【安価】世莉架「安価でタクを楽しませちゃうよ」【CHAOS;CHILD】

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125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/02(木) 21:57:48.49 ID:iszYFEnp0
紅莉栖「エンスー2でもしましょ」

香月「ん!!」フリフリ

紅莉栖「あら、どうしたのあなた」

拓留「そいつはエンスー2プレイヤーなんですよ。学園の部室でもやるくらいの筋金入りのプレイヤーです」

紅莉栖「そうなのね」

香月「んっ」グッ

世莉架「PCはそれでいいんじゃない?」

久野里「おいお前たち!! 人の家のものを勝手にいじるな。第一そのパソコンがないと放送ができないんだぞ」

紅莉栖「いいじゃない、放送の5分前にはやめるわ、ね? いいでしょ?」ウワメヅカイ

久野里(うっ……)

久野里「か、勝手にしてください!!」フンッ

紅莉栖「それじゃあ勝手にしましょうか♪ ありがとね」

紅莉栖「えっと、あなたの名前は……」

香月「んっ」クイクイ

紅莉栖「えっ? 耳打ち?」スッ

香月「私の名前は、香月華――かも」ボソッ

紅莉栖「? 華、でいいのかしら?」

香月 コクコク

紅莉栖「OK.それじゃあはじめましょうか」

香月 ニコッ

セナ(はあ、私は>>126でもしてるか)
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 22:02:15.41 ID:CVrkGJtFo
買ってきたガリガリくんを食べながら物干し竿にツッコむ
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 23:03:15.51 ID:soOrXVGS0
ガリガリ君じゃなくてガルガリ君じゃなかったっけ?
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/03(金) 14:38:00.32 ID:d/Hz59zY0
セナ(買ってきたガルガリ君でも食べながらあのディソードらしきものについて追求してみるか)

セナ「久野里、澪――といったか」

久野里「? そうだが」

セナ(口の利き方がなっていないな……まあ気にしないでおこう)

セナ「さっきから気になっていたんだが、お前の持っている物干し竿に興味がある」

久野里「!」

セナ「とても見覚えがあるんだ」

セナ「いや、その言い方は正しくない――か」

セナ「ディソードを知っているか?」

久野里「……知っていたらどうする」

セナ「どうもしない。質問に答えろ」

久野里「知って……>>129

安価選択肢>>129
@知っている
A知らない
Bそんなことより表で出ろ
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 15:04:06.59 ID:yV8sScWcO

この二人が喧嘩しても久野里さんが勝ってる姿しか想像できないのは何故だろう
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 16:45:22.71 ID:yy+KjQic0
だってすぐチャンバラごっこするんだもん
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/04(土) 18:27:44.64 ID:uOxUEUJS0
久野里「知って……いや、それ以上はなす必要はない」

セナ「何?」

久野里「表へ出ろ」

セナ「……そうか」

セナ「わかった」


〜アパート前〜

セナ「お前が私のことをどう思おうと勝手だが、外に呼び出して何をする気だ?」

久野里「――お前にはカオスチャイルド症候群者が見る剣が見えるのか?」

セナ「ああ。私はギガロマニアックスだ」

セナ「だがカオスチャイルド症候群者と私――厳密に言えば私たちの間には違いがある」

セナ「症候群者の場合にはその能力――つまりエラーを生み出す能力が中途半端な形で現れるが」

セナ「私や他の本物のギガロマニアックスは完全な形で妄想を具現化できる」

セナ「人一人を生み出すことさえもな」

久野里「くっ……委員会が真に狙っているのはこれか!」

セナ「私一人をどうしたところで情強はさして変わらないと思うぞ」

セナ「委員会、と言ったな。それは300人委員会のことか?」

久野里「!」

セナ「そのようだな」

セナ「西條拓巳を知っているか」

久野里「6年前の渋谷でニュージェネの犯人に仕立て上げられた男だな」

セナ「そうだ」

セナ「あいつは今委員会に近い立場にある。かつて最強のギガロマニアックスだった男だ」

久野里「なに!」

セナ「私とあいつにはつながりがある。私がお前の思うところについて知っていることは多くはないが少なくもない」

セナ「碧朋学園。あれは学校などではないだろう」

久野里「ああ――あそこは収容施設だ」

セナ「エラーに迷える羊か」

セナ「あそこには委員会の人間がいる。それも低くない序列の人間が」

久野里「それは誰だ!! 教えろ!!」

セナ「教える義理はない」

久野里「貴様ァッ!!」ダッ

セナ つディソード

久野里「」ガクッ

セナ「お前は今聞いた話を忘れる」

セナ「生きるのに知ってはならない情報だからな」

セナ「数分後には目が覚めてきれいさっぱり忘れているだろう」

セナ「……」

セナ「さて、こいつを抱えて戻るか」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/04(土) 18:32:36.33 ID:uOxUEUJS0
1時間後

久野里「ぅぅ……」ムク

セナ「よほど疲れていたのか。眠ってしまっていたぞ」

久野里「? そうか――すまない」

紅莉栖「あ。あと10分くらいで日付変更ね」

久野里「! 放送の準備があるからゲームは――」

紅莉栖「5分前まであと5分だから! ね?」

久野里「――ぐっ。わかりました」

香月「ん! ん!!」

紅莉栖「け、ケツァルコアトルス!? きたわね」

久野里「はぁ」

世莉架「zzz」

有村「zzz」

久野里「勝手に押しかけてこいつらは寝るのか……くそ、なんて自由なやつらだ」

拓留「す、すみません」

久野里「ふん」

久野里(仕方ない、今日の放送の内容でも考えるか)

久野里(今日の放送は>>133をメインにしよう)
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/04(土) 18:50:32.76 ID:82TIw5UuO
ニュージェネ事件と西條拓巳
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 13:28:34.54 ID:6dYBYQrmO
世莉架さん達がフリーダムすぎて笑う
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/05(日) 18:13:02.72 ID:6mSOGQB/0
久野里(そうだな)

久野里「今日の放送はニュージェネ事件と西條拓巳についてメインにとりあげよう」ボソッ

拓留(西條……拓巳……だと?)

セナ(記憶が残っている? そんなはずは――偶然か)

紅莉栖「あら、そろそろ放送かしらね。華、一旦休戦としましょ」

香月「ん」

久野里(一旦ってまだつづけるの?)


久野里「おほん。それでは準備するから、機材には触らないようにしてくれ」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/05(日) 18:23:02.45 ID:6mSOGQB/0
久野里「午前0時になりました。こんばんわ。ケイさんです。」

紅莉栖「へぇ、ああやって放送してるのね」ヒソヒソ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

久野里「今回は、ニュージェネ事件と西條拓巳をメインに進行しようと思います」

久野里「6年前――渋谷を襲った大災害、通称渋谷地震は都市機能を大きく低下させ人々を混乱させました。被害者の数も甚大であったのは皆さんも記憶していることと思います」

久野里「さて、そのような状況下で、皆さんは覚えているでしょうか。――西條拓巳という男を」

久野里「この男はニュージェネ事件の犯人として晒されるも無実が証明された人物です」


セナ(懐かしいな……)


久野里「しかし、考えると妙ではないでしょうか。なぜあのような猟奇的殺人事件の犯人に仕立てたげられたのか……冤罪が判明したという点もなにやらひっかかるものがあります」

久野里「一説によると、あの一連の事件にはとある大企業が関与していたという情報もあります」

セナ(希グループか……)

久野里「西條拓巳の通う学園――翠明学園は、希グループという大企業の傘下にありました」

久野里「この奇妙な一致をどのように捕らえるかは、リスナーの皆さんにお任せします」

久野里「それでは本日はこの辺で、さようなら」

セナ「……」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/05(日) 18:27:50.91 ID:6mSOGQB/0
世莉架「ふわぁぁぁぁ……あれ? タクは?」

拓留「ここだよ」

世莉架「あっれー? 私、寝ちゃってたんだ〜」

拓留「自由だな、尾上は」

世莉架「ここは久野里さんの家でいいんだよね?」

拓留「ああ」

世莉架「あれ? でも他にもいろんな人がいたような」

拓留「牧瀬さんと蒼井さんはもう帰ったよ。香月も牧瀬さんに送られてな」

世莉架「そうだったんだ〜」

世莉架「ねえタク、今日は楽しかった? ごめんね、私寝ちゃってたけど」

拓留「まあ、楽しかったんじゃないか? ニュージェネ事件に対するケイさんの意見を聞いて僕もいろいろ考えさせられたし」ニコッ

世莉架「そっか〜よかった」

有村「zzzzzz」

久野里「お前らいつまで居座る気だ……! この金髪に限ってはまだ寝ているぞ!」

拓留「すみません。有村は僕が担いでいくので」

世莉架「タクにそんな筋力があったとは知らなかったなあ(羨ましいなあ)」

拓留「ば、バカにするなよ……」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/05(日) 18:29:43.24 ID:6mSOGQB/0
世莉架「またしても喜んでもらえた♪ よかったあ」

