が部屋へと向かう


垣根「お前らも飲むか?」

上条「いや・・・いい」

美琴「なんか苦そうだもん」

垣根「もったいねー・・・まだ朝だしさ、今から飲んでも大丈夫だろ」

上条「・・・いやだ」

垣根(ちっ)


233 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 21:53:24.96 ID:vCj4tEoA0
心理「はい、持ってきたわよ・・・」

上条「うわ・・・これまたたくさん・・・」

垣根「いっただっきまーす」

心理「はい、乾杯」

垣根「乾杯」

美琴「・・・なんか心理定規がビールって新鮮ね」

上条「そうだよな・・・ワインとかカクテルとかしか飲まなそうなのに」

心理「そんなことないわよ?」

ドレスを着て、足を組んで

そんな美人がビールを飲んでいる

しかもただの安いビールをだ

上条「・・・すごい光景だよな」

垣根「そうか?いつもこんな感じだぜ?もちろんワインも好きだけど」

心理「いつもワインじゃ面白くないでしょ?」


234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 21:55:38.40 ID:1G4kLluIO
垣根舌打ちしたけど世間一般では上やんが正しいんだぜい
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 22:01:08.35 ID:lIagsan50
>>234
垣根「俺に常識はねぇ」
236 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 22:01:27.89 ID:vCj4tEoA0
美琴「よ、よくわかんない・・・」

美琴がぽけーっと心理定規を見つめる

彼女と美琴はおそらく同い年だろう

しかしどう見てもそうは思えない

何歳も年上な雰囲気をかもし出している

上条「・・・美琴、お前って・・・その、お酒とかも詳しいのか?」

美琴「なわけないでしょ・・・全然よ」

垣根「お前らも飲めよ、ちょっとなら大丈夫だろ?」

上条「知ってんだろ美琴が酒弱いこと!?」

垣根「あー、だったね」

心理「でもそれじゃいつまでも弱いままよ?」

美琴「う・・・」

美琴がビールを見つめる

よくわからないが、飲めば強くなれるのかもしれない


237 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 22:09:33.00 ID:vCj4tEoA0
上条「ダメダメ!!」

心理「あら、じゃあ・・・」

心理定規が上条の頬に手を当てる

上条だって男だ

そんなことをされたらドキリとしてしまう

たとえ彼女持ちであっても

心理「ねぇ・・・お姉さんと、飲んでみない?」

上条「・・・」ゴクリ

美琴「ちょっと心理定規!やめなさい!」

心理「あら、でもまんざらでもなさそうよ?」

美琴「と、当麻!」

上条「はいぃ!!」

上条が心理定規の手をのける

心理「あらひどい」

上条「の、飲まないからな!」


238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 22:13:53.13 ID:1G4kLluIO
>>235
なんか違う気がする
239 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 22:17:33.89 ID:vCj4tEoA0
垣根「もったいねぇ・・・」

グビグビと垣根が飲んでいく

上条「はぁ・・・で、今日はどういう予定なんだ?」

垣根「あぁ、そうだな・・・俺はちょっと知り合いに会ったあとはヒマだ」

美琴「じゃあ一緒にどっか行かない?」

心理「あら、上条君と二人きりじゃなくていいの?」

美琴「うん、今日は心理定規と一緒に回りたい」

心理「嬉しいこと言ってくれるわね」

ニコリ、と心理定規が笑う

男なら瞬殺できる笑顔

美琴「・・・ホント、心理定規は美人よね」

垣根「あぁ、自慢の彼女です」

心理「おだてても何も出ないわよ?」

上条「でも美琴のほうが綺麗だけどな」

垣根「・・・あぁ?」

240 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 22:25:19.61 ID:vCj4tEoA0
上条「・・・なんだよ」

垣根「・・・心理定規のほうが可愛いんだよバーカ」

上条「美琴はお嬢様だし強くて優しくて可愛いんだよ!」

垣根「うっせぇ!!どうせガキだろうが!心理定規は大人で妖艶で包容力があるんだよ!」

上条「だからなんだよ!完成してる女よりもこれから成長を見られる美琴のほうがいいんだよ!」

垣根「まーちがってるね!!これからいい方向に成長するとは決まってないだろ!?心理定規みたいに完成している人が彼女だと落ち着くんだよ、お前にはわからんだろうがなぁ!」

上条「いやいや!!いつもは強くてカッコイイけど、ときどき見せる女の子らしい脆さ可愛さ心地よさ!そういうギャップがボディーブローみたいに効いてくるってことがお前は知らないんだろ!?」

垣根「ざけんじゃねぇよ!!心理定規は料理が上手いんだよ、俺がそう認めたのはあいつが最初で最後だね!」

上条「美琴だって!!料理はできるしペルシャ絨毯のほつれは直せるし!!」

垣根「そんな日常的に使えないこととかどうでもいいんだよ!!」

上条「大体心理さんはよーく他の男にちょっかい出してるだろ!!あんなんじゃ浮気が心配ですねぇ!!!!」

垣根「はぁ!?御坂だってミニスカ履いてるじゃんか、短パンあっても太もも晒しながら歩いてるとかマジ信じらんなーい!!!」

上条「うるせぇな!!そういうガードの高さが魅力だろ!!心理さんは谷間丸見えだろうが!」

垣根「あぁ!?」

上条「やんのか!?」


241 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 22:29:36.04 ID:vCj4tEoA0
心理「はいはい、そこまでよ」

パンパン、と心理定規が手を叩く

美琴「もう・・・なんでアンタたちはそうやってすぐケンカするのよ」

上条「だって!!」

垣根「彼女バカにされて黙ってるほうがおかしいんだよ!」

心理「はいはい、分かったから」

心理定規は全く相手にしていない

優雅にビールを飲んでいる

垣根「・・・お前、俺のこと最近手なずけてきてるよな」

心理「馬は手綱を握れば逃げないのよ」

上条「ほーら!!そうやって怖いこと言うだろ!!」

垣根「これが魅力なんだよ!!ガキの恋人ごっこなお前らには分かるまい!!」

上条「あぁ!?」

垣根「んだよ!?」

心理「はぁ・・・二人そろって子供ね」


242 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 22:37:50.87 ID:vCj4tEoA0
上条「子供って・・・」

心理「いい?自分の好きなものを誰にでも押し付けようとするのが少年、自分の好きなものを自分だけのものにしようとするのが青年、自分の好きなものの全ては所詮手に入らないと気がつくのが大人よ」

上条「そ、そうなのか?」

心理「そうよ」

垣根「・・・でもさ、好きな人のことを悪く言われるのは耐えられないんだけどさ?」

心理「分かってるわよ、でも我慢しなさい」

心理定規が一口ビールを飲む

美琴「・・・なんか、当麻も垣根もくだらないことでケンカしてたのね・・・」

上条「うぅ・・・悪かったよ・・・」

垣根「反省してまーす」

心理「じゃあ外行く準備しなさい、まずは砂皿に会うわよ」

上条「あぁ、二人の知り合い?」

垣根「まぁな」

美琴「どんな人なの?」


243 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 22:42:16.10 ID:vCj4tEoA0
垣根「そうだな・・・」

心理「根暗ね」

垣根「仏頂面」

心理「頭はいいけど、性格はきつい」

垣根「なんか女の気持ちに気づかない」

美琴「・・・一方通行みたいなの?」

垣根「まぁ会えば分かるさ」

垣根が不敵に笑う

垣根「じゃ、行くか」

上条「あ、あぁ」


四人はホテルを出て、砂皿のいる場所へと向かう

それから、サンタの後日談が始まってしまうのだった

244 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/08(木) 22:47:42.09 ID:vCj4tEoA0
今日はここまで

では筋肉動画

最強の背中は「セルジオ・オリバ」「サミール・バヌー」「ロニー・コールマン」「ドリアン・イェーツ」

最強の腕は「フィル・ヒース」「アーノルド・シュワルツェネガー」「ケビン・レブローニ」

最強の肩は「デニス・ウルフ」

では、最強の脚は?

「ロニー・コールマン」?

「ブランチ・ウォーレン」?

「ポール・デマヨ」?


いえいえ、時代から逸脱した脚

もはや人間のものとは思えないほどゆがんだ形

15年以上前でこれなら、今の薬物を使えばどれほどになったか

彼の異名は「THE GOLDEN EAGLE」 金の鷲

男前、そして何よりもこの脚

「トム・プラッツ」

100kgのバーベルスクワットを10分続けられた、化け物選手です

すごい、というより気持ち悪くなってしまうほどの高強度スクワット

追い込みがもはや尋常ではない

昔は「脚のトレーニングはトムに聞けば間違いない」とさえ言われてました
こりゃすごい・・・

http://www.youtube.com/watch?v=vh8n5a78iw0


ではおやすみなさい


ステインは・・・いいんだ、とても
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 22:52:28.16 ID:1G4kLluIO
>>1

ステイルさんマジヘタレ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) :2011/09/08(木) 23:32:45.61 ID:53J8cu8P0
>>1乙。垣根が珍しいなwwwwwww

ステイルも結局はただの14歳のガキって訳よ。
247 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 09:55:43.48 ID:IfbHfOjp0
砂皿「おいステファニー」

ステファニー「・・・眠いです・・・」

砂皿「起きろステファニー」

砂皿はベッドの前で困ったような顔をしていた

ステファニーがごろん、と転がって起きようとしない

もう午前の9時

規則正しい生活がモットーだ、とか言っていたステファニーは今布団の中で芋虫状態だ

砂皿「・・・今日は垣根が来る予定なんだ」

ステファニー「!美味しいお酒を飲ませてもらえるんでしったけ!?」

砂皿「・・・そうだがよく覚えていたな」

ステファニー「私の規則正しい生活のおかげです!」

砂皿「とりあえず顔を洗え、歯を磨け」

ステファニー「うわぁ、なんだか彼氏みたいな言い草ですね、いっそ私の彼氏になっちゃいませんか!?」

248 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 09:56:45.08 ID:IfbHfOjp0
砂皿「遠慮しておく」

ステファニー「なんでですか!」

砂皿「いいから早くしろ」

砂皿が呆れたように部屋から出ていく

おそらく日を浴びに行ったのだろう

「せっかく表の世界で生きていけるようになったのだから日を浴びるのも悪くない」と毎朝ひなたぼっこをしに行くのだ

ステファニー(変わってる趣味ですよね)

そう考えてからステファニーが立ち上がる

清々しい日差しが窓から差していた


垣根「えーっと・・・こっちだこっち」

上条「なんかよくわかんない道だな」

心理「まぁいろいろと訳ありでね」

美琴「なんか理由でもあるの?」

249 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 09:57:28.33 ID:IfbHfOjp0
垣根「あれだ、サンタのボランティアしてるヤツなんだよ」

美琴「あぁ・・・子供に見つかったらまずいもんね」

上条「サンタのボランティアか・・・」

上条がある男性を思い出す

あれは前に美琴とイギリス旅行に来たとき

サンタの格好をした男性に話し掛けられたのだ

日本人だった男性で、たしか「今まで様々な人に迷惑をかけたからこれからは世界に恩返しをしたい」と言っていた

上条「あの人は恩返し出来たのかな・・・」

垣根「あぁ?なんか言ったか?」

上条「いや、なんでもないよ」

苦笑してから上条が垣根の後を歩く

そして一つの建物の前で立ち止まった

上条「ここか?」

垣根「あぁ、入るか」

美琴「お邪魔しまーす」

250 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 09:58:12.37 ID:IfbHfOjp0
四人は建物に入ってすぐ階段を上がる

宿というか、ホテルというか

なんだか珍しい構造の建物だ

上条「なぁ、どんな人なんだよ?」

垣根「さっきも言っただろ」

美琴「・・・一方通行みたいな人なのよね」

心理「ちょっと違うけど気難しいヤツよ」

上条「二人はどこで知り合ったんだ?」

心理「・・・昔の同僚よ」

美琴「あぁ・・・でもそんな人がボランティア?」

垣根「そんなくそったれだからこそだよ」

垣根が一つの部屋のドアノブを掴む

垣根「くそったれが夢を見て足掻いてるだけなんだ」

ガチャリ、とドアノブを回す

251 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 09:59:10.32 ID:IfbHfOjp0
その部屋の中には

ステファニー「うわぁ!髪の毛めちゃくちゃ跳ねてるぅ!」

垣根の言っていた人間と全く逆の女性がいた

上条「なぁ・・・この人か?」

垣根「違う・・・おいステファニー」

ステファニー「ん?あぁ垣根さんと心理定規さんと・・・誰ですか?」

垣根「俺の友達・・・ってそれはどうでもいいんだよ」

ズカズカと垣根がステファニーに近づく

パジャマのままのステファニーは少し顔を赤くしている

垣根「砂皿のヤツは?」

ステファニー「あぁ、今は外に行ってますよ」

垣根「外?なんだよ擦れ違いか」

垣根が舌打ちをする

心理「どうする?ステファニーだけ飲みに連れて行く?」

上条「いやいやちょっと待って!これから飲むのかよ!?」

252 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 09:59:57.12 ID:IfbHfOjp0
心理「えぇ、別に悪くはないでしょ」

美琴「さっきビール飲んでたじゃない・・・」

ステファニー「・・・あの、結局その二人は?」

垣根「上条と御坂だ」

ステファニー「私はステファニーです、よろしくお願いしますね」

上条「あぁ・・・で、ステファニーもサンタのボランティアを?」

ステファニー「はい、垣根さんと心理定規さんもですよ?」

美琴「え、そうだったの?」

上条「あぁ、もしかしてそのついでに昨日未元物質撒いたのか?」

垣根「なんだ、気づいてたのか」

美琴「うん、綺麗だったわよ」

心理「あぁそうそう、妹達もいたわよ?」

美琴「あ、やっぱりあれってそうだったんだ」

253 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:00:31.81 ID:IfbHfOjp0
ステファニー「あ、あの・・・」

上条「あぁ、気にしないでいいからさ」

心理「で、どうしようかしら」

垣根「・・・帰ってきたから問題ないさ」

心理「え?」

垣根がドアのほうを睨む

すると誰かがそれを開いた

砂皿「・・・なんだ、来ていたか」

心理「・・・気づかなかったわ」

垣根「砂皿、てめぇ未だに気配殺しながら歩いてんのかよ」

砂皿「気づくお前が恐ろしいのだがな」

上条「あれ、アンタもしかして・・・」

砂皿「ん?・・・あぁ、お前はたしか・・・」

心理「あら、知り合い?」

254 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:01:13.33 ID:IfbHfOjp0
美琴「うん、前にイギリスに来たときに会ったんだけど・・・まさか垣根達と知り合いだったとは思わなかったわ」

砂皿「こちらも同意見だな」

ステファニー「砂皿さん、さっさと準備してください!」

砂皿「何をだ」

心理「今から飲みに行くのよ」

美琴「・・・本気で飲みに行く気だったのね」

上条「なぁ・・・俺達は妹達と会ってきていいか?」

垣根「ダメ、明日までイギリスに泊まれるんだから明日でいいだろ」

上条「はぁ・・・まさか、ずっと一日飲むつもりじゃないだろうな?」

垣根「まぁ分からないけどよ・・・途中で抜けるなら勝手だぜ?」

美琴「ならまぁいいわよ」

心理「美琴は私と一緒にいたいのよね?」

美琴「そ、それはその・・・」


255 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:01:46.70 ID:IfbHfOjp0
心理「いいじゃない、私はあなたのこと好きよ?」

心理定規が嬉しそうに笑う

美琴「な、なに言ってるのよ・・・」

ステファニー「わわわ!そういうご趣味でしたか!?」

垣根「ちげぇよ、こういうやり取りは当たり前なんだ」

砂皿「どうでもいい、それより飲みに行くのだろう?」

垣根「そうそう、行くか」

垣根が扉へと向かう

上条「じゃあ・・・俺も一旦ついていくか」

美琴「私も行くわね・・・」

心理「仲良く飲みましょう」

6人がバーへと向かう

そのうち半数以上が未成年なのはもはやツッコんではいけない

256 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:02:38.89 ID:IfbHfOjp0
ステイル「・・・インデックスはいるかい」

イギリス清教の女子寮

その入口でステイルは尋ねていた

神裂「えぇ、今呼んできますね」

ステイル「頼む」

神裂がインデックスを呼ぶために一旦ステイルの元を離れる

別に男性が入ってはいけない、という決まりはない

だが中に入るのも気がひけた

ドアから少し中が見えるがアニェーゼやらルチアやらシェリーやらが彼を睨んでいる

入り込んだ瞬間にありとあらゆる魔術をくらわされてしまいそうだ

ステイル(女子寮は男子禁制だな)

神裂「ステイル、連れてきましたよ」

ステイル「あぁ、悪いね」
257 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:03:17.51 ID:IfbHfOjp0
イン「お、おはようステイル」

ステイル「あぁ、おはよう」

イン「その・・・」

ステイル「今日はどこに行くかい?」

神裂「・・・私も一緒に行っていいですか?」

ステイル「あぁ、もちろん」

イン「かおりも来てくれるの!?」

ステイル「今日は三人で出かけようか」

イン「うん!」

神裂「なんだか久しぶりですね」

ステイル「そうだね・・・行こうか」

ステイルがくるりと体を反転させる

冬の日差しが雪に当たってキラキラと反射している

その眩しさが、ステイルの目には辛かった

258 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:04:14.83 ID:IfbHfOjp0
ステイル「どこに行けばいいかな?」

イン「そうだね・・・かおりはどこに行きたい?」

神裂「私は・・・そうですね、三人でよく行っていた丘に行きたいですね」

ステイル「あぁ・・・あそこかい」

イン「あ・・・ど、どこなのかな?」

ステイル「・・・そうだね」


ステイル「今から教えてあげるよ・・・もう一度、前に君に教えたように」


上条「・・・バー・・・か」

美琴「・・・未成年が来ちゃいけない場所No.1と言ってもいいわよね」

垣根「なに言ってんだよ、そんなことねぇって」

心理「そうよ・・・美琴はカクテルとかもダメだったかしら?」

美琴「わかんないけど・・・飲んでみたいって憧れはあるわね」

259 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:05:12.35 ID:IfbHfOjp0
砂皿「・・・酔っ払うのはやめてくれ」

ステファニー「砂皿さんは酔っ払いが苦手ですもんね」

砂皿「・・・お前のせいで苦手になったんだ」

砂皿がステファニーを睨む

何か過去にイヤなことがあったのだろうか

上条「ステファニーは酒癖悪いのか?」

砂皿「最悪だぞ、泣き上戸になる」

美琴「うわぁ・・・めんどくさそう」

心理「・・・とにかく入るわよ」

心理定規が美琴の手を引く

美琴「あ、え?」

心理「あら何?」

美琴「・・・もしかして心理定規って・・・その、そういう人なの?」

260 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:05:47.81 ID:IfbHfOjp0
心理「だから違うって何度も言ってるでしょ?」

美琴「で、でもなんだか怪しいわよ?」

垣根「なんだ、心理定規はそうなのか?」

心理「違うってば」

上条「とにかく・・・早く行こうぜ」

上条が呆れたようにため息をつく

ステファニー「あの・・・なんかキャラの濃い四人ですね」

砂皿「お前もなかなか濃いぞ」

苦笑しながら砂皿もバーへと入っていく


上条「すっげぇ・・・映画で見たまんまのバーだ」

美琴「・・・ねぇ、こんなとこ・・・来てよかったのかな?」

上条「さ、さぁ?」

261 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:06:30.24 ID:IfbHfOjp0
心理「問題ないわよ」

美琴「でも私達未成年じゃない・・・」

心理「そんなこと言えるあたりあなたは本当に純粋よね・・・マスター、スクリュードライバー一つ」

垣根「俺はマティーニ」

砂皿「ブラッディメアリーを」

ステファニー「ジントニック!」

上条「・・・な、なんかよくわかんないな」

美琴「うん・・・心理定規、ここってジュースとかないの?」

心理「ないわよ、バーにジュースなんて」

垣根「・・・お前らもなんか飲んだら?」

上条「いや、でもさ」

心理「いい?罪ってのはバレなきゃ罪にはならないのよ」

上条「それって・・・最悪な言い訳だよな」

262 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:07:10.74 ID:IfbHfOjp0
心理「そう?でも事実じゃない」

ステファニー「お、美味いですね!」

ステファニーがグラスを高く掲げる

垣根「ほれほれ、常盤台のお嬢様だとか未成年だとか忘れとけ」

上条「でもな・・・」

垣根「あの・・・なんだ、ステイルだったっけか、あいつも未成年でタバコ吸ってんじゃねぇか」

美琴「なんな・・・みんなやってるからやっていいみたいな感じね」

垣根「大衆が1+1=3だって言ったら教科書にはそう載っちまうんだぜ」

美琴「・・・つまり周りの意見に流されろってことね」

垣根「いいか、流されるんじゃなくて流れに乗るんだよ」

美琴「よくわかんないわよ・・・」

心理「マスター、ジントニック二つちょうだい」

263 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:08:04.89 ID:IfbHfOjp0
上条「な、なぁ・・・今なんて言ったんだ?」

上条が首を捻る

心理定規が英語で何かを言っているのは分かった

しかし、ジントニックという単語だけは分かった

上条「も、もしかして頼んだんじゃ・・・」

心理「あ、マスターありがとう」

上条「やべぇ!なんかやっぱり頼んでた!」

心理「はい、ジントニック」

上条「はい、じゃないから!」

美琴「でも綺麗・・・」

心理「そうでしょ?お酒は目で楽しむことから始まるのよ」

垣根「次は匂いだな」

砂皿「味だけでなく舌触りも楽しむべきだ」

264 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:08:52.28 ID:IfbHfOjp0
ステファニー「ぷぁぁぁぁっ!美味いですね!」

砂皿「・・・もう少し上品には飲めないのか」

ステファニー「美味しく飲まれるのがお酒だって嬉しいはずです!」

上条「なぁ・・・これって強いのか?」

心理「私が大丈夫なんだから上条君も大丈夫よ」

上条「限りなく不安なんですけどね」

美琴「・・・でも飲まないのは失礼じゃない?」

マスターがニコニコと笑いながら上条を見つめている

カップルが仲良く飲みに来た、と思っているのだろうか

垣根「さぁ、飲んだ飲んだ」

上条「あぁもう!今日だけだからな!」

上条がぐいっと一気に飲み干す

喉が焼けるような感覚がした

265 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:09:23.77 ID:IfbHfOjp0
上条「うわぁ!強いじゃないか!」

心理「あら、いい飲みっぷりじゃないの」

上条「タンマ!美琴にこんなの飲ませたら・・・」

美琴「ふにゃーん・・・」

上条「酔ったよやっぱり!」

ステファニー「あれ、御坂さんは弱いんですか」

砂皿「どう見ても中学生だからな、無理はない」

心理「美琴、どう?」

美琴「にゃはは、美味しい♪」

上条「はいはい!美琴はもう飲んだらダメだからな!」

美琴「・・・なんで?」

美琴が涙目で上条を見つめる

266 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:13:57.45 ID:IfbHfOjp0
上条「う・・・ほ、ほら!体に悪いからさ・・・」

美琴「・・・悪くなんかないもん、バカ」 

上条「いやいや!!肝臓が・・・」

砂皿「酒は百薬の長だ、少々ならば問題ない」

上条「少々じゃねぇんだよ!!」

垣根「ごちゃごちゃうるせぇな・・・」

心理「楽しく飲みましょうよ」

上条「はぁ・・・」

美琴「当麻ー♪おつぎしましょうかー?」

上条「いえ、結構です」

美琴「・・・」ジワッ

上条「あぁもう泣かないで!!」

垣根「なーかせたーなーかせたー」

ステファニー「エーイワスにー言っちゃーおー」

上条「デジャヴ!?」


267 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:19:51.20 ID:IfbHfOjp0
心理「はぁ・・・ねぇ、酒って美しい日には欠かせないわよね?」

垣根「今日はクリスマスか・・・乾杯っと」

砂皿「しかしお前たちもずいぶんと変わったものだな」

垣根「変えたのさ、ちょいと無理矢理だったけどな」

心理「なかなか楽しいわよ」

砂皿「・・・そうか」

ステファニー「砂皿さんも最近はめっきり所帯じみましたよね」

砂皿「・・・誰のせいだ」

垣根「あぁ?ステファニーと暮らしてるのか?」

ステファニー「だって私学園都市はわからないですもん」

心理「あら、言い訳ね」

砂皿「・・・俺はあまり嬉しくないんだがな」


268 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:24:49.10 ID:IfbHfOjp0
垣根「・・・イギリスって飯はまずいって聞いてたんだけどな」

砂皿「最近はマシになっているぞ、なんでも日本人に教えてもらっているそうだ」

垣根「はぁ?イギリス全土の料理職人が?」

砂皿「正確にはテレビ番組でだな」

垣根「そんな番組やってるのかよ」

砂皿「みたいだな、話に聞いただけだが」

心理「・・・それより、美琴」

美琴「にゃにー?」

心理「・・・にゃんにゃん、って言ってみなさい」

美琴「にゃんにゃん!♪」

心理「・・・可愛いわね」

垣根「やっぱりレズか」

心理「違うわよ」

上条「・・・なんでこんなことになったんだよ・・・」

上条はちびちびと飲んでいる

269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/09(金) 10:29:41.65 ID:vbq0/76d0
>>1
最近更新のスピード落ちてないか?
270 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:30:52.51 ID:IfbHfOjp0
垣根「愚痴なら聞くぜ?」

上条「俺はさ・・・もっと美琴と二人きりになりたかったんだよ・・・」

垣根「ほうほう」

上条「それでさ・・・もっとロマンチックに過ごしたかったんだ」

垣根「分かるさ・・・」

上条「お前たちが暴れたせいでさ・・・美琴はお酒飲んじゃうし・・・」

垣根「反省はしている」

上条「・・・はぁ」

美琴「ねぇねぇ、当麻ー」

上条「ん、なんですか?」

美琴「なんで落ち込んでるの?」

上条「・・・美琴が酔っ払って普通じゃないから」

美琴「えっ・・・」

上条「はぁ・・・」


271 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:35:24.15 ID:IfbHfOjp0
>>269 1レス分を長くしたからってのが一番大きな要因ですね

あと大学受験もあるから勉強をしつつ、ボディビルの動画を見つつ書いてるってのもあるかと

それに速さがプレッシャーになってたのもあるので、もう速さはいいかなと


上条「・・・なーんでこんなことになったんだろ」

上条が肩を落とす

旅行の前はもっといろんなことを考えていた

お互いプレゼント交換したり、一緒に観光したり

垣根たちともずっと別行動の予定だった

なのに

上条「はぁ・・・どうしてでしょうかね」

美琴「わ、私のせいかな?」

上条「・・・そういうわけではないけどさ」

美琴「あ、えっと・・・」

心理「美琴、上条君は怒ってるみたいよ」

美琴「えぇ!?」

上条「あ、いや・・・」


 
272 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:42:16.96 ID:IfbHfOjp0
垣根「・・・上条、御坂は謝りたいみたいだぞ」

心理「そうね、そうみたいよ」

美琴「と、当麻・・・ね、機嫌直して?」

上条「はぁ・・・じゃあ今から二人で出かけてもいいか?」

美琴「う、うん!!」

上条「よし!!じゃあ・・・どこ行く?」

砂皿「この近くには・・・そうだな、綺麗な景色の見える橋があるぞ」

上条「え、ホント?」

砂皿「地図は・・・ここになるな」

砂皿が地図を取り出す

ステファニー「あぁ、ここは綺麗ですよね」

砂皿「ここならロマンチックな雰囲気にもなれるだろう」

上条「ありがとよ!行こう、美琴!」

美琴「うん!」

二人が手を握り合って駆けていく

垣根「・・・あーあ、行っちゃったな」


273 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:46:39.24 ID:IfbHfOjp0
砂皿「恋人とはあんなにも甘いものなのか?」

垣根「そうそう、吐き気がするくらいにな」

ステファニー「でも垣根さんたちはそうでもないですよね」

心理「あら、二人だとかなりベタベタよ?」

砂皿「お前たちは昔から仲が良かったからな」

垣根「うるせーな」

心理「照れてるの?」

ステファニー「砂皿さん、この二人の弱みを握ってるんですか?」

砂皿「いくつかな」

心理「・・・言わないでよ?」

砂皿「とっくに時効だ、今言ったところで問題もないだろう」

垣根「・・・たとえば?」

砂皿「垣根は一度、心理定規の寝顔を凝視していたな」

垣根「いやいつだよ」

砂皿「・・・たしか俺がスクールに入ってすぐのときだ」


274 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:49:48.79 ID:IfbHfOjp0
垣根「あぁ・・・あんときゃたしか心理定規が変な寝言言ってたからな」

心理「そんなことがあったの?」

垣根「たしか・・・」



垣根「ちっ・・・明日も仕事ばっかかよ・・・」

心理「・・・カッパ」

垣根「あぁ?なんだよお前もう寝てるのか・・・」

心理「カッパに味噌漬け」

垣根「はぁ?」

心理「・・・ガムテープの授業参観・・・」

垣根「・・・寝言か?」

心理「・・・垣根」

垣根「なんだよ」

心理「・・・浅漬けってなんでしょっぱいの?」

垣根「は?」



垣根「ってな感じだったな」

心理「何それ」

垣根「さぁな」


275 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 10:54:10.29 ID:IfbHfOjp0
砂皿「あと、垣根は一度心理定規の着替えを覗いてたな」

心理「あら、それホント?」

垣根「覗いたんじゃねーよ、部屋の前でずっと待ってたんだ」

砂皿「・・・たしか、仕事の書類でも持っていた気がするな」

垣根「だからそれを渡しに行ったんだよ」

心理「あらつまんないわね・・・」

砂皿「・・・心理定規は・・・垣根に一度チョコを送ろうとしたことがあっただろ」

心理「・・・そういえばあったわね」

垣根「はぁ?バレンタインか」

心理「えぇ」

ステファニー「・・・なんか素敵な話ですね」

砂皿「・・・いや、そうでもなかったな」

ステファニー「え?」


276 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:00:39.60 ID:IfbHfOjp0
垣根「・・・どんな?」

砂皿「そうだな・・・」

砂皿が過去を思い返す



心理「あらおかえり」

砂皿「・・・お前は何をやっている」

心理「明日はバレンタインでしょ?垣根にチョコでも作ろうかと思ってね」

砂皿「チョコ・・・?なぜ」

心理「・・・もしかしてあなたバレンタイン知らないの?」

砂皿「あの教皇か」

心理「違うわよ」

砂皿「・・・ではなんだ」

心理「好きな人にチョコを渡す日よ」

砂皿「・・・お前は垣根が好きなのか」

心理「まぁそんなところね」

砂皿「・・・垣根はな、ビターが好きだぞ」

心理「・・・え?」


277 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:03:10.25 ID:IfbHfOjp0
砂皿「垣根が前に言っていたんだ、チョコならビターだと」

心理「・・・これ、ミルクなんだけど」

砂皿「・・・」

心理「・・・」

砂皿「作り直せばよかろう」

心理「どうするのよこれ」

砂皿「知るか・・・」



砂皿「なんてことがあったな」

垣根「あー、あのときのチョコって心理定規が作ってたのか」

心理「あら、知ってたの?」

垣根「なんか仕事から帰ったらチョコがあったんで食べたんだよ」

ステファニー「お味はどうだったんですか?」

垣根「甘かった」

砂皿「それはそうだろうな」

垣根「ただ、結構美味しかったな」

心理「あら、嬉しいじゃない」


278 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:07:12.45 ID:IfbHfOjp0
垣根「・・・そういえば、砂皿って彼女とかできたことないのか?」

砂皿「さぁな、昔のことは忘れた」

心理「・・・もしかして童貞?」

砂皿「さぁな・・・俺は昔のことは切り捨てるからな」

ステファニー「大事なのは私なんですって」

砂皿「全くもって違う」

ステファニー(ちっ)

心理「じゃあ何が大切なの?」

砂皿「さぁな」

砂皿が一口酒を飲む

アルコールの独特の匂いがたまらない

砂皿「・・・垣根」

垣根「なんだよ」

砂皿「お前の日常は面白いか」

垣根「おう、最高よ」

砂皿「そうか」

砂皿が含み笑いをする

とあるバーの片隅で、四人のクソッタレたちはお酒をたしなんでいた


279 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:13:50.58 ID:IfbHfOjp0
ステイル「えっと・・・あれ、ここを右だったっけ?」

神裂「いえ、たしか左・・・だったかと」

イン「・・・もしかして忘れたの?」

三人は、イギリスの外れの森の中で迷っていた

森といってもさほど深い森ではないので危険ではないが

神裂「そ、その・・・なにせ最後に来たのがずいぶんと前なので・・・」

ステイル「こ、ここは・・・真っ直ぐだったかも・・・」

イン「はぁ・・・私も忘れてるからあれだけど、二人とも忘れちゃダメなんだよ」

神裂「も、申しわけありません・・・」

ステイル「・・・イノケンティウス・・・」

イノ「なんだよマイマスター」

ステイル「サーチアンドデストロイだ!!」

イノ「で、何のようだよ」

ステイル「言っておくがネタ振りをしたのは君だぞ」


280 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:19:36.61 ID:IfbHfOjp0
神裂「あの・・・私達の思い出の場所・・・どっちでしたっけ?」

イノ「例の丘か?」

ステイル「あぁ、そうだよ」

イノ「なら・・・ここを真っ直ぐだな」

イン「イノケンティウスも知ってるの?」

イノ「あぁ、お前たちが仲良さそうにしてるのを遠くからずっと眺めてたからな、一人で」

神裂「なんかすみません」

イノ「いいんだよ、同情なんて」

ステイル「さぁ、行こうか」

三人と一匹が歩き出す

ちなみにイノケンティウスは浮かんでいるため周りの自然に影響は無い

神裂「・・・インデックス、疲れてはいませんか?」

イン「ちょっと疲れたかも」

神裂「休憩しましょうか?」

イン「ううん!!早く行ってみたいんだよ!」

ステイル「・・・そうかい」

281 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:22:50.96 ID:IfbHfOjp0
神裂「・・・そろそろですね」

ステイル「・・・懐かしいな」

イン「・・・」

さきほどの場所から少し登っていくと

途端に、目の前が開けた


イン「・・・綺麗・・・」

イギリスの町並みや、その遠くにある山々

そんなものが一望できる場所だ

かつて、インデックスは「まるで雲の上にいるみたいだ」と言っていた

まったく、その通りと言える

ステイル「どうだい?ここは」

イン「すっごく綺麗なんだよ!」

神裂「久しぶりに来れましたね・・・」

イノ「あぁ、空気がうめぇや」

ステイル「・・・どこか適当に座ろうか」

イン「うん!」


282 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:25:20.54 ID:IfbHfOjp0
ステイル「・・・綺麗だな、ここは」

神裂「えぇ・・・昔と変わりません」

イン「なんか、雲の上みたいなんだよ」

ステイル「・・・そうだね」

神裂「まったくですね」

イン「ねぇ、私が鳥だったらここから飛んでいけるかな?」

ステイル「きっと飛べるかもね」

イン「だよね!」

神裂「ですが、絶対に帰ってきてくださいね?」

イン「うん、もちろんなんだよ!」

ステイル「・・・イノケンティウス、君は帰ったらどうだい」

イノ「え、なんで」

ステイル「なんだかギャグになってしまう」

イノ「ちっ・・・しゃあねぇな」

文句を言いながらもイノケンティウスが姿を消す

残されたのは三人だけだ


283 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:28:18.03 ID:IfbHfOjp0
ステイル「・・・インデックス、ここはお気に入りになりそうかい?」

イン「うん!!すっごく気に入ったんだよ!」

ステイル「それはよかった」

ステイルがニコリと笑う

神裂「・・・あなたは、昔からここが好きでしたね」

ステイル「そうだね、何かイヤなことがあれば三人でここに来た」

イン「・・・なんとなくだけど、ここは落ち着くんだよ」

ステイル「そうかい」

神裂「きっと・・・どこかで覚えてるのでしょうかね」

イン「そうだったら嬉しいな・・・」

ステイル「・・・ここは、僕たちしか知らない場所なんだ」

イン「秘密基地?」

ステイル「ははは、そうだね・・・それに近いよ」

神裂「・・・ハイキングにはもってこいですよ」


284 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:30:31.86 ID:IfbHfOjp0
イン「・・・ねぇ、ステイル」

ステイル「・・・なんだい」

イン「・・・私のこと、守ってくれてありがとうね」

ステイル「・・・当たり前のことだからね、気にしないでくれ」

イン「でも・・・」

ステイル「たしかに君のためというのもあるかもしれない」

ステイルがタバコを咥える

この場所で吸うタバコが大好きだった

空気が綺麗だから

そして、インデックスと神裂がいつもいてくれるから

また、ここでタバコを吸えるとは思わなかった

それが少しだけ、嬉しかったりもする

ステイル「だが、それ以上に自分のためなんだ」

イン「自分のため?」

ステイル「あぁ、そうだよ」

285 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:32:51.81 ID:IfbHfOjp0
イン「・・・なんで?」

ステイル「君を守るのが僕の生きがいなのさ」

神裂「昔から彼はこうでしたよ」

イン「・・・ありがとう」

ステイル「・・・臆病だからね、僕は」

忌々しそうに空を見上げる

冬の日差しというのはどうも厳しい

夏のそれとは違い、暑さではなく眩しさが際立つから

ステイル「・・・君を失うのが怖い、君がいなくなるのが怖い」

ステイル「・・・人は、臆病で怖がりだと笑うだろうね」

神裂「・・・あなたを笑うのは、失ったことがない人だけですよ」

ステイル「そういう人たちは、きっと幸せなんだろうね」

イン「・・・ステイル・・・」

ステイル「・・・反吐が出るよ、そういう幸せなヤツらは」


286 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:35:32.21 ID:IfbHfOjp0
神裂「・・・私達はインデックス、あなたを守ると自分で決めました」

ステイル「そして手放したのも、自分達で決めたことだった」

イン「・・・」

ステイル「もう一度守ることも、だよ」

神裂「・・・自分で敷いた石畳です、自分以外の誰が歩けるでしょうか」

ステイル「・・・ここは綺麗だ」

イン「うん、綺麗なんだよ」

ステイル「・・・インデックス、あそこに花がたくさん咲いているんだ」

ステイルが遠くを指差す

冬だというのに、たしかに花が咲いていた

イン「ホントだ!」

神裂「あなたはあそこが好きでしたね」

ステイル「とてもいい花の匂いがするよ、行ってみてごらん」

イン「うん!」

インデックスが駆けていく


287 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:38:45.21 ID:IfbHfOjp0
ステイル「・・・あの子は本当に純粋だね」

神裂「えぇ・・・まったく変わりませんね」

ステイル「見ていて・・・なんだか落ち着くよ」

神裂「・・・気がつけば・・・私達は彼女に過去を重ねていたんですね」

ステイル「僕たちが彼女に出会って、そして記憶を消すまでの時間よりも・・・」

神裂「記憶を失ってから付き合っている時間のほうが長くなってしまいましたね」

ステイル「・・・昔のあの子は、もういないんだ」

神裂「・・・過去を重ねるのはあまりにも酷でしょうね」

ステイル「・・・誰かに忘れられるというのは辛いことだな」

神裂「誰かを忘れてしまうよりも、ですね」

ステイル「・・・あの子は僕たちをどう思っているのかな」

神裂「・・・友達と思っていてくれるでしょうか」

ステイル「・・・分からないよ」

だから怖いんだ、とステイルが続ける


288 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:42:30.96 ID:IfbHfOjp0
イン「ねぇねぇステイル!!」

その時、インデックスが一輪の花を持って駆け寄ってきた

ステイル「なんだい?」

イン「この花はなに?」

ステイル「・・・」

ステイルが彼女の持っている花を見つめる

しかし、見たことのない花だ

というよりも、そこらへんに咲いているよく分からない花だろう

ステイル「さぁ・・・なんだろうね」

神裂「・・・これがどうかしたのですか?」

イン「これの花言葉は何かなと思ったんだ」

神裂「・・・花言葉はないでしょうかね・・・」

ステイル「こういう、ただの道に咲く花にはつけられないものもあるからね」

イン「ふーん・・・」


289 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:45:14.47 ID:IfbHfOjp0
ステイル「・・・どうしてだい?」

イン「じゃあ、私が花言葉を作ってあげるんだよ!」

インデックスが満面の笑みで言う

神裂「こ、この花にですか?」

イン「うん!!何がいいかな?」

ステイル「さぁ・・・」

イン「あ、じゃあこんなのはどう?」

インデックスが優しそうに花を抱える

どこにでも咲いているような、ただの一輪の花

これといった特徴も無い

道端に咲いていたとしても、「あのときの花だな」と思い出せないほどのものだ

それでも、なぜか

今まで見たどんな花よりも美しく見える


イン「この花の花言葉はね・・・消えない思い出にするんだ!」

彼女の笑みを見て

ステイルと神裂も、昔のように笑っていた


290 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 11:46:45.00 ID:IfbHfOjp0
いったん休憩


インデックスとステイルと神裂さんは仲良しがいいよ、うん


291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/09(金) 12:09:54.50 ID:x1G0mZPAO
ステファニーは元警備員なんだぜww

学園都市の事はよく知ってるはず
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/09(金) 12:13:44.22 ID:vbq0/76d0
>>1よ改めて言うぞ!!

お前に足りないものはぁぁぁぁ!!
それは!!

情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!!
そして何よりもォォォォォ!!!


速さが足りない!!
293 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 12:22:36.51 ID:IfbHfOjp0
>>291 そこは「言い訳」ですよきっと


上条「・・・綺麗だな」

美琴「うん、綺麗ね・・・」

二人は橋の上から町並みを眺めていた

とても開けた景色

そして、あまり人通りのない橋

普段なら交通量もなかなか多そうな橋だ

しかし今はクリスマス真っ只中

中心部から少し離れたこんなところにクリスマスの最中来るのはよほどの物好きだろう

だが、それゆえに二人きりでいることができるのだ

上条「・・・寒くないか?」

美琴「ちょっと寒いかな」

上条「抱きしめましょうか」

美琴「うん、お願い」


294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/09(金) 12:25:48.95 ID:x1G0mZPAO
>>292
とりあえず>>1のテンプレを100回読んでこい
295 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 12:29:12.61 ID:IfbHfOjp0
上条が力強く美琴を抱きしめる

相手の温もりを全身で感じる

上条「・・・どう?」

美琴「あったかい」

上条「・・・こうやってるとさ、美琴の傍にずっといられる気がする」

美琴「こうじゃなくても、ずっといられるわよ」

上条「・・・なぁ、プレゼントあるんだけどさ」

美琴「え?」

上条「プレゼント!」

美琴「い、いつ買ったのよ?」

上条「昨日美琴と買い物行ったとき」

美琴「で、でもずっと一緒だったでしょ?」

上条「甘いですね・・・美琴は試着室に入ったときがあっただろ?」

美琴「そ、その間に?」


296 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 12:32:12.57 ID:IfbHfOjp0
上条「・・・俺の実力をナメたらダメだぞ、美琴さん!」

美琴「そ、それで・・・何を買ったの?」

上条「ん・・・今日は一緒にバッグ買うつもりだったからさ・・・」

上条がポケットから小さな包みを取り出す

そのサイズの包みに入るもの

そして恋人に渡す

美琴(も、もしかして・・・指輪!?)

美琴(ど、どうしよう!?)

上条「はい、美琴」

美琴「う、うん!!」

美琴が包みを開ける

中に入っていたのは


ヘアピンだった

美琴(あれ?)


297 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 12:39:23.88 ID:IfbHfOjp0
上条「あ、あれ・・・リアクション薄いな」

美琴「い、いや嬉しいんだけどね・・・その・・・」

上条「?」

美琴「ゆ、指輪・・・とか」

上条「あ、そういうのがよかったのか?」

美琴「普通に考えたらそうでしょ!」

上条「ご、ごめん・・・」

上条が少し慌てたように謝る

プレゼントを渡して怒られるとは思わなかったのだ

美琴「・・・でもありがとう」

上条「その・・・指輪は今度でいいかな?」

美琴「うん・・・いいわよ」

上条「・・・ヘアピンどうかな?」

美琴「うん、つけてみるね」


298 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 12:42:52.12 ID:IfbHfOjp0
美琴が今つけているヘアピンを外す

そして、上条のくれたヘアピンを髪につけた

美琴「・・・似合ってる?」

上条「・・・似合ってますよ」

上条がじーっと美琴を見つめる

そして、おもむろに携帯を取り出す

美琴「な、なにするの?」

上条「写真撮るんですよ!」

美琴「は、恥ずかしいわよ!」

上条「いいじゃんか!」

美琴「・・・で、でも・・・」

上条「はいチーズ」

美琴「!」

美琴が一瞬でピースサインをする

そういう反応をするあたり、彼女は写真を撮られ慣れているのだろう


299 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 12:48:04.12 ID:IfbHfOjp0
上条「お、可愛く撮れたな」

美琴「・・・なんか恥ずかしい」

上条「待ち受けにするな」

美琴「ダメだって!」

上条「・・・よし、設定終了!」

美琴「やめなさい!!」

上条「やーいやーい!悔しかったら追いついて・・・って電撃はダメだって!!」

美琴「いいから待ち受けを解除しなさい!!」

上条「イヤだもんね!!」

美琴「・・・」

上条「む、無言!?」

美琴「くらえぇ!!」

300 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 12:52:07.07 ID:IfbHfOjp0
美琴が上条に向けて電撃を飛ばす

上条「だっはぁ!!なんか橋の上でケンカって懐かしい感じがしますよ!?」

美琴「こらぁ!!!待ち受けはやめろぉ!!!!!!!」

上条「あぁもう!!じゃあ保存くらいはいいのか!?」

美琴「そ、それくらいはいいわよ?」

上条「じゃあ・・・保存っと」

上条が待ち受けを前のものに戻す

上条「なぁなぁ、美琴って写真写りいいよな?」

美琴「そ、そうかな」

上条「・・・これは・・・なかなか」

美琴「な、なににするつもりよ!?」

上条「さぁ?」

美琴「うぅ・・・」


301 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 13:00:25.70 ID:IfbHfOjp0
上条「・・・なんか、美琴とケンカするのも懐かしいよな」

美琴「付き合ってからは・・・あんまりだもんね」

上条「・・・でもさ、美琴との関係は昔から変わんないよな」

美琴「そうかな・・・」

上条「・・・なんかさ、こうやってちょっとツンツンしてるのも可愛いんだ」

上条が美琴の頭を撫でる

サラサラとした髪に、少しだけ雪がかかっている

上条「・・・可愛いなぁ」

美琴「・・・当麻、恥ずかしい」

上条「・・・美琴、これからどうする?」

美琴「買い物行く?」

上条「じゃあイギリスデートと行きますか」

美琴「うん」

橋の上で、二人は顔を見合わせて微笑んでいた


302 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 13:07:45.94 ID:IfbHfOjp0

垣根「・・・砂皿、お前ってあのステファニーのことどう思ってるんだ?」

砂皿「・・・なぜそんなことを訊ねる」

四人はダーツのゲーム中だった

今は心理定規とステファニーの一騎打ちだ

心理定規が圧勝していて、ステファニーが何度も挑んでいるという感じだ

垣根「・・・教えろよ」

砂皿「・・・なんでもない、ただの同僚だ」

垣根「つまんねぇな、ステファニーはお前が好きみたいだぜ」

砂皿「見れば分かる」

垣根「じゃあなんで冷たくあたるんだよ」

砂皿「俺はもともとこうだ」

垣根「・・・つまんねぇヤツだな」


303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/09(金) 13:56:30.89 ID:vbq0/76d0
とりあえず>>294
反省はしているだが、後悔はしていない。
304 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 14:47:12.93 ID:IfbHfOjp0
砂皿「つまらんと言われようが俺はそういう人間だ・・・20のトリプルか」

垣根「心理定規はうめぇな・・・で?どう思ってる」

砂皿「・・・家族のようなものだ」

垣根「ステファニーはそれじゃ満足しないぜ」

砂皿「ならば偽ってでも好きだと言えと?」

垣根「まぁ・・・それは違うな」

砂皿「ならば仕方ないだろう」

砂皿がジンを飲む

彼は本当に酒が似合う

渋い男だ

というより渋すぎる


305 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 14:49:54.53 ID:IfbHfOjp0
垣根「・・・仕方ないか」

砂皿「・・・俺は、どうすることもできない」

垣根「ステファニーのことを嫌いか?」

砂皿「嫌いならば一緒にいるわけが・・・ステファニーはヘタだな」

垣根「的にさえ当たってねぇ」

砂皿「全く・・・」

垣根「・・・お前はスクール時代から誰とも親密にはなろうとしなかったからな」

砂皿「お前もそうだっただろう」

垣根「俺は人間味があっただろ」

砂皿「どうかな」

垣根「・・・心理定規のこととか」

砂皿「昔は軽くあしらっていただろう、お前が俺のことをとやかくは言えない」

垣根「俺は変わったんだよ」

砂皿「・・・」


306 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 14:55:51.76 ID:IfbHfOjp0
垣根「お前も変われるさ」

砂皿「はぁ・・・変わる気はないんだがな」

垣根「は?なんで」

砂皿「・・・俺は今の俺でいいからだ」

垣根「・・・今のお前ね・・・」

砂皿「・・・だがな、お前をうらやましいとは思う」

垣根「そうか・・・」

砂皿「・・・変わりたいのはたしかだが、今の自分にも満足している」

垣根「・・・ステファニーも、今のお前がいいのかな」

砂皿「知るか」

垣根「なんかさ、こうやってるとスクール時代を思い出すな」

砂皿「思い出したくはないがな」


307 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 14:59:57.21 ID:IfbHfOjp0
垣根「・・・心理定規、次は俺とやるか?」

心理「あら、いいわよ?」

垣根「ステファニー、変われ」

ステファニー「くー!!勝てませんでした!」

垣根「はいはい、お子様は引っ込んでな」

ステファニー「垣根さんは勝てるんですか!?」

垣根「ナメんな」

垣根がステファニーと交代する


砂皿「・・・ステファニー」

ステファニー「なんですか・・・」

ステファニーは不機嫌だ

一度も心理定規に勝てなかった

さらに、年下の垣根に子供扱いもされた

最悪な気分だ


308 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 15:24:04.85 ID:IfbHfOjp0
砂皿「お前は、いったいなぜ俺といるんだ」

ステファニー「なぜって、砂皿さんの傍にいたいからですよ」

砂皿「・・・」

ステファニー「それに、前は貴様って呼んでたのが今はお前になってますよね?」

砂皿「あぁ」

ステファニー「それって、少しは親密になれたってことじゃないですか」

砂皿「・・・」

ステファニー「このままいけばお嫁さんに」

砂皿「しないからな」

ステファニー「ちっ」

砂皿「・・・悪いな」

ステファニー「いえいえ」


309 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 15:31:30.18 ID:IfbHfOjp0
垣根「よーし、俺の勝ち」

心理「はぁ・・・さすが上手いわね」

垣根「だろだろ?」

心理「・・・次は負けないわよ」

垣根「おー、いいぜ!!」


砂皿「・・・楽しんでるな」

ステファニー「・・・そうですね」

砂皿「・・・うらやましかったな、あいつらが」

ステファニー「?」

砂皿「・・・ステファニー、俺は・・・変われたかな」

ステファニー「変わってませんよ、だから素敵だと思います」

砂皿「・・・そうか」

垣根「あー!!!くそが!!!」

心理「あらあら、残念ね・・・1のトリプル」クスクス

垣根「ちくしょぉぉぉぉ!!!」


310 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 15:45:56.07 ID:IfbHfOjp0
垣根「やってやんよ、俺がまた勝ってやる!!」

心理「はいはい・・・私も負けないからね」


砂皿「・・・ほほえましいな」

ステファニー「ホント、バカらしいですね」

砂皿「あぁ」

砂皿が溜め息をついてから酒をまた飲み始める

しかし、その横顔はすこし笑っている

ステファニー「?どうかしましたか?」

砂皿「いや、なんでもない」

ステファニー「・・・怪しいですね」

砂皿「怪しくないさ」

もう一度笑って

砂皿は、マスターにブラッディーメアリーを注文した


311 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 16:25:13.04 ID:IfbHfOjp0
ステイル「・・・青いね、空が」

神裂「えぇ・・・」

インデックス「青いんだよ・・・」

ステイル「・・・」

三人は丘の上で寝転がっていた

青い空を、三羽の鳥が飛んでいく

ステイル「・・・懐かしいな」

イン「・・・私も、なんだか懐かしく感じるんだよ」

神裂「・・・インデックス」

ステイル「・・・そうか、よかった」

イン「・・・ここ、綺麗だよ」

ステイル「あぁ、イギリスが見渡せる」

イン「・・・ぜーんぶ私のものになったみたいなんだよ!」

ステイル「ははは、それは初耳だ」

イン「そうなの?」

神裂「えぇ、昔のあなたもそうは言ってませんでした」

イン「そうなんだ・・・」

312 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 16:30:30.45 ID:IfbHfOjp0
神裂「・・・ここは、思い出の場所になりますね」

イン「うん!」

ステイル「さて・・・ご飯でも食べに行くかな」

イン「どこに行くの?」

ステイル「そうだな・・・レストランでいいんじゃないかい?」

イン「了解なんだよ!」

ステイル「じゃあ行こうか」

三人が丘を下る

もともとそれほど高い場所ではなかったため、すぐに街へと帰ることができた


イン「ごっはん!ごっはん!」

神裂「はしゃぎすぎたら転びますよ、インデックス」

イン「大丈夫なんだよ!」

ステイル「ははは・・・君は変わらないな」

イン「そうかな?」

ステイル「あぁ」

313 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:02:47.42 ID:IfbHfOjp0
神裂「・・・さて、何を食べますか?」

イン「うーん・・・じゃあこことこことこのページ!!」

ステイル「あ、相変わらず注文の仕方が変わってるね」

イン「え?」

神裂「いえ・・・気にしないでください」

神裂が笑う

しかし、額には少し冷や汗が浮かんでいる

財布の中身がほとんど消えてしまうだろう

ステイル「・・・大丈夫かい、神裂」

神裂「・・・だ、大丈夫です」

イン「ごっはん!ごっはん!」

神裂「あの笑顔のためなら・・・」

ステイル(目が死んでる)


314 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:07:53.76 ID:IfbHfOjp0
神裂「・・・ははは、インデックスはよく食べますね」

イン「うん!!美味しいんだよ!」

ステイル「そ、それはよかった・・・」

神裂「・・・私達も食べましょうか」

ステイル「あぁ」

二人も食事を始める



目の前ではバキュームの如くインデックスが料理を平らげている

イン「・・・?どうしたの?」

ステイル「い、いや・・・」

神裂「あまり食欲が湧かなくて・・・」

イン「それじゃあ私がもらうんだよ!!」

ステイル「あ、あぁ・・・」

その返事と同時にインデックスが二人の料理を奪う

この食欲も変わらないな、と二人は苦笑していた


315 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:14:59.13 ID:IfbHfOjp0

上条「ジングルベールジングルベール・・・」

美琴「鈴がー鳴るー」

上条「・・・いいよな・・・こういう雰囲気」

街中ではシャンシャンと鈴が鳴っている

サンタの人形やらトナカイの彫刻やらが置かれていて、いかにもクリスマスという感じだ

上条「・・・美琴、はぐれないようにな」

美琴「じゃあ手・・・繋いでいい?」

上条「あぁ、いいぞ」

美琴が上条の右手をぎゅっと握る

なんだか今の幻想みたいな時間を壊されるかも、という気もしてしまうが

美琴「・・・この右手で私を守ってくれたんだもんね」

上条「・・・あぁ」

美琴「こうやって簡単に掴めるのに・・・いつまでも近寄れない感じがしたもん」

上条「そうか?」

316 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:26:32.86 ID:IfbHfOjp0
美琴「・・・当麻はずーっとフラフラしてたもん」

上条「・・・そうだな」

美琴「・・・こうやって並んで歩くのも・・・なんか幸せなんだよね」

上条「それは俺も思ってたよ」

美琴「なんで?」

上条「だってさ・・・」

上条が少し顔を赤くする

上条「お前って・・・正直、高嶺の花じゃないか」

美琴「どんなところが?」

上条「お嬢様だし・・・可愛いしさ、それに超能力者だし・・・」

美琴「・・・うん」

上条「・・・優しいし、強いし・・・なんかさ、俺にはもったいないかもなって昔は思ってたんだ」

美琴「・・・そんなことないわよ」

上条「今はそう思ってないけどさ・・・付き合いはじめてすぐのときは緊張したな・・・」


317 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:30:18.30 ID:IfbHfOjp0
美琴「そ、そんなの私もよ!」

上条「・・・こ、こうやって手繋ぐのも緊張したな・・・」

美琴「・・・うん、初めて手繋いだのは・・・デートのときだっけ?」

上条「それまでは・・・なんだかんだ繋げなかったもんな」

街を歩きながら、上条は昔を思い出す

たしかあれは、まだ遊園地デートをする前だった



美琴「・・・ねぇアンタ」

上条「なんだ?御坂」

美琴「そ、その・・・デート・・・しない?」

上条「デ、デート!?」

美琴「な、何よ!?」

上条「あ、いや・・・その、本気?」

美琴「ほ、本気よ!」


318 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:32:46.80 ID:IfbHfOjp0
上条「ど、どこに?」

美琴「そ、そうね・・・」

上条「・・・考えてなかったのか」

美琴「呆れないでよ!!」

上条「はぁ・・・まぁいいや、近所でも散歩するか?」

美琴「う、うん」


上条「・・・」

美琴「・・・」

上条「なぁ、御坂」

美琴「・・・何よ」

上条「手・・・繋いでいいか?」

美琴「へっ!?」

上条「手だよ・・・付き合ってるんだしいいだろ?」

美琴「あ、うん・・・」

上条「失礼しますね」ギュッ

美琴「・・・」カァッ


319 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:35:00.39 ID:IfbHfOjp0
上条「・・・な、なぁ」

美琴「・・・何よ」

上条「こ、今度さ・・・遊園地でも行かないか?」

美琴「・・・い、いいわよ」



上条「みたいな感じだったかな」

美琴「わ、私ってそんなに緊張してたかな?」

上条「・・・あのあと遊園地で初めて名前で呼ばれたんだもんな」

美琴「そうね・・・」

上条「・・・美琴」

美琴「何よ当麻?」

上条「・・・いや、なんでもないよ」

上条が小さく笑う


320 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:38:01.31 ID:IfbHfOjp0
上条「・・・こうやってさ、並んで歩くのが落ち着いたな」

美琴「そうね・・・アンタとの帰り道は心地よかったもん」

上条「あ、俺もだよ」

美琴「・・・当麻」

上条「どうした?」

美琴「・・・ありがと」

上条「そばにいることか?」

美琴「うん・・・」

上条「そりゃ、俺のためだからな」

美琴「あはは・・・そうよね」

上条「・・・なんか、ちょっと気まずいですね」

美琴「昔のことなんて思い出したら・・・ね」

上条「・・・そういえばさ、お前ってなんでヘアピンしてるんだ?」

美琴「何よ急に」


321 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:43:12.13 ID:IfbHfOjp0
上条「いやさ・・・プレゼントでヘアピン贈っただろ?」

美琴「あぁ・・・それ繋がり?」

上条「そうそう、昔から疑問だったんだよ」

美琴「・・・あー・・・これね」

美琴がヘアピンを外す

さきほど上条からもらったものだ

美琴「ほら、ここの髪の毛・・・ちょこっと周りと違うでしょ?」

上条「あれ?なんか分け目がおかしいな」

美琴「でしょ?ここって昔アホ毛だったのよ」

上条「あぁ、打ち止めみたいな?」

美琴「そうそう」

美琴が面白そうに笑う

美琴「それでね、ここを昔無理矢理ヘアピンで直したのよ」

上条「へー・・・その名残か」


322 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:45:29.32 ID:IfbHfOjp0
美琴「でもね・・・なんかこれがあると落ち着くのよ」

上条「昔からつけてるからか?」

美琴「そうそう、なんか外したくないのよね」

すぐに美琴がヘアピンをつける

上条「へぇ・・・」

美琴「ねぇ、私も一つ聞いていい?」

上条「あぁ、いいけど?」

美琴「当麻の髪の毛って・・・なんでツンツンしてるの?」

上条「あぁ、美琴さんのツンツンが移った・・・」

美琴「な、なんでよ!!真面目に答えなさい!」

上条「これな・・・唯一のオシャレだよ」

上条が溜め息をつく

上条「俺って金がないだろ?」

美琴「うん、知ってるわよ」


323 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:48:41.16 ID:IfbHfOjp0
上条「だからあんまり服とかは買えないだろ?」

美琴「うん」

上条「もちろんアクセサリーも無理、染髪も無理」

美琴「うんうん」

上条「だからさ・・・ワックス使って立ててるんだよ」

美琴「でも最近はあんまりワックスつけてないわよね?」

上条「あぁ・・・なんかこの髪の毛の形で固まったんだよな」

上条が頭を触る

チクチクとした感触が面白い

美琴「・・・私も触っていい?」

上条「あぁ」

上条が触りやすいように頭を下げる

風呂で洗ったことはあるが、上条の普段の髪に触ることはあまりない

そのため、なかなか新鮮なものがある

324 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:51:57.11 ID:IfbHfOjp0
美琴「あ、ツンツンしてるね」

上条「だろ?」

美琴「でもこれってオシャレなの?」

上条「仕方ないだろ・・・これ以外どうしようもないんだよ」

美琴「ねぇ、今日当麻の服とか買いましょうよ」

上条「え、でも・・・」

美琴「私はいつだって買えるもん、当麻は今日くらいでしょ?」

上条「そうだけどさ・・・」

美琴「ほら、いいからいいから」

美琴が上条を引っ張っていく

人混みの中を隙間を縫いながら歩いていく


325 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:54:43.83 ID:IfbHfOjp0
上条「・・・なぁ」

美琴「うん、なに?」

上条「・・・あのさ、俺ってこういうアクセサリーとかそんな好きじゃないんだよな・・・」

二人はアクセサリーショップに来ていた

ネックレスやらピアスやらリングやらが置かれている

周りにはごつい黒人からオシャレな白人までたくさんの客がいる

だが日本人は二人だけだ

上条「・・・これさ、オシャレなのかな」

上条が一つのネックレスを手に取る

美琴「・・・イエスのネックレスね・・・」

上条「俺にはよくわかんないな・・・」

美琴「外国人にとってはオシャレなのかな?」

上条「・・・テクパトルに聞いてみるか」

上条が携帯を取り出す

美琴「いいの?」


326 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 17:57:13.05 ID:IfbHfOjp0
上条「テクパトルだってヒマしてるだろ」

電話をかけると、数回コールが鳴る

そして通話が始まった


テクパトル『・・・なんだ?』

上条「よ、今時間あるか?」

テクパトル『あるが・・・お前今旅行中だろ』

上条「そうそう、それで聞きたいんだけどさ」

テクパトル『なんだ?』

上条「イエスのネックレスってオシャレなのか?」

テクパトル『はぁ?』

上条「今美琴とアクセサリーショップに来ててさ・・・」

テクパトル『お前の分か?』

上条「あぁ」


327 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 18:01:26.98 ID:IfbHfOjp0
テクパトル『・・・十字教の信者がつけてるなら分かるが日本人には合わないぞ』

