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勇者「安価で」魔法使い「魔法実験?」探偵「……してましたっけ?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : [sage saga]:2013/02/26(火) 14:11:37.54 ID:hEoG5KWz0

前スレ:勇者「安価で」魔法使い「魔法実験?」



勇者の無茶振り(安価)を、万能の女魔法使いが叶えながら魔王を討伐しようというスレでした。

それでは、前スレの続きから始めたいと思います!



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1361855497
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 : [sage saga]:2013/02/26(火) 14:16:14.49 ID:hEoG5KWz0
※前スレでは長らくお世話になりました、1です。皆様のおかげで無事>>1000を迎えることができました。

私のグダグダのせいで1スレで終わることができませんでしたが、とりあえず広げた風呂敷はたたみたいと思います!


お時間があるときに、お付き合いください!


では、天使王篇を続けたいと思います!
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 14:17:22.66 ID:+lZN0Af5o
スレ立て乙ー!
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 14:17:35.78 ID:CJYx4Er0o
スレ立て乙ー!
5 : [sage saga]:2013/02/26(火) 14:25:17.43 ID:hEoG5KWz0

―――防音室前―――


鍛冶「ま、こんなところでござろう」

鍛冶「さすがに扉をここまで溶接してしまえば、いかな怪力でも脱出は不可能のはず」

鍛冶「黒エルフとかいうエルフ族の言葉から察するに、敵は歌で攻撃するタイプ」

鍛冶「防音室に閉じ込めてしまえば、為すすべあるまい」

鍛冶「まずは一人脱落……」


ァァァァァァァ


鍛冶「む?」


アアアアアアアアアアアア


ミシミシッ!!


鍛冶「ま、まさか!!」


ドガァァァァン!!


パラパラ…



歌使い「」ニコッ



鍛冶「……っ!!」ゾクッ

鍛冶(読みが甘かった……!!)

6 : [sage saga]:2013/02/26(火) 14:32:34.02 ID:hEoG5KWz0

―――どこか山奥―――


天使王「ええい……離せっ!」

たんてい「そういうわけにはいきませんねぇ。彼女たちのいのちがけの特攻を、むだにするわけにはいきません」

天使王「く、くそ……こんな宝玉なんぞに……!!」グググ

たんてい「むだです。この距離なら鬼王や狼王でさえおさえこめます」

たんてい「あきらめてください」

天使王「……っ」

天使王「許さんぞ、たんてい! 秘書たちがお前の仲間を倒し、必ずここへ辿り着く!」

天使王「その時は覚悟しておけ!!」

たんてい「そんな時はきません」

たんてい「ここへたどりつくのは、彼女たちですので」

7 : [sage saga]:2013/02/26(火) 14:58:23.96 ID:hEoG5KWz0

黒エルフ「爆裂呪文!!」

ズガガァァン!

エルフ「」サッ

エルフ(さっきから、黒エルフは普通にバンバン魔法を使ってくるなー)

エルフ(魔法を制限する陣じゃないのか? ……一発、試してみるか)

エルフ「局地災害魔法―――炎よ!!」バッ


ボシュッ


エルフ「―――なっ!?」

エルフ「うっ……!」クラッ

エルフ(広範囲を焼き尽くす業火を生み出すはずが、ほんの少しの炎しか出せないなんて……)

エルフ(しかもその割には、消費魔力が大きすぎる……!!)

黒エルフ「雷撃呪文!!」

ズガァァン!

エルフ「うあっ!?」

エルフ「くっ、電撃呪文!!」

バヂィッ!

黒エルフ「」サッ

エルフ(え……問題なく魔法が発動した……)

エルフ(今のはどうして発動できたんだ? 黒エルフが似たような魔法を発動したすぐ後だったから? それとも初級呪文だったから?)

エルフ「はぁっ!!」ブン

黒エルフ「多重結界呪文」キュィィン

ガキッ!

エルフ(やっぱ物理攻撃はさせてくれないかー)

エルフ(この場の『ルール』を把握しないと勝ち目はないなー……)

エルフ「ん?」キョロキョロ

エルフ(幼エルフと黒エルフはどこいった?)


8 : [sage saga]:2013/02/26(火) 15:21:10.87 ID:hEoG5KWz0

秘書「ここまで来れば良いでしょう」

幼エルフ「散々逃げ回っといて、なに言ってるのかしら?」

秘書「いえ、私の能力は、あまり人に見られたくはないものでして」

幼エルフ「……」

幼エルフ(黒エルフは布陣魔法、歌使いは歌声……それは探偵さんのおかげで予想できたけど……)

幼エルフ(この女の能力だけはまったくわからなかったのよね)

幼エルフ(早く倒して、あの黒エルフのところへ行きたいのに……!)

幼エルフ(とにかく近づかずに中距離で様子を見よう)

ギリギリ…

秘書「弓ですか」

秘書「当たるとお思いですか?」

幼エルフ「生憎、外したことは無いかな!」

秘書「……」スチャッ

幼エルフ(メガネを外した……?)


フッ


幼エルフ「え!?」

幼エルフ(消え……)

秘書「」ブン

幼エルフ「きゃっ!?」ズバッ

幼エルフ(いつの間に私の後ろに……!? それにさっきまでナイフなんて持ってなかったはず!)バッ

秘書「惜しいですね。あと少しだったのですが……良い反応です」

フッ

幼エルフ(また……!)キョロキョロ

幼エルフ(瞬間移動!? 超速移動!? 透明化!?)


秘書「こっちですよ」


幼エルフ「!!」クルッ

秘書「ふふ。そんなに慌てちゃって……可愛いですね」

幼エルフ「……そうやって余裕ぶってると、痛い目みるよ」

秘書「そうですか?」



秘書「では殺しましょうか」



ドスッ

幼エルフ「ぐっ……!?」

幼エルフ(あの女は全く動いてないのに……)

幼エルフ(どうして私の胸に、ナイフが刺さって……)

幼エルフ「」グラッ
9 : [sage saga]:2013/02/26(火) 15:48:24.48 ID:hEoG5KWz0

秘書「案外あっけなかったですね」

秘書「さて、黒エルフさんを援護しに行きましょうか」

黒エルフ「秘書さん!」

秘書「黒エルフさん? もう片付いたんですか?」

黒エルフ「違う、後ろだよ! そいつはまだ生きてる!!」

秘書「!?」バッ


エルフ「」

ギリギリ…

バヒュッ!!


秘書(弓矢!!)

黒エルフ「多重結界呪文!」


ガキィィン!!


黒エルフ「死んだふりして不意打ちなんてあんたたちのやりそうなことだよ。けど残念だったね。そんな矢なんて私の結界で……」


パキィィィン


黒エルフ「えっ?」

幼エルフ「ごめん、私の矢には、『防御』は効かないんだ」

秘書(ガード不能ですか、恐ろしい能力です)

秘書(しかし)

秘書「」サッ

秘書(残念ですが、私の動体視力なら一瞬止まった矢なんて余裕でかわせるのですよ)

秘書「最後のチャンスでしたが、残念でしたね! これで終わ」

ドスッ

秘書「……り……?」

秘書(どうして……かわしたはずの矢が、私の脇腹に……)

秘書「」グラッ

黒エルフ「秘書さん!!」

幼エルフ「『ガード不能』だけが私の能力じゃないよ」

幼エルフ「もう一つ、私が直接手で触れたものはどこへ逃げても、私の矢がどこまでも追尾して命中する」

秘書(そんな……私は一度も彼女に触れられてはいない……一体いつ……)

秘書「」ハッ

秘書(このポケットの中には……!!)

幼エルフ「あのストラップを探偵さんに『手渡した』のは私だよ」

幼エルフ「そろそろ矢の毒が回る頃かな? しばらく眠っててよ」

秘書「くっ……」

秘書「」ドサッ

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 16:01:28.12 ID:rn3C1WJl0
はちゅねーーーっ!?(心配する所が違う)
11 : [sage saga]:2013/02/26(火) 16:02:49.68 ID:hEoG5KWz0


黒エルフ「うわああああああああ!!」

黒エルフ「爆裂呪m」

エルフ「」ブン

黒エルフ「うわっ!?」サッ

エルフ「私を置いてくなんて、つれないじゃないか」ブン

黒エルフ「多重結界呪文!」

ドスッ

黒エルフ「ぐ……くそぉ……」グラッ

幼エルフ「だから『防御』は無駄なんだって」

エルフ「背中を射つとは、容赦ないなー」

幼エルフ「エルフも今、背中から斬りかかってたでしょ!?」

幼エルフ「あっ……痛つつ……」ガクッ

エルフ「うわ。胸にナイフが刺さってるじゃないか! 大丈夫なのか!?」

幼エルフ「鍛冶さんの魔法で物理耐性付与してもらったから、どうにか……」

エルフ「とにかくじっとしてろ。止血して、回復魔法をかけてみるから」

エルフ(これはしばらく動かせそうにないなー……)

エルフ(歌使いの方は大丈夫なのかな……)

黒エルフ「」

黒エルフ「」ピクッ

12 : [sage saga]:2013/02/26(火) 16:04:53.85 ID:hEoG5KWz0
※はちゅねは犠牲になったのだ……

 鍛冶さんが五感接続してたら大惨事ですね……
13 : [sage saga]:2013/02/26(火) 16:30:30.58 ID:hEoG5KWz0

歌使い「」ダダダ

鍛冶「待つでござる!!」ダダダ

鍛冶(あの部屋から出るや否や、いきなり逃げ出したでござる)

鍛冶(おそらくだが、あの文字通りの『爆音』を発したあとは、声が枯れてしまうのでござろう)

鍛冶(倒すなら、今が最大のチャンス!!)

鍛冶(なのでござるが……)

鍛冶(あの女、足が早すぎでござろう……!!)ゼェゼェ

鍛冶(インドア派の魔女っ子鍛冶師には、ちとキツイ……!)

助手「鍛冶さん!」シュタッ

鍛冶「む、助手殿」キュポン

助手「あ、もう耳栓は付けてたんですね」

鍛冶「用心のために。それより、あの歌使いは今声を出せないはずでござる!」

助手「だから、今のうちに叩くってことですね」

鍛冶「その通り! しかしなにぶんあの足の速さ……追いつけぬ」

助手「ボクに任せてください!」

ガシャ、ガシャン

鍛冶(義手を外した……? って、あれ? この義手どこかで見たことがあるような……)

助手「これで速く走れます……よッ!!」



ギュンッ!!


歌使い「っ!」

助手「はぁ!!」ブン


ドガッ!!


歌使い「」ズザザッ

鍛冶(身を挺して、あの楽器を庇った……それほど大事な役割を果たすということでござろうか)

鍛冶「助手殿! まずはその楽器を狙うでござるよ!」

助手「わかりました!」グッ

歌使い「『ぬしらの体は動かない』♪」

助手「!?」ガクン

鍛冶「!?」ガクン

鍛冶(しまった……! もう喉が回復したのでござるか!?)グググ…


ベン、ベン、ベン……

ジャンジャジャンジャジャン♪、ジャンジャジャンジャジャン♪


歌使い「演奏が始まり、ぬしらへの『命令』は固定されんした」

歌使い「もうぬしらの体は動きはしんせん」

歌使い「覚悟しなんし」

14 : [sage saga]:2013/02/26(火) 16:42:22.67 ID:hEoG5KWz0
※すみません、ちょっと30分くらい休憩させてください。頭の回転率が落ちてるのが明らかです……

能力系の戦闘が始まると安価がやりにくくて困ります……需要に応えられない……

普通はどういうふうにするのでしょうか……?

――――――

※本編で直接安価するのが難しいので、ここで新キャラ安価です。

一人だけ、『子供部屋』から出しちゃいましょう。

能力無しのただの純粋な子供でも、能力有りの秘蔵っ子でもなんでもアリです!

(ただしここまでの設定を踏まえて、最終的に私が勝手に料理させてください。天使王が管理してるのに邪悪とかじゃ矛盾ですので……)

では、お願いします!

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 16:48:49.40 ID:cKzcaPrb0
何かに気付いたり反応はするが自我・意思が消滅してしまっている少女 ポニテ
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 16:55:52.77 ID:DapZeoQI0
何をされても損傷せず、如何なるペナルティーも受け付けない(寒さや腹痛などの生理現象は普通に起こる)体質
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 17:01:24.21 ID:Qe7AADlN0
徘徊癖がある
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 17:09:37.23 ID:8xVOtgBH0
向けられた行動をそっくりそのまま返してくる事がある(技・魔法・能力、他)
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 17:15:32.24 ID:8yTE0s2G0
分裂して変異別固体を生み出す事があるらしい
20 : [sage saga]:2013/02/26(火) 17:17:09.09 ID:hEoG5KWz0
※あ、あれ……?
 私このキャラ知ってる……
 ラノベの、王道能力バトルの、新刊で見たことがある……
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 17:19:49.98 ID:oFP+yGrq0
俺には変なこいし(東方)に見える
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 17:23:17.57 ID:QJjkH67DO
見てないから知らんがそんなに似てんの?
23 : [sage saga]:2013/02/26(火) 17:26:41.00 ID:hEoG5KWz0
※多分読んだことがあれば気づく程度には似てると思います。
 分裂とかはしませんが、自律進化とかはしてました。

 いえ、それがどうしたって話ですが……w

 影響されないように気をつけます!

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 17:27:28.62 ID:JdXdREDV0
既存キャラみたいなら再安価する?
25 : [sage saga]:2013/02/26(火) 17:31:55.64 ID:hEoG5KWz0
※いえいえ、大丈夫です!

 似るかどうかは私次第だと思いますので!
26 : [sage saga]:2013/02/26(火) 17:32:43.55 ID:hEoG5KWz0

―――どこか山奥―――


天使王「……なあ、たんてい」

たんてい「なんでしょう?」

天使王「意思の無い人間って、どういう行動を取ると思う?」

たんてい「……やぶからぼうですね」

たんてい「こうどうなんてできないのではないですか? 意思がなければ」

天使王「まあ、普通はそう思うだろうな」

天使王「けれど、私は知っている」

天使王「意思のない人間がどういう行動を取るのかを」

たんてい「……」

天使王「最も心地良い場所へと向かって歩いていくんだ」

天使王「意思がないからこそ働くセンサーのようなもので、自分が心地良いと感じる場所に向かって徘徊するのさ」

たんてい「なにをいいたいのですか?」

天使王「別に。たんていが、私を離さないくせに殺しもしないから退屈なのだ」

天使王「独り言だよ、独り言」

たんてい「……」

天使王「けどもしも、そんな人間が、お前のところを訪れたらどうする?」

たんてい「つまりぼくのそばが、ここちいいとかんじたら……と?」

天使王「だとしたら、どうする?」

たんてい「……」

たんてい「うけいれる、とおもいます」

たんてい「そのじんぶつが、ぼくをひつようとしてくれるのなら」

天使王「そうか、そうか。私の見込んだ男なだけはある。そう言うと思っていたよ」

天使王「ならば後悔しないように、覚悟を決めることだ」

天使王(お前の傍は……私が惹かれる程度には、心地良いのだから)

27 : [sage saga]:2013/02/26(火) 17:51:30.49 ID:hEoG5KWz0

ジャンジャンジャジャジャン♪ ジャジャジャンジャジャン♪

歌使い「―――」

歌使い(ど……どうして、この子がこんなところにいるんでありんすか……?)

歌使い(何に『惹かれて』出てきたんでありんすか!?)



子供「」ペタ……ペタ……



鍛冶「……?」

助手「……?」



子供「」キョロキョロ

子供「」ペタ、ペタ、



鍛冶(この少女が何者かは知らぬでござるが、とにかく歌使いに隙ができたでござる!)

鍛冶「助手殿。音のせいで動けないというのなら、もっと大きな音を鳴らしてやればどうでござろうか?」コソッ

助手「……!」

鍛冶「右ポケットでござる」コソッ

助手「」キュィィン

助手(『念動力』で、鍛冶さんのポケットに入っている『起爆スイッチ』を押す!)


カチッ


ズガガァァァァン!!!



歌使い「っ!?」グラグラ

鍛冶(突入前に、探偵殿が仕掛けたアルカナカード……に触れた幼エルフ殿が投げた小型爆弾……)

鍛冶(屋敷を崩壊させるほどの威力はないが、演奏は途絶えた!)

鍛冶「」バキンッ

鍛冶「動けるようになった! 助手殿、耳栓を!」

助手「はい!」

鍛冶「そして一時退却でござる!」バッ

28 : [sage saga]:2013/02/26(火) 18:16:48.71 ID:hEoG5KWz0

ズガガァァァン

パラパラ…


幼エルフ「鍛冶さんが爆弾を使ったみたいよ……」

エルフ「わかってる。とりあえず応急手当がもうすぐ終わるから、そしたら屋敷の外に出よう」

幼エルフ「みんな、大丈夫かな……」

エルフ「これくらいの危機は何度も乗り越えてきた連中だよ。心配いらない」

幼エルフ「……」

幼エルフ「なんか妬いちゃうな。エルフがそこまで信用してるなんて」

エルフ「あいつらの不死身加減は、一緒にいればわかってくると思うぞー?」

幼エルフ「ふふ。俄然、興味湧いてきちゃったわ」

エルフ「基本、どんな奴でもウェルカムだからな、ウチは」

幼エルフ「そっちが気に入ったのはわかったけど、たまにはエルフの里にも帰ってきなさいよ」

幼エルフ「里を守るために魔王討伐に旅立ったあんたを、みんな歓迎したがってるんだから」



黒エルフ「それは無理だよ」


キィィィィィィン!!


エルフ「まだ意識が……!」

幼エルフ「床が光ってる!? なにをしたの!?」

エルフ(こ、この術式は、まさか……!?)

黒エルフ「なにかをするのはこれからだよ」

黒エルフ「もしかしたら、あんたたちみたいなのが来るかもとは思ってたし、もしかしたら予想だにしない敵の攻撃で負けることもあるかもしれないって思ってた」

黒エルフ「けど!!」

黒エルフ「ただで負けるっていうのだけはありえない!」

黒エルフ「どうして坊ちゃんが、私たちに宝玉を手に入れろという指示を出さなかったのか?」

黒エルフ「宝玉を持った敵を、私たちが退けるって信用してくださったからだ!」

黒エルフ「坊ちゃんは、まだきっと生きてるはずだ!!」

黒エルフ「だからこの命に代えても、ここであんたたちを消す!!」

エルフ「させるか!!」バッ


秘書「」ギンッ


エルフ「!?」ガクン

エルフ(足が急に動かなくなった!?)ドシャッ


黒エルフ(秘書さん……)

黒エルフ「全員道連れにしてやる!!」



黒エルフ「極大災害呪文―――ブラックホール!!!」


29 : [sage saga]:2013/02/26(火) 18:37:36.26 ID:hEoG5KWz0

ヴォン……



エルフ(広域殲滅呪文……!! あの小さな黒点はもうすぐ、半径数百メートルを削り取り始める!!)

幼エルフ「ど、どうにかならないのエルフ!?」

エルフ(なる……と言えば、なる。転移呪文でどっかに逃げればいい)

エルフ(けど、鍛冶と助手が今どこにいるのかがわからない)

エルフ(この屋敷は確実に消滅するだろう。そうなれば、あの二人も……)

エルフ(それに、この屋敷にはたくさんの子供がいるって話だ。その子らも消滅してしまう)

エルフ(なら、手は一つ。正反対の呪文をぶつけて、相殺するしかない!)

エルフ(けど、この屋敷の敷地内には巨大な魔法陣が書かれている。地面から発する嫌な魔力は、多分それが原因だ)

エルフ(それがある限り、私の魔法は弱体させられてしまう)

エルフ(ん?)

エルフ(この屋敷にいるかぎり、魔法は……?)



エルフ「転移呪文!」

30 : [sage saga]:2013/02/26(火) 18:51:23.04 ID:hEoG5KWz0

エルフ「」スタッ

幼エルフ「きゃっ」

黒エルフ「わっ」

秘書「っ」

エルフ「屋敷の敷地内で魔法が弱体化するなら、屋敷の外から撃てばいいじゃないか」

黒エルフ「そ、そんなことできるはずない!」

エルフ「ちょっと距離がキツいけど、やってみなきゃわからないだろー?」

黒エルフ「わかるよ! 第一、なんで私たちまで転移呪文で……」

エルフ「お前の気持ちは痛いほどわかるからなー」

黒エルフ「……え?」

エルフ「ちょいと100年ほど虐げられてみた。毎日狂いそうだったけど、昼間に狂ってるから狂えなかったよ」

エルフ「お前が里を売ったせいでたくさんの人が傷ついた。幼エルフの両親は心を病んだし、私はそれの尻拭いで魔王討伐に旅立たされた」

エルフ「それは事実だから、あとで一発シメるとして……」

エルフ「それが終わったら、きちんと話し合おう」

黒エルフ「……!!」

エルフ「んー。そのためには、ここをきっちり成功させなきゃなー……キヒヒッ!」



エルフ「極大災害呪文―――ビッグバン!!」


31 : [sage saga]:2013/02/26(火) 18:59:33.82 ID:hEoG5KWz0

助手「あれ? 揺れが収まりましたね」

鍛冶「揺れたり止まったり、忙しい屋敷でござるな」

助手「いや鍛冶さんが爆破したんじゃないですか!」

鍛冶「いやいや、屋敷の一部から、気持ち悪いくらいの魔力量を感じたでござる。揺れは爆破ではなく、その異常な魔力が原因でござろう」

鍛冶「なにか面倒なことが起こったようでござるが、エルフ殿たちがどうにかしてくれたようでござるな」

助手「じゃあ……」

鍛冶「うむ」

鍛冶「こっちもきっちり決着を着けないと、示しがつかんな」



歌使い「……」

32 : [sage saga]:2013/02/26(火) 19:15:47.49 ID:hEoG5KWz0

鍛冶「」キュポン

助手「」キュポン

鍛冶(耳栓さえ付ければ、操られて一発ゲームオーバーということはないはず)

鍛冶(ただし気をつけなければならないのは……)


歌使い「すぅぅぅ〜〜〜〜〜ッ!!!」


鍛冶(常人離れした肺活量から繰り出される、『爆音』攻撃!!)バッ

助手(鍛冶さんの言うとおり、すぐに隠れられる場所へ待機しておいてよかった)バッ

鍛冶(音による攻撃は防ぎようがないが、遮蔽物があり、耳を塞ぎ、さらにあらかじめ攻撃に備えて覚悟しておけば、耐えられぬものではないはず。それに今度は大音響遮断効果を耳栓や服に付与したでござる)

鍛冶(さあ、次に声が枯れた時が、お主の最期でござる!)

鍛冶「……」



鍛冶「……」




鍛冶「……?」

33 : [sage saga]:2013/02/26(火) 19:33:40.12 ID:hEoG5KWz0

鍛冶「」チラッ

歌使い「〜♪」

鍛冶(なんでござるか? なにやら歌っているようでござるが……耳栓があれば効かないというのに……)

歌使い「」

鍛冶(む? なにやらリモコンを操作して……)

鍛冶「!!」

鍛冶(この大広間のカーテンを閉めている!?)


カチッ


鍛冶(しまった! 部屋の電気を落とされた! 向こうは音を頼りに戦えるのに、拙者たちは光も音も封じられている……!)

鍛冶(だが向こうの攻撃手段は『爆音』しかない。つまり一度攻撃させてしまえばそれでこちらの勝ちでござる!)



シュンッ



歌使い「」ブン

鍛冶「え?」



ドガァッ!!



鍛冶「」ズザザ!!

鍛冶(超速鍛錬付与!!)

鍛冶(助手殿は……)チラッ

鍛冶(柱の影で様子を伺っている。拙者が『爆音』を引き出せば、それで勝利!)

鍛冶(『振れば振るほど加速するナイフ』!!)シュラッ

鍛冶(見たところ歌使いは近接戦闘に弱い。このモードの拙者なら余裕で勝てる……)

歌使い「」ブン ブン ブン!

鍛冶(……はずでござるのに! なぜ拙者が押されている!?)ガキ ガキ ガキ

鍛冶(琵琶の演奏で両手が塞がっているのに、どうしてこんな動きが……)

鍛冶(……演奏?)

34 : [sage saga]:2013/02/26(火) 19:53:13.53 ID:hEoG5KWz0

鍛冶(歌使いはこう言った。『演奏が始まり、ぬしらへの『命令』は固定されんした』と)

鍛冶(つまり、歌の歌詞が『命令』で、琵琶の音色はそれに『永続効果』を付与するという能力)

鍛冶(ならば誰にも能力が効いていないはずの歌使いは、一体なにを『永続』させている……?)

鍛冶(…………)

鍛冶(いや、一人いる! 歌使いが操れる人物が……!!)

歌使い「」ブン

鍛冶「」ガッ



鍛冶「すぅぅぅぅ〜〜〜っ!」



歌使い「?」

鍛冶「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

歌使い「!?」

歌使い「」ガクン

鍛冶(さきほど、拙者たちが隠れている間に歌っていた歌は、自分に対して『強化』する歌を歌っていたのでござろう)

鍛冶(それを『永続』させていた琵琶の音を拙者の声でかき消した!)

鍛冶「これで、終わりでござる!!」グッ



歌使い「すぅぅぅぅ〜〜〜っ!!」



鍛冶「なっ!?」

歌使い(お返しでありんす!!)

歌使い「―――ぁ」



ゴチンッ!!



歌使い「……ぁ……?」ドサッ

鍛冶「……!」

鍛冶「」チラッ



助手「」ピース



鍛冶(義手を念動力で、ロケットパンチのように飛ばしたのでござるか)

鍛冶(まったく、自分の腕を冗談みたいな使い方をして……)

鍛冶「ん?」

鍛冶「あれ!? これ拙者が昔作った義手でござるか!?」

助手「今気づいたんですか!?」

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 19:57:47.19 ID:K/CrQpX+0
ロケパンktkr
36 : [sage saga]:2013/02/26(火) 20:07:19.40 ID:hEoG5KWz0

鍛冶「む」

助手「エルフさん!」

エルフ「おー、無事だったか」

幼エルフ「遅いから心配しましたよ!」

鍛冶「いやあ、彼女、かなりの使い手でござったから」

歌使い「」

黒エルフ「歌使いさんまでやられるなんて……完敗だね」

黒エルフ「敵に情けをかけられて、手当までされるなんて……」

黒エルフ「坊ちゃんにどんな顔をして合えばいいんだろう……」

秘書「坊ちゃまは無事なのですか!?」ググッ

黒エルフ「お、落ち着いて秘書さん。気持ちはわかるけど、傷口が開いちゃう」

秘書「そのようなことはどうでもいいのです! それより、坊ちゃまを……」

エルフ「安心していいぞー。あいつには天使王を殺すように言ってあるけど」

秘書「!!」

鍛冶「うむ。あの探偵殿が、そんなことをできるとは思えぬ。天使王は無事でござろう」

秘書「……」フラッ

秘書「」パタッ

黒エルフ「安心して気絶しちゃったよ……」

助手「とりあえず、探偵さんのところに行きましょう!」

エルフ「だな。天使王をどうするかは、探偵に任せるしかないなー」

幼エルフ「なんだかんだで、探偵さんだけじゃなくって、みんな甘いんだから……」クスッ

黒エルフ「…………」

黒エルフ「!?」

黒エルフ「あれは……!!」



子供「」ペタ、ペタ、



鍛冶「む。またあの子供でござるか。誰なんでござるか、あの子供は?」

黒エルフ「…………」

黒エルフ「どんな干渉も受け付けず、坊ちゃんが、唯一『教育』できなかった……」

黒エルフ「規格外の人外です」


37 : [sage saga]:2013/02/26(火) 20:07:59.17 ID:hEoG5KWz0
※すみません、ご飯食べてきます!
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 20:11:00.37 ID:QJjkH67DO
いってら〜
39 : [sage saga]:2013/02/26(火) 20:59:20.48 ID:hEoG5KWz0
※再開します!
40 : [sage saga]:2013/02/26(火) 21:12:16.91 ID:hEoG5KWz0

幼エルフ「放っておくと、どうなるの……?」

黒エルフ「別にどうにもならないよ。ただ、あの子が気に行った場所を見つけたら、決して離れない」

黒エルフ「もし道路の真ん中を気に入ったら、例え一個師団の兵力でも……どうにもできない。別の道路を作るしかないね」

黒エルフ「そして、誰かの隣を気に入ったら、一生その人に付きまとうだろうね。坊ちゃんでさえどうにもならない存在が、寝ても覚めても一生付いてくる」

黒エルフ「私たちが、あの子が気に入りそうなものと一緒に部屋に放り込んで封印していたのに……」

黒エルフ「なにか、もっと『惹かれる』ものを感じ取ったんだ」

鍛冶「あっちの方角にはなにがあるんでござるか?」

黒エルフ「なにも無いと思うんだけどな……山奥のはず」

エルフ「!! いや違う、あっちは、探偵と天使王を飛ばした方角だ!!」

助手「じゃあ……!」

鍛冶「狙われているのは、そのどちらかということでござるか!?」

黒エルフ「いや、坊ちゃんはもう直接会ったことがあるから、多分それはないよ」

幼エルフ「なら、狙いは探偵さん……!!」

エルフ「どうにかして、くい止めるぞ!」

41 : [sage saga]:2013/02/26(火) 21:32:21.71 ID:hEoG5KWz0

子供「」ペタ、ペタ、ペタ、



エルフ「んー、話が通じそうな目じゃないなー。とりあえず、力ずくで止めてみるか」

エルフ「おい、止まれ」ガシッ

子供「」ペタ、ペタ、ペタ、

エルフ「うぐ……く、くぅ……」ズルズル

エルフ「ダメだな。力が強いとかじゃない。もっと別の何かだ」

エルフ「ちなみに天使王は、上位魔法をぶつけてみたりしたのか?」

黒エルフ「文献にしか残ってないような古の魔法まで使ってみたけど、全く効果なし」

エルフ「じゃ、だめだなー。ビッグバンくらいじゃ傷も付きそうにない」

黒エルフ「たまに、撃った攻撃をそのまんま使ってくることもあるから。あんまり迂闊に攻撃しない方がいいよ」

鍛冶「ふむ……」

子供「」ペタ、ペタ、ペタ、

鍛冶「落とし穴を掘ってみよう」キュィィン

子供「」ペタ、ペタ……

助手「……穴の上を歩いてますね。空中を」

鍛冶「なるほど、これはダメでござるな。壁を作っても、多分豆腐のように崩しながら直進しそうでござる」

幼エルフ「でもさ、この速度なら逃げ切れるんじゃない? 普通に歩いてたって、追いつかれっこないよ」

黒エルフ「ずっと逃げ続けるの? 何十年も、怯え続けながら?」

黒エルフ「それに、もしもこの子が途中で別のものに興味を惹かれたら、見知らぬ誰かに迷惑がかかるんだよ」

黒エルフ「それを納得できるの? たんてい君は」

鍛冶「できぬでござろうなぁ……」

助手「じゃあどうすれば……」

子供「」ペタ、ペタ、ペタ

子供「!」ピクッ



ガサガサッ



探偵「あの子ですか? 天使王くん」

天使王「そうだ。まさかこんなに近くまで来ていたとは」



助手「た、探偵さん!?」

探偵「おや、助手くん。あなたも来ていたのですか」


42 : [sage saga]:2013/02/26(火) 21:45:23.06 ID:hEoG5KWz0

黒エルフ「……だれ?」

探偵「たんていですよ。こちらが本当の姿ですがねぇ」

天使王「こいつ、子供に変化して私たちを騙していたのだ」ムスッ

黒エルフ(ムスッとしながらもおとなしく抱っこされてる坊ちゃん可愛い……)///

助手「って、探偵さん! この子供に近づいちゃダメですよ! 取り憑かれちゃいます!」

探偵「ええ、天使王くんから話は聞いていますよ」ナデナデ

子供「」ギュー

エルフ「わかってて近づいてきたということは、このポニテ娘をどうにかする方法を思いついたのかー?」

探偵「

――――――

1、探偵「はい? べつになにも思いついてませんけど?」
2、探偵「ええ、もちろんです」
3、探偵「思いつきはしましたが、別にどうにかする必要はないと思いますよ」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 21:49:27.26 ID:cb1xGqyT0
3
44 : [sage saga]:2013/02/26(火) 22:04:28.97 ID:hEoG5KWz0

探偵「思いつきはしましたが、別にどうにかする必要はないと思いますよ」

助手「えっ?」

黒エルフ「……はぁ?」

天使王「ああ、黒エルフ。お前の気持ちはとてもわかるぞ」

天使王「しかしな、こいつは本気で言っているのだ……」

探偵「よーしよし。あとで魔法使い様に診て頂きましょうねぇ? ロボさんのように人格を形成して頂けるというのが最善なのですが……どうなることでしょう」ナデナデ

子供「」ギュー

黒エルフ「な、なんなのこの人。おかしいよ……」

鍛冶「そんなことは知ってるでござる」

エルフ「まーなー。それが探偵らしさだもんなー」

探偵「すごい言われようですねぇ」

黒エルフ「あっ……そうだ、探偵く……探偵さん?」

探偵「呼び捨てで構いませんよ。どうしました?」

黒エルフ「探偵……その、つまり、坊ちゃんも殺さないっていうことでいいんだよね……? ね?」

探偵「……」チラッ

天使王「……」




探偵「いいえ。天使王は殺しますよ」

45 : [sage saga]:2013/02/26(火) 22:13:26.36 ID:hEoG5KWz0

勇者「その寝袋の中か?」

探偵「……ええ。一応、確認してください」

勇者「ん」


ジジジ……


天使王「」



勇者「ああ、間違いねーよ」

勇者「それより、結構酷い有様だな。どういう風に殺したんだ?」

探偵「結局、最後までかなり抵抗されてしまいまして……力ずくで」

勇者「ふーん? 甘ちゃんのお前がねぇ」

探偵「『王』には容赦しないと決めていますので」

勇者「確かに、今までの王も全員殺してるんだよな。魔王以外」

探偵「僕は疲れました……もう休みます」

探偵「中で待っている助手さんに、天使王を渡して置いてください」

勇者「ん、わかった。しっかり休みな」

探偵「ええ。それでは……」トボトボ



勇者「……」

勇者「腰にまとわりついてたガキは誰だ……?」

46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 22:28:43.97 ID:auv8hIo80
最強の(たまにカウンターもしてくれる)シールドです(ゲス顔
47 : [sage saga]:2013/02/26(火) 22:33:42.55 ID:hEoG5KWz0

―――とある村の寺子屋―――


女子「あれー? 天使王くん、羽が無いよ? どうしたの?」

天使王「ああ。もう『天使王』は死んでしまったからな。羽は必要ないのだ」

女子「??」

女子「あ、でも、その首飾りは綺麗だね! その宝石本物?」

天使王「実質、首輪だがな……自分では外せんし」

天使王「まったく、忌々しい。残された力では、歩くのがやっとだ。これなら封印された方がマシだったかもしれんな」

天使王「まったく本当に忌々しい……」

女子「天使王くん、なんで笑ってるの?」

天使王「ん? 笑ってなどいないぞ?」

女子「でも、今……」



探偵「天使王くん、迎えに来ましたよー」



天使王「!」ピョコン

天使王「遅いではないか! 私を待たせるなど、何をしているのだ!」

探偵「そう言わないでください。王国から結構遠いんですから」

天使王「言い訳は聞かん! いいから早く抱えるのだ! お前のせいで、私の体力は病人以下なのだからな!」

探偵「わかっていますよ。こうやって私のワガママを聞いて貰っているんですからね」

天使王「今日は夕飯を食べていくのか?」

探偵「ええ。秘書さんのお食事は大変美味しいですからねぇ」

天使王「そうだろうそうだろう。けれど秘書に色目を使うことは許さんからな!」

探偵「あなたは何を言っているのですか……」

天使王「ふふふ!」

探偵「では、帰りましょうか」ニコッ

天使王「ああ!」

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 22:37:11.18 ID:3p8lclOr0
ええ話やなぁ…… ウルッ
49 : [sage saga]:2013/02/26(火) 22:51:02.87 ID:hEoG5KWz0

助手「それで『あの子』の件は、魔法使いさんにお願いしたんですか?」

探偵「ええ。ちょうど勇者様と一緒にいるところでしたので、大層鬱陶しがられましたがね」

助手「ははは……それで、どうなりました?」

探偵「

――――――

1、時間はかかりましたが、ロボさんのように『個』が芽生えるくらいには人格を形成して頂きました。
2、僕の魔力を『充電』した分だけ、離れてくれるようになりました。『充電』中は、喋ったりもしてくれるんですよ?
3、魔法使い様でも手のつけようがない存在らしく、そのままですね。新手の腹巻きだと考えることにしました。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 22:53:43.84 ID:on2NpBh8o
2
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 22:54:04.45 ID:49S2O5SX0
2
52 : [sage saga]:2013/02/26(火) 23:04:30.07 ID:hEoG5KWz0

探偵「僕の魔力を『充電』した分だけ、離れてくれるようになりました。『充電』中は、喋ったりもしてくれるんですよ? 」

助手「それで、今は充電中ってわけですか?」

探偵「ええ、そうなりますねぇ」

子供「」ギュー

助手「私が話しかけても、反応してくれるんでしょうか?」

探偵「ええ、そのはずですよ」

助手「そうですか……では試しに」

助手「初めまして、ボクは助手と言います。よろしくね」ニコッ

子供「>>55



※突然ですか、自由安価でお願いします。
 『意外性』があり、尚且つ魅力的だったりすると、多分露出や活躍があからさまに増えます。

53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 23:06:06.39 ID:xfUyRS7to
おう、よろしゅうな
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 23:08:53.47 ID:CJYx4Er0o
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 23:09:10.70 ID:HUxL0HUAo
まな板には興味ねえんだ……すまんな
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 23:11:26.45 ID:I1Oq8TVE0
ねくしろよ。もどこ、したわ。てしまめじは
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 23:15:03.87 ID:/c3RwTiH0
>>55
おっさんかとww
58 : [sage saga]:2013/02/26(火) 23:41:28.75 ID:hEoG5KWz0
※やべえ、全部面白いなぁ……
 それから、『子供』っていうのは文章中で色々問題が生じそうなので、子供改め『ポニ子(ポニーテール子供)』で行かせていただきたいと思います。



ポニ子「まな板には興味ねえんだ……すまんな」

助手「」

探偵「おや、そのようなことを言うものではありませんよ? それと、歳上は敬うものです」

ポニ子「すいやせん、おやっさん。嬢ちゃん、今のは忘れてやってくだせえ」

助手「」

探偵「素直に謝れるのは、偉いことですよ」ナデナデ

ポニ子「くすぐったでさあ、やめてくだせえ、おやっさん」///

助手「」

探偵「そもそも助手くんは男の子ですから、さらに失礼なのですよ?」

ポニ子「なんと、そうでしたかい。俺ぁてっきり……坊ちゃん、すいやせん」

助手「」

探偵「助手くん……? おや、気を失っていますね……?」

ポニ子「疲れてたのかもしれやせんね。寝かしときましょう」

探偵「ええ。では、そろそろ行きましょうか」

ポニ子「どこへでもお供しやすぜ、おやっさん」トテテ




助手「」



59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 23:53:32.65 ID:/33NZxRh0
ジョシュア不憫wwww

そしてポニ子とは……ゆめにっきのスルーガールを思い出すな
60 : [sage saga]:2013/02/26(火) 23:58:59.32 ID:hEoG5KWz0

―――狂人の森―――

エルフ「なるほどなー。先代族長からそんなことされてたなんて……それは知らなかった」

黒エルフ「まあ、普通はそうだよね」

幼エルフ「…………」

黒エルフ「自暴自棄になっててさ、どうせなら、全部壊しちゃおうって思ったんだよ。今思えば、ほんとに子供みたいな考えでとんでもないことをやったと思う……ごめん」

エルフ「まあ私はいいんだけどさー。こうやって無事に呪いからも解放されたし、本当の仲間にも出会えたし」

エルフ「幼エルフはどうだー?」

幼エルフ「……」

幼エルフ「……パパとママのことは許せないけど……」

幼エルフ「何も知らないで、いろいろ言っちゃったのはごめんなさい」

黒エルフ「……うん」

エルフ「なーんか辛気臭くなっちゃったなー」

エルフ「ま、とりあえずこうやって珍しい立場のエルフが集まったんだし、パーっと飲んで騒ぐか!」

幼エルフ「エルフ……あんたはホントにもう……」

黒エルフ「……ふふ」

エルフ「よーし、飲むぞー!」プシュ

61 : [sage saga]:2013/02/27(水) 00:07:38.44 ID:t9zJeNC30

―――鍛冶の部屋―――


戦士「このこのー!」

ロボ「あはは! くすぐったいですよー!」

鍛冶「人の部屋で何やってるんでござるか。人が人類のために命懸けて戦ってたというのに……」

戦士「ん。おかえり」

ロボ「おかえりなさい、鍛冶ねーさん!」

鍛冶「ただいま、でござる」ニコッ

戦士「どうだった? 怪我は?」

鍛冶「特に傷が残るようなものはないでござるな。だから心配ご無用でござるよ」

戦士「ったく、だから心配なんてしてねーっつの」

ロボ「えー? 戦士にーさん、昨日からずっと……むぐっ!?」

戦士「ロボちゃん、ちょっと戦士にーさんと遊ぼうぜー」

鍛冶「こらこら、あんまりいじめない」

ロボ「そーですよ、もー!」

戦士「へいへい」

戦士「……ま、なんにせよ、無事ならよかったよ」

鍛冶「……」ニコッ


62 : [sage saga]:2013/02/27(水) 00:15:19.62 ID:t9zJeNC30
※そんなこんなで、天使王篇は完、ということでお願いします。

 今日中に終わってよかったです……

 冒険家パーティとか、念能力習得とか、今までとは結構趣の違う寄り道の仕方でしたね。

 なるべく安価を多めにしたつもりだったのですが、振り返ってみるとそうでもなかったかもです。

 精進していきたいと思います!



