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大魔王「勇者と子作りしろ」魔王「ヘァッ 」3 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:55:55.04 ID:IGVAnDMTo
魔王が魔王になるお話 3スレ目です。

前スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324127398/

注意点

・エロあり 時々リョナありです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1328273754(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:08:31.92 ID:A9RjOWcxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421311/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:56.06 ID:9l741hD4o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421275/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:18.78 ID:XCIH42NJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421238/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:42.32 ID:sMr/Yf+to
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421202/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421165/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421128/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:47.30 ID:XCIH42NJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421087/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:05.72 ID:sMr/Yf+to
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421045/

2 :白蓮の騎士 ◆SSssRnAEXA [sage]:2012/02/03(金) 21:56:32.95 ID:wJyLSA9lo
いちおつ
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/02/03(金) 21:56:59.05 ID:wJyLSA9lo
すまん
みすった
4 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:58:52.70 ID:IGVAnDMTo

・魔王 28歳 男

姉勇者の夫であり、反逆者。
根っからの処女厨であるが、イケメン。
ロリよりお姉さんが好きな今時珍しいタイプ。
魔王城から離れた所為か徐々にキモオタ臭がしてきている。

・姉勇者 自称20歳 女

魔王の妻。頭のネジが2・3本抜けている残念な美人。
いじるキャラだったが、どちらかというといじられキャラになってきている。
天才キャラのような立ち位置だが恋愛に関しては妹に負けるレベル。
嫌いなことは殺し。苦手なことは恋愛。好きなことは読書と魔王といちゃいちゃすること。
大魔王さえも倒せる怪しい武器を所持しているらしい。

・妹ゆーしゃ ピー(18歳以上です)歳 女

魔王のことはおにいちゃんと呼んで慕っている。かつては恋愛感情を持っていたが今はそれほどらしい。
姉勇者の妹の娘で、勇者としての素質は非常に高い。
その気になれば水中に10分近くいることもできるぐらい非常に高い。
姉離れしたのか最近は姉勇者より側近と仲が良い。

・側近 18歳 女

若いながらに魔王の側近の位を手に入れた努力家ビッチ。
ツンデレなところもある小悪魔。
魔王のことは本気と書いてマジと読むぐらい本気に恋していたらしいが姉勇者に寝取られる。
しかし本人はそれを受け止め、私もみてくれるなら応援する! と、ふたりを応援している健気ビッチ。
1週間に一度、魔王としているらしい。冬に食べたいものはキノコ。

・老婆 年齢不明 女

姉勇者の付き人。若い頃の職業は武道家。
約200kmの距離をルーラ使わずに数十分で移動できるほどの力を持っている。
姉勇者をからかって遊ぶことが趣味。
ン十年前に姉勇者の父と共に大魔王と戦い、あまりの力の差に仲間をおいて逃げた事がある。

・父 年齢不明 男

姉勇者の父親。大魔王と似たり寄ったりしている性格。
自分以外の人間はコマとして扱う節があり、他人に恨まれている。
そんな人たちを実力で押し黙らせた辺りかなりの実力者っぽい。
姉勇者の前でその辺に飛んでいた羽虫を殺した経験を持つ。

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/03(金) 21:59:01.20 ID:5H/Ooxoto
乙です
6 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:59:26.06 ID:IGVAnDMTo

・四天王1 年齢不明 男

死んだ。

・四天王2 年齢不明 女

四天王の中では二番目に年上だが、魔王城に攻め込んできた勇者にやられて何十年か眠っていたため精神年齢は一番年下。
報われない。よくいじめられる。いじめられないために皆の前では男口調だが、実際は敬語キャラだったりする。
嫌いなタイプはいじめる人。


・四天王3 年齢不明 オカマ

悪知恵がはたらくオカマ。人をいじめるのが大好き。
その上四天王の中では一番強いのだからたちが悪い。
好きなものはイケメンの男。


・四天王4 年齢不明 男

DQNの兄ちゃん。しかし歳は一番下。
めんどくさがりやだが、出世願望は非常に高い。
嫌いな食べ物は納豆。剣術より魔法のほうが得意。


・大魔王 年齢不明 男

魔王のお父さん。何を考えているのかわからない。
息子を殺したいのか、それとも殺したくないのか。
何をしたいのか。すべてが不明。


7 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:59:55.70 ID:IGVAnDMTo
次回の投下は2日後の午後9時からです。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 23:21:31.06 ID:jyr4iYlIO
四天王1の説明投げやりすぎワロタwwww
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/04(土) 02:00:12.80 ID:b7RDs9soo
死んだ。

ワロスww
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/04(土) 02:21:33.32 ID:O4hV8jyno
四天王1wwww確かにそうだけどwwww
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/04(土) 07:39:31.62 ID:+QvTvoBIO
・四天王1 年齢不明 男

死んだ。

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/04(土) 10:24:43.26 ID:f68OT1Xio
まおーとそっきんの年齢差を考えると前スレ最後のは……
いや魔族だからセーフだな、きっと、うん
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/02/04(土) 16:17:54.02 ID:lTD8x7YO0
いきなりだけどこういう寿命の差がある同士の結婚って
必ずどっちか取り残されてなんか悲しいよなー

臭かったなごめん
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/04(土) 17:49:21.57 ID:b7RDs9soo
ホントどうした急に
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/02/04(土) 20:02:44.97 ID:vyOZSYRpo
>>13
臭っ
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/02/04(土) 20:14:38.64 ID:lTD8x7YO0
>>15
下げてないやつに言われるのってなんかいらっとする
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/04(土) 20:59:57.35 ID:++YQ0x660
煽り耐性つけて黙って待て
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/04(土) 22:06:20.15 ID:fDQ1jro/o
>>16
ものすごい異臭がする
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/05(日) 04:37:06.35 ID:4QdhrUoIO
>>16
くっせえ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/05(日) 09:07:34.71 ID:W54OtjO2o
お静かに
21 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/05(日) 21:09:21.33 ID:oBgnBXYAo
体調不良で書き溜めができませんでした。明日の午後九時には必ず投下します。
申し訳ございません。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/05(日) 21:19:14.58 ID:5amcgcin0
インフルエンザも流行ってるし無理すんなよー
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/05(日) 22:19:27.12 ID:P9o/kzESO
魔王さま、ウルトラマンになっとる…
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 00:23:48.02 ID:/Mnl7re8o
楽しみにしてるよん
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 00:54:38.37 ID:yRcAcXKIO
>>16
くっさ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 20:20:49.92 ID:aWH6z1j6o
妹の娘がいも……
おっと誰か来たようだ。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/06(月) 20:59:04.59 ID:n4AsF2kTo
>>16
くせー
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 21:09:12.00 ID:611609avo
そろそろか
29 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:24:59.30 ID:zYeRhSRgo

――

翌日・早朝


魔王「……」

姉勇者「………………」ムッ

魔王「いや、あの……」

姉勇者「…………本当に朝までするなんて……」ボソ

魔王「も、いや、ごめんなさい」

30 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:25:28.75 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「……もういいですけれど。これからはこんなことしないでくださいね」

魔王「そ、それはっ」

姉勇者「何か?」

魔王「い、いえ……」ショボーン

姉勇者「こういうことは側近様にお頼みください」

魔王「え?」

姉勇者「……」

姉勇者「側近様とは、もうなさらないのですか?」
31 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:25:55.21 ID:zYeRhSRgo

魔王「はい」

姉勇者「してくださっていいんですよ」

魔王「いやでもお姉さんと結婚するわけですし」

姉勇者「むしろそうだからこそ側近様と性交してほしいのですけれど」

魔王「……」

魔王「もしかして、子供のことですか?」

姉勇者「…………それもあります」
32 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:26:21.73 ID:zYeRhSRgo

魔王「子供なんていりませんよ。別に」

姉勇者「いけません魔王様」

姉勇者「貴方様は魔王の血をひく者なんですよ」

魔王「……それは、そうですが」

姉勇者「側近様とでしたらいくらでもなさってくれて結構ですから」

魔王「本当に?」

姉勇者「本当です」
33 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:26:52.89 ID:zYeRhSRgo

魔王「でも、そんな……」

魔王「お姉さんは俺だけのものになるのに、俺は他の人に手を出していいなんて……。理不尽ですよ」

姉勇者「男とは違って女は、たくさんの男に囲まれていたとしても、一人の男性の子しか孕めませんから」

姉勇者「それにむしろハーレム状態って大変なんですよ」

姉勇者「女は愛情を貰わないと、すぐに怒ったり別れたり他の人のところへ行ってしまいますから」

魔王「は、はあ」
34 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:27:13.90 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「無理に、とは言いませんけれど。ちゃんと考えてください」

魔王「分かりました。……お姉さん」

姉勇者「はい?」

魔王「本当に、俺と側近がセックスしてもいいんですね?」

姉勇者「ええ、勿論」

魔王(即答というのも何か傷つく……)

姉勇者「でも魔王様。ひとつだけ、守っていただきたいことがあります」

魔王「え、なんですか?」

35 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:27:42.41 ID:zYeRhSRgo

ギュッ…

姉勇者「私と二人きりの時には他の女性の話をしないでください」

姉勇者「それさえ守っていただけたら私は何も口出ししませんから」

魔王「は、はい……(む、胸が、腕に、あ、あた当たって……ハァハァ……)」ドキドキ

姉勇者「これから、どうしましょうか」

魔王「え……」

姉勇者「まだ起きるのには早い時間ですよね?」ジー

魔王(も、もしかして、これってさそって……!)ドキッ
36 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:28:08.68 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「もう少しだけ、その……」モジモジ

魔王「!」

姉勇者「こっ……このまま……抱きついていてもいいですか?」モジッ

魔王「…………」

姉勇者「だっ、だめ?」

魔王「い、いえ。構いませんよ」

姉勇者「よかった……」ギュッ

魔王「……」

魔王(これはこれでいいかもしれない……)ドキドキ
37 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:28:34.69 ID:zYeRhSRgo

魔王「あの……お姉さん」

姉勇者「はい?」

魔王「お姉さんは……その、俺の事、好きですか?」

姉勇者「え」

魔王「そ、そういえばちゃんと聞いてなかったな、って」

姉勇者「……」

姉勇者「そっ、そうでしたっけ?」

魔王「そ、そうですよ」


38 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:29:06.42 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「……」

魔王「それでど、どうなんですか?」

姉勇者「いえ、そ、それは、その……」モジモジ

魔王「どっちなんですか」

姉勇者「す、好きが左の方向で、嫌いが右の方向なら、どちらかといえば左の方向です」

魔王「ちゃ、ちゃんと言ってください!」

姉勇者「恥ずかしいですもの……。大人なのに、そんな……」

39 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:29:33.07 ID:zYeRhSRgo

魔王「言ってくれないようでしたら、またしますよ。今すぐ」

姉勇者「え、そ、それは困る……」

魔王「なら言ってください」

姉勇者「……いじめっこ」

魔王「いじめたくなるんですよ。好きな人は」

姉勇者「っ……」

姉勇者「もう……」
40 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:29:59.34 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「す、好きですよ」

魔王「誰かですか?」

姉勇者「…………ま、魔王様のことが……好きです」

魔王「俺もお姉さんのこと大好きです!」

姉勇者「う……うぅ、恥ずかしい……」

魔王(真っ赤になって俯くお姉さんまじぷりちー……)ドキドキ
41 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:30:33.59 ID:zYeRhSRgo

――


魔王「あ」

姉勇者「……どうかなさったんですか?」

魔王「いえ、あの、妹のことなんですが」

姉勇者「…………」

魔王「妹も女の中に入ります、よね?」

姉勇者「……今回だけですよ。なんですか?」

魔王「お姉さんの妹の子供なんですよね」

魔王「どうして今お姉さんと一緒に暮らしているんですか?」

姉勇者「あぁ……」
42 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:30:59.46 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「大学を辞めて帰ってきた後、ここにいたら妹ちゃんもおかしくなると思い、無理やり」

魔王「…………」

魔王「そ、それって大丈夫なんですか?」

姉勇者「じゃないです」

魔王「では、今までどうやって……。ずっと逃げていたんですか?」

姉勇者「そうですね。逃げてはいたんですけれど……」
43 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:31:26.60 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「父の情報網は半端ないですから。見つかってはいましたよ」

姉勇者「ただ父は変わり者で。見つけても何もしてこないというか、特に何かをされてはいませんでしたね」

魔王「では今まで安泰に暮らしていたわけと」

姉勇者「……」
44 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:31:52.96 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「それでも、彼が……説得に来てはいたんです」

魔王「彼というと」

姉勇者「元婚約者の」

魔王「!」

姉勇者「……」

魔王「それはお父さんが?」

姉勇者「ええ」

魔王「…………」
45 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:32:26.33 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「汚い手とはおもいますけれど、確かに有効な手ではありますから」

姉勇者「私が父の立場であれば同じことをしたでしょう」

魔王「……」

姉勇者「今はもう、関係がない話ですが……それでも父には会わないといけません」

魔王「どうしてですか?」

姉勇者「婚姻届、書いてもらわないといけませんから」

魔王「……婚姻、届?」

46 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:39:28.32 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「あぁ、魔界にはないんですね」

姉勇者「結婚しましたよー、って国に出す書類です」

姉勇者「それを提出することで正式に夫婦になるんです」

魔王「そんなものがあるんですか……進んでいますね」

姉勇者「多分、提出しても捨てられるでしょうけれど」

姉勇者「魔王と勇者が結婚なんて……」

魔王「……」

姉勇者「ごめんなさい。でも、その、形だけはしっかりしたいとおもって」
47 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:40:00.49 ID:zYeRhSRgo

魔王「謝らなくても……気持ちはよくわかりますから」

魔王「婚姻届書いて出しましょうか」

姉勇者「……」

姉勇者「ありがとうございます」

魔王「いつ、お父さんのところへ行くんですか?」

姉勇者「……5日後です」

魔王「5日……結構先ですね」

48 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:45:01.17 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「父も多忙な人で。その曜日は確か会社にいたとおもいましたから」

魔王「会社……って、乗り込むんですか?」

姉勇者「ええ」

姉勇者「バーン、バーンって。やっつけながら、父のところへ行きます」

魔王「……そ、それは……」

姉勇者「……魔王様、私は父に会わなければいけません」
49 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:49:51.81 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「貴方様の妻になるために、私は私なりに決着をつけたいんです」

魔王「決着……」

姉勇者「もう人間ではなくなりますからね」

魔王「……」

姉勇者「私ひとりでも、これだけはしなくてはいけないんです」

魔王「え! ひ、ひとりでいくつもりだったんですか?」
50 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:50:18.37 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「ええ」

魔王「駄目ですよ。相手は勇者、……お姉さんも勇者ですけれど、それ以上に強いんでしょう?」

姉勇者「……」

魔王「ひとりでいくなんて、許せません」

姉勇者「……では魔王様も来てくれるんですか?」

魔王「勿論です」

魔王「お姉さんひとりを危ないところにいかせるなんて……考えたくもない」

姉勇者「……」

51 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:53:52.76 ID:zYeRhSRgo

魔王「お姉さん、俺も一緒にいってもいいですか」

姉勇者「危ないですよ?」

魔王「構いません」

姉勇者「……」

姉勇者「……ありがとうございます」

魔王「い、いえ。当然のことですから!」

姉勇者「……」ギュッ

姉勇者「私、こう見えて結構甘えん坊なんですよ?」

魔王「え?」
52 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:56:43.15 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「甘えん坊で、依存しやすくて、付き合っていて大変な女だと思います」

魔王「は、はい」

姉勇者「でも、だからこそ、貴方様に相応しい女に、必ずなりますから」

姉勇者「だから、そのときまで……」

姉勇者「そのときまで……このまま甘えててもいいですか?」

魔王「……」

魔王「も、勿論です!」

姉勇者「ありがとう、ございます……」
53 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:57:09.13 ID:zYeRhSRgo

魔王(俺の妻がこんなに可愛いはずがない)

姉勇者「……」

姉勇者「あ、あのっ……」

魔王「は、はい?」

姉勇者「き、キス……」

魔王「え?」

姉勇者「キス、してください……」

魔王「!」

魔王「は、はい! 勿論です!!」
54 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:57:35.16 ID:zYeRhSRgo

チュ

姉勇者「ん……」ビクン

魔王「……」

ソッ

姉勇者「ん、や……。もっと……」ギュ

魔王「も、もっとですか」

姉勇者「私とするのはいや?」

魔王「そそそ、そんなことは!! いくらでもしますから!」ガバッ

姉勇者「きゃっ!」

魔王「もっと……たくさんしますから」

55 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:58:01.07 ID:zYeRhSRgo

ギシッ

姉勇者「……あ、でも」

魔王「は、はい!」

姉勇者「セックスはしないでくださいね?」

魔王「う……嫌いなんですか?」

姉勇者「どちらかといえば、キスのほうが好きです」

魔王「そ、そんな……」

姉勇者「1週間に1度くらいなら……いいですけれど」

魔王「せめて3回」

姉勇者「そ、そんなに……?」
56 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:58:30.45 ID:zYeRhSRgo

魔王「だ、だめですか」

姉勇者「……」

姉勇者「間をとって2回程度で」

魔王「程度ということは3回でも4回でもいいってことですか!」

姉勇者「それは、時と場合によって……」

魔王「い、今は?」

姉勇者「キスだけ」

魔王「……」

姉勇者「あんなにしたのに……」

魔王「それとこれとは違うんですよ……」
57 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 21:59:10.88 ID:zYeRhSRgo

姉勇者「魔王様、キス……」

魔王「キスしますから、後から1回……」

姉勇者「ひどい」

魔王「お願いします!」

姉勇者「……」

姉勇者「今日の夜、ね」

魔王「……いよっしゃっ!!」

58 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/06(月) 22:00:37.29 ID:zYeRhSRgo
ここまで読んでいただきありがとうございます。
昨日は申し訳ございませんでした。

前回の短編で側近とのエロは書かなかったのですが、多分今後本編で一度か二度ぐらいエロシーンはあるとおもいます。

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/02/06(月) 22:03:22.22 ID:dTK/ratAO
乙!
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 22:06:13.57 ID:rW/5XxQWo
乙です
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/06(月) 22:15:20.88 ID:LKTHOULoo
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/06(月) 22:33:48.66 ID:Fc5jC7rx0
乙〜
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/06(月) 22:39:11.23 ID:ztNg7LXho
おつおつ
姉かわいすぎる
魔王のがっつき具合がいいなもっと攻めろ
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 23:14:11.99 ID:EHEgG9MDO
魔王の成長ぶりが凄いな
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/07(火) 01:49:18.03 ID:pFCK6B4uo
魔王裏山鹿乙!
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 03:48:53.04 ID:UX1OMeJno

魔王爆発してくれないものか
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 07:06:41.71 ID:E30wNVjIO
魔王の妻がこんなに可愛いはずがない
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/02/07(火) 08:22:02.93 ID:g6RPFhmAO
ゆっくり投下していってね!!
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 09:30:06.16 ID:Dil4Rv1IO
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 18:03:40.66 ID:/sVQa87Wo
魔王のがっつきっぷりは我々に通じるものがあるのでは無いだろうか・・・
ともあれ乙!!
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/02/07(火) 18:52:02.87 ID:RqVfEiV10
ふと思ったんだけどさ
SSではよくあるパターンだけど、勇者と魔王が一緒になるって、物凄い事だよな

「世界を守り、未来を創造していく者」

「世界を破壊し、未来を閉ざす者」

が一緒になる訳で、
それって「創造と破壊」をする事が出来る「神」と同じレベルの存在になるって事と同じだよな
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/07(火) 19:13:28.35 ID:39AeS4Fzo
黙れ
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 19:28:28.09 ID:ITFoVxs/o
禿同
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 20:46:23.65 ID:fyUzXdUDO
遂に猿になったか
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/07(火) 21:11:58.46 ID:aOIZYHn50
厨二病もここまで来るとキモい
76 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:15:32.94 ID:N4pt9+Bbo

――

同日・昼 ホテル 魔王の部屋


妹ゆーしゃ「ごはんたべたらどうするのー?」

姉勇者「しばらくゆったりと、かな」

魔王「何もしなくてもいいんですか?」

姉勇者「ええ」

側近「それもそれで……。それで大丈夫なのか?」

77 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:19:44.97 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「下手に動いて感づかれるよりは」

側近「この……なんだ、えっと、ホテルだったか? ホテル内をふらつくのは?」

姉勇者「できるだけ控えていただきたいですけれど、無理にとは」

側近「缶詰状態になってろというのか……」


魔王「あの、運動もしてはいけないんですか?」

姉勇者「部屋の中でしたらいくらでも」

魔王(外で走り回りたいなぁ……)

78 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:23:12.11 ID:N4pt9+Bbo

妹ゆーしゃ「せっかくかえってきたのにー」

姉勇者「追われている身だから」

妹ゆーしゃ「むー」

姉勇者「一応ばあやにトランプやゲーム&ウォッチ持ってきてもらったから」

魔王「なんて懐かしいものを……」ゴクリ
79 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:24:23.13 ID:N4pt9+Bbo

妹ゆーしゃ「ゲームウォッチやるー!」

魔王「いや、待て妹。俺にもやらせてくれ」

妹ゆーしゃ「はやいものがちー!」ドタタタッ!

魔王「ちょ、ま、まて!」

姉勇者「PCエンジンもありますよ」

魔王「箱○は!」

姉勇者「箱……?」
80 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:24:54.64 ID:N4pt9+Bbo

魔王「XBOX360は!」

姉勇者「……」

姉勇者「えと、新種のファミコンですか?」

側近「お前はおばあちゃんか」

姉勇者「えっ」

魔王「ないなら……ないでいいんです……」トボトボ

81 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:25:16.57 ID:N4pt9+Bbo

側近「というか、どうしてこうチョイスが古いんだ」

姉勇者「あら側近様もゲームわかるんですか?」

側近「いや……魔王様がやっていたから、自然と覚えた」

姉勇者「へぇ……」ギクシャク

側近「……」ジー
82 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:25:47.81 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「……」

側近「……」ジー

姉勇者「な、なんですか」

側近「見事なガニ股だな」

姉勇者「……何か痛いというか、入ってる感というか……」ジクジク

側近「ゆうべはおたのしみでしたね」

姉勇者「貴女様に言われる日がくるなんて……」ハァ

83 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:26:21.55 ID:N4pt9+Bbo

側近「ふふ、良いだろう。セックス」

姉勇者「……」

側近「病み付きになるだろう」

姉勇者「……私は側近様とは違うんですよ」

側近「……」

側近「もしかしてセックス好きじゃないのか?」
84 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:26:49.70 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「貴女様がいうほどのものじゃないというか……」

側近「お前、頭に蛆でも湧いているんじゃないか?」

姉勇者「そのセリフ打ち返してあげたいですね」トボトボ

側近「ん、どこにいくんだ?」


85 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:27:25.49 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「ちょっと飲み物を買ってこようと思いまして」

側近「私達にはじっとしていろといっておきながら……」

姉勇者「できればですよ。側近様も一緒にいきます?」

側近「ああ」
86 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:27:56.34 ID:N4pt9+Bbo

――

ホテル 廊下


側近「こんなに買ってくる必要があったのか」

姉勇者「1週間以上泊まりますからね」

側近「そんなにか。その後どうするんだ?」

姉勇者「……まだ考えていません」

側近「そうか」

姉勇者「……」

姉勇者(側近様には、伝えないほうがいいかしら……)
87 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:28:34.22 ID:N4pt9+Bbo

側近「武器を手に入れるといっていたな」

姉勇者「え?」

側近「ほら、森にいたとき」

姉勇者「あ、……はい」

側近「あてでもあるのか?」

姉勇者「ええ、一応」

側近「それはいつ?」

姉勇者「5日後ですかね」
88 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:29:16.28 ID:N4pt9+Bbo

側近「そうか……どのみち5日もここにいないといけないのか」

姉勇者「申し訳ございません」

側近「…………!」

側近「……」キョロキョロ

姉勇者「どうしました?」

側近「……いや、……なんでもない」ジー

姉勇者「……こっちに何かあるんですか?」
89 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:29:58.22 ID:N4pt9+Bbo

側近「誰かが私達をみていたような気がして」

姉勇者「こんなに人がいるのにわかるんですか?」

側近「……」コクリ

姉勇者「まだ見られていますか?」

側近「いや……、どうだろう。先ほどよりも嫌らしさは感じないが」

姉勇者(第6感という奴なのかしら……)キョロ…

男性「……」

姉勇者「……!」
90 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:30:37.22 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「…………側近様、いきましょう」サッ

側近「……」

側近「知り合いでもいたのか?」

姉勇者「……」

側近「姉」

姉勇者「……ええ。でも魔物ではありません」

側近「そうか」

側近「でも安心できない相手なんだろう?」
91 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:38:54.44 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「…………私の想像があっていれば、かなり」

側近「弱ったな」

側近「消すか?」

姉勇者「……」

側近「あ、すまん。お前はそういうの駄目なんだっけ?」

姉勇者「いえ……大丈夫です。お心遣い感謝いたします」

側近「ん……」
92 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:42:41.94 ID:N4pt9+Bbo

スタスタ

……ピタ

側近「どうした?」

姉勇者「狙いは私でしょう。側近様、先にいってください」

側近「ま、だ、大丈夫か?」

姉勇者「ええ、魔物ほど話が分からない相手ではありませんから」

側近「本当に大丈夫なのか?」
93 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:43:08.28 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「大丈夫です。先にいってください」

側近「……」

側近「わかった。危なくなったらすぐに呼べよ」

姉勇者「はい」

タッタッタッ……

94 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:50:58.89 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「……」

スタスタ…

姉勇者(かといってこんなところで話すのは……)

姉勇者(外か屋上か……)

姉勇者(外だったら魔王様達に被害はないわよね……)

姉勇者(……いきましょう)

95 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:51:24.86 ID:N4pt9+Bbo

――

ホテル 屋外


スタスタ……

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

クルッ

男性「……」

姉勇者「……」ビクッ

男性「やあ、久しぶりだね」

姉勇者「……」
96 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:54:30.70 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「用件は?」

男性「そんな邪険に扱わなくてもいいじゃないか。僕と君の仲だろう?」

姉勇者「死んだ妹の夫と私がどんな仲だと?」

男性「元婚約者だろう。表向きは」

姉勇者「ええ、表向きには」

男性「君は、根に持つタイプだね。もてないよ」

姉勇者「貴方のような男にもてないというのでならば、それ以上の幸福はないでしょう」
97 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:54:56.66 ID:N4pt9+Bbo

男性「……ふぅ」

姉勇者「用件は?」

男性「君達と一緒にいるあれはなんだい?」

姉勇者「黙秘します」

男性「黙秘するような相手だと受け取ってもいいのかな?」

姉勇者「貴方のお好きなように」

男性「ふむ……」
98 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:55:43.73 ID:N4pt9+Bbo

男性「魔物か。えらい相手と一緒にいるものだ」

姉勇者「……」

男性「君はまだいい。ただ、彼女は返してもらいたい」

男性「魔物と彼女が一緒にいるなんて、恐ろしい以外何もいえないよ」

姉勇者「それで用件は終わりですか? 失礼します」

99 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:56:10.86 ID:N4pt9+Bbo

サッ

男性「もう少しだけあるんだ。付き合ってほしいな」

姉勇者「……」

姉勇者「なんでしょうか?」

男性「君のお父さんからね、ひとつだけ命令されているんだ」

姉勇者「……っ」

姉勇者「……」

姉勇者「……なんですか?」

男性「結婚しろ、だとさ」

姉勇者「……」

100 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:56:37.29 ID:N4pt9+Bbo

男性「あまり驚かないね。ある程度予想はしていたのかな?」

姉勇者「……それで?」

男性「君にとっても悪くない提案だとおもうんだ」

男性「これで君は本当にあの子の母親になれる」

男性「君みたいな面倒な女を扱えるのも僕しかいないだろうし」

姉勇者「……」ピク

姉勇者「貴方は、それでいいの?」
101 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:57:04.26 ID:N4pt9+Bbo

男性「まぁ我慢すればいいだけだからね」

男性「結婚していないと不利なことも多いし」

男性「君なら他の女より扱いやすくはあるから」

姉勇者「そう、ですか」

男性「はい、婚姻届」

姉勇者「……丁寧に私の印鑑まで押してあるんですね」

102 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:57:30.32 ID:N4pt9+Bbo

男性「そうだよ。ここまで手間をかけさせたんだから、さっさと書いてくれるかな?」

姉勇者「……」サッ

男性「はい、これペン」

姉勇者「……」

姉勇者「……ひとつ、貴方に伝えていなかったことがあります」

男性「なんだい?」

姉勇者「私、結婚するんです」
103 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:58:21.41 ID:N4pt9+Bbo

男性「……」

男性「……笑えない冗談だな」

姉勇者「冗談? 貴方の言葉より何百倍も信用できる求婚でしたよ」

男性「相手のほうから? はは……、物好きもいたものだね」

姉勇者「好きに言えばいい。時期をみて父にも会いに行きます」

姉勇者「だから、私は貴方とは結婚しないわ。永遠にね」

ビリッ!

男性「……」

104 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:58:54.64 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「それでは失礼します」

男性「相手は……」

男性「魔物かい?」

姉勇者「……」

男性「……図星か。君は実に分かりやすい」

男性「これは男として、そして人間として忠告するよ」

男性「時の流れが違う種族との結婚なんて、無残なだけさ」

男性「君が本当にかしこいのであればこのくらいわかるだろう?」

105 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:59:28.84 ID:N4pt9+Bbo

姉勇者「……」

姉勇者「なら、立ち止まればいい」
姉勇者「彼と私のときの流れが違うというならば、こちらから変えればいいだけの話よ」

スタスタ……

男性「……」

男性「…………ふぅ」

男性「君は、本当に……面倒で馬鹿な女だ」


106 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/08(水) 21:59:54.99 ID:N4pt9+Bbo

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/08(水) 22:00:46.52 ID:BJwRwb/Po
>>781
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/08(水) 22:03:24.33 ID:+sxEVY4R0

男性が賢者タイムに入ったのが2回か
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/08(水) 22:07:40.98 ID:C/IEIT6ho
おつ
姉かわいすぎる

やっぱがにまたに……
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県) [sage]:2012/02/09(木) 00:06:38.16 ID:+6UNSHK3o
男の前から立ち去るときもガニ股だったのかと思うと
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/09(木) 01:03:33.25 ID:1tzCquhr0
乙ですー
ということは男にはガニ股ばれてなかったのか?
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/09(木) 01:17:09.60 ID:y/7M8eJso
ふと思ったんだが、やっぱ魔王って大魔王と天界人の間に生まれたのかな?
だとすると魔王の出自が既にトンデモだよな
気性が他の魔物よりも穏やかなのも、そのせいなのかね?
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/09(木) 02:26:17.47 ID:tE9LNI5Yo
大物ぶってる奴が実は何も分かっていない事を理解して痛い目を見るのが楽しみだ。
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/02/09(木) 15:35:51.88 ID:GYleA7990
魔王無双モードマダー?
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 12:58:43.68 ID:HUkukEt1o
誰も突っ込んでないけど、>>77

>魔王(外で走り回りたいなぁ……)

ってところ、魔王も成長したんだなぁ
引きこもりの見本のような男だったのに…
116 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/10(金) 20:58:11.13 ID:oEKnpnoKo
書き溜めができなかったので明日投下します。ごめんなさい。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 20:59:21.20 ID:97hWIplGo
待機ワッフル
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage saga]:2012/02/10(金) 21:27:58.34 ID:48E3BF+20
同じくワッフル
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/10(金) 21:30:26.24 ID:OPOnrwGDo
おつおつゆっくりりり
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 06:36:01.06 ID:P0Ux6l5lo
ワッフルワフッル
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 09:44:01.05 ID:MvJPhDoIO
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
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\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
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.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
122 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:23:07.16 ID:rjL02M0jo

――

スタスタ…

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

姉勇者「………………はぁ……」

姉勇者(怖かった……)

123 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:23:29.99 ID:rjL02M0jo

姉勇者(だめね。まだちゃんと……)

姉勇者「……」

姉勇者(もう少しはやく、魔王様と出会っていたなら……)

姉勇者(……いえ)

姉勇者(私が、子供を産める身体だったら……)

姉勇者(……。やめましょう)

姉勇者(IFの世界なんて想像しても、何も変わらないわ)
124 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:24:01.99 ID:rjL02M0jo

姉勇者「はぁ……」

姉勇者「……」チラ

姉勇者(追いかけてこない)

姉勇者(良かった……)ホッ…

ギャーギャー

姉勇者「……」

姉勇者(何かしら、妙に騒がしいわね)
125 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:24:57.82 ID:rjL02M0jo

スライム「ぷるぷる……ぼ、ぼくはわるいスライムじゃないよぉ!」

男子A「みてみろ! これ! スライムだぜ!!」

男子B「すげーどこで捕まえたんだよ!」

男子A「ゴミ箱漁ってたwwwww」

男子B「いじきたねえwww」

スライム「えーん、はなしてよー」

姉勇者「……」

姉勇者(小学生と……、街に住み着いたノラスライムかしら?)

126 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:25:33.98 ID:rjL02M0jo

男子B「こいつどうするんだ?」

男子A「これこれ」

男子B「自転車の空気入れ?」

男子A「そうそうwwwこれで爆発させてみない?」

男子B「カエルの応用かよwwww」

男子A「面白そうじゃんww」
127 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:25:51.13 ID:rjL02M0jo

スライム「な、なに、するの? ぼ、ぼくおうちにかえらないとママに怒られちゃ……」ブルブル

男子B「なんかこいつピギピギ鳴いてるなwww」

男子A「スライム語なんじゃね?」

男子B「スライム語ww」

姉勇者「……」

128 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:26:17.52 ID:rjL02M0jo

男子A「えーと、尻。どこか尻だこれ?」

男子B「適当に指せばいいんじゃない?」

男子A「そうだなww」ブスッ

スライム「いたっ!!」ピギッ!

姉勇者「……あ」

姉勇者「……」

姉勇者「…………」グッ…

男子B「俺、観察係な」

男子A「空気いれるの手伝えよwww」

男子B「力仕事はきーらーいー」
129 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:26:56.03 ID:rjL02M0jo

シュコシュコシュコシュコシュコ…

男子A「あー、疲れる」

スライム「う……ぐ……っ……お、お腹が……」ギュッ

シュコシュコシュコシュコシュシュシュシュ…

スライム「や、やめ……は、はちきれちゃ……ま、ママ、た、たす……ぐ」ググググッ

シュコシュコシュコ…


スライム「ぎ、ぎゃああぁっ!!」


パンッ!!


ビチャチャ…
130 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:27:26.18 ID:rjL02M0jo

男子B「お、綺麗にはじけたな」

男子A「……命名スライム花火」

男子B「いいじゃんそれww」

男子A「だろ?www」

姉勇者「……」

姉勇者(命の重さも分からない子供だもの)

姉勇者(しかた、……なくないわね)

姉勇者(……アレは忘れてしまったけれど、なんとかなるでしょう)

131 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:27:54.68 ID:rjL02M0jo

男子B「後処理がめんどうだなー」

男子A「これさえなんとかなれば完璧だ」

姉勇者「……」サッ

姉勇者(殺したのはあっちの男の子)

姉勇者(大丈夫、子供だもの。きっと、耐えられるわ)

姉勇者「――――…………」

132 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:28:21.25 ID:rjL02M0jo

男子B「これ宝石、なんだっけ、サファイヤだっけ。あれっていって売れば高く売れるんじゃね?」

男子B「ボンド……じゃだめか。接着剤で固めてさ」

男子B「女子とかに売れば10Gくらい……」

男子B「って、A? どうしたんだよ」

男子B「A……? ちょ、お、おま、だ、大丈夫かよ!!」

男子B「A! な、なんだいきなり、お、お前!!」

男子B「や、やめろってそ、それは!! う、うわああぁぁ!!」


133 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:28:47.29 ID:rjL02M0jo

男子B「……」

男子B「……え、A……?」

男子A「……」ピクピク

男子B「……ひ、ひいぃい!!」ガクガク

男1「どうしたんだ! う……」

男子A「……」
134 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:29:13.62 ID:rjL02M0jo

男子B「Aが、Aが……うわあぁ、ああぁぁ」

男1「……お、落ち着け! 今すぐ救急車呼ぶから。大丈夫だ!」

男2「どうしたんですか!?」バタバタッ!