世莉架「明日は何しようかな」

何をするか>>139

誰と>>140

飛び入り参加キャラ(科学シリーズ)>>141
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:48:00.70 ID:krYQP69A0
ポケモンGO
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:53:03.17 ID:DaleBtaJ0
香月
結衣
結人
うき
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:53:13.75 ID:AxAKzp8FO
綯さん
まゆしぃ
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 20:05:39.64 ID:fiSd6j8eo
まだ続けるの?って思わず心の中で呟いちゃった久野里さんかわいい
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 10:07:36.46 ID:VzKzLSjDO
そういえばカオチャは2015年の話だから綯さんは16歳になるのか
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/06(月) 19:00:25.36 ID:S9pLJzbo0
世莉架「ねえタク! 一緒にポケモンGOやろうよ!」

世莉架「華ちゃんと青葉寮の子たちにも声かけたからさっ」

拓留「僕は遠慮するよ。あんなのは情弱のやることだ」

拓留「一席ぶってやろう……ポケモンGOをプレイしていることによる交通事故の発生件数は――」

世莉架(うわぁ始まっちゃった!)

世莉架(どうしよう……このままだとタクがやってくれない……)

世莉架(タクをやる気にさせる一言をお願い! >>145さん!)
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 19:05:34.01 ID:iWpS4poLO
実際に一度もやらずにネットの情報だけ見て知ったつもりになって批判するのは情弱じゃないの?
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 20:25:28.08 ID:UfyED7XSo
クリティカルヒットですわ
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 22:38:08.68 ID:VfaAYPEOo
世莉架からこんな正論もらったら拓留立ち直れないんじゃないかとちょっと心配してしまう
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/09(木) 11:00:58.21 ID:FifiKfmW0
世莉架「でもタク」

世莉架「実際に一度もやらずにネットの情報だけ見て知ったつもりになって批判するのは情弱じゃないの?」

拓留「……」

拓留「……」

拓留「……」

拓留 ダッ

世莉架「ああっ! 逃げた!!」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/09(木) 11:06:06.80 ID:FifiKfmW0
世莉架(そうだ! 今回のことには結衣ちゃんたちを誘ってるから、思考誘導で青葉寮に向かってもらおう!)

世莉架(そうすれば逃げられないよね)エヘヘ


〜青葉寮〜

拓留「はあっ……はあっ……あれ、何で僕はここに来たんだろう」

拓留「のどが渇いたな」

拓留「マウンテンビューはないかもしれないけど、お茶ぐらいはあるか」

結衣「あっ! 拓留兄ぃ! 帰ってたんだ!」

拓留「あ、結衣」

結人「おかえりなさい、拓留兄ぃ」

うき「お、おかえりなさい」

結衣「世莉架さんから話は聞いてるよ? もう、ダメダメだなぁ拓留兄ぃは」

拓留「お前何言って――」

結衣「正座!」

拓留「?」

結衣「せ・い・ざ――拓留兄ぃは正座の意味もわからないのかな?」

拓留「そ、それくらい知ってるさ」

結衣「じゃあわかるでしょ? ほら正座して?」

拓留(なんで来栖の強い部分を受け継いでるんだこいつは)
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/09(木) 11:12:02.14 ID:FifiKfmW0
拓留 セイザ

結衣 ガミガミ

拓留(中学2年生に説教されるとはな)

拓留(く……今回ばかりは認めざるをえないか――はぁ)

結衣「聞いてるの?! 拓留兄ぃ」

拓留「はいっ」

結衣「もう……」

世莉架「おじゃましまーす」ガチャ

結衣「あっ、世莉架さん!」

世莉架「こんにちは。あ、タクいるじゃん」

拓留「尾上……!」

世莉架「もういいから、今日は皆であそぼ? ね?」

拓留「わ、わかったよ」

結衣「まったく拓留兄ぃは>>151
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/09(木) 12:01:35.86 ID:JkBS0GZmO
私がいないと本当にダメなんだから
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/09(木) 20:34:42.80 ID:FifiKfmW0
結衣「拓留兄ぃは私がいないと本当にダメなんだから」

拓留「?」

世莉架「えっ」

結衣「そんなしょうがない拓留兄ぃのために今日は私が一緒にいてあげる! ね?」

拓留「な、なんだよ……中学生にかまってもらうほど僕は――」

結衣「その中学生に説教されてたのは誰?」

拓留「……僕、です」

結衣「素直でよろしいっ。じゃ、行こ? 拓留兄ぃ」ガシッ

拓留「お、おい――腕に抱きつくなよ、窮屈だから」

結衣「まあまあそう言わずに、ね」

チョ、イタイッテ ユイ

世莉架「」

結人「せ、世莉架――さん?」

うき「あの、その……」

世莉架「私たちも行こっか」

うき・結人「はい」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/09(木) 20:43:31.45 ID:FifiKfmW0
拓留「あ、そういえばまだポケモンGOをダウンロードしてなかったな」

拓留(厳密にはインストールも)

結衣「あっ、拓留兄ぃはそれやんなくていいよ」

拓留「どういうことだ?」

結衣「私のスマホに入れてあるから、一緒にやろうよ」

拓留「……」

結衣「どうしたの拓留兄ぃ」

拓留「いや、その――恥ずかしい、だろ、それ」

結衣「はぁ……拓留兄ぃは高校2年生にもなってそんなことを恥ずかしがってるの? だから彼女できないんだよ?」

拓留「なっ――僕はリア充だぞ。彼女の一人や二人……」

結衣「そういう反応こそが裏付けてるよ。ていうか二人以上いたらどんびきだよ拓留兄ぃ」

拓留「むっ……」

結衣「まぁ、拓留兄ぃに彼女ができなくても、私が面倒見てあげるから、それでいいでしょ?」

拓留「なんだよそれ」

結衣「乃々姉ぇにいろいろ教わってこれでも結構女子力高いんだよ? あ、あと主婦力も」

結衣「学校の勉強だってがんばれば将来的に拓留兄ぃを養うことだって可能だし」

結衣「そのときは青葉寮から一緒に出て賃貸に住んで、マイホームを夢見るの」

結衣「よくない? これ」

拓留「は、はは……楽しそうだな」

結衣「でしょ? えへへ」

拓留「結衣……」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/09(木) 20:51:55.65 ID:FifiKfmW0
拓留(結衣ってこんなに可愛かったか?)

拓留(僕が青葉寮にいない間に、いろいろ変わってるな――人もモノも)

結衣「あっ、プリン発見!」

結衣「ほらほら見て! 可愛いねプリン」ギュウ

拓留(ま、また僕の腕に抱きついて――)

結衣「どうしたの拓留兄ぃ。ぼーっとして」キョトン

拓留「な、なんでもない」

結衣「捕まえちゃおーっと」ポチッ

拓留(結衣――いい匂いだ)

拓留(もっと嗅いでいたい……)スンスン

結衣「うわぁっ! ちょっと拓留兄ぃなにしてんの」

拓留「!! ご、ごめん!! いい匂いだったからつい」

結衣「いい匂いって――もう変なこと言っちゃだめなんだからね///」

結衣「鼻息でバレバレだよ。気づかれないようにしなよ、もう」

拓留(気づかれなければいいのか?)
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/09(木) 20:53:37.59 ID:FifiKfmW0
結衣(久しぶりに拓留兄ぃと二人きりだけど、全然変わってないなあ)

結衣(子供っぽいところは特に。これじゃあどっちが年上かわかんないよ)

結衣(そういうところも可愛いけど)

結衣(よし、拓留兄ぃに>>156してみよっと)
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/09(木) 22:24:33.24 ID:5fiDbvIOO
腕をギューッとして甘えてみる
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 15:36:54.88 ID:PNQv4LT00
結衣(私は妹だもん。甘えたっていいよね)

結衣「ねえ拓留兄ぃ――ううん、お兄ちゃん」ギュゥゥ

拓留「?!?!」

結衣「結衣お腹空いちゃった」

結衣「だから、お兄ちゃんとお茶しながら休憩したいなぁ」ウワメヅカイ

拓留「え、ええと、その――」

結衣「だ め ?」ウルウル

拓留「だめ……ってことないぞ、うん、そうしよう」

結衣「やった! お兄ちゃん大好き!」

拓留(あっかーん!!)