 では、今日はこの辺りでお開きとしましょう!

 明日は朝8時〜9時頃始めたいと思います。

 最後の王、吸血鬼王篇ですね。

 淫魔ちゃんが約500レスぶり(二週間ぶり)に出てきます……

 それでは、おやすみなさい!
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 00:17:46.05 ID:8EfQ5eTDO
乙乙おっつ!
64 : [sage saga]:2013/02/27(水) 08:49:48.80 ID:t9zJeNC30
※おはようございます! それでは始めて行きたいと思いますが、

 その前に吸血鬼王設定をお願いします!

 人格・性格・性質・弱点・部下・能力…………

 ↓ここからスタートです↓
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 09:08:56.84 ID:mQFoxnamo
性格はプレイボーイで、女好きでお調子者の節が有り、ナンパ癖が有る。
特に既婚女性を寝取るのを最高の快楽と考えており、共に寝た後に相手の女性の血液を根こそぎ奪うこと日課としている。
容姿は100人の女性がいれば、100人が一目惚れするほど端正な顔立ちをしており、特に目は吸い込まれそうという表現が当てはまるほど美しい。
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 09:22:36.31 ID:zWbsPPlao
始まってた!
女性にモテるが部下に女性はおらず、老紳士が1人いるだけに留まっている。
彼は一般人だが、名の知られた歴史小説家であり、吸血王は彼に自分の伝記を記すことを命じている。吸血王は彼に厚遇を与えており、それなりに愛情をかけている
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 09:33:08.28 ID:8EfQ5eTDO
オシャレメガネのコレクターだったりする
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 09:37:07.98 ID:8vnCIiDSo
十字架は好んでファッションに身に着けており、ニンニクも克服したため弱点ではない。
ただ日光は弱点ではないが吸血鬼としての能力は使えなくなるため、家の中で日中は本を読んでおり、夜の酒場や街の広場に赴いて女を誘っている。
また、招かれたか入って良い許可を取った場所以外立ち入れないため、街の中には結界の様に絶対に吸血鬼が絶対に入れない店が何軒か有る。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 09:41:02.67 ID:2YGAxC6so
能力は霧に変身したり、様々な動物を操ることができ、天候を自由自在に支配することが可能。翼は生えないが飛ぶことなく空中を自在に歩いたり走れる。腕力はもちろん人間以上
70 : [sage saga]:2013/02/27(水) 09:46:41.90 ID:t9zJeNC30
※もう大丈夫そうですね! それでは、始めて行きたいと思います!


助手「それで探偵さん。次はとうとう、最後の『王』ですね」

探偵「そうなりますねぇ。淫魔さんにはとても悪いことをしました。とりあえずは魔法使い様のおかげで生存が確認されていますが、なるべく早く救出して差し上げたいところです」

魔王「それで、今回はどんなメンバーで行くのかしら?」

助手「…………あの、どうしてあなたがここに……?」

魔王「あら、ダメだったかしら?」

助手「いえ、そういうわけではないんですけど……」

魔王「あ、ちなみに今回、私は行けないからそういうつもりでお願いね」ニコッ

探偵「おや、そうなのですか?」

魔王「ええ。まあいろいろと事情があってね」

魔王「それで、どんなメンバーで行くのかしら?」

――――――

※探偵・助手の二人は確定。

 多くて三人くらいでお願いします。

 全くの新キャラでも、かつてのモブキャラでもオッケーです!

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 09:52:29.28 ID:SIzHh4HK0
あれ?そういや勇者と一緒に行った事なくね?

勇者
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 09:54:04.70 ID:2YGAxC6so
秘書
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 09:55:57.68 ID:1MRz/ddE0
副隊長ドラゴン
74 : [sage saga]:2013/02/27(水) 09:57:51.05 ID:t9zJeNC30
※了解です! では導入を書いていきますね!
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 09:58:38.19 ID:684+tvZe0
☆吸血鬼王
弱点と言える程までに汚物が嫌い
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 10:00:34.56 ID:FavKE3Uw0
まだ間に合うのか?これ

☆吸血鬼王のメイドはなぜかみんなスライム娘
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 10:02:42.63 ID:JQFmFlUG0
☆吸血鬼王   他の男の精液を嫌悪している。感じ取る事すら嫌な様だ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 10:04:41.77 ID:2Ih+uLpT0
☆吸血鬼王の部下はお茶好き
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 10:06:58.02 ID:Ag8RlR280
☆吸血鬼王の精液の遺伝子は劣性だと大体の医者に言われているが、本人は認めていない
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 10:09:14.29 ID:PdN/xhl70

吸血鬼王が流行っていると思い込んだものは、流行っていると言って憚らない
81 : [sage saga]:2013/02/27(水) 10:12:07.77 ID:t9zJeNC30
※ ☆を付けてくれれば善処しますよ!



―――城下町宿屋―――


助手「今はこんなところに住んでたんですね」

勇者「まあな。王城の客間に住んでたんだが、今は城がねーから」

助手「えーっと……お二人で住んでるんですか?」

魔法使い「そんなわけないだろう。私は隣の部屋だよ。今は魔法実験をしていたところなんだ」

助手「魔法実験?」

勇者「魔王討伐時代にさ、王立魔導図書館の試運転があったんだ。淫魔ちゃんもその時生まれたんだぜ。言わば淫魔ちゃんは娘みてーなもんだ」

勇者「けどまぁ、淫魔ちゃんは生きてるらしいし、それに今は探偵が指揮してるみてーだから、あんまり勝手な行動は謹んでたんだが……」

勇者「声がかかったなら、遠慮はいらねーな。ちょっち暴れてやるかな」ゴキ、ゴキ

魔法使い「なら私も……」

勇者「お前はやめとけ。もうちょっと休んでてくれ」

魔法使い「なっ……!」

勇者「まだ賢者の石のことで、何があるかわかんねーからな。今は自分の体を大事にしてくれ」ナデナデ

魔法使い「……自分だって……」

勇者「ばーか。この程度、幼少期の肉体改造で慣れっこだっつの」

勇者「心配すんな、ちゃちゃっと終わらせて、淫魔ちゃんを連れて帰ってくるからよ」

魔法使い「……あんまり遅いようなら、迎えに行っちゃうからな」

勇者「おう!」

助手(コーヒー飲みたい)

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 10:14:53.56 ID:sqTS4EmX0
☆吸血鬼王
優雅な音楽も好き
83 : [sage saga]:2013/02/27(水) 10:24:05.43 ID:t9zJeNC30

―――宿屋前―――


勇者「んで、探偵は今どこに?」

助手「天使王の洋館に行って、しばらく出かけるから坊ちゃんの送り迎えはできないってことを伝えに行ってます」

勇者「……」

勇者「ちなみにさ、あいつは俺に『天使王は殺した』って言ってるからな?」

助手「ああっ!?」

勇者「いや、バレバレだったから別にいいけどさ。存在複製呪文で作った死体ダミーだろ?」

勇者「ちっくしょー。竜王を討伐に来たのがお前らだったらなー……」

助手「……!」

勇者「ああ気にすんなよ。不老不死なんだ、気長にアイツの復活を待つさ」

勇者「それに、くよくよばかりもしてらんねぇ。今は俺が……」

勇者「……っと、噂をすれば」

助手「?」


バサ、バサ、バサ、


竜王親衛隊副隊長「竜王代理!」

勇者「バッカお前! 街中で普通にドラゴン形態で来るんじゃねーよ! 副隊長!」

副隊長「おっと、すみません」キュィィィン

――――――

副隊長の外見は? (性別・外見年齢・特徴など)
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 10:28:00.03 ID:tLkaZGLao
女、秘書と同年代くらい
85 : [sage saga]:2013/02/27(水) 10:41:10.51 ID:t9zJeNC30

副隊長「ふぅ……この体は堅苦しくていけません……」

助手「雌だったんですね」

助手(ウロコが鎧みたいになってる……)

勇者「俺も最初はビビったな。一人称が俺だし」

副隊長「親衛隊長として、部下に舐められてはいけませんからね」

助手「あれ? いま勇者さんが竜王代理ってことは、副隊長さんは隊長じゃないんですか?」

副隊長「隊長の席は、竜王代理のものだ。俺は隊長の下で副隊長に収まっていることに、誇りを持っている。だから副隊長でい続けると決めているのだ」

勇者「ったく、竜族ってのは頭が固いぜ」

勇者「まあお前みたいなのが部下にいて、悪くない気分だけどさ」

副隊長「も、勿体無いお言葉です……!」

勇者「んじゃ、天使王の洋館に探偵を迎えに行ってやるか。副隊長、街から外に出たら背中に乗っけてくれ」

副隊長「はい、喜んで!」

助手(竜王代理と一緒に上級竜種の背中に乗って移動って……なんかすごい経験してる気がします)

86 : [sage saga]:2013/02/27(水) 11:00:22.78 ID:t9zJeNC30

―――天使王の洋館―――


探偵「……というわけで、寺子屋が終わったら、天使王くんにそうお伝えください」

秘書「そ、そうですか……少々、お待ちください」

探偵「?」



スタスタ…



秘書(集合!)

黒エルフ「」シュタッ

歌使い「」シュタッ

秘書(どう思いますか?)

黒エルフ(どうもこうもないでしょ。坊ちゃん絶対大暴れしちゃうよ……)

歌使い(毎日それを一番の楽しみにしていんすからね……)

秘書(同感です。三日が限度でしょう……それ以上空いたりなんかした日には……)

黒エルフ(吸血鬼王を殺しに行く! とか言い出しかねないよ……)

歌使い(それなら、一刻も早く吸血鬼王を討伐して、戻ってきてもらえばいいんじゃありんせんか?)

黒エルフ(それだ!)

秘書(けれど、私たちにはそれぞれ仕事が……それに戦闘能力についても……)

黒エルフ(たしかに、私は完全に『待ち』だからね。新しい土地で攻勢に出るのは弱いかな……)

歌使い(あちきももっぱら室内専用の技が多くて不向きでありんす……)

秘書(私が出かけてしまったら、家事が……)

黒エルフ(それは私がなんとか誤魔化すよ! 過去の秘書さんの料理を複製するとかして……)

歌使い(しばらくはあちきが坊ちゃんを送り迎えしんす)

秘書(……とても乱暴な作戦ですが……しかたありません、お任せしましたよ)

黒エルフ(うん!)

歌使い(任せておくんなんし!)



スタスタ…



秘書「そういうわけで、私も一緒に吸血鬼王討伐に連れて行って頂きます!」

探偵(……え? ……どういうわけですか?)

87 : [sage saga]:2013/02/27(水) 11:09:07.76 ID:t9zJeNC30

―――上空―――


バサ、バサ、バサ、


助手(竜王代理、竜王側近、天使王側近……)

助手「どうしてこうなった……」

探偵「はい?」

助手「い、いえ、なんでも……」

勇者「んで、宝玉はどこにあるんだ? 助手ちゃん」

秘書「玉の場所がわかるのですか?」

助手「は、はい。なんとなく肌で、方角と距離がわかります」

勇者(だから巨竜の心臓に埋まってる宝玉を見つけられたのか……)

副隊長(竜王代理の命令だから従うが……複雑な気分だ)バサバサ

助手「えっと、今回の宝玉の場所は……」

助手「

――――――

1、地名(と、その土地の特徴)
2、移動してる……? また誰かが持ってますね。
3、自由
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 11:17:04.32 ID:cKScN21l0
3 んん?反応が何個もある……!?
89 : [sage saga]:2013/02/27(水) 11:23:09.13 ID:t9zJeNC30
※え、これどうしますか? 私が勝手に決めてっちゃっていいんでしょうか……?



助手「んん? 反応が何個もある……!?」

探偵「はい?」

勇者「へー、そういうパターンもあるのか。その場合はどれでもいいのか?」

秘書「それとも欠片を集めて一つにする、ということですか?」

助手「い、いえ、こんなの初めてです……どういうことなんでしょうか……!?」

探偵「まあ、ひとまず落ち着いてください。とりあえず、一番近い場所にある宝玉の反応を追ってみましょう」

探偵「その反応は、どこにありますか?」

助手「

――――――

1、地名(と、その土地の特徴)
2、移動してる……? また誰かが持ってますね。
3、自由

90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 11:35:59.70 ID:cKScN21l0
1
幻鏡荒野
時間と重力がぐっちゃぐちゃ。色々と大変
91 : [sage saga]:2013/02/27(水) 11:53:36.97 ID:t9zJeNC30

―――幻鏡荒野―――


勇者「で、ここか?」

助手「はい。そのはずです……けど」

秘書「見たところ普通の乾いた大地のようですが」

探偵「聞いたことがあります。局地的に重力が奇妙な働き方をするせいで、時間の流れすら異質なのだとか」

副隊長「とりあえず、試しに俺が向こうに行ってみよう」バサッ

バサ、バサ、

助手「……あれ、空中で動きが止まりましたね」

秘書「時間の流れの遅い領域に入ってしまったのでは?」

探偵「なるほど。では小石などを投げながら、時間の流れの早いところを探して歩くのが賢明なようですねぇ」

勇者「あの翼の速度から見て、大体時間の速度は10分の1くらいか。じゃあ10倍速で動けば問題ないな」

探偵「もう人間の発言ではありませんねぇ」

92 : [sage saga]:2013/02/27(水) 12:09:15.89 ID:t9zJeNC30

探偵「」ポイッ

探偵「こっちは時間の流れが速そうですねぇ。……おっと」グラッ

助手「探偵さんっ!」ガシッ

探偵「助かりました。どうやらこっちは重力が横向きのようです」

秘書「回り道したほうが良さそうですね」

秘書「宝玉はまだ遠いのでしょうか?」

助手「結構近くなってきましたよ。多分、あの大きな岩の向こう側にあるんじゃないかと」

勇者「もうすぐだな。よし、副隊長、そこら一体を焼き尽くせ」

副隊長「……? 了解」

ゴバァァァアアアアア!!

探偵「おや、なるほど」

勇者「広範囲に撒き散らされた炎は、時間の流れの遅いところではそのまま残り、速いところはさっさと消える」

勇者「さらに、空気の温度が低いところは余計に速いってことになる。炎の流れで重力の向きもわかるしな」

副隊長「さすがです、竜王代理!」

勇者「ん。ごくろーさん副隊長」ポンポン

勇者「さぁて、あの岩陰はどうなってるのかね?」

探偵「鬼が出るか蛇が出るか……」

勇者「こっちは竜が二体いるから、鬼とか蛇くらいなら八つ裂きだな。はっはっは」

助手(ほんとこの人、味方でよかった……)

探偵「では回り込んで……」チラッ

探偵「おや、これは……」

――――――

※宝玉の反応のところには、一体なにが……?

93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 12:10:49.89 ID:H5RutIzOo
特に罠も何もない
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 12:14:02.04 ID:AniiFt1e0
問題は宝玉だな。どうなってるのか……
95 : [sage saga]:2013/02/27(水) 12:15:25.49 ID:t9zJeNC30
※宝玉はあるんでしょうか?
96 : [sage saga]:2013/02/27(水) 12:17:18.10 ID:t9zJeNC30
※あ、すみません、ご飯食べてきます!
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 12:18:33.40 ID:AniiFt1e0
んじゃあ欠片が時重の竜巻に呑まれてる感じで
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 12:19:01.65 ID:vLR7X1Ero
>>95
93だけど宝玉以外何もないと言うか意味です
言葉足りなくてすみません……
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 12:27:20.82 ID:AniiFt1e0
>>97続き
んで多分、そんなとこにポンッと出たせいでバラバラになっちまったんだな

後、ここの幻鏡の意味は……時間も狂ってるから、ズレた時間の自分とかが見えたりするから〜とかだろう
100 : [sage saga]:2013/02/27(水) 12:42:36.58 ID:t9zJeNC30
※えっと、今回は『何もなかった』ってことにさせてください。

 そういうことでお願いします。

 では書いていきますね。

101 : [sage saga]:2013/02/27(水) 12:43:58.99 ID:t9zJeNC30
※あれ、読み間違えました。宝玉はあるんですね。ごめんなさい。そういうことで書いていきます!
102 : [sage saga]:2013/02/27(水) 12:56:44.28 ID:t9zJeNC30

探偵「普通に宝玉がありましたね……」

勇者「本物か? 助手ちゃん」

助手「は、はい。多分そうだと思います。今までの宝玉と気配は同じですし……」

秘書「しかし他にも反応がある場所があるのですよね?」

副隊長「一箇所ずつ調べて言ったほうがいいんじゃないか? いざ戦う時に、偽物でしたじゃ笑えない」

探偵「ですね。念の為に、とりあえずもう一箇所探してみましょうか」

勇者「さぁて、あの岩陰はどうなってるのかね?」

助手「え?」

勇者「ん?」

秘書「宝玉はまだ遠いのでしょうか?」

探偵「秘書さん?」

秘書「い、いえ。私はこっちに……」

探偵「では回り込んで……」

探偵「!」

勇者「おい、なんかめんどくせーことになりそうだ! とりあえず副隊長の背中に乗れ!」バッ

スカッ

勇者「ぐへっ!」ドテッ

副隊長「竜王代理! そっちは俺じゃない!」

勇者「残像か……」ヨロッ

探偵「これは恐らく、過去の僕たちですね」

秘書「なるほど、時空が歪んているから……」

助手「なんか怖いです! 宝玉は手に入れましたし、早く逃げましょう!」

勇者「真上に飛ぶぞ、副隊長! 炎を吐いて、火炎が消えたところを縫って飛ぶんだ!」

副隊長「了解!」バサッ

103 : [sage saga]:2013/02/27(水) 13:01:47.29 ID:t9zJeNC30

―――上空―――


助手「ん〜」ムムム…

助手「本物にしか見えないんですけどねー……」

探偵「偶然、最初に本物を手に入れてしまったということも考えられますので、今はあまり深く考える必要はないかと」

秘書「もし複製だとすれば、かなりの高位能力ですね」

勇者「存在複製呪文でも、よくわからん気配までコピれるもんなのか?」

副隊長「次はどっちに行けばいいんだ?」

助手「あ、ええっと……」

――――――

1、地名(と、その土地の特徴)
2、誰かが持ってる?
3、自由

104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 13:08:43.48 ID:8EfQ5eTDO
3 攻撃では壊せない未知の結晶体の中にあった
105 : [sage saga]:2013/02/27(水) 13:27:51.18 ID:t9zJeNC30

―――山奥の洞窟・深奥―――


勇者「これも宝玉か?」

助手「……宝玉ですね」

秘書「一体どういうことなのでしょうか?」

副隊長「とりあえず、この宝玉を封じている結晶柱を破壊してしまおう」ブン

ガキッ

副隊長「うっ……硬いな」

勇者「どいてろ副隊長。魔法使いに直してもらった勇者の剣で……」

勇者「どりゃあ」ブン

ズガガァァアアアアン!!

勇者「ありゃ。ダメだな」

助手「いや今の! ダメじゃなかったら宝玉も吹っ飛んでましたよ!?」

探偵「洞窟が崩れそうでしたよ……なにをやっているんですか、あなたは」

勇者「うへへ」

秘書「物理攻撃では傷つきそうにありませんね。かといって、魔法攻撃でも通じるかどうか……」

探偵「それなら、どなたか転移魔法を使える方は?」

助手「なるほど! それなら壊さなくてもさっさと取り出せますね!」

勇者「俺、勇者だから魔法とか一切ダメだわ」

探偵「勇者候補でしたので、同じく」

助手「封印術以外はからっきしです」

副隊長「魔法なんて一切使えないな」

秘書「私も魔法は黒エルフに任せてましたので」



全員「…………」



勇者「しゃーねーな。戦士かエルフを呼んでくるか……うわ、めんどくせー」

助手「ここに来るときに見かけた町に、転移魔法くらい使える人がいるんじゃないですか?」

探偵「王国までの距離を考えると、魅力的な提案ですねぇ」

――――――

※どうしましょう? ちなみに転移魔法以外でも、なにか別の方法があればそれでもオッケーです!
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 13:36:16.69 ID:GPFS0x9O0
魔女さんが販売普及させたポート水晶(各街に設置されている)を使って移動
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 13:43:25.94 ID:MimXEcFP0
>>106+鍛冶をそこらのゴミと一緒に連れてきて、あの半端な融合のやつで削る
108 : [sage saga]:2013/02/27(水) 13:50:02.95 ID:t9zJeNC30

ヒュン…


勇者「よっと。おー、着いた着いた。便利な時代になったもんだなぁ」

助手「ほんと、魔法使いさんって何者なんですか……?」

探偵「あまり深く考えてはいけません。勇者様と魔法使い様は生身で空を飛んでいても納得されるような存在ですから」

助手「……とりあえず人間ではないんですね」

副隊長「竜王代理は半分竜族だけどな」

秘書(このポート水晶、寺子屋の村に欲しいですね……黒エルフに相談してみましょう)

勇者「それより、宝玉はまだあるんだろ? 時間の無駄だから、別行動しようぜ」

探偵「確かに、全員であの洞窟に行くのは無駄が多いですねぇ」

探偵「助手くんしか場所がわからないのですから、助手くんが連れて行きたいメンバーで良いのでは?」

助手「ええっ? えっと、じゃあ……」

――――――

※助手が連れて行くメンバーをお願いします。しばらくの間は別行動となります。

 せっかく王国に戻ってきたので、1,2人くらいメンバーを補充しても大丈夫です。
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 13:52:54.34 ID:Egp5dv6i0
新素材誕生の可能性か……

連れてく安価はロボで
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 13:54:45.10 ID:gdRN8/V10
冒険家
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 14:01:04.03 ID:iHIXpp4j0
なりたて虹妖精
虹精霊とは無関係の場所で生まれた
将来的には虹精霊になるが、定着場所は別の所になるだろう
まだ上手く融合分離出来ない。分離状態では、戦隊ごっこがマイ?ブームの様だ
112 : [sage saga]:2013/02/27(水) 14:14:59.65 ID:t9zJeNC30

―――鍛冶の部屋―――


助手「すみません、戦士さーん!」ガチャ

鍛冶「言っておくが、別に戦士と拙者は同棲しているわけではござらんぞ……?」ヒクッ

助手「えっ」

鍛冶「なんでござるか、その『信じられない』みたいな顔は!?」

ロボ「でもでも、大体いつも戦士さんはここにいますよね!」

助手「ですよね」

鍛冶「くっ……」///

助手「じゃあ今日は、戦士さんはいないんですか?」

鍛冶「何やら魔王殿に呼ばれて、どこかに行ってしまったでござる」

助手「え……」

ロボ「戦士にーさんに、なにか用だったんですか?」

助手「あ、はい。勇者さんでも壊せない結晶の中に宝玉がありまして、戦士さんの空間魔法で取り出してもらおうかと……」

鍛冶「ふむ。生憎戦士はいつ戻るかわからんでござるが……」

鍛冶「拙者の能力で取り出せると思うでござるよ」

助手「本当ですか!?」

鍛冶「二言はないでござる」ニコッ

ロボ「ロボもついて行きたいです!」ピョンピョン

鍛冶「むぅ、しかし……」

助手「危険はないですから、大丈夫ですよ」

鍛冶「……ならば、まあ、良いか」

ロボ「わーい!」

ロボ(鍛冶ねーさんは多分、新しい合成法を試したいんだと思いますけど成功するかわかりませんし)

ロボ(そもそも、ロボの粒子魔法なら、結晶から中身を取り出すくらい簡単です!)

ロボ(ふふ、あの人にも取り出せないものをロボが取り出したら、悔しがりますね!)

ロボ(あとで思いっきりあの人をからかってやります! うぷぷ!)ウキウキ

鍛冶(ロボがまた、良からぬことを考えてる顔をしてるでござる)

鍛冶(見た目は魔法使い殿の幼少期でござるが……最近中身も似てきたきがするでござるな……)

鍛冶(特に、過剰に勇者殿にこだわる辺り……)

113 : [sage saga]:2013/02/27(水) 14:23:55.37 ID:t9zJeNC30

シュン

鍛冶「おお、このポート水晶は初めて使ったが、なかなか良いものでござるな!」

ロボ「楽しいです! もっかいやってもいいですか!?」

助手「これ無料じゃないのでやめてください」

ロボ「うー。けちんぼです……」

助手「帰りにも使いますから。それじゃあ、洞窟はあっちです。行きましょう!」



冒険家「うん?」テクテク



助手「あー!」

冒険家「あー!」

鍛冶「おろ。奇遇でござるな」

ロボ「??」

114 : [sage saga]:2013/02/27(水) 14:39:13.59 ID:t9zJeNC30


冒険家「……ってわけで、みんな私からはぐれて迷子になっちゃったんだよっ!」プリプリ

助手「そうなんですかぁ」

助手(世間一般では、あなたの方が迷子だとされるんですけど)

鍛冶「……ロボ」

ロボ「や、やっぱりですよね、鍛冶ねーさん」

助手「?」

冒険家「どうかしたの?」

鍛冶「いや、その肩から覗いてるちっこい子は……」

助手(! ほ、ほんとだ。虹色に光って浮いてる子供が……気づかなかった)

冒険家「この子はね、虹妖精ちゃんだよっ! 死霊混師さんがくれたの!」

鍛冶「死霊混師殿……あの髪の長い殿方でござるな。……しかし虹『妖精』? 精霊ではなく?」

冒険家「死霊混師さんは『精霊』を操るんだけど、この子はまだ精霊になってない妖精さんなの!」

冒険家「精霊に成長するのはまだまだ先だから、私にくれたんだっ♪ えへへ、いいでしょ!」

ロボ「いいなー! いいなー!」ピョンピョン

冒険家「えへへぇ、あげないよー!」

鍛冶(あの虹精霊は、泉から力を供給していたが……この妖精はどこから力を得ているのでござろうか?)

冒険家「この子ね、もうしゃべれるんだよ! 虹妖精ちゃん、自己紹介してみてっ!」

虹妖精「>>115
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 14:43:25.84 ID:HnskczWM0
あたしは虹妖精。よろしくなっ!(格好付けた風に)
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:02:26.94 ID:YDLnPD6P0
まだちょっと分離体の方に引きずられてるな
117 : [sage saga]:2013/02/27(水) 15:04:16.78 ID:t9zJeNC30

虹妖精「あたしは虹妖精。よろしくなっ!」キリッ

鍛冶「よろしくでござる。拙者は鍛冶。こっちはロボと、助手殿でござる」

ロボ「よろしくです! ところで、分離とか合体とかできるんですか?」

鍛冶「そういえば、虹精霊は分離すると7色の鳥になってござったな」

ロボ「ですよね! かっこよかったです!」

助手(うう、話について行けない……)

虹妖精「まだ分離と合体は得意じゃないんだけど……」キュィィン

妖精s「ちょっと時間がかかっちゃうけど、ほら! 一応できるぞ!」フワフワ

ロボ「うわー! ちっちゃい子供になりましたー! かわいいです!」

冒険家「でしょでしょっ!?」

鍛冶「小さくなっても人型なんでござるな」

赤妖精「そのうち、自分が動き回りやすい姿を見つけていくんだ!」

ロボ「ずっとこのままでいてください! あと、一匹欲しいです!」

冒険家「ええー? 一匹だけだよっ?」

青妖精「いやだめだよ! 勝手にあげないでくれ!」

キュィィン

虹妖精「うう、これ疲れるんだよ」ギュ

冒険家「よしよし♪」

鍛冶「冒険家殿の背中に戻ってしまったでござるな」

ロボ「うー……一匹欲しいです……まだあの泉に行ってみようかなー」

助手「えっと、それじゃあボクらは洞窟に向かうので、冒険家ちゃんもがんばって仲間を探してくださいね」

冒険家「え? 私も一緒に行くよ?」キョトン

助手「えっ?」

虹妖精(えっ!?)

冒険家「そんなに硬い結晶っていうのを見てみたいもんっ!」ウズウズ キラキラ

鍛冶「……虹妖精殿。ちなみに冒険家殿が仲間とはぐれた理由は?」

虹妖精「……急に珍しい蝶を追いかけ始めて、気がついたら……」

冒険家「これがその蝶のスケッチ! 綺麗でしょ?」

ロボ「好奇心は猫を殺すらしいですよ?」

冒険家「えへへ」/// テレテレ

虹妖精「え、なんで照れてるんだこいつ?」

118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:09:38.46 ID:GAH3SEFL0
冷静な疑問だww
119 : [sage saga]:2013/02/27(水) 15:11:40.24 ID:t9zJeNC30

※そういえば、冒険家の能力だけ明かされてませんでしたね。というより使ってもいませんでしたね。

 冒険家の戦闘力はそこそこ高め(少なくとも冒険家パーティの中では最高)という裏設定がありますので、ちょっと能力募集してみたいと思います。

 秘書や側近のような、駆け引きのある能力であるほど、使用頻度が高くなると思います。

 複数でも大丈夫です。

120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:17:05.66 ID:Rdk96Vjn0
”偶然”ランダムで何かが起こる
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:21:13.87 ID:vAejN5+mo
自らに降り掛かった出来事を記憶し、自由に相手にその出来事に遭ったような錯覚に陥らせる
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:21:45.57 ID:vAejN5+mo
121は但し一週間以内の出来事に限る
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:22:54.82 ID:6THCF2Z10
イーティング・サクリファイス
何かを食べてステータスアップorダウンやら状態異常などを引き起こす
124 : [sage saga]:2013/02/27(水) 15:24:23.93 ID:t9zJeNC30
※余談なんですが……

 偶然要素の強い(または完全に偶然に頼る)能力とかって、どうすればいいのでしょうか?

 私が探偵の『アルカナ』を使わないのは、主に『偶然要素を安価で表現する方法がわからない』からです。

 完全に自由に安価したら(あるいは私が勝手に決めたら)、その状況を解決できる能力が出るに決まってますし、かといって解決できない能力が出ても困るし……ってことで、あんまり不用意に使えません。

 考えすぎなのでしょうか?
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:27:16.44 ID:NINBLwfV0
出来事の表を作ってルーレットでもしてみるとか?
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:29:13.22 ID:mQFoxnamo
はっきり言って偶然を操るキャラクターなんて作者の好き勝手に動かせるのがメリットなキャラクターだからね
本当の偶然にするならコンマを使って
01~33 A
34~66 B
67~00 C
AからCの2つを1が自由に決める(事態が好転するもの悪転するもの)、1つは読者の自由安価とかで良いんじゃないかな
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:30:39.82 ID:o+mqZgpc0

冒険家能力
ダイスロール
サイコロを振り、出た目の分だけ物事の成功率を上げる

おもっくそTRPG
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:35:51.00 ID:To14vereo
>>124
1が正しいんじゃない?
偶然を操るとか曖昧すぎて、要するになんでも物事を良く進めるただの俺かっけー最強主人公になると思う
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:38:29.86 ID:IEG+cpeX0
命運分けしコイン

コインを弾き、表が出たら自分またはパーティー、
裏が出たら敵またはその仲間のステータスが2倍になる
130 : [sage saga]:2013/02/27(水) 15:44:04.88 ID:t9zJeNC30
※ご意見ありがとうございます!

 特にコンマ三択はなるほどと思いました。22分の1じゃなくても、好転・悪化・自由の三択なら簡単ですね。サイコロでも決められますし。


※余談も甚だしいですが、TRPG小説書いてたことがありますw 完全にサイコロに支配された世界なので、今のアドリブ力にも生かされているのでしょうか。


※それではそろそろ書いていきますね!
131 : [sage saga]:2013/02/27(水) 15:47:13.72 ID:t9zJeNC30

―――洞窟・深奥―――


冒険家「」シャッ、シャシャッ



ロボ「スケッチを始めた途端、ビックリするくらい静かになっちゃいましたね」

鍛冶「我々の声も届いていないようでござるな」

助手「それで、どうやってあの結晶を攻略するんですか?」

鍛冶「うむ、家から持ってきたゴミとあの結晶を融合させるのでござるよ」

助手「……融合、ですか?」

鍛冶「まったく新しい物質へと生まれ変わるはずでござる。どんなものになるかは分からぬが」

助手「お願いですから、まったく新しい未知の生命体とか生み出すのはやめてくださいね……」

鍛冶「なるほど、その発想はなかった……!」

助手「フリじゃないですからね!!」


冒険家「うるさい」ボソッ


助手「」ビクッ

冒険家「」シャッ、シャッ、シャカシャカ、

助手「え、今……」

鍛冶「気のせいでござる」

助手「いや、でも……」

ロボ「ふふ、助手さん怒られたー♪」

虹精霊「『2回目』は、鉛筆(3H)を刺してくるからな」コソッ

鍛冶「…………」(正座)

助手「…………」(正座)

ロボ「…………」(正座)

132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:52:35.01 ID:5lkcA0NP0
謎の強烈な威圧感(震え声)
133 : [sage saga]:2013/02/27(水) 16:02:39.74 ID:t9zJeNC30

冒険家「できたーっ☆」ピョンピョン

冒険家「見て見てー! この透明感の描写はかなり秀逸じゃないかな!? 光源の配置が絶妙だったね!」

助手「はい、そうですね」キリッ

冒険家「? なんでみんな正座してるのっ?」

鍛冶「お気になさらず……」

鍛冶「では作業を始める前に、ロボ。粒子呪文で5キロ分ほど結晶を採取してはくれぬか?」

鍛冶「これだけ硬い素材で剣を作ったら、剣士が泣いて喜びそうでござる」

ロボ「あ、合成錬金の実験したいだけっていうのを隠す気はさらさらないんですね……」

助手(勇者パーティの皆さんは、どうしてこうも自分の欲望に正直なんでしょう……)ピキピキ

ロボ「」ムムム

キュィィィン

ロボ「ふう。分解消滅は簡単ですけど、結合構築はかなり疲れます……」

ロボ「できましたよ、鍛冶ねーさん。ついでに宝玉も取り出しちゃいました」

鍛冶「うむ。ではさっそく、合成してみるでござる♪」ワクワク

鍛冶「謎の超硬結晶柱と―――」

鍛冶「―――ウチから持ってきたゴミを」

鍛冶「合成!!」

キュィィィン

ロボ(虹妖精とかできないかなぁ……)ワクワク

助手(生命体でなければなんでもいいです……)



――――――

生まれたものとは……?
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 16:09:04.87 ID:ASlE3veyo
丸い宝石
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 16:09:07.81 ID:8EfQ5eTDO
すぐ砕けるが、同じくらいすぐに再結合する結晶
136 : [sage saga]:2013/02/27(水) 16:19:31.67 ID:t9zJeNC30

宝石「」コロン


鍛冶「…………」

ロボ「丸い……水晶? 宝石?」

助手(っしゃあ!)グッ

冒険家「んー。普通に普通の宝石だね」

虹妖精「なんだ、もっと大層なものができると思ったのに。つまんねーの」

鍛冶「拙者のせいでござるか!?」

鍛冶「く、これは予想外でござる。あまりに予想内すぎて予想外でござる」

ロボ「でも綺麗だと思いますよ? 普通ですけど」

鍛冶「ぐっ!?」

鍛冶「なにか素晴らしい機能があるはずでござる! あの大きな結晶柱がこれだけ小さなものになったのでござるから!」

助手「さ、帰りましょう♪」

鍛冶「くぅ〜、あの勝ち誇った顔……」

鍛冶「魔法使い殿に見せてみようっと……」シュン

137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 16:23:30.38 ID:B7Lbz6gP0

その後、その場所には結晶と同じ成分で菌糸を作るカビが残されましたとさ
138 : [sage saga]:2013/02/27(水) 16:43:57.10 ID:t9zJeNC30

―――洞窟前―――


オーク「グォォォオ!!」



鍛冶「あれはどうしたものでござろう」

ロボ「消滅させちゃいましょうか?」

虹妖精「でも結構強そうだぞ」プルプル

助手「確かに、かなりデカイし、一発でも攻撃をくらったら全身の骨が折れそうです……」


タンッ


冒険家「ほいっと♪」ブン


ドガァッ!!


オーク「グゥゥ!?」ヨロッ

冒険家「ほい、よっ、とぉ!」


ゲシッ、ズガッ、バギッ


オーク「グォォオオ!!」ブン

冒険家「結構タフだなぁ」サッ

冒険家「『キックの威力ロール』!!」


ヴォン……


鍛冶(サイコロ……?)


サイコロ「6」コロコロ


冒険家「やったー♪」

冒険家「『クリティカル』キーック☆」



ズガガァァァアアアアン!!!



冒険家「♪」キョロキョロ

冒険家「よし、じゃ、行こっか!」ニコッ



鍛冶(地形が変わった……)

助手(え、オークはどこに行ったんですか? 消し飛んだ?)

139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 16:48:56.66 ID:msoBBwka0
正に圧倒的
140 : [sage saga]:2013/02/27(水) 16:53:05.68 ID:t9zJeNC30
※ちなみに『1』が出てた場合、冒険家の足がバキバキに折れてました。

 サイコロはリアルに私が振ってます。

 TRPG形式だと『成功/失敗判定』しかできないので、こういう形にしました。
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 16:57:28.21 ID:5Lob1T3I0
マジで運良かったな……
142 : [sage saga]:2013/02/27(水) 17:04:46.00 ID:t9zJeNC30


冒険家「……っていう土地には、ガラスでできた木が生えててね! それがすっごく綺麗なんだよっ!」

鍛冶「ほう、それは一度お目にかかりたいものでござるなぁ」

ロボ「ロボも見てみたいです! 『王』討伐が終わったら、ロボも旅に出てみたいです!」

冒険家「それなら、最初のうちは私たちと一緒に来たらいいよっ! いろいろと教えてあげるね!」ニコッ

ロボ「ほんとですかー!?」

冒険家「うんっ! みんなにも話を通しt……」ピクッ

助手「……?」

冒険家「……みんなの声だ」ボソッ

鍛冶「?」

冒険家「虹妖精ちゃん、行こっ!」ダッ

虹妖精「え!? なにも聞こえなかったぞ!?」グイッ

冒険家「ハッキリ聞こえてるよ? 早く行かなきゃ!」

冒険家「じゃあみんな、またねー!」タッタッタ…


鍛冶「台風のような娘でござったなぁ……」

ロボ「声なんて聞こえましたか?」

助手「いえ、まったく……」


143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 17:08:47.53 ID:8EfQ5eTDO
耳が凄いのか別の何かか……
144 : [sage saga]:2013/02/27(水) 17:27:25.93 ID:t9zJeNC30

冒険家「とぉっ」ピョンッ

ガバッ

郵便屋「ひゃあ!?」

冒険家「みんなー! 探したよー!? どこで迷子になってたのっ?」

時空術師「迷子だったのはあんたよ冒険家」ハァ…

冒険家「えぇ!? そうだったの!?」

郵便屋「え、なんで驚いてるの……? むしろそれにびっくりだよぉ……」

死霊混師「ところでさっきの爆発音……まさか『ダイスロール』を使ったのではありませんよね?」

冒険家「使ったよ? おっきなオークが頑丈さんだったから、キックの威力を上げようと思ったの!」ニコッ

踊り子「あれほど使うなと、皆が口を酸っぱくして忠告しているでしょう、冒険家」

時空術師「『1』が出たら、どんなロールでも『最悪』の結果が出るのよ? なんでそんなどうでもいいことで、命懸けの能力を使えるのか理解できないわ」

冒険家「あ、さっきは『6』だったよ」ニコッ

時空術師「いや、だから、もしも『1』が出たら……」



冒険家「『みんなの幸運ロール』♪」ブォン…コロコロ



全員「!?」


サイコロ「5」


冒険家「わーい! みんなハッピーになれるね♪」

踊り子「……なんと豪胆な……」

時空術師「……あ、頭が痛くなってきたわ」ヨロッ

郵便屋「冒険家ちゃん、今までどうやって生きてきたのかな……」

死霊混師「彼女に付いて行っている我々も、同じ穴の狢でしょう」

冒険家「あ! これね、さっき入った洞窟で見つけた結晶柱のスケッチ!」

郵便屋「わぁ、綺麗だねぇ……」ウットリ

冒険家「……と、それを合成錬金してできた宝石のスケッチ♪」ペラッ

時空術師「!!?」

踊り子「!!?」

死霊混師「!!?」

郵便屋「?」

冒険家「どうかした?」

死霊混師「ふ……ふふ。さすがはハッピーロール『5』ですね」

踊り子「ええ。これほどすぐに、はっぴーを運んでくれるとは」

時空術師「冒険家、それ、今どこにあるの?」

冒険家「えっと、さっき別れた鍛冶師さんが持ってると思うよ?」

死霊混師「さあ、行きましょう! 我らのハッピーに向けて!」バッ

冒険家「?」キョトン
145 : [sage saga]:2013/02/27(水) 17:37:37.23 ID:t9zJeNC30

助手「助かりました、ありがとうございました」

鍛冶「いやいや、困ったときはお互い様でござるよ」

ロボ「硬い結晶と普通の宝石も手に入れましたしね!」

鍛冶「普通普通と連呼するな……」シュン



探偵「助手くん」

助手「あ、探偵さん!」

探偵「戻っていたのですか。どうでしたか、宝玉は?」

助手「無事手に入れましたが、どっちも本物にしか見えないんです……」

探偵「ふむ……それは困りましたねぇ」

探偵「まだ他にも、宝玉の反応は感じるのですか?」

助手「えっと……」

助手「

――――――

1、もうありませんね。この二つだけです。
2、まだありますね。この二つの見分けが付かない以上、全部集めないといけませんね。
3、自由安価
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 17:40:42.97 ID:i1YquvRY0
2
147 : [sage saga]:2013/02/27(水) 17:47:22.96 ID:t9zJeNC30

助手「まだありますね。この二つの見分けが付かない以上、全部集めないといけませんね」

探偵「ええ。3つめは、明らかに他2つとは違うかもしれませんからねぇ」

探偵「ところで、さきほどの旅はどうでしたか? 危ないことはありませんでしたか?」

助手「ええ。なぜか途中で一緒に来てくれることになった冒険家さんのおかげで」

探偵「おや、彼女たちはまだこの辺りにいたのですが」

探偵「この間のお礼も申し上げたかったのですが……」

助手「探偵さん、『BGM』っていう能力かなりお気に入りですもんね」

探偵「ええ。一人でいるときは大抵使っています。あれはいいものですよ」

探偵「それで、次は誰を連れて行きますか?」

助手「えっと、それじゃあ……」

148 : [sage saga]:2013/02/27(水) 17:52:50.98 ID:t9zJeNC30
※安価お願いします! 誰でもいいですが、助手を含めて総計3〜4人くらいで。

 今回、探偵は指定しなければ付いてきてくれません。
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 17:54:28.55 ID:6YgLCTbz0
狼男
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 17:56:06.33 ID:8oDHSNF30
王様
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 17:58:27.86 ID:mQFoxnamo
魔王
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 17:58:40.35 ID:+VO++XR90
戦士
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 18:08:38.68 ID:liZRv7i9o
なんてメンツだ
154 : [sage saga]:2013/02/27(水) 18:12:44.90 ID:t9zJeNC30

助手「また同じようなことがあるといけませんから、転移魔法を使える戦士さんについて来てもらおうと思います」

助手「どうでしょうか?」

探偵「ええ、いいんじゃないでしょうか。戦闘能力も十分ですしね」

探偵「しかし二人だけというのは心配ですね。もっと連れて行ったほうがいいのでは?」

助手「え?」

探偵「?」

助手(ついて来てくれないんですか……?)

