貴方「奴隷たちに救済を」【安価スレ】【2スレ目】

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44 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/05(水) 08:15:21.55 ID:Ddl4x3ayO
今日の夜に更新したいと思います。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/05(水) 11:22:47.23 ID:MUh0e9pL0
備えよう
46 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/04/06(木) 00:40:56.01 ID:YuqzFPus0
>>43、この国では、民間人か奴隷か、の二つの区分で分けられています。残念ながら、奴隷には人権は一切ありません。

民間人には、貿易が盛んなのもあって、人間や亜人、その他の種族も含まれています。日を跨いでしまいましたが、今から再開します。
47 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 00:41:57.39 ID:YuqzFPus0
すみません、酉ミスです。
48 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 01:49:32.12 ID:YuqzFPus0
ご主人様は、これから仕事があるみたいで王宮に向かって行った。

私は自由にしていいらしい。

そういえば、私は外に出たことがない。

外と言っても、この街から出たことがないって意味なんだけど。

でも、視察の時に一回外に出てるなぁ…。

とにかく、この周りがどうなってるのかを知っていて損はしないと思う。

戦争があったところを避けておけば大丈夫なはず。

というわけで出発!

壁の上を飛んで外に出ると、そこには…。

何も無かった。

冗談でもなんでもなく。

近くに海があるからなのか、岩肌が剥き出しになっていて、草が少ししか生えてない。

自給することが厳しい国みたいだ。

だから、貿易が盛んなのかな、と思ったら納得する。

遠くには山が見えていて、山はけっこう緑でいっぱいになってる。

しばらく飛んでいたら、大きなドラゴンに追いかけられた。

そこまで速くなかったから、思いっきりスピードを出したら逃げられたけど。

街から少し離れたところに平原が見える。

煙が立ち上っていたり、えぐれていたりしている。

かなり大規模な戦いだったみたいだ。

もし負けていたら、と思ったら怖くなってくる。

兵隊さん、勝ってくれてありがとう。
49 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 01:50:17.98 ID:YuqzFPus0
直下コンマで情報判定です。5以上で成功です。
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/06(木) 01:56:35.53 ID:e2Q8p5JK0
ふむ
51 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 02:03:06.35 ID:YuqzFPus0
では、捕虜の処遇を直下コンマで判定します。

1〜3:リゼルが管理
4〜6:アーバンが管理(交渉すれば回収できるかも)
7〜9:自分たちで勾留(実質保護)
ゾロ目、0:処刑スタート
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/06(木) 02:11:12.08 ID:jo5kOFI9o
軍権は誰が
53 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 02:25:41.94 ID:YuqzFPus0
>>52、軍権自体は独立していますが、金銭的な意味での運営は特級貴族頼りなので、ある程度の干渉は可能です。

とは言っても、捕虜の尋問や管理くらいしかできないのですが…。

捕虜を入手しました。尋問で、情報を聞き出すことが可能です。
54 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 02:28:46.13 ID:YuqzFPus0
短い…というか、本編が少ししか進んでいませんが、今回はこれで終了にさせてください…。

次回更新は24時頃を予定しております。すみません…。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/06(木) 02:38:31.36 ID:jo5kOFI9o

主人公がレジスタンス事情を知らなくてアーバンが交渉次第で捕虜から情報を引き出させてくれるなら黒幕は見えたな
密偵を雇えないコネしか無い主人公がどうやって信憑性を持たせるんだろう
56 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:15:35.09 ID:weMAP0C40
遅れました。今から再開します。今回は捕虜の設定をしたいと思います。
57 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:17:13.87 ID:weMAP0C40
↓1〜3に種族をお願いします。亜人系統限定です。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:18:59.73 ID:H99wWZT8O
ゴーレム
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:19:33.12 ID:7CYxK7vCO
ワーウルフ
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:27:41.24 ID:0maSSj0O0
竜人
61 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:30:47.79 ID:weMAP0C40
では、直下コンマで決定します。

1〜3:>>58
4〜6:>>59
7〜9:>>60
0の場合は二桁目で判定。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:52:24.57 ID:7CYxK7vCO
ちょいと
63 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:56:04.76 ID:weMAP0C40
次は、性別を直下にお願いします。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:08:19.62 ID:VmniUWvFo
おとこ
65 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 02:10:42.24 ID:weMAP0C40
次に特徴を↓1、2にお願いします。その後に名前を決めて本日は終了とします。
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:22:08.61 ID:uNW+ZfdNO
冷血
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:24:34.40 ID:7CYxK7vCO
ドジ
68 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 02:26:27.74 ID:weMAP0C40
最後に名前を決定します。↓1、2で募集です。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:27:10.56 ID:fph62NA4O
バジルス
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:28:38.09 ID:ilhUhygsO
コーマイド
71 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 02:30:38.11 ID:weMAP0C40
では、直下コンマで決定をします。本日はこれで終了です。ほとんど更新出来なくて申し訳ありません…。

次回更新は23時頃を予定しております。お疲れ様でした。

奇数:>>69
偶数:>>70
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:33:19.91 ID:VmniUWvFo

捕虜は一人しか引き受けられなかったのか
それとも生き残らなかったのか
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 03:17:35.20 ID:0maSSj0O0
乙です
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/13(木) 21:15:37.08 ID:GxMKhmg9o
大丈夫かな
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 01:27:48.73 ID:2e5lJ0V5O
さて五月に入りましたが…
76 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/05(月) 16:43:37.69 ID:e3wiC3pNO
すいません、精神的に色々と死にかけていたので顔を出せませんでした。
本日の夜頃に再開します。大変遅れてしまい申し訳ありません…。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 17:05:52.74 ID:12Tx/y33O
生きてるならよし
待機
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 17:45:46.33 ID:X89BuwbjO
カラダニキヲツケテネ!
79 : ◆rOVqyGu.Qw :2017/06/06(火) 00:01:01.77 ID:U564gzvS0
お待たせしました。それでは、二か月ぶりの更新となります。

