【咲 -Saki- SS】 大学編 - いちご味 - ちゃちゃのん「おかえりなさい」

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579 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/25(木) 00:41:02.02 ID:c2O1Jj3I0





ちゃちゃのん「昨日、夢ん中で婆っちゃからお別れ言われて―――」





ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、ようやっとそれを受け入れようって思ったんじゃ」





ちゃちゃのん「これからはちゃちゃのんも、ちゃんと前を見ていこうって決めたんじゃ……」







ちゃちゃのん「これもきっと、ヒロちゃんやみんなの おかげだって思っとるよ」




ちゃちゃのん「どうもありがとなんじゃ、ヒロちゃん♪」ニコッ




洋榎「へへ、ちょっとテレくさいで…///」











ちゃちゃのん「あぁ、そうじゃ… ちゃちゃのんの憧れのアイドルさんなんじゃが」



ちゃちゃのん「ちょっぴりドジで、お茶目なベビーフェイスな人でのぅ…」



ちゃちゃのん「周りからはよぅ丸いとか、大食いとか、結婚出来ないとか、痴女とか、からかわれとったんじゃが―――」




ちゃちゃのん「そんでも決して怒らず、いっつも明るい笑顔で『雨にも負けず、風にも負けず』な強い人だったんじゃよ♪」ヘヘヘッ




洋榎「――――それは、どうなんやろな。 アイドルとして……」エット…







580 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/28(日) 02:24:31.83 ID:6woIij+Z0




【宮島】



洋榎「ここがあの有名な宮島やな。 そういや、ウチ 今まで来たことなかったで!!」



ちゃちゃのん「神さまの島 宮島は『安芸の宮島』とも呼ばれる日本三景の1つで、大鳥居や厳島神社なんかが特に有名じゃ」



ちゃちゃのん「季節や時間帯によっても その情景を変える、とっても美しい島なんじゃよ♪」



ちゃちゃのん「歴史的にゃぁ3本の矢の毛利の元就さんと、陶 晴賢さんの厳島の戦い何かも有名でな―――」






洋榎「お〜〜ぅ、そんなことより、あっちの店でもみじ饅頭 売っとるで!!」



ちゃちゃのん「うん、もみまんは宮島の紅葉谷(もみじだに)に、ちなんだ銘菓じゃけぇ」



ちゃちゃのん「でもどうせ宮島で もみまん食べるんじゃったら、焼きたてのお店がええんじゃよ〜〜」



洋榎「そういうもんなん?」



ちゃちゃのん「うん… 宮島のもみまんゆーたら、やっぱり焼きたてほくほくが一番じゃ♪」




581 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/28(日) 02:33:05.99 ID:6woIij+Z0




洋榎「つーか… 自分のその『もみまん。』って言い方、何やちょっと卑猥な感じやな〜〜」



ちゃちゃのん「―――ちょっ、もみまんのドコが卑猥なんじゃ!?」////



ちゃちゃのん「もみ子ちゃんと、アルフレッド後藤クンにも失礼じゃろ!!」



洋榎「アルフレッド後藤隊長とか 誰やねん。 カミソリ後藤?」





ちゃちゃのん「アルフレッド後藤クンは、後藤製菓さんが考案した二足歩行のシカくんじゃよ」



洋榎「何で、シカが二足歩行やねん…」



ちゃちゃのん「そりゃぁ、まぁ… 前足を地面についとったら、もみじ饅頭食べられんし…」






洋榎「おぉっ、向こうの店にあるのって、あの幻の『元祖ぷよまん』やないか!?」



ちゃちゃのん「あっ、本当じゃ。 ちゃちゃのんも初めて見たんじゃ…」




洋榎「オバちゃ〜ん、コレ一箱 ボヨヨンロック風にばよえ〜〜んと頼むでぇ!!」


アイヨーー



ちゃちゃのん「ヒロちゃんは、ホンにこういうレアモンが好きじゃのぅ」モー



ちゃちゃのん「あ……」テテテッ




582 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/28(日) 12:28:12.27 ID:6woIij+Z0



洋榎「で… 自分は何で宮島まで来て、クレープ食っとんねん」



ちゃちゃのん「へへっ… 美味しそうだったんで、ツイのぅ。 ヒロちゃんの分もあるんじゃよ」ハイ♪



洋榎「おぅ、サンキュ♪ ウチこういうのあんま食わへんから、ちょっと緊張すんで」モグッ



ちゃちゃのん「ヒロちゃんはお好み焼きとか、ケバブとか、辛いのよぅ食べちょるもんね」ハムッ





ちゃちゃのん「ちゃちゃのんはケーキとか 甘いの好きなんじゃが、ダイエットもあるけぇ 普段はなかなかのぅ…」



洋榎「はぁ〜 女の子やな〜〜」



ちゃちゃのん「そうじゃろか…?」





洋榎「ウチはどちらかっちゅうと男っぽい言われるから、自分のそういうトコ ちょっと羨ましいで…」



ちゃちゃのん「―――ちゃちゃのんは、ヒロちゃんのカッコ良いトコなんかに凄く憧れるかのぅ」ハムハムッ



洋榎「…………///」ムググ…



ちゃちゃのん「ヒロちゃん―――?」



洋榎「いや、別に何でもないで…///」



ちゃちゃのん「う、うん……?」



583 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/28(日) 14:02:45.64 ID:6woIij+Z0



カポ カポ カポ


洋榎「おっ、鹿やで鹿!? 何やコイツら、ちっとも逃げんで こっち寄って来んで〜」



ちゃちゃのん「あはは、ここの子たちゃ〜 平和ボケしとるけぇ。 きっと何かくれる思っちょるんじゃな」



洋榎「平和ボケの代表選手みたいなヤツが、よう言うで」



ちゃちゃのん「んもぅ… ちゃちゃのんのことは、別にええんじゃよぉ…///」






キューー キューーー


ちゃちゃのん「ゴメンのぅ。 今は鹿にエサをあげるんは、駄目なんじゃよぉ…」



洋榎「へぇ〜 今は鹿せんべいとか、やっちゃアカンのか?」



ちゃちゃのん「うん… 人から食べ物を貰うことに慣れすぎた鹿は」



ちゃちゃのん「ゴミを漁るようになって、ビニール食べたりして早死にしてまうんじゃ…」


ガジガジ


584 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/28(日) 14:14:23.44 ID:6woIij+Z0



ガジガジ


洋榎「ところで自分、さっきから かじられとんでぇ」



ちゃちゃのん「ちょ〜〜 ちゃちゃのんの洋服なんか、カジっちゃアカンよぉ!?」アセアセッ



洋榎「カカッ 相変わらず、自分は動物にも舐められるタイプやな〜」



ちゃちゃのん「もぅ… そんなんええから、助けて欲しいんじゃ〜〜」アウアウッ





グイグイッ


ちゃちゃのん「ちょっ… スカート、そんなに引っぱっちゃダメじゃって!?」アワワッ




ズルズル


ちゃちゃのん「わわっ、ちょっ… ちゃちゃのんを、引きずるのもダメなんじゃ〜!?」ウヒャーー



洋榎「面白いから、暫く見とこかな……」




585 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/28(日) 14:18:52.41 ID:6woIij+Z0




洋榎「おぉっ、あっちに五重の塔発見!? ドクター・ランドの国際シンジケート集団との死闘やで!!」アチャーー



ちゃちゃのん「別に死亡的遊戯とかは、行われとらんけぇの…」



洋榎「ほんなら、世界最悪の軍隊のムラサキな曹長とかのおる―――」



ちゃちゃのん「マッスルな塔も関係ないかのぅ…」









【厳島神社】



洋榎「おっ、あれが例の有名な厳島神社と大鳥居やな!?」



洋榎「おぉっ、デッカイ鳥居が海の中に浮かんどるで!!」スゴッ



ちゃちゃのん「今は満潮じゃけぇの。 潮が引けば、あそこまで 歩いて行けるんじゃよ」



586 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/28(日) 14:33:39.60 ID:6woIij+Z0




ちゃちゃのん「社殿の方も、今の時間だと浮いちょるように見えるじゃろ」



ちゃちゃのん「瀬戸の海に浮かぶ、厳島神社の壮麗さは竜宮城にも例えられる程なんじゃ♪」



洋榎「海の上に浮かぶ朱塗りの社殿か。 流石は世界遺産、えらいもんやで」





ちゃちゃのん「厳島神社は本殿の他にも、平舞台に高舞台、海に浮かぶ能舞台や反橋、廻廊なんかで構成されちょるんじゃが」



ちゃちゃのん「今日はもぅ時間も無いんで、あまり多くは見て回れそうにないかのぅ」




洋榎「無限回廊とか聞くと、何やテンション上がらん?」ネクロゴンド?



ちゃちゃのん「ま〜 ちょっとゲームっぽい響きじゃけぇのぅ」



洋榎「あと熾天使のゲートとかも、メッチャテンション上がるで―――」



ちゃちゃのん「ドSの上司に変態メガネさん、ハム☆スターも怖いんじゃ…」フルフル




587 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/28(日) 15:36:04.83 ID:6woIij+Z0



洋榎「おっ、アレって…?」



ちゃちゃのん「―――どうやら、今は結婚式の最中みたいじゃな」



洋榎「えっ… 厳島神社って、結婚式もやっとんの!?」



ちゃちゃのん「うん… 神社さんの祭事が多い 一月なんかは無理じゃけど、人気の式場の一つじゃよ」



洋榎「世界遺産で結婚式とか、そりゃ人気もあるやろなぁ」





洋榎「カカッ、これがホンマの『瀬戸の花嫁』いうヤツやん♪」




ちゃちゃのん「それ婆っちゃが大好きで、よぅ口ずさんどったんじゃ…」




ちゃちゃのん「瀬戸内海の島から嫁ぐ女性の心象を描いた歌で、昔は結婚式なんかでも よぅ歌ったんじゃとか…」




ザザザーーーン


たそがれる若者「マサさん……////」ポッ



洋榎「自分、誰やねん……」



ちゃちゃのん「――――?」ホエ?