探偵「ああ、いえ、十分だと思うなら無理に探す必要はないと思いませんがね。戦士さんはお強いですから」

助手「……とりあえず、戦士さんを探してきます」シュン

探偵「ええ。くれぐれも無理はしないように」

助手「……」トボトボ

155 : [sage saga]:2013/02/27(水) 18:24:35.76 ID:t9zJeNC30

助手(探偵さんのばか……ボクは探偵さんの助手なんだから、2人で1セットなんですよ……?)

助手「はぁ……」

助手(この辺りで戦士さんを見たという情報が……)



「……ないかしら……」

「…………じゃし………のう」



助手「?」チラッ

助手(国王様の病室?)



魔王「もちろん、狙いは勇者パーティに絞るわ」

王「でも殺すんじゃろ?」

魔王「それはあの子たち次第よ」

王「つっても、お前さんの実力じゃしなぁ……」

魔王「どっちみち、こっちは人質を取ってるんだから」

王「むぅ……しかしのぅ……」



助手「……」

助手(なんの話でしょうか……? 勇者パーティを殺す? けど、王様もあんまり慌ててませんし……)

戦士「なにやってんだ?」

助手「ひゃあああ!?」ガタンッ



王「……この話はまた後で、じゃな」

魔王「……」

156 : [sage saga]:2013/02/27(水) 18:37:17.03 ID:t9zJeNC30

魔王「盗み聞きなんて、相変わらず乙女チックな趣味なのね」ニッコリ

助手「……うぅ」

王「まぁ、そう言ってやるな。ワシほどの美男子の声が聞こえれば、嫌でも聞き耳を立ててしまうというものじゃろ」キリッ

戦士「なんの話をしてたんだ?」

魔王「お祭りよ。もうすぐ開催される」

戦士「え、そうなのか?」

王「まだ決まってはおらんがの」

魔王「もう、まだそんなこと言って……」

王「ときにお嬢ちゃん、お前さんはどうしてここに?」

助手「えっと、吸血鬼王の宝玉を集めてるんですが、なぜか宝玉の反応がたくさんありまして……」

助手「見分けが付かないので全部集めることになって、戦士さんの力を借りようかと」

魔王「……宝玉が、偽物かどうかわからないってこと? よりにもよって、あなたが?」ジロッ

助手「うぅ……」シュン

戦士「まあ、手伝ってもいいぜ。魔王との話もさっき終わったしな」

助手「ありがとうございます。ここに来るまでに、狼男さんとも会ってお願いしたので3人で行きましょう」

戦士「おう!」

王「…………」

王「なあ、魔王よ。この子らに、ワシらもついて行かんか?」

魔王「……どうしてかしら?」

王「お前さんの言葉の真意を、読み解くためじゃよ♪」

王「お前さんの行動次第では、『お祭り』の許可もだすぞい?」

魔王「……」

魔王「……はぁ」


魔王「私、あなたのことが嫌いかもしれないわ」

157 : [sage saga]:2013/02/27(水) 18:39:58.62 ID:t9zJeNC30

※今回の宝玉の場所は?

1、地名(と、その土地の特徴)
2、誰かが持ってる。
3、自由
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 18:42:38.78 ID:GxrqlyFZo
牧場に埋まってる
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 18:46:59.75 ID:rwgNgih90
これはもう一箇所だろwwwwしょうもなさ過ぎww
160 : [sage saga]:2013/02/27(水) 18:51:32.90 ID:t9zJeNC30
※ふふ……安価は絶対なんだぜ。


―――牧場―――


牛「モー」ノソノソ

牛「ブモー」モシャモシャ



戦士「ここか?」

助手「……はい」

狼男「腹減ってきたな」グー



王「いやー久しぶりに外に出たー」ノビノビー

魔王「『人間牧場』に変えようかしら」

王「やめい」

161 : [sage saga]:2013/02/27(水) 18:56:24.97 ID:t9zJeNC30

狼男「で、どこに埋まってるんだ?」キョロキョロ

助手「えっと、こっちですね」トテテ

戦士「穴掘りっていう作業に俺を呼んだのは大正解だな。一番最初に覚えた魔法が『落とし穴』だから」

狼男「そんなしょうもない修行してたのかよ。ったく、なにやってんだk」


ズボッ

ズドーン!


狼男「…………」

戦士「これがしょうもない修行の成果だぜ☆」

助手「プッ」

狼男「」ブチッ

戦士「」ダッ

助手「」ダッ

狼男「待てコラァ!!」ダッ

162 : [sage saga]:2013/02/27(水) 19:10:36.77 ID:t9zJeNC30


魔王「…………」



王「そんな羨ましそうな目をするなら、混ざってくればいいじゃろ」

魔王「あなた、もしかして目が見えてないの?」

王「いやいや、両目とも2.0じゃよ」

魔王「そう……じゃあ頭なのね、可哀想に……」

王「ボケてもおらんぞ!?」

王「いや、でも最近、探偵と姫以外の人間がジャガイモに見える時が……」

魔王「酷い国王もいたものね。あなた農家なの?」

王「最近、やんちゃ盛りの7人組に畑を荒らされてのぅ……」シクシク

魔王「丈夫なビニールハウスだったわね」

王「いいもん……守りきったからいいもん……」シクシク

魔王「……ねぇ、知ってるかしら?」

王「ん?」

魔王「ジャガイモってね、毒があるらしいわよ」

王「……」

王「安心せい、ちゃんと芽のところは取り除いてやるから」

王「じゃから、考え直さんか? なかなかこの世界、捨てたもんじゃないぞ?」

魔王「……」

魔王「ダメよ」

魔王「もう、お腹壊しちゃった」

163 : [sage saga]:2013/02/27(水) 19:34:14.89 ID:t9zJeNC30

助手「あ! ありました!」

戦士「おお、よかった。案外早かったな」

狼男「俺特に何もやってないんだが……」

魔王「見つかったの?」

助手「あ、は、はい!」ビクッ

魔王「見せて」グイッ

助手「っ!」

魔王「…………恐らく、存在複製呪文ではなく、並行世界線重複呪文ね」

助手「?」

魔王「これは別の世界の宝玉なのよ。つまり、これ全部本物ね」

助手「ええ!?」

戦士「おいおい、じゃあ最初の一つがあれば十分だったのか?」

魔王「いいえ。別世界の宝玉を持って吸血鬼王に挑めば、その時点で呪文を解除して、元の世界に還されてしまうでしょうね」

魔王「つまり、結局は全部集めきるしかないってこと」

魔王「高度な上に消費魔力も桁違いだから、そんなにたくさん増やせるわけじゃないし、そんなに苦労はしないでしょう」

魔王「それに、吸血鬼王はこういう魔法が得意じゃなかったはずだし、吸血鬼王の能力はこの宝玉には通用しないはず」

魔王「誰か、協力者がいるかもしれないわね」

助手「協力者……あるいは部下ですか」

魔王「ええ。それにしても……なんというか、何かの『時間稼ぎ』でもしているようにも見えるわね」

助手「……時間……稼ぎ?」

魔王「サキュバスが捕らわれちゃってるんでしょう? 彼女の心を手に入れるのに、手こずってるんじゃないの?」

助手「!!」

魔王「吸血鬼王は他人の女を寝取るのが大好きでね。あのサキュバスが勇者くんに心酔してるのを見て、ターゲットにしたんじゃないかしら?」

魔王「寝取った女はすぐに殺すから、あの子がまだ生きてるってことは、まだ抵抗してるんでしょうね」

魔王「洗脳とかズルをするタイプじゃないから、あの子の覚悟が本物なら、まだまだ生き長らえることもできるかもね」

助手「……」

魔王「さ、終わったのなら早くこっちに来なさい。転移呪文で帰るわよ」

164 : [sage saga]:2013/02/27(水) 19:48:16.98 ID:t9zJeNC30

―――王の病室―――


魔王「で」

王「うん?」

魔王「手伝ったわよ、あの子たちを」

王「そうじゃな、うん」

魔王「約束は?」

王「あれ、ワシ、今日の昼ごはんは食ったかいのぅ」

王「ああ、確か三日前に食ったか、あっはっは」

魔王「」ブン

王「おぅふ!?」ズドン

魔王「ボケたふりはいいから」

王「……ろ、老人に腹パンとは……」

王「冗談はともかく、もうちょっと考えてはみんかの?」

王「探偵って知っとるじゃろ? あいつと一緒に、しばらく過ごしてみんか? そうしたら、きっとその考えを改めると思うぞ?」

魔王「あの子は、私を信じてくれたわ」

王「そうか」

魔王「私は……」

王「……」

魔王「……もういいわ。私だけでやるから。しっかり準備すれば、私にできないことなんてないんだから」

魔王「あなたにだって、邪魔はできないわ」

王「待て」

魔王「……」

王「どうしてもやるんじゃな?」

魔王「ええ」

王「なら、協力してやる」

魔王「……」

魔王「そう」

165 : [sage saga]:2013/02/27(水) 19:57:04.94 ID:t9zJeNC30

探偵「」テクテク



助手「!」

助手「探t」



探偵「こういうところに連れてきてあげたら、どうですかね?」

秘書「自分で壊した街ではくつろげないのでは?」クスッ



助手「」ピクッ

助手「」サッ

助手(あれ? なんで隠れたんだろう?)



探偵「なら別の都会にでも。もっといろんな場所を見せたほうが良いと思います」

秘書「すっかりお父さんみたいなことを言いますね」

探偵「僕のわがままで生き延びてもらったのですから、最後まで面倒見ますよ」

秘書「すでに坊ちゃまには、探偵さんが不可欠ですから」

探偵「プレッシャーですねぇ」



助手「……」

助手(あれ、なんで話しかけないんだろう、ボク)

助手(なんか凄い……嫌な気分。疲れてるのかな)

助手「ちょっと休もう……」

166 : [sage saga]:2013/02/27(水) 19:59:46.39 ID:t9zJeNC30
※安価お願いします!

1、まだ宝玉の反応がある。回収だ!
2、もう宝玉はない。出発だ!
3、その他。
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:03:35.14 ID:PKZn8rSc0
1
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:07:05.22 ID:yiuhPDr1o
いつまで集めんだよ……
話が先進まねえ
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:08:21.51 ID:8gERcBZUo
ここは安価スレなんだから自分で安価取ればいいじゃないか
安価出てから取られるまで3分以上も空いてるんだからまだ楽なもんよここは
170 : [sage saga]:2013/02/27(水) 20:08:35.56 ID:t9zJeNC30

※連れて行く人を選んでください。

 新キャラ、モブキャラ、なんでもござれ。

 ただし人数が多いほど、空気キャラが発生する模様。

 助手は確定です。
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:11:41.36 ID:YurtVe8G0
王様
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:11:58.79 ID:yiuhPDr1o
天使王
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:13:16.40 ID:C/0AUm2a0
魔王
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:14:26.43 ID:dKayUEu/0
黒い霧
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:16:35.88 ID:bF8bJXyp0
寺子屋の女子生徒
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:18:03.36 ID:RqyvKdJR0
ミーちゃん……だっけ?あの猫
177 : [sage saga]:2013/02/27(水) 20:28:04.86 ID:t9zJeNC30
※え、ちょっと待ってください。黒い霧って誰ですか?w

 あと、みーちゃんって、探偵の猫探しのアレですよね? 単体ですか?w

 あとあと、寺子屋の女子生徒ってどれでしょう? 天使王の洋館の行った子じゃなくって、最後に天使王の羽と首輪について指摘した子でしょうか?

 恐らく、今私は試されている……!
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:32:36.18 ID:HTg5A3yH0
黒い霧は新キャラ
猫は多分単体
女子生徒も多分最後の子

だと思う。違うなら10分以内に返答しやがれ。沈黙は肯定とみなす
179 : [sage saga]:2013/02/27(水) 21:01:37.33 ID:t9zJeNC30

―――寺子屋―――

天使王「」カクカクカクカクカク

女子「天使王くん、貧乏ゆすりするとね、貧乏になっちゃうんだよ?」

天使王「む。すまん、無意識だった」ピタッ

女子「今日は、探偵のお兄さん遅いね」

天使王「ふん、べつにあんな奴を待っているわけではない。私はあくまd」


ガラッ


天使王「!」パァ 

歌使い「坊ちゃん、迎えに上がりんした」

天使王「……」

歌使い「そんなにあからさまに、嫌そうな顔をしないでおくんなんし。傷つきんす」

天使王「……あいつは?」

歌使い「吸血鬼王の討伐で、しばらくは来れないそうでありんす」

天使王「しばらくとは?」

歌使い「さぁ、多分3日以内には戻るとは思いんすが……」

天使王「……外せ」

歌使い「はい?」

天使王「この首輪を外せ。私があの好色下劣低級吸血鬼を、細切れにしてやる……!!」

歌使い「いえいえ! 坊ちゃん、それはいけんせん! どうか怒りを沈めておくんなんし!」

天使王「怒り? 何を言っている、たかが探偵が一日迎えに来れなかったからと言って、なにを怒ることがある?」

天使王「私は天使王。心の広さでは右に出るものはいない」


ベキベキベキッ!!


歌使い「机! 机を握りつぶさないでおくんなんし! どうか落ち着いて坊ちゃん!」

天使王「落ち着いてるぞ。冷静だ。ふふふ」

女子「天使王くん、探偵のお兄さんは、今どこにいるのかなぁ?」

天使王「どこにいるのだ、歌使い」

歌使い「えっと、今、秘書と一緒に王国首都にいるらしいのでありんすが、詳しいことは……」

天使王「 秘 書 と 一 緒 に ……!? 」ベキベキ

歌使い(あわわわわ……)

天使王「こうなったら、走ってでも行ってやるぞ!」ダッ

女子「えへへ、あたしも行くー!」トテテ

歌使い「坊ちゃん!? 窓から……くっ、大人では通れない……!」

歌使い「こうなったら歌で……ああ、耳を塞いでいらっしゃる……!?」

歌使い「坊ちゃあああああん!?」

180 : [sage saga]:2013/02/27(水) 21:02:09.50 ID:t9zJeNC30
※すみません、ご飯食べてきます!
181 : [sage saga]:2013/02/27(水) 21:37:31.25 ID:t9zJeNC30

―――探偵の住んでいる街―――

シュン


助手「ここですね。結構近いですよ」

王「まったく、最近の若者は国王使いが荒いのぅ……」シクシク

魔王「魔王使いもね……」

助手「ご、ごめんなさい。他の人だと時間がかかっちゃうから申し訳なくって」

助手「ここからは私が一人でがんばりますので、どこか目に付く場所でゆっくりしていてください!」ダッ

王「だ、そうじゃよ?」

魔王「あらそう。じゃあ適当にふらついてるわ」

王「これから探偵の事務所に行ってみようと思うんじゃが、一緒に来んか?」

魔王「……」

魔王「結構よ。終わったら呼んでちょうだい」スタスタ

王「つれないのぅ……」

182 : [sage saga]:2013/02/27(水) 21:46:12.24 ID:t9zJeNC30

助手「む……この廃屋から宝玉の気配が……」

助手「ん?」



猫「にゃー」



助手(あそこに住んでる猫でしょうか? 暗くてよく見えませんね……)

助手「……え?」

助手(あの黒猫、体から黒い煙を出してませんか? いや、煙じゃなくって、霧みたいな……)



霧「」ジワ……

霧「」ブワッ!!



助手「なっ!?」

助手(こっちに来る……!?)

183 : [sage saga]:2013/02/27(水) 21:52:43.65 ID:t9zJeNC30

―――探偵事務所―――


王「不法侵入しちった♪」

王(しっかし、簡素で質素で……まあ昔から、あんまりごちゃごちゃしたのが好きじゃなかったな、あいつは)

王(ゴミ箱を見るに、ろくな食生活は送ってはいないのぅ)

王(まったく、ワシのポケットマネーでさえ支援を断るんじゃから……)

王「ん?」

王「……このハンカチ」

王(昔、ワシがあげたやつか……?)

王(こっちは、姫が折った折り鶴か)

王「……」

王「こんなん見たら、余計にがんばるしかないのぅ」

王(探偵や姫は勿論のこと)

王(勇者や魔法使いたちを長いスパンで守るためには……)

王「やっぱり協力するしかないのか……」

184 : [sage saga]:2013/02/27(水) 22:03:23.81 ID:t9zJeNC30

魔王「」テクテク

少女「」キョロキョロ

少女「」トテテ

魔王「」テクテク

少女「あ、あの、お姉さん!」

魔王「あら、私?」

少女「うん! えっとね、このくらいの黒猫見なかった?」

魔王「見てないわねぇ。ごめんなさい」

少女「そっかぁ……」シュン



魔王「」ゾク



魔王(あら。あら。あら)プルプル

魔王(久しぶりにそんな顔見ちゃったら)ゾクゾクッ

魔王( ムラムラしちゃうじゃない♥ )



魔王「お嬢ちゃn」スッ

天使王「む? 魔王じゃないか。何してるんだ、こんなところで」

魔王「…………」


少女「みーちゃんどこー?」トテテ…


魔王「…………」

魔王「なにか用かしら、天使王ちゃん」

魔王「大した用じゃなかったら、私、ちょっと久しぶりに怒っちゃうかもしれない」

天使王「?」

女子「?」
185 : [sage saga]:2013/02/27(水) 22:10:24.30 ID:t9zJeNC30

助手(……この霧は、どうやら味方らしい)

助手(『アレ』に見つかりそうだったボクを、霧の中に隠してくれたみたいだから)



武者「」ガシャン、ガシャン



助手(っていうかなんですかアレは!? 鎧武者の幽霊!?)

助手(明らかに上位霊みたいだし……勝てる気がしない!)

助手(王様……! 最悪、魔王でもいいから、助けてー!?)

186 : [sage saga]:2013/02/27(水) 22:29:32.01 ID:t9zJeNC30

魔王「ふぅ……」

魔王「うっかりヤっちゃうところだったわ。ありがとう、天使王ちゃん」

天使王「相変わらず気持ち悪い奴だな、お前は」

女子「ねーねー、天使王くんのお友達?」

魔王「ええ、『お友達』よ。昔からのね」

天使王「今はお前ら側じゃないから、お友達とは言えないかもしれんな」

天使王「そうだ、魔王。探偵という男を知らんか? 恐らく王国首都にいると思うのだが……」

魔王「……」

魔王「知らないわねぇ」

天使王「そうか。お前がそう言うということは、知ってるわけか」

魔王「……」

天使王「お前について行けば、探偵に会えそうだな」

女子「もう歩き疲れたしね」

天使王「ほんとにな。気づけばこんなに暗くなっていたとはな」

魔王「じゃあ早く帰りなさい」スタスタ

天使王「」トテテ

女子「」トテテ

魔王「……」

魔王(ああ、もう……助手ちゃんは何をしてるのかしら)

魔王(いっそこの子たちも押し付けちゃいましょう)

魔王(そうと決まれば……)

187 : [sage saga]:2013/02/27(水) 22:35:44.11 ID:t9zJeNC30
※すみません、お風呂入ってきます!
188 : [sage saga]:2013/02/27(水) 23:54:12.40 ID:t9zJeNC30
※すみません、ちょっと明日からの合宿の準備をして参ります。

 今夜中にこの部分のお話は終わらせますが、恐らくもう安価はないので安心して寝ちゃってくださいませ。

 合宿は2泊3日で、パソコンを持っていけるかわかりません。なのでその間更新はできないかもです。

189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/28(木) 00:25:55.26 ID:9Bly7BUi0
牧場の所と、この部分の場所安価に魔王の読みも無視で投下しようと思っていたけどやり損ねた案を置いとく

物増やしの泉(歴史抹消以前の名前)
物を入れると、それが泉の中でどんどん増えてゆく不思議な泉
増え過ぎてはみ出ると、それはどこかへと消える仕組みになっている

とある禁欲的な人々が住んでいた村の山の奥に、隠されて存在する。
そこの村人達がこの泉の効果に気付くと、人の欲を掻き立てる悪魔の泉だとして
存在を封印してしまった。書物などにも書き残さず、今は誰も知る事のない場所となっている

で、その泉の中が宝玉で埋め尽くされてる状態
190 : [sage saga]:2013/02/28(木) 00:49:21.39 ID:dCNuX71I0

助手(それにしても、あの鎧武者は一体何をしているのでしょう?)

武者「」ガシャン、ガシャン、

助手(なにかを探している……? まさか宝玉?)

猫「……」

霧「……」

武者「」ガシャン、ガシャン

武者「」

助手(とにかく、ちょっと覚悟がマズくなってきました。もうちょっと奥に……)

パキッ

助手「!!」

武者「」グリン!

武者「」ガシャガシャガシャ!!

助手「―――っ!!」
191 : [sage saga]:2013/02/28(木) 00:51:23.62 ID:dCNuX71I0

猫「ふにゃあああ!!」ガバッ



武者「!」ヨロッ

助手(!!)

猫「フーッ!」

助手(あの黒猫が助けてくれた……?)

助手(どうしてこの黒猫と黒い霧は、こんなところで鎧武者を待っていたんでしょう……?)

助手(この廃屋に、一体なにが……)

バシッ

猫「ぎにゃ!?」ズザザ

助手「!」

武者「」ガシャ、ガシャ、

助手(ダメだ、あのままじゃ猫が……!)

助手(けどあんな凶悪そうな悪霊を、ボクにどうにかできるの……?)

助手(……いや、迷ってる場合じゃない!)

助手「やあああ!!」ブン

ガキッ

武者「」グルン

助手「!」

助手(やっぱり、廃材で殴ったくらいじゃ効かないよね……)

ガシッ

助手「ぐっ……かはっ……」

助手(首が……息ができない)グググ

助手(助けて―――探偵さん!!)


バチチッ!


武者「!」バッ

助手「きゃっ!?」ドサッ



魔王「宝玉をほったらかしにしてそんなのと遊んでるなんて、随分余裕なのね」ニコッ


192 : [sage saga]:2013/02/28(木) 00:54:01.00 ID:dCNuX71I0

助手「魔……王」

魔王「」ブン

ズガガガガ!!

武者「」ガクッ

魔王「この廃屋は鬼門の入口のようね。だから悪霊がこの場所を自分のものにしようとする」

魔王「それを、そこの浮遊霊の塊が猫にお願いして助けてもらってたってわけかしら?」

魔王「低級霊じゃ、小動物に意思を伝えるので精一杯だものね」

魔王「鬼門を悪霊が占領したら、この街に負の気が満ち溢れてしまうから、その猫の飼い主も困っちゃうからね」

霧「……」

猫「……」

魔王「で、見てるんでしょう?」

王「あ、バレた?」

助手「王様……?」

魔王「さっき鎧武者の腕を結界呪文で弾いたのはそいつよ。かなり前からあなたのことを監視していたみたいね」

天使王「」ヒョコッ

女子「」ヒョコッ

助手「天使王さん……!?」

天使王「おお、探偵の仲間ではないか! もしや探偵の居場所を知らぬか!?」

助手「……王国で、秘書さんとデートしてますよ」

天使王「」ビキッ

女子「天使王くん、血管が浮き出てるよ?」

魔王「……」ゴソゴソ

魔王「これが宝玉ね」

王「4つめじゃな♪」

助手「……」

助手「助かりました。ありがとうございます」

魔王「うふふっ、いいのよ助手ちゃん」

魔王「私、『強い』から」

193 : [sage saga]:2013/02/28(木) 01:27:36.84 ID:dCNuX71I0

探偵「ふふ、秘書さんは可愛いものに目がありませんからねぇ」

秘書「そ、そんなことありません!」

探偵「そこのぬいぐるみ、買って差し上げましょうか?」

秘書「あ、う、結構です!」

探偵「では天使王くんに渡してください。いらないと言われたら処分して構いませんので」

秘書「うぅ……わ、わかりました。受け取っておきます……」

探偵「ありがとうございます」ニコッ


探偵「ん?」



助手「」ジー

天使王「」ジー



探偵「おやおや、これは……」

秘書「」

194 : [sage]:2013/02/28(木) 08:29:17.22 ID:uTpQqUHc0
※二泊三日の合宿に行ってまいります!
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/28(木) 08:57:38.69 ID:s3iy3C6Do
気をつけてなー
196 : [sage]:2013/03/02(土) 14:37:43.94 ID:XqNSiSUv0
※合宿が終わりました!

五時から再開します!
197 :1 [sage]:2013/03/02(土) 15:18:05.81 ID:XqNSiSUv0
※合宿が終わりました! 五時から再開させていただきます!
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 16:42:29.74 ID:cr4qYycDO
お疲れ様ーっ!
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 16:55:20.86 ID:lskbGXeP0
お疲れさんやな
手応えはどうだった?
200 : [sage saga]:2013/03/02(土) 17:04:00.12 ID:0QibBOMC0
※ありがとうございます! 
 時間が取れなくって、しかもネット環境無しの山奥だったのでお待たせしました……

 合宿は、親睦会のようなものなので手応えというのはあんまりです……多分サラリーマンの飲み会のようなアレでした……

 眠くなって頭が働かなくなる前に、少しでもストーリーを進めたいと思います!

 多分人は少ないでしょうが、安価させていただきます。


>>202
1、いよいよ吸血鬼王討伐!
2、まだ宝玉はある!
3、その他
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 17:08:28.05 ID:cr4qYycDO
加速
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 17:08:30.63 ID:qat7UzlM0
2
>>189
203 : [sage saga]:2013/03/02(土) 17:15:13.50 ID:0QibBOMC0
※了解です!

※前回の一件で連れて行くメンバーをフリーにしすぎた結果、明らかに需要に応えられていない悲惨なけ結果となりましたので……

 今回連れて行くメンバーは、助手を含めて三人までとさせていただきます。すみません。

 吸血鬼王とか宝玉とか関係なく書いていいのだったら大歓迎なのですが……力不足故、こうさせていただきます。

※↓では、メンバーを二人、お願いします!↓

204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 17:16:56.40 ID:VO9Cg1CB0
魔女
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 17:18:49.70 ID:pJuNQyAf0
死霊使いの少年
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [age]:2013/03/02(土) 17:24:49.20 ID:DUzFcXUuo
まだ探すのかよキリがねえな………
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 17:27:44.45 ID:cr4qYycDO
どうやら今回の泉が原因っぽいからこれで終わりだろ
208 : [sage saga]:2013/03/02(土) 17:36:16.50 ID:0QibBOMC0

―――城下町・オープンカフェ―――


天使王「随分楽しそうだったではないか……ええ? 探偵、秘書」

秘書「い、いえ! 滅相もございません! 決してそのようなことは……!」

探偵「おや、僕の街案内は退屈でしたか。これは申し訳ありません」

秘書「ああ!? いいえ、そういうことでもありません!」

天使王「」ジロッ

秘書「ううっ……!」タジッ

助手「探偵さんは、ボクががんばって宝玉集めてる時にデートしてたんですか……とてもがっかりです。幻滅です」

秘書「デ……!?」

探偵「デートというよりは、エスコートといったところでしょうか。天使王くんを連れてどこかにお出かけするのなら、こんなところが良いのではと城下町を案内していたのですよ」

天使王「!」ピョコン

探偵「それより、どうして天使王くんと助手くんが一緒になって、しかもこんなところに?」

天使王「吸血鬼王を倒すのだろう!? ならば私に協力を仰ぐのが筋というものであろう!!」

探偵「それは最終手段です。これまでも、そちらの助手くんの手伝いもあり、どうにか我々だけでどうにかなっているのですから」

探偵「それで、助手くん。宝玉はもう全て集まったのでしょうか?」

助手「いえ、まだ……」

探偵「そうですか。では幻滅させてしまったマイナス分を返上するために、今度は僕も付いていきますよ」ニコッ

助手「!!」ピョコン

助手「わ、わかりました! しょうがないですね、探偵さんにチャンスをあげます!」ニコニコ

探偵「ありがとうございます」クスッ

ピピピ

探偵「おや、魔法使い様から連絡です」

探偵「なになに、『今すぐ助手ちゃんを私のところに寄越したまえ』だそうです」

探偵「こう言うということは、助手くんに個人的な要件があるのでしょう。行ってさしあげてください」

助手「うぅ……こんな時に……」

助手「わかりました。でもボクが戻るまで、秘書さんとイチャイチャするのはダメですからね!」

探偵「ええ、元よりそのつもりですよ」

209 : [sage saga]:2013/03/02(土) 17:55:53.72 ID:0QibBOMC0

―――城下町・宿―――


魔法使い「どうして呼ばれたのか、わかってるかい?」

助手「え?」

魔法使い「その間抜けな声を聞く限りでは、やはり真相にたどり着いてはいなかったようだね」

魔法使い「これ以上の無駄足をしないで済んで良かったね」

助手「えっと……?」

魔法使い「助手ちゃん。キミはどうして、宝玉がたくさんあるのだと思う?」

助手「それは……別世界の宝玉をこの世界に集めて……」

魔法使い「それは魔王に聞いたんだろう? しかも間違っているしね」

助手「……え!?」

魔法使い「様々な魔法や手段を駆使して、今回の宝玉増殖騒動について調べてみた」

魔法使い「その結果、ある一つの結論へとたどり着いた」

魔法使い「確かに魔王の言う方法でも可能といえば可能だが、その方法はあまりに暴論だ。机上の空論と言っても良いがね」

魔法使い「さながら、敢えて真相から遠ざけようとしているかのように」

魔法使い「まるで時間でも稼いでいるかのように」

助手「…………」

魔法使い「なぜキミが、そこまで魔王の発言や一挙手一投足に過剰に反応するのかは知らないが、惑わされないことだ」

魔法使い「ま、今回の一件は私が直接出向いて終わらせてあげよう」

魔法使い「あまりちんたらしていては、淫魔ちゃんのことも心配だしね」

魔法使い「まったく、勇者のやつは不甲斐ないな。やっぱり、私がいないとね」

助手「それで……その『真相』っていうのは……」

魔法使い「それは直接現場で説明しよう。まずはそこまで転移魔法で跳ぶよ」

魔法使い「ああ、それから」

魔法使い「キミでさえ察知できなかった宝玉の真相を調べるにあたって、優秀な協力者がいるんだ。彼にも同行してもらう」

魔法使い「入りたまえ」

ガチャ

死霊使い「……え、えっと……はじめ、まして……」オドオド

死霊使い「……死霊使い……です……!」ペコペコ

魔法使い「探偵くんから話を聞いてね。面白そうな能力だから研究のために招いたら、なんと今回の真相に繋がってしまった。とても優秀な子だよ」

死霊使い「///」フルフル

魔法使い「謙遜するんじゃない。この私が認めてるんだぜ。胸を張りな」

魔法使い「それじゃあ、行こうか。……『真相』に」

ヒュンッ
210 : [sage saga]:2013/03/02(土) 18:11:05.36 ID:0QibBOMC0

―――禁じられた山―――


ヒュンッ

魔法使い「ここだぜ」

助手「えっと、なんというか……嫌な雰囲気の山ですね。不気味というか……」

魔法使い「かなり強力な封印結界が施されているからね。やはり封印術師として、『あれ』の異様さには気がつくか」

魔法使い「恐らく、この結界のせいで宝玉の気配を感じることができなかったのだろう。なにかの弾みでここから外界へと出てしまった宝玉が、今回キミが集めた宝玉ってわけだね」

魔法使い「まあ、所詮はまがい物さ。吸血鬼王に大した効果も無いだろうね」

魔法使い「私たちが用があるのは、この奥にある『オリジナル』ただ1つだけさ」

助手「どうしてボクにも察知できない宝玉を、魔法使いさんが……?」

魔法使い「言っただろう。私じゃない、そこの死霊使いくんが調べてくれたのさ」

死霊使い「……あの……ぼく……幽霊とお話ができます……」

死霊使い「だから……いろんなこと……教えてもらえる……」

死霊使い「……調べた……というより……前から話に聞いてた……て感じ……です」

魔法使い「ま、百聞は一見に如かずってね。まずは邪魔な結界に穴を開けるよ」スッ

魔法使い「……」カッ


グニャァ…


魔法使い「今のうちに隙間から入ろう。壊しても良いんだが、また張り直すのが面倒な結界だからさ」

助手(ああ……ついに呪文すら唱えなくなっちゃった……)

211 : [sage saga]:2013/03/02(土) 18:24:45.87 ID:0QibBOMC0

―――禁じられた山・麓―――


助手「うわっ!?」

死霊使い「っ」ビクッ

魔法使い「急にどうしたんだい? 突然大きな声を出すから、死霊使いくんが驚いてるだろう」

助手「す、すいません。結界の中に入ったとたん、宝玉の反応がすごいことになりまして……。なんですかこれ、気持ちわるっ」

魔法使い「ま、近くまで行けばわかるよ。とりあえず登っていこう」

死霊使い「」ビクビク

魔法使い「ん? どうしたんだい?」

死霊使い「……ここの……幽霊たち……すごく、怒ってる……」

死霊使い「『出て行け』……って……」

魔法使い「なんだい、キミほどの術師が怯えるほどの強さなのか?」

死霊使い「」フルフル

死霊使い「操れる……けど……」

死霊使い「怒ってる顔……きらい……だから……」ビクビク

魔法使い「……」

魔法使い(小動物の威嚇に心を痛めてるようなものか……)

魔法使い(この行き過ぎた優しさがなければ、もっと高みを目指せるだろうに)

魔法使い「私たちは、自分の欲を満たしに来たわけじゃない。そのことを伝えてくれないか?」

魔法使い「ついでに、この用が済んだら、誰にも突破できないような強固な結界をこの山に張ると約束しよう」

死霊使い「……!」

魔法使い「強引に奪って行ってもいいんだが、それだとキミが、納得できないだろう?」ナデナデ

死霊使い「」ピクッ

死霊使い「う……うん……」///

死霊使い(生きてる人……あったかい……)

死霊使い(……おねえさん……さいきん、会ってない……元気かな……?)

212 : [sage saga]:2013/03/02(土) 18:25:57.74 ID:0QibBOMC0
※すみません、晩御飯を食べてまいります!

※しばらくはストーリー進行なので、突然安価とかはないと思います!

