【安価】世莉架「安価でタクを楽しませちゃうよ」【CHAOS;CHILD】

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436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 21:25:43.04 ID:txPfpF000
拓留「そういえば、尾上……尾上ですよ!」

拓留「さっきの尾上は尋常じゃなかった」

拓留「あれも、思考誘導をかけられていて……」

久野里「一つ、まだお前に言っていないことがある」

久野里「宮代拓留と尾上世莉架という2人の人物、この2人は創造した者とされた者という関係にある」

拓留「それは僕だって知っていますよ。もともとは……」

拓留「尾上は、僕のイマジナリーフレンドだったんです。想像上の人物だったんだ」

拓留「でも、僕がギガロマニアックスだから。ついに能力を使って具現化させてしまった……」

拓留「和久井から、すべてを知らされました」

久野里「ふむ」

久野里「そうだな」

久野里「宮代。お前は……思考誘導によって和久井が虚言を発していたという可能性は考えないのか?」



拓留「――えっ?」
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 21:34:19.11 ID:txPfpF000
久野里「思考誘導では、操る相手に嘘をつかせることだって可能だ」

久野里「和久井が思考誘導されているとわかった今、和久井の言うことをすべて鵜呑みにするのはあまり賢いとはいえないぞ」

拓留「……確かに」

久野里「お前をキャンピングカーにかえしたあと、私は自分の手でギガロマニアックス研究の過去を洗おうと思った」

久野里「真実を知りたくてな」

久野里「特に、AH東京総合病院とその地下に関することを調べた」

久野里「……」

拓留「どうしたんですか?」

久野里「い、いや」

久野里「言おう」

久野里「AH東京総合病院におけるギガロマニアックス研究の中に、『宮代拓留』という人物は一切登場しない」
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 21:38:14.34 ID:txPfpF000
久野里「それだけじゃない。思い出せる限り、宮代拓留の経歴をあたって名前の存在を確認しようとした」

久野里「だが、2009年以前には見つけられなかった」

久野里「なんども調べた! 秋葉原にいるハッカーに依頼してまでも宮代拓留の足跡を探った!」

久野里「……しかし、見つからなかった」

拓留「ど、どういうこと、ですか」

拓留「だって、そんな……僕がいた形跡がまるごと消された?」

拓留「これも、黒幕の仕業なんですか……?」

久野里「そう、思うのか」

久野里「代わりに見つけてしまったものもある」

久野里「宮代拓留、とあるべきデータは、特に2009年以前、すべて尾上世莉架となっていた」
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 21:41:33.28 ID:txPfpF000
久野里「AH東京総合病院の地下で行われていたギガロマニアックス研究――そこには、尾上世莉架という少女がいたそうだ」

久野里「IDは5102番。途中で抜け出したらしく、記録は途切れているがな」

久野里「そしてカルテには――」
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 21:44:55.59 ID:txPfpF000
〜翌朝、某所〜

プルルルルルルルル

世莉架「あ、電話だ」

世莉架「もしもし」

拓留『僕だ』

世莉架「タク」

拓留『尾上、お前、僕のこと好きか?』

世莉架「……」

世莉架「うん、大好き」

拓留『今日、学校あるけどさ』

拓留『学校さぼってデートしよう』

世莉架「うんっ」

拓留『じゃあ、今からシアターキューブに向かってくれ』
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 21:46:40.03 ID:txPfpF000
〜シアターキューブ〜

拓留「……」スタスタ

拓留「…………」

拓留「………………」





















<●><●>ふふっ



















拓留「待たせたな、尾上」
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 21:56:17.71 ID:txPfpF000
世莉架「全然待ってないよ♪」

