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杏子「巻きますか、巻きませんか」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:08:20.29 ID:B9gNyFpU0
杏子「……あ〜あ、暇だ」
杏子「……魔女もいねーし、何かすることねーかなー」
杏子「何か金目のもんないかなぁ。不法投棄されてないかなぁ」キョロキョロ
杏子「お?何かめっけ」ヒョイ
杏子「大きな鞄だな……」
杏子「……ギッシリと金が詰まってたりして」
杏子「とりあえず開ける」ガチャリンコ
杏子「ん〜……?」
杏子「……人形?」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1339333700
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モバP「コンマ1桁が0でカオス・マジキチ化する安価SS?」 @ 2024/05/02(木) 12:55:16.10 ID:lZ9SQusw0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714622115/
酸 @ 2024/05/01(水) 23:00:19.57 ID:lK9RWrTc0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714572018/
【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 二匹目 @ 2024/05/01(水) 21:08:53.38 ID:iiJDb4My0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714565332/
旅にでんちう @ 2024/05/01(水) 14:47:47.55 ID:KgjR8ljxO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714542467/
【クリスマス・年末・年始】連休暇ならアニソン聴こうぜ・・・【避難所】 @ 2024/04/30(火) 10:03:32.45 ID:GvIXvHlao
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714439011/
VIPでガンダムVSシリーズ避難所【マキオン】 @ 2024/04/30(火) 07:03:33.32 ID:jpWgxnqGo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714428212/
今日も人々に祝福 @ 2024/04/29(月) 23:42:06.06 ID:cZ/b8n+v0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1714401725/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:08:38.75 ID:B9gNyFpU0
杏子「人形かよ……。札束とかじゃないのかよ……。いやそりゃそうかな……」
杏子「しかしこれは……あたしは人形に関してはど素人だが……よくできている」フニフニ
杏子「うはぁ、ほっぺ柔らけぇ……。服の生地も……多分いいやつだ。綺麗だなぁ」フニフニサラサラ
杏子「これは高く売れる!ひゃくまんえんは手堅いな!」
杏子「お、ねじ発見」
杏子「と、言うことは……お、あった。きっとこの穴に挿すんだな」
杏子「巻いたらどうなるんだ?」
杏子「……喋るのかな?」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:09:56.38 ID:B9gNyFpU0
〜あんこイメージ〜
キリリ…キリリ…
人形「ワタシ、リカチャン、アナタ、ワタシノ、トモダチ」カタカタ
人形「ヒトリボッチデ、サミシカッタ。ナノデヒャクマンエンヲサシアゲマス」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
杏子「……い、一回くらい動かしてみても、悪くないよな…」wktk
杏子「そ、それに捨ててあるってことは、壊れてるかもしれねーからな!」スッ
杏子「壊れてたら高く売れねえもんな!ちゃんとこいつのことを知っておかないとな!」キリ…キリ…
杏子「こんなもんかな?」
杏子「…………?」
人形「」フワッ
杏子「!?」
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:11:03.85 ID:B9gNyFpU0
人形「……」ストン
杏子「人形が浮いた!そして立った!」
人形「……」クリッ
杏子「こっち見た!」
人形「……」トコトコ
杏子「自動で歩いた!すげええええ現代カラクリ人形すげえええ!」
人形「うるさい」バシン
杏子「あんっ!」
杏子「ぎゃああああ喋ったああああ!?」アトズサリ
杏子「っていうか人形に殴られた!」
人形「問おう、貴女が私のマスターか」
杏子「」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/06/10(日) 22:11:05.15 ID:jPrGRFt6o
移ったのか
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:11:49.76 ID:B9gNyFpU0
>>5
はい。移らせていただきました。
人形「冗談はさておき」ポンポン
杏子「……な、何だてめぇ!使い魔の類か!」
人形「レディの体を小汚い手でべたべた触った上に売り飛ばそうとするなんて、下劣にも程があるわ」トコトコ
杏子「お、おうこらぁ!近寄んな!」
杏子(魔女の気配はないが、一応魔法少女に……!)ヘンシン
人形「……何かしらその格好は。ナンセンスだわ」トコトコ
杏子「だ、か、ら!これ以上近寄るなっつってんだ!」チャッ
人形「貴女は今まで出会った中で一番野蛮な人間よ。レディに槍を向けるなんて何様のつもり?」
杏子「使い魔か?!それとも別の魔法少女の力か!?何者だ!」タジ…
人形「貴女から名乗るべきだとは思うけど……まあ、いいわ。名乗りましょう」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:12:22.95 ID:B9gNyFpU0
人形「私は誇り高きローゼンメイデン、第五ドール。名は真紅」
杏子「ろーぜん……めいでん?」
真紅「そしてこの子は私の人工精霊、ホーリエとベリーベルよ」チカチカッ チカッチカッ
杏子「え?は?ん……?あーっと……真紅と堀江由衣とベリーゲラ……?」
真紅「ホーリエとベリーベルよ。……さ、私の自己紹介は済んだわ。貴女のことを教えて頂戴」
杏子「うぅむ……」
真紅「その変なコスプレのこととか、ほら早く」
杏子「コスプレって……」
杏子(落ち着けあたし。目の前に動く人形と赤とピンクの蛍みたいなものがあるだけだ。使い魔と比べりゃ可愛いもんだ)
真紅「この真紅が名乗ったのよ。早く名乗りなさい」
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:12:56.85 ID:B9gNyFpU0
杏子「お、おう……」
杏子「えっと、あたしは佐倉杏子。……その、魔法少女だ」
真紅「魔法少女?」
杏子「うん」
真紅「ふざけているの?」
杏子「生憎、マジだよ。なんつーか、そのー……こう、戦うんだよ。魔女と……。変身したし槍も出しただろ?」
真紅「そうね。わかったわ」
杏子「うん」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:13:38.00 ID:B9gNyFpU0
真紅「大変ね」
杏子「まあな。……しかし随分冷静だな。目の前にいる奴が魔法少女なんだぞ」
真紅「伊達に長生きしてないもの。そういう貴女こそ、呪い人形だとか言いながら震えたりしないのね」
杏子「ビックリはしたけどな」ヘンシンカイジョ
真紅「それはそうと、貴女は私のゼンマイを回したのだから、私と契約なさい」
杏子「何言ってんだてめぇ。契約ゥ?ねじは確かに回したけどさ……」
真紅「簡単に言えば、貴女の力を私に貸しなさい、ということよ。返さないけれど」
杏子「ソウルジェムに対する魔法少女みたいな物かな……」
真紅「何を言ってるのかわからないわ。とにかく貴女の力を私に捧げなさい。それで貴女は私の下僕になるのよ」
杏子「しもっ……誰がなるか!っていうかなんだよ!私にメリット一切ねぇーじゃねーか!」
真紅「あるわよ。せめて、この真紅がレディーとは何たるかを教えてあげるのだわ」
杏子「ハッ!レディーだと?冗談じゃねぇ」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:14:17.62 ID:B9gNyFpU0
真紅「第一に貴女、口調が乱暴すぎるし、何かと小汚いわ。可愛い顔が台無しよ。洗顔の習慣はあって?」
杏子「かわっ……、ふ、ふん。知ったことか」プイッ
真紅「さて、貴女の左手の薬指の指輪に口づけをすれば契約は完了するのだけど」
杏子「聞けよ。っていうか指輪って……」チラッ
杏子「げっ、なんじゃこりゃあ!いつの間に!?」
杏子「と、取れねぇ!」グイグイ
真紅「無理に取ろうとすると肉が削げるわよ」
真紅「中指と薬指。指輪を二つはめているのは不格好ね。中指の方を外しなさいな」
杏子「それこそ無理だよ。こいつは魔法少女の証みたいなもんだから」
真紅「あら、そうだったの。ならいいわ。とにかく指輪に口づけをなさい」
杏子「やだ!」
真紅「……」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:14:45.25 ID:B9gNyFpU0
杏子「……で、真紅、つったか。お前からは魔女とも使い魔とも言わない未知の臭いがする」
杏子「あたしはよ、あんたがどこぞの魔法少女の人形を操る能力的な何かではないかと疑っている」
杏子「結局何なんだ?」
真紅「だからローゼンメイデンと言ったじゃない」
杏子「そのローゼン何とかがわからねえんだが……。あぁ……頭がこんがらがってきた。あたしってほんとバカ」
真紅「私と契約して力の媒介になるのだわ」
杏子「うぜぇ!」
真紅「契約したらレディーの何たるかだけではなく、イギリス流の紅茶の淹れ方を伝授してあげるわ」
真紅「しかも今なら何と……」クドクド
…………。
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:15:32.51 ID:B9gNyFpU0
杏子「――で、結局言いくるめられて結局契約しちまった……二重契約だ……」
真紅「それにしてもここは汚らしい場所ね。貴女の家へ案内しなさい」
杏子「汚らわしいって……。まあ、いいけど。……家はないよ」
真紅「……何ですって?」
杏子「だから、家はないんだよ」
真紅「…………ああ、ほーむれす、というやつね。実在したのね」
杏子「都市伝説レベルかあたしはよ!?さぞあんたはイートコに住んでたんだろーなー?え?」
真紅「そこそこね。しかしマスターがホームレスだったなんて……」
真紅「納屋みたいな部屋でもないよかマシだったのだと痛感するわ」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:16:23.20 ID:B9gNyFpU0
真紅「とにかく何とかしなさいよ」
杏子「何とかしろったってないもんはどうしようもねえよ。ここでも雨風はまあ凌げるし」
真紅「魔法ムレス少女」ボソ
杏子「……」
真紅「この真紅に野宿させると言うの?」
杏子「いいだろ別に。元々あんたは捨てられてたんだから。お菓子あるぞ。食うかい?」
真紅「捨ててあったわけじゃあないのだけど……」
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:17:27.24 ID:B9gNyFpU0
真紅「紅茶は出るのかしら?」
杏子「あるわけねーだろ。蛇口から水を直飲みだろ」
真紅「はあ……。最悪だわ」
杏子「ああ、あたしもだよ。嫌なら別の奴んとこいけよ」
真紅「契約しておいて随分身勝手なのね」
杏子「自分のためにならない上に半強制的に二重契約させられたこっちの身にもなれよ。願いとか叶えろよ」
真紅「見返りを求めるとは汚い流石人間汚い。……何でもいいけど、契約した以上責任は取って貰うわよ」
杏子「はあ……。最悪だよ」
猫「にゃあ」
杏子「ん?」
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:18:07.85 ID:B9gNyFpU0
杏子「おっ、パイじゃねえか」
真紅「……」
杏子「あっ、いや、こっ、こいつと出会った時パイのお菓子を食ってただけだからな!」
杏子「け、決してあたしのネーミングセンスな訳では……」
杏子「雨風から逃れるためによく来るんだよ。一人ぼっちは寂しいもんな。な?」
真紅「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
杏子「!?」
猫「!」
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:18:57.93 ID:B9gNyFpU0
真紅「きょっきょきょきょきょ杏子!いいい今すぐ帰りなさい!家に!室内に!屋内にぃぃぃ!」ガッシ
杏子「お、おい落ち着けよ!」
真紅「ねねねね猫はここここの世で最も恐ろしい動物なのなのなのだわだわ!それこそくんくんの敵に抜擢される程……!」パタパタ
杏子「くんくんってなんだよ。だから帰るも何も家なんかないって」
真紅「ならば早く私を抱っこしなさい!早く!」ピョンピョン
猫「にゃあ」
真紅「ひぃ!」
杏子「わーったよ……」ヒョイ
真紅「抱き方が違う!」バシッ
杏子「あんっ!」
真紅「ほら!早く猫を追い出して頂戴!」
杏子「いてて……。しゃーねーな。ほれ、シッシッ」
猫「解せぬ」トコトコ
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:19:25.25 ID:B9gNyFpU0
真紅「……行ったわね?」
杏子「落ち着いたか」
真紅「はぁ……。全く。不衛生な上にろくな食べ物もなく紅茶は出ない上に猫が沸くだなんて、こんなとこにいたらダメになるわ。こんなとこにずっといたら円形脱毛症になるわ」
杏子「人形のくせに……。そんなん言うならホテルに……」
真紅「ホームレスなのだから、どうせ忍び込むとかするのでしょう。私はそこまで落ちぶれ乙女と違うのだわ」
真紅「全く……貴女は今まで出会った人間の中で最もどうしようもない下僕だわ」
杏子「誰が下僕か」
真紅「それなら引きこもりやボッチが下僕だった時の方が、屋内で紅茶が飲めた分遥かにマシだったわ」
杏子「ボッチ……」
真紅「……」
杏子「紅茶、ねぇ……」
真紅「マミという人間のとこに行きましょう」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:19:56.50 ID:B9gNyFpU0
杏子「は!?何でここでマミが出てくるん……って知ってるのかよ!」
真紅「知らないわ。指輪で繋がってるから少しだけ考えがわかるのよ」
杏子「んな……ッ!?心を読まれるなんて聞いてねえぞ!」
真紅「言ってないもの」
真紅「貴女は真紅の力の媒介になったのだから、考えがなんとなくわかるのよ。でも安心なさい。貴女の心を無闇に覗いたりは今後しないし他言もしないわ」
真紅「それにしても、貴女はそのマミという人間をそれなりに慕っているのね。頼りにしている先輩か何かかしら」
杏子「そ、そんなんじゃねえよ……」ツーン
杏子(キュゥべえ並にうぜぇ……。いや、厄介という表現が的確……)
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:20:26.88 ID:B9gNyFpU0
真紅「ほら、私は鞄の中で休んでいるから、着いたら教えなさい」パタム
杏子「えー行くのぉ〜?……めんどい……」
真紅「ほら。小言を言わない。行かないという選択肢はなくてよ」
杏子「はいはい……」ヒョイ
真紅「返事は一回」
杏子「……うぃ」
真紅「うぃじゃないわよ。ほら、キビキビ歩く。……ちょっと、揺らさないで頂戴。髪が乱れるじゃないの」
杏子(うっぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:20:58.94 ID:B9gNyFpU0
――マミハウス前(見滝原)
杏子「……結局、ついちまったよ」
杏子「どうするかなー。もう夜だしなー。迷惑だろうなー」
杏子「真紅は屋内屋内言ってたけど結局鞄で寝るんだから別に野宿とかでもいいじゃん……」
杏子「明日の朝……は学校だろうな。朝から来るってのも……ん?」
カチャ
ピンポーン
杏子「ゲッ!?」
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:21:58.81 ID:B9gNyFpU0
杏子「おい、真紅!てめぇ!鞄からちょっと隙間を開けてステッキのようなものを伸ばしてチャイム押しやがったな!」
真紅「だって、貴女がいつまで経ってもチャイムを押さないのだもの」
杏子「心の準備ってもんがあるし!気まずいんだよ!夜も遅いし!」
真紅「夜……そう言えばもう外は暗いわね。でも私なら大丈夫よ。寝る時間まではまだあるのだわ」
杏子「聞いてねぇよ!捨てるぞ!」
真紅「『ボッチ』という言葉から真っ先にマミを連想したことをバラすわよ」
杏子「すいませんでした」
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:22:25.81 ID:B9gNyFpU0
ガチャ
マミ「はい……。あら!?さ、佐倉さん!?」
杏子「お、おう……」
マミ「……久方ぶりね。その、どうして見滝原に……?」
杏子「あーいやーそのー、何て言うか……そのー」
マミ「テリトリーに入るのは御法度でしょう?私を倒して奪おうと言うの?」
マミ「しかもこんな夜中。あら、その鞄……」
杏子「あうぅ……そ、そんなんじゃ……なんて言うか、ほら、偶々散歩を……いや、違くて」モジモジ
マミ「?」
杏子「その……だな。何て言えばいいんだ……」
真紅in鞄「あたしと一緒に暮らしてくれ(裏声)」
杏子「!」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:23:13.54 ID:B9gNyFpU0
マミ「え!?」
杏子「ち、違っ!」
マミ「一緒に暮らすだなんて……そんないきなり///」
杏子「あ、いや、そ、空耳だから!何顔赤くしてんだよ!」
杏子(テメェ!人形は人形らしく黙ってろよ!話がこじれるだろうが!)
真紅(素晴らしいアシストじゃない。ちゃんと拾いなさいよ)
杏子(ど、こ、が、だ、よ!)
マミ「……コ、コホン。それで……佐倉さん……」
杏子「あ、あぁ……その。そうだ。んっと……そうだ……ん。……そう!相談!相談があって来た!そうなんだよ!」
マミ「えっと……同居受け入れる分にはいいのだけど……一ついいかしら?」
杏子「同居ておい」
マミ「佐倉さんも……ローゼンメイデンと契約したのね」
杏子・真紅「……も?」
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:24:06.98 ID:B9gNyFpU0
デコ人形「あ!真紅ゥ!会えて良かったのかしらァー!」
真紅「あら金糸雀。貴女も目覚めていたのね。そしてマミと契約してたのね」
金糸雀「そうなのかしら!とっても優しいのかしら!」
マミ「お姉ちゃんに会えてよかったわね。金糸雀ちゃん」
金糸雀「……カナのがお姉ちゃんよ。カナは第二ドールで、真紅は第五ドールかしら」
マミ「あ、あらごめんなさい。真紅ちゃん、落ち着いてて大人びてるからつい……」
マミ「それに、赤と言ったら大抵一番目だから……」
金糸雀「何の話?」
マミ「それにしても……」ジー
真紅「…………」
マミ「可愛いわぁ〜」ナデッ
真紅「触れるな」バシッ
マミ「マミんッ!」
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:25:34.94 ID:B9gNyFpU0
マミ「……き、気難しい子なのね」
杏子「……」ニヤリ
杏子(猫でピャーピャー言ってたことを晒して恥かかせてやる!)
杏子「マミ。こいつ実は猫がk…
真紅「それよりマミ、紅茶を淹れて頂戴」
杏子「真紅は猫g…
マミ「え、えぇ。勿論ご馳走するわ。丁度準備しようとしてたの。それじゃ淹れてくるからちょっと待っててね」スクッ
杏子「ねk……
真紅「杏子が言うにはマミの紅茶は美味しいとのことだから、期待しているわ」
マミ「も、もうっ、佐倉さんたら。来てくれればいつでもご馳走するのに///」
杏子「い、言ってねぇよ!」
マミ「そ、それじゃ、淹れてくるわね。待っててね三人共」
トテトテ
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:26:00.27 ID:B9gNyFpU0
真紅「……そう思ってはいるのでしょう?」
杏子「ひ、人の考えとかは他言しないって言っただろうが!」
真紅「貴女の考えのことは言ってないわ。ここまで来る途中に実際に言ってたことじゃない」
杏子「えっ……そっ、そんなこと言ったっけかなぁ……」
真紅「あら、自分で言ったことも忘れたの?マミの家に行くのは久しぶりだなー楽しみだなー、みたいなことも」
杏子「……言った?」
真紅「嘘よ」
真紅「……でも、考えを他言するな、と言ったということはマミのことを好意的に考えてはいるのでしょう?」
杏子「ンガーッ!」
金糸雀(相変わらずのマスター振り回しっぷりかしら……)
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:26:35.88 ID:B9gNyFpU0
真紅「ところで金糸雀。貴女はいつ目覚めたの?」
金糸雀「真紅達が来る少し前かしら」
真紅「そう。だったら私の方が早起きね」
金糸雀「他の姉妹は?」
真紅「まだ見てないわ」
杏子「他にもいるん……だろうな」
真紅「ローゼンメイデンは七姉妹よ」
杏子(こんなのが七体も……)
真紅「しかし今日は色々あって疲れたわ」ハフー
杏子「お前鞄の中で揺られてただけだろ」
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:27:08.70 ID:B9gNyFpU0
金糸雀「かしらー。それにしても、大変だったわ」
杏子(どうせこいつも拾われて紅茶飲みましたくらいしか大変な要素は……)
真紅「そうね」
金糸雀「……この一件、ラプラスの魔あたりは何かわかるかしら」
真紅「知ってても意味の分からないことを言ってはぐらかすでしょうね。あの道化兎は。何にしてもnのフィールドには近い内に行きましょう」
杏子(何か難しい単語が出てきたぞ)
マミ(……ッ!)ピキーン
マミ(な、何かカッコイイっぽい言葉が聞こえたような……。……えぬのふぃーるど……らぷらすのま……フム……)コポポ
真紅「私達のことを話した?」
金糸雀「少しは……。囓りだけ話してマミがお茶を淹れるって言ったところで真紅達が来たのかしら」
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:27:49.12 ID:B9gNyFpU0
マミ「はい。どうぞ」カチャ
真紅「ありがとう。マミ」
金糸雀「いただきますかしらー」クピ
マミ「はい、佐倉さんも」
杏子「お、おう……」
金糸雀「美味しいわ!」
マミ「ふふっ、ありがとう」
真紅「実に完成度の高い紅茶なのだわ。茶葉もちゃんと開いているし、温度がなんたらかんたらミルクが云々」
マミ「そこまで誉められちゃうと、て、照れちゃうわ///」
真紅「それに、優しい味だわ」
マミ「そ、そうかしら……?そういうのって、わかるの?」
杏子(紅茶なんてどれも同じだろ……?)
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:28:50.75 ID:B9gNyFpU0
真紅「勿論。誰かを思って淹れると美味しくなるものよ」
マミ「ふーん……そういうものなのね……」
真紅「……思われているのね。杏子」ニコッ
杏子「あたしかよ!」
マミ「///」
杏子「照れてんじゃねーよ!」
杏子「ああ!もう。人形に振り回されたり見滝原まで歩いてきたりで腹減ったよ!ご飯くれご飯!」
マミ「はいはい。これから用意するわ」
金糸雀「私もお腹ぺこぺこかしらー」
杏子「……人形のくせに食うのか?」
真紅「もちろん。生きているんだもの」
杏子「人形だろうがお前は」
真紅「お前?下僕のくせに口が過ぎるわ」
杏子「うっせー」
真紅「……おしおきが必要ね」バシバシ
杏子「あんっ!痛い!やめれ!」
マミ「こんな賑やかな夕食はいつぶりかしら……。ふふっ」
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:29:26.07 ID:B9gNyFpU0
真紅「さて、夕食を済ませた所でローゼンメイデンのことを話しましょう」
真紅「私達ローゼンメイデンは全部で七体。七つに分けられたローザミスティカが一つになることで究極の少女、アリスとなり――」
真紅「なんたらかんたら……と、いうことで姉妹でバトルロイヤルをするのが私達の運命」
真紅「既に第六ドールの雛苺は末妹に敗れ、ボディを奪われてしまった」
真紅「彼女の……人で言うところの魂であるローザミスティカは今、私の元にあるわ」
真紅「そういう理由で私には人工精霊が二体いるのよ」
マミ「そ、そんな……酷い話だわ……!」
金糸雀「酷くなんかないわ。それが私達が産まれた理由なのかしら」
杏子「なんつーか……身勝手な奴だな。ローゼンってのは」
真紅「お父様を悪く言わないで頂戴」
杏子(そんな父親でもお父様、ねぇ……)
真紅「取りあえず私達のことを話したのだから、魔法少女について聞かせて貰える?」
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:30:01.50 ID:B9gNyFpU0
マミ「え、ええ……。私達は契約によって願いを叶えてもらう代わりに魔法少女となって、魔女と戦ってグリーフシードがどうこうソウルジェムが何とか――」
マミ「なんたらかんたら……と、いうことで願いを叶えた代償に魔女と戦う運命を背負ったのよ」
金糸雀「カナ達は目的は違えど、戦う運命を背負った仲間かしら!」
真紅「大変ね。……さて、と。もう九時だわ。金糸雀。寝るわよ」
マミ「ええっ、リアクション薄っ。……というより、もう寝ちゃうの?あの、お風呂とかは……」
真紅「人形だから垢の類は出ないわ。また明日」パタン
金糸雀「おやすみかしらー」パタン
マミ「え、ええ。お休みなさい……」
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:31:22.22 ID:B9gNyFpU0
杏子「……何だってんだよ」
杏子「しかし九時に寝るなんてよい子ちゃんかっつーの」
マミ「……もう。お洋服の洗濯もしないの……」
杏子「さて、それじゃああたしも寝……」
マミ「いくらなんでもあなたはお風呂に入らなきゃだめよ。一緒に入りましょう」
杏子「えぇっ!?一緒に!?冗談じゃねぇ!」
マミ「いいでしょ。ご飯も食べたんだし。一緒にお風呂ってのはお約束じゃない」
杏子「ぐぬぬ……」
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:32:39.64 ID:B9gNyFpU0
in 風呂
マミ「佐倉さんの背中、綺麗ね」ゴシゴシ
杏子「それに比べてマミのはプニプn……いや、何でもない。だから露骨に力を込めないでくれ痛いよ」
杏子「そ、それよりマミ……あたしはよくわからん内に契約しちまったんだが、信用していいのか?ローゼンメイデンっての……」
マミ「あら、どうして?あんなにかわいいのに」
杏子「だってさ、もしかしたらそうやって人に寄生して力とかを奪う、魔法少女の力かもしれないじゃん」
杏子「動く人形と契約だなんて、突然すぎんだろ。設定も凝りすぎだ」
マミ「魔法少女も十分突飛な話じゃない」
マミ「私は信用するわ……。姉妹で闘い合う運命なんて……万が一嘘だとしても私には無下にできない……!」
杏子「あたしにも妹がいたからマミが同情する気持ちはわからないでもないけど」
マミ「だったら、様子を見てみましょ?絶対にあの子達は悪い子じゃないわ!」
杏子「うーん……妹……ねぇ」
マミ「雛苺ちゃん……。いい子だったんでしょうね。金糸雀ちゃんと真紅ちゃんの顔、とても辛そうだった……」
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:33:27.62 ID:B9gNyFpU0
< キャイキャイ
金糸雀「真紅……起きてるかしら……」カチャリ
真紅「少し考え事をしていたのだわ」カチャリ
金糸雀「マミ達にカナ達がここに来た理由を話さなくても大丈夫かしら?」
真紅「ええ。急に言われても混乱させるだけでしょうし、他の姉妹との合流が先決だわ」
金糸雀「そうね……。本当にこの世界は何なのかしら……」
真紅「本来のマスターとの契約が行き届かず無効になるくらい遠い世界。と言った所ね」
金糸雀「こういう所を異世界と言うのね……」
真紅「何にしても、今のままでは私達は元の世界に帰れないわ」
金糸雀「…………みっちゃん」グスッ
真紅「ほら、泣かないの。私だってジュンのことをそれなりに心配なのだから」
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:34:05.98 ID:B9gNyFpU0
――外
ほむら「……どういうこと?」
ほむら「この時間軸では転校前に巴マミと接触してみようと思っい立って夜分遅くにここまでやってきた……のはいいのだけれど」
ほむら「佐倉杏子がこんな早くに見滝原に来るなんて…。あ、今、佐倉杏子が巴マミの部屋に入ったわ。鞄が一人でに動いた気がするけど暗いからよくわからないわ」
ほむら「こんな事は初めてだわ。バタフライエフェクトがごとく、何かが影響したのかしら」
ほむら「ほむ……。心当たりがないわ。今後の時間軸でもこんな早くに来ることあるかしら……?」
ほむら「……ああっ!もう!『今後の』だなんて考えてはだめよ。今回で終わらせるつもりで全力でやらなくちゃ」
ほむら「……しかし、家無き子が大きな荷物を持って来ているということは…以降同居すると考えても早計ではないわ」
ほむら「佐倉杏子がいれば巴マミもボッチ回避でまどかを魔法少女に誘わない可能性もないこともない……」
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:35:07.70 ID:B9gNyFpU0
〜ほむほむイメージ〜
ほむら「まどか。その白豚を渡しなさい」
まどか「だめだよほむらちゃん!このボロ雑巾ケガしてるのに!」
青「マドカニゲテーワーナンダココー」
敵「うぃーっすwwwwwwwwwwwwwwww」
ほむら「えい」ドーン
敵「あべしwwwwwwwwwwwwwwww」
まどか「ほむらちゃんが助けてくれた!ありがとう!この薄汚いゴミはポイしようね!」
淫獣「」
ほむら「実は私、魔法少女なの。とても怖いのよ。だからなっちゃだめよ」
まどか「はい!誓います!」
ほむら「もうそこの白カビの言うことを聞いちゃだめよ?」
まどか「うん!もう二度とそこの便所虫とは目も合わせない!」
乳「魔女的な気配はあったけど佐倉さんの世話でそれどころじゃなかったわ。まあいいや」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ほむら「……いける!」
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:36:08.21 ID:B9gNyFpU0
ほむら「巴マミと佐倉杏子。どちらか片方を味方につければ自然ともう片方も取り入れられる可能性は高いわ」
ほむら「逆に言えばどちらかに敵意を持たれると両方厳しくなるかも……」
ほむら「巴マミと接触しようと思ったけど、今日の所はやっぱり帰りましょう」
猫「にゃあ」
ほむら「あ、猫。エイミーと他猫の空似。……かわいい」
ほむら「チチチ……おいでおいで、にゃあにゃあ」
猫「ふにゃー!」
ほむら「あ」
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:36:51.99 ID:B9gNyFpU0
翌日
さやか「おはよう!まどか!」
まどか「あ、おはよう。さやかちゃん、仁美ちゃん」
仁美「おはようございます鹿目さん」
さやか「お、新しいリボンだね」
まどか「うん。でも、ちょっと派手かな?」
仁美「似合ってましてよ」
まどか「ウェヒヒ、ありがとう仁美ちゃん!」
さやか「まどかはあたしの嫁になるのだー!ンッン〜名言だなこれは」
仁美「ところで今日は転校生がくるという風の噂を聞きましたわ」
さやか「え、マジで!?ヒャッハー!」
まどか「さやかちゃんって、相変わらず忙しいね……」
仁美「悩みとかなさそうですわー」
まどか「ウェヒヒ、言えてる」
さやか「な、何をぉー!?」
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:37:24.33 ID:B9gNyFpU0
先生「きのこの畑とたけのこの村、どっちがおいしいか。はい、中沢君」
中沢「どっちでもいいんじゃないでしょうか」
先生「廊下に立ってろ」
先生「というわけで転校生です」
さやか「ウヒョー」
ガラッ
ほむら「暁美ほむらです」
ほむら「……」ジト…
まどか(あれあれ?夢の中で、会ったような)
ほむら「……」ジー…
まどか(……!?わ、わたしの方を見てる?)
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:37:54.08 ID:B9gNyFpU0
ほむら(今度こそ……あなたを救うわ!まどか!今回は佐倉杏子の件もあるから色々戸惑うこともあるかもしれないけれど、絶対に……!救ってみせる!)
ほむら(……しかし、佐倉杏子と巴マミの対処はどうしたものか。悩み所ね……ほむぅ)
ほむら(そういえば佐倉杏子がもう見滝原に来ているということは、佐倉杏子がまどか達と出会うのも時間の問題、下手したら今朝あたり既に会っているかもしれないってことになるわね)
ほむら(そうなると美樹さやかはどういう立ち位置になるだろうか……。佐倉杏子は巴マミに懐柔されているとして、佐倉杏子は手出ししにくいかもしれない……?)
ほむら(今のところ言えるのは美樹さやかも魔法少女にならないに越したことはない、ってとこかしら)
まどか(な、なんかわかんないけどそんなに目を合わされると照れるよ///)ソワソワ
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:38:41.81 ID:B9gNyFpU0
さやか「――転校生、まどかのこと睨んでたね。あたしの嫁にガン飛ばすたぁ〜いい度胸だわ」
まどか「に、睨むだなんて、そんなことないんじゃないかな!」
仁美「あの眼差しからは殺意や悪意というより慈愛に近いものを感じ取りましたわ」
さやか「えっそうなんだすごい」
ほむら「鹿目さん。私を保健室に連れてって」スッ
まどか「は、はいぃ」
さやか「転校生ーまどかを見てたように見えたけどあれはどういう……」
まどか「あ、待ってぇ」トテテ
仁美「いってらっしゃいませ」
さやか「スルーかちくしょ」
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:39:12.98 ID:B9gNyFpU0
まどか「あの……えっと……」
ほむら「家族があーだこーだ」
ほむら「――自分を大事に。いい?」
まどか「えーっと……うん」
まどか「ところで……あの、暁美さん……」
ほむら「ほむらでいいわ」
まどか「じゃあ、その……ほむらちゃん……。その手の包帯、どうしたの?」
ほむら「う……」
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:40:37.71 ID:B9gNyFpU0
ほむら「……ね、猫に、引っ掻かれて」
まどか「ちょっと見せて」スッ
ほむら「あ……」
まどか「保健室行くついでに、包帯新しいのに変える?」
ほむら「……ありがとう。でも、その必要はないわ」
まどか「猫の爪って鋭いよね。爪をとぐポーズはかわいいんだけど」
ほむら「そ、そうね……ところで私の話は聞いてたかしら?」
まどか「え?……あ、そ、そうだよね。引っ掻かれた手前で爪とぎかわいいって言うのは無神経だったね……」シュン
ほむら「え、いや、あ、あの、そういう意味じゃ……!」アタフタ
まどか「ウェヒ、なんちゃって。焦っちゃった?」
ほむら「……もう」
ほむら(ほむぅ……包帯一つでこうもかっこつかなくなるなんて……。ノンスタイリッシュほむほむ。全く、昨夜はあんなことになるとは……)
まどか(やっと違う表情見れた……。ほむらちゃんの手をさりげなく触ったり割と打ち解けられた気がして、それはとっても嬉しいなって思ったのでした)
45 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:41:07.55 ID:B9gNyFpU0
まどか「……ほむらちゃんのケガ、大丈夫かな……」
さやか「んー?そんなに気になるの?一目惚れかー?」
まどか「ふぇっ!?い、いや、そ、その……ばい菌とか大丈夫かな〜って」
まどか「もしかしたら化膿とかしてるかも……」
さやか「まどかの口から化膿という言葉が出るとは思わなかったよ」
さやか「それにしても猫に引っ掻かれるだなんて、クールキャラが台無しだね。あたしの中では鉄仮面を被った冷酷マシーンなイメージだったんだけど」
まどか「ギャップ萌えってやつかな?ウェヒッ」
さやか「やはり転校生の傷は化膿したんかのう?」
まどか「……………………」
46 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:41:43.57 ID:B9gNyFpU0
さやか「……………………」
まどか「……………………」
QB(タスケテーマドカー)
まどか「あ、あれ?何か声が聞こえるよ」
さやか「このCD、買いだね」グスン
さやか「……まどか。少し一人にさせて欲しいから先に行ってて……」
まどか「え?あ、うん……。うん?じゃあ、また……?」
QB(チョ、ワリトマジデタスケテー…ギャース)
47 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:42:36.70 ID:B9gNyFpU0
ほむら(くっ……結局奴とまどかとの接触を許してしまったわ)
QB「助けてまどか……!」
まどか「うわ、酷い怪我……!」
ほむら「ストップよ。まどか、そいつから離れなさい」
まどか「ほ、ほむらちゃん!?え!?な、なにその格好!?かっこいい!!」
ほむら「か、かっこッ…?」
ブシャアアアアアア
ほむら「くっ……?!」
さやか「まどか!消化器の消化剤に紛れて逃げて!こいつヤバイよ!」
まどか「え!?あ、うん!ほむらちゃん!またね!」
さやか「なに挨拶しとんねん!」
QB「」
さやか「っていうか何これ……。猫?兎?ぬいぐるみ?」
まどか「わからない……でも結構生々しいよね」
さやか「生々しい言うな」
ほむら「くっ……」
48 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:43:18.97 ID:B9gNyFpU0
ほむら「またしくじってしまったわ……!全く、余計なことを……!」
グニャァ…
さやか「わーわー」
まどか「わーわー……って逃げたと思ったら何か変な空間に迷い込んじゃったよ!」
使い魔「シラナイハナガナントカカントカ」
まどか「きゃー!異形の物体が襲いかかるぅぅぅ!」
さやか「美少女のさやかちゃんが死んだら世界の損失だよー!怖いよー!」
バ キューン!
使い魔「ギャース」グシャァ
マミ「大丈夫かしら?」スタッ
さやか「た、助かった……?」
マミ「キュゥべえを助けてくれたのね。ありがとう」
まどか「あ、あなたは……!?」
さやか「やったー!かっこいい!」
49 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:43:48.72 ID:B9gNyFpU0
ほむら「…………」スッ
マミ「――そう。あの子がキュゥべぇを襲ったのね……」キッ
マミ「魔女は逃げたわよ。ちなみに追っても無駄だから」
マミ「お互い余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」
ほむら「魔女を追って去ってしまう。というのが私としては最もうれしいのだけれど」
マミ「その必要はないわ。魔女は絶対に逃がさない」
ほむら「それは魔女を仲間に処理させておいて一般人に使い魔相手でドヤ顔な人間が言う台詞かしら」ファサ
マミ「……言ってくれるわね。ところで包帯巻いてるけど、まさかそれくらいの傷も何とかできない初心者だったりするのかしら?」
ほむら「あなたは一般人からヒトデ扱いされたいの?」ホムフー
マミ(何でこんなに冷たいのかしら……悲しくなってくるわ。昨日の今日だから温かくなった心に冷たく刺さるわ)
金糸雀「マミかっこいいのかしら!話で聞くよりもずっとかっこいいのかしらー!」ピョンコピョンコ
50 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:44:24.03 ID:B9gNyFpU0
マミ「え、あっうん……ありがとう。金糸雀ちゃん」
まどか「え!?何!?この子!?」
さやか「に、人形……!?……すごい高そう!」
金糸雀「ふっふっふ……カナはローゼ
ほむら「そこの人形は、あなたの魔法?ボッチで寂しいあまり適当な人形を自立させたの?」
マミ「ち、違うわよ!初対面でずいぶん毒を吐くのね……」
マミ「この子は私の友達よ。魔法少女見学ツアーということで連れてきちゃった」
QB「……一体何者なんだいマミ」ピョン
さやか「あ、生きてた」
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:45:03.83 ID:B9gNyFpU0
金糸雀「よくぞ聞いてくれたのかしら!カナはローゼ
さやか「あの、あ、あなたは一体……?」
マミ「私は、巴マミ。あなた達の一つ上の学年ね。そして、私……いえ、私達は魔法少女なの」
さやか「魔法……」
まどか「少女……」
まどか「えと……『達』と言うと……マミさん……と、ほむらちゃん……?」
金糸雀「そしてカナはローゼ
ほむら「そう。確かに私も魔法少女、よ。……でも、巴マミが言ってるのは私でない。……佐倉杏子でしょう?」
マミ「あら?……知っているの?話が早くて助かるわ」
マミ「……それで、何故キュゥべえを襲ったの?」キッ
マミ「答えによっては、四対一よ」チャキ
まどか「あわわわわわ……」
ほむら(……四人?巴マミと佐倉杏子とそこの黄色い人形と……?)
ほむら「……喋る呪い人形を連れた怪しい魔法少女に、答える必要はないわ」ファサ
金糸雀「の、のろっ……カ、カナは、ローゼ
グニャァ…
まどか「あっ、景色が元に戻った……」
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:45:56.94 ID:B9gNyFpU0
――その頃
真紅「ローズテイル!」
バシッ
魔女「ヒャクマンーノバラノベッドニー」フラフラ
杏子「逃がさねえよ……っと」ザシュ
魔女「ウモレタイ」ブシャー
杏子「よっしゃー魔女を狩ったぜー。あたしから逃げようだなんて一昨日来やがれ」
真紅「貴女達の言う魔女というものは、私の想像する魔女と別のベクトルで気色悪いわね」
杏子「まあね。しかしあの魔女。やけに薔薇推しだったけど薔薇乙女的にアレと通ずるものはあったかい?」
真紅「心外だわ」
グニャァ…
真紅「……あら、気味の悪い風景が元に戻ったわ」
杏子「魔女の結界な。魔女を倒したからだよ」
真紅「魔女の結界というものはnのフィールドに近い物を感じるわね」
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:46:52.34 ID:B9gNyFpU0
杏子「……nのフィールドって何だ?」
真紅「少し誤解を招きそうな言い方だけど、異空間みたいなものよ」
杏子「ふーん?……しかし真紅が人の力を使って戦うってのは本当なんだな。指が熱くなってそれっぽかったよ」
真紅「これからしばらくは貴女一人の体ではないということよ。体力はなるべく温存なさい」
杏子「何か釈然としねぇな……それにしたって、真紅がまさか魔女狩りで役に立つとは思わなかったよ」
杏子「バラの花びら的なもんで魔女にダメージを与えられるとは思わなんだ。いい迎撃だった」
真紅「媒介がいるからこその威力よ。それにまだまだ本気を出していなくてよ」
杏子(……魔女狩りの捗りっぷりを考えたら、悪くない契約だったのかもわからんな)
真紅「貴女って人間の割に強いのね。予想外なのだわ。下僕兼用心棒しては上出来よ」
杏子「誰が下僕か。まあいいや。グリーフシードはどこに落ちたかな?」
真紅「グリーフシードというと魔法少女のMP的な概念を回復するアレね」
杏子「うん。……にしても、どこだぁ?」
「ふふふ……」
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:47:49.15 ID:B9gNyFpU0
杏子「!?何だ、変な声がするぞ!」
真紅「こ……この声……!」
黒い翼の生えた人形「貰っちゃった貰っちゃったぁ……」
杏子「何だこいつは!新手の使い魔か!?」
真紅「水銀燈……!」
杏子「すいぎ……知っているのか真紅!」
真紅「私達、ローゼンメイデンの長女よ……」
杏子「こいつが……!」
水銀燈「なんだか綺麗な物、拾っちゃったぁ」ウットリ
杏子「……あっ?!それはグリーフシード!てめぇ!それはあたしんだ!返せ!」
水銀燈「やぁよ……これは私のよ……だって綺麗なんだもの」
真紅「カラスは光る物が好きとはよく言ったものね」
水銀燈「真紅ぅ……いたのぉ?」
真紅「いるわよ。真っ先に目が合ったのに白々しい」
水銀燈「……相変わらず怒った顔もブサイクね」クスクス
真紅「……目障りかつ耳障りだわ」ギロッ
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:48:45.96 ID:B9gNyFpU0
杏子「グリーフシードを返しやがれ!」ダッ
真紅「杏子!」
水銀燈「ふぅん」
ブアッ
杏子「うわっ!」
ガッ
杏子「……は、羽根が、体を締め……ぐぐっ」ギギギ…
水銀燈「私は他の姉妹の中で特に力が強いのよ」
杏子「うぐぐっ……人形のくせになんて力だ……!」ギリギリ…
水銀燈「やぁねぇ。私はまだ全然力を出してないわよぉ?その気になればもっともっと強くできるけど……それが何を意味するかわかるぅ?」
水銀燈「試してみる?人形は人間を握りつぶせるのか……」
真紅「離しなさい水銀燈!今は貴女と争っている暇はないわ!」
56 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:49:39.41 ID:B9gNyFpU0
水銀燈「うるさいわねぇ……」ポイッ
ドサァッ
杏子「ぐへっ……!……投げ捨てるこたぁないだろぉが……」
水銀燈「帰らせてもらうわね。怒っちゃやぁよ。乳酸菌摂ってねぇ。またねぇ真紅ぅ」バサバサ
真紅「ふん……」
真紅「……行きましょう。杏子。その程度でへこたれちゃだめよ」
杏子「げ、ゲホッ……。す、すいぎん、とう……か……。ちっきしょう……いてて」
杏子「その気になればもっと……か。あいつも契約してんのか?」
真紅「あの子は契約をせずとも人から力を奪い取れるのよ」
杏子「まじかよ……」
真紅「まあ、あんな性悪な子と契約しようだなんて普通は思わないでしょうね」ツーン
杏子(……姉妹仲悪いんだな)
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:50:28.94 ID:B9gNyFpU0
真紅「マミ。戻ったわよ」
マミ「お疲れさま。佐倉さん……。ケガ、してるけどそんなに強い魔女だった?……無茶しては駄目よ」
杏子「いや、ちょっとトラブっちまってな……。それに、あたしはマミと違って魔女を倒すことが第一だから口出しはしねーでくれ」
杏子「……で、この青とピンクと紫のあんたらは何者だい?紫は魔法少女のようだが」
さやか「何か赤いのがダブルで来た!」
杏子「あぁん?」
真紅「失敬ね。下僕と一緒にしないで頂戴」
杏子「泣くぞ」
ほむら「……人形」
真紅「……えぇ、そうよ」
ほむら(この紅い人形を含めて四人ということね)
58 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:51:01.38 ID:B9gNyFpU0
マミ「佐倉さん、この子知ってる?彼女はあなたを知ってるようだけど」
杏子「知らないね。……どっかで会ったっけ?名乗りなよ」
ほむら「……私は暁美ほむら」
真紅「私はローゼンメイデン第五ドール。真紅」
さやか「こっちはなんつーか、いかにもな人形だね」
まどか「ね、ねぇ、その……真紅ちゃん?」ヒソヒソ
真紅「何かしら」
まどか「わたしと真紅ちゃんって前にどっかで会ったことあったような……なんて思ったんだけど」
真紅「……?気のせいね」
まどか「ご、ごめんね。変なこと聞いて」
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:51:38.33 ID:B9gNyFpU0
金糸雀「カナはかなr
QB「やあ、マミと杏子が一緒にいるだなんて驚きだ。何かあったのかい?」
マミ「あら、キュゥべえ。随分余裕そうだけどケガは大丈夫なの?」
QB「まあね。それと、この人形は結局何なんだい?」ピョイ
金糸雀「この人形って……デリカシーがないかしら」
マミ「あ、金糸雀ちゃん、真紅ちゃん。この子は私の友達のキュゥべえよ。それでキュゥべえ、この子達は……
真紅「ね、猫!!??」バッ
一同「!?」
真紅「ま、マミィィィィッ!!」
60 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:52:18.12 ID:B9gNyFpU0
マミ「は、はいっ!」
真紅「それをこっちへ近づけないで頂戴!」アタフタ
さやか「な、何だぁ!?」
杏子「こいつ猫ダメなんだぜ?キュゥべえは猫じゃないけどさ。ほら、ちょっと猫っぽいだろ?」
まどか「言われてみれば……」
真紅「あ、あ、貴女でいいわ!私を抱っこしなさい!」アタフタ
ほむら「えぇっ!?わ、私っ?」
真紅「早く抱いて頂戴!」ピョンコピョンコ
ほむら「わ、わかったわ……」ヒョイ
QB「……」
真紅「ま、まだこっち見てるじゃないの!」
61 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:53:08.77 ID:B9gNyFpU0
真紅「ね、ね、猫なんかと友達だなんて見損なったわマミィ!」
QB「僕は猫じゃ……」
真紅「ひぃ!しかも喋ってるわ!?こっち見ないで!向けないで!」
マミ「ど、どうしちゃったの!?」
真紅「猫はこの世で最も野蛮な生き物よ!」
マミ「え、えっと……キュ、キュゥべえはそんな子じゃないわ!猫じゃないけど」
真紅「いいえ!猫は悪魔の手先よ!」
QB「だから僕は猫ではないよ」
真紅「善良な市民の皮を被って仲間面をし、裏で悪事を働く卑劣漢、怪盗キャットが如く……!」
杏子「……」ニヤニヤ
ほむら「…………」
ほむら(何よこの状況……。でも大体的を射てるわ)
まどか(真紅ちゃんを抱っこして困った表情をしてるほむらちゃん可愛い!)
