野原しんのすけ(15)「歯を食いしばれサイジャク、オラのサイキョウはちょっと響くゾ」

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1 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/05/12(木) 01:03:38.44 ID:DANHmsYH0
三(四)スレ目です
前スレ
1スレ目
野原しんのすけ(15)「ベランダに女の子が引っかかってたゾ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378302253
2スレ目
野原しんのすけ(15)「ねえヘタレのオジさん、言葉のままに歪めてみれば〜?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1384085516
2.5スレ目 外伝集
酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409836335

・クレしん未来パロ×とあるです
・原作再構成と言う名の原作ブレイク
・カプはしんあいと上インの予定
・パロネタ多数

以上がよろしければお付き合いください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1462982618
2 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/05/12(木) 01:04:39.27 ID:DANHmsYH0
前スレまでのおさらい

野原しんのすけ
今年の春から学園都市にやって来た『原石』で長点上機学園の1年生。
学園都市第8位の超能力者でありながら
第七学区の武装集団のリーダーである駒場利徳に出会い『本物のスキルアウト』を目指すようになる。

超能力『法則無視』【トルネードコール】
物理法則に全く従わない謎のエネルギーを生産する能力
このエネルギーの影響下にある物質、現象も物理法則に従わなくなる為
実質的には『あらゆる物理法則を無視する能力』であり
将来的には『あらゆる法則を無視する能力』になりうるが
しんのすけが使いこなせていない事と多くの研究者が彼の能力を理解出来ない為に第8位という序列である ※元ネタは劇場版 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁

スゲーナスゴイデスのトランプ・レプリカ
使用者の正義の心に応じてあらゆる願いを叶えるトランプ。
使うたびに減っていく。残り42枚+JOKER
※元ネタは劇場版 ヘンダ―ランドの大冒険

タイムパトロールユニフォームジャージSP
キーワードに反応して3回だけ変身する朱色のジャージ
また、襟を立てる事でその場に最適の服装に変わる機能を持つ
残り変身回数 2回   ※元ネタは劇場版 雲黒斎の野望

護り刀・第七沈々丸
斬るべき敵に対して抜き放つと3メートルを超す戦太刀になる懐剣
※元ネタは同上

スパイツール・アクションヨーヨー
自動で回転しリールを巻き取る鉤付ヨーヨー
リールは大人二人分の重さにも耐える ※元ネタは劇場版 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦

ゆるゆるの賢者の腕輪
この腕輪をつけた手で扉や戸を開けると任意の扉や戸に空間を繋げられる
学園都市で一人暮らしを始めた時に惑星ヒマワリのサンデー・ゴロネスキー大王から送られてきた。
※オリジナルただし元ネタは劇場版 嵐を呼ぶオラと宇宙のプリンセス

魔法軍手【アスクレピオス】
昔妖精から貰った軍手のレプリカ
触れた物をナオス(直す・治す)効果がある
とあるヘタレの錬金術師の手で魔改造され
回数制限も時間制限も無くなった
 ※元ネタは原作34巻登場『ひとりでなおっ太くん』

酢乙女あい
長点上機学園1年生。しんのすけの幼馴染の少女
世界一大きな財閥グループの令嬢であり、幼い頃から英才教育を受けた
そのためあらゆる学問、武道を一通り身につけている
しんのすけの事を十年間想い続け、最近はしんのすけも気を許してきた

強能力『女帝君臨』【エンプレス】
周囲の人間が酢乙女あいに対して若干好意的になるという精神感応系の能力
本人いわく『かろうじて異能力では無い程度』の『荒事には向かない』能力

ボー
長点上機学園1年生。しんのすけの幼馴染の少年
かつて別の時間軸での未来の自分が造ったロボを再現するため
駆動鎧の技術を学びに学園都市に来た

低能力『自在化鞭』【パンゴリンズタン】
水塊を『一つだけ』『触れ続けている間』『ある程度塩分を含んだ液体に限り』思いのままに操る水流操作系の能力
それ以外の能力制限がほぼ無いため本来は大能力級のはずだが低能力とされているのは
本人は自分を『能力者』では無く『開発者』だと考え
能力判定時は早く終わらせる事を前提に受けているため

野筆ヨハネ(自動書記)
しんのすけが『ダイアナお銀』と『トッペマ・マペット』の記憶をヒントに
魔法で構築召喚した機械人形に
インデックスから分離した『自動書記』を再封印した事で生まれたアンドロイド
外見は15歳くらいの和服美人
通称ペンデックス。自称『禁書目録』の『管理者』
3 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/05/12(木) 01:05:28.70 ID:DANHmsYH0
投下まで少しお待ちください
4 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/05/12(木) 01:31:42.82 ID:DANHmsYH0
学園都市第七学区のとある河川敷、そこでは今『内蔵潰し』と呼ばれるスキルアウトと
全チーム中、最大勢力を誇るチームのリーダー駒場利徳との決闘が行われようとしていた。

「横須賀……覚悟は……良いな?」

「ふっ……駒場よ、貴様はこの期に及んで未だ語る口を持っているのか?生憎だがこの『内蔵潰し』の横須賀、語る物は拳のみ!!」

語るは拳のみと言いつつ、駒場の数倍の台詞量である。

「ふっ……そうだな……では行くぞ!!」
           ツッコム
駒場は特にそのことに触れることもなく拳を握りしめ一息に距離をつめた。
5 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/05/12(木) 01:32:38.57 ID:DANHmsYH0
一方、その場からそう遠くない、同じく河川敷にて、こちらでは二人の超能力者
第七位と第八位が雌雄を決しようとしていた。

「お、どうやらホルモンと駒場さんも始めたみたいだね」

しんのすけの言葉を受けて、その一部を学園都市第七位の超能力者『削板軍覇』は否定する。

「野原、ホルモンじゃないぞ。アイツの名前は『モツ鍋』だ」

それもまた間違っているのだが、削板の中では彼は完全にモツ鍋で定着しているようだ。

「ところで……意外ですな、こうしてソギーとオラが戦うことになるなんてね」

削板軍覇の人柄、普段の言動はある程度有名であり、馬鹿正直で人助けに励む彼をしんのすけは好ましく思っていた。
そんな二人が戦わんとしているのには勿論理由が在る。
6 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/05/12(木) 01:33:18.42 ID:DANHmsYH0
そもそものきっかけは、敵対スキルアウトチーム『大蜘蛛』が警備員によって大量に逮捕、壊滅したことによって
彼等がねぐらとしていた第十学区『ストレンジ』が駒場利徳の縄張りに加わったことだ。
元々しんのすけがチームに居た事で統括理事会からも数人ほど資金面では援助をしていた所に、
廃墟ではあるが一応まだ居住可能な多数の家屋を含めたそれなりに広い土地、それらが手に入ったことで、自警団員の大幅増加につながったのだ。
これにより駒場利徳のチームの勢力は拡大、今や第七学区内において集団での活動的なスキルアウトは存在せず、
むしろ一部では『武装集団』【スキルアウト】と言えば自警団をさす言葉として使われ始めていた。
しかしこれに待ったをかけたのが『内蔵潰し』であった。      サシ
スキルアウト達の間ではそれなりに名の知れた存在である彼が駒場に一対一での勝負を申し込んだのだ。
7 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/05/12(木) 01:34:08.19 ID:DANHmsYH0
自分が駒場に勝てば、これ以上の人員増加や活動範囲の拡大やめろ。その代わり自分が負けたらおとなしく傘下に入る。という条件で。
本来受ける必要の無い話。
勝って手に入るものと、負けて失うものがつり合って無い勝負。
しかし駒場は横須賀の挑戦を受けた。
一人の漢が、不退転の覚悟で挑むのならば、それには応えるべきだと。
応えるに値する漢だと、駒場利徳は横須賀に対しそう思ったのだ。
しかししんのすけがこれに異を唱えた。
         でば         ケンカ
「駒場の親分さんが出番るまでも無ぇ、この拳華ぁ……アッシに任せてくだせぇや」

映画好きで任侠物もよく見るしんのすけは、駒場をはじめ浜面などスキルアウト仲間達が相手だと時々このような芝居がかった話し方をする。
8 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/05/12(木) 01:34:56.81 ID:DANHmsYH0
横須賀の相手は、駒場では無く自分がするとしんのすけは言ったのだが、そこに更に削板がしんのすけの相手は自分がすると言い出した。
こうして、今夜の決闘が二組行われることになった。

「モツ鍋は根性のある奴だ。あの駒場って奴もな、ならそんな根性ある二人の決闘、俺は根性ある男として、誰にも邪魔はさせねえ」

横須賀は過去30回以上も削板に挑み、返り討ちにあっている。
そしてそれでもなお諦めない横須賀を、削板は気に入っていた。

「どうしてもと言うんなら俺を倒すことだな野原、お前の根性を俺に見せてみろ!!」

ドンッと、削板の台詞と共に彼の背後の地面が七色の煙を上げ爆ぜる。

「はあ、やれやれだゾ。相変わらず話してると『根性』ってワードがゲシュタルト崩壊だし」

腕輪をした右手を改造制服の懐に入れ、しんのすけは言った。

「でも、『正義』『勇気』『努力』『ド根性』は……オラも大好きな言葉だ、ゾッ」

片手を服に隠したまま、しんのすけが削板に向け走る。

「来い!!野原ぁぁぁぁぁ!!」

学園都市第七位の超能力者が拳を握り吼える。
本来そちらがメインイベントであるはずの駒場対横須賀戦を横目に、超能力者同士の対決がはじまった。
                   カネ な
そしてソレは、一部の者達にとっては正に銭の実る大樹であった。

「みんな元気かー?今夜は映像付きで生放送、リアルタイム配信。海賊ラジオDJだ」
9 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/05/12(木) 01:35:50.70 ID:DANHmsYH0
今夜はここまでです
続きは多分土曜日の夜九時の予定です。
GW中にとりためしてた日朝一気視してから海賊ラジオDJがCVぐっさんで脳内再生される…
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/12(木) 01:40:03.34 ID:tldaAXTlo
乙です!やっぱり次スレ突入すると気分が滾るな!
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/12(木) 02:01:02.21 ID:OekC/ruKo
乙です
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/12(木) 02:56:46.08 ID:0d089UOD0
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/12(木) 02:57:52.49 ID:0d089UOD0
乙乙
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/12(木) 02:59:55.16 ID:BnaqUHaho
復活した救いのヒーロー
腐女子に媚びてるだのなんだの言われるけどあの容姿で萌えられたらそれは腐女子ではなく801の奥様方なのではないのだろうか
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/12(木) 07:14:14.74 ID:uDRZwhx50
塩沢さんもそういう奥方様達からの人気も有ったそうだし必然なのかもしれない

複数の画面から実体化(&分身)が出来るんだっけなぶりぶりざえもん
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/12(木) 07:21:16.39 ID:9lUacvUo0
待ってた、期待
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/12(木) 17:35:31.22 ID:tjM3C68io
しんのすけの概念としてのぶりぶりと電子生命体ぶりぶりどっちも好き
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/12(木) 20:28:13.93 ID:lbbN62udO
おつ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/29(日) 12:40:33.14 ID:c2twl6lAO
しんのすけとひまわりの能力名の元ネタは映画のタイトルだし、サキちゃんが能力者になったら能力名はやっぱり夢幻世界(ユメミーワールド)とかになるんだろうか
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/04(土) 06:10:57.90 ID:QRbVihb60
まあいつの土曜日かは言ってなかったからなぁ
21 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:32:23.82 ID:SbOZMyGA0
お久しぶりです1です。これから投下します。

>>10
新スレ早々に間をあけてしまいごめんなさい
>>14-15
意外と言えば意外、納得と言えば納得のキャスティングでしたね
>>19
そのパターン(1のセンス)だと『夢見世界』【ナイトメア】って感じですね
でも彼女は父親が過保護気味なので学園都市の超能力開発は受けないんじゃないですかね
22 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:33:59.16 ID:SbOZMyGA0
どこかの部屋で、誰かのパソコンのスピーカーから、ノイズ混じりの軽快な口調が流れた。

「今日お送りするのは、そう!!一部界隈では噂になってたから知ってる奴も居るだろうが……なんと超能力者同士の決闘だ!!」

真っ暗だったパソコンの画面が第七学区の河川敷を映したものに変わる。
右にしんのすけが、左に削板が、そしてその周りにはまばらだが少なくない数のギャラリー達が映っていた。
       白ラン       ブレザー
「観えてるか?学生服の方が第七位、改造制服の方が第八位だ。そんなワケで、今夜はこの2人の対決の様子を解説付きでおとどけするぜ!!」

海賊ラジオDJは、一拍置いて言葉を続ける。

「……とは言ってもだ、俺も能力開発の専門家ってワケじゃあない。なに、心配するな、だからゲストを呼んでるのさ……この人だ!!」

「私も別に専門家ってわけではないのだけど、よばれた以上仕事はするわね」

スピーカーからの声に若い女性のものが加わった。

「私の事は……そうね、『ヘソ出しカチュ−シャ』と名乗っておくわ」

「今夜は俺達2人でお送りする海賊ラジ―って早速決闘が始まったみたいだな」

しんのすけは今日、削板と戦うにあたり、様々な準備をしてきた。
幼馴染の発明家や、昔からの知り合いである博士の元を訪ね、便利な道具を手に入れたり、
スゲーナスゴイデスのトランプを使い、強力な武器を前もって用意しておくなどだ。
そのため現在、『ユルユルの賢者の腕輪』によって改造制服の内ポケットとつなげられた空間には、幾つもの武器や道具、秘密兵器が並んでいた。

「先ずは小手調べ、喰らえ『千人殺し』!!」

内ポケットから引き抜かれた右手には、束ねられた40を超す銃口を持った、巨大かつ奇抜な銃がにぎられていた。
23 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:34:45.55 ID:SbOZMyGA0

ドガガン!!

引き金がひかれ、全ての銃口から一斉に弾丸が放たれ、独特の銃声が鳴る。

「はっ、初手から銃だよりか!?どうした!?お前はそんな根性なしじゃねえだろう野原!!」

真正面至近距離から撃たれた散弾を、全弾跳ね返して削板はしんのすけに語りかける。

「ぬお!?跳弾かすった……勿論だゾ、言ったでしょ?今のは小手調べだって」

懐に多連式火縄銃『千人殺し』をしまい、続いて携帯式非殺傷性ロケットランチャー『しんちゃんボンバー』を取り出す。
この間合い
「至近距離でそんなデカ物は悪手だぜ?もっと根性だせよ!!」

削板は左手でロケットランチャーを横から殴り照準を外させ、がら空きとなったしんのすけの胸に右拳を叩きこんだ。

「げほぉ!?」

その場にランチャーを残して、しんのすけの身体は後方に飛ばされる。

「流石超能力者!!初っ端からすげえな!?じゃあ解説たのむぜ『ヘソ出しカチュ−シャ』、まずあの銃はなんなんだ!?」

しんのすけと削板に距離ができたところで、海賊ラジオDJが質問を入れる。

「デザインはリボルバーが主流になる以前の銃で、ペッパーボックスピストルとか、その形状から蓮根銃とか呼ばれている物に似ているけど」

質問を受け、女性の声は解説する。

「ソレらはあくまで連射性を求めたもので、あんな風に散弾銃としては使わないものなのだけど」

「ほう、オリジナルカスタムの銃か。ところで第八位の懐からやたらデカいのがホイホイ出てくるのは?」

「彼の能力には謎が多くてね……テレポ−ターだと言う説もあるわ。私は支持してない説だけど」

「おっと、第七位が何かするようだぞ」
24 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:35:46.36 ID:SbOZMyGA0
削板が右腕を振りかぶる。

「すごいパーンチ!!」

技名と共に拳が突き出され、『その延長線上にある空間』が爆ぜた。

「ぬおうっ!?」

しんのすけは爆風にあおられ、更に両者の距離が空く。
              根性
「どうした!?距離があれば俺の能力が届かないとでも思ったか!?」

「ソギーったらテンション高いなあ、これで弦ちゃんやしいぞう先生、修造さんに会ったらどうなっちゃうんだろ?」

むしろそこまで暑苦しいと、逆に見てみたい気もするけど。
などと言いながらしんのすけが次に取り出した物は、オモチャの光線銃のような外見をしていた。
今夜の対決に備え、北与野博士に新しく作り直してもらったそれの名は、
『平面画像実物立体変換機・改』通称『飛び出しライトガンNEO』と言った。
その名の通り、平面画像を読み取り一分間だけ『実体の在る立体映像』に変換する機械だ。

「ほいっと」

しんのすけがライトガンの前にスマホをかざす。
するとアンチスキルでも正式採用されている盾が現れ、しんのすけはその陰に身を隠した。

「時間稼ぎのつもりか!?だとしたら、ガッカリだぜ!!」

盾もろとも吹き飛ばそうと、削板が再び腕を引き絞る。

「すごい―」

「隙あり!!」

先程の攻撃が放たれる前に、しんのすけが削板の背後から襲いかかった。
25 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:36:41.09 ID:SbOZMyGA0
「なに!?」

削板はすぐに反応し、振り返ってしんのすけを視界に捉えた。
しんのすけの右手は既に懐に入れられている。

「次は何を―ガッ!?」

しかしその右手は抜かれず、削板にくわえられた攻撃は左手によるものであった。
しんのすけのその手には、バチバチと放電する竹刀の様な武器がにぎられていた。

「『鋼鉄親父の電磁竹刀』……すごいな、ボーちゃんってば完全に再現してる」

幼馴染から渡されたソレは、かつてしんのすけの『もう一人の父親』が手にしていた物だ。
その性能は一言で言えば、不使用時にはボールペンサイズにまで縮小する機能を備えたスタンロッド。

「もいっちょー!!」

電流により筋肉が硬直する一瞬を狙い、しんのすけが削板に追撃をしかけるが、
削板はそれを躱してしんのすけの足元を爆発させる。

「おお!?」

再び、両社の間には十メートル弱の距離ができる。
       根性
「へっ、すげえ能力だな。まさか瞬間移動で俺の背後をとるとは」

「持ってる道具の性能だけどね、ほとんどは」

電磁竹刀の一撃を受けてなお、削板にはダメージ等無い様子であった。

「やっぱり、普通に勝つのは無理っぽいかな〜?」

そんな削板を前に、しんのすけも台詞とは裏腹に表情は余裕を崩さない。
            カクウエ
「ならどうする?相手が第七位だからって諦めるのか?」

しんのすけの出方を見つつ、削板がジョークとして訊く。
そして予想通りの返事と、予想以上の解答が、しんのすけの口から放たれる。

「まっさか〜、ちょっと普通じゃない勝ち方をすれば良いだけだしね」

しんのすけは新たな武器を両手に、勝利を宣言する。           カタパルト
先程のライトガンにも増してオモチャらしい外見をした二丁の銃は、二門の射出機構を有し、
その上には光沢のある球体が1つずつ乗っていた。

