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さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 -
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1 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/03/26(月) 00:00:12.97 ID:3kJPE1Eho
特撮ドラマ『牙狼〈GARO〉』と『魔法少女まどか☆マギカ』のクロスオーバーSSです。
まどか☆マギカは基本的に第10話時点での設定で進めていますが、その後のストーリーも取り入れられる部分は取り入れていきます。
ですが、勝手な妄想、設定の改変等は入るかと思います。ご了承ください。
時系列としては、まどかは最初から。
牙狼は暗黒魔戒騎士篇(TV本編)→白夜の魔獣篇(OVA)→RED REQUIEM(劇場版)終了後から更に後、
使徒ホラーをすべて封印した直後くらいと考えています。
牙狼の映像作品はすべて目を通しましたが、設定資料集は未読。
小説は読んでいる途中です。
その為、設定と食い違う可能性があります。また、意図的に改変する場合もあります。
詳しい方はどんどん突っ込みを入れていただければと思います。
その際、軌道修正できるものは修正。できなければ独自設定ということで補完をお願い致します。
PS2ゲーム、パチンコはプレイしていません。これに関しては今のところ予定はありませんので、
経験者の方、使えそうなネタがあれば是非教えていただければ幸いです。
以上、長々と前書きを失礼致しました。
前スレ
まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=news4ssnip&key=1303399266&ls=50
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(安価&コンマ)転生して高校野球で甲子園目指す @ 2024/11/14(木) 00:40:46.26 ID:7f/dZZLB0
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【孤独のグルメ×プロセカ】2作品劇場公開記念 セカイのグルメ 第2章 みのりのグルメ @ 2024/11/12(火) 07:52:38.14 ID:a9HD/l6n0
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2 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/03/26(月) 00:05:11.28 ID:3kJPE1Eho
ガロは左手に握った轟天の手綱を引く。轟天は高らかに嘶き、前足を掲げる。
使い魔の群れの中に在っても、その雄姿は埋もれることなく少女たちの眼に映った。
闇に瞬く、唯一の希望として。
地面に叩きつけた前足から生じた衝撃波が、使い魔をまとめて吹き飛ばし、道を作る。
マミの許まで一直線に駆け抜ける道を。
それだけではない。踏み鳴らした蹄の音はガロの右手の牙狼剣にも変化を促す。
金色の光に包まれた牙狼剣は、より長く、厚く、幅広の剣に巨大化した。
牙狼斬馬剣。
堅牢な皮膚を持つホラーをも容易く切り裂く、破壊力に特化した大剣である。
「ふっっ!」
ガロは左から右へと斬馬剣を薙ぎ払う。
ただ一振りで、衝撃波にも耐えてしつこく纏わりついていた使い魔が、完全に一掃される。
当然、こんな雑魚の為の斬馬剣ではない。斬馬剣は名の通り、馬ごと断ち斬ることを可能とする剣なのだ。
これは予備動作。ガロの緑の瞳には、魔女とマミしか見えていない。
魔女が捕らえたマミを振り被った。幾度も同じ場所に叩きつけられた壁面は今、彼女の血で真紅に染まっている。
その材質はコンクリートか未知の物質か。
いずれにせよ、度々の衝撃に耐えきれず破砕した壁は、尖端を剥き出しにしてマミを待ち受けていた。
いよいよ最後の時が訪れようとしていた。これに耐えることは流石の魔法少女でも不可能だろう。
後は喰われるか、薔薇の養分になるだけ。最早、一刻の予断も許されなかった。
しかし、あと少し、あと少しだけ距離が足りない。轟天の脚を以ってしても、マミが串刺しになる方が僅かに早い。
そうガロは判断し、そして轟天の脚が止まった。
3 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/03/26(月) 00:22:27.90 ID:3kJPE1Eho
馬上のガロは右に薙ぎ払った剣を、更に右に流す。腰を落とし、限界まで身体を捻じる。
鋼牙の筋肉の震えを伝えて、黄金の鎧と剣がカタカタと鳴った。
待っているのだ。最大の力で、最高のタイミングで解き放たれる瞬間を。
狼の面のせいで読めはしないが、見つめる先はただ一点。
「ぉおおおおおおおっ!!」
雄叫びを上げ、ガロが身を起こす。斬馬剣を固く握った両腕を振り、伸び切ると同時に――放した。
深い溜めから、さながらハンマー投げのように斬馬剣を投げた。
放たれた剣は遠心力も手伝って、凄まじい速度で飛ぶ。
その時になって魔女が気付くが、もう遅い。既にマミに止めを刺すべく触手を動かしているのだ。
今さら回避行動には移れず、余った触手で防御を試みる。
取れる対抗策はひとつしかなかったとはいえ、それこそが最大の誤算。
牙狼斬馬剣の超重量と破壊力は、行く手を阻む触手を物ともせず、目標への道を切り開く。
慎重に狙い澄まして放たれた一投は、軌道を変えず、勢いも落とさない。
そして"たまたま途中に在った"魔女の胴と顔面を斜め下から貫き、遂にはマミを捕らえる触手を根元から断ち切った。
直後、金属を思い切り擦り合わせたような悲鳴に混じり、轟音と震動がドームを揺らす。
悲鳴は魔女から発せられたもの。斬馬剣は魔女の胴体の約三分の一、顔面の半分を切り裂いて、壁に食い込んだ。
「ぁっ……」
そんな状況で、一人の少女が漏らした呻きなど誰の耳にも届かないだろう。
ようやく触手から解放されたマミだったが、自力での着地すら叶わないほど満身創痍だった。
枝から落ちる花弁か木の葉の如く落下するマミ。
このまま墜ちても、どうせ結果は死。それを何となく予感しながらも、マミは抗えなかった。
4 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/03/26(月) 00:37:29.99 ID:3kJPE1Eho
後頭部を強打し、意識は曖昧。ただでさえ霞む視界は、流れた血で赤く染まっている。
五感のほとんどを奪われ、身じろぎひとつできず、為す術もない。
奇しくも、昨夜のホラーに敗北した時と同じ状態。
だが、閉じかけられた目蓋に、絶望に暮れかけた昏い瞳に飛び込んできたもの。
黄金の光。
これも昨夜と同じだった。
光を映した瞳が、光を吸い込んでいくように徐々に輝きを帯びる。
目を見開くと、黄金の騎馬に跨った黄金の騎士が駆けてくるのが見えた。
蹄の音が次第にはっきりと聞こえ、空気の流れまで肌で感じ取れる。
認識した瞬間、朦朧とした意識が鮮明になっていく。
ガロが近付いているだけではない。マミの無意識が全身に魔力を送り、五感を働かせ、
痛みを遮断して、身体を動かそうとしていた。その姿を、もっと目に焼き付けようと。
しかし、全身が砕ける寸前だった身体を、落下までの1,2秒で修復できるはずもなく。
辛うじて動くようになったのは両腕だけだった。
ガロは手綱を繰り、轟天は手綱から伝わる意思を受け、壁に向けて跳ぶ。
以心伝心――ザルバ同様、言葉を介さなくとも轟天は主の要求に正確に応えた。
ドームの壁を四足で踏み締め、間を置かず跳躍。主をマミの許に送り届ける。
「掴まれ!」
僅かに足りない距離を埋めるべく、右手を差し出そうとするガロ。
マミも手を伸ばすが――そこで不意にガロの伸ばしかけた腕が止まった。
マミが手を握り返したとして、どうなる?
ソウルメタルの鎧に包まれた手で彼女の手を取れば、彼女の皮膚が張り裂けてしまう。
そうなれば、今のマミの状態では命取りになる。完全に盲点だった。
5 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/03/26(月) 01:17:22.67 ID:3kJPE1Eho
或いは、人間とは異なる魔法少女なら結果は違うかもしれない。その頑強さ故に持ち堪えるかもしれない。
その身に纏う衣装は、激しい戦いに耐え得るよう魔法で生成された物。
覆われていない素肌にも、不可視の魔法の障壁があっても不思議ではない。
だが、いずれも確証はなく、剥き出しの手以外を掴む余裕もなかった。
確実なことはひとつ。ここでマミを助けなければ、彼女は確実に死ぬ。
指が触れるか触れないかの距離で互いに交差し、そして離れていく。
ガロが意を決して手を掴もうとした瞬間。
黄色いリボンがマミの手から伸び、ガロの手に巻き付く。
ガロの迷いを察したのかはわからない。
ただ、驚き混じりに見た彼女の瞳に困惑は既になく、戦意に満ちた輝きが宿っていた。
安堵したのも束の間。血に塗れたマミの唇が動いた。
血が喉に絡んで上手く話せないらしかったが、掠れた声でたどたどしく伝えた言葉は。
「逃げて……! 魔女が……!!」
目を遣ると、まだ息のあった魔女が再び触手を振り上げていた。明らかな重傷でありながら、その執念は凄まじい。
復讐に燃える魔女の怒りの鉄槌。下る寸前、ガロがマミに視線を戻すと、彼女もまたガロを見ていた。
一瞬の視線の交錯。そして、マミが力強く頷いた。
「応っ!」
ガロが吼えると同時に、マミはリボンを可能な限り手繰り寄せる。少しでも互いの距離を縮める為に。
振り下ろされる触手。ガロは両足を踏ん張る代わりに轟天の腹を締め、両手でリボンを握る。
それを頭上でマミごと振り回し、斬馬剣と同じく勢い良く投げた。
直後、激しい衝撃がガロを襲う。宙に在った轟天とガロが一瞬で地に叩き伏せられる。
土埃が舞い、地面を覆い隠しただけでなく、煙の如く立ち込めたそれは、魔女の視界をも奪った。
見えていたのは、ただ一人。
魔女よりも高みにいたマミだけだった。
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/03/26(月) 01:59:45.08 ID:YFeBmQX30
待ってました!
パチ版は未プレイとのことなのでCRシリーズに出てくる牙狼の必殺技です。参考までに書いときますね。
烈火炎装(れっかえんそう)
原作にも出てきた真導火を魔戒剣に纏わせて剣を振り、炎の衝撃波を飛ばす技。
光矢流星(こうしりゅうせい)
魔戒剣を弓に見たて、光の矢を放つ。MAKAI SENKIにも逆輸入された。
鳳牙裂空(ほうがれっくう)
牙狼剣を地に突きたて、鳳凰のようなものを召還し、放つ。
金身突破(こんしんとっぱ)
牙狼剣に光の槍のようなオーラを纏わせ、強力な突きを放つ。
旋風双牙(せんぷうそうが)
両手足に刃を装着し、アクロバティックな動きで*←こんな感じの紋章みたいなのを作り、放つ。
以下、仲間との合体技
願心画狼(がんしんがろう)
カオルとの合体技。カオルが書いた翼人牙狼のイメージが牙狼に反映され、翼人牙狼になって原作で飛行してるメシアを墜落させた技を放つ。
牙斬絶刀(がざんぜっとう)
絶狼との合体技。ダブル烈火炎装。
無牙炎斬(むがえんざん)
打無との合体技。同じくダブル烈火炎装。
魔導雷迅(まどうらいじん)
邪美との合体技。烈火炎装と法術の合体技。
凰鱗托生(おうりんたくしょう)
vsレギュレイス時の邪美との合体技。邪美が力を込めた凰鱗の矢を牙狼に渡し、牙狼が敵に放つ。
真魔導火(しんまどうび)
ザルバとの合体技。口から魔導火を吐いて敵に放射する。
魔導転化(まどうてんか)
ザルバとの合体技。敵の攻撃をザルバが吸いとり、口からビームを放つ。
緋竜超激(ひりゅうちょうげき)
烈花との合体技。烈火炎装と魔界竜の稚魚の突進のあわせ技。
号砲渦炎(ごうほうかえん)
シグトとの合体技。号竜たちの火炎放射と烈火炎装のあわせ技。
三騎一閃(さんきいっせん)
牙狼・絶狼・打無の究極合体技。緑青紫のトリプル烈火炎装。
呀の技も参考までに。
業火炎破(ごうかえんは)
呀版烈火炎装。
邪霊幻身(じゃれいげんしん)
分身を次々と作り出し、敵の攻撃を回避する。ここから攻撃に転じる場合もある。
大魔獣陣(だいまじゅうじん)
素体ホラーを無数に召還し、融合、巨大化し、強烈な一撃を食らわす。
闇血邪剣(あんけつじゃけん)
黒炎剣から血管とも植物の蔓とも見えるような物を伸ばし、敵にけしかける。
百刀剣乱(びゃくとうけんらん)
黒炎剣の分身を無数に作り出し、一気に敵にあびせる。
牙皇降臨(きばおうこうりん)
鋼牙が牙狼に変身するのと同じ動きで剣を回転させ、ドラゴンのような姿になり、口からビームを発射する。
漆黒墓石(しっこくぼせき)
地面から墓石をせり上がらせ、攻撃を防御する。
我鱗防御(がりんぼうぎょ)
デスメタルの鎧から楯を作り、攻撃を防御する。
薔陣薇幹(ばじんらがん)
バドの攻撃を防御したのと同じ。大量の薔薇の蔓で壁を作り、防御する。
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/03/26(月) 02:15:18.81 ID:Q6Juz0Fu0
>>6
轟天が嘶きながらお前の家に向かってたわ。
天馬轟音(てんまごうおん)
轟天の蹄の音によって巨大化した牙狼斬馬剣を用いた攻撃。
ハンプティを倒した時のと、魔戒樹を倒した時との2パターンある。
8 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/03/26(月) 02:19:59.84 ID:3kJPE1Eho
ガロは決して適当にマミを投げてはいなかった。
魔女を確実に仕留める方法、マミ自身の安全も確保できる場所はひとつ。
マミは慣性に身を任せつつも姿勢を整え、頭を進行方向に向ける。見る見るドームの壁面が、突き刺さった牙狼斬馬剣が迫る。
手に握ったリボン、ガロが放したリボンを斬馬剣に伸ばして結んだマミは、勢いを殺しながら身体を引き寄せた。
深々と食い込んだ斬馬剣は、マミが乗ったくらいではビクともしない。つまりは安定した足場となる。
眼下では、魔女が自身で巻き上げた土煙に苛立ち、闇雲に触手を振り下ろしている。それが更に土煙を立てるというのに。
ガロを探すのに夢中で、上から悲しげに見下ろすマミには、まったく気付いていないようだった。
「あなたが元は魔法少女だとしても、私はあなたを倒さなくちゃいけない……」
――それは何故?
魔法少女としての使命?
鹿目さんと美樹さんを救う為?
冴島さんへの対抗心?
それとも……――
心の声が問いかける。
迷いが再び顔を出しそうになる。
マミは首を振って、疑念を払う。
今は考えない。言い訳もしない。
「……ごめんなさい」
魔女に気取られる訳にはいかないので、そっと小声で呟く。
それでも言わずにおれなかったのだ。
リボンが螺旋に広がり、銃身を形作る。
背中を壁に押し付け、巨大な銃を抱え、両足に力を込める。
身体を射撃体勢で固定したマミは、ゆっくり下方に狙いを付けて引き金を絞る。
「ティロ……フィナーレ……!!」
必殺の光弾は完全に無防備な魔女の頭上から発射され、直撃した。
今度こそ、魔女は跡形もなく爆散しただろう。
閃光に照らされたマミの頬を、一筋の涙が伝った。
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/03/26(月) 02:24:41.80 ID:YFeBmQX30
轟天ごめん!
あと、アカザとの合体技もあるようなんですが、見た事がないので技名もわかりません・・。
なぜか呀のほうが魔法少女が使えそうな技が多い不思議
邪霊幻身→杏子
百刀剣乱→さやか
10 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/03/26(月) 02:27:45.42 ID:3kJPE1Eho
ここまで。遅れを取り戻したいので、短めでしょうが近日中にもう一度くらい。
スレタイを変えようかと思ったのですが、あまり気の利いたスレタイが浮かびませんでした。
ともあれ、このスレでもお付き合い頂ければ幸いです。
>>6-7
,
>>9
おお!早速ありがとうございます!助かります。
しかし一部は目にしていたのですが、技名はカッコいいけど
イマイチ牙狼の世界観にそぐわないような気がしないでもないですね。
叫ばせる訳にもいかず。ともあれ、こういったことができるというのは大いに参考になります。
重ねてありがとうございました。
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2012/03/26(月) 03:39:42.30 ID:6mgjf/qT0
更新乙
そして
>>6
>>7
も乙
俺もパチンコやったことないから必殺技の名前知らんかった
てことはMAKAISENKIの轟天ミサイル(仮)にも名前付くんだろうか
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/26(月) 04:01:12.41 ID:G1ZxS8sNP
パチンコで見るまで存在自体知らなかったな>GARO
あれってソルブレインとか、そこらへんの系列?
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/03/26(月) 08:42:01.48 ID:W6B7XT/AO
乙
魔戒閃騎も終わってしまった…
だけどこの作品があるから喪失感はまだ薄い…!
そして知ってるかもしれんが皆に良い知らせだ。
牙狼の新作映画の制作が決定した!!
これで皆まだ戦える!!
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/03/26(月) 08:45:39.29 ID:W6B7XT/AO
連レス失礼
>>11
あれは小西さん曰く「焼き轟天」らしい
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/03/26(月) 10:59:03.39 ID:YFeBmQX30
やきごうてんwwwwww小西さんなんちゅうことをww
前スレを一通り読み返して気付いたんだがQBが
「魔戒法師にも魔法少女がいた」って言っててハッとしたんだ。
鈴ちゃんが危ない!
職業柄親を幼くしてなくす事も珍しくないだろうし、QBにとって魔戒法師の卵は絶好の相手なのかもね・・。
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/26(月) 12:27:19.16 ID:4By+mbDCo
新スレ乙&投下乙!
愛と悲しみのティロフィナーレで今度こそやったか!
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/03/26(月) 20:02:51.47 ID:Q6Juz0Fu0
ニコニコ動画になちゃうけど
>>6-7
の一部だけ映像付きまとめ
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm13426538
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/03/26(月) 20:55:54.99 ID:YxAkWzdd0
乙
映画二弾決定! 映画に弾決定! 今度は蒼
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/26(月) 21:08:12.43 ID:rdddGGUS0
乙!
新スレのタイトル、まどかの部分が地味にさやかに変わってるww
実際に作中でその台詞を言ったのがさやかだったので妥当か。
やはりまどマギ側のメインヒロインはさやかちゃんという事グヘヘヘヘへ
>>13
うわっマジだ!キャッホイ!!
特報MOVE見たけど、これが正真正銘のラストっぽいな……。
あと鋼牙の新コス、カッコ良いんだけど何となくコレジャナイ感が……特に左肩パッドの辺り。
>>15
残念なイケメン槍使いが鬼の形相でQB殲滅に向かうから大丈夫。
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/03/26(月) 22:18:10.79 ID:YFeBmQX30
≫19にいも邪美もいるし大丈夫とは思うけど・・・・。
やはり鋼牙といえば白コートだからね。
呀〜tusk of darknessの歌詞がさやかちゃんを彷彿とさせて辛い。
走れ荒野の街を野獣になって悪のこの世界を極意の刃で斬り祓え
とか
神よそのシモベよわかるか奴らの断末魔
というフレーズ
あとサビが
一番・・燃え滾る熱い心は決してもう誰にもおさえられない
から
二番・・何のために何を護りその命捧げて生きていくのか
とかもろにさやかちゃんだわ。
「護る」ということに疑問を抱いて絶望したさやかちゃんだから
鋼牙が「守りし者」としてどうそのへんを救ってくれるかが楽しみです。
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)
[sage]:2012/03/28(水) 01:24:41.31 ID:qVWNinUG0
まあ、映画の後にも新シリーズ作られるとしても多分、別の騎士が主人公だろうな
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/28(水) 09:54:27.15 ID:BuZcsQtvo
マミさんフラグから抜けたかな?
しかしまだ油断できないのがマミさんクオリティ
>>21
一話完結形式で各地の魔戒騎士の戦いも見てみたい気が
普通のホラー相手でも毎回苦戦したりして。それはそれで燃えるかも
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州・沖縄)
[sage]:2012/03/28(水) 16:26:41.81 ID:BdKHRh5AO
しかし最終回あたりで出てきた名無し騎士の量産型の鎧はしょぼかったなぁ。あれ自分でカスタマイズできたりしないんだろうか
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/28(水) 17:37:24.06 ID:clZAHzHWo
本来魔戒騎士が戦うって状況そのものがイレギュラーなケースだからな
地味で弱そうなのもある意味当然ではある
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/28(水) 21:18:59.84 ID:39Bw6q5v0
≫23
カスタマイズっていうか、量産鎧の騎士は、経験を積んで強くなって、功績を残す等して
実力を認められれば称号がもらえて、その時ソウルメタルが変化してそれぞれ独自の鎧に進化する…
…って勝手に解釈してたんだけど、違うかなあ。
ガロやロードみたいな代々受け継ぐタイプは知らんけど…。
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/28(水) 23:51:22.84 ID:OVg33LGDO
>>25
あの量産型鎧の金色版をデフェルメしたら「黒い炎と黄金の風」の騎士に似てるからあり得るかもね。
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/29(木) 00:49:39.99 ID:492UIH9SO
もうちょいの間、バレはほどほどにしといた方がいいかもしれん
前スレで
>>1
の地域は一週遅れってあったし
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/03/29(木) 05:00:16.56 ID:ZYfWkqJzo
>>25
使用者の心の在りようで重量が変化するんだから形状が変化してもおかしくないよな
劇中でも特殊な要因で変化してるし
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/29(木) 11:07:29.88 ID:W9kkgjV70
狼怒の角はたれ耳と思えばかわいいかな?
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/03/29(木) 20:49:31.41 ID:D3iA82Um0
牙狼(大河→鋼牙)、絶狼(道寺→零)、打無(白夜騎士は由緒ある騎士の系譜)、狼怒(ゴウキ→レオ)・・・・系譜で継承されていく
破狼・・・・・・・・・・・・・ワタルさんが出世してあの鎧にした?
呀(バラゴ父→バラゴ?)・・・・・・・・・・・・・・呀鎧伝のバラゴの父の鎧が呀によく似ているから呀も継承した?
バド・・・・・・・・・・・・・不明
ってとこかな?
鎧もそうだけどやはり烈火炎装もある程度実力がないと使えないのかな。
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/29(木) 23:15:09.12 ID:rKiQNsM/o
バドはゼロの兄弟子って設定ったような
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/03/30(金) 12:56:22.02 ID:dPuw7Yvi0
バドは本名すらわかんない謎過ぎる騎士だからね。確かに戦闘スタイルから絶狼と同じ流派だとは思うんだが
初期零と同じ西の管轄だし
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 23:42:58.50 ID:SuUNMipIO
やっぱバドはゼロの兄弟子みたいだな
西の騎士は二刀流が主流らしい
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/03/31(土) 14:28:42.86 ID:cs1vewIko
>>1
乙
まどポにかまけてしばらく覗いてなかったら、前スレ落ちてて焦った
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/01(日) 21:04:31.49 ID:8hAOdHjV0
そういえばまどポにも名前付きの必殺技がいっぱいあったね。マミさんが楽しそうですごく可愛かった。
36 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/01(日) 23:57:18.19 ID:Tr+qzrIFo
土煙と混じった爆煙が立ち込め、下の様子は一切窺えない。
が、音や影、何より気配から察するに、少なくとも魔女は倒した。
彼女たちはどうしているだろうか。マミは残してきた二人の少女に目を向ける。
マスケットのバリアは健在。二人は見えない壁にかじり付くくらい接近して、こちらを見ていた。
両の眼にいっぱいの涙を溜めて。
みっともないところを見せてしまったと恥じ入ると同時に、本気で心配してくれる人がいることが嬉しい。
彼女たちが仲間になってくれたら、どんなにいいだろう。そうなれば、この孤独からも解放される。
もう一人でビクビクしながら結界を進む必要もなければ、今日のような予想外のピンチでも切り抜けられる。
――でも、それはたぶん許されない……。
あの娘たちが自らの望みの為に契約するならまだしも、私から誘うことは絶対に。
こんな真実なら、いっそ知らなければ良かった――
いや、勝手に決めつけて絶望するには早い。まだキュゥべえに確認もしていないというのに。
そうだ。だからこそキュゥべえを問い詰めて、はっきりさせなければならない。
どれだけ怖くても、結果的に大事な友達を失うとしても、もう目を背けることは許されないのだ。
マミは一人、拳をきつく握り締めた。
爆煙は未だ晴れない。
彼はどうしただろう。投げられた直後、黒い物が過ぎり、ガロの姿が一瞬で消えた。
触手の一撃によるものだった。
それからは確認できなかったが、かつてない威力だったのは間違いない。
地を割り、衝撃がドームを揺らした。普通なら、潰れて生きているはずもないが。
だが、あの眼は。あの瞬間のガロの眼は、犠牲を受け入れて死にゆく者の眼ではなかった。
彼なら、或いは。そう思わせる何かが黄金騎士にはある。
固唾を呑んでマミは目を凝らす。煙が完全に晴れるまでは十数秒を要した。
やがて視界は明瞭になり――。
37 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/02(月) 00:13:44.85 ID:qak/jpDJo
「あれは……!」
どんなに離れてもわかる金色の輝き。轟天とガロが変わらず、そこに立っていた。
悠然と、雄々しく。
共に黄金の鎧に一点の傷もへこみもない。少なくとも、ここから見る限りでは。
上から触手が叩きつけられた瞬間、衝撃に備えていたガロは轟天を走らせた。
唯一の武器を投げたガロは、マミを逃がし、自分は黄金の鎧の防御力と轟天を信じたのだ。
激しい一撃は轟天を一瞬で地上に叩きつけたが、その蹄は確と地を踏み締め、蹴り出し、
その身とガロが圧砕される前に滑り抜けた。
まさしく刹那の攻防。
マミを斬馬剣まで投げ飛ばさなければ、もっと安全に切り抜けられただろうが、
魔女との戦いは振り出しに戻っていた。それも重傷のマミを抱え、剣を手放した状態でだ。
だからこそ魔女を倒す最大の好機を逸したくなかった。
そして、それもマミが戦う意志を示したからこそ。
マミは瀕死の状態にありながら、魔女を倒す千載一遇のチャンスに賭けた。
言葉を通じなくても、互いの意思を汲み取ることができた。
噛み合わなかった歯車が、この瞬間だけは確かに合わさっていた。
互いが為すべきことを為す。故にガロはマミに、マミはガロに託したのだ。
しかし極限の状況が過ぎてしまえば、再び心はすれ違いを始める。
マミは口元を小さく綻ばせた後、目を細めた。嬉しいとも、悲しいともつかぬ表情。
――あんなに反発していた私を救っただけでなく、信じ、命まで託した。
やはり彼が、私が逢いたくて、逢えなくて、逢いたくなかった本当の戦士なのかしら……。
でも、だとしたら私は……私の価値は――
38 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/02(月) 00:32:33.94 ID:qak/jpDJo
また堂々巡りに迷い込みそうな思索を断ち切って、マミは顔を上げた。
鎧を送還すれば、斬馬剣も消える。
ならば今の内にと、投げられた時そうしたように、マミはリボンを柄に結び、ロープ代わりに身体を降下させる。
今の身体に飛び降りの衝撃は辛く、だからといって鋼牙の手も借りたくなかった。
マミが危なげなく着地したことを確認すると、ガロは鎧を送還する。
黄金の鎧と轟天が、鋼牙から抜けるように掻き消えた。
細身の剣に戻った魔戒剣が零れ落ち、地に突き立つ。
傷ひとつなく平然としている鋼牙。ボロボロで今にも崩れ落ちる寸前のマミ。
両者はどこまでも対照的で、決して埋まらない溝があるようにマミには思えた。
鎧という特性があったにせよ、何故こうまで違うのかと。それを認めた瞬間、酷く惨めな気分に苛まれる。
マミは覚束ない足取りで、一歩ごとに左右に頼りなく揺れながら、なおも進む。向かう先は二人の後輩が待つ出口。
彼女たちには、これ以上の醜態を晒したくなかった。せめて二人の前でだけは頼れるかっこいい先輩でありたかった。
歩み寄って身体を支えようとした鋼牙を睨み、手を振り払ったも、その為。
「大丈夫です……構わないでください。少し休めば治りますから……」
そうとも、少し休めば治る。常人なら明らかに潰れている衝撃でも、失血死する出血でも生きているのだから。
昨夜もそうであったように。
考えてみれば、今まで気付かなかったのがおかしい。
これまでも助からないような怪我、状況でも何とか生き延びてきた。切り抜けてきた。
それは自分の幸運故だと思っていた。いや、思い込もうとしてきた。
――でも違った。当たり前よね。とっくに人間じゃなかったんだもの……。
唇を歪め、自嘲した。
崩壊を始めていた結界はマミが歩いている間に完全に消滅して、今は暗い廃ビルの開けた空間に戻っている。
さやかとまどかを隔離していたバリアは消え、高低差もなくなった。
39 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/02(月) 00:47:41.39 ID:qak/jpDJo
「マミさん!!」
「ちょっと……大丈夫なんですか!?」
口々に叫んで駆け寄ってきた二人に、
「ええ、大丈夫よ……かっこ悪いとこ見せちゃったわね……」
マミは精いっぱいの力で微笑みを浮かべた。
いくら平静を装おうとしても、笑顔のか弱さは隠せない。二人は何も言わず左右からマミを支えた。
その様を後ろから傍観していた鋼牙に、さやかが振り向く。
「まどか、冴島さんにも手伝ってもらって――」
「それは止めて!」
思わぬ強い調子に、さやかは肩を震わせ、マミ自身もハッとなる。
だからと言って、口から出た言葉は呑み込めない。焦って後から補足するしかない。
「あの、本当に大丈夫だから……傷も治りかけてるし、ね?」
鋼牙は背後からマミを観察していた。
彼女の髪飾りのソウルジェムには濁りが見られるが、まだ余裕はある。
傷も彼女の言う通り、治癒魔法の効果か徐々に回復してきている。じきに一人で歩けるだろう。
このまま帰しても問題はないだろうが、何か言い知れない引っ掛かりを覚えた。
どうしたものかと考えていると、
『放っておけ、鋼牙』
と、ザルバが呆れ声で顎を鳴らした。
40 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/04/02(月) 01:01:53.03 ID:qak/jpDJo
確かに、マミが何やら意固地になっているだけなら捨て置いてもいいのだが。
「あの、マミさんには私たちが付き添いますから」
「あたしたちは一人でも帰れますし……」
マミと鋼牙の亀裂を察したのか、二人は明らかに気を使っている。
鋼牙は黙考した末、
「なら、俺は少しここを調べていく。これを持っていけ」
言って、マミに手の中の物を差し出した。魔女が落とした黒い宝石、グリーフシードである。
「それは……っ……」
それを見たマミは眉根を寄せ、口を固く引き結ぶ。何か言いたげな苦い顔。
自分だけでは間違いなく死んでいた。鋼牙に救われ、力を借りて、命辛々もぎ取った勝利である。
自分の実力と胸を張って勝利を誇れない以上、素直に受け取るのは抵抗があった。
「魔女を倒したのはお前だ。それに、どうせ俺には無用の長物だ」
鋼牙は、まだ受け取り渋るマミの代わりに、肩を支えるさやかにグリーフシードを手渡す。
そして、それきり何も言わず背を向けて、魔戒剣を拾いに歩き出した。
マミは暫らく苦い顔のまま鋼牙を見つめていたが、やがて同じように背中を向けて歩き出した。
*
マミとさやかとまどか。三人が部屋を出ると、待ち受けていたのだろうか、黒髪の少女が立っていた。
暁美ほむらだ。
傷だらけのマミを見ても揺るぎない無表情。嘲笑うでも、気遣うでもない。
41 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/02(月) 01:22:23.88 ID:qak/jpDJo
ここまで。次は目標まで出来次第。
それほど遅くはならないはず。
近日中と言いつつ遅くなりました。
というのも、どうせなら切りのいいところまで書きたいと思い、
しかし手こずって進みませんでした。マミの描写が納得いかず……。
映画第二弾の朗報に狂喜していますが、実はまだ最後の二話を見れていなかったり。
近い内に視聴して、拙作を見つめ直したいと思います。
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/02(月) 01:37:56.79 ID:vSQ77K5r0
乙であります!
うわぁ・・その組み合わせはヤバイ。さやかちゃんが・・。
マミさん、魔戒騎士は魔戒騎士、魔法少女は魔法少女だよ。そんなコンプレックス抱えることなんかないよ。
今すぐマミさんをゴンザさんのとこに連れてってゴンザさんにカウンセリングしてもらいたくなる。
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 13:06:29.30 ID:Qt5r3/NDO
>>42
龍崎「どうしたんだい?浮かない顔をして。」
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/04/02(月) 14:18:30.38 ID:kiE5PTjXo
QBがメシアで道化にされる少女たちは暗黒騎士みたいな
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 16:22:26.19 ID:KdYggN6Qo
乙!
マミさん死亡フラグは断ち切ったっぽいけどメンタルがががが
こういうコンプレックスとかは頭では理解しても
心ではそうそう割り切れなさそうだし時間かけて解してかないと難しそうだな・・・
>>42
もう高名なカウンセラーの竜崎駈音先生に見てもらうし(ry
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/02(月) 19:22:16.73 ID:m2Ut0aJJ0
冗談抜きで一期終了後のバラゴ様なら自身の経験も踏まえていいカウンセリングしてくれるかも。(小説参照
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/04/03(火) 01:06:17.89 ID:LDDj0g4Vo
乙でした
>>43
>>45
おまえらマミさんをどうしたいんだよww
でも確かに表の顔も大事にしないといけないし
>>46
の言う通り普通にカウセリングしてくれる可能性も
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/03(火) 13:48:12.60 ID:cxLiOM76o
そういやメシアのアレ見るに結局マミるのかww
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/03(火) 14:04:36.95 ID:Qwmye0jZ0
ただバラゴ様があのイケメン京本フェイスを保つには・・・。
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/04(水) 22:21:21.56 ID:QEb9vPaDO
京本さんマジホラーだからな 化粧的なタイプの
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/04(水) 22:48:20.11 ID:+nwr1RZi0
一期よりも呀鎧伝のほうが若く見えるってどういうことなの・・・・。
やはり同じ立ち位置のキャラだけどシグマよりもカリスマと大物感があるよねバラゴ様。
牙狼最強キャラはやはり千匹喰い状態のバラゴ入り呀だと思うんだ。
バラゴ様はまどかキャラで言うなら誰に近いかな。
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/04(水) 23:12:34.53 ID:gE7854QRo
・・・本質的にはバラゴはマミさんに近いような気がするのは俺だけか
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/05(木) 15:11:29.74 ID:Lm78XzuIO
(◕‿‿◕)<さあ、さやか その剣で最後の陰我を断ち切るんだ
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/05(木) 15:19:14.96 ID:W0C6x2k70
メシべえやめろwwww
バラゴの母の幻影はまさか恭・・・。
55 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:19:16.35 ID:7tfJJhllo
「ほむらちゃん、どうしてここに……」
まどかが問いかけても、ほむらは答えない。
しかし、どうしてここにいるかはわからなくとも、いつからいたかは明白だ。
結界が崩壊したのは、つい先ほど。マミの状態に微塵も反応しなかったことから考えても――。
「あんた……ずっと見てたの!?」
目を吊り上げたさやかがほむらに詰め寄るも、やはり答えは返らない。
ただ冷やかな目で詰問を受け流すばかり。
「本当なの、ほむらちゃん……?」
「だったら何?」
まどかが訊いて、初めて口を開いた。平然と、飄々と、まるで悪びれずに。
「何? じゃないでしょうが! マミさんと冴島さんがあんなに頑張って、
苦戦して魔女を倒したってのに……あんたは手助けもせずに見てたって!?」
「それはあなたたちも同じでしょう? 実際に戦った者ならともかく、
見てただけの人間に言われる筋合いはないわ」
「そんな……だって私たちは何の力もなくって……助けたくても、どうしようも……」
ほむらとさやかの口論を、まどかの苦悩を、マミはじっと黙って聞いていた。
口を開く気力も乏しい、というのもあったが、別段彼女に意見もなかったのが一番の理由。
かつての、一途に魔法少女の正義を信じられた頃なら苛立ちを覚えたかもしれないが、
今は何の感情も湧いてこない。戦うでもないのに結界の奥まで来るなんて、御苦労なことだとすら思った。
56 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:22:11.27 ID:7tfJJhllo
――まぁ、だいたい察しは付くけれど……。
わざわざ指摘するのも億劫だった。むしろ、さやかとまどかの言葉の方がマミを追い詰めた。
力ある者には戦う義務がある、なんて言葉は、きっと力のない人間が言い出しっぺだと思う。
だとしたら、力を持ったマミは、自分を捨てて大衆に奉仕しなければならない。
無関係な誰かの為に戦うなんて、さやかが思うほど簡単なことではないのだ。
それが奇跡の対価だとしても、合意のうえでの契約だとしても、真実は少女には重過ぎた。
何も知らないあなたたちごときには計り知れない懊悩があるのよ、と言えるものなら言いたかった。
過酷なこれまでと、暗いこれからに、薄々疑問と不安を抱き始めていた矢先に、昨夜から続く出来事。
意地も信念もプライドも、強大な力の前に容易く手折られ、自己満足にもならなかった。
身を犠牲にしてまで助けたかったさやかとまどかを救うこともできず、救ったのは、より強大な力。
挙句、いつか自分は屠ってきた魔女になるかもしれないと言う。忌み嫌っていた災厄そのものに。
力のあるなしなんて関係ない。戦いたい奴が戦えばいい。
それが今のマミの偽らざる気持ち。
もし、鋼牙のような強い人間が代わりに戦ってくれるなら。
もし、戦わざるを得ない理由がなければ。
今すぐにでも投げ出して、そして逃げ出したかった。
支えにしていた矜持を砕かれ、か細くとも残っていた人々を救うという使命感も意味を失うかもしれない。
もうどうでもいい、何もかもが虚しいという思いが、マミの胸中に芽生え始めていた。
彼女たちも、いつかこんな気持ちを抱えるのなら、やはり、
「……そうね。だったら、もう関わらない方がいいわ。
足手纏いになるだけ。あなた自身も傷つくだけ。
魔法少女にも、魔女にも、あいつ……キュゥべえにも。そして魔戒騎士、冴島鋼牙にも」
ほむらの忠告に従った方がいいのだろうか。
故にマミは口を出さず、ただ語る少女の黒い瞳をぼうっと見ていた。
57 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:24:43.73 ID:7tfJJhllo
「何で冴島さんが出てくんのよ……キュゥべえも、そんなこと言ってたけど」
「彼には心を許さない方がいい。いいえ、もう近付かない方がいい。それがあなたたちの為でもある」
忠告だとしても、鋼牙を誹るとも取れる言い方に、さやかがほむらをキッと睨みつけ、声を荒げる。
「冴島さんは損得とかじゃなく、あたしたちを助ける為に戦って、盾になってくれた。
今日だって命懸けでマミさんを救ってくれた。あの人は正真正銘、本物の正義の味方なんだ!
なのに、何で信用しちゃいけないのよ!」
さやかは相当、鋼牙に傾倒しているらしかった。昨日、出会ったばかりだというのに。
だが、無理もない。まどかとほむらに見捨てられ、頼りのマミは敗北。
独り絶望して死を待つだけだった時、救いの手を差し伸べてくれた唯一の希望。
今日だって二度も三度も助けられ、最早、単なる命の恩人以上に憧れの対象になっている。
マミはさやかが尊敬する鋼牙を賛美する度、心底彼に気を許していると知る度、
胸が疼き、黒い淀みが渦を巻くのを感じずにいられなかった。
「それは充分わかったわ。彼は冷厳な正義の執行者にして守護者、だからこそよ」
ほむらはさやかを否定しなかった。肯定した上で関わるなと言った。
訳もわからず、さやかとまどかは唖然として反論もできないでいる。
ほむらは詳しく説明もせず、言いたいだけ言い終えると、三人に背を向けた。
58 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:26:01.91 ID:7tfJJhllo
「覚えておくことね。正義の味方は、絶対に私たちの味方にはならないと」
去り際にそう言うと、最後にマミを一瞥して言葉を放つ。
「あなたなら、その意味がわかるでしょう?」
マミの虚ろな目が、徐々に見開かれる。
マミの中で、すべてが繋がった。
自分が鋼牙に抱く想いの名前も、さやかのように彼に縋りたくない、縋れない理由も。
――彼は……黄金の光は私の形を照らし出す。欺瞞に満ちた虚像を暴き、その実、矮小な正体を曝け出す。
そう……私は、彼に嫉妬している。黄金の光は、暗闇に迷う人間にとっては、さぞ美しい希望の灯に見えるでしょう。
でも、暗闇に慣れ切った私には眩し過ぎる……。闇に潜む獣が陽の下に出られないのと同じ。
だから私は、あの光を二度と見たくないと思ってしまう。だって太陽を直視すれば、きっと私の目は潰れてしまうから――
すべて理解したマミは蚊の鳴くような震える声を、
「ええ……。そう……かもしれないわね……」
とだけ絞り出した。
伝わったのかどうかは定かでないが、ほむらはマミを顧みることなく去っていった。
疑惑はほぼ確信に至った。
正義の味方は、私たちの味方にはならない――これが意味するものは、ひとつ。
魔法少女が、いつか人に仇為す存在と化すから。
――暁美ほむら。もしかして、あなたも私と同じ気持ちを抱いたの……?
いつか魔法少女は魔女になる。
だとすれば彼と私は……私たちは相容れない存在なのだと――
59 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:28:17.73 ID:7tfJJhllo
「マミさん……マミさん!?」
「あの……大丈夫ですか? 何だかぼぅっとしてましたけど……」
「美樹さん……鹿目さん……」
二人に呼びかけられて、ようやく我に返るマミ。どうやら、またしても自分の世界に没入していた。
不安げな目線を左右から送られ、
「大丈夫……本当に大丈夫だから、もう一人で歩けるわ」
腕を掴む手を振り解いた。
まだ万全とは程遠いが、歩く分には問題ない程度には回復している。
仮に無理だとしても、弱みを悟られるのは先輩としての体面が許さない。
故にマミは虚勢を張り、背後からひたひたと付いてくる足音を聞きながら出口を目指した。
ほむらは何もせずに帰ったらしい。ビルの玄関脇では、変わらず助けた女性が寝息を立てていた。
マミは彼女を抱き起こして首筋を確認。魔女の口付けは消えていたので、軽く身体を揺する。
「う……ん……」
やがて女性は目を瞬かせ、ゆっくり覚醒した。 意識が戻り、現状を認識するにつれ、彼女は身を震わせる。
面倒なのは、ここからである。
「やだっ……私……どうして、あんな……!」
彼女は酷く怯えていた。
魔女に操られている間の記憶は朧げでも残っているのだろう。
特に落下時の迫る地面を、身を切る風の感触や寒さを、身体は鮮明に覚えているのかもしれない。
60 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:31:11.84 ID:7tfJJhllo
「大丈夫ですよ……。もう何も心配いりません。ちょっと悪い夢を見ていただけ……」
およそ二十代前半から半ばくらいだろうか、マミよりもずっと年上の女性。それが幼子のように震えている。
マミは彼女を抱き寄せ、そっと背中や頭を撫ぜる。優しく、彼女が落ち着くまで、ずっと。
ずっと張り詰めていたマミが今日初めて見せた、さながら慈母の如き笑み。
マミの心に、温もりと共にじわりと湧き起こるのは、誰かを救った、救えたという実感。
この瞬間だけは魔法少女をやっていて良かったと思える。
取り分け今は、崩れそうな、壊れそうな自分を繋ぎ止めてくれる気さえした。
数分後、どうにか落ち着いた彼女は涙を拭いて息を整える。
マミは身体を離し、
「もう大丈夫みたいですね……。それじゃ、私たちはこれで……」
立ち去ろうとした。その時、
「待って!」
名残を惜しむかのように、彼女の背中を撫でていた右手が握られる。
振り向くと、彼女の真剣な眼差しがあった。
「私……うっすらと覚えてる。ここで何を見たか、何をしようとしたのか。
とても恐ろしい怪物だった……。
それに、あなたの黄色いリボンが私を受け止めてくれたことも覚えてる。
お願い、少しでいいから話を聞いて。それと、よければ話を聞かせて。何でもいい、私にお礼をさせてほしいの」
彼女の瞳は、未だ不安に揺れていた。
魔女は人の心の隙間に浸け込む。操られる人間には操られるだけの理由が、多少なりともある場合がほとんど。
だからといって、普通なら助けた人間に深入りなんてしない。
あれこれ追求されたり、秘密をばらされても面倒だからだ。
61 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:33:44.81 ID:7tfJJhllo
――でも今は、今だけは……。
彼女の悩みを聞いてやることも、彼女を救うのに必要なのではないか。つまり、これも魔法少女として当然の責務。
常ならあり得ない思考が生まれた。
自覚はあった。
そんなもの、自分を誤魔化し、納得させんとする詭弁に過ぎないと。
だが、止められなかった。
自分を魔法少女として、敬意を持って見てくれる人物を求めていた。
唯一の存在意義を認めてくれるなら誰でも良かった。
まして黄金騎士なんて知りもしない人間なら尚更いい。
もうひとつ。
彼女は年上で、包容力もありそうな大人の女性だった。
これだけは、まどかやさやかには望めない条件。
彼女はマミの左手も取って、両手で包み込む。
重なる手から、しっとりと柔らかい感触と温度が伝わってくる。
この瞬間、はっきりと理解した。
自分がしてきたことは、そのまま自分がして欲しかったこと。
与えるだけでなく、与えられることを欲していた。渇望していた。
「はい……少しなら」
数秒後、マミは微笑んで頷く。
表面上は迷う振りをしながらも、内心は怒涛のような歓喜に支配されていた。
マミの了解を得て、彼女は喜びも露わに、遅い自己紹介をする。
「ありがとう! 私の名前は命……夕木命(ゆうき みこと)。あなたは?」
62 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:35:42.62 ID:7tfJJhllo
*
鋼牙は左手を胸まで上げながら、廃ビル内を歩く。ビルの中には一切の気配はなく、
しかし粘りつくような淀んだ空気が溜まっていた。
「どうだ、ザルバ?」
『残留思念を感じる。これは相当な数の人間が喰われてるな』
薄暗い廃墟を見回しても、あるのはコンクリートの壁と瓦礫と寒々しい空白。
結界内で行われる殺戮と捕食は、目で見る景色からは痕跡を発見できない。
魔戒騎士の勘が何かあると告げてはいるものの、詳細までは知る由もなかった。
頼みの綱は、やはりザルバなのだ。優秀なレーダーがなければ、騎士も力を振るえない。
鋼牙は時折ザルバと会話を交わしつつ、十数分かけてビルを一通り歩き、屋上まで上がってきた。
夕暮れの冷たい風は少し寒いが、戦いで火照った身体には心地いい。
遠くビルの谷間に日は沈み、じきに夜の帳が下りようとしていた。
『ふぅ……ようやく、すっきりしたぜ』
「ザルバ。何故、ここに来るまで探知が曖昧だった?」
ザルバが一息ついたのを切っ掛けに、鋼牙は、ずっと引っ掛かっていた疑問を口にした。
マミの部屋を出て、ここに向かう間、ずっとザルバの受け答えは曖昧だった。
普段の彼であれば、まず考えられない不調。
場合によっては魔戒法師にメンテナンスを頼まねばならないが、今は問題ないのが不思議だった。
63 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:38:22.03 ID:7tfJJhllo
『ああ、言っただろう、この街は異常だってな。ただでさえ魔女もホラーも一緒くたになって、居場所が掴み辛いってのに。
おまけに、あいつ……まどかだ。あんな強烈なのが近くにいたんじゃ、ろくに探知もできやしない』
「そういえば鼻が利かないと言っていたな」
ザルバがどのように感じているのか、以前に聞いた記憶があるが、多分に感覚的なもので説明し辛いと言っていた。
だが敢えて人間で言えば嗅覚だとも。では、今は嗅覚が狂った状態に近いのか。
広範囲に種々様々な臭いを配置して、識別する様を想像してみる。ひとつひとつの臭いが強ければ強いほど、識別は困難になる。
そこへ格別に強いものが間近にあれば、個々の判別は不可能。
まどかの潜在能力は表出こそしてないが、鋼牙やマミ、ほむらも感じている。
昨日の朝のように、ザルバであれば更に強く感知しているに違いない。
『お前たち人間にわかるように言うなら、そんなところだ。ま、優秀過ぎるのも玉に瑕、ってことだな』
冗談めかして言うザルバに構わず、鋼牙は黙考する。
魔導具とは異なり、魔法少女のソウルジェムは魔女のみを指して発光する。
意思も言葉も介在しないが、それ故に単純で明快。今の見滝原の、こと魔女狩りで言えば、ソウルジェムが最も有効だろう。
それを知っていれば、マミが何やらむきになる必要もなかっただろうに。
64 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:39:35.47 ID:7tfJJhllo
すると突然、ザルバの声で思考が中断された。
『まだ終わっちゃいないぜ、鋼牙。ホラーの気配を感じる、と言っても、今はいないようだがな』
「今は……だと?」
『あぁ、このビルにゲートが開き、ホラーが拠点にしている。まず一体は確実に。どんな思惑か知らないが、魔女と共存してな。
用心しろよ。ここは差し詰め、魔女とホラーの城だ』
だとすれば、易々と侵入を許すはずがない。
たまたまホラーが街に出ていた?
或いは誘い込まれたか。それとも――。
一瞬で数多の可能性が浮かぶが、鋼牙は何より先に屋上のフェンスに駆け寄り、人がいないかを確認する。
下にはマミたちも、自殺を試みた女性の姿もなかった。
マミが保護して離れたのだろう。ひとまず安心してもよさそうだ。
これから訪れるホラーの時間に、自分がどうすべきか。
思索を再開する鋼牙だったが、言い知れぬ漠然とした不安は、いつまでもこびり付いて離れなかった。
65 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/07(土) 02:42:48.01 ID:7tfJJhllo
ここまで。次はできれば日曜ですが、たぶん来週中になるかと
これから更新が少し遅れるかもしれません。まどポでなくスパロボで申し訳ないのですが
ここまでで二話も半分過ぎのApartというか、番組で言えば20分過ぎあたりのCM
嫉妬だったり神聖視だったり、少女たちが鋼牙を勝手な見方をしてすれ違う、黄金騎士という偶像に振り回されるのを書きたかったのですが
かなり手間取ってしまいました
一話みたく不良とか青年とかじゃ据わりが悪いので、マミさんに助けられた女性に便宜上名前を付けてみました
これからも多々あるかと思います
ちなみに名前は牙狼の登場人物の名前を少し変えて組み合わせたもので、
今後もこういった形で、漢字の読みを変えたり、分解して組み合わせたり、アナグラムにしようかと
今回は簡単なので、よければ元ネタを考えてみてください
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/07(土) 04:16:08.35 ID:XGKAxbw60
乙であります!
さやかちゃん鋼牙に弟子入りフラグが立ってるように見えたのは私だけでしょうかww
なんか鋼牙に憧れるさやかちゃんが可愛いです。ヒーローに憧れる子供みたいな純粋さが・・・。
やはり魔女よりホラーのほうが数倍強いわけだから
ホラーが魔女を服従させているのでしょうか・・?
もしかして一期「美貌」の氷見川琴美(ウトックに憑依されたホステス(名前を逆から読めば「みこと」)と「魔弾」の神須川祐樹(モロクに憑依されたバーテンダーの父)が元ネタですか?
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/07(土) 04:17:37.98 ID:XGKAxbw60
訂正ww
「逆から」ではなく「漢字を逆にすれば」でした・・・
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/07(土) 20:04:55.26 ID:O4nAk8Zk0
乙です。この密度でまだ2話のB-part前…だと…?
>彼は冷厳な正義の執行者にして守護者
>正義の味方は、絶対に私たちの味方にはならない
んもう!またムツカシイ言い方しちゃってほむほむったら!
…カッコ付けてる所悪いけど、全 然 違 う というか、何でこう結論が明後日の方向にいくんだこの娘は……。
ほむほむって、クールで愛想悪いけど、聡明で物事の本質を理解している…
…と見せかけて、判断力その他諸々、他の魔法少女たちと大差ないからなあww
無愛想で仏頂面なのも、鋼牙みたいな筋金入りじゃなくて、何度もループしてる内にグレちゃっただけというww
付け焼刃の無愛想&厨二キャラじゃ、その道20年以上の鋼牙には太刀打ちできないよ、ほむさん。
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/07(土) 20:10:47.49 ID:XGKAxbw60
鋼牙「俺は無愛想でも、冷徹でもないぞ。」
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/07(土) 20:31:15.91 ID:YIN1omjSO
乙です
コメントで言われてるように、鋼牙という人物を皆が掴めていない感じですね
無理もないことだけど
マミさやほむまど、全員のイメージを足して割ったら近づくだろうか
名前の元ネタは多分これだろうと思ったけど、先のネタバレになるかもしれないんで控えとく
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/07(土) 20:39:22.73 ID:/hcrrsyFo
最初は無愛想で冷徹な面はあったし、まどか達から見たらそう見えるのも仕方ない
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/08(日) 00:22:09.19 ID:18C93Ekso
さやかの鋼牙への憧れに似た感情って、本編でのマミさんへの感情に似てるね
その本質を知らず、単純に神聖化しちゃって憧れているっていうか
まどポだと、杏子もマミさんのこと神聖化してるっぽい
彼女達がマミさんだってただの15歳の女の子なんだと気づいてれば……
と思わずにいられない
つかマミさん、マジで正義の味方として誰かを救うこと以外に寄る辺がなさすぎて辛いわ
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/08(日) 01:54:39.92 ID:ZgJoHbEH0
まるでカオルと会う前の鋼牙だ。
ただ鋼牙とマミさんの違いは
大河さんやワタルさんみたいないい師匠にも恵まれず、
修練場の同胞みたいな意志を託して死んだ友もおらず、
幼い頃からの修行も当然していない。いくら魔法の力を手に入れたとしても、
中身は普通の女の子だから鋼牙のような砕けない意志も持っていない。
精神の地盤の強度がまるで違うんだよね。
ところでふと思ったんだが、ホラーは人間だけに憑依するわけではなく、時計や鏡や魚に憑依することもある。
魔女に憑依するホラーがいてもおかしくないわけだ。
もし魔女にホラーが憑依したらそれこそメシア レギュレイス カルマ ギャノンレベルの危険度∞ホラーが生まれるかも・・・。
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
:2012/04/08(日) 09:50:36.22 ID:FngHzSwt0
おまけにマミさんにはザルバやゴンザさんみたいな信用できる相棒も家族もいないしね。この差もデカイ。
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/08(日) 10:25:07.82 ID:R4Rb0lgN0
鋼牙「もう、怖くない!」
そのうちこうなるんですねわかりーねぇよ
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/08(日) 10:50:49.48 ID:ZgJoHbEH0
>>75
鋼牙「死ぬのを承知で行くのは、勇気とは違う!」
>>74
唯一のザルバポジがあのザマだからね。
ただ、ザルバはQBの屁理屈をまんざら全否定するわけでもなく理解しそうだ。
自分たちも少なからずは「人間を食い物にしている」ことにはかわりないんだから。
ただそれを踏まえた上で否定しそうだ。「俺たちならもっといい方法を考えるがな」って具合に。
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/10(火) 01:02:28.07 ID:mnCphprh0
マミは寄りかかるところがない感じだしな。
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/10(火) 21:03:53.44 ID:Z+q5Ma5eo
まどかに会うまで唯一の支えがキュゥべえだったからな
杏子とケンカ別れしたのがトラウマになって、ますます友達作れなくなってるし
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/11(水) 22:47:44.02 ID:4jZnBusB0
精神的な強さは個人それぞれだが鋼牙には理解者がゴンザとザルバがほぼいつもそばいたからな。
これだけでもマジで精神的負荷に違うだろうな。
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/12(木) 03:27:34.76 ID:3R+H7G0N0
パチ雑誌の小西さんインタビューでも、「RED REQUIEMでは、カオルもゴンザも屋敷も出て来なくて、
鋼牙としても心休まるタイミングが無くて大変だった」って言ってたしなあ。
百戦錬磨の鋼牙ですら戦いっ放しはキツイみたいだから、まして巨乳女子中学生のマミさんでは……。
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/12(木) 04:18:05.04 ID:4Iv33SjN0
>>80
巨乳関係ねえwwww
そんなこと言ってるとアングレイに憑依されんぞww
ところで、バラゴ様にカウンセリングしてもらおうとか冗談はおいといて、牙狼キャラで一番マミさんの孤独を癒して、励ましてあげられるのは誰だろうね。
魔戒職の方々は皆厳しそうだよな・・・。
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
:2012/04/12(木) 06:12:38.30 ID:lnNd8j6k0
同じ女性で面倒見が良さそうって条件だと、邪美辺りかねぇ。
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 10:45:18.19 ID:xkLgYXFIO
普通にカオルなんじゃないですかね
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/12(木) 12:50:22.12 ID:Kw0GKt2Po
カオルは魔の存在を知ってはいても、"魔と戦う者"ではないから
マミさんは心を許しきれないと思われ
まどポネタだけど、マミさんてまどかが魔法少女になることを
いけないと思いながらも痛切に願ってたりするからなー
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/12(木) 21:15:26.57 ID:rIKcjx8U0
やっぱ邪美が妥当かなあ。
ただ、近接特化の鋼牙より戦闘スタイル近いし、しかも同じ女性だしで、
余計自分と比べてしまって完膚無きまでに挫折する恐れがw
あと同じ女性でも、烈花は論外だよね…。
励ますどころか、カオルと会った時みたいに「これだから女は…」みたいないらん事言って、
余計に魔法少女との溝を深めそうw
彼女も面倒見は悪くない方だと思うんだけど、千尋の谷に突き落とすタイプだからアレ。
ここは意表を突いてシグトで。
励ますのは無理でも、「あのレベルでも法師として頑張ってる奴が居る」ってのは、
劣等感を抱いてるマミにとって良い刺激に……ならんか?
しかも全然めげないしね、アイツ。
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/04/13(金) 02:04:47.76 ID:VethKT6fo
劣等感抱えてるならここはシグマ兄さんが
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
:2012/04/13(金) 22:49:55.28 ID:IzvBVno/0
馬鹿野郎!イデアの餌にされるだろうがw
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/13(金) 23:12:47.49 ID:7pAjmBv30
誰がやってもこのマミさんは駄目だろ
だって壁を作って誰も寄せ付けないし他人が歩み寄ろうとしても拒絶するし
何を言っても卑屈になるだけさ
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/14(土) 00:37:34.67 ID:reRB4byf0
鈴ちゃんにヤマレー、ヤマレー、レザロエアーメッ♪してもらうのが一番な気がしてきたww
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/14(土) 10:30:19.23 ID:Wm/EJv3Co
ヤシャウル「ガタッ」
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/14(土) 23:02:27.33 ID:Y37EmZTg0
案外、コルトやカオル(魔界竜)とかの人外の方がいいかもね。
鬱入っている人には何か言うより、話を聞く方がいいらしいし。
こういうものならば……話聞く利かない以前の問題かもしれん。
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/15(日) 19:24:53.53 ID:E6UCkkPSO
「一人で溜め込まずに、思ってることを吐き出しちゃえばいいんだよ!
僕に任せて!みんな笑顔になれるよ!」
って、腹話術をしたピエロが言ってたから、彼に頼もう
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/15(日) 23:30:07.19 ID:TDiI4UNVo
シルヴァさんがアップを始めたようです
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長野県)
:2012/04/16(月) 01:34:22.90 ID:ib9IsoDI0
マミさんカオルと出会う前の鋼牙と同じって言っても、戦う理由や覚悟自体は持っていたからな鋼牙は
ある日突然理不尽に魔法少女にならざるを得なかったマミさんとは環境が違うから仕方ないけど
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/16(月) 01:39:22.78 ID:Tb0D4PAO0
魔戒騎士
優れる点
・戦闘能力では圧倒的に上(鋼牙や零は最強クラスの魔戒騎士ではあるが・・・)
・経験でも遥かに上(幼い頃から修行してきた)
・魔女・ホラー両方を倒せる ・別に何かを対価として急に得た力ではないため、デメリットがない(強いて言えば心滅のおそれがあるが、これも解除する方法がある)
・情報を共有できる組合がある
劣る点
・肉体的には強靭でこそあれ、普通の人間と変わらない。
・つまり大怪我を負った場合の回復力は魔法を使えないぶん圧倒的に劣る
・時間停止や治癒魔法といった特殊能力は持たない。
魔法少女
優れる点
・ソウルジェムさえ無事なら魔翌力こそ消費するが治療できる
・単純な戦闘だけではなく、特殊能力を持つ
・肉体は外付けハードディスクなので、痛みを遮断するような反則技も可能 劣る点
・戦闘能力では魔戒騎士に遠く及ばない(鋼牙が瞬殺できるホラーに殺されかけるなど)
・ホラーは倒せない
・ソウルジェムを逐一浄化しないと魔法が使えない
・ソウルジェムを割られたら一発で死ぬ。魔女化も死と同義。
・多くの場合、契約によって突然力を得るので経験が無い。
・それに加え、中身は普通の女の子なのでメンタルも騎士とは比べ物にならない。
・基本的に仲間がいないので孤独な戦いになる。
おさらいしてみるとマミさんのが凹むのも仕方ないと思えてきた・・・。
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/04/16(月) 02:00:57.76 ID:I9QW3NIR0
技術継承が無いのが最大の差だろうな。
魔戒騎士や法師にはちゃんとして育成機関があるし横の繋がりも太い。
どこまで生かされてる設定か知らんが国家権力とも繋がってたはず。
最終回の鋼牙じゃないが正に「俺は一人ではない」って感じだな。
ワルプルギスもギャノンと同じ要領で倒せるだろうし。
97 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/04/16(月) 02:19:17.93 ID:Jj/plRwho
いつもありがとうございます
申し訳ありません。来週と書きましたが、もう少し時間を頂きたいと思います
2話のここまでを少し修正と加筆をしてwikiにまとめていました
まだApartのみと中途半端な範囲ですが、自分が暇な時に携帯で見返す際に、wikiの方が見やすいので
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/16(月) 02:21:48.60 ID:Tb0D4PAO0
魔法少女まどかと牙狼のダブル光矢流星ですね。わかります。
あれ?なんだこれ?カチカチいってるよ?
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
:2012/04/16(月) 18:16:22.77 ID:XKpP15gz0
>>95
>>96
騎士の弱点は法師の協力でだいぶ解決できそうだしね。
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/16(月) 19:25:13.74 ID:Tb0D4PAO0
ついでに考えてみた。
魔戒法師が魔法少女のためにできそうなこと
・人を笑わせて元気にする術(ヤマレー、ヤマレー)でソウルジェムを浄化できる?
・魔法少女の急所であるソウルジェムを術で保護できる?
・人の魂に干渉できる術(鈴ちゃんが阿門法師を呼んだり)があるということはソウルジェムを肉体に戻す事も可能?
暗黒騎士が魔法少女のためにできそうなこと(※ネタです
・陰我吸囚で魔女の呪いを強制的に喰らい、もとのきれいなソウルジェムに戻せる?
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/16(月) 20:33:11.26 ID:I0gy1kLeo
wikiの更新乙です!
前スレ落ちてるし、こうして一気読みできるのは読者としてもありがたいっす!
魔戒法師の術なら色々出来そうで語り合うの楽しいんだけど、
>>1
さんのネタ潰しになりかねないので、ちょっと自重した方が良いかも知れん…。
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/04/16(月) 23:00:34.29 ID:w0Pn3vdAO
じゃあ2期の話でもしようぜ
鋼牙とシグマの決着の時に脳内で「コネクト」が流れたのは俺だけじゃないはず
歌詞もこの上なくマッチしてた
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/17(火) 00:12:58.41 ID:t99E4S590
その発想はなかったわ・・。
たしかに「交わした約束忘れないよ目を閉じ確かめる」とかピッタシだね。
牙狼とまどかの相性のよさはこんなとこにも現われてたのか。
牙狼曲をまどかキャラにあわせても合うけど、逆もいけるね。
むしろ、一期のラストにそっくりだなぁとか、ゴンザさんカワイソスとか、ニーサンまだ改心してなかったのかwwとか思ったわ。
ところでギャノンは「メシアの牙」とか言われてたけど、どういう関係なんだろうね。
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/18(水) 17:16:29.74 ID:+w2X1DUL0
呀の話題が出てきたのでお気に入りの牙×まどかのMADを紹介します。
魔法少女達の危機に暗黒騎士見参
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17269271
すでの投下されていたらごめんなさい。
暗黒斬ドカンで登場するシーンとかマジかっこいいわ
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/18(水) 17:29:44.86 ID:FBVclh340
バラゴママと魔法少女たちをオーバーラップさせるシーンは鳥肌だったわ。
思わず赤コメで台詞を入れてしまった
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2012/04/18(水) 21:57:15.56 ID:mGMAxmI20
>>103
それ「騎馬」の間違いじゃね?
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
:2012/04/18(水) 22:34:19.59 ID:J58myVDe0
ギャノン本体の姿を考えると、「騎馬」というのは不適切な感じがするなぁ。「牙」でいい気がする。
「メシアの牙」と呼ばれるからにはメシアが腹心として生み出したのかもしれないけど、正直ギャノンに忠誠心があるようには見えなかった。
暗黒魔戒騎士篇開始時点で両者共に活動を停止していたから、太古の時代に両者が戦って共倒れになったんじゃないか?
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/18(水) 23:00:37.29 ID:WVzs3Z8IO
というか暗黒騎士鎧伝の字幕でもメシアの牙って言ってたし
http://i.imgur.com/e1NQK.jpg
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/19(木) 01:03:57.82 ID:EgUxP1/c0
なんというかほむらと鋼牙ってどこまでも対照的だよね。
同じ友との約束でも一方は「友を助けて共に生きる」事で、一方は「友が闇に堕ちたら斬る」という約束。
一方はどうしても果たしたかった約束を結果として果たせず、一方は本来なら果たしたくなかったであろう約束を果たした。
そういやシグマが狂った理由って狼怒を継げなかった逆恨みだからショボイってよく言われてるが、俺はそうは思わないな。
友達全員ホラーに喰われて、その敵を討つために優しさを捨て必死になって特訓したにもかかわらず狼怒を継げなかった。
これって凄いショックだと思うよ。だって自分が狼怒を継げなかっただけじゃなく、魔戒騎士になれなかった友の意志も継ぐ事が出来ないって事だし。
鋼牙に執着したのもシグマは鋼牙が「クロ」だと思い込んでたから。
なんで俺の友達は全員喰われたのに、お前だけ生きてるんだ!みたいな感じで。
最終決戦の時邪悪があるのにわざわざ結界を張って鎧を召喚できなくしたのも子供のころに自分のせいで果たせなかった「クロ」を倒したかったんだと思う。
法術で家を浮かせてはいるけど法術を使った攻撃を全く使わなかったのは修練場の時、自分のせいでチームが負けてしまったから。生身で「クロ」を倒すことに意味があったからで、死ぬ前に友との誓いである「次は絶対に勝つ」という誓いを果たしたかったから。
妄想だがこう考えると凄い悲しい奴になってくるんだなシグマって。
もっと早く鋼牙が「シロ」だと気づけていたら色々と変わっていたんだろうか…
「お前が俺たちの意志を継いでいてくれたんだな…」って…
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/20(金) 13:22:17.41 ID:V5mcFmKDO
魔戒騎士は男しかなれず、魔法少女は女しかなれない。
ふたなりの魔法少女騎士とか(ry
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
:2012/04/20(金) 13:52:20.60 ID:jyup9peT0
五道アキラ「呼んだか?」
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/20(金) 20:50:55.39 ID:+E3rcD03o
別に男でも魔法少女にはなれるだろ
肝心なのは希望から絶望への相転移なんだから、少女が一番効率がいいだけで男じゃ無理という理由は特に無い
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/20(金) 23:40:49.99 ID:Kkgh3Ffv0
ふたなりっつーかIS(インターセックス)が魔戒騎士やってるSSは見たことがあるが・・・
誰だよ、騎士は男だけって設定を今更付けた奴は!
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 00:55:57.02 ID:KKTxCrs4o
>>112
理論上はおっさんでも魔法少女になれるのか
115 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
:2012/04/21(土) 01:21:43.93 ID:4dj5wKve0
魔法少女ラテス☆マギカ
116 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/21(土) 01:32:29.32 ID:7RreRvDc0
>>113
雨宮監督が最初からじゃないっけ?
女性がフルプレートきてもエロくないじゃないかとかなんとか(
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/04/21(土) 02:16:37.06 ID:JzWjvIPt0
>>113
ネタバレになるが公式の小説でもいるぞ、両性具有っていうかそんな感じの魔戒騎士が
ちなみに実力的にも打無と絶狼以上。詳細は妖赤の罠を買ってくれ。
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/04/21(土) 04:04:30.48 ID:ysQE2e+k0
魔法少女が露出ゼロの全身鎧着て終始無言であまり動かず地味に戦い
魔戒騎士が露出過多のエロコスで喘いだり呻いたりしながら派手に動いて戦う
完璧だな
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/21(土) 11:58:59.33 ID:kftvmLrg0
両性具有というよりはらんま1/2みたいに自由に男から女になれるキャラだよ。
でも魔法少女もあんまり露出度高くないよね。
さやかちゃん以外は。
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/21(土) 13:41:09.54 ID:UFwdKBYlo
外伝の、かずみやユウリ様なんて全裸の方がいやらしくないんじゃないかってくらい
きわどい衣装だけどな
121 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/23(月) 01:23:07.84 ID:wsWWwCFYo
また夜が来た。
空は薄紫に染まり、吹く風は心なしか冷たい。
18時を回った頃。陽が沈み、景色だけでなく匂いや人の流れまで、街全体を包む空気が夜のそれに変わっていく。
その、ちょうど夜へと移り変わろうとしている時間を、三人の少女は出会ったばかりの女性と迎えていた。
夕木命。
魔女の呪いを受けて自殺を図った女性は今、三人の前で穏やかに笑っていた。
ここは、彼女を見つけた魔女の棲み家となっていたビルから歩いて数分のオープンカフェ。
街や人がそうであるように、この店も夜の顔を持っているが、今はまだ早めの仕事帰りの会社員などが散見される程度で、
人はまばら。その内の一席、円形のテーブルに四人は腰掛けていた。
「へぇ……魔女、かぁ……」
「やっぱり信じられませんか……?」
一通りの説明を終えたマミが、おずおずと尋ねる。掻い摘んで説明している間、命はずっと緊張した面持ちで、
一言も発さず聞き入っていた。向こうから言い出した手前、まさか冗談とは取られまいが、素直に現実と受け入れられるかは別問題。
命はマミの不安を察したのか、
「まさか。信じるわ、この目で見たんだもの。信じざるを得ないわよ」
両手を胸の前で振って、マミの言葉を否定した。
真剣な眼差しでマミの眼を見据え、
「そりゃあ驚いてはいるけど、命の恩人の言葉だしね。疑うなんてとんでもない」
そして、にっこりと笑いかける。
122 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/23(月) 01:25:06.34 ID:wsWWwCFYo
包み込むような大人の女を感じさせる顔は、マミに、信じてもらえたという安心と、
それとは別の安らぎと喜びをもたらした。
「ほっ……そうですか、良かったです」
マミも釣られて笑う。
弛緩を隠せない表情は、彼女の中で後者が大半を占めていることを示していた。
だが自分自身、弛んでいると気付き引き締め直すと、今度はこちらから質問に入る。
「それでは、夕木さんが見たという恐ろしいモノについて、
それと、操られていた時のことで覚えていることがあれば話していただけますか?」
「そうね……ハッキリとは覚えてないんだけど、最初にあのビルに行ってから、
ともかく辛くて、苦しくて……そんな気持ちが膨れ上がって。
今日も引き寄せられるみたいにあそこに行って……ごめんなさい、そこからはほとんど……」
「覚えていないと?」
「ええ、でも屋上の夕陽が不思議とすごく綺麗で……けれど風がとても冷たくて……。
そんなことは覚えてるの」
命が語った経緯は大凡、想像した通りだった。ただ、最初にあのビルに行った、それだけが気に掛かった。
あんな場所に、いったい何用があって訪れたというのか。
詳しく訊きたかったが、話が脱線するかと思い後回しにする。
「では、夕木さんが見た恐ろしいモノとは?」
マミが問うと、命は怯えを露わにし、唇を震わせる。辛抱強く待っていると、やがて震える唇が開いた。
123 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/23(月) 01:27:01.00 ID:wsWWwCFYo
「薔薇……そう、薔薇に囲まれて、薔薇で飾られた巨大な何か……」
曖昧な記憶を辿っているらしい。額に指を当て、ぽつり、ぽつりと言葉を紡いでいく。
「蠢くそれの周囲には白い……タンポポの綿帽子に髭と鋏をくっ付けたような……何だろう、ともかく変なモノがいたわ」
「魔女と使い魔……」
呟くマミ。僅かに喜色の混じった声遣いは、倒した魔女で良かったという安堵。
これで彼女が危険に遭うことはもうないだろう。それが素直に嬉しかった。
すると、マミの小声の呟きを拾ったのか、命が身を乗り出してくる。
「やっぱり! あれが、その魔女っていう怪物なのね!?」
「しっ! 声が大きいです……!」
マミは慌てて命を宥めて身体を押し戻す。彼女はばつが悪そうに着席した。
周囲を見回して、こちらを見ている人間がいないことを確認すると、マミは続ける。
「安心してください。魔女は……"私が"、倒しましたから。夕木さん、今でも自殺したいと思いますか?」
命はぶるぶる首を激しく横に振った。
「まさか! あんなの一度でたくさん。思い出すだけで身震いするわ……」
「なら、私も戦った甲斐がありました。でも、魔女が死に絶えることはありません。
そうそう出くわすものじゃありませんけど、これからも人気のない暗闇や怪しい場所には注意してくださいね?」
「ええ、なるべくなら二度と近寄りたくないわね。でも……もしもの時はまた助けに来てくれるのかしら?」
「え、それは……」
124 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/23(月) 01:28:29.73 ID:wsWWwCFYo
命に問い返され、マミは俯き、沈んだ。到底、不可能だからだ。
昨日も今日も、マミが駆けつけたのは偶然でしかなかった。
あと一分遅ければ、まどかたちも命も死んでいただろう。それは鋼牙と自分たちにも同じことが言える。
返事に窮して命を見ると、彼女は笑っていた。それも少し悪戯っぽく。
ああ、と納得。
つまり、彼女は絶対の保証を求めているのではなかった。
「ごめんなさい、困らせてしまって。真剣に悩む顔が可愛かったから。
深く考えないで。あなたにも事情があるものね」
約束を。
仮初でも安心を得たかった。
彼女は大人だ。無理だと知った上で言ったのだろう。
ならば、マミの答えも決まっている。
「いえ……はい、必ず助けに行きます」
大真面目に断言して、数秒ほど見つめ合う。
やがて、どちらからともなく、
「ぷっ……ふふふふ――」
吹き出して笑った。自分でも何がおかしいのかもわからず、ただ何もかもがおかしかった。
横を見ると、まどかとさやかも笑っている。
それからは他愛ない雑談を中心に、魔法少女としての武勇伝も時折だが交えつつ、お茶と会話に興じた。
125 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/23(月) 01:31:09.85 ID:wsWWwCFYo
落ち着きを取り戻した彼女は明るく朗らかで、よく笑う人だった。その上、気さくで会話上手。
人の心の機微を知り、それはマミよりも豊富な人生経験を想像させる。
数十分前に出会ったばかりなのが嘘のように、四人は急速に打ち解けていく。
さっきまでとは比べ物にならないほど穏やかに流れる時間。久しく感じていなかった喜び。
いつしかマミはすっかり命に心を開いていた。
今は何も考えず、この時を楽しもう。
魔法少女とキュゥべえへの疑惑。
鋼牙に対する劣等感。
それらから一時でも逃避できるなら。
事情聴取という当初の目的も、僅かな違和感も既にどうでもよくなっていた。
彼女が自殺なんてする訳がない。あれは魔女の呪いによる気の迷いに違いないと。
時間を忘れて話すこと十数分、辺りは人工の明かりで溢れていたが故に気付くのが遅れたが、
空は完全に闇に覆われていた。
さやかはふと自分の携帯電話を見るなり、
「あ、ヤバっ……! 面会時間終わっちゃう!」
慌てて席を立った。何事かとマミと命は見上げ、まどかは察したような視線を送る。
「ひょっとして、上条君の病院?」
「え? あ、うん、まぁね……。昨日は行きそびれちゃったから、今日くらい顔出しとこうかな〜って」
126 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/23(月) 01:32:41.66 ID:wsWWwCFYo
さやかは照れ臭そうに鼻を掻く。夜でなければ頬が赤らんでいるのが、はっきりわかっただろう。
いかにも軽い野暮用を装っているが、彼女にとって非常に大事な用事であることをまどかは知っている。
だから、それ以上は何も言わずに送り出すのだ。
「ってことで、すみません。あたしはこれで……あ、お代は――」
「いいのいいの。今日はお姉さんの奢り。これでも大人なんだから、ね?」
そう言って、命はトンと自らの胸を叩く。
言葉とは裏腹に、自慢げに胸を張っているところは子供みたいで微笑ましい。
「いいんですか!? ありがとうございます! それじゃ、失礼します!」
目をキラキラ輝かせて一気にお礼を捲し立てると、さやかは頭を下げて去っていった。
まったく遠慮せずに好意に甘えるのが彼女らしい。
たぶん急いでいたせいもある。その証拠に、さやかはそこら中の席にぶつかり、
最後には黒いコートの男性のジュースを零して必死に頭を下げていた。
それがマミと命からは見えない位置だったこと。
不様な姿を晒したのがまどかだけだったことは、さやかにとって不幸中の幸いだったと言えるだろう。
127 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/23(月) 01:35:30.38 ID:wsWWwCFYo
話が進んでいない上に短いですが、ここまで。
次は一週間も開かないと思います。
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 01:41:56.56 ID:v49YJstb0
乙です
「私が」ですか・・・
悲惨な境遇とはいえ本当に嫌な奴だなマミは
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/23(月) 01:56:43.90 ID:ep9doNSk0
乙です
3話でのマミさんがほむらに言った
「自分より強い相手は邪魔者ってわけ?」っていう台詞がそのままマミさんに当て嵌まってる件
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/23(月) 03:47:29.60 ID:el12DMzP0
乙でございます
黒いコートの男性のジュースを「零」して。
まさか・・・
「おねーさん、クリームソーダ一つ。」ですか?ww
鋼牙からすれば「誰が」守ったかじゃなくて「守った」ことこそが重要なんだから
それでマミさんが少しでも自信をつけて立ち直ってくれるならそれでいいと思うだろうね。
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/23(月) 08:09:40.17 ID:hcKWGeRYo
マミさんの魔女化フラグが急速に進んでいるきがするw
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 11:33:44.05 ID:gjf3kQgIO
乙
おまえら議論はいいんだが、調子にのって作者のネタ潰しするなよ
絶対いくつか潰してるからな
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/23(月) 15:46:43.82 ID:ep9doNSk0
>>131
正直このマミさんがマミろうが魔女化しても自業自得にしか思えないわ
境遇的にしょうがないとはいえいくらなんでも性根が腐りすぎだろ
助けられた相手に対して感謝するどころか敵意しか向けてこない
仮に鋼牙やらほむらがまた助けても、嫉妬やら逆恨みするだけだろこいつ
どうしようもないってばこんなの…
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 16:11:06.96 ID:q/DNZ64IO
まみさんはおっぱいだけでいい
135 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 16:49:51.98 ID:EKLXqmXWo
乙
マミさんが病みすぎて胃が痛いww
助けて駈音先生!