マミ「あのね、キュゥべえはね――」
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:54:02.72 ID:B9gNyFpU0
真紅「……はぁ、はぁ。と、取りあえず猫じゃないのね。わかったわ。でも気持ち悪いから私の側におかないでよ」
QB「わけがわからないよ」
ほむら「あの、もう降ろしても」スッ
真紅「ええ。そうね。ありがとう。情けないところを見せたわ」スタッ
真紅「杏子。今のが相手を気遣った優しく正しい抱き方、及び降ろし方の作法よ。覚えたわよね」
杏子「あ?そんなまじまじと見てねーよ」
真紅「まあ、勉強しない子ね。おしおきが必要ね」
ほむら「……あの、それじゃあ、私はそろそろ」スッ
まどか「あっ、ほむらちゃ……」
さやか「ほっとけほっとけ」
まどか「また明日ね!」ノシ
さやか「おい」
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:54:56.44 ID:B9gNyFpU0
QB「……ところで、二人とも。僕と契約して、魔法少女にならないかい?」
真紅「こっち見んなだわ」
QB「君を見たわけじゃないけど……」
マミ「それで……二人共、魔法少女に興味あるかしら?」
さやか「はい!」
まどか「え、えーっと……は、はい」
杏子「えー、二人も魔法少女が増えたら取り分が減っちゃうじゃん」
マミ「お互い口出ししないって言ったじゃない」
杏子「ちぇー」
杏子(なるなよ……絶対なるなよ……いいか絶対だぞ……!)ギロ
まどか「な、何か睨んでるよ?」
真紅「だから、こっち見ないで頂戴」ギリッ
QB「僕は君を見ているんじゃなくって……」
金糸雀「こっちはこっちで睨んでるかしら」
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:55:51.42 ID:B9gNyFpU0
マミ「……と、いう訳で魔法少女体験ツアーの詳細は後日お話するということで」
杏子「腹減ったっ」
金糸雀「それじゃあ私達も解散かしら!」
さやか「うぇーい」
杏子「腹減ったっ」
真紅「うるさい」
杏子「あんこはんぐりぃ……」グー
真紅「ところでマミ。キュゥべえを私に近寄らせないで頂戴ね」
QB「ひどいなあ」
マミ「真紅ちゃん。さっきの子みたいにキュゥべえを苛めちゃダメよ?」
真紅「…………」
QB(さっき……か。別に暁美ほむらにやられた訳じゃないんだけどね)
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:56:46.47 ID:B9gNyFpU0
――ほむホーム
ほむら「ただいま……っと」ガチャ、ガチャリ
ほむら「……ハァ〜〜〜……」トスン
ほむら(ローゼンメイデン、佐倉杏子。それらを抜きにしてもあの時、あの結界で、何とも言えない違和感があった……)
ほむら(本来逃げるはずだった魔女も、佐倉杏子によって滅んだ。そのパラドックスが違和感の正体かしら)
ほむら「…………はぁ。しかし、疲れたわ」
「大丈夫?疲れてるみたいね……」
ほむら「白々しいわね。人の力を堂々と使っておいて……」
「あら、何のことかしら?」
ほむら「白を切る意味がないことくらいわかってるでしょ。水銀燈」
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:57:20.13 ID:B9gNyFpU0
水銀燈「ふふ……すごいでしょ?私の力……」
ほむら「あなたが余計なことをしなければキュゥべえとまどかとの接触を阻止できたのに……」
水銀燈「私はただ喋る小生意気な小動物を投げ飛ばしただけよぉ?あの白い生き物を苛めろと言ったのは貴女じゃなぁい」
ほむら「……はぁ。……もう、やってしまったものは仕方ないわ。で、何で力を使ったのよ?」
水銀燈「言うまでもないわ。そんなことより、そろそろその包帯を取りなさいよ。格好悪いわ」
ほむら「貴女と契約していることを隠しているのよ」
水銀燈「どうしてぇ?」
ほむら「個人的な理由で、よ」
水銀燈「……ふぅん。まあ、そうねぇ。真紅が知ったら面倒くさいものね」
ほむら「ところで、夕食は?お風呂は?」
水銀燈「うるさいわね」バサッ
ほむら「夕食は冷蔵庫に入れておくから……って、もう行っちゃった。……かわいくないわね」
ほむら「水銀燈が力を無駄遣いしてくれたものだからお腹空いたわ」クー
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:58:27.12 ID:B9gNyFpU0
ほむら「ついついコッテリ系な手料理を作ってしまったわ。満腹……。ごちそうさ……」ホムー
「手際がいいのね」
ほむら「!?」バッ
「夜分遅くに失礼するわ」トコトコ
ほむら「あなた……っ!どこから!」
真紅「洗面所の鏡からよ」
ほむら「か、鏡……?それは、それは……ずいぶんとマナーが悪いのね」チャキ
真紅「玄関から入らなかった無礼は詫びるけれど、あなたが突きつけているのは拳銃というものね。先々週のくんくんで犯人がそれを使って自害したのよ。危ないものとわかって?」
ほむら(くんくんって何かしら……)
真紅「食後に悪いわね。貴女個人とお喋りがしたいの」
ほむら「……巴マミのスパイって所かしら?」
真紅「私個人的なことなのよ。貴女の言葉、決して他言しないと誓うわ」
真紅「……ただ、それを信じるのは貴女の自由。貴女自身で情報量を調節なさい」
ほむら「私が嘘をつくということもあるわよ」
真紅「かもしれないわね。それでも私は貴女の言葉は基本的に信じるわ」
ほむら「…………まあ、いいわ。お茶でも」ファサ
真紅「ありがとう。でも結構よ。長居はしないわ」
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 22:59:12.62 ID:B9gNyFpU0
真紅「さて、真紅が問うわ。貴女はマミ達に敵意はあるかしら?」
ほむら「……ないわ。信じられないかもしれないけど」
真紅「そう。私は信じるわ。それでは、あのキュゥべえという生き物を襲った理由を教えて頂戴」
ほむら「……守るためよ(襲ったというより襲わせた、ね)」
真紅「守る?……まどかとさやかのことかしら。あの二人は貴女にとってどういう存在なの?」
ほむら「…………今は、言えないわ」
真紅「そう。今は、ということだからいつか教えてもらうとして……」
真紅「本当はもっと色々聞きたいところだけど、あまり時間がないから質問はこれくらいにするわ」
ほむら「そう」
真紅「それと、先の結界で、私はローゼンメイデンの長女に会ったわ」
真紅「水銀燈といって、黒いドレスに銀色の長髪をしているわ。もし出くわしたら気を付けなさい。これは忠告よ」
ほむら「そう」
真紅「さて、水銀燈のことに触れながら、私達ローゼンメイデンの話を聞かせてあげる――」
69 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:00:14.87 ID:B9gNyFpU0
――巴家
杏子「ふ〜ん……ほむらって奴、キュゥべえを襲ってたんだ」グータラ
金糸雀「あの敵意はただならないかしら。何かしたんじゃないかしら?」
杏子「あいつはデリカシーってもんがないからな。覗きとか無自覚に色々してそうだ」
マミ「キュゥべえはあんな子に恨まれるような子じゃないわ!」
マミ「でも、当のキュゥべえは何だか帰ってこないし……」
真紅「戻ったのだわ」チョコン
マミ「真紅ちゃん!急にいなくなったと思ったら……どこ行ってたの?」
真紅「レディに詮索は野暮というものよ」
真紅「紅茶を淹れて頂戴。ダージリンでいいわ」
マミ「え、えぇ……」
金糸雀『……真紅!カナに黙って勝手にnのフィールドに行くなんてひどいかしら!』ヒソヒソ
真紅『ごめんなさいね。個人的に気になることがあったのよ』ヒソヒソ
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:01:05.19 ID:B9gNyFpU0
――ほむホーム
ほむら「……帰ったわね。取りあえずローゼンメイデンのことは大体わかったわ」
ほむら「水銀燈が教えてくれないものだからよーくわかったわ」チラッ
水銀燈「真紅がこんなとこまで来るなんて厄日だわぁ」
ほむら「第五ドールが来るとわかって逃げたのね」
ほむら「それにしてもあなた……姉妹喧嘩に私の力を使わないでよ。聞いたんだからね」
水銀燈「貴女の力をどう使おうが私の勝手でしょう?そういう取引なんだし」
ほむら「取引追加。無駄な力を使わない。代償として紅茶の淹れ方を勉強するし、貴女の食事も用意するわ」
水銀燈「いらないわよ。不要だって契約した時言ってやったじゃない」
ほむら「紅茶は真紅と言い争う程好きなのでしょう?」
水銀燈「……」ツーン
71 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:01:50.90 ID:B9gNyFpU0
ほむら「……もう。やはりめぐというマスターが一番だから私には素直になってくれないっていうのかしら?」
水銀燈「……ッ!」
水銀燈「めぐのことを何で知ってるのよ!」
ほむら「真紅が言ってたわ」ファサ
水銀燈(あのマリオ……!……マリオネット的な意味で)イラッ
ほむら「私とめぐは似てるとこはあるかしら?水銀燈は契約しなくても力を奪えるから基本的には契約しない。とも聞いているわ」
ほむら「私と契約したのは特別な理由あってのこと?親近感とか」
水銀燈「ないわよ。ただ利用してるだけよ……。利害の一致というものね。…………ただ、まあ。病弱で黒の長髪で性格がひん曲がってるってとこは似てるわねぇ。年齢も近いし」
ほむら「そう」
72 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:02:50.14 ID:B9gNyFpU0
――学校の屋上(翌日の昼)
まどか「ほむらちゃんをお昼に誘ったよ!」
まどか「ほむらちゃんって少食なイメージあったけど、結構食べるんだね。お弁当箱大きい」
ほむら「そうかしら」ホムホム
ほむら(水銀燈がいつ力を無駄使いするかわからないから栄養を補給しなくちゃいけないものね。名付けて、ほむ弁作戦)
まどか「手作り?」
ほむら「ええ。一人暮らしだから」
まどか「へえ〜……。ほむらちゃんの手作りかあ……」ジー
ほむら「……食べてみる?」
まどか「いいの?わーいありがとう!それじゃお礼にこれをあげるね!交換っ」
ほむら「ええ、ありがとう」ホム
ほむら「とってもおいしいわ」
まどか「ウェヒヒ、嬉しいな。……わたしの手作りってわけじゃないんだけどね。ほむらちゃんのもとってもおいしいよ!」
ほむら「そう。ありがとう」
73 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:05:00.44 ID:B9gNyFpU0
マミ「……………………」モグ…モグ…
さやか(マミさんにお昼を誘われて、まどかが友達を連れてきたいというもんだから、マミさんが承諾しちゃうもんだから……その結果がこの空気!)
さやか(すっごい気まずいよ!っていうかまどかはいつの間に転校生とお弁当のおかずを交換するくらい仲がよくなったんだよ!)
さやか(マミさんと転校生の間に険悪なムードがあったと知りながら当然のように転校生を誘えちゃうまどか色々とすげぇよ!)
マミ「んっん!あーあー、ゴホンゴホン。……か、な、め、さん?」ジトー
まどか「……は、はい」
マミ「あなたが昨日の今日で私と暁美さんがどういう間柄かわかってこのシチュエーション?」
まどか「あ、いえ……あの……その……」
まどか「お、同じ魔法少女ですし……ほむらちゃんはわたしの友達ですし……」モジモジ
まどか「……」チラッ
さやか(無理無理無理無理無理!目配されてもフォローできないから!!)サッ
マミ「……ま、まあいいわ。それより、魔法少女体験ツアーのだけど……」
さやか「は、はい!あたしはオッケーです!」
まどか「あ……その……」
74 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:05:31.66 ID:B9gNyFpU0
まどか「昨日ほむらちゃんにメールで相談したら『魔法少女は危険だからなっちゃダメ』って……」
マミ(め、メールゥ!?佐倉さんは携帯持ってないから仕方ないけど、私はまだ鹿目さんと美樹さんのアドレス知らない……!ズ、ズルイ!私もメールし合いたい!)
マミ「こっ、これは鹿目さんの問題なの。暁美さんは関係ないわ。余計な口出しは無用よ」
ほむら「魔法少女はそうそうなるものじゃないし、まどかの相談に対する私の答えなだけよ。私はまどかが心配なのよ」
まどか(心配してくれて……嬉しいなぁ)
さやか(あたしは?)
ほむら「ただ、まあ、あなたの実力は私も認めるし、ツアーとやらの参加だけならまどかを安心して任せられるわ」
さやか(あたしは?)
マミ「え?えぇ……と、当然よ……」
まどか「ほむらちゃん……何だか、ごめんね?」
ほむら「まどかが謝る必要なんてないわ。しっかりなさい。ほら、ご飯粒がついてるわよ」ヒョイパク
まどか「は、はぅ……///」マドマド
さやか「」
マミ「」
ほむら「ところで中指と薬指にデザインの方向性が全く違う指輪って正直ダサいと思わない?」
マミ(なんでそういうこと言うのよ……)
75 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:08:20.48 ID:B9gNyFpU0
――帰路ほむ
ほむら「みんなとお昼を食べられて今日は楽しかったわ」
ほむら「それにしても……早すぎる……それにしても佐倉杏子早すぎる……」テクテク
ほむら「この時間軸はあまりにもイレギュラー……。それは佐倉杏子の見滝原入をこんなに早める程イレギュラー」ブツブツ
ほむら「魔女の真実、ワルプルギスの暴露、ときめき美樹さやか、巴マミの首……山場はこの先まだまだあるのにこのてんやわんやっぷり……」ブツブツ
ほむら「それらに加えてローゼンメイデンの件もある……他のドールもいるらしいし……」ブツブツ
ほむら「これから何が起きるかまったく予想ができない……。はたして水銀燈を取り入れたことは吉と出るか否か……」ブツブツ
杏子「おっす、こないだのロンゲ〜」ポンポン
ほむら「……佐倉杏子?」クルッ
ほむら「……ロンゲ?」
ほむら(そっか、まだ私は誰に対しても接点が少ない。未知な部分が多い。リークされる噂もイレギュラーっぷりもないものね)
杏子「まあ気にすんなって……で、さ。あのさ……、時に、だよ。もしかしてあんた……あたしに恨みとか、ある?」
ほむら「……?恨み?」
杏子「ほ、ほら、あんたあたしの名前知ってたじゃん。あたし、名前を覚えられるようなことした覚えないんだよ。だから、そういう線かなって。万引き関連とか」
ほむら「特に怨恨はないわ。知ってたのは風の噂ってやつよ」
76 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:09:17.94 ID:B9gNyFpU0
杏子「そ、そっか?ならいいや(逃がした使い魔に知り合いを殺されたとかそんな厄介な話がなくてよかったぜーフィー)」
ほむら「……あなた、自分のテリトリーとやらはいいの?」
杏子「ちょっと面倒だけどマミの家に世話になって、日中はマミが作った弁当持って向こうで活動っつー形になってる。今はその帰りさ」
杏子「あ、そうそう。ところであの人形、鏡と鏡の間をワープできるんだってよ」
ほむら「……そう。羨ましいわね」
杏子「さあて、と。そんなことより、互いに恨みがないってわかったし、もやもやしたのも取れたし……一緒にアレやろうぜ!」グイグイ
ほむら「えっ、ちょ、ちょっとっ」
杏子「別にいいだろ〜丁度ゲーセンの近くなんだから遊ぼ〜ぜ〜」グイグイ
ほむら(何この佐倉杏子めっちゃフレンドリー!)
77 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:10:12.95 ID:B9gNyFpU0
杏子「タイミングを合わせて矢印を踏むゲーム!」
ほむら「ちょっと」
杏子「さあ対決だ!恨みっこなしの真剣勝負だ!」チャリン
ほむら「ちょっとっ」
杏子「ゲーセンの中ってジャカジャカうるさいからそんな小声じゃ聞こえねえやレッツスタート!」ジャカジャンジャン♪
ほむら「ちょっとッ!……ってちょちょちょちょちょい!」アタフタ
杏子「――動きが致命的にダサかった割に悪くないスコアだな。しっかし魔法少女のくせに体力ねえなあ……」
ほむら「はぁ……はぁ……私は初心者よ……い、いきなりベリーハードはないわ……しかも元々私は、虚弱体質で……げほっ」
78 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:10:39.80 ID:B9gNyFpU0
ほむら「ああもう髪が……で、結局何の用で私をつけてたの?」ファサッ
杏子「何だよ気付いてたのかよ。だったらさっさとそう言ってくれればいいのに」
ほむら「……巴マミのスパイかしら?」
杏子「そんなじゃねーよ」
杏子「何かあたしとあんた、気が合うんじゃないかなって」
ほむら「え?」
杏子「ほら、アレだろ?キュゥべえを殺そうとしたのは魔法少女を増やしたくないからだろ?取り分が減るもんな」
ほむら「……理由は否定しないわ。動機は違うけど」
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:11:35.81 ID:B9gNyFpU0
杏子「しっかしマミに見られたのは運が悪かったなー。マミはキュゥべえに依存してるとこあるから」
ほむら「そう……ね。それで佐倉杏子、私にどうしてほしいの?一緒に説得でもしてほしいの?」
杏子「……マミにさー、あたしのやり方はおかしいってクドクドクドとさー。真紅と金糸雀を取り入れやがって三方向からクドクドとさー」
杏子「あたしだって必要以上に馴れ合うつもりはないんだよ。ただ、四分の三に攻められるんだぞ?」
杏子「しかも全員髪の毛がくるくるしてるし……あたしだけ紅茶のこと全くわかんないし……一人だけ浮いてるって、寂しいんだぞ?」
ほむら「わ、わかったわ。わかったからそんな切ない顔で詰め寄らないで」
杏子「真紅は仲良くしろって言うし、マミは余り関わらない方がいいとか言うし、金糸雀はかしらだし……」
ほむら「佐倉杏子。友達になりましょう。ええそうしましょう」
杏子「やったーっ。……っていうか佐倉杏子ってフルネームで呼ばないでくれよぉ。むずむずするぅ」ウリウリ
ほむら「どうでもいいじゃない(馴れ馴れしい……)」
杏子「じゃああんたはいいってのか!?えぇ?穂村あけみ!」
ほむら「逆よ!絶対わざとでしょ!……まあ、そうね。取引でもしましょう」
80 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:12:33.34 ID:B9gNyFpU0
ほむら「まどかとさやかに手を出さない。それが約束できるのであれば、あなたを下の名前で呼ぶわ」
杏子「うん?……ああ、あのちっこいのとバカっぽいのか。魔法少女にならないってんなら元よりさ」
ほむら「取引成立ね。杏子」
杏子「お、おう……。……それは取引なのか?ま、いいや。ロッキー食うかい?」
ほむら「盗品はちょっと……」
杏子「違ぇーよ!マミから貰ったお小遣いでUFOキャッチャーで取ったんだよ!そんなん言うならやらん!」
ほむら「じゃあいいわ」ファサ
杏子「…………食え!」ズイッ
ほむら「……無駄遣いしてていいのかしら?」ポリポリ
杏子「マミに寄生すれば甘い物と食い物には困らないからな。食材のおつかいとか家事手伝いさせられたりするけど……」
81 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:13:12.98 ID:B9gNyFpU0
ほむら「大変ね」
杏子「まあな」
ほむら「あと巴マミの使い魔退治にはなるべく協力してあげなさい」
杏子「えー」
ほむら「トラブルはなるべく避けるべきということよ」
杏子「ほう」
ほむら「それに、使い魔にまどかが襲われたなんてことがあれば私との契約を一方的に破棄したとして暴力も辞さないわよ」
杏子「え、えぇ〜……何かハメられた気がする。……まあ、いいけどさ」
ほむら(ワルプスギルの話は早すぎるかしら。まずはローゼンメイデンの件を把握しておきたいわね)
杏子「……なあ、ところで中指と薬指に指輪ってダサいかな」
ほむら(と、とりあえず巴マミとは対立しても佐倉杏子を取り入ることには成功……した?)
82 :
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:2012/06/10(日) 23:16:05.28 ID:B9gNyFpU0
――さやかルームof美樹ハウス
さやか「うへぇぁ……疲れた……。今日のお昼と魔法少女体験ツアー。精神的に疲れた」ドサッ
さやか「何か真紅にテーブルマナーがなってないとか怒られたし。常にあの調子だと思うと杏子とやらも大変だぁねぇ」
さやか「まどかの魔法少女ノートを見た時、真紅ったらやけにフォローしてたけど……」
さやか「まるでオリジナル衣装のデザインを全校集会で晒されてトラウマになって引きこもりになった知り合いでもいるかのようだったよ」
さやか「それにしても願い事が叶う上にかっこいい力が手に入るなんて、なんておいしい話を聞いてしまったのだろう」
さやか「変な銃で戦うマミさんとバイオリンから何か出して援護する金糸雀。かっこよかったなあ」
さやか「しかしバイオリンかぁ……恭介に見せたらどんな反応するだろう」
83 :
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:2012/06/10(日) 23:16:46.11 ID:B9gNyFpU0
〜さやさやイメージ〜
上条『人形が弾けるなら僕も負けてられない!』
上条『僕のが上手い(キリッ』
上条『ドール……そうか!全身を作り物……サイボーグに改造すればまた弾けるのでは!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さやか「…………」
さやか「さて着替え――ん?」
さやか「タンスの横に大きな鞄が……」
さやか「うーん……?何だこりゃ?お父さんが置いてったのかな?」
さやか「年頃の娘の部屋に無断に入って何も知らせずに得体の知れない物を置いていく不届き者とは思いたくないよ?」
さやか「うぅ〜ん。ただ思い当たる節があるとすれば…………すれ、ば…………」
84 :
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:2012/06/10(日) 23:19:26.77 ID:B9gNyFpU0
〜〜〜回想〜〜〜
さやか「いやー、マミさんか、魔法少女、変な人形。びっくりしたなー」
さやか「しかし転校生は私のイメージ道理、冷酷鉄仮面だったでござる」
さやか「それはさておき……さやかちゃんは今、amazonasでバイオリンのCDを探しているだー!」
さやか「恭介へのお土産CDは買ってあるけど、今後のことも考えてレビューを参考にしてみようかと思っているわけですが」
さやか「目が疲れたよ!眠いよ!」
PC【 巻きますか?巻きませんか? Y/はい N/いいえ [×]】ティロッ
さやか「ほぇ?何か変なメッセージウィンドウが出た!巻くって……何を?尺?」
さやか「こ、これはまさか噂のブラクラ?!さやかちゃん畏怖!」
さやか「はい」カチッ
さやか「……あ。消えた。……な、何かやばいことしちゃった予感!どうしよう……」
さやか「あたしってほんとバカ……」
さやか「……でも、何も出てこないし……、大丈夫かな……?」
〜〜回想終〜〜
85 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:20:20.44 ID:B9gNyFpU0
〜〜〜回想〜〜〜
さやか「いやー、マミさんか、魔法少女、変な人形。びっくりしたなー」
さやか「しかし転校生は私のイメージ道理、冷酷鉄仮面だったでござる」
さやか「それはさておき……さやかちゃんは今、amazonasでバイオリンのCDを探しているだー!」
さやか「恭介へのお土産CDは買ってあるけど、今後のことも考えてレビューを参考にしてみようかと思っているわけですが」
さやか「目が疲れたよ!眠いよ!」
PC【 巻きますか?巻きませんか? Y/はい N/いいえ [×]】ティロッ
さやか「ほぇ?何か変なメッセージウィンドウが出た!巻くって……何を?尺?」
さやか「こ、これはまさか噂のブラクラ?!さやかちゃん畏怖!」
さやか「はい」カチッ
さやか「……あ。消えた。……な、何かやばいことしちゃった予感!どうしよう……」
さやか「あたしってほんとバカ……」
さやか「……でも、何も出てこないし……、大丈夫かな……?」
〜〜回想終〜〜
86 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:20:53.74 ID:B9gNyFpU0
さやか「あれしか思いつかないな……」
さやか「新手の押し売りかちくしょー!!amazonasはワンクリ詐欺をする悪徳サイトだったのか!」
さやか「クーリングオフ!クーリングオフ!」
さやか「でも……中身気になる……。あ、開けてみよう」
さやか「開けてみる分には大丈夫……だよね?」
カチャリ
さやか「…………流石に食べ物ではないよね」ドキドキ
さやか「何じゃらほい」ソーッ
さやか「お?」
さやか「おおっ!?人形!?」
さやか(こ、これはまさかラブドールという奴か!?性的な食べ物だった!)
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:22:22.04 ID:B9gNyFpU0
さやか「男の子人形か……か、かわいいな……ヤバイ」
さやか「……よし、ズボンを脱がしてみよう!あそこが本物がどうか確かめてみよう!」
さやか「…………なんちゃって」
さやか「そしてゼンマイを見つけたので巻いてみようかなぁと思ったけど気が付いたら既に巻いてしまっていたのでした」
フワッ
さやか「人形が浮いた?!」
人形「……君が、僕のゼンマイを……?」
さやか「え……あ……はい」
人形「僕はローゼンメイデン第四ドール。蒼星石」
さやか(ですよねー)
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:23:18.42 ID:B9gNyFpU0
蒼星石「それで……えっと……まず僕は女だよ。……それと」
蒼星石「あの……その……僕に、乱暴しないで……」モジモジ
さやか「」
さやか「あ、あの……その……ズボンを脱がすだなんて冗談だから……ちょっとした好奇心だから……落ち着いて。落ち着かせて」
さやか「えーっと……取りあえず、あたしは美樹さやか。よろしく」
蒼星石「うん。よろしくね」
さやか「ローゼンメイデン、か……。あたしのとこにもやってきちゃったわけか……」
蒼星石「も? ……と言うことは他の姉妹に会ったんだね。名前はわかr
さやか「それってオッドアイってやつだよね」
蒼星石「……うん」
蒼星石「お父様が間違えて入れてしまったんだ」
さやか「え!?」
蒼星石「冗談だよ」
さやか「……」
蒼星石「それで他の姉妹n
さやか「ねえねえ!やっぱりあたしと契約するの?」
蒼星石「契約は特に強制はしない……けど、やっぱり今は何があるかわからないから力になってくれるといいな」
蒼星石「これが僕の指輪だよ」スッ
さやか「ほほう」ヒョイ
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:24:30.76 ID:B9gNyFpU0
さやか「じゃあさ、ゴニョゴニョ……って言ってみて!」
蒼星石「え?……う、うん。……わかったよ。……コホン」
蒼星石「ぼ、僕と契約してマスターになってよ!」
さやか「うん!なる!」スッ ムッチュー
さやか「契約したよ!……いやあ、あの白いのよりずっとクる物があるね〜」ナデナデ
蒼星石「……白?」
さやか「あ、いや何でもないよ」
蒼星石「白い……。マスター、詳しく聞きたいんだけど、いいかな」
さやか「ふぇ?」
蒼星石「お願い」
さやか「いいけど……、別にマスターだなんて呼ばなくていいよ水くさい!」
蒼星石「え、じゃあ何て呼べばいい?」
さやか「好きにすればいいよ」
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:25:10.21 ID:B9gNyFpU0
蒼星石「好きに……。じゃあ、さやか。例の白いの、について教えてくれないかい?」
さやか「おう! あーだこーだ――」
さやか「――ってことがあったんだよ」
蒼星石「きゅう……べえ……?どうやら僕の勘違いだったようだ。ごめんよ」
蒼星石「しかし、真紅と金糸雀はマミさんという人の所にいるんだね。水銀燈も目覚めているけどどこにいるかは不明、と」
さやか「あたしは水銀燈には会ってないからね」
蒼星石「何にしても、マミさんという人の所に連れてって欲しいな」
さやか「おう!……あ、明日は用が……」
蒼星石「用?それならさやかの都合に合わせてくれていいよ」
さやか「そう?いやぁ悪いねー。幼なじみの見舞いに行くんだー。このCDを持ってね!」
蒼星石「そうなんだ。嬉しそうだね」クス
さやか「聞いてよこないだその恭介ったらさー」
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:25:37.06 ID:B9gNyFpU0
――翌日(放課後)
さやか「――ってことがあってあたしもマスターになりました」
さやか「これが蒼星石の写メです」バーン
マミ「まあ、男の子のドールね!」
まどか「マミさん私と同じリアクションしてる……」
マミ「……この子に悪いことを言ってしまったわ」
マミ「それにしてもすごいぎこちない笑顔でピースしてるわね……。無理矢理させたでしょ?」
さやか「だって可愛いんですもん。あたしの嫁にするのです!」
マミ「早速二人に会わせてあげたいけど、美樹さんにも都合があるのよね……」
さやか「あたし『にも』ってとこは気になりますがはいそうです」
まどか「また明日ということになるのかな?」
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:26:02.65 ID:B9gNyFpU0
さやか「蒼星石には悪いけど、あたしの用事を優先してくれるそうだからね。そうなるね」
マミ「そうよねぇ……。私の家の場所なんてわからないでしょうし、かと言って鹿目さん以外美樹さんの家知らないし……」
マミ「……それに今から佐倉さんと二人でちょっとした用事があるの」
まどか「お互いに当事者なしにわたしが連れて行くわけにもいかないもんね」
マミ「明日連れてきてあげてね」
さやか「はい!」ビシッ
マミ「それじゃあ私はこれで」ノシ
まどか「また明日マミさん」ノシ
さやか「真紅と金糸雀によろしく伝えてくださーい」ノシ
マミ(……あ、また二人のアドレスを聞きそびれたわ)
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:28:29.82 ID:B9gNyFpU0
さやか「お、仁美も発見。一緒に帰ろー」
仁美「あ、すみません……今日も……」
さやか「そっか……習い事か…それじゃ仕方ないか」
まどか「うん。それじゃあ、また明日!」
仁美「ええ。それでは」ノシ
さやか「私は恭介んとこ行くのだー」ノシ
まどか「イテラー」ノシ
まどか「……」
まどか「……孤独だよ!」バーン
まどか「一人で帰るのは寂しいよぉ」
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:29:08.35 ID:B9gNyFpU0
ほむら(ほむ……これでローゼンメイデンは七体中四体の名が割れたわ。蒼星石……か。真紅みたいにnのフィールド経由で行けないのかしら?)コッソリ
ほむら(まあいいわ。これで後は第三、六、七ドール。六番目の雛苺は脱落しているらしいから、実質残りは二体……)
ほむら(それにしても疲れたわ……。水銀燈め……また勝手に力を使ったわね……!何に使っているのかしら。全く)
ほむら(食材を買って帰らないといけないのに、こんなお腹が空いてたらつい買いすぎてしまうじゃないっ)
まどか「むむっ、これはほむらちゃんの気配……」クンカクンカ
まどか「ほむらちゃん見っけ!」バッ
ほむら「ほむっ!?」ビクッ
まどか「一緒に帰ろ?」
ほむら「え……あ、ええ。ただ、私は帰りに食材を買わないといけないわ」
まどか「わたしもついてく!」
ほむら「そ、そう」
仁美「……」トボトボ
仁美「……」チラッ
ワイワイキャイキャイドッカアソビニコーヒトリボッチワサミシイモンナ
仁美「はあ……。楽しそうですわね……」
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:33:16.97 ID:B9gNyFpU0
――病院
さやか「かわいい女の子と思った?残念!さやかちゃんでした!」
上条「さやかは僕を苛めてるのかい…?」
さやか「いやそのセリフはおかしい」
さやか「ほれほれ。お土産にCD買うてきてやったっちゅーでんがな。せやけど」
さやか「さやかは僕を苛めてるのかい…?弾けやしないバイオリンのCDなんか……!(低音)」
さやか「とか思ぉとるんやないか?」
上条「お、おう……せやな」
さやか「そこであたしはバイオリンと違うCDを持ってきたのであった」
上条「え?」
さやか「買ったには買ったんだけど、昨日色々あって、やっぱり持ってくのやめたんだ」
ほむら「タイムセールスによる主婦達の行軍にまどかが巻き込まれた」
まどか「」
ほむら「まどかァーーーーーーー!!」
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:34:08.17 ID:B9gNyFpU0
〜〜さや回想〜〜
蒼星石「そう。バイオリンが弾けなくなった幼なじみに」
さやか「うん。こういうのがいいかなーって、買ってみました」
蒼星石「でも、それってあんまりよくないんじゃないかな」
さやか「えー?よし、腕を治そう!って気になるかな、と、さやかちゃんは思ったのです!」
蒼星石「多感な時期だからね。僕も、さやかや上条君と同じくらい年齢で引きこもり体質の子を知っているけど、そういう時ってネガティブな気持ちになるものだよ」
蒼星石「それに、どうせ同じバイオリンなら金糸雀の生演奏を聴かせてあげた方が絶対いいと思うね」
さやか「え……でもあれ音で使い魔[
ピーーー
]よ?それに、生バイオリンを見たらそれこそ心身共にブチ壊れそう」
蒼星石「加減くらいできるよ……。でも、うん。そういう考え方もあり得るね」
さやか「というかまず動く人形を見て発狂するかも」
蒼星石「……」
さやか「うーん。折角買ったけど一理あるし、別のCDにしとくかー。CD棚からテキトーに持ってちゃお。……げ、埃被ってる」パッパッ
〜〜〜〜〜〜〜
さやか「恭介の精神は今、不安定なんだろうなって思って、思い直したんだ」
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:34:51.78 ID:B9gNyFpU0
上条「さやか……。……何かごめん。気を使わせちゃって」
さやか「いいのいいの。ほら、聴いてみて!」
上条「それで……これは何のCDなんだい?」
さやか「雅楽」
上条「まさかすぎるチョイスだよ」
ほむら「何とかまどかを主婦雪崩から救出できたわ。……大丈夫?」
まどか「割とガチで怖かったよぅ…」
ほむら「もうはぐれないように手でもつなぎましょう」ギュッ
まどか「あっ……」
ほむら「怖い思いをさせてごめんなさい。集団は避けて普通に回りましょう」
まどか「ぅ、ぅん……」モジモジ
まどか(ほむらちゃんと手をつないでる……!ほ、ほむらちゃんの手温かいよぉ///)
まどか(……は!この緊張感……!これが吊り橋効果というやつなのかな!?)マドマド
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage saga]:2012/06/10(日) 23:35:48.78 ID:SQuTFs/Co
あっ、そうかNIPの法則があるんだけど
メール欄に「saga」って入れないと「殺す」っていうのがピーッってなるんだよ
さげ、じゃなくてさが、ね!
おちないから転載もゆっくりでおっけーよ
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:36:03.63 ID:B9gNyFpU0
さやか「――それじゃあ恭介。また来るよ」ノシ
恭介「うん。また」
さやか(一つのイヤホンを二人で使うアレをやったよ!雅楽で!!)バーン
さやか(えへ)
まどか「ほむらちゃんとお喋りできて嬉しかったよ!」
ほむら「そう。よかった」ニコ
まどか「あ!」
ほむら「ん……どうかした?」
まどか「……やっとほむらちゃんの笑顔が見れたなって」
ほむら「そうだったかしら?」
まどか「ほむらちゃんの笑顔、可愛いよ!ウェヒヒ」
ほむら「え?そ、そう……」
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:36:42.56 ID:B9gNyFpU0
――その日の夜
さやか「と、いうことで若干引きつってたけど笑顔で受け取ってくれたよ!」
蒼星石「そっか。それは、よかっ……たのかな?」
さやか「明日みんなに会わせるからね!」
蒼星石「うん。ありがとう」
さやか「今日一日蒼星石ちゃんは何をしてたのかな?」
蒼星石「食べていいって言われたお菓子を食べたり、読んでいいって言われた本をずっと読んでたよ。充実してた」
さやか「……お、おう。……しかし不便だよね。姉妹同士で連絡は取れないって。携帯とかそういうのあればいいのに」
さやか(携帯と言えばマミさんのアドレス知らないな……)
蒼星石「nのフィールドへ行ければ何とでもなるよ。人工精霊もそういう感じに使えるし」
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:37:12.79 ID:B9gNyFpU0
さやか「ふ〜ん……って、え?なに?会おうと思えば会えたの?」
蒼星石「うん。鏡とかからnのフィールドに入れるんだ。そこからマミさんの鏡に繋ぐ扉を探して……」
さやか「nのフィールドが何なのかは知らないけどさ……どうして行かなかったの?」
蒼星石「鏡を使う許可を貰ってない」
さやか「…………」
さやか「……これからは自由に使いなさい」
蒼星石「ありがとう。じゃあ早速行かせてもらっていいかな」
さやか「何かごめんね」
蒼星石「ううん」
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:37:44.56 ID:B9gNyFpU0
――志筑家
仁美「ただいまですわ……」
仁美「はぁ、明日もお稽古ですわ……」
仁美「もっと皆さんと寄り道とかお茶とかしたいです」
仁美「いつの間に鹿目さんも美樹さんも暁美さんと仲良くなってて……私は……」
仁美「何だか私、両親のお人形みたいですわ……」グスッ
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:38:10.58 ID:B9gNyFpU0
仁美「……あっと、そうでしたわ。届け物がきてたのでしたわ。部屋に置いておくとか……」
仁美「何でも差出人が不明で怪しいから赤外線で調べたけど特に怪しいものではないとわかったとか……」
仁美「……何か怖いですわ」
仁美「これですわね。あらまあ、大きな鞄……。何が入っているのかしら?お稽古の道具かしら?」
カチャリ
仁美「まあ……綺麗なお人形さん」
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(熊本県)
[sage]:2012/06/10(日) 23:44:03.47 ID:giSCgjWNo
VIPでみてたよ
がんばれ
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:46:45.63 ID:B9gNyFpU0
仁美「あらあらまあまあ……クロワッサンみたいな髪ですわ。服も綺麗で……肌触りの良いレースなこと」
仁美「でもなんでお人形さん何か……」
仁美「……も、もしかして、お父様お母様からのプレゼントかしら?いつもお疲れさま的な意味を込めた……」
仁美「照れくさいから色々設定を作って装ったのね!うふふ」ギュッ
仁美「はぅ……柔らかいですわ。手触りもさらさらで……」プニサラプニサラ
仁美「あら、ゼンマイ……。お人形の背中にそれらしき穴が……」
仁美「オルゴール機能でもついているのでしょうか?」キリキリ
フワァ…
仁美「人形が浮いたですわ!?」
人形「や〜〜っと起こしやがったか!!ですぅ!」
仁美「」
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:47:17.24 ID:B9gNyFpU0
人形「開けるのが遅いのですぅ!多分、いや絶対他の姉妹はもう起きてるに違いねーです!」
仁美「ぎゃああああああああああああああ!?」
人形「ぎゃあ!!きゅ、急に大きな声を出すなですぅ!心臓が止まるですぅ!」
ドン ドン
< ナニヲサワイデイルンダー
仁美「え!?い、いいえ!何でもないですわ!ちょっと……その、む、虫に驚いただけですわ!」バッ
人形『も?!もががっ!は、離しやがれですぅ!』バタバタ
仁美「ええ!ええ!なんとかなりましたわ!だから大丈夫!」
人形『誰が虫ですかー!翠星石はドールですー!』ジタバタジタバタ
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:47:53.29 ID:B9gNyFpU0
仁美「あ、あの……」
翠星石「放置プレイの後は全身を触られた上に無理矢理押さえつけられるなんて、今日は翠星石の厄日ですぅ。全く。ちゃんと電話したじゃねーかですか」
翠星石「ん〜はい巻きますわ〜(裏声)……と電話口で約束したからわざわざ来てやったってのにほったらかし!」
仁美「あ……!そ、そういえばこの前……深夜に携帯に電話があったような……寝ぼけてて明確には……」
翠星石「な、ななな何て薄情な……!……仕方ねーですけどお前をこのローゼンメイデン第三ドール。翠星石のマスターにしてやるですぅ」
翠星石「翠星石は姉妹の中で一番物静かで聡明で容姿端麗ですから、光栄に思うがいいです」
仁美「はあ……」
翠星石「ところでワカメ人間。お前の名はなんですか?」
仁美「…………」
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:48:22.82 ID:B9gNyFpU0
翠星石「……そ、そんな怖い顔することないじゃないですか」
仁美「……私は志筑仁美と申しますわ」
翠星石「ひ、仁美ですね。お、覚えてやるですぅ」
翠星石「な、何にしてもこれからは翠星石のマスターとしてキビキビシャキシャキしてもらうですよ」
仁美「……はい?」
翠星石「うーん……やっぱ一から説明しないといけないようですね。取りあえず契約です契約」
仁美「契約……そんな……私達会ったばかりじゃないですか……」モジモジ
翠星石「何に照れているのかはわかりませんが……とにかく契約は今でなくてもいいですよ」
翠星石「それよりも今は取りあえず大きな鏡を貸しやがれなのですぅ」
仁美「鏡……ですか?」
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:50:01.92 ID:B9gNyFpU0
仁美「は、はい……こちらでどうでしょうか」
翠星石「上等な姿見です」
仁美「あの……何をなさるおつもりで?」
翠星石「nのフィールドに行ってくるです」
仁美「えぬの……?」
翠星石「それっ」ピョン
トプン
仁美「え!?か、鏡の中に……入って……」
仁美「……これは夢なのでしょうか」
仁美「そうですわ。夢ですわ。少し寝ましょう。そうしましょう」ポフン
仁美「くー……」
翠星石「あ、そうでした」ニュッ
仁美「ひゃあ!」ガバッ
翠星石「鏡に布をかけるとかして塞がないようにするですよ」
仁美「は、はあ……」
110 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:50:38.02 ID:B9gNyFpU0
――nのフィールド
「うーん……」
蒼星石「確かにここは、紛れもなくnのフィールドだ……扉も散在しているし、雰囲気も相違ない」キョロキョロ
蒼星石「だけど……何となくわかる。……やっぱりだ。やっぱりこの世界は……」
「蒼星石ィッ!!」
ダキッ
蒼星石「うわっ、びっくりした」
翠星石「良かったですぅ〜……やっと会えましたです……」スリスリ
蒼星石「う、うん。そうだね。僕も会えて嬉しいよ翠星石」
翠星石「ところで蒼星石。この世界は……」
蒼星石「うん。やっぱり、僕達の知っている世界とは違う」
111 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:51:19.05 ID:B9gNyFpU0
翠星石「雪華綺晶……の影響でしょうか」
蒼星石「雪華綺晶の世界……というわけでもないようだよ。本当の意味での異世界さ」
翠星石「翠星石は目覚めたばっかりだから何とも言えませんですぅ。とにかく他の姉妹と合流するです」
蒼星石「真紅と金糸雀はマミという人の所にいて、水銀燈はどこかにいる。これで全員目覚めていることになるよ」
翠星石「翠星石が目覚めたのが最後ですか……なんか癪です。今はマミという人間の元へ行けばいいのですね」
蒼星石「やあ」
翠星石「です」
真紅「あら」
金糸雀「あ」
杏子「お」
マミ「キタ━━(゚∀゚)━━ !!」
112 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:53:02.97 ID:B9gNyFpU0
――翌日
まどか「帰り道で杏子ちゃんに会ったよ」
まどか「ほむらちゃんと帰りたかったけど、忽然といなくなってたよ」
まどか「それにしても相変わらずほむらちゃんとマミさんの仲が険悪すぎて困るよぉ」
杏子「そうだな。でもそれは本人同士の問題だ。ロッキー食うかい?」
まどか「だってぇ、仲良くしてもらいたいんだもん!」ポリポリ
杏子「ほむらは知らんが、まずマミにその気がないんだよ。何せマミが大好きなキュゥべえをぶち殺そうとしてたんだから」
杏子「それどころか昨夜はローゼンメイデンが二体も現れたんだ。てんやわんやで敵視してる奴と仲良くなんて余裕は今はない」
まどか「うん……まさか仁美ちゃんもあの指輪してただなんて……翠星石ちゃんだったっけ?」
まどか「契約自体はまだしてないみたいだけど、何かビックリし慣れちゃったよ」
杏子「……ま、まあとにかく。魔法少女同士ってんならあたしとほむらはそれなりに仲がいいし、それでいいんじゃね?」
まどか「そういえば杏子ちゃんはほむらちゃんと仲いいよね」
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:54:42.61 ID:B9gNyFpU0
杏子「色々あってな。なんやかんやで仲良くさせてもらってるよ」
杏子(……結局あいつも使い魔は倒す派だったけど、なんやかんやで一緒にいて結構楽しいし)
まどか「へぇ……。それは、とっても羨ましいなって」
まどか「何にしても杏子ちゃんと仲がいいなら保護者的ポジションのマミさんとも……!」
杏子「何が保護者か」
まどか「杏子ちゃんもマミさんとほむらちゃん。仲良くしてもらいたくない?」
杏子「ん〜……別に?ほむらと仲がいいってことは隠してるからな。下手したら飯がなくな……」
マミ「へ〜そう。佐倉さんが暁美さんとね〜」ジトー
まどか「あ」
杏子「げ」
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:55:49.85 ID:B9gNyFpU0
マミ「そうなのね……佐倉さんは暁美さんの味方なのね〜ふぅんそ〜。そんな隠し事をね〜」チラッチラッ
杏子(うわクッソ面倒くせぇ)
マミ「そんなに仲がいいなら暁美さんの家で世話になればいいんじゃない。一人暮らしらしいし」チラチラ
まどか「そ、そんなぁ。二人の問題なのに杏子ちゃんを巻き込むなんて可哀想です」
マミ「あのね鹿目さん。私達は魔法少女なの。共闘か競争か……。ぎくしゃくしてたら命に関わるわ」
まどか「で、でもそれは育児放棄していい理由には……」
杏子「おいこら待て育児て何だ」
杏子「……まあ、ばれちまったら仕方ねぇ。マミがそういうならほむらんちに世話になろうかね」
まどか「えっ、ほむらちゃんちにお泊まり?いいなあ」
杏子「おいおい」
115 :
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(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:56:48.49 ID:B9gNyFpU0
マミ「……ふ、ふ、ふ〜んだ!結局ご飯さえあれば誰でもいいのね!佐倉さんは!」ツーン
杏子「うん」
マミ「ひどい」シュン
杏子(面倒くせええええ)
マミ「いいもん。美樹さんと志筑さんは家庭の都合上、蒼星石ちゃんと翠星石ちゃんのご飯は私が用意することになったんだもん」
マミ「ドールが四人もいるもん。佐倉さんがいなくてもキュゥべえ含めて六人。大所帯だもんっ。寂しくないもん」
杏子(マミ以外人外じゃねぇか……)
杏子「あー……もう、冗談だって。あたしがほむらの家には世話になれない事情ってのがあるからさ」
まどか「そうなんだ……。どうして?」
杏子「真紅もセットになりかねんからじゃねえ?よっぽどのことがない限り真紅の世話なんてやってられねーよ」
マミ「やっぱり佐倉さんには私がいないといけないのね!うふふふふ」
杏子「うぜぇ」
「やっほぉ〜〜〜い」
116 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:57:22.16 ID:B9gNyFpU0
まどか「はっ、この声は……!」
杏子「話がよじれそうなやつが来たぞ」
さやか「さやかちゃん見参んんんん!」バーン
マミ「あら美樹さん。元気ね」
さやか「あ、どうも。皆さんお揃いで」
まどか「あれ?確か病院に行ってたんじゃ……」
さやか「そうなんだよ!大ニュースなんだよまどか!」ブンブン
杏子「うるさいうるさい」
さやか「実は、恭介の腕が治ったんだよ!」
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/10(日) 23:59:32.57 ID:B9gNyFpU0
まどか「な、何だってー!」
杏子「あ?誰だよ?」
まどか「さやかちゃんの幼なじみで、入院してて腕がどーたらこーたら」
マミ「あら、それはおめでたいわね」
さやか「それで、明日、みんなで病院に行きませんか!?」
マミ「え?私達も?」
さやか「はい!恭介は早速練習してて、明日にでも演奏をみんなに聴かせたいって!」
さやか「杏子も来るでしょ?」
杏子「えーめんどい」
さやか「来てよぉ……」シュン
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:00:07.37 ID:XNk/ZdDc0
さやか「それで、あの、実は蒼星石のことを知られちゃったんだ……」
さやか「……で、何だかんだで、恭介がローゼンメイデンのみんなも是非って!」
さやか「少なくともあたしと仁美は行きますよ!あたしが蒼星石も。蒼星石が来るなら双子である翠星石も来るはずです!」
マミ「そうね。金糸雀ちゃん達に聞いてみるわ」
まどか「ほむらちゃんも誘わないとね!」
マミ「……」
さやか「マミさん……まどかは一緒の時間が増えれば自然と仲良くなるって思ってるんです……」
さやか「それで、転校生なんだけどさ……実は来る途中で会ってさ」
さやか『お、転校生!明日の放課後暇かい?』
ほむら『ごめんなさい。外せない用事があるの』
さやか『どうしても?』
ほむら『人の生死が関わってるわ』
さやか『お、おおぅ……』
さやか「――とまあ何と言いますか、残念ながら転校生は明日欠席」
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:01:04.86 ID:XNk/ZdDc0
まどか「そっか……」ハァ
杏子「何をそんなに残念がってんだ?気になるのか?」
まどか「あ!いや、そうじゃなくて……!あの、ほむらちゃんに上条君のこと紹介してないと思うから……」
さやか「あー、うん。転校生は恭介のことよく知らないし、紹介したくはあったけど……用事があるなら仕方ない」
さやか「ただ、恭介は是非ローゼンメイデンに会いたいって行ってたし、せめて蒼星石達は紹介したくて!」
まどか「私も翠星石ちゃんに会ってみたいなって」
さやか「……と、いうことで明日は病院にローゼンメイデン連れて集合!」
マミ「ええ。魔女でも出ない限りは行かせてもらうわ」
杏子「仕方ないな……。今更だが仁美って誰だよ」
さやか「そこでそれ言う?」
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:01:33.87 ID:XNk/ZdDc0
――病室(次の日)
仁美「あ、皆さん、ごきげんよう」
まどか「あ、仁美ちゃんっ」
恭介「やあ、みんな。……そちらの人達がさやかのお友達かい」
マミ「三年生の巴マミです。初めまして上条君」
杏子「佐倉杏子」
恭介「そして彼女達がローゼンメイデン……。僕はさやかの幼なじみの上条恭介です」
真紅「二女から五女なのだわ」
仁美「私も初にお目に掛かります翠星石のマスターの……」
翠星石「あ、まだ契約してないですよ」
仁美「あら?そうだったんでしたの?」
翠星石「そうですぅ。ところで渡した指輪は?」
仁美「机の中ですわ」
翠星石「……」
121 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:02:20.25 ID:XNk/ZdDc0
真紅「しかし杏子の運び方はとても揺れるから気分が悪かったのだわ」
杏子「そうかよ……」
マミ「そう言えば何だか看護師の人にお静かにって注意されちゃったわね」
金糸雀「バイオリン奏者の見舞客が揃ってこんな鞄を持ってたから何らかの楽器持参だと思われたのね」
さやか「全く恭介め。動くようになったなら真っ先に連絡をよこせってのに。あたしが見舞いに来てなかったら……」ブツブツ
仁美「忘れる程テンションが上がってたんですわね……」
翠星石「よっぽどのバイオリン馬鹿なのですね」
蒼星石「その言い方はどうかと思うよ翠星石」
まどか「賑やかだよ〜」
上条「いや本当に。こんなに賑やかな病室は初めてだよ」
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:02:49.61 ID:XNk/ZdDc0
上条「お医者さんもびっくりしてたよ……。何せ、昨日、目が覚めてから、指一本動かなかった腕が動くようになってんだ……」
上条「みんな口々に言ってたよ。奇跡だって」
上条「それで、早速バイオリンを弾きたくて……すぐに用意して貰ったんだ。色んな検査の合間合間に、屋上と病室で演奏することを特別に許可してくれたんだ」
マミ「気前のいい病院ね」
上条「感覚は全く衰えていなかったよ……。ブランクなんて関係なかったよ」
上条「そして今日、こんなに多くのローゼンメイデンとそのマスターに来て貰った。本当に嬉しいよ」
まどか(マスターじゃないけど私もいるよ!)
