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人造人間17号「…………」ミスト「あらあら」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:49:52.69 ID:WR5XRdlTo

ミスト「家の前で物音がしたと思ったら、行き倒れを見つけてしまいました」

17号「…………」

ミスト「……何やらクワの似合いそうな顔をしてますねぇ」


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VIPでガンダムVSシリーズ避難所【マキオン】 @ 2024/04/30(火) 07:03:33.32 ID:jpWgxnqGo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714428212/

今日も人々に祝福 @ 2024/04/29(月) 23:42:06.06 ID:cZ/b8n+v0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1714401725/

ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part12 @ 2024/04/29(月) 20:01:59.10 ID:OQox+0Ag0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714388519/

私が書いた文だ 一度読んでみて @ 2024/04/29(月) 13:03:50.96 ID:zomKow9K0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714363430/

私が書いた文はどう? @ 2024/04/29(月) 12:48:33.59 ID:6mJNXBCE0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714362513/

感情から生まれたものたちとの物語【安価】 @ 2024/04/29(月) 10:45:54.36 ID:0XsgiyN10
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714355153/

【安価】タイトルからあらすじを想像して架空の1クールアニメを作る 2024春 @ 2024/04/28(日) 16:37:54.07 ID:PHuiugtM0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714289873/

2 :!ninja [sage]:2012/10/13(土) 14:52:02.00 ID:WR5XRdlTo
VIPで見てた人(ここに居るかどうかは分からないけど)には悪いことをしたなぁと思ってる
本当にさるって怖いわぁ
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:52:38.54 ID:WR5XRdlTo

17号「……知ってるか、女」

ミスト「はい、何でしょう?」

17号「永久エネルギー炉があったとしても、空腹は満たされないのさ」

ミスト「……? おっしゃる事がよく分かりませんので、とりあえずクワを持ってきますね」

17号「バカかお前は」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:53:07.17 ID:WR5XRdlTo


ミスト「バカとは失礼ですね、私は何時だって真面目ですよ?」

17号「何処が真面目なのさ。オレは空腹だといっているんだ、なら持って来るものは決まってるだろ?」

ミスト「……あ! そうですよね、うっかりしてました」

17号「……まぁいいさ。分かったんならとにかく食い物を」

ミスト「じょうろですね!」

17号「殺すよ女」

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:53:35.34 ID:WR5XRdlTo


17号「何なんだ、お前はオレをおちょくってるのか?」

ミスト「え、いいえ? ただ畑仕事が似合いそうだなぁって思ったもので」

17号「……本当に殺」

ミスト「あ、そういえば貴方の名前はなんて言うんですか?」

17号「助けてくれ18号」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:54:05.54 ID:WR5XRdlTo

ミスト「タスケテクレジュウハチゴウさん……ですか? 大変! 思い切り文字数オーバーしてますよ!」

17号「違う! オレの名前は……そう、17号。17号だ」

ミスト「そうなんですかー。私はミストと申します、よろしくお願いしますね、スカーフさん♪」

17号「…………ッ!」(エネルギー弾を放とうとして咄嗟に止めた)

ミスト「という訳で、最初にこれを渡して起きますね」

つ カブの種

17号「……ッッ!!」(超我慢した)

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:54:34.10 ID:WR5XRdlTo



17号「いい加減にしろ、女。お前を殺して食料を奪ってやったって良いんだぜ……?」

ミスト「むぅ、殺すとか奪うとか、あまり穏やかじゃないですねぇ」

17号「クワだのカブだの畑だの……これ以上くだらない事を言ってみなよ、オレは」








17号「……(おかしい、何故オレはクワを振るっているんだ)」ザックザック

ミスト「わぁ、やっぱり筋が良いですよー。スカーフさん」ニコニコ


8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:55:02.09 ID:WR5XRdlTo


17号(何故だ、この女と会ってからこうしてクワを振るうまでの記憶がすっぽり抜けている)ザックザック

ミスト「…………」ニコニコ

17号(一体何だというんだ……? 何が起こった……?)ザック、ガキン

17号「……ねぇ女、お前オレに何か」ガキン、ガキン

ミスト「そこ、石が埋まってて耕せませんよ?」ニッコニッコ

17号「分かりました、ミストさん」ザクザク

17号(畑仕事、頑張ろう)ザックザック


9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:55:30.80 ID:WR5XRdlTo


ミスト「あ、そういえば。この畑の名前を決めていませんでしたね」

17号「ああそうかよ」ザックザック

ミスト「スカーフさん、せっかくですから決めてみませんか?」

17号「意味分からん」

ミスト「さぁさぁ遠慮なさらずに、どうぞ?」

ピッ
> ミスト 牧場

17号(……こいつ……)


10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:55:59.51 ID:WR5XRdlTo


> ミスト 牧場

17号(……どんな名前でも、ね)

17号「…………」

ピピッ

> うんこミスト 牧場





ミスト「さぁスカーフさん、ミスト牧場に種を蒔いた後は水やりですよっ」ニコニコ

17号「何かエロイね、その言い回し」

17号(また記憶が飛んだが、もういいや。水だ水)