拙いところや、前と文章が変わっていると思いますが、よしなに…。
80 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 00:25:10.07 ID:U564gzvS0
あまりに久しぶりだったからsaga付けるの忘れてました…。


屋敷に戻っていると、ご主人様が帰宅しているのが見えた。

隣には亜人の人がいた。

男の子…?だと思う。たぶん。

背中から大きな羽が生えているから、竜人なんだろう。

それにしては、ちょっと小柄だ。

まるで、今までに満足な食事にありつけなかったかのようだ。

「ご主人様ー」

「ん…?ああ、アルヴァじゃないか」

「隣の子は誰?」

「捕虜だな。さっきの戦闘で捕縛されたやつだ」

「………」

「…小さくないかな。もしかして子供…?」

「…いや、これでも二十歳は超えている」

「ただの栄養失調だ」

「え、それでも二十歳って見た目じゃ…」

「あいにく、竜人自体の成熟は非常に早くてな」

「10歳にもなれば成人だ」

「まあ、寿命は200年程度だが」

「普通の亜人で最も長生きなのは妖狐、キツネだな」

「千年生きれば九尾というものに成るらしいが、実際に見たことはないから分からん」

「へぇ〜」

「…要は、俺はもう成長しないということだ」

「故に、この体は一生治らん」

「…ごめんなさい」

「謝る必要は無かろうに」
81 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 00:42:37.18 ID:U564gzvS0
「そういえば、どこかに行ってたの?」

「民間人の避難をさせるための手続きだな」

あ、たしかお昼にそう言ってたなぁ。

「杞憂に終わったが」

「そっか」

平和なままでいれたから、それで良かったと思う。

改めて実感した。

私たちは、無数の死の上で生きていることを。

死があるから、私たちは生きていられることを。

考えてみれば当然のことなんだけど。

「それと、追撃部隊の再編だな」

「奴さんは逃げていったが、放置するわけにもいかなかった」

「だから、いくつかの部隊を追撃に向かわせた」

「うまくいけば、来週にでも指導者は捕まえることができるだろうな」

「そうすれば、この戦いも全て終わるのかな…?」

できることなら、死ぬ人は少なくなってほしい。

誰だって、人を殺すのは、殺されるのは嫌なはずだから。

「俺はそう思っているが、正直どう転ぶか分からないな」

「それまで分かっていたら、ここまで苦労はしてないさ」

「…そうだね」

未来は誰にも分からない。

だから、正しいと思ったことをするしかないのだろう。

その結果、全てを失うことになっても。

それでも、進まないといけないのだろう。

「…そう暗い顔をするな」

「お前には笑顔が一番似合ってる」

そう言って、ご主人様は私の頭を撫でる。

優しくて暖かい、私が大好きなもの。

「うん…ありがと、ご主人様」

「はは、感謝される理由が分からんな」

そっぽを向くご主人様。

まったく、ごまかし方が下手だなぁ。

…私も他の人から見たら、こうなのかな。
82 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 01:00:21.55 ID:U564gzvS0
夕方の行動を直下にお願いします。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 01:27:38.34 ID:DhvPEmY9O
ごめん、今まで何してきたんだっけ?
84 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 01:33:53.47 ID:U564gzvS0
あ、たしかに久しぶりだからその辺りも書いた方が良かったですね…。

現在の状況


戦争には勝利し、追撃戦を実行中(来週の昼にコンマ判定)

奴隷市場に移動すればレアな奴隷が優先的に手配される…かも

リゼルを失脚させるための情報、パイプ形成に奔走中(成果はゼロ)

レイスちゃんからは凄い嫌われてる(貴方だけ)


…これくらいだったと思います。足りなければ追記します。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 01:42:29.97 ID:DhvPEmY9O
じゃあ対リゼル工作を再度
86 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 02:20:08.12 ID:U564gzvS0
「ああそうだ、ちょっと一仕事頼みたいんだが」

「なになに?」

「スジャータ…憶えてるか?先週会ったあの女性だ」

「ハーブのお姉さんだよね」

「あれはハーブじゃなくてやくそ…いや、それはどうでもいいか」

「まぁ、これからはこちらに陣営を固めていきたくてな」

「アーバンが味方ではあるが、多いに越したことはない」

「ここからだいたい20分もすれば着くところなんだが…」

「分かった。スジャータさんにお願いすればいいんだよね?」

「そうだ。俺の名前を出した方が成功する確率は高い…と思う」

「場所はあそこに見える時計塔の傍にある屋敷だ」

「頼んだぞ」

「はーい!」

あの距離なら5分もしないはずだけど…。

もしかしたら、遊んでこいと言っているのかもしれない。

昼にお小遣い貰ってるし。

何はともあれ、お仕事を終わらせてから考えよう。

地面を蹴り、翼を広げる。

やっぱり、空を飛ぶのもいいなぁ。
87 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 02:22:16.44 ID:U564gzvS0
今回はこれで終了です。久しぶりだからかペースが遅い…。もっと早く書けるようになりたいなぁ…。

次回も夜12時頃に再開できると思います。お疲れ様でした。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 09:23:44.58 ID:WbLUl/fEO

久しぶりに見れてよかったよ、無理はしないでね
89 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 00:59:25.94 ID:4P67TS5x0
昨日はごめんなさい!今から再開します。
90 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 01:27:41.31 ID:4P67TS5x0
屋敷の前に到着したので、門を何度か叩く。