さやか(恭介すごい生き生きしてるなあ)
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:06:47.69 ID:XNk/ZdDc0
上条「これがローゼンメイデンか……さやかからその話を聞いた時はトチ狂ったかと思ったものだよ」
さやか「おいこら」
仁美「仕方ありませんわ。ローゼンメイデンだなんて、突拍子がなさすぎますわ」
杏子「昨日まで動かなかった腕が動くのも突拍子のない話だがな」
上条「まだ足は動かないから、寝たままの演奏で失礼するよ」
上条「それじゃ、演奏する曲は……手始めに葉加瀬次郎あたりで」
さやか「手始めでそれはまさか過ぎる」
金糸雀「お手並み拝見かしら」
〜♪ 〜♪
真紅「いい音色ね」
さやか「でしょでしょ?」フフーン
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:07:33.73 ID:XNk/ZdDc0
上条「腕が動くようになった時のこと、もう少し細かく話していいかな」
翠星石「喋りながら弾けるもんならどうぞです」
上条「……実は、昨日、夢の中で天使に会ったんだ」
まどか「天使?」
上条「そう……何だか変な話だけど、すごい綺麗な天使が夢の中に現れてね」
上条「にこりと微笑んで僕の腕を撫でてくれたんだ」
杏子「なにこいつキモい」
さやか「杏子、屋上」
125 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:08:01.72 ID:XNk/ZdDc0
上条「そしたら、天使が『力になります』みたいなことを言ったんだ」
仁美「何だかロマンチックな夢ですわ……」
上条「そして、目が覚めたら腕が動くようになっていたんだ……」
金糸雀「わけがわからないのかしら」
上条「まさに奇跡だよ。魔法のようだよ……」
上条「僕は、夢の中の白い薔薇に囲まれた美しい景色を、一生忘れないだろう……」
126 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:08:44.38 ID:XNk/ZdDc0
蒼星石「白い薔薇……!?」
真紅「ちょ、ちょっと!今……なん……て……」フラッ
上条「まさに奇跡だよ……魔法だよ……」
ユラッ
翠星石「まさ……か……き……」クラッ
マミ「あ、あれ……何だか……眠く……」
金糸雀「うーん、腕が治るまでのブランクを考慮してもまだまだ旋律が甘いかし……グゥ」
まどか「むにゃ……」
蒼星石「こ、これは……夢の……」
パタリ…
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:10:26.48 ID:XNk/ZdDc0
――その頃
ほむら「昨日は美樹さやかに暇を聞かれたけど、今日はあの日……」ゴクリ
ほむら「……巴マミの首の有無がかかった菓子魔女の日!」
ほむら「何やらみんなで出かけるようだったけど……ちょっと寂しいだなんて思ってないわ」
ほむら「……さて、と。今までの時間軸で言えば、お菓子の魔女が現れる時間まで少しある」
ほむら「少しだけ、そこのベンチで休もうかしら……」ヨッコイショ
ほむら「水銀燈は普段何に力を使って私に疲労感を与えているのかしら。無益なことだったら容赦しないわ」
クー
ほむら「う……お腹が鳴っちゃったわ///」
ほむら「少し小腹が空いたわね。コンビニで何か買って食べようかしら。でもお金の無駄遣いはしたくない」
ほむら「こんな時は、盾に入れておいた非常食。栄養補助食品だわ。……結果的にはお金使うけど」ホムホム
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/06/11(月) 00:13:33.46 ID:XNk/ZdDc0
チカッチカッ
ほむら「チーズ味は至高……んむ?」
人工精霊「……!……!」チカッチカッ
ほむら「メイメイ?……いや、色が違う」
ほむら「えっと……確か、由衣…じゃなかった。ホーリエ、よね?」
ホーリエ「!」クルクル
ほむら「そう。確か真紅の人工精霊……。それで、何か用?」
ホーリエ「……!……!」スィー
ほむら「ちょっと、どこへいく気?まさか、ついてこいとでも言うの?」
ホーリエ「……!」クルクル
ほむら「……わかったわ」スック
ほむら「でも口の中がパッサパサだから水を……」ングング
ホーリエ「……」
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:15:09.98 ID:XNk/ZdDc0
――病院付近
ほむら「やはりここに来るのね。でも早すぎるわ」タッタッタ
ホーリエ「?」クルクル
ほむら「何でもないわ。ホーリエ。ただ、ちょっと待っててくれる?」キョロキョロ
ほむら「……変ね。いつもの時間軸では確かこの辺りにグリーフシードがあったはずなのだけれど……。キュゥべえもいないみたいね」
ほむら(確かまどか達が来ていたはずだわ……。まさか、予定よりも早く孵化して……?)
ホーリエ「……!」フワァーッ
ほむら「急いでいるのね。寄り道して悪かったわ。……上ね。……大丈夫。外壁くらい上れるわ」ヘンシン
ほむら「ここは……上条恭介の病室?それに……」
水銀燈「スー…スー…」
ほむら「……」ツンツン
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:15:45.51 ID:XNk/ZdDc0
水銀燈「……んゅ……ほむらぁ?……あら?私ってばいつの間に居眠りしてたのかしら。鞄の中でもないのに寝てたの?私ぃ?」
ほむら「水銀燈。何てとこで寝ているの。病院の外壁に座って、カラスみたいよ」
水銀燈「飛び回ってたら音楽が聞こえてきたものだから、ここで聴いてたのよ。そしたら居眠りをしてたようね……。って誰がカラスよ」
ほむら「音楽……?誰もいないわよ?取りあえず開いてる窓から入りましょう」ヒョイ
ホーリエ「……!」クルクル
水銀燈「あらぁ?変ねぇ。この部屋には確か結構な人数いたはずよ?この目でチラ見したもの」
ほむら「上条恭介までいないわ……。その代わり、ベッドの上に……靄のようなものが……」
水銀燈「あれは夢への扉ね……」
ほむら「何ですって?」
水銀燈「言葉の通りよ。……その割にはいつもより澱んでいるわね」
ほむら「これは……妙だけど、魔女の結界に似ている……!」
水銀燈「魔女の結界ぃ?……ということはまたあの薔薇園のグロテスクなのがいるわけぇ?やだぁ〜」
ホーリエ「……!」ヒューン
ほむら「ホーリエ。……そう。あの中にみんないるのね?今行くわっ」スッ
水銀燈「あっ、待ってぇ」スッ
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:16:14.11 ID:XNk/ZdDc0
――魔女の結界
マミ「私達、いつの間に魔女の結界にきていたのかしら……」
まどか「う、うぅ〜ん……」
杏子「おぉ……すげぇ……お菓子で出来ている……ゴクリ」
マミ「食べちゃだめよ」
杏子「ギクッ……や、やだなぁ、食うわけないだろ!」
真紅「差詰めお菓子の魔女といったところかしら」
杏子(でも……そこのクリームだけ……ちょっと舐めるくらい……)ヒョイ
チクッ
杏子「痛っ!」
さやか「どうした杏子!」
杏子「ク、クリームの中に異物が……指に刺さった!痛ぇ!」
まどか「な、舐めようとしたんだね……」
さやか「何だバカか」
杏子「んだと青二才!」
さやか「意味知らないだろ!絶対カラーリングで言っただろそれ!」
マミ「喧嘩しないの!」
翠星石「気を付けるですよ!魔女とお菓子と言えば迷い込んだ人間を誘い込んでじっくりコトコト調理して喰いやがるです!」
蒼星石「絵本の話だね」
さやか「頭の触覚から光線出して人間をチョコやクッキーにするのもあるよね」
まどか「それは魔女じゃ……、あ、でもこっちの魔女ならあり得るかな……」
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:17:26.76 ID:XNk/ZdDc0
金糸雀「漫才してないでどういうことなのかどうしてこうなったかしら!」
蒼星石「僕は上条君の演奏を聴いている内にうたた寝しちゃった……ってことまでは覚えているけど……」
真紅「右に同じなのだわ」
さやか「恭介のスタンドかな」
マミ「何故か全員うたた寝しちゃって、その内に偶々近くにあったグリーフシードが孵化した……?」
真紅「いいえ。少し違うわ。そこをご覧なさい」
さやか「恭介のスタンドかな」
仁美「……」
まどか「あ!仁美ちゃんが倒れてる!」
まどか「……あ、寝てる」
仁美「……んぅ」スヤスヤ
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:17:59.12 ID:XNk/ZdDc0
杏子「……うん?じゃあ坊やはどこだ?」
さやか「あれ?そういえば……」
マミ「……まさか!」
真紅「そう、偶々寝てた、なんてのはあり得ない話よ。上条という人間が仕掛けた罠か、彼自身が疑似餌だったと考えるのが自然」
まどか「魔女が上条君を利用したの……?」
真紅「かもね」
さやか「恭介のスタn……えぇっ!?恭介がルアーに?!ホワィ?何故!?」
杏子「あの坊やがルアーだったら、さやかはすぐに釣れそうだな」
さやか「さやかちゃんは魚類じゃありません!」
真紅(魔女なんかじゃないわ……そんなことするのはあの子しか……)
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:19:06.93 ID:XNk/ZdDc0
マミ「取りあえず奥へ進みましょう。私が先頭を歩くわ。佐倉さんは志筑さんを背負ってあげて。ローゼンメイデンのみんなは使い魔に気を付けながら鹿目さんと美樹さんをお願い。使い魔はなるべく私が相手するわ」
さやか「さすがマミさん。頼りになるなあ」
翠星石「任されたですぅ……あ、でも私契約してないから力が使えないです……」
まどか「そういうものなの?」
翠星石「はいですぅ。契約していないと現実の世界では媒介の力がないと如雨露が出せな……あ、出せたです」パァッ
まどか「えぇー……」
真紅「魔女の結界というものがnのフィールドに似てるからかしら」
蒼星石「都合がいいね。でもゼンマイが切れやすくなるには変わらないから、なるべく使わないようにね」
翠星石「はいですぅ。マミに基本全部丸投げですぅ。頼りにするですよ〜」
マミ「……うふふ」
135 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:19:34.24 ID:XNk/ZdDc0
蒼星石「途中使い魔と呼ばれる生き物のような何かに襲われたけど、僕の鋏でなぎ払ったり」
金糸雀「カナのバイオリンで吹き飛したりしている内に最奥っぽいとこに来たかしら」
さやか「ローゼンメイデンってほんとに人の力を使うんだね。指輪が温かくていかにもって感じだよ」
マミ「さあ、気を引き締めて。いよいよ魔女とご対面よ」
魔女「……」モッモッ
マミ「……あれが、魔女ね。お菓子を食べてるわ……。呑気ね」
真紅「あら、いつぞやと違ってぬいぐるみみたいなかわいらしい魔女ね」
翠星石「しっかし脚の長いテーブルと椅子です!首が痛いですぅ」
杏子「で、あの弱そうなのが魔女としてさ……魔女の向かいに座ってるのは……何だ?いや、誰だ?」
さやか「……恭介だ!?なんで恭介が魔女とお茶会してるのさ!?」
金糸雀「落ち着いて!よく見て!仁美同様、眠っているだけかしら!」
マミ「一般人を巻き込むなんていただけない魔女ね……!」
まどか「ね、ねえ……上条君の膝に、何かいない……?」
マミ「あら、確かに。……白い……人形?」
136 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:20:19.85 ID:XNk/ZdDc0
翠星石「あ、あれは……!」
蒼星石「雪華綺晶……!」
マミ「きら……?」
真紅「私達の末妹よ。最もやっかいで我が侭な末っ子。……やはりあの子の仕業だったようね」
雪華綺晶「……」クルッ
蒼星石「こっちに気付いたよ」
雪華綺晶「ウフフ…ご機嫌麗しゅう……お姉様達……。私達のお茶会に来てくれたのですね。嬉しいですわ」フワリ
杏子「おいおい、あいつ……普通に魔女と打ち解けてるって感じなんだが……何なんだよ」
雪華綺晶「紹介します。彼女の名前はシャルロッテ。私のお友達……」ギュゥ…
魔女「……」モグモグ
雪華綺晶「お菓子が大好きなかわいい私のお友達」
バキッ
マミ「魔女とイチャついているとこ悪いけど……戦闘開始よ」
137 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:20:58.79 ID:XNk/ZdDc0
雪華綺晶「ウフ……」ピョイ
金糸雀「雪華綺晶が魔女から離れたかしら!」
真紅「金糸雀、目を離しちゃだめよ。貴女はマミのとこで雪華綺晶の動きを観察よ。妙な動きをしたら攻撃なさい」
金糸雀「ガッテンかしら!」
魔女「……」コロッ
マミ「一般人が巻き込まれてるとあれば、お友達であっても速攻で決めさせてもらうわ」ゲシッ
マミ「私は魔女を引き離すから、佐倉さんは彼をお願い!」
マミ「真紅ちゃん達は鹿目さん達をお願いね!」ダッ
杏子「お、おう!」
真紅「わかったのだわ」
マミ(ああ……これよ……こうやってみんなに指示する感覚……私がリーダー……うふふ)
138 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:21:41.06 ID:XNk/ZdDc0
杏子「よっと」ヒュッ
使い魔「チョコレートーワーメーイージー」
杏子「チッ、邪魔だ!どけ!」ザシュッ
使い魔「カステライチバン」
杏子「よっ、助けに来たぜ。大丈夫か?……ってそうか、寝てんのか」
上条「」
杏子「何だぁ?茨がグルグル巻きだなぁ……。解くのもめんどいし、椅子ごと持っていくか」バキッ
杏子「っと、ほれ、椅子ごと連れてきたぜ。無事……だと思う。取りあえずこの物陰に……仁美の隣でいいか」ズリズリ
さやか「恭介!ケガしてんじゃん!」タタッ
杏子「茨が巻き付いてたからな。棘が刺さってんだよ」
まどか「で、でもどうしよう。すごいきつく巻き付かれて……解こうとしたら絶対に痛いよ……」
蒼星石「ちょっとごめんよ。……僕の庭師の鋏で、この茨を切るね」チョキチョキ
杏子「よし、じゃああたしはマミの援護に――」
真紅「ローズテイル!」バシッ
翠星石「ガンバレ真紅ぅ!ファイトですぅ!」ブンブン
杏子「と、言いたいとこだが真紅一人で使い魔の相手はチトきついか。ちょいと使い魔退治といきますかね」
139 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:23:19.13 ID:XNk/ZdDc0
その頃
金糸雀「雪華綺晶はさっきからあんなとこに座り込んで何をしているのかしら?」
マミ(佐倉さん、ローゼンメイデン、そしていつか魔法少女になる後輩二人…!)
マミ(体が軽い……こんな気持ちで戦えるなんて、いつぶりかしら!)
マミ(小さいからよく吹き飛ぶわね。ここまで距離をとれば巻き込まないでしょう……それでは)
マミ「ティロ・フィナーレ!」
バシュン!
魔女「――!」
ドスン
金糸雀「やったかしら!大技が決まったかし……あら?」
金糸雀「……アアッ?!」
金糸雀「あ、あそこにいるのは……、いや、あるのは……私が今まで雪華綺晶と思って監視していたのが……雪華綺晶じゃないかしら!!」
マミ「もう一発いくわよ……」シュル
金糸雀「まずったかしら!雪華綺晶そっくりの砂糖菓子だったわ!雪華綺晶を見失ったかしら!」キョロキョロ
マミ(もう、何も怖くない!勝った!これで終わ――)
140 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:23:56.29 ID:XNk/ZdDc0
魔女「……」プクゥ…
金糸雀「……ッ!マミ!」
マミ「え?……キャッ!」
ニュルンッ
魔女(第二形態)「……」
マミ「な、なにあれ……」
魔女(第二形態)「……」キョロキョロ
金糸雀「ひっ……な、何か出てきたのかしら」
マミ「あ、あんなのが……さっきの小さい体から出てきたの……?明らかにサイズがおかしいじゃない……」
マミ(か、完全に油断していたわ……もし、あの黒い恵方巻のお化けみたいな魔女が、そのまま私に攻撃してきてたら……)ゾクッ
マミ(それにしても、何をしているの?何で攻撃しなかったの?何かを……、探している……?)
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:24:23.86 ID:XNk/ZdDc0
魔女(第二形態)「……!」
グゥーン
マミ「え!?ど、どこへ行っちゃうの!?」
金糸雀「あ、あっちの方角は……!ピチカートッ!終わりのない追走!」
マミ「な、何で私を無視して……向こ……あ!あっちは……!」
金糸雀(ダメ、ま、間に合わな……)
ガブッ
マミ「あ……」
金糸雀「え……」
142 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:24:55.22 ID:XNk/ZdDc0
杏子「よし、そろそろ後はあんたらに任せるとして、マミの加勢にい……くぜッ?!」グイッ
杏子「……なっ!?」
杏子「あ、あたしの腕にも……茨が巻き付いて……!」
杏子(さ、さっきクリームを舐めようとした時についた傷から……茨が生えてきてる……?!)シュルシュル
杏子「や、やべぇ!きめぇ!いてぇ!い、茨があたしの腕がキャンディに巻き付いて……動けねぇ!」
まどか「杏子ちゃん!」
蒼星石「き、君の腕にもかい?!今切るよ!」
真紅「金糸雀は雪華綺晶の監視、杏子は捕縛、マミは魔女と戦闘中……。襲ってくる使い魔を倒すのに私と契約をしていない翠星石とでは荷が重いわ……!」
杏子「い、急いでくれ!棘が腕に食い込んできてる!」
真紅「翠星石!ゼンマイが切れないギリギリまで力を使うのよ!」
翠星石「わ、わかったですぅ!」
143 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:25:47.08 ID:XNk/ZdDc0
マミ「……キャッ!」
真紅「あれは……マミの声!?」
杏子「……な、何だァこいつァ?!」
魔女(第二形態)「――!」
翠星石「ナメクジピエロみたいなのがこっちに見てるですぅ!」
蒼星石「まさか杏子を狙ってる……!?」
さやか「マ、マミさんがやられたの!?」
まどか「マミさんは……ぶ、無事みたいだよ!」
真紅(動揺しているマミを差し置いてこっちを狙う理由……。動きを止めた杏子?何故?)
真紅(あの魔女の視線の先をよく見るのよ……視線の先にいるのは誰?)
真紅(そこに……いる……のは……)
144 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:26:29.79 ID:XNk/ZdDc0
真紅「まどかッ!!」
まどか「へっ?!」
真紅「そこは危ないわ!離れてっ!」
まどか「えっ!?……あ、わわッ!?」
シュルル
まどか「なっ!?こ、これって……!」
翠星石「雪華綺晶の茨が、まどかの体を縛った!?」
杏子「くそっ!何でまどかに!?」
ギリッ……
まどか「い、痛……!か、体が締めつけられ……」
ギゥギゥ……
翠星石「スィドリー……す、翠星石の如雨露にも茨が!」
杏子「もがけばもがくほど棘が食い込みやがる……!早く何とかしてくれ!」グィグィ
蒼星石「くっ、僕の鋏も茨が絡まって……!さっき上条君から切り落とした茨が……伸びてきて……!」
真紅(私の足にまで……!)
145 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:27:03.53 ID:XNk/ZdDc0
まどか「い、痛いよぉ……!い、茨がどんどんと……」
ギリギリ…
魔女(第二形態)「――」グゥゥーン
真紅「魔女が来――は、早いわ!」
さやか「ど、どうし、よ……し、親友が、ヤ、ヤバイって、のに……こ、腰が、抜け、ちゃっ……」ガクガク
ズイッ
魔女(第二形態)「――」
まどか(え、魔女が…わたしの目の前に……?……え?)
魔女(第二形態)「……」
グパァ
雪華綺晶 in 魔女「ごきげんよう」
146 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:27:30.77 ID:XNk/ZdDc0
真紅(ま、魔女の口の中に雪華綺晶が……!?)
まどか(え……何でさっきのお人形が、魔女の口の中にいるの……?)
真紅(ローズテイルッ!)バッ
雪華綺晶 in 魔女「いただきます……」ズ…
まどか(いただきます……?)
まどか(あれ……?これってわたし、食べられちゃう……?)
真紅(……だ、だめ、このままでは……!)
さやか「ま、まどかアアァッ!!」
まどか(……わたし、死んじゃうの?)
ガツッ
147 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:28:19.20 ID:XNk/ZdDc0
マミ「――ッ!」
マミ「い……い……」
マミ「いやああぁぁ……ッ!」ガクッ
金糸雀「あ……あわわ……」
マミ「か、鹿目、さ、が……鹿目さん、が……わ、私……かな……」ガクガク
金糸雀「マッ、マミッ!お、おおちおちおちち落ち着いててっ……!」
マミ「か、かなっ……わたっ……私が……鹿目さん……巻き込ん……から……」ブルブル
マミ「私のせいで……鹿目さんが……」ガクッ
さやか「……え?嘘……だよね」プルプル
翠星石「……ま、まどかが、食べられ……」
杏子「くそ……!こんなことって……!」ワナワナ
蒼星石「……ん?」
蒼星石「ま、待って!いつの間にか茨が切れてるよ……」
翠星石「あ、そういえば……それに……辺りに羽根が散らばって……。黒い羽根……!?」
真紅「……何とか間に合ったようだわ」
さやか「ふぇ?」
杏子「な、何にしても動けるようになったからには!覚悟しやがれ魔女てめぇ!!」ダッ
魔女「――?」パクパク
148 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:29:13.45 ID:XNk/ZdDc0
まどか「あ……ああ……わたし……死んじゃった……いやだよぉ……いやだよぉ……」ガタガタフルフル
――鹿目まどか
まどか「……誰か、わたしを、呼んでる……?ここは……天国?」
――まどか
まどか「わあ……天国だよねここ。だって、お菓子が一杯あるもぉん……わたし、死んじゃったんだ……」
「まどか」
まどか「渡り(川)ぃ〜〜越ぉ〜うぉ〜〜え〜〜〜♪(天城越え調)」
「まどかっ!」
まどか「……は!……こっ!……この声は……!」
まどか「ほ……」
まどか「ほむらちゃん!?」
ほむら「まどか……動揺しすぎよあなた」
149 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:29:48.56 ID:XNk/ZdDc0
まどか「ほ、ほむらちゃん……どうしてここに?」
ほむら「聞くまでもないわ。それより何故あなたが魔女に襲われていたの?」スタッ
まどか「わ、わからないよ……」
ほむら「取りあえず降ろすわよ?」
まどか「……え?降ろす?」
まどか「……あっ!わ、わたしってば、ほ、ほむ、ほむらちゃんに、お、お姫様だっこされて……///」アタフタ
ほむら「……降ろすわね?」スッ
まどか「あ、うん……」シュン
ほむら「茨の束縛は解けたわね。大丈夫?まどか」
まどか「う、うん……ありが……あ!ほ、ほむらちゃん!?」
ほむら「何?」
まどか「手が傷だらけだよ!!だ、大丈夫?!」
150 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:30:14.50 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「……ええ、茨が刺さったからかしらね。大した傷じゃあないわ」ダラダラ
まどか「そ、そんな……腕も血が滲んでる……まさか、す、素手で解いたの!?」
ほむら「まさか。アーミーナイフくらい持ってるわ。腕はまどかに絡まった茨の棘が抱えた際に刺さったもののようね」
ほむら「それよりも私の血でまどかの制服を汚してしまったわ。ほら、肩や背中にべっとり」
まどか「あ、ほんとだ……ってそんなことよりも」
まどか「ほむらちゃん……こんなケガしてまでわたしを……!」ウルウル
まどか「ほむらちゃぁん……うぅ……ひどいケガだよぉ……ひぐっ……」フルフル
ほむら「大した傷ではないってば。大丈夫よ。刺さっただけだから。……さて、散々まどかを危険な目に遭わせないと自負していた巴マミは、っと……」
まどか(ほむらちゃん怒ってる……?)
ほむら(あんなところで落ち込んじゃってなにしてるのかしら)
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:30:47.17 ID:XNk/ZdDc0
ほむら(テレパシー)『巴マミ。SAN値が大幅に減ったみたいになってないで合流しなさい。まだ魔女が生きているのよ』
マミ「あ……あ……?暁……美さん……?わ、わたし……」
ほむら(テレパシー)『まどかなら無事よ。だからさっさと来なさい』
マミ「え!?……か、鹿目さんが無事?!……ほんとだ……生きていたのね!!よ、よかったぁ……」ヘナッ
金糸雀「まどかが無事!?本当!ほむらがまどかを抱えてるわ!よかったぁ……!」
金糸雀/マミ「でも……」
金糸雀「何で水銀燈までいるのかしら……!」
マミ(暁美さんの声のトーンが怖いわ……!)ビクビク
152 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:31:16.41 ID:XNk/ZdDc0
ホーリエ「!」チカッチカッ
真紅「おかえりなさい。ホーリエ。よくほむらを誘導してくれたわ」
水銀燈「真紅ゥ〜。こんなの相手にこぉんなに束になってるくせに苦戦しちゃってるのぉ〜?ねぇ今どんな気持ち?どんな気持ちぃ?」ニヤニヤ
真紅「……貴女、どうしてことある毎に私がいる所にいるのかしら?ストーカー?」
水銀燈「せぇ〜っかく巻き付いた茨を切ってあげたのに。ほんっとかわいくないわね」
真紅「私はほむらを人工精霊で呼び出したのであって、貴女は本来お呼びでなくてよ」
水銀燈「何よブサイク」グヌヌ
真紅「黙りなさい性悪」グヌヌ
蒼星石「えっと……取りあえず助かったのは事実だよ」
翠星石「癪ですが取りあえず礼を言うです」
水銀燈「双子の妹は割と素直ね。真紅は姉を見習いなさぁい」
真紅「フン!」
水銀燈「まあいいわ。末妹退治の見学でもしてるといいわ」
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:31:43.49 ID:XNk/ZdDc0
杏子「くっそ!魔女め……!何てパワーだ……ちっきしょっ!」バシッ
ほむら「杏子。後は私に任せて」
杏子「ほむら……!」
ほむら「巴マミのとこへ行ってあげて」
杏子「お、おう!あ、ほむら!茨の傷口には気を付けろ!」
ほむら「ありがとう。でも心配には及ばないわ。すぐ終わる」
マミ「……佐倉さぁん」トボトボ
杏子「おいマミ!魔女がこっち来た時はやられたかと思っ……」
マミ「よかったよぉ……鹿目さんが助かって……よかったよぅ……ひぐっ……鹿目さんにもしものことがあったら……私……うえぇぇん……」プルプル
杏子「お、おいおいおい……泣くなよ……仕方ないって。誰だって魔法少女無視して一般人を襲うなんて思わないって。……ほれっ」ポイ
マミ「え……?グリーフシード……?」パシッ
杏子「何かほむらが渡せって……ってマミのソウルジェムめっちゃ黒いな!」
マミ(ほ、ほんとだ……。…………暁美さん、それも見越して……)
杏子「えーっと……それはさておき、水銀燈もいるのはどして?」
154 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:32:16.60 ID:XNk/ZdDc0
金糸雀「それはわからないわ。……とにかく今は目の前の敵を何とかしないと!」
さやか「まどかァーーーーーー!」ダダダダダ
まどか「わわっ!さやかちゃん!」
さやか「無事でよがっだあ゙ぁぁーーーー!!」ギュゥー
まどか「ちょ、さやかちゃん……ちょ、強っ!茨とは別に痛いよさやかちゃん!」
さやか「って制服血まみれじゃないかまどかァーー!」アタフタ
まどか「こ、これはほむらちゃんの血だよ」
さやか「この言葉だけ聞いたらすげー怖いんですけど」
155 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:33:10.83 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「お菓子の魔女……」
水銀燈「頭がジャンクな白薔薇の末妹もいてよぉ」
雪華綺晶 in 魔女「黒薔薇のお姉様……ごきげんよう。……紹介しますわ。こちらは私のお友達。名はシャルロッテ……」グパァ
ほむら「こいつが末妹、雪華綺晶……。魔女の口内に取り憑くなんてまるでタイノエね」ファサ
水銀燈「こんなどブサイクな魔女を取り入れようだなんてホンット、悪趣味ぃ」
ほむら(……普段の時間軸ではマミと戦いマミを食そうとしてきた。しかしわざわざ離れた位置のまどかを襲った……。そう考えると確かに魔女の行動を操って……魔女を取り入れているようにも見えるわ……)
ほむら(何故戦っていたはずのマミよりもまどかを襲った?あの魔女と戦っていたのが最初から杏子で、その側にまどかがいたから襲われたというのならわかるけど……)
ほむら「……水銀燈。魔女を倒すに至って、中にいる妹も巻き込むかもしれないわ」
水銀燈「どうぞぉ♪」
ほむら「そうさせてもらうわ……。早急に終わらせる」
真紅「気を付けてほむら。雪華綺晶はこの結界内、自由に茨を生やし、束縛するのだわ」
ほむら「ご忠告ありがとう。でも、それまでもないわ」
ほむら「さ、悪食の魔女には苦い薬を飲んでもらう」
カチッ
156 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:33:45.28 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「私のお手製C4爆弾よ。じっくり味わいなさい」ポイポイ
ほむら「そして時は動き出す……」
ドガァァァァン
魔女「!」
翠星石「ま、魔女が丸ごと爆発したですぅ!?」
杏子「あの一瞬で……何をしやがったんだ」
真紅「……時間を止めたようね。さらにあの盾から武器を取りだしている」
さやか「四次元ポケット+ザ・ワールドだなんて……チートかよっての」
「ああ…私のお友達が……」
157 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:34:12.45 ID:XNk/ZdDc0
マミ「……」
杏子「おい!キラ何とかの声がするぞ!?」
蒼星石「どうやらすんでの所で魔女の中から逃げ出したみたいだね」
水銀燈「言うにことかいて友達ですってぇ?ちゃっかり逃げ出しといて白々しいわよ。所詮は寄生虫のジャンクね」
「口惜しい……口惜しい……口…し……」スゥ…
真紅「あの子……」ボソッ
さやか「?」
金糸雀「雪華綺晶は逃したけど、魔女は倒せたかしら!」
杏子「おいおいおい……あの爆発で生きてるって何者だよ……」
グニャァ…
まどか「あ…空気が歪むぅ……」
158 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:35:02.94 ID:XNk/ZdDc0
――病院
マミ「……病院ね」
さやか「も、戻ってこれた……」ヘナヘナ
蒼星石「さやか、大丈夫かい。初めて力を使わせてもらったけど……無理そうなら……」
さやか「蒼星石は優しいなぁ……。大丈夫だよ。気が抜けたというか、ホッとしただけだから」
上条「スー…スー…」
仁美「バスタブニ フエルワカメヲ ヒトフクロ………ムニャ」スヤスヤ
翠星石「取りあえず堕落した貴族みたいな体制で寝ている仁美を起こすですぅ」ユサユサ
仁美「……あら?」ムクリ
まどか「おはよう。仁美ちゃん」
真紅「仁美ったら熟睡しちゃって、お疲れのようね」
仁美「わ、私ってば、床で寝ちゃうなんて、ど、どうしちゃったのですか!?は、はしたないですわ///」
翠星石「仁美、もう門限近いから帰るですよ」
仁美「え、……ええっ!?も、もうこんな時間ですの?!す、すみません!お先に失礼しますわ!」ダバダバ
杏子「おー慌てとる慌てとる」
159 :
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(関西地方)
[sage]:2012/06/11(月) 00:35:19.50 ID:9rvtGjGVo
今日のうちに全部さっきの投下する気か
分割してもええんやで
160 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:35:44.26 ID:XNk/ZdDc0
さやか「それじゃ仁美、また明日ね」
仁美「ですわー!」ダバダバ
翠星石「今日のところは翠星石もこれであばよなのですぅ〜」
杏子「坊やは眠ったままだな」
さやか「だ、大丈夫なの?」ソワソワ
蒼星石「上条君はもうしばらく眠ったままだろうね。でも大した負傷もないし、大丈夫だよ」
真紅「ただこれだけ騒いでも起きないのは雪華綺晶の栄養にされて疲労している証拠だわ。仮宿主だった、というところかしら」
マミ「……とにかく安静ってことね」
まどか「よかった……」ホッ
マミ「…………」チラッ
まどか「……マミさん?」
161 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:36:14.92 ID:XNk/ZdDc0
マミ「あ、あの……鹿目さん……」
まどか「マミさん?」
マミ「あの……本当にごめんなさい!!」バッ
まどか「え!?ま、マミさん!?そ、そんな、頭を下げないで……」
マミ「私がいながら、鹿目さんが魔女に襲われるなんて事態に……全部私の責任だわ」フルフル
まどか「そ、そんな!責任なんて……」
マミ「でも、私、完全に油断していたの!だから……だからあんな怖い目に……」
杏子「あ、あたしも……その、何か……茨くらっちまったし……。……悪ぃ」バッ
さやか「その、あたしも……まどかを助けようと思ったのに腰が抜けて……ただ見てるだけしかできなかったし……」バッ
まどか「そ、そんな……、み、みんな頭をあげて!」
マミ「うぅ……」
真紅・蒼星石・金糸雀「私(僕・カナ)達も不甲斐なかったわ(よ・かしら)……」
水銀燈「そうね」
真紅「貴女は黙ってなさい」
162 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:36:40.43 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「巴マミ あなたはなんて 愚かなの 仲間がいると 油断しないで」
マミ「57577で説教された!」
ほむら「お馬鹿さん 佐倉杏子の お馬鹿さん」
杏子「手抜きで怒られた!」
ほむら「美樹さやかのばーか」
さやか「ちょっ!」
ほむら「巴マミ。貴女はローゼンメイデンの力を見下しているの?」
マミ「なっ、そ、そんなことは……!」
ほむら「あの結界に雪華綺晶がいるってわかっていたでしょ?その上で雪華綺晶に対しての警戒を特にしなかったから、まどかが襲われた。襲われても何も対処できなかった……と見受けられるけど」
マミ「ううっ……その通りです」
ほむら「まどかや金糸雀達にいいとこ見せようとカッコつけようとするから慢心や油断が生じたってとこでしょうどうせ」クドクド
ほむら「何故魔女が、もとい雪華綺晶がまどかを狙ったかはさておき、私が来なかったらどうなっていたことか。危険な目に遭わさない等と自信満々だったあなたの姿はお笑いよ」クドクド
マミ「はうぅ……ご、ごめんなさい。全部その通り……。しかもあろうことか……あなたからグリーフシードまでもらっちゃったし……」
ほむら「でも……助かってよかった」
マミ「えっ……(デレた?)」
ほむら(雪華綺晶の影響で予定より早くグリーフシードが孵化したとすれば……下手したらマミを救えなかったかもしれなかった……危ない綱渡りでもあった……)
ほむら「ま、これに懲りたらもう二度と何も怖くないとか調子乗ったこと抜かさないことね」
マミ「う……返す言葉もないわ……」
ほむら「杏子は雪華綺晶がいたとは言え何故ベテランの魔法少女が二人もついていながらこうなったのか、という意味を込めて。美樹さやかは何か謝ってたから流れで言わせてもらったわ」ファサ
杏子・さやか「「えっと……ごめん」」
水銀燈「帰っていい?」
真紅「駄目よ」
163 :
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[saga]:2012/06/11(月) 00:37:36.01 ID:XNk/ZdDc0
ドヨーン
まどか(く、空気が……重い……)
まどか「……あ!そ、そうだ!」
ほむら「過ぎた事は仕方な……何?まどか」
まどか「ほむらちゃん!さっきの手の怪我は?!」ニギッ
ほむら「……あ、ちょっ、まどか。これくらい大丈夫って何度も……」
ほむら「それよりも私の血がベッタリついた制服だけど……、ちゃんと弁償するわ」
まどか「そ、そんな必要ないよ!私を助けてくれたんだもん!そんな……」ウルウル
まどか「うぅ……包帯もこんなボロボ……あれ?」
まどか「……包帯の中に何か……」
ほむら「ッ!」
杏子(そういえばあいつ、ずっと左手に包帯を巻いてるな……」
真紅(…………)
164 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:38:07.73 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「そ、それは魔法少女の方の指輪ね。気にすることはないわ。まどか。は、離してもらえる?」グイグイ
蒼星石「……魔法少女『の方』?」
ほむら「あっ」
まどか「……ほむらちゃん!」ギュウッ
真紅「ほむら。包帯を取りなさい。もう、無理よ」
ほむら「……」スッ
杏子「……おっと、妙な動きはすんなよ」ガッシ
ほむら「く……」
杏子「別に取って食いやしねえさ。包帯を取るだけさ。ほれ、まどか」
まどか「うん……」シュル…
パラッ…
165 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:38:34.63 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「…………」
マミ「……暁美さん」
さやか「転校生……」
まどか「……ほむらちゃん。その薬指の指輪って……やっぱり……」
蒼星石・杏子・金糸雀・水銀燈「……」
真紅「やはり、貴女、水銀燈と契約して、それを覚られないためにわざわざ包帯を巻いて隠してたのね」
ほむら「やはり……というと、どこで気が付いていたの?」
真紅「質問を質問で返す不躾失礼。ホーリエが貴女をここへ導いた訳だけど、よく貴女の居場所がわかったと思わない?」
ほむら「ッ?!は、背後に何か……っ」チカッ
真紅「紹介するわ。彼女はベリーベル。私の第二の人工精霊。この子には常に貴女を監視させてもらったわ」
166 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:39:06.04 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「桃色の人工精霊……い、いつから?」
真紅「貴女と出会った後お部屋で密会した時から」
マミ「み、密会?」
真紅「貴女は隠し通せていたつもりでしょうけど、貴女が水銀燈のマスターであることは私は知ってたわ」
杏子「いつの間にお前は……」
マミ「真紅ちゃん、密会のこともだけど、暁美さんがローゼンメイデンのマスターだってこと、何で黙ってたの!?」
真紅「……あの夜のことは私だけに止めてある。他言しないと約束したからよ。……この通りマミ達にも他の姉妹にさえ黙っておいた」
真紅「これで少しでも私のことを信用してくれると嬉しいのだけれど?ほむら」
ほむら「…………水銀燈は知ってた?ベリーベル?……がいたことに」
水銀燈「まぁねぇ」
167 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:40:39.00 ID:XNk/ZdDc0
まどか「ほむらちゃん……何で、秘密にしてたの?」
さやか「そ、そうだ転校生!まどかはあんたを心配してんのに……こんな重大なことを隠すなんて!」プンスカ
ほむら「……まどかに契約するなと言っておきながら、私はちゃっかり二重契約しているなんて、格好がつかないもの……」
マミ「それだけじゃないんでしょ……?」
ほむら「……」
蒼星石「事情が……あるんだね」
真紅「格好だなんて、特別に力が強い水銀燈と契約した理由にならないわ。言ったらどうかしら?」
真紅「ベリーベルに監視させていたから、貴女が何のために行動していらのかは私にはある程度わかってる。でも今はその全ては内密にする」
真紅「貴女の口から話してあげなさい。みんな力になってくれるわ。この真紅が保証する。私は貴女の味方よ」
真紅「あと杏子は私の下僕だから貴女の味方するにあたって杏子に拒否権はないわ」
杏子「おい」
ほむら「…………戦力に……なるからよ」
マミ「……戦力?」
168 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:41:13.29 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「……ワルプルギスの夜が……見滝原に現れる……から」
杏子「!」
マミ「!」
さやか「え?何それ」
まどか「もしかしてマミさんが前にチラッと話してた、あの伝説の……?」
杏子「……何故わかる?」
ほむら
(……どうしたものか。今、未来から来たと言って、信じてもらえるかどうか……。
仮に信じてもらったとしても何故戻ってきたのか聞かれるだろう。今それは話せない……。
真紅や水銀燈も知っているのだろうか?いや、その件ばかりは口にしていないから大丈夫……)
ほむら「……今は秘密」
杏子「手札を見せてくれたっていいだろ」
ほむら(言えるわけ……ないわ……今、巴マミは危うく絶望しかけた。こんな状況で話したら……)
マミ「……私、あなたに救われるまで、あなたのことを悪い人だと思ってた。でも……今は……その全てが演技だとしても、真紅ちゃんを買収していたとしても、暁美さんを信頼したくて仕方ないわ」
ほむら「……巴マミ」
169 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:41:40.56 ID:XNk/ZdDc0
マミ「フルネームで呼ばないでいいわよ?私、これからあなたの仲間になりたい……いえ、なるわ!」マミンッ
蒼星石「君が言いたくないことは、今でなくとも、いつか話して欲しいな。今は秘密のままでいい……僕も、できる限り協力する」
さやか「こらーっ蒼星石!マスターの私を差し置いて何を言うか!とにかく転……ほ、ほむら!さやかちゃんも胸を貸すからね!」
杏子「……あたしも見滝原が好きになったから、滅ぼされるなんてごめんだよ。それにあんたとは気が合うからな」
真紅「杏子は私の下僕だから理由どうこう関係なく……」
杏子「あーはいはい……」
金糸雀「かしらかしらー」
まどか「みんな絆があれば、大丈夫だよ!私には……そんな力はないけど、私もほむらちゃんを支えたいよ!」
水銀燈「絆……はぁ、くっさい……。まあ、利害は一致しているし、私も利用できる限りさせてもらうからぁ」
さやか「きっと仁美も事情を話せばわかってくれるよね!……魔法少女のことは素質がないっぽいからさっぱりかもだけどさ」
真紅「翠星石は……聞くまでもないわね」
ほむら「あなた達……」
170 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:42:15.66 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「……ありがとう」
まどか「ほむらちゃん……」
QB「それで、結局どこでワルプスギルのことを知ったんだい?」
一同「!?」ザワッ
マミ「……キュゥべえ。あなた、いつから……」
QB「そうだね。君達が病室から白い茨で引きずり込まれたあたりからずっと近くで見てたね」
杏子「……ずっといたのかよ」
QB「うん。忙しそうだから黙ってたよ」
さやか「何でよ?!何でいるって言わなかったのさ」
QB「別に悪気はないよ。ベテランの魔法少女が二人もいるし、僕が説明するまでもないと思ってね」
QB「しかし雪華綺晶、か……彼女は一体何者なんだろうね」
QB「何にしても、僕も協力するよ。ほむら。一緒にワルプスギルを倒そうじゃないか」
水銀燈「目障りだわ。消えなさい。出ていかないとまたいじめるわよ」
QB「……やれやれ、わかったよ」キュップイ
ほむら「……(危うく気安く呼ぶなドグサレ淫獣野郎と口を滑らすとこだったわ)」
171 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:43:26.75 ID:XNk/ZdDc0
クー
まどか「あれ?何の音?」
マミ「佐倉さん。こういう時くらいお腹鳴らさないでよ……」
杏子「あたしじゃねぇよ」
ほむら「……私のよ」クー
さやか「え?……これって、お腹の虫?しかもほむらの?」
翠星石「空気の読めない腹の虫ですね」
ほむら「……///」クー
まどか(かわいい)
杏子「あたしもお腹減った」
172 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:44:04.13 ID:XNk/ZdDc0
――数日後の昼。学校の屋上
まどか「ほむらちゃん。さやかちゃん。仁美ちゃん。そしてマミさんとお昼ご飯を食べるよ!」
まどか「私以外全員ローゼンメイデンのマスターなもんだから、疎外感を感じるよ!」バーン
まどか「いいもん。ほむらちゃんとお弁当のおかずの交換ができるもん!」
マミ「あ、あの、クッキー焼いたんだけど、食べる?」
さやか「いいんですか!やったー!」モグモグサヤサヤ
まどか「わーい!」ハムハムマドマド
仁美「ですわー」モフモフヒトヒト
マミ「暁美さんもどう?」
ほむら「ええ、いただくわ」サクサクホムホム
マミ「ねぇ、放課後うちに寄っていかない?ケーキあるわよ」
173 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:44:59.03 ID:XNk/ZdDc0
マミ「あ、それとね、真紅ちゃんに美味しい紅茶の淹れ方を学んだから、ご馳走したいわ」
マミ「佐倉さんも金糸雀ちゃんもきっと喜ぶわ」
ほむら「……マミ。あなた、私に怒られたことを気にしてるでしょ」
マミ「うっ……」
ほむら「そんなに気を使わなくていいのよ。もし私の能力がたまたま時の干渉でなくて、あなたと同じ立場にあったら、まどかを救えなかったかもしれないわ」
ほむら「だから本気であなたを怒れやしない(……ある意味時を止める能力は必然だけど)」
マミ「……あ、あれで本気で怒ってなかったの?」プルプル
ほむら「……あなた、誰かに怒られたことある?」
マミ「……と、とにかくうちに来ないかしら?手作りのマドレーヌもあるわよ」
仁美「折角のご厚意ですが……習い事ですわ」
ほむら「用事があるわ」
マミ「そう……」
さやか「あの、あたしも今日も無理です。恭介のとこに行こうかな、と」
マミ「そう……。大変だったものね……。やっぱり、私達も行きましょうか?」
さやか「それには及びませんっ!」
まどか「ここんとこ毎日上条君のとこに行ってるね」
さやか「お?まどか?妬いてるのかい?ん〜?」
まどか「ありえないよ!」
174 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:46:20.90 ID:XNk/ZdDc0
さやか「お、おう……そんなはっきり言われるとさやかちゃんでもちょっと傷心……」
ほむら「ふふ、残念ね」クス
まどか「あ」
さやか「お、やったね」グッ
ほむら「え?」
さやか「ついにほむらの笑顔を見れた!」
ほむら「は?」
マミ「暁美さんの笑顔が見てみたいって美樹さんボヤいてたものね」
さやか「まどかがめっちゃかわいいと豪語するほむらスマイルが見れて……余は満足じゃ!」
仁美「普段クールな方ですから、とても新鮮ですわ」
ほむら「……まどか?」ジト…
まどか「ウェ、ウェヒヒ///」
175 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:47:19.63 ID:XNk/ZdDc0
真紅「学校へ行っているほむら宅を借りて、第二回、薔薇乙女会議を始めるのだわ」
真紅「第一回は私と金糸雀だけだったからろくに話せなかったけど、今回は五人なのだわ」
翠星石「イメージと違って案外生活感あるですね」
水銀燈「初めて来た時はインスタントか栄養調整食くらいしかなかったわよ。私のおかげね」
金糸雀「それにしても水銀燈ったら、結構ほむらと仲良くしてるようかしら」
真紅「私も意外だけど、どうやら取引をして平等の立場になっているようだわ」
翠星石「水銀燈と対等……ほえーっ」
真紅「『余計な力を使わない』『ある程度の言うことを聞く』『余計なことを言わない』というほむらの条件に対して『力』と『食事』と『鞄を時限爆弾で破壊されない権利』という条件で……」
金糸雀「え、それって脅迫……」
水銀燈「…………」
真紅「ほむらの逆鱗に触れてしまったようね」
176 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:48:32.18 ID:XNk/ZdDc0
蒼星石「えっと……これがワルプルギスの夜の資料かな」ゴソゴソ
金糸雀「勝手に漁っちゃっていいのかしら」
水銀燈「いいわよ。私達に黙って魔法少女だけで会議しようとしたんだもの。いつの間にかマミが私をどう呼ぶべきかっていう議題になってたようだけど」
真紅「その話は聞いたわ。ローゼンメイデン抜きにそういう話はどうなのかという意見が出てそうなったのよね」
金糸雀「水銀燈ちゃんと呼ぶと水銀父ちゃんみたいになるとかなんとか」
翠星石「水銀お父様……」
蒼星石「Hgパパ……」
金糸雀「で、紆余曲折の末『銀ちゃん』に落ち着いたのかしら」
水銀燈「…………」ムカムカ
真紅「さて、銀ちゃん。話を進めるわよ。まずはワルプルギスの夜の資料を見ましょう」
水銀燈「あんたら全員潰す」
177 :
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[saga]:2012/06/11(月) 00:49:11.57 ID:XNk/ZdDc0
水銀燈「でも羽根を散らかしたらほむらが怒るし許してあげる」
翠星石「……」
蒼星石「この辺りの地理が無知の状態だから、こんな初見の地図を眺めてもよくわからないね」
真紅「仕方ないわ。ワルプルギスの夜を倒す話はまた役者が揃ってからするとして……」
真紅「各自この世界について何かわかったことはあるかしら?」
翠星石「蒼星石とnのフィールドを探したですが、収穫はなしです」
金糸雀「白薔薇の花びら一枚もなく、雪華綺晶も今のとこ動きはないかしら」
水銀燈「平行線ね……」
178 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:49:38.37 ID:XNk/ZdDc0
真紅「新情報がない以上話しようがないわ。次」
真紅「キュゥべえに対する意識調査をまとめたわ」
翠星石「正直言ってあいつはうさんくさいですぅ」
真紅「キュゥべえが見えない仁美以外に何気なく尋ねさせたものをまとめたわ」
真紅「ほむらは『嫌悪』ね」
水銀燈「聞くまでもないわね」
真紅「マミは『好感』で杏子『無関心』……杏子は本当にどうでもよさそうだったわ」
真紅「さやかは『どちらとも言えない』……まどかは『どちらとも言えないが、強いて言えば不信』という結果なのだわ」
翠星石「まどかはほむらを信頼してるからその影響を感じられますぅ」
真紅「そしてドール達は満場一致で『ウザい』……と」
QB「わけがわからないよ」
179 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:50:07.84 ID:XNk/ZdDc0
真紅「……少女達の集会に乱入だなんて、無粋なやつね」
水銀燈「魔法少女極秘会議後に乱入して、ろくに話し合いができなかったほむらに八つ当たりされてたわ。だから今度は私が……」
QB「何故ワルプルギスのことをほむらが知ってるかと思ったんだけど、酷い目にあったよ。……君達は何か知らないかい?」
金糸雀「……そろそろ解散の時間かしら」
蒼星石「僕は家に帰ってさやかと出かけるんだ」
翠星石「私も帰るですぅ」
QB「無視かい。やれやれだ」
真紅「この通りよ。話すことは何もないし、話も聞きたくないの」
QB「君達に嫌われる覚えはないのに……。ほむらの入れ知恵かい?」
水銀燈「ラプラスの魔みたいで苛立つのよあんた」
QB「ラプラスの魔……?」
真紅「そうね。顔が白くで目が赤くて何でも知っていながら濁したり秘密にしたがりなところとか似てるわ」
QB「やだなぁ、秘密だなんて……。でも、嫌われているなら僕はさっさと帰るよ」ピョン
180 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:50:45.91 ID:XNk/ZdDc0
――病院
上条「……………………」(腿の上に置かれたバイオリンを見つめている)
さやか(恭介がこんな落ち込んでるとこはみんなにゃ見せられないからなぁ)
上条「……………………」
さやか「えっと……体調はどう?恭介……」
上条「さやか……。……うん」
蒼星石「体力も戻ってきたし、雪華綺晶の影響はもうないと言えるね」
さやか(蒼星石が連れてってほしいと言うのでつれてきた次第であります)
さやか「大丈夫だよ。恭介……。雪華綺晶に取り憑かれたこと、誰も攻められないもん」
上条「……さやか。……僕……腕が動いたんだよ」
さやか「え?」
上条「さやかも見ただろ?僕の腕が動いたのを。聴いただろう?僕は、このバイオリンを弾いたんだ。目の前のバイオリンが再び音を奏でたんだ」
さやか「う、うん」
上条「正直、うれしかったよ……幸せだったよ。あの時は僕、もう全てを失ってもいいとさえ思ったんだ……」
さやか「きょ、恭介……?」
上条「確かに雪華綺晶っていうのは酷いやつなのかもしれない、けど、あの時の僕にとっては本当に天使に見えたんだ。奇跡を起こした女神に見えていたんだ」
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:51:48.36 ID:XNk/ZdDc0
さやか「……」
上条
「でも、また動かない今に逆戻り。医者からも絶望的だと言われていたのに、奇跡だとか魔法だとか神の力だとか言われたけどさ。
僕からすれば、一瞬だけ希望を見せてから叩き落とされているんだよ。さらに深く冷たいどん底に落とされる前兆だったんだよ」
さやか「恭介……」
上条「二度目はないよ……奇跡は、二度も起こらないんだ……。だから、二度と、僕は、このバイオリンは弾けないと思う……」
さやか「きっ、奇跡も魔法もあるんだよ!」
さやか「あ、あのさ!真紅は昔、腕をもぎ取られたことがあったんだって。でも、ジャンだかジョンだかって人が元通……」
上条「そんなの……」
さやか「え?」
上条「そんなのたかが人形の話じゃないかッ!!」
さやか「ッ!?」
上条「僕は人間なんだッ!『直』るじゃなくて『治』るなんだよ!さやかは僕を看病ごっこのための人形だとでも言うのかい!?」ガタッ
さやか「きょうす……お、落ち着いてっ」
ガシャンッ
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:52:25.69 ID:XNk/ZdDc0
さやか「ほ、ほら……バイオリンが落ちて……」
上条「拾うなッ!」
さやか「ッ!?」
上条「もうそんな物はいらないんだよ!!弾けないバイオリンなんかもうゴミ同然なんだよッ!」
上条「これ以上僕に惨めな思いをさせないでくれよッ!僕を苛めないでくれよさやかッ!!」
さやか「…………」
上条「ハァ……ハァ……」
さやか「……バカ」
上条「……?」
さやか「……恭介のバカッ!!」
さやか「私は恭介の演奏がまた聴きたいのっ!腕が治ったって、また聴けるんだって思った時、あたしがどう思ったか想像できるッ!?」
さやか「もう知らない!バカ恭介!勝手に絶望でもなんでもしちゃいなさいよ!!」ダッ
ガタンッ
上条「…………」
上条「…………はは、やっと、静かになった」
上条「……君は追わなくていいのかい?」
蒼星石「僕は……待ち合わせしてるから」
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:52:59.81 ID:XNk/ZdDc0
コンコン
上条「……窓?」
翠星石「開けるです」コンコン
上条(あの鞄飛ぶんだ……)
蒼星石「待ってたよ。翠星石」カチャリ
翠星石「仁美が帰ってこなくて退屈で仕方ないですぅ」ストッ…
翠星石「……?バイオリンが落っこちてるですぅ」
上条「はは……さやかには困ったよ。こんなものに……」
翠星石「……!ま、まさか……」
蒼星石「かくかくしかじか……という訳なんだ」
上条「全部その通りさ……バイオリンなんかもういらないんだ。見ているだけで気が滅入る……」
翠星石「人間……!」ギリッ
蒼星石「翠星石。上条君は今、戸惑っているだけなんだ。冷静になって」
翠星石「……お前なんかのために力は使いたくないですが、仕方ねえです」プイッ
上条「……?何をする気だい?」
翠星石「今から眠ってもらうですぅ」
上条「え?そ、そんな急に言われても…………あ、言われてみれば……眠くなってきた」
蒼星石「ごめんよ。君が飲んでたその飲み物に睡眠薬を混ぜたんだ」
上条「すい……みんやく……?」
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:53:35.98 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「ほむっ」
翠星石「そこのドヤ顔乙女がお薬の提供者ですぅ」
ほむら(別にドヤ顔してるつもりは……)
上条「え……暁美さ……いつの間……に……ぐぅ」
ほむら「大丈夫よ。割と強力だけど危ない薬ではないわ」ファサ
翠星石「それじゃ、夢を開くですよー」ポワァ
ほむら「その靄……」
蒼星石「これのことかい?これは彼の夢への扉だよ。……ほむらはこれを見るのは二度目になるのかな」
ほむら「そうなるわね」
翠星石「私達双子は人の夢こそホームグラウンドですぅ」
ほむら「魔女の気配はなし……この前みたいなことはなさそうね」
蒼星石「これは純粋に彼の心……。だから、覗かないであげてね。見られたくない記憶とかもあるはずだから」
ほむら「ええ」
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:54:05.89 ID:XNk/ZdDc0
――上条恭介の夢の中
上条「う〜ん……あれ?ここは……」
翠星石「ほらほら、さっさと起きるですぅ」ゲシゲシ
上条「痛い痛いっ……ってあれ?腕が動く……!?あ、脚も……」
蒼星石「夢だからね」
上条「夢……」
翠星石「何を言ってるのかって感じですね。早い話が、ここはお前の心です」
蒼星石「とにかくついてきて。見せたいものがある」
上条「所詮は夢……か。君達も僕に希望だけ見せようっていう腹なのかい?」
蒼星石「そういうのいいから、早く来て」
上条「怒っているのかい?」
蒼星石「別に。でも、僕も人並みに苛立つことはあるんだ」
上条「……」
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:54:38.16 ID:XNk/ZdDc0
翠星石「これを見るですぅ」サッ
上条「な、なんだい……これは。ものすごく大きな……樹?いや、樹の幹?」
蒼星石「違うよ。僕の足下の方」
上条「え?あ……何だい?この歪な形で萎れかけてる小さな樹は……」
翠星石「このチビ樹はお前自身ですぅ」
上条「……え?」
蒼星石「誰でも夢の中のどこかで樹を育てているんだ」
翠星石「夢見主が樹となって枝葉を伸ばしその過程で心が創られるのです」
上条「えーっと……、つまり、この小さい樹が僕の心ってことかい」
翠星石「そうですぅ。だけどこの樹は……」
蒼星石「水や栄養、日光は浴びているのに……たくさんの他の苗が絡みついて成長を妨げているんだ」
上条「成長を……?」
蒼星石「心の壁とか、悩みのようなものがまとわりついて、心の成長を邪魔している……ということだね」
翠星石「だからこそチビなのですぅ」
蒼星石「チビなんだね」
上条「揃ってチビチビ言わないでよ!」
187 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:55:10.98 ID:XNk/ZdDc0
上条「そもそもその小さい樹が僕の心だっていう根拠はあるのかい?そこの巨木じゃ……」
翠星石「これは世界樹の一枝がお前の夢にチラリズムしているに過ぎないのです」
上条「世界樹……?」
蒼星石「あの樹を辿れば世界の根源があるとされている……。思えばこんな所からでも見られるなんて珍しいことなのかもしれないね」
翠星石「そんな訳でお前の樹はこのしみったれたチビ樹でありますぅ」プークスクス
上条(くっ……!なんだこの悪夢は……!)