男1「それが――――…………」

姉勇者「……」

姉勇者「……はぁ」

姉勇者(帰りましょう)スタスタ

135 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:29:40.38 ID:rjL02M0jo

――

ホテル 魔王の部屋


魔王「お姉さんを、ひとりに?」

側近「申し訳ございません」

妹ゆーしゃ「あ、あいてはだれなの?」

側近「……男のようだった。擬態していなければ人間の」

魔王「……」

魔王「行ってくる」

側近「ま、待ってください。魔王様! それは危険です!!」
136 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:30:10.41 ID:rjL02M0jo

魔王「分かっている。だがな」

ピー

ガチャン

姉勇者「ただいま戻りました」

妹ゆーしゃ「おねえちゃん!」

魔王「!」

側近「あ、姉! 無事だったか!!」

姉勇者「ええ、このとおり。お騒がせして申し訳ございませんでした」
137 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:30:47.08 ID:rjL02M0jo

魔王「……はぁ……よかった」

側近「相手は、どうだった。一体何をしていたんだ?」

姉勇者「……」

妹ゆーしゃ「もしかして、わるいひと?」

姉勇者「…………」

妹ゆーしゃ「そうなんだ。もうばれちゃったのか……」

魔王「わるいひと、とは」

姉勇者「元婚約者の、彼ですよ」

妹ゆーしゃ「――!」
138 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:38:55.89 ID:rjL02M0jo

魔王「……」

魔王「だとするとこの場所が父親にばれたと」

姉勇者「恐らくは」

姉勇者「……しかし私が思っていたよりも、話が分かる相手でした」

側近「つまり、どういうことだ」

姉勇者「攻撃を仕掛けてくる気はなさそうです。今のところは」

側近「そ、そうなのか……?」
139 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:39:17.16 ID:rjL02M0jo

姉勇者「父のことですから、魔物と私達が行動をともにしていることも知っているでしょう」

姉勇者「父はまどろっこしい真似を嫌いますから、攻撃をする気であればもう仕掛けてくるはずです」

姉勇者「それをしないということは、戦う気ではないということ」

姉勇者「そして魔王様が魔王様であるということがばれていないということです」

魔王「ということは、ばれたら仕掛けてくるでしょうか」

姉勇者「ええ、確実に」

魔王「……」
140 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:39:44.91 ID:rjL02M0jo

姉勇者「なんにせよ、今まで以上に慎重に過ごさなければいけないことは確かでしょう」

魔王「わかりました」

姉勇者「申し訳ございません。私のミスです」

魔王「そ、そんなことは」

側近「そんなこともあります、魔王様」

魔王「側近……」

側近「姉、これからは気をつけてくれ。私達は、あまり人間界に詳しくはない」

側近「私も、魔王様も……お前だけが頼りなんだ。どうか、頼む」

姉勇者「わかりました」
141 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:43:49.29 ID:rjL02M0jo

魔王(お姉さん……)

側近「よし、ならいいだろう」

側近「夜まではここにいるとして、やはり個々の部屋にいたほうがいいか?」

姉勇者「はい」

側近(ま。魔王様のことだから、今夜も姉とセックスするんだろうけど)

側近(…………明日は、久しぶりにやってもらおっと)チラッ

魔王(俺がお姉さんを守らないと……)

側近(……はぁ)
142 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:50:46.60 ID:rjL02M0jo

側近「缶詰状態になることは確実か……」

姉勇者「申し訳ございません」

側近「まったくだ、働いてこそ私達は――」

姉勇者「――――」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「…………」

妹ゆーしゃ「そっか……おねえちゃん、おにいちゃんと……」

妹ゆーしゃ「おにいちゃんは……ほんとにおにいちゃんに、なるんだ」

妹ゆーしゃ「……え、……へへ……」
143 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:51:37.34 ID:rjL02M0jo

――

夜 ホテル 魔王の部屋


妹ゆーしゃ「おやすみー」

側近「おやすみなさいませ、魔王様。あとついでに姉も」

魔王「おやすみ」

姉勇者「おやすみなさい」

バタン
144 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:52:07.12 ID:rjL02M0jo

魔王「……」

姉勇者「……」

姉勇者「……魔王様ぁ」ギュッ

魔王「お姉さん?」ビクッ

姉勇者「怖かった……あの人……怖くて……私……」スリスリ

魔王「大丈夫ですよ、もうこわ、ハァハァ……怖いのはいませんからね」ナデナデ

姉勇者「魔王様……」
145 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:52:39.10 ID:rjL02M0jo

魔王「怖いのも、いませんので……その……」

姉勇者「え、もうするんですか?」

魔王「嫌ですか?」

姉勇者「……」

姉勇者「……約束、でしたものね。わかりました」
146 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:53:20.97 ID:rjL02M0jo

魔王「ごくり」

姉勇者「あ、でも、シャワーだけは」

魔王「わ、わかりました」

姉勇者「ごめんなさい、失礼します」ペコリ
147 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:53:54.90 ID:rjL02M0jo

シャー…

魔王「……」ソワソワ

魔王「…………」ソワソワ

魔王「……」

魔王(……暇だ)

魔王(なに、しよう……)
148 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 21:59:11.59 ID:rjL02M0jo

魔王「……」ソワソ…

魔王「……!」

魔王(そうだ、そうだよ俺!!)

魔王(入浴中のお姉さん……お風呂……脱がれた下着……)

魔王(やることは、男としてひとつしかない!)

サササッ
149 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 22:04:13.04 ID:rjL02M0jo

――

シャー……

姉勇者「……」

姉勇者(……あの人、今更結婚なんか)

姉勇者(それは、理解は出来る)

姉勇者(でも……そんなの……あまりにも酷じゃない)

姉勇者(あの人にとっても、私にとっても)

姉勇者(……)

姉勇者(…………怖い)
150 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 22:05:53.09 ID:rjL02M0jo

姉勇者(いっそこの水と一緒に流れていきたいわ)

姉勇者(そして私ではない誰かに)

姉勇者(誰かに、変われたら……)

姉勇者(……)

151 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 22:06:14.96 ID:rjL02M0jo

――

シャー

魔王(……)

魔王(パンツや……おパンツ様だ……)ゴクリ

魔王(こっちが使い済みで、こっちが未使用……)

魔王(……)ハァハァ

魔王(使い済みをくんかくんかしながら、未使用パンツでシュッシュッするお!)
152 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 22:06:41.41 ID:rjL02M0jo

シュッシュッ

魔王(ハァハァ……お姉さんの芳醇な香りが……)クンカクンカ

魔王(たまらねぇ! たまらねぇ!!)シュッシュッ!

魔王(う、うおぉおおおお!!)クンカクンカシュッシュッ!

魔王(でちゃううううう!!! お姉さんのこれから履くパンツに射精しちゃうううう!!)ビクンビクン

153 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 22:08:17.07 ID:rjL02M0jo

――

シャー……

姉勇者(……)

姉勇者(そんなぐだぐだ考えちゃだめね)

姉勇者(きっと、なるようになるわ)

姉勇者(私には魔王様がいるもの……)

キュッ

姉勇者「ふぅ、…………あら」

姉勇者(脱衣所に人影?)

姉勇者(魔王様?)

姉勇者(一応タオル巻いて……っと)
154 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 22:11:40.53 ID:rjL02M0jo

ガチャ

魔王「うっ……」ドピュッ!

魔王「はぁ……はぁ……ふぅ……」

魔王「……」

姉勇者「……」ジー

魔王「!?」ビクッ

姉勇者「…………」

魔王「あ、え……?」

魔王(やばい、オナるのに夢中で……)

姉勇者「なに、……してるんですか……?」
155 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 22:12:36.30 ID:rjL02M0jo

魔王「……」

姉勇者「……」

魔王「お姉さんの……パンツで……オナニーしていました」

姉勇者「…………」

姉勇者「どう、して」

魔王「……」

魔王「常識的に、考えて……好きな人のパンツを、嗅いでみたいじゃないですか……」

姉勇者「…………」

魔王「みたいじゃないですか!!」ガタッ

156 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 22:13:42.30 ID:rjL02M0jo

魔王「ね!!」

魔王「だって、あれですよ! 好きな人の、パンツですよ!?」

魔王「大切なところをまもる布ですよ!!??」

魔王「普通に嗅いでみたいじゃないですか!!」

魔王「そ、そう! 俺にとってはもうパンツ=女性器なんですよ!!」

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

157 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/11(土) 22:14:11.47 ID:rjL02M0jo

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 22:15:35.26 ID:xC+qp4wQo

お姉さんの能力はいったい……
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 22:16:01.27 ID:3hjVOinpo
これは酷い。乙です
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/11(土) 22:36:03.55 ID:2+acKfNdo
おつおつ

魔王さまが順調に成長してる



ダメな方向へ
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/11(土) 22:38:47.58 ID:TBGdGP790
乙〜
魔王がムキムキの筋肉で必死に言い訳してるのを想像してフイタ
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/02/11(土) 23:20:42.84 ID:JkjuwgWCo
>>161
イケメンということも付けくわえてさらにナニをパンツに巻いた状態でだぜ・・・
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 23:28:35.31 ID:IE7tA4SIO
なんか、最初の頃よりひどい気がして来たwwwwwwww
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/12(日) 00:47:23.47 ID:Oznb5ptvo
迷いのない、いい男になっとるな
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/12(日) 01:02:56.28 ID:P8NfmZyoo
ダメだわこれは……いくらイケメンマッチョでもこれはだめだわ
むしろ落差酷すぎてすごい勢いで幻滅するレベル

イケメンならきっちりイケメンしてろよ魔王ww台無し過ぎるぞww
一時期のかっこいい魔王どこ行ったww
もっかい絶望させてシリアスモードにしてやれww
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2012/02/12(日) 06:20:04.65 ID:N+Ym2kcAO
追い付いたなにこれすげぇ面白い
姉のこと嫌いにもなったけどやっぱ好きだ
ぜひ幸せになって欲しい

そしてできれば誰か今までの画像をうpしてたも…
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/13(月) 12:25:19.02 ID:zaSTMiZIO
安定の魔王様クオリティに安心したwwwwww
168 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/13(月) 21:05:24.25 ID:cllKJ0Tqo
個人でつくっているゲームのシナリオが書き終わらないので、こちらのほうは明日投下させていただきます。
最近立て続けに投下を先延ばししてしまい申し訳ございません。
それでは明日はよいバレンタインデーをお過ごしください。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/13(月) 21:37:03.03 ID:/3mJ0qPK0
バレンタインデーか
まあ俺は明日風邪を引くから関係ないけどな
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/13(月) 22:19:50.69 ID:YFCSEhm7o
魔王さまが姉の手作りチョコをもらう日か……
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/15(水) 16:15:43.17 ID:I6FXJVWIO
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
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  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
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.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/15(水) 17:05:44.70 ID:PBxdM1Jxo
繋がりにくかったアルね
173 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:04:21.22 ID:izsfNT4Oo

姉勇者「魔王様……」

魔王「は、はひ」ドキドキ

姉勇者「魔王様にとっては女性の下着=女性器、なんですよね?」

魔王「そ、そうです!!」
174 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:11:19.05 ID:izsfNT4Oo

姉勇者「では私の下着に精液をぶちまけるということは、私の女性器に中出しをしたということなんですよね?」

魔王「えっ」

姉勇者「中出ししたということは、私とセックスしたということですよね?」

魔王「……!」
175 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:16:25.02 ID:izsfNT4Oo

魔王「ま、ま、そ、それはち、ちがっ!」

姉勇者「ではなぜ私の履く予定だったパンツを男性器に巻きながら、今まで履いていたパンツを握り締めているのですか?」

魔王「う……」

姉勇者「セックスした、ということですよね。魔王様?」

魔王「……」
176 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:26:49.90 ID:izsfNT4Oo

魔王「そ、そうです……」

姉勇者「では今日は休みましょうか」

魔王「……」

魔王(反論しようものなら、婚約破棄とかになりそうだ……)

魔王「はい……わかりました……」ショボーン
177 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:27:26.57 ID:izsfNT4Oo

モゾモゾ

魔王「……」シクシク

魔王(お姉さんと一緒に寝るのに何もできないなんて……生殺しだ……)

姉勇者「……」ジー

姉勇者(PCにエロ画像や漫画が山ほど入っていた時点で変態さんだとは気づいていたけれど……)

姉勇者(まさか脱いだ下着でオナニーされるなんて)

姉勇者(…………)

姉勇者「魔王様」

178 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:27:52.68 ID:izsfNT4Oo

魔王「なんですか……」

姉勇者「私、肉便器ではありませんよね?」

魔王「ええぇえ! ど、どうしてお姉さんが肉便器なんですか!!」ガバッ

姉勇者「身体ばかり求められるので」

魔王「そんなことは断じてありません! 断じて!!」

姉勇者「よかった……」ホッ
179 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:28:18.65 ID:izsfNT4Oo

姉勇者(ということはマジモノの変態なのか、魔物はもともと変態なのかのどっちかってこと、かしら)

姉勇者(……)

姉勇者(性格までイケメンだとどうも付き合いにくいし、丁度いいといえば丁度いいけれど……)

姉勇者(毎晩毎晩求められてへんなプレイとか要求されたらどうしよう)

180 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:28:51.43 ID:izsfNT4Oo

姉勇者(知識としてはあるけれど、あんな恥ずかしいことできるはずがない……っ)

姉勇者「……」ションボリ

魔王(!? お姉さんが落ち込んでいる。お、俺の所為なのかな……)オロオロ
181 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:29:25.77 ID:izsfNT4Oo

魔王「お、お姉さん」

姉勇者「……! は、はい。なんでしょう?」

魔王「も、もうパンツには触りませんから!」

姉勇者「……」

姉勇者「はい?」

魔王「そこまで落ち込むなんて……俺、思ってなくて……」

魔王「ごめんなさい!」ドゲザッ

姉勇者「ど、土下座なんてしなくても……っ、わ、私、気にしていませんから」アセアセ

182 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:29:55.32 ID:izsfNT4Oo

魔王「でも……」

姉勇者「き、気にしないで。大丈夫だから」

魔王「だ、大丈夫なんですか!!」ガバッ

姉勇者「今日はもう駄目ですよ?」

魔王「……はい」ションボリ
183 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:30:26.38 ID:izsfNT4Oo

姉勇者「……」

姉勇者(でも可哀想ね……)

姉勇者「魔王様」

魔王「はい?」

姉勇者「抱いて差し上げましょうか?」

魔王「ブッ!」

姉勇者「どうしました?」

魔王「い、い、いえ、な、なんでも……」
184 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:30:57.19 ID:izsfNT4Oo

姉勇者「ほら」オイデオイデ

魔王「お、おねっ、ま、まってください。え、えっと、え、ええ!?」

姉勇者「……」

姉勇者「あっ、そ、そういう意味ではないですよ!!」

魔王「えっ」

姉勇者「だ、抱きしめるってことです!」

魔王「あっ……ああ……」
185 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:31:40.00 ID:izsfNT4Oo

ムニュッ

魔王「……」

姉勇者「ど、どうですか?」

魔王「……」

魔王(お、おっぱ……胸が顔に当たって……)ドキドキ

姉勇者(こうしてみると可愛いわね……)ナデナデ

魔王「! お、お姉さん?」

姉勇者「頭撫でられるのはお嫌い?」

魔王「い、いえ……」ドキドキ
186 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:32:12.69 ID:izsfNT4Oo

姉勇者「このままお休みになられても構いませんよ」

魔王(こ、この状況で寝ろと!?)

姉勇者「魔王様が寝られるまで起きていますからね」

魔王(夜這いもできないだと……)

魔王「……」

姉勇者「……もしかして、いや、ですか?」
187 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:32:38.87 ID:izsfNT4Oo

魔王「えっ」

姉勇者「私なんかに抱きしめられるのは……」

魔王「そ、そんなことは!! 三度の飯より抱きしめられるほうがいいです!」

姉勇者「よかった……」

魔王(はっ……勢いで言ってしまった……)

姉勇者「魔王様ありがとうございます」ナデナデ

魔王(うれしいけど、うれしくないよぉ……)シクシク
188 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:33:06.61 ID:izsfNT4Oo

――

翌日 魔王の部屋


ガチャ

側近「……おはようござ……」

魔王「……」ゲッソリ

側近「……」

姉勇者「側近様、おはようございます」ルンルン

妹ゆーしゃ「おはよー」
189 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:33:32.70 ID:izsfNT4Oo

姉勇者「おはよう、妹ちゃん」ルンルン

魔王(寝たふり疲れた……その上おっぱいに気をとられて一睡もできなかった……)ゲッソリ

側近「……」

側近(一夜で形勢逆転とは……。姉はよほどのテクニシャンなのか……)フムフム

190 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:33:59.77 ID:izsfNT4Oo

魔王「いただきます……」

側近「……人間の食い物、結構うまいんだな」

魔王「これよりお姉さんの手料理のほうがおいしい」

姉勇者「三ツ星シュフに勝つほどの腕前ではありませんよ」

側近「三ツ星……? レア度3か……」

魔王「雑魚だな」

姉勇者(レア度?)

妹ゆーしゃ「……」パクパク
191 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:34:30.05 ID:izsfNT4Oo

側近「しかしお前は朝からたくさん食べるな。将来大きくなるぞ」

妹ゆーしゃ「……」パクパク

妹ゆーしゃ「……」ゴクン

側近「今日も暇な1日になりそうだな……」

妹ゆーしゃ「ねー、ねー、おねえちゃん」

姉勇者「……?」ズズズ

妹ゆーしゃ「おにいちゃんとセックスしたの?」
192 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:34:57.07 ID:izsfNT4Oo

姉勇者「ブーッ!!」

妹ゆーしゃ「きたないよー」

魔王(受け止めたかった……できれば顔面に)

姉勇者「ッ!」ギロッ!

側近「え……」

側近「ち、ちが……!」ブンブンッ

姉勇者「ん、はぁ……はぁ……あ、あなたしかいないでしょう!」

側近「違う! 私は何も教えてないぞ!!」
193 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:40:30.57 ID:izsfNT4Oo

妹ゆーしゃ「わたしのすいそくー」

姉勇者「す、すいそ……。ど、ど、どど、どうして……」

妹ゆーしゃ「わるいひとのはなし、おにいちゃんとふつうにしてたからー」

姉勇者「……」

姉勇者「あぁ、……昨日の」

妹ゆーしゃ「だからしたんだなって」

姉勇者「…………」

姉勇者(……この子、もしかして付き合う=セックスするの認識のままでいるのかしら……)
194 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:41:02.23 ID:izsfNT4Oo

妹ゆーしゃ「おめでとー」パチパチ

姉勇者「あ、ありがと……」

妹ゆーしゃ「おにいちゃん」

魔王「なんだ?」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんをしあわせにしなかったらゆるさないからね!」

魔王「わかっている」

妹ゆーしゃ「ならよし!」

姉勇者(気恥ずかしい……)モジモジ
195 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:44:38.54 ID:izsfNT4Oo

――

姉勇者「と、とにかく……今日ものんびりして下さい」

側近「やることがないというのはなんとも」ブツブツ

魔王「訓練させてください」

姉勇者「部屋でもできる筋トレはたくさんあるでしょう……ん、すいません。失礼します」

側近「なんだ、またどこかに出かけるのか」

姉勇者「ばあやから連絡が……。失礼します」

スタスタ……

バタンッ
196 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:49:04.71 ID:izsfNT4Oo

側近「あいつ、どこに通信機置いてあるんでしょう」

魔王「わからん」

妹ゆーしゃ「ぷよぷよおもしろいー!」

魔王「テトリス派の俺に喧嘩売ってるのか……」

妹ゆーしゃ「こっちのほうがかわいいだもん!」

魔王「……」

魔王「ゲームは可愛さじゃないんだ!」ガタッ

側近「魔王様、訓練しましょう」

197 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:49:37.86 ID:izsfNT4Oo

魔王「う、うむ……そうだな。ゲーム如きに負けてはいけん」

妹ゆーしゃ「ぷよぷよー」

魔王「……たけのこと、きのこ、どっちが好きなんだ?」

妹ゆーしゃ「たけのこー!」

魔王「チッ……」

側近「魔王様」ゴゴゴ

魔王「すまん、つい……」
198 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:50:10.08 ID:izsfNT4Oo

側近「さ、部屋でもできる簡単な筋トレしましょうか」

魔王「ああ」

妹ゆーしゃ「がーんばれー」

魔王「……く……。たけのこ派が……」ゴゴゴゴ

側近「この気持ちをエネルギーに変えて頑張りましょう」
199 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:50:34.01 ID:izsfNT4Oo

――

数時間後


ガチャ

姉勇者「……ただい……」

魔王「……」

側近「……」

姉勇者「…………」

姉勇者「なにを、やってるんですか?」

魔王「筋トレです」

姉勇者(壁にへばりつくことが……?)
200 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:51:09.50 ID:izsfNT4Oo

魔王「そちらは何か進展が?」

姉勇者「…………」

側近「何かあったのか?」

姉勇者「いえ、特には」

魔王「……」

姉勇者「すいません。ちょっと仮眠とってきます」

魔王「え、ええ……?」

姉勇者「ごめんなさい、失礼します」

バタンッ

201 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:52:32.42 ID:izsfNT4Oo

魔王「……」

側近「……」

魔王「……何が、あったんだ?」

側近「さ、さあ……」
202 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/15(水) 21:55:39.62 ID:izsfNT4Oo

ここまで読んでいただきありがとうございます。

またらくがきですが、妹ゆーしゃをかいてみました
http://iup.2ch-library.com/i/i0565977-1329310509.jpg

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/15(水) 22:08:32.16 ID:wpKa90iM0
楽しみ
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/15(水) 22:12:29.84 ID:ACZnymTs0

魔王は処女厨な上にきのこ厨とか友達になれる気がしない
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/15(水) 22:41:01.04 ID:4+V7/5f9o

かわいい
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/16(木) 01:05:34.51 ID:pZxAHoX2o
チョコきたこれ
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/16(木) 01:17:31.01 ID:ucfAJEsQ0
乙ですー
俺は非処女もおいしくいただけるしきのこ派なので死角は無い
それはさておき妹ゆーしゃprpr
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/02/16(木) 01:56:01.39 ID:yLHEJm+zo
チョコ持ってる妹ちゃんかわいすぎる
表情が(・∀・)イイネ!!
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/16(木) 07:57:23.70 ID:J+qsKsdIO
妹がチョコでいただけるのですね
わかりますwwww
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/16(木) 09:44:02.60 ID:VbhIY1TIO
211 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:08:37.70 ID:eCZucVXLo

――

ホテル・姉勇者の部屋


姉勇者「……」

姉勇者「……ハァ」

姉勇者「どうしましょう……」

姉勇者「……」


212 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:09:06.57 ID:eCZucVXLo
――
――――


姉勇者「天界人? 天空人の別名ですか?」

老婆『えぇ、ご存知でございますか』

姉勇者「資料上では……。しかしあれはただのおとぎ話でしょう?」

老婆『……』

姉勇者「そりゃ一部では勇者は天空人と人間のハーフではないか、といわれていますよ」

姉勇者「……今となっては闇の中ですが」

老婆『それではお嬢様は信じていらっしゃらないのですか?』
213 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:11:51.42 ID:eCZucVXLo

姉勇者「まだ精霊と人間のハーフ、といわれたほうが信用できますとも」

老婆『ではマスタードラゴンの存在も?』

姉勇者「……ええ」

老婆『左様ございますか……』
214 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:12:42.41 ID:eCZucVXLo

姉勇者「ばあや、貴女はいったい何を言いたいの?」

姉勇者「これが私達に関係がある話だとは思えないのだけれど」

老婆『……』

老婆『お嬢様、天界人は実在します』
215 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:13:41.03 ID:eCZucVXLo

姉勇者「……は?」

老婆『数十年前、それは空から降ってきました』

姉勇者「え、…………」

姉勇者「ちょ、ちょっと待って。ふ、降ってきた? 空から?」

老婆『はい。このばあや、この目でしっかりと見ましたとも』

姉勇者「……」

姉勇者「……それで、その人は?」
216 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:14:48.94 ID:eCZucVXLo

老婆『本人は足を滑らして落ちてしまったといっていました』

姉勇者「あ、足を滑らせて……? 上空から……?」

姉勇者「普通……死ぬんじゃないのかしら」

老婆『羽が生えておりましたので』

姉勇者(どうして落ちたときに飛ばなかったの……)

姉勇者「それで……?」
217 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:16:23.98 ID:eCZucVXLo

老婆『はい。何度か天空城に帰ろうとしたのですが、どこにあるかわからなくなってしまったらしく、お父上様が保護なさいました』

姉勇者「……、ま、まさか私の母がその人だと?」

老婆『確かに天界人は女性でしたが、そのようなことはありません』

老婆『お父上様も天界人と人のハーフが勇者だと思っていなかったようで』

姉勇者「……」ホッ
218 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:17:26.89 ID:eCZucVXLo

姉勇者「……それでその方は? 今はどこにいらっしゃるの?」

老婆『天空に帰らせたそうです』

姉勇者「そうです? 曖昧な言い方ね」

老婆『……。大魔王と戦った際、ひとりの女性を置いて逃げてしまったとお話いたしましたと思います』

姉勇者「……まさか、その女性が天空人だと? ……にわかには信じられない話ね」

219 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:19:53.62 ID:eCZucVXLo

老婆『このばあやも信じていただけない話だとは重々理解しておりますとも』

老婆『しかしそれでもお耳に入れるべき話かと思いまして』

姉勇者「……わかりました。ところでばあや。どうして天空に帰ったことを知っているの?」

老婆『昨日、彼女から手紙が届いたのでございます』

姉勇者「……はぁ?」
220 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:21:22.19 ID:eCZucVXLo

老婆『その手紙を要約いたしますと――』

『子が立派に独り立ちし、魔界での役目が終わったので実家に帰ることになりました』

『ところで通話料が未払いだったのですが、そちらのほうで払っていただけたのでしょうか? 金額は覚えていませんので100万をお送りいたします』

老婆『という内容でした』

老婆『ちなみに手紙には100万ゴールドチョコが添付されていました。ほっほっほ』

姉勇者「……天然なのね」

221 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:22:21.84 ID:eCZucVXLo

老婆「ほっほっほ……。して、お嬢様。これはやっかいなことになりましたぞ」

姉勇者「…………!」

姉勇者「“子が立派に独り立ちし”…………」

老婆「お嬢様もしその子供が大魔王との間にできた子とすれば」

姉勇者「……」

姉勇者「魔王様が……勇者の可能性もあるってこと?」

老婆「あくまで可能性の話ですが」

222 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:24:19.79 ID:eCZucVXLo

姉勇者「…………」

姉勇者「もし……彼が勇者ならば……」

姉勇者(……むしろ大魔王はそれを確かめるために、私達と接触させたのかしら)

姉勇者(魔物の勇者となるか、人の勇者になるかを見極めるために?)

姉勇者(……)

姉勇者(……分の悪い賭けだわ)

姉勇者(そもそも天空人の子供が勇者とは限らないわけですし……)

姉勇者「ねぇ、ばあや」
223 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:25:40.06 ID:eCZucVXLo

老婆『なんでございましょう』

姉勇者「大魔王はどのくらい生きているのかしら」

老婆『少なくても500年以上は』

姉勇者(……)

姉勇者(ばあやの話では大魔王の前で彼女を置いてきたといっていたから、確実に大魔王は彼女の存在を知っている)

姉勇者(羽が生えている時点で天空人だとは気づいたはず)
224 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:27:37.67 ID:eCZucVXLo

姉勇者(でも……時間差がありすぎるわ。魔王様、28歳っていってたような……)

姉勇者(ばあやがぴっちぴちの時だから……70年くらい、たっているわね)

姉勇者(相手は大魔王との子ではない……?)

姉勇者「ばあや、もう一度手紙の内容を」

老婆『はい。子が立派に独り立ちし、魔界での役目が終わったので実家に帰ることになりました――』

姉勇者「……」
225 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:27:58.98 ID:eCZucVXLo

姉勇者(……大魔王様や側近様をみると私達と同じく、魔物は20歳程度で大人と同じ体系になる)

姉勇者(70歳の大人に対して独り立ちなんて表現使わないわよね)

姉勇者(余程のニートでなければ……)

姉勇者(……)

姉勇者(四天王の間には子はいない。四天王はとっくに独り立ちしている)

姉勇者(四天王以下の魔物はあの部屋でずっこんばっこん子作りライフ。ニートもいない)

226 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:28:25.02 ID:eCZucVXLo

姉勇者(しかもこのタイミングで?)

姉勇者(私達を戸惑わせるメッセージにもみえるけれど……)

姉勇者(天空人の子は勇者ってのを信じている人間側に、この手紙を出すメリットなんか魔物側あるのかしら)

姉勇者「筆跡鑑定は?」

老婆『しておりません。彼女の筆跡は残っておりませんから』

姉勇者(70年以上たってるのだから当たり前か……)


227 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:28:51.04 ID:eCZucVXLo

姉勇者「……」

姉勇者(確かに魔王様の人柄は……魔王らしくないというか……勇者っぽいけれど)

姉勇者(……勇者、なのかしら)

姉勇者(だとしたら、妹や私の存在はいったいなんなの)

姉勇者(私達家系がどんなに濃くしようとがんばったところで……一生勇者は生まれないということ?)

姉勇者(…………それとも)

姉勇者(…………)
228 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:29:17.40 ID:eCZucVXLo

姉勇者「ばあや、ありがとう」

老婆『お役に立てたようなら何よりでございます』

姉勇者「ええ。あとはこっちのほうで調べてみるわ」

老婆『ほっほっほ。危ないことはなさらぬように』

姉勇者「ええ。それでは――」

ツー……ツー……ツー……

姉勇者「……」
229 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:29:45.82 ID:eCZucVXLo

――――
――


姉勇者「……」

姉勇者(仮説のままでいたほうがいいのかしら)

姉勇者(魔王様が仮に勇者だとしても……今の私達には関係ないことなんだから……)

トントン

姉勇者「ん……」
230 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:30:22.57 ID:eCZucVXLo

ピッ

姉勇者「どなたですか?」

側近『私だ』

姉勇者「俺俺詐欺ならお断りなんですが」
231 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:30:49.55 ID:eCZucVXLo

側近『この……わかっているくせに。側近だ。開けてくれ』

姉勇者「側近様ですね。今あけます」

ガチャ

側近「ん」

姉勇者「どうかなさいましたか?」

側近「それはこっちのセリフだ。入るぞ」

232 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:31:16.52 ID:eCZucVXLo

側近「それで、何があった?」

姉勇者「……」

姉勇者「いえ、なにも」

側近「うそをつくな」

姉勇者「本当ですって」

側近「なら仮眠するなど、嘘をついた」

姉勇者「嘘ではありません。寝ようとしたら側近様が来たんです」
233 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:31:43.53 ID:eCZucVXLo

側近「……」グヌヌ

側近「私達には話せないことなのか?」

姉勇者「ですから、何も」

側近「わ、私達じゃ信用できないのか」

姉勇者「……」

姉勇者「そんな親犬に捨てられた子犬みたいな目しないてください」

側近「はぁ!? そんなのしていないぞ!」
234 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:32:10.08 ID:eCZucVXLo

姉勇者「……」

姉勇者「側近様」

側近「な、なんだ」

姉勇者「魔王様のお母様はどのような方だったんですか?」

側近「……」

側近「どうして、気になるんだ?」
235 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:32:36.02 ID:eCZucVXLo

姉勇者「私にとっては姑になる方ですから」

姉勇者「嫁として姑のことを知ることは必要不可欠なことです」

側近「……」

側近「私は、1回しか会っていないんだが……変わった奥様だったよ」
236 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:33:02.61 ID:eCZucVXLo

姉勇者「外見の特徴は? ドラゴンとかですか?」

側近「いや、……人型だったな。羽が生えてた」

姉勇者「そんな魔物もいるんですか。性格は?」

237 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:33:30.60 ID:eCZucVXLo

側近「…………大人しそうで…………、変な……」

姉勇者「……」

姉勇者(やはり天空人が母親なのね……)

姉勇者「魔王様とは仲が良いのですか?」

側近「いや……。魔王様と奥様が会われること自体なかったのかもしれん」

姉勇者「それはどうして?」

238 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:34:01.60 ID:eCZucVXLo

側近「大魔王様の命令、だったと思う」

姉勇者「……」

姉勇者「わかりました、ありがとうございます。参考になりました」

側近「うん……ああ」

側近「……」

側近「…………姉」

姉勇者「なんですか?」
239 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:34:28.07 ID:eCZucVXLo

側近「何か悩んでいることがあるなら言ってくれよ」

側近「こ、これでも一応心配してるんだからな」

姉勇者「……」

側近「……一応!」

姉勇者「……ぷっ」

側近「な、なにがおかしい」

240 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:34:53.90 ID:eCZucVXLo

姉勇者「ふふっ」ナデナデ

側近「な、なぜ頭を撫でる」

姉勇者「よいではありませんか、たまには」

側近「……釈然としないのだが」

姉勇者「ふふ」ナデナデ

側近「……」モジモジ
241 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:35:20.16 ID:eCZucVXLo

側近「な、なあ姉」

側近「もうひとつ言いたいことがあったんだが……」

姉勇者「なんでしょう?」

側近「…………」

側近「魔王様を……今夜貸してくれないか?」

姉勇者「……」

姉勇者「とおっしゃいますと?」

側近「セックス、したいんだ」

姉勇者「……っ」ジクッ
242 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:35:49.93 ID:eCZucVXLo

側近「そ、その……お前には悪いとおもっているが……やはり私には」

姉勇者「…………え、ええ。勿論、いいに決まっているじゃないですか!」

姉勇者「側近様、むしろ私からお願いしたいぐらいなんですよ」

側近「え、そ、そうなのか?」

姉勇者「ええ。私は性交、あまり好きではありませんから」

姉勇者「じゃんじゃん魔王様から子種汁を奪ってくださいな」

側近「……」

側近「本当にいいのか?」

姉勇者「ええ、勿論。お気になさらないで」

243 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:36:16.40 ID:eCZucVXLo

側近「よかった……」

側近「お前が魔王様の妻になってよかった……」ホッ

姉勇者「正式にはまだ妻ではないですけれど」

側近「……あ、そ、それじゃ、私はこれで」イソイソ

姉勇者「あら、もう?」

側近「お前も寝たいんだろう。わ、私も色々と準備が……」

姉勇者「そうですか。良い夜を」

側近「……」コクン

バタンッ

244 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:38:00.58 ID:eCZucVXLo

姉勇者「……」

姉勇者「…………」ジクジク…

姉勇者「胸が痛い……」

姉勇者「やきもちなんて子供みたいじゃない……」

姉勇者「私は子供が産めないんだから……、側近様は魔王様が好きなのだから……」

姉勇者「これでいいはずなのに……」ポロポロ

姉勇者「うぅ……っ……」
245 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/17(金) 21:38:36.21 ID:eCZucVXLo
ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の投下は 3日後 の午後9時頃からです。よろしくお願いします。
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/17(金) 21:39:21.47 ID:Ylfcw0nFo
おつおつお
姉なんでこんなに可愛い
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/17(金) 21:44:14.41 ID:RC4XptAh0
乙ですー
姉は重いけどいいなぁ
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/17(金) 21:49:43.78 ID:TQ1YFToDO
乙です


>>247
女の子に体重が重いだなんて言ったらダメだろっ
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 22:41:42.04 ID:84dKWfPIO
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/02/17(金) 23:29:05.29 ID:TsowkaqAO
妹は軽いよな、胸が
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 23:41:53.26 ID:19TiWIKDO
ちっぱいの悪口はやめて下さい
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/18(土) 01:06:29.25 ID:XmGohcyEo
姉は絶対に子供を産めない体なのか?
万に一つの可能性もなく?
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/02/18(土) 02:07:42.85 ID:E2qGKvF7o
母乳プレイできないとはなんともったいない
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/18(土) 02:31:53.24 ID:Hih9YlPUo
>>252
それを追求するとネタ潰しになりかねないから今は好きに妄想しておくのが吉
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/18(土) 15:04:44.63 ID:boYQe0PHo
>>253
ファンタジーが混ざった世界だ、なあに、そういう魔法や薬の一つや二つ……
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/02/18(土) 21:38:53.31 ID:alxCZM250
>>252 >>253
そこは魔王がなんとかしてくれるんだろう
俺の妄想だけど
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/19(日) 01:22:18.81 ID:VsTjM+2zo
『人間とは』ってだけだろ
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 08:22:10.86 ID:nEuiM7wIO
>>252
空気嫁
259 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:07:27.63 ID:i//LYacoo

――

夜・ホテル 魔王の部屋


妹ゆーしゃ「おにいちゃんおやすみー」

魔王「おやすみ」

側近「……おやすみなさいませ、魔王様」

魔王「ああ。おやすみ」

バタン

魔王「はぁー……」
260 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:10:19.42 ID:i//LYacoo

魔王(あれからお姉さん、部屋から出てこないし……大丈夫かな)

魔王(……)

魔王(見に行った側近はそっとしたほうがいい、と言うし……)

魔王(本当に大丈夫なのかな……)オロオロ

トントン

魔王「ん……?」

スタスタ

魔王「誰だ」

261 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:11:47.19 ID:i//LYacoo

側近『……側近です』

魔王「側近?」

側近『入ってもよろしいでしょうか?』

魔王「ん、……ああ。いいぞ」

カチ

ガチャ

側近「失礼します」ペコリ

262 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:15:44.75 ID:i//LYacoo

魔王「どうした、忘れ物か?」

側近「……」

側近「あ、あの……」

魔王「なんだ?」

側近「セックスしませんか?」

魔王「えっ」
263 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:17:28.96 ID:i//LYacoo

側近「しばらく、していませんでしたし」

魔王「……」

側近「姉の許可は取ってきましたよ」

魔王「……! ……ほ、本当か?」

側近「本当です」

魔王「……」

側近「セックス、してくれますよね?」
264 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:19:48.32 ID:i//LYacoo

魔王「……」

側近「……」

側近「私とでは、もう嫌ですか?」

魔王「そういう訳ではないのだが……」

側近「じゃ、しましょうよ」サスサス

魔王「っ……! い、いきなり触るな」

側近「んふ……いいじゃないですか。魔王様のおち○ちんだって、ピクピクして外に出たがってますよ」ジジジ…
265 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:20:27.22 ID:i//LYacoo

――

側近『あはぁ……出しただけなのにこんなに大きくしちゃって……』サスサス

側近『昨日、姉としたばかりでしょう? いけないおち○ちんですね……ん……』チュッ

魔王『……っ……』ビクッ

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

姉勇者(フェラしてるフェラしてるフェラしてる……)ゴーン

姉勇者(どどど、どうしよう。盗聴できたのはいいけれど……、むしろ自分の首絞めているような……)
266 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:20:54.34 ID:i//LYacoo

側近『んちゅ……じゅるるっ……!』

姉勇者「……」

姉勇者(どうしよ……どうしましょ……)

姉勇者(テクニックは側近様のほうが上ですし、ねと、寝取られてしまう可能性も……)

姉勇者(でも、でも自分が許したわけ、よね……)

姉勇者「うぅ……黙って聞いてろっていうの……」オロオロ
267 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:21:21.17 ID:i//LYacoo

魔王『っ、そ、そっき……』

側近『ん……。どう、なさいました?』チュパッ…

魔王『口より胸のほうが』

姉勇者「!?」
268 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:22:08.66 ID:i//LYacoo

姉勇者(あ、あぁぁ……魔王様もノリ気ですし……もう……もう……)

姉勇者(で、でも……う、うぅ……とめるわけにはいかないしなぁ……)

姉勇者(……とめる……とめる……)

姉勇者(……はっ!)