11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:56:33.07 ID:WR5XRdlTo


――パシュン


オーク「ウヴァー」

ミスト「!? あれはオーク……? 何故こんなところに……」

17号「……よく分かんないけど敵って事で良いんだろ?」ギュオオオ

ミスト「駄目です! モンスターを倒す時は、必ず何か道具を使ってください」

つ クワ

17号「……何で?」


12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:57:02.05 ID:WR5XRdlTo


ミスト「この大地の全ての道具には『タミタヤ』という魔法が掛かっておりまして」

ミスト「そのおかげで倒されたモンスターは『はじまりの森』へと送り返す事が出来るのです。優しい魔法ですよね」

17号「…………」ポカッ

オーク「グオァー」パシュウウン

ミスト「まぁ凄い、たった一撃だなんて……」

17号(何なんだここは)


13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:57:28.44 ID:WR5XRdlTo


17号「……はい、水撒き終わり」

ミスト「よく出来ました♪ ではこれで基本的な作業は終わりです、後は作物が成長するのを首をなが〜くして待ちましょうね」

17号「あっそ、じゃあオレは」

ミスト「そうですねぇ……それなら、そこにある空き家を使って下さい。今は誰も使っていませんから」

17号「…………」

ミスト「それではおやすみなさい、スカーフさん。また明日お会いしましょう」スタスタ

17号「もう勝手にしてよ……」

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:57:55.42 ID:WR5XRdlTo




ホー ホー


17号「…………」

17号(……まさか、戦う為に生み出されたオレが、畑仕事なんてする羽目になるとはね)

17号(セルの一件から数年。色んな所を旅してきたけど、あんな電波な女は初めてだ)

17号(この土地もタミタヤだの魔法だの、色々とおかしいし)

17号(何より何でこの家周りが墓だらけなんだよ、狂ってるよ)

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 14:58:24.34 ID:WR5XRdlTo


17号「…………」

17号(……でも、畑仕事は割と悪くなかったかな)

17号「…………」

17号(……まぁ、特に急いでる訳でもないし、自由気ままな一人旅だ。少しくらいはあの電波に付き合ってやっても良いかもな)

17号「…………」

17号「……寝よ」


――デンデンデンデンデンデンデーン デデデデーン……


16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/13(土) 15:02:18.83 ID:WR5XRdlTo
とりあえず時間がないのでここまで
あとは設定間違いとか誤字とか直しつつ、夜くらいに投下します
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 16:02:57.89 ID:WR5XRdlTo
再開
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:04:15.98 ID:WR5XRdlTo


チュン チュン


切り株「ズモモモモモ」


17号「何か切り株の数が増えているような……?」

17号「……まぁいいさ、とりあえず片付けとくか」


ズボッ ポーイ ズボッ ポーイ


ロゼッタ「……何あれ。切り株を素手で引っこ抜いてる……」


19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:06:18.58 ID:WR5XRdlTo



ロゼッタ「ね、ねぇ。アンタがミストに新しく拾われてきたって奴?」

17号「……誰?」

ロゼッタ「私はロゼッタ。町にある雑貨屋で店員やってるの、よろしく」

17号「……。オレの名前は、」

ロゼッタ「ああ、スカーフって言うんでしょ? 昨日ミストが触れ回ってたわ」

17号「アイツ……ッ!!」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:08:28.79 ID:WR5XRdlTo


ロゼッタ「……でさ。アンタも大変だとは思うけど、頑張りなさいよね」

17号「……ミストの事で?」

ロゼッタ「そ。どうせアンタ、ミストに無理矢理引っ張り込まれた口でしょ?」

ロゼッタ「あの子、結構な不思議ちゃんなのよね」

17号「ああ、うん……」

17号(……家の周りの墓は……いや、止めとこう)

ロゼッタ「でも悪い子じゃないのよ、それだけは分かってあげてね」

17号「……まぁ、覚えとくさ」

ロゼッタ「うん、よろしく!」ニコッ

21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:10:25.77 ID:WR5XRdlTo

ロゼッタ「ああそうだ。畑の横にある収穫箱があるでしょ? そこに物を入れておけば朝に換金しに来てあげるから、覚えといてよね」

17号(オレがここに住むのは既に確定なのかよ。別に良いけど)