蒼星石「翠星石。そろそろ……」
翠星石「はいですぅ。……スィドリーム」
パァッ
上条「如雨露……?」
翠星石「私の如雨露を満たしておくれ、甘ぁいお水で満たしておくれ」キラキラ
翠星石「健やかにぃ〜伸びやかにぃ〜。緑の葉っぱをキラキラ広げて……!」パラパラ
上条「き、樹が……、何だか、元気に……!こ、この感覚……!」
上条(な、何だろう。この感じ……。もの凄く、懐かしいような、温かいというか……)
蒼星石「そして僕の庭師の鋏で草を切って、心の障壁を取り除いてあげるんだ」チョキチョキ
188 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:55:52.67 ID:XNk/ZdDc0
蒼星石「まあ、こんなところかな」
翠星石「ちょっと残ってるですよ?」
蒼星石「いいんだ。樹と言っても人の心だからね」
蒼星石「逆に栄養を奪い取るくらいに力強くなってもらわないと」
上条「そ、そうは言われても……」
蒼星石「別に手を抜いたとか、僕のさやかを泣かせたからだとか、そういう理由ではない。ただ、全部は取り払わない」
翠星石「ぼ、『僕の』さやかってどういうことですかーっ!?」
蒼星石「え……僕とさやかは契約してることくらい……」
翠星石「語弊がありますぅ!」
蒼星石「ごめんよ。さて、戻ろうか」
上条「う、うん……」
189 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:56:26.10 ID:XNk/ZdDc0
――病院
上条「戻ったんだね……」
翠星石「ふ〜……やれやれですぅ」
蒼星石「それじゃあ、僕達は先に失礼するよ。マスターが待ってる」ピュー
翠星石「あばよです」ピュー
ほむら「ええ」
ほむら(窓から鞄が飛んでいく様は実にシュールね)
ほむら「……さて、と。おかえりなさい」
上条「た、ただいま……」
ほむら「ここで聞くけど、どう?さやかを追い出した気分は」
上条「……」
上条(あの時の、温かい感覚って……)
190 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:56:59.80 ID:XNk/ZdDc0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さやか「恭介!リンゴ剥いたげる!」
さやか「……あれ?……えっと……うん?」サリッショ、ショショッ…サリリッ
さやか「皮ごと食べた方が、栄養も繊維もあるんだよ!」
上条「えぇ……」
さやか「授業のノートを見せてあげよう」パララッ
上条「……読めない」
さやか「寝そうになると文字ってイトミミズみたいになるよね」
上条「…………」
さやか「カレーパン食べていい?」
上条「パン粉がポロポロと!ポロポロと!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
上条(そうだ……さやか……)
191 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:57:26.22 ID:XNk/ZdDc0
上条「自己嫌悪しかないよ……」
上条「僕は、翠星石に水をかけられてわかったんだ……」
ほむら(水をかけられて?)
上条「あの懐かしい、温かい感じは……さやかがいたからこそだったって……気がついたんだ」
上条「さやかは、いつだって僕を支えてくれた……!」
上条「暁美さん。僕は、もう二度と挫けない。雪華綺晶の魔法よりも、自分自身の奇跡を今度こそ信じたい……!」
上条「そのためにも……そのためにも僕には……さやかが必要なんだ……!」
上条「さやかに謝りたい……!」
192 :
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[sage]:2012/06/11(月) 00:57:49.08 ID:VabqLbTDO
無理せずにな
期待してるから
193 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 00:58:00.52 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「……それは私に言うことじゃないでしょう?」
上条「そ、そうだね……」
ほむら「まあ……そうね。私はあなたの演奏は聴いてないから、また奇跡とやらが起こるよう、私も祈るわ」
上条「うん……ありがとう」
ほむら「もう一度聞くけど、反省してる?」
上条「勿論。……さやかだけじゃなくても、雪華綺晶の件でみんなにも迷惑をかけてるし……申し訳ないと思ってる」
ほむら「反省しているなら、それでまあいいでしょう。……これ、拾ってあげるわ」ヒョイ
上条「……ありがとう。それと、差し支えなければ……頼まれて欲しいことが……」
ほむら「……?」
194 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:00:05.18 ID:XNk/ZdDc0
さやか「恭介のばかちん!」プップクプー
まどか「さやかちゃん……」
まどか(何があったのか知らないけど……上条君と何かあったんだね)
さやか「……ねえ、そういえば、雪華綺晶はどうしてまどかを狙ったのかな」
まどか「え……?あ、そうだね……。ローゼンメイデンと契約してないから……かな?」
さやか「女の子じゃなきゃ駄目ってこともないみたいだし、それこそ恭介で済む話だし……いや、済まされないけどさ」
QB「まどかが類希ない素質を持っているからじゃないかな」ピョコン
まどか「キュゥべえ!?」
さやか「おわっ!神出鬼没なんだよあんたは!」
QB「ローゼンメイデンが何者なのかはわからないから推測でしかないけど、まどかの潜在的な力に惹かれたんだと、僕は思うな」
まどか「私の……?」
195 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:00:44.47 ID:XNk/ZdDc0
QB「まどか。言わなかったけど君には、魔法少女としてはこれ以上ないくらいに優秀な素質があるんだ」
さやか「まどかが……」
QB「寄生という表現を使うなら、宿主はより優秀な方がいいに決まってるからね」
さやか「ふぅーん……?」
QB「ところで二人とも。願い事は決まったかい?」
まどか「……(ほむらちゃんは危険だから魔法少女になっちゃだめって言われてるし……)」
さやか「……(……恭介の腕……か)」
QB「さやか。君は確か幼なじみの腕を治すという候補があったね。あれから考えてくれたかい?」
さやか「……恭介なんか知らん!」
QB「わけがわからないよ」
仁美「ワカメ〜ワカメ〜」フラフラ
まどか「あれ?仁美ちゃんだ」
さやか「ほんとだ。おーい仁美〜。こんな時間にどーした〜?」
仁美「素敵な場所へいくのですわ〜〜」
まどか「え?素敵なとこ?」
仁美「お二人もいかがですか〜〜」
さやか「ふーん。仁美オススメ秘密クラブ……。私らも行ってみようか!……気晴らしになるかも」
196 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:01:18.71 ID:XNk/ZdDc0
\ジサツージサツーシューダンジサツー/\ワカメー/
まどか「ふぅ、何かよくわからないけど集団自殺を食い止めたよ!」ハフー
さやか「危ないところだった。魔女の口づけに気付くのが少しでも遅れていたら死んでいたぜ……」フィー
魔女「(・∀・)」
さやか「」
まどか「」
さやか「魔女の結界だああああああああ!」グニャァ…
まどか「うわああああああん!」グニャァ…
さやか「ど、ど、どうする?!どうする!?」
まどか「と、取りあえず隠れようよ!逃げようよ!」
魔女「(゚3゚)ノ」
さやか「あ、だめだやべぇ」
QB「まどか、さやか。今こそ契約する時だ!」
さやか「!」
QB「残念だけど、魔法少女でない二人じゃ、ここにいたって殺されてしまう。死なないためには戦うことだよ!」
まどか「え、で、でも……!」
197 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:02:02.44 ID:XNk/ZdDc0
QB「このまま守られる立場のままでいいのかい?君もそろそろ力を持たないと、またあの時のように魔女に襲われ、ほむらにケガを負わすような事態になる」
まどか「!」
QB「君が無力であるが故に、悩む所があるんじゃないかい。ほむらからワルプルギスの夜の話を聞いた時、君は……」
まどか「……」
QB「ワルプルギスの夜に戦力的に協力したい。力になりたい。……そう考えたんじゃないかい?」
さやか「……」
QB「さあ、まどか、さやか。急に願い事だなんて戸惑うだろう。でも、マミのように助かりたいと願うだけでもいい。とにかく戦うカを手に入れないと、死んでしまうよ」
QB「さあ早く!僕と契約して魔法少女になってよ!」
さやか「……きゅ、キュゥべえ。あ、あたし……」
まどか「……」
198 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:02:30.21 ID:XNk/ZdDc0
「その必要はないよ」
QB「!」
翠星石「やいやいそこの小汚い白チビ!人の足下見やがって!ですぅ」スタッ
蒼星石「マスターが帰ってこないから探してたんだけど、こんなとこにいたんだね」スタッ
さやか「蒼星石!それに翠星石まで!」
蒼星石「さやかもまどかも無力なんかじゃないよ。さあさやか。また僕に力を!」
さやか「蒼星石……!」
翠星石「まどかは、何というか……こう……。……え、えぇい!守られることに引け目に感じてる場合じゃないです!黙って守られるです!」
まどか「う、うん……?」
魔女「(・ω<)v☆」
蒼星石「……ぱそこんってやつだね。この姿は」
翠星石「ジュンが常日頃にらめっこしてる箱ですね。差詰めヒッキーの魔女というとこですね」
魔女「( ` 3´)」
翠星石「ぎゃあ!こっちきたです!」
QB(危なくなったら彼女達も引き合いに出して交渉を迫ってみようかな)キュップイ
蒼星石「魔女が出てきたんだ。すぐに誰かしら来てくれるだろう」
翠星石「それまではこの伝説のスーパー双子姉妹のコンビが相手するですぅ!」
199 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:02:59.82 ID:XNk/ZdDc0
蒼星石「レンピカ!」
さやか「そういえば翠星石はまだ仁美と契約は……」
翠星石「スィドリィーーーーーム!」
まどか「如雨露?」
翠星石「伸びやかにぃぃぃぃ!!」
ズオッ バシィッ
使い魔「」
魔女「^^;」
翠星石「をーっほっほっほ!翠星石が本気を出せばちょちょいのちょいのすけですぅ!」シュルシュル
まどか「地面から何か……あれは……ツタ?」
翠星石「スイーツ魔女の一件から仁美は翠星石との契約に踏み切ったのですぅ!皆の衆ぅ!翠星石の真の力を見て戦き崇めるがいいですぅ!!」
スルルルシュルッバシッバシッ
翠星石「仁美の唇は翠星石が貰ったです!」
さやか「!?」
蒼星石「語弊があるよ」
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:03:27.84 ID:XNk/ZdDc0
魔女「(´;ω;`)」ギチギチ
翠星石「ふふん!私がツタで魔女を取り押さえて逃がさないですよぉ!」ギリギリ
蒼星石「僕は魔法少女が来てくれるまでさやか達を狙う使い魔を倒してるよ」ジャキジャキ
さやか「ををぅっ、指が熱いよぉ」
まどか「魔女を束縛して、使い魔を手際よく退治する様は最強に見えるよ!」
QB(やれやれ……少しくらい苦戦してくれないと困る。蔦ごときになぎ払われる使い魔も束縛される魔女もどうかと思うよ)
「でも決定打がないわね」
さやか「!」
まどか「その声は!」
ほむら「RPG-7」バシュッ
魔女「(゚д゚)」チュドーン
ほむら「ほむ……。確かに、ちょちょいのちょいのすけね」ファサ
201 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:05:32.32 ID:XNk/ZdDc0
翠星石「おいしいとこ持ってかれた気分ですぅ」
蒼星石「別にこれでいいんだよ」
ほむら「さて、と……みんな無事かしら?」
まどか「ほむらちゃん!怖かったよぉ!」ギュゥ
ほむら「い、いきなり抱きつくだなんて、随分怖い思いをしたのね……よしよし」ナデナデ
まどか「ウェヒィ……///」
さやか「怖かったよぉー!!」
ほむら「うるさい」
さやか「ひどい」
ほむら「冗談よ」ナデナデ
さやか「お、おぉう……これはこれで気持ち悪いな」
ほむら「……」ペシペシ
さやか「チョップしないでちょ」
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:06:04.62 ID:XNk/ZdDc0
まどか「ほむらちゃん……。……ごめんね」
ほむら「……まどか?どうしたの?」
まどか「わたし……キュゥべえと契約したいって思っちゃった……」
ほむら「え……」
まどか「わたし、ドジでのろまだから……ほむらちゃんに迷惑かけてばっかりで……今回だって、また助けてもらっちゃって……」
まどか「ワルプルギスの夜ってのを倒すのに……協力したいって、ほむらちゃんの力になりたいって……」
さやか「あたしも……魔女からまどかを守ろうと思って……さっき契約しかけた……」
ほむら「二人とも……」
ほむら「……汚い手を使うわね。キュゥべえ」
QB「僕はただ、まどか達を思って言っただけなんだ。ローゼンメイデンが来なかったら、確実に二人は死んでいたんだよ」
蒼星石「実際に来たから、なかったら、なんてことは言えないんじゃないかな」
翠星石「はい論破。ですぅ」
QB「やれやれ」
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/11(月) 01:06:53.42 ID:pNwnAeG9o
追加ありか
最初から見たほうがよさげね
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:07:04.31 ID:XNk/ZdDc0
まどか「……あれ?ちょっと待って?」
さやか「魔女は……倒したんだよね?」キョロキョロ
ほむら「ッ!?」
ほむら「ど、どういうこと!?魔女の結界が消えていない!?」
QB「そんな馬鹿な。魔女は確かに死んだよ。ほら、グリーフシードだって落ちているじゃないか」
翠星石「……気を抜いちゃだめですよ」
蒼星石「君は、一体何が目的なんだい?こんなところにまで……」
「…………ウフ」
まどか「あ……ああ……!(若干のトラウマ……!)」
蒼星石「雪華綺晶!」
翠星石「しつこいやろーですッ!」
雪華綺晶「…………」トコトコ
ほむら「下がって。ここは私が」スッ
蒼星石「待って!ほむら」
ほむら「……何かしら」
蒼星石「多分、いや、間違いなく雪華綺晶には何をしても無駄だよ」
翠星石「そ、蒼星石?」
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:07:30.93 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「……悪いけど、盾から出した以上はもう、体が条件反射で使ってしまうの――」カチャ
ほむら「そしてこれはマイブームのサブマシンガン」
ほむら「耳を塞いでみんな!」クイッ
QB「手が早いね」
ガガガガガガガガガ――!
翠星石「いやー!うるさいですー!」
まどか「あわわわわわわわわわ」
蒼星石「……」
雪華綺晶「……」
ほむら「――ふぅ。カードリッジ一本分撃ち尽くしたわ」
さやか「や、やったか?!」
雪華綺晶「…………」ニコ
ほむら「銃弾が効いてない……!?」
まどか「す、すり抜けたように見えたよ……?」
雪華綺晶「私は、ローゼンメイデン第七ドール。雪華綺晶……」トコトコ
雪華綺晶「マドカ……私と契約して下さい」
まどか「……え?わたし……?」
雪華綺晶「そうですわ。貴女は私のマスターになっていただきたいのですわ」
ほむら「まどかに近づかないで!」チャッ
QB「そうだよ。まどかは僕と契約するべきなんだよ」
ほむら「うっさい退け」ゲシッ
QB「わぁ」
さやか「お菓子の時魔女を狙ったのって……契約のため……?」
蒼星石「ほむら。君達は雪華綺晶に触ることすらできないと思う」
ほむら「え……」
翠星石「と、とにかくここは私たちが相手するです!」
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:08:24.94 ID:XNk/ZdDc0
雪華綺晶「庭師のお姉様達、私の邪魔をしな……
「どきなさいッ!」
ドバァッ
雪華綺晶「!」
ほむら「黒い羽根……!?水銀燈!」
水銀燈「チッ、あの末妹……また逃げたわ」スタッ
蒼星石「……また君に助けられたね。水銀燈」
水銀燈「助けた?何を抜かしてんのよ」
まどか「あっ、結界が消えた……」
ほむら「雪華綺晶も……消えた……」
グニャァ
ほむら「魔女が消えるよりも雪華綺晶が消えたことがフラグとなって魔女の結界が解除された」
ほむら「……という点も気になるけれど、今はそれより」
ほむら「私の火器が、何故すり抜けたのか、触ることができないと言うのか、説明して欲しいわ」
水銀燈「いいわ。私が説明してあげる」
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:08:53.67 ID:XNk/ZdDc0
水銀燈「まず、雪華綺晶には元々、ボディはなかった。アストラル……要するに幽霊みたいなものなのよ」
さやか「幽霊?」
水銀燈
「究極の少女、アリスになるためには体は不要なのでは、というお父様の考えの下に、雪華綺晶が作られた。
しかし雪華綺晶は体を求めた。だからこそ、雛苺のボディを奪いエーテル体となった……。
エーテル体は私達と同じで、銃弾のような物理的な干渉を受けるわ……要は実体があるということ」
まどか「ボ、ボディを奪うって……!」
ほむら「実体……」
水銀燈
「雛苺のボディを奪い、取り憑いた雪華綺晶は、何故かはわからないけど現在そのボディを放棄している。
今の雪華綺晶は魔女あるいは魔女の結界に取り憑いて動く悪霊か何かだと想像してもらえればわかりやすいわ。
そして幽霊ドールに干渉できるのは、ローゼンメイデンである私達のみ。だから銃器は無駄という訳よ」
まどか「えっと……」
蒼星石「お菓子の魔女の時を思い出して。ほむらのあの爆弾に巻き込まれないわけがないのに、また無傷の姿で現れただろう?」
ほむら「えぇ……」
蒼星石「nのフィールドでしか姿を維持できない魔女の幽霊に過ぎなかった。だから爆発という干渉を受けなかったんだ」
水銀燈「雪華綺晶は、寄生虫のように宿主を選び、その者から力を奪って生きている。そして今、雪華綺晶は未契約ドール」
水銀燈「宿主を魔女、今の言動からするにまどかをマスターにしたいようね」
まどか「わ、私を?……どうして?」
水銀燈「そんなの知らないわよ」
翠星石「……何故わざわざチビ苺のボディから抜け出しているのですか?」
水銀燈「そんなの知らないわよ。とにかく、今の雪華綺晶にはボディがなくて、まどかを狙っているってことがようやくわかったわ」
ほむら「ようやく……?そう。nのフィールドをずっと回って調べていたのね。私の力を無駄遣いしてまで……」
水銀燈「うるさいわね」
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:09:19.58 ID:XNk/ZdDc0
さやか「……」ジー
水銀燈「……なによ」
さやか「いや……こうやって見てみれば高級な猫みたいだなって」
水銀燈「三枚に卸すわよ」
さやか「こ、怖ぇよ……」
仁美「う〜ん……あら……?ここはどこですの?」
仁美「あ、翠星石さん」
翠星石「全く、何やってたのですか!」
仁美「す、すいません……よくわかんないですけど……あっ、みなさ〜ん」トテトテ
209 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:10:19.04 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「ああ、さやか。卸される前に一つ伝言」
さやか「死んでも卸されてたまるか……。で、何?」
仁美「よくわからないけど迷惑おかけまし……」
ほむら「上条恭介が今晩大切なお話があるそうよ」
さやか「……!恭介が……?」
仁美「!」
ほむら「詳しいことは蒼星石に聞いて頂戴」
さやか「……う、うん」
仁美「……」
まどか「あ、仁美ちゃん。気が付いたんだね」
仁美「え、ええ……。その……私、どうしたんでしょう」
蒼星石「魔女の襲われていたんだよ」
仁美「魔女と言いますと……この前翠星石さんが話してた……何だかよくわからない何かですね」
仁美「にわかには信じがたいのですが……記憶が部分的に吹っ飛んでまして……」
ほむら「この世界には不思議だらけなのよ。ローゼンメイデンとか魔法とか」
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:10:45.42 ID:XNk/ZdDc0
さやか「あれ?そういやキュゥべえは?」
仁美「?」
まどか「仁美ちゃんには見えないんだったね。……変だね。さっきまでいたのにね?」
翠星石「どうでもいいですぅ」
ほむら「そうね。さて……そろそろ解散しましょう。送っていくわ。まどか」
まどか「ウェヒ……ありがとう///」テレテレ
蒼星石「さあ、帰ろうか」
さやか「うん、帰ろうっか」
仁美「ですわー」
ほむら「あ、水銀燈も一緒に帰る?」
水銀燈「馬っ鹿じゃないの」
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:11:13.51 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「じゃあ先に帰ってて。帰ったらすぐに夕飯にするから」
水銀燈「要らないから用意しなくていいって言うのに……」
ほむら「そうは言うけど用意すればちゃんと食べはするわよね。いつも食べたことを覚られないように勝手に片付けるけど」
水銀燈「よ、余計な貸しを作らないためよ。食べて貰えなかったって拗ねられても困るし」
ほむら「ええ、拗ねるわ」
まどか「拗ねたほむらちゃん……ちょっと想像できないな……」
翠星石(食器をお片づけする水銀燈の方が想像できないです……)
ほむら「たまには一緒に食べましょうよ。冷めたご飯を食べるのは寂しいものよ」
水銀燈「フン」
ほむら「ちゃっかり電子レンジ使うくらいならできたてを食べた方が……」
水銀燈「フ、フン……私の勝手でしょう」
蒼星石「……」
翠星石「……」
水銀燈「そこ!こっちを見ない!」ギロッ
まどか(ほむらちゃんの手作りが食べられるだなんてなんと羨ましいことか、と思ってしまうのでした)
212 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:11:40.08 ID:XNk/ZdDc0
――さやかroom
さやか「恭介が、大事な話……か」
さやか「……恭介ェ」ジワッ
さやか「……めそめそ。めそめそ……涙が出ちゃう。女の子だもん」ゴシゴシ
さやか「……ウジウジしてても仕方ないかっ!」
蒼星石「さやか」
さやか「あ、うん。蒼星石……あたしはどうすればいいの?電話?」
蒼星石「ううん。なんてこともないよ。ベッドに横になってもらえれば」
さやか「え?う、うん」ポフッ
蒼星石「それじゃ、おやすみ」
さやか「え、おやす……?……すぅ」ポゥ
蒼星石「夢の中へ、ね」
213 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:12:20.88 ID:XNk/ZdDc0
――夢の世界
さやか『…………どこ?ここ』
蒼星石「夢の中だよ」
さやか『ゆ、夢!?』
蒼星石「僕と翠星石は人の夢の世界を司る……と言えば聞こえがいいかな」
蒼星石「夢の世界……。お菓子の時や、ぱそこんの時みたいな世界、魔女の結界というものとちょっと似てるけど、全く違う」
蒼星石「nのフィールドの一部で、今は僕と翠星石の……仮の世界と言おうか。今は誰にも干渉されない精神の世界」
さやか『よくわからんけど……ここに恭介がいるの?』
蒼星石「うん。でも、ちょっと歩こうか」
214 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:12:47.32 ID:XNk/ZdDc0
さやか『何だか……天国にいるみたい』
蒼星石「この世界で迷子になったら現実でいうところの植物人間みたいな存在になるから、天国という表現も的を射てる」
さやか『怖えよぉ……』
さやか『ね、ねえ……蒼星石。恭介は……あたしに何の用なのかな』
蒼星石「マスターと言えど、それは僕の口からは言えないよ」
さやか『大切な話って言うと……やっぱり、謝罪かな』
さやか『それならほむらに伝言させればいいのに』
蒼星石「直接言いたいんだよ。……夢だけど」
さやか『電話を使えば……いや、病院だもんなぁ……』
さやか『でも何を言われたところで所詮は夢なんだよね』
蒼星石「さやかが思ってる夢とは違うんだよ……そうじゃなかったら僕達の存在意義が……」
「お〜い、ですぅ〜」
215 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:13:27.04 ID:XNk/ZdDc0
蒼星石「翠星石。ごめんよ、遅くなって」
翠星石「今きたとこですか?さやか」
翠星石「ほれ、さっさと来いです。レディーを待たせるなです。チビ樹人間」
上条『ゆ、夢の中とはいえ、こんなに歩くなんて……奇妙な気分だよ』
さやか『あ……恭介』
上条『……さやか』
蒼星石「それじゃあ後はお二人で」
翠星石「しっかりやるですよ」
さやか『あっ、ちょっと……!』
蒼星石「大丈夫だよ。話が終わったら迎えにくるから」
上条『……』
さやか『恭介……』
216 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:14:00.98 ID:XNk/ZdDc0
上条『翠星石に頼んで、病院から歩いてきたんだ……多分、歩いてきたんだ』
さやか『……な、何か変だね。夢で会うなんて……』
上条『は、はは……そうだね』
さやか『……』
上条『……』
さやか『……恭介?』
上条『えっと……その、さやか……悪いね。こんな遅くに。夜遅くに病院から電話するわけにもいかなかったから』
さやか『あ、あはは!いいっていいって!』
上条『……えっと、ごめん!』バッ
さやか『あ、あはは!もう気にしてないよ!私こそ、ビックリして逃げ出しちゃって……お、面をあげぃ』
上条『僕は、さやかにまた酷いことをしてしまった……!』
さやか『……だ、だから気にしないでって!恭介だってナーバスにもなるよ!人間だもの!』
上条『さやか。それだけじゃないんだ』
スッ
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:14:28.74 ID:XNk/ZdDc0
さやか『え……?』
上条『ちょっと、僕の手を握ってみてくれないかい?』
さやか『え///……ちょ、ちょっと!いっ、いきなりそんなこと……///』
上条『さやか』
さやか『う、うぃ……』
ギュッ
さやか(夢だけど……温かい///)
上条『やっぱりだ……』
さやか『え?』
上条『少しだけ、僕の話を聞いてくれるかい?』
さやか『……恭介?』
さやか『……え、えっと、いつまで握ってんの///』
上条『もう少し』
さやか『ちょ、ちょっと///』
218 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:15:08.67 ID:XNk/ZdDc0
上条『……僕は、ここ数日で、この世には奇跡も魔法もあるんだってことを学んだんだ』
上条『僕の腕が動いて、またバイオリンを自分の手で鳴らせた時、これは、奇跡なんだ。と思ったんだ』
上条『だけど、僕の腕が動いたのは、あの白い人形による、魔法だった。……つまり、僕の腕に起きたのは、奇跡じゃなかったんだ』
上条『それで……今日、僕はあの双子の人形に、救ってもらったんだ。腕じゃなくて……その、心……と言うか……』
上条『何というか、温かかったんだよ。心が。……あの二人が、僕の心を治してくれたんだ』
上条『その温もりと……さやかが、似ていることに、初めて気が付いた』
さやか『あたしと……?』
上条『今までは僕はさやかを異性としてだなんて考えたことなんかなかった……。正直、ありえないとさえ思った』
上条『けど、何て言うか……その……。さやかは、無意識の内に僕の心の支えになっていたみたいだったんだ』
上条『それで、現実の世界で、まだ起きていない、僕の腕が動くという奇跡……。僕はそれに期待している』
上条『今にして思えば、あの双子に出会えたこと……そもそもさやかと出会えたこと事態が奇跡なんだと思う』
上条『奇跡のさやかといれば、それができる気がするんだ。……だから、さやか。これからも、僕を支えて欲しい』
上条『バイオリンのためにじゃなくて、現実の世界で、さやかの手を、握れるように……ああ、だめだ。言葉が上手く出てこないよ』キュッ
219 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:15:43.26 ID:XNk/ZdDc0
さやか『…………恭介?あの……そ、それって、さ……。こ、このミラクルさやかちゃんにプロポーズしてるの?』
上条『あの二人がいなければ僕はこの気持ちに一生気付かなかったと思う……』
さやか『あ、あはは!ま、ま、ま、回りくどいこと言っちゃって、恭介も隅に置けないなぁ!』
さやか『それに……その、すっごい恥ずかしいよ!くっさいよ。歯がガッタガタに浮くよ……///』
上条『そ、そうかい……?一生懸命考えたのに……』
さやか『…………こ、こういうのはさ、何て言うか、男らしく……その……す、好き///……って、……い、言っちまいなよ!』
さやか『はっはっは……。なぁんちゃって……』
上条『それは現実の世界で言わせてほしい』
さやか『……ッ!』
上条『だって、夢だから……』
さやか『…………』
さやか『…………うぅ』ジワッ
上条『その……さやかの答えは……いつでもいい。僕はどんな答えでも受け入れるし、待って欲しいと言うならいつまでも待つ。だから……』
上条『僕は、後悔したくない。さやかにも僕の看病したことを後悔させたくないんだ。だから……』
さやか『ひぐっ……えぐ……うぇっ……恭介ぇ……』ポロポロ
上条『……泣いているのかい?』
さやか『み、見てわかるでしょ……っ!えぐっ……泣いて……ウクッ、なんか、ないよっ……ひぐっ」
220 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:16:17.97 ID:XNk/ZdDc0
さやか『……そんなこと、よりっ……お、お土産……持ってくよ?何か欲しいのある?』グシグシ
上条『……そうだな。さやかが持っていくのをためらった、僕のために選んでくれたCDを持ってきて欲しいな』
さやか『うん……うん……』
上条『手、そろそろ、離してもらっても……』
さやか『もう少し……』ギゥ…
蒼星石「///」
翠星石「そ、蒼星石にはまだ早いのですぅ///」
蒼星石「そ、そうだね……あの、そろそろ迎えに、いこっか?」
221 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:16:50.46 ID:XNk/ZdDc0
――仁美家
翠星石「…………帰った、ですよ」
仁美「うえぇぇ……」シクシク
翠星石(何か泣いてるですぅ。ヒッキー魔女の一件でですぅ?)
仁美「うぅぅ……」エグエグ
仁美「……」
仁美「……ですわぁっ!!」ガタッ
翠星石「ぎゃあ!」
仁美「……あら?帰ってらしたの?」
翠星石「それはないだろーが!びっくりしたじゃねーか!なのですぅ!」
仁美「あの……どうでした?あの二人……」
翠星石「なっ!?何のことですかぁ?」
222 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:17:23.43 ID:XNk/ZdDc0
仁美「……わかってるんですよ?あのお二方のことです」
翠星石「…………告ったですぅ」
仁美「そう……よかった。おめでたいですわ」
翠星石「えっと……その、あの人間とさやかの仲は、私達が後押ししたからだと思うです」
翠星石「もし、私達が勝手なことしなければ、あの人間はさやかを異性として見れないままだったと思いますぅ」
翠星石「さやかの性格からすると……きっと、一歩踏み出せないままいつまでもウジウジウジウジ足利尊氏してたです」
翠星石「そういう意味では……その……」
翠星石「……失恋は終わったです?」
仁美「はい!」
翠星石「そ、そうですか」
223 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:18:15.97 ID:XNk/ZdDc0
仁美
「私……上条君のこと……お慕いしておりました。でも、美樹さんは上条君に好意を抱いていたはずでしたので美樹さんに対して二人の間に、
割り込むみたいで少々気が引けていたのです。いつか美樹さんに上条君に好意を伝える猶予を与えて宣戦布告することを考えていていましたわ。
いつからか美樹さんの顔を見ただけで気まずく思ったのですが、今回の一件のおかげで完全に吹っ切ることができましたわ。
だからこれからは、本心から裏表なく美樹さんを接せますわ。私はまだ中学生なのだから恋愛なんてこれから先、何度だってできますわ!
私も足を一歩、踏み出さなくてはですわ!明日へ向けて!明るい未来を目指して!オーッ!ですわ!」
翠星石「お、おう……」
翠星石「結局さやかにも恭介にも仁美の気持ちをカミングアウトしてないのだから独り相撲ですよね」
仁美「……」
翠星石「あ、いえ……な、何でもないです」
仁美「……ありがとうございますですわ。翠星石さん」
翠星石「ありがとう……?」
仁美「上条君に美樹さんの気持ちが伝わって、上条君はご自身の気持ちに気が付いた。それ以上ないお手柄なのですわ」
翠星石「仁美……」
仁美「親友と恋した殿方の幸せを願うのは、当然ですもの!」
224 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:18:54.83 ID:XNk/ZdDc0
――翌日
さやか「おはようで候」
仁美「おはやうですわ」
ほむら「さやか。昨晩の夢の内容を二〇文字以内に晒しなさい」ヒソヒソ
さやか「んなっ……そ、そんなん言えるわけ……///」
ほむら「一言でいいわ」
さやか「うぅ……///仁美が見てるよぅ……///」
仁美「?」
ほむら「せめてあなたがどう思ったか教えなさい」
さやか「……ちょ、ちょっと臭いとこあった……かな?///」
ほむら「どこがよ。どこが臭かったのよ」
さやか「や、やけに食い下がるな……」
ほむら(あの告白……一部、私が監修したとこがあるのよ。それが今朝になってものすごく恥ずかしくなったから変じゃなかったか聞きたいのよ……///)
225 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:19:23.13 ID:XNk/ZdDc0
さやか「そうだな……いきなり手を繋いでくれとか言ってさぁ……///」
ほむら「ほむっ」コツン
さやか「痛っ!何で!?」
ほむら「そういえばまどかはまだ来てな……と思ったら来たわ」
まどか「ごめ〜ん、待った?」パタパタ
ほむら「おはよう。まどか。寝坊かしら?」
まどか「はぁ、はぁ……、ちょ、ちょっと、眠れなくて」
ほむら(昨日のことを気にしてたのかしら……)
仁美「そんなに急いじゃって。息が切れてますわよ」
まどか「ウ、ウェヒッ。みんなと一緒に行きたいんだよっ」
さやか「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」
226 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:20:35.82 ID:XNk/ZdDc0
まどか「……はぁ」
ほむら「どうしたのまどか?寝不足だけじゃないわよね」
まどか「ウェヒ……さすがほむらちゃんにはお見通しだね……」
ほむら「言ってご覧なさい。何でも相談に乗るわ」ファサ
まどか「うん。……わたし……寂しいの」
ほむら「え?」
まどか「わたしってさ……魔法少女でもなければローゼンメイデンのマスターでもない」
まどか「ほむらちゃんやマミさんは勿論……杏子ちゃん。さやかちゃんや仁美ちゃんにまで、遠くに感じちゃうんだ」
ほむら「まどか……」
まどか「翠星石ちゃんは、守られるのに負い目を感じるなって言ってくれたんだけどさ……頭ではわかってても心が辛いの。わたしもみんなの力になりたい……」
ほむら「……」
まどか「わたしの知らないところでほむらちゃんがケガしてるだなんて……耐えられないよ」
ほむら「……大丈夫よ。まどか。あなたが気にする必要なんて何もない。あなたはあなたでいればいいの。でも、ありがとう。私は、あなたのそんな優しいところが好きよ」
まどか「えっ……///」ドキッ
ほむら「まどかはまどかでいて頂戴。自分を犠牲にしようだとか責任があるだとか、考えないで」
まどか「う、うん……」
ほむら(……そうね。そう言えばまどかだけ指輪を着けてないのよね。きっと寂しいんだわ)
227 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:21:09.63 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「そうだわ。じゃあ今度まどかに指輪をプレゼントするわ」
まどか「ほ、ほむらちゃんの指輪っ///」
ほむら「どんな指輪が好きかしら?」
まどか「ほむらちゃん、そ、それってやっぱり……」マドマド
ほむら「何かしら」
まどか「く、薬指に///」チラッ
ほむら「あら、ローゼンメイデンの方に憧れていたのね」
まどか「え?」
ほむら「魔法少女に憧れてたものだから中指にと思ったのだけど」
まどか「……ごめん、やっぱいいや」
ほむら「そ、そう……?」
まどか(ほむらちゃんのおバカ……)
まどか(……ハァ。私も何か欲しいな――)
228 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:21:53.14 ID:XNk/ZdDc0
仁美「美樹さん」ヒソヒソ
さやか「ん?どしたの仁美」
仁美「小声でお願いしますわ……実は私、上条君のことをお慕いしておりましていたの」
さやか「え……」
仁美「いつか、美樹さんと宣戦布告をしようと考えておりました」
さやか「そ、それって……」
仁美「でも、踏ん切りがつきました」
さやか「ふ、踏ん切り?」
仁美「美樹さん。おめでとうございます」
さやか「お、おう……///」
仁美「そ、それでなんですが、その……、こんな思いを一方的に抱いていた私ですが、できれば、これからも仲良く……してほし……」
さやか「な、な〜んだ!恭介は美少女二人にモテていたのか!……す、隅に置けないなー!」
仁美「あ、あの……」
229 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:22:23.99 ID:XNk/ZdDc0
さやか「何を改まってんのさ!仁美は私の親友なんだから、気にすることはないんだよ!」
仁美「美樹さん……。上条君とお幸せに」ジーン
ほむら「感嘆符を使うような大声だしたらそりゃ筒抜けになるわよ」
まどか「おめでとうさやかちゃん!」
さやか「あ、あぅ……///」
仁美「うふふ」
仁美「友情を再認識したところで、放課後寄り道いたしませんか?」
さやか「あれ?でもたしか今日は習い事が……」
仁美「実は、昨日の自殺の件の独り言と、部屋で泣いていた時の声を聞れてしまったのです。そこで何故だか習い事の一部を親公認でおサボりを認めてもらいましたのよ」
さやか「oh...」
230 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:23:04.27 ID:XNk/ZdDc0
――数日後
ほむら(ときめき美樹さやかも攻略した……これでさやかの魔法少女化を防いだと言っていい)
ほむら(ワルプルギスへの共闘だって結んだ。後の山場と言えば……魔法少女の真実と私の時間遡行について……)
ほむら(私の話はさておき、魔法少女の真実は一番空気を取り乱す。慎重にならざるをえない。かと言ってキュゥべえがいつそのことをリークするかわからないから前者はいつまでも秘密にできない)
ほむら(今の段階で断定できることは少ないけど、これなら……この時間軸なら……)
ほむら(そして、今、気になることは……)
先生「えーと、鹿目さんは……体調不良で欠席」
さやか「まどかどうしたんだろう……。メールまだ返ってこないや」
仁美「風邪でも拗らせて、メールさえもうてないのでしょうか……」
ほむら(まどかがいないと、こんなにも寂しい)
231 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:23:31.38 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「変ね……。昨日はそんな兆候全くなかったのに……」
さやか「体調なんていつ崩れるかわからないもんね」
先生「暁美さん、志筑さん、美樹さん。ちょっといいかしら」
三人「あ、はい」
先生「あのね、落ち着いて聞いてくれる?」
仁美「何でしょうか……」
先生「今朝、鹿目さんが病院へ搬送されたわ」
ほむら「え……?まどかが……病院……?」
232 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 01:25:21.61 ID:XNk/ZdDc0
移動前のVIPで書いた場面まで行きたかったのですが、体力と時間の都合上、今夜は休むことにします。
お休みなさいませ。
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/06/11(月) 01:31:04.08 ID:bYWxaLzoo
お疲れ様。
234 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/06/11(月) 01:35:10.07 ID:tBDpS++So
乙ー
VIPから着いてきてよかった
235 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/06/11(月) 02:00:54.77 ID:g8SVYqqso
乙
待ってるぞ
236 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/11(月) 02:08:48.77 ID:YNcduStIO
しっかり休んで続き書いてくれよー
237 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2012/06/11(月) 02:40:56.75 ID:3fcT9Y8AO
ところで真紅って だわじゃなくてなのだわ口調じゃなかった?