213 : [sage saga]:2013/03/02(土) 18:59:47.69 ID:0QibBOMC0

死霊使い「……こっち……だって……村長さんが、言ってる……」

村長幽霊「」フワフワ

助手「すぐに幽霊のリーダーを懐柔してしまいましたね」

魔法使い「そんなことしなくても操れば早いんだが……それは彼の主義ではないんだろうな。どうしてもという時以外は、能力ではなく言葉で解決したいんだろう。なんだか探偵くんに似ているね」

助手「」ピクッ

魔法使い「そんなにあからさまに反応するなよ。名前を出しただけだろ」

助手「べ、べつに反応なんてしてないです!」

魔法使い「そうかい? まあ未だに性別を偽っているようだし、探偵くんもまだ気づいていないようだし、そういう関係になるつもりはないんだろうね」

助手「……ええ、当然です」

魔法使い「それより見えてきたよ、助手ちゃん」

魔法使い「あれが『真相』だぜ」

助手「……えっと、あれって言うと……」



助手「あの『泉』ですか」


214 : [sage saga]:2013/03/02(土) 19:21:18.35 ID:0QibBOMC0

死霊使い「『物増やしの泉』……って、いうらしい……です」

魔法使い「歴史から抹消される以前の名前だがね」

助手「歴史から抹消……?」

魔法使い「それだけ、この泉の効能は絶大で、そして危険だったんだよ」

魔法使い「この泉に放り込んだものは、泉から溢れるまで増え続ける。つまり、食料を入れれば食うに困らず、金貨を入れれば大富豪」

魔法使い「人の『欲望』を刺激して心を腐らせるには、十分な効果だろう?」

助手「……だから、抹消された?」

魔法使い「死霊使いくんが話している村長さんの村は、禁欲的な性質で有名だったらしいよ」

魔法使い「だからこそ、この悪魔の泉の力に溺れず、封印という英断ができたのだろう」

魔法使い「以来この泉は、どの書物にも記されずに、今は滅びたこの山村の村人たちの記憶にのみ残っているというわけさ」

魔法使い「そりゃあ、書物から知識を吸収するタイプの私ではたどり着けないわけだ」

魔法使い「逆に、古来の人々の想いを受け取ることのできる死霊使いくんには、適任だった」

魔法使い「さあ、『オリジナル』よ、来い」スッ


ヒュンッ


魔法使い「」パシッ

魔法使い「どうだい、助手ちゃん。これは本物で間違いないかい?」

助手「……はい。実際に比べてみると、明らかに他とは違いますね」

魔法使い「そうかい。これで一件落着だね。やっと吸血鬼王にも挑めるというものだ」

助手「ありがとうございました」

魔法使い「私に言うのは筋違いかな」

助手「死霊使いくん、ありがとうございました」

死霊使い「……っ!」

死霊使い「え、えと、こちらこそ……ありがとう、ございました……?」アセアセ

魔法使い「別に死霊使いくんは得してないだろう?」

魔法使い「だがまあ、タダ働きさせるのは趣味じゃない。なにかお願いがあれば聞くよ?」

死霊使い「……そ、そんな……お願いなんて…………」

死霊使い「……あっ」

魔法使い「あるみたいだね?」

死霊使い「う……あの……えっと」

死霊使い「……ある村に……連れて行って……くれますか?」

魔法使い「ある村と言うと……ああ、わかった。探偵くんから聞いているよ。お安い御用さ」

死霊使い「よ、よろしく、おねがいします……」///

魔法使い「それじゃあ、助手ちゃんは探偵くんのところに、死霊使いくんは例の村に送るよ」

魔法使い「健闘を祈るよ。いろんな意味で」クスッ

シュンッ


215 : [sage saga]:2013/03/02(土) 19:40:44.01 ID:0QibBOMC0

―――近隣の村―――


死霊使い「」キョロキョロ

死霊使い「あっ」

村長娘「……ん?」

村長娘「ああっ! 死霊使いくん!!」ダッ

ギュー

死霊使い「……お、おねえさん……くるし……」

村長娘「あれからすっかり見ないから、どこ行っちゃんたんだろうって思ってたんだよー!?」

死霊使い「あ、あの……ごめんなさい……探偵のおにいさんに……言われて……」

死霊使い「困ってる人を……たすけて、あげてたの……」

死霊使い「そうすれば……前みたいに……おねえさんに、めいわくかけないから……」

死霊使い「ちゃ、ちゃんと、人助けを勉強してから……こんどこそ……」

死霊使い「おねえさんを……たすけたい、から……」

村長娘「…………」

死霊使い「あ、あ、えっと、その……ごめんなさい……!」

死霊使い「めいわく、だった……よね……ごめんなさい」

死霊使い「あの……その……」

村長娘「うぅぅ……迷惑なわけないよぉ……」ポロポロ

死霊使い「……お、おねえさんっ?」アセアセ

村長娘「ありがとね、死霊使いくん。ほんとにありがとう……!」ギュー

村長娘「けどね、私は、こうやって死霊使いくんとお話するだけでも、十分助けられてるんだよ?」

死霊使い「……!」

村長娘「けど、死霊使いくんはとっても凄い子だから。これからも、いろんな人の助けになってあげてほしい……かな。ごめんね、変なわがまま言って」

村長娘「それで、もし疲れちゃったりしたら」

村長娘「今度は私が、死霊使いくんの助けになりたいな……とか、思っちゃったりして」

死霊使い「〜〜〜っ」/// パクパク

死霊使い「……あ、ありがと、おねえさん」

死霊使い「ぼく、もっと、いろんな人を助けられるように……がんばる……から……!」

村長娘「うん、応援してるよ!」

村長娘「それと、もっとこの村にも顔を出してね! いつでも歓迎するから!」ニコッ

死霊使い「う……うんっ!」

死霊使い(もっと……いろんな人の助けに……)

死霊使い(そしたらみんな……笑顔になってくれる…………えへ)

死霊使い(……こんど……探偵のおにいさんに……弟子入り……してみよう……かな)

216 : [sage saga]:2013/03/02(土) 20:02:47.23 ID:0QibBOMC0

―――城下町―――


シュンッ

助手「よっと」スタッ

探偵「おや、助手くんではないですか。早かったのですねぇ。もう、用事は済んだのでしょうか?」

助手「はい! 魔法使いさんのおかげで、本物の宝玉も手に入れましたよ!」

探偵「ほう、そうですか。やはりあの方は頼りになりますねぇ」

探偵「そして助手くんも、お手柄でしたね。これで吸血鬼王と戦うことができます」

探偵「それで……よろしければ、吸血鬼王討伐には僕も連れて行ってはいただけないでしょうか?」

助手「!」

探偵「僕程度では大したお力にはなれないと思い、宝玉集めは静観を決め込んではみたものの……」

探偵「助手くんは無事だろうかと気が気ではなく…………おっと、これでは助手くんの力を信用していないかのようですが……」

探偵「やはり、僕も助手くんの隣で戦いたいと思いまして」

探偵「どうでしょうか?」

助手「……は、はい! もちろんです! お願いします!」

助手「っていうか! えっと、あの、宝玉集めにもついて来てくれればよかったのに!」

助手「ボクのことが、ヤになっちゃったんじゃないかって思ったんですから! 変な遠慮なんてしないでくださいよ、もうっ!」

助手「ボクは探偵さんの助手なんですから! 探偵さんと一緒にいてこそボクなんですからね!」///

助手「って、何言ってるんだろうボク……! と、とにかく、わかったら、さっさと吸血鬼王を倒しに行きますよ!!」///

探偵「ええ、そうですね。行きましょう」ニコッ

探偵「ああ、それからもう一つ」

助手「?」

探偵「この『王』討伐が終わったあと、助手くんはどうするおつもりですか?」

助手「どう……とは?」

探偵「実家を勘当されていると仰っていたではありませんか」

助手「ああ、そのことですか……」

助手「別に、一人だって、どうとでも生きていけますよ。恥を捨てればね」

探偵「お一人で生きて行かれるおつもりですか?」

助手「え?」

探偵「一人しかいない探偵事務所の探偵に対して『助手』を名乗ったからには、そこのところをハッキリとしていただかなければ」

探偵「正式に、僕の探偵事務所の助手となりませんか?」

探偵「これから、僕と一緒に生きていきませんか?」

助手「」

助手「な、な、な……!?」カァァ ///

探偵「まるで可憐な少女のような見た目の助手くんをほっぽり出すのは僕の良心が咎めます」

探偵「せめて助手くんが成人して立派な男性となるまでは、面倒を見させてください」ニコッ

助手「……………………」

助手「探偵さんの…………ばかっ!!」ブン

探偵「なぜ!?」バキッ

217 : [sage saga]:2013/03/02(土) 20:07:57.24 ID:0QibBOMC0
※ちょっといろいろ強引でしたか……? すみません……

 と、とにかく一歩前進、吸血鬼王とついに対決と相成りました。『さっさと戦え派』の方々には多大なストレスをおかけしました……申し訳ないです……


※本当は吸血鬼王討伐に最初に選抜された勇者・秘書・副隊長を連れて行くべきなのかもしれませんが、一応、もう一度メンバー選出を行いたいと思います。

 助手・探偵は確定です。できれば2、3人くらいが好ましいです。


 ↓吸血鬼王討伐に参加するメンバーを選出してください↓

218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 20:09:48.51 ID:Xyto6DOXo
エルフ
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 20:10:07.21 ID:0eI0+nuto
幼エルフ
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 20:10:38.90 ID:HtUmsLQSo
歌使い
221 : [sage saga]:2013/03/02(土) 20:17:53.77 ID:0QibBOMC0
※なぜかエルフがめちゃくちゃ人気ですね!? 三回目ですよ!?
 あ、あれー? 私が言うのもアレですが、そこまで好感度がずば抜けるような活躍しましたっけ……?

 まあ、ほどほどに強くて優秀ですし、私としても使いやすくて助かるのですが……

 歌使いは好きなんだけど、台詞を毎回翻訳しなきゃいけないので面倒だなー……なんて思っていませんよ! ええ、これっぽっちも!


※それでは導入を書いていきたいと思います!
222 : [sage saga]:2013/03/02(土) 20:44:44.04 ID:0QibBOMC0

―――城下町―――


歌使い「はぁ……はぁ……」ゼェゼェ

歌使い「やっと……見つけんした……」

天使王「む? おお、なんだ歌使いではないか。まさかあの距離を走ってきたのか?」

秘書「歌使いさん……? そういえば、今日坊ちゃまをお迎えするのは貴女でしたよね……?」ジロッ

歌使い「……申し訳ありんせん。逃げられてしまいんした……」

秘書「何事もなかったから良かったものの……坊ちゃまになにかあったらどうするつもりですか!」

スタスタ

探偵「どうしましたか? 大声をお出しになって……」ボロッ

秘書「あ、探偵さん……あら、どうされたんですか、その顔は?」

探偵「い、いえ、なんでもありません」チラッ

助手「」プイッ

天使王「秘書よ。これは私が勝手にしたことだ。あまり歌使いを責めるでない。むしろ寺子屋で捕まっていたら、私はしばらくお前たちと口をきいてはいなかったぞ」

秘書「し、しかし何か事件に巻き込まれても、坊ちゃまとは二度と口がきけないのです!」

歌使い「……その通りでありんす。責任は全てあちきにありんす。罰も、なんなりとお受けしんしょう」

探偵「……」

探偵「では、こういうのはどうでしょう? 歌使いさんに、これから僕たちが向かう吸血鬼王討伐についてきて頂くというのは」

天使王「!? そ、それは私が行くと言っているだろう!?」

探偵「それを秘書さんや歌使いさんが許すと思いますか?」

天使王「それは……」

探偵「誰とも知らぬ輩では安心できないかもしれませんが、歌使いさんは天使王くんの側近にしてかなりの実力者と聞きます。我々としても、彼女に手伝って頂ければ助かるのですが……」

天使王「むぅ……」

天使王「どうだ、歌使い?」

歌使い「異存ありんせん。ぜひわっちを連れて行っておくんなんし!」

探偵「ということです。秘書さん、よろしいですか?」

秘書「ええ。ありがとうございます。それから、よろしくお願いします」ペコッ

探偵「ええ。……助手くん、勝手に決めてしまってすみません」

助手「大丈夫ですよ。探偵さんの決めたことですから、ボクは黙ってついて行きます」ツーン

探偵「まだ機嫌が直るには時間がかかりそうですねぇ……」

歌使い「探偵さん。ひとまず、館に琵琶を取りに行ってもよろしいでありんしょうか? あれがなければあちきの実力も半減でありんすので」

探偵「ええ、では行きましょうか」

223 : [sage saga]:2013/03/02(土) 21:10:05.56 ID:0QibBOMC0

―――天使王の洋館―――


歌使い「では防音室に行ってまいりんすので、客間でお待ちおくんなんし」

探偵「ええ。そうさせていただきます」

ガチャ

探偵「……おや?」


エルフ「んー?」

幼エルフ「あれ、探偵さん?」

黒エルフ「……いらっしゃい」


探偵「エルフさんたちも来てらっしゃったのですか。奇遇ですねぇ」

エルフ「最近、結構ここに来てるからなー」

幼エルフ「黒エルフがしょっちゅう呼ぶからね」

黒エルフ「そ、そんなにしょっちゅうじゃないでしょ……!」

助手(ここに突入する前はかなり険悪な関係だったみたいですけど……どうやら完全に和解できたみたいですね。よかった)

エルフ「探偵たちは、なんでここに? 天使王に呼ばれたんなら、助手もいるってのは珍しいなー」

探偵「これから吸血鬼王討伐に向かうのですよ。それで、歌使いさんの琵琶を回収しに来たところです」

幼エルフ「うわぁ、もう次の『王』討伐に行くんだ……」

探偵「最後の『王』ですからねぇ。もうひと踏ん張りといったところでしょうか」

エルフ「……む。そうか、もう最後なのか」

エルフ「メンバーはどうなってるんだ?」

探偵「僕と助手くん、そして歌使いさんまで決まっています。残り1人か2人は欲しいところですねぇ」

エルフ「ふーん」チラッ

幼エルフ「……エルフ、あんた、まさかまた行こうとか言い出すんじゃ……」

エルフ「面倒なのは嫌いだ」

エルフ「でも、仲間を見捨てるのはもっと嫌いだ」

エルフ「こいつら2人は今まですごく頑張ってるのを知ってるからなー」

エルフ「なんとなく……力になってやりたくなる」

探偵「……」

助手「エルフさん……」

幼エルフ「……はぁ」

幼エルフ「しょうがないわねぇ。あんたの仲間なら、私だって守んなきゃいけないわ!」

幼エルフ「私もついてったげる! 良いでしょ、探偵さん?」

探偵「ええ、もちろん。とても助かります」ニコッ

224 : [sage saga]:2013/03/02(土) 21:13:03.98 ID:0QibBOMC0

黒エルフ「……歌使いさんが行っちゃうなら、私も屋敷を空けるわけにはいかないね」

黒エルフ「そもそも攻城戦には向いてないし」

黒エルフ「気持ちだけ、応援しとくよ」

探偵「ええ、それだけでも励みになります」

黒エルフ「エルフ、幼エルフ」

エルフ「んー?」

幼エルフ「なに、黒エルフ?」

黒エルフ「……」

黒エルフ「き…………気をつけなよ」プイ

エルフ「……」チラッ

幼エルフ「……」チラッ

エルフ「よし、イイものが見れたし、がんばるかー」キリッ

幼エルフ「ツンデレって嫌いだと思ってたけど、意外と悪くないわね……」キリッ

黒エルフ「ツンデレとかじゃないし! ばかじゃないの!?」///

探偵「では行きましょうか。モチベーションが高いうちに」キリッ

助手「今ので、3日は頑張れそうです」キリッ

黒エルフ「ばかよ……あんたらみんなばか……っ!」///

225 : [sage saga]:2013/03/02(土) 21:38:38.06 ID:0QibBOMC0
※ここらで吸血鬼王サイドを書こうと思います。

 吸血鬼王の性格・思想などを計りたいので、安価お願いします!
 (ハッピーエンド至上主義の私が設定すると、多分竜王篇みたいになるので……)

 ここ次第で後のストーリー全部がガラッと変わってきます。生死や戦闘シーンとかも。




>>230 吸血鬼王は……

1、基本はいい人(竜王タイプ) →イージーモード
2、根っこはいい人(天使王タイプ) →ノーマルモード
3、カリスマ(狼王タイプ) →ハードモード
4、サイコパス(魔王タイプ) →ルナティックモード
5、その他 → ??
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 21:42:30.56 ID:Xyto6DOXo
1
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 21:42:37.98 ID:aVUtztx4o
1
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 21:45:49.49 ID:eoPTfEY1o
3
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 21:46:23.51 ID:cr4qYycDO
加速
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 21:46:27.53 ID:zP01Yaib0
5
なんだかんだで不憫キャラ→ギャグキャラへと変貌し、ギャグ補正で死ににくくなるが所詮はギャグキャラという扱いに
231 : [sage saga]:2013/03/02(土) 22:00:19.64 ID:0QibBOMC0

―――古城―――


吸血鬼王「……」

吸血鬼王「おかしい」

吸血鬼王「数千年前には貪るように浴びるように美女を血液を存分に堪能していたこの俺様が……」



老紳士「トイレはどこでしたかねぇ? このお城は広すぎて敵いません」キョロキョロ



スライムメイドA「あれぇ? 拭いても拭いても濡れてるよぉ?」

スライムメイドB「だって私たち、スライムだもん」

スライムメイドA「あ、そっかぁ。えへへ」



淫魔「……」ツーン



吸血鬼王「なんなんだこれは……!?」

232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 22:24:49.35 ID:Ht0ZKcUE0
?? ?「安価は全てを決定するのよ。それはそれは残酷な事ですわ」
233 : [sage saga]:2013/03/02(土) 22:26:02.53 ID:0QibBOMC0


老紳士「おやどうかなさいましたか、旦那様?」

吸血鬼王「ああそうだよ、どうかなさったよ不本意ながら! まずはお前だ老紳士!」

吸血鬼王「俺様が唯一認めた、この世のものとは思えない美しい文章を生み出す敏腕若手美女伝記書家……のゴーストライター!!」

吸血鬼王「もう最初っから全部間違ってんじゃん!? すげぇガッカリ感だよ! 楽屋裏のアイドルのぶっちゃけトークを聞いちゃったみたいな気分だよ!!」

吸血鬼王「他に俺様の眼鏡にかなうような伝記書家がいないからまだぎりっぎりで耐えてるけど、お前、もしお前よりすごいライターが出てきたらもう、即刻アレだかんな、アレ!!」

老紳士「引退ですか?」ハテ?

吸血鬼王「んな穏やかに済むわけねぇだろ!? 年金でもせびる気か!?」

吸血鬼王「あとトイレはそこを曲がってまっすぐ正面だよ!! 何度言えば覚えるんだよ!? わざわざ徹夜して誘導ポスター作ったのに誰かが剥がしちまうしさぁ!!」

スライムメイドA「あ、それ私ですぅ。誰のイタズラかなぁって思って捨てましたぁ」

吸血鬼王「床も満足に拭けねぇくせに無駄な仕事すんな!! いっつも思うけどさぁ、床が常にぬるぬるしてんだよ!! この前思いっきり滑ったわ!!」

吸血鬼王「あと、美女メイド求むっていう求人出して、なんで血液皆無のスライム娘が2匹しか来ねぇの!?」

吸血鬼王「そして……」

淫魔「」ツーン

吸血鬼王「お、俺様の美貌を前にすれば、どんな女だって……いや不本意だが男だって、たちまち魅了しちまえるってのに……」

吸血鬼王「淫魔だから魅了に耐性があるのか……? ちくしょう、この俺様が、もう二週間くらい経ってるのに進展皆無ってどういうことだよ!?」

吸血鬼王「おどおどしててチョロイと思ったのに、まさかこんな鉄壁ちゃんだとはよぉ……」

吸血鬼王「くそぉ……」チラッ

吸血鬼王「もうすぐ日が暮れるな。こうなったら、いつもの町でベイビーちゃんたちに慰めてもらおっと。でへへ」

スライムメイドA「なんであんなのがモテるんだろうねぇ?」キョトン

スライムメイドB「顔だけは良いから、旦那様は」ニコッ

吸血鬼王「……もうやだ、全員クビにしてぇ……」


234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 22:33:06.66 ID:poVvLCgl0
不っwwww憫wwwwwwこれは可哀想すぐるwwwwだがワロタwwwwww
235 : [sage saga]:2013/03/02(土) 22:57:25.87 ID:0QibBOMC0

―――夜の町―――


吸血鬼王「へいへいベイビーちゃ〜ん♪ 俺様のご到着だぜ〜?」

キャー! キュウケツキオウサマー! キョウモステキー コッチムイテー

吸血鬼王「これだよこれこれぇ!! この黄色い声が俺様の燃料なわけなのよ!!」ジーン

吸血鬼王「さ〜て、今日はどこのお店にしよっかな〜」

吸血鬼王「ん?」

女「信じられない! もう知らない!!」

男「だから誤解だって! 話を聞いてくれよ!」

女「そんなこと言って、これで何回目よ!? もう顔も見たくn」

吸血鬼王「おっ譲さ〜ん?」グイッ

女「ちょっと、気安く肩に腕回さな…………えっ?」

吸血鬼王「ごめんごめん。けど可愛い子ちゃんに声をかけるのは男のマナーだぜ? だろ、そこの彼氏?」

男「な、なんなんだアンタは……!」

吸血鬼王「なんだっていいのさ。ここはそういう町だ。互いの素性なんて探るだけ野暮ってもんだ」

吸血鬼王「そういうメンドイことは取っ払って、思いっきり楽しむのがここ流だぜ?」

吸血鬼王「そういうわけでお嬢さん。ここは始めてみたいだねぇ。一つ、今夜は俺にここでの遊び方をレクチャーさせてくれねぇかな」キリッ

吸血鬼王「絶対最高の一日にしてやるぜ?」ジッ

女(な、なんなの……この吸い込まれそうな綺麗な目……)ドキドキ

吸血鬼王「決まりだな♪」グイッ

女「あっ」///

男「お、おい待てよ!!」

吸血鬼王「ったく、いいとこだから邪魔すんなよな〜。空気読めよ〜」



吸血鬼王「『おうちに帰ってとっとと寝な』」ギンッ



男「」ドクンッ…

男「カエッテ……ネル……カエッテ……ネル」フラフラ

吸血鬼王「さ〜て、邪魔者はいなくなったし!」

吸血鬼王「楽しむぜ〜!!」ウヒョー!


236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 22:59:30.81 ID:U0TbBgXX0
さてさて?
237 : [sage saga]:2013/03/02(土) 23:08:41.02 ID:0QibBOMC0

―――夜の町・昼―――


探偵「天使王くんに聞いた情報によると、吸血鬼王はかなりの女好きで有名とのことです。そんなわけで別名『ソドム』と呼ばれるここを訪れてみたは良いものの……」

探偵「さすがに日中は閑散としていますねぇ」

助手「なんだか、品の無いお店ばっかりです……やな感じ……」

エルフ「探偵はこういうところには来たことあるのかー?」

助手(そんなまさか。探偵さんに限ってそんなことあるわけ……)

探偵「ええ、何度かありますねぇ」

助手「!?」

238 : [sage saga]:2013/03/02(土) 23:36:30.62 ID:0QibBOMC0

幼エルフ「へえ、意外」

探偵「おや、そうでしょうか?」

歌使い「あちきも意外でありんす。探偵さんは真面目なイメージでありんすから、こういった店には近づかない印象がありんした」

助手「そ、そんな、嘘ですよね、探偵さん……」

探偵「いえ、本当ですよ。そもそもは、王様に連れて来られたのが始まりでしたねぇ。僕があまりに姫様に興味を示さないので、男色家なのではとあらぬ疑いをかけられてしまいまして……」

探偵「あとは、こういった店でのいざこざを解決するために潜入したこともありましたねぇ。ああ、それから、逆に店側として潜ったこともありましたよ。僕には向いていない職業だと痛感したものです」

幼エルフ「えっと、それで、最後までシたの……?」

助手「!!」

探偵「連れて行かれただけ……ですとか、仕事で潜ってるだけ……ですとか、そういう状況では気分も乗りませんでしたから、適当に濁して帰りました。なんとなく不誠実な気もしましたし」

助手「」ホッ…

幼エルフ「やっぱり探偵さんは真面目だね。ちょっと探偵さんのこと見る目が変わりそうだったよ」

探偵「女性はこういった店を嫌う人も多いと聞きますからねぇ」

エルフ「んー。どーでもいいと思うけどなー私は」

歌使い「彼女たちが飢えていないということは、所詮は需要と供給が成立しているということでありんす」

助手「で、でもダメですよ探偵さん! こういうところには行かないでください!」

探偵「おや、助手くんはこういったところはお嫌いですか? ……まぁ、まだ助手くんくらいの男の子には早いでしょうねぇ」

幼エルフ(え? 助手ちゃんって男の子なの?)

歌使い(んん? 助手ちゃんは女の子ではないのでありんすか?)

エルフ(探偵のやつ、まだ信じてるのかー)

助手「……」

探偵「しかし、吸血鬼王を張るためには店の中で待つ方が格段に効率が良いのですが……」

助手「け、けどぉ……」ウルッ

探偵「…………」

探偵「……助手くんに軽蔑されるようなことはしませんよ」ニコッ

探偵「僕を信じてください」ナデナデ

助手「///」

助手「……は、はい」

幼エルフ(うわわ、真顔でこういうことできるのが探偵さんのすごいところね。そういうお仕事は天職だと思うんだけどなぁ……)

探偵「とりあえず、僕がこの町で張ってみようと思います。要は、今回も天使王くんの時と同じように斥候というわけです」

探偵「あくまで情報収集に努めますので危険は無いかと思いますが、もしもの時は応援、バックアップ、よろしくお願いします」

239 : [sage saga]:2013/03/02(土) 23:49:59.55 ID:0QibBOMC0
※今日はここまででお願いします!
 明日、頭すっきりな状態で続きを書いていきます!

 しかしせっかくですのでなにか安価をしたいのですが……まさかの何も思いつきません……

 というわけで、安価安価をしたいと思います。


>>242 何を安価するか?

>>247 そのアンサー。
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 23:57:07.91 ID:T1cM/Wjy0
ksk
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 23:58:55.33 ID:cr4qYycDO
加速
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 23:59:12.04 ID:ip4HJ0u/0
全く新しい世界(スレッド)の主人公
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 00:00:36.59 ID:03K4rYmDO
加速
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 00:00:46.94 ID:ynpU+Zad0
ksk
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 00:02:52.82 ID:03K4rYmDO
加速
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 00:04:22.70 ID:ynpU+Zad0
ksk
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 00:05:17.43 ID:vgoWNM+w0
あまりにくっさいからSS深夜からコピペ&微アレってやったぜww気付いたら恥ずかしがりやがれwwww

ガンシューター  未来から来た美少女 実は勇者の末裔
ガンコントローラーみたいな銃を使う
ウェポンラックに様々な銃やらなんやら入れてる

サイキッカーでもあり、念動・属性攻撃(LALのアキラみたいに)・テレポート・読心・治癒が使える
サイキック専用装備アイテム(主に技用)として、サイコ・シューターという、サイキック
エナジーを込めると使える(治癒の力を込めてヒールショット等)特殊な銃を持っている
サイキック(超能力技)単体より、コスパはこちらの方が遥かに良いらしい
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/03(日) 00:08:46.93 ID:Sj18tFCR0
仮面ライダーディケイドのような力を借りて旅をする記憶喪失の青年
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 00:08:59.25 ID:03K4rYmDO
うわぁ……

>>1さん、苦労するだろうなぁ
とにかく乙!
250 : [sage saga]:2013/03/03(日) 00:13:47.86 ID:L21/zplI0
※そのキャラを登場させるという趣旨なのでしょうか?

 どこか別の、リアルに存在する勇者魔王SS……なんですか? ちょっと気になりますね……詳細求みます

251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 00:18:43.84 ID:O0Cw5M5ao
>>242
>>247
こりゃあかんやろ...
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 00:21:27.33 ID:+DVGT+YQ0
>>250
別スレを建ててもらおうかと思ってたけど、こっちで出したいならそれでも良いっすよ
決めるのは>>1
253 : [sage saga]:2013/03/03(日) 00:42:31.01 ID:L21/zplI0
※なるほどそういうことでしたか! 読解力がなくて申し訳ないです……



※ん〜〜〜。所詮は書き手の腕次第なので設定とかは問題ないですので、この子で新スレ建てることも吝かではないのですが……

1、まずこのスレがまだ終わらない。



※そしてググったら、どうやら元スレは現在進行形で書かれていて、しかもこの子は安価でメインパーティに加わってます。なので、

2、私ごときがやったら失礼。

 という問題がありますねぇ……


 それとも気にしすぎなのでしょうか? 安価はどうしてもということ意外は遵守したいんですが……

254 : [sage saga]:2013/03/03(日) 00:51:40.20 ID:L21/zplI0
※明日は9時ごろ再開します!
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 00:51:54.47 ID:+DVGT+YQ0
新スレなら終わってからが良いですかね
安価のキャラなら捌けて早い>>1の方が面白いんじゃないかな
それにメインパーティーって言っても、主人公じゃないんでしょ?なら多分大丈夫じゃないかな
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 06:16:39.95 ID:qm8pEKULo
別スレのメインキャラを勝手に使ってしまうことは安価は絶対以前にやっちゃいけないだろ……

少なくとも使用許諾位はしないと……
257 : [sage saga]:2013/03/03(日) 07:13:06.84 ID:L21/zplI0
※つまりやるならば、『まったく同じ安価で考えて書いたが、まったくの別キャラ』として書く……べきなのでしょうか?


※思えば、そもそも最初の計画では『魔法実験』は、本命の『忘却勇者』へ繋げるための練習だったのですよね……。

 それが、なぜかすぐ終わるつもりだった『魔法実験』で本当に魔王討伐が始まっちゃって、こんなに長らく続けさせていただける運びとなったわけなのですが。


※とりあえず一旦この子のことは置いておいて、このまま吸血鬼王篇を書いていきたいと思います! 9時に始めると書いたので、書き溜めてきますね!

 ご意見などがありましたらお気軽にお申し付けください!

258 : [sage saga]:2013/03/03(日) 09:01:49.70 ID:L21/zplI0

―――古城―――


吸血鬼王「ふぅ〜……」テカテカ

スライムメイドA「あ、旦那様ぁ。お楽しみは終わったんですかぁ?」

吸血鬼王「ん? ああ、終わった終わった。いや〜、やっぱたまには素人も良いもんだな! ナカに他の男のが残ってると殺したくなるケド」

スライムメイドA「どのみち殺しちゃうじゃないですかぁ」

吸血鬼王「まあそうだけど」

スライムメイドA「今回はどれくらいで堕ちましたかぁ?」

吸血鬼王「おいおい仮にも雌がそういうこと聞くんじゃねえよ……。まあ、今回は最初から堕ちてたぜ? だからつまんなかったな。あの彼氏も連れてきて、目の前でヤるんだったぜ」

スライムメイドA「それじゃあ、絞りカスはお掃除しておきますねぇ♪」

吸血鬼王「この前みたいに干からびた体に浸透して『着る』のは無しだかんな? アレめちゃくちゃビビったんだから……」

スライムメイドA「ふぁ〜い」

吸血鬼王「おい、その返事は絶対わかってないだろ!? 目を逸らすな!! こっち向けこらぁ!!」

259 : [sage saga]:2013/03/03(日) 09:10:40.00 ID:L21/zplI0

―――古城・図書館―――



吸血鬼王「……」ペラッ

吸血鬼王「……」ペラッ


ガチャ

老紳士「おやここも違いますか。給湯室は一体どこに……」

吸血鬼王「給湯室は2階の西フロアだ! ここは4階の南フロアだろぉ!? どうやったら間違えるんだっつーの!!」

老紳士「ああ、そうでしたそうでした。申し訳ありません、旦那様」

吸血鬼王「ったく……俺様ががせ〜っかく優雅な音楽で気持ちよく読書を楽しんでたっつーのに……」

老紳士「ではご一緒に、優雅なお茶などは如何でしょうか? それなりのものが手に入りまして……旦那様がお好きな紅茶ですよ」

吸血鬼王「へぇ、そーなのか。そりゃいいな。頼むぜ」

老紳士「かしこまりました。それでは給湯室まで行って戻ってきますので、4時間ほどお待ちください」

吸血鬼王「スライムメイドBぃぃぃぃ!!!! 老紳士を給湯室までまっすぐ案内しろぉぉぉぉ!!!!」

260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/03/03(日) 09:13:47.71 ID:03K4rYmDO
あー腹よじれるwww
261 : [sage saga]:2013/03/03(日) 09:22:57.33 ID:L21/zplI0

―――古城・クローゼットルーム―――


吸血鬼王「ん〜、こっちの方が俺様の魅力を引き出してるか。けど緑ってのはちょっとなぁ……俺様 吸血鬼だし、赤とかのほうがイメージ的に……」

スライムメイドB「え、旦那様って吸血鬼でしたっけ?」

吸血鬼王「一応 吸血鬼の王やってるぜ!?」

吸血鬼王「っていうかビックリしたぁ!! 音も無くどうやって入ってきた!?」

スライムメイドB「そこの通気口からにゅるっと」

吸血鬼王「ああ、だから全裸なんだな……」

吸血鬼王「なんでこういうところで無駄な能力を発揮するかね……その行動になんの意味もないじゃねーのよ……」

スライムメイドB「旦那様はメガネかけない方が良いと思いますよ? 目が悪いわけではないですよね?」

吸血鬼王「あれ? 俺様、ちゃんと共通語で喋ってるよね? おっかしーな、会話のキャッチボールしてたらサッカーボール投げ返してきたぞコイツ」

吸血鬼王「目が悪くなくてもメガネかけていいだろ? オシャレメガネなんだから。アクセと一緒なの」

スライムメイドB「旦那様は元が良すぎるから、そういう装飾品なんか付ける必要はないと思いますよ?」ニコッ

吸血鬼王「おおっ? スライムが気の利いたこと言いやがるぜ。じゃあ俺様にはどんなファッションが似合うと思うのよ? シンプル系?」

スライムメイドB「全裸で」

吸血鬼王「全裸!? それはもうファッションじゃねーぞ!?」

スライムメイドB「ワイルド系ですよ」ニコッ

吸血鬼王「アニマル系だろ!?」

スライムメイドB「旦那様って吸血鬼っぽくないですよねー」

吸血鬼王「会話のキャッチボールが成立しない!! コイツついにボーリングの球を投げ始めたぞ!? それはもはや暴行罪だ!」

スライムメイドB「だって、よく十字架がプリントされた服を着たり、まんま十字架のアクセサリーつけてたりするじゃないですか」

スライムメイドB「ニンニクも出されたら食べますし、雨でも外出できますし、太陽浴びても普通に活動してますし……」

スライムメイドB「吸血鬼要素がないじゃないですか」

吸血鬼王「ああー。それね。ほら俺様って最高にして最強の吸血鬼だからさ。そんな下っ端の弱点なんて通用しないわけよ。カッコイーだろ?」キリッ

スライムメイドB「そうですね。没個性ですね」

吸血鬼王「お前、俺様のこと嫌いだろ絶対!?」

262 : [sage saga]:2013/03/03(日) 09:25:41.34 ID:L21/zplI0

吸血鬼王「なあなあ、淫魔ちゃん? こんなに待っても来ねーんじゃ、きっと勇者って奴は死んだんだぜ。昔の男のことは忘れろって。な?」

淫魔「勇者様が死ぬはずないです」ツーン

吸血鬼王「もう二週間は経ってるぜ? 待ってたって無駄なんだってば。ほら、俺様が慰めてあげるぜ? カモンカモン!」

淫魔「結構です。たとえ勇者様のことがなくても、貴方のような女の敵とは関わりたくありません」ツンツーン

スライムメイドA「あははっ! 旦那様、すっごい嫌われてるねぇ」

スライムメイドB「しょうがないよ、顔以外アレだもん」

吸血鬼王「なんで俺様の城なのに俺様がアウェイなんだろ……?」

スライムメイドA「もう変な意地張らないで、無理やり襲っちゃえばいいのに〜」

スライムメイドB「そうだよね。気持ちいいこと以外何も考えられなくしちゃえばすぐ堕ちるのに」

吸血鬼王「それだと負けたみたいで、なんかヤじゃねーの。ここまで来たら、正々堂々寝取ってやるぜ。時間はかかってもな」

スライムメイドA(もう、こうなったら、私たちだけでヤっちゃおうか? えへへ、つまみ食い♪)

スライムメイドB(ああ、それいいね! 今夜 寝室に忍び込んで朝までじっくりグチョグチョにしちゃおう♪)

吸血鬼王「聞こえてるからなー。もしそれやったら、お前ら乾燥機に放り込むぞ」ニッコリ

スライムメイドA「ごめんなさい」ペコッ

スライムメイドB「もうしません」ペコッ

263 : [sage saga]:2013/03/03(日) 09:31:33.16 ID:L21/zplI0

吸血鬼王「さ〜て、今夜も夜の街に繰り出すぜー↑」ウヒョー

スライムメイドA「いってらっしゃいませ旦那様♪」ペコッ

スライムメイドB「お楽しみくださいませ旦那様♪」ペコッ

吸血鬼王「なんかいやに礼儀正しいじゃねーのよ。なに企んでるんだ?」

スライムメイドA「いいえなんにも♪」ニコッ

スライムメイドB「決してなんにも♪」ニコッ

吸血鬼王「そうか? じゃあ、老紳士が迷ってたら部屋に帰してやれよ。留守は任せたからな」

スライムメイドs「「はーい♪」」

吸血鬼王「待ってろよハニーたちぃぃ!!」シュバッ



スライムメイドA「……行ったねAちゃん」

スライムメイドB「……行ったよBちゃん」

スライムメイドA「それじゃあ淫魔ちゃんを♪」

スライムメイドB「美味しく頂いちゃおうか♪」

264 : [sage saga]:2013/03/03(日) 09:40:39.79 ID:L21/zplI0


吸血鬼王「へ〜いハニーたち! 今夜も俺様参上☆」

キャー キョウハ ウチニキテー イケメンー

吸血鬼王「でへへ、まあまあそう急かしなさんなってぇ! 俺様は逃げたりしねーっての! こんな可愛い子ちゃんたちに囲まれたらなぁ!」

キャー キャー



探偵(十字架のネックレスを付けている……。天使王くんによれば、吸血鬼王は吸血鬼らしい弱点はほとんど克服しているとのこと。そして特に十字架を好むらしい)

探偵(アレが吸血鬼王だとすれば、随分と開けっぴろげですねぇ……。コソコソする頭がないのか、よほど自分の能力に自信があるのか……)

探偵(とにかく、ついて行ってみますか。あわよくば『発信機』を仕掛けたいところですが……今回はあくまで情報収集。リスクは抑えていきましょう)



吸血鬼王「今日は酒はいいや。早速、お楽しみといくぜ〜?」

探偵(……! マズイですねぇ、個室に入られては情報を収集できません。どうにかできないものでしょうか……)

吸血鬼王「よ〜し、今夜はこの店に決めた!」

客引き「ありがとうございまぁす! こちらへどうぞ〜♪」

吸血鬼王「おうよ! 入って大丈夫かい?」

客引き「大丈夫です、問題ありません♪」

吸血鬼王「一番いい娘を頼む」

客引き「それでは72通りの源氏名を持つとびっきりの娘をご案内しまぁす♪」

吸血鬼王「そいつは楽しみだねぇ!」ウヒョー

265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 09:42:55.74 ID:03K4rYmDO
シャダイww
266 : [sage saga]:2013/03/03(日) 09:49:34.13 ID:L21/zplI0

探偵(吸血鬼王が行ってしまった……どうしたものか)

探偵(吸血鬼王は好色で有名。女性を餌にすれば簡単に釣れるでしょうが、その際餌とされた女性のリスクは計り知れない……その手段を使う分けにはいきません)

探偵(とりあえずこの場は……)

探偵「

――――――


>>268

1、ここは諦めて、次の機会を狙いましょう。
2、これが最後のチャンスかもしれません。無理をしてでも潜入しましょう。
3、その他
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 09:52:07.87 ID:03K4rYmDO
加速
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 09:59:14.89 ID:J+srT4sKo
3
助手を女装させて潜入
269 : [sage saga]:2013/03/03(日) 10:12:08.27 ID:L21/zplI0

探偵「!」ピコーン

探偵(そうです、女性でなければ良いのなら……)

探偵(いいことを思いつきました。さっそく待機組に連絡を……)

270 : [sage saga]:2013/03/03(日) 10:15:15.39 ID:L21/zplI0

―――淫魔の寝室―――


スライムメイドA(にゅふふ、ぐっすり寝てるよぉ……)

スライムメイドB(これからどんなお楽しみなことが起こるとも知らずに……)

スライムメイドs「「とりゃあ〜!!」」


グチュ!!


淫魔「!」ビクッ

スライムメイドA「おはよう淫魔ちゃん!」グチュグチュ

スライムメイドB「うふふ、今夜はお楽しみですよ!」ニュチニュチ

淫魔「……」

ニュルニュル

スライムメイドA「……あれれ?」

スライムメイドB「お、おかしいね。人間なら今頃……」

スライムメイドA「きっとやせ我慢してるんだよ! ほらほら」ニュルニュル

淫魔「……」

淫魔「サキュバスは、相手への好感度がそのまま感度へと直結するんです」

淫魔「だから私は、貴女たちにも吸血鬼王さんにも、何をされたって、何にも感じないんです」

スライムメイドs「「ええー!?」」

淫魔「わかったら離れてください」ベシッ

スライムメイドs「「あうっ!?」」ベチャ

淫魔「こんなこともあろうかと、ドライヤーを用意しておきました。すぐに謝って出て行くのなら、許してあげますよ?」ブォーン

スライムメイドA「あはは! ドライヤーですかぁ? もしかして乾燥機の話を聞いて思いついたんですかぁ?」クスクス

スライムメイドB「残念ですけど、お風呂にドライヤーを当てても無駄なように、それくらいじゃ私たちにダメージなんてないんですよ?」クスクス

淫魔「謝るつもりはないんですね?」ブォーン

スライムメイドs「「当然です!」」

淫魔「そうですか。それでは……」ブォーン

淫魔「」ポイッ

スライムメイドs「「えっ?」」



ガシャン

バヂヂヂヂヂヂヂヂ!!!!



スライムメイドs「「ぎにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!!!???」」ビリビリ!



淫魔「お風呂にドライヤーを当てても無駄ですが、お風呂にドライヤーを落としたらどうでしょうか?」

スライムメイドs「「きゅぅ……」」パタッ

淫魔「…………」

淫魔「モップで吸い取って、下水に流してしまいましょう」

271 : [sage saga]:2013/03/03(日) 10:24:21.10 ID:L21/zplI0

助手「ええええええええっ!?」

探偵「どうでしょう?」

幼エルフ「う〜ん……さすがにバレるんじゃ……」

歌使い「わっちはありだと思いんすよ。なにせ、これだけ近くで見ても女の子に見えるんでありんすから」

エルフ(いやいやいや……こいつは男装してる女子だから女装したら完全に女の子なんだぞー……?)

エルフ「助手。そろそろ白状しないと大変な目にあうぞー」

助手「う、あ、う……」

探偵「なにか問題があるのですか?」

助手「えっと……その……ですね」


――――――

1、白状する。
2、誤魔化す。

272 : [sage saga]:2013/03/03(日) 10:29:48.03 ID:L21/zplI0
※ちょっとご飯を食べてきますね! 11時ごろ再開します!
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 10:37:45.43 ID:VQ8TcO8HO
1
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 10:45:32.44 ID:03K4rYmDO
2だったら吸血鬼王と、目と目が合う〜♪してたのかね?
目と目が…
目が…
275 : [sage saga]:2013/03/03(日) 11:03:09.25 ID:L21/zplI0
※再開していきます! ……が、込み入った話になりますので更新速度が遅くなります。ご了承ください……
276 : [sage saga]:2013/03/03(日) 11:23:40.61 ID:L21/zplI0
Now writing...
277 : [sage saga]:2013/03/03(日) 11:43:18.38 ID:L21/zplI0
Now writing...
278 : [sage saga]:2013/03/03(日) 11:57:56.42 ID:L21/zplI0

助手(……潮時……ですかね。もうそろそろ時間もありませんでしたし、ここらが頃合でしょう)

助手(……けど、どうせなら探偵さんだけに……)チラッ

エルフ(!)

