【オリキャラ注意】加賀「ガガガロンパ!」城須賀「リゲインモード…です…」

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93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/28(土) 21:11:09.98 ID:YJx6QXaD0
城須賀
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/28(土) 21:11:25.33 ID:fMwxMlsDO
城須賀
95 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/01/29(日) 00:22:26.51 ID:c+qplwMD0
               Day 2   AM 9:55


城須賀「…あ、加賀さん」

加賀「もう動けるように?」

城須賀「ええ。元々そこまで重症ではなかったので」

加賀「…そっか」

加賀「それにしても…ごった返してるよね」

彼の研究室は様々なもので溢れかえっている。

木材、ウィッグ、カチンコ、衣装、台本…。

城須賀「ええまあ…研究室、というよりも倉庫みたいになってしまってますね…」

城須賀「代わりに研究室にありそうな物は大抵寄宿舎に移してしまってるので」

加賀「ふうん…あ、これって何て名前なの?」

城須賀「これはクランプです。万力に近い働きをするんです」

加賀「万力…えーと、じゃこれは?このベニヤ板みたいなのにも名前が?」

城須賀「ベニヤですが…用途を考えると蹴込み板と呼ばれますね」

加賀「…これは?」

城須賀「これは平台です。これと足場を組み合わせてクランプで固定して舞台装置を造るんです」

城須賀「組み立てた後に蹴込み板を蹴込んで完成させるんです」

城須賀「まあ…一人なので滅多に使いませんでしたけど」

加賀「…そういうもんなの?」

城須賀「独り舞台だと素舞台の方がやりやすいですよ。舞台装置に上ることで何かを表現する…」

城須賀「例えば他の人物との断絶だとか、心中描写だとか…」

城須賀「相手のいない舞台に、断絶だなんてことは起き得ませんよ」

加賀「…あー」
 
何となくしか分からない。

城須賀「演劇って、奥が深いんですよ」

城須賀「例えば殆どのスポーツは一人でやることを想定していません」

城須賀「カヌーは一人ですし、長距離走も切り取り方次第では一人でやるものなのかもしれませんけど」

城須賀「メジャーなスポーツは必ず、フィールド上に『相手』が想定されています」

城須賀「演劇は相手を想定するのが『舞台上』と『観客席』の二方向」

城須賀「歴史はギリシア神話まで遡るのに、今も独り舞台というジャンルが確立されている」

城須賀「どうです?奥深いでしょう。…尤も、僕は独り舞台しか知らないので」

城須賀「どこかで集団演劇に携わりたいと思ってはいるのですが…」



1 私も演劇やってあげようか?勿論経験はないけど…
2 どうやって演技力を磨いたの?
3 寂しかったのかもしれないけど…だったら誰かを誘うって勇気はなかったの?


↓1
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/29(日) 00:26:20.61 ID:xPsXecOI0
97 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/01/29(日) 01:00:17.45 ID:c+qplwMD0
申し訳ありません 本日ここまでとさせていただきます
答えられる範囲の質問でしたら返答したいと思います
98 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/01/30(月) 21:16:55.29 ID:9nu/J9RS0
加賀「寂しかったのかもしれないけど…だったら誰かを誘うって勇気はなかったの?」

城須賀「…誰も僕の思想を理解してくれませんでしたから」

城須賀「思想と言うよりも…演劇に対する情熱ですけれどね」

城須賀「誰も理解してくれる人は居ませんでした。教師でさえ…白い目で見る始末」

城須賀「勇気だけあっても、受け入れる人が居なければ…その勇気は無駄ですよ」

加賀「…そっか」

城須賀「妥協することも幾度か考えました。けれど…それじゃ僕の目指す演劇には辿り着けない」

城須賀「寂しさを押し殺してでも…僕は演劇をしたかった」

城須賀「ただそれだけです。それ以上でも、それ以下でもない」

加賀「…」

城須賀「…やけに神妙な顔ですね」

加賀「えっ!?あ、いや…そうかな?」

…演劇、好きなんだなぁ。好きだからきっと色々ひねくれてるんだろう。

…まあ、他の人たちに比べればまだ捻くれてない方なのかな。






『通信簿 城須賀翼 1/7』

『…黒幕とはいえ、やっぱり悪い事をするようには思えない彼』

『研究室は改めて見ると演劇道具で埋め尽くされていて、彼の演劇への愛が感じられる』

『私に対して熱く演劇を語る彼、その姿は夢追う少年のようだったけど…』

『その情熱を誰にも理解されない故に、交友より演劇を選んだのは…正解、なのかな?』










本日の自由行動 残り3回 


12芦本0/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
14大江0/6
28樫月1/6
28栗須1/6
12狭野0/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
14谷0/6
14紡0/6
14露寺0/6
07新島0/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)


↓1  城須賀は不可
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/30(月) 21:17:53.06 ID:IKgjjRuM0
栗須
100 :汎用 ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/01/30(月) 23:29:29.35 ID:9nu/J9RS0
                       PM 1:14       Dining room


加賀「結局あの後も熱論に付き合わされた…」

正直専門用語の応酬で訳が分からなかったよ…バミリとかシーリングとか言われても困る…。

加賀「うーむもう昼時…食堂に来たのはいいけど…誰もいない」

…下手な料理で切り抜けるしかないかぁ。しょうがないか…。

栗須「…あれ?紅香さんも食事ですか?」

加賀「あ…栗須君か」

…しめた。押し付けよう。

加賀「あ、うんそうなんだけど…」

栗須「作らないのですか?」

加賀「あーいや…腕に自信がないからさ…栗須君作ってくれる?」

栗須「…」

加賀「…?」

栗須「…お断りします」

加賀「えぇ…」

栗須「自分で作らないと始まりませんよ?自信が無くともそれに託けて料理をしないのは間違っています」

加賀「…自信が無いだけならいいけど味も酷いんだよ…」

栗須「はぁ」

加賀「…だからお願い!」

栗須「…はぁ、分かりましたよ」

加賀(よしっ)






加賀「えっ何これ」

栗須「食事ですよ?」

加賀「…」

鶏の丸焼きって…。

栗須「作ってくれと言ったのは紅香さんの方ですよ。内容まで指定された覚えはありません」

加賀「…はい」

内容指定すればよかった…。いやそもそも作れるようになるのが早いか…。



本日の自由行動 残り2回 

12芦本0/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
14大江0/6
28樫月1/6
23栗須1/6
12狭野0/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
14谷0/6
14紡0/6
14露寺0/6
07新島0/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)

↓1  城須賀 栗須は不可
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/30(月) 23:31:08.02 ID:57JauU6qo
102 :汎用二連 ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/01/30(月) 23:53:39.67 ID:9nu/J9RS0
                    PM 3:55      Tsumugi's room


紡「…え…紅香さんどうしたの…?」

加賀「特に用と言った用はないんだ」

紡「な…ないの…」

加賀「ちょっと駄弁りに来ただけで…あ、そうだ」

紡「?」

加賀「紡さんってさ…露寺さんと前から仲良かったの?」

紡「…あ」

加賀「?」

紡「前って言うのは…あの世界の話?それとも…ここ?」

加賀「…ここかな」

紡「…悪くは…なかったよ…」

紡「でも…」

加賀「でも?」

紡「美緒ちゃ…美緒さんは…飛鳥さんとか…紅香さんと…」

紡「仲が良かったかな…確か…」

加賀「…へぇ」

…やっぱりあの写真、本物なんだろうな。







本日の自由行動 残り1回 

12芦本0/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
14大江0/6
28樫月1/6
23栗須1/6
12狭野0/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
14谷0/6
07紡0/6
14露寺0/6
07新島0/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)

↓1  城須賀 栗須 紡は不可
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/30(月) 23:54:52.94 ID:xqUVKJeFo
104 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/01/31(火) 00:23:53.21 ID:8L1BDyFs0
                    PM 7:39    Audio-visual room


谷「…」

加賀「…」

谷君だ。何か画面に見入っているようだけど…。

谷「…クソッ」

加賀「…おーい」

谷「…」

気付いてない…?