「ほい!!」

しんのすけが引き金をひく。

「効くかそんなもん!!」

撃ち出された四つのタマは削板の腕の一振りに防がれる。

「なに!?」

しかしタマはそこで割れた水風船の中身の様に変形、さらには体積を増して削板の全身を包み込んだ。

「『アクショントリモチガン・ウィズ・ヒママタージェルバレット』これでゲーム・セットだゾ。ソギー」

しんのすけの言うように、削板は自身を包む球体の中でもがき暴れるが、
そのジェルの様な液体の様な、それでいて内部で呼吸はできる、不思議な空間からの脱出は出来ずにいた。
26 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:37:28.24 ID:SbOZMyGA0
「おおう、コイツは番狂わせ勝負事は下馬評通りとはいかないな」

第八位が第七位を下すという結果に、海賊ラジオDJが本音をこぼす。

「もっとも、超能力者の序列と言うのはその能力を研究したことによってもたらされるであろう利益の順、つまり戦闘力とは関係ないのだけど」

「まあそれこそ俺たちには『関係ない』話さ」

「そうね自分の仕事をするだけだわ」

「じゃあ解説たのむぜ。まず盾を出したと思ったら背後からの強襲だ」

「上手いてね、ただ背後に移動するだけじゃなくてその直前に盾に隠れるから、相手はそこに居ると思うもの」

「そしてスタンロッドの一撃だ」

「今まで右手でばかり攻撃していたから、左手での暗器攻撃がはまった形ね。追撃には失敗したけど」

「そしてこの『決まり手』だぁ!」

「ホロゥポイント弾の様に着弾時に変形するよう造られてる弾丸はあるし、ネットを撃ち出す捕縛用の銃器もあるけど、あんなのは初めて観るわ」

「じゃあ最後に全体を通して、ズバリ第七位の敗因は?」

「あら、それにはまだ早いと思うけど」

「おや、それまたどうして?」

「削板軍覇には、こんな終わり方はありえない」
27 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:38:48.01 ID:SbOZMyGA0
ギャラリーの一人がしんのすけに声をかけた。
                   アッチ側   ケリ
「野原さん、今浜面さんから連絡あって、駒場さんの方も決着がついたそうッス」

その男は、スキルアウトの下っ端新人のものであった。

「で、結果は?」
 モチ
「勿論、ウチらの大将の勝ちッス!!」

駒場と横須賀の勝負が終われば、しんのすけと削板が闘う理由もなくなった。
そう考えてしんのすけが武器を懐にしまいこんだ、その時。

「未だだ!!未だ俺とお前の勝負は!!俺の根性は未だ終わって……無えぇぇぇ!!!!」

叫びの食後に爆発音。
そしてそれと共に削板を包んでいた球体が四散する。
      なか
「おわ、あの内部って『概念レベルで『力づく』の否定』がされるのに……」

かつて自分の両親には解く事が出来なかった拘束を打ち破ってみせた削板に、しんのすけは驚きと敬意をいだく。

「モツ鍋が負けちまったなら、俺と野原が戦り合う意味なんてもう無えのかもしれねえ……けどな!!」

一息置き、ジッとしんのすけと眼光をぶつけ合わせる。

「こんな終わり方、俺の根性が認めねえんだ……お前だってそうだろう!?野原!!」

「うん、そうだね」

しんのすけは上着を脱ぎ捨て、先程の戦闘により解けかかっていたネクタイを締め直すと、
その場に一度しゃがみこんでから大きく背のびする様に両手を左右斜め上に突き出しながら立ち上がった。

「宇宙キターーー!!」

ぶおん、と。しんのすけを中心に風が吹いたように周囲の者達には感じられた。

「すげえな、それがお前の本気か?」

気配の変わったしんのすけに、削板が訊く。

「このネクタイはコズミックエナジーの力で装着者が持つ全ての身体能力を63倍に上げるんだゾ」

「勝負するってことで良いんだな」

「おう、タイマンはらせてもらうゾ!!」

右拳を、胸を軽く二回叩いて前に突き出す。

「いくぜぇぇ!!超……すごい……」

固く握りしめた右拳を、削板はゆっくりと力を貯めるように大きく引きしぼる。

「ぬおおおおおおぉぉぉ!!」

対するしんのすけはその場に両手をつき、胸を中心に脚を大きく振り回す。
いわゆるブレイクダンスの様な動きをしていた。

「パンチ!!」
ローリングケツダケアタック
「回転式唯尻撃!!」

両者の攻撃はほぼ同時に放たれた。
削板の突き出した拳がその先にある空間を爆砕し、それによって生じた爆風を切り裂きながら、しんのすけの全身が砲弾のように削板に迫る。
そして……
28 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:40:07.79 ID:SbOZMyGA0

ドバァン!!!

豪腕メジャーリーガーの投じた100マイルボールがキャッチャーミットにおさまった時の音を、
数十倍にしたかのような轟音をあげて、削板の拳と、しんのすけの臀部中央がぶち当たった。

「うわ、あんなのバラエティー番組のケツバットやタイキックの比じゃないだろ。こりゃあ第七位の逆転勝ちか?」

海賊ラジオDJの言葉を、しかしヘソ出しカチュ−シャは否定する。

「いや、アレをよく見ろ!!」

「なっ!?嘘だろオイ!?」

しんのすけと削板の両者は、互いの最高の技をぶつけ合ったままの姿勢で動かずにいた。
削板は拳を前にし、しんのすけはその拳の先で空中に浮いているかのように。

「あれも第八位の能力か!?」

「そうだ、ただし超能力なんかじゃなく、純粋な身体能力だけど」

「なに?どういうことだヘソ出しカチュ−シャ!?」

「解説しよう、先程一見ぶつかり合った様に見えた互いの一撃だが、野原しんのすけは削板軍覇の拳をくらってはいない」

「あん?ならどうなったんだ?」

「受け止めたのよ、まるで真剣白刃取りの様にね」

「は!?じゃあ今第八位は拳を挟んだ尻で全体重を支えているってことかよ!?」

「その通り、削板軍覇の右手は今、常人ならば拳が砕けるほどの力で締め上げられているはずよ」

「マジかよ……」

「そしてこうなった以上、勝負はもうプライド……意地の問題ね」

しんのすけは腰を少しでもひねれば削板の手首をへし折れるだろう。しかしそれは自身の大臀筋が、削板の拳を砕けないと認めるに等しい。
削板は腕を振りしんのすけを地に叩きつける等の追撃も可能だろう。しかしそれは己の拳の、相手の大臀筋に対する敗北を認めるに等しい。
故に、両者は動かない。いや、動けない。

「……ぐっ」

そして……遂に決着の時が訪れた。
 ・
「俺の負けだ……お前の勝ちだ、野原!!」
29 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:41:20.99 ID:SbOZMyGA0
右手を下げ、削板は自身の敗北を宣言する。
わっと、周囲から歓声と悔し気な声が上がる。
前者が駒場の、後者が横須賀の傘下の者達だろう。

臀部から拳を解放し、しんのすけは削板と向き合い握手する。

「良い……勝負だった!!」

「おう、またいつか……リベンジするぜ!!」

超能力者2人の決着がつき、その様子を映すパソコンのスピーカーから流れる海賊ラジオも、締めに入る。

「今度こそ終わったな、じゃあ改めて第七位の敗因は?」

「削板軍覇はあのジェルによる拘束を弾き飛ばすのに、だいぶ体力を使ってしまっていたのかもしれないけど」

「はうほう、やっぱりアレが決め手になったんだな」

「とは言え、ここは素直に野原しんのすけに賞賛をおくるべきかしら」

「と、今夜はそろそろお別れだ。お相手は海賊ラジオDJと」

「ヘソ出しカチュ−シャでした」
30 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:42:08.85 ID:SbOZMyGA0
マイクのスイッチが切られ、DJが退室し、ヘソ出しカチュ−シャこと『雲川芹亜』は思案する。
彼女は表向きはただの一学生の身分だが、その実態は統括理事会の一人『貝積継敏』から相談役【ブレイン】として雇われている程の才女だ。

(今回、内蔵潰しは自分が負ければおとなしく傘下に入ることを条件にしていた……)

ならば、それに助っ人として参加した削板軍覇はどうなのだろう?
もし、彼も駒場利徳の傘下に加わることになれば最下位とその一つ上とは言え、超能力者二名を擁する組織の出来上がりだ。
いくら『野原』のネームバリューに守られていようとも、いよいよ手を出す者が出てくるかもしれない。
そもそも『野原一家』【アンタッチャブルファミリー】の情報は、それを知る者達の間でも不確かで信憑性は高くないと思われている。
それどころか統括理事会メンバーでも全員がその存在を知っているわけでもない。
抑止力としては頼りないものだ。

(せめて第五位と第三位の二人も自警団の活動に巻き込んでレベル5が四人在籍する組織にられば……)

あるいは統括理事会の三分の一、四人以上がバックに付けば、少なくとも他の統括理事はは手を出さないだろう。

(貝積に自警団を支援するよう言っておくか)

不確かな情報だが、亡本裏蔵と誰かもう一人、既に二名の統括理事を味方に付けているらしい。
ならばあと一人くらい―――

(ダメだな、抑止力になりうるのは先の案を両方とも実現した場合だ)

圧倒的な武力等、よほど理解しやすいものでなければ抑止力たりえない。
何故なら駒場利徳率いる自警団は、本当なら既に充分『手を出すべきでは無い』組織だ。
背後には統括理事があり、超能力を有する武装集団。
これを相手に事をかまえようとするのは余程のバカだけだろう。
つまり「所詮レベル5の中では最下位だ」と侮るような連中だ。
逆にそういう輩にとっては、今までは『手を出す価値も無い組織』だったわけだが……
それも今夜の決闘で状況が変わった。

(はぁ、そんな馬鹿達のせいで学園都市そのものが滅びかねないんだから、勘弁してほしいのだけど)

兎に角、自分がすべき事は貝積を動かして可能な限り自警団の味方になっておくことだ。
雲川芹亜は連絡用の携帯端末を取り出した。
31 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:42:50.50 ID:SbOZMyGA0
「この……新装備が無ければ……あるいは……負けていたのは俺の方だったかもな」

コピー機が用紙を吐き出すような単調なしゃべりかたで、駒場利徳は自身の足元に仰向けに倒れている横須賀に話しかけた。
   ハードテーピング
「ぐっ『発条包帯』ではないな、なんなんだそれは?」

『発条包帯』とは警備員の駆動鎧等に使用されている人工筋肉で、装備者の身体能力を大きく強化してくれる。
しかし駆動鎧には付いているリミッターが無いため、装備者の身体にかかる負担は駆動鎧の比では無い。
いわゆる『ジャンク品』の域を出ないものだ。

「しんのすけの……幼馴染の作品だそうだ……もっとも……オリジナルでは無いそうだが」

『発条包帯』はその名が示すように帯状で、服の下で体に張るようにして装備する物なのだが、
今の駒場は服の上から橙色のチューブ状の人工筋肉に包まれていた。

「親分さん、大事無ぇようで」

しんのすけがやってきて、駒場に話しかけた。

「お前もな……しんのすけ」

「このネクタイがなきゃ危なかったゾ」

正直、このネクタイには良い思い出は無い。
初めてこのネクタイの影響を受けた日は、病気になったと思い込み寝込んだほどだ。
後日父親から話を聞き安堵したが、当のネクタイはいつの間にかなくなっており、今身に着けているのはスゲーナスゴイデスのトランプで用意した物だ。

「でも思ったより早く終わったから、この後時間空いちゃったゾ」

「あ、じゃあ手伝ってくれないか」

駒場と横須賀の対決を観ていたため近くにいた浜面が、しんのすけに言った。

「手伝うって何を?」

「最近、路地裏にマネーカードがよく落ちてるんだとよ。」

「探して拾い集めるってこと?」

「そうそう、デート資金貯めたくてさ」
32 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/04(土) 21:43:31.17 ID:SbOZMyGA0
今夜はここまで、次回は木曜の夜の予定です
リア充爆ぜろ
しんのすけって如月弦太朗(仮面ライダーフォーゼ)、熱繰椎造(幼稚園の先生)、松岡修造(何故かテニスではなく水泳コーチ)と知り合いなんですよね……

↓今回出てきた装備・技の(元ネタの)原作登場回
多連結式火縄銃『千人殺し』・映画雲黒斎の野望
非殺傷性ロケットランチャー『しんちゃんボンバー』・アニメSPクレヨン大忠臣蔵
平面画像実物立体変換機『飛び出しライトガン』・原作22巻
鋼鉄親父の電磁竹刀・映画ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
アクショントリモチガン・映画アクション仮面VSハイグレ魔王(桜リリ子が使用)
ヒママタージェル・映画嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス(おつまみ大臣マーキュンが使用)
スーパーネクタイ・原作40巻
ブレイクダンスからのヒップアタック・映画嵐を呼ぶジャングル

橙色のチューブ状の人工筋肉・映画ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/04(土) 21:45:32.70 ID:eolegVJJo
乙です
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/06/04(土) 21:47:59.67 ID:un65rGAmO
乙です
ネクタイを締め直したあたりは、しんのすけつながりで仮面ライダードライブの泊進ノ介のオマージュかと思った
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/04(土) 21:59:33.48 ID:xDPZeSfAO
乙です
おお、ロボとーちゃん縁の品が二つも
超電磁砲のロボ繰歯が学園都市版ロボとーちゃんって感じだったしタイムリーな
しかしこれはしんのすけ絶対首つっこむな…
36 : ◆aMcAOX32KD1b [sage saga]:2016/06/10(金) 00:46:21.96 ID:jAO8W5jM0
1です。これから投下します。
>>34
「ひとっ走りつきあえよ」もいつかやります
>>35
コピーが、自分がコピーと気づいてしまった時の絶望。アイデンティティの崩壊……
メカ繰歯ちゃんは今後どうなるんでしょうね
37 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/10(金) 00:47:45.81 ID:jAO8W5jM0
浜面に連れられてやってきた路地裏では、噂の通り探せば早々にマネーカードが見つかった。
「もう三枚目だゾ、結構簡単に見つかるもんだね」

「室外機の影とかが狙い目みたいだな。金額にバラツキがあるから幾ら儲かるかは運次第だけどよ」

「お、コレ五万円のやつだゾ」

浜面としんのすけが話しながら、カードを次々に見つけていく。

「しかし、なんだってマネーカードが見つかるようになったんだろな?」

ふと、浜面が疑問を口にする。

「そりゃ誰かがばらまいてるってことでしょ。確かお金を捨てるのは犯罪だけどカードは違うとかって法律も在ったような気がするし」
         くに       このまち
この街の中での事は日本の法律では無く学園都市の条例が優先されるが、カードをあちこちに隠してまわっている何者かが
ソコを気にして現金では無くマネーカードにしたのであれば、おそらく条例でもそうなのだろう。
38 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/10(金) 00:48:40.22 ID:jAO8W5jM0
「何が目的なんだろうな?まあ俺としちゃ儲かるから良いんだけどさ」

「シークレット・サンタ的なアレ?とかじゃ無いなら……」

「とかじゃ無いなら?」

善意の寄付でないのなら、理由は何なのだろう。
浜面はしんのすけの予想を聞くべく、その先をうながした。
            コト
「第七学区で、何か大きな事件を起こす気か、あるいはこれから起きるから阻止したいのか」

「真逆の二択かよ。なんでそう思った?」

「さっきから何人かと狭い中をすれちがってるけど、普通は路地裏ってそんな人多くないでしょ」

「えと、だから?」

その説明では理解できず、浜面がさらなる補足を求めた。

「普段人の目が向かない所に、不特定多数の人が出入りすることで後ろ暗い事をできなくする……ってことだゾ」

「ああ成程。じゃ、その逆に事件を起こす気ってのは?」
 スキルアウト  ストレンジ
「自警団の仲間達で第七学区外に引っ越して行ってる人達も多いんじゃないかな」

「まあそりゃガチの路地裏生活の連中にとっては暮らしにくくなっただろうな。噂の出る前と後じゃ」

「そしてそれは、第七学区で活動する自警団員の人数が減っているってことだゾ」
シマ
縄張りが増えたのと同程度、自警団員の数も増えたが第七学区と第十学区では、元の治安を考えれば
第十学区により多人数を置くべきなのだろう。
しかしそれで、第七学区での活動がおろそかになってはたまらない。
      ジャッジメント アンチスキル
「まあ正規の風紀委員や警備員がいるから、それだけじゃ前準備としてはオソマツだけどさ」

そこまで言われれば、浜面も納得する。

「逆に言えば同様に何かしらの手を、風紀委員や警備員にもしているなら……ってことか」

「そう言うこと。じゃ、集めたカード渡しとくゾ」

しんのすけが重なったカード数枚を浜面に手渡した。
             の
「オイオイ今夜お前が拾った奴全部じゃねえかよ、良いのか?」

「うん、オラもう帰って寝る。そんで明日は昼間からカード探すゾ」

浜面に別れを告げ、しんのすけは帰宅した。
39 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/10(金) 00:49:49.68 ID:jAO8W5jM0
そして、その翌日。

「涙子ちゃん、なにやってるの」

しんのすけは昼間から四つん這いになり地面の匂いを嗅いでいる友人を見かけ、
数秒悩んだ後に声をかけることにした。

「あ、野原さん」

「こんにちは、涙子ちゃん」

「野原さんもマネーカード探しですか?」

「うん、涙子ちゃんも?」

「はい、だからこうして匂いをたどって……」

「日中の街中で女子中学生がしちゃダメなポーズだと思うゾ!?」

夜間人気の無い場所でしていてもそれはそれで危険だが。

「けど『匂い』か……その手が在りましたな」

しんのすけが懐に手を入れ、自宅の犬小屋で寝ていた愛犬をその場に取り寄せた。

「ワウン!?(何するのしんちゃん、ワープホール越しに連れて来られるのってすっごく怖いんだよ!?)」

「い、犬がしゃべった!?」

正確には首輪から声が出ているのだが、初めて出会う光景に佐天が驚く。

「シロっていうんだゾ。シロ、この子は佐天涙子ちゃんだゾ」

「よろしくねー。シロちゃん」

「(よろしくお願いします)」

初対面の一人と一匹が挨拶を交わす。
40 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/10(金) 00:50:56.40 ID:jAO8W5jM0
「涙子ちゃん、例のカード……できれば封筒も持ってる?」