136 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 19:14:19.26 ID:7ZdsX03J0
>>133
心配してる後輩達に心中では「あなたたち“ごとき“」と見下してるし
自分をヨイショしてくれる奴だけ必要で、自分より格上で異なったりする連中は邪魔って感じだもんな
そりゃ孤立するに決まってんだろと、敵を作る性格してるわ
137 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 19:28:45.49 ID:FmdlsufSO
まあ落ち着け
今んとこほぼ本編と同じことしかしてないし、長い目で見ようぜ
て言うかあんまり荒れそうなことは書かない方がよくね?
138 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
:2012/04/23(月) 21:12:06.93 ID:el12DMzP0
>>134
さっき番犬所からお前の持ってる漫画がアングレイのゲートになったって報告があったわ
139 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/23(月) 21:13:19.46 ID:el12DMzP0
sage忘れた・・・スマン。
140 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/23(月) 21:36:48.62 ID:PWBAmosy0
>>137
の言う通りだ。
お前らが巨乳嫌いなのは分かったから、お茶でも飲んで少し落ち着け。
このままじゃ、マミさんの魔女化より先にお前らがホラーに憑依されちまうよ……。
まあ、持たざる者にとって、持って生まれた者は、時に激しい嫉妬・憎悪の対象にもなるからな……。
大きすぎて肩がこるだの、サイズの合うブラが無いだの、ぶるんぶるん揺れて走りにくいだのなんて悩みは、
持たざる者にとっては嫌味以外の何物でもなく、貧乳派のお前らが罵倒したくなる気持ちも分からんでもない。
でもな、お前らにこれだけは言っておくぞ。
貧乳は皆に夢を与え、巨乳には皆の夢が詰まっている。
どちらも等しく貴賤があり、どちらも等しく素晴らしいものであると。
その神々しさは、ソウルメタルの鎧を纏った黄金騎士にも決して劣らぬと確信している。
何故なら、どちらも等しく人類の希望の光なのだから……。
何が言いたいかと言うと、さやかちゃんの乳は地味にマミさんクラス。
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/23(月) 22:19:16.21 ID:3KkJoH+K0
>>140
本編やまどポのように可哀想だと思えないのがな…
本編の自暴自棄になったさやかですら周りに対して申し訳ないと思っていたのにこいつにはそれすらもねえじゃん
正論言いつつも本音は自分の事ばかりで他人の事なんて殆ど考えてない
心配してくれる人に関して感謝の気持ちや罪悪感もなく自分の主張は当然のような考え方で被害者意識もここまでくると反吐がでるわ
このssも好きだしマミの境遇がすごく理不尽で悲惨だとわかってるけどさ、それでもゼノのEP?の主任に感じたような感想になってしまう
話の途中なのにこんな事書くのが間違いだっていうのはわかるけどさ
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/23(月) 22:37:56.94 ID:hcKWGeRYo
>>141
言っちゃなんだが、君は"解ってない"
いや、マミさんの境遇に対する理解度のことなどではなく。
自分でも間違いだと思うことなら、書かないでくれ。
荒れる元だから。
143 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/04/23(月) 23:20:22.95 ID:8QFv1C7AO
はいはいもう終わり終わり
これ以上やると荒れるぞ
話題を変えようぜ
もし牙狼が特撮じゃなくてアニメだったら声優は誰が合うと思う?
144 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/23(月) 23:27:28.26 ID:el12DMzP0
パチ版の初代版では
カオル・・・津村まこと
邪美・・・・甲斐田裕子
だったよ。他は不明。
小西さんや藤田くんの声に合う人のほうがいい?
それとも鋼牙や零たちのキャラに合う声?
145 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/24(火) 00:14:43.96 ID:E/zFa9zx0
個人的には、鋼牙はもう小西さんで完全にイメージ定着しちゃってるので、アニメになっても小西さんが良いかな。
確か声優もやってたよな?
むしろ絵のタッチがどうなるか気になる。
例えばこのSSだと、GARO勢がうめてんてー絵になるん?それとも、まどマギ勢がリアル系タッチになるん?
146 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/24(火) 00:29:53.67 ID:UV6X8Zd/0
そこはまぁ、まどかに牙狼が来てるんだから、鋼牙たちが可愛くなるんだろう。
一応、パチの演出でアニメ絵はあるんだが、等身がデフォルメされてるんだ。
妖赤の罠は是非アニメで見てみたい。
147 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 01:04:03.94 ID:qcaaNmsM0
アニメ化するなら鋼牙じゃなくて息子の雷牙編かな。
実写で小西さん以上の逸材を見つけるのは大変だろうし、アニメ化したら間違いなく知名度も上がる。
ただし牙狼のアニメ化は二次創作で最低系オリ主とかに蹂躙されかねん諸刃の剣だと思うんだ…
絶対に牙狼より上の称号を持つオリ主とかが溢れかえる。あとホラーに憑依された人を元に戻せる法師とか。
148 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 01:28:49.08 ID:+m/+PnxIO
あのアクションはアニメのレベルじゃ無理でしょ
まあ牙狼も最初は魔法少女アニメとして企画されたものだったけど
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/04/24(火) 01:29:14.54 ID:sFg2TAnAO
>>144
「牙狼」のアニメなんで鋼牙や零に合う人で
>>147
もしそんな物書く人がいるなら、その人は牙狼に愛着なんて無い人だろうね
どの作品にも言えるが、本当にその作品が好きならそんな作品の味を[
ピーーー
]事なんかできんよ
150 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/24(火) 01:38:20.44 ID:UV6X8Zd/0
>>148
何故すぐバレる嘘をつくしww魔法少女としてってなんだよww
アクションはたしかにそうだな。2Dの限界だ。
でも、妖赤の男から女になれる体質はアニメのほうがうまく表現できるかも。
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 01:47:27.83 ID:+m/+PnxIO
>>150
いやマジで
雨宮監督が最初は見習い魔法少女が妖怪を退治するアニメってことで企画されたけどそれが大人向け、特撮と色々変わってきて最終的に今の牙狼になった
結局その企画自体は「魔法少女隊アルス」になったわけだけど
ムックで監督がインタビューで言ってる
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/24(火) 01:57:13.85 ID:UV6X8Zd/0
あそうなの?
最初はお子様向けの特撮の予定だったって監督が言ってたのは知ってるけど・・・
じゃあまどかと牙狼はもとをただせば同じジャンルなのか
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/24(火) 02:31:16.94 ID:E/zFa9zx0
マジかよ…それ、俺も初耳だわ。
また牙狼とまどマギの共通点が増えたな。
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/24(火) 03:04:56.23 ID:fjr0E9yio
>>147
どっちかと言うと、GAROは蹂躙する側に回されそうな気がする。
最低系SSで蹂躙される側になるのは、リリなのとかネギまみたいな、戦う美少女が大勢出て来る作品が多いし…。
GAROは男所帯だからな。
ただ、牙狼の力だけパクった転生オリ主とかは大量発生しそう…。
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 09:13:41.13 ID:KBiNANoDO
アニメ牙狼がみたいって人は「鴉ーKARASー」を見れば幸せになれると思うよ。
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/04/24(火) 10:05:43.40 ID:zxb4cyWgo
伸びてるから投下きたかと思ったらお前らなぁ
157 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/04/24(火) 19:29:21.28 ID:05uoFAIi0
>>145
スクールランブルの烏丸君だね。
158 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/04/24(火) 21:29:41.32 ID:VdbOp6D40
>>136
それどこの草加雅人だよ
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/24(火) 22:58:55.09 ID:UV6X8Zd/0
ゲノジカの中の人か。
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/25(水) 04:30:06.32 ID:V5GfNWZz0
>>154
現状でもちらほらとあるからなぁ
オリ主で黄金騎士牙狼の称号持ちのクロスとか……
個人的にはオリ主で魔戒騎士になるのはいいが称号とかもオリジナルにしろよと思ってしまう……
ただ一番酷いのは名前冴島鋼牙のままで年齢とかイジるタイプだな
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/04/25(水) 10:59:38.43 ID:wd/Pbq6W0
SS速報なのに…みんな陰我濃すぎ落ち着こうね
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/25(水) 12:26:40.40 ID:K8Lhy0wIO
臭い奴らが増えたな
おまえらの妄想なんかどうでもいいから、チラシの裏にでも書いてろよ
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/25(水) 13:27:53.51 ID:ssLK9Baso
マミさん叩きがヤバかったので、何とか話題を逸らしてスレの空気を変えようとした結果が今の状態。
何とか沈静化したものの、雑談の空気は残ってしまったのね。
>>1
の投下以外でこんなに消費するのもアレだし、そろそろ自重しようか。
俺も自重する。
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/25(水) 18:33:41.44 ID:PV20FM4SO
じゃ作品の感想というか、
MAKAISENKIを見てたらこれの第二話のタイトル「牙城」が終盤でサブタイになってて、
ちょっと、おぉっと思ったよ。時期からして偶然なんだろうけど、面白いシンクロだなと。
165 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/28(土) 19:06:12.14 ID:/WXIZI1u0
今更感すごいけど
>>151
の感想
あのアニメ骨董市で「キバクロウ」買った後見たからオブナ像出てきて噴いたよ、懐かしいなぁ。
「キバクロウ」ってのは雨宮監督の出した(漫画とは呼べない)本で興味のある人はAmazonで中古のみ2,300円で売っておりますのでよかったら是非。
166 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/30(月) 01:51:16.74 ID:riuFgEhho
「クスッ……賑やかな娘ね」
周囲の椅子を蹴散らしながら去っていくさやか。
台風が過ぎた後のように静まり返ると、命が口を開いた。
まどかはというと、自分のことのように身を縮こまらせている。
マミは、自然と笑みを浮かべていた。
さやかよりも、さやかのことで恥じらうまどかが可笑しくて、可愛くて、
もう少し見ていたい気分に駆られる。
とは言え、このままでも可哀想なので、話を逸らしがてら尋ねてみる。
「面会時間とか病院って言ってたけど、誰かのお見舞い?」
「あ、はい。クラスメイトで、さやかちゃんの幼馴染の男の子なんですけど、
先月から交通事故で入院してて……」
「何? ひょっとして彼氏とか?」
命が嬉々として口を挿むも、まどかは力なく首を振った。
「そういうのじゃないんです。でも、さやかちゃんは気に掛けてて、
よくお見舞いに行ってるんです」
命もマミも、暫く何も言わなかった。いや、言えなかった。
まどかが表情を曇らせていたからだ。軽い調子で語れる話でないことは明らかだった。
167 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/30(月) 01:53:35.71 ID:riuFgEhho
「……ごめんなさい、からかったりして。ひょっとして重い怪我なの……?」
「幸い、そんなに重くはないそうですけど、手が……。
将来を期待されてたヴァイオリンも、また弾けるようになるかわからないって……」
「そう……」
とだけマミが言うと、それきり沈黙が訪れる。全員が続く言葉を失っていた。
話を逸らすつもりが、思いがけず重い話を聞いてしまったと、マミは後悔した。
まず、さやかへの申し訳なさ。本人が不在なのに深い事情を知ってしまった。
そして辛いだろうに、それを語らせてしまったまどかにも。
次第に騒がしくなりつつある周囲のざわめきから、隔絶されたかのような静寂。
マミは命が上手く空気を変えてくれることを期待したが、
彼女はテーブルに肘をつき、組み合わせた手で目を隠しており、その表情は窺えない。
命でさえ気の利いた慰めが思いつかないのだ。
きっと、今は何を言っても空虚にしか聞こえない。
言葉は口から出た瞬間に力を持つ。相手を、時には自身を傷つけもする。
故に、役に立たない言葉は封印して黙るしかなかった。
「ごめんなさい、湿っぽくしちゃって……私、そろそろ帰らなきゃいけないんで失礼します」
まどかが立ち上がってお辞儀をする。気を遣わせてしまったのは明白だが、止めはしなかった。
この場には居辛いだろうし、帰らなければならないというのも嘘ではないだろう。
「うぅん……こちらこそ、ごめんなさい。今日は色々迷惑かけちゃったし、ここは払わせてちょうだい、ね?」
「ありがとうございます……それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらいますね」
168 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/30(月) 01:59:29.71 ID:riuFgEhho
命の提案にまどかは迷う素振りを見せたが、やがて躊躇いがちに頷く。
そして鞄を持って帰ろうとするところを、マミが呼び止めた。
「ねぇ、鹿目さん。最後にひとつだけ聞いていいかしら?」
「はい?」
マミは振り向いた彼女の顔、その眼をじっと見つめる。
くりっと大きく、まだ純粋で穢れを知らない円らな瞳を。
見ていると、形容し難い複雑な感情――敢えて言葉にするなら保護欲と嫉妬が混ざったような――を覚えたが、
それらは胸の奥に沈めて質問はひとつ。
「あなた、願い事はある? もしも魔法少女になるとして、キュゥべえに頼みたい願いが」
真摯なマミの眼に射竦められたまどかは硬直し、目線だけを忙しなく彷徨わせる。
それから三十秒ほどして、ようやく想いを口にした。
「え……っと……。正直、まだ……わかりません……」
自信なさ気に絞り出した声は、三十秒も待たせた答えがこれで申し訳ないと、
秘めた謝罪の念を感じさせた。
が、マミは責めない。元より予想できていた。
むしろ、突然質問されてすぐに答えられる方がおかしい。そっちの方が真剣さを疑う。
迷うのは、事の重大性を正しく受け止めている証拠だ。
「そう……よく考えてみてね。
魔法少女になれば、今日の私みたいになるかもしれないことも念頭に置いて」
迷える後輩に的確なアドバイスを送る為に。
彼女たちが頼れる先輩だと、誇れる自分で在る為にも。
169 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/30(月) 02:01:04.46 ID:riuFgEhho
――私は、真実を知らなければならない。
マミは静かに決意する。
一応の念押しと、勇気と決断の切っ掛けを得たくての問いだった。
だから、もういい。
「ごめんなさい、呼び止めて。家まで送りましょうか?」
「いえ、大丈夫です。失礼します」
そう言って、今度こそまどかも帰っていく。
マミは、ふーっと細く長く息を吐いた。肺の空気と一緒に、心に溜まっていた淀みが流れていく気がした。
そのことに不思議な心地良さを感じ、自然と頬が緩む。
「いい顔になったわね」
「えっ?」
向かいに座った命が、マミを見て目を細めていた。
どうやら、ずっと見ていたらしい。気付くと、途端に恥ずかしくなる。
「そう……でしょうか……」
「うん。さっきまではこう……キッ! と張り詰めて頑張ってる感じがしたけど、
今はリラックスしてるんじゃない?」
命の言う通り、自分を苦しめていた重荷がひとつ下りて、今は少し心が軽い。
現状が何か変わった訳ではないが、覚悟を決めただけで、世界が違って見える気がした。
あくまで気がしただけだが、それで充分。
170 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/30(月) 02:13:33.58 ID:riuFgEhho
マミの表情にも雰囲気にも、切れる寸前まで張った弦のような危うさは既になく、
険が取れて柔らかになっていた。
指摘されて初めて、それを自覚する。
「だとしたら……夕木さんのお陰かもしれません」
「私? 私は何もしてないわよ?」
「はい。私が勝手にそう思ってるだけですから」
命が訳がわからないと首を傾げる様が無性に可笑しくて、マミはクスッと小さく吹き出した。
それは、マミが久しく見せなかった素の笑顔。
後輩の前で見せる上品で優雅なそれとも異なる、歳相応の子供らしい顔。
クラスの友人の前でも滅多に見せたことがない。家族を亡くしてからというもの、
どこか他人に対して一線を引き、強く頑なな自分を作ろうとしていたから。
それが崩され、否定され、打ちひしがれていた時に、その価値を認めてくれたのが彼女だった。
人と人との仲は、必ずしも時間と共に深まるとは限らない。
少なくとも、一方的に好意を抱く分には、時間はさほど重要ではない。
例えば自分とまどか、鋼牙とさやかのように。
前者のように共通する物は何もないし、後者ほど劇的な出会いでもない。
ほんの些細な巡り合わせ。
それでもマミは、命に好意を抱き始めていた。
171 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/04/30(月) 02:26:45.43 ID:riuFgEhho
短いですが、ここまで。結局、一週間も開いてしまいました
何日か書いていないと勘が鈍ってしまい、思うように手が進みませんでした
しばらく文体も二転三転すると思いますが、頑張って取り戻したいと思います
たくさんの感想ありがとうございます。参考にさせていただきます
議論雑談も、脱線し過ぎない程度なら好きにして下さって構いません
現状のマミのキャラ付けに不満を感じる方もいらっしゃるようで、申し訳ありません
ただ、クロスオーバーを書く際に、どちらか一方だけを贔屓はしたり貶めたりはしないよう心がけています
下げることがあっても、上げるための前振りだと思っていただければ
172 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/30(月) 19:42:06.18 ID:vMBFihC0o
乙です。
鋼牙不在、謎キャラとマミさんが2人きり…と、まだ一波乱ありそうな予感だけど、
近くに黒コートの人が居てくれるみたいなので安心感が凄いw
173 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/30(月) 20:28:03.38 ID:54TH8PvSO
良かったね、マミさん!
と言いたいところだけど、嫌な予感しかしない……
174 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/01(火) 02:19:58.96 ID:PsQvjANIO
乙です
マミさんがあがるのを期待しております
175 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/01(火) 11:00:16.51 ID:9ziFBdvi0
乙であります!
まさか命さんが・・・いや、まだわからない。
関係ないが昨日、マミさんが暴走した魔界竜(烈花が連れてる金魚が成体になったもの。デカイ。初代パチ版オリジナルホラー)をティロフィナーレで瞬[
ピーーー
]るという夢を見た・・・ww
マミさんぱねえと思ったよww
しかも全然関係ないストライクウィッチーズのキャラが苦戦してるときにお助けに入ってた・・。
176 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/05/07(月) 02:25:58.60 ID:5I3lt98Io
筋は決まってるのですが、上手く文章化できず……ちょっとスランプ気味です
もう2.3日お時間を頂きたいと思います
177 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/07(月) 06:05:07.82 ID:4UcbPnXd0
このMAD見て頑張ってください。
出来たのが放送から時期が過ぎちゃったせいで観閲が少ないだけで普通にイチオシのMADです。
【終端の王と魔戒の騎士】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10353025
番組はもう終わっちゃったけど、このSSを応援しています。最後まで超頑張れ!!
178 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/08(火) 10:03:15.61 ID:0dEEbbCH0
以前パチ版の必殺技を列挙したものですが、最新作魔戒閃騎での新必殺技と前回描き漏らした技を紹介させてください。
烈火激竜(れっかげきりゅう)
初代牙狼の牙狼最強技。竜の形をした烈火炎装をくり出す。
咆哮渦炎(ほうこうかえん)
魔戒閃騎での牙狼弱攻撃。渦を巻く烈火炎装。
光翼天翔(こうよくてんしょう)
地面から無数の牙狼剣を召還し、牙狼と共に突進する。剣の群れが鳳凰の形になる
英霊進軍(えいれいしんぐん)
牙狼の称号を受け継いだ英霊たちとともに突撃。牙狼最強攻撃。
魔導全戒(まどうぜんかい)
全ての魔戒騎士と魔戒法師が力をあわせて放つ究極合体技。光矢流星の雨が降りそそぐ。
四騎一閃(よんきいっせん)
牙狼、絶狼、打無、破狼の究極合体技。
邪烈剣撃(じゃれつけんげき)
邪美と烈花が牙狼剣に力を込め、強烈な一撃を放つ。
ここからはスピンオフ機・暗黒騎士呀鎧伝の風雲騎士・バドの技です。
闘破雷撃・雷撃憑依(とうはらいげき・らいげきひょうい)
原作にも出てきた雷を操る技。闘破〜は雷を纏い突撃する技、〜憑依は電撃を浴びせる技。虎のエフェクトが出現する。強攻撃。
闘破風刃・風刃憑依(とうはふうじん・ふうじんひょうい)
風を操る技。〜憑依では鳳凰のエフェクトが出現する。中攻撃。
闘破水厳・水厳憑依(とうはすいがん・すいがんひょうい)
水を操る技。〜憑依では竜のエフェクトが出現する。弱攻撃。
179 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/08(火) 12:35:09.84 ID:PKMy1yYDO
>>178
パチRRの牙皇降臨状態のキバ倒した技はなんだっけ?
180 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/08(火) 13:12:08.00 ID:0dEEbbCH0
絶・烈火炎装。炎を身に纏って高速スピードで斬りつける技ですよ。
もっとも、RRはこの技自体より呀の攻撃を耐える時の回想がメインな感があるね。
クルスを竜陣牙狼になって倒す技もあるけどこれは技名はありません。
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/08(火) 21:46:39.23 ID:8SdEI2Jf0
>>177
初めて聞いたわその曲。
騎士とかゲートとか駿馬とかの、GAROに通じる用語が出てきて面白いんだけど、
曲調がGAROの世界観に合ってない気が……。
ただ、大塚明夫のナレはカッコいい。
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/05/09(水) 23:26:15.28 ID:VlkZDDw00
>>180
あれは完全にFF7ACの超究武神覇斬ver5だったよなww
そういやクラウドもモチーフ狼だっけか
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/10(木) 01:54:28.32 ID:V780uZ4l0
ああ、超究武神覇斬ってFFの技だったんですか。
動画で見てその技名が出てきたときは
てっきり同じサンセイ台の武神烈伝のスペエンの技かと思ってたww
バドは絶狼の兄弟子ということは
絶狼も極めればこういう雷とかを操る技が使えるのかなーと思ってしまうね。
しかも姿を消す忍者みたいなこともしてたし。
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/05/10(木) 23:50:08.59 ID:kcGgFQbYo
バドは倒されても幽霊になって現れるらしい
二度目に戦ってた場所墓地だったし
185 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/11(金) 02:28:55.12 ID:Lb8eNkgno
それからマミは、趣味、学校、進路などを聞かれるがままに話し、またマミから命に尋ねたりもした。
短いけれど充実した時間。赤の他人だからだろうか、いつになく多弁になっていく。
学校とも親戚とも魔法少女とも接点のない、行きずりの関係。だからこそ気楽だった。
しかし反面、今日この場限りで終わってしまうのが寂しくもあるような――。
時間が過ぎ去るのが惜しい。
情けないことに、如何に覚悟を決めても、この後のことを考えると多少は気が重い。
キュゥべえはまだ家にいるだろうか。いや、いなくとも彼なら呼べば来るだろう。
つまり、すべてはマミの心ひとつ。
そして命が時計を確認した時、マミは次に続く言葉を恐れ、
「あら、もうこんな時間。あなたも、そろそろ帰った方がいいかもしれないわね」
不安は見事に的中した。
マミの表情が目に見えて陰る。
できるなら、もう少しだけ。
後ろ髪を引く思いが、自然と口をついて出る。
「いえ……私はまだ大丈夫ですけど……」
「でも、親御さんが心配するんじゃない?」
「っ……! どうせ……どうせ、家に帰っても誰もいませんから……」
顔を伏せ、口の端を歪め、自嘲気味に吐き捨てた。
ひゅっ、と息を呑む音が聞こえたが、命を見ることはできなかった。
ただ唇を噛み締め、膝に乗せた震える握り拳を見つめる。
186 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/11(金) 02:33:09.47 ID:Lb8eNkgno
胸が苦しい。
いつもなら、こんな程度で動揺したりしない。
自分では立て直したつもりでも、未だ不安定な感情は意のままにならず、
親の件に触れられた途端、容易く暴走した。
そして訪れる再びの静寂。マミは、じっとそれに耐えた。
やがて、頭の上から声が届く。
「ごめんなさい……また私、無神経だったね」
ハッと顔を跳ね上げると、命もまた沈痛な面持ちで俯いていた。
どうして彼女が謝る。命は何ひとつ悪いことをしていないのに。本当に謝るべきなのは――。
マミは深い罪悪感に襲われ、
「あ、いえ……私の方こそ、ごめんなさい。ちょっと思い出しちゃっただけで、
夕木さんは悪くありません。むしろ楽しかったから、暗い家に帰るのが少し寂しくなって……」
適当に取り繕う。
思い出したのは嘘ではないが、それだけではなかった。
だが、本当の理由を口にできるはずもない。
やっと命が顔を上げたのを確認したマミは、目を閉じ深呼吸。
それから数秒して目を開け、おもむろに切り出した。
「あの、良ければ少しだけ私の話に付き合ってもらえませんか……?」
互いに毅然とした視線が交差し、命が黙って頷くと、マミは語り始める。
魔法少女の契約を交わした理由と、それからどうやって生きてきたのかを。
187 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/11(金) 02:34:54.57 ID:Lb8eNkgno
両親を喪った交通事故。
キュゥべえとの契約で生きたいと願い、自分だけ生き長らえてしまったこと。
遠縁の親戚と折り合い悪く、見滝原で独り暮らしてきたこと。
魔法少女として魔女と命を懸けて戦ってきたこと。
五分ほど掛けてマミは語り終えた。
人に語るのは初めてだが、涙は出なかった。淡々と、詰まりもせずに話し続けられた。
すべては過去。何十回、何百回と枕を濡らした夜も、気付けば随分と昔のように思える。
「そう……だったの……」
命が、どうにかといった感じで一言だけ発した。
突然過ぎて何と言ったらいいのかわからないらしい。
どれだけ待っただろう、心の整理がついたのか、命は口を開いた。
「でも、どうして私なんかに、こんな大事な話を?」
「何となく、でしょうか。誰かに聞いてほしかった……いいえ、夕木さんが優しかったから、
つい甘えてしまったんだと思います。ごめんなさい。こんな重い話、聞かされても迷惑ですよね?」
不安げに反応を窺うマミに、命はゆっくりと首を横に振る。
柔らかな光を放つ眼も、唇の狭間から覗く形の良い歯も、今は隠して。
「ううん、とんでもない。嬉しかった。私を信用してくれて話してくれたことも、
私を助けてくれたヒーローが、とっても立派な人だったのも」
「立……派? 私が、ですか? それにヒーローって……」
きょとんと目を丸く、首を傾げて、次々に質問をするマミ。
188 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/11(金) 02:37:17.90 ID:Lb8eNkgno
命は軽く苦笑して続けた。
「ほんとはね、最初にあなたに助けられたと知った時、警戒したの。
だってそうでしょう? 女の子が、あんな恐ろしい怪物と戦う力を持ってるなんて信じられなかった。
理解してからも、きっと普通の人間と根本から違う、もっと何か超然とした存在だと思った」
マミは答えられなかった。
昨夜までなら、面と向かって答えられただろう。
自分はあなたと同じ人間だと。
だが、魔法少女の生命の在り方に疑問を持ってしまった今となっては不可能だった。
「でも違った。話してみて、よくわかった。
あなたは普通の中学生……って言ったら失礼かもしれないけど、心は普通の女の子。
ちょっと寂しがり屋な、普通の――」
戸惑うマミの頭に、そっと手のひらが乗せられ、温かい手は金髪を優しく掻き撫でる。
マミがしてくれた行為と厚意を、そのまま返すかのように。
「なのに私を助けてくれた。怖くて辛いのに、それでもなお人の為に戦えるあなたは魅力的だわ。
鋼のように揺れない心の正義の味方よりも、よほどね」
初めてだった。こんなふうに自分の弱さを魅力的だと言われたことは一度もなかった。
それ以前に、魔法少女の事情を誰にも明かしたことがなかったから。
「だからあの娘たちも、昨日今日出会ったばかりでも、あなたを慕ってるのね。
あれは単に命を助けられたからってだけじゃないと思うわ」
「そうなんでしょうか……」
「ええ。あなただって彼女たちのこと、まるで妹みたいに気遣ってるように見えたけど?」
「妹みたいに……」
189 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/11(金) 02:40:17.64 ID:Lb8eNkgno
自覚はまったくなかった。傍から見ると、そう映ったのだろうか。
ただ、同じ魔法少女の素質がある二人を放っておけなかった。
彼女たちが心から望む最良の選択をして欲しかった。
仲間になってほしいという願望が根底に潜んでいたことは否定できない。
けれども、無理強いは絶対にしたくなかった。
何故か。
――大切にしてほしいと思ったから……。
あの娘たちには、どんな願いでも叶えられるチャンスが一度だけある。たとえ終わらない戦いと引き換えだとしても。
だって私には、選択の余地すらなかった。
そして、あとひとつは大切にしたいと思ったから。
思い出すのは、とある一人の少女。
一緒に戦い、やがて袂を分かち、今もどこかで独り戦っているであろう少女。
彼女が自分自身の願いに傷付き、私の許から離れていった時。私は彼女を力尽くでも止めようと戦い、しかし止められなかった。
今でも時折、考える。他に術はなかったのかと。
もっと私に何かできていれば、彼女を救えたかもしれない。
あんな冷たい、それでいて切なく辛そうな眼をさせずに済んだかもしれないと。
今度こそ私は間違えたくない。私が、あの娘たちの道標になれるように。でも……――
その想いは、普通の後輩に比べれば、ずっとずっと深い感情だと思う。
しかし、それが果たして肉親に向ける情に近いのかどうか、マミ自身にも判然としなかった。
「そんな、妹だなんて。よくわかりません。私、一人っ子ですし」
「正直言って、少し意外だったのよね。あなたって随分と面倒見がいいから、てっきり……」
190 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/11(金) 02:44:16.52 ID:Lb8eNkgno
実際、そのような目で見られることは多かった。
頼られるのは嫌いではない。だが、時に勝手なイメージを押し付けられて、辟易としていたのも事実。
「私、ずっと姉か妹が欲しかったんです。
昔は友達……の妹を見てて、いいなって思ったりしたんですけど、今は……」
チラリと上目遣いに命を窺うマミの頬は、照れで微かに朱に染まっていた。
彼女は、本当に人の心に入り込むのが上手い。
優しくて、大らかで、会話上手で。これが人生経験だとしたら大したものだと思う。マミはすっかり命に心を許してしまっていた。
そんなマミの気持ちを知ってか知らずか、ふと話が途切れた頃、
「ねぇ、図々しいかもしれないんだけど、もし迷惑でなければ、また会えないかしら」
と命が言った。
耳に届いた瞬間、マミは全ての動作を――呼吸さえ止めて固まった。
まさか、命の方からそんな頼みが聴けると思わなかった。
彼女が何気なく呟いた一言は、マミが切望して止まなかった言葉。
だが、もしも拒絶されたらと思うと、臆病故に切り出せなかった。
「私と……ですか?」
「もちろん。あの二人が一緒でもいいし、あなた一人でも。日頃の息抜きに遊んだり、お茶飲んだりしましょ?
私まだ、こんな程度であなたに恩返しできたなんて思ってないもの。
それとも、やっぱり迷惑? 私じゃストレス解消にもなれない?」
寂しげに眉をひそめる命に、マミは激しく首を振る。
あり得ない。今日この数十分だけでも、どれだけ心が華やぎ、安らいだか。
答えは訊かれる前から決まっていた。
191 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/11(金) 02:47:10.21 ID:Lb8eNkgno
「私の方こそ……是非……お願いします」
恥ずかしくて返事は途切れ途切れ、目線も下がっていく。
すると、またしても頭に柔らかい感触。しかも、さっきよりも強く。
なのに不快感は欠片もなかった。
「もう! 可愛いわね、あなたってば! ほんと、食べちゃいたいくらい」
「ちょっ、夕木さん!?」
戸惑いの声にも構わず髪を掻き撫でる勢いは増し、マミが顔を上げると、覗き込む大きな瞳と目が合った。
「せっかく仲良くなれたんだから、命って呼んでほしいな。私もマミちゃんって呼んでいい?」
「は、はい……命……さん」
「ありがとう、マミちゃん」
たったそれだけのやり取りが、涙が出るくらいに嬉しくて。マミは泣きそうになるのを必死に堪えるだけで精一杯だった。
みっともないところを見せたくない。でも、もし泣いたとしても、きっと彼女は泣き止むまで抱き締めてくれる。
そしてまた涙が流れてしまうのだ。
胸に溢れる喜びと安堵を噛み締めながら、マミは思っていた。
――私を褒めてくれる。労ってくれる。包んでくれる。
私の帰る場所。私がずっと求め続けてきたもの。それは多分……――
もしかしたら、彼女がなってくれるかもしれない。
高望みだと知りながら、マミは更なる期待を抱かずにいられなかった。
192 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/11(金) 02:48:29.61 ID:Lb8eNkgno
それから程なくして二人は別れた。早速、明日また二人を誘って会う約束をして。
帰路、夜空を見上げるマミの表情は晴れやかだった。再会を約束したから、笑顔で別れることができた。
帰ったらキュゥべえを問い詰めるつもりだ。
そこで得られる魔法少女の真実は、おそらく重く厳しいだろう。
キュゥべえとも、これまで通りの関係ではいられないかもしれない。
けれども迷いはなかった。
友達を失うとしても、過酷な現実を突きつけられたとしても、受け止めてくれる逃げ場所があるから。
――命さんに真実を話せなくてもいい。ただ、傍にいて笑ってくれさえすれば。
それだけで、私は独りじゃないって思える。どんなに辛くても耐えられる。
だから私……今はもう、何も怖くない――
193 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/11(金) 02:54:57.20 ID:Lb8eNkgno
ここまで、次は来週中までにはなんとか
どうすればマミさんを籠絡できるのか、そんなことばかり考えていたら遅くなってしまいました
>>177
素敵なMADを紹介して下さってありがとうございます
Sound Horizonは馴染みがなかったのですが、上手く雰囲気が合っていました
>>178
ありがとうございます
こんなに多彩な技があると、参考になります
ここぞという場面ではどれか使ってみたい
194 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/11(金) 13:23:25.73 ID:VMwuH307o
命さんにビンビンにフラグが立ってますなぁ……
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/05/11(金) 13:32:18.51 ID:P3X6uFuSO
もう何も怖くないはフラグだよなぁ
「食べちゃいたいくらい」が性的な意味ならいいが、食事的な意味なら……
今度こそ絶望のドン底まで叩き落とされるマミさんが見えるようだ
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/11(金) 15:33:58.49 ID:J25tH/G/0
仮にみんなの予想通りになったとしてだ…
これマミさん無事でもまどポのマミ√の母親みたいに「生きてても苦しいだけ…もう私には何もない…」ってなって
キャンデロロちゃん、こんにちわな未来しか見えない…
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/11(金) 17:04:41.03 ID:2lL0BlqSO
何を言うか。そのための「守りし者」だろうに。「可能性があるかぎり、諦めるな」だよ。
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/11(金) 17:35:11.59 ID:J25tH/G/0
でもなぁ。鋼牙や零、魔戒騎士が助けてもそれがマミさんのプライドや自尊心を粉々にして
それがますます絶望に拍車をかける所しか想像出来ないんだよな
今の現状で鋼牙や零の言葉がマミさんの心に届くとは到底思えないし…
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/11(金) 22:20:37.23 ID:EOCipAls0
「俺が助けたのはお前の命だけではない。お前がこれから助ける多くの命も助けたんだ。一つの命は大勢の命につながっている!」
カオル、零、邪美、翼、烈花。人生に絶望したり、戦いに心をすり減らしていた朋友達の心も鋼牙は救ってきた。
希望が救うのは命だけではない。
そういうもんでしょ?ガロ(希望)とザルバ(友情)が勝つストーリーって。
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/11(金) 22:39:00.61 ID:RTCHRJlw0
その台詞、マミさんに言っても逆効果だろ
余計、自分と比べてまた惨めな気持ちになると思う
言葉や姿勢ですんなり納得するような強いキャラばかりならまどマギ本編はああはならない
201 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagesaga]:2012/05/12(土) 00:13:30.74 ID:eqKapyKjo
マミさんは豆腐メンタルと言われるけど、強い面と弱い面が同居してるイメージかな
10話のアレにしたって衝動的な行為だったにもかかわらず、
三人の能力や性格を考えて実に的確に殺りにいってるよね
ああ言って仮にあれが上手くいってたとしても、その後に自決したとは限らないし、個人的にはしない(できない)と思う
それが強さであり弱さなのかなと
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/12(土) 00:37:57.45 ID:SNguSzJa0
何か「もうマミさんは駄目だぁ…おしまいだぁ…」とかの、ベジータみたいな意見多いな…。
もっと希望持てよ。カカロットに力貸せよ。
そもそも、今みたいなドン底から希望への相転移こそがGAROであり、
>>1
の腕の見せ所だろうに。
>>1
も言ってたじゃん。下げるのは、上げるための前振りだって。
俺ら読者の浅い予想なんざブッチ切って、ハッピーエンドを見せてくれるに決まってる。
否定ありきじゃなく、希望を持って見守ろうや。
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/12(土) 00:39:11.68 ID:feMnwca20
だからこそ、説得にも応じない可能性が高いのさ
中途半端に強くて弱いからこそ半ば意地になって言葉を素直に受け止める事が出来ない
それが自分がコンプレックスを持ってる人間なら尚更だろう
ほむらもそれをわかってるからマミを避けてたんだと思う
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/12(土) 01:06:08.00 ID:1D1S0Mre0
関係ないが作者さんはまどかと牙狼、どっちがメインなんだろ。
どっちがホームでどっちがゲストかの考え方次第で見かたが変わると思うんだ。
俺は牙狼がどうしてもメインになっちゃうからこっから上がっていくだろうと思うけど
まどかメインだとこっから下がるという予想になっちゃうと思う。
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/05/12(土) 01:09:19.96 ID:bDHxfkf10
>>201
もしそうなったらマミさんは「結局、私は自分が一番大事な人間なんだ」って自分自身に絶望して
どっちにしろSGを濁らせて魔女化しそうだな
どうあがいても絶望とはこの事か・・・
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/12(土) 01:34:59.16 ID:5ZSPR03so
>>204
171で作者さん自身が書いてる。
「どちらか一方だけを贔屓したり貶めたりはしない」「下げることがあっても、上げるための前振り」
あえて言うなら、原作最初からのまどマギがホームかなと思うけど、どの道下がったままで終わりは無い。
上がる時を楽しみにしてる。
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/12(土) 12:27:14.93 ID:1D1S0Mre0
じゃあ皆さんにザルバさまからのお言葉を
「暮れていく希望の空、枯れ果てた夢の大地。運命の道に立ちふさがる絶望を、勇気の刃が切り拓く!」
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/12(土) 15:36:42.98 ID:JwmNixNHo
マミさん公式で今のところ一番ハッピーエンドが
まどかを庇ってワルプルに殺されるルートだから、
それ以上のハッピーエンドを見たいっていう期待してるんですよ
209 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/12(土) 15:50:35.03 ID:j+233ESSO
>>201
時間止めのほむらを拘束、強くて性格的にも危険と思われる杏子を不意討ち
ここまでは完璧、まどかをフリーにしたのが不味かった。そもそも全員一斉にしたのが衝動ゆえなんだろうな
どうでもいいけど1行目なんか既視感があると思ったら、
一話の最後で零も同じ感想を持ってたね
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/13(日) 13:21:11.87 ID:/X4HviZX0
>>208
お前アイドルマミさんルート忘れんなや
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/05/14(月) 15:08:05.20 ID:kZr2HMfAO
マミの理想が夢や希望振り撒く魔法少女か…鋼牙が翼に己が何者であるか気づかせたシーンが頭をよぎる
212 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/05/15(火) 02:15:35.11 ID:F/UC9xb+0
MAKAISENKIの咆哮を見てて思ったが
鎧装着時って普通に時停め耐性ありそうだよな魔戒騎士って。
時空ホラーが止めた空間の中で普通に行動してたし。
213 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/05/15(火) 20:15:51.58 ID:FSIQ/xrp0
>>199
「人の命は地球の未来!」
214 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2012/05/16(水) 00:56:03.57 ID:1LvWhfGAO
今のマミさんから見たガロは、自分の目指す理想そのものって感じだしな
理想ってのは必ずしも+に働くわけではないからな…
これからに期待だな
215 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/16(水) 01:24:33.65 ID:uceBHI2m0
でも今回の更新ではっきりしたな。マミさんには冴島家ファミリーだ。カオル様とゴンザさんに目一杯甘えればいいと思うよ。
216 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/17(木) 21:58:48.36 ID:2z4N8Icb0
また鋼牙に嫉妬するからやめろ
「私にはないモノを何であの人は…!」って感じになる
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/05/17(木) 22:18:06.63 ID:oaaTITJto
ああめんどくさいww
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/17(木) 23:25:29.60 ID:QpAar4T1o
零の方が孤独を分かってあげられるんじゃなかろうか
なんとなく鋼牙&まどさやほむ、零&マミあんって取り合わせがしっくりくる
別にカップリングとかじゃなくね
零もシルヴァ以外にも大事な人が出来てほしいね、二期の母子の話でも憎まれ役だったし
ただ、どうにも孤独が似合っちゃうんだけど
219 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/18(金) 16:13:05.28 ID:f4zrDkun0
暖かい家族がいるまどかに微妙に嫉妬してるっぽいしなマミさんは
同じ魔法少女で仲良くなっても一線を超えらなさそうな感じがする
魔戒騎士の面々が何かいっても反発しそうな感じだし
もしかしてさやか以上に難関な性格なんじゃないか、これ?
マジでマミさんを導くには誰が適任だ?
220 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/18(金) 21:58:41.65 ID:qbJk2Bhoo
バラゴ「ガタッ」
221 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/18(金) 22:52:58.28 ID:oj1TAtkJ0
それメシアフラグじゃないですか、ヤダー
しょうがないマミさんには魔女化してもらってまどかやさやかに魔法少女の末路を身を持って実践して貰おう
222 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/18(金) 22:58:06.24 ID:oj1TAtkJ0
それメシアフラグじゃないですか、ヤダー
しょうがないマミさんには魔女化して貰ってまどかとさやかに魔法少女の末路を身を持って実践して貰おう
そうしたら鋼牙だって積極的に関わろうとするだろうし
223 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/18(金) 23:57:46.83 ID:hjNPwhOg0
まどか☆マギカは見た事ないが
マミって原作でもこんな劣等感の塊みたいなキャラなの?
好きな人には悪いけど、スパイダーマンのMJ並みにウザイ…
224 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/05/19(土) 00:56:43.34 ID:qWp3uR1Jo
>>223
いえ、全然そんなことはありませんので、誤解されませんようお願いします
影を持たせる為、原作を曲解して更に改変していますので、あくまで別物です
また、だからと言ってキャラや作品のアンチではありませんし、貶める意図も全くありません
正直、私としては、そこまでマミをアレに書いたつもりはないのですが、
いただいた数々のコメントを見ていると、よほど酷く映っているのでしょうか
重大な認識のズレがあるのかと戦々恐々としています
ともあれ、遅くなりましたが、明日には投下できると思います
都合により伸びるかもしれませんが、それでも日曜深夜には必ず
225 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/19(土) 03:14:17.08 ID:uWvEccVk0
ウヒョー待ってました!
いや、このマミさん、別にアレな感じはしないですハイ。むしろ、内面を丁寧に描いてくれて好印象。
>>1
さんの文章力が高いだけに、色んな人が集まってきて盛り上がるので、
現状の立ち位置的に、鋼牙に対して好印象を抱いてない彼女が、ちょっと矢面に晒されてるだけです。
そういうコメントをしてる人達だって、
別に「マミさんはクズ!」なんて極論振りかざしたり、このSSにイチャモン付けたりしてるワケじゃなく、
純粋に作品を楽しんで「あーでもない、こーでもない」と盛り上がってるが故の感想です。
その辺りは気にせず、作者さんのキャラ作りを貫いて下さい。
周りの意見に左右されて、展開やキャラ付けが変わってしまう方が悲しい。
ていうかここのマミさんより、初期の烈花とか翼の方がよっぽどアレな性格(ry
226 :
223
[sage]:2012/05/19(土) 04:57:51.67 ID:aT1ev8Yr0
>>224
>>225
なんというか自分が周りを拒絶してるくせに「私はこんなに悩んでるのに!誰も私の気持ちをわかってくれない!」ってな感じで
そのくせ悲劇のヒロインぶってる女々しい態度が鼻について凄いうざい>>マミ
上のOLの話にしたって自分でほとんど歩み寄ろうとしないで自分に都合がいい人間をただ待ってるだけって感じだし
小説版は見てないので烈火の事は何とも言えないけど「白夜の魔獣」で翼はそこまでウザイとは思わなかったな。頭固すぎだとは思ったけど
これからマミがどうなるか知らないが。現時点ではこのssの登場人物の中で最底辺な印象
まあ、マミについてボロクソに書いたけど
>>224
の言う通り本当に丁寧だよ
牙狼だけ視聴してて、まどマギを殆ど知らない自分でさえ2日前にこのss見つけて全部読んだし
作者さんの好きに書いてください。続き楽しみにしてます
227 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/19(土) 10:47:42.51 ID:nyEa6TVHo
俺はむしろ、さやかちゃんの動向の方が気になるかな。
鋼牙を慕ってる姿は純粋に可愛いんだけども、ちょっと神格化しちゃってる感があるので、
何かの拍子に評価がマイナスに振り切れないか心配。
シグトみたいに、鋼牙に対して憧れを抱きつつも、「よーし俺も頑張るぞー」って割り切れると良いけど…。
228 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/05/19(土) 13:25:38.35 ID:AKURwVDq0
シグトは良くも悪くも純粋というか天然だからな〜
RED REQUIEMであれだけ魔戒騎士の世話になったのに、MAKAISENKIじゃシグマに乗せられて「これからは俺達の時代だ!」ってw
仮にも法師の一人ならシグマが破滅の刻印乱発してることくらい知ってるはずだろw
229 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
:2012/05/20(日) 00:19:12.62 ID:ut/ZYK160
なんていうかマミって中学生のガキなのにおっぱいでかかったりお姉さんキャラだったりするせいで
ハードル高く見られがちだよね
230 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/20(日) 00:53:31.72 ID:Jc8HNdbD0
状況やら中学生だと言う事を考えても
俺には女の腐った様な奴にしか思えない
命の恩人や助けてようとしてくれる人に対して恩を感じるどころか
八つ当たりか敵意や妬みしか向けんような奴に良い印象なんてもてない
231 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/20(日) 02:44:37.95 ID:V1Dn0Pdg0
もういい加減ウザいから、マミ批判したいだけの奴は別にスレ立てろよ。
ちょっと前にお前らみたいなのが暴れたせいで、荒れかけたのもう忘れたのか?
いつまでこの流れ繰り返すつもりだよ。少しは学習してくれ頼むから。
232 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/20(日) 03:44:05.60 ID:NyMgqp2T0
まどマギキャラは好き嫌いが激しいからしょうがない
マミに限らず問題が多い子ばかりだもん
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/20(日) 04:08:51.62 ID:RM1aNc/uo
好き嫌いがあるのはしょうがないけど、ここで好き嫌いを論じるのはやめてよね
キャラの悪口を書き連ねられたらその好きな人が不快になるでしょ
234 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/05/20(日) 08:17:28.38 ID:Z0zjaLiAO
クズだの最底辺だのと汚い言葉を喉の下に留めておけない人間がいるから、戦争がなくならないんだよ
どんな感想を抱こうとそれは自由だけど、口に出すか出さないかは天と地ほどの差があるということを覚えておくと幸せになれるよ
235 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/20(日) 12:05:03.39 ID:b3Eg+hk20
まどかキャラはみんないい子じゃないか何いってんの。・・・QBはさすがに擁護できんがww
そういう陰我はまどポのギャグルートを十回くらいループしたら浄化できるよ。
それはそうと、まどかを除く魔法少女の中で一番強いのは杏子なのかな。
精神的にも強いし。まどポの魔女化の件も無理やりああしましたって感じだし。
236 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/05/20(日) 15:39:54.39 ID:p2A+samW0
基本的にまどか以外は殆どどうでもよくて駒として見ていないフシがあるほむらや
悲惨な境遇とはいえGSを得る為に使い魔が魔女になるまで放置し、他の魔法少女に喧嘩吹っかける杏子とか
このssのマミさんにしたって内面は周りに対する妬みや人間不信だったりでかなり拗れてるし
全面的に良い子だとはとても言えないでしょ…かといって悪ってわけでもないけどさ
基本的にまどマギの登場人物は正しくて間違ってる人間ばかりだと思う
237 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/21(月) 00:49:27.46 ID:YZxk4OtP0
関係ないが、牙狼のタイトルをまどかチックにするとどうなると思う?
例
一期「大河」→守りし者となれ、そして強くなれ
「生命」→守るに値する輝きに満ちた存在
RED REQUIEM→一人の命は大勢の命とつながっている
二期「仙水」→私は一人で闘ってるんじゃない
「盟友」→大好きだった絵本の主人公
みたいな感じの。
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/21(月) 01:59:26.05 ID:jHZ4bEyP0
>>237
一期「英霊」→我が名は牙狼、黄金騎士だ
「白夜の魔獣 後編」→貴様らの住む世界などない
二期「閃光」→貴様の陰我、俺が断ち切る
「列車」→刻印は…発動させない
「時代」→これはかつての俺との約束なんだ
下手だがこんな感じかでいいかね?
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/21(月) 02:09:43.33 ID:YZxk4OtP0
いいよいいよ。鳥肌立つわ。
つくづく牙狼は名台詞製造機だなww
「貴様の陰我、俺が断ち切る」ってもう牙狼自体を象徴する台詞だよね。
ちょっとコミカルなやつ
一期「遊戯」→試してみませんか。貴方のツキを。
「約束」→俺は不器用でも、冷徹でもない。
二期「切札」→ブタだ。俺の勝ちだな。
240 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/21(月) 02:25:46.77 ID:OuKAohIbo
*
閑静な住宅街。家々には明かりが灯り、美味しそうな夕食の匂いや団欒の声が流れてくる。
しかし、たまに車が通るだけで、道を歩く者はいない。
いや、一人――ツインテールを揺らしながら、小走りで駆ける少女がいた。
「弱ったなぁ。すっかり遅くなっちゃった……」
はぁ、と息を吐いて、歩を緩めたまどかが独りごちた。
今日は学校が終わってからマミの自宅へ。そこで鋼牙とマミから説明を受け、魔女退治に同行。
更に近くの喫茶店で知り合った命とお茶、と夕方から流されるままに過密なスケジュールをこなしていた。
だというのに。
魔女退治が終わった時点で日は暮れていたのに、ついマミが心配で長居してしまった。
命との会話が楽しく、居心地が良かったせいもある。
母とはどこか似ているようで違うが、かっこいい大人の女といった印象で、まどかも少なからず憧れを感じていた。
加えて魔女の潜んでいた廃ビルが、市内でもあまり馴染みのない場所だったのだ。
地理に明るくないまどかは散々苦労し、どうにか知った街並みまで帰ると、まだ余裕があると思っていた時間はとっくに過ぎていた。
家に連絡を入れようにも携帯の電池は切れていて、つくづく運がない。
多忙な母も普段なら帰っている時間。連日、連絡もなしに遅くまで帰らないとなれば、特大の雷が落ちるのは間違いない。
それだけならまだいいが、もし非行を疑われたり、或いは捜索願なんて大事になったら――。
嫌な想像を振り払うように、まどかは激しくかぶりを振った。
「う〜、やっぱり急がなきゃ! 早く帰らないと、パパとママが心配しちゃう!」
そうして再び走り出したまどかの目が、暫くして脇道に逸れる。
241 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/21(月) 02:28:27.71 ID:OuKAohIbo
そこから続いているのは、細い小道。
十分は確実に縮まる絶好のショートカットコースだが、街灯もひとつかふたつしかない。
何となく気味が悪くて、昼間でも避けて通りがちだった。
まして昨日の今日である。街灯の下を歩くのでさえ一人では怖いのに、裏道なんて考えただけで足が竦む。
さやかほどでなくても、暗闇を身体が拒否しているよう。
闇に潜む魔女や魔獣が、口を開けて手招いている気すらした。
だが、まどかは立ち止り、向きを変える。そして闇をじっと睨み、ゴクリ、と唾を呑み下した。
夜も裏道も怖いが、叱られるのはもっと怖いし、心配を掛けるのは申し訳ないという思いが勝った。
「……よしっ」
拳を握り、ありったけの勇気を振り絞る。
大丈夫、何も出る訳がない。夜に通ったことも何度かある。怖いと思うから怖いんだ。
そう自分に言い聞かせて。
まどかは一歩を踏み出し――続けて二歩、三歩と交互に足を前に出す。
ピッチは徐々に速まり、数秒と経たず全力疾走に変わった。
息を切らせて、それでも足は止めず、前もろくに見ず、頭の中を空っぽにして駆け抜ける。
そうでもしないと、恐怖に呑まれて一歩も動けなくなりそうだった。
だが、走り出して数分後、周囲に神経を巡らすあまり鋭敏になった聴覚は、無意識に風以外の物音を拾った。
「ひっ!?」
まどかは短い悲鳴を上げて立ち止った。それは道端から。軽い金属音だったように思えたが、はっきりとはわからなかった。
242 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/21(月) 02:30:59.29 ID:OuKAohIbo
「何の音……誰かいるの……?」
答えは返らない。
それでも感じる確かな気配と息遣い、薄らと輪郭が見えるような見えないような。
何者かと対峙しているのは間違いなかった。
――まさかホラーか魔女……!?
想像した途端、全身が戦慄く。まどか自身が、際限なく膨らむ魔物のイメージを闇の中に創り出す。
逃げようにも足が動いてくれない。前にも後ろにも進めず、声を出すことも忘れていた。
無力な女子中学生を金縛りにするのに、魔女も魔獣も必要ない。
ただ闇と少女自身の想像力があれば。
辛うじて、震える足がアスファルトを踏み鳴らした瞬間――。
ニャーッと、間延びした鳴き声。
まどかが目を凝らすと、
「なぁんだ……猫かぁ」
黒猫がまどかをじっと警戒していた。どうやら野良猫が空き缶を転がしただけらしい。
まどかは、ほっと安堵の息を自嘲も込めてついた。幽霊の正体見たり何とやら、である。
が、安心したのも束の間。
「――っっ……!?」
迫る足音を聞き取り、息が止まった。
今度は断じて犬や猫ではない。ふたつの足が地面を踏む音。
再び、まどかの全身を震えが襲った。
243 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/21(月) 02:34:23.24 ID:OuKAohIbo
ホラーだろうか。それとも魔女?
人間同様に二足歩行する魔女がいないと言い切れるほど、まどかは魔女を知らない。
或いはもっと現実的な恐怖、不良や変質者かもしれない。既に普通の通行人という可能性は、頭から消え去っていた。
隠れる場所もなく、頼れるのは後方にある街灯のか細い明りのみ。欠け始めた月も、今は雲に隠れて光は届かない。
思考を恐怖で塗り潰されながらも、まどかはどうにか覚束ない足取りで後退る。
その間も、足音から一瞬たりとも目を離さない。
まるで熊か何かから逃げてでもいるかのよう。
だが最悪の場合なら、向かってきているのは獣よりも遥かに恐ろしい怪物だ。
視線を外したり、しゃがみ込んでしまえば、待つのは絶対の死。生存への一縷の希望が冷静さを保たせていた。
もう少しで街灯という辺りで、足音が加速した。後退を悟られたのだ。
つまり、まどかの存在に気付いている。
背筋を悪寒が駆け上がった。
ならばこちらもと急いで離れようとしたが、足が縺れて転んでしまう。
「ひゃっ――」
――もう駄目!
終わりかと絶望しかけるまどかに足音は更に近付き、その姿が明かりに照らされ出した。
244 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/21(月) 02:37:14.27 ID:OuKAohIbo
「ここで何をしている」
声の相手は白いロングコートの男。
魔女や魔獣とは対極に位置する存在。
夕方に別れたばかりの魔戒騎士、冴島鋼牙だった。
「ふぇっ…………はぁあ〜〜」
まどかは無様に尻餅をついたままにも拘らず、深々と息を吐き出した。
極度の緊張と、そこからの急激な解放で、完全に脱力してしまった。
胸を押さえて深呼吸を繰り返し、暫くして立ちあがろうとするが、
「あ、あれ?」
腰が抜けて立てない。
それどころか、腕までもガクガクで力が入らない。
まどかが戸惑っていると、目の前に手が差し出された。
「立てるか?」
「あ、すみません……」
広がっていたスカートの裾を押さえ、真赤に恥じらいながら手を取るまどか。
小柄な少女とはいえ、鋼牙はいとも容易く引き上げた。
立ちあがったまどかは制服の汚れを払うと、改めて頭を下げる。
「あの、ありがとうございました」
245 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/21(月) 02:41:15.85 ID:OuKAohIbo
「何を考えている。言ったはずだ、夜は危険だと。今の街はなおさらだ」
にこやかに笑うまどかだったが、返ってきたのは厳しい言葉だった。
険しい視線と表情で、静かだが重い声で叱責された。
魔の存在への恐怖からは解放されたが、その分、別に恐れていた大人からの説教が増えてしまった。
無論、命の危機とは比べ物にならないが。
「はい、ごめんなさい……」
しょんぼりと項垂れるまどか。
一言も言い返せるはずがない。数時間前にホラーや魔女は夜、人気のない場所に注意しろと言われたばかり。
それを無視したのだから自業自得だった。
しかも鋼牙の纏う厳格な雰囲気は、学校の怖い教師を思い起こさせて、萎縮してしまうのだ。
『そうでなくても、子供が夜に一人で歩くには不用心な道だな』
「その……早く帰らなきゃと思ってつい近道を……」
246 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/21(月) 02:42:48.48 ID:OuKAohIbo
鋼牙とザルバの言は至極もっともで、釈明の声も尻すぼみになる。
遂には沈黙する鋼牙の仏頂面に耐えかねて、
「本当にすみませんでした……。これからはちゃんと気を付けます」
告げるなり一礼して背を向ける。そして、とぼとぼと歩き出した。
「どこへ行く気だ」
「いえ、大通りに戻ろうかと……」
と言っても、道も半ば過ぎ。帰るのも行くのも大差ないのだが。
家に帰るのは更に遅くなりそうだが、鋼牙に叱られた手前、仕方がなかった。
すると鋼牙もまどかに背を向け、首だけ振り返り一言。
「急いでいるんだろう。送っていく、ついてこい」
最初は何を言っているのかわからなかった。
やがて理解が追い付くにつれ、まどかの顔はパァッと明るくなっていき――。
「え……あ、はい!」
歩を進める鋼牙の斜め後ろに駆け寄った。
247 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/21(月) 02:59:15.49 ID:OuKAohIbo
このパートも今日最後まで行きたかったのですが、間に合いませんでした
プレデターさえなければ……残念ながら明日か明後日に
もう少しで二話も終わりの予定です
いつも貴重なご意見ありがとうございます
この作品でのマミのキャラに不満を感じる方には申し訳ありません
こんなことを言うのもおこがましいですが、できるなら長い目でいただたければ色々な意味で助かります
今後も不快にさせることは多々あると思いますが、それでもよければ御覧ください
>>237-239
流れを切ってしまい、すみません
他キャラのverも考えると、いくらでも出てきて面白いです
248 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/21(月) 03:08:44.89 ID:jHZ4bEyP0
乙です。
なんか鋼牙に駆け寄るまどかを想像して、大河に駆け寄る鋼牙を思い出した。
厳しくも優しい所なんか確実に父親に似てきてるね。
いい父親になりそうだ。
249 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/21(月) 03:13:58.23 ID:YZxk4OtP0
いえいえ全然ww暇つぶしなんで気になさらないでくださいww
今回はなんか癒し系ですね。夜道に怖がったり、ママの雷を恐れたりしてるけど家族に心配かけるのを一番危惧してるあたり、まどかちゃんの思いやりというかそういうのが見えますね。やはりいい子だ。
今回の鋼牙、まるでカオルと話してるような感じですね。
それでまたまどかちゃんのリアクションもカオルっぽいww
というかまどかちゃんの学校には鋼牙みたいな先生いんのかwwww
ところで質問ですが、まどポはプレイされましたか?
あれにも名前付きの必殺技とかあるんで資料としてはうってつけかと。
250 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/21(月) 03:49:38.13 ID:FHrDIV9uo
いつも乙
優しい
>>1
には申し訳無いけど、書かせてもらう
乙の一言も書かずに
議論やら、文句垂れ流す奴、好い加減に黙れ
251 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/21(月) 11:35:01.21 ID:TY8PKfoM0
待っていた乙
>>250
まあ、まてそう言う流れにイラっとくるのはわかるし
俺もそう思わないわけじゃない
ただ、売り言葉に買い言葉ということもある
そこは、丁寧にいうべきだな
実際、好きだからつい論議に興じてしまう気持ちもあるんだろうが
そこはお互い
>>1
を慮るという意味でもドカッと長文を書いたり
乱暴な言葉を使うは少し控えてはどうだろうか?
252 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/05/21(月) 21:20:22.39 ID:GTK2oCbG0
まどかと牙狼の次回予告が話題に挙がっていたからちと思い出したが
こんなのもあった
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17551820
いくつかそのまんま採用できるのもあるな・・・
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/21(月) 23:46:30.09 ID:YZxk4OtP0
牙狼×まどかの動画もっと増えてほしいな。擬似共闘みたいなのを見たい。
というか
牙狼も第一話は「夢の中で会った、ような・・」なんだよな。
さっきの話の続きだが、カオルの台詞で考えてみた。
一期「絵本」→夢に出てきた、黄金の騎士
「偶像」→才能なんて、関係ない
「水槽」→守ってくれるって、言ったじゃない。
二期「街灯」→一番に鋼牙に見てほしいんだ
「赤筆」→だって、あなたは守りし者だもの
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/22(火) 00:50:23.48 ID:tUUXvMZG0
投下キテタ!乙!
やっぱり中学生のまどかには、鋼牙の厳格な雰囲気は怖いかwwww誰だって萎縮する。俺だって萎縮する。
あと、俺ら読者のスタンスとしては、やっぱ
>>251
がベストだよね。
あんましキツイ言い方するのは良くないけど、かと言って何も言わないままだと収拾付かなくなるし。
例えば
>>248
。
雑談の内容自体は面白そうだから、続けてくれて全然構わないけど、
「日曜深夜には必ず投下」って宣言があった手前、その日曜深夜に雑談やっちゃったのは、さすがにマズいと思うww
ここの
>>1
は優しいから、「流れを切ってしまってすみません」なんて下手に出てくれてるけど、
ホントは「気にしないでください」じゃなくて、「こちらこそ、投下の妨げをしてしまってすみません」って謝るべきシーンだよコレ…。
いや、何かマナー講座みたいになって申し訳ないけどもww
これに限らず、俺らが
>>1
の優しさに甘えっぱなしじゃ駄目だと思うんだ…。
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/22(火) 00:51:50.56 ID:tUUXvMZG0
ごめん。
>>248
じゃなくて
>>249
だった。
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/22(火) 01:50:36.31 ID:n6UlvoTN0
マミさんについて色々言われてるが
そもそもマミさんって3話で退場してしまった事もあり内面描写が薄くて
人によって受け取り方が別れるキャラだからな
臆病でヘタレでボッチキャラだったり、厨二病で邪気眼キャラだったり
過去のトラウマで病的に魔法少女に拘るキャラだったりと
このように二次創作で書く人によって内面の描写やキャラがかなり別れるキャラだから(次点はほむほむ)
逆にあんまり本編とキャラがぶれないのはさやかとかQB
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/22(火) 09:30:28.26 ID:7+azuitm0
まぁ、その、なんだ。
っまどポ(番外編)
QBは外見の可愛さを諦めきれずに彼の言う「極めて稀な精神疾患」にかかったキャラにされる事もある。
俗に言う「きれいなQB」である。
1〜2話のキュゥべえは他のマスコット系と比べても遜色ないからね・・。
258 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/05/24(木) 02:52:16.94 ID:iy8+U+rDo
もう少しかかりそうです
ちょっと大事なところなので、なかなか"らしさ"が出せず
259 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/28(月) 02:52:39.54 ID:JqNzRaySo
まどかは鋼牙と連れ立って夜道を歩く。
一歩引いて鋼牙の横に並ぶまどかは、時折チラチラと彼を窺っていた。
精悍な横顔は前だけを見据え、眼は微動だにしない。
それでいてまどかの様子も的確に把握しているらしく、まどかの早歩きに歩幅を揃えている。
疲れて少し歩調を緩めると、合わせてもくれた。
見た目ではわかりにくいが、彼が優しく、信用の置ける人物であることは改めて実感できた。
故に魔物に対する不安や恐怖は、もう欠片も残っていない。何せ最強の存在が傍にいるのだから。
しかし今、まどかの表情には不安が浮かんでいる。
彼の隠れた優しさは素直に嬉しいのだが、気難しい性格にまどかは戸惑っていた。
静寂の夜道を歩く間、二人は一言も口を利いていないのだ。
鋼牙はおそらく沈黙を重苦しいと感じておらず、無駄な会話も必要としないだろう。
そんな彼と何を話せばいいのやら。
平然と歩く鋼牙の横で、まどかは内心悶々としていた。
――世間話……なんて駄目だよね、全然続く気がしないもん。
じゃあ、ホラーのこととか……。でも何を訊いていいのかわからないし、
知っちゃいけないかもしれないし……。
何か……あぁっ、思いつかないよ急に〜!――
そもそも大人の男なんて父親や教師以外に馴染みがないまどかである。
まして相手はテレビから出てきたみたいなヒーロー。一般人とは違う、ともかく凄い人間という認識。
雑談が成り立つはずもない。まどかにとって鋼牙は未知の生物に等しかった。
考え過ぎて目が回りそうになっていると、
「どうかしたのか?」
鋼牙が振り向いた。
どうやら、頭を振って悩んでいるところを不審がられたものと思われる。
260 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/28(月) 02:55:13.99 ID:JqNzRaySo
何を話せばいいか迷っていた、などと本人を前にして言えるはずもない。
「い、いえ! 何でもないです!」
また首を振って、慌てて否定した。
ますます不審さが増して、鋼牙は訝しげに視線を合わせてくる。
それが更にまどかを混乱させるとも知らずに。
そして遂には涙目になって頭を下げてしまう。
「あの、ごめんなさい……」
「何を謝る?」
「私、緊張しちゃって……。パパ以外の男の人と二人で歩くなんて初めてで、
何を話したらいいかわからなくって……」
しどろもどろになり、消え入りそうな声で俯く。
聞こえたかどうかもさだかでなかったが、鋼牙は正面に視線を戻し言った。
「無理に話す必要はない」
端的だが、どこか穏やかな色も含んだ声音。
自分を励まし、慰めようとしてくれているのが、まどかにも理解できた。
だがその励ましが、慰めが、より彼との違いを浮き彫りにする。
切っ掛けは、ほんの些細なこと。だが自分は満足に受け答えもできなかった。
それが恥ずかしくて、情けなくて、まどかの気持ちは沈んでいく。
261 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/28(月) 02:57:04.92 ID:JqNzRaySo
無理に話す必要はない。そんなことはわかっている。
わかっていてもできない。
すぐに実行できることでも、なかなか勇気が持てない。
――はぁ……どうしてこうなっちゃうんだろう……。
臆病で、弱虫で、自信が持てなくて。
迷って、振り返って、立ち止まって。
私、そんな自分が大嫌い……。
もし私も冴島さんみたいに、マミさんみたいに輝けたなら。
先の見えない暗闇でも、迷わず前だけを向いて歩けるんじゃないかって思えるのに……。
でも、どうすればいいんだろう。この人なら、その答えを持ってるのかな……。
訊いてみたい。どうしても知りたい。
今なら訊ける。うぅん、今を逃したらもうチャンスはないかもしれない。
だから私は――
まどかは胸に当てた拳をキュッと握り、鋼牙を見つめる。
そして、なけなしの勇気を込めて質問をぶつけた。
「あの……訊いていいですか? どうやったら、冴島さんみたいに強くなれるんですか?」
「……強くなりたいのか?」
突然の質問に流石の鋼牙も戸惑ったのか怪訝な顔で訊き返すが、急ぐまどかへの配慮か、足は止めなかった。
まどかは肯定も否定もせず、鋼牙の横を歩きながら話を続ける。
262 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/28(月) 03:00:04.13 ID:JqNzRaySo
「私って、昔から何の取り柄もなくて……これから先ずっと、誰かの役に立つこともないまま、
人に迷惑ばかりかけていくのかなって、そう思ったら凄く嫌で……」
鋼牙は何も言わなかった。じっと黙して続きを待っている。
取り留めのない想いを、ゆっくりと言葉に変換して紡ぐ為の時間。そう考えたら沈黙も悪くない気がした。
「ずっと考えていたんです、昨日のこと、今日のこと……。
私を助けてくれた二人は眩しかったんです。それでキュゥべえに素質があるって言われて、
同じことが私にもできるなら、私やさやかちゃんを助けてくれたみたいに誰かを守れたなら。
きっと、これ以上嬉しいことはないだろうなって……」
「だが――」
「命懸けだってことはわかってます! 今日の戦いも、とっても怖かった。でも、私……」
だとしても憧れは止めらない。
それで望む自分に成れるのなら。
未だ迷いは晴れないが、その為なら戦いを受け入れてもいいとすら思い始めていた。
甘いと怒られるだろうか。現実を知らないと笑われるだろうか。
いや、彼なら認めてくれそうな気がする。
確かな根拠がある訳じゃない。ただ、彼の寡黙な優しさを昨日も今日も見てきたから。
きっと真摯に受け止めてくれて、何かアドバイスをくれると思った。
「あっ、その、まだ決めた訳じゃないんですけど……願い事だって決まってないし……。
ただ私もマミさんや冴島さんみたいに誰かの助けになれたら、
黄金騎士みたいにかっこよくなれたら、輝けたなら……それくらいなんです、私の願いなんて。
強くなりたいって言うより、胸を張って誇れる自分になりたいって言うか。
だからキュゥべえと契約して魔法少女になることで叶えられるなら、私も……」
263 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/28(月) 03:01:34.19 ID:JqNzRaySo
――絶望に暮れる人に希望を示せる、そんなあなたや彼女に少しでも近付ける。
はにかんで頬を赤らめるまどか。
しかし、照れを誤魔化すような笑顔を向けられた鋼牙が彼女に応えることはない。
目を閉じ、何事か思案している様子。
まどかが緊張しながら待つと、やがて鋼牙が目と口を開く。
「……無理だな」
と一言。
たった一言で、まどかの笑顔が凍りついた。
「え……?」
まどかが発したのも、言葉にもならぬ掠れた疑問符のみ。
それきり、いくら待っても続く答えは返らない。
「……それって、どういう意味ですか?
やっぱり私なんかじゃできっこないってことなんですか……?
