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【魔法少女まどか☆マギカ】神名あすみ〜6人目の少女〜part2【SS】 -
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1 :
1
[saga]:2013/01/01(火) 18:29:03.65 ID:ZIV7wU+C0
このスレは下記前スレの続きです
前スレ【魔法少女まどか☆マギカ】神名あすみ〜6人目の少女〜part1【SS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350731957/
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1357032543
1.5 :
荒巻@管理人★
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バームくんへ @ 2025/06/11(水) 20:52:59.15 ID:9hFPsRzXO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749642779/
秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749484073/
【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749472989/
ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749227436/
【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749139545/
貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749038181/
阿笠「わしの乳首に米粒をくっ付けたぞい」コナン「は?」灰原「は?」 @ 2025/06/04(水) 04:01:13.39 ID:ZjrmryLdO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748977273/
レッド(無口とか幽霊とか言われるけどまだ電脳世界) @ 2025/06/02(月) 21:21:00.13 ID:ix3UWcFtO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748866860/
2 :
1
[sage]:2013/01/01(火) 21:01:33.51 ID:ZIV7wU+C0
〜目次〜
プロローグ
第一章「魔女になりたい」
全十一部
第二章「ワルプルギスの夜さえ」@
全十七部
第三章「ワルプルギスの夜さえ」A
全九部
第四章「笑顔を見せて」@
第五章「笑顔を見せて」A
エピローグ
このスレは第四章からになります
3 :
1
[sage]:2013/01/01(火) 21:05:32.57 ID:ZIV7wU+C0
前スレで言ったとおり、参考としてタイムテーブルを作ったので貼っておきます
【参考】
タイムテーブルと話の流れ(16日〜25日)
| 第二章 | 第三章
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
16日 |・ほむらループ起点 | (あすみは別の街で魔法少女狩り中)
(水) | ↓ |
| 戻ってきて決意 |
| 「魔法少女の真実を明かす」 |
| (一部) |
――――――――――――――――――――――――|
| |
17日 | |
(木) | 特になし |
〜 | |
24日 | |
(木) | |
――――――――――――――――――――――――|
| |
25日 |・ほむら転入 |
(金) |・ゲルトルート戦(1) |
| ↓ (二部) |
| マミの部屋で話 |
| →ほむら、真実を暴露 |
| →ほむら、能力ばれる |
| ↓ |
| マミが暴走瀬戸際 |
| ↓ |
| QB「保険」をかける ========⇒QB、あすみを見滝原へ呼びよせる
| (三部) | (一部)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
4 :
1
[sage]:2013/01/01(火) 21:09:34.10 ID:ZIV7wU+C0
タイムテーブルと話の流れ(26日〜30日)
| 第二章 | 第三章
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
26日 |・全員登校 |
(土) | ↓ |
| 放課後、屋上でほむらとマミの会話 |
| ↓ |
| マミ立ち直る ========⇒「保険」適用されず
| |
|・ゲルトルート戦(2) ========⇒あすみ、マミの基本能力を把握
| (四部) | 「ほむらの能力も見たい」=================
| | (二部) ‖
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ‖
| | ‖
27日 | (特になし) | ‖
(日) | | ‖
| | ‖
| | ‖
| | ‖
| | ‖
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ‖
| | ‖
28日 |・さやか、恭介にCD渡す |(このあたりで、あすみは神ヶ原の少女を狩る) ‖
(月) | | ‖
|・全員でパトロールへ ========⇒あすみは、マミとさやかが「使い魔も倒す派」ということ ‖
| ↓ | +さやかが好きな人をお見舞いに来ていることを把握 ‖
| 使い魔を倒す | ‖
| | ‖
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ‖
| | ∨
29日 |・さやか、恭介を見舞う | あすみ「さやかがマミへの憧れだけで〜」+「ほむらの能力も見たい」
(火) | | ↓
|・シャルロッテ戦 <========マミと相性の悪い魔女の卵を病院にセット
| ‖ (五部) |
| =================⇒思惑通り、ほむらの能力を見られたし、さやかのこともわかった
| | ↓ ‖
| | 恭介を利用してさやかを契約させる作戦<===‖
| |  ̄ ̄‖ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | ‖
――――――――――――――――――――――――――――‖――――――――――――――――
| | ‖
30日 |・さやか、恭介を見舞う | ‖
(水) | ↓ | ‖
| 会えなかったが、恭介の病状を知る===⇒上記作戦の決行決意
| ↓ |  ̄ ̄ ̄ ̄
| ほむら「契約するつもり?」 |・作戦全体の青図面として、さやかを利用して輪の中に入っていく素案を立案
| ↓ | →「ほむら対さやか」+マミは緩衝材
| マミとほむら、話し合い | (三部)
| (六部) |
| |
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
5 :
1
[sage]:2013/01/01(火) 21:10:53.46 ID:ZIV7wU+C0
タイムテーブルと話の流れ(31日〜翌月2日)
| 第二章 | 第三章
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
31日 |・さやか、恭介を見舞う |・あすみ、ほむらの弱点発見
(木) | ↓ |
| 「僕の手はもう二度と動かない」 |
| ↓ |
| さやか契約へ |・ほむらを足止めしつつ、さやかの契約を観察
| (七部) | ↓
|・ハコの魔女戦 | その後、マミたちのところへ
| ↓ |
| マミの過去映像が流れる |
| →契約時のこと ========⇒マミの絶望ポイント確認
| →杏子のこと ========⇒あすみ、杏子を見滝原へ呼び寄せるようQBに依頼
| ↓ | ‖ (四部)
| さやか参戦も苦戦 | ‖
| ↓ | ‖
| あすみ参戦 | ‖
| ほむらの加勢 | ‖
| ↓ | ‖
| 魔女を撃破 | ‖
| | ‖
==・杏子登場<===================
‖| (八部) |
―――‖―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
‖| |
1日 ‖|・マミの部屋で会議(1) |・作戦全体の青図面を再検討
(金)‖| ↓ | →杏子を組み込んでいく構図へ
‖| 「あすみを仲間にするか?」 | ‖
‖| | | ―――――――――――――――――――――――
‖| ↓ | |問題点「あすみと杏子どちらを仲間にするか?」|
‖| さやかとほむらが決裂 | | (あすみ側) | (杏子側) |
‖| ↓ | | あすみ | 杏 子 |
‖| さやか、部屋を飛び出しあすみを呼ぶ | | Λ | Λ |
‖| →あすみを仲間にさそう | | ‖支 | ‖支 |
‖| (九部) | | ‖持 | ‖持 |
‖⇒・さやか対杏子(1) | | ‖ | ‖ |
| ‖ (十部) | | さやか ←―――→ほむら |
| ‖ | | 対 立 |
| ‖ | | |
| ‖ | |マミは「緩衝材」 |
| ‖ | | →さやかよりだが、ほむらともつながっている|
| ‖ | ―――――――――――――――――――――――
| ‖ | ‖ (五部)
| ‖=================⇒これにより、上記構図が実現
| |  ̄ ̄ ̄ ̄
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
|・マミの部屋で再会議(2) |・QBと会話
2日 | 「どちらを仲間にするか?」 | ↓
(土) | ↓ | さやかと杏子の二回戦を企画
| ほむらとさやかは平行線 | →杏子の絶望ポイントつかむため
| マミは態度を軟化 | ↓
| ↓ | そのため、杏子にほむらの弱点を伝えるようQBに指示
| さやか「自分の思ったようにやる」 | ‖ (六部)
| ↓ | ‖
| あすみとパトロールへ | ‖
| ↓ | ‖
| 以降、あすみへの依存度が増していく | ‖
| | ‖
|・杏子とQBの会話<==============
| ↓ |
| 杏子、ほむらの弱点を知る |
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
6 :
1
[sage]:2013/01/01(火) 21:11:46.75 ID:ZIV7wU+C0
タイムテーブルと話の流れ(3日〜11日)
| 第二章 | 第三章
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
3日 |(「空白の一週間」とされている期間) |
(日) | |
〜 |・この間に、杏子とほむらのやりとり===⇒QB、あすみにやりとりを伝える
8日 | ↓ | ↓
(金) | 杏子、ほむらの弱点を把握 | あすみ、杏子の真意を知る
| ↓ | →「マミのため」
| さやかに絡む機会をうかがう | →「杏子は本気で仲間になるつもりはなさそう」
| (十一部) |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
9日 |・恭介、退院 |
(土) | |
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
10日 |・ほむら、あすみを受け入れる決意 |
(日) | |
|・さやか対杏子(2) |
| ↓ |
| 杏子がさやかを殺しかける |
| (十二部) |
| 100mの距離制限、発覚 |
| ↓ |
| 杏子、なすすべなく立ち去る======⇒あすみ、杏子の絶望ポイント把握
| (十三部) | +「本気で仲間になる気のなかった杏子の気を変えるのにも十分だった」
| |
| |
| |・さやかに「短命化」ばらすようQBに指示==
| | →それがそのままさやかの絶望ポイント ‖
|・QBとさやかの会話 | →さらに、さやかが折れることを期待 ‖
| ↓ | (七部) ‖
| さやか、「短命化」を知る<===========================‖
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
11日 |・さやか、登校せず |・あすみ、QBから報告受ける
(月) | ↓ | →さやか、暴走ぎみ
| 杏子から呼び出され、教会へ | ↓
| ↓ (十四部) |「呼び出されたら、暴走しないように言葉で繋ぎとめる」
| その後、あすみを呼びパトロール |+QBに小道具を依頼 ‖
| ↓ | ‖
| あすみとの会話で持ち直す<====================
| |
|・夜、まどかとQBの会話<=======・あすみ、QBにまどかと話をするように依頼
| ↓ | →さやかを狙ったタイミングで暴走させるため
| まどか、「契約しない」と決心 | →まどかの絶望ポイントつくるため
| (十五部) | (八部)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
7 :
1
[sage]:2013/01/01(火) 21:12:21.37 ID:ZIV7wU+C0
タイムテーブルと話の流れ(12日〜13日)
| 第二章 | 第三章
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
12日 |・朝、さやか登校 |
(火) | ↓ |
| ほむらからのテレパシー |
| →「あすみを受け入れる」 |
| →「放課後に」 |
| |
|・恭介、登校 |・QBからの報告
| ↓ | 「まどか、狙い通り動こうとしている」
| 放課後、仁美がさやかに通告 |
| 「上条君のこと、お慕いしてましたの」|
| ↓ |
| さやか、ほむらとの約束を反故 |
| あすみとパトロールへ |
| ↓ |
| 二人で使い魔と交戦 |
| ↓ |
| ほむらと杏子は遠くから見守る |
| (十六部) |
|・夜、さやかの帰りを待つまどかたち |
| ↓ |
| 決心を伝えるまどか |
| ↓ |
| さやか、壊れる===========⇒・廃ビルにて、QBとあすみの会話
| | →QB、さやかのことを報告
| | →QB、魔女の卵を用意
| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| |
13日 |・さやか、登校せず |
(水) | ↓ |
| 恭介と仁美を尾ける |
| ↓ |
| 二人の様子を確認 |
| ↓ |
| その後、あすみを呼びパトロールへ |
| ↓ |
| まどかたちは遠くからさやかを見守る |・QB、卵をセット
| |
|・エルザ・マリア戦==========⇒・あすみ、術を発動
| ↓ | →「短命化」の記憶を抜く
| さやか「杏子に助けられた」 | →「黒い痛み」も抜かれたさやかは回復
| 杏子「今度は私がアンタを支えてやる」| ‖
| ↓ | ‖
| 仲間意識芽生える | ‖
| ↓ | ‖
| 全員の連帯感も強まる | ‖
| ‖ | ‖
| ‖ ‖
| ‖====⇒『 ワ ル プ ル ギ ス の 夜 さ え 』<==‖
| | |
| ↓ | ↓
| 「それさえ乗り越えれば、 | 「それさえ私の前では、
| 明日を紡いでいける」 | ただの舞台装置にすぎないんだよ」
| (十七部) | (九部)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
8 :
1
[sage]:2013/01/01(火) 21:16:48.43 ID:ZIV7wU+C0
タイムテーブルガタガタすぎww何が書いてあるかわかんないですね
【おまけ】
第一章第四部「しをりのノート」の各型の具体例
第三章であすみの能力が明らかになり具体例が出揃ったので……
「停止条件型」の例は、あすみの固有魔法
「解除条件型」の例は、ほむらの時間遡行、時間停止の術
「交換条件T型=等価交換」の例は、ゆいの固有魔法
「交換条件U型=制限交換」の例は、しをりの炎の術
「期限付け」の例は、ほむらの一ヶ月制限
戦闘メインの話をいつか書いてみたいです
では、今回の投下はここまでです
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/02(水) 13:45:39.03 ID:LtkIlYtJ0
乙
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/03(木) 23:54:18.09 ID:nH0+rLBEo
乙
設定よく考えられてるなあ
11 :
1
[sage]:2013/01/06(日) 02:22:22.21 ID:VQGwqV+50
みなさん、ありがとうございます!