拓留「まわりに全然人がいないんだけど」

世莉架「……気にしなくていいと思うな」

拓留「そうか」

拓留「そこのカフェにでも入ろうか」

世莉架「うんっ」



拓留「新聞部、覚えてるか?」

世莉架「突然どうしちゃったのタク、忘れるわけないじゃん」

拓留「はは、それもそうだよな」

世莉架「新聞部で活躍(笑)してたときのタク、なんか色々格好つけてたよね」

拓留「(笑)とか言うなって、まあ、あのときの僕は、今の僕にとってみれば黒歴史みたいなもんだよ」

世莉架「そっか」

世莉架「私、いっぱい思い出あるよ」

世莉架「新聞部もそうだし、それ以外で、タクと一緒に過ごしたことも」

世莉架「タクにマッサージしてあげたり、華ちゃんも交えて一緒にバイオハザードで遊んだり」

世莉架「い、一緒にお風呂入ったことも、あったよね///」

拓留「あ、あったな……」

世莉架「料理作ってあげたりもした」

拓留「うまかった」

世莉架「えっへへぇ」

世莉架「あっ、あと久野里さんの家に押しかけたり!」

拓留「申し訳ないことをしたよな」
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:01:21.23 ID:txPfpF000
世莉架「あ、その前に吉祥寺に行ったりも」

世莉架「結衣ちゃんと結人くんも、一緒に」

拓留「そうだ」

拓留「でも、ある日を境に世界は変わってしまった」

拓留「再構築されたがごとく」

世莉架「……」

拓留「なあ、尾上」

拓留「教えてくれよ」
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:04:34.55 ID:txPfpF000
拓留「6年前、なんで僕をリアルブートしたんだ?」



世莉架「……」

世莉架「な、何を言ってるの? タク」

世莉架「タクが、私をリアルブートしたんだよ?」

世莉架「タクの、願いを、かなえるために……」

拓留「僕の記録なんて、どこにも存在しない、それが事実だ」

世莉架「っ!」
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:11:59.11 ID:txPfpF000
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久野里「尾上世莉架は、重度の統合失調症患者だ」

久野里「AH東京総合病院のカルテにはそうある」

久野里「幼馴染で1つ年上の男の子がいるとずっと主張していたそうだ」

久野里「名前はミヤシロタクルといって、彼女はタクと呼んでいたらしい」

久野里「イマジナリーフレンドで済めばよかったが、そうでもなかったようだ」

久野里「『タクの願いをかなえなきゃいけない』『タクを楽しませなきゃいけない』『本当の私は冷淡で冷たい女、タクがそう望んでる』などという強迫観念に常日頃からとらわれていたと記録されている」

久野里「また、病的なまでにその『タク』を愛していたそうだ」

久野里「『タク』を愛するために体液交換しなければと震えたり、などなど」

久野里「カルテを書いた者は、このままではいつか精神が崩壊してもおかしくないと思ったんだろう」
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:19:10.51 ID:txPfpF000
久野里「また、ギガロマニアックス研究としての側面から書かれた記録もある」

久野里「彼女は、遅くとも研究対象となったときから、小規模なレベルでのリアルブートを容易にこなしていたという」

久野里「そして、精神的に不安定かつ妄想の巨大さからして」

久野里「本格的に能力が発現した場合、いままでに存在してきたあらゆるギガロマニアックスよりも能力が高くなることが懸念された」

久野里「世界線に干渉するのではないか、という仮説を立ててレポートを書いたものもいたらしい」

久野里「いずれにせよ、尾上世莉架に関する情報は、和久井の死後に続々と発見できた。おそらく思考誘導にかけられた和久井が隠していたんだろう」

久野里「単純なことだった」

久野里「世界改変と記憶の継承」

久野里「一つの仮説として、蒼井セナのバックアップ説はあるだろうが」

久野里「もう一つ」

久野里「単純に、世界線に干渉できてしまえば、世界の改変は行える。ましてや最強のギガロマニアックスだ。科学ではお手上げな位のチート能力者なら」

久野里「特定の人物が都合よく記憶を維持する世界線、なんてもの容易なんじゃないのか」

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447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:23:08.48 ID:txPfpF000
拓留「僕の願いをかなえる、楽しませる、そういったお前の妄想が僕という存在を具現化させた」