ロゼッタ「それじゃ、後で町に顔出しなさいよねー!」

17号「…………」ヒラヒラ

22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:12:19.45 ID:WR5XRdlTo


ミスト「と、言う訳で町の皆さんに挨拶しに行きましょう」

17号「どっから沸いた」

ミスト「良いじゃないですか、そんな細かい事は」

ミスト「それよりも挨拶です。これからこの町に住む事になるのですから、挨拶は大切ですよ?」

17号「…………」

ミスト「では、とりあえずはお散歩でもしながら、町長さんに会いに行きましょうか」

17号「……まぁ、別に良いけど」


23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:14:17.75 ID:WR5XRdlTo


ビアンカ「あら、あなたが今度ミストに捕まった人? ……ま、今度のは結構いい感じね」

ノイマン「ははは、あんたがミストのとこに捕ま……いや、来たってウワサの……。 まぁ、あれだ。大変だろうがヨロシクな!」

カミュ「あんたがミストに捕まった人か……まぁ、あの子も変わってるけど悪い子じゃないから……」

ザッハ「お! お前が今度ミストが捕まえたって奴だな! ミストに惚れるなよな!?」




17号「……ちょっと話しただけで、お前に対する評価が分かるって凄いよな」

ミスト「あはは、何言ってるんですか〜。照れちゃいます」


24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:16:12.55 ID:WR5XRdlTo


ミスト「と言う訳で、これからこの町に住む事になりましたスカーフさんです」

ゴドウィン「ほう……そうですか、離れの牧場に」

17号「…………」

ゴドウィン「分かりました、私は町長として貴方を歓迎いたしましょう」

ミスト「ありがとうございます!」

17号「そりゃどーも」


25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:18:15.94 ID:WR5XRdlTo


ミスト「ではスカーフさん、町長さん。私はこれでお暇させていただきます」

17号「あっそ」

ゴドウィン「そうですか、ではまた」

ミスト「はい! あ、スカーフさん、私カブが出来るのを楽しみにしていますね」

17号「さっさと行け」ヒラヒラ




17号「…………」

ゴドウィン「……貴方がどのような人生を送ってきたのか、私は詳しくは問いません」

17号「!」

ゴドウィン「しかし、あのミストさんがあそこまで懐いているのです。私は町長として、彼女の好意を信じています」

17号「……馬鹿じゃないの、あんた」

ゴドウィン「はっはっは、これは手厳しい」

17号「…………」

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:18:58.89 ID:WR5XRdlTo


ゴドウィン「まぁ、この町に居る間は誰も敵にはなりません。貴方の心の思うままに過ごして下さって構いませんので」

ゴドウィン「これからよろしくお願いします、スカーフさん」

17号「…………」


17号「……まぁ、ヨロシク」


27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:20:51.08 ID:WR5XRdlTo


17号「…………」ザックザック


畑「ワーイ ワーイ」

雑草「マゼラレルー」


17号「…………」ズボッ ポーイ ズボッ ポーイ


切り株「ウワァーー……」


17号「…………」ガスッ バカン ガスッ バカン


大岩「ギャアアアアアアア」



レオ(斧もハンマーも鎌も要らんのか……こりゃワシの出番はなさそうじゃのう)

28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/13(土) 16:21:54.28 ID:K7oK8RZgo
ここに来てたとは
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:22:11.34 ID:WR5XRdlTo


畑「キレイニ ナッタヨー」


ピカピカ


17号「…………」


ピカピカ


17号「……ククッ」ニヤニヤ


30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:25:58.00 ID:WR5XRdlTo



――そして


ミスト「わぁ! カブが収穫できたんですね!」

17号(僅か四日で収穫できるっておかしくないか……?)

ミスト「おすそ分けありがとうございます、私カブって好きなんですよ」ニコニコ

17号「ふぅん……美味いの?」

ミスト「ええ、とっても! 知ってますか? とれたてのカブって、そのままで食べても美味しいんですよ」ニコニコ

ミスト「まだ余っているみたいですし、食べてみたら如何ですか?」

17号「…………」

ミスト「…………」ニコニコ

17号「…………」モグ


17号「……あ、美味い」

ミスト「でしょう?」エッヘン

31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 16:26:27.48 ID:WR5XRdlTo
>>28
来てくれてありがとう、本当にすまんかった
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:27:06.25 ID:WR5XRdlTo


ミスト「それでは、作物の育て方も覚えたようですし、次はカブ以外のものも作ってみましょうか」

17号「……悪いけどもう作ってるよ。ロゼッタの所でイチゴとジャガイモの種を買って、蒔いた所さ」

ミスト「あら、そうなんですか? やる気満々ですねぇ、私も嬉しいですよ」

17号「ふん」

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:29:05.75 ID:WR5XRdlTo

ミスト「畑も半分以上耕したみたいですし……そうですね、これなら洞窟への許可証もすぐに発行できそうですね」

17号「……洞窟?」

ミスト「ええ、カルディアの町の近辺には、一年中気候の変わらない洞窟が幾つかありまして」

17号「へぇ……」

ミスト「おや、興味ありませんか?」

17号「…………」




ゴドウィン「カーマイト洞窟への許可証ですか? 分かりました、発行しておきますので1日か2日程度お待ちください」

17号「なるべく早く頼むよ」ワクワク

34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:30:34.40 ID:WR5XRdlTo



メロディ「いらっしゃいませー……ってあら、スカーフじゃない」

17号「風呂に入りに来た」チャリン

メロディ「はいはい毎度ありー、男湯の方へどぞー♪」

17号「ああ」

メロディ「あ、そうそう。ちょっと顔が良いからって、覗きなんてやったら駄目だからね? あはは」

17号「しねーよ」

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:32:35.67 ID:WR5XRdlTo


ザッハ「お? スカーフじゃねぇか」

リュード「おやおや、これは奇遇だねぇ」

カミュ「…………」

17号「何だ、お前らも居たのか」チャプ……

ザッハ「おいらはリュードに無理矢理連れてこられたんだよ」

リュード「だって君臭いんだもん」

カミュ「…………」

17号「……何睨んでるんだよ、やるつもりか?」

カミュ「……メロディに顔が良いって褒められたからって調子にのんなよ! 絶対アプローチすんなよな……!!」」

17号「……ああ、そういう」

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:34:05.68 ID:WR5XRdlTo


リュード「はっはっは、本当にカミュ君はメロディ君にお熱だねぇ」

カミュ「ばっ!? ち、ちげぇよ! 俺は只、その、他にメロディが好きな奴が居る事を知ってて、そいつのために」

ザッハ「いや、まぁ気持ちはおいらも分かるぜ。スカーフって顔だけは良いからな、顔だけは」

17号「喧嘩売ってるの? お前」



リュード「確かに想い人が居る僕らからしてみると、ちょっと不安になっちゃうっていうのはあるよねぇ、ザッハ君?」

ザッハ「は、はぁ? ななななな何言ってんだよ、おいらは別にミストの事なんか……!!」

カミュ「そうだぜ!? 俺もメロディの事なんか……!!」

17号(……分かりやすいな、こいつら)