マネーカードは口の開いた封筒に一枚ずつ入れられた状態で隠されていた。

「あ、はい。両方持ってます」

佐天が四枚の封筒を取り出す。おそらく中にはマネーカードが入っているのだろう。

「よしシロ、この匂いを覚えるんだ」

「シロちゃんってそんな事が出来るんですか?」

「雨とか降らないかぎり大丈夫だゾ」

「(別に、本職の警察犬のようには行かないけどね……ん!?)」

しんのすけの腕の中で、シロが毛を逆立てた。

「どうしたシロ!?」

「(何か嫌な感じがする人が近づいてきてる!!)」

「あら佐天さんと野原」

「御坂さん」

シロの言う『嫌な感じがする人』とは第三位の超能力者、『超電磁砲』【レールガン】の御坂美琴であった。
    エレクトロマスター
「ああ、発電能力者のAIMか」

「え、何が?」

「シロちゃんが急におびえちゃって」

御坂の疑問に佐天が答えた。

「シロちゃん?」

「こいつだゾ」

しんのすけが御坂にシロを見せる。

「あー、昔から動物には嫌われちゃうのよねー」

「まあAIMなら仕方ないよ」

しんのすけがシロを懐に戻す。

「そんなワケで、呼んで早々にゴメンねシロ」

「御坂さんもカード探しですか?」

「うん、手伝ってもらおうと思って」

佐天の問いに、本人では無くしんのすけが決定事項であるかのように答えた。

「え?」

「美琴ちゃん、前に大怪獣倒した時に言ってたでしょ?形状や大きさが判っているならソナーセンサーみたいなことも出来るって」

「わあ、沢山見つかりそうですね!!」

御坂はまだ了承していなかったのだが、佐天の喜びように、既に断れる空気ではなくなっていた。
41 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/10(金) 00:51:51.22 ID:jAO8W5jM0
「今度は初春達も交えてやりましょーねー。んじゃ、ウチこっちなんで」

陽もすっかりくれた頃、佐天は二人と別れ帰っていった。

「ぐ、結局一日潰してしまった」

「何か予定でもあったの?ゴメンね」

「まあ買い物とか、別に今日じゃ無きゃできないってことじゃないけど」

手にしたカードを数えるしんのすけと、金銭には困ってないしどうしたものかとカードを持て余す御坂。
そんな対照的な二人もそれぞれの自宅と学生寮に帰ろうかという時、ガラの悪そうな男達がしんのすけに声をかけてきた。

「ああ、野原さん!!」

男達は自警団のメンバーであった。

「ん?何」

「見つけたんすよ。マネーカードを隠してる白衣の女をヒコイチが見たって」

「白衣の?はぁ、木原一族じゃ無きゃいいけど……」

「雑居ビルみてーなのに入っていきました、この近くっす」

「だってさ、美琴ちゃんも来る?」

マネーカードが原因で、まだ大きな事件は起こってないが、件の人物が怪しい事この上ないのは事実だろう。
故に、正義感の人一倍強い友人にも同行するかとしんのすけは問う。

「ええそうね、なんでこんな事してるのか、私も気になるもの」
42 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/10(金) 00:53:04.73 ID:jAO8W5jM0
男達の言うとおり、雑居ビルはほど近くにあった。

「テツたちは外で待ってて」

相手が『木原』である可能性を考え、男達に待機するよう伝える。

「ウス、ならその女いや女生徒さんは……」
       レベル5
「美琴ちゃんは超能力者だゾ」

「なぁ!?」

驚く男達を尻目に、二人はビルの中に入って行く。

「で、最上階。この部屋にいるみたいだね」

「行くわよ野原」

二人が踏み込むと、中にいた白衣の女が振り返った。
    つけ
「Oh 尾行られてたのかしら」
43 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/10(金) 00:55:20.45 ID:jAO8W5jM0
今夜はここまでです。続きは日曜の夜を予定しています。
Qジト束さんではないのですか?
Aギョロ束さんです。1はギョロ束さん派です
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/10(金) 01:01:27.44 ID:i6kfWjtYo
乙です
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/10(金) 19:26:12.36 ID:HHsBYcEAO
乙です
ところでムスメカの装備って出す予定ありますか?
あの「本気のおふざけ」感はこの作品の雰囲気に合ってる気がするので
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/10(金) 20:16:35.56 ID:P+9zuU8So
>>45
こんなマクロスのクランが巨大化状態でぶっぱなすマシンガンレベルの速度でレールガンぶっぱなしそうな美琴じゃ強すぎてストーリーにからめられんわ
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/15(水) 01:55:53.52 ID:pyzfUylr0
そういえば、まだ先になると思いますが、
"とある科学の一方通行"での話は
この物語に組み込むのでしょうか?

おそらく原作とは異なるのでしょうけど、
亡本が登場しているので
この物語では亡本がDAに関わっているのか気になります。
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 01:56:23.69 ID:udMCgMCXO
作者でもないのにageて長文とかふざけてんのかゴミカス
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/18(土) 00:26:01.53 ID:Ua6D55Wh0
>>48
sageを入力するのを忘れていました。すいません。
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/18(土) 01:54:30.52 ID:bUYkqK34O
ネタでやってんのか?
51 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/19(日) 23:30:17.90 ID:DLLjxubW0
1です。これから投下します。
>>45
妹達の方は出てくると思いますが美琴の方は多分出てこないです
というのもあの装備はどう見ても重力下での持久戦には適しているとは思えないので
>>46
それでも、一通さんにはかなわない。
雑魚には過剰でもボス級には役立たずのガラクタになる装備や能力って『とある』には多い気がします
>>47
屍食舞台は原作と変わらず配下で、さらにこのSSの亡本は原作と違って駒場利徳の自警団もある程度は動かせる立場なので
DAの支援者になる理由が無く、DAは別の理事(後に舌ピアスさんにアレされる人達の内の誰か)に拾われています
ただヒルミの研究をDA以外の組織でもやっていればこのSSでも本編に絡ませられる……のかな?
恐らくこのSSが追いつくその頃には一方通行のスピンオフは完結ないしエステルのエピソードは終えているでしょうから
その終わり方次第です
52 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/19(日) 23:31:36.09 ID:DLLjxubW0
おそらく高校生位と思われるが、独特な目つきをした女がそこに立っていた。

「アンタがマネーカードを隠してまわってるの?何が目的」

御坂が白衣の女に話しかけた。

「……」

「な、何よ?」

女は御坂をしばらくじーっと見た後に口を開いた。

「あなたオリジナルね」
53 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/19(日) 23:32:17.56 ID:DLLjxubW0
「へ?オリジナル?」

御坂にはなぜ女が自分をそう呼ぶのかわからなかったが、しんのすけにはその呼び方に心当たりがあった。

「つまりお姉さんは、『量産計画』の関係者ってこと?」

「『量産計画』?」

聞きなれぬ単語に御坂が聞き返す。
すると逆に、白衣の女が御坂に訊いた。
54 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/19(日) 23:33:06.46 ID:DLLjxubW0
「あなたも噂くらいは聞いた事があるでしょう?」
    レールガン
曰く、『超電磁砲』のDNAを使ったクローンが製造されている。
曰く、軍用兵器として開発されていて近い内に実用化予定。
曰く、同時に複数個所で、御坂美琴が目撃された。

「アンタも野原も、アノ噂についてなにか知ってるの!?」

その噂については御坂も耳にした事があった。
実際に御坂を見たと言う人から話を聞いたりもした。

「出所って言うか、元ネタについてはね。そっちのお姉さんは、その関係者っぽいけど」

「exactlyそう言うあなたは何者なのかしら」
55 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/19(日) 23:33:57.07 ID:DLLjxubW0
「オラ、野原しんのすけ15歳。ところでお姉さんって『長点』でしょう?」

白衣の女がわずかに驚いたようなそぶりを見せる。

「どうしてそう思ったの」

しんのすけは自身の改造制服のエリについた校章を人差し指でトントンと叩きながら言った。

「オラも長点上機なんだゾ。そしてお姉さんの胸元のリボンはウチの女子制服だ、白衣の下はブレザーだったりするんじゃない?」

「ええ、その通りよ。よくわかったわね」

制服を見せる為か、女は白衣を脱ぎ、それを鞄の乗った机の上、鞄の横にたたんで置いた。

「まだ名乗ってなかったわね、布束砥信よ」

「オーケー、布束先輩だね」

「それにしても……」

「何?」

しんのすけが着ている服を見て、布束には思うところがあるようだ。

「unbelievableよくそこまで改造したわね。言われなければ長点上機の制服だとわからないわ」

今まで黙っていた御坂が、ついに耐えきれなくなり叫んだ。

「だあぁぁぁーーーもうっ!!アンタらが同じ高校だとかどうでもいいわよ!!」

「と、ゴメンね。噂の元ネタだっけ。でもオラから聞くより、関係者だけあって布束先輩からの方が詳しく聞けるんじゃない?」

キッと御坂が布束をにらむが……

「but私には全てを話す気は無いわよ?」

彼女には効果が無かった。
56 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/19(日) 23:34:41.99 ID:DLLjxubW0
「ハア!?あの噂は私にとっては他人事じゃ済まないのよ!?知る権利くらい有るでしょうが!?」

「確かにあなたは深く関わってる……」

布束はそこで一度言葉を切り、目を閉じて首を横に振った。

「howeverだからこそ知るべきでない事も在ると言う事よ」


二人がにらみ合いになり、しんのすけが沈黙を破った。

「まあ布束先輩に話す気が無くても、ここに全部書いてあるんだけどね」
57 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/19(日) 23:35:28.73 ID:DLLjxubW0
今夜はここまでです。続きは明日を予定しています
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 23:55:36.68 ID:rTHRLD+Go
乙です
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 23:58:14.93 ID:tCYVDfiyo
乙です
ルー布束先輩可愛い
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/20(月) 00:00:40.18 ID:G/RT+sl2o
乙です
三人の小気味良いやり取りが良かった
ジト束さんは安定した可愛さがあるけどギョロ束さんには上手く表現出来ない魅力がある
61 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:20:07.26 ID:2LEOvZyt0
1です。これから投下します。
皆大好き、あのキャラが最後に登場
>>59-60
ギョロ束さん原作で再登場して欲しいけど、絶望的なんですよね
木山先生も布束さんも、アニメではフォロー入ったけど原作だとフェードアウト組ですし
62 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:21:10.13 ID:2LEOvZyt0
「え?」

「っ!?」

しんのすけが、手にした紙束をトントンと叩きながら言った言葉に、二人がそれぞれの反応を見せる。
          こ
「goddamn私がこの娘に注意を向けている隙に……!!」

「ザッツラーイ、でもガッデムよりシット程度にしときなよ……ファッキンじゃないだけましか」

「野原?その紙は?」

御坂が紙束に目を向ける。
しんのすけの手が邪魔で全ては読めないが、一番上の紙には『量産型〜』と書かれているようだ。
63 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:22:06.08 ID:2LEOvZyt0
「その鞄と白衣の置かれてる机の中にあったんだゾ」

しんのすけの指さす机を見れば、引き出しが開けられており、おそらくその紙はそこにあったのだろう。

「何故―」

「なんでわかったかって?」

何故その紙の隠し場所が判ったのかと問う布束の言葉をさえぎって、しんのすけが説明する。

「最初オラ達がこの部屋に入ってきた時に後をつけられてた事に布束先輩は気づいて無かったからね」

つまり机の上にあった場違いに小綺麗な鞄は布束の持ち物であり、それは白衣を鞄と並べていることからも確実だろう。

「で、無警戒な時に鞄を置いた机なら……怪しいと思うよね?」

「でかしたわ野原、さあ、それをコッチへ渡して」

御坂がしんのすけに手を伸ばす。

「ま〜ま〜、布束先輩の言い分も気になるし、先ずはオラが読んでからね」
64 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:23:13.40 ID:2LEOvZyt0
数秒後、しんのすけは紙束を懐にしまい、言った。

「あ〜、これは美琴ちゃんは知らない方が良いんじゃないかな?」

「なっ!?アンタまでそういうこと言う!?」

怒りと驚きを見せる御坂に、しんのすけがなだめるように話す。

「ここで知らせて、美琴ちゃんが怒って暴れたら大変だからね」

「つまり、私が知ったら怒って暴れそうな事が書いてあったのね」
   プロジェクト ・・・
「こんな計画が昔あったってだけで、本人にはキツイだろうね。色々」

「その『色々』を、アンタには教える気が……無いのよね?」

流石に一応は友人を相手に、拷問などしたくはない。
それに自分と同じく超能力者であるしんのすけを相手にすれば戦闘は避けられないだろう。

「ま、オラは美琴ちゃんが自分で調べて真相にたどり着く分には邪魔しないゾ」

「調べる?」

「じゃあヒントだけね。クローンを作るには『遺伝子情報』が必要だ。美琴ちゃんは過去何処かでそれを誰かに渡している筈だゾ?」

製薬会社とか怪しいんじゃない?と、しんのすけは続けた。

「あっ!?」

どうやら御坂にも思い当たる事があったようだ。

「心当たりがあるなら、直ぐに行った方が良いよ?」

と、しんのすけが言い、

「そうね、彼等もいつまでも『計画』の証拠を残してはおかないでしょうし」

と布束が続けた。

「あーもー!!解ったわよ。野原、あとで覚えときなさいよ」

御坂は捨て台詞を残して部屋から走り去っていった。

「……役者ね」

「それほどでも」

御坂のいなくなった部屋で、二人の会話はなおも続く……。
65 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:24:14.95 ID:2LEOvZyt0
学園都市某所、樋口製薬・第七薬学研究センター。
その中の電子的に隔離された一室にて、機械を操作する人影が在った。

「幾つか消されちゃってるけど、これくらいなら復元可能ね」
エレクトロマスター
電気使い系最高位、御坂美琴である。
あの後、布束の顔と名前から長点上機学園のデータにアクセスし、彼女がこの研究施設に所属していた事を突き止めたのだ。
そして身元を隠すために着替えてから忍び込み、まさに今知りたかった情報を手にしようとしていた。
66 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:25:06.30 ID:2LEOvZyt0
「あ!」
       レールガン     シスターズ
御坂の目に、「超電磁砲量産計画『妹達』最終報告」の文字が写る。

(本当にあった、私の……クローン計画)

振るえと、冷や汗が止まらない。
しかし、自分は確かめなければならない。
あの噂の出所、その全容を。
彼女はモニターに書かれている内容を読み進めていく。
超電磁砲量産計画のおおよその流れはこうだ。

超能力者を量産するためにその遺伝子を解析、クローンを造る。
この目的は偶発的にしか生まれない超能力者を確実に生み出す為である。
本計画の素体は『超電磁砲』御坂美琴とする。
複数種類の薬品によりクローンは十四日でオリジナルと同等の肉体を得られる。
布束砥信監修の学習装置を用いて、精神面及び脳内情報等の強制入力を行う。
成果を確認の後、量産体制を構築する予定。

おぞましい文書が続いていく、しかし―――
ツリーダイアグラム
『樹形図の設計者』の予測演算の結果、クローンは素体の1%未満の出力しか持たない事が判明。
損害を最小とする為、研究の即時停止。
当計画は永久凍結するものとする。

と締めくくられており、その後は事後処理についての指示や命令文であった。
67 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:25:53.35 ID:2LEOvZyt0
「はっ……ははは…何よ、やっぱ私のクローンなんていないんじゃない」

最後まで読み、彼女は安堵した。
その場に膝をつき、息を一つ大きく吐きだす。

「きっとこの計画が中途半端に漏れて、噂の元になったのね」

今思えば、先程のしんのすけも『こんな計画が昔あったってだけ』と言っていた。

「さて、帰るか」

自分がハッキングした痕跡を消して、上機嫌で御坂はその部屋から出ていった。
故に、気が付かなかった。

『昔あった』だけの計画ならば、何故布束は今になってマネーカードをばらまきはじめたのかという疑問にも。
そして、自分が退室し、程無くしてその部屋に入ってきた、自身そっくりの少女の存在にも……
68 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:27:39.97 ID:2LEOvZyt0
時間は戻り雑居ビルの一室、布束砥信と野原しんのすけの会話が続く。

「樋口製薬には、結局計画は実行されなかったという情報しかないわ」

「それで美琴ちゃんが納得してくれれば良いけど……」
                 クローン
テスト用の数体のみとはいえど自分の兄弟が生まれ、そして既に死んでいるなんて情報は、知らないほうがマシだと
しんのすけは経験者としてそう思う。

「questionそれで、あなたは何者なのかしら?名前と年齢だけ答えても、私の質問の答えにはならないわ」

『量産計画』の存在を知るお前は何者なのか、と言う問いは、何故『量産計画』を知っているのか、と言う意味だ。
69 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:28:48.02 ID:2LEOvZyt0
「友達に『暗闇』の生き残りがいてね、隣のクラスには元『白鰐』もいるし」

「『暗闇の五月』や『白鰐部隊』の被験者と交友関係が?」

「案外、『日常』と『非日常』の境目は薄くて脆いよ」

そう語る後輩の眼に、布束は底知れぬ『闇』を見た気がした。

「まあ、何が言いたいのかって言うと……オラの知識だと、さっき布束先輩も言った通り『量産計画は実行されなかった』筈なんだよね」

でも布束先輩はこうして何かをしている、と。
ソレは何故なのかと問いかける。

「……because計画が流用されたのよ」

「ああ、クローン人間がもう産み出されてて?彼女たちは路地裏で何かをしてて?それを布束先輩は止めたいと」

どうやら御坂美琴のクローンは、数体どころではすまないようだ。
70 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:29:34.12 ID:2LEOvZyt0
「何故……いえ、噂と今までの情報から、あなたなら解るわね」

「……今回はドッチかな?」

小声で呟いたしんのすけの言葉は、布束の耳には入らなかった。

「それで、私の目的を知ってあなたはどうするのかしら?」

自分と共に彼が、『妹達』が行っている実験を止めようと申し出たとしたら、布束はそれを拒否するだろう。
もしそうなった場合、あまりにも危険すぎる。
布束は、しんのすけが第八位の超能力者だとは知らない。
しかし知っていたとしても彼の協力を拒む事は変わらない。
敵は、学園都市そのものなのだから。

「べつにどうも?」

しかしそんな心配をよそに、しんのすけは布束に、協力しようとも邪魔しようとも言わなかった。

「あ、でも……街で偶然会ったら話を聞いてみたいかな。コレ返すね」

布束の手に懐から取り出した紙を渡し、そう言ってしんのすけも部屋から出て行った。
71 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:30:51.20 ID:2LEOvZyt0
「テツ、サトシ、ヒコイチもよく聞いて。これからは通信用端末の携帯を特に意識して」

しんのすけが、雑居ビルの近くで待っていた自警団員たちに指示を出す。

「ウス、けどなんでですか?」

「どっかのヤバい奴が路地裏でなんかするらしいゾ、見た奴は確実に『口封じ』される様な、ね」

「ひっ!?」

体格のわりに怖がりな性格をしているサトシがビビる。

「例のマネーカードは、ソイツ等も人目は避けるだろうって考えでまかれた物らしいよ」

「それって、下手したら逆に、口封じに殺される奴が続出するんじゃ……」

「だから端末を持っとけってこと。駒場さんにもオラから話して自警団全員に徹底させとくから」

それだけ言って、しんのすけは自警団員達と別れ帰っていった。

「……布束先輩は『流用された』って言ってたな」

一人になり、呟く。
        プロジェクト
「流用先はどんな『計画』なんだろ?まあろくなもんじゃないんだろうけど……」

そこらへんから洗ってみるかと、布束にはああ言ったがその実、首を突っ込む気満々のしんのすけであった。
72 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:32:52.73 ID:2LEOvZyt0
「う〜ん、北与野博士のとこにも情報無しか」