世莉架「……」

世莉架「……ぁぁぁぁ」

世莉架「ふふふふっ」

世莉架「ははっ、ひひひひ」

世莉架「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ」
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:26:21.95 ID:txPfpF000
世莉架「最高!! 最高!!」

世莉架「タクってば、本当に!!」

世莉架「本当に……私の理想!!!」

世莉架「ああぁぁ愛おしいよタクぅっっ!!!!」

世莉架「だって!! だってだよ!!?!?!?」

世莉架「私が願ったとおりに、その通りに……」

世莉架「私の欲を満たしてくれるんだから!!!!!ぁぁぁぁはははは」
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:48:34.93 ID:txPfpF000
世莉架「そうだよ! タクの言ってることは本当」

世莉架「タクなんてもともと実際には存在しなかった」

世莉架「正確には、お医者さんにそういわれただけだけど」

世莉架「タクという存在はね、私に生きる意味を与えてくれるの」

世莉架「天涯孤独で施設にいた私にとって、誰かの役に立てるのは希望だった」

世莉架「あんまり覚えてないけど、あるときから病院の地下で実験とかいうのを手伝わされたこともあったね」

世莉架「研究してる人たちは私を見て驚いてた。昔はなんで驚いてたのかわからなかったけど」

世莉架「でも、そんなのはどうでもいいの」

世莉架「タクがいればいいの」

世莉架「タクにいて欲しかったの」

世莉架「こんな地下なんかじゃなく、もっと普通の、やさしいお家で一緒に暮らしたい」

世莉架「ずっとそう思い続けてた」

世莉架「そうしたらね。やっぱりタクはいたんだよ」

世莉架「それが6年前」

世莉架「極限まで追い込まれた私を、タクは優しく抱きしめてくれた」

世莉架「そうそう。タクも地下にいてね、一緒にいた結衣ちゃんと結人くんも、佐久間って先生が連れ出したんだよ」

世莉架「それで、私も一緒に地下から抜け出したんだ」

世莉架「そうなの」

拓留(ひょっとしたら、僕がリアルブートされたあとだから……地下から抜け出すくだりからして、尾上が作り出して現実にした世界なのか?)

拓留(今の尾上には……いや、ひょっとしたら永遠に答えはわからないかもしれない)
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:52:32.28 ID:txPfpF000
世莉架「世界は私の思い通りに形作られてく」

世莉架「神様は優しかったんだ」

世莉架「私が思えば、その通りになったんだから」

世莉架「でも」

世莉架「まさか、タクが結衣ちゃんに傾倒するとは思わなかった」

世莉架「結衣ちゃんはね、本当はタクのことが好きで、タクを好きな私のことを複雑に思ってた」

世莉架「こんなはずないって思った」

世莉架「タクが私を見限るわけないって」

世莉架「だからね、今度はタクを振り向かせなきゃって」

世莉架「今までは、私が望んだから、タクは私の望むとおりに反応してくれた」
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:55:49.24 ID:txPfpF000
世莉架「今度は……私の力で、ね」

世莉架「だから、タクが私の元に自分から来ようと、歩み寄ろうとするようにがんばったんだよ!」

世莉架「結衣ちゃんはね、きっとのんちゃんが嫌いだったんだよ」

世莉架「私はずっとそう思ってたし」

世莉架「そしたら、案の定、だったねっ」

世莉架「それからそれから、ね」

世莉架「和久井先生! 前から胡散臭いと思ってたんだぁ。悪いことしてるって、絶対」

世莉架「きっと私も和久井先生にひどいことされちゃうーって思わざるを得なかったな」

世莉架「事実そうなったし」

拓留(そうさせた……の間違いだ。すべては)
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/09(火) 22:58:09.29 ID:txPfpF000
世莉架「はぁっ。ちょっとしゃべりつかれちゃった♪ 休憩とっても、おっけい? いいよねっ。うん、わかった!」