加賀「おーい!」

谷「…」

…ダメだ、完全に自分の世界か…。

加賀「…」

ヘッドホン外すか。

加賀「よいしょ」

谷「うおっ!…加賀かよびっくりさせんなよ…」

加賀「あ、ごめん…何観てたの?」

谷「…何だって良いだろ」

加賀「…バレーの映像?」

谷「…」

加賀「…これって!」

画面に映っていたのは…スパイクを決めている谷君。

谷「…」

加賀「…研究?」

谷「…もうここまで跳べねえんだよ」

加賀「…えっ」

谷「最高点が下がってきてるんだ。振り抜く力も、左右に打ち分ける技術もまだ衰えちゃいないけど」

谷「高さのあるスパイクはもう打てない」

谷「…これでも今までは代表のエース張ってたんだぜ?それが今じゃ裏エースだよ」

加賀「裏でもエースなら十分すごいんじゃ…」

谷「…皆そう言うよ。でもな…エースはチームの顔なんだよ」

谷「裏に回った瞬間、人気は下がる。知名度も下がる。そういうもんだ」

谷「名声だけ求めてバレーやってた訳じゃないけど、一度名声の味を知るとそれ無しじゃやる気が出ないんだよ」

谷「…って、こうやってかこつけてここに来てから努力を怠ってきた俺が悪いんだけどな?」

加賀「…」





1 過去の名声に縋り続けるのも良くないと思うよ
2 それでも昔はスターだったんでしょ?まだ間に合うんじゃない?
3 …本当に努力不足だけが原因なのかな

↓1
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/31(火) 06:46:55.12 ID:b4IDCspDO
106 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/01(水) 00:00:19.36 ID:unHin7KR0
加賀「…本当に努力不足だけが原因なのかなぁ」

谷「…何が言いたいんだ?」

加賀「その…例えばさ、どこかの慢性的な疲労だったり」

加賀「努力でカバーしきれない身体機能の低下だったり」

加賀「別世代の躍進に対する焦りだったり」

加賀「『超高校級』の肩書きに対する強迫観念だったり…」

加賀「勿論、可能性にすぎないから聞き流してもらっていいけど…」

谷「…」

加賀「…谷君?」

谷「…どうだろうな。そんなこと考えもしなかった」

谷「ただまあ…どれであれ、どうにもならねえよな今頃…」









『通信簿 谷拝登 1/6』

『私が入ってきたのも、声をかけているのにも気が付かないほど集中して過去の映像を振り返っていた谷君』

『彼に突然昔ほどの力がもうないとカミングアウトされた。昔を知らないけれど。』

『それでも思い悩む彼に何も言わないのは非道に思えて、何とか言葉を絞り出す』

『努力不足以外の問題を指摘したらぼやかされた。本人が分からないことを私が分かろうとするだなんて無理なのかも』
107 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/01(水) 00:07:30.93 ID:unHin7KR0
             Day 3 AM 8:33




加賀「…にっが!」

食堂には誰もいなかったので、仕方なく自分で料理を作ったのだが…。

加賀「こんなことなら無理にでも誰かを呼ぶべきだった…!」

大失敗だ。口の中が苦い。

加賀「朝からテンションが下がる…下がる…」

動く気力も…下がる。




本日の自由行動 残り3回 

12芦本0/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
14大江0/6
28樫月1/6
23栗須1/6
12狭野0/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
28谷1/6
07紡0/6
14露寺0/6
07新島0/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)

↓1  谷は不可
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/01(水) 00:15:34.40 ID:22isSDrEo
大江
109 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/02(木) 00:01:59.30 ID:cU8HszOv0
          AM 10:35   


加賀「…あ」

大江さんだ。

加賀「おはよう大江さん」

なんでマスクしてるんだろう。

大江「…」

加賀「…大江さん?」

大江「…私綺麗?可愛い?」

加賀「…えぇ…」

口裂け女かよ…。

加賀「あのね大江さん、マスク付けたままその質問されるのは心臓に悪いよ…」

大江「…?」

加賀「…あー、えっとね…」

大江「べっこう飴?」

加賀「…そうだよ!」

大江「あ、確かにね…マスク外してっと…」

加賀「…」

裂けてない。裂けてたら怖いか。

大江「…よし!改めて聞くよ?」

大江「私可愛い?」

加賀「そこは変わらないんだね…」

大江「いやー漸く私も自らの可愛さに気付いて」

大江「晴れて可愛さを全面に押し出そう!って思ってるんだ」

加賀「へぇ…」

大江「なんか地味な反応…」

加賀「相槌打ってるだけだから…」

大江「ふうん…で、どう?どう!?絶世のナイスバディな美少女が目の前にいるんだよ!?」

大江「ほらほらどうよどうよ?可愛い?ん?可愛い!?」

…イメチェン…?それにしては変わりすぎてるよね…




1 いつも通り可愛いよ
2 …誰かに触発されたの?
3 格好は可愛いけど…発言はそうでもない、かな

↓1
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/02(木) 00:04:23.77 ID:iObGOSFw0
2
111 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/02(木) 20:48:29.18 ID:cU8HszOv0
加賀「…誰かに触発されたの?」

大江「えっ?」

加賀「いや…大江さんちょっと変わったなあって」

加賀「それで誰かに影響受けたのかなあって」

大江「…変わった?そんなことないよ?」

大江「夢の中じゃ猫かぶってただけだよ!」

加賀「うっそだぁ。だってすごい必死だよ?」

加賀「本当に猫かぶってたならもっと自然に振る舞えると思うんだけど…」

大江「…」

加賀「…大江さん?」 

顔がどんどんぐしゃぐしゃになってく…

大江「うわあああああああああん!!」

加賀「なんで泣くのおおおおお!」











加賀「狭野さんの受け売りって…あの子貞操観念が人と違うんだから参考にしちゃダメだよ…」

大江「知ってるよぉ…」

加賀「…」

知ってるなら何で参考にしたんだ…。

大江「だってぇ…由地夜ちゃんに可愛く思われる方法聞いたら自分を騙せって…」

大江「だからそうしたのに…紅香ちゃんに可愛くないって言われちゃうし…」

加賀「別にそこまでは言ってないよ…」

大江「うっ…そこまでってことは可愛くないとは思ってるんたね…」

加賀「…あっ」

失言した…。

大江「いいもん…どうせ可愛くない…うわあああああああああん!!可愛くなりたいよおおおおおお!」

加賀「…」

面倒くさい…。



『通信簿 大江杜麩果 1/6』

『数日ぶりに会ったけれど、何故か性格ががらりと変わって可愛さを全面に押し出すようになった大江さん』

『無理してる感半端なかったし、きっと誰かの入れ知恵だろうと探ってみたらビンゴだった』

『自分に自信が持てないならまず自分から欺け!と狭野さんに言われたらしいんだけど…』

『…変なことしなくても、大江さんは可愛いと思うけどなぁ』
112 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/02(木) 20:49:32.94 ID:cU8HszOv0



本日の自由行動 残り2回 

12芦本0/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
12狭野0/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
28谷1/6
07紡0/6
14露寺0/6
07新島0/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)

↓1  谷 大江は不可
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/02(木) 20:50:53.67 ID:pH2QbEr1o
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/02(木) 20:51:43.77 ID:JK7L3nuso
亜堂
115 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/03(金) 00:31:50.55 ID:/tySaNQu0
             PM 1:44


紡「…あ…」

加賀「…どうかした?」

紡「ううん…何も…」

加賀「…そっか」

紡「話す気で…いた…?」

加賀「あ、うん。ちょっとだけ…」

紡「じゃ、じゃあ…立ち話も…なんだし…部屋に入る…?」

加賀「…お言葉に甘えさせてもらうね」









紡「…」

加賀「…」

気まずい…付き合い始めのカップルかよ…。

加賀「…ちょっと聞きにくいこと聞いちゃってもいいかな?」

紡「…いい…よ…」

加賀「…紡さんの手首のことなんだけど」

加賀「言いにくいかもしれないけど…どうしてそんな風になったのか、詳しく教えてくれないかな」

紡「…分かった…」

紡「あのね…子どもの…頃に…お母さん…出て行っちゃって…」

紡「父と…お姉ちゃんと…私だけで…暮らしてて…」

紡「中一の…時に…父が暴れて…」

紡「中華包丁で…家の中の物を壊して回って…」

紡「止めた私の手首を…切り落として…」  

紡「お姉ちゃんは…ちょっと遅れて帰ってきたから…襲われずに…済んだんだけど…」

紡「お姉ちゃんが…私の近くにきて…名前を呼んで…」

紡「…ごめん…そのあとは…覚えてないの…」

紡「気が付いたら…ベッドで寝てて…」

紡「…」

紡「お姉ちゃんとは…離れ離れになっちゃったんだけどね…」

紡「どこにいるのかも…分かんない…」

加賀「…」



1 …なんだか、想像もしたくない…ね…
2 どうして無理に止めようとしたの…?
3 お姉さん、見つかるといいね

↓1
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/03(金) 00:33:04.89 ID:dGNvgAEso
117 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/03(金) 01:02:31.89 ID:/tySaNQu0
加賀「…何だか、想像もしたくない…ね…」