上条「だよなぁ・・・」

テクパトル『じゃあな』

上条「あぁ」

それだけ通話をして、すぐに携帯をしまう

美琴「どうだって?」

上条「日本人には合わないってさ」

美琴「だよね・・・じゃあどれを買う?」

上条「なぁ・・・俺は服だけでいいんだけど」

美琴「だめよ、ペアリングくらいは買いましょうよ」

上条「あ、あぁ」

美琴「・・・これとかどう?」

美琴が差し出したのはちょっと子供っぽい指輪だ

上条「これは・・・ちょっと」


328 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 18:04:14.19 ID:IfbHfOjp0
美琴「何よ・・・子供っぽい?」

上条「ほら、どうせだし・・・こういうのは?」

上条が取ったのはシンプルな指輪

美琴「・・・なんか地味」

上条「地味ってことないだろ!?」

美琴「おじさんくさいわよ!!」

上条「美琴のこそなんか子供すぎるだろ!!」

美琴「いいわよ、じゃあジャンケンしましょうよ!!」

上条「いいぞ、勝った方が選べるんだな!!」

美琴「じゃあ行くわよ!!」

上条「ジャンケン!!!」




上条「・・・勝てるわけがなかったんだよな、不幸な俺」

美琴「よっしゃー!勝った!」

上条「・・・で、どれ買うんだ?」

美琴「これ」


329 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 18:13:51.69 ID:IfbHfOjp0
上条「・・・それってさ、俺が選んだヤツだよな?」

美琴「・・・当麻がほしいのが私もほしいもん」

上条「・・・そっか、ありがと」

上条が美琴を抱きしめる

美琴「そ、その代わりずっとつけててよ?」

上条「あぁ、分かってる」

美琴「ほら、買いましょうよ」

美琴がリングをレジへ持っていく

上条「・・・あれ、そっちの右手のものは?」

美琴「い、いいでしょ!?」

上条「・・・例の子供っぽいほうの指輪ですか」

美琴「ち、ちちちち違うわよ!?」

上条「そうなんだな」


330 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 18:18:12.89 ID:IfbHfOjp0
美琴「さ、さぁ!!服を買いに行きましょうか!!」

上条「ごまかしたな」

美琴「当麻はTシャツ派だったわね!?」

上条「なんでごまかすの?」

美琴「うぅっ」ジワッ

上条「な、泣かないでくださいよ!?」

美琴「じゃあ買っていい?」ウルウル

上条「い、いいですよ!!」

美琴「当麻大好き!」

上条「お、おう!!」

上条が顔を赤くしながらレジで金を払う


美琴「ふんふーん♪」

上条「ご機嫌ですね・・・」

美琴「うん、当麻とおそろい!♪」

上条「じゃあ早速つけましょうか」


331 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 18:20:41.83 ID:IfbHfOjp0
美琴「うん!」

二人がリングをつける

上条「うん、やっぱりいいな」

美琴「・・・私が選んだのはダメ?」

上条「日本に帰ったらつけるからな」

美琴「//」

上条「さーて、次は・・・服だな」

美琴「そ、そうね」

上条「美琴さんにコーディネートしてもらいましょうかね」

美琴「うん、任せて!」

美琴が胸をポン、とたたく


しかし上条はすぐに気づく

美琴のコーディネートは本当に子供っぽいということに


332 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 19:59:24.52 ID:IfbHfOjp0
垣根「はーあ、寒いな」

バーで砂皿たちと別れ、垣根と心理定規は二人でイギリスの町並みを眺めていた

心理「・・・寒いわね」

垣根「寒いな」

心理「・・・そこで抱きしめてやろう、とかはないの?」

垣根「あいにくと」

心理「じゃあ抱きしめて」

垣根「こんなとこで抱き合うわけにはいかないだろ?」

垣根が辺りを見回す

こんな通行量の多いところで抱き合うなんて後悔処刑だ

心理「恥ずかしいの?」

垣根「恥ずかしいね」

心理「・・・何よ」

垣根「あぁ?」


333 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:02:25.30 ID:IfbHfOjp0
心理「私とそういうことするのが恥ずかしいってこと?」

垣根「おいおい、羞恥と理性を捨てた人間は猿だぜ」

心理「猿だってもう少し相手の気持ちを汲み取るわよ」

垣根「俺は猿以下ってことか?」

心理「そうかもしれないわね」

垣根「・・・おい、ムカつくぜそういうのはよ」

二人がにらみ合う

心理「・・・ねぇ、抱きしめなさいよ」

垣根「ヤだって言ってんだろうが」

心理「だからなんでよ」

垣根「お前こそなんで抱きしめてほしいんだよ」

心理「寒いのよ」

垣根「上着でも着とけ」

心理「・・・はぁ、仕方ないわね」

心理定規が上着をバッグから取り出す


334 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:05:09.83 ID:IfbHfOjp0
心理「・・・あったかいわよ」

垣根「だろ?俺が抱きしめてるだけじゃ動けないからな」

心理「・・・」

垣根「・・・手」

心理「?なに?」

垣根「手貸せって言ってんだ」

心理「・・・」

心理定規が垣根に手を差し出す

垣根「・・・指輪、ちゃんとつけてくれてるんだな」

心理「当たり前でしょ、外すわけないじゃない」

垣根「・・・ありがとよ」

垣根がぎゅっとその手を握り締める

垣根「ほれ、これなら歩きながらでもあったかいだろ?」

心理「・・・あなたってツンデレ要素があるわね」

垣根「心配するな、自覚はある」


335 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:09:28.49 ID:IfbHfOjp0
心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「おう、なんだよ」

心理「・・・どこ行く?お酒はもう飲んだから・・・」

垣根「そうだな・・・観光でも行くか?」

心理「でも今から?」

心理定規が時計を見る

時間はちょうど正午

今から回るというのもなんだか中途半端だ

垣根「そうだな・・・こっから近いところはないか?」

心理「ないわよ・・・それともイギリスの王宮でも見に行く?」

垣根「イギリスの王宮ねぇ・・・」

垣根が想像してみる

「オーウ、プリンセース!!」なんていう騎士がなんとなく思い浮かぶ

垣根「・・・いや、行かない」


336 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:14:24.68 ID:IfbHfOjp0
心理「そう・・・だったらもう行く場所はいくつかしかないわね」

垣根「普通のデートをなぞってみるか?」

心理「レストラン、ショッピング、映画館・・・それくらいかしらね」

垣根「・・・そうだな、とりあえず飯でも食うか」

垣根が適当なレストランを探す

垣根「あ、あそこでいいんじゃないか?」

心理「そうね・・・正直イギリスのレストランは信用できないけど」

垣根「いいじゃねぇか」


垣根「・・・あぁ?」

オルソラ「いらっしゃいませなのですよー・・・ってあなたは垣根さん?」

垣根「お前・・・たしか昨日会った・・・あれだ、あれ」

心理「オルソラさんだったわよね?」

オルソラ「はい、昨日はお世話になりました」ニコニコ

垣根「なんでこんなとこにいるんだよ?」


337 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:17:49.39 ID:IfbHfOjp0
オルソラ「レストランでのバイトなのですよ」

心理「バイト?ここってあまり大きな店じゃないわよね?」

垣根「っていうか・・・よく見たらレストランオルソラって店なのか」

オルソラ「私が経営してるのですよ」

垣根「あぁ、なるほどな」

オルソラ「大きくないのはあまり資金がなくて・・・」

心理「え?あ、あぁ・・・」

心理定規が少し面食らっている

オルソラのトークのテンポは独特すぎる

垣根「お前は料理上手かったから安心だな・・・オムライス一つ」

心理「私も」

オルソラ「オムライス一つとオムライス一つですね、お待ちください」ニコニコ

微笑みながらオルソラが厨房へ向かう

心理(どうして2つって言わないのかしら・・・)


338 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:22:05.98 ID:IfbHfOjp0
垣根「にしても、こじんまりとしてていい雰囲気だよな」

厨房の中のオルソラへ話しかける

オルソラ「ですけど、なかなかお客様が集まらないのですよ・・・」

心理「どうして店を開こうと思ったの?」

オルソラ「いえ、イギリスの食事は美味しくない、と世界の方が思われていますから」

垣根「誤解を解くためか」

オルソラ「そうなのでございます」

心理「ふーん・・・イギリス清教は許してるの?」

オルソラ「はい、個人経営の店なんていくつもあるのでございますよ」ニコニコ

垣根「・・・お前みたいな美人が店開いてたら客も集まりそうだけどな」

オルソラ「まぁまぁ、ケチャップは多めにしておきますね」

垣根「お、サンキュー」

心理「・・・」

垣根「はいはい、お前のほうが可愛いぜ」

オルソラ(・・・ケチャップ減らしておくのでございますよ)


339 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:27:21.67 ID:IfbHfOjp0
垣根「・・・ケチャップが」

心理「あら、残念だったわね」クスクス

オルソラ「ところで・・・お二人はどのような経緯でお付き合いすることになられたのですか?」

心理「聞きたい?」

不思議な笑みを浮べながら心理定規が机に肘をつく

頬杖をつきながら、どこか遠くを見つめる

垣根「・・・話すのかよ」

心理「まぁ・・・簡単に言えば、同僚だったのよ」

オルソラ「まぁまぁ、仕事か何かでございますか?」

垣根「まぁそんなとこだ」

心理「それで、私は昔から彼が好きだったのよ」

オルソラ「素敵でございます!」

パン、とオルソラが手をたたく


340 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:30:57.35 ID:IfbHfOjp0
垣根「でもよぉ、俺だって意外と昔から少しは目をつけてたんだぜ?」

心理「あら、そうなの?」

垣根「・・・昔は不器用だったからな」

オルソラ「ところで、お二人はどうしてイギリスに?」

垣根「は?」

心理「え?」

オルソラ「まぁまぁ、垣根さんも前から心理定規さんが好きだったのですね」ニコニコ

垣根「あ、あぁ・・・」

心理「イギリスには旅行にね、婚約記念よ」

オルソラ「婚約でございますか、おめでとうございます」

心理「えぇ、ありがとう」

オルソラ「不器用なのは悪くないのでございますよ」

心理「そうよ、垣根」

垣根(この短時間でオルソラのペースに合わせた・・・!?)

オルソラ「あらあら、お二人とももう食べ終わってしまったのでございますね」

心理「えぇ、美味しかったから」

341 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:35:16.76 ID:IfbHfOjp0
垣根「・・・なんか疲れた」

心理「あら、どうして?」

オルソラ「疲労には糖分が必要なのですよ」

垣根「いや・・・もう帰る、金は置いとくからさ」

オルソラ「おやおや、お釣りは・・・」

垣根「いいから取っとけ」

手を振ってから、垣根がレストランオルソラを後にする


垣根「なんかめっちゃ疲れた」

心理「そう?慣れれば大丈夫よ」

垣根「慣れたくねぇよ」

心理「美人なんでしょ?」

垣根「ヤキモチ妬くな」

垣根が溜め息をつく

なんだか眠くなってきている


342 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:39:35.61 ID:IfbHfOjp0
垣根「・・・行くか、心理定規」

心理「えぇ・・・どこに行く?」

垣根「とりあえず・・・適当にふらつくか」

心理「そうね」

手を繋いで、二人は歩き出す

レストランオルソラの中では、なぜかオルソラが鼻歌を歌っていた


ステイル「・・・どこに行きたいかい?」

その頃、三人は広場のベンチに座っていた

昨日、ツリーのトラブルがあった広場だ

そのトラブルは人為的なものであるのだが、そんなことは誰も知らない

イン「どうしようかな・・・楽しいところがいいんだよ!」

神裂「楽しいところ・・・ですか」

神裂が腕を組む

343 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:43:32.07 ID:IfbHfOjp0
ステイル「・・・映画館・・・は少し違うか」

神裂「今は面白い作品もありませんからね」

イン「ねぇねぇ、どこかない?」

神裂「・・・遊園地もクリスマスは混みますからね」

ステイル「・・・動物園もそうだろうね」

イン「はぁ・・・どうするの?」

神裂「・・・インデックス、あなたの行きたいところはありますか?」

イン「うーん・・・」

インデックスも腕を組む

こうすると、二人の胸の大きさの違いが分かる

ステイル「・・・遊技場は?」

神裂「あまり好みませんね・・・」

イン「どこもクリスマスは混んでいるんだよ・・・」


344 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:47:51.15 ID:IfbHfOjp0
ステイル「・・・ここでいいかな?」

広場をぐるりと見回す

行き交うのは恋人や家族達

それが、ステイルにはうらやましかった

神裂「そうですね・・・三人でいられるならどこでも構いません」

イン「うん、私もなんだよ!」

ステイル「そうだね」

ステイルがタバコを咥える

近くに喫煙スペースがあるのだが、わざわざ行く気にはなれない

神裂「・・・ステイル、マナーがなっていませんよ」

ステイル「いまさら言うことではないだろう?」

イン「ステイル、ダメな男はダメダメなんだよ」

ステイル「なんだいそれは・・・」


345 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:51:57.84 ID:IfbHfOjp0
神裂「・・・ステイル、インデックスが嫌がってますよ」

ステイル「・・・仕方ないな」

タバコを炎で燃やし尽くす

少しの灰が地面に落ちたが、あとは何も残らなかった

イン「・・・なんか、周りの人が驚いてるんだよ」

ステイル「おおかたマジックだと思っているのだろうね」

神裂「ステイル、むやみに使わないように言っているでしょう」

ステイル「・・・君は僕の保護者なのかい?」

ステイルがめんどくさそうに神裂を見つめる

彼女は友達であり同僚だが、たまにこういうところが面倒でもある

神裂「そういうことではありませんよ」

イン「ステイル、文句はダメなんだよ」

ステイル「う・・・わ、分かったよ・・・」

こうやって二人から注意されるのもいつも通り

346 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 20:55:47.99 ID:IfbHfOjp0
神裂「・・・なんだか、この広場はいつも賑やかな気がしますね」

ステイル「街の中心にあるんだ、当然だろう」

イン「・・・いいなぁ、親が一緒なんだね」

インデックスが子供達を見つめる

あんな風に、両親の間に挟まって腕にぶら下がっているのはうらやましかった

インデックスには、あんなことをしてもらった記憶がない

記憶を失ったからか

それとも、親がいないからか

ステイル「・・・そうだね、僕もうらやましいよ」

神裂「・・・彼らは、きっと幸せなんでしょうね」

神裂が寂しそうに微笑む

彼女も、決して最高の幸せを手に入れているわけではなかった


347 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 21:00:16.15 ID:IfbHfOjp0
ステイル「・・・幸せ、か」

神裂「一体、何が幸せなのでしょうか」

イン「きっと答えなんてないんだよ」

ステイル「そうだね・・・その通りだよ」

神裂「・・・答えがあれば、どれだけ簡単でしょうか」

イン「答えが無いから、それを幸せと感じられるんだよ」

ステイル「・・・哲学だね」

イン「そうかな?」

ステイル「あぁ・・・僕にはよくわからないけどね」

神裂「・・・なんだか、静かですね」

街を行き交う人々の声は聞こえる

ただ、騒がしいというよりもにぎわっているという感じだ

決して耳障りではない

ステイル「・・・いいね、こういう日は」

イン「正月はすごくなるもんね」


348 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 21:03:44.75 ID:IfbHfOjp0
イン「ねぇねぇ、あの雲は何に見える?」

突然インデックスが空を指差す

ステイル「そうだな・・・ライオンかな」

神裂「いえ、あれは魚ですね」

イン「えー、ソフトクリームなんだよ!」

三人の意見はバラバラだ

ステイル「じゃああれは?」

神裂「そうですね・・・タクシー・・・でしょうか」

イン「白菜なんだよ!」

ステイル「・・・僕はサイに見えるんだけどな」

神裂「ふふ・・・まったく違う答えが出ますね」

イン「一人一人、違うものを見てるみたいなんだよ」

ステイル「・・・そうだね」

ステイルが空を見上げながらふ、と笑う


ステイル「まったく、その通りだ」


349 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 21:08:59.13 ID:IfbHfOjp0

上条「・・・なぁ、だからそういうデザインは・・・」

美琴「じゃあこれは?」

服を見ているのは上条と美琴

そして、困っているのは上条

美琴がコーディネートしてくれている

それは嬉しいことだ

だが

上条「だから・・・こう、文字がずーっと並んでるのはガキっぽい・・・」

美琴「な、なんでよ!?」

美琴が先ほどから渡してくるのはどれも子供っぽいものだ

そんなこと、分かっていた

でも希望に賭けてみたかったのだ

そして、負けたのだ


350 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 21:15:46.11 ID:IfbHfOjp0
上条「はぁ・・・な、なぁ」

美琴「・・・いや?」

上条「ほら、たしかに中学生ならいいしオシャレだと思うけどさ、高校生だから」

美琴「あ、それもそうか・・・」

上条「世の中の高校生はどんなの着てるかな、はい!」

美琴「えっと・・・こういうのとか?」

美琴が持ったのはタンクトップだ

しかも、無地の

上条「・・・こういうのは、テクパトルや削板が着て初めて一丁前だ」

美琴「うーん・・・チェックシャツかな?」

上条「あ、そういうのとか・・・あとジーパンかな」

美琴「当麻はジーパン好きなの?」

上条「あぁ、結構な」


351 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 21:20:35.02 ID:IfbHfOjp0
美琴「うーんと・・・じゃあね、これは?」

美琴がデニムを指差す

上条「あ、それはいいな」

美琴「でしょでしょ!」

上条「試着してきますね」

上条が試着室へと入る


美琴(に、似合うかな・・・?)

美琴は一人ドキドキとして待っていた

恋人が自分の選んだものを着てくれる

それは、とても幸せなのだ

店内にはジングルベルが響いていた

まだまだ、クリスマスは続く


352 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/09(金) 21:27:18.65 ID:IfbHfOjp0
今日は早いけどここまで

明日は上琴と未元定規メインでやりたいな

では今日の筋肉動画


>>1の大好きなケビン・レブローニの現在

ナチュラル、つまり薬物を使わないでビルドアップしています

今のビルダーは大抵ステをずっと入れ続け、それゆえに悲惨な老後を過ごします

しかしケビンはステを抜き、なおかつ素晴らしい体型を維持してますね

もう45過ぎてるのにこの体

多くのファンは、「オリンピア活躍当時の、ステをバリバリ入れてた頃より今のほうがいい!」とさえ言ってます

っていうか男前

ではこちらです

http://www.youtube.com/watch?v=H74dokHSUx4&feature=results_video&playnext=1&list=PL6C9AB0ABB38D7081


ケビンはホントかっけぇなぁ

テっくんの体はこれくらい、という設定w

ではおやすみなさい

353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/09(金) 21:36:32.50 ID:OeshR5fm0
うぬ、>>1よ乙。これはこれで十分かっこいいな、この筋肉。
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/09/09(金) 22:02:35.09 ID:D8SoPl6Mo


もやし脱出から頑張ってる一方通行はどんな感じなのか気になる
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/09(金) 22:20:45.87 ID:DfZYkJnIO
>>1おつ

オルソラのテンポは俺の会話のテンポと似てる
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/09(金) 23:34:52.64 ID:8c+1X+VDO
>>355
今すぐイギリスに行ってレストランオルソラでバイトするんだ
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/09(金) 23:50:13.83 ID:DfZYkJnIO
>>356
俺頑張る
店長も歓迎してくれるかな
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2011/09/10(土) 00:00:23.25 ID:Vs4g2MIO0
やっと追いついた
>>1

レストランオルソラってもしかしてあのスレの?
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/10(土) 11:56:45.12 ID:uUDMbYUuo
追いついてしまった
360 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:14:57.60 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・あとは何を買いましょうか」

美琴「そうね・・・あ、私のバッグ買うんだった!」

上条「あぁ、だったな」

上条が辺りを見回す

どうやらこの店にはバッグは置いていないようだ

男性向けの服屋に女性物のバッグがあるほうがおかしいのだが

上条「じゃあここは出ましょうか」

ジーパンとTシャツの入った袋を抱えて二人は外へと出る

美琴「えっと・・・バッグ屋さんはあるかな?」

上条「聞いてみたいけど・・・俺は英語さっぱりです」

美琴「はぁ・・・仕方ないわね」

美琴が適当な人に尋ねているようだ

バッグ、という単語以外何も分からないのが悲しい

美琴「なんか近くにあるって」

361 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:15:27.35 ID:NN7dFqAe0
上条「そうか、じゃあ行きましょう」

美琴「うん」

道を教えてくれた人に頭を下げてから美琴が上条の前を歩く

美琴「えっと・・・こっちから行ったら近道だって言ってた」

美琴が裏路地を指差す

なんとなく

なんとなくだがイヤな予感がする

上条「あ、あの・・・人の多いとこを歩きませんか?」

美琴「レッツゴー!」

上条「聞いてすらいない!?」

裏路地へ進んでいく美琴を追いかける


やっぱり、イヤな予感は当たってしまった

どう見てもめんどくさそうなお兄ちゃん達がたまっていた

美琴「ん、なんかジャマになっちゃってるわね」

362 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:15:56.93 ID:NN7dFqAe0
二人が進もうとしている道を塞ぐ形でお兄ちゃん達はたむろしている

上条「いいぜ!もしもアンタ達が俺の前に立ち塞がるって言うなら・・・」

そんな上条を無視して、美琴がお兄ちゃん達に話し掛ける

なんかお兄ちゃん達は道を指差して何かを言っている

意外とにこやかに笑っている

上条「あれ?」

美琴「当麻、こっちじゃなくてそこを右に曲がらないといけないみたいよ」

上条「そ、そうなのか?」

美琴「うん、なんか間違ったみたい」

美琴がお兄ちゃん達に手を振って引き返してくる

上条「・・・人は見掛けによらないんだな」

美琴「うん、じゃあ行こう」

美琴が上条の手を引っ張る

それをお兄ちゃん達はうらやましそうに見つめていた

363 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:16:35.36 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・美琴、さっきあの人達と何話してたんだ?」

美琴「道聞いたら、なんか可愛いねって言われちゃった」

美琴が嬉しそうに笑う

女の子なのだ、可愛いと言われるのは嬉しいに決まっている

だが上条はそれが気に入らない

上条「・・・ふーん、ほかのヤツに可愛いって言われて嬉しいのか」

美琴「な、なによ・・・いいじゃない別に」

上条「・・・」

上条が無言で立ち止まる

美琴のことを一番分かっているのは自分なのに

そこら辺の男に気安く可愛いとか言ってほしくないのだ

美琴の様々ないいところを知っている彼だけが、美琴を語っていいのだから

美琴「どうした・・・っ!」

上条が美琴の唇を無理矢理奪う

364 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:17:12.17 ID:NN7dFqAe0
裏路地のため、周りの視線を気にしなくていいのだ

建物の壁に美琴を押し付け、ずっと放さない

もちろん強く押し付けはしていないが、それでも美琴は少し怖がっているようだった

上条「・・・美琴は俺のもんだからな」

美琴「なんか・・・当麻ってヤンデレになりそうよね」

上条「な、なんでだよ!?」

美琴「・・・ちょっと今の当麻は怖かった」

美琴が少し悲しそうな顔をする

それが上条は辛かった

上条「・・・ごめん」

優しく美琴を抱きしめる

その温もりが、美琴の恐怖を和らげてくれた

美琴「あのね、私は本当に当麻しか興味ないんだから」

上条「はい・・・」

365 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:17:43.62 ID:NN7dFqAe0
美琴「安心しなさい、もしアンタが私を嫌いになっても・・・」

上条「それはないからな!」

上条が慌てて抱きしめる力を強める

自ずと体が密着してしまうが、今は互いの目だけを見つめる

上条「俺だって美琴しか興味ないんだ」

美琴「・・・当麻、大好き」

今度は美琴が上条の唇を奪う

誰もいない裏路地

ラブロマンスの舞台にするには少し薄暗いだろうか

上条「・・・その、ごめんな・・・痛くなかった?」

上条が優しく美琴の背中をさする

美琴「ん、だって当麻優しくしか当ててなかったじゃない」

上条「だってさ・・・建物の壁に強く押し付けたら痛いだろ?」

366 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:18:18.63 ID:NN7dFqAe0
美琴「・・・あんなときにも優しさは忘れないのね」

本当にお人よしだ、と美琴は呆れる

そんなお人よしの彼だから好きなのだ

上条「・・・美琴」

上条が美琴の胸に手を伸ばそうとする

美琴「ちょっと、こんなとこじゃダメだってば!」

上条「う・・・でもディープキスでムラムラしちゃいまして」

美琴「ダメ!こ、こんなとこでしちゃったら変態じゃない!」

上条「俺は変態でもいいけどなぁ」

美琴「う・・・私がダメなのよ」

顔を赤らめ、目を逸らす

羞恥に染まる女性というのは美しく艶やかだ

367 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:18:45.07 ID:NN7dFqAe0
上条「なんでダメなの?」

美琴「当麻以外に見られちゃうかもしれないじゃない」

上条「あぁ、それは確かにイヤだな」

美琴「・・・どうしてもしたいの?」

上条「こう・・・ムラムラがな」

美琴「・・・ゴム・・・持ってる?」

上条「あ、あぁ・・・リュックに入れてるから」

上条が肩にかけたリュックを指差す

必需品は持ち歩くようにしている

つまり、ゴムは必需品なのだ

美琴「・・・バッグは・・・あとでも買えるわよね」

上条「あぁ」

美琴「・・・ムラムラは今じゃないと抑えられないわよね?」

368 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:19:21.22 ID:NN7dFqAe0
上条「そ、そうですね」

美琴「・・・ちょうど向こうにホテルがあるみたい」

美琴が道の先を指差す

どうやらそういうことをするためのホテルのようだ

美琴「・・・私は、いいわよ?」

上条「・・・」


上条「いや、遠慮しとくよ」

美琴「え・・・な、なんで?」

上条「ほら・・・こうやっていっつも美琴の優しさに甘えてたら悪いからさ」

美琴「・・・い、いいの?」

上条「あぁ・・・バッグ、買いたいんだろ?」

369 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:19:51.33 ID:NN7dFqAe0
美琴「・・・じゃあ、ホテルに帰ったら・・・ね?」

上条「喜んで」

上条が軽く美琴にキスをする

美琴「・・・そういうことされちゃうと私もなんか変な気分になっちゃうわよバカ」

上条「いいから、行こう」

上条が美琴の手を握る

ドキドキとした鼓動が、なぜか手の平から伝わるような気がした


垣根「・・・空が綺麗だな」

広場のベンチに座って垣根は上を見上げていた

心理「そうね・・・綺麗」

垣根「あの空を飛ぶ鳥はさ、きっと空の高さを知らないんだよな」

心理「知っていたら堕ちることが恐ろしくて飛べないわよ」

垣根「それは幸せなことなのかもな」

370 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:20:29.91 ID:NN7dFqAe0
そんな少し難しい話をしながら、二人はコーヒーを飲んでいた

お酒のせいで多少鈍っていた味覚もすっかり元に戻っている

垣根「でもさ、あんなに飛べたなら気持ちいいだろうな」

心理「あなただって飛べるじゃない」

垣根「俺は飛ぶとき、上を見て飛んでるだろ?」

心理「そうね」

垣根「鳥は前しか見てないのさ、だから高さを知らないんだ」

心理「・・・悲しいことね」

垣根「素晴らしいことさ、上も下も見ていない、ただ自分のいる場所だけを見つめているんだからさ」

心理「・・・あなたはロマンチストね」

垣根「ロマンチスト?馬鹿言うなよ、俺ほどのリアリストは中々いないぜ」

コーヒーの苦味に顔をしかめながら垣根が答える

苦味は好きなのだが、どうも美味さを感じない苦味だった

371 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:21:04.68 ID:NN7dFqAe0
選ぶ銘柄を間違えたな、と垣根がため息をつく

垣根「お前のコーヒーは美味しいか?」

心理「一口あげるわよ」

心理定規が缶を差し出してくる

それを受け取り、一口飲んでみる

垣根「あまっ!お前こんな甘いの飲んでたのかよ?」

心理「それ、ブラックよ?」

垣根「は?」

垣根が缶の側面を見る

たしかに表記はブラックだった

垣根「・・・じゃあなんで甘いの?」

心理「・・・さぁ」

心理定規が肩をすくめてから缶を受け取る

372 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:21:50.30 ID:NN7dFqAe0
答えが分かっているだけに、なんとも馬鹿らしく思える

垣根「・・・こうやってコーヒー飲むのは久しぶりか?」

心理「缶コーヒーはあんまり飲まないものね」

垣根「前は仕事帰りにたまに飲んだりしてたけどな」

垣根が缶コーヒーをまた飲む

やはり苦すぎる

垣根「・・・ちょっと別の買ってきていいか?」

心理「えぇ・・・ついでにクレープ買ってきてくれないかしら」

垣根「カスタードのでいいか?」

心理「お願い」

垣根「あいよ」

垣根が缶コーヒーを睨みながら立ち去っていく

よほど苦かったのだろう

その、少し情けない表情を見て心理定規が苦笑する

373 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:22:26.38 ID:NN7dFqAe0
心理「さて・・・少しだけヒマになったわね」

心理定規が辺りを見回す

彼女と目が合った男性は、なぜかすぐに視線を逸らす

心理(あらあら、紳士な割には初心なのね)

クスクスと心理定規が笑う

彼女のような美人と目が合ってしまったら、緊張しても無理はない

逆にそれを利用して、男性をどぎまぎさせるのも面白かった

上条が見ていたら「悪趣味」と言うだろう

だが女というのは薔薇なのだ

綺麗な花を咲かせはしても、それを掴むにはトゲに触れなければならない

女性は経験を重ねていくことで、よりそのトゲを鋭くしていく

つまらない男が寄って来ないようにするために

374 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:22:56.12 ID:NN7dFqAe0
そして、その鋭くなったトゲをさえも包み込んで抱きしめてくれる男性を求めるのだ

つまり、これは自分を磨くための儀式に過ぎない

男性達には悪いが、自分を磨き上げるための研ぎ石になってもらう

心理「・・・でも、垣根だけはどうも気にしないのよね」

心理定規は魔性の女だ

それは自他ともに認めている

男性をからかって、その反応を見ては楽しんでいる

ときには美琴のような女性にさえちょっかいを出している

彼女は人の困った顔を見るのが好きだ

そこには偽りの感情というものがないから

心理「・・・」

だから、垣根にもたまには困ってほしい

彼の怒ったところ、笑ったところ、泣いたところ

そんなものは何度も見てきた

375 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:23:35.20 ID:NN7dFqAe0
だが彼が理性を失うほど困ったところは見たことがなかった

なんとかして彼を焦らせてみたい

心理「・・・とは言っても、彼のほうが大人なのよね」

大抵は垣根が逆に心理定規をどぎまぎさせてしまう

心理定規が自分よりも上だと認めた唯一の男性だ

彼女をも手込めにしてしまう大人な彼

そんな彼が大好きだった

そして、全てを自分のものにしてしまいたい

心理「・・・はぁ」

ため息は白くなって宙へと消える

心理「どうすればいいのかしら」

垣根「何をだよ?」

ちょうど垣根が帰ってきていたようだ

クレープを差し出された

376 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:24:08.10 ID:NN7dFqAe0
心理「あらありがとう・・・早かったわね」

垣根「お前は待たされるのが嫌いなんだろ?」

心理「あなたには散々待たされたもの」

垣根「そりゃ悪かったな」

垣根が缶コーヒーを開ける

先程心理定規が飲んでいた銘柄だ

垣根「お、こっちのほうがいいな」

心理「あら、私の飲みかけだから美味しかったわけじゃないのね」

垣根「ん?それもあったと思うけどさ」

当たり前のように垣根が返してくる

そういう返答が心理定規をドキリとさせる

心理「・・・ホント、あなたは私の理想そのものよ」

377 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:24:41.03 ID:NN7dFqAe0
垣根「お前も俺の理想に限りなく近いな」

心理「あら、同じではないのね」

垣根「理想と同じってことは夢幻ってことだ、少し違うくらいが一番いいんだよ」

缶コーヒーを飲みながら垣根が肩をすくめる

欧米人にしか似合わないようなその仕種も、例外的に彼には似合っている

心理「・・・クレープ、美味しいわよ?」

垣根「ふーん、でも買ってくるのめんどくさい」

心理「・・・食べる?」

首を捻りながら心理定規がクレープを差し出してくる

垣根「・・・いい」

心理「あら、もしかして照れてるのかしら」

垣根の頬が赤く染まっている

垣根「・・・食べていいのか?」

378 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:25:14.62 ID:NN7dFqAe0
心理「えぇ、さっき言ったでしょ?」

垣根「・・・」

垣根がクレープをじっと見つめる

イチゴと生クリーム、あとカスタードがふんだんに使われている

いかにも女性が好きそうな感じの商品だ

垣根はどちらかと言ったら、甘いものより辛いものや苦いもののほうが好きだ

チョコならビター、コーヒーならブラック

そんなところだ

甘いものはあまり好きではない

垣根「・・・じゃあ一口だけもらうかな」

心理「どうぞ」

ニコリ、と心理定規が笑う

パクリ、と垣根がクレープにかじりつく

真ん中の甘そうなところではなくその周りを
379 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:25:41.76 ID:NN7dFqAe0
心理「どう?美味しいでしょ」

垣根「あぁ・・・ちょっと甘すぎる気もするけどな」

垣根がモグモグ、と口を動かす

クリームの甘味がコーヒーの苦味と相対して一層引き立つ

これを丸々一個食べるのは自分にはきついな、と考えて苦笑する

心理「・・・クリーム、ついてるわよ」

垣根「あ?どこに」

心理「ここ」

心理定規が垣根の唇に自分の唇を重ねる

いやどこだよ、と一瞬言いそうになったが口を塞がれてしまったため叶わなかった

垣根(・・・柔らかいな)

心理定規の唇は柔らかかった

そして、とても甘かった

380 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:26:15.28 ID:NN7dFqAe0
クリームの味か

イチゴの味か

それとも、違う何かか

垣根は甘いものはあまり好きではない

好きではないが

垣根(たまになら悪くないかもな)

心理定規がそっと唇を放す

頬が少しだけ緩んでいる

心理「ほら、ちゃんと取れたわよ?」

垣根「・・・ありがとさん、俺は甘いのが苦手なんだよ」

心理「苦すぎても疲れちゃうでしょ?」

彼女の笑顔が好きだ

彼女の目が好きだ

彼女の優しさが好きだし、彼女の全てが好きだ

381 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:26:43.35 ID:NN7dFqAe0
垣根「・・・心理定規」

心理「なに?」

垣根「お前もクリームついてる」

心理「え?」

ぽかん、としている彼女の唇を奪う

攻守が一瞬で逆転してしまった

甘いのは二人の周りの空気だろう

道行く人々は何も見えてません、といった感じで通り過ぎていく

心理(・・・結局、垣根には叶わないわね)

心の中で少しだけ悪態をつく

こんな風にされてしまったら、恥ずかしいのは彼女だった

目を開けると、垣根と視線がぶつかった

優しそうな瞳だ

382 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:27:12.98 ID:NN7dFqAe0
そこには心理定規だけが映っている

周りの景色も、ほかの誰も映ってはいない

ただ彼女だけを映している

垣根「な、綺麗になっただろ」

心理「・・・甘いのは苦手なんじゃなかったかしら」

垣根「おう、苦手だね」

ケラケラと垣根が笑う

あまりにも純粋すぎるその笑みは、心理定規の心の何かをくすぐる

心理「だったら、無理にこんなことしなくてもいいのに」

垣根「無理にはしてねぇさ」

垣根が缶コーヒーを口にする

その程度の苦味では、この甘さは中和できそうにもない

むしろ甘さが引き立ってしまうだけだった

383 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:27:42.52 ID:NN7dFqAe0
心理「・・・私となら甘くてもいいのかしら?」

垣根「おう、お前との甘さなら嫌いじゃないぜ」

心理「それは好きってこと?」

垣根「そうだな・・・そういうことだ」

心理「・・・バカ」

心理定規が俯く

垣根「早くクレープ食べろよ、じゃないと崩れるぜ?」

心理「分かってるわよ」

早いペースで心理定規がクレープをかじっていく

緊張しているのだろうか

垣根(はぁ・・・甘い、ねぇ)

垣根が空を見上げる

雲一つない青空だ

垣根「やっぱり甘いのは苦手だね」


384 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:28:08.79 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・美琴はどういうバッグが好みなんだ?」

バッグを売っている店を見つけ、その中に入ってからもう20分

美琴はまだ悩んでいるようだった

美琴「んーとね・・・ある程度可愛くてたくさん入るやつ」

上条「・・・そんなのってあるか?」

上条が首を捻る

デザインと機能性は優れない

それが大抵の商品だ

可愛らしさを求めて小型にすれば荷物はたくさん入らない

得てしてそういうものだ

上条「これとかは?」

美琴「うーん・・・革製品ね・・・」

美琴がバッグをじっと見つめる

385 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:28:44.08 ID:NN7dFqAe0
美琴「革製品ってなんか使いにくくない?もったいない感じがしちゃって」

上条「あぁ・・・なんか分かるな」

上条がうんうん、と頷く

でも美琴がそういうことを気にするとは意外だった

上条「じゃあ・・・これとか?」

上条が別の製品を指差す

少し小さめのスポーツバックだ

美琴「んー・・・なんか違うかな」

上条「まぁオシャレってのじゃないか」

美琴「それにこういうのって使ってると人混みとか迷惑でしょ?」

上条「あぁ・・・人に当たるからな」

美琴「エナメルバックは振り回す凶器よ」

上条「いまいちわかんないけど・・・じゃあ美琴はどういうのが好みなんだ?」

386 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:29:17.69 ID:NN7dFqAe0
美琴「デザインならこういうのかな」

美琴が指差したのはやはり子供っぽいバックだ

上条「うーん・・・中学生が使ってるとちょっと子供っぽく見えないか?」

美琴「そうかな?」

上条「まぁ・・・趣味は人それぞれだからいいか」

美琴「でも大きさがちょっとね・・・」

美琴が惜しそうな目で見つめる

たしかに、近くに出かけるだけなら苦労はしないだろう

だが遠出をするのには向かないだろうか

上条「なかなかバックも奥深いんですね」

美琴「みんなはどんなの使ってたかな」

美琴が目を閉じて考える

387 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:29:57.72 ID:NN7dFqAe0
心理定規はいかにも高そうなブランドバックだった

ショチトルはエツァリに荷物を持たせるため手ぶらだった

黒子はたしか常盤台の鞄をそのまま使っていた

番外個体はそんなに買い物はしない

19090号も同じく

美琴「・・・あんまり参考にならない回想だったわね」

ため息をついて美琴がほかの製品を品定めする

安そうな商品はすぐ壊れてしまう

だがあまりに高いのは上条に申し訳ない

上条「・・・悩みますね」

美琴「これとかどうかな?」

美琴が手に取ったのは肩に掛けるタイプのバックだ

388 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:30:27.49 ID:NN7dFqAe0
大きさもわりとあるため、よほど大きな買い物をしない限り事足りる

だが問題はデザインだ

上条「・・・大きくチワワが描かれてますね」

美琴「だ、だって可愛いじゃない!」

上条「そりゃ小学生なら似合うけどさ・・・」

上条が少し困ったような顔をする

美琴は常盤台のエースだ

普段は男勝りだし、お姉さまと呼ばれたりするほど尊敬されてもいる

そんな彼女がこんな子供っぽいバックを使うなんて

ファンの子達は幻滅するだろう

別にそれがイヤというわけではない

だがあまりにもイメージと掛け離れているため、ちょっと遠慮してしまうのだ

389 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:31:25.11 ID:NN7dFqAe0
上条「なぁ、もっと大人っぽいのはイヤなのか?」

美琴「なんか無理に背伸びしてるみたいじゃない?」

上条「まぁ・・・最近の中学生はませてるけどさ」

美琴「でしょ?無理に大人っぽいのを使う必要はないと思うのよね」

上条「・・・そうだな、ちょっと子供っぽいのも美琴の魅力ですね」

美琴「ありがと!」

満面の笑みを浮かべ、美琴がバックをレジに持っていく

それほどまでに気に入っていたのだろう

上条「まぁ・・・悪くはないか」

そうつぶやいて、上条もレジへ向かう

だが、上条は不幸なのだ

たとえ、どんなにロマンチックな恋が出来ても不幸なのだ

途中、小さな男の子にぶつかって転んだ挙げ句、体の当たった商品棚が倒れてきて押し潰されたのは秘密だ


390 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:31:50.54 ID:NN7dFqAe0
垣根「・・・甘かったな」

心理「・・・今思えばかなり恥ずかしいことしてたわよね」

空を見上げながら二人はぼーっとしていた

垣根「クレープ・・・甘かった」

心理「・・・あなたの唇もよ」

垣根「分かってるから言うな」

心理「恥ずかしいの?」

垣根「恥ずかしいに決まってるだろ」

心理「・・・私もちょっと恥ずかしいわ」

垣根「・・・こんなとこでやるとか公開処刑に近いよな」

心理「・・・そうね」

垣根「はぁ」

垣根がため息をつく

391 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:32:27.35 ID:NN7dFqAe0
正午も少し周り、だんだんと寒さが戻ってくる

道行く人々はみんな厚着をしている

もちろん、二人だって例外ではなかった

垣根「寒いな」

心理「イギリスですもの」

垣根「こんなに寒いのは久しぶりかもな」

心理「そうね・・・温めてくれない?」

垣根「恥ずかしいって言わなかったか?」

心理「いいじゃない今更」

垣根「しゃあねぇな」

垣根が心理定規を抱きしめる

たしかに暖かい

392 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:32:58.04 ID:NN7dFqAe0
暖かいのだが、なんだか頬が変な暑さをもってしまう

リンゴのように染まった頬は、雪景色にはよく映える

垣根「・・・あったかいか?」

心理「熱いわね」

垣根「雪が溶けるかもな」

心理「あら、そしたら春が来るのかしらね」

垣根「もう来てるだろ?」

心理「えぇ・・・暖かいものね」

心理定規が垣根の胸の中でクスクスと笑う

垣根「・・・なぁ、いつから俺はこんなにお前の虜になったんだろうな」

心理「最初からじゃないかしら」

垣根「んなわけあるかよ」

心理「でも前から優しくしてくれたじゃない」

393 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:33:44.94 ID:NN7dFqAe0
垣根「・・・あれはまた別なんだよ」

心理「そんなことないでしょ?」

垣根「・・・そうだな」

雪が頬に当たっては消えていく

その感触が少しくすぐったい

垣根「どっか行きたいとことかあるか?」

心理「特にはないわ、あなたの胸の中にいたい」

垣根「そうか」

心理「・・・好きよ、垣根」

垣根「俺だって好きなんだよ」

心理「・・・こんな日が来るなんて知ったら昔の私は泣いて喜ぶわね」

垣根「やめろ、女の涙は辛いんだよ」

心理「分かってるわ、あなたは優しいもの」

394 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:35:25.68 ID:NN7dFqAe0
垣根「優しい・・・ね」

垣根が苦笑する

彼は優しいのではない

ただ、少し人間味があるだけだ

いや、そうだった

それでも心理定規と出会ってから、彼は一人の人間になれたのだ

化け物ではなく、人間に

垣根「あー、平和ボケしそうだぜ」

心理「私もよ」

垣根「・・・ボケられるほど平和なんだな」

心理「・・・そうよ」

垣根「だったら悪くは無いな」

垣根が笑う

395 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:38:16.05 ID:NN7dFqAe0
心理「ねぇ、これからどうするの?」

垣根「買いたいものとかあるか?」

心理「特にないわよ」

垣根「そうだな・・・お前は服もたくさん持ってるからな」

心理「あら、服はたくさんほしいのよ?」

垣根「そりゃ分かってんだよ」

心理「じゃあ買ってくれる?」

垣根「・・・なんでだよ」

心理「あのね、女っていうのは欲の塊よ?」

垣根「それはよく知ってんだよ」

心理「あら、なんでも私のこと分かってるのね」

垣根「当たり前だろ、どんだけ一緒にいると思ってんだよ」


396 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:43:42.58 ID:NN7dFqAe0
心理「・・・どれだけ私を苦しませるのよ」

垣根のことをぎゅっと抱きしめる

胸の感触が、なんとなく恥ずかしい

垣根「・・・あのな、胸当たってるぞ」

心理「分かってるけど、気にしないでいいわよ」

垣根「気になるんだよ」

心理「・・・」

垣根「言っとくけどな、俺も男だぜ?」

心理「あら、ここでやっちゃうのかしら」

垣根「んなことはしねぇよ」

心理「・・・ねぇ」

垣根「あーもう、なんだよ」

心理「イギリスって、不思議な雰囲気よね」


397 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:45:48.41 ID:NN7dFqAe0
垣根「霧の都とか昔は言われてたらしいな」

垣根が辺りを見回す

だが霧という雰囲気ではない

垣根「あの頃は環境破壊も激しかったからな」

心理「夢のない話」

垣根「・・・悪いな」

心理「・・・いつか、あなたと新婚旅行するときは・・・」

垣根「はぁ?イギリスはイヤだ、飯がまずい」

心理「じゃあどこがいいのよ」

垣根「フランス・・・とか?」

心理「はぁ・・・料理だけで選んだでしょ」

垣根「パリがあるぜ、ファッションのパリが」

心理「あら、いいわね・・・」


398 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:47:39.75 ID:NN7dFqAe0
垣根「パリコレもあるからな」

心理「・・・い、いいわね・・・」

心理定規がぽーっとする

本当にオシャレが好きなようだ

垣根「・・・お前さ、服だけで選んでるだろ」

心理「そ、そんなことないわよ!?」

垣根「ふーん・・・でもフランスでいいだろ?」

心理「そうね・・・新婚旅行ね・・・」

垣根「・・・結婚生活か」

心理「・・・想像できないわね」

垣根「俺が働くのか」

399 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:49:56.48 ID:NN7dFqAe0
心理「・・・どこで働くの?」

垣根「そうだな・・・教師にでもなるか」

心理「教師?」

心理定規が首を捻る

彼はもっと派手な仕事が好きそうだからだ

垣根「あぁ、誰かに何かを教えられるんだろ?」

心理「そうだけど・・・」

垣根「女子中学生が見たい放題だ」

心理「あなたってロリコンなの?」

垣根「中学生は性に目覚めるお年頃だ」

心理「だからなに?」

垣根「そこで俺が間違った性知識を教える」

心理「それで?」

垣根「うちの学校は乱交パーティーが毎日行われる」

心理「やめなさい」


400 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:52:35.04 ID:NN7dFqAe0
垣根「そうだな・・・冗談はおいといてさ」

垣根がベンチから体を起こす

垣根「俺たちは学校なんて行ってないだろ?」

心理「そうね・・・そんな時間はなかったもの」

垣根「・・・俺はさ、そんな生徒を少しでも減らしたいんだよ」

心理「・・・スキルアウトとか?」

垣根「そうだな・・・教師がよければ、おのずと学校に行きたくなるだろ?」

心理「えぇ・・・その通りよ」

垣根「・・・俺はそんな教師になってみたいんだよ」

心理「・・・あなたなら大丈夫よ」

垣根「お前は・・・仕事とかしたくないのか?」

心理「そうね・・・ちょっとは興味あるわよ」


401 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:54:53.41 ID:NN7dFqAe0
垣根「何の仕事がいいんだよ」

心理「モデルとかかしら」

垣根「・・・モデルぅ?」

垣根が顔をしかめる

というよりも、バカにしているといった感じだ

心理「何よ」

垣根「いや、だってモデルだろ?モデルだぜ?」

心理「そんなに悪い仕事ではないでしょ?」

垣根「そうだけどさ・・・」

心理「私が視姦されちゃうのがイヤなのかしら」

垣根「いやらしい言い方すんなよ」

心理「そういうことじゃないの?」

垣根「・・・そんなとこだけどさ」

402 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 12:57:00.71 ID:NN7dFqAe0
心理「でも夢を見させられるでしょ?」

垣根「うーん・・・」

垣根が腕を組んで考える

垣根「そうでもないだろ、オカズにされるかもしれないぜ?」

心理「それはないわよ」

垣根「なんで」

心理「私はオカズにはされないもの」

垣根「だからなんで?」

心理「ん?」

垣根「あ?」

心理「ところで、これからどうする?」

垣根「そうだな・・・服買いたいんだろ?」

心理「あら、いいのかしら」

垣根「ちょっとならな・・・ここでしか手に入らないのもあるだろ」

心理「そうね・・・じゃあ行きましょう」

二人が手を繋いで歩き出す


イギリスの冬は、少し暖かかった

403 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 14:04:49.73 ID:NN7dFqAe0

神裂「・・・ステイル、よかったですね」

ステイル「何がだい?」

二人は、小さな公園のベンチに座っていた

視線の先にはインデックスがいる

神裂「・・・あの子の笑顔をまた見られたんですから」

ステイル「・・・そうだね」

神裂「・・・まだ後悔しているのですか?」

ステイル「己の過ちは死ぬまで忘れてはいけないのさ」

ステイルがタバコを取り出す

神裂「・・・許せないのですか?」

ステイル「自分を許すことはできないさ」

404 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 14:08:10.30 ID:NN7dFqAe0
神裂「・・・そろそろ許したらどうですか」

ステイル「・・・君は自分を許したのかい?」

神裂「・・・そうですね、許したとは言えませんね」

神裂が自分の手に視線を落とす

この手で

過去に、インデックスを背中から切りつけたことがあった

ステイル「それと同じさ」

神裂「・・・そうですか」

ステイル「・・・僕はね、あの子の笑顔は本当に美しいと思うんだ」

神裂「なら、それを守り続ければいいじゃないですか」

ステイル「・・・守る、か」

ステイルが息を吐く

タバコの煙は、空へと上がっていく

ステイル「・・・あの笑顔をかい?」


405 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 14:50:08.27 ID:NN7dFqAe0
神裂「・・・そうですよ」

ステイル「・・・僕は守れるのかな」

神裂「守れていたではないですか」

ステイル「・・・そうか」

神裂「・・・あの子を見ていると、時間が止まっているみたいですね」

ステイル「そうだね、何も変わらない」

神裂「・・・私達は変わったのでしょうか?」

ステイル「一度は間違った道に進んだね」

ステイルが苦い顔をした

その間違いを正してくれたのは、上条当麻だった

ステイルが嫌っている、上条当麻だった

406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 14:51:04.47 ID:HrjzQqtQ0
セロリ!セロリ!セロリ!セロリぃぃいいいわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!セロリセロリセロリぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!アクセラレータたんの白色ソフトパーマの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説SSのセロリたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期放送されて良かったねセロリたん!あぁあああああ!かわいい!セロリたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック5巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
セ ロ リ た ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!神の右席ぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のセロリたんが僕を見てる?
表紙絵のセロリたんが僕を見てるぞ!セロリたんが僕を見てるぞ!挿絵のセロリたんが僕を見てるぞ!!
アニメのセロリたんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはセロリたんがいる!!やったよ打ち止め!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのセロリたああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあ神崎様ぁあ!!イ、イン!!なんだっけ?五和ぁああああああ!!!黒子ァぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよセロリへ届け!!学園都市のセロリへ届け!
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 14:51:40.07 ID:HrjzQqtQ0
セロリ!セロリ!セロリ!セロリぃぃいいいわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!セロリセロリセロリぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!アクセラレータたんの白色ソフトパーマの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説SSのセロリたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期放送されて良かったねセロリたん!あぁあああああ!かわいい!セロリたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック5巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
セ ロ リ た ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!神の右席ぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のセロリたんが僕を見てる?
表紙絵のセロリたんが僕を見てるぞ!セロリたんが僕を見てるぞ!挿絵のセロリたんが僕を見てるぞ!!
アニメのセロリたんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはセロリたんがいる!!やったよ打ち止め!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのセロリたああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあ神崎様ぁあ!!イ、イン!!なんだっけ?五和ぁああああああ!!!黒子ァぁあああ!!
うっうぅうう!!俺の想い
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 14:53:41.43 ID:HrjzQqtQ0
スマン、誤爆
409 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 14:54:06.23 ID:NN7dFqAe0
神裂「・・・結局、元の道に戻っただけですね」

ステイル「それでも、変わったのかな」

神裂「変わりましたよ、経験を積みました」

ステイル「経験か・・・」

神裂「いい経験は、人を育ててくれます」

ステイル「そうだね・・・僕も少しは育ったよ」

神裂「・・・あ、インデックスがこちらに来ましたね」


イン「ステイル!こっちに猫がいたんだよ!」

ステイル「おや、そんなところにかい?」

イン「なんだか家族がいるんだよ!」

ステイル「・・・猫の家族か」

ステイルがベンチからゆっくりと立ち上がる


410 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 14:57:07.13 ID:NN7dFqAe0
イン「ほら!!」

ステイル「・・・本当だね」

子猫が二匹と親猫が一匹

寒い公園の片隅で震えていた

イン「どうにかしてあげられないかな?」

ステイル「・・・僕たちが手を出すことではないよ」

イン「で、でも・・・」

神裂「そうですね・・・この子達も自然の中で生きているんですから」

イン「・・・」

インデックスが悲しそうな目で猫を見つめる

ステイル「・・・はぁ」

めんどくさそうにステイルが猫を抱き上げる


411 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:00:09.85 ID:NN7dFqAe0
イン「連れていってくれるの?」

神裂「ステイル・・・」

ステイル「・・・僕だって、たまには命を救ってみてもいいだろう?」

イン「・・・ありがとう、ステイル!」

満面の笑みをインデックスが浮べる

ステイル「・・・でもね、女子寮で飼うことはできるのかい?」

神裂「そうですね・・・意外と大丈夫ではないでしょうか」

ステイル「なら・・・女子寮で頼む、僕たちはさすがに世話は出来ないよ」

イン「ステイル、ステイルは優しいね」

ステイル「・・・」

無言のまま、ステイルが女子寮へと向かう

そのあとを、神裂とインデックスが追いかける


412 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:03:43.28 ID:NN7dFqAe0
ステイル「・・・インデックス、僕は優しいんじゃないのさ」

寮への帰り道

ぽつり、とステイルがつぶやく

イン「・・・じゃあ、なんで?」

ステイル「哀れだっただけさ」

ふん、とステイルが鼻を鳴らす

神裂「・・・同情ですか」

ステイル「そういうところだ」

イン「・・・ステイル」

ステイル「さぁ、急ごう・・・この猫たちも寒がっているよ」

少し、三人は歩くペースを速める

イン(・・・哀れだったんだね・・・)

神裂(同情ですか・・・ですがね、ステイル)


イン・神裂(それが優しさだってことに・・・なんで気づかないかなぁ)ハァ

二人は、大男の後ろを苦笑しながら歩いていた


413 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:07:23.76 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・あとは・・・何がいる?」

商店街の真ん中

二人は、道の端っこに立ってジュースを飲んでいた

美琴「・・・そうね・・・」

上条「あ、オレンジジュース美味しいな」

美琴「えー、グレープのほうが美味しいわよ」

上条「じゃあ分けてくれないか?」

美琴「・・・それを狙ってたのね」

上条「ち、違いますよ?」

美琴「・・・ふーん」

上条「・・・そ、それで?くれるのか?」

美琴「・・・はい」

美琴がジュースを差し出してくる

414 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:12:00.88 ID:NN7dFqAe0
上条「ん・・・美味しいですね」

美琴「オレンジもちょうだいよ」

上条「はい」

美琴「ん」チュー

上条「どうですか、姫?」

美琴「・・・美味しい」

上条「はぁ・・・なんか周りの人たちが微笑みながらこっちを見てくるんですけど」

美琴「い、いいじゃない!別にカップルなんだし・・・」

上条「そうだけどさ・・・」

美琴「・・・なんなら、ここでキスしてもいいわよ?」

上条「こらこら、どこに行くか考えるんだろ?」

美琴「あ、そうだった」



415 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:15:58.46 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・映画は?」

美琴「今クリスマスなのよ?混んでるでしょ」

上条「そうだな・・・カラオケ?」

美琴「なんでイギリスに来てまでしないといけないのよ」

上条「・・・じゃあ・・・ホテル?」

美琴「・・・し、したいの?」

上条「そういうわけではないですけどね」

美琴「違うの!?」

上条「それは夜でいいだろ・・・」

美琴「じゃ、じゃあ・・・何する?」

上条「・・・そうだなぁ」

上条がジュースを飲む

あまりいい考えが浮かばない

416 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:34:39.96 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・ここでぼーってしてるのはあれだしなぁ」

美琴「そうよね・・・」

上条「はぁ・・・どこ行こうかな」

美琴「・・・ホテル?」

上条「そんなにしたいのか?」

美琴「さ、さっき裏路地でアンタがキスしたからよ!!」

上条「・・・興奮したのか?」

美琴「そ、そう・・・だけどさ」

上条「・・・美琴ってもしかしてドM・・・ぐほっ!!」

美琴が上条の腹筋を殴る

なかなか重い一発だ

417 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:39:21.35 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・なんで殴るの?」ウルウル

美琴「ど、どっちかっていったらMだけどさ・・・ドはつけなくていいわよ!」

上条「えー、でもド・・・」

美琴「なに」

上条「あ、いや・・・」

美琴「・・・はぁ、こういうときはどうすればいいのかしら」

上条「普段はデートのときどうしてるっけ?」

美琴「・・・どうしてるっけ?」

上条「飯食べて・・・遊んで・・・」

美琴「どこで遊ぶっけ?」

上条「俺の家かな」

美琴「そうよね・・・いつもはそこでゴロゴロしてるかな」

上条「・・・あれ、これはダメじゃないか?」

美琴「う、うん」


418 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:44:06.01 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・どうすればいいんだろ?」

美琴「・・・当麻は行きたいとこないの?」

上条「そうだな・・・」

美琴「ないわよね・・・」

上条「旅行ってさ、行くところを決めてないとダメなんだよな」

美琴「そうよね・・・」

上条「かといって知り合いに偶然会うことはないしさ」

美琴「あはは、だってここイギリス・・・」


五和「はぁ・・・最近は寒いですね」

建宮「・・・なんで俺が荷物持ち・・・」

五和「建宮さんはさっきからぶつぶつ文句を言ってるし・・・」

建宮「それは悪いことなのか!?」


上条「・・・いましたね」

美琴「・・・うん」


419 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:46:53.35 ID:NN7dFqAe0
五和「!?か、上条さん!?」

建宮「お、来てたのよな」

上条「おっす・・・建宮も五和も元気そうだな」

美琴「・・・」

五和「・・・」

建宮「上条、ちょーっとこっちに来てほしいのよな」

建宮が上条の腕を掴む

上条「?どうした・・・」

建宮「いいから」

二人の女から少し離れたところで、建宮が頭を抱える


建宮「あぁぁぁぁぁ・・・五和がやーっと立ち直ったところだったのに・・・」

上条「な、なにが?」

建宮「やっと五和がお前のことを忘れようって決めたところだったのよな!!」

上条「どういうタイミングだよ!?」


420 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:49:40.02 ID:NN7dFqAe0
建宮「いいか、俺と五和は買い物に来ました!」

上条「それは見れば分かる!」

建宮「そして、五和とほのぼの買い物をする!!」

上条「あ、あぁ」

建宮「いいか、こうやって普通の日常を暮らしていくうちに、お前のいない生活も楽しいということをだんだんと分かっていく!」

上条「は、はぁ」

建宮「作戦成功、五和は見事立ち直りましたー」

建宮「のはずだったのよな!?」

上条「あ、あぁ」

建宮「やーっとこの建物の中で五和が」

建宮「・・・そろそろ、他の人に恋をしようと思います」

建宮「なーんて前向きになってくれたのよな!!!」

上条「お、おう」


421 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:52:11.37 ID:NN7dFqAe0
建宮「建宮さんすげー、女の子を一人立ち直らせたぞ!!」

上条「う、うん」

建宮「そして建宮さんはこう言った!」

建宮「五和、俺はお前の家族なのよな、困ったことがあればいつでも言ってほしいのよな」

建宮「カッコイイ!!建宮さんってばクールー!!!!」

建宮「颯爽と建物から出てきて、五和も笑顔を取り戻した!!」

建宮「な!の!に!」

上条「お、俺がそこで現れたと」

建宮「お前は五和の幻想を何回壊せば気が済むのよな!?」

上条「そ、そんなつもりじゃ・・・」

建宮「これだから天然誑しはぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」


422 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:55:12.03 ID:NN7dFqAe0
上条「な、なんでだよ!?」

建宮「聞いてたぞ、お前がイギリスに来るのは聞いてた!!」

上条「じゃあいいじゃねぇか!!」

建宮「彼女が一緒なんて聞いてないのよなぁ!!」

上条「最初からその予定でしたぁ!!」

建宮「うっわぁ!!開き直ったのよな!!」

上条「あのな!!俺だって五和のことを傷付けたいなんて思ってねぇよ!!」

建宮「それが余計にひどいのよな!!」

建宮が頭を抱える

上条「な、なんだよ!!」

建宮「・・・はぁ」

上条「い、五和は・・・困ってるかな?」

建宮「・・・お前の彼女さんと今頃は・・・」


423 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 15:57:43.21 ID:NN7dFqAe0

美琴「えっと・・・五和さんだっけ?」

五和「・・・はい」

美琴「・・・その、まだ当麻のこと好きなの?」

美琴の質問に、五和が少し驚いたような顔をする

五和「・・・どうなんでしょうか、まだ憧れてはいます」

美琴「・・・好き・・・なのかな」

五和「・・・あの、でも・・・諦めはついてますよ?」

美琴「・・・」


美琴「・・・ごめんなさい」

五和「え?」

美琴が深々と頭を下げる

嫌味でも優越でもなく

ただ、謝るために


424 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:00:39.29 ID:NN7dFqAe0
美琴「・・・私の幸せのために、当麻に憧れていた人たちをみんな傷付けたのよ」

美琴「・・・後悔はしていないけどね・・・でも、罪悪感はあるのよ」

美琴「だからって当麻を手放す気にはならないけど」

五和「・・・どうして謝るんですか?」

美琴「・・・謝らなきゃいけないからよ」

五和「・・・」

美琴「・・・ごめんなさい」

五和「そんなこと・・・上条さんに失礼ですよ」

美琴「・・・そうかな」

五和「誇ってください、私達の憧れた上条さんを射止めたんですよ?」

美琴「・・・うん」

五和「・・・うらやましいですけど、妬ましくはないですよ」


425 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:03:31.51 ID:NN7dFqAe0
美琴「・・・ありがとう」

五和「・・・その、それより一つ・・・相談を聞いてもらえませんか?」

五和がなぜかもじもじとする

美琴「え、なに?いいけど」

五和「・・・恋についてなんですけど・・・」

美琴「こ、恋!?なになに、恋してるの!?」

五和「あ、その・・・」


五和「建宮さんが、最近誰かを好きになっているみたいなんです」



上条「・・・け、喧嘩になってるかな?」

建宮「もう恐ろしいかもしれないのよな・・・」

上条「マジか?」

建宮「女は怖いのよな・・・」

建宮が肩を落とす


426 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:05:36.20 ID:NN7dFqAe0
上条「そ、そうなのか?」

建宮「特に五和は恐ろしいのよな・・・あいつは怒ったら殴る、蹴る・・・」

上条「お、怒らせたことあるのか?」

建宮「一度や二度じゃないのよな・・・」

上条「・・・なんか、五和のこと詳しいな」

建宮「?そりゃいっつも一緒にいるからなのよな」

上条「へぇ・・・」

建宮「・・・なんなのよな?」

建宮が首を捻る

上条「・・・あのさ、もしかして」

建宮「あぁ、なんだ?」

上条「・・・五和のこと好きなのか?」

建宮「はぁ?」


427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 16:07:01.33 ID:jzCfNZgDO
そういえばストレイト・クーガー兄貴がスクライドBlu-rayのCMやってたよ
相変わらずほとんど聞き取れないが
428 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:08:57.05 ID:NN7dFqAe0
上条「いや、そうなのかなぁ、と」