588 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/02/28(日) 16:52:13.69 ID:6woIij+Z0




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは、どちらかっちゅうと洋式ブライダルへの憧れ強かった方じゃが―――」



ちゃちゃのん「やっぱり広島モンなら、ここでの結婚式っちゅうのも憧れるのぅ…」ウットリ



洋榎「そのためにも、まずはええ相手を見つけんとな〜〜」カカッ



ちゃちゃのん「うん、そうじゃね♪」ヘヘッ



洋榎「――――――////」ドキッ



ちゃちゃのん「ヒロちゃん……?」





洋榎「んなっ… 何でもないわぃ、こんダラずがぁ〜!!」ボコッ



ちゃちゃのん「あいたぁっ!? うぅっ、流石に今のは酷いんじゃ……」ウルウル



洋榎「…………」ドキドキ




洋榎(天使のような笑顔とか、不覚にもそんなこと思ってまったで――――////)ハズッ




589 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/03(木) 19:04:23.33 ID:ppNegn2l0




【夕暮れ時】



ちゃちゃのん「焼きたてのもみまんと、宮島のかきも美味しかったのぅ♪」ハフハフッ



洋榎「そうやな。 あの揚げたてのもみじ饅頭いうのも、なかなか新鮮で良かったで♪」







ちゃちゃのん「お日さんも、だいぶ瀬戸内に落ちてしもうたけぇ―――」



ちゃちゃのん「そのへんの灯籠にも火が灯って、あの海の大鳥居もライトアップされたみたいじゃ」





洋榎「おぉっ、ホンマや。 はぁ〜〜 綺麗なもんやで〜〜〜」



ちゃちゃのん「…………」




洋榎「ん、ちゃちゃ―――?」







ちゃちゃのん「ちゃちゃのんが、随分と小さかった頃の話なんじゃが―――」




ちゃちゃのん「たけはらの憧憬の路に、家族で何度か行ったことがあってのぅ―――」




ちゃちゃのん「ちょっと… そん頃のことを、思い出しとったんじゃ……」




洋榎「家族との思い出か……?」




ちゃちゃのん「うん……」コクッ





590 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/03(木) 21:39:21.31 ID:ppNegn2l0




ちゃちゃのん「あの時のちゃちゃのんは、珍しく随分とはしゃいどってのぅ」




ちゃちゃのん「竹灯りを追って一人走り回っとるうちに、お父さんたちと はぐれてしもぅたんじゃ」





ちゃちゃのん「周りは人だらけゆーのに凄く寂しくて、心細くて―――」





ちゃちゃのん「まるで世界中で、ちゃちゃのんのこと知ってる人なんて」





ちゃちゃのん「もぅ誰一人としておらんよぅに思えてきて…」





ちゃちゃのん「そんなことを思っとたら、とっても怖くなってしもうて―――」





ちゃちゃのん「そんで大泣きしとったトコを、お父さんとお母さんが見つけてくれたんじゃが――――」




591 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/03(木) 23:17:39.83 ID:ppNegn2l0





ちゃちゃのん「二人とも真っ青な顔して、凄く息も切らせとったけぇ」




ちゃちゃのん「今度は何だか、とてもイケないことをしてしまったような気がして―――」




ちゃちゃのん「そんでちゃちゃのん、ベソかきながら二人に凄く謝ったんじゃ…」






ちゃちゃのん「そしたら、とっても困ったって顔したお父さんが―――」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんの頭を、優しく優しく なでなでしてくれたんじゃ」




ちゃちゃのん「お父さんの手はゴツゴツとした大きなものじゃったが、おろおろとちゃちゃのんをあやす姿が あんまりにも可笑しくてのぅ」




ちゃちゃのん「それ見たちゃちゃのんは、今まで泣いとったはずなのにツイツイ笑ってしもうたんじゃ」





ちゃちゃのん「そんで今度はちゃちゃのんがお父さんの頭をなでなでしながら、こうゆーたんじゃ―――」







ちゃちゃのん「いちごはもぅ大丈夫じゃけぇ――――そんなに心配しないでねって……」








592 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/04(金) 00:04:59.23 ID:Hvchj6KF0







ちゃちゃのん「そんなに恐る恐る触らんでも―――」






ちゃちゃのん「いちごはそんな簡単に、どうにかなったりしないんじゃ……」




洋榎「…………」












ちゃちゃのん「いちごは… もぅ大丈夫……」フルフル…





洋榎「…………」ギュッ






ちゃちゃのん「ひ、ヒロちゃん………?」




洋榎「こんアホんだら……」






洋榎「自分――――それ、全然 大丈夫ゆーとるヤツの顔やないで!!」





ちゃちゃのん「……………」






洋榎「ホンマは、ちっとも平気やないんやろ――――?」







593 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/04(金) 00:10:20.11 ID:Hvchj6KF0





洋榎「フェリーの上で、大好きな婆さんとアイドルさんの話しとった時もそうやったんやな」





洋榎「泣き虫のくせに涙こらえて、必死に強がって――――」





洋榎「大切な人たちと、今度こそしっかりお別れしよう思ったんやろ…」






洋榎「そんなん――――大丈夫なわけないで……」







洋榎「ホンマはとってもツラくて悲しくてしゃーないんやろ」






洋榎「こんなウチだって、きっとおらんよりはマシやろ―――」





洋榎「あんま一人で無理とかして欲しくないねん……」





ちゃちゃのん「……………」ギュゥゥ




594 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/04(金) 00:25:21.13 ID:Hvchj6KF0





洋榎「ちゃちゃ………?」




ちゃちゃのん「ズルいんじゃ……」グスッ




ちゃちゃのん「もぅ泣かんって……」




ちゃちゃのん「笑って、笑顔でさよならするって決めとったのに……」ポロポロ








ちゃちゃのん「そんな優しくされたら――――涙、止められんじゃろぉ……」ボロボロ






洋榎「そいつは、スマンかったなぁ…」





洋榎「ウチな、実はちょっと意地悪やねん……」ナデナデ














595 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/07(月) 23:42:56.20 ID:KGbZaR5S0


















ちゃちゃのん「ぐすっ… ひっく……」ズズズーーー





洋榎「だいぶ落ち着いたみたいやな…」





ちゃちゃのん「うぅっ… ヒロちゃん、ごめんのぅ…」ゴシゴシ





洋榎「そんなん、別にえ〜〜て」





洋榎「ホンマにツラい時や悲しい時は、思いっきり泣いた方がええんやで…」ナデナデ





洋榎「自分の大好きな婆さんたちかて、きっとそう言うと思うで〜〜♪」ワシャワシャ





ちゃちゃのん「ちょ、ヒロちゃん!? ちゃちゃのんの髪を、ワシャワシャするんヤメるんじゃ!!」ウヒャアッ





洋榎「おっと… スマンスマン、つい…」





ちゃちゃのん「もぅ、今の流れで何がついなんじゃ…」




596 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/07(月) 23:56:41.49 ID:KGbZaR5S0





ちゃちゃのん「―――何か、前にもこんな感じのことあったのぅ…」クスッ




洋榎「お〜〜 初めて自分の家で、晩ごはんご馳走になった時やな!!」ナツカシイデ




洋榎「自分の泣き虫は、あん頃からちっとも変わってへんゆーこっちゃな」カカッ




ちゃちゃのん「変わっとらんのは、ヒロちゃんの意地悪もじゃろぅ…」ムー




洋榎「ちょっ… この優しさの塊みたいなウチの、ドコが意地悪やねん!!」




ちゃちゃのん「さっき自分でも、そうゆーとったじゃろうが!!」



洋榎「言っとらんわ、ボケぇ!!」



ちゃちゃのん「も〜〜 ゆーとったじゃろ〜〜!!」




テーー ナンヤネン、コノカイワ!!


プッ… クスクス…


コラッ!! ジブン、ナニワラットンネン!!


ワラッテナンカ イナインジャ!!


テ、メッチャワラットルヤナイカ!!



597 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/08(火) 00:03:41.48 ID:V3JZ77SS0







洋榎「んで、その後どうなったんや…?」



ちゃちゃのん「ん……?」



洋榎「自分が迷子になって、親父さんたちに見つけて貰ったって話や」



ちゃちゃのん「あぁ、うん……」








ちゃちゃのん「その日の帰り道は―――」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんを真ん中にして、お父さんと、お母さん」




ちゃちゃのん「二人と手を繋いで、家族三人で仲良く帰ったんじゃ……」




洋榎「へへっ、ええ思い出やな…」




ちゃちゃのん「うん、とっても大切な家族の思い出じゃ……」






598 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/12(土) 00:05:48.70 ID:yUjluB8r0





ちゃちゃのん「……………」




洋榎「……………」










ちゃちゃのん「人の愛情とか、優しさって――――」





ちゃちゃのん「失ってみるまで、その本当の価値に気付けないもんなんじゃろか…」




洋榎「ま〜 そういうもんかもしれんな…」









洋榎「絹のヤツもな―――」




洋榎「今ではウチよりもしっかりしとる位やけど、昔はめっちゃ泣き虫やったんやで〜〜」




ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 そいつは意外じゃのぅ」





洋榎「アイツは昔っから、お姉ちゃんっ子でな〜〜」




洋榎「いっつもウチの後をついて来ては、ウチのすること真似とったわ!!」カカッ



ちゃちゃのん「姉妹かぁ…」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは一人っ子じゃけぇ、そうゆーのって凄く羨ましいんじゃ…」




599 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/12(土) 00:08:27.29 ID:yUjluB8r0