拓留(お兄ちゃん呼びは、あっかーん!!!!)
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 15:42:21.46 ID:PNQv4LT00
拓留(もしかして……結衣は僕のことが――)

拓留(ためしに>>159してみよう)
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 15:59:21.61 ID:c40PUXIlO
壁ドンからの顎クイ
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 17:32:42.96 ID:tCt2Xe7SO
これはいかん
おっけいさんがおっけいの暗黒面に落ちてしまう
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 18:03:06.54 ID:fsELCIjHo
子供相手に灰おっけいになる可能性が微レ存…?
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 18:06:18.42 ID:PNQv4LT00
拓留(よし……! 壁ドンからの顎クイだ!)

拓留「結衣ッ」

結衣「ん? どうしたの拓留兄――」

ドンッ

拓留「結衣……」

結衣「た、拓留兄ぃ/// どうしたのいきなり壁ドンなんてっ」プイッ

拓留「こっち、むけよ」

結衣「はうっ」クイッ

拓留「……」

結衣「……///」

拓留「……」ジィーッ

結衣「そ、そんなに見つめないで……///」

拓留(キス――していいよな、もう)

チュ

結衣「〜〜〜〜〜〜??!??!?!」

結衣「ぷはあっ、ちょ、ちょっと拓留兄ぃ!!」バシン

拓留「あ痛てっ」

結衣「私のファーストキスが……」

拓留「ご、ごめん!! いやだったよな」

結衣「ん――ううん、嫌……ではないよ」

拓留「そう、なのか?」

結衣「うん。でも――」

チュッ

結衣「不意打ちはダメなんだからね//// もうっ」

拓留 ポカーン

結衣「か、帰ろっか。拓留兄ぃ」

拓留「そ、そうだな……」

スタスタ

結衣「……」

拓留「? なんで歩かないんだよ、結衣」

結衣「やっぱ足りない」

拓留「え?」

結衣「拓留兄ぃ――覚悟っ!!」ダダダダッ

結衣「えいっ」ピョン

チュウッ

結衣「んんんん〜〜〜〜!」ギュウウウ

拓留(キスからのハグって!! というか結衣の力が結構強い……)

結衣「拓留兄ぃ!」

拓留「は、はい!!」

結衣「今日は楽しかったよ!! だからね、最後にギュってして!!」

拓留「――ああ」ギュッ

結衣「ふふっ」ギュウウ

拓留(結衣が泣いているように見えたのは、気のせいだったのだろうか)
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 18:13:44.48 ID:PNQv4LT00
〜青葉寮〜

世莉架「あ、おかえり〜」ポー

拓留「た、ただいま……」

結衣「ただいまっ」

拓留「尾上、なんだか意気消沈してないか?」

結人「うん、なんか言いだしっぺなのに終日こんな感じだったよ」

結人「結局その辺をちょっと散歩するだけで帰ってきちゃった」

うき「そ、それで、世莉架さんずっとこんな感じなんです」

世莉架「(・д・)……」ポー

拓留「そ、そうなのか」

結衣「……」

うき「世莉架さん、どうしちゃんたんですか? 元気出してくださいっ」

世莉架「(・д・)プー」

世莉架「タクっ」

拓留「な、なんだ?」

世莉架「今日は楽しかった?」

拓留「ま、まあ、そうかもな」

世莉架「そっかぁ、それならよかったぁ」

世莉架「じゃ、おやすみ、タク」スタスタ

拓留「おやすみって、まだ夕方だぞ」

うき「あ、帰っちゃいました」

結人「僕たちが何か怒らせるようなことしたのかな?」

うき「そうじゃないといいんですけどね」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/10(金) 18:17:28.10 ID:PNQv4LT00
結衣「ね、ねえ、拓留兄ぃ」

拓留「どうした?」

結衣「今日はうちに泊まっていくの?」

拓留「どうしようか……」


バタフライ効果による世界線分岐発動


安価>>165から>>169までの多数決で、二者一択の選択肢。


青葉寮に泊まる OR キャンピングカーに帰る


結果によりルートが分岐します。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 18:18:35.62 ID:ZjihTBy90
青葉寮に泊まる
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 19:09:18.57 ID:TcWxVIw6o
帰る
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 19:11:14.23 ID:QBv1ClHmo
帰る
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/03/10(金) 19:12:36.75 ID:J2INldrMO
泊まる

まさかルート分岐で殺人鬼になったりしないよな……?
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 20:09:20.51 ID:i288c0ykO
泊まる
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 20:30:20.57 ID:PNQv4LT00
世界線変動率1.031415%

――分岐。

拓留「今日は、青葉寮に泊まっていくよ」

結衣「本当っ?!」パァァ

うき「ふふ、結衣ちゃん嬉しそう」

結人「拓留兄ぃとここで過ごすなんて久しぶりだなぁ」

拓留「ははは、そうだな」

結衣「もうすぐしたら乃々姉ぇも帰ってくるから、今日はお料理がんばっちゃうね!」

拓留「ああ、楽しみにしてるよ」

拓留(尾上――大丈夫かな)

拓留「……」

拓留(まあ、あいつなら大丈夫だろう)
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 20:31:11.31 ID:PNQv4LT00
日常パートは終了です。

ここからはストーリーメインに書いていくので安価も抑えていきます。

がんばって書きます。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 20:33:53.07 ID:0Tt52IVKO
乙です
どうなるか非常に楽しみ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 20:34:40.81 ID:PNQv4LT00
来栖「ただいま――って拓留!? どうしてここに!」

拓留「どうしてっていうことはないだろう。ここは僕の家なんだから」

拓留「な? 乃々」

来栖「あなた今名前で……」

拓留「どうしたんだ?」

来栖「い、いえ……なんでも、ないの」ポロポロ

拓留「おい! どうして泣くんだよ……心配するだろ」

来栖「本当に、なんでも……ないの」

来栖「よかった……拓留が帰ってきてくれて」

拓留「ああ、僕は帰ってきたよ」サスサス

拓留(そうだ。これでいいんだ)

拓留(青葉寮が僕の家で――)

拓留(ここに住んでる人たちが僕の家族だ)

拓留(僕はもとあった日常に戻っただけなんだ)

拓留(――それだけだ)
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 20:39:06.85 ID:PNQv4LT00
数日後

拓留(僕はリア充を気取るのも情強と言い張るのもやめた)

拓留(ごく普通の日常が良いと思えたんだ)

拓留(新聞部の記事も校内のゴシップに的を絞って大衆化した)

拓留(おかげで新聞部の人気も出た)

拓留(楽しい。毎日が楽しい)

拓留(一つ気になることは――尾上がここ数日学校に来ていない)

拓留(和久井先生の話では、尾上は今音信不通だとか)

拓留(本来なら僕も首を突っ込むところなんだけど)

拓留(余計な詮索はしないことにした)

拓留(今は日常を大切にしたいから)

拓留(僕は――情弱で非リアな、一般人だから)
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 20:40:15.65 ID:PNQv4LT00
ちょっと前に安価で飛び入り参加キャラ募ってたのでどっかでだします。
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 20:47:04.47 ID:QBv1ClHmo
世莉架さん……
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 20:48:15.78 ID:PNQv4LT00
日曜日

拓留「乃々! 今日は出かけてくる!」

来栖「あら、拓留。もしかして……また妙な事件を追っているんじゃないでしょうね」

拓留「違うって。僕はそういうのにかかわるのはやめたんだ。黒歴史なんだよ」

来栖「ふふふ。ようやくわかってくれたのかしら。私は嬉しいわ」

拓留「なんだよ、もう。とりあえず行ってくる!」

来栖「気をつけていってらっしゃい!」

結衣「おはよ……って拓留兄ぃこんな早くにどこいくの?」

拓留「ちょっと、秋葉原にな」

結衣「ええっ!? 拓留兄ぃオタクさんになっちゃったの?!」

拓留「悪いかよ」

結衣「いや、悪くはないけど……まあ、趣味を否定してちゃ喧嘩になっちゃうもんね」ボソボソ

拓留「?」

結衣「ううん、こっちの話。気をつけてね」

拓留「ああ」

結衣「あっ、その……」

拓留「っと――なんだ?」

結衣「今日の夜も……お願い、ね」

拓留「あ、ああ。あれか」

結衣「拓留兄ぃとじゃないとだめなの」

拓留「はあ……なんでここにきて一人で眠れないんだよ。結人だって一人で寝てるじゃないか」

結衣「なんでも! とにかく、ね///」

拓留「わかったよ。今度こそ行ってきます」ガチャ


拓留(あれ以来――結衣が妙に僕にべったりになった気がする。結構な頻度で一緒に寝るようせがまれる)