建宮「そりゃ好きなのよな、妹みたいだし」

上条「・・・もしかして、そっから恋心に?」

ニヤニヤと上条が笑う

建宮「?いやいや、それはありえないのよな」

上条「はぁ?なんでだよ」

建宮「だって俺、他に好きな人いるのよな」

上条「・・・え?」


上条「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」



五和「その・・・それで、応援してあげたいんですけど・・・」

美琴「え、五和さんに恋してるんじゃないの?」

五和「いえ、私以外にみたいです」

美琴「へ、へぇ・・・」

五和「・・・その、上条さんのことでお世話になったので・・・」

美琴「なるほど・・・応援したいと」

429 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:11:17.61 ID:NN7dFqAe0
五和「・・・建宮さんって、結構モテそうじゃないですか」

美琴「うーん・・・」

美琴が首を捻る

建宮はたしかに男前だろう

いや、先ほど見ただけの印象だが

それに、五和が立ち直る手助けをしたのなら優しい男なのだろう

美琴「・・・サムライチャンプルーのムゲンみたいな顔よね」

五和「え?」

美琴「あぁ、なんでもないわよ」

五和「その・・・ですから、誰が相手なのか知りたいんです」

美琴「なるほどね・・・」

美琴が頷く

美琴「よし!!任せて、五和さん!」


430 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:15:09.86 ID:NN7dFqAe0
五和「あ、ありがとうございます!」

美琴「さて・・・じゃあ、当麻にも協力してもらわないと」

五和「なるほど・・・男性のほうが聞きやすいと」

美琴「それに、女の子の五和さんが聞いたら勘違いを生んじゃうでしょ?」

五和「勘違い・・・ですか?」

美琴「あなたが建宮って人を好きかもしれないって勘違いよ」

美琴が腕を組む

美琴「かといって、男性なら誰でもいいわけじゃないし・・・当麻はそういうのを知ってもからかったりしないから大丈夫だから」

五和(こ、これは・・・こんなに恋に詳しい人には端から叶いませんでしたね・・・)

美琴「?どうしたの?」

五和「あ、いえ!!それで・・・上条さんに協力をもらわないといけませんね」

美琴「うん、帰ってきたら頼んでみるわね」


431 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:17:21.89 ID:NN7dFqAe0

上条「お、お前・・・好きな人いるのか!?」

建宮「そりゃいるに決まってるのよな」

上条「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」

建宮「?」

上条「ま、周りから見てたらお前と五和は結構いい感じに見えたけどなぁ!?」

建宮「周りの目は知らないのよな」

上条(言い切ったよ)

建宮「・・・俺はな・・・恋をしてるのよな」

上条「お、お相手は?」

建宮「知りたいか?」

上条「あ、あぁ!」


432 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:19:35.07 ID:NN7dFqAe0
建宮「・・・女教皇なのよな」

上条「・・・え、神裂?」

建宮「冗談なのよな」

上条「・・・殺すぞ」

建宮「・・・本当なのよな」

上条「どっちだよ」

建宮「・・・その、女教皇は素敵なのよな」

上条「うーん」

上条が腕を組む

たしかに神裂は魅力的な女性だろう

ステイルはいいし、性格だって真面目だ

かといって堅苦しすぎるわけではない

上条「たしかにいいかもな」

建宮「だろ!?」

上条「でもなんか意外だな・・・」

上条が建宮を見つめる


433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/10(土) 16:22:00.77 ID:ezhSTxXAO
>>432
>ステイルはいいし、

ちょwwww

434 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:22:25.27 ID:NN7dFqAe0
建宮「なにが?」

上条「・・・お前ってさ、そういう・・・色恋沙汰とはちょっと縁がなさそうだからさ」

建宮「あのなぁ、俺だって男なのよな」

上条「分かってるけど・・・でも神裂かぁ」

上条は未だにきょとんとしている

建宮「はぁ・・・でも叶わない恋なのよな」

上条「なんで?」

建宮「女教皇はお前が・・・好きだったのよな」

上条「あ、あぁ・・・」

建宮「・・・お前には敵う気がしないのよな」

上条「そこはどうにかしてでも俺を超えるところだろ!?」

建宮「はぁ・・・分かってないのよな」

建宮が呆れたように首を振った

435 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:25:52.46 ID:NN7dFqAe0
>>433 ダメだ、スタイルだww

さっきからずーっとステイルを打ってるからもう指が覚えてるんですね


建宮「いいか、超える超えないじゃないのよな」

上条「は、はぁ」

建宮「俺とお前は全くの別物」

上条「お、おう」

建宮「女教皇が好きなのは上条当麻だ」

建宮「いくら俺が髪の毛似せてフラグ建てまくって長ったらしい説教して不幸になって彼女とエッチばっかしまくってのろけてアホみたいな顔したところで・・・」

上条「お前俺のこと嫌いだろ」

建宮「結局、俺はお前にはなれないのよな」

建宮が溜め息をつく

建宮「・・・それは、五和にも言えることなのよな」

上条「・・・五和にも?」

建宮「・・・もしも俺がお前の代わりになれるなら、二人を救えるのよな・・・」

上条「・・・お前は優しいじゃないか」


436 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:29:21.23 ID:NN7dFqAe0
建宮「・・・はぁ、どうしようもないのよな・・・」

上条「・・・あれ、五和のためにもなりたいって思ってるのか?」

建宮「あぁ、あいつのためなら俺はお前そっくりになれるように努力したいのよな」

上条「・・・五和と一緒にいる時間のほうが長いよな?」

建宮「そりゃそうなのよな」

上条「・・・神裂といると緊張するか?」

建宮「あぁ、少しこう・・・緊張するのよな」

上条「五和といるときは?」

建宮「そりゃ緊張なんてないのよな、あいつと一緒にいると心があったかいし」

上条「・・・今日、五和と買い物できてどうだ?」

建宮「嬉しいのよな」

上条「・・・神裂と五和、どっちと買い物したかった?」

建宮「五和」

上条「・・・」

437 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:31:52.12 ID:NN7dFqAe0
上条「なぁ、建宮」

建宮「あぁ?なんのよな」

上条「もしかしてさ・・・」

建宮「あぁ」


上条「お前が好きなのってさ、五和じゃないのか?」



美琴「あ・・・当麻と建宮さんが帰ってきた」

五和「お、おかえりなさい!」

上条「あれ、喧嘩にはなってなかったか」

美琴「と、当麻!!ちょっとこっち!」

上条「?あ、あぁ」

建宮「・・・」

五和「ど、どうしたんですか建宮さん?難しい顔して?」

建宮「いや・・・なんでもないのよな」


438 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:34:33.56 ID:NN7dFqAe0

上条「な、なんだよ?」

美琴「ねぇ、建宮さんの好きな人をきいてほしいの」

上条「はいぃっ!?」

上条が奇声を上げる

美琴「な、なによ?」

上条「・・・そ、その話を今まで俺と建宮はしてたんだけどさ」

美琴「なんだ、じゃあ話は早いわね・・・で、誰?」

上条「・・・たぶん、だけどさ」

美琴「うん」

上条「あいつはきっと・・・」



建宮「なー、五和」

五和「なんですか?建宮さん」

建宮「・・・上条の彼女さんとは上手く話せたか?」

五和「はい!とっても素敵な人でしたよ」

建宮「そうか、よかったのよな」


439 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:36:51.29 ID:NN7dFqAe0
五和「・・・あの、建宮さん」

建宮「なんなのよな?」

五和「・・・ありがとうございます、いろいろ手伝ってもらって」

建宮「当たり前なのよな、俺はお前の家族なのよな」

五和「・・・ありがとうございます」

建宮「・・・帰るか、そろそろ」

五和「え、でも上条さんたちが・・・」

建宮「カップルの邪魔なんて無粋なのよな」

五和「そ、そうですね!!」

五和が慌てたように返事をする

建宮「さぁ、帰ろうか」

建宮が買い物袋を抱える

五和「・・・建宮さん」

建宮「なんなのよな?」


440 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:40:29.59 ID:NN7dFqAe0
五和「建宮さんは、好きな人がいるんですか?」

建宮「・・・いるのよな」

五和「その人は・・・素敵な人ですか?」

建宮「・・・あぁ、素敵なのよな」

五和「どんな人ですか?」

建宮「うーん・・・上条のことを好きだった人で、強くて優しい人なのよな」

建宮が笑う

それは神裂のことか

それとも


五和「・・・なんだか、素敵な人なんですね」

建宮「そうなのよな・・・ってお前、酒・・・買ったのか?」

五和「はい!今日は飲みたいので!」

建宮「は・・・ははは・・・」

二人の若者は、自分たちの帰る場所へと向かう

建宮は、あとの騒動を考えて顔を青くしていた


441 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:44:52.84 ID:NN7dFqAe0
垣根「・・・雪が綺麗だな」

心理「現実逃避してないで私のコーディネートしてよ」

垣根「・・・ほら、キラキラ光ってるぜ?」

心理「どうしたのよ、そんなに高い買い物ではないでしょ?」

垣根「・・・上条が聞いたら泣きそうな台詞だな」

垣根が心理定規の選んだ服を見る

値段の単位は万だ

それも、15万ほどのドレス

垣根「はぁ・・・なぁ、俺の財布のこと考えてるか?」

心理「あら・・・意外とケチね」

垣根「これでもマシだろ・・・」

心理「あ、こっちもいいわね」

垣根「よくねぇよ!!」

442 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:50:29.86 ID:NN7dFqAe0
二人は高そうな服を売っている店に来ていた

垣根「・・・お前さ、高けりゃいいと思ってるだろ」

心理「まさか、ちゃんとデザインがいいのを選んでるわよ?」

垣根「ウソだ・・・」

心理「高いのが結果的にいいだけなの」

垣根「やっぱそうじゃねぇか!!」

心理「はぁ・・・小さい男」

垣根「・・・あぁ・・・?」

垣根の頭の中がぶちんと鳴った

垣根「いいぜ、ムカついた・・・」

心理「あら、やる気?」

垣根「クソが・・・ナメやがって・・・」

心理「でも、そんなあなたが素敵よ?」

垣根「ごまかしてんじゃねぇよ!」

心理(あら、小さいでなんで怒るのかしら、サイズは普通なのに)


443 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:53:37.88 ID:NN7dFqAe0
垣根「・・・お前な、俺のおかげで買えるってのを忘れるなよ・・・?」

心理「感謝してるわよ」

心理定規が嬉しそうにドレスを持つ

こんなに素敵なデートができるのは、垣根のおかげだ

垣根「・・・はぁ」

心理「ねぇ、どうかしら?」

垣根「それは似合ってないからな」

心理「じゃあ買おうかしら」

垣根「なんでだよ!?」

心理「あなたが困る顔を見たいから」

垣根「・・・性悪」

心理「あら、魔性と言ってほしいわね」

垣根「ただの嫌がらせかよ!」

心理「愛ゆえの嫌がらせよ」

垣根「それは愛じゃねぇ!!!」

444 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 16:56:19.49 ID:NN7dFqAe0
心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「急にシリアスにしようとするな」

心理「あらバレちゃった?」

垣根「・・・はぁ、で?なんだよ」

心理「あなたも何か買ったら?」

垣根「俺はいいんだよ」

心理「どうして?せっかくだから私が選んであげるわよ」

垣根「遠慮しとく・・・高いの選ばれそうだし」

心理「・・・そんなことないわよ」

垣根「はぁ・・・なぁ、これはデートなのか?」

心理「もはやデフォと言っていいほどじゃない?」

垣根「・・・いっつもおんなじデートだな」

445 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 17:00:50.99 ID:NN7dFqAe0
心理「・・・何よ、楽しくないの?」

垣根「楽しくねぇよ、俺は全然」

心理「・・・楽しくないの?」

ウルウル、と心理定規が涙目になる

これは演技だ

そんなことは分かっている

だが、美しい女性の涙目は美しい

垣根「あ、いや・・・」

心理「私はね・・・垣根といられるだけで嬉しかったのに・・・」

垣根「ほ、ほら・・・俺だって嬉しいけどさ」

心理「うっ・・・うっ・・・」

垣根「・・・分かったよ、俺も買うから」

心理「ホント!?」

嬉しそうに心理定規が顔を輝かせる

446 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 17:06:42.83 ID:NN7dFqAe0
垣根「・・・お前って演技上手いよな」

垣根が呆れたようにつぶやく

心理「・・・でも、あなたといて嬉しいのは本当よ?」

垣根「それは分かってるよ」

垣根が心理定規の手からドレスを奪い取る

そして、レジへと向かう

心理「あら、買ってくれるの?」

垣根「・・・買わないとまた嘘泣きするだろうが」

心理「私の涙はイヤなのかしら」

クスクスと意地悪そうに心理定規が笑う

垣根「・・・うるせぇ」

そう言いながらも、垣根は財布を取り出す

心理「・・・ありがと」

垣根「・・・あぁ」

447 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 17:11:05.32 ID:NN7dFqAe0

垣根「・・・雪が降ってるな」

心理「綺麗ね」

垣根「・・・お前の肌みたいだな」

垣根が道に積もっている雪を見つめる

真っ白で、とても美しかった

垣根「・・・綺麗だ」

心理「あら、じゃあ私の肌が人に踏まれるのかしら」

垣根「そういうことを言うな」

心理「・・・じゃあ、あなたの服を買いに行きましょうか」

ぎゅっとお互いの手を握る


垣根「まったくよ・・・」

垣根「反吐が出るくらいの甘さだな・・・」


448 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 17:17:31.53 ID:NN7dFqAe0
いったん休憩

そういえばさだのりスレって何をやればいいのか

ああいう日記風なのはもう無理っぽいんだがww


建宮さんってホントにムゲンに似てる気がする

俺だけか・・・


449 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 18:49:57.31 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・建宮と五和がいなくなっていましたー」

美琴「・・・当麻、なんかまずいことしたかしら?」

上条「・・・余計なお世話をしようとしましたね」

美琴「・・・でもまぁ、いいんじゃない?」

上条「・・・上手くいくかな?」

美琴「さぁ・・・でも建宮さんって五和さんが好きなの?」

上条「なぁんかそれっぽいんだよなぁ」

上条が腕を組んで考える

支えてあげているうちに夢中になっていた、ということか

上条(でも五和は気づかないだろうなぁ・・・)

美琴(五和さんは奥手だからな・・・)


450 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 18:57:15.61 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・とにかく、俺達にはどうしようもないな」

美琴「そうよね・・・応援しときましょう」

二人が溜め息をつく

上条「・・・これからどうしましょうか」

美琴「そうね・・・そろそろいい時間なんじゃない?」

美琴が空を見上げる

少しずつ、紅に染まってきている

冬なので太陽が沈むのも早いのだろう

上条「・・・そうだな、ホテルに帰りますか」

美琴「うん」

手を繋ぎながらホテルへと向かう

帰ったら、エッチをするのでは、という期待が膨らむ

どうにかバレないようにしようとするが、掌には少し汗がにじんでしまっている

上条(ど、どどどどどうしよう!?)

美琴(バレてないわよね!?)


451 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 19:08:33.12 ID:NN7dFqAe0
上条(もしかしてめちゃくちゃ汗出てないよな!?)

美琴(こ、これは当麻の汗!?それとも私の!?)

上条(ダメだ、意識するなぁ!!)

美琴(落ち着け私!)

上条(そうだ、深呼吸・・・)

美琴(深呼吸・・・)

二人が息を深く吸う

全く同じタイミングでだ

上条「おわっ!み、美琴も深呼吸か!?」

美琴「とととととと、当麻も!?」

上条「いやぁ!!なんかちょっとな!!」

美琴「そ、そうね!!」

あはははは!と無理に笑ってみる


452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/10(土) 19:10:17.92 ID:pLtq1tr00
さだのりスレは2スレ・・・・冗談です。600〜700あたりいけば充分じゃないか?
453 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 19:54:48.33 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・」

美琴「な、なんか・・・今からするんだって意識したら緊張するわね」

上条「そ、そうですね」

美琴「当麻、顔真っ赤」

上条「美琴もな」

美琴「・・・緊張するもん」

上条「・・・初めてのときみたいな?」

美琴「う、うん」

上条「あの時は今でも忘れません・・・」

美琴「忘れろバカ!」

上条「いやいや、青春の1ページですよ?」

買い物袋をグルグルと上条が振り回す

美琴「・・・なんか汚れた春ね」


454 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 19:58:22.65 ID:NN7dFqAe0
上条「よ、汚れたって・・・」

美琴「あーあ、お父さんが知ったら泣くわよ?」

上条「旅掛さんか?」

美琴「うん、お父さんは私にベッタリだし・・・」

あは、あはは・・・と力なく美琴が笑う

上条「いいんじゃないか?好かれてるのは」

美琴「そりゃイヤじゃないけどさ・・・」

旅掛「父親ってのはそういうもんさ」

上条「・・・」

美琴「・・・」



上条・美琴「なんでいるの!?」

旅掛「よう、久しぶり・・・でもないか」

上条「ま、まままままままま待ってくださいよ!!」

旅掛「なんだよそんなに驚いて」

美琴「ちょっと待って、どっから来たの!?」

455 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 20:03:03.39 ID:NN7dFqAe0
上条「そうだそうだ!!まさかテレポート!?」

旅掛「俺の仕事は世界を回る仕事だからな、イギリスにいても悪くは無いだろ?」

美琴「で、でも!このタイミングはおかしいでしょ!?」

旅掛「あぁ、二人のホテルってどこだ?」

上条「○○ホテルですけど・・・なんで?」

旅掛「よーし、俺もそこに泊まろう」

美琴「当麻ぁ!!」

上条「ひぃっ!!」

美琴「お父さん!私達の話を立ち聞きしてたわけ!?」

旅掛「いや、遠くからお前たちが歩いてきたからな、駆け寄ってきたんだよ」

上条「そ、そうなんだ・・・」ホッ

旅掛「で、これからエッチするんだってな」

上条「聞いてんじゃねぇか!!!」

旅掛「いいツッコミだ」

456 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 20:08:04.39 ID:NN7dFqAe0
上条「あぁもう!!明日にはイギリスを旅立つとかですよねそうですよね!?」

旅掛「残念、明日もここに滞在するんだなぁ!!」

上条「不幸だぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

美琴「・・・あのねお父さん、ジャマはしないでね」

ニコリ、と美琴が笑う

だがそれは怒っているときの笑顔だ

少しでも反論したら殺されてしまいそうな笑みだ

美琴「分かった?」

旅掛「・・・昔の美鈴にそっくりだな」

上条「旅掛さん、顔がどこかにやけてますよ」

旅掛「いやぁ、なんか美鈴と会いたくなったなぁ・・・」

美琴「・・・帰ればいいじゃない、えぇそうよ今すぐにでも日本に帰ればお母さんにも会えるわよついでにジャマしないで」

旅掛「・・・涙が出ちゃう、パパだもん」

上条「可愛げはないですよ」

旅掛「あ、そういえば二人はなんでイギリス旅行を?」

457 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 20:13:02.88 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・まぁ副賞でもらったんですよ」

旅掛「あぁ、大覇星祭のときか」

上条「・・・それで、二人で来ようと思って」

美琴「それでね、クリスマスだから・・・」

旅掛「あーあ・・・どうせ美琴はもう処女じゃないんだろうなぁ・・・」

美琴「意味わかんないこと言うな!」

上条「当たり前じゃないですか!」

美琴「」

旅掛「うぉぉぉぉ!!やっぱりかよ!!!」

上条「あ、いけね」

旅掛「・・・まぁいいや」

美琴(い、いいの?)

旅掛「はぁ・・・で、ホテルに案内してくれよ」

458 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 20:19:36.80 ID:NN7dFqAe0
上条「あの・・・マジで来るんですか?」

旅掛「あぁ、ちょうど宿探してたしな」

美琴「・・・あんまり嬉しくないんだけど」

旅掛「ははは!昔みたいに俺の腕枕で寝るか・・・」

美琴「あぁ?」

旅掛「美鈴そっくりだな」

上条(美鈴さんって怖いんだな)

三人は少し険悪なムードを漂わせながらも進んでいく


垣根「あれ?上条たちじゃんか」

心理「ちょうど一緒だったのね」

上条「二人も今だったか」

垣根「・・・なんか一人増えてない?」

垣根が旅掛を指差す

旅掛「よう、垣根君だったかな」

垣根「ザッツライト!」


459 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 20:23:08.05 ID:NN7dFqAe0
心理「で、なんで美琴のお父さんがいるの?」

美琴「・・・偶然会ったのよ」

垣根「ほう・・・運命だな」

上条「そんな運命はいらない」

旅掛「まぁまぁ、とりあえず俺はチェックインしてくるな」

旅掛が先に入っていく

上条「はぁ・・・」

垣根「ドンマイ、今日ヤるつもりだったんだろ?」

美琴「うるわいわね・・・」

垣根「うわ、怒ってますよ」

美琴「・・・なんでお父さんがいたのかしら・・・」

美琴が頭を抱える

きっと、今晩も旅掛にジャマされまくって


旅掛「はぁぁぁぁぁ!!!!????」

その時、ホテルの中から旅掛の絶叫が聞こえた


460 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 20:27:08.00 ID:NN7dFqAe0
上条「あの、どうした・・・」

旅掛「なんだよそりゃぁ!!こっちにも都合ってもんがあるんだよ!」

旅掛は携帯を片手に叫んでいた

旅掛「いや無理無理!!絶対に・・・え?はぁ!?いや、それ脅迫!?」

美琴「何かしら?」

旅掛「・・・分かったよ、すぐ行く」

旅掛が携帯を閉じる

そして、四人のほうを見てから頭を下げた

旅掛「急用で、アメリカに飛びます!」

上条「急用?」

旅掛「いやぁ、世界から必要とされるのは辛いねぇ」

美琴「あーそう、よかったわねさっさと行きなさいよ」

旅掛「・・・泣きそうだ」

旅掛が肩を落としながらホテルの入り口へ向かう

461 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 20:31:37.42 ID:NN7dFqAe0
垣根「・・・御坂、なんか言ってやれよ」

美琴「で、でも・・・」

心理「いいから」

旅掛は背中で哀愁を漂わせている

旅掛「・・・」

美琴「お父さん、仕事がんばって・・・でもって、時間出来たら家にも帰りなさいよ?」

旅掛「よっしゃぁ!!がんばってもらいましたぁがんばってきます!」

旅掛が背筋を伸ばす

旅掛「上条君、美琴を抱くときはちゃんとゴムをつけろよ!」

上条「当たり前です!」

旅掛「じゃあな!」

勢いよく、旅掛は走り去った

462 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 20:35:13.26 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・結局何のビックリイベントだったんだろうな」

美琴「さぁ?」

垣根「・・・いいから部屋行こうぜ・・・もう俺は疲れた」

心理「大して何もしてないじゃない」

垣根「問題です!俺の両手にぶらさがってるのはなーんだ!?」

心理「買い物袋」

垣根「正解!」

上条「二人も買い物してたのか?」

心理「えぇ・・・あなたたちもね」

美琴「うん、服とか買ったんだ!」

垣根「子供っぽいのをか?」

美琴「う、うるさいわね!」

美琴が顔を真っ赤にして垣根に詰め寄る


463 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 20:40:23.91 ID:NN7dFqAe0
垣根「子供っぽいよー!子供っぽい人が近づいてきたよー!」

美琴「ふざけんなぁ!!」

美琴が頭をかきむしる

さすがにここで電撃は撃てない

上条「はいはい・・・垣根は無視して行こうか」

美琴「うん・・・二人ともまたね」

垣根「あぁ、今夜な」

美琴「沈みなさい」

舌を出してあっかんべーと言いながら美琴は立ち去っていった


垣根「なぁ、何に沈むのかな」

心理「さぁ?お酒かしらね」

垣根「愛じゃなくて?」

心理「愛は溺れるのよ」

464 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:13:45.42 ID:NN7dFqAe0
上条「はぁ・・・なんとか旅掛さんを巻き込まずに済みましたね」

美琴「うん・・・危なかった」

二人はベッドの上で胸を撫で下ろしていた

もしあのまま旅掛がいることになったら

今頃は長い話を聞かされていただろう

上条「・・・さて」

上条が美琴を優しく抱きしめる

美琴「にょわっ!?もう・・・やるの?」

上条「あぁ、ダメかな?」

美琴「い、いいけど・・・」

美琴が体をくねらせる

465 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:18:48.53 ID:NN7dFqAe0
上条「・・・くすぐったいか?」

美琴「・・・うん」

上条「すぐに気持ちよくなりますよ」

上条が美琴の胸を服の上から揉む

美琴「・・・んっ・・・」

上条「どう?」

美琴「ね、ぬ・・・脱がしてよ」

上条「このままでもよくないか?」

美琴「し、刺激が足りないわよ!」

上条「ふーん」

上条がニヤニヤと笑う

466 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:22:11.86 ID:NN7dFqAe0
上条「まぁまぁ、夜は長いですから・・・」

美琴「ふぁっ!今ちょっと・・・んっ!」

上条「よしよし、そんなに喘がないの」

美琴「だって強い・・・ふにゃぁっ!」

上条「お、これはなかなかいい反応だな」

美琴「やめなさい・・・」

上条「あれ?腰がくねってますよ?」

美琴「うっさい!」

ギシギシ、とベッドが軋む

結局、熱い夜は始まってしまうのだ


467 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:30:09.57 ID:NN7dFqAe0
垣根「・・・早速始めやがったぞあのバカ共」

その隣の部屋

垣根と心理定規はニュースを見ていた

イギリスでは最近「空き巣」が流行っているので気をつけよう、とか

イギリス清教のトップが変な日本語をしゃべることで話題だ、とか

そんなニュースばかりだ

心理「空き巣・・・フラグになったわね」

垣根「上条のとことか入りそうだな」

心理「今入られたら困るんじゃない?」

心理定規が壁を見つめる

相変わらず、ベッドの軋む音がしている

468 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:32:24.88 ID:NN7dFqAe0
垣根「はぁ・・・こんな夕方からよくやる気になれるよな」

心理「絶倫なんじゃない?」

爪を磨きながら心理定規が答える

ニュースに興味をなくしたようだ

垣根「だろうな・・・毎日よくもまぁ」

心理「飽きないのかしらね」

垣根「むしろのめり込むんじゃねぇか?」

心理「それはあるかもね」

垣根「・・・」

なんだか、二人の激しい声も聞こえる

垣根「こういうのって気まずいよな」

心理「えぇ、シャットアウトしたいわよね」

垣根「壁たたこうかな」

心理「やめなさい・・・」


469 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:34:29.53 ID:NN7dFqAe0
垣根「ヒマなんだよ、こちとら」

心理「かといって夕方にはやる気もしないんでしょ?」

垣根「分かってるな」

垣根がにやりと笑う

心理「それくらいは分かるわよ」

垣根「あーあ、あの仲良しカップルがうらやましいぜ」

心理「・・・あんなにエッチしたいの?」

垣根「・・・それはイヤだな」

垣根が顔をしかめる

あんなにやっていたら猿になりそうだ

というか猿だ


470 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:37:56.90 ID:NN7dFqAe0
垣根「・・・ずいぶんと服買ったな」

垣根が買い物袋を見つめる

垣根の分は少しだが、何せ心理定規の分が多い

心理「そうね・・・ありがとう、またほしいものが手に入ったわ」

垣根「・・・こっちだってな、一応実験に協力して稼いでるんだからな」

心理「一回で恐ろしい額を稼ぐんでしょ?」

垣根「俺の能力は特殊だからな」

垣根がベッドに寝転がる

垣根「この力を解明すれば、新しい世界も作れるんじゃないか?」

心理「新しい世界・・・ね」

垣根「俺と削板、一方通行は超能力者の中でもずば抜けてるからな」

心理「あなたと削板は科学なのかしら」

垣根「知るかよ」

ゴロン、と転がり心理定規の膝に頭を乗せる


471 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:41:08.12 ID:NN7dFqAe0
垣根「どっちにしろ、守るには向かない力だ」

心理「でも私を守ってくれるじゃない」

垣根「刀は使いよう、か」

心理「・・・あなたのそれは素敵だから」

垣根「空を飛べるからな」

ケラケラ、と愉快そうに笑う

垣根「・・・お前を守れればあとはどうでもいいか」

心理「でも、上条君たちも守ってよね?」

垣根「日常を守れってか?」

心理「そうよ」

心理定規が垣根の髪を撫でる

男性のそれとは思えないほどに艶がある

心理「・・・今の毎日が好きだもの」

472 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:44:47.43 ID:NN7dFqAe0
垣根「全部守るなんて難しいぜ」

垣根が溜め息をつく

心理「じゃあ、せめて上条君と美琴だけでも」

垣根「薄情だなおい」

心理「あの二人は守るのが得意じゃない」

垣根「・・・そうだな」

心理「・・・あの二人なら、世界を守れるわ」

垣根「・・・託すのか?」

心理「えぇ、そうね」

垣根「・・・上条には重圧じゃないか?」

心理「彼は喜んで守るわよ」



473 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:46:44.98 ID:NN7dFqAe0
垣根「なんで分かる」

心理「美琴の幸せのためならなんでもするもの、彼は」

垣根「・・・ヒーローだな、まったく」

心理「えぇ、ご都合主義もいいとこよ」

垣根「・・・だから憧れるんだけどな」

心理「まだ憧れるの?」

垣根「あいつの真っ直ぐなとこはすごいと思うぜ?」

心理「真っ直ぐすぎても問題よ」

心理定規が壁を見つめる

一回戦が終わったのか、少し静かになっている

心理「・・・壁にぶつかるのも早くなるもの」

垣根「あいつは壁なんて乗り越えるさ」

474 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:49:19.34 ID:NN7dFqAe0
心理「・・・垣根、あなたは私だけの垣根でいて?」

垣根「分かってるよ、いまさら言わなくても」

心理「・・・あなたは優しいから」

垣根「お前にだけだ」

垣根が心理定規の頬に触れる

何度そこにキスをしただろうか

何度そこに触れただろうか

垣根「綺麗すぎるな、お前は」

心理「あなたの瞳には負けるわよ」

垣根「俺の瞳が綺麗なのは、お前を映してるからさ」

心理「そんなことないわよ」

垣根「なんで」

心理「・・・」


475 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:52:08.24 ID:NN7dFqAe0
心理定規が垣根の唇に手を添える

垣根「なんだよ」

心理「初めて会ったときから、あなたの瞳は美しかったもの」

垣根「・・・それは、昔からお前を見てたからかな」

心理「あら、それならいいわね」

垣根「・・・」

垣根が心理定規の手を握る

そして、それを辿って彼女の唇にキスをする

垣根「ロマンチックだな」

心理「あなたのおかげよ」

垣根「バーカ、てめぇのおかげだ」

心理「じゃあ、二人のおかげってことね」

垣根「・・・そうだな」

隣の部屋の熱い愛情とは少し違う

静かな愛もいいもんだ、と垣根は笑っていた


476 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/10(土) 21:59:02.50 ID:NN7dFqAe0
今日はここまで

未元定規のクレープあたりは甘いというかベタだった


では筋肉動画

「カット」と「バルク」の両立は難しい

バルクがあると、カットが際立たない

カットを重視するなら、おのずとバルクを犠牲にしてしまう

カットの素晴らしい選手

バルクの素晴らしい選手

どちらが優れているかは、長年の議題である

そして、そんな議論はいつまでも続くだろう


さて、今日は「バルク」といえばこの人、というビルダーを紹介

「マーカス・ルール」

ドイツの巨人ですね


もはや、何がなにやらわからんバルクですw

ロニーよりも大きいでしょうね

毎年、仕上がりは甘いですが人気な選手でした

現在は引退していますが

肩に「シンソール」、いわゆる詰め物をしていたのでは?という噂もあります

しかし、どちらにしてもこれはすごい体ですね

http://www.youtube.com/watch?v=y7AXFsoebpo


では今日はこれで

おやすみなさい
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/10(土) 22:00:56.26 ID:pLtq1tr00
>>1乙!!うん、珍しく未元定規がいつもより甘くてたまにはこういうのも良いと思うよ。

では、皆さんおやすみ。
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2011/09/10(土) 22:09:46.36 ID:Vs4g2MIO0
このスレだけで一日分の糖分を摂取できそうだな
>>1
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/09/11(日) 06:57:47.46 ID:T/9wrHV30
最近、スクライドスレが増えたけど>>1はどう思う?
480 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:08:24.90 ID:aRtkSCvw0
スクライドスレは嬉しいですww


上条「美琴・・・もうやばい」

美琴「んぁぁっ・・・来て・・・」

上条「っ!」

何度目かの絶頂を上条が迎える

一々数えるつもりはない

とにかく、倦怠感は恐ろしかった

上条「はぁ・・・なんか最近ずっと毎日エッチしてますよね」

美琴「い、いいんじゃない?」

上条「悪くはないけどさ・・・」

美琴「あ・・・胸触りながらしゃべらないでよ・・・」

上条「こっちのほうが効率はいいだろ?」

美琴「な、何の効率よ」

顔を真っ赤にしながら美琴が尋ねる

481 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:08:58.25 ID:aRtkSCvw0
上条「ほ、しゃべりながら胸を揉めば話せるし感じさせられるし」

美琴「意味・・・はぁっ、わかんないわよ」

上条「好きだ、美琴」

上条が美琴の胸にキスをする

いや、キスというよりも吸うのに近いのだろう

舌先で乳首を転がし、片方の手で空いた胸を激しく揉みしだく

美琴「んゅっ・・・」

上条「・・・」

ジュル、という卑猥な音を鳴らしながら上条が胸を吸い続ける

唾液を塗りたくるようにすると、美琴が顔を赤くする

上条に舐められている、という恥ずかしい事実

上条が舐めてくれている、という喜び

その二つが波となって美琴の思考をとろけさせる

上条「・・・どうだ?」

482 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:09:24.46 ID:aRtkSCvw0
美琴「ね、ねぇ・・・話してるヒマがあったら舐めてよ・・・」

上条「うわ・・・なんかちょっとひきますよ」

美琴「ひ、ひかないでいいわよ・・・はぁっ・・・」

上条「・・・」

美琴の言葉通りに胸を舐めていく

乳房全体に舌を這わせたり、乳首に歯を立てたり

ふといたずら心が湧いて、ワキに手を伸ばしてみる

ついついくすぐってみたくなってしまったのだ

美琴「にゃっ!?な、何触ってんのよ!?」

上条「ここはあんまり感じないのか?」

美琴「か、感じ・・・!・・・るかも」

美琴の下半身から愛液が垂れる

二枚のプニプニとした唇から、だらし無く垂れていく

美琴「いぁっ・・・」

483 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:09:51.97 ID:aRtkSCvw0
上条「感じるのか・・・どうなんだ?」

美琴「ねぇ・・・もう一回、ね?」

上条「はいはい」

上条が要望通り触ってみる

今度は指先でつつくようにしてみた

やはり美琴はビクビクと体を震わせる

上条「なんか性感帯が多いですね」

美琴「・・・当麻が開発しすぎなのよバカ」

上条「・・・いやいや、勝手に美琴が変態になっていくだけですよ?」

美琴「・・・もうダメ・・・」

美琴が上条の顔に手を伸ばす

そして、自分の下半身に持っていこうとする

もちろん、絶頂を迎えすぎたため力は入らない

だがその真意を汲み取って、上条が下半身に顔を近づける

484 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:10:17.61 ID:aRtkSCvw0
上条「舐めていいのか?」

美琴「・・・舐めて」

上条「了解しました」

美琴「・・・っ」

花びらのようにも見えるヒダを唇で押しのけ、中を軽く舐めてみる

蒸れたような匂いと、少し甘い香水の匂いが鼻を満たす

上条「・・・」

美琴「ちょっと・・・そんなに音・・・立てないで・・・」

上条の髪の毛に軽く美琴が触ってみる

彼の頭が少し前後しているのを見ると、今されている卑猥なことを実感してしまう

上条(・・・なんか不思議な味がするな)

美琴「ねぇ・・・ねぇってば!」

上条「・・・なんだよ?」

485 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:10:59.12 ID:aRtkSCvw0
美琴「・・・ん」

上条「・・・舐めてほしいんだよな?だったら俺に話し掛けても意味がないですよ?」

美琴「・・・だ、だって・・・無言でやられるのは恥ずかしいんだもん・・・」

上条「じゃあもっと音を鳴らしましょうか?」

美琴「それはダメ!」

上条「もう・・・」

上条が美琴の下半身をまた舐め始める

上条「ほほはひひほは?」

美琴「にゃぁっ!?な、舐めながら話さないでよ!」

上条「はんへ?」

美琴「な、なんでって・・・」

上条「はっへひほひひはほ?」

美琴「き、気持ちいいけど・・・ぉっ・・・」

美琴が腰をくねらせる

486 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:11:37.08 ID:aRtkSCvw0
少し上条の唇との密着度が増してしまう

上条(う・・・ちょっと息苦しいな)

美琴「はぁ・・・んぁぁっ・・・ね、もっと・・・」

上条「・・・」

舌の先を上に丸めて、中の壁を刺激してみる

疲れてしまうため、あまり長くは出来ない

そのため少し休んでは舐め、休んでは舐めを繰り返す

美琴「ちょ、ちょっと!ダメ!」

上条「ん・・・どうしたんだ?」

上条が口を離す

美琴「・・・やっぱり話しながらやってほしい」

上条「・・・じゃあ手でするかな」

上条が美琴の顔の横に、自分の顔を持っていく

487 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:12:07.79 ID:aRtkSCvw0
ちょうど二人が並ぶような体勢になった

美琴「あ・・・」

上条「?どうしたんだよ」

美琴「な、なんでもない」

美琴が恥ずかしそうに目を逸らす

上条の唇が自分の愛液で濡れているのがなんとも羞恥を誘う

上条「じゃあ、手でやるんだったな」

美琴「いたっ!ちゃんと指濡らしなさいよ!」

上条「あ、わ、悪い!」

美琴「あ、怒ってないから・・・その、ビックリしちゃっただけ」

美琴が上条にキスをする

美琴「ね、濡らしてくれない?」

上条「ん・・・ちょっと失礼しますね」

美琴の愛液を指に塗り付けていく

ドロドロとした粘性のある液体が上条の指を濡らしていく

488 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:12:38.95 ID:aRtkSCvw0
上条「・・・よし、いい感じだな」

美琴「・・・爪、切ってくれたんだ」

上条「いや・・・まぁ身嗜みもありますからね」

美琴「うん・・・でも嬉しい」

上条「・・・入れますよ」

上条が人差し指と中指を美琴の膣へと挿入する

中の圧力はかなり高まっている

あまりの締め付けに、血が止まるのではないかと思ってしまう

上条「すごいな・・・こんなに締め付けるものなんだな」

美琴「いや・・・言わないでよバカ・・・」

上条「美琴さんってホント変態なんだよな」

美琴「ち、違うわよ!」

上条「なんで?こんなにグチョグチョにしてるくせに」

美琴「・・・当麻が触るからそうなってるのよ」

489 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:13:09.62 ID:aRtkSCvw0
上条「・・・俺が触ったら美琴は感じてくれるのか?」

美琴「ち、違う・・・」

上条「違わないよな?素直に言えよ」

上条がクチュクチュ、と中を掻き混ぜてみる

前後ではなく、円を描くような動きだ

美琴「っ!っ!」

上条「なんで声出さないんだ?」

美琴「か、垣根と心理定規に聞かれちゃう・・・から・・・」

上条「今更恥ずかしがることもないだろ?」

美琴「ダメ、お願い・・・!」

上条「なにを?」

美琴「も、もうちょっと優しく!」

上条「優しくしてたら感じられないですよ?」

490 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:13:43.34 ID:aRtkSCvw0
美琴「ん・・・ねぇ、どうすればいいの・・・ふぁっ・・・」

少し控えめな嬌声を美琴が上げる

本当なら今すぐにでも大きな声を上げたいのだろう

それを我慢してしまうと、快感が減ってしまう気がする

上条「・・・ちょっと待っててな」

上条が何やら携帯を取り出す

何かメールを打っているようだ

美琴「な、何やってるの?」

上条「・・・垣根にメールした」

美琴「な、なんて?」

上条「今から声出すけど問題ないかって」

美琴「そんなメールしないでよ!」

上条「いや、気づいてたみたいだぞ?」

美琴「にゅっ・・・」

491 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:14:13.08 ID:aRtkSCvw0
上条「だから気を遣ってなんか下のカフェに行ってくれるってさ」

上条がメールを美琴に見せる

美琴「・・・バレた、弱み握られ・・・ふゃぁっ!?」

上条「どう?声出していいんですよ?」

美琴「いや!お願い、ちょっと待って!」

上条「だからなんでだよ?」

美琴「違うの、垣根達にバレちゃったらなんかダメなの!」

上条「ダメじゃないだろ?」

美琴「・・・当麻の意地悪!バカ!変態!」

上条「・・・」

ムスっとして上条が手を放す

美琴「か、垣根になんで今からエッチしますよ宣言してるのよ!?」

上条「エッチじゃなくて声を出すって言っただけなんだけど」

492 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:14:39.47 ID:aRtkSCvw0
美琴「違うでしょ!そんなもん分かっちゃうじゃない!」

上条「・・・あっそ、じゃあいいですよ」

ふて腐れたように上条がベッドに転がる

美琴「え、何?」

上条「声出したくないんだろ?だったら自分でやれば?」

美琴「な、なんでそうなるのよ!?」

上条「自分だったら力加減が出来るだろ?」

美琴「お、怒ったの?」

上条「変態とか言われましたからね」

美琴「あぅ・・・」

美琴が困ったような表情をする

上条「ほら、さっさと一人でやれば?」

493 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:18:12.57 ID:aRtkSCvw0
美琴「ね、機嫌直して?」

上条「いいからやれば?」

美琴「・・・ゴメンってば」

上条「・・・なぁ」

美琴「うん、なに?」

上条「そのさ・・・ゴメン」

美琴「・・・うん」

上条「あれなんだ、美琴が声出せなくて辛そうだったから・・・その」

美琴「き、気持ちは嬉しいのよ?ただ・・・ね」

上条「・・・分かってる」

上条が頭をかく

美琴「・・・一人でやったらさ、当麻は興奮してくれる?」

上条「やってくれるの?」

494 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:18:52.84 ID:aRtkSCvw0
美琴「・・・当麻は変態だから」

上条「美琴もだろ?」

美琴「・・・ちゃんと見ててね?」

美琴が足を開く

上条の顔の正面にちょうど下半身が来るようになる

彼の視線が辛くて、目を背けてしまう

上条「・・・どう?」

美琴「・・・気持ちいい・・・けど」

上条「けど?」

美琴「当麻にやってもらったほうが嬉しいの」

上条「・・・分かった」

上条が美琴の体を引き寄せる

美琴「・・・ねぇ、当麻」

495 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:19:45.39 ID:aRtkSCvw0
上条「なんかいつも決まったパターンのエッチだよな?」

美琴「でも・・・私は飽きないわよ」

上条「俺だって飽きないからな」

美琴「・・・あ、なんでそんなとこ・・・ダメ・・・」

上条「・・・アナルはまだ緊張しますか?」

美琴「だから・・・その、経験があんまり・・・」

上条「じゃあ俺が慣らさせてあげますよ」

美琴「・・・お願い」

上条「失礼して」

上条が美琴のアナルに舌を這わせる

ヒクヒク、と開いたり閉じたりしている

上条「なぁ、力抜かないと舌が入りませんよ?」

美琴「え、舌入れるつもりだったの!?」

496 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:20:26.71 ID:aRtkSCvw0
慌てたように美琴が足をジタバタさせる

上条「ダ、ダメなのか?」

美琴「ほら、汚いでしょ?風呂入ってからなら・・・」

上条「残念、我慢できないです」

美琴「うっ・・・」

美琴が涙目になる

相当恥ずかしいようだ

上条「なぁ、俺は美琴のだったら汚い場所でも舐められますよ?」

美琴「・・・で、でも・・・」

上条「嫌うわけないだろ?全部好きなんだから」

美琴「・・・じゃあ・・・」

美琴が力を抜く

そのチャンスを逃さないように、上条が舌を入れる

苦いような味もする

497 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:21:29.21 ID:aRtkSCvw0
しかしそれ以上に、美琴の喘ぎ声が頭を刺激する

上条「・・・」

美琴「ぎにゃぁぁぁっ!ちょっと、そこはダメ!」

上条「はんへ?」

美琴「だからしゃべんない・・・で・・・」

上条「ほふへふは?」

美琴「どうですかじゃないわ・・・よぉっ!」

前の穴からプシュッ、と愛液が飛び出る

上条「ふぅ・・・ちょっと息苦しいかな」

美琴「・・・もうダメ・・・足が動かない・・・」

上条「ん?そんなに感じちゃうのか?」

美琴「・・・ダメ、しばらく後ろのは・・・」

上条「はい、またやりますね」

498 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:22:01.09 ID:aRtkSCvw0
美琴「はぁ!?ちょっと、本当に今は・・・!」

今度は指を一本、まるごと挿入してみる

美琴「いぁぁぁっ!」

上条「痛いか?」

美琴「違う!ちょっと待って、おかしい!」

上条「何がおかしいんだ?」

美琴「いや!変な感じが・・・」

美琴の目の焦点が全く定まっていない

上条「あれ?もしかしてマジでヤバいのか?」

美琴「言ってんじゃにゃい・・・」

上条「もう猫化しちゃってますね」

美琴「・・・イく・・・」

上条「あ、はい」

499 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:22:46.63 ID:aRtkSCvw0
美琴が上条の顔をじっと見つめる

絶頂を迎えるときに、好きな人の顔を見る

エッチすぎる考えだ

だが、もうそんなことはどうだってよかった

美琴「・・・」

無言のまま、美琴が上条の胸を舐め始める

上条「うぉっ!?どうしたんだよいきなり!?」

美琴「・・・」

上条「な、なんで無言なんだよ!?」

美琴「・・・美味しい・・・」

上条「へ?」

美琴「・・・甘いのよ」

上条「あ、あぁ」

500 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:23:35.45 ID:aRtkSCvw0

美琴「・・・当麻、頭がぼーっとしちゃう」

上条「・・・ちょっと休んだら?」

美琴「それじゃ当麻が気持ち良くないでしょ?」

上条「でもさ・・・我慢できるぞ?」

美琴「・・・ちょっとだけ待ってくれる?」

上条「しばらく待つけど?」

美琴「ううん・・・ちょっとで大丈夫」

美琴がベッドに体を預ける

目を閉じると睡魔が襲ってくる

上条を待たせているんだから、と頭に言い聞かせてみても睡魔は帰ってはいかない

美琴(布団があったかいけど・・・)

寝てしまったら、上条は不完全燃焼のままだ

美琴(・・・眠い)

501 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:24:30.87 ID:aRtkSCvw0
上条「・・・美琴、おやすみな」

美琴「え?」

上条「・・・起きてから続きでいいからさ」

美琴「でも・・・」

上条「いいんだって、お前はゆっくり寝てくれよな」

美琴「・・・当麻は優しいわね」

上条「・・・いいよ、寝なさいな」

上条が美琴の頭を撫でる

ただ、その下半身はかなりいきり立っていた

美琴「・・・当麻はいつも優しくしてくれるのね」

上条「いやいや、美琴のためだからさ」

美琴「・・・今日は甘えないもんね」

美琴が眠い体を無理矢理起こす

上条「お、おい・・・」

502 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:25:09.83 ID:aRtkSCvw0
美琴「無理じゃないわよ・・・私もまだ不完全燃焼だから」

上条「・・・いいのか?」

美琴「たまには甘えなさいよ、バカ」

上条「・・・すぐ終わらせるからな?」

美琴「うん、ありがとう」

上条「じゃあ始めるぞ」

ゴムをつけ、美琴の膣へ肉棒を挿入する

クチュクチュと部屋に響く音

美琴が眠りに着いたのは、それから10分ほど後のことだった


垣根「ったくよ・・・喘ぎたいからってメールしてくるかね?」

垣根が携帯を見つめながらため息をつく

今から30分ほど前

上条からメールが来たのだ

503 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:25:54.09 ID:aRtkSCvw0
心理「・・・あの二人は本当に仲がいいわよね」

垣根「ったくよ、喘いでるんだろうなぁ」

心理「・・・美琴の喘ぎ声って可愛いと思わない?多分だけど」

垣根「・・・お前ってホントレズじゃないのか?」

心理「あのね、性的な意味ではないわよ?」

垣根「喘ぎ声の段階で性的でしかないんだよ」

心理「・・・カフェでこんな話はやめましょう」

心理定規が呆れたようにため息をつく

垣根「お前はアイスコーヒーか・・・コーヒー好きだったか?」

心理「あなたと飲むのが好きなのよ」

垣根「ふーん」

垣根が興味津々といった感じでコーヒーを見つめる

いかにもおいしそうなコーヒーだ

504 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:26:31.32 ID:aRtkSCvw0
心理「あら、飲んでもいいわよ?」

垣根「いや・・・どうせ甘いんだろ?」

心理「・・・私の飲みかけは甘いのよね」

垣根「・・・そういういやらしい意味じゃねぇんだよ」

心理「・・・いやらしい意味では言ってないわよ」

垣根「・・・俺はアイスティーがあるからな」

垣根がアイスティーを指差す

心理「あなたは紅茶が似合うわよね」

垣根「まぁイケメンだからな」

心理「自分で言わないでよ・・・間違いではないんだけど」

垣根「・・・」

垣根がアイスティーを一口飲む

505 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:27:10.49 ID:aRtkSCvw0
周りの客達はそんな二人を見つめている

美男美女がカフェでアイスティーとアイスコーヒーを飲んでいる

どこかの映画にでもありそうなワンシーンだ

唯一おかしい、というか残念な点は二人が顔をしかめていることだろう

それはもちろん、上条達のせいで部屋を追い出されたからだ

気を遣って出てきたはいいが、ほかにやることがない

カフェの店員もなんだか不思議な顔で見てくる

日本人というだけで珍しいのだろうか

好奇の視線を向けられるのもストレスだった

垣根「はぁ・・・こっちは部屋でワイン飲みたかったんだよ」

心理「私も飲みたかったわよ、あなたと二人で」

垣根「・・・今晩、自棄飲みしようぜ」

心理「たまにはいいわよ」

506 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:27:47.28 ID:aRtkSCvw0
垣根「早く終わらないかねぇ」

垣根が携帯を睨む

その時、メールが届いた

垣根「・・・」

心理「なんて?」

垣根「終わったらしいぜ」

垣根がため息をつきながら携帯を差し出してくる

心理「じゃあ帰ってもいいのね」

垣根「やっと・・・やっとだ」

心理「やっと飲めるのね・・・」

顔を輝かせながら二人がカフェから出ていく

ただ勘違いはしないでほしい

決して二人はアル中ではない

決して

決して、だ
507 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:37:54.09 ID:aRtkSCvw0
神裂「・・・あの・・・」

イン「ん?」

インデックスが首を傾げる

二人がいるのはイギリスの女子寮

その、食堂だ

神裂「さ、さきほども・・・食べましたよね?」

イン「うん!でも私はもっと食べるんだよ!」

神裂「で、ですがもう10杯目ですよ?」

イン「まさかオルソラがスパゲッティー作って待ってくれてたなんて思わなかったんだよ!」

オルソラ「まぁまぁ、お店が早く終わったのでございますよ」ニコニコ

神裂「いえ・・・あなたが経営してるのですから早く終わらせただけ・・・」

オルソラ「10杯もおかわりしておなかは痛くないのでございますか?」

イン「それこそ片腹痛い台詞なんだよ!」ガーハッハ!

神裂「・・・はぁ」


508 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:42:12.99 ID:aRtkSCvw0
イン「・・・でもさすがにちょっと飽きちゃうかも」

神裂「・・・それはそうでしょうね」

オルソラ「まぁまぁ、では他のものを作るのでございますよ」

イン「ホント!?」


アニェーゼ「ったく、あのインデックスってシスターにみんなメロメロになっちまってますね」

ルチア「仕方ないでしょう」

アンジェレネ「・・・でもなんだか仲間はずれっぽいですね」

シェリー「気にするな、あいつは魔術的にも価値があるからな」

アニェーゼ「そういうことは言っちまわないほうがいいですよ」

シェリー「なに、本当のことだろう」

イギリス清教でも少し異端な四人はそんな光景を見つめていた


509 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:49:36.23 ID:aRtkSCvw0
シェリー「・・・それより、オルソラのヤツは一体どこで料理を覚えたんだ?」

ルチア「日本に行ったときに覚えたらしいですよ」

アンジェレネ「やっぱり日本は美味しいものが多いんですね・・・」

アニェーゼ「・・・それはそうみたいですけどね」

シェリー「・・・どうでもいいけどよ、あのままじゃ私達の食材がなくなるぞ」

三人「!?」


イン「美味しいんだよ!」

神裂「・・・よく食べられますね・・・」

オルソラ「これは作りがいがあるのでございますよ!」


アニェーゼ「待てぇ!!!」

アンジェレネ「それほど食べることは許しません!」

ルチア「暴食はあるまじき罪です!」

シェリー「腹が減った」

アニェーゼ「おいこら腹ペコシスター!それ以上食べるんじゃねぇ!」


510 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 10:55:12.59 ID:aRtkSCvw0
イン「なんでなんだよ!?私はこれからも食べ続けるんだよ!」

アニェーゼ「食うなっつってんだろぉがぁ!!」

ルチア「こらこら!!シスターアニェーゼ!」

アニェーゼ「あぁ!?」

ルチア「く、口調が・・・」

アニェーゼ「口調は関係ない!」

アニェーゼが腕を振り上げる

アニェーゼ「いいか!?食材は自分で勝ち取るものだ!これが自給自足!」

イン「いいんだよ!!私と一騎打ちする気か!?」

アニェーゼ「やってやんだよぉぉ!!」


神裂「あぁ・・・始まってしまいましたね・・・」

オルソラ「・・・なんだか楽しいことになってきましたのですよ」ニコニコ

シェリー「おい、オルソラ・・・飯作ってくれ」

オルソラ「はいなのでございますよ」ニコニコ

511 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:00:23.41 ID:aRtkSCvw0
神裂「・・・はぁ・・・」

オルソラ「まぁまぁ・・・」

シェリー「飯、飯」


イン「あー!!私はもっと食べるんだよ!」

アニェーゼ「やめろぉ!!」


神裂「・・・オルソラ、私達の分もお願いします」

オルソラ「はいなのでございますよ」

シェリー「全く、くだらない・・・」

そんな話をしていたとき


突然、寮のドアが開かれた

しかも、男の手によって


512 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:02:48.22 ID:aRtkSCvw0
心理「・・・垣根、酔ってないわよね?」

その少し前

二人はホテルに部屋でワインを飲んでいた

垣根「・・・酔ってるかどうかが問題じゃないんだ・・・俺は酔ってるんだ・・・」

心理「酔ってるのね」

垣根「うげ・・・吐きそう・・・」

心理「はぁ・・・そういえば、昼間は砂皿とずーっと飲んでたものね、あなた」

垣根「体のアルコール許容量がオーバーしちまったぜげへへのへ!!」

心理「落ち着きなさい、落ち着いて」

垣根「くそがぁ!!隣の部屋では事後のカップルがぐーすかぴー!!!」

心理「だから何?」

垣根「俺だってなぁ!!上条みたいにモテたいんだよ!」

心理「はぁ・・・ダメねこれは」

513 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:04:59.36 ID:aRtkSCvw0
垣根「はっ!行けばいいじゃん!」

心理「どこに?」

垣根「女のいる場所!」

心理「・・・一応聞くけど、どこかしら?」

垣根「イギリス清教、その女子寮!」

心理「あなたねぇ・・・」

垣根「行くぞ、心理定規!」

垣根が心理定規の手を握る

心理「ちょ、ちょっと!」

垣根「ひゃひゃ!!出口ってのはあるもんじゃない、作るんだ!」

心理「ちょっと、なんで窓際に・・・ってやめなさい!」

垣根「翼を広げ、飛び立つ鳥になれ!」

垣根が翼を発現させる

なんとなく

なんとなくだが形が不安定な気がする


514 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:07:07.68 ID:aRtkSCvw0
心理「あなた酔って演算できてないでしょ!?」

垣根「力は理屈じゃねぇんだよ!」

心理「い、意味が分からないから!行くなら行くで大人しくホテルの・・・」

垣根「つまんねぇんだよそれじゃあ!!」

垣根が脚を窓際にかける

もう終わった

心理定規は直感でそう思った

垣根「行こうぜ、心理定規さんよぉ!」

心理「い、いや・・・」

垣根「羽ばたけ俺の!!」


垣根「ダークマター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


それから

ビルの壁に何度かぶつかりながらも、垣根はイギリス清教の女子寮へ来たのだ

515 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:10:08.05 ID:aRtkSCvw0
垣根「たのもう!!!!」

バァン!と勢いよく女子寮の扉を開く


イン「あ、かきねなんだよ!」

垣根「いよぅ!」

アニェーゼ「あれ、垣根じゃないですか」

神裂「おや?あなたたちも知り合いでしたか」

アンジェレネ「昨日、たくさん食べ物を奢ってもらえました」

ルチア「あ、こら!」

イン「・・・食べ物・・・?」

インデックスが垣根を睨む

垣根「おーい、心理定規ちゃぁん」

心理「・・・何よ・・・ごめんねみんな、この人酔ってるの」

垣根「酔ってないよぉん!」

シェリー「なんだこいつは?」

垣根「あぁ?」

516 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:12:55.43 ID:aRtkSCvw0
シェリー「こいつ、イギリス清教の人間か?」

イン「・・・食べ物・・・」

シェリー「お前は黙ってろ」

神裂「彼は科学側ですよ」

シェリー「・・・へぇ、科学か」

シェリーが垣根を睨む

あまり科学にはいいイメージがないのだ

垣根「なんだよ鬣女」

シェリー「うるせぇ、誰がライオンだよ」

垣根「・・・オルソラちゃぁん!」

オルソラ「はいはい、なんなのでございますか?」ニコニコ

垣根「はぁ・・・この中で唯一かーわいいねぇ・・・」

イン「!?」

アニェーゼ「私達はどうなっちまうんですか!?」

垣根「うるせぇな!!俺はガキには興味ねぇんだよ!」

神裂「・・・あなたの伴侶もそこまで年上には見えませんが?」


517 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:16:23.51 ID:aRtkSCvw0
垣根「問題は年齢じゃない・・・精神年齢だ・・・」

心理「ごめんねみんな、酔ってるのよ彼」

垣根「はぁ・・・オルソラは綺麗だなぁ・・・」

オルソラ「まぁまぁ、ありがとうございます」

アニェーゼ「こら垣根!私の城で女誑してんじゃねぇんですよ!」

垣根「はー?ここはオルソラの城だしぃ」

シェリー「おい神裂、こいつはなんなんだ?」

神裂「た、たしか・・・垣根帝督、学園都市の能力者のNO.2・・・」

シェリー「・・・こいつが?」

シェリーが垣根を観察する

酔っ払っているからか、フラフラとしている足取り

イケメンの類である容姿

そして、それにあった誑しな性格


518 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:18:47.05 ID:aRtkSCvw0
垣根「なぁ・・・オルソラはなんでそんなに可愛いの?」

オルソラ「まぁまぁ、心理定規さんのほうが可愛いのですよ」ニコニコ

垣根「あいつは特別だけどさ、オルソラも可愛いぜ?」

垣根がなんか鼻の下を伸ばしている

これが普通のときなら心理定規はヤキモチを妬いていただろう

しかし、今の彼は酔っているのだ

正常な状態ではないし、怒っても面白がられるだけだ

心理「・・・はぁ」

シェリー「で?お前は垣根の彼女か」

心理「えぇ、心理定規よ」

シェリー「・・・偽名か」

心理「あら、本名なんて昔に捨てたもの」

シェリー「・・・」

心理「・・・必要ないものを捨てれば人間はその分何かを得られるのよ?」

シェリー「知ってるさ」

519 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:22:20.38 ID:aRtkSCvw0
垣根「・・・ん、なんかいい匂いがしてきた」

オルソラ「今はカレーを作っているのでございますよ」

神裂「ですが、インデックスが食材のほとんどを使い果たしてしまいまして・・・」

垣根「ふーん・・・じゃあ俺が買ってやるよ」

アニェーゼ「!?ホントですか!?」

垣根「あ、カードは渡すけど自分で買いに行けよな」

アンジェレネ「あ、あの・・・カードを人に渡すのは危ないかと・・・」

垣根「じゃあ心理定規もつけるから」

心理「私はカードの見張り役・・・ねぇ」

イン「ありがとうなんだよ垣根、買いに行って来いアニェーゼ!」

アニェーゼ「アンタも行くんだよこらぁ!」

イン「くっ・・・し、仕方ないんだよ!」

520 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:25:47.00 ID:aRtkSCvw0
インデックス、心理定規、アニェーゼという変わったトリオが買い物へと向かう

残されたのは垣根、その他の女達

ルチア「・・・ところで垣根さんはどうしてこちらに?」

垣根「ハーレムって知ってるか?」

ルチア「・・・はぁ」

垣根「俺は、女が好きってわけじゃない、心理定規が好きだ」

ルチア「えぇ」

垣根「だから、来た」

ルチア「・・・はぁ?」

垣根「ハーレムになりたかったのさ」

神裂「・・・はぁ・・・」

垣根「いいだろ、食材はたくさんくれてやるんだから」

アンジェレネ「でも、どうして垣根さんはお金持ちなんですか?」

垣根「・・・お前は一方通行に好かれそうな風貌だなぁ・・・」

アンジェレネ「?」


521 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:29:28.93 ID:aRtkSCvw0
垣根「第二位ともなれば研究に協力しただけで金が入るんだよ」

シェリー「・・・てめぇの能力は?」

垣根「・・・未元物質」

神裂「・・・あの、失礼ですがどのような能力ですか?」

垣根「そうだな・・・この世に存在しない素粒子を作れるんだ」

シェリー「・・・どういう意味だ?」

垣根「あー・・・紙とペンあるか?」

神裂「えっと・・・どうぞ」

垣根が紙になにやらよく分からない単語を並べていく

垣根「いいか、ここには現在存在している素粒子の代表格を書いた」

ルチア「・・・あの、素粒子とは?」

垣根「・・・そこからかよ・・・」

垣根が肩を落とす

522 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:34:01.29 ID:aRtkSCvw0
垣根「そうだな、材料だとでも思ってくれればいい」

神裂「材料・・・ですか」

垣根「物質を構成する最小の単位が素粒子だ」

垣根が絵を描いていく

垣根「まぁ・・・これは素粒子ではないが、たとえばOっていう元素は知ってるか?」

神裂「酸素・・・でしたっけ」

垣根「いいか、これが組み合わさればいろんなものができる」

シェリー「Oが2つなら酸素、3つならオゾンか」

垣根「そう、だがそれはこの世に存在するものだ」

ルチア「・・・あの、よくわからないんですが」

垣根「いいか、俺が能力で新しい素粒子・・・そうだな、kakineを作ったとする」

神裂「そのネーミングセンスは・・・」

垣根「黙ってろ・・・で、こいつは電子を持たない物質を構成する素粒子であるとしようか」

シェリー「ありえないな」

垣根「普通ならな」

523 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:37:44.02 ID:aRtkSCvw0
シェリー「・・・それを作り出せるってわけか」

垣根「いいか、太陽光を殺人光線にできたり、風を起こせたり・・・」

神裂「・・・そ、その・・・私の力は及ぶのでしょうか?」

垣根「肉弾戦は無理だろうな、素粒子の配列を変えればどんなものよりも硬い物質ができる」

神裂「・・・」

垣根「それに、俺の能力はばら撒くこともできる」

ルチア「・・・反則的ですね」

垣根「まぁ、だから第二位・・・ってアンジェレネ聞いてるか?」

アンジェレネ「!?は、はい!」

垣根「・・・まぁいいや」

シェリー「とにかく、この世に存在しないものを作れるわけか」

垣根「そういうこと」

垣根が紙をグシャグシャと丸めて捨てる

垣根「・・・こんな珍しい能力、研究者はどれほど解明したいと思う?」


524 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:43:12.76 ID:aRtkSCvw0
アニェーゼ「そりゃあ・・・」