私、女だし、体も小さいし、運動も全然できないです……。
とても冴島さんみたいには戦えない、でも……!」
魔法少女になれば変われるかもしれない。
そう思っていたのに。
まどかは歩みを止めない鋼牙に追い縋りながら震えた声で捲し立てるが、仕舞いには言葉を詰まらせてしまう。
それでも問うと、ようやく鋼牙の顔がまどかに向いた。
264 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/28(月) 03:03:44.96 ID:JqNzRaySo
「女は騎士にはなれん。だが、それ以前の問題だ」
「それ以前の……?」
訊き返すも、やはり答えは返らない。これ以上はない、ということだろうか。
まどかには鋼牙の言わんとしていることが、まるで理解できなかった。
そもそも端的過ぎて、正しく相手に伝える意思があるのかも怪しい。
しかし何とか理解しようと首を捻っていると、鋼牙の足が止まった。
「誰かの役に立ちたいと言ったな」
「は、はい……」
唐突に質問で返され、戸惑いがちに頷く。
そして――。
「なら道のゴミ拾いか家の手伝いでもしていろ。今日からでもできる」
ぞんざいに言い捨てられた言葉に、まどかは耳を疑った。
後頭部を殴られたような、自分でも信じられないほどのショックに襲われた。
初めて自覚した。自分が彼の優しさを誤解していたと。
「そんな……私、真剣に相談したのに……」
助けたのはそれが魔戒騎士の使命だから。送ってくれるのも、その延長。人生相談に付き合う義理などない。
だから、こんな子供の悩みなど、所詮ちっぽけなものだと思われたのだろうか。だから軽くあしらってもいい、と。
そんなふうに考えたくないのに考えてしまう。
265 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/28(月) 03:05:13.95 ID:JqNzRaySo
「俺も本気で答えた」
彼はそう言うが、では他にどんな意味があるというのか。
まどかは訳もわからず混乱していた。頭の中はグシャグシャで、堰を切った感情が溢れて整理がつかない。
「酷い……っ」
言ってしまった直後、あっ――と思わず口をついて出た言葉に驚き、まどかは押し黙る。
それでも鋼牙は足も止めず、表情ひとつ変えない。
自分では何をしようが彼を揺らせない、影響を与えられないのだと思い知って、また切なくなる。
もう彼の隣にはいられなかった。
気付けば裏道も終わり、また明るい住宅街に出ていた。家までは2,3分といったところか。
まどかは鋼牙の前に勢い良く走り出る。
「近くなのでここからは一人でも帰れます、ありがとう……ございました……っ」
顔を見られないようにお辞儀をするなり、反転して駆け出す。
ずっと堪えているつもりだったが、振り返り際、潤んだ瞳から涙の滴が飛んだ。
きっと鋼牙にも見られただろう。
だというのに。
やはり背後からは声も足音も聞こえてこなかった。
何故だかわからないけど、それが無性に悔しくて悲しかった。
それからまどかは休まず、振り返らず、家路を急いだ。
「ただいまっ――!」
玄関を開け放つと素早く靴を脱ぎ、なおも走る。
266 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/28(月) 03:07:16.18 ID:JqNzRaySo
「おかえり、まどか。心配――」
「まどか! こんな時間まで何……を……」
この時ばかりは父と母の声も耳に届かなかった。
床をドタドタ踏み鳴らし、階段を駆け上がる。
自室で鞄を投げ捨て、ベッドに身体ごと飛び込むと、やっと動きを止めた。
枕に顔を埋めて洟を啜るまどかは、少しだけ冷静になり、鋼牙とのやり取りを思い出す。
――優しさを誤解していた。
でも、それは冴島さんのせいじゃない。
勝手に甘えて、期待を抱いて、何でも受け止めてくれるって心のどこかで思い込んでた。
それで勝手に幻滅して馬鹿みたいだよぉ……――
これから鋼牙の言葉の意味を考えてみようと思う。しかし鋼牙が何を伝えたかったのか、何を望んでいたのか。
そして、それを受けて自分がどうしたいのか、いつか確かな答えが出せるのだろうか。
――こんな私が、キュゥべえに煽てられたからって、
ちょっと力を得たくらいで冴島さんに並べるなんて、自惚れだったのかな――
変わらない。
何も変わらない。
まだ暗闇を彷徨っているような気分。
なのに闇に光を与えてくれるはずの黄金騎士の助けは期待できなかった。
「私、どうすればいいの……」
267 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/05/28(月) 03:10:44.58 ID:JqNzRaySo
ここまで。次も間に合えば日曜深夜に
多くてもあと二回で2話を終わらせたいです
たくさんのコメント、いつもありがとうございます
でも、自分が優しいかどうかはよくわかりません
では今回の鋼牙は優しかったのかどうか
短いのに、これまでで一番苦戦した気がします
こんなのでいいのか、かなり悩みましたが、説明は作中で追々
268 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/28(月) 04:12:19.78 ID:HyXq8F5e0
乙であります。
鋼牙のやさしさは本当にわかりづらいですね・・・
カオルさまも理解するのに「生命」までかかったし。
鈴ちゃんにも最初は「はやく帰れ」って言ってたし、基本的に「子供は戦いにかかわるべきじゃない」って考えなんだろうね。
「同胞」であんな光景目にしてるわけだし。
そりゃそうだ。鋼牙も父や母を亡くし、孤独に闘う者。杏子ちゃんじゃないが、幸せな家族を持つまどかちゃんが闘うなど、よしとするわけがない。
大河さん、修練所の仲間、阿門法師、邪美、アカザ。師や仲間を戦いで失ってきた経験から戦いの悲痛さを知っているが故の
「なら道のゴミ拾いか家の手伝いでもしていろ。今日からでもできる」
なんでしょうね。
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/28(月) 11:10:15.38 ID:9frcEhFSO
乙です
思うに鋼牙のイメージによっていろんな受け取り方ができそう
恐らく、誇れる自分になりたいなら奇跡に頼らず努力しろと言いたいのでは。
でないと後悔するぞと。まあ魔法少女まどかの性格からしてそうでもないかもしれんが。
ただ鋼牙は魔法少女の真実にリーチかけてるし、元が努力の人だから
結局マミがさやかに言った、誰の為の契約か、を言いたいのかも
「今日からでも〜」は人の役に立つことの最も簡単な部類だから。
魔法少女にならなくてもできることを提示してる
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/05/28(月) 12:21:54.81 ID:KIqp0sOAO
鋼牙も騎士になる前に単純に強くなりたいと思ってたけど…って描写本編であったなぁ
それぞれが魔界騎士と接触して三者三様の捉え方に…楽しくなってきた!
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/28(月) 13:15:47.17 ID:gBexz24v0
乙です
非常に鋼牙らしい台詞だが
ナイーブなキャラが多いまどマギの魔法少女に鋼牙の厳しい優しさを理解して受け止められるのかどうか…
寄りかかれる甘えさせてくれる人を求めてるマミさんとでは、そりゃ相性が悪いわな
まだ面識がないが杏子とも相性が悪そうだ
フォローしてくれる人間がいれば少しはマシになるんだろうが
カオルやゴンザが不在だからな…ザルバにフォローして貰うか?
272 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/28(月) 13:20:46.74 ID:QHjTvrEK0
乙です。
なんかもうホントにこの作品テレビで見たいわ。
誇れる自分に、誰かの希望になりたいのなら戦いだけが方法じゃないぞって言いたいんじゃないかって思った。
例えばカオルだって自分の絵に誇りを持ってる。そしてその絵は鋼牙にとっての希望。
あくまで戦いは最後の手段であり、人知れず戦う魔戒騎士や魔法少女なんかより家族の手伝いや道端のゴミ拾いをやった方がよっぽど誇れる。
そう言いたいんじゃないかと思った。
それに相手がギャグ要素一切なしのホラーや魔女だしね。
力を得たところで精神をすり減らしていくのは目に見えて明らか。
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/28(月) 14:33:29.83 ID:HyXq8F5e0
ほむらちゃんにとってはもしQBに煽られても今回の鋼牙の言葉がストッパーになってくれるのならプラスだと思うだろうね。
ところで気になったんだが、牙狼側からは鋼牙と零と魔導具コンビだけなのかな。冴島ファミリーや翼や邪烈も出るんでしょうか。
いや、翼が二期であまりにも出番が少なかったんでせめてココでは・・・と思っただけなんですがね。
でもまーマギカ側で魔戒騎士と相性がいいのはやっぱり杏子ちゃんでしょうね。まどかちゃんにもまさに「幸せな家庭持つ奴が首突っ込むな。」って鋼牙と同じニュアンスで叱ってたし。
ただ、戦いや病で死んでも鋼牙に希望を残せたいわばプラスの死に方をした冴島夫妻に対して杏子ちゃんの父の場合は自棄になって杏子ちゃんに絶望の種を残したマイナスの死にかただからこの差はデカイだろうね・・・。
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/28(月) 20:36:15.51 ID:EhKlPvnj0
作者さんに聞きたいんだが、パロロワでの執筆経験とかあったりする?
この濃密な内面の葛藤とかあそこのssのクオリティに通じる物がある
この技量ならあそこでss書いててもおかしくない
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/28(月) 21:08:06.89 ID:GheX7azDO
まぁ、まどからの年齢で希望やなんやって気味が悪いわな 素直に親のスネをかじれと
もっとちっちゃな事に絶望や希望するのが子供もってもんしゃないか?
だから考え過ぎなガキンチョばっかのまどまぎって嫌い
全話見たしココも前スレの頭から追ってるしSS系のまどスレ見つけたら読んでるけど
276 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/28(月) 22:28:51.02 ID:eMxwNpC70
鋼牙の切り替えしに目からうろこ
なんて正確で的確な正論なんだろう
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/29(火) 01:01:44.35 ID:+lw1sPSY0
乙!
泣ーーかしたー 泣ーかしたー カーーオルーに言ってやろーー
まどっちみたいな純真で可愛らしいJCに対してでも、お構いなしに辛辣に切り返す鋼牙さんマジ黄金騎士。
まあ、精神の未熟がそのまま破滅に直結する魔法少女は、甘い願望で契約するとシャレにならんレベルのしっぺ返しをくらうからなあ。
しかも、鍛錬すっとばしていきなり強くなれてしまう(&即実戦投入)せいで、精神的な成長はかなりおざなりというね…。
騎士や法師の卵なら、実戦に出る前に嫌ってほど精神鍛錬するだろうけど…。
まどっちも泣いてるだけじゃなくて、鋼牙が伝えたかった事をちゃんと考えようとしてるのは、さすが優しい娘。
その答えが見つかるまで、とりあえず契約は防げるかな?や、答えが見つかっても彼女の契約は防がないとヤバいんですがww
278 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/29(火) 01:45:40.85 ID:8nAa+09f0
二期以前でマギカたちにわかりやすいように諭せるのは零くらいだよね。
わざわざ人んちの食卓に御呼ばれしたり
見知らぬ剣豪と手合わせに付き合ったり
交通事故から助けた女の子と仲良くなってその家のケーキが好きになって常連になったり。
よくも悪くも付き合いがいい。だから零主役の回は悲壮なのだけど。
二期も視野に入れるならワタル先生やそういう葛藤を経験したレオくんも適任だろうけど。
≫277
カオル「鋼牙ったら女心のなんたるかがわかってないんだから。でもね、まどかちゃんにはまどかちゃんにしか出来ないことがあると思うし、あせらずにゆっくり考えたらいいと思うな。それが鋼牙や、マミちゃんの力になるかもしれないし。」
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/29(火) 02:32:28.39 ID:8r2jBgAz0
さすが鋼牙、口べたというかなんというかwwwwww
けど事実そうだよね「誰かの役に立ちたいなら」それこそそんな程度のことでもいいんだよね
むしろ、他人から見ればそっちの方が役に立ってる感があるというか
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/29(火) 03:05:17.27 ID:yPoLJiU5o
まどかもまどかで力に憧れている節は否めないな
健気で考え過ぎる性格でもやっぱりそういうお年頃だ
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/30(水) 19:20:22.62 ID:mX7RfDuSO
鋼牙は努力家だから、まどかやキリカの願いにはいろいろ言いたくなるんだろうか
どっちも自分を変えるために何か動いた結果の願いとは思えないし
中学生らしいから悪いとは言わないが
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/05/31(木) 11:16:34.97 ID:z7dLpcaY0
パチ版の情報をたびたび列挙してるものですが、CRシリーズ限定の次回予告があるので紹介します。
パチンコの予告ですので、ストーリー的に関係の無いものもありますが、それは割愛します。
VSレギュレイス
ザルバ「天魔降伏の光が黄金の鎧に宿る時、輝く雄志が暗黒を討ち払う! 次回!鷹麟。 黄金騎士よ、闇夜に輝け!」
VSハンプティ
ザルバ「魔戒騎士の無敵の強さ。地道な修行と、折れない心の賜物さ。 次回!闘士。 その蹄は、天より轟く!」
VS魔界竜(もともとはパチオリジナルで、巨大な成体が登場していた)
ザルバ「太古に封印されし混沌の竜が蘇るとき、魔界を覆う暗雲が、光の騎士を包み込む! 次回!獄竜。 鋼の牙を、砥ぎ澄ませ!」
VSメシア
ザルバ「友よ、お前は感じた事があるか?暗黒の空に吹く黄金の風を。 次回!翼人。 巨大な陰我、切り裂け、牙狼!」
VSカルマ
ザルバ「妖艶なる使徒ホラーの呪縛。儚き英霊の旋律。それは赤きレクイエム! 次回!竜陣。 輝く奇跡、金色となれ!」
VS大号竜(パチオリジナルホラー。規格外のでかさの号竜。)
ザルバ「闇の檻につながれし、超弩級の魔戒獣。光の騎士は恐れない。希望を意味する名を持つかぎり! 次回!轟亀。
牙狼の称号に、不可能は無いぜ!」
VS大群ホラー(一作目と二作目の二種類ある)
ザルバ「まさかアイツと手を組むことになろうとはな。手を出すな、鋼牙。お手並み拝見といこう。 次回!撃破。 駆け抜ける、二頭の牙!」
ザルバ「おいおい、聞いてないぞ。今度は二千体の大群だって?鋼牙、零、何としても生きて帰るぞ!次回!超撃。駆け抜ける、二頭の牙!」
大当たり確定のプレミア次回予告
カオル「鋼牙、あなたは最高の魔戒騎士だよ。私が保証する。魔戒騎士の掟に背いてまで私を守ってくれたこと、絶対にオ忘れない。次回、幸福。あなたもきっと、誰かに守られてる。」
スピンオフ機・暗黒騎士牙鎧伝にも次回予告があります。
VSガリウス
メシア「空に踊るは鋭き魔獣。暗黒騎士よ駆け上がれ。己の野望の頂へ。 預言!蛇剣。 いざ投じよ、漆黒の戦斧!」
VSブレイド
メシア「巨木をも断つ、魔獣の手刀。邪悪の使いが暗黒騎士の前にそびえ立つ。 預言!巨刃。いざ交えよ、闇の斬馬剣!」
VSバド
メシア「暗黒騎士よ聞こえぬか?馬鹿馬鹿しき銀の狼の遠吠えが。 預言!風雲。 迫り来る、虹の雷鳴!」
VS牙狼
メシア「ついに来たか。そなたの闇の試練の時が。彷徨える慟哭の竜、そして、黄金の影。 預言!金狼。 希望は、闇の僕となろう!」
プレミア
メシア「ふははは、よくぞ成し遂げた暗黒騎士!暗黒の道は、我とそなたの前にある。 預言!幸福。 さぁ、行くがよい!」
期待感をあおるためか、全体的にテンションが高いですww
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/06/02(土) 15:19:30.70 ID:gJtgm/Tlo
>>285
キリカは自分で自分を変えられないから、契約で変わることを望んだからねぇ
でも魔法少女の裏まで理解しつつ、大切な人の為に魔女になることまで選択して
まっとうできた彼女は今まで登場した全魔法少女の中では唯一、
満足した最後を迎えられていると思う
第三者から見れば悲惨な結末だとしてもね
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/06/02(土) 19:33:20.59 ID:5lnqoWHAO
もうすぐニコニコで生牙狼ですね。
重大発表もあるらしい。
285 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/02(土) 22:25:23.84 ID:RX+6tQoQ0
>>284
小西さん含めて全員フリーダム過ぎだったww
オクレヤダヨ君とかファンタ騎士とかww
蒼哭の魔翌竜は来年初春に公開だってね。
因みに零・翼・レオは登場確定。
286 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/06/04(月) 02:46:12.38 ID:LfLT9Ckwo
いつものことですが、もう少し時間を頂きたいと思います
ニコ生は観ました。本編も配信してくれたら嬉しい
公開までにはもっと進めたいですが……
>>249
前回見落としていて申し訳ありません
まどポは未プレイです。やってみたいとは思うのですが、時間の問題と、変に影響を受けそうなので
>>274
パロロワで書いた経験はありません
ジャンル的には、ちょっと苦手な感じです
でも大勢のキャラの動かし方も、複数人でリレーするのも、凄いとは思います。とても出来る気がしません
287 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/04(月) 11:48:15.47 ID:Uhti+A3j0
>>285
おお、三騎レオ出るのか、よかった。またRRのように鋼牙ザルバ以外全員新キャラみたいなことにならなくてよかったよ。
翼の出番多いといいな。
288 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/04(月) 18:10:31.35 ID:CUEfzdF00
こう言っちゃなんだがもう少し密度を減らしてでもいいから展開を早くしてもいいんじゃないか?
まどマギ本編をナゾって12話ぐらいやるんでしょ?
このペースじゃあベルセルク並にいつ終わるかわからない
最悪途中でエタッてしまわないか心配で…
289 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/06/05(火) 00:41:14.86 ID:zVPAK+2AO
構想はあるみたいだしゆっくり待てばいいんでないの
290 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/11(月) 02:25:36.50 ID:tOv9yjbAo
夜の病院、廊下を歩く。
病院特有の臭いと混じって、夕食の匂いが漂ってくる。
もうそんな時間かと時計を見ると、もう面会時間はギリギリ。
病院食には食欲をそそられないけれど、空きっ腹に食事の匂いは辛い。
もしかして彼も食事中だろうかと不安を覚えつつも、
それならそれで片手は不便だろうと食事を手伝ってあげるのも有りだろうか。
「ご飯を取って口に運んで、あ〜ん……って何を妄想してるんだ、あたしは……」
さやかは緩んで火照った頬を、ぴしゃりと叩いて引き締める。
途中トイレで身嗜みと髪型を軽く確かめてから、彼の個室の前に立つ。
高鳴る胸を押さえ深呼吸。笑顔を作ってドアを叩く。
「恭介、あたしだけど……」
「どうぞ」
遠慮がちに尋ねると、答えはすぐに返ってきた。
ドアを開くと、ベッドに彼が座っていた。真っ白の患者衣を着た灰色の髪の少年。
さやかの幼馴染の少年、上条恭介が笑顔で歓迎してくれた。
「いらっしゃい、さやか」
「ごっめーん、遅くなっちゃった。ひょっとして、これから晩ご飯? 迷惑じゃない?」
「いや、さっき食べたところだよ」
「そっか、よかった」
291 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/11(月) 02:27:21.72 ID:tOv9yjbAo
そう聞いて、さやかは胸を撫で下ろした。
食事を手伝えなかったのは残念だが、邪魔にならなかっただけで良しとしよう。
普段は家族の来る時間と被らないようにとか、訪ねる時間にも気を使っているのだが、今日はそんな余裕もなかった。
理由は勿論、魔女と魔法少女、ホラーと魔戒騎士の説明会。そして魔女退治の見学と、その後始末である。
「昨日も結局来れなかったし、今日もだったら悪いからさ」
さやかは手近なイスに腰掛けながら言った。
ほぼ毎日見舞いに来ているさやかだったが、昨日は来れず仕舞い、今日は滑り込みと、
恭介を後回しにしているようで、なんとなく気に病んでいた。
「別に毎日のようにお見舞いに来てくれなくてもいいんだよ? さやかだって大変だろ?」
「いいのいいの、来たくて来てるんだから。暇潰しの話し相手くらいにはなるでしょ?
それとも、あたしじゃ不満?」
少しの謙遜と照れ隠しを込めて探りを入れてみたつもり。彼が自分をどう思っているのか知りたかった。
少なくとも、さやかは彼に幼馴染以上の感情を抱いている。たぶん、物心ついた頃から、ずっと。
すると恭介は、にこやかに言い放つのだ。
「暇潰しなんてとんでもない。いつも来てくれてありがとう、凄く嬉しいよ」
その優しい微笑みに、さやかは頬が熱くなるのを抑えられなかった。
指で頬を掻きながら、笑って誤魔化す。
「あはは……そうストレートに言われると照れるなぁ」
恭介の顔を直視できなかった。顔を背けるしかなった。
きっと今、自分の顔はこの上なく赤く染まっているだろうから。
しかし、喜びに浸っていられたのも束の間。
292 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/11(月) 02:29:14.15 ID:tOv9yjbAo
直後、さやかは密かに肩を落とした。
長い付き合い故に知っている。彼は、この手の台詞をごく自然に、しれっと言ってのけるのだ。
つまり、深い意味はない。
いつからだろう。そんな言葉に期待してしまうようになったのは。
その真実に気付いて落胆するようになったのは。
彼の言葉や仕草に一喜一憂し、その度に馬鹿だと呆れる。
だが、さやかは慣れているだけあって立ち直りも早かった。軽い溜息ひとつで気分を切り替える。
「あんまり時間もないから手短に。はい、これ。恭介が前に言ってたやつね」
鞄から一枚のCDを取り出すと、ベッドの上に置いた。クラシックのアルバムである。
本当は他にもあったのだが、昨日は結局買いそびれてしまったので、これ一枚だ。
「うわぁ、ありがとう。これ聴きたかったんだよ」
喜ぶ恭介をさやかは見ていた。
湧き上がる気持ちの正体は、自分でもはっきりしない。
ただ、誇らしく微笑ましいような、それでいて悔しくもあり切なくもあるような――清濁混じり合った感情。
確かなことは、恭介が嬉々としてCDを開く様は、さやかが訪ねてきた時よりも遥かに嬉しそうだった。
「じゃあ、帰るね」
それを悟られまいと、さやかは立ち上がり、早々に帰ろうとするが、
「あ、待ってよ。せっかくだから少しだけ話していかないか?」
呼び止められて振り向いた顔は微かに笑っていた。
自分自身、本心では引き止められたかったことを否定できない。
軽い足取りでイスに座り直す。
293 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/11(月) 02:33:38.18 ID:tOv9yjbAo
「もう、しょうがないな。いいよ、なに?」
「学校とか、最近どうかなって。何か変わったことはあった?」
変わったこと――そう問われて思い出すのは、何と言っても昨日と今日の出来事。
信じてきた常識や世界を根底から覆され、自分も関わっていると言われた。
これ以上に変わったことなど、これまでのさやかの人生になかった。
「ん、と……そうだ! 昨日うちのクラスに転校生が来たよ」
「へぇ、どんな人? 男子? 女子?」
興味を示す恭介に――自分で言っておいて何だが――さやかは渋面を表した。
さやかにとってほむらは憎き敵であったし、恭介が彼女に興味を示すのも気に食わない。
しかし、本人のいない場所で他人を悪し様に罵る自分を彼はどう思うだろうか。
さやかは迷った挙句、
「う〜ん……まぁ、女子だよ。運動も勉強もできるし、美人だけど、
あたしはあんまり好きじゃないかな。クールで他人を寄せ付けない感じでさ」
ふぅん、と恭介は頷き、それ以上の詮索はしなかった。
彼女にはまだ重大な秘密が隠されているのだが、言えるはずもない。
信じてもらえるとも思えないし、魔法少女としての彼女に興味がなかった。
彼女がどんな魔法少女であろうと、最早ほむらに対する印象は断固として揺るがない。
「それともう一人、ひょんなことから三年の巴マミさんって先輩とも知り合ったんだよ。
すっごい美人で大人っぽい人なんだけど……知ってる?」
「いや、知らないなぁ」
さやかはマミの評価にも嘘を交えなかった。
よくよく考えれば、もしこれで恭介がマミに興味を抱いたら。
女として数段格上のマミにさやかは太刀打ちできないのだが――どうにも、それが彼女の生来の性格だった。
294 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/11(月) 02:35:12.68 ID:tOv9yjbAo
「あ、それから――」
言いかけて、さやかは口を噤んだ。
朝に目を釘付けにされ、夜に劇的な再会を果たし、最も鮮烈な印象をさやかに焼き付けた男性。
魔戒騎士、冴島鋼牙。
「それから?」
「それから、え〜っと……何だっけ。忘れちゃった……」
言えるものなら言いたい。
彼について知っている事実は少ないが、ホラーのこと、黄金騎士のこと、優に一時間は語れそうな気がする。
だが、そうなれば事情を話さざるを得なくなる。彼は裏の世界の人間、情報の拡散を喜ばないだろう。
リスクを承知で話してくれた鋼牙を裏切りたくなかった。
「あはは。相変わらずおっちょこちょいだなぁ、さやかは」
「だよね、えへへ……」
どうやら誤魔化せたらしい。
乾いた笑いを浮かべ、頭を掻きながら、さやかは改めて思った。
魔法少女、魔女、ホラー、魔戒騎士――昨夜の出来事はすべて自分の心の中に留めておこうと。
それから軽く二言三言交わし時計を見ると、そろそろタイムリミットが迫っていた。
「じゃあ、今度こそ帰るね」
「うん、来てくれてありがとう…………さやか?」
295 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/11(月) 02:36:33.58 ID:tOv9yjbAo
恭介が首を傾げた。
帰ると言ったにも拘らず、さやかがイスから立たないからだ。
さやかは思い詰めた表情で俯いていたが、やがて意を決して顔を上げた。
「ねぇ、恭介……もしも、もしもだよ? 願いを何でもひとつだけ叶えられるとしたら、何を願う?」
何故か、これだけは訊いておきたかった。
自分の参考にしたかったのもある。
だが、確かめたかった。彼は今、どんな心持ちでいるのだろうかと。
「何だい、急に?」
「あ〜、いや、今日まどかたちと話しててさ。なんとなく、そんな話題になって」
曖昧に答えたが、嘘は言ってないからいいだろう。
まだ首を傾げる恭介だったが、深く追及する気はないようだった。
腕を組んで真剣に考え始める。
「そうだなぁ……」
恭介は十数秒ほど唸ってから、さやかを見る。
「もっともっとヴァイオリンを上手になって、もっと多くの人に聴いてもらうこと、
大勢の人たちを魅了する音楽を演奏することかな。
それでいつか僕だけの最高の音を奏でられたなら……」
答えた彼の眼は輝きに満ちていた。その光は、さやかの懸念を一瞬にして払拭する。
彼は、また弾けたら、などと口にしなかった。
手首から先が動くか動かないかの瀬戸際に立たされているというのに。
少なくとも今は動かせないままだというのに。
296 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/11(月) 02:38:56.94 ID:tOv9yjbAo
良く言えば前向き、悪く言えば逃避かもしれないが、
さやかは彼が復活の為に必死にリハビリに励んでいると知っている。
だからこそ、さやかの答えも決まっていた。
「うん……恭介ならきっと出来るよ。あたし、応援してるから」
さやかは両拳をグッと握って、ありったけの想いを込めて彼女なりに勇気付けたのだが――。
「そんな簡単なものじゃないさ。
最高の音楽がどんなものかなんて僕にもわからないし、
それこそ神か悪魔の力でも借りないと実現できないものかもわからないしね」
恭介は虚空を見つめ、呟いた。
さやかの秘めた想いは、完全には伝わらなかったようだ。
落ち込む気持ちもあったが、それよりもある単語が気に掛かった。
「えぇっ、悪魔って……怖いこと言わないでよぉ……」
悪魔と聞いて真っ先に連想したのは、この二日間に出くわした魔女と魔獣。
あんなものに恭介が関わるなんて、考えるだけでも嫌だった。比喩だろうとわかっていても。
昨夜以来、神経過敏になっているのは、さやかも自覚していた。
「はは、実際に契約とかしたんじゃないよ。ただ、芸術や音楽には付き物の逸話ってだけ。
自分を追い詰めて追い詰め尽くした果てに得た極限状態での閃きを天恵って言って、
自分以外の何かの力を借りて出来た気がしただけだと思う」
「だよね……なぁんだ、びっくりするじゃん」
297 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/11(月) 02:41:05.90 ID:tOv9yjbAo
ほっと息をつくさやか。
不安は、恭介が軽く笑い飛ばしてくれた。そういえば、そんな話は聞いた覚えがあるような。
やはり杞憂に過ぎなかったのだと気を取り直した。
「でも僕にも似たような経験はある。
頑張っても頑張っても弾けなかった曲が何かの拍子に突然弾けたり、とか。
大げさだけど、そんな時は奇跡が起こってる気さえした。だから真実は誰にもわからない。
ひょっとしたら、天使や悪魔を見た人だっているかもしれないね」
「へぇ……恭介にも、そんな経験あるんだ……」
「勿論あるさ。もっとも、僕はそこまで極限に迫ったことはないけれど。
もし仮に、そんなものが見えるとしたら、それは本当に凄絶な精神状態だろうね。
過去、数多の芸術家や音楽家が狂気に取り憑かれ、身を削り、滅ぼしながらも作品を遺した時みたいに」
たぶん恭介も同じ。彼は音楽しか見ていない。彼を想う自分の気持ちも見えていない。
だが、それでもいいと、さやかは思っていた。
自分のものにならなくても、他の誰かのものにならないなら。
誰より近くにいられるのなら。
それでもいいと、思おうとしていた。
音楽を語る時、往々にして彼は多弁になる。
芸を極めようとする人は、多かれ少なかれ他人と違うものが見えているのかもしれない。
素養も素質もさっぱりなさやかには些か理解し難い感覚ではあったが。
内容は理解できなくても、さやかは彼の話が好きだった。
彼の音楽が好きだった。
彼が好きだから。
理由は、それだけで充分だった。
298 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/11(月) 02:53:05.42 ID:tOv9yjbAo
ここまで。次こそ2話も終わり
恭介や仁美も自分なりに掘り下げられたら
体調不良やらで2週も開いてしまいました
やっぱり切りの良し悪しに拘らず週一は厳守のペースに戻したいと思います
>>273
今のところは内緒、ということで申し訳ありません
ただ、期待させても悪いので、ひとつだけ。翼は出ません、中途半端な扱いになっても嫌なので
外伝などできれば或いはあるかもしれませんが、基本は鋼牙と零と少女に絞りたいと思います
>>288
ペースが遅くて申し訳ありません
自分でもそうしたいのですが、減らし方の加減がわからないというのが正直なところです
なるべく重要な場面を除いて軽く流せるよう努力します
299 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/11(月) 06:31:08.33 ID:HR/zfzQAO
きてるー!
乙なんだよ
300 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/11(月) 12:40:15.89 ID:2BgTqtxP0
乙であります。
なんか恭介が板尾みたいなことを言い出したぞ・・・。
301 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[saga sage]:2012/06/12(火) 11:02:47.36 ID:wcoHZI830
ヴァイオリンとその奏者とかダース単位でホラーが憑きそうな代物だからなぁ。
割とマジで即魔女になる程の契約をしなきゃ元に戻せない状態になっちゃったりするんだろうか
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/06/12(火) 23:50:07.86 ID:zls1Vx9o0
そういや、ホラーって倒して魔界に還しても定期的にゲート通って現世に来るんだっけ?
復活する周期って何か設定にあったけ?ハルは結構早く復活してたみたいだが。
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/13(水) 00:51:29.79 ID:0P0NBo9P0
パズズとガーゴイルがアップを始めている気がして怖い。
というか魔法少女候補に一人モロクに狙われそうなのが・・・。
304 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/06/17(日) 23:59:57.00 ID:NCqR/890o
神妙な顔つきで鍵を回して、玄関の扉を開いた。
出迎える者はなく、室内はシンと静まり返っている。
つまり見慣れた光景。
いつもなら、どうしようもなく寂しさが襲ってくるところだが、今日のマミは違った。
何故なら、とても大事な――おそらく自分の人生を左右するであろう、重要な問答を控えているからだ。
手探りで玄関のスイッチを探して明りをつける。暗い各部屋を見遣るが、やはり誰かがいる気配はない。
いや、いたらいたで困るのだが。
とりあえず、お茶でも飲んで一息つこうかと思い、リビングの電気をつけると――。
「――っ……キュゥべえ……!」
テーブルの上には、夕方部屋を出た時と変わらぬ様子で白い小動物が鎮座していた。
意表を突かれたマミが二の句を継げないでいると、
「おかえり、マミ。遅かったね」
キュゥべえが先んじて喋った。いつものように、表情ひとつ変えず、平然と。
「あなた……ずっとここにいたの?」
「そうだよ。酷いなぁ、君が僕を残して戸締まりして行っちゃったんじゃないか」
などと言っているが、怪しいものだ。
マミは疑念を抱いていた。神出鬼没の彼なら、この程度は軽く抜け出せるのではないか。
魔女退治に現れなかったのは、鋼牙が同行することでまどかとさやかに危険が及ぶ可能性が低いと考えたのではないか。
或いは、彼の余計な詮索を避ける為に姿を見せなかっただけで、遠巻きから窺っていたのではないか。
だとしたら、まどかとさやかの危機には、必ず現れて契約を迫ったことだろう。
305 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/06/18(月) 00:54:50.37 ID:E+IXGqpEo
マミはそこまでキュゥべえの行動を推察し、そして気付く。
自分の彼を見る目が変わり始めていることに。
咄嗟とはいえ、いや、だからこそ端から訝しんでいたことが衝撃だった。
――何故かしら……今日、あの時まで友達だったはずなのに……
と、マミは心中で呟き。
――友達……"だった"……?
またしても自らの変わりように驚き、おののく。
揺らぎ始めてはいたが、マミとキュゥべえの間には確かな絆があった。
どんな言葉で言い表せばいいのかはっきりしないが、親愛の情が存在していた――はずだった。
昨日までなら、きっと無理にでも自分を納得させていた。
しかし今は、それすらも自分が思い込んでいただけ、とすんなり思える。
予てから疑念を感じていたからと言って、不思議なほど簡単に。
今のマミの状態を一言で表すならば、愛情が薄れているのだろう。
彼に肯定的な――言い換えれば、都合の良い捉え方ができなくなっていた。
たぶん夕方の鋼牙とキュゥべえの会話のせい。他にはあり得ない。
あれは、まさしく楔だった。鋼牙の打ち込んだ楔は、本人も気付かぬ間にマミの心に変化をもたらしていた。
だが、心の変化に思考は追い付かず、マミは混乱する。
額に手を当て、ふらつく身体をどうにか支える。
何故、と考えようとすると、頭が軋むように痛く、重い。
306 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/06/18(月) 03:06:30.17 ID:E+IXGqpEo
自分でも気付かぬうちに、秘めていた不満や疑念が表出しているのだ。
反面、頭ではキュゥべえを信じたいとも思っていた。なにせ彼は、これまで唯一とも呼べる親友だったのだから。
命の恩人でもある彼を裏切りたくなかった。
だが、信じたいはずが信じられない。感情が拒絶するような感覚に、マミはただただ戸惑うばかりだった。
「それでマミ、僕に何か用なんじゃないのかい?」
すべて見通したような口振りに、マミは正気に戻ると同時に、再び警戒する。
全身の緊張と冷や汗、ひりつく喉の渇きは自身に対するものか、それともキュゥべえに対してか。
今のマミには、どちらも理解できないことは確かだった。
――だから、私は確かめなくちゃいけない……。
素直に己が心に従うべきか。
それとも、心を騙して仮初の友人関係を続けるべきか。
答えは目の前にある。
方法は至極簡単だ。一言、尋ねればいい。
これまでは真実を知るのが怖くて訊けなかった。
彼を信じられなくなったら、真に独りぼっちになってしまうから。
でも、今なら問い質せる。
その為の勇気はもらった。
彼女に――今日、出会ったばかりの新たな友人、夕木命に。
「あのね、キュゥべえ……私、どうしてもあなたに訊きたいことがあるの……」
ありったけの勇気を振り絞り、キュゥべえに質問をぶつけようとした、その時。
ふと、マミの脳裏を、ある思考が掠めた。
それはマミが寄る辺とする勇気の正体だったのかもしれない。
307 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/18(月) 03:35:01.41 ID:E+IXGqpEo
ここまで。もう1レス行きたかったのですが、考えがまとまらないので明日に。
308 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/19(火) 02:08:15.52 ID:cA/hk6mBo
――命さんの存在があったから、私は真実を確かめる勇気を持てた。
その勇気は、果たして私が思っているほど素晴らしい感情なのかしら――
一度でも考えてしまったが最後、疑惑は膨らんでいく。
悪い方へ、悪い方へと、転がるように思い詰めてしまう。
――たった一人でいい。私を愛してほしい。最初は、ただそれだけだったはず。
なのに私は、命さんがいるからキュゥべえを失っても耐えられると考えてた。
それは、より満たされる一人と出会ったら、前の一人はいなくてもいいと思っていることにならないの?
私は、キュゥべえと秤にかけて命さんを選んでいたとでも?
正体も定かでない謎の生物であるキュゥべえよりも、同じ女性の……ううん、同じ人間だから?
私に隠し事をしている彼よりも、私を温かく包んでくれる人だから?
だから、キュゥべえを失っても耐えられる……?
いなくなってもいい……?
いえ、むしろ……。
キュゥべえは……もう、いらない……?――
309 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/19(火) 02:10:14.77 ID:cA/hk6mBo
マミは愕然とした。
膝から力が抜け、床にへたり込む。
自分がよりどころとしていた勇気が、純粋だと信じた想いが、その実エゴにまみれているかもしれない。
そう気付いて、心が激しく揺さ振られた。
まるで泥沼から抜け出そうと握り締めたロープが、泥よりも遥かに穢れて悪臭を放つ汚物であったかのような。
そして、気付けば触れた全身までもが穢れ、身体がグズグズと腐り落ちていくような。
それほどまでにマミは"勇気"を信じ、希望を託していた。
それが偽りだとしたら、もう何を信じたらいいのかもわからなかった。
「どうしたんだい、マミ」
混乱の最中でキュゥべえの声も届かなかった。
――こんなこと、如何に彼が不審で、私が不信を抱いていようが、言い訳できる行為じゃない。
新しい友達ができたからって、数年来の関係で、しかも命の恩人に後足で砂をかけて他人に乗り換えようとしている。
まるで、古くなった服を想い出と一緒に捨て去るみたいな感覚で。
これが……私の本性……?
本当の私?
本当の私は、どこまでも臆病で、寂しがり屋で……卑怯で、狡猾で、矮小な人間――
310 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/19(火) 02:12:03.81 ID:cA/hk6mBo
「違う! そんなはずない!」
自分が酷く醜い存在に思えて、マミは千切れんばかりに首を振った。
頭を両手で押さえても、頭痛は止むどころか激しさを増す。
マミは直ちに考えるのを止めた。考えるほど自分が嫌で嫌で堪らなくなる。
急がなくては。すぐに蓋をして、胸の奥深くに沈めて封印しなくては。
己の中に、こんな醜い打算があるなんて信じたくなかった。
こんなの、勇気なんて綺麗な言葉で飾ってはいけない。
これは闇だ。
目を背けたい、黒く淀んだ心の闇。
即ち、陰我。
――これが、こんなものが、私の陰我なの……?
311 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/19(火) 02:12:43.45 ID:cA/hk6mBo
数分間、マミは頭を押さえてうずくまっていた。
頭痛が治まり、暗くなっていた視界が光を取り戻すまで。
ようやく顔を上げると、キュゥべえは微動だにせずマミを見ていた。
「落ち着いたかい?」
「え、ええ……」
荒い呼吸を整えて、なんとか一言だけ答える。
キュゥべえはマミの様子を窺い、少し間を置いて言った。
「いいよ、マミ。僕に答えられることであれば、何でも答えよう」
そう言われても、頭が真っ白になって何から訊いていいものか。
順序立てて考えていた質問も吹っ飛び、心の支えも信じられなくなった。
いっそ、うやむやにしたくなる。
だが、無理だ。今さら、なかったことにはできない。忘れ去るなんてできない。
真実を明らかにしなければ、このままでは一歩も進めないから。
マミは深呼吸して、最も訊かなければいけない質問を思い浮かべ、口を開く。
――魔女の正体は、魔法少女なの?
「私とあなたは……まだ、友達なの……?」
312 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/19(火) 02:15:05.88 ID:cA/hk6mBo
ここまで。次は最後まででき次第
アクションやCGで魅せられない分、このへんを拘りたいと思ったのですが
書いてる方も暗中模索な感じです
313 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2012/06/19(火) 07:14:20.49 ID:5c02bu+AO
マミさん悪い方向に持ってったらアカンでぇ
乙です
314 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/19(火) 20:13:18.02 ID:FIpIrgbC0
乙であります
マミさん本当にQBのこと大好きだったんだな・・・。
あえて阿門法師の名言をのせておこう
「己の友が敵となることもある。その逆もまた然り。」
315 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/06/19(火) 20:28:28.58 ID:HruP6OoG0
DVされてそれでもまだ縁を切れないメンヘラ女みたいだなあマミさん
「さやかちゃんイージーモード」みたいな末路を迎えそう・・・
316 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/06/19(火) 20:57:23.52 ID:HruP6OoG0
いい忘れた乙です
317 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/20(水) 03:55:42.07 ID:ZiE6ZeSSO
乙です。
人間なんて薄汚くてもいいと思うけどなあ。
まあマミさんもまだまだ夢見たい年頃なんだもんね。
318 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/21(木) 10:42:02.53 ID:AMzw3+FG0
「大魔神カノン」のヒロインみてえですげえ鬱陶しいな…マミさん
これ本当に今のマイナスイメージを払拭する事が出来んのか?
例に挙げた作品みたいにほぼ終盤じゃ意味ないぞ
319 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/21(木) 12:32:05.37 ID:Cu6/oaOSO
俺はこれくらい鬱陶しいとは思わないけど
文句とかじゃなく純粋に聞きたいんだけど、マイナスイメージを払拭ってどんな感じ?
320 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/21(木) 16:59:21.19 ID:AMzw3+FG0
何というか彼女のプラス面みたいな物が殆ど見えてこないんだよな
誰かのためとか言いつも所詮は建前でしかないって感じだし
そうじゃない人間に会ったら劣等感まるだしで周りに当たり散らして
真実に目を向けるかと思いきや結局またうじうじしているだけだし
鋼牙にたいして「彼女達はもう巻き込まれてる元々」とか言ってただけに余計に
誰かを守る元々よりも自分をよく見せたいプライド保ちたいだけの小賢しい嫌なキャラにしか見えない
321 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/21(木) 21:05:53.49 ID:9RBfZiEYo
比較対象が鋼牙だったらそりゃそうなるわ
322 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/21(木) 21:49:37.29 ID:80T3vFQq0
>>320
所詮は自分のちっぽけな自我が大事な女なんだよ
3周目で仲間、それも元弟子を撃ち殺しているのがマミだろ?
情報で揃った後に見直すとあれは尚更酷いわ
ほむらや杏子と違いこいつは正義を盾に自分を正当化しようとするから性質が悪い
こいつの優しさなんて自分を良く見られたいだけ見せ掛けだけでしかないからな
これほどまでに独善的で偽善者といい言葉が似合う奴はそうそういないわ
3話のインパクトで同情やあまりボロださないうちに死んだから美化されたんだよ
生きてたら醜態晒しまくってボロクソ叩かれてるキャラだよ
まあ近い内に自分のエゴを改めて突き付けられる形になるんだろうけど
その時が色んな意味で今から楽しみだわww
323 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/06/21(木) 22:46:45.48 ID:trZW6/QEo
お前らマミさんに親でも殺されたか
324 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/21(木) 22:57:24.94 ID:s+AtaEVEo
>>1
乙
何かもうわざとやってんじゃないかと思えてきたわ、この流れ。
長いうえに乙の一言すら書いてないレスは、大体こんなんばっかだから読み飛ばすようにしてる。
325 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/21(木) 22:57:31.06 ID:Cu6/oaOSO
>>320
なるほど。でも、そんなとこも可愛いよ、俺はね
根が善人だから悩むとも言えるし
それに、まどマギで面倒臭くない少女はいないからな
まぁ、SSにそんな本気で憤らないってのが一番大きいが
つまり力抜けよと
326 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/22(金) 01:45:06.69 ID:PogRxhGuo
そもそもまどかにまともなキャラが一人でもいたか?って話になるから不毛なだけ
327 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/22(金) 02:05:33.86 ID:eWDUL0bD0
自分を押し付けてくるエゴイストだらけだもんな
まどかの願いですら。結局はまどかのエゴが具現化しただけの世界という意見もあるし
純粋なヒーローとのクロスだからそれが余計に浮き彫りになるのかもしれないな
だから尚更それにイラつく奴が出てくると
328 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/22(金) 03:57:06.29 ID:CYvDBPouo
まーた変な流れになってんのな…。
とりあえず三重県の人、話題転換よろしく。
329 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/22(金) 07:55:44.25 ID:syW7nWrAO
幼い頃から葛藤や絶望に苦しめられながらも現実を見据え己を律し幾度となく修羅場をくぐり抜けてきた大人の鋼牙と、超常の力を得て間もない上にその力の本質を知らず理想のために一途に突っ走っていた少女たちが対比されるんだから、子供の無知無力さや割り切れなさ、理想と現実のギャップ、コンプレックスとかが浮き彫りになるのはごく自然だろ
イラつくとこじゃなくて、むしろそこが見所だと思うんだ
330 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/06/22(金) 11:16:53.77 ID:4GsMXD/q0
>>329
だからこそ好き嫌いが別れてるんだと思う
鋼牙が大人の対応しているだけに矮小さや未熟さが余計に際立つんだろう
二次創作に限らず実際の作品でもそういう未熟さがあるキャラって賛否が多いだろ?
例を挙げるんならペルソナの順平、ゆかり アビスの親善大使とか
ガンダムでもカミーユや種キャラとか エヴァ(旧)のシンジやアスカとかも
大概悲惨な環境でこうなるのも無理ないっていうけどそれでも賛否が激しかったでしょ?
大概は
>>325
みたいに生暖かい目で許容するか、
>>320
みたいな反応かで意見が別れる
331 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/22(金) 15:02:39.01 ID:6aN6rnIw0
マミさんはこれから先どう転んでもまともな姿が想像出来ないんだよな
絶望するか「もう誰も信じない」ってなって人間不信にますます拍車をかけて
闇堕ちする事しか考えられない
鋼牙達が何を言おうが受け入れるとは到底思えないし、むしろ憎しみさえ抱きそうな気がする
332 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/22(金) 16:55:09.61 ID:M0+xx95U0
そこで零ですよ。あいつ実は作中一番孤独ってものをわかってると思う。帰るところはないし、守りたいものは既に奪われてるし。
書いてなんだけど、すごい悲惨なやつだな。
333 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/22(金) 17:39:21.47 ID:syW7nWrAO
絶望しか見いだせないような状況から這い上がる姿や未熟なキャラが成長する姿にはカタルシスを感じるし、足掻いてなお悲劇やビターで終わったときには同情や想像力を掻き立てられる
だから設定や論理が破綻している場合でない限り、キャラの造形や心情は連載中に言う文句ではないよ。
メインキャラの思考や行動が正しいわけでもないし、素で理想的でない思考言動をするかもしれない、かつその負の面を含めてキャラの造形かもしれないし
だからこそ葛藤や誤解に苛まれることもあるし、それを乗り越えるという見せ場も生まれる
少なくとも現時点では鋼牙との対比によるマミの暗黒面が現時点でのテーマであり肝であって、それを読ませる作品なんだろうと思うよ
だからマミの暗黒面に対して心配や嫌悪を抱くことが、物語に感情移入してる上での反応ならある意味作者の意図の通りなんだろうけど、「こんなマミは鬱陶しい、イラつく」って暗黒面そのものを否定してるなら、視点というか読み方がズレているんだと思う
いや、読み方や感想なんて自由だし、「作者の意図なんか他人に分かるわけねェだろゴルァ!」って人もいるけどね
でも論文にしろ物語にしろ、程度の差はあれど、描きたい、伝えたい、主張したい、あるいは表現したい何かがあるからその体をなしているわけだし、それを読み解くのが国語力だしね
三行でまとめると
面白かった
>>1
乙
続き楽しみ
334 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/22(金) 18:07:12.59 ID:Xq6z2rf10
≫328
悪い、すぐにはネタをおもいつかなんだww
零くんはなにげにメンタルは鋼牙以上だよね。
鋼牙より社交的ではあるし。
二期の零エピが全部精神にくる話だったことからも伺える。まぁ重蔵は別としてww
特に「果実」の小さいころから見守ってた子に
「私はあなたを絶対許さない」とか言われてそれでもなお「あの子の未来の笑顔を守れた。それでいい。」と言えるんだから。
でも零も一期・白夜を経て鋼牙やザルバ、カオル、ゴンザに邪美、翼と得て精神的に初登場時よりすくわれたはずだ。
・・・のわりには時系列では一期よりさらに前のはずの「果実」の回想にて「気をつけっ!礼っ!・・・のレイだよ♪」とか言えるわけだがww
あと全然関係ないが・・・
バルチャスについて。
小説による補足。
バルチャスを制する者即ち最高の魔戒騎士の素質アリ。という格言。
正しくはバルチャスを制する者即ち最高の魔戒騎士の師匠の素質アリということ。
それを阿門法師より聞かされた大河さんは師匠としての自信を取り戻した(バラゴが暗黒に堕ちたことでだいぶ参っていた。一時は鋼牙の師を辞めようとしたほど。)。
パチ版台詞予告による補足
翼「実はバルチャスは苦手なんだ・・・」
あれ、翼修練場の導師に・・・。大丈夫か、白夜騎士ww
335 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/06/22(金) 19:05:36.86 ID:LMCRik9j0
>>333
まどマギはそれとは逆だからな
多少マシになったとはいえ改変後の世界であっても結局さやかは
失恋してそれをバネにして前を向いて成長しないまま終わったからな
他のキャラもそんな感じで終わりがくるまで使命に殉ずるだけで精神的に成長したって感じでもないし
乗り超えられない絶望が目の前に口を開けてるってテーマで
ほむらの「悲しみばかりを繰り返す元々」の台詞を象徴するように
世界観や登場人物共に終始後ろ向きな作品だからな
後ろ向きな考え方で絶望に向かうキャラばかりだから先行きに不安を感じる人が多いんだろう
共通する部分が多いと言われてるけどそこらへん牙狼とは全く逆だよ
7話の「魔戒騎士は俺の代で途絶えても構わない!!」の台詞のように
復讐と使命だけが生きがいの頑ななだった男が
一人の人間との出会いを通して少しずつ変わって行く話だからな
鋼牙だけでなく他のキャラもそんな感じで
いかに描写や世界観が凄惨でも作品全体のテーマが前向きだからな
>>109
を象徴するように同じようなでも
それに対して掲げた答えや捉え方があまりにも違いすぎる
336 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/23(土) 03:31:42.49 ID:eiPfvZjSO
>>334
翼wwww
337 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/23(土) 12:32:18.24 ID:MnwGNDZj0
>>334
確かに言われてみると、バルチャス無双する翼とか全く想像できないな。
駒に力を込めるのは上手いだろうだけど、大局を見据えた戦略とか搦め手とか考えるの超苦手そうだしww
逆に邪美あたりは、バルチャス超強いんだろうなあ……。
でもホラ、素質はあくまで素質だから。素質が無くたっていいじゃない!頑張ったっていいじゃない!
何が言いたいかというと、シグトはきっと大器晩成型。そう信じてる。
338 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/23(土) 16:20:22.48 ID:gutsH/yY0
>>335
まどかの最終回は殻を突き破ったというよりは
殻をまた新たな殻で覆いつくしたっていう感じだからな
339 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/23(土) 17:46:39.14 ID:wdxUu9cz0
≫337
邪美は子供のころ鋼牙にわざと負けられてたらしいww
阿門法師が一番上手いっぽいからその弟子の邪美もそうである可能性は高いなww
翼「俺の負けだ・・!」
ワタル「修行が足りん(赤酒グビリ)」
という光景が用意に想像できるww
340 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/06/24(日) 09:30:17.75 ID:X2ByS88D0
バルチャスで思い出したが、阿門と大河ってバルチャスで負けたほうが寿命10年差し出すって賭けやってたよな。
双方同意なら寿命を譲渡する術とかあるのかねぇ?
白夜で翼が「死者を蘇らせるのは掟違反」って言ってるが掟が無けりゃ蘇生自体は可能って見方もできるし法士って結構万能?
341 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/24(日) 09:58:52.76 ID:V8x4Dbl00
最有力説・・・阿門法師の嘘
ゲームをより面白くするための演出なんじゃないかな。そうでもしないとああいう流れにはならない。
でも霊魂を呼び出す術があるくらいだからやろうと思えばできるだろうね。
そりゃやろうと思えば人の命終わらせる刻印使えたりとかホラーを一網打尽で消滅させるメカとか作れるんだし万能だよね。
342 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/24(日) 10:07:54.71 ID:wzlVB/gAO
「掟で禁じられている」って聞くと、死者の蘇生術があったとしても、倫理面よりもむしろ術の方法やコストとかに問題がありそうに思えるな
いずれにせよ失った命は二度と還らないから、人の命が無為に奪われないように戦うのが「守りし者」なんだろう
343 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/06/25(月) 02:16:16.14 ID:k/TZ03YCo
>>298
にはああ書きましたが、今回はまとめて行きたいので延期します
ちょっと体調不良で遅れていますが、月曜か火曜にはおそらく
344 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/25(月) 02:26:54.78 ID:aE7eNtsSO
>>343
待ってるけど無理すんな
345 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/25(月) 03:05:53.24 ID:rDeis6Lm0
のんびり待ってますから体調管理を優先してください
346 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/25(月) 17:22:45.45 ID:opB141bk0
>>332
このマミさんだと7話で杏子を拒絶したさやかみたいに零を拒絶しそうだな。
なんというか、このマミさんってキャラがほぼさやかと同じだな。
唯一の違いは己を客観的にみれて、取り繕うのが上手なだけでそれ以外は内面、性格がほぼ一緒だって思えた。
>>1
はそれを意識しながら書いてるのかな?
>>343
調子悪い時に無理して書いても微妙なできになるから
あまり無理はしない方がいいと思うよ
347 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/28(木) 03:05:39.80 ID:2bCS3gDYo
頭で考えていたこととは異なる言葉が口をついて出て、マミはハッと唇を押さえた。
最も肝心な魔女の正体について問うつもりが、ほぼ無意識に喋っていた。
それは未だ思考と乖離した感情の仕業、言わば心の声。
マミは大いに困惑したが、どの道はっきりさせておかなければならない。
でなければ、彼が秘密を明かしたとして正直に受け取るか疑うかも違ってくる。
妙な話だが、彼に対する感情でマミの真実は変わり得るのだ。
そして、特に迷う素振りもなくキュゥべえは言う。
「君は僕をどう思っているんだい?」
肯定でも否定でもなく、逆に質問で返された。
それを確かめたくて訊いたのに、そのまま返されては答えようがない。
だがマミは、
「私は……あなたを友達……だと思っているわ」
と、言葉に詰まりつつも答えた。
嘘ではない。信じたい気持ちは今も変わらない。
「じゃあ僕は君の友達だろうね」
だが、キュゥべえは即答だった。
しかし、そんな引っ掛かる物言いでマミが納得できるはずもなく。
むしろ怒りに火を点けた。
「じゃあ? だろう? どういう意味? 変な誤魔化しは止めて!」
マミが激昂しかける。
いっそ、否定された方がまだ良い。それなら諦めもつく。
仕方がないと、自ら離れたのではなく彼に切り捨てられたのだと自分を慰められる。
348 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/28(木) 03:09:17.39 ID:2bCS3gDYo
「誤魔化しでも何でもないよ」
「なら、私に合わせて答えを変えたの!?」
「君に合わせて変えたのでもない。君の答えが、そのまま僕たちの関係の答えなんだ。
これは似ているようで違うことだよ」
ますます釈然としない。
煙に巻かれているよう。そういえば、これまでにも何度かあったことだ。
それも、決まって彼の秘密に触れようとした時に。
「僕はただ魔法少女をサポートする存在だからね。
君が僕を友達と思うなら僕は友達になるし、ただの道具だと思うなら、そうなる。
とどのつまり、僕は"そういうもの"なんだ」
「……敵だと思えば、敵になる?」
「敵と言われるのは心外だけど、君がそう思ったとしても咎める権利は僕にはないよ。
実際、契約が済んでしまえば、僕が魔法少女にできることは少ない。
君にも僕にも、さほど不都合はないと思う」
キュゥべえが何かを強制したことは一度たりともない。
相手の意思を尊重していると言えば聞こえはいいが、
本当は一切の執着がないだけなのだと気付いたのはいつだったろうか。
そんな彼が執着し、場合によっては強制するとしたら。
それは、きっと契約のみだろう。
349 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/28(木) 03:10:56.40 ID:2bCS3gDYo
「僕を天使と呼ぶ少女もいた。不本意だけど悪魔ともね。妖精なんていうのもあったかな。
わかるかい? 君たちにとっての僕は、君たちの価値観次第でどうにでも変わる。
僕に対する認識なんて、それくらい曖昧なんだ」
「じゃあ、私をどう思っているの? あなたは私を……」
執着がないということ。それは関心がないのと同義だ。ひいては愛も同じ。
それでもマミは訊かずにおれなかった。
敵と思われても構わないなどと言っている時点で、わかりきっているのに。
「君はとても優秀な魔法少女だよ。誇っていい。僕が見てきた中でもかなりの――」
「そうじゃない! 私が聞きたいのはそんなことじゃないわ! あなた個人の意思を訊いているの!」
キュゥべえの台詞を遮って叫ぶマミ。瞳にはいっぱいの涙が溜まっている。
本当に、彼にとっての自分の価値は利用価値の有無でしか測れないのか。
友達だと思っていたのは自分だけだったのか。
目覚めて挨拶する相手がいることに感謝した朝。
休日や学校帰りに一緒にお茶を飲んで安らいだ昼。
魔女との戦いで傷ついた心身が、彼を抱いて眠ることで癒された夜。
数えきれない時間を一緒に過ごした。
キュゥべえがいてくれたから寂しくなかった。
すべての想い出が嘘だなんて信じたくなかった。
しかし、マミがいくら泣こうが叫ぼうが、キュゥべえは微塵も揺れることなく訊き返す。
350 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/28(木) 03:13:27.26 ID:2bCS3gDYo
「それは、君たちで言うところの"友情"が存在するのか、という意味かな?」
望みは薄かったが、僅かな期待を込めてマミは頷く。
そうだ。この関係が友達と呼べるのか、そんなことはどうでもいい。
大事なのはひとつだけ。
自分が彼を大切に想っているように、彼が同じように想ってくれているのかどうか。
それを確認しなければ、不安に駆られてどうにかなりそうだった。
「友情か。それが僕に理解できたなら、僕と君が出会うことはなかっただろうね」
最初、キュゥべえの言葉が何を意味しているのか理解できなかった。
が、どうやら答えが"否"であるらしいことは伝わった。
そして、
「僕には感情というものは存在しない。個々の意思も、個の概念もね。
僕はただ契約を交わし、願いを叶える代わりに少女を魔法少女にする。
そして魔法少女をサポートする、その為だけの存在だよ」
直後、儚い望みは粉砕され、マミは手をついて項垂れる。
じっとフローリングの床を見つめる眼差しは虚ろ。
心の中が空っぽになったみたいだった。残ったのは無力感と虚無感、微かな寂寥感。
憎しみも、何も感じなかった。怒ることすら馬鹿馬鹿しかった。まだ、この時までは。
「……っ!」
マミは左胸に右手をやり、きつく握り締めた。噛んだ唇から呻きが漏れる。
身体が痛みを訴えてもなお、力を込め続けた。
何なのだろう、この感覚は。
空っぽになったはずなのに、その隙間を埋めんと、やるせなさが涙と一緒になって止め処なく湧いてくる。
身体の痛みなんかより遥かに痛かった。
351 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/28(木) 03:15:39.58 ID:2bCS3gDYo
「でも、感情の有無がそんなに大事なことかな?
少なくとも、僕たちは良好な関係を築けていたじゃないか。
僕は君の、君は僕の、お互いに利益となってきたはず。
愛、なんてあやふやなものがないくらい、何の問題もないと思うけどね」
キュゥべえは、そんなマミを見下ろして平然と告げる。
痛みを痛みで紛らわせても相殺しきれず身悶えるマミに、キュゥべえの言葉を受け止める余裕はなかった。
それでも心と別に、思考は薄ぼんやりと理解してもいた。
キュゥべえの言葉は、それでも間違ってはいないのだと。
知らなければ、ずっと彼を友達と信じていられた。小さな棘のようなわだかまりは胸に刺さったままでも、
自分が死ぬか壊れるまで騙し騙しやっていけたと思う。
キュゥべえは、騙していたという認識などないのだろう。感情がない彼は常にあるがままだった。
ただ役目を果たしていた彼を、友達として見ていたのはマミの方。
――そう、だから悪いのは私……。
キュゥべえは蓄積したそれらしい反応を、状況に合わせて見せていただけ。
それを唯一無二の好意と勘違いして、私が勝手にショックを受けているだけ。
でも、それはあくまで理屈。
そして、この気持ちは理屈じゃない――
だからこそ、こんなに胸が苦しい。
彼も、あの日々も、最初から虚構だった。もう二度と戻ってこない。
キュゥべえは、これまで通りの日常を送ることを拒まないだろう。
しかし、マミには到底、許容できなかった。
「もういいわ……。結局、私の一人遊びだった訳ね」
マミが静かに、自嘲気味に呟く。
口に出して、少しだけ心が諦めに傾いた。
352 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/28(木) 03:17:24.41 ID:2bCS3gDYo
ずっと支えとしてきたものが、お人形遊びに等しかったと思い知らされた。
馬鹿な少女が現実を知って、ひとつ大人になった。
辛くて悲しいことだが、これをバネに成長すればいい。幸い、自分には新たに支えてくれる人がいる。
そんなふうに思えたかもしれない。
話が、これで終わりだったなら。
マミが、ただの人間だったなら。
「でも、これで遠慮なしに訊けるのは、良かったのかもしれない……」
立ち上がり言うや否や、マミの身体は光に包まれ、魔法少女の衣装を纏う。
マミは毅然とキュゥべえを見降ろし、言った。
「あなたが隠していることを話して。全部、一切、包み隠さずに」
空気が張り詰める。マミは全身を緊張させ、ゴクリと唾を飲み込んだ。
キュゥべえはまだ動かず、答えようともしない。
マミはキュゥべえの無機質な瞳から一瞬たりとも目を逸らさないが、思考はフル回転していた。
マミが魔法少女の衣装を纏った理由。
ひとつは、前の質問からの切り替えの為。
これから別のことを問わねばならない。ただの少女でなく、魔法少女として。
もうひとつは、自分が本気であるという決意の証。そして絶対に逃がさないという意思表示。
キュゥべえが逃げれば拘束してでも問い質すつもりだ。
もし万が一抵抗したり、明らかに虚偽とわかる回答をしたならば――。
いや、そうでなくても真実の闇の深さによっては、そのまま衝動に任せて縊り殺してしまうかもしれない。
故にマミは理性を総動員し、様々な意味で自身を律する必要があった。
それほどまでに重いことは、知る前から察しがついていた。
鋼牙が推理しながらも敢えて口を噤み、ほむらが自分の胸だけに秘めなければならなかったのだ。
だからこそマミも、暗闇の中で己を見失わないよう、不安に押し潰されないよう、他者との繋がりを求めた。
命が心の支えとなったのも、今になってキュゥべえとの絆を必死に再確認しようとしたのも、その為。
だが、おそらく杞憂に終わるだろうとも思っていた。
353 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/28(木) 03:19:54.57 ID:2bCS3gDYo
「あなたが何者で、どこから来て、何の為に契約しているのか。
魔女とは、魔法少女とは、ソウルジェムとは何か。
あなたの口から聞かせてほしい。あなたの言うことなら、私……信じるから」
これまで隠したり、話を逸らしたりはしても、彼は一度も嘘をつかなかった。
また、マミの予想が真実だとしたら、それを知ることは魔法少女にとって絶望の宣告であると同時に、
少なからずメリットにもなる。
どうせ彼は人の心など汲み取ってくれないのだから、損得勘定の天秤さえ動かせば、冷徹に、淡々と語ってくれるだろう。
これまでのような無条件の信頼とは違う。いくつかの材料から判断しただけの冷たい論理。
自分の内に、まだ彼への友情や親愛と呼べる感情が残っているかは、マミにもわからない。
ただ、目の前で装束を身に付け暗に脅迫している時点で、最早そんなものを信じていないのは確かだった。
「わかったよ、マミ。君に本当のことを話そう」
彼の中で天秤の釣り合いが取れたのだろう。キュゥべえがマミを見返して言った。
マミは答えず首肯すると、自分も着席しようと移動する。
その間も、キュゥべえを警戒するのは忘れない。
この部屋でキュゥべえと二人きり。
つい昨日までは、マミが唯一安心できる状況だった。
友達である彼を捕らえようなんて思いもよらなかった。
それを今は自然に警戒している自分に、マミは内心で驚くが、表情を殺すと同時に頭の中から消し去った。
優雅ながらも、決して隙を見せない動作で着席する。魔女と相対するように。
キュゥべえは身動きせず声も発さなかったが、やがて一言。
「ただし――君に、その勇気があるのなら」
マミに意思確認をした。
言うまでもなく、答えは決まっている。
軽く目を閉じ、再び開くと、キュゥべえと視線が交差した。
「いいわ……話して」
マミの長い夜は、まだ始まったばかりだった。
354 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/28(木) 03:29:31.57 ID:2bCS3gDYo
ここまで第二・2話。まだ次回予告とサブタイトルが完成していないので、明日か明後日あたりに
思えば2話は、バトルも説明もと欲張って詰め込み過ぎたと反省しています
ここまで応援、お気遣いありがとうございました
ちょっと喉の炎症の痛みで集中できなかっただけで、通院した今は問題ありません
>>346
特に意識していませんでしたが、言われてみれば似ているかもしれません
でも、そこに至った経緯で反応は違ってくると思うので、そのへんもご期待下さい
355 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/28(木) 12:39:40.22 ID:hR5zBxRu0
乙です。
「支え」か…それがなくなったらどうなる事やら。
356 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/28(木) 13:03:00.32 ID:hR5zBxRu0
乙です
「支え」か…それも偽りだったらどうなるんだろう
357 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/28(木) 16:56:52.38 ID:07+28lNSO
乙
上でDV男みたいな例えがあったけど、
あえて例えるならホストに本気になった女、みたいな感じだろうか
マミが悪いわけじゃないけど
358 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/28(木) 21:03:09.72 ID:fRr+bYhAO
お前ら女子中学生にどれほどの理解力や認識力を求めてるんだ
信じていたもの、というか信じる信じない以前に当たり前にあった感情や存在が、実は自分の認識していたものと違っているかもしれないと気づき初めてまだ自分の思考や行動原理に整理がつかず困惑してるんだろ
当たり前に日本人として暮らしていたのにある日突然お前は在日三世だと突きつけられたり、仕事一生懸命頑張ってただけなのに知らない内に悪事に荷担していたとか、実は自分の健康に悪影響が出るものだったとかという事実に直面したとき、誰もがそう簡単に受け入れられるとは限らないだろ
適当に生活している人間ならともかく、マミはまだ子供で、魔法少女としてアイデンティティを確立してたんだぞ
心の整理には時間をかけるしかないのに、作中時間ではあまり進んでいないにも関わらずヒステリーやメンヘラ扱いってのは、ちょっと違うだろ
359 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/28(木) 21:18:10.77 ID:45hWg0c30
乙であります!
マミさん、決して早まってはだめだよ。
360 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/28(木) 23:15:49.06 ID:kO9JopXZ0
>>358
それでも、助けてくれる、手を差し伸べてくれようとしてる人がいるのに
勝手な思い込みで比べたり、嫉妬してるのは彼女の方だよ。
しかも周りに攻撃的で、鋼牙は二回も助けたりしているのに、礼も言わずにこの態度だしな
そりゃ牙狼が好きな人間とかは反発するだろうよ
あとこれは
>>1
を攻めるみたいだが
作中時間があまり進んでないのに、長い時間懸けてるから
いつまでも鬱々としてる様に思えるんじゃないか?
まあ、先が気になるのは確かなので
>>1
乙
361 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/29(金) 01:13:02.97 ID:mYkgNfBg0
>>360
鬱々としてるのは、投下の度にお前らみたいなのがギャースカ喚くからだバカ。
お前の言うGAROファンってのは、他作品のキャラを貶さないと感想も書けない嫌な奴の事なのか?
あとお前ら、「それでも」って接続詞使い過ぎ。
誰がどんな意見言っても、「それでもマミはムカつく!」とかで無理矢理批判につなげてくるよな?
「空気が悪くなるから、過剰な批判はやめよう」みたいな建設的な意見に対してさえ、
「それでもマミが悪いんだから仕方ない!」とか言い出す奴いるし。中学生か!
362 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/29(金) 01:28:37.03 ID:O/zzUpUD0
遅れましたが
>>1
乙。
>>1
が来るかもしれんがここでネタを振ってみる。
もしもまどマギキャラが魔法少女ではなく魔戒関係者だったら?
もういい加減に変な空気にするの止めようぜ。
363 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/06/29(金) 13:37:00.13 ID:y7ihEgTAO
乙です。
>>362
それってまどか達が魔戒法師だったらって事?
それならマミさんは邪美、さやかと杏子は烈花の弟子とか良さそう。
ほむほむは号竜使いなイメージがある。
まどかは…唯一ソウルメタルを操れる女性?
364 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/29(金) 14:04:54.80 ID:0pZikCn10
杏子・・・魔戒法師。女性でありながらも戦闘力はレオレベル。破邪の剣や烈火炎装(部分的)まで使いこなし、分身技・邪霊幻身も使える。
さやか・・・魔戒法師。破邪の剣が使える。魔界竜の稚魚を使役する術も習得。回復の術に秀でている。
マミさん・・魔戒法師。法術に特化し、遠距離からの攻撃が得意。体術のレベルも高。光矢流星の名手。
ほむら・・・魔戒導師。未来の出来事をまるで見てきたかのように暗示できる。また、魔導具の作成も得意。
まどか・・・普通の女の子。だが、魔戒の知識はひととおりある。本人は無自覚だが、強い祈りの力を持つ。
こんなんでよろしいでしょうか。
でも魔戒関係者と言う事は家系がそういう流れを汲んでいるわけだから、さやかたちの両親も魔戒関係者ってことになるね。
個人的に杏子さやかは烈花シグトと組んで、マミさんは閑岱組と組むのがいいかも。
ほむらは転生バラゴの母とかどうだろう。
365 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/29(金) 17:43:26.72 ID:71UH7ZgAO
自分はむしろ、牙狼好きだからこそ鋼牙が陰我に囚われそうな程の子供を絶望の淵からどのように救い上げるのか、魔戒騎士と関わることで少女達がどう変わってゆくのかが気になるんだ
そりゃ読み方は自由だけど、魔法少女達がどう変化し成長していくのかに目を向けず、大人と子供が対比されてる中で子供のその時点だけのマイナス面を切り取って批判してるんなら、さすがに見えてなさすぎでは?
長期長文作品は物語や心情にすぐに変化が訪れるものではない分、描写が濃いのがメリットなんだから、早漏は感心しない
毎回引きもいいから先が気になる、早く進展を迎えて欲しいって思う気持ちは分かるが、気長に待とうぜ
366 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/06/29(金) 20:56:42.67 ID:OkJyackAO
投下が来てたと想ったらまたしゃべり場になってたでござる
367 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/30(土) 02:06:00.58 ID:GONWpbJyo
次回予告(まどか☆マギカver)
*
マミ「空っぽの身体。空っぽの心。なのに何故、私はまだ生きているの……?」
マミ「……やっと気が付いた、私の中に在る唯一の願い」
第3話
マミ「もう何も信じない」
*
368 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/30(土) 02:09:17.24 ID:GONWpbJyo
次回予告(牙狼ver)
*
何も失うものがないという孤独。
それでも、土壇場で己を衝き動かすものは残っている!
次回『孤影』
最期の慟哭、それを聴くのは誰だ!
*
369 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/06/30(土) 02:14:39.89 ID:GONWpbJyo
以上、次回予告
牙狼は内容を抽象的に表現しないといけない
まどかは本編で同じ台詞を使わないといけない
一番悩んで閃き任せな部分
続きは日曜深夜から少しずつでも進めたいですが、
まだ構成が固まっていないのでどうなるか
370 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/30(土) 02:22:16.63 ID:XIUWX1r10
>>355
次回予告見る限りじゃ、その可能性も薄そうだな
371 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 11:25:16.02 ID:RAVanl7SO
乙
次回予告から既に不穏な匂いがするな……マミさん、生きるか死ぬか……
372 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 12:18:52.10 ID:2Xe/aBTD0
生きようが死のうが碌な事にならないのはもう確定だろうな
生き残ってもバラゴみたいな道を歩みそう
373 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 14:00:51.39 ID:RAVanl7SO
だが生きていれば希望はある
道を誤っても戻れることもある
牙狼の世界観ならね
374 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 14:22:54.07 ID:7h5NN95O0
>道を誤っても戻れることもある
好き勝手やっておいて何の報いも受けないのは何だかなあ、って思っちゃうけどな
バラゴにしろシグマにしろ、いくら同情できる境遇でも
自分が行った事に対してのツケはちゃんと払わされたんだし
375 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/30(土) 16:42:41.46 ID:Hw/GHMuFo
>>374
ホラーを利用して一般人殺しまくってたバラゴや、
魔戒騎士の殲滅を画策し、現に多くの騎士を殺してきたシグマを引き合いに出すのは、いくら何でも穿ち過ぎだろ…。
マミさんって、ソイツらを引き合いに出さなきゃ語れないくらい極悪非道なキャラだっけ?
まあマミさんにも何かしらのしっぺ返しはあるかも知れんが、それを乗り越えて真の仲間コースだと予想。
376 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 16:56:30.39 ID:RAVanl7SO
>>374
程度にもよるってのは理解してるよ
誰か殺したりしたならともかく、やさぐれたり、行き違いで魔法少女や魔戒騎士と戦うくらいならってこと。例:「みんな死ぬしか〜」
バラゴやシグマまで行ったならともかく、現時点ではつけを払わないといけないほど好き勝手なんかしてないだろ
377 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/30(土) 17:15:45.88 ID:dhGddlYo0
いや、なんでそこまで苦労してこいつ助けなきゃならないの?
って思うの自分だけか
だいたい周りに対して心を閉ざしてる人が好かれるはずないじゃん
自己憐憫の度がすぎんだよ
そんな中途半端になるぐらいなら最後の最後に
魔法少女になった時の初心を思い出してワルプルに特攻とかでいいだろ
378 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 17:27:24.74 ID:Bs9IlRk70
>>376
俺も言葉がたりなかったな
これから闇堕ちして人を殺したりあまりにも外道すぎる事やったら
さすがに限度があるだろって事を言いたかった
そうなったら俺にとっては絶対にマミが幸せな結末を迎える事はありえない
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 19:50:04.95 ID:nUVJxuNVo
まーた始まった・・・
もう完全に荒らしだろこいつ
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/06/30(土) 20:22:54.29 ID:GcAJIfAH0
こんな、マミさんは二次創作でも見たくないってか
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/06/30(土) 20:32:51.14 ID:8cknBFEYo
ホラーにでも魔女にでも喰われればいいのにこのマミアンチ
382 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 21:12:19.28 ID:Jjmnf71E0
批判意見もちゃんと認めなよ
掲示板でssを載せるのなら色んないけんが出るのは当然でしょ
それが嫌ならにじファンみたいなヌルいサイトに載せろと
話し進むの遅すぎない?
確かに濃いと思うけど、1年もやってて、まだ起承転結の起だよ?
予告の通りならマミさん、挽回する所か明後日の方向に行きそうだけど
クロス側を引き立てるために、マミさんの負の部分を必要以上に書いて
るんじゃないかと勘繰ってしまう
どういう方向性にもっていきたいかわからない
383 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/30(土) 21:19:03.93 ID:q9a1IJMAO
なんで何回同じこと言っても通じないんだろう
何度も言うように、うじうじ悩んだりどうしていいか分からず焦ったり、逆に一途だったり、潔癖すぎて何かを受け入れられず意固地になったりするナイーブなところが、マミ達女子中学生の姿なんだろ
それはともすれば簡単にネガティブに落ちやすいわけで、今のマミがそれ
だからこそ彼女らが人生経験豊富な大人であり歴戦の魔戒騎士である鋼牙や零と交わることによって、どう変化するのかが見所になってくる
なのに人間の暗黒面を題材にしたパートで「人間の暗黒面てムカつく、こいつは不幸になるべき」なんて言ったら、それはファンタジー見て非科学的だとか、ロマンスみて恋愛物は反吐が出るとか言ってるようなもんだろ
好き嫌い面白い面白くない以前にさすがに筋違いの畑違いだと思う
384 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 21:33:38.86 ID:FoxIp6Mk0
>>328
投稿やストーリー展開のペースは俺たちが口出すことではなくないか?
