西住みほ「シン・ボコラ 〜 君の名は進撃のボコ。」

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206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 22:53:23.90 ID:a8+DvgQT0
杏 「西住ちゃん」

みほ 「はい?」

杏 「小山はああ言ったが、私はこれまで自分がしたことを後悔していない。詫びるつもりもない」

杏 「只、恩は感じている」

杏 「だから、私が出来ることで一つだけ西住ちゃんの願いを叶える」

杏 「それでいいかい?」

みほ 「気にしないで下さい、会長」

杏 「いいや、私の為だと思ってこの話を受けて欲しい。このままでは寝覚めが悪い」

桃 「そうだ。会長のせっかくのご好意を無駄にする気か?」

みほ 「分かりました」

みほ 「会長、お願いです」

みほ 「ボコラが来る前に学園艦の生徒と住民を全て艦外に避難させて下さい」

杏 「えっと……」

杏 「口約束は約束じゃないって知ってる?」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 23:10:19.90 ID:a8+DvgQT0
桃 「西住、嫌がらせか?」

みほ 「いいえ」

沙織 (みぽりんはそんな事しないよ)

麻子 (酷い言い草だな)

華 (言いがかりも甚だしいです)

優花里 (学園の恩人に何と無礼な)

桃 「だったら何だ!」

みほ 「西さんには辛い話になりますがすみません」

絹代 「分かりました」

みほ 「既に知波単とプラウダで多くの尊い命が失われました。これ以上の犠牲は避けるべきです」

絹代 「……」

桃 「しかし大洗はまだ被害が出ていないぞ」

みほ 「全国の学園艦全体から見れば既に多くの血が流れました。」

柚子 「試したとは思うけど、ボコとの入れ替わりを上手く利用出来ないかしら?」

みほ 「それも手を尽くしたのですが……。ボコの仲間は説得にも応じませんし、みんなボコより強いんです」

杏 「西住ちゃんの指揮でも勝てないの?」

みほ 「大洗の8輌だけではとても勝てません」

麻子 (プラウダの50輌で1体も倒せなかった相手を大洗の8輌だけで全滅させるのは無理だ)

みほ 「仮に他校に応援を頼んで数を集めたとしても、犠牲は避けられません」

桃 「しかしこの学園は今でこそ戦車道以外に実績は無いものの、伝統ある高校だ。それを……」

絹代 「それでは我々知波単と同じ道を辿りますよ」

絹代 「連中の手で既に我が校とプラウダの2校が失われました。ある者は故郷を失い、ある者はかけがえの無い家族や友人を亡くしました。それも1人や2人ではありません」

絹代 「それでもまだ貴方は犠牲が足りないと仰るのですか?」

桃 「……」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 23:35:43.99 ID:a8+DvgQT0
みほ 「もう、大洗だけの問題では無くなりました」

みほ 「政府はボコラ問題にかこつけて全国の学園艦の廃校を推し進める気です。その口実を与えてはなりません」

みほ 「大洗が犠牲者を出さずに住民の避難を完了させ、その後自衛隊がボコラを倒せば、これ以上事は大きくならないでしょう」

みほ 「しかし大洗がボコラの撃退に失敗し、多くの犠牲者が出たら、大洗が廃校になるだけでは済まないんです。その時は……」

みほ 「全ての学園艦が政府の強制疎開の名のもとに、廃校となります!」

みほ 「私達はこの艦の中で死んではならないんです」

みほ 「どうか、どうかここから逃げて下さい!」

杏 「……」

杏 「西住ちゃん……これで貸し借り無しだよ」

桃 「会長……?」 

桃 「ウ……ウエエエエン!」

杏 「気落ちは不要。生徒と住民を守るのが私達の仕事。攻撃だけが花じゃない。住民の避難を急がせるよ!」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 23:43:26.14 ID:a8+DvgQT0
今日はここまで
プロット修正する度に杏のキャラがブレる
可哀想だけど杏がこのSSで一番の物語の奴隷
読んで下さった皆さんありがとうございました
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 07:20:55.91 ID:JiywhxepO
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 23:17:17.06 ID:W0Z3nxL8o
楽しみにしてる
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 00:11:20.35 ID:FCff12F40
【大洗学園 校内 体育館】

典子 「どうだった? 入部初日の感想は?」

ノンナ 「ハァ、ハァ……皆さん凄い体力ですね。ついていくのがやっとです」

忍 「ノンナさんも未経験とは思えない位上手ですよ」

あけび 「驚きました」

妙子 「ノンナさん、あの、一つ聞いていいですか?」

ノンナ 「ええ、いいですよ」

妙子 「昨日プラウダの皆さんが暴れた理由って何だったのですか?」

典子 「私も気になってた」

ノンナ 「お昼寝です」

忍 「お昼寝?」

ノンナ 「カチューシャはお昼寝が出来なかった時は極端に不機嫌になって暴れるのです」

ノンナ 「プラウダに居た時は本人の好きにさせてたのですが、大洗で同じ様にさせたのは失敗でした」

バレー部一同(ノンナ除く) 「……」

ノンナ (ここまでふざけた話にしておけば呆れ果てて追求しないでしょう)
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 00:27:22.55 ID:FCff12F40
【大洗学園艦 戦車倉庫】

カチューシャ 「最近随分と楽しそうじゃない」

ノンナ 「カチューシャ……」

カチューシャ 「腰抜け生徒会が大洗の廃校確定を通達して早一週間」

カチューシャ 「誰かさんのせいでカチューシャはお昼寝させないと暴れるってことになってるし」

ノンナ 「……」

カチューシャ 「何が楽しくてもうじき無くなる学校の部活に精出してんのよ?」

ノンナ 「私が欠けたらバレー部はまた4人に逆戻りです」

カチューシャ 「答えになってないわ。ノンナが居ようが居まいがバレー部は学校ごと無くなるのよ!?」

ノンナ 「だからこそです」

ノンナ 「だからこそ最後まで5人で練習したいのです」

カチューシャ 「ノンナ、私達がここに来た理由は?」

ノンナ 「はい、ボコラに雪辱を果たす為の拠点を設ける為です」

カチューシャ 「その目的は達成出来た?」

ノンナ 「いいえ」

カチューシャ 「そうよね」

カチューシャ 「だったらバレーやってる暇なんてないんじゃない?」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 00:37:41.90 ID:FCff12F40
ノンナ 「大洗は近々廃校になります。拠点については次の編入先で考えましょう」

カチューシャ 「ノンナは変わったわ」

ノンナ 「変わってません」

ノンナ 「私のカチューシャへの忠誠心には一点の曇りもありません」

カチューシャ 「……」

カチューシャ 「ノンナはバレー部、ニーナとアリーナは自動車部でそれぞれ楽しくやってるのに、カチューシャには居場所が無い」

ノンナ (流石にあれだけ暴れたら声をかけてくれる人はなかなか現れないでしょう、しかし……)

カチューシャ 「ノンナ」

ノンナ 「?」

カチューシャ 「これまでのカチューシャは間違ってたと思う?」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 00:47:52.01 ID:FCff12F40
ノンナ 「いいえ、カチューシャが間違ったことは一度たりともありません」

カチューシャ 「そうよ。カチューシャは間違ったことなんかない」

カチューシャ 「そうじゃないと……カチューシャが判断を誤ったからボコラに負けたとなると」

カチューシャ 「クラーラ達は無駄死にしたことになる」

カチューシャ 「それだけは絶対に認めない! あの日戦死した仲間の一人一人が意味ある戦いに身を投じたのよ、違う?」

ノンナ 「カチューシャの言う通りです」

カチューシャ 「当たり前よ。……そろそろ部活でしょ、行ってきたら?」

ノンナ 「はい、失礼します」

スタスタスタスタスタ
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 01:05:36.63 ID:FCff12F40
ノンナ (体育館に向かう道が涙に霞む)

ノンナ (自衛隊でも何でもいい、誰かボコラを粛清して)

ノンナ (カチューシャを苦しめる存在からカチューシャを解放して)

ノンナ (以前はカチューシャと過ごす時間が至福の時だったのに、今のカチューシャを見るのは辛い)

ノンナ (貴方だってそう思うでしょ? クラーラ)
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 01:12:58.36 ID:FCff12F40
今日はここまで
読んで下さった皆さんありがとうございました
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 07:42:37.22 ID:r+n+mgDdO
乙ラ
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 11:35:16.40 ID:S+AFNMnrO
君の名は。観たこと無いけど楽しく読ませてもらってる
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 20:07:51.41 ID:WJeIUxXJ0
【都内 国立新美術館 正面入口】

優花里 (遂に念願叶って西住殿との初デート!)

