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男「超能力・・・?」 -
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1 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:14:10.87 ID:JVfiK+WX0
それは酷く寒い夜のことだった。
普段は美しい輝きを見せる月もその日だけは雲に隠れ、より一層暗くなっていて
そこに人気などはなく、まるで自分だけが違う世界に来てしまったような光景だった。
しかし、それはどこにでもある風景で、そして何かが異質だった。
そしてその異質によって俺は初めて「死」を体験することになる。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1329326050
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1.5 :
荒巻@管理人★
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アサギととがめの健康で文化的な最低限度のA雑 @ 2024/06/03(月) 17:34:17.94 ID:aGMQFtfGo
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ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part14 @ 2024/05/30(木) 19:59:08.98 ID:vFOLRcVB0
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恋「謝ってください」 @ 2024/05/30(木) 01:12:50.44 ID:GgoI/MSPO
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君を悲しませてるものはすべて消えるよ! @ 2024/05/28(火) 18:12:40.19 ID:y8Gb4G7fO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716887560/
【安価】上条「とある禁書目録で」ダイアン「仮面ライダーよ!」【禁書】 @ 2024/05/27(月) 22:38:44.58 ID:dUaLKbVW0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1716817123/
2 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:15:05.72 ID:JVfiK+WX0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
誰もが「あの時こうすれば」とか「こうしていればもしかして」なんて事を思ったことがあるとは思う。
それが自らの命に関わることなら尚更だ。
しかし俺はその時の事をそういった視点で振り返ることは無かったし、多分これからも無いのだろう。
別に俺は普段からそう切り替えの早い人間と言うわけでもない。
だけどその出来事だけはどうしても、どうあっても避けることができなかった気がする。
例えその日にその場にいなかったとしても遅かれ早かれ同じ結末を迎えていただろう。
俺からすればそれは一般的に言われる「運命」と言われるやつだと思っている。
3 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:16:16.60 ID:JVfiK+WX0
運命って言うのは残酷であり、非情だ。
だからそれまでにどんなに良い行いをしても、自らに何の非が無くても、それを避けることは出来ない。
少なくとも俺はそう思っている。だから俺はこの運命からは逃れられないのだ。
――――――自分が死んだ、と言う運命からは。
4 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:18:03.41 ID:JVfiK+WX0
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――
「いってきま〜す」
と朝から年甲斐も無くデカイ声を出して家を出る俺。
自分で言うのもアレだが、俺は近所の評判もよく名門の高等学校に通っているというのもあって
まわりからは羨望の眼差しを向けられている。
まぁこんなことを朝から考えている時点で人間性が酷いことはいうまでもないが。
5 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:18:56.07 ID:JVfiK+WX0
「よぉ〜男。って朝から何ぶつぶつ言ってんだ?」
「うるせぇなぁ、朝ってのはもっと静かに考え事でもしてるもんだろ。普通」
朝からうるさいコイツの名前は友。俺の数少ない友人だ。
「何だよ、考え事ったって可愛い子と同じクラスになりてぇ。とか考えてんだろ?コノヤロ〜」
「アーハイハイソウデスネー」
