【まほいく安価】プフレ「魔王は倒さなければならない」【魔法少女育成計画restart】

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166 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 22:45:24.33 ID:bz6x2VjOo

ユウキ「ぷ、プフレ」

プフレ「なにかな?」

ユウキ「ジェノサイ子、頼んでいいか?」

プフレ「……ふむ。彼女は今どんな状態かな」

ユウキ「ワシの魔法で脳内だけを12年前に戻してある。多分小学生か、それくらいじゃろ」

プフレ「………………なるほど分かった。君はどうするんだい?」

ユウキ「クランテイル達があれじゃ。進んで先を行こうとは思わんじゃろ」

プフレ「了解だ。頼んだよ」
167 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 22:49:37.03 ID:bz6x2VjOo

他にもジェノサイ子にはこれが人が死なないリアルなゲームだと伝えてあると言うと、プフレは面倒そうな顔をしたが承ってくれた

そして心配する素振りを見せるベルに一言返し、ユウキはすすり泣くペチカの横を通り過ぎ、未踏の廊下に足を踏み入れる


ユウキ「(地雷原の突破法は……)」


地雷は通常、地面の中だ。こんな廊下とは少し違うが、主にやることは変わらない。所在を確認し、避けるか処理する。処理が難しいなら避けるしかない

大理石の床に手を付け、力を入れる。沈まない


ユウキ「(時間はかかるが、これが一番じゃ)」


幸い、大理石の床はタイル状だ。分かりやすい


 次に襲い掛かる罠……>>168
 
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 23:00:43.15 ID:kxvQ9c8/0
天井から超重量のタライ
169 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 23:06:09.49 ID:bz6x2VjOo

地雷のカモフラージュはほぼ完璧のようだが、触ればその違いが分かった。ツルツルとした大理石だが、地雷のマスは少しだけその感触が違う

押し込んでみると、浅く沈んだ


ユウキ「っと、これは危ないな」


後ろを見るとしっかりついてきている。ジェノサイ子はまだプフレとなにか話しているようだ


ユウキ「次じゃ次」


クランテイル達も一応ついてきている。リオネッタは置いてきたのだろうか、荷物が増えたようには見られない
170 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 23:11:15.56 ID:bz6x2VjOo

引き続き少し不格好な感じでゴシックスカートを引きずらせながら足もとを調べ続ける

生身なら確実に腰を痛めているだろうが、魔法少女の耐久力ならまだやれるらしい


ユウキ「(ここもか……)」

ユウキ「このタイルも踏むなよ。余った地図を置いておくから目印にしてくれ」


後ろに呼びかけ、慣れてきた床の冷たさを確認しようとしたときだった


ベル「ッ、危ない!」


声を出す間もなく、自分の周りの異変に気付く。影だ。上から何かが降ってくる


 身体能力(87-10=77)ロール……>>直下コンマ二桁
 (罠が作動してから気付いたため-10)

 成功→瞬時に飛び退く
 失敗→アカネが間に合うか判定
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 23:11:29.62 ID:TgHL61VVo
172 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 23:18:48.03 ID:bz6x2VjOo

 62……成功!
 
 
ユウキ「うおっ!」


考えるよりも先に動いた。屈んだ状態から手の力だけで後ろへ動き、そのまま後転する

すぐに今まで居た場所から重く大きな音が響く


シャドウゲール「きょ、巨大なタライ……?」

ベル「大丈夫ですか!?」

ユウキ「ああ、なんとかな」

アカネ「……」

ユウキ「そう心配せんでもどこも怪我しとらんよ」
 
173 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 23:22:04.92 ID:bz6x2VjOo

ベル「これ、壁にセンサーが」

ユウキ「チッ、地雷だけじゃないか」

プフレ「どうやらそのようだね。ふざけた形状の罠だが、死に至らしめるにはじゅうぶんだ」

ユウキ「プフレ、それにジェノサイ子……どうした?」

プフレ「説得しておいたよ。それにジェノサイ子はこのダンジョンにうってつけの魔法を持っている」


確か、ジェノサイ子の魔法は無敵のスーツ。なるほど、罠であっても彼女は死ぬことは無い


ジェノサイ子「ほ、本当に……本当に、大丈夫、なの?」

プフレ「自信を持ちたまえ。これはゲームで、君はチート持ちなんだ。さっきも試したろう?」

シャドウゲール「ああ、車椅子のビーム出してたのってそういう……」
174 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 23:32:52.24 ID:bz6x2VjOo

なんだか知らないが、こちらがちびちびと調べている間にプフレは手を打ったらしい

バイザーを下げたジェノサイ子を、念のためすぐに異常に対応できるユウキが数歩後ろを行き先行する

数歩進んだところで矢の罠が作動したが、ジェノサイ子のスーツはそれを弾いてみせ、本人は驚いたように当たった部分に手を当てる。リアクションを除けば順調も順調、ログアウトまで残り2、3時間であろう時間には一直線の廊下が終わりを迎えようとしていた


ジェノサイ子「扉……?」

ユウキ「ようやくか……」

プフレ「こっちも見てくれ。テラスがある。どうやらショップのようだ」

ベル「ゲームなら、これで最奥……なのかな」

プフレ「ならばこの先が魔王か……1度落ち着こうか」


長い長い罠廊下の果て、日の当たるテラスで魔法少女達はしばし憩う
175 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 23:39:03.52 ID:bz6x2VjOo

ショップの内容も豪華だった。武器防具も最高レベルで、まさにラスボス前の補給といった感じだ

プフレは早速キャンディーを使い、武器や防具を調達する。ここまでくるとパーティーの垣根を超え、全員分のキャンディーで色々と買っているようだ。万単位のキャンディーがポンポンと使われていた