ちゃちゃのん「今のお父さん、お母さんにも…」




ちゃちゃのん「何だか久しぶりに、会いたくなってきたかのぅ…」ハァ




洋榎「おっ… せやったら、この後にでも会いに行けば ええやん―――?」




ちゃちゃのん「えぇっ!? そんなん無理じゃよぉ!!」ブンブン





ちゃちゃのん「だいたい、そんな急に押しかけたら迷惑じゃろ…」




洋榎「な〜〜に、家族相手に遠慮とかしとんねん!!」




洋榎「腹減った〜〜 メシ頼むで〜〜〜 言うて、ひょっこり顔出したらええねん!!」



600 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/12(土) 00:14:53.56 ID:yUjluB8r0




洋榎「ちょっとウザがられるかもしれへんけど…」




洋榎「それはそれで、あっちも悪い気とかせ〜〜へんやろ」




洋榎「家族なんて、案外そんなもんやで―――」




ちゃちゃのん「そっ、そういうもんじゃろか……////」







洋榎「大阪に帰る前にでも、チラッと顔出してやろうや!!」




洋榎「きっと、喜んでくれる思うで……」ヘヘッ






ちゃちゃのん「そ、そんならヒロちゃんも…」





ちゃちゃのん「一緒に付いてきて貰っても、ええじゃろか……?」テレクサインジャ…





洋榎「ん!? ま、ま〜〜 そんくらい、ウチは別にかまへんけど……////」ドキドキ




601 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/12(土) 00:21:38.27 ID:yUjluB8r0





ちゃちゃのん「家族の絆って、やっぱり素敵じゃよね…」





洋榎「ま〜〜 ウチはいつも一緒やから、時々ウザなるけど―――」











おかえりなさい――――










洋榎「そう言って貰える場所があるいうんは、やっぱ ええもんやって思うで……////」





ちゃちゃのん「うん、そうじゃね♪」ニコッ




洋榎「…………」ドキッ





洋榎(屈託のない、まるで子どもみたいな笑顔やと思った)




洋榎(嬉しい時に笑い、悲しい時に泣く、どこまでも真っ直ぐで純粋な…)




洋榎(それがコイツ、佐々野いちご 本来の魅力なんやと、何となくそんなことを思った――――)





602 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 21:40:54.71 ID:JfmLL4uh0





洋榎「血は水よりも濃い言うけど、それにも負けへん繋がりいうのも あるんやろ〜〜か…?」





ちゃちゃのん「う〜〜ん、どうじゃろうね―――」











ちゃちゃのん「でもちゃちゃのんは、きっとあるって信じとるよ」





洋榎「ちゃちゃ―――」













ちゃちゃのん「あ、あのな… ヒロちゃん―――////」ドキドキ





洋榎「な、なんや―――?」





ちゃちゃのん「…………」






603 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 21:44:42.40 ID:JfmLL4uh0










ちゃちゃのんは――――














いちごは―――――やっぱり貴方のこと、大好きみたいじゃ。













604 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 21:45:57.54 ID:JfmLL4uh0














この世界で一番に、誰よりも愛しとるって思うんじゃ―――――













605 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 21:48:44.58 ID:JfmLL4uh0





洋榎「―――――いちご」





ちゃちゃのん「ヒロちゃんの想い、身勝手に断っておいて――――」





ちゃちゃのん「それを今更んなって、何をゆーとるんじゃって話なのは分かっとるんじゃ…」






ちゃちゃのん「――――ちゃちゃのんにゃぁ、本当はこんなこと ゆー資格なんてないのかもしれん……」













ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは―――」





ちゃちゃのん「ヒロちゃんを、胡桃ちゃんを、塞ちゃんを傷つけた…」





ちゃちゃのん「じゃけぇ… あのまま流されるように、ヒロちゃんの想いを受け入れることが―――」






ちゃちゃのん「ちゃちゃのんにゃぁ、どうしても出来んかったんじゃ……」





606 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 21:54:19.29 ID:JfmLL4uh0






ちゃちゃのん「ホンに、胡桃ちゃんの言う通りなんじゃ」





ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは、これまでずっと流されるように生きてきたけぇ…」





ちゃちゃのん「大切な人と真正面から向き合うことが、怖かったんじゃ――――」












ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは――――」






ちゃちゃのん「どうしようもないくらいに――――臆病で、弱虫じゃ……」フルフル





洋榎「……………」






607 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 22:00:07.00 ID:JfmLL4uh0





ちゃちゃのん「じゃけぇ、ちゃちゃのんは―――」





ちゃちゃのん「一度 友達の関係に立ち返って、自分のほんとの気持ち見つめ直したい思ったんじゃ……」




洋榎「……………」












ちゃちゃのん「そんで、ようやっと分かった――――」






ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、やっぱりヒロちゃんが大好きじゃ―――」






ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは、ヒロちゃんのこと失いたくないんじゃ――――」










ちゃちゃのん「たとえ、それで胡桃ちゃんと戦うことになっても…」







ちゃちゃのん「もぅ二度と、ヒロちゃんのこと諦めたりしないって決めたんじゃ――――」







608 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 22:04:27.77 ID:JfmLL4uh0





ちゃちゃのん「今回のことで、ちゃちゃのんがヒロちゃんに嫌われたとしても」






ちゃちゃのん「今度はちゃちゃのんが、ヒロちゃんを振り向かせる番なんじゃ――――」












あの日、あの時ついた、私のウソ―――





魔法使いの魔法で全てを偽り、私は私を騙すと決めた――――










ちゃちゃのん「それでも……」




洋榎「……………?」







ちゃちゃのん「この想いだけは……」






ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、どうしても ウソにゃぁ出来んかったんじゃ――――」ポロポロ






609 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 22:08:32.05 ID:JfmLL4uh0





洋榎「ホンマ、世話の焼けるやっちゃで…」





洋榎「泣き虫のクセして、一丁前にカッコつけおって――――」ソッ





ちゃちゃのん「ヒロ、ちゃん―――?」







洋榎「だいたい何を一人で決め付けて、自分の言いたいことだけ言っとんねん」











洋榎「今回のことでな―――」





洋榎「ウチも、いちごのええトコ、悪いトコ――――いっぱい知ること出来たで…」





洋榎「そんでウチも、分かったことがある――――」




ちゃちゃのん「……………」





610 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 22:14:16.08 ID:JfmLL4uh0










それはウチの気持ちが―――――










あのクリスマスの夜から、少しも変わっとらんいうことや。











611 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 22:15:49.72 ID:JfmLL4uh0










いや、それもちょっと ちゃうか――――












あの日の夜よりも―――――――もっともっと愛しとるで、いちご。










612 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 22:18:38.56 ID:JfmLL4uh0





洋榎「ウチは、いちごの全部が愛おしいんや―――」ギュッ






ちゃちゃのん「えへへ、ちゃちゃのんもじゃよ――――」ギュッ








ちゃちゃのん「ヒロちゃん――――震えとるんか……?」




洋榎「……………」










洋榎「ウチな、ホンマはずっと怖かったんや―――」





洋榎「いつか突然、いちごがウチの前から消えてしまうんやないかって―――」





洋榎「いちごのこと強く抱きしめたら、ガラス細工みたいに壊れてしまうんやないかって――――」





洋榎「いちごのこと好きになればなるほど、その念も強なってまってなぁ……」




ちゃちゃのん「ヒロちゃん………」





613 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 22:23:17.93 ID:JfmLL4uh0





洋榎「まったく、情けない話やろ…」





洋榎「正直 ウチも、自分がこない情けないヤツやとは思わんかったで……」





ちゃちゃのん「――――大丈夫じゃよ…」ギュゥゥーー





洋榎「いちご……?」








ちゃちゃのん「そんなに怖がらんでも、いちごは大丈夫…」






ちゃちゃのん「急におらんくなったりなんてしないけぇ、大丈夫じゃよ…」







ちゃちゃのん「だからな――――もっといちごのこと、ぎゅってして欲しいんじゃ……////」






洋榎「いちご… ホンマ、大好きやで……」ギュゥゥーー






ちゃちゃのん「へへっ、そんなに何度も言われると照れくさいんじゃ……////」







614 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 22:36:56.05 ID:JfmLL4uh0





ちゃちゃのん「ヒロちゃん、柔らかくて 暖かいんじゃ…」




洋榎「そ、そうやろか……?」




ちゃちゃのん「うん―――」





ちゃちゃのん「こうしてると、何だかとっても落ち着くんじゃ……」






洋榎「…………////」ドキドキ




ちゃちゃのん「――――?」









洋榎「そ、その――――キス、してもええ?」ドキドキ





ちゃちゃのん「もぅ、ヒロちゃんはエッチじゃのぅ……」ヘヘッ





洋榎「す、スマン……////」ドキドキ





615 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/15(火) 22:42:33.74 ID:JfmLL4uh0





ちゃちゃのん「うん、え〜〜よ…」






ちゃちゃのん「いちごの全部、もぅヒロちゃんにあげたけぇ……////」













洋榎「いちご……////」





ちゃちゃのん「ヒロちゃん……////」










いちごとの二度目のキス――――






それはとても幸せな、甘い甘い いちごの味やった―――――








616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/16(水) 23:49:38.09 ID:gkN8SPLTO
京豚の僕が書いたオナニーSS、読んでくれよな!!!





京豚の僕が書いたオナニーSS、読んでくれよな!!!