そんなくだらない事を話しながら俺たちは歩を進める。
6 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:20:11.34 ID:JVfiK+WX0
「ハァ、ハァ・・・やっとついたか」
「テメェ、クラス替え知っててなんで今日が始業式なの忘れてんだよ・・・」
「どっちも忘れてたお前のほうが悪いじゃねぇか!!」
確かに、確かにそうだけどさ。なんでって思ってしまうだろ、マジで。
普通に考えておかしいじゃん。
「まぁ、あれだ。こんなところで言っててもしょうがねぇしとりあえず急ぐぞ」
「言われなくても分かってるよ!!」
そう言って俺たちは校舎の中に入っていった。
7 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:21:09.22 ID:JVfiK+WX0
だらだらと長ったらしい始業式が終わり俺たちは校舎を出る。
「いや〜始業式疲れましたね、男君?」
「なんでそんなに機嫌がいいんですか、友君?」
何で、なんて聞かずとも分かっている。そう、新しいクラスには可愛い子がめっさいたのだ。
偏差値で表すならば60、こう言えばどれだけ凄いかが分かってもらえただろう。
それに、去年が偏差値35くらいと言う地獄で暮らしていたため俺たちの喜びは常人の比ではない。
8 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:21:56.84 ID:JVfiK+WX0
「なんでって、そりゃ、なぁ?」
「おk、分かります。分かりますよ、友君。僕も一人の男とs・・・」
「・・・」
と、そこに一人の可愛い女の子が横切っていく。
その姿はとても綺麗だったが何か、人を寄せ付けない何かを感じさせた。
9 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:23:42.35 ID:JVfiK+WX0
「あれって・・・」
「ああ、女か。あいつ、俺らのクラスに居たろ」
そう言われるとそんな気もするが、居ないといわれれば居ないと答えてしまう気がするくらいの感覚だ。
「そうだったな」
「確かあいつ中学のころに交通事故にあってな」
「半年後に目が覚めて学校に来て以来、必要なとき以外にあいつが人と喋ってるの誰も見たことが無いんだよ」
「いや、別に聞いて無いのに・・・どしたの?」
「え、これそういうの言わなきゃいけない感じの空気だったじゃん」
友が少しだけ泣き目になりながら呟く。全くこれだから弄られ耐性が無い者は・・・
10 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:25:15.13 ID:JVfiK+WX0
「嘘だよ、冗談だから続けて」
「続けて、ってこれ以上何も無いんだけど・・・」
「何だよつまんねぇな」
「そうか?知らない奴には結構興味深い話だと思ったけど」
確かに興味深くはあるが、所詮そこまでの話だ。
別にあいつが友達がいないとか誰とも話してないと言われても結局は他人事。
それ以上でも以下でもない。
11 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:26:03.72 ID:JVfiK+WX0
「まぁ、いいや。で、男はこの後予定あるん?」
「いや、無いけど疲れちったからそのまま帰るわ」
「なんだよつれねぇなあ。なら他の奴誘ってくわ」
「悪いな」
俺が申し訳なさそうに言うと
「そういう時もあるだろうよ、じゃあな」
と言ってくれた。全くいい奴だよお前は。
「おう」
そう言って俺と友は別々に帰っていった。
そして家に着くと俺は真っ先に布団に向かいそのまま意識を失った。
12 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:27:34.17 ID:JVfiK+WX0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「・・・ふぁああ、あれ、寝てたのか」
そうして目覚まし時計を見ると時刻は午後11時を示していた。
「くそ、半端な時間に起きちまったな・・・いっそのこと明日の朝まで目が覚めなければ良かったのに」
「―――――なんか暇だしコンビニでも行こうかな」
そして俺は家を出て近くのコンビニへ向かう。
目的地までの距離は300メートルあるか無いかと言うくらいの場所だった。
そこに着くとカップヌードルと1リットルの水を買って俺はその場を去る。
13 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:28:44.82 ID:JVfiK+WX0
帰りの途中に俺はふと足を止めた。
特に理由など無く、ただ疲れたとも言いがたいなんとも言えない感覚に襲われてその場にとどまった。
「あぁ、月は今日も綺麗だなぁ」
特にする事が無かったため空を見上げ、そこにあった月を見てそう呟く。
そうしてるとその月も雲に隠れてしまった。
すると辺りはより一層暗くなり街灯も無く暗闇となった。
14 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:30:47.23 ID:JVfiK+WX0
「―――――さっさと帰るか」