だが一方で仲間を喪ったクランテイル達の空気は重い。プフレにキャンディーを渡すとすぐに黙り込んでしまった


ユウキ「(もうすぐ、終わる……このふざけたゲームも……)」


そう思うと、少しだけ気分が明るくなった


 どのパーティーに話しかける……>>176
 
 1.自パーティー+シャドウゲール
 2.クランテイル達
 3.ジェノサイ子達
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 23:41:52.10 ID:WX/mRwSA0
1
177 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 23:50:35.35 ID:bz6x2VjOo

ユウキ「大丈夫か?」

ベル「え? ええ、まぁ。もうすぐ解放されるんですから」


ベルはラズリーヌを喪ったときよりかなり持ち直した。状況が感傷に浸る暇を与えてないのか、それとも自分でじっくり考えたのかは分からないが、良い傾向だ

アカネもユウキの隣に座ってから大人しい。どこを見ているのか分からない濁った眼は、時折こちらをチラチラと向く。目が合ったときに微笑むと、チラチラからジーに変わった


プフレ「ディティック・ベル、君にはこれを」

ベル「盾……」

プフレ「ラストバトルは総力戦もありうる。身を守るものが必要だろう」


プフレは何を考えているのか分からないが、現時点では信用するに値する。最高レベルの防具をベルに渡すと、ひと段落ついたのか、ショップらしき壺から離れ、腰を落ち着かせた
178 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 23:53:37.07 ID:bz6x2VjOo

ユウキ「ワシには何もなしか?」

プフレ「普通の武器や防具だと君の戦闘スタイルとは合わないだろう。スタンガンや火炎放射器があったがそれを買うかい?」

ユウキ「なんじゃそりゃ……魔王を前にそんなチンケなのがあるのか?」

プフレ「……そうか」

ユウキ「?」

プフレ「いや、なんでもない」

ユウキ「それにしてもよく色々買えたな。全員分のを集めたとはいえどれも高かったろ?」

プフレ「キャンディーについてはちょっとしたやりくりをしていてね。なぁ?」

シャドウゲール「そうですね……」

ユウキ「(メチャクチャ疲れた顔をしておる)」
179 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/06(火) 23:57:38.93 ID:bz6x2VjOo

プフレと共にいる黒いナース、名前はなんといったか、知ってるはずだがあまりにも絡みが無かったのでなかなか思い出せない


ユウキ「確か、お前はー……えーっと」

シャドウゲール「そういえばあまり話してませんでしたね」

プフレ「君はコミュ障だからね」

シャドウゲール「違います」


腰巾着、というよりも従者という言葉が似合う。すぐに2人だけで話してしまったので他人のユウキはまぁいいかといった感じで再びベルに話しかけた


ユウキ「ベル、終わったらちゃんと依頼頼んだぞ」

ベル「もう耳にタコができますよ。分かってますって。そんなに大事ですか?」

ユウキ「ああ。大事じゃ。それにベルもな」

ベル「えっ?」
180 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:02:00.88 ID:r5EVjfGzo

ユウキ「短い間じゃったが、お前もプフレもパーティーの仲間じゃ。これ以上袖すり合った者を死なすのは御免じゃよ」

ベル「あ、……ありがとう、ございます」

アカネ「……」コクッ

プフレ「どうやら君は含まれていないようだ」

シャドウゲール「別にいいですよーだ!」

ユウキ「あ、いやな、時間は関係ないぞ!」


 最後の団欒、パーティーメンバーの信頼度が1上がった!
 
 アカネ:07
 ディティック・ベル:06
 プフレ:06
 シャドウゲール:02
181 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:05:27.00 ID:r5EVjfGzo

ペチカ「あ、あのっ!!」

ユウキ「?」

クランテイル「ペチカ?」

ペチカ「………………っ、料理は、好きですか!?」


料理が好きかどうか、そりゃ料理自体を嫌いな者は稀だろう

というツッコミをするのは野暮だ。ペチカが声を上げた。その事がユウキだけでなくその場の彼女を知る魔法少女全員が驚いた
182 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:11:43.13 ID:r5EVjfGzo

しばらくして、ペチカは大きな寸胴鍋いっぱいのおかゆを持って来た

いつ死ぬとも分からない、どこから狙われるか分からない極限状態で、鍋から漂う香りに逆らうことができない

魔法少女達は自然と引き寄せられ、お椀とスプーンを受け取った


ユウキ「メチャクチャうまいなこれ!!」

プフレ「ああ、絶品だ」

ペチカ「そ、そう言ってくれると……私にはこれしかできないから」


ペチカのやろうとしていることはなんとなく分かる。沈む自分のパーティーを見て、思い至ったのだろう

ならばやってやれることは場を明るくすることだ。ユウキはなるべくクランテイル達に「うまいなうまいな」と話しかけた

クランテイル達もペチカの行動に思うところがあったのか、最後には鍋を囲む輪に入りペチカを褒めた
183 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:14:44.52 ID:r5EVjfGzo

ユウキ「…………あ、そうじゃ」

プフレ「どうしたんだい?」

ユウキ「キャンディー余ってたりせんか? 景気づけにRでも回したいんじゃが」

プフレ「ああ、いいよ。1回分だけなら」


プフレから100個貰い、Rを回す。アカネが隣に立ってワクワク的なオーラを出しているような気がした


 幸運(46)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→激レアアイテムGET
 失敗→全エリアの通行証セット
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:15:17.30 ID:WEEA0lSAo
はい
185 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:20:53.62 ID:r5EVjfGzo

 30……成功!
 