優花里 (大洗が廃校となり、皆が学園艦を降ろされ、今は陸での分校暮らし……)

優花里 (来月からは各々が編入先に転校になります……)

優花里 (辛い思いをした分、たまにはこんな楽しいことがあったってバチは当たらないでしょう)

みほ 「ありがとう、優花里さん」

優花里 「『ありがとう』って何がですか?」

みほ 「私、どうしてもここに来たかったから。優花里さんが一緒に行くって言ってくれて凄く嬉しかった」

優花里 (今日東京まで出て来た理由……)

優花里 (かつてボコのアニメを作った監督の展覧会が開催中だったとは)

優花里 (自分はアニメに詳しくないのでよく分かりませんが)

優花里 (これ程の美術館で展覧会が催される位ですからきっと巨匠なのでしょう)

優花里 (○島○展ですか)
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 20:26:19.91 ID:WJeIUxXJ0
みほ 「優花里さん、ボコの音声ガイドだって」

優花里 (美術館でよくある音声ガイドですね、500円ですか)

優花里 「折角だし聞いてみますか」

みほ 「うん!」

みほ 「これ、レシーバーにイヤホンが2つ付いてるよ。ハイ、優花里さん」

優花里 「あ、ありがとうございます」

優花里 (些細なことかもしれませんがこうして1つの機材を共有してると)

優花里 (本当にデートって感じがします)

音声ガイドの声 「オウッ、お前等よく来たな。オイラボコだぜ!」

優花里 (雰囲気ぶち壊しです……)
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 21:12:00.77 ID:WJeIUxXJ0
【都内 国立新美術館 企画展示室】

優花里 (BOCO SHOWの再現……)

音声ガイドの声 「みんな! オイラに力をくれ!」

みほ 「ボコーッ! 頑張れーッ!」

優花里 「西住殿、美術館ですので叫ぶのはちょっと……」

みほ 「えっ……ごめんなさい、つい興奮しちゃって」

優花里 (ばつが悪そうな表情の西住殿もまた可憐です)
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 21:24:20.16 ID:WJeIUxXJ0
【都内 国立新美術館内 カフェ「サロン・ド・テ ロンド」】

みほ 「いろんなボコが見られて楽しかったね」

優花里 「はい!」

優花里 (西住殿には申し訳ないですが、自分は展示自体にはあまり興味が……)

優花里 (ただ、とびっきりの笑顔を見せる西住殿と二人きりで過ごせるのは天にも昇る程嬉しくて……)

みほ 「このポタージュ美味しいよ、一口飲んでみない?」

優花里 「え、いいのですか?」

みほ 「ハイ、あーん」

優花里 (これは何という僥倖!)

優花里 (西住殿が自身のスプーンで私にスープを!)

優花里 (行きます!)

ガクン、ベチャッ!

優花里 「エッ!?」

優花里 (西住殿がスープ皿に突っ伏した!)

優花里 (まさか……このタイミングで……)

ボコ 「……」

ボコ 「ぷはッ!? 何だコリャ、顔ベットベトじゃねえか?」

優花里 (ああ、入れ替わってしまいました……)
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 21:40:37.00 ID:WJeIUxXJ0
ボコ 「顔拭いてくれたのはいいけどよ……」

ボコ 「優花里、何か嫌なことでもあったのか?」

優花里 「いえ……何でも」

ボコ 「ひょっとしてみほと喧嘩したか?」

優花里 「してません」

ボコ 「ならいいけどよ」

優花里 「……」

優花里 (ここは我慢です)

優花里 (そのうち西住殿が戻ってくる筈です)

優花里 (オッドボールでも何でも手段は問いません。出来るだけ早く戻って来て下さい、西住殿。このままでは折角のデートが台無しです) 

ボコ 「何か落ち着きねえな、ションベンなら気にせず行ってこいよ」

優花里 「違います!」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 21:51:41.81 ID:WJeIUxXJ0
優花里 「入れ替わったということは、ボコ殿はまたケンカしたのですか?」

ボコ 「ああ、エリガンの奴に左腕持ってかれた」

優花里 「エッ!?」

ボコ 「今度こそボコってやると思ったらアイツ噛み付きやがって――」

優花里 「待って下さい!? それじゃ西住殿は?」

ボコ 「入れ替わる直前、ドーラとジークンが止めに入ってるから大丈夫だろ。それにオイラの身体は再生するし」

優花里 「そういう問題じゃありません! 今、西住殿は痛い思いしてるってことじゃないですか!?」

ボコ 「まあ、そうなるな」

優花里 「『そうなるな』じゃないですよ……西住殿に申し訳ないと思わないのですか?」

ボコ 「……」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 22:00:19.23 ID:WJeIUxXJ0
ボコ (何か空気が変になっちまった……)

ボコ (ここは話題を変えるぜ!)

ボコ 「優花里、ここは……どこだ? 初めて見る場所だな」

優花里 「……国立新美術館です」

ボコ 「国立新美術館?」

優花里 「はい、西住殿とデートの最中でした」

ボコ 「そうか! 今日がデートの日だったのか!」

ボコ 「安心しろ、前にも言ったろ? デートの日に入れ替わってもオイラが相手してやるって」

優花里 「……」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 22:10:40.34 ID:WJeIUxXJ0
ボコ 「そうか、優花里おめかししてると思ったらそういうことか、似合ってるぜ」

優花里 「どうも」

ボコ 「ここ、学園艦じゃないよな。窓ガラスの向こうの景色って陸地だし……」

優花里 「はい、ここは東京です」

ボコ 「東京か……」

ボコ (みほの身体で陸に上がったのは戦車道の決勝以来か)

ボコ 「東京……つうことはよ、学園艦が東京に来てんのか?」

優花里 「いえ、学園艦は今頃自衛隊の配備を終えて太平洋を航行している筈です」

ボコ 「じゃあ、お前ら……船を降りたのか?」 

優花里 「はい、大洗女子学園は廃校になりました」

ボコ 「そうか……」

ボコ 「オイラの忠告聞いてくれたんだな」

ボコ 「良かった」

優花里 「!」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 22:21:19.01 ID:WJeIUxXJ0
優花里 「良かったって……どういう意味ですか?」

優花里 (もう我慢の限界です)

ボコ 「おい、どうしたんだ優花里?」

ボコ (何だコイツ、えらくおっかねえ顔してるぞ……)

優花里 「何が良かったというのですか? 西住殿を始めとする皆の努力が報われなかったことですか?」

優花里 「それとも私の両親が長年営んできたお店を畳んで引っ越すことですか?」

ボコ 「チョッ、落ちつけよ! 優花里」

優花里 「落ちつけって、ボコ殿が言いますか?」

優花里 「元はと言えばあなた達のせいじゃないですか!」
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 22:25:14.47 ID:WJeIUxXJ0
今日はここまで
読んで頂きありがとうございました

庵野秀明
『特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』(シン・ゴジラは絡んでないが)
於?東京都現代美術館? 2012年開催

諫山創
『進撃の巨人展』
於?上野の森美術館 2014〜2015年開催

新海誠
『新海誠展』
於?国立新美術館 来月開催予定


水島監督だってもっとアカデミックな扱いを受けてもいいと思う
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 08:10:59.90 ID:bgOPmNxKO
乙です
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 15:23:24.76 ID:78HS1gF20
ボコ 「そんな言い方ねえだろッ!」

ボコ 「オイラは! ……優花里達が死なずに済むのを『良かった』って言っただけじゃねえか」

優花里 「ええ、分かってます。分かってますよ」

優花里 「しかしそれは最悪の事態を免れただけです」

優花里 「全国大会に優勝して折角廃校を回避出来たんです。本当だったら2学期以降も大洗に通って、私の家もお店を続けて……」

優花里 「それらが全て駄目になって……」

優花里 「今日だって西住殿との二人きりの時間を……貴方は……」

ボコ 「だからオイラが代わりにデートしてやるって――」

優花里 「自惚れないで下さい! 自分にとって西住殿の代わりなんていません」

ボコ 「……」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 15:56:26.26 ID:78HS1gF20
優花里 「ボコ殿は知らないでしょうけど、会長に廃校を進言したのは西住殿です」