世莉架「ふぅ」

拓留「じゃあ、僕は自分から尾上のもとに来たから、思い通りになったってことか」

世莉架「うん……っていうか、物理的にもそうだし、精神的にも、ね」

世莉架「だって学校さぼってデートだよっ! ちょっと憧れもあったから、タクとそうやって過ごせて幸せ」

拓留「そうか」
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/10(水) 01:41:35.82 ID:Jy2xPBJFo
なん……だと……
まさか根本のところから違ってたなんて想像だにしなかった……
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/10(水) 17:53:24.55 ID:wfWf/oGY0
拓留(この世界はきっと、尾上が願ったとおりに何度も改変されてきたんだ)

拓留(久野里さんの話から察するに、それは観測上改変されたように見えるのであって、きっと本質的には多世界解釈と考えていいのだろう)

拓留(……このままでいいのだろうか?)

拓留(リアルブートされた存在とはいえ、僕は――少なくとも今の僕は望んで尾上に従ってるわけじゃない)

拓留(尾上にとっての僕の存在意義は彼女の望むとおりの人間だろうけど)

拓留(僕にだって意思はある)

拓留(例えば、そう、尾上が消えれば――僕は)

拓留「……」


ルート分岐安価>>454

1:僕は、尾上世莉架を消して自分の意思で生きる。
2:僕は、尾上世莉架に付き従う存在として生きる。
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/10(水) 17:54:02.10 ID:wfWf/oGY0
すみません安価失敗しました

>>456
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/10(水) 20:58:50.63 ID:GzdfcPvTO
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/10(土) 22:11:14.38 ID:fcCz1a/c0
拓留(……僕は、尾上のために生きよう)

拓留(こんな可愛い幼馴染に、この世界よりも大事にされて、僕は嬉しいはずだ。そうだろ?)

拓留(歪んだ愛情を注がれているのかもしれない。でも、だから何だって言うんだ)

拓留(僕がいいならいいじゃないか。誰にも迷惑はかけてないんだから)

拓留(僕は、尾上を満たすための存在なんだ。それ以上でも以下でもない)

世莉架「……う? タク? どうしちゃったの、そんな難しい顔して」

拓留「えっ、……ああ、なんでもないよ」

世莉架「もう、あんまり見つめられちゃうと照れちゃうんだから、ね」

拓留「悪かったって」

世莉架「別に嫌じゃないけどさ」ボソッ

拓留「ははは……」
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/10(土) 22:15:22.60 ID:fcCz1a/c0
拓留「なあ、尾上」

世莉架「?」

拓留「僕のこと、好きか?」

世莉架「ぶっ! ちょ、ちょっと、タク、いいい、いきなり何言い出すの///」

拓留「どうなんだ?」

世莉架「そ、それは、嫌いじゃ、ないよ? 全然」

拓留「好きじゃないってことか?」

世莉架「そんなこと! ……言ってないじゃん。もう」

拓留「直接、面と向かって言ってくれよ」

世莉架「ううう……、わかった、わかりましたよー」

世莉架「おほん」


世莉架「……私は、タクのことが大好き――




――誰よりも、何よりも愛してる。世界よりも」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/10(土) 22:25:35.72 ID:fcCz1a/c0
〜2016年のゴールデンウィーク、渋谷ハチ公前〜