【咲-Saki-】京太郎「俺が種牡馬に……??」【安価SS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458065884/






































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617 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/20(日) 01:01:26.29 ID:eg3u71p80






ちゃちゃのん「のぅ〜〜 ヒロちゃん―――」



洋榎「ん―――?」





ちゃちゃのん「色々あったけど…」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、これからもアイドルとして頑張ってみよう思うんじゃ―――」



洋榎「そうか―――」







ちゃちゃのん「そんでな、ちゃちゃのん――――ヒロちゃんとのこと、隠さんつもりじゃよ…」



洋榎「ええんか―――?」





ちゃちゃのん「そんでアイドルとしてダメんなるんじゃったら、それは仕方のないことなんじゃ…」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんにゃぁ、そんこと黙ったままファンの子たちの前で」




ちゃちゃのん「笑顔でいること、やっぱり出来そうもないけぇ……////」




洋榎「カカッ… 確かに単細胞な自分には、そんな器用な生き方は無理やろな〜〜」




ちゃちゃのん「むぅ… ちゃちゃのん、多細胞じゃもん……」





618 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/20(日) 01:10:28.00 ID:eg3u71p80




ちゃちゃのん「でな、そんでも ちゃちゃのんを応援してくれる」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんのこと、励みにしてくれるって人がおる限り」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、精一杯 アイドルとして頑張っていこう思うんじゃ―――」




洋榎「自分、何や随分と強うなったんやないか―――?」






ちゃちゃのん「―――もぅ、ちゃちゃのん 一人じゃないけぇ……////」キュッ




洋榎「うっ……////」テレッ





619 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/20(日) 01:14:23.68 ID:eg3u71p80




ちゃちゃのん「それにな―――」



洋榎「―――?」




ちゃちゃのん「フェリーの上でした、アイドルさんの話―――」



洋榎「…………」







ちゃちゃのん「人はいつか、必ずいなくなるもんじゃが―――」





ちゃちゃのん「そんでも、その人の残した想いや気持ちは、きっと永遠なんじゃ――――」






ちゃちゃのん「あの人の想いは――――今でもちゃちゃのんの中、しっかり息づいとるけぇ……」ギュッ





ちゃちゃのん「だから、ちゃちゃのんは大丈夫――――これからも頑張っていけるって思うんじゃ……」




洋榎「いちご………」





620 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/20(日) 01:18:23.56 ID:eg3u71p80




ちゃちゃのん「だ、だからっちゅうて―――」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんの目の前から―――」




ちゃちゃのん「突然いなくなったりしたら、絶対 絶対ダメじゃけぇのぅ!!」




洋榎「分〜〜とるわい。 こないな寂しがり屋 置いて―――」




洋榎「誰が一人で、何処かに行くかっちゅ〜〜話やで!!」






ちゃちゃのん「ほ、ホントのホントじゃよ!!」ヒッシ!!




洋榎「あぁ、約束する。 せやから、そない心配そうな顔すんなや…」ポフッ






洋榎「それとも自分、ウチのことそない信じられへん―――?」




ちゃちゃのん「――――////」ブンブン




ちゃちゃのん「ヒロちゃんのことじゃけぇ、もちろん信じちょるんじゃ!!」





洋榎「よしよし、ええ子ええ子やで〜〜」ナデナデ




ちゃちゃのん「へへ… ヒロちゃんのなでなで、何か安心するんじゃ…」





621 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/20(日) 01:27:44.54 ID:eg3u71p80





ちゃちゃのん「それじゃぁ……」





ちゃちゃのん「誓いの―――ゆびきりなんじゃ…」ソッ






洋榎「おぅ!! 二人だけの、誓いのゆびきりや♪」スッ











大人になるとゆーことは、自分の中にある大切な何かを失うこと―――






ちゃちゃのんは、一体 何をなくし――――代わりに、何を得たんじゃろうか――――?






それとも、塞ちゃんがゆーたように――――初めから、何も失ってなど おらんかったんじゃろうか――――?







今のちゃちゃのんにゃぁ、その答えは よぅ分からん――――







そんでも、今なら未来の自分たちを信じられるって――――そう、思うんじゃ。














622 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 21:44:24.16 ID:zBd6cmHr0



【後日―――】



洋榎「でへへ〜〜♪」



哩「…………」キュッキュッ






洋榎「でへへ〜〜〜♪」



哩「……自分、最近あんま飲まんのやな?」



洋榎「おぅ、いちごのヤツに『あんま飲み過ぎちゃ駄目じゃよ』って、お願いされてもうたからな〜〜」



哩「は〜〜 さいですか……」キュッキュッ





洋榎「でへへ、いちごからのメールは まだやろか〜〜♪」ルンルン



哩(ウザッ……)ピキピキッ



623 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 22:09:29.29 ID:zBd6cmHr0




哩「それんしても、例の佐々野の交際宣言には驚かされたばい」



哩「相手については誰とは言っとらんかったが、周囲のヤツはアレで大体分かったやろな」



洋榎「せやな。 正直、初めはウチもヒヤヒヤしとったが…」



洋榎「思っとった以上に、いちごを擁護してくれるファンが多かったんはありがたかったで…」



哩「何でか応援してあげたなる、それがアイツの人徳かもしれんばい」



哩「きっとこれが自分やったら、大炎上間違いなしやろな〜〜」



洋榎「喧嘩上等!! 文句あるヤツぁ、まとめて相手んなったるで〜〜〜」フンッ!!



哩「煽るな、煽るな…」





哩「―――まぁ、異例の同性カップル宣言やったが…」




哩「そういうの応援してくれるファンも、たくさんおるっちゅうことやな…」




哩「世間の目とか法的なこともあるし、色々と大変なのはこっから先なんやろうけど―――」




哩「それは、私たちも同じか……」





624 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 22:13:30.65 ID:zBd6cmHr0





洋榎「結婚が全てやなし。 大好きって気持ちさえありゃ、何とかなるやろ―――」




洋榎「とりあえず今は自分トコの後輩ちゃんの研究にでも、期待しとくで〜〜♪」




哩「ま、せいぜい期待しておくと良いばい―――♪」










♪〜 いちごのようにかわいくて〜〜



洋榎「おっ、いちごからの呼び出しメールや♪」




哩「―――どうでもええけど、その着メロ何やねん……」





625 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 22:19:06.36 ID:zBd6cmHr0






憩「いちごちゃーん、お久しぶりやね〜〜♪」フリフリ



ちゃちゃのん「―――あ、憩ちゃ〜〜ん♪」ヤッホー





憩「洋榎さんとの交際宣言の映像、ウチも見ましたよーーぅ」



ちゃちゃのん「へへっ、ちょっと照れくさいのぅ……///」





憩「それにしても、この可愛ええ いちごちゃんを独占されるなんて―――」



憩「ウチ、ホンマにショックやわ〜〜〜〜」ホオズリ ホオズリ



ちゃちゃのん「あはは♪ 憩ちゃん、くすぐったいんじゃよ〜〜〜」





憩「ま〜〜 とりあえずリセさんには、釘は刺しときましたけどー」



憩「洋榎さんはしばらくの間、月のない夜に気をつけた方がええですね〜〜」



ちゃちゃのん「ほぇ…? 何でそこでリセちゃん―――?」





憩「あ〜〜 こっちの話やさかい、お気になさらずーーぅ♪」



ちゃちゃのん「――――?」



憩(いちごちゃんは、相変わらずのニブちんやな〜〜)フフッ



626 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 22:22:41.98 ID:zBd6cmHr0





ちゃちゃのん「それで憩ちゃん、今日は―――?」



憩「あぁ、そうやったね…」





憩「前に話した『洋榎さん、ボッコシ凹ませたるで計画』なんやけどー」




憩「その助っ人さんが集まったんで―――」




憩「いちごちゃんには、洋榎さんを上手いこと誘い出して欲しい思いましてな〜〜〜♪」ニッコリ




ちゃちゃのん「あはは、そうだったんじゃ……」




627 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 22:48:54.62 ID:zBd6cmHr0




ちゃちゃのん「ほんで、そのメンバーって…?」



憩「まず一人目は元高校全日本 個人戦王者でもある、白糸台出身の宮永 照さん(現プロ)」



憩「でもって、もぅ一人が元高校全日本 個人戦三位・臨海女子出身の辻垣内 智葉さんやで〜〜」



ちゃちゃのん「ほぇぇ〜〜 よ〜もそんな豪華メンバーが!?」ハワワッ



憩「―――で、当然 三人目は元高校全日本 個人戦二位やった三箇牧出身のウチやでー」





ちゃちゃのん「でも辻垣内さんって、確か今は海外留学中じゃろ…?」



憩「そうやで〜 今やガイト師匠 言えば『東洋の極妻・辻斬りガイト』と恐れられる、世界ランカーですよーーぅ」



ちゃちゃのん「辻斬りって―――」タジッ




憩「で〜 そのガイト師匠が丁度こっちに帰国中やったんで、声かけてみたんやけど―――」



憩「腑抜けた洋榎さんを粛清する言うたら、『面白そうだ――』言うて超乗り気やったで〜〜♪」クスクス



ちゃちゃのん「こわっ―――」カタカタ




628 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 22:53:40.05 ID:zBd6cmHr0




憩「それと、いちごちゃんと洋榎さんのラブラブ交際話を聞かせてあげたら―――」



憩「大先輩のはやりんとすこやんも、肩震わせて参加したがっとったで〜〜〜」ニコニコ



ちゃちゃのん「いやいや、さっきの二人だけで もぅ充分過ぎるじゃろ〜〜!?」アセアセッ





憩「というわけで、いちごちゃん―――洋榎さんの方は上手いこと、宜しく頼みますね〜〜♪」




ちゃちゃのん「うん、了解じゃよぅ―――♪」





憩「…………」




ちゃちゃのん「………ん?」



629 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 22:59:38.74 ID:zBd6cmHr0




憩「いや、何やちょっと意外やな〜〜 思いまして〜〜」



ちゃちゃのん「ほぇ、そうじゃろか―――?」





憩「これから、いちごちゃんの大事な人ボコボコにするいうのに―――」



憩「いちごちゃん――――ずいぶんと余裕そうなんやもん」



ちゃちゃのん「あ〜〜 うん、そうじゃね―――」





ちゃちゃのん「憩ちゃんが、親友であるヒロちゃんの為に頑張ってくれとるけぇ」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、憩ちゃんのその気持ちがとってもとっても嬉しいんじゃ」