「動かないでください」

「ッ!?」

人が近づいている気配は一切無かった。

今、アルヴァの後頭部には銃が突きつけられている。

「変な素振りを見せたら、この場で射殺します」

いくらフェニックスのアルヴァでも動けなかった。

それほどの凄みを感じさせる声だったのだ。

「あ、あの…。私はご主人様に頼まれて来たんですけど…」

「つまり襲撃ですか?正面から堂々と来るとは、余程自信がおありなようで」

「違います!スジャータさんにお願いがあって来たんです!」

「では違うという証拠を提出願います」

「具体的には、貴女の名前、そのご主人様とやら…」

「…すみません。どこかでお会いしたことはありませんか?」

「ふぇ?」

声の覇気や辺りに漂っていた殺意が薄れる。

振り向こうとしたら頭を抑えられた。

返答は動かずに、ということだろう。

「えっと…。スジャータさんとは先週に西中島南方?みたいな場所で会ったけど…」

「…なるほど。だいたい状況は把握できました」

「無礼をお詫びします」

殺意が完全に消え、目の前の女性?は深々と頭を下げる。
91 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 01:48:55.94 ID:4P67TS5x0
「わわっ頭を下げなくていいですよっ」

突然の謝罪に慌てふためくアルヴァ。

下手に出られるのには慣れていないのだ。

「本当に申し訳ございません」

「何分、私は目が見えませんので」

「えっ…」

振り返り顔を見ると、両目を閉じた端麗な素顔が伺えた。

長い銀髪を一つ結びにして流していて、絹糸のように美しかった。

「私が胎児の時に、母親が流行り病に罹ってしまいましてね」

「産まれる前から、目が潰れてしまったのですよ」

「母親もすぐに亡くなってしまいまして、産まれた時点で奴隷の未来が確定してしまいました」

「まぁ、視力が無いので誰にも相手をされなかったわけですが」

そう言って、目の前の女性?は微笑む。

辛い過去のはずなのに、話している様は悲しそうには見えなかった。

「立ち話も何ですし、中で続きとしましょうか」

「お嬢様に用があるみたいですし、ね」

「あの、そこまで気を遣わなくても…」

「いえいえ、あのお方のメイドさん…ですよね?となれば、これくらいの配慮はしなくては」

「あうぅ…」

「それに、外にお嬢様を出すのも気が引けますよ」

「襲われる可能性は否定できませんので」

「たしかにそうですね…」

「では行きましょうか」

「ひゃわっ!?」

スジャータに仕えているであろう麗人は、アルヴァをヒョイと抱え、屋敷へと入る。

降ろされるまでの間、アルヴァの顔は真っ赤であった。
92 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 02:13:40.94 ID:4P67TS5x0
あれよあれよと客間に連れられ、目の前のテーブルには緋色のような紅茶が置かれている。

対面した席のスジャータは、優雅に紅茶に口を付けている。

何も知らないアルヴァでも、一つ一つの所作が綺麗に見えていた。

礼儀やマナーを叩き込まれた証拠だろう。

「…それで、何をしに来たのかしら?」

いきなり本題に入ってきた。

血縁関係があるからなのか、あの人とダブって見える。

「あ、はい。ご主人様に、スジャータさんと協力関係を結んでこいと言われました」

「成程。陣営を固めてリゼル卿と対等に渡り合えるようにしたい、と」

「たぶんそうだと思います」

「…先週、私はこう言ったはずよ」

「『どっちでも気にしない。私はコレクションを増やすだけ』ってね」

「その後に言った言葉は憶えてる?」

その後の言葉。

『家族のよしみもある』、『少しくらいは、サポートしてあげる』くらいだろうか。

「つまりはそういうことよ」

「私だって、きな臭いことをしている他人に従うくらいなら、家族を信じるわよ」

「なんだかんだで、あの人とは幼少期の頃からの付き合いだし」

「つ、付き合っているんですか!?」

純粋なアルヴァは、スジャータの考えている『付き合う』と別なものを連想してしまった。

「…男女の関係ではないわ。ただの家族、それだけよ」

「…この話はこれでおしまい」

「貴女は、この後時間はあるかしら?」

「終わった後のことは聞いてないです」

「そう。なら、今日はここに泊まりなさい」

「もう外は真っ暗だから危ないわ」

その言葉を聞いて、アルヴァは不安になる。

「で、でも…ご主人様に怒られるかも…」

「あの人はこれくらいじゃ怒らないわよ」

「それに、きちんと連絡もしておいてあげるから、その辺りも問題なしよ」

「うぅ…」

「…今なら、美味しいお肉もいっぱい食べられるけど…?」

「泊まります!」

「よろしい」

お肉の魔力には敵わないアルヴァであった。
93 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 02:19:03.65 ID:4P67TS5x0
本日の更新はこれで終わりです。昨日は申し訳ありませんでした…。

今回出てきた(視察編でも言及だけはしてました)護衛さんの名前を募集してます。私は『アイン』と付けようかな、と。

他に名前が出てきた場合は、気に入った名前にしようと思います。背景等は設定済みです。

何か案がありましたら、その旨をレスしていただいたらOKです。

次回こそ、夜の12時に開始したいと思います。次回こそは…!皆さん、お疲れ様でした。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 02:32:34.27 ID:yImI9TeJ0
乙です
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 03:09:51.86 ID:jDDDfYZ5o

主人公陣営の資金源ってなんだっけ?
特急貴族の資金力だとリゼルが一番強いのかな?
96 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 00:53:42.03 ID:XrlIYhHI0
>>95、資金力はリゼル>>アーバン≧貴方です。リゼルは完全なブラック、アーバンは厳しめのホワイトなのでこんな感じです。

送れましたが、今から再開です。
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 01:19:38.74 ID:bYjTr39dO
ういうい
98 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 01:28:00.84 ID:XrlIYhHI0
>>95、ちょっと抜けてました。貴方陣営の資金源は貿易や娯楽施設の運営です。