いつの間にか、前スレは全部埋めてもらえてましたね。うれしい限りです。(といっても残り2スレだったわけですが)
今、四章を書いていますが、第四部まで書き終えて一度白紙に戻すことにしました
脇の設定に凝っていたせいでかなりの痛手です……
こういう弊害があります
>>10
さん
まあ、次作で活かすつもりですが
何が言いたいかというと「アップに時間がかかりそう」ということです
以上、言い訳でした
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/06(日) 15:51:28.91 ID:p3SP3YXW0
ほむう?
白紙にもどす?
設定と矛盾があって書き直しってことかな?
13 :
1
[sage]:2013/01/08(火) 01:32:35.12 ID:CqOuj0Yn0
>>12
さん
いえいえ、矛盾が発生して書き直したわけではないんですよー
最初に考えた第四章のプロットは素直なものでしたが
「ここで次作の前フリを入れよう」という邪な考えが起こりまして……
最初に考えたプロットに手を加えたんです
そしたらその前フリたる脇設定がメインぽくなってしまいまして……
「まずい」と思って最初に考えたプロットに差し戻したんです
書き直してみたところ、意外にサクサクすすんでます
心配かけてしまってすみません
14 :
1
[sage]:2013/01/14(月) 22:41:57.99 ID:J4C58HiF0
では、第四章書き終わったので投下していきます
今回はかなり短くきってみます
15 :
1
[sage]:2013/01/14(月) 22:44:08.11 ID:J4C58HiF0
第四章「笑顔を見せて@」
第一部
(14日朝)
ワルプルギス対策会議前、あすみはQBと話していた
QB「今日動くんだね」
あすみ「うん。会議が終わったらさやかを神ヶ原付近まで連れ出す」
あすみ「一度別れた後、タイミングを見てこれを使う」
今回用意したグリーフシード
それはゆいのものだった
あすみはそれを見つめながら思い出していた
16 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:45:03.98 ID:J4C58HiF0
――――――――――――――――――――――――――――――
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(あすみの回想)
あすみ「ねえ、QB」
QB「何だい?」
あすみ「ゆいちゃんのグリーフシードって手に入らないかな?」
あすみはQBと契約した時、ゆいの魔女を倒さなかった
倒す気がどうしてもしなかった
しかし、色々経験し考えていくなかで、ゆいの魔女はあすみにとって使い勝手がよさそうだと思うようになった
あすみ「やっぱりあの時倒しておけばよかったなあ」
QB「あるよ」
あすみ「え?」
ゆいの魔女はすでに別の魔法少女によって倒されていたはず……
QB「倒した魔法少女がゆいのグリーフシードを使いきったらどうするか……わかるよね?」
________________________
――――――――――――――――――――――――――――――
あすみ「ゆいちゃん、行くよ」
あすみはほむらの部屋へと向かった
・
・
・
17 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:45:55.29 ID:J4C58HiF0
まどかは仁美と登校していた
仁美「今日もさやかさんはお休みですのね」
まどか「うん。ほむらちゃんも体調が悪いみたい」
あすみを受け入れることにしたほむら
そして、今のまどかならQBに口説かれても契約することはないという判断のもと、
まどかに普段通り生活することを提案したのだった
まどか「私、学校が終わったらほむらちゃんたちのお見舞いに行ってみるね」
仁美「私も行きたいところですが、今日はお稽古がありますので……」
まどか「うん、仁美ちゃんが心配してたって伝えておくから大丈夫だよ」
・
・
・
18 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:46:29.74 ID:J4C58HiF0
(午後)
ほむら「他に何か質問は?」
さやか「もういいよー」グテー
さやかがだれる
ほむら「明日は現地で最終確認するわ。だからこうやって落ち着いて話ができるのは今日だけなのよ」
さやか「明日も……あたしゃサラリーマンかっての」
口を膨らませブーブー言う
ほむらが「はあ」とため息をついた
19 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:47:11.67 ID:J4C58HiF0
マミ「今日はもういいんじゃない?」
あすみ「十分わかりましたよ」
杏子「ああ、細かいとこまでつめても、どうせ本番は思った通りにいかないもんだぜ」
マミ「そうね。概要だけつかんで細かいところは各自の判断、でいいんじゃない?」
(私がどれだけこの作戦立案に労力を費やしたと思っているの)
そう思いつつ、ほむらはその思いを飲み込んだ
20 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:47:46.88 ID:J4C58HiF0
ほむら「そう。本番が楽しみね」
あすみ「大丈夫、きっとなんとかなりますよ」
ほむら「そうね。今までにない最高の条件で臨めるものね」
こうして、若干の不安を残しつつ、ほむらの部屋で行われたワルプルギス対策会議は終了した
21 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:48:23.71 ID:J4C58HiF0
さやか「終わったー」
イラッとしたほむら
なだめるようにマミが言う
マミ「私、ケーキを持ってきたの。よかったらみんなでどう?」
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/01/14(月) 22:49:00.98 ID:J4C58HiF0
「ケーキ」という単語にさやかの耳がピクッと反応した
机の上に両肘をつき、目の前で手を組み不敵な笑みを浮かべる
さやか「私、こうなるってわかってたんです。この会議が始まる前から……」
さやか「マミさんが持ってきた箱……その中見」
杏子「ああ、間違いない」
二人「ケーキだ」
ほむら「…………」
マミ「……そうね」
23 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:49:30.78 ID:J4C58HiF0
あすみ「二人ともすっかり仲良しですね」
あすみはふふふっと笑った
ほむら「学校が終わったらまどかが来るからそれまで待ってもらえないかしら」
マミ「じゃあそれまでお茶でも飲んでゆっくりしましょう」
24 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:50:16.98 ID:J4C58HiF0
あすみ「私は自分の街のパトロールをしたいので……」
さやか「真面目だなあ、あすみは」
あすみ「やれる時にやっておかないと。いつできなくなるかわからないから」
さやか「……うん、じゃあ私が送っていくよ!ちょうど二人で話もしたかったし」
あすみ「ありがとう、さやねえ。でもパトロールは自分でやるよ。私の街だしね」
さやか「そっか、わかった」
杏子「ケーキのことなら心配するな」
マミ「佐倉さん、食べ終わったら私たちもパトロールよ」
さやか「杏子、私の分とっといてよ!戻ってくるから」
二人はほむらの部屋を後にした
・
・
・
25 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:51:10.74 ID:J4C58HiF0
さやか「話、歩きながらになっちゃうけどいい?」
あすみ「うん。順を追って話すね」
先程の会話中、あすみはさやかに「話がある」とテレパシーを送っていた
何の話かすぐにピンときたさやか
そのため、あすみを送りがてら話を聞くことにしたのだった
26 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:51:54.14 ID:J4C58HiF0
あすみは話し出した
友達のこと、先輩のこと、自分の素質が低い理由等々
さやか「じゃあ、あすみはその友達のために……」
あすみ「うん。それしか方法がなかったし、私もいつかその子にお返ししたいって思ってたから」
27 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:52:26.85 ID:J4C58HiF0
二人が神ヶ原の付近に差し掛かかった
あすみ「もうこのあたりでいいよ」
さやか「え?」
まだ肝心なことを聞いてない
あすみが何を願い契約したのか
そして、友達に裏切られたことについて
28 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:53:42.46 ID:J4C58HiF0
あすみ「これ以上話すと長くなるから……また明日、続きを聞いてくれる?」
さやか「うん、わかった」
さやか(無理に聞き出すわけにもいかないしね。明日、どこかで落ち着いて聞いてあげよう)
29 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:54:20.76 ID:J4C58HiF0
あすみと別れたさやか
マミに連絡を入れた
さやか「あすみを送ったので今から戻ります」
一人、道を戻り始めた
30 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:54:57.35 ID:J4C58HiF0
さやかの後ろ姿を見送っていたあすみ
あすみ「…………」
先ほどの話、念のためゆいの名前は出さなかった
核心には触れなかった
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/01/14(月) 22:55:43.73 ID:J4C58HiF0
疑うことを知らないさやかは深く考えなかった
その結果、最後のチャンスを逃した
あすみ(ほむらみたいに私を疑っていれば結果は変わっていたかもね)
32 :
1
[saga]:2013/01/14(月) 22:56:26.56 ID:J4C58HiF0
あすみは姿を隠し後をつける
そして頃合いを見計らってゆいのグリーフシードを孵化させた
さやか「魔女反応だ」
さやかはすぐにマミたちにテレパシーを送り、結界の中へと入っていった
あすみもそれに続く
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/01/14(月) 22:57:04.60 ID:J4C58HiF0
役目を果たしてくれたさやか
その最後の姿
あすみ(サヨナラ、私の勝ち)
――――――第一部 完
34 :
1
[sage]:2013/01/14(月) 22:57:51.29 ID:J4C58HiF0
では、今回の投下は以上です
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/14(月) 23:25:16.12 ID:gSt6XbZyo
乙
36 :
1
[sage]:2013/01/15(火) 19:04:10.91 ID:MZe9Mv2o0
続きです
37 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:05:19.31 ID:MZe9Mv2o0
第二部
テレパシーを受けたマミ
マミ「すぐ行くわ!」
杏子はすでに飛び出している
一方、ほむらは動けないでいた
まどかを連れていくわけにはいかない、と思ったからだ
38 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:05:53.07 ID:MZe9Mv2o0
ほむらの脳裏を不安がよぎる
それを察したマミ
マミ「暁美さんは一緒にいてあげて」
ほむら「……ありがとう」
ほむらとまどかを残し、マミは杏子を追った
・
・
・
39 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:06:29.59 ID:MZe9Mv2o0
結界内でさやかは魔女と対峙していた
スピードを活かし、魔女に反撃を許さない
さやか「私一人でもいけそうだね」
そう思った時
40 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:07:26.04 ID:MZe9Mv2o0
バン
背中に衝撃が走った
さやか「つっ……」
倒れこんで動けないさやかに魔女が攻撃を始めた
さやかを光が包み込む
さやか「ぁぁああ」
・
・
・
41 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:08:07.55 ID:MZe9Mv2o0
杏子たちがかけつける
結界の入り口でQBが待っていた
QB「こっちだ、早く!」
杏子「QBェ」
QB「僕に言いたいことはあるだろうけど、今は後回しにした方がいい」
杏子「くっ……」
42 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:08:35.53 ID:MZe9Mv2o0
案内された先、光が見えた
その中でさやかは頭を抱えながら丸まっていた
杏子「テメェ、さやかに何してやがる!」
杏子が魔女の腕を薙ぎ払う
それでもさやかを包む光は消えない
43 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:09:13.91 ID:MZe9Mv2o0
杏子「いい加減にしやがれ!」
杏子が更に攻撃を加えようとする
その時、マミが叫んだ
マミ「美樹さん、ダメよ!」
44 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:10:00.97 ID:MZe9Mv2o0
杏子がその声に反応して振り返る
青いソウルジェム濁っていく
杏子「さやか!」
マミ「一旦退却しましょう!私が美樹さんを連れ出すわ」
杏子「それより魔女を倒した方が確実だ。マミも手伝ってくれ!」
マミ「QB、あの魔女の攻撃は一体何なの?」
QB「精神汚染だよ。しかも厄介なタイプの。
だから杏子の言うとおり、早く倒した方がいい」
45 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:10:43.60 ID:MZe9Mv2o0
その時、さやかを包む光が収束した
マミ「えっ?」
杏子「さやか、しっかりしろ!」
消えていく魔女
マミが攻撃するも届くことはなかった
結界が消える
杏子がさやかを支えようとした時
46 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:11:25.98 ID:MZe9Mv2o0
パシ
さやかが杏子の腕を払った
さやか「触らないで」
杏子「どうしたんだ?さやか」
さやか「全部……全部あんたのせいでしょ」
杏子「え?」
47 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:12:05.74 ID:MZe9Mv2o0
さやか「思い出したよ」
杏子「何を言ってるんだ。落ち着けよ」
近づいて手を引こうとする杏子
さやかが一歩ひいたため杏子の手は空をきった
前のめりになった杏子を見下ろすさやかの目は冷たい
48 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:13:06.55 ID:MZe9Mv2o0
杏子「もしかして私がさやかを殺しかけたことを恨んでるのか?」
さやか「一度殺した、の間違いでしょ」
さやか「ほむらがいてくれたおかげで運よく生き返っただけ」
さやか「あんた、あの時何してたの?」
49 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:13:59.69 ID:MZe9Mv2o0
杏子「それは……」
マミ「美樹さん、もうやめて!」
QB「杏子、さやかはもう……」
グッ
言いかけたQBを締め上げる
杏子「黙れよ」
QBを離すと背中越しに杏子は語りかけた
50 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:14:45.59 ID:MZe9Mv2o0
杏子「私は何もできなかった。耐えきれなくなって逃げ出したんだ」
さやか「だから罪滅ぼしのつもりで私を支えるってわけね」
杏子「すまない。私にはそれしかできない」
さやか「そんなのいらない。私が欲しいのはそれじゃない」
51 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:15:38.75 ID:MZe9Mv2o0
静かに、杏子が振り返る
杏子「じゃあ、何を?」
さやか「続き……夢と未来の」
52 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:16:24.45 ID:MZe9Mv2o0
さやか「私は恭介の弾くヴァイオリンが聞きたかった。
少しでも恭介の近くにいたかった」
さやか「契約して手にいれた夢と未来……そんな幸せを壊したのが杏子、あんただよ」
さやか「あんたが現れなければ距離制限のことも何もかも知らずにすんだ」
さやか「私はそんなの知りたくなかった。私はささやかな未来を夢見ていたかった。
でもあんたのせいでもう見られなくなった」
53 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:16:59.48 ID:MZe9Mv2o0
杏子「ああ、全部私のせいだ」
杏子の絆――それは罪の楔
それを心の奥へと打ち込んでいく
54 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:17:43.33 ID:MZe9Mv2o0
マミ「違うわ!佐倉さんのせいじゃない!!」
さやか「杏子……あんたじゃ恭介の代わりになれない。私の支えにはなれない」
さやか「あんたに存在価値なんてない」
さやか「消えて。私の前から」
55 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:18:20.36 ID:MZe9Mv2o0
杏子はその場に両膝をついた
罪滅ぼしはできてなかった
罪を積み続けていた
56 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:18:50.10 ID:MZe9Mv2o0
心が鉄の鎖に繋がれる
二度と消えない
赦されることのない
重い契約の証
57 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:19:33.08 ID:MZe9Mv2o0
マミ「佐倉さん、退却よ!」
マミが杏子を支え退却しようとする
杏子「離せよ、さやかはまだ……」
58 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:20:15.16 ID:MZe9Mv2o0
杏子がマミを振り払いさやかの方を見る
さやかはあの日と同じ笑みを浮かべていた
59 :
1
[saga]:2013/01/15(火) 19:20:56.23 ID:MZe9Mv2o0
さやか「私、何でこんな大切なことを忘れちゃってたんだろう」
さやか「何で思い出しちゃったんだろう」
零れ落ちる涙がソウルジェムをグリーフシードへと変えた
――――――第二部 完
60 :
1
[sage]:2013/01/15(火) 19:23:51.17 ID:MZe9Mv2o0