加賀「意識があった状態で…切り落とされたんでしょ…?」

紡「…うん…」

加賀「…なんかごめんね」

紡「…なんで…?」

加賀「いや…思い出したくないようなことを思い出させちゃったなぁって…」

加賀「きっと…辛かっただろうし…ずっと忘れたい過去な筈なのに…」

紡「忘れたくても…忘れられない…だから…話して…気を紛らすしか…」

紡「…忘れられても…手首を見たら…思い出しちゃう…から…」

紡「…辛さより…諦めの方が…強い…」








『通信簿 紡紫葉莉 1/6』

『折角の機だし、前々から気になっていた手首の事件について聞いてみることにした私』

『彼女の口から飛び出してきた現実は、私が予期していた物よりも遥かに残酷だった』

『私は彼女の境遇に同情するとともに、一件を聞いたことを後悔した』

『紡さんはそこまで辛くなく、諦観の念が強いと言っていたけれど…いや、本当はきっと…辛いんだろうな』
118 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/03(金) 01:03:46.11 ID:/tySaNQu0
本日ここまでとさせていただきます
質問ありましたらどうぞ。 

生存組六人のオシオキは頃合いを見計らい投下する予定です
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/03(金) 01:05:14.68 ID:0bIgomnu0
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/04(土) 00:32:40.37 ID:WAqeCgQQ0
え、新スレ立ったから最後の7人から最終決戦のやり直しか、
それともそのまま才能や事件の秘密を明かすのかと思ったら
謎は全部放り投げてコロシアイ終了なのか……
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/04(土) 00:44:24.84 ID:aPxCmARAo
>>120
このモードですべてネタ晴らしするって言ってたよ
122 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/06(月) 23:10:50.71 ID:V7ysu14s0
三日ぶりです wikiの才能リストでまーた城須賀君が女子にされてる模様











本日の自由行動 残り1回 

12芦本0/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
12狭野0/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
28谷1/6
23紡1/6
14露寺0/6
07新島0/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)

↓1  谷 大江 紡は不可
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/06(月) 23:11:56.59 ID:T02z/Gygo
狭野
124 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/06(月) 23:47:50.53 ID:V7ysu14s0
               PM 9:04 Sano′s room


狭野「…んー?ガガガ?」

寄宿舎の扉の小窓から、小さい狭野さんが背伸びをしながらこちらを伺う。

狭野「まーガガガならいっか…」

加賀(誰か駄目な人がいるのか…)

狭野「ん。開けたけど入んないの?」

加賀「えっ?あ、ごめん入るよ」






狭野「…」

加賀「…」

和服じゃない狭野さん、新鮮だなぁ。

加賀「着替えたの?」

狭野「流石に和服で寝るわけにはいかねーし…つーかさっきまでシャワー浴びてたし?」

加賀「お風呂入るんだね…」

狭野「…いや入んねーと不潔っしょ?」

加賀「いや、その…」

狭野「あー…太腿?別に自分で見る分には平気だし」

狭野「それに好き好んで他人に見せたくねーだけだから別に見たいなら見せるし?」

加賀「好き好んで見るものじゃないと思うんだけど…」

狭野「…まーね」

加賀「…」

狭野「…」

加賀「…ごめんね」

狭野「なんで急に謝るん?」

加賀「いや…ここの世界の話じゃないけど…」

加賀「娯楽室で一緒に居てあげたら…って思っちゃってね…」

加賀「少し前に酷いことを言って喧嘩別れみたいになっちゃってたから…余計に…」

狭野「いい加減忘れろし…」

狭野「ウチはもう気にしてないし?そもそもガガガが居たらアッシーが死んでたかもじゃん?」

狭野「ウチが死んだ所為でアッシーも自殺したって聞いたときは面食らったけど」

狭野「ウチは後追いとかする柄じゃねーし…あそこで死んどいてよかったし」

狭野「…気にすんなって」

加賀「…うん」



加賀「…ところでちょっと思ったんだけど…」


1 音楽室での反応って…素なの?
2 ひょっとして狭野さんって二重人格だったり?
3 太腿の傷って…本当なの?

↓1
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/06(月) 23:49:09.15 ID:AKz5EtDDO
126 :畜生!また寝落ちしやがった! ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/08(水) 20:55:06.94 ID:+wccjcJp0
加賀「狭野さんって…二重人格だったり?」

狭野「…急になんだし…」

加賀「いや…音楽室の一件でそう思ったんだけど」

加賀「あそこまでがらっと性格が変わるとそういうのも疑いたくなるっていうか…」

狭野「…わかんねーし」

加賀「えっ」

狭野「…まあウチにわかんねーウチのことがガガガに分かるわけないっしょ」

加賀「それはまあ…そうだけど」

狭野「心当たりはあるけど…」

加賀「あるの!?なら…」

狭野「い、言わねーし!じ、時期尚早だし!」

加賀「…」

狭野「黙って欲しがったって何も出ねーし…あーもう!ウチは寝たいの!」

加賀「…添い寝はダメかな」

狭野「…っ…今日はダメだし!」

加賀「まるで他の日ならいいみたいな言い方だね…」

狭野「…っ!いいから出てけーっ!」

…まだ言いたくないんだろうなぁ。

なら…無理に聞き出すのは得策じゃないね。
 




『通信簿 狭野由地夜 1/7』

『太腿の正の字は、彼女にとってさほど問題ではないようで…見せることも厭わないみたい』

『それにしてはあのときの反応は妙だったので、二重人格ではないかと聞いてみた』

『振ったときの反応から推察するに、それに近しいものなんだとは思うけれど…』

『…まあ、本人が詳細を言いたがらない以上、詮索するのは良くないよね』
127 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/08(水) 21:02:03.76 ID:+wccjcJp0
         PM 10:33


加賀「追い出されちゃった…まあいいや、自分の部屋で…あれ?」

おかしい。…開かない。

加賀「あっ、鍵か…あったあった…よいしょ」ガンッ

…鍵は刺さっている。なのに…開かない。

加賀「建て付けが悪いのかな…えぇ…どうしよう…」

体当たりしてみるか…

加賀「せーの…っ!」ガンッ

加賀「いったー!痛い!開かない!」

加賀「…廊下で寝るの…?」

それは…まずい。夏とはいえ風邪を引きかねない。

加賀「…誰かの部屋に行くのも手なのかなぁ…」

…何で開かなくなっちゃうかな、ドア。

加賀「そもそも起きてなかったらダメなんだけどね…」





↓1 眠りに行く部屋の主を指定(廊下で寝る場合「加賀」を選択) 
コンマの下一桁がこのレスと合致した場合強制野宿
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/08(水) 21:03:18.18 ID:L65DIeYZo
露寺
129 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/08(水) 23:57:32.40 ID:+wccjcJp0
          PM 10:39  


加賀「…露寺さん!起きてる!?」

何度かドアをノックする。

露寺「…起きてるよ…どうしたの?」

加賀「ドアの建て付けが悪くって…部屋に入れないんだ」

露寺「それでここに転がり込んできたの?」

加賀「うん…」

露寺「うーん…あたしを頼ってくれたのは有り難いんだけど」

露寺「建て付け、クニやんに直してもらえばいいのに」

加賀「…あっ」

露寺「ま、いいよ。どうせ起きちゃったし」

露寺「一緒に寝る?」

加賀「露寺さんが構わないならいいけど」

露寺「ちょっと狭くなるけどそれでもいいなら」

加賀「無いよりマシだよ…」







加賀「…」

露寺「…」

私が露寺さんの背を拝む形になる。

加賀「…ところでなんだけど」

露寺「ひあっ!急に揉まないでよ…」

加賀「どうすればこんなに大きくなるの?」

露寺「こっちが聞きたいよ」

加賀「生物学的な観点から観たら…」

露寺「刺激を与えれば大きくなるけど…ホルモン分泌とか遺伝の影響もあるから」

露寺「個人じゃどうにも出来ない部分もあるかな」

加賀「…はぁ…」

露寺「…なんか入れる?シリコンとか」

加賀「入れないよ!胸は羨ましいけどそこまでは…」

露寺「羨ましい、ねぇ。邪魔になることも多いよ、ただの脂肪だし」

加賀「…ただの脂肪ならもっと揉ませろーっ!」

深夜テンションの恐ろしさを実感した。いや、勝手に私が暴走しただけなんだけど。
130 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/09(木) 00:00:18.91 ID:V/CxIBiL0
          Day 4


朝食は露寺さんが作ってくれた。

普通に美味しいし、色々と負けてるから…胸はどうにもならないとして、食事は何とかしたい、かな。







本日の自由行動 残り4回 

12芦本0/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
28谷1/6
23紡1/6
14露寺0/6
07新島0/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)

↓1  大江 紡 狭野は不可
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/09(木) 00:00:55.16 ID:IUZlfsmDO
芦本
132 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/09(木) 23:41:56.78 ID:V/CxIBiL0
         AM 9:51  Ashimoto′s laboratory