アーバンは人材派遣や物資生産、リゼルは真っ黒なことをしています。誤字していて恥ずかしい…。


話がまとまったところで、護衛の麗人が話しかける。

「連絡は誰がしましょうか?」

「言い出しっぺの法則、よ」

「かしこまりました」

「手紙は書いておくから弾を用意しておいて」

「…なるほど。了解いたしました」

そう言って護衛は部屋から出ていく。

二人きりになり、部屋には静寂が訪れた。

アルヴァは、疑問を素直にぶつける。

「護衛さんはどういう人なんですか?」

「護衛と呼ぶのはおやめなさい。彼女にも名前がある」

「『アイン』よ。最初に購入した奴隷だからこの名前にしたわ」

「どこかの国の言葉で、『1』を表す言葉みたいだからそう名付けたの」

手を止めることなく、淡々と返答をするスジャータ。

「…スジャータさんも、奴隷は物だと思っているんですか…?」

「ええ」

「…ッ」

アルヴァの心に、僅かな怒りが生まれる。

「失望したかしら?だけど残念、私はあの人とは違うのよ」

「だけど、私は自分の物は大事にする主義なの」

「アインを、他の子を棄てることなどありえない」

「私かその子が寿命で死ぬまで、面倒を見るわよ」

表情に変化は無いが、発せられた言葉からは覚悟が伝わってきた。

早とちりで怒りを覚えた自分が恨めしい。

「…ごめんなさい」

「…?貴女が謝るところは無かったはずよ?」

「いえ、謝らないといけませんでした」

「私はそれだけのことをしましたから…」

「…よく分からないけれど、自分の非を認めて、反省できるのは優れている証拠よ」

「そう小さくならないで、自信を持ちなさい」

そう言ってスジャータは笑う。

その姿を見たアルヴァは、無自覚で言葉を漏らす。

「ご主人様に似てるなぁ…」

一瞬、手紙を書くスジャータの手が止まる。

「そうかしら?血縁者だし、似てるところがあってもおかしくないはずだけれど」

「…これでよし、と」

「続きはガールズトークの時間にしましょうか」

この後アインが連絡を行うのだが、貴方たちがアルヴァ捜索部隊を結成していたことを、二人が知ることは無かった。
99 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 01:54:33.38 ID:XrlIYhHI0
「美味しかった〜!」

「そう。その言葉を料理人たちに言ってあげなさい」

「きっと大喜びするわ」

予め情報を入手していたのか、テーブルには大量の肉料理が並んでいた。

カエデの料理とはまた違った味わいで格別だった。

それでも、カエデの料理が一番なのだが。

「さて、と」

「ガールズトークの前には、風呂で体を清めるのがお決まりなのよ」

「そうなんですか」

「本当なのかは知らないけれど」

「えっ」

部屋での一件(というほどのことではなかったが)後から、スジャータとアルヴァは気兼ねなく話をしている。

もっとも、アルヴァのコミュ力が高いだけなのだが。

服を素早く脱いで、浴室へと一番乗り。

「わぁ…!」

浴室は、貴方の屋敷のものとはまた違った構造をしていた。

「西中島南方にある旅館の風呂場を参考にした…らしいわ」

「ここができたのは私が産まれる前だったから分からないのよ」

「…ふむ」

「きゃっ!?」

突然、おもむろに手をアルヴァの胸に当てて、揉むスジャータ。

あまりにも唐突だったため、アルヴァは反応できなかった。

「…14くらいなら妥当な成長具合ね。結構結構」

「この調子でご飯は食べなさい」

「ふぇぇ…」

ペタン、と座り込むアルヴァを尻目に、スジャータはアインの方を向く。

「貴女は節制しすぎよ。もう少し食べるべきだと思うわ」

「そう思いますか?」

「ええ。だって貴女の胸は絶壁もいいとこじゃない」

「まだ16なんだから希望は残っているわよ」
100 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 01:55:14.50 ID:XrlIYhHI0
ちょっとしたコンマ判定です。直下でお願いします。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 01:57:22.17 ID:Skmse23go
102 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 02:19:07.35 ID:XrlIYhHI0
コンマ判定:7 その胸は実際ホウマンだった

そう言っているスジャータの胸はなかなか大きかった。

普段は目立っていなかったので、着やせするタイプなのだろう。

「ですが、私は自分の体が分からないので」

「いつもの食事量も、結構多くしているつもりです」

「まぁ、可能性はまだあるから気にしないで」

「私としては、このままの方がありがたいですね」

「そんな駄肉があったら動きに支障が出てしまいますので」

「…運動神経が無くて悪かったわね」

「そこがお嬢様のいい所だと思いますけどね」

「…ぷいっ」

なんだかんだ駄弁った後、三人で湯船に浸かる。

「そういえば、アインさんは目が見えないんですよね」

「ええ。完全に視力は無いですよ」

少し躊躇ったが、アルヴァは気を引き締めて言う。

「…でしたら、私の血を飲んでみませんか?」

「…はて?」

首を傾げるアインだが、無理もないだろう。

いきなり血を飲むか聞かれて、困惑しない人は僅かではないだろうか。

「…前にご主人様が言ってたんです」

「『お前がフェニックスだからだ』って」

「これは献血の時に言われたんですけどね」

「自分の体のことだし、気になって調べたんです」

「そうしたら、『フェニックスの血は、万病を治す、不治の病すらも治癒させる第一の奇跡』…こんな文章がありました」

「他にも『フェニックスの肉は、不老不死を授け、喪失した肉体すらも再生させる第二の奇跡』とかもあったんです」

「これを見て、私なりに考えたんです」

「私の肉は、失ったものを、あらゆる怪我を癒すもの」

「私の血は、病を、その肉体を巣食う障害を排除するものなんじゃないか、って」

「そうだとしたら、アインさんが私の血を飲めば、視力を手に入れられると思うんです」

「貴女…フェニックスだったのね…」

「あの人が素性を隠していた理由が分かったわ…」

「血…要りますか…?」
103 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 02:33:47.37 ID:XrlIYhHI0
厳しい顔つきをしながら、アインは答える。