そして、その四日後の夜、あれから四日経った今でもしんのすけは『流用先』の情報を得られずにいた。
と言うのも『しんのすけが調べていた』という事が、御坂の耳に入りそうな調べ方は出来ない以上
初春飾利を筆頭に、情報収集能力の高い何人かには頼れないのだ。

「十四日どころか三分でオリジナルと同等の能力をもったクローンを作れる博士なら『この計画に協力しろ』って話が来てると思ったんだけどな〜」

本日も収穫無し、寂しく歩くしんのすけのズボンのポケットから、正確にはポケットの中のスマホから着信を知らせる音が鳴った。

「誰か遂に美琴ちゃんのクローンたちが何かしてる現場を見ちゃったか!?」

しんのすけがスマホに手を伸ばす、しかし何故かそれよりも前にスマホはひとりでに通話がオンになった。
彼に連絡を入れて来た者の声が、スマホから聞こえる。

「しんのすけ、気を付けろ。その先には指向性対人地雷がうまっているぞ!!」

「その声でその台詞はアウトじゃない!?」
73 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/06/20(月) 23:33:53.04 ID:2LEOvZyt0
今夜はここまでです。
続きは一週間程お待ち下さい
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/20(月) 23:36:39.61 ID:WDk6zdr3o
ぶりぶりざえもんか

「ス↓ネ↑ーク↓気を付けろそこにはク↓ルェイモア地↓雷↑がセッットされている…」の色っぽさは以上
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/20(月) 23:56:09.82 ID:zAuX+dEmo
乙です
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 00:41:48.89 ID:Rb6LtkQLO
北与野博士のチートっぷりがよくわかる話。
そしてとうとう接触したかぶりぶりざえもん
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/22(水) 20:30:08.06 ID:iwOqMT/AO
乙です
しんのすけはどのくらい制服を改造してるんだろうか
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/09(土) 00:29:34.10 ID:hh4cLpmAO
クレヨンしんちゃん対シン・ゴジラってなんやそれ…
しんのすけの経歴がさらにとんでもないことに
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/12(火) 14:14:57.15 ID:d3hdlbH30
昨日まとめサイトで1スレ目を読んで、今追いついた
なんというか、凄いな。クレしんに対する愛情がひしひし伝わるわ
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/15(金) 21:33:35.90 ID:iwBbJxI00
シンゴジラマジかよw 見てきたけどヤバイだろコレ。
スパロボにも出たし最近凄まじいなクレしん。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/16(土) 10:30:08.16 ID:iS/f0aCAO
そういやカンタムロボで参戦してたな
綺羅星十字団がしんのすけの言い間違いでキラキラ星注意団になったんだっけ
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/20(水) 00:38:31.78 ID:tzScYVxv0
世界の国の学習まんがで登場した酢乙女愛号は出ないかな
数人は乗れて世界中のあらゆるところに1時間以内に行ける凄い超小型飛行機
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/20(水) 03:45:45.56 ID:vhYnIsfd0
丁度アマゾンプライムで劇場版が見れるから作業用BGM代わりに見直してるけど、意外と忘れてること多いな。
オトナ帝国と戦国、ロボとーちゃんあたりは見たら確実に泣くだろうから見れないんだが
84 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/07/21(木) 23:18:30.72 ID:HouDWmDk0
お久しぶりです、1です。これから投下します。
>>74
皆大好きなあのヒーローですね
パロディの元ネタがちゃんと通じて良かったです
>>76
学園都市製のクローンが十四日かけてオリジナルの百分の一以下の性能なのにたいして
北与野博士のインスタントクローンは三分でオリジナルと同等の性能ですからね……
ただし83分後には水と麺状の蛋白質に分解されてしまいますが
>>77
それがブレザーであることはわかる、というくらいには原型をとどめていません
袖口など各所に暗器を隠せるように、更にはいつでも取り出せるように改造されています
しんのすけの原作での妙な衣装はほとんど自作(たしか原作公式設定)なので、彼の裁縫技術はチート級の設定です
>>78>>80
流石にパラレルみたいですけどね。
正史だったら、トール「アレとヤッたことあるとか羨ましすぎんだろ!?」とかネタにできたんですけど
>>79
おお、新しい読者様ですか。今後もよろしくお願いします
>>82
似たようなのは、とあるサイドにもあるので……
>>83
今年の映画も涙腺崩壊ものでしたよ……みさえサンマジ聖母
85 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/07/21(木) 23:19:21.77 ID:HouDWmDk0
しんのすけはその『声』に聞き覚えがあった。
しかし記憶の中の、その声の持ち主は確かにあの日、死んだ筈だ。

「あんた誰?名前は」

「ジャン・ピエール・アンドレイ・ジョセフド・シャトーぶりアンヌ……貴様のファンさ」

そこで通話はブツリと切れた。

「今の声……本当にアイツが?」

あの世から帰ってきたとでもいうのだろうか。

「そう言えば、飾利ちゃんが言ってたっけ」

データとして、一度存在したものは完全に消去することはほぼ不可能らしい……
つまり大抵の場合、復元可能なのだそうだ。
 このまち
「学園都市の技術なら電子生命体の蘇生くらい簡単なのかな」

だが、だとしたら何故こんなコンタクトのしかたをするのだろう。
堂々と正面から、会いに来てくれれば良いものを何故、偽名を名乗り謎の人物を演じるのか。

「……まあ大方アレのパロディなんだろうけどさ」
86 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/07/21(木) 23:20:23.40 ID:HouDWmDk0
彼と声が似ている人物が登場する某作品の、その登場シーンを模したのだろう。
そしてしんのすけの知る彼ならば、その再会をより劇的に演出したいと考えていたとしても納得できた。
だとしたら再会は近い。
その作品ではその人物も、主人公からは死んだと思われており、まず謎の通信、次にフルフェイスマスク姿で登場し
終盤になってようやく仮面が外されて正体が明かされるというストーリーだった。

「ウォーターゲートの密告者の名前じゃ別の方向にアウトだから、あんな変な偽名使ったのかな?」

彼がどこまでこのパロネタを続ける気なのかは解らないが、もしガチならこの後しんのすけは、戦車に襲われることになるだろう。

「いやいや、流石にまさかね」

街中で戦車はないだろうと思った矢先、ドーンという爆発音が聞こえてきた。
87 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/07/21(木) 23:21:23.76 ID:HouDWmDk0
「本当に対人地雷が埋まってたのか!?そして誰かが踏んじゃったのか!?」

急ぎ、音のした方へ走るしんのすけが、現場に着き目にした光景は、
御坂美琴によく似た、片足の無い少女が、空から降ってきたコンテナに圧し潰される。
と言うものだった。

(今のが布束先輩が言ってたクローンか!?)

なんでコンテナが降ってきたんだ!?
そもそもあのクローンの少女はここで何をしていた!?
驚きながらも、考えねばならない、確かめなければいけない事へと頭を働かす。
しかし、それは結果としてみれば悪手であった。
88 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/07/21(木) 23:21:53.80 ID:HouDWmDk0

「なっ……美琴ちゃん!?」

直後、しんのすけのすぐ横を御坂美琴が走り抜けていった。
その向かう先には、白髪で細身の少年が立っている。

ガガガガガガガガッ!!!!

御坂から放たれた雷撃が少年の周囲を暴れ回る。
しかしその攻撃は白髪の少年には一発も当たっていないように、しんのすけには見えた。
いや正確に言えば『当たっているのに届いていない』と言ったところか。
おそらくは少年の能力に因るものなのであろうが、しかし今はあの白髪の少年の能力についてよりも
何故、御坂美琴がここに居て、あの少年に攻撃したのかだ。
布束砥信は『樋口製薬に在るのは結局計画は実行されなかったという情報のみだ』と言っていたが、
御坂はその後どうしてか計画の流用とクローン達の存在をしったのだろう。
それでこの場に来た、ここまではいい。
では何故あの少年に攻撃している?そもそもあの少年は何者だ?何故ここに居る?
情報があまりにも不足している。
89 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/07/21(木) 23:22:51.79 ID:HouDWmDk0

(戦闘を止めさせて二人から話を訊くべきかな)

簡単に話してくれれば良いが……

「おおっ、スゲェスゲェ、何だ新ワザかァ?」

白髪の少年が、独り言のように訊く。
御坂は単純な電撃による攻撃をやめ、磁力を操り、砂鉄でできた砂嵐いや鉄製の竜巻を創り少年へとぶつけた。

「ふーン磁力で砂鉄を操ってンのか。おもしれー使い方だ」

荒れ狂う黒い竜巻の中、少年は先程雷撃に囲まれた時と変わらず、一切のダメージなど無い様子でワラっていた。
いや事実ダメージなど無いのだろう。

「タネが割れたらどーってことねェがな」

少年のその言葉と共に、砂嵐はかき消された。
90 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/07/21(木) 23:23:42.55 ID:HouDWmDk0

(今のって……上条君と同じ!?)

それを見てしんのすけは、驚きながらも考察を続けようとした。
しかし御坂が奇声を上げたためにそれは中断される。

(美琴ちゃんに何が……アレは!?)

どうしたのかと彼女の視線を追えば、そこには一本の人の足があった。
靴と靴下から、先程コンテナの下敷きになったクローンのものだと思われる。

(あの片足は地雷で吹き飛んだんじゃなかったのか?)

地雷を踏んだのはクローンでは無く少年の方だったのだろう。
彼の能力であれば、地雷の爆発も平気なのかもしれない。
ということは、彼の能力は上条当麻のそれとは違い、純然たる物理現象すら無効化しているということ。
そして地雷を埋めたのがあのクローンなのだろう。
まず、しんのすけに地雷の存在を教えたアイツが犯人だということは在り得ない。
少年が自分で埋めた地雷を踏むとは考えられず、そもそも御坂美琴と比較すれば1%以下の性能だと言っても
それでも約一千万Vもの電圧を扱える異能力者の電撃使いだ。
つまり自身の近くに地雷が埋まっていればそれに気付くし、踏もうとしている者が居れば止める筈だ。
にもかかわらず、地雷は爆発した。
つまり、クローンが少年に地雷を踏ませたのだ。

(ああいう『無敵バリア』系の相手にはバリアの張って無い所を探すのが定石だしね)

おそらく白髪の少年と御坂のクローンの二人は、ここで戦闘していたのだろう。
コンテナを空から落としたのもクローンの片足を斬りおとしたのも、少年の能力を使ってのことであれば納得できる。
勿論、地雷の爆発は少年が踏んだからでは無く、クローンが能力を使って遠距離からの爆発物処理に失敗した可能性もあるが、
それではクローンの怪我や、降ってきたコンテナの説明ができない。
91 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/07/21(木) 23:24:25.42 ID:HouDWmDk0
「とりあえず、一旦二人を止めるとしますか」

少年と御坂の戦闘、と言っても現状は御坂が攻撃しているだけだが、それは激しさを増していた。
近くにあった幾本もの鉄道レールが、磁力によって絡み合いながら浮かび上がり、さながら一本の巨腕の様であった。
それが、いやそれらが、白髪の少年に襲い掛かった。

ガアアン

少年に直撃したかに思えた数本のレールは、しかし弾かれたかのように動きを変え、御坂に向かう。

「まずいゾ」

しんのすけは急ぎ、御坂と飛んでくるレールの間に入る。
ネクタイをしていなければ間に合わなかったかも知れない、しかし幸いにも今のしんのすけは
全ての身体能力が63倍になるネクタイをしていた。

「護れ、『第七沈々丸』!!」

御坂の前に立ち、懐剣を抜き放つ。
現れた三メートルを超す戦太刀が飛来する鉄塊を断ち切った。

「何だァ?オマエ」

突如、眼前にあらわれた存在に、白髪の少年が尋ねる。

「オラ、野原しんのすけ15歳。アンタは?」

白髪の少年が答える。
  アクセラレータ
「『一方通行』だ、ヨロシク」
92 : ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/07/21(木) 23:25:22.36 ID:HouDWmDk0
今夜はここまでです。
明日のアニメ楽しみですね
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 23:31:37.98 ID:3x1udquM0
セリフとセリフの間が2行空くと更に読みやすい。
モノローグは一文につき1行。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 23:58:03.73 ID:pGrXogINo
乙です
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 01:34:20.40 ID:1W2xF3W5o
禁書原作沿いでしんのすけ勢がお話し介入してた最初の頃は面白かったけど
オリジナル要素増えだしてから唐突に面白くなくなったなこのシリーズ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 01:58:45.83 ID:NS/tENZho
乙。また次回楽しみに待ってます
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 07:46:14.47 ID:8DEDpsc8o
>>95
今のがオリジナルとな?
無知晒す前に黙ってた方がいいよお前
ボーンヴァンパイアの件ならまだたった一回だぞ?
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 19:51:08.96 ID:j/IQr9rB0
シン・ゴジラはともかくオヤジシェンデストロイヤーやオヤジジェンデストロイヤーはネタとして使えそうね
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 20:14:54.42 ID:TBlEHsEAO
ここのボーちゃんならマジで作れそうだな…
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 22:04:59.43 ID:GMQBwXyV0
乙です。流石にベクトル変換相手に基本物理のしんのすけが……と思うけど、しんのすけだからなぁ
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 22:24:38.11 ID:j/IQr9rB0
ノリで木原神拳(尻)とか出来そう
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/13(土) 23:47:51.82 ID:IaDucWeK0
来ない
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 01:24:01.62 ID:lEcWWC12o
>>100
法則無視だからそんな法則に囚われるわけない
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/20(土) 23:20:02.62 ID:FVinOAM70
更新はよ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/20(土) 23:20:29.90 ID:SnJjmS7vO
嫌ンゴ更新しないンゴ
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/22(月) 21:09:52.53 ID:yubQF7Sv0
更新しないとグロ貼るンゴよぉ
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 21:17:33.90 ID:Lyu2NUPlO
グロ画像貼ってクレメンス
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 21:47:02.34 ID:DukxnQPo0
だが断る
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 22:13:07.28 ID:5IiMeBDyo
>>108
警察だ!(JOJO語録誤用警察)
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 22:27:53.76 ID:D9wIp4v7O
ちんぽハラデイ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/23(火) 19:09:13.70 ID:CdQ70cmKo
はよ書けやレス乞食
http://imgur.com/qdqZSqy.png

こんな狂乱ははやく終わらせてやる

http://imgur.com/qdqZSqy.png
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/23(火) 19:53:08.63 ID:j4cEqps6o
>>111
グロ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/23(火) 21:16:54.74 ID:NxSnebaIO
>>111
エロ
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/25(木) 22:06:54.99 ID:+HgXNDdM0
幻コロ
115 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:04:37.88 ID:QS5Cfv830
お待たせしてすみません。
お久しぶりです。1です。
これから投下します。
>>98-99
作る理由がなさそうですし既に原作に北与野博士のデカウォーターがあるので
ただデカウォーターだと10数メートルなのに対してシンゴジラは100をこすそうですが
>>100-101>>103
しんのすけじゃなきゃ不可能な方法ですが、一応は『理屈在り』の方法を考えています
116 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:05:34.80 ID:QS5Cfv830
『一方通行』と名乗った少年に、しんのすけが戦いを止めるよう提案する。
 アクセラ
「一通さんね、とりあえず今夜はこれでオヒラキにしない?」

「あァン?」

一方通行にとって、しんのすけは突如現れた怪しげな乱入者だ。
御坂を守った事から、次はコイツが自分の相手をするのかと思っていた。
しかし実際に出てきた言葉は余りに予想外のものであった。
虚を突かれた一方通行に、しんのすけが続けた。

「ここでクローンと戦ってたみたいだけど、この娘はちょっと違くてさ……ならなんで襲ったのって言われたら、オラにはわかんないけど……まあとにかく、見逃してくれない?」

『ちょっと違う』と言うしんのすけの台詞に、一方通行が応える。

「あァ、やっぱりなァ。途中で気付いたぜ……ソイツ、オリジナルだろ?」

「そうそう、だから……」
                オリジナル
「けどなァ、アイツらとの戦闘は超電磁砲との戦闘の代用だ……」
117 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:06:22.94 ID:QS5Cfv830
しんのすけの言葉を遮り、一方通行は言葉を続けた。
        ソイツ  や
「ってェことは御坂美琴と戦ればこのダリィ作業もグッと短縮できるンじゃねぇか?」

「わーお、まさかのやる気満々?」

一方通行が足を一歩前に踏み出し、しんのすけが御坂をかばうように彼女の前に立ち、戦太刀を構える。

「お待ち下さい」

一触即発の空気の中、待ったをかけたのは一方通行でもしんのすけでも、御坂のものでもない、複数の声であった。

「計画外の戦闘は予測演算に誤差を生じるおそれがあります。とミサカは警告します」

御坂としんのすけが後ろを振り向き、声の主を確認する。

「……こんなにたくさん?」

しんのすけの呆れとも驚きともつかないこえが漏れる。
そこには三十は居ようかというほどの第人数のクローン達が並んでいた。
                レべル5
「特にお姉さまとそちらの男性は、超能力者ですので」
「戦闘により生じる歪みは」
「非常に大きく」
「期間の短縮はおろか」
「計画が破綻するおそれがあります」
「またミサカには今後予定されている実験に合わせた」
「チューニングが」
「施されており」
「計画を途中で変更する事は極めて困難であるとミサカは説得します」
118 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:07:14.25 ID:QS5Cfv830
彼女達がリレーして話すその様子に一方通行が舌打ち一つした後に了解の返事をする。

「分かった分かった、分かりましたよ。ちょっとからかっただけだっての」

それだけ言うと、つまらなそうに立去っていった。

「九九九五号から一○○○七号まではレールの撤去を」

「一○○○八号以降は……」

「何で!?」

二人のクローンが台詞を分割し他のクローン達へ指示をだす途中で、御坂の血を吐くような声が響いた。

「アンタ達は何なの?おかしいわよ!!何でこんな計画につきあってるの!?生きてるんでしょ!?命があるんでしょ!?アンタ達も!!あのこも!!」

しかしそんな御坂の問いかけに返されたのは、実に淡々としたものであった。

「ミサカは計画のために造られた模造品です」
「作り物の体に作り物の心」
「単価にして十八万円の」
「実験動物ですから」

その声が、複数人によるものなのか、一人が区切って言ったものなのか、御坂としんのすけの耳には、分からなかった。
119 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:10:23.08 ID:QS5Cfv830
短いですが、今夜はここまで
その場にしんのすけが居合わせただけで、原作とほとんど変わりませんが
そのわずかな違いがバタフライエフェクトおこしたりするのがこのSSです
次回投下は一週間後です。