エルフ「幼エルフ、歌使い、ちょっと表に出るぞー」

幼エルフ「え? なんで?」

エルフ「いいからいいから」グイグイ


バタン


助手(エルフさん……ありがとうございます)

探偵「急にどうしたのでしょうねぇ?」

助手「探偵さん。えっと、まずは謝らないといけません」

助手「今まで嘘をついていて、ごめんなさい」

探偵「…………嘘、ですか?」

助手「はい」

助手「ボクが巫女の一族だと言いましたね? 昔、『王』を封印していた『巫女』の末裔だと」

探偵「ええ。代々『王』の封印を維持し、平穏を守ってきた一族……。弟が生まれたから、その家から追い出されたと聞いていますが」

助手「ボクの家は代々、『男』が継ぐと決まっているんです。『女』ではマズイんですよ。完全に『乗っ取られて』しまいますから」

助手「『もしもの事態』が起こった場合の、緊急用の寄り代として『男として育てられた』存在……」

助手「それがボクです」

探偵「……な、なにを仰っているのか……」

助手「順を追って説明します」

助手「まず、ボクはすでに、半分以上『助手』ではありません」

探偵「……っ!?」

279 : [sage saga]:2013/03/03(日) 12:23:31.80 ID:L21/zplI0

助手「巫女の一族は、代々その身に『巫女の魂』を宿し、受け継いできました。つまり生まれながらにして二重人格者のようなものでしょうか」

助手「折り悪く父が重い病を患い、いつ危険な状態になるかわからない容態でしたから、『念のために』男として育てておいたボクに巫女の魂が移し変えられました」

助手「とは言っても、緊急事態が起こらなければ、意識の底でずっと眠っているようなものですがね」

助手「緊急事態……そう、例えば、『王』が突然復活でもしない限りは」

探偵「!!」

助手「ボクが『男』だということにして、どうにか侵食を拒んでいるとはいえ……巫女の魂や人格は、徐々にボクの心を蝕んでいます。もうすぐ完全に乗っ取られてしまうでしょう」

助手「これまでなら、自分が『男』であるという自己暗示で侵食を食い止められていたのに……それはできなくなりました。……探偵さんのせいですよ?」

探偵「……僕の?」

助手「」シュル…

探偵「……っ」

助手「サラシを取れば、さすがにちょっとはあるでしょう? 見ての通り、ボクは女です」

助手「これを認めてしまえば、女同士で相性の良い巫女の魂が急速にボクの心を食い尽くすでしょう」

助手「巫女の魂がなければ、巫女の封印術はどれだけ修行を積んでも使えません。それほどまでに特別で、高次な術式なんです」

助手「ですから本来なら、巫女の魂を宿しつつ、しかしそれでも巫女の魂と共鳴して完全に乗っ取られることのない『男』が家を継ぐんです」

助手「『巫女』は危険なんです。彼女は人間に絶望している」

助手「ですから弟が物心ついて、巫女の魂に抵抗できるくらいに精神が成熟するまでの、『仮の器』として」

助手「いつ命がついえるかわからない父と、幼すぎる弟との『繋ぎ』として」

助手「万一に備えて『男』として育てられたボクの中に一時的に宿らせていたんです」

助手「『王』が復活したり、巫女の封印術を使ったりしないかぎりは、宿された巫女の魂が目覚めることはありませんからね。本来ならそれで安全のはずでした」

助手「しかしこの最悪のタイミングで、『王』が復活してしまいました。巫女の結界が破られたことに呼応して浮上した巫女の人格は、保険である『仮の器』のボクに根ざしてしまった」

助手「いつ巫女に乗っ取られて牙を剥くかも知れないボクに怯えた両親は、そんな不安定な存在であるボクを追い出しました」

助手「それからすぐに、自分に残された時間があまりないことを感じたボクは、壊滅した王国首都で『王』を憎んでいる実力者を探しました。そして、見つけた」

探偵「……」

助手「誰でも良かったんです。けれど、今から思えば、ボクが最初に出会ったのが探偵さんだったのは最悪でした……もっと別の人だったら良かったのに」

助手「だって、探偵さんに出会わなければ、きっとボクは、ボクが『女』なんだってことに気づかずに済んだんです」

助手「もう自己暗示では誤魔化せないところまで来ちゃったんです」

助手「ボクは男として育てられたので、この感情が一般的なそれと同じなのかはわかりませんけど…………同じ、だったらいいな」

助手「もう時間がありません…………最後にこれだけ言わせてください」

280 : [sage saga]:2013/03/03(日) 12:25:03.36 ID:L21/zplI0





助手「好き、でした。探偵さん」

助手「さようなら」




281 : [sage saga]:2013/03/03(日) 12:26:04.99 ID:L21/zplI0



探偵「―――お」

探偵「おおおおおおおおおおおおっ!!!」キュィィィン

探偵「アルカナよッ!!!!」バッ


282 : [sage saga]:2013/03/03(日) 12:30:49.03 ID:L21/zplI0


>>285

コンマ下一桁が偶数 → 助手を繋ぎとめることができる能力

コンマ下一桁が奇数 → なんの役にも立たない能力

283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 12:54:51.95 ID:bLS0Zh7Lo
ほい
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 12:56:57.46 ID:03K4rYmDO
みんな出しかねてんなー
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 12:58:32.46 ID:vW8SyW2B0
運を天に
286 : [sage saga]:2013/03/03(日) 13:21:33.49 ID:L21/zplI0

現れたアルカナは……

>>289


コンマ下二桁が00〜33 → 防御を司る『皇帝』が現れた!
 “一時的に”助手の人格を保護。

コンマ下二桁が34〜66 → 愛美を司る『恋人』が現れた!
  助手の恋愛感情を“すべて取り除く”。

コンマ下二桁が67〜99 → 約束された成功を司る『世界』が現れた!
  すべては思うがまま。

287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 13:28:26.16 ID:wm+nnW/Wo
>>70
かそく
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 13:29:15.26 ID:VQ8TcO8HO
かそく
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 13:29:30.03 ID:wm+nnW/Wo
おっと上のアンカーは間違えだ気にしないでくれ
290 : [sage saga]:2013/03/03(日) 13:39:32.03 ID:L21/zplI0

探偵「」キュィィィン

探偵(現れたのは……『皇帝』!!)

探偵(最善ではないが、この能力ならもしかしたら……!!)

助手「……探偵……さん」

探偵(助手くん……いえ、助手ちゃんの人格を蝕んで巫女が表層に現れるのなら)

探偵(その侵食を阻んでしまえばいいはず!)

探偵(イチかバチか、やってみるしかない!)

探偵「あなたの心も体も、『巫女』なんかには渡しません!」

探偵「『最高防御呪文』!!」


ピカッ!!


291 : [sage saga]:2013/03/03(日) 13:47:40.49 ID:L21/zplI0

ガチャッ


幼エルフ「今の光はなに!?」バッ

エルフ「……」バッ

歌使い「……これは……どういう状況でありんす……?」



探偵「助手ちゃん! 助手ちゃん!!」ユサユサ

助手「」

探偵(まさか、失……敗……?)

助手「……」

助手「……ぅ」

探偵「っ! 助手ちゃん……ですか? 僕がわかりますか!?」

助手「探偵……さん?」

探偵「!!」

探偵「良かった……!!」ギュッ

助手「わわっ」///

助手「あ、あれ、どうして、ボク……」///

エルフ「いや、いろいろ聞きたいのはこっちなんだがなー」

エルフ「……とりあえず、どうして上半身裸の助手を探偵が抱きしめてるのかってところから聞こうか」


292 : [sage saga]:2013/03/03(日) 13:54:29.35 ID:L21/zplI0

探偵(エルフさんたちには、ところどころボカしながらも最低限の情報は伝えて、納得してもらえました)

探偵(しかしこれで解決というほど甘い問題ではなくらしく、『皇帝』の防御呪文でさえ時間稼ぎにしかならないということを助手ちゃんから聞きました)

探偵(有害な『王』を全て封印し終えれば……つまり残すところ吸血鬼王を封印してしまえば、巫女の魂は再び眠りにつくとのこと)

探偵(助手ちゃんを守るためにも、近日中に必ず、吸血鬼王を倒してみせます……!!)

293 : [sage saga]:2013/03/03(日) 14:13:28.28 ID:L21/zplI0


助手「探偵さん。ボク、やっぱり囮になります」

探偵「いけません。絶対に」

助手「大丈夫ですよ。これまで『王』と戦ってきたんですから。そう簡単にやられたりはしませんよ」

探偵「そういう問題ではありません。とにかくダメと言ったらダメです。どれだけ危険か、わかっているのですか?」

助手「ついさっき、ボクにやらせようとしてたじゃないですか」

探偵「それはあなたが男の子だと思っていたからです。女の子だとわかった以上、危ない橋を渡らせるわけにはいきません」

助手「危なくなる前に、探偵さんが駆けつけて守ってくれますから……大丈夫です」ニコッ

探偵「そう過大評価されても困ります。もう今日はアルカナだって使えないのですよ?」

幼エルフ「その分は、私たちが補えばいいんじゃない?」

探偵「! ……幼エルフさん」

歌使い「こんなに覚悟を決めた目をしている子の意思を、無碍にするべきではないと思いんす」

エルフ「右に同じ。……けど、吸血鬼王のアジトを探すのは反対だなー。ここで吸血鬼王を仕留めるべきだと思う」

助手「たしかに。吸血鬼王を仕留めてから、ゆっくり探せばいいと思います」

幼エルフ「相手のホームで戦われたら不利だもんね。淫魔さんを人質にされても困るし」

歌使い「さすがにここで戦えば巻き添えが出るでありんしょうから、どこかにおびき寄せたほうが良いとは思いんすが」

探偵「皆さん……」

助手「探偵さんがボクを心配してくれるのは素直にすごく嬉しいです。けど、それ以上にボクを信じて欲しいです」

助手「みんながいれば大丈夫です。吸血鬼王にだって、なんにだって負けません」

助手「それと」

助手「全部終わったら、『返事』を聞かせてもらいますからね?」ニコッ

探偵「!」

探偵「……」

探偵「わかりました。作戦を立てましょう」



探偵「そして僕たちで、吸血鬼王を倒しましょう!」

294 : [sage saga]:2013/03/03(日) 14:19:07.65 ID:L21/zplI0
※というわけで、作戦を立ててきますので休憩お願いします! すみません!

※助手ちゃんいなくなるかと冷や冷やしました。いやあ、無事で良かったです。

 どうしても、なぜ『男装の僕っ娘で探偵にバレないようにしている(安価設定)』のかが思いつかず、考えに考えて迷走した結果、こんな感じに胴体着陸しちゃいました。

 『パニコスvs魔王』ばりの急展開になってしまい、申し訳ありませんでした……



※三時頃に再開すると思います!

295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 14:25:10.29 ID:03K4rYmDO
良い着陸場所なんじゃない?

しかし、巫女で危険か……サムスピのヒミコさんみたいのかね?
296 : [sage saga]:2013/03/03(日) 15:02:25.09 ID:L21/zplI0
※それでは書いていきます!
297 : [sage saga]:2013/03/03(日) 15:10:58.80 ID:L21/zplI0

―――夜の町―――


吸血鬼王「ふ〜ぅ。いや〜、すっきりすっきり」テカテカ

客引き「またお越しくださいませ♪」

吸血鬼王「うんうん、来ちゃう来ちゃう! また明日っ!」

吸血鬼王(っつってもなー。やっぱり他人の女を寝取るのが最高なんだよな〜)

吸血鬼王(こう、良心と快感のハザマで揺れ動く葛藤っつーの? それを求めてんだよ)

吸血鬼王(どっかにちょうどいい女はいねーかな?)キョロキョロ

吸血鬼王「お?」

助手「」テクテク

吸血鬼王(ちっと幼い気もするが、まあギリギリセーフだろ。うっし、声をかけるぜぇ)

吸血鬼王「おーい。そっこの道行くお嬢ちゃん? 俺様とこれかr」

助手「」ビクッ

助手「っ!」ダッ

吸血鬼王「あら? 逃げられちった」

助手「」トテテ…

吸血鬼王「……」

吸血鬼王「鬼ごっこか〜い? 燃えちゃうぜぇ」ジュルリ

298 : [sage saga]:2013/03/03(日) 15:26:30.10 ID:L21/zplI0

―――町外れ―――


吸血鬼王「つっかまーえたー!」ギュッ

助手「!」

吸血鬼王「顔見ただけで逃げるなんて、悪い子だなぁ。お仕置きしちゃうぜ〜?」ウヒョー

助手「……」



ヒュン



吸血鬼王「!!」ピクッ

吸血鬼王「」シュバッ

幼エルフ(エルフの転移魔法で完全な死角に跳んだのに、逃げられた!?)

吸血鬼王(っぶねー!! あれ宝玉じゃんか!? 『超音波ソナー』で背後を警戒してなかったら危なかったぜ!!)

吸血鬼王(ってことは、これは罠か! どうする、逃げるか……?)

吸血鬼王(いや、めんどくせぇ! ここで一網打尽にしてやるぜ!!)

吸血鬼王「風よォ!!!」バッ


ビュゴォォッ!!


エルフ「局地災害魔法―――風よ!!」バッ


ビュゴォォッ!!


吸血鬼王(もう一人いたのか!? しかも俺様の天候操作を相殺するなんて、結構な術師……!)

エルフ(溜め無し無詠唱でこの威力……今更だが、バケモンだなー)

299 : [sage saga]:2013/03/03(日) 15:36:58.53 ID:L21/zplI0

幼エルフ「」ブン

吸血鬼王(……小石を投げた?)サッ

グンッ

吸血鬼王(追尾機能か!?)パシッ

吸血鬼王(……って……こぶしサイズの、ただの石……だな。なんで宝玉を投げなかった……?)

吸血鬼王(まあ良い。『霧化』で空気に拡散して……)サァー

幼エルフ「な、なにこれ!? 吸血鬼王が溶けて見えなくなったわ!?」

エルフ「落ち着け! とりあえず宝玉を持ってる助手の傍に……」

吸血鬼王(まずはこのエルフから……死ねっ!!)サァー

エルフ「」ブン


ズバッ


吸血鬼王「何ィ!?」サァー

エルフ(斬られても霧になれるからダメージはないのかー……)

吸血鬼王(なんで背後からの攻撃が察知された……!?)

吸血鬼王(まさか、まだどこかに仲間がいんのか!?)

300 : [sage saga]:2013/03/03(日) 15:48:07.71 ID:L21/zplI0

―――戦闘場所から西へ70メートルの木陰―――


探偵「……吸血鬼王がキョロキョロしています。どうやらこちらの小細工に気づきかけていますね」

探偵「また霧化しました。今度は幼エルフさんの頭上です」

探偵「落ち着いてください。宝玉の近くにいる限り、直接は攻撃されません」

探偵「しかし宝玉に頼りすぎると逃げられてしまうかもしれません。適度に、吸血鬼王にも攻撃のチャンスを作ってください」

探偵「そろそろ時間です。次のステップに入りますよ」

探偵「大丈夫です。このイヤホンは耳栓としての役割も果たします」

探偵「歌が始まっても、僕からの無線の指示は届きます。安心してください」

探偵「助手ちゃん、もっと宝玉を吸血鬼王に見せ付けて戦ってください。しっかり印象付けるんです」

探偵「歌が始まりますよ。恐らく隙は一瞬です。気を引き締めてください」

探偵「3、2、1……」

301 : [sage saga]:2013/03/03(日) 16:16:39.73 ID:L21/zplI0


エルフ「『地隆呪文』!」

ゴゴゴゴゴッ!!

吸血鬼王(はぁ? なんであんなところの地面を……)



ジャンジャカジャカジャカ♪

歌使い「『ぬしの体は動かない』♪」




吸血鬼王「!?」ガクン

吸血鬼王(な、んだ、コイツは……!? ずっと地面の中に隠れてやがったのか!?)

吸血鬼王(体が動かねぇ……!)

幼エルフ「」ブン

吸血鬼王(また石を投げ……)

吸血鬼王(!!)

助手「」ダッ

歌使い「」ダッ

幼エルフ「」ダッ

吸血鬼王(あの三人が一斉に逃げる理由は……!!)

エルフ「極大災害魔法―――」

吸血鬼王(石投げは陽動!! あっちが本命か!!)

吸血鬼王(残念だったな子猫ちゃん達! 上手く隙を作ったつもりだろうが、大規模殲滅呪文 程度でやられるほどヤワじゃねーのよ俺様は!!)

吸血鬼王(宝玉は、間違いなく囮役のお嬢ちゃんが持ってる! 最初の不意打ちの直後、エルフが囮役に素早く渡したのを俺様は見逃さなかった!!)

吸血鬼王(あの魔法が発動したら、爆風に紛れてエルフどもと歌術師を皆殺しだ……!!)

吸血鬼王(さあ、体はまだ硬直したままだが関係ねぇ!)

吸血鬼王(霧化して、石と殲滅呪文を回避して……)

吸血鬼王(回避して……)

吸血鬼王(……)



吸血鬼王(なんで霧化できねーんだ!?)

302 : [sage saga]:2013/03/03(日) 16:33:07.69 ID:L21/zplI0

吸血鬼王(俺様の近くに宝玉を飛ばした……!? いや、この俺様が転移呪文を見逃すはずが……)


パキッ


吸血鬼王(な……んで……)

吸血鬼王(投げた石の中に……)


吸血鬼王(『宝玉』が埋め込まれてんだ!?)


パキッ パキッ


吸血鬼王(他の石の中には―――爆弾!?)

吸血鬼王(陽動だったのは石じゃなくて、殲滅呪文の方だったのか……!!)





スガガァァァァァン!!!!!






(……ちくしょう……)

(『宝玉は全部集め終わりました旦那様ー♪』……って言ったじゃねーか)



(あのッ……クソスライムどもがァァァァアアアアア!!!!!)


303 : [sage saga]:2013/03/03(日) 16:48:50.57 ID:L21/zplI0


シュゥゥゥ……



幼エルフ「あ、あんなに威力が高いなんて聞いてなかったわよ!?」

歌使い「かなり本気で死を覚悟しんした……」

エルフ「ま、結果オーライだろー。さすがにこの距離だからちょっとビビったけどなー」

助手「探偵さんなら間に合うって分かってましたよ、ボクは♪」



探偵「この人数ですからねぇ。僕のバリアフィールドであの爆発を耐え切れるかは正直不安でした」



探偵「ともあれ、皆さん、本当にお疲れ様でした。唯一の男が作戦立案と後方支援というのは情けないと自分でも思いますが……」

助手「そんなことありませんよ! みんなの力での勝利ですから、恥ずかしいことなんてありません!」

エルフ「だなー。とにかくこれで、最後の『王』を倒したわけだし」チラッ


吸血鬼王「」ブスブス


幼エルフ「あの大爆発で辛うじて原形を留めてるだけでも流石だわ……」

探偵「生身であの爆撃ですから、これで生きていたら、もうどうしようもありませんね」

歌使い「不安になるようなことを言わないでおくんなんし……」



助手「とにかくこれで!」

探偵「ええ。『王』討伐は終わり……」



探偵「僕たちの、勝ちです!!」

304 : [sage saga]:2013/03/03(日) 16:59:48.82 ID:L21/zplI0

―――古城―――


探偵「……」

助手「……」

エルフ「……」

幼エルフ「……」

歌使い「……」



魔法使い「まったく、時間をかけすぎだよキミ達。もっとスマートに行動したまえ」

勇者「おいおい、せっかく頑張ってくれたんだから、その言い草はかわいそうだろ」

淫魔「うぅ〜〜〜!! 怖かったです! 寂しかったです勇者様ぁ〜〜〜!!」ギュー

勇者「ああ、ごめんな遅くなって。ホントに無事でよかった」ナデナデ

魔法使い「むぅ……。まあ、今日は特別に許してあげるよ」

勇者「拗ねんなって、魔法使い」

魔法使い「拗ねてない」

淫魔「えへへっ! 魔法使い様も、お久しぶりですっ!」ギュー

魔法使い「うわぁっ!?」///

勇者「やれやれ。……ま、吸血鬼王も倒したし、これで一件落着ってわけか」



勇者「俺たちの、勝ちだな!!」

305 : [sage saga]:2013/03/03(日) 17:08:51.45 ID:L21/zplI0

>>310までで、多数決をお願いいたします。



1、stage clear !

2、extra stage !



306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 17:13:05.26 ID:03K4rYmDO
2
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 17:14:30.27 ID:/mWzH6G+0
2
魔王あたりの伏線どーなってんのか気になる
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 17:15:30.10 ID:/Tp3EdKS0
1
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 17:16:36.92 ID:7RhQT71t0
2
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 17:17:37.36 ID:dyvq4TUo0
1
311 : [sage saga]:2013/03/03(日) 17:22:58.77 ID:L21/zplI0
※それでは、お時間のある方だけお付き合いください!

※やや更新がスローペースかもしれません。
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 17:31:57.43 ID:gZZfhV0G0
っていうか>>1さん程の人なら
>>242>>247の再安価くらい許されると思うんだが
313 : [sage saga]:2013/03/03(日) 17:48:45.00 ID:L21/zplI0

>>312

※ありがとうございます。しかし、やはり私ごときが再安価というのはおこがましいかと。

 このスレをニコニコの動画で例えると、再生数76くらいの動画といったところでしょう。


 これはもう少し文章力をマシにするための良い機会だと考えることにします!



※しばらくは『stage clear』ルートと全く同じ流れになる予定です。『戦いが終わって』みたいな感じです。

 気になるキャラがいましたら、名前を挙げてくれると嬉しいです。

314 : [sage saga]:2013/03/03(日) 17:50:27.11 ID:L21/zplI0

―――王国首都―――


王「探偵」

探偵「おや、王様?」

王「今回の一件、本当にご苦労じゃったな」

王「下のパレードは、ほとんどお前さんたちに向けた、民衆の感謝の表明じゃ」

王「本日の宴を、精一杯楽しんでくれ」

探偵「もうお体はよろしいのですか?」

王「ああ、だいぶな。まだ城を再生できるほどではないが」

探偵「それはよかったです」

王「しかし、ワシもいつ何時命を落とすとも知れぬ老体……」

王「そろそろ跡継ぎが欲しいなー……とか思ったりなんかしちゃったりして!?」

探偵「すみません。本当に申し訳ないとは思いますが、そのお話は謹んでお断りさせていただきます」ペコッ

王「……お?」

王「……」

王「あちゃー。そっか、ちんたらしてたら先越されちまったかぁ……」

探偵「……」

王「そんな泣きそうな顔をするな、探偵。お前さんが誰と一緒に生きようが、ワシの息子であることに変わりは無い」

王「人を好きになるのに、後ろめたいことなんて何も無い」

王「胸を張らんか、探偵!」ニコッ

探偵「……」

探偵「……はいっ!」グスッ


315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 17:51:45.92 ID:03K4rYmDO
>>1さんに気に入ってもらえたらしき虹精霊
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 17:57:13.78 ID:gZZfhV0G0
結局一番出番なかったんじゃね?
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 18:02:26.33 ID:0ggL6ceq0
死霊混師と死霊使い少年の関係
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 18:04:00.30 ID:w54OlVdK0
勇者と魔女のイチャラブ
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 18:05:20.83 ID:BMSHiZO50
エルフーズの生活
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 18:07:05.06 ID:Ls7px2XU0
他の不思議時空ダンジョン
321 : [sage saga]:2013/03/03(日) 18:07:24.29 ID:L21/zplI0
※上から順に書いていきますね!

※姫は……ええ。出番が無かったですね。途中から『王』討伐のメンバーに混ぜてみたものの、誰にも触れられず完全スルーでしたしね……
322 : [sage saga]:2013/03/03(日) 18:08:26.24 ID:L21/zplI0
※とりあえず先んじて書いちゃったのを投下します。



ロボ「ロボはほとんど出番がなくって寂しかったです!」

鍛冶「まあまあ、良いことではござらんか。拙者も心配せずに済んだでござるしな」

ロボ「ぶぅー。不満ですー!」ピョンピョン

戦士「おいロボ。むしろ戦いに出撃しなかったのはすごいことなんだぜ?」

ロボ「……え?」

戦士「本当に強いヤツってのは、最後まで自分は動かないんだ。今回の敵は、ロボが動くまでもなく倒せる程度の敵だったってことさ」

ロボ「!」

ロボ「えへへっ! それなら許してあげます!」ニコニコ

鍛冶(ロボの扱いが手馴れてきたでござるなぁ……)

戦士「ま、なんにせよ……誰も欠けることなく全てが終わってよかった」ニッ

鍛冶「本当でござるな。むしろ敵の強大さを考えれば、こちらが全滅してもおかしくなかったくらいでござる」

ロボ「勇者パーティは最強ですね!」

鍛冶「今回は探偵パーティという方が正確な気もするでござるな」

戦士「なんだっていいさ。今は、このパレードをよく見とけ」

戦士「俺達が勝ち取った、平和なんだからよ」スッ

鍛冶(……!)ギュッ

ロボ「あーっ! ロボも手を繋ぎます!」

戦士「違っ……た、たまたま手が当たっただけだっ!!」///

鍛冶「」クスッ

323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 18:08:39.56 ID:mO7BhLyB0

冒険者パーチー
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 18:15:11.90 ID:dRb9iyzj0
戦士と鍛冶の静かなバーでのデート
325 : [sage saga]:2013/03/03(日) 18:28:43.00 ID:L21/zplI0

―――虹精霊の泉―――


泉「」パァァァァ!

ピカッ



虹精霊『……』



虹精霊『今は……いつだ? どれほどの時間が経過したのか……』



死霊混師「多分ですが、1年も経ってないと思いますよ?」



虹精霊『……貴様は……』

死霊混師「いやー、お久しぶりですねぇ。 鍛冶という女性から話を聞いて、心配になって来ちゃいました」

死霊混師「ダメじゃないですか。上級精霊ともあろう存在が、たかが人間3人に後れを取るなんて」ニヤニヤ

虹精霊『……では、我を再生したのは』

死霊混師「再生というほど大げさなものではありませんよ。泉の組成を調整して、復活を早めたに過ぎません」

死霊混師「育ての親としては、死なれたままというのはあまり気分の良いものではありませんからね」

虹精霊『愚かな。いつの時代も変わらんな、人間は』

虹精霊『手前勝手で、過ぎ去ったものを鑑みない』

虹精霊『置いていかれたものの気持ちもな』

死霊混師「そうトゲトゲしないでください。悪いと思ったから帰ってきたんです」

死霊混師「強くなりすぎたあなたを御する力は手に入れました」

死霊混師「私と一緒に行きませんか?」スッ

死霊混師「昔のように」

虹精霊『……』

虹精霊『本当に変わらんな』

虹精霊『そういう勝手なところも』

死霊混師「……」

虹精霊『……』

虹精霊『……今度は、置いていくなよ』

死霊混師「もちろん」ニコッ


326 : [sage saga]:2013/03/03(日) 18:40:08.76 ID:L21/zplI0

―――王国首都―――


姫「……そう、なんだ」

王「うむ。すまんな、ワシがもたもたしていたばっかりに」

姫「ううん。お父様のせいではないわ。私に魅力が足りなかっただけ」

姫「いえ、もっと深いところで……繋がっていられるだけの絆を築けなかった、私の負けね」

王「きっとあいつは、誰を愛していようと……勇者として姫を守るぞ?」

姫「……」

姫「新しく、私だけの勇者様を見つけるわ」

姫「恋に敗れた私が、いつまでもあの方を縛り続けるのは……嫌だわ」

姫「それで、あの方が羨むくらい幸せになって、その時こそ……心からあの方の幸せを祝福するの」

王「……」

王(立派になったな……姫よ)

王(妃よ。姫はお前に似て、立派に育っておるぞ)

姫「……」

姫「……お父様。今日だけ、一緒に寝ていい?」グスッ

王「……ああ。もちろんじゃ」ニコッ
327 : [sage saga]:2013/03/03(日) 18:58:36.71 ID:L21/zplI0

―――虹精霊の森前―――


死霊混師「あのカラフルなゴブリンたちは、どうにかならないのでしょうか?」

虹精霊『気づいたら勝手に住み着いていたな。我の泉までたどり着く輩が減って助かっていたものだ』

虹精霊『それより。お前に客だぞ。我は消えているからな』シュン

死霊混師「客……?」


ガサガサ


死霊使い「……」

死霊混師「おやおや、これはこれは」

死霊混師「お久しぶりですねぇ」

死霊混師「師匠」

死霊使い「……師匠は……やめて……」

死霊混師「とはいえ、私が精霊だけでなく死霊も操れるようになったのは、あなたの教えがあってこそですからねぇ」

死霊混師「どうやって私の居場所を……などと尋ねるのは、この際野暮でしょうか?」

死霊混師「私になにか、御用でしょうか?」

死霊使い「」フルフル

死霊使い「…………王国首都に……向かう、途中で……見かけたから……」

死霊混師「なるほど、たまたま見かけたから、声をかけたと」

死霊混師「奇遇ですね。我々も、珍しい土地を巡りながら……最終的に王国首都へ向かっているのですよ」

死霊使い「珍しい……宝石を……探して……?」

死霊混師「!!」

死霊混師(……相変わらず恐ろしい能力ですね……)

死霊混師「まあ、ここで会ったのも何かの縁です。ご一緒しませんか?」

死霊使い「……」

死霊使い「」コクッ

死霊混師「では行きましょう。すぐそこで、私の仲間が待っています」

死霊混師(鍛冶さんが王国首都にいらっしゃるといいのですが)

死霊使い(……探偵さん……今は……王国首都に、いる)

328 : [sage saga]:2013/03/03(日) 19:04:42.35 ID:L21/zplI0
※ちょ、ちょっと休憩させてください……

 体力回復したら書き溜めて、22時には投下し始めます。すみません……
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 19:08:41.57 ID:MVZ+/Lgw0
お疲れさ〜ん
俺達の為にありがとよぉ〜
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 19:15:12.54 ID:03K4rYmDO
>>1さんに癒しあれ

虹精霊にそんな経緯が……やっぱ合成とかって半端ないんだな
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 19:42:07.71 ID:MVZ+/Lgw0
ホイミ、ケアル、ヒール、ライフアップ、エイド、ヘルス……あ〜、後何だっけ?まぁいいや
>>1さんが掛けられるならどれが良い?

とりあえずあれだね。ガンシューターちゃんだっけ?存在の目的を安価すれば違くなるんじゃね?
332 : [sage saga]:2013/03/03(日) 22:00:08.03 ID:L21/zplI0
※そこそこ回復しましたので、続きを書いていきます!

 とはいっても、頭が回らなくなるまでですが……



※『ガンシューターちゃん』って書くと、なんか可愛いですね。インスピレーションがビビっと来ました。絵に起こしてみようかな……

333 : [sage saga]:2013/03/03(日) 22:01:47.74 ID:L21/zplI0

魔法使い「」キョロキョロ

バタン


魔法使い「」トテテ

ポスン


勇者「なんでわざわざ俺の膝の上に?」

魔法使い「いいだろ、べつに」

勇者「いいけどよ。誰も近くにいないことを確認してからやるくらいなら……」

魔法使い「うるさい」ペチ

勇者「へいへい」ナデナデ

魔法使い「思えば、私はいつも勇者のお願いばかり叶えてきた気がするよ」

勇者「俺もそんな気がする」

魔法使い「それは大変だな。フェアじゃない。うん、そうさ、フェアじゃないとも。うんうん」

勇者「……魔法使い」

魔法使い「うん?」

勇者「そんな前置きしなくたって、俺はお前の頼みならなんでも聞くぞ?」

魔法使い「……う、うん。そうかい」

勇者「なにしてほしいんだ?」

魔法使い「えっと……」

勇者「……」

魔法使い「……いや、自分から言い出しといてなんだけど、特にないな」

勇者「無欲な奴だな」

魔法使い「い、今でも十分幸せだから」

勇者「……かわいいやつめ」

魔法使い「か、かわいいとか言うな、ばか」

勇者「俺は、したいことも、してほしいことも、たくさんあるぜ」

魔法使い「!」

勇者「けどまあ、時間はたっぷりあるんだ。急いで消化することもねーか」

魔法使い「……うん」

勇者「俺も、このままで十分幸せだし」

魔法使い「ふふ。……うん」

ギュッ
334 : [sage saga]:2013/03/03(日) 22:05:04.72 ID:L21/zplI0

エルフ「どこもかしこもパレードで盛り上がりやがってからに……」

幼エルフ「ふふ、エルフってば、昔からこういうお祭りごとは嫌いだったわよね」

エルフ「どっかの誰かさんがテンション上がりまくって、あっちへこっちへ引きずり回すからなー」

エルフ「成人の儀の時は、散々着せ替え人形みたいに衣装をとっかえ引っ変えされたっけなー」

幼エルフ「そうだっけ?」

エルフ「すっとぼけんなこら。今まさに、現在進行形だろーが」


ヒョコッ


黒エルフ「……や、やっぱりやめない……? ほら、私ってこういう服とか似合わないしさ……」

幼エルフ「いいから早く出てくる!」グイッ

黒エルフ「うわっ、と、と」ヨロッ

エルフ「おおー。黒いドレスか」

幼エルフ「きゃー! 可愛いいいい!」

黒エルフ「///」カァァ

エルフ「なるほど、なんとなく幼エルフの気持ちがわかった。なんか、いいな、これ」

幼エルフ「でしょー!?」

黒エルフ「い……イジメだ……由々しき事態だよ……裏切り者はこうやって辱められるんだ……」///

幼エルフ「次! 次はこの服ね! 黒エルフは黒髪だから、こういうのが映えると思うのよね〜!」

幼エルフ「ああ! でもこういうのもいいかも! どっちにしよう!? 迷っちゃうなぁ〜!」ウキウキ

黒エルフ「うあ、うあああ」ガクガク

エルフ「諦めろ。そうすれば、楽になれるぞー」ポン

335 : [sage saga]:2013/03/03(日) 22:29:09.70 ID:L21/zplI0

冒険家「うう〜。お腹減ったよぅ。死霊混師さん、なにか持ってない?」

死霊混師「生憎、腐っていない肉は持っていませんねぇ。冒険家をお腹の減らない体にすることはできますが」

冒険家「ええっ!? ほんとに!?」パァッ

踊り子「」ゲシッ

死霊混師「痛い!? ……踊り子さん。いい加減、私の足の形が変わりそうなんですが」

踊り子「ならば余計なことを口走らないことです」

冒険家「うぷぷー! 死霊混師さん怒られちゃったー!」

死霊混師「やれやれ、敵いませんねぇ」



郵便屋「へぇ……! じゃあ、亡くなった人の思いが分かるんだっ?」

死霊使い「……う、うん」

郵便屋「もしかして、その思いを『手紙』に念写することはできないかな?」

死霊使い「……がんばれば……できる、と、おもう……」

時空術師「貴方たちが手を組めば、かなり幅広い活動ができそうね」

郵便屋「な、なんかぼく、どきどきしてきちゃった……!」

郵便屋「死霊使いくん! ぼくと一緒に、世界中の人々に『思い』を運ぶお仕事をしてみない!?」

死霊使い「……あ、あの……えっと……」アセアセ

時空術師「郵便屋。がっつきすぎて引かれてるわよ」

郵便屋「あ、ご、ごめんなさいっ!」

郵便屋「でもさっきの話は、ちょっと考えておいてほしいかも……」

死霊使い「……わかった……考えて、みる……」



虹妖精「魔力が全然ちがうなぁ。あたしもいつか、あんたみたいになれるのかな?」

虹精霊『必要なのは修行や鍛錬ではなく、時間と環境だ』

虹精霊『こやつらに付いていけば、自然と力は手に入るであろう』

虹妖精「よーし、あたしもかっこよく戦えるようにがんばるぞー!」

虹精霊(……まさしく昔の我のようだ……目が離せんな)ヤレヤレ



336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 22:35:01.70 ID:81Tn6hAv0
素敵やん
337 : [sage saga]:2013/03/03(日) 22:53:35.74 ID:L21/zplI0

―――城下町・バー―――


戦士「……なんだかんだ、こうやって二人っきりってのは久しぶりじゃないか?」

鍛冶「かもしれんでござるな。ロボを押し付けてしまった勇者殿と魔法使い殿には悪いことをしたでござるが……」

戦士「ちょっと前まで、世界なんて遠すぎると思って過ごしてたのに……いつの間にか近くなっちまったなぁ」

鍛冶「この短い間に様々なことが起こりすぎたんでござるな。目の前のことを必死にこなしているうちに、気づけばこんなところまで来ていたとは」

戦士「世界の命運を握っちまうなんてな。今でも現実感がねーよ」

鍛冶「拙者も、まだフワフワしているようでござる。外のパレードが、まるで他人事のように思える……」

戦士「けど、現実なんだよな。この達成感も、この世界も……」

鍛冶「この温もりも、でござるか?」

戦士「……鍛冶の手、あったけぇよな」

鍛冶「戦士が冷えすぎなんでござるよ」

戦士「んじゃ、暖めてくれ」

鍛冶「ふふ。お安い御用でござるよ」

戦士「……」

戦士「なぁ。いつか一緒に来て欲しいとこがあんだけど、いいか?」

鍛冶「それはもしや、この前写真で見せてくれた、拙者に似たあの少女と関係あるのでござるか?」

戦士「……お見通しか」

鍛冶「それも、お安い御用でござるよ」

鍛冶「もし拙者が同じ立場なら、戦士を一人にしておくのは不安で不安で天に召されることなどできそうもないでござるからな」

鍛冶「『任せてくれ』と、お伝えしなければ」ニコッ

戦士「……」

戦士「よ、よろしくな」プイ


338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 22:57:55.61 ID:vXN3jzII0
これは早速、ロストメッセンジャーズの出番ですかな?
339 : [sage saga]:2013/03/03(日) 23:16:10.55 ID:L21/zplI0
※たしかに、今の話を書いてて『うわ、あの2人に会わせたいなぁ……!』とか思いましたw

 あの2人がいなくても、戦士は少女と通じ合ってるような気もしますが……。


※ちょっと早いですが、今日はここまでとさせてください。

 眠いとどうしても『さっさと終わらせちゃおう』っていう気分になってしまいますので……


※extra stageと言っても、そう長くはしないつもりです。恐らく、選択肢次第ではすぐにでも終わります。

 しかし『あの方』の関わる安価では、即死選択肢とかもあり得るかもしれません。


※明日は9時ごろ始めさせていただきます。

 それでは、失礼します!

