八幡「ゲームが完成しそうだからすぐこい?」 ルナ「ルナのゲームだよ」

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1 : ◆SqZQSXA.b2 [sage saga]:2017/03/27(月) 19:32:45.43 ID:9UtyYpZW0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472143574/
の続編です
シャドバと俺ガイルのクロスです
苦手な方はお気をつけください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490610765
2 : ◆SqZQSXA.b2 [sage saga]:2017/03/27(月) 19:34:22.38 ID:9UtyYpZW0
八幡「急に呼びつけて、なんすか」

陽乃「不機嫌だねえ、比企谷君。嫌なことでもあった?」

八幡「これがデフォルトなんで。あと、この場所でいい思い出がないです」

ここは、とある大学の研究室である。

自分の首から下がっているのは、腐った目をした男が映った入館許可証であり

当事者の知らぬ間に作られていたいわくつきである。

これがなかったら、大人しく帰れたものを。

陽乃「そんな態度もすぐに変わることになるっ。実は、例のゲームが完成に近づいているんだよ」

耳元で甘い吐息とともに囁く雪ノ下さんは、明らかに俺を誘惑しようとしていた。

分かっていても、背筋がぞわぞわする。

八幡「よ、よかったですね」

陽乃「うんうん、長かったよー。それでね、比企谷君には、前回のお詫びも兼ねてとくべつにプレイさせてあげようと思うんだ」

八幡「…今度は何が目的ですか?」

陽乃「疑り深いね。さっきも言ったように、これは完全なる好意からだよ。受け取ってほしいな♡」

八幡「悪いですけど、欝ゲーには興味ないんです」

陽乃「うん、知ってるよ。だから、これも気に入ると思う」

陽乃さんは、部屋のデスクに置かれていた一枚の絵を俺に見せる。

http://i.imgur.com/M9sQe6m.png
3 : ◆SqZQSXA.b2 [sage saga]:2017/03/27(月) 19:36:26.12 ID:9UtyYpZW0
八幡「なんだこれ・・・本当になんだこれ・・・」

陽乃「どう、やってみたくなった?」

八幡「いや、それ以前にこれは詐欺です。一度たりとも見かけなかったキャラが主役面しているんですが…。

あと煽り文句もおかしい。カードゲームですかアレ?」

陽乃「落ち着いて、比企谷君。実はあれからプロデューサーと話し合って、何度もメールで語り合ったんだよ。そうしたら、こうなったの。どうしても詐欺だとは思えないんだよ・・・」

八幡「こんな齟齬が生じるやり取りが想像できませんし、怖いです」

陽乃「だから、私もちょっと怖くなってさ。こうなったときは、頼れる比企谷君しかいないなって」

八幡「ただの生贄じゃないですか。もしかして、陽乃さんもプレイしていないんですか?」

陽乃「うん。昨日、企業の方からポンと渡されたものだからねー。

それに女の子だから、こういうゲームをするのは抵抗があるんだよ」

八幡(なるほど。俺が呼ばれた理由が分かってきた。

気になるけれど、自分ではしたくないのだ。まったく迷惑な人だ)

八幡「まぁ、絵柄で釣って、中身は重いなんてよくありますから、そのパターンですかね」

陽乃「詳しいんだね、比企谷君。お姉さん、見直しちゃった」

八幡「では、心配も晴れたところで、ご武運を」

陽乃「...比企谷君、本当にプレイしたくないの?ルナちゃんや、ラビットちゃんにまた会えるんだよ。しかも、今度は生きている状態で」

八幡「え」

陽乃「一緒に付いていた説明書によると、同時攻略人数は100人以上。

その二人も含まれているうえに、どうも前回よりも昔の時代みたいんだよね」

八幡「前の時代ってどういうことですか」

陽乃「具体的に言うと、ラビットちゃんと、その両親が殺されるより前。

また、ルナちゃんとその両親が、死ぬより前だね」

4 : ◆SqZQSXA.b2 [sage saga]:2017/03/27(月) 19:38:58.42 ID:9UtyYpZW0
八幡「ぁ」

陽乃(ふふっ安心したね、比企谷君。まったく、可愛いんだから)

陽乃「一度でも会いにいったらどうかな?彼女たちに記憶はないだろうけれど、君は違うでしょう」

八幡「...いまさら、何を話せと」

陽乃「彼女たちと少しお話しするだけでもいい。謝罪するでもいい。

仲良くするでもいい。君が後悔したことをやり直す、いい機会だよ」

八幡「やり直す必要なんてないですよ。アレがなければ、成長できなかった」

陽乃「なら、新しく彼女たちと関係を築いたらどう?君だって、望んでいた関係があるんでしょ。

それに今度はオプションを付けられるよ。君もカードを使えるようにできるんだ。力があれば、事件が起きたって上手くやれるよ」

八幡「カード」

陽乃「うん。君の相棒ともいうべき、魂のカード。それを二枚まで付けられる」

陽乃「断る前に、留意してほしいのは前回とはまったく状況は違うことだよ。

私が物語を改ざんすることもないし、追い詰めることもない。比企谷君だけの物語だよ」

八幡「分かりました。そこまで言うなら、やりますよ」

八幡「でも、そのカードは俺に選ばせてください。自分なりに考えがあるので」

陽乃「もちろん。じゃあ、ゲームを始めようか」
5 : ◆SqZQSXA.b2 [sage saga]:2017/03/27(月) 20:00:13.56 ID:9UtyYpZW0
今日は終わりです
カード二枚は天剣の乙女と、プルートかモルディカイのどちらかになります
どっちが良いかあればどうぞ
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/28(火) 03:42:49.83 ID:AGbr6+9qo
ルナのにんじんだよ
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 00:33:50.34 ID:Qsy4E2YJo
乙です
8 : ◆SqZQSXA.b2 [sage saga]:2017/04/06(木) 03:24:27.24 ID:pGHW4BJO0
断っておくが、俺が陽乃さんの提案を呑んだのは、あくまで自分の為である。

自分は、再びあの世界へ行きたいと思ってきた。

それは最近まで押し込めてきた感情的な願いだ。

理性的に考えるなら、いみじくも自分で言ったように、行く必要はない。

行けば、助けなかった己を許すということに繋がるのだろう。

あの子たちの顔を思い出すと、胸が押しつぶされるように痛んでゲームを放り出してきた。

家では怠惰であるともっぱら評判だったのが、それとなく娯楽から離れていき勉学に励む優等生になった。

『自分も何かをしなければ、彼女らに顔向けができない』というこれまででは考えられないような、愚鈍な思考に陥るのだ。

雪ノ下はそれを聞くと、人間なら誰しもそう思うのだと、優しく言った。

考えてみれば、彼女はずっと姉の後を追っていたのだから、よく分かるのかもしれない。

現在、彼女はそれをやめたらしいが。

一方、由比ヶ浜は、私もそういう経験があるのだと、せつなそうに言った。

右手には、空欄が目立つテスト用紙がはためく。

親に悲しまれるのが、なによりも悲しいのだと漏らす彼女は、テスト明けにもっとも勉強するらしい。

もはや、テストが馬の尻をたたく鞭になっている。
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