そりゃ書く以上は誰だって読者の反響欲しいだろうけど、それ以上に書きたいこと・表現したいことがあるからわざわざストーリー練って時間かけて書きあげるんだぞ
テンポと密度のバランスをどうするかは作者が何を書きたいのかによるわけであって、その結果が今の濃密な作風になってるわけだろ
誰でも無料で作品を投稿したり読んだりできる場所なんだから、義理や義務で書いたり読んだりしてるわけじゃない
書きたい物があるから書いているし、読みたいと思ったから読んでるだけ
だからつまらないと思ったらなにも言わず切ればいいし、面白いと思ったら更新を待てばいい
だからペース配分なんておせっかいは余計なお世話だと思う
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/30(土) 21:34:07.17 ID:FoxIp6Mk0
ミス
>>382
ね
386 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/30(土) 22:20:42.45 ID:bC7PH/uK0
>>382
俺も、こんな流れになる前は、お前と同じ意見だったんだけどね……。
一度、前スレの頭から読み返してみ?
自重せずキャラ批判や罵倒ばかり繰り返した結果が今の嫌な流れなんだよ。
最初は「マミさんもっと頑張ろうぜ…」「大丈夫かマミさん」みたいな、愛のある批判(?)だったのが、
いつの間にか
>>378
みたいな本気のアンチがどんどん増えて、暴れ回るようになった。
結局、結論は
>>233
〜
>>234
だと思うよ。
批判意見が一つでも出ると、それに便乗してアンチがワラワラ出てくる今の状態ではね。
こんな流れが続いて何が怖いって、
>>1
のやる気を削いでしまってエタっちゃうかもしれない事だわ…。
387 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/30(土) 23:07:19.69 ID:dhGddlYo0
>>383
予告を見る限りじゃ変化する所か別な方向に向かいそうだけどな
中学生ゆえの純粋さ故に意固地になっているというのは自分だって分かるよ。本編でのさやかがまさにそれだったからな。
だからこそ、魔法少女になる前も見返りを求めている自分自身への葛藤が描写されていて潔癖なのが伝わってきたし
だが、マミの場合は潔癖やネガティブというよりは、ただのエゴにしか見えねえんだよ。
魔法少女の秘密に薄々勘付いていたのにも関わらず、二人を魔法少女体験に連れて行き、鋼牙に危険性をとわれ、それっぽい大義名分を掲げて逆ギレ
それにほむらがまどかを守ろうとしているのにも、気付いているんだよな?それを知っていて…
まだ確証がなかったから?そんなのQBのやり口と変わらねえよ
鋼牙にそれっぽい事を言ったくせに誰かのためなんて戦ってるなんて嘘で結局は自分の事しか考えてない
しかも闇堕ちして、後輩を誘ったその責任すらも放棄するかもしれないという、その無責任さが腹立たしいんだよ!
子供ならとか、可哀想なら何をやっても許されるのかよ?子供だろうが自分のやった事には責任を持つべきだろ
それが人を先導する立場なら尚更
388 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/06/30(土) 23:28:42.88 ID:dYu6W6mAO
結論ありきなら何を言っても通じないよ
SSの感想はあっていいと思うけどここは議論する場じゃないんじゃないかなー
389 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/30(土) 23:34:32.56 ID:bC7PH/uK0
>>387
お前バカだろ。
>>383
は、お前のそういう批判意見そのものが畑違いだって言ってんだよ。
「人間の暗黒面を題材にしたパートで〜 」って所の言葉をガン無視して、何身勝手なアンチ意見ぶちまけてんの?
しかも、怪我してるさやか見捨てたほむらや、零に襲いかかった杏子には一切ノータッチでマミだけ叩く徹底ぶり。
ホント気持ち悪いわ。そういう臭い批判はもう聞き飽きたから、
>>233
〜
>>234
を読んで黙っててね?
390 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/30(土) 23:38:09.19 ID:bC7PH/uK0
ごめん。
>>388
の言う通りだわ。
ちょっとムカムカしてキツい事言い過ぎた。自重します…。
391 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/01(日) 00:04:29.09 ID:f/klZbWH0
大義名分をカサに自己を正当化しようとするのが気に食わないんだよ
ほむらや杏子は、自分を取り繕ったりしないだけまだマシ
392 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/07/01(日) 00:11:33.62 ID:osOAoSdJo
ID変わって早速か
393 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/01(日) 00:23:33.10 ID:iMl4Q52J0
だから、そのエゴだとか自己正当化だと思ってるやつが、今描写されてるマミの負の側面ね
それがこれからどう変わるかを追うんだから、それ以上現時点での悪い部分を追及すること自体が無意味なのよ
あと変化ってのは、良いも悪いもなく、変わってしまえば変化。いい変化だったら最初から成長という
鋼牙と交わってなお悪化する可能性だってあるかもしれない
そういった可能性を全て包括した上で、マミ達にこの先どんな「変化」がもたらされるのかが気になるっていってるんだぜ
……って、いろんな奴が何度同じことを言ったことやら
批判意見が悪いんじゃない。ただ、汚い言葉や不愉快な言葉だけは自重してくれ。貶すのを楽しんでるわけじゃないなら
394 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/01(日) 01:43:24.82 ID:xUwdsvoT0
同じこと何度も繰り返しやがって…。
そんなに批判したいならにじファンでもいいから自分で書いたら?批判される覚悟があるんだろ?
それに聞きたいんだが批判してるやつらは本当に牙狼を見たことあるか?
鋼牙だって最初は冷酷だったし、零だって復讐に燃えた嫌な奴だった。翼は頭が固かったし、烈花も対立していた。
だけど皆変わっていっただろ?
鋼牙はカオルと出会うことで、零は鋼牙と刃を交えるうちに。
それと同じなんだよ。
今は欠点があったっていいじゃないか。
鋼牙と出会うことでどうなるか、それをここの読者の大半は望んでいるんだよ。
それが単に能力だけの俺tueeeeee!の作品じゃなくて、「守りし物」である牙狼とのクロスの醍醐味だろうが。
こっちはこの作品の事を毎回楽しみにしてるんだよ。楽しめないならにじファンで最低系小説でも読んでな。
>>1
へ。
自分が思うとおりに進めてください。
この作品の濃厚な文章は毎回引き込まれます。
マミを含めたまどマギキャラがどのような運命をたどるのか、決して目をそらしません。
395 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/01(日) 01:59:29.53 ID:Q3A4NvASO
遅いと言ったって、俺がブクマしてるスレだけでも1年で500もいかないスレがいくつもある
それはそれでリアルの事情やら他の趣味とかあろうから構わないが、
要するに、牛歩でもだいたい週一ペースで更新して2スレに突入してるここはいい方だと思う
396 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/07/01(日) 07:32:47.43 ID:VUppIkOAO
んとさ、俺たちとアンチ君がいつまでも平行線なのは、たぶん視点が根本的にズレてるのが原因だと思う
「○○は□□すべき」だとか「××は許されない」だ、とかね?
多くの人はマミの行動や心情の道徳的な是非に関して議論してないと再三説明している
マミの在り方が良いか悪いかを論じてるんじゃないんだ
良いところも悪いところも全部がマミという人間を構築している要素で、そこにマミという人間が在って、そのマミはとある他者と関わることで、その他者に一体どの様な影響を受けたり与えたりするのだろうか、その結果これからどう変化してゆくのかということを論じてるのよ
例えばヒットラーが話題に上がったとしよう
アンチ君はヒットラーは善か悪かについて考察し、その結果ヒットラーが如何に悪で地獄に落ちるべきなのかを熱弁している
対して多くの人は、ヒットラーの施した政策が当時の社会にどのような影響を与えたのだろうか、ヒットラーが台頭したのにはどんな政治的背景や内的変化があったのだろうか、というドキュメンタリーを追求している
登場人物の善し悪しじゃなく、登場人物がどんなストーリーを広げるのかを見てるんだ
極端な例だけど、それくらい見ているものに差がある。だから畑違いって
良いか悪いかという次元の話じゃないの、分かって
397 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/01(日) 07:47:37.95 ID:/w6/neBXo
お前ら「荒らしに反応する奴も荒らし」って格言を知らんのか
398 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2012/07/01(日) 10:31:12.86 ID:YAggCBzYo
投下めちゃくちゃきてんなと思ったらこれだよ
お前らのうんこの投げあいなんてどうもでいいわ
399 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/01(日) 11:18:15.15 ID:iMl4Q52J0
よっぽど粘着なアンチじゃなけりゃ議論なんて勝手に始まって勝手に終わるものだろ
投下来てる思ったら云々とかその手の文句はただでさえ悪い空気を盛大に挫くから、どうでもいいと思うなら書かなければいいよ。長寿スレならよくあることだから
シリアスだったりコンスタントに長く続けば人が増えて盛り上がるんだし、読者が各々考察したり思い出話だっておのずと出てくるもの。人気のある証拠だろ
それは相対的にアンチや荒らしも出やすい状況になるんだから、傍観者気取りなら皮肉や悪態なんて書きこまないでROM専のがありがたい
水が凍る時過冷却を経て摂氏零度に安定するように、議論も盛り上がった後に自ずと収まるところに収まるんだから、うんこだとか汚い言葉で強引な横槍入れると余計に殺伐とするだけ
誰だって続き楽しみに待ってるんだから、早漏はいけない
400 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/07/01(日) 14:29:06.96 ID:VUppIkOAO
オーケー、熱くなって悪かったよ
素直に楽しもう
401 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/01(日) 15:05:57.89 ID:9JmLHPnU0
そもそもマミさんが闇堕ちするかもしれないという予想自体が早計なんだよ
今、鬱々としてるのはここからマミさんを上げるためなんだろ?
そこで闇堕ちしたら、ただマミさんを貶しめて虐めただけのお話になってしまう…
402 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/01(日) 15:57:37.22 ID:9ekJM4Peo
上げる……!上げるが……今回まだその時と場面の指定まではしていない
つまり
>>1
がその気になれば上げるのは最終話ということもあり得る
序・中盤で闇堕ちとかして終盤で浄化・復活は王道だからね
403 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2012/07/01(日) 16:11:42.85 ID:eXFAMmaAO
実に中学生らしい思考だと思うがね
潔癖、ネガティブだからこそ
追いつめられた時に自己中心的心理状態に陥るのは仕方ないよ
子供の頃とかに例え自分が悪くても、他人に責められてると感じたら
俺は悪くねぇ!って言っちゃうのと一緒じゃね?
404 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/01(日) 16:11:46.06 ID:8LxjTq040
遅すぎるだろう
それまで全然いいとこがないのが確定な上に、ほぼ汚れ役のポンジョン決定じゃん
中盤くらいだろ。終盤じゃいくらなんでも挽回するのが遅い。アンチも今以上に増えるだろうし
405 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/07/01(日) 16:51:39.33 ID:osOAoSdJo
遅すぎるって今2話が終わったとこなんですけど?
406 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/01(日) 17:06:49.76 ID:8LxjTq040
だからこそ遅すぎるんだよ
終盤っていったら10話とか、そこらへんだよ?
それまで延々今みたいな状態を繰り返ししたり悪化したりするんだよ?汚れ役になるのがほぼ確定じゃないか…
それにこのマミさん、最初からネガティブなイメージ全開でいいとこがほぼない。
それで終盤改心とかって…上で書いた「大魔神カノン」みたいなヒロイン事になるのが目に見える…
407 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/01(日) 18:03:16.34 ID:Q3A4NvASO
仮定に仮定を重ねて、遅くなったらアンチが増えるぞ、なんて脅迫に等しい
そうなったら荒らすぞって言ってるようなもんだ
アンチなんて声が大きいだけで、いても2、3人程度だろうに
408 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/07/01(日) 18:58:36.93 ID:VUppIkOAO
悪かったって言った直後にこれかよ、甲斐ねぇな……
遅いとか汚れ役とか、仮にそうなったとしてそれの何が悪いの?
“そういうもの”を描いた作品ってだけじゃん
シリアスにしろアクションにしろシュールや理不尽にしろ、ハッピーにしろビターにしろ、書き手は書きたいものや表現したいものがあるからそれを書いてるんだぜ、ここ創作掲示板じゃん
それがが肌に合わないのなら読まなけりゃいいだけ
書きたいもの書いてるんだから、TVで流せる理想的で整合性のあるストーリーである必要なんてないんだよ、余計なお世話だよ
何回同じこと言わせるんだよ、堂々巡りじゃん
アンチ君は一度だって論理的で理性的な返しをしていないじゃないか、今までレス読み返してよ
ただマミを叩きたいだけならならアンチスレにでも行ってくれ、頼むから
409 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/01(日) 19:02:34.88 ID:8LxjTq040
俺は上で書いてたアンチとは別な奴だよ
でも話しを蒸し返して悪かった自重する
410 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/01(日) 20:01:19.87 ID:7Pz7oSSq0
>>402
最終話で改心して仲間になるって
ピンチに陥った仲間を庇ったりして致命傷をおったりするパターンが多いじゃないですかー。ヤダー
>>408
まあ、落ち着けよ
確かに書き手の自由だけど、これ原作付きだぜ?
自分の好きなキャラの扱いが原作よりも酷くて嫌な役回りにされたりしたら
そのキャラが好きな人からしたら気分は良くないだろう?
>>409
上で書いてたように
>>1
もそこらへんはわかってるだろうから。ある程度は考慮するはず
これ以上は書くと荒れるので俺も自重する
411 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/07/02(月) 01:53:34.00 ID:sWn9nTOBo
やはりまだ考えがまとまっていないので、今日は見送らせていただきます
代わりという訳ではありませんが、wikiに2話をまとめました
これまで2chでしか書いたことがなく、感想ももらえないことが多々あったので、批判であれ感想は嬉しく思います
一連の議論も、忘れていたこと、気付かされることが多々あり、
ひょっとしたら自分より深く考察していただいているかもしれません。ありがとうございます
ですが、なるべくなら荒れない発言を皆様心がけていただけるようお願い致します
>>382
他
ただ、キャラの扱いや悪感情については改善しろと言われて希望にそうことも、この場で展開や方向性を語ることもできません
言い訳になるかもしれませんが、アンチやヘイトや贔屓の意図は一切なく
私なりに両作品とキャラクターに愛着を持って書いているつもり、とだけは強調しておきます
話の進展速度については、要所を除いて早くしたいとは思っていますが、まだまだ調整力が未熟なのは反省しています
ですが、やはり自分で納得いく物を書きたいので、その為に長くなる場合があることはご理解ください
長くなりましたが、3話以降もよろしくお願いします
412 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/02(月) 18:51:58.41 ID:pbcKdgHq0
そもそも牙狼とのクロスなんだから人間の負の部分が必要以上に描かれるのは当然なんだよ
マミさんばっかりって言ってるけど
今後さやかやほむらも同じような負の部分に焦点当てられる可能性は充分にあるんだぜ?
個人的にはほむらの方がまどマギ勢の中で一番、闇が深いと思うので
その番が来たら今以上かもしれないぞ?
にしても本当に
>>1
はすごいな。批判であれ嬉しいって・・・
二次創作でこんなクオリティが高いのはそうそうないと思うぜ?正直
>>1
の才能が羨ましいよ・・・
他を馬鹿にするわけではないが。まどマギssの中で間違いなくトップクラスだと思う
413 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/04(水) 03:08:46.02 ID:zdSj3igSO
やっぱり主人公はさやかちゃんなのかな
前スレで出番はさやか≧鋼牙、SAVIOR IN THE DARKの二番がさやかのイメージって言ってたし
鋼牙は人間としても戦士としてもほぼ完成されてるから
一般人の目から見た鋼牙も、鋼牙が一般人と深く関わるかのも原作ではなかったから期待
414 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/04(水) 19:34:16.11 ID:jYD8sEQl0
ところで牙狼曲で思い出したがSAVIOR IN THE DARKのCW曲・「Fencer of Gold」はどんだけ浸透してんのかな。
本編では使用されずパチ版のイメージが強い曲だけどいい曲だよ。鋼牙というか魔戒騎士全体のテーマって感じ。
牙狼のテーマソング集とかこないかな。
絶狼や打無にも曲が欲しいです
415 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/07/05(木) 15:34:19.79 ID:Fhd4g4jAO
名前忘れたが、JAMプロのアルバムでSAVIOR IN THE DARKとFenser of Goldの両方が収録されてるヤツがあったはず
416 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/05(木) 18:49:20.09 ID:C+Tr/cn00
オリンピアだね。持ってます。
でも牙狼曲はその二つだけなんだよね・・・
ちなみに絶狼自身の曲ではないが藤田さんのバンド「Dustz」の「FLY」と言う曲がCR版では絶狼のテーマみたいになってます。
さとうさんと松山さんのデュオとか見てみたい。
417 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/07/06(金) 02:51:31.77 ID:FDzbpfbAO
主題歌はザルバが歌ってるんだよな…
418 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/06(金) 11:36:59.75 ID:+rj91o+D0
影山さんの演技が見られるのは牙狼だけ!
ところでザルバって一期と二期では性格が違う気がするww
次回予告を比較すれば一目瞭然ww
419 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/06(金) 18:16:42.43 ID:rbnp6LWno
>>418
そりゃ一度死んでるからな
420 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/08(日) 18:08:40.66 ID:7UjnA4QW0
魔導具とそれを持つ魔戒騎士の性格
鋼牙(無愛想でクール) ザルバ(お調子者の皮肉屋)
零(甘党で斜に構えたイケメン)シルヴァ(大人のお姉さん)
翼(堅物)ゴルバ(おじいちゃん)
ワタル(渋いおじさん)ウルバ(子供)
レオ(真面目な好青年)エルバ(おばあちゃん)
あと出てないのは女の子みたいな性格か。
女の子な魔導具と組む魔戒騎士ってどんな性格だろうね。
あと、「仙水」見て思ったんだが、あのザルバが燃える症状のくだり、地味にザルバが一度消滅して記憶を消して生き返ったことを強調してるよね。
まさかあれが最初だなんてことはないだろうし。
あとザルバのリアクションが完全に温泉の湯治客で和んだ。
421 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/08(日) 18:42:19.28 ID:P4SdZiISO
優しいおじさん、妻子持ちの
まどかパパみたいな?
まどかパパが引退した魔戒騎士だったら面白い
422 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/08(日) 18:52:20.21 ID:7UjnA4QW0
それだwwww
パパ騎士でママ法師なら面白いかもね。
称号は是非「円環騎士」でww
もし戦闘員なら精神的にもかなり強いと思うんだ。まどかママ。
ママ作の魔導具をパパにプレゼントとか想像しただけでにやけるww
423 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/09(月) 03:23:26.46 ID:c/OVR7AYo
真実。
本当のこと。嘘偽りのないこと。
人の真実。物事の真実。
多くの人が追い求めるもの。
だが、知らなくていい真実もある。聞き古した言葉だけれど、この時、私はつくづく思い知った。
所詮は情報。知ったところで、既にある物の形や有様自体が変わる訳でもないのに。
しかし、時に物の価値や目に見える世界まで変えてしまう。
世界は己の認識で創られているのだから。
昨日まで友達だった人間が敵になり、宝だった物がゴミにもなり得る。
過去に遡って想い出までもが書き換えられる。
また、他人や自分自身の心の深奥を――真実を覗いてしまった時。
そして、それが歪んでいた時。
人は深い絶望に囚われるのだと、私は知った。
この時の私たちは戸惑い、翻弄されるばかりだった。
目を背け、耳を塞ぐ者。ただ打ちひしがれる者。
いずれにせよ真実はこの手に余り、誰かを気遣う余裕もなく、誰もが自分のことだけで精一杯だった。
肉体の痛みだけでなく、心の痛み、重みに耐え、目を背けずにいられる。
屈せず、惑わされず己を貫ける。
真実に打ち克てるとしたら、きっとそんな人。
そう、彼らのように。
私たちは、それぞれの立場から彼らと出会い、それぞれに異なる想いを抱いた。
憧憬、思慕、尊敬。嫉妬、敵意、憎悪。とても綺麗とは呼べない感情もあった。
だが、彼らが"守りし者"であったことに異を唱える者は一人としてしないだろう。
424 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/09(月) 03:24:14.13 ID:c/OVR7AYo
*
牙狼―GARO― 魔法少女篇
第三話
孤影
*
425 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/09(月) 03:26:38.37 ID:c/OVR7AYo
朝、いつもの通学路。
さやかは軽快な足取りで待ち合わせ場所に向かう。
表情は明るく、これから始まる一日への活力に満ちている。少なくとも、昨日に比べれば遥かに。
彼女が立ち直りつつある切っ掛けはいくつかあるが、一番の理由は二人の男性だろう。
一人は恋心を抱いている幼馴染の少年、上条恭介。
彼のお見舞いに行き、彼の顔が見れた。彼の願いが聴けた。
そのせいで新たな悩みが生まれもしたが、やはり彼の存在はさやかの内で大きかった。
諦めずに夢に目を輝かす恭介に勇気をもらえた気がした。
もう一人は、今現在、さやかが最も信頼を寄せている人物――魔戒騎士、冴島鋼牙。
出会ったのは一昨日だが、彼には何度、命を救われたか知れない。
鋼牙の纏う黄金の鎧は、闇の中で眩い輝きを放つ。その光は二度もさやかの心の奥深くまで届いた。
それは、さやかにとっての光明であり、希望そのもの。
彼が一時でもこの街にいてくれるのなら、どんな災厄が襲いかかろうが大丈夫だと思えた。
昨日、マミの自宅でホラーと魔戒騎士、魔女と魔法少女について説明を受けた。
ホラーの真実を知った時は恐怖したが、何もわからないよりかはマシと思うことにした。
知っても知らなくても関係なく、脅威は襲い来るのだ。完全な未知こそが恐ろしい。
そして、もうひとつの悩みの種である親友、まどかとの関係。
一昨日の一件以来ギクシャクしていたが、険悪になっている訳ではない。ただ、何となく気まずいだけだ。
それでも、マミや昨日出会った夕木命を間に挟めば、ぎこちなくでも会話になった。
丸一日が経ってみれば、一昨日の疑念は薄らいでいる。きっと、あれは何かの間違い。
まどかは自分を見捨てて逃げられる娘ではないし、何もかも転校生――暁美ほむらが悪いに決まってる。
こうと決めたら簡単には変えられないのが、さやかの性格だった。
だが、まどかへの疑惑は固まっていない。故に、これまでの関係と、ほむらへの敵意が勝った。
あと数日もすれば迷いも晴れ、すれ違いは完全に解消されるだろう。
その為にも、今日は自分から話しかけてみよう。まずは始めの挨拶が肝心だ、と決意して拳を握った。
426 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/09(月) 03:27:32.43 ID:c/OVR7AYo
歩いていると、やがて二人の姿が見えてくる。さやかは手を挙げ、
「おっはよー、二人とも――って……」
振り向いた二人の、というよりも、主にまどかの顔に驚いた。
「あ、おはよう、さやかちゃん」
顔は一応笑みを作っているものの、どこか頼りなく、声にも力が感じられない。そして目は心なしか赤い。
注視しなければ気付かない程度だが、まどかを気に掛けていたさやかは一目で異常を察した。
隣の仁美はと言うと、
「おはようございます……」
困り顔でさやかに会釈している。さやかは戸惑いつつも、
「あ、うん、おはよう……」
とりあえず答えたが、視線はまどかから外れなかった。
何故、まどかの目は赤いのか。不眠か、それとも泣くような事があったのか。
だとしたら原因は何か。中間テストの勉強で夜更かしでもしたのか。
或いはもっと別の、例えば昨日さやかが帰った後に何かあったのか。
様々な疑問が脳内をぐるぐる駆け巡る。
「じゃ、そろそろ行こっか」
そうこうしているうちに、まどかは先に歩き出し、さやかは仁美と、その数歩後ろを並んで歩く。
さやかはそっと隣に目配せし、小声で話しかけた。
427 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/09(月) 03:29:12.70 ID:c/OVR7AYo
「ねぇ……まどか、どうしたの……?」
「わかりませんわ……。訊いても何でもないの一点張りですの」
答えなかったということは試験勉強の類ではないらしい。
仁美にも答えられないとなれば、よほど込み入った事情があると見える。となれば、やはり魔法少女関係なのだろうか。
「とりあえず今はそっとして、様子を見ましょう? 無理に訊き出すのも良くないですし、
相談があればまどかさんの方から言ってきますわ」
「うん……」
さやかは頷いた。
釈然としなかったが、仁美の言う通り、まだ大事とは限らない。
念話で直接とも考えたが、今朝は生憎キュゥべえもいない。まさか仁美の前で、「魔法少女のことか」と訊けるはずもなかった。
結局、さやかはもやもやした気持ちのまま、まどかと一言も口を利かず登校した。
そして校門前、誰かを待つように佇む人物を見つけ、絶句する。
428 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/09(月) 03:30:21.15 ID:c/OVR7AYo
「マミさん……!?」
思わず声に出すほどに、彼女の姿は目を引いた。
しかし、それは普段の気品漂う金髪でも、抜群のスタイルでも、顔立ちでもない。
まどかも同じく目を見開いていた。
身なりは整っていても隠しきれないやつれ。真赤に腫れた目の下には薄らと隈さえ窺える。
何よりも全身から漂う負のオーラ――とでも言えばいいのか、暗く落ち込んだ雰囲気。
まどかとは違う、誰の目から見ても明らかな憔悴。
肉体以上に精神が消耗しきっているのは疑いようがなかった。
その証拠に、横を通る男子生徒の視線がたまに彼女を向くが、すぐにギョッとして遠ざかっていく。
とても美少女に目を奪われたとは思えない。
声を掛けることすら躊躇われるマミの姿に、さやかもまどかも足を止め、一歩も動けなかった。
たった一夜で、こうまで人は変わるのか。昨夜、夕木命を救えて喜んでいたマミはどこに行ってしまったのか。
――まどかも……マミさんも……あたしが帰った後にいったい何があったのよ!?
ありったけの声で叫ぶが、それを言葉にはできず、さやかは立ち尽くす。
マミがこちらに気付き近寄ってくるまで、金縛りは続いた。
彼ら二人のお陰で、一歩でも前進できた気がした。
でも、そんなものはただの勘違い。自分は今も変わらず闇の中にいる。
垣間見えた光明は再び消え、さやかの暗澹とした一日は始まった。
429 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/09(月) 03:30:52.05 ID:c/OVR7AYo
*
まどか「黄金の……狼……」
第3話
もう何も信じない
*
430 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/09(月) 03:33:11.88 ID:c/OVR7AYo
レスごとの区切りが微妙になりました。
毎回、書き始めは迷ってしまい短いですが、ここまで。
続きはたぶん来週に。
431 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/09(月) 08:53:55.91 ID:oGwyh2gj0
乙です
まどポはやってないらしいけど、設定は反映させるんですか?
何もなくなった、マミさん残る物といえば、あの少年との誓いしかないわけだが
432 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/09(月) 21:17:04.03 ID:JNNU92aSO
乙
マミさん……描写が詳細なだけに泣ける
QBは殺されたか、近寄るなと言われたか、その両方か
433 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/10(火) 02:12:36.60 ID:O10Ww5FA0
>>431
まどポのマミさんとは性格どころか戦ってる理由自体が違うんだし無理じゃないか?
あっちではマミさんが正義の魔法少女を続けてこられたのは両親や子供を救えなかった
脅迫観念からきてるものだという
fateの衛宮士郎や000の火野映司のようなキャラ付けだったが(この二人ほど病的ではないが)
こっちのマミさんはQBの恩返しっていう名目で
実のところは何も決められず、状況に流されるまま戦ってきてたから、理由が異なると思う
それでも自分には魔法少女である事しか価値がないと思ってるのは共通だけど
それでも。まどポのマミさんは綺麗すぎる気もするが…
魔女化√で今まで人々を助けてきたのも、結局は子供を死なせた罪や一人の寂しさから逃れたいという
自分の願いのためにやっていたのではないか、そんな自分は魔法少女失格だと自己嫌悪に苛まれ絶望だからな
寂しいとは思っていても、願いの対価に無関係な誰かの為に戦う事に対して
自分自身は疑問や周りに負の感情を抱く事すらなかったみたいだし
さやかや杏子が「マミさんは強すぎる……」となるのもわかる気がするな
まあ一番以外だったのは、虚淵が殺伐としすぎないように色々修正したらしいという事だが
このssやそれ以上にドロドロした内容だと思っていただけに
実際はそんなでもなく、マイルドな感じだったな。ライト層を意識したのかね?
fate/zeroとか鬼哭街みる限りでは、そこらへんは自重しないような人に思えたんだが…
434 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/07/10(火) 18:22:42.73 ID:ZDG2rp7AO
乙!
真実を知ってどうなるやら
435 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/11(水) 20:24:02.49 ID:hk5BDByw0
乙であります。
「ソウルジェムが魔女を産むなら皆死ぬしかないじゃない!」が発動しないだけまだ希望があるかも・・。
なんというか、さやかちゃんがヒーローに憧れる子供みたいで作中一番の癒しです。
さやかちゃんからすれば鋼牙だけじゃなくてカオルも憧れの対象になりそう。愛する男の何よりの希望になれているんだからね。
436 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/12(木) 00:20:56.59 ID:JmLavheM0
乙です。
マミさん心の拠り所がなくなっちゃったね…
新たな拠り所になってくれそうな人もなんかヤバいし心配だわ。
後上の方で出てた女の子の魔導具と聞いて「魔導具ホムヴァ」というとんでもないものを思いついた…
437 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/07/12(木) 00:51:44.14 ID:abGX7MLAO
>>436
ほむら「別の時間軸に来たら何故か魔導具になってました…」
つまりこういう事か?
>>1
乙です
438 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/12(木) 01:15:01.92 ID:S/i+p/xU0
乙
実際、予告の通り「もう何も信じない」ってなって、絶望せず魔女化しないなんて、ありえるのかね?
だって何も信じないっていうのは、何の希望も抱かないってのと、ほぼ同義だぞ?絶望してるのと変わらん。
ほむらもほぼ似たような状態だけど、まどかとの約束だけが、唯一の道標になってるから保てるのであって
439 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/12(木) 01:51:50.79 ID:KLgcGycSO
キュゥべえ理論でいけば、希望と絶望は等しい、希望があるから絶望する
希望を持たなければ絶望しないというのも理論上はありかと
でも希望を完全に捨てるなんてできるとは思えないけど、杏子みたいに遅らせることはできるかも
440 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/12(木) 10:42:54.22 ID:859lwMlF0
鋼牙が絶対になんとかしてくれる。信じて見守ろうぜ。
・・・それがたとえマミさんが鋼牙を憎悪する結果になろうとも。
「魔弾」「果実」を見よう。なんとも魔戒騎士とは因果な仕事だ。
ホwwwwwwムwwwwwwヴwwwwァwwww
その発想はなかったわww
魂はほむらで魔導具の姿とかテラシュールww
指輪、ネックレス、腕輪、携帯鏡・・・。
あと残ってんのは、ピアスか。
どんな造形になるのかは想像もつかないけど。
あの可愛いウルバくんですら一つ目のドクロみたいな形だし。
441 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/12(木) 12:04:29.14 ID:YLBP2reT0
ユウリみたいになるという事か?
その憎悪がホラーに付け込まれるスキを作らなきゃいいんだが
このマミさんなら、鋼牙だけじゃなくこの世の全てに憎しみを抱きそうな気がする
442 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/12(木) 20:38:29.37 ID:zk1NmA5K0
>>433
やった事ないからわかんないんだけど
どれくらい性格違うの?
443 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/12(木) 20:38:45.20 ID:859lwMlF0
神須川の親父やミサオちゃんみたいになるってことだよ。
ところでまた「仙水」ネタで恐縮だが、
邪美様のアクションの素晴らしさとあの台詞の独特の喋り方が本当に素晴らしいよな。
烈花といい、魔戒法師の女性ってああいう喋り方多いww
・・・決して棒なわけでは無い。断じてww
魔戒法師は本当に戦闘スタイルが豊富だよね。
方術使ったり、召還獣みたいなもの出したり、魔界竜使役したり号竜使ったり。
剣で斬ったり炎使うだけの(それが何より強力なわけだが)騎士とは一味違うよさがある。
魔法少女の戦闘スタイルにも通じるものがあるかもね。
444 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/07/12(木) 21:28:36.89 ID:RwfPMiEy0
後者ならいいが前者ならやばい気が・・・
遅レスだが、
>>364
ほむらってバラゴの母親にそんなに似てるのか?
以前どっかで読んだ、ここじゃないまどマギとのクロスで
バラゴが母親と瓜二つのほむらに驚くのがあったんだが
445 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/12(木) 22:08:28.68 ID:859lwMlF0
私もほむら×バラゴのSSで「言われてみれば・・・!」と思ったクチだよ。
外見はさすがに似ていないと思うが。
でもほむらとバラゴ様の「大切な人が闇に堕ち、人ならざる者になって自分との記憶も消滅し、[
ピーーー
]しか道がなくなった」って共通点があまりにもド直球(まどかママ風に)だったんでそう書いたんだ。
あと、病弱なとこ。
私はむしろミサオちゃんのケースのほうが救いがあると思う。親父は結局ホラーになっちゃったし。
446 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/12(木) 22:10:10.19 ID:859lwMlF0
連投スマン。前者と後者間違えたわ・・・。
447 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/07/17(火) 01:03:41.19 ID:OPublyV8o
遅れ気味ですが、明日には少しでも投下したいと思います
夏場は暑くて早朝くらいしか集中して作業ができず、更新頻度は落ちるかも……
448 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage ]:2012/07/17(火) 03:10:13.02 ID:dJtLFgZZ0
お疲れ様です。楽しみにしてます
449 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/18(水) 02:24:02.07 ID:tqjH1JxGo
「おはよう、二人とも」
呆然とする三人の前に立ったマミが微笑む。
さやかとまどかは未だ状況が掴めず、仁美は何が何だかわからないといった様子で、
二人とマミを交互に見やる。
だが、まどかとさやかはそれどころではなかった。
彼女の声を聞いて、顔を間近で見て、混乱に拍車がかかった。
枯れた喉から発される掠れた声は活気に乏しく。
不眠だけでなく、明らかに泣き腫らしたのだとわかる目。
仕草や表情は平常を保とうとしているのが、痛々しさを感じずにいられない。
「あ、はい……おはようございます……」
と答えるまでにさやかは数秒を要した。
マミは、顔色を変え、また窺っている二人に気付きながらも平然としている。
それどころか、
「ごめんなさい。ちょっと、みっともない顔で恥ずかしいわ……。それで鹿目さん、美樹さん、
昼休みに少し時間をもらえないかしら?」
さも普通そうに、照れながら要件を伝える。
そのギャップに混乱し、かと言って何があったのか問えるはずもなく、二人は黙って頷くしかない。
「良かった。それじゃ、昼休みに教室まで迎えに行くわね。大丈夫、時間は取らせないから」
にこやかに手を振って去っていくマミの背中を、ただ見送るしかなかった。
450 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/18(水) 02:27:40.01 ID:tqjH1JxGo
唯一、仁美だけが怪訝な目つきで問う。
「あの、まどかさん、さやかさん? 今の先輩はどなたなんですか?」
一人だけ除け者にされ、マミの眼中にもなかっただろう彼女は不機嫌そうだ。
しかし、誰と問われても答えに窮する。
魔法少女の件もあるが、あれが本当に自分たちの知るマミなのか、
さやかにもまどかにも確信が持てなかった。
何を馬鹿な、と自分でも思う。あれは間違いなく巴マミだ。
それでも昨夜の彼女とも、イメージの中の彼女とも、あまりに違い過ぎた。
再び、マミの姿を目で追う。小さくなっていく背中は、とても儚く寂しそうだった。
*
午前中の授業を、さやかは漫然と過ごした。
頭の中は今朝のマミとまどかのことで一杯で、とても授業の内容が入る余地はない。
あの後、仁美に「一昨日、仁美が帰った後に知り合った」とだけ説明したら、
彼女は渋々だが納得してくれた。隠し事をしているのは明白なので、少々不満は残っているようだが。
まどかはまどかで、特に会話を交わすこともなく教室に入った。
休み時間もどこかに行ったり、他のクラスメイトと話したりで切っ掛けが掴めない。
ただ、元気がないのは相変わらずだった。
そして昼休み。
授業が終わり教室の外を見ると、もうマミの姿があった。
手招きするマミは、いつもの優しげな微笑を浮かべている。
451 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/18(水) 02:29:45.03 ID:tqjH1JxGo
ちょうどまどかも気付き、席を立っていた。
数時間ぶりに見たまどかの目はもう赤くはない。落ち込んでいる様子もない。
代わりに、頬が僅かながら紅潮し、足取りがやや覚束ない気はしたが。
さやかがまどかと一緒に教室を出る際、ふと振り返ると仁美と目が合う。
その眼は何かを訴えているようだったが、そのうちにあちらから逸らされた。
「ごめんなさいね。お昼休みなのに」
仕方なくマミの許に向かうと、マミは最初にそう言った。
まどか同様、声に張りが感じられない。やつれや目の赤みは幾分か緩和されてはいるが、
陰鬱な雰囲気までは拭い去れていなかった。
「いえ、それでお話って言うのは……?」
「ええ。話って言うか、今日の放課後、また昨日の喫茶店に一緒に行って欲しいの。そのお誘い」
救助した命と一緒に行ったオープンカフェ。
お茶もケーキも美味しく、後で調べたところによると、割と評判の店らしい。
ここから少し遠いが、昨日のように魔女退治にならなければ遅くはならないだろう。
さやかに特に拒む理由はなかったが、気になることがひとつ。
452 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/18(水) 02:30:40.47 ID:tqjH1JxGo
「それは構いませんけど、どうしてですか? 何でまた二日続けて?」
「そこで大事な話がしたいの。あなたたちにも関係する話よ」
「魔法少女の……」
まどかが呟き、マミが頷く。
しかし、わざわざ喫茶店でする理由にはならない。
もっと邪魔が入らない場所。例えば学校内でも、時間だって今からでもいいはずだ。
「長くなりそうだから。昼休みの間じゃ、とても話し終わらないの。
お昼を食べながら話せる内容でもないし……ね」
「何か深刻な事情があるんですか? マミさん、その、何だか疲れてるように見えますけど……」
「えぇ、少しね……。でも大丈夫。心配いらないわ。
あなたたちに、これ以上無様なところは見せられないもの」
「そうですか……」
心配するまどかを逆に励ますように、マミは堂々と振舞って見せる。
その様は強く、優雅さを感じさせる、さやかの知るマミだった。
まどかも同じ。今は少し疲れているだけで、暫くすれば出会った時の気高く美しいマミに戻ってくれる。
そう、無条件に信じていた。
さやかもまどかも忘れていた。
自分たちとマミは、出会ってまだ三日目だと。
彼女という人間も、抱えている苦悩も、たかが三日で理解できるはずがないというのに。
そして考えもしなかった。
彼女自身、ギリギリの一線で踏み止まっていると。
その、良く言えばプライド、悪く言えば見栄が、マミがマミらしくある為の最後の防波堤なのだとも。
453 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/07/18(水) 02:34:35.24 ID:tqjH1JxGo
進んでないですが、ここまで。日曜までにもう一回くらい投下したいと思います
>>431
今のところ考えていません
プレイしていないのに設定だけ拾うのも抵抗がありますし
でも、より良くできると思ったらあるかも
454 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/07/18(水) 10:16:57.26 ID:Yh5xrH0AO
乙←ポニーテール
先が楽しみだ
455 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/18(水) 16:39:48.86 ID:PONlX939o
良い
456 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/07/18(水) 19:12:56.14 ID:GStJRzPd0
乙であります!
この段階で魔法少女の秘密が知れ渡る展開はまだなかったはず。さやかちゃんも契約前だし、希望が見えてきたか?
・・・とはいえ、契約しないと見せ場も無いですし・・・。
この展開だと知らないのは杏子ちゃんのみということになりますね。
まどポ未プレイとのことですが、
ゲームオリジナルの必殺技などもあるのでとりいそぎ現時点の主役ポジのマミさんの必殺技格の技を列挙しておきます。
通常技格の技は割愛、ゲームにおける効果も割愛でいきます。
【アイギスの鏡】
反射技。敵の攻撃をすべて跳ね返す。
【絶対領域】
防御技。敵の攻撃を全て防御する。
【黄金の美脚】
強烈な蹴りを見舞う。
【レガーレ・ヴァスタアリア】
リボンで拘束する。一度に複数の敵を絡め取ることが可能。
【テ・ポメリアーノ】
仲間に紅茶を振る舞い、回復させる。ちなみに日本語だと【午後の紅茶】らしいです。
【無限の魔弾】
原作にもあった自分の周りに大量のマスケット銃を召還して一斉砲撃する技。
台詞「無限の魔弾よ・・私に道を拓いて!ヴァロットロ・マギカ・エドゥー・インフィニータ!!」
【魔弾の舞踏】
原作にもあった銃の乱舞。
台詞「優雅に・・華麗に・・。わたし、魔法少女ですもの!」
【ティロ・フィナーレ】
説明不要。
【ボンバルダメント】
「もう何も怖くない」のポーズで巨大大砲を召還し、強烈な一撃を見舞う。マミさんの究極技。
ティロ・フィナーレを凌ぐ威力。
457 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/07/22(日) 01:59:25.40 ID:Ve1cGr42o
今日までに投下したかったのですが、申し訳ありません
明日には必ず
458 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/23(月) 02:47:59.34 ID:bSGNlsgYo
マミは重い身体を引きずって教室に戻った。
後輩たちの前では元気な振りをしていても、独りになると途端に気だるさが全身を蝕む。
本当は学校なんて来たくなかった。虚脱感に身を委ねて、一日中寝ていたい気分だった。
だって、その瞬間だけは何もかも忘れられる。何も考えなくて済むから。
なのに今、自分は学校にいる。
真実を二人に伝えなければ――その一心でマミは登校していた。
巻き込んでしまった彼女らの為にも。これ以上の自責の念を背負わない為にも。
二人を、絶対に契約させてはならないのだ。
決意は固めたはずなのに、未だ心の整理はつかない。
怖かった。
他人に説明することで、真実を客観的に見つめるのも。
それを事実として受け止めることも。
二人から嫌悪と恐怖の視線を向けられるかもしれないことも。
だから時間が必要だった。説明の仕方を考える時間と、覚悟を決める時間が。
その時間も刻一刻と過ぎていく。緊張は増すばかりだった。
午前中一杯を使って授業もろくに聞かず考えに考え、どうにか頭の中で台本はでき上がる。
そして昼休み。彼女たちを誘うことで、覚悟はできた。
悩むのは充分過ぎるほど悩んだ。もう悩んでいても仕方がないと。
鞄を開き、粛々と次の授業の準備を始める。その時、ふと一枚のプリントが目に入った。
「しまった……」
と呟き、マミは机に両肘をついて項垂れる。
459 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/23(月) 02:50:13.07 ID:bSGNlsgYo
進路希望調査。見出しには大きくそう書かれていた。
今日は放課後に進路相談があったのを、すっかり失念していた。
仕方がない、二人には先に行って待っていてもらおう。
我ながら勝手だが、明日では遅い。一日でも早く伝えたかった。
だが、それはそれとして。
「進路か……」
誰にともなく独り言ちる。
もう三年生だというのに、意識するのは初めて。
いや、本当は目を背けて見ない振りをしていた。
以前から、延々と続く戦いの日々に疲れを感じてはいた。
魔法少女として魔女を倒しても金品などの報酬は得られず、仕事として成り立たない。
それでも正義という慰めと、使命感という呪縛があったから、なんとかやってこれた。
でも、今は違う。もうこんなこと、いつまでも続けたくはない。
かと言って、何か明確な将来のヴィジョンがあるわけでもなく。
それでも続けなければならない理由を知ってしまった。
まったく、お先真っ暗という言葉がぴったり当てはまる。
今のマミには一年後、一ヶ月後はおろか、明日の自分の姿さえイメージできなかった。
道を確かに定め、道の先に希望があると信じられるなら歩いていける。
たとえ、どれほど過酷であっても。
けれどマミには道が見えない。自らの希望も、目標も。
キュゥべえへの願いは、「生きたい」ただそれだけ。
その通り、キュゥべえに頼まれた戦い以外には、ただ生きてきただけ。
誰かの為、キュゥべえの為に尽くすばかりで、自分の為に何をしてきたのだろう。
何をしたかったのだろう。何かを積み上げてきた実感も、充足も得られず、ただ必死に命を繋いできた。
誰に愛されることもなく。
昨夜、数年ぶりに自ら課していた使命からマミは解き放たれた。
しかし自由とはほど遠く、様々なしがらみに囚われたままで目的を見失ったマミには、
目指す未来など見つけられるはずがなかった。
頬杖をつき、ぼんやり遠くの空を眺めながら、マミは昨夜のことを思い出す。
真実を求めて、知らされたのは残酷な現実。何か得た訳でもなく、大切な友達を失った、
たぶん人生で二番目に最悪な日。
460 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/07/23(月) 02:52:18.42 ID:bSGNlsgYo
全然進んでないですが、ここまで
もう少しあるので、完成したら明日にでも
>>456
ありがとうございます!
参考にさせていただきます
461 :
◆ySV3bQLdI.
[saga]:2012/07/26(木) 03:03:31.86 ID:EBKYw+nEo
*
マミはテーブル上のキュゥべえと向かい合い、問答を繰り返した。
時に憤り、時に怯え、時に悲しみ、それでも涙は見せなかった。
だが、平坦な反応しか返らないことに疲れ、いつしかマミの感情からも起伏は失われていった。
どれくらいの間、そうしていただろうか。
十五分か二十分程度だと思うが、もっと長く引き伸ばされた時間にも感じた。
そして最後の質問、返ってきた答えにマミが見せた表情は、怒りと呆れが入り混じる引きつった笑い。
「……そんなことの為に?」
「そんなこと、はないんじゃないかな。それが僕の唯一絶対の存在理由だからね。
それに、君たちだって無関係じゃない」
最初は理解を超えた途方もないスケールに圧倒され、言葉の意味を噛み締めるにつれ何だか納得してしまい、
しかしよくよく考えれば、やはり"そんなこと"だ。
脱力感が身体を包む。マミは額を押さえて、どうにかよろけるのを堪えた。
彼と自分とでは何もかもが違い過ぎる。どうして、こんな存在と友達だと思えたのだろう。
「私は、このことを鹿目さんと美樹さんに話すわ」
脱力が治まると、マミは鋭い視線でキュゥべえを睨めつけ、言った。
彼女たちに関わった手前、警告するのが先輩としての責任。
腹いせにキュゥべえの邪魔をしてやろうという気持ちも、なかったとは言えない。
「好きにすればいいさ」
もっとも、こんな程度で彼が揺らぐとも思っていなかったが。
462 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/26(木) 03:05:23.72 ID:EBKYw+nEo
「そうよね、あなたのことだもの。その可能性を考えないはずがない。
それでも話したのだから、何か勝算があるんでしょう?」
「勝算なんて何もないよ。僕は君たちに嘘はつかない。訊かれたら答える。
強制もしない。契約するもしないも自由だ。
ずっとそうしてきたし、君にもそうだっただろう?」
などと言っているが、怪しいものだとマミは思う。
魔法少女と、そのシステムの核心。彼は最も重要な事実を伏せていた。
それが負の一面だから。知ったが最後、誰も契約しなくなるから。
逃げられない状況で銃を突きつけて脅迫して、やっと天秤が動いたのだ。
「ただ、限りなく確信に近い予感はあるけどね。僕が特に何もしなくても、まどかは契約するよ」
「……どういう意味?」
「彼女が秘める膨大な因果が、彼女の運命を捻じ曲げる。いや、決定付けていると言うべきかな。
因果という言葉が示すように。
彼女を最悪の魔女にしたくないと思うなら、彼女の運命を、因果を断ち切るより他に術はない」
――因果を、運命を断ち切る。それは、つまり――。
ゾッと背筋を悪寒が突き抜ける。
何故か、自身の放った弾丸がまどかの眉間を、他の魔法少女のソウルジェムを砕く光景が、
鮮烈に脳裏に閃いた。
463 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/26(木) 03:08:38.47 ID:EBKYw+nEo
――何を考えているのかしら、私……。まだ魔法少女でもない鹿目さんを殺すだなんて……。
不吉なイメージを頭を振って払うマミ。一瞬でも想像した自分が恐ろしくなる。
勿論、そんな気はさらさらない。
だが、ほんの些細なボタンの掛け違い、タイミング次第であり得るかもしれないのだ。
そして彼、冴島鋼牙と戦うとしたら、きっと――。
正義の味方は、絶対に私たちの味方にならない。
暁美ほむらの残した言葉の意味。いつか自分たちが戦う日が来るかもしれない。
その時、どちらがどの位置に立つかは予測できなかったが。
マミが漠然とした不安を拭いきれないでいても、キュゥべぇは構わず続ける。
「君が話すことで多少は延びるかもしれないけど、いつかは必ず。
君たちには気が遠くなる時間を、僕は過ごしてきた。あと何十年か待とうが、どうということはないさ」
そうなのかもしれない。
彼は時間の感覚が人間とは大きく異なるのだろう。厭きたり退屈といった感覚もない。
「もっとも、それほど長い時間はかからないんじゃないかと踏んでる。
それでなくても、彼女自身が変わらなければ、彼女は奇跡を求めて手を伸ばすだろう」
奇跡に頼らない心。確かに、自分を卑下しているまどかには的を射ているかもしれない。
しかし、奇跡を一度たりとも希わない人間などいるのだろうか。
避けられない命の危機、どうにもできない現実に直面したなら、誰もが奇跡を願うのに。
「そもそもさ、マミ。君の場合は、あの日、あの事故現場で、悠長に説明している時間もなかった。
もし仮に、僕が説明したとして、君は契約を拒んだかい?
本来なら、あそこで尽きていたかもしれない君の命が、今日まで永らえたのは契約があったからだ。
感謝されこそすれ、恨まれる筋合いはないんじゃないかなぁ」
464 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/26(木) 03:10:15.43 ID:EBKYw+nEo
だからこそ、マミはキュゥべえに言い返せなかった。事実、選択の余地はなかった。
自分には彼を糾弾する資格がない。それ故に悔しく、それ故に歯噛みしながら黙るしかなかった。
せめてもの反抗に、
「都合の悪いことは隠すくせに……」
「言葉が足りないことは嘘とは言わないよ。僕なりに、話さない方がいいと判断したまでさ。
君たちの為にもね」
ボソッと呟いた言葉にも、キュゥべえは律義に返事をする。
だが何が少女たちの為なのか、マミにはとても理解できない。
「詭弁だわ。私以外にも、おかしいと思った魔法少女はいくらでもいたはず。
その時の少女たちの嘆きや動揺を見ておいてなお、話さない方がいいなんて言えるの!?」
「真実を知ってからは、ほとんどの少女が時を置かずに脱落していったからね」
「そんな馬鹿な……――!?」
途中まで出かかって、マミはハッと口を押さえる。
想像の中の魔法少女が、今の自分と重なったのだ。
命懸けの戦いがどれほど過酷か、知りもせずに契約して。
それでも願いの対価と納得して、或いは正義の行いと誤魔化して、戦い続けて。
やがて終わりの見えない戦いの中で傷付き、精神を擦り減らして。
ある時おかしいと気付く。
切っ掛けは戦いに嫌気が差したか、人間離れした自身の肉体にショックを受けたか。
少女はキュゥべえを問い詰めるだろう。一縷の望みに賭けて。
だが望みは呆気なく打ち砕かれる。
465 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/26(木) 03:13:51.03 ID:EBKYw+nEo
その瞬間の怒り、悲しみ、苦しみは、誰より深く共感できる。
今まさに、マミは同じ苦痛を受けている。
ソウルジェムが黒く染まりきる時、救ってきた人たちを、
守りたかった家族や友人を、その手で殺める魔女になると。
この肉体は魂を宝石に変えて抜き取られた、いわば抜け殻で、既に人ならぬ身だと。
自分は散々利用された後に、すべての元凶の彼から、
信じていたキュゥべえの口から絶望を宣告されるのだ。
彼女たちの末路は、容易に想像できる。
魔女になったか、動揺して戦闘中に致命的な隙が生じたか、
自ら魂を――ソウルジェムを砕いたか。
そして、それらはマミが確実に辿る道なのだ。
治まりかけていた、諦めかけていた感情が、マミの内に蘇る。
より強く、今度は煮え滾るような熱い激情が腹の底から沸々と湧き上がるのを感じた。
それは怒り。
憤怒の炎は脳天まで駆け上ると同時に理性を焼き尽くし、身体を衝き動かす。
「――っ!!」
マミは胸元のリボンを毟り取ると、リボンは掌の中で瞬時にマスケット銃へと形を変える。
そして銃口は迷いなく、かつての親友に突きつけられた。
466 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/26(木) 03:16:13.94 ID:EBKYw+nEo
「……本気かい? そんなことをすればどんな騒ぎになるか、わからない君じゃないはずだ」
「黙って……!」
腕を伸ばし、銃口を数センチ近付けて、言葉を遮る。
夜のマンションで突然の銃声。マンション中が蜂の巣をつついたような騒ぎになるだろう。
とても誤魔化しの利く状況ではない。
ましてマミの精神状態を考えれば尚更である。警察沙汰は避けられない。
だが今のマミにはどうでもよかった。
全身の震えは引き金に掛けた人差し指にまで伝播して、今にも発射寸前。
銃口も暴れ、狙いも危ういが、鼻先まで迫っていれば関係ない。
しかしマミは、瞳まで怒りに染まっていない。それどころか、大粒の涙を流していた。
「消えて……! 独りにして……お願いだから!!」
――私が、あなたを撃つ前に……!
本当は理解している、彼を撃っても何の解決にもならないと。
確実に殺すなら、リボンで縛っている。拘束していないのは、辛うじて理性が働いている証拠。
キュゥべえは何か言いたげにしていたが、議論ができる段階ではないと悟ったらしい。
「やれやれ……勝手だね、君は」
言い捨てて、窓に向かう。
彼は去り際に一度、マミを振り返った。
「わかったよ、マミ。今日は出直そう。頭が冷えて、まだ僕に用があったら呼んでよ」
467 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/26(木) 03:18:22.18 ID:EBKYw+nEo
キュゥべえは窓からベランダに出て、どこかに消えていった。
だらんと垂れ下がったマミの手から零れた銃が、床に乾いた音を立てて転がる。
にも関わらず、マミはキュゥべえが出て行った窓を虚ろに眺めていた。
まるで、僕は気にしてないから、とでも言うかのようだった。
いや、キュゥべえは、これっぽっちも気にしていない。
一人の魔法少女との関係が崩れようが、恨まれようが、彼には些細なこと。
一方通行だとわかっていたのに、こんなにも胸が苦しい。
魔法少女の正体、キュゥべえの本心と本性。
独りになったマミに、真実は重く圧し掛かる。
自らを押し潰す重みに耐えかね、マミはテーブルに突っ伏した。
「うっ……うぅ……」
最初は小さくしゃくり上げるだけだったが、やがて肩の震えは大きくなっていく。
そして遂に――。
468 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/26(木) 03:19:47.93 ID:EBKYw+nEo
「ぁあああああああああ――!!」
ずっと堪えていた涙が、悲しみが噴出した。
堰を切った感情の波が怒涛の如く押し寄せて、もう制御不能だった。
誰に遠慮することもない。思い切り声を張り上げて、マミは泣いた。
生まれたばかりの赤ちゃんのように泣きじゃくった。
両親が死んで自分だけが生き残った日も、同じように泣いていた。
あの日すべてを失って以来、築き上げた誇りも何もかも砕かれ、絆はまやかしだと知らされた。
またすべてを失ったマミには、泣くことしか残されていなかった。
泣き疲れてきた頃、ようやく涙と声が止まる。
しかし、それからもマミは何をするでもなく床に横たわっていた。
疲労困憊のはずなのに、食欲も眠気も湧かない。
体力も気力も使い果たし、僅かに回復しても泣く行為に消費される。
マミの悲嘆は終わることがなかった。落ち着いても、暫くすると思い出して泣けてくる。
その日、マミは声が枯れ、涙が涸れるまで夜を泣き明かしたのだった。
469 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/26(木) 03:23:38.01 ID:EBKYw+nEo
*
独り席で呆けていたマミは、頬を伝う感触で我に返る。さっと目元を拭うと、指は濡れていた。
思い出してまた自然と泣いていたのか。周囲を見回すが、幸い誰にも見られていなかったらしい。
マミは軽く溜息をつくと、机に置いていたプリントを白紙のまま乱暴に鞄に突っ込んだ。
金の面倒を見てくれている親戚は何と言うだろう。
高校くらいは行かせてもらえるだろうが、特に興味も持てなかった。
一寸先は闇という状況下で、しかもどの道を行こうが、果てに待つのは絶望のみ。
これでは歩くこと自体が無意味だった。
現在マミの関心は今日の放課後、それも下校後にしか向いていない。
二人に真実を伝えたら、距離を置こう。あとは彼女たち個人の問題だから。
――私は頼れないけど、彼女たちはまだ縋れる。彼に、黄金の光明に。
だから私なんかとは関わらない方がいい。巻き込んでしまうかもしれないし、私も惨めになるだけ。
大丈夫、怖くない。だって私には――
全部なくなったと思い込んでいたけど、ひとつだけ残っていた。
一人の女性の笑顔を思い浮かべると、心が少し軽くなり、早く会いたいと期待に胸が躍る。
魔法少女とも魔戒騎士とも関係ない彼女となら一緒にいられる。
たまに会って話を聴いてくれるなら、それだけで充分だった。
――でも、昨日会ったばかりの私を、命さんは本当に友達だなんて思ってるの……?
キュゥべえとの件もあって疑心が生まれるが、すぐに頭から追い払った。
気分が沈んでいる今は何も考えない方がいい。負の思考にばかり囚われてしまう。
忘れようと、ふと頬杖をついて窓の外を見ると、雲ひとつない春の青空が広がっていた。
綺麗だという言葉は浮かんでも、心は暗く淀んだまま。
昨夜だって、どれだけ泣いても心は晴れなかった。結局、忘れられるはずがないのだ。
――私は間違っていたのかしら……。
真実なんて知らずに死んだ方が幸せだったのだろうか。
憂いと迷いを湛えた瞳には後悔が浮かんでいた。
470 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/07/26(木) 03:25:15.37 ID:EBKYw+nEo
ここまで。次は出来れば日曜ですが、たぶん来週
今回、冗長かとも思いましたが、念入りにしたかったので
471 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/26(木) 12:04:57.74 ID:JTDigG1wo
そろそろマミさん持ち直すか
472 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/01(水) 16:10:16.45 ID:xkOTsb670
このところ遅れがちみたいだけど大丈夫かな
マミさんのテンションに引きずられたとか
暑いので体にもPCにも気をつけてください
473 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/08/01(水) 23:45:47.03 ID:JkRNrdXoo
お気遣いありがとうございます
今年はエアコンが無いのでなかなか……
明日か明後日くらいにはなんとか
週一のペースだけは崩さないように
474 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/04(土) 03:15:47.58 ID:/EHE1KDLo
鳴り響くチャイムの音が授業の終わりを告げる。
さやかは終礼と同時にいそいそと片付けを始め、二分とかけずに帰り支度を済ませた。
放課後はマミとの約束がある。待たせるのも悪いし、恭介の見舞いに行く時間を考えたら、
あまりグズグズしていられない。
さやかが急ごうと席を立つと、仁美と視線がぶつかった。
「さやかさん。今日は――」
「あ、ごめん仁美。今日は先約があってさ」
答えると同時に、仁美は表情を悲痛に曇らせる。
彼女は習い事などで放課後も割と多忙であり、別々に帰るのは珍しくない。
だからこそ一緒に帰れる時は大切にしたいと三人ともが考えていたが、
それにしても今日の反応は過剰だった。
「朝の巴先輩……ですの?」
「うん、ちょっとね……」
咄嗟に眼を逸らし、言葉を濁らせてしまう。
本当なら何らやましいこともなければ、負い目だってあるはずない。
だが、あくまで秘密を伏せて"ちょっと"の部分を語れば、仁美はどう思うだろう。
ただ遊ぶだけだと受け取られかねない。
新しくできた、仁美の知らない友人と。
三人で楽しく。
彼女一人を除け者にして。
仁美は酷く傷つくだろう。弁解のしようがない。それなら隠す方がいくらかマシだと思った。
故に、"ちょっと"としか答えようがなかった。それはそれで仁美を傷つけるとしても。
475 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/04(土) 03:18:47.85 ID:/EHE1KDLo
「そうですか……ならどうぞ、ご勝手に」
仁美は俯いて言うと、プイッと身を翻して教室を出て行ってしまった。
怒らせてしまったと、さやかは溜息をひとつ。
まぁ、落ち着けばわだかまりも解けるだろうし、また一緒に帰れるようになる。
でも仁美も、もう少し信用してくれればいいのに。自分たちの関係が簡単に崩れるはずないのだから。
そんなふうに軽く考えて、敢えて追いかけはしなかった。
「さやかちゃん……仁美ちゃんとケンカしたの?」
声に向くと、鞄を持ったまどかが立っていた。不安げに眉を寄せている。
「別に。ちょっと怒らせちゃっただけ。それより……」
はぐらかすなり、さやかは近寄って彼女の顔を凝視する。
そういえば、こっちの問題もあった。悩みはどうなったか知らないが、今は落ち込んでいる様子はない。
だが――。
「まどか、やっぱりちょっと顔が赤いよ? 大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ……って、さやかちゃん!?」
さやかはまどかのおでこを露出させ、自分のものとピタリくっつけた。
まどかの顔が更に赤みを増す。何より、じんわり伝わる彼女の体温は、
自分のそれより僅かだが高く感じられた。
476 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/04(土) 03:23:09.91 ID:/EHE1KDLo
「熱い……まどか、あんた熱あるんじゃないの?」
「うん、朝から何だか熱っぽくはあったけど……昨日、ちゃんと寝なかったから体調崩しちゃったかも。
でも、大丈夫だよ、これくらい」
「ダ〜メ、今日は帰りなって。送ってってあげるから」
「でも、マミさんとの約束が……」
まだ微熱程度でも、こじらせて悪化させたら面倒だ。風邪は引き始めが肝心とも言うし。
また、これを切っ掛けに帰り道でまどかに悩みを訊きたかった。
そして、あわよくば帰り道で完全に仲直りしたかった。
なのに、まどかは律義にもマミとの約束を気にしている。
大人しいくせに、ここぞという時は頑固なまどかの性格を熟知している身としては、さてどう説得したものか。
さやかが頭を悩ませていると、
「鹿目さん、美樹さん。よかった、まだ教室にいてくれて……」
入口からマミが覗いていた。
息を切らしていることから、よほど急いできたらしい。
周囲を見回すと、いつの間にか教室に残っている人間はまばらになっていた。
「忘れていたのだけど、今日は放課後、進路指導があったの。
だから悪いんだけど、先に行って待っててくれないかしら?」
「それなんですけど、マミさん。まどかがちょっと熱っぽいから、今日は帰って休ませた方が……」
話というのがどれほど大事か知らないけれど、マミも遅れるなら無理に今日でなくてもいいだろう。
と、さやかは考えたのだが。
477 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/04(土) 03:25:16.64 ID:/EHE1KDLo
「そう……なら無理はしない方がいいわね。私としては美樹さんだけでも来てほしいんだけど……」
「でも、まどかを置いてくのも……」
マミはやんわりと要求してくるが、さやかは気乗りしなかった。
まどかが心配――それももちろんあるが、一人で行きたくない気持ちが大きい。
マミがここまで拘るからには、相応の理由があるに違いないからだ。
怖い、と思った。
自分に受け止められるのかと、不安だった。
「だから大丈夫だって、さやかちゃん。ちょっと保健室で休ませてもらって、そしたら一人で帰るから。
それだけ大事な話なんだよ、きっと、ね?」
だから私の分も聞いてきて、とまどかは微笑んだ。
確かに本人の言う通り、微熱くらいなら一人で帰るのも問題ないとは思うが。
さやかがなおも渋っていると、背後から声がした。
「私も保健室に用があるの。彼女は暫く私が見ていてもいいけれど」
「転校生……!」
暁美ほむらだった。
気遣ったつもりかもしれないが、普段のほむらの態度からして胡散臭い。
仮にそうだとしても逆効果。
大どころか、その上に超が付くほど彼女が嫌いなさやかは、敵愾心を剥き出しにして睨む。
が、ほむらはどこ吹く風。さやかを見向きもしない。
478 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/04(土) 03:27:22.47 ID:/EHE1KDLo
「どうかしら」
「え……っと、ほむらちゃんの用事のついでなら、別に私はいいけど……」
まどかは気まずそうに、さやかとマミを見遣る。
「あんたなんかにまどかを――」
「いいんじゃないかしら。誰かが付いているなら安心ね」
遮ったのはマミ。まさか同意するとは思っておらず、さやかは驚いた。
だって、この女は自分に銃を突きつけ、あまつさえホラーの前に置き去りにしたのだ。
そんな危険な奴に、まどかの看病を任せられるはずがない。
「マミさん! だって、こいつは……!」
「美樹さん。彼女は鹿目さんに危害を加えたりしないと思うわ。
そんな気があれば、とっくにやってる。チャンスはいくらでもあった、でしょ?」
マミはほむらに目配せして同意を求めた。
ほむらは肯定も否定もしなかったが、マミにはそれも予想通りだったのか、
気を悪くした様子はない。
「むしろ、鹿目さんにだけは無害、と言ってもよかったかしら?」
「ご想像にお任せするわ」
短い言葉、二人だけで通じ合うマミとほむら。さやかには、何が何だかさっぱり理解できなかった。
気に入らない。ほむらの態度も、マミがほむらを警戒しないことも、何もかも。
中でも、最も気に入らないのは。
479 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/04(土) 03:36:11.39 ID:/EHE1KDLo
「そうだよ、さやかちゃん。ほむらちゃんだって親切で……」
――またなの?
また、まどかはそいつの肩を持つの?
あたしの言葉よりも、そいつを信用するの?
どうして……わかってくれないの?
あたしたち、ずっと前から友達だったのに――
「そうよね……あんただけは守ってくれたもんね。
一昨日だって、怪我したあたしを見捨てて二人で一緒に逃げてさ……」
意思に反して言葉が口をついて出た。こんなこと言いたいんじゃないのに。
さやかは、静かに拳を震わせる。口の端が引きつる。
昨日、抱えていた葛藤と同じ。信じたいのに信じられない。
厄介なことに、一度でも根を張った疑念とトラウマは、拭い去ろうとしても簡単には拭い去れない。
些細なことで表出する度に、自分と誰かを傷つける両刃の剣。まさに今のように。
「違うよ、さやかちゃん! そんなんじゃないよ!」
「もう好きにすれば! マミさん、あたし先に行ってますから!」
言うが早いか、さやかは廊下を蹴り出した。
一刻も早くこの場を離れたかった。これ以上自分の醜い面を晒す前に。
黒い感情が言葉の刃に変わって、まどかを傷つけないよう。
「さやかちゃん!!」
背後から叫び声が届いても止まらない。振り返らずに全力で走り続ける。
さやかとまどかの身体能力には開きがある。足もずっと速い。
本気で走れば追い付いてこられないだろうから、顔も見られずに済む。
今は自分の顔を見られたくない。まどかにも合わせる顔がない。
480 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/04(土) 03:41:00.13 ID:/EHE1KDLo
――まどかが、ああいう娘だって知ってるのに。
仁美と同じ。仁美には信じて、なんて思っておいて、まどかを信じられなかった。
仁美も、まどかも傷つけて……あたしバカだ……。
こんなの、時間が勝手に解決してくれる訳ない。簡単に仲直りなんてできる気しないよ……――
湧き上がる自責の念を振り切るように、さやかは走り続けた。
勢いで学校を飛び出して、バスに乗って十数分。
途中、何度も寄り道をしたり遠回りをして数十分。その頃には、街は夕暮れ時を迎えていた。
オレンジの光が街を染める中、肩を落とし、とぼとぼと歩くさやか。
憂鬱だった。あんな八つ当たりを見せた後、どんな顔をしてマミに会えばいいのか。
そして、もしまどかが無理を押して来ていたら。
考えたら不安で不安で、つい意気地なく先送りにしてしまった。
「はぁぁ……行きたくないなぁ……」
と、今日何十回目かの溜息。
しかし、いつまでも逃げてばかりいられない。結局、足は約束のオープンカフェに行き着く。
そもそも、何故マミはわざわざ学校から離れた店を選んだのだろう。腰を据えて話すにしても、
もっと適当な場所がありそうな気がする。
理由はすぐにわかった。
「あら、美樹さん……よね。こっちこっち」
外に並んだテーブルの一席から声が掛かった。おいでおいでと手招きしているのは夕木命。
昨日、マミが助けた女性だった。
481 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/04(土) 03:42:20.95 ID:/EHE1KDLo
ここまで。もう少しあるのですが、日曜には完成させて、その時に
スランプ気味なのか自信がなくなってきました
会話中心なので描写を省略してみたつもりですが、参考に意見を聞かせていただければ助かります
482 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/04(土) 11:31:46.05 ID:j6J9iv+U0
乙であります。
なんかさやかちゃんに近しい人が軒並みホラーに憑かれそうなんだが・・・。
バラゴ様と同じ道をたどりそうで怖い。
483 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/08/05(日) 15:36:42.80 ID:xiBbdsZz0
見事にバラバラになったな…
何はともあれ乙
484 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/08/06(月) 02:23:39.12 ID:BfqPrZFRo
感想ありがとうございます
人間関係は鋼牙にも直接どうにかできませんが、
今後の三人の関係に注目していただければと思います
日曜と書いたのですが、書き溜めが進まず目標まで行き着かなかったので、
今日は見送らせていただきます
遅筆で本当に申し訳ありません
明日には必ず
485 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:40:26.35 ID:fZ6/9zuSo
「あ……はい」
戸惑いながら、命の誘導に従って彼女の前に着席する。
何故、彼女はここにいるのだろう。ただの偶然か、それとも。
すると命は、さやかの思考を読んだかのように言った。
「私がマミちゃんを誘ったのよ。今日もまた、ここで会いましょうって」
「はぁ……マミちゃん……」
やけに親しげな呼び方。もしや、もう名前で呼び合う関係なのか。
さやかは命との間に、どこか温度差を感じていた。
彼女の態度は単に、お茶を飲んで雑談に興じようという軽いものに思える。
「でも嬉しいな。美樹さんも来てくれるなんて」
命は妙に楽しそうだった。
やはり、さやかとは目的が違う。
「あの、私はマミさんから大事な話があるからって誘われて……。
夕木さんがいるとは知らなかったんです」
「へぇ、そうなの? それで当のマミちゃんは……」
「進路相談があるのを忘れてたみたいです。終わってから来るから待ってて、って。
それと、まどかはちょっと体調が悪いので今日は来ないと思います」
「ふふ。あの娘にしては、そそっかしいミスもするのね。
彼女、あなたたちの前では頼りになる先輩でいなきゃって思ってるみたい。
そんな背伸びしてるところが可愛いんだけど」
486 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:41:58.81 ID:fZ6/9zuSo
さやかが説明すると、命は小さく笑った。
彼女が元から馴れ馴れしいせいかもしれないが、
やはり、たった一日で随分と親しげな物言い。かくいうさやかも、まだ三日目なのだが。
好奇心を刺激されたさやかは、思い切って訊いてみる。
「なんだかマミさんと仲良さそうな口振りですけど、昨日、あたしが帰ってから何を話したんですか?」
「……訊きたい?」
「は、はい」
目を細め、思わせぶりに含み笑いする命に、たじろぎつつも答える。
その様子を面白がるように、命は破顔した。
「大したことじゃないわ。学校、家庭の事情、趣味、そんなとこ」
「それだけですか?」
「えぇ。マミちゃんはあれで寂しがり屋みたい。後輩のあなたたちには言えないこともあるのね。
赤の他人の私の方が相談しやすいのもあるだろうけど」
「ふぅん……」
さやかは唇をやや尖らせた。
マミがわざわざここを選んだのは、たぶん命との待ち合わせに適していたから。
そして、ここに命がいるということは、彼女にも話を聞かせるつもりなのだ。
さやかやまどかにも関わる、魔法少女の大事な話とやらを。
487 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:43:23.66 ID:fZ6/9zuSo
不満と言えば不満だった。
たった一時間かそこらで、マミは自分たちより深く命を信用したかもしれない。
それが何となく面白くない。
ただでさえ、今日は朝からマミに振り回されていた。
マミが今日この店を指定しなければ、仁美を怒らせることも、
まどかに心ない言葉をぶつけたりもしなかったのに。
その理由が、命と仲良くしたいなんて勝手な都合だったら。
普段ならともかく、気分が落ち込み、ささくれ立っていたさやかは、
その捌け口をマミと命に向けそうになる。
さやかの不機嫌に気付いているのかいないのか、命は一人で喋り続ける。
「あなたの話も少し聞かせてもらったわ」
「……なんですか」
「鹿目さんが言ってたの。さやかちゃんは幼馴染の為に毎日お見舞いに通ってる、って」
「まどかぁ……」
さやかは俯き、恨めしげに親友の名前を呟いた。
そんな恥ずかしいことを、与り知らないところで他人に話すなんて。
命の方を見られなかった。顔が熱い。きっと頬は赤くなっている。
「まどかちゃんを責めないで。私が訊いたんだから」
488 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/08/07(火) 02:44:40.86 ID:fZ6/9zuSo
チラリと見ると、命は両手を合わせて熱心に謝っている。
さやかは暫くして顔を上げ、カップの紅茶を啜ると息をついた。
命の持つ穏やかな雰囲気、茶目っ気のある仕草に毒を抜かれてしまった。
まぁ、まどかなら余計なことは喋っていないだろう。主に、さやかの彼への気持ちとか。
「ね、良かったらその彼の名前、教えてくれない?」
さやかが機嫌を直すと、命は妙なことを尋ねてきた。
「え、どうして……」
「私もね、ヴァイオリンにはちょっと詳しいのよ。
将来有望な子なら知ってるかもしれないし、知っておきたいの。後々の為に」
確かに恭介はコンクールで賞も貰っている。
新聞にも載っているし、詳しい人なら知っていてもおかしくないかもしれない。
そうでなくても、恭介の名が売れるなら悪い気はしなかった。
「上条……恭介、ですけど」
だから、さやかは問われるままに答えた。
悪い人ではなさそうだし、名前くらいならいいかと、答えてしまった。
「上条君……か。なるほどね」
彼女は何かを確かめるように何度か頷く。口元には薄い笑みが貼りついていた。
思えば、この時から薄々怪しさを感じてはいたのだ。
命はおもむろに自分の鞄を膝の上に乗せて探り、一枚の紙を取り出した。
489 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:47:53.82 ID:fZ6/9zuSo
「これ、美樹さんにあげようと思ってたの」
「これ……楽譜?」
五線譜の上に踊る音符。音楽の授業でも見た、それは確かに楽譜だった。
もっとも、読み方はほとんどわからなかったが。
「ヴァイオリンの楽譜。昨日、家に帰ってから探して見つけたの」
「へぇ、夕木さんヴァイオリン弾けるんですか?」
さやかは初めて好意的に問い返した。
恭介の件でさやかの態度は軟化し、徐々に命に気を許し始めていた。
目を閉じた命はゆっくりと首を振る。
「私じゃないわ。これね、私の恋人が作った曲なのよ。曲名もない、作りかけの曲」
やがて目を開くと、命は遠くを見つめた。
想い出を懐かしむようでもあり、辛い過去を悔やむようでもあった。
その目からは、とても幸せなエピソードを期待できるとは思えず、
「でも、彼は事故で二度とヴァイオリンが弾けなくなってしまった」
予想通り、悲しい結末が語られた。
さやかはハッと息を呑む。
事故でヴァイオリンを弾けなくなった男。
それを傍で見ていた女。
多少の差異はあれど、さやかは今の恭介と自分に重ねた。
490 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:49:12.32 ID:fZ6/9zuSo
「その人は今……?」
恐る恐る、尋ねた。
本当は聞きたくなかった。それでも、自分と彼の未来を暗示しているかもしれない。
そう考えたら、途中で止められなかった。
命はさやかを見返し、穏やかに、けれど寂しそうに、また首を振った。
命は一言も語らなかったけれど、それだけで何もかもわかってしまった。
彼女の大切な人は、きっともういないのだ。この世界のどこにも。
「そんな大切な物、受け取れません……」
さやかはテーブルの楽譜を、少し命の方に押し戻した。
だが、命は楽譜に手を添え、強く訴えかける。
「いいえ、もし迷惑でなければ受け取って欲しいの。
私が持ってても仕様がないし、辛くもあるから。
彼を勇気付ける切っ掛けか、そうでなくても退屈しのぎくらいにはなるかなぁ、と思って」
「でも……」
駄目押しとばかりに命は微笑んだ。優しく、蕩かすような笑顔で。
「その彼は夢に向かって頑張ってる。諦めずにリハビリを続けているんでしょう?