 
ユウキ「……これは、身代わり君?」

プフレ「お、レアアイテムじゃないか。図鑑によると1度だけ死を回避してくれるらしいよ」

ユウキ「なるほど……」

プフレ「無茶ができる、ともいえるね。前線に立つ者が持つべきだろう」


 身代わり君を……>>186
 
 1.自分で持つ
 2.アカネに渡す
 3.他のパーティーの者に渡す
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:27:45.41 ID:pl1wQow/0
かっこつけよう
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:29:12.16 ID:pl1wQow/0
いやこれ持った奴が前線行くのか
すみません1でいいですか?
188 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:31:39.22 ID:r5EVjfGzo

ユウキ「じゃあこれはアカネちゃんが持っててくれ」

アカネ「?」フルフル

ユウキ「アカネちゃんは前線じゃろ」

アカネ「!」フルフル

ユウキ「ワシは大丈夫じゃ。死にぁせんよ」

プフレ「フラグかな?」

ユウキ「?」

プフレ「いや、なんでもない」

ベル「いやいや立派なフラグだって。引いたのは自分なんだから、自分で持てばいいじゃないですか」

ユウキ「こんな修羅場は何度もくぐった。勝つよりも生き残ることに関してはワシは一家言あるつもりじゃよ」
189 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:36:32.20 ID:r5EVjfGzo

 >>187
 前線に行くような奴(ユウキ、アカネ、クランテイル、那子等)の誰かにに持たせたらどうだいという感じなので誰が持とうと戦います
 ユウキはここまでかっこつけてしまった手前安価通りにアカネに渡しますがいいですね?


ユウキ「じゃがアカネちゃんはそんな経験ないじゃろ。死なないことが一番じゃ」

プフレ「まぁ、君がそう言うのなら私は止めはしないが」

アカネ「…………」

ベル「アカネ、は……どうする?」

アカネ「…………わ、か、った」

ユウキ「うむ! 藁人形みたいで不気味じゃが効果は保証されてるじゃろ!」
190 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:39:41.29 ID:r5EVjfGzo

・・・・・・


休憩を挟み、改めて扉の前に立つ。体力気力、装備も十分だ。やれるだけのことは尽くした

あとは頑張るだけだ


ユウキ「それじゃあ、開けるぞ」

プフレ「ああ。作戦は分かっているね?」

クランテイル「私、那子、ユウキ、アカネが前衛だな」

メルヴィル「俺も戦うで」

ベル「うわぁぁ!?」

プフレ「メルヴィル……どこにいたんだい?」

メルヴィル「色々探っでだ。もうここしかねぇ」

プフレ「そうか……装備は大丈夫か?」

メルヴィル「俺ぁ弓だ。援護、する」
191 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:42:03.75 ID:r5EVjfGzo

プフレ「分かった。後衛にメルヴィルだな。盾を持った者は前衛が後退するときに援護。いいね?」

のっこちゃん「は、はいっ」

ペチカ「……!」コクッ

ベル「ああ」

プフレ「前衛はダメージを受けたらすぐに下がって回復薬を使ってくれ。腕とかが欠損したら治せないから体は大事にして」

ユウキ「分かってるわい」

アカネ「……ま……もる」

ユウキ「ああ。危なかったら頼むぞ」

アカネ「……」コクッ
192 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:53:26.64 ID:r5EVjfGzo

扉を開く。重厚そうな大きい扉はその見た目通り重かったが、開けられないほどではない

ゴゴゴとそれらしい演出の音を立てながら開けると、中は大部屋のようだった


クランテイル「……魔王、ではなさそうだな」

那子「あれは……なんデスか?」

プフレ「大きな石像が2体……か。また中ボスかな?」

ジェノサイ子「あ、あの。私はどうすれば……」

プフレ「君はバイザーさえ下ろしていれば死なないから適当に攻撃したりしててくれ」


全員が部屋に入ったところで扉が勝手に閉まる。のっこちゃんが小さく悲鳴をあげると、やはりというべきか石像は動き出した

騎士をモチーフにしたのか剣に鎧といった石像と、ロボのような石像だ


ユウキ「アレ、ロボか? 石像なのにロボって面白いな」

クランテイル「そんなこと言ってる場合か……来るぞ」
193 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 00:57:25.26 ID:r5EVjfGzo

プフレ「それぞれ、位置についてくれ」

アカネ「ッ……!」


真っ先に動いたのはアカネだった。刀が宙を狩り、斬撃が騎士の石像に飛ぶ

何でも斬るアカネの能力だが、騎士はよろめくだけで真っ二つになる様子はない


ユウキ「フッ、やるなアカネちゃん!」ダッ

クランテイル「行くぞ!」ダッ


下半身を馬に変えたクランテイルが盾を構えて走る那子も同じだ。彼女は攻撃を受ける囮役だ。クランテイルと那子が防御に徹している隙にユウキやアカネが攻撃を加える


ユウキはクランテイルの馬部分の背に乗り、石像を見る


 ユウキ達が向かったのは……>>194
 
 1.騎士の石像
 2.ロボの石像
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 00:58:36.99 ID:dX7t3SDGo
195 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 01:05:50.13 ID:r5EVjfGzo

向かうは騎士の石像だ。アカネと那子はロボの石像に向かっている


クランテイル「頼むぞ!」

ユウキ「ああ、まぁ期待せんで防いでくれ!」


即席のコンビネーションだが、石像の動きも単調だ。2体は連携をとるでもなく、やってきた目の前の敵のみを狙っている

騎士の剣が振り下ろされ、ユウキが馬の背から跳ぶ。瞬時に下半身を蜘蛛に変えたクランテイルは初撃を避けた


ユウキ「久々の――絶剣じゃ!」


 身体能力(87)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→攻撃が通り、騎士にダメージを与える
 失敗→絶剣が弾かれる
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 01:06:57.56 ID:tsNapzB2O
197 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 01:10:50.28 ID:r5EVjfGzo

 56……成功!
 