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/06/11(月) 08:52:40.61 ID:L9yIGLHNo
真紅はあんまり口調意識しすぎると変になるから、雛苺の「〜の」「〜なの」と翠星石の「〜です」さえ押さえておけばあとは感じた通りに書けば
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 08:56:56.64 ID:XNk/ZdDc0
先生「……ええ、あなた達三人はいつも一緒にいるから言っておこうかと」
先生「今朝から何やら様子が変みたいで……」
さやか「…………そうですか」
先生「いつも一緒にいるから、あなた達に話しておいたんだけど……昨日何かあったりとか……ない?」
仁美「何か……?」
先生「頭を打ったとか、ショックになるようなこととか……」
さやか「いえ、全く……」
仁美「あの、先生。鹿目さんは……」
先生「安静にしているみたい……。私も詳しいことは聞いてないから何とも言えなくて」
ほむら「…………」
ほむら(まどか……ずっと、あの時のことを気にしてたけど……)
ほむら(まさか……夢の中で雪華綺晶と……)
240 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 08:58:11.60 ID:XNk/ZdDc0
――休み時間
ほむら「私、早退するわ」
さやか「え……まさかあんた」
ほむら「大丈夫。顔色の悪さには自信があるわ」
マミ「血色いいじゃない」
ほむら(くっ、水銀燈へのエネルギー対策のほむ弁の弊害か……)
仁美「……何とか言いくるめますわ」
ほむら「ええ。ありがとう。では早速」タタッ
マミ「ええ、気をつけて」
さやか「……仁美から言いくるめるという言葉を聞くとは思わなんだ」
241 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 08:58:46.72 ID:XNk/ZdDc0
マミ「真紅ちゃん達に報告しなくちゃ……あ、でも佐倉さんは今見滝原にはいないのよね」
QB「なら僕が報告に行こう」
さやか「あ、キュゥべえ」
マミ「最近見なかったわね……」
QB「僕にも色々あるんだよ」
QB「それよりもまどかが倒れただなんて大変だ」
QB「ほむらはまどかの所へ行ったらしいけど、君達はどうするんだい」
マミ「放課後に病院へ行くわ」
さやか「……ほむらがバックれてまで行ったら、あたし達も今行かないといけない気がしますね」
マミ「暁美さんが特別なのよ。こんなに大事に思っているだなんて……」
マミ「とにかく、佐倉さんへの報告。お願いするわ」
QB「うん」ヒョーイ
仁美(何かしらこの疎外感)
242 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 08:59:20.02 ID:XNk/ZdDc0
――病院
ほむら「到着したわ」
ほむら「……まどか」ガチャ
詢子「お?」
ほむら「あ……」
詢子「ほむらちゃん……かい?」
ほむら「は、はい……(まどかのお母さん……)」
詢子「いつもまどかから聞いてるよ。かわいくてかっこいい友達だって。……ほほーう?」ミサダメ
ほむら「……は、はあ……。あの、まどかは……」
詢子「ん、この通りさ」
まどか「………スー………スー」
243 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:01:34.12 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「まどか……」
ほむら「あの……何があったんですか?頭を打ったとか……」
詢子「今朝、起こそうとしたんだけど、どうにも起きないもんだからさ……」
ほむら「急に、ですか」
詢子「ああ。本当に何をやっても起きなかったんだ。つねっても、大声で呼んでも。……それで、何かヤバイと思ってね……」
詢子「脳波とか何とかを調べても何の異常もなく、最終的な診断は『眠っているだけ』……だとさ。でも何をやっても起きやしない」
ほむら「…………」
詢子「眠ってるだけでも体力は消費するから点滴はしてるけど……、とにもかくにも、起きるのを待つしかないってさ」
詢子「嘘みたいだろ……?寝てるんだぜ?これ……。寝言も言うし寝汗もかくし寝返りだってうつ」
ほむら「そう……ですか」
244 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:02:02.53 ID:XNk/ZdDc0
詢子「……さて!息子を旦那に押しつけて仕事放っぽって来たけど、頼れるお友達が来たならもう大丈夫かなっ」
詢子「いや、待てよ?学校を放っぽってまで来る不良に娘を任せて大丈夫だろうか……」
ほむら「……」
詢子「いや、冗談だ。寝言に出る程の子だ……。まあ、後は任せる」ヒラヒラ
ほむら「え?……あ、はい」
詢子「叩き起こそうと乱暴するなよ?」
ほむら「あ、当たり前です」
詢子「もうやったからさ」
ほむら「…………」
ガラッ
245 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:02:33.04 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「……強い人ね」
ほむら「…………まどか」
まどか「……スー……ホム……チャ……」
ほむら「……なぁに?まどか?」
まどか「…………スゥ」
ほむら「……あ」
ほむら「まどかにデコピンされた跡が……」
246 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:03:15.22 ID:XNk/ZdDc0
真紅「第三回薔薇乙女緊急会議プラス杏子なのだわ」
杏子「急いで帰ってきたぜ……疲れた……」
金糸雀「お疲れさまかしら」
QB「僕もいるよ」
真紅「まどかはどう?」
蒼星石「……翠星石と病院に行ってみて夢の扉を開こうとしたけど……ダメだった」
真紅「そう……。今回のまどかの件、雪華綺晶が絡んでいると見て考えすぎということはないでしょうね」
翠星石「ヒッキー魔女以来ですぅ」
杏子「そんなまどかが欲しいかね」
QB「まどかは素質が――」
真紅「さて、これからの私達の行動を説明するのだわ」
247 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:04:04.30 ID:XNk/ZdDc0
真紅「まず翠星石と蒼星石は引き続き二人でnのフィールド探索、もといまどかの捜索を続けて頂戴」
翠星石「承知ですぅ」
真紅「水銀燈はまあ余計なことしない限りはテキトーに」
金糸雀「えぇー……水銀燈のはずいぶんアバウトかしら」
真紅「どうせ水銀燈が私の指示を素直に聞くわけないわ。ただ、言うなら今、ほむらは結構精神的に弱っているはず。なのでせめて力は使わないことよ」
水銀燈「はいはぁい」
杏子「あたしは?」
真紅「金糸雀と私はマスターと共に行動すること。つまり杏子は私と魔女狩りなのだわ」
真紅「ほむらにはまどかの看病に徹底してもらいましょう」
杏子「それがいいな。あたし『は』ってーと……マミは?」
金糸雀「マミは――」
248 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:04:37.79 ID:XNk/ZdDc0
杏子「それよりも、だ。朝からずっとここにいるらしいな」
ほむら「いるわ。朝からこの通りよ」
杏子「……まあ、なんだ。雪華綺晶の影響かも、ということだ」
ほむら「でしょうね。それかもしれないわね。でも……それなら今の私には干渉できない」
杏子「真紅達が何とかするさ。……それよか伝言な」
ほむら「何かしら」
杏子「まずはあたしから」
杏子「まどかが目ぇ覚ますまで、魔女はあたしと真紅が請け負うから、気にするなってなこった」
ほむら「……そう。ありがとう」
杏子「いいっていいって」
249 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:05:15.29 ID:XNk/ZdDc0
杏子「次は水銀燈から」
杏子「どうせ勝手に私の分の食事作るんでしょうね。でも今夜はいらないわぁ〜〜(裏声)」
ほむら「…………」
杏子「……わり」
ほむら「まどかの看病に徹しろってことね……。水銀燈……根は優しい子……」
ほむら「それで、魔女はあなたが請け負うそうだけど、マミはどうするの?」
杏子「んー、どうせここに来るだろうからそん時にな。それじゃ、あたしはもう帰るよ」ヒラヒラ
ほむら「え、ええ……」
杏子「おっと噂をすれば……って違ったよ」
250 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:05:47.70 ID:XNk/ZdDc0
さやか「可愛い女の子と思った?」
さやか「残念!さやかちゃーんでーしたー」
杏子「はぁ……」
さやか「溜め息つくな!軽くショックだわ!……って、杏子じゃん。おっす」
仁美「おっすですわ」
杏子「おっす。そしてもう帰るぜあばよ」スタスタ
さやか「えぇー……」
仁美「ごきげんようですわ」
ほむら「二人とも……授業は?」
さやか「もう放課後だよ?」
ほむら「え……?あ、本当……もうこんな時間……」
さやか「時間を忘れるほどに!?……お腹減ってない?」
ほむら「問題ないわ」
仁美「……あの、何か飲物をお持ちしますわ」トテテ
さやか「まどかのお見舞いのついでに恭介にも会っておくかねー……っと」
さやか「まーどかー。昨夜の夜十時に寝たとすれば一日の2/3以上寝てるぞこらー羨ましいぞー」プニプニ
251 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:06:28.64 ID:XNk/ZdDc0
まどか「…………ンゥ」
さやか「寝てる間にほむらに襲われるぞー」ツンツン
まどか「ムゥ……」
ほむら「まどか」ナデ
まどか「ティヒィ……」
さやか「可愛い寝顔だなぁ。あたしがチューしちゃうぞー」
まどか「…………」
ほむら「…………」
さやか「…………起きてないですよね」
ほむら「でも、そんな感じに多少の反応はあるし、頭を撫でると微笑んだりとするのよ」ナデ
まどか「…………ティヒィ」ニヘラ
さやか(ちょっと楽しそう……)
252 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:06:58.72 ID:XNk/ZdDc0
さやか「うーん……雪華綺晶め……」ブツブツ
QB「さやか。僕と契約すればまどかを目覚めさせることもできるよ」ヒョイ
さやか「あんたね……」
QB「急ぐべきだよ。まどかが雪華綺晶の手に落ちてしまえば、大きな損失だ」
さやか「あたしはねぇ、蒼星石達が何とかしてくれるって信じてるんだよ」
さやか「それに、あんたと契約はしないって決めたんだ」
ほむら「さやか……」
QB「どんな願いだって叶うんだよ。そんなチャンスを無下にしてはいけないと思うな」
さやか「後悔なんてあるわけない」グリグリ
QB「靴を押しつけないでおくれよ」
仁美「暁美さん。飲物をお持ちしましたわ」
ほむら「仁美……ありがとう」
仁美「顔色が悪いですわよ……今朝は良さそうでしたのに」
仁美「美樹さん。焦るお気持ちはわかりますが地団駄を踏むのははしたないですわ」
さやか「お、おう……そだね」ゲシゲシ
QB「やめてよー」
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:07:34.35 ID:XNk/ZdDc0
――――。
さやか「それじゃあ、ほむら、あたし達はこれで」
仁美「あの……無理をなさらずに」
ほむら「ええ。二人とも。また明日」
ガチャ
ほむら「…………」
ほむら「……まどか」
ほむら「…………起きてよぉ」
「ほらっ、いつまでもションボリしてないの」
ほむら「あっ」
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:08:37.24 ID:XNk/ZdDc0
マミ「お待たせ。暁美さん」
ほむら「……別に待ってないわよ」
マミ「目が赤いわよ」
ほむら「赤くないわ。カマかけないで」ファサ
マミ「う……」
ほむら「それで、何か用?」
マミ「用も何も……お見舞いよ」
ほむら「金糸雀を連れて?」
マミ「えぇ。カナちゃんを連れてきて夕食の食材を用意してたら美樹さん達とすれ違う形になったわ。残念」
金糸雀「ところで、まどかの精神はnのフィールドを迷子になってるのかしら」ガチャリ
ほむら「迷子?」
金糸雀「そこでカナ達が迎えに行くのかしら。マミも行くわ。媒介がそばにいた方がいい」
マミ「佐倉さんと真紅ちゃんは魔女を任せてるし、銀ちゃんには暁美さんの力を使わせたくない」
金糸雀「だからかしら。翠星石蒼星石もずっと探索しっぱなしでお疲れムードかしら」
ほむら「nのフィールドに……行くのね」
金糸雀「かしら」
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:09:08.27 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「なら私も行くわ」
マミ「だめよ」
ほむら「どうして」
マミ「あなたが離れたら誰が鹿目さんを見てるのよ。どうせ寝てるからいいか……って?」
ほむら「そ、そんなことは」
金糸雀「ほむらは今精神的に弱っているかしら。雪華綺晶にそこをつけ込まれたりでもしたら大変よ」
マミ「鹿目さんが寝ている間に雪華綺晶が現れないとは限らないものね」
ほむら「う……。ふ、不安だわ」ソワソワ
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:09:41.36 ID:XNk/ZdDc0
マミ「暁美さん。あなたはローゼンメイデンの力を見下しているのかしら?」フフンッ
ほむら「金糸雀のはちょっと……」
金糸雀「ひどいかしら!」
金糸雀「とっ、とにかくほむら!アレを出すかしら!」
マミ「あれ?」
金糸雀「真紅からのおつかいの品かしら」
ほむら「……仁美から粗大ゴミにする予定だった物をいただいたわ」スッ
トン
マミ「盾から姿見鏡を……色んなもの入れているのね」
金糸雀「上等上等♪」
金糸雀「それじゃあ、行ってくるかしらー」
マミ「鏡の中に入るなんて……す、すごいドキドキするわ!」
マミ(絶対に鹿目さんを救ってみせるわ!私に任せて!)
ほむら「……考えてることを言ってることが逆になってる気がするけど……任せるわ」
シュゥ…
ほむら「…………お願い。まどかを助けて」
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 09:11:34.73 ID:XNk/ZdDc0
取りあえずVIPの方で書けただけ書けました。
今はあまり時間がないのでこの程度でしつれいします。
続きはまた今夜にでも
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/06/11(月) 09:14:20.32 ID:L9yIGLHNo
まている
259 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/11(月) 11:13:36.86 ID:EHl3suqXo
よく頑張った
ここはなかなか落ちないから少しくらいペース落としても大丈夫だからな
260 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/11(月) 12:58:26.23 ID:YNcduStIO
落としてなんてあげないんだからねっ!
261 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/11(月) 15:05:17.98 ID:YNcduStIO
http://beebee2see.appspot.com/i/azuYzLnRBgw.jpg
262 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/06/11(月) 15:44:29.59 ID:9aRbRoEso
んなに頻繁に書き込まなくてもこの板は落ちねーよ
263 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/06/11(月) 16:15:44.49 ID:wTSB86Xjo
この板は保守がいらない
作者が二ヶ月書き込まなかったら落とされるぐらい
264 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/06/11(月) 16:54:18.77 ID:WzKZtOrv0
お、こっちにきてたのか!
向こうで規制されて支援できなかった分こっちでは支援するぜ!
265 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/11(月) 17:05:26.70 ID:EZ895pzAO
とりあえずみんなsageようぜ
SS速報でageていいのは書き手だけなのら
266 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/11(月) 19:59:42.34 ID:4Hqu8vIio
そんなルールないだろ
でも基本sageだな
267 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/06/11(月) 22:42:33.23 ID:bLS5yJVDo
別にどっちでもいいだろ
作者が来たかと間違えるとか言うやつは専ブラ使ってないのか
268 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 22:55:13.73 ID:XNk/ZdDc0
――nのフィールド
マミ「ここが鏡の世界?思ったよりも地味ね……」
金糸雀「……コホン、ここがnのフィールドよ」
マミ「そ、そう……ってあれ?私、いつのまに魔法少女の姿に?」
金糸雀「nのフィールドはその人の心のイメージが投影されるわ。マミにとっては魔法少女の巴マミがマミという人間なのよ」
マミ「……よくわからないけどイカしてるわ。何か自分がハッキリしてる!って感じね」
マミ「それで金糸雀ちゃん。どこへ行くの? あ、ちゃんとリボンも出せるわ」シュルッ
金糸雀「翠星石と蒼星石がまどかの意識の手がかりを見つけたかしら」
マミ「鹿目さんの!」
金糸雀「白薔薇の花びらを発見したかしら。だけど……」
マミ「だけど?」
金糸雀「……キュゥべえもいたかしら」
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 22:57:00.43 ID:XNk/ZdDc0
マミ「えぇ!?」
金糸雀「どこから来たのかわからないけど……。万が一魔法少女が関わっているのなら一般人をマスターとする二人よりも、私達が適任ということよ」
マミ「おかしいわね……ついさっき会ったはずなのに……キュゥべえは自由に入れるのかしら……」
金糸雀「自由に?それはないかしら……。でも、私もさっき会ったし……っていうかここにいるし」
QB「呼んだかい?」
マミ「キュゥべえ!どうしてここにいるの!?」
QB「それは僕が聞きたいよ。迎えに来てくれたんじゃないのかい?」
金糸雀「どういうことかしら……」
マミ「キュゥべえも雪華綺晶に捕らわれたか、ただの迷子だったってことのようね」
QB「うーん。そういうことになるのかな。僕もよくわからない内にここにいたんだ」
金糸雀「とにかくまどかを迎えにいくかしらー」
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:00:55.86 ID:XNk/ZdDc0
――
――――
「あの……まだ歩くんですか?」
「ええ、左様でございます」
「もう今朝からずっと歩いてるのに……」
「そうですね」
「パパにもママにもみんなにも心配させちゃってるよ……」
「それはそれは」
「どれだけ広いんですか?この世界は……」
「世界の果ては果てしないものです」
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/11(月) 23:01:41.31 ID:/BJmiy2mo
専ブラを強制するのも間違ってると思うが
何にしろ基本読者はsageとけば誰にも咎められないからおk
272 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:02:04.03 ID:XNk/ZdDc0
「ハァ……。ラプラスさん、この世界の果てっていうのはまだなんですか?」
ラプラスの魔「もう少し、ですよ」ピョン
まどか「ずっと前も同じこと言って……」
ラプラスの魔「退屈ですか?」
まどか「退屈というより……」
ラプラスの魔「お嬢さん。それではお伽噺でも……」
まどか「もうお腹一杯聞きました……」
ラプラスの魔「それは残念」
まどか「……あっ」
まどか「誰かに頭撫でられた……きっとほむらちゃんだ……///」マドマド
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:03:35.87 ID:XNk/ZdDc0
ラプラスの魔「さ、辿り着きましたよ」
まどか「え!?ほ、本当にもう少しだった……」
ラプラスの魔「お疲れさまです」
まどか「疲れた〜」ハフー
まどか「それで……ここはどこですか?」
ラプラスの魔「この世界と別の世界の境目とでも言いましょうか」
まどか「……?よくわからないけど、何でここにわたしを?」
ラプラスの魔「坊ちゃんからのお届け物を直接渡そうかと」
まどか「坊ちゃん?……もしかして真紅ちゃん達の内の誰かの元マスター?」
ラプラスの魔「元という表現とは少し異なりますが……その通りです」
ラプラスの魔「こちらになります」スッ
まどか「あ、あれ?……これって……」
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:08:25.98 ID:XNk/ZdDc0
まどか「このお届け物……わたしはこれをどうすればいいんですか?」
ラプラスの魔「時が来ればわかるかと」
まどか「そうは言っても……」
ラプラスの魔「さあ、帰りましょうか。元の世界へ……」
まどか「は、はい……」
パァッ…
まどか「あ、あれ?こんな所に扉なんて……。ラプラスさんの能力ですか」
ラプラスの魔「そのようなものです。さ、ちゃんとついてきてくださいね」ガチャリ
まどか「あ、はい」
ピシッ……
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:09:53.53 ID:XNk/ZdDc0
まどか「ピシ……?」
パリンッ
まどか「……パリン?」
ガシャンッ
まどか「うわっ!?ゆ、床が抜け……」
ズルッ
まどか「わひゃああああああああああっ!?」ヒュー
ラプラスの魔「やれやれ、ちゃんとついてきてくださいと言ったのに落下してしまうだなんて」
ラプラスの魔「ふむ。これはやっかい。いつから気付かれていたのやら」
276 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:10:31.11 ID:XNk/ZdDc0
「……」
まどか「う〜ん……」
まどか「あれ……?」キョロキョロ
まどか「ここはどこだろう……」
まどか「わたし、もしかしてこんな所で迷子に……?」
まどか「どうしよう……うぅ」ジワッ
まどか「……ぐすっ。ほむらちゃぁん……」
「……泣かないで」
まどか「……ん?誰?」
「泣かないで、マスター」
まどか「マス……え?」
「マスター……。私の仮世界へようこそ」
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:12:14.45 ID:XNk/ZdDc0
まどか「きっ、きらっ……!」
雪華綺晶「折角私を迎えに来ていらしてくれたのに……私、出かけなくちゃ……」スッ…
まどか「ひっ……!」
雪華綺晶「少し、お待ち下さい。お食事の時間ですので……」ナデッ
まどか「あっ……また……茨……が……」シュルッ
雪華綺晶「帰ったら……」
まどか「あ……」
雪華綺晶「私と契約してくださいまし」
まどか「…………」
まどか「………………うん」
雪華綺晶「右手にお持ちの『鞄』は、適当な場所に置いていてください」
まどか「うん……」
コトン
雪華綺晶「それでは、行ってきます」
まどか「うん……」
278 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:14:12.47 ID:XNk/ZdDc0
――魔女の結界
真紅「まどかが心配?」
杏子「そりゃあな」
真紅「でも、貴女は貴女がやることをやるのよ。金糸雀達を信じなさい」
杏子「信じてても心配するもんはすんだよ……っと」ベシッ
杏子「ほれ、魔女がお目見えだ」
真紅「油断してはだめよ」
杏子「それは勿論。だけど……さっきから何か妙な違和感があるんだが……」ポリポリ
真紅「違和感?」
杏子「うーん……。まあ行くか」
杏子(……あ、そういやほむらもいつぞやの薔薇推し魔女の時に違和感があったって言ってたな)
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:15:16.76 ID:XNk/ZdDc0
『――! ――! ――!』
杏子「なんだ……この声。魔女の声か?」
真紅「不愉快な声ね」
杏子「そうだな〜。お、あいつかな……」
魔女「――!〜〜〜〜っ! ――――!」バタバタ
杏子「え!?あ、あれが魔女か!?だ、だよなっ……」
真紅「……何よこれ。暴れて……いえ、悶えているわ」
杏子「……この声は……断末魔か?」
ビシッ…
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:17:02.59 ID:XNk/ZdDc0
魔女「」ブシッ
ブチャッ ズチュ
杏子「ひぃっ!魔女の体内から何か出た!」
真紅「魔女の体内から……白い触手?いえ、これは……茨!」
真紅(また雪華綺晶……!?)
魔女「!……!……!」ウジュルウジュル
ブシュッグチャリ
杏子「茨が……魔女を……襲ってる?」
雪華綺晶「…………」ポケーッ
真紅「雪華綺晶!」
雪華綺晶「……あら、お姉さま。ご機嫌はいかが」クルッ
雪華綺晶「ところで、ごめんなさい。今、私、食事中ですの」
真紅「しょ、食事……!?」
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:18:45.95 ID:XNk/ZdDc0
魔女「」ギリッ…
ポロッ
杏子「ま、魔女が……頭と思われる部分が……」クラッ
真紅「杏子!しっかりなさい!」
杏子「う、うえぇ……き、気持ちわりぃよぉ……」ヘタッ
雪華綺晶「ご馳走様……」フラフラ
真紅「雪華綺晶!待ちなさい!」ダッ
真紅「……ダメだわ。また、忽然といなくなっ……
「――ッ!」
真紅「ど、どうしたの?ホーリエ?ベリーベル?」
ホーリエ「――!」クルクル
ベリーベル「――!」ピュン
真紅「ちょ、ちょっと!待って!」
真紅(ついてこいと言うのね……!)
真紅「杏子!早くついてきなさ――
グニャッ……
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:20:16.49 ID:XNk/ZdDc0
杏子「はぁ……はぁ……。ま、魔女の結界が……う、うっぷす」
杏子「あれは……グロかったわ……茨なのか魔女なのかどろどろぐしゃぐしゃでわけがわからんことに……」
杏子「……あれ、真紅はどこ行ったんだ?」
杏子「魔女の結界はもう解けたし……その前にどっか走ってったよな……?」
杏子「……まさか、結界に取り残されたのか」
杏子「おいおい……まじかよ……。結界に取り残されるなんて聞いたことねーぞ……」
杏子「どうしろってんだよ……ほむらに聞いてみるか……?」
杏子「……ダメだ。ひとまず、帰ろう……。何つーか、疲れた……」
杏子「…………ハァ。こりゃしばらくは何も食えねぇな……」
QB「お疲れさま」ヒョイ
杏子「あ?今は、話しかけないでくれよ」
QB「ひどいな。……ところで、マミはnのフィールドとやらに行ってるんだよね」
杏子「ああ……」
QB「僕も行ってみたいなぁ。興味深いよ」
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:21:30.06 ID:XNk/ZdDc0
――雪華綺晶の世界
雪華綺晶「お待たせしましたわ……」フラッ
まどか「うん……」
雪華綺晶「お友達のシャルロッテやエリーがいなくなって、私、心とお腹がペコペコでしたの」
まどか「うん……」
雪華綺晶「私からお友達を奪ったのは誰ですか?」
まどか「ほむらちゃん……」
雪華綺晶「酷いですわ」
まどか「ほむらちゃん……酷い……」
雪華綺晶「貴女は指輪が欲しかったはずですわ」
まどか「うん……」
雪華綺晶「貴女のお友達は、あなたに偽物で満足しろと仰いましたわよね」
まどか「うん……」
雪華綺晶「酷いですわ」
まどか「ほむらちゃん……酷い……」
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:22:12.80 ID:XNk/ZdDc0
雪華綺晶「貴女が欲しいのは、誰からも認められる本物……。本当の力……」
まどか「うん……」
雪華綺晶「貴女が欲しいのは、中指?薬指?」
まどか「薬指……」
雪華綺晶「貴女が欲しいのは、本物?偽物?」
まどか「本物……」
雪華綺晶「貴女が欲しいのは、人形?人間?」
まどか「人形……」
雪華綺晶「貴女が欲しいのは、私?酷い人?」
まどか「きらきーちゃん……」
285 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:23:00.79 ID:XNk/ZdDc0
雪華綺晶「さあ、これは、私の指輪です」
まどか「うん……」
雪華綺晶「どうですか?」
まどか「うん……綺麗……」
雪華綺晶「貴女が欲しいのは、これ?別の?」
まどか「それ……」
雪華綺晶「では、私と契約してくれますか?」
まどか「うん……」
雪華綺晶「それでは、私の指輪を授けます」スッ
まどか「うん……」スッ
雪華綺晶「さあ、手に取って、左手の薬指に嵌めてください……」
まどか「うん……」
286 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:23:40.15 ID:XNk/ZdDc0
雪華綺晶「さあ、早く……」
まどか「…………」ジーッ
雪華綺晶「……どうしたのですか?」
まどか「開かない……」グッ
雪華綺晶「……何ですって?」
まどか「開かないの……左手が」グッグッ
雪華綺晶「どうして……?」
まどか「左手が開かないから、指輪、嵌められないよ……」
雪華綺晶「どうして……?」
まどか「どうして……?」
雪華綺晶「どうして……?」
シャッ
287 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:24:26.56 ID:XNk/ZdDc0
「鹿目さんッ!!」
シュルルッ バシィッ
まどか「あっ……」パシッ
雪華綺晶「!」
まどか「リボン……指輪が……」
マミ「鹿目さん!ハァ……大丈夫!?……ハァ」シュルッ
雪華綺晶「マスター……私の指輪を落とさないでください……」
まどか「……指輪……わたしの……」ポケーッ
まどか「どこ……?」キョロキョロ
金糸雀「雪華綺晶!いい加減しつこいかしら!!」
288 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:25:27.14 ID:XNk/ZdDc0
雪華綺晶「……また、私のマスターを奪いに来たのですね」
マミ「鹿目さんはあなたのマスターなんかじゃないわ!」カチャリ
マミ「食らいなさい!」ダンッ
金糸雀「追撃のカノン!」
雪華綺晶「…………」
ズアッ
バシッ
マミ「な、何よ……茨で壁を作ったわ……!」
マミ「それに……私のマスケット銃の弾が通り抜けたわ……」
雪華綺晶「食後の運動ですわ」クイッ
グオッ ドガッ
マミ「ゲフゥッ!?」ドンッ
金糸雀「あ!マ、マミが茨の束に殴られたかしら!」
マミ「ぐ……く……」ググッ
金糸雀「マミ!」
マミ「この程度……平気よ」
雪華綺晶「指輪……私の指輪……」キョロキョロ
マミ「ふふ……」
289 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:26:10.31 ID:XNk/ZdDc0
マミ「失せ物は、こちらかしら?」ヒョイ
雪華綺晶「!」
マミ「アストラル体のあなたに干渉できるのはローゼンメイデンだけ……暁美さんからの情報よ」フラッ
金糸雀「い、いつのまに雪華綺晶の指輪を……!」
マミ「私は鹿目さんが指輪を持っているとこを見て、そのまま鹿目さんからリボンで指輪を奪うことにしたわ」キリッ
雪華綺晶「返して!」
金糸雀「不意打ちで攻撃するよりはまだ良い方かしらっ」
マミ「全力投擲!!」ブンッ
雪華綺晶「私の指輪ー」フラフラ
まどか「私のー」モゾモゾ
マミ「キュゥべえ!」
QB「何だい?」
290 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:27:05.17 ID:XNk/ZdDc0
マミ「失せ物は、こちらかしら?」ヒョイ
雪華綺晶「!」
マミ「アストラル体のあなたに干渉できるのはローゼンメイデンだけ……暁美さんからの情報よ」フラッ
金糸雀「い、いつのまに雪華綺晶の指輪を……!」
マミ「私は鹿目さんが指輪を持っているとこを見て、そのまま鹿目さんからリボンで指輪を奪うことにしたわ」キリッ
雪華綺晶「返して!」
金糸雀「不意打ちで攻撃するよりはまだ良い方かしらっ」
マミ「全力投擲!!」ブンッ
雪華綺晶「私の指輪ー」フラフラ
まどか「私のー」モゾモゾ
マミ「キュゥべえ!」
QB「何だい?」
291 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:30:16.54 ID:XNk/ZdDc0
マミ「雪華綺晶を追って!それで時間を稼いで!」
QB「えっ、そんなこと言われても……」
マミ「お願い!私は鹿目さんを!」タッ
QB「要領を得ないなあ。説得でもしろと言うのかい」
QB「もう。どうしろというんだい」トテトテ
QB「しかし……まどかを助けるためだ。仕方ない。……ただ、どうすればいいんだい」トコトコ
QB(まどかを狙われては困るんだよね。折角素質があるのに……)
QB(何故か今は契約させられない、こんな所に迷子になる、雪華綺晶を何とかする……)
QB「今日は厄日ってやつなのかな」キュップイ
292 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:30:46.93 ID:XNk/ZdDc0
雪華綺晶「……私の指輪をこんなとこまで……。何て酷いの」ヒョイ
QB「やあ、雪華綺晶」
雪華綺晶「…………」
QB「えっと……僕と契約しようよ!」
雪華綺晶「…………マスター」スッ
QB「無視しないでよ。困ったな」ヒョイ
雪華綺晶「どいてくださる?」
QB「宇宙についてどう思う?」
雪華綺晶「…………」
QB「ああもう、待ってってば」ヒョイ
QB「仕方ないな。参ったな……話を聞いてよ」
QB「君にとってもいい話だと思うんだけど」
雪華綺晶「…………」
QB「あのだね……」
293 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:32:11.25 ID:XNk/ZdDc0
マミ「鹿目さん!鹿目さん!」ユサユサ
まどか「わたしの指輪……」
マミ「か、鹿目さん……雪華綺晶に操られているの?!