神裂「・・・そもそも、それは本当に科学側ですか?」

垣根「さぁね、科学とは限らない」

垣根が右手を少し振るう

垣根「見てな」

すると、彼が右手を振った場所から氷が発現する

アニェーゼ「!?魔術・・・?」

垣根「違う、温度の変化で水蒸気が凍っただけさ」

ルチア「あ、あの・・・」

垣根「未元物質はこの世に存在しないものだ、触れたものの温度を変えてしまう物質さえも作れる」

つまらなそうに垣根が説明する

垣根「なぁオルソラ、コーヒーないか?」

オルソラ「あるのでございますよ」ニコニコ

久しぶりに話しかけられて、オルソラは嬉しそうだ

垣根「あぁもう・・・オルソラは俺が出会った中で二番目に可愛い子だ・・・」

ルチア「・・・ちなみにその下は?」

垣根「姫神、吹寄の順だな」

神裂「・・・あの、あなたは一一順位をつけているのですか?」


525 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:47:00.86 ID:aRtkSCvw0
垣根「あぁ、まぁなんとなくな」

アニェーゼ「・・・じゃあ、この中で順位をつけてくださいよ」

アニェーゼが垣根に詰め寄る

垣根「一番はオルソラな」

オルソラ「まぁまぁ」ニコニコ

垣根「二番目は・・・シェリーかな」

シェリー「は、はぁ?」

シェリーが少し焦ったように訊ねる

垣根「いやぁ、ワイルドでカッコイイじゃんか」

神裂「・・・ずぼらの間違いでは?」

垣根「三番は・・・ルチアかな」

ルチア「・・・あなたの好みがわかりません・・・」

垣根「次は神裂、そしてアンジェレネ」

アニェーゼ「ちょっと待てぇ!」


526 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:49:42.46 ID:aRtkSCvw0
いけねぇ、アニーゼは買い物だったw

じゃあアニェーゼは買い物に行ってなかった設定で


垣根「なんだよ」

アニェーゼ「あ、インデックス!!あいつと私はどっちが・・・」

垣根「お前が下だな」

アニェーゼ「ふざけんなぁ!!」

アニェーゼが垣根の胸倉を締める

垣根「ぐぇぇぇ!!」

アニェーゼ「おいこら!!」

神裂「お、落ちついて下さい!」

アニェーゼ「落ち着けるかぁ!」

527 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:54:09.11 ID:aRtkSCvw0
垣根「ほら!そういうとこが子供なんだよ!」

アニェーゼ「ふざけんなよ!?」

シェリー「おいおい、ガキだなぁ」

アニェーゼ「二番目だったからって喜びやがって!」

シェリー「別に喜んではねぇけどな」

シェリーが彫刻を削る

垣根「ぐあぁ・・・く、首がぁ・・・」

神裂「ほ、ほら!!死にそうになってますよ!?」

アニェーゼ「消えろ!!」

女子寮の中

色男に振り回される女達の声がした


一方

心理「・・・ねぇ、あなたはなんでそうも食欲が湧くの?」

二人は近くのスーパーで買い物をしていた


528 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 11:57:40.63 ID:aRtkSCvw0
イン「?じゃあなんで食欲が湧かないの?」

心理「・・・あのね、男性はあまり大食いの女は好きじゃないわよ」

イン「!そ、そうなの!?」

心理「えぇ、金銭的にもね」

イン「・・・ね、ねぇ」

心理「まぁ、ゆっくり治していきなさい」

心理定規がカートを転がしていく

心理「あら、カボチャが売ってるわね」

イン「・・・あ!」

心理「どうかしたの?」

イン「あ、その・・・」

心理「なに?」

529 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 12:02:49.84 ID:aRtkSCvw0
イン「・・・こ、これ・・・」

インデックスが指差したのは、小さなキーホルダーだ

スーパーの中に売っているような、いわゆる大量生産品

しかし、猫のデザインがかわいらしいものでもあった

心理「・・・買いたいの?」

イン「で、でも・・・」

心理「・・・いいわよ、内緒にしておくから」

心理定規がキーホルダーをかごに入れる

イン「い、いいの!?」

心理「えぇ、垣根だってこんなことじゃ目くじらたてないわよ」

心理定規が笑う

イン「じゃあもう一つ!」

心理「あら、ステイル君の分?」

530 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 12:05:37.58 ID:aRtkSCvw0
イン「うん、メジャーハートの分!」

心理「・・・私の?」

イン「友達だもん!」

ニコニコとインデックスが笑う

とても無邪気な笑顔だ

心理「・・・ありがとう」

心理定規も笑顔で答える

イン「じゃあ早く食材買うんだよ!」

心理「えぇ」

二人は買い物を続ける

カゴの中には猫のキーホルダーがある

友情の証である、キーホルダーが

531 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 12:09:03.59 ID:aRtkSCvw0
垣根「なぁオルソラ・・・可愛いなぁ・・・」

アニェーゼ「もうデレデレじゃないですか」

垣根「うっせぇな」

ルチア「・・・あまりいい光景とは言えませんよ?」

垣根「あぁ?」

神裂「・・・あなたは人生を決めた伴侶がいるでしょう?」

垣根「それとこれとは別だぜ」

えっへん、と垣根が胸を張る

オルソラ「まぁまぁ、垣根さんはお上手でございますね」

ニコニコと笑いながらオルソラがコーヒーのおかわりを差し出す

シェリー「オルソラ、楽しむな」

垣根「なに?ヤキモチ?」

シェリー「なんでそうなるんだよ」

垣根「意外とナイーブかなぁ、と」

シェリー「・・・お前、喧嘩売ってんのか?」

532 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 12:44:43.17 ID:aRtkSCvw0
垣根「ナイーブな女はいいぞ」

アニェーゼ「あなたはただの女好きなんですね、わかっちまいました」

垣根「ところがどっこい違うんだなぁ」

ルチア「違いませんよね?」

垣根「なぁなぁ、オルソラぁ・・・みんなが俺をいじめるんだ・・・」

オルソラ「よしよしなのでございますよ」ニコニコ

垣根「ひゃっはぁ!天使だ天使!」

神裂(・・・男性というのは、オルソラのような人が好みなのでしょうか)

アンジェレネ(・・・あ、心理定規さんとシスターインデックスが帰ってきました)

アンジェレネは窓の外を見ていた

垣根「オルソラぁ・・・」

533 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 12:49:46.52 ID:aRtkSCvw0
オルソラ「なんでございますか?」ニコニコ

垣根「・・・俺と」


垣根がオルソラの顎に手を伸ばしたのと同時

心理定規の投げたタマネギが垣根の頭にヒットした

垣根「・・・いってぇ」

心理「あのねぇ・・・酔って女に手を出すなんて外道よ?」


イン「はわわわわ・・・」

神裂「こ、これが修羅場・・・ですか!?」

ルチア「と、止めなければ・・・」


垣根「じゃあお前には手出してもいいのか?」

心理「えぇ、おいで」

垣根「にゃー!!」

534 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 12:54:54.97 ID:aRtkSCvw0
ルチア「・・・結局惚気でしたね」

イン「ねぇねぇ、こんなにたくさん買ったんだよ!」

インデックスが買い物袋を見せ付ける

中にはたくさんの食材が入っていた

アニェーゼ「うわ、よくこんなに買えましたね」

アンジェレネ「すごい・・・」

ルチア「・・・シスターは・・・」

シェリー「おいオルソラ、今日はもう一品作ってくれよ」

オルソラ「分かったのでございますよ」ニコニコ

垣根「優しいなぁ・・・まさに聖女だ」

心理「ねぇ、私は?」

垣根「お前は女神」

心理「あら嬉しい」

垣根「そうだ、ここに酒飲めるヤツって何人いるの?」

ルチア「また飲む気ですか!?」


535 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 12:57:18.54 ID:aRtkSCvw0
垣根「いいだろ別に」

アニェーゼ「私は飲めますけど?」

ルチア「まだ法律的にアウトですから!」

神裂「私は・・・遠慮しときます」

イン「ねぇねぇ、お酒って美味しいの?」

神裂「あなたはダメですから!」

垣根「ねぇねぇ、オルソラは?」

オルソラ「飲めるのでございますよ」ニコニコ

心理「じゃあ飲みましょうか」

ルチア「ダメですから・・・」

シェリー「私も飲めるぞ」

垣根「お、いいな」

神裂「あの・・・お酒は禁止なのですが・・・」

垣根「ちっちっち、関係ないね」

垣根が指を振る

536 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:00:51.14 ID:aRtkSCvw0
垣根「決まりというのは破るためのものだ」

アニェーゼ「それは違いますけどね」

垣根「さぁ、今夜は無礼講だ、酒もってくるから待っとけ!」

アニェーゼ「いってらっしゃい・・・」

垣根が女子寮から出て行く

唯一の男がいなくなったことで、本当に女子寮になった

心理「・・・はぁ」

ルチア「・・・なんだか、大変そうな男性ですね」

心理「あら、素敵な人よ?」

アンジェレネ「お金持ちですもんね!」キラキラ

イン「ご飯くれるもんね!」キラキラ

ルチア「・・・はぁ」

イギリス清教、十字教の総本山


いつからこんな緩いものになったのか

ロシア成教もここまでではなかった、とルチアは溜め息をついていた

537 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:04:37.19 ID:aRtkSCvw0

上条「おはよう、美琴」

上条はベッドの上で美琴を抱きしめていた

起きたばかりなのか、美琴はしきりに目を擦っている

美琴「んー・・・おはよう・・・今何時?」

上条「えっと・・・午後の6時ですね」

美琴「ちょうどいい時間ね・・・」

美琴が大きなあくびをする

美琴「・・・とりあえず服着るわね」

上条「あぁ」

美琴がゆっくり立ち上がり、服を着る

上条「・・・晩飯どうする?」

美琴「うーん・・・どっかに食べに行きたいわよね」

このホテルは、一応三食付だ

だが外に食べに行く場合はフロントに電話すればいいのだ

上条「・・・そうだなぁ・・・」

美琴「・・・そういえば、垣根たちは?」

538 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:09:56.65 ID:aRtkSCvw0
上条「え?」

美琴「隣の部屋にはいないでしょ?」

美琴が首を捻る

たしかに、話し声は聞こえない

上条「・・・でもよく分かったな」

美琴「ちょっとしたレーダーよ」

美琴がそっけなく答える

上条「ふーん・・・」

美琴「・・・どこかな・・・」

美琴が服に着替え終わって、窓際に立つ

外は相変わらず雪が降っていて

そして垣根が飛んでいて

美琴「え?」


539 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:12:40.20 ID:aRtkSCvw0
垣根「グッモーニン!!!」

どがぁん!!と窓を蹴り飛ばし、垣根が部屋に入ってくる

ちなみに吹き飛んだ窓は上条に直撃した

上条「ふびゃぁ!!」

垣根「おーす!!元気かセックスカップル!?」

美琴「うっさいわよなんでアンタがいんのよ!?」

垣根「いやぁ、今イギリス清教の女子寮に行っててさ」

美琴「で?」

垣根「ちょうど晩飯なんだ、お前らも来いよ」

美琴「・・・ウソじゃないわよね?」

垣根「何言ってるんだ・・・お前みたいな可愛い子にウソつくわけないだろ?」キリッ

美琴「本音は?」

垣根「がたがたぬかすなガキ」

美琴「はぁ・・・当麻、どうする?」

美琴が上条のほうを見る


540 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:16:31.34 ID:aRtkSCvw0
上条「」

美琴「と、当麻!?」

垣根「のびてるな・・・」

美琴「当麻ぁ!!」

上条「いってぇ・・・ムカついた・・・」

垣根「真似すんな」

上条「・・・行かないからな」

垣根「あーあ、ただで飯が食えるのに」

上条「・・・ただ?」ピクリ

美琴(あ、貧乏精神が働いてる)

上条「・・・何があるんだ?」

垣根「カレー、オルソラが作ってくれてる」

上条「よし行こう!」

美琴「行くの?」


541 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:20:40.97 ID:aRtkSCvw0
上条「あぁ、ただで飯が食えるんだぜ!?」

美琴「はぁ・・・じゃあ待ってて、今チェックアウト・・・」

垣根「何言ってんだよ、窓から行こうぜ」

上条「はい?」

上条がきょとんとする

そういえば、なぜ垣根は窓から入ってきたのか

ホテルの入り口から入ってこればいいものを

上条「お、お前・・・窓から出て行ったのか?」

美琴「は、はぁ!?」

上条「だ、だってそうだろ!?」

垣根「あぁ、そうだけど?」

美琴「なんでよ!?」


542 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:25:22.82 ID:aRtkSCvw0
垣根「めんどくさいから行こうぜ」

垣根が二人の手を握る

上条「ちょっと待ってくれよ!」

垣根「俺のオルソラが待ってる」

美琴「はぁ!?」

垣根「いいから行こうぜ」

二人を窓際へと引きずっていく

垣根「・・・さぁ、飛んでいくぞ」

美琴「ね、ねぇ・・・」

垣根「何?お姫様抱っこがいいか?」

美琴「違うわよ・・・」

垣根「・・・怯えるな、前を見ろ」


543 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:28:42.25 ID:aRtkSCvw0
上条「分かったよ・・・もうどっからでも行ってやるよ!!」

垣根「はははは!!初めて旅行に行ったときに女風呂覗いたのと同じみたいなシチュエーションだなぁ!」

美琴「あったわねそんなこと・・・」

垣根「よし、行くぞ!」

垣根が窓から飛び出す

イギリスの少し寒い夜の空

そこを、三人の若者が飛んでいた


心理「・・・遅いわね」

アニェーゼ「・・・遅すぎて待てませんね」

シェリー「酒がなかったんじゃねぇか?」

イギリス清教の女子寮では女達がイライラとしていた

ルチア「いえ、このまま帰ってこなかったほうが・・・」

神裂「それは失礼ですよ・・・」

544 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:31:58.82 ID:aRtkSCvw0
心理「・・・あ、来たみたいね」

神裂「?来ていますか?」

心理「そろそろ飛び込んでくるから」

心理定規がコーヒーを飲みながらつぶやく

オルソラ「本当に来るのでございますか?」

心理「えぇ」



垣根「アイアムバーック!!!」

心理定規の言ったとおり、垣根が飛び込んできた

お酒と、二人の被害者を抱えて

神裂「!?か、上条当麻!?」

上条「いてぇ・・・」

545 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:35:27.60 ID:aRtkSCvw0
オルソラ「まぁまぁ、また賑やかになりそうでございますね」ニコニコ

イン「とうま!?」

上条「あれ・・・みなさんおそろいで・・・」

垣根「たっだいまー、オルソラ、お帰りのキッスは?」

心理「やめなさい・・・オルソラさんもちょっとリップ塗らないの」

アニェーゼ「あ、お酒もあるみたいですね」ニヤニヤ

神裂「こ、こんなに持ってきたのですか?」

神裂が垣根の持ってきた酒を見つめる

日本酒から洋酒までなんでもある

シェリー「ほう、美味そうだな」

垣根「だろ?だろ?」

美琴「・・・なんか見た顔ばっかりね」

546 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:38:56.52 ID:aRtkSCvw0
ルチア「・・・頭が痛くなってきました・・・」

アンジェレネ「シスタールチア、大丈夫ですか?」

心理「さて、垣根も帰ってきたしご飯にしましょうよ」

オルソラ「まぁまぁ、用意はできているのでございますよ」

オルソラが皿を用意する

垣根「お、じゃあみんなとりあえず座ろうぜ」

上条「あぁ・・・たしかにいい匂いだな」

美琴「・・・そうね」

上条「美琴の料理のほうがいい匂いがするけどな」ニコ

美琴「//」

オルソラ「・・・」

垣根「オルソラ、お前の料理は美味しそうだぜ?」

オルソラ「ありがとうなのですよ」ニコニコ

547 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:45:39.31 ID:aRtkSCvw0
上条「じゃあ・・・」

イン「食べるんだよ!」

神裂「・・・あなたのお皿だけおかしな量ですね・・・」

美琴「・・・なんか、ルーだけで私達の3倍はあるわね」

上条「・・・吐き気がしてきた」

垣根「おいおい、オルソラの料理を前に吐き気とか言うんじゃねぇよ」

心理「偉く気にいってるわね」

垣根「もう可愛いじゃん」

心理「・・・そうね」

アニェーゼ「・・・お酒飲んじまいますか?」

心理「えぇ、お酌してくれる?」

ルチア「あぁ・・・始まってしまうんですね・・・」

シェリー「私も飲むかな」

垣根「俺も俺も」

オルソラ「では私も飲むのでございますよ」ニコニコ



548 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:49:23.42 ID:aRtkSCvw0
上条「・・・美琴、飲むなよ?」

美琴「ふにゃぁ?」

上条「もう飲んでる!?」

垣根「はぁ・・・酒飲むと愚痴りたくなるよな」

心理「そうよねぇ・・・」

アニェーゼ「・・・愚痴ってみますか?」

オルソラ「まぁまぁ、面白そうでございますね」

シェリー「いいぜ、やってやるよ」


神裂「・・・ちょっと距離を置いておきましょうか」

ルチア「・・・一応バリケードを組んでおきましょうか」

アンジェレネ「・・・そうですね」

イン「なんか怖いんだよ・・・」

神裂「大丈夫ですよ」


549 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:53:05.18 ID:aRtkSCvw0
垣根「じゃあ・・・まずは上条でいいぞ」

上条「・・・俺さ、不幸なんだよ」

心理(いきなり重いわね)

上条「それでさ、この前経験した不幸、聞いてもらっていいか?」

垣根「おう」

上条「この前さ、コンビニで店員の女の子が商品を落としちゃったんだ」

心理「えぇ」

上条「・・・俺はそれを拾ってあげたんだよ」

アニェーゼ「あなたらしいですね」

上条「そしたら、その商品の中にエロ本があったんだよ」

垣根「まぁ仕方ないよな」

美琴「にゃぁにゃぁ」

心理「女の子に運ばせるのもどうかと思うけどね」


550 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 13:56:01.56 ID:aRtkSCvw0
上条「・・・それを偶然俺が手に取っちゃったんだ」

美琴「当麻のエッチ」

上条「そうだよ!!その反応だよ!」

上条が美琴をビシ!と指差す

いきなり指差されたため、美琴は目を丸くする

垣根「反応?」

上条「周りの客、その店員!」

上条「そのどれもが同じ反応だった!」

上条「うわぁ、無意識にエロ本を掴むとかこの子いやだなぁ、みたいな!」

アニェーゼ「あぁ、そんなことですか」

上条「その後、店を出るまで俺は注目されていた!」

心理「えぇ」

上条「しかもだ!そのとき月刊のコミックを買ったんだけどさ!」

美琴「・・・ふむふむ」


551 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:00:26.96 ID:aRtkSCvw0
上条「そういうのってよく表紙がグラビアになってたりするだろ!?」

垣根「あー、あれ余計だよな」

上条「分かるか?エロ本に触れたあと表紙がグラビアの月刊誌を買うためにどれほどの勇気がいることか」

心理「なるほど・・・上条君もお盛んなのね」

上条「違うから!」

美琴「当麻はいつも私がいるもんね?」

上条「そうだよ!?そうだけど今はそこじゃないんだよ!」

アニェーゼ「それは気にしすぎなだけですよ、少年」

オルソラ「では次は私でよろしいでしょうか?」

上条「え、俺の話・・・」

垣根「おうおう、オルソラはどんな愚痴だ?」

オルソラ「あれは私が食材を買おうとしていたときのことでございます・・・」

552 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:04:08.96 ID:aRtkSCvw0
垣根「おうおう」

オルソラ「その時はカボチャを買おうとしていたのでございますよ」

心理「あら、いいじゃない」

オルソラ「あ、レストランのための食材なのですよ」

上条「え?あ、あぁ」

オルソラ「そうなのでございますよ、この時期はカボチャが美味しいのでございます」

心理「美味しいわね、それでそのときどうしたの?」

オルソラ「カボチャを買ったのはよかったのでございますが、レジに並んだときでございます」

心理「もしかして店員さんが何か悪かったの?」

オルソラ「いえ、店員さんも丁寧だったのでございますよ」

美琴「あぁ、袋詰めで失敗したんですか?」

オルソラ「いえいえ、それも大丈夫でした」

アニェーゼ「じゃあどこが悪いんですか?」

垣根「今のところは問題ないな」

553 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:07:33.72 ID:aRtkSCvw0
オルソラ「そして、レストランに向かって帰っていたのでございますよ」

上条「分かった!落としたんだろ!?」

オルソラ「いえいえ、ちゃんとレストランに持ち帰ったのでございますよ」

美琴「?」

オルソラ「あ、袋詰めは重いものを下にしましょうね」

垣根「あ、あぁ」

オルソラ「そうそう、レジは並んでいるときはめんどうなのでございますよ」

心理「そうね、それで寮に帰って?」

オルソラ「そして、調理をしたのですよ」

上条「あぁ」

オルソラ「そしたら、美味しかったのでございますよ」

心理「えぇ」

オルソラ「美味しかったのですよ」ニコニコ

554 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:10:47.07 ID:aRtkSCvw0
垣根「・・・そ、それで終わりか?」

オルソラ「はい」ニコニコ

垣根「ダメだ、心理定規以外で抱きたいって思ったのはお前が初めてだ」

オルソラ「まぁまぁ」ニコニコ

心理「じゃあ私が愚痴るわよ」

美琴「うん、いいわよ」

垣根「・・・マジかよ」

心理「垣根のことなんだけどね」

アニェーゼ「あぁ、もう分かっちまいました」

心理「女遊びが激しいのよ」

垣根「ちょっと待てよ、俺は別に浮気はしてないぜ?」

心理「それは分かってるの」

心理定規が溜め息をつく

なぜかかなり哀愁が漂っている


555 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:15:41.73 ID:aRtkSCvw0
心理「でもね、女の子と写真撮ったりお茶したりショッピングしたり」

垣根「い、いいだろ・・・キスもしてねぇし」

心理「いい?浮気を言ってるんじゃないのよ私は!」

ガン!とグラスをテーブルにたたきつける

中のお酒が少し飛び散る

心理「あのね、世の中の人はあなたを遊び人として見るでしょ?」

垣根「う・・・」

上条「そうだな・・・たしかにチャラく見えるかもな」

美琴「チャラいもんね」

アニェーゼ「そうですね」

オルソラ「私は垣根さんは優しいと思うのですよ」ニコニコ

垣根「だよなぁ!?」

心理「開き直ってんじゃないわよ!!」

556 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:17:56.29 ID:aRtkSCvw0
垣根「ひぃっ!?」

心理「あなたが素敵な人なんて分かってるわよ!!」


神裂「おや、なかなかのツン・・・ツン・・・?」

イン「ツンドラなんだよ」

ルチア「ツンドラ?」

イン「とっても冷たいことなんだよ」

アンジェレネ「そんなスラングがあるのですか・・・」

神裂(なにか違う気がします)


心理「いい!?私はあなたが好きよ!?」

垣根「は、はい!」

心理「でもね、世の中はあなたをチャラい男と認識するのよ?」

上条「そ、そうかもな」


557 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:20:18.97 ID:aRtkSCvw0
心理「・・・悔しいじゃない」

心理定規が苦い顔でワインを飲む

上条「く、悔しい?」

心理「垣根は素敵なのに・・・世の中は間違った認識をしているのよ?」

美琴「・・・惚気?」

心理「・・・悔しいのよ・・・」

心理定規が垣根を見つめる

垣根「こ、これからは女遊びも控えます」

心理「それでいいわよ」

美琴(・・・あれ、なんかよくわかんないけどいい雰囲気)

オルソラ「では・・・アニェーゼさんの愚痴をどうぞ」

アニェーゼ「仕方ないですね・・・」

アニェーゼが溜め息をつく


558 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:22:50.05 ID:aRtkSCvw0
アニェーゼ「シスタールチアが最近厳しいんですよ」

上条「ほ、本人があっちにいるんだけど!?」

アニェーゼ「いいんですよ・・・私は食べるのが好きです」

上条「ま、まぁ・・・」

アニェーゼ「昔は孤児でしたからね・・・それはあの二人も一緒です」

美琴「そうなんだ・・・」

アニェーゼ「でも、シスタールチアはそれを忘れちまってます」


ルチア「・・・」

アンジェレネ「シ、シスタールチア!気にしなくて大丈夫ですよ!」

イン「ご飯を食べないのはダメなんだよ」

神裂「遠慮してるだけですよ、食べてはいます」


シェリー「そうだな、あいつは私にもうるさく言ってくる」

アニェーゼ「それは間違ってると思うんです」

559 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:25:35.25 ID:aRtkSCvw0
上条「間違ってるのか?」

アニェーゼ「食事は、神が与えてくださった楽しみの一つです」

垣根「そうかぁ?」

アニェーゼ「それに、生きていくためには欠かせないことです」

美琴「うんうん」

アニェーゼ「楽しんでみてもいいんじゃないでしょうか」

シェリー「その通りだよな」

オルソラ「美味しいものを食べると幸せなのでございますよ」

アニェーゼ「・・・私は別に、シスタールチアを否定しているわけではありません」

美琴「・・・」

アニェーゼ「ただ・・・シスタールチアは、なんだか気を張っているようなんです」

心理「無理してるってこと?」

アニェーゼ「えぇ」


560 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:28:14.80 ID:aRtkSCvw0
上条「・・・気を張ってる、か」

アニェーゼ「・・・あまり無理をしないでほしいんですよ」

シェリー「同僚としてか?」

アニェーゼ「友達としてですよ」


ルチア「・・・うっ」グスン

アンジェレネ(あ、泣いてますね)

神裂(・・・感動しますね)

イン(おなか減ったんだよ)


上条「・・・いい愚痴だな、俺とは大違いだ」

美琴「じゃあ私でいいかな?」

オルソラ「えぇ、いいのでございますよ」

美琴「えっとね・・・私の趣味って知ってる?」

561 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:33:07.84 ID:aRtkSCvw0
上条「ファンシーグッズ集めだっけ?」

美琴「そう!それをね、黒子・・・ルームメイトがバカにするのよ!!」

オルソラ「おやおや、どのようなグッズでございますか?」

美琴「こういうの!」

美琴がニコニコしながらゲコ太ストラップを見せる

オルソラ「まぁまぁ、可愛いのでございますよ」ニコニコ

シェリー「・・・だっせぇ」

アニェーゼ「小学生までしか許せませんね」

美琴「そ、そんなことないわよね!?」

垣根「うーん・・・だせぇよ」

美琴「ださくないわよ!!」

垣根「ていとうこのほうが可愛いだろ」

垣根がていとうこストラップを取り出す

美琴「・・・」

562 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:36:34.40 ID:aRtkSCvw0
心理「・・・それもどうかと思うわよ?」

上条「なんで冷蔵庫に翼がついてるんだよ・・・」

アニェーゼ「気持ち悪い・・・」

シェリー「こ、これはアートだ!!」

オルソラ「まぁまぁ、可愛げがあるのでございますよ」

美琴「・・・」

垣根「俺の愚痴もついでだ・・・このグッズがなんか勝手に売られてるってことなんだよ」

心理「あら、勝手に売られてたの?」

垣根「本当に困るぜ・・・」

垣根がストラップを見つめる

ちなみに、キリッとした顔がついたのと2タイプあるらしい

垣根「はぁ・・・これのせいでさらに有名になっちまったんだよな・・・」


563 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:42:27.71 ID:aRtkSCvw0
垣根「・・・なんかモデルが俺だとか言ってさぁ・・・」

垣根が溜め息をつく

心理「あら、そうなの?」

垣根「・・・はぁ」

上条「・・・でもこれのモデルは・・・なぁ」

垣根「だろ?」

アニェーゼ「そうですよね」

シェリー「ダサイもんな」

オルソラ「・・・可愛いのでございますよ?」

美琴「・・・可愛い・・・」

上条「・・・ねぇよ」

イギリスの女子寮


まだまだ、愚痴は続く


564 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/11(日) 14:43:00.09 ID:aRtkSCvw0
これからバイトなのでたぶんここまで

では


オルソラと吹寄はなんか可愛い


565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/11(日) 15:38:59.54 ID:FnV3njmAO
乙です
ゲコ太ストラップくらいなら中高生が付けててもおかしくないと思うんだがな
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/11(日) 16:27:39.90 ID:SZ1DjQWAO
>>1

ゲコ太ストラップは良くても、ていとうこストラップは駄目だな
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 17:15:13.42 ID:IGqa5x+2o
ていとうこ欲しい
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/12(月) 05:19:32.83 ID:wUVvHiXL0
                             /`ヽ_
           |                     /<    \
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. : : : :/   / /  /   |    / |  ハ斗ヽ‐┼ ', |ヽヘ
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:/      |  | l  iイヽ :/j/|/    ィテ7ヾ}i|:.リ│}│   │
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         ヽ! |ヽ!\|{ハイ:::::}   ,  `ー" / / | __ _∧___
         ヽl| 小 トヘ. ゞ'´        'イ /j/     ̄ ̄∨ ̄
              |  {ハヘ     ' ’  /j/∨         |!
             ヽ. W゙ヽ{`ト  ..__ ,.ィ1/'´         |
             \{  ` \rト、__/`l           |
                   /{  r{ }ュ }〉ー-  ..__
                _,. イヽ!___厂ヽ__j′ ̄   `ヽ
               , - '´  ̄ ̄ \/   ∨          ',
            /                        l
            l                 , -─- 、/     !

569 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 10:53:21.27 ID:jwzBWOwW0
上条「じゃあ・・・最後はシェリーか」

上条がシェリーを見る

彼女の愚痴は一体なんなのだろうか

どうせ最近彫刻が上手く彫れない、とかではないのか

シェリー「・・・まぁ愚痴というか悩みだな」

心理「あら、悩み?」

美琴「なになに?」

女達は興味津々だ

シェリー「・・・バカにしないでほしいんだけどさ」

垣根「早くしろよ」

シェリー「・・・私さ」


シェリー「女として見られないだろ?」

上条「・・・はい?」

570 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 10:53:53.49 ID:jwzBWOwW0
アニェーゼ「女として?」

シェリー「・・・なんかさ、イギリス清教一番のイケメンとか言われるしさ」

オルソラ「まぁまぁ、シェリーさんはカッコイイのでごさいますよ」

ニコニコ、とオルソラが笑う

だがそれがシェリーの悩みなのだ

シェリー「・・・私は・・・一応女なんだよな」

上条「ま、まぁ・・・」

シェリー「なぁ、私は女としては見られないかな?」

垣根「うーん・・・そうだな」

垣根が腕を組みシェリーを観察する

素材自体は悪くはない

というよりもなかなかの逸材ではないか

垣根「・・・まぁパーツは整ってるかな」

美琴「うん、結構美人なはずよね」

571 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 10:54:22.63 ID:jwzBWOwW0
シェリー「・・・そうか?」

心理「でもなんか違うのよね」

心理定規がため息をつく

こういうことは彼女が一番詳しい

みんなが心理定規を見つめる

助けてくれよ、といった目で

心理「いい?まずあなたは髪を手入れしてないわよね?」

シェリー「・・・してないけどなんだ?」

心理「風呂で髪をシャンプーすればいいと思ってるでしょ」

シェリー「・・・そうじゃないのか?」

心理「ほら、だからこんなに髪が荒れてるのよ」

心理定規がシェリーの髪に触れる

普通ならサラサラ、と滑るのだろうがシェリーは違った

指にひっかかるというか、あまり柔らかさを感じないのだ

572 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 10:55:06.36 ID:jwzBWOwW0
心理「・・・いい?もったいないわよ、そんなに綺麗な色の髪なのに」

シェリー「・・・でもどうやって手入れするか知らないからな」

シェリーが呆れたように言う

垣根「はぁ?トリートメントもしないのかよ」

シェリー「トリートメントってなんだ?」

垣根「・・・リンスは?」

シェリー「髪がスベスベするから嫌だ」

垣根「・・・うわぁ」

垣根が少しシェリーから距離を置く

垣根「オルソラは髪も綺麗だなぁ」

オルソラ「まぁまぁ、そんなに触られると照れるのでごさいますよ」

心理「垣根、やめなさい」

垣根「いいか、シェリー」

573 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 10:55:40.32 ID:jwzBWOwW0
シェリー「なんだよ」

垣根「オルソラを見ろ、髪が柔らかいだけで雰囲気も柔らかいだろ?」

垣根がオルソラを指差す

サラサラとしていて光沢もある金髪

とても手入れに気を遣っているのだろう

シェリー「・・・オルソラは可愛いからだろ」

垣根「いいか?お前は素材としては悪くないんだよ」

シェリー「知るかよ・・・今更可愛い女になるなんて無理さ」

上条「・・・でもシェリーは今のままでいいんじゃないか?」

シェリー「今のまま?」

美琴「うん、ワイルドでカッコイイから素敵だと思うわよ?」

アニェーゼ「別に男っぽい女でも悪いとは思いませんね」

シェリー「・・・そういうもんか?」

574 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 10:56:15.29 ID:jwzBWOwW0
心理「相談したくなったらこれに電話してちょうだい」

シェリー「・・・相談かぁ」

心理「私は女の子をオシャレさせるのが好きなのよ」

心理定規が黒い笑いを浮かべる

上条「・・・心理さんってさ・・・やっぱりそっちの道の人じゃないのか?」

心理「言っておくけどそういう趣味はないわよ?」

垣根「おい、俺の心理定規を悪く言うんじゃねぇよ」

美琴「・・・でも、前に私・・・」

上条「?どうした、美琴?」

美琴「・・・胸揉まれたことあるわよ」

アニェーゼ「はい?心理定規さんにですか?」

美琴「うん」

上条「・・・心理さん・・・」

575 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 10:56:57.57 ID:jwzBWOwW0
心理「あれは媚薬を飲ませられてたのよ」

垣根「・・・心理定規は俺の女だからな」

心理「あら何?美琴にヤキモチかしら」

垣根「うっせぇな」

垣根がワインをがぶ飲みする

上条「そ、そんなに飲んで大丈夫か?」

垣根「問題ねぇよ・・・オルソラ、飲むか?」

オルソラ「まぁまぁ、ありがとうなのですよ」

美琴「・・・垣根、浮気はダメだと思うわよ?」

心理「あら、彼は別に浮気なんかするつもりはないわよ」

垣根「そうだそうだ、心理定規は分かってるなぁ」

アニェーゼ「でも垣根はモテそうですね」

垣根「モテる・・・かぁ」

576 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 10:58:24.37 ID:jwzBWOwW0
シェリー「お前は顔はいいからな」

垣根「ちょっと待て、中身は?」

シェリー「悪くはないが良くもない」

垣根「ちっ・・・まぁいいや・・・モテるといえばモテるかな」

垣根がつまらなそうにつぶやく

美琴「でもさ、あんまりほかの女の子といるところは見たことないわね?」

垣根「いつも心理定規といるからな・・・俺はそれが一番幸せなんだよ」

オルソラ「・・・幸せなのでございますね」

ニコニコ、とオルソラが微笑む

美琴「なんだかんだ一途よね・・・垣根は」

上条「そうだよな・・・二人って俺達と同じくらいベタベタしてないか?」

心理「・・・なんか悪い?」

美琴「ううん、仲良さそうでうらやましいわよ」

美琴がジュースを口にする

この中で上条と美琴だけが酒を飲んでいない

そこで真面目か否かの差が出るのだ


577 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 10:58:54.66 ID:jwzBWOwW0
神裂「・・・楽しそうですね」

イン「ちっ!とうまとみことはイチャイチャイチャイチャ!」

ルチア「・・・イギリス清教の女子寮で堂々と色恋沙汰ですか」

アンジェレネ「・・・シスタールチア、怒っちゃダメですよ」

ルチア「・・・シスターアニェーゼは酒を飲んでますし・・・」

神裂「たしかに情けなくも思えますね・・・」

イン「し、仕方ないんだよおかわり!」

神裂「・・・おかわりをついでに言うんですか」

イン「じゃあおかわり!仕方ないんだよ!」

神裂「それも何か間違ってますよ・・・」


上条「・・・垣根は悩みとかないのか?」

垣根「悩みかぁ・・・たくさんあるけどな」

美琴「え、垣根って悩みあるの?」

578 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:01:02.50 ID:jwzBWOwW0
心理「あら、あなたの悩みなんて聞いたことないわよ?」

垣根「・・・いろいろあるけど大抵小さい悩みだからな」

上条「あぁ・・・そういう悩みか」

オルソラ「例えばどのような悩みなのでございますか?」

垣根「・・・最近さ、すね毛が濃くなってんだよ」

心理「・・・あなたの歳なら普通でしょ」

垣根「ちっ・・・じゃあ別の悩み」

美琴「うん、なに?」

垣根「心理定規が可愛すぎる」

心理「・・・バカじゃないのあなた」

上条「あ、心理さん真っ赤」

心理「・・・赤くないわよ」

オルソラ「ほかに悩みはないのでございますか?」

垣根「悩みかぁ・・・まぁ真面目な悩みなんて言っても面白くないだろ?」

579 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:01:38.71 ID:jwzBWOwW0
上条「真面目な悩み?」

垣根「・・・なんでもないさ、上条はないのか?」

上条「・・・一つあるんだよ」

上条が真剣な顔つきになる

これは本当に真面目そうな悩みだ

美琴「・・・どんな悩み?」

上条「・・・就職も進学も出来なそうなんですよ、このままじゃ」

美琴「そ、それホントなの!?」

上条「・・・このままじゃさ・・・留年しそうなんだよ」

オルソラ「・・・上条さんは勉強が苦手なのでございますか?」

上条「苦手なんてもんじゃないんだよ・・・」

アニェーゼ「バカなんですか?」

心理「あら、ヒモになればいいんじゃない?」

上条「なんでヒモにならなきゃいけないんだよ!?」

580 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:02:46.52 ID:jwzBWOwW0

垣根「上条は能力もそこまで応用はできないだろうからな」

ワインを飲みながら垣根が苦笑する

美琴「・・・当麻、他に得意なことはないの?」

上条「・・・勉強苦手、体育最悪、そんな俺に何がある?」

垣根「お笑いがある」

心理「ふざけてられるなら大丈夫よ」

上条「いやいやマジでヤバいんだってば!」

上条が立ち上がる

気のせいか、冷や汗が浮かんでいる

美琴「・・・当麻、勉強頑張らないとね?」

上条「あぁ・・・補習も頑張らなきゃな」

心理「・・・上条君、美琴に勉強教えてもらわないの?」

上条「教えてもらうけどさ・・・いっつもなんか知らないうちに・・・」

581 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:03:16.69 ID:jwzBWOwW0
垣根「オルソラ、聞いたらいけません」

オルソラ「あらあら、そんなに触れられたら恥ずかしいのでございますよ」

心理「垣根、酔ってるのは分かるけどやめなさい」

垣根「ちっ・・・じゃあ俺が勉強教えてやろうか?」

上条「垣根にかぁ・・・なんか想像出来ないな」

垣根「そうか?俺ってわりと勉強はできるんだぜ?」

シェリー「そりゃ学園都市の二番目なんだからな」

アニェーゼ「もう就職とか余裕なんじゃないですか?」

垣根「あぁ、わりと余裕かもな」

上条「・・・うらやましいな」

オルソラ「上条さんはフリーの傭兵なんかはいかがなのでございますか?」

上条「なんでだよ・・・いいか?俺は守るために右手を使うんであって傷つけるために使いたいんじゃないんだよ」

オルソラ「まぁまぁ、素敵なのでございますよ」

垣根「・・・なぁ、俺は?」

582 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:04:09.67 ID:jwzBWOwW0
オルソラ「もっと素敵なのでございますよ」

垣根「はい上条!残念でしたぁ!」

上条「あぁ!今はそういう話じゃないんだよ!」

シェリー「学園都市にはどんな企業があるんだ?」

上条「・・・大抵は研究員になるのかな、たしか」

美琴「一番はそれよね・・・二番は教育系かしら」

心理「次は飲食かしらね」

垣根「・・・学園都市はほとんど学生ばっかだからな」

上条「そうだよな・・・正社員なんてあんまりないよな」

シェリー「あれは?警備員とかいうのは」

美琴「あ、知らないんだ・・・警備員とか風紀委員はボランティアなのよ」

シェリー「ボランティアなのか、あれ?」

心理「意外よね・・・あんな危険な仕事なのに」

583 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:04:48.52 ID:jwzBWOwW0
シェリー「・・・昔は世話になったな」

垣根「あぁ、たしかお前は学園都市に殴り込みに来たんだっけか」

シェリー「知ってるのか?」

垣根「まぁな」

垣根が頬杖をつく

彼は昔学園都市の暗部にいたのだ

そういう、厄介な事件なんかの情報には詳しかった

シェリー「・・・なんで知ってるんだ?」

垣根「・・・ニュースで聞いたんだよ」

シェリー「そんなことになってたのか?」

上条「まぁ・・・警備員とか総出だったからな」

美琴「今思えば、魔術側が本格的に科学側にケンカを売ってきたのはあれが初めてだったのよね」

シェリー「そうだったな」

584 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:05:38.47 ID:jwzBWOwW0
心理「・・・いろいろあったんでしょ、深くは追求しないわよ」

シェリー「・・・そうだな」

美琴「・・・いろいろ、かぁ」

全員がそれぞれ、自分の過去を思い出す

美琴「・・・」

上条「・・・美琴はいろいろあったよな」

美琴「うん・・・でも当麻と付き合えたからなんでもいいのよ」

垣根「うわぁ、なんていう惚気」

心理「でもその気持ちも分かるわね」

シェリー「・・・恋人か」

オルソラ「私はあまりそういうことはわからないのでございますが・・・やはり、大切な人がいると強くなれるのでございましょうね」

垣根「なんなら俺が教えてやろうか?愛ってやつを」

垣根がオルソラの肩に手を回す

彼みたいなイケメンにそういうことをされているのだ

いくらのんびりオルソラでも少しは緊張してしまう

585 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:06:07.24 ID:jwzBWOwW0
垣根「どうだ?教えてやろうか?」

オルソラ「心理定規さんが怒っているのでございますよ?」

心理「・・・垣根、それだけはやめてちょうだい」

垣根「分かってるって、お前を裏切るわけないだろ?」

心理「・・・ありがと」

上条「・・・アニェーゼは好きな人とかいないのか?」

アニェーゼ「あなたですよ」

上条「はい?」

アニェーゼ「忘れたりはしないですよ、あなたに全裸を見られたあの日を」

美琴「・・・ねぇ、それを詳しく話してくれないかしら」

上条「いや・・・あれは事故だっただろ?」

上条が肩を落とす

アニェーゼ「でもあなたは大抵の女には見向きもしませんでしたね」

上条「・・・美琴を好きになってからはなおさらな」

586 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:06:56.91 ID:jwzBWOwW0
美琴「そ、そうなの?」

上条「・・・だからさ、俺はアニェーゼの気持ちには・・・」

アニェーゼ「あれ?マジにしちまったんですか、冗談だったのに」

上条「」

垣根「お前、なかなかいいヤツだな」

アニェーゼ「おや、気に入られましたね」

垣根「でもやっぱりこの面子の中では断トツビリだけどな」

アニェーゼ「なんでなんですか!」

垣根「子供だからだよ・・・心理定規」

心理「あら、何よ?」

垣根「お前は可愛いな」

心理「あなたは優しいわよ」

垣根「いいか、こういうやり取りが出来るのが大人なんだよ」

アニェーゼ「ちっ・・・なんなんですか」

上条「ほ、ほら!二人とも落ち着いて!」
587 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:07:28.57 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・そういや、オルソラは悩みは?」

オルソラ「あらあら、悲しいことを考えながら生きるのは楽しくないのでございますよ」

ニコニコと笑いながらオルソラが答える

だがそれは強い人間である証だ

オルソラ「世界の汚れた部分だけを見ていては心は潰れてしまうのでございます」

美琴「・・・綺麗なところばかり見ているわけにもいかないけどね」

オルソラ「それでも、世界には綺麗なところもあるのです」

垣根「・・・ったくよ、宗教的な考えだな」

垣根が鼻で笑う

垣根「結局は神の教えを守っていれば幸せになれるってことだ」

上条「・・・全然違わないか?」

垣根「ちげぇよ、何か他人任せだってことだ」

美琴「他人任せかな?自分が観察の仕方を変えるのよ?」

垣根「だとしてもそれは世界が変わっただけじゃないんだよ」

588 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:08:40.63 ID:jwzBWOwW0
心理「自分が変わっただけで満足するのは愚かなことよ?」

オルソラ「ですけれど、まず自分を変えられなければ周りの世界も変わらないのでございますよ」

オルソラが微笑みながら答える

どこか、母親のような笑みだった

垣根「そうだな・・・それは俺も実感してる」

心理「あなたは変えたんだものね」

垣根「あぁ」

シェリー「・・・つまんない話になったな」

上条「真面目でいい話じゃないか

垣根「ま、酒の見ながら話す内容じゃないか」

垣根が苦笑する

美琴「じゃあさ、明るい話題にしない?」

アニェーゼ「どんな話題ですか?」

上条「じゃあ・・・みんなの趣味とか話さないか?」

心理「趣味・・・ね」


589 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:11:33.97 ID:jwzBWOwW0
垣根「上条って趣味はあるのか?」

上条「セールに並ぶことかな」

垣根「・・・」

美琴「当麻・・・それはないわよ」

上条「ウソ!?安いもの買うのって楽しいよな!?」

オルソラ「まぁまぁ・・・その気持ちは分かるのでございますよ」

上条「だよなぁ!?」

シェリー「ふん、世界の救世主がそれか」

アニェーゼ「全く、笑っちまいますよ」

上条「いいだろこちとら貧乏なんだから!!」

垣根「貧乏ねぇ・・・まぁ悪くはないけどさ」

美琴「・・・じゃあ私の趣味はね・・・」

垣根「ファンシーグッズ集めだろ?」

美琴「そ、それもあるけどさ!」

心理「他に何かあるの?」

590 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:16:59.32 ID:jwzBWOwW0
美琴「最近ね・・・動物を見るのにはまってるのよ」

上条「?動物園とか行ってるっけ?」

美琴「そうじゃなくて、ペットショップとかよ」

心理「あぁ・・・犬とかが好きなのね」

オルソラ「動物は可愛いのでございますよ」ニコニコ

美琴「そうそう!!私って電磁波が出てるからあんまり近づけないんだけどさ・・・」

美琴が肩を落とす

普通の野良猫なら、電磁波からも逃げることが出来る

だがゲージに入れられているペットショップの動物達は別だ

彼らは逃げることができないため、自然と美琴が近づけないことになってしまう

上条「じゃあ俺と行けばいけばいいのにさ」

美琴「で、でもなんか恥ずかしいじゃない・・・」

上条「動物好きな美琴さんも好きですよ?」

美琴「//」

591 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:20:50.57 ID:jwzBWOwW0
オルソラ「・・・仲がよろしくてうらやましいのでございますよ」

垣根「まったく、人前で見せ付けてくれるよな」

心理「私達も見せ付けない?」

垣根「そういうのは趣味じゃねぇんだよ・・・」

シェリー「さっきからイチャイチャしてるくせに」

アニェーゼ「垣根は大人な女性が好みなんですもんね」

垣根「お前はダメだな」

アニェーゼ「あぁ!?それにしたって私がシスターアンジェレネより下ってのはないでしょうが!」



アンジェレネ「ひぃっ!?」

ルチア「落ち着きなさい、シスターアンジェレネ」

神裂「・・・大人な女性は男性に好かれるものなのでしょうか?」

うーん、と神裂が唸る

イン「でも世の中には子供っぽい女の子が好きな人もいるんだよ」

神裂「そういうものですか・・・難しいですね」

イン「うん、そうなんだよ」

592 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:26:23.69 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・俺の趣味は、女を見定めることだ」

心理「悪趣味ね」

垣根「そうすれば、自然と人間の内面を見分けられるようになる」

美琴「そうかな?」

上条「ただの誑しだろ?」

垣根「違うんだよ・・・女ってのは着飾る生き物だろ?」

シェリー「いや」

垣根「お前は特殊だがな・・・まぁ、大抵はそうだろ?」

アニェーゼ「そうですね、本音をあまり言わないですし」

垣根「そんな女の本質を見定められるようになってみろよ」

上条「・・・大抵の人間のことは見分けられるようになるな」

垣根「だろ!?」

上条「・・・でもさ、垣根は女大好きみたいなイメージだぞ?」

垣根「そうかぁ?」

593 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:29:46.45 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・今もオルソラの肩に手回してるし」

垣根「オルソラはいやか?」

オルソラ「嬉しいのでございますよ」ニコニコ

垣根「可愛いなぁ、オルソラは」

心理「・・・はぁ」

垣根「心理定規にはいちいち言わなくても分かってるだろ?」

心理「言ってほしいときもあるのよ」

垣根「お前は一番可愛いよ」

心理「ありがとう」

シェリー「ほれみろ、イチャイチャしてやがる」

アニェーゼ「私達への見せしめですか」

美琴「まぁまぁ・・・で、心理定規の趣味は?」

心理「いろいろあるわよ?」

上条「たとえば?」

心理「ピアノ、アノマキャンドル、バイオリン、活花・・・」

上条「は?活花?」

594 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:34:00.34 ID:jwzBWOwW0
上条「い、活花ってあれだよな?」

心理「あれよ」

上条「庭でカポーン、カポーンって竹鳴らしながらやるあれだよな?」

心理「そのイメージは違うけどね」

美琴「着物とか着てやるの?」

心理「まさか」

上条「・・・私服で?」

心理「えぇ、だってめんどくさいじゃない」

上条「・・・心理さん、そこは着物の心理さんが静かにやっている絵がよかったな・・・」

垣根「バカか、どんな格好でもいいじゃねぇか」

シェリー「でもさ、芸術派あるべき姿があるんだぞ?」

オルソラ「そういえばシェリーさんは彫刻が趣味でございましたね」

シェリー「あぁ」

595 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:36:25.73 ID:jwzBWOwW0
垣根「彫刻ねぇ・・・難しくないか?」

シェリー「誰だって最初はそうだ」

シェリーが彫刻刀を取り出す

少し触れただけで指が裂けるのでは、というほどの鋭さだ

シェリー「いいか、これと体が別々だと考えるから良くないんだ」

美琴「?彫刻刀と体が同じって考えるの?」

シェリー「そうだ、これは指だと思うんだよ」

シェリーが木片を手に取る

シェリー「道具で彫るんじゃない、自分の体で彫っていくんだ」

上条「なるほど・・・」

話しながら、シェリーはどんどん彫っていく

出来上がったのはゲコ太だった

美琴「す、すごい!!」

垣根「5分もかかってねぇぞ・・・」

596 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:38:42.50 ID:jwzBWOwW0
シェリー「ほれ、やるよ」

美琴「いいの!?」

シェリー「私はそのカエルは興味ないからな」

美琴「ありがとう!」

上条「・・・なんか、俺の趣味と全然違うな」

シェリー「お前のは趣味ではなく生活の一部だろ?」

上条「・・・趣味はあくまで趣味、か」

シェリー「趣味が生活の一部になるのはいいことだ、でもそれが当たり前になると辛いだろ?」

心理「そうね、なんとなくではなくてやりたいときにやるべきだもの」

シェリー「・・・そういうことだ」

オルソラ「私の趣味は料理でございますね」

アニェーゼ「これまた家庭的な」

上条「お菓子とか作るのか?」

オルソラ「もちろんでございますよ」

597 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:41:11.24 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・いいなぁ、オルソラお手製のお菓子」

心理「料理も上手だし、お菓子も美味しく作れるの?」

シェリー「こいつの菓子はすごいぞ、美味しいなんてもんじゃない」

アニェーゼ「食べるだけで元気が出るんですよ」

上条「そりゃすごいな・・・」

オルソラ「そんなことないのでございますよ」ニコニコ

美琴「お菓子かぁ・・・」

上条「・・・美琴はバレンタインにはチョコくれるもんな」

美琴「そ、そりゃ・・・ね」

心理「・・・私はお菓子はあんまり作らないわね」

垣根「めんどくさいからな」

心理「オルソラさんがうらやましいわ」

オルソラ「まぁまぁ、私は心理定規さんがうらやましいのでございますよ」

心理「?どうしてかしら」

598 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:43:19.87 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・俺と付き合ってるからか?」

オルソラ「そういうことでございますよ」ニコニコ

垣根「・・・大人だなぁ、お前は」

美琴「・・・垣根、それ以上やると心理定規に悪いわよ?」

心理「大丈夫よ、これくらいは」

垣根「ほれ、心理定規も大人だ」

上条「甘えたらダメだろ・・・」

垣根「そうだ、アニェーゼの趣味は?」

アニェーゼ「人を困らせることです」

垣根「・・・はぁ?」

アニェーゼ「いじめたり縛ったり」

上条「ちょっと待て!」

上条が手をブンブン、と振る

アニェーゼ「なんですか」

599 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:45:50.38 ID:jwzBWOwW0
上条「おかしいだろ、シスターの趣味じゃないぞ!?」

心理「なるほどね・・・」

上条「納得したらダメだから!!」

心理「でも見た目はそんな感じじゃない?」

心理定規がアニェーゼを指差す

垣根「まぁ、Sっぽい見た目だな」

オルソラ「まぁまぁ、アニェーゼさんはとっても優しいのでございますよ」

アニェーゼ「な、なに言ってるんですか!私は昔・・・」

オルソラ「今はとても優しいのでございますよ」ニコニコ

アニェーゼ「あ、う・・・」

美琴(・・・Sの特徴は打たれ弱いことね)

上条(デフォだな)

垣根(オルソラすげぇ)

600 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:48:33.82 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・シェリーってさ、いくつなんだ?」

シェリー「なんでそんなこと聞くんだ」

垣根「わかんないから」

シェリー「・・・内緒だ」

垣根「・・・もしかしていい年か?」

シェリー「・・・」

垣根「・・・」

オルソラ「でもシェリーさんは優しいので大丈夫でございますよ」

美琴「そうそう、なんかサバサバしてて良さそうだもん」

シェリー「はぁ・・・結局は男っぽいんだよな」

心理「あら、でも素敵なことじゃない」

上条「ボーイッシュってやつだろ、美琴もそうだし」

シェリー「・・・違うだろ」

垣根「女は難しいな」

シェリーがワインをぐい、っと飲む

まだまだ座談会は続く

601 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 11:49:04.95 ID:jwzBWOwW0
いったん休憩


バイト先に寿司食いに行こうか検討中・・・

寿司って美味いよね
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/12(月) 11:55:56.32 ID:7Lpbl3IP0
心理タソの着物姿…ゴクリ
603 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 14:56:45.08 ID:jwzBWOwW0

上条「・・・もうそろそろホテルに帰らないとな」

垣根「・・・あぁそうそう」

垣根が持ってきたバッグをガサゴソと漁る

美琴「?何してるの?」

垣根「あったあった」

垣根が中から取り出したのは

たくさんの小さなストラップだった

オルソラ「まぁ、可愛いのでございますよ」

垣根「ほい、オルソラ」

オルソラ「?」

ストラップの一つをオルソラへ差し出す

垣根「クリスマスプレゼントだよ、まぁ急に用意したからこんなのだったけどな」

オルソラ「・・・私にでございますか?」

垣根「おうよ、他のヤツにもあるぜ」

604 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 14:59:52.84 ID:jwzBWOwW0
アニェーゼ「ほ、ホントですか!?」

垣根「えっと・・・待っててな、これはルチアだ」

ルチア「・・・私ですか?」

垣根「あぁ、オルソラは犬、お前は猫・・・」

ルチア「・・・猫みたいな顔だと言いたいのですか?」

垣根「まぁまぁ・・・で、これはアンジェレネ」

アンジェレネ「わわわ!!キリンさんですね!」

垣根「なんとなくキリンが浮かんでな・・・で、これはシェリーだ」

シェリー「・・・ライオン・・・」

垣根「いいだろ?似合ってるし」

シェリー「・・・まぁ悪くはないか」

垣根「ほい、これは神裂」

神裂「・・・龍ですか」

垣根「お前ってそれが似合いそうだろ」

神裂「・・・ありがとうございます、ちょっと複雑ですが」

垣根「インデックスはこれな」

イン「?この紙ってなに?」


605 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:03:20.50 ID:jwzBWOwW0
垣根「紙ってな・・・これは無料食事券だ」

イン「!?食事券!?」

垣根「おうよ・・・まぁ一回限りだけどな、学園都市で使えるやつだ、二人で使えるぞ」

イン「垣根は太っ腹なんだよ!!!」

上条「・・・悪いな、垣根」

垣根「お前は金がないから無理だろ」

上条「うっ・・・」

垣根「心理定規には・・・まぁ学園都市に帰ってからいろいろやってやるからさ」

心理「あら嬉しい」

垣根「上条と御坂はこれな」

上条「え、俺たちもあるのか?」

垣根「はい、遊園地のフリーパス」

美琴「フリーパス・・・一年分!?」

垣根「それあれば一年は無料で行けるぞ」

上条「い、いいのか!?」

垣根「金が有り余ってるからな」

垣根が胸を張る


606 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:07:08.69 ID:jwzBWOwW0
アニェーゼ「・・・あの、私には?」

垣根「あ?ねぇよ」

アニェーゼ「・・・」

アニェーゼが涙目になる

垣根「あぁ待て待て!!冗談だってば!」

アニェーゼ「て、てっきり仲間はずれにされたかと・・・」グスン

垣根「ほれよ」

垣根がアニェーゼに無料食事券を渡す

イギリスで使えるものらしい

アニェーゼ「・・・あの、3人用・・・ってなんでですか?」

垣根「アンジェレネとルチアも入れたら3人だろ?」

ルチア「わ、私は食事など・・・」

垣根「はいはい、一回きりの食事券だぜ?お前ら昔から一緒だったんだろ?」

アンジェレネ「い、いいんですか?」

垣根「俺はメルヘンだからな、友情も取り持つのさ」


607 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:09:49.43 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・ありがとな、垣根」

美琴「ありがと」

垣根「別にお前らのためじゃないさ、金があるんで使いたかったんだよ」

オルソラ「まぁまぁ、このストラップはちょうど私の携帯にいいのでございますよ」ニコニコ

垣根「オルソラはほのぼのするなぁ・・・」

シェリー「・・・なんでライオン・・・」

垣根「文句言うなよ、世論だ」

シェリー「・・・マジか」

垣根「さて・・・今日はクリスマスか」

垣根が一口ワインを飲む

クリスマスといえば、イエス・キリストの誕生日だと言われている

垣根「・・・まぁ実際は確証なんてないんだけどな」

上条「?何が?」

垣根「独り言だ」


608 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:12:22.97 ID:jwzBWOwW0
美琴「ねぇ、インデックス」

イン「うん、なに?」

美琴「ステイルとはあの後どう?」

イン「かおりと三人で出かけたりご飯食べたりしたんだよ!!」

上条「・・・ご飯?」

上条が哀れな目で神裂を見つめる

神裂「・・・いろいろありました」

上条「なんていうか・・・ご愁傷様」

神裂「・・・ステイルとの間は進展しているようですよ」

美琴「え、そうなの?」

ニヤニヤと美琴が笑う

イン「?進展ってなに?」

上条「ほら・・・こう、ステイルから何か言われなかったか?」

イン「うーん・・・」


609 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:15:53.57 ID:jwzBWOwW0
上条「な、なんか言われなかったのか?」

イン「あ!!」

美琴「なになに!?」

イン「君は昔と変わらないね、って言われたんだよ!」

垣根「・・・なぁ、ステイルってヤツはインポなのか?」

オルソラ「そんな言葉を言ってはいけないのでございますよ//」

垣根(初心だ、可愛い)

上条「・・・あいつちょっとそげぶしたい」

美琴「・・・なんなの、あのバカ」

心理「はぁ・・・ま、勇気はなさそうな顔だったけどね」

イン「?僕は君を守る、とも言われたんだよ」

垣根「・・・」

上条「み、見直したぞステイル!!」

美琴「で!?アンタはなんて返したのよ!?」

610 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:19:04.23 ID:jwzBWOwW0
イン「ありがとう、って」

垣根「・・・それだけか?」

イン「うん!!」

美琴「・・・アンタも鈍感よね」

イン「?」

上条「・・・インデックス、ステイルの勇気を踏みにじったな」

美琴「まぁ・・・ストレートに言わなかったのも悪いけどね」

神裂「・・・インデックス、ステイルをよろしくお願いします」

イン「?」

美琴「はぁ・・・でも、なんだかほほえましいわよね」

垣根「二人の恋の経過を辿ってるからな・・・」

イン「恋?」

上条「鈍感だな・・・」


611 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:22:01.93 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・なぁ、シスターって結婚はできないんだよな?」

上条「え、そうなのか?」

イン「うん、そうなんだよ」

美琴「そ、それって・・・どうするの?」

イン「?」

ルチア「そんなこと決まっています、神に身をささげた者は一生神に仕えるのですから・・・」

アニェーゼ「まぁぶっちゃけ、中には結婚してるシスターもいるみたいですけど」

神裂「見つかったら追求されてしまいますけどね」

上条「厳しいな・・・」

シェリー「そんなものさ、宗教は」

シェリーが興味なさそうに彫刻を削っていく

垣根「・・・お前はそこまで敬虔じゃなさそうだな」

シェリー「・・・」


612 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:25:42.95 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・それのほうがいいぜ、宗教なんて適当にやってたほうがいいさ」

心理「あら、あなたは無神論者でしょ」

垣根「そうだけどさ」

美琴「学園都市にいたら自然とそうなるわよね」

上条「・・・そうだな」

イン「神様はいるんだよ!」

上条「そんなことわかんないだろ?」

ルチア「はぁ・・・今から教えを説いて・・・」

垣根「俺が知りたいのは神様ってのがいるかどうかだ、お前らの意見じゃないぜ」

アニェーゼ「まぁ、どうせいつか最後の審判で地獄に落ちちまいますよ」

垣根「無料食事券」

アニェーゼ「垣根は絶対に天国に行けますね!」

垣根「神なんてそんなもんだ」


613 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:28:45.93 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・そうだ、こんな話してる場合じゃねぇや」

心理「まだ何かあるの?」

垣根「酒がまだたくさんあるんだよ」

オルソラ「ならまだまだ飲むのでございますよ」

上条「笑顔で言うことじゃないぞ・・・」

アニェーゼ「ったく、困ったシスターですね」

美琴「・・・私は飲まないからね」

垣根「ガキにゃきついもんな」

美琴「ガ・・・い、いいわよ!!飲んであげる!!」

イン「みこと、挑発に乗ったらダメなんだよ!」

上条「そうだぞ!!」

イン「ダメなんだよ、みこと!」

美琴「私は飲むわよ!」

垣根「いいぜ、飲め飲め!」

心理「はぁ・・・」

614 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:32:44.37 ID:jwzBWOwW0

上条「・・・美琴」

美琴「ねぇねぇ、当麻もどーう?」ニコニコ

上条「ほ、ほら・・・俺たち未成年・・・」

美琴「・・・ダメなの?」ウルウル

上条「ちょ、ちょっとだけ」

美琴「やったぁ!」


垣根「心理定規、オルソラ・・・かんぱーい!」

心理「乾杯」

オルソラ「乾杯なのでございますよ」ニコニコ


アニェーゼ「ちっ、酔ったら負けですね」

ルチア「飲んだ時点で負けですよ・・・」

アンジェレネ「・・・そうですよ・・・」

神裂「・・・私も飲みましょうかね」

イン「かおりも飲むの?」

神裂「少しだけ」

615 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:36:23.05 ID:jwzBWOwW0
美琴「あなた、まだ飲む?」ニコニコ

上条「あ、ああああああなた!?」

美琴「なぁに?」キョトン

上条(幸せだぁ!!)