 
右手の手刀を騎士の肩に叩き込む


ユウキ「ぐっ、なかなか堅いのぉ!」


瞬時に右手を引き、今度はまったく同じ場所に左の絶剣を入れる。すると肩の鎧部分の石が抉れ、騎士がダメージを受けているように見えた


クランテイル「効いているのか!?」

ユウキ「の、ようじゃの!」


騎士が剣を引き、ユウキを叩き潰さんと振り回す。今度はクランテイルの仕事だ

すぐさま跳び退けばクランテイルが盾で防ぐ。これを繰り返せば倒せる。ユウキの中には確信じみたものがあった
198 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 01:15:51.91 ID:r5EVjfGzo

一方、ロボの石像を相手にするアカネと那子はユウキ達とはまた違った戦法をとっていた

アカネは遠距離からでも斬りまくれる特性を活かし、ほぼ動かずに刀を振るい続けている

そのアカネに攻撃が行かないよう、那子がペットのドラゴンと共にロボを攪乱し続けていた


メルヴィル「…………っ」


メルヴィルは少しでも形勢が不利に傾きそうな方に弓矢による射撃を加えている。先ほどから騎士にばかり攻撃しているということは、ユウキ達の方が危ないのだろうか


那子「とっとと倒して、リオネッタの仇を!」

アカネ「……」ズバッ
199 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 01:21:10.00 ID:r5EVjfGzo

石像に感情があるのかは分からないが、ロボはついにたまらんといった感じでアカネ達から離れ、後衛の魔法少女達のところへとやってきた


プフレ「いかん、全員、防御はいいな」


メルヴィルが迫るロボに銛を射るも、ロボは止まらない。その丸太よりも巨大な腕が振り下ろされる前に、メルヴィルは退避した

続いてロボの背中にあるバーニアが光ったかと思うと、トンはありそうな石像が宙を飛ぶという光景を魔法少女達は目撃することになる

そしてそのまま飛び込んでくる。体当たりを敢行しようというのか


シャドウゲール「なっ!?」

プフレ「避けろ!」


 後衛の魔法少女達の数値……>>↓1コンマ二桁
 ロボの石像の数値……>>↓2コンマ二桁

 魔法少女達の数値が勝っていた場合……全員避けることに成功
 ロボの数値が勝っていた場合……1人が体当たりを喰らい潰される
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 01:21:53.65 ID:dX7t3SDGo
99
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 01:27:34.59 ID:aXSSW6fco
64以下を……!
202 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 01:36:54.28 ID:r5EVjfGzo

 後衛の魔法少女達の数値……65
 ロボの石像の数値……59


アカネが刀と脇差を振るう。その正確な斬撃はロボの背中に当たり、ジェット部分を破壊したようだった

バランスが崩れたロボが壁に激突し、後衛の魔法少女達もその体当たりを避けることに成功する


プフレ「今がチャンスか……」


チャンスではあるが、後衛の魔法少女に火力と言えるものは無い。フォーメーションも崩れかかったためにここは立て直すのが優先されるだろう


アカネ「……!」

那子「相手はコッチ、デース!」ダッ
203 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/06/07(水) 01:42:17.48 ID:r5EVjfGzo

今日はここまで
殺意高めなのになかなか死なんな……
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 02:57:45.55 ID:dX7t3SDGo
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 08:38:53.98 ID:tM5al9kNO
乙です
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 12:24:49.74 ID:KkTLt1ohO
いつメルヴィルからの矢が刺さるかヒヤヒヤしてるけど流石にメンツが揃ってる目の前ではやらんかと思い至った
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 06:38:34.36 ID:tr0/vX4Y0
仕掛けは怖いの
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/25(日) 05:47:02.51 ID:4vGf2TJV0
エタ
209 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 21:56:58.04 ID:fQve3JUXo

那子のドラゴンがロボの顔の前ではためき、引き付けている間に後衛の魔法少女達が体勢を立て直す

アカネは相変わらず刀を振るい、ロボの表面に無数の切り傷を作っていた。いまだに致命傷は与えられていないようだが、徐々にそれらは深くなっている


那子「このロボ、全然動かないネ。Chanceデスかー?」

ベル「見た感じ、片腕が壁にハマったみたい」

プフレ「ならば好機。叩きこめ」

アカネ「……」ズバンッ


攻撃を受けるロボ。たまらずなのか腕に限界が来たのか、ハマった腕を引き千切る形でロボは壁からの脱出を果たした

だがジェットが破壊され片腕を失った今、戦闘力は見るからに落ちているだろう
210 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:01:55.82 ID:fQve3JUXo

ユウキ「どうやら、あっちは大丈夫かもしれんの!」

クランテイル「クッ……そう、か……!」

ユウキ「限界か?」


見るとクランテイルの腕は先ほどとはかなり違っていた。騎士の攻撃を防ぐというオーバーワークに悲鳴が視界に入るほどだ


ユウキ「プフレ!」

プフレ「クランテイルが辛そうだ。誰かいけるか?」


 クランテイルの代わりの盾役……>>211

 1.ベル
 2.のっこちゃん
 3.ジェノサイ子
 4.ペチカ
 
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:03:15.99 ID:L4zWoBHSo
212 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:10:47.63 ID:fQve3JUXo

のっこちゃん「私が!」ダッ

ペチカ「だ、大丈夫なんですか?」


のっこちゃんがクランテイルの前に割って入り、盾を構える


クランテイル「お、おい!」

のっこちゃん「今の内に……!」

クランテイル「っ、すまない……」

ユウキ「すぐに終わらせるぞ!」


 身体能力(87)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→なんとか倒す
 失敗→吹っ飛ばされる
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:11:09.91 ID:9j5LcBJbo
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:17:26.61 ID:eMYeh6cuo
やばい
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:18:07.70 ID:1inZfcKj0
まだ即死ラインのコンマ判定はこなさそうだけど怖い
216 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:18:35.26 ID:fQve3JUXo