今回は以上です
寒いですのでカゼをひかないように気をつけて下さい
では
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/16(水) 02:01:04.77 ID:AjJT4sfAO
乙
到頭1人魔女になっちまったか・・・
62 :
1
[sage]:2013/01/16(水) 10:12:53.51 ID:pUi4OaJr0
続きです
まわりに見つからないようビクビクしながら投下します
63 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:13:57.88 ID:pUi4OaJr0
第三部
まるで何かに吸い込まれるかのようだった
杏子の叫び声も
吹き荒れる風の音も
ソウルジェムの砕ける音すら聞こえない
64 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:14:37.25 ID:pUi4OaJr0
無音の中、さやかは魔女になった
横たわっているさやかの抜け殻
それを運ぼうとする杏子
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/01/16(水) 10:15:20.05 ID:pUi4OaJr0
杏子「くっ……」
体が言うことをきかない
立つことさえままならない
66 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:15:47.73 ID:pUi4OaJr0
杏子「さやか……さやかっ」
マミ「無理よ。美樹さんのことは諦めて」
杏子「そんなのわかんないだろ!」
67 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:16:17.13 ID:pUi4OaJr0
非情な決断を下すマミに食ってかかる杏子
しかし、このままこの場にいれば全滅することは明らかだった
それでも杏子は離れようとしない
そこに現れたのは――
68 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:16:48.49 ID:pUi4OaJr0
あすみ「さやねえ!」
マミ「あすみちゃん!」
あすみ「一体何が……」
69 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:17:25.74 ID:pUi4OaJr0
マミ「説明は後でするわ。あすみちゃんは美樹さんを運んで!」
あすみ「はい!」
マミが杏子を支え、あすみがさやかを担いで退却した
・
・
・
70 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:17:54.35 ID:pUi4OaJr0
(ほむらの部屋)
寝室に安置されたさやかの遺体
まどかがそれにすがりついて泣いていた
71 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:18:32.37 ID:pUi4OaJr0
まどか「さやかちゃん……私があんなこと言わなければ……」
杏子「アンタのせいじゃないよ」
72 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:19:09.76 ID:pUi4OaJr0
杏子「さやかは私を恨んでいたんだ」
杏子「私はさやかの命を奪った。夢も未来も……恨まれて当然さ」
73 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:19:38.80 ID:pUi4OaJr0
決してまどかを慰めようとしてかけた言葉ではない
それが杏子の本心なのだ、とマミはわかっていた
だからこそ「佐倉さんのせいじゃない」と言えなかった
どんな言葉をかけても今の杏子には届かないだろう
74 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:20:17.57 ID:pUi4OaJr0
あすみ「さっきまでさやねえは普通だった。杏子さんを恨んでいる様子なんてなかった。
なのになんで急に……」
マミ「魔女のせいよ。精神を汚染する能力だってQBが言ってたわ」
75 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:21:20.24 ID:pUi4OaJr0
ほむら(QBが……)
数えきれないくらいループを繰り返してきた
それでもQBが嘘をついたことは一度もない
76 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:21:46.48 ID:pUi4OaJr0
ほむら(ということは、この件はあすみの仕業でなく魔女の仕業?)
わからない
白か黒か確定する前にあすみをはじくわけにはいかない
77 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:22:15.02 ID:pUi4OaJr0
ほむら(大丈夫。私にはループがあるもの)
ほむらはまどかの方を見た
ほむら(まどか……必ずあなたを救ってみせる)
78 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:22:41.49 ID:pUi4OaJr0
ほむら「さやかがいなくなった分、作戦を変更しないとね」
ほむらが杏子の方に向き直る
79 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:23:09.28 ID:pUi4OaJr0
ほむら「杏子、酷なことを言うようだけど今はワルプルギス戦に集中してほしい」
杏子「ああ、わかった」
80 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:23:39.28 ID:pUi4OaJr0
杏子「ただ、ワルプルギスが来るまでまだ1日あるんだろ?」
ほむら「そうね」
杏子「それまで好きにやらせてほしい」
81 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:24:08.41 ID:pUi4OaJr0
ほむら「それまでに解決できなかったら?」
杏子「その時は……」
82 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:24:38.67 ID:pUi4OaJr0
杏子の目が強い意志を宿す
杏子「私はさやかを諦める」
83 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:26:14.91 ID:pUi4OaJr0
重い十字架を背負う覚悟を決めた杏子
一人出ていった
84 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:26:45.95 ID:pUi4OaJr0
杏子を縛る鎖
それが完全に極まる前に動かねばならない
85 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:27:22.65 ID:pUi4OaJr0
杏子に残された希望
それはあまりに薄く、儚い
それでもそれが完全に消えるまでは――
86 :
1
[saga]:2013/01/16(水) 10:27:55.88 ID:pUi4OaJr0
杏子「今度こそ、逃げない」
――――――第三部 完
87 :
1
[sage]:2013/01/16(水) 10:29:46.59 ID:pUi4OaJr0
ではここまでにします
見つかってないな……
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/16(水) 11:06:45.61 ID:2fcYLv3Yo
乙彼様ー
89 :
1
[sage]:2013/01/16(水) 13:38:51.74 ID:pUi4OaJr0
こまめにチェック入れてくれてる人が……
ありがとうございます
乙の一言で十分励みになります
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/16(水) 17:56:44.69 ID:s6Zlal4To
乙です!
91 :
1
[sage]:2013/01/18(金) 16:35:15.63 ID:xSSgQsV30
ありがとうございます
少しだけですが投下します
92 :
1
[sage]:2013/01/18(金) 16:36:23.02 ID:xSSgQsV30
第四部
マミ「行ってしまったのね」
さやかを助けるため
そして、自らを呪縛から解き放つため
93 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:37:19.12 ID:xSSgQsV30
それがどんなに薄い望みか、杏子もわかっているだろう
それでも覚悟を決めた杏子
ほむらたちにとめられなどしなかった
94 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:37:47.17 ID:xSSgQsV30
ほむら「マミたちはどうするつもり?」
マミ「私は佐倉さんを追うわ。やっぱり一人にできないもの」
マミ「佐倉さんが納得いくまでできるだけサポートしてあげたい」
95 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:38:14.95 ID:xSSgQsV30
ほむら「危険よ。だったら私も……」
マミ「暁美さん、あなたは作戦を練り直さないとでしょ。それと……」
96 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:38:43.42 ID:xSSgQsV30
マミがまどかの方を見た
さやかのそばを離れようとしないまどか
97 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:39:25.08 ID:xSSgQsV30
マミ「鹿目さんと一緒にいてあげて。今のあの子は『契約する』と言いかねないわ」
ほむら「でも……」
98 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:40:04.35 ID:xSSgQsV30
マミ「私との約束、覚えてる?」
ほむら「ええ」
99 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:40:49.97 ID:xSSgQsV30
――――――――――――――――――――――――――――――
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(ほむらの回想)
マミ「もしワルプルギスの夜を倒せたら……あなたの残りの一生を鹿目さんのために捧げること」
マミ「あなたは生きて鹿目さんと幸せになるの」
マミ「それが条件」
ほむら「あなたは、マミはそれでいいの?」
100 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:41:18.05 ID:xSSgQsV30
マミ「私はね……両親を事故で失ったあの日以来、前に進めなくなってしまったの。
両親を助けるより自分の命を優先してしまったことが呪いのように頭から離れなかった」
マミ「私はその呪縛から逃れるように魔女と戦ってきた。
『街の人を守ってるんだ』って自分に言い聞かせてきた」
101 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:42:28.62 ID:xSSgQsV30
マミ「でも違った。暁美さんの話だと、私は魔法少女を……街の人を守る存在をこの手で殺めてしまった」
102 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:43:20.26 ID:xSSgQsV30
マミ「でも、今ならまだやり直せる。私は今度こそ身近な人たちを救ってみせる。
この手は人を救うためにあるんだって証明してみせる」
103 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:46:03.43 ID:xSSgQsV30
マミ「それが叶うならどんなことだって乗り越えてみせるわ。
自分のソウルジェムだって砕いてみせる。」
104 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:46:41.02 ID:xSSgQsV30
マミ「だから……お願いだからせめてその時まであなたたちを守らせて」
________________________
――――――――――――――――――――――――――――――
105 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:47:11.16 ID:xSSgQsV30
マミ「約束、守らせてもらえる?」
106 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:47:45.77 ID:xSSgQsV30
このループ、マミは成長した
驚くくらいに
107 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:48:16.43 ID:xSSgQsV30
さやかの契約の時、マミは私を止めてくれた
さやかと杏子が衝突した時、杏子をひき止めてくれた
そしてまた……
もしマミがいてくれなかったらどうなっていただろう
108 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:48:42.84 ID:xSSgQsV30
ほむら「……マミ、ありがとう。あなたがいてくれて本当によかった」
マミは微笑んだ
109 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:49:09.54 ID:xSSgQsV30
あすみ「私も行きます。さやねえは私にとっても大切な人だから」
マミ「じゃあ、二人で行きましょう」
あすみ「はい」
110 :
1
[saga]:2013/01/18(金) 16:49:44.19 ID:xSSgQsV30
二人を見送るほむら
ほむら(ごめんなさい、マミ)
ほむら(杏子……)
・
・
・
111 :
1
[sage]:2013/01/18(金) 16:51:18.98 ID:xSSgQsV30
今回は以上です
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/18(金) 16:55:10.49 ID:3D97ccwxo
乙です
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/18(金) 21:20:40.95 ID:urYwCUiqo
乙!
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/18(金) 22:22:40.42 ID:BIg+MTQuo
乙です
115 :
1
[sage]:2013/01/19(土) 20:03:55.58 ID:SsrOdzOl0
乙感謝です
では、また少しですが続きを
116 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:05:16.16 ID:SsrOdzOl0
オクタヴィアの結界付近
杏子は傷を癒していた
117 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:05:47.65 ID:SsrOdzOl0
何度も特攻をかけたのだろう
深い傷を負っていた
118 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:06:15.46 ID:SsrOdzOl0
杏子「よう」
119 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:06:42.03 ID:SsrOdzOl0
あすみ「私が……」
あすみがかけより杏子に魔法をかけた
120 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:07:33.19 ID:SsrOdzOl0
杏子「悪いね」
白い光が二人を包む
121 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:07:59.64 ID:SsrOdzOl0
杏子「一人か?」
122 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:08:29.30 ID:SsrOdzOl0
あすみ「はい。さっきマミさんと二手に分かれて探しに来たんです」
杏子「ほむらは?」
123 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:08:55.71 ID:SsrOdzOl0
あすみ「まどかさんと一緒に残ることになりました」
124 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:09:48.32 ID:SsrOdzOl0
杏子「そうか」
あすみが術を掛け終える
125 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:10:18.19 ID:SsrOdzOl0
杏子「迷惑ついでにもう一つ頼みを聞いてくれるか?」
126 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:11:07.05 ID:SsrOdzOl0
あすみ「何ですか?」
127 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:11:50.31 ID:SsrOdzOl0
杏子「あすみはさやかと仲が良かったよな」
杏子「だから一緒に入ってさやかに声をかけてくれないか?」
128 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:12:39.08 ID:SsrOdzOl0
あすみ「声を?」
杏子「あすみにならさやかは心を開くかもしれない。何か変化があるかもしれない」
129 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:13:16.17 ID:SsrOdzOl0
杏子「攻撃は私が防ぐ。あすみは声をかけるだけでいい」
杏子「もしかしたら無駄に終わるかもしれない。それでも頼みたいんだ」
130 :
1
[saga]:2013/01/19(土) 20:13:45.86 ID:SsrOdzOl0
あすみ「私もさやねえを助けたい……だから一緒に連れていって下さい」
杏子「ああ、一緒にさやかを救おう」
・
・
・
131 :
1
[sage]:2013/01/19(土) 20:14:59.91 ID:SsrOdzOl0
今回は以上です
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/19(土) 20:15:53.33 ID:JSs3vwaPo
乙です
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/20(日) 02:26:48.78 ID:cu5q8wgPo
こんなにレス分割してるのは何か意味があるの?