そして、あなたは彼を支えようと一生懸命で……。
そういう人を見るとね、何だかこう……背中を押してあげたくなるのよ」
491 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:50:59.86 ID:fZ6/9zuSo
一瞬、さやかは震えた。
じわり、と温かいものが心の底から込み上げてくる。
感動と感謝の波が、冷静な思考を押し流す。
感極まったさやかは薄らと涙すら浮かべて、
「ありがとうございます……」
としか言えなかった。
命の言葉に胸を打たれたさやかは、当初の認識を完全に改めた。
これならマミが心を許しているのも頷ける。
彼女に対する苦手意識は完全に消え失せていた。
すっかり籠絡されたさやかの目には、命は素敵な大人女性としか映らなかった。
そこからは特に何をするでもなく、マミを待ち続けた。
しかし、気まずく退屈な時間では決してなく、笑顔に満ちた楽しい時間だった。
二人の距離が一気に縮まったせいもあってか、命との会話は弾む。
昨日も感じた通り、彼女は会話上手だった。反応が欲しいところでは興味津々に食いつき、
適度に相槌を打って言葉を引き出す。
彼女自身の話題も面白く、さやかの感覚にも共鳴するものだった。
この近くの会社員らしいが、他の会話能力を活かせる仕事でも充分やっていけそうだ。
例えば、そう――バーテンダーでもやっていそうな印象もある。
時間はあっという間に過ぎ、段々と周囲に明かりが灯り始める。
なのにマミは、いつまで経っても現れなかった。
時計を気にするさやか。そろそろ帰らないと病院に寄っている時間がない。
毎日通う必要はないのだが、今日は早く命からもらった楽譜を見せたかった。
492 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:52:47.28 ID:fZ6/9zuSo
「マミちゃん、遅いわね」
「あ、はい。そうですね。そういえば、あたしまだマミさんから番号聞いてなくって。
夕木さんは?」
命は無言で首を横に振った。
連絡が取れないとなると、勝手に帰るのも悪い。マミも向かっているかもしれないし。
さやかが空と時計を交互に見ていると、命が一言。
「帰りたい?」
図星だった。
見事に思考を言い当てられ、しどろもどろになる様を面白そうに眺め、
「仕方ないか。美樹さんも早く彼のお見舞いに行きたいもんね」
「えっと、その……」
からかわれたさやかは、ますます混乱する。
「いいわよ、帰っても。マミちゃんが来たら、私から言っておくから」
「いいんですか? すみません」
それでも命がそう言ってくれて助かった。マミには明日、まどかと改めて話せばいいだろう。
問題を先送りするようで、少々気が重かったが。
まだ時間には余裕がある。さやかは食べかけのケーキに手を伸ばした。
流石に評判の店とあって、味もかなりのもの。
だから昨日は男性の一人客もいたのだろうか、などと割とどうでもいいことを考えながら。
493 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:55:48.95 ID:fZ6/9zuSo
食後、紅茶で口の中を洗いながら空を見上げた。
昼間は快晴だったのに、今は黒い雲で覆い尽くされている。
「一雨来るかもしれないわね……」
「そうですねぇ……天気予報どうだったかなぁ」
命の呟きに答え、紅茶を飲み干す。
急がないと、途中で雨に降られることになりそうだ。
命に挨拶をして帰ろうと、テーブルに放置していた楽譜に手を伸ばした瞬間。
「夜――それも雨の夜は危ないわ。
あなたも気を付けないと、彼みたいに事故に遭ったら大変……」
不意に命が言った。
「え……?」
ビクンと、さやかの身体が固くなる。
何の前触れもなく、和やかな空気が不穏なそれに変わる。
今の忠告だけなら聞き流していただろう。
だが、
「咄嗟にヴァイオリンを庇って、かえって手が重傷なんて可哀想だものね……」
次の言葉は明らかに不審だった。
何故、彼女が事故の詳しい状況を知っているのか。どう考えてもおかしい。
しかし、まだ可能性は残っている。
さやかは、命から目を放さず問う。どうか違っていてほしいと願って。
「夕木さん……ひょっとして、恭介のこと知ってるんですか?」
494 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:57:36.36 ID:fZ6/9zuSo
「そうね……」
命は言いながら、さやかに左手を伸ばす。
さやかは本能的に危機を感じ、手を引っ込めようとするが、できなかった。
彼女の眼が身じろぎひとつ許さなかった。
命の左手が右手を包んだ、その瞬間――。
「〜〜っ!!」
全身がゾッと寒気に襲われた。
命の左手からは体温を感じられなかった。否、氷でも押し付けられたかのように冷たかった。
左手の感触と、その異様さがさやかを震わせるが、寒気の原因はそれだけではない。
彼女の異質な雰囲気は全身から発されているのだ。
「綺麗な手ね……」
「あ……の……夕木さん……?」
氷の手が右手の皮膚を滑る。
声が震えているのは寒いから?
違う、と頭より身体が理解していた。
「知ってる? どうかしら……でもまぁ、ある意味では知ってると言えないこともないわね」
この感覚には覚えがある。つい一昨日に味わったばかりで、しかも一生忘れられないだろう。
気付かぬうちに人ならざるモノが傍で舌舐めずりしていた――それを察知した瞬間の戦慄。
命は、戸惑い、滝の如く冷や汗を流すさやかに、にっこり微笑みかけ、言った。
「だって、彼も私が背中を押してあげたんだから」
495 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/07(火) 02:59:06.99 ID:fZ6/9zuSo
ここまで。次も日曜に間に合えばいいですが
どこかで見た話になりましたが、陰我の質?がもう少し違ってもいいんでしょうか
ともあれ今回で正体も名前の元ネタもわかるかと
ホラーの背景も掘り下げたいと思うのですが、二話からもっと丁寧に伏線とか張れた気がします
次からは気を付けます
496 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/08/07(火) 03:05:22.92 ID:7Cv/2Wjl0
げぇ!!こいつフレイザードか!!
正式名忘れたけど
というか案の定ホラーですか……マミさん……森本レオの二の舞とかにならんといいが……
497 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/07(火) 04:53:26.94 ID:ySJaEVRDO
乙
オリジナルホラーもいいけど原作知ってる人がニヤリとしそうな演出、さすがです。
498 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/07(火) 08:07:35.39 ID:it+KOmFeo
ロケットパンチのフレイザード・・・だと・・・
499 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2012/08/07(火) 10:21:11.60 ID:faZsXgiao
おっつー
やっぱあのホラー、皆フレイザードを連想するよね
500 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/07(火) 14:25:58.74 ID:Z3BspeXAO
乙です。
急展開、きましたか?
501 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/08/07(火) 16:04:24.81 ID:1+R1lkhd0
乙です
神須川祐樹(ゆうき)→夕木 8話「指輪」
神須川美理(みり? 名前呼ぶシーンなかったと思う)→読みを変えて、みこと→命 21話「魔弾」
この親子に共通するホラーはモロク
でいいのかな?
502 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/07(火) 20:55:43.62 ID:9mAHFYGv0
氷炎ホラー・モロク・・・!
そういえばモロクは
鋼牙に倒される
↓
いろいろあった後鋼牙東の番犬所と縁切り
↓
そのころ東の神官を配下にしていたバラゴ様モロクの短剣を神須川の親父に譲る
↓
モロク親父に憑依、鋼牙に再び倒される
という、バラゴ様に陰我吸囚された他の一期ホラーとは違う末路を辿ってるんだよな。同時に倒したボナファルツもだが
メシアの件が片付いてから改めて魔界に送り返したんだろうが、復活したか・・。
もう一度倒すこと自体は牙狼の力を以ってすれば容易いだろうが、マミさんやさやかちゃんを守りながらとなると苦戦を強いられそうだ。
そして闇を切り裂く黄金の剣を目にして、マミさんとさやかちゃんは何を想うのか・・・。
面白くなってまいりましたね。
503 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/08(水) 09:24:14.63 ID:lrCwcI/uo
むしろツインローバを連想したとか言えない
504 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/08/09(木) 21:49:25.53 ID:7+rd6YQYo
フレイザードも出てくるが森本レオが出てくる
あの人ホントいい役者だよ
505 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/09(木) 22:10:38.51 ID:fOrHUcJX0
マミが逆恨みする事がないのを祈ってるわ
506 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/09(木) 23:10:28.36 ID:F4bEu3n70
【魔弾】ホラー・ボナファルツ・・・。
まさかな。
ところで少し前にまどかちゃんが鋼牙に叱られた時にふと思ったのだが
牙狼における両親との死別率は異常・・・。
鋼牙、カオル、零、翼と鈴、烈花、バラゴ様、レオとシグマ・・・。
ほぼ100%だ。
まどか側もマミさんと杏子ちゃんが死別してるし・・・。
そんな中で幸せな家庭持ってるまどかちゃんってやはり異端だよな。
507 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/09(木) 23:29:08.14 ID:fOrHUcJX0
ホラー化したら確実に助からないからな
鋼牙への復讐心が理由とかだったら、自業自得でどうしようもないが
508 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/10(金) 00:37:12.68 ID:JyXVXwZAO
>>506
さやかとほむらにも親はいるはずだが登場しない。
少年少女に影響を与え得ない大人は物語から省略される。鋼牙にはこの物語に存在する資格がしっかりあるという事だろう。
上から齎される救済は無い、というのが両作品の共通点。
509 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/08/10(金) 01:02:20.45 ID:QB5YG07Jo
でも、子供に影響を与えるかどうかは別としても、
両親存命なら最低限登場だけでもしてくれないと日常を想像し辛いよね…。
SS書く時に家庭の描写できないのは困る。
510 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/08/10(金) 01:17:52.70 ID:9c42h+7b0
何だろう…どう考えてもマミさんは詰んでるとしか思えない
唯一残った心の支えも偽りである事が判明し、原作と違ってまどかと信頼関係を築いていないわで、精神的支えが何もない
そして、予告の通り「もう何も信じない」…ってなったら絶望し魔女化するかホラーに取り憑かれるか
もしくは鋼牙への復讐心を糧にして魔女化を免れるもホラーに付け込まれ、最終的にホラー化するか…
うん…まともな未来が想像できない
この状況から挽回なんて、どう考えても絶望的だとしか
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/10(金) 04:57:13.83 ID:JyXVXwZAO
大丈夫!
このSSのマミは踏んづけられても這いつくばっても挫けない、古今最強のマミだ!
最悪の事態は経験済み!マミにこれ以上のフラグは無い。後は克つばかりというわけだ!
…むしろマミが大丈夫な分、陰我のしわ寄せの噴き出し口がそこら中にあるような気ががががが。
512 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/10(金) 13:47:01.60 ID:QuRuR2+SO
乙
今回は零が戦いそう
鋼牙だと二回目だし、これ以上敵対フラグを立てるのも
そういや、復活したホラーってやっぱり前の記憶があるのかな
513 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/10(金) 14:53:48.99 ID:kBYcfNFI0
公式で復活したホラーは人魚ホラー・ハルだけだよ。
一期で鋼牙に陰我消滅させられた後、小説・妖赤の罠で復活した。
ハルが鋼牙と対峙したとき、
「一度出会ったことのある、憎むべき黄金騎士。またこの騎士に狩られる運命なのか。」
という一文があるから、復活後も記憶は残ってるということになる。
514 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/10(金) 19:06:57.65 ID:QuRuR2+SO
>>513
ありがとう、やっぱり残るのか
515 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/10(金) 21:28:31.40 ID:PQN52dmUo
ザルバは記憶なくなってたけど、やっぱり契約か野良ホラーかの違いなんだろうか
516 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/11(土) 00:39:02.41 ID:KvYGptGb0
同じ契約でも天と地ほどの差だよな・・・。
もしかすると番犬所の規定なのかもしれないな。記憶を消されるのは。
もしくは、再び魔導輪を修復する過程でどうしても消さざるを得なかったとか。
というかハルの話したら奴とまたある魔女がダブったよ・・。
どこまで相性いいんだこの2作品ww
517 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/11(土) 21:40:01.82 ID:q1nsqzvAO
契約といえば巴部屋での会合の時に、「契約とは何か」ザルヴァから子供達にちゃんと教えてやって欲しかったな。誰もわかってなさそうだし。
ひょっとしたらQBも理解していないのかもしれない。
奴の世界に契約なんてある筈ないし。人間の発明した概念の好都合な部分だけ学習したくさいな。
518 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/08/12(日) 10:52:00.63 ID:KFEvTtjjo
QBが人類に接触した頃には契約なんて概念なかったんじゃない?
むしろQBが人類に契約と言う概念を与えたのかも
519 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/13(月) 00:02:40.95 ID:M+QRW0ti0
ボナファルツを鋼牙にけしかけた神須川の言葉
「人間が道具を使い始めた時、ホラーの始祖は誕生したのだ・・・!」
まぁ魔戒の専門知識の欠片も無い素人の戯言と言ってしまえばそれまでだけど
この言に従うならホラーの誕生もQBが引き金ということに。
もっとも、QBの「僕らが地球に来なけりゃ君たちはまだ裸で洞穴に住んでたんじゃないかな」の一文が真実だという証拠はどこにも無い。QBお得意の口先三寸の可能性もある。
あと、巴部屋と聞いて相撲部屋かと思ったではないかどうしてくれる。
520 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/13(月) 03:11:30.42 ID:S3bLBGBqo
「それって……どういう……」
震える唇が、辛うじて言葉を紡ぐ。
命は答えず、笑みを深くするだけだった。
命の言う通り、恭介が交通事故に遭ったのは、人気の少ない雨の夜。
さやかの脳裏に想起される記憶。それは、恭介の事故当時のこと。
事故の知らせを聞いたさやかは酷く動揺し、学校はおろか日常生活すら手に付かなかった。
幸い、命に関わる重傷ではなかったものの、一時は食事や睡眠もままならなくなるほど、
さやかにとって彼の存在は大きかった。
さやかは面会可能になって、すぐに恭介の病室を訪ねた。
ベッドの上の彼は思ったより元気そうで、けれども包帯で覆われた左手の不安と悲嘆は隠せていなかった。
安否を確認したさやかは、取りあえず安堵の息をつき、彼の左手に心を傷めた。
となれば、次に気になるのは事故の原因。
それが恭介の口から語られた時、さやかは衝撃を受けた。
調査によると、運転手も目撃者も口を揃えて言ったらしい。
事故の瞬間、周囲には誰もおらず、恭介がふらりと出てきたと。
しかし、恭介は言った。誰かに背中を押されて車道に突き飛ばされた――と。
勿論そう主張したが、彼自身、前後の記憶がはっきりせず、また練習帰りで疲れていた為か断言できなかったそうだ。
その後の始末を両親らに任せてからは「何も心配しなくていい」と言われ、情報もほとんど入っていない。
ただ、相手側にも過失があり、自分の曖昧な証言はあまり考慮されていないようだ、とだけ彼は漏らしていた。
521 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/13(月) 03:14:06.92 ID:S3bLBGBqo
このことに、さやかは一片の疑いも抱かず憤った。
彼の命を奪いかけて、左手を奪った。
そんな人間が裁かれもせず、のうのうと暮らしているとしたら断じて許せない。
だが所詮、中学生にできることと言えば聞き込みが精々。
成果が出るはずもなく、何の助けにもならず今に至っている。
それでも、さやかは決めていた。
もし、その犯人がいたのなら。
いや、そうでなくとも、疑いがあるのなら。
どこまでも追いかけて、追い詰めて、如何なる手段を使っても真実を明らかにする。
恭介の前に引き出して、土下座させてやる。それくらいの心積もりだった。
彼女の想いは、怒りは、それほどまでに激しかった。
そして今、目の前に疑わしい人物がいる。
だというのに――。
身体は竦んで、一向に動いてくれない。捕まってもいない、触れられているだけなのに。
ただ小刻みに震え、視線を泳がせるだけ。
声も出せなかった。何かされた訳ではない。喉を塞いでいるのは恐怖。
問い詰めなければという思考はあるのに、頭の中で鳴り止まない警鐘が邪魔をする。
烈火のように燃えていた怒りも、刻み込まれた圧倒的な恐怖の前では風前の灯。
情けない、という自嘲すら吹き飛んでいた。
522 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/13(月) 03:15:50.72 ID:S3bLBGBqo
昨日あんな危険な場所で出会ったばかりの人間を、
何故もっと警戒しなかったのかと悔やむが、もう遅い。
彼女が何者であれ、さやかを如何様にでも料理できる状態にある。
空はとうに薄暗くなっていた。
また、夜が来る。
自分を呑みこんで喰らう闇が迫っている。
もう二度と遭遇したくないと思っていたのに。
ほむらとまどかに見捨てられ、マミはホラーの前に倒れた。
救いは来ない。
あの日の絶望が蘇り、心を覆い尽くす。
周りはこんなにも明るくて、こんなにも人が大勢いるのに、さやかは孤独だった。
辛うじて動く目で周囲を見回しても、彼はいない。
だとしても、ただ一心に、叫ぶように念じるしかできなかった。
あんな都合の良い奇跡、二度も起こるはずがないとわかっていても。
さやかは固く目を瞑り、繰り返し彼の名前を呼んだ。
――助けて!
絶体絶命の状況で頼れる唯一の存在。
闇を切り裂いてくれる魔戒の騎士の名を。
――助けて!! 冴島さん!!
523 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/13(月) 03:17:50.56 ID:S3bLBGBqo
強く心に想った瞬間。
ドンとテーブルが揺れ、左手首が温かい人肌に包まれる。
そ〜っと目を開くと、手首を握る何者かの手によって、命と引き離されていた。
弾かれたように、顔を上げるさやか。
だが、繋いだふたつの手を離したのは冴島鋼牙――ではなく。
見知らぬ男だった。
鋼牙と同じく、もう暖かい季節というのにロングコート。ただし、その色は白でなく黒。
歳はさやかより上だが、鋼牙よりは幾らか若く見える。
鋼牙と大きく違うのは、鋼牙が常にしかめっ面に見えるのに対し、
黒尽くめの青年は正反対に柔和な顔つきをしていた。
隣では、赤い髪の少女が腕を組んで睨んでいる。こちらは、さやかと同年代だ。
「お楽しみのところ悪いけど、ちょっと付き合ってもらえるかな」
命とさやかを覗き込み、男は言った。
飄々と、おどけた風な口調は、鋼牙とはほど遠い。
なのに身に纏う雰囲気は、どこか鋼牙と共通していた。
単に格好が似ているだけなのか、本能的に何かを感じていたのかはわからなかったが。
だからこそ、さやかは彼が救いの主だと期待していた。
その瞬間までは。
524 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/13(月) 03:18:57.29 ID:S3bLBGBqo
ちょっと夏バテ気味で、短くてすみません。できれば、お盆の間にもう一度
そういえば土曜日に、ニコニコで二期の一挙放送があるそうで、とても楽しみです
リアルタイムにはきつい時間で、TS期間も短いですが
525 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/13(月) 09:49:16.39 ID:kF56G1gAO
♪〜♪〜♪♪〜〜(零登場のテーマ)
零と杏子のアブナいコンビ、絵的に違和感ないですね。実写の人とアニメの人なのに…
夏バテお大事に。
526 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/13(月) 11:50:23.88 ID:M+QRW0ti0
乙であります。
黄金騎士かと思った?
残念!
(ここで絶狼の演舞シーン)
俺の名は涼邑零。またの名を・・・銀牙騎士・絶狼!
牙狼ってニコ向けな作品って感じですよね。
527 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/13(月) 18:14:53.93 ID:+mlRAj/SO
乙
やっぱり零だったか
しかし救いの主じゃないのか、いつの間にあんこちゃんとコンビみたいになったのか
一挙は23:00〜11:00とかいくら牙狼だからって、そんな時間にやらんでも……って時間だ
TSも翌日までみたいだしなぁ
528 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/08/14(火) 10:28:05.11 ID:gIyP0LMd0
零ktkr
なぜか杏子も一緒だし続きが気になりますな
529 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/08/15(水) 14:04:36.76 ID:VZArly9jo
ほう、さやかが魔法少女になる前に杏子に出会ったのか
この展開は新しいな、わくわくするね
530 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/16(木) 20:04:31.16 ID:bdVOLIVAO
零のニマニマ顔と杏子の心底不機嫌そうな仏頂面が目に浮かぶ。魔女もホラーも慌てて逃げ出す「地獄兄妹」と呼ぼう。
531 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/18(土) 23:08:14.49 ID:R7+xiHMjo
突然現れた二人組に、さやかは目を丸くしていた。混乱していたのだ。
謎や疑問が多過ぎて、何もかもがわからなかった。
まず、目の前の彼女は何ゆえ豹変したのか。
その正体とは。
そして、この二人の目的も。
男の名は涼邑零。
少女の名は佐倉杏子。
もっとも、さやかがそれを知るのはまだ先のことだったが。
この二人が敵か味方かも不明なのに頼っていいのか、とも考えた。
危機に晒されている今、頼る相手を間違えるのは死を意味するからだ。
だとしても、命よりは安全だと思えた。少なくとも、ただのナンパ男ではないだろうと。
さやかは直感的に判断した。
まず、普通は女連れでナンパはしない。隣の赤毛の少女が険しい目つきで、
明らかにこちらを睨んでいるのが気にはなったが。
また、何故と訊かれると答えに窮するが、彼には鋼牙と似たものを感じていた。
だから、今は信じてみよう。
「あの……」
と、声を出しかけるさやかだったが――。
「おっと、あんたに用があるのはあたしだよ」
佐倉杏子が手を掴んで引いた為に中断する。
少女とは思えない力で、有無を言わさず立たされるさやか。
532 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/18(土) 23:11:07.50 ID:R7+xiHMjo
「ちょっ――!」
咄嗟のことに抗議の言葉も間に合わない。杏子は強引に、さやかの手首を握って歩き出す。
ただでさえ混乱の最中、引きずられないように足を動かすしかなかった。
「いいから黙って付いてきなって」
と言われて黙っていられるはずもなく、軽い抵抗は幾度となく試みるが、杏子が耳を貸すことはない。
大人の男に無理やり手を引かれているなら助けもあるだろうが、それが同年代の少女である為か、
周囲は奇異の視線こそ送っても救いの手はなかった。
それでも、さやかが大声で求めれば、その限りではなかっただろう。
しかし、さやかはそんなことにも思い至らないほど状況に翻弄されていた。
中でも、最もさやかを混乱の渦に叩き落としたのは、杏子の乱暴な行動を零が咎めもせずに見送ったこと。
あまつさえ、笑顔で手を振ってさえいたことだった。
訳もわからず手首と足の痛みだけを感じていたさやかは、あっという間に物陰に連れ込まれた。
掴まれていた杏子の腕が、ぐるんと弧を描いたと思いきや、さやかの身体までもが180度回る。
「――っっ!」
背中を壁に叩きつけられ、苦痛の呻きを漏らすさやか。
左右と背後の三方は壁に囲まれ、光の世界と繋がる一本道は、杏子が塞いでいる。
想像とは違ったが、またしても闇に落とされたさやかは、為す術なく恐怖に怯えて――はいなかった。
「ちょっと、何なのよコレ! 何のつもり!?」
震えは完全に抑えきれないが、勇気を奮い立たせ、気丈にも食ってかかる。
抗えない腕力で以って、こんなところに連れてこられたのだ。勿論、恐怖がない訳ではない。
が、命のような得体の知れない恐怖が、杏子からは一切感じられなかった。
故に今さら、その程度で怯みはしなかった。
533 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/18(土) 23:12:09.19 ID:R7+xiHMjo
「んなもん、訊かなくたってわかってるでしょ?」
「……?」
さやかは無言で首を傾げた。
いくら記憶を探っても心当たりが浮かばない。彼女の顔に見覚えもなければ、恨みを買った覚えもない。
その反応をとぼけていると取ったのか、じれったそうに杏子は頭を掻き、そして答えを口にした。
「だからさぁ……あんたなんだろ、ホラーって化け物は」
534 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/18(土) 23:15:31.26 ID:R7+xiHMjo
短いですが、ここまで。続きは明日か明後日
一挙放送の前に一度はしておきたかったので
徹夜は辛いですが、どこまで見られるか
トークショー&上映会に行ってる方もいるんでしょうか
535 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)
[sage]:2012/08/18(土) 23:39:33.85 ID:DqW76qyQ0
いま、ニコニコで二期を生放送中だな
536 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/19(日) 06:03:27.89 ID:86LKNudh0
牙狼をすこししか知らない人も今回の生でじっくり見てほしい。
特に二期は騎士や法師の社会や世界観も沢山描写されているし鋼牙の過去もいろいろわかる。
537 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/08/21(火) 00:44:01.65 ID:A0yenPZto
終盤は意識が朦朧としてましたが、なんとか一挙は完走できました
本放送10時間、要所や好きな話をTSで6時間くらい MAKAI SENKI に浸っていました
コメントでは知らなかった設定などもあって、とても勉強になりました
ですが、それと体内時計が狂ったのもあって書くのが進んでおらず、もう少し時間を頂きたいと思います
538 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/21(火) 01:10:44.84 ID:jQ2bbxTt0
そういえばところどころまどマギに近いものを感じているととれるコメも散見されましたね。
ザジと闘った高速道路みたいな空間を見てワルプルギスとか首だけになったギャノンをみてマミったとか。
以前話題に上がった「牙狼はもともと魔法少女ものだった」というコメもありました。
「同胞」のラスト、
鋼牙→さやか
ヤマブキやアカネ→マミさん
ライゾン→シャルロッテ
って脳内変換すると胸アツなものがこみ上げてきました・・。
539 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/21(火) 01:21:04.10 ID:6PguHM6w0
>>537
自分は完走のつもりでしたが2時間くらい寝落ちしました…
新規の方が4割もいたのがすごく驚き。
TS見てると新規の方の方が映像の迫力に見入って徹夜…という感じでしたね。
何時か1期・白夜・RRもやってくれることを期待。
540 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/21(火) 01:22:16.93 ID:bGTLhHDSO
待ってる
ニコ生は深夜になっても立ち見だったから、盛況だったのかな
そういや、妖刀の最後で零が鋼牙と決着つけたがってたのに、結局フラグ意味なかったなーと思ってたけど、
実は妖刀→手紙の時系列で、手紙最初の手合わせがそれだった、ってコメントがあったけど本当?
541 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福井県)
[sage]:2012/08/21(火) 01:24:50.01 ID:tiGtpWkGo
7話とザジ戦と狼怒登場と列車のバトルとギャノン戦とラストバトルを5回ぐらいリピートしちまった
特に最後のシグマを斬るシーンは胸に来るものがあったなぁ
>>538
子供のころは逃げ惑うしかなかったライゾンを
あっさり倒した所は寂しさというか、虚しさというか……
542 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/21(火) 02:11:31.99 ID:jQ2bbxTt0
私は「仮面」くらいでギブアップでした・・・。あの時間はキツいww
いちおうTSで全部網羅しました。
他にも刻印ぶちこまれても構わずに鎧召還しまくってぶっ倒れた翼を
ジェム穢れまくっても戦いまくったさやかちゃんに重ねてみたり。
それと笑いまくるエリンネルグを見て「ワルプルwwwwww」的なコメがなかったのが意外でしたww
ところで、紫=シグマって「同胞」の時点で気付いた人はいますか?
543 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/21(火) 11:05:35.67 ID:0McM3hSAO
>>537
乙です。
書き手さんのSGの浄化…そして魔戒の魂の注入完了の事と思います。
投下楽しみにしてます^^
544 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/08/22(水) 02:38:38.85 ID:AItmZ4DQo
そいや妖刀何もなかったな
あの刀を使うシーンあっても良かったと思うわ
545 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/24(金) 00:38:38.79 ID:PuhI11bK0
今度の映画に出る新キャラ公式にupされたね。
新キャラの中の人がまさか過ぎるwwwwww
546 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/24(金) 10:25:42.56 ID:R+fy7GE60
今度の映画と聞いてまどマギのほうかと思って小一時間情報が見当たらなかった俺が通りますよ
同じタイミングで映画とかどこまで相性いいんだよこの2作品・・・ww
あまり牙狼以外で特撮見ないからわかんないけどカカシの中の人はそのスジでは有名な人なのか?
三騎とレオは確定でよかったが、邪烈やワタルが気になる・・・。
547 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/24(金) 22:53:01.40 ID:Yus3iXCUo
知らない人だと思って調べたらJURANか!
あんなチョイ役が映画の新役なんて予想もしなかった
548 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/25(土) 09:40:49.97 ID:fZjYTOPR0
ジュwwwwwwwwwwwwラwwwwwwwwwwンwwwwwwwwww
端役すぎて名前も覚えてなかったww
一期で言う木下ほうかだなww
「カオルちゃんこの服とかどぉかなあ(ハァハァ」→「冴島鋼牙など私の前では小僧同然(キリッ」
並の大抜擢ww
549 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/08/27(月) 02:19:12.36 ID:dQkwERJBo
難航していますが、明後日……には必ず
550 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/27(月) 02:46:40.23 ID:JUB/ns1AO
期待
ところでモロクは良いけど他の一期のホラーはバラゴに喰われちゃったから、もう他のホラーの復活は無いの?
バラゴは死んだからホラー達も解放されたのかな?
あ、バラゴもメシアに喰われたから駄目か。
でもメシアも鋼牙に撃破されたし…
復活ホラーも良いけど、前スレの触手ナイフの創作ホラーも凶悪で乙でした。
551 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/27(月) 06:18:41.23 ID:+9J7pTzAO
やっと追いついた…!
最低牙狼とまどマギを見たから凄くタイムリーなSSだ。
だいぶ前だけど、零が杏子に甘味をすすめるシーンは、零が逆に「食うかい?」言うのを見たかったwこのコンビ大好き。
552 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
:2012/08/27(月) 08:14:25.40 ID:+9J7pTzAO
↑×最低 ○最近
553 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/27(月) 16:12:03.75 ID:nhBakUqSO
>>550
モロクと同じタイミングで陰我消滅した魔弾ホラー・ボナファルツ、その前に倒された人魚ホラー・ハルは東の番犬所送りになっていないのでバラゴに吸囚されていない。
この三体以外はバラゴに陰我吸囚されたもよう。
554 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/27(月) 20:02:51.25 ID:q3Lp7kyI0
ちなみにRR終了時点で他にバラゴに吸囚されずに魔界へ送還されたのは
蜘蛛ホラー エルズ 白夜前編の冒頭で鈴を襲ったホラー
白夜の魔獣 レギュレイス 白夜の魔獣のボス。鷹鱗の矢を狙って閑岱を襲撃。
白蛇ホラー シュレイタン 妖赤の罠序盤にて閑岱を襲撃したホラー。
打無を追い詰めるも灼熱騎士ヤイバに倒される。
魔獣 バウル RR冒頭で烈花の魔界竜で封印された低級ホラー
魔塔ホラー ベビル RR冒頭で鋼牙に倒された使徒ホラーの一体。ホラー喰いのホラー。
魔鏡ホラー カルマ RRボス。魔鏡空間という結界の中に潜み、現実世界に顕現することはない
その他の使徒ホラー
なお、レギュレイスの僕・アオムシとカラクリは
レギュレイスの力で操られていた人間ないしホラーなのでノーカウント。
邪美を取り込んでいた魔界樹はホラーではない。
参考までに。
555 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/27(月) 23:16:33.22 ID:WMrVILuU0
>>554
クルスはどうなったんだろう。
アイツはアオムシ・カラクリと違って操られていた訳でもないし、パチンコだと「怨獣」なんて言われてたくらいだし。
ひょっとするとこれからの次世代黄金騎士に復讐しに来るかもな。
556 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/27(月) 23:26:44.48 ID:IGMEMyfSO
結局、
>>550
ってどうなんだろ
バラゴに喰われたホラーは完全に消滅したってこと?
それと前々から気になってたんだけど、ホラーって素体とかワラワラいるけど一種一体なんだろうか
あの全部に名前と性質と憑依後の姿がある?
557 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/27(月) 23:27:02.07 ID:q3Lp7kyI0
補足。
魔鏡の使途・クルスは鋼牙・烈花とともに魔鏡空間に突入、鎧を奪還し、牙狼となった鋼牙に陰我消滅された。
クルスは普通のホラーと違い、若い頃に亡くした恋人・シオンの面影が忘れられず、カルマと契約を交わし、シオンの黄泉返りとホラーの力を手に入れたいわば「ホラーに変身できる自我を保った人間」。
ちなみにクルス青年体の役者は「水槽」でハルに利用されていたパソコン青年と同じ。
老人体(本来の姿)は言わずと知れた中尾彬さん。
なぜか二期が舞台のCR魔戒戦騎鋼にて鋼牙と再戦することになるがそれは別の話ww
558 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/28(火) 00:05:39.55 ID:zTwA1b3G0
>>556
たしかオリジナルホラーと素体ホラーの2種が存在していて、人間に協力的でないその2種をまとめてプリズンホラーだったはず。
オリジナルホラー…元から姿が決まっている(メシア・レギュレイス・使徒ホラーなど)
素体ホラー…憑依する陰我によって姿を変える。
>>557
なるほど、勉強になったわ。
わざわざありがとう。
559 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/28(火) 01:26:48.35 ID:KZuj1XSSO
オリジナルはみんな高位のホラーなのか
じゃあバラゴに喰われたホラーと同じホラーが出たり、
同じホラーが二ヶ所に存在したりもできるのかな
560 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/28(火) 02:22:01.34 ID:vlQKyZlAO
コダマ、クルス、アオムシ。奴らイイよね!
長生きして、個性的な、2番手か3番手位の味わい深い強敵、というポジションが『まどマギ』本編にはいなかったな。本来闘争の物語じゃないしな。
このSSは戦闘描写が抜群だけど、やはり闘争の物語ではない、と思ってる。
続き期待です。
561 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/28(火) 20:06:46.19 ID:JDMhAyku0
肝心な奴を見落としてた。
飛翔ホラー ノウル。
素体ホラーが全身赤くなった低級ホラー。
特に攻撃もまともにできないまま陰我消滅となった。
・・・が。
こいつは鋼牙の幼年期、父・大河と修行の旅に出ていた頃、
おもちゃ売りのおじさんに憑依し鋼牙に歩み寄りおもちゃをあげるなどして近づいたが
戻ってきた大河に叶う筈も無く斬り倒された。
大河はホラーにまんまと騙された鋼牙の頬を無言で張り、魔戒騎士としてあってはならない「甘さ」を叱った。
こいつも一応バラゴに陰我吸囚されていないホラーの一体。
おそらく称号無しの魔戒騎士でも倒せる程度だと思うので復活しても鋼牙に指令が行くこともなかったのだろう。
なんでもないホラーに見えるが、鋼牙にとって初めて「甘さ」を悟らせたほらーではある。
ちなみにライゾンは「無力」を悟らせたホラー。
562 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/29(水) 02:17:53.21 ID:xDvK8blDo
「…………はぁ?」
思わず間の抜けた声を出してしまった。
まったく予想だにしない答えに、さやかの思考が止まった。言い返す気にもなれなかった。
ホラーというのは、一昨日自分たちを散々苦しめた、あの恐ろしい魔獣のことだろうか?
何故、どこから、そんな突拍子もない結論が出たのか。
「あくまでしらばっくれる気? ま、それでもいいんだけどさ……」
光を背にした杏子の表情は窺えない。ただ、小さく歯を覗かせている口元だけは見えた。
「ちょ、ちょっと待ってよ! 何であたしがホラーなんかに……」
「へぇ、ホラーが何か知ってるんだ。ますます怪しいね……。
こりゃあ、語るに落ちるってやつかな。もう化けの皮が剥がれたのかい?」
「だから、そうじゃなくって!」
駄目だ、まったく話にならない。
そもそも彼女は何者で、どうしてホラーを知っているのだろう。
魔戒騎士――いや、鋼牙が騎士には女はいないと言っていた。
となれば、魔戒法師とかいう騎士をサポートする存在なのか。
だとしても、おかしい。自分がホラーでないことは、さやか自身が誰より知っている。
魔戒法師にも見間違いや勘違いがあるのだろうか。
騎士にはザルバのような魔導具があるから間違いがあるとは思えないのだが。
彼女が何者か、それを知ったのは直後。
杏子が左手をかざしたかと思いきや、中指にはめた指輪から赤い閃光が迸った。
光は一瞬で棒状になり、先端には刃。そして光が散ると同時に、それらが実体を成した。
563 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/29(水) 02:23:37.86 ID:xDvK8blDo
手の内に生まれた槍は、迷いなくさやかの鼻先に突きつけられた。
杏子は不敵に微笑み、さやかは身を強張らせる。
しかし槍の恐怖よりも、驚きが勝っていた。
何故なら杏子が見せた現象、その光には思い当たる節があったから。
「ほら、さっさと正体を見せなよ。そしたら、あたしが切り刻んでやるさ」
「まさか……あんたも魔法少女!?」
さやかの知る限り、そんなことができるのは魔法少女か魔戒騎士だけだが、騎士とは少し違う。
何より、何度か見たマミの戦闘と酷似していた。
「……魔法少女を知ってんのか? まさか、あんたも?」
「あたしは違う……。違うけど、巴マミって人に助けてもらって……
キュゥべえに素質はあるって言われたけど、契約はまだ……」
「巴マミ……」
杏子が噛み締めるように復唱する。
呟きは重く、そこに複雑な思いが秘められていると、さやかにも漠然とだが読み取れた。
知り合いか尋ねようとしたが、それより早く杏子が遮る。
「あんた、名前は……?」
「美樹……さやか」
問われるがままに答えると、杏子は槍を引いた。
これで当面の危機は去ったのだろうか。
ほっと息をつこうとしたのも束の間。
564 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/29(水) 02:33:53.41 ID:xDvK8blDo
ヒュガッ――と、槍が耳を掠めて、顔の真横に突き刺さった。
コンクリートの壁を深く貫いた槍は、目にも留まらぬ速さで繰り出され、遅れて風圧が髪を煽る。
髪の毛の何本かが切断され、はらはらと地面に落ちても、さやかは震えることもできず硬直していた。
ほんの僅かな身動ぎで、鋭利な刃と頬が触れて血が流れるだろう。
「もう一回確認しとく。ほんっと〜に、ホラーじゃないんだな?」
低い声音が、鋭い眼光が、さやかを射抜く。
不意を討たれ、さやかは完全に縮み上がった。
粟立つ肌。
涙で滲む瞳。
そこに揺れる不安。
視線に射竦められながらも、自らが生き残れる選択肢を必死に模索してもいた。
この二日間の経験の賜物だろう。
特に一昨日潜った死線に比べれば、まだ辛うじて精神的余裕があった。
ホラーだと言えば勿論、答えなくてもホラーと見なされるかもしれない。
ホラーなんかじゃない、そう答えても殺されるかもしれない。相手は頭から疑っているからだ。
さやかは考えに考え、ゆっくりと、しかしはっきりと首肯した。
杏子の眼を見据えて、人間だけが持てる強靭な意志の光を示す。
目が合ったまま、数秒。
槍が、引き抜かれた。
杏子は背を向け、槍を一振り。たった、それだけの動作で、槍が跡形もなく消滅した。
今度こそ、危機は去ったのだと悟る。
565 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/29(水) 02:40:57.56 ID:xDvK8blDo
極度の緊張から一転して解放へ。
安堵するや否や疲労が押し寄せてきて、さやかはへなへなとその場に崩れ落ちた。
「どういうことだ、おい……まるで話が違うじゃねぇか……」
へたり込むさやかに目もくれず、杏子は口元を押さえブツブツ何事か呟く。
誰かに語りかけているのではなく、思考が口から垂れ流しになっている。
しかも、本人はそれに気付いていない。
「まさか……!」
やがて、杏子の目がカッと見開かれた。どうやら彼女の中で何らかの結論に至ったらしい。
いったいどんな心の動きがあったのか。
さやかには知る由もないが、ひとつだけ確かなこと。
彼女は今、猛烈に怒っている。凄まじい怒りに震えている。
その顔は真っ赤な髪より赤く染まっていた。
「ぁんの野郎ォッッ……!!」
杏子がやり場のない握り拳を壁に叩きつけると、鈍い音と共に分厚い壁が砕けて欠ける。
腫れた拳の痛みで少しは冷静さを取り戻したのだろうか。さやかを振り向き、
「……悪かったね」
と、ぶっきらぼうに言い放つなり、杏子は走り去った。
振り回すだけ振り回して去っていった杏子を見送るさやかは呆然自失。
いつも突然に遭遇しては、状況も飲み込めぬ間に翻弄され、気付いたら終わっている。
ここ最近の災禍は、まるで嵐のようで、命があるのが不思議なくらいだった。
さやかは暫く呆けていたが、いつまでもこうしてはいられない。
のろのろと立ち上がり、汚れを払い、元いた店に戻る。
警戒しつつ物陰から覗き込むと、そこには命も零の姿もなく、
さやかの荷物一式と転がったイス、テーブル上には楽譜だけが置かれていた。
566 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/08/29(水) 02:49:26.45 ID:xDvK8blDo
短いですが、ここまで。できれば明日にでも、もう一度
たくさんのコメント、いつもありがとうございます
正直、知らない知識もあったりで、とても参考になります
つきましては、陰我消滅と陰我吸囚、という言葉について教えていただけませんか?
想像はつくのですが、ググってもそれらしい意味が書いておらず、どなたかお願いします
567 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
:2012/08/29(水) 08:22:26.10 ID:9OMKog+AO
あってるかは分からないけど一応。
・陰我消滅
文字通り、牙狼の中で語られてる「陰我」が消滅する事。
10年に1度(うる覚え)の夜に一時的に現世から陰我が全て消える時があり、これは「陰我消滅の夜」(晩だったかも)と呼ばれ、魔戒騎士にとっては唯一の休息の時である。
もしくはパチンコの初代牙狼のライトver「陰我消滅の日」を指してる。
・陰我吸囚
陰我を体内に取り込む(吸収する)事。無印でバラゴがやってたホラー食いがまさにコレ(1000体のホラー食ったらメシアが云々)
でも映像作品の呀鎧伝にこの用語は出てきてないのでこれも初出は多分パチンコから。
パチンコではホラーを倒すと、陰我吸囚によってそれに対応した新しい技を体得する。
ガリウス→百刀剣乱
ブレイド→邪双交撃
融合ホラー→大魔獣陣
哭竜→牙皇降臨
魔戒樹→闇血邪剣
その他倒した数によって→邪霊幻身、漆黒墓石とか
どうでもいいけど漆黒墓石のネーミングがもうちょっとどうにかならなかったのか。
568 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
:2012/08/29(水) 11:47:43.07 ID:u/uM1K6S0
乙であります!
さやかちゃんと杏子ちゃんの初顔あわせも本編よりずっと良好ですね。
間違いなく魔戒騎士たちが運命を変えてくれている。
こういう恨みを買うことで危険から守るという方法も零っぽい。
すいません、調子に乗って使いすぎちゃいました。
呀とバラゴは分離し、陰我吸「収」ではなくて「囚」というところから、
バラゴの体内にではなく呀のデスメタルの鎧にホラーの力を囚えていたのかも。
いかに翼人牙狼の力とはいえ、1000体のホラーを喰った呀とどちらが強いかといえばはっきりとは言い切れないので
メシアにああもあっさりと捕食されたのはホラーを喰いすぎたからという説も考えられますね。
569 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/29(水) 11:48:30.66 ID:u/uM1K6S0
sageを忘れました・・・。
570 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/29(水) 12:01:08.20 ID:RmgM0V7AO
乙です。
陰我消滅=ホラーを倒す事。
ホラーは殺害できないので封印して魔界に強制送還する。送還されたホラーは当分動けない。
陰我消滅の夜=10年だか100年だかに一度の、何故か陰我が作用しなくてホラーが活動できない日。阿門法師の登場回。
陰我吸囚=ホラーを生きたまま取り込み自分の力にしてしまう。ホラー喰いと呼ばれる強力なホラーに可能な荒技。
これができる人間を暗黒騎士とかホラー喰いの騎士と呼ぶ。
ホラー喰いが倒された場合、吸囚されていたホラーがどうなるのか?晴れて解放されるのか、ホラー喰い諸共消えてしまうのか、よくわからない。
こんな感じでしょうか?
571 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/08/29(水) 14:58:03.40 ID:AwRR02cAO
乙ー
陰我消滅は「お前の陰我、牙狼が断ち切る」ってことなのかね
吸囚は語られてないし喰うとしかわからないね
572 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/08/29(水) 19:16:09.38 ID:u/uM1K6S0
連投ぎみですみませんが
陰我消滅の晩について補則を。
20年に一度の周期で訪れる魔戒騎士安息の日。
この日のみホラーが魔界からやってくるのに必要なゲートが一切出現しない。
作中では二回訪れている。
一度目は小説版にて。
時期的にはバラゴが大河のもとを去っていった後。
そのことに大河はだいぶ参ってしまい、鋼牙を鍛えることをやめようとさえ思ってしまうが、
阿門法師のもとにバルチャスの勝負をしに行き、バルチャスの真の意味を知ると共に師匠としての自信をとりもどした。
鋼牙はまだこの頃は世間で言えば小学校にあがるかあがらないかくらいの子供。
二度目はみなさんご存知一期「赤酒」。
20年に一度しか「完全な」休日は無い(しかも晩のみなので昼間のゲート潰しはやらなくちゃいけない)ことからも
魔戒騎士の壮絶さがわかりますね。
573 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/08/31(金) 23:05:29.74 ID:h4jPE92AO
頼むぞ銀牙騎士!(゚ワ゚=)
574 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/09/01(土) 03:00:44.21 ID:P4LJMlH5o
皆さん、ありがとうございます
晩じゃない陰我消滅など、wikipediaや小説、本編で出ていない単語は補完が難しいので助かりました
陰我吸囚されたホラーはどうなるのか……とりあえず復活できる方向でいきたいと思います
創作ホラーはイメージを伝えるのが困難ですし、魔法少女と戦わせてみたいホラーもいっぱいいますし
やっぱり無理、というソースがありましたら、またご指摘いただければ、
なんとかこじつけられないこともない理由を考えています
個人的に牙狼で一番お気に入りの敵もホラーじゃないですが、どうにかして戦わせたいと思っていたので
明日と書いたのですが、手こずってまして、日曜には必ず
575 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/01(土) 17:27:15.64 ID:dDSFoWMAO
魔戒騎士と戦って欲しい魔女って考えたけど、どいつと対戦しても楽勝の画しか浮かばん。『誰でもない魔女』くらいになれば少しは苦戦するか……いや鋼牙なら誰も犠牲にせず勝ってしまうに違いない。
>>1の創作魔女も見たいなあ〜なんて←横目チラ
576 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/09/03(月) 01:57:17.71 ID:cjJ5eeRJo
*
遡ること約三十分。
涼邑零は屋外に並べられたイスに腰掛け、ひと時の休息を楽しんでいた。
流行りの店だけあって人は多いが、男の一人客は彼だけである。
だが、まったく気にする様子はなく、テーブルにはケーキやパフェが所狭しと並んでいた。
『相変わらず、甘い物ばかりよく食べるわね。それも二日続けて。
そんなに燃費の悪い身体でもないでしょうに』
零の左手首のアクセサリが、小声で囁く。
母親のような口調で零をたしなめるのは、魔導具シルヴァ。
シルヴァの言う通り、零がこの店を訪れるのは、二日連続。
そして、その時もテーブルには色とりどりのデザートが散りばめられていた。
甘い物嫌いでなくとも胸焼けを起こしそうな、普通の人間には明らかな糖分と脂肪の過剰摂取。
しかし零は、常人の数倍の運動量を日々こなし、肉体の造りからして異なる魔戒騎士。
必ずしも過剰ではない。
他に必要な栄養も摂っており、その証拠に彼の身体は体調を崩すことも、
贅肉を蓄えることもあり得ない鋼の肉体。
その点は、何年も行動を共にしているシルヴァは心得ている。
それでも、たまにこうして難色を示すことはあったが。
また、甘党である零だが、そう毎日毎日、甘味を必要としている訳でもない。
では何故、零は今日もこの場にいるのか。
夜を迎える前のささやかな休憩と補給。それもあるが、本来の目的は他にある。
シルヴァの小言に、またひとつ皿を空けた零が苦笑しながら答えた。
「少なくとも、誰かさんみたいに安い菓子で口寂しさを紛らわす必要はないけどな」
577 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/09/03(月) 01:59:34.87 ID:cjJ5eeRJo
『ふぅ……、そんなこと言っているから来たようよ、その"誰かさん"が』
シルヴァが言ったのと、ほぼ同時だった。視界の遠くに赤い髪が躍る。
近くまで来ているとはシルヴァに聞いていたが、意外に早かった。
彼女もこちらに気付いたらしく、急速に向きを変えて疾駆する。
土煙を上げる勢いで迫ってくるのは佐倉杏子。昨日、零と戦い勝利した魔法少女だった。
「テメー……こんなとこにいやがったのか!」
真横まで飛んできた杏子は開口一番、牙を剥く犬のような形相で握り拳を振り上げる。
一応、勝利したのは杏子だったものの、その勝利は望む形とはほど遠く、
逆に彼女の自尊心を著しく傷つけたらしかった。
その様子から察するに、昨夜から今日の日中に掛けて零を探していたのかもしれない。
しかし、まさか決闘の後に同じ店に戻り、しれっと翌日も通っていたとは思わなかったのだろう。
それはつまり、零が杏子を警戒していない、逃げも隠れも必要ないと言ったも同然。
杏子が激怒するのも頷けた。
「待った、あんこちゃん」
問答無用に振り下ろされた拳を、零はスプーンを持たない左手で制止した。
だが止められてもなお、憎い男の顔面に食い込まんと激しく暴れる。
魔法少女の腕力を受け止める手にもまた相当の力が加わって震えるが、零は表には出さない。
故に周囲の人間は気付かない。
その小さな拳が直撃すれば容易く骨を砕き、歯の数本もへし折る力を持つ凶器だと。
魔法少女の拳を受け止める騎士と、魔戒騎士の力と拮抗する少女。
どちらも常識の埒外にあると。
578 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/09/03(月) 02:02:10.67 ID:cjJ5eeRJo
「場所を考えろよ。こんな場所でやり合っても騒ぎになって邪魔が入るだけだぜ?」
「言っただろ。もう、そんなことはどうだっていいんだよ、あたしは」
それは嘘ではないだろうが、まだ脅しの段階だ。杏子が槍を出すかどうかは、零次第。
彼女は言葉使いや態度こそ粗暴だが、なかなか頭は切れる。
零としても、今こんなところで騒ぎを起こされるのは面倒だった。
杏子より誰より最優先すべき使命、その為に自分はここにいるのだ。
「取りあえず座ったら? 話くらいは聞くし。
俺は、あんこちゃんと戦わないとは言ってないよ」
杏子の拳から僅かに力が抜けるのを感じた。
零はもしもの事態に備え、全身の神経を集中させながら、包んでいた左手を広げた。
杏子は右手を引っ込めつつ、向かいの席にどっかりと腰を下ろす。
「上等じゃん……。だったら聞きたいね。いつ、どこで、あたしと戦うつもりなのか」
「まぁ、まだ時間はあるさ。とりあえず食うかい? 何でも好きなの、取っていいよ。
もちろん、俺のオゴリ」
笑顔でデザートを勧める零。対する杏子は不機嫌そうにそっぽを向き、
「いらねーよ! いいから、さっさと本題に入れっての」
などと言いつつも、視線はテーブル上を彷徨っている。
内心では興味を引かれているのは誰の目にも明らかだった。
もっとも、直接それを指摘すれば杏子はへそを曲げてしまうだろうが。
「そっか。頼み過ぎちゃったからなぁ。じゃあ残すしかないかな」
579 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/09/03(月) 02:19:05.87 ID:cjJ5eeRJo
その一言を零が発した瞬間、空気が変わった。
どうやら、一言でも杏子を刺激するには充分だったらしい。
「テメー……」
杏子は静かに身を乗り出し、零の胸倉を掴む。声こそ荒げていないが、彼女の怒りは本物だ。
昨日、挑発した時もそうだった。嵐の前触れのように穏やかになっているのが、逆に危険信号なのだ。
その髪は赤く、しかし表情は青いまでに白い。
青く静かに燃える炎。
今の杏子を表現する最適の言葉。
その青い炎に間近で晒されても、零は薄い笑みを絶やさなかった。
「ぶっ殺すぞ……あたしは食い物を粗末にする奴は許せねーんだ……!」
テーブルにはまだケーキ、プリン、タルトなどなどが大量に残っている。
どれもこれも、まだ手も付けられていない。ドロドロに溶けたアイスなど、残っても捨てられるだけだ。
大量に頼んでおいて半分近くを残すなど、杏子でなくとも眉をひそめる行為。
ただ彼女の場合、他にも隠された何かがある。零に対する怒りも、そこから来ている。
その何かの正体に朧気にでも気付いていながら、敢えて零が口にしたことも杏子を駆り立てていた。
「だったら、あんこちゃんが手伝ってよ」
と、零は胸倉を掴まれたまま、しゃあしゃあと言ってのけた。
あからさまな挑発。が、単なる挑発ではない。
彼が無意味にこんなことをするはずがないと、杏子もまた見抜いたのだろう。
でなければ、とっくに槍を握り、零に向けている。
だからこそ、企みに乗るのは癪と考えた。怒りよりも、いいように動かされる方が気に食わないと。
その証拠に杏子は零を睨んで動かない。零も口を開かない。
そして、先に折れたのは杏子だった。
580 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/09/03(月) 03:30:37.55 ID:cjJ5eeRJo
今回はここまでです
実は今回の投下で他の方のスレに誤爆してしまった為、暫く反省して書き溜めに専念しようと思います
読んで下さっている方にはご迷惑おかけします
週一回の更新を心がけてきましたが、このところ細切れにしか投下できませんでしたので、
十分な量を準備して万全の態勢で再開したいと思います
581 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/03(月) 11:49:39.05 ID:e+yZvIMAO
乙。
杏子が登場するとスピード感が変わるな。シルヴァも久しぶり。
続き♪続き♪♪
582 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/04(火) 12:25:21.28 ID:JdHStDNA0
乙であります
そりゃ零くんも蒼き炎持ってますものww
なんでしょう。もし杏子ちゃんが鋼牙vsシグマの最終決戦の場に居合わせていたら
怒り突き抜けて魔女化しそうな勢いですね・・。
583 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/04(火) 15:37:21.83 ID:2RSRpchAO
>>1
乙
杏子ついに甘味を食べるか?
>>582
なんでだと理由を考えたら開幕の料理ぶちまけかwww
584 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/04(火) 20:08:59.53 ID:JdHStDNA0
≫583
一般人でもあれは引くww
人一倍食物に対して真摯な杏子ちゃんならどうなるか想像もつかないww
ゴンザさんに「なりませんっ杏子様!」とか言われてなだめられそう・・ww
585 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/04(火) 23:59:01.42 ID:etfO3KsAO
>>584
ゴンザの心尽くしの料理台無しで激昂する杏子
「鋼牙ぁーっ!シグマぁーっ!手前ぇらふざけてねえで降りてこい!2人ともあたしがブチのめしてやる!!」
「なりません杏子様っ!」
「!」
「お命の方が大事です!さあ、こちらへ」
「」シュン
「うわっ、ひええ〜〜〜っ」←屋敷崩壊
「ゴンザぁーっ!!!」
…何だろう。あんま違和感無いふたり。
586 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/05(水) 00:22:10.38 ID:6hJctIS+0
マミさんと杏子ちゃんは親が死んでるから冴島邸でお世話になっててもおかしくないなww
@冴島邸でゴンザさんやカオルとしあわせ家族
A零君&シルヴァ姐さんと廃墟暮らし
B閑岱大家族
三騎家族はどれも楽しそうね
ところでレオは普段どうしてるんだろ。ゴウキさんはもう故人だし。
お家も豪邸だし布道家当主として結構忙しいのかな。
587 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/05(水) 06:53:11.05 ID:D+10B+ZAO
>>585
なんでだろう、俺は鋼牙とシグマが杏子の前で正座させられて小さくなってる図が浮かんでしまった。
>>586
それとも元老院に泊まり込みとかじゃなかろうか
588 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/05(水) 20:36:20.49 ID:Auyaca+AO
>>587
杏子「跪いて懺悔しろゴルァ!!」
ゴンザ「ままま、お二方とも十っ分反省なさっているようですので、どぉ〜かそのへんで…」
カオル「ちょっww鋼ww牙ww?」
邪美「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」携帯パシャ
シグマ「ぐぬぬ」
レオ「……じゃっ、じゃ〜僕はこれで…(見てはいけないものを見てしまった気が…)」
鋼牙「むっ、ガジャリが呼んでいる」
杏子「うそつけ!!」
鋼牙「ホラーの気配が」
ザルバ『しねーぜ?』
589 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/05(水) 20:48:31.48 ID:6hJctIS+0
≫588
赤酒吹いたwwwwwwww
牙狼もまどマギも総じて重いからそういうギャグっぽいのは貴重だなww
その杏子ならワルプルだろうがメシアだろうが呀だろうがレギュだろうがカルマだろうがギャノンだろうが勝てる気がするww
590 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/09/05(水) 22:06:11.05 ID:jC6OWZpDO
>実は今回の投下で他の方のスレに誤爆してしまった為
めちゃくちゃ面白いよな、セイバー×禁書
見ててビックリしたwwww
一瞬
>>1
があのスレも!?とかビビったよ
591 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/06(木) 11:07:27.18 ID:7DG4+EZAO
>>588
この邪美もはやさとうやすえ本人だろコレ
そしてガジャリとホラーすらダシに使おうとする鋼牙さん必死すぎワロタ
592 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/06(木) 23:45:58.90 ID:OlpuwbdV0
すごく局地的で申し訳ないけど
今夜チャンネルNECOで雨宮監督の「ゼイラム」が2時半からやる。
よく「レギュレイスがゼイラムに似てる」とかいう声を聞くし
ゴンザさん役の蛍雪次郎さんも出るからもし受信してる人あらば見てみるといいかも
・・・かく言う俺も見たことないんだけどねww
牙狼のルーツを探る意味でも、ね。
593 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/07(金) 01:39:11.21 ID:32VznKHAO
>>592
若々しいゴンザさんが、煙草吸ったり、競馬に興じたり、停滞空間で氷漬けになったり、触手プレイ強要されたり、ユンボ運転したり、感電してホネが透けたり、八面六臂の大活躍します。でも彼がいなくても映画的には多分成立する(笑)。
見れる人は必見でしょう。
594 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/07(金) 23:56:43.47 ID:5Q2WRDnG0
≫593
うん、だいたいあってたww
確かにレギュレイスはゼイラムだった。
そして桑折さんを殺した号竜でもあった。
にしても雨宮監督本当に魔導列車についてた仮面みたいなやつ好きだな・・・ww
595 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)
[sage]:2012/09/09(日) 00:06:09.39 ID:8UEgqx0/0
>>586
劇中で両親の所在が一切不明なほむらも孤児という可能性があるね。
魔戒騎士のお世話になるとしたら、レオの助手見習いになって号竜やその他魔導具の使い方を勉強してそう。
>>592
「鉄甲機ミカヅキ」もおすすめ。
こちらでは今よりちょっと若いゴンザさんがキャバ嬢に貢ぐ防衛隊員として登場するww
596 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/09(日) 10:21:16.10 ID:oOdnWPDI0
≫595
なんというか、まとめて鋼牙に見せたいなww若かりし日の自分の執事を見て何を思うのか鋼牙ww
もし零と杏子がいっしょに暮らしてたら
杏子「あれ?おい、いつまで寝てんだよ。おーい。(ゆさゆさ)」
杏子「どういうことだオイ・・・こいつ死んでんじゃねーか・・・!」
※月に一度の魔導輪ご飯の日です。
597 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/09/09(日) 14:36:56.26 ID:XQYSbhxio
ほむらは小説版だと両親についての記述があるね
入院してばかりで両親に負担をかけてて申し訳ない、みたいな
598 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/09(日) 19:53:19.93 ID:/44EES8AO
>596
『汚い手で触らないで貰えるかしら、お嬢ちゃん?今日1日、ゼロは私の・モ・ノ・よ♪』フフン
「Σ#なん……だと……!!?///=3」←突然の事に一気に噴き出しそうになった色んな感情が入り混じった複雑な表情
冴島家より零のボロ屋敷の方が溜まり場には良さそうだ。橋の下よりはましだろう。
「…女子厨学生連れこんだって通報されますたワロスww」
『ゼェーロ?』ウンザリ
599 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/09(日) 21:31:13.06 ID:oOdnWPDI0
≫598
大丈夫、零はその窮地を「妹です」の一言で一度くぐっている。
杏子「(一通り事情を聞いたあと)やっぱどこも契約は命払うんだなー・・。ま、あたしは一括で払ってるけどサ。」
シルヴァ『まぁ、無責任な業者だこと。』
杏子「口に合うかはわかんないけど、これ食うかい?【グリーフシード】」
≫595
時を同じくして
ほむら「レオ法師、魔導火を利用した時限爆弾を作りたいのですが・・・」
600 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/10(月) 02:22:33.19 ID:vbJeGbrAO
ところで音楽面ですんごい贅沢してる事で知られるGAROシリーズですが、MAKAISENKI第23話『金色』で一般魔戒騎士さん達が押し寄せる感動的なシーンで流れる曲が偶然と思えない程『QB営業のテーマ(通称)』とそっくりな事に皆さんは気づいていらっしゃるの…?
601 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/10(月) 02:39:48.77 ID:R+Hh8GMA0
レッドレクイエムのサントラに収録されてる「援護」って曲ですね。言われてみれば確かにソックリだwwこんなところでも似てるのか・・ww
602 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/10(月) 08:27:26.70 ID:Pf4TA56AO
>>599
「魔界の力は人に仇なす魔物を打ち破るためのもの。ですが、一歩間違えれば人に危害を与える諸刃の剣です。それを忘れないで下さい」
「…レオ法師だって、魔導筆や号竜に魔界の力を使っているじゃないですか!私の爆弾は人に危害を与えたりしません!」
MAKAISENKI第3話「車輪」参照。
うん、これだと後でほむほむが手榴弾で自爆しようとする画しか浮かばない。
603 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/09/10(月) 09:10:54.37 ID:r7mjdV1j0
なにも問題ないはずなのにレオ法師という呼び方に違和感を感じてしかたがないwwwwww
魔戒法師だからおかしくはないはずなのにwwwwww
604 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/10(月) 09:46:45.03 ID:R+Hh8GMA0
鋼牙が阿門法師や我雷法師はもちろん、アカザとかラテスも法師づけで呼んでたから年上とか目上の法師はそう呼ぶんだろうなーって思ったのさww
605 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/10(月) 12:49:17.91 ID:vbJeGbrAO
>>602
レオ「……///(レオ法師…法師…法師…)」←嬉しい
我雷「こりゃ新米!」ゴチン
ほむら「ホミュッ!」
我雷「お主が号竜や魔導火に触るのは10年早いわ!はよ修練場に連れて行け。レオも何を油売っちょる!」
レオ「すすすいません」
黄花・満寿「いくわよ」
ほむら「はうあう」ズルズル
鈴(18)「今日も明日も明後日も基礎・基礎・基礎訓練よ。魔戒語の課題も溜まってるようね」ニヤニヤ
ほむら(うう…小学生と筋トレきついよう……先輩こわいよう…)マドカァー
QB「やれやれ暁美ほむら、君は本当にバカだな」
我雷「おやこんな所に霊獣が」ムンズ
QB「キュッぷぃ!?」
ほむらは閑岱でメガほむに戻ってしまったようです。
606 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/10(月) 13:14:59.55 ID:R+Hh8GMA0
≫605
なにこの可愛いほむほむww
でも魂を肉体に戻したり強くなれる道があるならめげずに頑張れそうww
翼「見所のある娘だな。」
ゴルバ『実に我武者羅じゃ。』
邪美「あの娘には守りたいものがあるのさ。」
マミ「頑張るのよ、暁美さん!」
一方その頃まどかは・・・
まどか「もし魔法少女になったら、こんな服がいいなあーなんて・・。どうですか?カオルさん・・・。」
607 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/11(火) 15:59:02.44 ID:7RjfmkKAO
【コネクト】の歌詞がカオルが主人公な気がしてきた。
【マギア】を聴いてると邪美と烈花の演舞が浮かぶんだけど、歌詞はシグマの主題歌みたいだな。
どっかにそんなMAD動画ありそう。
608 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/13(木) 02:19:23.61 ID:U8c11auY0
コネクトはカオルと鋼牙のイメージソングって感じ。
振り返れば仲間がいて〜のところのシンクロ感が鳥肌過ぎて涙腺がやばかった・・。
マギアはシグマと鋼牙って感じだ。
仲間を殺されて強くなりたいと願った二人の友の分かたれた道って感じ。
609 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/13(木) 06:11:23.64 ID:pyhb/SaAO
>>608
oh……鋼牙×シグマ最終戦で【マギア】に盛大にかかって欲しくなってきた!!!
そして鋼牙が鎧の中にカオルを受け入れる場面で【コネクト】だ!
(´;ω;`)…ホムッ!
この曲、まどマギ本編の展開すら知らされずに作詞作曲されたそうだが、このシンクロぶり、どういうことなの……
んで、この流れで【マミのテーマ】(通称)が似合いそうなガロの名場面を考えてみたけど、一個も浮かばないってどういうことなのマミさん(笑)
610 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/13(木) 11:59:54.31 ID:U8c11auY0
≫608
魔戒騎士には合わないし邪烈もテーマソングあるからね。
ここは牙狼が誇る魔法少女の鈴ちゃんが一人前になって鋼牙たちを救援しに来るシーンまでお預けってことでww
翼「最近鈴が法術を打つときに呪文を唱えるが・・・ティ・・・ティロ・・・?ゴルバ、これはどういう意味の魔界語だ?」
ゴルバ『わしにもわからん。』
逆にちょうどまどマギ1巻をレンタルしてきたから
マミさんvsゲルトのシーンで一期のOPやセイバーインザダークのテレビサイズを流してみたら
これがまたピッタシww
一種の処刑用BGMだったww
・・・「ウォーオーオオオオオー♪」や「ガロォー♪」の所でトドメになるまで何回も微調節したのは内緒だww
611 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/13(木) 12:03:12.37 ID:U8c11auY0
間違えた、≫609だww
612 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/09/15(土) 00:06:00.14 ID:DJfHZbtSo
>>609
マミさんのテーマが似合いそうなシーンは、白夜の序盤で鈴が調子に乗って絵にキズつけちゃう所じゃないか?
で、キズが付いた瞬間に音が止まる
613 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/09/15(土) 11:46:31.70 ID:Z5cjxh1uo
>>610
鈴がQBと契約だと!?
614 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/15(土) 17:11:11.01 ID:X7MDWu0AO
>>613
なんか白いコート着て槍持った残念なイケメンが走っていったぞ
615 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/15(土) 17:28:08.62 ID:4VAr+85S0
一方その頃我雷法師に捕まったQBは・・・。
616 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/15(土) 20:11:14.30 ID:SSjy669AO
>>612
「あっちゃ〜…気まずぅう〜い」「鋼牙にガッツリ睨まれてフォローしようがねー。いやマミがじゃなくて鈴がだけど」「でもマミにピッタリ過ぎて気の毒な位だわ」ヒソヒソ
「……うん知ってた。私のテーマソングが浮いてるって(グス)…確かにピッタリね…この場面だけ…私のテーマソング…(アハハ)」←暗黒笑顔
「こんなのってないよ…誰かマミさんを救う事が出来る人はいませんか。助けて魔戒騎士!」
壁‖ω°)……
617 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/15(土) 20:36:29.01 ID:4VAr+85S0
だ・・・大丈夫だ、マミさん!
えーっと・・ホラ、メシアとの最終決戦の時のカオルが翼人牙狼の絵を描くシーンとか似合うじゃない!
あと、セイバーインザダークの入りが神すぎるからとっさには気付かなかったけどvsハンプティの時に流してもピッタリだよ!
マミさんのテーマソングは希望たっぷりの聖歌だから浮いてるんだよ、きっと!
618 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/16(日) 00:14:27.13 ID:jbjFgp4AO
シグト「俺マミちゃんのテーマソング超好きっすよ〜ww」
619 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/18(火) 20:35:15.32 ID:74J/bpkAO
書きため待ってるよ〜!
620 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/18(火) 21:19:35.14 ID:KA+SMnCA0
赤酒呑みながらバルチャスして待とうぜ
ベタに牙狼マギ最強談義でもするかい?
621 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/19(水) 06:16:21.21 ID:DqQcmMyAO
>>617
solti ola i♪
amaliche cantia masa estia〜♪
e sonti tolda i♪
emalita cantia mia distia〜♪
……………………………
「ふぅ……何と申しましょうか…心が洗われて新たなファイトがモリモリと湧いて来ますような、美しく暖かい曲でございますねぇ…」ニッコリ
ダイハクシュ-!
「す、すごいね、すごく素敵だったね、ほむらちゃん!」「え、ええ…そうね(男性が歌うとこんなに印象変わるのね…)」「ベルカント唱法……マジで何モンだこのオッサン!?」「あれ、どしたんだろアタシ?目から水が…」
「…………っ!////」ウルウル
「 ゴ ン ザ 、 騒 々 し い ぞ 」
「はっ、申し訳ございません鋼牙様!」
「「「「「…」」」」」
622 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/19(水) 09:20:43.89 ID:1ksqOkJA0
≫621
まさに 黄金騎士
この鋼牙は一期ないし白夜の鋼牙だなww
二期の鋼牙はいろいろ丸いww
『とかなんとか言って、聞入ってたようにも思えたが?』
「うるさい。指令だ。行くぞ(若干目が泳ぐ」
△陰我消滅△
『おい鋼牙、あんな低級ホラーになぜあんな大技を使ったんだ?』
「(頭の中であの曲が流れた)さあな。」
623 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/20(木) 16:54:11.97 ID:9Np4mnHAO
>>622
誰にも聞こえない位ちいさく、「フ〜ン♪フ〜ン♪フンフンフ〜ン♪」てハミングしながら鎧召還する鋼牙様。
624 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/09/21(金) 17:32:21.87 ID:qYii++Nl0
♪チャーラーララララララー
鋼牙「次はお前たちの番か、マミ。」
零「あんこちゃんの勇姿、見せてもらうぜ」
駈音「君の若さとパワーを開放させるんだ、さやか君。」
レオ「楽しみにしていますよ、ほむらさん!」
カオル「応援してるよ、まどかちゃん!」
ザルバ『さて、お手並み拝見と行くか・・・。インキュベーター。』
次回!9月29日 魔法少女まどか☆マギカ ニコ生一挙放送!
・・・勝手ながら告知させていただいたww
625 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/09/21(金) 19:08:46.02 ID:euqzsZpQ0
>>624
さらっとラスボス混ぜんなw
626 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/21(金) 23:51:11.69 ID:sxM+LLHAO
>>624
こんな胸熱な予告されたら、まど☆マギがハッピーエンドになっちまうぜ!www
627 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/09/23(日) 00:47:29.59 ID:bz7T4R7G0
嬉しくも悲しいお知らせ。
10月22日の東京国際映画祭で蒼哭ノ魔翌竜の先行上映が決定しました。
何が悲しいって?先行上映で数週間ならまだしも数か月も待たされるのはキツイ。
628 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/09/24(月) 01:35:53.21 ID:DHpJYteOo
ご無沙汰しています
なんやかんやあって、なかなか充分な書き溜めとは言えませんが、切りのいいところで近々再開したいと思います
やはり締め切りに追われていた方が書く気になるようで
>>627
もう完成していたんですね
気になりますが、東京では行けない……
629 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/24(月) 08:44:40.21 ID:msrGTwZAO
待ってるよ
630 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/09/26(水) 11:21:55.05 ID:hK+K705AO
総員鎧着装で>>1の帰還を迎える。
捧げ、剣!!!
∧ ∧ ∧ ∧
( ゚ω゚)/ \(゚∀゚ )♪キャー
631 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 02:38:03.98 ID:RipvUQ6So
「……ちっ! 食い物に罪はねーからな……」
掴んでいた零の胸倉を突き放し、反動で椅子に戻る。
いや、折れたという表現は杏子が認めない。ここで暴れれば、自身の言葉が確実に嘘になる。
それを嫌ったのだ。
杏子はフォークを手に取ると、ケーキに突き刺して丸ごと口に運ぶ。
その瞬間の口元の綻びようは、普段の刺々しさや強かさ、素っ気なさを微塵も感じさせない年相応の少女。
不覚にも隠し切れずに笑みがこぼれてしまった杏子はキッと零を睨むが、零の視線は既に外れていた。
気を回した訳ではない。
特に関心がなかった。
安堵して手当たり次第に手を伸ばす杏子にも構わず、零の注意が向いているのは店内のある一席のみ。
一時、子供に戻った少女を微笑ましく思うこともない。
休息の時間は終わり。その眼、その思考は、獲物を追う狩人に切り替わっていた。
杏子が来てから二十分少々。テーブルの上はほぼ片付いてきていた。
零もたまに摘まむが、ほとんど平らげたのは杏子。会話もなく黙々と食べ進めた。
途中、何度か視線が交わったが、急かされたりもしなかった。
折角の機会だからと、じっくり味わいたかった。
さっさと食べ切ってから本題に入りたかった。
どれもあるが、一番の理由は待っているのだ。
零の纏う空気が変わったのを察している。零が時を待っているように、杏子も"その時"を待っている。
零が動いたのは、杏子が最後の皿に手を付けた頃だった。
632 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 02:40:57.51 ID:RipvUQ6So
「なぁ、あんこちゃん。
前にも言ったかもしれないけど、俺は君と俺のどっちが強いかに興味はないんだよね。
だって、俺が勝っても得る物がないからさ」
ガタッとイスを鳴らし、立ちかける杏子。
零は、逸る子供を宥めるように片手で制して、続きを語る。
「だけど、俺にも得があるんなら考えてもいい。だから、あんこちゃん……ホラーと戦ってみる?」
「ホラーと……」
杏子が大人しくなり、怪訝な顔つきで零を見返す。無言で続きを催促していた。
「ああ。あんこちゃんがもしホラーを倒せたなら、俺より優れた証明にはなるね。
あんこちゃんがホラーを倒してくれたら俺も楽できる。
その上で満足いかなければ、その時は戦ってもいいよ」
「優れた証明? どうして直接やり合ってもないのに、そんなことがわかるのさ」
「あんこちゃんはホラーと戦った経験がない。
ホラーをまったく知りもしないのに勝つなんて、俺にはちょっと無理だな。
これでも昔は散々だったんだぜ」
と、かつての苦労を匂わせつつ、最後に零は軽く肩をすくめ、
「で、どう? 杏子ちゃんが自信がないなら、無理にとは言わないけど」
またしても杏子を焚き付ける。
対抗意識を煽る露骨な挑発。彼女を意のままに動かすには最も効果的と思われる手段。
だが、杏子の反応は予想と異なった。
633 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 02:54:58.52 ID:RipvUQ6So
「ふん、んな見え透いた挑発に引っ掛かるかっての」
言って、杏子はそっぽを向いて考え込み始めた。
零の思惑、予想される危険、自分の得るメリット、デメリット。
それらを考慮し、安易に惑わされることなく断を下す為に。
真剣に悩む余り、唇の横にクリームを付けたままの姿は、なかなか愛嬌があった。
零は軽く息をついて、彼女の決定を黙って待つ。
彼女も、そう何度も同じ手に引っ掛かるほど馬鹿ではなかったということだ。
むしろ、そうでなくては困る。
だが杏子は挑発には引っ掛からずとも、零の話術には誘導されていた。
杏子は少女とはいえ、魔法少女としては歴戦の兵。
相手にもよるが、その戦闘力はホラーにもひけは取らないだろう。
ソウルメタルの問題さえなければ、勝つ目は充分にある。
故に、修業時代の零がホラーに苦戦したことと同列に語れはしない。
零もまた、戸惑いこそしたものの、初戦で魔女を破っているのだから。
そんな企みを知ってか知らずか、杏子は口の端のクリームをぺろりとなめとり、挑戦的な笑みを浮かべた。
「ま、あんたが何を考えてるのか知らないけど……いいよ、やってやろうじゃん。
この街でかち合う可能性が高いってんなら、
ホラーがどんなものか、いっぺんやりあっとくのも悪くないかもね」
「そうこなくっちゃ」
零もニヤリと笑って指を弾く。
すると途端に、杏子は表情を硬化させた。
思い通りと言わんばかりの反応が気に入らなかったのだろう。
634 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 02:57:41.69 ID:RipvUQ6So
「けど、忘れんじゃねーぞ。あたしが納得しなきゃ、その時は本気で戦うんだな?」
「ああ、誓ってもいいよ」
「……ふんっ、ならいい。それで?