姉勇者「……私も、参加すれば…………」

269 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:22:48.27 ID:i//LYacoo

――

側近「おっぱい、ですか……? ふふっ、魔王様ったら本当おっぱい好きなんですね」

側近「姉も、おっぱいでかいから付き合ったんじゃないんですか?」

魔王「そんなんじゃ……うっ……」ムニュ

側近「答えはおち○ちんで聞きますよ。ふふっ……」ギュッ

トントン

魔王「……!?」

側近「ん?」
270 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:23:09.56 ID:i//LYacoo

魔王「……誰か、来たな」

側近「来ましたね」シュッシュッ…

魔王「う、ちょ、ちょっと、や、やめ……」

側近「1回出したら、ね」ズッ…ズッ…
271 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:23:39.06 ID:i//LYacoo

魔王「ぅ……ぁ……」ビクッ

側近「ぬちゃぬちゃの我慢汁、まだ出して……。そんなにおっぱいがいいんですか……」シュッ…シュッ

側近「私のおっぱい、魔王さまの我慢汁まみれですよ……んふ……」ペロッ


魔王「っ、先……なめ……」ビクビクッ

側近「もう限界ですか? いいですよ。出して……私のおっぱいに」ムニュッ

ピー

ガチャ

魔王「っ、でっ」ドピュッ!

姉勇者「ま、魔王さ……」
272 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:24:05.68 ID:i//LYacoo

側近「……」ビチャビチャ…

魔王「……」

側近「……」ポタ……ポタ……

姉勇者「……あ」

姉勇者(ま、また……なんてタイミングに……)

魔王(人生……オワタ……)
273 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:24:48.67 ID:i//LYacoo

側近「……あ、姉……。な、なんの用だ?」

側近「も、もしかして……」

姉勇者「あ、ちがっ……。そうじゃなくて……!」ブンブンッ

側近「そうじゃない……?」

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

姉勇者「……私も……、参加したいな、って……」

274 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:25:28.43 ID:i//LYacoo

側近「……」

魔王「……」

魔王「さ……3P……?」

姉勇者「む、無理ならいいんです。私、帰りますから」

魔王「い、いや、む、無理とか無理じゃないとか! むしろいいんですけど!」

側近「……」

姉勇者「……こ、今回だけ……」

側近「…………」

275 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:25:54.44 ID:i//LYacoo

側近「……はぁ……。好きではないと言っておきながら……」

姉勇者「ご、ごめんなさい……」

側近「私は構わないよ。こういうのもたまにはいいかもしれない……」ハァハァ

姉勇者「……」モジモジ

魔王「じゃ、お、お姉さん。その、ぬ、脱がしてもいいですか!!」ギンギン

姉勇者「……はい」

276 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:26:25.54 ID:i//LYacoo

モゾモゾ

魔王(ハァハァ……ハァハァ……お姉さんの服クンカクンカ……)

姉勇者「……」モジモジ

側近「……いつも、脱がしてもらってるのか」ジー

姉勇者「お、おお、おかしいですか?」

側近「……いや?」

姉勇者「う、うぅ……」

277 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:26:51.77 ID:i//LYacoo

魔王「あ、お姉さん! やっぱ上着だけ、上着だけ着てください! 上着だけ!! Tシャツ1枚!」ハァハァ

姉勇者「は、はぁ……」モゾモゾ

魔王「YES! GOOD! 最高ですお姉さん! YES! YES!」ハァハァ

姉勇者「そ、そうですか……?」

側近(しかし、私の時と違って魔王様のテンションが……なんというか……気持ち悪いな……)

278 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:27:17.98 ID:i//LYacoo

姉勇者(ふたりとも裸なのに、ひとりだけ服を着てるというのも……)

側近「魔王様、何をします?」

魔王「とりあえずパイズリ」

姉勇者(とりあえず生、みたいな言い方ね……)

側近(さっきしたのに……)

姉勇者「ボタンだけ外すしても?」

魔王「はい!」

279 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:28:21.63 ID:i//LYacoo

ギンギン

側近「ふたりでパイズリとは……。はさめばいいのか?」

姉勇者「多分……」

むにゅぅ…

魔王「……!」

姉勇者「ちょ、側近様! 臭い顔こっちに向けないでくださいよ」

側近「臭いとはなんだ、臭いとは!」ムニュッ!

魔王「オウフッ……」
280 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:28:49.15 ID:i//LYacoo

姉勇者「だから近づかないでって……!」

姉勇者「さっき顔にかけられた精液、放っておいてたでしょ。ふいてくださいよ」

側近「かかったままのほうが興奮するんだもん……」

側近「それに胸を密着させるんだから、近くなるのは当たり前だろ。気になるならお前が舐めろ」ムニュニュ…

魔王「はぁ……うぅ……あ」

姉勇者「は、はぁ!? 私が側近様の顔を?」

281 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:29:15.60 ID:i//LYacoo

側近「魔王様のザーメンだからいいだろ、別に」キュッ

姉勇者「そういう問題でひぅっ……! な、なに、人の乳首つねってるんですか!」

側近「お前うるさいんだ。少し黙って、この雰囲気に酔え」ギュッ

姉勇者「ひっぁ……! だ、駄目ですって……ん……」ビクッ

魔王(……あれ、もしかして俺、蚊帳の外……?)

魔王「……お、お姉さん。側近。俺の舐めてください……」
282 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:29:41.40 ID:i//LYacoo

姉勇者「え、えぇ…………」

側近「ん……」ペロ

姉勇者「あ……」

姉勇者「……」ペ、ペロ……

姉勇者(にがっ……!)
283 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:30:07.46 ID:i//LYacoo

側近「ん、はぁ……まおう、さまぁ……」グチュ……ジュポッ……

姉勇者(ど、どうして側近様、そんなおいしそうに舐められるのかしら……)

姉勇者(というか銜えてるし……)

姉勇者「……」オロオロ

魔王「っ、お、お姉さんも……」ナデナデ

姉勇者「う、うぅう……」
284 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:30:37.51 ID:i//LYacoo

姉勇者(苦いし……ちょっとピリってする……)ペロ…ペロ…

姉勇者(不思議な味だわ……)ペロ……ペロ……

魔王(お姉さんに舐められてる……ハァハァ……)

魔王(側近も相変わらずうまいし……もー俺死んでもいいかも……)

側近「んっ……じゅるっ……。んはぁ…………ん。おい、姉。もっとしっかり舐めろ」

姉勇者「あ、貴女に指図される筋合いなど……」

側近「いつまでも下手なままでいいのか? ん?」
285 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:31:04.64 ID:i//LYacoo

姉勇者「う……ぐぅ……」

側近「魔王様はここらへんが感じやすいから、舐めるならここを、だな」ペロ

魔王「うっ……」

姉勇者「こ、ここですか……」…ペロ

魔王「あぅ、お、お姉さんっ……!」ビクビクッ

姉勇者(あ、胸の中でビクビク動いてる……)

姉勇者(男の人って敏感なのね……)
286 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:31:30.53 ID:i//LYacoo

側近「感じやすい所ばかりではなく、焦らすためにその周りを舐めたりするのもいいぞ」

姉勇者「は、はぁ……」ペロ

魔王「はぁ……はぁ……」ピクピク

側近「そうそう、上手だ」

姉勇者「ん……っ……ふっ……」ペロペロ

魔王「……っ……お、俺……」ビクビクッ
287 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:31:56.47 ID:i//LYacoo

側近「出そうですか? ふふっ、出してくれて構いませんよ」

姉勇者「……っ……ん、……んんっ……?」

魔王「うっ……!」ドピュッ

姉勇者「――っ! ひぅっ!?」ビチャッ

側近「あはっ……ん……いっぱい、かけられちゃ……」ビクビクッ…
288 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:32:22.37 ID:i//LYacoo

ビュッ……! ビュッ……!

姉勇者「や、やぁ……」

姉勇者(く、口の中にもはいってきた……ん……っ)

姉勇者(に、にがっ……!)

側近「んぅ……んっ……んっ……」ジュルル…

姉勇者(側近様はそれなのに……魔王様の銜えて吸いとろうとしている……おかしい。絶対におかしい……)

289 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:32:48.25 ID:i//LYacoo

魔王「ハァ……ハァ……」

側近「はぁ……魔王様、そろそろ私の中におち○ちんを……」ヒクッ

姉勇者「……」ジー

魔王「そう、だな……。あ、でも、お姉さん、濡れてますか?」

姉勇者「は、はひぃ!?」ビクッ
290 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:33:21.56 ID:i//LYacoo

魔王「処女ではないといえ、濡れていないと痛いので」

姉勇者「え……あ。で、では、側近様から先に……。そ、その間に濡らしますから」キョドキョド

側近(いっそザーメンをローション代わりに使うっていう手も……)

側近(や、やだ……想像しただけで……)ヒクヒクッ

側近「……姉、とりあえず寝転がれ」

姉勇者「え……?」

側近「その上に私が乗るから」

姉勇者「え、あ……は、はぁ……」
291 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:33:47.66 ID:i//LYacoo

ドタドタ…

姉勇者「……」

側近「……よし。これならふたり同時にスマタもできるし……完璧だな」

姉勇者「は、はぁ……」

側近「私が先でいいんだな?」

姉勇者「ええ……」

姉勇者(多分濡れているけど……先にってのもな……)
292 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:34:13.87 ID:i//LYacoo

側近「最初からスマタでも構いませんよ」

魔王「……」

姉勇者(スマタって……なに、かしら……。素股? ……?)

魔王(素直に側近から挿れてくか……)

魔王「ああ」ソッ

側近「ん……」

魔王「先に、セックスしような」

側近「え……あ、は、はい……っ!」
293 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/20(月) 21:34:44.31 ID:i//LYacoo

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の投下は3日後の午後9時頃からです。
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 21:37:43.82 ID:r0GQPOreo
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/20(月) 23:03:54.69 ID:4RtSvtfLo

なぜ>>1はそこまでリアルな味を知ってるんだろ…
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/20(月) 23:50:39.74 ID:Xm5IWJico
乙!
姉勇者が、
昼は清楚、夜は淫乱
を取得するのも時間の問題か……
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/21(火) 00:14:07.73 ID:7aJmHvSro
おつ
姉がかわいすぎてもう
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/21(火) 01:02:06.60 ID:/Kcq69mI0
乙ですー
姉がんばれー
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 21:35:01.24 ID:Msa4Rd6Oo
姉△
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/02/22(水) 15:11:04.46 ID:u4veo3cM0
最高
301 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:27:05.27 ID:bGEVAbHBo

グチュッ

側近「ん、はいってきたぁ……」ピクッ

姉勇者「ちょ、そ、側近様!」ビクッ

姉勇者「感じるのは構いませんが、よだれを垂らすのはやめてくださいね!」

側近「うるさい奴だな……」ピンッ

姉勇者「ひぃっ! ひ、人の乳首を勝手に弾かないで下さい!」
302 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:27:32.15 ID:bGEVAbHBo

側近「……もういいや。魔王様、はやく動いてください」

魔王「あ、ああ」ヌポッヌポッ

側近「おっ……ん……あぁ……っ……!」

姉勇者(……。人が感じている様をみるなんて……新鮮)
303 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:27:57.93 ID:bGEVAbHBo

側近「い、いぃっ……んほっ……おち○ちんいいよぉっ……!」

側近「あぁっ、もういっちゃう! 挿れられたばかりなのにいっちゃ―― んひあああぁぁっ!」ビクビクッ

姉勇者(……これが、アヘ顔……。リアルでやる人はじめてみた……)

姉勇者(なんというか……そこまでありがたいものでもないわね)

姉勇者(男の人ってこんな表情がいいのかしら……)

304 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:28:23.90 ID:bGEVAbHBo

魔王「側近、まだ射精してないから続けるな」ヌプッ…ヌポッ

側近「んひぃっ、らめぇ……イ、イっちゃばかりなのに動いちゃらめなんぁっ!」ビクッ

側近「あっ……あっ……イちゃう……イったばかりなのに、またイっちゃうよぉお……!」

姉勇者(もしかして側近様って淫魔なのかしら)

姉勇者(だとしたらエロいこと大好きなのも頷けるけれど……)

305 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:28:54.81 ID:bGEVAbHBo

魔王「っ、そんな締め付けられると……っ! 側近、そろそろ……」

側近「出してっ! 私の膣内にたくさん出して!!」

魔王「うっ……!」ドピュッ!!

側近「ん、はぁぁ! 入ってきたぁっ……たくさん入って……あぁ……」ビクビクッ!

姉勇者「う……わ……」

306 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:29:15.75 ID:bGEVAbHBo

ドロォ…

側近「ハァ……ハァ……」ヒクヒクッ

姉勇者「……だ、大丈夫ですか?」

側近「ハァ……ん……」

姉勇者(どっちだよ……)

魔王「次、お姉さんいいですか?」

姉勇者「えっ!? あ、は、はい!」
307 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:29:53.52 ID:bGEVAbHBo

クチュ…

姉勇者「ん……」

魔王「濡れていますね。ハァハァ……お、俺と側近とのプレイで興奮したんですか?」

姉勇者「……ど、どうでしょうか……」

魔王「あぁ、お姉さん。ハァハァ……い、挿れますね」

姉勇者「あ、……は、はい……」オドオド…
308 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:30:26.02 ID:bGEVAbHBo

ヌプッ…

姉勇者「っ……! ぃったぁ……」

魔王「あ、ま、まだ痛いですか……?」

側近「情けない奴だなぁ、どれ。私が楽にしてやろう……」クリッ

姉勇者「ひゃっ! な、何、人の女性器を……! や、やめてくださいっ」

側近「ん? 女性器じゃ分からないなぁ……。どこを触られるのが嫌なんだ?」

姉勇者「は、はぁ!? いっ……つっ!」ビクッ

魔王「ご、ごめんなさい、お姉さん! でも、お姉さんの膣内気持ちよくて……腰が……」ズッ…ズッ…
309 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:30:51.55 ID:bGEVAbHBo

姉勇者「っ……ひぁ……やっ……だ。だから、側近様はさわっ……な、い……でっ!」ビクッ

側近「どこを?」グリッ

姉勇者「ひ、ひきょうも……あぁ……っ……」ビクンッ

側近「どこを触られるのが嫌なんだ? ん?」

姉勇者「ひぅっ……く、くり…………と……」

側近「もっと大きな声で」グッ
310 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:31:18.61 ID:bGEVAbHBo

姉勇者「っひぁあっ! く、クリトリスです!! はい! 言いましたよ!! だからはやく手をどけてくださいっ!」

側近「ははっ、顔真っ赤だぞ」

姉勇者「私は側近様と違ってこういう場面でそういう事を――っ!」

魔王「お姉さん、俺にも構ってくださいよ……」ヌプッヌプッ

姉勇者「っい……ぁ……」
311 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:31:46.18 ID:bGEVAbHBo

魔王「この前は薬の力を借りましたけど、今度は俺だけの力で……」ズッ!ズッ!

姉勇者「いっ、あっ……うっ!」

側近「まだ痛いのか?」

姉勇者(あまり痛くないけど、気持ちよさはまだわからな……、んっ……)ビクッ

側近「私も4回目ぐらいからやっと気持ちよさがわかるようになったから……。姉もそうなのかもしれないな」

魔王「4回…………」ヌプッ…
312 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:32:15.99 ID:bGEVAbHBo

姉勇者「ま、魔王様、いきなり遅くしないでっ……!」

側近「遅くしたほうが感じるのか?」

姉勇者「ち、ちがっ!」

側近「図星か……」

魔王「じゃ、遅く動きますね」ヌポ…ヌプ…

姉勇者「っ〜! ぃ、やぁ……」ビクッ
313 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:32:41.85 ID:bGEVAbHBo

姉勇者(確かに遅いほうがきもち……いい……けれど……)

姉勇者(側近様や魔王様の前で……だらしない顔はしたくないわ……)

姉勇者(がんばって……声も極力抑えて……)

姉勇者(射精したら……終わるから……はやく、はやく射精して……っ!)

姉勇者「っ……ん……んん……」ポロポロ

側近「泣くほど気持ち良くなったのか。ふふっ……」
314 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:33:12.84 ID:bGEVAbHBo

魔王「お姉さん、感じてくれてるんですかっ!」ヌプッ!ヌプッ!

姉勇者「んっ……ん……ん……」

姉勇者(耐えろ私……耐え……あ、でも、い、いき……っ)


ドンドンドンドンドンドン!!!!


姉勇者・魔王「!?」

ドンドンドンドンドンドンドン!!!!!

側近「……」

側近「ノックの音か……?」

315 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:33:33.73 ID:bGEVAbHBo

ドンドンドンドンドンドンドンドン!!

姉勇者「……」

姉勇者「はっ! 側近様。妹ちゃんに何と言ってここに?」

側近「え? ……すぐ寝たから、何も言わずに」

妹ゆーしゃ『おにいちゃんー!! そっきんとおねえちゃんがいないよー!』ドンドン

妹ゆーしゃ『ゆーかいされちゃったのかもしれない! たすけださないと!!』ドンドン

姉勇者「―― いっ、今すぐ服着てください! はやく!!」
316 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:34:01.04 ID:bGEVAbHBo

――

妹ゆーしゃ「あーけー……。あ! カードあったんだった!! これであければいいんだ!」

ピッ!

ガチャ!!

妹ゆーしゃ「おにいちゃん、おねえちゃんとそっきんが――……」

側近「ん、妹。どうしたんだ」

姉勇者「そ、そそ、そんなに慌ててどうしたの? 夜なんだから静かにしないとダメでしょ?」

魔王「お、お姉さんの言うとおりだぞ」

妹ゆーしゃ「……みんなそろって、なにしてるの?」
317 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:34:29.13 ID:bGEVAbHBo

姉勇者「ちょ、ちょっと話し合いを……、ね。側近様」

側近「ああ、そうだな」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「せっくす?」

姉勇者「あーっ! 今日は空が青いなぁ!!」ガタッ!

妹ゆーしゃ「くろいよ」

318 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:35:02.45 ID:bGEVAbHBo

姉勇者「ととと、とにかく今日はもう寝ましょうね」

妹ゆーしゃ「? ……??」

姉勇者「そ、側近様もね」

側近(もっとセックスしたかったのに……)
319 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:35:23.58 ID:bGEVAbHBo

側近「……わかった」ムス

姉勇者「そ、それでは、魔王様。おやすみなさいませ」

魔王「あ、はい……」

魔王(もっとセックスしたかったのに……)ションボリ
320 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:35:49.27 ID:bGEVAbHBo

バタンッ

魔王(お姉さん、イかせたかったのに……)

魔王「……」

魔王(今度がんばろう……。明日とか明後日……)

魔王(今日は不貞寝だ。不貞寝……)バフッ…

魔王「……」

魔王「……」

魔王「zzz……」
321 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:36:17.67 ID:bGEVAbHBo

――

4日後


姉勇者「……」

魔王「……」

魔王(がんばろうと思ったのに……思ったのに……、なぜ拒否されるのだ……)ガックリ

姉勇者「側近様、妹ちゃん」

側近「ん、なんだ?」

姉勇者「今日1日だけ、魔王様と私は別行動をとります」
322 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:36:43.65 ID:bGEVAbHBo

側近「……何故?」

妹ゆーしゃ「いっしょにうごいたほうがあんぜんだよー」

姉勇者「少人数のほうが動きやすいんです」

側近「何をする気なんだ?」

姉勇者「武器を盗みに行ってきます」

側近「……ふむ」
323 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:37:10.84 ID:bGEVAbHBo

姉勇者「側近様と妹ちゃんはチェックアウトした後、ルーラでもなんでも構いませんから、この場所へ」ピラ

側近「……ばあやの家? ……ああ、あの婆さんの家か」

姉勇者「アポはとってありますので、そちらに移動をお願いします」

側近「歩いて、はいけない距離だな」

姉勇者「その辺はお任せいたします。新幹線でも、飛行機でも」

側近「しん……?」
324 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:37:36.77 ID:bGEVAbHBo

妹ゆーしゃ「……ぶきって……、もしかして……」

姉勇者「……」コクリ

姉勇者「……あなたのお父さんは……極力死なせないようにするわ」

妹ゆーしゃ「そんなの、どうでもいいよ! おねえちゃんあぶないよ! あんなところ、いったらだめだよ!」

姉勇者「……」

妹ゆーしゃ「ぶきなら、たくさんおかねあるんだから、それでかえばいいじゃん!」

姉勇者「……」フルフル

325 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:38:03.81 ID:bGEVAbHBo

妹ゆーしゃ「おねえちゃん!」

姉勇者「たまには勇者の真似事もしてみたいじゃない」

妹ゆーしゃ「……」

姉勇者「それに、魔王様だっているんですもの。勝ち目、ないわけじゃないの」

姉勇者「アレもあるしね」

妹ゆーしゃ「……しなない?」

姉勇者「死なないわ。……いいえ、死ねないわ。あんなところでは」
326 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:38:28.50 ID:bGEVAbHBo

側近「乗り込むのであれば魔王様より私のほうが良い気がするが」

姉勇者「本人のご希望なのだから、どうしようもないわ。ね、魔王様」

魔王「……ああ。そうだ」

姉勇者「それにあそこは、Fランクのたまり場ですからね」

側近「Fランク……? それが、どうしたんだ?」

姉勇者「……あれ、話していませんでしたっけ?」

側近「少なくても私は聞いていないぞ」
327 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:38:55.56 ID:bGEVAbHBo

姉勇者「……。あの勇者ランキング、作った人もまた勇者でしてね」

姉勇者「勇者じゃないけど強い順に並べられているんですよ」

姉勇者「そして勇者に近いものは、ほぼFランクとして、またはランク外として載っている」

側近「……」アゼン

側近「ちょ、そ、そんな……、じゃ、じゃあ、私たちがやっていたことは」

姉勇者「強い奴らをフルボッコ、ですね。ま、勇者でなくても危険なのは確かでしたから、それもそれでいいんじゃないですか」
328 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:39:26.59 ID:bGEVAbHBo

側近「……聞かなきゃよかった」

姉勇者「ふふっ……申し訳ございません」

魔王「……」

魔王「しかし、それは変ではありませんか?」

姉勇者「変?」

魔王「あの装置は……、盗んできたものでしょう」

魔王「なのにいちいち魔物を欺くようなランク表示……。おかしくはありませんか?」

姉勇者「……」
329 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:39:47.52 ID:bGEVAbHBo

魔王「最初から魔物を欺くために作られたみたいじゃないですか」

姉勇者「……」

姉勇者「……その通りですよ」ボソリ

魔王「え?」

姉勇者「いえ、なんでも。おかしいですね。ふふっ」

魔王「……?」
330 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:40:22.59 ID:bGEVAbHBo

姉勇者「さて、魔王様。一応、武器は持ってきてはあるのですが、どれをお使いになりますか?」ガチャガチャ…

魔王「……」

側近「これは……銃か?」

姉勇者「ええ、そうですが」

側近「……勇者の持ち物には思えん」
331 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:44:13.25 ID:bGEVAbHBo

側近「それに銃弾など魔法で跳ね返せる。……お前にしては変なチョイスだな」

姉勇者「……」ニヤニヤ

側近「な、なんだ。その笑いは」

姉勇者「私の銃弾は、魔術で作り上げたものです」

側近「魔術で……?」
332 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:45:10.68 ID:bGEVAbHBo

姉勇者「魔術を無効化する効果を付属していますので、魔法では跳ね返せません」

側近「……」

姉勇者「その上、1発で日本刀でも割れる代物です」

魔王「それは……トレビアものだ……」ゴクリ
333 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/23(木) 21:45:38.73 ID:bGEVAbHBo

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の投下は3日後の午後9時頃からです。よろしくお願いします。
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/02/23(木) 22:00:43.74 ID:mNHtAwTAO
乙、これだけは外せない楽しみだわ
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/23(木) 23:17:17.60 ID:wzWOQVvy0
乙ですー
ドキドキしてきた
魔王と姉がどうなるか楽しみだ
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/24(金) 01:41:36.60 ID:QfOpZ6Yio
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 07:26:12.57 ID:MYhAQFjIO
人間側の魔族コントロールがだんだん明るみになってきたな
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/24(金) 07:45:21.17 ID:vPKbsLSko
人間側の上層部が得体知れなさすぎる……
なんか魔物が何らかの目的で生かされてるだけの存在に思えてきた
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/25(土) 10:15:18.07 ID:fYjGSalbo
トリビアかとおもた
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/02/26(日) 20:01:00.07 ID:qkbp8fKDo
>>339
俺も思ったwww
341 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/26(日) 20:54:33.96 ID:pxFSuVwho

仕事で書き溜めができませんでしたので、明日の午後九時から投下させていただきます。申し訳ございません。
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 21:23:35.47 ID:s2ieUFBIO
待ってる
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 07:12:30.96 ID:7gTMgMHIO
面白さをうまく伝えられないのが歯がゆい…
とにかく乙!今夜の投下もwwktk
344 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:23:46.48 ID:MsqtVE88o

姉勇者「……これらは麻酔銃ですけれど、魔王様」

魔王「は、はい」

姉勇者「お使いになりますか?」

魔王「……」

魔王「いえ、俺は素手で大丈夫です」

姉勇者「素手……」

側近「ひのきの棒ならありますよ」

345 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:24:17.33 ID:MsqtVE88o

魔王「……。剣はありませんか」

姉勇者「銅の剣ぐらいならありますけれど」

魔王「ではそれを貸していただけると、助かります」

姉勇者「……わかりました」サッ

魔王「ありがとうございます」
346 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:28:51.33 ID:MsqtVE88o

魔王「……」

魔王(勇者との戦い……)

魔王(ある程度勇者かどうかは気配で分かるが……)

魔王(……カードを壊した俺に勝ち目はあるのか?)

魔王(……)ゴクリ

側近「これはなんだ?」ヒョイ

姉勇者「手榴弾ですけれど」

側近「……」
347 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:29:17.34 ID:MsqtVE88o
――

ホテル 入口

姉勇者「側近様、結局ルーラで行くことにしたんですか?」

側近「ん、ああ」

姉勇者「……」

側近「どうした、難しい顔をして」

姉勇者「いえ……、ちょっと待ってくださいね……」

姉勇者「……うーん……」

側近「……?」
348 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:29:45.61 ID:MsqtVE88o

姉勇者「……油断するのはよくありませんね。側近様、妹ちゃん。こっちに」

側近「?」

魔王「何をするんですか?」

姉勇者「……気にしすぎだと思うのですが」

姉勇者「よほどの田舎以外ですと、ルーラでどこに飛んだのか、の情報を国で収集しているんですよ」

魔王「は……?」
349 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:30:11.68 ID:MsqtVE88o

姉勇者「ルーラを使った犯罪防止、を名目に数年前から導入されたものなのですが――」

魔王「ちょ、ちょっと待ってください!」

姉勇者「はい?」

魔王「そ、それって……あの……ま、魔物のルーラも観測対象なんですか?」

姉勇者「……」

姉勇者「……ええ、そうですね」
350 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:30:47.32 ID:MsqtVE88o

側近「人間は……魔王城の位置を正確に知っている、ということか」

姉勇者「……はい。確実に」

側近「……魔王の間にそのまま飛ぶ奴もいる……」

姉勇者「……寝首を掻くことも容易でしょうね」

側近「――っ」

351 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:31:53.55 ID:MsqtVE88o

姉勇者「話を戻しますと、この爆弾みたいなのが」

側近「ま、待て。ならなぜ、人間は私たちを殺しにこないんだ!」

姉勇者「……」

魔王「……確かに簡単に攻め込める上、チート級の銃弾もある」

魔王「俺が人間側であれば……すぐさまにでも、大魔王の首をとりますが」

魔王「何か、人間側に魔物を滅ぼさない理由でもあるんですか?」
352 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:32:24.60 ID:MsqtVE88o

姉勇者「……言い忘れていましたが、あの銃弾は私以外作成方法を知らないので、他の誰も使ってはおりません」

姉勇者「……。……私とて、なぜ人間が魔物を滅ぼさないのか、の正確な理由は分かりませんけれど……あえてあげるとしたら」

姉勇者「得、しないからではないでしょうか」

魔王「得……?」

姉勇者「ええ」
353 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:32:48.68 ID:MsqtVE88o

姉勇者「あるいは魔物を滅ぼすことで損するのか……」

姉勇者「……。どちらにせよ、今、魔物を滅ぼしても利益が発生しないのでしょう」

魔王「利益……」

姉勇者「サムおじさんはそういう方ですから」

魔王「サムおじさん?」

姉勇者「いいえ、なんでも」
354 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:33:14.64 ID:MsqtVE88o

魔王「でも、魔物によって死人が出ているんですよ? どう考えても魔物の存在は不利益でしょう」

姉勇者「確かに魔物は人を殺します。しかし、人も人を殺します」

魔王「……」

姉勇者「現在、魔物による死亡率はそれほど高くありません」

姉勇者「それに、どの国家にとっても共通の敵がいる、というのはけしてマイナスではありません」
355 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:33:41.41 ID:MsqtVE88o

魔王「……」

姉勇者「……魔物を倒したところで、世界が平和になるわけではありませんから」

魔王「……分からない」

姉勇者「……」

魔王「だからといって……見捨てて良いものなのか……」
356 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:34:10.95 ID:MsqtVE88o

姉勇者「5人を見捨てることで、10人が助けられるのであれば見捨て、10人を助ける」

姉勇者「少数の者を殺めることで大勢を助けられるのであれば……」

姉勇者「道徳的か否かは二の次なのでしょう。分からない思考ではありませんね」

姉勇者「……好みではありませんが」

魔王「……」
357 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:34:43.34 ID:MsqtVE88o

姉勇者「おしゃべりはこのくらいにしましょう。こんなこと話し合ったとしても、今はなんの意味もありませんから」

側近「……そ、そう……だな……」

魔王「……」

姉勇者「側近様、この爆弾みたいなものは、ですね。ま、爆弾なのですが……魔力の流れだけを一時的に散乱させるものです」

側近「魔力の流れを?」
358 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:35:11.37 ID:MsqtVE88o

姉勇者「ええこの大気中に漂っている観測魔法に穴を開け、その隙にルーラで飛ぶということです」

姉勇者「ちなみに犯罪なので、これも学会に発表はしていません。秘密にしてくださいね」

側近「飛んでいる最中は観測されないのか?」

姉勇者「飛んだ瞬間を観測すれば充分ですからね。最中、到着の際は観測されません」

側近「……わかった」
359 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:35:38.32 ID:MsqtVE88o

姉勇者「魔力の流れは一般人には分かりませんし、その爆弾は音も出しません」

姉勇者「……ルーラを使うタイミングは爆ぜて10秒以内です」

側近「わかった」

姉勇者「それでは魔王様。私たちも参りましょうか」

魔王「……はい」

360 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:36:06.44 ID:MsqtVE88o

妹ゆーしゃ「おねえちゃん、しなないでね……」

姉勇者「勿論よ」

側近「ご武運を」

魔王「…………ああ」

361 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:36:34.01 ID:MsqtVE88o

――

某ビル 裏口前


警備員「っ……」

バタン

姉勇者「……お見事」

魔王「……ありがとうございます」

姉勇者「殺してはいませんか?」

魔王「はい」

362 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:40:57.57 ID:MsqtVE88o

姉勇者「魔王様、ひとつお願いが」

魔王「なんですか?」

姉勇者「私の目が開いている間に、人は殺さないで下さい」

魔王「……」

姉勇者「私もがんばって目を閉じて移動はいたしますが」

魔王(糸目……キャラ……)ゴクリ
363 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:45:32.19 ID:MsqtVE88o

魔王(あぁ、余計なことは考えたらダメだ)

魔王「だ、大丈夫なんですか?」

姉勇者「目を開けずとも大概のことはわかりますが……正確さがあるかと言われたらなんとも」

魔王「分かりました。そもそも俺は勇者以外の人間を殺める気はありません」

魔王「勇者が近くにいるときのみ、糸目キャラでいてください」

姉勇者「……いと……わかりました」
364 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:50:52.60 ID:MsqtVE88o

魔王「しかし警備員らしき男は倒したものの、どうするんですか?」

姉勇者「どうするとは?」

魔王「このドア……。妙に頑丈じゃないですか」トントン

魔王「男は鍵を持っていませんし、ここで魔法を使うというのも」

姉勇者「確かに。このビル中バカ広いですからね。こんなところで消費するのも……」
365 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:54:29.68 ID:MsqtVE88o

魔王「ビル内の地図は頭に叩き込みましたが、魔法を使って突破しなければいけないところは多々ありますし」

姉勇者「その上、この建物内ではルーラは使えない。……うん、ここは爆破させますか」

魔王「爆破……ですか」

姉勇者「巷には勇者は暗殺業である、とおっしゃる方がおりますが、私はどうもひっそりは向かないもので」サッ

魔王「……」
366 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:56:29.65 ID:MsqtVE88o

ドッカーン!