どこかで感じたようなその場にいてはいけないような、人を寄せ付けない感覚が襲ってきたためそう思い急いで帰る。
が、しかし俺の目の前にその行く手を阻むように誰かがいた。
「おっと、そんなに慌ててどこへ行く。少年?」
目の前にいる何者かに話しかけられる。その姿は良く見えず若い男性であるということぐらいしかわからなかった。
15 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:32:04.84 ID:JVfiK+WX0
「え、?」
「何、少しはゆっくりして言ってもいいのではないかと思ってね、何しろ今夜ほど素敵な夜も早々無いだろうからね」
「そうだ、出来れば私のアンケートに応えてくれないか?」
「別に、構いませんけど」
その男性が凄く不気味に感じた俺は今すぐ帰りたいがためにそう言う。
「すまないな、手短に済ませるとしよう。」
16 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:33:04.25 ID:JVfiK+WX0
「・・・何、簡単な質問だよ。君は超能力といったものに憧れを抱いたことはあるかい?」
「―――――はぁ?」
突然意味の分からない質問をされたため俺は思わずして声が出てしまった。
「まぁ、突然の質問だからそういった反応をするのも分かってたよ。で、どうなの?」
男性が質問の答えをまだかまだかと急かすような態度を取ってくる。
「超能力ですか、・・・まぁ出来れば欲しいなぁ、とは思いますけど」
17 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:33:51.42 ID:JVfiK+WX0
「・・・それが多少のリスクを背負う物だとしても?」
「うーん、難しいですけど。まぁ本当に欲しいのなら仕方ないんじゃないですかね?」
そういうと男性はなるほど、と呟くと続けた。
「そうか、なら私から君にそれをプレゼントしようじゃないか」
「えっ!?」
それは男性の発言に驚いた声ではなく、彼がコートのポケットから手にしたナイフに対する驚きだった。
「何、ちょっとした気まぐれだよ。まぁ確率は低いけどもしかしたら君も超能力者になれるかもよ?」
「え、―――――――――――――――」
そこで俺の意識は失われた。
18 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 02:34:49.52 ID:JVfiK+WX0
ここでやっと注意書き
作者が妄想垂れ流し放題
地の文と会話文と入り乱れまくり
稚拙な文。中二病全開。ノリと勢いと何かで構成されたスレ。
それでも見てくれるって人はマジ聖人君子
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 14:29:44.75 ID:PsWzlii2o
これ以降どれだけキャラが出てくるのかわからんけど、全部名無し?
20 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/16(木) 15:20:55.03 ID:JVfiK+WX0
>>19
今のところ出てきてるのは男、友、女、男性、って表記にしていますが、友以外は名前考えようと思っています。
21 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 00:59:58.95 ID:8sA7a6Fh0
「―――――――っん……」
「……お目覚めのようだな」
まだ意識がはっきりとしない俺に綺麗な女性が話しかけてきた。
「―――あれ、ここは…」
俺はすぐに自分の周りを見たがそこに見覚えが無く、
ただ自分がベットの上で寝かされていることしか分からなかった。
………何で俺はこんな状態になっているんだ?…駄目だ、何も頭から出てこない。
落ち着け、思い出すんだ俺。そうだ、確か始業式の日に帰った後寝ちまってそこから……
22 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:01:09.71 ID:8sA7a6Fh0
「まぁ、とりあえず落ち着くまでそこでゆっくりしてろ。何しろ一回死んだ後だし記憶が安定しないのも仕方ない」
「………えっ?」
今目の前の女性にとんでもないことを言われた気がする。
いや、それは俺に向けての言葉じゃないかもしれない………なわけないか。
何しろ俺の見る限りここには目の前の女性と俺しかいないのだから。
「事情は後で説明してやる。だから今は大人しくしてろ」
女性はそういうと俺に今いる部屋を出て行った。
俺もここから動いていいこともないしとりあえず指示通りにする。
……まぁ、起きたばっかで眠いと言うのもあったのだが。
―――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
23 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:02:27.64 ID:8sA7a6Fh0
――――――――――――
――――――――
――――
「―――――――きろ」
「―――さっさと起きろ、全く」
と、酷い起こされ方をして俺は目覚めた。
「―――あ、れ?」
と言ってもまだ寝ぼけていて意識がはっきりしない。