話は変わりますが、アニメのひろしの声の違和感がすごいですね
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:10:51.00 ID:qw5T/Kmxo
なるべくしんのすけの映画キャラと絶対にオリキャラは出すな
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:11:48.20 ID:qw5T/Kmxo
http://imgur.com/XMWTQD3.png
本当にヒドイ一撃だな


http://imgur.com/XMWTQD3.png
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:14:17.71 ID:rWjKIOOyo
>>121
[ピーーー]
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:21:22.34 ID:501eVlDvo
>>121
グロ
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:36:30.41 ID:NEGamrXZO
エロ
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 22:01:01.24 ID:2EyOwfZdo
乙です
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/28(日) 00:48:09.08 ID:JU1NyR7o0

実験に対する反応がしんのすけらしくて良いなあ
127 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:49:51.43 ID:cnnhvvXg0
1です、これから投下します。
>>120
オリキャラは出す予定はありませんが、未来パロという性質上クレしんサイドのキャラクターは半オリキャラといえるかもしれません。
映画キャラはこれからも多々出てくると思います。
>>126
そう言ってもらえてうれしいです
色んな事件を経験したしんのすけはこんな状況でも妙に冷静だと思います。
128 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:51:03.71 ID:cnnhvvXg0
「もう行こうよ、見てて気分の良いものじゃないでしょう」

しんのすけが御坂に声をかける。   シスターズ
二人のまわりでは御坂美琴のクローン『妹達』がつい先程まで行われていた一方通行との戦闘の形跡を消す作業をしていた。

「美琴ちゃん……話せる?」

御坂は答えない、心此処に在らずといった様子で、濁った眼で妹達を見ているだけだ。

「……ハア、やれやれだゾ」
129 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:52:56.30 ID:cnnhvvXg0
しんのすけは御坂のそばから離れ、作業中の妹達に近寄る。
彼女達は複数人がかりで磁力を操りコンテナを浮かしていた。

「さて、どうなるかな?」
しんのすけがポケットから一対の手袋を取り出し、手に着せながらつぶやく。
浮いたコンテナの下には、片足を失い、変わり果てた姿となった妹達の一人がいた。
血だまりに靴が汚れるのも気にせず、しんのすけは彼女の横に立つ。
そんな彼に、妹達の一人が言った。

「貴方にそこに立たれると、作業の妨げになります。とミサカは注意します」

「ごめんね、でも数秒だけだから」

そう言うとしんのすけはその場に屈み、赤黒く染まった常盤台中学の制服に手を伸ばした。
一瞬の光の後、彼の掌の先には少女が生前と変わらぬ姿で横たわっていた。
血に染まっていた制服は洗濯し干したてであるかのように、汚れの一つもなく綺麗で……
失った左足も生えその体にはわずかな傷すら無く、まして腐敗や欠損等在る筈も無い……
だが、それでも……彼女の死はくつがえらない。

「……やっぱダメか」

ポツリと言葉をこぼし、しんのすけは仰向けに眠る少女の手を胸の上に組み、まぶたを閉じる。
130 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:53:45.77 ID:cnnhvvXg0
「理解できません、その個体は既に死んでおりそのような行為は無意味です。とミサカは疑問をていします」

周囲に居た妹達の内の一人がしんのすけの行動の意味を問う。
そのような行為、とは肉体を治したことだろうか、それとも手やまぶたのことだろうか。
しかし、しんのすけは彼女の疑問には答えず、独り言のようにつぶやいた。

「へえ、『死』んでいる……ね、クローンの嬢ちゃんは今のあの子をそう表現するんだ……」

「なにか?」

「『機能停止』でも『行動不能』でも無く、お嬢ちゃん達は『死ぬ』んだね」

それだけ言うと、しんのすけは御坂を無理矢理引っ張るようにして彼女を連れ、その場を後にした。
131 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:55:16.72 ID:cnnhvvXg0
「あ、気が付いた?美琴ちゃん。というか正気に戻った?」

「……う」

翌朝、御坂が気付いた時、彼女はどこかのベンチの上に体育座りしていた。

「アンタ、ずっとそこに居たの?」

御坂は傍に立つしんのすけに尋ねた。

「あの状態の美琴ちゃんを置いてけないよ」

街中で眠っている女子中学生を放置してその場からいなくなれるほど、しんのすけは図太くない。
ましてや、相手が友人であればなおのことだ。

「で、昨日のこと覚えてる?」

しんのすけが御坂に訊く。
夢であって欲しかったとでも言うような、一瞬のためらいの後に御坂はうなずいた。

「じゃあ聞きたいんだけど、美琴ちゃんのクローン達はなんでアノ『一方通行』だっけ?と戦ってたの?」

「アンタは知ってるんじゃないの?」

「オラが知っているのは、量産計画が別のプロジェクトに流用されたって所まで」

「……『絶対能力者』を生み出そうとしているそうよ」

口にするのも忌々しいといった様子で、御坂が話し出した。
  わたし
「『超電磁砲』を百二十八回殺せば『一方通行』はレべル6に進化するらしいわ」

「ああ、『クローン達との戦闘はオリジナルとの戦闘の代用』ってそういう意味か」

昨夜、一方通行が言っていた言葉を、しんのすけは思い出し納得する。
132 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:56:13.84 ID:cnnhvvXg0
「で、美琴ちゃんはこれからどうするの?」

「そうね、それは私も知りたいわね」

御坂としんのすけの会話に、三人目の声が加わる。

「布束先輩!?」

「久しぶりね。で、どうするつもり?」

「その前に、一つ訊かせて」

現れた布束砥信に、御坂がマネーカードの真意を問いかけた。

「アンタがマネーカードをバラ撒いてたのは実験を妨害する為だったんでしょう?」

「そうね」

「アンタは……なんであの子達を助けようと思ったの?」

「世界をね……まぶしいと言ったのよ」

その時を思い出しているのだろう、布束は視線をやや上に向け話す。

「外部研修に連れて行ったこがね、そう言ったの。我ながら単純だと思うけど、それからあの子達を作り物だと思えなくなったわ」

布束は視線をしんのすけ達に戻し、言った。

「私より彼女の方がずっと人間らしいと思ったから」

「私は……」

布束が話し終わり、御坂が先程の二人からの問いに答える。

「クローンを人間としてなんて見れないし、殺される事を受け入れている連中を助けようなんて思えない。でも……」

彼女は立ち上がり、宣言する。

「ひとのDNAマップをくだらない実験に使う奴らを、私は絶対に許さない」

御坂は何処かへと向け、歩き出す。

「自分で撒いた種だもの、自分の手で片を付けるわ」

「じゃ、オラはオラで勝手にするから、美琴ちゃんも頑張ってね」

去りゆく御坂の背中に、しんのすけが言う。

「あなたはどうするの?」

その場に二人が残され、布束はしんのすけに訊く。

「とりあえずは、『絶対能力進化』計画について調べてみるゾ、色々とおかしな所があるしね……あ、でも」

「でも?」

「まずはウチ帰って寝る、昨日は徹夜だったからね」

そう言ってしんのすけも自宅に帰るべくあるきだした。

(そういえば……アイツはどこまで知っているんだ?)

帰路の途中、しんのすけは思う。
自分に地雷の存在を警告したアイツは、この件に関わっているのだろうかと。

「あ、美琴ちゃんが無茶しないよう操祈ちゃんに連絡しとこっと」

スマホを取り出すと、新着メールがあったのでそちらを先に確認する。
差出人の名は『アレッサンドロ・フランチェスカ・デ・ニコラ』といった。

「名前変わってるゾ!?」

おそらくそれは、昨日は『ジャン・ピエール・アンドレイ・ジョセフド・シャトーぶりアンヌ』と名乗った人物からのメールだった。
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/02(金) 23:57:42.00 ID:eJ0tos860
おお!来てたか
そういえばしんちゃんが未来にいく映画の話のヒロインのたみこさんはくぎゅうだったな
もしアニェーゼと出会うことになったら彼女のことを思いだしてほしいな(声優的に)

134 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:58:13.89 ID:cnnhvvXg0
場面は変わり、『窓の無いビル』の一室、そこには帽子を目深に被りトレンチコートの襟で顔を隠した小柄な男と、2メートル程の身長を持つ少女の二人が居た。

「ほら、土産だ。食べていいぞ」

男は何かを少女に渡す。

「ありがとう、しんせつなぶたさん」

少女は男に礼を言い、手にしたソレを大きく開いた口に持っていく。

「ヤメロ・ワタシハスベテノニンゲンヲミチビキカンペキナセkA……AAAAA」

ソレが悲鳴を上げるのも気にとめず、少女は食事を進める。
その光景を見て、男は言った。

「情報を捕食する存在か、私のような『電子生命体』にとっては天敵だな……」

かつて秘書アプリと呼ばれていた者の末路を尻目に、男は葉巻の様に千歳飴を味わっていた。
135 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:59:24.99 ID:cnnhvvXg0
今夜はここまでです。
続きはまた一週間期に。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 00:20:20.26 ID:AAwO7KyJo
だよなぁ

何故かミサカ達は道具、乱造品と自称、他称されつつ誰一人壊すと表現したことがない、みんなして[ピーーー]って表現するんだよなぁ
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 08:00:36.04 ID:aLC/cUXL0
ふむう
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 08:26:11.71 ID:J5HlicwAo
乙です
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/03(土) 16:48:37.58 ID:CP7wQRhG0
このしんちゃんの声優は誰が合うと思う?
矢島晶子さんと神奈延年(ランサー兄貴)はなんか違う気がするから緒方さんのイメージ
球磨川と狛枝みたいなのと同タイプだと思う(よくわからない恐ろしさ的に)
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 17:07:34.48 ID:AAwO7KyJo
>>139
間延びする台詞とキリッとしたセリフを使いこなせる人…うぅん
グリリバはイケボ過ぎて合わないし、関さんはゾが似合わない
阪口大助とか?

ボーちゃんはたどたどしさが無くなったからシカマルの人とか似合いそう
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 17:19:22.72 ID:jLSRa62Zo
いっそ矢島さんそのままというのも不気味で面白いけどね。矢島さんの真似した緒方さんというのもいいね
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 17:25:25.87 ID:v2kmHOf4O
SS最初期に球磨川さんのイメージとダブって緒方さんで再生されるってのを見たな
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/03(土) 19:18:55.99 ID:tVk+yRXq0
>>140
阪口大助はよしりんという……大人になってよしりんと似た(同じ)声になったしんちゃんの心境を考えるとなんかなぁ……
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 20:01:27.15 ID:3JPqKG6Yo
急にオティヌスとかだして何がしたかったのかわからん
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/05(月) 22:19:40.73 ID:EJp9pHa70
藤原啓治さんが心配だゾ
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/08(木) 20:46:25.24 ID:z8IBhIhAO
秘書アプリってホラー系の話に出てたやつか
こりゃ殴られウサギも出るか?
上条さんの右手で消してもすぐ復活しそうだけど
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/30(金) 14:32:37.03 ID:R6LU8yxi0
1週間以上経ってるが...大丈夫か?
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/30(金) 15:33:42.91 ID:njNgkpJuo
何時もの感じだと11月頭頃には来るだろうし平気でしょ
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/30(金) 15:55:27.76 ID:jpR2mg0eo
ここはじめてか?力抜けよ
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 17:09:55.03 ID:Xa/PmrQN0
待ってるよー
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 02:27:20.03 ID:iuHBqP6Y0
はよ!( ˙-˙ )
152 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:40:11.73 ID:kKbmWtA30
遅れてすみません。1です、これから投下します。
>>133
そういう描写は入れるつもりです。ちなみに大原ななこと神裂火織、酢乙女あいとローラ・スチュアートは中の人が同じです
>>136
彼ら(妹達自身も含め)も内心彼女達を『人間』だと思っているのかもしれません
『とある』の世界は
「なんで大多数の人間がそんなおかしな認識を(矛盾にも気付かず)しているんだ?」って謎は全部
「『アーキタイプコントローラー』です」って答えで説明がつくんですよね
>>139-143
矢島さんもトリコの二代目メルクとか(中性的な)成人男性の声もできるわけですし
映画『ホーム・アローン』の吹き替え和訳のショタボイスや、しんのすけもアニメ初期では今とはちょっと違う声だったりと、声色に幅のある人ですね
1的にはこのSSのしんのすけは変声期途中の逆に高くなる時期で、ふだんは『悪魔が憑りついていそうなショタボイス』で、時々原作アニメのしんのすけと同じ声や神奈ボイスになる
というどうでもいい裏設定がありますが
読者の皆様それぞれが思う声を脳内であてていただき、その全てが正解だと思っています
>>146
はい、その秘書アプリです。そしてこのSSでは原作19巻のターミネーターパロでの未来で世界を支配したコンピューターはコイツが進化した存在という設定です。
153 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:40:49.74 ID:kKbmWtA30
アレッサンドロ・フランチェスカ・デ・ニコラと称する人物からのメールは、以下のものだった。

『会いに行きたいが今は忙しい。とりかかっている事が終えたら直ぐに会いに行く』

「……ふ〜ん。まあ、アイツにとっては十年ぶりのって言うか、初めてのシャバだからな」

やりたいことも色々あるだろう。それに会いに来る気が有るのなら、そうそう後ろめたいこともしないだろう。
そう思いしんのすけはスマホを仕舞おうとし、その途中でそもそも何のためにスマホを取り出したのか思い出した。

「あ、もしもし操祈ちゃん?」
154 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:42:06.55 ID:kKbmWtA30
とある研究所、そこに警備分野でのアドバイザーとして雇われている男『カイツ・ノックレーベン』はその日起こった事件の報告を受けていた。
学園都市内で幾つもの研究施設がたった一晩で破壊されたのだ。
まず品雨大学付属DNAマップ解析ラボ第T棟から第W棟は全焼並びに第X棟からも火の手が上がった。
その他にも磁気異常研ラボ、蘭学医療研究所、バイオ医研細胞研究所、動研思考能力研究所……計十六ヶ所もの施設が再起不能となった。

「あとは消化試合だけだというのニ……同じ『絶対能力進化』開発の対立グループか、あるいハ……」

犯人は何処の誰か、翌日には確定した。
新たに三ヶ所の施設が破壊されたのだが、その際に監視カメラも隔壁も襲撃者に対し意味をなさなかった。
そのことから、また前日のハッキングによる機材の爆破と合わせて、これらが個人で可能な能力者はただ一人のみであった。
勿論現時点ではそれをしめす物的証拠も無く、そうと思わせる為の対立グループの工作という可能性もありえる。
何より問題なのはカイツ達には、本当にその人物が犯人であった場合に対応できる戦力が無いことであった。
その後も謎の襲撃者による破壊活動は続き、残る研究施設がわずか二ヶ所となった頃、カイツは上層部に二つの意見を申請した。
一つは学園都市外部の施設への研究の引き継ぎ、もう一つは……
155 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:43:18.44 ID:kKbmWtA30
「製薬会社からの依頼〜?」

学園都市第四位の超能力者『原子崩し』【メルトダウナー】にして、暗部組織『アイテム』のリーダー『麦野沈理』は、仲介人からのいつもと少し違った話に疑問を持つ。
今までのアイテムの主な仕事は不穏分子の粛清や要人暗殺だ。
しかし今日、仲介人でありある意味直属の上司とも言える相手『電話の女』が持ってきた依頼は『謎の侵略者からの施設防衛戦』という、どこかのFPSシューティングゲームか何かのステージにでもありそうなものだった。
詳しい話を聞く前に、自分の他三名のアイテム構成員達に集まるよう声をかける。
その構成員達はと言えば『今の仕事』をこなしながら、海だのプールだの水着だのと女子トークをしている。

「はーい、お仕事中にだべらない。新しい依頼が来たわよ」

「それがさー、聞いてよ麦野。滝壺に彼氏ができたんだって」

お調子者のフレンダが麦野に話しかけてきた。
それを受けて、麦野も件の少女滝壷理后に確認する。

「彼氏?滝壺、わかっているとは思うけど……」

「うん、はまづらは暗部の人間じゃ無いし、巻き込むつもりも知らせるつもりも無いよ」

「良し、そこをわきまえているんなら、私から言うことは特にないわね」

「それで麦野、新しい依頼って?」

滝壺に彼氏ができたのは自分がセッティングした合コンがきっかけだと麦野に知られたく無い少女、絹旗最愛が話を戻す。
   インベーダー
「謎の侵略者からの施設防衛戦……らしいわよ?詳しいことは今から皆で聞くから、ホラ全員車に乗った乗った」
156 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:44:49.77 ID:kKbmWtA30
仲介人から語られた内容は、以下のようなものだった。
三日前から学園都市内部の研究施設が幾つも破壊されている。
その手口から襲撃者は発電能力者と思われる。
依頼者は既に犯人を特定しているようだが、こちら(アイテム)はターゲットの身元の詮索をしてはならない。
他にもターゲットへの手出しはターゲットが施設内に侵入してからに限定するなど、理解しかねることも多く、フレンダが文句を言ったら仲介人から怒られてしまった。

「はあ、来るかわからない相手を待つだけってのも、結局退屈って訳よ」

今夜は襲撃を受けると予想される施設の片方、病理解析研究所。
フレンダはその床に寝そべり、多様な爆弾を仕込んだ特製ぬいぐるみ数十体に囲まれて愚痴をこぼしていた。

「施設はここを含めた二基、結局ギャラは侵入者をツブしたメンバーが半分持ってくんだから何とかこっちに……」

その時、コツコツと人の足音がフレンダの耳に聞こえてきた。

(キタキタキタぁ〜〜結局日頃の行いな訳よ!!)

彼女は喜々として侵入者の迎撃に向かった……その数十分後、襲撃者である御坂美琴の前に全身を痺れさせて倒れていた。
前もってはってあった罠は次々に突破された。
陶器爆弾の破片は標的に届く前に彼女の放った電撃に粉砕された。
スタングレネードで目と耳を一時的に麻痺させ、その隙に仕留めようとすれば電磁波で周囲を把握された。
気体爆薬『イグニス』で部屋を満たした、電撃を使うと誘爆するぞ。と言うハッタリも自身のウッカリから見抜かれた。
もはやフレンダは絶対絶滅のピンチであった。
157 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:45:36.88 ID:kKbmWtA30
(舌が痺れて!?)

御坂からの尋問に、素直に答えることで延命をはかったフレンダだったが、運悪くそれすら叶わなかった。

「そう、仲間は売れないって訳ね。そういうの嫌いじゃないけどね」

そんなフレンダの様子を勘違いした御坂が、言葉の途中で異変を察知し飛び退く。
その直後、フレンダと御坂の間を光線が通過していった。
壁を破ってなお全く衰えなかったソレは、部屋の反対側にも大穴を開けた。

「静かだからもう殺されちゃったかと思ったけど、危機一髪だったみたいねフレンダ」

破られた壁の向こうから、麦野沈理と滝壺理后が姿をあらわす。

(麦野ぉ〜!!)