まさか、いつ出てくるかわからないホラーをあたしに待てってんじゃないだろ?」
つまり、何か当てはあるんだろう、ということだ。
当然、ある。それも、すぐ側に。
彼女の驚く顔を思い浮かべながら、零は告げた。
「ホラーなら既にいるさ。この店内にね」
「はぁっ……!?」
案の定、驚愕に目を見開く杏子。忙しなく周囲に視線を巡らせる。
期待を裏切らない反応。暫く眺めていたくもあったが、あまり騒がれては相手に警戒されてしまう。
零は軽く杏子の腕を引き、意識を引き戻した。
「まぁ落ちつきなよ、杏子ちゃん」
「……どいつがそうなんだ? 確か、ホラーは人に取り憑くって言ったな?」
「ほら、あそこに女の二人組がいるだろ?」
零の人差し指が立ち、ゆっくりと店内の一角を指す。
指の動きにつられて、杏子の目もそちらに向いた。
そこには杏子と同年代の、見滝原中学の制服を着た少女。
向かいには、どこかの会社員らしき制服姿の女性が座っていた。
635 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 03:00:00.71 ID:RipvUQ6So
中学生と大人の二人組。一見した限りでは、あまり接点のなさそうな組み合わせだ。姉妹にも見えない。
どちらも楽しそうに談笑していた。
耳を澄まして集中すると会話の内容まで聞き取れたが、どれも他愛のない雑談だ。
学校や友人の話、或いは恋の話。どれも杏子には願っても手に入らない過去のもの。
ふと、チクリと微かに胸の奥を刺すような疼くような痛みを覚えたが、杏子は無視して零に問う。
「で、どっちがホラーなんだ?」
「ああ、それは……あっち」
と言って零が指し示したのは――中学生の少女の方だった。
「あいつが……!?」
杏子は半立ちになって、まじまじと少女の方へと目を凝らす。
どこからどう見ても、ただの人間。
笑ったり唇を尖らせたり、ころころ表情を変える、どこにでもいる一般的な中学生。
とても化け物が取り憑いているようには見えない。
ましてや、そのすべてが偽り、演技であるなど信じ難い。まだ向かいの女の方があり得る。
零がしようとしていることは、そして決闘に応じる条件として杏子に提示したことは。
「そ、あんこちゃんには、彼女を殺してもらいたいんだよね」
あの見るからに無垢な少女を殺すこと。
零は軽々しく残酷な要求を言ってのけた。
636 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 03:04:54.77 ID:RipvUQ6So
「な……んだと……?」
僅かに一瞬、杏子に隠し切れない動揺が走った。
化け物相手なら、どんな怪物だろうと怯みはしない。残虐にもなれる。
魔法少女なら自分と同類、遠慮も容赦も必要ない。共に戦いに身を置く者。
どんな理由だろうと望んで選択した結果なのだから。
だが、ただの人間、それも同じ年頃の少女を殺すなど経験あるはずがない。
言うなれば彼女は、杏子が引く、ある一線の"向こう側"の人間。
"向こう側"の人間とは関わりたくなかったし、関わってはいけないという意識もあった。
ただ、必要ならば利用するだけの関係で。
そもそも杏子は取り憑いている、としか聞いていない。
当然、憑いているなら祓うこともできる、魔女の口付けと似たようなものとばかり思っていた。
あわよくば誰の犠牲も払わず倒せるものと。
そんな甘い話がいつもいつも転がっているほど、この世界は甘くない。
とっくに理解も覚悟もしていたはずなのに。
もしかしたら、自分たち魔法少女も化け物に――魔女に変わるかもしれないのに。
零の忠告も忘れ、杏子が身を乗り出しかけた時、
「座ってな、あんこちゃん。それと、あんまり見るのもまずい。
気付かれるからな」
頭頂部に感触。思いの外、強い力で身体が沈み、半ば強制的に着席させられる。
零の大きな手に頭のてっぺんを押さえつけられていた。
637 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 03:07:27.28 ID:RipvUQ6So
「ちっ……わかったよ……」
杏子は抵抗しなかった。振り払ってもおかしくないところを、されるがままにしている。
どうすべきか戸惑っていた。子供っぽい反抗心など、完全に鳴りを潜めるほど。
「なぁ、ほんとにあいつに間違いないの?
魔女の口付けを受けた人間でも、こんだけ近ければ何かしら感じるもんがある。
けど、あいつからは何にも感じやしないんだよね」
ホラーと魔女は違うのだろう。こんな問いは無意味かもしれない。
それでも、杏子の勘は彼女ではないと告げていたのだが。
「間違いない。魔戒騎士には見分けられるんだよ。特殊な判別方法でね」
「ふぅん……あっそ」
杏子は追及しなかった。本職の零に言われては、もう何も言えなかった。
彼女に間違いないと言われて、密かに落胆していることに気付く。
揺れている自分を認めたくなくて、零に知られたくなくて、杏子は意図的に話を逸らした。
「にしても、どうやってあいつと戦うのさ。お膳立てはあんたがするのかい?」
「どうもしなくていい。俺が連れの女を適当に引きつけとくから、
あんこちゃんは無理やりにでも連れ出して戦えばいい。
連中は人前では正体を見せない。けど、人のいないところに引きずり込んでやれば正体を現す。
あ、でも正体を現すまでは攻撃するんじゃないぜ?」
「何でさ?」
「そうじゃないと取り憑いたホラーは倒せないんだ」
638 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 03:08:39.96 ID:RipvUQ6So
「……そういうもんなのか?」
零の返答は、どこか疑わしい。疑わしいが、杏子には真偽を確かめる術がない。
半信半疑でも従うしかない。
きっと零は、この迷いも見抜いている。だから今も、わざとらしい笑みを浮かべているのだろう。
「そういうもん。それじゃ頼んだぜ」
言って、零は杏子の背中を叩いて立ち上がった。
遂に作戦決行、なのだろうか。自分はまだ、心の整理がついていないのに。
「おい、どこに……」
「さっきのあんこちゃんの動きで、勘付かれたみたいだからさ。
早めに動かないと、連れの女に手を出すかもしれない」
いよいよ時間がない。
心に起こった細波は徐々に激しくなる。
杏子の瞳は目に見えて揺れていた。
「ああ、大丈夫。会計なら済ませてあるから」
「じゃねーよ……! そうじゃなくって……」
言い淀んだ杏子は頭を掻きむしって煩悶とした。
――くそっ……何をやってんだ、あたしは! 頭ん中がグチャグチャで、考えがまとまらねー。
でも、違う。それだけじゃない。
あたしは迷ってる。あたしは……何を言おうとしてんだ?――
639 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 03:11:00.53 ID:RipvUQ6So
本当は、言いたいことは決まっている。
それを言っていいのかと、ほぼ無意識に躊躇いを感じているのだ。
誰かを犠牲にしたくない。間接的にではあるが、救いたいという気持ちの表れ。
だからこそ口にすることに抵抗があった。
これまでの生き方が枷になっていた。
過去から今に至るまで多くのものを切り捨ててきた。
そんな自分が今さら誰かを救いたいなどと、おこがましいのではないか。
そして、それは苦しんだ末に固めた決意を、信条を曲げること。
杏子にとっては自らを否定するも同然。
認めてしまえば、胸の奥に封印した何かを掘り起こすことを意味する。
――そもそも、どうしてあたしは、こんな面倒な思いしてまで、こいつに従ってんだ。
こいつが勝手に決めた条件に従う必要なんかない。
こっちから問答無用で仕掛けてやれば、こいつだって拒めないはず……。
こんなとこ、さっさと出てって仕切り直せばいい。でも――
「今になってやる気がなくなった? 嫌なら別に構わないけど」
――いや、ダメだ。たとえあたしがやんなくても、こいつがやるだけ。
それならいっそ、この場でこいつを……って、そんなことして何になるんだか――
いくらなんでも、それはない。
人を喰うホラーとやらに憑かれた少女を生かす為に、零に刃を向ける。
そんな、あまりにも馬鹿げた考えが頭を過ぎった。
見ず知らずの少女の為に、そこまでする義理がどこにある。
だいいち過干渉であることに違いはない。
杏子は、改めて自身の混乱を自覚する。
640 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 03:12:44.72 ID:RipvUQ6So
「じゃなくて……その……」
まごまごと口を動かすだけで、何を言いたいのかも、はっきりしない。
らしくない自分が嫌になる。
杏子は大きく息を吸い。
――なぁ……人間とホラーを切り離すことはできないのか?
しかし、口にはしなかった。
やはり、自分には資格がない。また、その必要も。
所詮、一時の気の迷い。あの日の決意を覆すには到底足りないと切って捨てる。
「で、どうかした?」
「……何でもねーよ。やればいいんだろ、やれば」
半ば自棄っぱちな心持ちで、杏子は立ち上がった。
当初の言葉を翻して、尻尾を巻いて逃げたと思われるのも気に入らない。
相手が化け物で、必要なら殺すだけだ。その結果、誰がどうなろうと関係ない。
そう、心の中で言い聞かせた。
零と杏子が二人の席の横に立っても、二人は見向きもしなかった。
彼女たちは零を知らないだろうが、零は彼女たちを知っている。
特に少女とは昨夜、言葉も交わしているのだが、彼女は覚えていないかもしれない。
641 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 03:14:49.76 ID:RipvUQ6So
夕木命と、美樹さやか。
二人は一見、仲睦まじく手を絡め合っているものの、
さやかが顔面を蒼白にして小刻みに震えているのを、零は見逃さなかった。
零はそっとさやかの顔が杏子に見えないよう立ち位置を変え、テーブルを叩いて注意を引き付ける。
同時に、二人の手首を握って、各々の手を離す。
片方は熱いくらいの汗で濡れていて、もう片方は氷のように冷たかった。
「お楽しみのところ悪いけど、ちょっと付き合ってもらえるかな」
言うと、零は背後の杏子に目配せして頷いた。
事前に打ち合わせもしなかったが、合図には充分。
行け、という指示だ。
「あの……」
「おっと、あんたに用があるのはあたしだよ」
さやかが何か言うより早く、杏子は手を取って強引に歩き出す。
乱暴で気遣いの欠片も感じられない扱い。まるで、何かを振り切るかのようだった。
「ちょっ――!」
としか零には聞こえなかった。
続くさやかの抗議は杏子に向けられていたが、すぐに抵抗も空しく引きずられていく。
後は命と、杏子に手を振って見送る零だけが残された。
命は少なからず呆気に取られていたようだが、すぐに零を睨みつける。
その目つきは、とてもただの女とは思えないほど鋭く、冷やかだった。
642 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 03:16:22.77 ID:RipvUQ6So
「あなたたち……どういうつもり?」
「悪いね、玩具を取り上げちゃって。けど、もう時間も遅い。
子供は子供同士ってことで、ここからは大人の時間だろ?」
にも関わらず、零は真っ向から受け止め、不敵に微笑んで見せた。
派手に騒いでくれたお陰で、衆人の目は一時的に杏子とさやかに吸い寄せられ、
零と命の周囲には数秒の空白が生じる。
零は懐からライターを取り出すと、ピンと蓋を親指で跳ね開け、命の眼前に差し出した。
次に手と身体でライターを覆い、死角を完全にする。
タバコの火を点けるみたく自然に、かつ洗練された一連の動作。
そして親指がドラムを回転させ――。
鮮やかな緑の炎が命の瞳を照らす。
「用件は……言わなくてもわかるよな。付き合ってもらうぜ」
魔導火に照らされた瞳に、魔獣ホラーに憑依された証である魔戒文字が浮かび上がった。
643 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/01(月) 03:21:35.95 ID:RipvUQ6So
ここまで
次は来週日曜
休んだ時間の割に、あまり進んでいませんが
もっと書きたかったのですが、鋼牙とまどかの場面と同じで凄く悩んだ為に手間取りました
零と杏子、特に零は本編の描写だけでなく、自分のイメージも多分に含まれています
鋼牙ではできないことをやりたいと思ったので、今後も零らしくないと感じることもあるかと思いますが、
よろしくお願いします
644 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/01(月) 06:09:15.53 ID:6AJnqikAO
うぉぉ…待ってました乙乙乙!
相変わらず伝わり難い優しさで杏子を追っ払って、遂に、絶狼の双剣解禁なるか!?
645 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/01(月) 06:32:20.76 ID:59Ojgx6AO
1乙!
この女に憑依したホラーはやっぱりあいつなのか…そして魔戒騎士はなんでめんどくさい奴ばかりなんだw
そういえば細かい事だけど、零が使う魔導火は青じゃなかったっけ?確かライターの魔導火の色も烈火炎装と同じだったような。
646 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/01(月) 11:03:59.91 ID:VkCPkclj0
乙であります!
やはりこのコンビはすごくイイですな。
ケーキを食べて思わず顔がほころんでしまう杏子ちゃんにやられちゃいましたww
杏子ちゃん、「それ」は誰しもが一度は思いつくことだけれど、その方法が一番知りたかったのは零なんだぜ・・。
ちなみに
烈火炎装の色は
牙狼・・・緑
絶狼・・・蒼
打無・・・紫
呀・・・・赤紫
ヤイバ・・赤(うろ覚え)
破狼・狼弩・・・不明
邪美が魔導火で傷を治療するシーンでは牙狼と同じ緑。なので魔導火の基本色は緑。
三騎一閃のモデルとなった白夜でのレギュレイスに立ち向かったシーンでは
牙狼→絶狼→打無と炎をリレーしていくシーンがあるが、そこでは炎の色が変わっていっているので
烈火炎装をすると炎の色が変わっていくものと思われる。
647 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/02(火) 05:37:19.76 ID:08IPN0hDO
乙!
そーいや烈火炎装ってレギュラー陣はさも当然みたいに使ってるけど、あれって相当な修練をつんだ騎士じゃないと出来ない技なんだよな。
648 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/02(火) 08:53:34.94 ID:G9UPxISAO
1期で鋼牙が零に「烈火炎装を使えるか?」と尋ねていたから、最高位の騎士が使えなくてもおかしくない技なんだろうな。
この女がホラーでもう確定なのに敢えて魔導火灯す零さん超イケメン!マジ尊敬するっす零さん!
…ショウさん?なんか涙目でションボリ帰って行きましたよ。wwほっといていんじゃないっすか?wwww
649 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/02(火) 17:30:10.35 ID:NAO+LadIO
というかレギュラーがやってることって並の騎士と比べると超難易度の高い技ばっかりなんだろ?
650 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/10/02(火) 18:23:28.46 ID:uwWpPKCpo
>>648
実はショウさんが見滝原担当の魔戒騎士だったりしてな
651 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/02(火) 19:14:29.59 ID:irMcGn6G0
いいえ、アングレイあたりの格好の依代です。
そういえばあのさやかちゃん心滅のシーンも一期の【水槽】の「ザルバ・・・あんな人間でも守るに値すると思うか?」にリンクするな。
というかあの陰我まみれのホスト二人は虚淵氏が実際に電車で聞いた会話から生まれたそうな・・・・。
652 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/03(水) 01:20:06.99 ID:m/umcr1AO
>>651
ホストのシーンは優秀な声優に聞く者の胸をかきむしるような演技をさせているが、虚淵氏が聞いた現実の会話は頭悪さ丸出しなトークだったそうな。
しかしこのホスト、まさか自分がアニメ化されているとは夢にも知らずにこの世のどこかにいると思うとwwww
653 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/03(水) 04:44:50.55 ID:/jNh4I750
・・・いやまてよ、あのホストはむしろホラーに憑かれたキャバ嬢あたりに喰われる役割だなww
牙狼的にはそれが王道だww牙狼における若い悪い男の仕事はホラーに喰われることだww
イシュターブか
ウトックか
エルズか
ルーザギンか
どちらにせよ生かしてはおけん。
654 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/10/03(水) 13:16:00.03 ID:cXdS4Szvo
まぁ、さやかの手を汚させる前にホラーに食われた方が平和かもね
きらら☆マギカの読みきりでショウさんがクズ格好よかったので、あんまり憎めないんだがw
655 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/03(水) 14:13:02.95 ID:JZ3DNmZBo
ホストやキャバに本気になる方も悪いからな・・・
一概にショウさんだけがクズとはいえない
656 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/03(水) 14:35:27.66 ID:/jNh4I750
ふと気がついて振り返ってみた
△牙狼におけるチャラ男の末路△
【陰我】・・・イシュターブに憑依された女詐欺師に鎖にされて喰われる
【美貌】・・・まだ憑依もされていない年増のホステスに石で撲殺される
【人形】・・・アスモディに術をかけられバトルロワイヤル
【魔弾】・・・氷見川(父)に魔弾ブチ込まれホラー化
【白夜】・・・エルズに憑依された女をナンパし、ホラーに化けたとたん情けない悲鳴と共にスタコラ(奇跡の生還)
・・・レギュ様の眠っている岩の上に血まみれの死体置いたせいでレギュ様復活。僕にされて最後は翼にやられた
【火花】・・・シガレインに憑依された男に爆殺
【街灯】・・・冷凍保存されコレクションに。気に入らないのは餌に
【妖刀】・・・携帯真っ二つ
【化粧】・・・大根演技をボロクソに言われた挙句餌に
【果実】・・・事故った上にお母さんに喰われた
【赤筆】・・・車に落書きしてるとこを鋼牙にみつかり、締め上げられる(もちろんホラーじゃなかったので逃がしてもらえた)
うん、ロクな目にあってないなww
657 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/04(木) 00:07:24.54 ID:PzyJAAdlo
>>654
ショウさんはアレだ、
さやかちゃんが話を聞く→電車は復活した電車ホラーで襲われるが、鋼牙に助けられる
で、さやか「何でそんな奴を守るんですか!?」って感じになったら面白い
658 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/04(木) 00:32:50.56 ID:ewlDX3wM0
△本編しか見ていない人向けの補足△
電車のホラーとは小説に登場した【列車ホラー・ヴェル】のこと。
列車に化け、車内に手下を憑依させた人間を乗せておくパズズ、ゲノシカ系のホラー。
遠い町へ出かけていた鋼牙は帰りに列車に乗ったが、ザルバがホラーの気配を察知する。
不思議とその周りだけ邪気が無い紳士(【試練】でカオルに壁画の修復を依頼した幼稚園の園長)
と大河や魔戒騎士、ホラーについての話をし、ホラーの正体に鋼牙が気付くと本性を現し、鋼牙を襲う。
結局は園長を別の列車に逃がされ、陰我消滅される。
が、実は本編にちゃっかり出ていたりする。総集編【約束】のラストのシーンで崩れ落ちる列車が出てくるシーンがそう。
659 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/10/05(金) 14:23:05.53 ID:1N3ZzOgpo
まどマギ映画は明日からか……
まあ再編集版だから新情報や新展開はないんだろうけど
新情報がありそうなのは来週発売の書き下ろしコミックスの方かな
660 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)
[sage]:2012/10/05(金) 16:44:28.42 ID:xdSVo2uio
>>659
新キャラは出るよ?
661 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/10/08(月) 03:03:44.45 ID:ScCxGBbdo
なるべく多く加筆して明日に投下したいと思います
662 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/09(火) 03:02:21.69 ID:PFShUIago
「あら……いきなり現れて手を掴むなんて、とても女性を誘う態度とは思えないわね」
命は緑色の魔導火越しに零と目を合わせても眉ひとつ動かさず、ふっとライターの火を吹き揺らした。
髪をかき上げ、ゆっくりと立ち上がる様は、妖しいまでの色香を醸し出している。
彼女は、まるで物怖じしていなかった。
目の前にいる男は己が天敵であり、いつ、その身を切り裂く剣を抜き放つかわからないというのに。
「ゴメンね、あんまり魅力的だったからさ」
「そう。それで、どこへ連れて行ってくれるのかしら?」
「どこか人の来ない場所がいいかな。二人っきりでゆっくり楽しめるところ」
零もまた軽いノリで応える。
他人が耳にすれば、ただのナンパ男と大人の遊びに慣れた女の会話にしか聞こえないだろう。
しかし男は魔戒騎士であり、女は魔獣。両者は殺し合う仲であり、決して相容れぬ関係。
そして今、互いの間合いに堂々と踏み込んでいる。
この状況は、まさに一触即発。
「突然ね……それもこんなムードで。まぁ、考えてもいいけど、ひとつ条件があるの」
命は零の前で人差し指を立てた。
今にも息のかかる距離まで顔が接近する。蠱惑的な流し目に対し、零もまた挑発的に応えた。
「へぇ、条件って?」
「あなたが私を捕まえられたら」
663 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/09(火) 03:04:56.01 ID:PFShUIago
言うが早いか、命が一歩、後退る。しかし零には、それ以上は視認できなかった。
何故なら、視界を完全にイスが覆っていたから。
命は足でイスの脚を引っ掛け、零に放ったのだ。
そこそこ重い木製のイスを瞬時に顔の高さまで、一切の助走も振りもなく。
戦闘開始の合図。いや、ただの戯れだ。
あまり本気にさせて、ここで戦闘は避けたい。
ならば、ここは無理に捕らえるには及ばないだろうか。
彼女は敵を殺して終わりではない。
魔戒騎士を返り討ちにした後、これからも人に紛れて人を喰っていかねばならない。
衆人環視の中で派手な真似はできないはず。まして正体を晒すなど。
ではどうして、こんな目立つ行動を取ったのか。
考えられるとしたら、まずは逃走の時間稼ぎ。
先手を取られた不利な状況を覆すべく、仕切り直しを試みるとしたら。
極端に気配を辿り辛い街で、潜伏されれば探し出すのは至難の業。必ず誰かが犠牲になる。
ならば――。
刹那の間に状況判断を済ませた零は、迫るイスを掴んだ。
勢いを殺しつつ背後に受け流し、放す。
同時に、もう片方の手を伸ばすのも忘れない。
「はい、捕まえた」
664 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/09(火) 03:07:26.01 ID:PFShUIago
完全に離れるより早く、零の手は命の右手を掴んだ。
それ自体に大した意味はなかった。この程度で決着がつく訳でもない。
彼女の提示した条件に付き合っただけ。
かと言って無意味でもない。
戯れはいらない。ここから本当の戦いを始めようと、互いに確認する為に必要な儀式。
油断はなかった。あったとすれば、誤算。
突如、掴んだはずの命の手から抵抗が消える。
まるで腕がすっぽ抜けたよう。
命を捕まえておく為の力は行き場を失い、零の身体がグラついた。
その時、起こった事象に、零は目を見張った。
命の腕が肉体と離れていたのだ。
そして本体はというと、二の腕の断面が濃いオレンジ色の光に包まれ、肘は見えない。
――こいつは……!
直接は見ていないが、記憶にある。
ホラー、モロク。
腕を切り離し、炎と氷を持つ。過去、接触はしたが、直前で冴島鋼牙に譲ったホラーだ。
このケースは前もって予測できたはずなのに。
だが悔しがるより早く、零は握っていた手を振り解いた。
冷たかった肌に、異常な体温の高まりを感じたからだ。
零が手を掴んでから、ほんの一秒か二秒。
気付くと、腕は何事もなかったかのように身体に戻っていた。
周囲は何が起こったのか理解が追い付いていない。自らを疑い、目を擦る者も多かった。
665 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/09(火) 03:09:29.97 ID:PFShUIago
命と目が合う。彼女は妖艶に微笑むと反転、走っていった。
すぐさま零も追いかけたが、なかなか距離を詰められない。
出遅れが災いしてか、それとも命の足が速いのか。おそらくは両方。
すっかり夜も更け、辺りは暗闇に包まれている。
また、命は人通りの少ない方へ逃げていた。
これなら誰に気兼ねなく全力疾走できる、と零は足を速めた。
結果、徐々に差は縮まるのだが――。
「っ――!?」
突然、零は盛大に転倒。
受け身は取ったので傷はないが、再び距離が開く。
何かに躓いたかと見ると、光る右腕が足を握っていた。
「ちっ、やってくれるぜ……!」
剣を抜くまでもない。懐からクナイ状の短剣、破邪の剣を取り出して思い切り突き刺してやる。
肉に食い込む確かな手応え。飛び去る腕と呼応して、遠くを走る命もやや右に傾いている。
『注意して、ゼロ。あいつはどこからでも腕を飛ばしてくるわ』
「知ってるさ。けど、片腕しか使わないってことは……」
誘っているのだ。
目的地へ着くまでは捕まる訳にはいかないと、足止めをしてきた。
666 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/09(火) 03:11:10.56 ID:PFShUIago
「やれやれ、あんこちゃんを置いてきたのは失敗だったかな」
立ち上がって走り出した零は、付かず離れずの距離を保ちつつぼやく。
それが冗談めかして言っているのだと、シルヴァにも理解できたが、
それにしてもわからないことはある。
『ゼロ……あなた、どうして彼女を?』
杏子の力量は零も認めるところである。
彼女が零を目の敵にし、殺意すら見せたことも、零が誰より知っている。
それを嘘をついてまで杏子を置いてきた。後で烈火の如く怒るのは目に見えているのに。
「言ったろ? あんこちゃんはなかなか使えそうだって。
いい囮になってくれたよ」
『はぁ……彼女、また怒るわよ……?』
少女とホラーを切り離し、杏子を遠ざける。なおかつ零は何の説明責任も負わないで済む。
一石三鳥。考えようによっては冴えた手かもしれない。
この女は化物だと公衆の面前で指摘する訳にもいかず。
かと言って見知らぬ男に、いきなり友人と離れろと言われて、はいそうですかと頷くだろうか。
もっとも、さやかの様子では杞憂だったかもしれないが。
667 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/09(火) 03:13:22.31 ID:PFShUIago
いずれにせよ、無理にどちらかを連れていこうとすれば、まず騒ぎになる。
下手をすればホラーに警戒され、最悪大勢の人間を巻き込みかねない。
杏子に脅かされているであろう少女には悪いことをしたが、
杏子が意表を突いてくれたからこそ、安全かつ確実に引き剥がせた。
魔戒騎士でもない少女に有無を言わせず連行される、
あの展開はホラーでさえも予測し得ないイレギュラー。
少女には気の毒だが、当面の、確実な命の危機を回避する為だ。
ほとんどの人間がホラーや魔女に虚しく捕食される無常を思えば、
生き残る為に多少のリスクは負って然るべきだろう。
両者に比べれば遥かに与しやすい相手。
ホラーや魔女と相対するよりも、杏子と交渉する方が生き残る可能性はずっと高い。
便利に使われ、体よく追い払われた杏子は怒り狂うだろうが、
まぁ、そんなことはどうでもいい。
心配があるとすれば、あの少女が手荒に扱われないかということだが。
零には確信に近い何かがあったようだ。
しかし、零が彼女の良心や善性に賭けたとは思えない。
涼邑零――長い付き合いのシルヴァでも、彼には未だ読み切れない部分があった。
668 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/09(火) 03:15:45.02 ID:PFShUIago
中途半端ですが、ここまで
次もなるべく日曜に
いつも多くのコメントありがとうございます
レス返しなどあれば、また近いうちに
669 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/09(火) 11:29:49.67 ID:RekaLWOo0
乙であります♪
零の優しさとか、気配りとか、そういうのがよく見えますね。
なるほど、確かに一部の例外を除き、人が大勢いる中で堂々とホラー化した例は少ないですね。
修練所に堂々と乗り込んできた魔翌竜ホラーさんや明らかに傍から見ればおかしな格好で繁華街で大量虐殺した白夜の魔獣様はともかくww
670 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/09(火) 14:13:45.09 ID:p9lK8iAAO
アクションアクション、ゴー!♪
魔導火を吹き消す命さんエロす!
完璧に零の計画通り杏子あほカワユス!
次回が待ち遠しいぜ!!
671 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/10(水) 13:13:25.68 ID:8QgSYAvAO
命さんこと自殺未遂のOLさんの顔がどうしても思い出せない。仕方ないからGARO本編のモロクの人で再生してるが、別人だし…
そういえばOLさんも銀幕デビューか。
672 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/10/10(水) 13:59:22.20 ID:HRJi5R3No
映画観てきた
TV版ときはそんなに気にしてなかったんだが、OLさんのキャラデザってけっこう色っぽいよな
ここ読んでから映画を観ると色々と妄想が膨らむw
673 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/13(土) 00:16:03.74 ID:Oh+CUH5AO
色っぽい……のか!!………OLさん……
674 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/15(月) 02:18:44.37 ID:QhBuy+iGo
シルヴァの心配を見越したのか、零は走る足は止めず、左手を胸元まで持ち上げた。
「構わないさ」
言って、口の端を上げる。
「あいつは根っこのところで甘いし、そこまで馬鹿じゃない。
その前に必ず気付く。自分が担がれたってな」
シルヴァの指摘はもっともだった。
零も彼女の力は認めているが、杏子を手放しに信用しているとは言い難い。
強いて理由を挙げるなら、彼女からの信用を感じたから。同時に、自分に対する不信感も。
それらを逆手に取って利用したのだ。
たびたび挑まれて何をと思われるだろうが、彼女が毎度それなりに話し合いに応じる事実が、
多少なりと信用されている証――と受け取るのは自惚れだろうか?
躾が良かったのか、それとも根の性格が善良なのか。
擦れているように見えて、彼女は純真な部分を残している。
だが、純粋さは時に足枷となる。
彼女自身、理屈ではわかっていても、自分がそうである自覚はないようだ。
でなければ半信半疑でも騙されてはくれない。
人の姿をしたホラーを殺すことに躊躇いを覚えたりしない。
また、零を信用しきっていないからこそ、言葉を疑い、真の意図に気付けるのだ。
杏子を騙すのは心が痛まないでもなかったが、零には使命がある。
迷いを抱えて足手纏いになる可能性がある杏子は、なるべく切り離したかった。
『そんなこと言って、本心では彼女が心配だから連れて行きたくないんじゃない?
なら、あなたも充分……』
675 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/15(月) 02:20:22.06 ID:QhBuy+iGo
「違う。そんなんじゃないよ」
『どうかしら』
シルヴァが続けるのはきっと、優しい、とか、甘い、といった言葉だろう。
だから零は苦笑した。
別に、そんなつもりはない。あくまで打算の積み重ねによる判断だ。
自分とさやかも含め、メリットとデメリットを秤にかけて、メリットが勝っただけ。
「おっと。お喋りはここまでみたいだぜ、シルヴァ」
そんな会話を交わしているうちに、目的に着いたらしい。
命が足を止めず駆け込んだそこは、街灯もなく、ビルや家々の明かりもネオンもない。
屋内であることに加え、月が雲に隠された今では、月光さえ届きはしない完全な闇。
そこは打ち捨てられた廃ビル。
土地の所有者はもちろん、浮浪者も不良も寄りつかず、野良猫やネズミすら住んでいるか怪しい。
つい昨日まで、魔女の巣窟として多くの人間を誘い入れて逃がさなかった死の廃墟は、
巴マミが魔女を討ち、自殺を試みた夕木命を救出した場所。
そして、彼女が敢えてここを戦場に選んだということは、
ホラー・モロクと化した夕木命とも関係があるはずだ。
つまり、この先は相手の縄張り。中でホラーが息を潜めて待ち受けているのは間違いない。
しかし零は微塵も臆することなく、堂々とした足取りで踏み込んでいった。
676 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/15(月) 02:23:17.49 ID:QhBuy+iGo
入口から数歩も進むと、外のか細い光も完全に途絶える。
一歩進むごとに積っていた埃が舞う。
埃とカビの臭い。歩くたび砂利やガラス片を踏み鳴らす音。
嗅覚と聴覚に頼っての索敵は厳しそうだった。
まずはその場に留まり、眼が暗闇に慣れた頃、零は移動を開始する。
とはいえ、こちらから熱心に探す必要はない。
敵が魔戒騎士をやり過ごすつもりでもなければ、どこかで必ず姿を現す。
どの道、こちらの存在を隠す術がない以上、奇襲を迎え撃つ方が手っ取り早い。
双剣は鞘に収めたまま、両手もポケットに収めたまま、靴音を鳴らして歩く零。
暗闇に目が慣れても、物陰は至るところにある。扉や柱の陰、放置された机などの陰。
それでなくても、数メートル先は漆黒に塗り潰されていて見えない。何が潜んでいてもおかしくない。
普通ならば想像して恐怖するあまり、一歩も動けなくなるだろう。
このような状況において、零と彼ら常人との違いはいくつかある。
ひとつは、修業と実戦経験で研ぎ澄まされた第六感。
ひとつは、恐怖を克服した心。
もうひとつは、
「どうだ、シルヴァ」
『近いわ。でも、まだそれほどじゃない』
頼れる相棒。
零が小声で語りかけると、シルヴァも声を落として答えた。
ホラーの気配を探知する魔導具は幼少時から知っている。阿吽の呼吸という奴だ。
異常な街でも、これだけ近く閉じられた環境、
しかも魔法少女のような他に魔力を持った存在が傍にいなければ探知は可能なのだ。
677 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/15(月) 02:24:30.85 ID:QhBuy+iGo
「なら、ここはもういいな。他を当たるか」
一階を一通り見て回った後、零は階段を上る。
ビル内の空気は淀んでいるが、割れた窓から吹き込む風が、微かに空気の流れを生んでいた。
どうやら二階に上がってすぐ、開けた空間になっているようだ。
コツンと靴を鳴らし、最後の段を上り終えた時、
『ゼロ……!』
呼ばれた零は答えなかった。たったそれだけで、シルヴァの意図を理解した。
警告しているのだ。ホラーが近いと。
零も闇の中に輪郭が浮かぶように、その先に何者かの気配を感じていた。
両手をポケットから抜き、やや腰を落とす。
まだ剣は抜かなかった。両手は自由の方が、不測の事態に対応しやすい。
忍び足をするでもなく、変わらぬ歩調で進む。
一歩ずつ床を踏み締めるごとに、皮膚の表面に伝わる刺激が強まっていく。
広間に足を踏み入れた零は、心の中でカウントを取る。
そしてカウントがゼロになった瞬間。
確かな殺気が膨れ上がり、扉の陰から何かが飛び出した。
音もなく現れたそれは、獲物を狩る肉食獣さながらの俊敏な動作で肉迫。
僅かな距離をゼロにする。
辛うじて零の目に映ったのは、白いブラウス。そして視界を覆う白い足。
直後、ゴッ――と、命のハイキックが零の顔面を捉えた。
678 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/15(月) 02:29:22.69 ID:QhBuy+iGo
ここまで、次も日曜日だと思います
いっぱい書いた気がするのに、あまり進んでいないような
そろそろ生身の格闘戦をしてみたいですが、なかなか上手く書けない……
映画はまだ見ていませんが、TDSはとても面白くて
おかげで方針も決まってきました
679 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/15(月) 10:28:41.55 ID:5YSMTENAO
乙!
タイトスカートから繰り出す上段廻し蹴り!素晴らしい。書き手はわかっていらっしゃる。
680 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/10/16(火) 05:26:42.00 ID:ye7kb+mio
乙カレー!
TDS、いいですよね。
フェアウェル・ストーリーのコミック化かと思って読み進めていたら、
最後の最後の展開に大変良い意味で裏切られました。
このSS共々、フェアウェルや本編では叶わなかったマミと杏子の再会の結果が楽しみです。
681 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/16(火) 21:15:52.21 ID:n8gYvuWn0
乙であります♪
零の優しいと見せかけて実はドライでさらにそう見せかけて実は優しいという性格がよく出てますね。
時に思うんだが
二期の零回で出て来た【エリンネルグ】【カゲミツ】【ヤシャウル】に鋼牙が遭遇してたらどうなってたんだろうね
逆に零と闘わせたいのが【パズズ】【ダンタリアン】【ゲノシカ】。
682 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/17(水) 01:26:14.99 ID:u2ixL+S80
乙です!
もうそろそろ杏子も鎧召喚を目撃するかな?
>>681
マジレスすると相手がホラーだし容赦なく切り捨てると思う。
鋼牙は無駄なことは一切しない。零回は零だからこそ成り立った話。
683 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/17(水) 05:25:09.70 ID:hzwswZKAO
>>681
エリンネルグ回は素晴らしかったですね!
「愛する者をホラーにできるか!!」
鋼牙はあの老夫婦に怒るでしょう。一期ほどキレないにせよ。ホラーのママに依存しかかった少女にもそう。気高い鋼牙はあれだけ陰我に溺れた人を見ていながら弱者や敗者や悪人てものがいまいち理解できない。
零はどん底を知っているので哀れみを抱く。甘くはしないけど。
2人の優しさは種類が違うと思います。
謎々ホラーや博打ホラーに零が遭ったら……うーん、零は頭悪いしなぁ…(笑)。
684 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/10/17(水) 20:27:12.25 ID:5WwI4Glf0
>>683
俺個人の印象としては、2期の鋼牙は、人間の弱さを理解してないというよりは、
理解はしてるけど、それでも人間の強さを信じてるって感じかなあ……。
まあ言い方変えただけかもしれんけどww
弱者や敗者のことも理解はしてると思うし、顔や言葉には出さなくても少しは同情すると思う。
ただ、それでも強く生きてくれることを信じてるというか…
陰我に溺れた人間を嫌というほど見て来たけど、
不幸な境遇に負けず、真っ直ぐに生きる人間だって大勢見てきたはず。
だから、どんな人間にだって、闇の誘惑を跳ね除ける心の強さがあると信じてる(願ってる)。
だからこその「必要のない人間などいない!」なのかなあ…と。
めちゃくちゃ主観入ってますがww
685 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/17(水) 22:36:43.44 ID:h6rjt1rl0
ちなみになぜ彼らと零を闘わせたいのかというと
慇懃無礼な態度の奴を零の人を食ったような態度で手玉にとってほしかったのさ。
ふむ。鋼牙なら問答無用で叩き斬る(モロク(娘版&親父版)を除き、鋼牙と対峙したのは概ねホラーに憑かれるべくして憑かれた手合い(特に同情の念も沸かない)だから
ああいう悲しい背景のキャラは零に回されたということですかな。
さしずめ
【エリンネルグ】→問答無用で陰我消滅。斬られた残骸を見て夫妻呆然。
【カゲミツ】→重蔵「勝負だ!」鋼牙「断る。」はい終了。
【ヤシャウル】→そもそもお母さんとは面識なし。ミサオちゃんは鋼牙を憎悪するけどそれはもう一期でやってる
うん、物語になりませんなww
686 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/10/17(水) 23:12:43.95 ID:r1ZZfT0Co
純粋な勧善懲悪と最近ありがちな悪役に感情移入して欲しいのとで
うまく棲み分けできてるのな
687 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/18(木) 00:37:10.19 ID:17mZm7dAO
>>684
鋼牙は弱者、失敗者、犯罪者を理解はすれど哀れむ事なく、絶望してしまう事に断固「否!」と言うでしょう。「自分はどうせ不必要な人間…」などと諦める事を決して許さず、希望の光がそこにあると力強く指し示し続ける事でしょう。
でもそんな鋼牙が眩しすぎる人もいるはず。『水槽』の男には鋼牙の心はついに届きませんでした。
当SSではマミやほむらにとって鋼牙は堪らなく眩しい人でしょうね。
私個人としては彼女たちに鋼牙の光が届いてくれる事を願ってやみません。
688 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/18(木) 00:55:05.86 ID:17mZm7dAO
>>685
希望というと、まどかやさやか辺りなら、キラキラ光るお星様が天から降ってくるイメージかもしれません。
エリンネルグ回の老夫婦に対し、零は自殺を示唆しました。
夫婦は裁きを望んでいました。でも魔戒騎士も警察も彼らを裁く事はできません。自分を裁いて狂気から解放される事が彼らの唯一の希望でした。
鋼牙なら自殺など金輪際許さないでしょう。
でも他にどんな希望が具体的に示し得たか、難しい所です。
零だから示せた希望、だったのでしょうね。
連投失礼。
689 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/18(木) 23:18:10.50 ID:UjU1gcEA0
とある個人サイトで小説書いている人があのときの零の心境を
「おれは魔戒騎士だから、人間は斬らない。我ながらあさましい逃げ道だ。あの時、自分の復讐のためにホラーでもないカオルを斬ろうとしたじゃないか・・・。」って皮肉を込めた文で表現してた。
老夫婦はパズズの看護婦やゲノジカのディーラー達、クルスのようにホラーの力を手に入れて働いていたわけでも憑依されたわけでもない。全てはエリンネルグに誑かされて自主的に殺人を重ねただけ。
それだけに自分が手を下してあげるわけにもいかないし、息子を失った辛い現実を受け止めて強く生きてくれとも励ませない。だからあそこで「逃げ」を打つしかなかったってことなんだよね。
そして余談だが、【手紙】はその前の回【奈落】と共通点は多いけど構図から何から正反対なんだよね。
690 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/10/20(土) 17:52:53.19 ID:696Gn2PB0
東京国際映画祭を経て色々情報が解禁されたな!
詳しくは公式サイトをチェック!
http://garo-project.jp/SOUKOKU/
691 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/20(土) 20:10:47.31 ID:MnkQhIAo0
これは・・・・。
いろんな意味で「コレジャナイ」だなww
ある意味「子供向け」になった。というかザルバェ・・・。
そしてゴンザさんが思わぬ形で出演ww
692 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/20(土) 20:39:17.95 ID:Sk5Lg9X2o
元々子供向けの予定だったことを考えるとある意味こっちが本来の牙狼と言えなくもないww
ヴァランカスの実の時の二択のなぞなぞとか元は子供向けだった名残だと思う
693 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/20(土) 23:03:06.28 ID:hor+Zgzb0
渡辺さん出るみたいだし案外「子供」がキーワードかもしれんぞ?
大河から鋼牙へ、そして次の世代へ…みたいな感じで。
というかスポンサーが終わらせてくれないでしょ実際。
694 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/20(土) 23:04:02.72 ID:MnkQhIAo0
改めて全体を見てみて思ったこと。
「魔戒騎士」「ホラー」「黄金騎士」「陰我」「魔界」といった今まで牙狼のキーワードだった言葉が見当たらない
黄金騎士の鎧を纏った牙狼の姿もない
いままでの牙狼とは雰囲気がまったくの別物。それこそまどマギの魔女空間のような雰囲気。
そしてなんと出演スタッフのところに「渡辺裕之」の名前が。
まさかの大河さん主演フラグ?!
>692
あと【秘密】の百鬼夜行や狐面とか霊獣とかもね。
695 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/22(月) 00:27:26.48 ID:t99ayoyu0
よく見ると予告で鋼牙とザルバが戦ってるね。
そしてCG凄すぎ、ジョニー・デップが出てきてもおかしくない。
後皆わかってると思うが今日が先行上映なので先行上映みてもネタバレ禁止な。
後悔が数か月先とか洒落にならん。
696 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/10/22(月) 01:37:07.99 ID:3YCasky3o
そういえば素手の格闘を書くのは初めてで詰まっています
再現できる訳ないのは分かっているのですが
ですので今日は見送らせていただきます
近日中には必ず
697 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/22(月) 03:06:33.71 ID:ObBi3f5AO
>1
超がんばれ!
現実の二刀流は剣道でもフェンシングでも長剣+短剣のコンビネーションが多い。機能の異なる剣を使い分ける。
ところが零は同じ長さの剣二本。しかも逆手に構えると切っ先が肘から出る程度の小太刀。足技も多い。
零の武術は始めから徒手格闘に近い。
長剣一刀流なのに足技を出す鋼牙よりもリアリティあったりする。
698 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/10/22(月) 13:54:09.92 ID:HFyh3QAVo
興味を持って牙狼一期を見た
最高だった・・・
699 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/22(月) 14:41:59.59 ID:lGrRKkiZ0
>698
『闇の世界へようこそ。知ってしまったからには、もう抜け出せないぜ?』
700 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/10/22(月) 16:36:54.48 ID:XnLV/+LAO
今からとんでもないネタバレを書く
牙狼の新テレビシリーズ決定!!
詳しくは明日発表!!
701 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/22(月) 17:08:11.57 ID:t99ayoyu0
>>700
2chの情報が元だろうからあんま期待しないでおくがほんとなら超嬉しい。
ただ嬉しかったのは分かるがあんまりソース出てない書き込みはしない方が得だよ。
702 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/10/22(月) 19:08:02.88 ID:qhKpPAQk0
>>700
これのことだね。『牙狼』新シリーズ制作中!冴島役・小西遼生は新主人公にバトンタッチ!【第25回東京国際映画祭】→
http://www.cinematoday.jp/page/N0046996
個人的にはここで区切りしてほしいところもあるんで、果たしてどうなることやら。
703 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/10/22(月) 19:51:06.32 ID:gvR2ECdKo
>>702
おおっ!
すげえ楽しみだけど、こういう人気のあった主人公の後釜は、
ほぼ確実に前主人公と比較される(俺もしちゃうと思う)から、ちょっと心配…。
704 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/22(月) 20:15:32.80 ID:lGrRKkiZ0
鋼牙を「伝説の最強の黄金騎士牙狼」として神格化した上で
称号もなにもない新米魔戒騎士新主人公が零や翼たち先人たちとの絡みのなかで成長していく・・・・みたいな感じかな
ただ単に「次代の黄金騎士牙狼」「鋼牙の息子ないし弟子」だと一期とカブるし。
そして映画と三期の間に鋼牙の盟友たちが大活躍のスペシャル編をお願いします雨宮カントク。
705 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/22(月) 20:16:41.60 ID:t99ayoyu0
>>702
あらら、マジ情報だったのね…
>>700
さん疑ってすいませんでした。深く反省しております。
キャホォォォォォウ!!3期だァァァァァァ!!!
新主人公の心配もあるが今はとにかく嬉しい!!
706 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/22(月) 23:30:20.97 ID:ObBi3f5AO
>>704
全面的に同意。
まどマギもTV2期があるとかないとか。私はスポーツ報知見てないんですけど。
707 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/23(火) 00:55:07.91 ID:DNrB5Tf/0
キャスト発表されたね。
マジで楽しみが増えたww
708 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/23(火) 11:57:13.92 ID:xWxFpRDB0
スペシャル版をちょっと妄想してみる。
約束の地へと鋼牙が旅立って後少しした後、世界各地で魔界樹が繁殖する怪奇現象が起こる。
事態を重く見た元老院は零・翼・ワタル・レオ・邪美・烈花・シグト達に魔界樹の討伐命令を出す。
そして魔界樹と対峙した鋼牙の盟友たちはそれぞれが心に思い浮かべる因縁の敵と対峙することになる。
暗黒騎士・呀、暗黒騎士の僕・コダマ、白夜の魔獣・レギュレイス、魔鏡ホラー・カルマ、魔翌竜ホラー・ライゾンそして闇の閃光・邪悪狼怒!
全てを奪ったバラゴの亡霊との決着
白夜騎士としての誇り
不覚を取ったけじめ
父や師の仇
導師としての汚点を雪ぐため
兄の背中を超えるため
それぞれの信念と情念が激突する!
重蔵の刀
成長した鈴
阿門法師の教え
コルト
シグマの形見の筆
さらにはCRオリジナルの
魔界竜(成体)
大号竜
も活躍してくれると嬉しいww
709 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/23(火) 16:57:51.45 ID:UEIqWrIAO
妄想スペシャル『魔戒騎士の日常』
多賀城信義(演/田中要次)の1日を追うドキュメンタリー形式のスピンオフ。
魔戒騎士の朝は早い。
連日の地道なゲートの捜索、封印、パトロールは深夜に及ぶ。ゲート出現はまだでも陰我の溜まった土地は魔戒法師を呼んで祓わせるが、そういう連絡業務がまた煩雑だ。行き違いでもあると後で仕事が大きくなって騎士の所に持ち込まれる。
ホラーは減少傾向とは言え気を抜く事は許されない。些細な妥協が結果に響く。
現場を知らない番犬所の神官とは話が通じず、若手の騎士のDQN振りには閉口する。
信頼するベテラン法師は近々隠居すると言うし、自分もピークを過ぎた自覚がある。
二人の息子が修行に熱心なのは嬉しいが、跡目をどちらにするかで今から頭が痛い……。
そこへ指令書が!
最近流行りの号龍が若い法師が操作を誤ったためホラー化、野良猫に憑依して逃走中。
うんざりだ。
「現場は……見滝原市?」
その時、多賀城の目が、光った。
「……駅前以外は何にも無い所だよな……」
710 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/10/23(火) 18:39:10.31 ID:bExst+nKo
TDS中巻、さやかは今度こそ幸せになるかと思ったら・・・
この子救うのってマジで難しいのね
鋼牙は救えるのかなぁ・・・
711 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/23(火) 21:55:11.46 ID:xWxFpRDB0
>709
知久「おや、多賀城さん。見滝原にいらしていたとは奇遇ですね。」
ワタル「(修練所の元同僚で結婚退職した知久のところに寄っていた)ん?この付近の管轄の魔戒騎士か。どうした?」
タッくん「ねーもっかいやってー♪」
翼「(ワタルに同じ。子供の扱いに慣れろとワタルから言われた。)これはいままでで一番難しい試練かもしれん・・(チリーン♪」
712 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/10/24(水) 07:43:58.43 ID:qPxLmMM60
>>711
ぱぱん、騎士関係者かいwwwwww
この場合、なにになるんだパパは……修練所の事務員的な?
713 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/24(水) 11:17:17.99 ID:o1b8BvqQ0
少し前に「まどパパが退役の魔戒騎士だったら・・・」みたいな書き込みがあったから元修練所の導師ということにさせていただいた。
どう考えても保父さんだけどねww
714 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/10/25(木) 01:11:54.15 ID:hY2iV9lx0
ここのSS、事実上の主役が現状マミさんで、彼女の内面やキャラ描写で色々話が盛んになったこともあったけど、
個人的に色々気になっているのはほむらの心境。
彼女からすれば、ソウルジェムの力に依存せず魔女を探知、撃破できる鋼牙、ひいては魔戒騎士の存在は「まどかを守り、戦いにも巻き込ませない。」という悲願達成に繋がる大きな希望のはず。
でも、今のところやっぱりどこか冷めてるんだよね。(話の構成上、彼女の内面があまり描かれないためでもあるが)
元々まどかの安全が最優先で、自分自身の安否は二の次、三の次に考えているところがあったから、鋼牙の存在や力量、人となりをある程度知って、「あー、こりゃ自分も狩られるな。」って死の覚悟というかある種の悟りがより鮮明になっちゃった感じがする。
ループ初期の頃なら、積極的に鋼牙に事実を話して協力体制を確立しようと頑張っただろうしね。
715 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/25(木) 01:14:56.20 ID:hLIDPWOAO
>>713
??「はぁッ!!」ザシュ!
使魔「ヤラレター」
まどか「パ…パ……?」
知久「ママとタツヤには内緒だよ」ウインク
翼「ほぉーらタッくん、高い高いだじょー!!☆(もーヤケクソ)」チリンチリーン♪
タツヤ「キャッキャ♪」フワフワ
詢子「あるぁ〜、イケメンの保父さん^^」
和子「………///」
716 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/25(木) 03:00:29.14 ID:FdUtlP+P0
邪美「やぁ詢子、元気そうで安心したよ。知久とはうまくいっているみたいだね(赤酒持参)。おや、翼にワタル導師じゃないか。奇遇だね。」
烈花「邪美法師・・・知り合いか?」
≫714
個人的に鋼牙もほむらもいろんなものを失って強くなったんだから結構似てるのよね。
だから今のほむらはカオルと会う前の鋼牙ないし鋼牙と会う前の翼の状態。情や助け合いというものを拒絶してる。
そこをいかに鋼牙が心を開かせるかがミソだよ。
717 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/25(木) 12:40:22.56 ID:gEPkncmL0
前のスレが見れない。
718 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/25(木) 14:24:11.08 ID:hLIDPWOAO
>>716
詢子「おぉ〜、ありがとぉ〜!」
赤酒ナミナミ カンパーイ☆
詢子「ん〜これこれ、こいつばかしは何処にも売ってないからね〜♪」
グビグビ グビビッ プハー ヒック ムフー///
詢子「んふふ……ウェヒッ、ウェヒヒヒヒ-!wwwwww」
邪美「でたその笑いww」
>>717
まどか×特撮 クロスSSまとめ@ wiki
719 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/25(木) 14:50:19.18 ID:FdUtlP+P0
邪美「あはは、思い出すねえ、詢子。昔二人でブイブイ言わせてた頃のこと。」
詢子「ウェヒヒーwそうさ。だらしない騎士たちの前に出てってホラーボコボコにしてさ、「ほら、止めさしときな」ってなww」
知久「邪美法師とママは本当に強かったなー。ホラーも腰ぬかしてたっけ。(おつまみ作ってきた)」
翼「(よりによって奴に見られるとは・・・。)」
720 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/26(金) 21:42:46.76 ID:UHP6KYlAO
>>719
ワタル「いーかお前ら、グレスを甘く見てんじゃねーぞ?(赤酒グビリ)そりゃま最近は流石にその、アレだけどよ。若い頃のグレスっつったらそりゃもう凄ぇの凄くねぇのって(ヒック!)ボーン!のキュッ!のボンボーン!!なんちゃってよっ!アグネス・ラムか大神官グレスかってーぐらいでよ。俺らみんな、お世話んなったもんよ(フヒヒ)それに比べりゃ邪美や烈花なんざお前、おションくせー餓鬼だぜ餓鬼!わかるか?(グビグビ)ま、おめーら若い連中が知らねえのも無理ねえがよ、俺らはあれだ、直撃世代?て奴よ(ガハハ)」
日向「は、はぁ……(やべえ、相槌打つしかできねえ)」
暁「……(このおっさん元老院の偉い人を普段そんな目で見てんのか)」
まどか「タッくんはああゆう不良な大人になっちゃダメだよー」ネンネシナー♪
タツヤ「ゔ〜!!ちゅばさ〜!!(涙)」イヤイヤ
721 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/26(金) 22:02:33.71 ID:m/2P1Oi10
>720
アグネスラムで微妙にパチネタっぽいなww(海物語)
というかグレス様の人昔グラドルだったんだな。このまえ本屋で復刻版写真集的なものがあって「どっかでみた名前だな」と思った>ひし美ゆり子
ワタル「ふぃー。しかし・・・鹿目は本当に騎士に向かん性格だった。奴・・(ギリッ・・。)。の事件からというもの、一月はろくにメシも喉を通らず、あいつら(アカネやヤマブキ)の墓前に毎日のように通っていた。しかし、ちゃんとわかってくれたな。「これから一人でも多く立派な騎士を送り出すことがあいつらの供養だ」ということがな。」
ふと疑問に。
鋼牙は烈花やシグトより年上のはずなのになぜ同じ時期に修練所にいたんだろう。
722 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/10/26(金) 23:52:20.82 ID:pw/FAWim0
零の中の人って熱烈なまどかファンなんすねw
しかも杏子好きって、なんというシンクロw
(ソースは本人Twitter)
723 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/10/27(土) 01:59:41.74 ID:+3zyeswQ0
絶対に訓練所にいくわけではないとか?
名有りの騎士は現役の継承者に鍛えられるから訓練所に行かない的な感じで。
鋼牙は大河の死亡で修行の継続が出来なくなったから訓練所に行ったで年齢のずれがおきた……と思ったがシグマが行ってたからこれはないか……
騎士はまずは家系としての剣術を実家で学んでから訓練所に行って法師はまずは訓練所へその後、他の法師に師事するとか?
だから、根本的に騎士と法師で訓練所に行き始める時期が違うとか
724 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/10/27(土) 02:51:00.89 ID:Y3zD5NyAo
そもそも訓練所に、明確な年齢の縛りってあるのか?
そりゃ大人は駄目だろうけど、10代前半くらいまでの子供なら、年齢関係無く行けるもんだと思ってたんだが…。
現代の学校というよりも、江戸時代の寺子屋なイメージ。
725 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/27(土) 02:59:11.75 ID:U5eNztmHo
命が放った蹴りは、寸分違わず零の眼前で炸裂した。
が、零が仰け反り倒れ伏すことも、命が勝利の微笑を浮かべることもなかった。
打撃音の後は再び静寂が還る。漆黒の闇の中、どちらも動きはしない。
特に零は、その黒尽くめの服もあってか、完全に闇に同化していた。
右足は高々と上げられたまま、空中で不自然に停止していた。
しかし完全な静止ではなく、絶えず小刻みに前後している。
命の足は、零の顔を蹴り砕くには至っていなかった。
むしろ拘束された足を振り解かんと足掻いているのだ。
直撃の瞬間、零は回避は不可能と、右腕で受け止めていた。同時に、左手は足首を掴んで離さない。
まだ人の姿を取っていると予測したから。なおかつ、狙うなら首か顔だろうと思っていたから防げた。
2,3秒の間、両者は拮抗していた。
命は思うように動きが取れず、零は零で空いた右手で反撃をしない。
「やっと出てきたな、ホラーさんよ……!」
しないのではなく、できなかった。呼び掛けも、少しでも時間を稼ぐ為。
少々無理な態勢で防御したせいか、上手く衝撃を殺し切れなかった。
右手が痺れと、痺れを上回る痛みで拳を握れない。
暫くすれば回復するだろうが、そんな暇を与えてくれるはずがない。
たかが十数秒でも、ホラーとの死闘では生死を分けることもある。
仕方がなかった。
零の左手の甲にはシルヴァがいる。
左手で受ければ、シルヴァを傷つける恐れがあった。
もう二度と、彼女が代わりに傷付き、壊れるのは嫌だったから。
726 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/27(土) 03:01:40.31 ID:U5eNztmHo
かつてシルヴァは、零の胸にペンダントのように掛かっていた。
だがある時、零の胸を貫いた攻撃によって半壊。
修復されて以後は、左手に装着されている。
シルヴァが攻撃を受けてくれたお陰で的が逸れ、零は致命傷を免れた。
それは己が未熟の証。
だからこそ誓ったのだ。もう二度と、彼女に急所を守らせないと。
たとえ命が懸かっていようと、自分が死ぬことになろうと、この誓いが揺らぎはしない。
双方共に膠着状態の中、命が口を開く。
「そんなに、その魔導具が大事? 私と同じホラーなのに」
余裕の表れだろうか。内容は他愛のない雑談。
そして零への挑発。
零がシルヴァを庇って傷を負ったのは、命にも見破られていた。
「同じ? 冗談」
呼吸を整えながら、零も応じる。
もっとも、鼻で笑ってあしらう程度の、つまらない話題だったが。
「強気ね……そうでなくちゃ。つまらないわ。
右手をぶら下げて言ってちゃ少し不格好だけれど」
互いに互いを嘲笑しても、目は眼光鋭く敵を見据えて外さない。
握った足に力が入るのを感じ、零もググッと腕を震わせた。
「クールな振りして、意外と情深いのかしら。その魔導具も、あの娘のことも」
「へぇ、誰のことかな」
727 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/27(土) 03:04:10.73 ID:U5eNztmHo
「あなたと一緒にいた魔法少女。彼女も同行させた方が良かったんじゃない?
あなたが連れてくれば、魔法少女一人と素質のある娘一人、食べ損ねた分を補えたのに。
それとも、大事なものほど遠ざけたがるタイプなの?」
「どうかな。あれはあれで、どっちも、あんたよりはよっぽど魅力的だと思うけど」
「そう。残念ね……!」
先に動いたのは命だった。
捕らえられた右足を踏ん張って、左足で床を蹴る。
グッと身を縮めて、抱き着くように。
身体を捻り、爪先を尖らせる。狙いは変わらず側頭部。
足を掴んでいる限り、そこを軸に蹴りの軌道を変化させる。
そんな軽業師のような芸当も、命はやってのけるだろう。
チャンスが一転、裏目に出る形となってしまった。
ならば、と零は捕らえた足を放す。空中で支えを失い、命は大きくバランスを崩した。
すかさず身を屈め、強く一歩を踏み込むと共に、左拳でがら空きの胴を突く。
命は吹っ飛ばされ床を転がるも、転がる勢いのままに立ち上がった。
手応えはあった。打撃は効いているはず。
だというのに、攻撃をした零が右肩を押さえて呼吸を荒げていた。
吹っ飛ぶ瞬間、踵が右肩に振り下ろされていたのだ。
「ちっ……!」
舌打ちして、闇に溶けた命に悔しげな視線を送る零。
これで肩と手、合わせて右腕を封じられた。格闘戦においては、かなりの不利。
敵にしてみれば、この好機を逃す手はない。
728 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/27(土) 03:06:16.21 ID:U5eNztmHo
命が零に突進し、フォン、と風を切りながら左足が振られる。
零は後ろに下がろうにも、微妙に挙動が遅れるのを感じた。
傷付いた右肩と右腕が思うように動かず、体捌きに違和感を生じさせるのだ。
回避の遅れた零の脇腹に、回し蹴りが突き刺さる。
「がっ……ぁああっ……!!」
耐え難い苦痛に呻きが漏れる。
が、声を発したのは零でなく命。
命の足は、零の右腕で使える唯一の部位、肘と膝の間で挟み潰されていた。
零は回避を捨て、カウンターに賭けた。
結果的に成功したものの、かなり際どかった。
脇腹が疼くように痛い。確実に決める為に、引き付けたせいだ。
それでも、片足に傷を負わせたのだから安いもの。
と思いきや、足を戻した命は、痛む左足を強く踏み込み、もう一方を突き出した。
その目に油断はなく、あるのは本気の怒りだけ。最早、軽口を叩く雰囲気はない。
再び繰り出された蹴りは、槍と見紛うほどに鋭く、素早い。
その速さ故に際立つ風切り音。
攻勢に転じる瞬間の呼吸の変化。
闇に慣れた目は、数メートルなら難なく見通す。
何より命が放つ殺気が、おぼろげながら攻撃の流れを伝えていた。
右足からの蹴りを半身ずらし、回避。
コートの裾を払いながら空を切る足が戻るよりも先に距離を詰め、左腕を振るう。
軽いジャブを数発。それでも、鍛え抜かれた肉体から放たれる拳は重い。
729 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/27(土) 03:10:37.27 ID:U5eNztmHo
零は容赦なく命の顔面を打つ。
これはホラーだ。人ではない。手加減など必要ない。
たとえ、美しい女の顔をしていようと。油断すれば、喰われるのはこちらなのだ。
命は仰け反って、反撃もままならないかに思えたが。
命の重心と、軸足が心なしか動いているのを零は見逃さなかった。
来ると感じた瞬間に、床にブーツを滑らせる。
床に手をつき、左足を大きく前に突き出した格好は一見、滑って転んだかにも見える姿勢。
それがミスではないことを証明したのは直後、返す刀で零の頭頂を掠めた踵。
脚が戻りきる前に零が軸足を払うと、命は堪らず尻餅をつく。
両者が同じ目線まで下がった。
零が見たものは爬虫類を連想させる冷たく光る瞳。感情は読み取れなかった。
驚きもなく、ただあるのは殺意。
けれど危険を察した零は、即座に上に跳んだ。片足のみで、しかも曲げた膝をほとんど伸ばさずに。
ほんの僅かな一手間も惜しかった。
その下――数瞬前まで零の顔があった位置を、ついた両手をバネにした命の両足が貫く。
この時、初めて命の目に驚愕の色が宿った。
零のブーツが、真上から伸び切った命の右脚を踏み砕く。
落ちた、ではなく、踏んだ。
ただでさえ無理な跳躍にも関わらず、逆らおうとする肉体を意志で捻じ伏せ、跳んだその足を強く叩きつけたのだ。
喉から甲高く、それでいて濁った金切り声が絞り出された。
ホラーとて痛みは感じる。痛ければ反応するし、叫びもする。
命は重い両足を震わせながらも、どうにか立ち上がろうとする。
か弱く美しい女性の外見もあってか、痛々しくもあった。
730 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/27(土) 03:12:23.85 ID:U5eNztmHo
しかし、着地からステップで体勢を整えた零は、狙いを定め――。
軽い助走から大きく前に跳び、足を突き出す。
「っぉりゃぁあああああ!!」
勢いのついた飛び蹴りが、無防備な命の胸に叩き込まれた。
一切の慈悲もなく、雄叫びを上げて突撃する様は、いっそ冷酷ですらあった。
直撃を受けた命は、ザザザッ――と床を擦りながら滑り、遂には横たわって動かなくなった。
零は動かない。追撃も、警戒を解きもしない。
この程度で終わるはずがないと知っているから。
むしろ、ここまでは前哨戦に過ぎない。ここからが本番。
しかし、ここで優位に立っておくことは無意味ではなかった。
然してダメージは残せないだろうが、ここからの戦いに有利にはなる。
両手を腰に回し、双剣を抜き放つ。
右手も完全とは言えないが、剣を握れる程度には回復していた。
逆手に持った双剣を胸の前で構えると、命もピクリと動いた。
足を引きずりながら立ち上がった女は、幽鬼の如き表情。
肘から先は黒く刺々しく、岩のように固い異形のそれに変異していた。
他が美しい女なだけに、非常にアンバランスな光景だった。
だが、命が両腕を顔の前で交差させることで、それも終わる。
交差した腕を振り広げると同時に、魔獣は夕木命の殻を脱ぎ捨て、
完全にホラー・モロクの正体を現した。
731 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/10/27(土) 03:21:59.86 ID:U5eNztmHo
ここまで
日曜は無理かもしれないので、一週間以内に
漫画など見ながら想像のモデルだけで書いているので、
ちょっと人体の構造的な意味で無理な動きをしているかもしれません
何やってるか上手く伝わっているでしょうか
文字で動きを詳細に書くのは、労力の割に面白くないかも
いつもコメントありがとうございます
考察も小話も楽しく読ませていただいています
牙狼のCGは美麗なので、映画は今から楽しみです
もちろん3期も、横山さんが総監督ということで、どんなものに仕上がるのか
>>697
アドバイスありがとうございます
うまく書けているでしょうか
>>714
そのへんも、今後書いていきたいと思います
732 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/27(土) 09:30:43.30 ID:2wj5zsWAO
うぉぉ、待ってたぜーーー!!
733 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/27(土) 23:12:30.85 ID:qanVW2tP0
大乙獣陣!
杏子「バ・・バカ!何が魅力的だよ!///」
ううむ、モロクなどもはや牙狼絶狼クラスからすれば雑魚なのに結構食い下がれてますな。
カゲミツのケースしかり生身時が魅せ場だから命さんもけっこう強いww
魔界に一回送還されたホラーは対策を練れるというのもあるでしょうが。
でも余裕で沈めちゃえる零くんやはり最強クラスの魔戒騎士。
原作では烈火炎装で氷のほうを溶かしての勝利だったけど、さて今回は・・・。
なんと、横山監督。ということはアクション無双か!
734 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/27(土) 23:35:34.21 ID:O1XYJdAP0
乙です!
次回辺りに絶狼のテーマが聞けそうかな。
カゲミツやヤシャウルと戦うときのあの曲結構好きだったりする。
3期は横山監督が総監督なのでアクション面は心配ないでしょう。
ただ総監督が雨宮監督でなくなることで圧倒的な雨宮センスがなくなるのはちょっと惜しいかな…
735 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/28(日) 10:51:15.56 ID:HOY2gT2DO
乙です!
生身無茶苦茶戦闘は結構本編でもやってるから大丈夫かと。
そういや鋼牙と零の戦闘スタイルって、
鋼牙=静
零=動
って感じな気がする。
736 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/28(日) 12:33:59.60 ID:x/MAlBwAO
体重の乗った素手ゴロだな。杏子戦では如何にも優しくお姫様と闘うようにあしらっていたのがよくわかる。
双剣解禁!魅せてくれよ、銀牙騎士!
737 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/28(日) 12:53:22.86 ID:I7G8nBgi0
戦闘時BGMをお選びください
ニア FLY/DUSTZ
Fencer of Gold/JAM PROJECT
ZERO/SOUND TRACK
738 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/10/30(火) 09:54:31.88 ID:qdT1sCmAO
まどマギ第9話オクタヴィア戦のテーマ(曲名知らない)はどう?音楽に縁のあるホラーだし。
739 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/30(火) 12:33:22.76 ID:eW7Pr4Cp0
おお。たしかに元のモロクは珍しく悲しい過去を持つ人物に憑依されてるしいいかも。
ちなみにオクタヴィアのテーマは曲名「Symposium magarum(魔女たちの饗宴)」らしい。
740 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/10/30(火) 16:32:04.71 ID:eW7Pr4Cp0
何を言っているんだ、俺は・・・。
×憑依されている
○憑依している
カゲミツでもあるまいし・・・。ごめん。マミられてくるわ。
741 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/10/30(火) 20:03:30.30 ID:amqKiTNno
生身の戦闘と言えば2期1話のが印象深いな
スタイリッシュに戦う竹中直人が可笑しいやらかっこいいやら
742 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/01(木) 22:08:32.82 ID:ZmeTYbkw0
うむ、裏拳で鋼牙を吹っ飛ばしたときの顔がたまらんww
二期で生身アクション見るならその【火花】、【妖刀】、【仙水】、【赤筆】、【時代】を特にお勧めする。
『おいシルヴァ、ゴルバ、俺たちの映画もうまい棒とコラボしてみるか?』
743 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/11/01(木) 22:39:33.76 ID:L8i6B2DWo
ソウルメタル味のうまい棒…ゴクリ
744 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/01(木) 23:11:58.81 ID:2gp3eroAO
杏子「美月カオル?プロデュースのうまい棒?」
745 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/02(金) 00:36:56.37 ID:s/hP1nBF0
とりあえず鋼牙=コンポタだってのは思いついたww金と緑的な意味で。
ほむ「・・・あっ;(また落とした」
レオ「諦めてはダメです!ほむらさん、落ち着いて・・・」
746 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/11/03(土) 02:58:55.53 ID:Yugzk/Sko
一週間経ってしまいましたが、詰まっていたりで投下できません
土日で取り返したいと思います
747 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/04(日) 12:03:24.59 ID:yUDhBebAO
ゴンザ「>>1様、お茶でございます。どうぞ」→ビンテージダージリン
杏子「食うかい?」→うまい棒(コンポタ)
阿門「肩の力を抜き、鋭気を養え。お主の闘いはまだまだ始まったばかりよ。ま、一献」→赤酒
748 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/04(日) 12:25:42.43 ID:qTAAW03I0
≫1様
鈴「ヤマレェー、ヤマレェー、レザロエアーメッ♪」
カオル「≫1さんに届け私の思い。願心画狼!」
ところでまどマギ最終話のQB「さぁ、鹿目まどか、その命を対価に・・」のところからRRサントラの【決意】→【RED REQUIEM】→一期サントラ【英霊】リピート・・・ってやるとピッタリすぎて目から仙水な件。
749 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/06(火) 03:12:19.97 ID:VPkeJGs0o
話には聞いていたが、その姿は異様としか言いようがなかった。
恐ろしく、醜悪な容貌自体はホラーとしては珍しくないが、最も特徴的なのは両肩の輪。
右の輪の中には炎が、左には氷の結晶を思わせる水色の物体が。
既に零も味わっている、切り離して自在に飛び回る腕も、付け根に肩と同色の光があった。
情熱と哀しみを表しているかの如き炎と氷は、
闇の中で煌々と輝き、不覚にも美しいと感じてしまう。
しかし、この炎が人を焼き、氷が人を凍らせて砕く。
故に、この世界に絶対にあってはならない光。
ホラーは何も語らない。もう命の名残は、どこにも残っていないのだろうか。
零は少し考えて、無意味だと首を振る。どの道、ここに至っては言葉など無用。
人を喰い、人に憑依するホラーと魔戒騎士は決して相容れない。殺し合うしか道はないのだから。
戦いは睨み合いから何の前触れもなく、静かに始まった。
掛け声も合図もない。それぞれ相手の思考を察し、結果ほぼ同時に動いた。
零が双剣を手に駆け出し、ホラーの両腕が飛ぶ。
モロクの攻撃に対し、零は正面から突き進む。
飛ばせる両腕は想像以上に素早く、変幻自在。
遠距離、少なくとも視界が届く範囲はモロクの独壇場である。勝つには近距離で戦うしかない。
左の剣で確実に切り払い、右の剣は撫でるように逸らして避ける。
右手の握力さえ戻り切っていれば、右も難なく弾けたのだが。
と、嘆いてみても仕方ない。零は一気に距離を縮めた。
連続して襲い来る腕をかわす度に手の痺れは強まる。
気を抜いて剣を落とせば、即座に死に至る緊張。ほんの数メートルが遠い。
750 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/06(火) 03:15:48.56 ID:VPkeJGs0o
零は切り払い、或いはかわして、モロクにあと一歩まで接近したところで反転。
クルリとモロクに背を向け、首元目掛けて迫る腕を右で牽制しつつ、後ろ手で左の剣を刺した。
胸を突かれ、姿に似つかわしくない女の叫びが迸る。
苦痛に満ちた悲鳴も、耳に届いても心に響くことはない。
冷徹にバックキックで剣を引き抜き、前転で腕を潜り抜け、仕切り直す。
――勝てる……!