「たしかに、見えるようになるのは魅力的です」

「…ですが、目が見えるようになった時点で、私は私ではないのです」

「不便ではありますが、私もこの体だからこそ、ここまで生きてこれたのだと思っています」

「それに、目が見えていたら、お嬢様と巡り合うことも無かった」

「私にとって、この目は希望への切符だった…いえ、お嬢様と繋いでくれた糸なのです」

「ですから、私はこれからもこの目とともに生きていきます」

「貴女も、そうやって体を売るようなことは控えた方がよろしいかと」

「私の見立てでは、今回が初めてのようですがね」

「うっ」

なぜ分かったのだろうか。

エスパーなのではないか、という疑問が浮かぶ。

「秘密、です」

「…のぼせたから私は上がるわ」

「承知いたしました」

「貴女たち二人で話していてもいいわよ」

「ではお言葉に甘えて…」

その後、アルヴァとアインは我慢比べをしたりして、仲良くすごしたんだとか。
104 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 02:36:08.49 ID:XrlIYhHI0
今日はこれで終了です。次回で次の段階に進みたく思っています。

次の更新は再来週になりそうです…。また時間が開いて申し訳ない…。文章の感じとかが迷走してる気がする…。

皆さん、お疲れ様でした。
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 02:38:37.26 ID:Skmse23go

リゼルが欲しがるフェニックス
106 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 00:38:19.92 ID:mkW8G2Ks0
お待たせしました。今から再開します。
107 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 01:11:46.29 ID:mkW8G2Ks0
「あら、ずいぶんと長湯だったわね」

「アルヴァ様の要望に付き合っていましたので」

「えへへ…」

スジャータは、アルヴァとアインを交互に見る。

「まぁ何かを聞くつもりはないけれど…」

「それよりもアイン、貴女、顔が真っ赤よ?水を口にするべきだと思うわ」

「いえ、お気になさらず」

大きなベッドに三人で腰掛ける。

優しいハーブの香りが心を落ち着かせる。

少しの間訪れた静寂を、スジャータの一言が終わらせる。

「貴女がフェニックスだということ、誰にも教えてないでしょうね?」

「ふぇ?」

アルヴァは記憶を辿る。

憶えている限りでは、身内以外に知っているはずはない。

「ううん」

アルヴァの返答に一瞬、安堵の表情を浮かべたスジャータだが、また顔つきが若干険しくなる。

「…これからは、安易に空を飛んだり自分の種族を答えないことね」

「え?」

「これは警告よ。下手な組織に貴女の存在が知られたら、みんな死ぬわよ」

「それだけ、貴女は特殊な存在ということよ。憶えてなさい」

「えっと…具体的には…?」

スジャータは指を立てて答える。

「三つよ。まずはリゼルたち別勢力の貴族」

「彼らに知られた場合の貴女の末路は…。そうね、苗床、かしら」

「ただ、優秀なキメラを生み出すためだけの装置。一生、貴女はオークや竜人、魔物たちに犯される人生になる」

「犯す?」

純粋なアルヴァには、『犯す』という単語の意味が伝わらない。

「…帰ったら貴方にでも聞くことね」

「…二つ目は、マフィアといった犯罪集団ね」

「これは、まぁ見世物にされるか奴隷として売られるか、くらいね」

「最後は、商人やキャラバン、ハンターたちよ」

「二つ目と三つ目は、国とかお構いなしに貴女を捕まえに来るわ」

「特にハンター。彼らには気を付けて」

「ハンターは文字通り、次元が違うの。普通の人間とは思えないくらいに」

「防具一つでマグマを浴びても、多少の火傷で済むくらいにはおかしいから」

「ふぁい…」

この世界には、まだまだ凄い人がいる。そう思ったアルヴァだった。
108 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 01:33:51.90 ID:mkW8G2Ks0
「それじゃあ、そろそろ寝るとしましょうか」

「貴女はこっちよ」

「わわっ」

手を引かれ、アルヴァはスジャータの隣へと倒れこむ。

「ではお嬢様、アルヴァ様おやすみなさいませ」

「ええ。アインも、今日は伝令お疲れ様」

「おやすみなさい!」

アインは、ドアを閉める直前、年相応な可愛らしい笑みを浮かべる。

「あ、来週のお食事、楽しんできてくださいね」

「…は?」

静かに、ドアは閉められた。

「ちょっとアイン、どういうこと?まさか手紙を…読めないか」

「とにかく、なんで貴女が内容を知ってるのよ?ねえ、怒らないから。カムバック!ハリー!」

どんなに叫んでも戻ってくることはなかった。

「………」

スジャータは頭に手を当てる。

「…まぁ、今更考えても、か…。早く寝ましょう」

「はーい」

布団を頭に被る仕草が、結構可愛かった。


第6週 終了
109 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 01:40:00.78 ID:mkW8G2Ks0
それでは、仕様を変えてから初の視点判定です。直下コンマです。

1〜3:貴方陣営
4〜6:???(A)
7〜9:???(R)
110 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 02:11:57.71 ID:mkW8G2Ks0
うーん…。この判定は廃止にしますかね。どんどん進めた方がよさそうです。

それに、これは貴方のお話なのに他のキャラを操作するのもおかしな話ですよね。進めていきます。
111 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 02:41:02.67 ID:mkW8G2Ks0
朝は憂鬱だ。

気持ちよく眠っているのに起こされてしまう。

ずっと寝ていたいのだが、それでは目的が達成できない。

寝間着から、いつもの服へと着替える。

いくつか装飾品はあるが、なるべく質素に済ませた特注品だ。

矛盾している気がするが。

今日の朝食はサラダと味噌汁。

カエデの故郷の料理だと聞いている。

一気に口の中に流し込むと、濃厚でいてさっぱりとした味わいが広がる。

この味噌の風味がたまらない。

味噌自体は輸入していないからか、自作しているようなのだが、このクオリティは素晴らしい。

特別ボーナスでもあげた方がいいのかもしれない。

右手でサラダを口に運びながら、左手で書類を扱う。

先週の戦闘報告書に、気になる点があったのだ。

『亜人のキメラと思しき敵兵が存在していた』という報告がいくつかあったのだ。

もしこれが事実なら、この一連の騒動の首謀者は…。

だが、決めつけるのは早計だ。

まだ、追撃部隊が本拠地に到着していないのだ。

報告を待ってからでも遅くはない。

報告書を読み終えたのと同時に、食事が終わった。

今から働かないといけないが、働きたくない。

夜にはスジャータと外食の予定だし、ぐうたらしててもいいのではないだろうか。
112 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 02:42:10.56 ID:mkW8G2Ks0
直下に、朝の行動をお願いします。