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/20(日) 03:57:20.74 ID:KcuC4qdyo
演出でしょ
135 :
1
[sage]:2013/01/20(日) 19:39:00.88 ID:FnmXLacZ0
さすがに分割しすぎましたか
演出失敗……
では気持ち1レス長めに戻して投下していきます
136 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:40:32.20 ID:FnmXLacZ0
(ほむらの部屋)
さやかの遺体によりそっているまどか
ほむらが声をかける
ほむら「まどか、今回のことはあなたのせいじゃない」
ほむら「だからお願い、もう自分を責めるのはやめて」
137 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:41:37.53 ID:FnmXLacZ0
ほむらは後ろからまどかを抱きしめた
まどか「うん……」
そのままソファまで運び、まどかを休ませた
その横に座り、ほむらは考える
138 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:42:13.63 ID:FnmXLacZ0
ほむら(もしかしたらマミと杏子は……)
あすみを受け入れた時、ほむらはこのループを捨てる覚悟をした
最悪の事態が起こるかもしれない
それでも……
139 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:42:41.83 ID:FnmXLacZ0
ほむら(私は立ち止まれない)
ほむら(全てはこの子のため……)
140 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:43:23.82 ID:FnmXLacZ0
静かに寝息をたてているまどか
その頬をほむらは優しくなでた
――――――第四部 完
141 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:44:04.04 ID:FnmXLacZ0
第五部
(オクタヴィア結界)
歩きながら話す
杏子「なあ、あすみ」
あすみ「何ですか?」
142 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:45:05.67 ID:FnmXLacZ0
杏子「あすみは私が憎くないのか?」
あすみ「……正直、憎くないと言ったら嘘になります」
杏子「ああ、私を恨んでくれ」
143 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:46:51.68 ID:FnmXLacZ0
杏子「でも、ああなっちまってもさやかは……あいつは悪くない」
杏子「だからさやかを最後まで見捨てないでほしいんだ」
144 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:47:27.42 ID:FnmXLacZ0
あすみ「私はさやねえと約束したんです。
さやねえの荷物が重すぎるなら私が支えてあげる、だから一緒にいようって」
あすみ「私は私の約束を果たします」
杏子「そうか、頼んだよ」
145 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:48:01.47 ID:FnmXLacZ0
杏子「それとさ」
バタン
ドアの閉まる音
あたりがざわめきだした
146 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:48:44.18 ID:FnmXLacZ0
あすみ「来る」
杏子「ああ、作戦通りに頼む」
身構えた二人の前に現れた魔女
杏子が防御結界をはり、あすみが呼びかける
147 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:49:23.69 ID:FnmXLacZ0
あすみ「さやねえ、私だよ!」
あすみ「返事をして!」
返ってきたのは車輪
杏子が受け止める
148 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:50:12.46 ID:FnmXLacZ0
杏子「構わず呼び続けろ!」
あすみは魔女に語り続けた
その間、ずっと攻撃を防いでいた杏子
やがて疲労の色が見え始める
149 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:50:59.74 ID:FnmXLacZ0
ドカッ
車輪が直撃し、吹き飛ばされる杏子
それでもこの絶望的作業をやめようとはしない
ふらふらと立ち上がる
150 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:51:29.60 ID:FnmXLacZ0
杏子「はあ、はあ……」
あすみ「杏子さん!」
杏子「まだだ……さやかを呼ぶんだ、あすみ」
151 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:51:56.51 ID:FnmXLacZ0
なおも車輪が杏子を襲う
かろうじて防ぐ杏子
152 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:52:48.36 ID:FnmXLacZ0
あすみ「さやねえ、もうやめて!」
あすみ「本当はさやねえだってこんなことしたくなかったはずだよ」
あすみ「杏子さんに言ってたじゃない、『もういい、もういいんだ』って」
あすみ「あの時さやねえは、杏子さんを赦したんでしょ」
153 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:53:26.75 ID:FnmXLacZ0
杏子「……え?」
杏子の動きが止まった
杏子「何であすみがそれを?」
154 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:54:04.16 ID:FnmXLacZ0
あすみの方を振り返った杏子
その背中を車輪が直撃
前のめりに倒れこんだ
155 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:54:38.79 ID:FnmXLacZ0
動けなくなった杏子
それを見下ろすあすみ
笑みを浮かべていた
156 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:55:18.10 ID:FnmXLacZ0
あすみ「全部、見てたよ。それとね……」
あすみが十字架をかざす
157 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:56:52.41 ID:FnmXLacZ0
あすみ「あなたを見滝原へ呼んだのも私」
あすみ「ほむらの能力をあなたにばらしたのも私」
あすみ「あなたとさやかを戦わせたのも私」
あすみ「さやかがああなったのは私のせい」
あすみ「だから、私を恨んでいいよ」
158 :
1
[saga]:2013/01/20(日) 19:57:37.89 ID:FnmXLacZ0
再び白い光が二人を包んだ
杏子「うっ、ぐぁぁああああ」
杏子が頭を抱える
記憶が流れこんでくる
・
・
・
159 :
1
[sage]:2013/01/20(日) 19:59:39.82 ID:FnmXLacZ0
今回は以上です
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/20(日) 20:24:21.18 ID:iXL0N/96o
乙です
161 :
1
[sage]:2013/01/22(火) 18:24:13.03 ID:NTMfCpgf0
乙感謝です
では続きです
162 :
1
[sage]:2013/01/22(火) 18:25:03.05 ID:NTMfCpgf0
さやか「やぁぁああっ!!」
ガキィィィン
突っ込んできたさやかがはじかれる
はじいたのは――
163 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:25:38.85 ID:NTMfCpgf0
杏子「え?」
164 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:26:07.99 ID:NTMfCpgf0
確かな手応え
さやかのソウルジェムが橋の上から落ちていく
杏子「ダメだ!!」
165 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:26:36.18 ID:NTMfCpgf0
杏子が橋の上から身を乗り出す
その下には闇が広がっていた
構わず飛び込んでいく
166 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:27:50.58 ID:NTMfCpgf0
杏子「いくな、さやか!!」
闇の中をもがくように泳ぐ
かすかな青い光を目指して
167 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:28:40.21 ID:NTMfCpgf0
「もしかして私がさやかを殺しかけたことを恨んでるのか?」
「一度殺した、の間違いでしょ」
「ほむらがいてくれたおかげで運よく生き返っただけ」
「あんた、あの時何してたの?」
168 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:29:06.70 ID:NTMfCpgf0
何もできなかった
私は逃げ出したんだ
169 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:29:39.91 ID:NTMfCpgf0
杏子「今度は……今度こそ」
手を伸ばす
170 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:31:01.24 ID:NTMfCpgf0
杏子「さやか!!」
掴んだ、と思った瞬間――
171 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:31:27.70 ID:NTMfCpgf0
杏子「うっ……」
光に包まれ、目を閉じた
・
・
・
172 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:32:38.43 ID:NTMfCpgf0
目を開けた
そこは教会
冷たい雨が赤い花を濡らしている
手を開いた
そこには青い宝石
173 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:33:27.74 ID:NTMfCpgf0
杏子「……さやか」
あたりを見渡す
床に横たわっているさやか
174 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:34:07.81 ID:NTMfCpgf0
杏子「さやか!!」
かけよってソウルジェムを手に置いた
これで助けられる
今度こそ
175 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:34:55.82 ID:NTMfCpgf0
杏子「おい、しっかりしろ!」
動かないさやか
杏子「返事をしろ!」
杏子「おい!」
176 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:44:15.72 ID:NTMfCpgf0
さやかを呼び続ける
しかし、さやかの目に生気が戻ることはなかった
ほむらがこうした時は戻ったのに
177 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:44:42.01 ID:NTMfCpgf0
杏子「一体どうなってるんだ?ほむら」
ほむらを探す
でもいない
178 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:45:14.93 ID:NTMfCpgf0
杏子「マミ……マミは……」
逃げようとした杏子を引き止め、責めたのはマミ
しかし、そのおかげで杏子はふみとどまれた
179 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:45:46.85 ID:NTMfCpgf0
杏子「どこにいるんだ、マミ」
マミもいない
責める人はもういない
180 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:46:17.10 ID:NTMfCpgf0
杏子「誰でもいい……頼む、さやかを……」
杏子の叫びは吸い込まれるように消えていった
181 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:46:45.84 ID:NTMfCpgf0
杏子「さやか……」
もう一度、さやかに呼びかける
返事はない
182 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:47:38.49 ID:NTMfCpgf0
杏子「傷つけ合う言葉でもいい、声を……声をきかせてくれよ、さやか」
誰の声もない
何の音もしない
かつてあったものを杏子はなくした
183 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:48:06.57 ID:NTMfCpgf0
「いや、自分で壊したんだ」
私のせいで家族は崩壊した
拾ってくれたマミを見捨てた
そして、今度はさやかを――
184 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:48:34.92 ID:NTMfCpgf0
消えた命を、消えない罪を数える
楔は深く食い込んでいく
鎖が体を縛りあげていく
185 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:49:10.24 ID:NTMfCpgf0
裁かれることもなく
赦されることもない
186 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:49:37.14 ID:NTMfCpgf0
孤独が、沈めた罪と傷を鮮やかに浮かびあがらせる
体は、冷たい雨の中に沈んでいく
187 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:50:03.34 ID:NTMfCpgf0
結局、私はさやかを支えてやれなかった
何もできなかった
188 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:50:33.96 ID:NTMfCpgf0
「罪滅ぼしのつもり?」
「そんなのいらない」
「私はささやかな未来を夢見ていたかった。
でもあんたのせいでもう見られなくなった」
「杏子……あんたじゃ恭介の代わりになれない。私の支えにはなれない」
「あんたに存在価値なんてない」
「消えて。私の前から」
189 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:51:04.13 ID:NTMfCpgf0
与えられた罰
犯した罪を贖う
血は血で
命は命で
190 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:51:31.54 ID:NTMfCpgf0
杏子は2つのソウルジェムを鎖で繋いだ
そしてそれを十字架にかけると目を閉じた
奥深くに食い込んだ楔に最後の一突きを加える
191 :
1
[saga]:2013/01/22(火) 18:52:02.56 ID:NTMfCpgf0
冷たい雨はまだ止まない
静かに、杏子の世界は閉じていった
――――――第五部 完
192 :
1
[sage]:2013/01/22(火) 18:52:32.01 ID:NTMfCpgf0
今回は以上です
193 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/22(火) 19:23:08.53 ID:PC6E4JSUo
乙!
194 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/23(水) 07:09:41.14 ID:55AEehc/o
乙
195 :
1
[sage]:2013/01/23(水) 23:27:47.59 ID:M9hFbqLF0
いつもありがとうございます!
では続きです
196 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:29:26.44 ID:M9hFbqLF0
第六部
(ほむらの部屋)
まどかが目を覚ます
横ではむらが目を閉じ座っていた
197 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:29:55.53 ID:M9hFbqLF0
まどか「ほむらちゃん」
ほむらはゆっくり目を開き、まどかを見た
198 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:30:26.78 ID:M9hFbqLF0
ほむら「大丈夫、私一人でも」
まどか「え?」
199 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:30:55.28 ID:M9hFbqLF0
まどかが寝室を覗く
さやかの隣に安置されたマミと杏子
まどかはその場にへたり込んだ
200 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:31:36.31 ID:M9hFbqLF0
まどか「どうして……」
まどか「こんなのってないよ」
ほむら「まどか……」
201 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:32:09.82 ID:M9hFbqLF0
ほむらは唇を噛んだ
ほむら(あすみ、やっぱりあの子は……)
202 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:32:55.22 ID:M9hFbqLF0
ほむらはこのループで多くのものを得た
そしてそれを失った
それでも、ほむらならループをやり直せばいい
しかし、まどかはこの時間軸しか生きられない
最悪の結末が訪れた時、まどかはそれを覆すために契約してしまうかもしれない
そして言うだろう
「私のソウルジェムを砕いてほしい」と
203 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:33:26.83 ID:M9hFbqLF0
またまどかを撃ちたくはない
できれば契約しないでほしい
しかし、もし言われたら……
204 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:33:54.81 ID:M9hFbqLF0
ほむらは自分の手を見つめた
血で染まったこの体
血を通わせてはいけない
205 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:34:25.96 ID:M9hFbqLF0
ほむら(もしそうなったら、私はまどかのソウルジェムを打ち砕く。
そして次のループへすすむ)
ほむら(だから『契約する』と言われても私は……)
ぎゅっと手を握った
206 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:35:58.09 ID:M9hFbqLF0
ほむら「まどか、私一人でもワルプルギスを倒してみせる。私が必ずあなたを守るわ」
まどかが背中越しに答える
207 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:36:30.59 ID:M9hFbqLF0
まどか「さやかちゃんもマミさんも杏子ちゃんも……みんな私の大切な人たちだった」
まどか「ほむらちゃんも私の前からいなくなっちゃうの?」
まどか「私、もうこれ以上大切な人を失いたくない。そんなの耐えられない」
208 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:37:26.45 ID:M9hFbqLF0
まどか「さやかちゃんもマミさんも杏子ちゃんも……みんな私の大切な人たちだった」
まどか「ほむらちゃんも私の前からいなくなっちゃうの?」
まどか「私、もうこれ以上大切な人を失いたくない。そんなの耐えられない」
209 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:38:11.24 ID:M9hFbqLF0
まどかが振り返り、ほむらを見つめた
まどか「私はほむらちゃんを失いたくない」
まどか「お願いだから行かないで……私を一人にしないで」
210 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:38:55.70 ID:M9hFbqLF0
まどかの抱擁
小さい手をほむらの背中にまわす
きつく、強くほむらを抱きしめる
二度と離されないように
ほむらと一つになれるように
211 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:39:26.60 ID:M9hFbqLF0
まどか「ほむらちゃんを失うくらいなら……私、私――」
――ダメ!聞きたくない!