フレンダは助かった事に安堵するが、続く麦野からの説教に身を小さくする。

「まったく、私らが合流するまでは足止めに徹しろって言っておいたのに、深追いした挙句返り討ちにあって捕まっちゃうなんて……」

ハア、と麦野はため息を一つつく。

「ギャラの配分、考え直さなきゃねー」

とどめの一言にうなだれるフレンダを滝壺が慰める。

「大丈夫だよフレンダ、私はそんなフレンダを応援してる」

「滝壺も甘やかさない、さっきの仕事中のおしゃべりもそうだけど、最近皆たるんできてるわよ。特にフレンダ」

彼氏ができたという滝壺に対しては特に言うことは無いと言っていた麦野だったが、他二名もそれを祝福している様子など『仕事中の暗部に似合わない温い雰囲気』には思うところがあるようだ。

「わかっているでしょうけど、この仕事が終わって帰る時にはちゃんと仕事道具の回収とか忘れずにね」

コクコクと、未だ痺れのとれていないフレンダがうなずいた。

「それで、アイツがインベーダーってことで良いのよね?」

麦野が御坂に顔を向けて言い、フレンダがまたうなずく。
今、二人の超能力者が、互いをそうとは知らずにぶつかり合おうとしていた。
158 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:46:20.84 ID:kKbmWtA30
今回はここまで。
もうじき映画のDVD・BDが発売されますね

原作では無かったぬいぐるみやテープの回収を麦野がフレンダに呼びかけたのは
滝壺に彼氏ができたことによるバタフライエフェクトってやつです。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 01:34:17.27 ID:PogAMiqwo
おつおつ
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 02:16:53.26 ID:SVcPxxBDo
   インベーダー
>>「謎の侵略者からの施設防衛戦……らしいわよ?

ダークカブトムシとかご立派砲ジアとか出てきそう
おい誰かAIS乗れ!バリア貼れ!回復とっといてんじゃねーよlastwaveだぞ(錯乱)
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 08:56:31.09 ID:wdp+if//o
乙です
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/07(月) 20:19:07.22 ID:EtEAFoyYo
二代目メルクは女性やで……(乙です)
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/08(火) 17:25:09.85 ID:vOZLPGir0
たったこれだけ笑
もうやる気ないだろ
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/08(火) 19:02:45.64 ID:/8XJRTcDo
煽りへたくそすぎ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/08(火) 20:30:07.77 ID:+zqgTBSeO
>>164
下手くそ
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 17:08:24.04 ID:k7L2YuXE0
保守
禁書三期決定してくれないかなぁ。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 18:01:02.41 ID:xtGYwndjo
>>166
あれ以降クッソ背景とか設定がややこしくなるしアニメでそれを説明しろっつーのも酷だからいっそこのまま廃れればよろしい

レールガンの方も旭日旗の表現そのままだとうるさい連中が居るし、かといって修正したらファンの不興を買うし
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/22(木) 22:57:09.45 ID:Zx1Dc/AS0
>>167 同意。
ただまぁ、近木野漫画版禁書目録は期待してる。浦上(上条さんに液体ぶっかけられたポニテの子)の出番がアニメよりも増えて嬉しかったし。
まだ一方さんが木原くゥゥゥンとやりあって黒翼出してないとこだけど、そのまま続いてレッサーとオッティーが動いてくれるなら俺は満足。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/23(金) 03:58:17.72 ID:RR7RjlgAo
そういや漫画レールガン見る限りムサシノ牛乳じゃない真の巨乳御手は存在する感じです?それも一般JCJKが再現できる程度のお手軽制作で
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 21:54:40.25 ID:snyKO9XA0
ところでこぶしウェーブって今のしんのすけにも効くんだろうか
こぶしと同様の技法は世界中にあるそうだからステイルとかにも普通に効きそうだけど
171 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:47:29.94 ID:BvXHWMOq0
あけましておめでとうございます、1です。これから投下します。
>>162
まあそうなんですけど、コマツは全く疑っていなかったので
>>169
或いは本当にムサシノ牛乳こそが巨乳御手で、あのオーバーオールの娘さんは常飲するようになって結果が表れたということなのかもしれません。
これなら普通の学生にも巨乳御手の恩恵があることの説明にもなりますし
>>170
ロボとーちゃんのですか?しんのすけは勿論アレイスターにも効くと思います
172 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:48:12.95 ID:BvXHWMOq0
麦野沈理と滝壺理后、敵に二人の加勢が来て以降、御坂は苦戦をしいられていた。
相手がフレンダ・セイヴェルン一人であった時から一転してのピンチであった。

「くそっ……やっぱりコッチの位置がばれてる」

御坂は今、戦闘よりも本来の目的である施設破壊を優先するべく、敵に背を向け走っていた。

「読心能力か透視能力か知らないけど……あの時感じたヤバさはこれか」

麦野が何かを滝壺に渡し、滝壺が自身の手の甲に落とした粉末状のソレを舐めとってから、彼女の雰囲気が変わった。
その様子に何か危険なものを感じ取った御坂は、三対一は分が悪いと判断して走り出した。
しかし御坂は連中が追って来ても各個撃破できるように、あるいはルートを読まれて先回りされないようにとランダムで迂回して移動していたというのにもかかわらず、ソレは真っすぐに御坂めがけて飛んできた。
173 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:48:50.43 ID:BvXHWMOq0

「ひゃ〜相変わらずスッゴイわ、壁も天井も関係なし!!」

フレンダは麦野の能力によって破壊された痕を見ながら感想を述べる。
未だ痺れがとれないために口の中でつぶやくだけだったが、そんな素直な感想は十分に麦野沈理の持つ能力の凶悪さを物語っていた。
学園都市超能力者第四位『原子崩し』【メルトダウナー】それは電子を粒子でも波形でも無い『曖昧な状態』に固定するというものだ。
簡単に言えば麦野沈理は、あらゆる物を粉砕する砲弾を放つ事も、あらゆる物を遮断する壁を創り出す事も可能だ。

「かわされた、対象の信号は消えてない」

加えて、滝壺理后の持つ『能力追跡』【AIMストーカー】は、一度対象者のAIMを記憶すれば例え地球の裏側まで距離が離れてもその位置を把握できる。
今はまだ意図的に能力を暴走させた状態でしか、そこまで高い性能は発揮できないがそれは『アイテム』での活動においては問題にはならない。

「チッ、立体的に動き回る相手は面倒ね。ま、逃がさないように追い込んでいきましょ」

「滝壺が標的の居る場所を麦野に知らせて、麦野が『原子崩し』で間にある遮蔽物ごと粉砕するこの連携は無敵って訳よ」

フレンダは勝利を確信しながら、御坂の後を追う二人に続く。
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 23:48:58.37 ID:KC12wOGe0
あけおめーーー!!やったー!!
175 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:49:44.23 ID:BvXHWMOq0
「しまっ……避けられない!?」

御坂がフレンダの仕掛けた爆弾から回避するために空中に飛んでいる隙をついた原子崩しの砲撃に対し、とっさに腕をのばし能力を使用する。

「やっぱり……」

そのビーム状の砲弾は御坂の腕の前で急に軌道を変え、彼女の背後の壁に当たった。

「自分から試す気にはなれなかったけど、アイツの能力は根っこの所では私と同種のもの」

『曖昧な状態』だろうとも電子は電子なのだから電撃使いはそれに干渉出来るということなのだろうか。
詳しいことまでは判らないが、確かなことはこれで砲撃は気をつけていれば直撃しないということだ。

「私の『原子崩しを曲げた』……!?」

一方の麦野は数秒の間、たった今しがた自分の目の前で起こった事が信じられなかった。
だが、彼女疑問は直ぐに確信と納得へと変わる。
176 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:50:39.71 ID:BvXHWMOq0
「プッ、フフ……なるほどね」

薄く笑みを浮かべた麦野は、表情を引き締めるとフレンダと滝壺に自分一人を置いて撤収するように指示を出した。
能力を暴走させての長時間行使は滝壺の身体に負担を強いる、今既に膝をついている彼女は限界に近いと見ていいだろう。
更にフレンダも先の戦闘でのダメージが抜けておらず、標的が攻勢に転じた場合に麦野一人で他二人を守り切るのは難しい。
個人的に別の理由もあったが、そう判断してのことだった。

「ごめんね、足引っぱって……」

謝るフレンダに、麦野はしかし礼を言う。

「別に責めてやしないわよ。むしろよくやってくれたわ、二人のお陰で相手は虫の息だしね」

その場に二人を残し、一人麦野は御坂を追い奥の部屋へと進む。

(アイツがここまで逃げ回っているってのに撤退しないのは、無理してでもここを破壊したい理由があるからだ。なら、目的地で待ち構えていれば奴は必ず現れるはず……)

獰猛な笑みを麦野は浮かべる。

「なあそうだろ?学園都市第三位……『超電磁砲』!!」

二人を先に帰らせた『個人的なもう一つの理由』それは自身より格上とされる超能力者を一対一で破ることで『順位の否定』を、そして本人は認めないだろうが『劣等感の克服』であった。
177 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:51:17.82 ID:BvXHWMOq0
「あれから追撃がなくなって気になってたけど、待ち伏せされたか」

御坂が目的地とする部屋の前で、麦野は腕を組み背を柱に預けて堂々と立っていた。

「こっちに策は無いし、あの二人が見えないのも気になるけど……ここを避けてもあの部屋には行けない」

御坂が麦野の前に姿を現す。

「やーっと来たか」

「他の二人は?」

「帰したわ、アンタとはサシで勝負したいしね『超電磁砲』」

(バレてたか……)

正体が、つまり能力が相手に知られているということは能力者同士の戦闘において大きな不利となる。
しかし御坂も、先程までの逃走劇の中で相手の能力はある程度は把握出来ていた。

(コイツの能力は弾幕を張るタイプじゃない、なら……)

誘いの一手として、御坂は麦野に向け電撃を放つ。
それは御坂の予想通りに難なくそらされる。

「わっかんねえかな!?コッチもお前の能力に干渉できんだよ!!」

お返しとばかりに、今度は麦野が御坂に向け『原子崩し』による砲撃を放つ。

(ここだっ!!)

今までの麦野からの攻撃に連射はせいぜい最大5連発、それも数が増えればその分正確さが失われていた。
故に御坂が取った行動は、『一発デカいのを撃たせてその隙に近付きしとめる』である。
施設破壊の為に温存する分を考えれば、そう何度も相手のビームを曲げてもいられない。更に空中放電である『電撃の槍』より直接相手に触れて電気を流す方が体力を消費せずにすむ。
そう考え走り出した御坂の選択は、概ね正しかった。
178 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:52:52.51 ID:BvXHWMOq0

「あがッ、ぐッ……うぇッ」

腹を蹴り飛ばされ、御坂は床に転がる。
彼女の選択に誤りがあったとしたら、それは相手を麦野沈理と知らなかったこと。
そして麦野は超能力者達の中で、能力による強化無しでのフィジカル面において一位二位を取るであろう肉体性能を持つ人物だったことだ。

「ほら立てよ、もうおねんねか?」

えづき、咳き込む御坂を麦野は挑発する。

「くっ……今度こそ」

「それと、私の能力が弾幕を張れねぇって思ってるなら大間違いだ」

麦野が、服のポケットから数枚のカードを取り出す。
そしてその内の一枚を放り投げるとソレを撃ち抜くようにビームを放った。

「な!?」

カードを通り抜けた一本のビームは拡散して十数本のビームとなった。
御坂は慌てて自分に向かう数本のビームをそらす。
  シリコンバーン
「『拡散支援半導体』ってんだ。弱点を補うのは当然だ……『アイテム』を舐めるなよクソガキ」

カードを手にした手を、銃口のように御坂に突き付けて麦野は言う。

「悪いがゲームセットだ」

その時、御坂には聞きなれた二人の声が、その場に響いた。

「あらぁ、助っ人の登場シーンでイイ感じにピンチなんて、御坂さんもなかなかヒロイン力が高いわねぇ」

「あら、それを言うならこの場合はむしろ、私達の主人公力が高いと考えるべきですわ」
179 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:54:26.57 ID:BvXHWMOq0
今回はここまでです。短くてすみません
続きはできるだけ早く投下します。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 23:56:34.05 ID:FlV0FSKKO
あいちゃんと食蜂さんかね
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/03(火) 00:40:22.05 ID:5jz4M35mo
続き来てたー。うれしい!
乙!!
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/03(火) 12:59:05.39 ID:fKRN7EjOo

×沈理 ○沈利
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/04(土) 22:43:48.97 ID:e/M/2yw30
保守
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/25(土) 23:12:46.87 ID:WM9m72XI0
しばらく音沙汰がないから心配。
何かあったのだろうか?
185 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:08:51.94 ID:06TOtBLx0
お久しぶりです、1です。これから投下します
>>182
やってしまった……滝壺さんが滝壷さんにならないようには気をつけてたのに
しかも結構前から間違えてるみたいですorz

ご心配おかけしました
ノロっぽい下痢、腹痛、嘔吐と戦っていました。いまだに腹部に違和感が残ってます
186 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:09:34.13 ID:06TOtBLx0
声質も口調も異なるその声は二人分……しかし頭上から降り立ち、御坂と麦野の間に新たに現れた人物は一人であった。
ライダースーツの様な服にバイザー付きのヘルメットで顔を隠したその姿は、さながら日曜朝の集団戦を得意とするヒーロ−の一人の様にも見える。

「食蜂?……酢乙女先輩?」

聞き覚えのある口調に、先程の声の主はどちらだろうかと、御坂がいぶかしげに問う。
するとその人物は、人差し指を己の口元に運び『静かに』というジェスチャーで答えた。
187 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:11:03.15 ID:06TOtBLx0

「なんだぁ?てめえ……」

麦野が乱入者をにらむ。
実質、既に勝負はついていたというのに、それに水をさされたのだから内心穏やかでは無い。

「先に私から自己紹介させてもらうわぁ……」

件の人物が首からさげた板状の端末を麦野に向ける。
どうやらその声はそこから出ているようだ。
                        メンタルアウト
「私は超能力者序列第五位にして精神感応系最高位『心理掌握』。そしてそこに立っているのは第六位の『藍花悦』……っていうことになっているわぁ」

学園都市超能力者第六位は性別年齢、能力の詳細等多くの情報がつかめない存在だ。
これは彼あるいは彼女が行っている他人に『名前を貸す』事業が関係する。
名前の貸与、つまり特定の状況下でその名を名乗ることを許可をだすことで顧客に「自分は超能力者である」と言うブラフ、ハッタリを与えている。
そしてブラフという商品の価値が下がらないように、徹底して自身の正体を隠しているという訳だ。
188 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:12:25.12 ID:06TOtBLx0
「はん、それで五位六位が揃ってここに何のようだ?」

そのことを知っていたのかまでは判らないが、麦野は挑発するように訊ねる。
延長戦ならそれでも構わないと言った様子だ。
そんな彼女に呆れたように端末から音声が返ってくる。

「私は『ある人』から御坂さんが無茶な行動力を発揮して妙な事にならないように頼まれててねぇ」

しかし御坂をサポートしようにも、幾つも在る襲撃予定施設をピンポイントで予測はできず、合流に今日までかかってしまった。

「実は今夜も当初はもう一方の施設に張っていましたわ」

バイザーの、体格から女……と言うより確実に御坂が良く知る先輩OGと思われる人物が口を開く。
先程とは違い、機械で合成したような声色だ。

「状況を整理すると、御坂さんはこの施設を破壊したい。そちらの方はそれを阻止したい、と……御坂さんの捕獲や殺害は依頼内容に含まれていますか?」

今度はバイザーの女が麦野に訊ねる。

「なめてんのか?暗部の人間が依頼内容を話すわけ無いだろ」

「そこら辺から落としどころを探れるかと思いましたのに、残念ですわ」

バイザーの女は端末を首から外して御坂に投げてよこした。

「五分も休めば御坂さんも充分動けるようになるでしょうし、つまりその間私が貴女の足止めをすれば良いわけですわね」

麦野に向け、ファイティングポーズをとる。
189 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:13:29.46 ID:06TOtBLx0

「先輩気をつけて!!そいつかなり強い!!」

自分を護る様にして立つ彼女に御坂が心配して声をかける。
しかし、つい先程わたされた板状の端末から出る食蜂の声が御坂の心配を杞憂と一蹴する。

「大丈夫よぉ。何のために私が先輩と組んだと思ってるの?」

今、御坂の目には瞬く間に麦野との距離を詰め、その膝頭を相手の鳩尾にめり込ませるバイザーの女が写っていた。

「今の先輩は、私の能力でドーピングましましなんだから」
190 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:14:44.01 ID:06TOtBLx0
久しぶりなのに短いですが、今夜はここまで。
続きは約二十二時間後を予定しています。
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 00:16:27.15 ID:tk8chnrXo
おつ。お体に気を付けて
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 00:17:23.15 ID:2VLU187yo
おつおつ
海苔とか怖いよな
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 00:19:48.97 ID:0z73XY800
乙ー。吐くときは、ポカリか水をガボガボ飲むと結構楽に吐けるから試してみ。

つか愛ちゃんパネェwwww
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 15:56:39.33 ID:rldOYZMMo
乙です
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 16:44:46.61 ID:cuwMR1bNO
吐くなら軽いぬるま湯かな。胃にも優しい
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 23:56:41.69 ID:xKhQxvxB0
更新乙です。お体を大事にしてください。
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/13(月) 20:21:19.25 ID:vouIFSatO
作者の22時間後って俺らが過ごす時間の何ヶ月分に相当するんだろうか…
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/15(水) 12:38:08.53 ID:GHYt3QPdo
>>197
精神と時の部屋在住なら一年ちょい前からいかな
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 10:31:41.38 ID:PRXwWEQT0
まあいつものことだ
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/02(日) 12:18:23.36 ID:GdbU1WMN0
体の調子を治すのが最優先だからゆっくりやってほしいね。こじらせたらマズイし
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 00:47:04.34 ID:hjradhfm0
なんか現状報告のような定期的な連絡があると少しは安心する。
長いこと返事がないと心配。
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/29(土) 10:24:22.91 ID:Ip6EGLfYo
まだ2ヶ月か(混乱)
ハーメルン辺りの作者は平気で1〜2年更新しなかったりするから待ちなれてる
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 01:59:57.18 ID:aEowpuG20
突然消えないか不安がよぎるんだよなぁ
204 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/05/02(火) 19:43:32.43 ID:uVfUmh030
1です。重ね重ね遅れてすみません。
あたたかい言葉の数々ありがとうございます。
これから投下します。
205 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/05/02(火) 19:44:39.60 ID:uVfUmh030
端末から聞こえてくる、おそらく食蜂操祈の声が続ける。