金糸雀「目にハイライトがないかしら……」
マミ「そういうのいいから」
金糸雀「この茨が原因かしら!?」
まどか「ほむらちゃん……酷い人……わたしも指輪……欲しい……」ブツブツ
マミ「ゆ、指輪?何を言って……と、とにかく目を覚まして!」
金糸雀「今茨を解くかしら」プチプチ
まどか「わたし、本物、ほむらちゃん、偽物、中指、薬指……」ブツブツ
金糸雀「解いたわ!しっかりするのかしら!」
マミ「鹿目さん!」ユサユサ
まどか「ほむほむほむ……」ブツブツ
真紅「私に任せるのだわ」
294 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:33:15.25 ID:XNk/ZdDc0
マミ「え!?」
金糸雀「真紅!?杏子と一緒にいたはずじゃあ……!」
真紅「話は後よ。……ねえ、まどか」
まどか「指輪……」
真紅「真紅が問うわ。貴女はほむらをどう思って?」
まどか「酷い人……」
真紅「何故?」
まどか「ほむらちゃん、きらきーちゃんのお友達殺した……。きらきーちゃん可哀想」
まどか「それに、わたし指輪欲しい。なのに……。ほむらちゃんはわたしには偽物がお似合いよって……」
真紅「絆ビンタッ!」ブンッ
バシィッ
まどか「マドッ?!」
マミ「殴っ――!?」
まどか「…………い」
295 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:33:47.62 ID:XNk/ZdDc0
まどか「いったぁ〜い!酷いよ真紅ちゃん!」スクッ
まどか「そんなのってないよ!!どうしてそんなこと…………って、あれ?」
まどか「え!?え!?何!?わたし何を……?どうしてみんながここに!?」
真紅「まどか、真紅が問うわ」
真紅「貴女が欲しい指輪は、薔薇の指輪?魔法少女の指輪?」
まどか「え……?」
真紅「それとも慰めか何かで渡される貴女の言う偽物?苗床にされるための罠?」
まどか「わたしは……」
真紅「まどかが欲しい指輪は?」
まどか「……ほむらちゃんがくれる指輪がいいっ!」
まどか「ほむらちゃんがくれるなら、偽物だろうと、玩具でも構わないよっ!」
真紅「よろしい」
マミ「貰えるんだったら薬指よね」ニヤニヤ
まどか「///」
296 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:35:23.33 ID:XNk/ZdDc0
金糸雀「あの……真紅。どうしてここに?」
マミ「あ、そうよ……確か佐倉さんと魔女を……」
真紅「そうなのよ。確かに魔女の結界にいたのだけど、雪華綺晶と人工精霊を追ってたらここに来たの」
ベリーベル「!」クルクル
金糸雀「魔女の結界……?ここはnのフィールドよ?」
真紅「……どうやらそのようね。どうやら魔女の結界とnのフィールドは繋がってるみたいだわ」
マミ「そ、そういうものなの?それで、佐倉さんは?」
真紅「はぐれたわ。多分杏子からすれば私は結界に閉じこめられたように見えたでしょう」
まどか「そ、それなら早く帰ってあげないとね!」
真紅「そうね……。それよりもまどか。さっきからずっと気になっていたのだけれど……」
真紅「その鞄は……何?」
金糸雀「こ、これって……やっぱり……」
マミ「……あ!そ、その前に雪華綺晶を何とかしなきゃ!」
QB「雪華綺晶なら帰ったよ」
297 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:35:55.45 ID:XNk/ZdDc0
マミ「キュゥべえ!」
真紅「!」
QB「なかなか話せる相手だったようで、今は分が悪いという旨を話したら帰っていったよ」
真紅「……た、たまには役にたつじゃない」
QB「それほどでも。まどかが無事で何よりだよ」
まどか「キュゥべえ……。ありがとう」
QB「いいよ。それで、何を話してたんだい?」
まどか「う、うん。この鞄なんだけど……わたしもよくわからないんだ……」
まどか「わたしね、夢でラプラスの魔って人に会ったの。そしたらその人が付いてこいって言うから……」
真紅「ラプラスの魔……!」
QB(ああ、いつだかに僕に似ていると言ってた……)
298 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:36:24.19 ID:XNk/ZdDc0
まどか「その時は気付かなかったんだけど、あの時からずっとわたしは現実世界?では眠っていたみたいで……」
マミ「そうよ。夜十時に寝てたとすればもう……二十時間近くは寝てたことになるかしら」
まどか「そ、そんなに寝てたんですかわたし……。え、えっと、話を続けると」
まどか「ラプラスさんが、届け物があるからって言ってついてったの。それで、この鞄を……」
まどか「その後何故だか地面が抜けて、ここ、雪華綺晶の仮世界ってとこに来てたの」
真紅「……まどか。落ち着いて聞いて頂戴」
まどか「うん?」
真紅「この鞄は……私達ローゼンメイデンの鞄よ」
まどか「えぇっ!?」
金糸雀「……しかも、この刻印は」
真紅「……」コクッ
299 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:36:59.72 ID:XNk/ZdDc0
マミ「…………開けましょう」
まどか「う、うん……あ、ごめんなさい。代わりに開けてくれますか」
マミ「え?どうして?」
まどか「あの……何でかわからないんですけど、左手が開かないんです」ググッ
マミ「……?まあ、とにかく開けるわね」カチャリ
まどか「……!」
真紅「……そ、そんなことって……」
マミ「これは……ローゼンメイデン?」
金糸雀「そ、そんな、考えられないかしら……!」
マミ「……もしかして、この子が……」
まどか「第六ドールちゃん……?」
QB「へぇ」
300 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:37:28.31 ID:XNk/ZdDc0
真紅「そうよ……この子は、第六ドール。雛苺。紛れもなく、雛苺よ……」
マミ「可愛いわぁ……。あれ、でも、第六ドールって……」
金糸雀「そう。雪華綺晶にボディを奪われているから……」
まどか「……取り返したの?」
金糸雀「無理よ。私達は何も……」
真紅(雪華綺晶はボディを元の世界に置いてこの世界に来ている……。だから、これは……)
QB「レプリカってことかい?」
まどか「レプリカ?」
真紅「えぇ。そうだわ……。このボディには本物の刻印がないわ。鞄は本物のようだけど」
金糸雀「発見!スカートの裏地に"JUN"って刺繍が入ってるかしら!」
マミ「じゅん?」
真紅「私の下僕だわ。つまりこれは……ジュンからの届け物……!」
301 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:39:24.53 ID:XNk/ZdDc0
ベリーベル「――!――!」クルクル
真紅「ベリーベルが喜んでいるわ。そうね……わざわざ送られてきたからには、目覚めさせろということに違いないわ」
QB「どうやってだい?」
真紅「私の体には、私の物と、雛苺の物の、二つのローザミスティカがあるのだわ」スッ
ポゥ…
QB「この小さい欠片がローザミスティカ……君達の動力源かい?」
真紅「そうよ。今からこのローザミスティカを本来の持ち主へと返還するのだわ」
まどか「あ……これ……!見たことある気がする」
真紅「何ですって?」
まどか「そっか……いつか夢で真紅ちゃんを見た気がするけど……雛苺ちゃんのこれのことだったんだね」
真紅「……? まあ、とにかく入れるわよ」
QB(あんな小さな欠片で魔女を取り押さえたりできるような力、が……)
スッ
QB「あっ、もうちょっとよく見せ……」
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:39:52.33 ID:XNk/ZdDc0
パァッ
ベリーベル「〜〜!〜〜!」ヒュンヒュン
雛苺「……………ぅぃ」
金糸雀「ヒナ!」
雛苺「……カナ?……それに真紅?」ムクリ
マミ「う、動いたわ……」
雛苺「うゆ……?だぁれ?どこぉ?」キョロキョロ
まどか「あ、わたしはまどか」
マミ「私はマミよ」
雛苺「まどか……マミ……」
真紅「ねえ、雛苺。貴女は……」
雛苺「…………」
真紅「雛苺?」
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:40:19.99 ID:XNk/ZdDc0
雛苺「…………眠いの」コックリ
まどか「あっ、寝ちゃった……」
真紅「……取りあえず、帰りましょう」パタン
金糸雀「そ、そうね……」
マミ「……どうやって帰るの?」
真紅「何とでもなるのだわ」
真紅「マミ。雛苺……もとい、鞄をお願いするわ」
マミ「えぇ」ヒョイ
まどか「あ、マミさん。わたしが持ちますよっ」
マミ「まだ左手は開かない?」
まどか「……はい」
マミ「なら私が持つわ」
まどか「でもマミさんケガして……」
マミ「ふふ、大丈夫よ。ありがとう」
まどか「す、すみません」
マミ「いいのよそれくらい……あら?キュゥべえは?」
まどか「あれ……?」
真紅「とにかく行くのだわ」
304 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:41:05.18 ID:XNk/ZdDc0
――――。
QB「よかった、君に会えて。雪華綺晶の後を追えば会えると思ったよ」
「ようこそ。鏡の世界へ」
QB「早速だけど君は何者だい?」
ラプラスの魔「名前とはモノの本質を示すに至らぬ些細なモノ……ですが、薔薇の少女達からは親しみを持ってラプラスの魔と呼ばれております」
QB「やっぱり君がそうかい。君と僕は似ているらしいから、会ってみたかったんだ」
ラプラスの魔「それは嬉しい。会いたいと思う客人の前に現れないなんて誰ができましょうか」
QB「まずここはどこなんだい。僕は魔女の結界にいたはずなんだ。そのままこんなとこにいた。それはどういうことなんだい」
ラプラスの魔「この世界はnのフィールド。それは、海より深く、海より広い……。この世のどこでもあり、どこでもない」
ラプラスの魔「nのフィールドは偶然にも、魔女の結界と似ている……いや、繋がっているようです。nのフィールドは人の精神と深い関わりがあるともないとも……」
ラプラスの魔「魔女の結界と人の精神……何か似ている。あなたはご存じないでしょうか」
QB「……そうだね。魔女はまだ人の部分があるのかもしれないね」
QB「ところで、僕達は少なくともこの星をこの星の誰より知っているつもりだった。けれど、ローゼンメイデンとは何者だい?彼女達は、ほむらが小さく見える程のイレギュラーだ」
ラプラスの魔「nのフィールドには数えることも諦める程の扉があります。そんな世界のある扉からこの場所に、私達はあなた達の知らない世界からの迷い人……」
ラプラスの魔「あなたはご存じでなかったようでしたが……あなたの世界は私や薔薇乙女達からしても特異に写っております。エッシャーの滝の水流が如く『繰り返して』おりました」
QB「……繰り返す?」
ラプラスの魔「好奇心の旺盛な白薔薇の少女はとの流れに飛び込んで、彼女達は末妹を追って、私は手荷物抱えて彼女達を追い、巻き込まれてしまった」
ラプラスの魔「兎を追う少女が異世界に巻き込まれるのでなく、少女を追って兎が……、ククッ、これではお伽噺とあべこべ……」
305 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:43:20.45 ID:XNk/ZdDc0
ラプラスの魔「その環の中心にいる時を統べる少女、さてさて一体どれだけの同じ世界を見たのでしょうか」
QB「時を……もしかして、ほむらのことかい?」
ラプラスの魔「さあどうでしょう」
QB「ほむら……繰り返す……。なるほど、時間遡行者か。同じ時間を繰り返していたというのであれば、ある程度辻褄が合う」
ラプラスの魔「時の少女が自ら水門と閉じる時、晴れて私達は元の世界に戻れるという物語。いやはや参ったものです」
ラプラスの魔「……物語繋がりでどうです?お伽噺でもお聞かせしましょうか」
QB「生憎僕にも仕事があるからね。それにフィクションには興味はない。とにかくここから出してほしいな」
ラプラスの魔「それは残念。それでは、お出口はこちらから……」カチャリ
QB「キュップィ」
――病院
スタッ
QB「おや?ここは病院じゃないか。それに……まどかにほむら」
QB「今はいつだろう。僕は一体……」
「どこへ行っていたんだい?」
306 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:43:53.62 ID:XNk/ZdDc0
QB「うん?」
「僕と同じ姿をしたものがいるってのは、実に奇妙だ」ヒョイ
QB「やあ。僕じゃないか」
QB「魔女を倒して帰る時、杏子と途中までだからと寄ってみれば……」
QB「それはご苦労様」
QB「鏡から出てきた僕。君は行方不明になって死んだと判断されたはずだ」
QB「そうかい。じゃあ僕は随分と長い迷子をしていたようだね。じゃ、僕はさしずめ旧べえだね」
QB「それで僕。どこへ行っていたんだい」
307 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:45:01.07 ID:XNk/ZdDc0
旧B「僕はハコの魔女の結界にいたら、何故だかそのままnのフィールドに迷い込んでしまってね」
QB「そっか。それであの魔女以来連絡が途絶えたわけだ」
旧B「向こうではラプラスの魔と話をしたり、ローザミスティカを直で見たり、まどかが雪華綺晶に襲われてたりね」
QB「ラプラスの魔とまどかの意識がなくなったことは知ってるよ。でもローザミスティカとは何かな」
旧B「それなら僕を食べるついでに記憶を同期するといい。僕は僕と違ってハコの魔女以降、こっちの世界での記憶は持ってないからね」
QB「それもそうだね。じゃ、いただくよ」
旧B「うん」
ムシャ
QB「ふぅん……ローゼンメイデンはそんな小さい欠片で動いているんだね。驚きだ」モッシャモッシャ
旧B「僕も驚いたよ。もしかしたら、新たなエネルギー資源に――」ブチッ
QB「なるほどね。僕も見てみたい……いや、見たね。もう一度よく見たいよ」クチャクチャ
旧B「そ――ほむ――しゃ――」ポリポリ
QB「なるほどね。へえ」ガツガツ
モグモグ ムシャムシャ ペロッ
308 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:45:46.69 ID:XNk/ZdDc0
「…………」
QB「キューップイ。僕を躍り食いするなんて初めてだよ」
QB「しかしローザミスティカか……」
QB「あんな小さい欠片があのローゼンメイデンを動かしていたんだね。ましてや魔女を取り込む雪華綺晶も同じ物を持っている……」
QB「何て燃費が良いんだ。素晴らしいよ」
QB「ローザミスティカ、もっとよく見てみたいな……。あの力なら、強大なエネルギーを作れるかも……」
「…………」
QB「おや……水銀燈。いたんだね。そしてそんな害虫の交尾でも見ているような目で見ないでくれるかい」
水銀燈「…………」ピクピク
QB「君達は人形だ。筋肉なんかないはずなのにどうして瞼を痙攣させられるんだい?」
QB「そんなことより、ローザミスティカのことだけど……僕は非常に関心がある。是非まじまじと見たいんだ」
水銀燈「…………見たいの?」
QB「うん。何とかしてくれないかな。新たなエネルギー開発のヒントになるかもしれない」
水銀燈「エネルギー?」
QB「お願いだ。じっくりと見せておくれ」
水銀と「…………まあいいわ。考えておく」
QB「保留って所かい。……いい答えを期待するよ」
309 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:46:27.43 ID:XNk/ZdDc0
QB「ところで、nのフィールドでラプラスの魔という君達の知り合いに会ったんだけどさ」
QB「……驚きだったよ。ほむらが時間遡行者だなんて。知ってしまえばなるほど道理でって感じだね」
水銀燈「ッ!」
QB「この世界は時間のループが起きていて……ってそれは君達は既に知っていたんだね」
QB「そのループの中心がほむらだってのも知っていたのかい?」
水銀燈「……チッ」ブアッ
QB「にわかには信じがたいけd――」ブシャッ
QB「やめてくれないか。勿体な――」ヒョイ
ガシッ
QB「翼で僕を掴んでどうするんだい?」
水銀燈「あんたには少し黙っててもらうわ」
QB「ふーん。どこへ連れて行くんだい?」
水銀燈「黙ってなさい」
バサッ
310 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:47:03.81 ID:XNk/ZdDc0
――。
マミ「痛っ、鏡の枠に胸がつっかかったわ……」ヒョイ
真紅「やっと戻れたわ」
金糸雀「もうこんな時間なのかしら……」
マミ「大変。佐倉さんお腹空かせているに違いないわ。こんな遅くなるなんて……持たせててよかった合い鍵」
ほむら「……スー」
マミ「あら……暁美さん。ずっといたのね。面会時間はもう終わってるのに……」
真紅「一旦追い出された後に侵入したのね」
マミ「……あらあら、暁美さんったら」クスッ
311 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:47:34.61 ID:XNk/ZdDc0
まどか「うぅ〜ん……」モゾモゾ
マミ「あ、鹿目さん。起きた?」
まどか「はい……。あ……病院にいたの?わたし……」
ほむら「…………」
まどか「あっ、ほむらちゃん……。ずっと私を看てくれてたんだ……」
マミ「鹿目さん。左手は動く?」
まどか「……え?」
ほむら「スゥ……スゥ……」
まどか「あっ……?!」
312 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:48:10.78 ID:XNk/ZdDc0
まどか「ほ、ほむらちゃんがわたしの手握ってる……!///」
金糸雀「ずっと握ってたのかしら」
マミ「だから左手が動かなくて契約を防げたわけね」
真紅「ほむらは貴女を夢の中でも守ろうとしていたのね」
まどか「はぅ……///」マドマド
真紅「起こしてあげましょう」
まどか「うん」
まどか「ほむらちゃん」プニプニ
まどか(ほっぺつついちゃったりして///)
ほむら「……んぅ」
マミ「あ、起きた」
ほむら「……っ!」
313 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:49:19.01 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「まどか!」パアッ
まどか「え、えっと……/// し、心配かけて、ごめんね///」
ほむら「よかった……。もう、心配したんんだから」
まどか「あの……それで……私の手……///」
ほむら「あっ……こ、これはね……違うのよ……」パッ
ほむら「その……まどかが寝言で……私のこと……酷いって言ってたから……」
まどか「ええっ!?そ、そんな!」
ほむら「私……無自覚にまどかを傷つけてたんだと思ったら……不安になって、つい……」シュン
まどか「ほむらちゃん……!わたしはほむらちゃんをそんな風に思ってなんかないよ!」
まどか「雪華綺晶に操られてたところを……ほむらちゃんは助けてくれたんだもん!」
まどか「ありがとう。ほむらちゃん!」
ほむら「まどか……!」
ほむら「……あら?マミ達は?」
まどか「あれ?」
314 :
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[saga]:2012/06/11(月) 23:50:13.74 ID:XNk/ZdDc0
――マミハウス
マミ「空気を読んで帰ってきたわ」
杏子「独りぼっちは寂しいんだぞぉ……」ションボリ
マミ「あーもう。今からご飯用意するからっ」
杏子「食欲はなくても腹は減るんだぞぉ……」クー
杏子「ずっと待ってたんだぞぉ……」キュルル
真紅「あの時私についてきていればよかったものを……」
杏子「う〜……」
杏子「それにしても、雛苺……、かあ……。なあ、鞄の中身見てみていい?」
金糸雀「よ、夜這いかしら〜〜〜っ!」
杏子「ちげぇよ!こんちきしょ!」ペチン
金糸雀「痛っ!デコピンはダメかしら〜!」
315 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/11(月) 23:51:03.97 ID:XNk/ZdDc0
――翌日(病院)
雛苺「まどかのぼりー!」ヨジヨジ
まどか「ウェヒヒ、くすぐったいよヒナちゃん」
杏子「想像以上に子ども子どもしてんな」
仁美「鹿目さん。調子はいかがですか?」
まどか「うん。検査の結果何ともなかったから、明日から学校に行けるよ!」
マミ「それはよかったわ」ソワソワ
マミ「う〜……」ソワソワ
マミ「ヒナちゃん!抱っこさせて!」
316 :
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[saga]:2012/06/11(月) 23:51:36.32 ID:XNk/ZdDc0
雛苺「抱っこ大好きなのー!」ギュゥ
マミ「あぁん!可愛いわー!」スリスリ
仁美「あらあら、まるで親子ですわね」
蒼星石「仲がよさそうで何よりだね」
翠星石「それにしても……どうしt……
蒼星石「今は何も言わないで。翠星石。今度の会議で話し合うんだから」ヒソヒソ
翠星石「ですぅ」
金糸雀「ほむらはどうしたのかしら?」
真紅「昨日付きっきりでまどかを看ていた疲労が祟って学校で寝ぼすけ+前日のサボタージュ疑惑により居残りの刑を受けている所だわ」
仁美「授業中は五分たりとも起きてませんでしたわ」
さやか「親友の見舞いとは言えサボりはいかんよね。サボりは」ヒョッコリ
杏子「さやかも遅刻だな」
さやか「まどか優先で病院来てるってなったら恭介が拗ねちゃうからね」
仁美「爆発してください」
さやか「!?」
317 :
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[saga]:2012/06/11(月) 23:52:33.12 ID:XNk/ZdDc0
マミ「鹿目さんへのお土産に、ヒナちゃんの大好物を持ってきたわ〜」スッ
雛苺「ッ!うにゅー!?うにゅー!?」キラキラ
マミ「そうよ。うにゅーよ」
まどか「うにゅー?」
マミ「そこで問題!」
杏子「うおっ、急に叫ぶなよここは病室だぞ」
マミ「うにゅーとは何でしょう。ドールのみんなは言わないでね」
翠星石「めんどくさいですぅ」
雛苺「食べたいの〜」
マミ「ちょっとだけ待っててね」
さやか「うにゅーって言われても何のことやら」
マミ「ヒントは?ヒナちゃん」
雛苺「あのね、うにゅーはね、白くて、黒くて、赤くてうにゅーってしてるの!」
318 :
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[saga]:2012/06/11(月) 23:53:09.93 ID:XNk/ZdDc0
仁美「…………のし梅を包んだ磯辺焼き?」
さやか「どういうチョイスだよ」
まどか「白黒赤……イクラのお寿司?」
金糸雀「うにゅーってしてないかしら」
杏子「まあ子どもの好物ったら、間違いなくお菓子だろう……。鯛焼き」
真紅「それは貴女が食べたいだけでしょ」
杏子「そんなことないぞ!白い鯛焼きってのはうにゅってるし、あんこは黒いし、赤は知らね」
翠星石「発言が浅はかですぅ」
雛苺「鯛焼きも甘くて美味しいの〜」
仁美「兎の眼球?」
蒼星石「せめて食べ物で考えよう」
さやか「紅白饅頭!」
仁美「爆発してください」
さやけ「!?」
さやか「え、え〜っと……そうだ!マグロの巻き寿司のあれ!」
319 :
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[saga]:2012/06/11(月) 23:54:56.16 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「美樹さやか あなたはどうして 愚かなの」ヒョッコリ
さやか「575でなじるな!っていうか何であたしだけ!?まどかも寿司だったのに!」
まどか「あ、ほむらちゃん。いらっしゃい」
ほむら「来たわ。まどか」
金糸雀「テンションが低いかしら」
翠星石「いつもこんな感じじゃないですか?」
ほむら「やっと解放されたわ……。反省文書かされることになったわ」ゲンナリ
ほむら「で、何をやってたのみんな」
さやか「何をしてたか知らないのにあたしのマグロをバカにされたの!?」
まどか「うにゅーって何だろうなって」
ほむら「え?」
320 :
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[saga]:2012/06/11(月) 23:55:33.20 ID:XNk/ZdDc0
マミ「白くて黒くて赤いうにゅーってしたお菓子は何でしょう?」
ほむら「何?クイズ?」
さやか「雛苺の好物を当てようって話でさ、今のはそのヒント」
杏子「子どもの言うことだ。そう簡単にはわかるまい……!」
ほむら「苺大福?」
雛苺「!そうなの!それなの!」
仁美「そ、即答!?」
雛苺「いちごだいふくって巴が言ってたの!」
まどか「マミさん?」
真紅「雛苺の元マスターのことよ」
321 :
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[saga]:2012/06/11(月) 23:56:43.77 ID:XNk/ZdDc0
さやか「それにしてもほむら、よく苺大福ってわかったね。うにゅーで苺大福ってどうよ?ねえまどか」
まどか「うーん。言われてみれば、あぁ〜ってなるかな?」
ほむら「簡単よ。うにゅーってしてて、白くて黒いで大福がとわかるわ。その後に赤と言えば」
ほむら「え、でも大福ってうにゅーってしてるじゃない」
ほむら「後は簡単。黒は餡で赤が苺という簡単な……」
さやか「ん?何だって」
ほむら「いや、だから、大福はうにゅーって……」
さやか「もう一回」
ほむら「うにゅぅ……」
さやか「もう一声」
ほむら「うにゅ……///」
さやか「もう一発」
ほむら「うにゅ///」
まどか「ウェヒ……ほむらちゃんかわいい///」
322 :
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[saga]:2012/06/11(月) 23:58:20.19 ID:XNk/ZdDc0
――ほむホーム
ほむら「……と、いうようなことがあって、楽しかったわ」
ほむら「しかし苺大福の粉がついてるとさやかに指摘されて笑われたのは不覚だったわ」
ほむら「それにしても、雛苺……。何故か指輪がないローゼンメイデン。それもレプリカ……」
ほむら「ほむ……謎は深まるばかりね」
ほむら「そういれば水銀燈が帰ってこないわ……。何をしてるのかしら」
ほむら「……………」
トンッ
ほむら「…………あら」
323 :
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[saga]:2012/06/11(月) 23:59:03.12 ID:XNk/ZdDc0
ほむら「……こうやって会うのは久しぶりね。真紅」
真紅「そうね。再び洗面台の鏡から失礼するわ」トスン
ほむら「何の用かしら。雛苺の件?」
真紅「ねえほむら。聞いてもいいかしら」
ほむら「……何?」
真紅「問題。雪華綺晶は……実体を持たない雪華綺晶はどうやって動いていると思う?」
ほむら「……?さあ。衛星か何かから受信してるのかしら」
真紅「人間が食物を食べるように、私や水銀燈が食事をするように、実体のない雪華綺晶も……食べるのよ」
真紅「人の心を」
324 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:00:11.79 ID:MJqWQkXj0
ほむら「……そう。水銀燈は雪華綺晶を悪霊と表現をしたけど、まさに……ね」
真紅「ほむら。そこで、尋ねるわ」
真紅「人の心を糧にする雪華綺晶が、何故魔女を糧にできるの」
ほむら「……ッ!!」
真紅「私は見たわ。雪華綺晶が魔女を食べている所を。茨で魔女の体を突き破ってしまったわ」
真紅「彼女は魔女を人形にも食料にもできるみたいなの。……魔女って何なの?」
真紅「まさか魔女は、人間だと言うの?それとも、人の心と似ているだけなの?貴女は……知らないの?」
ほむら「………………」
ほむら「魔女は……人間で、ない……わ」プルプル
325 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:02:16.65 ID:MJqWQkXj0
真紅「ほむら。貴女、未来から来たんですってね」
ほむら「なっ!?」
真紅「キュゥべえに知られてしまったようなのだわ。余計なことばかり言う兎のせいで」
真紅「そいつから余計なことを言われる前に、貴女の口から皆に言ってあげるべきだと思うわ」
真紅「貴女が未来から来た目的と、魔女のこと」
ほむら「……あなたはどこまで知っているの?」
真紅「この世界がループしていること。そのループの中心にいるのが貴女であること」
真紅「それだけ。特に後者はキュゥべえの発言からわかったことよ」
ほむら「…………ごめんなさい。どうしても言い出せずにいたわ」
ほむら「ローゼンメイデンというイレギュラーを理由にして……後伸ばししてわ」
ほむら「どうしても……怖くて、あなた達を、言い訳にしてた」ギュッ
真紅「ワルプルギスの夜までもうそう遠くないわ。秘密があるなら、言うべきよ」
ほむら「ええ……。そうね。…………まず、貴女に全てを話すわ」
真紅「ええ、言って頂戴」
ほむら「まず、私は――」
326 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:03:07.69 ID:MJqWQkXj0
――後日
まどか「ほむらちゃんちにお呼ばれっ♪それはっ、とっても嬉しいなって♪」
さやか「のんきだなぁ」
マミ(テレパシー)『暁美さんから話があるなんて、何かあるわね……』
杏子(テレパシー)『そうだな。仁美はいないと言うことは魔法少女関連だろう』
ほむら「いらっしゃい。あがって」ガチャ
まどか「おじゃましまーす」
さやか「おじゃ……あれ?蒼星石?それに真紅達も」
真紅「いらっしゃいなのだわ」
ほむら「……実はみんなに、話さなければならないことがあるの」
マミ「……とても重要なことなのね」
ほむら「……」コク
まどか「あ、あれ?空気が……」
327 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:03:44.70 ID:MJqWQkXj0
真紅「これから話すことは、雛苺を除くローゼンメイデン全員が理解していることよ」
真紅「水銀燈は野暮用でいない、雛苺は話が難しいだろうから留守番させてるわ」
金糸雀/翠星石/蒼星石「……」
真紅「まずその前に、私達がこの世界にやって来た理由を話すわ」
さやか「この世界……?nのフィールドとかそういう次元の話?」
真紅「そうね。簡潔に説明するわ」
真紅「まず、私達は別の世界からやってきた……異世界から来たと言いましょう」
杏子「正直、そんな気はしてたよ……」
真紅「私達はそれこそ単純な理由……雪華綺晶を追って来たの」
まどか「雪華綺晶を……」
真紅「雪華綺晶は、この世界に興味を抱いた……。その理由は」
真紅「この世界が同じ時を繰り返しているという異質さからよ」
マミ「え……?繰り返……?どういうこと?」
328 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:04:19.67 ID:MJqWQkXj0
真紅「この世界は、ある少女が病院で目を覚ましてから、ワルプルギスの夜までの間を何度もやり直されているの。ループというものね」
真紅「時間が繰り返していることは、その少女以外全員知らない。その少女は気が遠くなる程、この一ヶ月をやり直していることを」
杏子「何を言ってんだよ……ファンタジーの話か?」
真紅「その少女は、強大なワルプルギスに何度も挑んだ。時には独りで。時には仲間を失いながら。何度も何度も何度も試行錯誤をしながら絶望に立ち向かった」
真紅「その少女こそが、ほむら。つまり彼女は……貴女達から見れば、未来から来た、ということ」
四人「!?」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん……?ど、どういうことなの……?」
ほむら「……みんな、黙っててごめんなさい。全てその通り。私の能力は時間遡行。ワルプルギスを倒すため、そして、まどかを救うために何度もこの期間を繰り返している……」
まどか「わ、私?」
杏子「ますます意味がわかんねえ……どういうことなんだよおい……」
ほむら「順を追って話すわ。私の願い、魔法少女になった理由は、まどかとの出会いをやり直すこと――」
329 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:05:12.25 ID:MJqWQkXj0
ほむら「――だから私は、まどかを守るためだけに生きている」
まどか「そ、そんな……ほむらちゃん……私なんかのために……!」プルプル
さやか「……ほむら」
マミ「……その……暁美さん。あなたの目的はわかったわ。とても、辛かったでしょう……。いえ、辛いなんてものじゃないでしょうね……」
杏子「ああ……!ほむら、お前が憧れたまどかとの約束を果たすためにも絶対に――」
真紅「話はまだ終わってないわ。ほむらが今話したことは、全てあることを伏せてある」
マミ「え?」
杏子「あること……?」
真紅「それは、言うほむらにとっても、聞く貴女達にとっても辛いことよ。私だって辛かったわ。……聞く覚悟はあるかしら?それを聞いて、ほむらの覚悟をより深く理解してほしいのだわ」
マミ「…………」
杏子「……言えよ。辛いことには慣れっこなんだよ。あたしは」
マミ「……そうね」
330 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:05:50.12 ID:MJqWQkXj0
ほむら「………………」
ほむら(……いつかは言わないといけないことだけど、何度の時間軸を経ても……胸が潰れそうになる)フルフル
ほむら(不安だわ。杏子はともかく、マミは錯乱しないかしら。それに、まどかに伝えるだけでも、いつだって不安なのに……全員まとめてだなんて、私の目的を話した直後でなんて……)ソワソワ
真紅「ほむら。このことを言うのは、この時間軸では二回目なのよ。無茶だとは思うけど、落ち着きなさい」
ほむら「……そ、……そうね……えぇ……」
マミ(あの暁美さんが……血の気の引いた真っ青な顔を……。一体、何を話すつもりなの?)
まどか「ほむらちゃん。……大丈夫だよ。みんな、ほむらちゃんのこと信用している。ほむらちゃんの言うことなら、どんなことでも……きっと受け入れてくれるよ」
ほむら「まどか……」
さやか「そうだよ。ほむら……。だよね。杏子。マミさん」
杏子「あ、当たり前だっつーの……」
マミ「……話して。暁美さん」
ほむら「……」コクッ
ほむら「……実は、魔法少女は――」
331 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:06:59.18 ID:MJqWQkXj0
まどか「う、うぅ……あんまりだよ……そんなの……ほ、ほむらちゃん……」ポロポロ
翠星石「……くぅ」
マミ「魔女が……魔法……少女……?………………え?」ポカーン
金糸雀「……」
杏子「何だよそれ……あたし達は……ゾンビか何かだっつぅのかよ……!」ギリッ
真紅「……」
さやか「…………それって、ほ、本当なの……?」プルプル
蒼星石「……」
332 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:07:36.33 ID:MJqWQkXj0
水銀燈「事実よ」ポイッ
ガシャン
杏子「水銀燈!?」
マミ「それにそのゲージは……キュゥべぇ!?」
QB「乱暴じゃないか……。誰か開けてくれないかい?」
マミ「キュゥべえ……?どうしてそんなゲージの中に……?」
QB「まどかが昏睡状態になってた夜、水銀燈に拉致されたんだ。とにかく開けてよ」
杏子「ちょっと待ちな。水銀燈が事実って言ってたけど……」
QB「うん?ああ。そうだね。ほむらが言ったことに訂正することは一つもないよ。だから開けてよ」
杏子「……ッ!」
マミ「……う、嘘……でしょ?……ねぇ、キュゥべえまで……そんな、手の込んだ……ドッキリ……」
QB「事実を言っているのに何をそんなに戸惑っているんだい?嫌なのかい?その体は便利だろう?」
杏子「てめぇ!」
QB「わけがわからないよ」
マミ「う、嘘よ!嘘に決まってる!決まってるわ!」
ほむら「本当よ」
マミ「そ、そんな、魔法少女が魔女になるなら……み、みんな……死ぬしか……!」ワナワナ
333 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:09:47.45 ID:MJqWQkXj0
真紅「マミ、取り乱さないのッ!」
マミ「ッ!」
マミ「……うっ、うぅ」プルプル
マミ「……ごめ……なさい。私……帰るわ……」スクッ
金糸雀「あっ……マミ……」
杏子「悪ぃ……あたしも帰るわ。少し、考えさせてくれ……」
ほむら「……ええ」
真紅「それじゃ……今日は解散ね」
杏子「……鞄なんか持たねぇぞ」
真紅「一緒に歩いてあげるわ」
杏子「……ああ」
パタン…
334 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:10:16.16 ID:MJqWQkXj0
蒼星石「……さやかは、どうする?」
さやか「そうだね……。あたしも……帰るよ」
翠星石「翠星石もお暇するですぅ」
水銀燈「ちょっと川かどっかに捨ててくる」
QB「最初からゲージを開ける気はなかったんだね。そうなんだね」
まどか「…………」
ほむら「…………まどか」
まどか「……うん」
335 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:10:47.04 ID:MJqWQkXj0
ほむら「……ごめんなさい。黙ってて。それに、私の家に来るの折角楽しみにしてくれてたのに」
まどか「ううん……いいんだよ。ほむらちゃん。ほむらちゃんは……私の恩人だもん」
ほむら「私は……そんなんじゃないわ。他の時間軸で、みんなを見捨てたことも多々あるし、魔女になったみんなを殺したこともある。まどか、魔女になったあなたを殺したことだってあるわ」
ほむら「お菓子の魔女の時だって、マミが死んでたら死んでたで仕方ないという意識だった。私は一つの目的のために全てを捨てられる冷酷な魔法少女」
まどか「そんなことない……ないよ」
ギュッ
ほむら「まどか……?」
まどか「ほむらちゃんは……私の……っ」
まどか「私の大切な……っ」ポロポロ
ほむら「……泣かないで、まどか」
ほむら「絶対に、あなたを守るから」キュッ
まそか「うん。ありがとう……」
ほむら「私……とても不安だわ」
まどか「大丈夫だよ。だって……みんな、強いもん」
ほむら「強い……そうね。強いわね」
336 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:11:28.72 ID:MJqWQkXj0
金糸雀「マミ……」
マミ「うっ…うぅ……。ひぐっえぐっ……」
金糸雀「泣かないで。マミ。泣いてなんかいられないでしょ?」
マミ「そうね……。……そうよね……泣いてなんて……いられないわよね」
マミ「ワルプルギスが控えているんだもの……今、絶望なんかしてらんないもの……」
マミ「今魔女何かになっちゃったら……世話ないわ。わざわざ助けて貰ったことあるんだし」
マミ「それに、金糸雀ちゃん達も、姉妹で闘っているのよね。その運命と比べたら……」
金糸雀「……いつか言ったかもしれないけど、私達はその運命を辛いだなんて思ったことはないわ」
金糸雀「生きているもの。闘っているから。……それがローゼンメイデンの誇り」
マミ「…………」
337 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:11:54.69 ID:MJqWQkXj0
マミ「……そうね。私だって、ゾンビのような存在だから厳密にはもう生きてないのかもしれないけど――私も、戦っているわ」
マミ「私も、いつか魔女になるかもしれない。私の全てが無になるかもしれない。それでも、立ち向かわないとね……」
マミ「だって、それが……それが……」
マミ「それが私の……魔法少女としての誇りなんだもの」
マミ「そうよ!私はみんなの先輩なのよ!みんなにカッコ悪いとこ見せられないわ!」グッ
金糸雀「かしらー!」
杏子「じゃあかわいいかわいい後輩のために何か食べさせてくれよーおーやーつー」グデー
真紅「元気が出たところで紅茶を淹れるのだわ。アールグレイでいいわ」
マミ「…………はいはい」
338 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:12:22.69 ID:MJqWQkXj0
マミ「佐倉さんは平気なの?あんなこと聞かされて……」
杏子「いやー……なんつーか……そんな気はしてたんだよ。実は……」
マミ「え?」
杏子「雪華綺晶に食われた魔女の話したじゃん?あたし、あれ見たとき……同情しちまったんだよ」
杏子「今なら元々魔法少女だったからって思えば同情したのもわかるかもだけど、そん時は、このあたしが?って思ったよ」
杏子「で、その後さ、その結界とnのフィールド……まどかの夢の中と繋がっててさ……」
杏子「魔女の結界と人間の精神……何か共通してるような気がしたんだよ。それで、何となく……」
マミ「そう……」
杏子「だが、そんなことはもういいのさ!」
杏子「魔法少女にならなかったらならなかったでどうせ悪路まっしぐらだったろーし、それたら……なっちまったもんは受け入れるしかねえよ!」
339 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:12:55.23 ID:MJqWQkXj0
杏子「後悔なんてあるわけない!うまいもん食えればそれであたしゃ幸せだ!」
マミ「……フフッ。何だか、もう死ぬしかないとか考えてた私が馬鹿みたい」
金糸雀「二人とも、思ったより平気そうね」
杏子「と、いうことでおやつくれよ」
マミ「これから夕飯なんだから我慢しなさい。ほら、手伝って。雛苺ちゃんの大好物を作るわよ」
杏子「やったーハンバーグだー」
真紅「ええ……。ほむらから別の時間軸の話を聞いていたからどうなることかと思ったけど……」
マミ「ところで新しい技を考えたわ。佐倉さんを加えた合体技なんだけど」
杏子「は?」
真紅「魔法少女って、本当に強いわね」
340 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:13:33.56 ID:MJqWQkXj0
真紅「第四回薔薇乙女会議インマミ宅を始めるのだわ」
真紅「今日はマミ達を出払ってローゼンメイデンだけで話すのだわ」
真紅「今回の議題は、何故ジュンは雛苺のレプリカを送ったのか、よ」
蒼星石「何かしら理由はあるはずだよね。ローゼンメイデンのレプリカなんてそうそうできるものじゃあない」
金糸雀「ヒナは何か知らないかしら?」
雛苺「うゅ〜……わかんないの」
翠星石「チビ苺は指輪もないですし、囮くらいしか使い道はないですぅ」
雛苺「ひ、ひどいの〜!」
水銀燈「何なら本人に聞いてみるぅ?」
蒼星石「本人?」
341 :
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[saga]:2012/06/12(火) 00:14:00.29 ID:MJqWQkXj0
水銀燈「私達がこの世界に閉じこめられた理由はほむらにある。だったらほむらが魔女になるなり死ぬなりすれば元の世界に戻れるわよ」
真紅「冗談でも暴力行為も辞さないのだわ」
水銀燈「何よ。数日後のワルプルギスの夜を待って倒すよりも手っ取り早い意見じゃない」
真紅「とにかく、ワルプルギスの夜は必ずや倒すわよ。そして雪華綺晶も……」
翠星石「そうですね。ワル夜と雪華綺晶が手を組むことだってありえますからね」
金糸雀「ヒナが送られてきたのは、ワルプーを倒す手がかりなのかしら」
蒼星石「あるいは単純に、元の世界に帰るための鍵なのかもしれないね」
水銀燈「どうせ指輪がないから契約もできないし、今の雛苺じゃなんの戦力にもならないわ」
水銀燈「真紅。雛苺のローザミスティカを自分に入れ直したら?合理的でないわ」
雛苺「うゅぅ……」
真紅「雛苺のローザミスティカの現持ち主は私でもあり雛苺でもあるのよ。どうするかは私の勝手なのだわ」
翠星石「保留ってことにするです。もしかしたらまたジュンが何か寄越すかもしれないですし」
真紅「……そうね。雛苺の件は保留ということで」
342 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:14:30.77 ID:MJqWQkXj0
蒼星石「そう言えばさやか達はみんなで遊びに行ってるんだよね」
金糸雀「それじゃあカナ達も遊ぼうかしら!」
水銀燈「は?」
真紅「これから大共闘をするのだから乙女親睦会をするのだわ」
雛苺「わーい。みんなで遊ぶのー!」
翠星石「マミは一人暮らしなのに何でパーティゲームが置いてあるのですぅ?」ガサゴソ
蒼星石「……部屋を漁るのはよくないよ。翠星石」
真紅「マミ達も三時頃には帰ってお茶会をするから、私達でクッキーでも焼きましょう」
雛苺「クッキー!」
水銀燈「はぁ?」
343 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:15:23.65 ID:MJqWQkXj0
真紅「金糸雀。アニm……コホン。いつぞや私のクッキーをまずいと言ったことを見返してやるわ」
金糸雀「う……」
翠星石「お菓子作りの達人である翠星石がいれば真紅でも人並みのを作れるようにレクチャーするで……おぉう、そんな目で睨んじゃいやですぅ」
水銀燈「……」
蒼星石「マミは普段からお菓子作ってるから材料はたくさんあるね。僕たちでも用意はしてるけど」
翠星石「さあさあ山ほど作るですぅ〜お砂糖薄力粉チョコチップ〜」
雛苺「イッチゴジャム〜イッチゴジャム〜」
真紅「さあ水銀燈。いえ、銀ちゃん。エプロンを着けるのだわ」
水銀燈「……何よ。……何なのよ」
雛苺「すいぎんとーもお菓子づくりなの〜ネコさんエプロンなの〜」
水銀燈「何なのよ!」
真紅「ほら銀ちゃん。長女なのだから我が侭言わないの」
水銀燈「何なのよォーーッ!!」
344 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:21:09.24 ID:MJqWQkXj0
――ショッピングモール
まどか「みんなでお出かけ♪ほむらちゃんとお出かけ♪」
ほむら「……ワルプルギスの夜まで残るところ後少しだってのに、遊んでていいのかしら……」
マミ「こういう時だからこそ遊ぶのよ!」
ほむら「塩かけた青菜みたいにしおしおになっていると思ったら……全く」
マミ「うふふっ」
杏子「マミはともかくあたしのメンタルを見くびってもらっちゃ困るぜ」
マミ「確かに動揺したけども……」
仁美「休日にお友達とお出かけなんていつ以来かしら……」
杏子「で、どこ行くんだ」
さやか「まどかが買い物に行きたいって」
まどか「お買い物とかしてー、お昼にみんなでご飯食べてー、マミさんの家でお茶会してー……」
345 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:22:12.57 ID:MJqWQkXj0
仁美「私も色々買いたいですわ」
ほむら「あら、何か欲しいものでも?」
仁美「如雨露とか新しいタオルとか買いたいのですわ」
さやか「そういえば仁美、翠星石の影響で庭いじりに目覚めたんだっけ」
仁美「ガーデニングですわ。百合が綺麗ですわ」
マミ「百合って綺麗よね」
さやか「そうだね綺麗だね」
まどか「百合〜♪」
マミ「さあ、今日は楽しむわよー」
杏子「おー」
まどか「楽しも!ほむらちゃん!」
ほむら「…………えぇ、そうね」クス
346 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:22:50.62 ID:MJqWQkXj0
――衣料店
マミ「さあ暁美さん、観念しなさい」
仁美「このフリフリした花柄お召し物」
さやか「このスクール水着」
杏子「この生足前提ホットパンツと何か変な柄の上着」
まどか「このよくわからないメーカーのお洋服」
マミ「そしてこの何かカッコイイ外国語が書かれた服……」
まどか「どれを着る!?」
ほむら「」
347 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:23:21.20 ID:MJqWQkXj0
ほむら「どうして私に似合いそうな服を探す選手権が開催されたの」
まどか「えへへ……やってみたくて」
ほむら「参ったわ……ど、どれも着るとなると……は、恥ずかしいわ……///」
まどか「仁美ちゃんのは、一見するとほむらちゃんに似合わなそうだけど実は逆に似合いそうな絶妙なチョイスだよ……!」
マミ「暁美さんはいつもタイツ履いてるから生足晒させたいわ。佐倉さんとおそろだしね」
仁美「巴さん……その文章は日本語に訳すとゲリラ豪雨ですわ」
杏子「まどかのはいかにも女の子っぽいな。子どもっぽいというか、まどからしいというか」
ほむら「難しいわね……」
さやか「ねえあたしにも触れてよ」
348 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:24:02.79 ID:MJqWQkXj0
まどか「さぁ!これだという物を試着してください!」
ほむら「……選ばないと、やっぱり?」
仁美「いけませんわ☆」
ほむら「…………(回避不可)」
ほむら「う、うぅ〜……ん」
五人「……」wktk
ほむら「…………じゃ、じゃあこれ///」
さやか「あっ、さやかちゃん眼中にいない」
349 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:25:20.20 ID:MJqWQkXj0
――試着
ほむら「こんな格好、似合うわけないじゃない……///」モジモジ
まどか「すごく、似合うよ……お人形さんみたいだよ、かわいいよほむらちゃん!」ギュー
ほむら「そ、そんな……/// だっ、抱きつかないでまどか……///」
まどか(顔真っ赤にするほむらちゃんなまらかわいい///)
さやか「ってことでお買いあげー!店員さーん!」
ほむら「ちょっと!」
仁美「……」ニヨニヨ
マミ「……」ニコニコ
ほむら「ちょっと!!」
杏子「ぷくく……ぐふっ……うっふふふ」プルプル
ほむら「ちょっとぉ!!」
店員「店内ではお静かに……」
ほむら「あ、すいません……」
350 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:26:54.99 ID:MJqWQkXj0
さやか「着て帰るので袋は要りません」キリッ
ほむら「!?」
マミ「ちょっと値段は張るけど、可愛いんだから仕方ないわよね」
まどか「可愛いから仕方ないよ。みんなからのプレゼントだよ」ウンウン
仁美「ですわですわー♪」
杏子「そうそう。かわ……コポォwww」
ほむら「杏子。後で覚えてなさい。必ずやあなたにはゴスロリを着せてやるわ」
杏子「ゴス……ってなんだ?」
さやか「水銀燈みたいな服のことだね」
杏子「ゲッ……勘弁してくれ」
ほむら「もう遅い」
杏子「助けてマミィーーー!!」
マミ「案外似合うかもね」
杏子「ドリル根元から切ってやる!」
351 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/06/12(火) 00:27:29.89 ID:E+/e/RyTo
見てるよ
352 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:28:04.54 ID:MJqWQkXj0
まどか「えへへ……ほむらちゃんかわいい〜よ〜」ギュ−
ほむら「〜〜〜〜!///」プルプル
マミ「さて、ショッピングの続きをしましょうか」トコトコ
ほむら「み、見られてるわ……///」ソワソワ
杏子「全員マミの乳を見てるに違いない。そう思え。自意識過剰だったと」
マミ「ちょっと」
ほむら「や、やっぱ無理よ!こんな格好で出歩けないわ!着替えさせてっ!」ブンブン
まどか(真っ赤な顔を押さえて首をブンブン振るほむらちゃんホントほむほむ)
さやか「おいおいおい、落ちつけって。大丈夫だよ。みんな変とは思ってないから」
仁美「お似合いですわ」コクコク
ほむら「ほむ……///」
353 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:28:57.94 ID:MJqWQkXj0
ほむら「……///」プルプル
ほむら「まどかァッ!私の服ー!」
まどか「も〜、しょうがないなあ。折角かわいいのに……ウェヒヒ///」ドウゾ
ほむら「もう……!みんなったら」ドウモ
ほむら(やっぱり私にこういう服は……。そうね、こういうのはまどかのが似合うわ……。……そうだ!)
ほむら(いつかまどかにこれを着せてやるわ。杏子はゴスロリ、マミはメイド服、仁美はツナギ服、さやかはスク水エプロン+ニーソ姿にしてくれるわ!覚悟なさい!)
ほむら(……ふふ。……なんか、すごく楽しいわ)
ほむら(ワルプルギスの夜まであと数日……。こんな気持ちで迎えられるなんて……。水銀燈と出会ったおかげね。こんなに孤独感のない時間軸は……)
ほむら(今なら何だって超えられそうな気がするわ。絶対に幸せになれる気がする)
ほむら(もう何も怖く――ッ!? ……こ、この感覚は!)ピキーン
354 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:29:48.43 ID:MJqWQkXj0
杏子「チッ……こんな時に魔女かよ。空気読めねえなほんと」
マミ「ごめんなさい。みんな。ちょっと行ってくるわね」
まどか「う、うん!」
仁美「何だかよくわかりませんが、お気をつけて!」
ほむら「私も着替えたらすぐ行くわ!……試着室はどこかしら?」
さやか「あ、着替えるんだ」
ほむら「変身解除したらこの格好は恥ずかしいわ」
ほむら(こんな時期に魔女なんて出たかしら……。まあ、使い魔が逃げてたってとこかしら)
355 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:30:12.62 ID:MJqWQkXj0
試着室
ほむら(……こんな時だけど、この姿をもう一度よく見てみましょう)ヒラリ
ほむら(……恥ずかしい。でも……好きだわ。この格好)
ほむら(何より、まどかが私のために考えて選んでくれた。それだけで十分嬉しい……)
ほむら(エヘ☆)ビシッ
ほむら(……って決めポーズしてないでさっさと着替えて加勢しなくちゃ!)
カタッ
ほむら(ん?何かしら今の音……?)
ほむら「あ」
356 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:31:28.34 ID:MJqWQkXj0
さやか「ワルプルギスまであと少しだってのに……大変だね」
まどか「そうだね……」
さやか「何か小腹が空いたなぁ……お昼にはまだ早いかな」
仁美「家庭菜園をするのもありですわね」
さやか「え?ああ、まあ、いいんじゃない?……何故そこで家庭菜園」
まどか「魔女を倒したらお昼ご飯食べようね!ほむらちゃん!」
さやか「…………ん?」
まどか「…………ほむらちゃーん?」
仁美「…………?」
まどか「……………ほむらちゃん?」
357 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:32:51.44 ID:MJqWQkXj0
――魔女の結界
マミ「随分近場に現れたわね……」
杏子「こいつは……見たことあるぞ……!」
マミ「えっ!?」
QB「これは杏子が逃がした使い魔が成長したものだ」
マミ「キュゥべえ!」
杏子「どの面下げて出てきやがったてめぇ!」
QB「やれやれ、嫌われちゃったね」
QB「とにかく、その使い魔が魔女に成長したのは、他でもない」
QB「雪華綺晶の力だよ」
杏子「!」
QB「雪華綺晶がこの間の魔女から吸い取った養分で、同時に拉致した使い魔を成長させたんだろう」
358 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:35:50.30 ID:MJqWQkXj0
マミ「何ですって!?」
杏子「っていうかまた雪華綺晶かよ……しっこいやつだなチキショウッ!」
QB「全身が白い茨に巻かれた……茨の魔女とでも言おうかな」
マミ「そのまんまね」
QB「養殖物の魔女とはやっかいだ」
QB「本当にローゼンメイデンというものは何があるか見当もつかない」
QB「とは言え無理矢理育てられた魔女だからね。天然と違って不完全だ」
杏子(天然だの養殖だのこの畜生が……ッ!)ギリッ
QB「結界はあれど使い魔はいないようだからね。使い魔を作る器官が未成熟というか」
マミ「佐倉さん!」
杏子「速攻で倒すッ!!」
359 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:37:05.94 ID:MJqWQkXj0
マミ「佐倉さん!あの時話した合体技をするわよ!」
杏子「はぁ?んな遊んでる場合じゃ……」
マミ「遊びなんかじゃないッ!!」
杏子「!」
マミ「実戦で使ってみないとワルプルギスでも使えないわよ!」
杏子「あ、あんな技やだよ!」
マミ「確かに金糸雀ちゃんがいないから不完全かもしれないわ、でも……!」シュル
杏子「お、おい!こら!こんな時に縛るな!拒否権なしかチクショー!」
QB「おや?マミのマスケット銃が様子が……」
マミ「行くわよ!」
杏子「え、ええい!ままよ!」
360 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:38:45.70 ID:MJqWQkXj0
――――。
杏子「……まさかこんな楽勝とは思わなかった」
マミ「でしょ?あの技は大当たりよ!」
QB「魔女の実力は未知数だけど、あの技には僕もびっくりだよ」
杏子「当たりはずれがあってたまっかよあんな技……しかし、ほむらが来るまでもなかったな」
マミ「そうね。さ、お出かけの続きをするわよ〜♪」
マミ「……それにしても、雪華綺晶は何のために魔女を作ったのかしら?」
杏子「そうだよなぁ……意味ないよな。今更あんな雑魚魔女出しても」
QB「それはほむらと君達を引き離すためだよ」
杏子「は?」
361 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:40:41.92 ID:MJqWQkXj0
マミ「……え?」
杏子「……な、何を言ってんだテメェッ!!」
QB「何をもなんも、聞かれたから答えたんじゃないか」
QB「ショッピングという娯楽に行ってたんだろう?」
QB「服を売っているということは聞いているよ。なら鏡の一つや二つ、見るんじゃないかい」
マミ「……ッ!さ、佐倉さん!」ダッ
杏子「ああッ!」ダダッ
QB「……やれやれ」ヒョイ
362 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:41:20.92 ID:MJqWQkXj0
――――。
仁美「それで……あの、暁美さんが試着室からいなくなってしまったのですわ」
さやか「nのフィールドは映る物が入り口……。ほむらは試着室の姿見から……きっと雪華綺晶に誘拐されたんです……」
マミ「……そう」
杏子「くそっ……ほむら……!」ギリッ
まどか「…………私のせいだよ」
さやか「まどか……」
まどか「……私ってほんとバカ……。私がほむらちゃんを試着室に行かせなければ……、ほむらちゃんのお洋服選びなんて提案しなきゃ……」
杏子「お、おいまどか……」
まどか「試着室に鏡があるなんて当たり前なのに……私がショッピングに行きたいなんて言わなければ……」ポロポロ
まどか「私のせいでほむらちゃんがぁ……うえぇぇん」メソメソ
さやか「いや、それは……」
杏子「まどかのせいなんかじゃねーって。だから泣くな。な?」ポンポン
仁美「……暁美さんを攫うだなんて、鹿目さんと契約するための、人質、なのでしょうか……」
マミ「……考えられるわね。……なんて卑劣な」
363 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:44:28.56 ID:MJqWQkXj0
QB「ほむらを取り戻したいかい?」ヒョイ
杏子「ッ!て、てめぇ……!」
QB「ほむらがどこにいるのかわからないけど、僕の契約の力なら絶対だ」
まどか「……」
QB「まどか、君の力なら何だって叶えられる。もし責任を感じているっていうなら……」
さやか「いい加減にしなさいよ!」ガッ
マミ「帰って。……いえ、消えて。キュゥべえ」
QB「マミにそんなことを言われるなんてね。残念だよ」
364 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:45:10.72 ID:MJqWQkXj0
QB「契約するなら、別にさやかでもいいよ」
さやか「何か妥協されたんだけど」
QB「妥協も何も。人質を取り返すなら君でもできるという意味さ」
杏子「失せろ」ゲシッ
QB「おっと……わかったよ。そこまで言うなら……」キュップイ
仁美(きっとキュゥべえさんとやらがいらっしゃるんですね……)
QB「でもね、これだけは言えるよ。ワルプルギスの夜までにほむらを取り返さないと非常に厳しいことに相違ない」
QB「だから、君達の住む街のことも考えておくんだ。まどか。あとさやか」ヒョイ
365 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:46:10.01 ID:MJqWQkXj0
さやか「くそっ……あいつ……!」ギリッ
マミ「……とにかく、今日の所はそのまま私の家に行きましょう」
杏子「そうだな。真紅達が集まっている。そこでほむらが攫われたことを話して……」
仁美「nのフィールドの探索を依頼しましょう。暁美さんならきっと大丈夫ですわ。鹿目さん……」
まどか「うん……」
仁美(鹿目さんがここまで落ち込んだ姿は初見ですわ……。鹿目さん、暁美さんのこと……)
マミ「はぁ、今頃金糸雀ちゃん達がみんなでお菓子作りしてるってのに……台無しだわ」
366 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:47:09.42 ID:MJqWQkXj0
QB「……」トコトコ
QB「……どうやら雪華綺晶は僕のアドバイスを採用してくれたみたいだね」
QB「『ほむらを攫ってまどかを誘えば、必ず乗ってくるだろう』……ってね」
QB「ほむらが窮地に陥った所を助けるためにまどかに契約を、と思ったのに」
QB「好意持っているほむらが攫われたのだから、まどかは二つ返事だと思ったんだけどな。不思議なものだね、人間の価値観ってのは」
QB「しかしローゼンメイデンを含めても……ほむら抜きならワルプルギスへの勝算は多く見積もっても数%程度だ」
QB「ワルプルギスを倒せるのはまどかだけ。それも、一撃で倒せるんだ」
QB「それなら、まどかも契約しない訳がない」キュップイ
QB「さやかがほむらを取り戻して、まどかはワルプルギスの夜を倒す。これで契約が一度に二つとれるってのがベストなんだけどな」
367 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:48:10.04 ID:MJqWQkXj0
――ワルプルギスの前夜
まどか(結局、ほむらちゃんはワルプルギスの夜前日まで、見つからなかった……)
まどか(ローゼンメイデン総出でnのフィールドの探索が行われた。魔女の結界も探した)
まどか(だけど……。……ほむらちゃん)
マミ「さて、運命の時……対ワルプルギスの夜対策会議……イン私の家。を開催します」キリリッ
仁美「お茶ですわー」コト
マミ「おさらいするけど、ワルプルギスの夜は言わずもがな強力な魔女」
仁美「お茶ですわー」コト
マミ「あの暁美さんが気が遠くなるほど何度も挑んでも、一度も満足のいく勝利をつかめなかった」
まどか「ほむらちゃん……」
仁美「お茶ですわー」コト
368 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:49:05.48 ID:MJqWQkXj0
仁美「お茶ですわー」コト
マミ「暁美さんの消息は未だにわかっていない。……経験者がいないことには不安があるけど、とにかく今ある戦力で戦わなければならない」
まどか「ほむらちゃん……」
仁美「お茶ですわー」コト
マミ「暁美さんの言う『この時間軸』こそ……ローゼンメイデンの協力がある『この時間軸』こそ……」
仁美「お茶ですわー」コト
マミ「絶対にチャルプルデスを超えるのよ!!」グッ
真紅「仁美のセリフと混ざってるわよ」
マミ「……///」
杏子(ガッツポーズで照れるマミマジマミマミ)
369 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:50:05.88 ID:MJqWQkXj0
仁美「お茶ですわー」コト
マミ「……っと、配膳ありがとう。ごめんなさいね、わざわざ……」
仁美「ですわ〜」
さやか「はい、マミさん。質問」
マミ「何かしら。美樹さん」
さやか「あー……その……何で仁美がいるんですか?」
仁美「…………」
さやか「い、いやいやいや、そ、そういう意味で言ったんじゃないって!ほら、その……魔法少女のことだから……あたしは素質があるけど……」
翠星石「男を取り合ったから気まずいのですね」
さやか「ちがわぁい!仁美は今もこれからも親友じゃい!」
仁美「美樹さん……」ジーン
370 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:51:14.23 ID:MJqWQkXj0
マミ「親友である私をハブいて皆でお茶会なんてズルい!って、キレられちゃって……先輩なのに……」
さやか「うはぁ……」
仁美「そ、その、つい……///」
蒼星石「厳密に言えばお茶会ではないけどね」
マミ「……確かにこういった会議、今までの時間軸なら魔法少女だけ……今はいないけど暁美さんが中心になって、……今回で言えば私と佐倉さんの三人で行われてのかしらね。でも……」
まどか「ほむらちゃん……」
真紅「今回はローゼンメイデンがいる。つまり仁美もマスターという戦力ということね」
マミ「ええ。誘おうと話しかけたら、集会のことをどこで聞いていたのか……騒ぎに騒いで大変だったわ」
仁美「て、てへぺろですわ///」
金糸雀「問題があるとすれば仁美は魔法少女の素質がないから肝心のワルプルギスが見えないってことかしら」
仁美「……」
翠星石「仁美は翠星石の力の媒介になればそれでいいのですから、別に気にしなくてもいいのですよ」
371 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:51:49.10 ID:MJqWQkXj0
水銀燈「……何にしてもまどかは要らないんじゃなぁい?」
翠星石「確かにチビ苺も戦力外通告ですぅ」
まどか&雛苺「うゅ……」
マミ「何を言ってるの。鹿目さんも私達の仲間なのよ。それに暁美さんは、鹿目さんは最高な存在だと語っていたじゃない。ある意味一番の当事者なのよ」
まどか「……ほむらちゃん」
さやか「まどか。ほむらの名を聞く度に反射的にナーバスになっちゃいけないよ」ポン
雛苺「ヒナはっ?ヒナはっ?」
マミ「鹿目さんと一緒にいてあげるという精神的支持という重要ポジね」
雛苺「重要……責任重大なのぉ……!」
翠星石「子守りをされるのが仕事だなんて、良いご身分ですぅ」
マミ「コホン……さて、そろそろ初めてもいいかしら?まず、出没する場所は、地図でいうとこの辺りのようね」
さやか「ああ、あの資料持ってきてたんですね……」
水銀燈「勝手に持ち出したわ」
372 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 00:52:39.02 ID:MJqWQkXj0
マミ「時間軸がどうこうの概念は私の専門でないから何とも言えないけど、ローゼンメイデン……雪華綺晶の因果が影響して出没場所がズレる蓋然性、あると思うの」
マミ「だから当日は暁美さんが指定している場所と時間から少し余裕を持って……この辺りに三〇分ほど早く集合しましょう。勿論鹿目さん、美樹さん、志筑さん、雛苺ちゃんは避難しているのよ」
マミ「それで、ワルプルギスとの戦いについてだけど、暁美さんがいないし、私達はこの貴重な前情報はしっかり頭に叩き込む必要があるわ」
マミ「わかる情報の内、目に付くのは結界が不要な程強力ってことくらい……。ワルプルギスが出現したらまずは様子を見たいところね」
マミ「こんなことになるなら、三人で集まった時にちゃんと話しておくべきだったわね……不覚だったわね。……それから」
杏子「な〜な〜マ〜ミ〜。ワルプルギスも大事だけどさー。腹減ったよー。難しい話は飯食ってからにしようぜ」
真紅「雰囲気がぶちこわしね」
マミ「……佐倉さん食べたらすぐ眠くなるでしょう。我慢して。それで作戦の話なのだけど……」
まどか「…………(ほむらちゃん……)」
さやか「まどか……。あのさ、今は落ち込んでいる場合じゃないと思うよ」
まどか「さやかちゃん……」
仁美「鹿目さん……銀さんの契約は解けていませんようですし、暁美さんはきっとどこかで……」
まどか「……うん。そうだよね」
373 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 01:03:21.67 ID:MJqWQkXj0
今日はここまでに致します。この度も支援等々ありがとうございます。
本当に長かったのですが、ようやく最終戦直前となります。
今夜完成できればいいな……と。
それではお疲れさまでした。
374 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/12(火) 01:06:15.49 ID:IDjNtPYbo
とりあえず乙
続きが楽しみだ
375 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/12(火) 01:12:50.58 ID:+ys71Ghzo
乙!