212 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:40:17.17 ID:M9hFbqLF0
言うより先に動いていた
まどかの口を塞ぐ
まどか「んっ……ん」
213 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:40:47.13 ID:M9hFbqLF0
時が止まる
二人だけの時間
まどかはほむらのものであり
ほむらはまどかのものであった
214 :
1
[saga]:2013/01/23(水) 23:41:24.39 ID:M9hFbqLF0
それは一夜限りの夢
明日、捨てねばならない
それでも、今だけは――
――――――第六部 完
215 :
1
[sage]:2013/01/23(水) 23:42:04.63 ID:M9hFbqLF0
今回は以上です
216 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/01/24(木) 00:11:31.08 ID:kr7rrgJC0
乙
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/01/24(木) 00:12:25.53 ID:kr7rrgJC0
乙です
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/24(木) 07:00:31.78 ID:NqO5IypVo
乙
219 :
1
[sage]:2013/01/24(木) 20:28:28.57 ID:amk5sNBu0
ありがとうございます!
書き忘れていましたが第四部は全八部構成です
では、続きです
220 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:29:08.76 ID:amk5sNBu0
第七部
(15日、まどかの部屋)
ベッドの上
まどかは昨日のことを思い出す
まどか「さやかちゃん……」
221 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:29:43.18 ID:amk5sNBu0
『契約しない』
まどか「その決心がさやかちゃんを追いつめた」
まどか「それでこんなことに?マミさんや杏子ちゃんだって私が契約してればもしかして……」
222 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:30:13.12 ID:amk5sNBu0
「あのたのせいじゃない」
ほむらの声が頭の中で響く
まどか「ホントに?ホントに私のせいじゃないの?」
QB「それは何とも言えないね」
まどか「QB……」
223 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:30:48.52 ID:amk5sNBu0
現れたQB
魔法少女の敵
それでも、今のまどかはQBを責められなかった
224 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:31:37.93 ID:amk5sNBu0
まどか「やっぱりあの時私が契約していれば……?」
QB「さやかが魔女化せずにすんだ可能性はあるだろうね」
225 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:32:12.73 ID:amk5sNBu0
まどか「じゃあ、マミさんや杏子ちゃんも?」
QB「まどか、もう済んでしまったことだよ。後悔しても三人はかえってこない」
QB「だが君が契約するなら話は別だ」
QB「三人を元に戻して君もほむらと戦う。そうすれば全て解決するんじゃないかな」
226 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:32:45.62 ID:amk5sNBu0
そう、魔女化する前にソウルジェムを砕けば――
QB「何ならほむらに頼めばいい。ほむらもいやとは言わないはずさ」
まどか「ほむらちゃん……」
227 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:33:22.04 ID:amk5sNBu0
QB「このままいけばほむらは一人でワルプルギスに立ち向かうことになる。
そして勝てないと思った時、次のループへと行ってしまうだろう」
QB「君を残してね」
228 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:33:50.51 ID:amk5sNBu0
まどか「やっぱりほむらちゃん一人では勝てないの?」
QB「ほむら自身もそう思ったからこそ仲間を欲した」
QB「でも、もう一人で戦わざるをえない。
どんなに望みが薄くてもそれに賭けざるをえない」
QB「すべては君のためだ」
まどか「私の……ため」
229 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:34:23.34 ID:amk5sNBu0
私のため
ほむらちゃんは何度繰り返したのだろう
傷ついて
倒れて
理解もされなくて……
230 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:34:50.33 ID:amk5sNBu0
それでも繰り返す
私のため
未来を掴むため
231 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:35:25.06 ID:amk5sNBu0
QB「ほむらはループを繰り返す。君を救うために。
でも同時にそれがほむらを縛りつけている」
QB「それを断ち切れるのはまどか、君だけなんだよ」
232 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:35:52.35 ID:amk5sNBu0
モノクロの夢の中
一人戦っているほむら
何度も、何度でも立ち向かっていく
233 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:36:18.49 ID:amk5sNBu0
もういい、もういいんだよ
これ以上傷つかなくて、繰り返さなくていいんだよ
234 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:36:47.10 ID:amk5sNBu0
届かなくても手を伸ばす
私たちの未来を掴むため
235 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:37:35.41 ID:amk5sNBu0
まどか「ほむらちゃん!」
目覚めた心が走り出した
未来を描くため
236 :
1
[saga]:2013/01/24(木) 20:38:11.14 ID:amk5sNBu0
まどか「今度は私がほむらちゃんを……」
ほむらのもとへ向かう
きれいな青い空が、どこまでも広がっていた
・
・
・
237 :
1
[sage]:2013/01/24(木) 20:39:16.58 ID:amk5sNBu0
今回は以上です
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/25(金) 07:07:16.08 ID:SioneBVto
乙です
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/25(金) 19:09:09.29 ID:nxvyoZBeo
乙です
240 :
1
[sage]:2013/01/25(金) 21:06:08.79 ID:dog0phFf0
ありがとうございます
では、続きです
241 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:06:52.35 ID:dog0phFf0
(ほむらの部屋)
一夜限りの夢から覚めたほむら
ソファに腰かけ今までのループのことを思い出す
242 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:07:39.51 ID:dog0phFf0
ほむら「まどか……」
いつも一人ぼっちだった私
そんな私にまどかは声をかけてくれた
まぶしい笑顔で私を孤独から救ってくれた
もしあなたがいてくれなかったら……
私はあの魔女の結界の中で果てていただろう
243 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:08:10.82 ID:dog0phFf0
私はあなたに何度も助けられた
あなたの笑顔に何度も支えられた
だから今度は私の番
244 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:08:40.18 ID:dog0phFf0
ほむら「私は必ずまどかを救ってみせる。たとえ何度繰り返すことになっても」
QB「君にはそれしかできないだろうね」
245 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:09:08.93 ID:dog0phFf0
現れたQBをほむらは無言で凄んだ
今回の件、犯人はあすみ
その裏でコイツが動いていたはず
246 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:09:37.27 ID:dog0phFf0
QB「そんな顔をしても事実を変えられるわけじゃない」
感情のないQBは動じない
構わず話を続ける
247 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:10:10.42 ID:dog0phFf0
QB「ほむら、君は繰り返せばいつかまどかを救えると信じている。
しかし、果たしてそうかな」
ほむら「それはお前が決めることじゃない」
248 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:10:38.66 ID:dog0phFf0
QB「君の願いは正確には『まどかとの出会いをやり直し、彼女に守られる私でなく、彼女を守る私になりたい』だったね」
ほむら「それが?」
249 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:11:48.57 ID:dog0phFf0
QB「もしワルプルギスを倒せたら、君はまどかを守る存在ではなくなってしまう。だからほむらにワルプルギスは倒せない」
QB「君は終わらないループを繰り返し続ける。まどかを守るために」
QB「君の願いはすでに叶っているんだよ。そして、これからも叶い続ける。永遠にね」
QB「君がその無限ループから抜け出すにはまどかが契約するしかない」
250 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:12:16.89 ID:dog0phFf0
本当の願いは叶わない
ほむらを裏切ったのは自らの願い
願いをかけた時、すでに負けは確定していた
251 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:12:45.64 ID:dog0phFf0
ほむら「そんな……じゃあ、私は一体何のために……」
QB「君がまどかを最強の魔女に育ててくれたんだよ」
ほむら「え?」
252 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:13:28.75 ID:dog0phFf0
QB「魔法少女としての潜在力はね、背負い込んだ因果の量で決まってくる」
QB「まどかは、君がループを繰り返すごとに強力な魔法少女になっていったんじゃないかい?」
ほむら「……ッ」
QB「やっぱりね」
253 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:14:09.10 ID:dog0phFf0
QB「君はまどかを中心軸にして平行世界を束ねてしまった。
結果、平行世界の因果線の全てがまどかに連結されてしまったんだ」
QB「お手柄だよ、ほむら」
ほむら「―――――」
254 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:14:49.75 ID:dog0phFf0
私はくり返してきた
何度も何度も
傷ついたっていい
わかってもらえなくったっていい
ただあなたを救いたかった
あなたのためなら永遠の迷路に閉じ込められたって構わない
255 :
1
[saga]:2013/01/25(金) 21:15:36.06 ID:dog0phFf0
でも、もし何度くり返してもあなたを救えないのだとしたら
私がくり返すほどあなたの苦しみが深まっていくのだとしたら
私は……
私の歩いてきた道は……
――――――第七部 完
256 :
1
[sage]:2013/01/25(金) 21:17:11.78 ID:dog0phFf0
今回は以上です
次回の投下で第四章終了です
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/25(金) 21:20:00.07 ID:nxvyoZBeo
乙です
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/26(土) 07:03:28.70 ID:y5z/mUlmo
乙です
259 :
1
[sage]:2013/01/26(土) 22:15:23.91 ID:OipVKqMn0
毎度乙ありがとうございます
では続きを
260 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:16:52.66 ID:OipVKqMn0
第八部
ピンポーン
まどかがチャイムを鳴らす
返事はない
携帯も繋がらない
261 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:17:34.85 ID:OipVKqMn0
まどか「ほむらちゃん、入るよ」
ドアノブをまわす
鍵は開いていた
262 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:18:19.58 ID:OipVKqMn0
まどか「ほむらちゃん」
ソファに体を預けているほむら
仰向けになり呆然と天井を見上げている
紫のソウルジェムが床の上に無造作に転がっていた
263 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:19:02.14 ID:OipVKqMn0
まどかはそれを両手で丁寧に拾い上げ、大事そうに握り締めた
まどか「ほむらちゃん、私ね」
ほむら「やめておきなさい」
ほむらが先回りする
264 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:19:33.95 ID:OipVKqMn0
ほむら「自分で自分のソウルジェムを砕けるなんて簡単に思わないで」
ほむら「砕けない……そう、砕けないのよ」
265 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:20:07.41 ID:OipVKqMn0
じっと聞いていたまどか
ほむらの言葉が終わるとゆっくり近寄った
優しくほむらの手にソウルジェムを置いて握らせる
266 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:20:39.42 ID:OipVKqMn0
まどか「それなら、ほむらちゃんにお願いしたいな」
ほむら「…………」
267 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:21:07.37 ID:OipVKqMn0
そんなこと、できるわけない
私はもうループをするつもりはない
それに、私はもうこんなにも……
268 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:21:45.51 ID:OipVKqMn0
まどか「ごめんね。ほむらちゃんを苦しめちゃって」
まどか「こんなこと頼まれたらつらいよね。
ほむらちゃんがつらいと私もつらい……」
まどか「それでも私はほむらちゃんにお願いしたいんだ」
269 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:22:35.85 ID:OipVKqMn0
まどかはそむらの背中に手をまわし抱き起こした
まどか「私にとってほむらちゃんは一番大切な人」
まどか「私のために何度も何度もくり返して私を救おうとしてくれた」
まどか「だから、今度は私の番」
まどか「もう二度とほむらちゃんがくり返さなくてすむようにするから……
最後のお願い聞いてくれる?」
270 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:23:13.35 ID:OipVKqMn0
まどかがほむらを包み込む
ほむら「まどか……」
271 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:23:49.15 ID:OipVKqMn0
ぎゅっと、ほむらもまどかを抱きしめる
ぬくもりが
優しさが
寂しさが
いとしさが
せつなさが
まどかの全てが流れこんでくる
272 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:24:24.85 ID:OipVKqMn0
ほむらの心に火がともる
捨てたはずの感情が
せき止めていた想いがあふれてくる
273 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:25:15.92 ID:OipVKqMn0
ほむら「私はくり返したのと同じ数だけ、あなたを諦め見捨ててきたの」
ほむら「そしてくり返すのを諦めて、私は一人で逝ってしまうところだった。
あなたを残して」
ほむら「私はまたあなたを見捨てるところだった。
捨ててはいけない大切なものだったのに……
私はまた間違えるところだった」
274 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:26:05.85 ID:OipVKqMn0
捨ててはいけない大切なもの
それは今、目の前にある
ほむら「私はもう二度とあなたを見捨てたりしない。
最後まであなたを諦めたりしない」
275 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:26:31.30 ID:OipVKqMn0
ともし火が炎となり静かに燃え上がる
それは自らの身を焦がす紫焔
276 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:27:02.56 ID:OipVKqMn0
この火はもう消せはしない
誰にも消させはしない
あなたのためなら
私はこの身を喜んで捧げられる
277 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:27:32.36 ID:OipVKqMn0
ほむら「まどか、私は何度もあなたの笑顔に支えられてきた。
何度もあなたに救ってもらった。
だから次は私の番」
ほむら「もう一度だけでいい、お願いだからあなたを守らせて」
278 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:28:01.61 ID:OipVKqMn0
まどか「……うん」
まどかは穏やかに、少しだけ微笑んだ
279 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:29:02.19 ID:OipVKqMn0
――ありがとう、まどか
そして、さよなら
――――――第八部 完
280 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:29:54.37 ID:OipVKqMn0
以上、第四章「笑顔を見せて@」でした
では、次回予告です
281 :
1
[saga]:2013/01/26(土) 22:30:35.93 ID:OipVKqMn0
【次回予告】
役者が踊る
救いのない舞台を
残された時間を
ただ散るために咲く花のように
そして迎えた結末――
次回、第五章「笑顔を見せてA」
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/26(土) 22:32:31.22 ID:eUPtLMreo
乙です
283 :
1
[sage]:2013/01/26(土) 22:33:40.05 ID:OipVKqMn0
はやいもので次で最終章です
ではまた近いうちに
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/26(土) 23:22:56.89 ID:5dX5CAiO0
ラストか
がんばれー
ぜひ完結してほしい
285 :
1
[sage]:2013/01/27(日) 22:37:41.37 ID:IfwxyihB0
乙応援ありがとうございます!