「火事場の馬鹿力って言葉は、御坂さんも聞いたことがあるでしょう?」

問われ、御坂も理解する。
人間は普段自身の脳や筋力ですら完全には扱えていない。
そもそもその『使われていない脳機能』を使えるようにすることが、学園都市における能力開発の基礎理論の一つだ。
マユツバ物の情報ではあるが、学園都市の外部でさえも催眠術や暗示といった手段によってごく普通の成人女性が硬貨を握り潰すことに成功した例もあるらしい。
精神感応系最高位である食蜂の『心理掌握』ならば、それと似たようなこともできるのだろう。

「まあ元の身体能力が高くないとやったところで効果は低いけど、その点先輩は言うこと無しよね」

食蜂の言う通り、今も御坂の目の前ではバイザーの女、恐らく酢乙女あいが麦野沈利を翻弄していた。
常に麦野の背後や側面につけるように彼女の周囲を移動しながらの攻防、ほぼゼロ距離での殴り合いに蹴り合い。
いや正確には麦野の攻撃は全て紙一重で避けられ、逆にあいのそれは的確に急所に入っている。
ワンサイドゲーム
一方的な蹂躙だ。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 19:45:28.08 ID:iwQ0V2pO0
ここのしんちゃんは劇場版の経験は全てしている設定なんだよね?
戦国時代の話とか熱海サイコの話も出たりするのかなはてな
207 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/05/02(火) 19:45:39.54 ID:uVfUmh030
「『万物を粉砕する』という性質上、この間合いでは貴女の能力は使えないようですね」

「ちくしょうがっ、てめえ私の能力を知ってやがったな!?」

あいが麦野に言い、麦野は悪態をつく。
正確には『原子崩し』を使うことはできるだろう。
しかしその射線上に自分を置かないようにすることが難しいのだ。

「このっ……チョコマカしやがって」

「それはごめんあそばせ、その丸太のような脚で蹴られたら一発で意識を失いかねませんもの」

相手のコンプレックスを刺激するように挑発をしながら、あいは考える。
 ・・・
(やはりこのままでは私が先に倒れますわね……では、そろそろ……)

一見あいが有利に思える両者の攻防だが、その実勝率は互角といえた。
まず両者には体力の差がある。
あいは同世代のアスリートに並ぶ程の体力があるが、麦野のそれは彼女を大きく上回っている。
次に攻撃力の差だ。
あいはたった一度でも攻撃を受けてしまえばそれで勝敗が決してしまいかねない。
一方あいは麦野からのカウンターを警戒して、最初の一発以外は掌底による軽い攻撃しか打てていない上に、常に移動しているので自分も疲れる。
勿論食蜂の能力により、さながらランナーズハイのように彼女が疲れを感じることは無いが、その身体には確実に疲労が蓄積されていく。
このまま続けていけば、先に限界が来るのはあるいはあいの方ということも充分にありえた。

「……先程、私は『貴女の足止めをすれば良い』と言いましたが……」

故に、彼女は仕掛ける。
208 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/05/02(火) 19:46:50.55 ID:uVfUmh030
「別に、倒してしまっても構わないのでしたわね」

ひときわ強く踏み込み、麦野の左鎖骨の僅かに下、乳房の上の比較的肉が薄い箇所に掌打を叩き込む。

「ぐっ!?」

先程までのそれとは違う、『重い』一撃に虚を突かれた麦野は身体を一瞬こわばらせる。
そしてその一瞬の隙こそが酢乙女あいの狙いだった。
相手の胸元に伸ばした手はそのまま襟を掴み、もう一方の手で相手の手首を掴むと、くるりと自分の身体を反転させ、相手に背中を向けた状態で腰を少し屈める。

「がっ!?」

直後、麦野の腹部に更に重い衝撃が走る。
あいが腕を引きながら屈めた腰を戻すことで、麦野の腹を打ったのだ。

「覇ぁっ!!」

あいはそのまま腕を引き、麦野を投げる。
209 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/05/02(火) 19:48:21.58 ID:uVfUmh030
「すご……」

あいの一連の動きを見ていた御坂の口から感嘆が漏れる。
御坂の目には、あいがきれいに背負い投げを決めた様に見えた。
しかし麦野の背が床に叩きつけられることはなかった、あいが途中で手を放した為だ。
あいは手を放すと直ぐにその場から飛び退き距離を取った。
その直後に、今まで彼女が立って居た位置に突風が吹きつけた。
直撃でこそなかったものの麦野の髪が後ろに大きくたなびき、離れた場所に居る御坂もその髪が揺れる。

「風?室内なのに……?」

新手でも現れたのかと疑問に思い風上を見れば、背中から白い翼を生やした男が立っていた。
210 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/05/02(火) 19:49:53.99 ID:uVfUmh030
今夜はここまでです。
続きもできるだけ早く投下します。
いつも遅くなってごめんなさい。

>>206
劇場版のネタは基本的に全部どこかしらで使います
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 19:55:45.08 ID:iwQ0V2pO0

昔、緒方さんが合うといった奴だけど、しんちゃんって坊主頭じゃなければ見た目の特徴がない普通の少年になりそうだから
苗木くんや球磨川(ある意味似ている)の声優をしている緒方さんが浮かんだ。最近、は梶も浮かんだが微妙


ここのしんちゃんの見た目がこんな感じなら違う人が脳内再生される
http://neta-reboot.co/wp-content/uploads/2016/02/sintyan.jpg
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:03:15.34 ID:72BbpEyr0
乙!
まさかのメルヘンも参戦か!?
すげぇ、ワクワクするww三期の希望も見え始めて、禁書ブーム再来の予感がするのよな!
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:56:51.72 ID:EBDDg9gYo
乙です
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/03(水) 18:17:58.55 ID:qvNL5v5J0
シリリ面白かったわ
沢城やっぱ上手いな
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/10(水) 20:49:11.63 ID:OVesbm1D0
今は懐かしきメルヘンか。
そして禁書最新刊でローラが何者なのか出てきたが……色々とヤバイことになっておる。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/13(土) 17:11:42.02 ID:+w/4OICI0
ひろしとアレイスター…娘を持つ父親同士、お話してほしいなあ…
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/19(月) 19:03:03.48 ID:aN/r9ImY0
一ヶ月ルールはまだ健在だろうか?
とりあえず保守
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/22(木) 02:36:45.88 ID:FQZJTdqe0
まだ?
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/23(金) 14:21:18.11 ID:xHdL4DLw0
>>218
ageんなks
もう少しだろうから待ってろ
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/02(日) 07:13:19.34 ID:0WCZGclX0
2ヶ月かのん?
221 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/07/02(日) 22:21:35.80 ID:6csJsKPe0
1です、お久しぶりです
遅くなってすみません。これから投下します
222 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/07/02(日) 22:22:36.22 ID:6csJsKPe0
「コレは一体どう言う事かにゃーん?」

麦野が苦々しく、しかしそれを誤魔化すかのようにおちゃらけた口調で翼の男に訊ねる。

「おいおい、それがたった今助けられた奴の態度かよ?可愛気の無え女だな」

「チッ、さっさと答えろ」

ホストのような風貌通りの態度で麦野をからかう翼の男に、今度は苛立ちを隠す事無く彼女は言った。

「聞いて無いのか?今回の仕事はオレら『スクール』とお前ら『アイテム』で協力して当たれだとよ」

「聞いてねえよ……あの仲介人、いい加減な仕事しやがって……」
223 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/07/02(日) 22:23:33.64 ID:6csJsKPe0
忌々しそうにつぶやく麦野を横目に、御坂は二人のやりとりから得られた情報を頭の中で整理する。
どうやら麦野と翼の男は顔見知りらしく、さらに言えば男も『スクール』という名の暗部組織に属する人間らしい。

「……まずいわねぇ」

御坂の手の中の端末から、食蜂の声が漏れる。

「あの男の人、御坂さんより上位の超能力者よ……確か能力名は『未元物質』」
 ダークマター
『未元物質』と食蜂が呼んだ男は、麦野との会話を切り上げると翼を消し、御坂とあいの立つ方に体を向ける。

「そちらの御嬢さんがたには自己紹介が必要かな?俺は『垣根帝督』……知っている奴も居るみたいだが、第二位の超能力者だ」

垣根と名乗った男、いやよく見れば彼もまだ少年なのだろう。
御坂よりは年上だろうが、成人はしていないように見えた。

「提案なんだが……」

垣根はあいを半ば無視するかの様に、御坂を真っ直ぐに視て言った。

「抵抗せずにおとなしく捕まってくれないか?襲撃犯を依頼人へ引き渡しさえできれば、俺としてはなんの問題も無いんだ」

傲慢な提案、いや提案という名の降伏勧告。
しかしこの状況では、それも的を得たものなのかもしれない。
なにせ向こうには非常に攻撃力に優れた能力を持つ第四位と、能力こそ詳細不明だがこの場に居る誰よりも高位である第二位がいるのだから。
224 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/07/02(日) 22:25:05.09 ID:6csJsKPe0
「そんな提案、こちらが受けるとお思いですか?」

あいが垣根に返す。
元々彼女の目的は御坂の回復の為の時間稼ぎなのだから、勝てずとも良い。
それ故彼女は絶望的な戦力の逆転を経てなお、思考を回転させることができていた。

「このまま争っても、そっちの勝機は第六位が本物かつその能力が俺と第四位を完封しうるものだった場合だけだが、それはどちらも在り得ない。違うか?」

「聞かせてもらいましょう」

戦っても御坂達に勝利は無いと言う垣根に、あいはその詳細を問う事で時間稼ぎに徹する。

「まずそもそも、お前は第六位じゃない。第六位は自分の個人情報を徹底して隠しているからな、ハッタリとして使うならおまえみたいに顔隠して声変えてやるのが、まあ正解だ」

垣根が続ける。
                 藍花悦
「変装もしてない、顔丸出しの奴が『第六位』を名乗っても説得力が無いからな。その点お前はよく考えた方だろ。だがなあ……性別も隠さねえと意味無えぜ?」

あいの今着ている服は、デザインこそ男女どちらが着ていてもおかしくはないものだが、ボディラインがでて一目で性別が判るものだった。

「性別だって重要な個人情報だからな。加えて言えば、第六位の能力がいくら詳細不明と言っても、それが戦闘向きじゃ無いことくらいはこちらも掴んでる」

「なるほど、それで『どちらも在り得ない』と……」

あいが降参した様に両手を上げ言った。
225 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/07/02(日) 22:26:14.26 ID:6csJsKPe0
「先程の提案ですが……そちらの、麦野さんとおっしゃいましたかしら?」

「あ?私がどうした」

話を向けられ、麦野が不機嫌な様子でかえす。

「仮に御坂さんが、垣根さんとおっしゃったかしら?そちらの男性の提案を受けた場合、麦野さんの立場からすれば、手柄を横取りされたようなものですわ……」

貴女はそれでもよろしいのですか?とあいは続けた。
それに対し、麦野は舌を打ち答えた。

「良いもクソもテメエらを仕留め損ねた時点で、こっちは贅沢が言える立場じゃ無えんだよ」

「そうですか、そちらがもめないのであれば、私からも言うことはありません。提案を受け入れるか否かは御坂さんの判断に任せることにいたしますわ」

それだけ言うと、あいは手を下して御坂の方に顔を向ける。

「決まりだな」

すると未だ御坂が何も言っていないにも関わらず、垣根が御坂に近づいてきた。
     コレ
「悪いな、捕縛も仕事なんだ。思えばお前も哀れだな、クローンなんざ何人死のうがほうっておけば良かったのによ」

ザワリと、その言葉に己の内から怒りが湧いてくるのが御坂にはわかった。

「クローン?」

「ああ、『アイテム』はそっちの情報も知らされていないのか」

麦野と会話する垣根に、御坂は決意する。

(かなわないとしても、せめて一矢……)

御坂が抵抗を示そうと垣根に対して身構えたその時、手にした端末から食蜂の声が聞こえた。

「……待ちなさい」

その声からは、御坂に匹敵或いは上回る程の怒気が感じられた。
226 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/07/02(日) 22:27:05.68 ID:6csJsKPe0
今夜はここまでです。
次こそそう間を空けずに投稿したいです
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/02(日) 22:39:54.46 ID:1QL4cWm7o
乙です
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/02(日) 23:08:27.22 ID:Gyilitoi0
思ったけど、レベル5勢でブチ切れたら怖いのみさきちの様な気がする。
そぎー除いて皆大抵切れてるから見慣れてるし。
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/02(日) 23:56:39.31 ID:4mBsdJtjo
乙です
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/15(土) 02:17:49.17 ID:RABrZ+Kh0
乙です
やっと追いついた…
期待してます
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/18(火) 20:48:24.32 ID:Tab3P0JZ0
>>230
このスレは間違いなくエタるから期待しないほうがいいよ
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 11:53:50.34 ID:gq21lZ+g0
保守するって訳よ
ゆっくり体調崩さずやっていってね
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 23:24:12.98 ID:f1eMX5Uz0
お久しぶりです、1です。
これから投下します。
234 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/09/02(土) 23:25:43.94 ID:f1eMX5Uz0
「なんだ?この場に居てすらいない第五位風情が、何か言いたいことでもあるのか?」

面倒臭そうに返す垣根に答える事も無く、端末からはブツブツ呟くと食蜂の独り言が途切れ途切れに聞こえてくる。
  エクステリア
「『外装代脳』に接続……任意逆流開始……q範囲に……を送信……」

食蜂に答える気がないと判断した垣根が告げる。

「まあお前に文句があろうと、俺がする事は変わらないけどな」

御坂をつかまえようと伸ばされた垣根の手を、彼女は振り払った。
眉をひそめ垣根が言う。

「ちっ、めんどくえから抵抗するなよ。それとも格下が、まさか勝てると思ってるのか?」

「勝てないまでも、一矢報いるくらいはやってやるわよ!!それに食蜂、アンタも何か考えがあるんでしょ!?」

垣根に対して身構えた御坂が、啖呵を切り端末に向かって問いかける。

「ええ!!御坂さん、一分……いえ数十秒で良いわぁ。抵抗力を見せて時間を稼っ!?」

食蜂の声をさえぎる様に、鈍い爆発音と共に部屋全体いや建物全体が激しく揺れた。
235 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/09/02(土) 23:26:47.82 ID:f1eMX5Uz0
            ヤツ
「フレンダが回収し忘れた爆弾が誤爆したか?いやここまで揺れるってことはあの子のじゃないわね」

「……ってことは、だ」

垣根は、御坂が手にした通信端末を忌々しそうににらむ。

「第五位……テメェ、何をした?」

得意げな声で食蜂は答えた。

「私の能力が及ぶ範囲を甘くみたわねぇ。その中に、ここから逆転できる人が居たから助人力を求めただけよ」
        オレ 麦野
「ここから逆転?二位と四位を相手にか?」

そんな人物がいる訳がない言外に言う。
           一人だけ
「ええ、私も心当たりは野原さんだったのだけど……」

「その一人が、運良く範囲内に居たってか」

「いいえ、そういう意味ではこの賭けは私の負けかしらねぇ。でも……十分な戦闘力は引き当てられたと思うわぁ。予想よりも速く到着してくれたみたいだしね」

食蜂と垣根の会話の最中にも、爆発音と振動の間隔は短くなりその発生元が近づいてきていることが判った。
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 23:27:45.19 ID:f1eMX5Uz0
「ああ、それと……」

食蜂が垣根に言う。

「『何か言いたいことでもあるのか?』だったかしらぁ……なら一つだけ言わせてもらうけれど」

おそらく息を大きく吸っているのだろう。
そこで一度言葉を切り、その後今日一番の大きな声で食蜂は言った。

「二度と私の前で、『クローンだから死んでもいい』なんて言うな!!」

その言葉の直後、あらかじめ食蜂からその能力で指示を出されていたのだろう、あいによって御坂はその場に伏せる様に押し倒された。
一瞬困惑する御坂だが、壁の向こうから聞こえてきた声で事態を把握する。
あの爆発と振動を起こしていた人物が、ついにこの部屋まで来たのだと。
237 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/09/02(土) 23:30:55.89 ID:f1eMX5Uz0


「よし!!ここが最後の壁だな!?いくぞおおおお!!『すごいパーンチ』!!」

238 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/09/02(土) 23:35:18.54 ID:f1eMX5Uz0
砕かれ勢いよく飛んだ壁の破片が、反対側の壁をも砕き突き破っていくほどの爆発の中から、彼は姿を表した。

「俺を呼んだのはお前かヘルメット!?お、お前は以前公園であった電撃使いの娘じゃねえか!?」

ハイテンションで一気にまくしたてるその男に、垣根が訊ねた。
彼も麦野も、とっさに能力で防御したのか先の爆発によるダメージは見られなかった。

「テメエ、何者だ?」

「俺か!?俺は根性の自警団員!!学園都市第七位の超能力者!!『削板軍覇』だ!!」
239 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/09/02(土) 23:37:55.59 ID:f1eMX5Uz0
短くてすみませんが、今夜はここまでです。
毎度エタルエタル詐欺の執筆速度でごめんなさい
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 23:57:14.59 ID:BOvHSycJo
きたか、ソギー……
更新乙でーす
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 06:49:48.38 ID:mRjBHNfbo
乙です
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 04:11:17.09 ID:J0nshuszo
今全部読んだ
インとペンが何かに似てるなーと思ったらミサカと打ち止めだ
243 :sage :2017/10/06(金) 01:09:12.53 ID:HP1LFlPm0
保守。
今思うと、この作品のしんちゃん、ぼーちゃん、あいちゃんって
学園都市の登場人物のでもトップクラスの実力を持っているなと思いました。
244 :sage :2017/10/26(木) 01:58:12.59 ID:vvTV1nnO0
保守
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/26(木) 09:21:12.89 ID:64naKxCj0
どうした?
246 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/11/02(木) 23:57:13.58 ID:O2huPPdQ0
1です。これから投下します
>>242
とある原作でも初期の打ち止めってインデックスと似ているというか、彷彿させる描写がありますよね
>>243
あいちゃんは能力だけみれば(現時点では)それほどでもないんですが
大財閥の御令嬢という立場から幼少期から様々な習い事を受けた結果の級インテリジェンスと
『英雄の隣に立つ女』にふさわしい自分になろうと努力しつづけたチート級メンタルの二つで
そこそこ優秀なフィジカルを十全以上に活かしているという、ある意味原作とあるの浜面仕上のスタイルです。
ちなみにボーちゃんが『学園都市の基準では低評価を受けるが実はチート能力』の上条当麻の、しんのすけが『単純に強くて厄介な能力』で一方通行のスタイルですね。偶然ですが
247 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/11/02(木) 23:58:46.22 ID:O2huPPdQ0
その背に七色の爆煙を上げながら削板が名乗る。
それを受け垣根が舌をうった。
          ブービー
「チッ……で、その『第七位』が俺達二位と四位になんの用だってんだ?」