リュード「はっはっはっは」


ギャースカ ギャースカ


メロディ「こらー! あんまりうるさいと出禁にしちゃうよー!?」


37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:35:56.39 ID:WR5XRdlTo


ザザーン ザザーン


サラ「……おや? スカーフ、あんたこんな時間にどうしたのさ?」

17号「……いや、ちょっと夜風に当たりにな」

17号(あいつらの所為でのぼせちまったんだよ、クソが)

サラ「ふぅん、そうかい」

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:37:13.58 ID:WR5XRdlTo


ザザーン


17号「…………」

サラ「……そうだね、いい機会だからこれをあげるよ」

17号「? 釣竿……か?」

サラ「ああ、ただ夜風に当たってるってのも退屈だろ? だったらそれを海にたらして釣りでも楽しんどきなよ」

17号「……釣り、ね」

17号「…………」ブン ポチャ

サラ「ま、ゆっくりしていきな」

17号「…………」ヒラヒラ


39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:38:12.60 ID:WR5XRdlTo


――翌日


カラン カラン


17号「よう」

ジェフ「いらっしゃい」

ロゼッタ「あ、いらっしゃいスカーフ。何か入り物?」

17号「ああ、春の種をくれ。できれば育つのに時間が掛かるような奴」ワクワク

ロゼッタ「……どしたの? なんか落ち着きが無いけど」

17号「いや、今から洞窟に入るんだ。一年中気候が変わらないらしいから、時間が掛かるものを育てようかなってね」ワクワク

ジェフ「お、カーマイン洞窟かな? ならキャベツとかトイハーブとかが良いかな」ゴソゴソ

17号「じゃ、それでヨロシク」ワクワク

ロゼッタ(……ぷっ、何か子供みたい)

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:39:24.35 ID:WR5XRdlTo


――カーマイン洞窟



畑「」グッチャリ

17号「……よし」


ズボッ ポーイ ガスッ バカン ザック ザック


オーク「ウヴァー」

17号「うるさい」ポカッ

オーク「ァアー」パシュウウン

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:40:22.19 ID:WR5XRdlTo


ゲート「――」

――パシュン

オーク「ウバァー」


17号「……邪魔だな、あの機械」


ポー↓ヒー↑ ドガァァン



イヴァン「……何者なんだ、あの人は……」


42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:41:45.04 ID:WR5XRdlTo

グレーターデーモン「」チーン

17号「……何だ、この洞窟はこれで終わりか」

ミスト「お強いんですねぇ、スカーフさん」

17号「何処から沸いた」

ミスト「まぁまぁ、いいじゃないですか。それよりも凄いですねぇ、これなら次の洞窟も難なく踏破できそうですね」

43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:43:02.52 ID:WR5XRdlTo

17号「……次の洞窟?」

ミスト「ええ、トロス洞窟という秋の洞窟です」

ミスト「この洞窟も殆ど耕されてしまいましたし、次の洞窟の許可証もすぐに発行されると思うのですが……」

17号「…………」





――トロス洞窟



キメラ「」チーン

ミスト「あらあら瞬殺」

44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:45:09.64 ID:WR5XRdlTo

ザック ザック


17号「……よし、とりあえず畑は全部耕したな」スッキリ

17号「とは言っても、秋の種が無いんだが……まぁそれは仕方が無いか」

ミスト「無計画が仇になりましたね」

17号「黙れ」

17号(……少し急ぎすぎたか、オレらしくもない)

45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:46:45.53 ID:WR5XRdlTo


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


17号(……そこそこ金も溜まったな)

17号(そろそろ何か家具でも買っておくべきか……)

ミスト「それならイヴァンさんに頼むと良いですよ」

17号「……もう驚かない、驚かないぞ……」

ミスト(考え事が口から漏れてた事、教えてあげましょうかね?)

46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 16:47:48.42 ID:WR5XRdlTo



イヴァン「おやスカーフさん、何か御用でも?」

17号「冷蔵庫をくれ」

イヴァン「すいません、それは来週なんですよ」

17号「……ちっ、なら棚をくれ」

イヴァン「すいません、それは再来週に……」

17号「……ちっ、じゃあ小さいキッチンをくれ」

イヴァン「……すいません、それは三週先で……」


47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:21:00.58 ID:WR5XRdlTo


17号「……ならば、今貴様は何を売っているんだ」

イヴァン「今は……大きいキッチンです」

17号「……じゃあそれを」

イヴァン「…………申し訳ないのですが、それには増築が必要でして……」

17号「殺すぞお前」

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:22:31.94 ID:WR5XRdlTo


・・・・・・



ロゼッタ「そういえばスカーフ、あんた鍛冶とか薬学とはやらないの?」

17号「必要ないよ、どっちも」

ロゼッタ「うんまぁ、あんた位強ければ剣とか防具とかは要らないんだろうけどさ」

ロゼッタ「装飾品とかクスリとかは作っても困るもんじゃないと思うのよね」

17号「……ふぅん?」

ロゼッタ「ま、余裕があったらやってみても良いんじゃない?」


49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:24:24.38 ID:WR5XRdlTo

イヴァン「あ、すいませんが、それには家の増築。それとレシピ本が必要ですよ?」

17号「…………」



――切り株虐殺事件の始まりである

50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:26:12.36 ID:WR5XRdlTo


トルテ「鍛冶やクスリの……レシピ本なら……ラッセルさんに、どうぞ……」ビクビク

トルテ「魔法書なら、本棚の左端の方から……お求め下さい……」ビクビク

17号「そうか」

トルテ「…………」ビクビク

17号「…………」

トルテ「…………」ビクビク

17号「……じゃあな」

トルテ「! は、はい……」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:27:18.02 ID:WR5XRdlTo