拓留(結衣の体も結構成長をはじめてるから……僕としてはどうしていいのかわからない)

拓留(これも、今までと違う日常の点だ)

拓留(尾上と結衣――なにをきっかけにかはわからないけど、今までとどこかちがっている)

拓留(でも僕は気にしないことにした)
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 20:51:53.65 ID:PNQv4LT00
〜山手線車内〜

ガタンゴトン

拓留(秋葉原に行くのはとあるところに行くのが目的だ)

拓留(――『未来ガジェット研究所』)

拓留(この前の取材以来、あそこの人たちとは仲良くさせてもらっている)

拓留(橋田さんは変態だけどコンピュータの知識がすごい)

拓留(紅莉栖さんは理論に関して右に出るものはいない)

拓留(まゆりさんは可愛い)

拓留(岡部さんは……うん、なんというか、うん)

拓留(だけど一緒にいて飽きない人たちだ)

拓留(彼らのおかげで、平凡な日常にスパイスが効いてる)
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/10(金) 21:32:27.31 ID:PNQv4LT00
〜未来ガジェット研究所〜

拓留「こんにちは」

まゆり「あっ、タッくんだ〜トゥットゥルー♪」

岡部「おお! 宮代よ! よく来たな」

紅莉栖「あら、いらっしゃい。コーヒー淹れるわね」

拓留「今日はお三方なんですね」

岡部「いかにも。マイフェイバリットアームは現在出張中でな」

拓留(橋田さんのことか)

拓留(この未来ガジェット研究所は数年前に法人化されていて、今では橋田さんや紅莉栖さんを戦力に利益をあげているらしい)

岡部「そうだ宮代、新たな未来ガジェットを俺は開発したのだ!!」

岡部「その名も>>180!! >>181することが可能だ!!」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 21:50:14.60 ID:yVl7kG7nO
電話レンジ(真)
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 22:49:00.22 ID:ZjihTBy90
携帯電話で遠隔操作
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/11(土) 19:10:19.29 ID:RG3MxoWR0
岡部「その名も電話レンジ(真)!! 携帯電話で遠隔操作することが可能だ!!」

ダル「ちょ、それ昔作った電話レンジ(仮)のまんまじゃん。というかあれはオカリンが自分から破棄した件について」

紅莉栖「まーたガラクタ作りおってからに。こいつは」

岡部「が、ガラクタなどではない!! 遠隔操作ができるという手軽さは大事だ!」

拓留「はは……」

岡部(タイムマシンでないだけマシだ――とは言うまい)

岡部(この世界線ではラウンダーに終われることも、誰かが死ぬこともない)

ダル「そういえば宮代氏は今度大学受験なん?」

拓留「あ、はい。そうです。理系で受験しようと考えています」

ダル「なつかしいお……。正直僕とオカリンは勉強あんまり得意ではなかったお。でもまあ仲良く東京電機大学にいったわけで」

岡部「スーパーハカーでありマイフェイバリットアームのダルが違う進路など考えられなかったからなあ!」

ダル「オカリンは変わらないお。まあ、僕たちも学歴とか気にする人間じゃないから後悔はしてないけどね。宮代氏は頭いいほうだと思うしもっと上目指せると思われ」

拓留「はは……浪人覚悟でがんばります」

紅莉栖「わからなかったらなんでも聞いてね」

ダル「うは、これは百人力!」

拓留「ありがとうございます」

まゆり「タッくんも大学生か〜。大学生になってもラボには顔出してね〜」

岡部「うむ。まゆりの言うとおりだ。なにせ宮代はラボメンナンバー010だからな!」

拓留「はい」

拓留(ここの人たちは良い人ばかりだ)

拓留(僕が望んでいたのはこういう人の輪なのかもしれない)
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/11(土) 19:12:08.33 ID:RG3MxoWR0
>>182の冒頭に

ダル「ひー。今日は早めに仕事終わったお」ガチャ

を追加でお願いします。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/11(土) 19:20:17.28 ID:RG3MxoWR0
〜青葉寮〜



拓留「ふぁぁ……熱力学が苦手だな、僕は」

拓留「そろそろ寝るか……」

コンコン

拓留「はい」

結衣「拓留兄ぃ?」ガチャ

拓留「あ、結衣か」

結衣「うん。そろそろ拓留兄ぃ寝る頃かなって思って」

拓留「ああ、そうだよ(なんでわかったんだろう)」

結衣「迷惑じゃなかったらさ、今日もお願いしたいな……」

拓留「一緒に寝るのか?」

結衣「うん」

拓留「まあ、いいけど」

拓留(ちょっと悲しそうな顔で言われるから断れるわけがない)


結衣「んんっ。拓留兄ぃの体あったかーい」サスサス

拓留「お、おい。やめろって」

結衣「え、だめー?」

拓留「ダメって言うか……その――」

拓留「ああ、もう! 結衣はもう少し――自分の体の形を理解したほうがいい……」

結衣「?」

結衣「あ、もしかして興奮したの?」

拓留「……」

結衣「拓留兄ぃってばエッチなんだ」

拓留「……うるさい」

結衣「いいよ――私のこと襲っても」

拓留「え、え?!」

結衣「って、拓留兄ぃには無理か。チキンだもんね」

拓留「ば、バカにするなよ! 僕だって――」

結衣「僕だって、何?」

拓留「……」

結衣「ふふ、おやすみ、拓留兄ぃ」

拓留「ったく」

結衣「襲っていいっていうのは本当だからね」ミミウチ

拓留「!」

結衣「zzzzzz」スゥスゥ

拓留「……」

拓留「結衣か……」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/11(土) 19:21:51.47 ID:RG3MxoWR0
























<●> <●>

























186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/11(土) 19:27:18.57 ID:RG3MxoWR0
拓留「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」ガバァッ

拓留「はあっ……はあっ……」

拓留(な、なんだ今の!!)

拓留(視線――だけどとんでもないプレッシャーだった)

拓留(どこから見られているかもわからない)

拓留(どこからでも見られているように感じた)

拓留「ヒィッ…… ヒィッ……」

拓留(過呼吸気味になってる。やばい、やばい)

結衣「た、拓留兄ぃ?」ボケー

拓留「あ、ごめん。起こしちゃったよな」

結衣「ううん。いいよ。拓留兄ぃいやな夢でも見たの?」

拓留「夢――ならいいんだけど」

結衣「?」

拓留「いや、心配しないでくれ」

結衣「拓留兄ぃ」

拓留「どうしたんだ」

結衣「私の胸に顔埋めて」

拓留「と、突然どうしたんだよ」

結衣「拓留兄ぃは疲れてるんだよ」

結衣「だからギュってしてあげる」

結衣「おいで」

拓留「……」

拓留 ポスッ

結衣「よしよし」ナデナデ

拓留(結衣の胸……膨らみがある。もう結構成長しているのかもしれない)

拓留(やわらかい。このままこうしていたい)

拓留(……)

拓留「zzzzzz」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/11(土) 19:37:49.80 ID:RG3MxoWR0
翌日

〜碧朋学園・新聞部部室〜

有村「はぁ、今日はヒマっすねぇ」

拓留「有村はそもそも新聞部の部員じゃないだろう」

有村「こまけぇこたぁいいんだよ、ってね。まあいいじゃないですか宮代先輩」

有村「それより、せり――どうしちゃったんでしょうかね」

拓留「尾上のことか?」

有村「はい。あんな元気な子が突然音信普通って絶対おかしいと思うんですけど」

拓留「まあ、確かにな」

有村「なんか、あんまり気にしてなさそうですね、先輩」

拓留「え?」

有村「私、せりと先輩は付き合ってるものだと思ってましたから」

有村「もしそうだったらその反応はいくらなんでも冷たすぎっすから」

拓留「僕と尾上は――」

――付き合ってないよ。

有村「そうすかー残念だなー良い子だと思うんすけどね」

拓留「まるで僕がダメな子みたいだな」

有村「あれ、気づいてないんすか?」

拓留「お前な……」


拓留「あ、そういえばさ」

拓留「自分が誰かに見られてるんじゃないかって思うことってあるか?」

有村「いやーどうですかね」

有村「私には人の嘘がわかるだけなんで――見られているかどうかってことに気を配ったことはないかもしれないです」

拓留「そうか」

有村「先輩はそういうことあるんですね?」

拓留「ああ、昨日あった」

有村「失礼かもしれないっすけど、統合失調症とか疑ってみてもいいんじゃないんすかね」

拓留「確かにここ最近どこかで精神的に疲弊してる感じがする」

有村「あんまり無理しないでくださいよ」

拓留「ああ、わかった」

有村「今日って華もいないですけど――他の部員はどうしたんすか?」

拓留「伊藤はファンタズムの新しいCD買いに行って、香月は課題が終わらなくて居残り。来栖は生徒会の打ち上げだな」

拓留(尾上は行方不明――とは言わない)