ちゃちゃのん「―――どうも、ありがとうね。 憩ちゃん♪」エヘヘ




憩「はぁ… いちごちゃんには、ホンマかないませんね〜〜」ヤレヤレ




ちゃちゃのん「――――?」




憩「これ以上 いちごちゃんと話とったら、ウチの毒っけ全部抜かれてしまいそうですよ〜〜ぅ」




630 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 23:05:50.04 ID:zBd6cmHr0




ちゃちゃのん「―――それにのぅ」



憩「――――?」





ちゃちゃのん「ヒロちゃんは、こんなことで潰れるような弱い人じゃないけぇ」




ちゃちゃのん「きっと今回のことをバネに、雀士として更に強ぅなってくれるって信じとるんじゃ―――」




憩「ウチもそれには同意ですよーーぅ」ニコッ




ちゃちゃのん「ふふ……」



憩「いちごちゃん―――?」









ちゃちゃのん「ちゃちゃのんたち鹿老渡が、全国に行けたのも―――」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんがヒロちゃんと出会えたのも、憩ちゃんのおかげだって思うんじゃ―――」





ちゃちゃのん「―――憩ちゃんは、きっとみんなを素敵な方向に導いてくれる天使さんなんじゃ♪」ヘヘッ




憩「んもぅ… そういう恥ずかしいセリフは禁止ですよーーぅ!!」///




631 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 23:13:19.63 ID:zBd6cmHr0





憩「とにかく洋榎さんは、きっと今より強くなりますよー」




憩「だってあの人には、いちごちゃんが付いてるから――――」





憩「きっとどんな困難やって、二人の愛の力で乗り越えていけるやろ〜〜〜♪」ニッコニコ




ちゃちゃのん「うぅ〜〜〜////」セキメン



憩「あはは、さっきのお返しですよーーぅ♪」ナデナデ



ちゃちゃのん「もぅ、憩ちゃんは意地悪なんじゃ―――////」










憩「―――いちごちゃん」



ちゃちゃのん「――――?」



憩「ん〜ん… やっぱり何でもないですよーーぅ」クスクス



ちゃちゃのん「えぇ〜〜〜〜」



憩「ほな、また今度な〜〜」バイバイ







憩(いちごちゃん―――)




憩(ウチはな… いちごちゃんに――――)





憩(能力者と非能力者を繋ぐ架け橋であって欲しいって――――そうも思っとるんやで……)






632 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/23(水) 23:21:53.06 ID:zBd6cmHr0




それから、数日後―――



ヒロちゃんは完膚無きまでに、憩ちゃん達にボコボコにへこまされることとなった。




暴力的ですらある圧倒的な力の差を前に、ヒロちゃんの技術も経験もまったく通用せんかった。




それはこれまでヒロちゃんが大事に守ってきたプライドと自信、それら全てを破壊するには充分過ぎる大敗じゃった。










それからの数日間は、流石のヒロちゃんも酷い落ち込みようじゃったが―――




その更に数日後には見事に再起を果たし、打倒三強(ついでにプロ入り)を誓って猛烈に自身の麻雀を磨き始めたんじゃ。




やっぱりヒロちゃんは絶対に諦めない、とっても強い人なんじゃ。







ただ、その効果があまりに てきめん過ぎたんじゃろか?




大学の授業もそっちのけでの、麻雀三昧な日々だったけぇ




4回生の途中でヒロちゃんの留年が決まるっちゅうオチがついたんじゃ。




やっぱりヒロちゃんの芸人体質は治りそうもないみたいじゃな……





633 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/28(月) 00:01:16.21 ID:olCKscyX0



【クリスマス】



哩「それでは、クリスマスと、胡桃の内定祝い―――」



哩「そして洋榎の5回生決定を祝って、かんぱーーーーい!!」ニッコニコ



洋榎「うっぎゃーーッ! ココロに大ダメージっ!!」



セーラ「ギャハハハハ、やっぱ自分 サイッコーやなぁ!!」バンバン



塞「あ、あはは…」



胡桃「バカみたい……」





哩「このまま来年も再来年も、単位落としてええんやで…」ニヤニヤ



セーラ「もぅこのままバイトと同じ高卒でええんちゃう?」



漫「あと一年残って貰えれば、私と一緒に卒業出来ますね〜〜」



洋榎「うっさいわ、ボケッ!!」バカッ!!



漫「あたっ!!」



634 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/28(月) 00:13:59.55 ID:olCKscyX0





ちゃちゃのん「えっと… ちゃちゃのんも語学とかなら、教えてあげられるけぇ」



ちゃちゃのん「来年は麻雀だけでなく、勉強の方も一緒に頑張ろうの…」ヨシヨシ



洋榎「いちご〜〜〜♪」ウルウル





セーラ「いちごにセンセーとか無理なんちゃう〜〜?」



ちゃちゃのん「え〜〜 そうじゃろか?」




漫「胡桃センセと違うて、いちごちゃん あっまあまですもんね〜〜」



セーラ「コイツは甘やかされると、際限なく付け上がるタイプやで〜〜〜」



洋榎「何を言うとんねん、ウチはフクちゃんくらい繊細な女やでぇ!!」フルフル




絹恵「せやな〜〜 憩さんたちにボコられた時も、お姉ちゃん メッチャへこんどったもんな〜〜」



洋榎「ちょっ、絹―――!?」




635 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/28(月) 00:37:53.81 ID:olCKscyX0




セーラ「おっ、その話 もっと詳しゅー頼むでぇ♪」



漫「あ… それは私も聞きたいかも…」



絹恵「すっかり自信なくしたお姉ちゃんを、いちごちゃんが甲斐甲斐しくお世話してなぁ―――」



洋榎「だ〜〜〜 もぅそん話はシマイやシマイ!!」ブンブンッ



ちゃちゃのん「うぅ… 恥ずかしいんじゃ……////」



塞(…………)チラッ



胡桃「フン……」





塞(洋榎とちゃちゃのん、二人が本格的に付き合うようになった後―――)




塞(胡桃はそのことで遠慮されたり気を使われることを、何よりも望まなかった)




塞(それをされたら、きっと自分はみんなの友達ではいられなくなる気がするからと―――)




636 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/28(月) 00:42:36.71 ID:olCKscyX0




絹恵「でな〜 この前も二人で広島まで憧憬の路を見に行ったとかで、ホンマらぶらぶみたいやで〜〜」




ちゃちゃのん「き、絹ちゃん〜〜〜///」アウアウ





セーラ「センセーとか、きっとこのバカにエッチぃご褒美のおねだり ぎょうさんされんで〜〜」カッカッカ



洋榎「あ、それはええかも……」



ちゃちゃのん「ちょっ… ヒロちゃんまで、何を言っとるんじゃ!?」



胡桃「死ねばいいのに……」



塞「あ、あはは……」











ちゃちゃのん「――――く、胡桃ちゃん……」オズオズ



胡桃「ん――――?」




ちゃちゃのん「そ、その… 内定、オメデトなんじゃ……」



胡桃「ん、ありがと―――」



カンパイ カチンッ







637 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/31(木) 18:20:17.98 ID:0zlOk9/H0



【卒業の日】




そして、ちゃちゃのんは―――




大切な人と再会した、この想い出深い学び舎を 今日卒業した――――








洋榎「いよっ、ミス・キャンパス♪」



ちゃちゃのん「あはは… その呼ばれ方は、ちょっと恥ずかしいのぅ……////」



洋榎「ま〜 ええやないか。 エルダーやろうと、エトワールやろうと、貰える称号はありがたく受け取っとけて♪」




洋榎「その大正女学生風のはいからさんルックも、なかなか似合っとんで!!」



ちゃちゃのん「へへ、どうもありがと……///」



ちゃちゃのん「てっきり またカタチから入っとるとか、からかわれる思ったんじゃ…」フリフリ





洋榎「―――せやな、まるで帝都物語みたいや…」



ちゃちゃのん「てっ、何じゃ その微妙に喜べん例えは!?」



洋榎「加藤 保憲 陸軍少尉―――」



ちゃちゃのん「そっちけ!?」



洋榎「ホンなら、荒俣センセ―――」



ちゃちゃのん「そ、それはちょっと……」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、由佳理ちゃんか恵子さんが良かったんじゃ…」ブー



洋榎「由佳理ちゃんは境遇的にヘビーやで…」ヤンドルシ…



638 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/31(木) 18:34:59.40 ID:0zlOk9/H0




ちゃちゃのん「でも、残念じゃったのぅ…」



ちゃちゃのん「ホントじゃったら、ヒロちゃんも今日 卒業だったのに―――」



洋榎「ぐっ、そん話はヤメ〜や……」






洋榎「そういや、今日は親父さんたちも式に来とったんやろ…?」



ちゃちゃのん「うん、別にええってゆーたんじゃけどね…////」



洋榎「何だかんだ言うて、上手くやっとるみたいやん…」




ちゃちゃのん「うん… 最近はメール交換したり、会いに行ったりしとるんじゃ♪」





ちゃちゃのん「改めて、家族って―――」




ちゃちゃのん「ちょっとずつ、時間かけてなってくもんじゃって思ったんじゃ……」




639 :ケイ@終章「いつかのひかり」※この作品内では、佐々野姓は前の父親のって設定です [saga]:2016/03/31(木) 18:50:17.44 ID:0zlOk9/H0