姉勇者「ははっ、吹き飛びましたね」

魔王「…………」

姉勇者「ではいきましょうか」

魔王(この音で確実に潜入したことがばれたな……)

魔王(できればスネーク並みに潜入したかったが……お姉さんには意見言えない……)

魔王(ま、まぁ……成せば成るだろう。多分)
367 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 21:59:06.74 ID:MsqtVE88o

警備員A「しんn……っ」

バンッ!

警備員A「まっ!?……」

バタン

姉勇者「前は私が―― 後ろは任せましたよ」

魔王「わ、わかりました」

魔王(撃つのはえぇ……)
368 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 22:01:05.02 ID:MsqtVE88o

ドドドドドッ

警備員B・C・D「……」

バタン…

姉勇者「まず、昨日教えた武器庫まで魔王様を送ります」

姉勇者「そこから別行動。私はひとつで父のところへと行きます」

魔王「え、ちょ、昨日と話が違いますよ?」

魔王「昨日はまずお父上のところへ行ってから武器庫へと――」

姉勇者「……」
369 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 22:03:22.77 ID:MsqtVE88o

――

某ビル 警備室


警備員E「や、やべえ!!」

警備員F「お、お嬢様が、お嬢様が帰って……」オロオロ

警備員E「どどどどどど、どうするんだよ。あ、あの武器で撃たれたら……!」

警備員G「に、逃げようぜ! 見つかったら俺ら殺されちまう!!」

警備員E「うあぁあ……殺されたくねぇよ……まだ俺には妻も子も……」ブルブル

男性「……」
370 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 22:04:31.22 ID:MsqtVE88o

スタスタ

男性「彼女が……帰ってきた、ね」

男性「……」

男性「彼女の性格上、アレは麻酔銃か……」

男性「だとしても、あんな蟻みたいな警備の奴らが勝つ道理はない」

男性「……」ピピピ

男性「……メールか」
371 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 22:05:07.68 ID:MsqtVE88o

男性「……」ピ…

男性「ふむ……、あの人らしい」

男性「殺したくはなかったが……、あの人の命令となれば仕方ないか」スタスタ

男性「……もったいないなぁ。彼女、まだ使いようがあったのに」
372 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 22:05:35.36 ID:MsqtVE88o

男性「魔術・武器開発の面でも、彼女を使えばまだまだ進歩できたはずだ」スタスタ

男性「適当に好きだと言って頭撫でておけば、犬みたいについてくる女だったのにな」

男性「……変なところでかしこいからダメだったんだな」

男性「……」

男性「ま、殺したことにしておいて……監禁して生かしておけばいっか」

373 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 22:06:03.50 ID:MsqtVE88o

男性「あの人も、そこまで気にしないだろうし」

男性「あの女さえうまく使いこなせば……僕だって大物になれるんだ」

男性「あの時は失敗したけど、今度は適当にセックスでもしとけば懐いてくれるだろう」

男性「外見もいいからね。セフレとしても最適だろう」

男性「……」スタスタ


374 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 22:06:31.10 ID:MsqtVE88o

男性「あの魔物も、カードで弱体化しているだろうし……、ま、余裕だな」

男性「今度は僕を失望させないでくれよ。――お姉さん」
375 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/27(月) 22:06:56.73 ID:MsqtVE88o

ここまで読んでいただきありがとうございます。

昨日は投下できず申し訳ございませんでした。

次回の投下は3日後の午後9時頃からです。よろしくお願いします。
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/02/27(月) 22:20:24.83 ID:WVwqZSnz0

男性の絶妙なウザさが素晴らしい
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/27(月) 23:07:03.59 ID:+504qvCko
おつ
かわいいねえ
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/28(火) 01:42:49.61 ID:lKBDmu0Y0
乙ですー
男が回を増すごとに下衆になってくぜ
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/02/28(火) 11:11:54.55 ID:36zY81J9o
魔王様が「君の煉罪を裁く!」とか「黒き霞となりて散れ!」とかやってくれるに違いない
乙!
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 21:00:16.27 ID:mn7cJ55IO
魔王様の厨二っぷりがたまらん
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/28(火) 22:11:22.85 ID:e0DPTmVBo
いいねいいね。男が無様に地を這う姿を見るのが楽しみだ。
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/29(水) 20:52:09.08 ID:3MVCZ3WIo
グリザイアでもやってんのか
383 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/01(木) 20:51:26.66 ID:kQ88oC8zo
仕事の関係で、明日投下させていただきます。最近立て続けに申し訳ございません。
次回の投下時から仕事に目処がついたので、2日ごとの投下に戻させていただきます。
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/01(木) 20:58:21.81 ID:wMg35Tcko
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 21:35:55.66 ID:Pl17PVjqo
目処ついたなんて期待!
386 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:15:51.52 ID:ztCBRk7Do
――

姉勇者「―― 予定は、あくまで予定ですから」

魔王「し、しかし。それではお姉さんが」

姉勇者「むしろ、危険なのは魔王様のほうです」

姉勇者「相手は勇者候補の中で一番の強さでしょう」

姉勇者「そんな相手に魔王様と会わせるわけにはいきません」
387 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:16:41.11 ID:ztCBRk7Do

魔王「だ、だがっ、それはお姉さんも同じでは」

姉勇者「私は、あの人の娘ですから」

姉勇者「それに魔物をみただけで殺してしまうような相手なんです」

姉勇者「暴れ出す前にこちらが手を出せば、勝てない相手ではありません」

姉勇者「ですので私が一騎打ちするという形が一番勝算のある方法でしょう」

388 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:17:56.85 ID:ztCBRk7Do

魔王「……」

姉勇者「分かって、魔王様。私だっていじわるをしたくて、この様なことを言っているわけじゃないの」

魔王「でっ、ですが……その……」

姉勇者「お願い。私の言うことを聞いて」

魔王「う……」

姉勇者「勝てないと分かったら、すぐに貴方を呼びますから」
389 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:18:28.43 ID:ztCBRk7Do

姉勇者「だから、お願い」

魔王「……」

姉勇者「……ね?」

魔王「わ、分かりました……無理はしないで下さい」

姉勇者(案外、チョロいのね……)

姉勇者「ありがとうございます、魔王様」
390 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:18:54.34 ID:ztCBRk7Do

タタタッ

警備員E「いっそ特攻だ! しn」バーン

バタンッ

姉勇者(なんにせよ、魔王様と父を会わせるのは危険よね)

姉勇者(それが回避できただけでも、儲けものだった……)

姉勇者(それにこんなザコしかいないなんておかしいもの)

姉勇者(今、多数の勇者候補に会わせるわけにもいかないし、何よりあの人が……あの男が……)

姉勇者(……)ブル

391 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:19:22.79 ID:ztCBRk7Do

――

武器庫前


姉勇者「開錠しました。では魔王様、ここは任せましたよ」

魔王「わかりました。お姉さんも気をつけて」

姉勇者「はい」

タタタッ

魔王「……」

魔王「どうやってあけるんだ、これ」
392 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:19:48.99 ID:ztCBRk7Do

魔王「このボタンか」ピ

プシュー…

魔王「……開いた」

魔王「近未来だな……」

スタスタ…

魔王「……」キョロキョロ

魔王「武器は……俺達が使っているのとほぼ同じか」

393 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:20:15.17 ID:ztCBRk7Do

魔王「……しかし剣よりも銃のほうが多いな」

魔王「……。だけど、魔物との戦いで銃……?」

魔王「お姉さんは利益がなんとかと言っていたが、人間にとって魔物はもう敵ではないのか?」

魔王「人と人との争い? そんなこと聞いたこともないぞ」

魔王「しかし、もし魔物が滅びたら……」

魔王「……父さんが死んだら」
394 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:20:40.78 ID:ztCBRk7Do

魔王「やめよう」

魔王「この武器を飛ばすことが最優先事項だ」

魔王「お姉さんはああ言っていたが……」

魔王「また自分を犠牲にしてしまうかもしれない」

魔王「さっさとやって追いかけよう」

魔王「――」
395 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:21:07.29 ID:ztCBRk7Do

――


タタタッ

姉勇者「……」タタッ

姉勇者(静か……ね)

姉勇者(この辺のフロアは従兄弟達がいつもいたような気がするのだけれど)

姉勇者(気配すら感じられない)

姉勇者「……」

姉勇者(不気味だわ……)
396 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:21:33.70 ID:ztCBRk7Do

タタッ……

姉勇者「……」

姉勇者(不気味っていうレベルじゃないわね。警備員もいないわ)

姉勇者(はめられた?)

姉勇者「……」スッ

姉勇者(でも、従兄弟達なら……こちらの銃でやれる)

タッ……タッ……

姉勇者「……」
397 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:21:59.90 ID:ztCBRk7Do

姉勇者「……」

姉勇者(監視カメラ……)

タ……タ……

姉勇者「……」

姉勇者(追われているわね。相手は私に気づいているのかしら)

姉勇者(……あれだけ派手に走ってきて、気づかないほうがおかしいのだけれど)カチ

398 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:22:30.84 ID:ztCBRk7Do

キュ

姉勇者「……!」

姉勇者(角の向こうに誰かいるわね)

姉勇者(……気づかれても出てこないって事は、なるほど……、不意打ちでも狙っているのね)

姉勇者(まったく……)

姉勇者「ねぇ、そこにいる貴方様」
399 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:22:55.86 ID:ztCBRk7Do

シーン…

姉勇者「……、貴方様も勇者なのでしょう?」

姉勇者「察するにこの銃が怖くて隠れているとみました」

姉勇者「私は勇者の端くれです。これでも勇者としての誇りを持っているつもりです」

姉勇者「人として、勇者として、一騎打ちを致しましょう」

姉勇者「私は勇者の誇りにかけて、けして貴方様を撃ちません」

姉勇者「互いに名乗りあい、正々堂々と戦いましょう」

400 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:23:21.74 ID:ztCBRk7Do

姉勇者「……」

スタ…スタ

F勇者1「……」

姉勇者「貴方様でしたか。お久しぶりです」

F勇者「姉も、久しn」

バン!!

F勇者1「な、……っ! うぐっ……」ボタ…ボタ…
401 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:31:57.10 ID:ztCBRk7Do

F勇者1「きさ……ま、勇者の……誇り……は……!」

姉勇者「んなもの、トイレに流して捨てました。騙されるほうが悪いんですよ、ばーか」

F勇者1「なっ、……う、うああァッ!!」

バタンッ…!

ガタッ…

姉勇者「……!」

姉勇者(魔力の流れが乱れた?)
402 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:32:17.87 ID:ztCBRk7Do

姉勇者(……ステルスの魔法か)

姉勇者(あれは未完成のまま放置していたはずだけれど……、勝手に誰かが完成させたのかしら)

姉勇者(……でも、馬鹿ね。魔力の流れまでは騙せていない)

姉勇者(ちゃんと神経を研ぎ澄ませば……)

姉勇者「……」ジー
403 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:32:44.05 ID:ztCBRk7Do

姉勇者(6人もいる……)

姉勇者(……アサシンにでも転職すればいいのに)

姉勇者(ま、場所が分かったらこっちのものね)

姉勇者(さようなら、誰かも分からない方々)

スッ

バンッ!バンッ!バンッ!!
404 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:33:10.09 ID:ztCBRk7Do

F勇者7「うぁっ……」

バタンッ

姉勇者「……」

姉勇者(魔力の流れも正常)

姉勇者(よし、いきまし――)

カチ

姉勇者「――!」
405 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:37:21.60 ID:ztCBRk7Do

バァンッ!

姉勇者「っ!? え、爆発?」

グイッ

姉勇者「えっ、きゃあっ!!」

バタンッ!!

グッ…

姉勇者「っ……ぁ……」ギリギリ

姉勇者(首、しめられ……っ、くるし……)
406 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:43:23.55 ID:ztCBRk7Do

ギリギリ

姉勇者「だ、……れっ……!」

男性「僕だよ、久しぶり、でもないね。こんにちは」

姉勇者「! ぃ……!」

男性「おっと、暴れないほうがいいよ。―― もっとも、暴れたところで僕に勝てる訳ないだろうけど」グイッ

姉勇者「……ひ……っ……」

407 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:47:07.12 ID:ztCBRk7Do

男性「君は……前々から思っていたけど、肝心なところで抜けているよね」

男性「ステルスを気づいたところは、まぁ、そこそこだとしても」

男性「でもちゃんと足元を見なくちゃ、何があるかわからないんだからさ」

姉勇者「ふっ……ぅ……っ」ジワ

男性「とりあえず1回死んでくれないかな。すぐ蘇生魔法で生き返させてあげるから」

ミシッ

姉勇者「あっ…………っ…………っ!」ピクッ
408 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:47:47.61 ID:ztCBRk7Do

男性「ほら、死んだほうが楽になるよ」

男性「ね。大丈夫、痛くない。痛くないよ」

姉勇者「っ……うぅっ……」

男性「……」ギリギリ

魔王「メラ!」

男性「!」バッ!
409 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:51:40.93 ID:ztCBRk7Do

魔王「甘い!」

ブンッ!

男性「……がぁっ!」メキッ

バタン

姉勇者「っ――! けほっ! ごほっげほっ!! はぁ、……! はぁ……ま、まお……」

魔王「お姉さん、大丈夫ですか!」

姉勇者「な、んとか……げほっ!!」

魔王「お姉さん……!」ハラハラ
410 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:52:43.12 ID:ztCBRk7Do

男性「げほっ! ……、君、君ね。魔物君、……不意打ちというのはいささかどうかと思うよ」

魔王「……き、貴様……! よくも俺の……お姉さんを」

男性「俺の? あぁ、君が、婚約者の」

魔王「……お姉さん、先に行ってください」

姉勇者「……」

魔王「お姉さん」

姉勇者「あなた……。わかりました」スクッ

男性「ん?」

タタタッ!

411 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:53:17.76 ID:ztCBRk7Do

男性「おやおや、君の婚約者逃げちゃったよ」

魔王「……」

男性「あの女、逃げ足だけは速いからね。昔からそうだった」

魔王「そこの男」

男性「ん、なんだい? やっぱり君もそう思うか?」

魔王「お前が、勇者でないのであれば、俺はお前を殺さない」

男性「……ほう」

魔王「もし違うのであれば、彼女を追わないのであれば、立ち去ってくれ」

男性「……」
412 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:55:35.59 ID:ztCBRk7Do

男性「君は、おかしい魔物だね」

男性「君の婚約者を殺そうとした相手を逃がすというのか?」

魔王「……ああ」

男性「ははっ、傑作だ。実に傑作だよ! 滑稽だ!」

男性「だが、残念だよ。僕は勇者の血を引き継ぐ、立派な勇者なんだ」

魔王「そうか」

男性「君が黙って引き下がる姿、見てみたかったな」

魔王(……一応、最初から勇者と分かっていたんだから)
413 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:59:20.50 ID:ztCBRk7Do

男性「まぁ、君も時間稼ぎをしたいのだろう」

男性「なら、ちょっと僕と話してみないか?」

魔王「……」

男性「君は、彼女の婚約者なんだよね?」

魔王「婚約……、ああ、そうだ」

男性「彼女の、どこに惚れたの?」

魔王「それを貴様に教える訳が思いつかんな」

男性「んん、やっぱり君はおかしいね」

414 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 21:59:53.96 ID:ztCBRk7Do

男性「性交はしていないとはいえ、自分好みに仕立て上げた女を気に入った男が目の前に現れたんだ」

男性「いったい僕のお古のどこが気に入ったのかなって。知りたくなるのは当然だろ?」

魔王「……」ピク

魔王「……なるほど」

男性「物分りが早くて助かるな。その辺は彼女にそっくりだね」

魔王「だとしても、貴様に教える道理などない」

男性「そういうところもそっくりだね。似ているから惚れたのかな?」
415 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 22:00:23.56 ID:ztCBRk7Do

魔王「これから死ぬ相手にわざわざ教えることでもない」

男性「なら、尚更だ。誰でも未練なくこの世を去りたいと思うのは当然だろう」

魔王「知らん、そちらの事情など知ったことではない」

男性「はぁ……、まったく魔物っていうのはどれもそうだ」

男性「どうも気品にかけているというか。僕好みではないな」

魔王「お前みたいな男に好かれなくて良かったよ」

男性「……」
416 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 22:01:08.93 ID:ztCBRk7Do

男性「……残念ながら、彼女は貰っていくよ」

男性「アレはまだ使い道があるんだ。使える物は最後まで使わないと、もったいない」

男性「君には彼女を使いこなせないようだからね」

男性「……君の階級がいったいどのくらいか知らないけど、今降伏するようなら部下にしてやってもいいよ」

魔王「断る」

男性「……魔物風情が。後悔するなよ」

魔王「いいからさっさとかかって来い。そのキレイな顔をぶっ飛ばしてやる――!」
417 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 22:01:37.14 ID:ztCBRk7Do

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の投下は3日後の午後9時頃からです。よろしくお願いします。
418 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/02(金) 22:02:22.83 ID:ztCBRk7Do
すいません、3日後ではなく2日後の午後9時からです。
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/03/02(金) 22:16:14.73 ID:fzkG6PpAO
乙。
そのキレイな顔〜の件wwww


はやく汚い華を咲かせろ下さい。
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/02(金) 22:18:29.27 ID:pUi+akoP0
乙ですー
魔王がんばれ、でも「そのキレイな(ry」は正直負けフラグだと思うんだww
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/03/02(金) 22:21:15.18 ID:U10jP2kq0
乙〜
>>418コピペ疑惑浮上wwww
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/02(金) 22:41:11.53 ID:Siz3IAAbo
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/02(金) 22:52:13.64 ID:HJ60gsuco

魔王覚醒クルー?
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/03(土) 00:05:00.94 ID:UAiguqyFo
綺麗な顔くそわろたwwww
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/03/03(土) 00:46:40.96 ID:9i66JP7fo
魔王さま……こんなにご立派になられて……
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 22:41:44.28 ID:uOyxFNmho
男性、なんと悪役ちっくな
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/04(日) 00:00:15.67 ID:+jrsq6rSo
今日かwktk
428 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:10:21.81 ID:Nfcy2fVho
――


タタタッ

姉勇者「っ…………」

タ…

姉勇者「はぁ……はぁ……」

姉勇者「ふーっ……」

姉勇者「……」

姉勇者(なんとかたどり着いた、わね)
429 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:10:58.58 ID:Nfcy2fVho

姉勇者(あとは開錠するためのパスワードを入力すれば……父の部屋に)

姉勇者(……パスワードは、アレであっているのかしら)

姉勇者(武器庫のパスワードは……そのままだったけれど)

姉勇者「……」

姉勇者(間違っていたら爆破すればいいのだから、気楽にやっちゃおう)
430 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:13:32.16 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「……」ピ、ピ……ピピ…

姉勇者(―― それで、最後に……私の誕生日を)ピ、ピ…

ピー

姉勇者「……! 開錠、された」

姉勇者「……」

姉勇者(どうして……?)

431 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:16:26.71 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

姉勇者(なんであれ、行かないと)

姉勇者(私がここで戸惑っていたら、魔王様は……)

姉勇者「……行きましょう」

432 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:22:09.18 ID:Nfcy2fVho

――


タッタッタ…

父「…………ほう」

姉勇者「お久しゅう御座います、お父様」

父「……奴らも役に立たないな。殺してきたのだろう」

姉勇者「いえ」

父「……ふん。相変わらずあの変な銃を使っているのか」

父「情けない」

姉勇者「お父様、私はこのようなことを言われるために参ったわけではありません」
433 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:24:25.32 ID:Nfcy2fVho

父「言ってみろ」

姉勇者「私、結婚するんです」

姉勇者「ですので、婚姻届に印をお願いいたします」

父「……」

父「ははっ……! ははははっ!!」

父「たかが婚姻届に印を押してもらうだけの為に、一族を皆殺しと来たか!!」

父「その心意気やよし! いいだろう、いくらでも押してやろうじゃないか」

姉勇者「ありがとうございます」
434 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:27:09.20 ID:Nfcy2fVho

父「……」

姉勇者「……」

父「これで良いか?」ペラ

姉勇者「――、はい。ありがとうございます。確かに受け取りました」

父「……して、これで去るのか」

姉勇者「……。いいえ」キッ

父「だろうな」
435 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:27:33.84 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「抗うというのであれば剣をおとり下さい。銃でも構いません」

父「実の父親を殺すと言うのか」

姉勇者「殺すのではありません」

父「いや、それは“殺し”だ」

父「確かに、法では裁かれないものであろう。しかし本質は変わらん」
436 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:28:00.05 ID:Nfcy2fVho

父「―― その上で聞く。お前は父親を殺めるのか」

姉勇者「……」

姉勇者「……死ぬか、死なないかはお父様次第です」

姉勇者「私はただ引き金を引くだけ」

姉勇者「私は信じております。必ず、お父様は生き残るという事を」

父「なら、何ゆえ撃つ」
437 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:28:23.56 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「お父様を愛しているからです」

父「……」

姉勇者「生き延びてください、お父様」キッ

父「…………」

バンッ!

父「――っ!」ドクン!

438 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:28:50.16 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「……」

父「ふ、ふははっ……はは!!」

父「これを、……たえ、ろと言うのか!!」

姉勇者「…………」

父「甘い、甘いぞっ、娘よ!!」ボタ…ボタ…

父「私は、……俺は、強い人間ではない!」

姉勇者「っ……」
439 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:29:23.43 ID:Nfcy2fVho

父「貴様と、同じよ……ぉお……!」シャキ…

姉勇者「おと、うさ……」

父「貴様に、俺の首をくれて、やろう……」

姉勇者「そんな……お父様……。嫌です、私、そんな……」ブルブル

父「はは、はははは、はははははっ!!」グッ

ブシュッ!

440 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:29:44.99 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「――っ! お、お父様ぁ!!」

父「――」

バタンッ

姉勇者「……お父様」

姉勇者「……どうして……」

441 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:30:10.96 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「…………ぅ……」

キュ…

姉勇者「!」バッ

母「……」
442 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:30:43.77 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「お母様……」

母「姉……」

姉勇者「……」グッ

姉勇者「……」スタスタ
443 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:31:15.08 ID:Nfcy2fVho

母「ま、待って! 違うの! 私の話を聞いて頂戴!」

母「あの人は、あなたのお父様は――」

姉勇者「知っていますよ」

母「――!」
444 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:31:36.17 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「お父様なりに、私たちのことを愛してくださっていたことは……知っています」

姉勇者「昔は恨みもしましたが、今は何も……」

姉勇者「むしろ、愛しているんです。大好きです、お父様のことも、お母様のことも」

母「なら、なんでこんなこと……」

姉勇者「私がそういう人間だったから、としか言いようがありません」クルッ
445 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:32:07.91 ID:Nfcy2fVho

母「……っ」ビクッ

姉勇者「お母様が一番知っているのではなくて?」

母「……虫を殺したこと、根に持っていたの……?」

姉勇者「ええ、そうです」

母「……なんで、そんな馬鹿らしいことで……」

姉勇者「……」
446 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:32:47.28 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「病気、なんではないでしょうか」

姉勇者「一種の精神病といいますか、……。それか厨二病が悪化したか」

姉勇者「なんにせよ、檻の中にいたほうが良かったのでしょうね」

母「……っ……うっ……」ブルブル

姉勇者「でも、貴方様も、お父様も。私を普通だと信じて育ててくれた」

姉勇者「感謝しています。できることなら、来世でも貴方様方の子供として産まれたいぐらい」
447 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:33:12.80 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「……お母様、これから先はお好きなように生きてください」

姉勇者「妹も、父も、きっとそれを望んでいるでしょう」

母「……うぅ……っ……」ポロポロ

姉勇者「ここまで育ててくれてありがとう。それでは――、さようならお母様」

母「っ! ……だめ、駄目よ!」サッ

スライム「ちょっとお母さん痛いよ! 離してよ!」ピギー

姉勇者「……? スライム……?」
448 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:33:39.42 ID:Nfcy2fVho

母「殺すわ」

姉勇者「なっ……!」

スライム「ちょ、ま、待って! いったい僕達が何をしたっていうんだ」ピギー

母「あなたの目の前で。このスライムを」

姉勇者「お母様……それは……どういう……」

スライム「あれか、僕のデザインの3DSで限定パッケージがでるから僻んでいるのか!」ピギピギ!

スライム「ちくしょー! 僕達にだって人権……モン権があるんだー! 離せー! モンスター愛護団体に訴えてやるー!」ピギー!
449 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:34:10.91 ID:Nfcy2fVho

母「あの人もいない、子もいない。そんな世の中でどう生きていけばいいの」

母「なら、一思いに死んだほうがマシよ」

姉勇者「……っ」

母「殺して、くれるわよね」
450 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:34:37.10 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「お母様、おやめください。私は、お母様を……」

母「あの人を殺せたんだから、私も!」バシュッ!

スライム「」

バタンッ

姉勇者「お母様!! い、いやァッ!」キッ

バンッ!

451 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:35:03.07 ID:Nfcy2fVho

母「」

姉勇者「……あ……あ……」ヘタン

姉勇者「お母様……どうして……」

父「」

姉勇者「……お父様……お母様……」

姉勇者「どうして、死んでしまうのですか……」

452 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:35:29.11 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「う、うぅっ……っ……」ポロポロ…

姉勇者「おとうさまぁ……おかあさま……っ……」

姉勇者「う、うっ……ぅっ……あぁぁ……っ…………」
453 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:35:59.44 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「あぁっ……あぁぁ……あ、……っぅ……あ、……は……」

姉勇者「ははっ、……あはは……ははははっ! はははははは!!」

姉勇者「ははハハハッ! ハハハハハハハハッ!!」

姉勇者「ゲェァァァーハハハハハハハッ!!!」

454 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:36:30.37 ID:Nfcy2fVho

――――
――


スタスタ

姉勇者「……」

姉勇者「これが、天空の剣、ね」

姉勇者「お父様のいうことが確かなのであれば、勇者にしか持てないらしいけど」グッ

姉勇者「……、持てる、わね」

姉勇者「で、でも、お、重っ……。振り回して戦えってのは少し無理があるわ」
455 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:36:54.45 ID:Nfcy2fVho

姉勇者「もし、これを魔王様が持つことができたら……」

姉勇者「……」

姉勇者「まぁ、もういいか。魔王様が勇者であれ、なんであれ、魔王様は魔王なのだから」

姉勇者「ルーラ」ビュン

姉勇者「……よし、飛ばしたところで、行きましょうか」
456 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:38:10.48 ID:Nfcy2fVho

スタスタ…

姉勇者「……」

姉勇者「…………」チラ

両親「」

姉勇者「ふふ、……さようなら。お父様、お母様」

姉勇者「もう二度と会うことはないでしょう。精々、地獄で余生をお楽しみ下さいませ」

姉勇者「私は、私の“夢”を叶えますから」
457 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/04(日) 21:39:28.38 ID:Nfcy2fVho

ここまで読んでいただきありがとうございます。

別に姉勇者はメンヘラなわけでもヤンデレなわけでもない、ですよ。多分。

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
今度はちゃんと魔王戦います。
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/03/04(日) 21:58:48.10 ID:hxcBaVlp0
姉が壊れた・・・
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/03/04(日) 22:02:11.20 ID:6J8J8uaAO
>>458
いや、壊れたのはスライムだ(物理的に)
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2012/03/04(日) 22:19:49.40 ID:oVEDGk3Lo
スライム...(´;ω;`)ブワッ
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/04(日) 22:40:18.62 ID:ZfB5LvvJo
結構大詰めなのだろうか
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 22:49:32.65 ID:mE+ev3S3o
限定パッケージのせいか…
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 23:08:00.11 ID:bs3NGfx+o
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/05(月) 01:50:45.45 ID:7enmYG1Bo
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/05(月) 02:04:55.29 ID:P6Ewb6Xmo
メタるスライムか
限定パッケージがなにかは知らないが出るの?

それにしてもゲェァァハハハはいくら何でもないわぁ……ww
誰かに聞かれたらそういう雰囲気じゃないと分かりつつも内心引かれるぞww
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/05(月) 04:49:04.44 ID:iL66tz+Jo
今にも打ち切りになりそうな流れだったな
467 :たわし ◆TAWaSIT2OA [sage]:2012/03/05(月) 20:40:57.42 ID:G342+P0IO
イェス!
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/06(火) 09:15:36.37 ID:LMthU8QXo
ゲェァァァーハハハハハハハッ!
469 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:12:17.19 ID:NgwWSslfo

――


魔王「げふっ!」ズサササッ

ガンッ

魔王「ひぎぃ!」

男性「……君さ、ふざけてるの?」

魔王「! ふざけてなど――」

男性「ならさ、さっきからなんでそうへっぴり腰なのかな?」

魔王「っ……」
470 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:19:17.77 ID:NgwWSslfo

魔王(カード、まさかここまでの効果だったとは……)

魔王(予想外、すぎる)

魔王「ふんっ!」ブンッ

男性「なにその遅い攻撃、舐めてるの?」ガッ

魔王「っ……!」

魔王(拳ひとつ振り下げるだけでも……、ここまで速さが落ちるとは……!)
471 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:24:39.87 ID:NgwWSslfo

男性「手加減なら無用だよ。こうみえて、結構鍛えてるんだ」

魔王「……」

魔王「お前は……、剣士なんだろう?」

魔王「どうして、剣を使わない」

男性「……」

男性「君達、魔物と僕たちでは思考が違うのさ」

魔王「は……?」
472 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:26:14.97 ID:NgwWSslfo

男性「君は丸腰だ」

男性「そして知能も……そこそこある」

男性「丸腰相手に剣を持って戦うなんて、無粋だろう?」

男性「同じ武器で戦って勝ってこそ、強者なんじゃないのかな」

魔王「……」

魔王「確かに、お前の考えは理解できん」
473 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:26:44.01 ID:NgwWSslfo

男性「魔物は勝てばいいんだよね。クールさがないというか、品がないというか……」

男性「ま、だけど、相手の心配をする点は……君も人間らしいところがあるんだね」

男性「……いや、君は実に人間らしい。僕がみてきた魔物の中では1番ね」

男性「よく、生き残れていたよ」ギリギリ…

魔王「ぐ……ぅ……」ブンッ!

バァンッ!

パラパラ…

魔王(はずした……)
474 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:27:10.08 ID:NgwWSslfo

男性「……振り落とすことしかできないのかな?」

魔王「っ……」

魔王(魔術も……何もかも、出したとしても避けられる)

魔王(当たれば大打撃を与えられるのに)

魔王(俺は……俺は、パワータイプだったのか……!)

魔王(……くそっ……! 俺には、情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ!そしてなにより)

魔王(速さが足りないッ!!)

475 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:27:36.24 ID:NgwWSslfo

男性「いや……、違うね」

男性「他の技で攻撃しても、避けられると分かっているのか?」

魔王「ちがう!」

魔王(こいつ、頭いい……!)

476 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:28:02.47 ID:NgwWSslfo

男性「それとも油断させようとしている? ……分かった。分かったよ」

男性「ここまで一方的な戦いじゃ、僕もつまらないからね」

男性「多少、雑談を交えようか」

魔王(今までだって交えたじゃないか……)
477 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:28:28.70 ID:NgwWSslfo

男性「君がやる気を出しそうな話題……そうだな、彼女について話そうか」

魔王「! メラッ!」ボォッ!

男性「ふん」

バッ

シュゥウ……

魔王「!?」

魔王(な、なんだ今のは……。一瞬にして炎が消えたぞ……)

魔王(これが……お姉さんが言っていた、新しい術……)
478 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:28:56.13 ID:NgwWSslfo

男性「話し終わるまで、僕は攻撃しないよ。それまでに、まぁ……がんばるんだな」

魔王「悪役のようなことを……!」ブンッ!

サッ

魔王「っ!」

男性「はぁ……、悪役なのは君のほうでしょ。誰がどうみても、魔物は悪役の立場でしょうが」

魔王「くそっ!」ボォンッ!

ササッ

男性「……話、するからね」

魔王「……っ!」ギリ…
479 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:29:22.20 ID:NgwWSslfo

男性「彼女に出会ったのは……まだ僕も彼女も小さかった頃かな」

魔王「バギ!」

男性「……」

サッ

シュゥウ…

魔王「くっ……これも駄目か……!」

男性「彼女が婚約者になる、……多分、君も知っているとは思うけど、表向きね。それから彼女に付きまとわれる日々が続いたよ」

男性「いや……付きまとわれる、ってのは少し言いすぎか。前以上に話しかけてくるようになったんだ」
480 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:29:53.35 ID:NgwWSslfo

魔王「だほが!」ブンッ!

サッ

ズササササッ

ガンッ!

魔王「いっうっ……」

男性「……まぁ、はじめのうちは酷かったかな。男と話しなれていないというか、接し方が分かっていないというか」

男性「彼女、弁当を僕に作ってくれたことがあったんだけど、それが酷い味でねぇ……」
481 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:30:15.73 ID:NgwWSslfo

魔王「……」ギリ…

男性「まぁ、今まで一度も料理なんて作ったことなかったんだろうね。目の前で捨てたら、もーおお泣きでさ」

男性「それから、少しずつ料理うまくなっていったんだけど。君も食べたことある? 彼女の手料理?」

男性「もし、おいしくできてたら、それ僕のおかげだからね」

魔王「う、うおおおおォッ!」バサッ!
482 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:30:41.91 ID:NgwWSslfo

男性「――」

サッ

ゲシッ!

魔王「っうぐっ!?」

ズササッ――!

男性「あぁ、ごめん。ちょっと邪魔だから蹴っちゃった」

魔王「く、ぅっ……」ボロ…
483 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:31:08.27 ID:NgwWSslfo

男性「それで――」

魔王「っ……ぅ……!」グッ…

魔王(くそっ……まったく歯が立たない……!)

魔王(カードが、カードさえあれば……!)

魔王(畜生……。……)ググッ…

魔王「うっ……」

バタンッ…

魔王(もう立つ力が……)
484 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:31:34.81 ID:NgwWSslfo

魔王(いや……駄目だ、立て……! 立つんだ俺!!)

魔王(ここで負けたら、お姉さんが……側近が……妹が……)グ…

魔王「ぐ……お、おお……」グググッ…

男性「……」

男性「君さ、自分のこと主人公か何かと勘違いしてるんじゃない?」

魔王「…………」
485 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:32:00.61 ID:NgwWSslfo

男性「普通に、普通に考えてみてよ」

男性「君は魔物。しかも……経験値稼ぎにしかならないようなザコモンスター」

男性「そして、僕は勇者」

男性「分かるこの差? 仮に君が魔王だったとしても、魔王は勇者に敗れる運命なんだよ」

男性「それなのにがんばる必要なんてないだろ?」

魔王「……お前には……わからん……」ググッ…
486 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:32:27.28 ID:NgwWSslfo

男性「普通に、普通に考えてみてよ」

男性「君は魔物。しかも……経験値稼ぎにしかならないようなザコモンスター」

男性「そして、僕は勇者」

男性「分かるこの差? 仮に君が魔王だったとしても、魔王は勇者に敗れる運命なんだよ」

男性「それなのにがんばる必要なんてないだろ?」

魔王「……お前には……わからん……」ググッ…

487 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:32:55.18 ID:NgwWSslfo

スク…

魔王(よし、立てた……)

魔王(へへっ……足がぷるぷるスライム状態だぜ……!)