完結はできそうです
下書きは終わりましたので
286 :
1
[sage]:2013/01/31(木) 19:58:16.74 ID:9IO3OaXv0
では、第五章です
6部+最終部、エピローグを2回で投下します
287 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 19:59:37.48 ID:9IO3OaXv0
第五章「笑顔を見せてA」
第一部
(16日)
ワルプルギス戦当日
濁った空を見つめている
まどかは避難所から
ほむらは戦闘位置から
288 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:00:03.35 ID:9IO3OaXv0
吹き荒れる風
とどろく雷雨
昨日までの晴天が嘘のようだ
289 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:00:44.44 ID:9IO3OaXv0
ほむら「グリーフシードのストックは少ない……早めにカタをつける」
その時、空から笑い声
290 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:01:20.17 ID:9IO3OaXv0
D
ほむら「……来る」
291 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:01:58.39 ID:9IO3OaXv0
C
一瞬目を閉じる
ほむら「……まどか」
292 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:02:24.94 ID:9IO3OaXv0
@
ワルプル「キャーッハッハッハッ、アー」
ほむら「行くわよ」
293 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:03:16.33 ID:9IO3OaXv0
手始め
RPG−7 15発
AT4 60発
時間停止を駆使しながら一度に直撃させる
294 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:03:57.83 ID:9IO3OaXv0
ほむら「次っ!」タンッ
左に流されていくワルプルギス
迫撃砲 20発
完璧な美しい弾道を描きながら着弾
295 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:04:32.78 ID:9IO3OaXv0
ほむら「よし!」
目標が所定の位置に移動したのを確認
鉄塔を破壊
目標は下敷きになりつつ流れていく
296 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:05:02.81 ID:9IO3OaXv0
ほむらは走りながらグリーフシードで汚れを取る
そこに使い魔が迫ってきた
リボンのようにしなやかに動きながらほむらを捉えようとする
297 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:05:32.37 ID:9IO3OaXv0
ほむら「拘束する気ね」
ヒラリとかわす
ほむら「邪魔しないで!」
小銃で薙ぎ払う
298 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:05:59.72 ID:9IO3OaXv0
ほむら「ワルプルギスは……」
位置を確認
鉄橋の方だ
タンクローリーで追いかける
299 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:06:35.85 ID:9IO3OaXv0
ほむら「あのアーチを利用して……」
ドーン
車ごと特攻
黒煙とともに燃え上がる
下降していく目標
300 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:07:07.26 ID:9IO3OaXv0
直前に飛び降りていたほむら
その下から現れたのはSSM−1
同時にトマホークのキャニスターを魔法で起動
目標位置確認
送電線にかかっている
301 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:07:38.70 ID:9IO3OaXv0
ほむら「格好の餌食ね」
6発
2発
ほむら「召し上がれ」
302 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:08:07.06 ID:9IO3OaXv0
地鳴り
送電線が切れた
後退していく目標
電撃がくわえられる
・
・
・
303 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:08:51.77 ID:9IO3OaXv0
ソウルジェムをきれいにしながら与えたダメージを確認する
ほむら「傷が……」
頭部の傷がみるみる回復していく
ほむら「厄介ね」
304 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:09:23.99 ID:9IO3OaXv0
今までにない回復力を見せるワルプルギス
残りのグリーフシードは……
ほむら「くっ……」
305 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:09:52.69 ID:9IO3OaXv0
しかし、もう少し
目標は順調に「あそこ」に向かっている
306 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:10:23.10 ID:9IO3OaXv0
実に13万4,000個
目標は流れていく
その地雷原に――
ほむら「入った!!」
307 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:10:53.63 ID:9IO3OaXv0
爆裂――
レンズ効果が織成す爆発
核爆発級の威力
閃光があたりを白く染めていく
・
・
・
308 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:11:24.98 ID:9IO3OaXv0
ほむら「やったの?」
爆煙で確認できない
やれることはやった
グリーフシードのストックももうない
ほむら「お願い……」
309 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:11:55.09 ID:9IO3OaXv0
その刹那
居合抜きのような閃光
それと同時に後ろに吹き飛ばされたほむら
攻撃を受けたという意識すらおぼえさせない速さ
310 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:12:22.87 ID:9IO3OaXv0
ほむら「あ……」
流れ出る血
手足が言うことをきかない
這いずるように物陰に隠れる
311 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:12:50.71 ID:9IO3OaXv0
ほむら「やっぱり勝てないの?」
強い、強すぎる
明らかに前回より強くなっている
それにこの攻撃、回復力は……
312 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:13:19.08 ID:9IO3OaXv0
もう奥の手もない
ソウルジェムを確認する
ほむら「ひどい濁り……もうループもできない」
313 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:13:45.94 ID:9IO3OaXv0
絶望的状況
それでも――
ほむら「私は諦めたりしない」
314 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:14:15.51 ID:9IO3OaXv0
まどかの笑顔を思い出す
ほむらの最後の希望
それがほむらをギリギリのところで支えていた
もう一度立ち上がろうとする
しかし、よろめいて再び倒れこんだ
315 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:14:47.26 ID:9IO3OaXv0
ほむら「もう立つことさえできないのね」
その時
ほむら「!!」
――――――第一部 完
316 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:15:26.32 ID:9IO3OaXv0
第二部
ほむらを白い光が包む
ほむら「くっ……」
何かを吸い取られるような感覚
痛くも痒くもない
しかし、ひどく不快な感覚
317 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:15:54.43 ID:9IO3OaXv0
まどか「ほむらちゃん!」
ほむら「まどか……」
横にはQB
318 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:16:22.20 ID:9IO3OaXv0
ほむら「もうダメなのね」
ほむらが敗北を確信した瞬間だった
319 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:16:48.97 ID:9IO3OaXv0
まどか「あすみちゃん」
あすみが姿を現す
320 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:17:28.99 ID:9IO3OaXv0
まどか「どうしてこんなことを……」
あすみ「私は呪われた魔法少女なんだ。
他人の幸せを奪って糧にしないと生きられない。
他の魔法少女の幸せな姿を見ると魔女化しちゃう」
321 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:18:02.45 ID:9IO3OaXv0
まどか「それでさやかちゃんたちを?」
あすみ「うん」
322 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:18:28.21 ID:9IO3OaXv0
光が強まる
ほむら「ぐっ、ぁぁぁぁあああ」
まどか「ほむらちゃん!」
323 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:18:55.33 ID:9IO3OaXv0
QB「まどか、君ならほむらを助けることも、こんな現実をやり直すこともできる。
ただ、どちらにしても契約は避けられないよ」
あすみ「できれば私の呪いを解いてほしいな」
魔女の笑み
324 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:19:39.92 ID:9IO3OaXv0
ほむら「まどか、契約してはダメ!」
一層強まる光
ほむら「ぁぁぁあああ」
325 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:20:09.86 ID:9IO3OaXv0
まどか「もうやめて!契約するから!!」
まどか「だから、もうやめて……」
ピシ
326 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:20:44.60 ID:9IO3OaXv0
――――――――――――――――――――――――――――――
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私はくり返す
何度も何度も
終わりのない永遠の迷路を
327 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:21:13.95 ID:9IO3OaXv0
まどかが契約する度
私はまどかを撃った
機械的に
作業のように
328 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:21:42.55 ID:9IO3OaXv0
心が凍りつき考えるのをやめた
なぜくり返しているのか
始まりはどこだったのか
生きているのか
死んでいるのか
もうわからない
私は動く抜け殻だった
329 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:22:12.18 ID:9IO3OaXv0
「こんなの間違ってる」
わかっている
それでもくり返す
――――――
――――
――
330 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:22:40.81 ID:9IO3OaXv0
あるループ
私は一人地面に横たわっていた
ワルプルギスに敗れて
331 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:23:13.84 ID:9IO3OaXv0
まどか「ほむらちゃん!」
まどかに抱き起される
伝わってくる温もり
332 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:24:01.47 ID:9IO3OaXv0
ほむら「まどか……」
まどか「もういい、もういいんだよ。私がほむらちゃんを救ってみせる」
QB「さあ、鹿目まどか。君はその魂を代価にして何を願う?」
333 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:24:44.64 ID:9IO3OaXv0
まどか「私はほむらちゃんとの出会いをやり直し、彼女に守られる私でなく、彼女を守る私になりたい」
――ダメ!その願いは
叫ぶ間もなく辺りを桃色の光が包み込んだ
・
・
・
334 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:27:12.40 ID:9IO3OaXv0
ほむら「なんてことを……」
一撃でワルプルギスを屠る
卵はおちなかった
335 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:29:07.42 ID:9IO3OaXv0
まどか「じゃあ、行くね。必ずほむらちゃんを救ってみせるから」
それは出口のない迷路
くり返すほど私たちの心は引き離されていく
336 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:30:05.80 ID:9IO3OaXv0
ほむら「まどか、行ってはダメ!」
それは自分がずっとしてきたこと
大切なものはいつも目の前にあったのに
私はくり返してしまった
大切なものを何度も何度も私は……
337 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:30:54.05 ID:9IO3OaXv0
ほむら「お願いだから行かないで」
まどかを抱きしめる
捨ててはいけない大切なもの
ほむらをどうしようもなく追い詰めていたもの
しかし、同時にほむらを支えていたもの
338 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:31:40.90 ID:9IO3OaXv0
ほむら「私はもうくり返さない……大切なものを手に入れたから」
二度となくさない
それを守るためなら私はどうなっても構わない
339 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:32:38.33 ID:9IO3OaXv0
いつの間にかともっていたともし火
業火となってほむらを焼き尽くす
340 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:33:32.05 ID:9IO3OaXv0
まどか「ほむらちゃん……」
抱きしめあう
QB「行かないのかい?」
まどか「うん」
341 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:34:14.74 ID:9IO3OaXv0
QB「グリーフシードはどうするんだい?」
ストックはない
魔女も倒しつくしてしまった
342 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:35:05.34 ID:9IO3OaXv0
QB「このまま魔女が現れなければ、近いうちにまどかは魔女化してしまうだろうね」
QB「それでもくり返さないのかい?」
まどか「もう決めたんだ」
まどかがほむらを見つめる
343 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:36:04.90 ID:9IO3OaXv0
まどか「私は今のほむらちゃんと約束したから……
だから、今のほむらちゃんとずっと一緒にいようって」
ほむら「まどか……」
――ごめんなさい
私は約束したあの時のあなたを守れなかった
だから、せめて今のあなたを……
344 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:37:00.96 ID:9IO3OaXv0
まどか「そのかわり、一つお願いきいてもらえる?」
まどかが桃色のソウルジェムをほむらの目の前に差し出した
345 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:37:47.79 ID:9IO3OaXv0
ほむら「え?」
まどか「最期はほむらちゃんにお願いしたいの」
まどか「ほむらちゃんは私の分まで生きてほしい」
346 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:39:05.44 ID:9IO3OaXv0
やっとの思いでつながったのに
いとも簡単に引き離される
347 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:40:28.97 ID:9IO3OaXv0
それでも私はあなたを二度と見捨てない
あなたのためなら私はこの身を喜んで捧げられる
348 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:41:30.66 ID:9IO3OaXv0
ほむら「その必要はないわ」
まどか「え?」
349 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:42:33.59 ID:9IO3OaXv0
ほむら「私が魔女になる。私のグリーフシードを使えばいい」
まどか「そんな……いやだよ、ほむらちゃん」
350 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:43:28.73 ID:9IO3OaXv0
ほむら「お願い。私の最後のわがまま、きいてほしい」
もう一度、強く優しく抱きしめた
351 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:44:25.30 ID:9IO3OaXv0
犯した罪は背徳
その代償を支払う
352 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:45:12.50 ID:9IO3OaXv0
――今までありがとう
あなたに会えて本当によかった
________________________
――――――――――――――――――――――――――――――
353 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:46:02.44 ID:9IO3OaXv0
まどか「ほむらちゃん!!」