垣根「ワインってさぁ、美味いよな・・・」

オルソラ「最高なのでございますよ」ニコニコ

心理「・・・垣根、あなたと飲むワインは最高よ」

垣根「心理定規といるならなんでも最高なんだよ」

神裂「ちくしょうが・・・リア充が・・・」


イン「かおり酔ってるんだよ」

アニェーゼ「シスターアンジェレネも飲みますか?」

アンジェレネ「ダ、ダメですよ!」

ルチア「・・・シスターアニェーゼ・・・」ハァ


616 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:39:36.98 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・美味いなしかし」

心理「そうね」

垣根「怒るでしかし!!」

心理「・・・懐かしいネタはやめなさい」

垣根「日本一の漫才師言わせてもらうけどなぁ!!」

オルソラ「まぁまぁ、垣根さんは日本一の漫才師なのでございますか?」

心理「・・・違うわよ」

垣根「うへへ!!オルソラ、ちょっとくらい触ってもいいかなぁ?」

心理「おいこら」


上条「・・・美琴さん、もう少しペースを落として・・・」

美琴「なに?私の酒が飲めないの?」

上条「いやいや!!」

美琴「じゃあ飲んで?」ニコニコ

上条(こ、これは・・・)


617 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:41:43.28 ID:jwzBWOwW0

神裂「インデックス・・・あなたも呑みますよね?」

イン「の、飲まないんだよ・・・」

神裂「美味しいですよ?」

ルチア「よ、酔ってるので相手をしないでください」

イン「え、あ・・・」

神裂「ルチアのボケは黙ってろよぉ・・・」

ルチア「ボ・・・」

アニェーゼ「酔ってるんだから相手にしたらダメですよ」

ルチア「え、えぇ」

神裂「あぁ?アニェーゼのペチャパイは何言ってんだよ?」

アニェーゼ「ペチャパイだぁ!?」

ルチア「アンタが相手にしてるじゃないですか!!!!」

アンジェレネ(なんてベタな流れなんでしょうか・・・)

618 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:44:30.84 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・美琴、もうダメだ・・・」

美琴「当麻、もうダウン?」

上条「こんなに飲んだんだぞ・・・?」

上条が周りに転がっているワインのボトルを指差す

軽く3本は飲んでしまった

頭がクラクラとする

別に上条はとても弱いというわけではない

ただ、大して強いわけでもないのだ

上条「うえ・・・吐きそう・・・」

美琴「当麻ぁ、まだ飲むでしょぉ?」

上条「・・・も、もう勘弁・・・」

美琴「・・・」ジワッ

上条「な、泣かないで!!」

美琴「・・・飲むでしょ?」ウルウル

上条「」キュン


上条「の、飲みましょう」

美琴(ニヤリ)


619 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:47:55.51 ID:jwzBWOwW0
垣根「オルソラ・・・心理定規・・・心理定規・・・」

心理「・・・ダメね、もうのびてるわ」

オルソラ「まぁまぁ、もう夜も遅いですし帰られたほうがいいのでは?」

心理「そうね・・・」

美琴「えー、もう帰っちゃうのー?」

上条「・・・おえ・・・」

神裂「リア充はさっさと帰れよ・・・」ヒック

イン「お酒って美味しいんだよ!!」

心理「はぁ・・・私が責任をもって連れてかえるから」

オルソラ「では、またでございますね」

シェリー「気をつけてな」

心理「えぇ」

垣根「帰るのか?」

心理「あなたが能力使ってくれないと」

垣根「仕方ないな・・・」

垣根がフラフラと立ち上がる

620 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:51:28.67 ID:jwzBWOwW0
垣根「羽ばたけ俺の!!」

垣根「ダークマター!!!!!!!!!!」

垣根の背中から翼が生える

アンジェレネ「わわわ!!なんだかすごいです!!」

ルチア「て、天使・・・ですか?」

垣根「んなんじゃねぇよ・・・おえ・・・」

オルソラ「垣根さん、がんばるのでございますよ!」

垣根「やってやんよぉぉぉ!!!」

垣根が三人を抱える

うち二人はもはやベロンベロンだ

シェリー「・・・はは、こんなのは科学じゃないな」

垣根「じゃあな・・・おえ・・・」

ヨロヨロとしながらも垣根が飛んでいく

女子寮に、やっと静寂が


神裂「おらおらお前らもっと飲め!!」

イン「おー!!!!」


戻らなかった

621 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:54:03.93 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・あぁ・・・フラフラするぜ・・・」

心理「ねぇ、落ちないでよね?」

垣根「うるせぇ・・・分かってるから・・・」

心理「・・・この高さから落ちたらシャレにならないわよ?」

垣根「うるせぇ!!怒るでしかし!!」

心理「やっさんはやめなさい」

垣根「おい上条・・・」

上条「話しかけないでくれ・・・頭が痛い・・・」

垣根「おい御坂・・・」

美琴「えへへ・・・当麻、ダメだってば//」

垣根「ダメだ・・・夢見てやがる・・・」

上条「うえ・・・」

心理「なんかもういや・・・」

垣根「飛んでいくぜ!!飛んでいくぜ!!」

心理(まともなのは私だけね)

622 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 15:58:07.87 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・ただいま」

どうにか四人は無事ホテルにたどり着いた

もちろん、窓から帰ってきたのだが


垣根「上条と御坂はここに置いてっと・・・」

心理「二人とも寝ちゃってるわね」

垣根「いい寝顔だな・・・」

心理「そうね、ほほえましいわ」

垣根「・・・俺たちも寝ようぜ・・・」

心理「あら、酔った勢いとかはないのかしら」

垣根「今日はいい・・・」

心理「そう」

垣根「寝よう寝よう・・・」

二人が自分達の部屋へと帰る


623 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:05:10.39 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・心理定規」

心理「何よ」

真っ暗な部屋の中

二人はベッドに入って会話をしていた

垣根「メリークリスマス」

心理「えぇ、メリークリスマス・・・それだけ?」

垣根「それで十分だろ」

垣根が笑う

垣根「・・・なぁ」

心理「何よ」

垣根「・・・なんでもない」

心理「?垣根?」

心理定規が垣根のほうを向く

もう、寝息を立てていた

心理「はぁ・・・結局何を言おうとしてたのかしら」

心理定規が苦笑しながら、垣根の頬にキスをする

心理「おやすみ、垣根」


静かな夜

空には月が昇っていた


624 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:32:20.71 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・おはようございます美琴さん・・・」

美琴「・・・おはよう当麻・・・」

上条「頭痛い・・・」

美琴「昨日・・・イギリス清教の女子寮で・・・」

上条「あぁ、飲んだんだっけか・・・」

美琴「いたた・・・なんか記憶が飛んでる・・・」

上条「・・・垣根たちは・・・どうかな」

美琴「行ってみる?」

上条「あぁ・・・」

二人がフラフラとする体を起こして、隣の部屋へと向かう


上条「垣根・・・いるか?」

垣根「おー、いるぞー」

625 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:34:32.97 ID:jwzBWOwW0
ドアががちゃりと開いた

垣根「あ?お前ら起きたばっかりか?」

上条「あぁ・・・眠い・・・」

垣根「二日酔いか?」

美琴「・・・垣根は昨日のこと覚えてる?」

垣根「あぁ・・・お前らったらみんなの前で堂々とヤっちゃうんだもんなぁ」

上条「はぁ!?」

美琴「う、うそ!?」

垣根「うっそーん!!」

上条「そげぶするからこっち来いよ」

垣根「まぁまぁ、入ってくれよ」

垣根が手招きをする

上条「じゃあ失礼します・・・」

美琴「あれ・・・心理定規は?」

626 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:36:40.88 ID:jwzBWOwW0
垣根「あいつは今風呂に入ってる」

上条「?朝風呂か」

美琴「さすが心理定規ね・・・」

垣根「御坂も入ってきたらどうだ?さっぱりするぜ?」

美琴「でもお邪魔していいのかな?」

垣根「いいに決まってるだろ、女同士なんだし」

美琴「じゃあ・・・当麻、着替え持ってきてくれる?」

上条「あぁ、ちょっと待っててくれ」

上条が部屋に服を取りに行く

垣根「・・・お前さ、心理定規と風呂入るのいいのか」

美琴「・・・前は媚薬飲んでただけよね、うん」


627 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:38:41.54 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・そうかなぁ」

美琴「あ、帰ってきた」

上条「はいよ・・・これでいいのか?」

美琴「うん、じゃあ入ってくるわね」

美琴がそそくさと風呂場へ向かう

上条「・・・なぁ、垣根」

垣根「なんだよ」

上条「・・・垣根ってさ、心理さんとあんまりエッチしないんだっけ?」

垣根「あぁ、めんどい」

上条「好きな人とはしたいもんだろ?」

垣根「お前らはしすぎなんだよ」

上条「そんなことねぇだろ?」

垣根「あるね」

上条「ふーん・・・」


628 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:41:33.45 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・それよりさ、女の子が二人・・・風呂に入ってるって興奮しないか?」

上条「・・・ちょっとばかり」

垣根「御坂襲われてたりしてな」

上条「・・・大丈夫だろ」

垣根「どうかねぇ」

垣根が風呂場のほうを見つめる

その中では、ピンクな空気が広がっていた


美琴「お邪魔しまーす」

心理「あら、おはよう」

美琴「・・・一緒に入っていいかな?」

心理「いいけど・・・どうして?」

美琴「二日酔いなのよ」

心理「なるほどね・・・」


629 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:44:58.37 ID:jwzBWOwW0
美琴「・・・さ、触らないでね?」

心理「あら、そう言われたら・・・」

美琴「だ、だめだって!!」

美琴が心理定規と距離を置き、体を洗う

心理「残念」

美琴「・・・ホント、心理定規ってレズじゃないの?」

心理「そうね・・・あなた限定でかしら」

美琴「な、なによそれ!?」

心理「あなたって素敵じゃない」

美琴「・・・ね、ねぇ・・・その、変なことしないで?」

心理「・・・私のこと嫌いになるから?」

美琴「な、なんかややこしいことになるじゃない」

心理「あら、優しいのね」

クスクスと心理定規が笑う

心理「安心して、冗談だから」

美琴「え?」

630 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:49:11.77 ID:jwzBWOwW0
心理「別にあなたには劣情を抱いたりはしてないから」

美琴「そうなの?」

心理「変態扱いしないでほしいんだけど・・・」

心理定規が美琴を睨む

美琴「あ、ゴメン・・・」

心理「その・・・あの時は私、媚薬飲んでたでしょ?」

美琴「う、うん」

心理「はぁ・・・私としても黒歴史なのよ」

頭を抱えながら心理定規が溜め息をつく

心理「あの一件でよくわからない疑惑がかけられたし・・・」

美琴「でも、たまにそれっぽいじゃない」

心理「あら、あなたをからかうのが面白いのよ?」

美琴「あ、悪趣味・・・」


631 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:54:06.55 ID:jwzBWOwW0
心理「まぁ・・・それより、背中流しましょうか?」

美琴「え、いいの?」

心理「・・・言っておくけど、やらしい意味じゃないわよ?」

美琴「うん、信じてるから」

心理「ありがとう」

心理定規が美琴の後ろに回る

心理「・・・それにしても、あなたは綺麗な肌してるわよね・・・」

美琴「そうかな?」

心理「嫉妬しちゃうわ・・・そんなに手入れも細かくしていないんでしょ?」

美琴「うん、だって時間ないもん」

心理「・・・はぁ」

溜め息をついてから、美琴の背中を洗い出す

心理「それは・・・うらやましいかぎりよ」

美琴「心理定規は手入れとかよくしてるわね」

心理「えぇ」


632 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:57:00.63 ID:jwzBWOwW0
美琴「・・・めんどくさくないの?」

心理「そうね・・・結構楽しいものよ?」

美琴「そうなの?」

心理「体が少しずつ綺麗になっていくこと・・・それは喜びでしょ?」

美琴「うーん・・・そうかな?」

心理「・・・そういうところは、テクパトルと同じだと思うのよ」

美琴「テクパトルと?」

心理「彼とか削板君は筋肉で体を変えているでしょ?」

美琴「うんうん」

心理「そこにはたゆみなき努力、汗、そして苦痛があると思うのよ」

美琴「あぁ・・・そうだったわね」

美琴が二人のトレーニング風景を思い出す

恐ろしい、阿鼻叫喚の地獄絵図だった

そんな気がする

633 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 16:59:43.92 ID:jwzBWOwW0
心理「・・・それって、素敵なことじゃないかしら」

美琴「素敵?」

心理「・・・必死に体を変えることよ」

美琴「・・・そうかもね」

心理「努力っていうのは、それ自体が人を美しくするのよ」

美琴「うん、そうよね」

心理「・・・だから、彼らの気持ちは分かるのよ」

完全には理解できないけど、と心理定規がつぶやく

心理「だからね・・・なんの努力もしないでこんな美しいプロポーションを保てるあなたがうらやましいわ・・・」ハァ

美琴「な、なんかごめん」

心理「いいのよ・・・秘訣とかないの?」

美琴「・・・ま、毎日当麻と仲良くしてるわよ?」

心理「女性ホルモンの問題かしら」

美琴「?」

634 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 17:02:27.01 ID:jwzBWOwW0
心理「・・・あなたはホント、何の手入れもしないの?」

美琴「ちゃんと顔は洗ってるわよ?」

心理「・・・日焼け止めは?」

美琴「してない・・・それに、日焼けってなんかセクシーじゃない?」

心理「まぁ・・・あなたは似合うかもね」

心理定規が美琴が日焼けした姿を想像する

彼女みたいな健康的な女性になら似合うだろう

夏も外で遊んでました!という自然な感じだろうか

心理「・・・でも私は似合わないもの」

美琴「そう?心理定規が黒かったら面白いわよ?」

心理「面白いってね・・・そういうのはショチトルで十分よ」

美琴「ショチトルもセクシーよね」

心理「そうよね・・・」

635 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 17:05:29.85 ID:jwzBWOwW0
美琴「・・・どうやったらあんなに胸が大きくなるんだろう・・・」

美琴が自分の胸に視線を落とす

上条は今のままでも十分、と言ってくれる

しかし女の子としてはやはり大きいほうがいいのだ

心理「・・・たしかに、ショチトルはセクシーよね・・・」

美琴「・・・心理定規も大きいわよね」

心理「ちょっと違うわ、私は体つきが華奢だから胸が目立つのよ」

美琴「・・・でも、私より大きいわよね?」

心理「どうかしら・・・」

美琴「いいなぁ・・・」

物ほしそうな顔で美琴が心理定規の胸元を見つめる

心理「そう?私は平均よ?」

美琴「・・・そうじゃないと思うんだけど」


636 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 17:08:16.46 ID:jwzBWOwW0
心理「・・・美琴はスレンダーだからいいんじゃないかしら」

美琴「・・・胸・・・大きくなりたいのよ」

心理「でも、あなたのお母さんってすごかったわよね?」

心理定規が美鈴を思い出す

大覇星祭のときに見た美鈴

セクシーダイナマイトだった

もうボンキュッボンの典型だった

恐ろしかった

心理定規ですら、一瞬目を見開いたのだ

心理「・・・将来性は十分じゃないかしら」

美琴「お母さんはおかしいのよ・・・」

心理「・・・あなたも成長はしてきてるでしょ?」

美琴「うん・・・一応は」


637 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 17:10:45.16 ID:jwzBWOwW0
心理「じゃあいいんじゃないの?」

美琴「・・・と、当麻ってね・・・年上が理想だったみたいなのよ」

美琴が突然語りだす

美琴「年上の魅力って・・・包容力でしょ?」

心理「えぇ、大抵はそれよね」

美琴「・・・私は包容力がないから・・・」

心理「そんなことないわよ」

美琴「ううん、当麻に優しくしてもらってるだけなんだ・・・」

心理「・・・それで、せめて容姿だけでも大人っぽくなりたいの?」

美琴「うん・・・」

心理「別に上条君はあなたの容姿に惹かれたわけじゃないはずよ?」

美琴「でも・・・ね」

心理「はぁ・・・」


638 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 17:12:29.31 ID:jwzBWOwW0
美琴「・・・心理定規はいいなぁ」

心理「私はあなたのほうがうらやましいわよ・・・」

美琴「・・・自分にないものがほしくなるもんだよね」

心理「人間はそういうものよ」

美琴「・・・そういえば、垣根は何フェチなの?」

心理「声ですって」

美琴「・・・声?」

美琴が首を傾げる

これまた少し変わったフェチだ

心理「優しい声は落ち着くんですって」

美琴「心理定規はいい声だもんね」

心理「そうかしら」


639 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 17:16:03.10 ID:jwzBWOwW0
美琴「やっぱ・・・人それぞれ好きなものがあるんだね」

心理「・・・テクパトルの背中は引くわよね」

美琴「うん、引く」

心理「あ、そろそろ流すわよ」

美琴「うん」

心理定規がシャワーで美琴の背中を流す

心理「・・・ねぇ、美琴」

美琴「なに?」

心理「私はね、今のあなたで十分だと思うわよ?」

美琴「うん、私も今の心理定規がいいと思う」

心理「・・・ありがとう」

美琴「こちらこそ」

クスクス、と二人の笑い声が風呂場に響いた


640 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 17:36:17.70 ID:jwzBWOwW0
垣根「長いな・・・」

上条「長いな」

垣根「はぁ・・・今日はどうすんだ?」

上条「最終日だし・・・お土産とか買わないとな・・・」

垣根「お土産ねぇ・・・」

上条「お前はみんなに買わないのか?」

垣根「まとめて買おうぜ、俺たちからのプレゼントってことで」

上条「まぁ、それでいいかな」

垣根「日本に帰ったらすぐお正月だぜ?」

上条「そうか・・・もうそんな時期だよな」

上条がカレンダーを見る

イギリスは26日の朝だった

垣根「日本は夜だな」

上条「そうだな・・・」

垣根「・・・何買おうかな」

641 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 18:22:27.94 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・お菓子とかかな?」

垣根「そうだな・・・テクパトルには酒でいいだろ」

上条「うーん・・・」


美琴「ただいま・・・ってなに真面目な顔してんのよ?」

上条「あ、おかえり」

垣根「お土産について本気出して考えてみた」

心理「はいはい・・・そういえばお土産も買わないといけないのよね」

上条「めんどくさいんだよな・・・」

心理「仕方ないじゃない」

美琴「妹達には可愛いストラップでいいと思うわよ?」

垣根「・・・楽な趣味で助かるな」

642 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 18:25:13.70 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・削板は?」

美琴「・・・なんかサプリメント」

上条「あ、テクパトルもそれでよくないか?」

垣根「おんなじものはダメだろ・・・」

心理「お土産がサプリってのもね・・・」

心理定規がドライヤーで髪を乾かしながら苦笑する

垣根「だよな・・・削板はタンクトップでよくねぇか?こっちの限定品のヤツ」

美琴「うーん・・・黒子は?」

垣根「お菓子でいいだろ」

上条「エツァリとショチトルは?」

垣根「・・・そうだな、服・・・かな」

心理「一方通行は?」

垣根「あいつも服だろ・・・番外個体と打ち止めもな」

美琴「やっぱ服かお菓子がほとんどね」

643 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 18:41:23.61 ID:jwzBWOwW0
上条「そうだよな・・・やっぱお土産はパターンが決まるか・・・」

美琴「じゃあ、早速準備しましょう」

垣根「もう買いに行くのか?」

美琴「善は急げよ」

心理「・・・そうね、ヒマだし」

上条「えっと・・・ちなみに予算は?」

垣根「・・・割り勘だぞ、お互いが出さなきゃお土産は意味ないから」

上条「わ、分かってるよ!」

四人はホテルから出て、商店街へと向かう

上条が財布の中身をちらちらと見て溜め息をついているのには、誰も触れてくれなかった

上条「はぁ・・・」


上条「不幸だ・・・」


644 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 19:29:41.97 ID:jwzBWOwW0
垣根「えー、ただいま私達は商店街に来ております」

上条「・・・やっぱり混んでるな・・・」

美琴「でもクリスマスは終わったからまだマシじゃない?」

心理「そうね・・・」

上条「・・・サンタの人形がまだ飾られてるな・・・」

垣根「クリスマスが昨日のことのようだよ」

心理「昨日よ」

美琴「・・・まずは何から買う?」

垣根「妹達の分からでいいだろ」

垣根が先に歩いていく

美琴「じゃ、行こう」

上条「了解」

心理「はぁ・・・長旅になりそうね」


645 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:01:34.83 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・あの、ここは・・・?」

心理「・・・昨日も来たところね」

垣根「ここのちょいと奥にお土産屋があったんだよ」

美琴「え、ホント?」

垣根「昨日ちょろっと見かけたんだよ」

上条「へぇ・・・」

垣根「ていうか、オルソラとかにあげたストラップはここで買ったし」

心理「・・・そういえば、いつ買ったの?」

垣根「俺に常識は通用しねぇ」

上条「なんか・・・バカだろお前」

垣根「あぁ?」

美琴「わ、私も自分の買っていいかな!?」

646 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:04:23.12 ID:jwzBWOwW0
垣根「自分の金で買う分には文句ねぇよ」

美琴「やったぁ!!!」

上条「・・・俺も記念に買っとこうかな」

心理「私もそうしとくわ」

垣根「じゃあみんな買うか」

垣根についていくと、たしかにお土産屋があった

上条「へぇ・・・お菓子も売ってるのか・・・先生にも買っていかないと」

美琴「補習はお手柔らかに、って?」

上条「ち、違うから!」

美琴「焦ってるわね」

心理「そのつもりだったのね」

垣根「きたない、さすが上条きたない」

上条「うるせぇ!」

647 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:06:33.38 ID:jwzBWOwW0
垣根「あるかな・・・っと、これはどうだ?」

垣根が指差したのはたくさんの動物のデザインがあるストラップだった

上条「お、いいんじゃないか?」

美琴「うん、悪くないわよ」

心理「・・・でも、こんなのでいいのかしら?」

垣根「なぁに、あいつらは何かをもらえるってのが嬉しいのさ」

垣根がその中の一つを手に取る

カエルのストラップだ

美琴「・・・」

垣根「あいつらは人間として扱ってやらなきゃいけないのに、そうはされてなかったんだ」

上条「・・・あぁ」

648 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:09:36.96 ID:jwzBWOwW0
垣根「だからさ、こうやってプレゼント贈ってもらえるだけでも嬉しいはずだ」

美琴「・・・そうね」

垣根「だからさ、これでもいいんだよ」

上条「・・・垣根、お前ってたまに優しいよな」

垣根「常にだろ?」

心理「ふふ・・・そうね」

垣根「みんな同じデザインでいいかな?」

心理「うーん・・・喧嘩になるかしら」

上条「あ、聞いてみようか?」

垣根「・・・まぁサプライズ度は減るけど、それがいいかな」

上条「ちょっと待っててな」

上条が携帯を取り出す

掛けるのは、テクパトルの番号だ


649 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:16:04.69 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・あ、テクパトルか?」

テクパトル『・・・』

上条「あれ?テクパトル?」

テクパトル『なんだよ』

上条「ふ、不機嫌?」

テクパトル『・・・こっちはなぁ・・・』

上条「あ、あぁ」

テクパトル『・・・はぁ、まぁいいか』

19090『テっくん?どうしたんですか?』

テクパトル『なんでもない・・・上条だよ』

上条「あ、もしかして・・・お楽しみ中?」

テクパトル『デート中だ、お前と一緒にするな』

上条「え、じゃあ他のミサカたちはいないのか?」

テクパトル『は?あぁ、いないが』

上条「ちっ・・・マジかよ」

テクパトル『舌打ちしたいのはこっちだ』


650 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:19:38.06 ID:jwzBWOwW0
上条「まぁいいや、19090号はなんのストラップがほしいかな?動物のデザインなんだけどさ」

テクパトル『あぁ、お土産か・・・ちょっと待っててな』

テクパトルがなにやら19090号と話しているらしい

少しして、受話器の向こうから声が聞こえた

テクパトル『みんなカエルがいいそうだぞ』

上条「・・・みんな?」

テクパトル『MNWできいたみたいだぞ』

上条「それがあったか・・・悪かったな」

テクパトル『・・・美味い酒でも買ってきてくれよ』

上条「あぁ」


上条「みんなカエルだってさ」

美琴「あ、やっぱり?」

垣根「・・・カエルか、オッケー」


651 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:22:49.52 ID:jwzBWOwW0
垣根がカエルのストラップを人数分買う

上条「あれ?打ち止めと番外個体の分入れても・・・一個多くないか?」

垣根「一個はお墓に供えるんだよ・・・お前気づけよ」

上条「あ、あぁ」

美琴「そうね・・・妹達のお墓も行ってあげないとね」

垣根「ま、一個じゃ申し訳ないけどな」

垣根が苦笑する

だがさすがに全員分は買えない

垣根「あ、他の全世界のミサカにも買うか?」

心理「そうね・・・あなたの財力なら余裕でしょうね」

上条「こ、これ・・・一個1000円くらいだよな」

垣根「あぁ」

上条「これ・・・1万個も買うの?」

垣根「?あぁ」

上条(すげぇ)


652 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:25:04.41 ID:jwzBWOwW0
美琴「・・・私もカエルでいいかな」

垣根「妹達とおそろいか」

上条「あぁ・・・じゃあ俺も」

美琴「あれ、もうないわよ?」

上条「」

心理「ホント・・・足りないわね」

上条「不幸だ・・・」

上条が肩を落とす

垣根「ライオンでよくないか?」

上条「・・・それでいいや」

心理「私は・・・ホワイトタイガーで」

垣根「俺も俺も」

上条「そんなのもあるのか?」

垣根「いろいろあるからな」

美琴「あ、ついでに一方通行にも買ってあげよう」

垣根「はぁ?何を」


653 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:27:13.29 ID:jwzBWOwW0
美琴「ほら、これ」

美琴が差し出したのはセロリの消しゴムだ

子供がよく使う、野菜をモチーフにしたものだ

上条「こ、こんなのも売ってるのか・・・」プルプル

美琴「うん、安いからよくない?」

心理「ふふ・・・い、いいんじゃない?」プルプル

垣根「でもこいつベクトル反射しないぞ?」

上条「ぶはぁっ!!」

美琴「うわぁ!噴出さないでよ!」

上条「わ、悪い・・・」

垣根「じゃあ購入っと・・・」

垣根がカゴの中にセロリの消しゴムを入れる

654 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:30:39.51 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・お菓子は?」

美琴「うーん・・・クッキーとか?」

心理「そうね、ベタだけどいいんじゃない?」

上条「・・・キャンディーとかは?」

垣根「キャンディー?」

上条「ほら、これ」

上条が指差しているのはいろんな味のあるキャンディーの箱詰めだ

上条「リンゴにグレープ、オレンジにメロン・・・」

美琴「あ、マンゴーもある」

上条「ホントだ」

垣根「マンゴーの濁点と長音記号を抜かすと?」

美琴「・・・」

心理「・・・」

垣根「すいません」


655 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:33:44.36 ID:jwzBWOwW0
上条「こういうのはいいんじゃないか?」

美琴「うん、手ごろだしよさそうね」

心理「じゃあこれとクッキーでいいわね」

垣根「・・・マンゴーの・・・」

心理「あぁ?」

垣根「」

上条「さて・・・次は服だな」

垣根「服は別の場所で買おうか」

美琴「そうしとこう」

心理「じゃあ清算ね」

四人がレジへと向かう


上条「・・・全部で23000円・・・」

垣根「わざわざ日本円に換算したんだな」

美琴「・・・まぁまぁね」

上条「高いだろ!」

656 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:36:05.81 ID:jwzBWOwW0
垣根「さーて、削板は何がいいかなっと」

上条「・・・タンクトップとかで・・・」

美琴「・・・ねぇ、垣根は姫神さんと吹寄さんには買わないの?」

上条「あぁ、そうだそうだ」

垣根「だったな、忘れてた」

心理「忘れたらダメでしょ・・・」

垣根「だって影薄いのとおっぱいでかいのだぜ?」

上条「意味がわかんねぇよ・・・」

垣根「・・・あいつらも服でいいや」

美琴「うわ・・・適当・・・」

垣根「お土産なんてそんなもんだよ!」

心理「・・・削板君はこういうもんでよくない?」

心理定規がタンクトップを手に取る

657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/12(月) 20:36:31.45 ID:7Lpbl3IP0
>心理「あぁ?」
たまに心理さんが物凄く怖いんだがwwwwwwww
658 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:38:31.71 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・そうだな・・・テクパトルも一応買っていくか」

心理「・・・タンクトップ?」

垣根「そうそう」

上条「・・・お、おそろいか?」

美琴「あの二人って仲良しだもんね」

上条「トレーニング仲間だからな」

美琴「・・・これでいいんじゃないの?」

美琴も心理定規の手に取ったタンクトップを指差す

心理「いいわよね」

上条「まぁ・・・悪くないかな」

心理「でしょ?」

垣根「はい、二人のはこれでおしまーい」

美琴「速いわね・・・」

659 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:41:30.08 ID:jwzBWOwW0
垣根「これっと!!これっと!!これっと!!これ!!」

上条「・・・何歌ってるんだ?」

垣根「・・・なぁ、これ・・・」

美琴「?なによ、Tシャツなんか指差して」

垣根「エツァリによさそうじゃない?」

垣根が見ているのは、ムチの描かれたTシャツだ

裏にはSMプレイの絵が描かれている

いわゆるネタTシャツだ

美琴「こ、これは・・・」

心理「い、いいんじゃない?」

垣根「購入ー」


660 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:46:46.43 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・ショチトルには?」

垣根「お菓子でいいです、さっき買ったやつでいいです」

上条「て、適当だな・・・」

美琴「・・・はぁ、あとは?」

垣根「・・・一方通行の服は?」

心理「これはどうかしら」

垣根「・・・ジャケットか・・・」

上条「なんか、ビジュアル系っぽいな」

心理「一方通行はそうじゃない?」

垣根「間違ってはない」

661 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:48:56.75 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・はぁ、お土産も選ぶのめんどうだよな・・・」

美琴「そうね・・・」

垣根「普通は楽しいもんだぞ?」

心理「・・・でも買ってあげるメンバーが個性的だからね・・・」

上条「そうだよな・・・」

四人が溜め息をつく

垣根「・・・あとはなにがいる?」

上条「・・・もう良くないか?あとはテクパトルの酒だけで」

垣根「・・・あ、姫神と吹寄にはこれでいいっけ」

垣根がセクシーな服を手に取る

というよりも、ほぼ下着に近いような部屋着だ

心理「あら、私のパジャマと似てるわね」
662 :VIPにかわりましてNIIPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/12(月) 20:51:31.64 ID:rcPyaoj80
とうとう姫神は名前が出るようになったかwwwwwwwwww
663 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:53:08.59 ID:jwzBWOwW0
上条「え、心理さんっていつもこんなの着てるのか?」

心理「えぇ」

美琴「・・・でもあの二人にはどうかしら?」

垣根「問題ないさ」

美琴「・・・まぁ、いいけどね・・・」

垣根「さて、あとはテクパトルの酒だ」

上条「小萌先生も酒でいいかな・・・」

美琴「・・・あの先生ってお酒飲める歳なの?」

上条「見た目はあれだけどな」

上条が苦笑する

前に鍋パーティーをクラスでやったときはグビグビビールを飲んでいた

664 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 20:56:32.36 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・ところで、どういうお酒がいいかな?」

垣根「そうだな・・・ジンとかが名産だろ」

美琴「あ、でもインデックスはあの先生にジン贈るらしいわよ」

心理「あら、そうなの?」

美琴「うん、この前言ってた」

上条「じゃあそれ以外で・・・」

垣根「・・・ロゼとか?」

心理「もう名産じゃなくても構わないわよね?」

上条「で、できればイギリスのがいいかと・・・」

垣根「じゃあジンでいいだろ」

上条「さっきの美琴の話聞いてた?」

垣根「ジンでいいだろ」

心理「そんなに押さないで」

垣根「・・・だってさ、他にいいのないぜ?」

665 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 21:01:01.44 ID:jwzBWOwW0
心理「あ、スコッチウィスキーは?」

垣根「その手があったか・・・でもここにあるかな?」

上条「ウィスキーか・・・」

美琴「ねぇねぇ、それって美味しいの?」

上条「美琴はダメだからな!」

美琴「わ、分かってるわよ!」

垣根「さてさて・・・では移動しますか」

四人は酒を売っているエリアへ進んでいく

もちろん、彼らが行くべき場所ではないだろう

だが今はお土産を買う、という大義名分がある

上条(いや・・・間違ってはいますけどね)

垣根(おてんとさんよ、許しておくれ)

美琴「うわ・・・ビンが一杯・・・」

心理「あら、素敵な光景ね」


666 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 21:05:37.27 ID:jwzBWOwW0
垣根「・・・あったあった・・・スコッチウィスキー」

上条「ちょ、ストップ!!」

上条が垣根の腕を握る

垣根「なんだよ」

上条「値段がおかしいぞ!?」

垣根「あぁ?」

上条「見ろよ!」

上条が値札を指差す

日本円で約20万円

垣根「だから安いの選んだんだよ」

上条「安くないよな!?これ安くないよな!?」

美琴「ちょうどいい値段じゃない?」

上条「高すぎるから!」

心理「あら、私達も一本買わない?」

垣根「あいよ」

667 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 21:11:53.21 ID:jwzBWOwW0
上条「・・・ダメだ、この中にいたら金銭感覚が狂う」

美琴「そう?普通じゃないかしら」

上条「普通じゃねぇよ!」

上条が頭を抱える

目元には涙が少し浮かんでいる

上条「おかしいよな!?ウン十万をぽんって買うのおかしいよな!?」

心理「貧乏アピールはいいわよ」

上条「」

美琴「ねぇねぇ、垣根はなに買うの?」

垣根「ジンとスコッチウィスキーとスクリュードライバー」

上条「そ、そんなに買うのか?」

垣根「金はある、時間もある」

上条「うわぁ・・・」

心理「テクパトルには?」

垣根「ジンでいいだろ」

668 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 21:17:29.64 ID:jwzBWOwW0
垣根がジンのボトルを手に取る

上条「・・・そんなに適当に選んで・・・」

垣根「お土産は適当に選ぶのさ・・・じゃ、レジ行くか」

垣根がレジへと進む

上条「・・・なぁ、美琴・・・」

美琴「うん、なに?」

上条「俺さ・・・もう少し、勉強がんばるよ」

美琴「?どうしたの?」

上条「いや・・・」

上条の視線の先では、垣根と心理定規がレジでカードを出していた

その光景が格好良すぎる


上条「・・・俺、がんばるよ」

ワインのボトルに囲まれながら、上条は溜め息をついていた

669 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/12(月) 21:21:13.10 ID:jwzBWOwW0
速いけど今日はここまで

では筋肉動画


ネタ切れだな・・・と思っていたら、重要な方を忘れてました

そう、初代オリンピア

そして「50p超え」の腕

ラリー・スコット

やっぱり美しい

http://www.youtube.com/watch?v=SLf2An7SP0I


ではおやすみなさい

670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/09/12(月) 22:48:56.92 ID:mtkVxvUgo
>>1乙!筋肉動画見ていつも楽しんでます
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/12(月) 23:37:18.74 ID:sXyku0poo
御坂遺伝子のカエル好きは異常ww
スコッチといえばボウモアがいっちゃん好きだわ
ラフロイグも美味しいけれどピート香が結構きついから好き嫌いが分かれる
お酒が飲める歳になったら是非飲んでおくれ
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 07:34:41.95 ID:VsZf0YDIO
なんか筋肉動画が本編と同じくらい楽しみになってきた
673 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:20:47.20 ID:1zjTSJ1a0
上条「・・・なぁ」

垣根「なんだよ」

上条「・・・こんなにどうやって持って帰るんだ?」

上条が買物袋を覗き込む


ワインやらお菓子やら服やらストラップやらで恐ろしいことになっている

上条「・・・まさかずっと持って歩くのか?」

垣根「・・・お前がな」

上条「はぁ!?」

心理「頑張ってね、上条君」

美琴「当麻・・・お金出してもらったんだから仕方ないわよ」

上条「マジで!?結構重そうですよ!?」

美琴「・・・私も手伝ってあげたいけど・・・疲れるのよ」

上条「そこは疲れても手伝ってくれるところじゃないですか!?」

美琴「・・・ゴメンね、当麻」

美琴が悲しそうな表情をする

674 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:21:22.58 ID:1zjTSJ1a0
垣根「イチャイチャしてるヒマがあったらさっさと持てよ」

心理「ほら、早く行くわよ」

上条「あの・・・このあとはすぐにホテルに帰っていただけるのでしょうか?」

垣根「まさか、まだ歩くからな」

心理「今度は自分達のお土産を買うのよ」

美琴「当麻、頑張って?」

上条「あぁもう!不幸すぎるだろこれ!?」

垣根「よく言うな、せっかく金出してやったのによ」

上条「・・・すいません、ごめんなさい」

美琴「当麻・・・こんなところからもう媚びを売るようなことに・・・」

上条「哀れな目で見ないでください!」

美琴「・・・当麻、私はそんな当麻も大好きよ」

上条「なんか慰められましたよ!?」

美琴「・・・グスン」

上条「なんで泣いたの!?」

675 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:21:57.34 ID:1zjTSJ1a0
垣根「早くしろよ荷物持ち!」

心理「荷物持ち、早くしてよ」

上条「二人してそんな冷たい態度なんですか!?」

美琴「当麻、哀れだけど早くしてよ」

上条「・・・分かりましたよ」

上条が肩を落とす

手に持った買物袋が一層重みを増したように感じられた


垣根「なぁ・・・心理定規」

心理「なに、垣根?」

垣根「お前は欲しいものとかないか?」

心理「あら、学園都市に帰ってからじゃなかったの?」

垣根「今でいいんだよ」

心理「そう?ならあなたが欲しいかしらね」

垣根「へぇ・・・なかなかいい要望だな」

676 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:22:30.52 ID:1zjTSJ1a0
美琴「ちょっと!まさかここで始めるつもりじゃないわよね!?」

垣根「・・・お前らとは違うんだよ」

美琴「わ、私たちはそんなことしないわよ!」

心理「まぁまぁ、してるくせに」

美琴「してないってば!」

垣根「・・・で?心理定規、何がほしい?」

心理「・・・なんでもいいわよ、あなたが贈ってくれるならなんでも」

垣根「そうか?」

心理「あのね、この指輪をもらえただけで本当に幸せなんだから」

心理定規が薬指を見る

婚約指輪がそこにはつけられていた

垣根「・・・そうか、じゃあ・・・」

美琴「ねぇ、二人はどんな馴れ初めだったのよ」

垣根「・・・暗部の時だからな、あんまりいい話じゃねぇよ」

677 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:22:57.28 ID:1zjTSJ1a0
美琴「それでも聞いてみたいのよ」

垣根「・・・分かったよ、どっかレストランにでも入ろうぜ」

心理「上条君、早く早く」

上条「待ってくれよ・・・」

心理「遅いわよ」

垣根「速さが足りない!」

美琴「と、当麻は早くなんかないわよ!」

上条「な、なんの話ですか!?」

美琴「当麻は長持ちだもんね!?」

上条「ちょっと待ってくださいよ!」

垣根「なんだ、お前って早漏じゃないのか」

上条「待ってくれよ!」

心理「上条君、長持ちなのは素敵だと思うわよ」

上条「・・・そんな話じゃなかったんだろ・・・」

678 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:23:27.38 ID:1zjTSJ1a0

美琴「そうそう!垣根と心理定規の馴れ初めを聞かないと!」

垣根「はぁ・・・話したくはないんだけどな」

心理「恥ずかしいものね」

美琴「さ、行きましょう!」

美琴が垣根と心理定規の手を引っ張っていく

その後ろを不幸な上条が追いかける構図

少しおかしな光景だった


美琴「さて・・・レストランに着きました!」

上条「はぁ・・・やっと荷物が置けた」

心理「お疲れ様、お礼になんでもしてあげるわよ?」

上条「は、はい!?」

心理「冗談よ、からかいがいがあるわね」

上条「」

679 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:23:54.79 ID:1zjTSJ1a0
美琴「当麻をたぶらかさないでよ!」

心理「はぁ・・・話が逸れそうだから元に戻すわよ」

垣根「馴れ初め・・・か」

垣根が腕を組む

垣根「ちょっと長くなるがいいか?」

上条「あぁ、問題ないけど」

美琴「詳しく話してね」

垣根「・・・あれは、スクール・・・俺達のいた組織が作られてすぐだった」



垣根「・・・あぁ?暗部組織だ?」

『あぁ、スクールという組織だ』

垣根「スクール・・・ねぇ」

あれは、少し肌寒い秋のことだった

680 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:24:35.61 ID:1zjTSJ1a0
学校になんて行ってなかった俺に、厭味と思える名前をした組織が組まれた

暗部組織

人殺しの組織

俺が唯一生きていける場所

そんな組織が


上条「・・・やっぱり垣根も人殺しとかしたのか?」

垣根「・・・今思えばくだらない毎日だったな」

心理「そうね・・・」

美琴「・・・今はそんなこと分からないわね」

垣根「・・・あぁ」

心理「どうにか変われたのよ」



垣根「待ち合わせは・・・ここか」

俺が訪ねたのはビルの一室だ

681 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:25:10.05 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・めんどくせぇ」

たしかあの時は肌寒かったから厚着をしてたんだ

でも暖かいビルの一室だ

厚着なんかしてたら暑くなって仕方なくてさ

そう思って上着を脱いだときにちょうど、ゴーグルというかヘッドギアというか、そういうのを付けたヤツが来たんだ


上条「ゴーグル?」

垣根「あいつは死んだけどな・・・まぁわりといいヤツだったかな」

心理「今思ったら、スクールって暗部の中では一番まともな人間の集まりだったんじゃない?」

美琴「・・・なんだかよく分からないわね・・・」


ゴーグル「ちーっす・・・あなたもスクールに?」

垣根「てめぇもか」

ゴーグル「以後よろしく・・・どっかで見た顔ですね」

682 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:25:46.94 ID:1zjTSJ1a0
垣根「垣根帝督、第二位だから知ってるんじゃねぇか?」

ゴーグル「あぁ・・・そういえばそんな名前の超能力者の話は聞いたことが」

垣根「で?スクールは俺とお前の二人だけなのか?まさかな」

ゴーグル「今日はあと一人来るみたいっすけど」

垣根「どうせごついスナイパーとかだろ」

ゴーグル「年寄りの研究員的なんじゃないっすか?」

俺とゴーグル馬鹿は二人でそんな話をしてた


上条「・・・ゴーグル馬鹿って・・・」

垣根「しゃあねぇだろ、そうしか呼びようがなかったんだから」

美琴「それでそれで?」


垣根「はぁ・・・わざわざ来たのにむさい男が三人になるだけかよ」

ゴーグル「それは俺の台詞っすよ」

683 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:26:13.79 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・てめぇのそのゴーグルはなんだ?」

ゴーグル「いつか教えますよ」

垣根「ちっ・・・あ、来たみたいだな」

そんな話をしてたら、ドアの外に人影が見えたんだ

その時俺達は目を疑った

人影は、小柄でしかも髪が長かった・・・というか盛っていたんだ


上条「あぁ、心理さんか」

垣根「そうそう・・・最初はビビったな」

心理「あら、そんな会話をしてたのね」

美琴「意外と普通な話してたんだ」

垣根「常に暗い話ってわけじゃないさ」


垣根「・・・なぁ、影を見る限り・・・女じゃないか?」

ゴーグル「まさか、どうせ見間違いっすよ」

684 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:27:34.71 ID:1zjTSJ1a0
垣根「だよな」

俺とゴーグル馬鹿はため息をついていた

だが、それはすぐに驚きのため息に変わることになったんだ

心理「お邪魔するわよ」

垣根「」

ゴーグル「」

入ってきたのは若い女だった

しかも俺より明らかに年下、体つきは華奢でどう見ても戦いなんてしたことなさそうな女だったんだ


上条「・・・心理さんってたしかに華奢だよな」

垣根「だろ?最初は驚いたな」

美琴「・・・ねぇ、もう少し二人の話を・・・」

心理「今から始まるから待ってなさい」

685 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:28:19.01 ID:1zjTSJ1a0
心理「あら、あなたたちがスクールの二人?」

垣根「・・・お前もか、マジか」

ゴーグル「やったっすね垣根さん」

垣根「あぁ、少なくともむさ苦しい雰囲気は無くなったな」

心理「あら、なんの話?」

垣根「・・・お前、名前は?」

心理「心理定規よ」

垣根「・・・名前だよ」

心理「捨てたわよそんなもの」

ゴーグル「・・・まぁ俺もそんなもんっすけどね」

垣根「・・・俺は垣根帝督だ」

心理「第二位ね?資料で見かけたことはあるわよ」

垣根「苗字で呼べ、第二位なんて名前じゃねぇよ」

686 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:28:53.64 ID:1zjTSJ1a0
心理「・・・垣根」

心理定規が初めて俺の名前を呼んだときな

少しだけドキッてしたんだよ

昔から女にはモテたけど、そういうのとは距離を置いてたからかもな


心理「・・・覚えてるわ、初めてあなたの名前を呼んだときは緊張したもの」

美琴「心理定規はその時垣根に一目惚れしたの?」

心理「ちょっと違うわね・・・まぁ見た目はカッコイイって思ったけど」

上条「じゃあいつ惚れたんだ?」

心理「今から出てくるわよ」


垣根「あー・・・顔合わせも終わったし帰るか」

ゴーグル「え、もういいんすか?」

687 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:29:29.37 ID:1zjTSJ1a0
垣根「仕事は明日から、隠れ家はここ、リーダーは俺みたいだ」

心理「明日からはよろしく」

ゴーグル「・・・二人はどっかに帰るんですか?」

垣根「・・・一応ホテルにな」

心理「私も」

ゴーグル「・・・じゃあ飲み行きませんか?」

垣根「はぁ?なんでだよ」

ゴーグル「一応上っ面だけでも親睦深めといたほうがいいっすよ」

心理「はぁ・・・じゃあ垣根、奢って」

垣根「なんでんなことになんだよ」

ゴーグル「リーダーじゃないっすか」

垣根「ざけんな、ムカつく野郎だなてめぇら」

688 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:30:05.64 ID:1zjTSJ1a0
心理「ほら、行きましょうよ」

心理定規のヤツ、そんとき俺の手を握りやがったんだ

別に女には手を握られるのは初めてではなかった

でもな、なぜか変な感じがしたんだよ

ほかの女とはなんかが違うような気がしたんだ


上条「・・・垣根ってさ、最初から心理さんのこと好きだったんじゃねぇのか?」

垣根「かもな、気付くのは遅かったけどな」

心理「・・・私は最初から好きだったわよ?」

垣根「分かってるよ」

美琴「・・・一方通行とかエツァリさんがいた組織は殺伐としてたって聞いたわよ?」

心理「スクールも馴れ合いはなかったけど・・・でも仲が悪かったってことはないわよ」

垣根「今思えば、初めて出来た運命共同体だったもんな」


689 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:30:44.03 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・ここでいいだろ」

心理「あら、オシャレなバーじゃない」

ゴーグル「なんか高そうっすね」

垣根「気にすんな、金ならあるんだよ」

半ば自棄になってたな

というか少し嬉しかったのかもしれねぇな

なんだかんだいってあんなふうに誰かと飲みに行くなんて初めてだったから

心理「・・・じゃあ、スクールの仕事初めを記念して」

垣根「記念するようなことじゃねえだろ」

ゴーグル「むしろ呪うべきかもしんないっすね」

垣根「・・・心理定規、てめぇわざと高いワイン頼んだだろ」

心理「何よ、小さな男」

垣根「あぁ?潰されてぇのか」

心理「そんなことないわよ」

690 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:31:40.03 ID:1zjTSJ1a0
ゴーグル「まぁまぁ・・・落ち着いてくださいよ」

垣根「ちっ・・・しゃあねぇな」

心理「グラス掲げなさいよ」

垣根「・・・めんどくせぇな」

ゴーグル「じゃ、スクールの今後の発展を祈って」

垣根「おかしいだろ」

心理「乾杯」

三人が乾杯したときさ、なんだか知らないが楽しいことが始まる気がしたんだよ


上条「・・・楽しいことが、か」

垣根「別に人殺しが楽しかったわけじゃないけどさ・・・でも当時はあれが居場所だったんだ」

美琴「・・・心理定規がいたから?」

垣根「あぁ・・・ゴーグル馬鹿も今思えばいいやつだったな」

心理「・・・そうね」

691 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:32:28.16 ID:1zjTSJ1a0
ゴーグル「あー・・・」

垣根「・・・こいつよ、飲みに行くって言い出したんだよな?」

心理「一番最初にダウンしたわね」

垣根「ちっ・・・なんでてめぇと二人で飲まなきゃなんねぇんだよ」

心理「・・・いいんじゃない?若い男と女が二人きりでこういうのも」

垣根「・・・なんで体寄せてきてんだよ」


上条「・・・心理さんって色仕掛け得意だったんだな、昔から」

心理「えぇ・・・でもね」

美琴「でも?」


心理「どう?」

垣根「・・・お前ってそういう仕事とかしてるのか?」

692 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:33:19.83 ID:1zjTSJ1a0
心理「まさか・・・でも明日に死ぬかも分からない世界に来ちゃったのよ?」

垣根「だからなんだよ」

心理「だったら、せめてそういうことは経験したいと思わない?」

垣根「で?」

心理「あなた、顔はいいし性格もクールだし・・・素敵だと思うのよね」

垣根「気に入った男に抱いてもらおうってか?」

心理「・・・ダメかしら」

垣根「ふざけんな、出会ってすぐの女なんか抱きたくもねぇよ」

心理「あら、真面目なのね」

垣根「てめぇが軽いだけだろうが」


垣根「あぁ・・・そんな会話もしたっけな」

心理「あの時ね、抱かれると思ってたのよ?」

垣根「んなことしねぇよ」

心理「・・・ほかのくだらない男なら向こうから抱かせろ抱かせろって言ってくるのに・・・あなたはこっちから言っても拒んだのよ」

693 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:33:59.77 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・だから惚れたのか?」

心理「私は・・・あなたみたいな優しい男が欲しかったのよ」

心理定規が垣根の唇を奪う

上条「な、なんていう・・・」

美琴「こ、こっちまで恥ずかしくなるわね」

垣根「・・・そっからかな・・・俺もなんとなくお前を気になり出したのは」

心理「そうだったの?」

垣根「まぁそんときは気になるだけだったかな」


心理「・・・軽いなんて言わないで、冗談よ」

垣根「冗談でもそんなこと言うな、吐き気がする」

心理「優しいのね」

694 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:34:30.70 ID:1zjTSJ1a0
垣根「優しかったらこんな世界には来てねぇよ」

心理「どうしてあなたは暗部に堕ちたの?」

垣根「知るかよ・・・こんな力を手に入れちまったら周りからは化け物扱いされるんだよ」

心理「そう・・・世の中は認めてくれなかったのね」

垣根「当たり前といえば当たり前だけどな」

心理「・・・私はあなたのこと素敵だと思うわよ?」

垣根「・・・黙ってろ」

心理「あら、照れてるのかしら」

垣根「ちげぇよ・・・なんでてめぇは暗部に堕ちたんだ?」

心理「・・・親に捨てられたのよ」

垣根「んなもん俺もだ」

心理「わかる?中途半端に大人になって、中途半端に力を持った・・・そんな人間がまともな世界で生きていけるわけないのよ」

垣根「てめぇはまともだと思うぜ?ゴーグル馬鹿もな」

695 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:35:03.60 ID:1zjTSJ1a0
そんなシリアスな話してたのにさ

ゴーグル馬鹿はいびきかいてやがったんだぜ?

馬鹿みたいだよな、だからゴーグル馬鹿なんだけどさ


上条「・・・そんな馴れ初め・・・か」

美琴「・・・二人とも大変だったのね」

垣根「・・・お前は強かったんだろうな、超能力者で人生が狂ってないなんて珍しいもんだ」

心理「親や友達に愛されてたからね、美琴は」

美琴「うん・・・幸せね、私は」


ゴーグル「・・・おはようございます」

垣根「よぉ、時間きっちりに来るなんて偉いじゃねぇか」

ゴーグル「仕事初日じゃないっすか、さすがに遅れては来ないっすよ」

696 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:35:52.92 ID:1zjTSJ1a0
垣根「遅れて来るバカがいるんだよ」

ゴーグル「・・・心理定規さんっすか?」

垣根「・・・ムカつくな、俺なんか20分前には来て資料整理してたのによ」

ゴーグル「仕事熱心っすね」

垣根「うるせぇな、やることねぇんだよ」

ゴーグル「彼女とかは?」

垣根「いねぇよ、必要もねぇ」

ゴーグル「・・・でも垣根さんってモテそうじゃないっすか?」

垣根「モテるとかどうでもいいんだよ」

ゴーグル「・・・もったいないっすよ?」

垣根「お前は彼女いんのかよ?」

ゴーグル「いないですけど」

垣根「・・・じゃあなんで偉そうに言うんだよ」

697 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:36:44.66 ID:1zjTSJ1a0
ゴーグル「気になっただけっすよ」

垣根「・・・ちっ、まだ仕事の依頼も来ないしよ」

仕事がないときは本当にヒマだったな

仕事をやるための組織なのに仕事がないなんてつまんないもんだ

会社に行って一日ゴロゴロしてろ、ってのと同じくらい気まずいんだよな

心理「ごめんなさい・・・ちょっと遅れたわ」

垣根「ちょっと?てめぇナメてんじゃねぇぞ」

心理「あら、怒ってるのかしら」

垣根「ムカついてんだよ」

心理「ちょっと化粧に時間がかかったのよ」

垣根「・・・ガキのくせに化粧なんかしてんじゃねぇよ」

ゴーグル「でもたしかに時間掛けてる感じっすね」

698 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:38:41.32 ID:1zjTSJ1a0
心理「あら、それは褒めてるのかしら?」

ゴーグル「そ、そうっす」

垣根「・・・無駄話はそこまでにしてろ」

心理「あら、ヤキモチかしら?」

垣根「てめぇは本当に俺をキレさせてぇみたいだな」


上条「・・・なぁ、本当に昔から心理さんのこと気になってたのか?」

垣根「さぁな・・・昔はいろいろ尖ってたんだよ」

美琴「・・・心理定規、昔からなんか魔性だったのね」

心理「そうかしら?」

美琴「なんかそのゴーグルの人がかわいそうになってきたわ」

垣根「死んだヤツを哀れんでどうすんだよ」


699 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:39:11.56 ID:1zjTSJ1a0
ゴーグル「・・・しかしヒマっすね」

垣根「・・・なんで初日なのに仕事がねぇんだよ」

心理「初日なら仕事がバンバン入ってくるべきよね」

垣根「・・・くそ、どうせ簡単な仕事しかこねぇんだろうな」

ゴーグル「・・・垣根さん、垣根さんの能力ってどんななんすか?」

垣根「・・・説明すんのがめんどいんだよ」

心理「・・・ちょっと出てきていいかしら」

垣根「あぁ?なんだよ」

心理「お小遣でも稼いでくるのよ」

垣根「小遣だぁ?」

ゴーグル「バイトっすか?」

心理「そんなとこ、ちょっと男とホテルの部屋に篭るだけ」

垣根「」

ゴーグル「」

700 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:39:45.19 ID:1zjTSJ1a0
美琴「・・・心理定規、そんなことしてたの?」

心理「はぁ・・・何度も言うんだけどね、話をするだけだったのよ・・・処女は垣根にあげたわよ?」

垣根「それは俺が証明しよう!」

上条「なんで証明・・・でも、なんか危機とか感じたりしなかったのか?」

心理「危なくなったら能力使えばよかったもの、一回そんなことあったし」

垣根「あぁ?触られたのか?」

心理「触られる前に心理操作してやったわよ」

垣根「よくやった」

上条「・・・まぁいいや、話の続きは?」

垣根「だったな・・・」


ゴーグル「・・・心理定規さんって・・・エッチとかするんすかね?」

垣根「さぁな、興味ねぇよ」

701 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:40:17.97 ID:1zjTSJ1a0
ゴーグル「でも意外と純粋そうじゃないっすか?」

垣根「てめぇはあれか、あいつに惚れたのか」

ゴーグル「か、垣根さんだってちょっとは気になるでしょ!?」

垣根「なるかボケ」

まぁ本当は気になってたんだよな

よく分からなかったけど、なんでか少しイライラしたんだよ

その時は自分の部下が従ってくれないからだと思ってた

ゴーグル「・・・心理定規さんって可愛くないっすか?」

垣根「見た目は悪くねぇな」

ゴーグル「・・・垣根さんは女とかなんてことなさそうっすね」

垣根「・・・てめぇはガキかよ、同僚の女ってだけで惚れそうになるなんてよ」

ゴーグル「ち、違いますよ!」

702 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:41:09.67 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・長いな」

ゴーグル「・・・長いっすね」

心理定規が出ていって1時間くらいが経ったな

今ではお小遣稼ぎの内容も知ってるからなんてことないけどさ

当時はマジで生々しい時間だな、と思ってたんだよ


上条「・・・垣根ってなんかツンデレか?」

垣根「かもな、分からねぇよ」

心理「・・・気にしてくれてたのは嬉しいわ、ちょっとドキドキしてる」

垣根「・・・ゴーグル馬鹿ももしかしたらお前が好きだったのかもな」

美琴「・・・心理定規ってなんかモテるわよね」

上条「垣根もモテるし・・・すごいカップルだよな」

垣根「そうか?」

心理「まぁ・・・そうかもしれないわね」

703 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:41:40.31 ID:1zjTSJ1a0
心理「ただいま」

垣根「・・・なぁ、1時間いくら?」

心理「あら、あなたも希望?」

垣根「いや、いくらくらい稼げるのかと思ってな」

心理「一万くらいかしらね」

ゴーグル「・・・なんかそういうののわりに安くないっすか?」

心理「そうかしら?」

当時は不思議だったな、そんなに安いのかって

でも今考えたらただ話してただけだから当たり前なんだよな

酒飲んだときの台詞からして、やっぱりエッチどころかキスも経験なかったんだろうな

垣根「・・・なぁ、なんで仕事が来ないんだよ」

心理「知らないわよ」

704 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:42:17.74 ID:1zjTSJ1a0
ゴーグル「今日ってなんの日っすか?」

垣根「一端覧祭かなんかだろ?」

ゴーグル「・・・アレイスター統括理事長、忙しいんじゃないっすか?」

垣根「・・・そういや暗部はアレイスターの野郎が牛耳ってんだっけか」

心理「・・・それじゃ仕事来ないかもしれないわね、表は学生で溢れるから派手なことは出来ないし」

垣根「・・・どうすんだよ?帰るにしてもまだ早いぞ」

ゴーグル「・・・じゃあなんか話さないですか?」

心理「そうね・・・垣根、どうせなら能力の説明してよ」

垣根「なんでだよ」

ゴーグル「時間はあるんすから」

垣根「・・・仕方ねぇな」

仕方ないって言ってたけどさ、嬉しかったんだよ

705 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:42:56.17 ID:1zjTSJ1a0
二人なら自分の能力を認めてくれるって確信があったからな

それに自分の能力には自信があったし

垣根「いいか?俺の能力はこの世に存在しない素粒子を生み出すってもんだ」

ゴーグル「・・・それって酸素を変質させて窒息させたり出来ないっすか?」

垣根「できるぜ、まぁ演算がちょっとばかし面倒だけどな」

心理「へぇ・・・ちょっと見せてくれない?」

垣根「・・・いいけど外に出ようぜ」

心理「えぇ」

俺達は隠れ家の近くにある広場に行ったんだ

一端覧祭真っ只中だから学生なんていなかった

垣根「・・・どんなことすればいい?」

心理「簡単に見せてくれたらいいわよ」

垣根「そうだな・・・じゃあやってやるよ」

706 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:43:25.59 ID:1zjTSJ1a0
上条「へぇ・・・心理さんは初めてその時見たわけか」

美琴「広場で使うって・・・能力の無駄遣いね」

心理「でもね、びっくりしたわよ」

上条「何が?」

心理「だって翼出るんだもん」


心理「・・・それ、何?」

垣根「・・・翼だよ」

ゴーグル「・・・メルヘンっすね・・・」

垣根「笑ってんじゃねぇよ、これが一番使いやすい形状なんだよ」

心理「あら、意外と少年なのね」

ゴーグル「ぶはっ!」

707 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:44:03.77 ID:1zjTSJ1a0
垣根「笑うんじゃねぇよ・・・殺すぞ」

心理「まぁ、メルヘン翼に潰されちゃうわ」

ゴーグル「や、やめてくださいよ・・・」

垣根「オーケー、ゴーグル馬鹿、てめぇから殺す」

ゴーグル「ま、待ってくださいよ!」

垣根「死ね・・・」

マジで一発食らわしてやろうかと思ったとき

仕事の依頼を知らせる着信が鳴ったんだよ

記念すべき初仕事だったな


上条「・・・やっぱりそういう仕事だったのか?」

心理「えぇ・・・本当、くだらない仕事だったわよ」

美琴「・・・今からは想像出来ないわね」

垣根「昔の俺らからしたら、今のこんな日常が想像出来なかっただろうな」

708 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:44:44.74 ID:1zjTSJ1a0
垣根「呆気ない仕事だったな」

心理「そうね」

ゴーグル「歯ごたえなかったですね」

垣根「・・・帰るか」

心理「あら、初仕事の記念には飲まないの?」

垣根「なんで人殺しの後に飲まなきゃなんねぇんだよ」

心理「まともな神経の持ち主なのね」

ゴーグル「まぁ俺も今日は遠慮しときますよ・・・それじゃ」

垣根「あぁ」

ゴーグル馬鹿はさっさと帰っていったな

彼女がいるわけでもないのに早く帰るんだな、って思ったな

垣根「・・・お前もさっさと帰れよ」

709 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:45:12.28 ID:1zjTSJ1a0
心理「帰ってもやることないもの」

垣根「帰れ」

心理「いいでしょ、従う義務なんてないわよ」

垣根「俺はリーダーなんだよ」

心理「権力を振りかざすのは子供なのよ」

垣根「くそが・・・死にたいのか?」

心理「ジャマはしないわよ」

垣根「・・・黙ってろよ」

別に、心理定規がいてもいなくても変わらなかった

なのになんでか嬉しかったんだよ

誰かがそばにいてくれるのが新鮮だったんだ

垣根「・・・」

心理「・・・ねぇ」

710 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:46:13.84 ID:1zjTSJ1a0
垣根「黙ってろって言わなかったか?」

心理「一つだけ聞いたら黙るわよ」

垣根「・・・なんだよ」

心理「・・・あなたは人殺しが・・・平気?」

垣根「平気に決まってるだろうが」

心理「・・・本当に?」

垣根「あぁ」

心理「そのわりに今日は躊躇してなかった?」

垣根「・・・自分より格下のやつを無理矢理殺すのは気が引けるんだよ」

心理「プライド?」

垣根「情けだよ、外道だとしても俺には俺なりの美学があんだよ」

心理「・・・私はね、怖いのよ」

711 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:46:52.41 ID:1zjTSJ1a0
垣根「質問したら黙るんじゃなかったのか?」