優花里 「廃校を阻止する為に頑張ってきた西住殿が、生徒会に廃校を勧める。誰よりも人命を尊重する西住殿らしい決断ですが、それでも本当は悲しかった筈です」

優花里 「誰よりも優しいあの方にそんな苦渋の決断をさせておいて……」

ボコ 「ちょっと待て、優花里。お前普段そんなキャラじゃねえだろ?」

ボコ 「お前は昔、オイラのことがちょっとは好きだったんじゃねえのか?」

優花里 「……」

優花里 「……どうしてそう思うのですか?」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 16:04:23.43 ID:78HS1gF20
ボコ 「だってよ、優花里はいつもオイラのこと助けてくれただろ?」

ボコ 「学校の勉強がちんぷんかんぷんだった時、戦車道のことが丸っきり分からなかった時、突然の生理でパンツが真っ赤になった時……」

ボコ 「みほと入れ替わってた時に勝手が分からなかったオイラをいつも助けてくれたのは優花里じゃねえか」

ボコ 「他の奴らも親切にしてくれたけど、一番支えてくれたのはお前だった。これでも感謝してるんだぜ」

優花里 「ハァ……」

優花里 「何も分かってないんですね」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 16:14:47.91 ID:78HS1gF20
優花里 「貴方を献身的に支えてきたのは西住殿に恥をかかせまいと思ってのことです」

優花里 「それに入れ替わりが明らかになってから西住殿に頼まれたんです。『入れ替わってる間、きっと迷惑をかけてきたしこれからも迷惑をかけるけどボコを助けて欲しい』と」

優花里 「西住殿は貴方の為に……自分やあんこうチームの皆に頭を下げたんですよ……」

優花里 「そんなことしなくても私はいくらでもあの方を支えるつもりでいたのに」

優花里 「西住殿の身体を乗っ取って迷惑をかけ続けておきながら平然といる貴方のことなんか……」
 
優花里 「嫌いになることはあっても好きになんてなりませんよ」

ボコ 「本気で言ってんのか?」

優花里 「ええ、貴方なんて……」

優花里 「大洗で自衛隊に殲滅されればいいんです」

ボコ 「ケッ! 勝手にしやがれ!」

ボコ トボトボトボトボ

優花里 (ボコがカフェから出て行きました)

優花里 (やってしまいました……)

優花里 (ただ、これは誓って嫉妬ではありません。ただ彼の無神経さがどうにも我慢ならなかったのです)

優花里 (とはいえ、ボコに非道いことを言ってしまいました)
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 16:24:02.82 ID:78HS1gF20
ボコ (褒められると思っていた……)

ボコ (危機を伝えて優花里達を救えたと思っていた。オイラはヒーローになったと思ってた。でも……)

ボコ (オイラはそんなにお前に恨まれていたのか、優花里……)

ボコ (散々だったデートの結果は、次に入れ替わった時に伝えればいい。そして……)

ボコ (みほ、お前にも迷惑かけちまったな)
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 16:31:29.11 ID:78HS1gF20
【太平洋 東日本沖】

ケイティ (皆はどこに行ったの? 誰もいないよ……)

ケイティ (ドーラとジークンは行方不明だし……まさか、人間にやられちゃったの!?)

ケイティ (あっ、あれは)

エリガン ムシャ、ムシャ、ボリ、バリ

ケイティ (エリガンだ、良かった)

ケイティ 「ねえ……エリガン」

エリガン 「食事中」

ケイティ 「ごめんなさい、みんなの姿が見当たらなくて私逸れたのかと思って」

ケイティ 「それ、美味しいの?」

エリガン クルッ

エリガン 「まあまあ。人間の方が美味しいわよ」

ケイティ (何食べてるんだろう? 何かの頭みたい……)

ケイティ 「!?」

ケイティ 「それって……まさか……」

エリガン 「マッキー」

ケイティ 「ヒィッ!」
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 16:37:13.07 ID:78HS1gF20
今日はここまで。
読んで頂きありがとうございました。
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/21(土) 00:06:38.07 ID:4VqHjned0
【アンツィオ学園艦 女子寮 みほの部屋】

華 「今日が日曜で良かったです。平日なら今日から二学期です」

沙織 「そうだよね、休日だからこうしてみぽりんの部屋に集まれたもん」

麻子 「ボコの話では西住さんの記憶を見た時に……亡くなる前の西住さんが私の声を聞いたと言っていた。その時の私は『誕生日と命日が一緒なんて云々』と言っていたそうだ」

みほ 「麻子さんの誕生日は今日、9月1日。麻子さんお誕生日おめでとうございます」

華 「おめでとうございます」

沙織 「麻子、おめでとう」

優花里 「冷泉殿、誕生日おめでとうございます」

まほ 「私からもおめでとうと言わせてもらおう」

麻子 「みんなありがとう……ございます。それよりもボコの話が本当なら……」

麻子 「今日大洗にボコラが現れる」

みほ 「そうです」

みほ (生徒と住民の避難が完了し、自衛隊が配備された大洗にボコ達が現れる)

みほ (ボコは……大丈夫かな)
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/21(土) 00:17:41.82 ID:4VqHjned0
まほ (済まない、みほ)

まほ (お母様の勘当が解けない以上、お前を黒森峰に戻すことは出来ない)

まほ (それどころか黒森峰のOB会はみほが強豪校に転校出来ないように裏で手を回していたと聞く)

まほ (あくまで噂に過ぎないが、みほの転校先がアンツィオになったことを考えると只の噂ではないのかもしれん)

まほ (居ても立ってもいられずアンツィオまで来たが、みほが思いの外元気そうで良かった。それに4号の乗員全員が同じ高校と知って安心した)

まほ (それよりも他言無用でさっき聞かされた話……)

まほ (みほが巷を騒がすバケモノと入れ替わっていたという話は信じるべきだろうか……?)
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/21(土) 00:28:15.30 ID:4VqHjned0
【都内 首相官邸 二階会議室 巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)】

志村 「副長官! 1分前にボコラが出現。大洗学園艦に乗艦します!」

矢口 「これが最新映像か……何か咥えてるな」

柳原 「おい、知波単やプラウダの時よりかなりデカくなってないか?」

金井 「ああ、まったく想定外の大きさだ」

葉山 「顔や姿もまるで違うぞ」

矢口 「ええ。身長が2倍近くになっています。さらに進化したボコラ新形態です」

矢口 (元々全長で100メートル位だったのが、最新映像を見るに……)

矢口 (今は身長だけで100メートルを優に超えている。全長だと200メートルはありそうだ)

森 「あれはエリガンって言われてるタイプか」

立川 「ハイ、通称ワニ頭です」

間 「1体だけというのが気になる。それに何を咥えてるんだ?」

安田 「あっ! あっ! ああ……こんなんアリか!」

安田 「咥えているのは別の個体の足ですよ! ケイティって呼ばれている個体の足です」

尾頭 「まさか、共食い?」

安田 「冗談……じゃなさそうですね」

尾頭 「これでボコラがこの星で最も凶暴な生物だという事実が確定しました」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/21(土) 00:42:04.83 ID:4VqHjned0
【都内 首相官邸4階 大会議室】

花森 「総理。命令があれば自衛隊は学園艦でも徹底的にやります」

東 「災害緊急事態の布告は、今も継続中です。攻撃は、総理の御意志で決まります」

赤坂 「総理」

大河内 「分かっている。始めてくれ」

花森 「総理、武器使用の承認をお願いします」

大河内 「武器の使用を許可する」
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/21(土) 00:53:00.06 ID:4VqHjned0
【大洗学園艦】

戸川 「ヘリ隊長発射用意、発射!」

通信員 「機関砲、全弾命中! しかし効果を認めず!」

西郷 「アパッチの30ミリに切り替えろ。もう少し様子を見る」
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/21(土) 01:05:27.03 ID:4VqHjned0
【アンツィオ学園艦 女子寮 みほの部屋】

沙織 「どこの局も報道特番だよ。中継があるのは助かるけど」

優花里 「そうですね、大洗の最新映像をテレビで見ることが出来ます」

麻子 「このボコラ、前にテレビで観た時と大分見た目が変わってる」

華 「どうやら変わったのは見た目だけではなさそうですよ。自衛隊の攻撃も効いてないようです」

みほ (さっきエリガンが咥えてたのはケイティの足だった)

みほ (以前私がボコと入れ替わった時に、ボコの姿の私はエリガンに片手を喰われてて)