男性「ああ、わからないさ。魔物なんざの考えはね」

男性「あの女のためか?」

魔王「……」

男性「正義のヒーローになったつもりかい? 人を救うなんて魔物ができるはずがない」

魔王「……違う……」
488 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:33:22.84 ID:NgwWSslfo

男性「違う、どう違うっていうんだい?」

男性「あの女を苦しめている僕を殺して、幸せにしてやりたいんだろ」

魔王「……違う、そんな理由でお前と戦っているわけじゃない!」

男性「なら、何故?」


魔王「お姉さんとセックスしたいからだ!!」ドンッ!


男性「は?」
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/06(火) 21:35:39.00 ID:Ll78PxVdo
さすが魔王や
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/06(火) 21:38:08.46 ID:sIoRNZmlo
熱い展開を期待した俺が馬鹿だった
しかしさすが魔王さん、歪みネェ
491 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:38:09.09 ID:NgwWSslfo

魔王「ち、ちちち、違う、間違えた! 今のなし! お姉さんは俺の嫁だからだ!」

男性「……」

魔王「違うって!」

男性「……はぁ」

魔王「本当に違うんだって! いい間違えただけなんだって!!」

男性「……まぁいいよ。魔物にそんなこと聞いた僕が馬鹿だっただけだから」

魔王(死にたい……)

492 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:50:16.94 ID:NgwWSslfo

男性「分かった、充分理解できたよ」

男性「君は、やはりここで死ぬべきだ」グッ…

魔王「……!」

魔王(どうすればいい……)

魔王(カードなしで……俺は……)グッ

493 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:53:46.67 ID:NgwWSslfo

魔王(お姉さん……)

魔王「……」

魔王(……。…………待て)

魔王(……待てよ、カードは努力値を捨てるものだと、言っていたな……)

魔王(良いところは捨てられ、悪いところは補足される……)

魔王(催眠状態……)
494 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:54:12.76 ID:NgwWSslfo

魔王(……)

魔王(難しいことを考えるな、つまりそれって……)

男性「何、黙ってるんだい? 君がこないんだったら、僕からいくよ」シュッ

魔王「っ……」

魔王(焦るな、ちゃんと目であいつを捉えるんだ)

タタタッ…

魔王(今までの癖からいって、あいつは右から攻撃してくる)

魔王(落ち着け、クールになれ。相手の攻撃は見える)

魔王(……!)
495 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:55:01.98 ID:NgwWSslfo

サッ… 

魔王「っ!」ブンッ

男性「――」

魔王(こいつは避ける。左に避ける)

魔王(カードなんてなかった、カードなんて。だから、俺は、足を!)ブンッ

メキッ

男性「――っがっ!!」

バササッ―!!

男性「……っ、……、が……は……」プルプル…

魔王「……やはり」
496 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:56:09.81 ID:NgwWSslfo

魔王(カードによる催眠)

魔王(難しいことはよくわからないが、格闘ゲームでいう初心者モード。なんとか防衛軍でいう自動照準合わせ……)

魔王(それが無くなったということは、今まで出さなくても、勝手に足が出ていたところが出なくなった)

魔王(つまり、それは……)

魔王(自由になったということ)
497 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:56:37.16 ID:NgwWSslfo

魔王(よし、大丈夫だ。問題ない)

魔王(慣れさえすれば、むしろこっちのほうが都合がいい)

魔王「……どうした、これで終わりか。勇者くん」

男性「……こ、の……」ブル…

男性「か……はぁ……、あぁ、甘くみてたよ」

男性「でもね、こんなのが何度も通用するとは思わないほうがいい」

男性「だって僕は――」

魔王「――」ズサッ
498 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 21:57:34.81 ID:NgwWSslfo

男性「なっ……くっ」ササッ

魔王「メラ!」

ボウッ!

男性「! マホ」

魔王「甘いぞ、イケメン!」

ブンッ!

男性「あっぁ!」ドタッ…!

499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/06(火) 21:59:06.31 ID:sBmyYInRo
テクニカルモードにしたら偏差射撃も流し撃ちもできるようになりました!
500 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 22:00:35.26 ID:NgwWSslfo

男性「……ぐぅ、このっ!」

バンッ!

魔王「っ!」ズシッ

魔王(耐えろ、俺は耐久性だけはあるはずだ……)グググッ

魔王(むしろこの攻撃を、相手に)

魔王「おおおおぉおおっ!!」ズシッ!

男性「んぎぁあァッ!?」

ズササッ!

バタッ…
501 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 22:01:37.52 ID:NgwWSslfo

魔王「……」

魔王「身体が軽い……」

男性「っ……が……」ポタポタ

魔王「こんな幸せな気持ちで戦うなんてはじめて……」

男性「な、なにを……げほっ!」ベチャッ…

魔王「もう何も怖くない!!」

502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/06(火) 22:02:31.07 ID:lP+UsvZmo
待て、それは死亡フラグだwwwwwwww
503 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 22:04:51.06 ID:NgwWSslfo

男性「……」ググッ

魔王「立てよ」

男性「いっ……なくても……っ!」ググッ

魔王「お前がそこまで深手を負ったのは、3つ原因がある」

魔王「1つは、俺に時間を与えたこと」

魔王「1つは、お姉さんを手放したこと」

魔王「そして、もう1つは」

魔王「魔物を侮ったからだ! 勇者だがなんだか知らんが、魔物を愚弄することは断じて許さん!!」

504 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/06(火) 22:06:13.28 ID:NgwWSslfo

ここまで読んでいただきありがとうございます。

らくがきで申し訳ないのですが、ゲェァ……姉勇者をかいてみました。
http://iup.2ch-library.com/i/i0581781-1331039078.jpg

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/06(火) 22:10:56.79 ID:sIoRNZmlo

          ____
        /ノ   ヽ、_\
      /( ○)}liil{(○)\        
     /    (__人__)   \        
     |   ヽ |!!il|!|!l| /   |        お姉さんとセックスしたいからだ!!
     \    |ェェェェ|    ./l!| !       
     /     `ー'    .\ |i         
   /          ヽ !l ヽi        
   (   丶- 、       しE |そ 
    `ー、_ノ         l、E ノ <
               レY^V^ヽl ドンッ!


読み返してたらこのAAが何故か浮かんだ
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/03/06(火) 22:12:04.55 ID:RcQN80JAO
乙。
はやくキレイな華を咲かせておくれ。
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/06(火) 22:29:51.05 ID:dJ1uY6BV0

私はスライムになりたい
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/06(火) 23:38:00.27 ID:9FPlqLIAo
スライムの野郎、いい面してやがるぜ・・・
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 23:42:56.66 ID:BMPJoE3IO
これがスライムの死ぬ前の顔か……
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/07(水) 00:41:33.69 ID:BpfrneMNo
黒ストイイ
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/07(水) 01:09:11.86 ID:vVHOioIf0
乙ですー
マニュアル操作になった魔王かっけー
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/03/07(水) 03:38:09.71 ID:dcMjuf7AO
さすが魔王!イケメンになっても魔王は魔王!
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 07:41:25.50 ID:CbP+20mIO
煩悩てんこ盛りの安定の魔王様wwwwww

しかも、ひぎぃとかワロタww
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/07(水) 23:45:15.22 ID:LuWKkki3o
>>504
再うpを!
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 00:12:35.87 ID:aObC5n4Jo
く、消えるの早い・・・
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 06:38:14.31 ID:fbZlXdp0o
やっぱり大魔王様は大魔王様だねwwww
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 08:36:14.90 ID:LHqRSXjBo
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/08(木) 15:00:56.90 ID:CWEsuZpUo
もうここ最近のろまりまくってるwww
519 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:20:57.66 ID:OdMarmseo

魔王「……」ドヤッ

男性「く……そっ……」ガクガク…

男性(こいつ、調子に乗りやがって……僕を誰だと思っているんだ!)

男性(……まぁ、……いい)

男性(どの道、こいつには勝ち目がない……)
520 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:21:41.11 ID:OdMarmseo

魔王「ほら、立て!」

バンッ!

男性「っ!」

バタンッ…

男性「ハァ……ハァッ! ハァ……げふっ!」ボタタッ…

男性(カードによる催眠……)

男性(……魔物は勇者を、殺すことができない)

男性(それは人もまた同じ。人は魔王を殺すことができない)
521 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:22:09.58 ID:OdMarmseo

男性(やらしい制限だが……これのおかげで、俺は今まで生き延びてこられたんだ)

男性(奴がカードを持っている限り、俺は勝つことができる!)ギロ…

魔王「……」

魔王(意味有りげな笑いをしよって……。まだ何か手があるのか?)

魔王(剣を使うにしろ、あんな大ダメージを負っているのだから、恐れるに足らん)

魔王(……回復か)
522 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:22:46.54 ID:OdMarmseo

魔王(しかしあいつは勇者。……ズルを使って勝とうとは思わんはず)

魔王(そもそも回復をしているところに、飛び込んでこられてはたまったものではないからな)

魔王(戦い慣れした奴なら、そんな馬鹿なことをするはずがないのだが……)

魔王(実際に今まで戦ってきた勇者候補は、ほとんど回復呪文を使わなかったし)

523 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:27:36.41 ID:OdMarmseo

男性「……」ヨロヨロ

魔王「よく立ったな」

男性「黙れ……」

魔王「俺の攻撃を2発以上受けて、立っていられたのはお前で……」

魔王(……何人だっけ? やべぇ、ド忘れした……)

魔王「まぁ……いい。流石、勇者と言ったところか」

男性「黙れといっている……!」
524 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:28:02.47 ID:OdMarmseo

魔王「褒めているんだ。虚勢を張らなくてもいい」

男性「魔物の癖に……生意気な。僕は勇者だぞ!!」

男性「お前よりずっと偉くて、強くて、かしこいんだ!」

魔王「お前は子供か……」

男性「うるさい!」

魔王(こういうところが女性受けするんだろうか)


525 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:28:28.90 ID:OdMarmseo

男性「お前なんて……」グッ

シャキ…

魔王「剣を抜くか」

男性「遊びは終わりだ、魔物」フラフラ

魔王「……」

魔王(だいぶ奴も限界だな……)

魔王(そろそろ決めてやらんと可哀想だろう)
526 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:29:03.95 ID:OdMarmseo

魔王(だが、相手は剣で俺は素手)

魔王(分が悪いってレベルじゃない。正直、剣怖い)

魔王(でもここで仕掛けなければ。奴も俺の動きに気づいている)

魔王(これ以上動きを読まれれば……)

魔王「……」グググッ…

魔王(力の加減がだんだん分かってきた)

魔王(……いける)
527 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:29:25.21 ID:OdMarmseo

男性「……」フラッ

魔 王  「    」

ユラユラ

男性(くそ……目の前が……)

男性(しっかりしろ。僕は……エリートなんだ)

男性(今までと同じ。こんなの授業と同じようなものさ)

男性(…………思い出せ。今までの経験を)

男性「……」グッ
528 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:29:53.06 ID:OdMarmseo

魔王「……」

男性「……」スゥ…

タッタタッ!

魔王(奴、先ほどよりも重心が右にずれている)

魔王(あ、今度は左。安定していないな。やはり体力の限界か)

男性「!」シュッ!
529 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:30:21.81 ID:OdMarmseo

サッ

魔王「――!」

魔王(よし、避けれた。このまま、奴の)

男性「馬鹿め!」サッ

魔王「っ!?」

グサッ!!
530 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:30:48.25 ID:OdMarmseo

グリッ…

魔王「ぐ……ぅ……!?」ボタ…

魔王(左手にナイフ、だとぉ……! こ、こいつ……)

男性「ふふっ……ふふっ!」グッ

フッ!
531 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:31:17.15 ID:OdMarmseo

魔王「!」

魔王「痛みに気を取られては駄目だ。次の攻撃が――」

魔王(……、いや……)

男性「のやろう! 死ね!!」

シュッ

ズシャッ!

男性「―― なっ!」
532 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:31:45.73 ID:OdMarmseo

ベチャッ!

魔王「……ふ、はは……」ボタボタ…!

男性「こいつ……」

男性(あえて、攻撃を……いや、それより……!)

魔王「右腕くらいくれてやらぁ! さらばだ、勇者!!」グッ

バァァンッ!!

男性「――」メギィッ!
533 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:32:18.10 ID:OdMarmseo

男性「カ……ハッ……!?」

ガランガランッ…!

魔王「ハァ……う、ハァ……」ボタボタ…

男性「う……」バタンッ

魔王「……」ググッ

魔王「…………勝負、あったな」

男性「……」

魔王「その顔は……納得していないようだな」
534 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:36:35.15 ID:OdMarmseo

男性「……っ……う……」

男性(何故……、何故僕が負ける……!)

男性(たかが魔物であるお前に! 勇者の僕が!!)

魔王「……」

魔王「お姉さんから、昨日聞いたのだが……」

魔王「カードには制限というのがあるんだろう?」

男性「――!」
535 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:40:17.71 ID:OdMarmseo

魔王「何故そうしたのかよくわからんが、人・勇者は魔王を殺さないように。魔物・魔王は勇者を殺さないように。カードで暗示をかけているとか」

男性「……っ……ぅ……ぁ……さか……」

魔王「ああ。俺のカードはぶっこわして、もうないんだ」

男性「――っ……」

魔王「だから、お前を俺は殺すことができる」

男性「……」ギリギリ……
536 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:40:48.10 ID:OdMarmseo

魔王「それにな、イケメン。むしろ、勝ち目がなかったのはお前なんだ」

男性「……? ……ぉ……」

魔王「お前からみて、俺はいったいどんな魔物だとおもう?」

男性「…………」

魔王「難しい質問か。そうだな」

魔王「俺は、魔王なんだ」

男性「――!?」
537 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:41:15.55 ID:OdMarmseo

男性「ぉ……えが……おう!?」

魔王「だから先ほどのお前の攻撃。お前が思っていたよりも右にずれた」

魔王「もしその補正がなかったら、確実に俺は致命傷を与えられていただろうよ」

男性「……っ……ぅ……」

魔王「身をもって体験したことだ。納得はともかくとして、理解はしただろう」スクッ…

538 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:41:43.22 ID:OdMarmseo

スタスタ

魔王「……」

男性「……」

魔王「もしお前が勇者ではなかったら……。お前を逃がしていた」

魔王「しかし、……それはできない。分かっているな?」

男性「ぐ! ……ぅ……ぅっ……」

男性「……ひ……っ……ぅ……」ポロポロ
539 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:42:28.56 ID:OdMarmseo

魔王「泣いても駄目だ。お前の剣、借りるぞ」シャキ…

男性「ぅ……! ……っ!」

魔王「死ぬのは怖いか。安心しろ、地獄よりは怖くはない」

男性「っ……れが……だら……あの……子はっ!!」

魔王「……あの子……。あぁ、妹のことか」

男性「……へ……へへっ……っ……」コクリコクリ

魔王「……」グ…
540 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:48:47.80 ID:OdMarmseo

男性「……」キラキラ

魔王「……」

魔王「…………」

魔王「……なんてな」

男性「!?」

魔王「そんな甘い覚悟で魔王やっていませんので」グッ
541 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:49:20.58 ID:OdMarmseo

男性「ひっ……ひ……! ひ……!」

魔王「子供をダシに使うとは、とことん卑劣な奴だな。―― 死ね!」

男性「ひっ!」

ガコンッ!

ボト……

男性「……」パクパk……
542 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:49:51.35 ID:OdMarmseo

魔王「……」

ビチャ…

魔王「きたねぇ花火だぜ……」

魔王「……」

魔王(しかし……、いや、そういうことは考えるな)

魔王(いつもと同じ。俺は勇者を殺した。ただ、それだけだ)
543 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:50:15.52 ID:OdMarmseo

魔王「……」

魔王「…………」

魔王(それよりも、お姉さんをおいかけ……)

タタタッ

魔王「!」

魔王「誰かがくる……?」

魔王「……っ……、しかし、この状態で2戦目は辛いってレベルじ――」

タタタッ! タッ!

姉勇者「まおうさ…… ひやぁっ!?」ビクッ

魔王「お姉さん!!」キラキラ
544 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:52:46.03 ID:OdMarmseo

姉勇者「魔王様、その傷……。だ、大丈夫、じゃないですよね。今すぐ回復を――」

魔王「ァ、はい。お姉さん、無事、だったんですね。よかったー……」

姉勇者「私のことなどともかく。一先ず治療を」ソッ

魔王「は、はい! フグー///」キラキラ
545 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:54:21.49 ID:OdMarmseo

姉勇者「―― はい、これで治療は終わりましたよ」

魔王「お……おお……」ブンブン

魔王「ちゃんと動きますね」

姉勇者「当たり前です。もう、無茶ばかりして」

姉勇者「カードのこと話さなければよかった……」

魔王「え」

姉勇者「あまりにも無茶しすぎたら、私怒りますから」

魔王「そそ、そんな!」オロオロ
546 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:59:21.62 ID:OdMarmseo

姉勇者「もう。…………ん」

男性「」

姉勇者「……」

魔王「ぁ……、……はい。殺しました」

姉勇者「……そうですか」
547 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 21:59:47.21 ID:OdMarmseo

姉勇者「……」

魔王「……あ、あの……」

姉勇者「私、自分がこの目で見たもの以外、本気で信じないことにしているんです」

魔王「……」

姉勇者「魔王様、帰りましょう。ここには、もう用はありません」

魔王「……分かりました」

魔王(お姉さん悲しそうな目をあいつに……。この男、地獄で、もげればいいのに)

548 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:06:39.67 ID:OdMarmseo

――

某ビル 裏口前


姉勇者「……」

魔王「あ、あの……ルーラ、しても」

姉勇者「魔王様、桜ですよ」

魔王「へ……?」

姉勇者「ほら、桜の花びら」

フワ…

魔王「あ、……、これが、そう、なんですか?」

549 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:08:53.29 ID:OdMarmseo

姉勇者「ええ、そうですよ」

魔王「へえぇ……、名前とかは知っていたんですが、生で初めてみました」

姉勇者「……」

魔王「キレイですね」

姉勇者「そうですね」

魔王「……! ま、まま、まる……まるで、お、おねえさんみt」
550 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:09:26.49 ID:OdMarmseo

姉勇者「私、桜苦手なんです」

魔王「タイィッヒツッ!?」

姉勇者「へ?」

魔王「いや、なんでもないです。ゴホンッ! ……えー、どうして苦手なんですか?」

姉勇者「……うーん……、なんででしょう」

551 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:09:48.87 ID:OdMarmseo

魔王「わからないんですか?」

姉勇者「……、きれいだって思うことが嫌なのかもしれません」

魔王「えっと……?」

姉勇者「ほら、これで桜の花は死んでしまうじゃないですか」

姉勇者「そう。桜の花は、死んでいくんです。風に飛ばされて、少しずつ、少しずつ。この春の陽気の中で」
552 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:11:32.66 ID:OdMarmseo

姉勇者「だけれど、そんな散り際をみて、私たちは歌って踊って、酒飲んで、喜ぶじゃないですか」

姉勇者「それが苦手なんです」

姉勇者「どうして、死んでいく様を喜ぶんでしょう」

姉勇者「喜んでしまうのでしょう……」

魔王「……そ、そうですね。確かに……。桜、夏とかはあまり注目されませんよね」

姉勇者「……」
553 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:12:04.42 ID:OdMarmseo

魔王「あ! そうですよ。たとえ花が死んでも本体は生きているんですから」

魔王「死んだことにはならない、……じゃないですか」

姉勇者「……そうですね」

魔王「お姉さんは優しいんですね」

姉勇者「変人なんですよ」

魔王「そんなこと、……ありますけど」

姉勇者「ね、ふふっ」

554 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:12:24.95 ID:OdMarmseo

魔王「……」チラ

魔王「まぁ、でも……」

魔王「俺には桜の気持ちはわからないけど……、俺だったら、死に際は泣かれるより笑ってもらったほうがいいかな」

魔王「未練がなくなるというか。俺なしでも大丈夫なんだなーって」

555 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:12:57.51 ID:OdMarmseo

魔王「あ、ははっ……」

姉勇者「それじゃ、私はご希望にお答えできませんね」

魔王「え?」

姉勇者「魔王様、そろそろ参りましょうか」

魔王「え、あ、は、はい……?」

556 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:13:33.33 ID:OdMarmseo

姉勇者(もう、桜をみることもないのかな……)

姉勇者「……」

姉勇者(さようなら、私)

魔王「お姉さんいきますよ?」

姉勇者「はい。どうぞ」

魔王「ルーラ!」ビュンッ

557 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/08(木) 22:16:05.49 ID:OdMarmseo
ここまで読んでいただきありがとうございます。

再うp希望がありましたので、姉勇者 再うpさせていただきます。
http://iup.2ch-library.com/i/i0583447-1331212455.jpg
1日程度しか持たないらしく、どこかにいいうpろだはないものかと探している最中です……。
どこか良いところがありましたら教えていただけると幸いです。

次回の投下は 3日後 の午後9時頃からです。
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/03/08(木) 22:16:52.60 ID:kC9400NAO
乙。
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 22:17:13.28 ID:aObC5n4Jo
ありがとうございますありがとうございます
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 22:18:53.15 ID:LHqRSXjBo
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 22:43:55.53 ID:fbZlXdp0o
あぷろだはここに>>1さんが専用のあぷろだスペース借りると良いと思うよ

www.uploader.jp
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 09:43:05.71 ID:EeJF4l0wo
おお見れた
ありがとうございますありがとうございます
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/09(金) 16:38:41.45 ID:pL/uMmnYo
564 :たわし ◆TAWaSIT2OA [sage]:2012/03/10(土) 11:00:14.80 ID:Z6N+YkJIO
565 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/11(日) 19:21:13.62 ID:PdaMCk8Oo
すいません、風邪をひきました。
明日必ず投下します。

>>561 ありがとうございます。次回以降それでうpします。
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 19:35:11.80 ID:5J9cIPn4o
お大事にの
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 21:22:25.37 ID:pNOkFW3Bo
ご自愛なさいませ
568 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:25:19.03 ID:HtBCjT2Qo

――

老婆の家


ザッ

妹ゆーしゃ「!」

姉勇者「妹ちゃん」

妹ゆーしゃ「お、おねえちゃぁん! うぁあー!!」ダキッ

姉勇者「……。……ただいま」ヨシヨシ
569 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:25:49.83 ID:HtBCjT2Qo

魔王「……」

側近「ご無事で何よりです」

魔王「ああ。そっちは何かあったか?」

側近「特にご報告することは、何も」

魔王「……」

妹ゆーしゃ「えぐっ……うっ……うぅうっ……」ギュ

姉勇者「……」

570 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:26:19.22 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「妹ちゃん」

妹ゆーしゃ「うっ……ひぐっ……」

姉勇者「私たちね。……私。あなたの帰る場所を、人を、壊してしまったわ」

妹ゆーしゃ「……!」ギュ

魔王「お姉さん、それは違います。妹の父を殺したのは――」

姉勇者「同じようなものですよ」

魔王「っ……」

571 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:26:47.54 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「……ごめんね」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「…………おねえ、ちゃん」

妹ゆーしゃ「もう、みんないないの?」

姉勇者「ええ。あなたの知っている人は、全員」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「……」ジワ

572 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:27:14.72 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「……」

妹ゆーしゃ「……でも、ちがくて、……そうじゃなくて……」

妹ゆーしゃ「でも、でもでも……いる、よね」

姉勇者「え?」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんは、いる」

姉勇者「……」

573 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:27:41.52 ID:HtBCjT2Qo

妹ゆーしゃ「おにいちゃんもいる。そっきんも」

魔王「妹……」

妹ゆーしゃ「あと、がっこうにいけば、ともだちもいる」

妹ゆーしゃ「……それだけで、いいよ」

妹ゆーしゃ「じゅーぶんだよ、おねえちゃん」

姉勇者「……っ……」
574 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:28:09.18 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者(私は……)

姉勇者(こんな小さい子にこんな我慢させて……)

老婆「ほっほっほ、お嬢様はおこちゃまですなあ」

姉勇者「――!」

老婆「それに比べてお嬢様は。なんとも逞しい」

老婆「この図太さ、お嬢様も見習っては」

姉勇者「……ばあや」
575 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:28:37.20 ID:HtBCjT2Qo

老婆「しゃんと立ちなされ、お嬢様」

老婆「妙に女らしくなりやがって。貴女らしくもないですなあ。勇者たるもの、どうどうとしてりゃーいいんですよ。ほっほっほ」

姉勇者「……」

姉勇者「…………」
576 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:29:03.02 ID:HtBCjT2Qo

――

老婆の家 一室


老婆「しばらくお休みなさいませ。お疲れでしょうに」

魔王「いえ、そんなことは……」

側近「勘は取り戻せましたか?」

魔王「ああ。けっこう癖が変わるな。側近も慣れたほうがいい」

側近「はい。その為に、おばb……ごほん、ばあ様と組み手をしていました」

魔王「老婆殿と?」
577 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:29:41.34 ID:HtBCjT2Qo

老婆「ほっほっほ、まだまだ若いものには負けませぬぞ」

妹ゆーしゃ「おばあちゃんはつよいんだぞー!」

側近「……」

魔王(側近が黙っているということは、本当に強いのか。老人は侮れんな……)

魔王「ところで、お姉さんは?」

老婆「書庫に出向いておりますが」

578 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:30:05.49 ID:HtBCjT2Qo

魔王「書庫……。広い純日本風のお屋敷だとは思っていましたが、そのようなものが」

老婆「書物は良いですぞ。ばあやの宝でございます」

魔王「そうですか……」

妹ゆーしゃ「おにいちゃんも、いっぱいオンナのヒトがのってるのもってるよね!」ピョン

老婆「それはそれで、お元気なことで。ほっほっほ」

魔王「……」

579 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:30:35.53 ID:HtBCjT2Qo

側近「畳はごろ寝に最適だな」グテー

老婆「パンツみえますぞ?」

側近「今から気にする間柄でもなかろうて」

老婆「魔王様が」

側近「含めて。んふふ……」チラ

魔王(そういや俺の部屋どうなってるんだろ。東方旧作とか……。コンプしてるのに捨てられたらぁぁああああ)

側近「…………」
580 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:31:02.10 ID:HtBCjT2Qo

――


姉勇者「……」パラ…

姉勇者「…………」パラ…

姉勇者「……」

姉勇者(マスタードラゴンか)

姉勇者(ただの御伽噺だと思っていたけれど、……そうでもなさそうね)

581 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:31:29.47 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者(勇者と魔王)

姉勇者(それを見守る、マスタードラゴン)

姉勇者(勇者を導く全知全能の龍の神)

姉勇者(……)

姉勇者(なら、何故彼が魔王を殺しにいかないのかしら)
582 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:32:06.00 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「……」

姉勇者「だとしたら、納得できる」

姉勇者「違っていたとしても、善い神様ではないでしょうね」

姉勇者「……彼の資料。確かに神とは言い伝えられてはいるけれど」

姉勇者「人間に何かしたわけでもなければ、……裁きと言い、雷で人を殺す」
583 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:32:35.94 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「……」

姉勇者「その上、少年に世界を任せ戦わせ、傷つかせ、薬漬けして、魔王を……」

姉勇者「……洗脳に似てるわね。そして彼は好みの少年少女を勇者に仕立てる」

姉勇者「歴代の勇者も、それほど年老いた者は居なかったようですし――……彼はショタかロリコンなのかしら」


584 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:33:02.38 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「……」

姉勇者「なんにせよ、たちが悪い」

姉勇者「毎回、魔王が本腰を上げて世界を征服する間近、または征服する直前に、勇者を配置させる」

姉勇者「魔王は殺させ、魔物は悔しがり、人を憎み、憎み、憎み……また、魔王を生み出す」

姉勇者「そしてマスタードラゴンは勇者を――」

姉勇者「……延々と続く不の連鎖」

585 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:33:29.54 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「魔王も、勇者も、魔物も、人も。彼にとってはコマみたいなものなのかしら」

姉勇者「……」

姉勇者「彼が本当にいるのであれば、倒す敵は魔王ではなく彼でしょうね」

姉勇者「……」ペラ…

姉勇者「いないで、あってほしいわ」
586 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:34:02.03 ID:HtBCjT2Qo

――


姉勇者「……」ペラ…

姉勇者「ロトの剣、天空の剣」

姉勇者「……どちらも、勇者が使ったとされる伝説の剣」

姉勇者「……」パタン

グッ…

姉勇者「魔王様が持てたのであれば、そのときは」
587 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:34:23.42 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「……」

姉勇者「伝える、べきかしら」

姉勇者「でも、もし彼が勇者だと知ったら……」

姉勇者「……傷つく、でしょうね」

姉勇者「そんなの……」

姉勇者「……でも」

姉勇者「……」

588 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:39:41.97 ID:HtBCjT2Qo

パンッ!

姉勇者「私らしくない!」

姉勇者「魔王様を勝たせるためには、伏せておくことが一番に決まっているのに」

姉勇者「…………」

姉勇者「……」

姉勇者「……なのに、……」

589 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:50:05.65 ID:HtBCjT2Qo

――

老婆の家 一室


ドーン

側近「す、すごい数だな」

姉勇者「当たり前です」

魔王「隣にあった倉庫にはこれ以上の武器があったのですが」

姉勇者「あぁ、あれはいいんです。こっちのほうが強いですから」

側近「こんぼうとかあるぞ?」

姉勇者「それは叩くと小判がでるんですよ! ふふっ、夢があるでしょう」
590 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:50:48.44 ID:HtBCjT2Qo

ポカン

キランッ

側近「おぉ! 小判が出てきた!」

姉勇者「1分で消えるので、犯罪には使えませんよ」

側近「夢は儚いな……」

姉勇者「儚くなかったら夢は夢ではなくなりますから」

魔王「……もしかしてここにあるのは、すべて改造済みの武器なんですか?」
591 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:51:14.47 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「はい。その上、改良もし易くなっている作りなので、選んでいただければ改良いたしますよ」

魔王「! な、なら、俺のエクスカリバーを」

姉勇者「なんです?」ドドド

魔王「あ、いえ、す、スイシャセン……」
592 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:56:59.90 ID:HtBCjT2Qo

妹ゆーしゃ「それ!」

側近「いやいや、待て。それは似合わんぞ」

妹ゆーしゃ「そんなことない、にあう!」

側近「メリケンサックね……。ここにあるかな」ゴチャゴチャ

妹ゆーしゃ「そっきんさがしてくれるの?」

側近「ああ、うん」ゴチャゴチャ

妹ゆーしゃ「わたしもさがすー」ガチャンッガチャンッ

側近「うーん……」
593 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:57:29.42 ID:HtBCjT2Qo

魔王「いえ、お姉さん。やはり、ここは鍛えるべきかと。鍛えてください。むしろお願いしますハァハァ……」

姉勇者「魔王様、スイッチ入っちゃったんですか。お、お気持ちはなんとなしに分かりますが。ね? お、落ち着いてください」

魔王「アァァッン! もう!! お姉さんは分かってない! 何も!」

魔王「そういう、ね? とかで我慢とか落ち着くとかそういうの吹っ飛ぶんですよ」

姉勇者「は、はぁ……?」


側近「うーん……」ガチャガチャ…

側近「鉄の爪じゃだめか?」

妹ゆーしゃ「だーめー」

側近「ぐぬぬ……」ガチャガチャ……
594 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:57:55.21 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「何度も申し上げていますが、確かに私は貴方様をお慕いしています」

姉勇者「しかし性交はあまり好みではないといいますか。そういうのは側近様に」

魔王「お姉さんとしたいんだ!!」

魔王「いえ、お姉さんだからこそしたいんです!」ガシッ

姉勇者「ま、魔王様……」キュン


妹ゆーしゃ「めりけんさっくあったー!」


側近「うっそだ!」ガバッ

妹ゆーしゃ「ほんとだー」ジャーン

側近「うわ、……トゲがはえてる」

妹ゆーしゃ「せつめいしょによるとー、ほのおとかみずとかでる!」

側近「常時か?」

妹ゆーしゃ「なぐると!」

側近「ふぅむ……、しかし妹には合わないというか……」

595 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 21:58:23.53 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「ひゃんっ、ま、魔王様。こんなところで……」

魔王「ハァハァ……ハァハァお姉さん、お姉さん……」

姉勇者「ロ、ロトの剣探さないといけないのに、あんっ」

魔王「え、え、エクスカリバーならありますから。エクス、ハァ、せ、セックス……カリバ―」

姉勇者「え?」

魔王「……」

姉勇者「……」
596 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 22:00:18.98 ID:HtBCjT2Qo

妹ゆーしゃ「ためしにクマちゃんぬいぐるみをなぐってみる!」

側近「よし、私がぬいぐるみを支えてやろう。こい!」

妹ゆーしゃ「えいやっ!」ブンッ

ボスボォオオオオオッ!

側近「あっちぃ!!」

ポイッ!

側近「あ」


姉勇者「さむ……」ボソ

魔王「お、おね」ピト

597 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 22:00:45.03 ID:HtBCjT2Qo

姉勇者「あ」

魔王「え?」ジジジ…

姉勇者「……あ、あの、頭」

魔王「え?」ピト

ボゥッ!