そのままではまずいのでそれまでの出来事を思い返してみると、先程の会話が頭に浮かんできた。
「―――あぁ、さっきの」
「そうだ、少しは落ち着いたか?」
24 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:03:36.73 ID:8sA7a6Fh0
「……その、知らない人の家?の中で落ち着いて寝てるのもそれはそれで拙いと思うんですけど…」
俺は女性の質問に応える。
今のところ俺に好意的な姿勢を見せてくれている人にこういった態度を取るのはどうかと自分でも思ったが、
一応自分の中では正論を言ったつもりだ。
「確かにそうだな。私としたことが、少し気が急いてしまったようだ」
「私の名前は風斬楓(かぜきりかえで)と言う。まぁ表向きの職業は葬儀社の社長をやらしてもらっているよ」
「社長ですか……」
「といっても別にそんなに凄くは無いよ。業務員も私を含めて4人だからね」
25 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:05:21.38 ID:8sA7a6Fh0
「あぁ、ここもその事務所だよ。と言っても君は何かと疑り深いようだから信用してもらえるかは分からないが」
この言葉を聞いて俺は一応安心した。
なぜならもし俺に対して敵意があるのなら場所についての話題は一切触れずに話を進めるのが普通だ。
嘘かもしれないが、ここで嘘をつくメリットはほとんど無い。
「……そうですか」
「それで、君は私に聞きたいことは無いのか?応えられる範囲なら偽り無く答えるが」
風斬と言う女性は、なかなか会話の流れをつかめない俺に発言させてくれる機会を与えてくれた。
「それでは、質問させてもらってもいいですか?」
「別に構わないが」
26 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:06:40.77 ID:8sA7a6Fh0
「何で俺はここにいるんですか?あと、今の日付を教えてもらっていいですか?」
「そうか、まだ伝えてなかったな。……すまない。やはり君に質問してもらうのは私の話が終わってからで良いかな?」
「大丈夫です」
「そうか、ではまず君がここにいる理由だが」
「君の遺族が一週間ほど前に私の所に仕事を持ち込んできたから君の死体を回収したんだよ」
「俺の……死体…?」
「そうだ。なんでも君が道路でカップヌードルを手に持ちながらナイフで四肢をバラバラにされていたのを見て君の親は一時的に気が狂っていたようだそうだ」
その後に風斬という女性は両親には心配掛けないようにしなさいだとかなんとか言った後に続けた。
27 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:07:44.10 ID:8sA7a6Fh0
「それで君の遺体を見て私がその異常性に気付いて遺体をすり替えて火葬したのだよ」
「そんなことが……というより、ならなんで俺はこうして今生きてるんですか?」
「質問は後にしてくれと言ったはずだが……まぁいい、君が今生きてる理由か」
「そうだな、君はこの世界に特殊な力があると思っているか?」
「こんなときにふざけた質問しないでくださいよ、本当」
「私はいたって真面目なのだが」
と、風斬さんは本気で真面目な顔をして俺の方を見ている。
……いや、でも真面目にこんなこと言われてもさ。困っちまうというか。
28 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:09:04.61 ID:8sA7a6Fh0
――――――――――――あれ、
同じようなことを前に言われなかったか、その時は確か……
「まぁいいさ、君が信じようが信じまいが」
と、そこで風斬さんが再び話し出すことによって俺は考えをやめた。
……それに本当に大事なことだったら自然と思い出すだろう。
「この世界には常人には理解できない力があってそれによって君は二度目の人生を歩むことになった」
「特殊な力……」
俺がそう呟くと風斬さんがそうだ、と返してくる。
29 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:09:59.72 ID:8sA7a6Fh0
「君もソレに触れた者として知っておきたいだろうし、ちょうどいいから説明してやろう」
「今は説明のために特殊な力と言ったがこれには様々な種類のものがあるんだ」
「まずは基本的なことから説明しよう。あぁ、そうそう。ここから先は途中で口を出さないでくれ。後で聞くから」
俺が了承すると風斬さんは続ける。
「これらの能力を手に入れるには『死』を理解することが必要なんだ。…まぁ例外もいるが」
「……死を…理解する?―――っつ、熱っ!!」
と、俺が思わず口に出してしまうと風斬さんの銜えタバコを手に押し付けられた。
「だから途中で口出すなって言ったろ……全く」
30 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:13:18.74 ID:8sA7a6Fh0
「『死』を理解するっていうのは意識的に行うのはまず無理だ。」
風斬さんは何事も無かったかのように再び説明にもどる。
………というか根性焼きとか経験したの初めてだよ!