みほ (その時ドーラとジークンが止めに入ってくれて、その間に私は逃げたけど)

みほ (ひょっとして他のボコラ達はエリガンの餌食に……)

みほ (自衛隊は苦戦してるし、もしここで自衛隊がエリガンを倒せなかったら、エリガンがまたボコを襲うかも)

みほ 「お姉ちゃん」

まほ 「何だ?」

みほ 「お願いがあるの」

みほ 「一緒に西住流に伝わる舞を舞って欲しいの」

まほ 「確かにあの舞は守護者を呼ぶという言い伝えはあるが……」

まほ (とうの昔に古文書は焼け、舞の意味も分からなくなって残ったのは形だけ。そんなものを舞ったところで……)

みほ 「お願い」

まほ 「……」

まほ (舞自体に何の効力が無くともそれでみほの気が済むのなら……)

まほ 「分かった、久しぶりに舞おう」

みほ 「ありがとう、お姉ちゃん」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/21(土) 01:14:49.06 ID:4VqHjned0
【大洗学園艦】

観測員 「第3小隊、攻撃続行中。目標健在。未だ効果無し」

三木 「16000発もの機関砲を食らい続けて、傷一つ付かんとは」

三木 (おかしい、調査報告には旧式の戦車でも傷を負わせたとあったのに)
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/21(土) 01:32:06.13 ID:4VqHjned0
【都内 首相官邸4階 大会議室】

花森 「誘導弾、全弾命中。しかし目視による損傷、確認できません」

金井 「ミサイルでも死なないのか?」

菊川 「なんて奴だ」

三木 「目標の外皮硬度は、予想以上です」

花森 「総理、大型の未確認飛行物体が確認されたとの情報が入りました!」

大河内 「飛行物体だと!?」

矢口 「総理」

矢口 「理研の報告によるとボコラには人類の8倍もの遺伝子情報があり、世代交代ではなく1個体のまま劇的な進化を続けているとのことです」

郡山 「何が言いたい?」

矢口 「未確認飛行物体は進化による有翼化したボコラの可能性があります」

財前 「奴らは進化によって皮膚が丈夫になったり空を飛べたりするというのか?」

花森 「新たな情報が入りました。各学園艦にて未確認飛行物体の目撃情報が相次いでいます。その姿はまるで……」
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/21(土) 01:33:43.48 ID:4VqHjned0
今日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/21(土) 21:31:40.12 ID:zzIp5iQZ0


色々ごちゃまぜで草生える
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/23(月) 22:21:42.56 ID:IJwhUjEf0
【継続高校学園艦 女子寮 ベランダ】

紗希(ウサギさんチームと共に継続高校に転校) 「ちょうちょ」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/23(月) 22:32:45.55 ID:IJwhUjEf0
【大洗学園艦】?

戸川 「大洗に飛来した未確認飛行物体、ボコラと交戦を開始! 指示を乞う!」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/23(月) 22:42:45.38 ID:IJwhUjEf0
【都内 首相官邸4階 大会議室】?

花森 「総理、大洗に飛来した蝶とも蛾ともつかない巨大生物がボコラと交戦中とのことです」

大河内 「一体どうなるんだ……」

矢口 「勝った方が我々の敵になるだけです」 

赤坂 「まだそうと決まった訳じゃない」

矢口 「?」

赤坂 (『ひょっとしたらその蝶は人類の味方かもしれない』と言う言葉が喉から出かかったが危うく飲み込んだ)

赤坂 (彼女の家に代々伝わる古の伝承。二人の乙女の舞に呼応して姿を現すとされる守護神)

赤坂 (『詳しいことはもう分からない』とあの時セーラー服姿の君は言ったが……)

赤坂 (西住しほ、ここで君の名前を思い出すとはな)
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/23(月) 23:07:12.42 ID:IJwhUjEf0
【アンツィオ学園艦 女子寮 みほの部屋】

みほ&しほ 「♪モスラーヤ、モスラ ドゥンガン……」

沙織 「今テレビに出てるあの蝶を、みぽりんとお姉さんが歌と踊りで召喚したっていうの?」

麻子 「流石に無理があるだろ?」

華 「そうでもありませんよ。由緒ある名家には得てしてそういった伝承が残されているものです」

優花里 「ひょっとして五十鈴殿も何かの言い伝えの伝承者なのですか?」

華 「五十鈴家には代々花占が伝わってましたが、残念ながらボヤで秘伝書が失われました」

沙織 「そうなんだ……。残ってたら私の恋愛運、占って欲しかったな」

華 「因みに、家中ではそのボヤを……」

華 「『新三郎の大火』と呼んでいます」

沙織 「え? 名前付いてるの? 新三郎さん可哀想」

麻子 (ボヤなのに『大火』なのか……)

みほ&しほ 「♪ドゥンジュカンラー……」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/23(月) 23:13:33.09 ID:IJwhUjEf0
今日はここまで。
最初に元ネタは4作品と言ったがあれは嘘だ。
シン・ゴジラ以外のゴジラ作品のネタが少し入ったがご容赦を。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 09:40:14.66 ID:UNsrq7Z+0
しほ?
まほ?
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 19:54:14.46 ID:phYtYpGW0
1です。
>>253
赤坂が思いを馳せているのは少女時代のしほです。赤坂としほの話はいずれどこかのタイミングで出す予定です。
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 20:01:53.47 ID:phYtYpGW0
1です。
>>253
すみません。
251で歌ってるのはみほとまほです。
以下と差し替えで読んで下さい。
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 20:02:48.60 ID:phYtYpGW0
【アンツィオ学園艦 女子寮 みほの部屋】

みほ&まほ 「♪モスラーヤ、モスラ ドゥンガン……」

沙織 「今テレビに出てるあの蝶を、みぽりんとお姉さんが歌と踊りで召喚したっていうの?」

麻子 「流石に無理があるだろ?」

華 「そうでもありませんよ。由緒ある名家には得てしてそういった伝承が残されているものです」

優花里 「ひょっとして五十鈴殿も何かの言い伝えの伝承者なのですか?」

華 「五十鈴家には代々花占が伝わってましたが、残念ながらボヤで秘伝書が失われました」

沙織 「そうなんだ……。残ってたら私の恋愛運、占って欲しかったな」

華 「因みに、家中ではそのボヤを……」

華 「『新三郎の大火』と呼んでいます」

沙織 「え? 名前付いてるの? 新三郎さん可哀想」

麻子 (ボヤなのに『大火』なのか……)

みほ&まほ 「♪ドゥンジュカンラー……」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 18:16:39.78 ID:pHj5XF290
【アンツィオ学園艦 女子寮 みほの部屋】

ボコ (……)

ボコ 「ココは……?」

まほ 「みほ、大丈夫か、みほ?」

ボコ (誰だこいつ? 入れ替わったみたいだから取り敢えずみほっぽく振る舞うか)

ボコ 「すみません、ご迷惑をおかけしました」

まほ 「気にするな、具合は悪くないか? あと、どこか痛いとか?」

ボコ 「はい……大丈夫です」

まほ 「良かった……少し休んだ方がいい」

まほ (踊ってる最中に急に倒れるから心配したが、大事無いようだ。只、気のせいかみほが他人行儀だな)

沙織 「大丈夫だよ、ボコ。その人には入れ替わりのこと話してるから」

ボコ 「オ、オゥ、そうか」

まほ (?)

麻子 「因みに今ボコを抱きかかえてるのは西住さんのお姉さんだ」

ボコ 「マジ!?」

まほ (!?)

華 「驚かれるのも無理は無いと思います。これがみほさんが話した入れ替わりです」

まほ (この部屋に入った時にみほから聞かされた入れ替わりの話)

まほ (話を聞かされた時は半信半疑だった。ふざけた話だとは思ったが、話している時のみほの表情から私を担いでいるとも思えなかった。こんなことが……)
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 18:28:02.40 ID:pHj5XF290
ボコ 「あんたがみほの姉ちゃんか。オイラボコだせ」

まほ 「西住まほだ。私のことは知っているようだな」

ボコ 「ああ、顔を拝んだのは初めてだが話には聞いてるぜ」

ボコ 「20輛率いて8輛のみほに負けたへっぽこ隊長ってな」

華 「ボコ!」

麻子 (いきなり何を言い出すかと思ったらこの生き物は……)

まほ 「ほう……いきなりご挨拶だな」

ボコ 「ああ、いい機会だから言ってやる」

ボコ 「あんたらは去年負けた責任を全てみほにおっ被せて黒森峰から追い出したんだってな」

ボコ 「あいつが試合でやったことは人命救助だぞ。それなのに黒森峰では誰一人あいつが正しいと言えなかった」

まほ (こいつ、全部知っているのか?)