世莉架 スマホポチー

世莉架「……」

世莉架「…………」

世莉架「………………」

世莉架「――――おそい」


拓留「はぁっ、はぁっ、ご、ごめん尾上。遅れちゃって」

世莉架「もうっ、遅いよタク!」プンプン

拓留「大学のレポートを夜遅くまで書いていたら寝坊しちゃったんだ。ごめん」

世莉架「デートの前に夜更かししないでよっ」

拓留「提出期限が今日だったんだ。許してくれ、尾上」

世莉架「ふん」

拓留「……?」

世莉架「……名前」

世莉架「……名前で呼んでくれなきゃ、やーだ」

拓留「――ははっ」

世莉架「もう、何がおかしいのっ」

拓留「なんでもないよ」

拓留「じゃあ行こうか、世莉架――」


拓留(僕は世莉架のために生きる人生を選択した)

拓留(なんとか東京の某私立大に受かることができた僕は、大学生になってからは特に目立つことのない普通の学生として細々と生活している)

拓留(尾上――いや、世莉架とは、今は恋人同士という関係にある。結婚するのも時間の問題かもしれない)

拓留(僕の通う大学は女子が多い学校だった。だから、世莉架はよく心配してくる。浮気をするつもりなんてないけど)

拓留(たまに仲のいい女友達ができると、その子が失踪したりすることがある。まあ、理由は考えないようにしている)

拓留(別にいいんだ。僕には世莉架がいるから)


――これが、僕の選択だから。


ANOTHER GOD'S SKY END.
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/10(土) 22:26:51.35 ID:fcCz1a/c0
次は、>>454の選択肢で1が選ばれた場合のルートを書いていきます。
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/11(日) 11:29:47.89 ID:hKfn/iseO
おつん
どっち選んでもハッピーにはなれそうにないのがカオチャの業を感じる
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/17(土) 16:39:56.09 ID:alL1U8A10
少々おまちください(by >>1)
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/17(土) 18:15:01.52 ID:MOEhaPeDo
まってる
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 11:44:47.38 ID:skdo1Oja0
拓留(……僕は、尾上を――消す)

拓留(別に彼女が嫌いだとか、憎いだとか、そういうんじゃない)

拓留(これは、僕が尾上世莉架という女の子のためにしてあげられることなんだ)

拓留(宮代拓留という人間に翻弄されなければならない人生しか歩めない尾上を、彼女が納得できる形で浄化してあげられるのは――)

拓留(――僕しかいないはずだ )

拓留「……尾上」

世莉架「う? なに?」

拓留「僕は、尾上のこと――世莉架のこと、愛してるぞ」

世莉架「ふぇぇっ?// どうしたのいきなり////」

拓留「本心を言っただけだよ」

世莉架「なんかタクがキザな男になっちゃったよ〜」

世莉架「はぅ」

世莉架「……でも、うれしい」

世莉架「タクからそういってもらえて、私、幸せだな」

世莉架「私もね――タクのこと、愛してるよ」

世莉架「好き、とか、大好き、とか、そういうんじゃ収まらないくらい」

拓留「ああ」
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/08(日) 11:47:33.36 ID:skdo1Oja0
拓留「そうだ、少し二人で歩かないか? 散歩っていうかさ」

世莉架「うんっ、いいよ。そうしたい」

拓留「……って言っても、どこにいくかなんて、決めてないんだけどな」

世莉架「どこでもいいよ。タクが行きたいところ――ううん、タクがいるところに、私がいられれば」

拓留「そうか……じゃあ、代々木公園まで歩いてみるか。少しかかるけど」

世莉架「おっけい!」
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 11:51:09.48 ID:skdo1Oja0
拓留「渋谷の街って、どうしてこんなに物が密集しているんだろうな……」

世莉架「せまっくるしー感じだよね。あはは……」

世莉架「でも、私、この街嫌いじゃないよ?」

世莉架「なんだかね、複雑な気持ちを抱え続けてるんだけど、必死になって生きてる感じがして」

世莉架「自分が辛くなったら、この街のことを思うと、不思議と楽になれることって、あるんだ〜」

拓留「はは、そうかもしれないな」

拓留(尾上は、世莉架は、一体今までどれほどの苦悩を抱えてきたんだろう)