今回はこれで終了です。次回も明日の同じ時間くらいに再開予定です。お疲れ様でした。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 04:07:35.23 ID:RSLeHptzO
まぁ、最近忙しかったし、ぐうたらしよう
ついでにレイスとかユウとかの様子とか交流とか
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 21:26:38.12 ID:zvPLwPxno
キメラの敵兵はガチで管理能力が低いのかそれともばれてもいいくらいの物理戦闘能力を確保しているのか
後者の場合亜人の内乱はキメラの宣伝目的ではなく威力偵察だったのかな?

そして説明に出てきたハンターというのは何を目的とした人たちなんだろう?
115 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/21(水) 01:18:46.05 ID:YCXCvsAk0
>>114、ハンターは、某狩猟ゲームに出てくるそれと大体は同じです。要人警護等のPMCがやるような仕事が増えているくらいです。

主人公として選ぶことも可能ですよ。というか、殆どの職業や立場は選べます。

今回は初回だったので自由に設定しましたが、次回からはコンマで決定になります。

少し遅れましたが、今から再開です。
116 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/21(水) 01:23:41.47 ID:YCXCvsAk0
では、誰と交流する(様子を見る)かです。↓1、2に一人ずつお願いします。彼らとどうするか、まで一緒に書いてもらえたら嬉しいです。

選ぶキャラは奴隷組からの選択でお願いします。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 01:26:54.27 ID:U4psR5H9o
ユウ
118 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/21(水) 02:36:03.41 ID:YCXCvsAk0
すみません、ちょっと気分悪いので中止です…。明日の同じ時間に今度こそ…。すみません…。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 08:35:59.07 ID:jD6pyQAHO
アルヴァ
120 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/22(木) 01:49:08.36 ID:AIeTozxY0
すみません…。まだ気分が悪いです…。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/22(木) 02:16:24.86 ID:E+3KeAZzo
よく休んで
栄養とって
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/22(木) 04:04:12.98 ID:DEqRVRDEO
体調整ってからで大丈夫やで

ところでアルヴァって戻って来てるの?
123 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 00:45:36.98 ID:Gd8IZ1Zc0
>>122何かアナウンスしていなければ、その週に取った行動(監視や宿泊等)は次週では終わってますよ。

何とか復帰したので再開です。休んで申し訳ありませんでした…。
124 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 01:38:53.92 ID:Gd8IZ1Zc0
前から働いてばっかりだし、今日くらいは気を抜いていいだろう。

それに、ユウとは殆ど話していないから、彼のことはもっと知っておきたい。

掲示板を見たところ、今は留守のようだ。

仕事を与えていないし、街でもぶらついているのだろう。

とはいえ、どこにいるか分からないのは困る。

アリサあたりなら知っているのだろうか。

「あーユウさんなら警備してますよ」

「警備?」

「ええ。彼が『この街は治安が悪いわけではない』」

「『だが、貿易が盛んな関係上警備が多い方が、商人たちも安心するだろう』と申しておりました」

「仕事を探している…のか?」

彼も暇なのだろうか。

今日会った時に聞いてみよう。

「いえ、そうは見えませんでした。たぶん彼の厚意だと思われます」

「…そういえば、一昨日は孤児院に差し入れしに行ってましたね」

「本当にユウは悪霊か?」

やってることが善人すぎる。

「悪霊(天使)なんじゃないですかね」

それにしても孤児院か。

ユウが言っていたことをそのまま受け取るなら、何かに執着したりはしないはずだ。

彼の出生に関係あるのかもしれないな。

「当主様もどこかに行かれますか?」

「まぁ、少し野暮用がな」

「私も同行しましょうか」

「愛人オーラを出しながらですが」

「やめてくださいお願いします」

「冗談ですよ」

「…で、真面目に結婚とかどうするんです?貴方もそろそろ適齢期でしょう」

「…ハッ!もしや今日は女漁りや恋人と逢いに…。やーん当主様がケダモノに!」

「違う!ホントにただの野暮用だから!あと俺はマトモだからな!」

「…結婚する気は無いさ。反吐が出る」

立場上、お見合いの話がいっぱいあるのだが、皆名声や資産目当てなのが明白だ。

「…まぁ、しない理由は分かってますけどね。あんなクズたちと結婚するなんて私が男でも嫌ですよ」

お見合い相手の素性調査はアリサに頼んでいる。

だから、どういう人なのかは彼女が一番理解しているだろう。

それ故の酷評なのだ。

「…でも、世継ぎをどうするかは考えるのは遅くはないかと」

「…全てが終わった後、かな」

「その頃にはお爺さんになってそうですがね」

養子を迎えるとか色々な方法があるし大丈夫だとは思うが。

「それはさておき、外出するならお気をつけて」

分かってる、と手を挙げて答え、外に出る。

アリサが弓を構えて姿を消したが、俺はそんなところを見ていない。
125 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 02:10:58.36 ID:Gd8IZ1Zc0
外に出てから思ったのだが、どこにいるのかを俺は何も知らない。