まほ (去年の高校戦車道全国大会で我々黒森峰はプラウダに敗れ、10連覇を逃した)

まほ (川に落ちた戦車の乗員を救助する為にみほは持ち場を離れ、その間にフラッグ車が撃破された。敗因はフラッグ車車長のみほの独断行動とされ、全責任を追う形でみほは黒森峰を追われた)

ボコ 「あんたはみほの姉ちゃんだろ? あんたが真っ先にみほを守るべきじゃなかったのか? 家族にすら見捨てられたあいつの気持ちを考えたことがあんのか?」

まほ 「貴様に何が分かる」

まほ (身内だからこそ甘い処分で済ませるわけにいかなかった。それを……)
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 18:36:49.46 ID:pHj5XF290
ボコ 「オイラはみほと何度も入れ替わってきた。少なくとも離れて暮らしてきたあんたよりはみほの置かれた状況を見てきた」

ボコ 「何故オイラがこんなこと言うか分かるか? どうせあんたには分かんねえだろ!?」

ボコ 「みほはあんたを決して責めない。あいつの心根の優しさだけじゃねえ。あいつは今でもあんたを血を分けた姉として慕ってるからだ」

まほ (言うな……)

ボコ 「だから……代わりにオイラが怒ってんだ!」

まほ (みほの姿と声でそれ以上私を責めるな……)

ボコ 「それとも……」

ボコ 「自分より出来のいい妹がそんなに邪魔だったか?」

まほ 「!」

優花里 「ボコ殿、流石に言い過ぎです!」

沙織 「そうだよ、謝ってボコ!」

まほ 「……言い過ぎってことは……」

まほ 「言ってる内容自体は間違ってないという意味か……?」

優花里 (!?)

優花里 「いえ、そんなつもりは!?」

まほ 「『自分より出来のいい妹がそんなに邪魔』か……そう思いたければ思っていればいい」

まほ 「邪魔したな」

ボコ 「ケッ、おととい来やがれ!」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 18:51:03.30 ID:pHj5XF290
【アンツィオ学園艦 女子寮 入り口】

まほ 「ここまででいい」

優花里 「しかし……」 

まほ 「道は分かるし、この後、安斎のところにも寄りたいから」

優花里 「あの、先程の自分の発言ですが――」

まほ 「さっきは揚げ足を取るようなことを言ったが、悪意が無いのは分かっている。気にするな」

優花里 「はい」

麻子 「ボコには後でよく言っておきます」

まほ 「そうだな……」

まほ 「只、入れ替わりの相手がみほを大事に思っていることが分かって良かった」

まほ 「それから一つ聞きたいことが……」

まほ 「……」

華 (言い辛いことなのでしょうか?)

沙織 「どうか遠慮せずに言って下さい」

まほ 「ああ、……知ってたらでいいんだが……」

まほ 「……あいつは入れ替わりの間、みほの身体に変なことしてないよな……?」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 19:09:23.27 ID:pHj5XF290
【太平洋 東日本沖】

みほ (入れ替わってから分かったけど、今回入れ替わったのは人間の攻撃を受けたからだった)

みほ (深海に潜って行方を晦ませることが出来たから良かったけど、今後海面に浮上する時は警戒が必要)

みほ (海自か、米軍か、どちらに遭遇しても苦戦するなぁ……)

みほ (それでも、私はこの目で確かめたい)

みほ (この3ヶ月後の世界で大洗がどうなっているか)

みほ (入れ替わりが解けた時にその情報を持ち帰れるように)

みほ (怪我が治ったら大洗を探そう)
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 19:14:53.10 ID:pHj5XF290
【大洗学園艦 甲板】

みほ (これって……一体……)

みほ (エリガンが……直立したまま固まってる)

ボコと入れ替わったみほが大洗で見たのは、直立したまま凍結したエリガンの姿だった。
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 19:16:46.06 ID:pHj5XF290
今日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/03(金) 20:01:33.61 ID:V+1nImgl0
【大洗学園艦 校庭】

みほ (怪我が治ってから大洗を目指して……)

みほ (辿り着いたらエリガンを見つけた)

みほ (死んじゃったのかな? まるで石膏の像みたいに立ったまま固まってる)

みほ (あんこうチームの皆がテレビを観ながら口々に『大洗に蛾みたいな生き物が現れた』って言ってたけど、その蛾が倒したのかな? 私は踊ってる最中に入れ替わりが起きたからよく把握してない)

みほ (学園艦は廃墟のまま。艦の解体が始まる訳でもなく、かと言って艦を降りた皆が戻って来てる筈も無く)

みほ (この広い学園艦に私独り……自衛隊も居ない。自衛隊はどうしてここを放棄したんだろう?)

みほ (エリガンは他のボコラを食べてた。私自身此処に来るまでに人間の攻撃を受けた。ひょっとしたらボコラ達の中で生き残ってるのは、もうボコだけかもしれない)

みほ (もしそうだとしても、ボコ……貴方は独りぼっちじゃない)

みほ (私がいるから)

みほ (私が居ないとボコは早死にする)
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/03(金) 20:11:24.82 ID:V+1nImgl0
みほ (私とボコの入れ替わりは3ヶ月の時間のズレがあると優花里さんが教えてくれた。優花里さんはボコから聞いたと言っていた)

みほ (私が今見ているのは未来の世界)

みほ (この世界の私は……)

ドゥルルルルル

みほ (!)

みほ (この駆動音! 間違いない……)

みほ (4号が此処にいる!)
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/03(金) 20:21:08.61 ID:V+1nImgl0
キュラキュラキュラキュラキュラキュラ

みほ (キャタピラの音……)

みほ (居た! 戦車倉庫から出て来た)

みほ (大洗の校章もあんこうチームのエンブレムも消してあるし、色も違う。でも4号だ!)

スピーカーの声 「待って!」

みほ (今の声、まさか!?)

スピーカーの声 「私の名前は……」

スピーカーの声 「みほ! 西住みほ!」

みほ (戦車から声が……私の声だ)

スピーカーの声 「貴方は、ボコ? それとも私?」





スピーカーの声 「君の、名前は!?」





みほ 「私の名前も……みほ!」





スピーカーの声 「良かった……私だ」

スピーカーの声 「みぽりん、武部沙織だよ」

スピーカーの声 「西住殿、秋山優花里です」

スピーカーの声 「五十鈴華です。みほさん、合流出来てホッとしました」

スピーカーの声 「冷泉麻子だ。この姿の西住さんに会うのは初めてだな」

ボコと入れ替わり中のみほ(以降、ボコ中みほ) 「皆、どうして此処に?」

4号戦車搭乗中のみほ(以降、4号みほ) 「手短に説明します。お願い……」

4号みほ 「今の私達に力を貸して!」

4号みほ 「そして貴方には今日、11月3日16時30分に再びここに来て欲しいの。それが今の私だから」

ボコ中みほ (11月3日……実際は2ヶ月ちょっとのズレだったんだ)
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/03(金) 20:35:52.03 ID:V+1nImgl0
4号みほ 「状況を説明します」

4号みほ 「そこに居るエリガンは大洗に現れた昆虫型巨大生物との死闘の末、凍結状態になりました」

4号みほ 「只その後も、まるで死んだ後も光り続ける蛍のように放射能を出し続けてます」

ボコ中みほ 「エッ、放射能!?」

4号みほ 「はい、放射能はボコの身体からも出てます」

ボコ中みほ 「エエッ!?」

4号みほ 「ボコ達は人間が海洋投棄した放射性物質を食べてから急速に進化して、体内に原子炉のような器官を獲得したって仮説があるの」

ボコ中みほ 「だったら今あんこうチームの皆危ないんじゃ……」

4号みほ 「大丈夫、戦車の中は特殊なカーボンで守られてるから外に出ない限り安全です」

4号みほ 「それに少し位外に出る分には直ちに影響は無いから」

4号みほ 「因みに車内から外に呼びかけられるように、自動車部が4号にスピーカーとマイクを付けてくれました」

4号みほ (レオポンさんチームがアンツィオに編入してくれてて助かったよ。F 1と言えばイタリアだもんね)
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/03(金) 20:50:44.66 ID:V+1nImgl0
4号みほ 「ボコラに襲撃された知波単とプラウダの調査結果から、ボコラの出す放射能は20日で半減期を迎え、2、3年で殆ど影響が無くなることが分かっています」