「おう、頭の中に声がとどいてな。助けにきたんだ……で、ヘルメット。俺は翼の生えた男を殴って倒せば良いのか?」

削ぎ板に訊かれ、端末から食蜂の声が答える。

「脚の太いオバサンもセットでお願い!!」

「髪の長い女とか他に言い方あんだろ!?」

自身のコンプレックスである脚について言われた麦野が反射的に吠えた。

「なるほど……そっちの二人を倒せば良いんだな」

一瞬いきなり叫んだ麦野に目を丸くしながらも、何事もなかったようにそれをスルーして削板は二人に向き直る。
そんな彼の態度に、呆れたようにも忌々しそうにも見える様子で垣根は言った。

「おいおい、今の話聞いてたか?もう一度言うが俺達は第二位と第四位、第七位であるお前より格上の超能力者だ。それに――」

「みなまで言うな」

垣根の言葉を遮り、削板が言う。

「もしかしたらそっちの電撃使い嬢ちゃん達の方が悪いのかもしれない、何も事情を知らない俺が、助けを求められたからって嬢ちゃん達に肩入れすんのは間違っていることかもしれない。それでもだ……『助けて』と言われて助けねえ根性無しにはなりたくねえんだよ、俺は」

削板の言葉はまだ続く。

「それにな……」

息を大きく吸い込み、ひときわ強く彼は言った。

「相手が各上だからって理由で退くほど、俺の根性はヤワじゃねえんだよ!!」

削板の真っ直ぐに垣根をとらえる眼差しに、垣根も先程までの呆れた様子は消え、彼も正面から削板を見据える。
248 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/11/03(金) 00:00:23.64 ID:YlLrxdMp0
「……チッ」

しばし無言で睨みあった両者の、沈黙を破ったのは垣根であった。

「俺は降りだ、後はお前の好きにしろ」

そう言われた麦野は驚いて彼を見る。

「何を……!?」

垣根は削板がでてきたのとは反対側、御坂達の更に後方を指差して言った。

「俺達が……『スクール』と『アイテム』が受けた依頼は既に失敗してんだよ。」

そこには、先程削板が殴り飛ばした壁の一部によって大穴の空いた壁があり、その穴からは隣の部屋の様子が見えた。

「あっ!?」

隣の部屋には重要と思われる機器があり、それらは元は部屋の壁であったのだろう瓦礫によって破壊されていた。

「今さらコイツ等を捕まえて依頼人に引き渡してもマイナス評価がプラマイゼロになるわけじゃねえ、良くてマイナス10がマイナス5になる程度だろう」
レベル5
超能力者を擁する暗部組織を二チームも使って拠点防衛に失敗した以上、垣根の予想は概ね正しいと言えるだろう。
                                 コイツ や
「で、たかがその程度の成果の為に第六位と違ってバリバリに戦闘向きな第七位と戦り合えば、幾らか手札を晒さないといけないだろうな」

垣根が独り言のように麦野に説明する。

「そしてその様子は第五位に見られている訳だ、明日には暗部の人間全員に俺達の能力がおおまかには知られているかもしれないな……」

麦野が悔しそうに顔をゆがめ、奥歯を噛み締めた。

「つーわけでリスクとリターンがつり合ってねえ……俺は降りるが、お前はどうする?」

「……」

麦野は無言で原子崩しを撃ち、御坂の足元に落ちていた端末を破壊した。
249 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/11/03(金) 00:03:43.63 ID:YlLrxdMp0
今夜はここまでです。
原作クレしん41巻のフィギュアウォーズが長編OVAになりましたね
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 00:25:14.73 ID:LZbXuxYio
長編ovaの雰囲気がかなり昔っぽくてうれしい
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 01:15:26.31 ID:/SdZItC0o
乙です
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 01:40:00.82 ID:l3LE/GqN0
支援
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/17(金) 02:38:05.80 ID:N81alXIw0
ほほう
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/16(土) 02:15:13.97 ID:DLvuhjXY0
保守
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/31(日) 14:15:03.91 ID:G9Z1xAvr0
保守
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 13:21:48.11 ID:lRdGABOm0
あけおめ保守
257 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/01/04(木) 00:03:28.04 ID:CDsL44Uk0
1です。明けましておめでとうございます。
これから投下します。
258 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/01/04(木) 00:05:02.30 ID:CDsL44Uk0
「……一応言っておくが、ソレを壊しても第五位には情報が伝わると思うぜ?」

呆れたように言う垣根に、麦野が不機嫌に返す。

「わかってるよ、私も降りるさ。けどお前、第七位が乱入してきて直ぐにアレに気づいていたな?」

麦野は瓦礫に壊された機械類を指差し言った。

「まあな、後のアレコレは全部ハッタリってわけだ。それで第七位が引いてくれるなら儲けモノだったからな」

そう言うと、垣根は背中から翼を生やしてソレを一回大きくはばたかせる。
何かしたのかと御坂達一同が警戒するなか、いち早くその変化にあいが気づいた。
 テンジョウ
「天井が……」

彼女のつぶやく様な声を聞いた他の者も、視線を上に移す。
すると垣根の後方の、壁の上部と天井の一部が無くなっていた。
先程の削板に因るもののように瓦礫や破片になったのではなく、その部分のみが最初から存在し無かったかのように消失していたのだ。

「つーわけで、俺は帰るぜ。仕事じゃあもう遭わねぇことを祈るよ」

そう言い残して、垣根はその空いた穴から飛び去って行った。
259 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/01/04(木) 00:06:37.58 ID:CDsL44Uk0
「チッ気障なマネしやがる……」

そう忌々し気に吐き捨てた麦野も、削板が穴を開けた壁とはまた別の壁に、『原子崩し』で大穴を空けるとそこから部屋を出ていった。

「……」

御坂、あい、そして削板。
部屋に残された三人を暫し静寂が包み、やがてペタリとあいが床に腰を下す音で沈黙は破られた。
         エージェント
「ふう、せっかく第六位の代理人から名前の使用権を買ってきましたのに……同じく超能力者が相手ではあまり意味がありませんでしたわ」

あいが独り言のように愚痴をこぼす。
御坂は緊張の糸が切れたのか何も返せなかったが、食蜂が彼女と精神感応で会話しているらしく、あいの独り言のようなささやきは続いた。

「ええ、そうですね。では明日も……もう一方の施設は……」

そんな床に座り込んだまま途切れ途切れに何かを言い続ける彼女の様子不気味であったが、そんなあいに削板が手を差し出しながら声をかけた。

「おい、根性ありそうな黒服の嬢ちゃん、大丈夫か、立てるか?」

「あら、御親切にありがとうございます。ですが心配無く、自分でたてますので」

そう言って立ち上がったあいは服に付いた汚れを軽く払うと、削板に改めて向き合う。

「今夜は助かりましたわ。ですが、貴方の助けを待つ方は此処以外にもいるはずです」

「おうそうだな、俺はこれで巡回にもどるぜ。じゃあな嬢ちゃん達、なにがあったか知らないが根性入れてがんばれよ!!」

瞬く間に走り去って行った削板の方を見ながら、あいが言う。

「あの方、先程『自警団員』と名乗っていましたけれど……しん様と同じチームに所属したのかしら?」
260 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/01/04(木) 00:07:51.79 ID:CDsL44Uk0
そしてあいは御坂に、先程食蜂と話していた明日の予定を告げる。

「では御坂さん、残る一ヶ所Sプロセッサ社脳神経応用分析所ですが、その裏手にあるビルの屋上に……」

翌日の午後6時頃、あいの指定したビル屋上に御坂あい食蜂の三人が集まっていた。

「人の出入りがまるでありませんわ、既に撤退した後と見るべきでしょうか」

双眼鏡を御坂に手渡しながら、あいが言った。

「一応、中に入って確認してみるべきじゃないかしらぁ。じゃあ御坂さん、私達はここで待っているからおねがいね」

御坂の肩に手を置きながら食蜂が言い、御坂は呆れ気味に返す。

「アンタ……昨日助けてもらった身で言うのもなんだけど、なんで居るの?」

それは、この場に居ても特に役に立たないのにと言う意味にも、自分を嫌っている筈の彼女が何故と言う意味にもとれる問いかけだった。

「何よ悪い?まあ私にも色々あるのよぅ、御坂さんからすれば正直私は信用力が低いでしょうけど、『野原さんから頼まれた』って言えば信じてくれるかしらぁ?」

「野原から?」

「そうよぉ、御坂さんが無茶しないように救援力を発揮してほしいってね」
261 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/01/04(木) 00:09:48.51 ID:CDsL44Uk0
食蜂が自分を助けた理由、それは御坂からすれば意外なものであった。

「いくら相手が酢乙女先輩の恋人でも、アンタが理由もなく他人の頼みを……ってそうか、確かアンタ、野原に恋人の記憶障害を治してもらったんだっけ」

「だから恋人じゃなくて、片想いの相手だってば。ああ言っておくけど、このことは帆風達には秘密よ?」

食蜂が惚れた男がいるなど、彼女の派閥メンバーが知ればめんどくさい騒動が置きそうだと、御坂も同意する。

「で、酢乙女先輩は……」

「私は特にしん様から何か頼まれたわけではありませんが、食蜂さんがしん様と連絡を密にしているのを不審に思いまして……」

「私が先輩の尋問力に屈しちゃったてわけぇ」

あいの言葉を食蜂が繋いだ。

「あの時はてっきり、食蜂さんが私の恋敵になるつもりなのかと思いましたわ」

その時のことを思い出したのだろう、食蜂は体を抱きブルリと震わせた。

「それで、御坂さんの事情を知ったのですが、食蜂さん一人では御坂さんのフォローにも限界がありますし、『妹』さん達を保護するにも私の力……正確には実家の力ですが、必要になると思いまして」

あいの台詞の一部に、御坂が反応する。

「保護……できるの?」

自信をもって、あいは答えた。

「可能です、当家の仕事は幅広く支社も世界各地にありますわ。一ヶ所に数人づつ、一卵性の姉妹だとしても不自然でない人数になるはずですし、いくら顔立ちが同じだとしても化粧や髪型で女性の外見なんて千変万化ですわ」

あいの話す今後の展望を食蜂が補足する。
     シスターズ                      このわたし
「問題は『妹達』自身がこれを受け入れるかだけど、それは最悪『心理掌握』が力技で説得するのも一つの手ねぇ。まあそのためにも、兎に角実験を一時的にでも中断させる必要があるのよねぇ」

というわけで頑張るんだゾ。と食蜂は御坂を送り出した。
262 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/01/04(木) 00:34:25.59 ID:CDsL44Uk0
「もしもし酢乙女先輩、食蜂?やっぱり中には誰も居ないわ。電気機器が一つも動いていないし、データも全て削除されてるみたい」

御坂は施設内の一室から小型の端末を顔の横に持って話す。
先程食蜂から渡された物で、昨夜麦野に壊されたのと同型だ。
彼女いわく、盗聴対策万全の通信機らしい。

「じゃあ、今日はこれで解散でいいかしら。他施設へデータが移送されて実験も引き継がれている可能性もあるけれど、どちらにしろ一回調べてみないといけないわぁ」

「しん様はしん様で動いているみたいですし、布束先輩でしたかしら……彼女も独自に行動しているようですから、私達も含めて三チームが互いの足を引っ張り合うのを避けるため連絡も必要ですね」

通信機からは食蜂とあいの声が聞こえてくる。

「では御坂さんも今日はしっかり休んでくださいませ、まだまだやることは多く在るのですから、途中で倒れてはいられませんわよ?」

二人からの通信が切れ、御坂も無人の施設を後にする。
先のあいの言葉通り、まだまだやるべきことは多い……しかし一段落がついたのだと晴れやかな気持ちで御坂は足を進めた。
喉を潤そうと馴染みの自販機が置いてある公園を訪れると、聞きなれたしかし久しく聞いていない男の声が御坂の耳に入った。

「あっれー?おかしいなあ、故障か?」
263 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/01/04(木) 00:36:32.21 ID:CDsL44Uk0
今夜はここまでです。
今年こそ更新速度を上げたい。
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 01:58:39.00 ID:9b56qqxdo
おつですぞ
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 09:37:58.86 ID:SgNrR4yho
おー
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/06(土) 13:04:45.44 ID:vKMiJN9S0
来てたのか
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/13(土) 12:23:46.27 ID:6NZVYlg40
どうなる?
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:03:35.54 ID:n5KQo/Wr0
支援絵とかあったら励みになるだろうか?
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/02(金) 23:50:05.29 ID:Jg6wZX2p0
布束さんについて思ったこと
ギョロ目:威圧感↑、見やすさ↓
ジト目:かわいさ↑、見やすさ↑
個人的解釈です。
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 11:20:00.28 ID:oFD1wS8uo
ぶっちゃけ漫画の目でも好き
271 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/03/05(月) 01:38:09.89 ID:Ng/syFtP0
お久しぶりです、1です。これから投下します。
>>268
凄い励みになりますね
>>269
1はギョロ束派です。
272 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/03/05(月) 01:39:52.08 ID:Ng/syFtP0
「おかしいなあって、上条君ここの自販機が壊れてるのは君も知って……ごめん」

「いや、単なるドワスレだよ。『ソレ』とは関係ない、あやまらないでくれ」

御坂がそちらを見れば、やはりそこには聞きなれた声の主である上条当麻がいた。
そして自販機の前でうなだれる彼と話しているもう一人の声はしんのすけのものだ。

「なあしんのすけ、今朝からお前何か変だぞ、どうかしたのか?」

おつり返却バーをガチャガチャと何度も下げながら、上条はしんのすけに訊ねる。

「俺を公園に連れ出したってことは、インデックス達には聞かせられない話なのか知らないけどさ、ずっと何かを言い出そうとしてできずにいるって感じだ」

「……まあこの前のカジノの時みたいに上条君に頼めば、オラが自分でやるより簡単に片付く問題なのかもしれないんだけどさ」

要点を得ないしんのすけの返答に、上条は自販機をドンドンと叩きながらその先を促す。

「それで?」

「この問題の中心はオラじゃ無い、オラはいつものように自分から飛び込んでいくつもりだけど……」

自販機を殴る上条の手を止めて、しんのすけは軍手をはめた手で自販機に触れた。
一瞬の光の後に、自販機が二千円札を吐き出すとそれをしんのすけが上条に渡す。

「オラよりもだいぶ中心近くにいるあの子は、上条君には特に問題の存在を知られたくないだろうし、かと言って全部終わった後になってから知ったら、今度は上条君が納得出来ないだろうしね」

その言葉の途中、自身の方へと一瞬だけ視線を向けた様に御坂には感じられた。
しんのすけは自販機に硬貨を投入し『きな粉練乳』と言う名の商品を購入して自販機が完全に直ったことを確認すると、手にした飲料缶を上条に押しつけながら言った。

「だからオラなりの妥協点、上条君は近い内に何か厄介事を頼まれるかも知れないってことだけ今は覚えておいて」

そう言うと、しんのすけはその場を後にした。
273 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/03/05(月) 01:40:37.34 ID:Ng/syFtP0

「厄介事、か……」

上条はしんのすけが近い内にするかもしれないと言う『頼みごと』に空を仰ぎため息をつく。
一方の御坂も、しんのすけが向けた視線の意味を計りかねていた。

(私に気づいてアイツとの会話を打ち切った?)

不自然なしんのすけの態度に違和感を覚えながらも、御坂は上条に声をかける。

「ねえ、ジュース買わないんならどいてくれない?」

「と、悪いな御坂」

上条が数歩横にずれると、御坂はいつものように掛け声と共に自販機に回し蹴りを叩き込む。

「ちぇいさーっ!!」

しかしいつもと違い、自販機がジュースを吐き出すことは無かった。

「……ついさっきしんのすけが直してたからなあ。普通に買うぶんには問題ない思うぞ」

「こいつには去年万札呑まれてるのよ。いいわ、それならこうするだけよ」

御坂が自販機に触れながら放電する。
すると確かに自販機は様々な飲料缶を吐き出したが、同時にけたたましい警報音も鳴らしだした。
            アンチスキル ジャッジメント    スキルアウト
「おおい!?どうすんだよ!?警備員や風紀委員、最近じゃ自警団まででてくるんだぞ!?」

「言いながら逃げないでよ、あとジュースの缶運ぶの手伝いなさいよ」
274 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/03/05(月) 01:41:32.86 ID:Ng/syFtP0

「酷い職権乱用を見た」

ひとしきり逃げた先にあったベンチに腰を下し、上条はつぶやく。

「なによ、私が逮捕された方が良かったっていうの?」
その場                   テレポーター
犯行現場から逃げた二人を追いかけて現れた空間移動能力者の風紀委員は、御坂の常盤台での後輩だったらしく、自販機云々の話は無かった。
その代わりにただただ「敬愛する『御坂美琴』【お姉さま】の近くにいる男」である上条への牽制ばかりして彼女は去っていった。
もっとも上条からは「慇懃無礼な変な娘」と言う印象を与えただけだったが。

「にしても『お姉さま』ねえ、やっぱ女子校だとそう言うのがあるんだね」

「黒子はそのなかでも特殊な方だと思うけど……他にも居ないってわけじゃないのがね……」

大量に持ち去ったジュース缶の内の一つで喉をうるおしながらの二人の会話に、ふいに三人めの声が混じる。

「お姉さま」

上条が又かと思いながらそちらを見れば、そこには御坂と瓜二つの少女が立っていた。
275 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2018/03/05(月) 01:44:30.74 ID:Ng/syFtP0
今夜はここまでです。
今度の劇しんではしんのすけが(カスカベ防衛隊が)拳法を習得するみたいですね。
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 21:39:16.14 ID:c4VjNt3s0
今更だが更新されているのを見てきました
最初のころから追っかけてきてるので
これからも楽しみにしています
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 21:52:42.55 ID:GDIeoZa3o
乙です
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 13:16:48.21 ID:kzbLwLtK0
乙です!
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 07:49:03.10 ID:YRWcOH+4O
カスカベボーイズ見返しててふと思ったんだけど、あの作中の映画って実写ぽかったから役者とか居ると思うんだけど、ツバキちゃん役の人って現実世界に居ないのかな?
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 10:43:46.57 ID:D+ZwIOdBo
>>279
元となった映画はお蔵入りになってて撮影すらされてない説とかどうよ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/12(木) 18:31:00.01 ID:n46j3F/0O
もうアカンかもしらんが一応保守
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/19(木) 16:09:38.98 ID:tfILKJLMO
カンフーボーイズ良かった
まさお君の良さが改めてわかったわ…

更新いつまでも待ってる
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 17:54:54.15 ID:wPUJimExO
>>281>>282
お前さんらこのスレはじめてか?
ここの1基本的に2ヶ月毎に更新だから次来るのは5月の頭位だぞ
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 12:29:24.65 ID:S776WzHqO
焼け野原ヒロシはどうなるんです?
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/22(日) 16:16:54.18 ID:ArUnYp9H0
>>283
そうだったっけ?久々に来たから忘れてたわ……サンクス

それはそうと、このssにもぷにぷに拳出るかな?
とりあえず待機支援
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/23(月) 20:10:58.54 ID:OQqMXKXG0
そうかそうか
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