心理「・・・そうね、ごめんなさい」

垣根「・・・仕事のBGM代わりに聞いてやるよ」

心理「・・・ありがとう」

垣根「・・・気にすんな」

心理「・・・いつか、私もあんなふうに殺されるのかって不安になるの」

垣根「・・・んなこと考えてたらやっていけねぇよ」

心理「それにね・・・こんなことを繰り返していたら、人殺しが当たり前になりそうなのよ」

垣根「自分が化け物になるってか」

心理「・・・あなたは怖くない?」

垣根「・・・怖くないって言ったら嘘になるかもな、でも後悔はしてないさ」

心理「・・・あなたは強いのね」

712 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:47:26.35 ID:1zjTSJ1a0
垣根「強がってるだけだ」

心理「・・・もう少しここにいていいかしら?」

垣根「あぁ」

心理「・・・ありがとう」

垣根「・・・俺も聞いていいか?」

心理「えぇ、なに?」

垣根「・・・笑わないでくれよな?」

心理「笑わないわよ」

垣根「・・・」


上条「・・・二人とも、躊躇してたのか?」

垣根「当たり前だろ、あんな世界にいたくはなかったからな」

心理「他に生きる道があったらそっちを選んでたわよ」

美琴「・・・二人とも大変だったのね」

713 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:48:04.06 ID:1zjTSJ1a0
垣根「大変?自業自得だよ」

心理「そうよ、あれしかなかったなんて言い訳にしかならないわよ」

上条「・・・でもやっぱりかわいそうだよ」

心理「・・・そう」

垣根「同情なんかいらねぇよ」


垣根「・・・お前は、俺が怖いか?」

心理「いきなりどうしたの?」

垣根「・・・どうなんだよ」

不安だったのかもな

初めて能力を見せたんだ

もしかしたら

心理定規も不気味に感じてるんじゃないかって

714 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:48:38.83 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・俺を化け物だと思うか?」

心理「思わないわよ」

だから、心理定規がきっぱり言ってくれたのが嬉しかったんだ

垣根「・・・思わないか?」

心理「何を言ってるのよ、そんなこと言ったら人殺しをした時点で私も化け物よ」

垣根「・・・お前なんかまだまだだろうが」

心理「・・・そんなことないわよ、あなたは優しいじゃない」

垣根「優しい?人殺しもする、指図もする、そんな俺がか?」

心理「優しくなかったら私の話なんて聞いてくれないし、こんな話もしてくれないでしょ?」

垣根「・・・どうだかな」

心理「安心したわ、あなたも普通の青年なのね」

垣根「・・・普通じゃないとでも思ってたのかよ」

715 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:49:07.29 ID:1zjTSJ1a0
心理「超能力者は変わってるって聞いてたから」

垣根「・・・変わってるだろ実際」

心理「・・・変わってるけど、なかなか面白い個性じゃない」

垣根「・・・俺が面白いだと?」

心理「・・・とりあえず、怖くなんかないわよ」

垣根「そうかよ」


上条「・・・心理さんって本当に垣根のこと好きだったんだな」

美琴「・・・なんか、ちょっといいなぁ」

心理「良くないわよ、あんな世界にいたのよ?」

上条「でもさ、二人の信頼関係はうらやましいよ」

垣根「信頼関係か・・・信頼なんだろうかな」


716 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:49:51.80 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・コーヒー飲むか?」

心理「あら、いれてくれるの?」

垣根「あぁ・・・話聞いてもらったついでだ」

心理「私が聞いてもらったはずなんだけど」

垣根「ゴチャゴチャ言うな、飲むか?」

心理「お願い」

垣根「・・・」

何かが嬉しかった

何が、とか具体的なことなんて分からなかった

ただ、心理定規が怖くないと言ってくれたことがなぜか嬉しかった

他人にそんなこと言われてもそこまでは嬉しくなかったと思う

垣根「・・・お前さ、体売ってるのか?」

717 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:50:21.20 ID:1zjTSJ1a0
心理「ちょっと違うわよ」

垣根「・・・なんでそんなことしてるんだ?」

心理「だって私はこうでもしないと暮らしていけないもの」

垣根「・・・まともな方法じゃ稼げないからか」

心理「・・・私ね、この世界以外で暮らしていける自信がないのよ」

垣根「俺だってそうさ」

心理「こんな世界にしかいられない私なのよ?もう私には価値なんてないじゃない」

垣根「・・・誰だって価値なんざねぇよ、周りが勝手に決めるもんだ」

心理「・・・」

垣根「・・・この世界にお前は似合わない気がするな」

心理「あら、どうして?」

垣根「明るすぎるんだよ」

718 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:51:02.22 ID:1zjTSJ1a0
心理「明るくないわよ?私はどちらかと言ったら冷めてない?」

垣根「・・・そういう意味の明るいじゃねぇんだよ」


上条「・・・垣根はやっぱり普通の世界に憧れてたのか?」

垣根「あぁ・・・あの頃からずっと、戻りたいと思ってたさ」

美琴「・・・心理定規も戻りたかったの?」

心理「えぇ・・・でもそんなことは出来なかったわよ」


垣根「はぁ・・・だりぃ」

心理「お疲れ様・・・やっと書類整理も終わったみたいね」

垣根「・・・こんなの毎日やってられるかよ・・・」

心理「・・・ご褒美がほしい?」

垣根「いらねぇよ、仕事すれば金がもらえるんだ」

719 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:51:42.94 ID:1zjTSJ1a0
心理「・・・お金、ね」

垣根「・・・帰るか」

心理「あら、一緒に帰ってくれってことかしら」

垣根「・・・ちげぇよ」

心理「・・・違うの?」

垣根「・・・ついてきてもいいぞ」

心理「えぇ」

誰かと歩くのも久しぶりだった

そうやって肩を並べて歩くのが懐かしかった

垣根「・・・お前、歩くの遅いんだな」

心理「仕方ないでしょ?あなたと歩幅が違うのよ」

垣根「身長が違うからな」

720 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:52:29.32 ID:1zjTSJ1a0
心理「あなたってスタイルがいいわよね」

垣根「・・・お前もだろ」

心理「そうね」

垣根「・・・あんまり会話することもねぇな」

心理「・・・えぇ」

垣根「・・・お前のホテルってここから近いのか?」

心理「なんでそんなことが知りたいの?」

垣根「お前のスピードに合わせてると遅くなっちまうからな、早く帰ってほしいんだよ」

心理「・・・本当に?」

垣根「で?近いのか?」

心理「まだしばらくあるわよ」

721 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:53:07.66 ID:1zjTSJ1a0
垣根「ちっ、まだかよ」

心理「・・・ちょっと嬉しそうじゃない」

垣根「嬉しくねぇよ」

心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「・・・なんか軽々しく呼ばれるとムカつくな」

心理「あら、意外と初心?」

垣根「・・・うっせぇな」

めんどくさかった

話をするのも、誰かに合わせるのも

それがとてもめんどくさかった

でも、心地好いめんどくささだったんだよ

垣根「・・・急げよ」

心理「はいはい」

722 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:53:44.28 ID:1zjTSJ1a0
上条「・・・二人とも、なんか今とあんまり変わらないんだな」

美琴「・・・そうね、なんだかんだ垣根が弱いところとか」

垣根「弱くねぇよ」

心理「あら、いつも私に振り回されるでしょ?」

垣根「・・・うるせぇな」


垣根「・・・あ?お前もう来てたのかよ」

ゴーグル「ちーっす・・・昨日心理定規さんとデートしてましたか?」

垣根「はぁ?デート?」

ゴーグル「二人が並んで歩いてるの見たんですよ」

垣根「あれは偶然帰る時間が重なったんだよ」

ゴーグル「はぁ・・・やっぱり垣根さんはレベルが違いますね」

723 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:54:17.84 ID:1zjTSJ1a0
垣根「上手くねぇからな」

ゴーグル「・・・ちょっと悔しいっす」

垣根「だったら心理定規襲えばいいじゃねぇか」

ゴーグル「そ、それは違うでしょ!?」

垣根「ったくよ・・・お前はガキだなぁ」

ゴーグル「なんでですか!?垣根さんが手慣れてるだけっすよ!」

垣根「あのな、今日日女と歩いてるのがデートだと思ってたらやってらんないぜ」

ゴーグル「え、そうなんすか」

垣根「とりあえず俺達はそういう関係じゃねぇよ」

ゴーグル「マジっすか・・・」

垣根「なんで胸撫で下ろしてんだよ」

ゴーグル「だって職場にカップルがいたら気まずいじゃないっすか」

724 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:54:58.87 ID:1zjTSJ1a0
垣根「気まずい?」

ゴーグル「俺だけ一人仲間外れじゃないっすか」

垣根「ちっ・・・だからそういうのじゃ・・・」

ゴーグル馬鹿は色ボケというか、そういうことに興味津々だった

普通の生活なんて出来なかったからな

きっと恋愛とかもしたかったんだろ

心理「おはよう」

ゴーグル「お、おはようございます!」

垣根「よぉ」

心理「・・・おはよう」

ゴーグル「え?え?」

725 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:55:29.77 ID:1zjTSJ1a0
ゴーグル馬鹿はなんかその時焦ってたな

あいつは馬鹿だから異常に勘繰ってきやがった

心理「あら、どうしたの?」

ゴーグル「ふ、二人はやっぱり・・・」

垣根「出来てねぇよ」

心理「そうよ、ね?」

垣根「あぁ」

ゴーグル「・・・そういうやり取りがもうカップルっぽいんすよ」

垣根「黙ってろ」


上条「・・・なんかゴーグルの人とは仲良くなれる気がする」

美琴「奇遇ね、私も」

726 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:56:12.17 ID:1zjTSJ1a0
垣根「だからあいつは死んでるんだよ」

心理「どっかで生きてそうな感じもするけどね」

垣根「掴み所ないヤツだったからな」


垣根「・・・」

心理「二人きりね」

垣根「ゴーグル馬鹿は風邪だって?」

心理「インフルエンザらしいわよ」

垣根「くそが・・・暗部の精鋭がインフルエンザごときでぶっ倒れるなんてナメてんだろ」

心理「・・・仕方ないでしょ、私達に移ったらもっと大変じゃない」

垣根「・・・気まずいんだよ、お前と二人きりなのは」

心理「あら、意識しちゃう?」

727 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:56:40.59 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・」

心理「・・・何よ、もしかしてそんな気なの?」

垣根「うるせぇ、今集中してるんだよ」

心理「あら、何かしてるの?」

垣根「ちょっとな」

あの時はたしか本を読んでたんだ

なんだったっけ、吾輩は猫であるだった気がする

いや違ったかも

心理「・・・読書が趣味なの?意外ね」

垣根「・・・お前は読まないのか?」

心理「あなたは頭がいいから、本とかも好きなんでしょう?」

垣根「ちげぇよ、所詮は暇つぶしだ」

728 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:57:56.67 ID:1zjTSJ1a0
心理「暇つぶしにしては厚い本を読んでるわね」

垣根「・・・黙ってろ」

心理「・・・」

垣根「・・・なんだよ」

心理「・・・しゃべるなって言ったじゃない」

垣根「・・・だったな」

心理「・・・」

垣根「・・・ゴーグル馬鹿って意外と必要だったりもするんだな」

心理「そうね、今になって分かったわよ」

垣根「ヒマだな」

心理「ヒマね」


729 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:58:24.24 ID:1zjTSJ1a0
上条「ゴーグルの人って見た目どんなだったんだ?」

垣根「パッとしないヤツだったな」

心理「まぁ決してダメな顔ではなかったわよ」

美琴「ふーん・・・なんか面白そうな人」

垣根「面白いっていうより愉快な馬鹿だったな」


ゴーグル「ちわっす・・・」

垣根「よぉ、治ったか」

ゴーグル「まだ喉が痛いんすけど」

垣根「我慢しろ、今日は多分そんなでかい仕事も来ないからな」

ゴーグル「?なんでっすか?」

垣根「昨日大きな仕事を済ませたからな」

730 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:58:50.29 ID:1zjTSJ1a0
ゴーグル「大きな仕事?」

垣根「スキルアウトの隠れ家ぶっ潰したんだよ」

ゴーグル「心理定規さんと二人でですか?」

垣根「アホか、あいつに直接的な戦闘力はねぇよ」

ゴーグル「ま、まさか垣根さん一人っすか!?」

垣根「当たり前だろうが」

ゴーグル「・・・さすがっすね」

垣根「・・・あいつワイン用意して待ってるとか言って隠れ家に残りやがったんだよ」

ゴーグル「ちょっとひどいっすね」

垣根「最低だよな」

ゴーグル「最低っすね」

731 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 10:59:24.44 ID:1zjTSJ1a0
心理「悪かったわね」

垣根「・・・」

ゴーグル「い、いつから聞いてたんすか!?」

心理「わりと最初からよ・・・垣根は気づいてたくせに話続けてたでしょ」

垣根「てめぇが一人残ったから後片付けまで一人だったんだよ」

心理「あら、いいじゃない別に」

ゴーグル「心理定規さん、久しぶりっす」

心理「久しぶり、調子はどう?」

ゴーグル「まぁまずまずっすよ」

垣根「そういうわけだ、まだまともには仕事できねぇみたいだ」

心理「・・・じゃあ今日も二人なのね」

垣根「昨日てめぇは働いてなかっただろボケ」

732 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:00:05.38 ID:1zjTSJ1a0
心理「応援してたじゃない」

垣根「届いてませんでした」

心理「何よ」

垣根「なんだよ」

ゴーグル「・・・なんか休む前より二人の距離が近づいてる気がするんすけど」

垣根「うるせぇな、んなことねぇんだよ」

心理「あら、あなたも私と親密になりたいのかしら」

ゴーグル「そ、そんなことないっすよ!」

垣根「てめぇはいちいちリアクションが面白いな」

心理「からかいがいがあって面白いわよ」

ゴーグル「ひ、ひどい・・・」

垣根「・・・にしてもヒマだな」

733 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:00:32.44 ID:1zjTSJ1a0
心理「世間は正月が近いもの」

ゴーグル「二人は祝ったりするんすか?」

垣根「んなわけねぇだろ」

ゴーグル「あ、俺もっすよ」

心理「仕事が入るに決まってるわよ」

垣根「・・・まぁ来年も頼むぜ」

心理「えぇ」

ゴーグル「こちらこそ」


上条「・・・なんか意外と普段はほのぼのしてたんだな」

美琴「うん、アイテムだっけ?麦野さん達のとこもほのぼのしてたし」

心理「性格破綻はしてても、普段からいかれてるのなんてあんまりいないわよ」

垣根「一方通行は特殊なんだよ」


734 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:01:14.57 ID:1zjTSJ1a0
心理「・・・ねぇ、仕事は?」

垣根「片付けた」

ゴーグル「大体正月からスキルアウトの粛正だなんて楽しい仕事っすね」

心理「・・・正月くらいはゆっくりしたかったわね」

垣根「俺達の仕事にんなもん関係あるかよボケ」

心理「でもたまには休みがほしくない?」

垣根「てめぇは大抵休んでるだろ」

ゴーグル「あれ・・・なんか垣根さんイライラしてます?」

垣根「・・・昨日な、ホテルの近くでバカ共が騒いでて眠れなかったんだよ」

心理「あら、あなたのことだから能力でも使って半殺しにしそうなのに」

垣根「しねぇよ、俺は一般人には極力手を出さないんだよ」

ゴーグル「美学っすか?」

735 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:03:21.56 ID:1zjTSJ1a0
心理「生温い美学ね」

垣根「心配するな、自覚はある」

心理「・・・一応言っておくわ、あけましておめでとう」

垣根「あぁ、あけおめ」

ゴーグル「今年もよろしくっす」

心理「今年は少しくらいまともな年になればいいわね」

垣根「なるわけねぇだろ」 

心理「・・・まぁあなたたちと一緒なら今までよりは楽しめそうよ」

垣根「奇遇だな、俺もだ」

ゴーグル「俺もっすよ」


上条「・・・気は合ってたんだな」

垣根「まぁクソッタレたちだったかな」

心理「でもなんだかアットホームだったわね」

美琴(ときどき殺伐としてるけどね)

736 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:06:26.49 ID:1zjTSJ1a0

垣根「世の中のバカ共は今頃正月だって騒いでるんだろうな」

ゴーグル「そりゃそうっすよ・・・俺だって祝いたいですけど」

心理「じゃあ飲みにでも行く?」

垣根「ふざけんな、今日も仕事なんだよ」

あんときはあまり仕事はなかった

というより、一つしかなかった

その仕事も簡単なもので、すでに終わらせてたんだ

垣根「お前ら二人だけで行っとけ」

ゴーグル「か、勘弁してくださいよ!」

心理「あら、いやなのかしら?」

ゴーグル「な、なんか怖いっすよ」

垣根「安心しろ、骨は拾ってやる」

ゴーグル「はい!?」

心理「・・・じゃあ、行きましょうか」

ゴーグル「二人だけっすか!?」


737 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:09:18.20 ID:1zjTSJ1a0
垣根「行ってこい、ジャマだ」

ゴーグル「・・・ジャマって・・・」

心理「はぁ・・・行くわよ」

心理定規がゴーグル馬鹿を連れてったときはなんかムカついた

俺も誘えよって

もっと強引に誘えよって

いや、誘われたのを断ったのは俺だけどな


上条「・・・垣根ってなんか子供っぽいよな」

垣根「童心を忘れないのさ」

美琴「いや、ガキっぽいのよ」

垣根「あぁ?」

心理「・・・ねぇ、もう少し早く進めましょう、これじゃなれ初めじゃなくて思い出の垂れ流しよ」

垣根「分かったよ」

738 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:15:30.38 ID:1zjTSJ1a0

心理「・・・ねぇ」

ゴーグル「・・・なんすか」

心理「・・・何か話しなさいよ」

ゴーグル「そんなこと言っても、なんもないっすよ?」

心理「はぁ・・・つまんないわね・・・」

ゴーグル「仕方ないっすよ・・・こっちはただでさえ気まずいのに」

心理「・・・あなた、私のこと嫌いなの?」

ゴーグル「そ、そういうわけじゃ・・・」

心理「・・・はぁ、垣根もいないとダメね・・・」

ゴーグル「・・・もしかして垣根さんのこと好きなんすか?」

心理「どうかしら、ただ面白い男よ、彼は」

ゴーグル「・・・イケメンってお得っすね・・・」

心理「なに?」

ゴーグル「いえ・・・なんでもないっす」

739 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:18:14.44 ID:1zjTSJ1a0
心理「・・・垣根って、一体なんで暗部に来たのかしら?」

ゴーグル「そんなこと言ったら心理定規さんもっすよ」

心理「私は自然とね・・・あなたは?」

ゴーグル「俺もっすよ・・・だからあんま、普通の生活とかわかんないんです」

心理「・・・憧れの前に知らないってことね」

ゴーグル「・・・二人は知ってるんですか?」

心理「一応はね」

ゴーグル「懐かしくないですか?」

心理「懐かしいわね・・・たしかに」

心理「・・・きっと、垣根もそうなのよ」



上条「・・・なんか、ちょっと悲しいな」

垣根「今はこうやって平和になってんだ、文句はねぇよ」

美琴「心理定規、アイスコーヒーでいい?」

心理「えぇ、ありがとう」

740 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:21:47.83 ID:1zjTSJ1a0

ゴーグル「・・・ちわーっす」

垣根「・・・昨日は二人で飲みだったか?うらやましいこった」

ゴーグル「なんもなかったっすよ?」

垣根「そうかい・・・それより仕事だ」

ゴーグル「?心理定規さんは?」

垣根「お前と心理定規が組め、俺はもう一つを叩いてくる」

ゴーグル「内容は?」

垣根「スキルアウトをぶっつぶせ、だとよ」

ゴーグル「正義の味方っぽいっすね」

垣根「悪の敵はいつだって悪なんだよ」

ゴーグル「なるほど・・・了解っす」



上条「・・・スキルアウトとなんで戦ってたんだ?」

垣根「暗部の目的の一つに、不穏因子の排除があったんだよ」

心理「まさか暗部が不穏因子そのものとはアレイスターも思わなかったのかしらね」

美琴「ふーん・・・なんかただの悪の組織だと思ってた・・・」

741 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:24:38.40 ID:1zjTSJ1a0

心理「・・・っつ・・・」

ゴーグル「お疲れ様・・・ってどうかしたんすか?」

心理「・・・別に・・・ちょっと背中からやられただけよ」

ゴーグル「!?襲われたんすか!?」

心理「・・・そういう意味じゃないけど・・・鉄パイプでね」

ゴーグル「だ、大丈夫なんですか?」

心理「えぇ、歩けるから」

ゴーグル「か、肩・・・貸しましょうか?」

心理「いいわよ、大丈夫」



垣根「あぁ、あのときか」

上条「あのとき?」

心理「私が背中を殴られて怪我してね・・・垣根が傷薬を取ってきてくれたのよ」

美琴「へぇ・・・なんかその頃から心理定規には優しかったのね」

垣根「うるせぇな」


742 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:28:07.50 ID:1zjTSJ1a0

ゴーグル「・・・垣根さん、一人でいいんすか?」

垣根「当たり前だろ、心理定規は戦闘不能・・・てめぇもそこまで役には立たない」

ゴーグル「ひ、ひどいっすよ・・・」

垣根「なんか依頼が入ったらてめぇがやっとけ、どうせ簡単なのしかこねぇよ」

ゴーグル「・・・了解」



上条「・・・ゴーグルさんってヘタレだったのか?」

垣根「パシリっぽかったな」

美琴「なんかかわいそう・・・」

心理「でも面白い子だったわよ」

垣根「お前はいじりまくってたな」

上条「相変わらず悪趣味で・・・」

心理「なに?」

上条「い、いえ!!」


743 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:35:51.00 ID:1zjTSJ1a0

垣根「・・・あ?なんだよ電話なんかしてきてよ」

ゴーグル『仕事が入っちゃいましたよ』

垣根「で?俺になんで電話するんだよ」

ゴーグル『・・・一応連絡しとこうかと』

垣根「・・・で?どんな仕事だ?」

ゴーグル『スキルアウト支部の殲滅・・・』

それからゴーグル馬鹿が簡単な説明をしてきたな

垣根「・・・おい、そこにちょうどいるんだけど」

ゴーグル『え、マジっすか?』

垣根「おう、ついでだ、やっといてやるよ」

ゴーグル『いいんすか?』

垣根「おう、今は機嫌がいいんでな」

ゴーグル『・・・じゃあお願いします』



上条「なんで機嫌がよかったんだ?」

垣根「心理定規のための傷薬を奪えたからな」

美琴「う、奪ったの?」

垣根「あぁ」

744 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:38:44.41 ID:1zjTSJ1a0

垣根「・・・どうよ?傷のほうは」

心理「・・・大丈夫、もう痛みもないわ」

垣根「そうか・・・安心した」

心理「私の傷が治って?」

垣根「・・・そうかもな」

あれから、傷薬を塗って心理定規は治ったんだ

まぁひどい傷があんなに一瞬で治るとは思わなかったけどな

垣根「・・・悪かったな」

心理「私のミスだって言ってるでしょ、あなたは薬を取ってきてくれた優しい人、それだけじゃない」

垣根「んな簡単に割り切れるかよ」



上条「あ、なんかいい雰囲気になってきたのか?」

垣根「あんときは心理定規のことでいっぱいいっぱいだったな」

心理「あら、そうだったの?」

美琴「へぇ・・・垣根もやるじゃない」


745 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:43:24.05 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・なんか食いたいものとかあるか?」

心理「あら、もう動けるわよ?」

垣根「・・・一応聞いただけだ」

心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「なんだよ」

心理「その・・・」


ゴーグル「ちーっす」

垣根「・・・お前、死ねよ」

ゴーグル「え、なんでっすか!?」

心理「空気を読みなさいよ・・・」

ゴーグル「お、俺・・・何かしました?」

垣根「・・・なんでもねぇよ」


746 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:47:18.39 ID:1zjTSJ1a0
ゴーグル「心理定規さん、傷はもういいんすか?」

心理「えぇ、垣根のおかげでね」

垣根「まぁな」

ゴーグル「?能力かなんかで治したんすか?」

心理「そうじゃないけど・・・」

垣根「ま、今日からまた働いてもらうからな」

心理「えぇ」



上条「・・・なるほど、そのときから心理さんはもうメロメロ、と」

垣根「そうだったのか?」

美琴「そうなの?」

心理「まぁ・・・確実に意識しだしたのはね」

垣根「じゃあ・・・暗部の頃の話はこれくらいかな」


747 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 11:52:50.58 ID:1zjTSJ1a0
上条「そういえばさ、二人と会ったのは遊園地だったよな?」

心理「えぇ、そうだったわね・・・」

垣根「あのときは忘れないな」

美琴「ねぇ、どうして遊園地に行ってたの?」

心理「じゃあ・・・その時の話でもする?」

垣根「めんどくせぇけどな」



垣根「・・・ゴーグル馬鹿の墓参りとかは?」

心理「いいんじゃない?死体はないんだし、お墓もないもの」

垣根「・・・アイテムに突入」

心理「やめてちょうだい」

垣根「はぁ・・・」

あんときはヒマだったから何かしようぜ、って話だった

俺が無事に帰ってきてたしか1ヶ月くらいだったかな


748 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:24:13.62 ID:1zjTSJ1a0

垣根「・・・どっか行くか?」

心理「あら、デート?」

垣根「・・・そういうことにしといてもいいぜ」

心理「・・・そう」

垣根「で?行きたい場所とかあるか?」

心理「・・・じゃあ、遊園地かしら」

垣根「遊園地?」

ちょっと意外だったな

心理定規はもう少し大人なところが好みそうなイメージだったから

垣根「・・・遊園地か」

心理「いやかしら」

垣根「・・・分かった、行くか」


749 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:27:20.10 ID:1zjTSJ1a0
心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「なんだよ」

心理「・・・ありがとう、帰ってきてくれて」

垣根「帰ってこられたのは偶然だ」

心理「でも、こうやってまた二人で歩ける日が来るとは思わなかったわ」

垣根「・・・俺もだよ」

心理「・・・嬉しいわよ、あなたと歩けるのが」

垣根「そうかよ」



垣根「本当はさ、俺も嬉しかったんだぜ?」

美琴「そりゃ・・・待ち続けられてたら恋もするわよね」

上条「・・・そうだよな、垣根でもするよな・・・」

心理「でも最初は素直になってくれなかったわよね」

垣根「当たり前だろ・・・真剣に考えたらなんか怖かったんだよ」


750 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:30:05.13 ID:1zjTSJ1a0

垣根「・・・なぁ、なんで手繋ぐんだよ?」

心理「あら、あなたがどこかに行かないようによ?」

垣根「・・・もう行かないさ」

心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「なんだよ」

心理「・・・そばにいてよね?」



上条「ふぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」

美琴「なに!?私達に負けず劣らずの馴れ初めじゃない!?」

垣根「そうか?」

心理「私達からしたら少し恥ずかしい過去よ」

垣根「後悔はしてないけどな」

心理「えぇ」


751 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:34:40.90 ID:1zjTSJ1a0
上条「はぁ・・・なんか少し感動した」

垣根「暗部の頃の話は忘れてくれよな」

美琴「・・・素敵な話ね」

垣根「・・・こんな話してるうちにもう夕方だぜ?」

垣根が空を指差す

空はオレンジ色になっていた

上条「いけね・・・ワインとか大丈夫かな?」

垣根「まぁどうにかなるさ・・・」

心理「じゃあ、最後の夜だし四人で何かやる?」

美琴「うん、ホテル帰ってからね」

垣根「あいよ」

四人はレストランから出て、ホテルへ帰る


垣根(・・・過去の話なんて恥ずかしいよな)



752 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:40:40.51 ID:1zjTSJ1a0

ステイル「・・・どうしようか」

ステイルは一人で考えていた

目の前にはインデックスがいる

イン「?どうしたの、ステイル?」

ステイル「な、なんでもないよ」

彼女が来て、今日で3日目

明日には彼女も日本に帰ってしまう

その間に自分の思いを言葉にしよう、と決めていた

しかしこうなってみたら言葉にするのは難しい

ステイル(・・・素直な気持ちを言葉に、か)

イノケンティウスにそう言われた

口で語るのではなく、心で叫ぶらしい

よくは分からないがなんとなく心に響いた

753 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:44:24.68 ID:1zjTSJ1a0
ステイル「ねぇ、インデックス」

イン「うん、なに?」

ステイル「・・・君は、この旅行は楽しかったかい?」

イン「うん!!とってもいい旅行だったんだよ!」

ステイル「そうか・・・」

彼女の笑顔が嬉しかった

素直な言葉

それを当たり前のように言えるインデックスがうらやましかった

言葉に素直に出来るのは子供だけだ

だからこそ、子供の言葉はときに人を傷つける

ステイル「・・・君は素直だね」

イン「?どういうこと?」

ステイル「子供なのかな」

イン「・・・それはバカにしてるのかな?」

754 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:49:03.76 ID:1zjTSJ1a0
ステイル「まさか」

イン「あ、笑ったんだね!?」

ステイル「ははは・・・君は明るいな」

イン「そうかな?」

ステイル「・・・そういう明るさが、昔から好きだったよ」

イン「きゅ、急に何言ってるの!?」

ステイル「あ、いや・・・」

少しだけ、素直な言葉が出てしまう

意識して考えたわけでもなく

ただ、自然と口からこぼれだしたように

ステイル(・・・難しく考える必要はないのかもしれないな)

イン「ねぇ、ステイル?」

ステイル「あぁ、悪いね」

イン「・・・私のこと、好きなの?」

ステイル「・・・」

少し、ステイルが口をつぐむ

イン「なしのつぶて?」


755 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:53:25.58 ID:1zjTSJ1a0
ステイル「・・・君の事は昔から好きさ」

イン「それは、友達として?」

ステイル「それ以外に何があるんだい」

イン「はぁ・・・ステイルはダメダメなんだよ」

インデックスが呆れたように首を振る

それは至極当たり前のことだろう

ステイル「・・・僕は、素直になんかなれないのかもな」

イン「?何か言った?」

ステイル「いや・・・君は僕のことをどう思ってるんだい?」

イン「とうまと一緒くらい好きなんだよ?」

ステイル「・・・あまり嬉しい比較じゃないね」

イン「そうかな?最高の褒め言葉なんだよ!」

ステイル「・・・そうかい」

ステイルがタバコを咥える

あまり嬉しい言葉ではないのだが、褒めてくれているのはありがたかった

756 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:55:48.60 ID:1zjTSJ1a0
ステイル「・・・そろそろ帰るかい?」

イン「・・・うん、もう帰らないと」

空はオレンジ色になっている

女子寮はそろそろ食事の時間だろう

ステイル「・・・明日には朝早く帰るんだったかな?」

イン「うん、また来るんだよ」

ステイル「あぁ、待ってるよ」

ステイルが笑う

また、と言えるのが幸せだった

イン「・・・それじゃ、またね」

ステイル「あぁ、また・・・イギリスに来たときに」

イン「ステイルが日本に来てもいいんだよ?」

ステイル「日本の空気は好きじゃないんだ」

イン「なんで?」

ステイル「なぜだろうね」

757 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 12:58:08.15 ID:1zjTSJ1a0
イン「・・・とうまがいるから?」

ステイル「・・・空気とは関係ないけどね」

イン「・・・嫌いなの?とうまのこと」

ステイル「苦手なのさ、あそこまで純粋な人間は」

イン「ステイルも純粋なんだよ」

ステイル「ありがとう」

ステイルがインデックスの頭に手を乗せる

イン「・・・じゃあ、帰るね」

ステイル「あぁ」

それだけの会話を交わして、二人は別々の道を歩く

ステイル(・・・はぁ)


ステイル(結局僕は、臆病なままか)

空のオレンジが、なぜか少しぼやけていた


758 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 13:37:29.86 ID:1zjTSJ1a0

垣根「じゃあ・・・乾杯するか?」

上条「ジュースなのはありがたいな」

心理「私はちょっと不満だけどね」

美琴「いいじゃない、たまには素面なのも」

垣根「・・・ほれ、乾杯だろ」

上条「そうだったな」

四人がグラスを掲げる

ホテルの一室

最後の一日は、四人で楽しもうと決めたのだ

上条「じゃあ・・・かんぱーい!!」

三人「かんぱーい!!!」

759 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 13:41:25.60 ID:1zjTSJ1a0
上条「・・・美味い!!」

垣根「だはー・・・美味いな」

心理「ジュースもたまにはいいものね」

美琴「ねぇねぇ、テレビつけていいかな?」

上条「あぁ・・・ってあれ?」

上条がテレビの端っこにお金を入れるところがあるのに気づく

そう、いわゆるペイチャンネルだ

上条(・・・こういうホテルでもやっぱりあるんだな・・・)

二人部屋、しかもペイチャンネルがある

もはやそういうことをさせるための部屋とも言える

いくら高そうなホテルでも、そういうもんなんだなぁ、と上条が感心したその時

美琴「あ、なんかお金入れるところがある」

美琴が気づいてしまった

そういうことに詳しくない美琴が


760 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 13:45:35.53 ID:1zjTSJ1a0
上条「み、美琴・・・それは」

美琴「えいっ」

上条の言葉が終わる前に、美琴がお金を入れてしまった

もちろん、流れるのはああいう映像だ

「オウ!!イェェェス!!!」

「オウイェー!!!」

みたいなよく分からない喘ぎ声と共に、全裸の男女が映る

垣根「ワーオ、やっちゃったよ」

心理「あら、これはこれは」

美琴「ふにゃぁぁぁっ!?」

上条「お、落ちつけ美琴、電源を消せばいいんだ!!」

美琴「ふにゃぁっ!!ふにゃぁっ!」

上条「ふにゃふにゃ語はいいから!!」

垣根「さっさと消せよ、ジュースが不味くなる」

心理「なかなか派手なシーンね」


761 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 13:49:46.90 ID:1zjTSJ1a0
上条「くそっ!?リモコンは!?」

垣根「はいどーぞ」

上条「えいっ!!」

上条がリモコンの電源ボタンを押す

しかし、なぜかテレビはついたままだ

上条「あ、あれっ!?」

美琴「ふにゃっ!?ふにゃぁ!?」

上条「お、落ち着いて・・・」

垣根「あれだろ、御坂が電磁波出しすぎてんだろ」

心理「そうね、今なんかビリビリ言ってるし」

上条「な、なるほど!!」

上条が美琴の肩に触れる

これで、電磁波は消えたはずだ

だが考えてもみてほしい

今、ペイチャンネルが流れている

762 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 13:52:51.47 ID:1zjTSJ1a0
そして、いきなり肩に手を触れられたら

そりゃ、そういうことだと思っても仕方がない

よって

美琴「や、やめて!!」

美琴が混乱した挙句、上条に頭突きを食らわせてしまっても無理はないのだ

決して、理不尽ではない

上条「うびおぁ!!」

垣根(飛んだ)

心理(すごい頭突きだったわね)

上条「ち、違う・・・美琴の電磁波が・・・」

美琴「な、なに垣根たちのいるところでやるつもりだったのよ!?」

上条「勘違いですからね!?」

垣根「それより、電源切れよ」

美琴「だ、だだだだだだったわね!!」

美琴が前髪から電撃を飛ばす

テレビの電源がプツリ、と切れた

763 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 13:56:16.49 ID:1zjTSJ1a0
垣根「あーあ、なんか変な空気になったぞどうすんだよ御坂」

美琴「わ、私のせいなの!?」

上条「・・・ああいうのは大抵アダルトチャンネルなんだよ・・・」

美琴「し、知らなかったんだもん!」

心理「純粋なのね」

垣根「かまととぶっちゃって、どうせ濡れたくせに」

美琴「何よ!!そんなわけないでしょ!」

垣根「あれれー?焦ってるのかなぁ?」

美琴「消えろぉぉぉぉぉぉ!!!」

上条「ま、待った!!今日はほのぼのとした最終日を過ごしましょうねって決めただろ!?」

垣根「そうそう、美琴タソったらそんなことも忘れちゃったの?ドジっこかーわいーい」

美琴「・・・ちょっと本気で殺意が湧いたわ」

心理「やめなさい、見苦しいわよ」

垣根「そうだそうだー」

心理「あなたもね・・・」


764 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 13:59:08.62 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・で?どうやったらこの空気を変えられる?」

上条「そうだな・・・思い出を語るとか」

垣根「さっきやった」

美琴「・・・そうね・・・」

心理「別に何もしなくていいわよ、静かに飲みましょう」

垣根「ジュースをな」

心理「えぇ」

上条「・・・それでいいか」

美琴「うん」

四人がオレンジジュースを飲む

すっぱさが程よく、美味しいジュースだった

上条「・・・そういえばさ、垣根は心理さんともう婚約してるんだっけ」

垣根「あぁ、一応な」

美琴「・・・どんなプロポーズだったの?」

心理「・・・内緒よ」

765 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:04:07.82 ID:1zjTSJ1a0
垣根「上条たちはまだ婚約しないのか?」

上条「うーん・・・でも美琴と結婚はしたいなぁ」

美琴「わ、私も」カァッ

心理「・・・二人ならきっといい夫婦になれるわよね」

上条「そうかな?」

垣根「あぁ、お似合いだからな」

美琴「・・・婚約かぁ」

上条「なんか・・・実感が湧かないよな」

美琴「・・・そんなこと考えたことあんまりないもんね」

垣根「毎日が楽しけりゃいいってのはダメだぜ?」

上条「分かってるけどさ・・・」

美琴「でも、まだ中学生なんだよ?私・・・」

766 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:08:01.84 ID:1zjTSJ1a0
上条「そうそう・・・俺もまだ高校生だしさ」

垣根「言い訳、よくないね」

心理「なんで片言なのよ・・・」

垣根「・・・でもさ、二人はしっかり考えかないとダメだぜ?」

美琴「なんで?」

垣根「あれだろ?上条はとくに養う立場なんだから」

上条「う・・・だよな・・・結婚するのがいつかも考えないと・・・」

垣根「まさか高校卒業したらすぐのつもりか?」

上条「み、美琴が大学に入ったらすぐ・・・かな」

美琴「え?私が16になったらじゃないの?」

上条「そ、それは早過ぎないか?」

垣根「ほれみろ、意見がバラバラだろうが」

垣根が呆れたように溜め息をつく

767 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:12:13.75 ID:1zjTSJ1a0
上条「で、でもそしたら高校生で結婚だぞ?」

美琴「い、いやなの!?」

上条「いやじゃないけどさ・・・でも、養っていけないぞ?」

美琴「わ、私の奨学金が・・・」

上条「・・・なんか俺がヒモじゃないですか・・・」

美琴「い、いいわよ私は?」

上条「俺がよくない・・・」

心理「上条君は何か職業に就きたいとかはあるの?」

上条「それが・・・まだないんだよな・・・」

垣根「・・・お前さ、真面目に考えろよ」

美琴「と、当麻だけが悪いんじゃないわよ?」

垣根「うるせぇ、今は上条に言ってるんだよ」

美琴「う・・・」


768 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:16:47.93 ID:1zjTSJ1a0
垣根「いいか、真面目に結婚も考えろよ?」

上条「・・・そうは言ってもな・・・」

心理「・・・上条君は奨学金はそんなに出ないのよね?」

上条「あぁ・・・なんせLEVEL0ですからね」

垣根「・・・じゃあ、まずはバイトからじゃないのか?」

美琴「・・・バイトかぁ」

美琴が少し寂しそうにする

バイトをしてしまえば、二人でいる時間が少なくなるのだ

垣根「御坂、甘えてるんじゃねぇよ・・・」

心理「あのね、結婚したらどっちにしろ上条君は働くのよ?」

美琴「だ、だからね・・・今は一緒に・・・」

垣根「だーかーらー、それじゃダメだって言ってんだよ」

美琴「う・・・な、なんで?」

垣根「今からバイトしてたほうがいろいろ便利なんだよ」

上条「・・・そうだよな・・・」


769 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:21:59.45 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・御坂、お前は我慢しろ」

美琴「・・・だって、バイトなんて・・・」

心理「美琴、それでも愛して待つのが奥さんの役目よ?」

美琴「お、奥さん・・・」

美琴がぽけーっとした顔をする

きっと頭の中ではもう夫婦生活が始まっているのだろう

垣根「・・・上条、まず進学について真面目に考えな」

上条「ま、まだ高一・・・」

垣根「もう2年しかねぇんだよ」

心理「そうよ、早め早めに考えないと」

上条「・・・ですよねー・・・」

垣根「・・・三流大学でもいいんだろ?」

上条「そこしかいけません」
770 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:26:06.28 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・とりあえず、真面目に考えてみな」

上条「・・・テクパトルの行ってるジムがバイト募集してたんだよな・・・」

心理「そこにしてみたら?」

上条「そうだな・・・そうする」

垣根「・・・御坂、それでいいか?」

美琴「と、当麻は赤だし!?白だし!?」

上条「な、なにが?」

美琴「そ、そうよね!!お餅は四角のほうがいいわよね!」

上条「は、はい?」

心理「・・・美琴は子育てとかどうしたいの?」

美琴「ふぁぁっぃ!?」

垣根(シャウトがすげぇな)

心理「子育てよ」

771 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:29:50.40 ID:1zjTSJ1a0
美琴「子育て・・・?」

心理「えぇ、どうしたいの?」

美琴「ど、どうって?」

心理「上条君と二人でしたいの?」

美琴「あ・・・そのね、当麻は働くんでしょ?」

上条「あぁ・・・そうだな」

美琴「そうなったら、大変でしょ?」

心理「そうでしょうね」

美琴「だから、出来る限り一人でがんばってみたいなぁ」

垣根「でも主婦だって大変だぜ?」

美琴「そ、そうなの?」

垣根「洗濯、料理、掃除・・・買い物、風呂・・・いろいろあるだろ」

美琴「で、でも当麻のためなら・・・」

上条「美琴・・・」

772 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:41:14.44 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・そうだな、愛とは偉大だ」

心理「・・・でも、一人はきつくない?」

美琴「心理定規と二人で子育てするんだもん!」

心理「わ、私と?」

美琴「だって心理定規も垣根と子供作るんでしょ?」

心理「そ、そうね」

美琴「そうなったら、私の子供と心理定規の子供を遊ばせましょうよ!」

心理「い、いいけど・・・」

美琴「やったぁ!」

上条「・・・垣根と心理さんの子供なら美形だろうな・・・」

心理「・・・上条君と美琴の子供もそうなんじゃない?」

上条「でもさ、心理さんは子育て得意そうだよな」

美琴「うんうん、なんか母性溢れてるし」


773 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:45:54.55 ID:1zjTSJ1a0
心理「そうなるといいわね・・・でも、実際は混乱しそう」

垣根「俺も手伝うから無理すんなよ?」

心理「あら、ありがとう」

上条「・・・美琴との子供か・・・」

上条が考える

そろそろ、真剣に将来のことも思い浮かべなければならない

美琴「でもね、当麻がそばにいてくれるだけでいいのよ?」

上条「あぁ、分かってるよ」

そう言って、上条が美琴の頭を撫でる

垣根「・・・晩飯食うか」

上条「あぁ」

四人がいったん、ホテルの食堂へと降りる

もちろん、結婚談義を続けながら


774 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:46:20.21 ID:1zjTSJ1a0
今日はたぶんここまで

バイトですのでww

では行って来ます

775 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 14:55:18.89 ID:1zjTSJ1a0
バイト一時間間違えてた

もうちょい投下


上条「・・・美味いな」

美琴「うん、美味しい」

垣根「さぁ、結婚についてまた語ろうか」

心理「・・・で?上条君は働き出したら美琴とのことはどうするの?」

上条「そうだな・・・ずっと一緒にはいられないよな」

美琴「そ、そうよね・・・」

垣根「寂しいのか?」

美琴「・・・そりゃ、当麻と一緒にいられたら嬉しいわよ」

上条「でもさ、離れてても俺は美琴を愛してるぞ?」

美琴「当麻・・・」

垣根「・・・働く、かぁ」

776 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:01:47.03 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・なぁ、働いたらやっぱ仕事終わりに酒とか飲みに行くよな?」

上条「・・・はぁ?」

垣根「仕事終わりの酒だよ」

美琴「あ、そういうのは憧れるわね」

上条「・・・それが仕事の醍醐味か?」

垣根「そうだろ」

心理「・・・仕事ね・・・」

垣根「なんだよ」

心理「・・・なんでもないわよ」

上条「・・・そういえば俺の父さんってなんで外資系の仕事に就いたんだろう」

美琴「お義父さんってたしかにエリートっぽいわよね」

上条「まぁ普段はずぼらだけどな」

777 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:13:01.31 ID:1zjTSJ1a0
心理「・・・外資系は給料はよさそうよね」

垣根「その代わり家族にはあんまり会えないだろうな」

上条「そうかもな・・・」

美琴「い、いやよ!?当麻はそばにいてほしいもん!」

上条「分かってますよ」

美琴「えへへ//」

心理「・・・垣根は教師になりたいのよね?」

垣根「あぁ」

上条「なんだ、そうなのか?」

垣根「誰かにものを教えるって素晴らしいと思うんだよな」

上条「まぁ・・・先生はすごいよな」

美琴「うん、大変そう」

垣根「でもやりがいがありそうだろ?」

上条「・・・そうだな、そうかもしんない」

778 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:16:20.32 ID:1zjTSJ1a0
心理「・・・教師になると、生徒の誘惑がすごそうね」

垣根「はぁ?俺はガキには興味ねぇよ」

心理「あら、安心するわね」

美琴「・・・当麻、職場で浮気はダメだよ?」

上条「分かってますよ・・・こんな可愛い奥さんがいたら浮気なんてできませんし」

上条が美琴の頭を撫でる

美琴「え、えへへ//」

垣根「幸せそうですね」

上条「・・・将来のことか・・・」

心理「あら、どうしたの?」

上条「いや・・・正月終わったら今度はテストだなぁ、と」

垣根「近い未来過ぎるな」

上条「俺にとっては死活問題だ・・・」

心理「もしかして留年しそうなの?」


779 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:18:55.40 ID:1zjTSJ1a0
上条「そうなんですよ・・・」

垣根「マジで勉強しろよ」

上条「いや、これでも一日1時間は勉強してます」

垣根「少ないからな」

美琴「・・・当麻、留年したら私と一年多く一緒にいられるね」

上条「いやだから!!留年はいやだから!!」

心理「そうよ美琴」

美琴「じょ、冗談よ!」

垣根「ん?てか御坂は上条の学校に行く気か?」

美琴「え?ダメなの?」

上条「いや・・・もっといいとこ行けよ」

美琴「な、なんでよ!?」

心理「そうね・・・霧ヶ丘は?」

780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/13(火) 15:23:11.19 ID:600EXZj50
子供って、お前ら、思い出せ!
未来からの手紙で3年後に子供がいることを、そして子供たち恋愛が絡み合っていることを…
781 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:26:44.04 ID:1zjTSJ1a0
美琴「・・・わ、私・・・当麻の学校がいいのに」

上条「そりゃ嬉しいけどさ・・・」

美琴「けど?」

上条「美琴はもったいないと思うな」

美琴「・・・当麻も私を特別扱いするの?」ウルウル

上条「そ、そうじゃなくて!!ほら、周りがなんか気を遣いそうだろ?」

垣根「そうだな・・・上条の学校は進学校でもないし」

心理「美琴も大学まで行きたいんじゃないの?」

美琴「う、うん」

上条「だったら霧ヶ丘がいいだろうな」

美琴「でもなぁ・・・」

美琴が言葉を止める

そう、霧ヶ丘にはかつての宿敵、結標淡希がいるのだ
782 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:29:06.82 ID:1zjTSJ1a0
上条「・・・そういえばさ、垣根は学校には籍がないのか?」

垣根「あぁ、興味なかったし」

美琴「でも編入しようと思ったらすぐ入れてもらえるんじゃない?」

垣根「そうだな」

心理「上条君の学校に入ったら?」

上条「やめてください」

垣根「・・・姫神と吹寄がいるから楽しそうだな」

上条「頼むからやめてくれ・・・」

美琴「・・・私、どこに行けばいいのかな?」

心理「・・・私もどうすればいいのかしら」

垣根「あぁ?お前も行きたいのかよ」

心理「ちょっと興味が出てきたのよ」

垣根「はぁ・・・お前がねぇ」

783 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:31:23.05 ID:1zjTSJ1a0
上条「心理さんなら常盤台でいいんじゃないか?」

美琴「そうよ、おいでおいで!」

心理「いやよ、心理掌握がいるじゃない」

美琴「え、苦手なの?」

心理「なんかね、それに派閥争いとかくだらないし」

垣根「・・・まぁ心理掌握のヤツも丸くなったけどな」

上条「・・・でも他にあるか?」

心理「高校に行きたいのよ」

上条「と、飛び級ですか?」

心理「えぇ、だって垣根といたいもの」

垣根「そりゃ嬉しいけどな、俺は学校は遠慮しとくぜ」

心理「どうして?」

垣根「だってチヤホヤされそうだろ?」

上条「そりゃ第二位だったらな・・・」

784 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:33:54.45 ID:1zjTSJ1a0
垣根「だから逆に上条の高校がうらやましいんだよ」

上条「うちはあんまり気を遣わないからな」

垣根「姫神もいるからな」

上条「・・・お前、巫女属性か?」

垣根「あぁ、いいぜ巫女は」

上条「・・・そうか?メイドのほうがいいだろ」

垣根「なんでカタカナのものを好きになるんだよ、俺は巫女とバニーは譲れない」

上条「ツッコまないからな」

心理「・・・でも垣根は学校行けないんじゃない?」

垣根「はぁ?なんで」

心理「問題起こしそうだもの」

上条「・・・たしかに暴走しそうだよな」

垣根「しねぇよ・・・」

785 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:36:39.17 ID:1zjTSJ1a0
美琴「・・・心理定規、本当に常盤台はイヤ?」

心理「あら、そんなに来てほしいの?」

美琴「だって・・・私、やっぱり気を遣われてるもん」

心理「・・・私は普通に接してくれるから?」

美琴「う、うん」

心理「はぁ・・・私が男だったらあなたに惚れてると思うわ」

上条「ダメだからな、美琴は俺のものだ!」

心理「分かってるわよ・・・」

美琴「・・・ねぇ、来ない?」

心理「今度体験入学してもいいなら」

美琴「うん、申請しとくわよ!!」

垣根「あ、俺も俺も」

美琴「アンタはダメ」


786 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:40:23.76 ID:1zjTSJ1a0
上条「・・・心理さんは女子にもモテそうだよな」

垣根「そうだな・・・カッコイイし」

心理「あら、美琴ほどじゃないわよ」

美琴「心理定規って男女の両方に好かれそうよね」

上条「・・・そうだよなぁ・・・うらやましい」

心理「あなたもモテるでしょ」

上条「まっさかぁ!!」

垣根「はい、フラグ男は消えろ」

美琴「・・・垣根は当麻の学校がいいんだよね?」

垣根「そうだな・・・面白そうだし」

上条「まぁ・・・土御門と青ピもいるからな」

垣根「デルタクワドになるかもな」

上条「なんだそれ」

787 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:42:27.30 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・学校か」

上条「なぁ、垣根って小学校は行ってたのか?」

垣根「あぁ、あのときは面白かったな」

心理「へぇ・・・どんな風だったの?」

美琴「ちょっとだけ聞かせてよ」

垣根「そうだな・・・5年の頃の話なら覚えてるのがあるぜ」

上条「ほうほう」



垣根「あー、だりぃ」

「ね、ねぇ垣根くん!!」

垣根「あぁ?なんだよ」

「こ、これ読んでくれない!?」

垣根「・・・なんだこれ?」

「あ、あとで!!」

垣根「・・・分かったよ」


788 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:44:33.17 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・はぁ?これラブレターかよ」

垣根「興味ねぇー」ビリビリ



「ねぇ垣根くん、昨日の読んでくれた!?」

垣根「・・・あのなぁ、俺はラブレターで告白するようなヤツは大嫌いなんだよ」

「」

垣根「腑抜けが、ムカつくんだよ」

「」

垣根「じゃあな」



垣根「みたいな感じで、昔はわりとモテたんだぜ?」

上条「ちょっと待ってくれ、ひどくないか?」

美琴「それ・・・小学生じゃないわよ・・・」

心理「ふーん・・・昔からそういう性格だったのね」

垣根「俺は手紙と付き合いたくないっちゅうねん!!」


789 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:47:42.62 ID:1zjTSJ1a0
心理「・・・美琴の小学生時代はなんとなく想像できるわね」

美琴「え、私?」

心理「えぇ」

美琴「じゃあちょっと話すね」


美琴「はぁ・・・ヒマだなぁ」

「ねぇねぇみことちゃん、一緒に駄菓子屋行こうよ!」

美琴「うん、行く行く!!」


「みことちゃん、どうしたの?」

美琴「な、なんでもない!」

「ガチャガチャ?」

美琴「・・・ゲコ太って可愛いよね?」

「うん!」

美琴「だ、だよね!?」


790 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:49:54.69 ID:1zjTSJ1a0

美琴「あの頃はよかったな・・・ゲコ太をみんなが理解してくれたし」

上条「そりゃ小学生だからな」

垣根「・・・心理定規は?」

心理「あら、いいわよ」

上条「きっと昔から魔性だったんだろうな」

心理「そうでもないわよ」



心理「・・・」

「・・・ね、ねぇ・・・一緒に遊ばない?」

心理「あら、どうして?」

「ひ、一人足りないの!」

心理「・・・花一匁?」

「うん・・・ダメ?」

心理「いいわよ、時間あるもの」

「!ありがとう!!」


791 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:52:39.38 ID:1zjTSJ1a0
心理「・・・ありがと、楽しかったわよ」

「・・・ねぇ、心理ちゃんって名前ないの?」

心理「えぇ、親はいないもの」

「・・・そうなんだ」

心理「・・・あら、あの男の子かっこよくない?」

「ホントだ・・・でもメルヘンメルヘン叫んでない?」

心理「そうね・・・ちょっと変わってるのかもね」

「ねぇ、一緒に公園行かない?」

心理「えぇ、行きましょう」



心理「そんな感じだったわね」

上条「ちょっと待ってくれよ」

垣根「もしかしてその男の子って俺じゃないか?」

心理「あ、今思えばそうかも」

美琴「世界は狭いのね・・・」


792 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:54:58.31 ID:1zjTSJ1a0
垣根「上条は昔のことは覚えてないのか」

上条「あぁ・・・あ、でも美琴と会ってから面白い話があったぞ」

美琴「え、なになに?」

心理「教えてくれない?」

上条「あぁ」



上条「あれ?御坂?」

美琴「す、好きです!!付き合ってください!」

上条「何やってんだ御坂?」

美琴「!?」



美琴「わ、忘れなさいよそれは!!」

垣根「な、なんだよそれ!!」ゲラゲラ

心理「告白の練習だったのね・・・」クスクス

上条「あぁ・・・あれはビックリしたな・・・」


793 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:57:01.48 ID:1zjTSJ1a0
垣根「マジかよ!!どこで!?どこで!?」

上条「公園」

垣根「公園かよ!!」ゲラゲラ

美琴「わ、笑わないでよ・・・」

心理「ふふ・・・ほほえましいじゃない」

上条「いやぁ、今思えばキュンキュンするよな」

美琴「うー・・・」

美琴が恥ずかしそうにうつむく

垣根「なんか初心っぽくていいな、その話」

上条「だよなぁ」

心理「可愛いわね、美琴は」

上条「・・・」

心理「お願いだから疑惑の目はやめて」


794 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 15:58:33.19 ID:1zjTSJ1a0
垣根「・・・あ?もう8時か」

上条「そうだな・・・もうそろそろお開きかな」

心理「明日は10時には空港だったわよね」

美琴「うん、そうよ」

上条「じゃあ・・・一応おやすみかな」

垣根「あぁ、おやすみ」

二組のカップルが解散する


上条「美琴さん、顔真っ赤だぞ」

美琴「う、うるさいわね!!」

旅行3日目の夜

幸せな二人は笑いながら部屋へと帰っていった


795 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 16:00:05.00 ID:1zjTSJ1a0
さて、今日はここまでですね

明日は・・・ステインをメインにして、学園都市へ帰還

850くらいからは、他のカップルのクリスマスを単発で


海原と絹旗もたぶんやる

でも二人はあくまでモブ

姫神や吹寄のほうが重要だもん、うん


796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 17:53:49.21 ID:Ah6hN9XIO
今日の>>1…速さが足りてるッ!
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/13(火) 18:15:34.78 ID:jkCLR/hV0
>>1お疲れ!バイト頑張ってきてくれ。

希望のカップル単発やってくれたら悔いはない。
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 19:20:06.21 ID:tvNbqKew0

クリスマスだからってエロはしないでほしいな、上琴といいテクパトルといいいちいち描写が多い
まぁただの一意見として聞き流してくれ
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 19:48:13.32 ID:dcwboQzSO
>>1

御坂はLEVEL4〜5になってから常盤台に入るまでがかなり大変だったイメージがある
周りの反応が変わってきただろうし

常盤台に入る頃にはLEVEL5としての反応に慣れたんじゃないかと

そう考えると黒子とか上条との出会いはかなり幸福だっんじゃないかな?
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 22:13:51.82 ID:U3Lw++HK0
乙だぜ!
801 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 22:28:12.49 ID:1zjTSJ1a0
いやぁ、ヒマだったヒマだったww

エロを入れる理由はただ一つ

夜に書き溜めをするとそうなるから

あと、カップルといえばエッチなのですよ、>>1はw

まぁエッチもキスの延長線上かなぁ、と

では筋肉動画

どうでもいいけど、筋肉動画地味に好評なのか不評なのかわからないww


マッチョのイメージの一つとして、「ホモっぽい」というのがあるかと思います

まぁ比率は若干多いでしょうが、そうではない人のほうが圧倒的に多いです

がしかし

オリンピアに出る選手の中にも、たまにそっちの人がいます

「カイ・グリーン」はその代表でしょうか

いや、バイらしいですが

ちなみに彼、独特なポージングをします

ドリアンには「踊り」といわれてけなされていますが、>>1は好きです、彼のポージング

背中とハムはすさまじく、腹筋もわりとマシなほうかと

結構いい人みたいで、優しいことでも有名らしいです

ホモでもいいじゃない、人柄がよければ

>>1は違いますけどね


ではおやすみなさい
802 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/13(火) 22:28:40.10 ID:1zjTSJ1a0
動画はこれだった、忘れてた

http://www.youtube.com/watch?v=bbDcp6nRiOY 
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/09/13(火) 22:29:48.27 ID:kgQROcpX0
<(^o^)> とうまとうまー  
( )
 \\
 ..三    <(^o^)> とうまー
  三    ( )
 三    //
.   <(^o^)>   三  ねーとうまー
    ( )    三
    \\   三

 \    
 (/o^)  とうま聞いてるの!?
 ( /
 / く      ドゥイーン     ……ドゥイッドゥイッドゥドゥドゥン


  ..三<(^o^)> <(^o^)>  <(^o^)>  <(^o^)> <(^o^)>  三
 ..三   ( )    ( )    ( )    ( )   ( )  三
..三   //   //   //   //  // 三
HEY YO! TOUMA! おなかすいたよ SAY HO! HONMA! 感じてるよ 
こんなKUUFUKU! どーするKOKUFUKU? そりゃもう沢山飯食ってMANPUKU!
..三    <(^o^)> <(^o^)>  <(^o^)>  <(^o^)> <(^o^)> 三
 .三    ( )    ( )    ( )    ( )    ( )    三 
  ..三   \\   \\   \\   \\    \\    三
海で首まで埋めるそりゃないよハニー 私だってきっと愛してるのこんなに
  ..三<(^o^)> <(^o^)>  <(^o^)>  <(^o^)> <(^o^)>  三
 ..三   ( )    ( )    ( )    ( )   ( )  三
..三   //   //   //   //  // 三
とうま首絞め とうまドア閉め そんな扱い私を苦しめ          ドゥイッドゥッドゥッドゥドゥイィィイイッドゥーン

804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/09/13(火) 22:32:25.34 ID:kgQROcpX0
スマン、誤爆。
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/13(火) 23:38:56.29 ID:r1o8o3/oo
わろた
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/14(水) 07:35:20.74 ID:pWNjeNGAO
おい、イギリスの妹達にはいつ会いに行くんだよ……
807 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 08:52:59.72 ID:rKwGKXeW0
>>806 あ、忘れてたww

終わった後で単発で書くかと

今日は朝バイトなので投下は夕方から

808 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 13:51:48.98 ID:rKwGKXeW0
ただいまですw

ヒマだったから早く返されました

投下は4時くらいからかな


以下、ちょっと愚痴を

原付でね、左折しようとしたのね

前の車は指示器あげてなかったから、真っ直ぐだと思うわけじゃないですか

で、こっちが左折しようとしたらいきなり前も左折してきたんですよ

ぶつかりそうになって、あぶねーなーと思ってたんですけどまぁ一回くらいならいいじゃないですか
よくないけども

でね、その車の後ろをずーっと走ってたらまたおんなじことするんですよ

指示器上げずに左折されて、またぶつかりそうに

今度は急に避けるために反対車線に出そうになるくらい急だったんですよ

さすがに、ちょっと待てよと思ってその車の運転手見たら携帯でしゃべってるんですね

もうプチーンときましてね

ちょっと降りてもらえますかね、てな感じで

そりゃ年下の説教なんてイヤかもしんないですけどね

周りの車も急ブレーキだなんだして危なかったんですよ


みなさん、交通安全は大事ですよ

いや本当に


809 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:07:57.44 ID:rKwGKXeW0
ステイル(・・・やっぱり、勇気を出すべきだ)

暗い部屋の中

ステイルは一人、携帯を握っていた

インデックスに電話をかけようと決めてからもう何分経っただろうか

緊張か、手が震えている

携帯のライトが小刻みに揺れているのが滑稽だった

ステイル(・・・特別なことを言わなくていい、素直な気持ちを伝えるんだ)

好きだ、とか愛している、とか

そんなことは分からない

彼は恋などしたことがないから

だが、インデックスを大切だということは分かっている

守りたいと思ったことがあるか

ステイル「・・・よし」

810 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:08:27.35 ID:rKwGKXeW0
自分の体に言い聞かせ、電話を掛ける

出てもらえるという確証はない

インデックスが携帯の使い方を覚えていないかもしれない

それでも

ステイル「賭けてみるのも悪くないかな」

小さく笑ったのと同時に、無機質なコール音が響く

何度か鳴らしてみるが、通話が始まることはない

ステイル「・・・もう寝ているのかもしれないな」

夜の10時を回っている

こんな時間に電話を掛けたところで迷惑なだけかもしれない

ステイル「・・・切るかな」

あと3回コールを鳴らして出なかったら切ろう、と決める

1

2

3

結局、通話が始まることはなかった

811 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:09:00.25 ID:rKwGKXeW0
ステイル「・・・はぁ」

小さくため息をつく

どこか残念そうに、だが少し懐かしそうに

インデックスは昔からあまり電話で話すのが好きではなかった

それは今も変わっていないのかもしれない

ステイル「・・・」

無言で通話を切る

勇気を出したときに限ってこんなふうに空回ってしまうのだ

ステイル「・・・イノケンティウス、いるかい?」

イノ「いるもいないもお前がいるとこにはいつでもいるんだよ」

ステイル「・・・今のことは見ていたかな」

イノ「ばっちりと」

812 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:09:41.23 ID:rKwGKXeW0
ステイル「・・・僕は運が悪いのかな?」