魔王「うわああぁあああああぁぁぁぁ、髪があぁぁぁああああああ!! 髪が燃えるぅううぅううううッ!!」

妹ゆーしゃ「あ〜あ」
598 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/12(月) 22:01:28.51 ID:HtBCjT2Qo
ここまで読んでいただきありがとうございます。

昨日は申し訳ございませんでした。

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/12(月) 22:03:21.74 ID:xSqD69iXo
乙!
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 22:08:47.12 ID:YKe8MPX4o
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/12(月) 22:39:05.37 ID:UHrnH1tQo
これ舞台どうなってんだろう、日本とか言っちゃってるがww
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/13(火) 01:02:40.21 ID:0vshI/c20
乙ですー
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 08:06:17.52 ID:Tg73uBQIO
あと半日か…wkwk
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 22:01:51.85 ID:kknUvzUWo
魔王…
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) :2012/03/15(木) 02:50:26.25 ID:pagBKTZm0
おい!
どうした
606 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 18:08:52.95 ID:shMnihZSo
すいません、昨日帰ってすぐ倒れるように寝てしまって投下できませんでした。
今日の午後9時頃から投下します。
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/15(木) 18:11:03.06 ID:Kf4x0qJMo
疲れてるなら今日ぐらいゆっくり休んだらどうだ?
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/15(木) 18:21:24.85 ID:57F/NC9Oo
せやせや
609 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:22:47.38 ID:shMnihZSo

魔王「……」ガーン

老婆「見事な10円ハゲだこと……」

側近「も、申し訳ございません」

魔王「……」ショボーン

妹ゆーしゃ「ごめんなさい」

魔王「……」ショボボーン

老婆「あんな隅のほうに行かれて……、すごい落ち込みようですな」


610 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:23:08.43 ID:shMnihZSo

妹ゆーしゃ「ハゲたからね!」

魔王「……」ビクッ

妹ゆーしゃ「あ」

魔王「あぁ……」クシャクシャ

魔王「……」ゴーン

姉勇者「あらあら」
611 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:23:35.66 ID:shMnihZSo

魔王「ハゲになったら生きていけない……。お姉さん、魔法とかで髪は」

姉勇者「無理ですね」

魔王「……」

魔王「そん、な……」ガクッ

側近「……確かに10円ハゲの魔王というのは、いささかビジュアルに問題が」

魔王「ウグァッ……!」グサッ

612 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:24:06.80 ID:shMnihZSo

姉勇者「側近様、追い討ちをかけてどうするんですか」

側近「す、すまん……」ワタワタ…

妹ゆーしゃ「おにいちゃん、ハゲでもかっこいいよ!」

魔王「……え」

妹ゆーしゃ「ハゲててもおにいちゃんは、おにいちゃんだよ! だいじょうぶ!!」

魔王「……妹、ハゲている男と結婚したいと思うか?」

妹ゆーしゃ「おもわない!」

613 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:24:29.05 ID:shMnihZSo

魔王「やっぱり……」ゴーン

妹ゆーしゃ「あ、つい、くちがすべったちゃったのかもしれない……」

老婆「まぁ、まぁ、魔王様。ハゲも素敵じゃありませんか」

魔王「……。ちなみに老婆殿の旦那はハゲましたか?」

老婆「まいすぃーとだぁーりんはハゲませんでしたなぁ。いやはや、よかったものです」

魔王「ウァアアァァアァァァァアアアア―!」ガバッ

老婆「……逆効果でした」
614 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:24:59.03 ID:shMnihZSo

姉勇者「もうばあやったら! 魔王様、落ち着いてください。暴れちゃいけませんよ」

魔王「でもでもだって! 髪が! 髪がもえ、もえ……」ポロポロ

ガバッ

魔王「うぅうぅううオッパイ……うぅううっ」ギュゥ…

姉勇者「よしよし、落ち着いてくださいね」ナデナデ

姉勇者「私はハゲのほうが好きですよ」

魔王「!?」
615 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:25:25.90 ID:shMnihZSo

魔王「ほ、ほ、本当ですか!」

姉勇者「ええ」

姉勇者(イケメンがハゲているなんて最高じゃない。……これで太ってブサメンになってくれたらもっと良いけれど)

姉勇者「だから安心してください、ね?」ナデナデ
616 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:25:54.02 ID:shMnihZSo

魔王「お、俺、もっとハゲます! 世界一ハゲますから!」グッ…

側近「しかしビジュアル的に……」

妹ゆーしゃ「シッ! またおちこんじゃうでしょー」

側近「そ、そうだな。うん……うん……」
617 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:26:20.16 ID:shMnihZSo

姉勇者「さ、武器探し再開しましょう」

魔王「そうしましょう!」ガタッ

老婆「いやはや、こんなに数が多いと探すのも一苦労ですなあ」

妹ゆーしゃ「わたしこれにするのー」

老婆「おぉ、お嬢様らしい。私が若い頃もこれで暴れたものですな」

618 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:26:47.10 ID:shMnihZSo

側近「ばあ様はあの大魔王と対峙した格闘家、なんだよな」

老婆「えぇ、そのとおりでございます」

側近「美しいと聞いてはいたのだが……」

側近「……歳はとりたくないものだな」

老婆「まったくでございます。歳を取れば誰でもシワシワババアになるのでございますよ」

妹ゆーしゃ「おばあちゃんがわかかったときってどんななのー?」
619 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:27:13.10 ID:shMnihZSo

老婆「はて……、どんな姿をしていましたでしょうか……」

側近「えーと、……あれ、なんだ。しゃ、射精じゃなくて……」

老婆「写真?」

側近「そうだ! それ!! それはないのか?」

老婆「当時はまだありませんでしたなぁ……」

側近「……そうか、残念だ」

620 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:27:39.69 ID:shMnihZSo

老婆「年がら年中、外を走り回っていた所為で小麦肌でしたな」

妹ゆーしゃ「ギャルだー」

老婆「ほっほっほ。そういえば髪を切ることが面倒で、伸ばしっぱなしでしたなあ」

老婆「今思い返してみれば、酷い格好ですなあ。それで美しい。魔物の価値観というのは独創的でございますな」

側近「うーむ……。姉。……おい、姉!」
621 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:28:05.46 ID:shMnihZSo

姉勇者「ん、なんですかー?」

側近「聞きたいことが」

姉勇者「側近様、ちゃんと武器探しています?」

姉勇者「さっきから雑談ばかりして。探さないと駄目ですよ」

側近「……あ、後からやろうとおもっていたんだ! それより、若返る魔法とかないのか?」

姉勇者「若返りの魔法?」
622 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:36:29.25 ID:shMnihZSo

姉勇者「……ない、ですね」

側近「そうか……」

姉勇者「そんなのあったらとっくの昔に使っていますよ」

側近「お前はまだ必要ない、だろ。多分」

姉勇者「貴女様に言われると傷つくのでやめてください」
623 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:38:47.13 ID:shMnihZSo

妹ゆーしゃ「まものも、としはとるんだよねー?」

側近「うん? ああ、勿論だ。人間よりはスピードは遅いけどな」

老婆「うらやましい限りでございますなぁ」

姉勇者「……歳は取りたくないものね」

老婆「お嬢様ぐらいになると、誕生日ほど憎たらしい日はないでしょう」

姉勇者「ええ。すごく」

624 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:39:13.98 ID:shMnihZSo

姉勇者「最近は肌も荒れますし、目も充血しますし、なによりハリが……」ブツブツ

側近「嫌だな……」

老婆「ほっほっほ。一線を越えてしまえば、このオババみたいになるのでございますよ」

老婆「そこまでなってしまったら、安心致しますぞ」

側近「…………。そういえば成長が止まる薬があると聞いたことがあるぞ」

姉勇者「あら。魔物の秘薬かしら」
625 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:39:46.01 ID:shMnihZSo

側近「千年に一度咲く花を原料にした薬らしいが」

老婆「あぁ、世界樹の花でございますな」

姉勇者「千年に……。私たちが手に入れることはできないでしょうね」

側近「精霊も生き返させることができる秘薬。大魔王様がお持ちと風のうわさで聞いたことがある」

姉勇者「大魔王が……」
626 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:40:07.80 ID:shMnihZSo

老婆「お嬢様、これは手に入れる“ちゃんす”でございますぞ!」

姉勇者「……」

姉勇者「ワクワクしてきたわ。これ以上、歳が取らなくていいなんて……」ワクワク

姉勇者「それはなんとしても手に入れないと……」

側近「待て、姉。誰がお前にやると言った」

627 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:40:35.04 ID:shMnihZSo

側近「魔物の秘薬は魔物のものだ。人間のお前にはやらん!」

姉勇者「けちんぼ」

側近「誰がケチだ!」

姉勇者「魔王様、側近様がいじめます〜」ムギュ

魔王「フヒw……なぁっ、んだとっ!」ガタッ

側近「魔王様を味方につけるとはズルいぞ!」
628 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:46:00.43 ID:shMnihZSo

姉勇者「勝負の世界にズルいもズルくないもありませんよ。ふふ」

側近「んだと……」プルプル

妹ゆーしゃ「おとなってたいへんだなあ」

老婆「いつかお嬢様もそうなるんですよ。ほっほっほ」

妹ゆーしゃ「やだー……」
629 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:48:35.03 ID:shMnihZSo

――

ワイワイ

姉勇者「側近様なんかに構っていたら何時間あっても足りないわ……」ガチャガチャ

魔王「クンクン……。お姉さん、探し物ですか?」

姉勇者「え、ええ。少し(妙に近いわね……)」

魔王「俺も一緒に探しますよ」

姉勇者「ありがとうございます。―― でも大丈夫ですから」

姉勇者「魔王様は魔王様の合う武器を探してくださいませ」

630 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:52:50.15 ID:shMnihZSo

魔王「俺はもう見つけてありますから。いったい何を探しているんですか?」

姉勇者「でしたら休んでください。疲れましたでしょう」

魔王「そんなことは」ズィ

姉勇者「そ、そうなんですか?」ズズ…

魔王「……。どうして引き下がるんですか?」ズズ

姉勇者「い、いえ、なんとなく」
631 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:55:22.86 ID:shMnihZSo

魔王「そう、ですか。それで何を探しているんですか?」

姉勇者「っ、あ、あの、耳元で囁くのは止めていただけますか?」

魔王「ハァハァ……ど、どうしてですか?」

姉勇者「どうしてって。……妹ちゃんが」ビクッ

魔王「妹がいなかったらいいんですか?」

姉勇者「な、何がいいんですか?」
632 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 21:57:23.13 ID:shMnihZSo

魔王「セックス」

姉勇者「ぶっ!」

魔王「お姉さん、ふきだすなら俺の顔にふいてください!」

姉勇者「ま、魔王様! もう! 真面目に探しましょう。真面目に」

魔王「だってお姉さん、何を探しているのか教えてくれないから……」

姉勇者「わかりました。教えます。教えますから、ここでは」

魔王(ここでは? ここじゃなかったらいいってことなのか……)ドキドキ
633 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 22:00:29.45 ID:shMnihZSo

姉勇者「えぇ……と、つ、剣です。私に合う」

魔王「剣?」

姉勇者「はい。どれがいいか、と」

魔王(お姉さんが剣……? 何事だ)

魔王「……」ペロ

姉勇者「ひゃんっ!?」

魔王(これは嘘をついてる味だぜ……)

姉勇者「ままま、魔王様! 耳を舐めないで下さい!!」ビクビク
634 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 22:01:05.32 ID:shMnihZSo

魔王「どんな剣ですか?」

姉勇者「え? あ……。えっと、……かっこいい感じの」

魔王(嘘くさい……)

魔王(妹がいなかったら、こう、言葉責めしながら色々できるのになぁ……くそ……)

姉勇者(魔王様って、本物の変態なのかしら……。それとも恋人同士ってこういうことを普通にするもの……?)
635 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 22:02:59.08 ID:shMnihZSo

魔王「うーん……」ガチャガチャ

姉勇者(なんにせよ、ロトの剣と天空の剣、魔王様に見つかる前に見つけないと……)

姉勇者「……」ガタガタ…

魔王「ん?」

魔王「これとかどうですか?」ヒョイ

姉勇者「……え、あ、ろ、ロトの……!」

魔王「え?」
636 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 22:03:41.29 ID:shMnihZSo

姉勇者「あ、な、なんでも……」

姉勇者(なんてありがちな……!)

魔王「これ、ロトの剣に似ていますね。あ、でも俺が持てるってことは……。レプリカか何かですか?」

姉勇者「え!? あ、そ、そうです。レプリカです、よ……」

姉勇者「さ、さ、最近はこういうのはやっているんですよね。伝説の剣をモチーフにしたもの」ドキドキ

魔王「ふぅん……」ブンブン

姉勇者(あ、ああ……ああ……)
637 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 22:04:07.88 ID:shMnihZSo

魔王「あ、結構よくできてますねー。重さが丁度いいですよ」ブンブン

姉勇者(普通に使ってる……)

姉勇者(ということは魔王様は……)

姉勇者(勇者、ということに――)

姉勇者「……」サァ…
638 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/15(木) 22:05:11.11 ID:shMnihZSo

ここまで読んでいただきありがとうございます。

体調は回復しましたので、次回の投下は2日後の午後9時頃からです。

心配してくださりありがとうございました。
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 22:07:08.30 ID:nBVHxzWdo
乙ー!
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/03/15(木) 22:07:35.93 ID:wlrifkhAO
乙!
この時期ってみんな体調崩れやすくなんのかな?
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/15(木) 22:19:56.77 ID:57F/NC9Oo
おつ
季節の変わり目やからね

しかし姉の趣味…
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/15(木) 23:08:57.95 ID:/ilNzbGqo
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/16(金) 00:34:53.34 ID:j5OFNRZIo
回復おめでとおつ
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/16(金) 03:12:19.59 ID:cb4YhCyMo

3月は学生にしろ社会人にしろ大抵忙しいからな
645 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:27:27.41 ID:8BGOfC1go

側近「魔王様! たとえレプリカだとしても勇者の武器を持つなど――!」

魔王「結構かっこいいぞ、これ」ブンブン

側近「……魔王様!」

魔王「……」

魔王「わかった。止める」ショボン

側近「あ、いい機会なので私にも持たせてください」ドキドキ
646 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:27:58.50 ID:8BGOfC1go

姉勇者「!?」

姉勇者「だっ、駄目です!」

側近「え?」

魔王「え?」

姉勇者「え、じゃありません。返してください!」ヒョイ

魔王「あ……」

647 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:28:20.70 ID:8BGOfC1go

側近「ケチだな。触らせてくれてもいいじゃないか」

姉勇者「駄目です! 魔物は魔物らしくいてください」

側近「むぅ……」

魔王「なんだか龍をモチーフにした剣も出てきたぞ!」シャキーン

姉勇者「!?」ビクッ


648 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:28:46.91 ID:8BGOfC1go

側近「これは……天空の剣か?」

姉勇者「の、レプリカです!!」

側近「そんなことは分かっている。へぇー、よく出来ているなぁ」ソッ

ビリッ

側近「ひやぁっ!」ビクッ

側近「なな、なんだ今のは!! 触った瞬間、電流が……」

649 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:29:14.60 ID:8BGOfC1go

側近「……? ……? レプリカなのに……」

姉勇者「そ、それは、あの、ま、魔物だからです。側近様は!」

姉勇者「最近のレプリカはよく出来ていて、本物同様の働きをするんです!」

姉勇者「だっ、だから、魔物である側近様を拒絶したんですよ!!」

側近「……なら、魔王様は?」

魔王「軽々持てるんですが……、どういうことなんでしょうか?」

姉勇者「う……ぐ……」
650 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:29:41.83 ID:8BGOfC1go

姉勇者「……」

魔王「お、お姉さん……?」

姉勇者「そっ、……それは、……。魔王様が、魔王だからです!」

側近「!?」

魔王「ど、どういう、ことですか?」
651 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:30:08.73 ID:8BGOfC1go

姉勇者「え、えぇ、と。……魔王の血筋、勇者の血筋、というものは存在します」

姉勇者「例えば私たち一族が勇者の血を引き継いでいるように、魔王様もまた魔王の血を引き継いでいらっしゃいます」

姉勇者「人と勇者、魔物と魔王。同じ種族でありながら流れる血は似て非なるもの」

姉勇者「ですので魔物が拒絶されるイコール、魔王も聖剣に拒絶される、ではない」

姉勇者「魔王様が聖剣に拒まれない理由は、つまりはそういうことなのではないでしょうか?」
652 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:30:35.83 ID:8BGOfC1go

魔王「ははー……。確かにそう言われてみれば」

側近「確かに、そんな気がする」

姉勇者(馬鹿でよかった……)ホッ

魔王「?」


653 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:31:03.30 ID:8BGOfC1go

姉勇者「あ、いえ、なんでも……」

魔王(……)

魔王(今の左斜め上を見る仕草。これはお姉さんが隠し事をした時の癖だ……)

姉勇者「ふふふ……」

魔王(今の話は嘘? ……、いや、でも、だったらなんで俺はこれを持てるんだ?)
654 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:31:58.45 ID:8BGOfC1go

魔王「……」

姉勇者「……!」

姉勇者(唇をかみ締めた……? 魔王様が考え込むときの癖、よね)

姉勇者(信じてもらってないのかしら)

姉勇者(……どうしましょう)


655 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:32:26.69 ID:8BGOfC1go

姉勇者「と、とにかく、これ以外の武器を選んでくださいね」

側近「分かっている。魔王様は見つかりましたか?」

魔王「……」

側近「魔王様?」

魔王「…………」
656 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:32:53.19 ID:8BGOfC1go

――



魔王(夜まで考え込んでみたけど、何故だかさっぱり分からない)

妹ゆーしゃ「おにいちゃん、むごんたいむー」

魔王「……妹よ」

妹ゆーしゃ「なにー?」

魔王「どうして俺がアレを持てたと思う?」

妹ゆーしゃ「あれー? あれって、てんくーのつるぎとかー?」

魔王「ああ」

妹ゆーしゃ「そんなのかんたんだよー」


657 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:33:22.60 ID:8BGOfC1go

妹ゆーしゃ「おにいちゃんがとゆーしゃだからだよ!」

魔王「!?」

妹ゆーしゃ「ゆーしゃだったら、アレもてるんだよー」

魔王「ま、まて、あれはレプリカで……」

妹ゆーしゃ「でもおねえちゃん、ほんものとおなじだっていった!」

魔王「あ、……あぁ、確かに言ったな」

妹ゆーしゃ「おんなじ! おなじならゆーしゃしかもてない!」

658 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:33:50.97 ID:8BGOfC1go

魔王「……」

妹ゆーしゃ「そっきんがもてなかったのはー、まものだったからー」

妹ゆーしゃ「おにいちゃんがもてたのは、ゆーしゃだったから!」

妹ゆーしゃ「わたしもね、もてるんだよ。えへへ」

魔王「妹も……」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんも、もてる!」

妹ゆーしゃ「でも、おもくてだめみたい」
659 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:34:17.12 ID:8BGOfC1go

魔王「…………」

妹ゆーしゃ「おもかった?」

魔王「……丁度よかったな」

魔王「いや、今思うとあそこまで振りやすかった剣はなかった」

妹ゆーしゃ「つるぎがおにいちゃんにあわせたんだねー。すごーい」

魔王「……妹はできないのか?」

妹ゆーしゃ「うん。ちょっとおもい。つかえるけど……いまはむり」

魔王「……」
660 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:34:44.87 ID:8BGOfC1go

妹ゆーしゃ「おにいちゃんはすごい!」

妹ゆーしゃ「まおープラスゆーしゃ!」

妹ゆーしゃ「そういうのナカナカないとおもう」

魔王「……」

魔王「…………」

妹ゆーしゃ「おにいちゃん、どうしたの? かおいろわるいよ?」

魔王「すまん、妹。ひとりにさせてくれないか」
661 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:35:11.34 ID:8BGOfC1go

妹ゆーしゃ「ど、どうしたの? おなかいたい?」

魔王「違う」

妹ゆーしゃ「なら……」

魔王「理由は聞かないでほしい」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「うん、わかった。おだいじにね。おやすみ」

魔王「ああ。おやすみ……」
662 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:37:44.58 ID:8BGOfC1go

魔王「……」

魔王(俺が、勇者……?)

魔王(そんなはずはない。だって俺は……魔物で、魔物から産まれて……)

魔王(魔物の王の子で……。俺は、魔物の、魔王のはずなのに)

魔王(なのに……勇者……?)

魔王「おれは……ゆうしゃ……なのか……?」

663 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:38:10.71 ID:8BGOfC1go

魔王(なら、俺が今まで勇者を殺してきた……それは……)

魔王(同房殺し……?)

魔王(違う。違う!! 俺は魔物だ! 魔物の王だ!!)

魔王(勇者なんかじゃない! 俺は……俺は……)ブルブル

姉勇者「魔王様」

魔王「!」
664 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:38:43.62 ID:8BGOfC1go

姉勇者「どうかなされたんですか、こんなところで」

魔王「お姉さん……」

姉勇者「いつまでも夜風に当たっていますと風邪をお引きになりますよ」

魔王「……」

姉勇者「……魔王様?」

魔王「お姉さん……」
665 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:51:37.69 ID:8BGOfC1go

姉勇者(魔王様の様子が明らかにおかしい)

姉勇者「何かあったんですか」

魔王「俺は、俺は……。でも……」グッ…

姉勇者「……」

姉勇者「一人で、溜め込まないで下さい」

姉勇者「正式にはまだ貴方の妻ではありませんが――」

姉勇者「……。妻である私には、貴方の弱さを見せてください」
666 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:52:08.81 ID:8BGOfC1go

魔王「でも……それは……」

姉勇者「男は耐え忍ぶものなど、古い考えなんですよ」

姉勇者「お互いにお互いの弱さを知り、支えあう」

姉勇者「月並みですが、それこそが夫婦なのではないでしょうか」

魔王「……お姉さん」

姉勇者「何を悩んでいらしたの?」

667 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:52:34.48 ID:8BGOfC1go

魔王「俺は……、勇者、なのかもしれないんです……」

姉勇者「……」

魔王「俺は……俺、どうしたらいいのかわからなくて……」

魔王「今までがんばってきたのも、俺は魔王になりたくてなのに」

魔王「それなのに真逆である勇者だったら……どうしようもないじゃないですか」

魔王「どうしようも……」

姉勇者「……魔王様」

姉勇者「勇者は、魔王になれないのでしょうか?」
668 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:53:10.12 ID:8BGOfC1go

魔王「……え」

姉勇者「私は魔王様がご存知の通り、勇者です」

姉勇者「しかし、私は貴方様の妻であります」

姉勇者「戸籍上は、魔王の妻。つまり魔族の人間となりましょう」

魔王「……」

姉勇者「魔王と対等とまではいかずとも、魔王とほぼ同一の地位にいることは間違いありません」
669 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:55:58.79 ID:8BGOfC1go

姉勇者「人は、魔物は選択する権利を持っている。何になっているか、ではなく、何になりたいか、が重要なのではないでしょうか」

魔王「……」

魔王「…………でも」

姉勇者「仮にあなたが勇者でも、私にとっては大切な魔王様です」

魔王「……」

姉勇者「立場が変わっても、あなたが変わろうとしない限り本質は変わりません」
670 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:58:09.93 ID:8BGOfC1go

姉勇者「魔王様」

魔王「……」

姉勇者「魔王様」

魔王「はい……」

姉勇者「キス、しましょう」

魔王「え?」
671 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 21:59:53.80 ID:8BGOfC1go

姉勇者「あなたは今、冷静な判断が出来なくなっています」

姉勇者「ここで判断するのではなく、時間を置き、じっくり考えてから判断するべきです」

姉勇者「今は忘れてください」

姉勇者「それがあなたにとって性交だというのであれば、いくらでも身体を貸しましょう」

魔王「お姉さん……」ギュッ
672 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 22:00:32.70 ID:8BGOfC1go

姉勇者「……。大丈夫ですよ、魔王様。魔王様には私がいますから」

魔王「お姉さんっ……!」ガバッ

姉勇者「あっ……。ただ……優しく、お願いしますね」

魔王「はいっ!」
673 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/17(土) 22:01:15.84 ID:8BGOfC1go

ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の投下は2日後の午後9時頃からです。

674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 22:05:20.69 ID:zKyHjlOvo
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/17(土) 22:21:17.52 ID:WBdoeGGRo

676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 22:36:24.55 ID:suEw358Eo
魔王様バカでいいのか?
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/18(日) 07:33:06.79 ID:ZeP6/Atbo
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/18(日) 17:28:56.74 ID:m+AzCg9Ao
うーん
679 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/19(月) 21:25:47.08 ID:W8WmZID0o
すいません、今会社から帰ってきました。
明日投下させていただきます。ごめんなさい。
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/03/19(月) 21:56:49.10 ID:mQRTBTam0
明日の9時でいいのか?
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/19(月) 22:17:54.49 ID:p6lEm8cZo
>>680
いいえ0時からです
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 00:24:29.55 ID:7aOaYaego
あと24時間程度なら待てる!
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 04:55:34.37 ID:Y5tjVM45o
作者殿すまんが一番最近うpしてくれたお姉の画像もいっかいクレクレ
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 17:16:27.04 ID:7aOaYaego
2時間切ったなwktk
685 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:25:04.14 ID:PimjVwro0

魔王「お姉さん……お姉さん……」クンクン

姉勇者「っ……ま、魔王様。耳の中を嗅がないでください」

魔王「ハァッ……なんでですか……ハァハァ」

姉勇者「き、汚いですから」

魔王「お姉さんに汚いところなどありません!」

686 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:25:35.85 ID:PimjVwro0

姉勇者「あ、あります!」

魔王「ありません!」

姉勇者「……たっ、例えば、排泄物を出した後の尻穴とか」

魔王「汚くありません!」
687 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:26:07.42 ID:PimjVwro0

姉勇者「汚いですよっ」

魔王「それに俺、お姉さんのなら、たべ――」

姉勇者「……」ジトー

魔王「―― れない、可能性もあるといえば、あるんですけど」


688 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:26:38.53 ID:PimjVwro0

姉勇者「……」

姉勇者「今更で申し訳ないのですが、魔王様って……変態なんですか?」

魔王「!」

魔王「俺は変態ではありません! むしろ正常の部類に入ります」

689 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:27:05.76 ID:PimjVwro0

姉勇者「……そ、そうなんですか?」

魔王「はい!」

魔王「いいですか、お姉さん。これは愛なんです。愛!」

姉勇者「愛?」

魔王「そうです! 耳垢を舌でほじって食べたくなる思考や、汗でべとべとな脇を舐めたいと思うのも、お姉さんを愛しているからです!」

姉勇者(これほど嬉しくない愛され方って、そうそうないような気がするわ……)

690 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:27:31.90 ID:PimjVwro0

魔王「お姉さんのみなんです!」

魔王「だから俺は変態ではありません。愛する人の排泄物を食べたいという行為も、けして変態的行動ではないんです。愛情表現なんです!」

姉勇者「は、はぁ……」

魔王「――、ということで耳の中失礼します」ペロ

姉勇者「ひゃっ! ちょ、くすぐったっ……」ビクッ
691 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:27:57.31 ID:PimjVwro0

魔王「ペロペロ」

姉勇者「ん、ま、魔王様、や、やめ……!」グィ…

魔王「おいしいですよ。お姉さんの耳……」ペロ

姉勇者「そんなこと言われても嬉しくないです〜!」グググ


692 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:28:24.13 ID:PimjVwro0

魔王「ペロペ……ん……」

姉勇者「あぁ……やっと離して……」

魔王「もう片方も」

姉勇者「!?」
693 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:28:50.66 ID:PimjVwro0

姉勇者「まままま、魔王様! 性交致しましょう。性交! 私、もう濡れ濡れで今すぐにでも魔王様のモノを挿れていただかないと死にそうだったんです! えぇ死にそうでしたとも!!」

魔王「えっ……お、お姉さん、そんなに俺のを……」キュン

魔王「わ、分かりました。じゃ俺も準備を」ゴソゴソ

姉勇者(危なかった……)ドキドキ
694 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:29:18.11 ID:PimjVwro0

魔王「あ、じゃ、お姉さん。脱がしますね」イソイソ

姉勇者「は、はい……」

ゴソゴソ…

パチ

姉勇者「……」プルン

魔王「相変わらず……あぁ……最高だ……胸」
695 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:29:43.20 ID:PimjVwro0

魔王「俺だけが、俺だけの、ハァ……おっぱい……ハァ……ハァ……」

姉勇者「そ、そんなに見つめないでください。恥ずかしいです……」ギュ

魔王「あぁ! 隠さないでください!! 折角の生おっぱいが!」

姉勇者「そうはいっても……、恥ずかしいものは恥ずかしいんです」

魔王「ふ、普段もあまり露出度が高い服装は着ませんよね……ハァハァ、も、もったいない」

696 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:30:09.51 ID:PimjVwro0

姉勇者「人に肌を見られるのは……苦手で……」

姉勇者「ま、魔王様は……旦那様ですからいいですけれど……他の人には……」

魔王「旦那様……」ゴクリ

魔王「ハァハァ……ドュフ……ハァ……。下のほうは……」ピト

姉勇者「っ……」

697 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:30:40.27 ID:PimjVwro0

魔王「……」クチュクチュ

姉勇者「っ……ん……んん」

魔王「結構濡れていますね。一度イっておきます?」

姉勇者「イ……!? だ、大丈夫です。それよりも魔王様、はやく……」

魔王「!」ピコーン

魔王「それってつまり・・・…指より俺のモノのほうがいいんですか? ん?」グチュチュ

698 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:31:01.62 ID:PimjVwro0

姉勇者「んっ……ん、……?」ビクッ

魔王「ちゃんとお姉さんの口で言わないと挿れてあげませんよ」クチュ!

姉勇者「―― ひぅっ!」

姉勇者「ん、……はぁ……そ、そんな……ぁ」
699 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:31:27.80 ID:PimjVwro0

魔王「指のままでいいのなら、言わないでもいいですが……どっちにします?」

姉勇者「そ、それっ……は……ひっ……ん……」

魔王「お姉さん?」グチュ!ジュボッ!

姉勇者「……っ、ああぁぁ……!」ビクビクッ

姉勇者「魔王様ぁ……い、……じめ、ない、でぇ……」ポロポロ
700 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:31:58.00 ID:PimjVwro0

姉勇者「私は……ん、ぁ……ま、指より…あぁ……。魔王様のが……欲しい、です」

魔王「俺の、何が?」ズポッ

姉勇者「そ、そこまでいわせ……あぁっ……」ビクッ

魔王「ほら、はやく」

姉勇者「……」

姉勇者「ま、魔王様の……ぺ、ペニスが……」

魔王「違う。おち○ちんです」グイ
701 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:32:28.76 ID:PimjVwro0

姉勇者「えっ……ひゃっ……!」ビクッ

魔王「これから男性器のことはペニスではなく、おち○ちんと呼んでください」

姉勇者「……」

姉勇者「魔王様の……お、……、お……ち○ちんが……ほ、しい、です」

魔王「GOOD! 最高ですお姉さん!」

姉勇者(私、この人と結婚して良かったのかしら……)ホロリ


702 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:32:56.48 ID:PimjVwro0

魔王「では挿れますね」

姉勇者「はい……」

グッ

姉勇者「んっ……!」

魔王「相変わらず、せ、狭いですね……」ヌププ…

姉勇者「そっ……ですか……っ……。魔王様が、でかすぎなんだと……んんっ……!」

ググ…
703 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:33:21.95 ID:PimjVwro0

魔王「はぁ……」

姉勇者「……っ……んっ……」ビクッ

魔王「全部入りましたよ」

姉勇者「は、はい……」

魔王「まだ痛みますか?」

姉勇者「いえ……それほどは……」

魔王「良かった……。動きますね」ズズズ…

704 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:33:48.58 ID:PimjVwro0

姉勇者「…………」ビクッ

ヌプッ!

姉勇者「……ぃっ……あ!」ビクッ

魔王「あぁ……お姉さんの膣内、すごく気持ちいい……」ズプ…

姉勇者「それは……っ、かったです……!」ビクッ
705 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:41:29.08 ID:PimjVwro0

魔王「お姉さんは……どうですか?」

姉勇者「えぇ……、初期に比べれば痛みもなく……むしろ気持ちいいです」

魔王「ほんとですか!」パァアア…!

姉勇者「は、はい……。ですので私は気にせず、魔王様が気持ちのいいように動いてください」

魔王「わかりました!」ズッ!ズッ!

姉勇者「―― っ!」
706 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:41:54.55 ID:PimjVwro0

ヌプッ…!ヌプッ…!

姉勇者「っ……ん……」ギュ…

魔王「……お姉さん、声出していいんですよ」ズッ…!ズッ…!

姉勇者「……!」フルフル

魔王「恥ずかしいんですか?」

姉勇者「……は……ぃ……、んっ……!」
707 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:44:24.98 ID:PimjVwro0

魔王「……ほら、口を開けて」グッ

姉勇者「……」

魔王「俺の指、舐めてください」

姉勇者「……っ」ウルウル

魔王「そんなかわいい……かわいいことしても駄目です! ほら、口! あーん」

姉勇者「……」アー
708 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:46:32.92 ID:PimjVwro0

魔王「そうそう。俺の指、かまないようにね」

姉勇者「……あい」

魔王「じゃ、動きますよ」ヌプッ!

姉勇者「あ、ふ……っ!」
709 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:47:04.34 ID:PimjVwro0

ヌプッ……、ヌチャ……

魔王「ハァ……ハァ……」ヌポッ…!

姉勇者「あひ、あ、あぁっ……! あぅ……!!」プルン

魔王「お、……お姉さん、俺、もう……」

姉勇者「っあ、……あい……っ、なひゃで……、なひゃでらひでくらはい」

魔王「! は、はい、出します! お姉さんの膣内に!」ヌポッ!ヌプッ!
710 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:48:00.64 ID:PimjVwro0

魔王「……うっ……あ!」ズッ!

ドピュ!

姉勇者「――あぁあ……!」ビクッ

魔王「ハァ……ハ……」ビューッ!ビューッ!

姉勇者「ん、で、です……ぎ、ん、あ……ああ……」ビクビク
711 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:48:43.34 ID:PimjVwro0

ビュー…

魔王「ハァ……ハァ……もう、でな……」ヌププ…

ズポッ

姉勇者「んぁ……」ビクッ

ドロドロ…

魔王(お姉さんのマムコから俺のカルピスが……)

魔王「……」ピク

姉勇者「はぁ……はぁ……」

魔王「お、お姉さん」

712 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:49:18.78 ID:PimjVwro0

魔王「もう1回やりましょう」

姉勇者「え……」

魔王「お姉さんまだ軽くしかイってないじゃないですか」

姉勇者「え……」

魔王「ね、お姉さん」グググ
姉勇者「ちょ、あっ、だ、駄目! 挿れないで。ま、魔王様!」ヌプッ
713 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:49:48.41 ID:PimjVwro0


魔王「大丈夫ですよ、お姉さん」

姉勇者「え……?」

魔王「今夜は、寝かせる気ありませんから」ズンッ!