拓留(この街の複雑さをはるかにこえる、複雑怪奇なものを抱えてきたのだろうか)

拓留(それも、僕が終わらせてあげるからな)
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 12:09:19.69 ID:skdo1Oja0
拓留「お、原宿が見えてきたかな」

世莉架「竹下通りだねっ。ねえ、タク。私いろいろ見て回りたいなぁ」

拓留「じゃあ、そうしようか」

世莉架「うんっ」


世莉架「ねえみてみて、このクレープすごくおいしそう!」

拓留(なんだか吉祥寺に行ったときを思い出すな)

拓留「よし、じゃあ二人分買おう」

拓留「僕のおごりだ」

世莉架「タクったら男前〜」

拓留「か、からかうなよ……」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 12:19:08.41 ID:skdo1Oja0
世莉架「あっ、見てみて、これめっちゃ変な色〜」

拓留「これは、食べ物、なんだよな……?」

拓留「食べたいのか?」

世莉架「うーん、いいかな、別に」

拓留「そうか(助かった)」
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 12:23:55.96 ID:skdo1Oja0
拓留(その後も、しばらくは尾上と原宿を散策した)

拓留(ようはデートなのだが、これはデート以上の意味がこめられた二人の時間だ)

拓留(尾上世莉架という世界を捻じ曲げることのできる存在の終局へ向かう道のりだ)
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 12:32:42.49 ID:skdo1Oja0
拓留「それじゃあ、そろそろ代々木公園に行こうか」

世莉架「おっけい。れっつごー」


〜代々木公園〜

世莉架「うわ〜広いねぇ、タク。こんなにたくさんの自然に囲まれたの、私はじめてかも」

拓留「すごいよな。大都会の中にこんな場所があるなんてさ」

拓留(世莉架は世界の広さを知らない。知る由もなかったというほうが正しい。それだけ、彼女の人生は悲劇的だ)

拓留(普段は明るく振舞っているけれども、実際は深い闇を抱えている。ただ、それを隠しているだけだ)

拓留(その闇は、まるで大都会東京23区に存在するこの森林のような)

世莉架「なんだかね、さっきまでの原宿もわーわーって感じでそれはそれで楽しかったんだけど、こういう自然に囲まれるのってなにもしなくても心地いいんだって、思った」

拓留「ああ。人が集まる場所には、それぞれ良さがあって、けれど相容れないところがあるな」
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 14:02:43.74 ID:skdo1Oja0
拓留「この辺に座ろうか、さっきレジャーシート買っておいたんだ」

世莉架「うんっ」

拓留「よいしょ」

世莉架「ふう」

拓留「……」

世莉架「――」


風を感じる。その風は、どこか悪戯心の感じられるもので――

頬を撫でておちょくってきているんじゃないかと思えた。


世莉架――。


拓留(僕は、尾上世莉架を、消す)

拓留(この世界から消すんだ)

拓留(それは、彼女のため、僕のため、そして世界のため)

拓留(終局に向かわせることができるのは、彼女を除けば僕一人だから)
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/08(日) 21:30:47.16 ID:7awTjXYio
終活デートか……
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/28(土) 20:21:52.38 ID:4LHMXDiJ0
拓留「なあ、もうちょっと……こっちに来いよ」

世莉架「……! う、うんっ」

ススッ

世莉架「こう、かな」

拓留「……もう、ちょっと」

世莉架「……こう?」スススッ

拓留「あ、ああ」

拓留(片方の肩が当たるくらい僕たちは近くで座っている。世莉架が僕に寄り添うような形だ)
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/28(土) 20:27:51.06 ID:4LHMXDiJ0
拓留「――いい匂いがする」