有村「じゃあ私たちふたりきりっすね」

拓留「み、妙なこと言うなよ」

有村「あれ〜? もしかしてビビッてたり?!」

拓留「ぐっ……」

有村「もう、可愛いっすなあ宮代先輩は」

有村「あ、それじゃあこれから二人で行きません? カフェLAX」

拓留「そうだな。今日は暇だしな」

有村「それじゃれっつご〜」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/11(土) 19:49:21.81 ID:RG3MxoWR0
〜カフェLAX〜

エリン「おぬしらか。今日は二人かえ?」

有村「そうでーっす!」

拓留「ああ、そうだ」

エリン「ふむ。今日はあの元気っ娘はおらんようじゃな」

拓留「まあ、ちょっとありまして」

エリン「ほほ〜う。これは痴情のもつれか――」

拓留「違います」

エリン「つまらんのぅ」

エリン「今日は空いておる。好きなところに座るがいいわ」


拓留「ったく。あの店員は相変わらずだな」

有村「私は結構好きですけどね。可愛いじゃないですか!」

拓留「そうだな」

有村「あー、どうでもよさげっすか」

拓留「ああ、今となっては僕の中では力士シールくらいどうでもいい」

有村「? 変な例えっすね」

拓留「そうか? 力士シールくらいは知ってるだろう」

有村「また『一席ぶつ』とかなにかですか? 最近やってなかったのに」

拓留「あれは黒歴史なんだよ。いや、ていうか本当に知らないのか? 力士シール」

有村「しつこいですよ先輩。そんなもの知りませんって」

拓留(どういうことだ)

拓留「そ、それじゃあ、ニュージェネレーションの狂気の再来って知ってるよな?」

有村「ニュージェネって……六年前の猟奇的なアレっすか」

拓留「いや、今年もあっただろ。その再来とかで大騒ぎになったって。前の僕ならすぐ飛びつくような――」

有村「いつもの妄想っすか? 宮代先輩は変なところで頭が回ってるんですね」

拓留「……」

拓留(なにかがおかしい)

拓留(有村の口ぶりは、そんなものは見たことも聞いたこともないというようなものだった)

拓留(ニュージェネ狂気の再来と力士シールは、誰だって知っているはずなのに……)

拓留(ためしにスマホで調べてみたら、ニュージェネに関しては六年前の事件しか出てこず――)

拓留(力士シールにいたっては検索ヒット件数0件だった)
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/11(土) 19:50:33.90 ID:RG3MxoWR0
有村「あ、そうそう。先輩、>>190って知ってますか?」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/11(土) 20:02:36.57 ID:JXYlAizV0
東日本大震災
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/11(土) 20:03:10.67 ID:TGnwCINW0
ジョン・タイター
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/11(土) 20:04:22.93 ID:TGnwCINW0
そうか今日だな
黙祷なかったなそういや
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/11(土) 20:04:51.42 ID:j3lPMy55o
君島レポート
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/12(日) 18:39:08.21 ID:Q/VBKqUd0
有村「東日本大震災って知ってますか?」

拓留「あ、ああ……2011年のな」

有村「そうです。阪神淡路大震災以来久しぶりに震度7を観測したっていう」

拓留「待て待て待て!! その後に渋谷地震があっただろう?!」

有村「はえ?」

有村「もしかして……新しい妄想ですか?」

拓留「何を言って……2009年に僕たちは渋谷で被災した――そうだろう?」

有村「もう私、宮代先輩が何を言っているのかわからなくなってきました」

有村「いいですか? 私たちが小学生のときに渋谷で大地震なんて起きてません」

拓留「な……」

拓留(一体――どうなってるんだ)

拓留(力士シールは存在せず、渋谷地震やニュージェネ狂気の再来も起きていないなんて)

拓留(夢でも見てるみたいだ)

拓留(ためしにアレについても聞いてみるか)

拓留「それじゃあ、一応聞くけどさ」

拓留「カオスチャイルド症候群って知ってるか?」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/12(日) 19:45:39.32 ID:Q/VBKqUd0


〜青葉寮〜

拓留「電磁気は面白いな……見えない世界にロマンを感じるよ」

拓留「ふぅ」

拓留「……」

拓留(結局、有村に期待した答えは一切返ってこなかった)

拓留(カオスチャイルド症候群という言葉すらこの世界にはない)

拓留(僕の生きてきた世界は幻だっていうのか?)


結衣「拓留兄ぃ」ギィッ

拓留「あ、結衣」

結衣「もう寝る?」

拓留「そう……だな」

拓留(なんで毎日タイミングがちょうどいいんだろう)

拓留(ちょうど良すぎる)

結衣「いい、でしょ?」

拓留「あ、ああ……」


結衣「んっ……」ギュゥゥ

拓留「結衣、暑い」

結衣「えぇ」

拓留「この部屋暖房つけてるんだよ」

結衣「きればいいじゃん」プクー

拓留「そもそもここは一人部屋なんだよ……」

結衣「私が暖房代わりになってあげるから、ね?」スリスリ

拓留「……」

結衣「ねえ」

結衣「胸とか、触ってみる?」

拓留「なっ! お前何言って――」

結衣「拓留兄ぃは童貞さんだから、まだ知らないんじゃない?」

拓留(一度、尾上が僕のとこに泊まりにきたことがあったな……)

拓留(あのときはどうだったっけ)

拓留は童貞か否か>>196
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/03/12(日) 19:47:44.29 ID:juoya6seO
童貞
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/12(日) 20:35:41.65 ID:Q/VBKqUd0
拓留(結局一線は越えてないんだよな……)

結衣「あ……もしかして怒ってる?」

拓留「別に」

結衣「よかった」

結衣「ねえ。拓留兄ぃは童貞捨てたいと思うの?」

拓留「結衣、お前今日ちょっとおかしいんじゃないのか?」

結衣「質問に質問で返さないで」

拓留「……」

結衣「私じゃ、ダメかな」

結衣「私は、いいよ。拓留兄ぃなら」

結衣「拓留兄ぃは家族だけど、血は繋がってないし」

結衣「私知ってるんだよ、そういうの、近親相姦にはならないんだよね」

結衣「ねえ、答えてよ」

結衣「ねえ」

拓留「……」

……

…………

……………………
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/12(日) 20:37:12.92 ID:Q/VBKqUd0












































<●><●>



























199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/12(日) 20:43:09.59 ID:Q/VBKqUd0
拓留「ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!!」ガバァッ

拓留「はぁっ……はぁっ……」

拓留「ふぅっ……」

拓留(まただ。また前身を隈なくにらまれたような感覚)

拓留(どこから見られているのかわからない)

拓留(どこからでも見られているみたいだ)

結衣「拓留兄ぃ……」ウーン

拓留「はは、ごめんな。また、起こしちゃったよな」

結衣「拓留兄ぃ、――……ほらぁ、こっちにおいでぇ」ムニャムニャ

拓留「なんだ、寝ぼけてるだけか」

拓留(この悪夢のような体験、続いてるな……)

拓留(思い出しただけで――)


<●><●>


拓留「うぅっ!!」グラッ


<○><○>


拓留「ぅぁっ……」


<◎><◎>


拓留「あsdfghjkl……」


拓留「かはっ……、だめだ……またこの感覚」

拓留「僕、死ぬんじゃないだろうな……」
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/12(日) 20:46:19.69 ID:Q/VBKqUd0
結衣「拓留兄ぃ……私は拓留兄ぃのこといっつも見てるよぉ……」ムニャムニャ

拓留「ははは、……正体が結衣だったらいいのにな」

拓留(結衣は今僕のそばで寝ている)

拓留(あのあと――僕はなし崩し的に結衣を抱いてしまった)

拓留(避妊もしていない)

拓留(すごく、まずいかもしれない)

拓留(でもそれが不思議とどうでもいいと思えてしまった)

拓留(そう、どうでも――)


拓留「zzzzzz」


……。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/12(日) 20:57:37.94 ID:Q/VBKqUd0
〜碧朋学園〜