姉勇者「ひやぁあっ!! な、……何が大丈夫なんですか――っ! もうっ!!」
714 : ◆TzMx3.YmlUUY :2012/03/20(火) 21:50:55.10 ID:PimjVwro0
ここまで読んでいただきありがとうございます。

昨日は申し訳ございませんでした。
姉勇者の絵ですが、今ちがうPCでデータがないので次回の投下の際に貼り付けたいと思います。

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/03/20(火) 22:06:07.95 ID:3MW8M5ZAO
乙。
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/20(火) 22:52:49.16 ID:z0VGdzAjo
魔王順調だなwww

おつ
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/20(火) 23:16:50.57 ID:2iW5jMyRo
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/21(水) 02:41:17.12 ID:syuS7mGMo
魔王の変態具合は相変わらずだなwwwwww
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 07:18:56.59 ID:FsSJNlmIO
魔王様ゆるぎねーな
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/03/21(水) 07:45:08.63 ID:d4RoPdOAO
今回投下分を読んだら某スレ主が真っ先に浮かんだwww
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 19:43:54.65 ID:2wnCsp2do
焦らした後の第一声が

>魔王「お姉さん……お姉さん……」クンクン

魔王様wwwwww
722 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:28:30.41 ID:lY92qFp1o

――


魔王「お姉さん」ボインボイン

姉勇者「ま、魔王様……む、胸をいじらないでください」

魔王「じゃ、顔うずめますね」

姉勇者「そういう問題じゃ…………。まぁ、いいですけれど」

723 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:28:53.14 ID:lY92qFp1o

魔王「……」ムニュゥ…

姉勇者「……」

姉勇者「た、楽しいですか?」

魔王「はい、とても!」
724 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:29:25.42 ID:lY92qFp1o

姉勇者「……」

姉勇者(こうやって胸を遊んでいる姿なんて……)

姉勇者(魔王様、まるで子供みたい)クス

魔王「お姉さん……お姉さん……」

姉勇者「……」ヨシヨシ
725 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:29:52.25 ID:lY92qFp1o

魔王「……。お姉さんは……」

魔王「……」

姉勇者「……? どうかなさいましたか?」

魔王「……」

姉勇者「……まだ、悩んでいらっしゃるのですか?」
726 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:30:29.63 ID:lY92qFp1o

魔王「はい、ごめんなさい」

姉勇者「謝らないで。魔王様が悪いわけではないんですから」

魔王「……」

姉勇者「……」

魔王「……」

姉勇者「……。何か?」

魔王「もしも、お姉さんが……勇者ではなく魔王だと告げられたら、どうします?」
727 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:30:55.91 ID:lY92qFp1o

姉勇者「……」

姉勇者「……私が、魔王?」

魔王「は、はい」

姉勇者「……」
728 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:31:23.32 ID:lY92qFp1o

姉勇者「……、ふふっ」

姉勇者「残念ですが魔王様。私は魔王様がお喜びになるようなことはいえませんよ」

魔王「え?」

姉勇者「私の夢は、魔王になることですから」

魔王「――」
729 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:31:59.04 ID:lY92qFp1o

魔王「ま、おうになるこ……と?」

姉勇者「あら、言っていませんでした?」

魔王「……」アゼン

魔王「ど、どうしてですか?」

姉勇者「どうして……。そうですね、かっこいいじゃないですか。魔王」
730 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:32:23.25 ID:lY92qFp1o

魔王「か、っこいい……」

姉勇者「ええ。ですから、憧れなんです」

姉勇者「いけませんか?」

魔王「そんなことは……」

魔王「……ただ」
731 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:32:53.36 ID:lY92qFp1o

姉勇者「ただ?」

魔王「少し、意外だったものですから」

魔王「殺すことが嫌いなお姉さんが……」

姉勇者「だからこそ、憧れたのかもしれませんね」

魔王「え?」

732 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:33:47.45 ID:lY92qFp1o

姉勇者「魔王様は……、読んだことがあるでしょうか」

姉勇者「とある勇者と魔王のおとぎ話です」

魔王「おとぎ話……?」
733 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:34:17.32 ID:lY92qFp1o

姉勇者「そこに登場してくる魔王は、とても、とても優しくて凛々しい魔王様で――」

姉勇者「誰一人倒したことがないのに強く、何よりも戦いを好まない方でした」

魔王「そんな魔王――」

姉勇者「現実にはいない。それは分かっています」
734 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:34:47.30 ID:lY92qFp1o

姉勇者「でも、だからこそ、私はそんな魔王に憧れたんです」

姉勇者「何もかも失ってしまう魔王だけれど」

姉勇者「そんな人になれたら、幸せなんだろうなって」

魔王「…………」

姉勇者「魔王様にとっては失礼な話だったでしょうか?」

魔王「いえ」
735 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:36:29.41 ID:lY92qFp1o

魔王「現実の魔王がどうであったとしても、二次元の魔王にケチをつける気はありませんよ。……逆も然り、ですが」

姉勇者「……」

魔王「お姉さんにとって魔王は憧れの対象……」

姉勇者「参考にはなりませんでしたでしょう?」

魔王「それは……そんなことありません」

姉勇者「ふふっ、お優しいんですね」
736 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:39:01.84 ID:lY92qFp1o

姉勇者「私は勇者の身でありながら、魔王を目指し」

姉勇者「……魔王の身でありながら勇者と告げられた魔王様」

姉勇者「似たもの同士ですね」

魔王「……」フッ

姉勇者「ふふっ……」

737 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:42:53.41 ID:lY92qFp1o

魔王「俺は魔王です」

姉勇者「ええ、存じています」

魔王「魔王にならないといけないんです」

姉勇者「…………ええ」

魔王「俺は、父を…………」

姉勇者「……」

738 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:45:36.71 ID:lY92qFp1o

姉勇者(そう、か)

姉勇者(これから私たちは……魔界に。……魔王城へ)

姉勇者(魔王様にとって、それは……)

魔王「……」

姉勇者「……」

姉勇者(親殺し、か)
739 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:50:34.30 ID:lY92qFp1o

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

姉勇者「魔王様、それ以外の選択肢はないのですか?」

魔王「え……」

姉勇者「魔界に戻り、そして魔王になる。その選択肢以外にも――。道は沢山あります」
740 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:53:55.65 ID:lY92qFp1o

姉勇者「それこそ山に篭り生活することも。そこから新たな魔王軍を立ち上げることも」

魔王「……」

魔王「……分かります。お姉さんが言うことも」

魔王「俺も……、少し悩んでいるんです」

魔王「勇者とか、そんなの関係なく結局はそこなんですよね」
741 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:57:48.65 ID:lY92qFp1o

魔王「父さんと戦う」

魔王「どちらかが必ず死ぬ勝負でしょう」

魔王「俺が死ぬか、父さんが死ぬか」

魔王「……」

魔王「あんな老害みたいな奴でも、父だと思うと……」

742 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 21:59:19.64 ID:lY92qFp1o

魔王「……お姉さん」

魔王「あなたは、どうして親を殺せたんですか?」

魔王「俺には……」

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

姉勇者「……、そうしなければ前に進めなかったから」

743 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 22:01:29.68 ID:lY92qFp1o

魔王「前に……」

姉勇者「ええ」

姉勇者「だから、私は――……。でも、もし、あなたにとってそれが前に進むことではないのなら……」

姉勇者「あなたは、何も殺さなくていい」

魔王「……っ」

744 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 22:02:35.51 ID:lY92qFp1o

魔王「俺は……俺は……」ギュッ…

魔王「でも……っ、殺さないと、俺は……!」プルプル

姉勇者「……」

魔王「う……ぅう……う……」ギュ

姉勇者「……魔王様」

745 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 22:06:59.29 ID:lY92qFp1o

――


魔王「……ごめんばだい」

姉勇者「ふふっ……どうして謝るのですか」

姉勇者「私は。――、魔王様には失礼かもしれませんが、嬉しいんですよ」

姉勇者「……。私を頼ってくれて」

魔王「お姉さん…………」ポロポロ
746 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 22:13:29.28 ID:lY92qFp1o

姉勇者「あらあら、魔王様。ティッシュです。ちーんしてください」

魔王「……」ズビーッ!

姉勇者「ふふっ」

魔王「……」ギュッ

姉勇者「大丈夫、大丈夫ですからね」ナデナデ

魔王「……」ポロポロ
747 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 22:14:26.67 ID:lY92qFp1o

姉勇者「……」ナデナデ

魔王「……お姉さん、でも、俺……俺、……」

魔王「俺、魔界に行こうと思うんです」

姉勇者「……。どうして?」

魔王「お姉さんと一緒ですよ」

魔王「俺は、父と、大魔王と戦わないといけないんです」

魔王「そして俺は魔王にならなければいけない」
748 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 22:17:46.57 ID:lY92qFp1o

魔王「俺は、その為の選択をしてきました」

魔王「もしここでそれを曲げてしまったら……」

魔王「……それだけは、してはいけないんです」

魔王「そのために、俺は命を奪ってきましたから」

姉勇者「……」

姉勇者「そう、ですか……」

749 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 22:19:58.57 ID:lY92qFp1o

姉勇者「魔王様がそう決めたのであれば、私も同じ先を目指しましょう」

魔王「……はい」

姉勇者「魔王様」

姉勇者「……魔王になりましょう」

魔王「はい」

姉勇者「必ず」

魔王「はい」
750 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 22:20:29.20 ID:lY92qFp1o

姉勇者「でも今は、ゆっくり休んでください」

魔王「――」

魔王「……。はい」

姉勇者「……」ニコニコ

魔王「は……ぃ……」ポツポツ
751 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/22(木) 22:24:43.30 ID:lY92qFp1o
ここまで読んでいただきありがとうございます。

前の姉勇者の絵です。いつかちゃんと彼女をかきたい……。
http://dl7.getuploader.com/g/maoyuu/1/i0581781-1331039078.jpg

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/03/22(木) 22:33:45.88 ID:gzvNJG2AO
乙です、姉ちゃん乳デカいな〜
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 23:25:18.00 ID:OhfdJm7uo
スライムになりたい
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 23:50:50.63 ID:II0ZDV1co
作者殿アザス
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/23(金) 07:00:08.39 ID:tuBuZamIO
乙なんだな!
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/23(金) 22:12:11.53 ID:ANeinmgZo
今読んだんだけどもしかして姉じゃなくておばs
757 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/24(土) 21:22:23.16 ID:aAkDUamvo
今帰ってきました……。
明日の午後9時に投下します。ごめんなさい。
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/03/24(土) 21:38:43.83 ID:vjyqkWHuo
あらまぁ
おつかれぃ
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/24(土) 22:45:48.81 ID:6JJtEyS1o
おつかれんこん
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/03/24(土) 23:49:40.75 ID:xLdJRE+s0
おツです。

側近の絵をもう一度・・・・・オネガイシマス!!!!
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/03/25(日) 11:53:00.98 ID:5PsqpSW00
>>760
sageもしないカスに、他人に要求する資格は無い
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/25(日) 13:54:55.74 ID:KijFCuWIO
まあ確かにsageない時点でNGだと専ブラ使いの俺でも思う
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/25(日) 17:24:57.09 ID:LEaGYmGko
専門板だと基本sage入れっぱなしだな

764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/25(日) 18:07:38.80 ID:FRWI5ddmo
読むならJaneStyleとかBB2Cとか専用ブラウザとか入れな
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/03/25(日) 19:38:21.65 ID:LEaGYmGko
スマホで2chmateいいぞーこれ
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/03/25(日) 20:32:04.28 ID:Htjte/UAO
>>765

おい
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/25(日) 21:08:41.34 ID:ir1V4c/IO
>>765
カスが
768 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 21:27:38.97 ID:IpUdQUkro

――

二日後


側近「魔王城に殴り込み、ですか」

魔王「ああ、そうだ」

側近「しかしもう少し体制を整えたほうが」

姉勇者「側近様、どのくらい体制を整えたらよろしいのでしょうか?」

769 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 21:31:09.58 ID:IpUdQUkro

側近「それは」

姉勇者「魔王様が確実に大魔王様に敵うレベルにいくまで?」

側近「……」

姉勇者「……すいません、いじわるな質問でしたね」

770 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 21:36:49.20 ID:IpUdQUkro

側近「……姉よ。むしろお前に問いたい」

姉勇者「はい?」

側近「私達は勝てるのか?」

姉勇者「愚問ですね」

側近「っ!」
771 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 21:40:13.01 ID:IpUdQUkro

姉勇者「側近様、正直に申しますと分かりません」

姉勇者「魔王軍の兵力は調べたつもりではありますが」

姉勇者「肝心の大魔王の実力は不明です。未知数です」

姉勇者「……、しかし、側近様。それは貴女様もお分かりのはずでしょう」

側近「……」

姉勇者「だから、愚問と申し上げたのでございます」
772 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 21:44:31.22 ID:IpUdQUkro

側近「……あぁ、分かった。お前はそういう奴だったな」

姉勇者「ええ、そうでございますとも。モテず今の今まで処女だった女など性格がひん曲がっている者しかいないのですよ」

姉勇者「ですので側近様が「大丈夫、勝てるから行きましょう」という答えを望んでいたとしても、事実を有りのままに申し上げてしまうのです。うふふ」

側近「……」イラッ
773 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 21:51:21.95 ID:IpUdQUkro

姉勇者「あぁ、なんて愚かな私! こんな時期に仲間を煽るような真似をして! なんて馬鹿なのでしょう」

側近「……」イラッ

妹ゆーしゃ「おねえちゃん。でもでもそっきんがいったよーに、けっこーしんぱいだよ!」

妹ゆーしゃ「いまのままじゃ、たぶんかてないとおもう」

妹ゆーしゃ「わたしよわいし、そっきんもおねえちゃんも……、おにいちゃんもベストなじょーたいじゃないとおもう」

774 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 21:59:28.77 ID:IpUdQUkro

妹ゆーしゃ「そっきんなんてカードこわしてから、いっかいもじっせんしてない!」

姉勇者「確かに、それは心配ですね」

姉勇者「側近様は魔物の中ではどのくらい強かったんですか?」

側近「……。四天王様よりは弱い、ぐらいだと」

姉勇者「その弱いとは、確実に負けるぐらいの弱さですか?」
775 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:02:37.15 ID:IpUdQUkro

側近「どうだか……。1様と……3様には確実に敵わないだろうとは思うが……、他は分からん」

姉勇者「あら、レベル的には2番目に強い4様には勝てると?」

側近「1様はかしこいからな。力ずくでは確実に勝てない」

姉勇者「そうですね。側近様、お頭が少しお可哀想ですからね……」

姉勇者「頭、作戦によっては4様には勝てる可能性はあると」

側近「……」イラッ

776 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:10:09.36 ID:IpUdQUkro

姉勇者「ポジティブに考えましょう。2様と4様が当たれば側近様は勝つ可能性がある」

姉勇者「あとは努力と気力でがんばってもらうとして……」

側近「おい」

姉勇者「魔王様は3様とはどうでしょうか?」

魔王「3……。あぁ、あのオカマ……」

魔王「……」ゾク…
777 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:12:33.03 ID:IpUdQUkro

側近「負けたら掘られますな」

魔王「……」ゾクッ

魔王「そんなの……すごく気持ちが悪いです」

姉勇者「まぁ、魔王様。同性愛者に対する暴言はいけませんよ」

魔王「あ、ごめんなさい……。あと、多分勝てると思います」
778 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:16:06.24 ID:IpUdQUkro

魔王「彼は確かに四天王の中で1番……、魔王軍の中で2番目に強い奴ではあります」

魔王「2番目に」

姉勇者「……。そうですね、魔王様が倒そうとなさっている方は1番目に強い方でございますから……。2番目如きにビビってたら、そもそも話にならないと」

魔王「そういうことです」

姉勇者「でしたら、私は4様と一騎打ちといきましょうか」

側近「……、待て。そんなこと行ってみないと分からないじゃないか」
779 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:21:16.84 ID:IpUdQUkro

姉勇者「側近様、今回私たちは正面から魔王城に突入します」

姉勇者「所謂正面突破というものですね。――、これは魔王城の地図です」ペラ

側近「地図……、ど、どこからこれを……」

姉勇者「私が捕まっていたときに。少しずつ調べさせていただきました」

側近「……」

魔王(末恐ろしい……)
780 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:23:25.11 ID:IpUdQUkro

姉勇者「私が実際に出向いたわけではありませんし、細かいところは間違っているとは思いますけれど」

側近「……、いや、これであっている」

姉勇者「それは良かった。正面からいくとまずひろーい玄関。いいですね、ここまで広かったら」

姉勇者「そして道なりに、スルーっと。希望ではここまで無傷で行きたいものですね」スーッ

側近「スルーっと……、無理、だろう」

781 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:25:01.71 ID:IpUdQUkro

姉勇者「あぁ、言い忘れていました。ここまでは車で行こうと思うんです」

側近「くる……、あぁ、あの鉄の塊か」

魔王「それは夢がありますな」wktk

姉勇者「あら、魔王様は車の運転」

魔王「ゲームでしかやったことないですけど」

姉勇者「なら、充分です。運転は任せました」

魔王「えっ」
782 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:25:25.00 ID:IpUdQUkro

姉勇者「車名は忘れたのですが、マシンガンがついておりまして」

姉勇者「そちらのほうは私が担当致しますから、魔王様はギュルーと」

魔王「ぎゅ、ギュルーっと……」

姉勇者「先ほどの所らへんで車が壊れると思いますので、そこからは徒歩で」

姉勇者「それまでに殆どの魔物を轢いたり撃ったりしているとは思いますので、まぁ、無傷で突破できるでしょう」

側近「いやいやいや……」

783 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:25:55.96 ID:IpUdQUkro

姉勇者「問題は、ここ」トン

側近「……。あぁ、そこか」

姉勇者「この建物の中心ですね。魔王の間にいくのであればここを通らなければいけないようになっています」

姉勇者「ここ、何か仕掛けがごさいますよね」

側近「よくわかったな」

姉勇者「調べましたから」
784 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:31:44.63 ID:IpUdQUkro

姉勇者「どちらかはわかりませんが、仕切りができるか、それとも床ごと下に落ちるか」

側近「後者だな」

姉勇者「……。そして魔王の間にいくルートは3つ」

姉勇者「ここで、1様以外の四天王はそれぞれのルートに散らばる……」

姉勇者「そして魔王の間の前のエリア……。ここですね。ここに1様が配置させると」

姉勇者「違いますか?」

側近「……」フルフル

姉勇者「それはよかった」
785 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:35:19.51 ID:IpUdQUkro

姉勇者「虫によってある程度、誰かどのエリアに配置させるかは調べさせていただきましたので……、後はその情報を信じるだけです」

側近「間違っている可能性もあるんだよな」

姉勇者「ええ。当日配置が変わってしまったら……まったくアテにならない情報ですね」

姉勇者「しかしその当日も虫を先に送るつもりではいます」

姉勇者「それが潰されなければ……」

側近「ふむ……」
786 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:38:23.46 ID:IpUdQUkro

側近「参考程度に聞いておこう」

姉勇者「はい。魔王様は何か、不満な点とかは?」

魔王「俺は車の運転以外は」

姉勇者「大丈夫ですね」

魔王「……」
787 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:40:31.13 ID:IpUdQUkro

姉勇者「後は自分の力を信じましょう」

側近「むしろ不安になってきたんだが……」

姉勇者「では側近様、この銃お使いになりますか?」

側近「銃、……」

魔王「お姉さんの、あの銃ですか?」

姉勇者「弾さえ換えれば、ね」
788 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:44:41.20 ID:IpUdQUkro

姉勇者「これがその弾です」

側近「弾……。うわ、軽……」

姉勇者「魔力で出来ていますからね」

魔王「お姉さん、この弾はいったいどんな効果があるんですか?」

姉勇者「これですか、これは――」
789 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:45:01.13 ID:IpUdQUkro

姉勇者「これがその弾です」

側近「弾……。うわ、軽……」

姉勇者「魔力で出来ていますからね」

魔王「お姉さん、この弾はいったいどんな効果があるんですか?」

姉勇者「これですか、これは――」
790 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:45:44.91 ID:IpUdQUkro
>>789 間違えて同じものを投下してしまいました。ごめんなさい)

――


姉勇者「―― という、効果が」

側近「……」

魔王「…………」

妹ゆーしゃ「ちーと」

魔王「チートだな」

側近「人間はそんなものまで生み出していたのか……」

姉勇者「露骨に嫌悪感を露わにされた……」

791 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:47:02.55 ID:IpUdQUkro

魔王「確かにこれさえあれば父、いやすべての魔物を根絶やしにできましょう」

側近「恐ろしい……」

姉勇者「作成方法、設計図、すべて私しか知りませんし残してもいませんからご安心ください」

側近「こんなのを私たちは敵に回していたのか……」

妹ゆーしゃ「そう! おねえちゃんいればどこにいってもこわくない!!」

792 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:47:31.18 ID:IpUdQUkro

側近「しかしそんな夢みたいな兵器。本当に効くのか?」

姉勇者「試してみます?」ガチャ カチ

魔王(リロードはえぇ……)

側近「……い、いや……」

姉勇者「ふふ、いい子ですね」
793 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:48:25.27 ID:IpUdQUkro

姉勇者「解除する弾もありますが、精神がズタボロになったままの可能性がありますからね」

姉勇者「お試しになるのでしたら大魔王を倒した後のほうがよろしいかと」

側近「……」

姉勇者「顔、真っ青ですよ」

側近「う、うるさいな……」
794 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:48:55.13 ID:IpUdQUkro

魔王「……」

魔王(こんな小さいものが、あんな恐ろしいものだなんて……)

魔王(人間、おそろしす……)

姉勇者「魔王様はいかがなさいます? お使いになりますか」

魔王「いや、俺はいいです」

魔王「これで勝ってしまったら……。お姉さんには悪いですけど、ズルというか。チートといいますか」

795 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:49:25.34 ID:IpUdQUkro

姉勇者「ええ、そうでしょうね。大丈夫ですよ、元より魔王様方に使わせる気はありませんから」

姉勇者「ただ……こんなものを味方が持っている。という認識はして頂けましたよね?」

魔王「はい」

側近「……」コクリ

姉勇者「後はどうするか……。それは魔王様方にお任せいたしますので」
796 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:49:55.27 ID:IpUdQUkro

姉勇者「出発は明日。それまでに心の準備は整えてくださいませ」

魔王「……分かっています」

側近「ああ」

妹ゆーしゃ「がんばるー!」

797 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:50:31.04 ID:IpUdQUkro

魔王「……」

魔王(父さんとの戦い……)

魔王(明日、明日かぁ……)

魔王「……」

魔王(俺は、本当に勝てる、んだろうか……)
798 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/25(日) 22:51:04.19 ID:IpUdQUkro
ここまで読んでいただきありがとうございます。

やっと終わりが見えてきました…。
またいずれ側近やら妹ゆーしゃやら絵を描きたいと思います。

次回の投下は2日後の午後9時頃からです。
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/03/26(月) 00:07:08.61 ID:cyF55N5bo
最強とんがりコーン♂
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/03/26(月) 05:38:08.59 ID:wcKLv0teo
もう佳境か
お疲れ様!
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/26(月) 06:03:58.73 ID:/vqInHdjo
どう考えてもその弾は切嗣パクっただろ
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/26(月) 06:25:17.72 ID:xNqnbdiLo
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/26(月) 07:22:55.44 ID:Hwl0Z7YIO
指摘厨は巣に帰ろう
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/26(月) 11:06:11.08 ID:WDwJg0Gno
乙乙!
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/26(月) 19:08:08.65 ID:KeO4qXHK0
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/27(火) 00:01:15.82 ID:2juE8PNgo
warworld!
ドラゴン田中ポジ種オッスオッス

銭湯サウナ発展場
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 09:23:35.08 ID:B62yMsyyo
> 姉勇者「ゲェァァァーハハハハハハハッ!!!」
>
このときの姉の絵見てみたいな
808 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/27(火) 21:55:54.79 ID:9/4dBmuqo
すいません、また今日もこの時間に帰ってきました。
最近立て続けに申し訳ないです。
明日の午後9時頃に投下します。ごめんなさい。
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 22:11:41.53 ID:FFI4pYcWo
お疲れ。待ってる
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 22:20:23.25 ID:7wFa/lBDO
謝る必要はないよ
楽しみに待ってます
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/28(水) 02:47:49.75 ID:s6ShSCF0o
>>801
>どう考えてもその弾は切嗣パクっただろ
星方武俠のキャスターだと想像したんだが
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 08:11:12.47 ID:+q+2YTjOo
>>801
設定の詳細が明らかになってないのにパクったとか言っちゃう男の人って・・・
813 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:27:19.91 ID:970Mvbyto
――

翌日 早朝


老婆「月日というものは速いものでございますなぁ」

老婆「前にみたお嬢様はあんなに小さかったのに、今ではパキパキになられて……」

姉勇者「……そうね」

老婆「ほっほっほ。して、お肌の荒れが酷いお嬢様。もうここには帰ってこないおつもりで?」

姉勇者「人がせっかく無視してやったっつのに……このババアは……」ピギピギ
814 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:32:56.37 ID:970Mvbyto

姉勇者「帰ってこないつもりではあります」

老婆「左様でございますか。お寂しくなりますね」

姉勇者「妹ちゃんのことは任せましたよ」

老婆「勝っても負けても、あちらで暮らすおつもりですか」

姉勇者「ええ」

815 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:42:25.88 ID:970Mvbyto

老婆「魔界には、車も電車もありませんぞ」

姉勇者「老後の暮らしは大変そうね」

老婆「この老婆、死ぬまでお供するおつもりでしたが、流石に魔界までは無理でございますね」

姉勇者「ばあやはここでゆっくり死んでくださいな」

老婆「ええ、そうさせて頂きますとも」
816 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:47:20.69 ID:970Mvbyto

老婆「しかしお嬢様。大魔王はつえーでございますよ」

姉勇者「ええ、承知しているわ」

老婆「お嬢様の想像以上に、ですぞ」

姉勇者「あら、それは怖い」

老婆「お嬢様……」

老婆「少し楽観的な考えではありませんか?」
817 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:48:22.56 ID:970Mvbyto

姉勇者「そうね。きっとそうだわ」

姉勇者「でも、ばあや。今までの勇者達も同じ」

姉勇者「もー作戦なんて考えるのめんどくさいから正面突破! で魔王を倒してきました」

姉勇者「だから大丈夫よ。私達には勇者兼魔王の方がいらっしゃるんですもの」

818 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:49:13.85 ID:970Mvbyto

老婆「……」

姉勇者「ばあや」

老婆「……はい」

姉勇者「もう一度言うわ。妹ちゃんを頼むわね」

姉勇者「あの子だけは。例え私がどんな目に遭おうとも、ここに連れてきます」

819 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:49:39.96 ID:970Mvbyto

姉勇者「だからあの子が大人になるまで――」

老婆「えぇ、えぇ。分かっておりますとも」

老婆「お嬢様はお嬢様にとっても。そして、勇者一族にとっても、大切なお方でございますから」

老婆「この老婆。死ぬまで面倒みてやろうじゃありませんか」

姉勇者「……ありがとう」

820 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:51:02.76 ID:970Mvbyto

老婆「礼には及びません。月給を上げてくださいな」

姉勇者「嫌です」

老婆「あらま、お冷たいこと」
821 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:51:38.47 ID:970Mvbyto

姉勇者「昨日、短い一生を遊んで暮らせるだけの現金は渡しましたからね。それでやりくりしてくださいな」

老婆「ほっほっほ、無茶をおっしゃる。あの程度、お酒代に全て消えてしまいますぞ」

姉勇者「老人は老人らしく茶でも飲んで過ごしなさいな」
822 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:52:09.05 ID:970Mvbyto

姉勇者「……ふー」

老婆「朝でございますな」

姉勇者「ええ、そうね」

老婆「人間界で見る最後の朝焼けかもしれませんぞ」

姉勇者「貴女より先に最後が来るなんてね」

老婆「人生などそのようなものですよ」

姉勇者「……」
823 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:52:37.60 ID:970Mvbyto

老婆「お嬢様」

老婆「5年に1回ぐらいは墓参りに参りますので」

姉勇者「その前に死ぬんじゃないかしら」

老婆「あと80年は生きるつもりですもので。ほっほっほ」

姉勇者「8年にしておきなさいな」スタスタ
824 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:55:50.20 ID:970Mvbyto

老婆「おや、どちらに?」

姉勇者「感傷に浸ってきます」

老婆「3時間後には出発ですぞ」

姉勇者「わかっています。ですから一人になってきます」

老婆「了解しました。ごゆっくり」

姉勇者「ええ」
825 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 21:59:57.97 ID:970Mvbyto

――


妹ゆーしゃ「そっきんおはよー」

側近「おはよう。よく眠れたか」

妹ゆーしゃ「ふつー」

側近「普通か」

妹ゆーしゃ「そっきんは?」

側近「普通」

826 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:03:03.58 ID:970Mvbyto

妹ゆーしゃ「でも、なんだかつかれたかおしてるよ」

妹ゆーしゃ「おにいちゃんのところいった?」

側近「行っていない」

妹ゆーしゃ「じゃ、こーふんしてねぶそく!」

側近「し、してない。別にいつも通りだ」
827 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:03:31.69 ID:970Mvbyto

妹ゆーしゃ「ふぅん」ジロジロ

側近「そんなジロジロみるな。いつも通りなんだからな」

妹ゆーしゃ「しんじられないなー」

側近「なら信じてくれなくて結構だ」スクッ


828 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:04:01.83 ID:970Mvbyto

妹ゆーしゃ「どこいくのー?」

側近「顔、洗ってくる」

妹ゆーしゃ「わたしもいくー」タッタッタ

側近「そうか……」
829 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:04:28.30 ID:970Mvbyto

スタスタ

妹ゆーしゃ「……」

側近「……」

スタスタ

妹ゆーしゃ「たいようサンサン、いーきもち」

妹ゆーしゃ「まかいでも、はれだといいな」

830 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:04:57.22 ID:970Mvbyto

側近「……」ジー

側近「そうだな」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「だいじょうぶだよ、そっきん」ギュッ

側近「ん?」
831 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:07:18.85 ID:970Mvbyto

妹ゆーしゃ「わたしたちはぜったいにかてるから!」

妹ゆーしゃ「なにもしんぱいない!」

妹ゆーしゃ「だいじょうぶ!!」

側近「……」

妹ゆーしゃ「だいじょうぶ!!」

側近「……ふっ……」
832 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:08:20.10 ID:970Mvbyto

妹ゆーしゃ「なんでわらった!」

側近「い、いや、お前も姉みたいなこと言うんだなって」ポン

妹ゆーしゃ「……うー……」

側近「お前達は良く似ているな。本当」ギュッ

妹ゆーしゃ「むぎゅっ!」

833 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:13:19.75 ID:970Mvbyto

妹ゆーしゃ「そっきっ、くるしいー! おっぱいでくるしいー!」バタバタ

側近「はっはっはっ。いいじゃないか、最後になるかもしれないんだから」

妹ゆーしゃ「さいごでもだめー! というかさいごじゃないー!」ジタバタ

側近「ははっ、そうだな。最後じゃないな」ギューッ

妹ゆーしゃ「くーるーしーい!」


834 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:16:55.92 ID:970Mvbyto

――


魔王「……」

魔王(なんとか寝れたみたいだ、俺……)

魔王「疲労も残ってはいないし、軽くウォーミングアップをすれば……」

姉勇者『魔王様、朝でございますよー』

魔王「あ、お、お姉さん」

835 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:19:56.19 ID:970Mvbyto

姉勇者『あら、起きてなさって? 入ってもよろしいでしょうか』

魔王「はい」

スーッ

姉勇者「おはようございます魔王様」ペコリ

魔王「……おはようございます」

姉勇者「よく、寝れましたか?」

魔王「ええ、おかげさまで」
836 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:20:22.77 ID:970Mvbyto

姉勇者「朝食の準備ができましたのでお呼びしたのですが、今から大丈夫でしょうか」

魔王「はい、分かりました」

姉勇者「先に運動しても良いのですよ」

魔王「いえ、構いません。ありがとうございます」

姉勇者「……」ニッコリ
837 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:20:49.86 ID:970Mvbyto

魔王「……」

魔王「お姉さん」

魔王「今日は、よろしくお願いしますね」

姉勇者「ええ、こちらこそ」

姉勇者「必ずや大魔王様を倒しましょう」

魔王「はい!」スクッ
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 22:23:22.23 ID:XzNlYNTFo
ミズッ
839 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:23:45.60 ID:970Mvbyto

――

3時間後 倉庫


側近「……」

魔王「……」

妹ゆーしゃ「でかい」

姉勇者「軍事用の車両ですからね」
840 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:26:15.30 ID:970Mvbyto

魔王「どうしてこんなものが」

老婆「じいさまの趣味で」

魔王「……」

姉勇者「運転できますか?」

魔王「……」

魔王「お、俺は……」

魔王「俺は!」
841 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:30:42.95 ID:970Mvbyto

魔王「Wiiを、マリオを信じます!」グッ

姉勇者「は、はあ……?」

魔王(一緒にGKと戦ってきた仲間なんだ……)

魔王(俺は信じている。Wiiのカート操縦と現実のカート操縦が同じなことを!)

老婆「ほっほっほ。自信だけはお有りのようで」

842 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:31:49.85 ID:970Mvbyto




魔王(これがアクセル……? ブレーキ……?)ブルルンブルルン

側近「なんだか複雑な機械だなぁ」

姉勇者「魔王様、ここがアクセルで……。あぁ、違います。そこではなく」

妹ゆーしゃ「だいじょうぶかなあ」
843 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:32:22.47 ID:970Mvbyto

魔王「……」

魔王「…………」

魔王「……えーあー、はい。大丈夫です、大体覚えましたから」

姉勇者「本当に? 無茶はしないでくださいね」

側近「こちらも、武器はすべて持ち込んだぞ」

姉勇者「では、私も上のマシンガンの様子を……」カンカンカン


844 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:33:12.27 ID:970Mvbyto

魔王「どうですかー?」

姉勇者「…………。―― ええ、大丈夫ですよ」

魔王「では出発を?」

姉勇者「そうですね、しましょうか」

魔王「――。はい」グッ
845 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:33:49.78 ID:970Mvbyto

老婆「お嬢様、本当に魔王城ではなく魔王城の手前にルーラでよろしいのですか?」

姉勇者「ええ。大丈夫よ」

老婆「それでしたら、こちらも準備が整いました。いつでもどうぞ」

魔王「……」

魔王「……」スーハー……スー……ハー……

魔王「……」グッ

魔王「……帰ろう、魔界に」

846 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/03/28(水) 22:34:25.75 ID:970Mvbyto
ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の投下は、また仕事のほうが忙しくなってきましたので3日後の午後9時頃からです。
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/03/28(水) 22:56:58.13 ID:ek+PgRDk0
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/29(木) 00:34:58.35 ID:ZpeOxfUio
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/29(木) 00:48:05.70 ID:m+Oq7xKao
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/30(金) 01:17:21.06 ID:GWXy0U720
乙ですー
何かドキドキしてきた
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/03/31(土) 03:25:12.67 ID:XImQTel20
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/03/31(土) 07:58:31.16 ID:GlV/DUlH0
保守いらん
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/03/31(土) 22:58:54.75 ID:RZiPHz1x0
また仕事いそがしくなったか
大変だな
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/02(月) 07:52:02.89 ID:9fdMWgoIO
年度切替時期だしな!どんまい
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/04/02(月) 12:57:31.02 ID:qn+nXR/ho
乙乙!
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/04/06(金) 06:19:00.28 ID:WbrypJeXo
ご冥福
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/12(木) 07:41:14.49 ID:+bvM9VSIO
待ってるんだぜ
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/04/12(木) 09:22:43.35 ID:sGeHDpggo
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
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.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/14(土) 10:23:46.91 ID:US7lohJIO
ここまで空くと死にたい
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/14(土) 17:45:18.36 ID:q86bptT9o
大丈夫、この>>1は状況落ち着けば来る
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/04/21(土) 21:59:18.12 ID:PkTJSz1Fo
まだかな………
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/23(月) 06:31:41.06 ID:oKtF/iLOo
GWにはきっと!
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/04/28(土) 10:41:48.64 ID:RxH9BSpvo
もう一ヶ月経つのか…
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/28(土) 11:20:27.70 ID:UV5svMRIO
GW?普通、外で遊ぶものでしょう?
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/28(土) 11:46:11.39 ID:Yyv5z3qIO
>>864
おいなかやめろ
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/04/28(土) 18:22:28.62 ID:wFGRi5Ceo
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
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867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/04/28(土) 20:44:56.02 ID:8PGPmT1oo
>>865
中に出さないでぇ!
的な意味のレスに見えた
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/28(土) 21:26:25.90 ID:sCvB1nNco
大阪が二度催促してるなwwww
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/04/29(日) 01:44:05.06 ID:4PJvCJFio
>>868
ごめん…連続二回は貼らないポリシーだけどたまに間違えちゃうんだ
あと、たまに俺じゃないやつが貼ってる
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/29(日) 09:56:52.07 ID:ZzrQW+JIO
>>869
飽きたからそろそろ新AAでよろ!
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/04/29(日) 19:15:33.69 ID:2er+fEqvo
GWだぞっぉぉぉぉぉぉぉ


いつもと全く変わらない
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/01(火) 02:46:35.56 ID:JpsZIuXw0
おら、はよ、おら
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/05/04(金) 10:53:56.05 ID:+80YDd2AO
結局逃亡かよ。
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/04(金) 11:40:17.52 ID:853P1Ftxo
NIP新参は静かに待つことを覚えようね
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/04(金) 12:56:05.55 ID:u+0UbJ9No
ちょうど年度替りのタイミングだったし、仕事関係でなんかあったのかもな。
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/06(日) 00:49:38.94 ID:Y8SPSQBh0
GW終わるぞ、はよ
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/07(月) 15:58:19.34 ID:Akh0bnCIO
黙って待ってろ
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/07(月) 16:25:53.35 ID:WgfUWgPIO
完全に同意
待てないなら去れ
879 :                                       田所  :2012/05/08(火) 21:49:00.98 ID:9wr5POGao
いつまで待ってももうこれないよ
辞令
転勤
アジア
疲労

      完
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/08(火) 21:53:53.89 ID:X1JKx45wo
>>879
うざい
待てないなら余計な書き込みはせずそっとブラウザ閉じろ
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/08(火) 23:02:30.52 ID:rVOwG70Lo
これ1?
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/08(火) 23:51:09.80 ID:4s0N66qvo
んなわけないだろ
まぁ、同感だけど
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/09(水) 12:18:09.65 ID:x43gbLjIO
気長に待ってるよ!
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2012/05/11(金) 15:36:58.39 ID:/3avvR8lo
「待ってる」が
二十続くと
もう来ない
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 13:52:33.70 ID:/qHcQRqJo
なんだかんだ言ってみな楽しみにしてるのなww
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/13(日) 23:56:07.49 ID:N3RqCYkj0
>>1よ、俺は信じてるぞ.....
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/14(月) 06:59:13.60 ID:D8xtzeMIO
同意
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/21(月) 20:07:52.01 ID:h+4GrJje0
おい





嘘だろ?
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/21(月) 20:51:20.62 ID:Yk1zwCQIO
846 名前:◆TzMx3.YmlUUY [saga] :2012/03/28(水) 22:34:25.75 ID:970Mvbyto

次回の投下は、〜 略 〜 3日後の午後9時頃からです。


と言うことで、まーこりゃーエタったな。
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/21(月) 20:51:53.64 ID:udPJcXtAO
あぁ、後一週間で2ヶ月落ちか……
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/05/21(月) 21:04:06.89 ID:73VdIJ6AO
まだ…まだ大丈夫だ
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/21(月) 21:06:23.39 ID:kSnOQXH+o
絵もSSも好きだっただけに残念だ
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/05/21(月) 22:39:30.63 ID:RFbnWJ8Xo
とは言え3スレ目だ。
よく頑張ったと思う。アホが茶化したり池沼が荒らしたり、荒らしに乗っかる低脳が湧いたりした中、
3スレだからな。健闘を称えたいと思いこそすれ、非難する気にはなれん。
894 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/05/21(月) 23:25:36.48 ID:pJDLfc1eo

お久しぶりです。
しばらくssをかけない状況(転勤やら新人の問題やらで)が続いていて申し訳ございません。
書き溜めがないので、投下に関してはもう少し先になってしまうかもしれませんが、ちゃんと完結させます。
できれば、もうしばらくお待ち頂けたら……と思います。
誠に申し訳ございません。
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/21(月) 23:27:35.63 ID:kSnOQXH+o
ありがてぇっ…!
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/21(月) 23:35:11.45 ID:Qsg/MLEio
ありがてぇ!!
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/21(月) 23:36:05.23 ID:VZJAuWeBo
ありがてぇー
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/21(月) 23:49:34.14 ID:5UOxCkF1o
ありがてぇ…っ!
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/22(火) 00:12:58.32 ID:bB+lW4+so
すごい一体感を感じる。今までにない何か熱い一体感を。
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 00:25:14.81 ID:e5voTI5SO
ありがてぇ↑
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 05:02:39.30 ID:lhBRy2MIO
良かった…
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 07:56:52.00 ID:P1JwsyXDO
これでまた2ヶ月まてる!!
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 14:53:18.11 ID:ub1fBhbIO
ありがてぇ…っ!
これでまた2ヶ月生きれる!!
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/22(火) 18:03:30.54 ID:0cwhV0xa0
まじか
ありがてぇっ
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/24(木) 01:16:30.29 ID:RCaG5r6Yo
ありがてぇ
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/24(木) 15:52:06.35 ID:fbu6dIi10
ひゃっほぅ
ありがてぇ!
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/25(金) 08:09:26.08 ID:+mI1VzVIO
くくくっ
寿命を伸ばすために足掻くなら本気を見せてみろ!
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/06/05(火) 11:06:02.76 ID:UzEWStj4o
2ヶ月間だけ待ってや…ごめん、待ってる。
909 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:07:14.65 ID:a0esOruOo

短編 もしも魔界に帰らずに人間界で暮らしていたら…
910 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:07:43.23 ID:a0esOruOo


魔王「お姉さんって」

姉勇者「はい?」

魔王「母乳とか……でます?」

姉勇者「……」

姉勇者「魔王様、お気は確かですか?」

魔王「勿論です」キリッ

911 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:08:13.07 ID:a0esOruOo

姉勇者「……」

姉勇者(魔界の女性はいつでも母乳がでる体質……とか……?)