4号みほ 「そこに居るエリガンを学園艦の外に出せば、数年後、学園艦は再び人が立ち入り出来ます」

4号みほ 「廃校は決定したし、少なくとも私達の高校在学中には大洗が人の住める場所には戻りません」

4号みほ 「それでも、大洗が幽霊船のように太平洋を彷徨い続ける未来は変えられます。ひょっとしたら数年後に廃校が取り消されるかもしれません」

4号みほ 「諦めず、最後までこの艦を見捨てずにやろう。そう思ったから」

ボコ中みほ 「うん、分かった。私はエリガンを担いで、彼女を海に返せばいいんだね」

4号みほ 「そう、ボコと入れ替わってる貴方はこの艦を救う最後の砦です。大洗の未来を貴方に託します」

ボコ中みほ 「任せて。ねえ、ところであの巨大昆虫は呼べなかったの?」

4号みほ 「うん、エリガンを倒した後、力尽きて海面に墜ちて、そのまま……」

ボコ中みほ 「そうなんだ……可哀想」

4号みほ 「放射能のせいで現在大洗には私達以外誰もいません。私達と4号をここまで運んでくれたサンダースの輸送機も私達の作戦終了までは戻ってきません。ただ、監視カメラやセンサーでボコの乗艦は自衛隊も把握している筈です。恐らく本土かヘリポート艦から戦闘ヘリがこちらに向かっているでしょう。だけど、どうか実行して欲しい」

4号みほ 「作戦名は……『進撃のボコ』!」

ボコ中みほ 「エッ……」

4号みほ 「ごめん、みんなで話し合って決めたから……」

ボコ中みほ 「……うん……それでいいよ」

4号みほ 「作戦開始です、パンツァー・フォー!」

ボコ中みほ (ボコラの皆、大洗を人類に返して貰います)
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/03(金) 20:52:59.82 ID:V+1nImgl0
今日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
次回から1が最も書きたかった「タイムラグのある入れ替わりが可能にしたWみほ共同作戦」に入ります。
作戦遂行日を11月3日にしたのは『シン・ゴジラ』でゴジラが現れた日と同じ日にしたかったからです。
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 23:02:07.31 ID:4zEkgruQO

なんか難しくなってきた!
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/06(月) 23:45:34.99 ID:VIMD6TVE0
ズシン、ズシン、ズシン、ズシン

4号みほ (ボコと入れ替わった私か凍結エリガンを運んでいる)

華 「あんな巨大な物を持ち上げるなんて……」

麻子 「ボコラ……まるで神の化身だ……」

沙織 「そうだよ……みぽりんは私達の守り神だよ」

優花里 「西住殿はその役目を果たそうとしています。後はボコと入れ替わってる西住殿を海まで守れば、我々の勝ちです!」

4号みほ 「麻子さん、ボコの私を先導するように走って下さい。ボコの私が気にならないように距離は200メートル位開けて下さい」

麻子 「あいよ」

4号みほ 「在来線の近くまで来たら砲撃準備です」

華 「在来線ですか?」

4号みほ 「はい、私は2ヶ月前にここに来てるので知ってるんです」

4号みほ 「恐らく自衛隊がしかけたトラップです。ボコが線路を跨ぐ時を狙って爆弾を搭載した列車をぶつけて来ます」

4号みほ 「上下線両方から同時に来るので先に4号の主砲で線路を破壊します。どちらを砲撃するかはその時に指示を出します」

沙織 「特攻じゃないよね?」 

4号みほ 「流石に無人列車だと思います」

沙織 (第二鹿島臨海鉄道、この学園艦を走る環状線)

沙織 (ボコラを恐れるあまり、人間はそれすら武器にしてしまうんだ)
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/06(月) 23:54:44.88 ID:VIMD6TVE0
4号みほ 「砲撃開始!」 

ドオオン! ……ドゴオオォォ……
ドオオン! ……ドゴオオォォ……

4号みほ 「主砲反転……砲撃開始!」

ドオオン! ……ドゴオオォォ……
ドオオン! ……ドゴオオォォ……

華 「上下線共破壊しました。これで在来線爆弾は来ません」

4号みほ 「はい、後は周囲を警戒しながら進みましょう」

沙織 「みぽりん、この後は何かあるの?」

4号みほ 「分かりません」

沙織 「えっ?」

4号みほ 「2ヶ月前の私は在来線爆弾の攻撃を受けて転倒しました」

4号みほ 「その時に担いでいたエリガンの下敷きになって……作戦は失敗したんです」

4号みほ 「ここから先は何が起こるか私にも分かりません」

4号みほ 「なので十分に警戒して下さい」

4号みほ (自動車部にカメラとモニターを搭載して貰ったとはいえ、本当はキューポラから出て外を見渡した方が視界は広い)

4号みほ (でも放射能のことを考えると余程のことが無い限り、キューポラから身体を出す訳にはいかない)

4号みほ (後はエリガンを担いでいるもう一人の私を信じよう)

4号みほ (共食いを経て異常進化を遂げ、巨大化したエリガンに対し、ボコのサイズは以前のまま)

4号みほ (自分より大きな相手を運ぶのは辛いのは分かるけど……頑張って)

ボコ中みほ (身体が……グシャグシャに潰れそうだよ……)
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/07(火) 00:05:55.66 ID:xrPCHgH90
ボコ中みほ (私達人類は産まれた時からボコマニアだ)

ボコ中みほ (それを拒む者がどんなに強くても)

ボコ中みほ (関係無い)

4号みほ (ボコのアニメでもボコミュージアムでも、何でもいい)

4号みほ (それらを見た者はこの世界で一番の想い人を手に入れた者だ)

ボコ中みほ (ボコられ……)

ボコ中みほ (その為の命なんか惜しくない!)

4号みほ (どんなにボコがボコられても)

4号みほ (関係無い)

ボコ中みほ (どんなにボコが負け続けても)

ボコ中みほ (関係無い)

4号みほ (ボコられ……)

ボコ中みほ (ボコられ……)

Wみほ (ボコられ!)

優花里 (遂に凍結エリガンを抱えた西住殿が甲板の端まで来ました……)

優花里 「いっ……」

優花里 「いっけえええ! 西住殿!」

ボコ中みほ 「ウアアアアアッ!」

ボコ中みほ (ボコられ!!)

ドオオオオン!
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/07(火) 00:15:40.01 ID:xrPCHgH90
ボコ中みほ 「キャアアアアッ!」

麻子 (何ッ!?)

華 (ボコの両腕が吹き飛びました……)

沙織 「何があったの!?」

優花里 「モニターを! ……これは……」

優花里 「自衛隊のアパッチです!」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/07(火) 00:24:24.37 ID:xrPCHgH90
通信員 「目標、両腕を損傷」

戸川 「前にここで戦ったワニ頭よりこいつは脆い。いけるぞ!」

西郷 「今こそ我ら自衛隊の力が試される時だ! 一気に畳みかけろ」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/07(火) 00:37:06.40 ID:xrPCHgH90
4号みほ (後少しだった)

4号みほ (もう一人の私が海に投げ込もうとした凍結エリガンが甲板の端に転がっている)

4号みほ (本当に後少しで海に落ちそうなのに、私達を嘲笑うかのように辛うじて留まっている)

4号みほ (まるで押せば落ちそうな位だが、推定体重が10万トン近い相手なんて押してどうこうなるものじゃない)

4号みほ (自衛隊のヘリはもう来ていたんだ)

4号みほ (恐らく……私達から死角になる甲板より低い場所、学園艦の船腹辺りでホバリングしながら私達を待ち伏せしていた)

4号みほ (そして私達が海に近づいたところで上昇して左右から同時にミサイル攻撃)

4号みほ (西住流、いや、戦車道は航空戦力を考慮しない。試合に使われることが無いから)

4号みほ (所詮戦車道は競技でしか無かった)
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/07(火) 00:48:49.41 ID:xrPCHgH90
今日はここまで
読んで下さった皆さんありがとうございました。
余談ですが奇しくも今月は『君の名は』と『シン・ゴジラ』が共に地上波初放送されます。
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 00:18:11.91 ID:Zaf+Muwy0
ボコ中みほ 「ウグアア……」

ズシイィン!