マジで俺の体を労わって欲しいっす。一応怪我人なのに……
「だから、君みたいに一度死んだ人間が無意識に頭の方で理解する」
俺はここでやっと口を出してはいけないという意味を理解した。
……まともに突っ込んでたらきり無いじゃん、これ。
31 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:14:34.57 ID:8sA7a6Fh0
「そうして『死』を理解することで人間の脳は普段使われてない部分を使用することが出来るようになる」
「そうなると、力を使えるようになるって訳だ」
「次に力の種類を説明して行こうと思う」
「まずは異能力。これは今の君みたいな境遇にいる人間が発現する物でそれぞれの才能によって発現する物も違う」
「これを扱う者を異能力者という。」
「異能力は才能に依存するものだから『死』を理解していても力を使えない異能力者もいたりするんだ」
32 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:16:31.24 ID:8sA7a6Fh0
「次に超能力だ。これはただ『死』を理解するだけでは発現せず、自分にとっての『死』がどんな物であるかによって発現する能力が変わってくる」
「火災で死んだら“火”がそいつにとっての『死』であって、雪崩で死んだら“雪”土砂で死んだら“土”といった感じだ」
「超能力と異能力の決定的な違いはここで、超能力者は自分の才能に関わらず自分にとっての『死』を再現することが出来るんだ」
「次に魔術師というものについて説明しよう」
(まだあるのかよ………)
と、脳内で愚痴をこぼす。あくまで脳内で。
………だって根性焼きとか怖いし。
33 :
◆kMUdcU2Mqo
[sage saga]:2012/02/17(金) 01:18:20.38 ID:8sA7a6Fh0
「こいつらは今説明した二者とは違い、力を研究し、再現しようとした者達だ」
「二者と違うところは力を持つものなら必ず持つ特殊な脳のつくりを人工的に再現しているところだ」
「そのため二者との違いは使用には詠唱が必要なのと体にかかる負荷が大きいということが挙げられる」
「もちろん二者にも体の負荷はあるけどな」
「詠唱は使用する力の大きさによって長さや内容が変わってくるんだ」
「まぁざっとこんなもんだろ。で、何か言いたいことあるか?とりあえずは説明したと思うが」
「………突っ込みどころが多すぎてどこから突っ込めばいいか分かりません」
正直な俺の感想だった。
34 :
◆kMUdcU2Mqo
[saga]:2012/02/17(金) 01:19:35.55 ID:8sA7a6Fh0
今日の投下終わりです。……まぁ誰も見てないと思うけど。
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 01:41:58.19 ID:fuIOZNQ2o
おつおつ
そういう自虐は人減る元だぞ?
36 :
◆kMUdcU2Mqo
[saga]:2012/02/17(金) 01:47:00.13 ID:8sA7a6Fh0
>>35
申し訳ないっす。自信持っていきます
俺の自信作やぞォォォォみんな読んで行ってくれや(メ`ノД´)ゴルァァァァ―
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 01:57:18.91 ID:fuIOZNQ2o
ここでは珍しい形式だけど面白そうな感じはする
序盤だからこれからは知らんけど
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/17(金) 04:43:29.78 ID:2N6+zXKIo
期待してるよ
39 :
◆kMUdcU2Mqo
[saga sage]:2012/02/19(日) 00:43:02.80 ID:9s/L/GUD0
「まぁ最初はそんなもんだと思うよ。実際私もそうだったようにね」
「そうなんですか」
驚いた。この人さっきから妙に冷静に話すものだからてっきり最初からそうだと思ってたけど。
そう考えると凄く親近感が湧いた。
「話が変わるが……」
「どうだろう、これから私のところで働く気はないか?」
「え?」
「何、今の君には帰る場所も無いだろうからな。どうせならここに居たほうが君にとってもいいかと思ってな」
「あ……」
そうだった。この人の言うとおりなら俺は今死んでることになってるんだった。
40 :
◆kMUdcU2Mqo
[saga sage]:2012/02/19(日) 00:43:44.78 ID:9s/L/GUD0
………あれ、
あんまり深く考えてなかったがそれって凄く拙くないか?