伊藤「え? 2009年の秋ごろはどこでなにしてたかって?」

拓留「ああ。なにかこう、変わったことと言うか……やばいな――っていうことあったか?」

伊藤「事件とか災害的な?」

拓留「ずばりそうだ」

伊藤「うーむ。……いや、悪いな宮代。俺の小学生時代はいたって平和だった」

拓留「そうか」

伊藤「あ、女子のスカートめくりならしてたかもな! ははは」

世莉架「あっ、もうー真ちゃんてばエッチ〜」

拓留「尾上!?!?!」

伊藤「?! って、どうしたよ宮代。尾上はたしか、行方不明なんだろ?」

拓留「えっ? 今たしかに尾上の声が……」

伊藤「してねえって。お前いくら尾上のこと好きだからってそれは病的だぜ」

拓留「そんなんじゃなくて――」

拓留「ゴホン……幼馴染を心配するのは、ダメなことか?」

伊藤「そりゃあ、ダメなんてことはないけどな。っていうか、幼馴染? 尾上はお前の幼馴染なのか?」

拓留「そうだよ。言ってなかったか?」

伊藤「いや、聞いたことないな」

拓留(僕の記憶だと伊藤は把握してた気がする……確信はないけど)

拓留(またひとつ、世界との齟齬を感じているみたいだ)

拓留(尾上――)

拓留(そういえば、尾上とはいつからの付き合いだったっけ)

拓留(……)

拓留(思い出せない……おかしいな。確かに尾上は僕の幼馴染で――)



























拓留(僕に幼馴染なんていたか?)
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/12(日) 21:00:20.64 ID:u5+kx5ADo
なんだよこのホラー展開……ほのぼのじゃなかったのかよぅ……
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/12(日) 21:07:14.19 ID:Q/VBKqUd0
拓留(僕の出した結論は――)


――宮代拓留に幼馴染はいない――


拓留(――だった)

拓留(第一に、僕は尾上の家に行ったことがない)

拓留(僕の記憶では尾上本人とはかなり深い付き合いがあったはずだが、僕はあいつの家のことを一切知らない)

拓留(だけど知らないと記憶に齟齬が生じる。家庭環境の不和を理解しあって共感したからこその絆――のはずだったから。よってこの記憶は嘘)

拓留(そして、これはあのあと橋田さんにお願いして(有料)調べたことだが……)

拓留(僕の知る尾上世莉架と言う人間は、データとしてこの世界には存在していなかった)

拓留(碧朋学園への登録を除いて、だが)

拓留(AH東京総合病院にすらなかった。そういえば渋谷地震は存在していないからか)

拓留(一緒に、病院に向かったはずだったんだけどな)

拓留(その記憶も嘘か)

拓留(結局、尾上世莉架とはなんだったんだろう)

拓留(僕は確かに、彼女と日々を過ごした)

拓留(でも彼女は確かに存在しない)

拓留(それどころか不確かすぎる)

拓留「はぁ……」

拓留「こんなこと、誰に相談すれば――」

拓留「――そうだ! あの人がいるじゃないか」

相談する人>>204

久野里澪 OR 蒼井セナ
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/12(日) 21:08:45.05 ID:RZyzzMVYo
セナ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/12(日) 22:40:20.67 ID:TZQr7unFO
ニュージェネ事件が起こったけど渋谷地震が起こってないってことはサードメルトが発生する前(2009年11月4日〜11月6日の間)に解決したの?
地震が起こってないなら何で拓留達は青葉寮に住んでいるの?
この世界線の来栖は乃々と泉里のどっちなの?
カオスチャイルド症候群が存在しないなら碧朋学園は何故つくられたの?
ニュージェネの再来やカオスチャイルド症候群が存在しないのなら久野里は何故日本に来た?
ぱっと思い付くだけでもこれだけの疑問が出てきた。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/12(日) 23:58:43.78 ID:J1erNbmbO
>>205
それ今箇条書きで回答なんかされても萎えるだけなんだけど……なに考えて書き込んでるんだ?
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/13(月) 01:30:57.50 ID:/Y5A3trOO
>>206
>>205書き込んだの自分ですけど言葉が足りませんでした
それらに明確な回答が今ほしい訳じゃなくて渋谷地震が発生しなかったことで
>>205のような元の世界との違いが出来るはずだけどそれらがなさそうってことは
何らかの辻褄合わせが発生してるはずだけど>>1がそれを考えてやっているのかが知りたかっただけです
言葉が足らず、すいません
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/13(月) 17:17:48.36 ID:A3f0Hv940
〜渋谷区内某所〜

拓留「すみません、遅れてしまって」

セナ「5分か……まあいい」

拓留(僕はあの後、今巻き込まれている状況に対して相談すべく、蒼井さんと待ち合わせしたのだ)

拓留(事前に用件はメールで伝えてある)

拓留(自分の記憶と周囲の記憶との間に齟齬が生じていること)

拓留(尾上が行方不明になっていること)

拓留(視線を――感じること)

拓留(全部、だ)


セナ「……」

セナ「まず、お前の言うニュージェネ狂気の再来事件についてだが」

セナ「お前の記憶では、6年前の事件の模倣と思しき事件が確かに起こっていたんだな?」

拓留「はい。でもその言い方からすると、蒼井さんの記憶にも今年の事件はないんですね」

セナ「ああ、すまないがそうだ」

拓留「渋谷地震――も」

セナ「そちらについても、発生した事実はないといっていい」

拓留「ふと気になったんですけど、6年前の事件の真相って一体なんだったんでしょうか」

拓留「僕の記憶だと、

猟奇的殺人事件→渋谷地震

という流れで――」

拓留(ええと、少なくとも僕の記憶で久野里さんの放送を生で聞いたときには……)

拓留「一連の事件の犯人は西條拓巳という高校生である――と話題になって、でもそれは後で冤罪だと発覚して……」

拓留「それと同時に、彼の通う翠明学園は希グループという大企業の傘下にあったという事実もあって」

拓留「渋谷地震にはある大企業がかかわっている……一説ではそれが希グループであるとも言われている……」

拓留「という話がありました。まとまりがなくてすみません」

セナ「……いいや、そんなことは、……ない」

拓留(蒼井さんはなにやら深く考え込んでいるようだ)

セナ「……宮代」

拓留「は、はい……」

セナ「お前は、ギガロマニアックスというものを知っているか」

拓留「いえ、知りません」

セナ「ギガロマニアックスとは、妄想を具現化できる能力を持つ人間のことだ。ディラックの海に干渉し、粒子と反粒子を形成し、その粒子を妄想として周囲の人間に認識させる。周囲共通認識となった妄想は現実として成立する――原理はこうだが、要するに」

――妄想を具現化させる。

セナ「これがギガロマニアックスだ。世の中にはそういう人間が存在する」

拓留「な、なるほど……」

セナ「ところで、だ」

セナ「そういった能力と同等の機械があれば――と考えるやつが、当然出てきてもおかしくはないと思わないか?」

拓留「それは――思います」

セナ「それを作ろうとしたのが希グループだ」

拓留「!!」

セナ「翠明学園は、希グループのギガロマニアックスを集めようという思惑のもとに成り立っていた」

拓留(徐々に、何かが繋がっていく気がした)
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/13(月) 17:55:35.91 ID:A3f0Hv940
セナ「だが、希グループもとい希テクノロジーの開発した機械――ノアUの最終実験は行われることはなかった」

拓留「なんでですか?」

セナ「消滅したからだ」

拓留「なっ……」

セナ「西條拓巳を、お前は知っていたな」

セナ「私も知っている。だがそれはテレビに出て話題になったからではない」

セナ「私と西條拓巳は――……いわば知り合いだ」

拓留「そうだったんですか?!」

セナ「西條拓巳は強力な力を持ったギガロマニアックスだった」

セナ「あいつは、ニュージェネ事件の最後――DQNパズルのあとに、すべての力を使って希グループとプロジェクトの一切を虚構へと押し込んでしまった」

セナ(覚醒は思ったより早かった……オリジナルの力までも使って巨大な周囲共通認識を生み出すとはな)

セナ「西條拓巳は急速に事故崩壊し、ノアUなどとともに消滅した」

セナ「希テクノロジーの所業は他の記憶から完全に消せてはいないが、少なくともその存在自体は確かに消えたよ」

かつてあったがもうない。

セナ(私が西條を記憶できているのは……あいつなりになにか施したからだったりするのだろうか)

セナ(何でもは……知らないな、私は)

セナ「災厄は事前に防がれたといっていいだろう」

拓留「それじゃあ、僕の記憶にある渋谷地震って言うのは、ノアUがなんらかの形で動いた――と考えていいと」

セナ「そう考えるのが妥当だな」

拓留「……」

セナ「碧朋学園にいるんだったな、お前は」

拓留「あ、はい。そうです」

セナ「そうか……」

セナ「お前には――伝えておこう」

セナ「碧朋学園はギガロマニアックスの収容所のようなものだ」

拓留「なっ……!」

拓留(収容所、だって?)