ちゃちゃのん「……今の佐々野いちごとも、そろそろお別れかもしれんの」




洋榎「いちご……」








ビュウゥゥーーッ



ちゃちゃのん「うひゃっ!?」



洋榎「おっ…」





ちゃちゃのん「もぅ、急な春一さんじゃのぉ。 ビックリしたんじゃ…」



洋榎「袴のせいで、自分のいちごパンツ 拝めんかったんが残念やで!!」カカッ



ちゃちゃのん「んもぅ、またバカなこと言っとるんじゃ……」




640 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/31(木) 18:55:08.97 ID:0zlOk9/H0




ちゃちゃのん「大阪の桜――――今年も綺麗じゃね」




洋榎「せやな――――」









ちゃちゃのん「ヒロちゃん達と再会した日の桜も、こんな風に綺麗じゃったね」




洋榎「ん!? あぁ……」




洋榎「そういや、あん時もこんな風に桜が咲いとったな〜〜」





ちゃちゃのん「あの日の桜も、今日の桜も―――」




ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、きっと忘れないって思うんじゃ……」





641 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/31(木) 18:58:44.77 ID:0zlOk9/H0




洋榎「――――ん」




洋榎「そういや、そのいちごのヘヤピンって確か―――」




ちゃちゃのん「えへへ、気付いた――――?」ソッ






洋榎「たく… こういう晴れの日に、そないな安モンしおってからに…」




ちゃちゃのん「へへ… ちゃちゃのんは、これがええんじゃ――――////」







洋榎「その―――」




ちゃちゃのん「ん―――?」





洋榎「それ、よぅ似合っとんで―――////」




ちゃちゃのん「うん、ありがと――――」









642 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/31(木) 19:46:35.15 ID:0zlOk9/H0




洋榎「―――そんで、ゼミ連中との飲み会は楽しかったんか?」



ちゃちゃのん「うん、みんなでワイワイ楽しかったんじゃ♪」




洋榎「自分また酔って、周りのヤツにキスとかハグしまくらんかったやろ〜〜な…」ジーー



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんじゃって、あの頃よりちょっとは強うなったし―――」



ちゃちゃのん「それにちゃちゃのん、ヒロちゃんおらんトコでお酒は飲まんようしとるんじゃ…」ムーー



洋榎「だったらええんやが、ホンマ気をつけなアカンで〜〜」



ちゃちゃのん「うん、気をつけるんじゃ……」




洋榎「ホンマ、アレはウチにとってもちょっとしたトラウマなんやで〜〜〜」



ちゃちゃのん「うぅ〜〜 もぅその話はええじゃろ〜〜〜!!」



643 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/31(木) 19:49:58.25 ID:0zlOk9/H0




ちゃちゃのん「そんでも、一回生の頃は同じキャンパスのみんなと」



ちゃちゃのん「こない仲良ぅなれるなんて、正直 思っちょらんかったんじゃ…」



洋榎「これもひとえに、ウチらのおかげやで〜〜」



ちゃちゃのん「へへっ、本当にその通りじゃね♪」







大学3回生の時にやったゲリラライブ。



アレが良かったのか、みんなのちゃちゃのんに対する認識も少しずつ変わり



今ではゼミにたくさんの友人も出来、気軽にお喋り出来るようなそんな関係になっとった。




辛いこともいっぱいあったけど、おかげでちゃちゃのんは――――あの頃よりも、少し成長出来たと思うんじゃ。




644 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/31(木) 19:57:04.59 ID:0zlOk9/H0




ちゃちゃのん「―――ほんでヒロちゃんは、今まで何をしとったんじゃ?」



洋榎「あぁ… ウチはさっきまで、いいんちょと二人で駄弁っとったで―――」



ちゃちゃのん「胡桃ちゃんと―――?」




洋榎「アイツんトコ、ゼミの飲み会なかったみたいで 一人暇そうにしとったからなぁ〜」カカッ





ちゃちゃのん「そか、そんで―――胡桃ちゃん、何か言うとった?」









洋榎「卒業おめでと、親友――――」





洋榎「自分にそう伝えといてって、確かそないなこと言うとったで……」







ちゃちゃのん「そっか―――」




ちゃちゃのん「それは、ホンにありがたいんじゃ……」ジワァ




洋榎「カカッ、ま〜〜た泣いとるんか!? この泣き虫いちごが!!」



ちゃちゃのん「べっ、別に泣いたりなんてしとらんじゃろ!?」




645 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/03/31(木) 20:14:45.50 ID:0zlOk9/H0





洋榎「アイツは、ウチの一番の親友やで…」




洋榎「いちごのこと――――恨んだりなんてしてへんで…」ポンッ




ちゃちゃのん「うん、よぅ分かっちょるんじゃ―――」グスッ








ちゃちゃのん「だって… 迷子じゃった、ちゃちゃのんの背中―――」






ちゃちゃのん「誰よりも強く押してくれたのが、胡桃ちゃんじゃもん――――」









胡桃ちゃんのことを思うと、今でも胸のあたりがジンワリと痛む。





それでもそれは罪の意識とか、彼女への同情の気持ちなどでは決してないと思う。





傍から見れば滑稽に見えたかもしれんような、不器用なモンじゃったけど。





ちゃちゃのんたちは恥ずかしいくらい、精一杯の恋をしたんじゃ。







これは、その青春の残り火―――





それが今でも胸の奥で静かに揺らめいとるんじゃと、ちゃちゃのん 思うんじゃ――――






646 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/05(火) 02:01:05.91 ID:rWiQalpH0





洋榎「そういや、いちご―――」




洋榎「自分、ホンマにプロや実業団には行かんで良かったんか?」





洋榎「実業団からのスカウトは、ずいぶん前から ぎょうさん来とったみたいやし―――」





洋榎「はやりんみたいに、アイドルしながらやってプロや実業団でやってく道もあったやろ?」





ちゃちゃのん「うん、ええんじゃ―――」







あの七夕の日にした、絹ちゃんとの会話を思い出す―――




647 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/05(火) 02:20:35.21 ID:rWiQalpH0




ちゃちゃのん「そっかぁ。 妹さんは、今は麻雀よりサッカーなんじゃね」




絹恵「ですわ。 お姉ちゃんやオカンに憧れて、麻雀やったりもしてましたけど…」




絹恵「麻雀と同じくらい、やっぱサッカーも好きなんやな〜 思いまして。 私って昔からブレまくりなんですわ…」ハハッ





ちゃちゃのん「分かるんじゃ、ちゃちゃのんも同じじゃけぇ…」




ちゃちゃのん「大切にしたいモンいっぱいあるんに、この両手じゃ とても掴みきれないんじゃ―――」




絹恵「でも、悩んだ結果 上手くいく。 そんなことも たまにはある… みたいですよ―――」




絹恵「それに、私は――――」






それに、私は――――大好きなお姉ちゃんに、その道は任せましたから。








648 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/05(火) 02:58:06.63 ID:rWiQalpH0






ちゃちゃのん「うん、ええんじゃ―――」





ちゃちゃのん「そのちゃちゃのんの夢は――――愛するヒロちゃんに、託すって決めたけぇ」





洋榎「カカッ… そいつは責任重大やな〜〜〜」




ちゃちゃのん「そんでも、ヒロちゃんにだったら託せるって思ったんじゃ…」




洋榎「あっ… あったり前やろ!! 何せウチは西に降り立った天才 ヒロエさんなんやで〜〜!!」ドヤッ




ちゃちゃのん「うん♪ ヒロちゃんのこと、ちゃちゃのんは信じとるけぇの!!」







心の底から信じられる人がここにいる。




この人にだったら私の夢を託せると――――そう思える人がここにいる。





愛する人と同じ夢を共有出来るゆーこと、それはとっても幸せなことだから――――




649 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/08(金) 21:25:17.24 ID:x4TGeqza0




ちゃちゃのん「それにな、ちゃちゃのんは―――」




ちゃちゃのん「ヒロちゃんとする楽しい麻雀が、大好きなんじゃ―――♪」



洋榎「…………?」







婆っちゃや、爺っちゃたちとした麻雀。



鹿老渡のみんなや、憩ちゃんたちとした麻雀。



そして、ヒロちゃんや胡桃ちゃんたち みんなでした麻雀。






ちゃちゃのんにとっての麻雀。





それはどんなものだったんじゃろうと、振り返る。




650 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/08(金) 21:31:25.23 ID:x4TGeqza0




勝負に勝てた時、褒められた時、それはとっても嬉しかったけど




そのためだけに、ちゃちゃのんは麻雀を続けてきたわけじゃないって思うんじゃ。




泣いたり、笑ったり、ドキドキしたり、時にゃぁちょっとしたことから喧嘩もしたり…








ちゃちゃのんにとっての麻雀―――







それはいつだって、大好きなみんなとの繋がりだったんじゃ――――






651 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/08(金) 21:44:49.55 ID:x4TGeqza0




ちゃちゃのん「勝っても負けても、楽しくて―――」




ちゃちゃのん「能力があっても、なくても関係ない―――」




ちゃちゃのん「友達や家族、愛する人、年の離れた初対面の人たちとも笑顔になれるような―――」







ちゃちゃのん「そんな、ただただ楽しいだけの麻雀もあるんじゃよって――――」






ちゃちゃのん「ちゃちゃのんはアイドルとして―――」





ちゃちゃのん「たくさんの子どもたちにも、それを知ってもらいたいって思ったんじゃ……////」テレッ





洋榎「はぁ… なんやねんそれ。 自分のオツムくらいに、あまあまな麻雀やな―――」





ちゃちゃのん「やっぱり、ちゃちゃのんの考えは あまあまじゃろか……?」




洋榎「せやなぁ… あまあまもあまあま。 まるで練乳たっぷりのいちご味やで!!」




ちゃちゃのん「まぁ、そうじゃよね……」






652 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/08(金) 21:52:08.17 ID:x4TGeqza0




洋榎「せやけど……」




洋榎「まぁ、ウチはええ夢やって思うで――――」




ちゃちゃのん「ヒロちゃん――――?」







洋榎「世の中――――そんなバカもおった方が、オモロイやん♪」カカカッ




ちゃちゃのん「えへへ、バカはお互い様じゃったのぅ♪」




洋榎「アホ抜かせ。 ウチはバカが一周して、既に天才の領域やっちゅうねん!!」ドヤッ




ちゃちゃのん「それ、どんな自慢じゃよ〜〜」アハハ








夢を見る時間、夢を探す時間は 一応の終わりを迎え―――





これからは夢を実現させ、多くの人に夢を見て貰えるよう前に踏み出していく時間なんじゃ―――






それは口で言うほど、容易いことではないじゃろうけど―――






愛する貴女と一緒なら きっと何も恐れず歩んで行けるって、そう思うんじゃ――――









653 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/24(日) 20:09:42.38 ID:v3QCQLVb0




結婚式―――




今日は私たちにとって、とても大切な日になるじゃろぅ―――







あの後も大変なこと、いっぱいあったけど




そんな時、いつだって私の傍にゃぁ貴女がいてくれた。





早いもんで、あれから数年の月日が流れ




今では私たちも、一端の大人としてそれぞれの道を歩み始めちょった。





654 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/24(日) 20:19:28.50 ID:v3QCQLVb0




鏡に映る、純白の花嫁衣装に身を包み込んだ私。




白がよぅ似合っとるって、またゆーてくれるじゃろか―――?