 91……ファンブル
 
 
ユウキ「(とはいえ、クランテイルと違って戦える子じゃない……なるべくワシがとっととトドメを……!)」


どこか孫娘を思い出させる幼い見た目の魔法少女であるのっこちゃんは庇護欲をそそられる

クランテイルのように何発も騎士の攻撃に耐えられるということはないだろうと思い、ほんの少し功を焦った故か、少し無茶な動きをした

騎士の片手で振るわれる丸太のように大きな剣は確実に避けるべきだったが、カウンターで絶剣を首に叩き込もうとしたのだが、甘かった


ユウキ「なっ――!?」


絶剣を繰り出した右腕が、騎士の左腕に掴まれる

次の瞬間、聞こえてきたのはグシャリという耳を歪ませるような音だった
217 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:22:07.02 ID:fQve3JUXo

ユウキ「ガッ、アッ、ああああぁぁぁ……ッ、ぐああぁぁぁ!!」


騎士の握られた拳から赤い液体が滴り、しかも勢いを完全に殺されたせいで潰された腕を支えられる形でユウキが宙ぶらりんに吊るされる


のっこちゃん「ひっ……! ゆ、ユウキさん!」

プフレ「なに!?」

アカネ「ッ……!!」


騎士がユウキの腕を掴んだまま、思い切り振りかぶる

振り払われるような投擲に、ユウキはなす術もなく壁に叩きつけられた
218 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:27:21.79 ID:fQve3JUXo

ベル「ユウキさん!」


さらに騎士の動きは速い。ユウキが視界から消えたことにより、次の標的は目の前にいるのっこちゃんだ


のっこちゃん「ぁ……あ……!」


大きく振りかぶられた大剣が一気に振り下ろされ、咄嗟に構えた盾に直撃する

クランテイルですら防ぐのは難しい騎士の渾身の一撃は衝撃だけで地面を砕く。見ていた魔法少女達はそこにいたはずののっこちゃんの身を案じ、顔を青ざめた


那子「What!?」


問題は1つだけではない。ロボも最後の足掻きか、背中のランドセルのような場所から無数のミサイルをそこら中に放つ

辺りは一気に爆煙に包まれた
219 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:29:58.12 ID:fQve3JUXo

メルヴィル「……」


ペチカやベルといった荒事に向かない魔法少女達が悲鳴をあげる

そんな中、メルヴィルは冷静だった


メルヴィル「……首……」


弓から繰り出される銛がロボの首を穿つ

それをアカネは見逃さない


アカネ「……!」


メルヴィルの抉った部分を器用に見抜き、そこを目がけ刀を振るう

数秒後、ゴトンという重い音と共にロボの首が床に落ちた
220 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:34:16.27 ID:fQve3JUXo

返す刀でアカネが爆煙の中、動く巨大な影を見る


アカネ「ァ……ァァァ……ッ!!」


ありったけの力を込めた斬撃が騎士に飛ぶ。いくら視界が塞がれてもたじろいだ騎士の大きな足音で場所が分かるほどに魔法少女の耳は良い

那子もまた騎士に攻撃を加えんと駆け出した


 ユウキは……

 身体能力(87-40=47)ロール……>>直下コンマ二桁
 (ダメージのため-40)
 
 1.残った左腕で攻撃
 2.まだ動けない
221 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:41:09.66 ID:fQve3JUXo

 >>220訂正
 ×
 1.残った左腕で攻撃
 2.まだ動けない
 〇
 成功→残った左腕で攻撃
 失敗→まだ動けない
 
というわけで再判定>>直下コンマ二桁
失礼した
 
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:42:07.98 ID:9j5LcBJbo
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:46:05.41 ID:1inZfcKj0
コンマ連取ファンブルかい・・・
224 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:47:17.62 ID:fQve3JUXo

 98……ファンブル
 
 
アカネがすぐさまユウキが吹っ飛ばされた方へと駆け寄る

ベルもまたアカネを見て同じ方へと走っていた


ベル「ゴホッゴホッ、うう……」

アカネ「ぉ……ね……ちゃ……」

ベル「ユウキ、さん……は……っ、大丈夫ですか!?」


ユウキは意識を失っていた。アカネがすぐそばで膝を落としていたために死んだかと思ったが、どうやら命を失うほどではないようだ

だがその右腕は見るに堪えない


ベル「……私が見てるから、アカネは――」

アカネ「…………」コクッ
225 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:52:21.73 ID:fQve3JUXo

騎士はその後、ブチ切れたアカネやメルヴィル達の猛攻により沈んだ

クランテイルも復帰し、単純に標的が2つから1つになったことにより難なくとは言えなくとも被害は無い

ただ、ユウキが目覚めるのには少しばかりの時間を費やした


プフレ「ううむ、回復薬を使ってもダメか……原型を無くすほど潰されたら欠損扱いなのかな」

ベル「けど、かなり楽になったみたい」

アカネ「…………」ギュ


騎士とロボを倒した魔法少女達はユウキを看るのと辺りを調べるのとで今も動いている

クランテイルや那子などは戦いで疲れたため、携帯食料で空腹ゲージを満たし、束の間の休息だ
226 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:56:04.27 ID:fQve3JUXo