一連の攻防の中で零が得たものは確信。
右手が負傷していても、自分が圧倒しているという手応え。
後は右手が回復次第、鎧を召喚して勝負を決める。
冴島鋼牙が一度は倒したホラーだ。
あの頃の鋼牙の力量を、既に零は凌駕している。
もっとも、鋼牙は更に先へ行っているのだから慢心できようはずもないが。
零に油断はなかった。
ただ、この時は意識から外れていた。
人は短い生涯の中で成長し、経験を次の世代に伝え、
そうして魔戒騎士の知恵と技は連綿と受け継がれていく。
だがホラーもまた封印の度、魔戒騎士との戦いの記憶を持ち越し、
より悪辣に、より狡知に長けて、この世界に再び現れることを。
それも油断と言えるかもしれないが、この目で見てきたのだ。
数多の戦いを切り抜け、強大なホラーを滅してきた騎士でさえ、
些細な歯車のズレから格下のホラーに敗れる場合もあると。
751 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/06(火) 03:19:35.26 ID:VPkeJGs0o
自分も、いつそうなるかもしれない。
肝に銘じていたはずだったのに。
零は攻め手を緩めない。再び腕をかわし、懐に入ろうとする。
流れはこちらにある。回復まで時間稼ぎするよりは、攻撃した方が却って安全。
二度目は比較的、楽だった。モロクの反撃が左腕の一本のみだったからだ。
では右腕はどこに行ったのか。
モロクの右腕は右肩の後ろ。輪の中の炎を握っていた。
同時に、左腕が零の動きを封じようと掴みかかる。
背筋に走る悪寒。魔戒騎士の直感が身体を衝き動かす。
魔戒剣を下から振り、
「っぁあああ!」
左腕を斬り上げた勢いのまま床を蹴り、横に回転。
その傍らを放たれた火球が飛び、着弾。一時、闇に明かりを灯す。
炎か結晶を握り込んだ手から、対応する炎弾ないし氷弾が出るらしい。
一撃の威力が高いのは厄介。けれども決定的な弱点もある。
そうそう連射できず、しかも音と光を放つこと。
無音で闇に紛れたりしないので至極、読み易い。
何発か避けるうち、零は火炎弾の軌道、間隔を見切った。
後は左腕さえ排除すれば、残るは本体。
752 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/06(火) 03:21:50.75 ID:VPkeJGs0o
行く手を阻む左掌に右の魔戒剣を突き立てる。
如何に岩のように強固な肌であっても、
手のひらは防御も薄く、握力の弱った右手でも刺すには充分だった。
だが、剣を抜こうとした時、零は驚愕に目を見開いた。
「な……にっ……!?」
モロクの左手は刺さった魔戒剣を握り締めたのだ。
当然、ソウルメタル製の剣である。そんなことをすれば、傷が深くなるだけ。
現に、指の間を刃が切り裂いて、黒い体液がダラダラ垂れ落ちていた。
急いで引き抜こうにも、がっちり食い込んでいる上に握られている。
左手も全力で零に抗っているせいか、簡単には抜けそうになかった。
零は一瞬の逡巡の末――魔戒剣を手放した。
手を引いた零と、剣を刺したまま素早く飛び去る左腕の間を、火炎弾が過ぎる。
剣の取り合いを続けていたら、右手は黒焦げになっていただろう。
偶然とは思えない。企んでいたとしか考えられなかった。
『まさか……!』
「魔戒騎士対策ってことかよ……!」
腕一本を犠牲に、剣一本を奪う。
双剣使いにとって、片方の剣を奪われれば戦闘に支障をきたす。
が、問題はそれだけに留まらない。
753 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/06(火) 03:24:07.28 ID:VPkeJGs0o
一対の剣が揃っていなければ鎧の召喚は行えない。
よしんば可能だったとしても、防御と逃げに徹されたら、
一本では99.9秒の制限時間内に押し切れるか怪しい。
次にモロクが取るであろう行動も、容易に察しがついた。
だとしても勝算には繋がらず、有利な状況がひっくり返されたことに変わりはないのだが。
それから零は魔戒剣を奪還しようと右手を追うが、
案の定、右手はヒラヒラ逃げるばかりで攻撃すらままならなかった。
援護に来るかと本体を狙っても、なかなか誘いに乗らない。
攻撃力と手数不足で、充分にダメージを与えられなかった。
このままでは無駄に疲労するばかりで埒が明かない。
開かれた戦場も、今は枷にしかならなかった。
零は敵に背を向け、階を上がる。
どうにか、そこで迎え撃つ手段を考えなければ。
三階は二階に比べて小奇麗で、さほど荒れてもいない様子だった。
窓に面した長く狭い廊下と部屋がいくつかある。隠れて奇襲が適切か。
零が顎に手をやり思案していると、
『面倒なことになったわね、ゼロ』
「ああ、まったくだぜ」
『随分と落ち着いてるのね。まぁ、あなたらしいけど。
でも、これからもっと面倒になりそうよ』
「へぇ……」
754 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/06(火) 03:27:23.94 ID:VPkeJGs0o
シルヴァと軽い調子の会話を交わしていると、背後から階段を上がる足音が響く。
予想通りだが、やはり追ってきた。
なるほど。面倒になりそうだ、と零は内心で嘆息した。
それから零は長い廊下をひたすら逃げた。
反撃の糸口も見つからない。
みっともなく足をもつれさせ。
命からがら。
這う這うの体といった具合に。
走りながら、攻撃を避けながら。
零は廊下の窓ガラスを片っ端から割っていった。
幸い屋内には可燃物がなかったせいか、炎が燃え広がることはない。
それでも新鮮な空気を取り入れる意味はある。
モロクの外した、或いは切り払った火炎弾を外に出す為でもあった。
弾く度にガラス片と火の粉を撒き散らされるよりはマシである。
市街地のエアーポケットのような廃ビルは、敷地内も荒れ地だったはず。
これも火災の心配はまずないと見ていい。
やがて、逃げて逃げて、とうとう追い詰められる零。
もう少し下がれば突き当たりの壁。最早、逃げ込む部屋もない。
最後の窓ガラスに手をついて外を見る。
隣のビルまで20mは離れている。飛び移るのは流石に難しい。助走も足りない。
あちらの方が幾分か高い分、向こうの屋上から跳ぶのならいざ知らず。
昼間か満月の夜ならまだしも、視界が利き辛い今は止めておくのが無難だろう。
何より無意味だ。三階の高さなら楽に飛び降りられるのだから。
755 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/06(火) 03:28:59.43 ID:VPkeJGs0o
つまり、いざとなれば窓から逃げることも可能なのだ。
考える時間はあった。
モロクは零を嬲っているつもりか、ゆっくりと余裕の足取りだった。
零から五歩の距離で立ち止ったモロクは、しかし攻撃をしてこない。
ここまで醜態を曝した零を侮っている。
いつでも殺せると高を括っているに違いない。
――ホラーに剣を奪われたまま、情けなく尻尾巻いて逃げ帰る……か。
重大な掟破り……厳罰、少なくとも称号の剥奪は覚悟しないとな――
「けど俺……あんまり掟とか気にしないんだよね」
誰にともなく呟くと、懐からライターを取り出し、着火。
窓に向かって軽く腕を回すと、緑色の炎が輪を描く。
ここにいるぞと、誰かに合図を送るように。
すると、隣のビルの屋上で赤い光が一際強く輝いた。
756 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/06(火) 03:30:46.27 ID:VPkeJGs0o
外を見遣ると、何かが風を切り、高速で飛来してくる。
零は後ろに飛び退きながらも、一瞬たりとも目を逸らせなかった。
まるで放たれた矢――いや、この速度と予想される破壊力を形容するには到底足りない。
砲弾。
或いはミサイル。
様々な比喩が頭に浮かぶ。
だが幽かに赤く光の尾を引く様は、美しく、どこか一瞬で消えそうなほど儚く。
彼女の姿は零の目に、まるで流れ星のように映った。
そして窓に飛び込んでくる流星。
けたたましい音を響かせながらガラスを派手に砕き、床に槍を突き立てた。
「ちっ……外したか」
憎々しげに呟いて立ち上がったのは、魔法少女、佐倉杏子だった。
757 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/06(火) 03:34:49.21 ID:VPkeJGs0o
ここまで。次こそ日曜日にできれば
モロク戦については、原作の描写から変えてみました
wikiには火炎弾と氷弾を放って攻撃とありますが、改めて見返すと直接攻撃に使ってはいないんですよね
牙狼の動きを束縛?するのに使っていたようですが(あまり効いていませんでしたが)
正直よくわからなかったので、ここでは攻撃に使っています
実際1本で召喚できるかはわからなかったので、ここではできないものとしています
できたらすみません
>>747-748
お気遣いありがとうございます
いろいろ牙狼らしくない点も多々ありますが、これからも頑張ります
758 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/06(火) 13:35:29.46 ID:k7Rr3tyAO
( ゚∀゚)♪ゆーっけーっ、かぜのごとくー!♪
759 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/06(火) 17:02:36.20 ID:Sl6B5Tj+0
乙皇降臨!
チャララララーララララララー♪(♪RRサントラより【奪還】。)
杏子「零一人じゃ危なっかしいぜ。ち・・・力になってやんよ///」
真紅のドレスを身に纏った魔法少女。
佐倉杏子が戦列に加わった。
紅き幻影と白銀の牙が陰我を断つ!
なんか藤田君が杏子好きだとわかってからこのコンビをみると2828が止まらんww
というか隣のビルから光矢流星ばりに突進攻撃する杏子様パねえっすwwさすがは肉弾戦最強ww
760 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/06(火) 22:46:54.22 ID:e921IejSO
乙
今度は零がホラーを釣ったか
実際、片方だけでも召喚できるのかね。無理そうな気がするけど
>>759
いやいや、あんこちゃん零を狙って突っ込んできたんじゃないのか、これww
761 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/07(水) 03:46:16.06 ID:xPGU7Ypi0
あ・・・話の流れ上そのほうが自然か・・・。
つい日頃の癖でそういうことかとww
絶狼の鎧召還についてですが
絶狼と同じ流派の騎士である風雲騎士・バドは、剣を構えもせずに召還していることから、必ずしも召還に剣は必須・・というわけでもないように見えます
実際、一期【銀牙】にて零は光矢流星の矢のようなエフェクトが降り注ぐ中召還したことがあります。
・・・しかし、バドも剣を構えないだけで剣は携えていたでしょうし、零にも同じことがいえるでしょう。
よって、必ずしも剣や槍で空間を裂き、鎧を召還する必要はないけど、剣がなければ召還は不可・・・ということだと思われます。
このへんは魔戒剣=ソウルジェムという構図になるかもしれません。
762 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/11/07(水) 21:12:11.97 ID:OpcCQXLK0
暗黒魔戒騎士篇こと、牙狼1期の連続放送がニコニコ動画で決定だよ! →
http://ch.nicovideo.jp/channel/garo-saturday
http://ch.nicovideo.jp/channel/garo
で21-25のあらすじを見てくれ。→
http://live.nicovideo.jp/watch/lv113762562
これGARO PROJECTのサイトから引用してるから(
http://garo-project.jp/about/garo/
)ネタバレ全開すぎだぞw
763 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/07(水) 22:42:36.30 ID:xPGU7Ypi0
おお!これはまた良い感じの時間帯ではないか。
9時半から四話分なら気分的にも牙狼の時間だ。かなり見やすいぞこれは。
ちょwwwwww龍崎=バラゴとかレオ=シグマ(顔的な意味で)なみのネタバレだぞwwww初見さん涙目すぐるww
「鋼牙さんの雄姿・・・この目で見る時が来たようね・・・。」
「零のヤツ、いったい何モンなんだ?」
「鋼牙さんの剣術、参考にさせていただきますよぉ!(ワクワク」
「何者にも操れないもの。それは「時計」。そうでもないわよ?」
「大切な人の希望になれる人・・・カオルさん、素敵です!」
「まぁ、人間との接し方として、参考程度にはなりそうだね。魔導輪とやらは。」
764 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/07(水) 23:52:17.65 ID:C9UggRew0
4話ずつとか初見さんも生殺しだろうしDVD借りに行く人も多いんじゃないかな
分割してもクオリティが凄まじいし、より多くの人に見てもらう。たぶんそういう狙いもあると思う
当然このスレの住人も見る人多いんだろうねw皆と実況とか嬉しいw
映画公開前にRRやりそうだなこれ
765 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/08(木) 09:12:34.31 ID:JFf77RVAO
遅れた…
>>1
乙
中の人まで杏子推しだったのかw
766 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/09(金) 22:52:12.15 ID:uG/gpX9M0
前回の魔戒閃騎の生でも初見さんが一番多かったし、一期でもさらに虜になる人が増えてくれるだろうね。
ただ、二期の威厳に溢れた鋼牙や丸くなった零、大人なカオルに慣れた人はびっくりすると思うww
そしてゴンザさんの安定さに感心すると思うww
とりあえずこのスレ的には【指輪】が一番の見所かな。
でもとりあえずあのネタバレ文をなんとかすれwwww
書いちゃいけないことがいっぱい書いてあるww昔のジャンプ系アニメの次回予告じゃないんだからww
767 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/11/10(土) 15:22:53.19 ID:14ZRfU/Vo
ああ、謎の少年の正体はいったい!?って引きで本編が終了したと思ったら
次回タイトルが「僕はベジータの息子です」だった的なアレか
768 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/10(土) 18:43:15.53 ID:OZavfHOz0
『チャーラー、ヘッチャラー♪』
鋼「ザルバ、曲が違うぞ。」
『あーたーまかーらっぽーのほーうがー、ゆーめつめこめーるー♪』
ほ「あなたが歌うとブラックジョークにしか聞こえないわね。」
769 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/11(日) 08:06:14.73 ID:0RSjRk8AO
杏子「ザルバに百円入れると何でも歌ってくれるって?」
ザルバ『ふざけるな!俺様がいつ…』
杏子「ほれ」チャリン
ザルバ『♪解きっ放ってよ〜♪燃える小宇宙(コスモ)ぉ〜♪』
杏子「おうww」
770 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/11(日) 08:13:06.38 ID:OnBy+z3uo
そういうスレでもないんだしキャラ崩壊のレスは自重して欲しい
771 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/11(日) 23:08:51.55 ID:0RSjRk8AO
>>770
ごめん。
772 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/11/12(月) 02:23:54.05 ID:XSni0RCpo
明日か明後日あたりにはなんとか
773 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)
[sage]:2012/11/12(月) 21:40:16.77 ID:bRoVQXc9o
行け疾風の如く宿命の剣士よ〜
774 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/12(月) 21:47:33.26 ID:kEc1eTqyo
牙狼も好きだけど我が名は牙狼はもっと好き
775 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/11/12(月) 21:57:37.74 ID:iG0sw/two
僕はまだ恋をしてはいけない(戒め)
776 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/11/13(火) 00:31:34.94 ID:NOF8ohUL0
零が剣一本でもイマイチピンチに感じないのは1期最終回でモロクより格上のガルムを
鎧無し、剣一本で「じゃあな小番犬ちゃんよ」回転刺で倒した印象が強いからだと今更気付いた。
パチネタで申し訳ないが一応ホラー+αの強さランク的なもの
一期ver(パチンコオリジナルキャラは省く)
S:メシア
A:魔戒樹、レギュレイス、融合巨大ホラー
B:ガルム、コダマ、グラウ竜、アスモディ、ハンプティ
〜ストッパーの壁〜
C:アングレイ、イシュターブ、モラックス、パズズ、ウトック、モロク、ダンタリアン、ノウル、ガーゴイル
ボナファルツ、エルズ
D:森のホラー熊、素体ホラー
E:魔天使
ルナーケンとハルはパチンコ未登場につきランク不明。まあ多分Cだと思う。
2期ver
A:エリンネグル、カゲミツ、ザジ、ヤシャウル、ライゾン、リグル
B:シガレイン、ルーザギン、ギギ、ギギル
C:レベッカ、アグトゥルス、ズフォーマー、セディンベイル、鉄騎
D:メルギス、ゲノジカ、テルボ(デスホール)、号竜人
1期verはアスモディとパズズのランクが逆じゃね?って位でまあ概ね妥当だけど
2期の方は突っ込み所多数。まあ飽くまでパチの話ですが
777 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/13(火) 02:37:42.42 ID:6Y/Nbi1P0
ただ二期の場合、「負ける」んじゃなくて「取り逃がす」わけだからそこまでイメージの崩れる話じゃない。
まぁどっちにしろ原作を見ている人間からすれば「ねーよwwww」って話ですがね。
まぁでもシガレインとルーザギン以外は意外と妥当かと。
778 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/14(水) 02:21:19.20 ID:fguhyBUEo
*
さやかを解放した後、怒り心頭の杏子は躍起になって零を探し回った。
とはいえ闇雲に探して見つかる訳もなく、知恵を絞った結果、ひとつ候補に思い至る。
さやかがハズレなら、ホラーはもう一人の女。敵を連れて、そう遠くにはいかないはず。
近場で戦いに向いた場所。人の来ない、邪魔の入らない場所。
昨日、零を見つけた時に気になっていた廃ビル。
魔女のいそうな禍々しい気配を感じた。ひょっとしたら、ホラーのものだったのかもしれない。
ぬるりと粘りつくような嫌悪感。
危険を感じた杏子はすぐには近寄らず、まずは外観を見渡せる場所を探す。
魔女ならまだしも、相手はまったくの未知の魔獣。慎重になって足りないことはないだろう。
杏子は粗暴で短気を自覚しているが、馬鹿でも無謀でもない。
魔法少女として経験を積んできた以上、それなりの警戒心と思考力は持ち合わせている。
でなくては、とっくに喰われて死んでいた。
近付いて改めて感じた。あのどこかに零はいる。そして、彼が追うホラーも。
迂闊に入っていけない。そんな気がした。
根拠はなく、魔法少女の勘としか言いようがなかったが。
隣のビルの屋上から様子を窺っていると、ややあってガラスが立て続けに割れた。
何枚も、何枚も。内部の異常を外に知らせるように内側から。
火球が飛び出してくることもあり、ビル内では朱の炎が明滅していた。
ここからでは詳細は不明だが、激しい戦闘を繰り広げている。
そして見慣れない、鮮やかな緑色の炎が輪を描く。
炎に照らされ、傍らに立つ顔が露わになる。
その人物は――涼邑零。
779 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/14(水) 02:23:52.36 ID:fguhyBUEo
その目は杏子を見返し、その口は薄く微笑んでいた――ように見えた。
何故こちらに気付いた? その意図は?
考えるより先に、杏子は魔法少女の衣装を纏っていた。
零がいるビルに背を向け、屋上の端まで全速力。
振り返って槍を構え、魔力を全身に滾らせる。
――あれは挑発だ。あたしを誘ってやがる。来れるもんなら来てみろ、って。
わかっていても止められない。
――このまま指を咥えて見てりゃ、あいつの思惑に乗せられることはない。
ただし、見返してやることもできない。
一泡吹かせるとか、この落とし前をつけさせてやるなんて絶対に無理だ。
行けばあいつの思惑通り。危険も大きい。
けど、メリットもある。
ホラーの存在が今の見滝原では避けて通れないってんなら、知っておく必要はある。
それに、これは無謀な賭けじゃない。
もし野郎が本当に絶体絶命のピンチだとしたら。
で、あたしが加わってもどうにもならないなら。
あそこに呼び寄せるはずがないんだ。
あたしが加勢するか、"使う"ことで、"楽に"勝てると踏んだから呼んでる。
あたしを盾にするとか、囮にして自分だけ逃げるとか、まず確実に死ぬ状況も作らないだろうさ。
いけ好かない奴だけど、なんとなくわかる。あいつはたぶん、そういう奴じゃない。
もっとも、いいや、だからこそ……――
780 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/14(水) 02:25:17.61 ID:fguhyBUEo
「そんなところが堪らなくムカつくんだけどな……!」
ギリ、と歯を噛み締める杏子。
この街に戻った理由は、既に杏子自身にも曖昧になっていた。
最初は零への対抗意識から、零を倒したらすぐにでも帰るつもりでいた。
それが売り言葉に買い言葉で街に残ると宣言してしまい、
自分でもどうしたらいいか揺らいでいる。
ただ、零に負けたくない気持ちに偽りはない。
だから今は余所見をしないでおく。
目を閉じ集中するよりも、獣のように爛々と闇を睨み、闘争心を昂らせる。
心を一方だけに向けていよう。かつてのパートナーへの未練が芽生えないように。
人を手のひらの上で弄んで面白がるところがムカつく。
そのくせ護ってやっているつもりなところがムカつく。
頭の中に憎い男を浮かべる杏子だったが――。
ふと、考えてしまう。
自分がイラついているのは、彼が気障りな人間だからではなく、むしろ逆。
もしかすると、彼は飄々としているようで強くて気高くて、優しくて。
自分とは何もかも違う、まさしく騎士なのではと。
――あたしは……あいつを越え甲斐のある壁だと思ってた。
けど力でねじ伏せたとして、あたしは満足できるのか?
本当は、超えたいのは力じゃないのかもしれない。
でも、それが無理だとわかってるから、憎らしいのかも――
781 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/14(水) 02:26:39.65 ID:fguhyBUEo
何よりムカついているのは、そう思ってしまう自分自身。
――ああっ……! ダメだダメだ!
こんなの、戦う前から負けを認めてるのと同じだ。
そうだ。あいつが、そんな上等なもんか。
……でもそれなら、つまらない男に執着してるあたしは?――
次から次へと湧いてくる迷いを、杏子は激しく首を振って払う。
深く考えていたら闘志が萎えてしまいそうだったから。
「っおおおおおお!!」
雄叫びを上げて、杏子は猛然と駆け出した。
もう何も考えない。今は、すべてを振り切る。
助走はたっぷりある。問題は、行く手を阻む転落防止用のフェンス。
飛び越えていては助走が無駄になる。鎖を伸ばし、うねる槍で柵を切り払う。
膝丈で乱暴に切断された柵を跨ぎ、力強く踏み切った。
身を躍らせた杏子は、足場を失ってなお勢いを落とさない。
目標に、緑の炎に、それを持つ男に狙いを定め、滑空する。
全身には力が漲っている。
恐怖は微塵も感じなかった。
絶対に落ちたりしない。あの炎が見えている限り。
782 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/14(水) 02:27:40.29 ID:fguhyBUEo
みるみる窓が近付いてくる。
ガラスの向こうで見上げる零が飛び退く。
それでいい。そうこなくっちゃ面白くない。
確認すると、杏子は無意識に白い歯を覗かせていた。
次の瞬間、狙い違わず杏子はガラスを突き破った。
槍で床を深々と貫きつつ着地すると、左右を見回す。
右には零が、左には見たこともない奇怪な化け物が、共に数歩の距離に立っていた。
これがホラーとか言う魔獣だろう。魔女とは違う意味で醜悪だが、驚くほどでもなかった。
「ちっ……外したか」
呟きながら立ち上がった杏子は、床に刺さった槍を引き抜く。
状況は一目で理解した。
「思ったより早かったね、あんこちゃん」
それでも、真っ先に槍を突きつけるべき相手は決まっている。
783 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/14(水) 02:29:41.09 ID:fguhyBUEo
短いですが、ここまで
次もできるだけ早く
こういうところは難しいです
情報、感想など、いつもありがとうございます
やっと牙狼がニコニコでも配信されるようで、楽しみです
784 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/14(水) 09:13:08.17 ID:IXJIyJkAO
乙乙乙!
785 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/11/15(木) 10:00:50.26 ID:8MJnNF9So
乙ー
牙狼もまどマギも新作が控えて、熱が再燃してきた感じですなあ
786 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/11/16(金) 14:56:35.73 ID:QDxXWQFMo
TDSの杏子ちゃんの手に、あと一つグリーフシードがあれば……!
787 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/17(土) 21:55:51.48 ID:AMLABOr80
さやか「・・・・何これ・・・・?(目キラキラ」
まどか「さやかちゃん見入りすぎ・・・^^;」
みんな見てますかー?
788 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/11/19(月) 02:09:30.44 ID:QFpTABTRo
生放送は久々に復習ついでに盛り上がれて楽しかったです
ですが、すみません。水曜辺りから体調を崩して、投下できるだけ書き溜めできていません
次の投下では鎧の召喚まで書いて、なるべく早く進めたいと思います
789 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/11/23(金) 20:16:25.44 ID:X1GmvcrAO
零役の藤田さんはまどかマギカ好きらしいね
スピンオフ漫画まで読んでて杏子好きらしい
790 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/11/24(土) 17:43:39.02 ID:DKhum3X8o
スピンオフはどれも杏子がメインで良い役もらってるから
杏子好きにはたまらんよね
かずみは杏子自身はチラッとしか出ないけどロッソ・ファンタズマは
美味しい場面で使ってもらえるし
791 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/24(土) 21:35:05.07 ID:Kk1XSd890
さて、今週も牙狼の日がやってまいりましたよ。
いよいよ目下交戦中のモロクの登場だ。(八話)
ところで、今日牙狼動画見ようとニコで検索かけたところ、公式チャンネルの配信らしきものを見つけた。有料だけど。
こりゃ次回!配信。か?
792 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/11/25(日) 11:31:21.03 ID:GSsIy7+AO
既出だと思うけど、影山さん達JAMがコネクトを歌ってる動画あるのよね
あれでクロスオーバーMAD作って欲しいなぁ
793 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/25(日) 11:49:06.82 ID:U7SRQbHC0
藤田君よろしく山本君や央織君、さとうさんやメアリちゃんも自分のテーマソング唄ってくれないかしら
三期でメンバー総入れ替えみたいな不穏な噂があるし、卒業アルバム的にそんなアルバム出ないかな
794 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/25(日) 18:06:18.26 ID:fJn+w+1fo
3期は主人公違うしな
795 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/25(日) 18:48:46.93 ID:U7SRQbHC0
失礼。
×央織 ○織央。
怒号炎斬喰らってくるわ。
謝りついでに一言。レオ、何があったwwww>蒼哭ノ魔翌竜の集合写真
796 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/11/26(月) 02:03:24.68 ID:WQy+nvjr0
>>795
気になってみてきた……ほんとに何があったレオwwwwww
797 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/26(月) 02:25:30.99 ID:DfgLvHbDo
飛び込んできた杏子に、零はまたも平然と片手を上げて、親しげな挨拶を送った。
ついさっき嘘をついて利用したこと。
ここが戦場であり、自分が今もって危機の最中にあることなど、気にも留めていないかのよう。
杏子の答えは、冷たく鋭い視線と、眼前に振り下ろした槍。
しかも、零が上体を逸らさなければ額に刺さっている位置である。
「なにヘラヘラしてんだテメーは……。あたしを引っ掛けて都合良く使いやがって。
まさか忘れたわけじゃねーだろうな……。
あと、あたしをあんこちゃんて呼ぶなって何回言やわかるんだ……!」
杏子は両者の間に立ち、左半身をモロクに、右半身を零に向けている。
警戒はしているが、武器と顔を零に向けている現状は、かなり危険だろう。
それでも、それだけ、零に言ってやりたい思いが勝っていた。
「ま、あんこちゃんも、そう怒らないでさ。
とりあえず積もる話は後にして、まずは"そっち"を一緒に片付けない?」
と、零は杏子を宥めつつ、彼女の左を指差す。
ぽつんと置いてきぼりにされていたホラーは、酷く間抜けだった。
だが、闖入者に呆然としていたのも数秒。杏子が魔法少女と知るモロクは、彼女も敵と見なして排除を開始する。
零に言われるまでもなくモロクの攻撃を察し、杏子は首だけを回した。
モロクの左肩から火炎弾が発射される。
杏子は迷わず仰け反って炎弾をかわした。
モロク、杏子、零の位置は直線で結ばれている。
零からすれば、杏子の身体で塞がれていた視界が開け、いきなり火球が出現したに等しい。
798 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/26(月) 02:29:15.98 ID:DfgLvHbDo
「っと――」
間一髪、零も首を傾けると、
耳を掠めて火炎弾は壁に当たり、焦げ跡を残して消滅した。
「ふぅ……」
と、溜めた息を吐き出す零。
杏子は防ごうと思えば防げたものを、わざと嫌がらせに避けた。
そして彼なら当たらないという見立ては、やはり間違っていなかった。
「ざけんな。何であんたと協力しなきゃなんないのさ」
吐き捨てるように言って、杏子はモロクに槍を構える。
一歩間違えれば死んでいたところを零は怒る様子もなく、
一本となった魔戒剣を手に、杏子の右に並んだ。
「あんこちゃんも戦う気があるから来たんだろ? だから俺も呼んだ」
確かに。
零との決着だけが目当てなら、待っていればよかった。
もし死ぬような力量なら、所詮それだけの奴だったと幻滅するだけ。
むしろ、そうでないと確信しているからこそ、杏子はここにいる。
零とホラー、同時に相手できるとは思っていない。
自分だけでホラーを倒す。それも現状では無理がある。
ムキになって反発すれば、逆に二人仲良く死にかねない。
ただ――。
799 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/26(月) 02:31:33.85 ID:DfgLvHbDo
「あんたと慣れ合う気はないね」
これだけ言っておかずにいられなかった。
下らなくても、絶対に譲れない意地。
「なら30秒でいい。こいつの相手よろしく」
「はぁ? あんたは?」
「俺は盗られたもんを取り返さなきゃな」
剣を握った左手を軽く上げ、零は言った。
その視線を追うとホラーの後方、剣を手の甲から突き出した左腕に行き着く。
本体が二人の敵と対峙しているのに、不自然に遠ざかっている。
――ああ、なるほどね……。
一瞬で看破した。
敵は、双剣が零の手に戻るのを恐れているのだと。
そこに彼の秘密があるのだろうが、それが何かまでは知る由もない。
重要なのは、ひとつ。奴が片手で零と杏子を相手取ることよりも、双剣を警戒していること。
今だってホラーが眼前に立っているのに、
のん気に会話していられるのは、零が睨みを利かせているから。
十全でない零はまだしも、杏子の存在を軽く見ている。つまり舐められているのだ、自分は。
そう思うと、闘志が沸々と湧いてきた。
今すぐにでも目に物見せてやりたくなる。
800 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/26(月) 02:34:44.93 ID:DfgLvHbDo
「終わったら決闘でもご馳走でも付き合うからさ。な?」
そんな気持ちもあったからか。
迷っている暇がなかったからか。
「っ〜〜たく……30秒だけだ。ひとつ借しだからな!」
杏子はガシガシ髪を掻いた後、人差し指を立てた。
相変わらず、本気の戦いと食事の奢りを同列に語るあたり、
余裕っぷりが垣間見えて気に入らないが。
杏子の答えに満足したのか、零はまたも口元を僅かに歪め、鷹揚に言い放つ。
「そうこなくっちゃ」
その一言が引き金だった。
二人は弾かれたように飛び出した。
零は右へ。
杏子は前へ。
跳び上がった零の足が壁面を踏み締める。
零の目的を悟ったモロクの右腕はさせまいと動くが――。
「ほらほら! テメーの相手はこっちだ!」
振り下ろしながら鎖を伸ばした槍に薙ぎ払われる。
右手を叩き落とした杏子は槍を縮め、流れるように斜めに斬り上げた。
魔法の刃は魔獣の皮膚を走り、浅く裂いた。
801 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/26(月) 02:40:27.48 ID:DfgLvHbDo
モロクの注意を杏子が引き付けた隙に、零は壁を伝って横を走り抜ける。
左腕はあくまで剣を返すまいと離れていくが、零は逃げる以上の速さで追い縋る。
再びの跳躍。
壁を蹴って左腕を飛び越し、逃げ道を塞ぐつもりだろうが。
突然、左腕は目標を変え、空中の零を狙って動いた。
自身の手の甲から突き出た剣を、攻撃に利用するつもりなのだ。
零は杏子との戦いでも、何度か空中で攻撃をかわす荒業を見せた。
しかし鎖とは違い、相手は意思の通った身体の一部。
離れていようと命令の伝達速度は、武器として操る槍の比ではないはず。
そう易々と避けられるだろうか。
危機を伝えなければ。
何故か咄嗟に思い、大きく息を吸う。
「――っ!」
しかし、言葉にはならなかった。
ホラーが杏子を目掛けて蹴りを繰り出した。
鈍重なように見えて、意外に素早い。おまけに重い。
辛うじて槍の柄で防御したものの杏子は大きく後退し、
そちらに注意を取られて声を出せなかった。
――ヤバい!
そう感じたのは、どちらに対してだったのか。
とにかく、杏子は無意識に零を目で追い――その目を見張った。
剣を捨て、迫り来る刃を両掌で挟んで止めたのだ。それも空中で身を捻った不安定な体勢で。
802 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/26(月) 02:45:29.25 ID:DfgLvHbDo
腕一本でも人間一人を持ち上げるホラーの腕だが、
零の体重と落下の勢いを支えるには至らなかった。
零はモロクの左腕ごと落下。
途中で刃を回したのだろう。刃を床に突き刺し、腕を縫い止めた。
初めて目にした真剣白刃取り。これには杏子も舌を巻いた。
言葉にすれば簡単だが、同じことができる自信はなかった。
もっとも、同じやり方である必要はないのだが。
それぞれ持てる特性も技術も違うのだから、杏子は杏子なりのやり方で回避を試みただろう。
だが単純な身体能力と身のこなしでは、零が杏子より一枚上手なのは疑いようのない事実。
劣等感を抱いているつもりはない。ただ、負けたくないと強く思う。
その気持ちが杏子を衝き動かした。
鎖を巻きつけ足技を封じ、火炎弾を払い落す。
杏子の攻撃は苛烈になり、モロクは徐々に防ぐのがやっとになっていった。
そして遂には、その腹を深く槍で貫く。
ずぶりと肉に刃が入る奇妙な感触。魔女相手ではなかなか得られない経験だった。
モロクが悶えている間に引き抜こうとする杏子だったが、
「そうだ、あんこちゃん! ホラーの間近では戦うなよ!」
そこへ思い出したような零の声。
零は頑として剣を放そうとしない腕を靴で踏み、逆に柄を押し込みながら抉っていた。
「俺はあんこちゃんを斬りたくないからさ」
何故か、そんな言葉を続けて。
803 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/26(月) 02:49:37.21 ID:DfgLvHbDo
それは果たして、どういう意味なのか。杏子は疑問に思い、一瞬そちらに気を奪われる。
が、真意を問う前に、モロクの咆哮が正面の杏子を直撃した。
おそらく、零が剣を強引に引き抜いたせい。
耳をつんざく苦痛の叫び。生臭い風に髪を煽られ、杏子は飛び退きながら槍を抜いた。
傷口からは黒い体液がパッと舞い散る。
返り血は杏子の手前の床に落ち、やがて吸われるようにして消えた。
距離を取った杏子は顔に玉の汗を浮かばせ、荒く息を吐いた。
危なかった。零がいきなり謎の発言をするものだから不意を突かれた。
その緊張は悲鳴に驚いた為であって、返り血を浴びる危険にではない。
零の忠告がなければ、杏子は返り血を物ともせずに追撃していただろう。
彼女はまだ、その意味を知らなかった。
また、その場では聞き直すこともできなかった。
ようやく双剣を取り戻した零が立ち上がったから。
まだ彼が駆け出してから15秒と経っていない。
二三度、右手を握っては開き、感覚を確かめる零。
これなら問題ない。痺れも痛みも完全に消えていた。
そして零は両手の魔戒剣を順手に持ち替えると――。
双剣を交差させた後、天に掲げた。
――……? 何を……
杏子が首を傾げたのも束の間。
零が手首を回転させると、それぞれの剣先が白く光の軌跡を描く。
生まれた双つの円は直上で重なってひとつとなり、紋章が浮かんだかと思うと、眩い光が溢れる。
そして、膨大な光のシャワーが零を包んだ。
804 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/26(月) 02:51:25.85 ID:DfgLvHbDo
一旦ここまで
あと1レス投下したかったですが、半端にもしたくないとこなので明日
いろいろ不調で長く間が開いてすみませんでした
805 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/26(月) 03:28:56.14 ID:H3Ak/3CAO
乙です
零に翻弄されてた杏子から一気に成長したかのような連携
素晴らしい
スピンオフの杏子に勝るとも劣らない活躍だね
それに引き換えスピンオフのもう一人は……
公式でもあんな幻滅させられるとは思わなかったわ
戦う意志も覚悟もないのに外面だけ一人前みたいなフリとは笑わせる
このSSでまだ出番あるならまず腐った性根をガツンと叩き直されないとな
806 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/11/26(月) 12:49:59.63 ID:4mue3DC/o
>>805
上4行でやめときゃいいのに、なんでわざわざキャラDisらなきゃいけないのかな?かな?
何度注意されてもキャラDisを止めない人こそ根性を叩き直されるべきじゃないかしら
807 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/26(月) 13:25:22.75 ID:9JrdSHuD0
まぁ、その、なんだ。そういうスレじゃないんだし(消滅
乙・烈火炎装!
悠木ちゃんといい藤田君といい杏子ちゃんモテモテだなww
相変らずイチャつきおってこの魔戒兄妹めwwニヤニヤが止まらんわ。
さぁ、銀牙騎士絶狼を見て杏子ちゃん何を思うのか見物ですな。
マミさんと戦ったホラーとモロクはどちらが強いのかも気になるところ。
マミさんの名誉のためにいきなりハンプティ・ベビル・カゲミツ・ザジレベルとあたったと思いたい。
生を見てて八話で
「今日のホラーはオクタヴィアですか?」って※が流れてたww
ああ、みんな考えることは一緒だのうと思った。
手を遠隔操作する戦術にさしもの鋼牙も手を焼いてたけど
鎧を召還すればあっさり、でしたね。
808 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[SAGE]:2012/11/26(月) 14:53:28.98 ID:efUmlgMS0
個人の感想なんだから何書こうが自由だろ
どんなssだろうと掲示板に投稿する以上は色んな意見があってしかるべきだと思うが
綺麗な意見しか認められないのか?
809 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/26(月) 15:02:06.47 ID:dydKDUTso
でもそれSSに関係ないやろ
810 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/26(月) 15:24:21.02 ID:hMQMKNWAO
>>807
前スレ登場の>>1の創作ホラーね。【ナイフのホラー】と呼んでいる名無しホラー。素晴らしい悪の魅力に溢れていた。しかしバラゴの吸収の対象から外れたんだから、あれでも特別強力な方ではないんだろう。マミが苦戦したのはHP1までは削れても0には出来ない、撃破不能である事を知らなかったから。力ではザジには及ばないんじゃないかな。
モロクも強敵の部類には入らない。
ナイフのホラーが堂々たる直接物理攻撃派だったのに比べ、モロクは属性攻撃とロケットパンチで接近戦を封じる。ガロ戦では鋼牙が強すぎて通用しなかったが。
クセのある者同士、モロクVS零+杏子戦は鎧と共に最高の音楽♪を召喚して、決着………するのか?!?
811 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/26(月) 15:31:15.30 ID:dydKDUTso
モロクの父親の方が色んな意味で手強かったよな
812 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/26(月) 16:20:06.34 ID:9JrdSHuD0
>810
作者さん名前付けてくんないかしら。>ナイフのホラー
ナイフのホラーは単純にバラゴ様が暗躍してた東の管轄に出てこなかっただけかも。
1000体ホラー吸囚も強いホラーだけ喰うというわけでもないだろうし。
強さは別としてモロクは間違いなく五本の指に入るくらいいいデザインだ。
なんというか、禍々しくおぞましいいはずなのに美しい。
まどポの杏子ちゃんのテーマもかっこいいから候補に入れよう。
>811
ああ、主に我々の精神を抉りやがった。鋼牙はもっとだろうけど。
813 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/11/26(月) 17:18:07.65 ID:4mue3DC/o
>>808
ここは個人のブログじゃなく、不特定多数の住人がいる場所なんだから
個人的な感想をなんでも自由に書いていいってわけがない
特定キャラDisりはそのキャラを好きな他の住人にとって不快だからするべきではない
自分がされて不快なことは他人に対してもするべきじゃないって言う、しごく一般常識だよ
しかもSSの感想ですらないならなおさら
キャラdisりたいならアニキャラスレのアンチスレでやればいいことです
814 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/11/26(月) 17:22:51.09 ID:a64mquYeo
そもそも公式が特定キャラ貶めてるからアホが涌くんじゃないんですかねぇ
ダラダラ長文ご披露してる時点で同じ穴のムジナやん
815 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/26(月) 17:41:53.47 ID:dydKDUTso
もうやめようこんな話(提案)
816 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/26(月) 17:56:44.23 ID:gRpaejwSO
乙
返り血について触れたのはこれが初めてかな
ホラー相手では避けて通れない問題だけど、騎士が戦う時に結構飛び散ってそうだよね
一番は爆散した時だろうから人前で召喚禁止なんだろうが
これは杏子あたり返り血を浴びて零が浄化する展開があるか……
817 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/26(月) 18:04:50.03 ID:dydKDUTso
1期の零なら余裕で殺してたけど今なら浄化に奮闘しそう
そもそも返り血が魔法少女に意味あるか分からないけど
818 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/26(月) 19:55:48.47 ID:9JrdSHuD0
仮に返り血かかっても今度は邪烈ついでにシグトもいるからヴァランカスの実入手には困るまい。
あ、法師たちの出番が一つできるなそれで。
杏子ちゃんよりむしろまどかちゃんが危ない気が。立ち位置的に。
819 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/27(火) 01:53:05.63 ID:Jx4j5UQAO
まどか「はわわ、先読みは、しぃーっ!、だよっ!」
翼「SSの掟を破る者は……斬る!」→槍
820 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/11/27(火) 03:03:07.86 ID:huHbJUgHo
ごめんなさい
やっぱりもう一日
ちょっと大げさに書きたいのですが、なかなか
821 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/11/27(火) 09:14:30.10 ID:cqEFPpXRo
ヒーローの変身シーンは気合入れたくなるものですもんね
ゆっくり待ってますよ〜
822 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/27(火) 13:13:25.69 ID:erPBii0W0
先読みとか言われるとどうしても(消滅)を思い出すww
うん、アカンね。自重する。
ヴァランカスの実といえば紅蓮の森だが
法師以外は立ち入り禁止とか言っといて二期ではしれっと侵入できた紅蓮の森。
何故・・・・?
823 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/27(火) 17:44:44.69 ID:Jx4j5UQAO
>>822
答え:タム婆ちゃんが仕事してないから(笑)
タム婆の正体って公式に説明されてましたっけ?
明らかに元・人間の人外で魔戒の管理職って事で、格好はアレだけど実は番犬所の神官並に高位なんじゃないか?
中の人、ベテラン女優の根岸季衣さんだったんだね。阿門法師といい、ガロはキャスティングも絶妙。
824 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/27(火) 20:00:37.13 ID:xHU0jKJAO
遅れた…
>>1
乙
いよいよ絶狼の鎧召還か。頼むぜ北崎…じゃなかった零。
825 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/11/27(火) 21:05:27.42 ID:cqEFPpXRo
牙狼の変身シーンに魅かれてこのSS読み出したようなもんだから
絶狼の変身シーンに弥が上にも期待してしまう……といったら
>>1
のプレッシャーになってしまうだろうか
でもマジ楽しみにしてます
826 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/27(火) 22:51:16.94 ID:erPBii0W0
仮面ライダーとか見た事ないからようわからんけど藤田君の前役そんなに印象に残るのか
たしかゲノジカの演者と共演してたらしいが・・・ん?山本君か?そりゃ
タム婆は鋼牙と会ったときの第一印象が「おや?良い男だねぇ〜♪」というのが印象に残ってるww
なぜ魔戒職のサブに来る人間は結構洒落にならない人外が多いんでしょうね。
三人のロリロリに分割憑依する暗黒神官しかり
鋼牙の破滅の刻印抉ったりザルバに謎のお仕置きする大魔導輪しかり
股下が森の入場口のお婆ちゃんしかり
アー♪しか喋らないマーク武蔵しかり。
後任の東の神官とグレスさまのまともさが逆に不自然なレベルだ。
・・・・・立場からすれば高位なのにラテス法師の筆であっさりあしらわれたグレス様。
あなたの部下は絶狼をボコってるんですけど・・・ww
827 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/28(水) 02:08:27.09 ID:ML8nkwqAO
『仮面ライダー555』での藤田玲さんは最強クラスの怪人役で、もうどうしたらいいか分かんないくらい強くて悪い殺人鬼!日曜の朝っぱらの子供番組で大丈夫かと思うほど狂ってました。
『牙狼』で正義の味方で登場した彼を見た感動をお察し下さい。
ゲノジカ役の村上幸平さんは史上2番目に性格の歪んだライダー・カイザ役。残念ながら引退されたそうです。
カオルの父を演じた村井克行さんは『555』では悪の組織のボスでしたww
828 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/28(水) 02:31:42.42 ID:eOaRaOmYo
その光景を、杏子は呆気に取られながら見ていた。
目を離そうにも離せない。
ただただ思考を停止し、圧倒されていた。
――これが、あいつの隠してた切り札……。
考えたと言えば、その程度。
だからどうした、と聞かれても、きっと答えられないだろう。
この有様を、どう表していいかもわからなかった。
心臓が早鐘を打つ。
胸の奥から、腹の底から湧き上がるような、この気持ちは何だろう。
その瞬間、杏子の頭でなく、心に浮かんだもの。
それを敢えて言葉にするなら――たった一文字。
神。
この上なく陳腐で大仰な表現。
だが、そうとしか形容できなかった。
他に似合った単語が見つからなかった。
829 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/28(水) 02:34:39.40 ID:eOaRaOmYo
この世のものとは思えない神秘的な、まさしく上天の光。
その瞬間、不思議と杏子は記憶が揺さ振られるのを感じた。
二度と戻らない、遠く懐かしい日々。
だからこそ今も鮮明な、優しく、幸せな想い出。
――あれはいつだったか……あたしがまだ、神様を信じていた頃……。
珍しく早く目覚めた、真冬のある朝。
まだ陽も昇ってないのに、父さんは礼拝堂にいた。
外は雪がチラつき、吐く息も白く凍る中、あたしも父さんを手伝って掃除したりして。
そのうち妹のモモも起きてきて、二人でお祈りの真似事なんかしていた時。
朝日が昇り、教会を包み込んだ。
朝の清冽な空気に、ステンドグラスから降り注ぐ光は眩しくて、雪はキラキラ輝いていて。
まるで天使が羽根を散らしながら舞い降りてきたみたいだった。
あの時ばかりは、神様は本当にいるんだと思えたっけ。
元々、神父の娘だからって信仰心が強かった訳じゃない。
信仰の何たるかなんて理解してなかったし、今でもわかっちゃいない。
お祈りも父さんに言われた通りに過ごしていただけ。
だから神と言っても、跪いて拝むとか、そういう対象とは違う。
これまでの人生で、とびきり綺麗な感動と似ていた。
言ってしまえばそれだけ。
なのに、胸が苦しいのはどうしてだろう。
過去を思い出してしまったから?
それとも、この光を切なく感じてしまうから?
もしあたしが、あの頃のままだったなら、もっと素直に想いを表せたのかな――
830 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/28(水) 02:36:13.08 ID:eOaRaOmYo
暫し追憶に耽っていた杏子だったが、轟いた狼の雄叫びで現実に引き戻された。
長い追想も時間にすれば、ほんの数秒。
状況は変わっていない。すっかり光は消え、暗闇が戻っている。
狼などいない。あれは幻聴だったのだろうか?
いや。
目の前にはホラーがいて、その奥には涼邑零が――いなかった。
代わりに、銀色の鎧を纏った何者かが。
ちょうど、その時だった。
空を覆っていた暗雲に、剣で斬ったように一筋の切れ目が生じる。
晴れ間からは月が覗き、割れた窓から差し込んだ月光が濃い影を裂く。
そして、杏子は見た。
零が立っていた場所にいたのは、白銀に輝く鎧の騎士。
双剣を携えた銀狼が、月明かりに照らされ、静かに佇んでいた。
銀牙騎士、絶狼。
杏子がその名を知るのは、もう少し先のことだった。
831 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/11/28(水) 02:39:26.76 ID:eOaRaOmYo
これだけに妙に時間がかかってしまいましたが、ここまで
日曜に投下できるかは出来次第で
個人的なイメージですが、絶狼の場合、牙狼ほど鎧のインパクトは少なく
また、ピカピカ光らない方が似合う
牙狼が太陽なら絶狼は月な感じです
なので召喚の光を中心に、杏子が連想しそうなものを想像
あと一期最終話の天使とかも
832 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/28(水) 09:41:31.03 ID:Ga+6oYrP0
乙ソ・ファンタズマ!
杏子ちゃんにわずかに残っていた聖女の心が揺りおこされましたかな。
もしこれで魔天使でも出てきたら完全に信じ込むかもww
さて、モロク、陰我消滅の覚悟はできたかな?
さて、【Fencer of Gold】の用意はいいかぁ!
>827
要するに呀か。確かに悪役として強烈なインパクトを残した演者が正義の味方をするとなると感動するかもなww
逆もそうだわ。大河さんがミナミの帝王で詐欺師として出て来た時は唖然としたもんだ。別の話でゴンザさんはオカマだったしww
ゲノジカは・・・大体想像出来るな。歴代二位・・・一位が気になるなww
833 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/28(水) 09:53:47.45 ID:9zoF+l4AO
>>1
乙。確かに絶狼の鎧はツヤ消しだったような。
1位は龍騎の王蛇かなぁ。浅倉は分かりやすく悪役だったけど、他の奴はどちらかと言うと陰湿な悪党だし。そんな彼もかつては超光戦士…
834 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/11/28(水) 10:08:48.32 ID:60yOqzFOo
サバじゃねえ!
あんこちゃんの聖女モードが覚醒するフラグにむねがドキバグだわ
835 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/28(水) 11:18:38.70 ID:ML8nkwqAO
美しい………乙!
>>832
,833
みんな詳しいなww
【Fencer of Gold】初めて聞いた。イントロでほむらを想起。11話にこの曲がかかったらワルプルギスに勝てちゃったかも!?
836 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/28(水) 11:34:01.81 ID:Ga+6oYrP0
>832
ああ、実は生きていたさやかと杏子が出てきて
三騎一閃!
とかやらかして撃破してまどかとのスペエンが待ってただろうね。(パ)
マミさんも入れたら四騎一閃だ。
837 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/11/28(水) 13:06:51.64 ID:NyekNBPao
おおう…
やはりヒーローの変身シーンは気分が盛り上がるね〜
838 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/11/28(水) 19:22:12.84 ID:2adAyHBf0
>>835
牙狼キャストは他の特撮出演者も多いからね。
魔戒騎士兼仮面ライダーが4人もいて、シグトとクルスはタイムレンジャーだしw
839 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/28(水) 20:02:49.69 ID:Ga+6oYrP0
中尾「ガタッ」
シグトは本来朝特撮向けのキャラだよなww
840 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2012/11/28(水) 22:27:02.01 ID:kEBZdx05o
そういや中尾役立たずのGフォースの長官だった
841 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/29(木) 08:59:42.54 ID:ux64ZIXAO
魔戒閃騎の「秘密」に出てきた戦場カメラマンの高野八誠も実は手塚(仮面ライダーライア)という。
842 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/11/29(木) 10:58:47.03 ID:d+AmrZNl0
乙
大河さんは牙王でもあるしコマンダーでもあるし
ライダーにもウルトラマンにもでたことがあるという
ゴンザさんは……やはり不幸な刑事→警備員→ホームレスだな(
843 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/11/29(木) 11:05:49.32 ID:LgAYzDRW0
鋼牙「牙狼一筋だ!」
カオル「同じく!」
ザルバ『まったくだぜ』
>841
『ささやかな幸せを願って繰り返される悲劇。子は親を想い、親は子を求める。次回!手紙。そこには本当の愛がつづられていた!』
844 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/30(金) 00:26:12.06 ID:Q2WzyQEAO
>>843
秘密はヤシャウルの回だった…素で間違えてた
845 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/30(金) 01:47:40.79 ID:4D8sK4vAO
>>833
浅倉は狂ってはいるけど歪んでるかどうかでいったら東條も草加に引けをとらないと思う。
味方にいても何かと理由つけて排除されそうで油断できないし、心許したら「大切な人が[
ピーーー
]ば、僕は英雄としてまた強くなれる…」っとどの道詰みだ…
>>838
大河→牙王
翼→レイ、サガ、ダキバ
ワタル→凍鬼、斬鬼さん
まではわかってあと一人誰?と思ったけど零もデルタやってたなw
北崎デルタが歴代デルタ最強だったけどドラゴンオルフェノクのが強かったからちょっと忘れてたわ
846 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/11/30(金) 19:58:34.97 ID:o4+v71Th0
>>845
そうそう。
まぁ細かい話をすれば伊藤慎さんも加えて5人なんだけどねw
>>843
残念ながらカオルの中の人は仮面ライダーブレイドの怪人役でもあったのでアウト。
ザルバは・・・特撮ソング滅茶苦茶歌ってるしw
847 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/11/30(金) 23:27:23.17 ID:BrAklVPAO
>>843
カオル「うつけバー《NOBU》?何だろ、入ってみよう」ガチャ
ノブママ「アラ、いらっしゃい」ウフ♪
カオル「えっ鋼g……え゙!?!?!」
848 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/12/01(土) 01:09:34.95 ID:hrmDnGpp0
駈音「カオル君、君はとても悪い夢を見ていたんだよ。」
849 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/12/01(土) 02:25:18.55 ID:QSS/BXo90
>>845
一応ワタルはイクサでもあるぜ!!
850 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/01(土) 03:57:26.91 ID:M+nwkixro
ワタルはガルルのイメージが強いな
というか鎧のカラーリングからして絶対意識してるだろ
851 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/12/01(土) 12:40:13.43 ID:hrmDnGpp0
金(牙狼)銀(絶狼・破怒)白(打無)黒(呀・邪悪)・・・と色分けするとき、狼怒と破狼の鎧の色はどう書いたものかといつも迷う。
魔戒騎士と魔法少女を色別に組ませるのも面白そう
852 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/12/01(土) 14:39:22.03 ID:co23q+jAO
>>851
破狼は「青」で、狼怒は強いていうなら「紫」かな?狼怒の色は確かに説明しにくい。
853 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/12/01(土) 18:41:32.44 ID:hrmDnGpp0
グレーにうっすら紺色を混ぜてメタリックにした感じなんだよね。漢字一文字では絶対に無理だわ。
・・・・何かの間違いでピンク色の鎧の魔戒騎士を想像してしまった俺は陰我消滅されるべき?
854 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/01(土) 23:07:10.13 ID:T0F8EPx7o
バトランドの王宮戦士が
>>853
をじっと見ている
855 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/02(日) 00:50:10.91 ID:fDEVL+aR0
今回のニコ生まさかの出来事で呆然とした
あの回でこんな…こんな…
こんなの絶対おかしいよ!!
856 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/02(日) 00:55:50.45 ID:5vQuuYz90
ドラクエかよwwまぁ似たような匂いはあるけどww
さやか「鋼牙さん・・・今週も神でしたっ!(感涙)」
まどか「だからさやかちゃん見入りすぎ・・・^^;」
さやか「ぐすっ・・・。それはそうとこの頃の零さんって杏子みたいだね。」
857 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/02(日) 22:53:25.71 ID:5vQuuYz90
昨日の生を見ていない人向けに≫855の言わんとしていることを説明しておく
屈指の神回【大河】のエンドロール中にむこうの手違いでエンドロールがぶった斬られ突然CR牙狼のPVが流れて場内騒然となった。
そのせいで本来あろうはずも無いアンケートの四を選択する客が15%にも昇ってしまう事態になった。
858 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/02(日) 23:13:27.89 ID:Rr4w74DLo
>>857
次回予告も見れなかったのよねー
859 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/02(日) 23:16:43.09 ID:Ou48IkU4o
やっぱりニコ動ってクソだわ
860 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/03(月) 00:04:23.96 ID:IxVrGdYp0
今回は流石に擁護しきれん。よりにもよって【試練】【大河】と神回が二つもあるDVD第三巻収録分のときにあの失態はまずい。
いや、牙狼にどうでもいい回などあるわけない。
猛省せよ。
ちなみにあの回の次回予告は
『俺様が直々に、魔戒の秘密を教えてやろう。知ってしまったからには、もう抜け出せないぜ?次回!約束。闇の世界へ、ようこそ。』
それはそうと、大河さんと少年鋼牙の別れのシーン、十話のまどかとほむらの約束のシーンを思わせるよね。
その後の契約のシーンもww
ザルバ『契約とはこうするものだぜ』
861 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/12/03(月) 02:28:19.47 ID:/xvyP+fpo
例によって例の如く、もうちょっと掛かりそうです
昨日の生放送は本編は楽しめましたが、最後は残念でした……
862 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/03(月) 08:48:29.67 ID:PkJ7iEgNo
ニコカスは臭いし画質良くないしでBDで見た方が絶対いい
863 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/04(火) 09:57:17.81 ID:QC/gR+hao
ニコはコメントを楽しむライブ感が売りだから
画質にこだわる人には向かないだろうね
BDは価格がもうちょっと安くなればねぇ
864 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/04(火) 11:52:01.14 ID:2SsqQIXSO
まぁ、ニコニコの文句はもうやめよう
自治するつもりはないけど、ライダー談義とかもスレチか微妙だし
865 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/04(火) 14:58:14.43 ID:+4maiVQeo
>>860
ザルバの声で再生されるww
866 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/04(火) 19:10:45.46 ID:tIbQ7dJh0
ザルバ『もっとも、契約してやるからといって何か願いを叶えてやるわけでもないけどな。ただ、友を裏切るような真似は絶対にしないぜ』
シルヴァ『その代わり、契約した者を時には身を挺して守り、時には家族のように接し、契約した騎士を最期の時まで見守るわよ。』
ゴルバ『そうじゃとも。それが我ら魔導輪の掟じゃ。』
エルダ「ばらご様コソ、私ノ全テ。」
QB『僕だって魔獣世界なら・・・』
867 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/05(水) 01:14:35.33 ID:zjgCxnt10
>>866
魔導輪はザルバだけだがそれよりもなぜそこに混ざってるエルダwwwwww
868 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/05(水) 20:02:35.80 ID:wZi3dy6N0
バラゴ「僕と契約して、我がシモベとなれ。」
エルダ「ばらご様・・・・マイボディーワズリッボーン!」
エルダ「・・・・・ト、イウワケナノダ。」
マミ「・・・・・・。」
869 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/06(木) 03:37:06.34 ID:8dyS6DLAO
エルダ忘れてた
暗黒騎士鎧伝に唐突に登場したけどTV本編にいても違和感無かったろうね。京本さんとリア・ディゾンww
龍崎「僕と契約してくれたまえ。何でもひとつ、悩み事を聞いてあげるよ」サワヤカー
まどほむさやあんマミ「!……///」
俺「待てェェェい!シャツのボタンを閉めやがれェい!!」
870 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/06(木) 07:44:06.63 ID:YA5PsZzV0
あの場所に居合わせてはいたんだけどねwwしかし呀鎧伝はいつも以上に女率が多いww
カオル、エルダ、メシア、バラゴママ・・ついでに冒頭で喰われた女ww
零「バラゴ・・・・!静香だけじゃなくてあんこちゃんにまで手を出す気か!」
鋼牙「バラゴ・・・決着をつけるか。」
翼「希望の卵たちを放せ、暗黒騎士!」
バラゴ「そういう契約ではないのだが・・・・よかろう。聞くがいい、闇の咆哮を・・・」
♪チニウエターソーノーキバハー♪
まどか「お悩み相談してくれた上にアルバイトまでさせてくれるなんて、すごくいい先生だね、さやかちゃん♪」
871 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/08(土) 09:00:22.54 ID:PMpRpuFB0
CR版の話だが
完全オリジナルストーリーで【魔戒決戦牙王】というものが出る。
元老院が開催する「魔戒決戦」という武闘会にて最強の魔戒騎士を決定する・・・というストーリーらしい。
牙狼以外の魔戒騎士勢ぞろいの上、
妖赤の罠の灼熱騎士ヤイバや
獣身騎士ギガ
なる新騎士も登場するらしい。
蒼哭の魔翌竜の間に起こったエピソードとして脳内補完に使えるかな・・・?
・・・のわりには呀や破怒もいるからパラレルなんだと思うがww
一応公式にも「サバック」なる魔戒騎士武術会が存在する。
872 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/08(土) 17:28:27.58 ID:hQiTrFEzo
どう見てもパラレル
873 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/12/10(月) 03:27:43.65 ID:q2CeRzLno
遅れてすみません
書いているうちに膨らませたくなって
明日こそ切りのいいところまで投下したいと思います
今週の偶像や赤酒はいろいろ今後の展開の参考にもなる回でした
874 :
◆ySV3bQLdI.
[saga]:2012/12/11(火) 02:38:12.81 ID:mzUXsX6Bo
双剣を手に、悠然と立つ銀狼――ゼロに、杏子は声を掛けられなかった。
頭の中を疑問が駆け巡り、とても口にできなかった。
そもそも、あれは本当に涼邑零なのだろうか。
などと棒立ちで考えていると、
「サンキュー、あんこちゃん。後は俺に任せてくれていいぜ」
ゼロの厳めしい見た目とは裏腹の軽い声。ただし、その声はくぐもって響く。
この声。この口調。何より、あんこちゃんという呼称。
杏子は確信する。やはり、あれは零だったのだと。
「あ……あんた……」
言いかけて言葉に詰まる。
そう言えば、彼のことを何と呼べばいいのだろう。何と呼んでいただろう。
これまで、あんただの、テメーだのと、名前で呼んだことなど一度もない。
かと言って、今さら名前や名字で呼ぶのも抵抗があった。
ガシャリと重厚な音を鳴らし、ゼロが一歩を踏み出した。
直後――杏子同様、ゼロを向いて唖然としていたホラーが行動を起こした。
一歩も動かず、その顔はゼロの一挙手一投足を注視したままで。
ホラーの唯一の天敵。それこそが魔戒騎士。
ならば杏子のように、愚鈍に突っ立って見ているだけな訳がなかった。
見落としていた。
相手は古から戦い続けている魔獣。
敵を殺す為に。生き残る為に。最大限の力を尽くすはずなのに。
875 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/11(火) 02:42:01.57 ID:mzUXsX6Bo
そう、例えば。
真っ先に挟撃される状況を打破。
その際、突破口となるのは弱い方。少なくとも、さして脅威と見なしていない方。
つまり、狙いは杏子なのだ。
モロクは傷付いた右腕も零を迂回して呼び戻し、
"自身は前を向いたまま"両肩から背後の杏子に火炎弾と氷弾を発射した。
「っちぃ――!」
気付いて跳んだ時には、もう間に合わなかった。
幸い、直撃よりも速く。
残念ながら、効果範囲から逃れるよりは遅く。
外したはずの二つの弾は、壁や床に当たることなく、杏子を中心に周囲を飛び回る。
まるで生きているかのように。コントロールされているとしか思えない。
そもそも軌道からして直線でなく、弧を描いて飛来していた。
故に杏子も避けられ、故に囚われた。
もっと早く、最初の時点で気付くべきだった。
抜け出そうにも、弾は既に目にも留まらぬ速さに達し、
一歩でも踏み出せば、氷漬けになった直後に焼かれるか。
火だるまになったところを砕かれるか。
しかし解せない。
どうして直接当ててこないのだろう。
まさか、足止めさえできれば殺さなくてもいいなんて甘い考えはしないだろうし。
――ま、どうでもいいけどさ……。
考えても無意味だと、弾を叩き落とすべく槍を構える杏子だったが――。
876 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/11(火) 02:44:56.47 ID:mzUXsX6Bo
「――がっ!?」
と、呻いて耳を押さえた。
突然の耳鳴り。次いで耳と頭に響く激痛。
耳鳴りは次第に連続した音となり、やがて旋律を奏で始める。
甘く、優しい旋律を。
耳を塞いでも音色が入り込んでくる。痛みも一向に止むことはない。
音が直接、脳を引っ掻いているかのよう。
できるなら両耳を千切り、頭蓋を開いて脳を取り出したくなる。
「っ……くぁ……! んだ……これっ……」
三半規管まで狂わせているのか、酷い目眩が襲う。
視界が回る。世界が回る。
上下左右の認識もあやふや。
遂には立っていられなくなり、膝をつく。
吐き気が込み上げ、胃の中身が喉までせり上がっていた。
目を閉じると、少しだけ気分が楽になる。
杏子が完全な闇に微かな安息を得ていると、目を閉じたままなのに、
ぼんやりと揺れない景色が映った。
しかし、それは死の直前に見るという走馬灯ではなく。
目蓋の裏に映るのは、杏子の見ず知らずの男女の姿。
いや、女には覚えがある。
ついさっき、零と一緒に見たばかりの顔。ホラーが取り憑いていたはずの女。
先ほどまでの妖しい雰囲気は感じられず、幸福感に満ちた笑顔を男に向けていた。
877 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/11(火) 02:48:22.40 ID:mzUXsX6Bo
やがて、二人が手に取った楽器を見て、杏子は音楽の正体に気付く。
それは、ヴァイオリンの音色。
――まさか……これがホラーの能力だってのか……?
激しい頭痛と、脳内で反響する音楽のせいで集中が途切れる。
感覚の操作もままならないことから、もしかしなくても魔法や術の類。
グチャグチャに掻き回される思考。それでも、杏子は何とか考える。
似た類の能力を持った魔女と遭遇、勝利した経験はある。
あの時は、どうやって勝ったのだったか。
――ああ、そうだ…………たまたま、だ。
たまたま先手を取り、たまたま速攻を仕掛けることができ、たまたま術中にはまる前に倒せた。
つまりは、それだけである。
魔法少女の戦いとは、それほどまでに博打の要素が強い。
ある程度は経験や素質で補えるが、それでも常勝無敗とはいかない。
どんな魔女かは、蓋を開けてみるまでわからない。相性の問題だってある。
そしてハズレを引いた魔法少女は、例外なく魔女に食われるのだ。
もしも魔法少女が魔女に変じるのだとしたら、すべて合点がいく。
魔法少女からして武器も戦い方も千差万別。願いの数だけ魔法があるのだから。
魔法少女が堕ちた魔女も、また然り。
878 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/11(火) 02:50:31.24 ID:mzUXsX6Bo
肌を焦がす熱気と、肌を刺す冷気。
それらが徐々に強まっていくのが、目を閉じても感じられた。
近付いてくる炎弾と氷弾。 これは獲物を捕らえておくだけの生易しい物ではない。
さしずめ、炎と氷の牢獄。じわじわと責め殺す為の拷問に等しい。
にも関わらず、幻の中の男女は、陽の光を浴びながら愛を語らっている。
二人はあまりにも場違いで、それは却って不気味で異質な印象と、恐怖を杏子に与える。
こんな幻を見せる意味がわからなかった。
この幸せに満ちた光景を見ながら死んでいけというのか。
寄り添う恋人たちを羨みながら、妬みながら。
こんな、寂しい暗闇の中で。
或いは、焼かれ、凍らされたとしても、
魔法少女の肉体は杏子を簡単には死なせてくれないかもしれない。
だからこそ、ホラーは回りくどい方法を取ったのかも。
だとしたら零が敗れた時、ほど良く仕上がった身体と魂は、
さぞやホラーにとって上等な食事となるのだろう。
死よりも辛い末路を想像する杏子の心に、仄かな影が差し始める。
それは夜の闇よりも暗い影。
魔法少女を魔女に変える、絶望という名の影。
絶望に誘われそうになる杏子の前には二つの選択肢があった。
879 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/11(火) 02:53:25.74 ID:mzUXsX6Bo
ひとつは諦観。
どうせ友達も、恋人も、家族もいない。学校も、帰る家もない。
夢もなければ、生に執着する理由がない。
すべて諦め、奪われる前に自ら捨てることで絶望を回避し、人として死ぬ。
ひとつは懇願。
独力でどうにもならない今、頼れるとしたら一人だけ。
あの光の騎士に、銀の狼に――涼邑零に一言「助けて」と叫べば、彼はきっと救ってくれる。
二週間にも満たない付き合いの杏子だが、好き嫌いは別として零はそういう人間だと思っていた。
そして、あの騎士には、無条件でそう信じさせる何かがあった。
重い目蓋に力を込めて、ゆっくりと目を開く。
現実の景色と並行して、視界の端では幻が躍っている。
奇妙な感覚だった。
ゼロは双剣で両腕と打ち合っていたが、どちらが優勢かまではわからなかった。
ただ、時折こちらを気にしているのは確かだった。
――助けてくれ。
その言葉が喉元まで出かかって――杏子は飲み込んだ。
――いいや! ダメだ!
歯を食い縛り、首を振り、闘争心を揺り起こす。
日々を生きているだけの杏子にある、現状では最大とも言える執着であり目的。
涼邑零に勝ち、彼を超えること。
なのに助けを乞うなんて、敗北宣言に等しい。自分から無理だと認めているのと同じだ。
880 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/11(火) 02:56:01.73 ID:mzUXsX6Bo
それだけは我慢ならなかった。
一方的な希望に縋るつもりも、屈するつもりもない。そして絶望も御免だ。
こんな幸せな幻にも心惹かれたりするものか。
――あんたの力は……借りない!
声にならない言葉を、瞳に込めて伝える。
届いたどうかは、どうでもいい。
その意地を嘘にしない為にも、やるべきことがあるのだから。
なんとか立ち上がった杏子だったが、無重力の空間に放り出されたような錯覚に陥った。
敵はおろか、立っている床さえも認識が難しい。柄を支えにしてもなお、足元が覚束なかった。
こんな状態では攻撃どころか防御も不可能。
たった一瞬でもいい。敵を捉えるには、強い刺激が必要だと考えた。
杏子は意を決して、刃を下に向けて槍を持つ。
振り下ろす先は、杏子が唯一認識できる対象。
己の身体。
881 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/11(火) 03:00:25.61 ID:mzUXsX6Bo
「――っ!! っく……っっ……っぁ!!」
太股に槍が突き刺さる。
動脈を避けたとはいえ、鮮血が刃を伝って床に染みを広げる。
気を失いそうな激痛が、脳天まで駆けき抜ける。すべての感覚が痛みで塗り潰される。
だが、そうでなくては意味がない。
強い痛みを受けた時、よく星が飛ぶとか火花が散ると言うが、
実際に目の前で光がチカチカ明滅している。お陰で幻も気にならない。
耳に入る音楽も、まったく聞こえない。
聞こえるのは、うるさいくらいに速くなっている心臓の鼓動。
それすらも、聞いているというより感じている。
最初の鋭い痛みが過ぎた後、重く靄がかかっていた頭が、不思議とクリアになるのを感じた。
この程度の怪我なら幾度となく経験している。まして自ら覚悟して作った傷だ。
それで身体の自由を取り戻せるなら安い代償。
杏子の行動は早かった。
モロクはゼロを抑えるのに手一杯で、背後で立ち上がる杏子に気付いていない。
痛みで誤魔化せるのも精々が数秒。
片手で胸のソウルジェムを握り締め、片手で槍を振り被る。
手に魔力を滾らせ、赤く血に染まった足を踏み込み――。
「はぁああああああ!!」
投擲。
一回り大きくなった槍は赤い光を纏い、矢の如く飛ぶ。
槍は無防備なモロクの背中を貫き、穂先と柄の半分が胸から突き出た。
882 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/11(火) 03:04:51.77 ID:mzUXsX6Bo
――やっ……た……!?
投げたままの姿勢で杏子は固まっていた。
が、すぐにその表情が驚愕に歪む。
キリキリとぎこちない動きでホラーが振り向いたのだ。
威力より速攻を優先したとはいえ、手応えはあった。
相手が魔女であっても必殺の一撃だったはずだ。
頭の中が疑問符で埋め尽くされる。
昨日の、ホラーは殺せないという、零の言葉が現実味を帯びて思い出される。
まだ闘志は萎えていない。反撃の意志は手折られてはいないのに。
杏子は膝をつき、項垂れた。
またもヴァイオリンの旋律が響く。
手放した槍を再生成しても、それを振るえはしなかった。
杖代わりにして、なんとか崩れないように保つのが限界だった。
今の杏子は、非常に不安定な状態にあった。
さしずめ闇に張られた一本の綱の上にいるようなもの。
落ちこそしなかったものの、大きく揺れ、バランスを崩した。
その原因は、ホラーに止めを刺せなかったからではない。
再び眼に幻が映る。
いつの間にか時は流れ、恋人たちにも変化が訪れていた。
安らぎを否定し、幸せに背を向けた杏子。
しかし幻の第二幕は、前にも増して彼女の心を乱し、
絶望に誘うには充分な内容だった。
883 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/11(火) 03:09:52.15 ID:mzUXsX6Bo
ここまで
続きは近日中で、もうすぐモロク戦も終わり
今回のは自分なりにガロの周囲をぐるぐる回る弾を解釈してみただけで、正しいかどうかはわかりませんが
たぶん火炎弾と氷弾で閉じ込めるだけじゃなく、あのピアノの音と回想にも
動きを封じる効果があったんじゃないかな、というか、効果があってこそのピアノではないかと
しかし鎧を着ているガロにはあまり効かず破れたのでは、なんて想像しました
うまくイメージが伝わるか自信はありませんが
884 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/11(火) 05:04:04.71 ID:Lgbv5JXAO
乙乙乙!
うぬぬ、やはりモロクには容易に近づけぬか。気をつけい杏子!彼奴はおぬしを囮にする気じゃ!(魔導輪風に)
885 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/11(火) 13:35:30.03 ID:Q97KtI5SO
乙
今回は一話との対比になってるのかな
鋼牙とマミさや、零と杏子
その理由も太ももの傷とかも色々
886 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/11(火) 19:45:44.21 ID:TQVBo7Si0
闇乙邪剣!
あのピアノの音はただの演出だと思ってましたが(アスモディのピロロロロンッ♪も)
こういう風に掘り下げるとモロクでもかなり強そうに見えますねww
回想もこうやって演出として昇華させると
まどマギとのシンクロ効果も働いてよい感じになりますね。
それはそうとバイオリンを使う魔女って杏子ちゃん・・・。
まさか前の時間軸のオクタヴィアのことを・・・。
というか杏子ちゃん幻覚戦法で一杯食わされるとはなんたる不覚・・・ww
>884
翼「邪美、ゴルバが見当たらん。何か知らないか?」
887 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/13(木) 02:39:35.78 ID:6mBi425AO
ここでオクタヴィアのテーマ「Symposium magarum(魔女たちの饗宴)」か!?
888 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/16(日) 23:32:42.09 ID:hD1gZz9F0
牙狼2期こと、MAKAISENKIの連続放送がニコニコ動画で決定だよ!→
http://live.nicovideo.jp/watch/lv117939711?ref=ser&zroute=search&track=&date=&keyword=%E7%89%99%E7%8B%BC&filter=
+%3Areserved%3A
・・・あれ、白夜の魔獣は?RED REQUIEMは?