世莉架「ふぇぇっ?! た、タクぅ。言ってることが変態さんみたいだよぉ」

拓留「ご、ごめん。いや、こんなに近くに世莉架を感じたの、久しぶr――はじめてだったからさ」

世莉架「そっか……そうだよね」

世莉架「私は、タクのそばにこうしていられて、結構嬉しい気持ちになってたり」

拓留「僕も、世莉架がこうしてそばにいると安心する」

拓留「なあ、世莉架――」

世莉架「う? って――」

拓留(僕は世莉架の肩をつかんで押し倒した。抵抗はない。僕が彼女に跨る形になる)

拓留(彼女は頬を紅潮させながらも僕のことをじっと見つめていて……)

拓留(鼓動がわかるんじゃないかっていうくらいに胸を上下させている)
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/28(土) 20:34:02.69 ID:4LHMXDiJ0
世莉架「――ハァッ、わ、私……こんなお外でタクに襲われちゃうのかな?」

世莉架「タクも男の子だもんね……」

拓留「世莉架、僕の目を見てくれ」

拓留(世莉架と目が合う。そのとき、僕はまるで自分自身の目とにらみ合っているかのような錯覚に陥った)

拓留(これは世莉架の目なのか? 本当に?)

拓留(その目……だれの目?)

世莉架「神の目、じゃないかな」

拓留「!」

世莉架「私は神様なんていないと思ってた。でもね、それはちょっと違っていて……」

世莉架「私には力があるから、私が神様になればいいやって、そう思ったの」

世莉架「だから今タクが見てるのは、神様の目かもね、って……」

拓留「……世莉架は、世莉架だ。僕の幼馴染の、僕の好きな……世莉架だ
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/28(土) 20:36:48.15 ID:4LHMXDiJ0
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/28(土) 20:42:47.42 ID:4LHMXDiJ0
拓留「世莉架、世界は君のエゴで何度も大きく改変させられている。世莉架は僕を好きといっても、なにをしようとも、究極的には君の行動は自己愛にすぎないんだ」

拓留「僕は世莉架が好きだ、愛している。だからこそ、終わらせないといけない」

拓留「全能である苦しみから、解放したい」

世莉架「それがタクの選択?」

拓留「ああ、もう、決めたことだから」

世莉架「そっか」

拓留(これから僕たちはどのように対峙するのか。殺し合いだろうか)

拓留(いまはこうして僕が馬乗りになっているが、対した効果はない。ただ、このような体勢でいることが許容されているに過ぎない)

世莉架「おっけい。タク……」ズイッ

拓留(レジャーシートに仰向けになっていた世莉架が上半身を起こしてくる。逃げるべきだろうか? そう思った瞬間――)

世莉架「っちゅ」

拓留(僕は世莉架にキスされた)
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/28(土) 20:50:04.52 ID:4LHMXDiJ0
世莉架「んちゅ、んっ、れろっ」

拓留(舌を絡ませるようなキス。世莉架が唾液を注いでくる)

拓留(あれ、なんだか頭が……)

拓留(……駄目だ! 前にも世莉架に唾液を入れられておかしくなりそうになったことがあったじゃないか!)

拓留(仕返すしかないっ)モミッ

世莉架「っ!」

拓留(意識が朦朧とする中、僕は世莉架の胸を愛撫するように揉みしだいた)

世莉架「んあっ、た、タクのすけべっ」パッ

拓留「やられてばかりじゃ、ないからな」

世莉架「も、もうっ。あーあ、私のキスでふらふらーってなったところを殺してあげようと思ったのに」

世莉架「逆らっちゃ、めっ、だよ」

世莉架「タクが私を消す気なら、私が先にタクを殺して、身体が腐ってグズグズになるまでずーっと愛してあげるよ」

拓留「それじゃ駄目なんだ。僕は君のわがままを永久にできなくしなきゃいけないんだから」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/28(土) 20:59:03.46 ID:4LHMXDiJ0
世莉架「うぅ、タクのいじわるぅ」