芦本「…急に押し掛けてきて一体何だというのだ」

加賀「大した用はないんだけど…」

芦本「…ならば何故ここへ来た」

加賀「気分…」

芦本「…出て行ってくれ。考案の妨害になる」

加賀「考案?」

芦本「ああ。出版社から執筆の依頼が来たのでな」

芦本「題材に指定はないとのことらしい…俺としてはそちらの方が困るがな」

加賀「…え、そうなの?自由な方が書きやすいかと思ってた」

芦本「漠然としたテーマも見えぬまま執筆をするのは困難だ。それに…」

芦本「自由であるからこそ、書きたい題材が頭に多く浮かぶ。それを選別するのは…断腸の思いだ」

芦本「予め定められていたのなら、そうはならないのだが」

加賀「ふうん…」

芦本「…どういう種の反応だ、それは」

加賀「いや…」

加賀「題材を考えるのって難しいんだなあって…簡単そうに思ってたから」

芦本「まあな…何か妙案でもあるのか?」

加賀「いや…そういう訳じゃないけど…うーん…」   




1 狭野さんのこと書いたら?
2 私を題材に書いてみてよ
3 いっそ自叙伝形式とか… 


↓1
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/09(木) 23:44:25.46 ID:WPavpH9Ho
134 :暫く不定期更新になります ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/12(日) 01:37:30.85 ID:bh3Kx+DC0
加賀「…私を題材に書いてみてよ」

芦本「お前の何を書くというのだ?無論捻出すれば書けぬ事もないが」

加賀「例えば人生とか…」

芦本「…それはお前自身が自叙伝の形で書けば良かろう」

加賀「じゃ、じゃあ私達がここに来てからのこととかさ」

芦本「…」

加賀「…芦本君?」

顔が曇っている。…なんだろう。

芦本「いや…考え事をしていたまでだ」

加賀「…あ、芦本君はさ、私の才能が何だったのか…知ってるの?」

芦本「…」

芦本「…加賀」

加賀「何、かな」

芦本「仮に俺がその問いに応と返したとき、お前は続きを知りたがるだろう?」

芦本「仮に否と返せば誰がその秘匿を知るか問いただすだろう」

芦本「どう転んでもお前は得をしない」

芦本「…因って俺は黙秘する」

加賀「…一つ良い?」

芦本「なんだ?」

加賀「…秘匿、って言ってるってことは私の才能が何らかの秘密であることは知ってるんだね」

加賀「で、多分黙秘するってことは…秘密も知ってるんだよね?」

芦本「…」

加賀「…」

芦本「面白い推理ではないか」

芦本「だが…強ち間違っているという訳でもあるまい」

加賀「…教えてよ」

芦本「断る」

芦本「口止めされているのでな」

加賀「誰に?」

芦本「…学園長、とでもはぐらかしておけば満足か?」

加賀「…」




『通信簿 芦本軽明 1/7』

『"超高校級の作家"だけあって、私が訪問したときも丁度執筆依頼の題材を練っていた芦本君』

『なんでも一から考える方がテーマが決められるよりも難しいらしくて…ちょっと意外だった』

『理由が自由すぎる、ってのは芦本君らしいけれど』

『考え倦ねている彼に、私のことを書いたらどうかと提案したら…彼の顔が曇ったように思えた』

『色々問いただしたが…何か私のことで思い悩む事があるのかな?』
135 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/12(日) 01:39:04.38 ID:bh3Kx+DC0
本日の自由行動 残り3回 


25芦本1/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
28谷1/6
23紡1/6
14露寺0/6
07新島0/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1  紡(1) 狭野(2) 芦本(3)は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 01:44:03.32 ID:F7l9vz2ao
新島
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/21(火) 23:07:32.85 ID:IIzUR4ikO
前スレ凄まじいクソスレで、こっちはエタってる
救いようがないな
138 : ◆MHdQKyTE3k [sage]:2017/02/22(水) 17:49:30.64 ID:lyMv+8Bu0
申し訳ありません 不定期と宣言しましたが暫く更新が困難になりそうです
遅くとも一ヶ月以内には必ず新島とのイベントから再開いたします 本当に申し訳ありません
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/22(水) 21:00:34.12 ID:f4SF5E+gO
うるせえ[ピーーー]
140 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/27(月) 21:15:10.48 ID:OD1iiFw+0
                PM 0:11     Musical room


加賀「…ピアノ?」

学園棟四階。音楽室の近くへとやってくると…ピアノの音色が聞こえてくる。

加賀「誰が弾いてるんだろう?…ま、見てみれば分かるかな」








加賀「…?」

白い服が見える。服と言うより…白衣?

加賀「話しかけたいところだけど…いや、待つべきだよねこれは」

暫くの間、正体の察しが付いた"彼女"の演奏に聴き入っていると。










区切りが付いたのか演奏が止まる。

新島「…あら。いつからいたのかしら」

加賀「あ、終わっちゃったの?」

新島「悪いかしら」

加賀「いや…良い演奏だったからもうちょっと聴きたかったなって」

新島「…その"良い"演奏という言葉の定義は一体何かしら」

加賀「…定義?」

突然出てきた堅苦しい言葉に少し慌てる。

加賀「それは…どういう…?」

新島「…」

加賀「えっと…新島さんは何でピアノを弾いてたの?」

新島「作曲家の生きていた情勢をより深く理解する為よ。単調に学習を重ねるよりも、実物に触れていた方が理解が深まる…そう思ったのよ」

加賀「あ、そうなの…弾く事にその…歓びを感じてるとかそういうのじゃないんだね」

新島「単なる音の連なりに一体何を喜べと?」

加賀「あ、うん…」

冷酷だなぁ。

新島「…今、冷酷だと思ったでしょう」

加賀「えっ」

新島「結構よ。それは私でも自覚している事」

新島「感情なんて不要。そう思わないかしら?と言うよりも、正確には…感情が欠落している。その表現が正しいのかしら」




1 それじゃあの豹変は嘘ってこと?
2 新島さんには"好き"って感情もないってこと?
3 …心苦しくない?
4 過去に何か…?


↓1
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/27(月) 21:15:50.58 ID:VRFA9HjNo
142 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/27(月) 21:55:14.66 ID:OD1iiFw+0
加賀「…心苦しくない?」

新島「どうしてそのようなことを?」

加賀「いや…感情が感じられないって、何だか世間が狭く見えちゃう気がして…」

加賀「勿論本当に感情が欠落してるのかもしれないけど…いや…」

新島「…?」

加賀「前に感情を持ったスパコンだって言ってたけど…その感情すらなかったら」

加賀「その…スパコンに過ぎないんじゃないのかなぁって…」

新島「貴女の言う通りよ。ええ、そうよ!私はスパコンに過ぎないのよ…!」

新島「分かりきっていた事…それは分かりきっていた事…!」

新島「…分かりきっていた事だというのに、何故貴女は再燃させるのでしょうね」

加賀「…怒ってる?」

新島「いえ?さっきも言ったでしょう、感情が欠落していると」

加賀「…」

絶対怒ってるよね…。いや、でも『怒』の感情しかない可能性も有り得なくはない…のかなぁ。



いやでもそれ最初の発言に矛盾してるよね…!?








『通信簿 新島飛鳥 1/6』

『黒幕陣営であった彼女だけど…特にそういった感じにはやっぱり思えない』

『でもピアノを弾く事を楽しんでいると思ったら、逆に楽しみとは何かと質問されてしまった』

『流れで感情の欠落を明かしてきたけれど…その事実は心苦しくないのかなぁ』

『…と、言ってみたら立腹された。なんなんだよ、もう』









本日の自由行動 残り2回 


25芦本1/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
28谷1/6
23紡1/6
14露寺0/6
23新島1/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1  狭野(1) 芦本(2) 新島(3)は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/27(月) 21:59:12.65 ID:F3mcv3hDO
露寺
144 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/02/28(火) 00:32:19.92 ID:B7iESYuk0
                   PM 4:19     Recreation room


加賀「…ん?」

三階に降り立ち娯楽室の扉を少し開くと…。

加賀「…一人でダーツ?」

一人でダーツに勤しむ露寺さんの姿がそこに。

加賀「…露寺さん」

露寺「んん?…おー、コウちゃんか」

手を止めこちらへと寄ってくる。

加賀「一人でダーツしてたの?」

露寺「そうだよ?」

加賀「寂しくなかったの?」

露寺「普通に寂しかったよ?」

加賀「ならなんでやってたの…」

露寺「別にあたしがダーツしたかっただけ」

加賀「…」

露寺「楽しかったからギリギリセーフって感じ、かな?」

加賀「誰か誘えば良かったのに」

露寺「まあね…でもコウちゃんもアスちゃんも空いてなかったからさ」

加賀「…あっ」

空いてないよなぁ。さっきまで二人でいたんだし…。

加賀「それはごめん…ってことは、一人学者の息抜きってこと?」

露寺「まあね」

にしては格好が学者感ゼロだけどなぁ。






1 そんな格好で学者だって認識されるの?
2 …結構ダサくない?
3 その格好って拘りとかあるの?