虱潰しに捜すのは非効率的すぎる。

孤児院を優先的に捜せばいいのかもしれないが、孤児院にいるとは限らない。

どうしたものか、と思案していたら、足元に矢がぶっ刺さった。

淡い光を放っているところから、アリサが撃った矢だと理解できたが、辺りを見ても姿はない。

よく見たら鏃には紙が巻かれている。

魔力で構成された矢にどうやって巻くのだろうか。

疑問は残るがとりあえず読んでみる。

ホモ疑惑の掛かっている貴族様へ

『お捜しの人なら、この時間は近くの孤児院にいますよ』

謎の弓兵Aより

情報はありがたいが、ホモは流石に傷つく。

帰ったら食事を激辛カレーにすり替えてやる。

手紙を仕舞おうとしたら、文字がうっすらと浮かんできた。

『なお、この矢はあと1秒後に爆発しながら雷が落ちます』

読み終わる前に爆発して、雷まで当然直撃した。

いくらなんでも警告が出るまで遅すぎる。

飲む水まで唐辛子たっぷりにしてやらねば。
126 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 02:22:37.82 ID:Gd8IZ1Zc0
アリ…弓兵のアドバイスに従い、孤児院に向かったら、何やら人だかりができている。

人だかりと言っても、少年少女ばかりだが。

その中心には、良く知るオークがいた。

「おや、主殿がどうしてここに?」

「ユウと話がしたくてな」

「それでわざわざここまで…。ご足労いただきすまないね」

「ねーねー、このおじさんは誰?」

お、おじさんちゃうわ。

「彼は私の雇い主さ。悪い人じゃないから安心してあげて」

「この剣凄ーい!変な文字が書かれてる!」

「こらこら、勝手に武器を使ったら危ないよ。早く仕舞いなさい」

「はーい」

「…慕われてるんだな」

「はは…。私もここ数日、毎日来ているからね」

毎日、か。

アリサは一昨日と言っていたが、それ以外にも来ているのか。

いよいよ悪霊詐欺疑惑が出てきたな。

「…失礼だが、少しいいかい?」

「なんだ?」

「どうして、貴殿は真っ黒焦げな上に髪の毛がブロッコリーのようにもっさりしているのだろうか」

「聞くな」

「え?」

「…聞かないでくれ」

「あ、ああ」
127 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 02:24:17.07 ID:Gd8IZ1Zc0
本日はここまでです。病み上がりみたいなものなのですみません…。今回はこちらで自動進行させていただきますね。

次回は再来週の月曜日あたりになるでしょうか…。お疲れ様でした。
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/23(金) 04:22:53.97 ID:FUkKnzCFO

アリサへの仕返し安価はまかせろー
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/25(日) 14:36:18.20 ID:qw/4cjX5o
この主人公に子供が居たとしても国を犠牲にしてもいいレベルで奴隷制度を廃止してはくれないよね
130 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 00:00:53.36 ID:+ID3DgED0
>>128、仕返し安価はまだ時間掛かりそうですけど…。行う日にはアナウンスしますね。

>>129、貴方も、色々あるまでは奴隷賛成派だったんですよ。ある事情があって反対派になりましたが。

子供がいても、そこまで本気で廃止させようとするなら、洗脳するレベルの教育が必要になるかもですね…。

遅れてすみません。今から再開します。
131 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 01:14:38.89 ID:+ID3DgED0
「ところで、だ」

「なんだい?」

「どうしてユウはここにいるんだ?」

「それは…。私にも分からない」

ユウは空を眺めながら答える。

「私自身、意味がないことだと理解しているんだ」

「治安維持が目的なら、警備だけで充分だと、ね」

「分かっている…。のに、どうしてもここに来てしまうんだ」

「…不思議だね」

「…ああ。不思議だな…」

正直に言うと、ある程度の見当は付いている。

だが、本人は知りたいという意志を見せていない。

ユウの過去は、ユウ自身の問題だ。

部外者である俺が口出ししていいことじゃない。

「主殿」

「どうした?」

「…いや、何でもないよ。ただ、不思議な感じがしただけさ」

「そうか」

「また屋敷で会おう」

「ああ。また後でな」

…一雨来そうだな。
132 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 01:37:22.69 ID:+ID3DgED0
「っあー!致命傷は避けれた!」

土砂降りになった直後に、屋敷へと帰還する。

全身ずぶ濡れである。

あと数分でも遅かったら風邪確定だった。

「そういや、もう雨期に入ってたな…」

ここハイランディアは、5月の中旬から6月に入るまでが雨期だ。

もともと乾燥しがちな土地のため、雨期も極端に短い。

「うわーびしょ濡れだよ…。はい、タオル」

「ん、ありがとな」

「えへへ…」

こうやってアルヴァの頭を撫でるのが日課になってる気がする。

撫で心地がいいから、つい撫でてしまう。

これがレイスだったら指を噛まれるが。

めっちゃ痛いです。

アリサの場合は、アリサの態度はふざけてはいるが耳が赤いのが分かる。

で、指摘したら氷漬けにされる。

まぁ、体を凍らせるわけじゃなくて、周りの空間を凍らせる…つまり、氷で閉じ込められるわけだ。

凄い寒いから、好き好んで受けたくはない。

カエデは、俺が手をどけるまでじっと待つ。

本人曰く、「褒められるのは嬉しいが、他の人にするべきだ。その方が、私ごときを労うよりよっぽど有意義だろう」とのことだ。

昔の件があるからだろう。

自分に価値がないと思っている節がある。

こればっかりは、どうしようもないのかもしれない。

しかし、最初の頃に比べたらだいぶ改善された方だ。

彼女の問題だから、強くは言えないが、過去を知っているからどうにかしたい。

「…まーた難しい顔してる…。めっ、だよ?」

「…そうか。すまん」

「…むぅ」

ふくれっ面をされても困るのだが。
133 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 01:51:13.82 ID:+ID3DgED0
「とりあえず着替えたらどうかな?」