ラッセル「成る程、了解しました。では発注しておきますね」

17号「ヨロシク」

セシリア「かっこいいお兄ちゃんだね」

ニコル「うん、【クール】ってあんな感じなのかなぁ?」

17号(問題は……増築費用だな)


52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:28:16.82 ID:WR5XRdlTo


セバスチャン「……効率良くお金を稼ぐ方法、ですか?」

17号「ああ、何か知らないか?」

セバスチャン「そうですね……それならば鉱石を集めてみては如何でしょうか?」

17号「鉱石?」

セバスチャン「ええ、珍しい鉱物は高値で売れますからね」

セバスチャン「まぁ、畑で連作出来る作物を大量に作る方が堅実かも知れませんが」

17号「……ふむ……」




――トロス洞窟



17号「…………」


ガス ガス ガス


ミスト「わぁ……鉱石って素手で掘り出せるものだったんですねぇ、私びっくりです」

53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:29:52.86 ID:WR5XRdlTo


・・・・・・


ロゼッタ「ふむふむ、クズ鉄4個、鉄2個、サファイヤ4個……しめてこの位かしらね」チーン

17号「こんなものか。これじゃ俺の作物の方が高いな……」

ロゼッタ「まぁクズ鉄とかは高く売れないし、サファイヤの数も少ないしね」

ロゼッタ「金とかダイヤとかがあれば話は違うんでしょうけど」

17号「……まぁ、それでも結構な足しにはなるか」

ジェフ「それに鍛冶をするつもりなら、後々必要になるからね。採っておいても損は無いさ」

17号「……それもそうだな」

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:31:07.67 ID:WR5XRdlTo

ミスト「ちなみに、洞窟によっては採れる鉱石も違うらしいですよ?」

ロゼッタ「あー、ギガント山とか凄いのが採れるってよく聞くわよね」

17号「へぇ、ギガント山……」

ミスト「まぁ、段階的にいってスカーフさんに下りる許可はクレメンス洞窟になると思いますので、もう少し先の話になると思いますが」

17号「クレメンス洞窟?」

ロゼッタ「確か夏の気候の洞窟だったわよね」

17号(……夏、か。季節も近いし、良いな)


17号「…………」ワクワク

ロゼッタ(あ、ワクワクしてる)

ミスト(ワクワクしてますねぇ)


55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:32:34.39 ID:WR5XRdlTo


・・・・・・


ゴドウィン「ほう、次の洞窟への許可証を?」

17号「ああ、そろそろ新しい鉱石も掘り出したいし……、?」


――バタン!


フィル「お父さん、大変です! セシリアちゃんが……!」


ゴドウィン「フィル!?」

17号「…………」

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:33:10.62 ID:WR5XRdlTo


ラッセル「ああ……なんて事だ……!」

ゴドウィン「……一体何があったのですか?」

ラッセル「町長! いえ、それがセシリアが洞窟に行ってしまったようなのです」

ゴドウィン「何と……! それは確かなのですか!」

アン「はい、皆で町の中を見て回ったんですけど、何処にも居なくて……」

サラ「海岸周りも居なかったとなると、もう洞窟しか無いよ」

ニコル「うう……セシリー……」


17号「…………」


57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:34:50.58 ID:WR5XRdlTo


ノイマン「それで、これからザッハとカミュがカーマイン洞窟を、俺とラッセルでトロス洞窟を探しに行く事になりまして」

ノイマン「まだ他の洞窟も探しに行きたいんで、その為の許可が欲しいのですが……」

ゴドウィン「……ふむ、仕方ありませんな。こんな状況となってしまった以上、悠長な事を言っていられません。まずはその二つの洞窟のみ暫定的に許可いたしましょう」

ラッセル「ありがとうございます!」

ニコル「なら僕も行く! 僕もセシリーを助けに行くんだ!」

サラ「馬鹿言うんじゃないよ! アンタはここで大人しく待ってな!」

ニコル「そ、そんなぁ……!!」






ロゼッタ「じゃあ、私達も念のためにもう一回町の中を探すわよ!」

ラピス「そうですね……洞窟に行っていない可能性もまだありますし」

ビアンカ「私の家の倉庫で迷子になってるだけって事もあり得るわ」

タバサ「では、そちらは私が」

ロゼッタ「スカーフ! あんたは街道沿いを――って、あれ?」

シャロン「……居ませんね」

58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:35:40.50 ID:WR5XRdlTo


ニコル「…………」コソコソ

17号「どこに行くつもりだ?」

ニコル「!」

17号「ここから先はクレメンス洞窟だが、一人で入るつもりか?」

ニコル「……うぅ、ぼ、僕だってセシリーを助けたいんだ! だから……!」

17号「…………」

ニコル「……ぅ、うううう……!」ポロポロ

17号「…………」

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:39:19.41 ID:WR5XRdlTo


17号「…………」

17号「……乗りなよ」スッ

ニコル「え? ……えっと、おんぶ?」

17号「良いから」

ニコル「う、うん。けど、一体何を――」

17号「……はっ!」バシュウウウン!