観測員 「目標、転倒!」

西郷 「目標を立たせるな。足を狙え」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 00:30:03.25 ID:Zaf+Muwy0
優花里 「西住殿おおおッ!」 

4号みほ(以降みほ) 「いえ、もう入れ替わります」

みほ (入れ替わりのトリガーはボコられること。これだけダメージを受けたら……)

ボコ 「痛でええええ!」

ボコ 「アアアア……腕が!? オイラの腕があああ!」

みほ (入れ替わった!)

バラララララ!

ボコ 「ウガアアアア!」

みほ (戦闘ヘリの機関砲!?)

みほ 「ボコ!」

みほ (このままだとボコが死んじゃう!)

みほ (でも、あんこうチームの皆を危険に晒す訳には……)

沙織 「行ってあげなよ……じゃなかったね。一緒に行こうよ」

みほ 「沙織さん……」

みほ 「今ボコに近づけば、自衛隊の砲弾及び誘導弾の直撃や急性被曝の危険性があります。ここにいる者の生命の保証は出来ません」

優花里 「元より覚悟の上です」

麻子 「危険だというなら尚のこと操縦は私に任せてくれ」

華 「戦車は火砕流の中だって突き進む、ですよね」

沙織 「今更水くさいよ」

みほ 「みんな……みんな、ありがとう」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 00:38:37.51 ID:Zaf+Muwy0
ボコ 「こいつら……遠くから一方的に……」

観測員 「目標、脚部を負傷。流血を確認」

西郷 「次でトドメだ、ヘルファイア全弾発射。目標、ボコラ頭部、距離700……発射用意……」

観測員 「射撃待て、射撃待て!」

観測員 「目標周辺に戦車を確認! 射線上に戦車が居る!」
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 00:47:11.06 ID:Zaf+Muwy0
【都内 首相官邸4階 大会議室】

花森 「戦車ですって?」

郡山 「何故戦車が……?」

財前 「花森大臣、戦車から人が数名降車しました。皆、若い女性と思われるとのことです」

花森 (!)

財前 「戦車は形状からドイツ製4号戦車と推測されます」

矢口 「4号戦車……?」

財前 「はい、戦時中の戦車です」

花森 (まさか……戦車道履修者?)

花森 (だとすれば私の後輩達ということに……)

財前 「射撃を開始して構いませんか?」

金井 「そんなのテロリストだろ? 構わす撃てばいいじゃないか」

花森 「いえ、目標付近にいる人は戦車の操縦が可能な一般人の可能性があります」

花森 「総理、それでも撃ちますか? いいですか?」

花森 「総理!」

大河内 「中止だ、攻撃中止! 自衛隊の弾を国民に向けることは出来ない!」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 00:57:01.14 ID:Zaf+Muwy0
【大洗学園艦 甲板】

みほ (自衛隊のヘリが遠ざかっていく)

沙織 「ふうーっ、助かったあ……」

華 「皆さん、これ以上外に居てはボコラプルームが危険です。早く中へ」

みほ (ボコ……)

ボコ 「フーッ……痛ェ……ハヒッ、ハヒッ……」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 01:00:58.35 ID:Zaf+Muwy0
今日はここまで
読んで下さった皆さんありがとうございました
昨晩地上波で改めて観た『シン・ゴジラ』面白過ぎ
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/14(火) 09:39:03.63 ID:NLronv510

花森さんがかつての戦車道履修者ってのは燃える
しほ、千代、蝶野亜美との絡みみてみたくなる
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 19:55:25.18 ID:/TFxaHYR0
ボコ 「ハーヒー、ハーヒー、ハーヒー……」

みほ 「ボコ!」

ボコ 「ヘッ! この位何ともないぜ……イデデデデデ!」

みほ 「ボコ、大丈夫?」

ボコ 「流石にここまでヤラれると直ぐにって訳にはいかねえが、オイラの身体は再生するからよ。イデデ……」

みほ (両腕が吹き飛び、両足が血に染まったボコが横たわってる)

ボコ 「みほ?」

みほ 「聞いてるよ、ボコ」

ボコ 「ハーヒー、ハーヒー……何でお前ら大洗に来てんだよ……」

みほ 「……」

ボコ 「理由、話せよ……ウグッ! 痛え……」

みほ 「うん。話すね」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 20:04:47.56 ID:/TFxaHYR0
ボコ 「そうか……。事情は分かったけどよ、さっきお前達戦車から降りてたが大丈夫か?」

みほ 「少しの間なら大丈夫。それに今は戦車の中からマイクで話しかけてるから安全だよ」

ボコ 「みほ……昔、交換日記にオイラが博士の話書いただろ? 覚えてるか?」

みほ 「うん、ボコ達の研究をされてた牧教授のことだね。覚えてるよ」

ボコ 「日記には書かなかったけど、実は博士は……脳腫瘍になったんだ」

ボコ 「ある日博士が『自分は脳腫瘍になった。直に死ぬ。もう会えない』って言い出して」

ボコ 「オイラ達は動揺した。そして博士を心配したし、励ましもした。そしたら博士が『自分達人間は悪魔の末裔だ。今後一切人間に関わってはいけない』って言ったんだ」

ボコ 「ひょっとして博士が病気になったのはオイラ達が出してた放射能のせいだったのかなあ……」

ボコ 「博士は他の人間が自分みたいに病気にならないように、オイラ達を人間から遠ざけようとしたのかなあ?」

みほ (ボコの声が涙声になってる)
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 20:14:09.36 ID:/TFxaHYR0
華 「しかし貴方達は学園艦に現れた。何故ですか?」

ボコ 「博士がオイラ達のところに来なくなって……。オイラは博士に会いに行きたかったけど博士の言いつけを守ろうとした。他の奴等は博士に会いに行くって言って出かけた。そしたら……」

ボコ 「帰ってきたアイツ等は口々に言ったんだ」

ボコ 「博士の居場所を聞こうとしてどデカい船に乗ったら、人間共が問答無用で撃ってきたって。博士の言う通り、アイツ等は悪魔の末裔だって」

華 (知波単以降の悲劇はこうして引き起こされたのですね)
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 20:19:51.83 ID:/TFxaHYR0
みほ 「博士の脳腫瘍とボコの放射能の因果関係は今となっては分からないけど、牧博士はボコと出会ったことを後悔してないと思うよ」

ボコ 「何でだよ?」

みほ 「もし本当にボコの放射能のせいで博士が病気になってそれを博士が恨んでたら、博士はボコ達のことを学会に発表してボコ達を駆除するように国に働きかけてたかもしれない」

みほ 「私もあんこうチームの皆と一緒に調べたんだけど、牧博士はボコに関する論文を発表していないの」

みほ 「自分以外の人間がボコ達と出会って無用の争いが起きてはいけない。人間の手からボコ達を守りたい……」

みほ 「博士はそう思ったから今後人間に会ってはいけないって言ったんだと思う」

みほ 「私だって、ボコと出会ったことちっとも後悔なんてしてないから」

ボコ 「みほ……」

みほ (他者と触れ合うと軋轢が生まれることもあるし、お互いが善意や信念で行動しても傷付けあうことだってある。でもそれと同時に素晴らしい出会いもあれば、いい思い出が作れることだってある)

みほ (私はこうして貴方と出会えたことが嬉しいよ、ボコ)
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 20:38:16.70 ID:/TFxaHYR0
ボコ 「でも、オイラ達のせいで大洗は廃校になったんだろ?」

みほ 「まだ諦めてないよ」

みほ 「そこに居る凍結状態のエリガンを船の外に移せたら、数年後、この大洗は人が住めるようになるから」

みほ 「そうしたら、廃校が取り消されるかもしれない」

みほ (希望的観測に過ぎないことは分かって居る。それでも私は……)
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 20:45:43.10 ID:/TFxaHYR0
ボコ 「みほ、オイラに任せろ」

ボコ 「そこに転がってるアイツを海に戻せばいいんだな」

ボコ (物言わぬエリガンが甲板の端っこに転がっている)

ボコ (……)

ボコ (お互い、人間に迷惑かけるのはもうヤメにしようぜ)
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 20:56:01.72 ID:/TFxaHYR0
ボコ 「グッ! ……チキショウ……動きやがれ……」

麻子 (傷ついた身体に鞭打って、ボコが凍結エリガンを頭で押してる……)

優花里 (足を負傷して立ち上がることもままならないから、腹這いになって匍匐前進のようになって押してます)

沙織 (あんなに血を流して……辛いだろうに……)

華 (私達に出来ることは……)

みほ 「ボコーッ! 頑張れーッ!」

あんこうチーム(みほ除く) 「!」

みほ 「頑張れーッ、ボコーッ!」

沙織 (そうだよ!)