「それもそうだが、ラフすぎる服装も、な」

「家の中だし別にいいと思うんだけどなぁ」

む、一理ある。

「…アルヴァは、家の中ではいつもワンピースなんだな」

「うん!今持ってる服では一番好きだし、ご主人様から初めて貰ったプレゼントだからね!」

ホンマええ子や…。

「じゃあ俺は着替えてくるよ」

「お手伝いしよっか?」

「一人でできるから大丈夫だ」

「んー…。じゃあお部屋の掃除!」

「大丈夫」

「むー!」

「カエデー!アルヴァが暴走したから抑えてくれー!」

「了解」

「もごもご!もごごごご!」

「な、ナイス」

呼んだら来てくれるのはありがたいが、どうやって来ているのかが気になる。

「さあ、主人は早く行くといい」

「サンキューな」

「どういたしまして」

「もごごー!」

「はいはい、試作品ができたから試食を頼むよ」

「もご!」
134 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 02:00:46.39 ID:+ID3DgED0
ワイシャツに普通のズボン、うん。

我ながらだいぶラフな格好になったと思う。

「ワイシャツっていうかアロハシャツですし、グラサンを掛けて言うセリフじゃないと思います」

「暑いんだからいいだろう」

「室温下げておきますね」

「うん、氷点下になってるな」

加減というものを知らんのかこのメイド。

「注文が多いですねぇ。20度くらいならいいでしょう」

「最初からそうしてほしかった」

「ところでさ」

「はい?」

「謎の弓兵Aって誰かなぁ?」

「…ぴゅーひゅぷぴゅー…」

「………」

「………」

「三十六計逃げるに如かず!」

「待てやコラァ!」
135 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 02:02:44.68 ID:+ID3DgED0
昼の行動を直下にお願いします。

短いですが、今回はここまでとさせていただきます。すみません…。次回は来週月曜日の予定です。お疲れ様でした。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/04(火) 02:36:43.16 ID:Jecng1kno

バジルスから情報収集、亜人集団の主義主張やその信頼性について
137 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 00:19:57.40 ID:IvOfTYyo0
お待たせいたしました。今から再開します。
138 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 00:34:35.56 ID:IvOfTYyo0
言い遅れましたが、今回で仕返し安価をする可能性があります。
139 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 00:41:41.88 ID:IvOfTYyo0
「クソ…見失った…。転移魔法はせこくないか…」

廊下の角を曲がった瞬間に、転移魔法で逃げられてしまった。

捕まえるの無理ゲーじゃないですかね、これ。

「うぐぅ!」

「へあっ!?」

凄まじい音がしたので、慌てて振り返ると、そこにはバジルスが倒れていた。

「ど、どうした!?」

「…足がもつれてこけただけだ」

何もない廊下でこけるとは、どれほどドジなのだろうか。

重要なことを忘れていたな。

彼から一度も情報について聞いたことが無かった。

そもそも、俺が聞いてないだけなのだが。

「今から俺の部屋で待機していてくれるか?少し聞きたいことがある」

「…?別に構わないが」

埃を払い、バジルスは部屋へと向かう。

カエデさん、いらっしゃーい。

「何か用か?」

「指を鳴らしたらすぐ来るのはおかしいと思うの」

「偶然近くにいたからな」

「本当に?」

「…本当だ」

何だその間は。

「それはそうと、一つ作ってほしいものがあるんだ」

「ふむ、私ができることなら何でもしよう」

「カツ丼を二杯作ってくれ」

「なぜにカツ丼」

昔読んだ本の内容を思い出す。

「ほら、昔三人で読んだ本があっただろ?『これであなたも名刑事!情報の吐かせ方スペシャル』って本」

「あぁ、懐かしいな」

「これにさ、『カツ丼を置いておふくろさんが悲しむぞ?』って言ったらイチコロって書いてたんだよ!」

「実践するしかないじゃないか!」

「…なるほど。状況は理解したよ。二十分ほど時間を貰うが構わないか?」

「ああ」

「…ここまで純粋だと心配になるな…」

聞こえないように言ったみたいだが、丸聞こえである。

なんでこうも立場が逆転しているのだろうか。

私、気になります。
140 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 01:09:53.64 ID:IvOfTYyo0
部屋の前で待っていると、カエデがカツ丼を持ってきた。

卵やトンカツの香ばしい匂いが漂う。

バジルス用なのに、俺が食べたくなってしまうではないか。

「まぁまぁ、言えば作ってあげるから、今回は譲ってあげればいいだろう」

「取り調べの健闘を祈っているよ」

「いきなりの頼みだったのにありがとな」

「ふふ、主人の期待に応えられたならいいさ」

「では、持ち場に戻るよ」

「ん、お疲れさん」

カエデを見送り、部屋に入る。

そこには、倒れているバジルスがいた。

「………」

「…大丈夫か?」

「…生きてるから問題ない」

「いや、この部屋で死なれたら困るんだが」

逮捕されてしまうじゃないか。

「流石にこけて死ぬことはないだろう」

「正直心配なんだが」

「…両手のどんぶりはいったいなんだ?」

「っとそうだ、忘れてた」

机にどんぶりを置き、照明を点ける。

「…こんなことをしてたのを知ったら、おふくろさんが悲しむぞ?」

「怒らないから、正直に言ってみなさい」

「待て、明らかにおかしいところがあるだろう」

「これだと、俺が罪を認めたらそれで終わりって感じじゃないか」

「あ、用途が違うのか」

本の知識もあてにならないものだ。

「普通、情報を聞き出すのなら拷問や尋問を行うのが基本だろう」

「そんな辛いことしたくない」

「………」

なんで大丈夫かこいつ?みたいな顔するんだ。

こっちは至って大真面目なんだぞ。
141 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 01:11:36.10 ID:IvOfTYyo0
直下コンマが4以上で情報が取得できます。ついでに↓2コンマで戦闘力を判定します。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/11(火) 01:26:19.84 ID:nAN5GFkTO
だがしかし
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/11(火) 01:27:44.17 ID:yhtVVvt8o
せんとう
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