↓1
145 : ◆MHdQKyTE3k [sage]:2017/02/28(火) 00:50:03.93 ID:B7iESYuk0
本日ここまでとさせていただきます
明日更新できるかは不明です ご了承ください
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/28(火) 00:52:49.69 ID:KFBwj5Y6o
乙と言いたいとこだけど誰か安価とってから閉めなよ
まぁ、誰も取ってないようなんで一応3で
147 :帰ってきたよ ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/11(土) 00:45:13.92 ID:bU/JoSq10
加賀「…その格好って拘りあるの?」

露寺「その格好?…この格好?」

加賀「そりゃそうだよ…」

露寺「拘りかぁ…え、なんでそんなこと聞いたの?」

加賀「いやまあ…なんとなくだけど…」

露寺「…そっか」

…若干顔が曇った…?

加賀「何か気になる事があるの?」

露寺「え?あ、ううん別に」

加賀「…で、なんでその格好なの?」

露寺「うーん…拘りがあるって訳じゃないんだけど、白衣はあんまし着たくないんだよねぇ」

加賀「生物学者なのに?」

露寺「…寧ろ生物学者だから、かなぁ」

露寺「ほら、一端の生物学者だったら別に白衣を着てたところで問題はないじゃんか?」

加賀「まあ、うん」

露寺「でも…ほら、あたしたちって一応"超高校級"なワケじゃん?」

露寺「そうなるとさ、やっぱ白衣着てて顔がバレてると…色々あるじゃんか」

加賀「…」

露寺「まあその内容は伏せるけどさ、簡単に言えばそういうことだよ、コウちゃん」

露寺「学者が白衣着なきゃなんないって考えも古い古い、古いよ古い!」

加賀「あ、うん…」

露寺「…反応が薄いよコウちゃん!」

…重たい話をしたからシメだけでも元気に振る舞ってるんだろうけど…。


でも"色々"の中身を聞くのは、まだ…ちょっと早いのかな。





『通信簿 露寺美緒 1/6』

『一人寂しくダーツをする露寺さんを見かける。…彼女は格好からして不思議だ』

『…彼女は白衣を羽織らない。でもそこに拘りは特にないらしい』

『その格好は生物系には到底見えず、どちらかというと工学系に見える』

『白衣を着ない上に工学系に見える生物学者って一体何だろう、とは思うけど…』

『追及は避ける事にした。少なくとも、まだ早いと思うから』



148 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/11(土) 00:45:54.67 ID:bU/JoSq10
本日の自由行動 残り1回 



25芦本1/7
14亜堂0/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
28谷1/6
23紡1/6
28露寺1/6
23新島1/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1  芦本(1) 新島(2) 露寺(3)は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/11(土) 00:46:31.83 ID:1xw3Yt65o
亜堂
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/11(土) 00:46:46.93 ID:8CZfRTEZo
亜堂
151 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/11(土) 01:18:33.36 ID:bU/JoSq10
                PM 8:18      Library


ふらっと図書室にやってくると、人の気配を感じた。

亜堂「…お、紅香さんか」

加賀「誰かと思ったら亜堂君か…」

…亜堂君か。

加賀「何読んでるの?」

亜堂「いや、別に」

加賀「別に?だって今…」

亜堂「ほら、あるだろたまに。ボーッとしたくなる時間が」

加賀「あ、う…うう?」

そんなことないよ…。

亜堂「…そんなことないって顔してんな」

加賀「ないよ!」

亜堂「…だろうなぁ。本を広げながら考え事は流石にレアか…」

加賀「私も考え事するときはあるけど本はないかな…」

亜堂「この考えばかりは二番目って訳でも無いか」

加賀「…そりゃそうでしょ…」

加賀「というか亜堂君、かなり二番目に拘るよね…」

亜堂「あたりめーだろ!なんてったって"二番手"だからな!」

加賀「まあ、そうだけど…二番手だからって二番目に拘るのはちょっと違うんじゃ…」

亜堂「甘い!」

加賀「甘いの!?」

亜堂「二番手に付けると言う事はな、俺自身が二番目でなくちゃならないんだよ!」

加賀「えぇ…」

亜堂「それは何にしたってそうだ!時間の過ごし方だって、趣味嗜好だって…」

亜堂「今の時点で二番手として捉えられない物は何とかしてそうしたいんだよ!」

亜堂「…勿論これが窮屈だってのは分かってるけどな」

加賀「分かってるんだ…」

亜堂「おうよ」



1 一体いつからそういうのを意識し始めたの?
2 それは…止めるってことはしないの?
3 …折角なら一番を目指したら…?

↓1
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/11(土) 01:19:56.57 ID:1xw3Yt65o
153 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/11(土) 01:58:15.11 ID:bU/JoSq10
加賀「…一体いつからそういうのを意識し始めたの?」

亜堂「いつからか…うーん…」

亜堂「高校生…といってもここに来てからだけどな」

亜堂「"超高校級の二番手"なんて肩書き貰っちゃったら、意識しねえ訳にはいかねえだろ?」

加賀「あ、そのタイミングなんだね」

亜堂「…それで中学から意識してたなんて言ったらおかしな話になるだろ」

加賀「…確かにね」

亜堂「これがまた一旦意識しちゃうとどうにも離れなくってな」

加賀「気合いでも無理?」

亜堂「無理だな。…というかまあ、実際この"二番手"は俺のアイデンティティみたいなもんだし」

加賀「…」

…それでいいのかなぁ。

亜堂「なんでそんな顔するんだよ」

加賀「えっ?」

…正直に言うのは……角が立つか。

加賀「いや…才能があるっていいなぁって…」

亜堂「…それは何だ?俺に紅香さんの才能をバラせってことか?」

加賀「そういう訳じゃ…」

亜堂「…言っておくけど俺の口からは漏らさねえぞ」

加賀「…逆に誰の口からなら…」

亜堂「そりゃ…自分で捜せ」

加賀「えぇ…」



『通信簿 亜堂銀二 1/6』

『"超高校級の二番手"というなんとも形容しがたい肩書きを持つ亜堂君』

『話していると、想像していた以上に二番手への執着が強いように思える』

『意識し始めたのがここに来てからだから、多分才能への執着が強いってことなんだろうけど…』

『…本当のところはどうなんだろう、分かんないな』
154 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/11(土) 02:03:48.72 ID:bU/JoSq10
本日はココまでとさせていただきます 更新は今後不定期になると思います
どこかのタイミングで残り六人(芦本 狭野 城須賀 亜堂 不知火 大江)のオシオキは投下するつもりです

何か質問ありましたらどうぞ 
155 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/13(月) 23:46:37.24 ID:qzO/XerH0
                 Day 5    Dining room

加賀「えーと…今朝は…今朝…」

…誰もいない。これはつまり自分で作る羽目になるんだけど…。

加賀「むー…ちょっとだけ待ってみようかなぁ。また馬の肥やしにもならない料理を作りそうだし…」

…ここは仮想世界じゃないから、食料は有限だしね…。





↓直下コンマ÷15 余りが名簿順に対応(樫月が余り7、以降ずれて新島は余り0) 但し91〜99の場合誰も来ない
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/13(月) 23:47:55.93 ID:DPRrK2F3o
157 :ちょっと今日ここまでになります すいません ◆MHdQKyTE3k [sage]:2017/03/14(火) 00:01:36.10 ID:LhaNRh7a0
 十五分経過


加賀「…来ない」

これはあれかな…自分で作れ、って神様の導きかなぁ…。

加賀「そこまではいかないにしても…作んなきゃなぁ。お腹も減ってきたよ…」

…仕方ない。私はそう思って自分に活を入れた。













加賀「でしょうね!」

…所要時間二十分。端的に調理を済ませる事で被害を最小限に留める。

加賀「留まってない!」

…目下にあるのは食べられない事もない、が…食べたくはない料理…らしきもの。

加賀「…しょうがないか、もう…」

恐る恐る口へと運ぶ…。

加賀「苦っ!」

…こんなことなら大江さん起こしてこれば良かったよ…!
158 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/15(水) 16:40:58.89 ID:rlDAKaMg0
本日の自由行動 残り3回 



25芦本1/7
28亜堂1/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
28谷1/6
23紡1/6
28露寺1/6
23新島1/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1 新島(1) 露寺(2) 亜堂(3) は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/15(水) 16:41:32.33 ID:wiPDmLYho
160 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/15(水) 18:04:24.39 ID:rlDAKaMg0
                   AM 9:49   Tsumugi's laboratory