世莉架「……」

世莉架「なーんてね」

世莉架「私ね、気づいてたんだ。タクを楽しませるってこと、それは世界線を越えようと何があろうと変わらないんだけど、結局は私の自己満足で楽しませた気になってたのかもって」

世莉架「もちろん、タクも楽しんでくれたことはあるだろうけど、結局楽しんでたのは私」

世莉架「そう思うとね、タクに愛されながら、タクに殺されるのって、悪くないんじゃないかなって思ったんだ」

世莉架「タクの愛以外、私にはいらないってことに、気づいちゃった」

拓留「僕は世莉架を愛しているよ」

拓留「それは変わらない。今までも、そうだ」

世莉架「そっか、そうだったんだ。私、いろんな迷惑かけちゃったなぁ」

世莉架「いーっぱい改竄して、いーっぱい殺しちゃった」

世莉架「それでも、タクは愛してくれてるんだもん」

世莉架「もう、することってないや」

世莉架「でもまたタクが取られると私が思えば、私はきっと同じ事を繰り返しちゃう。使える力があるなら、人間の本性として欲にしたがっちゃうもん」
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/28(土) 21:15:35.86 ID:4LHMXDiJ0
拓留(世莉架は静かに涙を流している。その涙にはきっと、数え切れない感情と記憶と思いがこめられているんだろう)

世莉架「ぐすっ、えへへ、せっかくタクとこうして幸せな時間を過ごせてるのに、ないてたら顔くしゃくしゃになっちゃったかも」

世莉架「ねえ、タク」


世莉架「私を抱きしめて」


世莉架「私はタクに愛されてるんだって、実感させて」

拓留「世莉架」

拓留(僕は世莉架を抱きしめた。強く、痛いんじゃないかってくらいに強く)

拓留(世莉架の体温と鼓動が伝わってくる。それが妙に心地よく感じる)

拓留(世莉架を抱きしめながら、僕は頭にイメージを思い浮かべる。妄想をする)

拓留(ディソードが……、リアルブートされる。世莉架を背後から一突きで殺すように刃が向いている)

拓留(世莉架と抱き合ってる僕も間違いなく死ぬだろう。もしかしたら、こうなることも彼女の力による必然だったのかもしれない)

拓留(でもいいんだ。これですべて終わる)



宮代拓留と尾上世莉架は、互いに愛し合いながら世界を捻じ曲げる力を封印する。


ディソードが尾上世莉架と宮代拓留の身体を貫く。二つの命が散る。


抱き合いながら幸せそうに赤い花を咲かせる姿があるのみである。







??「やばい、遅刻だ! 昨日夜更かししてまで事件を追うんじゃなかった! くそっ」タタタタッ

???「ひゃっ」ドカッ

??「うわっ!」


??「いててて……あ、すみません! 怪我とか、してないですか?」

???「だ、だいじょうぶれす〜」フラフラ

??「いやいや大丈夫そうじゃないだろ」

???「う? あの、あなた、どこかであったことがあるような?」

??「――!」

??「……」

??「……ははっ」



??「きっと知らないですよ、お互いに」


GENERATING SKY END
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/28(土) 21:17:58.66 ID:4LHMXDiJ0
以上になります。1年以上も長々とお付き合いいただきありがとうございました。カオチャのアニメと同時進行くらいだったのに、気づけばシュタゲゼロの放送に追いついてしまいました。

安価で協力してくれた方々、更新を待っていてくれた方々、感謝いたします。
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:38:08.95 ID:/4RakTbSO

気が向いたらまたなんか書いて欲しい
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 23:47:57.83 ID:GvIx9vxzo

シュタゲゼロか……カオチャアニメの二の轍は踏まないでもらいたいな
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/05(土) 02:33:38.81 ID:kgQDuiRi0
>>482

デレマススレですが、新作を書き始めました。完結するまでには例によって時間がかかってしまうと思うのですが、よろしければ。

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1525454820/
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/28(日) 01:02:45.36 ID:JMgDDefJ0
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