セナ「さっき、希テクノロジーとその思惑の一切は、存在は消えても記憶からは完全に消えてはいないといっただろう」

セナ「おそらくは記憶している人間が、……ふたたびギガロマニアックスに関する計画を立ち上げた可能性がある」

セナ「私も研究の傍ら探ってはいるが……それでも限度があって知っていることは多くはないがな」

拓留「それじゃあ僕も、妄想を具現化できるということですか?」

セナ「そのはずだ。最も覚醒していれば、だが」

拓留「覚醒?」

セナ「ああ。これは推測だが……ギガロマニアックスを意図的に覚醒させる施設が碧朋学園なのではないだろうか」

セナ「より純度と能力の高いギガロマニアックスの育成――それが行えれば貴重なデータが多く取れる」

セナ「噂ではアメリカのヴィクトルコンドリア大学も関与しているとも聞いている」

拓留(まさか、……あの人か!?)
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/13(月) 18:20:23.43 ID:A3f0Hv940
セナ「少々私が語りすぎてしまったな。今日は宮代の相談だと言うのに」

セナ「だがこれで記憶の齟齬はかなり片付いたな」

拓留(僕の過去については――自分で調べるほかないよな……)

セナ「尾上世莉架――というお前の知人についてだが」

セナ「碧朋学園にいたということは、そいつもギガロマニアックスである可能性がかなり高い――というより確信を持ってもいいだろう」

セナ「行方をくらました理由については推測するしかないが……」

セナ「記憶の齟齬の内容はこれまでだが、その原因を考えてみよう」

セナ「推測――もっといえば考察であるという前提で聞いてくれ」

セナ「世界線という考え方を知っているか?」

拓留「零次元幾何をもつ点粒子の時空上の軌跡のことを意味する場合と」

拓留「架空かもしれませんが、ジョン・タイターの概念を意味する場合があります」

セナ「……驚いたな。それなら説明は早い。これからする話は後者の解釈で頼む」

セナ「世界は、パラレルワールドのように無数の可能性としての世界が存在し、そのうちの一つを私たちは生きている」

セナ「それらを各々世界線と呼ぶこととする」

セナ「例えば、今私たちが生きている世界をε世界線としよう」

セナ「仮に、私が過去へタイムスリップして大きな事件を起こしたとする」

セナ「その事件がその後の世界全体の未来を変えうるものであれば、世界線はもとのε世界線からさらに別の世界線へと変動するといえる」

セナ「そしてその影響の大きさによって、世界の変わりようは左右される。これを便宜的に世界線変動率と呼ぶこととする」

セナ「バタフライエフェクトという言葉を知っているか?」

拓留「はい。北京で蝶が羽ばたけば、ニューヨークをハリケーンが襲う――のような」

セナ「その解釈で十分だ」

セナ「ほんの少しの過去改変でも、どれほど世界を変えうるかは想像がつかない。世界線変動率は単純な関数としては定義できないんだ」

セナ「そしてここからが本題なのだが……」

セナ「もし仮に、世界線が変動したことを認知し記憶を継承できる人間がいて、さらにそれが宮代拓留だったとしたら……」

セナ「お前は、世界線変動に巻き込まれたのかもしれない」

拓留「っ!」

拓留「でも、僕はタイムスリップで過去改変だなんて、していませんが……」

セナ「ああ。この命題を成立させるには必要な条件が多すぎる。しかもそのすべてが推測の域を出ない」

セナ「しかし、私にはある仮説がある」

セナ「ここまでに仮定した多くの無謀な条件は――」

――ギガロマニアックスとしての能力としてつじつまを合わせることができるのではないか。

セナ「世界の変動そのものはエラーや負のエネルギー、ましてや反粒子などが直接的にかかわっているとは考えづらい」

セナ「世界を人間の意識の集合として考えれば、ギガロマニアックスによる意識への干渉を自分の記憶のバックアップとして応用できないかと、私は考えている。」

拓留「ちょっと待ってください! 蒼井さんの話を聞いている限りだと、……ギガロマニアックスは他者の存在ありきの能力じゃないですか」

拓留「僕の記憶は誰とも一致しない……。ましてや蒼井さんの仮説は僕が僕に能力を働きかけて自分のなかにバックアップをとる必要がある! それは矛盾すると思いますが……」

セナ「誰とも、か……本当にそうか?」

拓留「ど、どういうことですか」

拓留「あ、確かにこの世の全員とコンタクトを取ったわけじゃないですよ、はは……。でもネットにも一切ないですし。だから確かにだれかの記憶と意識に干渉してバックアップだなんて――」

拓留「――」

セナ「いるじゃないか」





セナ「お前が今探している少女がそうでない可能性を捨てるのは早計だと思わないか?」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/13(月) 18:29:30.22 ID:A3f0Hv940
〜青葉寮〜

拓留「……」

拓留(今日は勉強を一切出来ていない……受験生なんだけどな、一応)

拓留(そもそも僕は卒業できるのか? あそこがそんな施設だなんて)


拓留(蒼井さんとの話で多くの謎は解決したが、それと同等の難易度の悩みがふたたび浮上した)

拓留(もちろん尾上のことだ)

拓留(尾上もギガロマニアックスだとすれば、――僕が尾上の記憶に自分の記憶を維持させるよう働きかけてバックアップとして使う、という相互作用的なこともできるのだろうか)

拓留(蒼井さんの仮説には疑問点が多くある。だが、一つ彼女に断られたのは……)


セナ「解明されていることがすべてではない。無責任なことをいうようだが、私は私の仮説を証明できる自信はない。自分から言い出したバックアップの原理にだって疑問点は山ほどある。だがもしそれが成功していれば……」


拓留(すべての辻褄は、合う)

拓留(そういうことなんだよな)

拓留(原理もそうだが、僕はそれ以上に僕の置かれている状況が気になって仕方がなかった)

拓留(それに僕の過去も、だ)


拓留「視線のことは……わからずじまいか」

拓留(蒼井さんが推測するには、ギガロマニアックスから干渉されている可能性がある――とのことだった)

拓留(もしそれが尾上なら――という可能性について僕は口を開けなかった)

拓留(今日は疲れた……もう休みたい)

結衣「拓留兄ぃ……」ガチャ

拓留(相変わらずタイミングが良い)

結衣「ねえ、拓留兄ぃ……>>212
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/13(月) 19:12:08.34 ID:V5KYgBcEO
最近私が誰かに殺される夢を見るの
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/13(月) 21:03:17.02 ID:A3f0Hv940
>>210

ちょっと日本語がおかしいんで

×→セナ「お前が今探している少女がそうでない可能性を捨てるのは早計だと思わないか?」

○→セナ「お前が今探している少女がそうだという可能性を捨てるのは早計だと思わないか?」

に修正してください。
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/13(月) 21:04:20.81 ID:A3f0Hv940
ではつづき
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/13(月) 21:11:30.13 ID:A3f0Hv940
結衣「最近私が誰かに殺される夢を見るの」

拓留「何ッ?!」

結衣「あ、そんなに怖い顔しないでよぉ。……でも、確かにちょっとやだなとは思うよ」

拓留「僕と一緒に寝てるのはそれが理由なのか?」

結衣「えっ? あっ、う――うん。まあ、そうかな?」

拓留「それは……つらかったよな」

結衣「うん。一人で寝るのは心細いよ」

結衣「でもいいの。拓留兄ぃが一緒に寝てくれればそれで」

結衣「うん、それで……いいの……」ボロボロ

拓留「な、なんで泣いてるんだよ……大丈夫か?」

結衣「だ、大丈夫だよ。あれ、おかしいな……涙が止まらない」ボロボロ

拓留「結衣っ」ギュッ

結衣「あ―― 拓留兄ぃ//」

拓留「お前には僕がついてるから。安心して、いいから」

結衣「ありがと。嬉しいな拓留兄ぃ」

結衣「私ね、悩んでたんだ」

結衣「この前……拓留兄ぃに抱いてもらったときのこと」

結衣「私の勝手であんなことして、ひょっとしたら嫌われちゃったんじゃないかって……」

結衣「拓留兄ぃはその場の気分でそんなことする人じゃないのに、私ったら……」

拓留「もう気にするなって! いやなんかじゃないよ、僕は。結衣だったら――むしろ嬉しいくらいだよ」

結衣「ほ、本当?」

拓留「ああ」ギュッ

結衣「嬉しい……嬉しいよ拓留兄ぃ」ボロボロ

拓留「とりあえず涙と鼻水ふけよ」ハハ

結衣「あっ――もう、恥ずかしいから見ないでっ」

拓留「ティッシュはそこにあるからさ」

結衣「うん。ちょっと待っててね」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/13(月) 21:16:28.37 ID:A3f0Hv940
結衣「……はい。お騒がせしました」ペコッ