ニコル「う、うあああああああああ!?」


――キィィィィン……!


60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:39:52.70 ID:WR5XRdlTo


――そして




ラッセル「ああ、セシリア! 無事で居てくれて本当に良かった……!」

セシリア「うう、ごめんなさいぃぃ……!!」グスグス

ゴドウィン「よもやクレメンス洞窟の方に居たとは……スカーフさん、ありがとうございます」

17号「……まぁ、洞窟の中を見て回る楽しみは減ったがな」

ゴドウィン「?」

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:40:22.70 ID:WR5XRdlTo


セシリア「……ありがとう、ニコル。セシリーのこと助けに来てくれて」ヒソヒソ

ニコル「いや、そんな……実際に助けたのはスカーフの兄ちゃんだし」ヒソヒソ

セシリア「うん、お兄ちゃんも格好よかったけど、あそこを探そうとしてくれたのはニコルだって聞いたよ?」ヒソヒソ

セシリア「だったら、ニコルも助けてくれたよ!」ヒソヒソ

ニコル「……え、えへへ。そうかな……」カァァァ


17号「……ま、あれで良いだろ」

ロゼッタ「? 何が?」

ミスト「うふふふ……」

17号「――」ゾクッ



62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:44:36.00 ID:WR5XRdlTo



――そして17号は



ミスト「今日は春の収穫祭ですよ! カブの準備は万端ですか?」

17号「いや、今日はジャガイモで出ようと思ってるんだが……」

ミスト「…………」グスッ

17号「……カブ持ってくる」


63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:45:02.10 ID:WR5XRdlTo


――徐々にぎこちなさも消えて行き


17号「何か今日は騒がしいな」

ロゼッタ「スカーフ知らないの? 明日は海開きで町の祝日なのよ」

メロディ「だからみんなして水着の用意に急がしいんだ!」

17号「水着……」

メロディ「あ、今えっちな想像したでしょ〜」

17号「興、味ないよ」

ロゼッタ「どもってるわよ、バカ……」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 17:45:27.67 ID:WR5XRdlTo


――カルディアの町に馴染んで行ったのだった


ミスト「……ミストブルーム洞窟? 行くんですか?」

17号「? ああ」

ミスト「……考え直しません? 危ないですよ?」

17号「オレを誰だと思ってるんだ? そこらの雑魚どもに遅れを取る訳無いだろう」

ミスト「…………そこまで言うんなら止めませんけど、寝袋だけは絶対持っていかないようにして下さいね?」

17号「は?」

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:12:36.28 ID:WR5XRdlTo

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・





イヴァン「…………」

冥「おや、商人。どうしたのじゃ、そのような青い顔をしよって」

イヴァン「ああ、冥さん。……その、あなたは魔人ブゥを知っていますか?」

冥「うむ、風の噂によると隣のゼークス帝国が壊滅したらしいが……」

冥「……もしや、貴様はそこの縁者か?」

イヴァン「はは、まぁ……そう言う事に、なるんですかね」

冥「……心中、お察しする」

イヴァン「いえいえ、そんな」

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:13:02.48 ID:WR5XRdlTo


イヴァン「……でも、怖いですよね」

冥「そうじゃな、一国を簡単に滅する事が出切るなど、どのような怪物であろうか」

イヴァン「……この国に来ないと良いですね……」

冥「……うむ」


67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:14:02.04 ID:WR5XRdlTo


・・・・・・・・・・・・



ズボッ ポーイ ズボッ ポーイ

17号(……最近、何か嫌な予感がする)

ガスッ バカン ガスッ バカン

17号(あいつらが居るんだ、滅多な事は起きないとは思うが……)

ザク ザク

17号「……まぁ、オレに出来るのは……」

ミスト「畑を耕す事ですよね」ニコニコ

17号「……また出やがったな」

ミスト「失礼ですねぇ、お化け扱いだなんて」プクー


68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:14:28.82 ID:WR5XRdlTo



ミスト「それにしても、もう冬ですよ。時の流れとは早いものですねぇ」

17号「……そうだな」

ミスト「……本当、いろいろな事がありましたよね」

17号「ああ、騒がしい一年だったよ。本当に……」

ミスト「…………ずっと、こんな日々が続いていって欲しいですねぇ」

17号「…………」

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:18:11.30 ID:WR5XRdlTo


ミスト「……私、本当はスカーフさんもすぐに居なくなっちゃうと思ってました」

17号「…………」

ミスト「今までの人たちも、畑仕事に嫌気がさしてすぐにどこかへ行ってしまって……」

ミスト「スカーフさんも、その内そうなっちゃうんだろうなーって、ぼんやり考えてたりしてたんです」

17号「…………」

ミスト「でも、まさかこんなに長くここに居てくれるなんて……私、とっても嬉しいです」ニコニコ

17号(……笑顔に空恐ろしい物を感じるのは、オレの気のせいなのだろうか)