紡「紅香さん、どうかした…?」

私が彼女の研究室に入ったとき、丁度彼女は縫い物をしていた。

加賀「ううん。別に大した用事があるわけじゃないよ」

紡「そ、そう…」

加賀「…何縫ってるの?」

紡「別に…大した物じゃないよ…」

加賀「そう言われるとますます気になっちゃうなぁ」

紡「…本当に…大した物じゃない、から…」

加賀「大した物じゃないなら別に言ってくれても…」

紡「言えるような物じゃない、から…」

加賀「…」

膠着状態になっちゃうなぁ、この流れ。コウだよ完全に。

…話題変えようかな。

加賀「うーん…」

何か良さそうな話題…話題は…。

加賀「…良い天気だね」

良い天気なのは事実だ。…部屋のカーテンは閉められているから、日光は入っていないが。

紡「そ…そうだね…」

相槌を打たれてはいるが、目は手元に集中している。…多分適当な返答。

加賀「…ほら、飯田君も外にいるし」

辛うじて見える校庭には飯田君の姿。入念に準備運動をしているから…多分走るんだろうな。

紡「…」

加賀「カーテン開けるよ?」

紡「…!だ、ダメ…!」

加賀「…ダメ?」

紡「日光は…その…」

紡「あまり浴びたくない…の…」

加賀「…それは腕の怪我と関係が…?」

紡「…うん…外に滅多に出なかったから…その…」

紡「苦手に…なっちゃって…」

加賀「…」




1 私と今度外で遊ばない?
2 それでもやっぱり健康のために…
3 …今から私と散歩しよっか

↓1
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/15(水) 18:07:57.14 ID:OrKlkbSDO
162 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/15(水) 18:49:09.13 ID:rlDAKaMg0
加賀「…今から私と散歩しよっか」

紡「え…」

彼女の手が止まる。…聞いてはいたようだ。

加賀「だって、ずっと日光を浴びないってのもちょっと…あれじゃんか」

加賀「日傘とか差してもいいからさ。…重装備でも構わないよ」

紡「で…でも…」

加賀「…だめ?」

紡「…」

加賀「縫い終わってからでもいいよ。ちょっとくらい、外に出ようよ。ね?」

紡「…わ…分かった…」

加賀「…じゃ、どれくらい…」

紡「準備するね…」

加賀「あ、縫うのは後なんだね…」




その後日傘にサングラスに日焼止めに…重装備に装備を重ねた紡さんと散歩をした。

…明らかに汗をかいていたけれど、決して装備を外す事がなかった。…どんだけ日焼けしたくないんだ。



『通信簿 紡紫葉莉 2/6』

『研究室に行くと、好天にも関わらずカーテンを閉め切って縫い物をしている彼女の姿』

『日光を浴びたくないが為に閉めていたらしいんだけど…』

『その理由を聞いてみるとやっぱり手の怪我が関係していた。…過去のことだからあまり強くは言えない…』

『それでも散歩にまでは漕ぎ着ける事に成功した。…日焼けが嫌すぎて本人だって分かんないくらい防護してたけど』







本日の自由行動 残り2回 



25芦本1/7
28亜堂1/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
22城須賀1/7
28谷1/6
38紡2/6
28露寺1/6
23新島1/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1 露寺(1) 亜堂(2) 紡(3)は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/15(水) 18:51:55.37 ID:OrKlkbSDO
城須賀
164 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/15(水) 21:33:25.50 ID:rlDAKaMg0
                    PM 2:18    Shirosuka's room


加賀「…ここにいたの」

研究室にいなかったので次は…と思い彼の部屋へ。

城須賀「…?」

加賀「…あれ」

何か聞きたかったんだけど…何が聞きたかったんだっけ。

城須賀「どうかしましたか…?」

加賀「…あ」

思い出した。

城須賀「…?」

加賀「城須賀君って演技上手いの?」

城須賀「急に何おっしゃるんですか…」

加賀「…ちょっと気になったから。"超高校級の演劇部"だけど、演技が上手いのか、それとも他の点に重きが置かれてるのか気になって…」

城須賀「…どう思います?」

加賀「えっ?」

城須賀「前に僕がここに来た経緯はお話ししたとは思いますが…そこから加賀さんが推測したのなら」

城須賀「…果たして僕の演技は上手なのか下手なのか」

加賀「えぇ…」

城須賀「確かに僕は一人芝居が評価されてこの場に来たのかも知れません」

城須賀「…でもそれが、高校演劇に特有である群像劇の形を取らない"一人芝居"、という特異性に因る物だとしたら?」

加賀「…」

城須賀「或いは演技どうこうよりも、たった一人の部員によって作り上げられた戯曲で」

城須賀「…全国という大舞台にまでのし上がってきた、その結果、努力を踏まえた物だとしたら?」

加賀「それは…」

城須賀「前者については前例を見ません。ですが後者であれば、少なからず類似例は存在します」

城須賀「多数で何かを成し遂げるのと、少数で同様の何かを成し遂げたとき評価されるのは決まって後者です」

城須賀「…多数であるからこそ、より盤石な態勢が築ける筈なのですがね」

加賀「…」

淀みなくすらすらと話されると…別人に思えてくるな…。

城須賀「話が逸れましたね。加賀さんは、どう思うんですか?」

城須賀「僕の演技は上手なのか、下手なのか」

加賀「私は…」



1 上手いと思う
2 並だと思う
3 下手だと思う
4 (任意回答)

↓1
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/15(水) 22:06:15.38 ID:wiPDmLYho
4上手いには上手いと思うけど、どこか違和感を感じる
166 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/15(水) 23:41:00.60 ID:rlDAKaMg0
どんな違和感感じたのか気になるなぁ…。



加賀「上手いには上手いと思う、けど…どこか違和感が…」

城須賀「…違和感?」

加賀「なんだろう…詳しく説明できるわけじゃないんだけどね」

城須賀「…成る程。面白い意見ですね」

加賀「そんなに面白いかなぁ…」

城須賀「ええ。とても」

加賀「…」

目は笑っていない。…やっぱり、何か違うように感じてしまう。

思い違い、なのかな。




『通信簿 城須賀翼 2/7』

『"超高校級の演劇部"である城須賀君だが、彼の演技をまともに見た事がない』

『折角なので演技が上手いかどうか聞いてみたら、さんざ理屈を並べ立てられたあと逆に質問で返されてしまった』

『私は憶測で上手い、が違和感を覚える…と答えた』

『…そのときの彼の目は笑っていなかった。…どこか逆鱗に触れたのか、将又…』







本日の自由行動 残り1回 



25芦本1/7
28亜堂1/6
14飯田0/6
14因幡0/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
37城須賀2/7
28谷1/6
38紡2/6
28露寺1/6
23新島1/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1 亜堂(1) 紡(2) 城須賀(3)は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/15(水) 23:54:40.23 ID:OrKlkbSDO
因幡
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/15(水) 23:55:12.39 ID:LMDALufro
因幡
169 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/16(木) 00:27:05.12 ID:WsV8odiH0
                    PM 4:55    


加賀「…?」

城須賀君の部屋から出て外をほっつき歩いていると、二階建て体育倉庫の上に人影を見た。

加賀「なんであんなとこに人が…」

紫のつなぎも見える。

…近付きたい気持ちも反面、怪しい人間だったらどうしようかとも思ってしまう。

加賀「まだ夏休みだしなぁ…いやでも…」

因幡「…何してやがんだ」

加賀「…え?」









因幡「大体不審者が体育倉庫の屋根で何してやがんだ」

加賀「それはそうだけど…でも何してるか分からないから不審者なのかなぁって」

因幡「だとしてもあんな距離でぶつぶつ言ってたら気付かれんだろ」

加賀「…そんなに声大きかった?」

因幡「でけぇよ。少なくともオレに聞こえてんだから不審者だったら確実に聞かれてんだろ」

加賀「…因幡君でよかったのかな、じゃあ」

因幡「…じゃあってなんだよ」

加賀「他意はないよ…あ、ところでなんで倉庫の屋根に?」

因幡「…頼まれたんだよ」

加賀「頼まれた?誰に?」

因幡「学園長だ」

加賀「…」

定期的に学園長の話題が出てくるけど…誰なの本当に!