愛する貴女と再会した、大学時代に思いを馳せる。




貴方とする結婚式は、これで二度目っちゅうことになるんじゃろうか―――?






あの頃の私は本当に何も見えちょらんような子どもで、いつだって間違えてばかりじゃったね。




後ろばっかり見とって、今ある大事なもの ちっとも見えとらんかったんじゃ。




私は今までずっと、たくさんの人たちによって守られてきたんじゃな…






お父さん「いちご、花嫁姿 とっても綺麗だよ―――」




お母さん「いっぱい幸せに、してもらうんじゃよ―――」





ちゃちゃのん「お父さん、お母さん。 今まで本当にありがとうございました―――」





655 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/24(日) 20:24:16.89 ID:v3QCQLVb0




みんなが私に教えてくれた、幸せの掴みかた。




それは私自身がそうありたいと望み、自ら手を伸ばすということ。




それにゃぁ ホンの少しの勇気と、現実に耐えるだけの強さが必要なのかもしれん。




生きていれば、辛いことや悲しいことだってあるじゃろう。




それでもそれら全てを、全部 無かったことにしちゃ 駄目なんじゃ。







幸せの掴みかた、それさえ忘れなければ…




ドキドキと心踊るような嬉しい出会いだって、きっとあるはずじゃけぇ。







これまでの全ての出会いに、きっと無駄なものなんてなかったんじゃ。






そして今はただ、みんなへのありがとうの気持ちで 胸がいっぱいじゃ――――






656 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/04/24(日) 20:33:33.40 ID:v3QCQLVb0





ちゃちゃのん「いちごは、本当に幸せモンじゃ――――」ポロポロ




お母さん「ホンにお前は、昔から泣き虫じゃけぇのぅ…」フフッ




お父さん「せっかくの可愛い顔が台無しだよ…」ソッ




ちゃちゃのん「お父さん、お母さん、ありがど……」ズズッ






お母さん「今のお前を見たら―――」




お母さん「あの人や婆っさまも、きっと喜んでくれるじゃろ…」ナデナデ




ちゃちゃのん「うん。 じゃったら、とっても嬉しいんじゃ―――」ギュウッ







あの日以来、婆っちゃが夢ん中で私に会いに来てくれることは もうなかった。






もし、私に唯一の心残りがあるとすれば―――





それはもぅ一人のお父さんや婆っちゃにも――――今日の私の姿を見て欲しかったゆーことじゃろか。







657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 21:12:00.36 ID:1SY0yuEh0
見てます
自分もちゃちゃのん好きだから嬉しい
658 :ケイ@大歓喜 [sage]:2016/05/10(火) 23:17:58.54 ID:AfTctB3f0
コメントありがとうございます(*゚∀゚*)
壁打ち気分でモチベーションもだいぶ下がってたので、とっても嬉しいです( ´ ▽ ` )♪

もぅそろそろ終わりなんですけど、ストック切れてなかなか続き書く時間取れずにホント申し訳ないです。

ちゃちゃのん好きな人と、松来さんを大事に思ってくれてたファンの人に
ホンのちょっとでも喜んで貰えたら、これ以上嬉しいことはないな〜〜って感じです。

ホントノロノロですけど、必ず完結はさせますね(この章もぅちょっと書いて、後はちょっとした番外編的後日談で終わりの予定です)

659 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/14(土) 23:38:27.63 ID:uSB/t8qq0



【数日前―――】



塞「やぁ、ちゃちゃのんは相変わらず綺麗だね」



ちゃちゃのん「えへへ、塞ちゃんはますます大人っぽくなったのぅ♪」



塞「そうかしら…? 本人的には、そういうのってあんま実感ないんだけど…」



ちゃちゃのん「へへ… ま〜 そんなもんかもしれんのぅ」




その日は仲人をお願いした胡桃ちゃんの代理として来た、塞ちゃんと久しぶりにお話をした―――







塞「―――あ、 もぅ『ちゃちゃのん』って呼び方は、ヨシた方が良いのかな…?」



ちゃちゃのん「苗字 変わっても、ちゃちゃのんは ちゃちゃのんじゃけぇ」



ちゃちゃのん「みんなにゃぁ あの頃と同じ、ちゃちゃのんがやっぱり嬉しいかのぅ…」



塞「そっか、了〜解♪」




660 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/14(土) 23:56:21.47 ID:uSB/t8qq0




塞「二次会は胡桃と元姫松の恭子さんが、幹事として動いてくれてるけど」



塞「料理の方は本職の哩に頼んだみたいだから、きっと期待して良いと思うわよ」



ちゃちゃのん「哩ちゃんの料理はホンに美味しいけぇ、今から楽しみじゃね♪」



塞「もぅバイトじゃないのに、洋榎には今だにバイトって言われてるんだよね…」ハハッ




塞「ちゃちゃのん……?」






ちゃちゃのん「その、塞ちゃんは―――」




ちゃちゃのん「胡桃ちゃんとは、相変わらずなんじゃろか…?」



塞「ん、ん〜〜 そうだね…」





塞「まぁ、相変わらずと言えば、相変わらずなのかしら―――」




塞「お互い自分の仕事をしつつ、半同棲みたいな感じではあるけど……」




塞「たぶん、胡桃は まだ――――」




ちゃちゃのん「そう、なんじゃ……」




661 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/15(日) 00:15:26.50 ID:z3Un6DvN0




塞「でも、ま〜〜 別に心配とかはしてないんだ…」



ちゃちゃのん「――――?」







塞「私たちも、オトナだしさ」




塞「今回の仲人の件にしたって、きっと胡桃なりのケジメなんだと思うし…」




ちゃちゃのん「胡桃ちゃんは、やっぱり強いんじゃね…」




塞「うん、胡桃は強いんだ―――」




塞「しかも素直じゃないもんだから、私の立つ瀬がないって感じなんだけどね〜〜」トホホ…




ちゃちゃのん「塞ちゃんは、相変わらず苦労しとるみたいじゃね…」ヘヘッ





662 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/15(日) 00:20:49.87 ID:z3Un6DvN0




塞「でも、今回のこと 全部終わったら―――」




塞「きっとその時は、私の番だって思ってるの――――」




ちゃちゃのん「塞ちゃん……」








塞「まぁ、こっちはこっちで勝手にやるからさ―――」




塞「だからちゃちゃのん達は、自分たちの幸せのことだけ考えなさいよね」




ちゃちゃのん「うん、塞ちゃん ありがとぉの!!」






ちゃちゃのん「応援、しちょるけぇの―――」




塞「うん、ありがとう」







塞「それと、今回のこと――――本当におめでとね」





ちゃちゃのん「うん――――」コクッ








663 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/19(木) 21:34:21.51 ID:2l3PmVjO0




【再び、結婚式 当日―――】




フレデリック「やぁ、いちごちゃん。 今日は本当におめでとう♪」




ロッキー「おめでと……」ボソッ




ちゃちゃのん「あ、フレデリックさんにロッキーさん!!」







ちゃちゃのん「今回の挙式の段取り、本当に色々とお世話になりました」ペコリッ





フレデリック「な〜〜に、今をときめく売れっ子アイドル いちごちゃん―――」





フレデリック「その晴れ舞台に協力出来るなんて、こちらこそ光栄ってなもんですよ」ニッ





664 :横須賀鎮守府 :2016/05/19(木) 21:36:57.30 ID:N+DXYCtG0
名前: 白糸台一軍最強【100年分】で三連覇約束亦菫様イエィ
E-mail:
内容:
「ダンジョンズ&プリンセス」は、2015年12月28日(月) 15:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。

ご利用いただいていた皆様には、これまでのご愛顧に厚く御礼申し上げます。
今後ともDMMオンラインゲームをよろしくお願いいたします。

「ひつじ×クロニクル」は、2016年3月31日(木) 14:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。

ご利用いただいていた皆様には、これまでのご愛顧に厚く御礼申し上げます。
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「ラビリンスバインド」は、2016年3月31日(木) 17:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。

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「ハーレムカンパニー」は、2015年10月30日(金) 12:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。

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運営終了は犯罪ナノデスよライダーをユルスナ

京様不在編
665 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/19(木) 23:56:55.57 ID:2l3PmVjO0




ロッキー「それにしても、あの原村 和には―――驚かされた…」ボソッ




ちゃちゃのん「あはは、そうじゃね。 彼女にも、感謝せんとのぅ―――」






アイドルにして、iPS細胞研究の第一人者でもある原村 和さん。




彼女が同性との電撃結婚を果たし、国民の注目を大きく浴びたおかげもあって




紆余曲折の末、女性同士でも国内で正式な挙式が行えるようになったんじゃ―――







これは余談じゃが…




同じくiPS細胞の研究をしとった、姫子ちゃんの方は




原村さんに先を越されたっちゅうて、とっても悔しがっとったみたいじゃ。




666 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/20(金) 00:05:09.21 ID:6mIJXMk70




フレデリック「それになぁ、あの日のこと―――やっぱ気になってたからさぁ」




フレデリック「今日という日を迎えられて、本当に心から良かったって思ってるぜ…」




ちゃちゃのん「フレデリックさん―――」










そうなんじゃ―――




実は今回の式場は、あの日、あの時。




恋人の魔法のかかった貴方と二人で来た、あの梅田の結婚式場じゃ。






貴女は私を気遣ってか、広島の厳島神社でもええ言うてくれちょったけど





やっぱり私たち二人にとっては ここが一番しっくり来るということで、ここに決まったんじゃ。






667 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/20(金) 00:17:44.36 ID:6mIJXMk70




あの時、貴女は―――




もっとバカ騒ぎ出来るような、そんなトコの方がええ 言うちょったね。






でもそんな貴女が真剣に考え、ここにしようと選んでくれた。




それはきっと私の幸せを一番に考え、私を想って選んでくれた結果なんじゃろ?