70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:18:41.23 ID:WR5XRdlTo

17号「……まぁ。オレは気ままに一人旅していたからな。成したい事とかもあんまり無かった」

ミスト「一人旅ですか……良いですよね、憧れちゃいます」

17号「そうかい」

ミスト「…………」

ミスト「…………あの、スカーフさん」

17号「何?」

ミスト「これからも、この町で一緒に暮らしてくれますか?」

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:19:16.25 ID:WR5XRdlTo


17号「…………」

ミスト「私だけじゃありません、ロゼッタさんや、メロディさん。ザッハさんやゴドウィンさんだって、そう思ってくれていると思います」

17号「…………」

ミスト「……だから、その……」

17号「…………」

ミスト「…………」


72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:19:47.19 ID:WR5XRdlTo



17号「……別に」

ミスト「……スカーフさん?」

17号「別に、構わないさ」

ミスト「!」

73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:20:42.28 ID:WR5XRdlTo


17号「さっきも言ったが、オレは特に目的を持って旅をしてたわけじゃない」

17号「ここに辿り着いたのは只の偶然だが、ここを出て行く理由も特には無いのさ」

17号「だから……まぁ、この町で暮らす事に異議なんて無い」

ミスト「スカーフさん……!!」

17号(……ハゲに気を取られている18号を見たくなかった、なんて言えないよな)

74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:21:09.97 ID:WR5XRdlTo


17号「……話は、それでお終いか?」

ミスト「はい。その……ありがとう、ございますっ」ニッコニッコ

17号「……あっそ、じゃあオレはこれから洞窟巡りに行って来るが、お前は――」


――――パァン!!


17号「!?」

ミスト「きゃっ! な、なんでしょうか……?」

17号「……! 上だ!!」

ミスト「うえ、ですか……?」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:21:42.69 ID:WR5XRdlTo

――ドドドドド……!


ミスト「わぁ……なんでしょうか、あれは――流星群?」

17号「違う……あれは、とんでもない数のエネルギー弾だ……!」

ミスト「えねるぎーだん?」キョトン

17号「…………」

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:22:09.24 ID:WR5XRdlTo


ミスト「あの……スカーフさん?」

17号「…………」

ミスト「そのえねるぎーだんというのは、一体……」

17号「……なぁ」

ミスト「はい」

17号「……いや、何でもない」

17号「…………」

ミスト「……綺麗ですねぇ……」




77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:22:38.51 ID:WR5XRdlTo



17号「…………」



ロゼッタ『私はロゼッタ。町にある雑貨屋で店員やってるの、よろしく』


ゴドウィン『これからよろしくお願いします、スカーフさん』



78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:23:05.21 ID:WR5XRdlTo


17号「…………」



カミュ『ばっ!? ち、ちげぇよ! 俺は只、その、他にメロディが好きな奴が居る事を知ってて、そいつのために』


ニコル『……うぅ、ぼ、僕だってセシリーを助けたいんだ! だから……!』



79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:23:32.34 ID:WR5XRdlTo


17号「…………」



ミスト『――これからも、この町で一緒に暮らしてくれますか?』



17号「…………はぁーあ」



80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:24:06.87 ID:WR5XRdlTo



17号「ミスト」

ミスト「あ、はい。何でしょうか?」


17号「――悪いが、少し行って来る」


ミスト「はい? 行くって、どこに――きゃっ!?」


――ドギャンッ!


ミスト「……スカーフ、さん……?」

81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:30:01.82 ID:WR5XRdlTo


――キィィィィ……


17号「……あのエネルギー弾。オレの気功波やバリヤーじゃ弾き切れないよな」


17号「かといって、吸収するには数が多過ぎ」


17号「……じゃあ、肉弾しかないのか?」


17号「持つかな、オレの体……」


17号「…………」


17号「くそ、らしくない事たまにするとこれだから……!」


17号「糞が! どこの誰だか知らないけど、厄介な事してくれやがって!!」







17号「――――うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ――――!!」


82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:31:45.35 ID:WR5XRdlTo




・・・・・・・・・・・・





・・・・・・・・・





・・・・・・





・・・










83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:34:34.26 ID:WR5XRdlTo


……………………


――スカーフさん、聞こえますか?


……ああ。


――スカーフさんのおかげで、私達は皆生きています。誰一人として欠けはありません。


……感謝しろよ、体がグズグズになってまでやったんだからさ


――ええ、本当にありがとうございます。

――……でも、皆とっても悲しんでますよ


…………


――ロゼッタさんも、ニコル君も。みんな、泣いています。


…………


84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:38:16.05 ID:WR5XRdlTo



――それと、大変申し訳ないんですけど。


……何だよ。


――せっかく助けてくれたのにこういう事言うのはアレなのですが……

――私達も、すぐにそちらに行く事になりそうです。


……は?


――いえ、何かさっきから足元がぐらぐら揺れていまして。

――たぶん、大地ごと木っ端微塵になってしまうのではないかと……


………………


85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:41:50.46 ID:WR5XRdlTo


――そんな訳で、申し訳ないのですが……


……あーぁ、本当、慣れない事はするんじゃ無かったよ。


――いえいえ、そんな。とっても格好よかったですよ。


……あっそ。

……まぁ、それじゃあ……待ってるよ。


――ええそれでは。







――……すぐに、そちらに……――



86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:43:28.87 ID:WR5XRdlTo


************************







17号「…………」

ミスト「…………」

17号「……オレ、死んだんじゃなかったっけ」

ミスト「奇遇ですね、私も消えてしまったと思ったんですけど……」

17号「…………」

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:45:39.94 ID:WR5XRdlTo



ロゼッタ「ミスト! あんた大丈夫――」タタタタ

17号「…………」

ロゼッタ「スカーフ!? あんたなんで――!?」

ミスト「あらロゼッタさん、お元気そうで何よりで」

ロゼッタ「え!? え、あ!? ああうぅ……もう、何がなんだか……!!」


――――頼むっ! 皆、オラに力を貸してくれっ!!