姉勇者(いえ、そんなことはないわよね。側近様はそんなことないし)

姉勇者(どうしよう、人体の仕組みから教えるべきなのかしら……)

姉勇者(それとも魔王様のいつもの……)

姉勇者「…………」ウーン

魔王「お姉さん、本気で悩まないでください」

912 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:08:42.91 ID:a0esOruOo

姉勇者「ま、魔王様。一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」

魔王「はい」

姉勇者「仮に、仮にですよ。私が母乳がでる、と申したら、貴方様はいったい何をなさるおつもりで?」

魔王「吸うに決まってるじゃないですか」

姉勇者「……」

魔王「何を当たり前のこと聞くんですか。お姉さんは」ハハッ!

姉勇者(ダメだこの魔王……。本当に私、この人と結婚してよかったのかしら……)ホロリ
913 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:09:10.30 ID:a0esOruOo

姉勇者「……」

魔王「しかしその様子では、でない、みたいですよね。実際、セックスしている最中何度吸っても母乳は出ませんでしたし」

姉勇者「あ、当たり前ですっ! 魔王様、そもそも母乳というのは――」

魔王「わかっています! しかし、好きな人の母乳を飲むこと。これは男の夢! 夢と書いてロマンと読むんです!!」ガタッ!

魔王「即ち、母乳を飲みたいという願望は、男故に、否。男だからこそ思うことなのです!!」

魔王「だから俺は……」

魔王「俺はッ!」

魔王「お姉さんッ、俺はお姉さんの母乳が飲みたいッ!!」グッ!

姉勇者「…………」
914 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:09:37.26 ID:a0esOruOo

姉勇者「…………ね、熱意は伝わりました」

魔王「はい!」

姉勇者「一応お聞きしますが、側近様の母乳では駄目なのですか?」

魔王「お姉さんの、母乳が、飲みたいんです! ハァ……ハァ……!!」

姉勇者(何かのゲームの影響かしら……。HDの中にいやらしいゲームも沢山入っていましたし……どうしましょう……)
915 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:10:03.88 ID:a0esOruOo

姉勇者(ここまで熱く語られたら、どうしようもないというか……。母乳を飲ましてあげないとそれこそ可哀相というか……)

姉勇者(……惚れた弱み、というものかしら……。もう、仕方ない人……)

姉勇者「分かりました、魔王様……。そこまでおっしゃるのでしたら、ひとつ考えがあります」
916 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:10:30.83 ID:a0esOruOo

魔王「か、考えというと?」

姉勇者「実用化はしていないのですが、一応母乳……がでる呪文は作ったことがあります」

魔王「な、なんと!」

姉勇者「実際でるかは試してみないとわからないのですが……。それでよろしければやってみましょう」

魔王「ほほほほ、ほんとうでつか!?」
917 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:10:57.72 ID:a0esOruOo

姉勇者「はい。魔王様は……その、わ、私の母乳を、の、飲みたいんですよね?」

魔王「勿論です!!」

姉勇者「な、なら……。その、と、特別に……」ポッ

魔王「いやったああぁぁあああああぁぁあああああああ!!! ではお姉さん! 是非ともこれを着てください!」サッ

姉勇者「これは……」
918 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:11:25.16 ID:a0esOruOo

姉勇者「エプロン?」

魔王「はい!」

姉勇者「……? 分かりました。着ますね」ゴソゴソ

魔王「待った!」

姉勇者「ひっ!? な、なんですか?」

魔王「なんで服の上から着ようとしているんですか?」

姉勇者「…………。………………は?」
919 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:11:50.38 ID:a0esOruOo

姉勇者「……え、えと……。それはどのような」

魔王「普通エプロンは裸の時に着用するものですよ」

姉勇者「え? すいません、ちょっと耳が悪くなったのかもしれません。もう一度お願いします」

魔王「ですから裸の時にエプロンは着るものなんですよ」

姉勇者「」
920 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:12:19.07 ID:a0esOruOo

魔王「ですからお姉さん、服脱いでください。今! なう!! 俺が洗濯しておきますから」

魔王(その前にくんかくんかしてオナるけど!)

姉勇者「いえ……洗濯は洗濯機におまかせしますので……」

姉勇者(どうしよう、頭が痛くなってきたわ……)

姉勇者(でも魔王様はいたって真面目に裸にエプロン……)

姉勇者(えーと、所謂、裸エプロンってやつ、よね。してほしい、って言っているようですし……うぅ……)

姉勇者「……」

姉勇者(……どうしよう)

921 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:12:44.79 ID:a0esOruOo

魔王「それともお姉さん、嫌ですか? ……嫌、なんですか?」チラッチラッ

姉勇者「……あ」

姉勇者(ここで断ったら魔王様傷つくだろうなぁ……。ナイーブな人ですものね……)

姉勇者「……」

姉勇者(今は側近様も、妹ちゃんもいない)

姉勇者(私と魔王様しかここにはいない……)

姉勇者(なら……)
922 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:13:13.12 ID:a0esOruOo

姉勇者「わ、わかりました。……は、裸、え、エプロンを、す、すればいいんですよね」

魔王「! は、はい!! デュフゥwww」グッ

魔王「じゃ俺、外でてるんで!!」

姉勇者「え、そ、外……?」

魔王「はい! 夕食でも作っていてください!! 俺後ろから襲いますので!!」
923 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:13:40.30 ID:a0esOruOo

姉勇者「は、はぁ……?」

魔王「あと、魔王様は禁止です。あなた、って呼んでくださいね。分かりましたか?」

姉勇者「わ、分かりました……?」

姉勇者(一種のコスプレイ……って奴なのかしら……。よくわからないけれど、魔王様に任せましょう……)オドオド
924 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:14:06.98 ID:a0esOruOo

トントン

姉勇者「……」

姉勇者(裸エプロンって冷えるなぁ……。あまり身体にいいものではないわね)

姉勇者(それに……ブラをつけていない分、胸が邪魔して料理しにくいわ)

姉勇者(あまり女性からしてみたら良いものじゃないわね。裸エプロン……)

姉勇者(でも魔王様の要求ですもの。甘んじて受け入れないと)

姉勇者(良妻でありたいもの。魔王様の……あのような意見でも受け入れて……)

姉勇者(でも夏場以外にはやりたくないわね。これ……)トントン

魔王「コポォwwwwwデュフッww たっだいまー!」

姉勇者「あ……」

925 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:14:32.66 ID:a0esOruOo

姉勇者(えぇ……と、魔王様って呼んじゃいけないのよね)

姉勇者「おかえりなさい、あなた」

魔王「キターッ! あなたキターッ! デュフフッww お姉さんただいま!!」ギュッ

姉勇者「きゃっ、……ま、……っ、あ、あなた。駄目ですよ、包丁持っているときに抱きついたりしたら。危ないですよ?」

魔王「大丈夫、大丈夫。お、お姉さんがいるから大丈夫ですよ」スリスリ

姉勇者「は、はぁ……? ……。あ、今日の夕食は何にします?」
926 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:15:01.22 ID:a0esOruOo

魔王「勿論お姉さんです!」フニッ

姉勇者「んきゃうっ……! あ、あなたっ……もう……。そういう冗談はだめ、よ」

魔王「ホッwホーッウww 冗談じゃないですよ、ハァッ……/// ほ、本気で言っているんです」フッー

姉勇者「ん……」ビクンッ

姉勇者「もう、耳に息を吹きかけないでください。料理がいつまでたってもできなくなっちゃいますよ?」
927 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:15:27.23 ID:a0esOruOo

魔王「それでも構いません。お姉さんさえいてくれたら……」

姉勇者「……」ドキ

姉勇者「ま、あ、あなた。そのような冗談はよして。もう……」ドキドキ

魔王「冗談じゃありませんよ」ギュッ

姉勇者「きゃぅっ!」

魔王「こんな大きいおっぱい……。ぎゅってやったら母乳もでそうですね」ギュッ…ギュッ

姉勇者「あ、あなた……んっ、そ、そんな揉み方だ、めぇ……」モジッ…
928 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:15:55.26 ID:a0esOruOo

魔王「……ん。なんだかエプロンが湿ってきましたね」

姉勇者「っ……!」ビクッ

魔王「と、特にハァッ/// ち、乳首のところが」ギュッ

姉勇者「ひぐっぅ!」ビクッ

魔王「ほら、やっぱり湿ってる……。もしかしてお姉さん」

姉勇者「……」

姉勇者(それは……確かにそういう呪文をかけたから母乳……でるようになったんですよ……)

魔王「母乳ですよね。これ……デュフwww」
929 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:16:22.05 ID:a0esOruOo

姉勇者「……っ、もう。そ、そうですよ!」

魔王「母乳でる身体になったんですか。コポォwwデュッwww ハァッ/// もう、やらしい身体だなあ」ギューッ

姉勇者「んっひッ!?」ピュッ…

魔王「あらら。勢いがいいですね。エプロン着ているのに母乳が溢れ出してきましたよ」ハァハァ///

姉勇者「あぁ……あなた……。これ以上は……」
930 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:16:49.13 ID:a0esOruOo

魔王「……」ギュッ…ギュッ…

魔王「……ああ!! もう我慢できない! 吸わせていただきますッ!!」ガバッ!!

姉勇者「え? きゃあっ!」バタンッ

魔王「お、おおお、お姉さん。吸いますよ! お姉さんのピンクの乳首から湧き出している母乳ハァーッ/// すっ、吸いますよ!!」モニュッ

姉勇者「ッ……もう……。好きにしてください……」
931 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:17:15.35 ID:a0esOruOo

チュッ

姉勇者「ッ!」ビクンッ

魔王「んぐ……」チューッ

姉勇者「んっ……ん……」ビクッ

魔王「んご……んぐ……」ギュッ、ゴクゴク

姉勇者「い……やぁ……。本当に吸われて……るぅ……!」ビクッ

932 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:17:43.22 ID:a0esOruOo

5分後

魔王「んぐ……んっ……ん……」チューッ

姉勇者「ま、あ、……あなた……も、もうっ……ひゃんっ! し、舌で、そんな舐め方、ぁぅ……」ビクッ

魔王「フフ/// んぐ……ちゅ……ちゅぅ……」ギュッ

姉勇者「あなたぁ……もう、だめぇ……ッ……」ビクビクッ

933 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:18:10.51 ID:a0esOruOo

10分後

姉勇者「ん、だ、だめっ……も、い、いあ……ひゃああっ……!」ビクッビクッ!!

魔王「んもっ……んぐ……!」チュゥウー!!

姉勇者「あぁ、吸われていかされ……んひぃ……! あ、あぁぅ……!!」ビクッ

魔王「チュゥ! ジュッ……! んぐっ……!」

姉勇者「も、あ、あなた……ほんとに……だ、だめ……だったら……っ!」
934 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:18:43.03 ID:a0esOruOo

15分後

魔王「んぐっ……んもっ……んぐぐっ……!」チューッ

姉勇者「……あ、あなた! さすがに吸いすぎです!!」グイッ!

魔王「ぷはっ!? ちょ、お、お姉さん。まだ吸い途中ですよ!!」

姉勇者「もう15分近く吸っているじゃないですか! 流石にもう出ませんよ」

魔王「そんな……。まだでもちょっとは」タプン

姉勇者「あんっ……。だ、だから、もう胸をいじるのは……」

935 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:19:09.28 ID:a0esOruOo

魔王「……」ギュッ

ピュ…

魔王「確かに出は悪くなっていますけど、だからこそ最後の一滴を!」ガバッ

姉勇者「っ! だ、だからもうダメです!! 今日はもうだめです!」グググッ

魔王「いえ、お姉さん。まだいけます! まだいけますから吸わせてください!!」

姉勇者「魔王様! もう終わりです!! いくらなんでもこれ以上は……。妹ちゃんが帰ってくるかもしれませんし」

魔王「なら見せびらかしましょう」

姉勇者「ダメです! あんな若いうちからこのようなアブノーマルなこと……」

魔王「アブノーマルなんかじゃありません!!」

936 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:19:37.34 ID:a0esOruOo

姉勇者「仮にノーマルだとしてもこのような行為は見せるべきではありません!」

魔王「ギリギリまでやりましょう。ギリギリまで」

姉勇者「いけません、魔王様。ギリギリまでやってしまったら、は、裸エプロンを見られてしまうでしょう?」

魔王「それがなんだと」

姉勇者「私は魔王様以外の方に、裸を見られたくありません」

魔王「オゥフwwww」
937 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:20:07.11 ID:a0esOruOo

姉勇者「実の妹の子だったとしても……です」

姉勇者(というか妹ちゃんや側近様にこんな姿で母乳をあげているところなんて見られたら1ヶ月はネタにされる……)

魔王「お姉さん……」

魔王「……」

魔王「分かりました。今日は引き下がりましょう」

姉勇者「魔王様……。ありがとうございます」

魔王「しかしお姉さん。お頼みしたいことがあります」
938 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:20:32.44 ID:a0esOruOo

姉勇者「なんでしょう」

魔王「母乳ヨーグルトが食べたいです」

姉勇者「……」

姉勇者「え……?」

939 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:21:01.00 ID:a0esOruOo

姉勇者「申し訳ございません。もう一度お願いします」

魔王「ですから母乳ヨーグルトです」

魔王「あ、母乳で作ったリゾットでもいいですよ」

姉勇者「…………」

魔王「一度食べてみたかったんだよなあ……コポォwwww」

姉勇者「……」

940 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:21:28.18 ID:a0esOruOo

姉勇者「……魔王様」

魔王「はい?」

姉勇者「離婚いたしましょうか?」

魔王「えっ」

姉勇者「離婚いたしましょうか?」

魔王「え、ちょ、ど、どういうことですか!」ガバッ

魔王「お、俺のどこが……。ほ、他に好きな人でもできたんですか!?」
941 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:21:55.45 ID:a0esOruOo

姉勇者「いいえ。違います」

魔王「なら何故!?」

姉勇者「想像してみてください! 愛する旦那様に自分の母乳を使って料理を作れと言われる妻のことを!!」

姉勇者「私は……私は、自分の母乳でごはんを作るために貴方のところに嫁いだのではありませんっ」ポロポロ…

魔王「お姉さん……」
942 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:22:25.02 ID:a0esOruOo

姉勇者「貴方のことはお慕いしております! しかし、あまりにも……あまりにも……うぅっ……!」ポロポロ

魔王「……」

魔王「……あ、あの……。ご、ごめんなさい」

魔王「俺、そんなにお姉さんを追い詰めているとは知らなくて……」

魔王「確かに旦那失格ですね。俺……」ギュッ

姉勇者「魔王、様……」
943 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:22:51.06 ID:a0esOruOo

魔王「ごめん。お姉さん……」

魔王「無茶ばかり言って……」

姉勇者「魔王様……」

姉勇者(私感情に任せてひどいことを……)

姉勇者(魔王様だって悪気があっていっているわけじゃないのに……)

姉勇者(私は……魔王様を責める価値なんてないわ)

姉勇者(私こそ妻失格じゃない……)ギュッ

944 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:23:19.24 ID:a0esOruOo

姉勇者「魔王様……ごめんなさい」

姉勇者「私も貴方の性癖を理解できずに……ひどいことばかり言って……」

魔王「お姉さん……」

魔王「そんなことありません。俺も突っ走りすぎました」

魔王「母乳はないですね。母乳は……はは」

姉勇者「魔王様……」

魔王「だからお姉さん……」

魔王「母乳じゃなくて、次はマンカス食べさせてください」

姉勇者「」


END


 
945 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/09(土) 02:23:45.74 ID:a0esOruOo

お久しぶりです。またまた間が空いてしまって申し訳ありません。
あと一つほど短編を書いて、次スレから本編を進めていくことにします。

しかしネタがないので何か書いて欲しいような内容がありましたら書いていただけると助かります。

次は一週間以内に更新させていただきます。不定期になってしまい申し訳ございません。
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/09(土) 02:48:14.46 ID:G/AZEfARo
おつ!
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 03:48:33.24 ID:mrCNZXvIO
オチの酷さに吹いたwww
乙!
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/06/09(土) 07:20:10.23 ID:e+QhktmAO
乙!
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/09(土) 07:58:03.67 ID:dqJzWcjxo
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 08:26:36.23 ID:zZQuPqy9o
来たあ!
嬉しい!!
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川) :2012/06/09(土) 13:20:35.37 ID:/HH0wqrQ0
いちおつ
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/09(土) 13:36:32.18 ID:MUOgcuVNo
この2ヶ月の間にイケメン成分がどっかに飛んでったようだな…
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/09(土) 19:58:40.79 ID:AwTGbXSWo
見た目イケメンでもこれじゃあ……
魔王らしいっちゃらしいがww
たいていのキャラは見た目がイケメンになれば内面も引っ張られるというのにこの魔王は……
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/09(土) 22:37:36.09 ID:jKhGhB8Do
復活一発目からすごいの来たねwwww

ともあれ
お帰りなさい!待ってました!!
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/10(日) 05:19:56.33 ID:vPYk6POLo
やっぱ魔王さまは変態だなぁ
少しづつエスカレートしていくんだろうか……

書いてほしい内容というかなんというか
入れ替わりネタとか見たいなって

魔法でもアイテムでも
メインメンバーの身体総入れ換え、背丈の違いを忘れて頭ぶつけたり、重心の違いで転けたり……
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 08:41:46.27 ID:14W/rSqFo
本編を進めて欲しい
切実に
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 21:15:51.72 ID:Egv0Cx660
魔王様はほんとうに変態紳士でございますなぁ

しかし、女子学生の演出といい、姉勇者の笑い声といい、>>1は村正好きそうだな
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/11(月) 01:53:46.65 ID:/3cYue700
さすが魔王様はブレないな・・・
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/11(月) 20:56:50.55 ID:qL8oY2oIO
自分も本編を希望します!
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/11(月) 22:13:56.37 ID:3OylcDoZ0
>次スレから本編(ry
てことは次スレ立てたりここを埋めたりしないとな










俺はしないけどな!!!
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/13(水) 12:39:42.92 ID:G7tGus2IO
次スレは>>1が立てるだろ

もし>>1が誰か立ててと言うなら、俺が立てよう
962 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:25:44.48 ID:ao7o9Njjo

本編を希望する方が多かったので、本編を投下させていただきます。
963 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:26:13.62 ID:ao7o9Njjo

魔界 魔王城入口


側近「本当に……人間のルーラで魔王城の入口に」

姉勇者『あらあら側近様、そんな悠長なことを言っている時じゃありませんよ』

魔物の群『ナンダコレ……ナンカ空カラ鉄ノ塊ガフッテキタンデスケド……』ザワザワ
964 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:26:38.13 ID:ao7o9Njjo

魔王「嗅ぎつけるのが早いな」

姉勇者『と、言うわけです。撃ちまくりますので、魔王様。運転お頼みしましたよ』

魔王(アクセルがこっちで……ブレーキがこっち……)

魔王「……」

魔王「分かりました。行きます」
965 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:27:04.63 ID:ao7o9Njjo

妹ゆーしゃ「いっちゃえー!」オー

ブルルルル……ガガガガ!!

魔王「め、めめめ、めっさ、ゆ、ゆれ。お姉さん大丈夫ですか! 主に胸揺れ! 胸!」

姉勇者『ま、魔王様、お気を確かに。私は大丈夫ですので。作戦通りに門に向かってつっこんで下さい』ドダダダダ!!!
966 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:27:33.34 ID:ao7o9Njjo

ガガガガガ!!!!

魔物の群「ウギャー」バババッ

姉勇者(……思ったよりもちゃんと運転できているみたい、ね)

姉勇者(ちょっとスピードの調整が……。速すぎるような気がしないでもないけれど)

姉勇者(さっさとあの門壊さないと)スッ

姉勇者(爆薬で壊れてくれたら万事解決、なんですけれどね)

シュッ!
967 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:28:01.87 ID:ao7o9Njjo

バァアンッ!!

魔王『!?』

姉勇者(壊れ、た……?)

姉勇者「……」

姉勇者(魔法で強化ぐらいしてあると思ったのだけれど、現代兵器についてはあまり耐性がないのかしら)

姉勇者(何にせよ。ここで魔法を使わず済んだのはラッキーね)

魔王『お姉さん! 爆風でまったく分からないんですけど、壊れましたか?』
968 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:28:31.82 ID:ao7o9Njjo

姉勇者『はい。こちらで確認しました』

姉勇者『そのまままっすぐ進んで下さい。ズレたようなら私がナビゲートしますので』カチ

魔王「分かりました!」グッ

ブルルルッ!!

側近「おえ……酔った……」

妹ゆーしゃ「そっきんだいじょうぶー?」

側近「い、今話しかけないでく。は、はk」

ブルルルッルルルゥツ!!

魔王「ヒーハー! やっぱ車はスピートを出してなんぼのもんだぜ!!」
969 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:29:01.77 ID:ao7o9Njjo

――


同刻 魔王の間


四天王3「魔王様が乗り込んできたですってぇ!?」バンッ

四天王2「ひっ……! お、大きい音を立てるな! 大魔王様のお、おぜ……」

四天王3「あんたは黙っておきなさいよ!」

四天王2「っ……」ビクビク

ドガーン

四天王4「……まぁ、確かに今日は隕石が落ちてきたかと思うぐらいにうるせぇな」

970 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:29:28.68 ID:ao7o9Njjo

大魔王「ああ。お前たちは“いつも通りの位置”について待機してくれ」

四天王3「大魔王様、魔王さ……反逆者はどこまで侵入しているのかしら」

大魔王「……」

スライム「あ、ぼ、っ、僕が答えますね!」プルン
971 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:29:55.98 ID:ao7o9Njjo

スライム「え、えーと、四天王様方の待機場所から少し離れた位置ですね」

スライム「食堂前あたり、でしょうか。でも……すごい速度がはやいです。車を使って移動しているようです」

四天王3「ちょ、……それを先に言いなさいよ! はやく所定の位置につかないと……!」

大魔王「ああ、だからお前たちはさっさと位置に」

四天王4「……ちょっと待てよ、大魔王様。いつも通りの位置はまずいんじゃねぇの?」

972 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:30:21.41 ID:ao7o9Njjo

四天王3「ハァ? 4、こんな時にいったい何を言い出すのよ」

四天王4「カマ野郎。お前も頭に血上らせすぎだ。ちいったぁ考えてみろよ」

四天王4「相手は得体もしらねぇ虫みたいな機械で、俺たちの動きを把握してやがる」

四天王4「と、なると……。分かるよな?」

四天王3「……!」
973 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:30:49.95 ID:ao7o9Njjo

四天王2「私たちの……配置場所も把握している可能性があると……?」

四天王4「ああ。大魔王様、そこらへんの報告は俺たちしたよなぁ? なのにいつも通りの位置につけ、ってのは……少々浅はかすぎねぇか?」

大魔王「……」

四天王4「ただでさえ、つええ1が死んだ後なんだ。……。俺たちが負ける可能性だってある。相手は頭だけはいいみたいだからな」

大魔王「……。それがいったいなんの問題があると」

四天王4「は……?」
974 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:31:15.93 ID:ao7o9Njjo

大魔王「お前の言い分は分かった」

大魔王「自分が不利になるような相手が敵になる可能性があるため、配置場所を変えたい、というのだな」

四天王4「……! そういう――」

大魔王「甘えるな、小僧。どんな相手でも勝たなければいけない。否、勝つ。それが魔族。それが我々というものだ」

975 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:31:43.83 ID:ao7o9Njjo

四天王4「…………」

大魔王「それすらできない奴に四天王の称号を与えることなど惜しいというものだ」

大魔王「お前は魔族の中でも一流、なのだろう。なら勝ってみせろ。どんな状況であろうとも」

大魔王「それすら出来ない奴が私に口答えなどするな。雑魚が」

四天王4「――ッ!! て、てめ……」

四天王3「4、落ち着きなさい!! 大魔王様の言うとおりよ」
976 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:32:13.67 ID:ao7o9Njjo

四天王3「どんな相手だろうとねじ伏せる。相手の頭脳がこっちより上だったとしたら、それ以上の力で叩きのめす」

四天王3「……それに今更配置場所を変えたところで、その動きも相手は予想済みよ。だとしたらまったく意味のない行動だわ」

四天王4「……くっ……!」ギリッ…

四天王2「だとしたらここで討論している時間は無駄だ。配置場所について待機したほうが良いのではないか?」
977 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:32:40.13 ID:ao7o9Njjo

四天王3「あら、たまには良いこというじゃない。女のくせに」

四天王2「……」

大魔王「雑談はここまででいいか。さっさと位置につけ」

四天王2「は、はいっ……!」

四天王3「はぁい……。いきましょう、4」ポン

四天王4「……チッ」

スタスタ……

バタン

大魔王「……」
978 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:33:07.87 ID:ao7o9Njjo

スライム「……」

大魔王「……」

大魔王「……スライムよ」

スライム「はっ、はひぃ!?」ビクッ

大魔王「この戦闘、どちらが勝つと考える」

スライム「え……?」

大魔王「正直でよい。答えてみよ」
979 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:33:34.47 ID:ao7o9Njjo

スライム「え、えっと……」

スライム「……」プルン

スライム「ぼ、僕たちが勝つんじゃ……ないんですか……?」ビクビク

大魔王「……」

大魔王「私たちが、か……」
980 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:34:01.92 ID:ao7o9Njjo

大魔王「……」

スライム「あ、あのぉ……」

大魔王「魔王と、勇者がここにやってくる」

大魔王「その意味がお前にはわかるか?」

スライム「え、えっとぉ……はい。魔王様と勇者候補がやってくるんですよね?」

大魔王「違う。“魔王と勇者がやってくる”と私は言ったんだ」

スライム「え……それはどういう……?」
981 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:34:28.24 ID:ao7o9Njjo

大魔王(……魔王よ)

大魔王(やはりお前は……。魔王、なのだな)

大魔王(そして……勇者は……)

大魔王「……スライム、お前も支度をしろ。私はここにいる」

スライム「は、はひ! わかりまひ、ました! 失礼します!!」プルン
982 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:34:55.89 ID:ao7o9Njjo

大魔王「……」

大魔王「この戦闘の勝利……」

大魔王「して……どちらに微笑むのか」

大魔王「どちらにしても私は――……」
983 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:35:22.38 ID:ao7o9Njjo

――

同刻


ダダダダダッ

魔物達「ウギャーォ」

姉勇者「……ったく、数だけは一丁前に多いのね」

姉勇者(魔物の数は減少傾向だというのに……。不思議なものだわ)

ギィーッ

姉勇者「……」

ゴーレム「ここは俺に任せろぉおおお!」
984 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:35:49.89 ID:ao7o9Njjo

ガシッ

姉勇者「きゃあっ!」

魔王『うぉうっ!!』

ゴーレム「鉄の塊なんて俺にかかれば赤ん坊みたいなもんよ!」グググッ

姉勇者「くっ」ダダダッ
985 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:36:15.35 ID:ao7o9Njjo

ピンッピンッ!

姉勇者「ちぃ……!」

姉勇者(弾が弾かれている。石だからか……!)

姉勇者「魔王様! ご無事ですか!?」

986 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:36:43.91 ID:ao7o9Njjo

魔王「あ、は、はい。俺のほうはなんとか」

側近「い、今の急に止まる奴は……い、胃に……」グッ

妹ゆーしゃ「そっきんだいじょうぶー? かおまっさおー」

姉勇者『それを聞いて安心しました』

魔王「しかしこの状況……実にやばいですぞ」
987 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:37:11.13 ID:ao7o9Njjo

姉勇者『……』

魔王「お姉さん、あの弾は使えないのですか?」

姉勇者『あれ、ですか』

魔王「はい。あの弾であればこのゴーレムは突破できるかと」

姉勇者『……それは……できません』

姉勇者『それに仮にできたとしても、ゴーレムは確実に暴れるでしょう。そしてこの車は木っ端微塵です』
988 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:37:38.20 ID:ao7o9Njjo

魔王「それは、そうですね」

姉勇者『その至近距離ですと魔法を使うことも危険です。ここで車を捨て走りましょう』

姉勇者『どの道、捨てるはずの地点は無事に通過できました。ここで捨てても問題はありません』

魔王「……。わかりました。側近、妹! 聞いたか? ここで降りるぞ」

側近「ちょ、ちょっとうぷ……。は、はい……」

妹ゆーしゃ「もー、そっきんちゃんとしてよー」

側近「面目ない……」
989 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:38:04.78 ID:ao7o9Njjo

バダンッ!!

ダダダッ

ゴーレム「お……? お……?」

姉勇者「……ッ」サッ

タンッ

ゴーレム「ちょwwww何みんなして降りてるんだよwww俺持っている意味ないwwww」

姉勇者「魔王様、間を抜けていきましょう!」

魔王「はい!」

ダダダダッ!!!!
990 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:38:31.98 ID:ao7o9Njjo

ゴーレム「お、おーい! ちょ、ちょっと何。間なんて抜けて……! すっごい卑怯!! 卑怯!」ブンブン

姉勇者(……! そうか、目か)スッ

バァンッ!!

ゴーレム「ぎゃあ゛あ゛ぁあ゛あ゛ッ! 目がぁああ゛あ、目がぁあ゛ぁぁ゛!!」

姉勇者「この隙に行きましょう」

魔王「うぃっす!!」

991 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:38:59.02 ID:ao7o9Njjo

ダダダダッ!

カンッカンッ

魔物達「ギャアアゥ!!」

姉勇者「先頭は私がでます。魔王様と側近様は体力と魔力の保持をメインに。妹ちゃんは自分を守ることだけを考えて!」

魔王「いえ、俺も前にいきます」ブンッ!

魔物「ギャアアッ!」

魔王「妻に守られる夫ってのも、実にかっこ悪いですしね!」

姉勇者「魔王様……ッ!」ダンッ!

魔物「ギャゥッ!」
992 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:39:25.98 ID:ao7o9Njjo

魔物達「て、てめぇらいい加減にしろやぁあああ!」ダダダダッ

側近「! 後ろから敵が」

魔物達「ウラァアアアア!!」ダダダダッ

姉勇者「前からも。挟み撃ち、ですか」

妹ゆーしゃ「よわっちいのばっかりだけど、すっごいいっぱいいるよ!」

魔王「ここを抜ければあの地点だ。なんとしても突破する」グッ

993 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:39:52.80 ID:ao7o9Njjo

魔王「お姉さん、側近、妹!」

姉勇者「はい」

側近「うっ……はい!」

妹ゆーしゃ「なに?」

魔王「死なない程度に、やってくれ」

魔王「あとお姉さんは目つぶってください。ここからは俺も本気で行きます」
994 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:40:20.00 ID:ao7o9Njjo

姉勇者「……」カチカチ

カシャ

姉勇者「……」スゥ

姉勇者「承知しました」

側近「私もです」ス

妹ゆーしゃ「このていどでしんじゃったら、ゆーしゃなのれないよ!」ギュッ!

魔王「……行くぞ!」グッ

995 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/06/14(木) 01:42:20.00 ID:ao7o9Njjo

ここまで見てくださりありがとうございました。

次スレは http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1339605691/l50 です。

また、このスレは埋めていただけると助かります。よろしくお願いします。
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/14(木) 01:43:04.17 ID:ZLFAkfblo
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/14(木) 01:48:20.55 ID:xtf0ciDYo
おつおつ
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/14(木) 01:49:39.23 ID:DBj6aU9uo
乙!
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/14(木) 01:51:19.12 ID:KJa/Va6M0
おつ〜
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/14(木) 02:04:48.49 ID:exf0cL0Po
おつ!
1001 :1001 :Over 1000 Thread
                     ___, - 、
                    /_____)
.                    | | /   ヽ || 父さんな、会社辞めて小説で食っていこうと思うんだ
                    |_|  ┃ ┃  ||  
                   (/   ⊂⊃  ヽ)        /  ̄ ̄ ̄ \
  \僕はSS!/           \_/  !        ( ( (ヽ     ヽ
                   ,\ _____ /、       | −、ヽ\     !  <私は二次創作
   ゝ/  ̄ ̄ ̄ \     /. \/ ̄\/   .\     | ・ |─ |__   /
   / _____ヽ    |  |  _┌l⊂⊃l  |  |    ┌ - ′  )   /
   | | /  ─ 、−、!    |  |  / ∋ |__|  |  |    ヽ  /   ヽ <
   |__|─ |   ・| ・ |    |  /`, ──── 、 |  |     ` ─┐  ?h ̄
   (   ` ─ o−i    ヽ /         \ .ノ_      .j ̄ ̄ |
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男「あそこでDQNに絡まれてるのは・・・女!?」  この後は安価で書く @ 2012/06/13(水) 23:36:23.77 ID:XFYh3Fip0
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長い片思いがつらいからそろそろすっきりしたい @ 2012/06/13(水) 23:30:59.60 ID:HMhPLlSC0
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