「もしそうしてくれるなら君が社会復帰するのをいろいろ手伝ってやってもいいのだが」
「ま、仮に断ったとして君がこれからどうするか見てみるのもそれはそれで面白いが」
あ、やべ、今気付いた。これ脅しじゃん!!
この人俺に断るって選択肢与えてないよ。
41 :
◆kMUdcU2Mqo
[saga sage]:2012/02/19(日) 00:44:18.38 ID:9s/L/GUD0
「……分かりましたよ。でも、俺葬式とか良く分かりませんよ。立ち会ったこともないし……」
「ああ、君に手伝ってもらうのはそれだけじゃない」
「それだけ?」
「葬儀屋の仕事は表向きだと言ったろ。本来の仕事は掃除屋だ」
「掃除屋?」
「顔も見たことに無い誰かに頼まれて対象を殺す。いわば殺し屋のようなものだよ」
「っな!?」
42 :
◆kMUdcU2Mqo
[saga sage]:2012/02/19(日) 00:44:59.93 ID:9s/L/GUD0
―――――――――殺す
それは最近の人はみな多用する言葉になってきていて聞いただけじゃ別に驚きはしないが
彼女が言うその言葉には酷く重みを感じた。それこそ実際に人を殺してないと出せないような声色で。
「そう言う訳だ。無理な奴には一生経っても出来ない様な仕事だし半端な気持ちでやるならここで断ったほうがいいぞ」
「そんな……」
「で、どうする?ここから出て行き場も無くのたれ死ぬか、ここで殺し屋の真似事をするか」
安西先生、まともな選択肢が欲しいです。
43 :
◆kMUdcU2Mqo
[saga sage]:2012/02/19(日) 00:45:49.37 ID:9s/L/GUD0
「ま、今までのは冗談で私たちがやっているのはこの地域一体の管理だ」
「嫌な冗談言いますね……で、管理って具体的に何するんですか」
「通常はこの辺で力を持った人間が何かをした場合それ相応の罰を与えることになっている」
「罰?」
「そうだ、まぁ最近は下種な方法で能力の向上や開発をする魔術師の処理ばかりだけどな」
処罰ってアレだろ?言い方変えただけで殺しちゃうんでしょ?
変わってない、さっきとたいして変わってないよ!!
44 :
◆kMUdcU2Mqo
[saga sage]:2012/02/19(日) 00:46:46.07 ID:9s/L/GUD0
「ま、うちじゃ殺害については個人の判断に任せてるから他よりも待遇はいいつもりだが」
「他?」
「ああ、それについては君がうちで働くことを決めたら教えよう」
「分かりましたよ……」
俺はしぶしぶ了承した。これが後に公開する結果になるかもしれないというのに。
「そうか、では決まりだ。これで君は晴れて風斬葬儀社の社員と言う訳だ」
俺の第二の人生って言うのは悲惨なものになりそうです。
45 :
◆kMUdcU2Mqo
[saga ]:2012/02/19(日) 00:47:43.21 ID:9s/L/GUD0
今日の分終わりっす
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/19(日) 02:47:42.35 ID:V167uIz7o
乙
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(青森県)
[sage]:2012/02/19(日) 10:18:44.77 ID:0+ApTcHno
乙で
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/13(火) 18:20:52.80 ID:K/1Uv16ro
舞ってる
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