340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 23:18:07.27 ID:2RiS7i0b0
>>1乙!
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 23:33:30.54 ID:03K4rYmDO
乙!
>>1さんが良い夢を見られますように
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 23:51:09.78 ID:N5Yz1DcH0
今日も味わわせてもらったぜ
343 : [sage saga]:2013/03/04(月) 09:16:35.19 ID:NMTVK5D60
※それでは始めていきたいと思います。

 主要キャラを網羅したら、最終ラウンドへ突入です。
344 : [sage saga]:2013/03/04(月) 09:28:33.21 ID:NMTVK5D60

ワサワサワサ…

パニコス「……おかしいな、どこ行ったんだろ」

勇者「おーい」

パニコス「! ゆ、勇者……」ワサワサ

魔王「ちょっと久しぶりだね」スッ

勇者「パレードは楽しんでるか?」

魔王「あ、うん……そうだね」

勇者「?」

魔王「ねえ勇者、魔王様見なかったかな? 見つからないんだけど」

勇者「いや、見ねーな。なにか用なのか?」

魔王「ううん。けど、なにかやらかさないか心配で、監視しておこうと思ったんだけど、見失っちゃって……」

勇者「ん。そっか」

勇者「でもよ、こんなときくらい、息抜きしたっていいと思うぞ?」

魔王「……けど……」

勇者「今日みたいなパレード、次はいつ見れるかわかんねーからな。しっかり堪能しとけよ」

勇者「お前はしっかりしてるけど、まだ生まれたてだ。あんまり自分だけで解決しようと思わないこった」

勇者「もっと俺らを頼れ」ナデナデ

魔王「!」

魔王「……あ、あり、がと」

勇者「」ニッ

345 : [sage saga]:2013/03/04(月) 09:41:32.75 ID:NMTVK5D60

狼男「……」

淫魔「狼さん」

狼男「ん? ……淫魔か」

淫魔「こんなところで何してるんですか?」

狼男「人間ばっかのお祭りだ、人狼には肩身が狭いぜ」

淫魔「だから、いじけちゃってるんですか?」

淫魔「狼王に目を付けられてた村の人たちが、狼さんを探してましたよ? 救世主様はどこだ! ……って」クスッ

狼男「マジでか!?」

淫魔「マジです。すごいじゃないですか、ほとんど一人で狼王を倒したんですよね?」

狼男「……へっ、俺にかかれば楽勝だったぜ!」

淫魔「ふふっ。やっといつもの狼さんに戻りましたね!」

狼男「なんか心配かけたみてーだな。よし、んじゃ、みんなのところに戻るか!」

淫魔「はい!」

狼男「……お前も無事でよかったぜ。全員無事で、よかった」

淫魔「……ええ、本当に」

346 : [sage saga]:2013/03/04(月) 09:55:49.38 ID:NMTVK5D60


天使王「む? 黒エルフ、なんだその格好は?」

黒エルフ「……悪魔から逃げてきたとこ」

黒エルフ「すぐに着替えてくる」

秘書「あら、着替えることはないんじゃないですか? そのドレス、よく似合っていますよ」

歌使い「同感でありんす。可愛らしいと思いんすよ?」

黒エルフ「か、からかわないで……」///

天使王「いや、私もいいと思うぞ」

黒エルフ「うぅ……」///

天使王「それにしても……このパレードというものは、賑やかなものだな。私が封印される前の時代には、このようなものはなかった」

秘書「では今日は、存分にお楽しみくださいませ」

天使王「うむ。存分に……」

天使王「む!?」

天使王「あそこに一人で泣いている子供がいるぞ! 緊急事態だ! すぐに駆けつけるぞ!」ダッ

秘書「ぼ、坊ちゃま! 一人で行かないでください!」ダッ

歌使い「まったく、坊ちゃんらしいでありんすね」ダッ

黒エルフ「ちょ、ちょっと待ってよ! この靴走りづら……」

347 : [sage saga]:2013/03/04(月) 10:22:55.02 ID:NMTVK5D60


淫魔「いつの間にか、勇者様と魔法使い様は恋仲になってらっしゃったんですね」

魔法使い「こ、恋仲……まあ、そうだね……」

淫魔「えへへっ、お二人はお似合いだと思いますよっ!」

魔法使い「……私が言うのもなんだが……その」

魔法使い「淫魔ちゃんは、勇者にとても懐いていただろう?」

魔法使い「なにか思うところは無いのかい……?」

魔法使い「淫魔ちゃんが捕まっている間に、まるで抜け駆けのように……」

淫魔「勇者様は魔法使い様のことが一番大事だっていうのは、ずっと前から分かっていたことですから」

淫魔「私がいてもいなくても、何も変わらなかったと思います」

魔法使い「……淫魔ちゃん」

淫魔「仕方ありません、私はおとなしく……」

魔法使い「……うん」

淫魔「愛人で我慢することにしますねっ!」

魔法使い「……うん」

魔法使い「……」

魔法使い「……うん?」

淫魔「さっそく、吸血鬼王のところで学んだテクニックで……うふふ」

魔法使い「ちょっと。ちょっと待ってくれ淫魔ちゃん、どうやら私の鼓膜が謀反を起こしたようだ」

魔法使い「聞き違いだと思うから、こっちへ来るんだ淫魔ちゃん! 淫魔ちゃん!? こっちへ……! おい、どこに行くんだ!?」

魔法使い「ねえ、じつは怒ってるだろう!? 悪かったよキミが怖い思いしてるときにイチャイチャしてて!」

魔法使い「ちょっと話し合おう!! 淫魔ちゃん!? 淫魔ちゃああああん!?」

348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 10:28:19.27 ID:v8yZOOrP0
あの魔法使い殿がうろたえておられる……
349 : [sage saga]:2013/03/04(月) 10:50:25.66 ID:NMTVK5D60


探偵「……」

助手「なにを読んでるんですか?」ヒョコ

探偵「おや、助手く……助手ちゃんですか」

助手「えへ。女の子扱いされて、嬉しいと思ったのは初めてです」

探偵「なにか、異常ありませんか? 巫女の侵食の具合は?」

助手「大丈夫そうです。吸血鬼王も封印しましたし、あと残すは魔王と天使王だけ。魔王はよくわかりませんが、天使王は安全でしょうし……巫女の魂もだいぶ落ち着いてきています」

探偵「その魔王からの『招待状』が届きました」ピラッ

助手「今読んでたのはそれですか」

助手「なになに……?」

―――――――――

「探偵くんへ」

「『宝玉』を持って、王国首都展望台へ、一人でお越しください」

「魔王より」

―――――――――

助手「……行くつもり……なんですね?」

探偵「ええ。これまでのことを考えると、どうにも不安が付きまといますが」

助手「……」

助手「探偵さんが決めたことなら、ボクは止めません」

助手「けど、まだ『返事』を貰ってませんから」

助手「絶対に帰ってきてください」

探偵「はい。それは、もちろん」

探偵「全て終わったら返事をする、という約束ですから」

探偵「これが正真正銘、最後の戦いとなるでしょう」

探偵「話し合いで終わるか、血なまぐさい決闘となるかはわかりませんが……」

探偵「これまでの皆さんの活躍を無駄にしないためにも」

探偵「全身全霊で臨みたいと思います」



助手「……行ってらっしゃい」

探偵「行ってきます」


350 : [sage saga]:2013/03/04(月) 11:29:33.59 ID:NMTVK5D60

―――展望台―――


魔王「綺麗ね……」

魔王「たくさんの人間がひしめき合って、列を成して、パレードというものを形作っているわ」

魔王「だけど、あれだけたくさん人間がいるなら、ちょっとくらい減ったっていいんじゃないかって思っちゃわない?」

魔王「ねぇ、探偵くん?」

探偵「そのように、彼らを自分と完全に切り離して見てしまえばそう思えるかもしれません。蟻の行列のように感じてしまうかもしれません」

探偵「けれど彼らには一人一人にドラマがあります。それを思えば、無闇に命を奪おうなどとは考えられません」

探偵「パレードが綺麗だというのには、同感ですが」

魔王「うふふっ」

魔王「『宝玉』はちゃんと持ってきたかしら?」

探偵「こちらに」

魔王「そう。それは結構」ニコッ

探偵「それで、僕をここへ招いた理由をお聞かせ願えますか?」

魔王「…………」

魔王「あなたは、人間が好きかしら?」

探偵「ええ、好きですよ」

魔王「うふふっ、即答なのね」

探偵「でなければ勇者候補や探偵稼業で人助けなんて望みません」

探偵「しかし、人間以外も好きになれました」

魔王「……」

探偵「自我や理性、良心があれば、種族なんて関係ありません。それが、僕の20年間で得た教訓です」

魔王「……そう。ステキな結論だわ」

魔王「きっとこれまでの20年間、良い人たちに恵まれたのね」

魔王「ねぇ、探偵くん。救う価値の無い人間って、いると思う?」

探偵「……」

探偵「救いようが無い人間はいると思います。が、救う価値が無いということは、無いように思います」

探偵「どんな人間だって、追い詰められればどんなことでもしてしまうでしょうし、人間は完璧ではありません。流されたり、騙されたり、我を忘れたりしてしまうこともあるでしょう」

探偵「それを許してあげられるのが、人の強さだと、僕は思います」

魔王「……」

魔王「最後の質問よ」

魔王「あなた、私を信じてくれるのよね?」

探偵「ええ」

魔王「それを踏まえて、最後の質問」



魔王「これから私は世界を滅ぼす」



魔王「信じて、私を殺すか」

魔王「信じず、私を見逃すか」

魔王「選びなさい、探偵くん」
351 : [sage saga]:2013/03/04(月) 11:33:53.33 ID:NMTVK5D60

※12時までの多数決をお願いします。

――――――


1、魔王を殺す。

2、魔王を見逃す。


352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 11:38:28.54 ID:FQQMyhdDO
うぐぐ……1
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 11:40:21.57 ID:xZQF0R1w0
2
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 11:42:09.59 ID:vIZcaYaJ0
1

見逃したとして、滅ぼすのが”この”世界とは限らんがね
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 11:43:31.57 ID:CUEHN7YP0
2
↓、最後の選択はお前に任せた
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 11:45:56.61 ID:s6NEUvxL0
↑重いよ!

1ィっ!
357 : [sage saga]:2013/03/04(月) 12:06:37.89 ID:NMTVK5D60





魔王「ありがとう、探偵くん」ニコッ




358 : [sage saga]:2013/03/04(月) 12:07:06.23 ID:NMTVK5D60



魔王「」ドサッ



探偵「……」

探偵「……」

探偵「……僕は」






キュィィィン!!



探偵「!?」

探偵「僕の体が光って……!?」

探偵「まさか、魔法使い様がやろうとしていたように、自分の死と同時に発動する呪文を……!?」

359 : [sage saga]:2013/03/04(月) 12:12:54.46 ID:NMTVK5D60


――――――


勇者「な、んだこりゃ……!?」キュィィィン


――――――


魔法使い「これは……魔騎士にかけられていた呪いと同じ……!!」キュィィィン


――――――


淫魔「え!? え!? なんなんですかコレ!?」キュィィィン


――――――


戦士「うおおお!? なんだこりゃあ!?」


――――――


天使王「……そうか。やはり竜王の言っていた通り……」キュィィィン


――――――

360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 12:21:34.91 ID:FQQMyhdDO
あっちゃー……
1の方を選んだ身としてはこれは……
361 : [sage saga]:2013/03/04(月) 12:24:07.09 ID:NMTVK5D60


王「お?」キュィィィン

王「……そうか、魔王よ。やはり思いとどまれなかったか」



魔王『もし探偵くんが、それでも甘えたことを言うようなら……』

魔王『また『ゲーム』でも仕掛けて、勇者パーティを相手に大暴れするとしようかしら』

魔王『その時はせいぜい、他の民衆はあなたが守ることね、王様』



王「優しい探偵のことだ、それでも魔王は殺せんと思っとったが……」

王「やはり、正義感によってではなく、本当に心の底から守りたい、大切な人ができたんじゃな」

王「よくやった息子よ」

王「お前は世界を救ったのじゃ」

362 : [sage saga]:2013/03/04(月) 12:26:14.97 ID:NMTVK5D60
※あ、『魔騎士にかけられていたのと同じ呪い』ではなく、『魔騎士にかけられていたのと同じタイプの術式(魔法使いでも解けない)』です。

 すごく紛らわしい書き方してすみませんでした。

 まあこの後すぐ、どんな呪いかは明かされるんですが……
363 : [sage saga]:2013/03/04(月) 13:00:26.37 ID:NMTVK5D60

ガチャ


助手「ただいま!」


探偵「おや、お帰りなさい、助手」

助手「今回は結構簡単なお仕事だったよ! 魔獣退治って言っても、数が多いだけだったから」

探偵「お疲れ様でした。ご飯は食べてきましたか?」

助手「探偵のご飯が食べたくって、早く帰ってきたんだよ?」

探偵「ふふ、そうですか。いま用意しますから。手を洗ってきてくださいね」

助手「はーいっ」

探偵「本当なら、助手にはなるべく危険の少ない仕事をして欲しいのですが……」

助手「しかたないよ、探偵は魔王の呪いのせいで、身体能力も魔力もスキルも、ほとんど失っちゃったんだから」

助手「探偵は頭、私は体で仕事をこなす。そう決めたでしょ?」

探偵「……頼りになる助手で、本当に助かります」ニコッ

助手「まあ、勇者さんと魔法使いさんだけは、なぜかドラゴン一体くらいなら単騎で倒せるくらい力が残ってるけど……」

探偵「……あの二人を常識に当てはめてはいけませんよ」

助手「だね」クスッ

探偵「しかしどうして、僕、勇者様、魔法使い様、戦士さん、淫魔さん、王様、天使王くん……このメンバーに弱化の呪いをかけたのでしょう?」

助手「…………『強すぎる』と思ったんじゃないかな」

探偵「強すぎる……?」

助手「うん。大きな敵のいない世界では、『強すぎる』っていうのはデメリットでしかないんだよ」

助手「探偵は、魔王を殺したことをまだ気にしてるでしょ?」

探偵「……」

探偵「他に方法は無かったのかとは、常に思います」

助手「魔王は、探偵さんのことを気に入ってたんだと思うよ。じゃなきゃ、こんな呪いをかけたりは絶対にしない」

助手「もう巫女の魂は弟に移しちゃったけど、今でも時々、巫女の記憶を共有していたときの名残で、夢に見るんだ」

助手「魔王と巫女が、世界を守ってた頃の夢を」

助手「それを見れば、この呪いが善意の呪いだってことはすぐに分かるよ」

探偵「……」

助手「最期に、ありがとうって言ったんだよね」

助手「それはもしかすると、彼女が魔王になってから人間に明かした、初めての本心だったんじゃないかな」

助手「信じてくれて、ありがとうって」

探偵「……」

探偵「助手」

助手「?」

探偵「ありがとう」ニコッ

助手「……!」

助手「えへへ、こちらこs」



ガラッ

364 : [sage saga]:2013/03/04(月) 13:30:13.64 ID:NMTVK5D60


娘「うゅ……」ゴシゴシ

探偵「おや、起こしてしまいましたか」

助手「娘ー! 最近帰りが遅くて顔を見れてなかったから寂しかったよぉ!」ガバッ

娘「!」コソッ

助手「あ……探偵の後ろに隠れちゃった」

探偵「どうして助手には懐かないんでしょうねぇ。僕には結構ベッタリなんですか……」


蟻「」ヨチヨチ


娘「……あ。ありさんだー。うふふー」ベシベシ

探偵「おや、無闇に殺生をしてはいけませんよ、娘」ヒョイッ

娘「なんでー?」キョトン

探偵「蟻さんも生きているからです。僕やママがいなくなったら、娘はいやでしょう?」

娘「うん!」

探偵「この蟻さんにも、娘がいるかもしれません。そうしたら、残された子がかわいそうでしょう?」

探偵「だから、無闇に生き物を殺してはいけません」

娘「うん、わかったー!」ニコッ

探偵「いい返事です」ニコッ

娘「うふふー」ニコニコ

娘「けどありさんはじょおうありをちゅうしんとしたころにーをけいせいしてるから、そとではたらくようなしたっぱのありさんにはむすめはいないんじゃないかな?」

探偵「」

娘「でも、それはそれとして、むやみなせっしょーはやめるね」ニコッ

探偵「え、ええ。いい子です」ニコ…

助手「一体、誰に似たんでしょうね、この子……」

探偵「あ、あはは……」

探偵「それより、助手が夕飯を食べ終わるのを待って、久しぶりに三人揃って寝ましょうか」

助手「あ、いいねそれ!」

娘「わーい!」

探偵「それでは料理を持ってきますね」ニコッ



探偵(あれから世界は平和になった)

探偵(王様は僕が世界を救ったと言っていましたが、それは違うと思う)

探偵(この平和は、みんなの力で手にしたものだ)

探偵(今の僕には、以前のように多くの人を守るだけの力は無いけれど)

探偵(せめて僕の目が届く範囲の平和は、守っていきたいと思う)

探偵(この幸せを、平和を、共有する僕の家族を)

探偵(これからもずっと)




おわり。

365 : [sage saga]:2013/03/04(月) 13:31:25.61 ID:NMTVK5D60
※すみません、このタイミングでアレですが、ご飯食べてきます!
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 13:42:38.94 ID:FQQMyhdDO
ああ……平和だ。良かった……本当に

しかし、あれだけ世界がごちゃごちゃしてきたのに上手く捌けるんだから、>>1さんは凄い人だよな

良い終わりだったよ
乙乙っ!
激しく乙!
とことん乙!
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 13:44:53.22 ID:d0PCt95F0
乙!!
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 13:47:01.09 ID:WDZkmbBKo
娘wwwwww
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 13:48:05.73 ID:i3MCa50p0
乙〜

あれ?なんかこの娘さん魔王臭くないですか?大丈夫……?
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 13:57:08.48 ID:h7P//HL20

もしや呪いの真の狙いは
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 14:05:12.74 ID:xxtVUKdt0
ハッピーエンドでよかった、乙でした

できたら他のメンバーのその後もよろしく
372 : [sage saga]:2013/03/04(月) 14:25:52.84 ID:NMTVK5D60

※了解です! 他のキャラのその後をゆっくり書いていきます。

 それから、おそらく短編の番外編で『魔王誕生』を書くと思います。
(『復活』ではなく『誕生』……昔のお話です。どうして魔王が壊れてしまったのか、その理由を明かすお話です)

 あとちょっとだけお付き合いくださいませ。

373 : [sage saga]:2013/03/04(月) 14:57:46.10 ID:NMTVK5D60

―――竜帝国―――


竜A「噂のお方が戻ってこられるぞ!」

竜B「あの伝説の……竜族の王者が!」

竜C「竜王代理と副隊長様が、もうすぐお連れして帰ってくる!」

竜D「竜族全員、竜の巣跡地に招集しろ!!」


・・・・・・


「久方ぶりじゃな、外界の空気は」

「待たせたな、皆の者」



竜王「余が竜王であるぞ!!」ドドン!



ウォォォォォオオオオオオ!!

竜A「お帰りなさいませ竜王様ー!!」(思ってたのと違う……)

竜B「お待ちしておりました竜王様ー!!」(あれ、子供……?)

竜C「お美しいです竜王様ー!!」(ほんとに強いのか……?)

竜D「踏んでください竜王様ー!!」(幼女! 幼女!)



竜者「おい、あいつら絶対竜王のことナメてるぞ……」

副隊長「俺もそう思います……まあ、あの外見では無理もありませんが……」



竜王「竜王様じゃってー! むふふ、おい勇者、副隊長、聞いたか? 竜王『様』じゃってー!」ピョンピョン


374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 15:41:07.68 ID:FQQMyhdDO
>>1さんよ、遅めのおやつにでもしてみてはいかが?
375 : [sage saga]:2013/03/04(月) 15:48:06.58 ID:NMTVK5D60

―――竜王の間―――


竜王「うむ。そうかそうか、結婚したか勇者よ。それはめでたいな。あっはっは」

勇者「お、おう。そうだぜ。だからちょっと離れろ竜王。近いぞ」

竜王「んん? なぜじゃ。よかろう、これくらい。この程度で不貞を働くほど猿ではなかろう?」

勇者「そりゃそうだがよ……」

竜王「そうじゃろうそうじゃろう。ならば問題あるまい」スリスリ

ガチャ

副隊長「竜王ちゃん、公務のことでお話が…………って何してるんですかッ!?」

竜王「チッ……」

勇者「え? 今、舌打ち……」

竜王「勇者が『竜の契約』をしたいと言っておる! 準備せよ副隊長!」

副隊長「ええっ!? 正気ですか隊長!!」

勇者「言ってない言ってない!! 俺は魔法使い一筋だ!!」

竜王「うむ……手強そうじゃな。少し時間がかかるか……」

勇者「お前さては、寝取り癖治ってねーな!? やってること吸血鬼王と同じだぞ!?」

竜王「失礼な。余とあの変態吸血鬼を一緒にするでない」

竜王「ところで勇者、お主、外見年齢が変わっておらぬな」

勇者「ん、まあ不老不死だからな」

竜王「なんと! 余のためにそこまで……」

勇者「いや、違う違う! ああもう、お前アクセル全開だな!?」

竜王「封印されておる間、いろいろ溜め込んでおったからな!」

竜王「今の余は誰にも止められぬ! かくなる上は、弱化した勇者なぞ力ずくで……」ワキワキ

勇者「うぅっ!?」

副隊長「竜王ちゃん、これをどうぞ」

竜王「なんじゃ副隊長、今良いとこ……」

納豆「やぁ」ネチョッ

竜王「」バターン!

勇者「でかした副隊長! 俺は王国に帰る! あとは任せたぞ!」バッ

副隊長「竜王ちゃんが落ち着いたら、お迎えにあがります」

勇者「おう! またな、副隊長!!」



副隊長(隊長は弱化にも拘らず、竜王代理としてずっと竜族を守り続けてくださった)

副隊長(今度は我々がお守りしなければ……!)チラッ

副隊長(集めに集めた納豆10t……これを有効に使って、竜王ちゃんを矯正せねば)ゴゴゴゴゴ

376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 15:57:31.78 ID:fdVoTOtW0
納豆wwwww
いやでも10tもあったら逆に克服しちゃうんじゃないかな
食べ方変えたり、煮込み料理の具材とかにしちゃえば別もんだし
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 16:43:58.39 ID:xxtVUKdt0
>>372
こっ、これは!!
ありがとう、楽しみにしています
378 : [sage saga]:2013/03/04(月) 17:03:59.03 ID:NMTVK5D60


村人「早まるんじゃない! 戻ってくるんだ!」

村娘「放っといて!! あの人がいないなら、私なんて生きてる価値無いのよ!!」


ザッ


村人「お、おいお前、なにやってるんだ!」



郵便屋「幽便でーす」


379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 17:10:48.79 ID:FQQMyhdDO
幽便……なるほど。上手いなぁ
380 : [sage saga]:2013/03/04(月) 17:10:50.05 ID:NMTVK5D60
村娘「ちょ、ちょっとあなた、それ以上近づいたら……!」


郵便屋「村男さんからのお手紙です」

村娘「……っ!?」

郵便屋「はい、どうぞ!」

村娘「―――あ、え?」

郵便屋「この手紙はインクではなく思念で書かれているので、あんまり長持ちしません。なるべく早く読んで差し上げてくださいね」

郵便屋「あ、それからこちらが、ぼくがインクで模写した保存用になります! こちらもどうぞ!」

郵便屋「それでは、ご利用ありがとうございました!」ペコッ

クルッ

村娘「ちょ、ちょっと!」

郵便屋「……? この場でお返事を書きますか?」

村娘「!?」

ペリペリッ

郵便屋「ああ、そんなに乱暴に……」

ペラッ

村娘「……」

村娘「こ……れは……村男の……!? どういうこと!? 生きてる時に書かれたものなの!?」

郵便屋「いいえ。亡くなられたあとに書かれたものですよ。ぼく、いつもは生きてる人の思いを届けてるんですけど、『幽』便というサービスも始めたんです」

郵便屋「亡くなられた村男さんが、村娘さんにどうしても伝え残したことがあるからと、ぼくのパートナーにお願いしてきたそうです」

郵便屋「ですから、もっとしっかり読んで差し上げてください」

村娘「……」

パァァ……

郵便屋(手紙が光った……ここからが本番だね。この手紙は目じゃなくて心で読むものだから)

村娘「…………」ウルッ

村娘「……グスッ……村男ぉ……」

郵便屋「……っ」ウルッ

郵便屋(ぼくの能力の最大の欠点は、手紙を読んだ人の気持ちがぼくにまで伝わっちゃうことなんだよね……)

郵便屋(だからこのお仕事をやめられないんだ)

郵便屋「すぐにお返事を書かれますか?」

村娘「」コクッ

郵便屋「わかりました。こちらがお手紙です。伝えたい気持ちを込めれば、それが文字になります。ぼくは向こうに行っていますから、書けたらぼくに渡してください」

村娘「……待って」

郵便屋「?」

村娘「ありがとう……ございました……!」

郵便屋「!」

郵便屋「」ニコッ

381 : [sage saga]:2013/03/04(月) 17:14:18.52 ID:NMTVK5D60
※郵便屋って設定なのに一度も郵便してなかったので、せめて一回だけでも郵便させてみました。

 信じられないだろうが……これ、勇者魔王SSの安価スレなんだぜ……?

382 : [sage saga]:2013/03/04(月) 18:05:47.56 ID:NMTVK5D60

―――エルフの里―――


エルフ「ぐあああああああッ!!」

エルフ「やめろ、そいつを返せ!!」

エルフ「ちくしょう、殺すなら殺せ!!」

エルフ「くそおおおおおおお!!!」



ベシッ

幼エルフ「うるさい!!」

エルフ「……はい」シュン…

幼エルフ「布団をとっぱらってベッドから降ろそうとしただけで、よくもまぁそんな断末魔をあげられるわね……」

エルフ「私の休息はいつだって命懸けなんだ! 働くくらいなら、私は死を選ぶぞッ!!」

幼エルフ「」ベシッ

エルフ「あうっ」

幼エルフ「いいから、今日のノルマの野うさぎ5匹、夕方までにお願いね。エルフならちょちょいのちょいでしょ?」

エルフ「やだー! めんどくさーい! 弓使いのお前がやれよー!」

幼エルフ「私は鳥類担当なの。いいから着替える! 外に出る! 働け!」

エルフ「……うぅ……どうして私がこんな目に……100年以上、悠々自適な夢のニートライフを送っていたというのに……」

幼エルフ「どうしてって……そりゃあ……」


ガチャ

383 : [sage saga]:2013/03/04(月) 18:11:29.30 ID:NMTVK5D60

黒エルフ「あんたが、私がエルフの里にいられるようにするために、溜め込んだ報酬金もエルフの里を救った英雄の名誉も、全部投げ出してくれたから……でしょ」

エルフ「魔王討伐、悪魔王討伐、天使王討伐、吸血鬼王討伐……あれだけの報酬金があれば、500年はニートできたのに……」グスッ

幼エルフ「おかげ様でエルフの里は急速に繁栄。この付近でエルフを脅かす魔物を牽制できるほどの戦力を確保できたわね」

エルフ「狩りなんて前時代的なことしなくても、よその里や村と貿易すればいいだろー!? 今時、閉鎖主義とか流行んないんだよー!」ジタバタ

幼エルフ「ほら、ごちゃごちゃ言わない! 早く狩りに行くよ!」

黒エルフ「あ……あのさ、今日、新開発した対外防衛の魔法陣を敷設したんだ。そのご褒美で、エルフのお仕事はしばらく無しにしてくれるようにお願いしたから……」

エルフ「!!」

エルフ「黒エルフ!」ガバッ

黒エルフ「うわぁ!?」

エルフ「お前ってやつは! お前ってやつは!」スリスリ

黒エルフ「うわ、や、やめてよ! あ、あんたに助けられたんだから、ちょっとはあんたの役に立ちたいって思っただけなんだから……」

幼エルフ「」ガシッ

エルフ「え?」

幼エルフ「さて、じゃあ狩りに行きますか!」

エルフ「お、お前、話聞いてたか!? 私の仕事はなくなっt」

幼エルフ「甘やかすつもりは……ないわよ?」ニコォ…

エルフ「」

幼エルフ「それから黒エルフ。エルフを甘やかさない!」

黒エルフ「う……」

幼エルフ「エルフの休暇は黒エルフの休暇に変えてくれるように言っておくから、しばらく旅行にでも行ってきなさい」

黒エルフ「え?」

幼エルフ「最近のあなたはずっと上の空だもん。気になってるんでしょ、あそこの人たちが」

黒エルフ「!! ……幼エルフ……い、いいの?」

幼エルフ「ほら、早く行った行った!」グイグイ

黒エルフ「わわっ!?」

バタン

エルフ「……黒エルフに甘いよなー。お前は」

幼エルフ「その分、エルフにはビシバシ行くわよー?」ニコォ

エルフ「oh...」


384 : [sage saga]:2013/03/04(月) 18:57:32.28 ID:NMTVK5D60

―――鍛冶の魔武器屋―――


武士「もっと安くはならんのか!! どうなっておるのだこの店は!!」

鍛冶「むぅ。そうは言われても、値段相応の効果はあると思うでござるよ?」

武士「ふん、こんな刀では野菜も切れぬわ! それが魔道具と同じ値段とはどういった了見だ!」

鍛冶「野菜どころか鉄も斬れるんでござるがなぁ……」

鍛冶「ん?」

スッ

戦士「おい鍛冶、いちいち相手にすんなよ。どうせ喚きたいだけの三下だろ」

鍛冶「おや戦士。ちゃんと寝かしつけたでござるか?」

戦士「うるせーのがいて無理だ。だから黙らせに来た」

武士「なんだと!? 何者だ貴様は!!」

戦士「俺を知らねーってことは、よそから来た田舎者か。ちっと痛い目見るか?」ギロッ

武士「望むところだ……!」チャキッ

サァー……

武士「!? 俺の剣が……消え……溶け……っ!?」

戦士「この魔法は……!」

鍛冶「久しぶりでござるなぁ! 学校はどうしたんでござるか?」


 「王立魔法学院は、5連休ですよ。帰るって連絡したじゃないですか」


ロボ「久しぶりです! 鍛冶ねーさん、戦士にーさん!」ニッ

385 : [sage saga]:2013/03/04(月) 18:58:59.71 ID:NMTVK5D60

ロボ「」チラッ

サァー……

武士「うおおお!? 服も!!」

ロボ「お財布か右腕か……どっちか持って帰ってもいいですよ?」

武士「くっ……!? し、しかし服がなければ帰ろうにも……」

ロボ「じゃあ体を消してあげましょうか?」ニヤ

武士「!!?」ゾクッ

ロボ「冗談ですよ」

サァー……

ロボ「今流行りのワンピースとして再構築してあげました。よかったですね、これで恥ずかしくないですよ」

武士「お……お、お、覚えてやがれ……!!」ダッ

ロボ「うん、覚えとくよ」

ロボ「次に見かけたら……ふふ」

武士「ひっ!?」ダダッ

バタン!

386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 19:06:49.35 ID:FQQMyhdDO
あれ?なんかサドい……gkbr
387 : [sage saga]:2013/03/04(月) 19:23:46.98 ID:NMTVK5D60


ロボ「面白いお客さんでしたね」ニコッ

鍛冶「やりすぎでござる」ゴチッ

ロボ「あう」

戦士「お前……ほんと魔法使いに似てきたよな……」

ロボ「えへへ」/// テレテレ

戦士「いや、褒めてない……」

鍛冶「魔法使い殿と言えば、ロボの外見も、そろそろ魔法使い殿と見間違えそうになるくらいになったでござるな」

ロボ「ママの遺伝子情報から肉体を構築しましたからね。その気になれば誰の姿にもなれるんですが……やっぱりこの姿が一番です」

戦士「学校はどうだ? 楽しいか?」

ロボ「はい、いい人ばかりです。……あ、でも、なぜかロボの顔を見ると、教授たちが怯えたような顔になるんです。なんででしょう?」

鍛冶(魔法使い殿……学校でなにをやらかしたんでござるか……)

戦士「ロボもすっかり立派な女の子になっちまったな」

ロボ「そうでしょうそうでしょう。言い寄ってくる男も少なくないんですよ? えっへん!」ドヤッ

鍛冶「寮暮らしだなんて心配でござったが、杞憂だったようでござるな」

ロボ「ロボがいなくて寂しかったでしょうが、今日から5日間は寂しい思いなんてさせませんよ!」

戦士「ああ……騒がしいやつが帰ってきちまった……」

ロボ「それにしても戦士にーさん。弱化の呪いを受けてるのに、戦闘職業を相手にしちゃダメじゃないですか。死にますよ?」

戦士「一応、次元魔法使えば竜種くらいなら倒せるんだがな……」

戦士「それでなくても、俺は『剣士』じゃなくて『戦士』だ。銃器だって剣と同じくらいの精度で使える。あの程度の奴には遅れは取らねぇよ」

鍛冶「拙者印の魔武器でござるしな」

ロボ「えへへ、やっぱりお似合いですね、お二人は」ニコッ

 オギャア……オギャア……

戦士「あーあ、誰かさんが騒がしいからグズっちまった」

ロボ「ぶぅ〜。戦士にーさんがひどいですー!」

鍛冶「あっはっは。まあまあ、そう膨れないで、あの子と遊んでやってくれ」

鍛冶「では、そろそろご飯にするでござるか」

ロボ「はーいっ!」

388 : [sage saga]:2013/03/04(月) 19:43:59.65 ID:NMTVK5D60
※ちょっと休憩しますね。

 ご希望やご意見は自由に書いていってください。極力実現してみます。

 正直、登場人物が多すぎて全部私が考えるのシンドイというのが本音です……
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 19:55:49.28 ID:eUSZllHS0
未知結晶のカビによるキノコが結構な邪魔者になってたりとか?
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 20:01:18.34 ID:6tg9t1y60
死霊混師の混合実験
今まで倒された敵・モブキャラの死体と魂を使って新生命へと昇華
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 20:07:02.91 ID:6VolaTs40
探偵のBGM
歌使いの歌唱
踊り子さんのダンス
でセッション

熱情みたいのなら歌っても大丈夫そうじゃない?
ヘェ〜ラルロォ〜とかだけだし
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 20:11:59.92 ID:I0W4M9GF0
不思議時空ダンジョンこそ、冒険家が求める前人未到の地じゃない?
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 20:16:51.37 ID:lNNBAbSP0
姫が召喚魔法で恋人を求めたらゼロ魔みたいな事になってそいつと結婚する事になったり
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 20:28:30.84 ID:Y1UrdoZV0
天使王の好きな飴の劣化版(それでもかなり美味しい)がエンジェルタースオリジナルとして販売され、子供に大人気に
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 20:52:03.18 ID:/DXLwNk2o
鍛冶がエルフが呪われてた時に着けてた鎧のレプリカを復刻してみる
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 20:54:20.03 ID:6GQqDwb60
吸血鬼王の伝記小説がチャラ王伝というギャグ漫画にリメイクされてバカ売れし、吸血鬼王は復活後にorzするハメに
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 21:01:20.84 ID:ShwTSl1O0
悪魔王はなぜかプチデビルとして再誕し、記憶も消滅していたので新たに魔生(人生)をやり直す事に
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 21:09:45.24 ID:bbJbp+hh0
鬼王は何度も人間に負けてる事に嫌気が差し、まるで人間の老後の様に各地の溶岩巡りに精を出す
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 21:23:31.92 ID:cwR99tAk0
スライム娘達が流された先は温泉街の掛け捨て湯の近くで、折角だからとそこで体を綺麗にして温泉の女中に転職
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 21:49:57.95 ID:pJcsHvL+0
みーちゃんと飼い主の少女は黒い霧から死霊使い→郵便屋と繋がり、幽便業のサポーターに
みーちゃんが来ると、探偵の猫溺愛っぷりにちょっと辟易する助手と娘
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 21:55:31.34 ID:kB5T8HOl0
近隣村では、死霊使いがぽんぽこ並みのゴースト・パレードを出来る様になったので村一番の催し物に
見物料が安くてもウハウハで村長も大喜びだとか……
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 22:02:44.56 ID:FQQMyhdDO
おおー、凄ぇなぁ。大体消化された?
後、誰が出てないっけ?
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 22:07:14.40 ID:bUokJIEI0
鍛冶さんや色々な人の努力により、未来ではリアルにミクらボーカロイドが存在する
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 22:38:20.74 ID:e45YdkTJ0
復活した魔学者とパニコスの感動の再会
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 22:41:43.28 ID:y8y2emC00
勇者の弱点足の小指をタンスにぶつけて悶絶
406 : [sage saga]:2013/03/04(月) 22:44:42.48 ID:NMTVK5D60
※一番上から書いていきますね!

 ちょっと休憩長かったですね。

 あんまり急がずじっくりコトコト書いてかせていただきますので、ふと思い出したら覗きに来るくらいで大丈夫です!

407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 23:01:11.50 ID:Q8lSf8cs0
探偵の魔翌力が減らされたので雪母さんに振られる(探偵は面倒が減ったと内心喜んだ)
408 : [sage saga]:2013/03/04(月) 23:02:40.93 ID:NMTVK5D60
※上から書いていくと言いましたが、すいません、いきなり前言撤回でお願いします。

 悪魔王からで。
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 23:08:05.83 ID:Q8lSf8cs0
王様と吸血鬼王との間に、不憫キャラ同士の奇妙な友情が芽生える
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 23:08:26.77 ID:XukLQan/O
質問だけど、老紳士ってどこに消えたの…?
411 : [sage saga]:2013/03/04(月) 23:16:54.07 ID:NMTVK5D60

「……ここは、どこだ?」

「わがはいは……」


――――――


魔法使い「ふん、勇者のやつ、竜族なんかに構っちゃってさ……」

魔法使い「べつに、寂しくなんかないけどさ……」

魔法使い「魔法も一日三回しか使えなくなっちゃったし……」

魔法使い「はぁ……」


フワフワ


魔法使い「ん?」

プチデビル「」フワフワ

魔法使い(なんだ? このちっちゃい悪魔みたいなのは……)

プチデビル「む……?」

プチデビル「おぬし……わがはいがなにものなのか、しらぬか……?」

魔法使い「……? 突然何を言いだして……」

魔法使い「!!」

魔法使い(この魔力……!! そしてこの口調! いや、そんなまさか……しかし……)

魔法使い「」ゴソゴソ

魔法使い「探偵くん。私だ、魔法使いだ。至急、助手ちゃんに確認してもらいたい事があるんだが……」

412 : [sage saga]:2013/03/04(月) 23:18:54.02 ID:NMTVK5D60
※老紳士は吸血鬼王と一緒に回収しますね!
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 23:34:40.97 ID:X5oKN7Io0
姫とパニコス(容姿・姫)でどっちが姫Deショー
414 : [sage saga]:2013/03/04(月) 23:34:56.89 ID:NMTVK5D60

魔法使い(助手ちゃん経由で巫女の一族に確認してもらったところ、封印されていた悪魔王の死体が消滅していたらしい)

魔法使い(そしてこのタイミングで悪魔王と瓜二つの魔力、独特の口調、悪魔族っぽい青肌の外見……)

魔法使い(これは匂うな)

プチデビル「なぜかおぬしには、どことなくみおぼえがあるのだ。わがはいのことを、しっているのではないか?」

魔法使い「正直、心当たりはあるね」

プチデビル「ほんとうか!? おしえてくれ、わがはいはなにものなのだ!?」

魔法使い「その前に、なにか魔法を使ってくれ。それで確信できるかもしれない」

プチデビル「まほう……?」

魔法使い「生まれつき使えるような、なにか能力を見せてくれればいい」

プチデビル「うまれつきつかえる……のうりょく」

プチデビル「むむむ…………はっ!!」カッ

魔法使い「!!」キュィィィン

魔法使い(疲労が回復していく……いや、これは回復ではないな。この因果律に直接干渉するような底知れない現象は)

魔法使い(『代償操作呪文』!! 私がここまで移動するのに支払った、疲労という代償を打ち消したんだ……!!)

魔法使い(間違いない! こいつ、悪魔王の生まれ変わりだ!!)

プチデビル「う……つかれた……」フラッ

魔法使い「おっと」ポスッ

プチデビル「くー……zzz……」スヤスヤ

魔法使い「……寝てしまったか」

魔法使い(どういうことか知らんが、これはチャンスでもあるんじゃないか?)

魔法使い(王立魔導図書館には、代償がキツくて使えないような魔法もたくさんあった。それらの代償を打ち消してくれるとしたら……)

魔法使い「試してみる価値はありそうだね」

魔法使い(久しぶりに、燃えてきちゃったよ……!!)

415 : [sage saga]:2013/03/04(月) 23:45:55.70 ID:NMTVK5D60

※覚えている人はいないかもしれませんが、実は現在の王立魔導図書館の管理人は魔法使いではありません。

 竜王篇で、早とちりした魔法使いが、勇者のために『美人で優秀な魔法使い』を選抜して後を継がせてしまいました。

 というわけで、今更すぎますか、女魔導師について安価させていただきたいと思います。


>>417
 性格、特徴、口調、なんでもいいので、キャラ付け要素をばお願いします。

416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 23:54:48.01 ID:IeXDNpHao
加速下
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 23:54:56.74 ID:+Bzo1aOko
メガネをかけたおっとりとした女性で語尾を伸ばす癖が有る
普段は畑を耕しており、晴耕雨読の生活を実践している
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 23:56:38.43 ID:Yql003/Zo
竜王が復活したのは時間なのかそれとも何らかの要因なのか
419 : [sage saga]:2013/03/05(火) 00:26:01.25 ID:3XOVZdmV0

―――王立魔導図書館―――


ガチャ

魔法使い「お邪魔するよ。いいね」


魔導師「あら〜、魔法使いちゃんじゃない。いらっしゃ〜い」

魔法使い「早速だが、ちょっと試したいことがあってね……ここを使わせてもらうよ」

魔導師「どうぞどうぞ〜。魔法使いちゃんなら、許可なんて取らないでも大丈夫じゃないかしら〜?」

魔法使い「そういうわけにもいかないさ。それじゃあ、失礼して……」

魔法使い「プチデビル、出番だよ」

プチデビル「」ズズズ…

プチデビル「かげのなかはせまくて、いきぐるしいぞ」

魔法使い「そうなのかい? 影系の魔法はあまり使わないんでね」

魔法使い「さて、代償操作呪文を使って、私の魔法発動をサポートしてみてくれ。それができれば、キミのことを教えてあげるよ。正確には、キミの前世のことだがね」

プチデビル「ぜんせのことであろうと、わがはいにかんすることなら、なんだってしりたいのだ」

魔法使い「オーケー。じゃあ早速行くぜ……」

魔法使い「対象は元『七王』の四人だ。鬼王、吸血鬼王、竜王、狼王」

魔法使い「使用する呪文は、『規制呪文』。規制条件は『他人に危害を加える行動の一切』」

魔法使い「対象が対象だけに、これだけの呪文を使えば、普通は代償がとんでもないことになるんだが……」

悪魔王「たしかに、すごいだいしょうだ。これをすべてむこうにすればよいのだな?」

魔法使い「ああ、頼むよ」

魔法使い(数百年もの間続く忌まわしい習慣に、終止符を打つ。もしも成功すれば、この平和をずっと保つことができるだろう)

魔法使い「よし……行くよ!」キュィィィン


420 : [sage saga]:2013/03/05(火) 00:45:31.87 ID:3XOVZdmV0

―――バベル火山―――


鬼王「…………」

鬼王(儂は古の暴虐王……それなのに、幾度も人間ごときに討伐され、挙句に妙な呪いで赤子も殺せぬ身にされ、情けをかけられ封印から解放されたァ……)

鬼王(情けない……!! 情けなさすぎるぞォ!!! うぅっ……!!)

鬼王(傷心を癒すため各地の温泉(火山)を巡っているのだがァ、一向に癒える気配もないィ……)

鬼王(他に、処刑以外にこれといった趣味もないィ……)

鬼王(……)

鬼王「他の『王』達は元気にしておるだろうかァ? 悪魔王と魔王はすでに消滅し、天使王は呪いで力を失ったそうだがァ……」

鬼王「手紙を……出してみるとするかァ」

421 : [sage saga]:2013/03/05(火) 01:02:24.52 ID:3XOVZdmV0


吸血鬼王(……古城には誰もいなかったな。当然っちゃ当然だが……)

吸血鬼王(とりあえず俺様の伝記がどうなったのかだけ確認しとかなくちゃな)



吸血鬼王「というわけで、老紳士を訪ねてみたわけなんだ」

老紳士「おや、そうでしたか。ええ、伝記に関しては、それはもう好評でございますよ」

吸血鬼王「マジかよ! やっぱわかる奴にはわかるんだよなぁ! うんうん!」

老紳士「しかし」

吸血鬼王「?」

老紳士「この漫画をご覧下さい」スッ

吸血鬼王「? ……『チャラ王伝』?」ペラッ

吸血鬼王「…………」

吸血鬼王「もしかしてこれ……俺様のことを書いてるのか?」

老紳士「ええ、いかにも、私が書いた伝記をもとにした、ギャグ漫画です」

吸血鬼王「ぎゃ……ギャグ漫画……俺様の生き様が、ギャグ漫画だとぉ……!?」

老紳士「私の書いた伝記の数百倍の売上を記録する、大ベストセラー漫画となっています」

吸血鬼王「なんだ、そりゃあ…………ちくしょぉぉぉ……」ガクッ




郵便屋「吸血鬼王さんに、郵便でーす」

吸血鬼王「なんだ? ……鬼王から?」ペラッ

吸血鬼王「…………あいつも、いろいろ苦労してんだなぁ……」

吸血鬼王「おし、俺様も行ってやるか!」

422 : [sage saga]:2013/03/05(火) 01:03:12.67 ID:3XOVZdmV0
※今日はここまででお願いします!