ユウキ「…………ん……」

ベル「あ、目を覚ました」

ユウキ「…………ッ、あいつらは……!」

プフレ「もう倒したよ。右腕の調子はどうだい?」


記憶に混濁は無い。壁に叩きつけられてから意識を失ったということはすぐに分かった。そして、右腕を潰されたことも思い出す


ユウキ「……動かん」


動かないというよりも、感覚が無い。まるで右腕が無いような感じだ


プフレ「あまりにグロかったんでね、包帯でグルグル巻きにさせてもらったよ」

ユウキ「すまんの……まぁ左腕があるならまだやれるな」
227 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:01:11.46 ID:fQve3JUXo

シャドウゲール「お嬢、探してみましたけどやはり……」

プフレ「ふむ、被害は最小限……とも言えないか」

ユウキ「どうした?」

プフレ「ああ。君が気絶してからすぐ、のっこちゃんがやられた」

ユウキ「なっ……!」


騎士とロボが暴れたおかげで広間はグチャグチャだ

辺りを調べていたシャドウゲール、ペチカ、メルヴィルが見つけたのはひしゃげて使い物にならなくなった盾と、血が付着しかろうじて原型を残したのっこちゃんの魔法の端末のみであった


クランテイル「アイツの攻撃だ……まともにくらえばこうもなる……が、クソッ」

ペチカ「それが落ちてたところ、にも……血がついてて……」

ユウキ「……クッ…………」
228 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:10:20.86 ID:fQve3JUXo

アカネ「……」

ユウキ「ん、おお、アカネちゃん。心配かけたな」


アカネはいつになくシュンとしていた。聞くところによるとロボを倒し騎士にもかなり攻撃を与えたらしい。MVPを与えるなら彼女だろう


メルヴィル「あれざ、扉だ」

プフレ「アレが奥へとつながる扉か……休憩も終わりだな。皆準備はいいか?」

那子「Yeah! 英気も養ったネ」

クランテイル「私は大丈夫だ」

プフレ「いけるか?」

ユウキ「いける……が、大胆じゃの。怪我人も引っ張るとは」

プフレ「さっさと終わらせたいだけさ。魔王を倒せば終わるんだ、いかに魔王だろうと、数の利はこちらにある」

ユウキ「ああ、じゃあまぁ、さっさと行くか」
229 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:14:25.83 ID:fQve3JUXo

今度も罠に警戒しつつ、一丸となって進む

広間から魔王のいるという玉座の間まではそこまでの距離は無かった。短い廊下のすぐ先に、仰々しい扉がある


プフレ「…………いくぞ。作戦はさっきと同じだ」

ユウキ「ああ」

アカネ「……」

メルヴィル「んだ」

ペチカ「う、うう……」

クランテイル「ペチカは無理をするな。盾役は私がやる」

那子「ペチカは私が守りマース!」


各々の反応を待ってから、那子とクランテイルが扉を開け、一同は玉座の間へと入った
230 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:20:38.23 ID:fQve3JUXo

魔法少女は精強だ。だが勝てないと思えばすぐに逃げろ

そんな合言葉じみた言葉と共に玉座の間へと入った魔法少女達を迎えたのは、主のいない空の椅子だった


クランテイル「……………………?」

ユウキ「なんじゃ?」

プフレ「…………なに?」


玉座の間には誰も何もいなかった
231 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:23:52.84 ID:fQve3JUXo

ベル「無人……?」

ユウキ「なんじゃ、魔王がいるんじゃないのか」

プフレ「…………」

クランテイル「誰もいない玉座か」

那子「なーんか怪しいですネ」


肩透かしをくらった感覚に陥る魔法少女達が思い思いに玉座の間を調べる

そこまで広いわけでもない空間にポツンとあるだけの魔王の椅子。禍々しさだけは一級品だ


ユウキ「というか、これでクリアなのか?」

ベル「クリアなら、解放されてもいいはず……」
232 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:26:39.05 ID:fQve3JUXo

プフレ「……ファル」


ファル――このゲームのマスコットキャラクターだ。ユウキは今の今まで忘れていたが、プフレは何度もサポート画面を呼び出しているようで、手つきが手馴れている

そのファルはこちらから質問を投げかけるまでもなく動揺していた


ファル「おかしいぽん。魔王がいないのはありえないぽん」

プフレ「だがここにはいない。逃げたわけでもあるまいし……」

ベル「いや、逃げたみたい」

プフレ「なに?」


クランテイルと共に玉座を調べていたベルが背もたれの後ろ側を指さす。そこには文字らしきものが刻まれていた

すぐさまプフレはRで引いた翻訳くんを起動させる
233 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:31:19.81 ID:fQve3JUXo

【魔王は留守です。16人の魔法少女に追われて逃げ回っています。またのお越しをお願いします】

プフレ「なんだ……?」


不可解なメッセージを確認するようにプフレが玉座に触れると、突如アナウンスが鳴った


『プレイヤーが魔王の玉座に到達し、記憶の解放条件を満たしました。さらに魔王の危機にモンスターの士気が上昇します。これ以降モンスターがレベルアップします』

ユウキ「なんじゃと?」

クランテイル「どういうことだ」

ファル「分からないぽん。けど、魔王はちゃんとゲームの中にいるぽん」

プフレ「……このゲームの中に魔王はいる。それは確かでいいんだな?」

ファル「勿論ぽん。クリアできるようになってるぽん」

ベル「と、なると……」

プフレ「……魔王は、ここではないどこかにいる。ゲームの中、我々が通って来た道のどこかに」
234 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:37:34.85 ID:fQve3JUXo

クランテイル「…………ふざけている」

ペチカ「……」

那子「ならとっとと魔王探すデース!」

クランテイル「そうだな……とにかく探すしかない」

ペチカ「……本当にいるのかな」ボソッ

プフレ「いると信じるしかなかろう。しらみつぶしに探すぞ」

ベル「……私はちょっと考えたいから残るよ」

プフレ「そうか。気を付けるんだぞ」


 ユウキは……>>235
 
 1.皆と魔王を探す
 2.残る
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 23:39:06.74 ID:OYoTT0TDO
236 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:41:39.42 ID:fQve3JUXo