ミスト「きゃっ!?」

ロゼッタ「何!? 何なの!?」キョロキョロ

17号「この声は……」


88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:47:40.30 ID:WR5XRdlTo


――――手を空に上げるだけでいいんだ! オラに力を……!!


ロゼッタ「もう何なのよぉ……! 訳分かんないぃ……!」グスグス

ミスト「よしよし、泣きません泣きません」ナデナデ

17号「…………」

17号「……そうだな、とりあえずは……」

ミスト「とりあえずは?」

17号「手、上げてやろうぜ」

89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:48:58.86 ID:WR5XRdlTo


ロゼッタ「へ!? 本気なの、スカーフ!?」

17号「ああ」

ロゼッタ「だって、あんた……こんな得体の知れない声なんかに……」

ミスト「そうですか? なんだかいい人の声みたいな気もしますけど」

ロゼッタ「ミストも……!」

17号「大丈夫さ、きっとあいつなら悪いようにはしない筈だ」

ミスト「ですって」

ロゼッタ「う、うぅぅぅ……わ、分かったわよ! 上げればいいんでしょ!?」

ロゼッタ「あんたの頼みだから聞くんだからね!? もし間違ってたら化けて出てやるから……!」

17号「ふっ」




ミスト「……でもスカーフさん、もしかしてこの声の人とお知り合いだったりします?」

17号「…………」

17号「そう、だな」

90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:50:44.17 ID:WR5XRdlTo



17号(きっと、あいつらがまたドラゴンボールで何かしたんだろう)

17号(まぁちょっとばかり癪だが……)チラッ


ミスト「わぁー、なんか力がー……」

ロゼッタ「い、いきなり凄い疲れた……」ゼェゼェ


17号(こいつらを助けてくれた事には礼を言ってやるよ)



――――頼む! 皆、力を貸してくれ!!



17号「…………」

17号「……ふっ」

ミスト「スカーフさん……?」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:52:11.55 ID:WR5XRdlTo









17号「……久しぶりに聞いたな、あいつの声も――」







92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:53:13.50 ID:WR5XRdlTo




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





ザック ザック


17号「……ふぅ」

17号(ダイヤも良いけど、やっぱり畑作業とかじっくりやる方が好きだな)

ミスト「お疲れさまです、スカーフさん」

17号「……ああ」

93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 19:55:37.50 ID:WR5XRdlTo


17号「……なぁ、ミスト」

ミスト「はい、何でしょう?」

17号「もう少ししたら、オレは一回18……いや、姉さんの所に帰ろうと思う」

ミスト「スカーフさん、お姉さんが居たんですね。これはびっくりです」

ミスト「……でも、そうですか。なら帰ってくるまで寂しくなりますねぇ」

17号「……いや、そうじゃなくて。だな」

ミスト「そうじゃない……?」

ミスト「……! もしかして、帰ってこないとか……です?」

17号「いや、それも違う」

17号「じ……姉さんに顔見せたらここに住む事を言って、ちゃんと帰ってくるさ」

ミスト「ほっ……」

94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 19:57:39.70 ID:WR5XRdlTo


ミスト「……? では、一体何がそうじゃないのでしょうか?」

17号「ああ……だからさ」

ミスト「はい」

17号「…………もし」



17号「……もし、良かったら。帰る時、オレと一緒に――――」









おしまい
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 19:59:24.27 ID:+Tr2ojwIO
乙!
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/13(土) 20:00:32.96 ID:WR5XRdlTo
え? わざわざ立て直すほどの内容でもなかった?

この世界線ではGTなんて起こりませんよ
裏設定では生き返ってたらしいけど。いやまぁ格好よかったけどさ


いろいろ意見はあると思いますが、ありがとうございました
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/13(土) 20:40:24.07 ID:K7oK8RZgo
GJ
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/14(日) 01:12:57.18 ID:T0tk6K57o
面白かったおつ!
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/14(日) 02:50:32.10 ID:PF32HnY+o
おつおつ
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/14(日) 08:55:43.12 ID:DhyY4Z4co

おまけ




イヴァン「おお、ついに住まいの増築が終わったのですね」

17号「ああ、だから今度こそ家具を売れ。今は何を持ってきてるんだ?」

イヴァン「そうですね、今は――ダブルベッドを取り扱っています」

17号(ダブルベッドか……まぁ、金には余裕はある)

17号「そうだな、とりあえずはそれを――――」



ミスト「…………」ニコニコ

ロゼッタ「…………」ドキドキ

トルテ「…………」チラチラ

メロディ「……ふ、ふんふんふーん。通りがかっただけ〜……」



17号「――持って帰ってくれ、頼むから」

イヴァン「あー、みんな貴方が頑張る姿を見てましたからね……町の救世主は大変ですね」

17号「殺すぞ……!!」




今度こそお終い
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/14(日) 10:29:38.94 ID:VV/NmX3IO
ミストさんは裏表のない素敵な人です!
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/26(金) 01:25:14.80 ID:gXaOris1o

夜霧のミストさんとは大違いだな
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