因幡「久しく動いてなかったからな。見かねて修繕を、って訳だ」

加賀「へえ…」

因幡「…なんだその顔は」





1 やっぱりトンカチとか握ってると落ち着くの?
2 厄介ごと押し付けられたんだね…
3 よく命綱とかなしでやれるよね…



↓1
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/16(木) 07:21:20.42 ID:OOjPnO4Ho
171 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/16(木) 21:35:03.18 ID:WsV8odiH0
加賀「やっぱりトンカチとか握ってると落ち着くの?」

因幡「…トンカチ?」

加賀「えっ」

…手に持ってるのはトンカチにしか見えないんだけど…。

因幡「トンカチじゃねぇ、玄翁っつーんだよ」

加賀「げんのう…」

…。

加賀「どっちでもよくない?」

因幡「よくねぇ!」

加賀「ひっ!」

凄まれると流石に萎縮してしまう。

因幡「…トンカチは片側が釘抜き用に変形されてんだ」

因幡「玄翁っつーのは釘抜きがなくて両で釘を打てんだよ」

因幡「名前が違ぇんじゃなくてそもそも外形から違ぇんだ。…覚えとけや」

加賀「善処します…」

そんな違い知らないよ…。

加賀「あれ?でも釘を打つなら釘抜きがあった方が便利なんじゃ…」

因幡「…てめぇ誰に向かってそんな戯れ言言ってやがんだ」

加賀「…え、嘘でしょ?」

因幡「釘打ちをしくじる奴が超高校級の肩書きなんて背負わされねぇだろ」

加賀「いやでも一回くらい…」

因幡「…ねぇとは言えねぇ。…しくじったら釘抜きを取りに行きゃいい話だろ」

加賀「効率が悪いんじゃないかなぁそれ…トンカチの方が…」

因幡「…同じじゃねぇぞ、二面」

加賀「えっ」

因幡「片方は平坦で釘を打つ為に。もう片方は丘を形成していて釘打ちの締めだったりホゾ組みを容易にすんだよ」

加賀「はえぇ…」

理解が追いつかない…。

因幡「まあ、簡単に理解出来るもんじゃねぇからその点は安心しな」

加賀「そ、そう…」








加賀「で、結局持ってると落ち着くの?」

因幡「落ち着かねえよ全然」

加賀「あ、そうなのか…」




『通信簿 因幡国大 1/6』

『夕暮れの校庭で体育倉庫の修繕をしていた彼。…最初は不審者に見えてしまった』

『トンカチ…じゃなくて玄翁を持っていることに触れると、言い間違いを結構な勢いで糾弾された』

『何でも用途が違っているから…らしい。という訳で玄翁を使っている…とのこと』

『…奥が深いのか、それとも私の理解が浅いのか…大工現場はまだよく分からない』
172 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/16(木) 21:37:06.28 ID:WsV8odiH0
                    Day 6    AM 8:11



今日は偶然にも大江さんが食堂にいたので何とかちゃんとした料理にありつけた。

…毎日いて欲しいけど、彼女にも彼女の事情があるだろうし…どうにもしょうがない、のかな。










本日の自由行動 残り4回 



25芦本1/7
28亜堂1/6
14飯田0/6
28因幡1/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
37城須賀2/7
28谷1/6
38紡2/6
28露寺1/6
23新島1/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1 紡(1) 城須賀(2) 因幡(3)は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/16(木) 21:38:16.10 ID:kTWLHrADO
飯田
174 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/16(木) 21:54:15.18 ID:WsV8odiH0
汎用



…昨日ぶりに校庭に出てみる。

飯田「…お、加賀!」

加賀「あ、飯田君」

…今日もいる。元気で何よりだよ…本当に…。

飯田「お前も走りに来たのか?」

加賀「えっ?」

飯田「ん?」

加賀「なんでそういう発想に至るんだろう…?」

飯田「こんな朝早く外に一人で出てくるってことはつまりそういうことだろ?」

加賀「いや違うんだけど…」

飯田「…ま、細かい事は気にしないで走ろうぜ!」

加賀「勝ち目がない…」

飯田「俺だってアップしてねえんだから本気で走れねーって!」

加賀「それは私も一緒だからね?」

飯田「…確かにな」

バカなのかな…。

飯田「まあいいだろ、走るくらい」

加賀「…まあいいけど…」



…結局何本も走る羽目になった。…足が痛い。





飯田に何か渡しますか?渡すのなら下から選択



83 古代ツアーチケット
51 光線銃ズリオン
75 万力
28 赤いマフラー
88 アゴドリル
71 乙女キャリーバッグ
01 ミネラルウォーター
43 愛蔵リアクション芸集
16 子猫のヘアピン


↓1
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/16(木) 22:00:36.14 ID:OOjPnO4Ho
28
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/16(木) 22:01:03.43 ID:OOjPnO4Ho
28赤いマフラーで
177 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/17(金) 00:28:58.69 ID:xUtup80X0
飯田「…マフラー?このクソ暑いのにか?」

加賀「逆に暑いから、かな」

飯田「…なんだそれ。これってお前が作ったの?」

加賀「いや?マシーンから出てきた」

飯田「ああ…あれか。よりによってマフラー渡すか?」

加賀「あーほらさ、飯田君って赤似合いそうじゃん?」

飯田「…まあ嫌いじゃねえけど…なんだかなぁ…」

加賀「…じゃ返してよ」

飯田「はぁ!?そこまでは言ってねーよ!」

加賀「言ってるじゃんか…」

飯田「言ってねーって!」

…素直じゃないなぁ。





本日の自由行動 残り3回 



25芦本1/7
28亜堂1/6
07飯田0/6
28因幡1/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
37城須賀2/7
28谷1/6
38紡2/6
28露寺1/6
23新島1/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1 城須賀(1) 飯田(1) 因幡(2)は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 00:56:57.83 ID:zXUFxsCa0
179 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/17(金) 01:33:37.53 ID:xUtup80X0
                  AM 11:46   Gymnasium  


谷「…っ!」

加賀「…」

谷君だ。もうお昼時だというのに、トレーニングを切り上げる様子はない。

バスケットのゴールのリングを触りに行ったり、サスペンダーを使ったり、スクワットしたり…。体育館をフル活用してトレーニングしている。

このように激しいトレーニングだから、流石に食後にやるとは考えにくい…。

谷「…ふぅ…」

あ、一区切りついたみたい。

加賀「…谷君、大丈夫?」

谷「…見てたのか」

加賀「ハードワークだね…」

谷「そうか?…大したことねえって。表復帰にはこれくらいやらないと」

加賀「…」

…まだ執着してるんだね。まあ気持ちは分からなくはないけれど…。

加賀「でも、流石に量が多すぎるんじゃ…」

谷「…ちょっと怖いんだよ。失敗するのが」

加賀「…失敗?」

谷「今までに二回やらかしてるからな…失敗というか…挫折、なのか?」

谷「最初は中学二年の時だったか。ずっとエースを張ってたってのに、世代が変わると急に降ろされちゃってさ」

谷「…まだ考える能もなかったから、勝手にいじけて勝手に壊れてったのを覚えてる」

谷「…慢心を避けるための苦肉の策なんて理解出来るか?」

加賀「ええっと…うーん、どうだろう…多分理解は出来ても受け入れるのは出来ないかなぁ」

谷「だろ?最初の挫折はそこだ」

谷「二回目はここに来てすぐだ。肩書きが付いちまった所為で、嫌でも期待されるようになって」

谷「勝手に自滅してスランプ落ちだよ」

谷「ま、それも何とか、何とか復活したんだけど…」

谷「これで三度目だぜ?」

加賀「…」

谷「二度ある事は三度ある、って言うけどさ?なんかもう、引き時なのかって」

谷「…そう思っちゃう事も時にあるのが俺の弱いところだって、それも分かってるんだけどな」



1 …だったらあなたはまた強くなれるんじゃないのかな
2 そんなの挫折の内に入らないよ
3 …谷君は本当にバレーが好きなの?嫌いなの?


↓1
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 06:45:00.46 ID:4H89purDO
181 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/17(金) 19:09:13.10 ID:xUtup80X0
加賀「…谷君は本当にバレーが好きなの?それとも嫌いなの?」

谷「…」

加賀「答えてよ。…そうじゃないと、私は何もできない」

谷「…嫌いだって言ったらお前は何て返すんだ?」

加賀「それは…」

…しまった。バレーが好きだって返答しか想定してなかった…!