まどかの声に反応したほむら
声のした方に手を伸ばす
354 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:47:16.60 ID:9IO3OaXv0
ほむら「大丈夫……たとえ魔女になっても私はあなたを守ってみせる」
だからお願い、最後にもう一度――
ほむら「まどか」
パリン
――――――第二部 完
355 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:49:05.08 ID:9IO3OaXv0
第三部
それは魔女らしい魔女だった
とんがり帽子
白色の髪
黒いマント
左右に両手を広げ風に揺れている
356 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:49:56.69 ID:9IO3OaXv0
時間への反逆
奇跡が罪へと変わる
少女の終着地点
357 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:50:38.90 ID:9IO3OaXv0
ほむらの魔女――ホムリリィ
目の前に横たわるほむら
その顔をまどかはそっと覗きこんだ
抜け殻はもう動かない
358 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:51:30.02 ID:9IO3OaXv0
まどか「いやだよ、こんなのが終わりだなんて……
ほむらちゃん、目を覚まして」
その様子を見ていたあすみ
あすみ(もうすぐだ)
あすみ(狙いは契約直後、まどかが術を発動する前)
あすみ(まどかより早く私の術をきめてみせる)
あすみ(第一段階まででいい。それで私のサヨナラ勝ちだよ)
359 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:52:21.40 ID:9IO3OaXv0
あすみがQBに合図を送る
QBがまどかに近づこうとした時
360 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:53:10.11 ID:9IO3OaXv0
あすみ「?」
まどかの目の前の魔女
何もせずにどこかへと消えていった
結界も消失する
361 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:53:58.50 ID:9IO3OaXv0
あすみ「これは……?」
QB「おそらくワルプルギスに取り込まれたんじゃないかな」
QB「ワルプルギスは複数の魔女の集合体だ。
こうやって近くの魔女たちを取り込んで、次第に大きく強くなっていったんだろうね」
362 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:54:44.36 ID:9IO3OaXv0
QBがまどかに近づく
まどかはほむらの頬をなでている
363 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:55:28.39 ID:9IO3OaXv0
まどか「ほむらちゃん……」
ほむらのことを思い出す
出会った日からずっと難しそうな顔をしていたほむら
昨日も言葉なく泣いていた
364 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:56:16.04 ID:9IO3OaXv0
まどか「結局、最後まで笑顔を見せてくれなかったね」
まどか「私はただほむらちゃんに笑ってほしかった。それだけなのに……」
QB「君はその願いに魂を捧げられるかい?」
まどか「…………」
365 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:57:07.38 ID:9IO3OaXv0
好きな人のために願いを使ったさやか
さやかを今度こそ守ろうとした杏子
まどかとほむらの幸せを願ったマミ
そしてまどかを守ろうとしたほむら
366 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:57:49.85 ID:9IO3OaXv0
ささやかな夢の代償
死んだ後も魔女となって人々を呪い続ける
そんなに悪いことをしたのだろうか
全部間違いだったのだろうか
367 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:58:33.62 ID:9IO3OaXv0
まどか「ほむらちゃんもさやかちゃんも……みんなささやかな日常を夢見てた」
まどか「他の人とつながろうとしただけだったのに……」
ほむらの手をギュっと強く握りしめる
そして静かに顔を上げ、あすみの方を見た
368 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 20:59:22.70 ID:9IO3OaXv0
まどか「私、QBと話してわかったんだ。魔法少女は全員犠牲者なんだって」
まどか「だからあすみちゃん、私はあなたも救ってみせる」
369 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 21:00:02.98 ID:9IO3OaXv0
「不安も困難も乗り越えてみせる」
そんな決意のこもった表情
あすみが身構える
370 :
1
[saga]:2013/01/31(木) 21:00:56.40 ID:9IO3OaXv0
QB「決めたんだね」
まどか「うん」
QB「さあ、鹿目まどか。君はその魂を代価に何を願う?」
まどか「私は――」
――――――第三部 完
371 :
1
[sage]:2013/01/31(木) 21:02:09.93 ID:9IO3OaXv0
今回は以上です
次回の投下で最後です
372 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/01/31(木) 21:58:32.75 ID:vTtzRJx5o
乙
373 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/01(金) 02:07:25.68 ID:ozqMOUa40
乙
374 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/01(金) 02:08:21.13 ID:ozqMOUa40
乙
375 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/01(金) 02:25:19.73 ID:rmHsMmMH0
乙
376 :
1
[sage]:2013/02/01(金) 20:44:59.65 ID:KYKb2ybw0
ラストです
オチはありきたりなものですがご容赦ください
では投下していきます
377 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 20:46:33.58 ID:KYKb2ybw0
第四部
まどか「私はみんなのしてきたことが間違いだなんて思いたくない。
ささやかな夢を見て戦ってきた少女たちの終わりがこんなのであっていいはずがない」
まどか「私は魔法少女たちにもう一度夢を与えてあげたい」
まどか「だから魔女になった魔法少女を元の姿に戻したい」
まどか「叶えてよ、QB!」
あたりが桃色の光に包まれる
・
・
・
378 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 20:47:19.99 ID:KYKb2ybw0
次第に光が収まってくる
あすみ(……見える、いける!)
踏み込もうとしたその時――
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 20:48:16.66 ID:KYKb2ybw0
ふわっ
後ろから何かを感じたあすみ
それは死の予感
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 20:49:26.00 ID:KYKb2ybw0
ワルプルギスの攻撃
まどかの力に反応したのだった
絶望的で圧倒的な力
体が硬直する
覚悟を決める
…………
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 20:50:16.95 ID:KYKb2ybw0
あすみ「?」
なぜだろう
一瞬のはずなのに長く感じる
ふわふわとした感覚がいつまでも続いていく
そんな気がした
・
・
・
382 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 20:51:05.47 ID:KYKb2ybw0
あすみ「はっ」
感覚が戻る
しかしすでにまどかの術が発動していた
桃色の光に包まれ体は動かない
383 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 20:51:53.37 ID:KYKb2ybw0
あすみ「私の負け、か」
まどか「違うよ。さっき言ったよね、あすみちゃんも救ってみせるって」
まどか「魔法少女はね、幸せにならないといけないんだ。だから一緒に幸せになろう」
あすみ「幸せに?」
384 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 20:52:48.16 ID:KYKb2ybw0
ゆいの顔が思い浮かんだ
――もう一度会いたいな
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 20:53:50.53 ID:KYKb2ybw0
まどか「大丈夫。信じて」
目を閉じたあすみ
まどかはワルプルギスを見つめる
386 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 20:54:48.95 ID:KYKb2ybw0
まどか「ありがとう、ほむらちゃん。あなたの想い、確かに受け取ったよ」
薔薇の枝が伸び
蕾が花開く
弦がしなり弓となる
387 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 20:56:25.60 ID:KYKb2ybw0
まどか「明日を信じてよかったってみんなが思えるように……私がみんなを救う」
天に向かって矢を放つ
光の矢が雲を穿つ
上空で四散し飛んでいった
笑いながら解体していくワルプルギス
――――――
――――
――
388 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 20:57:40.68 ID:KYKb2ybw0
暗い迷路の中
出口を求めて一人さまよう
支えるものは何もない
あなたの眩しい笑顔が
今は私を苦しめている
389 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 20:58:40.58 ID:KYKb2ybw0
どうしてあなたは今ここにいてくれないの?
ほむら「まどか!」
390 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 20:59:57.83 ID:KYKb2ybw0
手を伸ばした先
感じる温もり
目を開ける
ほむら「え?」
391 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:00:48.34 ID:KYKb2ybw0
光が差し込んでくる
そこには眩い笑顔
まどか「ほむらちゃん」
ほむら「ここは……私は……」
392 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:01:54.76 ID:KYKb2ybw0
まどかがほむらを抱きしめた
この温もりは……間違いない
まどかを見つめる
393 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:03:47.29 ID:KYKb2ybw0
ほむら「契約したのね」
まどか「うん。ごめんね」
まどか「どうしてもほむらちゃんに会いたかったんだ」
まどか「ほむらちゃんの笑顔が見たくて……」
それさえあれば、私は――
394 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:05:03.58 ID:KYKb2ybw0
ほむら「バカよ、あなたは」
バカバカバカ
でも本当にバカなのは……私
ほむらが抱きしめ返す
395 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:05:59.36 ID:KYKb2ybw0
確かな幸せがそこにはあった
しかし、束の間の幸せ
すぐに引き離される
それでも私たちが選んだ道
最後まで歩いてみせる
ただ前だけを見て
もう後悔なんてしない
絶望なんてしない
396 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:06:53.48 ID:KYKb2ybw0
ほむら「まどか……」
笑おうとした
でもダメ
どうしても涙があふれてくる
零れ落ちないよう上を見た
ワルプルギスはもういない
青い空が広がっている
397 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 21:07:49.53 ID:KYKb2ybw0
パリン
――――――第四部 完
398 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:09:00.63 ID:KYKb2ybw0
第五部
どのくらい時間が経ったのだろうか
夢にしては短く
現実にしては長い
そう感じた
399 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:10:11.05 ID:KYKb2ybw0
薄暗い意識の中、思う
自分に呪いをかけたゆいちゃん
それでももう一度会いたい
次こそ上手くやってみせる
ゆいちゃんだけでも救ってみせる
そうしたら私たちもあの二人のように
強くつながれる
400 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:10:56.44 ID:KYKb2ybw0
あすみ「ゆいちゃん」
ほむら「お目覚めのようね」
あすみ「…………」
401 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 21:11:54.96 ID:KYKb2ybw0
意識がはっきりしてきた
周りを見る
402 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 21:12:47.33 ID:KYKb2ybw0
元の姿に戻ったたくさんの少女たち
その中にさやかたちの姿もあった
しかし、皆、事の経緯を見守るかのように押し黙っている
403 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:13:48.48 ID:KYKb2ybw0
あすみ「さやねえ」
さやかは黙ってまどかの方を見た
まどかだけが魔法少女のままだった
404 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 21:15:20.57 ID:KYKb2ybw0
あすみ「本当に私を……」
まどかがほほえむ
405 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:16:50.82 ID:KYKb2ybw0
まどか「もう誰も呪わなくていいんだよ」
ほむら「私は今のまどかと共に生きるわ。たとえ残された時間がわずかでもね」
ほむら「あなたはどうするの?」
406 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:17:50.09 ID:KYKb2ybw0
あすみ「え?」
ほむら「話は聞いたわ」
ほむら「大切な人なんでしょう。二度と失ってはダメよ」
407 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 21:19:17.56 ID:KYKb2ybw0
あすみは少女たちの中から探す
大切な人を
408 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 21:20:11.11 ID:KYKb2ybw0
「あすみちゃん」
声がした方を見る
あすみ「ゆいちゃん」
ゆい「ごめんね。私、あすみちゃんに酷いことを……」
409 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:21:21.95 ID:KYKb2ybw0
たまらなくなり、逃げようとしたゆい
あすみ「待って!」
手を掴んでとめた
410 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:22:40.58 ID:KYKb2ybw0
あすみ「私はゆいちゃんを恨んでないよ」
ゆい「そんなこと、あるはずない!」
411 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 21:23:32.50 ID:KYKb2ybw0
あすみ「『私はゆいちゃんの力になりたい』って言ったの、覚えてる?」
ゆい「うん」
あすみ「今でもその気持ちは変わってないよ」
あすみ「ゆいちゃんがかけた呪いはね、私たちの絆なんだ」
412 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:24:35.98 ID:KYKb2ybw0
ゆい「絆?」
あすみ「うん。ゆいちゃんは最後に言ってくれたよね。
『あすみちゃんは唯一の親友、残された最後の希望なんだ』
『だから壊す』んだって」
あすみ「考え方は間違ってるかもしれない。でも、あの時のゆいちゃんの言葉、私は嬉しかった」
あすみ「私がゆいちゃんの苦しみを背負うことで、少しでもゆいちゃんが楽になるならそれでいいんだ」
ゆい「あすみちゃん……」
413 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:25:38.67 ID:KYKb2ybw0
抱きしめあう
ゆい「ごめん、ごめんね」
あすみ「もういい、もういいんだよ。これからは一緒に罪を償っていこう」
414 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:26:23.28 ID:KYKb2ybw0
やっとつながれた
重い十字架でも二人なら背負っていける
415 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:27:17.41 ID:KYKb2ybw0
ほむら「決めたのね」
あすみ「はい。私たちも二人で生きていきます」
ほむら「そう。大切にしなさい」
416 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:28:06.17 ID:KYKb2ybw0
この二人なら空白の時間を埋めていける
しかし――
417 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:29:50.28 ID:KYKb2ybw0
マミ「暁美さん、あなたはそれでいい?」
ほむら「…………」
さやか「私たちも救ってくれたのは感謝してる。でも素直に喜べないよ」
杏子「ああ、私もだ」
418 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:31:00.98 ID:KYKb2ybw0
QB「仕方のないことさ」