拓留「ははは、本当だよ」

結衣「もー」プクーッ

結衣「あのさ、拓留兄ぃ」

拓留「?」

結衣「拓留兄ぃも、何か悩み事あるんじゃないの?」

拓留「っ……どうしてそう思うんだ?」

結衣「見ればわかるもん。拓留兄ぃ何かに怯えてるみたい」

結衣「本当に大丈夫?」

拓留「……ああ」

結衣「私に出来ることなら力になるからね」

拓留「ありがとうな、結衣」

結衣「うんっ」

結衣「それで、さ……」

結衣「私、>>217してほしいなあ」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/13(月) 21:17:17.79 ID:ykSWvDpgO
頭撫でてほしい
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/14(火) 15:50:56.73 ID:rzpJqq4Y0
結衣「頭、撫でて欲しいなあ」

拓留「そんなことでいいのか?」

結衣「そんなことじゃないもん……お願い」

拓留「あ、ああ……」ナデナデ

結衣「えへへ///」

拓留(可愛い)

拓留(愛おしいともいえるのかもしれない)

拓留(結衣の体は暖かかった)
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/14(火) 16:09:12.65 ID:rzpJqq4Y0
翌日

拓留(僕は僕とその周囲の変遷を調べることにした)

拓留(僕の記憶の世界では、渋谷地震のせいで僕や来栖、そして結衣たちが青葉寮に引き取られ)

拓留(今年になって、ニュージェネ狂気の再来事件を追う中で、AH東京総合病院の地下から保護した山添うきも青葉寮で引き取ることになった――)

拓留(――ということになっていた)

拓留(この世界ではどうなんだろう)

拓留(それを検証しなければ)


佐久間「ああ? お前たちを引き取った理由?」

拓留「ふと思ってさ。自分の過去について」

佐久間「なんだか妙な思いつきだな。まあいいけどよ。あんなことを忘れちまったなんてなあ」

拓留「あんなこと?」

佐久間「って、覚えてないって言うのが前提の話だったな。お前たちは、その――大きな声では言えないんだけどな」

佐久間「他言無用ってやつだ」


佐久間「都内某所の地下で行われていた人体実験の被験者だったんだよ


拓留「なんだって……!」

佐久間「俺は医者という立場上、そいつらのやっていることを見過ごせなくなってな」

佐久間「まあその、拉致ったわけよ。って言い方が悪ぃな」

佐久間「でもまああいつらも非合法的な実験をやってたわけだから、追ってきたりはしなかったみたいだけどな」

佐久間「そんで、俺の病院で預かることにした」

佐久間「それがちょうど6年前くらいだったはずだ」

拓留「……」

拓留(地下の人体実験……もしかしてAH東京総合病院か?)

拓留(父さんの医者という立場なら、関連はありそうだ)

拓留(そうか……父さんはそのために僕たちを)

佐久間「これでいいか?」

拓留「あと一つ……山添のこと」

佐久間「それはお前のほうが詳しいはずだろ? おいおい、痴呆は勘弁してくれよな。高校生なんだからよ」

佐久間「あの子はお前たちが家出少女を引きとってもいいか〜なんて俺に頼んできたんじゃないか」

佐久間「まあ、家族が増えるのはいいことだしな。部屋も余ってたし」

佐久間「家族にまた一人加わったら面白ぇじゃねえか」ハッハ

拓留「山添が……家出……」

拓留(本当に家出なのだろうか。家出とは名ばかりのもっと違った理由があるとか……)

佐久間「あと、これはお前の問題だが――」

佐久間「――あの子のこと、名前で呼んでやったらどうだ?」

佐久間「家族、だろ?」

拓留「あ、ああ。そうだな。そうするよ」

佐久間「よしっ。そんじゃ勉強がんばれよ。俺はちょっくら出かけてくる」

拓留「いってらっしゃい、父さん」

拓留(そうして父さんを見送った)
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/14(火) 16:18:57.95 ID:rzpJqq4Y0
拓留(蒼井さんにメールしてみるか)

拓留(AH東京総合病院の内情もまた、僕の記憶と違っている部分があるかもしれないし)

拓留(『AH東京総合病院の地下で人体実験などが行われていた過去はありましたか? もしあれば出来る限り詳しく教えてください』)

拓留「送信、っと」ポチッ


ピロンッ


拓留「早っ」

セナ
『なぜお前がその事実を知っているのか疑問だが、そこについて問いただす必要はないので本題に入る。確かにAH東京総合病院の地下でそのような実験が行われていたという話がある。ギガロマニアックスに関するものらしい。だが私も詳細を知っているわけではない。すまない。ギガロマニアックスに関連する組織のデータベースをハッキングないしはクラッキングでもすれば情報が手に入る可能性はある』

拓留「ハッキング、か」

拓留「あの人しかいないじゃないか」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/14(火) 17:47:58.99 ID:0t0Wfl7vO
面白ぇさんがいい人になってるだと……
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/14(火) 23:08:03.40 ID:rzpJqq4Y0
〜未来ガジェット研究所〜

拓留「橋田さんにしか頼めない仕事なんです」

ダル「うーん、どれほどのセキュリティかわからんけど、難易度によるから成功報酬ってことでおk?」

拓留「あ、はい」

ダル「まあ宮代氏にはすこしまけておくお。身内のよしみってやつなのだぜ」グッ

拓留「ありがとうございます!」

ダル「えっへん。なんたって僕はあのSERNをもクラッキングしたスーパーハッカーだからね」

拓留(あのSERNをだって? さすがに、いつもの冗談だろ)

拓留(でも橋田さんの力はすごい。きっとやってくれるはずだ)

ダル「とりあえず明後日までには終わらせるから、そんときにまたラボに来て欲しいお」

拓留「わかりました。お願いします」


拓留「良い人たちばかりだな……ここは」ガラッ

綯「……」

拓留(ブラウン管工房の前に立ち尽くしているのは……たしか天王寺さんの娘)

綯「……」ジーッ

拓留(もしかして僕のことを見ている?)

拓留(な、なんだろう。妙なプレッシャーがあるな)

拓留(碧朋学園にいてもおかしくない年齢だよな。まあ違う学校なんだろうけど)

拓留(まあ、帰るか)スタスタ


綯「……」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/14(火) 23:33:36.55 ID:rzpJqq4Y0
〜青葉寮〜

拓留「ただいま」

うき「あっ、おかえりなさい」

拓留「あれ、今は山z……うき一人だけか」

うき「! はいっ」

うき「……」

拓留「どうかしたのか?」

うき「いえ、拓留さん、初めて私のこと名前で呼んでくれましたから」

うき「私のこと、家族だと思ってくれたんだなって」

拓留「ああ、なんていうか、家族だと思ってなかったんじゃなくて、単に照れくさかったんだよ」

うき「拓留さんにもそういうとこがあるんですね」クスクス

うき「優しい人です、拓留さんは」

拓留「よしてくれよ。この前までリア充を気取ってた痛いやつなんだからさ」ハハ

うき「拓留さんは、その……十分リア充だと思いますよ」

拓留「えっ、何を根拠にそんなことを」

うき「一昨日の夜中、目が覚めちゃってトイレにいったんですけど」

うき「拓留さんの部屋から変な声が聞こえてきて」

うき「ドアがちゃんと閉まってなかったので覗いちゃって……」

拓留「なっ!」

うき「ごめんなさい/// 盗み見るかたちになっちゃいましたよね」

うき「でもああいうことしてる拓留さんは、結衣ちゃんとまとめてリア充ですっ」

拓留「もうこの話は終わりにしないか……」

うき「ふふふっ、ごめんなさい」

うき「あ、夕飯なんですけど、もう少しで結衣ちゃんも帰ってくるので、待っててくださいね」

拓留「そうか……」

拓留(そういえば、これまでうきとはあまり接点がなかったよな)

拓留(うきと時間を過ごしてみよう)

拓留「僕が手伝うよ」

うき「えっ!? そ、そんな。拓留さんに手伝ってもらうなんて」

拓留「早いほうがいいだろ? 僕じゃだめか?」

うき「はぅぅ、だめってことは全然ないですけど、申し訳なくて……」

拓留「家族なんだから、助け合わないと、だろ?」

うき「そっ、そうですよね///」

うき「それじゃあ、お願いします、拓留さん」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/14(火) 23:35:09.84 ID:rzpJqq4Y0
うき「拓留さんって器用なんですね」

拓留「まあ、人並みにはな」

うき「手伝ってくれてありがとうございますっ」ニコッ

拓留「どういたしまして」

拓留(さて、どんな話題ならうきは楽しんでくれるんだろう)

拓留「なあ、うき。>>225
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