ユウキ「まぁワシはベルのパーティーじゃから離れるわけにもいかん。ワシも残ろう」

アカネ「……」コクッ

プフレ「そうか。確かに襲撃者のこともある。1人で行動するよりも安心だろう」

クランテイル「急ごう、時間が無い」


 ジェノサイ子は……>>237
 
 1.皆と行った
 2.残った
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 23:56:03.66 ID:9ZUuHBkEO
1
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 23:58:43.64 ID:X/90Aqc+0
2
239 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/07(金) 00:03:48.36 ID:XX6hVc6Ao

ジェノサイ子もプフレについていき、3人が玉座の間に残される

話していた内容を聞くに、手分けして各エリアを回るらしい。となるとこちらはベルがやりたいことを手助けしてやるのが良いだろう


ユウキ「それで、残ったのはいいがどうするんじゃ?」

ベル「何か、ここに手がかりがあるかも」

ユウキ「おお、探偵っぽいな!」

ベル「茶化さないでください……と、玉座は……」


ベルが玉座を小刻みな感覚でノックする。大理石の音だ。別に大理石と他のを区別できるというわけではないが、廊下でいやというほど確認のために床をノックした音と寸分違わない


ベル「…………あ、そうだ!」

ユウキ「おお、なにか思いついたか!」

ベル「いや、思いついたかというか……まぁ、アレですよ。さっきのアナウンス」
240 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/07(金) 00:10:03.10 ID:XX6hVc6Ao

≪プレイヤーが魔王の玉座に到達し、記憶の解放条件を満たしました≫

ベル「記憶の解放って、さっき」

ユウキ「記憶の解放……? 何のじゃ?」

ベル「さぁ……あ、こんなときのファル」

ファル「お呼びぽん?」

ベル「さっきの、記憶の解放ってなに?」

ファル「ゲームのギミックぽん。みんなのアイテムの中に記憶解放装置が追加されてるぽん」

ユウキ「何の記憶を開放するんじゃ」

ファル「それはファルにも分からないぽん」


アイテム欄を見ると確かにあった。記憶解放装置

ベルとアカネの端末にも同じアイテムがある。何かの鍵、なのだろうか


ユウキ「………………使うか?」

ベル「…………使って、みます?」
241 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/07(金) 00:12:14.17 ID:XX6hVc6Ao

今日はここまで
何度かかなり間を空けちゃったけど終わりが見えてきました
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/07(金) 00:15:29.91 ID:X7rZEZIJo
乙です
魔王はマジでどこ行ったんだろうな……
というか、どうやって逃げたのか
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/07(金) 02:21:10.22 ID:Ja+JbZ530
さてユウキからはどんな記憶が出てくるのか
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/07(金) 19:18:51.15 ID:wnxnTPR00
お疲れちゃん
245 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 21:28:23.11 ID:83RuASC/o

・・・・・・


ユウキ達が玉座の間に残り、残りの魔法少女達は班ごとに各エリアを探索すべく動いていた

とはいえゲーム開始時から人数は減り、かつ広大なゲーム世界を草の根分けて探すなどという作業に誰もがメンタルをやられる

すべてのエリアを踏破し、もうすぐクリアだというのに誰もが浮かない顔をしていることこそ暗雲の証であった

もはやパーティーの垣根がどうとか100億円がとか言っていられる状況ではない。プフレは新たに魔王捜索のためのパーティーを組みなおさないかと提案し、断る者は誰もいなかった

新たに組んだプフレ、シャドウゲール、クランテイルのパーティーが地底エリアから都市エリアを探し

比較的狭く、長時間探索し飽きるほど構造を覚えた図書館エリアは那子、ペチカ、ジェノサイ子が担当した

メルヴィルはふたたび単独行動となり、山岳エリアを担当する

連絡は密にとり、魔王を発見できた場合もできなかった場合もプフレに報告するようになっている。荒野と草原は開けたエリアであるため、後回しのローラー作戦だ


 襲撃者は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→動かない
 偶数→戦力の減ったユウキ達を狙った
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/10(月) 21:32:45.54 ID:0YP+z3bp0
えい
247 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 21:41:33.76 ID:83RuASC/o

・・・・・・


ユウキとベルは考えあぐねていた

記憶回復装置――なんの記憶だろうか。ファルに聞いても分からない。3人のアイテム欄にあるということは他の全員にも追加されているのだろう

使っていいものか。使ったとして何が起こるのか、何を思い出すのか、良い事か、悪い事か


ユウキ「…………うーむ」

ベル「普通に考えれば、現在私達の記憶にはこの回復装置で思い出すことがあるということ……」

ユウキ「そりゃ分かるわい」

ベル「逆算すれば、私達は必ず何かを忘れている?」

ユウキ「忘れて、いる…………」


何を忘れているのか、それすらも分からない

魔法少女になる前のこと、なる時のこと、なった後のこと――どれも自然と忘れるような些細なことはごまんとある。一昨日の夕飯が思い出せなくても岐路となった出来事は忘れていないはずだ
248 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 21:46:42.93 ID:83RuASC/o