楽しみすぎる
376 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/12(火) 02:24:02.92 ID:mgKeqe3AO
乙!
377 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/06/12(火) 05:49:45.54 ID:VeAFj4iGo
おつなのだわ
378 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/12(火) 14:09:30.18 ID:MTOxuJtvo
乙
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/12(火) 18:56:41.44 ID:GEYIEjlEo
乙乙
続きが気になるSSは久々だなあ
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:03:34.35 ID:MJqWQkXj0
ワルプルギスの夜当日
――避難所
まどか「…………」
さやか「まどか、隣いい?」
まどか「うん……」
さやか「よっこいしょういち」
まどか「……落ち着かないね」
さやか「そうだね。……まどかはさ、どうしたい?」
まどか「どう……って?」
さやか「まどかの性格からすると、避難所を飛び出していきそうな気がしてさ」
まどか「よくわかってるね。流石さやかちゃん……」
さやか「そりゃあ、あたしの親友だもん。わからないはずがない」
まどか「…………」ギュッ
雛苺「…………」
雛苺(人前では人形のフリに徹するの……!)
さやか(何か不意にツッコミ入れたくなった)
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:04:39.52 ID:MJqWQkXj0
さやか「あたしだって、飛び出してってしまいたいよ。マミさん、杏子、蒼星石達が戦っているんだもん」
まどか「……」
さやか「でもさ……待ってろって言われたからさ、そうするしかないんだよ」
さやか「あたしらはさ、何つーか、中途半端なんだよね」
さやか「あたしと仁美、まどかには直接魔女に立ち向かえる力なんてない。間接的にしか力になれない」
まどか「うん……」
さやか「あるとすれば……契約。だけど……」
まどか「そうだね……」
さやか「……魔法少女にはならないよ。あたし達は」
382 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:05:36.22 ID:MJqWQkXj0
まどか「ほむらちゃんと約束、したもんね」
さやか「うん。……だからさ」
さやか「……待ってようよ」
まどか「……そうだね」
さやか「…………」
まどか「…………」
スック
さやか「まどか、急に立ち上がって、どこへ行くの?」
まどか「外の様子が見たくて……。それと、ヒナちゃんとも話したいから」トコトコ
さやか「そう……」
さやか「…………」
さやか「…………ごめん。まどか」スクッ
さやか「あたし……嫌な奴だよね」
さやか「待っててね。まどか」
スタスタ
383 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:07:05.45 ID:MJqWQkXj0
さやか「今、行くよ。蒼星石……みんな」
「待って」
さやか「!」
仁美「……」スッ
さやか「……仁美」
仁美「……どこへ行くつもりですか?美樹さん」
さやか「あたしが行かなきゃいけないとこだよ」
仁美「巴さんから避難しているよう言われたじゃありませんか」
さやか「……そうだね」
仁美「鹿目さんに釘を刺しておいて、美樹さんは行くんですか?」
さやか「……聞いてたんだね。そうだよ。あたし、マスターだから。まどかと違うから」
仁美「……美樹さんに、もしものことがあったら」
仁美「誰が上条君を支えるのですか」
さやか「……恭介公認で、行くんだよ」
384 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:08:08.18 ID:MJqWQkXj0
仁美「……!」
さやか「恭介は、あたしが何をしようとも戻ってくると信じてくれている。あたしも無事に戻れると信じてる」
さやか「だって、マミさんや杏子。ローゼンメイデンのみんながいる」
さやか「ほむらはあたしの親友なんだ。ほむらの敵はあたしの敵。蒼星石のマスターという戦力して、座っているだけじゃだめなんだ」
さやか「まどかも、あたしの親友なんだ。マスターでも魔法少女でもないまどかには、精神的にしか協力はできない」
さやか「あたしなら蒼星石の力になれる。……仁美はどうなの?」
仁美「……」
さやか「仁美は、どうなのさ」
仁美「……言うまでも」
さやか「だよね。こんなでっかいバッグこさえてさ。行く気満々だもんね」
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:08:45.57 ID:MJqWQkXj0
――外
仁美「……か、風が嘆いてますわ」
さやか「何を言ってんの?……それより、そのバッグは……」
仁美「お父様の物を拝借しましたの。中には非常食や水筒にタオル。救急セット。護身用にスタンガンとメリケンサック。瓦礫対策にジャッキとハンマー。後は防犯ベルと十徳ナイフとトランシーバーに……」
さやか「仁美って何だったっけ」
仁美「さあ!急ぎましょう!」
さやか「あたしさ……まだ、恭介に……その、『好き』って言ってないんだ」
仁美「はい?」
さやか「恭介からは、言われたけど……あたし……実は、い、言えてなくて……///」
さやか「だ、だから、無事に戻ってきたら……言ってやるんだ!///」
仁美「何でここで俗に言う死亡フラグをお建てになるのですか!?」
仁美「……というか惚気ですか!?」
さやか「露骨な死亡フラグを建てることで逆に生存するというパターンなのだ!」サヤァ
仁美「な……なるほど!じゃあ私も……私、家に帰って……」
仁美「えーっと……うーんと……家に帰ったら…………薔薇を植えたいですわ!」
さやか「微妙!まあいいや!さあ!行こう!」
386 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:09:52.60 ID:MJqWQkXj0
杏子「……くぅ!」
杏子「ワルプルギスの夜……!馬鹿みたいな強さだぜ……ちっきしょう!」
杏子「くそっ。瓦礫が足に……」グッグッ
杏子「マミ達はマミ達で戦っているのに……くそっ、抜けないっ!」グヌヌ
「お任せください!」
杏子「!?」
仁美「こんな瓦礫、持ち上げてやりますわー!」サッ
杏子「ひ、仁美っ!?どうしてここにっ……って何てもん持ってんだお前!」
仁美「ジャッキだけにジャッキーン!」ゴソゴソ
杏子「何キャラだよ!」
仁美「ですわぁぁぁぁぁぁ!!」キコキコキコキコキコキコ
さやか「杏子!今引っ張るよ!」グイッズリズリ
杏子「さ、さやか!?お、お前ら……!」
387 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:10:28.27 ID:MJqWQkXj0
杏子「足は抜けたのはいいけど、お前ら……避難してろって言っただろ!無茶苦茶なやつだな!」
さやか「死線、くぐり抜けてますから」
仁美「お稽古、してますから」
杏子「何の稽古だよ」
杏子「まあいいや。どうせ帰れっつっても聞かないだろ」
仁美「ですわ」
杏子「とにかく合流すっぞ。こっちだ」
さやか「うん!」
杏子「思ったんだけどさ、さやかがあたしを引っ張る必要別になかったんじゃね?」
さやか「う……」
杏子「ありがとな!助かったぜ仁美!」
仁美「ええ!」
さやか「あたしも!」
388 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:11:11.09 ID:MJqWQkXj0
――合流
マミ「あなた達!どうして……っ!」
さやか「あたし達も、マスターという戦力です!」
杏子「来ちまったもんは仕方ねえからよ」
翠星石「仁美……!えぇい、足手まといですぅ!」
仁美「むぅ……」
蒼星石「僕は……嬉しいな。やっぱり、マスターが近くにいてくれると、力が沸くよ」
さやか「蒼星石はいいこだなぁ〜」ナデナデ
翠星石「ふ……ふんっ!蒼星石はこう見えて甘えんぼさんですからね!仕方ないです」
翠星石「す、翠星石は大人ですから〜?ひ、仁美がいて心強いだなんて……!」ツーン
仁美「……ふふっ」
水銀燈「……チッ」
金糸雀「それじゃあ……まどかは?」
さやか「ちゃんと待機してるよう釘刺したよっ」
真紅「……ん?」
389 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:12:21.52 ID:MJqWQkXj0
真紅「……ッ!」ピキーン
杏子「……ど、どうした、真紅」
真紅「雛苺が……nのフィールドに入ったわ」
さやか「ッ?!」
仁美「ええっ!?」
金糸雀「ヒナが!?」
マミ「何ですって!?」
翠星石「チビ苺が……!む、無謀ですぅ!」
390 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:13:06.76 ID:MJqWQkXj0
真紅「あの子が、ということはまどかも……!」
さやか(そ、そんな……!まどか……!ど、どうして……ッ!!)クッ
QB「まどかが……?道理でどこを探してもいなかったわけだ。困ったことになったよ」ヒョイ
QB「まどかが契約をすれば、ワルプルギスを倒すのが容易になるというのに……」
QB(誤算だったな……。まどかの性格から、さやか達と一緒にここに来て……契約してくれる予定だったのに……)
真紅「杏子!貴女の力を使わせてもらうわ!」
杏子「お、おう?」
真紅「私を介して雛苺には仮契約という形になって、どこかが繋がっている……。私の力を彼女に与えるわ。その分杏子の体力は激しく消耗するけれども……」
杏子「構わねぇよ。使いな!」
391 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:13:36.03 ID:MJqWQkXj0
翠星石「全く、二人が来たものだから翠星石が二人の護衛を任されちまったですぅ」
仁美「翠星石さんは優しいですから、遠慮して私の力をある程度までしか使ってくれなかったからわざわざ来たのですわ!」
翠星石「べ、別に気遣ってやったわけじゃないです!仁美が倒れちまったら胸くそ悪いだけです!」
仁美「私のこの有り余る元気が余裕の証拠ですわ!私はここにいます!さあ!だから遠慮なく使ってください!」
翠星石「ふ、ふーんだ!ですぅ!そこまで言うなら翠星石のやりたいことやってやるですぅ!」
仁美「どうぞ!」
翠星石「スィドリィィィィィィィムッ!!どおありゃぁっーー!!ですぅ!」
ズッ…ズオォォッ!!
さやか「わっ!夥しい程の蔦がっ!」
マミ「……っ!こ、これは……!」
仁美「うっ!し、静まって……私の薬指!薬指が……うずきますわっ!」
さやか「何言ってんの?」
392 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:14:11.42 ID:MJqWQkXj0
ワルプルギス「アハハハハハハハハハハハハハハハ」
シュルッ ガシッ
蒼星石「翠星石の蔦でワルプルギスの首を掴んだ!」
マミ「……みんな!作戦通り一斉攻撃を仕掛けるわよ!タイミングは今!翠星石ちゃんが作ってくれたチャンスよ!」
蒼星石「……と、いうわけで近接専門の杏子と僕は魔女が一時的に動きを固定されている内に直接攻撃を仕掛けよう」
杏子「おう。あたしの背中に乗りな」
真紅「貴女は雛苺の分も力を使っているのよ。無茶しないようにね」
杏子「言うまでもないな。それよか、援護頼む」
さやか「杏子!気をつけて!」
杏子「おう!」
393 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:14:59.39 ID:MJqWQkXj0
使い魔「〜〜〜」
さやか「うおっ!危ない!」
ズシャッ
真紅「ローズテイル……。翠星石。二人を守ることにも集中して!」
翠星石「ぐ……情けないとこ見せちまったですね」
翠星石「魔女の固定と仁美とさやかの護衛は翠星石の領分、責任は取るですよ!」
水銀燈「行ってきまぁす」バサッ
真紅「貴女も力量は程々にするのよ」
水銀燈「フン」プイッ
394 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:15:49.29 ID:MJqWQkXj0
杏子「――よしっ!ワルプルギスに一点集中!」
杏子「オラァッ!」ザンッ
蒼星石「シャルフェ・シェーレン!(要するに連続斬り)」ズシャシャッ
杏子「マミの悪い影響を受けちまったな」
蒼星石(ゲ、ゲームでの技名なのに……。あ、もちろんアリスゲームという意味だよ。……あれ?僕は何を言っているんだ)
水銀燈「退きなさぁい!」
杏子「おっと、蒼星石っ」ガッシ
蒼星石「うん」ガシッ
水銀燈「羽攻撃」ズアッ
杏子「うわっ、それはそれで無いわ」
真紅「ローズテイル!」バッシィ
蒼星石「真紅はブレないね」
395 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:16:27.49 ID:MJqWQkXj0
マミ「佐倉さんと蒼星石ちゃんの二人が攻撃して、真紅ちゃんと銀ちゃんの遠距離攻撃をした後に……私達が……」
パアッ
さやか「わー何だー。マミさんのマスケット銃の銃口が大きくなったー。これはまるで、キャノン砲だー(棒読み)」
マミ「行くわよ!『カノン・ザ・カノン』ッ!」
金糸雀「説明しよう!カノン・ザ・カノン(KTK)とは、マミのマスケット中の巨大化と、カナの技『追撃のカノン』とのコラボ技!」
金糸雀「ピチカートによる音波がマミの砲弾……いいえ、銃弾に纏わることで弾丸をカバーするできるのかしら!」
金糸雀「そうすることで音波と銃弾の一発で二度おいしい二段攻撃が可能!弾道の付近にいる使い魔を吹き飛ばしながら突っ込むわ!」
金糸雀「ちなみにカノンは英語だと"canon"という綴りだけどドイツ語表記"kanon"の方を採用したため略称はKTKになるかしら!」
396 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:17:05.95 ID:MJqWQkXj0
マミ「追走曲と言う意味のカノンとカノン砲をかけてみました!」
金糸雀「本当はもっとわけのわからない名前だったけどカナが舌を噛んで言えないものだからシンプルな名前にしてもらったかしら!」
マミ「わけのわからないって……そんなぁ……」
ドッガァァァァン.....
仁美「な、何だかよくわかりませんが、やったのですか!?」
さやか「やったか!?はやってないフラグだ!」
ワルプルギス「アハハハハハハハ」
ピキッ
397 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:17:51.21 ID:MJqWQkXj0
マミ「そんな……嘘でしょ?」
マミ「全員の全力の一撃を同じ場所に受けて……魔女には無傷……」ワナワナ
仁美「双眼鏡がありますわ」サッ
マミ「……」スッ
マミ「……ヒビがたった一つだけついただけだなんて!」ワナワナ
杏子「――戻ったぜ……どうやら手応えはなしってとこか……」トンッ
水銀燈「やってらんないわぁ」ファサ
蒼星石「そ、そんな……」
金糸雀「あのKTKが効かないだなんて……!」
翠星石「うぅ、魔女の首に巻いた蔦が解けるですぅ……」
仁美「は、はふぅ……」ヘタッ
真紅「……待って、魔女の様子がおかしいわ」
さやか「え?」
ワルプルギス「アハハハハハ…ハハ……フ……ウフ……」
398 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:19:00.21 ID:MJqWQkXj0
ワルプルギス「ウフフフフフ…ウフフフフフフフフフ」
蒼星石「魔女の鳴き声が変わった……?それにこの声……!」
さやか「雪華綺晶の声が合成されたような声色だ……」
杏子「また雪華綺晶か」
真紅「雪華綺晶のワルプルギスへの侵食が進んでいるわ」
さやか「し、侵食ゥ!?」
真紅「雪華綺晶は、魔女を取り込める。でもまさか……こんな強力な魔女まで……」
水銀燈「ワルプスギルは既に雪華綺晶の物となった。ということかしらね」
QB「もしそうならほむらも雪華綺晶、あるいはワルプルギスに取り込まれたのかもしれないね。もしくは魔女に――」
マミ「不吉なこと言わないで!」
さやか「急に喋ったと思ったらなに言ってやがんだ!キック!キック!」ゲシゲシ
QB「やめてよ」
水銀燈「私はほむらと契約しているのよ。契約主が死ねば契約生死くらいわかるわ。つまり、少なくともほむらは生きているわ」
399 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:23:00.56 ID:MJqWQkXj0
――避難所
まどか「……」
雛苺「すごい強風なの……」
まどか「ヒナちゃん」
雛苺「なぁに?」
まどか「わたし……どうすればいいのかな」
雛苺「……う?」
まどか「いてもたっても、いられないよ……」
雛苺「みんなを信じて待つ。それが一番だと思うのよぉ」
まどか「……うん。でも……」
400 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:23:33.42 ID:MJqWQkXj0
詢子「はぁ、こんなとこにいたか」
まどか「あ、ママ」
詢子「ヒナちゃん……だっけ?この子」
まどか「うん」
詢子「お友達からの預かり物なんだってね。それを持って、何やってんだい」
まどか「……ボーっとしてた」
詢子「そうか。なら、よし」
401 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:24:10.61 ID:MJqWQkXj0
まどか「ねえ……ママ」
まどか「もし、何の力を持たないドジでのろまな女の子に、特別な力を持ってるお友達がいるとして」
まどか「その友達が世界を脅かす悪い敵と戦ってる間、戦いのことを知っていて、待機してるその女の子は……どうすればいいと思う?」
詢子「なんだそれ?なんかのアニメ?」
まどか「……」
詢子「……そうだな。何もできないのに何かデタラメに理由付けて無鉄砲に突っ込み、襲われそうになった所をその友達に庇われるって……のがそういう筋ではお約束の展開だな」
まどか「……だね」
詢子「だが、気持ちはわかるよ」
まどか「……」
402 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:24:48.47 ID:MJqWQkXj0
詢子「さ、こんなとこにいたって体が冷えるよ。さっさと戻んな」
まどか「……もう少し」
詢子「そうかい……」
まどか「…………ハァ」
詢子「……ん?何か落ちてる」
詢子「……花びらか?何でこんなとこに」
まどか「……花びら?」
詢子「こりゃ、薔薇の花びらだな。白薔薇」
まどか「ッ!」
403 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:25:42.58 ID:MJqWQkXj0
まどか「白薔薇……」
まどか「わたしを、誘っているの?雪華綺晶……あれ?」
ユラ…
まどか「……?」
まどか「ま、窓が……?」
雛苺「ま、まどか……?」
まどか「これは……nのフィールド……」
雛苺「!」
まどか「…………ヒナちゃん」
404 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:26:35.20 ID:MJqWQkXj0
雛苺「あ!危ないのよっ!」
まどか「……ダメ。我慢……できないよ。お願いヒナちゃん……!わたしに力を貸して……!」
雛苺「で、でもぉ」
まどか「お願い……!」
雛苺「うゅ……ほむほむ……」
雛苺「……わかったの!」
まどか「ヒナちゃん!」
雛苺「これがヒナの役目なの」
まどか「え?」
雛苺「何でもないの。さっ、行こっ!」
ズ…
405 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:27:15.30 ID:MJqWQkXj0
――nのフィールド
まどか「窓からも入れるんだね……」
雛苺「うい。nのフィールドの入り口はね、映る物なのよ。鏡、水面、瞳、そして……窓」
「その通り」
雛苺「ラプラスの魔!」
まどか「あ……」
ラプラスの魔「また会いましたね。失せ物ですか?お嬢さん」
まどか「えっと……人を捜してるんです……」
ラプラスの魔「今度は迷い人ですか」
まどか「は、はい……」
雛苺「……ヒナ、ラプラスの魔は苦手なの」
ラプラスの魔「おやおやおや、第六ドール。無事に届いていたのですね。よかった、よかった」
まどか「……おかげさまで」
406 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:29:56.53 ID:MJqWQkXj0
ラプラスの魔「また会ったのも何がのご縁。またお伽噺でも」
まどか「いえ、結構です。もうたくさん聞きましたから」
ラプラスの魔「おやおやおや、また振られてしまった。四回中三名。この世界に入っただけで三人に断られましたよ」
まどか「四回中三人……?」
ラプラスの魔「ええ。白いお方と、お嬢さんが二回目、そして時の少女……」
まどか「時……ほ、ほむらちゃんが!?」
雛苺「案内して!」
ラプラスの魔「ええ」
407 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:30:32.68 ID:MJqWQkXj0
――雪華綺晶の世界
ラプラスの魔「こちらです。では、私はこれにて……」ヒョイ
まどか「えっ」
雛苺「うゅ……消えちゃったの」
まどか「……こ、ここが、雪華綺晶の……世界……?」
まどか「もしそうなら、ここにほむらちゃんがいる、誘い込まれたはず……」
雛苺「うぃ、雪華綺晶の世界……緊張するの!」
まどか「ん?」コツン
まどか「あれ……何か落ちてる……」チラッ
まどか「え!?こ、これって……グリーフシード?!」
雛苺「ぐりぃふ……?」
まどか「……まさか!」ダッ
雛苺「ああっ!待って!一人で行っちゃ危ないのぉ!」トテテ
408 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:34:17.73 ID:MJqWQkXj0
まどか「あそこにも真っ黒なグリーフシードが……!」
まどか「ハァ……ハァ……」タッタッタッ
まどか「……あ!」
まどか「あそこにいるのは……!?」
雛苺「うぃ!」
まどか「ほむらちゃん……だよね?」テクテク
まどか「間違いない……ほむらちゃんだ」フラフラ
ほむら「…………」
まどか「ほむらちゃんが……あの茨に巻き付かれてる……」
まどか「だけど……いつものほむらちゃんじゃない……」
409 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:35:18.17 ID:MJqWQkXj0
まどか「メガネをかけてるし、おさげだよ……?どうして?」
ほむら「…………」
雛苺「この姿は、きっとほむほむの、ほむほむ自身のイメージなの」
雛苺「nのフィールドでは人の姿はその人自身の、心のイメージがとーえー(投影)されるのよ」
まどか「ほむらちゃんの……イメージ……?」
雛苺「ほむほむの心の中では、ほむほむという人間はこういう姿をしているということなの」
まどか(もしかして……このほむらちゃんが、最初の時間軸の、魔法少女の私と出会ったほむらちゃん……ってことなのかな)
410 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:35:49.91 ID:MJqWQkXj0
まどか「あっ!?」
ほむら「」
まどか「よ、よく見たらほむらちゃんの周りにも使用済みのグリーフシードがごろごろ転がってる……」
まどか「ま、まさか……!」
まどか「ほむらちゃん!!」バッ
ほむら「…………スゥ」
まどか「……すう?」
411 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:36:35.90 ID:MJqWQkXj0
まどか「な、なんだ。よかった……寝てるだけみたい」
まどか「うぅ……でもほむらちゃんのほっぺにこんなに涙の跡が……」ジワッ
雛苺「きっとずっと独りぼっちでここにいたのよぅ……」
まどか「そう……ほむらちゃん。ここで、ずっと一人で戦ってたんだね……」
まどか「雪華綺晶の茨がからみついて……痛かっただろうね。寂しかったんだろうねほむらちゃん……」
まどか「今、茨を解いて……」ソッ
チクッ
『――――!』
まどか「ヒッ!?」ゾワッ
412 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:37:53.78 ID:MJqWQkXj0
雛苺「?!」
まどか「え……なに?今の……」ソッ
チクッ
『〜〜!〜〜!〜〜!〜〜!』
まどか「――っ!?」ゾクッ
まどか「い、いやぁッ!」バッ
雛苺「!?」
まどか「はあ……はあ……」
雛苺「ど、どうしたの……?」
まどか「…………」
413 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:38:26.24 ID:MJqWQkXj0
まどか「おめかし、武旦、人魚、針……」ブツブツ
雛苺「ま、まどか?」
まどか「今のってもしかして……わたし達……?……そうだ。今のは、わたしの知らないわたし達……」ブツブツ
雛苺「ねえどうしたの?」
まどか「茨に触れたら……何か、映像のようなものが頭に流れ込んだの……」
雛苺「うぃ……?」
まどか「もしかしたら……ううん。これは、間違いなくほむらちゃんの記憶……!」
まどか「ほむらちゃんがこれまでの時間軸で見てきた……辛い、記憶……!」ジワッ
まどか「きっと、この茨は……ほむらちゃんの記憶を……呼び起こす……!」
雛苺「あ、あう……」
414 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:43:00.05 ID:MJqWQkXj0
雛苺(えっと……雪華綺晶は、ほむほむを捕らえて、苛めて、何をしてたの……?)
雛苺(ほむほむを泣かせる意味はあったの?どうして?)
雛苺(水銀燈が言ってたけど……雪華綺晶は、この世界のループを解除するためにほむほむを……)
まどか「ほむらちゃんは、ずっと、こんなに怖い目に遭いながら……辛い目に遭いながら……わたしを守ろうと……」プルプル
まどか「それに……ず、ずっとここにいて、辛い思い出とずっと一人で戦ってたんだよね……!ほむらちゃん……グス」ポロポロ
まどか「絶望するとソウルジェムが濁る……こんなにたくさんの澱んだグリーフシードが転がってるんだもん!そうなんだよね!」シクシク
雛苺「まどかっ!落ち着いてっ」
まどか「今助けるから!待ってて!今!茨を解くからね!!」ガバッ!
ブチッ
まどか「うぅっ……!」ゾワッ
雛苺(そんなの……許せないの……!)グッ
415 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:43:48.70 ID:MJqWQkXj0
――――。
ほむら『鹿目さん……!!うぅっ……!』
まどか「わたしのソウルジェムを……撃って……うぅ」ブチッ
マミ『ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない!』
まどか「マ、マミさん……!そんな自暴自棄になっちゃ……!」ブチッブチッ…
まどか『ほむらちゃんがさやかちゃんの代わりに死んじゃえばよかったのに……』
まどか「これはいつの時間軸のわたしなの……?何でこんなひどいこと……!」ブチブチッ
杏子『あたし、魔女になるわ……。悪ぃな……最期まで迷惑かけちまって』
まどか「杏子ちゃん……!そんなのって……!」ギゥ…
仁美『この増えるワカメ一袋、丸飲みしたら許してさしあげますわ。暁美さん?』
まどか「そんな……!仁美ちゃんまで……!!」ブチチッ
さやか『バストがアップした!』
まどか「やっちゃったねさやかちゃん」プチッ
416 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:44:50.59 ID:MJqWQkXj0
雛苺「まどかぁ……」オロオロ
まどか「はぁ……はぁ……ち、血が……」ポタポタ
雛苺「まどかぁっ!もうやめてぇっ!」ポロポロ
まどか「う、ううぅ……涙が……止まんないよぉ……」ポロポロ
雛苺「これ以上は……ダメなの。まどか……。まどかが壊れちゃうわ……」
まどか「ひぐっ、えぐっ……ヒナちゃぁん……」
まどか「ごめんね……でも、わたしが……うぐっ……ほむらちゃんを救わないと……」ブチッ…ブチッ…
まどか「今度は私が……ほむらちゃんを……ほむらちゃぁん」バリバリ
417 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:45:43.07 ID:MJqWQkXj0
まどか「ごめんね……ほむらちゃん……私なんかのせいで……こんな辛い思いを……うぅ……」ギリッ…
雛苺「うぅ……ヒ、ヒナも切るのっ!」
雛苺「……うゆッ?!」ゾクッ
バッ
雛苺「う、うぅ」キッ
まどか「……ヒナちゃん?」クルッ
まどか「……ッ!?」
「嬉しいわ……」
雛苺「う……ぅ……!」タジッ
418 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:47:44.54 ID:MJqWQkXj0
雪華綺晶「マスター……私を迎えに来てくださったのですね……嬉しい」
まどか「き、きらき……!」
雛苺「まどか!茨を解いてて!ヒナが雪華綺晶を止めるの!」
まどか「ヒ、ヒナちゃ……」
雛苺「早く!」グッ
雪華綺晶「私が逃がして自由となったヒバリが……再び蜘蛛の巣に墜ちてしまったのね」
雪華綺晶「貴女の……いえ、私の体は……この世界にはないのですよ……。何が故に戦おうとおっしゃるの?」
雛苺「ヒナはヒナの体を取り戻したくて戦うんじゃないのよ!それは、あなたにはわからないわ!」
雛苺「ヒナは……私は、気高く誇り咲く第六ドール、雛苺!大切な人の、絆のために……っ!」
雛苺「戦うのよッ!ベリーベルッ!」バッ
ズオッ
雪華綺晶「苺轍……あぁ、嘆かわしいわ……今にも枯れてしまいそう」シュルッ
419 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:48:30.83 ID:MJqWQkXj0
雛苺「ええい!やあ!」
雪華綺晶「…………」スッ
雛苺「きゃあ!」ギュウッ
雛苺「うゅ……締め付けられる……!」ギリリ
まどか「はぁ……はぁ……やっと……ほどけた……うぅ」メソメソ
まどか「ほむらちゃん……ほむらちゃぁん……」エグエグ
雪華綺晶「雛苺……私をマスターの所へ行かせて……」ギリリ
雛苺「ぐ、ぐるぢ……」プルプル
420 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:49:15.80 ID:MJqWQkXj0
雛苺(……だ、だめ!ヒナの力じゃ……雪華綺晶には……)
雪華綺晶「どいてください」
バシィッ
雛苺「きゃあッ!」ドガッ
ズサッ
雛苺「くぅ……」
雛苺(し、真紅から力を貰っても……これじゃあ……!)
まどか「ほむらちゃん……起きてよぉ……このままだとヒナちゃんが……!」ユサユサ
ほむら「……」
シュルッ
421 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:50:23.96 ID:MJqWQkXj0
ギュッ
まどか「あっ!」ギギゥ…
雪華綺晶「捕まえましたわ。マスター……」
まどか「う、うぅ……!」ギリリ…
雪華綺晶「さあ、私のもとへ……」チョイ
まどか「やぁっ!う、腕に茨が!」
まどか「ほ、ほむらちゃ……!」ググッ
まどか「だ、ダメっ……引きずられる……っ!」ズズッ
雪華綺晶「……さあ、私と契約しましょう……マスター」
雛苺「う……だ、だめな……のぉ!」シュルル
ギュッ グイッ
422 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:50:55.07 ID:MJqWQkXj0
雪華綺晶「離して。苺轍……」
グイグイ
雛苺「嫌なのぉ……!」
グイグイ
まどか「ひ、引っ張られるぅ……!」ギュー
雪華綺晶「翠のお姉様が話してたわ……こういう時は……互いに引っ張り合って……」
雪華綺晶「左腕を引きちぎった方が勝ち……!」
まどか「ひぃっ?!」
雛苺「う、うゅぃ……ま、まどかを……助け……るの……!」フラフラ
雛苺「絶対に……」クラッ
雛苺「――絶対に守るんだからあッ!!」グッ
ほむら「…………マモ……ル」
423 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:51:27.64 ID:MJqWQkXj0
雪華綺晶「離して……。マスターが痛がっていらっしゃる」
雛苺「いや……な……の……!」グググッ
雪華綺晶「いけませんわ」ブァッ
バシィッ
雛苺「うにゃあ――――ッ!」
雪華綺晶「捕まえましたわ。茨を全身に巻き付けちゃいましょう。逃げられないように……」シュルッ
まどか「ひ、ヒナ……ちゃ……!ほむ……らちゃ……!」ギリギリギリ
雛苺「あ、あうぅ……!」バタッ
ほむら「鹿目さんに……守られる……私じゃ……なくて……」ポツリ
424 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:52:12.22 ID:MJqWQkXj0
まどか「うっ、くぅ……!」
雪華綺晶「さあ、マスター……口づけを……」ペロッ
まどか「く、口の中から指輪を……!」
雪華綺晶「いつかの夢のように、今度は私がさせてあげますわ」
雪華綺晶「私と、契約して、私の物になって下さい……」スッ
まどか「……ッ!」ゾッ
まどか(そ、そんな……まさか、キ、キスするつもり!?指輪と唇に触れさせるために……!色んな意味で嫌……!)
雛苺「だめ……なの……だめぇ……よぉ……ヒナが……まどかを守るのぉ……」プルプル
ほむら「鹿目さん……を……守る……私……」
パチッ
425 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:52:58.82 ID:MJqWQkXj0
ほむら「ハッ……!?……こ、ここは?」
ほむら「……私、眠っていたの?……どうして?」
ほむら「……そ、そうだ!ここは雪華綺晶の世界で、私は……」
まどか「やめてェッ!!」
ほむら「ッ?!」
ほむら「か、鹿目さんっ!?」スクッ
ほむら「あ、あれ……?あの茨が、解けてる……?」
ほむら「鹿目さん……?雛苺ちゃん……?」フラッ
ほむら「それに……あの夢は……なんだったんだろ……」
426 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:53:34.42 ID:MJqWQkXj0
雪華綺晶「さあマスター……私と契約してください」ソッ…
まどか「いやっ!!離して!!やめてぇっ!!」ジタバタ
ほむら「か、鹿目さん……!た、助けくちゃ……!」
雪華綺晶「……貴女の力があれば……私はアリスになれる……本物になれる……」
まどか「ぐっ……くっ……う……」ギリギリ…
雛苺「ハァ……ハァ……あうぅ……!」シュル…
雪華綺晶「……嗚呼、可哀想な雛苺。こんなに力弱く私を縛るなんて……愛おしささえ感じてしまいますわ」
427 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:54:11.56 ID:MJqWQkXj0
ほむら「鹿目さん……いえ、まどか……!」フラ…フラ…
ほむら(この眼鏡は……今はいらない……!)カチャ
ほむら(おさげも……解けていい)バサッ
ほむら(そう……)
ほむら(私は……!)
ほむら「私は……!」
カチッ
ほむら(私は、まどかを守る私!)
428 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:54:40.95 ID:MJqWQkXj0
雪華綺晶「……?……マス……タァ……?……消え……た?」
まどか「……ハッ!?」
ほむら「…………」
まどか「ほ、ほむらちゃんッ!」
雛苺「ほむほむぅっ!」
ほむら「ただいま。……まどか。雛苺」ギュッ
雪華綺晶「!」
まどか「ほむらちゃん……!」
429 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:56:49.52 ID:MJqWQkXj0
まどか「……あれ?メガネとおさげじゃ、なくなってるんだね」
ほむら「そうよ。これが……まどかを守るために幾多の時間を過ごした私」
ほむら「強くなった私」
ほむら「……心が今に追いついたとでも言おうかしら」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「ありがとう……茨を……私の悪夢を取り払ってくれて……」
ほむら「手が……こんな傷だらけになるほどに……辛かったでしょう……?」ジワッ
まどか「ウェヒヒ……これくらいの傷。なんてことないよ。ほむらちゃんこそ……あんなに辛い思いしてたんだもの」
まどか「ほむらちゃんへの恩返しだよ……でも私には、もっともっと、もっともっとっ。全然返しきれないくらいの恩があるけどね」ニコ
ほむら「まどか……っ」
430 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:57:27.58 ID:MJqWQkXj0
雪華綺晶「マスター……行かないで……マスターを返してください……!」フラフラ
雛苺「ダメなの!通さないのー!」シュルシュル
雪華綺晶「やめて、雛苺……!」ギリギリ
雛苺「ほむほむっ。ヒ、ヒナの……ヒナのはっ……?」
ほむら「ええ。大丈夫よ。雛苺」
まどか「?」
ほむら「……まどか!」ギュッ
まどか「ほ、ほむらちゃん……?わたしの手を握って……何を……?」マドマド
ほむら「契約して!」
まどか「えっ?」
――外
QB「」ガタッ
さやか「なにしてんの?」
QB「いや、何かに突き動かされた気がして」
431 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:59:14.72 ID:MJqWQkXj0
まどか「けい、やく……?」
雪華綺晶「…………まあ」
雪華綺晶「嬉しいですわ……私との契約を祝福してくださるのね」
ほむら「…………これよ」スッ
まどか「え……これって、ゆ、指輪?」
ほむら「そう。これは……『雛苺の指輪』よ」
雪華綺晶「!?」
まどか「ええッ!?な、何で……?ヒ、ヒナちゃんは……」
雪華綺晶「ダメ!やめて!私のマスターを取らないで!」ブアッ
バシィ
雛苺「雪華綺晶!二人のとこへ行っちゃだめなの!ヒナが相手なのよォォ!ぐぬぬぅ……!」プルプル
432 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/12(火) 23:59:51.81 ID:MJqWQkXj0
ほむら「まどか!説明してる暇はないわ!さあ、嵌めて」サッ
まどか「……あ、あのね?」
ほむら「何!?まどか!まさかケガが……」
まどか「ほ、ほむらちゃんに嵌めてもらえたら、嬉しいなって……///」ポリポリ
ほむら「まどか!遊んでる場合ではないわ!雛苺が……!急がなきゃ!」
まどか「だ、だよね……ごめん。何でもないよ」シュン
ほむら「……もうっ。仕方ないわね。ほら、手を」
ギュッ
まどか「あっ///」
カチッ
433 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:00:32.73 ID:nSencqOu0
ほむら「私とまどか以外が止まった世界」
まどか「あ、ありがと……。ごめんね。こんな時にわがまま言って」
ほむら「いいわよ。あなたのおかげで緊張が解けたわ。……それじゃあ、嵌めるわよ」
まどか「ウェヒヒ……何だか、結婚指輪みたいだな……って///」
ほむら「ふふ。そうね……。それじゃ……コホン」
ほむら「健やかなる時も、病める時も……この命ある限り、私、暁美ほむらはあなたを守ります」
まどか「」ドキッ
ほむら「どんな壁があっても……どんな辛いことがあっても……。暁美ほむらはいつまでも、鹿目まどかの最高の友達でいることを誓います」
スッ…
まどか「うん……!」コクッ
まどか(……友達、なんだね)
…………。
434 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:01:32.53 ID:nSencqOu0
――外
杏子「」アーメン
翠星石「お祈りみたいなポーズして何をしてるですか?」
杏子「あれ?いつの間に……。何かしなきゃいけない気がして」
マミ「そうね……三人の無事を祈りましょう。それよりも今は……」
杏子「ああ……ワルプルギス、いや、雪華綺晶の様子がおかしいしな……」
ワルプルギス「………………」
杏子「急に黙り込みやがって……何があったってんだよ」
蒼星石「使い魔も出てこないし……」
真紅「……雪華綺晶が立て込んでいるようね」
仁美「動きがあるまで休憩ですわね」
さやか「当の魔女が見えないもんだから仁美の緊張感がやばい」
水銀燈「…………」
435 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:02:44.08 ID:nSencqOu0
――雪華綺晶の世界
雪華綺晶「……あ、ああ……あああ……!マスター……!その指輪は……!」
雛苺「……まどか」
雪華綺晶「ひどい……ひどいわ。マスター……。私のマスター……。どうしてそんなひどいことを……」メソメソ
雪華綺晶「貴女は私の指輪を嵌めるべきなのです!考え直してください!」ポロポロ
まどか「……わたしは、あなたのマスターじゃないよ!」
ほむら「まどか!」
雛苺「まどか!」
まどか「うん!」ソッ
雪華綺晶「やめて――!」
チュッ
436 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:03:38.30 ID:nSencqOu0
カッ!
まどか「わっ、ゆ、指輪が光って……!」
雛苺「う……うゅ……うゅ〜……!」プルプル
ほむら「ひ、雛苺……?」
雪華綺晶「口惜しい。口惜しい。口惜しいぃ――っ!!」ブアッ
まどか「茨!」
雛苺「う……うにゅ――――――――ッ!!」
バシュゥ――!
437 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:04:12.37 ID:nSencqOu0
ズオッ
ほむら「な……何なの!?この夥しい程の……苺轍……!」
雪華綺晶「!?――私の茨が圧倒され――」
シュルシュルシュルシュルシュル
まどか(あ、熱い……!指輪が……!こ、これが、これがマスターの力っ――!?)
ほむら「すごい……!雪華綺晶の世界が一瞬でこんな……苺畑のようっ……!」
雪華綺晶「いやっ――!やめて――!私の友達まで奪わないで――!」
ほむら(――友達?)
雛苺「気が高まるぅ……溢れるぅ……」プルプル
まどか「ひ、ヒナちゃんちょっと怖い……」
438 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:04:58.43 ID:nSencqOu0
――外
ワルプルギス「………………イヤッ………………ヤメテ」
マミ「ワルプルギスが喋ったわ!?」
翠星石「あの声は……雪華綺晶です!」
真紅「……契約したわ」
蒼星石「え!?」
真紅「雛苺が……まどかと契約したのだわ……!」
QB「!」
ワルプルギス「イヤァァァァァァァァ……!!」
ボコォッ!
シュシュルシルシルシルシル
439 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:05:55.42 ID:nSencqOu0
さやか「な……なんだありゃあ!?ワルプスギルから何か出てきたよ!?」
蒼星石「集中攻撃をした所が割れた……!」
真紅「あれは苺轍だわ!」
金糸雀「苺轍が……あの大きなワルプルギス全体にまとわりついてるかしら!!」
杏子(う……魔女から植物、デジャブじゃねぇか……)
マミ「それじゃあ……鹿目さんと雛苺ちゃんは……魔女の体内にいるということ!?」
QB「……そうなるね」
マミ「ということは、きっと暁美さんも……!」
440 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:06:27.14 ID:nSencqOu0
水銀燈「それよりも真紅!契約したってどういうことよ!雛苺の指輪はないんじゃなかったの!?」
真紅「私がわかるわけないでしょう!?とにかく、そういうことなのよ……!」
真紅「何故か、ないはずの雛苺の指輪があって、事実契約されたのよ!」
水銀燈「……何てこと。でも、雛苺にこんな力がある訳がない。限度ってもんがあるわ」
QB「まどかの因果の力を考慮すれば妥当じゃないかな」
真紅「因果?」
QB「まどかには、ほむらの度重なるループの影響で幾多に飛散する運命、因果が集約している」
441 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:07:47.42 ID:nSencqOu0
QB「ほむらが何度も繰り返した時間軸での全ての出来事が記憶として蓄積しているように、まどかにも因果が蓄積されていて……それはワルプルギスを一撃で倒せるだけでなく、どんな途方もない願いも叶えることができるのさ」
QB「だからまどかには素質があると言ったんだ。僕はその力で魔法少女になってほしかったんだ」
QB「でもまさか、まどかまで行方不明になるなんて……ましてやワルプルギスの中に行くだなんて思わなかったよ」
さやか「……ワルプルギスを理由にしてまどかと契約させるつもりだったってことなのね」
翠星石「つくづく反吐が出るです」
QB「それがローゼンメイデンにも適応されるとは一ミリも想像しなかったけどね」
水銀燈(まどかにそんな力があったのね……。だから末妹は……)
真紅(……そういうことなのね)
442 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:08:55.24 ID:nSencqOu0
水銀燈「真紅。わかったわ……。雪華綺晶がボディを捨ててここに来た理由」ヒソヒソ
真紅「奇遇ね。私も雛苺がこの世界に送られてきた理由がわかったわ」ヒソ
真紅「互いの意見を合わせましょう。今は二人だけの内緒よ」
水銀燈「そうね。じゃ、私から」
水銀燈「雪華綺晶は、何らかの偶然でこの世界を発見して、まどかのエネルギーに注目した」
水銀燈「しかしその力は見ての通り余りにも強力で『本物のローゼンメイデンのボディを持ってしても耐えられない』と、末妹は踏んだ」
水銀燈「だからアストラル体でこの世界にやってきたのよ。実体がなければ、エネルギーが飽和しないから。そして、そのまま元の世界に持ち帰るつもりだった」
水銀燈「元の世界、雪華綺晶の本拠地でなら何とでも料理できるからね」
水銀燈「ほむらを餌にして、まどかを誘い込み、その後ほむらを魔女にするなりして世界のループを解除したい。ということ」
真紅「……成る程。それじゃ、それを踏まえて私の意見」
443 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:09:46.00 ID:nSencqOu0
真紅「ジュン達が何らかの方法でそのことを突き止めた。恐らく強大な敵――魔女のことも。だから雛苺のレプリカを送ったのよ」
真紅「雛苺にまどかと契約させることで、ワルプルギスに立ち向かう力を託したのだわ」
真紅「仮に私達の誰がまどかと契約しても、力量を誤れば私達のボディも破損してしまう。……だから」
水銀燈「雛苺のレプリカは使い捨てってことね」
真紅「言い方を……考えなさい。……そうよ。レプリカのボディは破損前提なのよ……ワルプルギスを倒す、ために……」クッ
真紅「背に腹は変えられないのだわ……。この世界から抜け出すための門番を倒すためには……」
水銀燈「そうね。超えてやりましょう。……でも、もしもダメだったら私はほむらを見捨ててでも元の世界に帰るから」
真紅「もしも、なんてありえないわ」
444 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:10:50.09 ID:nSencqOu0
仁美「あ、あ、あわわ……」ガクガク
マミ「あ……志筑さんには魔女が見えないから苺轍の塊が何かに巻き付いて浮いてるように見えているのよね……」
仁美「芸術的ですわ……」ウットリ
杏子「あっそう……」
翠星石「これで中にいるであろう雪華綺晶も見えれば儲けもんだったですがねぇ」
蒼星石「仕方ないよ」
QB(まどかに集約された時間軸の因果、強力なエネルギーが雛苺に流れ込んでしまっているということかい……?)
QB(折角のエネルギーが、苺轍なんかに消化されているとでも言うのかい?)