加賀「い、今から好きになれば…」

谷「散々バレーやっておいて好きにならねえ奴が今更ならねえだろ」

加賀「…まあ確かに…」

谷「ったく、片方の返答に対応出来ねえのにそんな質問すんじゃねえよ…」

加賀「ごめん…え、じゃ結局どうなの?」

谷「…好きじゃ無きゃこんなことやってねえよ」

加賀「…そっか。そうだよね」

谷「…で、俺がそう答えたときの返答は何だったんだ?」

加賀「…あ」

谷「まさかそっちも考えてねえの?」

加賀「いやいやいや…ちゃんと考えてるよ」

…曖昧だけど。

加賀「好きならその気持ちを前面に押し出せばいいんじゃないかな」

加賀「本当に好きなら、挫折が何度あっても…乗り越えられると思う」

加賀「まあ…こんな無責任な事を言うのもあれだけどね…」

谷「…一理あるな」

加賀「えっ?」

谷「いや、一理あるというか…なんとなくお前が俺を励まそうとしてるってのは伝わってきたわ」

谷「…なんか悪いな」

加賀「別にそんな…」




『通信簿 谷拝登 2/6』

『真夏にも関わらず突貫でトレーニングをし続ける谷君』

『なんでも挫折に対する恐怖心に因る物らしいんだけど…』

『話の途中で弱音を吐いた彼に私が排球への思いを尋ねてみると、思った通り彼は未だにそれを好いていた』

『…だったら立ち直って、また大舞台に立てるはず。私はそう彼に助言した』

『まあ、そうすることしか出来なかったんだけど』
182 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/17(金) 19:10:11.93 ID:xUtup80X0
                     PM 1:40

本日の自由行動 残り2回 



25芦本1/7
28亜堂1/6
07飯田0/6
28因幡1/6
14イモニア0/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
37城須賀2/7
42谷2/6
38紡2/6
28露寺1/6
23新島1/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1 因幡(1) 谷(3)は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 19:14:26.84 ID:g7vJY+eJo
イモニア
184 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/17(金) 23:59:09.46 ID:xUtup80X0
                    PM 2:19    Martial art hall


加賀「…」

何の気無しに武道場へとやってくると…。

加賀「柔道着がぐちゃぐちゃになってるよ…」

理由は分からない。が、異様な量の柔道着が山なりに積まれている。恐らく西側の棚から落ちたのだろうが…。

加賀「こっちは柔道とか剣道で…反対は卓球?ここにもあるんだね」

…暫く柔道着の様子を訝しんでいると。

加賀「えっ動いた!?」

訳が分からない。

加賀「うわっ!手が出てきた…」

…ダメだ、理解が追いつかない…。

イモニア「へ…Help…」

加賀「…イモニア君?」

辛うじて柔道着の中から聞こえるくぐもった声。

加賀「ヘルプって言われても…あ、とりあえずじゃあどかすね…」

…なんでこんな雑用を…。














イモニア「Oh,OK!OK!」

加賀「あんまり良さそうには見えないけど…」

十数枚の柔道着を剥いだところで、漸く彼の顔が見えた。

そしてその後数枚剥いだところで、先の発言。

イモニア「あとは拙者のarmの力でescape可能ネ」

加賀「ならいいけど…」

イモニア「…One,two,three!Hey、どうネ?」

加賀「どうって言われ…あっ!」

…彼の押し退けた数枚の柔道着が反対側の棚に当たる。

先に述べたように卓球用具が置かれている棚なのだが…運悪く何枚かが上段のピンポン球の籠に柔道着が当たり…。

イモニア「Umm!痛い!痛いネ!」

加賀「うわぁ…大変だよこれは…」

…一瞬の出来事だった。現場は柔道着とピンポン球が散乱する地獄の形相となった。

イモニア「Ahh…」

加賀「はぁぁ…」



1 注意して振り解かないからこうなるんだって…手伝うから早く片付けよ?
2 わ、私は何も知らないから!帰るからね!
3 …不運だね、まったく

↓1
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 05:12:31.18 ID:ahVFj08DO
186 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/18(土) 21:07:50.08 ID:/OnG9y580
加賀「注意して振り解かないからこうなるんだって…手伝うから早く片付けよ?」

イモニア「Ah…Ok…」

加賀「はぁ…面倒だよ…」

イモニア君、これじゃ幸運じゃなくて不運だよ…。









加賀「…よし!これで多分大丈夫!」

ここは現実だから勝手には直ってくれない。…隅の方に行ったボールまで捜さなきゃならないのは、正直苦痛だ。

イモニア「Sorry…」

加賀「いいっていいって。私に非はないけど、助けない義理もないし…」

イモニア「Sorry…」

加賀「大丈夫、それじゃ出よっか」

イモニア「OK…Ah!」

彼が叫んだとき、嫌な予感がした。

…果たしてそれは的中してしまう。

イモニア「Umm…Mm?」

一つだけ落ちていたピンポン球に足を滑らせた彼は咄嗟に棚に手を掛ける。

イモニア「Foo…Safe…」ガッ

…木の朽ちる音と共に、"運悪く"老朽化していた棚が崩れる。

加賀「また仕事が増えたよ!」

…中に入っていた大量の書類が散乱する。恐らく体育の対戦記録なのだろう…。

イモニア「Ahh…」

加賀「はぁああああ…」




『通信簿 イモニア・E・卯田 1/6』

『五日ぶりの再会は、何故か柔道着に埋もれた状態で始まった』

『仕方なく彼を救出した直後、脱出の拍子に卓球玉の入った籠が崩れ落ちる』

『…渋々その片付けを手伝いながら、彼の才能が"幸運"なんかじゃなく"不運"とか"悪運"なのではないかと私は疑い始めた』

『と、思った矢先にまたトラブルが発生。…なんなんだよ!もう!』
187 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/18(土) 21:09:05.62 ID:/OnG9y580
本日の自由行動 残り1回 



25芦本1/7
28亜堂1/6
07飯田0/6
28因幡1/6
28イモニア1/6
28大江1/6
28樫月1/6
23栗須1/6
25狭野1/7
28不知火1/6
37城須賀2/7
42谷2/6
38紡2/6
28露寺1/6
23新島1/6
(左の数字をコンマが下回った場合汎用イベント その内ぞろ目の場合据え置きゲーム、名簿順にぞろ目の数だけ前後に揺らして残るメンバー二人を選定 0は10と見なす)
(右は発生したイベント数/存在するイベント数)



↓1 谷(2) イモニア(3)は不可 (名前横の数字は行動不能ターンを示す)
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 21:09:50.34 ID:pM8ZduPuO
栗須
189 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/18(土) 23:40:26.99 ID:/OnG9y580
栗須「…あ、そういえば」

加賀「ん?なになに?」

イモニア君に散々振り回された後、私は食堂で栗須君に晩食を作って貰っていた。

栗須「紅香さんの家族ってどんな方々なんですか?」

加賀「家族?うーん…別に普通の人たちだよ」

栗須「そうなんですか。…お父さんのご職業は?」

加賀「えーっと…公務員だよ」

栗須「なるほどなるほど。ではお母さんは?」

加賀「…専業主婦だけど…」

栗須「ご兄弟は?」

加賀「兄が一人…」

栗須「ではその兄」

加賀「ちょっと待って」

栗須「…?」

加賀「なんでそう人のプライバシーに首をつっこみたがるの」

栗須「秘密って知っておきたくないですか?」

加賀「知らない方が幸せな秘密だってあると思うよ…」

栗須「ボクの中でこの秘密は知るべきだと判断しました」

加賀「…はぁ」

栗須「…話変えますか?」

加賀「可能なら変えて欲しいかな…」

栗須「同じクラスの皆さんの事、どう思います?」

加賀「どう思うって…皆普通に好きだけど…」

栗須「その中で特に意中の相手とか…」

加賀「…」

踏み込みすぎだよ…。流石に…。





1 あんまり踏み込むのはよくないよ…。
2 栗須君、って言ったらどうする?
3 …いないしいても言わないし


↓1
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 23:43:49.63 ID:pM8ZduPuO
2
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 23:46:06.41 ID:Qys2GcIfo
192 : ◆MHdQKyTE3k [saga]:2017/03/19(日) 00:23:06.37 ID:DqQRL3cu0
加賀「…栗須君、って言ったらどうする?」

栗須「…」

加賀「…」

…沈黙が続く。

栗須「…なんて、冗談でしょう?」

加賀「えっ?」

栗須「貴女のことが好きな男子がいるということは既にサーチ済みですよ」

加賀「…マジで?」

栗須「ええ。残念ですが、それはボクではありません」

加賀「…」

栗須「勿論本当にボクのことが好きならそれで構いませんが…」

栗須「話の流れ、そして若干ボクの追及にうんざりしていたのではないですか?」

栗須「だから先程のような発言をなさったのでは?」

加賀「…」

バレてる…。

栗須「それに、声のトーンが本気のそれではありませんでした」

加賀「なんでそんなところまで…」

栗須「冒険家ですから」

加賀「説明になってないよ…」

栗須「人の心理を少しくらい掌握出来なければ、相手の考えを読まなければ…」

栗須「ボクを騙そうとしている案内役は幾度と見てきましたから」

栗須「そういう悪人に引っ掛からない為にも、ボクはこういう技術を学んだんです」

加賀「…大変だね」

栗須「一回秘境に行けるとか言われて実は大蛇の住処だったってこともありましたし」

加賀「…」

栗須「気に食わなかったんですよ、多分。他人に自分たちの絶景を見せるのが」

加賀「…」



『通信簿 栗須鐘太 2/6』

『晩食を作って貰っていると、突然家族構成について聞き始めた彼』

『答えると更に深く探ってくるので一応釘を刺した…が、それでもまだ話題を変えてしつこく聞いてくる』

『真面目に答えるのもあれなので、ちょっとおちょくってみると…ものの見事に嘘だと見破られた』

『…冒険家って、心理学の要素もちょっとあるらしい。…知らなかった』
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