QB「まどかの犠牲なしに解決するのは無理だったんだ。原理的にね」
QB「とはいえ、今のまどかなら自分のソウルジェムを砕けるだろう。僕も思惑通りにはいかなかった」
419 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:31:49.71 ID:KYKb2ybw0
まどか「うん、確実に砕かないとね」
ほむら「私が……」
マミ「暁美さん、あなたはもう魔法少女じゃない。普通の少女なのよ。それでもできるの?」
420 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:32:35.23 ID:KYKb2ybw0
QB「それなら再契約するかい?」
あすみ「もう一度契約できるの?」
QB「まどかの願いは『魔女になった魔法少女を元に戻す』だった。だから契約前の姿に戻っただけだからね」
421 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:33:33.24 ID:KYKb2ybw0
まどか「私は大丈夫だから……ほむらちゃんたちはもう契約しちゃダメだよ」
QB「まどかを救うには、それこそ世界を改変するくらいの力が必要だ。ほむらにその力はない」
ほむら「また、救えないのね」
422 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:34:32.89 ID:KYKb2ybw0
あすみ「そんなことないよ」
皆、あすみの方を見た
423 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:35:31.33 ID:KYKb2ybw0
あすみ「みんなで救えばいい」
マミ「どうやって?」
あすみ「みんなで同時に同じ願いをかける」
あすみ「そのやり方で私はゆいちゃんの願いを手伝ったんです」
あすみが説明する
424 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:36:32.82 ID:KYKb2ybw0
マミ「そんなことが……」
杏子「なら、やらない手はねーな」
さやか「うん」
杏子とさやかが手を差し出した
マミも手をのせた
425 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:37:34.31 ID:KYKb2ybw0
ほむら「あなたたち……」
マミ「後輩にばかり重荷を背負わせるわけにはいかないもの」
さやか「まどかもほむらも私の親友だもん。手伝うのは当たり前だよ」
杏子「迷惑かけちまったからな。少しかもしれないけどさ、私も手伝うよ」
426 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:38:25.29 ID:KYKb2ybw0
あすみもゆいも手をのせる
そしてその手の上に次々と新しい手がのせられる
まどかによって救われた少女たちが一つになる
最後にほむらが手をのせた
427 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:39:13.04 ID:KYKb2ybw0
まどか「みんな……」
ほむら「今度こそ、あなたを救ってみせるわ」
みんなで手をつなぎまるくなった
428 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:40:16.67 ID:KYKb2ybw0
QB「準備はできたかい?」
ほむら「ええ」
ほむらが全員に目配せした
429 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:41:17.42 ID:KYKb2ybw0
QB「では聞こう。君たちがそこまでして起こしたい奇跡は何かを」
QB「君たちは何を望む?」
「私たちは魔法少女の不都合な真実を変えたい。希望を信じた少女たちがもう泣かなくてすむように」
少女たちの祈りが光に変わる
奇跡の光が世界を包んでいく
――――――第五部 完
430 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:42:26.90 ID:KYKb2ybw0
第六部
奇跡の光
それはやがて一筋の軌跡となって収束していった
431 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:43:21.53 ID:KYKb2ybw0
無言で抱き合っているほむらとまどか
QB「ルールは書き換えられた。君たちの願いに応じてね」
QB「じゃあ、僕はいくよ」
432 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:44:33.12 ID:KYKb2ybw0
去っていくQB
まどかとほむらがみんなの方をむいた
まどか「みんな、ありがとう」
ほむら「あなたたちのおかげで私たちは夢の続きを見ることができる。
本当に感謝してるわ」
433 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:45:41.91 ID:KYKb2ybw0
マミ「今度こそ、二人で幸せになるのよ」
約束を果たしたマミ
穏やかな微笑み
434 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:46:37.54 ID:KYKb2ybw0
ほむら「マミ……ありがとう。あなたには本当に救われたわ」
ほむらがさやかたちの方をむいた
ほむら「あなたたちもね。もう離してはダメよ」
435 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:47:21.18 ID:KYKb2ybw0
さやか「うん」
杏子「当然だろ」
あすみとゆいも見つめあう
436 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:48:04.25 ID:KYKb2ybw0
つながった絆
掴んだ未来
もう離しはしない
437 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:49:21.01 ID:KYKb2ybw0
少女たちが祝福する
ほむらの顔から笑みがこぼれた
ほむらが見せた最初の笑顔
438 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:50:05.68 ID:KYKb2ybw0
まどか「ほむらちゃん、やっと笑ってくれたね」
やっと笑えた
たったこれだけのために私たちはどれほどの遠回りをしてきただろう
439 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:50:47.66 ID:KYKb2ybw0
明日なんていらない
明日なんてこなければいい
そうすれば私たちはずっとつながっていられる
そう思った
440 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:51:31.75 ID:KYKb2ybw0
そんな私たちが掴んだ明日
ありふれたものでいい
あなたさえいてくれれば
それ以上は望まない
441 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:52:11.98 ID:KYKb2ybw0
まどか「もうどこにも行かないでね」
ほむら「ええ、ずっとあなたと一緒よ」
442 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:52:57.32 ID:KYKb2ybw0
二人の新しい約束
いつか来るその時まで、共に生きる
あなたの笑顔があれば私は生きていける
443 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:54:16.89 ID:KYKb2ybw0
だから、あなたの笑顔を見せて
――――――第六部 完
444 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:55:04.84 ID:KYKb2ybw0
最終部
杏子「覚悟はいいな?」
あすみ「はい」
ゆい「お願いします」
445 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:55:47.38 ID:KYKb2ybw0
ガッ
バキ
杏子が二人を殴り倒した
446 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:56:27.84 ID:KYKb2ybw0
杏子「私はもういいよ。これで恨みっこなしだ」
二人の罪の意識を軽くしてあげたい
罪を知った杏子の優しさ
447 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/02/01(金) 21:57:07.64 ID:KYKb2ybw0
さやか「あすみ」
あすみがさやかの方を見た
448 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:57:58.19 ID:KYKb2ybw0
さやか「私はあなたを一生許せないかもしれない。あなたは私の心を踏みにじったんだもん」
あすみ「さやねえ……」
さやか「でもね、感謝もしてるんだ」
あすみ「え?」
449 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:58:40.05 ID:KYKb2ybw0
さやか「あすみのおかげで私は自分の本当の気持ちを知ることができた。
本当の私は寂しがりやのくせに強がりでどうしようもなく醜かった」
さやか「そんな私でも支えてくれる人がいる。つながってるんだってわかったんだ」
450 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 21:59:26.79 ID:KYKb2ybw0
さやか「だから決めたんだ。もっと強くなって今度は私が他の人を支えるんだって」
さやか「今はまだ許せないけど、いつか許せるくらい強くなってみせる」
さやか「二人を支えてみせるから、それまで待っててほしい」
451 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:00:05.02 ID:KYKb2ybw0
さやかも杏子も成長している
お互いの心をぶつけ合って傷ついて
それでも相手を許そうとしている
452 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:00:47.80 ID:KYKb2ybw0
マミ「でもね、二人が許してくれたとしても犯した罪は消えはしないわ」
マミ「一生背負っていくしかない。残りの人生全てをかけて償っていきなさい」
マミ「逃げるなんて許さないから」
二人「はい」
453 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:01:28.55 ID:KYKb2ybw0
マミ「だからね、これからは私たちと一緒に魔女退治をすること。いいわね?」
マミが微笑む
454 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:02:10.52 ID:KYKb2ybw0
ほむら「あすみ、あなたがいなかったら私はまたループを繰り返していたわ」
ほむら「あなたのおかげで大切なものを見捨てずにすんだの」
ほむらの大切なものは横で微笑んでいる
ほむら「改めてもう一度お願いするわ。私たちの仲間になってほしい」
455 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:03:01.34 ID:KYKb2ybw0
人は間違える
誰しもがそれぞれの罪を背負っている
裁かれなくても
赦されなくても
それでも生きる
絆があれば生きていける
456 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:03:43.80 ID:KYKb2ybw0
あすみ「……はい」
457 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:04:29.23 ID:KYKb2ybw0
6人目の少女
神名あすみ
これからは仲間と共に戦い続けるだろう
一人の魔法少女として
希望と笑顔をふりまきながら
――――――最終部 完
458 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:05:37.72 ID:KYKb2ybw0
エピローグ
改変された世界
その片隅で
459 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:06:20.79 ID:KYKb2ybw0
男「なんでこんなことに……」
男「俺のせいじゃないのになんで俺がこんあ目に遭わなきゃいけないんだ」
男「俺はもうダメだ。それならアイツも……」
手に握られたものがキラリと光る
460 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:07:00.76 ID:KYKb2ybw0
「憎いのかい?」
その声に反応し振り返る
そこにいたのは白い生き物
461 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:07:37.75 ID:KYKb2ybw0
QB「僕なら君の恨みをはらす手段を与えられる」
QB「だから僕と契約して魔女になってよ」
――――――
――――
――
462 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:08:22.18 ID:KYKb2ybw0
カラン
魔女がグリーフシードをおとす
結界が消えていった
463 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:09:01.66 ID:KYKb2ybw0
マミ「やっぱりこの人数だと楽ね」
以前より魔女の数が増えた
結果、魔法少女たちは結束して戦うようになった
グリーフシードを仲良く分け合う
464 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:09:40.65 ID:KYKb2ybw0
マミ「今日はここまでにしましょう」
杏子「ああ」
帰路につく
465 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:10:31.27 ID:KYKb2ybw0
さやか「あー、たまにはパトロールも休んでどこかにいきたいな」
マミ「そうね。なら、今度ローテーションで休みを取っていきましょうか」
杏子「私は別にいいんだけどな」
さやか「そう言わずにさ、一緒にどこか行こうよ」
杏子「そうだな」
466 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:11:10.73 ID:KYKb2ybw0
マミ「暁美さんは鹿目さんとね」
ほむら「ええ」
まどか「楽しみだね、ほむらちゃん!」
467 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:11:50.52 ID:KYKb2ybw0
マミ「あすみちゃんとゆいちゃんは私と一緒にどう?」
二人「はい!」
468 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:12:36.71 ID:KYKb2ybw0
皆の笑顔
望んだ平穏な時間
469 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:13:16.77 ID:KYKb2ybw0
明日を信じようとした少女がいた
明日を信じられない少女がいた
明日を信じさせようとした少女がいた
470 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:13:58.34 ID:KYKb2ybw0
もがいて苦しんで乗り越えて
やっと掴んだそれぞれの「明日」
471 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:14:42.50 ID:KYKb2ybw0
「じゃあ、また明日!」
「おう、また明日な」
「また明日、ね」
「また明日、さよなら」
「さよなら。また明日!」
472 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:15:45.71 ID:KYKb2ybw0
壊れた世界でさまよって
引き寄せられるようにたどり着いた
でも、もう怖くない
あなたがいてくれるから
何があっても挫けない
473 :
1
[saga]:2013/02/01(金) 22:16:33.49 ID:KYKb2ybw0
早く、明日が来ないかな
――――――エピローグ 完
474 :
1
[sage]:2013/02/01(金) 22:18:13.14 ID:KYKb2ybw0
以上で「神名あすみ〜6人目の少女」完結です
475 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/01(金) 22:20:03.64 ID:x0gM4X03o
乙
超乙
476 :
1
[sage]:2013/02/01(金) 22:22:30.73 ID:KYKb2ybw0
読んでくれた方、乙してくれた方、本当にありがとうございました
力量不足、勉強不足、経験不足な内容ながら
当初の目標である完走だけは果たしました
次作はもっといいものが書けるよう精進します
477 :
1
[sage]:2013/02/01(金) 22:25:50.61 ID:KYKb2ybw0
反応早すぎwしかもダブル乙感謝です
書いてよかった
最後まで書ききれてよかったです
478 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/01(金) 22:26:40.10 ID:USL/uGpj0
乙乙
479 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/01(金) 23:12:57.08 ID:TXCxbau6o
乙乙乙
480 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/02(土) 01:42:08.29 ID:lWtGJbjAO
乙
ハッピーエンドで良かった
481 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/02(土) 05:53:04.72 ID:OHfGEkwmo
乙
482 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/02(土) 11:35:32.16 ID:8koyiYOro
乙
483 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/02/02(土) 14:28:02.59 ID:WjkXVVIIO
乙です。
484 :
1
[sage]:2013/02/02(土) 19:54:22.35 ID:2trhep3G0
HTML化依頼だしました
おお、意外と読んでくれてる人がいたんですね
ありがとうございました!
それではまたどこかでノシ
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クオリティの高いサービスを貴方に
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