QB(何ということをしてくれるんだい……。全く。迷惑もいいとこだよ)キュップイ
QB(まどかならワルプルギスを一撃で倒せる。……そう見込んだだけあって、ものすごい力を苺轍から感じ取れるよ。流石はまどか)
QB「何にしても、ワルプルギスを倒せさえすればまずよしとしよう」
445 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:11:50.20 ID:nSencqOu0
使い魔「ウフ…フフフ」
蒼星石「使い魔がまた出てきたよ!」
マミ「さっきと違って少し動きがぎこちないわね」
杏子「弱っているんだな。だが、何故ここで使い魔を……」
水銀燈「これはチャンスよ……!」
仁美「え?」
水銀燈「苺轍が魔女の中からということは……外から魔女の体内に入ることができるということ。しかも今は苺轍によって魔女が固定されているわ」
金糸雀「じゃあ、使い魔がまた現れたのは……」
真紅「外敵の侵入を防ぎたい、ということね」
446 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:12:20.11 ID:nSencqOu0
マミ「体内……確かに、あれだけ攻めても傷一つだったくらいの頑丈っぷりだったけど……内部からならダメージを与えられるかもしれないわね」
さやか「それになにより!まどか達と合流できるってこと!」
真紅「魔女の体内に入って雪華綺晶を倒せれば……!」
翠星石「取り入れられた魔女も同時に倒せる。あるいは……」
蒼星石「無力化ができるのかもしれないね」
金糸雀「雪華綺晶を相手にするなら、真紅が行くべきかしら。そして、そのマスターの杏子」
杏子「それは……ちょいとキツイかな」
真紅「杏子……?」
447 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:13:10.15 ID:nSencqOu0
杏子「くっ……」ガクッ
さやか「杏子っ!」
マミ「さ、佐倉さんのソウルジェムがひどく穢れているわ!」
杏子「雛苺の分を補うのに魔力が……」
真紅「無理しないでって言ったでしょ!」
真紅「その雛苺も契約をしたからその必要はなくなったけれど……」
杏子「悪ぃ……」
マミ「佐倉さん。確か一つ余ってたわよね。それを……」
杏子「駄目だ。この一個は……ほむらと合流できた時に、そのためにとっておいたんだ……!」
448 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:13:45.43 ID:nSencqOu0
杏子「ほむらは魔女の中にいる。ほむらだって、グリーフシードの貯蓄はあるが、何に遭っているかわからねえ以上、持っておかねぇわけにはいかねえだろ……」
さやか「杏子……!」
水銀燈「もう、情けないわねぇ。ほむらが向こうでくたばらないよう配慮して力を抑えてる私を見習いなさぁい」
真紅「貴女、杏子達からこっそり力奪ってないでしょうね」
水銀燈「」ギクッ
水銀燈「し、仕方ないわねぇ!こ、これあげるわぁ〜!」ゴソゴソ
ポイッ
杏子「な、こ、これは……」パシッ
マミ「グリーフシード!?」
449 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:14:28.98 ID:nSencqOu0
杏子「お、おいおいおいおい、どうしてお前が持ってるんだよ!お前が持ってたって……!」
水銀燈「……忘れちゃったの?私との出会いを。信じらんなぁい」
杏子「……は!」
〜〜回想〜〜
水銀燈「なんだか綺麗な物、拾っちゃったぁ」
杏子「……あっ?!それはグリーフシード!てめぇ!それはあたしんだ!返せ!」
水銀燈「やぁよ……これは私のよ……だって綺麗なんだもの」
〜〜〜〜〜〜
真紅「あの時の……」
杏子「な、何で黙ってたんだよ……!」
水銀燈「フン、私の物なんだから私がいつ出そうが私の勝手よ」
杏子「ま、まあ……とにかく助かった……ありがとよ!水銀燈!」
水銀燈「フ、フ〜ン」ツーン
450 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:15:01.40 ID:nSencqOu0
ワルプルギス「」
シルシルシル
翠星石「あっ!苺轍が弱々しくなっているです!しかも、穴を茨が覆い始めているです!」
蒼星石「流石に長時間は持たないんだ。早くあの中に突入しないと……」
金糸雀「水銀燈は蒼星石を連れて先にあの穴へ向かうかしら。たどり着いたら蒼星石は茨を切り落とす!」
金糸雀「そして私達が杏子と真紅をそこへ向かわせる!水銀燈は援護、翠星石は引き続きさやかと仁美、そして私達を防御するかしら!」
水銀燈「何仕切ってんのよ」
金糸雀「雪華綺晶の力が消耗しているのは事実。雪華綺晶の使い魔の勢いも減衰しているかしら。だから翠星石一人で十分!」
金糸雀「さやかと仁美は応援かしら!」
仁美「こんなこともあろうかとお守りを用意してきたので美樹さん、祈りましょう」
さやか「何でそんなのを……しかも家内安全て」
仁美「大切なのは気持ちですわー」
さやか「お、おう……」
451 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:15:29.93 ID:nSencqOu0
蒼星石「そういうわけで、水銀燈。よろしく頼むよ」
水銀燈「……もしやとは思うけど、貴女を私の背中に乗せるとかするわけ?杏子におぶられた時のように」
蒼星石「じゃあ、鞄で飛ぶよ。ただ細かい小回りが苦手でね。無事にたどり着けるように助けてね」
水銀燈「……わかったわ。さっさと行くわよ」バサッ
蒼星石「うん」ガチャ
杏子「よし、浄化も完璧。忘れ物なし。いつでもいけるぜ!」
真紅「水銀燈と蒼星石がそろそろ入り口にたどり着くわ。……それで、どうやって行くの。策はあるのでしょうね?」
金糸雀「ふっふっふ……マミがいるわ」
マミ「うっふふー」
翠星石「仁美が十秒エネルギーチャージをし始めたから力を使い尽くさないためにもさっさとするです」
仁美「乙な味ですわ」ゴクゴク
さやか「あたしの仁美のイメージが壊れ始めたのはいつからだろう」
452 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:16:14.13 ID:nSencqOu0
マミ「さあ!入って!」ドサッ
真紅「……え?入るってマスケット銃……いえ、キャノン砲に?」
マミ「さあ!あなた達が弾よ!」
真紅「は?私達が……弾?」
金糸雀「弾かしら」
杏子「あの技だな……なるほど」ニヤリ
真紅「いや、あの、二人とも?まさかとは思うけど」
杏子「いいだろ別にお前は鞄の中なんだから」
真紅「……人間大砲?」
金糸雀「そうね」
真紅「……代わりに金糸雀が行くといいわ」
マミ「ほら、早く!」
真紅「…………………………」
453 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:17:13.28 ID:nSencqOu0
真紅(in鞄)「マミを信頼するのよ私。怖くないわ。怖くない。鞄の中だから揺れるだけ。怖くないわ」プルプル
杏子「いつでもいけるぜ!」スポン
マミ「行くわよ……!」
金糸雀「ええ!」
マミ「『カノン・ザ・カノン』のグレードアップ技……!」
杏子「不完全の状態であったにも関わらず茨の魔女を一発で倒した、合体技……!」
真紅(怖くない怖くない怖くない!人間大砲の荷物にされるなんて別に怖くなんかない!)
454 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:18:32.69 ID:nSencqOu0
マミ「ティロ!」
杏子「ファンタズマ!」
金糸雀「シンフォニー!」
ドォ――z___ ンッ
真紅(いやああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!)
杏子「説明しよう!『ティロ・ファンタズマ・シンフォニー』とは、先のKTKの発射される弾丸をあたしに置き換えたマミ考案の技としては、かなりのワイルド技!」
杏子「金糸雀による音波に守られた空飛ぶあたしが……、空気抵抗?って奴のせいで弾丸と同速とまではいかないけれど、高速で突っ込む!」
杏子「ただの人間大砲じゃないか、だって?……否!飛んでいるあたしが、任意のタイミングでロッソ・ファンタズマ(命名:マミ)を発動するッ!そうすることで勢いそのままで複数のあたしが相手を襲うってわけさ!」
杏子「人間大砲とは違う……。そう、これは……人間散弾銃!KTKにしかり、マミにしてはシンプルな名前だって?」
杏子「あの名前はないわ……。流石に無理だから、合体技ということもあってこれで妥協してもらった!」
杏子「で、私は今、右手に槍。左手に真紅の鞄を持った状態で飛んでいる!」
455 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:19:14.25 ID:nSencqOu0
使い魔s「「「――!」」」ワーワー
杏子「ワルプルギス……いや、雪華綺晶の使い魔が、入り口を防ごうと現れるが……」
杏子s「「「「ロッソ・ファンタズマが発動する!」」」
杏子1「あたしは真紅と行く!あたし以外のあたしは使い魔を攻撃して道を切り開くんだ!」
杏子2「鞄持ちのあたしを何としてもワルプルギスにブチ開いた穴に行かせるぞッ!」
杏子s「「「よっしゃあああああ」」」ワーワー
456 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:20:57.55 ID:nSencqOu0
蒼星石「水銀燈!杏子が増えたよ!……うわっ!」チョキチョキ
水銀燈「見りゃわかるわよ。ほら、うっかりしてると使い魔に襲われるわよ」バサッ
蒼星石「あ、うん。ごめんよ……」ジョキジョキ
蒼星石「水銀燈。僕を守ってくれるのはありがたいけど、こっちに向かってくる杏子もカバーしてあげてよ」
水銀燈「その必要はないわ。金糸雀の音波を纏っているから」
杏子「うおぉぉぉぉぉ!耳がキーンってするけど魔法の力で何とでもなるぜぇぇぇぇ」
蒼星石「杏子がすごい勢いで飛んで来たよ!?」チョキチョキ
水銀燈「茨と苺轍の処理はこんなもんでいいわ」
杏子「おおおおおおおうぅぅぅぅぅ」
ボスンッ
水銀燈「ナイスショットォ」
蒼星石「ファ〜〜ッ」
水銀燈「それ遅い」
蒼星石「え?」
457 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:21:59.09 ID:nSencqOu0
――ワルプルギスの体内
杏子「魔女の、それもワルプルギスの体内に入った魔法少女と歴史に名を刻むな」ヒョイ
真紅「ぜー…はー……し、心臓に悪いわ……」
杏子「心臓ないだろ」
真紅「……に、人間大砲だなんて乱暴すぎるわよ!」
杏子「成功じゃん?過ぎたことは気にしない気にしない」ケタケタ
真紅「もう……」
真紅「しかし、ここは……魔女の体内と言うより雪華綺晶の世界と言えるわね」
杏子「ふーん。……なぁ、ほむら達はどこにいる?」
458 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:23:08.52 ID:nSencqOu0
「――!」フラフラ
杏子「あ、人工精霊!」
真紅「ベリーベルだわ。と、いうことは……雛苺はあっちにいる!」
杏子「ああ」
真紅「行くわよ!鞄をちゃんと持ってなさいよ!」タッ
杏子「わ、わかったよちきしょ!」ダッ
459 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:23:53.93 ID:nSencqOu0
――雪華綺晶の世界
ほむら「……これからどうしましょうか。まどか」
まどか「うーん……。雪華綺晶は音沙汰ないし、ヒナちゃんは苺轍を出すのに忙しそうだし……」
雛苺「…………」
ほむら「ここがどこなのかわからない以上、下手に動けないわ」
「――!」
ほむら「……あら、何か聞こえるわね……」
まどか「この声……」
杏子「ほむら!まどか!」バッ
真紅「雛苺!」バッ
460 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:24:53.72 ID:nSencqOu0
ほむら「杏子!真紅!」
まどか「杏子ちゃんと真紅ちゃん!」
雛苺「う……ゅ。しん、く……」
杏子「よかった!無事だったか……!」
ほむら「杏子!よくここがわかったわね……」
杏子「ベリーベルが案内したんだよ。それより、ほれ」ポイッ
ほむら「あら、グリーフシード……」
杏子「使いな。水銀燈からの手土産さ」
ほむら「水銀燈が……。……ありがとう。丁度ストックがなくなってたとこだったの」
まどか(ずっと辛い思いしてたんだもんね……)
461 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:26:26.72 ID:nSencqOu0
真紅「……雛苺」
雛苺「……ぅぃ」
真紅「貴女、私達に隠し事してたのね」
雛苺「……ごめんね」
ピシッ
真紅「よくてよ」フッ
真紅「さあ、この鞄に入りなさい」カチャ
雛苺「うん。おやすみなさい、なの……」
真紅「ええ。おやすみ」パタム
462 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:32:15.64 ID:nSencqOu0
真紅「……ねえ、ほむら。説明して頂戴。どうして雛苺の指輪が……」
ほむら「私……、そこで気を失っていたの。そこでは、怖い夢みたいなものばかりみていた」
ほむら「でも……まどかがその原因を払ってくれた。そして、悪夢から解放された後、別の夢を見たわ」
真紅「夢……?」
ほむら「私は檻というか篭の中にいた。そして檻の外に大学生くらいの青年と、私達と同じくらいの眼鏡をかけた少年の兄弟。……兄弟と言ったのは雰囲気が似ていたからよ」
ほむら「大学生の方が、檻の隙間に腕を突っ込んで、何かを渡そうとして……。私はそれを受け取った」
ほむら「二人とも、何を言っていたのかは覚えてない」
杏子「上条ん時と同じようなもんかな」
真紅(大学生と眼鏡をかけた中学生……!)
ほむら「でも、私が目を覚ますと、手には雛苺の指輪があった……。あの二人が何を言っていたかは覚えてないけど、やらなきゃいけないこと、雛苺との契約をさせなければならないとことは、理解していたわ」
463 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:32:47.30 ID:nSencqOu0
ほむら「……皮肉なものね。私がまどかに契約をさせるって」
まどか「ほむらちゃん……」
真紅(二つの世界のジュンが……!)
ほむら「真紅……その二人に心当たりはあるかしら」
真紅「…………そうね」
真紅「向こうの世界の下僕だわ。気がきくでしょう」
ほむら「そうね……本当に……。元の世界に戻ったら、礼を言っていたと伝えて」
真紅「ええ。……ちなみに、兄弟ではないわ」
ほむら「そう」
真紅(同一人物だなんて言ったら、話がこじれるだけだ)
464 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:33:52.57 ID:nSencqOu0
杏子「それよりも、ここから出ようぜ」
真紅「そうね」
ほむら「私、あんまり記憶がないのだけど、ここは雪華綺晶の世界なのよね」
杏子「ああ。それでいてワルプルギスの体内だ」
まどか「……え?」
杏子「ワルプルギスの体内」
ほむら「わ、ワルプルギス!?しかも……た、体内ですって!?」
ほむら「って言うか今日はワルプルギスの日だったのね!?」
ほむら「じゃあ、あなた達だけで……!」
杏子「ああ」
ほむら「何てこと……ああ、もう、混乱してしまうわ……」
465 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:35:31.29 ID:nSencqOu0
ほむら「よりによって、ワルプルギスの体内だなんて、正気の沙汰じゃないわ」
ほむら「私ってば、そんな長いとこここにいたのね」
杏子「私にはここで何があったかわからんけどな」
ほむら「……私以外みんなが戦っていたってのに」
まどか「ほむらちゃんだって、戦ってたよ」
ほむら「……そう言ってくれると救われるわ」
真紅「とにかく、ここから出ましょう」
まどか「真紅ちゃ……あれ、ヒナちゃんは?」
真紅「力を使いすぎたから、鞄の中で眠っているわ」
466 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:36:05.02 ID:nSencqOu0
ほむら「そうね。出ましょう。まどか、おんぶするわ。さあ」スッ
まどか「ええっ、そんな悪いよ……」
ほむら「いいから。雛苺に力を使って疲れているでしょ?私はどうせ寝てただけだったし」
まどか「そ、そんなこと……でも、うん……ありがと」スッ
ほむら「まどかってとても軽いのね」ヒョイ
まどか(は、はぅ……ほむらちゃんの背中……うなじ……///)マドマド
真紅「杏子。鞄を持ちなさい」
杏子「え?また?あたしが?」
真紅「ほむらはまどかを抱えるからよ」
杏子「真紅が持てよ」
真紅「私は杏子に抱っこしてもらわないと」
杏子「ブレねぇな……」
467 :
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[saga]:2012/06/13(水) 00:36:54.11 ID:nSencqOu0
「――ダメ、です」
ほむら「!?」
真紅「雪華綺晶……!」
雪華綺晶「ダメですわ……。私のマスターを寝取るだなんて……不潔……不純……」
雪華綺晶「返して――!」
ブアッ
まどか「ま、また茨が!」
真紅「最後の力を振り絞るってところね。ほむら!急いで逃げるわよ!」
ほむら「みんな。私に捕まって」
杏子「え?」
ほむら「これが、正真正銘。最後の時間停止よ」
カチッ
468 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:38:22.56 ID:nSencqOu0
ほむら「……と、いうわけでここはワルプルギスの体内なのよね。全く、ほんと正気の沙汰じゃあないわ」
真紅「そうね」
ほむら「じゃあ盾からありったけの爆薬とかを置きみやげするわ」ポイポイ
ほむら「手作り爆弾と手榴弾と爆薬と……あ、ダンプカーも置いてこう」
真紅「」
まどか「色々あるってレベルじゃないよね……」
ほむら「杏子……。ありがとう。このグリーフシードのおかげで、こんなに余裕があるわ」ポイポイ
杏子「あ、ああ……うん」
469 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:39:28.08 ID:nSencqOu0
――外
マミ「出てきたわ!」
翠星石「どっせい!蔦キャッチ!」シュルルッ
翠星石「あんどりりーす」シュッ
ほむら「ふぅ……。みんな。ただいま」
蒼星石「おかえり、みんな」
まどか「また迷惑かけちゃったね……」
QB「全くだよ。心配したよ」
マミ「もう……。美樹さんといい志筑さんといい鹿目さんといい……みんな避難なんてする気ないじゃない。無事でなによりだけどね」
まどか「あれ?何でさやかちゃんと仁美ちゃんが?避難してたんじゃ……」
さやか「あ、あはは……」
仁美「う、うふふふ……」
470 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:40:18.33 ID:nSencqOu0
真紅「心配したかしら?」
翠星石「全くですよ。真紅なら平気だって信じてたです」
金糸雀「かしらかしら」
水銀燈「フン」
蒼星石「その鞄……雛苺かい?」
真紅「ええ。力を使いすぎたから……眠ってしまったわ」
水銀燈「…………」
杏子「さ、ほむら。まだやることが残ってるぜ」
ほむら「ええ……」ファサ
471 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:40:52.57 ID:nSencqOu0
ほむら「……爆破まで、3……2……1……」
――――――
――――
――
水銀燈「……」
金糸雀「……」
翠星石「……」
蒼星石「……」
真紅「……」
ほむら「……」
マミ「……」
仁美「……」
さやか「……」
杏子「……」
まどか「……」
QB「……」
まどか「空が……晴れたね…………」
472 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:41:37.82 ID:nSencqOu0
ほむら「みんな……。この空を見て……。ワルプルギスが、消滅したわ……!」
まどか「うん……!」
ほむら「ついに……あのワルプルギスを倒したわ……!」
まどか「うん……!」
ほむら「杏子。マミ。さやか。仁美。水銀燈。真紅。金糸雀。翠星石。蒼星石。雛苺。そして……まどか」
ほむら「みんな。お疲れさま。……そして、ありがとう……!」ニコ
まどか「うん……!」
まどか「……ねぇ、ほむらちゃん」
ほむら「……何かしら?」
473 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:42:34.19 ID:nSencqOu0
まどか「……もう我慢なんかしなくていいんだよ」
ほむら「……えぇ」
まどか「おいで、ほむらちゃん!」
ほむら「……うん!」ダッ
ギュッ
まどか「ほむらちゃん……!」ギゥ…
ほむら「まどかぁ……私、えぐっ、やっと……やっと……グス、みんなの……おかげ、でぇ……ヒック、ありがとう……みんなぁ……ありがとう……まどかぁ……」キュッ
474 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:43:26.39 ID:nSencqOu0
翠星石「おろろ〜ん、いい話なのですぅ〜」グシグシ
仁美「きましたわね……!」
さやか「何が?」
マミ「これで……やっと、暁美さんは救われたのよ」
ほむら「まどかぁ……」ポロポロ
真紅「思う存分、泣かせてあげましょう。今まで泣くことを耐えてきたのだから」
マミ「ええ……」
475 :
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(石川県)
[sage]:2012/06/13(水) 00:44:01.60 ID:MC4Q8FYNo
うむ
476 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:45:11.11 ID:nSencqOu0
――翌日
マミ「……そう。もう、帰ってしまうのね。残念だわ。最後くらいみんなでお茶会したかったのに」
金糸雀「ごめんなさいかしらマミ。でも、カナ達はカナ達の世界がある。急いで帰らなくちゃ」
真紅「ええ。それにワルプルギスの後、nのフィールドを探索したのだけど、雪華綺晶の行方はわからなかったのだわ。つまり、雪華綺晶は既に逃げたということ」
真紅「服がボロボロだからいい加減ジュンに直して貰わないと」
蒼星石「僕達には僕達の本来のマスターがいるからね」
水銀燈「…………」
まどか「……ねぇ、ヒナちゃんは?」
真紅「雛苺は……」
翠星石「昨日の戦いで疲労困憊が続いてて、寝足りないようですぅ」
まどか「そっか……。大変だったもんね。ヒナちゃんが起きたら、伝えて?ありがとう、楽しかったって」
翠星石「ですぅ」
477 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:46:26.41 ID:nSencqOu0
真紅「杏子。私のレディーの掟、忘れないように」
杏子「……あ、ああ。わかってるよ」
真紅「元気でやるのよ」
杏子「真紅も元の世界で元気にしてろよ!せめて猫には慣れるとかしとけよ!」
真紅「善処するわ」
真紅「貴女は、これからも皆と仲良くね」
杏子「おうよ」
真紅「それからまどか、雛苺から貴女へ……」サッ
まどか「これは?」
真紅「これは雛苺のリボンよ。忘れないようにって」
まそか「わぁ……!可愛いリボン……!ありがとう!ってヒナちゃんに伝えておいてね!」
真紅「えぇ」
まどか「えへへ……。わたしもみんなのこと忘れないよ!」
真紅「……そうね」ニコ
478 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:47:09.93 ID:nSencqOu0
ほむら「……また会えるかしら、私達」
水銀燈「期待はしないことね。元々会うはずのない存在なのだから」
ほむら「そう……よね。寂しくなるわ」
水銀燈「…………ふん」
ほむら「そうだわ……。水銀燈手作りのクッキー、冷蔵庫に入れてあった物をいただいたわ」
水銀燈「別にあんたのためじゃないわよ。無理矢理作らされただけなんだから」
ほむら「隠すように入れちゃって……。とても美味しかったわ。……ありがとう。水銀燈」
水銀燈「…………」ツーン
ほむら「元気でね」
水銀燈「……ま、ほむらもせいぜい長生きすることね」
ほむら「ええ……いつまでも元気でやってやるわ」
479 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:47:42.33 ID:nSencqOu0
さやか「蒼星石、翠星石……。あたし、二人には特に感謝しなくちゃいけないよね。……本当にありがとう」
翠星石「きっかけを与えたのは翠星石達ですけど、感謝される程ではないですぅ」
蒼星石「そうだね。……さやか。これからも上条君と仲良くしてね」
さやか「うん……!」
さやか「蒼星石はあたしの嫁になるのだー!」ギュー
蒼星石「え?僕は人形である上に同性だから無理だよ」
さやか「いいからいいから!」ナデナデ
蒼星石「うん。……ありがとう。さやか」
480 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:48:23.74 ID:nSencqOu0
仁美「私からも感謝致しますわ。何だか私、変われた気がします」
さやか(そうだね。何というかお淑やかキャラからおてんば姫キャラにね……)
翠星石「いいですか?仁美。翠星石が教えた庭師の掟、肝に銘じやがるですぅ」
仁美「もちろんですわ!志筑家の庭に薔薇園を造ってちょっとした名所にするつもりでいます!」
翠星石「その調子です!これからも頑張るのですよ!」
仁美「はい!」
翠星石「握手ですぅ」キュ
仁美「握手ですわ」キュ
481 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:48:59.59 ID:nSencqOu0
マミ「うぅ〜、寂しくなるわぁ」ギュー
金糸雀「マミィ……く、苦しいかしら。胸で圧迫祭りかしら」
金糸雀「マミにはもうたくさんの仲間がいるかしら。寂しくなんかないかしら」
マミ「……そうね。もう、独りぼっちじゃないもの……!」
金糸雀「マミのご飯は美味しかったかしら。お世話になりましたかしら」
マミ「うん。ありがとね……。元気でね、カナちゃん。みっちゃんさんにもよろしく」
金糸雀「かしらー」
マミ「うふふっ」
金糸雀「うふふっ」
482 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:49:30.92 ID:nSencqOu0
真紅「さて……まどかはもう済んでるけど、最後にやることがあるわ」
蒼星石「名残惜しいけれど……」
金糸雀「それじゃ……」
翠星石「私達は……」
水銀燈「貴女達の薔薇の誓いを解くわ」
483 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:51:37.24 ID:nSencqOu0
――nのフィールド(見滝原)
真紅「さあ、帰りましょうか」
翠星石「…………」
翠星石「チビ苺……やっぱり最後くらい自分からお別れを言った方がよかったんじゃ……」
雛苺『いいのよ……翠星石。だって、こんなボロボロになったヒナの体なんて見せられないし、そうなったなんて教えられないわ』
雛苺『みんなとは笑顔で別れられたんだもの。それが一番ヒナは嬉しいの!』
雛苺『それと……こんな形でだけど、またみんなとお話ができて、ヒナ、とっても嬉しかった!』
金糸雀「ヒナ……」
雛苺『それじゃあ、真紅……。ヒナのローザミスティカ。真紅に返すね……』
雛苺『ありがとうなの……みんな……!』
スッ
真紅「ええ……」
484 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:52:16.23 ID:nSencqOu0
蒼星石「……それじゃあ、帰ろうか」
水銀燈「お先にぃ〜♪」
真紅「あっ、水銀燈!」
水銀燈「いつまでもここに留まってても仕方ないわ〜。雪華綺晶が元の世界に先に帰って好き勝手やってるかもしれないでしょ〜?」
水銀燈「じゃぁね〜」ピュー
翠星石「ああっ!水銀燈!しんみりとした空気を!このKYドール!」バタバタ
金糸雀「みっちゃんに早く会いたいかしらー!」ピュー
翠星石「ああっ!金糸雀まで!長女と二女の抜け駆けです!追うですよみんな!」ピュー
蒼星石「う、うん。」ピュー
真紅「……もうっ、慌ただしい姉達ね」
真紅「確かに、一ヶ月も向こうに居なかったのだもの。ジュンものりも巴もみっちゃんさんも水銀燈のマスターも、みんな心配しているわね」
真紅「さ、行くわよ。ホーリエ。ベリーベル」ピュー
水銀燈「…………」
485 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:53:02.83 ID:nSencqOu0
――nのフィールド(見滝原)
水銀燈「……出てきなさい。インキュベーター」
QB「……君が僕を呼び出すだなんて、考えてくれたんだね」
QB「いいのかい?まだ帰らなくて」
水銀燈「あんたに会うために進路をずらして来てやったわ。感謝なさい」
QB「……それで、あの時の病室で話した僕の『ローザミスティカを見たい』というお願いを聞いてくれるのかな?」
水銀燈「ええ、そうよ。しかも特に関心を抱いていた『雪華綺晶のローザミスティカ』よ」
QB「雪華綺晶だって?彼女はワルプルギスの夜の消滅と共に逃げ出したんじゃなかったのかい?」
水銀燈「他の姉妹にはそう見えたでしょうね。でも、実際、私はあの後全員の目を盗んでnのフィールドに行ってきたのよ」
486 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:53:54.37 ID:nSencqOu0
水銀燈「そこで魔女の体内から帰りはしたけどギリギリのとこでくたばった末妹のローザミスティカを持ってきた。ただそれだけのこと」
QB「そうかい。……ところで、もし差し支えなければ、研究素材の一つとして、君が左手に持っているローゼンメイデンのレプリカも見せてくれないかい?」
水銀燈「言うと思った。このレプリカ、あんたにあげるてもいいわよ?」
QB「くれるのかい?それは嬉しいな」
水銀燈「ただし取引よ。ただでローザミスティカを見て、あろうことかローザミスティカに適合する数奇なるレプリカをただで貰えるだなんて思って?」
QB「取引?」
QB「……まさか全ての魔法少女のソウルジェムを魂に変換し直せとでも言うのかい」
487 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:55:05.70 ID:nSencqOu0
水銀燈「……別にそういうことでいいわ。できなくてもできるようになさい」
QB「…………」
水銀燈「私達とはもう二度と会えないのよ?最初で最後のチャンスよ?」
水銀燈「見たいでしょ?欲しいんでしょう?ほら、どうして欲しいか言ってみなさぁい」
QB「…………わかったよ」
QB「ローザミスティカを見せておくれ」
水銀燈「無論、願い事がなかったことになったからマミはお陀仏だなんてないように」
QB「勿論。約束する」
水銀燈「宜しい。一つ目の取引成立よ。ローザミスティカを見せてあげる」
488 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:56:42.40 ID:nSencqOu0
パァッ…
QB「これが……。ありがとう。もっとよく見せておくれ」マジマジ
QB「そうかい。……へぇ……ふぅーん。やっぱり不思議だね。こんな小さい欠片が、あのワルプルギスの夜さえも取り入れた雪華綺晶の動力源だなんて」マジマジ
QB「しかも雪華綺晶だからと特異というわけでない。人の体感的な疲労と引き替えに、あんな小さい体で魔女や使い魔を倒したり巨大な蔦を生やせたりする力……全く不思議だ。燃費が良すぎる」ジロジロ
水銀燈「……ねぇ、これで本当に強大なエネルギーとやらが出来るわけ?」
QB「僕の立場では断定はできないけど、これは可能性が高いね。魔法少女や魔女の制度以上の効率も十分にありえる」ジー
水銀燈「そう。……それで」
QB「わかっているよ。ローザミスティカを参考にして新エネルギーを開発、それに成功した暁には、魔法少女を普通の人間に戻す。それが取引だ」フムフム
489 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:57:30.70 ID:nSencqOu0
水銀燈「ええ」
QB「だけどあの三人が存命している間に完成するとは限らないよ」
水銀燈「完成する可能性はあるのでしょ?ならそれでいいわ」
QB「……やれやれ。努力はするさ」
QB「それで……?レプリカの方の代償は何だい?」
水銀燈「魔法少女が全て人間に戻る際に、その旨を説明した上できっちり使い魔と魔女の処理をすること、よ」
水銀燈「あんたが相手だとわざわざ言わないと、勝手なことしそうだもの。元々はあんたが撒いた種なのに」
QB「……信用がないね。うん。いいよ。約束する」
水銀燈「成立ね」ポイッ
490 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:58:16.81 ID:nSencqOu0
QB「……これで感情を超えるエネルギーを得ることができれば、魔法少女はまさしくなかったことになるわけだ」
QB「それにしても、ローゼンという人間よりも君がわざわざ僕にそういう取引を持ちかけるということのが不思議に思えてくる」
水銀燈「そうね……。私そういうキャラじゃないものね」
水銀燈「……ほむらとの取引なのよ」スッ
QB「おや……それはグリーフシードだね。何で君がそれを持っているんだい」
QB「それに取引だって?ほむらと……?」
水銀燈「……」
QB「…………ああ、そうか。なるほどね」
491 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 00:59:05.21 ID:nSencqOu0
QB「わかったよ。その土産物の代わりに僕とこういう交渉をさせたんだ。合ってるかい?」
水銀燈「…………そうね。大体合ってるわ」
QB「ほむららしいや」キュップイ
QB「さて、ローザミスティカの観察もこんなものかな。眼福だよ。ところでそのローザミスティカは……」
水銀燈「そうね。元の世界に帰ったら、放置する」
QB「何だって?」
水銀燈「そうすればこの子も勝手に元通りになるでしょ」
QB「どうしてそんなことをするんだい?君達はこれを奪い合っているんだろう?」
水銀燈「お馬鹿さんね。末妹は、アリスゲームに既に敗退している上にレプリカである雛苺が倒した」
水銀燈「そんなローザミスティカ、横取りできないわよ。私のプライドが許せない。アリスゲームとはもっと神聖なものなの」
QB「僕には理解できないな。まあいいや。それじゃ、水銀燈。レプリカの部品は貰っていく。良い取引だったよ」ヒョイ
QB「さようなら。水銀燈」トコトコ
水銀燈「…………」スッ (グリーフシードを見つめる)
492 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:01:26.95 ID:nSencqOu0
〜〜〜回想(昨夜)〜〜〜
ほむら「水銀燈……。明日、とうとう帰ってしまうのね。……寂しくなるわ」
水銀燈「そんな面には見えないのだけど」
ほむら「本当にありがとう。あなたのおかげもあって、私は救われたわ」
水銀燈「やめなさいよ気持ち悪い」
ほむら「これをあげるわ。お土産よ」スッ
水銀燈「これは……グリーフシード?」
ほむら「杏子と出会った時、これを綺麗だって言ってたそうじゃない。向こうの世界では何の役にも立たないでしょうけど、持っていって」
水銀燈「……真紅のマスターのようだったから盗っただけよ」
ほむら「その割にはワルプルギスの時まで携帯していたみたいじゃない」
水銀燈「……フン。勘違いも甚だしいわ。…………でも」
ヒョイ
水銀燈「…………貰っといたげる」プイッ
水銀燈「勘違いしないでよ。あの時くれてやったのは……あれよ、私の食事の、妥当な報酬なんだから」
ほむら「……そう。じゃああの貸しはなしだったのね」クス
493 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:03:34.39 ID:nSencqOu0
ほむら「それじゃ、クッキーのお礼……だけってのも新品のグリーフシードをお土産にするに割が合わないから、もう一つこれで取引しない?」
水銀燈「はァ?取引ぃ?」
ほむら「貴女なりにでいいから、最後くらい素直になってほしいの」
水銀燈「は?」
ほむら「あなた、何も言わずにたった今から帰ろうとしてたでしょう」
水銀燈「まあね。長居する必要はないもの」
ほむら「ちゃんとみんなに顔を見せてから帰りなさい。いいわね」
水銀燈「……性格のひん曲がった貴女が普通に渡すはずないと思ったわよ」
ほむら「素直の度合いはあなた次第でいいわ。さっきみたいのでいいから」
水銀燈「べ、別に素直になったわけじゃないわよ!」
ほむら「ふふ、そうね」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
水銀燈「貴女の意見は別に聞いてないけれど」
水銀燈「私は魔法少女の制度が不快なのよね」
水銀燈「……勝手かしら?でも私は、自分に素直になってやった……。だからこれの取引は成立よ」キュッ
バサッ
494 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:08:06.55 ID:nSencqOu0
QB「特定の年齢の少女の感情はそれはそれは良いエネルギーだ。感情の研究も波に乗ってきてはいた」
QB「けれど、もしローザミスティカを参考にした新たなエネルギー資源を開発すれば……契約さえすれば老若男女問わずエネルギーを採れるかもしれない」
QB「そう思えば、それはとても素晴らしい進歩だ」
QB「僕と契約してマスターになってよ!なんてね」
QB「とは言え、それができるまではまだ感情のエネルギーに頼らせてもらうし、まどかとの契約も諦めないよ」
QB「待っててよまどか。君にはまだ因果のエネルギーがたくさん内包されている。必ずや契約させてみせるからね」キュップイ
495 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:09:55.70 ID:nSencqOu0
QB「さて、戻ったよ。ラプラスの魔」ピョン
ラプラスの魔「魔法少女は、まるで美しい装飾を施されたパンドラの箱。見た目の美しさにあどけない少女は見惚れ……。開けてみれば魔女という悪夢と命をかけた戦いと、絶望の真実……。しかし、希望は残されていた」
ラプラスの魔「少女の涙は昔から大衆の心を動かす魔法の雫。ましてや未成熟な心身で絶望に抗い打ち勝ったその姿の美しさと言ったら……」
ラプラスの魔「貴方でも、それには舌を巻いたのでは?」
QB「生憎、僕には感情がないからね、君の言うことは全くわからないよ」
ラプラスの魔「それはそれは失礼しました。感情がない……ああ、何と勿体ないことでしょう」
QB「邪魔なだけだと思うけどな」
ラプラスの魔「これは手厳しい。……おっと、もう時間です。私も急がねば」
ラプラスの魔「それでは……、こちらが出口になります。もうあなたと会うことがないと思うと口惜しい。口惜しい……」サッ
QB「そうかい。それじゃ、さようなら」ピョイ
ラプラスの魔「さようなら。インキュベーター……」
ラプラスの魔「……さてさて、究極の少女と普通の少女。どちらが先に生まれるのやら」
496 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:13:33.85 ID:nSencqOu0
――数日後(見滝原)
マミ「……ローゼンメイデンのみんなが行ってから……何だか物静かに感じるわね」
仁美「今ここには六人もいる。……ですのに、奇妙な話ですわ」
さやか「いやー、それにしても大変でしたねー。あの一ヶ月」
杏子「そうだなー。テーブルマナーを叩き込まれたり魔女の体内に入ったり」
マミ「鏡の中に入ったり絶望しかけたり」
さやか「腰抜けたり告られたり」
仁美「病院で寝てたり瓦礫の上でゼリー飲んだり」
まどか「でも、一番大変だったのは、ほむらちゃんだもんね!」モゾモゾ
まどか「改めて、お疲れさま!ほむらちゃん」キュッ
ほむら「ふふ、ありがとうまどか」
497 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:21:42.15 ID:nSencqOu0
ほむら「ところでまどかはさっきから私の髪に何をしているのかしら」
まどか「えへへ……」
まどか「……じゃーん!ほむらちゃんにヒナちゃんのリボンを着けてみました!」
仁美「まあ、あらあら」
さやか「わ〜、すっごいかわ……ブフォwwww」
ほむら「さやか、もっと可愛い衣装をコーディネートしてあげる」ニッコリ
さやか「……?」
ほむら「スク水エプロンニーソ……+ランドセル」ボソ
さやか「ひぃ!」
マミ「え、えっと……暁美さん、可愛いわよ」
まどか「うん!とってもとっても可愛いよ!」ナデナデ
ほむら「ほむぅ……///」
498 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:23:29.09 ID:nSencqOu0
仁美「う〜ん……とは言え、少しアンバランスですわ。……でも」
マミ「……えぇ。鹿目さんが選んだ『あの服』なら……それはとっても似合うかもしれないわね」
ほむら「えっ」
杏子「ああ、絶対に似合……ンフハハwww」
ほむら「今想像したわね杏子。いつか必ずゴスロリの刑に処してやるわ」
杏子「……う」
ほむら「吉川線みたいなチョーカーを着けてやるわ」
杏子「……すいませんっしたぁ!」
まどか「こ、今度あの服を着ようね!ほむらちゃん」
ほむら「……う。……も、もうっ」
ほむら「……し、仕方ないわね///」テレテレ
さやか(何だかんだであの服気に入ってるんだ……)
499 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:24:19.31 ID:nSencqOu0
仁美「ところで美樹さんは上条君にすk…… モガッ
さやか「わ、わーわーわー!///」
まどか「えっ!?ど、どうしたのさやかちゃん!」
さやか「なっななな、何でもありませーん!」アタフタ
マミ「何でもあるわよその動揺っぷりは……」
さやか(仁美ぃ!言っちゃダメでしょそういうのはっ!)ヒソヒソ
仁美(ダメって……何を言うことがですの?)ヒソリ
さやか(ふぐぅっ……!あ、あの……恭介に……言うこと///)ヒッソー
ほむら「何か隠しているわね」ニヤリ
杏子「何だ何だー?」
500 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:26:37.35 ID:nSencqOu0
まどか「顔が赤い……。上条君関連だね!」
さやか「ぐ、ぐぅ……///」
仁美「私だって、宣言通り薔薇を植えましたのよ。緑色の薔薇がないのが悔やまれますが」
マミ「緑色の薔薇……すごい光合成しそうね」
仁美「ワル何とかの戦いが終わったらすることをお互いに話したのですわ。私は薔薇を植えることでしたの」
さやか「言うなーっ!」
杏子「で、さやかは何をするって宣言したんだ?」
ほむら「どうせ、あの戦いが終わったら接吻をするんだ、とか何とかそういうことを言ったんでしょ」
さやか「んなっ……///」
まどか「///」マドマド
さやか「も、もう!そ、その話はおしまいっ!!それよりも!それよりも!」アタフタ
501 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:32:16.86 ID:nSencqOu0
さやか「今度みんなで打ち上げやらない?!」
マミ「あら、いいわね!真紅ちゃんの指導の結果の紅茶を、改めてお披露目するわ!」
杏子「ご馳走食べたりお菓子食べたり紅茶飲んだり……」
仁美「こないだのお出かけも、暁美さんが攫われて中断したからその続きもするべきですわね」
まどか「えへへ。今から楽しみだね!」
ほむら「ふふ、そうね」
仁美「でも、その前に……」ボソッ
杏子「ほむら、ちょっといいかい」グイグイ
ほむら「な、何かしら?」
杏子「あのだな……」チラッ
502 :
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(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:33:49.10 ID:nSencqOu0
マミ「………ふふ」グッ
マミ「……鹿目さん」ポン
まどか「はい?」
さやか「ほむらに言いたいこと、あるんじゃな〜いの?」ヒソヒソ
まどか「えっ!?そ、それは……///」
仁美「お二方の用が済んでから打ち上げをしますわ」
まどか「う、うぅ……///そ、そんな、悪いよ。みんなで遊んでから……」
マミ「いいのいいの。ちゃんと誘えるかしら?」
さやか「まどかは変なところで大胆で妙なところで引っ込み思案だしなぁ」
仁美「心配ですわー」
まどか「う……。そ、そんなことないもんっ」プクー
まどか「ほ、ほむらちゃんとお出かけ、誘えるもんっ」
さやか「よし、その意気だ。デートのお誘い頑張りな」
まどか「デ、デートだなんて……///」
マミ「で、それらが終わったら美樹さんは恋人と接吻ね」
さやか「だ、だからそんなんじゃありませんってば……///」
503 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:36:39.21 ID:nSencqOu0
杏子「――そういうわけで茶葉を抽出するにはなぁ」
ほむら「ちょっと待って。なんで杏子に紅茶談義をされなければならないの」
杏子「真紅の受け売りかしらー」
ほむら「若干ウザいわ」
杏子「それよりもまどかが話があるってよ」
ほむら「え、そうなの」
杏子「そうだよ。それとほむら。……頑張れよ」グッ
ほむら「何がよ」
杏子「最初に『ま』がつく……」
ほむら「ああ、魔女なら以後も変わらずよ。ワルプルギスを超えたからって気が抜けたりなんかしないわ」ファサ
ほむら「長生きするって水銀燈とも約束したもの。頑張らない理由がない」
杏子「お、おう……。……頑張ろうぜ」ポン
ほむら「な、何よ……その哀れみを込めた表情は……」
504 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:42:16.56 ID:nSencqOu0
まどか「あの……いいかな?」コソコソ
ほむら「ええ」
まどか「ねえ……ほむらちゃん」
ほむら「どうしたの?まどか」
まどか「あのね……わたしが寝ちゃった少し前に、指輪のこと話したよね?」
ほむら「ああ……あの時の」
ほむら「あの時はあなたを無自覚に傷つけてたのよね……本当に悪かったわ」
まどか「い、いいんだよ別に……。それはわたしが勝手に……」
505 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:43:18.01 ID:nSencqOu0
まどか「……で、でもね?」
ほむら「何かしら」
まどか「その……」モジモジ
まどか「あ、あの時はやっぱいらないって言ったけど……わたし、やっぱ、欲しいな、って……」
ほむら「そうなの?」
まどか「うん……」
ほむら「それってやっぱり……」
まどか「……///」モジモジ
ほむら「薬指に?」
まどか「ぅん……///」
506 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:45:57.87 ID:nSencqOu0
ほむら「ふふ、そうね。喜んでプレゼントするわ」
まどか「ウェヒヒ、嬉しいっ!」
ほむら「頑張って選ぶわ」ニコ
まどか「うん!そ、それで……その、一緒に、お出かけ……」マドマド
ほむら「そうね。それじゃ今度みんなで出かけた時にでm……」
マミ「……」ジー
杏子「……」ジー
仁美「……」ジー
さやか「……」ジー
まどか「……」ジー
ほむら「……」
507 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:47:28.38 ID:nSencqOu0
ほむら「二人で出かけましょう」
まどか「うん!」
ほむら「二人でアクセサリー店を見て回ったり、お昼ご飯を食べたり……」
まどか「今からものスゴイ楽しみだよ!」
ほむら「ふふ、そうね……。楽しみね」
ほむら「それじゃ、今度の休日に――」
終わり
508 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 01:47:54.66 ID:nSencqOu0
これで完結になります。取りあえず完走できて感無量です……!
ローゼンメイデン×まどマギのクロスオーバーはいかがだったでしょうか。各キャラの色的に誰が誰と契約するかバレバレでしたけど。
初SSということで、何か調子に乗って書いてしまいここまで長くなり、その他不慣れな部分、無駄な描写やお見苦しいgdgd部分や各原作の設定の自己解釈はありましたが、何とか終わらせることができました。
皆様からの助言、支援をいただき、また、読んでいただいたということが、何よりも支えになりました。
本当にありがとうございました!お疲れさまでした!
509 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/06/13(水) 01:49:30.48 ID:MC4Q8FYNo
乙
面白かったよ
終わって欲しくないくらいだ
510 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(熊本県)
[sage]:2012/06/13(水) 01:51:15.52 ID:h594qinpo
おつ!
すごく面白かったよ!
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長野県)
[sage]:2012/06/13(水) 01:53:41.51 ID:B0eHAdSEo
乙
本当に面白かったよ!
512 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/06/13(水) 01:59:11.63 ID:hsS+4NiU0
一気に読んじゃったよ!
とてもおもしろかった
乙
513 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/13(水) 02:25:52.03 ID:gyn1qW2AO
乙!
べえさんとラプラスのコンビ好きだった
514 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2012/06/13(水) 02:48:59.83 ID:3qd9sENAO
カラs…銀ちゃん可愛いよ銀ちゃん
杏子ちゃんのゴスロリ気になるなあ
乙!
大団円でまとまってよかった!
515 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/13(水) 05:30:02.04 ID:JqAmQkLXo
いいねー
しかしまどほむは要ったのか
516 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/06/13(水) 07:21:30.05 ID:QN632fjC0
乙!
面白かった!
517 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 07:54:31.52 ID:nSencqOu0
すみません、書き忘れてたことがありました。
元々これはニュース速報VIPで書いていましたが、PCの不具合で中断という形になり、こちらに移動させて書き直させてもらいました。
(一応元スレ)
ttp://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1339257998/l50
向こうでも支援していただいた方や、バイバイさるさんを知らなかった私にその詳細を教えていただいた事も、この場を借りて感謝致します。
もしまた何か書く機会があれば、また会える時を楽しみにしております。それでは、今度こそ失礼しました。<(_ _)>
518 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/06/13(水) 08:12:17.86 ID:AijDp/jZo
仁美の活躍っぷりに感動した
乙!
519 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/13(水) 11:22:48.26 ID:hZdq4BSno
乙
520 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/13(水) 17:15:53.87 ID:2RMnF4RWo
今読了した!
面白かったぜ!乙!
521 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/13(水) 17:19:54.83 ID:kPZyOEmVo
ここって完結したらなんか申請しないといけないんだっけ?
522 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/13(水) 17:23:41.37 ID:FANOoXeIO
HTML化依頼しないと二ヶ月は落ちない。
523 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2012/06/13(水) 20:30:56.47 ID:nSencqOu0
>>521
>>522
依頼スレには既に書き込んではあります。
私もここの仕様は熟知していないので何とも言えませんが
それにしても読み直してみれば所々ミスが……悔やまれます
524 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/06/14(木) 00:49:41.65 ID:bdf9bhPWo
お疲れ様でした。
ローゼンもまどかも好きですが、
良い感じのクロスで、読み応え有りました。
次回作も期待します。
525 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
:2012/06/14(木) 10:04:01.62 ID:JMx1Rly3o
おつかれ
なかなかやるじゃん
526 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/14(木) 11:19:39.03 ID:2vHR2umDO
おっちゃんおつおつ
527 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(田舎おでん)
[sage]:2012/06/15(金) 14:24:35.85 ID:d1wOReAFo
乙
口調とかも含めてクウォリティー高いな
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