イノ「どうだろうな、インデックスが出てたところでしどろもどろになりそうだからな、お前は」

ステイル「・・・そうかもしれないな」

イノ「・・・勇気を出したのはいいことだ、ちょっとタイミングが悪かっただけだと割り切れ」

ステイル「・・・そうだね」

イノ「・・・何を話すつもりだったんだ?」

ステイル「・・・インデックスに対する気持ちを伝えようと思ったんだ」

イノ「あいつに対する気持ち?」

ステイル「僕はあの子を守りたいんだ」

イノ「んなことは知ってるんだよ」

ステイル「・・・唯一守りたいのさ」

イノ「ほぅ・・・唯一、か」

ステイル「僕がそばにいて、あの子を支えたいんだ」

イノ「そりゃ恋だぜ、ステイル」

813 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:10:17.42 ID:rKwGKXeW0
ステイル「よしてくれよ、僕のはそんなのじゃないさ」

ステイルが苦笑してからタバコをくわえる

イノ「そうか?恋だと思うが」

ステイル「・・・どちらだろうが、僕はあの子を守るんだ」

イノ「恋か否かは結果論ってことか」

ステイル「あぁ」

イノ「立派になったじゃねぇか」

ステイル「昔はいろいろと未熟だったのさ」

ステイルが笑う

過去の自分は、なにもかもが間違っていた

だから失ってしまったのだろう

ステイル「上条当麻は特別だったわけじゃないんだ」

814 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:10:46.30 ID:rKwGKXeW0
イノ「じゃあなんだったんだ?」

ステイル「正しかったんだ」

イノ「・・・正しいかどうかは自分の信念だけが知ってることだ」

ステイル「・・・彼は、決してインデックスを傷つける道を選ばなかった」

イノ「お前も避けようとしたじゃないか」

ステイル「だが避けられなかったのさ」

イノ「・・・そうだな」

ステイル「僕は失敗したんじゃない、自ら間違った道を選んでいたのさ」

イノ「・・・そうかもな」

ステイル「・・・結果的にあの子を傷つけることになった」

ため息が自然と出てしまう

記憶を消して命だけを助ける、なんて正しかったのだろうか

記憶が消えれば、昔のインデックスは死んだのと同じなのに

815 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:11:12.28 ID:rKwGKXeW0
ステイル「うらやましかったのさ、上条当麻が」

最後の最後まであがいた彼が

あと少し待ってくれと言った彼が

学園都市の技術を使う、と別の道を探そうとした彼が

そして、ステイルと下らない幻想を殺した彼が

ステイル「あれほど愚直な人間は見たことがなかったのさ」

イノ「だからこそ憧れたのか」

ステイル「憧れ・・・か」

イノ「お前はいつまでも後悔し続けるんだろうな」

ステイル「当たり前だ、僕が最も守りたかった人を一度殺してしまったんだからね」

イノ「・・・昔のインデックスは帰ってこないぞ」

ステイル「分かっているさ、だから今のあの子を守りたい」

816 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:11:53.61 ID:rKwGKXeW0
イノ「・・・大人になったな、お前も」

ステイル「まるで親のような台詞だな」

イノ「お前のことは昔から知ってたからな」

イノケンティウスが笑う

ステイル「・・・ん?着信だ」

携帯がピカピカと光っている

こんな時間に誰か、と携帯を開く

そこにあった名前は

ステイル「インデックス・・・」

イノ「お、よかったじゃねぇか」

ステイル「・・・イノケンティウス、出来れば聞かないでほしいんだ」

イノ「分かってるよ、俺はそこまで野望じゃないんでな」

817 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:12:19.26 ID:rKwGKXeW0
イノケンティウスが姿を消した

部屋には着信音が響いている

通話ボタンを押すと、一番聞きたかった声が聞こえた


イン『ステイル?あ、あの・・・』

ステイル「悪かったね、こんな夜遅くに電話してしまって」

イン『あ、ううん!お風呂に入ってて出られなかったんだよ!』

ステイル「あぁ、そうだったのかい」

本当にタイミングが悪かったようだ

慌ててかけ直してきてくれたのが、妙に嬉しかった

ステイル「・・・君に言っておきたいことがあったんだ」

イン『?何?』

818 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:12:47.84 ID:rKwGKXeW0
ステイル「・・・僕の気持ちさ」

喉がカラカラと乾いている

普段ならこの長さの会話では乾くわけがないのに

ステイル「・・・僕は君を守りたいんだ」

枯れている喉から出てきたのは、素直な気持ちだった


ステイル「君を傷つけたこともある」

ステイル「君を泣かせたこともある」

ステイル「でも、僕は君を守りたいんだ」

イン『・・・うん、分かってるんだよ』

ステイル「・・・君が大切な友達だからさ」

まだ確証が持てない感情は胸に秘めて

たしかなことだけを言葉にしていく

819 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:13:18.31 ID:rKwGKXeW0
ステイル「・・・今までだって、ずっと君を守ろうとしてきた」

イン『・・・私が忘れちゃった時からなんだよね』

ステイル「ときには間違った道を選んだときもあった」

イン『全部、私のためだったんだよね?』

ステイル「・・・全て、君に捧げると決めたんだ」

イン『・・・全て?』

ステイル「時間も、心も、命もさ」

イン『・・・私のためになんかじゃもったいないんだよ』

ステイル「そんなことはないさ」

ステイルが目を閉じる

思い出すのは、インデックスを守ろうと奮闘した過去のことだった

ステイル「・・・僕は崖っぷちにいたんだ、一歩踏み出せば落ちるような場所に」

820 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:14:06.06 ID:rKwGKXeW0
イン『・・・そうなの?』

ステイル「もう、落ちるしかないと諦めていたのさ」

イン『・・・』

ステイル「そんな僕の手を掴んでくれたのは君だったんだ」

イン『私?』

ステイル「あぁ、君だったのさ」

イン『・・・そんなことなんか、してないんだよ?』

ステイル「ずっと昔のことさ」

イン『・・・忘れちゃったんだ、そんな大切なことも』

電話の向こうのインデックスの声は悲しそうだった


イン『ステイルと遊んだことも・・・かおりと遊んだことも、覚えてないんだよ・・・』

ステイル「・・・すまない、君の過去を奪ったのは僕なんだ」

821 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:14:46.30 ID:rKwGKXeW0
イン『・・・こんなに苦しい思いをしちゃうんだよ・・・?』

ステイル「・・・すまない」

イン『忘れたくなかったんだよ』

ステイル「・・・覚えてはいないだろう?」

イン『でもね、分かるんだよ』

インデックスの声は震えていた

こんな彼女の声を聞きたくなかった

前も、よく泣きつかれたから

そして

あの別れのときも、泣かれてしまったから

イン『・・・ステイルもかおりも、とっても優しいんだよ』

イン『きっと、昔も今くらい・・・ううん、今よりずっと仲良しだったんだよ』

822 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:15:14.77 ID:rKwGKXeW0
イン『私は知ってるんだ、誰かに忘れられる苦しさを』

ステイル「・・・上条当麻かい?」

イン『うん・・・そしてね、誰かを忘れちゃう苦しみも知ってるんだよ』

ステイル「・・・」

イン『忘れたくないよ・・・忘れられたくないんだよ・・・?』

ステイル「・・・僕もそうだったんだ」

イン『・・・ステイル、私の記憶を消すって決めたとき・・・辛かった?』

ステイル「辛かった、なんてものじゃないさ」

ステイルがタバコを噛んでしまう

ステイル「・・・気が狂いそうだったよ、君が大切だったから守りたかったのに、忘れられてしまうんだから」

イン『・・・ステイル、ごめんね』

823 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:16:07.57 ID:rKwGKXeW0
ステイル「それは僕が言うべき言葉だよ」

イン『・・・ステイル、辛い思いをさせちゃったんだよね・・・』

ステイル「お互い様さ、君だって苦しんだんだ」

イン『・・・じゃあ、ステイルが後悔する必要はないんだよ』

ステイル「・・・僕はその道を許容した、でも君はいやがっていたのさ」

イン『・・・ステイル、お願いだから自分を責めないでほしいんだよ』

ステイル「・・・怖いのさ」

イン『・・・何が?』

ステイル「もしかしたら、いつかまた君の記憶を消さなきゃならないんじゃないかってね」

イン『そんなことないんだよ、とうまが私にかかってた枷は解いてくれたんだよ?』

ステイル「・・・そうだね」

そんなことは分かっていた

824 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:16:35.71 ID:rKwGKXeW0
だが、それでも

やはり、あの時の恐怖が蘇ってしまう

今があの日と同じくらい楽しいから

あの日と同じ道を歩んでいるから

ステイル「・・・インデックス、悪かったね・・・長話になってしまったよ」

イン『・・・ううん、ステイルと話せて嬉しかったんだよ』

ステイル「僕と話せて?」

イン『・・・ステイルと話してると、なんだか落ち着くんだ』

ステイル「・・・親友だからかな」

イン『・・・分からないけど、きっと違うんだよ』

ステイル「じゃあ、なんなのかな」

イン『それが分かったら苦労しないんだよ』

825 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:17:10.84 ID:rKwGKXeW0
電話の向こうでインデックスが苦笑する

それを聞いてステイルも小さく笑ってしまう

ステイル「まったく、心とは厄介なものだね」

イン『うん、全然見えないもんね』

ステイル「ややこしい上にそこらじゅうにあふれているからね」

イン『でも・・・だから毎日が楽しいんだよ』

ステイル「そうだね」

イン『・・・ステイル、ステイルは私を守りたいの?』

ステイル「あぁ、例え君が僕を忘れてしまっても」

イン『・・・それは、昔にそう決めたからなのかな?』

ステイル「・・・」

ステイルが口をつぐむ

826 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:17:44.37 ID:rKwGKXeW0
たしかに、インデックスを守ると決めたのははるか昔だ

そして今までずっとそれを貫いてきた

だが

今、彼がインデックスを守りたいと思うのは過去にそう決めたからなのか

ただの惰性だけで彼女を守っているのか

ステイル「違うさ」

違う

彼がインデックスを守りたいのは、そんな下らない理由からではない

ステイル「僕が君を守りたいのはね」

よくは分からない

胸を締め付ける感情の名前なんて分からない

なぜこんなに緊張するのかも分からないし、彼女をこれからどうしたいのかも分からない

827 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:18:14.18 ID:rKwGKXeW0
それでも

彼女を守りたい理由だけははっきりしていた

ステイル「今の君が好きだからさ」

イン『・・・今の私が?』

ステイル「昔の君じゃない、今の君だ」

イン『・・・ホントに?』

ステイル「あぁ・・・もし昔に君と出会っていなくても、今の君を守っただろうさ」

イン『・・・ありがとう、嬉しいんだよ』

ステイル「そうかい、よかった」

イン『あ・・・そろそろ消灯なんだよ』

ステイル「じゃあ、切ろうか」

イン『うん・・・おやすみ、ステイル』

ステイル「あぁ、おやすみ」

828 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:18:47.34 ID:rKwGKXeW0
通話を切ったステイルは、すぐにベッドに身を預けた

心臓が恐ろしいほどに高鳴っている

部屋全体に鼓動が響いているようにさえ聞こえてしまう

手には変な汗が浮かんでいた

ステイル「やっと言えたな」

ずっと胸の中に閉まっていた心を

長い間、ずっと言えなくて悩んでいた言葉を

ステイル「・・・寝ようか」

布団に潜り込み目を閉じる

すぐに、夢の中へと落ちた

今のインデックスと、神裂と、三人で遊びに行く夢だった

幸せな夢だった 

829 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:24:29.39 ID:rKwGKXeW0
10398「こちら10398号、お姉様の就寝を確認、とミサカは状況を伝達します」

11116「こちら11116号、了解しました、とミサカは承諾の意を伝えます」

12345「こちら12345、突入の準備は出来ています、とミサカはすぐ隣にいる10398号に伝達します」

19999「というかみんな一緒にいるからこんな会話は必要ないのさ、とミサカは冷静にツッコんでみます」

12345「そこは楽しむためですよ、とミサカは開き直ってみます」

11116「では気を取り直して・・・」


四人「突入!!!」


上条「むにゃぁ・・・」

美琴「ゲコ太ぁ・・・」

上条「先生・・・もう宿題はやだ・・・」

美琴「ゲコ太・・・そっちは油だよ・・・」


10398「しっつれいしまーす!!!!!!!」バァン!


上条「うわぁ!?」

美琴「て、敵襲!?」

830 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:29:36.52 ID:rKwGKXeW0
19999「お姉様、久しぶりなのさ!!!」

美琴「え、あ・・・」

12345「直接会うのは初めてですが、とミサカは苦笑します」

上条「シ、妹達・・・だよな」

美琴「あ、この前みんなでビリビリした?」

11116「ザッツライト」

美琴「あぁ・・・あの時はお世話になりました・・・」

上条「じゃないだろ!?なんで妹達がここにいるの!?」

19999「だってお姉様が会いに来てくれないから」

10398「寂しくって・・・」ウルウル

美琴「」キュン


美琴「ねぇ、なんでこんなに可愛いのかしら」

上条「姉馬鹿だな」

831 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:37:55.90 ID:rKwGKXeW0
12345「あぁ、ミサカは12345号です」

19999「ミサカは19999号なのさ」

11116「ミサカは11116号です」

10398「ミサカは10398号です、お姉様」

美琴「え、えっと・・・」

19999「見分けがつかなくても仕方ないのさ、とミサカは苦笑します」

11116「見分けがつくのなんてテっくんとやらだけでは?とミサカは首を捻ります」

上条「あぁ・・・MNWで知ってるんだよな」

12345「他のミサカはメロメロみたいですね、とミサカは呆れてものも言えません」

19999「言えてるから、とミサカはツッコんでみます」

10398「お姉様、そちらのお義兄様とはいつご結婚を?とミサカは問いかけます」

上条「待って!俺たちは聖徳太子じゃないの!!」

美琴「//」

上条「落ち着け美琴ぉ!!」

11116「あっついなぁ」

832 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 15:42:49.50 ID:rKwGKXeW0
美琴「み、みんなはテクパトルが好きなの?」

10398「うーん・・・会ったことがないのでなんとも言えませんね」

19999「いい人みたいですけど、とミサカはフォローします」

上条「あぁ・・・そういやそうだよな」

美琴「会ったことないのに分からないわよね」

12345「でも、いい父親っぽいですね」

美琴「うん、ミサカたちの世話してくれるし」

11116「会ってみたいですね・・・とミサカはお姉様に上目遣いで」

美琴「ちょっと呼んでくる」

上条「無理だからな」

12345「・・・お姉様、幸せそうで何よりです」

美琴「あ、ありがと」


833 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 17:23:29.70 ID:rKwGKXeW0
上条「・・・みんなはイギリスにずっといる予定なのか?」

11116「おや、日本に来たら世話を見てやると?」

上条「そ、それは無理だ・・・」

上条が肩を落とす

さすがに彼の財力では不可能である

美琴「・・・世界中に妹達はいるのよね・・・」

19999「そりゃ、日本の設備だけじゃ足りないのさ」

12345「ここもなかなか暮らしやすいですよ、とミサカはお姉様を慰めます」

美琴「・・・うん・・・」

10398「・・・ですが、ときにはお話もしてみたいです」

美琴「あ、携帯とか持ってないの?」

19999「じゃっじゃじゃーん、あるのさ・・・」

11116「はぁぁぁぁぁぁ!?」

12345「てめぇ!!いつ買いやがった!!」

19999「こつこつバイトしたのさ」

上条「え、偉いな・・・」

834 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 17:35:22.36 ID:rKwGKXeW0
美琴「番号番号・・・」

12345「ミ、ミサカたちも話していいですか?」

美琴「うん、もちろん」ニコッ

12345「」ズキューン


12345「お、お姉様って・・・カッコイイですよね」

19999「どうしたのさ」

10398「お姉様に惚れたのですね」

12345「う・・・」


上条「妹達って仲いいよな」

美琴「うん、ほほえましいわよね」

11116「・・・あ、あの・・・」

上条「ん、俺か?」

11116「は、はい!」


835 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 17:42:05.41 ID:rKwGKXeW0
上条「どうした?」

11116「そ、その・・・妹達を助けてくださったお礼を言いたくて」

上条「?俺に?」

11116「はい!」

11116号がうなずく

上条「いいよ、そんなの」

11116「で、ですが・・・」

上条「妹達はみんな普通の女の子だったんだ、接してみてそれが分かったんだよ」

11116「お、女の子・・・」カァッ

上条「だからさ、美琴の妹だったからとか、かわいそうだったからとかじゃない」

上条「そこにいたのは俺の大切な友達で、たった一人ずつしかいない大切な命だったんだ」

上条「・・・お礼を言われるのは嬉しいけどさ、でもお前たちを一番救おうとしていたのは美琴なんだ」

上条「お礼なら美琴の言ってやってくれよ」

11116「・・・お姉様」

美琴「・・・私は当麻に言ってほしいわね、私も含めて助けてくれたんだし」

12345「では、二人ともに」

836 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 17:49:06.53 ID:rKwGKXeW0
19999「ありがとうなのさ、二人とも」

上条「やめてくれよ、お礼を言われるために助けたんじゃないんだ」

19999「じゃあ、これからもよろしく」

上条「あぁ、よろしく」


12345「やっぱね、ベタだけどお義兄様もカッコイイと思うんだ」

11116「うんうん、お義兄様、テっくん、セロリの三派閥でしょうかね」

10398「垣根はいかがですか?」

19999「ばっちい」


上条「・・・本当に仲良しだなぁ」

美琴「・・・それよりアンタたち、まだ帰らないの?」

11116「あぁ、これからお楽しみでしたか?」

上条「いいえ、寝たいんです明日朝早いんですもう寝る寸前だったんです!!!!」

11116「じゃあ帰りません」

上条「・・・聞いてた?」


837 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 17:54:05.75 ID:rKwGKXeW0
12345「・・・あの、飛行機の中でも寝られますよね?」

美琴「ま、まさか・・・オールさせる気?」

12345「・・・ダメでしょうか?」ウルウル

美琴「・・・いいわよ、仕方ないわね」ナデナデ

12345「」ズキューン


12345「な、撫でられちゃいました」ドキドキ

11116「ずりぃぞこら!!」

19999「うらやましいのさ!!」

10398「ミサカも撫でてください!!」

美琴「う、うん」ナデナデ

10398「」ズキューン

19999「」ズキューン

11116「」ズキューン

上条「」ズキューン

美琴「当麻は撫でてないわよ」

上条「えー・・・」


838 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 18:02:01.74 ID:rKwGKXeW0
美琴「・・・ねぇ、みんなは好きな人はいないの?」

11116「男性と関わりませんから、とミサカは呆れます」

美琴「な、なんで呆れるのよ」

11116「お姉様ったら恋の話ばかりですね」ハァ

美琴「い、妹の恋愛事情は気になるのよ!」

12345「魅力的な人を紹介してください」

美琴「そ、そうね・・・」

上条「でもみんな彼女いるな・・・土御門は舞夏に没頭してるし」

19999「青ピって人はどうなのさ?」

上条「え・・・MNWではそんな情報まで流れてるのか?」

10398「情報力の高さを侮っちゃダメですぜダンナ」

上条「お前は誰だよ」

美琴「・・・男の知り合いがあんまりいないからなぁ・・・」

839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/14(水) 18:22:37.16 ID:5YE3NxYIO
>>838
ここにいるでー!

840 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 19:04:19.08 ID:rKwGKXeW0
19999「・・・はぁ、どうすればいいのさ・・・」

上条「そこまで必死にならなくても良くないか?」

12345「これがリア充の余裕ですか、とミサカはジト目で見つめます」

上条「な、なんだそりゃ・・・」

10398「あーあ、うらやましいですよお姉様」

美琴「な、なにが?」

11116「こんな素敵な男性とお付き合いできることがですよ、とミサカは補足します」

上条「俺って素敵なのか?」

11116「えぇ、とても」

美琴「・・・当麻をたぶらかさないでよ」

11116「たぶらかしてなんかいないですよ、とミサカはしらばっくれます」

上条「うーん・・・でも、俺みたいなのと付き合ったら大変だぞ?」

19999「そんなことないさ・・・」

841 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 19:07:49.68 ID:rKwGKXeW0
上条「・・・なぁ、いつまで話し続けるんだ?」

19999「ミサカたちは徹夜でいけますよ」

12345「お姉様もお義兄様も若いのに情けないですね」

美琴「あのね・・・こっちは一日中歩き回ってたのよ」

10398「ミサカたちは引きこもりだと、えぇそうですか」

美琴「ち、違うわよ!?」

上条「・・・でも疲れてるんだよ・・・」

上条が枕に顔を埋める

かなり眠そうな顔をしている

12345「はぁ・・・仕方ありません、帰りましょう」

19999「で、でも・・・」

上条「・・・ごめんな、でも眠気には勝てません」

10398「まぁ、会えただけでも嬉しかったですよ」

11116「そういうことです」

842 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 19:10:56.19 ID:rKwGKXeW0
上条「じゃあ・・・またな」

11116「時間があったら日本に行きますね、とミサカはお姉様に約束します」

美琴「うん、ぜひとも来てね」

11116「」ドキッ

19999「それじゃ・・・お別れなのさ」

上条「今世の別れみたいに言うなよ」

12345「では、いい夢見ろよ・・・とミサカは17600号直伝のキメ台詞を述べてみます」

美琴「ど、どこからの知識・・・」

美琴が首をかしげたのと同時に、ミサカたちは窓から出て行った


上条「・・・あそこから来たのか・・・」

美琴「寝ぼけてて覚えてないわ・・・」

上条「・・・寝ましょうか」

美琴「うん」

嵐は過ぎ去った

二人は、今度こそ夢の中へと落ちていった

843 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 19:15:49.26 ID:rKwGKXeW0
上条「・・・眠いな」

美琴「おはよう・・・」

翌朝

最悪の目覚めを二人は経験してしまう

外でうるさくパトカーが走っていて、その音で目覚めてしまったのだ

上条「誰だよ朝から犯罪を犯したヤツは・・・」

美琴「許すまじ・・・」

上条「ばべらばべらばー」

美琴「当麻が壊れたー」

ゴロゴロ、とベッドの上を転がる

時間は朝の7時

あと一時間もすれば空港に向かわなければならない

美琴「・・・準備しないとね」

上条「あぁ・・・」

844 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 19:22:02.19 ID:rKwGKXeW0
美琴「そうだ・・・化粧水借りてこないと・・・」

上条「あれ、美琴ってそんなことしてたっけ?」

美琴「心理定規に言われたのよ・・・」

あくびをしながら、美琴が隣の部屋へと向かう


美琴「失礼しま・・・」


垣根「心理定規、背中にも化粧水塗るのか?」

心理「えぇ、昨日一日歩いたから紫外線浴びてるもの」

垣根「いや・・・真っ白なんですが」

心理「一度でも気を抜けばおしまいよ」

部屋の中では、垣根が心理定規の背中に化粧水を塗っていた

なんとなく

なんとなくだが悲しい光景だ


845 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 19:34:14.19 ID:rKwGKXeW0
垣根「なぁ・・・ここ?」

心理「違うわよ、もう少し上、肩甲骨の間くらい」

垣根「ここか」

心理「違う」

垣根「・・・なんで俺がこんなこと・・・」

心理「あら、彼女に美しくいてほしいんじゃないの?」

垣根「・・・てめぇな・・・」


美琴「あ、あの・・・」

垣根「あ?あぁ、御坂か」

心理「あら、どうしたのこんな朝早く」

美琴「け、化粧水を借りに来たの」

心理「あら、私の言うことちゃんと聞いてくれてたのね」

美琴「うん」

垣根「・・・てめぇ、今俺の近くで化粧水の話題をするんじゃねぇ・・・」

846 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 19:38:46.41 ID:rKwGKXeW0
美琴「コツとかあるの?」

心理「そういうのは秘密よ、少しずつ自分で探していきなさい」

美琴「えー・・・」

心理「ほら垣根、早く早く」

垣根「心理タソの背中ハァハァ」

心理「やめてちょうだい」

垣根「あのなぁ・・・こっちはやりたくもねぇ・・・」

心理「あ、美琴はそっちの使っていいわよ」

美琴「うん、ありがと」

垣根「聞けよ!」

心理「何よ、女性は美しくありたいものよ?」

垣根「そういうわがままなこと言うと叩かれちゃうぞ」

心理「まぁ怖い」

847 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 19:47:11.71 ID:rKwGKXeW0
美琴「・・・そういえば、二人はもう準備終わらせたの?」

垣根「んなの昨日終わらせたんだよ」

美琴「え、偉いわね」

心理「当たり前じゃない」

美琴「で、でも・・・それって普通は出来ないことよ?」

垣根「お前はまだやってないってことか」

美琴「う・・・」

垣根「どうせ夜中まで上条とセック」

美琴「してないわよ!!」

心理「だったらこんなとこで油売ってる時間はないんじゃない?」

美琴「そ、そうだった!!じゃあね!!」

美琴が勢いよく部屋から出て行く

残されたのは、パシられる垣根とパシる心理定規だった


垣根「お嬢様・・・ここですか」

心理「だから違う」


848 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 19:54:23.03 ID:rKwGKXeW0
上条「はぁ・・・一時間って早いな」

美琴「・・・準備で一時間終わっちゃった・・・」

上条「もう帰るんだな・・・」

美琴「三日なんてあっという間よね・・・」

上条「そうだな・・・」

二人が溜め息をつく

上条「じゃ、垣根たちと合流か」

美琴「隣の部屋に行くだけなんだけどね」


垣根「・・・やっと・・・化粧水が終わった・・・」

心理「お疲れ様、帰るわよ」

垣根「はい?」

心理「あ、上条君たちも来たみたいね」


上条「失礼しま」

垣根「ヒールアンドトゥー!!」

上条「うべぇ!!」


849 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 20:00:13.92 ID:rKwGKXeW0
垣根「なんなんだよ!なんでもう帰るんだよ!いやだからなボクチン!」

心理「駄々こねないの」

垣根「だって!最後の瞬間は化粧水を塗ってたとかイヤだよ!?」


美琴「えっと、バスがそろそろつくわね」

上条「えー・・・ここから1時間で空港について、30分くらいで飛行機に乗れるわけか」

心理「結局、急がないといけないわね」

上条「そうですね・・・」

美琴「お土産も持ったし、さっさと行きましょう」

心理「えぇ、行くわよ垣根」


垣根「・・・僕は誓った、必ずここへ帰ってくると」

心理「早くしろよ」

850 :VIPに変わりましてNIPPERがお送りします(山口) [sage]:2011/09/14(水) 20:10:41.68 ID:EnCq4OLSO
久しぶりに来たけど大分進んでるスゲェ・・・
妹達ネタは好きだな面白いし、今の所派閥は上条派 一方派 テっくん派か、そのうち誰が1番かで内乱起きそうだなww
851 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 20:34:30.33 ID:rKwGKXeW0

上条「はぁ・・・」

美琴「どうにかギリギリバスにも間に合ったわね」

垣根「まったく、誰のせいで遅れたんだよ」

心理「あなたが駄々こねてたからよ」

垣根「え、俺のせいなの?」

心理「はぁ・・・あなたね、周りのことも考えなさい」

上条「ま、間に合ったからいいんだけどさ」

垣根「そうだよな、終わりよければ全てよし」

心理「開き直らないで・・・そういえば、インデックスは?」

美琴「空港で待ち合わせよ」

心理「あら、そうなの」

852 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 20:43:42.97 ID:rKwGKXeW0
上条「・・・なんか、短かったように感じるよ」

美琴「私も・・・」

垣根「三日なんてあっという間さ」

心理「・・・クリスマスももう終わったのね」

上条「次は正月か・・・」

美琴「・・・忘年会とかやんのよね・・・」

垣根「あたぼうよ」

上条「もう頭が痛くなってくる・・・」

心理「大丈夫よ、私が自重させるから」

垣根「無理だな、俺は止められないぜ!」

美琴「はぁ・・・」

垣根以外の三人が溜め息をつく

そろそろバスが空港に着こうとしていた

853 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 20:48:46.38 ID:rKwGKXeW0

イン「じゃあ・・・かおり、またね」

神裂「・・・えぇ」

空港のロビー

一人のシスターと、一人の女教皇は握手を交わしていた

イン「・・・楽しかったんだよ」

神裂「また来てくださいね」

イン「うん!」

インデックスが笑顔で頷く

神裂「・・・ステイルは遅いですね」

イン「・・・仕方ないんだよ、寮の距離も違うんだから」

神裂「・・・そうですね、もしかしたら間に合わないかもしれません」

ステイルは朝から仕事があるらしかった

すぐに仕事を終え、いったん寮に帰って空港へ

そんなことをしていたら、おそらく間に合わないだろう

神裂「・・・残念ですね」

イン「ううん、大丈夫」


854 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 20:54:43.27 ID:rKwGKXeW0
神裂「・・・おや、あの少年も来たようですね」

神裂の視線の先には上条たちがいた


上条「だーかーら!!!もう空港では買わないから!」

垣根「クッキーもあるの!!」

美琴「か、可愛いストラップが!!」

上条「ダメだから!!」

心理「二人とも、子どもっぽいわよ」

垣根「だってぇ!!」

美琴「ほしいもん!!!」


神裂「はぁ・・・相変わらず騒がしいですね」

イン「でも、あれが普通なんだよ」

神裂「彼はもっと凛としていてほしいのですが」

イン「当麻はバカだからいいんだよ」


855 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 21:05:00.27 ID:rKwGKXeW0
上条「あ、インデックス!」

イン「遅いんだよとうま!!」

上条「わ、悪い悪い・・・」

神裂「・・・では、あとはお願いします」

イン「え、帰っちゃうの?」

神裂「・・・残念ながら、これから仕事があるんです」

神裂が残念そうに笑う

神裂「最大主教が私に雑用を押し付けてきたんですよ、えぇインデックスの見送りをしたいので明日は開けてくださいね、ってお願いしたら『じゃあとっておきの書類整理をプレゼントしたりてよ?』なんていう全く間違った日本語で私に命令してきたんですよ、百歩譲って日本語を間違えているのはいいにしてもインデックスと私の関係を知っている上で今回の雑務を押し付けてきたとしたら性悪ですね、もう性悪ババァですよあの最大ババァ」

上条「落ち着け、最後がおかしい」

垣根「むしろ全部がおかしいが・・・仕事なら仕方ないだろ」

イン「うん・・・じゃあね、かおり」

神裂「えぇ、それでは」

一礼してから神裂がその場を去る

美琴「・・・ステイルは?」

イン「忙しいみたいなんだよ・・・」

美琴「・・・そっか」


856 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 21:09:35.56 ID:rKwGKXeW0
上条「・・・そこは無理してでも来るべきなのにな」

イン「はぁ・・・とうまは仕事の忙しさを知らないんだよ」

上条「お、お前が言うか!?」

心理「・・・そろそろ飛行機に乗らないと」

美琴「・・・イギリスの大地ともお別れかぁ・・・」

垣根「なんなら永住するか?」

美琴「それは遠慮しとくわ」

上条「・・・じゃ、行きますか」

上条を先頭にして、五人が歩き出そうとする

そのとき


ステイル「インデックス!!」


後ろから、一人の男の声がした

イン「!!ステイル、間に合ったの!?」

ステイル「な、なんとかね・・・」

857 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 21:15:12.02 ID:rKwGKXeW0
イン「・・・ステイル、ありがと」

ステイル「・・・なに、見送りに来るのは当たり前さ」

上条「・・・見直したぜステイル・・・」

ステイル「どうしてそんな輝いた目で見つめてくるんだ気持ち悪い」

心理「・・・上条君、行くわよ」

上条「え、でもインデックスが」

垣根「そいつもさすがにこの距離では迷子にならねぇよ」

美琴「フラグはやめて」

垣根「いいから行くぞ」

上条「あ、あぁ」

心理(上条君、まだまだ鈍感ね)


ステイル「・・・また来てくれるかい?」

イン「うん!」

858 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 21:20:27.16 ID:rKwGKXeW0
ステイル「・・・それじゃあ・・・そろそろかな」

イン「うん・・・またね、ステイル」

ステイル「・・・あぁそうだ」

ステイルが何かを思い出したようにポケットに手を入れる

イン「?どうしたの?」

ステイル「あったあった、これを君に・・・ね」

ステイルが何かを差し出す

どうやら押し花のようだ

イン「?これは?」

ステイル「君が花言葉をつけた花さ」

イン「・・・わざわざ作ってくれたの?」

ステイル「まぁ・・・そうだね」

恥ずかしそうに視線をそらすステイル

859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/14(水) 21:25:33.89 ID:17VzzvRO0
頑張れ、ステイル。
860 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 21:26:03.68 ID:rKwGKXeW0
イン「・・・ありがと、ステイル」

ステイル「・・・あぁ」

イン「じゃあ、行ってくるね」

ステイル「行ってらっしゃい」

笑顔で、二人は離れる

インデックスの帰ってくる場所は、イギリスだった

そこに、消えない思い出があるから


ステイル「・・・神裂、いるんだろう?」

神裂「・・・見つかっていましたか」

ステイル「泣いているのかい?」

神裂「・・・少しだけ」

ステイル「君は意外と涙脆いからね」

神裂「・・・やはり、別れは辛いです」

ステイル「一時的なものだろう?」

861 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 21:29:59.65 ID:rKwGKXeW0
神裂「・・・そうですね、そうですよ」

空を飛行機が飛んでいく

あの中に、インデックスたちが乗っているのだ

ステイル「・・・また会えるさ」

神裂「・・・あなたも、ですよ」

ステイル「・・・さて、仕事だろう?」

神裂「えぇ、手伝ってもらえますか?」

ステイル「特別にね」

二人の魔術師はくるりと向きを変えて、空港から外へと出た

まぶしい陽の登っている空

一機の飛行機が、ちょうど太陽と重なっていた


862 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 21:30:57.58 ID:rKwGKXeW0
いったん休憩

本編はここまで

このあとはそれぞれのカップルのクリスマスを単発、そのあと天国メンバー(ミサカたち意外)でクリスマスというか忘年会というかを単発で
863 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 21:58:12.72 ID:rKwGKXeW0

テクパトル「・・・のどかだ」

テクパトルは空を見上げていた

浮かんでいるのはまぶしい太陽

その横には白い月

太陽の光に負けてはいるが、美しい月だ

テクパトル「・・・幸せだ」

嬉しそうにテクパトルは笑っていた

17600号が他のミサカたちをひきつけてくれた

おかげで、クリスマスの昼間を19090号と二人で過ごせている

二人がいるのは小さな喫茶店

19090「・・・幸せですね・・・」

テクパトル「・・・あぁ」


864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/09/14(水) 21:59:43.23 ID:49CvGCtTo
相変わらずの早さだな乙

電話しながら運転したりする人は教習所からやり直せばいい
865 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 22:01:26.47 ID:rKwGKXeW0
19090「・・・なんだか、夢みたいな幸せですね」

テクパトル「・・・そうだな」

これがクリスマスプレゼントだとしたら、サンタさんは素敵な人だろう、とテクパトルは考える

19090「・・・テっくん、何か食べますか?」

テクパトル「うーん・・・そうだな」

メニューを広げ、テクパトルが考える

彼は現在、増量期である

そのためバンバン甘いものでもなんでも食べられる

もちろん減量中でもデートならたくさん食べたいところだが

テクパトル「・・・そうだな、紅茶とパンケーキでいいかな・・・」

19090「・・・では美月もそれで」

二人が注文をウェイターに伝える

少しして、パンケーキと紅茶が運ばれてきた

866 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 22:05:39.03 ID:rKwGKXeW0
>>864 いや、本当にキレそうでしたよ

こっちは命掛かってるのに向こうは電話が掛かってきたんですね、こりゃ上手い

あれ、上手くないか


19090「いただきます」

テクパトル「いただきます」

のどかな日常

幸せなクリスマス

まったく、これ以上の幸せがこの世にあるだろうか

テクパトル「美味いな・・・」

19090「紅茶もほっこりしますね」

テクパトル「あぁ・・・お前といられるし、最高だ」

19090「み、美月もです//」

テクパトル「そうか、よかった」

19090「・・・」

テクパトル「?どうした?」

867 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 22:08:45.48 ID:rKwGKXeW0
19090「そ、その・・・最近、二人きりの時間があまりありませんでしたよね?」

テクパトル「そうだな・・・いろいろとな」

テクパトルが申しわけなさそうに頭をかく

現在、彼は就活中だ

というよりも、もう決まっているも同然なのだが

テクパトル「あれだよ・・・その、ジムで働こうと思ってるんだ」

19090「なるほど・・・テっくんは頑張り屋さんですから、きっとたくさん教え子が出来ますね!」

テクパトル「うーん・・・そうかな」

学園都市はスポーツに能力を使ってもいいのだ

そのため、筋トレするくらいなら能力開発しようぜ、という考えの学生も多い

テクパトル「でも、バイトよりは稼げるはずかな」

19090「・・・それで・・・その・・・」

テクパトル「・・・たぶん、週6勤務くらいかな」

19090「そ、そうですか・・・」

868 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 22:12:49.56 ID:rKwGKXeW0
テクパトル「・・・月に25万くらいは最低でも稼げるかもな」

19090「?ジムってもっと少ないイメージがあるんですが・・・」

テクパトル「なんでもさ、うちのジムってサプリメントとかも売ったりしてるからそっちもやりながらなんだとさ」

19090「なるほど・・・サプリメントなら学生もダイエットとかで買いそうですね」

テクパトル「学園都市製のサプリは効率がいいから、外からも依頼とか来るんだって」

19090「・・・じゃあ、お金は大丈夫そうですね」

テクパトル「・・・でも、夜は結構遅いかもな・・・」

テクパトルが溜め息をつく

通っているジムが二つ返事でオーケーを出してくれるほど、テクパトルはそういうことには詳しかった

見た目もかなり素晴らしい肉体なため、集客アップも期待できるらしい

テクパトル「・・・二人の時間・・・多分、これからも減るかもな」

19090「・・・そうですね・・・筋トレはどうするんですか?」

テクパトル「休憩中にやらせてくれるらしいな」

869 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 22:15:38.96 ID:rKwGKXeW0
19090「・・・じゃあ・・・よかったじゃないですか、テっくん」

テクパトル「そうでもないんだよな・・・」

19090「・・・なぜですか?」

テクパトル「・・・やっぱ、お前とか他のみんなといられる時間が減るからな・・・」

19090「・・・ですが、みなさんも学校が普段はありますよ?」

テクパトル「それもそうだけどさ・・・」

19090「・・・テっくん、美月はテっくんのことを待ち続けますよ?」

テクパトル「・・・いや、無理なら寝てて構わないからな」

19090「いえ、二人で夜ご飯を食べます!」

19090号が拳を握り締める

テクパトル「・・・そうか、ありがとう」

19090「他のミサカには言ったんですか?」

テクパトル「いや、まだだ」

870 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/14(水) 22:19:08.97 ID:rKwGKXeW0
19090「・・・みんな、きっと喜んでくれますよ」

テクパトル「・・・美月」

テクパトルがじっと19090号を見つめる

19090「な、なんですか?」

テクパトル「仕事が終わったら絶対にすぐに帰ってくる、だから・・・いいかな?」

19090「えぇ、テっくんの好きな仕事なんですよね?だったらもちろん!」

テクパトル「ありがとう・・・愛してる」

19090「み、美月もです」

自然と二人の顔が近づき、その唇が


重なることはなかった

テクパトルの携帯が鳴ったのだ

その音に、テクパトルは眉をひそめる

この着信音は上条からのものだった

テクパトルは人によって着信音・・・というよりも着うたを変えている

美月は「LUV U BETTER」、バイト先の店長は「運命」のように

そのため、一瞬で誰から掛かってきたか分かるのだ

871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) :2011/09/14(水) 23:52:27.15 ID:PV3kk/jr0
テクパトルwwwww流石上条だな\(^o^)/

ある意味タイミングよすぎ。
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/09/15(木) 07:14:36.97 ID:TN/8dP1Po
寝落ちかな?

テっくんはいま増量期か
最初に聞いた時は好きなだけ食えるじゃんラッキー、とか思ってたけど
朝苦手な俺は昼から夜にかけては良くても朝がきつかった
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/09/15(木) 08:04:41.79 ID:qBaS7yz90
サトリナ「>>1君は私の曲を着信音にしてくれてるよね?///」
874 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 10:43:16.92 ID:cq9WGt7n0
増量期は適当に食えばいい、というのが間違いだと気づいてからがきついですねww

>>873 も、も・・・もちろん・・・

寝落ちではない、停電だったのです

続きはもうちょいしたらw
875 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:13:56.98 ID:cq9WGt7n0
テクパトル「・・・悪い、美月」

19090「あ、いえ・・・」

テクパトルが忌ま忌ましそうに携帯の通話ボタンを押す

垣根やエツァリからの電話なら取る気はなかった

だが相手は上条だ

あまり下らないことで電話をしてきたりはしない

もしかしたら、英語が分からないとか道に迷ったとかかもしれない

その可能性に賭けたかったのだ

テクパトル「・・・」

上条『あ、あれ?テクパトル?』

テクパトル「なんだよ」

上条『な、なんか不機嫌じゃないか?』

876 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:14:37.28 ID:cq9WGt7n0
それはもう不機嫌だった

上条の声を聞く限り、困っているようでもない

テクパトル「・・・いいから用件だけ言え、お前の話に付き合ってる時間がもったいないんだよ」

悪態が口から自然と出てしまう

上条『あ、あのさ・・・妹達になんの動物がいいか聞いてくれないか?』

テクパトル「はぁ?」

なんでも、動物のストラップをお土産に買おうとしているらしい

テクパトル「美月、MNWで聞いてくれ、なんの動物がいいか」

19090「動物ですか?」

テクパトル「上条がお土産に動物のストラップを買ってくるんだってさ」

19090「ちょっと待ってくださいね」

19090号が一瞬目をつぶる

集中しているのだろう


877 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:15:28.05 ID:cq9WGt7n0
19090「全員カエルがいいみたいですよ」

テクパトル「カエルか、分かった」

頷いてから上条にそれを伝える

上条『サンキュー』

テクパトル「・・・美味い酒でも買ってきてくれ」

そう言ってから通話を切る

テクパトル「・・・はぁ」

19090「テっくん、落ち込まないでください!」

テクパトル「いいタイミングでジャマが入ったな」

もう一度テクパトルがため息をつく

せっかくいい雰囲気だったのに

テクパトル「・・・えっと、仕事はオーケーだったっけ?」

19090「は、はい!」

878 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:16:32.62 ID:cq9WGt7n0
テクパトル「サンキュー・・・それで・・・なんだったっけ?」

19090「あ、その・・・」

19090号が目を閉じる

キスを求めているようだ

テクパトル「あぁ、だったな」

優しく、彼女の唇に自分の唇を重ねる

19090「あ、ありがとうございます」

顔を真っ赤にしながら、19090号が笑う

テクパトル「・・・そうだ、クリスマスプレゼントだった」

19090「え、買ってくれたんですか?」

テクパトル「あぁ、就職も決まったようなもんだから・・・な」

嬉しそうにテクパトルが笑う

879 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:17:13.45 ID:cq9WGt7n0
テクパトル「気に入ってもらえるか分からないけどさ」

テクパトルが差し出したのは腕時計だった

19090「腕時計・・・ですか?」

テクパトル「あぁ、俺ってよくお前を待たせたりしちゃうだろ?」

19090「はい、いっつもです」

テクパトル「・・・だからさ、それを見て・・・俺が遅れたら怒ってくれないか?」

19090「お、怒る・・・ですか」

テクパトル「あぁ、約束の時間はできる限り守るようにするからさ」

19090「・・・テっくん、ありがとうございます」

テクパトル「なに、当たり前なことさ」

19090「美月は・・・その、すっかり忘れてました」

19090号が申し訳なさそうに俯く

880 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:17:54.37 ID:cq9WGt7n0
19090「テっくんと久々にデート出来ると思ったら浮かれてしまって・・・」

テクパトル「ははは、そりゃ嬉しいな」

19090「ど、どうすればいいでしょうか!?」

テクパトル「じゃあ・・・もう一回キスしてくれないか?」

19090「は、はい!」

19090号がテクパトルにキスをする

19090「こ、これでいいんですか?」

テクパトル「あぁ、どんなプレゼントよりも嬉しいんだよ」

19090「・・・どうしてですか?」

テクパトル「うーん・・・なんでだろうな」

19090「だ、だって・・・時計や指輪や・・・そういったもののほうがずっと残るじゃないですか」

テクパトル「愛情だってずっと残るさ」

881 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:18:36.85 ID:cq9WGt7n0
テクパトルが笑う

そんなベタな台詞を吐くのは少し恥ずかしかった

だが、それは彼の本心なのだ

テクパトル「それにさ、時計とか宝石とかはいつかくすんだり壊れたりするだろ?」

19090「はい・・・そうですね」

テクパトル「でも、俺と美月の愛情は壊れたりはしないだろ?」

19090「!はい!」

テクパトル「だから、これが一番嬉しいのさ」

19090「・・・テっくんはお上手ですね」

テクパトル「何が?」

19090「な、なんでもありませんよ!」

テクパトル「そうか?」

882 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:19:29.54 ID:cq9WGt7n0
19090「・・・し、仕事を始めたらかなり疲れるんじゃないですか?」

テクパトル「あぁ・・・仕方ないといえば仕方ないけどな」

19090「・・・ジムですか・・・」

テクパトル「・・・憧れだった仕事だ、嬉しいもんだよ」

19090「・・・あ、じゃあ美月もそこでバイトをすればいいんですね」

テクパトル「・・・はい?」

19090「あ、顔は特殊メイクをして行きますから」

テクパトル「・・・え?」

19090「同じ職場ならテっくんも安心ですよね?それに・・・ず、ずっと一緒にいられます//」

テクパトル「ま、待て!本気かよ美月!?」

19090「はい、美月も自分のお小遣くらいは稼ぎたいですから」

883 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:20:10.14 ID:cq9WGt7n0
テクパトル「いや、嬉しいけどさ・・・きつくないか?」

19090「テっくんが一緒なら大丈夫です!」

19090号が満面の笑みを浮かべる

問題はそこではないのだが

テクパトル「・・・まぁ、別に文句はないけどさ」

19090「・・・テっくん、美月はテっくんとずっと一緒にいたいんですよ?」

テクパトル「分かってるよ」

19090「よし!これでテっくんとの二人の時間は確保出来ますね!」

テクパトル「ははは、そうだな」

幸せなカップルは日差しを浴びながら笑っていた

テクパトル「でもバイトに受かるかは分からないぞ?」

19090「そ、それもそうですね」


884 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:21:03.86 ID:cq9WGt7n0
一方「・・・」

番外「でね、ミサカとしてはメリーゴーランドがいいかな」

一方「・・・」

番外「なに?さっきから無言ゲーム?」

一方「一つ聞きたいンだけどよ」

番外「うん、なに?」

一方「俺は買い物に行くって聞いてたンだけどな」

二人は遊園地にいた

一方通行からしたら予想外もいいところだった

番外個体が買い物に行きたい、と言い出したのでついでに一緒に行った

それまではよかった

だが番外個体の後をついていくと、たどり着いたのは遊園地だった

885 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:21:39.01 ID:cq9WGt7n0
番外「夢を買いに来たんだよ」

一方「言い訳はいい、謝れ」

番外「ミサカについて行きたいって泣きついたのはアナタじゃん」

一方「泣きついてねェよ」

番外「今日はクリスマスだよ?せっかくなんだから遊園地デートしようよ!」

一方「クリスマス?」

一方通行が首を捻る

そういえば今日は12月の25日だった

一方「・・・でもよ、俺は遊園地なンて苦手なンだけどな」

番外「前に上位個体と来たことあるでしょ?」

一方「あの時は打ち止めが自分で勝手に遊ンでたからいいンだよ」

886 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:23:05.51 ID:cq9WGt7n0
番外「ミサカ、メリーゴーランドに乗りたいな」

一方「あァそォかよいってらっしゃい」

番外「アナタも一緒に乗るんだよ?」

一方「乗らないからな」

番外「なに?もしかして目が回っちゃうから?」

一方「挑発しても意味ねェよ」

番外「ちっ・・・アナタと一緒に乗りたかったのに」

番外個体が顔をしかめる

クリスマスなら彼氏とイチャイチャしたいのだろう

一方「・・・遊園地なンて俺らには似合わねェよ」

番外「そうかな?意外とお似合いだよ、アナタ」

ケラケラと番外個体が笑う

たしかにキョロキョロと辺りを見回す一方通行は可愛いげがあった

887 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:23:55.29 ID:cq9WGt7n0
一方「・・・なァ、あれは?」

番外「え、アナタフリーフォール知らないの?」

一方「自由落下か?それがどォしたよ」

番外「直訳のまんまだよ、あのシートが上に上がって落ちるの」

一方「・・・はァ?」

一方通行が呆れたように息を吐く

あんな高いところからただ落ちるだけ

一体何が楽しいのだろうか

一方「若いヤツってのはあァいうのが好きなのか?」

番外「ミサカはああいうの大好きだよ、落ちる瞬間のフワッてするのが」

一方「そりゃまた物好きだな」

番外「ねぇねぇ、乗ろうよメリーゴーランド」

888 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:24:40.07 ID:cq9WGt7n0
一方「俺は遠慮しとく」

番外「ね、ロリがいる」

一方「行こうかメリーゴーランド」

番外(ちょろい)

二人がメリーゴーランドへと向かう

クリスマスなだけあって、周りもカップルだらけだ

番外「うわ・・・結構並んでるね」

一方「ちっ・・・ロリなンていないじゃねェか」

番外「ほら、あそことか」

一方「!?どこだ!?」

番外「あ、隠れちゃった」

一方「ちくしょう・・・」

番外(見事に騙されてるね)

889 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:26:09.44 ID:cq9WGt7n0
一方「長いな」

番外「うん・・・もう大分待ってるのにね」

番外個体が腕時計を確認する

かれこれ20分は並んでいるようだった

一方「なァ、もう別の行かないか?」

番外「メリーゴーランドが一番最初ってのが決まりなんだよ?」

一方「聞いたことねェよ、第一打ち止めは最初からジェットコースターだった」

番外「・・・ミサカより上位個体といるほうが楽しいんだね」

一方「うるせェな、お前といるほうが楽しいに決まってンだろォが」

番外「うぉっ、ツンデレだねアナタ」

一方「黙れ、前が空いたから進め」

番外「はいはい」

890 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:27:38.61 ID:cq9WGt7n0
やっと二人が乗れそうな順番になった

一方「・・・どれがいいンだよ?」

番外「あの馬車がいい!」

一方「・・・普通は何色の馬がいいかを選ぶンだよな?」

番外「あれは馬じゃなくてペガサスなの!」

一方「はァ?どォ見ても馬だろォが」

番外「夢ないねアナタは」

一方「うるせェ」

番外「ま、いいや」

番外個体が馬車へと乗り込む

番外「ひゃっはぁ!ここはミサカの領地だぜ!」

一方「そりゃよかったな」

891 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:28:35.94 ID:cq9WGt7n0
番外「ありゃ?アナタは乗らないの?」

一方「・・・狭いだろォが」

番外「でも杖ついたままじゃ立ってるのもきついんじゃないの?」

一方「・・・」

番外「ほら、虚勢張ってないでおいでよ」

一方「・・・仕方ねェな」

ため息をついてから一方通行が番外個体の隣に座る

番外「うわ、似合わねぇ」

一方「出る」

番外「じょ、冗談だってば!」

一方「袖引っ張るな、伸びる」

番外「じゃあ逃げようとしないでよ!」

892 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:29:43.85 ID:cq9WGt7n0
一方「ちっ・・・今度バカにしやがったらマジで帰るからな」

番外「分かってるって」

一方「・・・動き出したか」

クルクルとメリーゴーランドが回りだす

外の景色がぶれているのがなんとも面白い

番外「・・・」

一方「なンだよ、いきなり静かになったな」

番外「ここでの会話ってさ、周りに聞こえるのかな?」

一方「聞こえねェンじゃねェか?」

周りではカップルが歓声を上げている

その中で自分達の会話だけがはっきり外に聞こえるわけがなかった

番外「そっか、じゃあちょっとは素直になれるわけだ」

893 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:30:46.74 ID:cq9WGt7n0
一方「あァ?」

言葉の意味が分からず、一方通行が番外個体のほうを見る

その瞬間、唇を奪われてしまう

番外「な、なんでこっち向いたのさ!」

一方「・・・てめェこそなにいきなりキスしてンだよ」

番外「ほっぺたにするつもりだったのにアナタがこっち向くから!」

一方「・・・なンでキスしようとしたンだよ」

番外「だ、だってカップルだよ!?」

一方「・・・誰かに見られたらどォすンだよ」

番外「ご、ごめんなさい」

一方「・・・」

番外「怒ってる?」

894 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:31:51.84 ID:cq9WGt7n0
一方「いや」

一方通行がそっぽを向く

実際は、いきなりキスをされてしまったため頭が混乱しているだけなのだ

番外「ね、ねぇ」

一方「なンだよ」

番外「ミサカにもキスしてくれない?」

一方「しねェよ」

番外「いいじゃん!誰にもバレないって!」

一方「・・・」

一方通行がもう一度番外個体を見つめる

その唇に、自然と視線が向かってしまう

普段なら全く気にはしなかっただろう

895 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:32:24.86 ID:cq9WGt7n0
だが今のシチュエーションではどうしても意識してしまう

今すぐむしゃぶりつきたい衝動を抑え、どうにか理性を保ってみる

しかしそれもすぐに限界が来てしまった

一方「一度だけだからな」

無理矢理奪うかのように、強引に唇を重ねる

番外個体も受け入れるように、唇をわずかに開ける

お互いの舌が絡み合う

ドキドキ、と胸が高鳴る

周りにバレるのではないか、なんていうことはもはやどうでもよかった

第一バレるわけがないのだ

番外「・・・アナタも意外とやるね」

896 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:33:08.01 ID:cq9WGt7n0

一方「あンなことされて黙ってるわけにもいかねェだろ」

番外「・・・ちょっと恥ずかしかった」

一方「俺もだから気にすンな」

番外「・・・ありがと」

一方「うるせェ、もォそろそろ止まるぞ」

番外「・・・止まってほしくないな」

一方「何言ってンだよ」

番外「だって止まったら二人きりじゃなくなるじゃんか」

一方「・・・止まっても二人きりだろォが」

番外「お、カッコイイー」

一方「冷やかしてンじゃねェよ」

897 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:33:59.31 ID:cq9WGt7n0
メリーゴーランドが回転を止めた

周りのカップルな次々に降りていく

みんな笑顔だった

番外「次はどこ行く?」

一方「どこでもいいから早く決めろ」

番外「ミサカとならどこにでも行きたいって?」

一方「てめェ・・・耳腐ってンのかよ」

番外「残念ながら現役の耳だよ」

一方「ちっ・・・どこでもいいから決めろ」

番外「じゃあフリーフォール」

一方「・・・あれ楽しいのか?」

番外「最高だよ」

898 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:35:01.28 ID:cq9WGt7n0
一方「・・・なンで知ってンだよ」

番外「ほかのミサカから感覚分けてもらった」

一方「ンなことも出来ンのか・・・」

番外「便利でしょ」

一方「でもよ、実際に乗るのは初めてなンだろ?」

番外「当たり前じゃん、ミサカはあんまり遊園地とか来ないし」

一方「感覚だけなのと実際に乗るのはかなり違うと思うンだがな」

番外「大丈夫大丈夫!ミサカはもともとロシアにいたんだよ!?」

一方「苦境には慣れてるってか」

番外「まぁ見てなさい!」

番外個体が胸を張る


その自信はすぐに慢心だったことが明らかになってしまうわけだったが  
899 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:38:28.78 ID:cq9WGt7n0

番外「・・・」

一方「なァ、苦境には慣れてるンだよな?」

番外「そ、そうだよ?」

一方「フリーフォールなンて怖くないンだよな?」

番外「そ、そうだね」

一方「・・・なンで手を握ってくるンだ?」

番外「カ、カップルだから!」

一方「ちげェだろ」

二人はフリーフォールに乗っている

隣同士の席

そして、番外個体は一方通行の手を握り締めている

番外「じ、実はアナタのほうが怖がるオチだからね!」

一方「あァそォかよ」

呆れたように一方通行が溜め息をつく

900 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:41:40.97 ID:cq9WGt7n0
番外「わわ!!う、動くみたいだよ!?」

一方「動かねェわけがないだろ」

番外「も、もう少しで始まるって・・・」

番外個体が涙目で一方通行を見つめる

だったらどうして乗ったのか

一方「・・・もォ降りられないからな」

番外「わ、分かってるってば!」

一方「・・・始まるぞ」

番外「ひぃっ!?」

二人の座席もだんだんと上へ上がっていく

なんでも日本史上最高の高さらしい

一方「はァ、学園都市の壁まで見えるンだな」

番外「高くない高くない高くない高くない・・・」

一方「日本最高の高さだってなァ」

番外「ぎゃぁぁぁ!!!!???」

901 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:53:58.73 ID:cq9WGt7n0
一方「うるせェな・・・下見てみろ、景色が綺麗だぞ」

番外「くわばらくわばら!!」

一方「おい」

番外「な、なに!?」

一方「お前もしかしてさ」


一方「高いところ苦手か?」

番外「なななな、なわけないじゃん!?」

一方「あァそォか、だからさっきから慌ててるわけか」

番外「違うったら!!」

一方「知ってるか?人間がこの高さから落ちたらどォなるか」

番外「ひっ・・・」

一方「知ってるよなァ!?もしかしたら機械の故障で落ちるかもなァ!!!」

番外「いやぁぁぁぁぁ!!!!」

902 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 11:56:29.47 ID:cq9WGt7n0
一方「お、頂上みたいだぞ」

番外「見えない聞こえない感じない・・・」

一方「人間がちっさいな」

番外「人がゴミのようだ人が・・・」

その時、アナウンスが流れる

「お客様、ただいま機械のトラブルにより一時停止しております」

ベタな演出だ

周りの客も苦笑するほどの

だが、一応これはお決まりなのだろう

大体機械が故障しているなら、真っ先に真下に落ちてしまうはずだ

そんなはったりにビビる人間が


番外「ぎゃぁぁぁ!!!???アナタがフラグ建てたからだよ!?」

いた

903 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 12:11:36.49 ID:cq9WGt7n0
一方「・・・お前・・・」

番外「落ちちゃうよ!?このままじゃ落ちちゃうよ!?」

一方「いや、フリーフォールは落ちるもンだろ」

番外「やぁぁ!?やっぱり落ちるの!?ねぇ落ちるの!?」

一方「もォ黙ってろ」

番外「な、なんで!?」

番外個体が泣きそうな顔になる

「落ちるときのフワフワがたまらんのだよチミ」なんて言っていたとは思えない

一方「はァ・・・あ?」

その時、ガクンと座席が揺れた

どうやら演出もそこそこに、そろそろ動き出すらしい

番外「あぁどっかのナットが取れたんだきっとそうだよどうしよう!?」

一方「落ち着け」

904 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 12:16:57.48 ID:cq9WGt7n0
番外「う、動いてるどうしよう!?」

一方「やっとかよ」

番外「何が!?」

フリーフォールが始まった

勢いよく、下へと座席が落ちていく

周りの客は歓声を上げている

一方「はァ、なるほどな・・・たしかにこの浮遊感は悪くねェ・・・」

番外「落ちてるぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

一方「・・・」

番外「速い速いもう落ちちゃうの!?一方通行、天国でも一緒になろうね!?」

一方「あァ?」

番外「ぎゃぁぁぁ!!」

一方(まだ故障したと思ってンのか)

番外「地面が近づいてきてるぅぅぅぅ!!」

番外個体は混乱している!