ベル「しかも、少なくともこの3人には必ずあるんです。もしかしたら、共通したこと……」

ユウキ「ゲームで初対面のワシらに共通点かぁ? どこかで会ったことがあるとかかの?」

ベル「…………さぁ」

アカネ「……」

ユウキ「ワシの魔法も記憶がどーとかじゃが、いかんせんややこしいのぉ」

ベル「アナウンスはきっと誰もが聞いていた。なら他の全員にも記憶の欠落がある……私達の記憶の欠落……」ブツブツ

ユウキ「(ふうむ……)」


 記憶回復装置を……>>250
 
 1.3人で使ってみる
 2.誰も使わないでおく
 4.誰か1人が使ってみる(ユウキ、ベル、アカネの誰が使うかも記載)
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 21:47:37.43 ID:iNUqKRbXo
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 21:47:57.65 ID:qC9WTQXDO
251 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 21:55:36.70 ID:83RuASC/o

ユウキ「ええい! よく分からんがここまで来て貰ったアイテムじゃ! 悪いもんでもないじゃろ!」

ベル「ま、まぁそういう考えたかもありますけど……」

ユウキ「うじうじ考え込んで時間を無駄にするのもいかん。記憶が戻るというなら別に実害も何もないじゃろ!」

ベル「じゃあ……つ、使います?」

ユウキ「うむ! アカネちゃんもいいか?」

アカネ「……ぅ…………」


アカネが軽く呻いてこめかみをおさえる。そのアクションに何の意味が込められているのかは分からないが、何か思い出しているのか、それとも記憶に心当たりがあるのだろうか


ユウキ「アカネちゃん、大丈夫か? 忘れてることに心当たりがあるのか?」

アカネ「………………」


だんまりだ。だがアイテム欄を開いて記憶回復装置を表示させることに抵抗はしなかった


 襲撃者は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→装置を使用する前に襲い掛かってくる
 偶数→装置を使用した直後に襲い掛かってくる
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 21:56:59.56 ID:iNUqKRbXo
253 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:04:06.58 ID:83RuASC/o

記憶回復装置は使うと「次回のメンテナンス期間開始時に思い出す」だけど、それを忘れて使ったら普通に記憶が戻るものだと間違って覚えていたために原作との違いはキークが即効性に改造してくれたと補完してください
254 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:06:00.26 ID:83RuASC/o

ユウキ「よし、いいな?」

ベル「……」コクッ

アカネ「……」

ユウキ「じゃあ、使ってみるぞ!」


3人せーので使用コマンドを押した


ベル「っっ……!!」


最初に膝から崩れ落ちたのはベルだった。わなわなと震え、目は焦点が定まらない

次にユウキが震え、全身が粟立つ感覚と激しい悪寒、いますぐ胃の中をすべてぶちまけたい衝動にかられた

そしてアカネは、声をあげていた
255 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:08:25.50 ID:83RuASC/o

それは悲鳴のような、絶叫のような何かであった

直立不動のままアカネが口を開き、甲高い声が玉座の間に響く

ユウキにもベルにも、アカネを心配する余裕はない


ユウキ「ぁ…………!!」


記憶に靄がかかっていた

その靄に気付くこともなかった。道端の石ころのように、どうでもいいものだと思っていた

だがそれが晴れた

それは、初めて魔法少女になった時の――
256 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:12:55.77 ID:83RuASC/o

ユウキは戦える魔法少女だ

多少鈍っているだろうとはいえ、戦地で死と隣り合わせの日々を送り、危険なにおいや敵意には人一倍だという自負がある

だが、今はそれどころではない

文字通り、頭の整理が追い付かない

故に、ただでさえ気付くことが困難な襲撃者の気配に気が回らなかった


 襲撃者が狙ったのは……>>直下コンマ一桁

 0〜3→アカネ
 4〜6→ベル
 7〜9→ユウキ
 0→先にアカネがそこら中を斬りまくる
 
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:15:50.84 ID:qC9WTQXDO
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/10(月) 22:18:46.91 ID:0YP+z3bp0
ラズリーヌ「ベルっち、迎えに来たっすよー」
259 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:21:00.44 ID:83RuASC/o

ベル「がッ……ァ……!?」


ゴッ、と重い音が鳴った

アカネの声が止まり、ユウキの意識もそちらに向けられる

見るとベルがうつ伏せに倒れていた


ユウキ「ぁ……?」


膝から崩れ落ち、今にも吐き出しそうだった体勢ではあったが、その音と、今のベルの恰好はどう考えても結びつかない

なにより、探偵モチーフの帽子が落ち、それが被られていた頭は赤い何かで染まっている
260 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:22:53.94 ID:83RuASC/o

ユウキ「ベ、ル……?」


反応は無い。反応は無い

アカネも呆然と立ち尽くしているだけだ


ユウキ「ベル!」


突如起こった現象に対し、何かをするべきだと、頭ではなく体が感じている



 ベルは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→回復薬を使えばまだ助かる
 偶数→即死
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:23:08.68 ID:RQuy07yVo
コンマ運最悪だな
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:26:23.64 ID:fVvSkuMR0
どんどん数を減らしたいと>>1自身が言ってただけに慈悲もなし
263 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:27:23.32 ID:83RuASC/o

こうなった時、どうするか。ごちゃ混ぜになった記憶の奥底から僅かに戦地での応急手当を思い出す

だがここには衛生兵も医療キットも無い。いや昔も無かったか、いやそんなことはどうでもいい

医療キットは無くとも、開いていたアイテム欄にある回復薬が目に飛び込んで来た


ユウキ「しっかりせい!」


フルポーションを選択。対象は目の前のベル

押す


ユウキ「ベルッ!」


フルポーションの数は減らなかった
264 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:30:06.95 ID:83RuASC/o

ユウキ「くそっ、クソ! クソッ!」


何度も何度もフルポーションを選択するが、特に何も起こらない。消費もされない


ユウキ「ベル! おい!!」


たまらず揺さぶった。まさかと思った


ユウキ「なんで……!」


 アカネは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ベルの背後に斬りかかる
 偶数→ただただ立ち尽くすまま
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:30:16.48 ID:iNUqKRbXo
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