 明日は9時〜10時くらいに書き始めます!
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 01:40:33.61 ID:ye6ka1GDO
おつ
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 08:55:59.14 ID:jbZi0+/T0
おつ!

>>389-405
>>407,409,413
リクエストの数がすごい・・
なんか本編ぐらいの長さになりそうw
425 : [sage saga]:2013/03/05(火) 09:26:26.82 ID:3XOVZdmV0

―――結晶の樹海―――


狼王「美しい……なんという光景だ。千年満月に勝るとも劣らない、神秘的な空間だ」

狼王「能力を使う条件は規制されても、能力の上限を規制されたわけでもないのに、この私の攻撃でもビクともしないとは……この結晶菌類、相当の硬度だぞ……」

狼王「樹海の中心にある洞窟は、繁殖に繁殖を重ねた巨大な球状の結晶が浮かんでいる……さながら満月のようだ」

狼王「こんな辺鄙な場所に人間が近づくはずもなかろう……しばらくこの場所は、この狼王の住処としよう」

狼王「……ん?」



冒険家「」シャッ シャシャッ シャカシャカ



狼王「なんだあの小娘は……?」

狼王「どうやら素描を行っているらしいな。この私の気配にも気づかぬほど、一心不乱に……」

狼王「この私が心を動かされるほどの芸術だ、無理からぬことか。それにしても、この角度から満月結晶を描くか。なかなかの芸術的感性と見た。褒めて遣わそう」

狼王「おい、そこの小娘」

冒険家「」シャッ シャカシャカ

狼王「……おい」

冒険家「」シャカシャカ シャシャッ シャッ シャッ

狼王「この狼王を無視するとは、いい度胸だ……!」

狼王「おい! 聞いているのk」


冒険家「だまって」ボソッ


狼王「……」(正座)

冒険家「」シャッ シャッ

426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/03/05(火) 09:36:36.45 ID:rZ3+mTGP0
>>425
狼王も形無しでんなwww



死霊混師の混合結果   思い付いただけ書いてみたぜ!

・オーガ×クラーケン魂or冷凍保存肉?=nemesis T=3型(カプコン バイオハザード)  巨体と触手要素から

・ローパー×魔王に殺されたレイパー盗賊=スマート(ほっそり)ローパー  浅黒く、胴と
触手が細いローパー。素早めで器用

・キラーマシン×戦士が殺したドラゴン13体の魂=部分機竜隊
新種の竜族。13体のサイボーグなドラゴン。一体はレーザー、
一体はミサイル、一体はドリルetc...と固体によって秀でた機械武装が違う

・地下残虐賭博場のVIP共(魂?)×魔王に殺された村の人々の魂=クラウドレギオン
たくさんの顔が蠢く、白い雲の様に巨大な集合霊の化け物
幽霊族が基本的に出来る事に加え、霧化・膨張等も可能

・探偵が昔殺したドラゴン母の魂×竜者が警告として泉に放った気の
影響で死んだ森の色々=ドラゴンフェアリー
新種の竜族であり妖精族。大きさは30〜50cm。色は固体によって違うが、緑が一番多い。妖精と
してはあり得ない程のパワーを持つ。拠り代は竜種とそれに近しいもの。竜の山か竜族の近くに現れる

・探偵が昔殺したドラゴン父の遺骨×亡霊武者=侍ドラゴン  人型の誇り高き武竜

・竜王が壊した世界の欠片×巨竜の魂=ナチュラブドラゴン  これも新種の竜族。基本の
大きさは50cm程と小さいが、その分数が多い。自然界の持つ華やかな色をしている
本来の竜種とは違い、自然を愛する性質を持つ。自然を壊そうとする存在には容赦は無い

・オーク×鍛冶が持ち帰ってたコミケの無料冊子数冊(全部は重過ぎるので)の残留オタ思念=オターク
武器を持っておらず、通常のオークと違って闘争心も殆ど無い。代わりに知力が高めで
知識(偏った知識だが)と性欲が多い。美少女を眺めるのが大好き。ビン底眼鏡を掛け、
大きめのリュック(アニメキャラポスターと大量の同人誌&グッズ入り)を背負ったオーク

・矢で壊されたはちゅね(互換共有の残滓の思念)×かつて吸血鬼王に殺された
美女達の霊=ミク妖精(非電子)
初音ミクの姿と声の妖精。大きさは20cm。女性達の魂であったから、この姿で適応したのだろう
これらの妖精が拠り代としているのは音楽と歌である。お祭りの楽団等の所に現れるかも知れない
稀に赤や黄色の違う種類も見掛ける事があるらしいとか
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 09:44:30.48 ID:rZ3+mTGP0
修正

×探偵が昔殺したドラゴン父の遺骨

○戦士が殺したドラゴン父の遺骨
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 09:57:37.49 ID:zEJjQNX/o
ID:rZ3+mTGP0はこのタイミングでまた訳のわからないものをつけたすか……ハァ…
429 : [sage saga]:2013/03/05(火) 09:58:23.93 ID:3XOVZdmV0


冒険家「でっきたぁー♪」ピョンピョン

冒険家「やっぱり一点透視図法で遠近感を正確に描くと空気感の表現に一役買うなぁ!」

冒険家「……」

狼王「……」

冒険家「うわあ!? 狼!? デカッ!?」

狼王「気づいていなかったのか……大した集中力だ」

狼王「まあ、その絵の空気感の表現が一級品だというのには同意しよう」

冒険家「でしょでしょ!?」

狼王「しかしその分、結晶の質感表現が疎かになっている。樹木の色味との描き分けも拙いように思えるな。それを踏まえても、その正確な空間把握のおかげで総評としては上々の出来だと言えるだろうが」

冒険家「―――っ!」

冒険家「た、ただの狼さんじゃないね……!」ゴクリ

狼王「伊達に、その時代の最も美しい場所を住処としてきたわけではない。芸術的感性ならば、生まれて十数年の小娘には負けんさ」

冒険家「!!」

冒険家「こ、こっちのデッサンはどう思う!?」ペラッ

狼王「……評価以前の問題だな。ちゃんと素描が終わったら、鉛筆の炭素粒子を定着させて劣化を防ぐためにヘキサチーフを吹きかけるべきだろう」

冒険家「ヘキサチーフ……?」

狼王「なんだ、そんなことも知らんのか。今度画材屋で聞いてみるがいい」

狼王「では、この辺で私は失礼するぞ」スッ

冒険家「ま、待って……師匠!」ガシッ

狼王「師匠?」ググッ

冒険家「もっと私に、絵のことを教えて!」

狼王「……メリットもないのにか……」

冒険家「メリット?」

狼王「そうだ、メリット。私が貴様に絵のことを教えてやるにあたって、私に何の得があるのだ?」

冒険家「えっと……」

冒険家「私の仲間が私についてきてくれる理由は……『絶対に退屈しない』からだって言ってたかなぁ……?」

狼王「……退屈しない……か」

狼王「クハ、クハハハハハ! なかなか面白いじゃないか、小娘」

狼王「私のような存在には、それはなかなか魅力的だな」

冒険家「じゃあ……!」パァ

狼王「戯れだ。磨けば光る貴様の腕を、私が導いてやろう。……飽きるまではな」

冒険家「やっっったぁーー!! やっと芸術のわかる人が仲間になったぁーー!!」ピョンピョン

狼王(この『七王』ともあろう私が、部下ではなく『仲間』を作るとな? クハハ)

狼王「小娘、名は?」

冒険家「冒険家! 師匠のお名前は?」

狼王「私の名は…………」

狼王「貴様が絵で私を唸らせることができたなら、教えてやらんこともない」

冒険家「えー!? じゃあ絶対にすぐに上達しちゃうんだからー!」

狼王「せいぜい頑張ることだな。期待せずに待っているぞ。クハハ」
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 09:59:51.23 ID:zEJjQNX/o
1も後日談書くならリクエストの期限決めないと決めないとキリが無いんじゃないの?
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 10:04:20.94 ID:ye6ka1GDO
>>428
今まで散っていった敵・モブキャラの追悼だと思えば……
432 : [sage saga]:2013/03/05(火) 10:35:28.50 ID:3XOVZdmV0

冒険家「たっだいまー! みんな、新しい仲間を紹介するよ! 師匠でーす!!」

狼王「……師匠だ」

時空術師(え……!? これって、最近巷を騒がせてた『王』の一人……!?)

狼王(私を知っている者もいるのか。ふむ、この小娘の仲間だからといって、アホばかりではないようだな)

狼王「ところで冒険家、お前の仲間というのは、この娘一人だけなのか? どうにも複数形で語っていたように思えたのだが」

冒険家「えっとねぇ、そこの時空術師さんと、それから今はいないけど、郵便屋くんと、死霊混師さんと、踊り子さん、それから最近仲間になった死霊使いくんと、虹精霊さんと虹妖精ちゃん!」

冒険家「今は死霊混師さんは変な実験にまた凝りだしちゃって、ゴーストタウンに行っちゃった。一人じゃ心配だからって言って、虹精霊さんと虹妖精ちゃんもついて行っちゃった」

冒険家「郵便屋くんと死霊使いくんは、二人で新しいお仕事を始めたから忙しくなっちゃって最近はあんまり会えないかな」

冒険家「踊り子さんは、今ちょうど『音音色舞(ネオンしきぶ)』っていう四人組のユニットで活動中だからもうしばらくは帰ってこれないみたい」

冒険家「というわけで、もうしばらくはこの三人で旅をすることになっちゃうね!」

狼王「そっちの時空術師とかいう貴様は、どういう能力なのだ?」

時空術師「ありとあらゆる次元、時間、空間からランダムに世界をダンジョンとして召喚する能力よ。今まで見たこともない世界を、自分の身で体験できるの」

冒険家「たまにエグイ世界に出ちゃうけど、基本的にはこことは全然違う世界を体験できて凄く楽しいよ! 師匠も気にいると思うな!」

狼王「ほう、それは興味深いな。是非体験してみたいものだ」

時空術師「それじゃあ、お近づきの印に、三人でちょっと行ってみる?」

冒険家「わーい! 久しぶりの不思議時空ダンジョンだぁー!!」ピョンピョン

狼王「神秘的な世界に出れると良いな。クハハ」

時空術師「それじゃあ行くわよ?」キュィィィン



グニューン



―――この後、『突然勇者が消失してしまった世界』で『魔王討伐』という課題を授かり、新勇者へと祭り上げられた三人が二週間ほど帰ってこられなくなるのだが……それはまた別のお話である―――


433 : [sage saga]:2013/03/05(火) 10:41:03.56 ID:3XOVZdmV0
※探偵が昔殺したドラゴン母って誰でしたっけ? あの化け狐の母親のことでしょうか?

 だとすると、戦士が倒したドラゴン父はまだ生きてます。半殺しにはされましたが。ちょっとわかりにくい書き方でしたね。申し訳ないです。
434 : [sage saga]:2013/03/05(火) 10:49:39.69 ID:3XOVZdmV0
>>430
※ありがとうございます! とりあえず、今までストーリーにそこそこ関わったキャラたちは一回ずつ回収していこうと思っています。

 一人一人個別にではなく、複数人をいっぺんに処理することもありますので、ご了承ください!
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 10:52:28.39 ID:ye6ka1GDO
死んでないならそれはノーカンで良いんじゃない?
ってかあれって狐だったのか。俺もドラゴンだったイメージが強いぜ
436 : [sage saga]:2013/03/05(火) 11:42:30.63 ID:3XOVZdmV0


グニューン


「うわあああああああああ!!?」


ドテッ


「な、なに!? これから魔王討伐に出ようって時に、一体なにが……!?」キョロキョロ



姫「『別世界の勇者』を召喚しようと魔法使いちゃんにお願いしたら……」

姫「本当にできちゃった……」

異世界勇者「しょ……召喚?」

異勇者「え、あなたがボクを召喚したの? じゃあここは王国じゃなくて、どこか別の場所?」

姫「というより、別の世界ですわ」

異勇者「えっ」

姫「ご安心を。この世界は、すでに魔王も七王もいない、平和な世界です! 戦う必要などないのですよ?」

異勇者「え? ええっ? ちょ、何言ってるのかよくわからないんですけど……」

異勇者(けど、正直ボクは戦いよりも、戦略練ったり人を動かす方が得意だったから……それが本当なら万々歳かも……)

異勇者(魔王が強すぎて、誰も討伐について来てくれなかったし……)

姫「気持ちを整理する時間が必要でしょうから、こちらへどうぞ」

姫「元の世界とはいつでも行き来できますので、安心してくつろいでいってくださいね」ニコッ

異勇者「は、はい……!」ドキッ

異勇者(ボクの世界の姫様に顔が似てるけど、あっちの冷たい姫様と違って……)

437 : [sage saga]:2013/03/05(火) 12:25:22.46 ID:3XOVZdmV0

―――天使王の洋館―――


黒エルフ「た、ただいま」

天使王「む。黒エルフではないか。どうした、また追い出されたか?」

黒エルフ「ち、違うよ。休暇をもらったの」

天使王「だから家に帰ってきたのか。おかえり」ニコッ

黒エルフ(『家に帰って』『おかえり』……)

黒エルフ「えへへっ」

天使王「?」

天使王「わざわざ帰ってきたのだ、家族全員で出迎えたいのだが……今ちょうど秘書と歌使いは出払っていてな」

黒エルフ「買い物かなにか?」

天使王「そうか、あれはお前が家を出てからのことか。……まず歌使いは『音音色舞』だ。これは知っているな?」

黒エルフ「うん。歌使いさんと、探偵と、魔王の側近と、踊り子さんの四人で組んでるっていう謎集団だね……評価はかなり高いらしいけど」

天使王「ああ。そして、秘書はお菓子メーカーの代表取締役に収まっていて、今は忙しいのだ」

黒エルフ「ええっ!?」

天使王「秘書が私のために作ってくれる、例の飴があるだろう?」

黒エルフ「うん。信じられないくらい美味しいよね」

天使王「私が言って、あれを量産させて売り出してみたんだ。冗談でな。そうしたら、まさかのバカ売れで……」

黒エルフ「出世しちゃったんだ……」

天使王「エンジェルタースオリジナルという飴だ。聞いたことないか?」

黒エルフ「うわ、お店で見たことあるや……」

天使王「まあ明日には二人も帰ってくるだろう」

黒エルフ「そっか。……ところで坊ちゃん、体の具合はどう?」

天使王「呪いと宝玉の二重苦で、ほとんど歩くことさえできなくなったな」

黒エルフ「そっか……」

天使王「おかげで探偵がおんぶしてくれるようになったな。ははは」

黒エルフ「……プラス思考だね、坊ちゃん」

天使王「まあ私のことはともかく、探偵のところから帰ってきたポニ子と遊んでやってくれ」

黒エルフ「ああ、そういえば帰ってきたんだっけ、あの子」

黒エルフ「そりゃあ、あのイチャラブ空間を『心地いい』と感じるわけはないよね……」

天使王「というより、娘に追い出されたらしいぞ。探偵の見ていないところで、執拗にベシベシ叩いてくるらしい」

黒エルフ「ほんとなんなんだろうね、あの子……」

天使王「なんでもいいさ……探偵があんなに幸せそうなのだからな」ニコッ

黒エルフ「……坊ちゃん」ジーン

天使王「さて! そろそろ探偵のところに遊びに行くか! 運ぶがいい、黒エルフよ!」

黒エルフ「…………坊ちゃん」ズーン

438 : [sage saga]:2013/03/05(火) 12:48:56.00 ID:3XOVZdmV0

―――温泉―――


魔法使い「異次元スイートルームを温泉街に接続していたのに、なんだかんだでこうして入るのは初めてだね」フゥ

淫魔「ですねぇ。生き返ります〜……」ホワホワ

魔法使い「たしかにいいものだね、これは」

魔法使い(淫魔ちゃんのたわわな果実がお湯に浮いているのは、目に毒だがね)

淫魔「源泉かけ流しって言うんですか? すごいですよねぇ。次々とお湯が溢れてきます!」

チョロチョロチョロ…

魔法使い「ああ。このライオンみたいな石像の口から、次々と……」

チョロチョロ……ピタッ……

魔法使い「うん?」

ブプッ……ニュルニュル……ニュルンッ!

淫魔「な、なにかヌルヌルしたものが出てきましたよ!?」

魔法使い「凝固呪文!!」

ギュルルルッ!!

スライムメイドA「ぷはぁっ! やっと外ですぅ!」

スライムメイドB「シャバの空気だぁ!」

淫魔「」

魔法使い「……なんだコイツらは?」

スライムメイドA「あーっ! 淫魔ちゃんだぁ!」ガバッ

スライムメイドB「一糸まとわぬ姿! たまらーん!」ガバッ

淫魔「ひゃああああ!?」ザパーン!

439 : [sage saga]:2013/03/05(火) 12:58:07.80 ID:3XOVZdmV0

スライムメイドA「やったー! 新しい就職先だぁ! 女中さんだぁ!」

スライムメイドB「もう旦那様いないらしいし、どうやって食べていこうかと思いましたぁ」

淫魔「温泉の一つを詰まらせて故障させた弁償として働くっていう自覚が足りてないですね……」

魔法使い「意外と男性客に人気らしいけどね」

淫魔「いつかこの子ら、女性客にやらかしますよ。絶対」

スライムメイドA「にゅふふ。ここは桃源郷だねぇ、Bちゃん!」

スライムメイドB「まだ我慢だよAちゃん。まずは女将の信頼を勝ち取るのが先決だもん!」

魔法使い「…………まぁ、ここの温泉がいかがわしい店になっても、私たちには関係のないことさ……」

淫魔「いいのかなぁ……これ」

440 : [sage saga]:2013/03/05(火) 14:26:30.62 ID:3XOVZdmV0

コンコン

少女「ごめんくださーい」

ガチャ

助手「あ、少女ちゃん! お手紙持ってきてくれたの?」

少女「うん! はい、どーぞっ」

助手「ありがとう」ニコッ

少女「えへへー」ニコニコ

猫「」ピクッ

サァー…

霧「」

猫「みー!」ツンツン

少女「え、ほんと?」

少女「助手さん、ごめんね。あたらしいお手紙がとどいたみたいだから、もういくね?」

助手「大忙しだね」

少女「うん! けどね、私はこの街だけだから、郵便屋くんたちよりずっと楽なのっ!」

助手「そっか。お仕事がんばってね」

少女「はーい! 探偵さんにもよろしくね!」

助手「ふふ。うん、わかったよ」

少女「それじゃあ、ばいばーい!」

助手「ばいばい」フリフリ



探偵「いやあ、なかなか見ごたえのあるショーでしたねぇ」

娘「うん!」

探偵「さて、そろそろ事務所に着く…………おや?」

少女「あ、探偵さんだー!」

探偵「」ギラリ

猫「!?」ダッ

探偵「」ヒュンッ

少女(速いッ!!)

探偵「おやおやおやおや!!! お久しぶりですねぇみーちゃん相変わらず愛らしいですねぇよぉ〜しよしよしよし!!!」

猫「みー!?」ジタバタ

助手「ああ、嫌な予感が当たっちゃった……。ほら探偵、みーちゃん困ってるよ」

探偵「あと5分! あと5分だけですので!!」ヨシヨシヨシ

猫「……みー」グッタリ

少女「探偵さんはほんとに猫さんが好きなんだねー」

娘「うん。だからままはよるになるとね、ねこさんのみみをつけてぱぱにあまえたりするんだよ」

助手「ちょっ……!?」

441 : [sage saga]:2013/03/05(火) 15:07:35.05 ID:3XOVZdmV0

―――ゴーストタウン―――


巨大触手「」グネグネ

細ローパー「」ウネウネ

機械竜「」ガシャガシャガシャ!!

ドラゴンゾンビ「」ウジュ…グチュ…



死霊混師「ふふ……ふふはははははは!! いいですねぇ、この土地の瘴気は!」

死霊混師「次々とおぞましき怪物が誕生していく……!! 次は何が生まれるのでしょう……!!」

死霊混師「ははははははは!!」



虹妖精「な、なんかあいつ、変なのに取り憑かれちゃってないか!? ここに着くまでは妖精竜とか電子精霊とか生み出してたのに……」

虹精霊『そうか? 昔からあんな感じだったような気も……』

虹妖精「いやいやいや!? なんか最近変な霧も発生し始めたし! 無人のはずなのに時々異様な人影が見えるし!! いつからか壁や床が内臓みたいな模様になってるし!!!」

虹精霊『面白そうだから、あと少し様子を見てみよう』

虹妖精「面白そう!?」

虹妖精(……なんでこの人と死霊混師が手を組んでるのかわかった気がする……!!)



442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 15:29:29.06 ID:ye6ka1GDO
ネクロマンサー系だから……きっとサガみたいなもんなんだって(汗
443 : [sage saga]:2013/03/05(火) 15:47:45.62 ID:3XOVZdmV0

―――近隣の村―――


村長娘「いらっしゃい、死霊使いくん!」

死霊使い「う、うん。おじゃま、します」

村長娘「もう。そんなにかしこまらなくたっていいのに。死霊使いくんのおかげで、この村も賑やかになったんだし」

村長娘「あの時の約束、果たしてくれてありがとう」ニコッ

死霊使い「えへ、へ。たくさん、みんなに助けてもらった。それで、みんなを、助けたから」

死霊使い「村長娘さんの、ことも、助けられた、かな?」

村長娘「もちろんだよ! やってることはあの時と同じなはずなのに……」

死霊使い「この村に、幽霊を、呼んでるだけ、だもんね」

村長娘「幽霊をあんなにたくさん整列させて操るなんて……最初見たときは信じられなかったよ」

村長娘「ふふ。その発想も技術も、いろんな人を助けてきた経験のおかげかな?」

死霊使い「助け、られて、よかった」ニコッ


ガチャ

村長「む、来ておったのか、死霊使い」

死霊使い「……あ……おじゃま……してます……」

村長「やはりワシには馴染まんのだな……」

村長「まあ、お前のおかげでこの村も賑やかになって、潤っとる。気兼ねなく、いつでも遊びに来るといい」

死霊使い「」コクッ

村長(しかしなぜだろうか……ここのところ、慢性的に肩が重い……歳じゃろうか?)

死霊使い(……村長さん……また……取り憑かれてる……。……まだ許してもらえて……ないんだ……)

死霊使い(……あとで……外しておこう……)

444 : [sage saga]:2013/03/05(火) 17:09:21.45 ID:3XOVZdmV0

姫「あら、パニコスさん? どうされましたか?」

姫「魔法使いに呼ばれたんだ。そういう姫様は?」

姫「魔法使いちゃんにお願いを聞いてもらったんです」

姫「お願い?」

姫「異世界の勇者を召喚したいと、ほとんと冗談で言ってみたら本当にやってくださったんです」

姫「え。そんなことできるの? 魔法使いって弱化してるから魔法なんて使えないんじゃないの?」

姫「一日に三回までなら使えるらしいですよ?」

姫「ですから、七王の無害化、異世界勇者の召喚と、今日はあと一回魔法を使えるということです」

姫「おかしいなぁ。そんなとんでもない魔法、魔力だけじゃ発動できるはずないのに……」

姫「とにかく、どうして呼ばれたのかわからないけど会ってくるよ。魔法使いは図書館?」

姫「ええ。もうすぐ……」

ガチャ

魔法使い「ああ、もう来てたのかい」

魔法使い「……えっと」

魔法使い「パニコスはどっちかな?」

445 : [sage saga]:2013/03/05(火) 17:57:44.14 ID:3XOVZdmV0

―――魔法実験室―――


魔法使い「言われたものは持ってきたかい?」

パニコス「う、うん。魔学者の一部と、魔学者が使っていた日用品、魔学者の魔力が込められた魔道具……」

パニコス「とにかくありったけ」

魔法使い「そうかい。それは重畳」

パニコス「ねぇ、一体なにするつもりなの?」

魔法使い「言っておくが、『生き返る』わけじゃあないよ。あくまで『再現』するだけだ。残留思念を肉塊に定着させる延長とでも言えばいいかな」

魔法使い「だから『生き返る』わけじゃない。死人は決して生き返らない」

魔法使い「だけど噂じゃ、私よりもずっと幼い二人の使い手が、死者との橋渡しなんてやってるそうじゃないか」

魔法使い「弱化しようとなんだろうと、この私が子供相手に遅れを取るなんて、認められないな。私は負けず嫌いなんだ」

パニコス「……なにを……」

魔法使い「これはキミのためじゃない、私の自己満足と研究心によるものだ。それでもいいなら、持ってきたものをそこに並べな」

魔法使い「全部消えちゃうけど、それ相応のモノを取り出してやるからさ」

パニコス「まさか……」

魔法使い「やるのかやらないのか……どっちかな?」

パニコス「……会えるの? 魔学者に」

魔法使い「『できない』なんて言葉は、嫌いだね」

パニコス「……」

パニコス「お願い、魔法使い……」

パニコス「魔学者に会わせて!!」

魔法使い「勇者と違って願望に忠実だね。こっちもやりがいがあるよ」



魔法使い「やるぞ、悪魔王!!」

プチデビル「」ズォッ



カッ!!!


446 : [sage saga]:2013/03/05(火) 18:12:06.37 ID:3XOVZdmV0


姫「成功なさったのですか?」

魔法使い「さあ。それは私が判断することじゃありません」

魔法使い「ま、組んだ術式は全て正常に作動した、とだけ言っておきましょうか」

姫「ふふ、そうですか。お疲れ様です。……腕の中で眠る、そちらの可愛らしい子も」

プチデビル「くー……」スヤスヤ

魔法使い「こいつにも無理をさせすぎたな。明日は多分、私もこの子も起き上がれない……か、な……」フラッ

姫「あら」

魔法使い「」バタッ

魔法使い「すー……すー……」

姫「そんなに消耗なさっていたのね。疲れているなら、お顔に出してくださればよろしいのに……」

姫「異勇者、いらっしゃいますか?」

異勇者「は、はい!」トテテ

姫「魔法使いちゃんを、客間にお運びするのを手伝ってください」

異勇者「魔法使いちゃん……?」キョロキョロ

姫「? さっきまでそこに……」

異勇者「窓が、開いていますね」

姫「!」



姫「……ふふっ。勇者は間に合っておりましたか」クスッ

447 : [sage saga]:2013/03/05(火) 22:39:16.19 ID:3XOVZdmV0

―――魔法実験室―――


魔法使い「そこの術式が甘いんじゃないかい? もっと魔法陣はシャープに描かなくては」

死霊混師「すると、こっちの斜線をこう接続して、全体として黄金率を二重で生み出せますねぇ」

魔法使い「ほう……! やはり素晴らしいな、キミは。ではこちら側の属性を統一すれば……」

死霊混師「なるほど、左右で暖寒差を付けて……つまりこの緑の線は中間色として利用すると」

魔法使い「……ああ、もう、ちくしょう、あれだな」

死霊使い「どうしたんですか?」

魔法使い「魔法陣を平面にこだわってるから要素がギチギチなのかな……なんて思ってね」

死霊混師「立体魔法陣ですか!? なんてことを考えるんだ貴女は……ふふ、ははは、狂っている!!」

魔法使い「おいおい、そんなに褒めるなよ。当然なる発想の帰結さ」

死霊混師「では、こんな魔法陣に半日かけている場合ではありませんね。すぐに破棄しましょう」

魔法使い「ちょっと弄れば国一つ消せるレベルの魔法陣だが……まあ邪魔だしね。捨てよう」

死霊混師「そして新たな魔法陣の構想を練りましょう」

魔法使い「無から有を生み出す冒涜的な術式を生み出そう」

死霊混師「鍛冶さんが異界で学んだ発想とモデルから発現した能力を元に」

魔法使い「キミが合成して昇華させた電子精霊を素体として」

死霊混師「貴女が開発していた人格入力技術と可変電化粒子で作った肉体を」

魔法使い・死霊混師「「全て統合して電子生命体を創造する!!」」

魔法使い「ふふ、ふふふははは!! あはははははははははははは!!!」

死霊混師「くふふはははははは!! はっはっははははははははは!!!」




勇者「おい、お前のせいだぞ鍛冶。お前が余計なこと吹き込むから……」ハァ…

鍛冶「こ、こんなことになるなんて……」ガクガクガク

郵便屋「おねがい……帰ってきて死霊混師さん……」ガクガクガク



※4年かかりました。


448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 22:53:08.36 ID:BogaRYv10
順調に消化されてってるなー。凄いぜ>>1
そう言えば、パニコス関連もある意味魔王誕生編になる訳だな

>>421                     >>429
チャラ王ざまぁwwwwww             ヘキサチーフ……島田伸介?(ヘキサゴン的に)

>>425                           >>436
神秘的だなー。想像すると更に美しい        姫wwwwお前が>>432の原因かwwwwww

>>438                                >>440
源泉が下水に繋がってたんだとすると……          だから娘wwwwww

>>443                           >>445
村長ェ……ちゃんと謝ったのか?           悪魔王便利キャラになったなー

>>447
たった四年!?馬鹿な。早過ぎる……!
449 : [sage saga]:2013/03/05(火) 23:05:03.87 ID:3XOVZdmV0

ガンッ








勇者「」





勇者「」



勇者「」



勇者「フー……」

勇者「……フー……」

勇者「……」プルプル



魔法使い「ん?」

魔法使い「……またやっちゃったのかい? ほら、見せて?」

勇者「」スッ

魔法使い「治癒呪文」パァァ

勇者「…………助かった」グスッ

魔法使い「至近距離で爆撃されてもケロッとしてるようなキミが、どうして足の小指だけそんなに脆いんだい?」

勇者「……知るか」

450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 23:13:24.95 ID:IUhipALb0
残念だけど、安価なのよね。それ wwwwww
451 : [sage saga]:2013/03/06(水) 00:07:41.17 ID:r8R4Vrdx0


助手「そういえば最近、雪母さんいらっしゃらないね」

探偵「ええ、そうですねぇ。僕の魔力がほとんどなくなってしまいましたから。彼女は一族の今後を第一に考える性質なので、僕は興味の対象外となったのでしょう」

助手「ちょっと寂しかったりして?」

探偵「ふふ、まさか。面倒が減って助かります……などと言うと、少々失礼でしょうか?」

助手「けど安心したかも。探偵はモテるから、私は毎日気が気じゃないんだよ?」

探偵「僕がモテる?」

助手「基本的に探偵は男女問わず慕われてるけど、中でも結構距離を詰めてくる人がいるでしょ?」

助手「特に目に余るのが、音音色舞と天使王組だね……」

探偵「というと、歌使いさん、側近さん、踊り子さん、天使王くん、黒エルフさん、秘書さん、ポニ子ちゃん……ですか?」

探偵「側近さんは、一見すると女性のようにも見えますが、れっきとした男性ですよ? 同様に、天使王くんも」

助手「側近さんは良いとして、天使王は性別がないんだよ? 探偵とか寺子屋の子供達が勝手に男の子として扱ってるってだけで……」

助手「それに知ってると思うけど、同じく性別が無い竜王が勇者さんを誘惑してるらしいし」

探偵「ははは、天使王くんは大丈夫ですよ。第一、僕なんかを好いてくれる人は助手しかいません。心配しないでも大丈夫ですよ」ナデナデ

助手「うぅん……そうかなぁ……?」

探偵「それに、誰に好かれようと、僕が愛してるのは家族だけですから」ニコッ

助手「そ、そっか。そうだよね。ごめんね、変なこと言って」///

探偵「いいえ、不安にさせてしまったようで申し訳ありません。今度からは、一緒にいられる時間をもっと増やしましょうね」

助手(そういうことを息をするように自然に言ってのけるから、不安になっちゃうんですよ……?)

助手(いや、そりゃこんなこと言われて嬉しくないわけないですけどね!)///






ブチッ ブチブチッ ブチッ


探偵「おや。娘、雑草毟りをしてくれているのですか?」

娘「うん!」ブチッ

探偵「ありがとう。感心ですねぇ」ナデナデ

娘「うふふー。ざっそうむしりはだいすきなの」ブチッ ブチッ

探偵「そうですか? 珍しいですねぇ」

娘「そうかなー?」ブチブチッ

娘「こういうざっそうがようぶんをすいとるせいで、ほんらいようぶんをえるべきしょくぶつにようぶんがいきわたらないのはとてもふゆかいだもん」

探偵「」

娘「うふふー」


ブチッ ブチッ ブチブチッ


452 : [sage saga]:2013/03/06(水) 00:55:49.21 ID:r8R4Vrdx0

―――エルフの里―――


幼エルフ「まったく、またエルフったら寝坊して……」

幼エルフ「私がいないとダメなんだからっ!」

幼エルフ「こらエルフ! 起きなさーい!!」


ガチャッ


?「」モゾモゾ

幼エルフ「また布団に包まって……」

幼エルフ「いい加減起きなさいっ!」

バッ



魔騎士「……」



幼エルフ「」

幼エルフ「」バターン

魔騎士「……」

魔騎士「」ムクッ

魔騎士「……鍛冶に造ってもらった、当時の鎧と仮面……やっぱなかなかの出来だなー。幼エルフが失神してしまった」

魔騎士「面白そうだから、しばらくこのまま生活してみるかー」

魔騎士「キヒヒッ」

魔騎士「おっと。これ着てると、つい……」

453 : [sage saga]:2013/03/06(水) 01:16:50.05 ID:r8R4Vrdx0

――― バー ―――


吸血鬼王「つまり他人の女が一番良いってわけなんだ、うん」

王「わからんでもないのぅ。ワシも若い頃はやんちゃしとったわい。その度に妃のやつにボコられとったな」

吸血鬼王「あんたほどの男がか?」

王「だってワシ、元僧侶じゃもん。妃は元女戦士で、そりゃ嫁のほうが腕っぷしは強いわい」

吸血鬼王「かーっ。やっぱ結婚ってのは怖いぜ」

王「まあ火遊びは出来なくなるな。ただ、子供が死ぬほど可愛いからどっちが良いとは言い切れんがな」

吸血鬼王「子供ねぇ……俺様としては子供なんて持つもんじゃねーと思ってたが、あんたが言うんならちっと興味湧いたかも」

王「まあ、ある程度まで育つとあからさまに邪魔者扱いを受けるがのう……」

吸血鬼王「ああ。うん。俺様やあんたは、特にそんな感じだろうな……」

王「多分探偵とかならそんなこともないんじゃろうが、ワシとお前さんはな……」

吸血鬼王「そういう星のもとに生まれてるからな……」

王・吸血鬼王「「はぁ……」」

王「まあ、なにはともあれ」

吸血鬼王「だな。そういう暗い話は抜きにして」

王「飲むか!」

吸血鬼王「おうよ!」

王「慕われないのがなんぼのもんじゃーい!!」

吸血鬼王「人生ギャグ漫画がどうしたー!!」

王・吸血鬼王「「かんぱーい!!」」カチーン


454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 01:33:45.62 ID:Zmn3jMku0
お前ら…… ブワッ
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 09:37:03.45 ID:QcXQ+65DO
とりあえず……出されたリクエストは全部やりきったのか?
ありがとう!そしてお疲れ様!

じゃあ、次は魔王誕生編だねっ♪(ゲス顔
456 : [sage saga]:2013/03/06(水) 09:44:33.24 ID:r8R4Vrdx0
※全部書けてますか? もうゴールしてもいいですか?

 直列回路は書いてて楽しいのに、並列回路がこんなに辛いとは思いませんでした……



※魔王誕生編はメモ帳に書ききってから一斉投下しますね!

457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [age]:2013/03/06(水) 09:48:29.31 ID:1fKBki3Io
そういえば1が気に入ってるキャラって誰なの?
458 : [sage saga]:2013/03/06(水) 10:58:16.54 ID:r8R4Vrdx0
※気に入ってるキャラですか?
 とりあえず最終的に仲間になるようなキャラはみんな気に入ってますよ!

 好きになったキャラは使い捨てられないという、書き手としてはかなり残念な性格ですので……

※今度またお話を書くようなことがあれば、その時はもっとパーティを少数精鋭にしたいと思っています。
 こんなにキャラがいて、上手くまとめきれるわけないんですから……思い知りました。

459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 11:14:46.27 ID:kNNeFZvWo
もうこのスレでは書かないの?
面白かったし、また安価で書いてほしいな
460 : [sage saga]:2013/03/06(水) 11:35:03.39 ID:r8R4Vrdx0
※身の程を知った、といったところでしょうか。

 一応、張った伏線はなるべく回収して、後片付けしてから去ります……

461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 11:45:23.42 ID:OmRDnP6Io
>>460
内容もキャラクターも面白かったし、楽しかったよー
ただ安価は絶対に囚われすぎた気がするし、要所要所で3択にするとかコンマを使うふうにすればやりやすかったと思うよ

あとはキャラクター設定の時に期限を定めないからダラダラ設定が継ぎ足されて行ったからやりにくかったんじゃないかな?
期限を設けてやれば良かったんじゃないかな

とにかく書くスピードは速かったし、安価も処理してたし、内容は面白かったから、ここを去らないで新しいSSをまた書いて欲しい

また読みますから、お願いします!


長文で失礼しました……

462 : [sage saga]:2013/03/06(水) 12:32:26.18 ID:r8R4Vrdx0
※うぅ、ありがとうございます……

 たとえ一人二人でもそう言っていただけると、なんというか、これを書いた意味があったのかも、とか思えました!