華 (自分達にも)

麻子 (出来ることが)

優花里 (あります!)
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 21:07:44.13 ID:/TFxaHYR0
あんこうチーム一同 「ボコーッ! 頑張れーッ! 頑張れーッ! ボコーッ!」

あんこうチーム一同 「ボコーッ! 頑張れーッ! 頑張れーッ! ボコーッ!」

ボコ (思えばオイラはエリガンに一度も勝ったことがねえ)

ボコ (でも今回だけは何が何でも勝たなきゃいけねえんだ……)

ボコ (文字通り這いつくばってでも、コイツ等の楽園を奪っちまったことへの償いをするんだ!)

あんこうチーム一同 「ボコーッ! 頑張れーッ! 頑張れーッ! ボコーッ!」

華 (時間ばかりが刻一刻と過ぎて行きます。自衛隊は恐らく第二波がこちらに向かっている筈)

沙織 (このままだとボコの体力が保たないよ)

優花里 「あの……後日、体力回復して怪我が癒えたボコ殿に改めて押して貰っては?」

麻子 「それは最後の手段だ。次があるか分からない」

麻子 「自衛隊が簡単にボコを駆逐出来ることが分かった以上、自衛隊が一時的に撤退しているこの機会を逃すべきではない」

優花里 「それはそうですが……」
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 21:21:46.35 ID:/TFxaHYR0
みほ (そうだ!)

みほ 「ボコーッ! 押すんじゃなくて、寄り掛かって身体を起こしてから体重を掛けるの!」

ボコ 「応! オイラの力、見せてやる!」

華 (なる程、寄りかかりながらなら、怪我した足でも身体を起こせます)

沙織 (推定体重数万トンのボコが体重を掛けながら押したら!)

優花里 (動くかもしれません!)
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 21:32:55.40 ID:/TFxaHYR0
ボコ 「ウオオオオーッ!」

優花里 (エリガンに寄りかかりながら、ボコが身体を起こしました!)

ボコ (いっけええエエ!)

ボコ 「ギャアアオオ!↑ グオオオォ……↓」

華 「この雄叫び、鯨の鳴き声や列車の汽笛を混ぜたかのようです」

優花里 「自分は錆びたシャッターを無理やり動かす時の音を連想しました」

沙織 「私にはブレーキを掛けたバスをゆっくり引っ張る音みたいな鳴き声に聞こえたよ」

麻子 「まるで松ヤニを付けた革手袋でコントラバスの弦を掴んで引っ張ったかの様な咆哮……」

みほ (これが……ボコの本気!)

グラッ、グラグラッ!

ガラガラガラ……

ドッパアアン!




優花里 (凍結エリガンが海に落ちました……)

華 「これで大洗の除染に光明が見えます……良かった」

みほ 「ボコ、ありがとう。頑張ったね……」
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 21:35:27.59 ID:/TFxaHYR0
投稿の間隔が空きましたが今日はここまで
読んで下さった皆さんありがとうございました
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 21:00:50.55 ID:TJxxW4jU0
ボコの鳴き声はゴジラの鳴き声と同じだったのか・・・
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 17:34:00.94 ID:dwCebFdT0

ボコの応援が泣けてくる
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/03(日) 23:04:06.80 ID:KGEgrYJ80
ボコ 「痛でー……。ハヒッ、ハヒッ、ハヒッ……」

みほ 「ボコーッ!」

ボコ (!?)

ボコ 「バカヤロウッ! 戦車から出る奴が居るか!? オイラから放射能が出てるって言ったのはみほじゃねえか!」

みほ 「分かってる。それでもきちんとあなたの顔を見てお礼を言いたいから」

みほ 「ボコ、本当にありがとう」



戦車を降りた少女達はボコの前に立つと深々とお辞儀をした。みほを先頭に、他の者達はみほの後ろに並んで、感謝の気持ちを込めて頭を下げた。



ボコ 「ヘッ、オイラが本気出せばこんなもんよ……も、もういい! 分かったから頭上げろ」

優花里 「あの……国立新美術館では酷いこと言ってすみませんでした!」

ボコ 「それもいいってことよ。……前に言ったろ? これでも優花里には感謝してるって」

優花里 (私こそ、あなたには感謝しきれません)

ボコ 「お、お前達全員とっとと戦車に戻りやがれ!」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/04(月) 01:46:37.34 ID:TgUpYWgS0
みほ 「あーっ!」

優花里 「どうしたのですか、西住殿?」

沙織 (戦車の中に戻った途端……忘れ物かな?)

みほ 「マイク貸して下さい」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/04(月) 01:55:35.83 ID:TgUpYWgS0
ボコ (あいつ等ようやく戦車の中に戻りやがった)

ボコ (それにしても戦車道で乗員を守るのに使われてる特殊カーボンって放射能も防ぐのか、すげぇなぁ)

みほ 「ボコーッ!」

ボコ (ん?)

みほ 「あなた、未来が変わる前に私のこと食べたでしょ!?」

ボコ 「ど、ど、どうしてそれを?」

みほ 「優花里さんから聞いたんだからね」

ボコ 「あああ、すまん! それ一回だけだって!」

みほ 「一回だけ、うーん……一回で死んじゃうんだから何回でも同じだよ」

ボコ 「あ、すまん!」

華 (手を合わせて謝ろうとしたら両手が無くてあたふたしてるボコ)

沙織 (仕草は微笑ましいのにホラーだよ)
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/04(月) 02:03:15.38 ID:TgUpYWgS0
みほ 「そういえば以前……」

みほ 「私が死んだ後に、どうやって私が生きてる時間まで遡って入れ替わったの?」

ボコ 「みほが毎晩抱いて寝てるオイラの姿をしたぬいぐるみを食ったんだ」

みほ 「へ……あ……あ……あれを食べたあ?」

ボコ 「えっ?」

みほ 「バカ! 変態!」

ボコ 「え、えぇ…」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/04(月) 02:19:42.99 ID:TgUpYWgS0
ボコ 「オゥ、オゥ、オゥ、言ってくれるじゃねえか!」

みほ 「あのぬいぐるみ、私がどんなに大事にしてたか知ってるよね!」

ボコ 「仕方ねえだろ! ああでもしないと入れ替わり出来なかったんだから!」

沙織 「隊長、サンダースより暗号通信!」

みほ 「!?」

沙織 「トラブル発生、私達の回収に来られないとのことです」

みほ 「沙織さん、『了解した』と暗号で返して下さい」

沙織 「はい……」

みほ 「皆さん、サンダースは自衛隊機に捕捉されたものと思われます」

みほ 「これで私達は本土に戻る術を失いました」

みほ 「自衛隊の第二波が間もなくここに来る筈です。その時は速やかに投降しましょう」

華 「退学届は事前に出しましたがアンツィオ高校には迷惑をかけることになります」

沙織 「私達を受け入れてくれたアンツィオには悪いことしちゃったね」

優花里 「アンツィオに残留する元自動車部への風当たりが強くならなければいいのですが」

麻子 「皆、自分の心配もした方がいい。私はおばあにこっぴどく叱られて終わりだろうが」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/04(月) 02:22:03.60 ID:TgUpYWgS0
今日はここまで
読んで下さった皆さんありがとうございました
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/04(月) 07:03:06.86 ID:TgUpYWgS0
優花里 「流石にそれでは終わらないのでは?」

麻子 「無論冗談だ」

麻子 「私達は仲良く犯罪者だ。立入禁止の学園艦に無断で乗り込み、しかも自衛隊の重要な作戦を妨害した。保護者に説教されて済む話じゃない」

麻子 「それにボコラを助けようとしたことで、ボコラを憎む人達から後ろ指を差されるだろう」

麻子 「だから捕まる前に皆で口裏を合わせたい」

沙織 「考えがあるの?」

麻子 「無罪放免は無理でもやれることはやっておきたい」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/04(月) 07:06:19.72 ID:TgUpYWgS0
投下漏れがあったので追加しました
読んで下さった皆さんありがとうございました
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