特に前者。これ無いと配信しか見てない人にとっちゃ、「あれ、邪美って・・・」になること確実だろうがw
889 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/17(月) 00:34:56.20 ID:U9nwL8vZo
EDブツ切りパチ宣伝やるサイトはNG
890 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/12/17(月) 02:36:55.30 ID:mzEinvu6o
投下の方は明日にはなんとか
昨日の生放送で知りましたが二期もやるんですね
どうせなら白夜とRRもやってほしいですが
紅蓮の森とグラウ竜は出したいと思っているので、生命はいろいろ参考になりました
891 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/17(月) 07:19:55.55 ID:AviLEoH50
そんな事言い出したらいきなり二期から配信したのがそもそもn(暗黒斬
まぁ三百円でなんとかなるんだからちゃんと予習しときなさいってことでしょう。
鎧の召還もできないとか言っておきながら二期では普通に(ry
892 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/18(火) 03:25:54.05 ID:r6v7avV+o
*
鎧を召喚し、銀牙騎士ゼロとなった零は、
「サンキュー、あんこちゃん。ここからは俺に任せてくれていいぜ」
と、杏子をねぎらう。
当の彼女と言えば、ゼロの姿に驚いたのか、呆けている。
ゼロが声を出して、初めて反応するほどに。
「あ……あんた……」
指を差して震える杏子は二の句が継げずにいるらしい。
そんな彼女に、ゼロは狼の面の下で僅かに口元を緩めた。
あの小生意気な少女が自分に圧倒される様は、なかなか愉快。
せっかくだから暫く眺めていたいくらいだ――今が戦闘中でなければ。
杏子の相手もそこそこに、ゼロは仮面の下の笑みを消す。
気を引き締め、冷徹な戦士に立ち戻る。
なにせ鎧を現世に召喚していられる時間は99.9秒。
ボヤボヤしている時間はないが、闇雲に攻めればいいものでもない。
慎重に一歩を踏み出す。
直後、ホラーが動いた。
肩から放たれた炎弾と氷弾が向かう先は、ゼロでなく杏子。
いつもの彼女なら難なくかわせる攻撃。だが気を抜いた一瞬の虚を突かれ、初動が遅れた。
893 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/18(火) 03:32:07.76 ID:r6v7avV+o
放たれた瞬間に、これまでと違うことをゼロは察する。
曲線を描いて飛ぶ二つの弾は、杏子を囲み、円の中に閉じ込めた。
まんまと杏子が罠に掛かった事実に、ゼロにも少なからず動揺が走る。
人前での鎧の召喚を禁じる掟があるが、まさかこんな形で重要性を実感するとは思わなかった。
しかも、ただの炎弾と氷弾かと思いきや、耳を塞いで膝をつく杏子。
苦悶の表情で身をよじる。どうやら、彼女にしか聞こえていない音に苦しめられているらしかった。
「ちっ……あんこちゃん! ちょっと待ってろよ!」
反応はない。声も届いていないようだった。
急ぎ駆け寄ろうとするゼロの行く手を、分離した両腕が阻む。
背後の敵は排除したものの、後がないモロクは持てる全力でゼロに抗った。
モロクの反撃は熾烈を極めた。
ゼロも高速で双剣を振るうが、十合、二十合と斬り結ぶも、突破には至らない。
こいつは手こずりそうだ。
ゼロは打ち合いながらも、冷静に状況を分析する。
だが同時に、こうも思っていた。
勝てない相手ではない。
99.9秒の制限時間内には押し切れる。
今度は余裕でも慢心でもない。ただ自信と予感があった。
それよりも危ないのは杏子だ。急がなければ彼女は持たない。
どんな干渉を受けているのか知らないが、
少なくとも彼女の周囲を飛び回る炎と氷の塊は徐々に接近している。
894 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/18(火) 03:35:38.34 ID:r6v7avV+o
目の前の怪物から気を逸らさず、
それでいて杏子にも注意して戦いを続けること数秒――。
杏子と視線がぶつかった。
目を閉じ、俯いていたはずの杏子が顔を上げていた。
言葉はない。声を発する余裕もなかったのだろう。
しかし、意思だけは確かに伝わってきた。
何よりも、その眼。
力強く、まだ諦めていない。まだ戦意は挫けていない。
杏子の瞳は雄弁に物語っていた。
あんたの力は借りない――と。
何者にも屈すまいと、強くあらんとする瞳。
そこに宿す光を零は知っている。
だが零の友であり、超えたいと憧れる目標でもある、一人の男。
彼の持つ静かだが逞しく、気高い眼とは違う。
何かに飢えているかのようにギラギラしている。そして荒々しく攻撃的で余裕がない。
彼が狼だとするなら、杏子は野良犬といったところか。
895 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/18(火) 03:40:34.33 ID:r6v7avV+o
つい昨日、彼女を挑発するのに使った台詞だが、
零は決して杏子を侮ったり見下して言ったのではない。
むしろ、好感すら抱いていた。
その野良犬のような眼光こそ、彼女に興味を持った理由なのだから。
それは若さゆえ、未熟さゆえの光。
また、彼女自身の境遇のせいもあるのだろう。
どこか懐かしいのは、かつて同じ眼をしていた少年を知っているからか。
とある老いた魔戒騎士に拾われた少年がそう。
修行を始めた頃、完膚なきまでに叩きのめされ、数えきれないほど地を這わされた日々。
少年は師を睨みつけ、敵わないとわかっていても、何度でも立ち上がった。
愛する義父と愛する女性を同時に奪われた夜。
周りも見えないくらいに怒りの炎を燃やし、この手で仇を討つと誓った。
時には義父、時には仇敵、時には戦友。思えば彼は常に自分より強者に挑んでいた。
虚勢を張って、無理をして。
それでも、独り意地を貫こうとする姿。
懐かしく思うのは丸くなった証だろうか、と軽く自嘲する。
そして杏子は宣言通りに、弱々しくも自らの力のみで立ち上がった。
――さぁて。そっからどうする気だ、あんこちゃん?
896 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/18(火) 03:42:09.11 ID:r6v7avV+o
もうちょっといきたかったですがここまで
続きは明日か明後日
897 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/18(火) 12:09:27.45 ID:lhvbQYnAO
はやく♪はやく♪♪
898 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/20(木) 03:05:48.02 ID:P2uWvMw9o
双剣がモロクの両腕と激突、火花を散らす。
ゼロは杏子を横目で気にしながらも、もう心配はしていなかった。
彼女を助け出す確かな手立てがあった訳でも、逆転の秘策に気付いてもいない。
杏子が力及ばず死ぬ可能性は、依然として高い。
だとしても心配しないのは、それを彼女が望んでいるから。
単純でドライな理由だが、彼なりの敬意でもあった。
杏子が自分の太股に槍を突き刺しても。
血を流し、痛みに悶えても、それは変わらない。
なんら動じることなく、己の務めを果たす。
魔戒騎士の務め。ホラーを狩り、人を守る。それこそが魔戒騎士の誇り。
掟には拘泥しないが、誇りは守る。
騙そうが賺そうが、ホラーは倒す。
では、少女をホラーとの戦いに巻き込むのが騎士の在り方かと問われると――。
――ま、そこはそれってことで。
杏子を呼んだのは、彼女が庇護の対象ではなく、荒削りだが一人前の戦士だと認めたから。
昨日から考えてはいたのだ。果たして護り、遠ざけるだけが彼女らの為だろうかと。
どうせ無関係ではいられないのに。
杏子にしろマミにしろ、守られるだけのお姫様を望みはしないだろう。
今宵、零はホラーの作戦を見抜けず、危うく追い詰められかけた。
しかし見誤っていたのは、ホラーの知恵だけではなかった。
魔法少女を。もっと言えば佐倉杏子という少女を、心のどこかで軽んじていた。
899 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/20(木) 03:08:37.31 ID:P2uWvMw9o
今、槍を振り被って放たんとする姿は、さながら戦乙女。
雄々しくも美しい。
小娘だと侮っていると、こちらに槍が飛んでくる。
防御を固めて、ゼロの救出ないしホラーの撃破を待つのが賢い判断。
しかし、彼女は逃げを選ばなかった。
あくまで独りで勝つことを選んだ。ある意味では愚かな選択とも言えるだろう。
意地か、それとも誰かに頼ることを考えもしないのか。
どちらにせよ、これが独りだったなら防御は無意味だ。
杏子がするように、起死回生の一撃に賭けるしかない。
そもそも二人は未だパートナーでもない。利用し合うだけの関係。
信用できないからと頼らないのは、それはそれで当然の選択と言える。
にしたって無茶が過ぎるというものだが、
そんな彼女の向こう見ずというか、なんというか――ひねくれた部分も含め、面白いと思っていた。
――なら、俺も任せっぱなしじゃ格好がつかねぇな……!
「はぁああああああ!!」
杏子が豪快な雄叫びを上げるのに合わせ、静かに、素早く銀狼剣が閃く。
目的は杏子の決死の投擲を通し、一気に勝負を決めること。
対等の立場と認めるからこそ無様な姿は見せられないし、その覚悟をふいにさせられない。
もとよりホラーの浄化は魔戒騎士の使命。
900 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/20(木) 03:12:00.82 ID:P2uWvMw9o
手のひらを魔戒剣が貫いたように、柔らかい部分は刃も通る。
モロクは弱点を避け、器用に双剣をさばいていたのだが。
打ち合っているうちにゼロは既に癖を見抜き、後は機を見て対応するだけだった。
そして今が、そのチャンス。
切先が触れるか触れないかの刹那。
軌道を変えた双剣は、同時に左右の指の股を切り裂き――。
四つに割れた腕が床に落ちた。
杏子の動きを遅れて察したモロクは、前後に気を配る必要に迫られた。
逃げるべきか、守るべきか、それとも反撃か。
だが、どこに? どちらを?
思考はパンク状態に追い込まれただろう。一瞬の選択が生死を分ける。
ふたつの腕を使い分ければ、不可能ではなかったかもしれない。
そこへ襲い来る衝撃。繋がっていない腕から伝わる激痛。
両腕を失い、とうとうモロクは選択できず、動くこともできなかった。
直後。
モロクの胸部から槍が突き出す。
確実に致命傷。
誰が見ても同じ感想を抱くだろう。
しかし、モロクは立っていた。
胸を貫いた槍を抜きもせず、ゆっくりと振り向く。
息も絶え絶え、発条の切れた人形のように。
崩れ落ちる杏子に、憎悪に染まった視線を向けるモロクは、
もうひとりの敵を存在ごと忘れ去っているかのようだった。
901 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/20(木) 03:16:30.67 ID:P2uWvMw9o
ゼロは冷静に両者を眺めている。
ただ一人、彼だけはこうなることを予測していた。
昨日、杏子と話した実験。魔法少女の力がホラーに通用するかどうか。
結果としては、まずまずだった。
充分なダメージは与えられるが、やはり封印には至らないか。
まだ判断するには早計だが、経過を観察する余裕などあるはずがなかった。
ゼロは直ちに、その場で跳躍。
ムーンサルトでモロクの頭を跳び越しつつ、頭上で双剣の柄尻を組み合わせる。
銀狼剣は繋がり、ひとつの剣に――銀牙銀狼剣になった。
剣は銀の光を帯び、ゼロ自身も月光を浴びて鎧を白銀に煌めかせる。
ゼロは着地を待つことなく、頭上から破邪の刃を振り下ろす。
「っりゃぁああああああ!!」
一刀両断。
モロクの額から股に掛けて線が走り、切れ目から光が溢れる。
刺さった槍ごと、モロクの肉体が崩壊していく。
残滓のような淡い燐光も解けてゆき、じきに完全に消滅した。
浄化を確認したゼロは精神を集中。
すると身体を覆っていた鎧は、零から抜けるように何処かへ消えた。
鎧を魔界へ送還した零は、大きく長い息を吐く。
『今回、ちょっと危なかったわね』
「まぁね。たまにはこういうこともあるさ」
902 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/20(木) 03:18:15.52 ID:P2uWvMw9o
「さてと……終わったぜ、あんこちゃん」
静寂を取り戻した廃ビル内に残ったのは、零を除いて一人。
協力者にして今回の功労者、もしかすると二戦目の対戦者になる少女。
今夜は流石に疲れたし、杏子も負傷しているのだから再戦は避けたいところだが、どうなるやら。
とりあえず感謝を伝え、休戦を申し込むべく振り返り、
「……あんこちゃん?」
異変に気付く。
杏子は先ほどと変わらず膝をつき、顔を伏せたままだった。
ホラーから解放されてなお、彼女が静かな時点でおかしかったのだ。
「おい! どうした!?」
両肩を掴んで揺さ振っても返事はない。
持ち前の生意気さも、猛々しさも、完全に沈黙している。
顔を上げさせても、曇った瞳に涙を滲ませ、虚空を見つめるばかり。
零はハッと息を呑む。
そこにいたのは自分の力だけを頼りに生きるしたたかな野良犬ではなく、
まるで冷たい雨に濡れて途方に暮れている捨て犬のようだった。
903 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/20(木) 03:19:55.75 ID:P2uWvMw9o
ここまで
次はたぶん日曜日
長くなりましたが、もうすぐ一区切り
モロク戦はいろいろと迷ったり、反省の多いパートでした
904 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/20(木) 04:17:22.64 ID:7iM0/wdAO
オーオオオー♪オーオーオー♪オーオオオー♪オーオーオーオー♪あんこぉ〜♪ANKO★
905 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/22(土) 00:00:07.52 ID:5fSCQJE0o
コピペミスがありました
>>901
と
>>902
の間に
*
久しぶり――と言っても、数分と経っていないのだが――に声を発したシルヴァに、
零は事もなげに答えた。
手練の騎士が思わぬ不覚で格下のホラーに敗れるのが事実なれば、
歴戦の騎士がそう簡単には倒されないのも、また事実。
心滅獣身のガロ、ガルム、キバ、レギュレイス。
数々の幸運と鋼牙に助けられた分も大きいが、零とて伊達に生き残ってきていない。
銀牙騎士の称号を継いではいない。
この程度の逆境、幾度となく潜り抜けてきた。
*
といった文が入ります
なくても通じますが一応
906 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/22(土) 00:53:25.45 ID:jHqQxNDf0
あれ?銀牙騎士絶狼って零が初代じゃないの?
907 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/22(土) 05:58:20.61 ID:Akw7GqkAO
>>906
あれ?零のお師匠さんも若い頃は二刀流でぶいぶいいわしてたんだと思ってた。
あの鶴みたいなお爺ちゃんが絶狼の鎧を召喚とか胸熱。
908 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/22(土) 08:42:43.40 ID:zh79TZjp0
バラゴ様の「そこの無名の魔戒騎士・・・」という台詞から勘違いしているひとは多いが、零は銀牙騎士絶狼の後継者であって初代ではないです。
小説版では現にシルヴァに命を与えて仮死状態の道寺(零の養父で先代の銀牙騎士絶狼)が登場している。
おそらく、バラゴに道寺と静香を殺されたときに自分の本名「銀牙」とともに騎士の系譜からも名前を消したものと思われます
909 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/23(日) 01:04:47.62 ID:Gg0cqMnR0
騎士の系譜に名前がないってあったから先代居ないと思ってた……
道寺さんも銀牙騎士絶狼なら途絶えたはずの系譜とか言うかなぁと思ったが
実際は
銀牙騎士絶狼(道寺)―風雲騎士波怒
└銀牙騎士絶狼(零)
なのか
910 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/23(日) 13:22:20.59 ID:DSuT39aQ0
白夜騎士は血統による継承ではない(翼の両親は両方とも魔戒法師)から系譜によって違うみたい。
完全にイレギュラーなのは妖赤の罠の灼熱騎士ヤイバ。もともと五道アキラはサーカス団に拾われた孤児であり魔戒騎士の家でもなければ、修練所にいたわけでもない。
911 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/12/24(月) 02:07:00.59 ID:IJBv/Tavo
ちょっと体調を崩してしまい、もう少し……
生放送は最終回のCパートを削られたのが何気に残念でした
912 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/24(月) 10:26:42.15 ID:GMCTKt9AO
お大事に。
でも刮目して投下を待ち続ける!目ん玉乾いた……
913 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/24(月) 14:51:29.51 ID:8eXhU/xYo
>>910
小説読んでないけど
孤児だが実は魔戒騎士の家の生まれでしたとか言う
どこぞのジャンプ漫画みたいなオチではないん?
914 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/24(月) 15:43:15.28 ID:SXOhDN+v0
>913
それなんてリン(北斗の拳)?
915 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/29(土) 00:58:49.19 ID:eR33kitAO
>>1は体調どうかな?
一区切りつかないと年が明かないよ〜☆
ゼロあんはよいものだ。
916 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/29(土) 18:29:26.73 ID:F6asRM0E0
鋼牙「ゴンザ、リバートラの刻を。」
ゴンザ「かしこまりました。≫1様、ささ、これをお飲みください。」
917 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2012/12/30(日) 02:34:02.10 ID:OTr2Izzro
間が開いてすみません
年末はいろいろ大変で、おまけに大事なところで思うように書けないでいます
ですが年内中に一度は必ず投下したいと思います
918 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/31(月) 11:18:28.85 ID:lucgo8kyo
てことは今夜くらいかしら
でもあんまし無理はしないでね
919 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/31(月) 12:26:02.07 ID:aXo0dUpjo
(グレゴリオ暦で年内とは言ってない)
920 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/31(月) 17:59:34.78 ID:MhUklWxK0
『旧魔界暦の可能性もあるぜ』
921 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/31(月) 23:48:45.02 ID:kS6KKwzDo
*
一人の女がいた。
女には恋心を寄せる男がいて、男も女の想いに応えた。
仲が危うくなることも多々あったが、二人はそれすら糧にして愛を育んだ。
ひとつ荒波を乗り越えるたび、互いの絆は強固になったと信じられた。
彼はヴァイオリニストで、将来を嘱望されていた。
道半ばで限界を感じて挫折した女は、彼の才能を信じ、夢を託した。
せめて自分は支えになろうと、献身的に尽くす女。
期待を背負い、才能を開花させていく男。
二人は幸せだった。
しかし、幸せ過ぎた時間は唐突に対価を求める。
幸せは長く続かない。月並みな台詞だが、優しく緩やかな時間は何の前触れもなく終わりを告げる。
それも考え得る最悪の形で。
ある時、男が事故に遭った。
命に別状はなかったが、ヴァイオリニストの命である手――左手の感覚が失われた。
互いに依存し合う関係は、一方が崩れると共に大きく揺らぐ。
それでも女は男を懸命に彼を励ましたが、必死のリハビリの甲斐なく、
左手は永遠に戻らないのだと医師に告げられ、男は絶望した。
そして遂に、その日が訪れる。
夕方、街外れに佇む廃ビル。その屋上、フェンスの外側に男は立っていた。
冬の寒風に晒されながらも微動だにせず、諦めきった寂しげな瞳で遠くの空を見つめる。
落ちかける夕陽が妙に眩しくて、男の頬を一筋の涙が伝う。
922 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/31(月) 23:50:23.26 ID:kS6KKwzDo
何分くらい、そうしていただろう。
靴を脱ぎ揃え、いよいよ死への一歩を踏み出そうとした、その時。
屋上のドアが勢いよく開かれた。
現れたのは女。
フェンスを挟んで、涙ながらに説得を始める。
だが、男は拒んだ。それどころか女を激しくなじった。
お前が好きだったのは俺の才能だろう、と。
自分が諦めた夢を押し付けるな、と。
俺はお前の代理でも夢の道具でもない、と。
そんなふうに思われていたことは内心ショックだったが、女は怯まなかった。
彼は正常な精神状態ではない。
だから、すべてが本心だとは思えない。いや、思いたくなかった。
押し問答が続いて数分。
このままでは埒が明かないと、女もフェンスを乗り越えた。
一歩進めば墜落死は間違いなしの狭い足場。強風も相まって、足の震えが止まらない。
そんな場所でも、女は呼びかけ続けた。
もう一度、抱き合えば心がわかると思った。
想いは伝わると思った。
これまで、ずっとそうだったから。きっと、今度もそうに違いないと。
男は女を突き放した。
だが、それは彼女の為というより、静かに迎える最期の時を邪魔されたくない感情が強い。
すれ違う気持ちに打ちのめされ、女も平静さを失っていく。
923 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/31(月) 23:51:55.65 ID:kS6KKwzDo
感情を爆発させた女は抵抗にも構わず、必死に、半狂乱の勢いで男に迫る。
縋る女と、拒む男。
二人は不安定なビルの外縁で揉み合い――。
不意に、女の両手が男を押した。
踏ん張りが利かず、男はぐらりと揺れ、そして。
後退ったそこには、何もない。
男の身体が空中に投げだされた瞬間、時間が止まった。
いや、止まっていたのは時間ではなく、女のすべて。
ただただ、景色だけがスローモーションで流れていく。
視線が交差する。
その目は驚愕に歪んでいた。
何が起こったのか理解できていないのは、彼も同じ。
しかし、ほんの一瞬、理解が追い付いた彼の瞳に浮かんだ感情。
烈しい怒り。
絶望と諦めを凌駕する怒気は、男の最後の尊厳すら奪ってしまったからなのか。
言い訳も謝罪も許さず、男は女の前から消え去った。
永遠に――。
924 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/31(月) 23:53:30.31 ID:kS6KKwzDo
男は女の希望そのもの。
その希望が今、自身の手で、音を立てて壊れた。
想像よりもずっと小さく呆気ない落下音。それだけに現実味を伴って耳に響く。
下を覗く勇気もなく、金網を握り締めて放心していた女だったが、
やがて曖昧な足取りで左右に揺れながら一階に下りる。
自分の目で確かめるまで信じない。
もしかしたら、もしかしたら、まだ息があるかもしれない。
いや、男が事故に遭った日からすべてが悪い夢だったのかも。
甘い期待は、玄関を抜けた瞬間に砕け散った。
そこに転がっていたのは、物言わぬ姿になり果てた男。
血溜まりに横たわる恋人に、女は掛ける言葉を持たなかった。
抱き起そうと後頭部に触れると、ぬるりとした感触。
手にはめた白い手袋が、見る見るうちに赤く染まっていく。
ようやく実感した。
愛する者は死んだ。
自分が殺したのだと。
女は跪き、声にならない嗚咽を漏らした。
噛み殺した慟哭は低く、獣染みた唸り声にも感じられる。
女は悲しむ以上に、恐れていた。
男がいなくなったことを。
その手に掛けてしまった事実を。
そして、自身のこれからを。
925 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2012/12/31(月) 23:55:11.38 ID:kS6KKwzDo
男が死んで、夢も希望も消えてなくなった。
けれど、自分には後を追う資格すらない。
もしも死後の世界なんてものがあるとして、そこで彼に会ってしまったら――などと考えたりもした。
こんな世界に意味はない。世界は終わったも同然だった。
でも現実は違う。誰が死のうと世界は回る。
また明日は来る。愛した男のいない、暗く、重く、辛いだけの明日が。
そこで、彼を殺した自分に課せられる役割は何か。
単に社会的な裁きだけでなく、自分を取り巻く世界はどう変わるのか。
想像した女は、辛うじて嘔吐を堪えた。
声を張り上げて泣き叫ばなかったのも、その恐れに起因していた。
数分後、幽鬼のような表情を浮かべた女は行動を始めた。
無我夢中で、それでも手だけは別の生き物のように丁寧に。
自分が、その場にいた痕跡を消していた。
頭の中で冷静さを保ったままでいる意識の一部が急き立てる。
日没までに済まさなければ。
内なる声に従って、女は動く。証拠の隠滅が困難でない間に手早く。
926 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/01(火) 01:35:02.67 ID:z0lL6wd5o
*
幸い周囲に人の姿はなく、目撃される心配はなかった。
しかし、女と死体となった男以外に、ずっと一部始終を眺めていた者がいる。
そこにいるのに、そこにいない観測者。
舞台と客席のように、隔たれた関係。
問えるものなら問いたかったが、感覚だけが切り離された状態では干渉できない。
故に、考えるしかなかった。
女は、どの時点で壊れたのだろうか、と。
最も大きいと考えられるのは、男を突き落とした瞬間だろう。
もっと前、男が事故に遭った時からかもしれない。
それとも、説得を拒絶された時?
或いは――罪と恐怖から逃れようとする浅ましい自分自身に失望したからか。
男の死に際の眼差しが脳裏に焼きついて離れない。
その場にいない観劇者は、これまで光景を俯瞰的に観ていたが、この時は別だった。
映画のカメラのように視点が動き、女と重なった。
女が味わった恐怖を、絶望を、より強烈に、効果的に、彼女に刻み込むかのように。
*
927 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/01(火) 01:36:58.05 ID:z0lL6wd5o
短いですが、ここまで
正月中にもう少し進めたいと思います
本当はクリスマスに投下する予定でしたが、遅くなりました
しかし年を跨いで、何故こんな鬱な話を書いてるのか
928 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/01(火) 01:48:50.57 ID:KgyReanCo
途中までさやかと恭介だと思いこんで読んでた件
929 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/01(火) 02:19:27.50 ID:PyaucsvAO
乙。
比較的チョロい敵と思っていたモロクの呪詛が、恐ろしい勢いで杏子とさやかに襲い掛かる。
うわあああああ、魔戒騎士いいいいい〜〜〜〜〜!!!
今年も見ているよ!
930 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/01(火) 21:55:02.98 ID:xXY7ZQTSO
年明けも間近な時間になんて話を書いてるんだ
新年そうそう暗い気分になった……が、ホラーが憑依する過程を大事に書くのはいいことだ
原作のモロクと似ていながら、より残酷な過去
こりゃ、杏子が絶望に傾くのもわかるかも
931 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/05(土) 21:43:14.33 ID:8DmBgBMU0
乙です。
年末年始にこんな話を出すうp主・・・イイネ!
さて今夜のニコ生MAKAISENKIは5〜8と中々強烈なラインナップだ。
932 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/06(日) 10:38:04.26 ID:D9QCadt20
邪乙剣撃!
鋼牙や零に難なく陰我消滅されているホラーたち一体一体にもこういう憑依にいたるまでのその人間のドラマがあるのだと思うと感慨深いですね。
ダンタリアンとかゲノシカに憑依された遊び人にもドラマがあると思うと・・・。
モロクは恋慕の陰我を好むようにホラーにも魔女のように性質があるということ。
つくづく相性の良い作品だ。
【閃光】でしか出番のなかった邪悪呀狼。CR魔戒閃騎でも敵としてもちろん出てきていろいろ技を使うが・・・
【邪気抜刀】 牙狼剣を鞘に収め、抜刀の構えを取った後、剣を抜き、鞘に溜まった邪気をビームにして放つ。弱攻撃。
【巨刃影斬】 影を巨大化させ、一刀両断に剣を振り下ろす。呀の大魔獣陣を彷彿とさせるが中攻撃。
【邪悪魂撃】 剣を落とし、心滅獣身し、口からビームを発射。【シグマ】をボスに選んだ場合の強攻撃。
【三伐一殲】 邪悪絶狼、邪悪打無を召還し、三位一体攻撃を仕掛ける。【赤い仮面の男】をボスに選んだ場合の強攻撃。
心滅するわ何も無いとこから三騎召還するわいくらなんでもやりすぎの感が拭えないシグマ兄さん。
933 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2013/01/07(月) 03:11:58.43 ID:G6tUv/Y2o
明日にはたぶん……
今週の生放送は濃厚な回ばかりで、特に零の回はどちらも良作
零の人物像が改めてわかった気がしました
934 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2013/01/08(火) 02:24:03.65 ID:QJLGkI0yo
やっぱり、もう少し……ちょっと詰まってます
ご迷惑おかけします
今週中、でも土日にはならないと思います
935 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/09(水) 20:37:32.66 ID:AzEwWv7S0
いつでも待ってます♪
△閑話休題△
一期・暗黒魔戒騎士編の謎をいろいろと補完した小説が出ているのは周知の通りですが
二期・魔戒閃騎の小説が出るとしたら皆さんどんな話が読みたいですか?
936 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/10(木) 00:35:17.37 ID:ICrDo3EJ0
>>935
山刀兄妹奮闘記に一票。
テレビじゃ翼の主役回無かったし、役者さんの都合か鈴ちゃんに至っては出番自体無かったし。
この二人好きなんでもっと活躍が見たかった。
937 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/10(木) 02:37:02.16 ID:lMUQjVGC0
>>935
田中要次さんのやった騎士の話
一般騎士の生活とか見て(読んでみたい)
938 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/10(木) 11:07:54.19 ID:bK+VEqBAO
ワタル主役篇かな。
息子がいるって話がチラッと出ていたから、彼のお父ちゃんぶりも見たい。奥さんどんな人なんだろう。
939 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/12(土) 03:55:22.90 ID:4pqoiOsuo
*
もともと自殺しようとしていたのだから、細工は簡単で済んだ。
男は自殺として処理され、女は悲しみに暮れるただの恋人でしかなかった。
実際に心から悲しみに暮れてはいたのだから、誰に怪しまれることもなかった。
女に向けられたのは、非難ではなく同情。
真実は闇に葬られた。
一時は安堵したものの、すぐに過ちだったと気付く。
夜毎の悪夢にうなされ、猜疑心が精神を埋め尽くす。自責の念は、絶えず重く圧し掛かる。
存在を認められない罪は許されもしない。かと言って、今さら真実を告白し、罰を乞う勇気もなく。
犯した罪に苛まれ、女は緩やかに壊れていった。
否、あの日に壊れていたのだとすれば、深みへ堕ちていったと言うべきか。
ある夜、街を歩く女は、ふと懐かしい音色を聞いた気がして振り向く。
すれ違ったのは、ヴァイオリンケースを持った少年だった。
少年は新聞に載った経験もあるが、知名度があるかと言えば然程でもない。
周囲の人間を除けば、ヴァイオリンに興味のある人間しか目に留めないだろう。
少年にとって不幸だったのは、彼女がヴァイオリンに未練を残していたこと。
実際にコンクールなどで少年の姿を眼にし、印象に残っていたこと。
そして何よりも、彼女が正気を失い、狂気に支配されていたこと。
彼の技術と資質は、直接その目と耳で感じた。
まだ十代前半にして才気に溢れ、既に想い人と並ぶ――将来的には超えるだろうと予感した。
天才というのは確かにいるのだと、震えが走ったのをよく覚えている。
940 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/12(土) 03:59:22.48 ID:4pqoiOsuo
その少年が今、目の前にいる。ヴァイオリンを大切そうに抱えて。
練習の疲労を漂わせながらも溌剌としているのは、今が充実しているから。
今日の反省点はどこで、明日は何の曲に挑もうか、そんなことばかり考えている。
頭の中は旋律に満ちているに違いない。
きっとこれから先、まだ見ぬ音楽と出会い、技術を磨いて、更なる高みへ昇っていく。
自分にも、死んだ男にも、絶対たどり着けない場所へ。
込み上げる怒涛の如き嫉妬と怒り。少年が眩しければ眩しいほど、心の陰は濃さを増す。
思い知らせてやる。綺麗な光には、自分のような害虫も寄ってくるのだと。
話したこともない少年に理不尽な憎しみを抱き、すべてを奪いたくなる。
普通ならあり得ない、常軌を逸した妄想。けれど、今の彼女は普通ではなかった。
女はくるりと踵を返し、気取られぬよう離れて彼の後を追う。
天候は折悪しく雨。多少の音は掻き消してくれる。
少年は、小さな折り畳み傘を片手に、ヴァイオリンが濡れないように歩くので精一杯。
前もろくに見えていない上に、イヤホンで音楽を聴いていた。
これでは、とても背後にまで注意を払えないだろう。
少年は近道をしたかったのか、
歩道のない――白線の内に辛うじて一人の幅があるが――車道を行く。
夜に通るのは危険な道だが、車通りが少ないからと警戒心を緩めているのだろう。
女は360度をさっと、それでいてくまなく見渡す。周囲に人の気配はなかった。
街灯は頼りなく瞬き、横を通り過ぎる車もまばら。
聞こえるのは雨音と、水を跳ねて走るタイヤの音だけ。
街が、世界が呼吸を止めているかのよう。
941 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/12(土) 04:01:45.45 ID:4pqoiOsuo
最後に、女は自分の姿を一瞥する。
その着衣は喪服のような黒一色。
まだ夜は冷え込む季節。
傘も差さずに濡れ鼠になっているにも関わらず、ちっとも寒さは感じなかった。
それどころか火照って熱いくらいだった。
遠くから近付いてくるヘッドライト。
少年が、靴に入った水を気にして片足立ちになる。
今しかない。
重なり合った、あらゆる偶然が背中を押した。
間違いない。天が味方していると確信できた。
倫理も道徳も知らない。
常識も損得も関係ない。
良心なんてブレーキは、とっくに壊れていた。
女を縛るものは何もなかった。
女は足を踏み出す。
最後の一線を、踏み越える。
静かに少年に駆け寄り――。
背中を突き飛ばした。
それほど強くはなかったが、少年はつんのめりながら車道の中央に進む。
けたたましいクラクションと急ブレーキ。ふたつの音が混ざり合って、夜の闇を切り裂く。
その数瞬の後。
942 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/12(土) 04:04:18.63 ID:4pqoiOsuo
ドォン、という轟音と共に、少年に車が衝突。細い身体は、いとも軽々と宙を舞う。
少年は数メートルほど飛ばされて道路を滑り、止まってからもピクリとも動かない。
割れて片目になったライトが照らし出す。
傘は無残にへし折れ、流れる血でアスファルトを染めながら、
それでも少年はヴァイオリンを放さなかった。
その有様を、女は傍の物陰から見ていた。
突き飛ばしてすぐに隠れたので、運転手には目撃されていないはずだが、のんびりしていられない。
混乱する運転手の叫びを尻目に、女はその場を走り去った。
途中、何度も足をもつれさせながら、どうにかマンションの自室に帰り着く。
息が荒いのは走っていたからか。それとも、別の理由か。
いつまで待っても、呼吸が治まらない。これ以上ないくらいに昂揚していた。
数十分前を思い返すと身震いする。
とんでもないことを、しでかしてしまった。
激突の瞬間、少年はヴァイオリンを庇った。
地面に叩きつけられる時でさえ、己が身を挺して衝撃から守った。
彼にとって何よりも大切な物を、まるで我が子のように抱き締めていた。
その結果、車と接触したのも、ヴァイオリンと路面に挟まれて潰れたのも、彼の左手。
あれでは生きていたとしても、再起は難しいはず。
そんな判断が咄嗟にできるくらいなら、むしろ楽器なんて捨てるか盾にすべきだったのだ。
本当に馬鹿な子。
943 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/12(土) 04:06:51.69 ID:4pqoiOsuo
くつくつと、自然に笑みが零れる。
不安、恐怖、後悔。
もちろん、それらもある。
ただ、上回る歓喜があった。爽快で、痛快だった。すべてを押し流す圧倒的な愉悦。
やりたいと思い、やれそうだった。
だから行動に移したら、できてしまった。
ただ、それだけ。こんなにも簡単なことだったのだ。
あんなに恐れていた罪とは、禁忌とは、いったい何だったのか。
忍び笑いは、いつしか声を上げた哄笑に変わっていた。
数日後、少年が市内の病院に搬送され、一命を取り留めたと知る。
少し残念に思ったが、続けて経過を調べていくと面白いことがわかった。
身体の怪我はそれほど重くはないが、左手はかなりの重傷で、回復の見込みは薄いらしい。
少なくとも完全に元通り動くまで回復することはない、と。
手段を選ばずに探った甲斐があった。
何日も、何時間も費やした苦労が一気に報われた気がした。
快哉を叫びたい気分。
壊れずとも後遺症が残るなら、それで良し。天才は戻らない。それだけでも喜ばしい。
焦る必要はない。もしも復活するようなら、また潰せばいいのだ。
ある意味では死よりも辛い生き方だろう。残骸になった夢に囚われてなお生き続けるのは。
その惨めさと虚無感は、誰より女がよく知っていた。
944 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/12(土) 04:11:15.30 ID:4pqoiOsuo
タガが外れたように、その後も次々と凶行を重ねていく女。
被害者は老若男女を問わず、およそ常人には無差別としか思えないだろう。
互いに、まったく関わりのない被害者たち。
彼らは、何となく幸せそう、という理由だけで選ばれていた。
手口は主に突き落とし。
駅のホームで。
急な階段で。
海や河で。
そうやって事故や自殺を偽装することもあれば、
刺殺や絞殺など、明らかに殺人とわかる方法で殺したりもした。
また、犯行に至るまでの下準備と調査は、気紛れな選定と正反対に、驚くほど綿密だった。
だが、それを差し引いても、犯行が露見しなかったのは運命の悪戯としか言いようがない。
神――もとい、悪魔の加護を受けているかのように。
夢も希望も失った女は、他人の夢と希望を奪うことに快感を覚えた。
まるで麻薬のような恍惚。
中毒者が禁断症状から逃れる為に一時の快楽を求めるように、彼女もまた溺れていった。
先に待つものが更なる地獄、そして破滅と知りながら。
女には、とことん己を貶めることが、罪を犯すことこそが罪の意識から逃れる方法だった。
矛盾しているが、男を殺した罪に他の罪を重ねて、
いつか自分の中で個々が薄れるのではないかと期待したのだ。
愛した男を殺したことが、次第に幾多の罪のひとつになり果てていったように。
945 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/12(土) 04:13:34.50 ID:4pqoiOsuo
その夜も女は、いつものように人を殺し、いつものように後始末をして帰宅した。
底冷えする部屋で明かりも暖房もつけず、まっすぐテーブルに向かう。
卓上にぽつんと置かれているのは、大きめなクリスタルの灰皿。
中には灰が山と積もっている。
タバコは、薬に頼るほどではないが気分を落ち着けたい時に重宝していた。
もっとも、本来の用途はついでに過ぎない。主な目的は他の物を燃やすことにあった。
女が懐から取り出したのは漆黒の手袋。
さっきまで身に付けていたそれには、所有者以外の血が付着していた。
女は手袋にライターで火をつけると、灰皿に投げ込んだ。
殺しも含め、ここまでが習慣として染みついている。
赤と青。
氷のように冷え切ったクリスタルの上で炎が躍る。染み込んだ血と女の罪を呑み込んで。
犯行に使用した手袋は、その都度この灰皿で燃やしていた。
血が目立たないよう、色は常に黒。あの日から白い手袋は一度も身に付けていない。
暗い室内で唯一の光を、女は微動だにせず、無感情に見つめていた。
胸に様々な感情が駆け巡る。正も負も、喜びも悲しみも入り乱れる。
この時間だけは、女は人間に戻っていた。
やがて手袋は完全に燃え尽き、部屋が闇に包まれる。
そういえば、始まりのあの日から捨てていなかったと、女が灰を掻き分けた瞬間。
946 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/12(土) 04:17:56.48 ID:4pqoiOsuo
何かが、灰皿から立ち昇った。
暗中でもはっきり視認できるのは、それが闇よりも黒いせい。
墨?
違う、これは――――灰だ。
灰の中から見たこともない文字が連なり、恐ろしい形相の怪物を象ったかと思うと、
端から解けて女に襲いかかる。
目、耳、鼻、口。
逃げる間もなく、すべての穴から女の内に流れ込み、蝕んでいく。
薄れゆく意識で思う。
逃げられなかった、と。
たとえ灰になろうとも、燃え尽きるはずがなかった。
積もり積もって形を成すほどに。
あり得ない状況に恐怖すると同時に、
追いかけてきた罪に絡め取られたと悟った女は、安らいでもいた。
何故なら、罪は癒しであり、慰めでもあったから。
ゆえに、罪に塗れた死は断罪であり、救済。
女は静かに、黒い文字の奔流を受け入れた。
蓄積された陰我は、灰皿を魔界とのゲートに変えていた。
すべてが終わった時、女の魂は現れた魔獣、ホラーに喰われた。
しかし歪んだ意思の一部、陰我は身体を乗っ取ったホラーと同化し、生き続ける。
女が本物の悪魔となった瞬間だった。
947 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/12(土) 04:19:24.86 ID:4pqoiOsuo
ここまで。土日月で遅れを取り戻したいと思います
妙に力が入ってしまって長くなりましたが、
今回と次回は流しても問題ないと言えばないかもしれません
原作のモロクは指でしたので、今回は手を強調
ゲートは何にしようか最後まで決め兼ねてましたが、氷+火+手ということで、こんな形に
原作や前のホラーと離れたイメージが浮かばなかったのが惜しいですが
948 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/12(土) 12:07:24.06 ID:5Ve8BcS90
乙騎結集ゥ〜!
いやー、本編の影響ですっかり嫌われ者のKMJ君ですが・・・
上には上がいるもんだ、うん。
しかし、人間ってある意味ホラーより恐ろしいもんですね。いろんな意味で。
重蔵のように「いい意味で」ホラーより強い人間もいれば、
この命さんや戸沼、庄内夫婦、神須川の親父のような「悪い意味で」ホラーより恐ろしい人間もいる。
ホラーはただの「きっかけ」で、深層心理でそういうことを望んでいるわけだし。
二期はメインキャラが一期とは比べ物にならんほど増えてるから
全てにスポットを当てるなら上下巻に分けなきゃ網羅できないかもですね。
ちなみに一期小説のラインナップは
【黄金】 語り手・カオル。 一話「絵本」をカオルの視点で書き下ろした話。
【旅人】 語り手・鋼牙。 総集編でちらりと出て来た列車ホラー・ヴェルとの戦いと
黄金騎士の絵を手に入れた紳士(カオルが壁画を修復した幼稚園の園長)とのお話。
【記憶】 語り手・バラゴ。 バラゴの修行時代や幼少期の家族の間に起こった惨劇のお話。
【越境】 語り手・零。 零の幼少期の話や悪夢の日前後の話。なぜ鋼牙を仇だと信じ込んだのかがわかる。
【古傷】 語り手・邪美。 邪美と鋼牙の子供の頃の話。鋼牙の背中の傷にまつわるお話。
【暗黒】 語り手・バラゴ 大河のもとをバラゴが去るところから暗黒騎士への変貌を書いたお話。
【希望】 語り手・観月由児。 カオルパパの苦悩と幼稚園の壁画、黒い炎と黄金の風の誕生秘話、
そして大河との出会いと由児の最期の日までを描いたお話。
【同志】 語り手・羽根沢慎一。 【月光】の刑事と【水槽】のハルに利用されていたPC青年・戸沼充との話。
「あの方」も登場する。
【転生】 語り手・バラゴ。 バラゴとカオルとの出会いやメシアに吸囚された後のバラゴを描くお話。
【故郷】 語り手・カオル。 カオルがイタリアから鋼牙に宛てた手紙と
カオルがイタリアで出会ったとある魔戒騎士との語らいが描かれる。
【盟友】 語り手・大河。 二十年前の陰我消滅の晩のお話。大河の葛藤や苦悩が描かれ、それを乗り越えるお話。
ネタバレはしていないつもりです。是非呼んでみることをおすすめします。牙狼の味が深まることうけあいですよ。
949 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/12(土) 12:40:06.78 ID:ZheMETtMo
強い人は人を傷つけない
本当に恐ろしいのは弱さを攻撃に変えた敵だって荒木先生が
950 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/12(土) 13:03:44.40 ID:1GciUEOQo
押切蓮介の漫画も
「どんな化け物よりも人間の方が強くて恐ろしい」つースタンスが多いな
951 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/12(土) 16:24:20.21 ID:vIbyB7KIO
内容:あの笑顔の裏にはこんな物語が… 罪に対する罰がより大きな罪を作り出すホラー化という皮肉。 もろくも敗れ去ったホラーにもこんな物語があるのか。
952 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/14(月) 11:04:05.77 ID:C3yJMBcAO
第3話前半がそろそろ終わりアイキャッチ入る頃合かな?
区切り良くするならコメント控えた方がいい?
それとも次スレまでノンストップ?
953 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2013/01/16(水) 02:28:48.61 ID:RL7M9yhMo
お気遣いありがとうございます
ですが、特にその必要はありません
区切りまで進めても結構余りそうですし、次スレを案内する1レスだけ残っていれば十分です
今週中には投下したいと思います
954 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/18(金) 16:00:32.19 ID:tcjIX8NC0
△もし鋼牙に魔法少女まどか☆マギカを1話から見せたら☆
カオルがDVDを持ってくるところからスタート
955 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/18(金) 18:06:35.68 ID:TB7B4hESO
「くだらん。アニメなんかに興味はない」
で終了
956 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/18(金) 18:13:02.93 ID:tcjIX8NC0
あーもっともらしいわ。うん。いかにも言いそう。そう、普通のアニメならそれで終わるだろう。
957 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/18(金) 19:42:31.59 ID:G7oig+eAO
1期序盤ならそうだろうが、終盤くらいのカオルが強気に「つべこべ言わずに観て!」って怒ったら、しぶしぶ鑑賞するかも
そして「なぜコイツ等の顔はこんな形をしているんだ」とか「戦う心構えができていないくせに戦場に立つからこういうことになるんだ」とか「弱い者が戦うな」とかぶつぶつ呟いてそう
958 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/18(金) 21:46:32.65 ID:c5OzeUGAO
TV『サールティーロイヤーリー』
鋼牙「俺はアニメなど見ている暇は」
カオル「いいからww」
TV『もう何も怖くない』
TV『アーン』
鋼牙「!」ガォーン!ズシャッ!!→牙狼
カオル「ちょ、変身は外でやって!」
TV『一人ぼっちは寂しいもんな』
牙狼「ぐっ……うおおおーっ!!」
TV『ほむらちゃん…もうひとつ…たのめるかな?』
牙狼「…っ!やめろ!まどか!ほむらああぁぁーーー!!」
轟天「ぶひひーーーん!!」パカランパカラン
カオル「 室 内 (怒)」
959 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/18(金) 21:55:47.50 ID:tcjIX8NC0
もうなにも→ライゾン襲撃事件
ひとりぼっちは→心滅
まどほむ→大河との誓い
を思い出したのですね、鋼牙様・・・。
って轟天なんか出したらまたおうち壊れますよwwww
960 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/19(土) 23:13:50.59 ID:wZeV7U3Ho
ボロボロの部屋の真ん中で正座させられてる鋼牙想像してわろた
こういう風に怒られたことあまりなさそうだよな
961 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/21(月) 02:31:49.42 ID:CVB6/PeJo
翌日から、女は別人のように変貌した。
実際、変わっているのだ。外側だけ残して、内側は別の生物に入れ替わっている。
整えた容姿も。巧みな会話術も。華やかな笑顔も。時折見せる憂いの表情さえも。
すべてが罠。
その美しさに惹かれて寄ってくる獲物は誰も、
相手が文字通り人の皮を被った悪魔だとは気付かない。
気付くとしたら最期の一瞬。いざ、己が喰われる段になってから。
女が魔獣ホラーの本性を垣間見せる時になって、初めて後悔する。
後悔は程なくして絶望となり、獲物の人生は終わる。一切の例外はない。
それも、ただの手当たり次第では味気ない。
女は、あくまで罪を犯すことに拘った。
陰我が求めるのか、ホラーに憑依されてもなお変わらなかった。
意思が消えても意志は残る。
憎悪や欲望――
即ち、ホラーと融合した陰我は、憑依後も性格、行動原理など、様々な点で人物の中核を成す。
女の妄執も、彼女という人間の全体からすれば残滓に過ぎなかったが、より一層強く残っていた。
とはいえ、何のことはない。ただの趣味が、実益を兼ねたものになっただけ。
人外の力は、これまで試行錯誤しながら行ってきた殺人を、一気に容易にした。
スリルが減ったことにより達成のカタルシスも減じたが、その代わりに多くをもたらした。
まず死体が残らず、人間には不可能な殺し方が可能になった。
土壇場で抵抗されようが気取られようが、万が一にも仕損じはない。
そして最たるものが捕食である。人間のすべてを体内に取り込んで得られる全能感。
自分が獲物を支配していると実感できる瞬間。
人を喰らう度に、欠落した何かが埋まる気がして、心が安らぐのだ。
962 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/21(月) 02:37:52.18 ID:CVB6/PeJo
最早、押し潰されそうな不安は感じない。
ビクビクしながら日々を過ごすことも、ふと正気に戻った瞬間に後悔に苛まれることもない。
女が恐れるとしたら、それは唯一の天敵の存在のみ。
女は、恋人が死んだ廃ビルに通う。
人間であった頃は犯罪の露呈を恐れ、また、あの日の出来事を思い出さぬようにと避けていた場所。
だがホラーと化した今、忌まわしい記憶など顧みる必要はない。痛む良心など持ち合わせていなかった。
ここはただの廃墟。むしろ、都合のいい餌場だった。
その理由が、いつの間にか廃ビルに住み着いた魔女。
この魔獣とも異なる異形に印をつけられ、連日の如く哀れな人間が誘われてくる。
それを摘まみ食いするのが目的だった。
人を狩るのは造作もない。だからこそ自分で物色し、手を下すのが醍醐味ではあるのだが。
やはり、労せずして獲物が舞い込んでくるのも捨て難い。
絶望していたはずの人間でも、死の間際には表情を恐怖に歪める。
魔女は移動を繰り返していたようだが、本格的にここを住処と定めたらしい。
ホラーの気配に気付いていないとは思えないが、特に妨害する様子もない。
魔女が何を考えているのか。見当もつかなかったし、どうでもよかった。
そして彼女は、今日も屋上に立って獲物を待ち焦がれる。
ただ、その日は少し事情が違った。
現れたのは少女三人と男が一人。
全員、はっきりとした意思の光が瞳に見て取れる。
特に、先頭の少女と最後尾の男の目つきは鋭い。一目で魔女に誘われたのでないと見抜く。
こんな廃墟を、自らの意思で好んで訪れる者。
それは、ここを餌場とする怪物たちを狙う狩人だけ。
963 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/01/21(月) 02:51:39.08 ID:CVB6/PeJo
四人組の一人には見覚えがあった。
白いコートを纏い、髑髏の指輪をはめ、赤い鞘の剣を携えた男。
忘れもしない、その男こそがホラーの天敵。そして個人的にも宿敵であり、怨敵である。
正攻法で勝ち目は薄い。かつて戦ったことがあるだけに身に染みていた。
できるなら関わりたくないところだが、そうもいかない理由があった。
近付いてくる前からひしひしと感じていた――言うなれば匂い。
匂いは四人の中で一番か弱そうな少女から漂っていた。
芳しく香る極上の餌をぶら下げられて、みすみす逃す理由があるものか。
だが、餌を守っているのは、知る限り最強の護衛。簡単には手に入れられない。
さて、どうすれば突破できるだろう。
女は、はたと自分の首筋に気付く。首筋には、魔女のくちづけと呼ばれる印が刻まれていた。
憑依されるまでの不安定な情緒、凶行にも少なからず影響していたと思われる。
いずれは彼女も魔女の餌として、ここに赴いただろうが、中身がホラーとなっては何の意味も為さない印。
ホラー、魔女、使い魔、件の少女。
今、ただの廃墟が雑多な魔の気配で混沌としている。
それらひとつでも欠けるか、離れたならともかく、こう密集していては、ひとつひとつを判別するのは困難。
特に、気配の察知能力が鋭ければ鋭いほど。
ならば一か八か。
この刻印を利用して宿敵の手から逃れると同時に、少女三人を手に入れる。
勝算はあった。何故なら、先頭を歩く少女には、以前から目を付けていたから。
夜や夕方に人気のない場所をうろつく、魔法少女と呼ばれる存在。
お世辞にも幸せそうには見えなかったが、彼女は"破壊欲"でなくホラーの"食欲"を刺激した。
きっと、彼女は率先して動く。動いてくれる。
女はフェンスを乗り越え、外縁に両足を揃える。
恋人だった男には叶わなかった、自らの手で人生の幕を下ろす行為。
その権利すら奪った女の抜け殻を被った魔獣は、男を嘲笑うように両手を広げ――空に身を投げた。
964 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2013/01/21(月) 02:54:22.31 ID:CVB6/PeJo
ここまで。続きはなるべく明後日までに
長くなりましたが、回想は終わり
一期二期といろいろ見ても、見たからこそ
未だにホラーに憑依されるという状態が分かっているような、いないような
そのせいで遅くなりました
965 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/21(月) 15:55:24.50 ID:i3iog0IAO
乙でした。
966 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2013/01/24(木) 23:20:28.34 ID:wPhs5BFBo
すみませんが延期します
インフルエンザの疑いがあるので、少々長引くかもしれません
967 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/25(金) 20:33:52.06 ID:O9JJPAaAO
乙!
続きは気になるけど、気長に待ってるからまずは体をお大事に
968 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/26(土) 00:31:40.03 ID:/o0WKI/SO
乙です
体を労って下さい
何となく思ったけどコダマって魔法少女数人程度じゃ非変身時でも勝てないんじゃないかって位に強かった
獣身コダマに至っては一期終盤鋼牙が心滅獣身でごり押ししてようやく勝てたくらい
しかもコダマの何がヤバイってこれから更に成長するってところなんだよな、死んだけど
マジで何もんだったんだあいつ
969 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/26(土) 04:51:42.22 ID:iytM/C8w0
コダマの母・暗黒神官ガルムははるか昔に魔界と人間界を繋ぐ者として選ばれた者。
肉体を移し変え続け、魂が永遠とも言える時を生きてきた。一期の時点では三人の子供に憑依し、
三神官ケイル・ベル・ローズとして活動していた。コダマがガルムの息子というからには、コダマも肉体に成人の体を使用しただけで魂はもっと幼い(もっとも奴らの基準で、ということになるが)つまりこれから成長していく可能性もある。
なお、三人の子供に憑依する前は、バラゴの母親(の亡骸)に憑依し、バラゴを唆し、暗黒の道に引きずりこんだ。
ただ
元老院の神官・グレスでさえ大した戦闘力を持っていない(どころか見た限りでは皆無?)なのに
なぜいち地方管轄の神官であるガルムやその子のコダマが最強レベルの魔戒騎士をボコに出来るほどの力があったのかはまるで不明。肉体に依存?
なお、零のいた西の管轄の神官は若い男(もやしだが)、
東の管轄の後任の神官はゴンザさんくらいの老紳士
鋼牙が移籍した北の管轄の神官は幼い男児(だが声は青年らしい)。
猪狩重蔵とコダマの勝負が個人的に見てみたい。
970 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/26(土) 16:38:19.45 ID:/o0WKI/SO
超絶スタイリッシュ執事格闘技VS銀幕風人斬り剣術か、見てみたいが傍から見るとレイヤーどうしが死闘を繰り広げている様にしか見えないな
しかしマーク武藤のアクションは全牙狼キャラの中でも最高だと思う
「只者では無いな貴様、勝負しろ!」
「…」
「…?」
「ペラペラペラペラ(ちょいちょいおっちゃん!わいはキサマちゃうねん、コダマやねん!HAHAHA!)」
「!?」
971 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/26(土) 18:20:21.79 ID:iytM/C8w0
「・・・・・・・っwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「ほむらちゃん?!」
デデーン♪
QB『暁美ほむら、アウトー。』
972 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/31(木) 19:11:00.89 ID:sOo1ONGm0
≫970
両方とも魔獣装甲が出来る点で共通してるね。
△牙狼マギ的2月の行事☆
カオル「鋼牙、節分もホラー狩り・・・だよね。」
杏子「零、お前チョコは好き・・・か?」
973 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/01(金) 23:38:12.80 ID:/6rFK71SO
考えてみると魔戒騎士って年がら年中豆まきしてる様なものか、邪気を払う的な意味で
しかし、
・豆持って鬼はー外ーしてる鋼牙
・鬼のコスチューム着て逃げ惑う鋼牙
どっちを見ても確実に俺の腹筋が心滅獣身する自信がある
974 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/02(土) 21:11:46.40 ID:ZQl3h/9j0
ゴンザ「鋼牙様、今年の恵方は南南東にございます」
鋼牙「うむ」
レオ「カオルさん、ほむらさん、もともと節分の豆捲きや恵方巻きの習慣は魔戒法師が厄除けや願掛けのために始めたものが市井に伝わったものなんですよ。」
QB『恵方巻きならいいのを知っているよ。』
前に上がった二期小説の話だが
なぜシグマの煽動に乗った法師がけっこういたのか合点がいくように
バラゴの父みたいなDQN騎士が法師をメタクソに扱き使う話とかも面白そうですよね
975 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2013/02/04(月) 02:25:01.82 ID:OQarjnjQo
インフルエンザが回復してから、体調よりも勘を取り戻すのに手間取っていました
明日にはどうにか投下したいと思います
遅れた分、なるべく早く進めていきたいです
48時間の一挙放送も可能な限り参加したいですし
976 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/04(月) 02:30:44.98 ID:CsVv0j4SO
インフルだったのかーお大事に
いつでも待ってるよ
977 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/05(火) 02:41:54.34 ID:bSU8f1Sbo
*
パシッ、パシッ。
乾いた音が連続して響く。
零が、杏子の頬を軽く左右に張った。
いつものように牙を剥いて怒声を返すことを期待したが、音は空しく闇に消える。
杏子の眼に光は戻らない。微かに呻きは漏らすものの、相も変わらず虚空を見つめるだけ。
『ダメみたいね、ゼロ』
「だな。これ以上は後が怖い。ま、あんまり女の子の顔を叩くのも気が引けるし」
つい昨日、路地裏の決闘で平然と顔を狙った蹴りを放った男とは思えない言い草。
しかし戦いと、無抵抗な少女を殴るのは訳が違う。
今の彼女からは、あの時の闘志も殺気も感じられない。まるで人形。
感触からして、強く叩いても傷が残るだけで無意味だろう。
ショックと痛みで気付けという強引な方法では効果がないようだ。
零はおどけて言ったが、内心では焦りが芽生え始めてもいた。
「ホラーの術にはまったにしても、封印されてからも効力が続くなんてあるのか?」
『ないとは言えないけど……モロクにそんな前例はないから、少し考えにくいわね。
恐らくだけど、ホラーの術はとっくに解けているはず』
「……どういうことだ?」
『この娘が自分で戻ってこないのよ。ホラーの術を受けて、精神が同調しているのかも』
978 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/05(火) 02:51:06.29 ID:bSU8f1Sbo
シルヴァの推理に零は首を傾げ、暫し考え込む。
つまり、何らかの暗示を掛けられ、解放後も催眠状態が続いている?
あり得ない話ではないが、どうにも腑に落ちなかった。
何かが引っ掛かっていた。
そもそも、これまであまり経験のない事態ではあるのだが。
だが、続くシルヴァの言葉で、得心が行った。
『彼女たちは常識で計れる存在じゃないわ。
そうね……もし、彼女自身も幻惑魔法とか使えるとしたら』
「自分で自分に幻を見せているってことか? それなら覚めないのも道理だろうが……」
ひとまず納得した零は、
「にしても、あんこちゃんにそんな芸当ができたとしたら大変だ。
昨日使われてたら、ちょっとヤバかったかもな」
魔戒騎士に催眠や精神操作の類は通用しないが、幻惑魔法と言うなら他にも手段は考えられる。
こちらを幻惑するホラーも存在し、苦しめられたこともある。
法師ならまだしも、そのすべてを騎士の自分が防ぎ、見破れたかどうか。
あの状況で杏子が全力を出さなかったのは不思議だが、
ともかく自分の認めた彼女の全力は、まだまだあんな程度ではないということ。
零は薄く笑った。少し嬉しくなったのだ。
『じゃあ普段は何らかの理由で封印していた、とか?』
「それを今は無意識に発現させている、と。しかし、どんな幻を見てるんだかな」
零は、杏子の頬をペチペチ叩いて笑みをこぼす。やはり反応は微弱。
野良犬か、酷い時は狂犬にもなる少女だが、こうなると張り合いがない。
979 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/05(火) 02:53:59.69 ID:bSU8f1Sbo
「よほど楽しくて覚めたくなくなる夢か……」
――いや……それなら、こんな辛そうな表情はしないか。
この顔を見るに、辛くても目を背けられない、向き合わざるを得ない幻。
なかなか覚めないのは、終わりがないから、だろうか。そんなふうに思った。
悔やんでも悔やみ切れない、かと言って、どうすればよかったのか。
延々と答えの出ない自問を繰り返している。
例えるなら、そう――零にとっての"あの夜"の出来事のような。
『さぁ? 見当もつかない。
でも彼女が魔法を掛けているのだとしたら、ホラーと同じ幻ではなく、
別の……彼女のイメージに因るでしょうね』
彼女の過去。
興味がないと言えば嘘になるが、知る必要も、その資格もない。
誰にだって触れられたくない過去はある。
もし、そこに踏み入る資格があるとするならば、
何があろうと、とことん付き合う意思を持つ者だけ。
あらゆる弊害を受け止める覚悟を決めた者だけだろう。
そして、零にはそんなつもりは毛頭なく、だからこそ軽々しく口にできる。
「何にせよ、これじゃ埒が明かない。頼んだぜ、シルヴァ」
『いいの?』
980 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/05(火) 02:57:19.54 ID:bSU8f1Sbo
「ここに置いてもおけないだろ? さっきの戦闘で派手にやり過ぎた。
誰か来るかもしれないからさ」
彼女の為と言うより、自分の為に。
得にならないばかりか、不利益でしかないからだ。
杏子がこのまま幻に囚われて帰ってこないのも、誰かに発見されて保護されるのも。
杏子が何を見ていようが関係ない。無理にでも戻ってもらう。
たとえ甘い夢に浸っていようと、辛い過去を直視することで何らかの答えを見出そうと。
零が双剣を抜き放ち、その内の一本を左手の甲に添え、魔戒剣にシルヴァの艶めかしい唇が触れる。
鏡のように磨かれた、もう一本の剣身には杏子の姿を映した。
剣を重ね、杏子を映したまま唇が触れた箇所を打ち鳴らす。
キィーーン、と長く澄んだ高音と共に、青白い光が波紋状に広がり、杏子の身体を通り抜けた。
杏子はビクンと大きく震えると、前のめりに倒れる。
その様は電源を切られ、強制的に停止させられた機械を連想させる。
零が杏子の術を断ち切り、一瞬で意識を奪ったのだ。
零が身体を抱き留めても、目蓋は閉じられたまま、何の反応も示さない。完全に意識を失っていた。
「よっ……と」
両腕で杏子を抱え上げる零。
腕の中で眠る少女は想像より、ずっと軽かった。
とても激戦を潜り抜けてきたとは思えない、華奢な身体。強く力を込めれば壊れそうなほど。
981 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/05(火) 03:03:18.58 ID:bSU8f1Sbo
こうして見ると、ただの少女にしか見えない。
魔法の力を借りていても、決して楽ではなかっただろう。
鍛えに鍛えた魔戒騎士でさえ、そうなのだから。
その戦闘力と、勝利の為に躊躇せず自らを傷つけた覚悟。
口にはしなかったが、素直に称賛に値する。
杏子の太股には、彼女自身が拵えた槍傷。
そこから滴り落ちた血が、今も床に赤い染みを作っている。
深手ではないが、放置もできない。
ひとまず状況を確認し、可能なら応急処置を施す。
振動で痛みを与えぬよう、壊れ物を扱うように、零は静かに階段を下りる。
二人の関係からすれば最もあり得ないが、知らない者が見たなら、きっとこう思っただろう。
さながら姫と騎士のようだ、と。
982 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/05(火) 03:06:42.08 ID:bSU8f1Sbo
切りがいいのでここまで。続きは明日か明後日にはいけると思います
一期10話でザルバがやった洗脳解除?
ザルバにできるならシルヴァにもできるのかな、と
もしできない設定があったり、的外れな考察だったらすみません
描写は想像です
983 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/05(火) 10:40:47.90 ID:goZ0wbqAO
>>1
乙
なるほどアスモデイの時のアレか。
984 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/05(火) 13:22:43.02 ID:J8hapftSO
空を駆ける金色の
>>1
乙
この2人が騎士とお姫様やっててなによりです
985 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2013/02/08(金) 02:29:26.12 ID:f2GR6sIZo
ちょっと難航中ですが明日の一挙までにはなんとしても
986 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/08(金) 23:54:16.20 ID:f2GR6sIZo
*
頬に柔らかい感触と、微かな刺激。
誰かの呼ぶ声が聞こえる。
「……ちゃん。起きろよ、あんこちゃん」
「うぅ……ん」
唸りながら身を捩る。
長い夢を見ていた。
ずっと暗くて深い場所にいた。例えるなら、底なし沼でもがいていたような。
そのせいか、酷く頭が重い。なかなか目を開く気になれなくて、聞き流していた。
それでも声は止むことはなく、頬が柔らかく叩かれる。
そうこうしている間に、ゆっくりとだが五感が蘇ってきた。
観念して薄らと目を開くと、そこには。
笑顔。
これは誰だったろう。輪郭がぼやけて判然としない。
でも、何故か心が安らぐのを感じた。
自分に向けられる微笑みが、今はこんなにも温かい。
やがて目の焦点が合い、杏子は数秒遅れて人物を認識する。
「お目覚めですか、お姫様」
気取った口調で戯言を吐き、恭しく頭を垂れた男。
その顔は忘れもしない。杏子が今、最も嫌っている相手。
魔戒騎士、涼邑零。
987 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/09(土) 00:50:51.20 ID:icOT/Ycyo
「って……め……」
杏子は言い返そうとしたが、喉が掠れて上手く声が出せなかった。
ムカつくニヤケ面を引っ叩こうにも、まだ四肢の感覚が鈍い。
だから皮肉とからかいに答える代わりに、顔をしかめた。この上なく嫌そうに。
「元気そうで結構」
苦笑して、零は立ち上がった。
不思議と腹は立たなかった。
彼が杏子の反応を予想していたように、彼女もまた、零の反応を予想していたから。
しかし何より、怒る気力もなかった。
「ここは……?」
力のない声で問う。
「見ての通り、廃ビルの玄関」
周囲を見回せば、なるほど、訊くまでもなかった。
流れ込んでくる冷えた空気。雨音が近くに聞こえる。横を向くと、雨粒が跳ねていた。
いつの間にか外は雨が降っていたのか。
隣から飛んだ時点では降っていなかったはずだから、まだ降り始めたばかり。
見る限り、人の姿も気配もない。これなら、少しの間は大丈夫だろう。
爆音や破壊音を不審に思ったとしても、雨なら確かめに行くのも億劫に感じるもの。
加えて月のない雨の夜、わざわざ暗黒の廃墟を訪れる勇気のある人間も少ない。
988 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/09(土) 01:18:09.48 ID:icOT/Ycyo
「……あんたが?」
ここまで連れて来たのか。
最後まで言わずとも、零は意図を理解して頷く。
「意外と重くて大変だったぜ」
言わなくてもいい、余計なひと言まで添えて。
杏子は顔を上げ、零をキッと睨みつけるが――ほどなくして、しゅんと萎むように目を伏せた。
やはりダメだ。怒る気にもなれない。
寂寥感とでも言うのか。泥のように重く、心にこびり付いている。
ただひたすら虚しくて、悲しくて、心が燃え立たない。
俯いて視線を彷徨わせていると、不意にそれが留まった。
目に入ったのは、真っ直ぐ伸ばした両足。スカートは捲くれ上がり、太股は露わになっている。
片側の太股に白い布が巻かれていた。
「もう出血が止まりかけてるんだから、大したもんだな。魔法少女ってのは」
零の言う通り、白い布の中央には赤が滲んでいたが、ほとんど広がる様子はない。
傷口を拭って布を巻いただけの簡単な処置だが、とりあえずは充分と判断したのだろう。
魔法少女の自己治癒力は高い。そこに本人の意思は介在していないが、それでも思う。
――あぁ……あたしは、まだ生きようとしてる。生きたいと思ってるんだ……。
数秒、遠い目をした後に杏子は身体を起こし、壁に手をつき膝を曲げる。
989 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/09(土) 01:45:58.31 ID:icOT/Ycyo
が、足に力を込めた瞬間、
「っっ……!!」
太股に痛みが走って、思わず動きを止めた。
昂っていた戦闘中はまったく気にならなかったのに、悲鳴が漏れそうになって咄嗟に噛み殺す。
「まだ動くな。もうちょっと安静にしといた方がいい」
零に肩を押されて元の姿勢に戻されても、抵抗もできなかった。
大人しく壁にもたれる杏子。そこから1mほど離れた向かいの壁に、零も寄りかかる。
無理を承知で立ち上がろうとしたのに、深い意味はない。
上から見下ろされるのは不快だったが、屈まれても困るので、それはいい。
強いて言うなら、独りになりたかったのかもしれない。
零の前でだけは、弱い自分を見せたくなかったのかも――。
およそ十分は経っただろうか。
その間、一切の会話はなかった。目を合わせもせず、互いに降りしきる雨を淡々と眺めていた。
出血は完全に止まり、動いても痛みが少なくなった頃、
「それで? これからどうする?」
零が口を開いた。
突然の、それも主語を省いた質問に、杏子は怪訝な顔で、
「はぁ? どうするって、何がさ」
「言ったろ、協力してくれたお礼。約束は守るよ。ご馳走でも、決闘でも」
990 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/09(土) 03:26:50.96 ID:icOT/Ycyo
ここまで
続きは一挙放送が終わるまでには
991 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/09(土) 04:01:14.23 ID:515NuK8AO
乙です。
杏子は未だに零を名前で呼ばないですね。もう意地でも呼ばないのかな、あんこ呼ばわりが直るまで…^^
992 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/09(土) 12:47:09.67 ID:MjTjCXrW0
乙タヴィア。
いくら公式嫁が故人だからといってちょっといちゃつきすぎだぞ零くんwwいいぞもっとやれ。
993 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/09(土) 21:27:42.42 ID:B7Z5dbCSO
乙
まーた零はあんこちゃんの太ももを(ry
そろそろ第三夜かな?
994 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/10(日) 17:55:49.43 ID:fNsmJ+oAO
( ゚∀゚)o彡゜ふともも!!ふともも!!
次スレも大胆に行ってみよう
995 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/11(月) 00:40:27.34 ID:YBVQg99/o
「あぁ……」
すっかり忘れていた。熱が冷え切っていた。
あんなに固執していたのに。
ここ数日、零を探して駆け回っていたのも、わざわざ戦闘に乱入したのも、その為だったはずなのに。
「けど、これからもう一勝負ってのは流石に俺も疲れてるし、あんこちゃんだってその足だろ。
また後日、仕切り直しってことで……」
もちろん、エスコートの方なら大歓迎だけど。
そう冗談めかして言う零を、杏子は見ていなかった。
――こいつの目に、あたしはどう映ってたんだろう。
いや、それ以前に、あたしはどんな人間だったろう――
誰にも頼らず、手を差し伸べたりもしない。
ドライな現実主義者。一匹狼の魔法少女。歴戦の古兵。
もっとも、彼にしてみれば血気に逸る未熟者扱いだろうが。
意識して振舞っていた訳ではないが、こんなところだろうか。
他人との関わりを避けてきたので、客観的な自分がわからない。
深く関わったと言えるのは二人だけ。
他にも色々と想像するのだが――。
すべてが"しっくりこない"。
かつてない奇妙な感覚だった。
今なら鏡を見ても同じ感想を抱きそうな気がする。
――あたしは……あたしがわからなくなった……?
996 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/11(月) 01:21:32.12 ID:YBVQg99/o
では何故、何が変わったのだろうかと考える。
原因はすぐに思い当たった。
たぶん、ホラーに見せられた幻。
炎と氷。現実と虚構。
相反するふたつが溶け合う中で、杏子はまざまざと見せつけられた。
まずは二人の男女が愛し合う光景。
二人は幸せそうだった。
自分には手に入らない幸福だが、妬む気が湧かなかったのは経験のなさ故か。
最初こそ理解が追い付かなかったが、次第に悪い気はしなくなった。
公園、レストラン、コンサートホール、二人の部屋、ベッド。
どこでも二人の間には笑顔と愛の囁きがあった。
それだけに、恋人たちの不幸、そして無残な結末には胸が痛みもした。
男の死も、女が堕ちていく過程も、ホラーに憑依される最期も。
哀しいと思う。恐ろしいと思う。
しかし、所詮は他人事。それだけなら、こんな気持ちにはならない。
ホラーが見せた第三幕――いや。
あれは本当に、ホラーが見せた幻覚だったのか。
零に揺り起こされるまでに見ていた夢。
同じように、ある貧しくも幸せな家庭が崩壊するまでの一部始終だった。
997 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/11(月) 02:03:29.52 ID:YBVQg99/o
初めてではなかった。むしろ、嫌になるくらい見飽きていた。
数えきれないほどの悪夢。
それでも夜毎うなされ、目覚めた時には汗だくになった。
最後の幻を見た時、ふたつの悲劇が杏子の中で重なった。
恋人たちと家族、どちらも崩壊の最後の引き金を引いたのは人間だ。
或いは後者は既に人間ではなく、魔法少女という異形だったのかもしれないが。
――そういや、誰かが言ってたっけな……。
幸せは長くは続かないと。
人は変わる。
人は死ぬ。
どんな想いも、いつかは消えてなくなる。
親子も兄弟も友達も恋人も。
強く絆で繋がった大切な者同士でさえ、変化と別離から逃れられない。
人は幸せな時の中で生きていけはしない。
この世界の絶対的な摂理。
なら、愛とは一瞬の幻想に過ぎないのか。
そんなこと、頭ではとっくにわかりきっていたはず。
それでも――。
998 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/11(月) 03:13:24.04 ID:YBVQg99/o
これまで他人が破滅するのを無感情に見過ごす程度には汚れていても、
破滅する様を眺めて溜飲を下げたり、まして自分の手で突き落としはしなかった。
そこまで腐ってもいないつもりだった。
杏子が罪を犯しながらも一線を越えなかった理由。
まだ心のどこかで、この世界を信じていたからかもしれない。
自分の境遇は自業自得と受け入れていても。
それでも、どこかに幸せは転がっていて、
それを掴んだ人間は変わらぬ幸せの中で生きていけると。
故に、二人の結末は痛烈に突き刺さった。
考えてしまったのだ。
たまたま自分が幸福の輪から弾き出されること。
最初からそんなものは幻想で、世界のどこにも存在しなかったこと。
果たして、どちらが真実で、どちらが幸せなのだろうか。
この二人に限らない。
思い起こせば、魔女を追う過程で多くの悲劇を目にし、同時に見過ごしてきた。
自分が見過ごしてきた哀れな魔女の餌たち。その家族、友人、恋人。
魔女の口付けによって引き起こされたであろう不幸の連鎖。
それらは、すべて事前に防ぎ得たのだとしたら。
――だからって……じゃあ……どうすればよかったんだよ……!
グリーフシードの予備も尽き、ソウルジェムの濁りが危うかったことも何度かある。
真面目に使い魔を根こそぎ狩っていたのでは、今頃どうなっていたか。
ただ、確かなことはひとつ。
自分には最初から楽園を夢見る資格すらなかったのだ。
999 :
◆ySV3bQLdI.
[ saga]:2013/02/11(月) 03:42:12.50 ID:YBVQg99/o
――だったら、あたしは……いったい何の為に生きてるんだろう……。
わかっている。
全部、覚悟の上で決めたこと。今さら後悔なんてしない。
不意に感傷的になってしまい、虚しくなっただけ。
思考を打ち切り、立ち上がる杏子。
軽く爪先で床を叩く。ほとんど痛みは消えていた。
冷たい雨に踏み出すと、
「……今日はいいよ。興が殺がれちまった……」
零を見向きもせずに言った。
何の為にここに来て、何をしたかったのか。それを見失って、一緒に戦意も消えてしまった。
もう、ここに留まる意味もない。
ずぶ濡れになりながら杏子が歩みを再開すると、背後で水溜まりを叩く靴音。
その直後に、
『放っておきなさいな。いい薬かもしれないわ。これで迂闊にホラーに近付かなくなるでしょうよ』
とシルヴァの声。
暗い眼差しで振り向くと、零も雨の中を追ってきていた。
彼は何を言うか迷っていたが、やがて杏子の背中に一言を投げ掛けた。
「あんこちゃん! 今日の分の借り、次の機会に取っとくぜ」
杏子はギリ、と歯を噛み鳴らす。白くなるまできつく握られた拳には爪が食い込み、
――何が借りだ……!
命助けられて、あんな醜態晒して……!
とっくに貸しなんて返されて、お釣りがくる。
むしろ借りを作ったのはあたしの方じゃねーか……!――
一瞬、怒りという名の炎が燃え上がるが、それもすぐに雨で掻き消される。
虚しい。今は何もかもが虚しかった。
冷え切った心を抱え、杏子は傷付いた足を引き摺って去っていく。
零は暫し小さくなる背中を見送っていたが――やがて自らも背を向け、逆方向へと歩き出した。
1000 :
◆ySV3bQLdI.
[sage saga]:2013/02/12(火) 02:09:06.44 ID:h9MsaQuTo
遅くなりましたが新スレです
長い間お付き合い頂きありがとうございました
次スレでもよろしくお願いします
杏子と零の話は、伝えたいことが上手く伝えきれなかった気がします
精進します
次スレ
マミ「私は……守りし者にはなれない……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第三章
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マミ「私は……守りし者にはなれない……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第三章 @ 2013/02/12(火) 02:05:11.37 ID:h9MsaQuTo
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P 「告白かー」 小鳥「!」ガタッ! @ 2013/02/12(火) 01:19:41.53 ID:xCkHYMHjo
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イロトリッドリニ ヒッカルセカイヲツクッテクゥーwwwwww @ 2013/02/12(火) 01:07:55.41 ID:yDEWzx37o
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シンジ 「こーるおぶでゅーてぃー?」 @ 2013/02/12(火) 00:53:58.84 ID:re+VtqFio
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皆さんに質問です @ 2013/02/12(火) 00:52:12.84 ID:d+qigXu10
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暇じゃないけど、雑談しようよ @ 2013/02/12(火) 00:48:26.80 ID:WQNocIVAO
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Viagra online without prescription @ 2013/02/12(火) 00:48:24.47 ID:wx6np7a+0
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