 とても長らく書いてしまい申し訳ありませんでしたが、魔王誕生も多分、お昼ご飯休憩を入れても14時前後くらいには書き終わると思います。

 最後のひと踏ん張りです! お付き合いください!
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 13:22:54.44 ID:fj0F1mXso
俺も好きだよー
14時から了解!
464 : [sage saga]:2013/03/06(水) 14:02:04.96 ID:r8R4Vrdx0
※あれ、意外と文章量が多くなってます…… すみません、あとちょっとかかります!
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 14:15:02.08 ID:qVAEKyopo
長いなら次スレまでやってもらってもいいんだよ
466 : [sage saga]:2013/03/06(水) 14:28:18.12 ID:r8R4Vrdx0
※そんなにはかかりませんw

 あとちょっとだと思います!
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 14:28:56.33 ID:CK6STusS0
後残ってる問題としては、結局>>242>>247の件をどうするかだね
もしやるんだとしたら、始める日時を決めておいた方が良いんじゃないかい?
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 14:31:37.94 ID:kNNeFZvWo
242は是非やって欲しいけど、247は他スレだから絶対にやめて欲しいわ
247はそもそも単発荒らしだろうし
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 14:35:27.87 ID:+oJW3GIUo
自分も>>468に賛成
新スレは見たいけど、他スレのメインキャラを使ってまで新スレ立てるならそれは嫌だわ
470 : [sage saga]:2013/03/06(水) 14:43:45.18 ID:r8R4Vrdx0
※ほいでは、とりあえず投下していきますね! 見直したり修正したりしながら投下していきます!
471 : [sage saga]:2013/03/06(水) 14:45:42.16 ID:r8R4Vrdx0



―――『魔王誕生』―――





―――寺子屋―――


女子生徒「せ〜んせっ!」ダキッ

女教師「あらあら。もう、女子生徒は甘えんぼさんね。うふふ」ニッコリ

女子生徒「だってあたしと先生は二人で一つでしょ?」

女教師「そうかもしれないわね」

女子生徒「かもじゃなくって、そうなんだよー!」

女子生徒「だって、あたしたち二人で世界を救ってるんだからっ!」

女教師「そんな大それたものではないわ。ただ、世界中で暴れまわっている魔物よりも私たちが強いというだけで」

女教師「それにもう、私には時間が……ゲホッ」

女子生徒「ええ!? 先生病気なの!?」

女教師「まあ、嘘なのだけど」ケロッ

女子生徒「どうして先生はそういう意味のない嘘をつくの!?」
472 : [sage saga]:2013/03/06(水) 14:48:26.90 ID:r8R4Vrdx0


悪魔王「ク、ク、ク……なんという……規格外の力だ……」ヨロッ

悪魔王「よもやこの悪魔王、人間風情に敗れるとは……思わなんだ……」バタッ

女子生徒「えへへっ! ごめんね悪魔さん! けどあたしたちのコンビは最強だから!」

女子生徒「ね、先生?」

女教師「ええ。私たちのコンビは最強よ。『巫女』と『神子』のコンビはね」

女子生徒「マックスハートだね!」

女教師「それはよくわからないけれど」

女子生徒「」シュン…

女教師「ところでこの悪魔王は、あなたの生き別れの兄さんなのよ?」ニッコリ

女子生徒「はい嘘!!」

女教師「あら。どうしてバレたのかしら?」

女子生徒「この紫色の皮膚を見て!? 200世代くらい遡らないと合流できそうにないよ!!」

女教師「女子生徒は賢いわねぇ」ナデナデ

女子生徒「あっ、えへへ」///

女子生徒「って、こんなんじゃ誤魔化されないんだからー!」ウガー
473 : [sage saga]:2013/03/06(水) 14:50:32.45 ID:r8R4Vrdx0


ガチャ

女子生徒「ねぇ、先生……?」オズオズ

女教師「あら? どうしたのかしら女子生徒。眠れないの?」

女子生徒「うん……」

女子生徒「また怖い夢みちゃった……」ポロポロ

女教師「……」

女教師「こっちへいらっしゃい? 先生と一緒に寝ましょう」ニコッ

女子生徒「ありがと、先生……」モゾモゾ

女子生徒「」ギュー

女教師「うふふ。ほんとに甘えんぼさんね、女子生徒は」ナデナデ

女子生徒「甘えんぼでいいもん……」グスッ

女教師「嘘よ。ほんとは、女子生徒は強い子だもの。それは私が一番知ってるわ」

女子生徒「……」

女子生徒「」キュッ

女教師「うふふ」

女教師「ゆっくりおやすみなさい。大丈夫、先生と一緒なら、悪い夢だって怖くないわ」

女教師「私たちのコンビは、最強なんでしょう?」ニコッ

女子生徒「えへへ。うんっ!」

女教師「うふふっ」

474 : [sage saga]:2013/03/06(水) 14:52:42.72 ID:r8R4Vrdx0


鬼王「なぜだァ……!? この儂が人間なんぞにィ……!!」

鬼王「なぜ力が入らんのだァ……!!」ガクガク

女子生徒「そりゃあ、『巫女』の力で封印してるからね」

女教師「巫女で弱らせ、神子が叩く。あなた程度の力では、どうしようもないわね」

鬼王「く、そ、こんなハズはァ……こんなハズがァァァ!!!」グワッ


グシャッ


鬼王「」ドサッ

女子生徒「あれ、もしかして死んじゃったかな?」

女教師「死んでいてもいなくても、大して変わらないわ。このレベルの存在は死には囚われない。すぐに封印の中で復活するでしょう」

女教師「悪魔王は諦めの早い性格だったから殺さずに済んだけれど、これからはそうもいかないんじゃないかしら?」

女子生徒「へー。じゃあ、この人たちと同等のあたしたちも、死なないのかな?」

女教師「それはどうかしら? 私たちは人間だから、そこは死ぬんじゃない?」

女教師「もっとも、あの『死奪の呪い』を使えば、永遠を生きられるでしょうけどね」クスッ

女子生徒「あれは自分に使うものじゃないよぉ……」

女教師「じつは、私にはもうかかっているのよ?」

女子生徒「ええ!?」

女教師「嘘よ」

女子生徒「もぉーっ!!!」

女教師「うふふっ」ニコニコ

475 : [sage saga]:2013/03/06(水) 14:55:04.34 ID:r8R4Vrdx0


女子生徒「…………」

女教師「あらどうしたの、女子生徒。みんなと遊ばないの?」

女子生徒「……う、うん。ちょっと、お腹痛いから……」

女教師「そう。……女子生徒はほんとに、嘘が下手ね」

女子生徒「っ!!」

女教師「なにがあったの?」

女子生徒「……」

女子生徒「だって……みんな、あたしが怖いって……」

女教師「怖い?」

女子生徒「悪魔王とか鬼王を倒せるようなあたしが、怖いんだって……」

女子生徒「べつにあたし一人で倒したわけじゃないのに……先生がいてくれたから倒せただけなのに……」

女子生徒「親に、あたしには近づくなって言われてるんだって……」ウルッ

女教師「……」

女教師「さっさと残りの『王』を全員倒して、世の中を平和にしてしまいましょう」

女教師「今は強力な魔物に脅かされていて心に余裕がないだけよ。きっと平和になれば、正しい判断で見てもらえるわ」ニコッ

女子生徒「……せんせぇ……」ギュッ

女教師「よしよし。大丈夫。大丈夫よ。先生は、いつまでも女子生徒の味方だから」

女子生徒「ほんと? 嘘じゃない?」

女教師「ええ。これは正真正銘、本当よ」ナデナデ

女子生徒「先生……大好きっ」ギュー

女教師「あらあら。うふふ」ギュッ

476 : [sage saga]:2013/03/06(水) 14:59:22.69 ID:r8R4Vrdx0


狼王「げふっ……この狼王が……ぐっ……」ズルズル…

女子生徒「あいたたた……う、動きが速すぎるよ、もぉ……」

女教師「ちょっと私たちには相性が悪かったわね。……けど、ここまでだわ」

狼王「……不覚」ドサッ

女教師「怪我は大丈夫? 見せてちょうだい」

女子生徒「大丈夫だよ。そんなに大したことないって。久しぶりのダメージだったから、ちょっとビックリしただけ」

女教師「掠り傷ね。よかった。一応消毒しておきましょう」

女子生徒「もう、先生は大げさだなぁ」クスッ

女教師「狼王の爪には、全身の神経をズタズタにする毒が塗られているから、早く手当しないと……」

女子生徒「毒!?」

女教師「もちろん嘘だけど。うふふっ」

女子生徒「ほんとに……この人は……」プルプル

女教師「はい、終わり。さあ、この月がたくさんに見える泉を満喫したら、帰りましょうか」ニコッ

女子生徒「はーいっ!」

477 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:01:12.73 ID:r8R4Vrdx0


「あの二人よ」ヒソヒソ

「『王』を倒してるっていう」ヒソヒソ

「ほんとに人間なのかしら?」ヒソヒソ



女教師「……」

女教師「」グイッ

女子生徒「わっ!?」

女子生徒「ど、どうしたの先生、急に引っ張って……」

女教師「いえ、なんとなく。そういえば、ガス栓を開きっぱなしで家を出てしまったような気がして」

女子生徒「ええええっ!?」

女教師「どうしましょう、帰ったら家が消し飛んでいたら」

女子生徒「そんな物騒なこと言わないで!? は、早く帰ろう!」ダッ

女教師「そうね。うふふっ!」ダッ

478 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:03:17.02 ID:r8R4Vrdx0


竜王「ハァー、ハァー、……薄汚い人間どもが……」ググ…

女子生徒「……先生、さっき逃げてった人間は……」

女教師「わからないわ。まるでこの子の仲間みたいだったけれど……」

竜王「仲間などではない!! はっはっは! この竜王たる余が! お主ら下等種族を仲間にするじゃと? 笑わせるでない!!」

竜王「非常食には逃げられたか……まぁ良い。お主らを始末した後で……ゆっくり、探してくれよう……」

女教師「女子生徒、あなたはさっきの人間を。竜王は瀕死です、あとは私が……」

竜王「やめろッ!!!」バッ

女子生徒「……!? な、なんで人間を庇ってるんですか……? あなたは竜族の王でしょう?」

竜王「だから、言っておろう……非常食だと……ゼェ、ゼェ……」フラッ

竜王「アレには手を出すな……もし……手を出せば、地獄の果てまでも追いかけて、必ず、殺してやる……!!」ギロッ

女教師「……」

女子生徒「先生……もう、いいよ……逃げたのは人間なんだし、見逃してあげよう?」ウルッ

竜王「……」ググ…

女教師「……」

女教師「ええ、わかったわ。女子生徒に免じて、見逃しましょう……」

竜王「」バタッ

女子生徒「…………死んじゃってる」

女教師「あまり深く考えるのはやめなさい、女子生徒。竜王が人間を庇うはずがないわ。きっとなにか、裏があったのよ」

女子生徒「そう、なのかなぁ……」

女教師「さぁ、帰りましょう。今日はあなたの好きなハンバーグにしましょうね」ニコッ

女子生徒「……うん」

479 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:06:40.21 ID:r8R4Vrdx0


女子生徒「うわぁ……! どうしたの、これ!? お菓子が、こんなにたくさん……!!」キラキラ

女教師「この間の竜王討伐で、竜族に苦しめられていた人々からお礼が届いたのよ」ニコッ

女子生徒「本当!? わーい! やったぁー!!」ピョンピョン

女教師「あらあら。うふふ。そんなにご褒美が嬉しいの?」

女子生徒「うん!」

女教師「女子生徒もまだまだ子どm」

女子生徒「だって」

女子生徒「今まで、どんなにがんばっても怖がる目しか向けてもらえなかったんだもん!」ニコニコ

女教師「―――」

女子生徒「こういう感謝って、『王』討伐が始まってからは初めてだね!」

女教師「ええ……」

女子生徒「最初の頃はドラゴン退治とかして、みんな喜んでくれてたのにね」

女子生徒「おかしいね。リョウメンスクナを封印したあたりから、みんな、笑ってくれなくなっちゃったよね……」

女教師「……」

女教師「それはそうよ。その頃から、『王』が現れたのだから」ニコッ

女教師「まだ『王』は残っているわ。だからみんな、そんなにあからさまに喜ぶわけにはいかないのよ。だって、まだどこかで苦しめられている人がいるんですもの」

女教師「だからきっと、『王』を全員倒したら、その時は気兼ねなく、みんな笑顔になってくれるわ」ニコッ

女子生徒「そ、そうかな……みんな、笑ってくれるかなっ!?」

女教師「ええ、絶対に笑ってくれるわ。だから、頑張りましょう」ニコッ

女子生徒「えへへっ! うん、がんばりましょー!!」ニコニコ

480 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:09:07.38 ID:r8R4Vrdx0


天使王「子供たちは渡さん……穢れたお前らなんぞに……」ヨロッ

天使王「私が管理すれば、心の清い人間になるのだ……お前たち人間は、穢れている……」

女教師「人間が穢れているというのなら、あなたは歪んでいるわ。表層だけを見て、外面をなぞって喜ぶなんて三流だわ」

天使王「知ったような口を聞くな!! 私はお前のような人間が一番嫌いだ!!」

天使王「いつだって本心を隠して、呼吸をするように嘘をつくような目だ。私にはわかる、お前こそが、最も心が穢れている!!」

女教師「……」

天使王「お前は臆病なのだ! だから自分が傷つくことを恐れ、他人を騙し、自分を隠して身を守る!! お前は……」


グシャッ


天使王「」ドサッ

女教師「……はぁ、はぁ、はぁ……」

女子生徒「……せ、先生、大丈夫?」

女教師「……ええ。ええ。大丈夫よ。心配いらないわ」ニコッ

女子生徒「先生は時々嘘をつくけど、それは人を傷つけるためじゃない。あたしが一番わかってるよ」

女子生徒「先生は優しい人だから。嘘で人を傷つけたりなんかしない」ギュッ

女教師「……。うふふっ。もちろんよ。特にあなたは絶対に傷つけない。傷つけさせたりしない」

女教師「あなたは私が守ってみせる」

481 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:11:51.48 ID:r8R4Vrdx0


女子生徒「ねえ、せんせぇ」ゴロゴロ

女教師「なぁに、女子生徒?」ナデナデ

女子生徒「『魔王』ってなぁに?」

女教師「『魔王』……ね。その名の通り、魔物の王よ」

女子生徒「人間の王様みたいに?」

女教師「実際、我の強い魔物たちを統べることなんて不可能なのだけれどね」

女教師「統べるというより、頂点に君臨しているって感じかしら。一部の魔物を力で従わせて、好き勝手するような魔物ね」

女子生徒「ふ〜ん。鬼王とか竜王みたいに、種族とかは関係ないんだ」

女教師「そうね。『魔』ってつくなら、魔法使いでもいいんじゃないかしら?」クスッ

女子生徒「それって先生もなれちゃうじゃん!」

女教師「あらあら。そうねぇ。実は先生、魔王候補なのよ?」

女子生徒「はい、嘘ー!」

女教師「うふふっ! バレちゃったわね〜。どうしてかしら」

女子生徒「もー、先生ってば、隙あらば嘘をつくんだから」

女教師「ごめんなさいね。うふふっ」

女子生徒「それも先生の持ち味だもんねっ!」

女教師「嘘が持ち味って、なんか嫌ねぇ……」クスッ

女子生徒「あはははは!」

482 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:13:58.03 ID:r8R4Vrdx0


吸血鬼王「……なんで、もうこんなところまで、来てやがる……早すぎる……」ボロッ

女子生徒「最初の数匹を倒したら、みんなすぐ逃げちゃったよ?」

女教師「一匹捕まえて、この吸血鬼王の部屋まで案内させたの。今までで一番スムーズな進行だったわね」ニコッ

吸血鬼王「あ、の、クソ部下どもがァァァ……」ガクッ

女子生徒「あり? 死んじゃった」

女教師「心が折れたのね。かわいそうに」

女子生徒「なんか不憫な人だったね」

女教師「カリスマがなかったのかしら。部下に恵まれないタイプなのね」

女子生徒「あたしと先生みたいな、完璧なパートナーを見つけられなかったんだねっ!」

女教師「うふふっ、そうね」ニコッ

女子生徒「何はともあれ!!」

女教師「ええ」

女子生徒「『六王』討伐、終わったぁーーーーーー!!!」

483 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:14:32.19 ID:r8R4Vrdx0





「これでみんな、笑顔になってくれるよねっ!」




484 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:15:30.65 ID:r8R4Vrdx0


女教師「……………………」

女教師「今……」

女教師「今、なんと仰いました?」

村長「何度も言わせるでない。私とて辛いのだ」

村長「王国からの命令だ。拒否すればこの村は終わる」



村長「女子生徒を―――『封印』する」


485 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:17:43.15 ID:r8R4Vrdx0


女子生徒「はぁ、はぁ、はぁ……!!!」ダダダッ

ズルッ

女子生徒「うぐっ!!」ズシャ

女子生徒「くっ……」ムクッ

女子生徒「な、んで……」ダッ

女子生徒「なんで、なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんで…………!!」ポロポロ

ガサガサッ

女子生徒「なんでッ……!!」バッ



女子生徒「っ!!」



王国兵「とうとう追い詰めたぞ!! 観念しろ!!」

王国兵s「」ズラッ



女子生徒(なんで、あたしが守ったはずの人たちが、あたしに武器を向けるの?)

女子生徒(なんで、世界を守ったはずのあたしが、武器を向けられるの?)

女子生徒(なんで)



王国兵「女教師殿、ご協力感謝します」

女教師「…………」




女子生徒(なんで、先生が『そっち』にいるの!?)


486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 15:20:07.67 ID:dn4UTObmo
あーこれは重いな……
487 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:21:10.82 ID:r8R4Vrdx0


女教師「女子……生徒……」

女子生徒「ね、ね、先生、これなに? どういうこと?」

女教師「……」

女子生徒「なんでみんな、あたしを攻撃してくるの? 操られちゃってるの?」

女子生徒「先生が操られるわけないよね? じゃ、じゃあ二人で戦おうよ! 『巫女』と『神子』が手を組めば、世界だって敵じゃないよ!!」

女子生徒「みんなを操ってるワルモノを倒して、今度こそ、世界を守って、平和に……」

女教師「……もう平和なの」

女子生徒「…………え?」

女教師「誰も操られてなんかいないの。ここにいる全員が正気で、自分の意志で、あなたに武器を向けているのよ」

女子生徒「―――」

女子生徒「…………あは」

女子生徒「あはははは!! な、なぁんだ、そういうことかぁ!」

女子生徒「『嘘』なんだ! あはは! そっかそっか! また先生お得意の嘘なんだね!」

女子生徒「も〜、でも今回のはほんとに性質が悪いと思うな! あたしが強くなきゃ、本当に途中で死んじゃったかもしれないよ?」

女子生徒「必死になって、こんなところまで逃げてきちゃったよ〜。えっと、なんだっけ……そうだ、『蠢きの谷』だっけ?」

女子生徒「とにかく、帰ろっか! せっかく世の中が平和になったんだから、帰って……」ザッ

王国兵「動くな!!」ビュッ

女子生徒「っ」グサッ

ドテッ

女子生徒「―――え? え、え、なに、なにこれ、右肩が熱、痛、え、矢が、矢が、刺さって」

女教師「やめなさい!! なるべく無傷で封印するという話だったでしょう!!」

王国兵「しかし……」

女子生徒「封印って……いっ……痛い、痛いよ、なにこれ、なんで……封印ってなに、なんなの」

女教師「……女子生徒」



女教師「今から、あなたを封印します」



女子生徒「」

488 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:23:20.82 ID:r8R4Vrdx0


女子生徒「な、んで? あたし、なにかしちゃった? ご、ごめんなさい。えっと、わかんないけど、ごめんなさい」

女子生徒「痛い、血が、どんどん……ね、ねぇ、あたし、なにしちゃったの?」

女子生徒「こんな、戦争でもしちゃいそうな、たくさん、人が集まるくらい、大変なこと、しちゃったのかな?」

女子生徒「お、教えて先生。先生はなんでも知ってるから、いつでもあたしに、いろんなこと教えてくれるから……」

女子生徒「あたしがなにしちゃったのか、知ってるでしょ? ね、ね、教えて? あや、謝るから……いっぱい謝るから……」

女教師「…………」



女教師「『なにもしてない』」



女子生徒「」

女子生徒「―――え?」

女教師「『平和になった世界には強すぎる』」

女教師「それが、あなたが封印される理由よ」

489 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:26:21.82 ID:r8R4Vrdx0


女子生徒「…………なに、それ」

女子生徒「『強すぎる』って……なに、それ。わかんないよ、意味わかんない……!!」

女子生徒「そんなの、理由になってないじゃん!!」

女子生徒「あたしが! 強かったおかげで! 『六王』を封印できたんでしょ!?」

女子生徒「あたしは生まれつき強かったけど、べつに好きで強くなったわけじゃない!!」

女子生徒「な、なのに、あたしが強いから、みんな、あれを倒せ、あれを殺せって、あたしに言ったんじゃん……!!」

女子生徒「先生の力を借りて、やっと『王』を封印して」

女子生徒「それで『強すぎる』から消えろって、どういうこと!?」

女教師「…………ごめんなさい」

女子生徒「ご、ごめんなさいじゃ、わかんないよぉ……先生は、あたしの味方でいてくれるんだよね!? そう言ったよね!?」



女子生徒「あれは『嘘』じゃないんだよね!?」



女子生徒「ならあたしの味方でいてよ! こいつら全員倒しちゃおう!」

女子生徒「さっきまでは攻撃される理由がわからなくて遠慮してたけど、あたしが本気を出せば、この程度の人数……」

王国兵「ついに本性を出したか!」

女子生徒「本性って…………お前たちが先に……!!!」

女教師「女子生徒」

女子生徒「先生! いいからこんなやつら、倒しちゃおう! 話はそれからゆっくり……」

女教師「私はあなたを封印するわ」

女子生徒「…………え?」

女教師「全員、女子生徒が逃げないように囲って下さい。崖に追い詰めるように包囲するんです!」

女子生徒「な、なんで? 先生、先生は、あたしの味方で……」

女教師「…………」

490 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:30:55.48 ID:r8R4Vrdx0


女教師「……私も一緒に封印されるわ」

王国兵「!?」

王国兵「女教師殿、一体なにを……!?」

女教師「はじめからそのつもりだったのよ」

女教師「女子生徒。あなたが封印される理由に、私も納得していないの。こんなのはおかしいわ」

女教師「けれど従わなければ、私たちの村はなくなるでしょう。王国の意向に逆らうわけにはいかない」

女教師「だから、私と一緒に封印されて、この時代から去りましょう」

女教師「きっと後世の世界は、今とは違うわ。今はみんな、ちょっと混乱しているだけなのよ。だから私と一緒に……」





女子生徒「嘘だ」





女教師「……え?」

女子生徒「『嘘』でしょ、それ。先生お得意の嘘だよ」

女子生徒「まともに戦えば、被害が大きいから……そうやって騙して、楽に殺そうとしてるんだ」

女教師「ち、違うわ、本当に……」

女子生徒「先生は嘘ばっかりつくんだ」

女子生徒「先生は時々、バレバレの嘘をつくけど……それって、いざってときにつく『本当の嘘』を隠したいからなんでしょ?」

女教師「何を……」

女子生徒「竜王討伐のお礼に、お菓子が届いたことあったよね?」

女教師「え、ええ。竜族に苦しめられていた村が、お礼にと……」

女子生徒「あの近辺の村には売っていないはずのお菓子が混ざっていたのに?」

女教師「―――」

女子生徒「あの近辺の村には特産のお菓子があるのに、あえてどこにでも売ってるようなお菓子を届けたっていうの?」

女教師「女子生徒……あなた……」

女子生徒「近所の人があたしたちを悪く言ってるのを聞かせないために、嘘であたしを急がせたでしょ?」

女子生徒「今は心に余裕がないからあたしを怖がるって、『王』を全員倒せば、みんな笑ってくれるって嘘ついたでしょ?」

女子生徒「竜王と一緒にいた人間、あの男の子は竜王の仲間だったよ。先生はそんなわけないって嘘ついたけどね?」

女子生徒「ねぇ、ほんとにあたしを騙せてると思ってた? あたしがいつもバカっぽく振舞ってたから騙せるとか思ったの?」

女子生徒「それでも最初は、あたしを元気づけるための嘘だと思ってた。だから気づかないふりをしてた」

女子生徒「けど違ったんだね。今、わかったよ。天使王が正しかった。先生は、自分のために嘘をつく人だ」

女子生徒「あたしを守ってなんかくれない。味方になってもくれない」



女子生徒「あたしはもう、誰も信じない!!」



491 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:36:29.53 ID:r8R4Vrdx0


女教師「ち、違うわ女子生徒!! 私は……!!」

女子生徒「もう会話に意味はないんだよ、先生……」

王国兵「しかし、今の貴様に何ができる!! この『蠢きの谷』は魔封石という、魔力を抑制する特殊な力場を発する鉱石が含まれている!」

王国兵「いくら貴様が最強の術者でも……」

女子生徒「そうだね。それにさっきは強がったけど、先生がそっちにいるんじゃ、いくらあたしでもどうしようもない。勝てっこないよ」

王国兵「ならおとなしく……」

女子生徒「けどさ。お前らがあたしを封印する保証はない。すぐにでも殺すかもしれない」

女教師「そ、そんなことはしないわ! 私がそんなこと許さない!!」

女子生徒「『王国の意向には逆らえない』んでしょ?」

女教師「……っ!!」

女子生徒「先生はおとなしく自分を守ってなよ。あたしはあたしで、自分を守るから……」ジリッ

王国兵「動くな! そっちは崖だぞ!」

女子生徒「知ってるよ。魔法を使えない谷の底で、無数の魔物が蠢いてるんでしょ? 先生が教えてくれたよ」

王国兵「死にたくないなら、こちらへ来い!」

女子生徒「落下の衝撃でも辛うじて生きていたとして、それでも魔物に群がられて死ぬだろうね。どうやってここから落ちれば死ぬ…………と、思うでしょ?」

女子生徒「じゃあさ」



女子生徒「あたしがこれから、死にたくても死ねない体になるとしたら?」



女教師「……ッ!!」ゾッ

女教師「やめなさい女子生徒! その呪文だけは!!」

王国兵「この場所で、魔法を使えるはずが……」

女子生徒「知らないの? 『巫女の封印術』や『呪い』は、魔力じゃなくて生命力を使うんだよ」

女教師「女子生徒っ!? やめ―――」




女子生徒「『死奪の呪い』!!!」



492 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:38:59.91 ID:r8R4Vrdx0


女教師「……あ、あ……あなた、なんてことを……」ガクッ

女子生徒「これであたしは死ねなくなった。だから……」

ジリッ

女子生徒「ここから落ちても死ぬことはないよね」

王国兵「バカな! 永遠に体を食い散らされ続けるのだぞ!!」

女教師「お願い女子生徒、戻ってきて! 私を信じて!!」

女子生徒「言ったでしょ、先生。もうあたしは誰も信じないよ。

女子生徒「先生……いや、『女教師』」





女子生徒「あたしはお前を絶対に許さない」





女子生徒「さよなら」バッ

女教師「―――ッ!!」



女子生徒「あは。アハハはははハハはハハハアはははハハ…………!!!!」



女教師「……あ、ああああ、ああああああ!!!」ガタガタ

王国兵「愚かなことを……あんなところに不老不死で落ちれば、痛みで三日と持たずに発狂するだろう」

王国兵「もう、二度と光を見ることもあるまい……」

女教師「殺して……私を殺して……」ガクガク

王国兵「……」

王国兵「いけません。女教師殿」

王国兵「貴女は、『巫女』なのですから」

493 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:43:50.48 ID:r8R4Vrdx0


ガツッ、グシャッ、ウジュルッ、ゴリッ、グチョッ



(意外だな、もう痛みなんて無くなっちゃった。どっちかって言うと、熱さとか痒みって感じ)

(そりゃあ生きたまま食べられ続けてたら、普通なら発狂するんだろうけど……なんでだろう)

(すごく頭がすっきりしてる)

(神に祝福された肉体のおかげでここまで強くなったけど、もしかして精神も強すぎるのかな?)

(ならいいや。ちょうどいい)

(こんなくだらない世界はいらない)

(正直者が殺されて、嘘つきが笑うような、こんな世界は……)

(そうだね、こんな世界なんだから、あたしも嘘つきにならなきゃ)

(嘘つき……嘘つきか。嘘なんてついたことないから、嘘つきってよくわかんないなぁ……)

(うーん……ああ、そうだ)

(ちょうど、嘘つきな人を知ってるから)

(その人の真似をしてみよう)

(時間だけはたっぷりあるから)


グチャ、ガスッ、ブチブチッ、ニチャッ、ジュルッ


(ちょっとずつ力を貯めて)

(ここの魔物を皆殺しにできるくらい力を貯めて)

(それまではかなり時間がかかりそうだけど……退屈なのは我慢だね。むしろ痛みより退屈の方が怖いなぁ)

(力を貯めるまでの退屈凌ぎは……あの人の真似をする練習でもしてよっかな)

(あたしの知る誰よりも嘘つきな、あの人の真似を……)



(うふふっ)




グチュッ、ザクッ、ニチッ、ゴキボキッ、ベチャッ



494 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:46:00.34 ID:r8R4Vrdx0


―――数年後―――


悪魔王「ク、ク、ク。お前は確か……」

鬼王「むゥ、なんだ、あまり世の中は変わっていなさそうだなァ」

狼王「どういうことだ? この城を吹っ飛ばしたのは貴様なのか?」

吸血鬼王「おいおい、どういうことだよ? なんで俺様たちを封印したお前が……」

竜王「…………おぬし、その目……」

天使王「……そうか。そういうことか……よくわかっただろう、人間の醜さが」

「ええ。よぉ〜く、わかったわ」

悪魔王「ク、ク、ク。して、吾輩らは、お主をなんと呼べばよい?」

「…………」




「魔王」




魔王「今この瞬間より、私は『七人目』の『王』となる」

竜王「…………そうか」

悪魔王「ク、ク、ク……!!」

吸血鬼王「『六王』が『七王』になるわけだな」

狼王「なにがあったかは知らんが、まあ私たちには関係のないことか」

鬼王「そうだなァ、復活したからには、また暴れるだけだァ!」

天使王「今度は、我らを止められる者もいなくなったようだしな」

悪魔王「お主の『目的』は?」

魔王「…………」




魔王「この嘘つきな世界を滅ぼす。それだけよ。うふふっ!」



495 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:48:08.83 ID:r8R4Vrdx0


王国兵「巫女様!! いかがいたしましょう!?」

女教師「……」

女教師「私の封印術を……生命力を、結晶化します」

女教師「『王』一人につき、結晶一つ。私の死後も人々が彼らを倒せるように、『宝玉』を遺します」

王国兵「それでは巫女様が……!!」

女教師「私の生命力を、魂を、八分割します。七つを『七王』それぞれに対応させた宝玉に。そして八つ目を……」

女教師「この、お腹の子供に……!!」


496 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:50:23.88 ID:r8R4Vrdx0



(『宝玉』という未知の存在のチカラで、『王』たちは次々と討伐され封印されていった)

(けれどあたしは逃げ延び、蠢きの谷に『城』を築いてそこに住み着いた)

(やがてこの場所が魔王城と呼ばれ、魔法の通じない要塞とされるようになる)



(私は諦めない)

(いつか必ず、私の『本当の目的』を果たしてみせるわ)

(私の『目的』は……)

(私の『願い』は……)








 オギャア……オギャア……





497 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:51:19.68 ID:r8R4Vrdx0



―――『魔王誕生』―――



―――了。



498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 15:52:08.27 ID:caiOAspLo
おお、ひとつに繋がったよ……
499 : [sage saga]:2013/03/06(水) 15:52:15.00 ID:r8R4Vrdx0
※\(^o^)/オワタ
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 15:54:52.07 ID:kNNeFZvWo
書いたやつても消えた?
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:07:38.12 ID:3u+PkhV30
\(^o^)/オワタ
だと、何か悲劇が起こったとしか思えない
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:09:31.74 ID:ZO6DLcpx0
お疲れ様ああぁぁぁぁ!
503 : [sage saga]:2013/03/06(水) 16:10:15.06 ID:r8R4Vrdx0
※いえ、普通に終わったということです!w ひどい誤字は見つけましたけど、ニュアンスの問題なので言わなきゃバレません! きっと!

 やりたいことはやりました! 一片の悔いなしです!!




※大変長らくお付き合いいただき、ありがとうございました!!

 200レスくらいで終わると思っていたのに、1500レスもかけて申し訳ございません!

 今日中にでもこのスレは、えっと、HTML化? っていうのをお願いしときますね。したほうがいいんですよね、これって?

 熱も下がりましたし、気分転換にお出かけでもしてきます!



 三週間ほどでしたが、お付き合いいただいてありがとうございました!!

 夕飯前に、また来ます! それでは!


504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:13:59.77 ID:Ie6bLduz0
いやぁ、素晴らしい功績だ
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:16:38.04 ID:XOsidbpxo
新スレ立てるなら立ててから、このスレURLを貼ってから、依頼スレに出した方がいいかも

とりあえず乙でした!
本気で次スレ楽しみにしてるよ~
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:20:58.73 ID:QcXQ+65DO
ってか熱ぅ?風邪だったのか!?
そんな状態でまで俺達の為に……なんてありがたい>>1さんなんだよぉ……!

>>1さんにも物語にも感動だっっ!!
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:27:42.68 ID:0XkY4rzo0
切なエグい話だったな……
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:40:58.64 ID:E1hcogxu0
ちょっと考えれば
折角自分で努力して得た平和だとか世界を、自分で水泡に帰す訳無い
って事くらい分かるだろーによ。ったく……
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:43:01.97 ID:v1kZA4QX0
人類は自ら敵を作っちゃう痛がり屋だから
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:47:36.52 ID:sKiZoe140
他にも仲間が居れば、何か違ったのだろうか?
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 16:58:59.88 ID:xF+C/bYjo
こういう風に読者が内容について論議するスレは良作の法則
1乙、風邪はしっかり治しなよ!

余力があれば次回作期待(安価じゃなくても良いから)
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 18:45:28.81 ID:MjPsBC9Bo
熱を出しながらもssを書ききるとは、素晴らしい1に出会えた……

本当は何スレも渡って続けて欲しかったが、最後の魔王の理由も分かったからこれで終わりかな……

お疲れ様でした!
良ければまた新しくssを書いて下さい!
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 18:53:57.83 ID:kNNeFZvWo
感想書いてなかった……
読み手が出した安価を設定に付与して上手にSSに取り入れていましたし、本当に面白かったです!

魔王の過去がとても暗かったので胸に来ましたし、ワクワクしながら更新を楽しみにしてました

ひとまずはお疲れ様です、ありがとうございました
また>>1がSSを書く時が有れば、その機会を首を長くして楽しみに待ってます
514 : [sage saga]:2013/03/06(水) 19:49:36.26 ID:r8R4Vrdx0

※温かいコメントをありがとうございます!

※コメント返信などは、晩御飯のあとにさせていただきたいと思います!

 次スレの話も、その際に!





※私も少し感想を書かせてください!

※「楽しかったこと」→「全部」

 基本的に私のスタイルは「キャラが勝手に動く」です。私がキーボードを押してる間だけ物語の世界が動くので、つまりアドリブ向き(安価スレ向き)なんだと思います。「書く速度が早い」というコメントをたまに頂きましたが、それが原因かなと思いました。

 皆さんが放り込んでくださるキャラが勝手に好き勝手暴れるのを、私はただ眺めて、見たまんま文字にするだけなので、私も視聴者として楽しんでました。ありがとうございました!



※「焦ったこと」→「天使王篇」

 まず、あの時は空気が悪くなりそうなので強がりましたが、固有能力は私も「一人一能力」だと思ってました。なので能力たくさんになった時は内心ドキドキでした。
 みなさんのおかげでどうにかなりましたけど……その節はありがとうございました。


 そして馬鹿みたいな誤字をかましました。

× エルフ(幼エルフと黒エルフはどこいった?)
○ エルフ(幼エルフと秘書はどこいった?)

 投下してから見直して、「え、ほんとに黒エルフどこ行った!?」とパニくりました。訂正するのが恥ずかしくて、そのまま本当に黒エルフがいなくなったということで進行しましたけれど……

 最後に、黒エルフのブラックホール。

 投下してから、「これどうやって解決するの……?」と30分悩みました。魔封石のことなんて忘れてたんでしょうね。




※こういう裏話って言うべきじゃないかもなのに、長々と書いてしまってごめんなさい。

 では御飯食べてきます!


515 : [sage saga]:2013/03/06(水) 20:32:01.53 ID:r8R4Vrdx0
※改めまして、暖かいコメント、ありがとうございました!


※ご質問などに回答していきます!

※熱は合宿中に出ました。書くのにそんなに支障はなかったです!

※私は気分次第で突然、鬱展開にしちゃう時があります。魔王には悪いことをしました。閲覧注意と書いておいたほうがよかったでしょうか……

※魔王にも仲間がいれば、きっと違ったと思います。一人では人間はすぐダメになっちゃいます。



※次回作の件はどうしましょう?

 『ガンシューターちゃん』でもいいんですが、断固反対派の方もいらっしゃるんですよね。

 私は元々『魔法実験』は練習で、次の本番のコンセプトはすでに考えてあるので、やってもやらなくてもどっちでもって感じなのですが……

516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:34:25.20 ID:IMoZMlDqo
1の考えたコンセプトが有るならそっちをやった方がいいんじゃない?
いざこざは無いだろうし、オリジナルの方が面白いと思う
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:36:51.06 ID:XBA4Ffga0
ガンシュの方もやるんだったら別にスレ建てて、たまに更新してく感じかな……
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:40:01.36 ID:1W3M4LSL0
本番とやらは安価なの?普通にSSなの?どっちでも楽しむけれども
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:41:13.58 ID:Esd/A0Tuo
ガンシュはその作者とか読者に反感を買ったりして、面倒なことになりかねないことも考えられるからやめた方が無難

スレ並行させて更新するのは大変だし、オリジナル一本の方がいいよ
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:44:07.16 ID:MI9C3saw0
やるとしても本番終了後で、やっぱりガンシュは再安価した方が良いんじゃないかと
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:46:16.33 ID:oXENLsav0
とりあえず本番が見たいかな
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:50:42.76 ID:J/s9cCy00
本番で。ガンシュは再安価して後回しだな
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:52:16.45 ID:3wTNAq3O0
>>522
同意
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:53:45.29 ID:DNrh1Q7p0
>>522
賛成
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:55:34.37 ID:z3VuvcJVo
今は本番作品が見たい
ガンシュは悪意を感じたし再安価か書かなくてもいい
526 : [sage saga]:2013/03/06(水) 20:56:52.79 ID:r8R4Vrdx0

※ちなみに本番は安価スレです。

 別に設定を練りこんでいるってわけではなく、それどころか主人公の能力以外なにも決まっていません。

 まとめスレに上がってる安価スレを見て、「こ、こんな無茶振り安価されるんだ……gkbr」と思って、とりあえず様子見でスレを立ててみたのが魔法実験です。



※別にもったいぶることじゃないので本番スレの設定を言っちゃいますと、単純に「相手の頭に触ると記憶を消せる」という妙な能力を持った勇者(戦闘能力皆無)が旅に出るというコンセプトです。

 むしろ魔法実験の方が設定は深いですね……。

 ちなみに記憶を消すっていうのは無茶振り安価対策です。

527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 20:57:00.71 ID:QcXQ+65DO
本番だね
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:01:40.24 ID:jDIYJIjm0
ガンシュも>>1が気に入ってるなら、本番の後用にメモ帳にでも書き溜めといたら?
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:05:52.67 ID:XjQ62Nwr0
絵に描いてみようかな とか言ってたくらいだもんな。溜めとくくらいは良いんじゃない?
530 : [sage saga]:2013/03/06(水) 21:20:32.77 ID:r8R4Vrdx0
※では、ガンシュちゃんはとりあえず置いておきますね。


※すみません、新スレの勇者の設定を安価させてください。

↓の中から空いてるものを選んで書いていただけるとありがたいです!(余ったのは私が)

名前(勇者)
性別
年齢
趣味

ポリシー
長所
短所
戦闘力(最低。皆無)
知能
健康状態
特技
特殊能力(記憶消去)
トラウマ・重要な体験
両親
兄弟姉妹
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:22:12.13 ID:XK9/6BR40

うなる
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:22:37.45 ID:uaS+cNRso
じゃあワンレスに付き設定1個ずつ行こう

性別は男
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:23:02.68 ID:kNNeFZvWo
年齢21才
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:24:03.81 ID:pXDD/egB0
趣味
漫画を読む
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:24:35.83 ID:0q2q8+Iao
ポリシー どんな人も笑顔にする、させる
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:26:32.64 ID:lM+/J8yt0
トラウマ  誤って親の記憶を消してしまった
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:29:30.31 ID:kNNeFZvWo
兄弟姉妹 よくバイクで旅にでる妹(19歳)
とサラリーマンをしている堅実な兄(26歳)がいる
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:30:32.94 ID:uNjQ4P1Ro
↑連投じゃないの?
面白そうだし>>537
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:33:03.24 ID:l/3JesUs0
戦闘力・回避だけは先天的に高い
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:35:04.38 ID:hMgyowgao
健康状態 良好
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:38:08.63 ID:4JxoT1xU0
特技
他人の事はしっかり記憶する
親の記憶を消してしまった時の後悔から身に付けた
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:38:32.07 ID:YDijUA2Ro
特技 ハーモニカと似顔絵を描く(どちらもプロ並)
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:41:12.48 ID:YDijUA2Ro
541があるので542は無しで
知能 一瞬で何かを見て暗記することが出来るが、人の言葉の裏を読み取る事が苦手
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:43:29.23 ID:lgGXC2Ff0
長所
優しくそこそこ真面目
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:46:21.97 ID:WoMPNkZ8o
短所 皮肉や冗談が通じない
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:52:27.56 ID:hZuP9la0o
両親 2人とも健在しているが勇者の記憶が抜け落ちている
父は高校教師で母は専業主婦
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 21:57:08.89 ID:p9Fh7+ii0
一応存在する勇者の名前:メムロス(メモリ+ロスト)
でも表記は勇者
548 : [sage saga]:2013/03/06(水) 22:09:05.86 ID:r8R4Vrdx0
※まとめ

名前(勇者/メムロス)
性別(男)
年齢(21歳)
趣味(漫画を読む)
癖(うなる)
ポリシー(人を笑顔にする)
長所(優しく真面目)
短所(冗談や皮肉が通じない)
戦闘力(最低。皆無)
知能(記憶力良好、国語力低)
健康状態(良好)
特技(記憶)
特殊能力(記憶消去)
トラウマ(手違いで親の記憶を消した)
両親(父・高校教師 母・専業主婦)
兄弟姉妹(兄・サラリーマン 妹・放浪癖)


……ニュアンスが違う、とかのご意見を承ります。

549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 22:12:21.88 ID:/s+os/MS0
そこまで細かいこた言わんでしょ
550 : [sage saga]:2013/03/06(水) 22:22:52.46 ID:r8R4Vrdx0
※では、ちょっとスレ立ててきますね!


※ところで『魔法実験』で好きなキャラor嫌いなキャラを書いていただきたいのです。参考のために。おねがいします!

551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 22:26:36.62 ID:sqeHoNNG0
大体みんな好きだけど、悪魔王(プチデビ前)の性格は嫌いだったかなぁ
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 22:26:46.53 ID:fm0+HhPAo
エルフみたいな女の子なのにダラダラキャラは新鮮だったよ
後はCOOLな見た目に反して女の子らしく可愛いもの好きな秘書とかギャップが有る子は良いなと思った
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 22:36:00.52 ID:QcXQ+65DO
好き
勇者パーティー
冒険家パーティー
虹精霊(採用してもらった補正)

普通
探偵パーティー

嫌い
天使王の独善

(笑)
吸血鬼王
554 : :2013/03/06(水) 22:41:10.54 ID:r8R4Vrdx0

※スレ立てしてきました! このネーミングセンスは我ながら無いと思います。


勇者「安価 と 記憶を消す能力 で 魔王討伐」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362576931/


もう>>1からいきなり安価始まっちゃってます。ごめんなさい。


555 : :2013/03/06(水) 22:52:32.06 ID:r8R4Vrdx0
※12時頃にHTML化を依頼しますね。
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 23:09:28.71 ID:HUgANa17o
冒険家、黒エルフは好き
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 23:26:38.55 ID:4xfVcBl40
魔王の外道っぷりは恐ろしかったなぁ……
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