905 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 12:23:38.69 ID:cq9WGt7n0

一方「・・・終わったか」

番外「よかった・・・本当によかった・・・」

一方「壊れるわけねェだろ、ここは学園都市なンだよ」

番外「だってアナウンスが!!」

一方「次は何行くンだよ」

番外「シカト!?」

一方「早く決めろ、もう一回フリーフォールか?」

番外「あれはもうやだ!」

一方「・・・もォ昼なンだな」

番外「じゃあ・・・ご飯にする?」

一方「あァ」

二人が遊園地内のレストランへ向かう


906 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 12:28:07.84 ID:cq9WGt7n0
一方「・・・いつ帰るンだよ?」

ステーキを食べながら、一方通行は訊ねていた

番外「そうだね・・・」

一方「俺は早く帰りたいンだけどよ」

番外「クリスマスなんだしいいじゃん」

一方「・・・まァたまにはな」

番外「アナタってなんだかんだ優しいよね」

一方「そォかよ」

番外「そんなアナタが大好きだよ?」

一方「分かってる」

一方通行が番外個体を見つめる

番外「ん、どうしたの?」

907 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 12:31:05.61 ID:cq9WGt7n0
一方「・・・お前さ、高いところ苦手だったンだな」

番外「ち、違うよ!?」

一方「怖がってたじゃねェか」

番外「あれは故障したと思って・・・」

一方「その前からビビってたろ」

番外「・・・そ、それは・・・」

一方「意外と可愛いとこあンのな」

番外「い、意外と?」

番外個体が一方通行を睨みつける

番外「そこは思ったとおり、でしょ!?」

一方「思ってねェもン」

番外「思えよ!」

一方「思えねェよ」

番外「なんでだよぉ!?」

908 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 12:35:31.94 ID:cq9WGt7n0
一方「・・・」

番外「・・・アナタはなんか、イメージ通りだよね」

一方「あァ?」

番外「高いところとか怖くないって感じで」

一方「そりゃ怖くねェからな」

番外「何か怖いものないの?」

一方「・・・ロリ」

番外「ヨダレ垂らしながら言わないで、他には?」

一方「・・・ロリ」

番外「もういいから」

一方「ねェよ、怖いもンなンて」

番外「なんで?」

一方「・・・さァな」

909 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 12:43:49.24 ID:cq9WGt7n0
番外「・・・ねぇねぇ、この後はどうするの?」

一方「・・・もう少し遊ンだら帰るからな」

番外「ふーん・・・一応は遊ばせてくれるんだ?」

一方「まァ来たンだからな」

番外「ありがと」

ニコリ、と番外個体が微笑む

とても嬉しそうだ

一方「いいからさっさと食え」

番外「はーい」


一方「・・・」

一方「お前の笑顔が見られるならさ」

番外「ん?」

一方「なンだってやってやるよ」


遊園地のレストランの中

番外個体の頬は、真っ赤に染まっていた

910 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 13:21:46.47 ID:cq9WGt7n0
エツァリ「・・・ショチトル、メリークリスマス」

ショチトル「あぁ、メリークリスマス」

こちらの二人はたいしたこともしていなかった

わざわざどこかへ出かけるのも面倒なのだ

第一、ショチトルは人混みが嫌いである

クリスマスなんて人が多く外に出ているだけだ

ショチトル「家で静かにしてるほうが性に合うんだよ」

エツァリ「誰に説明してるんですか」

ショチトル「気にするな」

エツァリ「・・・ところで、プレゼントがあるのですが」

ショチトル「お、本当か?」

エツァリ「えぇ」

911 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 13:30:47.92 ID:cq9WGt7n0
エツァリが大きな袋を漁る

エツァリ「どうぞ」

ショチトル「!?これはまさか・・・」

エツァリ「あなたが前々からほしがっていたゲームですよ」

ショチトル「本当に!?」

エツァリ「少々値が貼りましたが・・・」

ショチトル「おぉ・・・」

ショチトルがすぐにゲームを始める

なんでも、最近学園都市で流行のギャルゲーらしい

エツァリ「・・・女性のあなたがギャルゲーというのも・・・」

ショチトル「甘いな、これは毎月新しいルートが配信されるんだ、つまり半永久的に楽しめるんだよ」

エツァリ「なるほど・・・ちなみに、どんなキャラを攻略できるんですか?」

ショチトル「美琴、心理定規、白井や麦野、絹旗、結標」

エツァリ「ちょっと待ってください」

ショチトル「なんだ?」

912 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 13:37:39.03 ID:cq9WGt7n0
エツァリ「もしかして、実在の人物を・・・?」

ショチトル「あぁ、ちなみに私もいるぞ?」

エツァリ「うわ・・・それはえげつないですね」

ショチトル「大丈夫、18禁な展開はない」

エツァリ「そこではないですよ・・・」

ショチトル「・・・だってさ、リアリティーが必要だろ?」

エツァリ「そ、そうですが・・・」

ショチトル「本人たちの許可は取っています、らしい」

エツァリ「・・・学園都市の大企業から頼まれたら断れませんよね」

ショチトル「・・・始めるかな」


ショチトル「ほうほう、設定は美琴が幼馴染で白井は後輩・・・」

ショチトル「心理定規は隣のお姉さん、麦野は部活の先輩・・・」

ショチトル「絹旗はいとこで結標は街中でナンパされた・・・」

エツァリ「結標さんだけ不純ですね」

913 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 13:40:54.80 ID:cq9WGt7n0
ショチトル「じゃあ・・・美琴でいいかな」

エツァリ「なぜですか?」

ショチトル「幼馴染だから一番攻略しやすいんだってさ」

エツァリ「なるほど・・・」


ショチトル「ここの選択肢は、一緒に学校に行くのほうがいいかな?」

エツァリ「いえ、あえて距離を置きましょうよ」

ショチトル「そうか?」

エツァリ「えぇ」


ショチトル「・・・これは、ドキドキだな」

エツァリ「一緒にプール・・・なかなかいいイベントですね」

ショチトル「というかCGがリアルなんだが」

エツァリ「そうですね・・・」


914 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 13:45:04.15 ID:cq9WGt7n0

ショチトル「・・・クリスマスに何やってるんだろうな」

エツァリ「いまさらですか」

ショチトル「・・・もう少しまともなイブを過ごさないか?」

エツァリ「そうですね・・・」

二人がいったんゲームの電源を切る

ショチトル「食事にでも行こうか」

エツァリ「えぇ・・・」


ショチトル「・・・なぁ、あの二人って」

エツァリ「えぇ」

二人は、レストランで見知った顔を見つけていた


吹寄「・・・はぁ、上条のヤツはメールをしてもなしのつぶて・・・」

■■「仕方ないこと。だって彼は今イギリス旅行中」

吹寄「・・・先生が補習の予定を伝えたいって言っているというのに・・・」

■■「むしろ。彼は何かを察知して取らないだけかも」


915 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 13:47:47.48 ID:cq9WGt7n0
エツァリ「・・・あの」

吹寄「あら、上条の友達の・・・」

ショチトル「エツァリとショチトルだ」

■■「また。カップルを発見」

ショチトル「・・・お前たちは二人寂しくクリスマスか?」

吹寄「・・・うらやましいわよ、カップル」

吹寄が溜め息をつく

■■「吹寄は垣根にメールをしたの?」

吹寄「そ、そりゃ・・・メリークリスマス、とだけ」

■■「どうだった?」

■■が真剣な顔で問いかける

吹寄「こんな写真と一緒にメリークリスマスって」

吹寄が自分の携帯を差し出す

そこには、垣根と心理定規の幸せそうなツーショットが映っていた

916 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 13:50:15.64 ID:cq9WGt7n0
エツァリ「おやおや、楽しんでいるようで何よりですね」

ショチトル「ほう・・・後ろにあるいのはツリーか?」

■■「というか、なんで二人はサンタの格好を?」

吹寄「さぁ・・・?」

ショチトル「そうだ、相席いいか?」

吹寄「えぇ、ヒマだったもの」

■■「私といても。ヒマなのね」

吹寄「そ、そういう意味じゃ・・・」

エツァリ「しかし・・・クリスマスといっても、特別なことはありませんでしたね」

吹寄「ホント・・・」

■■「むしろ。クリスマスが特別なのはカップルだけ」

ショチトル「いや、私達もギャルゲーばっかやってたぞ」

吹寄「・・・あなたは青髪と気が合いそうね」

917 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 15:37:53.23 ID:cq9WGt7n0
エツァリ「・・・なんだか、幻想的ですね」

窓の外を眺めながら、エツァリがつぶやく

ショチトル「ほう・・・ホワイトクリスマスか」

吹寄「イギリスも雪が降ってるみたいね」

■■「吹寄は。ずっと垣根とメール?」

吹寄「ち、違うわよ!?さすがに心理定規との二人の時間は邪魔できないもの・・・」

エツァリ「・・・そうですね」

ショチトル「二人の時間というのは特別だからな」

■■「そんな経験。ない」

ショチトル「なんかすまん」

吹寄「はぁ・・・」

エツァリ「・・・お二人はなぜクリスマスをレストランで?」

918 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 15:43:10.42 ID:cq9WGt7n0
吹寄「・・・そんなこと聞かないで・・・」

■■「リア充には分からない辛さがあるの」

ショチトル「あぁ、他に男もいないわけか」

吹寄「・・・別にクリスマスを異性と過ごせ、なんていう決まりはないわ」

ショチトル「ひどい言い訳だな」

■■「・・・喧嘩になりそうな発言は謹んで」

エツァリ「・・・では、四人でクリスマスといきましょうか?」

吹寄「彼女さんと二人きりじゃなくていいの?」

エツァリ「ショチトル、どうですか?」

ショチトル「たまにはこういうのもいいだろ」

■■「やっと。男が加わった」

エツァリ「・・・しかし、明日も雪になりそうですね」

919 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 15:56:02.35 ID:cq9WGt7n0
■■「寒いのはイヤ」

吹寄「そうね・・・私は学校にいろいろ用事があるし・・・」

エツァリ「冬休みにもですか?」

吹寄「えぇ、新年会の相談とか」

ショチトル「へぇ・・・クラスで新年会か」

吹寄「うちは仲良しクラスだからね」

■■「でも。私は影が薄い」

エツァリ「・・・自分達もですよ」

ショチトル「そうだな」

■■「ふふふ。仲間」

ショチトル「あぁ」

エツァリ「仲間ですね」

920 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 16:06:42.64 ID:cq9WGt7n0
吹寄「はぁ・・・寒い」

■■「吹寄は寒がりなの?」

吹寄「まぁね・・・」

エツァリ「たしかに今日は寒いですね」

ショチトル「エツァリ、暖めてくれ」

エツァリ「は、はい?」

■■「・・・」

吹寄「二人とも、見せ付けるのだけはやめてちょうだい」

ショチトル「ははは、クリスマスの醍醐味は自分達の幸せを見せ付けることだ」

■■「・・・はぁ」


■■「こんなクリスマス。いやだ」


921 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 16:17:16.13 ID:cq9WGt7n0

削板「えー、黒子、ウイーハルさん!」

黒子「はいですの!」

初春「・・・結局、今年にうちに間違いに気づかせるのはムリでしたね・・・」

削板「間違い?」

初春「はぁ・・・とりあえず、続けてください」

削板「あぁ!!」


削板「まだ少し早いかもしれないが・・・今年もお疲れ!」

黒子「軍覇さんもお疲れ様ですの」

削板「大覇星祭、一端覧祭、その他もろもろもお疲れ様!」

初春「削板さんもお手伝いありがとうございました」

削板「ということで・・・」

三人がクラッカーを持つ

922 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 16:21:34.27 ID:cq9WGt7n0
削板「メリークリスマス!!」

黒子「メリークリスマスですの!!」

初春「メリークリスマスです!!」

パン、とクラッカーを鳴らす

三人は削板の寮にいた

彼の通っている学校は普通の学校だ

だが、超能力者なだけあってなかなか大きな部屋に住んでいる

削板「いやぁ、クリスマスがこんなに楽しいなんて思わなかったよ!」

黒子「まだ始まったばかりですの」

初春「えっと・・・私から二人にプレゼントが」

削板「なんだ、俺もだ」

黒子「あら、わたくしもですの」


923 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 16:28:15.02 ID:cq9WGt7n0
初春「削板さんにはスポーツタオル、白井さんにはメモ帳です!」

削板「おぉ!サンキュー!!」

黒子「まぁ、カレンダーつきのメモ帳ですの?」

初春「これで、びしばし風紀委員の予定を立ててくださいね、私の分も働いてください!」

黒子「・・・」

初春「冗談ですよ」

黒子「わたくしは・・・初春にはこれですの」

初春「あ、私が前からほしかったヘアピンですね!」

黒子「お姉さまに憧れたんでしたっけ?」

初春「いやぁ、御坂さんのヘアピンが可愛くて・・・」

削板「なるほど、憧れか」

黒子「軍覇さんにはマフラーですの」

削板「?もしかして手編みか?」

黒子「そ、そうですの!」

924 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 16:43:40.07 ID:cq9WGt7n0
削板「おぉ!!ありがとう!」

黒子「軍覇さんは何を買われましたの?」

削板「ウイーハルさんにはこれ」

初春「・・・花瓶?」

削板「その頭の花をたまにちぎっては入れ、ちぎっては入れ・・・」

初春「や、やめてください!!」

削板「黒子にはこれだ」

黒子「まぁ、ネックレスですの?」

削板「なんか黒子に似合いそうだからさ」

黒子「あ、ありがとうございますの//」

初春「さて・・・じゃあ、ジュースで乾杯ですね!」

黒子「しかし、固法先輩が来られないのは残念ですの」

削板「たしか・・・補習だったっけ?」

925 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 16:56:19.73 ID:cq9WGt7n0
黒子「えぇ、風紀委員の仕事をしているとどうしても出られない授業があったりするそうですの」

初春「白井さんはないんですか?」

黒子「あら、両方こなしていますの」

削板「・・・なんかすごいな」

初春「・・・白井さんはさすがですね・・・」

黒子「そうでしょうか?初春もがんばってますの」

初春「は、はい!!」

削板「風紀委員って大変だよな・・・」

ジュースを飲みながら削板がつぶやく

黒子「たしかに・・・なかなか簡単にはできませんの」

初春「だからこそ、尊敬もされるんですけどね」

削板「そうだよな・・・」


926 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 16:59:42.71 ID:cq9WGt7n0
黒子「やりがいもありますの」

初春「削板さんもぜひやってほしいんですけどね・・・」

削板「うーん・・・」

黒子「あら、わたくしは軍覇さんは一般人として活躍していてほしいですの」

初春「そうですか?」

黒子「秩序を守るのがわたくし達、誰かの心を救うのが軍覇さん、それでいいですの」

削板「お、分かってるな」

黒子「初春は仕事で楽をしたいだけではないんですの?」

初春「ち、違いますよ!!」

削板「あはは、顔が真っ赤だぞ?」

初春「こ、これは怒ってるんです!」

黒子「図星ですのね」

927 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:02:30.55 ID:cq9WGt7n0
削板「・・・二人とも、体には気をつけてな」

黒子「えぇ、軍覇さんもですの」

初春「私達が倒れてたら誰が治安を守るんですか!」

削板「ははは!そうだな」

黒子「初春もすっかり一人前ですの」

初春「白井さんのおかげですよ」

削板「ウイーハルさんは黒子に憧れたんだっけ?」

初春「はい・・・昔は、真面目な人だと思ってました」

黒子「・・・昔は?」ピクリ

初春「はい、実際は不真面目でした!」

黒子「初春、ちょっとお話しましょうか?」

初春「だが断る」

928 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:06:17.62 ID:cq9WGt7n0
削板「・・・サンタさんがいるなら、二人にもプレゼントが届くかもな」

初春「いい子ですからね!」

黒子「自分で言わないでくださいな」

削板「・・・メリークリスマス・・・か、もうそろそろ今年も終わりなんだな」

初春「はい・・・今年は楽しかったです」

黒子「軍覇さんと初春が知り合ったのは、わたくしとしても嬉しかったですの」

削板「そうか?」

黒子「えぇ、共通の友人というのはいいものですの」

初春「そうですね、三本の矢ですよね」

削板「お、懐かしい話だな」

黒子「来年も無事に過ごせるといいですの」

929 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:10:41.37 ID:cq9WGt7n0
削板「・・・今年はいい年だったな」

黒子「来年もよろしくですの!」

初春「こちらこそ!」

削板「じゃ、来年も俺達の友情が変わらないことを祈って!!」

三人がグラスを掲げる

そこに映っているのは、正義を愛する三人だ

信じたものが同じ仲間

守りたいものが同じ仲間

まさに「同志」

まさに「仲間」

その友情は、不滅なのだ


削板「乾杯!!!」


正義を愛する男女は、心の中も燃え滾っている


930 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:14:29.36 ID:cq9WGt7n0

絹旗「服も・・・よし、今日はジーパンで・・・よし」

麦野「あ?絹旗何やってんだよ」

絹旗「何って、オシャレですよ」

麦野「・・・オシャレ?」

絹旗「はい、オシャレです」

麦野「なんで?」

絹旗「今日が何の日か知ってますか?」

二人はアイテムの隠れ家にいた

隠れ家といっても、昔隠れ家であっただけで今は四人で共同生活している家なのだが

麦野「・・・クリスマスだろ、浜面と滝壺は浮かれてたな」

絹旗「なんだ、知ってるじゃないですか」

麦野「で?」

931 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:17:08.06 ID:cq9WGt7n0
絹旗「ちょっとお出かけですよ」

麦野「・・・誰と?」

絹旗「海原さんです」

麦野「あぁ?グループだったあれか?」

絹旗「いえ、グループのはエツァリって人らしいですよ」

麦野「・・・ちょっと待て、なんでてめぇがその海原と出かけるんだ?」

絹旗「二人で出かけませんか、って話になったんですよ」

麦野「」

絹旗「超ドキドキします・・・」

麦野「・・・浜面が手に入らないと分かった途端乗り換える・・・」

絹旗「浜面はどっちかって言ったらお兄ちゃん的な感じでしたから、超どうでもいいです」

麦野「前に恋だって言ってただろうが!?」

絹旗「さぁ?」

932 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:19:51.60 ID:cq9WGt7n0
麦野「・・・くそ・・・一人は私だけかよ・・・」

絹旗「・・・がんばってください」

麦野「決めた、浜面のジャマしに行ってくる」

絹旗「超悪趣味ですね」

麦野「うるせぇ、さっさと行けよあばずれ」

絹旗「それじゃ、超ババァ」

麦野「ババァ!?てめぇ今ババァって・・・」

麦野が絹旗のほうを睨む

しかし、すでに絹旗は隠れ家から出て行っていた


麦野「・・・速いな」



絹旗「・・・待ち合わせはここでしたっけ」

絹旗は近くの喫茶店にいた

たしか、先に来て待ってくれているらしいが


933 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:25:50.07 ID:cq9WGt7n0
海原「あ、絹旗さん!!」

絹旗「!!」

いた

あのさわやかで、大抵の女ならイチコロできそうな笑顔

そして、紅茶が非常に似合う容姿

絹旗「ま、待たせちゃいましたか!?」

海原「いえいえ、まだ紅茶は温かいですよ」

ニコリ、と微笑んで迎え入れてくれる

彼は、もはやさわやかとしか言いようのない存在だった

絹旗「えっと・・・今日はありがとうございます」

海原「いえいえ、自分もちょうど予定が開いていましたので」

絹旗「そ、そうですか!」


934 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:30:23.72 ID:cq9WGt7n0
海原「ですが・・・どこへ行かれるのですか?」

絹旗「あ、決めてません・・・」

海原「ははは、じゃあこれから考えましょうか」

絹旗「は、はい!!」


海原「そうですね・・・お昼ご飯は?」

絹旗「あ、もう食べてきました」

海原「そうですか・・・では映画にでも?」

絹旗「!!」


絹旗(やばいです、ここでC級映画が好きなんてバレたら・・・)

絹旗(や、やっぱり海原さんみたいな人には嫌われてしまいますよね!?)

海原「どうかされましたか?顔色が優れないようですが・・・」

絹旗「そ、その・・・」

海原「映画はあまりお好みではないですか?」

絹旗「超好きですけど!」


935 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:33:01.98 ID:cq9WGt7n0
海原「では、ご一緒しませんか?」

絹旗「あ、え・・・」

海原「何かご覧になりたい映画は?」

絹旗「・・・」


絹旗「・・・ミラーマン・・・を」

海原「?最近話題の、C級映画ですね」

絹旗「し、知ってるんですか!?」

海原「えぇ、いろいろなものに触れるのはとても大切なことですから」

絹旗「じゃ、じゃあ!」

海原「えぇ、ご一緒しますよ」

ニコリ、と海原が微笑む

自分の趣味を理解してくれるのは、とてもありがたい


936 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:38:06.45 ID:cq9WGt7n0

海原「楽しかったですね・・・C級というわりに、ストーリーも演技も素晴らしかったです」

絹旗「ただ、やっぱりカメラワークがヘタでしたね」

海原「そこがまた不気味な雰囲気を醸し出していましたね」

絹旗「ミラーマンが鏡から出てくるところは手に汗握りました!!」

海原「えぇ、とても面白かったです」

絹旗(・・・超・・・超幸せです!!)


海原「お次は?」

絹旗「そうですね・・・ちょっと買い物がしたいです」

海原「では、行きましょうか」

絹旗「はい!!」


937 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:42:11.41 ID:cq9WGt7n0

絹旗「これどうですか!?」

海原「そうですね・・・ちょっと丈が短くありませんか?」

絹旗(はっ!!ついいつものクセでパンチラしやすそうなのを!!)

海原「ですが、絹旗さんならきっとお似合いですよ」ニコッ

絹旗「そ、そうですか!?」

海原「えぇ、とてもかわいらしいので」

絹旗(かわいらしいかわいらしいかわいらしい・・・)

海原「どうかされましたか?」

絹旗「超大丈夫です!!」

海原「では、それでよろしいんですね?」

絹旗「え、自分で払いますよ・・・」

海原「いえいえ、クリスマスプレゼントということで」

絹旗「い、いいんですか!?」

海原「えぇ」


938 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:45:37.05 ID:cq9WGt7n0
絹旗「・・・海原さんってお金持ちだったんですね」

ショッピングからの帰り道、絹旗は感心したようにつぶやいていた

海原「まぁ・・・少々ですが」

絹旗「もしかして、結構すごい人なんですか?」

海原「そうでもないですよ」

海原が苦笑する

海原「あまり努力をするのが好きではなくて・・・テストなんかではカンニングもしますよ」

絹旗「え、なんか意外ですね」

海原「はは・・・恥ずかしい限りです」

絹旗「・・・でも、それだけならまだ・・・」

海原「・・・絹旗さんは何か?」

絹旗「・・・」

言えるわけがない

言えるわけが

だが、海原は自分の汚点を彼女に教えてくれた

そんな、どう考えてもかっこ悪いことを


絹旗「・・・私は、人を殺したことがあるんです」

939 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:51:54.05 ID:cq9WGt7n0
海原「・・・人を、ですか」

絹旗「・・・学園都市の暗部の話・・・知ってますか?」

海原「えぇ、もちろん」

絹旗「・・・私は、そこの一員だったんです」

絹旗「人を殺すのが仕事で、それでお金を得て」

絹旗「・・・何度も何度も、人の命を奪ってきました」

海原「・・・なぜ、自分にそのような話を?」

絹旗「・・・やっぱり、黙っていられませんよ」

絹旗「・・・海原さんは優しいですし、こんな話は許せないかもしれません」

絹旗「・・・でも、海原さんは私に話してくれました」

絹旗「・・・包み隠さず、私に素直に接してくれたんです」

絹旗「・・・そんな人を、騙せるわけないですよ」

海原「・・・そうですか」


940 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 17:55:15.46 ID:cq9WGt7n0
絹旗「・・・」

海原「・・・大変でしたね」

絹旗「・・・はい」

海原「・・・なるほど、絹旗さんは・・・そうでしたか」

絹旗「・・・怖かったら、逃げられても構いません」

海原「怖くはないですよ、ただ少し悔しいですね」

絹旗「・・・悔しい?」

海原「・・・えぇ」

絹旗「どうしてですか?」

海原「なんというか、無理矢理打ち明けさせてしまったような感じでしたから」

ははは、と海原が笑う

さきほどまで見せていたのとは違う

距離を少し置いた笑みではなく、心からの親友に見せるような笑みだった

絹旗「こ、怖くないんですか?」

海原「えぇ」


941 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 18:06:24.90 ID:cq9WGt7n0
絹旗「ど、どうしてですか?」

海原「・・・いえ、自分も少々は汚れた世界は知っていますから」

海原の祖父はお偉いさんだ

そういう、裏社会のことも知っている

やはり、権力と暴力は簡単には切り離せない

海原「ですから、怖くはありませんよ」

絹旗「・・・」

海原「むしろ、こうやって腹を割って話せるのは嬉しいですよ」

絹旗「そうですか?」

海原「えぇ、自分はいつも人と距離を置いてしまいますから」

海原が苦笑する
942 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 18:16:38.34 ID:cq9WGt7n0
絹旗「そうなんですか?」

海原「ですが、絹旗さん相手にならなぜか素直になれるんですよ」

絹旗「!?」

海原「ど、どうされました?顔が真っ赤ですが・・・」

絹旗「超なんでもないです!!!」

海原「そのわりには額に汗が・・・」

絹旗「きょ、今日は暑いですねぇ!」

海原「いえ、クリスマスですが?」

絹旗「こ、この後はどうするんですか!?」

海原「そうですね・・・お食事でしょうか」

海原が空を見上げる

もうすっかり暗くなっていた

絹旗「じゃ、じゃあそうしましょうか!」

海原「えぇ」


943 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 18:29:04.56 ID:cq9WGt7n0
二人は暗くなった街を歩いていた

絹旗「う、海原さんは・・・その、お付き合いしている人はいるんですか?」

海原「いえ、彼女なんて出来たことがないですよ」

絹旗「え、なんか意外ですね」

海原「人とは距離を置いてしまうので」

絹旗「そ、そうですか」

海原「・・・ただ」

絹旗「ただ?」

海原がじっと絹旗を見つめ、笑っている

絹旗「?」

海原「いえ、なんでもないですよ」

絹旗「あ、ちょ、ちょっと!待ってください!」


クリスマスの夜

海原光貴は、幸せそうに笑っていた


944 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 18:29:47.53 ID:cq9WGt7n0
いったん休憩

このあとは天国での座談会


新スレのタイトル・・・考えないと・・・

945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/15(木) 18:33:34.19 ID:5AQbd7740
>>1乙だよ。海原く〜〜〜〜ん、中々やるね君も(ニヨニヨ
946 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 19:57:50.96 ID:cq9WGt7n0

フレンダ「うーん・・・」

フレンダ「はっ!?ここどこな訳よ!?」

目を覚ますと、真っ暗な空間・・・

ではなく、お花畑が広がっていた


彼女はフレンダ・セイヴェルン

若くして、その命を散らせた女子高生だ

フレンダ「な、なんなのここ?」

不思議に思って、その場に立ち上がる


立ち上がる?

フレンダ「え、私、足がある!!」

947 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:00:26.85 ID:cq9WGt7n0
フレンダは驚いた

たしか、自分は麦野に上半身と下半身をサヨナラグッバイされたはずだ

フレンダ「や、やった!!見て見て麦野!!」

嬉しそうに、フレンダが振り返る

だが、そこに麦野はいない

当たり前なことだった

フレンダだって、分かっていた

でも

でも

フレンダ「ね、ねぇ・・・麦野?絹旗、滝壺・・・浜面?」

かつての仲間の名前を呼んでしまう

ただの同僚だったはずのみんなを

所詮、自分の交遊関係の一端だと思っていたあの四人を

フレンダ「か、隠れてるなら出てきてよ・・・」


948 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:04:03.61 ID:cq9WGt7n0
誰も

何もいない

フレンダ「い、いや・・・天国なの・・・?ここ・・・」

周りは花畑だけが広がっている

こんな空間に一人だけ

怖かった

フレンダ「やだ・・・誰か来てよ・・・」

自然と、頬を涙が伝う

その涙も、花の上に落ちては流れていくだけだ

フレンダ「結局、私はずっと一人ぼっちな訳よ・・・」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・」


フレンダ「え、アンタ誰」

ゴーグル「それはこっちの台詞っすよ」


949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/09/15(木) 20:09:45.71 ID:gZTnpgAd0
ゴーグルキターーーーーーーーーーーーーーーーーー
950 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:11:08.69 ID:cq9WGt7n0
フレンダ「ちょっと待って!さっきまで誰もいなかった訳よ!!」

ゴーグル「・・・泣いてるんすか?」

フレンダ「な、泣いてない!!」

ゴーグル「君・・・泣いてんのか?」

フレンダ「誰もそのネタ分からない訳よ」

ゴーグル「・・・なるほど、つまりあなたも死んだわけっすね」

フレンダ「・・・てことはアンタも?」

ゴーグル「そうっすよ、麦野っていう超能力者にやられて」

フレンダ「!?麦野にやられた・・・?どういうわけよ」

ゴーグル「あぁ、思い出した・・・アンタ、アイテムのフレンダですよね?」

フレンダ「な、なんで知ってるわけよ!?」

ゴーグル「俺、スクールの一員でしたから」

フレンダ「な、なんだってぇ!?」

951 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:15:56.25 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「・・・あ、でももう戦う気ないっすよ?」

フレンダ「そ、そんな言葉信じられない訳よ!」

ゴーグル「死んでるのに何戦おうとしてるんすか」

フレンダ「そ、それもそうだ・・・」

ゴーグル「・・・でもよかったです、話し相手いなかったから」

フレンダ「・・・な、なんかアンタと一緒にいると襲われそうな気がする訳よ」

ゴーグル「残念ながら、キャピキャピした女は好みじゃないっすよ」

フレンダ「はぁ!?このフレンダ様の魅力が分からない!?結局アンタは浜面と同じな訳よ!!」

ゴーグル「いや、誰っすかそれ」

フレンダ「・・・そ、そうだ・・・ここ、花畑しかないの?」

ゴーグル「いや、向こうには家もありますよ」

ゴーグル男が遠くを指差す

フレンダ「む、向こうって?」

ゴーグル「ここから・・・そうっすね、30kmくらい」

フレンダ「遠い訳よ」


952 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:21:21.21 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「・・・でもここじゃヒマっすよ?」

フレンダ「・・・家って何がある訳?」

ゴーグル「お菓子とかっすよ」

フレンダ「え?天国にもそんなのあるの?」

ゴーグル「えぇ、あるみたいっすね」

フレンダ「美味しい?」

ゴーグル「普通に美味しいっすよ、ただここにいるよりずーっとマシっすよ」

フレンダ「ふーん・・・じゃあ行く」

フレンダがニコリ、と笑う

ゴーグル「・・・やっぱ好みじゃない」

フレンダ「殺すわよ?」

ゴーグル「あぁそうだ、フレンダさんは誰に殺されたんすか?」

フレンダ「む、麦野・・・」

ゴーグル「うわ、仲間割れっすか」

フレンダ「それより、さん付けはやめてほしい訳よ」

ゴーグル「でも、俺はこういう性格っすから」


953 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:28:32.47 ID:cq9WGt7n0
フレンダ「・・・ねぇ、アンタの名前は?」

ゴーグル「ないっすよ、ゴーグル馬鹿でいいっすよ」

フレンダ「ゴーグル馬鹿?」

ゴーグル「えぇ、垣根さんにもそう呼ばれてましたから」

フレンダ「げ、未元物質か・・・」

ゴーグル「うらやましいっすよ・・・今心理定規さんと付き合ってるみたいで」

フレンダ「なに?垣根って恋人できた訳?」

ゴーグル「イケメンは得っすよね」

フレンダ「アンタも顔はそこまで悪くない訳よ」

ゴーグル「平凡と言うのは辛いっすよ、たとえばあそこにいるゴリラみたいに特徴があれば・・・」


フレンダ・ゴーグル「え、あれ誰」


駒場「・・・眠い」

フレンダ「ちょ、ちょっと・・・これ人間な訳よ」

ゴーグル「マジっすか・・・」

駒場「・・・!フレメアか?」

954 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:31:31.84 ID:cq9WGt7n0
フレンダ「な、なんでフレメア知ってる訳!?」

ゴーグル「誰っすか?」

フレンダ「私の妹な訳よ」

駒場「・・・お前はフレメアの姉か」

フレンダ「そうだけど・・・アンタは?」

駒場「駒場だ」

フレンダ「え、浜面の上司だった?」

駒場「・・・浜面の知り合いか・・・」

フレンダ「ちょ、ちょっと待って・・・なんでスキルアウトがあの子のことを知ってる訳?」

駒場「・・・俺の友達だった」

フレンダ「は?フレメアが?」

駒場「あぁ」

フレンダ「・・・」


フレンダ「ね、ねーよ!!そんなわけねー!!結局ウソな訳よ!!!」ゲラゲラ

ゴーグル「ど、動物が好きな子供もいるんすよ!?」ゲラゲラ

駒場「笑うな」

955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/09/15(木) 20:33:56.58 ID:gZTnpgAd0
あれ・・・?
駒場さんってフレメアの事舶来って
行ってなかったけ?
956 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:36:33.74 ID:cq9WGt7n0
駒場「・・・まぁいい、お前たちも死んだわけだな」

フレンダ「そうそう」

ゴーグル「そうだ、駒場さんも一緒に行かないっすか?」

駒場「どこへ」

ゴーグル「家というか・・・お菓子とか食べ物があるとこっすよ」

駒場「・・・いや、遠慮しておこう」

フレンダ「なんで?もったいない訳よ」

駒場「・・・ここは、落ち着く」

駒場が花畑を見回す

ゴーグル「あーあ、野生に帰っちゃうんすか」

駒場「違う」

フレンダ「ふーん・・・じゃあまた会いに来るわけよ」

ゴーグル「え、えぇ!?」

フレンダ「妹の友達なら、そりゃ仲良くしたい訳よ」

駒場「・・・同感だ」

957 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:43:39.34 ID:cq9WGt7n0
>>955 細かいことは気にしない

というか、新約1巻はなんというかつまらなかったから流し読みだったのでほとんど覚えてないw


ゴーグル「で、でもこっから家まで遠いっすよ?」

フレンダ「関係ないわけよ、もともと敵の組織だった男よりは信用できるわけよ」

ゴーグル「ロリコンを信用・・・」

フレンダ「え、ロリコン?」

ゴーグル「だって、フレンダさんの妹ってなかなかの歳っすよね?」

フレンダ「・・・結局、世の中の男は妹って響きに弱い訳よ」

駒場「何を言っている?」

ゴーグル「まぁいいっすよ・・・じゃ、行きますか」

フレンダ「じゃあまたね、駒場」

駒場「お前たちもな」


ゴーグル「・・・なんか、意外とここも悪くないっすね」

フレンダ「そうね・・・」


958 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:48:28.65 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「のどかだし、平和だし」

フレンダ「うんうん、いいとこな訳よ」

ゴーグル「平和だし・・・」


木原「クソ・・・一方通行の野郎マジで殺したいわ・・・」


ゴーグル「・・・なんか、平和が音を立てて崩れた気がするんすけど」

フレンダ「私も」

木原「あぁ?なんだてめぇら」

フレンダ「ひぃっ!?」

木原「・・・なにジロジロ見てやがんだよ!!」

ゴーグル「ま、待ってくださいよ!」

ゴーグル男が木原とフレンダの間に立ち入る

フレンダ「ゴーグル・・・」

ゴーグル「その武器、よく見せてください!!!」


木原・フレンダ「はぁ?」

959 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:55:29.52 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「すげぇ・・・これだけの大きさにも関わらず、それほど重さを感じさせないフォルム・・・」

ゴーグル「・・・なかなかいい武器っすね・・・」

木原「当たり前だろ、猟犬部隊専用のロケランだからな」

ゴーグル「へぇ・・・猟犬部隊だったんすか」

木原「あぁ・・・一方通行のくそ野郎に殺されたがな」

ゴーグル「うっわ、えげつないっすね」

木原「こんな体になったらよ、あいつを殺せないんだわ」

ゴーグル「きついっすね・・・」

木原「あぁ、きついねぇ」


木原「彼女出来て幸せになりやがって・・・ちくしょう、殺したいわ・・・」

ゴーグル「・・・そ、その幸せを奪いたいんすか?」

木原「あぁ!?あいつの幸せを奪うなんて俺が許さないからな!!」

ゴーグル「な、なんか一方通行のこと大好きじゃないっすか」

木原「育ての親だからな」

960 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 20:59:02.25 ID:cq9WGt7n0
フレンダ「育ての親?」

木原「あいつの能力開発してたの俺なんだわ」

ゴーグル「え、それってかなりすごくないっすか?」

木原「まぁな・・・っといけねぇ、これから俺は出かけるんだよ」

ゴーグル「出かけるって・・・どこへっすか?」

木原「猟犬部隊の部下達とケンカしにだよ」

ゴーグル「うわ・・・天国に来てまで鍛錬っすか」

木原「じゃあなガキども」


ゴーグル「・・・なんか、意外と普通でしたね」

フレンダ「うんうん」

ゴーグル「でも、怖かったっす」

フレンダ「刺青がやばかった訳よ」

ゴーグル「・・・じゃあ行きますか」

フレンダ「うん」


961 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 21:03:51.74 ID:cq9WGt7n0
その後も、二人は歩いた

その途中、何人かとすれ違ったりもした

猟犬部隊と思われる人間

スキルアウトと思われる人間

スクールの部下もいて、少し立ち話もした

不幸だ、とぶつぶつ言っていた少年もいたし、同じ顔をした10000人以上の人もいた

フレンダは「げ、あいつだ」と言っていたが何のことかはゴーグル男には分からなかった


ゴーグル「そろそろ着くっすよ」

フレンダ「え、もう?」

ゴーグル「ここには時間がないっすからね・・・疲れもないし、なかなか便利っすよ」

フレンダ「へぇ・・・」

ゴーグル「・・・フレンダさんって、いくつなんすか?」

フレンダ「まぁ女子高生の年齢ってのは言っておく訳よ」

ゴーグル「じゃあ俺と同い年くらいっすね」

962 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 21:08:34.39 ID:cq9WGt7n0
フレンダ「・・・世間はクリスマスな訳よ」

ゴーグル「あぁ、そういえばそうっすね」

二人が下を見つめる

天国というのは不思議だ

下を見ても、普段は地面しかない

だが「下の様子が覗きたいなー」なんて思ったときだけ、下の様子が見える

ゴーグル「思い浮かべるとおりの天国っすね」

フレンダ「メルヘンな訳よ」

ゴーグル「メ、メルヘン・・・」

なぜかゴーグル男が肩を震わせる

フレンダ「どうしたの?」

ゴーグル「メルヘンは・・・言わないでください・・・」プルプル

フレンダ「?」

963 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 21:14:08.41 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「はぁ・・・あ、見えたっすよ」

ゴーグル男が家を指差す

なかなかに大きな家だ

家族でも住めるのでは、というような一軒家

フレンダ「へぇ・・・よく見つけた訳よ」

ゴーグル「いや、目が覚めたのが偶然ここだったんすよ」

フレンダ「ふーん」

ゴーグル「どうぞ」

ゴーグル男がドアを開ける

内装もかなり綺麗で、文句のつけ様がなかった

フレンダ「すごい・・・」

ゴーグル「あぁ、ちなみに服とかパジャマはあるっすよ」

フレンダ「・・・なに、もしかして女装趣味な訳?」

ゴーグル「違いますよ・・・なんでかあったんです」

フレンダ「そうなの?」

ゴーグル「サイズもいろいろですから、フレンダさんにも合うかと」

964 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 21:23:31.67 ID:cq9WGt7n0
フレンダ「・・・なに、貧乳だって言いたい訳?」

ゴーグル「ち、違いますよ!!っていうか貧乳なんすか?」

ゴーグル男がフレンダの胸元をじっと見つめる

刹那

フレンダの蹴りが、ゴーグル男の脇腹に決まった

ゴーグル「ごふっ・・・!!」

フレンダ「結局、男はそんなもんなのよ!」

ゴーグル「な、なにがっすか・・・」

フレンダ「最低!」

ゴーグル「というか蹴りは危ないっすよ、パンツ見えそうに」

もう一度

フレンダの蹴りが炸裂する

ゴーグル「いってぇ!!何するんすか!!」

フレンダ「はぁ・・・結局、アンタも浜面と同じスケベな訳よ」

ゴーグル「し、仕方ないでしょ年頃の男の子っすよ!?」

フレンダ「それがキモイんだって」

965 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 21:32:34.37 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「ちきしょう・・・なんなんすか・・・」

フレンダ「とりあえず、風呂から入ってくるけど覗いたら殺す訳よ」

ゴーグル「・・・心理定規さんとは比べ物にならないガキっぽさっすね」

フレンダ「なんか言った?」

ゴーグル「いえ・・・」

フレンダ「じゃ、行ってくるから」

一度ゴーグル男を睨んでから、フレンダが風呂へと向かう


ゴーグル「はぁ・・・ヒマっすね」

一人、ゴーグル男は溜め息をついていた

彼はもともと、あまり人と関わるのが好きではない

正確には、普通の人間と関わるのが

逆に言えば、垣根や心理定規、そしてフレンダなど、心に闇を背負った人間は好きだった

ゴーグル(とは言っても、あの二人はもう光の世界に戻ったみたいっすけどね)

それがうらやましく、そして嬉しかった

ゴーグル(あの二人はまだまともでしたから)

966 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 21:35:58.41 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル(・・・にしても)

ゴーグル(女の子と二人っきりっていいんすかね?)

彼は正直、女の子とそういう関係になったことなんてない

もしかしたら神様がくれたチャンスかもしれない

はたまた、悪魔がよこした罠かもしれない

ゴーグル(・・・なんか、怖いっす)

フレンダは今風呂に入っている

もしもあれが心理定規だったら、覗いたところで「ダメじゃない」の一言で片付けてくれるだろう

しかし、フレンダはどうだろうか

パンツ、の三文字でキレるのだ

覗きなんてしたら

ゴーグル(うん、しない)

殺されてしまう

いや、もう死んではいるのだが


967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/15(木) 21:44:34.21 ID:LEbJSpeL0
あれ?
旧上条さんがいたのか?
968 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 21:46:55.16 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル(・・・はぁ)


フレンダ「たっだいまー」

ゴーグル「あれ、早いんですね」

フレンダ「まだ夜じゃないし、シャワーだけに決まってる訳よ」

ゴーグル「ここには朝も夜もないっすよ」

フレンダ「細かいことは気にしない訳よ」

ゴーグル「へぇ・・・それにしても、ラフな格好っすね」

フレンダはTシャツに短パンという、少し危険な格好をしていた

何しろ彼女は脚がとても綺麗なのだ

短パンを彼女が着ると、恐ろしい破壊力になる

フレンダ「ふふん、私の魅力に気づかせてやるわけよ」

ゴーグル「はぁ?」

969 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 21:49:33.98 ID:cq9WGt7n0
>>967 そうですよ


フレンダ「は、はぁ?って・・・この脚線美が目に入らぬか!」

ゴーグル「はぁ、で?」

フレンダ「」


フレンダ「ねぇ、アンタって脚とか興味ないの?」

ゴーグル「あのですね、むしろ隠されて見えないほうが男は興奮するんすよ」

フレンダ「そ、それは初耳な訳よ!」

ゴーグル「普通はそうっすよ」

ゴーグル男が呆れたように首を振る

フレンダ「・・・な、なんか説得力がある訳よ」

ゴーグル「そりゃ、男っすから」

フレンダ「・・・ねぇ、私って魅力ない訳?」

ゴーグル「うーん・・・俺は極上を知ってますから」

970 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 21:53:59.07 ID:cq9WGt7n0
フレンダ「極上・・・って誰?」

ゴーグル「心理定規さんっすよ」

フレンダ「そんなにすごかった訳?」

ゴーグル「そりゃもう」

フレンダ「・・・へぇ」

ゴーグル「・・・でも、垣根さんと付き合ってるみたいっす」

フレンダ「垣根ってのはちょっと見ただけだけど・・・かなりのイケメンだった訳よ」

ゴーグル「そうなんすよ・・・」

しかも、メルヘンでオシャレときた

ゴーグル男が勝てる相手ではなかったのだ

ゴーグル「はぁ・・・女の子の知り合いがもっといればなぁ」

フレンダ「ここ、ここ」

ゴーグル「遠慮しときます」

971 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:02:08.11 ID:cq9WGt7n0
新スレはこちら

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316091462/


ゴーグル「なんか、女の子として見たら気まずいじゃないですか」

フレンダ「い、一緒に暮らすから?」

ゴーグル「えぇ」

フレンダ「・・・そうね」

ゴーグル「まぁ、フレンダさんもなかなか可愛いとは思いますけど」

フレンダ「!さ、下げて上げる戦法とはなかなかやる訳よ!」

ゴーグル「違いますからね」

ゴーグル男が溜め息をつく

ゴーグル「じゃ、俺は昼寝しますんで」

フレンダ「え、寝ちゃうの?」

ゴーグル「眠いですから」

ソファーに寝転がり、目を閉じる

フレンダ「・・・」

972 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:06:35.90 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「どうかしましたか?」

フレンダ「なんか、また一人になっちゃう訳よ」

ゴーグル「もしかして寂しがり屋キャラっすか」

フレンダ「ち、違うから!」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「・・・結局、話し相手がほしい訳よ」

ゴーグル「そうですか」

フレンダ「ね、ねぇ・・・ゴーグル馬鹿」

ゴーグル「やっぱその呼び名おかしいっすね」

フレンダ「そう?じゃあゴーグル」

ゴーグル「・・・まぁそれでいいっすよ」

フレンダ「・・・ゴーグルはなんで暗部にいた訳よ?」

ゴーグル「理由はないっすよ、自然とそこに行き着いただけで」

垣根が言っていた

光が消えて闇になるのではなく、闇に誰かが光を灯したのだと

闇こそが先にあったものであり、光の世界に迎えたものが幸せなだけだと


973 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:09:07.98 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「フレンダさんは?」

フレンダ「・・・妹のためにお金を稼ぎたかったからかな」

ゴーグル「いいお姉さんっすね、見直しますよ」

フレンダ「そうかな・・・でも、傍にはいられなかった訳よ」

ゴーグル「・・・それでもっす」

フレンダ「・・・そう?」

ゴーグル「えぇ、誰かのために戦えるのは強い証拠っすよ」

フレンダ「じゃあ、アンタは何のために戦ってた訳?」

ゴーグル「自分のためにっす」

フレンダ「自分・・・か、私はそっちのほうがうらやましい訳よ」

ゴーグル「くだらないっすよ、自己満足ですから」

フレンダ「・・・」

974 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:13:49.35 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「・・・」

フレンダ「でも、さっきの猟犬部隊のおっさんが私を狙ったとき・・・」

ゴーグル「・・・あれは、ロケランに興味があったんすよ」

フレンダ「それだけ?」

ゴーグル「そうっす」

ゴーグル男が寝返りを打つ

まるで、フレンダに顔を見られないようにするかの如く

それに気づいたフレンダが、正面へと回る

そしたらまた寝返り

また正面へ

再び寝返り


その繰り返しだった


ゴーグル「あぁもう!!なんなんすかアンタ!?」

フレンダ「なんか顔背けてる訳よ!!」

ゴーグル「こちとら寝返りだって打つんでい!!」

フレンダ「江戸っこ!?」

975 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:16:24.47 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「とりあえず、寝ますから」

それだけ言って、またゴーグル男が目を閉じる

フレンダ「・・・ねぇ」

ゴーグル「なんすか」

フレンダ「おやすみ」

ゴーグル「・・・おやすみっす」

フレンダ「ご飯何がいい訳よ?」

ゴーグル「作れるんすか?」

フレンダ「ムリ」

ゴーグル「じゃ、作らないでください」

フレンダ「うわ、最低な訳よ」

ゴーグル「あの、無理矢理会話引き伸ばしてませんか?」

フレンダ「だ、だって寂しいし」ウルウル

ゴーグル「涙目にしても意味ないっすよ」

フレンダ「うわ、薄目開けて見てるとか悪趣味」


976 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:20:46.36 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「はぁ・・・そんなに寂しいんすか?」

フレンダ「だって・・・ずっとみんなと一緒だった訳よ」

ゴーグル「人間なんてどこか孤独っすよ」

フレンダ「だから温もりを求める訳よ」

ゴーグル「はぁ・・・分かりましたよ、一緒に飯でも作りますか」

フレンダ「!!いいの!?」

ゴーグル「どうせ寝られないっすから」

フレンダ「ありがとう!!」

フレンダがゴーグル男に抱きつこうとする

が、彼はそれを避ける

フレンダ「な、なんで避ける訳よ!?」

ゴーグル「胸がないからクッションになるものが」

フレンダ「かー!結局世の中胸な訳ね!?」

ゴーグル「平たく言えば」

フレンダ「平たい言うな!!」


977 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:23:03.04 ID:cq9WGt7n0
ゴーグル「はいはい、ハンバーグでも作りますか」

フレンダ「絶対子供扱いしてる訳よ!!」

ゴーグル「いいから、手伝ってくださいよ」

フレンダ「し、仕方ないから手伝ってあげる!」

ゴーグル「はぁ・・・」

ゴーグル男は溜め息をついていた

なんだか、騒がしくなってしまったと

ゴーグル「まず、肉を・・・」

フレンダ「これ?」

ゴーグル「それ鶏肉っすよ」


それでも


なんだか少し、楽しくなる気がした


フレンダ「あー!!焦げた!!」

ゴーグル「うわ・・・真っ黒っすね」


978 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:26:04.64 ID:cq9WGt7n0

さて、今スレはここまで

筋肉動画をちょっと熱く語るかな

まず、こちらの方

今まで紹介した「ミスターオリンピア」出場者って、みんな外人なんだ、と思われたかと

骨格、筋量・・・

どれを取っても、アジア人は不利です

ですが、それを打ち破った日本人がいます

彼の名は「山岸秀匡」

「ビッグヒデ」「アジアンプライド」の異名を持ちます

日本人として唯一、プロ契約を結んでいるビルダー

日本人として唯一、オリンピア入賞したビルダー

全体の筋量はさすがに外国人には敵いません

しかし、太い足や素晴らしいポージングは、高い評価を得ています

なかなかカッコイイですよね

がんばってほしい選手です


http://www.youtube.com/watch?v=0MDz7M52XaE
979 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:35:53.71 ID:cq9WGt7n0
では、「ミスターオリンピア」について

そもそも、それなんぞや?という方が多いはず

ミスターオリンピアは、世界最高のボディビルの大会です

日本でも有名な「ウイダー社」の創始者、ジョン・ウィダー氏が始めた大会

最も権威のあるボディビルの大会

優勝賞金は現在約2000万

さらに、優勝すればスポンサーやらなんやらがついて、年収1億を越すのも夢ではない・・・というか、当たり前になります

しかし、最近はいわゆる「モンスター」と言える選手ばかりですね

誰しもほとんど似たような体つきです


初代オリンピア ラリー・スコット

彼は上腕が50cmを超えたビルダーです

二頭筋の発達は著しく、「スコットカール」と呼ばれるトレーニングさえ存在しています

この時代はほとんどステロイドも使っていないため、プロポーションが素晴らしいですね

彼は1965、66と二年優勝


その後、あの「神話」が生まれます

そう、「セルジオ・オリバ」

55cmを超える上腕

ウェストの二倍近いチェスト

当時としては異常な下半身の太さ

筋腹が太すぎて、腕を直角までしか曲げられないほど

神から与えられた才能ですね

ボディービルダーは、全員得意なポーズを持っています

大抵は、自分の一番自身のある部位を目立たせるポーズがそれです

が、オリバは違ったんですね

両手をぐん、と空へ突き出すダブルアームハイ、通称「オリバーポーズ」

これはやってみるとわかりますが、腕の太さは目立たないし胸は薄っぺらく見えるし背中はそれほど広がらないし

どの筋肉を見せ付けるにも、向かないんです

でも、オリバがやると「すげぇ筋肉・・・」って思うんですね

つまり、筋肉を見せるには向かないポーズでさえ俺にはここまで筋肉があるんだぜ、とアピールするわけです

自信から生まれたポーズでしょう

黒人差別の濃い時代に生まれたのが不運だったか、彼はアーノルドに敗北を喫します

しかし1984年

43歳という、決して若くない年齢でオリンピアに復帰

まさかの8位入賞を獲得します

恐ろしい
980 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:43:48.09 ID:cq9WGt7n0
見ていただければ分かるとおり、オリバの弱点は二頭の「ピーク」、つまり「高さ」がなかったことです

アーノルドの二頭はぽっこりと盛り上がってますが、オリバのそれはどちらかと言うと横に長い感じですよね

それが彼の最大の弱点でした

しかし、それ以外は完璧

どこを取っても、まさに「神話」だったのです


そんな彼、最大のライバルが「オーストラリアン・オーク」アーノルド・シュワルツェネッガー

高い身長、バランスの取れた肉体は圧巻です

胸は厚く、背中もオリバほどではないにしろ大きく、そして二頭は盛り上がっている

下半身は細いですが、上半身はまさに彫刻

オリンピアではオリバ以外に負けたことがありません

勝利を得たのは汚い方法でしたが、オリバもアーノルドをライバルと認めていました

二人はたしかな友情で結ばれていましたね

アーノルドの得意ポーズは胸の厚みを見せるサイドチェストと背中、二頭を見せるフロントダブルバイセップス

これは本当に迫力満点です


フランコ・コロンボがアーノルドの次のオリンピア

わずか2回だけのオリンピア獲得でしたが、アーノルドのペアだったこともあり、筋肉の大きさは完璧

なかなか素晴らしい選手でした


その次、最も細かったオリンピア

「フランク・ゼーン」

それまでのバルクがあるチャンピオンと少し違い、鋭く、キレた体は絵画のようでした

彼の得意ポーズは「バキューム」

おなかを引っ込め、腹筋をアピールします

最近のビルダーは薬物の影響で内臓が肥大しています

そのため、この「バキューム」を出来る選手はいないですね

ゼーンは非常に美しかった、と好評です


その後はクリス・ディッカーソン

バランスがよく、弱点のない体

そしてゲイ

あれ?

彼は本当にバランスがよく、ポージングも完璧でした

前チャンピオンのゼーンと同じタイプの選手でしたね

981 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:52:11.86 ID:cq9WGt7n0
さらにその後

伝説の背中「サミール・バヌー」

でかい

丸い背中はこの人が初めてかな?

大きな背中、腕、足

バルク時代のさきがけの一人でしょうかね


次は・・・8連覇

「リー・ヘイニー」

彼はモストマスキュラーが得意ポーズでした

黒人差別がまだ少し残る時代に8連覇

バルク、カットが素晴らしかったですね

ですがこの辺りからボディビルが変わってきてしまいます


そして、ついに歴史の転換点


ドリアン・イェーツ

それまでの、プロポーションを重視した体ではなくバルクを重視した体

全ての筋肉が異様に発達した体

彼のせいで、ボディビルは美しさではなく大きさを競う競技になりました

ある意味恨まれている選手ですね



その次はまた8連覇

ロニー・コールマン

背中、脚、二頭の発達が異常

腹筋、カーフ以外全く弱点がなく、とくに2003〜2005の彼はもはや人外の域です

あそこまででかいと、逆に笑えますね

ドリアンよりも好きです、というか大好きです
982 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:57:21.04 ID:cq9WGt7n0

その次からは・・・ジェイ・カトラー

肩はいかつく、背中は大きい


ですが、あまり好きではないです

ただでかいだけで洗練されてる感じがしません

背中はロニーが圧倒ですし、かといってカットがあるわけでもなく

なんかイマイチです


最後はデキスター・ジャクソン

最近の中ではプロポーションのいい選手

しかし、オリバやアーノルド、ゼーンみたいではなくやはり「モンスター」

1992年、ドリアンが優勝した瞬間に、ボディビルは「芸術」ではなくなったとも言えます

やはり、>>1は昔のオリンピアが好きですね


とりあえず、歴代のオリンピアの動画

http://www.youtube.com/watch?v=Ul-PILmVsng&feature=fvst


25秒、オリバのダブルアームハイ

56秒、アーノルドのフロントダブルバイ

この二つがやはり「黄金時代」ではないでしょうか

信じられないような逸話も多い、魅力的な時代でした



オリバかっこいいよオリバ
983 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/15(木) 22:59:59.10 ID:cq9WGt7n0
さて、ではそろそろあとがき


といっても、上琴と未元定規、ステインだけがメインだったかな

ステインはすこーしずつ進展させていってます


フレンダとゴーグル馬鹿?

単発要員だよあんなの

だってキャラが掴めないし・・・


あと、絹旗と海原はもはやたぶん出てこない

次スレはみんなの年末年始

ぎゃーぎゃー騒がせたいですね


このスレはわりと普通のイチャイチャが多かったから


・・・

彼女がほしい、というかサトリナみたいな彼女がほしい


ではおやすみなさい


言っておきますが

>>1の携帯には「サトリナ」「オリバ」フォルダがありますから

マジです



984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/15(木) 23:16:53.17 ID:LEbJSpeL0
めちゃくちゃ熱いなw

俺もウサイン・ボルトの走りの美しさは語れるぜ
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) :2011/09/15(木) 23:29:24.05 ID:kKUcUrpu0
>>1よ、乙なんだよ(^O^☆♪

くそ、今回も1000取りに参加できそうにないだと………(T ^ T)
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/16(金) 08:18:52.32 ID:7IN43BFIO
        まもなくここは 乂1000取り合戦場乂 となります。

      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴルァ!!       ,,、,、,,,
    /三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,
     /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,                       ,,、,、,,,
 ,,、,、,,, U (:::::::::::)  ,,、,、,,,         \オーーーーーーーッ!!/
      //三/|三|\     ∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ∪  ∪       (    )    (     )   (    )    )
 ,,、,、,,,       ,,、,、,,,  ∧_∧∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ,,、,、,,,       (    )    (    )    (    )    (    )
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/09/16(金) 08:37:05.21 ID:6GvNzcrq0
サトリナ「>>1君の携帯のフォルダを私で埋め尽くしてほしいな〜」ウルウル
オリバ「>>1よ、君の携帯のフォルダを私の筋肉で埋め尽くすのだ」ムキムキ
さぁ>>1さん、どっちの選択肢を選ぶ
988 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:31:32.90 ID:R8Cu3I3B0
>>987 オリバの性格なら「ほれほれー、埋め尽くしてみなよほれほれー」ムキムキ

って感じがしますw

でもサトリナで

では続き

989 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:32:05.87 ID:R8Cu3I3B0
テクパトル「はい・・・はい、正月明けまでは休みですね、了解しました」

テクパトル「では・・・よろしくお願いします」

冬のある朝

テクパトルは携帯で話していた

相手は行きつけのジムのお偉いさんだ

そう、彼はジムで働こうと考えていた

そして見事、正月明けから就職が決定したのだ

中途半端な時期ではあるが、テクパトルはなかなかの逸材らしく会社側が是非とも獲得したいとのことだった

テクパトル「・・・」


テクパトル「よっしゃぁぁぁぁ!」

19090「ふぁぁ・・・おはようございます、テっくん」

テクパトル「おはよう美月!」

990 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:33:05.74 ID:R8Cu3I3B0
19090「な、なんだかテンションが高いですね?」

テクパトル「就職決まったんだよ!」

19090「!本当ですか!?」

テクパトル「あぁ、正月明けから仕事らしい」

テクパトルが嬉しそうに話す

自分の好きなことを仕事に出来るなんて、本当に幸せだった

19090「・・・では、正月にたくさん一緒にいないといけませんね」

テクパトル「あぁ、そうだな・・・っと」

テクパトルがまた誰かに電話をする

バイト先の店長だ

就職が決まったことを一応伝えておくべきだろう

バイト自体は一ヶ月ほど前に辞めたが、それからもちょくちょく彼のことを気にかけてくれていたのだ

テクパトル「あ、店長ですか?決まりましたよ就職」

991 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:33:33.01 ID:R8Cu3I3B0
テクパトル「あはは、じゃあぜひ来て下さいよ」

テクパトル「はい、じゃあなんか必要になったら」

それだけ話して、すぐに電話を切る

19090「なんだか・・・これでまたテっくんがお父さんらしくなりましたね」

テクパトル「そうかな?まぁたくさん稼げるから・・・上手くやれば一軒家もいけるかな」

テクパトルが頭をかく

サプリメントが売れれば、ボーナスがたくさんつく

ジムで教える人が多いほど手当がたくさん出る

つまり、出来高といってもいい仕事だ

彼はもともと人に何かを教えるのは得意だった

さらにその肉体なら、宣伝効果も期待できるだろう

19090「一軒家ですか・・・でもテっくんと二人きりで生活は多分無理ですね」

992 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:34:06.29 ID:R8Cu3I3B0
テクパトル「ほかのミサカがいるからな」

二人が苦笑する

もちろん二人だけで暮らしたいのが本心だが、ほかのミサカも放ってはおけない

テクパトル「さて・・・明日は大晦日だし、いろいろ用意しなきゃな」

19090「ダメです!テっくんはゆっくり休んでいてください!」

テクパトル「え、でもおせちとか食べたくないか?」

19090「ミサカ達が作るんですよ」

19090号が自信満々に言い放つ

それが不安だから、テクパトルが作ると言っているのだが

テクパトル「・・・なぁ、手伝うぞ?」

19090「ダメです、昨日みんなと話した結果今年はテっくんを休ませることになりました」

テクパトル「・・・でもなぁ」

テクパトルがため息をつく

993 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:34:51.70 ID:R8Cu3I3B0
休日に何もしないのはあまりにもひどくはないだろうか

もちろん、昼にはジムに挨拶を兼ねてトレーニングしに行くつもりだが

テクパトル「・・・何かしてないとヒマなんだよな」

19090「そ、それは美月と何かがしたい・・・と?」

テクパトル「今は朝だぞ・・・」

19090「そ、そうですね!」

テクパトル「・・・ほかのミサカは起きてるのか?」

19090「ちょうどみんな起きたみたいです」

19090号が言ったのと同時、全員がバタバタとやって来る

20000「おはようテっくん!」

御坂妹「おはようございます」

10039「ふぁぁ・・・眠いです」

994 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:35:28.60 ID:R8Cu3I3B0
13577「今日はおせちとかの材料を買いに行くんですよね?」

14510「そうですよ」

10033「テっくんは休んでいてくださいね?」

テクパトル「・・・朝から騒がしいな・・・」

17600「就職決まったんだってな、おめでとう」

テクパトル「なんだ、聞いてたのか?」

17600「まぁな」

御坂妹「じゃあ・・・ミサカ達といられる時間が少なくなるんですね・・・」

14510「・・・少し複雑です」

テクパトル「毎日帰ってくるんだし、週に一、二回は休みもらえるんだからさ」

19090「そうですよ、今はテっくんの就職を祝いましょう!」

御坂妹「そうですね」

995 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:35:57.45 ID:R8Cu3I3B0
20000「テっくん、ミサカがマッサージしてあげる」

テクパトル「股間に手を伸ばしながら言うな」

13577「じゃ、ミサカ達は行ってきますね」

17600「家で待機はミサカと19090号だったか?」

10039「はい、よろしくお願いします」

ペコリ、と頭を下げてほかのミサカが買い出しへ向かう

テクパトル「・・・なんかかなり不安なんだけど」

19090「大丈夫ですよ、テっくん」

17600「何かあればMNWで言えるからな」

テクパトル「あぁ・・・」

不安そうにテクパトルが息を吐く

テクパトル「やっぱり、娘達は心配だよな・・・」

996 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:36:26.63 ID:R8Cu3I3B0
垣根「よう、吹寄」

吹寄「あら?垣根じゃない」

とある小さなスーパー

そこで二人は言葉を交わしていた

垣根「お前も買い出しか?」

吹寄「えぇ、貴様も?」

垣根「まぁな・・・吹寄って家庭的なんだな?」

吹寄「そう?普通よ」

垣根「・・・一人分にしては多くないか?」

垣根が吹寄の持っているカゴを覗き込む

吹寄「姫神の分も買ってるのよ」

垣根「は?女二人で大晦日か?」

997 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:37:13.51 ID:R8Cu3I3B0
吹寄「・・・貴様、厭味?」

垣根「寂しいなぁ吹寄は」

吹寄「・・・心理定規はいないの?」

垣根「あいつは家で昼飯作ってくれてる」

吹寄「ふーん・・・イギリス旅行はどうだった?」

垣根「楽しかったぜ、オルソラっていう可愛いシスターとも知り合えたし」

吹寄「・・・やっぱり貴様は変わらないわね」

吹寄がため息をつく

垣根は本当にプレイボーイだ

一体何人の女が泣かされただろうか

垣根「うっせーな、可愛いんだよ」

吹寄「はぁ・・・何番目に?」

998 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:37:56.21 ID:R8Cu3I3B0
垣根「二番目だな、あれは反則だ」

吹寄「ふーん・・・ちょっと見てみたいわね」

垣根「そうか?もしかしてヤキモチか?」

吹寄「なんでヤキモチ妬かないといけないのよ」

垣根「だってお前俺のこと好き・・・」

吹寄「それ以上言ったらオデコアタックよ」

垣根「パチキくらわすのはやめてください」

吹寄「・・・ねぇ、やっぱり大晦日は心理定規と二人で過ごすの?」

垣根「まぁそうなるだろうな」

吹寄「・・・そう」

垣根「なんだよ、ヤキモチか?」

999 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:38:54.16 ID:R8Cu3I3B0
吹寄「オデコアタックくらいたいの?」

垣根「冗談だよ・・・で、なんで?」

吹寄「姫神と二人ってのは寂しいから・・・垣根と心理定規も誘おうかと思ったのよ」

垣根「あぁ・・・」

吹寄「でも二人の邪魔は出来ないわ、ごめんね」

吹寄がまた食材を探す

その後ろを垣根もつける

カゴを持っていても様になってしまうのがイケメンの怖いところだ

吹寄「・・・なに?」

垣根「いや、お前が選ぶ食材を買おうかな、と」

吹寄「・・・私の好みと貴様の好みは違うでしょ」

垣根「俺の好みが気になるか?」

1000 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/16(金) 10:39:37.04 ID:R8Cu3I3B0
吹寄「し、しつこいわよ貴様!」

垣根「はいはい」

吹寄「私は必死に普通に接してるんだから!」

垣根「本当は今すぐ抱き着きたくて胸が張り裂けそう、と?」

吹寄「違うわよ!」

垣根「まぁいいや・・・お前はどれ選ぶんだよ?」

吹寄「内緒よ・・・まったく」

垣根「・・・にしてもお前ってカゴ持ってるの似合うな」

吹寄「そう?」

垣根「お前、いいお嫁さんになるぜ」

吹寄「う、うるさいわね!」

垣根「はいはい・・・ん?あれって上条だよな?」

1001 :1001 :Over 1000 Thread
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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石原都痴事【地震は天罰】 @ 2011/09/16(金) 08:39:04.18
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大阪地震キターーーーー @ 2011/09/16(金) 07:16:21.66 ID:/oUk45hIo
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VIPにつながらなくなった @ 2011/09/16(金) 03:02:00.04 ID:67xjw0rdo
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忘れてたおしりおしりまめもやしおしりAKBSKENMBHKTSDNスレ @ 2011/09/16(金) 02:51:18.82 ID:b2zaFG6SO
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杏子「久々にポケモンをプレイする」まどか「ファイアレッドだね」 @ 2011/09/16(金) 02:39:52.38 ID:Nl6CEKek0
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岡部「交わした約束」ほむら『忘れないよ』 @ 2011/09/16(金) 01:57:57.92 ID:JKskC6Aqo
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