洋榎「う、ウチにとって一番の式場は、大事な人が喜んでくれるとこやからな…///」カァァァァ





洋榎「これでも何したら いちごのこと幸せに出来るのか〜〜とか、いつだって真剣に考えとるんやで……」









二人で式場の下見にと、またここを訪れた時




とっても照れくさそうにしながらも、貴方はそう言ってくれた。





もぅそれだけで、涙が溢れそうなほど幸せだったけど




また泣き虫と笑われそうじゃけぇ、私も何とか必死に涙を堪えてみせた。






668 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/20(金) 00:23:47.64 ID:6mIJXMk70





フレデリック「にしても新郎・新婦ならぬ、ダブル新婦形式なことには驚いたねぇ」




ちゃちゃのん「へへっ、あの時はヒロちゃんにタキシード姿の新郎さんをやって貰ったじゃろ」




ちゃちゃのん「じぇけぇ今度はヒロちゃんにも、ウエディングドレスを着て貰いたい 思っとったんじゃ」





ちゃちゃのん「一生に一度かもしれん女の子の幸せ、ヒロちゃんにもちゃんと味わって貰いたかったけぇ―――」









これは、私のわがままじゃ…





最初 貴女は恥ずかしいけぇ、自分は新郎役でええ言うちょったが―――






最終的に貴女が私のわがままを聞いてくれるカタチで、二人揃ってウエディングドレスっちゅうことになった。








669 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/20(金) 00:31:37.63 ID:6mIJXMk70





結婚式―――




それは多くの女性にとって、一生に一度の憧れの舞台。




純白の衣装に身を包み、二人の花嫁はバージンロードを歩く。




そして神さまの前で永遠の愛を誓い合い、二人は幸せなキスをする。








洋榎「―――ウチ、こんなんやから…」





洋榎「愛想つかされたりしないかとか、結構 気にしてんねんで…」






洋榎「―――どうしても、不安になってまうねん」





洋榎「いちごと過ごす時間が、あんまりにも幸せすぎて―――」






洋榎「ホンマにこないな時間がいつまでも続くなんてこと、あるもんかいなって――――」







670 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/20(金) 00:37:09.84 ID:6mIJXMk70






そんなに、怖がらんでもええんじゃよ。





そんなに気ぃ使ってくれんでも、私は大丈夫。








貴方の優しい心遣い、ホンに涙が出るほど嬉しいけれど。






貴女と添い遂げると決めたあの日から、私の気持ちは揺るがない。










私の居場所はここ―――――大好きな貴方のとなり以外にゃぁ ありえないんじゃ。












671 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/20(金) 00:42:08.37 ID:6mIJXMk70





それに――――私は、よぅ知っちょるけぇ。





貴女が誰かを幸せにすることの出来る、たくさんの素敵を持った人なんじゃって。






だって私の中に芽吹いた たくさんの幸せ、こんなにも綺麗に咲かせてくれたんは貴方じぇけぇ。







だから愛する貴女に、これだけは伝えておきたいんじゃ―――――両手いっぱいの幸せの花を どうもありがとうって。











洋榎「ウチに いちごのこと――――幸せにさせてくれ!!」









いちご「はい――――幸せにしてください」















いちごの花言葉――――それは『幸福な家庭』








二人でこの幸福の花を、大事に大事に いつまでも育んでいこうな。










672 :ケイ@終章「いつかのひかり」 [saga]:2016/05/20(金) 00:51:14.28 ID:6mIJXMk70









【咲-Saki- SS】 ちゃちゃのん・大学編 -いちご味-



ちゃちゃのん「おかえりなさい」









終 章 いつかのひかり








カンッ!




673 :ケイ@ここまでありがとうございました [sage]:2016/05/20(金) 01:42:40.09 ID:6mIJXMk70



というわけで、どうにかこうにか当初から予定していた終章 終了まで辿りつく事が出来ました♪



とりあえず正式な本編はこれにて終了ですが、この後 番外編的なエピローグがちょっぴり入る予定です。



敢えてここで番外編的というのは、人によってはここで終わりとした方がしっくり来るかも……とかちょっと思うからです。



要するにこの後のエピローグ部分を正式な続きとするも良し、あくまで本作の番外編として位置付けるも良しってな話ですね。




ま〜〜 相変わらずのドン亀投稿になると思いますけど、気長にあとちょっとだけお付き合い頂ければ幸いです。



674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/22(日) 16:49:10.69 ID:YcHNa9OAO
乙でした〜
元の作品も合わせて読んだけど、ちゃちゃのんにも胡桃にも幸せになって貰いたいね
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/22(日) 20:26:24.53 ID:HMGp4Npeo
乙です
676 :ケイ [saga]:2016/06/19(日) 21:36:51.77 ID:hKwLE41G0


乙コメ感謝です。


保守っとかないと書き込み出来なくなっちゃうんですかね?

そういうのあまりよく分からないので、とりあえず保守しときます。


先月終わり頃から歯痛に悩まされ、現在 仕事の合間に歯医者通い。

何日か前に親知らず抜きましたけど、物凄く痛かったです…


この後 エピローグ書く予定だったんですけど、何を血迷ったか急に鹿老渡・小学生編とか書きたくなっちゃって…

全くニーズとかないだろうに、とりあえず今はオリジナルキャラの鹿老渡高校大将さん視点の番外編とかボンヤリ考えてます。

ホント、どうしてこうなった状態です。

でもって歯の痛みもあるし、イマイチしっくりこなくて長考に入りつつありますね。


とりあえず本編終わって一応の区切りもついたんで、あまり焦らずもぅちょい考えてイケそうなら書こうかなと思います。


677 :ケイ@雑談 [sage saga]:2016/06/19(日) 21:54:01.05 ID:hKwLE41G0


元作品も合わせて読んでくれたようで、とてもありがたいです♪



元作品についてはあとがき部分でもまた触れるつもりでしたけど、この話の原作に当たるOSaKadAteQさんの胡桃と洋榎の大学SS

胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」(前編)
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1354025977/

胡桃「そーゆーのいーから幸せにする!」洋榎「ああ……絶対……!」(後編)
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1354201244/



―――作品として凄く好きだから、純粋にお勧めしたいっていうのも勿論なんですけど、

このちゃちゃのん視点のSSでは、胡桃視点の話は敢えてあまり触れないようにしてます。

(ある程度のネタバレは避けられませんでしたけど、元作品の楽しみを残したいと思ってそういう作りにしました…)


例えば、ちゃちゃのんと再会する以前の胡桃や洋榎たちの1回生時代の物語だったり、

胡桃と洋榎の誕生日デート、胡桃の恋心、クライマックスとなる胡桃と洋榎のクリスマスの夜―――


そういう、このちゃちゃのん視点のSSだけだと分からない部分のドラマもあるんで

そういう意味でも、是非とも合わせて読んで貰えたら嬉しいなって思います。



モチロン、このちゃちゃのんSS自体が元作品の空白部分を勝手に拡大解釈させて貰ったモノなんで

こちら側から繋がってても、元作品側からこちら側にそのまま繋がってるってわけでは当然ないんですけどね。



678 :ケイ@雑談 [sage saga]:2016/06/19(日) 22:18:31.12 ID:hKwLE41G0


勝手な空白部分 捏造の一例として―――



元作品で何度か洋榎主体で脱衣麻雀してるんですけど(色っぽい意味ではなく、駄学生の深夜テンション)

何故かちゃちゃのんがいる時には、一度も脱衣麻雀やってないんですよね(胡桃、塞、セーラあたりはスッポンポンになってる)


それって、何でなのかなって―――?


OSaKadAteQさん的には、特に深い意味なんてなかったのかもしれませんけど

もしかしたら、洋榎がちゃちゃのんのことを無意識のうちに意識しちゃってたからかもとか…

アイドルだし写真の流出とかあったらヤバイんじゃって、流石にみんなが気を使ったからかもとか…


そういうのを色々と想像しながら読むのが楽しくて―――


そうやって色々と自分なりに話を膨らませてたら、こんな話が出来上がったってな感じですね(我ながらキモい…)




ぶっちゃけ、途中からは文章として書かれてないのを良いことに


クリスマス―――ちゃちゃのんの描写がなかったんで、実は途中で帰ったんだよとか


書かれてる部分は最大限尊重するけど、原作 ちゃちゃのんの設定含め、


明記されてない部分は、こっちで自由に作っちゃおうってスタンスでやってた気がします。



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